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宇宙漂流船を救助せよ

#スペースシップワールド

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#スペースシップワールド


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 暗く命を拒絶するような冷たい宇宙空間を一隻の宇宙船が飛んでいる。速度を落とし隕石群を抜けようとしたところで突然隕石が爆発する。そのエネルギーが隕石を散弾のように飛ばし、宇宙船にいくつもぶつかり、もっとも大きな物が後部を抉って噴射が止まり推進力を失った。
「機関室! 状況を報告せよ!!」
「先ほどの爆発の影響でメインエンジンが止まってます!」
「こちら外壁の損傷確認!! 穴が空いてます! 隔壁により区画を封鎖しました!」
 ブリッジに慌ただしくクルーからの連絡が入り、艦長は険しい顔でその情報を確認していた。
「隕石の中に機雷を仕込んでいたのか……帝国の船が近くの宙域を飛んでいるという情報はあったが……クソッ」
 自分の甘さに対して怒りを覚える艦長が拳を肘掛けに強く叩きつける。
「修理はできそうか?」
「時間を掛ければ……ですがまずは艦の外壁を塞がなくては、万が一にもその部分に隕石が当たれば機関室に近いので危険です」
 艦長の質問に試算していた技術官が答える。
「近くを飛んでいる船があったな?」
「はい、資源採掘用の船が何隻かあります!」
「では救援要請だ! 至急小型艇を出せ!」
「駄目です! 着艦口が開きません!」
 着艦口にも隕石が当たり開閉できなくなっていた。絶望的な空気がブリッジに流れる。
「外壁と着艦口の修理を急がせろ……最悪の場合は遭難信号を出す」
「危険です! 帝国に傍受される可能性があります! この輸送船には物資だけでなく多くの民間人が乗ってるんですよ!」
 艦長の指示に通信士が異議を唱える。
「このままでも帝国に見つかる可能性は高い。この宙域は帝国も利用している」
 だからこそ隕石を利用して姿を隠す必要のある自分達が罠に引っ掛かったのだと歯噛みする。
「あくまで最悪の場合だ。修理で動くようになればその必要はなくなる。では総員作業を開始しろ!」
 艦長の言葉にクルーが動き出し、隕石の飛ぶ宙域で危険な船外活動が始まった。

「新たな任務だ。今回は救助作戦を行う」
 宇宙空間の映像を映し出すグリモアベースで、猟兵達をバルモア・グレンブレア(人間の戦場傭兵・f02136)が出迎える。
「スペースシップワールドで宇宙船が故障し漂流してしまっている。このままでは帝国に見つかり拿捕され、乗組員は皆殺しにされてしまう。そうなる前に船を修理するか、乗員を避難させなくてはならない」
 エンジン自体は乗組員で修理できるが、隕石宙域での外壁の修理は困難な仕事で、このままでは新たに隕石がぶつかり修理が出来ない状態に追い込まれる。
「外壁修理を行うなら宇宙服を着ての船外活動となる。補修用の1m程の版を接着剤で繋げて張るか、邪魔な隕石を排除する作業になる。それと隔離された区画にまだ生存者がいる可能性もある」
 外壁補修は単純な作業だが範囲が広い為に時間が掛かり、周囲の隕石が邪魔をする。隔離された区画には補修する穴から入る事もできる。
「他の船達に救助を求めるなら、着艦口を無理矢理開いて小型艇を使うか、独自の移動手段で向かうか、傍受されないよう相手の船と通信を繋げるといった方法があるだろう。何をするにしても己の得意とする手法を取る事が成功率を最も高くする」
 他の船が来れば乗っている民間人だけでも先に避難させることが出来る。
「宇宙空間は死と隣合わせの場所だ。そんな場所で動けなくなり、帝国の襲撃に怯えている人々を救い出せるのは猟兵しかいない。人々を助ける為に最善を尽くしたまえ」
 バルモアが任務の説明を終えると宇宙船内部へと道を作り出した。


天木一
 今回はスペースシップワールドで漂流している宇宙船の救助を行います。
 宇宙船はいくつも損傷していますが、一番激しい損傷は後部のエンジン付近です。船から人が外に出られるハッチはいくつもあります。
 宇宙船は200mほどで食料や人を運んでいる途中です。民間人は100人程が乗っています。
 近くの船までの距離は片道2時間ほどで、隕石群を突破すれば半分くらいにショートカットできます。
 船には隕石を排除するビーム砲を積んでいますが、前方向と側面までしかカバーしていません。それも隕石にぶつかった影響で砲門がいくつか動きません。
 一章で船の救助活動を行い、二章で帝国の強襲部隊を迎撃し、三章で指揮官と戦うことになります。
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第1章 冒険 『SOS!宇宙船の生存者を救え!』

POW   :    救助最優先!人を探す

SPD   :    宇宙船を修理する

WIZ   :    事情を説明して応援を呼ぶ

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ドアクローザ・バックチェック
なるほど、大変な状況だ。やるべきことは多いが……。
私は隔離された区画で生存者を探そう。もし取り残された人がいるのなら、一刻を争う事態だ。後回しにはできない。

まずは救助に向かう旨を乗組員に伝えて、宇宙服と生存者を運ぶのに使えそうなものを借り受けたい。
装備を整えたら、船外のまだ補修されていない穴から隔離区画に入る。
あとは、地道に区画内を回り、声をかけながら生存者を探そう。
見逃す可能性が少しでも減るように、【野生の勘】を発揮して、生命の気配を探るぞ。

生存者を見つけたら、安全な場所へ運ぶ。もし一回では運びきれなさそうな人数であれば、何往復でもしよう。
私は必ず、全員を助ける。


ドミニク・トインビー
【POW】救助最優先!人を探す

私の所持している宇宙海賊船で取り付いて可能な限り人命を救助しよう
元々海賊は他の船に乗り込んでお宝を頂戴するのがお仕事、宝が人に変わっただけだ
隕石についてはこちらの宇宙海賊船の【援護射撃】で必要な分は砕いてしまおう
宇宙で漂流する恐ろしさは身に染みて知っている、髑髏を掲げた船に助けられるのも恐ろしいかもしれないが、そこは我慢してもらうしかないな


セゲル・スヴェアボルグ
こういう時は、宇宙であるということが面倒な事態を引き起こすな。
まぁ、致し方ないことではあるんだが。

【POW】
改造ならそれなりにできる自負はあるが、修理となると……うむ。
なので大人しく救助に回るとしよう。
とりあえずは隔離空間を何とかせねばならんな。
物理的に封鎖されているのか、あるいは機械の誤作動か。艦長あたりから状況説明は受けておいた方が良さそうだな。
とりあえずハッキングをしてみて、ダメなら力尽くでこじ開けるのみだ。
怪我をしている奴がいれば背負っていくつもりではいるが、負傷者が多い場合に備えて、エレクトロレギオンを使用する準備だけはしておこう。



●救助活動
「こういう時は、宇宙であるということが面倒な事態を引き起こすな。まぁ、致し方ないことではあるんだが」
 事故は時も場所も選べないとセゲル・スヴェアボルグ(ドラパラ・f00533)は急ぎ宇宙船の通路を歩く。
「どうやら意図せずに隔壁が閉じちまった場所もあるみたいだな。閉じ込められた人を助けてやらねばな」
 狭い空間に閉じ込められればそれだけで不安が増す。そして怪我をしている可能性もあるとなれば優先して助けなくてはと、隔壁の前に来たセゲルは竜の顔にゴーグルを装着して、隔壁のシステムに対してハッキングを開始する。
「ふむ、外壁が破られた場合、緊急時に隔壁が下りて区画を封鎖するようになっているのか。どうやら一つ先の区画を封鎖するのに合わせてこちらも閉じてしまったようだな」
 システムに介入して操作し、隔壁が上がり始める。だがほんの少し上がったところで止まってしまった。
「故障か? 隕石が当たった衝撃で壊れたか」
 不慮の出来事は続くものだと溜息を吐く。
「あの! そこに誰かいるんですか!」
「お願いします! 助けてください!」
 下の隙間から声が届く。それはまだ若い女の声だった。
「わかった! 少し離れて待ってろ!」
 セゲルは声を返すとその隙間に指を入れた。
「故障してるなら力尽くでこじ開けるのみだ……ふんっ!」
 腕の筋肉を膨張させ、踏ん張って力を入れると、隙間が広がり隔壁が上に開いていく。
「がぁっ!!」
 気合を入れて持ち上げ、1m程の隙間を作った。
「わぁ、すごい……」
「あ、ありがとうございます!」
 唖然とする顔の似た姉妹と思しき少女がお礼を述べる。
「気にするな。それよりここには他に人は居ないのか?」
「あ、そうだ! 向こうで倒れているお爺さんがいるんです!」
 セゲルが尋ねると、思い出したように少女が指さす。
「そうか、案内してくれるか」
「はい!」
 少女に案内され、頭から血を流す老人を見つける。
「頭を打ってるな。早く連れていって治療をしよう」
 セゲルは老人を抱き上げ医務室へと向かった。

「なるほど、大変な状況だ。やるべきことは多いが……」
 故障し漂流した宇宙船を救う、ドアクローザ・バックチェック(ケーキナイフ・f11864)はその選択肢の中から最も緊急性の高い物を選ぶ。
「私は隔離された区画で生存者を探そう。もし取り残された人がいるのなら、一刻を争う事態だ。後回しにはできない」
 小さな穴の空いた比較的被害の少ない区画で、隔壁により取り残された人を探す。
「宇宙では探し物が難しい。だがやれる事をやらなくてはな」
 真空では耳も鼻も利かない。目で見て異変を感じ取るしかない。無重力になり散らばった破片やらを退け、ドアクローザは宇宙服のマイク越しに呼びかける。
「誰か居ないか! 居たら返事をしろ!」
 だが応答は無い。ここには居ないかと場所を変えようとしたとき、ふと違和感を感じる。それは散らばった破片に紛れた女物の小さなブローチだった。
「何故こんなものが……誰か居るのか!」
 可能性はあるとドアクローザが大きな破片を動かして周辺を見て回る。すると板のような破片の下に埋もれた宇宙服を見つけた。ヘルメットから中を覗き込むと、気を失った女性の顔が見える。
「息はしているな。意識を失っているのか」
 声をかけても目覚めない状態に、至急治療できる場所に運ばなくては危険だとドアクローザは女性を担ぎ上げる。
「もう大丈夫だ。必ず助ける」
 そして力強い足取りで穴から飛び出しハッチに向かう。だがそこに隕石が流れてくるのが見えた。
「こんな時に……!」
 ドアクローザが迎撃しようとすると、横から光線が放たれて隕石は消滅した。
「海賊船? 味方か」
 光線を辿るとそこには髑髏を掲げる宇宙船があった。ドアクローザは船に敵意が無い事を確認すると助かったと手を振り、素早く女性を運びハッチから宇宙船に戻った。
「今日のお宝は人だ。一人残らず見つけないとな」
 宇宙海賊船を駆るドミニク・トインビー(宇宙海賊のブラスターガンナー・f00622)は、邪魔な隕石を砲撃で粉砕し、穴の開いている場所に接舷する。
「宇宙で漂流する恐ろしさは身に染みて知っている、髑髏を掲げた船に助けられるのも恐ろしいかもしれないが、そこは我慢してもらうしかないな」
 漂流したことのあるドミニクはしみじみとその時の気持ちを思い出しながら、穴から宇宙船に乗り込んだ。中は隕石のぶつかった衝撃であちこちが破損している。
「おい! 助けに来たぞ!」
 そう声をかけてみると、ガガッとヘッドセットに咳き込む音が響いた。
「……こ、こっちだ。助けてくれ……」
 弱々しい男の声が届き、ドミニクはしらみつぶしに区画を調べる。すると物陰に宇宙服の男が漂っているのを見つけた。
「大丈夫……じゃあないか。怪我をしてるようだな」
「ああ、骨が何本かいってるようだ。すまんが運んでもらいたい」
 ドミニクが顔を覗き込むと、男が顔を青くして苦痛に脂汗を浮かべているのが分かった。
「少し痛むが我慢しろよ」
 出来るだけ衝撃を与えないように気をつけながらドミニクが男を運び海賊船に戻る。
「か、海賊?!」
「その通り、今日のお宝は動けなくなった人々だ」
 男が船の髑髏マークを見てビクッと驚き、痛みが走って一層顔を青くすると、ドミニクはいい笑顔で頷いた。
「それだけ元気なら死にはしない。全員回収するまで大人しくしてろよ」
 男の命に別状はないと見てとったドミニクは、次の穴に向かい船を飛ばす。
「さあ、お宝探しは始まったばかりだ。次々いくぞ」
 海賊稼業で手慣れた操縦でドミニクは接舷し要救助者を探しに穴に飛び、その海賊の嗅覚で新たな怪我人を見つけた。
「今日は大漁になりそうだな」
 まだまだお宝の予感がすると、ドミニクは宇宙服の女性を抱き上げて意気揚々と船に戻った。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

紫谷・康行
生き残りはいるのだろうか
宇宙は人には優しくない
船が人を守ってくれなくなれば
すぐにでも生きていられなくなる

命は帰ってこない
魔法を使ってもだ
簡単な熱力学の問題だ

助けられる命があるなら助けよう


【グラッハルゥの眼】を使い生存者を探す
船長か船の乗員に助けに来たことを告げ、行方が分からない乗船者の名簿と写真を貰う
灰色の三つ目の大鴉グラッハルゥを呼び出し貰った名簿をもとに生き残っている人を探す
乗組員に先に集合場所を確認しておく
探す順番は小さな子供、女性、老人、男性の順
乗組員に無事を確認した人間がいたら不明者のリストから逐一外してもらうように頼み無駄を省く
船の中を移動するときは避難を呼び掛けながら移動する



「生き残りはいるのだろうか……宇宙は人には優しくない。船が人を守ってくれなくなれば、すぐにでも生きていられなくなる」
 宇宙の事を良く知っているだけに、紫谷・康行(ハローユアワールド・f04625)の脳裏には不幸な事態が過ぎる。
「命は帰ってこない、魔法を使ってもだ。簡単な熱力学の問題だ」
 この世界はそんな冷たい法則によって成り立っていると、身に染みて分かっていた。
「だからこそ、助けられる命があるなら助けよう」
 康行は灰色の三つ目の大鴉グラッハルゥを召喚する。新たな眼を得たように康行の元に情報が入り、大きめの穴が開き閉鎖された区画で生き残っている人を探す。
「行方不明のクルーが2人、民間人が2人……」
 ブリッジで先に得ておいた名簿と写真を元に、その4名が最後に消息を絶った区画を探していると、大人の宇宙服を着た人物が浮かんでいるのを見つけ、すぐにその場に向かう。
「大丈夫か?」
 声をかけて男性の顔を覗き込むと、気を失っていた男性が目を開ける。その顔は名簿に載っていたクルーものだった。
「ここは……?」
「隕石との衝突でこの区画は閉鎖されているんだ」
 康行が状況を説明すると、意識がはっきりしてきたように男性の焦点が合う。
「そうだ、そうだった。アラームが鳴ってすぐに宇宙服を着て……そういえば子供を見なかったか? かくれんぼをして忍び込んでいる子供達を見つけて宇宙服を着せたところで、記憶が無いんだ」
「いや、見ていない。探してみよう」
 大鴉を放ち区画を隅々まで捜索する。すると宇宙服の人物を見つけた。向かうと男は体のあちこちをぶつけたように宇宙服が破損して息絶えていた。そして周囲を見渡すとコンテナが小さく揺れていた。開閉ボタンを押して開けると、中から宇宙服を着た2人の子供が出て来た。
「うわぁーん!」
「怪我はないか?」
 泣きながら飛び出してきた子供を康行は抱きかかえると、衝撃で固定が弱っていたのかコンテナが浮かび上がって壁にぶつかる。
「うん、おじさんがここに隠れてろって」
「そうか、ここは危ない。すぐに移動しよう」
 死んだ男が見えないように自分の身体で隠しながら、康行は生き残ったクルーと合流して子供達を穴から外に出し、船のハッチに向かう。
(「子供をコンテナに入れて守ったのか。宇宙は厳しい、でもそこに生きる人間は強くなる」)
 冷たい世界にも負けない人の強い意思を感じ、この子供達を必ず守ってみせようと想いを受け継ぐ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ノイ・グランガイオス
宇宙船の救助か……なんや修理の手も足りてへんみたいやし、ウチにはうってつけの任務やな。

とりあえず、ウォーマシンやけど帝国の尖兵ちゃうから安心したってや。
まずは敵やないアピールしてクルーと接触、救助に来た旨を伝えよか。

外壁補修なら任しといて。
【メカニック】の技術もあるし、この身体やからな。補修板もまとめて運んだるで。

「しっかし、こんな中でようがんばらはったなあ。
じきにこっちの仲間も来るやろし、もう安心やからね。」
他のクルーと民間人も安心できるように声かけとこか。
もうちょっとの辛抱やから、がんばってや。


ダーシャ・アヴェンダ
【SPD】宇宙船を修理する

「帝国に見つからないうちに作業を終わらせたいわね」
【メカニック】で後部エンジン付近をメインで修理するわ。
『死操演舞』でサイファーを増やして効率よく作業するわね。
鋼糸の【ロープワーク】で船から離れないように身体を固定して補修用の版を人形達と一緒に繋げていくわ。

「此処はもう大丈夫。次の区画を修理するわよ!」
隕石が邪魔そうならサイファーの腹部に仕込んだガジェットをドリルか大砲に変形させて【吹き飛ばし】ておくわね。


シン・ドレッドノート
手早く宇宙船の修理を行いますね。
「ご心配なく、お嬢さん。私にお任せを」
宇宙船の女性スタッフにウィンクして一礼すると、宇宙に飛び出していきます。

「行きなさい、チェイサー!」
『ノーブル・スカーレット』に乗って船外に出たら、【漆黒の追跡者】を飛ばして外壁の損傷個所を確認します。
バイタルエリアを最優先に、外壁に補修用の板を貼り付け、空気の漏れをチェックしていきましょう。
一か所を補修したら、【漆黒の~】で次の補修個所を確認、ハッチで補修材を補充したら、素早く『ノーブル~』で移動します。

隕石が近くに来たら、『スカーレット・ブラスター』で撃ち落します。
「これ以上、この船は傷つけさせません!狙い撃ちます!」



●外壁修理
「時間がないわ、早く外で修理を始めないと……あっ!」
 慌てる女性のクルーが工具を落としてしまう。それを横から伸びた手がキャッチした。
「大丈夫ですかお嬢さん」
「は、はい。ありがとうございます……」
 シン・ドレッドノート(真紅の奇術師・f05130)が女性クルーにウインクを飛ばして工具を渡すと、女性は緊急事態なのも一時忘れて頬を赤らめた。
「ご心配なく、外での作業は私にお任せを。貴女にはバックアップをお願いします」
「はい! お願いします!」
 純白のスペースバイクに乗ったシンは女性の代わりに外に出ると、漆黒の鴉を召喚する。
「行きなさい、チェイサー!」
 鴉は宇宙空間を飛び回り、外壁の損傷を見つけて五感を共有するシンに状態を伝える。
「まずは近い場所から向かいましょうか」
 バイクの向きを変えたシンは急行し、積んでいた補修材で小さな穴を塞ぐ。
「この辺りは民間人の乗っている居住区が近いですからね、念を入れて調べておきましょうか」
 鴉を飛ばし小さな傷も逃さずに修復して、空気漏れなどないようにチェックしていく。そして載せていた補修材を使い切るとハッチに戻る。
「補修材の補充をお願いします」
「用意できてます!」
 シンが戻ると女性クルーが用意していた補修材を素早く積み込む。
「では行ってきます」
「お気をつけて!」
 女性クルーに見送られシンは次の場所に向かう。だがその途中で視界に動くものを捉えた。それは隕石だった。船の砲門が動きビームが放たれるが、撃ち漏らした隕石が近づく。
「これ以上、この船は傷つけさせません! 狙い撃ちます!」
 シンは純白に紅いラインの入った粒子砲を構え引き金を引く。放たれた光が隕石を貫き粉々に砕いた。その他にも大きな塊にまた光線を当てて吹き飛ばす。
「こんなものですか……時間を取られてしまいましたね。作業に戻りましょう」
 周囲を確認し粒子砲を収めたシンは次の場所へとバイクを疾走させた。

「宙船の救助か……なんや修理の手も足りてへんみたいやし、ウチにはうってつけの任務やな」
「うわっ!? もう帝国兵が!?」
 宇宙船の中にノイ・グランガイオス(ごっつウォーましん・f08595)が2mを超す帝国製の機械の身体を晒すと、クルーが敵かと勘違いして驚き尻餅をついた。
「ちゃうちゃう、ウチは猟兵や。ウォーマシンやけど帝国の尖兵ちゃうから安心したってや。それどころか漂流してるいう話を聞いて救助に来たんや」
 誤解を解こうとノイは手振り身振りで帝国兵ではない事をアピールして手を差し出す。
「そ、そうだったのか、驚いてすまなかった。救援に来てくれて感謝する!」
 その手を取って起き上がったクルーは謝り、敬礼して礼を述べた。
「外壁補修なら任しといて。メカニックの技術もあるし、この身体やからな。補修板もまとめて運んだるで」
 任せてと硬い胸を叩いたノイは、早速案内してもらい1mある補修版を纏めて軽々と持ち運ぶ。
「おおっあんた凄いな。これなら作業時間を短縮できそうだ」
 こっちだとクルーが修理箇所に近いハッチへと先導する。その途中で子連れの民間人を見かける。
「大丈夫やで、こわないからな。もうちょっとの辛抱やから、がんばってや」
 そう優しい声をかけてノイが子供に手を振ると、子供も手をブンブンと振り返してきた。手を振りながら別れ通路を進むと既にクルー達が慌ただしく作業準備を行っていた。先導していたクルーが助けに来てくれた猟兵だと仲間にノイの事を紹介する。
「しっかし、こんな中でようがんばらはったなあ。じきにこっちの仲間も来るやろし、もう安心やからね」
 ノイのまるで普段と変わらぬ口調が、クルー達に心の余裕を与える。
「ええ、助っ人も来てくれるなら絶対に船を直してみせますよ!」
「俺達達がやらなきゃいけない仕事だしな、もっと気合入れていくぞ!」
 悲壮な表情で顔が固まっていたクルー達に軽口の余裕が出来る。
「ほんなら修理に行こか。はよお穴を塞いだらんと」
 ノイとクルーがハッチから外に出て、補修板を大きな穴の端から貼って塞いでいく。

「補修版をこっちに持ってきてくれるかしら」
「了解!」
 エンジンに近い穴の縁でダーシャ・アヴェンダ(人形造形師・f01750)が頼むと、クルーが次々と補修版を運んでくる。
「帝国に見つからないうちに作業を終わらせたいわね」
「見つかったら大変なことになりますからね。急ぎましょう!」
 ダーシャの言葉にクルーも頷き、急ぎ作業に取り掛かる。補修版を接着剤で貼りつける。元に比べれば強度が落ちるが、完全に塞げば中を気密して隔壁を上げる事ができる。
「サイファーを増やして作業効率を上げるわ」
 ダーシャは戦闘用からくり人形のサイファーを19体複製し、個々に操作して作業を行わせる。サイファー達が補修板を持ち、熟練の作業員のように穴に貼り付けていく。
「おお! すごい! これなら早く終わりそうだ!」
 クルー達がすぐに新たな補修板を運び、それをサイファー達が貼るといった分担で穴が閉じられていく。宇宙空間での作業を苦としないサイファー達は順調に修繕を行う。
「こういった単純作業は数が物を言うものね。物量作戦で正解だったわ」
 ダーシャの操るサイファー達が接着し穴を埋め尽くそうとしていると、クルーの大きな声がマイク越しに伝わった。
「ああ! 隕石が接近中! 避難を!」
 見上げれば隕石が流れてくるのが見える。ちょうど自分たちの居る場所に追突するコースだった。
「大丈夫よ、私に任せて」
 警告に対してダーシャは冷静に返し、サイファー達が向きを変え、腹部に仕込んだガジェットを大砲に変形して砲撃を開始した。隕石が爆発を起こし、砕けながら方向を変えて衝突コースから外れていった。
「おお!」
「危なかった……」
 サイファー達が修理に戻ると、安堵したクルー達も作業を続ける。そうして大きな穴を短時間で塞ぎきった。
「此処はもう大丈夫。次の区画を修理するわよ!」
 安堵するクルーに声をかけ、簡易ではあるが大きな穴を塞いだダーシャは次の場所に向かった。
 エンジンに近い大穴の修復が成功し、隔壁が開き機関室へ人員が送られるようになる。クルー総動員でメインエンジンの修復が始まった。

●修理完了
「ありがとう! 君たちのお蔭で無事にエンジンの修理を終える事ができた!」
 艦長が乗組員を代表して猟兵達に礼を述べる。猟兵達の活躍により、艦内を移動できるようになって順調にエンジンの修理が終わり、犠牲者も最小限のものとなった。
「これで航路にもど――」
「艦長! 本艦に急速で接近する物体多数!」
 掻き消すような大きな声で通信士が警告を発する。レーダーには30を超す光が現れていた。
「また隕石か!?」
「違います! この大きさに動きは……帝国の強襲部隊だと思われます!」
「馬鹿な、もう嗅ぎつけてきたというのか! エンジン始動!」
 船が動き出す。だが停止した状態からの加速は遅い。このままでは追いつかれてしまう。
 猟兵達は顔を見合わせ頷く。自分達が迎撃するしかこの危機を乗り越えることは出来ないと。宇宙空間で迎撃する者は外に飛び出し、中に侵入する敵を叩くものは船内に残って移動ルートを確認する。
「緊急事態発生! 緊急事態発生! 民間人は全員居住区へ避難せよ!」
 艦長は緊急時のマニュアルに従い指示を出し、まだこの苦難が終わらぬことを人々に伝えた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『アイスバーグレンジャー』

POW   :    フォーメーション『霜』
【冷凍ビーム】が命中した対象を爆破し、更に互いを【氷の鎖】で繋ぐ。
SPD   :    フォーメーション『霰』
【隊長ペンギンの特攻体当たり】が命中した対象に対し、高威力高命中の【隊員ペンギン達の連続体当たり】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
WIZ   :    フォーメーション『雹』
【隊員全員のパワーを合わせて巨大氷山】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
👑11
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

シン・ドレッドノート
空飛ぶペンギン…またファンシーな。
とは言え、容赦する必要性は全くありません。全機撃ち落していきますよ。

『ノーブル・スカーレット』に騎乗して宇宙に飛び出すと、『怪盗の単眼鏡』で敵をロックオン。両手で構えた『スカーレット・ブラスター』から、【異次元の狙撃手】による狙撃を行います。
「ターゲット・ロック、目標を狙い撃ちます!」
敵の射程に入るより前に迎撃し、少しでも数を減らしますよ。

接近してきたら『ノーブル~』を戦闘機動で操縦、空中戦技能を活かしたランダム回避運動しながら射撃を継続します。

宇宙船に当たりそうな攻撃は、避けずにビームシールドで受け流します。
「せっかく直した船、もう傷つけさせません!」


紫谷・康行
そんなに湿っぽいわけじゃない
俺はできるだけをしに来ているだけだ
できるだけ最大効率で叩く
守るためにもそのほうがいい

相手の侵入経路になりそうなところに張って相手を迎え撃つ
物陰など遮蔽を取れる場所をいくつか探しておきそこを移動しながら戦う
外に向けて明かりを置き、相手の接近がわかりやすくなるようにしておく

侵入してきた相手に対して【無言語り】を使う
存在そのものを無にする力ある言葉を使い、相手の存在そのものにダメージを与えようとする
「お前の存在など幻のようなもの、絶対零度などただの言葉、エネルギーのゼロなどではない。お前に真実のゼロを、真なる空を。宇宙さえ無に帰す真なる無を与えよう。」


ルドルフ・エルランゲン
一難去ってまた一難というわけですか。帝国軍も簡単には逃がしてくれませんねぇ。

船外の防衛は味方に任せ、船内に侵入した敵部隊を叩く!、船内迎撃を共に担当する仲間が居れば連携して当たる。
民間人居住区とブリッジ、機関室の防衛を最優先として迎撃ポイントを見定める。

会敵したらエレクトロレギオンを展開、隊員ペンギンがパワーを集約させるのを阻害し、連携と精神集中を惑乱する。
「兵の士気を挫き、陣形を乱せば烏合の衆にすぎません!」

■アドリブ歓迎!


ドアクローザ・バックチェック
宇宙での戦闘は初めてだが、足場のない【空中戦】には慣れている。それに、私は周りが広い方がやりやすい。宇宙空間に出て、迎撃しよう。

私は機動性を活かし、他の猟兵が撃ち漏らした敵の前に出て、進行を防いでいくつもりだ。

敵の特攻体当たりを、スカイステッパーで避けて、【カウンター】の蹴りを食らわせる戦術を取ろう。
敵の体当たりが来るたびに空中を蹴って避ける。再度空中を蹴って敵に近づき、キックを決めていく。そんな感じだ。
もちろん、敵が私に見向きもしなければ、こちらから攻撃していくぞ。

余裕があれば、他の猟兵や船のビーム砲の射撃範囲に向かって、敵を蹴り飛ばしてやろう。


ドミニク・トインビー
さて次は七面鳥撃ちならぬペンギン撃ちか
宇宙海賊船に騎乗して外で迎撃を行う
相手は素早い、機銃は弾幕を密にして追い込め
主砲副砲用意、びびるなよ、引き付けて引き付けて手痛い一撃をお見舞いしてやろう


ノイ・グランガイオス
二人称、三人称 ~さん アドリブOK

帝国の強襲部隊……どっからどう見てもペンギンやな……
「帝国って…こないファンシーやったっけか?」
ゆーても人を襲って命を脅かすようなら容赦はせーへんけどな!

ペンギン軍団が体当たりで仕掛けてくるなら、こっちも肉弾戦で応戦や!

HM・カスタムで高機動モードに換装、十分な加速をつけて
手近な隊員ペンギンにキックをかましつつ、ペンギンを【踏みつけ】て
それを踏み台に次の目標へ。

八艘飛びの要領で、一撃離脱で隊員ペンギンを次々攻撃していくで!


セゲル・スヴェアボルグ
次から次に何かが起こる……まぁ、良くも悪くも飽きないもんだな。
さて、降りかかる火の粉は払わねばならんな。

向こうさんが氷で来るのであれば、こっちは炎で対抗するまでよ。
大量の氷の鎖でふん縛るつもりなのかはしらんが、その程度で俺の行動を封じようなど考えが甘い。
繋がってるってことは、どいつこいつも一定範囲内にいるってことだ。それならむしろ好都合。少しでも口が開くなら、あとは周囲に吐き出すだけでいい。
自ら逃げる余地を制限するなど愚の骨頂だな。

ペンギンはかなり油をため込んでいるらしいからな。火種には困らんだろう。



●宇宙飛ぶペンギン
 レーダーに反応した敵の強襲部隊が望遠カメラによって姿を映し出す。それは宇宙を飛ぶ数十のペンギン達。帝国によって戦闘用に改造されたペンギン兵だった。
「空飛ぶペンギン……またファンシーな。とは言え、容赦する必要性は全くありません。全機撃ち落していきますよ」
 純白のスペースバイクに乗ったシンは宇宙空間に飛び出し、肉眼では見えない距離に居る敵を高機能モノクルで捉える。
「ターゲット・ロック、目標を狙い撃ちます!」
 粒子砲から光線が放たれ、敵がこちらを察知する前に貫いた。
『超遠距離攻撃を受けた! 散開せよ!』
 敵が一気に散らばる。そこへさらに光線が軌跡を描き、軌道を変えたペンギンを撃ち抜いた。
「予想通りの動きです」
 散開する事を予想してシンは銃口を調整していた。
「敵の射程に入る前に、少しでも数を減らしますよ」
 次々と攻撃して宇宙に閃光が駆ける。ペンギンもジグザグに回避行動を取って接近は遅くなるが狙撃を避けていく。
「さて次は七面鳥撃ちならぬペンギン撃ちか」
 宇宙海賊船に乗り込んだドミニクは、敵に砲門を向ける。
「主砲副砲用意、びびるなよ、引き付けて引き付けて手痛い一撃をお見舞いしてやろう」
 砲門が開き照準を敵に合わせると、じっと敵が有効射程に入るのを待つ。
「まだだ、まだ………よし、撃てーーー!!!」
 射程に入ってもドミニクはじっと待つ、そしてまだかまだかと緊張が高まったところで、有効打になる距離だと発射命令を出す。一斉に放たれる砲撃が弾幕を張り、ペンギン達を落としていく。だが弾幕を掻い潜り海賊船へと接近する敵が冷凍ビームを放つ。
「取舵いっぱい!」
 ドミニクが指示を出すと、すぐさま海賊船が左に転舵しビームは船を擦って通り抜ける。
「弾幕を張れ! 船に張り付かせるなよ!」
 側面から砲撃を浴びせ、距離を詰めるペンギン達を吹き飛ばす。
「小さいだけあって素早いな、機銃は弾幕を密にして追い込め!」
 弾幕を集中するとペンギン達は近づくことが出来ずに、逃げる場を失って纏まって来る。
「面舵と共に左舷砲門斉射! ペンギンどもを撃ち落とせ!」
 右に転舵した船が敵に左側を見せ、備わった砲門からビームが放たれペンギン達が消し炭になっていく。

「俺は俺にできるだけのことをする。それだけだ」
 仲間が火蓋を切ったのを確認し、冷静に康行は敵の侵入経路を考え、まずは人の出入りできるハッチかと、船内マップで複数あるハッチの位置を確認して、視認しやすくする為にライトを設置していく。そして敵の進行ルートから可能性の高い場所である居住区側に近いハッチに移動して、遮蔽物に身を隠した。
「一難去ってまた一難というわけですか。帝国軍も簡単には逃がしてくれませんねぇ」
 ルドルフ・エルランゲン(スペースノイドの電脳魔術士・f03898)は康行に居住区を任せ、自分は機関室側のハッチに陣取る。
「船を止められたら厄介ですからねぇ。ここを迎撃ポイントとして想定しましょうか」
 ハッチの近くで戦い易い場所を確保し、敵の侵入に備える。

「宇宙での戦闘は初めてだが、足場のない空中戦には慣れている」
 ドアクローザは宇宙空間に出て船の上で無重力の感覚を確かめる。
「それに、私は周りが広い方がやりやすい」
 そして敵の接近を視認すると、宇宙船を蹴って近づくペンギンの迎撃に移る。
『ふん、翼を持たぬ人間が、乗り物も無くこの宇宙で我らの邪魔をできるとでも?』
 馬鹿にしたようにペンギン達はそのまま突進して、一触で倒し宇宙船に向かうルートで飛ぶ。
「舐められたものだ。だがその方が都合がいい」
 ドアクローザは何もない空間を蹴って自ら接近し、ペンギンを蹴りつけた。そしてその反動で近くのペンギンをまた蹴り飛ばす。
『こいつ!』
『先に排除するぞ!』
 ペンギン達の軌道が変わり、ドアクローザ目掛けて突撃してくる。ドアクローザは宙を蹴ってそれを避け、カウンターで蹴りを叩き込む。
「速度はそちらが上かもしれないが、機動力はこちらが上のようだな」
 猛スピードにもドアクローザは対応し、無重力を楽しむように跳ね回りペンギンを翻弄した。それを追うペンギンを誘導し、ドミニクの海賊船の砲の前へと釣り出す。
「これでよし、任せた!」
『しまっ――』
 ドアクローザが連続ジャンプで一気に離れると、ビームが放たれペンギン達は直撃を受けて消し飛んだ。
「帝国の強襲部隊……どっからどう見てもペンギンやな……」
 その愛らしいペンギンの姿に思わずノイが呟きを漏らしてしまう。
「帝国って……こないファンシーやったっけか?」
 一瞬遠い眼をしてしまいそうになるが、気を取り直す。
「スピードは戦闘機並みやし、改造されとるんは確かやな。どんだけファンシーゆーても、人を襲って命を脅かすようなら容赦はせーへんけどな!」
 ブースターを装着したノイは高機動モードとなって敵に向かって加速し、飛び蹴りのようにキックをぶちかまし、そのまま踏みつけるように弾き飛ばして次のペンギンに接近する。まるで八艘飛びのように、次々とペンギンを踏み台にすると同時にキックをかましていく。
『オレを踏み台にした!?』
『蜂の巣にしてやれ!』
 ペンギン達は距離を開け、冷凍ビームの集中砲火を浴びせる。
「当てれるもんなら当ててみい!」
 ブースターで加速したノイはビームを回避し、熱線銃を撃って反撃する。互いに動きながらの銃撃戦が繰り広げられ、縦横無尽に宇宙を飛び回る。
『バカな! 我らよりも速いだとぉ!?』
 追いつかれたペンギンの背中にノイがビームを撃ち込む。
「長時間は無理やけど、短時間ならこっちが上やで!」
 身体に負担の掛かる加速に耐え、ノイは次の敵に向かう。
「次から次に何かが起こる……まぁ、良くも悪くも飽きないもんだな」
 セゲルはハッチから船の外へと出る。そして接近しているペンギン達を視界に収めた。
「さて、降りかかる火の粉は払わねばならんな」
 堂々と敵の前に身を晒し、セゲルは掛かってこいと待ち構える。
『デカイ図体のトカゲが、我らと戦うつもりか?』
『撃ち殺してやれ!』
 宇宙を自在に飛び交うペンギンから冷凍ビームが放たれ、それが手足に当たると氷の鎖となって互いを繋ぐ。
「何だ? こんな貧相な氷の鎖でふん縛るつもりなのか? この程度で俺の行動を封じようなど考えが甘い」
 逆に鎖を引き寄せながらセゲルは大きく開けた口から炎を吐き出す。真朱の炎はペンギン達を燃やして黒焦げにしていく。
「ペンギンはかなり油をため込んでいるらしいからな。火種には困らんな」
 顔を動かして炎でペンギンを薙ぎ払う。慌ててペンギン達は鎖を切って離れていく。
「自ら逃げる余地を制限するなど愚の骨頂だと気づいたか。だが遅い」
 セゲルを大きく息を吸い、吐き出す炎の玉が逃げようとするペンギンを直撃して炎上させた。
「よく燃える。灯りに使えそうだな」
 船に近づけば燃やすと、口から炎を吐きながらセゲルはペンギンを威嚇する。だがペンギン達も一歩も引かぬと突撃を開始した。
『散開せよ! 各自攻撃しながら目標に乗り込め!』
 ペンギン達がそれぞれ違うルートで独自に移動を開始する。
「迎撃だ! 一羽も逃すなよ」
 そうはさせじとドミニクは火力を厚くして、ペンギン達の行く手を塞ぐ。
「撃ち漏らしがいるか、そちらは中の仲間に任せるか」
 弾幕を抜けて宇宙船に向かうペンギンを放置し、ドミニクはまだ数の多いペンギンへの攻撃を指示する。

●艦内戦
 ハッチの方から物音がする。それは敵が侵入してくる音だった。
「来たか。最大効率で叩く、守るためにもそのほうがいい」
 最初から全力で一気に敵を叩き潰すと康行はじっと物陰から敵が現れるのを待つ。
『さあ、一気に船を制圧するぞ! 帝国に逆らう人間は皆殺しだ!!』
『奴らの帰るところを奪ってやれ!』
 ペンギン達が視界に現れる。その瞬間康行は動き出す。
「お前の存在など幻のようなもの、絶対零度などただの言葉、エネルギーのゼロなどではない。お前に真実のゼロを、真なる空を。宇宙さえ無に帰す真なる無を与えよう」
 康行の放つ虚無の言霊が存在そのものに影響し、肉体だけでなく魂まで削るように、ペンギン達は虚ろな目をしてバタバタと倒れていった。
『何だこれは!? 敵の攻撃か!』
『アンブッシュか! どこにいる!』
 残ったペンギンから無闇に放たれる冷凍ビームが周囲を凍らせる。それを物陰でやり過ごすと、康行はもう一度言霊を放つ。するとペンギン達の存在が薄れてそのまま幻のように消え去った。
「ここはこれで終わりか。次の場所は……」
 康行は次に狙われそうな場所を探してると、外の仲間から連絡が入り、侵入される場所が伝えられる。そこもここから近い居住区を狙った位置だった。
「そんなに湿っぽいわけじゃない。だが守れるだけ守ってみせよう」
 次のハッチに向かい康行は足を速めた。
「想定通りに来てしまいましたねぇ、数が多いですから前線が抜かれるのも仕方ありません。後はこちらで引き受けましょう」
 機関室側のハッチにも同じようにペンギン達が乗り込んで来ていた。ルドルフは50体の機械兵器を召喚し、隊列を組ませて進軍させる。
『迎撃部隊だと!?』
『中にも兵がいたか!』
 ペンギン達は即座に冷凍ビームを放って機械兵器を凍らせ破壊する。だが前衛がやられる間に接近して浸透し混戦にもつれ込む。そうなれば数の力で勝る機械兵器に有利だった。1体やられている間に、複数で背後や側面から襲い掛かり、ペンギンを押し潰して倒していく。
『この狭い通路では不利だ! いったんどこか広い場所へ!』
 ペンギン達が引こうとすると、その隙を突き機械兵器が前へと進む。
「兵の士気を挫き、陣形を乱せば烏合の衆にすぎません!」
 機械兵器を指揮するルドルフはそのまま一気に押し込ませ、敵が体制を立て直す前に蹂躙し決着をつけた。

●特攻ペンギン
『敵の迎撃を無視せよ! 船を占拠すれば我らの勝ちだ!』
 ペンギン達はバラバラに散らばり、宇宙船目指して飛翔する。
「流石に全部は止められないか、だが一体でも多く蹴り飛ばしてやろう」
 それをハッチ付近からドアクローザは見渡し、ハッチから中に入ろうと向かって来る敵を蹴り飛ばして追い返す。ふわふわと宙を泳ぐペンギンを光線が撃ち抜いた。視線を向ければシンが粒子砲を構えている。
「足を止めるだけでいいなら簡単だ!」
 ならばとドアクローザはとにかく敵を蹴って足を止めることにする。そうして漂うペンギンを次々とシンが撃墜していく。
『撃たせるな!』
 ペンギンがシンに向かって突っ込む。
「近づかれましたか……こちらも動く必要がありますね」
 シンはバイクを発進させ飛び交う冷凍ビームを避ける、そしてランダム回避運動で敵に動きを読ませない。回避運動しながらも光線を放ち続け、近づくペンギンを撃ち落とす。
『クッ……ドクターが到着する前に終わらせなければならんのに、こんなところで時間はかけられん。船に向けて特攻せよ!』
 ペンギン達が被弾を怖れずに船に向かって加速する。
「せっかく直した船、もう傷つけさせません!」
 その前にバイクで割り込んだシンは敵を迎撃して次々と撃ち落とす。だが漏らした敵が目の前に迫り衝突する。シンは8方向にビームシールドを張って受け流し、敵の軌道を変えてその背中に光線を撃ち込んだ。
『ならば質量で押し潰す! やるぞお前ら!』
 ペンギンが力を合わせて巨大氷山を生み出して飛ばす。
「こんなものが当たれば船が沈んでしまう可能性がありますね」
 避ければ船に当たると、シンは最大出力のビームシールドで受け止めながら、光線を連射して氷を砕いていく。
「大きな氷塊だな。向こうさんが氷で来るのであれば、こっちは炎で対抗するまでよ」
 そこへセゲルが炎を吐いて氷を溶かす。大きな氷がどんどんとサイズを小さくしていく。
「ここまで小さくなれば……これで破壊します」
 オーバーヒートでビームシールドが解けると同時にシンの放った光線が氷山の内部に達し粉々に砕くことに成功した。
「残るはこのペンギン達だけみたいやな。船には入らせへんで!」
 急加速して接近したノイはペンギンを蹴って吹っ飛ばす。
『帝国の為に!』
『帝国ばんざーい!』
 体当たりするようにペンギン達が突っ込み、ノイは躱しながら踏みつけていくが、全てを止め切れずに船へ取り付く。失敗したものは外壁にぶつかって自ら潰れていた。
『こんなん特攻やんか、頭の方も洗脳されとるんかいな』
 そうだとしても憐れむのは後だと、とにかくペンギンを蹴って船に入られぬように引き剥がす。
「側面からペンギンを狙い撃ちして勢いを削ぐぞ!」
 ドミニクは続けて砲撃を行い、真っ直ぐ飛ぶペンギン達の横っ面を叩いて援護する。
『船を占拠しろ! 我らが時間を稼ぐ』
『応!』
 ペンギン達が2つに別れ片方が船に片方が猟兵へとビームを放ちながら突撃してくる。
「能力が氷だというのが不運だったな。俺の炎と相性が悪過ぎた」
 セゲルは炎を溜めて吐き出し、凍結ビームを蒸発させてしまう。そしてペンギンにまるで鎚のように錨を叩きつけた。だがその間に生き残った少数のペンギンが船に入り込む。
「性懲りもなくまた来ましたねぇ。いいでしょう、蹴散らして差し上げますよ」
 船の中に現れた敵に、待ち構えていたルドルフは機械兵器を突撃させる。
『先行部隊はやられているのか! 全力で行くぞ!』
『了解!』
 ペンギン達もまた突撃し、両者がぶつかる。押しているのはペンギン達だった。個々の力で勝るペンギンが、一点突破を試みてルドルフに迫る。
「これは困りましたねぇ、陣を厚く、突破された者は挟撃へ回しましょう」
 それを前にしてもルドルフは己のペースを崩さずに機械兵器を指揮する。
『これで終わりだ!』
 後一歩で一息で届くというところで、ペンギンの足が突然止まった。
『なんだ? 足が動かん!?』
「これが最後らしいので手伝いにきた、いいタイミングだったようだ」
 康行は言霊を操り、敵の存在力を消失させて戦闘力を奪っていた。
「感謝しますよ。では反撃と参りましょう」
 抜かれた機械兵器がペンギンに追いつき、包囲して一気に押し潰した。

●マッドドクター
「帝国強襲部隊の全滅を確認!」
 ペンギン達の全滅を確認し、猟兵と宇宙船クルーが一息つく。そんな時だった。
『愚かな人間よ』
『抵抗を止めよ』 
 戦いが終わったと思った瞬間。直接脳に響くように声が聞こえる。
『抵抗せぬのなら』
『その身を我々の研究素材として使用してやろう』
 脳裏に2つの脳を融合させた化け物のイメージが過ぎる。
『抵抗するのなら』
『無駄に死ぬがいい』
 近くを飛んでいた隕石が砕け、中から4mほどの人型巨大ロボが姿を見せる。それは宇宙船目掛けて真っ直ぐに飛び始める。
 強襲部隊が倒れ指揮官が姿を現したのだ。こいつを倒せば終わりだと疲れた身体に活を入れた猟兵達は、船には近づかせないと外に出て戦闘態勢に入った。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『ドクター・ジェミニィブレイン』

POW   :    喰らえ!ブレインコントロール!
見えない【超強力な脳波】を放ち、遠距離の対象を攻撃する。遠隔地の物を掴んで動かしたり、精密に操作する事も可能。
SPD   :    出でよ!ビッグブレインロボ!!
自身の身長の2倍の【戦闘用殺戮巨大ロボ】を召喚し騎乗する。互いの戦闘力を強化し、生命力を共有する。
WIZ   :    喰らいつけ!メカニカルバグズ!
レベル×1体の、【体】に1と刻印された戦闘用【昆虫型ロボ(昆虫の種類は毎回変わる)】を召喚する。合体させると数字が合計され強くなる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は暴星・メテオです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

シン・ドレッドノート
宇宙空間に飛び出したら、閃光の紅彗星を発動。
「燃えあがれ、ロード・スカーレット!」
紅い光に包まれノーブル・スカーレットが分離・変形、宇宙服の各部に装着されます(自身は生身のままです。あくまで外部装甲を装着するのみ)。

「貴様の罪を数えろ、マッド・ドクター!」
ポーズと共にウィングを展開して高速機動を開始。同様に合体してライフル状となったスカーレット・ブラスターによる射撃を行います。

味方の行動を援護するよう、ブレインコントロールで動かされた物や、召喚されたバグズを優先的に狙い撃ちしていきます。

「宇宙の塵と消えろ!」
敵が弱ってきたら、最大出力の真紅の光弾を、敵の頭上から二つの脳を貫くように発射します。


紫谷・康行
言葉は虚ろ
形を成さない

言葉は力
唱えれば世界を変える

何がそれを分けるのか
願うものの心の強さ
虚ろな入れ物に息吹を込めて

紡ぐ言葉が力を持つなら
それは紡ぐものの命そのもの
願い歩み続けた意思が
この場にある全てのものの意思が
言葉に力を乗せる

さあ、我が右手よ
闇を灯し
氷を溶かし
未来を灯す光となれ
茨を溶かす炎となれ

我とともに
我らとともに道を開かん

【ルウォルビルの炎】を使い相手を焼く
右手に命と意思のすべてを込め
相手の呼吸を窺い
仲間と呼吸を合わせ
気を見て一気に近づき右手を突き出す

触れられればそれで充分
触れるなら相打ちでもいい
この船とともにあった人々の思いも乗せ
この船の、ここの人々の未来のため
ありったけの炎を放つ


ドアクローザ・バックチェック
脳波による遠距離攻撃か。ただの攻撃なら耐えればいいが、掴まれるのは困るな。私のスタイルと相性が悪い。
だが幸い、私は1人じゃない。共に戦う仲間がいる。

仲間が戦っている間に、隠れて敵へと近づき、奇襲をしかけよう。
まず、船や隕石の陰に隠れるようにして奴に接近する。移動は隕石を足場にするなり、補助的にスカイステッパーを使うなりして行おう。
近づけるだけ近づいたら、一息に飛び出して間を詰めるぞ。
接近戦の間合いに入ることができたら、機械太刀による斬撃を浴びせてやろう。できる限りの【早業】で剣刃一閃を放つ。

そのあとは、仲間の攻撃の邪魔にならないように離脱するつもりだ。射撃や砲撃を行う者が多いようだからな。



●青き巨大ロボット
 深い青で塗装された人型巨大ロボットが全身のブースターを点火し加速して宇宙船に迫ってくる。赤いモノアイが左右に動き宇宙船をしっかりと捉えていた。
「燃えあがれ、ロード・スカーレット!」
 宇宙空間に飛び出したシンが紅い光に包まれ、純白のスペースバイクのノーブル・スカーレットが分離・変形し宇宙服の各部に装着され、外部装甲と化す。
「貴様の罪を数えろ、マッド・ドクター!」
 ポーズを決めるとウィングが展開され高速機動モードとなり敵に接近する。射程に入ると同じように合体しライフル状となった粒子砲による攻撃を開始する。放たれる真紅の光弾がロボットの左腕を撃ち抜いた。
『被弾を確認。損傷軽微』
『敵捕捉。脳波による拘束を開始』
 ロボットの両肩にアンテナのようなものが突出し、脳波が放たれ周囲の流れる隕石が静止していく。シンはすぐに加速してその攻撃範囲から逃れた。
「脳波による遠距離攻撃か。ただの攻撃なら耐えればいいが、掴まれるのは困るな。私のスタイルと相性が悪い」
 ドアクローザは敵の攻撃方法を見て、機動性を重視する自分との相性の悪さを自覚する。
「だが幸い、私は1人じゃない。共に戦う仲間がいる」
 己一人であれば分の悪い戦いとなったであろうが、今は頼れる仲間がいると、ドアクローザは敵の注意が逸れている間に敵が砕いた隕石の破片に紛れて接近する。
「隕石に隠れて近づくのが自分だけだと思うな」
 敵と同じ方法で近づくと、ドアクローザは隕石を足場にして動き一息に飛び掛かる。
「先の戦いで宇宙戦闘のコツは掴んだ。重力が無いから体が軽くていい」
 宙を蹴って加速し、間合に入ると機械太刀を振り抜いて胴に刃を走らせる。硬い感触が手に伝わるが力を入れて装甲を斬り裂く。そして敵を蹴って方向を変えすぐに隕石へと紛れ込んだ。
『胴体装甲損傷』
『人型の敵を確認』
 ロボットの顔が動いてモノアイがドアクローザの姿を捉える。
『迎撃せよ』
『昆虫型迎撃システム稼働』
 ロボットの胸部が開き、中から無数のハチの形をした小型ロボが飛び出して猟兵達に突っ込んで来る。その尻部分には鋭いニードルが付いている。
「宇宙でハチ型ロボットとはな、群れというのも厄介だ」
 ドアクローザは隕石を蹴って次々と違う隕石に飛び移って動き回り、翻弄してハチを斬り裂いていく。
「数が多い、接近されれば危険か」
 味方を援護しようとシンは銃口をハチに向けて光弾を放ち、接近される前に撃ち落としていく。

「言葉は虚ろ、形を成さない」
 宇宙で康行が言葉を紡ぐ。
「言葉は力、唱えれば世界を変える」
 その音は宇宙空間という断絶した世界に阻まれ届かない。
「何がそれを分けるのか。願うものの心の強さ、虚ろな入れ物に息吹を込めて」
 だがその言葉に宿る意思は確かに力となって世界に働きかける。
「紡ぐ言葉が力を持つなら、それは紡ぐものの命そのもの。願い歩み続けた意思が、この場にある全てのものの意思が、言葉に力を乗せる」
 命を宿した言葉が無機質で冷たい空間に現象を引き起こす。
「さあ、我が右手よ。闇を灯し、氷を溶かし、未来を灯す光となれ。茨を溶かす炎となれ」
 康行の右手に命と意思を込め、敵の呼吸を、仲間の呼吸を読み取って場の流れを掴み、すっと自然に敵に接近する。
『接近する敵影有り』
『武装無し、脅威度C。衝突により排除すべし』
 ロボットはそのまま突っ込みぶつかる事で押し潰そうとする。
「我とともに、我らとともに道を開かん」
 突き出した康行の右手がロボットの左脚に触れる。放たれたルウォルビルの炎が脚を伝い、小さな火はすぐに炎上して左脚全体を燃やし、黒焦げにして内部まで破壊した。
『左足損傷、修復不可』
『火が移る前に分離せよ』
 ロボットの左足が根元から外れ、バランスを崩しながらもロボットは攻撃してきた康行に向かって大きな拳を放つ。
「巨大で装甲は硬いが、関節部ならどうだ」
 そこへ横から飛び込んだドアクローザは、伸びる拳の肘関節に刃を走らせ左腕を切断した。肘から先がロケットパンチのように何処かへ飛んでいく。
「何とかなったか、この調子で残る手足も潰していくか」
 倒す算段を立てながらドアクローザは反撃が来る前に距離を取る。

●接近
『優先して敵船を叩くことを提案』
『承諾。宇宙船の人間を人質にする』
 動きを止める脳波を周囲に放って猟兵を牽制し、ロボットは宇宙船へと飛ぶ。
『帝国に逆らう愚民どもよ』
『その体を我等の実験の為に捧げよ』
 ロボットが全身のバーニアを吹かせて逃げようとする宇宙船に向かう。
「人体実験など絶対にさせません!」
 背後から急襲したシンは光弾を撃ち込んでロボの背中を穿つ。
『脳波コントロール開始、ハッキング成功』
『守ろうとした船に沈められるがいい』
 守るべき宇宙船の砲門が動き、ビームが放たれシンを狙う。
「ハッキングされているのか!」
 反撃する訳にもいかずシンは加速して攻撃を躱し、宇宙空間を駆けてビームから逃れる。
「射撃が目晦ましになってくれる。こっちとしては好都合だ」
 その間にドアクローザが背後から接近し、右腕を斬ろうとするが、その前に展開したハチ型ロボが邪魔をする。
『攻撃パターンを予測』
『防衛せよ』
 その攻撃を読んでいた敵の小型ロボが襲い来る。ドアクローザは自在に宙を蹴り、巨大ロボットの身体を駆けてハチを斬り倒して頭頂部にまで登り、ロボットの頭部へ刃を叩き込んだ。頭部が欠け中の操縦席が隙間から覗くと、培養液の中に脳を2つ繋ぎ合わせた不気味なマッドドクターの姿が見えた。
「丸見えだ、宇宙の塵と消えろ!」
 敵の気が逸れた隙に、頭上を取ったシンは最大出力で光弾を放ち、二つの脳を貫くように発射する。
『頭上』
『危険だ』
『回避を』
『ブースター全開』
 ロボットが動き射線が僅かにずれる。だがコックピットのあるロボットの頭部に直撃し、2つ重なる脳の片方を掠めて損傷させた。
『我、我、我、ががが……』
『損傷甚大。思考能力低下、修復、又は新たな脳の補充を求む』
 処理落ちしたように一瞬動きが止まる。そして再起動したように動き出し、失った脳を求めロボットは宇宙船に向かって突進を再会した。
「言葉に宿る邪な意思を読み取れば、次の行動は容易く読める」
 その進路上に康行が立ち塞がる。突進に対して無謀とも思える正面からの接近。だが怯むことなく康行は前進する。
『進路上に障害物、邪魔をするものは排除する』
「人を道具としか思わぬ堕ちた科学者。その邪悪な手に命を奪わせはしない」
 康行に対してロボットの右腕が薙ぎ払うように振るわれる。
「この船とともにある人々の願いもここに。未来を紡ぐ意思の強さは、邪悪を打ち破る炎となる」
 右手が触れた瞬間に籠めたありったけの炎を放ち、ロボットの右腕を爆炎と共に吹き飛ばした。
「残った脚も貰っておく」
 続けてドアクローザが機械太刀を一閃させ、右膝から斬り飛ばした。
『四肢破損。近接戦能力低下。機動力に問題なし。昆虫型迎撃システムフル稼働。脳波による攻撃をメインウェポンに変更』
 四肢を根本から切り離し、顔と胴体だけとなったロボットはそのまま飛行を続け、大量のハチ型ロボを展開して宇宙船の間近にまで接近した。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ドミニク・トインビー
次はロボット一機か。宇宙船と比べて小さいし数は一機のみ。ならこちらも白兵戦で行こう。
宇宙船は後方で援護射撃をさせながら私は宇宙服を着て空中戦を仕掛ける
十分に加速させた大質量の斧は念力にも負けずに致命的な一撃を与えられるはずだ


ドアクローザ・バックチェック
まだ動くか。だがダメージは大きいようだ。
船に手出しはさせないぞ。

さて、また少し距離を取られてしまったが……ちょっと思いついたことがある。
奴から切り離したロボットの脚、これを奴に向かって飛ばしてみよう。
地上では重さで下に落ちて、狙いをつけることすら難しいだろうが…………ここでならまっすぐ飛ばすことができるはずだ。

後は、この脚を飛ばす推進力だな。
私が最も衝撃力を出せるのは、蹴り技だ。
まず、身体を強化する闘気を練って、足に集中する。
それから奴に狙いをつけ、ロボットの脚を全力で蹴り飛ばす!

この世から、ご退場願おう、ドクター。


紫谷・康行
未来は今を生きる者のためにある
過去から来た亡霊にはお引き取り願いたい
さあ、無に帰ってもらおうか
元より何も無かったかのように

【無言語り】を使い相手をその存在そのものから消そうとする
言葉に力を込め相手を虚無に絡め取り、その思考を止めようとする
「語り告げる、お前の想念よ。それは果たしてそこにあるものかと。果たしてそれはお前のものなのかと。お前は何を操っているのか、ただの塵に過ぎない。宇宙の質量が見せた幻に過ぎない。お前の存在すら、ただの重力波の見せた夢に過ぎない。ただありのままに帰れ、ただの無に。」

船の行く先を、未来を守るために、願いの限り、心の限り、言葉を紡ぐ

船の無事を見届けたらそっと姿を消す


セゲル・スヴェアボルグ
選択肢になっていないな。無論、答えは単純だ。どちらも否、貴様を倒して彼らを救う。それだけだ。

しかし、わざわざデカイ乗り物に乗るとはな。
的としてはでかすぎて狙いを定める面白さには欠けるが、だからと言って加減する必要などない。
俺の槍は鈍重なデカブツにこそ真価を発揮する。生命力を共有するならば、尚のこと好都合だ。自分自身の重みに潰れるといい。
俺を研究素材にするつもりだったのなら、もっとスマートな武器を用意するんだったな。無論、手土産に甘いものも忘れずにな。


ノイ・グランガイオス
あれがペンギン軍団の親玉かい! なんやごっつキモいな!
見たまんま頭でっかちでいかにも嫌味でめんどくさい戦法が
得意そうでかなわんわ。

洗脳攻撃とかとかだまし討ちとか…ややこしい罠を警戒して
このまま【HMカスタム】で一撃離脱に徹するで!
お仲間の猟兵の皆も頑張っとるみたいやし、
ウチも足引っ張らんようにせんとね。

【HMカスタム】のバーニア噴射で加速しつつ、
排熱のエネルギーを脚部に集中! 今、必殺の!
「グラン・キィィィっく!」
ぶちかましたれっ!



●胴体
「まだ動くか。だがダメージは大きいようだな。船に手出しはさせないぞ」
 頭と胴体だけとなった敵を追おうとしたドアクローザは視界にあるものを捉えた。
「さて、また少し距離を取られてしまったが……ちょっと思いついたことがある」
 方向を少し変えたドアクローザは、宇宙空間に漂っているロボットの千切れた脚を掴む。
「奴から切り離したこのロボットの脚、これを奴に向かって飛ばしてみよう。地上では重さで下に落ちて、狙いをつけることすら難しいだろうが…………ここでならまっすぐ飛ばすことができるはずだ」
 無重力であることを利用した攻撃方法を思いついたドアクローザは、ちょうどいい位置にロボットの脚を浮かせ、闘気を練って足に集中する。
「自分の脚に蹴飛ばされろ!」
 全力で蹴り飛ばすと、ロボットの脚は真っ直ぐに敵を追い、背中を蹴りつけ装甲を大きく凹ませた。
『背部破損。姿勢制御開始』
 勢い余ったロボットの身体がぐるぐると回転して制御スラスターで静止する。
「よし、命中だ」
 してやったりと笑みを浮かべたドアクローザはその隙に間合いを詰める。
「あれがペンギン軍団の親玉かい! なんやごっつキモいな!」
 肉眼で脳髄丸見えの敵を捉えたノイは、生身の人ならうえっと気分が悪くなっていただろうと感じる。
「見たまんま頭でっかちで、いかにも嫌味でめんどくさい戦法が得意そうでかなわんわ」
 不意打ちを警戒しながら大出力ブースターの速度を上げ接近する。
『高機動体接近、迎撃せよ。撃ち落とせ、砲撃開始、弾幕を張れ』
 ノイは敵が反応する前にブースターを一基蹴りつけて破壊し、そのまま勢いを殺さずに離脱する。その後を追うようにハッキングされた味方宇宙船からの砲撃が放たれるが、その頃には既に射程を外れていた。
「この調子でいけそうやな!」
 旋回したノイはもう一度攻撃を加えようと接近する。だが今度は途中でまるで押さえつけられるように速度が落ちた。
『敵機ロック、脳波による強制停止を開始する』
 ドクターの脳波がノイの動きを遅くし、そこへ宇宙船から砲撃を仕掛けた。
「見えへん攻撃はあかん! でも頑張っとるお仲間の足を引っ張るわけにはいかんのよ!」
 ノイは加速を止めて逆に押さえつけられるままに急ブレーキを掛け、砲撃を躱すと反転して加速を始めて退避する。
「未来は今を生きる者のためにある。過去から来た亡霊にはお引き取り願いたい」
 康行の言葉は力となり宇宙を伝わり相手に届く。
「さあ、無に帰ってもらおうか。元より何も無かったかのように」
 言葉に宿る虚無がロボットを覆いゆらりと存在が揺らいで薄っすらと存在が希薄になる。
『正体不明の攻撃を脳波に感知、回避運動、ブースター最大出力』
 攻撃を止めたロボットが逃げるように加速して言霊の影響力から逃れる。

「ロボット一機ならこちらも白兵戦で行こう」
 小さく小回りの利く相手に、宇宙船では逆に狙い難いとドミニクは海賊船を出る準備をする。
「出た後は後方に下がって援護射撃を頼む」
 そう呼びかけ、大質量の斧を担いでドミニクは宇宙に出ると、海賊船がロボットに近づいた瞬間、背負ったスラスターを吹かしてロボットに取り付く。
「こんな危険なロボットを近づかせる訳にはいかないな」
 斧を振り上げ全力で叩き込み、ブースターの一つを破壊した。推進力の一つを失いロボットの進路がずれる。
『ブースター破損、姿勢制御。調整、速度ダウン。迎撃せよ』
 ハチ型ロボ達がドミニクに襲い掛かる。それを斧を振り回して纏めて吹き飛ばし、注意を引き付ける。
『研究材料として毛の一本まで使いきってやろう。それが嫌ならば肉の壁として私を守って死ね』
 ドクターは恐ろしいイメージを脳波で人々に送り、怖れによって動きを縛る。ドミニクの動きも鈍るが意思の力で耐えた。
「選択肢になっていないな。無論、答えは単純だ。どちらも否、貴様を倒して彼らを救う。それだけだ」
 研究材料にされるなら死ぬのも同然だと、セゲルはきっぱり否定しながら敵に近づく。
「しかし、わざわざデカイ乗り物に乗るとはな。的としてはでかすぎて狙いを定める面白さには欠けるが、だからと言って加減する必要などない」
 獲物を狙う猟師の如く宇宙空間を進み射程に捉えた。
「俺の槍は鈍重なデカブツにこそ真価を発揮する。生命力を共有するならば、尚のこと好都合だ。自分自身の重みに潰れるといい」
 手にした槍が質量を増したようにずっしりと重くなる。無重力でなければ普通の人間なら押し潰されてしまうだろう。その槍を投げ放つと、矢のように飛んだ槍が敵の胴に突き刺さり深く抉り込む。
『腹部損傷。攻撃対象捕捉。迎撃せよ、これ以上攻撃させるな』
 ドミニクを襲っていたハチの半数が別れてセゲルに襲い掛かる。
「そんな虫どもでは俺は倒せんぞ」
 剣を抜いたセゲルは群がるハチを薙ぎ倒す。
『トカゲ型知生体か、サンプルとして一つ欲しいところだ。命令変更、捕獲せよ』
「動きが変わったか、だがそんな温い動きではな」
 新たに増援に現れたハチ達が撃ち出すニードルを、鬱陶しそうにセゲルは切り払う。だがハチは増え続け手に余るようになってくる。
「増えてきたな、これ以上は厳しいんじゃないか」
「このままでは本体に届かんな、仕切り直すとしよう」
 数の力に飲み込まれぬうちにドミニクとセゲルは一旦ロボットから離れる。
「その先は行き止まり。亡霊は何処に向かうこともできない。ただ彷徨うだけ」
 康行の言葉が事実として現象に至り、背中のブースターが完全に停止する。
『メインエンジン停止……復旧不可。ならば最後の手段だ、サブエンジン起動』
 ロボットの胴体から頭が外れ、首からブースターが点火し一直線に宇宙船に突進を始めた。

●頭部
『さあ、その身体は実験材料に、優れた頭脳を持つ者は我が半身となれる栄誉を与えよう』
 頭だけになったロボットが何度もブースターで角度を調整しながら宇宙船に向かう。
「そんな姿になりたいと思う奴はいないぞ」
 前に割り込んだドアクローザが敵を蹴り飛ばして後退させる。
『お前達からモルモットにしてやろう』
 脳波が放たれ周囲の動きを止めるように力が加わる。
「止められるもんなら止めてみい!」
 そこへブースターを最大速度にしたノイが流星のように飛び込む。その運動エネルギーが脳波を上回り一気に接近した。
「排熱のエネルギーを脚部に集中! 今、必殺の! グラン・キィィィィィっく!」
 熱エネルギーを脚に溜め、全エネルギーを込めた蹴りをぶちかます。頭部がサッカーボールのように吹っ飛び隕石にぶつかってバウンドした。
「俺を研究素材にするつもりだったのなら、もっとスマートな武器を用意するんだったな。無論、手土産に甘いものも忘れずにな」
 追いついたセゲルは軽口を叩きながら、突き刺さったままの槍を引き抜き頭部に向かって投げつけ、重量を増した槍の重い一撃が容易く装甲を射抜いてコックピットのドクターの機械腕を吹き飛ばした。
『腕部損傷。脳波によって周辺の障害を排除する』
 強力な脳波が放たれ周囲のもの全てを静止させ力場を作る。
「援護を頼む、その間に叩き割ってやるとしよう」
 海賊船が弾幕を張り、それが敵に届く前に止まる。そうやって負荷を掛けて力場が乱れたところへドミニクが取り付き、ロボットの頭に斧を叩き込んだ。
『頭部にダメージ。敵に取り付かれている。回避機動で取り除く』
 ロボットが縦横にランダムで動き、激しい振動でドミニクを振り落とそうとする。
「振り落とすつもりだろうが、船乗りを落とすにはまだまだ操舵が甘いな」
 今までにもっと厳しい宇宙の荒波も越えてきたと、ドミニクは斧をロボットに食い込ませ、それを手綱にして激しい揺れに耐える。
「あそこにあるお宝は私達が手間をかけて傷つけないように集めたものだ。海賊の宝を横取りしようとしたんだ、覚悟は出来ているな?」
 人々を奪わせはしないとドミニクは渾身の力で斧を振り下ろし、刃が深く入りひび割れて頭を叩き割った。刃が内部の動力にまで達し放電と共に爆発する。その爆発から逃れた脳の入ったポットが漂う。
『脳波コントロールによって船を操る。これで形勢逆転だ』
 強烈な脳波が放たれ、船をハッキングして機能を奪い、船全体を支配下に置いていく。
「語り告げる、お前の想念よ。それは果たしてそこにあるものかと。果たしてそれはお前のものなのかと。お前は何を操っているのか、ただの塵に過ぎない。宇宙の質量が見せた幻に過ぎない。お前の存在すら、ただの重力波の見せた夢に過ぎない。ただありのままに帰れ、ただの無に」
 康行が放つ言霊が敵の高速回転する思考を乱し、虚無へと染めていく。
『わ、私、我、我々、考えが、思考が、纏まら、攻撃を、防御を……』
 脳が虫食いにあったように断片的になり、ドクターは思考の迷宮に入り込み、ハッキングしていた脳波が止まった。
「この世から、ご退場願おう、ドクター」
 ドアクローザが機械太刀を振り下ろし、脳を真っ二つに両断した。

●発進
「ありがとう! 君達のお蔭で帝国の魔の手から逃れることができた」
 艦長やクルー、それに民間人も今回の作戦に参加した猟兵達に感謝の言葉を伝える。
「助けた人たちも無事のようだな」
 そこに助けた人々の姿を見かけ、ドアクローザは良かったなと頬を緩める。
「今回の経験を活かして、次からはどんな状況でも自力で修理できるようにするんだな」
 ドミニクがそう忠告すると、もちろんだと怪我をしているクルーが頷いた。
「だがどうしようも無い時は呼ぶがいい。また助けに来よう」
 セゲルは何度もお礼の言葉を述べる姉妹の頭を撫でてやった。
「敵やないウォーマシンもおるって覚えといてな!」
 こんな愛らしい存在も居るのだとノイが巨体でアピールしていた。
「その行く末には未来が広がっている」
 船の無事を見届けた康行は呟きそっと姿を消す。
 宇宙船は新たに針路をとり、広大な果ての無い銀河の海原を進み始めた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年01月30日


挿絵イラスト