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享楽演武(作者 朱凪
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●楽しいダンジョンメイキング
「新しい世界が見つかったとこではあるんですけどね。アルダワ魔法学園の地下に、まだ災魔がいるんですよ」
 セロ・アルコイリス(花盗人・f06061)はそう言って、青い鳥の羽の形のグリモアを右手の上に浮かべた。
 いつもどおりの笑顔はどこかほんの少し複雑ないろを浴びていたけれど、彼はそのまま話を続ける。
「まあ、みんなもう識ってるかもしれませんけど」
 そう言い置いて語ったことには。
 少し前の戦争にて、大魔王が封印されていた『ファースト・ダンジョン』に隠し階段が見付かり、その先に『最初の魔法装置』たる『ダンジョンメーカー』が発見されたと。
 そして大魔王を倒したことにより、その装置は本来の役割を取り戻したのだと。
「その本来の役割ってのが、強大な災魔を一体強制的に召喚して、その周りに『迷宮』を作っちまう、ってこと。つまりアルダワの地下迷宮はぜんぶコイツの仕業だったってわけですね」
 セロはそう笑い「だからコイツを利用しましょうってな話です」と集まってくれた猟兵達の目を見渡した。
「コイツを使えば地下迷宮のどっかに隠れてる災魔を一匹、強制的に引っ張り出せるってことですからね」
 ひとつ肯くと、セロは走り描きのようなスケッチを一枚差し出した。そこにはひとりの少女が笑っている。
「今回、おれが視た予知で喚び出せた災魔はコイツ。名前はねーです。強いて言うなら、『失敗作』って呼ばれてました。楽しいことが大好き……つーか『楽しい』って感情しか持ってねーヤツです」
 彼は首を傾げた。頬のハートのペイントが歪む。
「共に楽しく過ごせる『おともだち』をずっと探してるヤツなんですが、『おともだち』との付き合い方なんざ知んねーんで、結局壊すか壊されるかしかねーんですよ」
 肩を竦めて、――そしてセロはパッとグリモアを消した。
「さて! そういうヤツなんで、『楽しい』ダンジョンを創りゃホイホイできると思うんですよね。……けど、ただ『ダンジョン創れ』って言われても困るでしょ?」
 おれなら困りますね。彼はあっさりそう言う。
 ダンジョンは思念反応型で形成される――つまり想像するだけで創造されるということだ。
「まずは創って、そん次そん中を探索して、楽しみゃ敵が寄って来る。単純な流れですが単純だからこそ『まずは創る』の部分、難しいですよね」
 だから、と。彼は人差し指を立てて笑う。
「良ければ、『新しいユーベルコードを使うためのダンジョン』を考えてみませんか? いえ、もちろん好きなダンジョンを創ってもらっていいんです。けど、考えるだけで生み出せるなら……思い掛けねー技を使えるかもしんねーですよ」
 まあ、その技を『ちゃんとモノにしねーと』、敵にゃ通じねーでしょうけど。
 そう言って彼は実に楽しそうに口角を上げた。
「さ、良けりゃ楽しんできてください」





第2章 冒険 『『ダンジョンメーカー』ダンジョンの探索』

POW肉体や気合でダンジョンを探索、突破する
SPD速さや技量でダンジョンを探索、突破する
WIZ魔力や賢さでダンジョンを探索、突破する
👑7

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●そこはそんな、素敵なダンジョン!
 総勢十八名の猟兵の想像によって創造された、そのダンジョンは。

 立ち上がっても埋もれるほど背の高い向日葵と、靴の上まで伸びた長い蒲公英の一面の花畑。その上にはわたあめの雪が降っている。
 その端を、ゴゥゴゥと音を立てて高スピードのコースターが走り抜け、水の上へと走り出たところで、そのコースターを巨大なホオジロザメが襲う。
 その先には緑豊かな森が美しい花々と瑞々しい果実を香らせて、森の中には魔の属性を帯びた色とりどりの水晶の蝶が舞う。
 あるいはUDCアースで言う『アスレチック』のような遊具を舞台に、木偶を相手に宝物探しができる。
 その傍にはもふもふのぬいぐるみで出来た森が、迷宮となって惑わせる。その中では、間違い探しやなぞなぞが吹っ掛けられることだろう。
 その右には大地に突き立った幾多の杭に、自らの写し身が現れる──望めば相手か己の色合いが変わる。
 その南には疑心暗鬼を引き起こす蒸気に巻かれる、美しき花畑が広がっている。
 はたまた雄大な海に浮かぶガレオン船の甲板には、無数の書棚が積まれているて揺れている。
 その奥にはまんまるい月へと続く、幻影の手招くあかい花畑の迷宮が続いている。

「……壮観ですね。混沌というか」
 誰かが零した。
「自分が生み出したからって、別のところに行ったっていいよね」
 誰かが腕を回した。
「面白そうな内容をつまみ食いしたっていいでしょう」
 誰かが肯いた。
「早速ユーベルコードを考えようか。『きっかけ』を忘れないようにしないとね」
 誰かが苦笑した。
「さて、じゃあ楽しみに行きますか」
 誰かはそう、足を踏み出した。