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帝竜戦役②~降り注ぐ宝石

#アックス&ウィザーズ #戦争 #帝竜戦役 #群竜大陸

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●グリモアベースにて
「皆様、また戦争がはじまりました。今回はアックス&ウィザーズの様です」

 グリモアベースで猟兵たちを出迎えたのはアマータ・プリムス(人形遣いの人形・f03768)だった。表情はいつもと変わらないがその様子から急いできたことが伺える。

「皆様に赴いていただきたい戦場は『皆殺しの平野』と呼ばれる場所、そこはオブリビオンをドラゴン化する、風の吹く荒野のようです。ドラゴンと化したオブリビオンは皆、翼や鱗、角を生やし飛行能力を得る、とのことです」

 今回確認されたオブリビオン、通称『エレメンタル・バット』もドラゴン化により鱗と角を有し、凶暴性が増している。鱗により防御能力も向上し、上手くその隙間を縫って急所を狙わなければダメージを与えるのは難しいだろう。
 そしてドラゴン化による恩恵はそれだけではない。

「どうやらドラゴン化するとオブリビオンは体内で『竜胆石』と呼ばれる美しい宝石を生成する用です。こちらはオブリビオンが消えても残り、一つ金貨40枚、つまり日本円にして40万円の価値があるとのことなのでこちらを狙ってもいいかもしれません」

 倒さなければならない相手ではあるがこういった副次的な効果があるとなるとやる気も尚出るというモノ。

「戦争はまだ始まったばかり、皆様どうかご武運を。今回もまた長い戦いになりそうです」

 最後にアマータがそう告げるとカーテシーと共に猟兵たちの転移が開始された。


灰色幽霊
 どうも、灰色幽霊です。ついにA&Wの戦争です。
 聖剣とか欲しいですね。マナの樹はどこですか?

 といわけで今回はドラゴン化した敵を倒していただきます。空中からの攻撃に対処し、硬いうろこに覆われた急所を攻撃することでプレイングボーナスが発生します。
 倒すとドロップアイテムもあるようです。1体につき1つなので今回はちょっとしたスコアとして書かせていただきます。最多討伐を狙ってもよし、いつも通り戦ってもよしです。

 注意事項などはMSページをご覧ください。
 それでは皆様の素敵なプレイングをお待ちしております。
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第1章 集団戦 『エレメンタル・バット』

POW   :    魔力食い
戦闘中に食べた【仲間のコアや魔法石、魔力】の量と質に応じて【中心のコアが活性化し】、戦闘力が増加する。戦闘終了後解除される。
SPD   :    魔力幻影
【コアを持たないが自身とそっくりな蝙蝠】が現れ、協力してくれる。それは、自身からレベルの二乗m半径の範囲を移動できる。
WIZ   :    魔力音波
【コアにため込んだ魔力を使って両翼】から【強い魔力】を放ち、【魔力酔い】により対象の動きを一時的に封じる。
👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

緑川・小夜
[WIZ]

美しい宝石!それは集めなくてはいけないわね!ウフフ、いっぱい集めなきゃ…

選択UCを発動。16体の分身を生み出して、それらと共に敵集団と乱戦を行います

分身は攻撃を受けて構いません。むしろわたくしが攻撃を受けないように、積極的に攻撃を受けてもらうわ。わたくしが健在なら、分身は何度でも呼び出せるんだから

さらに分身が攻撃されて壊れると、辺りに幻覚効果のある粉を撒き散らして、周りの全てがわたくしに見える幻が見えるのだから混乱してしまうでしょう

あとは敵の攻撃を「持禁障壁」による【オーラ防御】で弾きながら、分身達と共にウロコの隙間を鉈で【串刺し】にしながら宝石を集めていくわ

[アドリブ連携歓迎です]


ユウキ・ダイエイト
※アドリブ絡み歓迎

戦争だー!うちの船長さんに喜んでもらう為に出稼ぎにきたよ!

おおう、なんか食べてる…共食い?負けずにこっちも食べよっと!
パワーフード美味しい!力がモリモリ湧いてきたーっ!

「気合」バッチリ!「怪力」「グラップル」で相手を掴んで、地面や他の敵にぶつけて粉砕!爆砕!大喝采!イェイ!
沢山倒して沢山お宝ゲットだぜー!


霑国・永一
倒して良し、金にもなるなんていいことづくめだなぁ
まぁ金なんてその辺の人から盗む方が命の危険も無いし、何より楽だけど、気分転換も必要さぁ
それじゃ、沢山居るし少しでも多く《皆で》盗ろうか?
『ハハハッ!』『これより花火大会始めるぜ!』『金!暴力!金だァッ!』

狂気の分身を発動
数百体自爆分身を召喚し、コア持ち狙って一気に群がり、ダガーや銃、自爆したりで仕留める
空中から来た連中には、分身を踏み台にした分身が飛び上がり花火のように自爆して対処したり本体の盾になったりする
分身が減ってくれば随時追加していく
本体は分身に紛れて銃撃を行う

『俺様に宝石寄越せ!』『やっべ!俺様死ぬわ!』
さてさて、どれだけ儲けられるか



●宝石つかみ取り大会

「美しい宝石! それは集めなくてはいけないわね! ウフフ、いっぱい集めなきゃ……」
「船長さんに喜んでもらう為にいっぱい稼がないと!」
「倒して良し、金にもなるなんていいことづくめだなぁ」

 空を埋めつくす龍化したエレメンタル・バットの群れ。本来であれば大きな都市を一つ崩壊させられるほどの規模の敵を前にしても尚猟兵たちは不敵に笑う。
 というよりもグリモア猟兵からもたらされた『竜胆石』の情報に目がくらんだともいう。倒さなければならない相手からお宝が手に入るとなればがぜんやる気も出るというモノだ。

「お先に行かせてもらいますよ」
「いくぜぇ! 『皆』!」

 緑川・小夜(蝶であり蜘蛛であり・f23337)と霑国・永一(盗みの名SAN値・f01542)即座にユーベルコ―ドを発動。どちらも発動したのは自らの分身を召喚するユーベルコ―ド。小夜はさらに16人増え、永一に至っては数百を超える分身が現れていた。

「あ、ずるーい!」

 ユウキ・ダイエイト(力こそドカーン!!・f25719)はそんな2人を尻目にただ真っ直ぐ蝙蝠たちに向けて走り出す。分身などという器用なことはできないユウキは有り余るパワーだけが持ち味だった。


「ハハハッ!」
「金!暴力!金だァッ!」

 永一の【盗み散る狂気の分身】により現れた分身たちはそれぞれ獲物を持ち蝙蝠たちを迎え撃つ。距離の離れた相手には銃を乱射し、近づく相手はダガーで切りつける。

「これより花火大会始めるぜ!」

 極めつけは分身に備え付けられた自爆機能。分身自身を囮にして周囲に集まった蝙蝠たちを巻き込んで自爆する。近づいてこなくとも蝙蝠たちの集団へ向けて分身を踏み台にした分身が飛び上がり、花火の様に自爆する。

「ハッハァ! 俺様に宝石寄越せ!」

 そうして分身たちが倒した蝙蝠たちから落ちる宝石を回収しながら本体は牽制の銃撃を続ける。

「ひーふーみー……今んとこ20ってとこか」

 盗っ人の荒稼ぎは終わらない。


「あちらの方も随分と稼いでいるようですし、わたくしも励みませんと」

 小夜の戦い方も永一と似たようなものだった。分身たちを囮にして蝙蝠たちをおびき寄せの乱戦。
 しかし小夜の周囲にいる蝙蝠たちだけ明らかに挙動がおかしかった。他の場所にいる蝙蝠たちはある程度集団で動いているのに対し、小夜の周囲にいる蝙蝠はまるで孤立無援になったのかの如くそれぞれが単独で動いていた。

「ふふ、やっと効いてきたようですね」

 それは小夜の【阿羅漢】の効果。小夜が生み出した分身はただの分身ではなく幻覚作用を持つ粉で構成されている。その分身が蝙蝠たちから攻撃を受ければその粉末が周囲に散布されることになる。つまりこの一帯にいる蝙蝠たちは今、自身の周囲にある自分以外すべての物が小夜に見えている。

「では、さようなら」

 そんな隙だらけの相手なら鱗の隙間を狙うことなど造作もない。小夜は背後から鉈で蝙蝠を串刺しにして宝石を抉り出す。

「ふふ、綺麗ね……これで15個。もっと集めないと」


「ぐぬぬ……」

 他の二人が効率よく蝙蝠たちを倒す中、ユウキは少々歯がゆい思いをしていた。空も飛べず、空中を攻撃する手段ももっていない。ならばどうするか……考えた末に導き出した結論がこれだった。

「来た!」

 ユウキ自身へと牙を立て迫る蝙蝠へ手を伸ばし。

「キャッチ!」

 それを両手で抑え込み。

「あーんどリリース!」

 それを蝙蝠の集団へと全力投球で投げ返す。
 集団へ投げ込まれた蝙蝠は他の蝙蝠も巻き込み砕け散り、地に堕ちる。ユウキはこうして蝙蝠たちを倒していた。多少効率が悪くともこれが今のユウキにできる対応策。敵が硬いなら敵同士をぶつければいいということだ。

「ん? おおう、なんか食べてる……?」

 しかし蝙蝠たちはその地に堕ちた仲間を捕食し、自らの力として再び飛び立っていく。

「負けずにこっちも食べよっと!」

 その光景に謎の対抗心を燃やすユウキは何処からともなく『パワーフード』を取り出すと肉を齧りながら戦闘を再開する。
 肉を齧りながら蝙蝠をちぎっては投げちぎっては投げその数はそろそろ10に到達する。

「もっともっと倒すぞー!」



 猟兵たちの攻撃で数を減らしていく蝙蝠たち。しかし減っても減っても尽きることなく湧いてくる。

「てーい!」
「また一つ」
「やっべ! 俺様死ぬわ!」

 ぽろぽろと空から雨の様に絶え間なく降り注ぐ宝石。猟兵たちの荒稼ぎは終わらない。


☆☆☆Result☆☆☆

ユウキ・ダイエイト・・・13
緑川・小夜・・・22
霑国・永一・・・39

竜胆石Get!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

茲乃摘・七曜
心情
ドラゴン化…、油断しないように注意ですね

指針
宝石部分が弱点と予測、双銃での牽制攻撃を行いつつ覆う鱗の間隙を探る
「仲間のコアを捕食するために鱗をひらいたり、活性化したコアからの光が隙間から漏れたりしないか注視しましょう

行動
Angels Bitsを自律駆動させ石の壁を不規則に創り出し相手の攻撃の方向を誘導し避けやすいく戦いやすい状況を作る
竜角での突撃に警戒し観察しつつ、不可視の風壁や不定期な大音量の超音波で飛行阻害を狙い敵の攻撃に備える
「…数が多いなら敵が同時に攻撃できないような位置取りを

残響の福音
戦闘中に判明した鱗のない部分に音波を収束させて撃墜
「動きを見定めて正確に未来位置を予測しましょう


メンカル・プルモーサ
ふむ……エレメンタル・バッドが竜化により変質、か……
…竜胆石を含めてなかなかに興味深い……出来るだけ狩ろうっと
まずは【竜屠る英雄の詩】により自身の武器……術式銃【アヌエヌエ】に竜殺しの概念を付与…
…魔力酔い対策のために医療製薬術式【ノーデンス】により作った抗魔力剤を飲んでおこう……魔力は下がるけどまあ、今回はそこまで影響は無い…
…【アルゴスの眼】で収集した情報を【アヌエヌエ】へと転送…
…照準補正機能を使って鱗の隙間へ正確に・乱れ撃っていくよ…
…それぞれの属性に対応した弾を使い分けて…一撃で仕留めていこう…
…さて、属性各種弾はたっぷり用意してあるから……どのぐらい狩れるかな…


ガルディエ・ワールレイド
外見と言い落とす竜胆石と言い、射的の的みたいな敵だな。
まぁ、的というには凶暴すぎるんだが……少しやり甲斐は有るか。

◆行動
武装は白銀の長弓『幻影弓スティラ』
弓矢でコアを狙っての射撃を基本にするぜ。
補助として《念動力》を用いて敵の回避を妨害。
ただし、念動力を魔力と認識して【魔力食い】を仕掛ける気配が有れば中断。
その場合は、直接念動力を当たるのではなく、敵を誘導する餌として利用。
射落としや妨害の対象は味方のコアを食べようとしているやつを優先して狙うぜ。

敵がある程度密集しており、纏めてやれると判断すれば【雷撃の一矢】を使用。
放った矢の軌道を折り曲げて、一矢で複数の敵のコアを貫く。


フルール・トゥインクル
まぁ、このオブリビオンは知ってましたですけどだいぶ変わってしまいましたですね
ドラゴン化とは恐ろしいのです……

っと、感心してる場合じゃなかったですね

みんな、力を貸して欲しいのですよ
【友繋ぎの輪】でみんなから力を借り受けて、精霊銃で敵を撃ち抜いていくのです

可能な限り鱗の隙間を探し、スナイパーと誘導弾を併用して狙い撃つのです
分身か否かは可能な限り見た目、難しければ勘も頼りにして本体だけを狙うのですよ

鱗の隙間が見にくければ【友達はそばに】のUCも使って吹き飛ばしてもらうことで隙を作るのですよ



●宝石射的大会

「すごいことになっていますね……」
「…興味深い……」
「的というには凶暴すぎるな……やり甲斐はあるが」
「ドラゴン化とは恐ろしいのです……」

 このオブリビオンを知っている猟兵はドラゴン化にそれぞれ思い思いの感想を抱いていた。以前はそれほど今日出でなかったこのオブリビオンもドラゴン化でどれだけ強化されているかわからない。しかし倒さねばならぬ相手なら倒すだけのこと。


 猟兵たちは武器を取り、狙いを空舞う宝石へと定める。

 この4人の共通点はそれぞれ射撃武器を構えていることだろう。これだけ数も多く、鱗の隙間を狙わなければいけない以上最適解だと言える。

 茲乃摘・七曜(魔導人形の騙り部・f00724)は愚者の名を冠す双銃『Pride of fool』を
 メンカル・プルモーサ(トリニティ・ウィッチ・f08301)は回転式拳銃『術式拳銃【アヌエヌエ】』を
 ガルディエ・ワールレイド(黒竜の騎士・f11085)は白銀の長弓『幻影弓スティラ』を
 フルール・トゥインクル(導きの翠・f06876)は樹属性の魔法力を宿す小型の精霊銃『春語りの歌声』を

 それぞれ空に満ちる龍化した蝙蝠へと向ける。

「まずは動きを制限させていただきましょう」

 闇雲に狙い続けるのは効率が悪い。七曜は自身の周囲を飛行する『Angels Bits』へ指示を出し、蝙蝠たちが舞う空へ無数の石の壁を作り上げることで蝙蝠たちの動きを制限し狙いをつけやすくする。

「ありがてぇ!」

 それはもちろん七曜だけでなく、この場にいる全員が恩恵をあずかることになるが元より七曜の目的は敵を倒すこと。自分だけが敵を多く倒すことよりも全員で数多く倒した方が効率がいい。

「いえ、お構いなく。さぁ皆さん始めましょうか」


 それぞれ4人が背中合わせになり、猟兵たちは蝙蝠を撃ち続ける。

 七曜は鱗の隙間を探る様に双銃で弾丸をばら撒き、同時に『Angels Bits』の生み出す不可視の風壁や大音量の超音波で蝙蝠たちの飛行を妨害しながら確実に蝙蝠たちを撃ち落としていく。

「……数が多いなら敵が同時に攻撃できないような位置取りをしなければ」

 蝙蝠が仲間を捕食するために口を開けばそこへ弾丸を鱗の配置を確認するかのように的確に撃ち込んでいく。

「さぁ、やるのです!」

 フルールもまた、【友繋ぎの輪】を発動することで一時的に精霊たちから力を借り精霊銃プランタンを撃ち続ける。
 時の精霊の加護により体感時間を停滞させ、的確に蝙蝠たちへ狙いをつけ、放つ弾丸は光が導き外れることなく蝙蝠へと吸い込まれていく。

「むむっ」

 蝙蝠たちもただ撃ち抜かれるだけではない。コアの持たない分身を生み出しさらにその数を増していく。

「見破ったのです!」

 しかし竜の鱗でうまく隠してもコアの有無は隠しきれるものではない。本物と分身、コアの有無。その違いは影が教えてくれる。フルールの弾丸は分身に欺かれることなくただ本体を狙い続ける。

「精霊さん!」

 密集し、射線の通らぬ蝙蝠たちへは周囲の木の葉の精霊達に語り掛けることでその力を借りて吹き飛ばしてもらう。
 体勢の崩れた蝙蝠たちは精霊銃の弾丸に撃ち抜かれると力なく地面へと失墜していく。

「しっかしキリがねぇな!」
「……仕方ない」

 ガルディエとメンカルも絶え間なく撃ち続けているが確かに数が減っている気配がない。
 ガルディエの放つ矢が蝙蝠たちを串刺しにしても。
 メンカルの放つ属性弾が炸裂しても。
 蝙蝠たちは絶え間なく湧いてくる。

「……ん?」

 そんな時、メンカルの報を収集するセンサ付き眼鏡『アルゴスの眼』が蝙蝠たちの捕食の瞬間をとらえた。

「皆さん、あの蝙蝠たちは―――」
「……コアに鱗がない」
「はい、その通りです」
「コアを狙えばいいのです?」
「そうと分かれば話ははえぇ!」

 ガルディエは七曜とメンカルの報告を受け、放った矢を念動力で操作しその鏃で蝙蝠たちのコアを貫いた。他の個所を攻撃したときは地に堕ちるだけだった蝙蝠だがコアを射抜かれるとその場で塵となり竜胆石だけを残して骸の海へと還っていった。

「こりゃあいい。これなら共食いの心配もねぇ」
「……補正完了」

 弱点さえわかれば効率はさらに上がる。メンカルは『アルゴスの眼』から入手した情報を銃へと転送し、照準補正機能の精度を向上させる。ガルみたいnディエもまた、先ほどと同様に念動力を用いて手動で挙動を補正する。

「皆さん気をつけるのです!」
「来ます!」

 弱点が露呈したことを察してか蝙蝠たちの動きに変化が起こる。コアが強く発光し、その翼に魔力が集まりそこから音波としてその魔力を放出を始める。もしこれが10や20の数だったのなら多少動きづらい程度で済んだのだろうが今回は数が多すぎる。四方八方、ありとあらゆる方向から音波を浴びせられた猟兵たちは己の魔力のせいで身動きが取れなくなっていた。

「く、そ……」
「まずはこの音をどうにかしませんと……」
「せ、精霊さん……」
「……」

 だが4人の中でメンカルだけが何故か魔力酔いの症状が軽く、動くことができた。それは予め『医療製薬術式【ノーデンス】』で作り、服用しておいた抗魔力剤の効果。ここまでの規模は想定していなかったがそれでも動ける程度に症状を抑えてくれていた。

「……これは止める。追撃はよろしく」

 メンカルは【竜屠る英雄の詩】を発動し、銃に竜殺しの概念術式を搭載する。本来であれば蝙蝠相手には効果を発揮しない術式だが今の蝙蝠たちはドラゴンと化している。つまりこの術式の効果が十全に発揮される相手。それに加え、音波の放出に翼を使っていることで蝙蝠たちは回避行動がとれない。

 連射される属性弾。繰り返されるリロード。撃ち抜かれる蝙蝠。

 蝙蝠の数が減るごとに負荷が軽くなっていく猟兵たちの身体。ガルディエはまだ重い身体で歯を食いしばりながら立ち上がり弓を引く。身体こそ動かないが蝙蝠たちの動きが止まっている今はこちらにとっても好機。死力を尽くし、白銀の弓が赤雷を纏う。

「【雷撃の一矢】ッッッ!!!」

 赤雷を伴い放たれた矢は九つに別れ、その総てが蝙蝠たちを貫き穿つ。一体仕留めただけでは止まらず、勢いをそのままに起動を折り曲げ次なる敵を狙い進む。

 音波を飛ばす蝙蝠の数が減ったことで七曜とフルールもまた再び立ち上がる。空を埋め尽くすほどいた蝙蝠たちだったが気がつけばその隙間から空が見えるほどまで減っていた。

「…あとどのぐらい狩れるかな……」


 放たれる弾丸と降り注ぐ宝石。パーティはもう少しだけ続く。


☆☆☆Result☆☆☆

茲乃摘・七曜・・・31
メンカル・プルモーサ・・・54
ガルディエ・ワールレイド・・・43
フルール・トゥインクル・・・33

竜胆石Get!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ソラスティベル・グラスラン
ついに始まりましたね…群竜大陸を巡る決戦が!
数多の勇者たちが挑み、その存在を刻んでいった伝説の地
わたしも現代の『勇者』として、今こそ伝説を辿りましょう!

空を飛ぶ敵にはこちらも翼を広げ【空中戦】
【盾受け】で身の守りを固め突撃
【勇者理論】(防御重視)を発動、【オーラ防御】を強化し周囲に展開
そのまま【ダッシュ】し【怪力】のままに盾を構えて体当たり!
敵が体勢を崩した隙を狙い、【鎧砕き】の大斧でコアごと一気に薙ぎ払いましょう!
この程度でわたしの【勇気】は微塵も揺らぎませんよ…!

ふふ、景気づけに最多討伐を狙っちゃいましょうか?
長期に亘るでしょう戦いに、鋭き一矢を放ちます!


フランチェスカ・ヴァレンタイン
何やらドラゴンの投げ売り状態ですねえ…

翼を羽ばたかせ、残像が生じる程度にはバーニアを駆使した空中戦機動で応戦しながら、寄ってくるバット達へ向けて砲撃を乱れ撃ち
着弾確認と勘+第六感で見切った鱗の隙間へ、ランスチャージめいた噴射突撃で斧槍の穂先を突き入れ、片っ端から穿っていきましょう

ある程度のサンプルが溜まれば隙間の位置のパターンは見えてくるでしょうか
「ちょっと雑に参りますけど、ええ。ご容赦くださいませ? ブレイズランサー、ファランクスシフト――!」
斧槍を二度薙いで生まれる、二重装填で300基を超える騎槍光焔の槍衾
多少の個体差があろうと物量で灼き抉る一斉発射での集中投射をどうぞ、召しあがれ?



●宝石掬い大会

「ついに始まりましたね!」
「ええ、ドラゴンが投げ売り状態ですねぇ……」

 かつての勇者たちが戦い、散っていったこの群竜大陸での新たなる戦いに心を躍らせるソラスティベル・グラスラン(暁と空の勇者・f05892)と目の前の現状に対して嘆いてるフランチェスカ・ヴァレンタイン(九天華めき舞い穿つもの・f04189)。なんだかかみ合っているようでかみ合っていない2人ではあったがこの戦場でやることは決まっていた。
 他の猟兵たちの活躍で相当数減ったとはいえまだ蝙蝠たちはこの空を覆っている。

「さぁ、行きましょう!」

 ソラスティベルとフランチェスカは翼をはためかせ、そのまま上昇し空へと登る。
 新たな敵の存在を察知した蝙蝠たちは一斉に2人の元へ集まってくる。しかしそれでいい。向こうから寄ってきてくれた方が狩りもしやすいというものだ。

「では、この空が綺麗になったらまた」
「はい! ご武運を!」

 ソラスティベルは漆黒の鋼竜がその身を変えた黒翼の盾『モナーク』を構え、ただ愚直に真っ直ぐと蝙蝠たちの群れへと突っ込んでいく。
 フランチェスカもまたバーニアを吹かし、残像が残るほどの空中戦機動で蝙蝠たちを翻弄しながら砲撃を乱れ撃つ。

 真逆の方向へと進んだ2人。それぞれの戦いが始まる。

「てぇい!」

 蝙蝠たちへ盾を構えて勢いそのままに自慢の怪力も合わせ体当たり。いくらドラゴンと化、鱗が生えたからと言ってもこの衝撃に耐えられるはずがない。薙ぎ払われた蝙蝠たちはそのまま地上へと落下する。なんとかその場に留まった蝙蝠もソラスティベルは見逃さない。すかさず雷の神竜がその身を変えた蒼空色の大戦斧『サンダラー』を抜き放ち、振るう。大斧はドラゴンの鱗など意にも介さず蝙蝠たちのコアを両断しその身を塵とする。

 どんな時でも、どんなことがあろうとも、ソラスティベルはただ前を見て進む。それでこその勇者。それだからこその【勇者理論】。

 暁と空の勇者がこの帝竜戦役に一矢を投じる。


 ソラスティベルとは対照的にフランチェスカは蝙蝠たちから距離を取り、一方的に攻撃していた。距離を開け砲撃を行い時折『ヴァルフレイア・ハルバード』を構え噴射突撃で穂先を鱗の隙間にねじ込み穿つことで的確かつ正確に蝙蝠の数を減らす。とはいえ本来であればわざわざそんなことをせずとも遠距離からの砲撃で蝙蝠たちを削ることはできる。にも拘らずこんなことをしたのにももちろん理由があった。

「この角度でねじ込めばいいのですね?」

 試行錯誤を繰り返し、フランチェスカは隙間の位置のパターンを割り出していた。その位置さえ割り出せてしまえばもう今度こそ近づく必要はない。
 再度バーニアを吹かし蝙蝠たちから距離をとると【九天に舞い 灼き穿つもの】を発動。有相無相を灼き穿つ光焔が斧槍を包みこむ。そのまま斧槍を振るうことで生み出される300基を超える騎槍光焔の槍衾。それが全て蝙蝠たちへと向けられていた。

「ちょっと雑に参りますけど、ええ。ご容赦くださいませ? ブレイズランサー、ファランクスシフト――!」

 その声に従い放たれる騎槍光焔。その狙いは割り出した鱗の隙間。多少の個体差があろうとこの数ならば問題ない。
 蝙蝠たちを焼き尽くすのに余りあるほどの物量で放たれた騎槍光焔の一斉発射が立ちはだかるモノ全てを呑み込んだ。


 勇者と戦淑女が舞い踊る空。蝙蝠たちにより黒く染まっていたその空が再び蒼く透き通る。
 猟兵たちの活躍によりここにいた蝙蝠たちは一掃され、残ったのは蒼穹と空から降り注ぎ大地で輝く色とりどりの宝石たち。

 長きにわたる戦争の第一歩。それを猟兵たちは勝利で彩った。


☆☆☆Result☆☆☆

ソラスティベル・グラスラン・・・81
フランチェスカ・ヴァレンタイン・・・72

竜胆石Get!

MVP・・・ソラスティベル・グラスラン

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年05月02日


挿絵イラスト