帝竜戦役②~竜の因子に蝕まれし破魔の一族~
●アックス&ウィザーズ・群竜大陸「皆殺しの平野」
その一族は群竜大陸の驚異を消し去るために様々な手段を講じてきた。それこそ正義と呼べる手段だけではなく、悪逆非道とも呼べる方法であってもだ。
だが正義を犯した罪とも呼べるのか、自身の悪逆が身を滅ぼしたのか。その一族は群竜大陸の中で、死に絶えた者の列の中に加わることになる。それを自業自得と呼べるものなのかはわからない。
そしてここは群竜大陸の皆殺しの平野と呼ばれる場所。風の吹く荒野であるが、オブリビオンをドラゴン化する魔の大地。
そこにいるのは群竜大陸のドラゴン達を打倒しようとした一族の姿はない。あるのはドラゴンの血を受け継ぎ、ドラゴンの角や翼、鱗に身体を浸食された「竜血の一族」と呼ばれる凶暴なるドラゴン生命体であった。
●グリモアベース・ブリーフィングルーム
「ついに群竜大陸の主、帝竜ヴァルギリオスが動き出したのー」
そう言ってグリモア猟兵のメイスン・ドットハック(ウィザード級ハッカー(引き籠り)・f03092)は電脳ウインドウを開いて説明を始める。
群竜大陸。アックス&ウィザーズ世界におけるオブリビオン・フォーミュラ「帝竜ヴァルギリオス」が住む大陸。今まで他の帝竜を復活させることに注力していたヴァルギリオスであるが、猟兵達の大陸侵攻に危機感を感じ、計画の前倒しを決断。今回の帝竜戦役の幕開けとなったわけだ。
「つまりはこれから長い戦いが始まるけど、着実に進めていかんとのー」
そして映し出された場所は群竜大陸における第二領域「皆殺しの平野」だ。この地はオブリビオンをドラゴン化させる特徴を持つ。つまりこの地のオブリビオン達はドラゴンの力を持って戦う故にさらに強敵化されていることも念頭に入れなければならない。
「今回の相手は血の一族と呼ばれている好戦的な一族がドラゴン化したようじゃのー」
類まれなる破魔の力を持った一族ではあるが、今はドラゴン化が進み、翼や鱗、角が生えて凶暴化しているとのことだ。飛行も可能であり、空中からの攻撃に注意しつつ、硬い鱗をどう突破するかもカギになってくるだろう。
「今回はドラゴンという超生命体が相手じゃけー、気を引き締めて頑張って欲しいのー」
そういってメイスンは転移術式を発動させる。帝竜と呼ばれる強大なる存在。それに挑む為の一戦が群竜大陸にて始まろうとしていた。
ライラ.hack
帝竜戦役、ついに開戦す!
どうも皆様こんにちわ、ライラ.hackです。
このたびは群竜大陸における初戦・皆殺しの平野におけるドラゴン化した一族の撃滅が目的となります。
なお以下シナリオの留意点になります。
プレイングボーナス……空中からの攻撃に対処し、硬いうろこに覆われた「急所」を攻撃する。
以上となります。この群竜大陸における試金石となる戦、皆様の奮戦を期待します。
それでは素晴らしいプレイングをお待ちしております。
第1章 集団戦
『血の一族』
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POW : 聖魔伏滅拳
【破魔の力を込めた拳】による超高速かつ大威力の一撃を放つ。ただし、自身から30cm以内の対象にしか使えない。
SPD : 聖魔伏滅斬
【破魔の力を封じた剣や斧】が命中した対象を切断する。
WIZ : 血の福印
【自らの血】が命中した対象を高速治療するが、自身は疲労する。更に疲労すれば、複数同時の高速治療も可能。
イラスト:FMI
👑7
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
アウレリア・フルブライト
いよいよかの帝竜との戦ですわね、腕が鳴りますわ!
とはいえ、まずは足場固めを確実にこなして参りませんと。
さあおいでなさいオブリビオン達、この私がお相手致しますわ!
そう【気合い】を篭めた声で敵に呼ばわりつつ、その接近を待ち構えます。
十分に引き付け、敵のユーベルコードの間合いに入る直前に激震脚を発動。
【カウンター】気味に衝撃波を叩き付け、体勢を崩させ…あわよくばそのまま地面に叩き落しにかかります。
いずれにせよ、敵が崩れた隙を狙って一気に踏み込み、【鎧砕き】の拳を急所と思われる部分へ叩き込んでくれましょう。
ソラスティベル・グラスラン
群竜大陸、そして帝竜ヴァルギリオス
読み聞いていた伝説が目覚めたのですね……!
わたしも彼らと同じ『勇者』なれば、今こそ喜び勇み、挑みましょう!!
踏破を拒む激しき洗礼!この大地そのものが倒すべき竜であるかのよう!
空を飛ぶ敵にはこちらも翼を広げ【空中戦】
【盾受け】で身の守りを固め突撃
【オーラ防御】で敵からの突撃と拳を届かせない
その隙に素早く【ダッシュ】し【怪力】のままに盾を構えて体当たり
敵が体勢を崩したところを急所に【鎧砕き】の大斧を!
敵がどれほどの軍勢であろうと我が【勇気】に一点の曇りもありません
これがわたしの【勇者理論】!!(防御重視)
古の勇者たちよ、今代の『勇者』が貴方たちの軌跡を辿ります!
皆殺しの平野。平野と呼ぶには吹きすさぶ風と死の空気が充満する荒野である。だがこの見渡す限り広がる荒野をもってしても、群竜大陸の入り口でしかない。
それだけでもこれから攻略する猟兵達にとっては億劫となるのだが、この皆殺しの平野にいる者達は等しくドラゴン化しているのだ。
「グオオオオオオオオオオオ!」
まるで獣のような咆哮を上げるのはドラゴンの翼や角、鱗を生やしたオブリビオンである。その人物達とは、かつて破魔の力を持って群竜大陸に挑んだ「血の一族」と呼ばれる者達だ。
独特の刺青を施した黒き肌の者達はもはやドラゴン化して理性を保ってはいない。ただ敵を狩るという本性をさらけ出している状態である。その威容は今や「竜血の一族」と呼び変えられるほど悍ましい者に変化していた。
「いよいよかの帝竜との戦ですわね、腕が鳴りますわ!」
そんな空飛ぶ竜人達に対して、アウレリア・フルブライト(輝くは黄金の闘志・f25694)は拳を握りしめて吠える。アックス&ウィザーズ世界における貴族令嬢でありながら、格闘術を極める風変りな彼女は強敵との戦いに心躍っていた。
帝竜ヴァルギリオスと言えば、この世界でもはや知らぬ者はいない群竜大陸の主。ついにそのドラゴンと戦う機会を得られたことに感謝を示すと共に、アウレリアはやるべきことは忘れない。
「とはいえ、まずは足場固めを確実にこなして参りませんと。さあおいでなさいオブリビオン達、この私がお相手致しますわ!」
「ギャオオオオオオオオオオ!」
戦場によく通る気合の入ったアウレリアの声。挑発に乗ったと思われる竜血の一族の一人がアウレリアに対して突進してくる。そしてそれを悠然を待ち構え、迎撃の態勢を取るアウレリア。
猛烈な勢いで空中から仕掛けてくる竜血の一族。そして十分に自身の間合いへと引きつけるアウレリア。敵が破魔の力を込めた拳を振り下ろそうとした瞬間、アウレリアの足が地面へとめり込む。
「この一撃、耐えてご覧なさい!」
そして「激震脚(ワールドクエイク・ショックウェーブ)」の衝撃波はアウレリアの震脚から空中にも伝播し、攻撃しようとした竜血の一族はもちろん、近くにいた敵をも巻き込んだ衝撃波が襲い掛かる。
その衝撃波は身体だけではなく、竜鱗に覆われていない耳、つまりは平衡感覚を司る三半規管にも打撃を与え、バランス感覚を失い態勢を崩す。さらに口から内臓にまで伝わり損傷を与えるという影響で口からは血を吐き出している。
「それでは参りましょうか」
その様子を見たアウレリアはまずは近くにいた竜血の一族の背後にある逆鱗を容赦なく抜き手の一撃で貫き、絶命させる。そして空中にいる衝撃波の影響を受けたと思われる竜血の一族に対しては、アウレリアは大地を蹴り上げて跳躍し迫る。
完全に平衡感覚を失った彼等の攻撃ではアウレリアに当てることはできない。空中でありながら攻撃を容易に避けたアウレリア鎧をも砕く拳が逆鱗を粉砕し、ドラゴン化した戦士を屠る。その戦士を足場にしてもう一人の戦士の逆鱗を踵落としで砕き、大地へと落とす。
そこまでやりきり、衝撃波の影響が少なかった竜血の一族が動き出そうとする。空中への移動手段がないアウレリアをここで仕留めようとする。だがそれをさせまいと一人の勇者が飛翔する。
「群竜大陸、そして帝竜ヴァルギリオス。読み聞いていた伝説が目覚めたのですね……! わたしも彼らと同じ『勇者』なれば、今こそ喜び勇み、挑みましょう!」
大魔王という脅威を退け、勇者の片鱗を見せつけた少女ソラスティベル・グラスラン(暁と空の勇者・f05892)。そして挑むは、彼女の祖先である偉大なる竜に並ぶかもしれない邪悪なるドラゴン。
ソラスティベルの英雄への憧憬はまだ終わりは見えない。彼方にある高みへと至る為に、蒼空色の大戦斧「サンダラー」を握りしめ、翼を羽ばたかせて竜血の一族へと迫る。だが彼等も拳を構えて突撃してくる。
「グオオオオオオオオオオオオ!」
「踏破を拒む激しき洗礼! この大地そのものが倒すべき竜であるかのよう!」
だがその洗礼こそ偉大なる勇者へと至る道。大盾を構えて、さらにドラゴンのオーラの如き強固な防御を敷く。それに加えて「勇者理論(ブレイブルール)」で防御力特化の強化も施し、竜血の一族の攻撃にも負けない力を誇る。
「敵がどれほどの軍勢であろうと我が勇気に一点の曇りもありません これがわたしの勇者理論!」
竜血の一族の拳がソラスティベルの盾と激突する。ドラゴン化したことにより怪力も、さらに竜鱗の硬さもあり鉄拳を超えた拳。だがそれでもソラスティベルの護りを崩すことは能わない。
彼女の護りの硬さは、彼女の勇気そのもの。その意志に曇りがない限り、ソラスティベルの硬度は今やドラゴンの鱗をも凌駕する。そしてそのまま力任せシールドバッシュをかまし、竜血の一族の態勢を崩す。
そして逆鱗を大きく振り上げたサンダラーの大斧が砕き、そのまま竜血の一族の身体を両断する。味方がやられたことで、挟み撃ちにしようと竜血の一族が拳を叩き込むが、盾と大斧で防御し、ソラスティベルは吠える。
「古の勇者たちよ、今代の『勇者』が貴方たちの軌跡を辿ります!」
勇者への道筋を示さんと、そのまま竜血の一族の拳を薙ぎ払い、再びサンダラーの刃が逆鱗を撃ち砕く。その姿はまさしく、空を支配する勇者そのものであった。
こうして初戦の戦いは、アウレリアが大地を、ソラスティベルが空を制することで竜血の一族の勢力と気勢を削ぐことに成功したのだった。
●戦闘結果・獲得物
アウレリア・フルブライト……竜胆石×3
ソラスティベル・グラスラン……竜胆石×3
※財宝「竜胆石(りんどうせき)」……ドラゴン化した敵の体内から1匹につき1個取れる美しい宝石。金貨40枚(40万円)の価値。
大成功
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プリンセラ・プリンセス
連携、アドリブ可
人格をオズヴァルドに変更。
Loyalty to royaltyを使用。
戦旗を掲げ皇族としての【威厳】【存在感】をもって、【地形の利用】で高みに立ち、猟兵を【鼓舞】する。
「竜帝ヴァルギリオス、上等ではないか! 数多の世界より集いし猟兵よ! 星の世界の皇帝を倒し、神を倒し、英雄を屠り、魔王を討って来た猟兵達よ! 竜帝如きに恐れをなすべからず。今は卑小な身なれど、かつて竜帝国の忘れ形見が誉れを与えよう。一番槍、討伐数、助けた数……なんでもよい。その行いすべて誉れとしよう! 我が名は――」
名前は言っているけど表現しないようお願いします。
九十九・静香
※連携、アドリブ可
竜とのおおいくさですわね
あなた方も良き筋肉をお持ちのよう。なればこそ、筋肉にて押し通るのみ!
筋肉令嬢形態に変身
刃亜部流の穂先を想像力で◆風属性に変化させ、周囲に突風を巻き起こします
その翼は後付け。ならば急激な風の変化による体勢の崩れを即座に直せる程の慣れは無いと見ます!
崩し互いの血が届かない程離れた所で◆ジャンプしUC発動
自身を追い風で押して上空の敵目掛け走り肉薄
後は脳筋肉の導きだした策『全身くまなく瞬く間に攻撃すれば急所に必ず当たる』でひたすら蹴り、拳、位置を変えラッシュし全身全て攻撃し、急所を見抜いたら◆力溜めからの正拳!
同じ手順で攻撃を続けます!
これぞ脳筋の策ですわ
緋奈森・鈴音
おねーさんも空中浮遊、相手の上空を取ってから攻撃を仕掛けるー。
……このまま空でのんびりしたいなー。だめ?(裾を気にして鉄腕に腰掛け)
まずは一人に対して狐火の包囲攻撃!
どこのダメージが大きかったかで相手の急所を確認してみんなに伝えるわねー。
そのまま狐火の半分を相手との間に展開してこっちへの接近を阻みつつ、残りの半分で急所への攻撃を仕掛けるわねー。
おねーさんがいる上空に向かってくるってことは地上に背中を見せることだから仲間の援護にもなるわよね?
回復で血を飛ばそうとしたら狐火をぶつけて血を蒸発させちゃおー!
近寄ってくるならさらに上昇して距離を稼いで地上との挟み撃ちを続行するわー。
群竜大陸・皆殺しの平野。そこにいるオブリビオン達は例外なくドラゴンの因子に蝕まれている。頭には竜の角が映え、背中には竜翼が、身体には剣や魔法をはじき返す強靭な竜鱗に包まれている。
そしてそのドラゴンに浸食されているのはかつて魔を破る強靭な肉体で名をはせた「血の一族」と呼ばれる者達。しかしその一族であっても群竜大陸は生存を許さなかった。
どんな手段でも生き残れなかった彼等を待っていたのは竜の尖兵となる未来である。そんな竜血の一族と化した者達は侵入者を狩る為に気勢を上げる。
「竜とのおおいくさですわね。あなた方も良き筋肉をお持ちのよう。なればこそ、筋肉にて押し通るのみ!」
そう言って車椅子に座る深窓の令嬢と呼べるほど可憐な九十九・静香(怪奇!筋肉令嬢・f22751)が、ゆっくりと立ち上がる。そして次の瞬間、黒いボディスーツのような液体が彼女を包み込み、溢れんばかりの筋肉が静香の身体を纏う。
歴戦のボディビルダーすら見惚れるほどのスーパーマッスルボディとなった静香。黒粘液は今日も彼女の願望を叶えようと頑張っているらしく、その筋肉ははちきれんばかりである。
そして構えるは重量級属性可変長槍『刃亜部流』。想像力によってその属性を変化させる特殊な槍バーベルの穂先を風属性に変える。巻き起こすは、周囲を吹き飛ばすほどの突風である。
「その翼は後付け。ならば急激な風の変化による体勢の崩れを即座に直せる程の慣れは無いと見ます」
そう言って風属性の刃亜部流を力任せに振るい、一気に竜巻まで起こして竜血の一族の空中でのバランスを崩す。同時に血の福音が届かないところまで距離を取らすほどに風に流させたところで、筋肉を最大限に隆起し飛ぶ。
「人は空を飛べぬという理、筋肉にて覆えします!」
静香は能力「怪奇!超脚力空中疾走」によって脚力を重点的に強化できる筋肉を発達させ、空気を驚異的脚力で蹴る事でこの風にも負けない飛翔能力を得る。そして風を掴んで一気に竜血の一族と肉薄した所で拳の打ち合いが始まる。
「グオオオオオオオオオオ!」
「はああああああああああ!」
竜翼で飛翔する竜血の一族と筋肉脚力で飛翔する静香の足を止めた拳の応酬。いや、静香は持ちうる筋肉を総動員し蹴り、拳、位置を変えラッシュし全身全て攻撃している。そしてある箇所、つまり逆鱗を叩いた時、その脆さから弱点を察知する静香。
「全身くまなく瞬く間に攻撃すれば急所に必ず当たる作戦、成功ですわ!」
まさしく脳筋肉の導きだした策ともいえるラッシュで、逆鱗を力を込めた正拳突きで貫く。逆鱗を貫かれ身体の外まで粉砕された竜血の一族の戦士は一撃で絶命し、地面へと落下していく。
「すごっ! ……このまま空でのんびりしたいなー。だめ?」
そんな静香の猛攻を目の当たりにし、次の獲物へと脳筋の策を炸裂する姿を眺めながら、そう呟く緋奈森・鈴音(妖狐の化身忍者・f03767)。妖狐の魔力にて空中浮遊をしながら優雅にその戦いっぷりを観戦していた。
そして竜血の一族より高い位置を取りながら、静香の猛撃を目の当たりにしたのだ。下にド派手な静香がいたので、上をを取るのが容易だったのか、裾を気にして鉄腕に腰掛けてもいる。
「まずは小手調べ、ってところねー」
そう言って優雅なお姉さん風にしながら「フォックスファイア」を発動させ、無数の狐火が竜血の一族の一人を取り囲む。そして一気に炎に包まれ、ダメージを与えていく。その中で、逆鱗がある箇所は他の箇所よりも脆く、一気に燃焼していくように鈴音には感じられた。
「あー、やっぱりあそこら辺なのね」
クスクスっと悪戯っぽい笑顔を浮かべながら、さきほど静香の脳筋戦術より正確な逆鱗の位置をあぶり出す鈴音。そしてそれを見た竜血の一族が鈴音目掛けて突撃してくる。
「あらあら、おねーさん人気者ねー」
そう言いながら狐火の半分を盾にしながらも、もう半分の狐火を蛇のようにグネグネと操り、逆鱗目掛けて突撃させていく。仲間が燃やされた仲間に血を駆けて回復しようにも、火が血を蒸発させるためにうまくいかない。
「それにおねーさんだけに構っていていいのかしら?」
「その通りですわ!」
鈴音の上空に向かうということは、それより下の位置にいる静香には背を向けるも同然。付近の竜血の一族を撃ち落とした静香が筋肉脚力を駆使して、鈴音に向かっていた竜血の一族の逆鱗を拳でぶち抜く。それに気づいて静香を警戒した一体も鈴音の狐火の蛇が逆鱗を集中的に燃やしていく。
そして最後の一押し、荒野の中でもその戦を展望を見渡せるところで、プリンセラ・プリンセス(Fly Baby Fly・f01272)は戦旗を掲げていた。普段の純白のドレスの金髪姿ではなく、動きやすそうな服装にオールバックな勝気な印象を醸し出している。
これこそ多重人格者である彼女が持つ、人格の一つ・第二人格オズヴァルドであった。その存在感・威厳は、見る者が見れば眩いものに映るだろう。
「竜帝ヴァルギリオス、上等ではないか! 数多の世界より集いし猟兵よ! 星の世界の皇帝を倒し、神を倒し、英雄を屠り、魔王を討って来た猟兵達よ!」
この荒野に響くは王者の演説。能力「Loyalty to royalty(ロイヤリティトゥロイヤリティ)」により、戦闘能力を上昇させる名誉を与える、プリンセラの最高の支援であった。
「竜帝如きに恐れをなすべからず。今は卑小な身なれど、かつて竜帝国の忘れ形見が誉れを与えよう。一番槍、討伐数、助けた数……なんでもよい。その行いすべて誉れとしよう! 我が名は――」
その演説の危険性を本能で感じ取ったのか、プリンセラを排除しようと竜血の一族が彼女に殺到する。その拳が綺麗な顔に当たりそうになった瞬間、逆にカウンターとなる拳がその顔面に撃ち込まれる。
「邪魔をするな、下郎!」
その威厳のある態度と共に拳が炸裂し、竜血の一族の一人が吹っ飛ばされる。そして彼が目に見たのは、さらに強化され真空波すら発生させるようになった筋肉令嬢・静香に、上空で狐火の竜を舞わせて悪戯っぽく笑う鈴音の姿であった。
その後、プリンセラの演説を邪魔する者、近づける者は皆無であった。すべて静香の拳に沈み、鈴音の炎によって炭と消えたからであった。
こうして竜の因子に犯されし、破魔の力を持つ血の一族は荒野の大地へと沈んでいった。彼等が求めた正義は果たされることはなかったが、それでも災厄と化した今では屠られた方が幸せであったのかもしれない。
そしてプリンセラが崖から見つめる先には帝竜が支配するこの群竜大陸がよく見えた。そしてここを制圧しなければ世界に未来がないことも理解していた。
「首を洗って待ってろよ」
第二人格・オズヴァルトは堂々と宣戦布告を果たす。そして猟兵達の初戦が勝利に終わった瞬間でもあった。
●戦闘結果・獲得物
プリンセラ・プリンセス&九十九・静香&緋奈森・鈴音……竜胆石×9
※財宝「竜胆石(りんどうせき)」……ドラゴン化した敵の体内から1匹につき1個取れる美しい宝石。金貨40枚(40万円)の価値。
大成功
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