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ハーレム島解放戦線~剥がれる水着と真珠の煌めき

#グリードオーシャン

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#グリードオーシャン


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●ハーレム島の乙女たち
「あぁぁぁ~っ!?」
 大きく開かれた窓から射す、月の光が照らす室内……そこに悲痛な女の悲鳴がこだましていた。
 部屋の中央に座す天蓋付きのベッドが軋む。寝台を覆う薄布のカーテンの向こうに、爬虫類染みた異形に組み伏せられた女性の細い影が揺れていた。
 ……すぐ隣の部屋では、数名の少女たちがそのような悲劇から耳を塞いでいる。
 水着同然の肌も露わな格好の彼女たちは、涙を零し小声で話し合っていた。
「ねぇ……逃げよう? そうしないと私たちだってあの化物に……!」
「だけど……どうやって逃げるのっ? 外にはあいつの配下の女たちが大勢居て……見付かったら、男の人たちみたいに……!」
 その言葉に、少女たちの泣き声が一際大きくなった。見れば、この部屋の四方にやけに精巧な彫像が立ち並んでいた。一様に恐怖の表情を浮かべた男性の像。月光を照り返す光沢が真珠を思わせる……。
「……いいっ、私一人でも逃げるから! あんな化物にハジメテを奪われるくらいなら、像になった方がマシだもん!!」
 そう言った彼女が部屋から飛び出そうとした、寸前――一段と高い、絶望的な嬌声が隣室から聞こえた。……やがて、床を鳴らす足音と何かを引きずる音がこの部屋の扉の前で止まる。
「フシュゥゥッ……人間の女は抱き心地がいいが、すぐにへばるのがいけねえ。オレはまだヤリ足りないってのによ。――オラ、今度はオマエだ」
「ひっ――!?」
 ……運が悪過ぎた。今、まさに部屋から逃げ出そうとしていた少女は、それ故に扉に最も近い位置に居り……結果、扉の向こうから伸びた鱗に覆われた腕に捕まり、部屋から引っ張り出される。
「ぃゃ……いやぁぁああああああっ! 助けてっ、誰か助けてぇっ……!?」
 泣き叫ぶ彼女を、他の少女たちは目を塞ぎ、耳を閉ざして見送るしかない。まだ十代も半ば、綻び始めた蕾を連想させる彼女が扉の外へと消えて数分もしない内に、隣室からは先よりもさらに痛々しい悲鳴が聞こえ始める。
 そんな最悪のBGMの中、部屋に残された少女の一人がポツリと呟いた。
「誰か……助けて……」

●超久し振りの予知
「皆ぁ、久々に力を貸してほしいんやけどー!」
 グリモアベースにて、UDCアースの学校の制服と思しき衣装を纏ったグリモア猟兵が高らかに呼び掛けた。
 スクールベストを破らんばかりに胸の膨らみが弾み、プリーツスカートが太股の大部分を露わにするほど舞い上がるが――それより上は本当にギリギリ見えない。
 灘杜・ころな(鉄壁スカートのひもろぎJK・f04167)、去年の夏ぶりのお出ましだった。
「……うちのこと知らん猟兵さんも多そうやなぁ……。しゃあないやん、受験が、受験があったんや……」
 猟兵業を休んで勉強に打ち込んだ結果、どうにか志望校には合格出来たようである。称号もJCからJKに変わりました。
「――何はともあれ、グリードオーシャンで事件や! とある島が、オブリビオン……コンキスタドールの支配下に置かれとるんよ」
 その支配を打破し、島民たちを解放してほしいというのがころなの頼みだ。
「せやけど、問題があるんよ。そのコンキスタドール自身が結構な手練れである上にな、配下もなかなか厄介な力を持っとるみたいでなぁ……人を真珠に変えてしまうんや」
 当初、その支配に抵抗しようとした島の男たちは、残らず真珠の像へと変えられてしまったのだと。
「そんで、女性の島民だけになってしもうたその島を、コンキスタドールは自分のハーレムにしとるんよ! もう何人も島の女の人らがコンキスタドールの毒牙に掛かっとって……女として許せん話なんや!!」
 一刻も早くコンキスタドールの撃破が望まれるが……ここで障害が立ち塞がる。
「このコンキスタドール、案外警戒心が強くてなぁ……普段はアジトん中に引っ込んどるんや。何かの拍子にアジトから出てきても、常に配下をはべらしとって……そうそう討ち取れそうにないんやよ」
 つまり、今回のコンキスタドールを倒すには、どうにかアジトに潜り込んだ上で先に配下を各個撃破していかなければならないということだ。
「それを踏まえると……チャンスはこれしかないんや!」
 ころな曰く……。
「コンキスタドールは月に一度、島中の見目麗しい女性を集めてある競技会を開くんや。その大会を通じて自分が気に入った娘をアジトまで連れ帰って手籠めにするっちゅうパターンやね。皆には、島民のふりをしてその競技会へ参加してほしいんや」
 そこで上手くコンキスタドールに見初められ、アジトに連れて行ってもらい、そして事を起こすというのが今回の作戦である。
「そういうわけやから、今回は男ん人には参加し難い依頼なんやけど……工夫次第ではどうにかなる……かなぁ?」
 首を捻るころな。何にせよ、無辜の人々を救う為にも、直ちに現地へ出発するべきだろう。
「転移は久々やけど、勘は鈍っとらんつもりやで。皆、よろしゅうな~」
 ……そういえば、件の競技会とはどんな内容なのだろうか?
「あ、『水上水着剥ぎデスマッチ』やね」
 ストレート過ぎる!!


天羽伊吹清
 初めましての方も多いかと思います。
 昨年の夏以降、休止しておりました天羽伊吹清でございます。
 どうにか復帰出来る目処が立ちましたので、新シナリオをば。

 補足としまして。
 舞台となる島は元はアックス&ウィザーズのものです。ただ、やや南国風味。バリ島とかを思い出して頂ければ良いかも?

 そして、第一章で行われる『水上水着剥ぎデスマッチ』とは!
 島のビーチの海の上に設置された複数の浮島の上を飛び移りながら、参加者たちがお互いの水着を奪い合うという競技です。
 ……まんまやん……。
 全裸にされた人は敗退。最終的に残っていた人が勝者ですが、海中に落ちても敗北です。……そして、偶然にもこの海にはタコとかクラゲとか触手がある生き物が多い……要するに、そういうことなのです!
 ただし、一概に競技に勝てば良いわけではありません。勝つにせよ負けるにせよ、如何にコンキスタドールの琴線に触れることが出来るかが成功への分かれ道です。
 頭を捻ってみて下さい。
 なお、ランダムで猟兵同士の対戦になる可能性もありますので、ご了承下さい。

 それでは、綺麗どころの女性猟兵の皆様のご参加をお待ちしております!
 ……男性の皆様も、もちろん来ていいのよ?
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第1章 冒険 『ドキッ!水着だらけの運動会!』

POW   :    何事も体力で解決だ

SPD   :    落ちないように注意を払う

WIZ   :    ライバルを落とす作戦を立てる

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

小野寺・一沙
POW

【主なキャラ要素】
白のビキニ(露出度多め)
黒髪ロングな清楚ビッチ

本当に島中から男の人がいなくなっているんですね
これじゃ水着になった意味が…こほん

ともあれ島民の皆さんを助けるためにイベントに参加します
確かえっと、水上水着剥ぎデスマッチ…?
…なんだか物凄く懐かしいノリを感ますよね

水着は結構大胆なデザインなので、揉み合う中でうっかり見えちゃうかも…❤
体力にはそこそこ自信ありますけど、競争するのは性格的に得意ではないのでうっかり落とされてしまうかも?

やあぁぁん❤タコとかクラゲがっ…絡みついてっ❤
あっああっダメダメ❤入ってきちゃダメっ…ふあぁ~んっ❤
カレシたちとのエッチより気持ちイイよぉぉ~っ❤



 雲一つ無い蒼天から眩い太陽光が照り付ける昼下がり。
 真っ白な砂浜は煌めき、そこを見守るように並び立つヤシに似た木々は緑に萌えていた。
 UDCアースの日本よりも一足先に夏を体現しているこのグリードオーシャンの海辺……バカンスに訪れていたのならばさぞ楽しかっただろうが、今は生憎猟兵のお仕事中である。
 セーラー服を脱ぎ去った小野寺・一沙(剣客撫子・f26434)は、切り揃えられた前髪の手前に手を翳し、青い瞳には眩し過ぎる陽光を遮った。
「……本当に島中から男の人が居なくなっているんですね」
 そうして睥睨した周囲の様子に、一沙は小さく溜息を吐く。
 今、このビーチには、島中から集められた若く見目麗しい乙女たちが肌も露わな水着姿でひしめいているが――眼福であるはずのこの光景を見るべく寄ってくる男性は一人たりとも居ない。
 ……いや、正確には男性『だった』ものはこの周辺にも散見されるのだが。全身を、服まで含めて真珠色に固められた成れの果てが……。彼らの苦悶の表情を見て、泣き出す島民の女の子も少なくない。
「……湿っぽいですね」
 本来は爽やかな常夏の島だろうに、今は終わらない冬の只中にあるような雰囲気が漂っていた。
「……それに、誘える男性も居ないんじゃ折角水着になった意味が……こほん」
 思わず漏れていた内心を咳払いしてごまかす一沙。……長い黒髪は艶やかで、顔立ちは涼やかに整っており、佇まいにも隙が無い彼女は、通う高校では表向き清楚可憐な優等生として通っているが――本性は紛う方無きビッチである。
 そんな一沙にとって、この島の状況は物足りないのかもしれないが……安心してほしい。
 ――彼女を欲望に滾った視線で射抜く『オス』は、確かに一名は存在していたのだから……。
 この島を統べるコンキスタドールの配下らしい、似合わぬごつい肩当てを着けたマイクロビキニの美女たちに促され、一沙は他十数名の島の少女たちと共に、付近の海面に設置された浮島の群れへと上がる。
(踏んだ感触はビニールで包まれたウレタンっぽいですね。揺れ易そうですし、滑り易そうです)
「それで、やるのは確か、えっと、水着剥ぎデスマッチ……? 何だか物凄く懐かしいノリを感じますよね……」
 ぶっちゃけ、空気が昭和である。
 とはいえ、半ば呆れた感想を抱けるのはこの場では一沙くらいなもの。この水上水着剥ぎデスマッチ第一組の参加者で猟兵なのは一沙だけであった。他の只人に過ぎぬ少女たちは、誰しもが顔を蒼ざめさせて必死の形相である。
 ――ここでの如何によって、自分たちの貞操は風前の灯火となってしまうのだから。
 故にこそ、島民の少女たちはことごとく目立たないように、さりとてやる気が無いとコンキスタドールの不興を買わないように、ぎこちない動きしか出来ない。
 そんな中で、一沙が目立つのは必然だった。
「すみません……はぁっ!」
「きゃああ!?」
 一沙の繊手が、手近な島民の少女のビキニのトップスを奪い取る。
 細やかな胸部を隠して座り込んでしまうその少女とは対照的に、一沙の胸元ではボリューム満点の果実が悩ましげに弾んだ。……ばかりか、白いメロンの如き膨らみから水着のトップスがずれて、そこだけ鮮やかに色付いた突起がチラリ☆
「いゃん❤」
 慌てて先端部を隠す一沙の艶やかな仕草に、波も恥じらうようにパシャッと鳴った。
「あぁん、やっぱり見えちゃいました……❤」
 何処か甘い声で自戒する一沙の水着は、コンキスタドールの配下の美女たちにも負けぬ極小面積のマイクロビキニ。しかも、白い布地は水に濡れるにつれてその内側を透けさせていっていた。その上、一沙自身のプロポーションも実に男好きするものである。
 浜辺の一角から一沙に向けられる視線は、太陽からの熱射を凌駕する温度になろうとしていた。
(あそこですね。問題のコンキスタドールが居るのは)
 砂浜の一角に設けられた一段高い升席。陽射しを遮る屋根とそこから垂れる御簾によってコンキスタドール自身の姿は確認出来ないが……ジリジリと焦がすような熱視線が自分の肢体へと絡み付いていることを一沙は察知する。
 上手く見初められたかと、一沙は推し量るが……。
「……だけど、万全を期すならもう一押し欲しいところですね――え……?」
「何するのよぉ……えぃっ」
 そんな風に、少しばかり考え込んでしまったせいだろうか……? 一沙は、つい先程ビキニのトップスを剥ぎ取った少女から涙目で突き飛ばされる。
 本来なら、体力にそこそこ自信があり、そもそも猟兵である一沙が、一般人の非力な少女の突き飛ばしでどうにかなるはずも無かったのだが……うっかり隙を突かれた上に、足場は非常に不安定なことも相俟って、一沙はすっ転んでしまう。
 ……元々、競争の類いが性格的に得意ではないことも災いしたのかもしれない……。
 何にせよ、最大の問題は――一沙が倒れ込んだ先に、浮島は無かったことである。
「ひゃぁんっ!?」
 盛大な水音と飛沫を上げ、本当ならこの組の最有力馬であったはずの一沙が海中に消える。まさかの猟兵敗退……。しかも、まさかはそれだけでは済まなくて。
「……ぷはっ! ……え? な、何ですかっ? 水の中に何か……!?」
 何とか海面には浮かび上がった一沙だが、彼女の両腕両脚に何かがニュルンと絡み付く。ヌメヌメとした感触が、一沙のきめ細かな肌の上を這った。
 ……グリモア猟兵が予知し切れていなかった事実として――この海、何故かタコやらクラゲやらイカやらの触手系軟体動物たちが多い。
 しかもどうしてか……彼らは女の子のカラダが大好物なようで……。
「あ!? え? ひゃっ、何でっ、どうしてっ……ぁ……❤」
 波間でバシャバシャと暴れていた一沙の声が、ある瞬間から鼻に掛かる。
「やあぁぁん……❤ タコとか、クラゲとか、絡み付いて……っ……あっ……❤」
 一沙の頬が瞬く間に上気して、唇から甘い吐息が零れ始めた。
「やんっ……❤ 胸の……先っぽ……❤ 吸盤っ、吸い付いて……❤ あっ! クラゲの針も……刺さっちゃぅ……ひんっ……❤」
 水面を浮き沈みしつつ、一沙の肩がピクン、ピクンッと震えた。
 ……いつの間にか、白のマイクロビキニのトップスもボトムスも波に運ばれて一沙から離れていくが、彼女にはそれを回収する余裕も無いらしい。
 そして、元から低い防御力が完全に0になった一沙の『決定的』な部分へ、海洋生物たちは攻め入った。
「――ふわっ!? あっ、ああっ、ダメダメぇっ……❤ は、『入って』きちゃ……ダメっ……❤」
 自身の女性的中枢と言える部分が、タコの、クラゲの触手にほじくられる感触を覚え、一沙は息も絶え絶えになった。例えるなら、閉ざされていた貝の口がこじ開けられ、殻の内の柔らかい肉が押し広げられていくような……。
「あっ……あぁっ……ふああぁぁ~~~~~~んっっ❤」
 高く高く嬌声を上げ、その意識を天へと飛ばした一沙の身体が、精神とは逆に水の底へと没していく……。

 ――直後、コンキスタドールの命を受けたその配下の女性たちが一沙の救助に動いた為、彼女は幸いにも溺れることは無かった。
 意識が朦朧とした一沙は類い稀な艶姿が評価されたのか、そのまま介抱の名目で一足先にコンキスタドールのアジトへ運ばれていく。
 ……なお、その白い全身を穢すように、多量の吸盤の跡が赤く刻まれていたことを記しておこう……。

「……カレシたちとのエッチより、気持ち良かったよぅ……❤」

大成功 🔵​🔵​🔵​

才堂・紅葉
「今回の相手は馬鹿ですね。そうですね……」
頭痛がしたがこれもお仕事です

赤のスポーツビキニで参戦です
重要なのは【存在感】を発揮する【パフォーマンス】ですね
人数が多い内は【迷彩】して潜みつつ、適度に水着剥ぎにお付き合い
人数が減って注目度が高まった頃に、ブラの紐が外れて手で押さえてる状態に調整します。頬を染めて恥じらいの【演技】は忘れません

相手次第ですが、出来るだけ揉み合いで接戦になるよう【グラップル】する方針。勝利も大事ですが、今回は観客の目を楽しませるのがもっと大事です。【恥ずかしさ耐性】でお互いにポロリも有りです
動きの硬い猟兵仲間がいれば協力します
良い絵が取れるなら、私が負けるのも有りです


ハロ・シエラ
人を真珠に変えるとは……この催しやその目的は低俗ですが、その能力は酷いものですね。
苦手なタイプの潜入作戦ですが、そうも言ってはいられませんか。

今回はある意味、オブリビオン相手よりも注意が必要ですね。
まずは浮島を宙返りなどの【パフォーマンス】を交えた【ジャンプ】で跳び回り、衆目を集めましょう。
競技相手と接触したら、その動きを【見切り】水着の紐をわざと解かれつつ戦い、相手は落としてしまいます。
後はユーベルコードを用い、落ちそうな水着を押さえながら【誘惑】しつつ助けを求めます。
コンキスタドールが興味を示せば【言いくるめ】て【手を繋ぎ】、アジトに持ち帰って貰いましょう。
……すごく恥ずかしいですけどね!



 先に競技を戦い抜いた猟兵のある意味凄惨な姿に、才堂・紅葉(お嬢・f08859)は戦慄を禁じ得なかった。
「今回の相手は馬鹿ですね。そうですね……」
 眉間に皺を寄せたその表情は、明らかに頭痛を堪えているものである。
 ……とはいえ、苦悩してばかりもいられない。次に試合を開始する第二組には紅葉自身も名を連ねているのだから。
 実に不安定で今にも滑りそうな浮島へと赤のスポーツビキニ姿で上がった紅葉は、同じ第二組の少女たちをさりげなく観察する。
(勝利も大事ですが……今回は観客の目を楽しませるのがもっと大事です)
 仮に競技に勝利出来ても、コンキスタドールの目に留まってアジトへと連れて行ってもらえなければ意味が無いのだから。
(その為に重要なのは、【存在感】を発揮する【パフォーマンス】ですね)
 そのように算段し、紅葉は水上水着剥ぎデスマッチ第二戦開始の合図を待った……。
 ――鳴り響く銅鑼の音を合図に、十数名の少女たちの水の上での死闘が始まる。開始と同時にその存在感を見せ付けたのは紅葉……ではなく、毛先が切り揃えられた漆黒の髪を躍らせて浮島を跳び回る小柄な少女であった。
 ハロ・シエラ(ソード&ダガー・f13966)である。
 黒のタイサイド・ビキニで瑞々しい肢体を装った彼女は、僅かな波でも揺れ動く足場をものともせず、宙返りも織り交ぜた跳躍を披露していく。
 自分をポカンと見上げる島民の少女たちを見下ろしながら、ハロは胸中で不安を燻らせていた。
(人を真珠に変えるとは……この催しやその目的は低俗ですが、その能力は酷いものですね)
 ハロの赤い瞳は、この先に待つ問題のオブリビオンとの戦いをも見据えていたのかもしれない。
(このタイプの潜入作戦は苦手ですが、そうも言ってはいられませんか)
 コンキスタドールの興味を引くべく、ハロは力を尽くすことを改めて決意した。
 何にせよ、このようにハロがジャンプを繰り返しているのである。元より安定性に欠ける浮島はグラグラと揺れ、既に何人かの少女たちが海へと転落していた。……彼女たちがタコやらクラゲやらに群がられ、触手で大変なことになっていたが、必要な犠牲だとハロは涙を呑んで目を逸らす。
「うわ……想像していたよりも展開が早いです……!」
 加速的に参加者が減っていく浮島を見回し、紅葉が慌てて動きを活発化させた。
 競技開始直後から目立たないように他の参加者の陰に紛れていた紅葉。人数が減って注目度が高まってから本格的に行動を開始する目論見であった。……が、ハロのアクションにて想定より早くその瞬間が訪れてしまったのである。
「失礼しますね」
「きゃあっ!?」
 行き掛けの駄賃とばかりに、紅葉は手近な島民の少女のトップスを解き取って……その間にも地震染みた浮島の上から一人、二人と少女の姿が消える。
 ……気が付けば、浮島の上に残っているのは紅葉とハロの二人のみ。奇しくも猟兵同士の一騎打ちと相成った。
「………………」
「………………」
 片や、しかと浮島を踏み締め、下半身を安定させて構える紅葉。
 片や、軽く跳躍してステップを踏むハロ。
 構えは対照的ながら、実力的にはほぼ同等である両名。勝敗の天秤は微かなことでどちらにも傾くだろう。
 ――そういう意味では、紅葉の方は既にハンデを抱えていた。
「あぅん……ブラの紐が……」
 彼女のスポーツタイプのビキニのトップスは、肩紐が外れて今にも乳房からずり落ちそうになっている。左腕で抱え込まれた双乳が、柔らかくたわんで深い谷間を形成していた。
 そこに、浜辺の一段高い升席に座すコンキスタドールから熱い視線が突き刺さってくるのを感じ取って、紅葉は頬を紅潮させた。

 ――まあ、全てが計算された演技なのであるが。

 ビキニの肩紐はハロの起こした混乱に紛れて自ら外したのだ。そのようなシチュエーションを演出することにより、コンキスタドールに自分を注視させようという戦略なのである。
(侮れませんね……)
 それを見切ったハロは、年上の女猟兵のしたたかさに舌を巻いた。
「『さて、覚悟なさい』」
 明らかに自分の側が不利な(ように見える)状況にもかかわらず、果敢に動いたのは紅葉の方。柔術独特の足運びで浮島の上を滑り、ハロへと肉迫する。稲妻のような速度で突き出された紅葉の右手を、ハロはギリギリで両手を使い反らした。
「このっ……!」
 ハロの側も、咄嗟の反撃として手のひらを突き出す。
 ――ふにんっ。
「ひゃんっ!? ちょ、何処を触っているんですかっ」
 そのハロの手が、偶然にも紅葉の右胸を捉えた。衝撃で腕から零れそうになった乳房に、紅葉の頬の赤みが増す。
(……いえ。今、わざとそこに当たるように仕向けましたね?)
 ハロはそれをしっかりと見て取っていた。続けてお返しと繰り出された紅葉の手は、ハロの水着のトップス……と見せ掛けて、それが包む彼女の弾むような果実自体を狙っている。
「んっ……!?」
 まだ青い膨らみを弾かれて、ハロが微かに震えた。
 紅葉が狙っているのはハロとの揉み合うような接戦。女の子同士の絡み合いはコンキスタドールにとって眼福になると見越し、グイグイと来る。その分、お互いの手や脚が相手の危うい部分へ衝突する頻度も増えるが……ハロとしてもコンキスタドールの興味を自分たちへ引けるのであれば望むところだ。
(……凄く恥ずかしいですけどね!)
 ハロと紅葉の顔が息も掛かり合うほどに近付き、両者の太股が交差し合う。そんなゼロ距離で相手の水着を狙い合う少女たちの姿に、浮島の上には陽炎が立ち昇りそうなくらいの熱気が満ちていった。
 ――そして、勝負は決定的に動く。
「もう一度言います――『覚悟なさい』」
 その一瞬、紅葉の姿に異なる生き物の残像が被さった。やや黒み掛かった体表に縞模様という特徴的な外見。細い触角を振り、飛び出した目は良く見ればつぶらに見えないこともない……。
 ――『ブラックタイガー』
 彼の海老の魂を宿したが如く、流れるようにハロの背後を取った紅葉の背筋が反り返る。
「これは――きゃっ……!?」
 体格で紅葉に負けているハロは、彼女の動きに合わせて容易に身体を持ち上げられていく。まるで虹を描くように、美しいアーチの軌道をなぞるスープレックスだ。もしも安定した大地の上でやられれば、きっと為す術無く意識を刈り取られるはずである。
(この場ではその心配は無いですが……!)
 落とされるその先に浮島が無いことをハロは把握していた。海中に彼女が落下、紅葉の勝利でこの勝負の幕が下りる光景が幻視される。
 かつて、ダークセイヴァーの少年兵であった少女猟兵は、その刹那半ば無意識に動いていた。
 ――スポンッ。
「……ひぇっ?」
 紅葉が、この期に及んでも己の乳房が水着から零れぬように庇っていた分、ホールドが甘かったのだろう――小さく細い体格を活かし、ハロが紅葉の腕の中から滑るように抜け出る。
「あ……そのっ……きゃああっ!?」
 けれど、紅葉の海老反りの勢いは止まらない。足さえも滑らせて、紅葉は水飛沫をハロへとぶっ掛けながら海中へダイブする。
「きゃああああっ!? 水着のブラ、何処ですか!?」
 水面に激突した衝撃で、紅葉の水着のトップスは何処かに行ってしまったらしい。防御力が激減した彼女に、無数の触手がユラユラと忍び寄る……。
「ちょっ……あっ……駄目ですっ……!!」
 執拗に自分の胸部の実りへと触手を伸ばしてくるタコやイカに、紅葉は両腕でその部位を抱え込んで身を守るしかない。
 ……そんな逆転勝利を飾ったハロだが――彼女の方も紅葉に負けず劣らず危ない状況だった。
「水着……上っ……何処ですかっ!?」
 紅葉の『ブラックタイガースープレックス』から逃れた拍子に、ハロのビキニのトップスもまた脱げて行方知れずとなっていた。右腕で我が身を抱き、何とか胸の頂のお披露目は防いでいるハロだが、なんとボトムスの紐も解けている。このままでは生まれたままの姿を晒すのも時間の問題であった。

 ――もっとも、これはわざとなのであるが。

(ここからが私の真骨頂――『だけど結構恥ずかしい!』)
 それは『誘惑の牙(ラブバイツ)』というハロのユーベルコード。文字通り誘惑の力を体現するその技をもって、ハロは浜辺の升席に掛かる御簾の向こうへと呼び掛ける。
「た……助けて下さい……。恥ずかしいですっ……! 何でもしますからっ……!!」
 13歳の、背伸びした雰囲気のある美少女から、打って変わって弱々しい懇願。それに嗜虐心をくすぐられぬ男など居ようはずもない。
 直ちに配下の肩当てを着けた水着美女たちへ命を下したコンキスタドールは、浮島の上からハロを自分の許へと連れて来させる。
(……!? こ、こいつがこの島を統べるコンキスタドール……!!)
 御簾の内へと引き込まれ、他の猟兵たちよりも一足早くその異形を目の当たりにしたハロ。
 ……彼女の手は、この競技会が終わりを迎え、アジトへと到着するまでコンキスタドールに掴まれたままだった……。

 ――また、ハロ相手に勇戦し、大いに試合を盛り上げた……かつ、その後も触手との戯れで大いにコンキスタドールの目を楽しませた紅葉も、無事(?)アジトへと連れ帰られることとなる。
「結果オーライ、ですよね?」
 そううそぶく紅葉は、もしかしたら海に落ちて触手の群れに絡まれたことさえも計算ずくだったのかもしれない……。
「良い絵が撮れるなら、私が負けるのもありです♪」
 見た目と呼び名はお嬢、その実歴戦の工作員である紅葉は、自信に溢れた表情でしたたかに言ってみせるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

レナータ・メルトリア
えへへ、みてみて!今日は張り切ってティアードビキニにしてきたの!
おにいちゃんといっしょにあそべないのは、ちょっとざんねんだけど……わたし、がんばるから、観客席でおうえんしてね。


さて、競技のほうだね。
最初の方は浮島をぴょんぴょんと飛び移って逃げまわるわ。
大きく動いて、その……コンキスタドールにカラダの発育具合がわかるように『誘惑』するよ。

あいての女の子が疲れてきたかな~って思ったら、反転して『早業』で押し倒して、両手を押さえつけてしまうわ。

そうしたら、無防備な首筋とか耳とか、ちょっとえっちな気分になる所を舌と甘噛みで見せつけるように『奉仕』して、気が抜けた隙に『盗み攻撃』で水着をとってしまうわ。


村雨・ベル
ころなちゃんの受験勉強すでに終わっていたですとー!
あんなことこんなこと……手取り足取り教えたのに!
しょうがないなあ志望校合格祝いの御祝儀代わりに一発キメてきちゃうぞ!

水着剥ぎ取りマッチですか ふっふっふ この村雨ベルさん一筋縄ではいきませんよ
少々の恥ずかしさには耐えれますので、浮島を次々と飛び移りながら参加者さんのスリーサイズを魔眼覚醒で全て見切ってさしあげましょう
そしてそのスリーサイズを対戦する相手へと囁き言葉責め&羞恥心をそそる言い方で相手の集中力を削ぎましたら
隙を突いて水着を上だけ奪い羽交い絞め、海岸のギャラリー側へ対戦相手を
勝とうが負けようが丸見えにしちゃいますよ

。。
〇。    ぺたん



 第一組、第二組共になかなか見所が多い展開を見せた水上水着剥ぎデスマッチ。
 第三組に対するコンキスタドールの期待も多いに高まっていることであろう。
 ……もっとも、だからといって島民の少女たちのやる気が増すはずも無く、第三組十数名の少女たちもまた……いや、むしろ第一組や第二組の少女たち以上にお通夜染みた雰囲気が漂っていた。
 その中に、異質なテンションの娘が二名居る。
「えへへ、みてみて! 今日は張り切ってティアードビキニにしてきたの!」
 フリルがたっぷり使われた華やかなビキニ姿で、浮島の上を踊るように歩くのはレナータ・メルトリア(おにいちゃん大好き・f15048)。19歳という年齢の割に無邪気な表情で笑う彼女は、アンバランスな魅力で溢れている。
「……おにいちゃんといっしょにあそべないのは、ちょっとざんねんだけど……わたし、がんばるから! 観客席で応援してね」
 そう言ってレナータが手を振った浜辺の一角には、ペストマスクの如き顔を持った黒衣の等身大の人形が佇んでいた。……つまり、それが『おにいちゃん』であるらしい。
 猟兵ならば察する部分があるだろうが、一般人たる島民の少女たちは一歩だけレナータから後退っていた。
 ……そして、島民の少女たちとは対照的に、レナータの方へ一歩踏み込む者が一人。
「おぉぁああっ……! カラダはオトナ、表情は子供、そんな美少女の水着姿……眼福ですね!!」
 眼鏡の奥の赤い瞳を輝かせ、至福の表情を浮かべる黒髪のエルフ……村雨・ベル(エルフの錬金術士・f03157)その人である。黒地に白い極細の縦ボーダーが入ったビキニが実に似合う、恵まれた身体つきの、黙っていれば可憐な美貌の持ち主なのであるが……さもありなん。
 ……ちなみに、グリモアベースでは、久々に会った鉄壁スカートのグリモア猟兵を前に床を叩いて悔しがっていた。
『ころなちゃんの受験勉強が既に終わっていたですとー!? あんなことやこんなこと……手取り足取り(意味深)教えたのに! ……教えたのにっ!!』
 ……一体、ナニを教えるつもりだったのか、このエルフは。
「……しょうがないなぁ。志望校合格祝いの御祝儀代わりに一発キメてきちゃうぞ! ……あ、鼻血が」
 ……何か、この組はヤバい。レナータとベルと同じ第三組になった少女たちは、ひしひしとそれを実感していた……。
 とにかく、銅鑼が鳴って試合開始ー!
「えへへ、いくよー」
 最初から積極的に動き始めたのはレナータ。浮島をぴょんぴょんと跳び移って他の少女たちの間を縫っていく。第二組の猟兵がやったようなデタラメな跳躍ではないが、それでも不安定な浮島はぐらりぐらりと揺れ動いた。島民の少女たちは悲鳴を上げ、尻餅をついたり四つん這いになったりして浮島から落ちないように踏ん張る。
 ……そのせいで、いわゆるM字開脚やら女豹のポーズやらに近い格好となった島民の少女たちを見て、ベルの眼鏡がキラーンと煌めいた。
「『森羅万象、全ての根源を見通す我が瞳に測れぬ物は無し。目覚めよ我が身に宿りし魔力の輝きよ』……!」
 ――説明しよう。ベルは己が内に眠る魔力を覚醒させることにより、『愚者の魔眼』と呼ばれる瞳を発現する。それは、『ありとあらゆる女性のスリーサイズを看破する』という恐るべき力なのだ。
 ……うん。駄目だこのエルフ。
 何にせよ、その魔眼をもって第三組の参加者たちを睥睨したベルは、中でも一際目を引いた少女へロックオンする。そこは猟兵に相応しい軽やかなステップで浮島を跳び移っていき、ベルはターゲットに肉迫した。
「……ひっ……」
 目を爛々と輝かせたベルを目前に、その少女の唇から掠れた息が漏れる。歳はきっと、この春JKになった某グリモア猟兵と変わるまい。ボブカットの髪も彼女を連想させた。
 ――ついでに、胸のサイズも。
「ふふふっ……まさかこんな所でこのような逸材に出会おうとは! 凄いですねー、90cmなんて軽く超えてますよねー? ウエストがこのサイズだから……カップはこのくらいですか……?」
 尻餅の姿勢の少女に覆い被さるようにして、ベルは囁き掛ける。周囲には聞こえなかった詳細の部分が、正解だったのだろう。少女の頬が見る見る内に燃え上がった。
 その隙を突いて、ベルは少女の水着のトップスをスルッと解いてしまう。
「……ひゃあっ!?」
「おっと、隠しちゃ駄目ですよー? ほら、折角良いものをお持ちなんですから、皆さんにも見てもらいましょう!」
「い、いやぁぁああああああああああっっ!?」
 なんとベル、少女を羽交い絞めにして立ち上がらせ、その姿を浜辺の方に見せ付けた。当然、少女に自らのカラダを隠す術など無く――年齢不相応にご立派な胸の連峰が、頂上のピンク色まで陽の光の下に晒される。
 ……なんという暴挙!
「ふっ……ふぇっ……ふぇぇええええんっ……っ……!!」
 十代の半ばに過ぎぬ少女に、そんな辱めを耐え忍ぶことなど出来るはずも無く、彼女は泣き出してしまう。
「……流石にやり過ぎたでしょうか……? ――あれ?」
 これは後でグリモア猟兵からお説教を喰らうかと、そんな考えがベルの脳裏を過ぎった刹那である。
「さすがに狼藉がすぎるとおもうのっ!」
 島民の少女に夢中だったベルへ背後から奇襲を仕掛けたのは、軽快に飛び跳ねるレナータであった。彼女の姿をスリーサイズ看破の魔眼に捉え、ベルは「何ですと!?」と声を上げる。
 ……ティアードビキニは、特にトップスにフリルが多用されているものだ。故に、胸のサイズに自信が無い女性でもそれをごまかし易いという特徴がある。
(ですが、目の前の彼女は……!)
 なんということだろう……幾重にも重なったフリル、それらを内側から押し上げる圧倒的な重量感! 躍動感に至ってはフリルたちを今にも吹き飛ばしそうなほどであり、ベルの目は、そして浜辺に設置された升席に座すコンキスタドールの目さえもレナータの胸部に奪われる。
 そうして動きの止まったベルを、レナータは胸から体当たりするようにして仰向けに押し倒した。ベルの腰部の上に腰掛けて、レナータは彼女の下半身の動きを制限する。
「お……おおぉぉっ……!?」
 何故か、若干嬉しそうなベルの両腕もレナータは両手で押さえ付けた。
「お仕置き、だよ」
 そう囁いて……身を屈めたレナータはベルの無防備な首筋にチュッとキスをする。ビクンッとベルの背筋が跳ねた。
「あ、あ、ああああっ……!!」
 そのままベルの首筋を舌で這い登るレナータ。やがて顎を、頬を越え、エルフの耳たぶへ到達したレナータの唇が小さく開き、そこに甘く歯を立てる。
「あおぅっ!?」
 ベルが鼻血を噴きつつ感極まった声を上げた。
 ……いや、これ、ベルにとってはお仕置きではなくてご褒美になってないかなー……?
 そんな疑いはありつつも、ベルは今大きな隙を見せていた。そこを見逃すレナータではないのである。
「――貰ったよー!」
「……はっ! ああっ!!」
 するりんと、レナータがベルのビキニのトップスを解き取る。レナータの手が外れたことで自由になった腕で、咄嗟に胸元を庇ったのは、ベルもまた女の子であることの証であろう。
 ベルの上から飛び退き、踵を返したレナータが、まるでトロフィーのようにベルのビキニのブラを掲げた。
「おにいちゃーん、わたし、やったよー!」
 浮島の上で暴虐の限りを尽くしたベルに一矢報いたレナータは、まさにこの地の英雄のようであった。島民の少女たちから向けられる視線も、最初とは打って変わって崇拝の色を帯びている。
 ……どころか、コンキスタドールが座すはずの浜辺の升席、その御簾の向こうから微かに拍手の音さえ響いていた……。
「くっ……何という不覚ですかっ」
 ほんのりと頬を染め、左腕で胸元を抱えるようにして立ち上がるベル。――しかし、そこは恥ずかしさへの耐性に定評があるベルであった。即座にレナータへの追走を開始する。
「この村雨ベルさん、一筋縄ではいきませんよ!!」
 お返しにレナータのティアードビキニを剥ぎ取るべく、ベルは気炎を上げるのだった。

 ……この後、第三組もまた、女の子たちの嬌声が響き渡る死闘と化したのは必然のことである。
 何はともあれ、そこで頭一つ分飛び抜けた存在感を見せたベルもレナータも、競技会終了後にコンキスタドールのアジトへと導かれることになるのであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

妖星・光
◆SPD
※アドリブ・絡み歓迎。NG無し

競技の勝ち負け関係なく、敵配下の興味を引き、アジトに連れて行ってもらえればいいんだよね

そこでボクはボーイ服(防具)を着て、競技を見ている敵配下達にお酒や肴を振る舞い、接待しながら【情報収集】
敵配下の一人が、「今回はあの娘を連れて行く」というようなことを話してたら、その彼を〔選択UC〕で見て【誘惑】し、人気のないとこに連れ出し、「あの子ボクの親友なんだ。だから身代わりにボクを連れてって」とお願いするよ

……

えっ、男に興味はない!? ボク女なんだけど…
証明の為に服脱いだら、彼も脱いで…
彼を受け入れ、大会が終わる頃まで、ボクが十分女だと証明するよ…



 さて、水着剥ぎデスマッチが盛り上がる海上の浮島から、少し浜辺……さらにはそれを囲む南国の木々の群れの中にまで目を移してみよう。
 ――ところで、一点だけ訂正しておかなければならない。
 現在この島は、島民の男たちが全員真珠の像に変えられており、男は支配者たるコンキスタドール一人だけ……という風に思われていたが、正確にはそうではない。
 コンキスタドールの配下にも、若干名だが男性が居るのである。
 ……とはいえ、彼らはコンキスタドールの主要な配下である、大型の肩当てを着けたビキニ水着の美女たちとは立場が異なっていた。
 具体的には、今コンキスタドールが水着剥ぎデスマッチの観戦に使っている、屋根と御簾付きの升席。それをカビの生えた硬いパンを報酬に僅か一晩で造らされる……そんな立場である。
 要は、配下というのも正確ではなく、単に強制労働を強いられる奴隷たち……。
 そういう男たちが、木々の陰で身を潜める風に身体を休めていた。
「……やって、られねぇ……」
 一人の男がポツリと呟く。
「おい……迂闊なことは言うな。あの化物共に聞かれたら殺されるぞ」
 別の男がたしなめるが、また他の男からも不満の声が上がった。
「……でもよ、やってられないのは事実だぜ? 食事だって満足に与えられないし……あんなに女が居るのによ、オレらにはお零れ一つ恵んではくれないんだから……」
「しっ、本当にやめろ。……特に女のことは、口に出すだけでもまずいって。下手に俺たちが島の女に手を出そうとしてるなんて思われてみろ……一人残らず殺されるって」
 コンキスタドールは彼らにとって、絶対的な恐怖の対象なのだろう。全員がそれっきり口を噤むが、誰もが目の奥でそれへの欲求を燻らせているのは明白だった。
 ――飯、それに女。
 ……そこに、唐突に声が掛かった。
「――あの、この島を統べている方の、配下の方々ですよね? お酒をお持ちしました」
 木々を縫い、こちらへ近付いてきたその人物に、コンキスタドールの労働奴隷たちは警戒心を露わにした。何せ、身長が本当に小柄……115cmもないだろうその人物は、男性用の給仕服という場違いな衣装を身に着けていたのだから。その上、茶系の髪も短く、まだ年端もいかない少年としか思えない。
「オレたち以外の男……?」
「何でこの島にそんな奴が居るんだよ?」
「どうする? あの化物共に報せねぇと、後でバレた時に俺たちがどんな目に遭わされるか……?」
 ひそひそと囁き合う奴隷の男たちに、給仕服の人物――妖星・光(前世は男の子?・f23939)は首を傾げていた。
(……やっと、話が通じそうなコンキスタドールの配下を見付けたけど……何だか様子がおかしいかな……?)
 光は、自分の作戦に暗雲が立ち込めてきた気がして内心冷や汗を掻いていた。
『競技の勝ち負け関係無く、敵配下の興味を引いて、アジトに連れて行ってもらえばいいんじゃないかな?』
 それが光の目論見であったのだが――実際にこの島に来てみて、展望が甘かったことを痛感していた。
 水着剥ぎデスマッチの会場に居るコンキスタドールの配下たちは、全員が件の肩当てを装備した水着の女たち。彼女らはこの催しの中でも槍などの武装を手にしており、少なからず臨戦態勢を維持していた。とてもではないが、光の考えていたような酒と肴を振る舞って懐柔などという手段が通じるようには見えなかったのである。
 それでも諦め切れなかった光は、酒と肴を持ったままあちらこちらを歩き回り……ようやく、この場の奴隷の男たちを見付けたのだった。
 ……もっとも、光は彼らがコンキスタドールの配下の中でも底辺中の底辺であるなど夢にも思っていないのであるが……。
 そして、奴隷の男たちの方も話がまとまっていた。決め手は、光の抱えていた酒と肴。何ヶ月ぶりになるかも忘れたまともな食事である。それにあり付ける機会を逃すなど、彼らには出来なかった。
「……いいぜっ。早く酒を寄越せ! 食い物もだ!!」
「は、はいっ!」
 光が慌てて酒や肴を並べる端から、奴隷の男たちは奪うようにそれを口に運んでいく。光としてはお酌などの接待も考えていたのだが……とてもではないがやる余裕が無い。
(お、思ってたのと何か違う……?)
 戸惑いつつも、光が持ってきた肴と酒をほとんど捌き終わった頃……やっと奴隷の男たちも満足した顔で一息吐いていた。
「あー……こんな旨い飯も酒も、何ヶ月ぶりだ……?」
「憶えてねぇ……はあ。次に食えるのはいつだろうなぁ……」
「腹いっぱいになったら……くそ、ますます女が欲しくなってきやがった。畜生、あっちに大勢居るのによ……」
 奴隷の男たちが木々の隙間越しに目を凝らせば、直前の水着剥ぎデスマッチで活躍したらしい黒髪で眼鏡のエルフや灰の髪で邪気の無い表情の乙女が、コンキスタドールの居る升席の傍らへと並べられているところだった。
「あー、あの二人、連れて行かれるな。そんで今夜はお楽しみ……。くっそ、どちらもいい女だぜっ。羨ましいな……!」
「あ、あのっ」
 そう吐き捨てていた奴隷の一人に、光は上目遣いで話し掛ける。
「『あの……お願いがあるんですけど……』」
 光の青い瞳に見詰められた瞬間――その男の胸中に何とも言えぬ衝動が沸き立った。己の胸を掴むように押さえた男は、自分の胸にも届かないような背丈の光を見下ろす。
「な……何だよ?」
「ここではちょっと……付いてきて」
 光に促されるまま、海の方を睨む他の奴隷たちに気付かれぬ内に、その男は光と茂る木々の奥へと向かう。……完全に浜辺の様子が窺えなくなった辺りで、光は意を決した様子で男に告げた。
「あの子たち、ボクの親友なんだ。あの子たちが連れてかれるなんて見過ごせないんだよっ。あの子たちは許してあげて……? 代わりに、ボクを連れてってくれていいから!」
「……はあ……?」
 光からのその提案に、男は呆れた顔になった。
「つっても、お前男じゃねえか? 男なんて連れてってもなぁ――」
「……ボク、女なんだけど……」
「――はあっ!?」
 男は素っ頓狂な声を上げ、光を頭の天辺から足元までまじまじと見遣る。
「……証拠、見せるね」
 光は給仕服のベルトを外し、ズボンを下着ごと引き下ろした。――そこに、男性の証など影も形も無い。
「……女、だったのか……」
 奴隷の男がゴクリと唾を飲み込む。求めていたもう一つのモノが、今目の前にある。小さく、幼過ぎる外見ではあるが――男のオスとしての飢えは、そんなこと些細に思えるほどに強かった。
「――あっ……!?」
 瞬く間に地面へと押し倒された光の給仕服のシャツが、ボタンごと引きちぎられる……。
 ――その後は、まさに嵐だった。
「あっ、あっ、あっっ、あぁっっ……!」
 いつから抑制されていたかも定かではない奴隷の男の獣欲が、余すことなく光へと叩き付けられる。男の股間にそそり立ったモノが容赦なく光の下半身の中央へ宛がわれ、そこをこじ開けて押し入ってきた。
 まるで獣のように……光に対する気遣いなど一切無い力強さで、男と光の腰が衝突を繰り返す。衝撃で光の全身が跳ね、脚が力無く揺れ動く。
「あぅっ、あくっ、あぅんっ、はぅぅっ……んんっ……!?」
 乱暴に扱われて苦しげに喘ぐ光の唇を、男が酒臭い口で塞いだ。蛭かナメクジのような舌が光の口内を凌辱していく……。
 光の、男の子とほぼ変わらないほど真っ平らな胸を、それでも奴隷の男は撫でるように弄んだ。突起部を爪で引っ掻き、指先で押し潰してその感触を堪能していく。
「んっ、んっ、んんっ、んぁっ……あっ、あっ、あっあっあっあっ……!?」
 ……やがて、そういった細かな戯れは鳴りを潜め、男はただ腰を動かすことにのみ集中し始める。腰部の前後運動が早まり、また早まり……光の両脚の付け根にこれ以上ないというほど密着したところで、動きが止まった。
「あっ――――ああぁぁああああああああああ~~~~~~~~~~っっっっ…………❤」
 光の甲高い悲鳴、ブルブルと震える男の全身。……光の最深部、いつか新たな生命を宿し、育むべき場所へ、男の遺伝子が注ぎ込まれたのは明らかであった。
 自身の胎の内で荒れ狂う熱にぐったりとした光。……彼女の耳に、こんな声が聞こえたのはその時だ。
「居なくなったと思ったら……こんな所でお楽しみかよ!?」
「何だぁ? このガキ、女だったのか? くそ、見誤ったぜ」
「おい、てめえはもう楽しんだろ!? ちょっとオレに代わりやがれ……!」
「――ぁ、ぁの……」
 意識が朦朧としながらも、光は集まってきた奴隷の男たちへ懇願する。
「ボク……アジト……連れてって……」
 断片的で要領を得ない光の言葉を、彼女の中へ出すだけ出した男が補足した。
「友達があの化物に連れて行かれそうなんだと。それをやめてもらう代わりに自分が――ってことらしい」
「へぇ……」
 それを聞いた奴隷たちが意地悪く嗤った顔は、もう光の焦点が合わない目には映らなかった。
「いいぜ、俺たちでボスに掛け合ってやるよ。だから……なぁ、俺たちもいい思いがしたいんだ、いいだろ?」
「……あっ……❤」
 光の返事も待たず、新たな奴隷が彼女の上に圧し掛かっていった。
 ……本当のところ、この奴隷の男たちにそんな権限はあるはずも無い。コンキスタドールの影を踏んだだけでも問答無用で殺されるような立場の者たちだ。けれど、そんなことはおくびにも出さず……彼らはさも自分たちが光の願いを叶えられるかのように振る舞い、次々に彼女の肢体を穢していく。
 代わる代わる久し振りの女を味わいながら、奴隷たちは話し合う。
「……で、本気でアジトに連れて行くのかよ?」
「はっ、こいつは『男』だぜ? 俺たちの『新入り』だ。……そういうことにしときゃバレねぇよ。どうせ、あの化物共は俺たちの顔をいちいち憶えちゃいねぇ……」
「なぁる。なら、新入りを先輩としてもっと可愛がってやらないとなぁ」
「……んぁ……あっ……❤」
 ――こうして、光もコンキスタドールのアジトへ侵入出来る運びとなった。……とはいえ、彼女が狙っていた方向性とは大きく違い、他の猟兵たちから孤立する形になってしまったわけだが……。
 果たしてそれがどのように転ぶのかは、今はまだ解らない。

成功 🔵​🔵​🔴​

青葉・まどか
欲望に正直過ぎてビックリだよ。
でも、そんなスケベに無理矢理される女性がいるなら、何とかしないとね。

『水上水着剥ぎデスマッチ』
まあ、欲望に正直な輩の考えることらしいけど……正直嫌だけど参加するね。
アジトに入り込むためにはコンキスタドールに気に入られないといけないんだよね?
だったら露出の高い水着を着ていくのがいいのかな?恥ずかしいけど、頑張るよ。

勝ち負けは重要じゃないからね、見ている人を【誘惑】するように自分の身体を強調するような戦い方をするね。
勿論、そんな戦い方で勝てるわけもなく水着をはぎ取られ敗北。

全裸になって恥ずかしがりながら慌てて退場、その時に転倒してドジっ子アピール。

※アドリブ・絡み歓迎


夢ヶ枝・るこる
■方針
・【POW】使用
・水着:牛柄ビキニ
・アド/絡◎

■行動
な、何とも恥ずかしい競技みたいですが、頑張ってみましょうかぁ。

準備として『効果弱め・効果時間長め』の『秘薬』を摂取し【霊結】で身体能力を強化しておきましょう。
勝敗よりアピールが重要とのことですし、方針自体は正々堂々、但し[誘惑]を応用してあざとくならない範囲でアピールしますねぇ。

まあ、色々な意味でバランスのとり辛いこの体型に加え、サイズ調整してから然程経っていないにも関わらず、既にぴちぴちになりつつある水着を着ている状態ですから、ほぼ確実に転落するわけですが。
胸で浮く分沈みはしないでしょうが、色々と大変な事になりそうですぅ(ぷるぷる)。


ロベリア・アナスタシア
(アドリブ絡み歓迎、お色気バッチコイ)
ビーチ上の島で水着を取り合うキャットファイトですって!?
こうしちゃいられないわ、私も参加表明よ!
(水着、下着にも分類されそうな『普段着』で参戦)

まぁ私は細身(一部豊満)だから、体育会系のプロと当たったら
先ず普通じゃ勝てないわ、だからズルい手を使う♪
予め準備体操と称して海水を浴び…ながら『UC』で海水の一部を
媚薬に調合、水着を取ろうとして相手ともつれ合えば媚薬が相手にも
浸透して…ウフフ、お互いに体を求めて止まらなくなっちゃうわね❤
…ついでに敵のお目に叶う様に、艶めかしく絡み合ったりすればグーッ♪
(※脱がされても気にしない、寧ろ『もっと見て❤』な痴女です)



 浜辺から離れた木々の奥で起きていたことなど露知らず……。
 ――水上水着剥ぎデスマッチも第四組目。相も変わらず不埒な競技は続くのである。
 それに、青葉・まどか(玄鳥・f06729)は心の底からの溜息を吐いていた。
「欲望に正直過ぎてビックリだよ」
 眼鏡の奥の黒い瞳は、呆れの光を強く湛えていた。
(でも、そんなスケベに無理矢理される女性が居るなら、何とかしないとね)
 猟兵として以前に女性として、まどかの胸の内にはそんな決意が灯っていた。
 ――そして、そんなまどかの胸を現在保持しているのが、医療用眼帯が二つ並んだようなトップスである。
 俗に『眼帯スリングビキニ』と呼ばれる水着であるが……危うい、かなり危うい。何せ、まどかは14歳という年齢としてはアンバランスなほどに胸部が立派に実っている。その果実を支えるのに、彼の水着のトップスは明らかに面積が足りていなかった。
(アジトに入り込む為にはコンキスタドールに気に入られないといけない。だから露出度の高い水着を着ていくべきだって頑張ってみたけど――)
「……や、やり過ぎだったかも?」
 恥ずかしさからまどかの頬に朱が散り、顎を冷や汗が伝った。
 同じように、頬を赤く染めてぷるぷるしている猟兵が浮島上にはもう一人居る。牛柄のホルターネックビキニを身に着けた夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)であった。
「こ、この水着……サイズ調整してから然程経っていないはずなんですけどぉ……」
 そう主張するるこるの胸元では、水着の生地が限界までぴちぴちになっていた。まどかすら上回るサイズのるこるの胸は、この期に及んでもまだまだ発育良好な様子である。
 とはいえ、既に競技の舞台となる浮島の上にまで移動してしまっているるこる、このまま水着のことに意識を割いている場合ではない。
「な、何とも恥ずかしい競技みたいですが、頑張ってみましょうかぁ」
 こそっと取り出した小瓶の中身を、コクコクと飲み干するこる。……それを横目で見て、意味深に唇の端を持ち上げるのはロベリア・アナスタシア(『快楽』と『影』と『媚薬』を司る美魔嬢・f23913)だ。
「フゥン……私と同じで『ズルい手』を使っている子も居るみたいね……」
 ロベリアは、今回の事件の話をグリモアベースで聞いた途端、「ビーチ上の島で水着を取り合うキャットファイトですって!? こうしちゃいられないわ、私も参加表明よ!」と名乗りを上げていた。……その本性……割と痴女である。今纏っている高露出度の黒のビキニも、いつも着ている『普段着』に他ならない。
 そんなロベリアは、準備運動の一環なのか……海水を手のひらで掬ってパシャパシャと我が身に掛けていた。――が、その何気ない動作の中にユーベルコードの高まりを感じる。言葉通り、何か『ズルい手』を仕込んでいるようだ。
 この第四組……一筋縄ではいかない気配をひしひしと感じる。
 そうこうしている内に、コンキスタドールの配下の肩当て付き水着美女が銅鑼を鳴らし、第四組の水着剥ぎデスマッチも開始と相成った。さて、今までで一番多い三名の猟兵が参加する、この組の戦いの行方は……?
(勝ち負けは重要じゃないからね。見ている人を【誘惑】するように、自分の身体を強調するような戦い方をすれば……)
(勝敗よりアピールが重要とのことですし、方針自体は正々堂々、ただしあざとくならない範囲で【誘惑】しますねぇ)
 まどかとるこる、奇しくもこの二人、考えていた作戦の方向性がほとんど同じだった。まあ、今回の猟兵たちの目的を鑑みれば決して間違ってはいない、堅実な策とも言える。ただ……この組においてそれは、少々良策とは言い難いものだったのである。
「きゃああっ!?」「いやーんっ!?」「やだぁぁっ!?」
「……あれ?」
 まどかが首を傾げる。猟兵たちが本格的に動く前に、バッタバッタと島民の少女たちから水着を剥ぎ取っていく影があった。……微かに、ユーベルコードの気配もある。
「アタシはこんなところで負けん! 勝って、あの化物のアジトに行って、妹を助け出すんだ……!」
 そう、コンキスタドールやその配下には聞こえない程度の声量で呟くその娘は、島民の少女たちと比べて明らかに鍛えられた身体つきをしていた。恐らくは身体能力を強化する類いのユーベルコードも使っている。――『覚醒者』、即ち『海賊』なのであろう。
 ……猟兵たちが訪れる数日前、偶然この島に立ち寄り、意気揚々とコンキスタドールたちに挑んで――逆に返り討ちにあった海賊団の頭領だった女性だ。敗北の際、自身のメガリスと……最愛の妹を奪われている。その二つを取り返す為に、猟兵たちと同じ作戦でコンキスタドールのアジトへ潜り込もうとしているのであった。
 そんな事情を知る由も無いまどかであるが、相手が想定外の手練れであることは悟る。こちらへと向かってくる軌道を察知し、身構えた。……ただ……。
(強調、強調……身体を強調……)
 コンキスタドールへの誘惑アピールに意識を割き過ぎた。大きく胸を弾ませることを前提に放たれたまどかの廻し蹴りは、容易く女海賊に下を潜り抜けられてしまう。
 ……そして、女海賊はすり抜け様にまどかのボトムスの端を引っ掴んだ。
 むんずっ――ブチィッ……!
「っんきゃぁああああああああっっ!?」
 まどかの下半身から、トップスとお揃いの白い布地が引きちぎられた。それに加え、廻し蹴りの為に脚を振り上げた体勢。このままでは……絶対に見えてはいけない部分がお目見えしてしまう……!
 大慌てで股間を押さえたまどかだが、ただでさえ不安定な姿勢でそれは致命的だった。ツルッと足を滑らせ、激しく転倒。……その反動で、元からデンジャラスだった眼帯スリングのトップスもずれ外れてしまう。
「痛ぁ……え? あっ……!?!?!?」
 自分の乳房が、天辺の小粒まで明らかになった状態であると見て取った瞬間、色白なまどかの顔面が真逆の真紅に染まった。超音波染みた悲鳴を喉から迸らせ、行き先も見定めぬまま逃げ出そうと彼女は身を起こして駆け出す。
 ……が、気が急き過ぎて再び転倒する。勢いが付き過ぎてでんぐり返しのように一回転し、M字開脚のポーズで止まった。
 角度的にコンキスタドールには見られなかっただろうが……島民の女の子たち数名に自身の最も女性な所を目撃されてしまうまどか。
「……っっ、~~~~~~っっ!?」
 最早、そこが触手の巣窟だとしても構うものかと自ら海へと飛び込み、まどかは浮島から退場していくのだった。
 まどかの悲惨な結末を前に、るこるの腰は引けている。そこへ、「貴様が次の獲物だ!」とばかりに女海賊が突貫してきた。
「……お、『大いなる豊饒の女神、その鴻大なる知と力をお貸しくださいませ』……!」
 信奉する女神へ祈りの文言を捧げるるこる。彼女は事前に、体型に一時的な影響が出るものの身体能力を向上させる秘薬を服用していた。それにより強化された敏捷性を活かせば、相手が覚醒者であってもそうそう負けはしない……そういう公算であったのだが。
 ……もう一度言おう。『体型に一時的な影響が出る』秘薬だ。
 その副作用は、るこるの最も特徴的な部位に現れる。
 ぽよぽよ~んっ……ばっつんっ!
「……はぇっ?」
 元々壮絶なボリュームであるるこるの双乳がさらに一回り膨らんで――既にピチピチだった牛柄のトップスは限界を迎えた。弾け飛ぶ黒と白の布地。マグニチュード8というレベルで大震動するホルスタイン染みた乳房。反動は当然ながら物凄い。……そんな状態で、るこるが姿勢を保っていられるわけも無く……。
「ひゃっ……ひゃっ……!?」
 ドボーンッと水音を立て、お約束のようにるこるが浮島から海へと落下した。……けれど、流石は圧巻のるこるの胸。それは浮袋のように海面に浮き、るこるが沈むのことを防いだのである。
 ……だが、しかし。溺れないからといってるこるの受難が避けられることは無い。
「あっ……待っ……ほ、豊饒の女神様ぁ~!?」
 波間を漂うるこるへ、丸々としたタコが襲い掛かってきた。執拗に、彼女の爆乳へ触手を絡み付かせてくる。……もしかしたら、自分と同じように丸々としたるこるのおっぱいを、メスのタコとでも勘違いしているのだろうか? そんな連想がされるほどに、複雑に強くタコの足がるこるの柔乳を締め上げた。
「あっ、あぁぁ~~~~んっっ!? い、色々大変なことになってますぅ~!?」
 るこるもまた、そうして浮島という戦場から退場していくのだった。
 半ば自滅的な感じだったが、件の女海賊が猟兵を二名も下した事実は変わらない。その想定外の使い手がさらなる獲物として見定めたのは、唯一残った猟兵……ロベリア!
 戦意漲る女覚醒者を前に、ロベリアは……唇に人差し指を当て、困り顔を浮かべた。
「私は細身(一部豊満)だから、あんな体育会系のプロと当たったらまず普通じゃ勝てないのよね」
「その割に余裕そうだな……吠え面を掻かせてやるっ!」
 ロベリアに迷いなく突っ込んだ女海賊の手が、ロベリアの普段着たるビキニのトップスを掴んだ。事前に海水で濡れていたそれは、女海賊の握力で吸っていた水を滲ませる……。
 ――否、それは水ではなかった。
「っ!?」
 メープルシロップを煮詰めたような甘ったるい芳香。それを吸い込んだ女海賊の頭がぐらりと傾く。同じく吸い込んだロベリアの口元が、「あはぁっ……❤」と淫蕩に綻んだ。
「まさか、これは……媚薬!? 一体、いつの間に……!?」
「この程度、すぐに調合出来るわよ。大鍋だって要らないわ❤」
 ロベリアが準備運動で海水を浴びていた時に、その海水は媚薬へと転換されていたのであった。それに迂闊にも触れてしまった女海賊の顔が急速に上気していく。
 咄嗟に後退しようとした女海賊だが、それよりも先にロベリアの方から間合いが詰められた。ロベリアの豊満な乳房と女海賊の手頃な大きさの乳房が、お互いを押し潰し合う。
 ……それによってまた、ロベリアの水着より媚薬が滲み出る。
「こうしてもつれ合えば、媚薬がお互いに浸透して……ウフフ、お互いにカラダを求めて止まらなくなっちゃうわね❤」
「そ、そんなこと……! ――あっ……」
 拒絶の意志を垣間見せた女海賊だったが、ロベリアが耳たぶを啄んだ途端に力が抜けた。一緒に浮島へと倒れ込んだロベリアと女海賊の肢体が、軟体動物の交尾のように絡み合う。
「……これでコンキスタドールのお眼鏡に適うかしら? それならグーッ♪ よね❤」
「あっ……あぁっ……❤」
 ロベリアの白魚の如き指が、女海賊の水着の内へと滑り込んで繊細で敏感な部分を爪弾く。決意をもってこの競技会に臨んでいた女覚醒者は、甘い声を奏でる楽器と化した。
 ロベリアの側の水着はとっくに脱げてしまっているが、彼女はそれを気にする素振りすら無い。むしろ『もっと見て❤』とばかりに身体を艶めかしく蠢かせる……。

 ――結局、第四組の勝者になったのは名も無き島民のモブ少女だった(ロベリアも全裸だった為である)。
 それであっても、まどかやるこるの考えた通り、別に『勝つ必要は無かった』のだ。実に良いドジっ子アピールを決めたまどかも、胸囲の驚異の可能性を見せ付けたるこるも、そして色々とぶっちぎったロベリアも、見事コンキスタドールのアジトへ連れて行かれる権利を勝ち取ったのである。
 ……ロベリアはともかく、まどかとるこるは不本意だったかもしれないが……。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

久遠・翔
アドリブ絡みエロ歓迎
純潔死守
黒のビキニと薄いパレオ姿
選択UC常時発動

非道な行いがあるって聞いてたのに…何これ?
完全に俺に不向きな状況なんっすけど…うぅ、やるだけやるっすよ

とりあえずカナヅチなんで水中に落ちたら絶対溺れるので水着奪いに来た人から落とされないように動く


必死に避ける…と、言うか皆さん俺集中狙いしてませんか!?ええぃ、仕方ない…皆さんすみません!と言った後水着の上を剥ぎ取ります

これで終わりに…って、なんで奪われたのに襲って…えっ?まだ下が残っている?
さ、流石に下までは…って、しまった!?と複数の女性に羽交い絞めに
そのまま襲われ女性達との絡みをコンキスタドールに見られ何度も果ててしまう…



 第四組までの水上水着剥ぎデスマッチが終わり、第五組が浮島の上へと誘われた。
 その十数名の中でただ一人の猟兵たる久遠・翔(性別迷子・f00042)は、途方に暮れた顔をしている。
「非道な行いがあるって聞いてたのに……何これ?」
 黒いビキニに身を包み、腰に巻いた薄いパレオを潮風になびかせて……翔は早くも黄昏ていた。
「いや、だって、完全に俺に不向きな状況なんっすけど!?」
 そんな風に何処かに居る運命の操り手に訴えても、今さら翔の状況が変わるはずも無い。翔を置いてきぼりに、第五組の水着剥ぎデスマッチの開始を告げる銅鑼が鳴り響く。
「……うぅ、やるだけやるっすよ」
 一歩踏み出すだけでグラグラと揺れる浮島の上を、翔は恐る恐る歩いていく。
 何せ翔……全く泳げないのである。海へと落ちたら溺れることが決定事項だ。……この海の場合、もっと悲惨なことになる可能性も充分にあり得る。翔の動きが慎重に慎重を期したものになるのは当然であった。
 ……それが、実に致命的なのであるが。
「……あ、あれ……? 何かこの組の皆さん、俺の方に集まってきてないっすか!? しゅ、集中で狙われてるっ!?」
 翔は目を白黒させているが……ええ、もう、ご存じの方も多いだろう。翔の、制御不能の女性を惹き付けるフェロモンのユーベルコードのせいである。
 後は、翔のいつものお約束通りであった。
「むっふー! 何だか、何だかあの子を剥きたくて仕方が無いのー!!」
「うわぁっ!?」
「剥くだけ剥いたら後は……♪ 大丈夫、優しくするからねー!」
「今優しくして下さいっす!?」
 殺到した島民の女の子たちが、翔の黒ビキニへ容赦なく手を伸ばしてくる。……所詮はまともな戦闘訓練も受けていない素人の動き。普段の翔ならひらりひらりと躱し続けることが出来たであろうが……今は地形効果で凄まじいペナルティを喰らっている翔である。回避は実に危なっかしく、フラフラ、フラフラと頼りない。
「……って、んああああっ……!?」
 とうとう薄手のパレオが奪われたところで、翔も覚悟を決めるしかなかった。
「ええぃ、仕方ない……皆さん、すみませんっす!!」
 シーフたる翔の両腕が華麗に閃き――周囲の少女たちの胸を覆っていた布地が次から次へと宙を舞う。大盛り、並盛り、小盛り、特盛り、デカ盛り……多種多様な膨らみが、少女たちの胸元で跳ね狂った。
 その全てから頬を赤らめつつ目を逸らして……翔は内心で安堵する。
「これでこの組の競技は終わりっすよね? お疲れ様っすー……って、何で奪われたのに襲ってくるっすかー!?」
 翔の願いとは裏腹に、第五組の少女たちは誰一人としてその程度では引き下がらなかった。
「だってまだボトムスが残ってるしー」
「今さらおっぱいの一つや二つ晒したって何てことないわよ!」
「さあ、あなたもわたしたちと同じように脱ぎ脱ぎしましょうねー♪」
「ぃ、いやああああっ!?」
 全然留まるところを知らない島民の少女たちの魔手に、憐れ、翔はとうとう捕らわれた。「流石に、下までは……!?」などと躊躇している間に、複数の少女たちに羽交い絞めにされてしまう。そのまま為す術も無く、ビキニのトップスもボトムスも剥ぎ取られ……。
「あぁっ……や、やめるっすよぉ……!!」
 翔のHカップの乳房が少女たちの細指でこね回される。白桃のようなお尻が舐めるように撫で回され、股間の恥ずかしい丘がその亀裂を広げられて……。
「あぁっ、ああっ……んぁああああああああ~~~~~~~~っっ!?」
 翔の背筋が絶頂により反り返る。小刻みに痙攣するその肢体を、しかし休ませることなく新たな少女の指が這い回り、なぞり尽くし、さらなる高みへ導いていった。一度や二度では終わらない。三度、四度……やがては二桁へ。それでも少女たちの欲望は治まらずに、何度でも翔を昇天させていく。
 その姿を、余すところなくコンキスタドールに目撃されて……。
「……っっっっ!?」
 ――その瞬間、翔はゾクッとした。女の子たちに絡まれて上昇していた身体の熱が一気に氷点下まで冷める。それくらい、冷たかったのだ……。
 ……自分、いや、この第五組による水着剥ぎデスマッチに向けられたコンキスタドールの眼差しは。
 ――ドンッッ!!
 その音に、誰もがハッとする。この島を統べるコンキスタドールの座している、御簾に隠された升席……それの中から轟いた、何かを殴り付ける激音だった。
 浜辺中の全ての視線が升席へと集中した直後、そこから低い、同時に白けた声が聞こえる。
「……もういい。やめさせろ。風情も何もありゃしねえ……」
 呆れ果てた風にも、感情を押し殺した風にも聞こえるそのオブリビオンの声が、翔にこの状況のまずさを悟らせた。
 大前提として、この島の女性は猟兵も含めてあのコンキスタドールのハーレムの一員である。少なくとも、あのコンキスタドールはそう認識しているのだ。そんな中で、翔が……たとえ身体は女性であっても、翔が、コンキスタドールのハーレムの一員であるはずの女性たちから群れ成して迫られていれば……。
 ――コンキスタドールが面白いと感じるはずが無い。
 翔の前にも、水着剥ぎデスマッチ中に他の女性と絡み合った猟兵は居た。だが、彼女たちは前提として、その行為を見せてコンキスタドールを楽しませることを念頭に置いていたのである。翔の念頭にはそのことが全く無かった。……翔の場合、この状況を引き起こしたユーベルコードを意図して使っていたわけではないのだから、仕方が無いのであるが……。
 ――けれど、これはもう『仕方が無い』では済まされない事態である。
「おい……今浮島に居る馬鹿女共は、残らず真珠にしろ! ……ああ、いや、中心になったその灰色の髪の女は残しとけ。そいつは後で直々に、オレ自身でオレをコケにしたことを後悔させてやる……!!」
「ちょっ、待っ……!?」
 何とかコンキスタドールを翻意させようと、翔は口を開こうとしたが……時、既に遅し。次々に浮島へ乗り込んできた巨大な肩当ての女たちが、逃げようとした島民の少女たちをあっさりと捕縛していく。……そして……。
 如何なるユーベルコードによるものか? 少女たちは捕まった先からその身を真珠色の輝きで覆われていった。涙ながらの悲鳴、助けを求める声……それらの一切が真珠の煌めきの中へ呑み込まれ……。
「……あ……あっ……!?」
 ……島民の少女たち『だった』真珠の彫像が、まるでガラクタのように海へと投げ込まれていくのを、翔は見守ることしか出来なかった……。
 ……翔自身は、奇しくもコンキスタドールの怒りを買ったことでアジトへと連れて行かれることになったが……この結果は、あまりにも苦かった……。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

テフラ・カルデラ
※絡み・アドリブ可

み…水着を剥ぐなんて…わたしにはとてもできません…
でも落としてしまっても大丈夫らしいですね?
それなら是非参加しましょう!男子ですがスクール水着(女子用)で参加!流石のコンキスタドールでも見間違えてしまうでしょう!

アイテム【石化ポーション】を相手に浴びせて石化…そのまま落ちてもらいましょう!
こっそり【蝋シャンパン】を置いて知らずに開けて蝋固めのトラップも仕掛けましょう、動かなくなるのですから失格と見なしても良いですよね?
ともあれそんなノリで生き残りましょう!
(固められた相手は後で癒しの鳴き声で治します)



 ……直前の水着剥ぎデスマッチ第五組の惨劇に、テフラ・カルデラ(特殊系ドMウサギキマイラ・f03212)は呼吸もままならない様子だった。
「あんな……あんなこと……っ……!」
 テフラの頬は熱く上気し、唇からは多分な熱を含んだ吐息が漏れ出る……って、おい?
 ……このウサギのキマイラさん、実は石化を始めとした状態変化をさせられることに興奮するドMなのである。そんなテフラにとって、真珠への状態変化はまさにど真ん中ストライク! 為す術も無く三球三振するシチュエーションであった。
 島民の少女たちが次々に真珠像へと変えられていく様を目撃し、猟兵としてイケナイこととは自覚していても……テフラは興奮を抑え切れない。
「羨ましい……羨ましいですぅ……!!」
 本音を漏らし、ウサ耳をピクピク揺らすテフラである。
 ……まあ、テフラの嗜好を満たすのは第二章でのお楽しみにしてもらうことにして。
 第五組の少女たちが蹂躙される様を見て、怒れるコンキスタドールの溜飲もある程度は下がったらしい。気を取り直して、テフラたち第六組の水上水着剥ぎデスマッチ開始の銅鑼が鳴る。
 しかし、戦場たる浮島の上で、テフラは困った様子で固まっていた。
「み……水着を剥ぐなんて……わたしにはとても出来ません……」
 状態変化好きドMという部分を除けば、テフラの猟兵としての良識は比較的まともだった。そんなテフラに、無辜の島民の少女たちから水着を剥ぎ取ってあられもない部分を晒させることなど、出来るはずも無い。
 ……であるが、だからといって何もしないでただ座しているわけにもいかない理由がテフラにはあった。俗に『旧スク』と称される紺色の水着を身に着けた姿は、可憐な色黒肌のウサ耳ウサ尻尾美少女にしか思えぬテフラだが……『生えている』。れっきとした『男の子』であった。
 ……どうやって目立たぬように収納しているのか、実に興味深い……。
 ――それはそれとして、第四組の時のように、猟兵以外にも積極的に他者の水着を剥ぎにくる女の子が居ないとも限らないのだ。もしも、テフラがそういった少女の餌食になれば……かなりまずい事態に陥ることは想像に難くない。
 故にこそ、テフラも無抵抗というわけにはいかないのだった。
 事実、先の第五組の有様を見て、コンキスタドールの不興を買うのは絶対に駄目だと感じた第六組の少女たちは、それ以前の組の少女たちよりも水着剥ぎデスマッチに積極的である。……流石に、死んだも同然の真珠像化よりも、コンキスタドールに見初められて手籠めにされた方がマシという心情なのだろう。
 そして、そういう少女たちにとって、おどおどしているテフラは格好の獲物に見えたはずだ。
「悪く思わないでね……!」
 島民の少女の一人が、テフラの旧スク水を剥ごうと突貫してくる――が。
「で、でも、浮島から落としてしまっても大丈夫なんですよね? それならっ」
 弱々しく見えても猟兵――瀬戸際でやる気を出したテフラは、素人に過ぎぬその少女の手を軽やかに躱す。さらに、すり抜け様に……。
 ……パシャッ。
「……えっ?」
 テフラが取り出した小瓶の中の液体を掛けられた少女が、途端に硬直する。そのままやけに盛大な水柱を上げ、彼女は浮島から海中へと没した。
「えいっ、えいぃっ!」
 打って変わって、攻めに転じたテフラ。彼が少女の横をすり抜ける度、金縛りに遭ったように固まった少女たちが浮島から転落する。
 ウサ耳少女(本当は少年)の華麗な無双に、コンキスタドールの視線が興味深い色を持ち始めた。
 ……ただ、よく観察していれば不自然な事実に気が付けただろう。テフラに海中へと落とされた少女たちがことごとく……浮かんでこない。
 実は、テフラがすり抜け様に少女たちへと振り撒いている液体は、『石化ポーション』なのである。その身を石へと変えられてしまった少女たちは、当然のことながら水に浮いてくるはずが無いのだった。
(すみません。でも……石化していれば、海中に居てもタコやクラゲに襲われませんから……)
 ある意味では、島民の少女たちの被害を最小限に出来る良策であった。
 そうして、テフラがただならぬ相手であることを察した島民の少女たちは、自然と彼から遠巻きになる。――と、そんな少女たちの一人が、浮島の一角に置かれた不自然な物に気付いた。
「……何、これ?」
 酒瓶に良く似たボトルである。ただ、ラベルの文字は彼女には読めないものだった。何故、こんな物がここに……? 好奇心に駆られた少女は、思わず瓶を拾い上げて栓をキュポンッと抜いてしまう。
 ――途端に、光沢のある真っ白い液体が間欠泉の如く噴き上がった。
「……な、何だぁっ!?」
 コンキスタドールですら、素っ頓狂な声を上げる。猛烈な勢いで浮島も、その上の少女たちも白く染め上げる液体は、『溶けた蝋』だった。蝋はあっという間に固まり、少女たちを動けなくする。
「何、何なの、これぇっ!?」
「やだ……動けない……」
「あぁん! 無理に動いたら水着が破れたよー!!」
「はぁっ……はあぁっ……! ……あ、こほんっ」
 それこそ、半ば蝋人形と化した己の状態に興奮中のテフラが仕掛けていたトラップ――『蝋シャンパン』である。瓶から無尽蔵に湧き出す溶けた蝋が、周囲のありとあらゆるものを白く固めてしまうという代物だ。
「う、動けなくなった人は、失格と見なして良いですよね?」
 そのように解釈するテフラだが、想定よりも噴き出す蝋の量が多過ぎた。このままでは自分も失格判定されてしまうと、急いで脱出を試みるが……。
「……え? あれ……?」
 ……元々大変不安定だった浮島群の上に、大量の蝋という重量物が突然出現したのだ。浮島たちは瞬く間にバランスを失い、ひっくり返り――海中へと沈んでいく!
「「「「「きゃああああああああああっっ!?」」」」」
 テフラ+第六組の少女たちの悲鳴が大合唱された。
「……ちゅ、中止っ、第六組も中止だコラァッ!!」
 コンキスタドールの号令の下、その配下の肩当て水着美女たちが少女たちの救助の為に海の中へと飛び込んでいく。……数分後、幸いにも溺死者が出ること無く、海中からテフラも少女たちも浜辺へと引き上げられたのであった。
 ……であるが、その人数が当初のおよそ倍になっていることに、焦りまくっていたコンキスタドールたちは気が付かない……。
 助けられて目を白黒させている少女たちの半数は、『第五組』の少女たちである。一度は真珠像へと変えられて海中へと捨てられた自分たちが、何故元に戻ることが出来たのか……困惑していた。
 ――全てはテフラのファインプレーである。
 海中で彼は、慌てて『癒しの鳴き声』を使ったのだ。それは、テフラによる可愛い猫の鳴き真似を聞いて共感した対象を、一切合財治療するというもの。水の中であっても、ユーベルコードの鳴き声は空気中と同じ、或いはそれ以上に響いて……蝋に固められた少女たち、ポーションで石化した少女たち、そして真珠像に変えられた少女たちの状態変化を余すことなく回復していったのである。
 そうやって真珠化が解除された少女たちも、コンキスタドールたちは第六組の少女たちと同じように海から助け上げた……そういうことだ。
 コンキスタドールたちが、島民の顔などいちいち区別していないからこその奇跡である。
「……し……死ぬかと思いました……」
 そんなクリティカルを叩き出したテフラは、そのような自覚なく、砂浜でぐったりとしているのであった……。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アリス・セカンドカラー
おまかせプレイング。お好きなように。
水着は水着コンイラストのマイクロビキニ。
アリスが導く不可思議な夜伽話の影響下においてはすべてが思うがままよ☆
サイキッカーにしてシャーマンとしての感応能力(第六感/情報収集/世界知識/読心術/視力/聞き耳)において黒幕の好みの展開を透視して、それに添うような試合運びにするわ。
なお、私が酷い目に遭う展開でもそれはそれで『我々の業界では御褒美』よ♡
こうそり、目立たない迷彩施したサイキックヴァンパイア(装備の方)を広範囲に広げて気づかれない程度ののエナジーの略奪を行ない今後の戦いに向けて魔力為しておくわ。少量づつでも対象が多ければ塵も積もればなんとやら、よ。



 さて、六番目の組の水上水着剥ぎデスマッチにおいて、ひっくり返って沈没した浮島群だが……どうにか修復も終わったようである。少し長めの休憩時間を挟んで、第七組目の水着剥ぎ取りバトルロイヤルが始まろうとしていた。
 直された浮島の上に集った十数人の少女たちの中で、早くも頭一つ分飛び抜けた存在感を醸し出しているのは彼女である――アリス・セカンドカラー(不可思議な腐敗の魔少女・f05202)。
 何せ、銀髪赤眼の容姿は可憐に整っている上に、その華奢ながら何処か妖艶な肢体を悪魔(淫魔?)モチーフのマイクロビキニで惜しげも無く晒している。しかも、白い素肌の各所にはピンク色の淫紋が……。
 ここまでに居なかった小悪魔的な美少女である。同じ第七組の少女たちはアリスの雰囲気に呑まれ、コンキスタドールの興味の視線も彼女に注がれている。
 果たして、アリスがどのように水着剥ぎデスマッチを戦い抜くのか……海辺の興味はそこへと集約していた。
 そんな期待と不安が溢れる中、第七組目の試合、開始!
 ――そして、速攻でアリスは動いた……というか、『やらかした』。
「『ようこそ♪ 私による私の為の世界へ♡ 諸君私は――』」
 ……声高に自分の望む素晴らしき妄想世界を語り上げるアリスの言葉を、誰も聞いてはいなかった。
 ドザーッと、空から大量のB5サイズの原稿用紙が降り注いできたからである。そこに描かれているのは、コマ割りされためくるめくR18の世界。ちょっと百合よりのものや男の娘系統が多かった。
 ――アリス作の薄い本の生原稿である。
 グリードオーシャンにそんな文化は……いや、何処かの島にはあるのかもしれないが、少なくともこの島には存在していなかった。初めて目撃する欲望塗れの二次元の世界に、島民の少女たちは適応出来ずに真っ赤になって固まる。
 そうなれば、後はアリスの独壇場であった。
「『アリスが導く不可思議な夜伽話(アリスリーズワンダーワールド)』の影響下においては、全てが思うがままよ☆」
 その宣言通り――この第七組の水着剥ぎバトルの決着は一瞬でついた。
 参加者の少女たち全員の水着が、一斉に弾け飛んだのである。
「「「「「えっ? あっ……いやぁああああきゃああああああああああ~~~~~~~~!?」」」」」
 皆揃ってすっぽんぽん☆ そんな状況に陥った浮島の上で、少女たちの悲鳴が乱舞する。
 それだけで終わりではない。海中から這い上がってきたタコやらイカやらクラゲやらが、少女たち全員へ襲い掛かったのだ。防御力皆無の少女たちの柔肌の上を、触手が這い回る。
「あぅんっ!? やっ、ああっ……!」
 タコ足に全身を絡め取られた少女が、吸盤によるキスの雨に喘ぎ……。
「ひんっ……!? あぅっ……ヒリヒリするのっ……!」
 クラゲの毒針に乳房の先端の突起を刺された少女がピクピクと震え……。
「あひっ……あひぃっ……!?」
 四つん這いにされ、イカの触腕でお尻を引っ叩かれた少女がガクガクと震えた。
 ――そして、アリスは一段と巨大なタコに抱え上げられ、一番苛酷な責め苦を受けていたのである!
「あっ、あっ……! す、凄いぃっ……♡」
 ……ええ、言いましたとも。第七組の水着剥ぎバトル、参加者の少女の『全員』の水着が弾け飛んだと。
 何故アリスが自分のユーベルコードの効果に自分も巻き込んでいるかといえば、彼女が事前に行った『ある工作』の結果故にである。
 アリスはサイキッカーにしてシャーマン。その官能能力……ごめん、誤字った。感応能力は相当なものである。
 それを利用して、彼女は試合の前にコンキスタドールの趣味嗜好を透視し、その結果に沿った試合運びを行う算段を立てていたのだった。
 そうしてアリスが見出したコンキスタドールの好む展開とは、『蹂躙』と『屈服』。
 少女たちが強い力を前に、抵抗空しく心を折られたり堕落していく展開……。
 さらには、心が折れた少女に微かに希望を与えた後、打って変わって追い打ちを掛けるのも強く好んでいた。
 思い返してみれば――ここまででコンキスタドールのアジトへ連行されることが決定した猟兵たちは皆、『へし折ったら面白そうな心根の持ち主』か、『ある意味既に堕落した精神状態の者』で占められていたのである。
 そこまでを読み取った上での、アリスのアクションが今のこれであった。
 元々アリスの精神は堕落の極致にあり、むしろそこを突破して天の頂にまで至っている感じであるが……だからこそ、そのままのアリスの性根を見せては、彼女は恐らくアジトへ連れて行かれる側に『選ばれない』。
 それをひっくり返す為にこその、この展開。コンキスタドールが大好きな『少女たちが為す術も無く蹂躙される』シチュエーションの中で、アリス自身が一番蹂躙されてみせようというのだ。
 ……普通の猟兵なら絶対にやらない戦略だが、そこはアリス。『我々の業界ではご褒美です☆』の精神である。
 ――そんなわけで、珍しいかもしれないアリスが完全に受けに回った触手凌辱劇をお楽しみ下さい。
「あぅんっ……♡」
 体格的にはJC……場合によってはJSにも見えかねないアリスの女陰に、ミズダコ染みた巨体の極太の触手がねじ込まれていく。下腹部のハート型の淫紋が、内側から押し上げられて歪むほどであった。
「あっ、くぅっ、ふ、太過ぎぃ……♡」
 自分の体内で波打つ触手の力強さに、アリスの息は絶え絶えになっていた。
 乱暴に、強引にアリスの秘された洞窟を突き進んだ触手は、やがて重大な地点に到達する。
「はぁっ……♡ そ、そこっ……赤ちゃ……部屋……♡ は、入っ――♡」
 女性にとって最も大事と言える、子を育む為の最奥の一室……。アリスのそこが、今、人外の魔手によってこじ開けられて……!!
「あっ、あぁっ……ああぁぁああああああああ――――――――――っっっっ!! ……ぁ……ぁ……♡」
 ……恐るべきは、これが実際のところ、アリスの自作自演であることだろう……。
 さらに、それを行っているアリス以外には誰も気が付いてはいなかったが、島民の少女たちに絡む触手の中に、こっそりと海洋生物のそれではないものが混じっていた。
 ……目立たぬように迷彩が施された、アリスの『サイキックヴァンパイア』という武装……。
 それが島民の少女たちから、健康にほぼ影響が無い程度にエナジーを奪取していっていた。
(少量ずつでも……対象が多ければ、塵も積もれば何とやら、よ♡)
 この後に控える戦いを見据えて、案外策士のアリスの準備は着々と整っていくのであった……。

大成功 🔵​🔵​🔵​

クレア・フォースフェンサー
POW
競技会に出場し、コンキスタドール……オブリビオンに何らかのアピールをせよというのじゃな。

ならばわしは、正当に勝利を目指すとするかの。
目標のオブリビオンは爬虫類のような姿をしていると聞く。
そのような輩がどのような嗜好をしておるのか皆目見当が付かぬが、征服欲が強い者ならば、気位が高そうな者にも目が向くことじゃろうて。

それに、島の娘子達の被害はできるだけ少なくしたいからの。

下着(白)を残し、衣服や装備は微粒子状に分解。
マシン・ビークルで足場である浮島の表面をコーティングし、安定した足場を確保。
周囲の者の動きや波風の流れを見切り、相手を海に落とさぬよう水着を剥がすとしようぞ。



 五番目、六番目、七番目と、予想外の展開が続いた水上水着剥ぎデスマッチ。
 とはいえ、この八番目の組の試合は前の三つと比べると波乱万丈にはならなかった。
 もっとも、だからといって見所が無いかといえばそういうことではなく……。
「はあっ!」
「あっ――きゃああっ!?」
 金髪を潮風に流し、金の瞳を涼やかに輝かせたスラリとした美女が、また一人の島民の少女の水着を剥ぎ取って敗退させていた。
「さあ――もう掛かってくる者は居らぬのか!? わしはまだ汗一つ掻いてはおらぬぞ!」
 凛とした声で潮騒を掻き消すのは、クレア・フォースフェンサー(UDC執行者・f09175)。白のアンダーウェア姿ながら、隙無く佇む姿は色香よりもカッコ良さが強い。
『競技会に出場し、コンキスタドール……オブリビオンに何らかのアピールをせよというのじゃな?』
 グリモアベースで今回の事件の話を聞いたクレアが、人造人間たる自らの頭脳より導き出した解答は明快だった。
『ならばわしは、正当に勝利を目指すとするかの』
 他の猟兵たちが色々と策を練る中、クレアがそのようなシンプルな結論に至った理由は以下の通りである。
(目標のオブリビオンは爬虫類のような姿をしていると聞く)
 また一人、挑み掛かってきた島民の少女の水着を奪い取って下し、クレアは胸中で方針を反芻する。
(そのような輩がどのような嗜好をしておるのか皆目見当が付かぬが、征服欲が強い者ならば、気位が高そうな者にも目が向くことじゃろうて)
 故に、堂々と戦って、勝って……その誇り高い姿をコンキスタドールに見せ付けることで、逆にそれを屈服させたいという欲望を向こうに起こさせようと、それがクレアの作戦だったのである。
 ……驚愕すべきは、先に試合に臨んだサイキッカーにしてシャーマンたる猟兵が、その優れた感応能力をもって読み取ったコンキスタドールの嗜好を、クレアはごく自然と読み取っていたことであろう。
 人造人間たるクレアにこのように言うのはあれかもしれないが……決して数値化出来ない、けれどそれ故に猟兵として非常に大切な部分――そこが、相当に優秀なのだと見て取れた。
 そんなクレアがまたまた一人、同じ組の島民の少女の水着を掠め取ったところで、流石に誰もがこの異常事態を把握し始める。
 ……この組の試合運びが前三つと比べて大人しいことは事実だが、だからといって激しさに欠けるほどではない。
 クレアを中心として旋風が巻き起こっている……そう表現していい程度には緊迫の試合が展開していた。
 にもかかわらず……。
「こ、の……!」
「切れのある動きじゃが、そのような大振りでは当たらぬぞ」
 スパンッ! と今度も島民の少女のビキニのトップスが宙を舞い……。
「これならぁ……!」
「背後の死角から攻めるのは良い策じゃ。だが、仕掛ける時に声を上げては意味が無いぞ?」
 シュパッ! と島民の少女の身体が縦に一回転。気付けばその身からボトムスは失われている。
「それなら!」「二人掛かりで……!!」
「数の差は単純ながら大きな優位性じゃからのう。もっとも、それももう少し研鑚を積んでおらねば活かし切れぬぞ?」
 左右から挟撃を仕掛けた島民の少女二名が、早業でトップスもボトムスも奪われた。
 クレアの手によって、浮島上には次々に敗北者が量産されていく。量産されていくのだが……それは全員、水着を奪われたことによる敗者。そう……。
 ――浮島の上から海中へと落ちる者が、この組においては未だに一人も出ていないのである。
 何故そうなっているかといえば、クレアが島民の少女たちが海へ転落する暇も無い内に、水着を奪取してしまうからであった。最初は偶然かと皆が思っていたが……ここに来て、その認識が誤りだったと解る。
 クレアは間違いなく、この状況を狙って作っていた。
「……味な真似をする女じゃねえか」
 浜辺の一角に設置された升席、その日除けの屋根から垂れる御簾越しに、コンキスタドールの低い、だが面白そうな声が響く。
「なぁに、島の娘子の被害は出来るだけ少なくしたいからの」
 そううそぶくクレアは、極めて不安定、さざ波でも大きく揺れ動くはずの浮島の上を危なげない足取りで威風堂々と歩く。
 その、歩行の安定性があるからこそ、クレアは島民の少女たちを海に転落させぬよう繊細に倒していくことが出来るのだ。
(まあ、タネを明かせば簡単なことなのじゃがな)
 微粒子状にしたマシン・ビークル――それで浮島の表面をコーティングし、そこを足場としているのだ。要するに、クレアは厳密には浮島に乗っていない。その浮島の上に構築された別の足場を利用しているからこそ、何処までも安定して揺るがないのである。
 まさに王者の如き歩みを見せ付けるクレアを眺めて、まだこの組の試合が終わっていないにもかかわらず、コンキスタドールは配下へとクレアをアジトへ連れて行く旨を通達する。
 御簾の向こうで、その牙だらけの口が笑みの形を描いていた。
「……こういう形で、自分は何があっても折れねえと、真っ向からオレに見せ付けてきた女は初めてだ……」
 ――だからこそ、その気位をへし折りたい。精神を屈服させて跪かせたい……! そんな欲求がコンキスタドールの胸に沸き立っているようである。
「ふん、望むところじゃ。やれるものならやってみよ」
 浜辺と浮島の距離を隔て、御簾を間に挟んでなお、クレアとコンキスタドールの視線が交差し、火花を散らした……。

成功 🔵​🔵​🔴​

ジール・シルバードーン
ハーレムといったって無理やり性奴隷にしてるだけじゃない!
とっちめてバキボキに折ってやるわ!
とはいえまずは相手の懐に入るところからね

アピールポイントは、あたしの場合はお尻
水着もローライズでお尻が少しはみ出るくらい小さいやつにしていくわ
デスマッチとやらだけどわざと負けるなんて性に合わないし、やるからには負けないわよ!
相手と揉みくちゃになりながら立ち回りつつ、お尻を振ってアピールしていくわ
組み付きながらお尻を突き出す格好したり、あとは転んで四つんばいになってみせたりね

よしここいらでまた転んで…あっ!?とアピールに集中するあまり海に落ちちゃって…
ちょっ普通そこに触手入れないでしょ……あぁぁんっ❤



 水上水着剥ぎデスマッチも、進むに進んで九組目。
 そこに名を連ねるジール・シルバードーン(魔法戦士シルバリードーン・f15869)は、浮島の上でお怒りであった。
(ハーレムと言ったって無理矢理性奴隷にしてるだけじゃない! とっちめてバキボキに折ってやるわ!)
 不埒なコンキスタドールを倒す為に気合い充分なジールであるが、それが一筋縄ではいかないことは理解していた。
(とはいえ、まずは相手の懐に入るところからね)
 その為には、もうすぐ始まるこの第九組目の水上水着剥ぎデスマッチを通してコンキスタドールに興味を持ってもらわなければならない。
 目的を達成する為のジールの作戦……それは『これ』である。
 ――プリンッ❤
 極小の、超ローライズボトムスの水着!
(あたしのアピールポイントと言えば、それは……この『お尻』でしょ)
 そう、大きく、形良く丸みを帯びたまさしく桃尻。そこをとにかく推していこうというのがジールの方針だった。
 もう、現状、立っているだけでジールの弾むようなお尻のお肉がボトムスの布地からはみ出しており、実に肉感的である。男ならすぐにでもむしゃぶり付きたくなるような、ムチムチな魅力が詰まっていた。
 なるほど、これほどのお尻なら、上手くアピールすればコンキスタドールの興味も引くに引けるだろうが……そこはジールの気質なのだろう。それだけで済ませる気は彼女には無かったのである。
「勝ち負けは関係無いとか言われたけど……わざと負けるなんて性に合わないし、やるからには負けないわよ!」
 そうやってジールが意気込みを述べたタイミングで、第九組の試合開始の銅鑼が鳴った。
「さあ、行くわよ!」
 手近な、同じ組の島民の少女たちが固まっている方へとジールは突進。少女の一人の腰の辺りへと組み付いた。
「きゃっ……離して!」
「そうもいかないのよ!」
 身を捻って自分を引き剥がそうとする少女に対し、ジールは逆に腕へと力を籠める。
 ……本来、猟兵であるジールが、武器も持ったことが無いような一般人の島民の少女に力負けするはずが無いが……そこは敢えて手加減し、接戦を演じるジール。踏ん張るふりをしながらお尻を突き出し、悩ましげに見えるように揺らす。
(……水着が、ちょっとお尻に喰い込んでくるけど……気にしてられないわっ)
「いい加減に……してっ!」
「きゃんっ」
 相手の少女が渾身の力を籠めたところで、わざと引き剥がされてその反動で転倒するジール。いわゆる女豹のポーズを取ってみせ、高く掲げたお尻をまたもアピールしてみせた。
(あぁ……でも、これ、ボトムスがずれたりお尻に喰い込んだりして大変じゃない……!)
 ただでさえはみ出ていたジールの尻肉が余計にはみ出て、その弾力に富んだ柔らかさを自己主張していた。
(でも……これは直さない方がアピールポイントが高いわよねっ?)
 そう見積もって、背水の陣の心持ちでジールは新たな島民の少女たちへと向かっていった。ジールと島民の少女たちのくんずほぐれつ。身体がぶつかり合い、肌が擦れ合い、ジールのローライズはますます捻じれてお尻に喰い込んでいく……。
(よし、ここいらでまた転んで……)
「――え? あっ!?」
 アピールの方に若干集中し過ぎていたせいか、それともお尻に喰い込みまくったボトムスが動きを鈍くさせたか……? 何にせよ、横合いからぶつかってきた少女の一人を避け切れなかったジールは、ビー玉か何かのように弾き飛ばされる。浮島が波を被って滑り易くなっていたことも災いし、ツルゥッと浮島の端より飛び出した。
(あ、まず――)
 思考が口に出されるより早く、ジールは海へと落下して水飛沫を上げた。何ともあっけない幕切れにジール自身が「あー!!」と憤る。
「もうー! 何やってるのよ、あたし――」
 感情に任せて海面をバシャバシャと叩き……自分の存在を必要以上に『彼ら』に教えてしまった。
 ――この海に住まう、やけに女性のカラダ好きな触手持ちの生き物たちに。
「えっ? はっ? 何こいつ!?」
 真っ先に襲来したのは、泳ぐ速さにも定評があるイカである。それの触腕が、確かめるようにジールの肢体をペタペタと触った。
「ちょっと、何処触って……あっ!? ちょっ……やぁっ!!」
 イカにとってもそこの存在感は無視出来なかったのかもしれない……白き触腕が、ジールのボトムスの内へとニュルンと入り込む。
「やっ……ぁ……そこ、やぁっ……!」
 お尻の渓谷をズルズルと這い回ったイカの触腕が、その谷底に隠されていたすぼまりを探り当てる。そこを吸盤にて撫でられて、ジールはビクンッと震えた。
「待っ、ちょっ……本当にちょっと待って! 普通、そこに触手入れないでしょ……はっ、はああっ……!?」
 ジールの背筋が反り返り、彼女の肩がプルプルと震えた。銀髪の魔法少女は、自身の不浄の穴がイカの触腕にほじくられ……そうして奥へ、奥へと侵入されていくのを自覚する。翡翠のような瞳の奥で、戸惑いの光が揺らめいた。
「あっ……はっ、あぁっ……!? やっ……やぁっ……! ぁ……あぁぁんっ……❤」
 穴をすぼめていた筋肉を強引に押し広げ、イカの触腕はなかなかの長さまでジールのお尻の中へ埋没する。と、今度はそれがズッ、ズッ、と引き抜かれ――またヌプヌプと侵入……。
「あっ、あっ……ひゃっ、あぁっ……こ、こんなっ……あぁんっ、駄目ぇっ……ひ、ひぅんっ……❤」
 何度も何度も繰り返しイカの触手に出入りされ、ジールのお尻の穴が綻んでいく。触腕の出入りは段々とスムーズになり、ジールの顔は耳まで真っ赤に染まって汗の珠を浮かび上がらせていった。
 ジールの唇から吐き出される息が荒くなり、漏れる啼き声が切羽詰まっていく……。
「あっ……嘘……嘘っ……❤ あ、あたし、お尻でっ……それも、イカなんかにっ……はっ、あっはっ……❤」
 人として屈辱的な形で……けれど止める術など無く、ジールは高みへと誘われた。
「っ……っ……っっっっ~~~~~~~~~~❤」
 咄嗟に顔を水面に浸けて、迸る声を海中へと溶かしたのは、ジールの最後の矜持だっただろうか?

 魔法戦士シルバリードーン――イカに敗北す。

成功 🔵​🔵​🔴​

渡来・みかげ
水着剥ぎデスマッチって、
まさかこんなことになるだなんて
でも転移したからには頑張るしかない
三角ビキニに着替えて参戦だよ。
……ちょっと大胆すぎるかな、この格好?

しかしこの海……
もし落ちちゃったら
さっきの人みたいにボクだって
あの触手で身体中を…
ううん、きっともっとすごいことだって……

おっと、いけない
変な想像している場合じゃなった。
とにかく、今回の作戦は
ぴょんぴょん飛び回って相手を翻弄しつつ
隙をついて水着を奪取すすしかないよね。
まさかボクが濡れた浮島に足を取られて滑って落ちるだなんてあるわけないんだもん(フラグ)

アドリブ等大歓迎



 そして、記念すべき十組目である。
 浮島に立ち、水上水着剥ぎデスマッチの開始を待つ渡来・みかげ(抜け忍・f12627)は、数奇なこの展開に空を仰いでいた。
「水着剥ぎデスマッチって、まさかこんなことになるだなんて……」
 自分がここに立つまでに行われた九回分の水着剥ぎデスマッチを思い返すみかげ。……何というか……デンジャラスであった。非常にデンジャラスであった。
「でも、ここまで来たからには頑張るしかないよね? うん、参戦だよ。……だけど、ちょっと大胆過ぎるかな、この格好?」
 みかげが見下ろしたみかげ自身の身体は、あと一歩でマイクロビキニと言われるレベルの三角ビキニで飾られていた。ちょっとどころではない大胆さである。しかも、みかげの胸は小玉スイカを思わせるサイズであり、加えてついたばかりの餅を思わせる柔らかさまで体現していた。トップスから今にも零れ落ちそうになっている……。
 腰からお尻に掛けてのラインも絶妙なみかげ、早くも十組目の少女たちの中で他の追従を許さない存在感を放ち始めていた。
 ……曲がりなりにも忍者のみかげ、こうして目立つのはどうなのだろうか……?
 ――いや、色香によるものならば、くノ一としては正しいのか?
 それの答えが出ぬ内に、十組目の水着剥ぎデスマッチ開始の銅鑼が鳴り響く。
「さあ、行くよっ」
 試合開始となるが早いか、みかげは『降魔化身法』すら用い、実に忍者らしい跳躍を見せた。
 既に行った猟兵が他にも居るが――要するに、跳躍で浮島を跳び回りながら他の参加者たちを翻弄。その隙を突こうという作戦である。同時に、跳躍時と着地時の衝撃で浮島を揺らすことになり、それによる震動で他の参加者を海へ落とせる可能性もある良戦略であった。……しかも、案外対策も立て難い……。
「――ごめんね」
「きゃあっ……!?」
 四つん這いになってどうにかバランスを保っていた島民の少女のトップスを背中から解き取り、みかげは次の獲物を見定めて跳んだ。
 そうやって次々と脱落者を増やしていくみかげだが、ふと浮島群の周りの海の青さが目に入る。
「……綺麗だとは思うけど――」
 その海中に潜む脅威を、みかげもしかと実感していた。
「……もし落ちちゃったら、これまでの人たちみたいにボクだって触手で身体中を……」
(ううん。きっと、もっと凄いことだって――)
 自分の身体に存在する穴という穴が海の生き物たちによって塞がれる有様が脳裏を過ぎり、みかげは震えた。
「――おっと、いけない」
 思わず浮かんでしまった変な想像を、みかげは頭を振って掻き消した。
(作戦は順調に進んでるんだから。ここで想定外のことなんて起きるはずが無いよ)
 このまま、これまでの流れの通りに連続跳躍とそれによる浮島の揺れで他の参加者たちを翻弄。その隙を突いて水着を掠め取っていく方針は変わらない。変わらぬまま、最後まで残るのはみかげになるだろう。
 そうならない可能性など途轍もなく低いとみかげは感じていた。何故なら、そんなことが起こるとすれば……。
「このボクが足を滑らせて海へ転落するくらいしかないんだもん。本当に……このボクが、濡れた浮島に足を取られて滑って落ちるなんて、あるわけが無い――」
 ……みかげは、きっと『フラグ』という言葉と法則性を、もっとしっかりと学ぶべきだったのだろう……。
 ツルゥッ――!!
「……んぇっ!?」
 フラグ回収という絶対的な法則の前に、みかげは無力であった。濡れた浮島に足を取られ、滑って転ぶ。
 ――バッシャーンッッ!!
「……ぷはっ!? え? 嘘? ボク、落ちたの!?」
 波間に色白の肢体をたゆたわせ、みかげは目を瞬かせた。あり得ないと思っていた出来事に直面し、彼女は呆然とする。
 ……だが、それは余計に迂闊なことであった。
 ――彼女の回収すべきフラグはまだ残っていたのだから。
「……えっ……!?」
 みかげの後ろの海面が隆起する。みかげの体躯など丸呑み出来そうなそのサイズに、『海坊主』という妖怪を彼女は連想した。
 否――その正体は、傘の直径が2mを軽く超す巨大なクラゲである。過去にUDCアースの日本近海で大量発生した『エチゼンクラゲ』に似ているだろうか?
 巨大クラゲは、細いが数え切れぬほどの数の触手を駆使し、みかげへと襲い掛かった。
「あっ……きゃああっ!?」
 みかげとて忍者にして猟兵。背後からの奇襲でも、普段なら回避は不可能ではなかっただろうが――ここに来て降魔化身法の副作用が祟った。呪縛により、みかげの動きが酷く鈍る。
 みかげのしなやかさと柔らかさが両立した肢体は、クラゲの無数の触手により絡め取られた。……触手はその細さを活かし、みかげの水着の内側へと潜り込んでくる……。
「あっ……!? ちょっ……やっ……!」
 みかげの柔乳が細い触手で雁字搦めにされ、淫らにたわむ。絞り上げられたそれの先端で、敏感な突起が触手の毒針でチクリ。
「っっ……!?」
 実は刺激にとても弱いみかげは、背筋を弓のように仰け反らせた。
 その隙を狙ったかのように、クラゲの触手はみかげの下半身……その要所中の要所にまで潜入を開始する。貝の口をこじ開けるようにくぱぁっと開かれたそこに、鍵穴へキーピックを差し込む如き慎重さをもって、幾本かの触手が挿入された。
「……っ……!? んっ……あぁっ……ああぁぁああああっっ……❤」
 鍵開けで鍵穴の中を探る如く、みかげの大事な部分が触手で繊細になぞられる。中の凹凸の些細な所まで、精密に把握されていくようだ。そのままじりじりと、より奥の方まで……。
「あぁっ❤ ああっ❤ ふわぁああああああああっっ……❤」
 まさしくみかげの深淵部、赤子を宿す為の場所……その入口にまで到達したクラゲの触手は、そこを撫で撫で。調べるようなそれの動きは、紛う方なくさらに奥にまで進む為の経路を求めていて……。
「待っ……駄目ぇっ……! それ以上奥まで入られたらっ……ボク……ボクっ……ひゃああああああああああぅぅっっ……!?」
 クラゲに人の言葉が通じるわけもない。みかげの懇願も空しく、触手は彼女の赤貝のようなそこに存在していた紅色の真珠を触手でつねり上げた。女性の身体で最も敏感とされる急所を攻められて、人一倍敏感なみかげが耐えられるはずも無い。
 そして、その陽動によりみかげの最奥の扉が僅かに隙間を開けた。それを見逃さなかった触手の一本が滑り込む……!
「……っ❤ っっっっ❤ っっ~~~~~~~~~~❤」
 城に例えるなら、本丸どころか天守閣の天辺にまで忍び込まれてしまったみかげ。これが戦なら、城主は一族郎党共々皆殺しの憂き目である。
 落城したみかげは、そのまま巨大クラゲに身体の隅々まで堪能されてしまうのだった……。

成功 🔵​🔵​🔴​

菫宮・理緒
【恋華荘】

水着は空色。
ホルターネックのニットビキニ。

「全力でいちごさんを脱がしていいなんて、素敵な島だねアイさん!」
最後まで残らなくていい!
わたしたちの勝利はそこじゃない!

【不可測演算】で行動を予測し、
アイさんとは電脳世界でリンクして情報共有。
勝利への準備は万全だよ!

「いただきます!」(瞳孔オープン)

ぜんぶ剥いじゃうと中継的に始末書問題になりそうだから、
ショーツだけを狙うね。
上はつけたままが萌えってものだしね!
半脱ぎ、最強(こく)

水着を奪いに行きますが、実力拮抗。
お互いに触って触られて、だんだん照れのほうがつよくなっていって……、

咥えているのを見たら、鼻血を出して海にひっくり落ちちゃいます


高原・美弥子
【恋華荘】
NGなし
いちごの恋人の一人だよ
水着はイラスト参照で前垂れ無しの白いビキニ

うわ、最悪のコンキスタドールだ!
この水上水着剥ぎデスマッチも趣味悪いし!
というか、これ積極的に参加してる島民ってまずいないよね?
なんとか事前工作で島民に不細工になる化粧とかしてもらって島民が連れて行かれる可能性減らせないかな?
わざと負けてもらうのは、水着剥かれるか海に落ちてアレなやつらに襲われるかだから気が咎めるから普通にやるけど

いちごは性別バレたら不味いから守りながらやるよ!
って、アイさん達が敵に回ってるし!?
ちょ、ダメだってば!
あー、もう!そう来るなら、あたしも遠慮しないからね!
いちご以外は全部敵ってことで!


彩波・いちご
【恋華荘】
※素で女装、水着は昨年の

「バレるわけにもいきませんし、全力で参加しないとですね…」
合法的にアイさんたちの水着を脱がせるとか考えたらダメです
今は目立ちつつ、私が男だとばれないようにしないと

やりやすいように恋華荘メンバー同士での戦いを
「アイさん、本気ですねっ?!」
本気の目に戸惑いつつも、そうでなくてはと気合入れなおし
全力でみんなの水着を剥ぎに行きます
その際に色々掴んだり揉んだり水着の中に手が入ったりしますけど…不可抗力という事でー?!

…って、私の下まで脱がされそうにっ?!
ちょっとまずいので隠さなければと、慌てて誰かの頭を掴んで押し付けてしまい…ごめんなさい、そういうつもりじゃ(真っ赤


アイ・リスパー
【恋華荘】
水着はイラスト参照

「理緒さん、一緒にいちごさんを全力で脱がせましょう!」

あ、いえ、別にいちごさんを合法的に脱がせられるとかいう邪な考えじゃないですよ!?(じゅるり

【グッドナイス・ブレイヴァー】で撮影用ドローンを召喚。
いちごさんの裸をバッチリ撮影……
もといコンキスタドールにデスマッチの様子を中継して目立つための準備は万端です!

「いちごさん、覚悟っ!」(本気の瞳

いちごさんとくんずほぐれつして、お互いに身体を触りあったりしつつ……
水着の中に手を入れられたり……
うっかり偶然いちごさんのボトムの中に手が入ってしまったりして……

「きゃ、きゃああっ」

運動音痴のため水着を奪われて海に落ちるのでした。


パニーニャ・エルシード
【恋華荘】
人格メイン…『アザレア』
サブ…「パニーニャ」
水着は水着コンでの競泳水着…胸元が結構ぱつぱつ(B100な意味で)

アレに気に入られる必要は…ダルいけど…
「(でも、珍しくやるきよね?)」
『合法的にいちごに触れるちゃんすだから…!』
本当は別の理由もあるけど…ユベコの状態なのに、パニーニャに突っ込まれた…痛い

とりあえず気に入られた人にくっついて、パニーニャは潜入予定。

私は…
「よっ、ほっ…理緒、アイ、いちごのそこは見せたらあうとだから、め…おっと…!きゃっ!

カウンターからの早業で、引き剥がし序でに脱がそうとしたり…あいつらに見せつけるように、掴んだ人をむにゅ、と胸元に抱き寄せたりしちゃうわ。


霧沢・仁美
【恋華荘】の皆と参加だよ。

女の敵なコンキスタドール、きっちりやっつけないとね!

水着は緑のビキニ(昨年の水着JC参照)
…去年より胸がきつくなってる気がする…

まずは一般人の子達から脱落させていくよ。
ジャンプやしゃがみ、回り込みを駆使して水着を剥ぎ取りにかかったり、海へ落としにかかったり。
多分動きに合わせて胸が凄く揺れると思うから、それでコンキスタドールの目を惹けないかなと。

恋華荘組同士の戦いになったら、理緒さんやアイさんと絡み合って胸押し付けあって取っ組み合いつつお互いをアピール。
いちごくんは…男の子だとバレないように下半身を胸と口で隠しにいくけど、その姿勢を維持しきれず一緒に海に落ちちゃうかも。



 何処かの世界にあるという温泉郷。その一角に建つ築百年を超えた古い大きな旅館は、今は猟兵限定の女子寮として利用されているという。
 そんな女子寮・『恋華荘』に住んでいる面々が、今回の事件の解決に動き出していた。
 水着剥ぎデスマッチの第十一組に固められた彼女たちは、浮島の上で試合開始の時を待っている。
「うわ、最悪のコンキスタドールだ! この水着剥ぎデスマッチも趣味悪いし!」
 こっそり吐き捨てたのは高原・美弥子(ファイアフォックスのファイアブラッド・f10469)だ。ポニーテールにされた黒髪から飛び出た狐耳が、怒りのせいかピコピコと揺れている。
 美弥子に同意して頷くのは霧沢・仁美(普通でありたい女子高生・f02862)。こちらもポニーテールにした黒髪が憤りに跳ねている。
「女の敵なコンキスタドール、きっちりやっつけないとね!」
 早くもこの島を支配するコンキスタドールへ戦意を漲らせる美弥子と仁美だが、その不埒な輩を倒す為にも、直に始まる水着剥ぎデスマッチを乗り越えないといけない。当然、二人共水着姿である。
「……何だか、胸がきつくなってる気がする……」
 ふとそんなことを漏らした仁美は、去年買った緑の三角ビキニ姿だ。ただ、去年の段階でもうきつめだったトップスは、今は余計に苦しくなっていた。……気のせいか、プッ……プチッ……とか、危うい音が聞こえるような……?
 美弥子の方も去年の水着を流用しているが、こちらは問題無い様子。昨年の夏の水着コンテストでは、実家が焼き鳥屋の為か店の前垂れも着けていたが、今はそれを外してトップスとお揃いの白いボトムスも晒している。
 その美弥子は、難しい顔で腕組みしていた。
「……事前に工作したけど、まだこんなにも島民の女の子が居るんだ……」
 実は美弥子、島民の少女たちがコンキスタドールに連れて行かれる可能性を少しでも減らす為、事前にこの島の集落のいくつかを訪問していた。そして、少女たちにわざと不細工になる化粧やみすぼらしい格好をしてもらうことで、そもそもこの競技会へ参加せずに済むように試みていたのである。
 それは功を成し、確かに見逃された少女も少なくなかったが――流石にこの島へ到着後、事前準備に使える時間が短過ぎた。島民の少女全体から考えれば、救えた少女たちは雀の涙である。
 とはいえ、少数でも『救えた』ことが猟兵にとっては重要なのだろうが。
 美弥子たちの傍らには、白の競泳水着を纏った褐色の肌の美女も佇んでいた。彼女も同じく恋華荘の住人……パニーニャ・エルシード(現世と隠世の栞花・f15849)である。……バストサイズが三桁の大台に突入している彼女は、競泳水着の胸元の布地がけしからんことになっていた。
 そのパツパツ具合を気にしつつも、パニーニャの紫の瞳はコンキスタドールが居るという浜辺の屋根と御簾付きの升席を睨んでいる。
「……アレに気に入られる必要は……ダルいけど……」
 独りごちたパニーニャへ、彼女の足元から影法師が立ち上がって囁く。
「(でも、珍しくやるきよね?)」
「合法的にいちごに触れるちゃんすだから……! ――痛い、『パニーニャ』」
 影法師に叩かれて、『彼女』は向こうをその名で呼んだ。
 パニーニャ・エルシードの中には二つの人格がある。その片方、パニーニャは、今はユーベルコードによってこの影法師と化していた。現在パニーニャ・エルシードの身体を動かしているのはもう一人の人格・『アザレア』なのである。
「(きちんとしてね?)」
 アザレアに言い含めて、パニーニャは浮島から姿を消す。彼女は、既にコンキスタドールに見初められた猟兵の誰かにくっ付き、アジトへ潜入する予定なのだ。
 そうこうしている内に、第十一組の試合開始の合図が鳴り響く。
「――全力でいちごさんを脱がしていいなんて、素敵な島だねアイさん!」
「本当に! 一緒にいちごさんを全力で脱がせましょう、理緒さん!」
「……えっ!?」
 試合開始直後、そんな風にやる気満々な声を上げたのは、空色のホルターネックのニットビキニの菫宮・理緒(バーチャルダイバー・f06437)とボトムスが三段フリルのスカートになったビキニのアイ・リスパー(電脳の天使・f07909)だ。彼女たちに標的と告げられた彩波・いちご(ないしょの土地神様・f00301)は顔を引き攣らせる。トップスはフリル満載、ボトムスはフリルを重ねたスカート付きの水着を、庇うように押さえた。
「……あの、状況を解ってます?」
「あ、いえ、別にいちごさんを合法的に脱がせられるとかいう邪な考えじゃないですよ!?」
「じゅるりと舌なめずりしながら言っても説得力が無いですよアイさん!?」
 思わずアイから一歩距離を取るいちご。
「違うのよ、いちごさん。わたしたちが言いたいのは……最後まで残らなくていい! わたしたちの勝利はそこじゃない! ……そういうことなの」
「理緒さんはごまかす気すら無いですか!?」
 いちごはまた一歩後退した。
(これは、合法的にアイさんたちの水着を脱がせられる……とか考えていたことへの罰でしょうか……!?)
 自戒するいちごだが、理緒とアイのこれは本当にまずかった。何せ、可憐極まりない容姿のいちごは、その外見に反し……恋華荘唯一の『男性』なのだから。
 脱がされたら、依頼の成否的に本気でまずいのである!
「……な、何やってるんだろう……?」
 仲間が揉める様子を冷や汗混じりで見ながら、仁美はひとまずこちらへ接近してきた島民の少女たちの対処に回る。
 島民の少女の一人が突き出してきた腕をしゃがみ込んで回避し、低い体勢のまま後ろに回り込んで、少女のボトムスの紐を解く仁美。
「あひゃあっ!?」
「ごめんね!」
 一言謝りつつ、彼女は少女の足を払って海へと落とした。
 余談だが……仁美の胸、凄まじく揺れる。地震ならばマグニチュード8級であろう。
(ちょっと恥ずかしいけど……これがコンキスタドールの目に留まれば――)
 コンキスタドールの興味を引き、アジトへ連れて行ってもらえる可能性が上がるはずと仁美は考えていた。
 ……なお、プチ、プチッ、という音が秒読みのように聞こえる気がしたのは何故だろうか?
 そして、いちごたちの方に目を戻せば、理緒とアイの暴走が加速していた。
「『不測演算、開始』」
 理緒の、これまでの情報の蓄積から対象の未来の動きを予測するユーベルコードが発動し……。
「これでいちごさんの裸をバッチリ撮影……もといコンキスタドールにデスマッチの様子を詳細に中継して目立つ為の準備は万端です!」
 アイが召喚した撮影用ドローンが浮島の周りを縦横無尽に飛び回っていた。……ちなみに、事前に押し付けられたモニターを前に、コンキスタドールは戸惑いが強い。
 バーチャルダイバーたる理緒が電脳の天使たるアイと電子の世界を介して同調すれば――彼女たちがいちごを狩る準備は万端に整ったのである。
「いただきます!(瞳孔をカッと開いた理緒)」
「いちごさん、覚悟っ!(マジの瞳のアイ)」
「アイさんも理緒さんも本気ですねっ!?」
 気迫の差、さらに数の不利でいちごが追い詰められそうになった瞬間……。
「ちょ、ダメだってば!」
 いちごを庇って理緒とアイの前に立ち塞がったのは美弥子である。同時に……。
「……先をこされた……?」
 アザレアもいちごを背中に庇う。
 美弥子とアザレアの救援で数の有利が失われた理緒とアイだが、その程度で止まるならこの戦場に立ってはいない。
「いいわ……障害を排除してこそ達成した喜びは大きくなるもの」
「私たちの力、三人に見せ付けてあげます!」
 恋華荘の住人同士の戦いは乱戦に突入した。
「あー、もう! そう来るなら、あたしも遠慮しないからね!」
 伸ばされた理緒とアイの手を弾き、美弥子が気炎を上げる。……ものの、アザレアはちゃっかりいちごと手を繋ぎ、彼と一緒にいそいそと転進していた。美弥子は理緒とアイを一人で相手取る羽目になる。
「このー! もう、いちご以外は全部敵ってことで!」
 怒髪天を衝いた美弥子が反撃とばかりにアイと理緒のトップスへ手を伸ばすが――『不可測演算』の恩恵がある理緒は美弥子の動きをことごとく読み切る。彼女と同調したアイにも美弥子の攻めは当たらない。
「いい、アイさん?」
「やりましょう、理緒さん!」
「えっ、あっ……? んきゃああああああああああっっ!?」
 アイにトップスを、理緒にボトムスをむんずと掴まれ引っ張られた美弥子が、真っ赤になって悲鳴を上げた。……この光景、コンキスタドールへ大絶賛中継中なのである。美弥子の一糸纏わぬ姿がそこへと流される――寸前。
「流石にそれ以上は駄目っ!」
「私だって……本気になりますっ!」
 比較的良識人の仁美が島民の少女たちを片付け、美弥子の救援に入った。続けて、曲がりなりにも男気を発揮したいちごも戦線に乱入して美弥子を庇う。
「あ、ありがとっ……!」
 どうにか全裸のお披露目を回避した美弥子が乱れた水着を押さえて退いていくのを、理緒とアイは何やら嫉妬が垣間見える瞳で見送る……。
「「……このぉおおおおっっ!!」」
「……あ、あれ? 何だかアイさんと理緒さんが怖いです……?」
 複雑な乙女心により、ここからの戦いはさらに混迷を極めた。
「理緒さんもアイさんも落ち着いて!」
 仁美が二人に組み付いて動きを止めようとすれば、彼女の見事な胸の膨らみがムニュッ、ムギュッと圧倒的な柔らかさと弾力を演出する。
「……わ、わたしたちには無いものが、まるで自慢するように……」
「うわぁぁんっ! 仁美さんがイジメますー!!」
「濡れ衣だよ!?」
 動揺して理緒とアイからバッと身を離す仁美。……その唐突な動きで、『限界』を迎えてしまった。
 ――ブツッ! ……はらり。
「……あ。~~~~~~~~~~っっっっ!!」
 ……メロンか、スイカか。仁美の瑞々しい特大の果実がその先端までも公開される。……去年の水着のトップスは、やはり今年の仁美に対して力不足であったようだ。
 いくらアピールでもここまでする気は無かった仁美は、両腕で胸元を掻き抱いてしゃがみ込んでしまう。
 結果、今度こそ一人でいちごは理緒とアイを相手取ることになってしまった。
「や、やってやりますよ! バレるわけにはいきませんし、全力です!!」
「いちごさん……全部剥いじゃうと中継的に始末書問題になりそうだから、下だけ狙うね。上は着けたままが萌えってものだしね! 半脱ぎ、最強」
「理緒さん、解ってますね!」
「……や、やっぱり無理かも……?」
 一瞬気弱になったいちごだが――いちごVS理緒&アイの水着剥ぎデスマッチ、意外にいちごが善戦する。その理由としては……。
「きゃっ……!? い、いちごさん、今、わたしのお尻……!」
「さ、触っちゃいました! ごめんなさい、理緒さん!!」
「にゃああっ!? い、いちごさん! 胸に手、入って……あぅんっ! それ、摘んじゃ駄目ですっっ!!」
「す、すみませんアイさん! ……い、今、何を摘んだのでしょう……?」
 目測を誤ったいちごの手が、理緒やアイの敏感な所に危険な接触☆ 何だこうだで意識している男の子(娘?)から自分の身体を触られて、それでその後も冷静に動けるほど、理緒もアイもスレてはいなかった。
 結果、照れて動きに精彩が無くなっていく理緒とアイに、いちごも何とか対応出来ていたのである。
(こ、これなら何とかなりそうですかね……?)
 とはいえ、そんな風に油断してしまったのがいちごの運の尽き。
「え、えいっ! ……あ、あれ? 私の手、いちごさんの何処に……!?!?」
「は、はぅっ……!?」
 アイがデタラメな感じに突き出した手が、何の因果かいちごのボトムスにするりん。……アイは、自分には無くていちごにはあるモノをにぎにぎしてしまう。
「「ひきゃああああああああああっっ!?」」
 アイもいちごも顔面が炎上した。そこに悠々と割って入るのはアザレアである。
「よっ、ほっ……アイ、いちごのそこは見せたらあうとだから、め……おっと!」
「うぷっ!?」
 アザレアは手早くアイをいちごから引き剥がすと、コンキスタドールへのアピールの一環として彼女をぱっつんぱっつんの胸元へ抱き寄せた。むにゅ、むにゅっとアザレアの真空パックされたような乳房が淫らに形を変えて……それに埋もれて窒息寸前のアイがパンパンと彼女の腕を叩く。それでも離してもらえなかったアイは、藁にもすがる思いでアザレアの水着の胸の部分を掴んで……。
 ずるんっ、ボヨンッ!
「きゃあっ!?」
 それによってずり落ちたアザレアの競泳水着から褐色の100cmの果実が溢れ出る。咄嗟にアザレアは、アイの水着のトップスを掠め取って胸元へ押し当てた。
「きゃっ――あ、あぁぁああああああああああっっ!?」
 露わにされた自身の緩やかな胸の丘陵を両手で隠して――元来運動音痴のアイ、バランスを崩して海へ転落する。……そこへ、お約束のタコやイカが泳いできた……。
「ええっ!? ちょ、待って下さ――ひゃぁぁああああああああああんっっ!?」
 ……憐れ、アイは触手の餌食となる。海中ではボトムスも脱がされ、前にも後ろにも吸盤だらけの触手が出入りしていることだろう……。
「アイさん!? ア、アザレアさんも……って、ひゃああああっ!?」
 いちごが二人を心配する声を上げたが……その拍子、一部が切れて緩んでしまっていたのか、いちごのボトムスがストンと落ちた。それを見て、仁美がはっと顔を上げる。
(アレが見られたらいちごくんが男の子だってバレちゃう!)
 自分の恥ずかしさなど吹き飛び、いちごのフォローに駆け出した仁美。……けれど、いちごの方はもっと切羽詰まっていたのだ。
「か、隠さないと! ……へっ?」
 いちごは咄嗟に手近なもの……接近した仁美の頭部を己の股間に押し付けた。
「……あっ……あ、ぅんっ……」
 そうして、アイににぎにぎされて大きくなっていたいちごの男性の証が、仁美の唇を押し開いて……口内へ。
「「~~~~~~~~っっ!?」」
 いちごが背筋をピンッと反らし、仁美が口に含んだ温もりにキュンッとする。
「……ぶふっ!?」
 その光景を目撃した理緒が、鼻血を噴いてそのまま海中へひっくり返った。……波間に、鮮血の赤が広がる……。
「……うわ。どうするのよ、これ?」
「……どうしよう?」
 遅ればせながら水着を整え終えた美弥子が、冷や汗をダラダラと流しながら浮島上の混沌を見回した。アザレアも首を傾げるが、良い案など出ようはずも無い。……あ、いちごと彼のモノを咥えたままの仁美も、バランスを保てずに海に落ちた。
 コンキスタドールの目も点になっているのが何となく解る。顔を見合わせる美弥子とアザレア。そして、アザレアは咳払い。

「まあ、何はともあれ……これが恋華荘のにちじょう」

「強引にシメた!?」

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

イプシィ・アスモディア
【淫魔組】
「そりゃボクもアイドルだし、お色気系ジュニアだし、こーいう仕事は何度もしてるけどさ…?」
でも今日は猟兵として来てるんだよボク
色欲の権能な女神さまでも人気ジュニアアイドルでもないんだけど
…――モルテもステラもやる気だし仕方ない、かな…うん

と言う訳でまさかの女神水着剥ぎデスマッチ開催!
今日の水着はマイクロ気味な超ローレグ縞ビキニ。アイドルだから魅せ方もバッチリ♪
当然UCを使ってネット配信も忘れずに!でもセンシティブはダメだよ?怒られちゃうから…ね♥
とりあえずモルテと協調して妙にやる気なステラを挑発して
触手うねうね罰ゲームビーチに沈めちゃおうかな?
ボクまるで海の闘牛士みたいで素敵じゃない♪


モルテマリア・ベルフェゴール
【淫魔組】

「ふんふん…催しとしては非常に良しといいますか~♪」
予知でひどい目にあっていた乙女さん達も、勿論大事なのですけど
…それはともかく、好奇心を刺激されては仕方ありません…よね…♪

ピチテカでピンキィなビキニにピチT♪すこーしは動ける。ケド
…まぁ頑張ってもらうのはイプシィとステラちゃんに任せちゃおっ
ここにいるのも間近で愉しみたいってだけですしぃ?
「でも、勿論♪ サーヴィスとプロデュースはばっちりですよぉ♪」
へーい♪って指を鳴らし、海中から顕現させた影の触手をうぞうぞぞ~♪
浮島の上をズルッぐちゅッ💕ねばァ~ってさせて…♪
ばっちりヌルヌルにセクシーショットをキメッキメでいっちゃってくださぁい♪


ステラシエル・ルチフェロ
【アドリブ歓迎】
【淫魔組】

「コンキスタドールから助ければ信者ゲットできそうよね!」
信者を増やし最上位女神に返り咲く野望増し増しな女神が水上に降臨
黄金に輝く大胆なビキニでドヤ顔と自慢の身体を見せつける!
ちなみに知り合いのイプとモルテを優先し水着を脱がし辱める目的アリ

「挑発的ね、頂くわよ!」
浮島を華麗に飛び移りながら二人水着を狙うわ!
って、触手は反則でしょ!!
ちょ、脱がすだけじゃな、や、ふぁぁ♥
ぬるぬるすご…ぁん♥
ソコ、だめぇ♥
こんな格好までさせられて…屈辱よ♥

「くぅ、ただで負けないわ!」
眷属である子獅子の群れを召喚士て二人の水着を脱がせ…何舐め回してるのよ!
二人の水着の中に潜り込んでまで!?



 水上水着剥ぎデスマッチもとうとう十二組目。いい加減折り返し地点は過ぎているだろう。
 そろそろ場の空気もダレる頃……それに喝を入れるように、浮島の上には一際華やかな三名が立っていた。
「ふんふん……催しとしては非常に良しといいますか~♪」
(予知で酷い目に遭っていた乙女さんたちも、もちろん大事なのですけど……)
「……それはともかく、好奇心を刺激されては仕方ありません……よね……♪」
 詩を吟じるように呟いたのはモルテマリア・ベルフェゴール(サクラメント・アップル・f17390)。ヒーローズアース出身の、れっきとした神様である。いわゆる『堕ちた』神ではあるものの、かつては豊穣を司っていた身。それに相応しく、素晴らしきボンッ、キュッ、ボンッなプロポーションの持ち主である。そんなおカラダを包み込んでいるのだから、ピチテカでピンキィなビキニとピチTは大変だ。
「コンキスタドールから助ければ信者ゲット出来そうよね!」
 モルテマリアの居るのとは隣の浮島で気合いを充分にしているのは、ステラシエル・ルチフェロ(輝く明星・f25565)――こちらもヒーローズアース出身の女神である。黄金に輝く大胆なビキニでドヤ顔を披露している彼女は、なるほど……確かにドヤ顔になっても仕方が無いくらいに恵まれたスタイルの持ち主である。身長こそ150cmにも届かないが……胸部の連峰はそれとはアンバランスなほどにご立派だ。
 ……で、そんな仲間二人に対し、こちらは若干死んだ目をしているのはイプシィ・アスモディア(ジ・アスモダイXII・f16507)である。溜息を吐きつつ、ブツブツと漏らしていた……。
「そりゃボクもアイドルだし、お色気系ジュニアだし、こーいう仕事は何度でもしてるけどさ……?」
(でも、今日は猟兵として来てるんだよボク? 色欲の権能な女神様でも人気ジュニアアイドルでもないんだけど……?)
 まあ、何がどうなっているかと言えば……。
 ――信者を増やして最上位の女神に返り咲く野望に気合い増し増しなステラシエル。
 ――今回の事件に何故か乗り気なモルテマリア。
 ……彼女たちに引っ張られて、あまりやる気の無いイプシィも連れて来られた……そんなわけである。
 とはいえ、プロ意識の強いイプシィ。ここまで来て、競技の開始も寸前となれば、切り替わるスイッチもあるというもので……。
「……――モルテもステラもやる気だし仕方ない、かな……うん」
 まばたき一つした後は、イプシィの表情はジュニアアイドルにして色欲の権能の女神のそれに変わっていた。
「――というわけでまさかの女神水着剥ぎデスマッチ開催! 勝つのは果たしてステラ? それともモルテ? 或いは同じ組の島民の少女たちから現れるのか!? ……いやいや、きっとこのボクだよ♪ 今日はマイクロ気味な超ローレグ縞ビキニで決めてみたんだ。よろしくね☆」
 ……いつの間にか、300体を軽く超すイプシィの使い魔が浮島の周りを飛び交い、世界の壁を越えてこの状況の配信を開始していた。他世界の視聴者も盛り上がる水上水着剥ぎデスマッチ第十二組――いよいよ開始である。
 偉大なる女神である三名、そもそも一般人である他の参加者など眼中に無し。
 イプシィはモルテマリアと肩を組み、ステラシエルへ指を突き付けた。
「ヘイヘーイ、ステラ。掛かっておいで♪」
「挑発的ね、頂くわよ!」
 イプシィからのあからさまな挑発に、しかしステラシエルは乗る。元々彼女としては、知り合いであるイプシィとモルテマリアを優先して脱がしてやろうという目論見があったのだ。……それだけ、普段二人から玩具にされているのが窺える……。
 ともかく、浮島の上を華麗に駆け、イプシィとモルテマリアが居る隣の浮島へと跳躍するステラシエル。その姿は確かに威風堂々、かつ美麗。映像の中のステラシエルの勇姿に、配信先の人々が感嘆の息を漏らしたはずである。
 ……が、それに対してモルテマリアは酷くマイペースだった。
(……すこーしは動ける、ケド……まぁ頑張ってもらうのはイプシィとステラちゃんに任せちゃおっ。ここに居るのも間近で愉しみたいってだけですしぃ?)
 そんな本音を胸中で浮かべるモルテマリア。……しかし、反して彼女のユーベルコードは高まりを見せる。
「でも、もちろん♪ サーヴィスとプロデュースはばっちりですよぉ♪」
「それじゃあ、触手うねうね罰ゲームビーチ、GO♪」
「『溢れて、零れて……♪』へーい♪」
 満面の笑みで指をパチンッと鳴らすイプシィとモルテマリア。次の瞬間、モルテマリアの影が浮島の表面を浸食するように広がり……海面すら覆い尽くして……そこからうぞうぞぞ~と、影で構成された触手が数え切れぬほどに生えてきた。
 ……当然、ステラシエルの着地点にも。
「……って、触手は反則でしょぉぉおおおおおおおおっっ!?」
 そんなルールは無い♪ とばかりに、意気揚々と触手はステラシエルを呑み込んだ。
 イタズラ大成功ー♪ という感じに、イプシィとモルテマリアがハイタッチを交わす。
「赤い布を見た牛みたいに突っ込んできたステラを、華麗に触手の海へ☆ ボク、まるで海の闘牛士みたいで素敵じゃない♪」
「浮島の上をズルッぐちゅッ💕 ねばァ~ってさせて……♪ ばっちりヌルヌルにセクシーショットをキメッキメでいっちゃって下さぁい♪」
「このっ……イプもモルテも好き勝手言って――って、ちょ、脱がすだけじゃな、や、ふぁぁ……❤」
 影の触手の群れは、ステラシエルの金色のビキニを剥ぎ取ってポイ捨てすると――それだけでは終わらぬとばかりに彼女のカラダをまさぐり始めた。色白できめ細かなステラシエルの肌の上に、汚らしい粘液が擦り付けられていく……。
「ぬるぬる、すご……ぁん❤ あぁんっ……❤」
 自らの纏う粘液を潤滑油代わりに、影の触手はステラシエルの胸の谷間を往復する。さらには乳山登山まで開始して……到達したステラシエルの二つの山頂に、触手の先端がキスをした。尖り始めていた突起へ絡み付き、そこの充血を促すようにしごく。
「ソコ、だめぇ……❤ クリクリしたら……あぁんっ❤」
 それどころか、影の触手はステラシエルの太股へと巻き付いて脚を強引に開かせる。御開帳と相成った彼女の大切な所を、さらに左右から引っ張ってくぱぁっとさせた。
「こ、こんな格好までさせられて……屈辱よ……っ……❤」
「――あ、センシティブはダメだよ? 怒られちゃうから……ね❤」
 何ともモザイクやボカシが必要になってきた為、イプシィは慌てて配信を中断する。
 そうやってイプシィがユーベルコードを操作している最中、ステラシエルは自分を奮い立たせていた。
「くぅ……ただでは負けないわ!」
 ヒーローズアースの神々の代名詞とも言えるユーベルコード――『ゴッド・クリエイション』。それを何とか発動させたステラシエルは、自身の眷属たる子供の獅子の群れをこの地に顕現させた。
「――行きなさい! 私に代わってイプとモルテの水着を脱がすのよ!!」
 創造主たるステラシエルの命を受けた子獅子たちは、幼くとも猫科の猛獣に相応しい俊敏さで触手の海を越え、二人の女神の許へ殺到した。
「なっ……ステラがこんな……!?」
「あれぇ……?」
「……って、そうじゃないでしょうぅぅっっ!?」
 確かに、子獅子たちはイプシィとモルテマリアに躍り掛かったが――ステラシエルが意図したものとは少し違った。
「あんっ……❤ この子たちイタズラ好きですねぇ……ぅんっ❤」
 モルテマリアのピチTの内へ潜り込んでいく子獅子たち。そうして彼女の素肌をペロペロ。背骨のラインをなぞり、おへそをほじくる猫科特有のざらざらとした舌に、モルテマリアは心地良さそうに微笑した。……特に抵抗することも無く、子獅子たちの戯れを受け入れていくモルテマリア。
 反面、イプシィの方は少しは抵抗してみせた。
「コラッ……ボクはそんな簡単には――あ、ちょっ、こらぁっ!」
 マイクロ気味かつ超ローレグ気味だったことが災いし、子獅子たちの爪に引っ掛けられたイプシィのボトムスはあっさりずり下ろされてしまった。そのまま彼女の下半身を、子獅子たちは舐める、舐める、舐める。
「んっ……んんっ……ふぅんっ……❤」
 膝の裏側を舐め上げられ、イプシィは脚から力が抜けて膝を突いてしまった。次いで子獅子たちはイプシィの太股の内側を舐め、お尻の丸みを舐め上げて、もっと危うい所まで舌を這わせていく……。
「はっ……あっ、あぁっ、あぁんっ……❤」
「どれだけ夢中で舐めてるの!? 二人の水着の中に潜り込んでまで!?」
 自身の創造物ながら、そのスケベさにツッコミが追い付かないステラシエル。けれど、彼女もツッコミにばかり集中しているわけにはいかない……。
 影の触手からの責め苦は、今なお継続中なのだから。
「あっ……❤ そん、なっ……くぅんっ……❤」
 とっくに配信不可能な痴態を晒していたステラシエルは、影の触手に自分のトップシークレット部分をさらに、さらに暴かれて……急上昇していく感覚に翻弄される。
「うぅんっ……❤ あっ、舐めるの、上手ですねぇ……❤ 高まってきちゃいます……❤」
 モルテマリアの肌が朱を帯びて、汗の珠が浮かんでは流星のように流れていく。自身の中で昂っていく熱量に、彼女は淫蕩な微笑みを浮かべていた。
「はぁっ……❤ だから……センシティブはダメなのにっ……❤」
 そうは言っても、イプシィも花の蕾のような自身の一部分を綻ばせ、蜜を零し始めていた。それを舐め取る子獅子たちの舌の感触に、彼女の全身にさざ波のような震えが走る。
「「「んぁっ……~~~~~~~~~~~~~~~~~~っっっっ❤」」」
 奇しくも三柱の女神たちは、同時に天へとトんだ。甘い甘い嬌声を唱和させ、全身の痙攣すらも共鳴させる。
 ……女神たちの肢体からくたぁっと力が抜けるが、彼女たちが休ませてもらえたのは僅かな時間に過ぎなかった。子獅子たちも、影の触手の群れも、まだまだ健在なのだから……。
 同じ第十二組の島民の少女たちも、いつの間にかこの饗宴に巻き込まれていて……熱っぽい喘ぎ声が潮騒を掻き消していく。

「……さぁて、まあ……もう少し眺めててもいいかねえ……」
 コンキスタドールも、もうしばらくこれを止める気は無いようだった……。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

四王天・燦
《華組》

盗賊ノスヽメ状態で忍び込んで対戦表をシホと当たるように細工

ビキニと、胸や腰の石化後遺症を隠すパレオも着用。
見えそうで見えない作戦だ。
捕らえて中を見たいと思わせるぜ

最初は友人としてシホと共同戦線。
盗み攻撃で一般人の水着を奪い「そおい」とシホの傍らの海に投げ込むよ。
健康的魅力で誘惑だ

最後はシホと決戦。
ダッシュ・暗殺で背後を取って抱く。
体を弄り、一枚ずつ煽情的に水着を脱がせ、頬と耳を舐める

二人は見世物―

好色な演技。
シホへと伝わる鼓動は穏やかで、僅かな罪悪感と秘めた欲望の充足を伝える。
(こんな形でシホを穢したくない…でも。すごく可愛い!)

抵抗に合わせ海に落ちる。
救園の中、秘めた恋心を完全理解さ


シホ・エーデルワイス
《華組》

乱戦を希望し
少女達を密かに匿う


ビキニにシースルーのパレオやワンピースで重ね着
脱がしがいを増す

『聖印』は手首に結ぶ


<目立たない様
事前に対戦相手達へコミュ力と優しさで安心させ>作戦を説明

燦と連携し
少女達を海へ落とすと見せかけ<目立たない様
手をつなぐで【救園】へ匿いつつ早業>で中に用意しておいた
込められた魔力でバタバタ動き沈んで消える身代わりの人形を海へ落とす


責めは<第六感と聞き耳が高い分敏感に感じ
漏れそうな声を恥ずかしさ耐性で堪えて身悶え
敵に私を哭かせてみたくなる様誘惑>


頃合いを見て海へ落ち
燦も救園へ匿う

触手の体内侵入は口以外<オーラ防御>で防ぎ
燦の責め同様耐える

燦…ごめん
でも…心が温かい



 ……結論から言えば、四王天・燦(月夜の翼・f04448)とシホ・エーデルワイス(捧げる者・f03442)の作戦には重大な『穴』があった。
 しかし、二人がその事実に気が付けたのは、この第十三組目の水上水着剥ぎデスマッチの競技が終わった後だったのである……。
 正確には、これはシホが立てた作戦であった。心優しき彼女は、この競技会に無理矢理引っ立てられ、場合によってはコンキスタドールに手籠めにされてしまう……そんな運命の島民の少女たちを匿いたいと考えたのである。
「だから……お願い、燦……」
「他ならないシホの頼みだからな。任せとけ」
 シホの要請を受けた燦は、まずは競技会の開始直前に、コンキスタドールの配下たちの目を盗んで競技会の組み分けへと細工を施した。自分とシホが同じ組へと割り振られるように……。そうして、燦とシホは第十三組で肩を並べることになったのである。
 同じ浮島の上に佇んだシホを見て、その可憐さに燦は思わず笑みを零す。今のシホは、水着の上に薄手のワンピースを重ね着していた。陽の光を浴びて透けた生地から、彼女の細い身体のラインが垣間見えている。
 対して、燦はビキニの上から胸元と腰にパレオを巻き付けていた。やや露出が下がっていたが……スラリと長い腕と脚がしなやかな魅力を発散している。また、見えそうで見えない絶妙な演出は、彼女を捕らえてその中を暴きたいという欲求をコンキスタドールにもたらすだろう。
 咲き誇る花のようなシホと、自由な野生の獣の如き燦が並ぶ様は、一枚の絵画のように様になっていた。
 ――けれど、そんな切り取って保存しておきたい時間は、競技開始を告げる銅鑼の音で終了させられる。
 始まってしまった第十三組目の水上水着剥ぎデスマッチ――試合開始前から些か目立っていた為か、同組の他の少女たちは我先にとシホと燦に殺到する。それに燦は少し眉根を寄せるが……気を取り直した様子でシホを庇うように前に立った。
 そこから、燦による無双が始まる。
「――そおいっ!」
 流石はシーフというべきか、燦は迫る島民の少女を危なげなく捌き、その柔肌から水着を掠め取る。それだけでは飽き足らず、彼女たちをぶん投げて海中へと落とすのだ。
 揃ってシホの傍らの海面へ叩き付けられた少女たちは、バタバタともがいて海中へと沈んでいく……。
 水飛沫を浴びたシホはキラキラと輝き、宝石のような魅力を放っていた。そんな彼女の騎士のように振る舞う燦は、堂々たる動きで健康的な魅力を纏っている。
 ……だが、二人の共同戦線は、他の少女たちが残らず海中へと没したことで終わりを迎えた。浮島の上に残るのは燦とシホの二人のみ……。決戦は彼女たちの対決となる。
「手加減はしないぜ、シホ!」
「望むところよ……燦」
 言葉は共に勇猛ながら、この戦いは一方的なものになった。
 風のような速さで走った燦が、シホの眼前で急激に、稲妻のように方向を変える。シホがそちらを向いた時には燦の姿は既にそこには無く……。
「――捕まえた」
「っっ!?」
 シホの肢体は、燦の腕の中へと囚われていたのだった。
 そのまま、燦はシホのスカートをまくり上げ、彼女の太股を撫でる。
「んっ……!?」
「逃がさない。シホの恥ずかしい姿、皆にも見てもらおうぜ」
 シホの頬に舌を這わせ、彼女の耳たぶを甘噛みしつつ、燦の指はシホのワンピースのボタンを一つずつ外していった……。
 友人のはずの少女の肌を暴き、見世物にしていく燦……。この瞬間確かに、燦もシホもコンキスタドールにとって良い娯楽であったはずだ。
 ……しかし、実情は……密着しているシホに伝わる燦の鼓動は穏やかで、時折微かに跳ね、僅かな罪悪感と秘めた欲望の充足を表現している。
 それは、燦が決して望んでこんな所業に手を染めているのではないと、シホに教えていた。
 ああ――だけど……。
(シホ、凄く可愛い!)
 演技だと理解しているはずなのに、燦にワンピースをずり下ろされ、ビキニのトップスに包まれた意外に豊満な乳房を晒したシホの頬は朱色に染まっていて……恥じらう姿が燦の本能的な部分をくすぐるのだ。
(こんな形でシホを穢したくない……)
 だけれども、哭かせてみたくなる――そんな嗜虐心をくすぐられる魅力が、今のシホにはあった。
 己の欲望に、燦が負けそうになる――一瞬前。
「もう……駄目っ!」
 それまで大人しく燦へ身を任せるだけだったシホが激しく身体を振り、抵抗した。その反動でバランスを崩した燦も、シホも、海中へと転落する。
 ……誰も居なくなった浮島の上に、試合終了の銅鑼の音が空虚に響き渡った……。

 海中でシホは、タコの群れに群がられ、その口内を触手で弄ばれていたが……どうにか他の部分への侵入は防いでいた。
 そんな彼女はコンキスタドール配下の大型の肩当ての水着美女たちによって浜辺へと引き上げられ――取り囲まれて槍を突き付けられている。
 理由はこの一点に尽きた……。
「――答えなさい。『他の第十三組の参加者たちは何処?』」
「……知りません」
 首を横に振ったシホの頬を、水着美女が平手で張った。
「この状況で、あなたが無関係だと言い逃れるのは無理ではなくて?」
「…………」
 シホは答えない。
 第十三組の競技終了後、他の組でもそうだったように、コンキスタドールの配下たちは海へ転落した競技参加者の救助に向かった。なのだが……『居なかった』のである。誰一人として……燦さえも。
 水上水着剥ぎデスマッチ第十三戦目に参加した少女たちは、シホ一人を残して何処からも消え失せていた。
 ……コンキスタドールたちは、島民の少女たちの顔など一人一人憶えてはいない。水上水着剥ぎデスマッチの組み分けでさえも人数がまちまちで、他の何かに気を取られていれば、それこそ組の人数が倍近くに増えていても気が付かないことがあるほどだ。
 ……それでも……。
 一つの組の参加者が、一人を残して影も形も無くなれば、流石に気付くし不自然さを覚える。さらには単純な推理として、最後に残った一人が何かこの事態の鍵を握っていることくらいは想像出来るのだ。
 最後に残されたシホは、コンキスタドールたちから苛烈な追及を受ける。そのことは必然であった。
 ――ただ、シホは……元から自己犠牲の精神が極めて強い。最初からこうなることは計算の内で作戦を実行したのかもしれなかった。
 ……だが――『これ』は間違いなく、シホの想定を超えていた。
「……おいっ」
 その低い声は、あまりに近くからシホの耳に届いた。
 顔を上げた彼女は戦慄する――本来コンキスタドールが座していた升席の御簾が上がり……その中が空っぽになっていたのだ。
 ならば、今シホの目の前に立つ『この異形』こそが……!
 ――纏う服は、豪奢に仕立てられていた。
 けれど、不格好極まりないのは、それを着る者の体型が人間のそれから逸脱しているせいだろう。
 端的に言えば――直立し、二足歩行する鰐。
 そんな、何処か滑稽ですらある存在が、この島を支配するコンキスタドールであった。
 もしもそれが、イラストや何かだったのなら、失笑すら出たかもしれない。
 ……だが……!!
「……っっ!?」
 シホは、全身に冷たい汗が浮かぶのを止められなかった。
(……強い……!!)
 目の前の鰐から溢れ出るユーベルコードの気配が、自分たちとは次元が違う。……仮に、シホが真の姿を晒して挑んだとしても、為す術無く一蹴されるのがありありと脳裏に浮かんだ。
 そんな、まさに化物が、鱗だらけの手でシホの細顎を掴み、自分の方へと向けさせる。
「……オマエ、味な真似やってくれたじゃねえか? オレの所有物の女共を……。なぁ、何処に隠したんだ? 今教えれば、見なかったことにしてもいいぜ?」
「……だから、私は知らないです……」
 シホはひたすらに白を切る。浅い覚悟で少女たちを匿ったわけではないのだ。
(私は、絶対に口を割らない――)
 ……ビリィッッ!!
 ――そう決意したシホの乳房から、ビキニ水着のトップスが引きちぎられた。
「……きゃあっ!?」
「さて、と。どれくらい我慢出来るかねえ? この場でオマエを素っ裸に剥く。その後はオマエを犯す。何度も、何度も、何度でもだ! オマエが隠した女共について口を割るか……女共が堪え切れなくなって飛び出してくるか……どっちが先か、試してみようじゃねえか」
「…………!!」
 あまりに直接的な、だが非常に有効なコンキスタドールの作戦だった。異形の鰐は、ついにビキニのボトムスだけになったシホの身体の上に、圧し掛かる……!
 ――それを見過ごせるほどに、燦は冷血漢ではなかった。
「シホから離れろこのクソ鰐がぁっ!!」
 唐突に、本当に唐突に、シホの隣に燦が出現した。彼女は全身からユーベルコードを滾らせ、この島の悪しき支配者へと襲い掛かる。
 ……蓋を開けてみれば、タネは簡単だった。
 シホのユーベルコード・『【救園】救いが必要な人の迷い家』――今は彼女の手首に巻かれた十字架の首飾りに触れた対象を、ユーベルコードで造られた過ごし易い異空間へと吸い込むというもの。
 それを使い、安全な異空間へと島民の少女たちを匿っていたのである。
 そもそも、最初……試合が開始される前の段階で、シホも燦も自分たちと同じ組になる少女たちは把握していた。それは燦が細工した組み分けなのだから……。
 シホは試合が開始される前に少女たちへ自分の作戦を話し、協力を持ち掛けていたのである。試合中は、燦の協力の下、少女たちを異空間へと回収していっていたのであった。
 ……海へと沈んでいっていた少女たちは、早業で入れ替えた魔法で動く人形。そして、最後は燦もシホの独断で異空間へと匿って――それでシホの作戦は完了したのだったが。
 ――コンキスタドールのシホに対する疑いが、予想以上に強過ぎた。さらに、コンキスタドールは想定以上に悪逆だった。それの暴威に晒されたシホを前にして……燦は我慢出来るはずも無かったのである。
 それが、自分を思い、庇ってくれたシホの気持ちを裏切る行為だと解っていても……!
 しかし、だがしかし……!!
 稲妻が交差し合ったような一瞬――その後に砂浜に倒れたのは燦だった。コンキスタドールの方には、痛痒は見られない……。
「ぃ――ぃいやぁああああああっ!? 燦!! 燦っ!?」
「この灰色の髪の女はアジトに連れてけ。もちろんそっちの銀髪の女もだ。……こいつらの隠した女共の行方を吐かせなきゃならねえ。大忙しだぜ」
 泣き叫ぶシホを尻目に、コンキスタドールはご機嫌に見えた。シホと燦……強い絆で結ばれた二人をどのように弄んでやろうか、思い描いているのだろう。
 ……アジトへの潜入は『成功』する。それは間違いないが……シホと燦には手酷い運命が待っているのが明白だった……。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第2章 集団戦 『阿古屋貝の戦闘員『パールウォリアー』』

POW   :    アコヤガイシールド
【肩の巨大貝殻を前面へかざしての防御モード】に変形し、自身の【移動速度】を代償に、自身の【高い防御力】を強化する。
SPD   :    トライデントスロウ
【手に持つトライデントを投擲】による超高速かつ大威力の一撃を放つ。ただし、自身から30cm以内の対象にしか使えない。
WIZ   :    スタチューパールズ
【肩の巨大貝殻の内側】から【真珠色の粘液】を放ち、【真珠化】により対象の動きを一時的に封じる。

イラスト:小鬼田平子

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 この島を支配する直立した鰐の姿のコンキスタドール。
 それが弄ぶ女性を見繕う為に開催していた『水上水着剥ぎデスマッチ』も、紆余曲折を経て終幕した。
 幾名もの猟兵が上手くコンキスタドールに見初められて、厳重な警備が敷かれた彼の鰐のアジトへと誘われる。
 ――南国のリゾート地のようなこの島において、その建物は異彩を放っていた。
 恐らくは元々この島がアックス&ウィザーズの世界にあった時代、城砦の類いであったものなのだろう。堅牢な石を組み上げて造られた巨大なそれは、壁面に多数の植物を這わせながらも揺るぎない威容を見せ付けていた。
 それのそこかしこに佇み、或いは見回っているマイクロビキニ染みた水着を身に着けた女たち。出る所は出て引っ込む所は引っ込んだ肉感的な肢体は魅惑的だが、特徴的な大型の肩当てや、手にした槍などの武装が歴戦の戦士であることを垣間見せる。
 何より――その女たちもまたコンキスタドールの一種であり、他者を真珠の像に変えるという恐るべき能力を有しているのだ。
 彼女たちの戦闘力は侮れない。このままコンキスタドールのボスに襲撃を掛けても、彼女たちが救援に駆け付ければ、猟兵たちの勝利は覚束ないのだ。
 ……今、鰐の姿のコンキスタドールのボスは、アジトの奥の自室に引っ込んで自分一人の時間を過ごしている。奴が部屋に籠もっている間に、迅速かつ確実に配下の女性型コンキスタドールの数を減らし……戦力を減じるのだ。
 コンキスタドールのボスに見初められた猟兵たちは、アジトの外へ出ることこそ出来ないが、アジト内に限れば少々出歩いても見咎められはしない。その油断を突き、奇襲を行うことは充分に可能だろう。
 また、水着剥ぎデスマッチ中は思うように動けなかった男性の猟兵も、アジトの内部の女性猟兵たちに手引きしてもらうことでアジト内に侵入、行動することは出来なくはないはずだ。
 ……ただし、気を付けてもらいたい。
 アジトの内部には今回猟兵たちと一緒に連れて来られた……もしくはそれ以前に連れて来られた一般人の島民の女性たちがいくらか存在している。彼女たちの身の安全は考慮して動かなければならない。
 それに、アジトの各所には真珠にされた島の男性の一部が見せしめのように飾られている。ユーベルコードを用いれば彼らを助けることは可能だと確認されている為、うっかり彼らに攻撃を当てて破壊してしまわないように注意が必要だ。
 ――また、ごく少数、コンキスタドールのボスの不興を買って連れて来られた猟兵たちも居る。彼女たちに関しては、状況は流動的であることを肝に銘じておかなければならないだろう。
 何にせよ……ここからが猟兵の戦いの本番だ。
 コンキスタドールたちの喉元へ、その刃を突き付けろ。
ハロ・シエラ
何とか潜り込めましたか。
競技を終えた時点の格好のまま暫く手を掴まれるとは思いませんでしたが、敵の事も観察出来たので良しとします。

さて、アジトにも着る物くらいはあるでしょう。
ボスの趣味に合わせた物かも知れませんが。
もし自分の装備を取り戻せていても、あえて武器は持たず、用意された服でうろつきます。
怯える従順な島民を装ってオブリビオンを個々に【だまし討ち】する為です。
何気なく近付いて【早業】のユーベルコードで【鎧無視攻撃】を仕掛け、素手で倒しましょう。
相手が複数なら、服を脱いで加速する必要もあるでしょう。
攻撃は【第六感】で察知して回避します。
トライデントをキャッチして【槍投げ】で返してもいいですね。



「――何とか潜り込めましたか」
 コンキスタドールのアジトの廊下を、素足でペタペタと歩きつつ、ハロ・シエラ(ソード&ダガー・f13966)は少しだけ肩の荷が下りた声音で呟いた。
 石畳の廊下はそれなりに年月が経過しているらしく、所々がひび割れたりしている。素足で歩くのは少々躊躇われるものの……。
(……競技を終えた時点の格好のまま、手を掴まれるとは思いませんでしたからね)
 そのまま、水上水着剥ぎデスマッチの競技会が終わるまで、大部分の時間をハロはコンキスタドールの傍らで過ごす羽目になったのだ。おかげで着替える暇も無く、競技会が終わるなりアジトへと連れて来られてしまった為、ハロは黒のタイサイドのビキニ水着姿のままであったりする。
(……まあ、敵のことも観察出来たので良しとします)
 コンキスタドールの鰐面を思い出し、ハロは頭を振って気を取り直した。
 ……それでも、今の無防備な格好は流石に心許無い。
(このアジトにも着る物くらいはあるでしょう。……ボスの趣味に合わせたものかもしれませんが)
 そう考えて、ハロがアジトの部屋をいくつか覗いてみること暫し――彼女はこの島の住人が普段来ているような、シンプルなワンピースを見付けた。UDCアースのファッションに例えるならキャミワンピに近いそれを着込み、ハロは少々黙考する……。
(……これは、あのコンキスタドールが連れてきた女性たちの為に用意した物なのか、それとも――)
 ――過去にこのアジトへ連れて来られた女性が着ていた物なのか? ……後者なら、この服の元々の持ち主はどうなったのか……?
「……考えても仕方ありませんね」
 ダークセイヴァーを出身とするハロは、この程度のことには慣れている。気持ちを切り替え、彼女は『本来の目的』へとシフトした。
 コンキスタドールのボスたるあの二足歩行の鰐に挑む前に――その配下の女コンキスタドールたちを可能な限り始末するのである。
 幸い、今回連れて来られた少女たちの中でも、ハロは特にコンキスタドールのボスの『お気に入り』であった。アジト内をかなり自由に行き来が出来るし、配下のコンキスタドールたちも比較的丁重に扱ってくる。
(隙を突くにはおあつらえ向きの状況ですね)
 そんなわけで、ハロはキョロキョロと辺りを見回し、躊躇いがちな足取りでアジトの中をうろつき始めた。その様は、決して歴戦の猟兵には見えない。絶対に逆らえない支配者のお膝元へと連れて来られ、戸惑うしかない少女そのものだ。
 絶妙な演技力を見せつつ、ハロが獲物を探し求めていると――廊下の向こうから件の女性型コンキスタドールが歩いてくる。恵まれたプロポーションを包むマイクロビキニと、それに不釣り合いなごつめの肩当て……否、ハロは既に見破っていた。
(巨大化した二枚貝の殻……ですよね)
 恐らく、あのコンキスタドールたちの本質を表すものである。
 その女コンキスタドールは廊下をおどおどと歩くハロに気付き――彼女が自分たちのボスのお気に入りであることにも気が付いたのだろう。ハロの目の前まで近付くと、それなりに柔らかい表情で問い掛けてきた。
「どうかされましたか、こんな所で?」
「……あ、あの、道に迷ってしまいまして……」
 俯き、伏し目がちに答えたハロは、コンキスタドールに怯える従順な島民そのもの。眼前の女もそれを疑うこと無く、ハロの手を丁寧に取った。
「では、私が元居た所までお連れしましょう。ただ、今後はあまり出歩かれないように。いつボスがあなたを呼ぶか解りませんので――」
「お気遣いありがとうございます――さよなら」
「!?」
 ハロの電光石火の抜き手が、女の脇腹からその内へと滑り込む。深く……肘の付近まで腕を女の体内へと埋め込んだハロは、何らかの臓器と思わるものをいくつか握り潰してから、腕を引き抜いた。
 ……絶命した女コンキスタドールは、何が起きたのかすら認識していなかっただろう。
「……人の血、ではありませんね……?」
 己の腕を濡らす女の体液に首を傾げるハロ。そんな彼女の前で、死してメガリスから授かったユーベルコードが抜けたのだろう……女コンキスタドールはその骸を、本性へと戻していた。
「……阿古屋貝?」
 残されたそれを拾い上げ、色々と腑に落ちるハロである。
「なるほど……確かに真珠と言えば阿古屋貝ですね」
 貝の死骸を手近な部屋へと放り込み、その部屋にあった布切れで腕を拭ったハロは、再度無力な少女を装ってアジトの廊下を徘徊する。
(愛用の装備がほぼ手元に無いのは何だか落ち着きませんが――)
 水着剥ぎデスマッチの会場だった浜辺の付近に残したままになってしまったので、そこは仕方が無い。ある程度経てば増援の猟兵も到着し、彼らが回収してくれるだろう。ハロたちが配下のコンキスタドールの数を減らし、このアジトの警備を手薄にすれば、ボスとの対決前には手元に届くかもしれない。
「……今は、仮にあっても使わないでしょうが」
 素手の方がコンキスタドールたちの油断を誘い、騙し討ちし易いのだから……。
「――ん? あなたは……」
「……ああ、ボスのお気に入りの」
(今度は二体同時ですか……)
 現れた二体目、三体目の阿古屋貝のコンキスタドール――『パールウォリアー』に、ハロは「あ、あの、すみません……」と話し掛けつつ近付いて……。
(『捉えられないほど、疾く!』)
 着たばかりのキャミワンピをバッと脱ぎ捨て、身軽になった分、加速。右のパールウォリアーの喉笛を抜き手で突き破り、その目から光を失わせた。
「なっ……!? 貴様、敵かっ!?」
 左のパールウォリアーの判断は早かった。手にする三叉の槍を、疾風のようにハロへと突き出して……。
 パールウォリアーの一閃が風なら、その槍穂を白刃取りしたハロの動きは稲妻だ。第六感で奇跡的に敵の攻撃を掴み取ったハロは、逆に相手の槍を捻って奪い取り――投げ返す。
「っっっっ!?」
 その豊かな乳房の狭間をトライデントで貫かれた女コンキスタドールは、片割れと同様に阿古屋貝の死骸へと変じた。
「……三つ。まだまだ狩らないといけませんね――」
 ワンピースを拾い直したハロは、すぐ横の窓から島の風景を見た。……水平線の間近まで太陽は傾き、赤々と輝いている。夜が訪れる前に――ハロはさらにパールウォリアーを屠るべく歩みを再開するのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

青葉・まどか
滅茶苦茶恥ずかったけど、何とかアジトにもぐりこめたね。
でも、ちょっと複雑な状況になっているみたい。

……島の女の子達のことも気になるけど、猟兵だからって何でも出来る訳じゃない。
私はコンキスタドールの女達を撃つ事に専念するよ。

真珠にされた男性の事を考えると派手な戦闘も難しいかな?
だったら、姿を消した状態で奇襲を仕掛けるよ。

『光学迷彩・透明』発動。
このUCは姿を消せる。
でも、それだけで音や熱まで消せる訳じゃない。
ある程度は有利になると思うけど慎重に行動。
予め、アジトを探索・【情報収集】。
人の往来がありつつも襲撃しやすい・バレにくい場所を確保、待ち伏せして奇襲。
確実に相手の戦力を削っていくよ。



 ――ザ、シュゥッ……!
「……っっ!?」
「……これで、四体目……っ」
 背後から忍び寄り、パールウォリアーの喉笛をダガーで掻き切って――青葉・まどか(玄鳥・f06729)は止めていた息を吐き出した。
 コンキスタドールのアジトの一角、『パールウォリアーたちの往来があり』、『待ち伏せをし易く』、『それでいて周囲にここで起きたことを察知され難い』……そんな稀有な条件を満たした階段の陰で、まどかは正体たる阿古屋貝へと戻ったパールウォリアーを隅の箱の奥へと押し込む。
 ……死した貝は時間が経てば臭ってくるだろう。そうなる前に何とかきっちり処分せねばならず、そこもまどかの頭を悩ませる。
(何にせよ、何とかアジトに潜り込めて良かった……滅茶苦茶恥ずかったけど)
 水上水着剥ぎデスマッチにて晒した痴態を思い出したまどかは、熱くなった頬を手のひらで扇いで冷ます。
 このコンキスタドールたちのアジトの砦に連れて来られ、ある程度はボスの直立した鰐に気に入られていたまどかは、それなりにアジト内を自由に歩き回ることを許されていた。
 そのことを利用し、アジトを探索・情報収集した結果に見出したのが、この絶好の奇襲・暗殺ポイントである。……何より、近くに真珠像にされた島の男性が居らず、巻き込んでうっかり壊してしまう心配が無いのが素晴らしい。
(真珠にされた男性のことを考えると、派手な戦闘も難しかったしね)
 そんな風に考えている内に、また階段の上から下りてくる足音がまどかの耳に届いた。そろそろ把握してきた、パールウォリアーたちの靴が床を叩く音。近付いてくるそれに、まどかは口の中で小さく呟いた。
「『この身よ、透けよ』」
 発動したのは光学迷彩のユーベルコード。これを使用している間、まどかの身体は何者の目にも映らなくなる。今回のような奇襲には最適の能力と言えた……が。
(このユーベルコードは姿を消せる。……でも、それだけで音や熱まで消せるわけじゃない)
 オブリビオンの中には聴覚だけで周囲の詳細な様子を掌握する者も居れば、熱を感知して闇の中でも一切影響なく周辺を知覚出来る者さえ居るのだ。
(ある程度有利になるとは思うけど、行動は慎重に……)
 新たなパールウォリアーが階段の最後の段を下り切った瞬間――最短距離でそれに迫り、まどかは刃を閃かせる。
「――何っ……!?」
 まどかの姿は見えずとも……音も極力抑えられていたとしても、感じられる何かがあったのか、パールウォリアーの肩に装着された巨大な阿古屋貝の殻がまどかの方へと動き、彼女が振るったダガーを弾く。――だが、まどかはもう片方の手でフック付きのワイヤーを振るっていた。大きく弧を描いたそれは巨大阿古屋貝の殻を迂回し、パールウォリアーの喉へと突き立つ。
「……これで五体目……」
 一戦一戦が緊張感を漲らせ、神経をすり減らす。それを疲労として感じながら、それでもまどかは引き続き階段の陰へと潜み、次なる獲物を待ち構えるのだ。
(……少し、焦燥感に駆られているのかもしれないね……)
 まどかも認識している。……まどか自身は何事も無くこのアジトへ潜入出来たが、そうはいかなかった猟兵たちが僅かながら居ることを。
 このアジトに同じく連れて来られたはずだが……彼女たちが今、どうなっているのか、まどかたちは確かめられていない。
「……ちょっと、複雑な状況になっているみたいだよね……」
 間違いなく、グリモアベースでグリモア猟兵が想定していた状況とは異なっている。そのずれがこれからの猟兵たちの行動にどんな影響を及ぼすのか――グリモアを持たぬまどかには余計に解るはずも無い。
「……島の女の子たちも、私たちと一緒に何人か連れて来られていたよね。彼女たちのことも気になるけど――」
 まどかは、痛感していた……。
「――猟兵だからって何でも出来るわけじゃない……」
 平均的な一般人よりも身体能力が高かろうと。ユーベルコードという恐るべき力を使いこなせるとしても。……腕が二本しかない猟兵たちには掴めるものが限られている。腕が届かない場所にあるものだって、掴めない。
「……だから、今――私は、コンキスタドールの女たちを討つことに専念するよ……」
 自分に出来ることから確実に、一つずつ……。そうやって積み重ねていくことこそが、結局目的に到達する為の一番の近道なのだと……まどかは気が付いているのだ。
「……そろそろ場所を変えようか……」
 都合がいいからといって、いつまでも同じところで奇襲を繰り返すのは、敵に自分の存在を認められる危険性を増す愚策である。
 まどかは再び身体を透明化させ、事前に見繕っていた別の奇襲・暗殺の好スポットへ足を向けたのだった……。

成功 🔵​🔵​🔴​

アリス・セカンドカラー
おまかせプレイング。お好きなように。
固い絆の赤い糸は繋げた相手に私の所持技能をユーベルコードレベル(自身のレベル×10倍)に高めて共有化できる。相手が一般人だろうが真珠化してようが糸さえ繋がれば関係ない。なれば、集団戦術により各種耐性を高めるオーラ防御の結界を張り一般人と真珠化された者も護りきれるだろう。
そして、この糸は苦戦してもパワーアップできるのだ。ならば、私自身が囮となり敵を惹き付けるのもいいだろう(誘惑/おびき寄せ)
あ、真珠化は多重詠唱の無呼吸詠唱による封印を解くで解除できるからタイミングはきちんと見切りましょ。
あ、目立たないようにエナジードレイン(捕食/生命力吸収/魔力溜め)してるわ


備傘・剱
(鳥獣技で兎になり)水着勝負、乗り遅れちまったが、どうやらここからが本番みたいだな
出待ちしてたら、取り残されたのは、君と俺との秘密さ

てなわけで、迷い込んだ兎ってていで潜入してみるが、この姿なら、物陰に隠れての潜入は難しくないだろう
一般女性が捕まってる所を確認して、そこの近くにいる奴から静かに暗殺していこう

空中浮遊で足音を消しつつ、喉にナイフを突き立て、ひねって空気を入れれば、声も立てずに死んでいくだろう
本格的な戦闘になるようなら、鎧砕きと鎧無視攻撃を重ねた二回攻撃とワイヤーワークスでのロープワークで縛り上げてくれるわ

後、男の像がある所では仕掛けないぜ
助けたいからな

アドリブ、絡み、好きにしてくれ



「『獣の戯れ、鳥の群。交り変わりて常世に姿を映せ。百鬼夜行も、旅の道連れ』」
 コンキスタドールたちのアジトからやや離れた木々の陰、そこからそんな呟きが風に溶ける。
 ……数瞬後、件の木の陰から飛び出したのは一匹の兎であった。軽快に跳ねながら、その兎はコンキスタドールたちのアジトたる石造りの城砦へと近付く……。
(水着勝負、乗り遅れちまったが、どうやらここからが本番みたいだな)
 兎は内心でそんなニヒルに呟いていた。……この兎、当然ただの小動物などではなく、れっきとした猟兵。備傘・剱(絶路・f01759)がユーベルコードにて変じた姿であった。
 自嘲の通り、水上水着剥ぎデスマッチの競技会には間に合わなかった剱だが、だからといってすごすごと帰るという選択肢は無い。迷い込んだ兎を装って、或いは小さくした身体を活かして物陰に潜み、敵のアジトへの潜入を試みているのである。
(出待ちしてたら取り残されたのは、君と俺との秘密さ)
 胸中でうそぶいた剱は、そんなこんなで堅牢に積み上げられた石材の許まで到達する。表面に植物が繁茂したそれを見上げ、「さあ、どう入るか?」と黙考していると――何やら物音が。
(……何だぁ?)
 砦内……ではなく、それの外で響いている音だ。兎の我が身を迂闊に目撃されぬよう慎重に、剱は音のする方へ向かう。
 ――そこでは数名のパールウォリアーたちが、銀髪で赤い瞳の少女を取り囲んでいるところだった。少女は……アリス・セカンドカラー(不可思議な腐敗の魔少女・f05202)。自分と同じ猟兵であることを察し、剱は舌打ちする。
(何やってる……!)
 アリスはこの砦の主たるコンキスタドールに見初められ、連れて来られた一人である。なので、砦内ならばある程度は自由に動き回れるが……一歩でも砦の外に出ればその限りではない。にもかかわらず、彼女は砦から出て――それを見咎めたパールウォリアーたちに殺到されたのだ。
 水着剥ぎデスマッチの競技会後、そのままこのアジトまで連れて来られたアリスは、その時の格好のまま。しかも、競技の結果によって彼女が着ていた水着は破損しており……代わりにシーツを巻き付けただけの危うい姿。色々な意味で無防備だ。
(こういう所じゃ、仕掛けたくなかったんだが……!)
 この砦の庭には、良く見れば真珠化された島の男性たちがオブジェのように立ち並んでいる。迂闊な戦闘は彼らを巻き込んで破壊してしまいかねないが……だからといって、剱が同じ猟兵のアリスを見捨てるわけにもいかない。
 兎から眼光鋭い青年の姿に戻った剱は、滑るようにアリスたちの方へ駆けた。足音が全くしないのは、僅かに空中浮遊して地面を蹴ってはいないからである。おかげで一人目のパールウォリアーは、後ろから迫る剱に一切気が付けなかった。
「っ!?」
「一人目……あばよ」
 背後から腕を回し、パールウォリアーの喉元をナイフで一刺し。刃を捻られてゴキンッと頸椎を鳴らした水着美女のコンキスタドールは、声も出せずに地面へ崩れ落ちる。
 だが、暗殺出来たのはその一人だけ。即座に他のパールウォリアーたちは剱の存在を認識した。
「侵入者……!? 一人やられた、生かして帰すな!」
「可能なら捕縛、無理なら殺しなさい!」
「ちぃっ……!?」
 勇ましく声を上げるパールウォリアーの一体をワイヤーに繋がったフック状のハンマーで殴打、さらには縛り上げる剱。そこから流れるように急所へナイフを突き込んでその個体の息の根を止めるが……流石に多勢に無勢である。
 加えて――何名かのパールウォリアーが真珠像化した島民の男性の方へ走った。剱の視線の動きや攻撃の軌道から、彼らを気にしていることを悟ったのだろう。人質に使うつもりなのだ。
「くそっ……!?」
 どうするべきかと、剱が思考をフル回転させた――その刹那。
 ――ガイィィンッ!!
「「「「「……は?」」」」」
 パールウォリアーたちと一緒に、剱も目が点になった。
 パールウォリアーたちが接近した島民の男性の真珠像が、渦巻く気流のような光を発し、逆にパールウォリアーたちを弾き飛ばしたのである。……猛烈なまでのオーラ防御。これほどのものは、猟兵の中にも使える者はそうは居ないだろう。
「……『重ねた想いは一つに。紡いだ絆は何よりも強固。私達が一緒なら何者にも負ける気がしないわ♡』」
 剱は気付いた。アリスの蝶の如き魔術刻印から赤い糸が伸び、それがこの場にある全ての真珠像へと繋がっている。赤い糸が結ばれた男性島民たちは常人にはあるまじきオーラ防御を纏い、結界を形成していた。動揺したパールウォリアーたちが手にしたトライデントを叩き付けるが、びくともしない。
 アリスのユーベルコード・『固い絆の赤い糸』――魔術刻印より発生させた赤い糸が繋がった対象は、アリスの能力の一部を本来よりも遥かに強化された形で使えるようになるのだ。
 しかも、アリスが危機に陥れば陥るほど、このユーベルコードは効果を増強されるのである。直前にパールウォリアーたちに取り囲まれ、アリスが危機に陥っていた分、今発揮されている効果は計り知れない。
 ……そもそも、アリスがわざとアジトの外へ出てきたのは、これを見越してのことなのだから。
「私自身が囮になって敵を惹き付ければ、砦の中の人たちがその分動き易くなるものね♡」
 可愛くうそぶいたアリス。何にせよ……この状況が計算づくであったのなら、剱の側も望むところだった。
「一網打尽にするぜ……!!」
 想定外の状況に大きな隙を晒したパールウォリアーたちを、剱はその肩の阿古屋貝の装甲ごと粉砕していく。それほど長い時間は掛からず、この場のパールウォリアーたちは全滅したのであった。
 ……なのだが、それなのにアリスは、この場でまだ何かしている。
「おい、一体何を……って、おおっ?」
 未だアリスが赤い糸を繋げていた男性島民たちから、徐々に真珠の色が抜けてゆく……。生身を取り戻した彼らが歓声を上げようとした寸前――唇に人差し指を当てたアリスが、「しーっ♡」と忠告した。
「まだアジトの中にはたくさんのコンキスタドールが残ってるから、気付かれないように気を付けましょ♡ あなたたちはこのままこっそりと逃げて、島の女の子たちに教えてあげて。『今夜この島はコンキスタドールの支配から解放される』って♡」
 小悪魔染みた美少女の姿の救世主の言葉に、真珠化が解けた島民の男性たちは何度も首を縦に振り、島の各所へと散っていく。それを見送って……改めてアリスは剱と向かい合った。
「増援の人ね? 良かったらわたしがアジトの中に案内するわ♡ 何ならさっきみたいに兎の姿にならないかしら? わたしのペットということにすれば、砦内でも結構自由に動けると思うわよ♡」
「中に案内してもらうのは助かるが……ペットはごめん被るぜ……」
 アリスと兎の組み合わせは絶妙と言えなくもないが――剱は半眼で首を横に振る。
 アリスがこっそりと、健康に全く影響が無い程度にだが……先程の島民の男性たちから、赤い糸を介してエナジーを吸い取っていたのを見て取っていたのである。見た目の可憐さとは裏腹に、眼前の少女猟兵は魔性で、得体の知れない相手だと察したのだ。
「とりあえず、アジト内では一般人女性が捕まってる場所を確認して――まずはその周辺の奴らから暗殺、だな」
「あら、その場所ならわたし、知ってるかも♡ ご案内するわ、怖くないわよ♡」
「いや、怖い、怖い」
 また一歩、アリスから距離を取って――剱は彼女からの提案を丁重に辞退するのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

レナータ・メルトリア
正面から挑むのは、結構辛そうな相手だね
せめて弱点になる情報でもあればいいんだけど…

エッチな事は苦手だし痛いのも嫌だからと言って、戦闘員の一人に私を下拵えしてくれるように頼みこんでみるわ
上手くいったなら、美味しくなるよう加工されてる最中に、【コミュ力】で何気ない話から、ボスの事を聞き出してみるの
食べごろになるまでに、どれだけ聞き出せるかなぁ?

あぅ、ありがとう…もういいよ、おにいちゃん
合図と共に、彼女をUCで【暗殺】しちゃうよ


…多分、いっぱい酷い事されちゃうかも。でも、戻ってきたら、またこうやってぎゅっとしてね?

出来上がった血を口移しで飲みながら、時間の許す限り兄妹のひと時を過ごしても、いいよね?



 コンキスタドールたちのアジトの一角で、レナータ・メルトリア(おにいちゃん大好き・f15048)はしきりに首を捻っていた。……彼女の脳裏に今浮かんでいるのは、この石造りの城砦の主たる直立歩行する鰐である。
「……正面から挑むのは、結構つらそうな相手だね。せめて弱点になる情報でもあればいいんだけど……」
 水上水着剥ぎデスマッチの競技会の最後で、彼のオブリビオンが垣間見せた力の一端。それに、レナータは少なからず危機感を覚えていたのだ。あれに直接挑む時に有利になる情報を何とか入手出来ないものか……? レナータはその方法について悩んでいた。
 もちろん、問題はあの鰐ばかりではない。その配下のパールウォリアーたちも厄介な存在であり、彼の鰐と開戦する前にそちらの数も減らす必要があった。
 その両方を叶える手段は……。
「……うぅん……やっぱり、あの方法しかないかな……?」
 首を傾け、唸ること数回……溜息混じりにレナータは意志を固める。廊下の角から顔を出し、目線を左へ右へ。
「……あ、居たね」
 見付けたパールウォリアーの方へ、レナータは無造作に歩いていく。
 レナータは特に足音を殺していたわけでもない。パールウォリアーはレナータの接近を察知して振り返り、彼女が自分の主の目に留まって連れて来られた少女であることに気が付いた。
 ならばこそ、パールウォリアーの側もそれなりにレナータには礼をもって対応してくる。
「どうか致しましたか――」
「あのね、わたしを下拵えしてほしいの」
「………………は?」
 パールウォリアー、目が点になる。
「あの……意味がよく……?」
 疑問符を浮かべまくるパールウォリアーへ、レナータは噛み含めるように説明する。
「あのね……わたし、エッチなことは苦手だし、痛いのも嫌なの。でも、この後どうしてもあの支配者様にシてもらうことになるわけだから……粗相が無いように、あなたが事前にわたしを下拵えしてくれないかなって……?」
「……え? えぇぇ……?」
 パールウォリアーが本気で困った顔になった。
(う、うぅん……手応えが悪いみたい……?)
 レナータも相手の鈍い反応に困ってくる。……とはいえ、これは致し方ない状況であった。
 パールウォリアーの本質は貝であり、貝の中には雌雄同体のものもあるとはいえ、彼女たちの元となった阿古屋貝は雌雄異体である。そして、パールウォリアーたちは人の女性に似た姿に変異していることからも解る通り、雌の阿古屋貝から誕生したコンキスタドールだ。故に、その精神構造も人の女性に沿ったものとなっている。
 なので、今回のレナータからの頼みは、パールウォリアーにとってはかなり困るのだ。同性から「性的な手解きをしてほしい」など……。
 ……それを差し引いても、レナータは立場上、既にパールウォリアーたちの主の『所有物』である。パールウォリアーの立場からすれば、主の所有物にどういう形であれ手を出すなど、出来はしないのだ。
 結果――パールウォリアーはこのように答えるしかない。
「私には出来かねます、申し訳ありません!」
「……そ、そこを何とか……ならないかな?」
 食い下がるレナータである。パールウォリアーを逃がすまいとその手を掴み、ぎゃーぎゃーわーわー騒ぎ合うこと暫し……。
「……解りました。百歩譲ってマッサージなら……」
「……それでいいよ」
 ……結局は無難なところに落ち着いた。
 手近な一室でレナータをそこのベッドの上に仰向けに横たえたパールウォリアーは、そのままレナータの肩や腰をモミモミ。
(……あんまり気持ち良くないね……)
 ……あくまでも戦闘員として鰐のコンキスタドールに仕えているパールウォリアー。マッサージの腕前はまさしく素人であった。
 とにかく、レナータとしても本当に『下拵え』などしてほしかったわけではない。その行為中、何気ない話から鰐のコンキスタドールの情報を聞き出そうとしていたのである。……下拵えとは違ってしまったが、マッサージ中でも世間話くらいは許されるだろう。レナータはパールウォリアーに話を振っていく。
「あなたたちのボスってどんなヒトなのかな?」
「とてもお強い方です」
「戦いでは無敵ってことだね。どれくらい強いの?」
「以前、この島に来た海賊団を一人で壊滅させておられましたね」
「海賊団を一人で壊滅は凄いねぇ。何か特別な技でも使うのかなぁ?」
「……私には解りかねます」
(……んん?)
 他にも話を続けていく内に……レナータはどうにも違和感を覚えてきた。
 ボスのコンキスタドールの能力について、パールウォリアーはこちらに話す気が無いのかと、レナータは最初こそ思っていたが……どうにも違うように思えてきた。
(まるで……このヒトも理解出来ていないみたいな……?)
 だから上手く説明出来ない……そんな感じがする。
 思えばレナータ自身、浜辺であの鰐が力の一端を振るった時、どう感じたか? ――まさに、『何が起きたのか全く解らなかった』……。
(……そこに何だかヒントがある気がするよ……)
 ――だから、もう充分だった。
「あぅ、ありがとう……もういいよ――」
「そうですか。では、私はこれで……」
「――おにいちゃん」
 レナータの台詞にほっとした表情を浮かべたパールウォリアーは、気付くのが遅れた。――その台詞が自分に向けられたものではないことに。
「……っっ!? がっ……!」
 パールウォリアーの腕に、脚に、鋭く長い針が突き刺さる。しかも、それは先端が湾曲した鉤針であり、彼女の肉に喰い込んで抜けなくなった。慌ててパールウォリアーが自分の背後へ首を回せば、そこにはペストマスク染みた顔面の人形が佇んでいる。
 ……鉤針はその人形の胸から飛び出しており、徐々に引き戻されてパールウォリアーを人形の方へと引っ張っていっていた。そして、人形の腹が異様な音を立てて割れると、そこからは鮫の顎を思わせる凶悪な刃の群れが……!
「…………っっ!? こ、こんな――」
 パールウォリアーは何とか身を守ろうと肩の巨大な阿古屋貝の殻を翳すが、それは人形の腹の顎と噛み合ってミシッ、バキッと破滅的な音を鳴らした。……数秒……或いは数分そうやって抵抗を続けたパールウォリアーだが、やがて断末魔を上げ……いつの間にかそれすらも聞こえなくなる。
 ……そうなった頃にようやくベッドから起き上がり、レナータは人形……『おにいちゃん』へと抱き付いた。人形は胸の鉤針も腹のシュレッダーも収め、レナータを抱き返す。
 温もり無き『兄』へ甘えるようにしなだれ掛かりながら、ふとレナータは目を伏せた。
「……わたし、この後あの鰐の所へ行かなきゃいけないんだ。多分、いっぱい酷いことされちゃうかも。でも、戻ってきたら、またこうやってぎゅっとしてね?」
 そういうレナータへ首を縦に振ってみせる『おにいちゃん』。感極まった様子でレナータは人形と口付けを交わす。
 ……その口から溢れる、パールウォリアーだった血液を啜りつつ、レナータは思う。
(時間が来るまでもう少し、おにいちゃんに甘えて過ごしても……いいよね?)
 彼女は、その通りにした。

成功 🔵​🔵​🔴​

夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎

■行動
こういう構造のアジトですかぁ。
何とか頑張ってみますねぇ。

まずは内部の部屋を見て回り、「連れ込むのに良い場所」を探しましょう。
そして、最初の内は襲撃に気づかれ辛い様、対象を通りすがった個体に絞って【秤濤】を使用し『魅了』、その場所に連れ込みますねぇ。
防御を固めても『超重力波』で押さえつけてしまえば、『刀』で隙間を狙うのは容易ですぅ。

何れ「襲撃」は気づかれるでしょうから、その時点で『F●S』3種も展開、『FBS』を四肢に嵌めて飛行し上から状況を把握、同時に【秤濤】の対象範囲を本来の広域に拡大し『超重力波』による[範囲攻撃]、『FRS』による[砲撃]で順に仕留めて参りますぅ。



「――なるほどぉ。こういう構造のアジトですかぁ」
 コンキスタドールたちの根城である石造りの城砦、その内部を歩き回りつつ、夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)は納得した様子で頷くのだった。
 水上水着剥ぎデスマッチを通じ、上手くコンキスタドールたちのボスたる二足歩行の鰐に気に入られたるこるは、見事その鰐のアジトへと連れ込まれることに成功したのである。……その巨大なおっぱいに、多量の吸盤の跡を付けた甲斐はあったというものだ。
 ……ともかく、コンキスタドールたちからアジト内なら自由に動き回っていいと言われたるこる、その言葉に甘えたわけではないが、アジトの構造を詳細に把握するように部屋を一つ一つ確認して回っていた。
「……あ、この部屋ならいいかもしれませんねぇ」
 そして、自分が想定するものに合致する部屋をやっと見付ける。様々な資材が立て掛けられた廊下の先にあり、鰐の配下の女のコンキスタドールたちもそうそう見回りには来ない場所……。
「それでは、何とか頑張ってみますねぇ」
 るこるなりに気合いを入れて、彼女は行動を開始したのだった。
 見繕った部屋にほどほど近い廊下にて、待つこと少々……アジト内を巡回していると思しき鰐の配下のコンキスタドール・パールウォリアーが通り掛かる。ぼーっと立っているように見えるるこるを訝しんだ様子で、彼女はるこるへ近付いてきた。――タイミングを見計らい、るこるはユーベルコードを成就する。
「『大いなる豊饒の女神、その御力の欠片による裁きをお与え下さい』」
 祈りの言葉と共に形を成したるこるのユーベルコードは、乳白色の波動となってパールウォリアーを襲った。阿古屋貝より変じたコンキスタドールの魂が、その波動により撫で上げられる。
「……ぁ……」
 瞬く間にパールウォリアーの瞳から冷静な光が失われ、後には蕩けたような熱が残る。
「一緒に来てもらえますかぁ?」
「……ぁ……ぅ、うん……」
 豊満な胸を強調したポーズでお願いしたるこるに、パールウォリアーはぎこちなく頷いた。ユーベルコードによって高められたるこるの魅力に、良い具合に魅了されたようである。
 るこるはパールウォリアーの手を引き、例の見繕った部屋へと導いた。二人きり……他の者たちの気配も遠いその場所で、るこるは……。
「――ここからは裁きの時間ですぅ」
「……ぁああああっっ……!?」
 一転、超重力を科してパールウォリアーを押さえ付けに掛かった。図られたことを悟ったパールウォリアーは肩の貝殻を翳して身を守ろうとするが、逆にそのせいで超重力にて鈍った動きがますます鈍くなる。そこまでぎこちない動作になれば、るこるにとっては容易だった……。
 ――防御の隙間を掻い潜るように刀を刺し込み、パールウォリアーの命を刈り取ることなど。
「……何だか、本当に貝を捌いているような感じですねぇ」
 最初のパールウォリアーをそうして絶命させた後、同じ手段で二体目、三体目とパールウォリアーを葬っていくるこる。普段ののんびりマイペースな様と異なり、意識のスイッチが『仕事』の方へと切り替わったのか、実に無駄無く、効率的にコンキスタドールを狩っていった。
 ……が、流石に犠牲者が増えれば、コンキスタドールの側も何かおかしいと気付いてくるわけで……。
「……この先じゃないかしら?」
「巡回中の者たちが戻ってこないとは……警戒しましょう。何かしらの侵入者かもしれません」
(……ああ、そろそろ頃合いですかぁ)
 いずれこの襲撃は気付かれるだろうと、るこる自身も予想していた。その時が来たのだと、彼女は作戦を次の段階へとシフトする。
「誰か居るのか? 動くな! ……あ?」
 件の部屋に突入したパールウォリアーたちは――そこに誰も居ないことに目を白黒させる。それでもきちんと確認する為に部屋の中央……奥にまで入っていって……。
「――掛かりましたぁ……ね」
「「「……っっ!?」」」
 るこるが発生させた超重力波によって、冷たい床へと押し倒される。無様に這いつくばったコンキスタドールたちを、るこるは四肢に装着されたチャクラムに似た武装――『フローティングブレイドシステム』の効果で、天井付近に浮遊しながら見下ろした。
「き……さっ……!?」
「さようなら、ですぅ」
 超重力に逆らい、何とか上空のるこるへ険しい視線を向けたパールウォリアーの一体が、『フローティングレイシステム』と呼称される射撃兵装からの砲撃で沈黙した。残る室内のパールウォリアーたちも順次撃ち抜いて、るこるは状況を終了させる。
「……この部屋で動くのは潮時ですかねぇ?」
 フローティングブレイドシステム……FBSを解除し、床へと着地したるこる。豊満極まる乳房をその反動で揺らしつつ、次の方針へ頭を回す。
(他にいい場所を見付けて、魅了して連れ込んでの各個撃破を続けるべきでしょうかぁ? ――それともいっそのこと、本格的な戦闘にシフトするかぁ……?)
 そんな考え事をしていると――喧騒が接近してくる気配。
「……今の音は何だ?」
「何だか仲間も足りない気がします。砦内で何かが起こっているのかも……?」
「ボスに報せましょうか? でも、その前にある程度の確認はしないと――」
「……ああ、新手が来ましたねぇ」
 フローティングレイシステム……FRSの砲撃音を聞き付けられたのだろう。これからどのように動くにしても――るこるにはその前にやるべきことが出来たようだ。
「では、また頑張ってみますかねぇ」
 いつも通りにのんびりと、少しおどおどと言い――るこるは再びFBSとFRSを展開、空中へ舞い上がるのだった……。

成功 🔵​🔵​🔴​

クレア・フォースフェンサー
次に行うは、ボスを取り巻きを減らすことじゃな

しかし、島の者達を彫像へと変えたのはあの女達と聞く
とすると、あやつらを倒した場合、彫像に変えられた者達が元に戻るやもしれぬな
その場合、隠密に事を運ぶことが難しくなる
彫像を人質に取られたりしてはやっかいじゃ
早急に確認せねばならぬな

いずれ慰み者になるとして、それまではボスの所有物であるわしらをぞんざいには扱えぬであろう
目立たぬ所にある彫像の一つに興味を示し、それを作り出した者を聞き出すとするかの
突き止められたならば、個室等でその者に対し選択UCを使用し、静かに骸の海へと還そう

後は、彫像がどうなるかじゃな
戻らぬのであれば、始末を続けてゆこうぞ



 幸先良くコンキスタドールたちのアジトへと入り込んだクレア・フォースフェンサー(UDC執行者・f09175)は、廊下の角から行き交うパールウォリアーたちを観察しつつ、難しい顔をしていた。
「……次に行うは、ボスの取り巻きを減らすことじゃな。……じゃが――」
 クレアには一点、懸念があったのである。
(しかし、島の者たちを彫像へと変えたのはあの女たちと聞く。とすると、あやつらを倒した場合、彫像に変えられた者たちが元に戻るやもしれぬな……)
 島の男性たちを真珠へと変えたのは、パールウォリアーのユーベルコードの効果。使用者の死によって効果を失うユーベルコードもある……。
 パールウォリアーのユーベルコードもその類いではないかと、クレアは疑ったのだ。
(……その場合、隠密にことを運ぶのが難しくなるのう……)
 自分たちがパールウォリアーを倒せば倒すほど、この砦内に真珠像から戻った男性島民が増えることになるのだ。騒ぎが大きくなっていくのは想像に難くない。
(そして、戻った男の島民たちを人質に取られても厄介じゃ)
「……早急に確認せねばならぬな」
 決断したクレアの行動は早かったのである。

「――なぁ、おぬし。この彫像を作った者は誰なんじゃ?」
「……はい?」
 アジト内にオブジェとして飾られた真珠化された男性島民。その内の一人を指差して問うたクレアに、質問されたパールウォリアーはキョトンとした表情をした。
 いずれはこの砦を、この島を統べるあの鰐のコンキスタドールの慰み者となる女……と、パールウォリアーはクレアを認識している。だが、それはクレアが自分たちのボスの所有物であり、だからこそぞんざいには扱えないという事実も示していた。
 故にパールウォリアーは、クレアにも一定の礼をもって接する。質問にも可能な限り答えようとした。
「……そうですね……私か、私の同類の誰か、であることは確かですが、誰がどの島民を真珠にしたかは、いちいち憶えては――ぅん? ああ、その像なら、あの子ですね……」
「心当たりがあるのかのう?」
 クレアの確認に、目の前のパールウォリアーは頷いた。
 クレアとしても、島民一人一人の顔も憶えていないようなパールウォリアーたちが、どの島民の男性をどのパールウォリアーが真珠に変えたのかなど、たとえその男性を真珠に変えた当人でも憶えているかは怪しいと感じていたが……今、クレアの眼前にある真珠像に関しては「もしや?」と思ったのだ。
 その真珠像はまだ幼い少年である。UDCアースの日本なら、まだ義務教育も始まっていない年頃だろう。そして、ほとんどの真珠像が恐怖に引き攣り泣き叫ぶ形相であるのに対し、その真珠像の表情は眠っているように安らかだった。
 この砦ばかりか、島全体に散らばる真珠像の中でも異質……ならばこそ、パールウォリアーたちの記憶にも、この少年を真珠に変えた者に関しては残っているのではないかとクレアは考えたのである。
 その推理は当たっていたようだった。
「私たちの中にも、少々変わり者の子が居まして。他の男性島民は普通に真珠に変えていたのですが、幼い子供だけは……『苦しんだ顔で固めるのは可愛くない』と……」
 子守歌を聞かせるなどしてわざわざ眠らせた後、真珠に変えていたのだと。……それどころか、真珠像に変えた後も放っておくことをせず、時々少年たちの元に来て、布で表面を拭いたりしているとか……。
「……ふむ……」
 言われてみれば、クレアの前の少年の真珠像もピカピカだ。他の真珠像がよく見れば埃を被ってくすんでいることから鑑みても……変な言い方だが大事にされている。
(うむ……あれかのう? コンキスタドールにも個体差はあって、中にはおかしな性癖を持つ者も居る、と……)
 ……いわゆるショタコン。そんな風にクレアが考えていると、会話していたパールウォリアーがハッと顔を上げた。
「……あ。ちょうど来ました。あの子です」
 そのパールウォリアーが指差した方をクレアが向けば……なるほど。その手に綺麗に洗われた手拭いを持って、スキップするように歩いてくるパールウォリアーが一人……。
 パールウォリアーたちが島民の顔など区別していないように、クレアもパールウォリアーを顔で区別することなど出来ないが……あのパールウォリアーは何となく区別が付く。
 ともあれ、新たに現れたパールウォリアーへクレアは話し掛けることにした。元から居たパールウォリアーは「それでは、私はこれで……」とそそくさと去っていく。
 クレアを前にした次なるパールウォリアーは、少し戸惑い気味の表情で首を傾げた。
「……あたしに何か御用ですか?」
「何、この彫像、おぬしが作ったものだと聞いてのう。他とは一線を画した出来であるし、何というのかのう……制作者のこだわりが感じられるというか――」
 褒め言葉に聞こえなくもないふわふわとした弁を述べるクレア――その両手がガッシとパールウォリアーに掴まれた。
「――解りますかあたしのこだわり! そう、まだ男というには幼過ぎるからこその性別を超越した輝き! それは時間が経てばいずれ失われてしまうものですが、あたしは勿体ないと思うのです! いつか失われるものだからこそ美しいという人も居ますがそれを敢えて永遠に留めることで表現される美もあるとあたしは思っていて……!!」
「……お、おぅ……」
 熱い言葉でまくし立てられて、クレアも若干引いた。……なるほど、先程のパールウォリアー、これが嫌だから逃げたのであろう……。
 とはいえ、クレアは目的の為にも逃げるわけにはいかないのだ。
「……ろ、廊下で立ち話も何じゃ。あそこの部屋で、ゆっくりおぬしの話を聞かせてくれぬか?」
「あたしの話に興味があるなんて、あなたは同志ですね! いいでしょう、じっくりと語り合いましょうお互いの少年への愛を!!」
 明確に引き攣っているクレアの顔面には気付かない様子で、ルンルンとしたパールウォリアーはすぐそこの個室へクレアの手を引き入っていく。
 ……そして、数分……。
 ギギィッと軋みを上げて開かれたその部屋の扉から出てきたクレアは、少し消耗した感じながらもやり遂げた表情だった。
 色々とアレなパールウォリアーをどうにか始末したクレアは、彼女が真珠化した少年の前に再び立つ。
「……元に戻ってはおらぬか」
 相変わらず真珠色の寝顔を見せる少年に、クレアはポツリと呟いた。
 ……仮に阿古屋貝が死んだとしても、その阿古屋貝の中で生じた真珠が消えるわけではない。今回の場合、そういうことなのだろう。
「……つまり、このまま配下のコンキスタドール共を狩っていっても問題は無いわけじゃな」
 それが確認出来たことは僥倖であった。
 気分を切り替えて、クレアは狩りに向けて足を踏み出すのである。

成功 🔵​🔵​🔴​

才堂・紅葉
「手強いですが、手早くいきましょう」
島民がいる以上は手際良くだ

方針は各個撃破
【恐怖を与える音の出る鞭】を構え、リーチの違いで先制します
相手を倒す必要はありません。【興奮するポイント】を覚え、防御の隙間から打ち据えるだけで十分です。次第に狙いは正確に鋭くなります
彼女達の肢体の、何処とは明言しませんが敏感な所を狙い打ちますね。尖った所とか執拗に

「私、これで結構頭に来てるんですよ?」

もし突っ込んでくるなら【グラップル】でお相手します
覚えた【興奮する所】を直に【部位破壊】し念入りに【踏みつけ】させて頂きますね

「皆さん、後はよろしく」
彼女の始末は復讐に燃える島民にお任せします
私は次の獲物を探しましょう



 コンキスタドールたちのアジトたる石造りの砦内……その一角に壮絶に空気を引き裂く音が鳴る。
「――んぁっ……!?」
 革紐を紡ぎ、より合わせた鞭の一撃に、パールウォリアーが苦痛に顔を歪めた。
「『ふふ。こういうのは初めて?』」
 自分の身長の何倍もの長さがある鞭をしならせて、才堂・紅葉(お嬢・f08859)は妖しく微笑んだ。
 水上水着剥ぎデスマッチで、競技そのものには敗北したものの……紅葉は上手くコンキスタドールたちのボス――直立して二足歩行する鰐に見初められ、このアジトへ連れて来られることに成功していた。そうなれば、次はボスと戦うことになった時に邪魔になる配下・パールウォリアーたちの駆逐が急務である。
「手強いですが、手早くいきましょう」
 紅葉は、今自分がパールウォリアーと交戦している廊下、そこに並ぶ扉を一瞥。……いくつかが薄く開き、中から先にこのアジトへと連れ込まれていたと思しき少女たちが不安げに瞳を覗かせている。
(島民が居る以上は手際良く、ですね)
 気合いを入れ直し、紅葉は己のユーベルコードをさらに高めていく。
「くっ……舐めないでよっ!!」
 パールウォリアーの側もユーベルコードを高め、その手に握るトライデントを投擲する構えを取るが――如何せん、彼女たちは投擲というものがあまり得意ではないらしい。投げ槍の射程は、本当に極めて短いものだった。
 その射程の外側から、紅葉の鞭は一方的にパールウォリアーを打ち据える。
「くっ……ぅあっ……ああっ……!?」
「へぇ……あなたは『そこ』がイイ感じですか?」
 紅葉が嘲るように言うと、パールウォリアーの頬に朱が散った。
 紅葉が今揮うユーベルコード・『ボンテージタイム』は……まあ、名前からして察せられる通り、鞭で打ち据えた相手の『興奮するポイント』を見切り、そこを過剰に攻めていくことで、威力も命中率も段々と増していく……というものである。
 紅葉の眼前のパールウォリアーは、その豊満な胸の山脈の、マイクロビキニの狭い布地で隠された天辺がお気に入りのようだ。そこを執拗に紅葉は叩く、叩く、叩く!
「あっ……あぁっ……!?」
 目尻から真珠の如き涙の粒を零し、パールウォリアーが身体を傾がせた。ビキニのトップスが弾け飛び、露わになったそこは、赤く痛々しく腫れている……。
「んぁぅっ!?」
 けれど、紅葉は容赦なく追撃をその部位へと加えた。

「私、これで結構頭に来てるんですよ?」

 それは、水着剥ぎデスマッチなどという低俗な競技に参加する羽目になったことかもしれないし、コンキスタドールたちがこの島の人々に働いた無体に対してかもしれない。……或いは、同じ猟兵の中にもその無体の犠牲になった……なりそうになっている者が居ることも一因だろうか?
 何にせよ、その怒りの捌け口を見付けたというように、紅葉のパールウォリアーに対する攻め手は苛烈になっていった。
「……こ、このぉっ……!!」
 乳房に幾本ものミミズ腫れを刻まれ、我慢し切れなくなった様子でパールウォリアーが低い体勢で駆け出す。紅葉の足を刈ることを目的としたタックルだ。
 その、実に強固そうな肩の阿古屋貝の殻をぶつけられれば、紅葉とてかなりの痛手となったであろう。――が、所詮はパールウォリアーも慣れていない苦し紛れの攻撃。紅葉は危なげなくそれを回避すると、反撃とばかりにパールウォリアーの乳房を蹴り上げた。
「あぁぁああああっっ……!?」
「それで終わりじゃないですよ」
 仰向けに倒れたパールウォリアー、その腫れるに腫れた乳山の頂を、紅葉は容赦なく踏み付けた。爪先でグリグリと、念入りに押し潰す。
「あっ……あぁっ……ぅ……ひぐぅっ……!!」
 パールウォリアーは目を涙で濡らしつつも爛々と輝かせ、その吐息は苦しげながらも熱い。長い四肢がビクンッ、ビクッと跳ねて、力無く床へと落ちる。
 そこまでパールウォリアーを消耗させたところで……紅葉は各部屋の扉の向こう側の少女たちへ、呼び掛けた。
「皆さん、こいつらに対して怒っているでしょう? 復讐……したいですよね? いいですよ、お任せします。後はよろしく――」
 ――そこまで言って、紅葉は自分の『勘違い』に気付いた。
「……前言撤回。皆さんは扉を閉めて、絶対に出てこないで下さい」
 時分の指示通り、扉をしかと閉めて部屋に籠もった少女たちを見届けた後――紅葉は足元のパールウォリアーへ、自らの手でとどめを刺した。
「……ああ、まあ……普通の人ならそうなりますよね……」
 傭兵生活が長かった自分とは決定的に感覚が違うのだと、紅葉は突き付けられていた。
 ……例えばである。ここがUDCアースの日本で、パールウォリアーが何人もの人を食い殺した人食い熊だったとしよう。……それが如何に疲労し、弱っていたとしても、一般人の、それもか弱い少女たちに「こいつのとどめを刺してくれ」と言ったところで……実際に出来る者が居るかという話だ。
 真面目な話……熊が死骸で「それに触ってくれ」程度のことでも拒む者ばかりだろう。
 ましてや、相手は熊以上に恐ろしいコンキスタドール……紅葉の提案を聞いた瞬間に蒼ざめた少女たちの顔は、紅葉の胸に少なからず罪悪感を刻んでいた。
「……怖がらせてしまいましたね……」
 せめて、その分の償いはしなければならない。その為に――島民の少女たちを脅かすコンキスタドールたちを殲滅すべく、紅葉は次の獲物を捜索する為に歩き出すのだった……。

成功 🔵​🔵​🔴​

テフラ・カルデラ
※絡み・アドリブ可
WIZ

普通に戦うにしても一般の人々にもしものことがありますね…
猟兵の皆さんが戦っている間に、まず真珠像に変えられた男性達を【癒しの鳴き声】で治療して、一緒に連れてこられた女性達を逃がしましょう!

もし気づかれてもわたし自身囮にして時間稼ぎで可能な限り皆さんを逃がしておきたいです!
あ、以前のデスマッチで割と効果があった【蝋シャンパン】もこっそり仕掛けてコンキスタドールの蝋燭を作っちゃいましょうか♪
仮に追い込まれて真珠像に変えられても構いませんからね…ふふふ…♪
あぁ…でも最近…そういう顔が表に出がちなので…襲われる被害者を演じて相手を調子に乗らせて逃がす時間を稼ぎたいです…



 さて、他の猟兵たちが各々の方法でパールウォリアーたちを暗殺していっていた頃……。
「戦うにしても、一般の人々にもしものことがあったら……困りますよね」
 そう考えたテフラ・カルデラ(特殊系ドMウサギキマイラ・f03212)は、パールウォリアーたちの対処を他の猟兵たちに任せ、自分はこのアジトに囚われている一般の島民たちへの対応に回ることにした。
 まずはアジト内の各所に飾られている、真珠像にされた男性の島民……その内の一人の前で、テフラは己のユーベルコードを高める。
「『にゃ~ん♪』」
 精一杯愛嬌を振り撒いた、テフラの猫の鳴き真似。その音を浴びた男性の島民の表面から、真珠の色が抜け落ちていく……。
「……ぁ……かはっ……ぷはぁっ!? ……え? 俺、助かったのかっ? あ、あんたが助けてくれたのか!? ありが――」
「――しーっ。すみません。大きい声を出すとコンキスタドールたちに気付かれますから、お静かに。ひとまずこちらに来て下さい」
 騒ぎ掛けた島民の男へ人差し指を立て、沈黙を促すテフラ。ハッとした男は両手で己の口を塞ぎ、コクコクと頷く。
 二人は足音を殺して手近な一室へ。――そこには、テフラ以前にこのアジトへと連れて来られたと思しき、二人の島民の少女が居た。
 テフラは自分が真珠化を解いた男性へ、お願いする。
「この子たちを連れて、この砦を脱出して下さい。ここはこの後戦場になりますから、危ないんです」
「えっ!? いや、だけど……俺たちを真珠に変えたあの女たちが見張ってるんだぞ……? 逃げられるとは――」
「――わたしが囮になって、あの女コンキスタドールたちを惹き付けますから。その間に砦の外に出て下さい。大丈夫、わたし、上手くやりますから!」
 自信ありげに言い切るテフラに、男は少女たちと顔を見合わせ……不安を滲ませながらも頷いてみせるのだった。

 ……その後も同じように、アジト内の真珠にされた島民男性にユーベルコード・『癒しの鳴き声』を施して真珠から元に戻していったテフラ。彼らを砦内の島民女性たちと合流させていき、ある程度人数がまとまったところで、次なる行動を起こした。

「……何ですか、これは?」
 あるパールウォリアーが、砦内の廊下の真ん中にポツンと置かれたおかしな物に気付く。
「……瓶? ラベルの文字は読めませんけど、大きさ的にはお酒の類いでしょうか……?」
 それを拾い上げ、様々な角度から眺めるパールウォリアー。とはいえ、外観を見ているだけでは埒が明かないと考えたようだ。瓶の蓋に手を掛け、キュポンッと抜いてみる……。
「――んなぁぁああああああああああっっ!?」
 瓶の中から物理法則を超えて溢れてきた間欠泉の如き溶けた蝋に、憐れそのパールウォリアーは呑み込まれる。彼女の悲鳴を聞き付けて集まってきた他のパールウォリアーたちは、その場の惨状に唖然とした。
「な……何これ……?」
「――その蝋に触るな近付くな! 固められて蝋人形にされるぞ!!」
 ……水上水着剥ぎデスマッチで同じ物が使われ、大惨事になったのを目撃していた個体から忠告が叫ばれる。けれど、既に少なくないパールウォリアーが蝋に呑み込まれ、蝋人形へと固められてしまっていた。
 舌打ちした忠告を叫んだ個体は、ふと廊下の角から顔を覗かせていたテフラを見付ける。慌てた様子で角の向こうに引っ込んだテフラに、その個体は天啓のように推測が思い浮かんだ。
「……思えば、競技中にこの蝋が湧き出した時も傍にあの娘が居たな……? ――あの娘が元凶か! 皆、捕まえるぞ!!」
 まだ動けるパールウォリアーたちが、一斉にテフラの方へと駆けてくる。始まった鬼ごっこ……鬼は多数のパールウォリアー、対して逃げるのはテフラ一人という不利極まる状況。それでもテフラは微笑んでみせる。
「皆さん、上手く逃げて下さい……」
 テフラが追い掛けられているその隙に、彼が助けた島民の男女たちは砦から脱出、集落へと逃げていっている手筈だった。自分が捕まるまでの時間が長ければ長いほど、島民たちが逃げ延びられる可能性は増す。それ故にテフラは必死で走り続けた! ――が……。
「……っ……はっ……ぜはっ……はひゅぅっ…………ぁ……」
「――追い詰めたぞ」
 一般人よりは流石に優れているものの、テフラは猟兵の中でそこまで体力に富む者ではない。その上、地の利はこの砦をアジトとし、構造を把握し切っているパールウォリアーたちにあった。廊下の前と後ろをパールウォリアーたちに固められ、ついにテフラは万事休すの状況に陥ってしまう。……陥ってしまった、はずなのだが……。
「……い――いよいよボクを真珠像にしようっていうんですねぇ! あぁ……なんてことだろうぅ……! 真珠に変わる時って痛いんでしょうかぁ? それとも気持ちいいんでしょうかぁ? 熱いのかなぁ? 冷たいのかなぁ? あぁ、興味津々で止まらないですよぅ……❤」
「……な、何こいつ!?」
 パールウォリアーたちは目を白黒させた。……何せ、絶体絶命、今から真珠像に変えられるという状況だというのに……テフラの赤い瞳はうるうると潤み、蕩けたような輝きを湛えている。頬は上気して湯気すら上げそうな有様で、緩むに緩んだ口元からは「えへへぇ……❤」と笑みが零れていた。頭のウサ耳はピコピコピコピコ動きまくっている。
 ……状態変化系の責めに物凄く本能をくすぐられてしまう性癖のテフラ、真珠像化という未知の領域に足を踏み入れようとしている今、興奮が抑え切れずに思わず本音が口を突いて出ていた……。
 それには、流石のパールウォリアーたちもドン引きである。
「……あ」
 パールウォリアーたちの「うわぁ……」という感じの視線の集中砲火を浴び、「最近……こういう顔が表に出がちで反省しきりです……」と悩んでいたテフラ、二、三度深呼吸をし、口元や目元を拭って表情を引き締め直した。
「……ただではやられません! 掛かって来なさい!!」
(ここで少しでも……襲われる被害者を演じて相手を調子に乗らせてでも、一般の人たちが逃げ切れる時間を稼がないと――)
「「「「「いや、今さら取り繕っても無理だから!!」」」」」
 阿古屋貝型肩アーマーから溢れた真珠色の粘液と共に、パールウォリアー一同はテフラにツッコミを浴びせるのであった……。

成功 🔵​🔵​🔴​

四王天・燦
《華組》

連行中、真珠像にゾクリ―
永遠の縛への怖れが露呈

尋問は沈黙。
シホの口を割らせるにはアタシへの真珠化責めが有効と見せるぜ

剥がれる水着。
粘液を全身に浴びないよう身を捩る。
気色悪さと変異に悲鳴

元気・破魔で完全真珠化に抵抗

「真珠の煌めきに心が、染まる…」
弱る演技はシホに行動を求める合図

シホが注意を引いたらフォックスファイア・弐式で周囲の敵を眠らせる

作戦失敗時は強行突破

救園の装備確保。
破魔符で真珠の封印を解く。
戦闘員も女の子、夢のまま呪詛で命脈を断つぜ

救助活動開始…忍び足で闇に紛れ偵察。
シホを手招きし進む

敵は暗殺で背後を取り気絶攻撃。
色っぽく吸血&生命力吸収で吸精さ。
(いつかシホの精気も欲しい…)


シホ・エーデルワイス
《華組》

まだ終わりじゃない


尋問中
手首のロザリオは<目立たない>様隠す

私を傷つけても<オーラ防御と各種耐性に少女達を守る覚悟と勇気>で耐え
気絶しても【贖罪】が自動発動し傷は治る為
埒が明かない

傷つく燦を見て辛いが合図が出るまで待ち
出たら堪え切れず泣き叫んで懇願し白状しそうな<演技で
敵の注意をおびき寄せ>る

寝たら拘束は<念動力で鍵開け>
【救園】から装備を取り出し<早着替え>
【祝音】か<医術>でお互いを手当て


燦の先導と指示に従い
<忍び足と目立たない>で進む
やり過ごす際は燦を救園へ匿い『聖笄』で隠れる

道中の真珠像と一般人は救園へ匿う

戦闘は<風氷属性攻撃のオーラ防御で粘液を捌き凍らせつつ
聖剣で鎧無視攻撃>



 水上水着剥ぎデスマッチの最終組において、同じ組の少女たちを異空間へと匿ったが為に、それをコンキスタドールたちに見咎められて窮地に陥った猟兵二名……。
 四王天・燦(月夜の翼・f04448)とシホ・エーデルワイス(捧げるもの・f03442)。
 二人の窮地は未だ終わってはいなかった。
 コンキスタドールたちのアジトは、かつてアックス&ウィザーズにあった時代、戦いの為の城砦であったようである。……だからこそか。石造りのそれの地下には、捕虜を収監しておく目的で造られたと思しき牢獄の区画があった。
 燦とシホは、他の猟兵たちとは違いそこへと連れて来られたのである。
 コンキスタドールのボスの攻撃によって気を失っていた燦は、既に目を覚ましていた。ただ……顔色が若干悪い。それをシホは心配する。
「……ごめんなさい、燦……」
「――シホのせいじゃない。……これは、アタシの……」
 申し訳なさそうに目を伏せたシホへ、燦は気丈に言った。……事実、それは燦自身の問題である。この牢獄へ連行される道中で見た、真珠像にされた島民の男性……。それが燦の中に秘められていたトラウマを刺激したのだ。……『永遠の縛への怖れ』……。
(だけど――その弱さをシホの前で晒すのは嫌だ……!!)
 そんな矜持が燦を支えている。
 何にせよ、そういう燦の態度はパールウォリアーたちには気に食わなかったようだ。彼女たちは燦とシホへの尋問……その名を借りた拷問を開始する。
「――おいっ、やめろ……! シホに触るな!!」
「うるさい、黙ってなさい」
「ぐっ!?」
 燦の顔を蹴り付けて黙らせ、パールウォリアーたちの魔手はまずシホの方へ及んだ。
 まあ、普通に考えて。女性ながら何処か男性的な雰囲気もあり、負けず嫌いな様子も垣間見せる燦よりも、可憐な少女然としたシホの方が口を割り易そうだと感じるのは頷けることだ。そもそも、パールウォリアーたちの認識では、水着剥ぎデスマッチ最終組の他の少女たちを隠すことを主導したのはシホである。シホの方を主な標的とするのは自然なことであった。……が……。
 ……パールウォリアーたちにとっては、その選択がまず誤りだった。
「……この女、どうなっているの……!?」
「覚醒者の類いであることは間違いないから、恐らくはユーベルコードね……」
 パールウォリアーたちが冷や汗を垂らす。
 彼女たちが、少し傷付ければ泣き喚いて許しを乞うと想定していたシホは――想像以上にタフで頑固だった。ここに来た時点で既にビキニのボトムスだけだった肢体の細い四肢……それをトライデントで貫いても悲鳴を上げない。手足の指を一本ずつ切り落としても呻き一つ漏らさない。その煌めく青い瞳へ針を突き立てても……決してパールウォリアーたちには屈しなかったのだ。
 ……パールウォリアーの一人が推測した通り、シホのユーベルコード・『【贖罪】償いの時間』の効果である。これが発動している限り、シホは肉体的な損傷や苦痛に対してはほぼ無敵となっていた。しかも、何かの拍子にシホが気を失うと、それに連動して負傷が全て治癒してしまう……。圧倒的に埒が明かない状況にパールウォリアーたちは顔を見合わせる。
 ……とはいえ、シホが『傷付けられている』事実には変わりない。それを見せ付けられることになった燦の奥歯は、噛み締め過ぎて今にも砕けそうだ。
「……どうするの?」
「いっそのこと、ボスにお願いして躾けてもらった方が……」
「でも、ボスは――」
 パールウォリアーたちが言っている通り、あの鰐のコンキスタドールが『肉体』ではなく『心』をへし折るような真似をすれば、話は違ったかもしれない。――が、彼の鰐は意外にもシホたちへの対応をパールウォリアーたちに任せて自分は部屋に引っ込んでしまった。……実のところ、そこに少し燦は違和感を覚えていたのだが……。
(……アタシを返り討ちにした時に何か……あったのか?)
 黙しながらも頭を回す燦――その時、ふとパールウォリアーの一人が目敏く彼女を見た。
「……そういえばこっちの女、さっき真珠化した男の島民を見た時、変だったわよね?」
「……っ」
(乗ってきたか……!)
 ……僅かながら、本気の恐怖が胸の内に浮かび上がったものの、それを押さえ込んで燦は焦った演技を醸し出す。
「な……何のことだ?」
「しらばっくれるつもり? なら、試してみましょう――」
「……ぅ、ぁ、あ、あ、ああああっ……!?」
 パールウォリアーの一人が、燦の手の指の先に真珠色の粘液を落とした。それにより、硬化する燦の指先。彼女はそれっぽい悲鳴を上げてみせる。
「ふふっ、いい声じゃない。……彼女もお気に召したみたいだし」
 パールウォリアーが示した先で、シホの瞳が見開かれていた。動揺の光が揺れるその眼差しに、燦は小さくウインクをしてみせる。……伝わっただろうか?
 とにかく、シホ自身を責めるよりも燦の方を苦しめた方が有効だとパールウォリアーたちは思ったようだ。燦に向けて、肩の巨大な阿古屋貝の殻からより大量の真珠色の粘液を迸らせる。
「ぐっ……ああぁぁっっ……!?」
 一足先に真珠と化した燦の水着が、その身から剥がれ落ちる。しなやかな裸身の胸元や下腹部を庇うように身を捻りながら、燦は全身くまなく真珠になってしまうことだけは避けるように意識を集中させた。
 もっとも、燦の喉から放たれる悲鳴は、半ば本気のものである。粘液の感触は本当に気持ち悪く、何より変異していく我が身を自覚すれば、心的外傷が疼いて冷静さを保つのも一苦労であった。
(……でもな……!!)
 燦の視界には、真に泣きそうになっているシホの顔が映り込んでいた。唇を噛んで耐えている彼女を前に、燦の方が心を屈するなど出来るわけが無い。
 パールウォリアーたちがいい気になり切る、その限界まで耐えるに耐えて……燦は弱々しく言ってみせた。
「……真珠の煌めきに、心が……染まる……」
 それを聞いた瞬間、シホがこの世の終わりのように泣き叫んだ。
「――やめてぇ! お願い、お願いだから燦を助けてっ!! ……言いますから! 全部、残らず白状しますから……!!」
 口を割る――そう言ったシホにパールウォリアーたちが喜色を浮かべる。刹那、パールウォリアーたちの緊張感がふっと緩んだのを燦は感じ取った。
(この隙を、待っていたぜ……!)
 どうにか真珠化を免れていた喉から声を振り絞り、燦はユーベルコードを高める。
「『御狐・燦の狐火をもって陣を為せ。炎の生命力で癒しと安らぎをもたらさん――』」
「「「「「――なっ……!?」」」」」
 次の瞬間、砦の地下牢獄は炎によって包まれていた。……だが、その炎は何も焼かない。むしろ、心地好い温もりを放って周囲に安らかな空気を振り撒く……。
「……ぁ」
「……ふ、わ……」
「……何……眠、ぃ……」
 深い睡眠へと誘われたパールウォリアーたちが、石の床へとくずおれた。一体残らずぐっすりと寝入っている……。
 燦の『フォックスファイア・弐式』の効果であった。
 窮地を脱したことを何度も確かめて、燦は深々と安堵の息を吐く――途端、大の字に倒れた彼女の胸に、シホがすがり付いてきた。
「……良かった……良かった……! 燦、燦……!!」
「シ、シホ!? だ、大丈夫だから! ……気付いてくれてありがとうな」
 捕縛されてからここに至るまで、コンキスタドールたちの目が二人から外されることは無かった。そんな状態で詳細に脱出の策を練り合うことなど出来るはずも無く……微かな仕草やアイコンタクトだけで意思疎通をし合い、ほぼぶっつけ本番で臨んだ作戦だったのだ。成功したのはひとえに、燦とシホの絆の強さ故だろう。
(……それはいいんだけど……くそぉぉっ! 真珠になってるせいで、シホの、胸の感触が……!!)
 真珠色に固まっている己の胸部に押し付けられている、シホの何にも包まれていない乳房……。その感触が全然解らないことに、燦は心底悔しがった。
 閑話休題。
 数分後、燦もシホも服と武装を完全に整え、猟兵として万全な姿を見せていた。装備は、シホが島民の少女たちを匿っている異空間に予めしまっていたのである。
 お互いの負傷も燦の真珠化も治療し終えた両名は、慎重に地下から地上へ向かう階段へ足を掛けた。
 地下のパールウォリアーたちには、燦が呪詛で引導を渡したが……この砦内にはまだ数多くのパールウォリアーが残っている。油断は出来なかった。
 それでも……。
「シホ、【救園】は大丈夫なんだよな?」
「うん、入口になるロザリオはきちんと隠していたし……」
 シホの細い手首に巻き付いた十字架を見て、燦は一つ頷いた。
「それじゃ、救援活動開始……だな。コンキスタドールは暗殺、一般人は【救園】の中へ保護、だ」
「そして、あのボスには……燦を傷付けた分も贖わせないと……」
「シホを傷付けた分を百倍返しする方が先だぜ」
 言い合い、微笑み合って……燦とシホは拳を打ち合わせる。
 ここからが二人の本気であり、本番――階段を上がったところで鉢合わせた新手のパールウォリアーたちへ、燦は背後を取って首筋に吸血の牙を突き立て、シホは聖剣を振るってその命脈を断ち切るのであった。
(……いつか、シホの精気も吸いたいな……)
(……ばか……)

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

アイ・リスパー
【恋華荘】
「理緒さん、見てください!」

【グッドナイス・ブレイヴァー】を召喚。
ホロディスプレイに映像を出力します。

「いちごさんの決定的瞬間、撮影成功ですっ!」

……背景に裸で海中に沈む私とか、鼻血を吹いた理緒さんとか映ってますが気にしないようにしましょう。

「ふう、これで今回の任務は完了ですね」

……え、違う?

仕方ありません。
今のうちに戦闘員の数を減らしましょう!

「って、きゃあっ!」

真珠色の液体をかけられ水着の上下が徐々に真珠化!?
身体が真珠になる前に慌てて水着を脱ぎ捨てますが……

「って、いちごさんっ、み、見ないでくださいーっ!」

慌てていちごさんを押し倒してしまい、顔の上に跨るのでした。(なおREC中


パニーニャ・エルシード
【恋華荘】
メイン(肉体側)…『アザレア』
サブ(ユベコ側)…「パニーニャ」

前章からユベコで潜入しているパニーニャから、視界や聴覚を共有。
確認できる範囲での敵の配置や、捕まったり固められてる人の保管場所を、他の皆と共有するよ。
(味方含めバラけてしまった場合は…
『(伝令も宜しく、パニーニャ)』
「(あたしの仕事、多すぎない?…まぁ、見つからない範囲で何とかするけど…!)」


でもって、視界をパニーニャに合わせてる間は…出来ればいちごに歩行のリードお願いしたいなって。(きゅ、と手を握って離さないとばかりに)
と、と、と…?わっ!?(急に止まられたり変な力かかったら…どんがらむぎゅむにゅんと巻き添えに…)


菫宮・理緒
【恋華荘】

「今度こそ、今度こそお宝映像げっとだね! アイさん!」

なにかを得るには多少(?)の代償は覚悟だよね。
わたしの鼻血くらいでそれがなんとかなるのなら!

……アイさんの映像はなんとかしないだけど、ね。
「とりあえずは恋華荘に帰って【電脳潜行】で流出対策を……」

え? まだ終わってない? そだっけ?

わわっ? これが真珠液なの?
なんかえっちぃ感じなんだけど!

「こ、これは危ない気がする!」
と、【E.C.O.M.S】を使って、盾を作って防御したけど

真珠液まみれになったアイさんを見て、思わず赤面。
さらに水着を脱ぎ捨てたアイさんがいちごさんに襲われているのを見て、
またまた鼻血を吹いて倒れてしまうのでした。


彩波・いちご
【恋華荘】
色々大変でした…特に仁美さんごめんなさい…

分身偵察中のアザレアさんの目の代わりに手を繋いでリードしながら
【フォックスファイア】の狐火を呼び出して、離れた位置からの射撃戦

その最中、突然水着を脱ぎ捨てたアイさんが飛び込んできて
顔に跨られる形で押し倒されます
当然手を繋いでいたアザレアさんも巻き込んで
もがきながらアイさんに撮影中だと伝えようとするも…この体勢で喋っても声にはならず彼女を悶えさせるだけ
さらに理緒さんが鼻血出して倒れて
助けようとしても、アザレアさんに絡まれたままなので、下手に手を動かしたらいろんな感触がっ

仁美さんたちに助けをもとめますが…正直さらに酷い事にしかならなさそうな…(汗


霧沢・仁美
引き続き【恋華荘】の皆と。

いちごくんが落ち着いたなら問題ないし、大丈夫だよ。…その、あたしも嫌じゃなかったし…(ぼそり)
と、ともあれ配下のコンキスタドールの一掃だね!

…あ、切れた水着の代わりは、とりあえず手近な布を巻きつけてなんとか…。

敵を見つけたら、念動光弾で遠距離から攻撃。狙い撃ちと連射をうまく使い分けて、敵の動きを制限したり仕留めにいったりするよ。

…って、アイさん!?か、カメラ回ってるから落ち着いてー!?
っていうかいちごくんが潰れそうになっちゃってるし…だ、大丈夫…ってきゃーっ!?
(胸に巻いた布を剥がされ結局また丸出しに。どころか揉まれるかも?)


高原・美弥子
【恋華荘】
いやぁ、よくあれだけのカオスを引き起こしておいて潜入できたね

んー?こいつらって阿古屋貝の深海人なのかな?
まぁ貝なら焼き貝になるのは恐怖だよね!……そもそも焼かれるのは余程の奴じゃなければ普通に怖いか
【恐怖を呼ぶ炎】で敵を恐慌状態にしつつ一般人や真珠にされた人を逃がしたり運んだりするよ
って、いちご達!またとらぶるしてないで、こっち手伝ってよ。もー!
ある程度の避難が出来たらイグニッションカードで武器出しつつ、炎を刀に纏わせて恐怖与えながら敵を攻撃するよ
そんな中で助けを乞われていちごを助けに行くけど、敵に背中向けたせいで足に粘液喰らって真珠化して転んだら……いちごの槍があたしのアソコに!?



「……色々大変でした……特に仁美さん、ごめんなさい……」
 深々と、それこそ土下座しそうな感じに謝ってきた彩波・いちご(ないしょの土地神様・f00301)に、頭を下げられた霧沢・仁美(普通にありたい女子高生・f02862)は慌てた様子で首を横に振った。
「いちごくんが落ち着いたなら問題無いし、大丈夫だよ。……その、あたしも嫌じゃなかったし……」
 後半ぽそりと呟いた仁美だが……それはいちごにも聞こえていたらしい。暫し見詰め合い、真っ赤になってしまう二人。……と。
「いちご……何処……? 手、手……」
「――あ! ご、ごめんなさい、アザレアさん!」
 フラフラと歩いていたパニーニャ・エルシード(現世と隠世の栞花・f15849)が上げた切羽詰まった声に、いちごは彼女の手を握り締めた。パニーニャ……否、そのもう一つの人格・アザレアは、いちごの手をもう離さないとばかりにきゅっと力を籠める。
「……いいなぁ……と、ともあれ、今度は配下のコンキスタドールの一掃だね!」
 張り切っていこうとばかりに仁美が拳を天に突き上げた。……その反動で超高校生級のバストが大迫力に弾む。着ていた水着のトップスが破損してしまった為、今は代わりに適当な布を巻いているが……少しのことで解けて零れ落ちそうだった。
 何にせよ、上手くコンキスタドールたちのアジトへ潜入出来たいちごたち『恋華荘』の面々は、今度はこの石造りの砦からパールウォリアーたちを駆逐しなければならないのだが……問題が起こっていたのである。
「……まさか、皆さんバラバラの部屋に案内されるなんて……」
 いちごが「あぁ……」と額を押さえる。故に、この場に居ないメンバーと合流もせねばならないのだ。
 その為に、今頑張っているのがアザレア……正確にはパニーニャなのである。
 パニーニャの方の人格は、水上水着剥ぎデスマッチが行われていた時点で今アザレアが使っている肉体からは出て行っていた。己を影法師へと変ずるユーベルコードで、その時既にアジト行きが確定していた他の猟兵にくっ付いていたのである。結果、アザレアたちよりも少し早くこの砦に入り込めていたパニーニャは、その間に出来る限り砦内の構造やパールウォリアーたちの配置、捕まっている一般人(真珠化された男性島民も含む)の居場所を調べていたのだった。
 パニーニャはいちごたちよりもこの城砦を熟知している。居所の解らない恋華荘の他の面子を捜すにしても、パニーニャが動いた方が効率は良いのだ。アザレアは現在、そのパニーニャと視覚、それに聴覚を共有している。パニーニャが見付けた恋華荘の残りの住人たちの元へ、いちごたちを導くカーナビ代わりになろうというのだ。
「(だから、いろいろとよろしく、パニーニャ)」
『(あたしの仕事、多過ぎない? ……まぁ、敵に見付からない範囲で何とかするけど……!)』
 影法師化しているパニーニャは極めて見付かり難いものの、100%ではない。それでも、尽力をパニーニャは誓うのだった。
 ……そして、そのパニーニャの視界に見覚えがある二人が映り込む。白髪と黒髪の少女のコンビ――アイ・リスパー(電脳の天使・f07909)と菫宮・理緒(バーチャルダイバー・f06437)だ。彼女たちはテンション高く動画撮影用のドローンを周囲に飛ばし、アイが展開したホロディスプレイを観賞している。
『(……?)』
 パニーニャも二人の後ろからそれを覗き込んでみる。
「――いちごさんの決定的瞬間、撮影成功ですっ!」
「今度こそ、今度こそお宝映像げっとだね! アイさん!」
 ……ホロディスプレイには、先程の水上水着剥ぎデスマッチでボトムスを脱がされたいちごの艶姿が大きく映し出されていた。思わず噴き出すパニーニャ。その頃アザレアは……。

「と、と、と……!? わっ!?」
「アザレアさん、大丈夫ですか――うわぁっ!?」
「いちごくん!?」
 どんがらむぎゅんといちごを押し倒し、彼の顔面をそのメートル級の胸で包み込んでいた。……パニーニャが見たものがアザレアにも見えるのだから仕方が無い。

 そんな向こうの状況など露知らず、アイと理緒はやり遂げた顔で額の汗を拭っていた。
「ふう、これで今回の任務は完了ですね」
「何かを得るには多少(?)の代償は覚悟だよね。わたしの鼻血くらいでそれが何とかなるのなら! ……アイさんの映像は何とかしないとだけど、ね」
「……理緒さぁぁん……!」
「あ、ごめん、ごめんってば!」
 いちごのお宝映像の後ろで、鼻血を噴いている理緒と……全裸で海に落ちてタコやらイカやらクラゲやらの触手で身体中を弄ばれている自分からは目を逸らしていたアイ。当の理緒から指摘されて涙目になっていた。
「とりあえずは恋華荘に帰って、電脳潜行で流出対策を――」
『(まだ何も終わってないからー!!)』
 スパコーンッと、グリモアベースへ戻ろうとした理緒も、その同類のアイも、パニーニャからツッコまれた。
「え? あ、パニーニャさん!?」
『(まだコンキスタドールも倒してないのに帰らないの! ……あぁ……もう、あんなに騒いでたから……)』
 頭を抱えるパニーニャの見る先で、パールウォリアーが集まってきていた。見付かるとまずいパニーニャは、一旦理緒の影と同化する。
 ……砦内の各所では、猟兵とパールウォリアーの交戦が始まっている所もあった。この場に来たパールウォリアーたちもそれを受け、警戒を跳ね上げていたのである。アイと理緒が猟兵だとはまだ気が付いていない様子だが……険しい目で二人に詰め寄った。
「こんな所で何をしていたのですか? 申し訳ありませんが部屋に戻って頂きましょう――」
「――仕方ありません。今の内に戦闘員の数を減らしましょう!」
「――っっ!?」
 曲がりなりにも歴戦の猟兵であるアイの決断は早かった。展開したままのホロディスプレイをゲートに、『機動戦車オベイロン』の一部を電脳世界より召喚する。それが装備した、パールウォリアーたちが見たことも無いであろう未来的な兵装が躊躇なく火を噴いた。
「がはっ……!?」
「くそぉっ……こいつらも敵だったの!?」
「黙ってやられてなるか、反撃よ!!」
 それに対し、パールウォリアーたちの反撃は堅実だった。即ち――自分たちの能力で最も信頼性の高いものでやり返す。
 ……要するに、対象を真珠化する粘液で。
「……って、きゃあっ!?」
「わわっ? これが真珠液なの? 何かえっちぃ感じなんだけど!」
 咄嗟にユーベルコード・『E.C.O.M.S』を発動し、呼び出した無数の『Octagonal Pylamid』で障壁を構築する理緒。……だが、アイの方は対処が遅れて真珠色の液を浴びてしまう。幸いにも、素肌には掛かっていないが……。
「み、水着が真珠に!? このままじゃ身体まで……!」
 真珠色に変じていくビキニ水着を、その色が身体にまで移る前にアイは脱ぎ捨てた。アイのあられもない姿に、理緒は赤面する。
 そこに、運がいいのか悪いのか……。
「アザレアさん、こっちです! 仁美さん、援護して下さい!」
「解ったよ、いちごくん! 後ろから来るのはあたしが牽制するから――」
 パールウォリアーたちを狐火で薙ぎ払って駆け込んできたのは、アザレアの手を引いたいちごだった。二人の後ろを走る仁美は、さらに後ろから迫ってくるパールウォリアーたちへ『念動光弾』を連射している。
 この場の状況を把握しようと首を巡らせたいちごは……そこで一糸すら纏わぬアイを目撃した。目撃されたアイの側は、全身が一気に灼熱色に染まる。
「って、いちごさんっ、み、見ないで下さいーっ!!」
 冷静さなど瞬く間に消え失せたアイの行動は暴走染みていた。いちごへと真っ直ぐに突っ込んだのである。アザレアの手を握っていたいちごは、それを躱せるはずも無く……。
「うあぁぁああああんっっ!!」
「うぷっ!?」
「い、いちご、何……? わきゃあっ!?」
 アイ、いちご、アザレアが絡み合って転倒する。そのままてんやわんやともがき合った結果……仰向けになったいちごがアザレアの胸を鷲掴みにし、そのいちごの顔面の上にアイが跨るというわけの解らない組体操が完成した。
 あまりの出来事に、仁美は目を見開いて固まってしまった……が、そこで微かな機械音を捉える。……アイの動画撮影用のドローン。カメラ――作動中。動画……全世界に向けて配信中……。
「アイさん!? カメラ回ってるから落ち着いてー!? 止めてー!!」
 仁美の悲鳴に、いちごもかなりヤバい状況なのだと理解した。
(アイさん! 早くカメラを止めて下さい! 私はまだいいですけど、アイさんの裸が……!!)
 ……けれども、いちごの口からその言葉は発せられなかった。アイの『下のお口』で塞がれているせいである。というか、その最中に唇や舌を動かしたせいで……。
「あっ……!? い、いちごさんっ……そこ、駄目ですっ……! あぁっ……舐めちゃ、擦っちゃ……はぁああああああっっ……!?」
 アイの背中がピンッと反り、強調された細やかな乳房の頂点でピンク色が鏃のように尖っていく。アイの感じる姿がワールドワイドに広まっていくのを一緒に見ながら……理緒は今回も鼻血を噴き上げて卒倒した。
「理緒さんまで!? アイさん、それ以上はアカウントがBANされるから! っていうかいちごくんが潰れそうになっちゃってるし……。だ、大丈夫――」
 ワタワタ近付いた仁美だが――それがまずかった。溺れる者は藁をも掴むという風に、いちごは仁美の声がした方へ手を伸ばして……。
 ――スルンッ。
「……あ」
 仁美の乳房を覆っていた布を、あっさりと解き取ってしまった。……重ねて言うが、現在の状況、全世界へ生放送中。即ち仁美のおっぱい、世界へ。
「っきゃああああああぃやぁああああああああああっっ!? ――ぁんっ!? 待っ……いちごくん!? 今は本当にまずいからっ……あっ……!」
 しかも、仁美の受難は終わらない。なおもさ迷ったいちごの腕が彼女を抱き寄せて……その爆乳をしっかと掴んでこね回す。ついでに言えば、もう片方の腕ではアザレアが同じ状況。右手で仁美のおっぱいをこね回し、左手でアザレアのおっぱいをこね回し、顔の上に跨ったアイを舌と唇で喘がせるいちご……世界中の人々へ中継中。
(ひぃぃんっ、何か色んな感触が押し寄せてきて――もうわけが解りませんよー!?)
 いちごが内心で絶叫した、その刹那――最後の救世主が到来する。
「いやぁ、よくあれだけのカオスを引き起こしておいて潜入出来たね――って、何このカオス!?」
 恋華荘メンバーの最後の一人――高原・美弥子(ファイアフォックスのファイアブラッド・f10469)であった。
 一人きりでこのアジトの中を動くことになっていた美弥子は、途中で出会った一般人の島民の少女たちを砦の外へ逃がしたり、真珠にされていた男性の島民を安全そうな場所に運んだりと真面目に猟兵として頑張っていたのである。
 ……だから、目の前のいちごたちの惨状に、美弥子は少しの嫉妬も含んでプンスコした。
「いちごたち! またとらぶるしてないで、こっち手伝ってよ。もー!!」
(そ、そんなこと言われてもー)
「あぁんっ……いちごさぁんっ……❤」
「いちごくんっ……先っぽ摘んじゃ駄目っ……❤」
「いちご……手、握っててほしかったけど……胸まで握ってほしかったわけじゃ……❤」
 アイ、仁美、アザレアが三様に甘い吐息を零すのを見て、美弥子のこめかみに青筋が浮かぶ。……その憤りを、仲間ではなくコンキスタドールに向けた彼女を褒めてあげたい。
「『あたしの血はね、炎になって燃えるんだよ!』」
 美弥子が噛み切った自分の手のひらより滴った血が、急激に発火して炎を巻き起こした。それを見て、この場のパールウォリアーたちが後退る。
「んー? こいつらって阿古屋貝の深海人なのかな? まぁ貝なら焼き貝になるのは恐怖だよね! ……そもそも焼かれるのは余程の奴じゃなければ普通に怖いか」
 美弥子の主張通り、彼女の炎を前にしたパールウォリアーたちは恐れを抱いた様子で逃げ惑った。その隙に取り出したカードから「イグニッション!」と叫んで刀を現出させた美弥子、それの刀身にも炎を這わせてパールウォリアーたちに斬り掛かる。
 美弥子の活躍により、この場のパールウォリアーたちは加速的に数を減らしていった。戦闘音を聞き付けて来た新手も、攻めあぐねているのか近付いてはこない。
「ん……んっ……ぷはっ。み、美弥子さん! ごめんなさい、本当に……助けて下さいっ!」
「……もー、しょうがないなぁ……」
 どうにかこうにかアイの下から口元をずらしたいちごが、憐れな様子で美弥子に助けを乞うた。それにブツブツ言いながらも、心なしか少し嬉しそうに美弥子が踵を返す。――が……。
「しまっ――!?」
 美弥子が斬り捨てたパールウォリアーの一体が、死に際の悪足掻きとして真珠化の粘液を放っていた。それが美弥子の片足を固めてしまい――彼女はバランスを崩す。
 転倒……勢い余って一回転……その拍子に、着ていた水着のボトムスも緩んでずれてしまい……。
 クチュッ――ズムンッ!
「はぁぅっ……!?」
 何というウルトラC――美弥子の女の子の部分が、いちごの男の子の部分をずっぽりと呑み込んでしまったのだ。……いちご、まあ、あれだけの刺激を受けていたのだから当然だろう――ギンギンである。
「ぁ、はっ、あっ……ちょっ、苦しっ……」
 それを一気に奥まで突き込まれることになったのだ。美弥子の側の感じる圧迫感は相当なもので。少しでも楽になる位置を探そうと、彼女は無意識に腰を蠢かす……。
 ……しかし、それに堪えられるほどの余力は、ここまで散々に刺激を受けてきたいちごには無かったのである。
「……あっ、うっ、み、美弥子さんっ……!!」
「――ぁ……❤」
 いちごの身体に震えが走り、一瞬遅れてそれが伝染したように美弥子も痙攣した。「んっ……❤ くぅんっ……❤」と可愛く啼いた美弥子が、やがて脱力する。
 そんな艶やかな声を間近で聞いた理緒は、とっくに意識が無いにもかかわらず新たな鼻血を流して砦の床に赤い池を作り出していた。
 ……そうして、誰もが息も絶え絶えな様子の恋華荘の一同を見遣り――パールウォリアーたちは言い合う。
「……あ、あなた、行きなさいよ! 今なら倒せそうよ!?」
「い、嫌よ! 見たでしょう……? 下手に近付くと、その……ヤられるわ!!」
 恋華荘……特にいちごは、女コンキスタドールたちに恐怖の化身として認識されたようだった……。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

妖星・光
※アドリブ・絡み歓迎。NG無し


『新入り』としてアジトに潜入できたけど…

アジトに戻ってからも男達の自室で散々嬲られるけど、こっそり〔選択UC〕で、色事に慣れたメンバーを数人呼び出して交代
『捕まって自暴自棄になり、男漁りに来た島民』のフリをして男達を誘惑させ、相手をしてもらい、しばらく自室に籠ってもらうよ
男の配下達は…殺すまではないかな?

後は男達の姿が見えず、捜しにくるパールウォリアーを自室の付近で待ち伏せ
「こっちで無理矢理女の子連れ込んでサボってる」
と別の空部屋に案内
部屋の奥に別の遊撃隊を数人待機させ、泣き真似してる彼女達に気を取られてる敵の背後から、隠してた祟槍・罰当たり(武器)で攻撃するよ



 ……他の猟兵たちとは全く別のルートでコンキスタドールたちのアジトへ潜入することになった少女、妖星・光(前世は男の子?・f23939)……。
 彼女は今、酷い有様だった。
 光が『新入り』となったコンキスタドール勢の労働奴隷たちには、そもそもアジトにまともな部屋など与えられていない。城砦の隅にある朽ち掛けた馬小屋に押し込まれているのだ。
 その中で……何度光は男たちに圧し掛かられたか? 彼女の全身の肌には乱暴にされたことによる痣が刻まれ、光の掻いた汗か男たちの放った汚液かも解らぬ液体がこびり付いていて生臭い。
 何より……光の小さな身体の奥にあるもっと小さな生命の聖域は、この場の男たちの因子で満たされ、漬け込まれてしまっていた……。
 それでも、男たちはまだまだヤる気のようで……。
「オラッ、もう充分休んだだろうが! また始めるぞ!!」
 男の一人が光の髪を掴み、彼女を強引に起き上がらせる。
「……けどなぁ。流石に飽きてきたぜ? 繰り返し繰り返し同じカラダじゃなあ……」
「そろそろ巨乳が恋しくなってきたぜ……」
 そんなことを口々に言っていた奴隷男たちは――唐突にコンコンッと叩かれた馬小屋の入口の方にハッと怯えた顔を向ける。
 ……コンキスタドールが見回りに来たのかと思ったのだ。もしそうであれば、この島に居た女を勝手に食い物にした彼らの運命は推して知るべし。――だが、馬小屋の入口に立っていたのは阿古屋貝の殻の肩当てを着けた女たちではなく……。
「……ね、わたしたちとも遊ばない?」
「こんな所に捕まって……どうせお先は真っ暗だもん。好きに楽しんでやるわっ」
「あなたたちだってそうでしょ? ねー、楽しみましょうよー」
 何人かの、どう見ても普通の人の少女たちだった。歳はまだ十代のはずだが、胸回りや腰回りの色気はなかなか半端ない。
 目配せをし合った奴隷の男たちは――いやらしく嗤って少女たちを受け入れたのである。
 ……コンキスタドールに捕まった島民の少女が、自暴自棄にでもなったのだろう……そんな風に奴隷たちは思っていたが、彼女たちが光にそっと目配せしていたことには気付かない。
 新たな少女たちが奴隷たちの気を引いている隙に、いつの間にか光はその場から居なくなっていた……。

「――っはあっ……! 流石に、くたくただよ……」
 濡らした布巾で手早く身体の汚れを拭い、拝借してきたボロ布を身体に巻き付けて――光はようやく一息吐いていた。
 奴隷の男たちを誘惑し、引き付けてくれている少女たちは、光がユーベルコードで召喚した彼女と故郷を同じくするストリート・チルドレンである。
 これから光が事を起こす……パールウォリアーたちの撃破を行っていく間、奴隷の男たちをあの場に留め、邪魔をさせないようにする為に手伝ってもらっているのだ。
「彼らは……殺すまではないかな?」
 暫し悩み……光はそう結論付けた。少なくとも、あの奴隷たちはコンキスタドールではなかったのである。ならば、彼らは猟兵の獲物ではない。
 ……とはいえ、あんな性根の者たちだ。コンキスタドールたちが滅び、男の島民たちも元に戻ったこの島で、まともに生きていくことなど出来ないだろう。野垂れ死ぬか、犯罪者になって裁かれるかの二択だと光には思えた。
 そんな風に思索に耽っている内に、パールウォリアーが一体、こちらへ歩いてくることに光は気付く。――待っていた相手だ。恐らく、姿が見えない奴隷の男たちを捜しに来たのだろう。
 そういう相手を罠に嵌める為に、光はわざわざあの奴隷たちの許まで続くこの道で待ち伏せていたのだから。
 パールウォリアーも光の姿に即座に気付く。纏うボロ布から、彼女も奴隷の一人だと思い込んだようだった。体型的に、光が男の子に誤解され易いことも功を奏した。
 光の目の前に立ったパールウォリアーは、詰問口調で問い掛けてくる。
「他の連中は何処ですか? 勝手に持ち場を離れるなとあれほど――」
「――こっちで無理矢理女の子連れ込んでサボってる」
 すぐ横の林を指差した光の弁に、パールウォリアーから表情が消えた。光の指の先へ視線を向ける。
「……解りました。あなただけは命を助けてあげます。――馬鹿共の許に案内しなさい」
 首を縦に振った光は、パールウォリアーを先導して歩き出した。やがて辿り着いた林のやや開けた場所に、服を裂かれて泣きじゃくる少女たちが数名……。それを確認したパールウォリアーが周辺を睥睨する。
「命知らずな真似をしましたね……。この島の女が、全員ボスの物であることを理解していないのですか!? 今すぐ出てきて許しを乞うなら、楽に殺してあげます――」
「――その心遣いは無用だよ」
「……っっ!? 何の真似!?」
 この場に隠しておいた愛槍――『祟槍・罰当たり』による光の刺突を、パールウォリアーはトライデントでギリギリ受け止めていた。純粋な槍技は、光よりもパールウォリアーの方が高い。
「……くっ……」
 三つの目を持った禍々しい槍を、光は引き戻して構え直す。パールウォリアーの方はトライデントを投擲する構えに移行した。弓弦を引き絞っていくように緊張感が高まり……両者が同時に踏み出す。
「――――あ」
 ……勝負を分けたのは射程の差だった。『投擲』の構えであるが――パールウォリアーのそれは威力が絶大である反面、届く距離が極めて短い。投擲の構えから放たれる、その実『超近距離攻撃』なのだ。
 故に……光の罰当たりの方が若干相手に早く届いたのである。
「……でも、あまり分の良い勝負じゃなかったかな……?」
 元々身体に蓄積していた疲労も極大である。奴隷の男たちに乱暴された少女……を装っていた、こちらも故郷を同じくする貧民の少女たちに支えられ、光は大きく息を吐いたのであった……。

成功 🔵​🔵​🔴​

ロベリア・アナスタシア
(アドリブ絡み歓迎、お色気バッチコイ)
あら…連れてこられた先にも水着の子が…、コレはアレね
キャットファイト第二ラウンドって奴ね♪(何か勘違いしだした痴女)

不思議な肩当とビキニアーマー(?)してる子を見つけ次第
『キャットファイトで疲れた』様にうなだれながら近づいて…。
不意にキスしながら、『UC』で口内に生成した媚薬を飲ませちゃうわ。
蕩けた所でそんな危ない物(トライデント)をポイ捨てしながら
キャットファイト❤してダウンさせ、また次の獲物へするりと接近の繰り返し…♪

あ~ら、真珠は綺麗で嫌いじゃないけど…私は真珠より
『真珠の様に可愛い娘』の方が欲しいわ❤
…でもそろそろ男の方も欲しくなっちゃうわね…。



 その……どう取り繕っても痴女な本領を思い切り発揮し、結果オーライとしてコンキスタドールたちのアジトへの潜入に成功したロベリア・アナスタシア(『快楽』と『影』と『媚薬』を司る美魔嬢・f23913)は、現状でも色々と勘違いした状態で突き進んでいた。
「あら……連れて来られた先にも水着の子が……?」
 この石造りの砦内で巻き起こっている混乱に右往左往しているパールウォリアーを見付け、唇に人差し指を宛がって暫し考え込んだロベリア……やがて閃いた顔をする。
「コレはアレね。キャットファイト第二ラウンドってやつね♪」

 違います。

 ……しかし、天からのツッコミの声など聞こえぬロベリア、勘違いしたまま行動を開始したのだった。
「……? ああ、この忙しい時に……どうしました?」
 項垂れ、足取りも覚束ない様子で近付いてきたロベリアに、パールウォリアーは困り顔で声を掛けた。アジトの内部で何やら混乱が多発し、それの収拾に手が足りていないところにまた厄介事の気配。……だが、ロベリアが自分たちのボスに見初められて連れて来られた島民の女性(と思い込んでいる)であると気付いたからには、パールウォリアーの立場上放っておくわけにもいかなかったのである。
 ロベリアの肩を掴んで支えたパールウォリアーは、明らかに熱っぽいロベリアの体温に困った様子を強くした。
「体調不良ですか? ああ、もう、わたしたちには治療が出来るユーベルコードはありませんし……どうすれば――」
「――大丈夫よ。『こう』すれば楽になるから♪ んっ……❤」
「っ!?!?」
 ロベリアに、いきなり接吻されるパールウォリアー。驚愕に目を見開き、瞳をグルグル回して、顔面が灼熱色に上気する。
 ロベリアの舌がパールウォリアーの唇を割り開いて入り込んできた。流し込まれる液体は……甘い。両名の舌が軟体動物のように絡み合い、パールウォリアーから徐々に力が抜けていく。……彼女の手から、トライデントが甲高い音を立てて落ちた……。
「……ぁ……わたし、ファーストキス……」
「ごめんなさい、奪っちゃったわ♪ そしてもっとごめんなさい。さらに大切なものも頂いちゃうわね❤」
「あっ……やぁああああっっ……!?」
 妖しい笑みを湛えるロベリアによって、物陰へと引っ張り込まれるパールウォリアー。……本来なら、ロベリアよりもパールウォリアーの方が腕力が強いはずであったが……先程のキスの折、ロベリアは自身の口内でユーベルコードにて形成した媚薬をたっぷりとパールウォリアーに摂取させていた。それの効用を嫌というほど受けているパールウォリアーの身には、最早まともな力など入るはずも無く……。
 そして、生成時に自分もその媚薬を摂取して盛り上がっているロベリアが止まるはずも無かった。
 暗がりに、ロベリアとパールウォリアーの白い裸体が浮かび上がる……。
「……だ、駄目ぇ……堪忍してぇ……」
 目に涙を浮かべて許しを乞うパールウォリアーに、けれどロベリアは爛々と瞳を輝かせて繊手を這わせていく。既に黄色のマイクロビキニを剥がされたパールウォリアーの豊満な乳房を、ロベリアの五指が下から掬うように揉み上げた。
「あっ、んっ……」
「ふふっ、素敵な反応ね❤ 『ここ』もまるで苺かサクランボみたい……食べちゃいたいわ❤」
「ひゃぁんっ!?」
 胸の先端部の色付く突起を果物のようにロベリアから啄まれ、パールウォリアーがビクンッと肩を跳ねさせる。そこに装着された、外せない巨大阿古屋貝の殻が、カチンッと無機質な音を鳴らす。
 それで、自分の本来の能力を思い出したのか、パールウォリアーはキッとロベリアを睨み付けた。
「や……やめなさいっ。今すぐやめないと……真珠に変えてやるから……!!」
「あ~ら、真珠は綺麗で嫌いじゃないけど……」
「わ、わたしは本気ですっ……ひぁあっ……!?」
 本当に、パールウォリアーがユーベルコードを高めようとした寸前――ロベリアの手が、するりとパールウォリアーの最も女性的な部分へと滑り込んだ。ある意味パールウォリアーに相応しい、貝の口ようにぴったりと閉じたそこを……ロベリアは器用に押し開いて指を侵入させる……。
「あっ……やだっ……そこだけは本当に、許してっ――あぁぁああああああっっ……!?」
 ロベリアの指先がパールウォリアーの内部の……そこは人間の女性と変わらない『弱点』を引っ掻いた。パールウォリアーのおとがいが上がり、晒された白い喉が悲鳴に震える。
「……私は真珠より『真珠のように可愛い娘』の方が欲しいわ❤ ……あ、ここの『女の子の真珠』も大好きだけれど❤」
「……っ……ぁっ……~~~~~~~~❤」
 女性の身体の中で一番に敏感であるとされる宝石をロベリアに摘まれ、転がされ、パールウォリアーはこのまま死んでしまうのではないかと心配になるほどの大痙攣を繰り返す。
 ロベリア曰く、『キャットファイト❤』に、パールウォリアーは完全敗北を喫するのであった……。

 ……しばらくして物陰から一人出てきたロベリアは、大変満足した表情ながら……瞳は新たな獲物を探す猛禽のように煌めいていた。
 この後、さらに数名のパールウォリアーが彼女毒牙に掛かることになる……。
「……でも、そろそろ男の方も欲しくなっちゃうわね……♪」
 ……鰐のコンキスタドールさん、超逃げて。

大成功 🔵​🔵​🔵​

村雨・ベル
コンキスタドール達をとっちめてやりますか!

せっかく上手く潜入できたのだからこの状況を上手く利用しないとね?

廊下や牢の前で見張りをしているコンキスタドールを見つけたら
静かにUC堕落制御術式『夢幻の宴』で夢の世界へご案内
夢の中で私に好き放題してそうだけれど、そこはまあサービスしといてあげますね

夢を見ているうちに無抵抗のコンキスタドールに呪唱銃で一時的に記憶を弄っておきましょう
あなた達は『貝』、だから目覚めても動いちゃダメですよ?
などと催眠光線を思う存分浴びせておいてあげますね~
夢の世界でえっちに染まってなさい♪

無力化しているうちに捕まっている人を救出したり忙しいかも!

。。
〇。    ぺたん



「『堕落制御術式・百捌式「夢幻の宴」発動申請、「限定使用」受理を確認!』――ふふ、ねーむれー、ねーむれー……」

 ――そのパールウォリアーは、まさにこの世の栄華を極めたという様相であった。
 ふとした偶然でボスであった鰐型のコンキスタドールのメガリスを奪うことに成功し、元から持っていた対象を真珠化する能力に加え、ボスの絶対的な○○制御能力も獲得したのである。
 それをもって下克上を果たしたそのパールウォリアーは、かつての同類たちも自分の支配下に置き、元居た島ばかりでなく周辺の島々さえも制圧して、この海域の女王として君臨していた。
 そんな彼女が座す玉座の前の広間では、現在文字通りの酒池肉林の宴が展開している。
「あっ……あっっ……」
「あぅっ……あひぃぃんっ……」
「凄いの……しゅごいのぉっ……」
 此度の侵略戦争で戦功を上げた男の戦士たちへ、褒美としてかつての同類たちを与えてやっている。
 戦士たちがパールウォリアーたちを腰の自前の槍で突き上げる様を肴に、女王たる彼女は杯の中の酒をあおった。心地好く喉を焼くその酒に、彼女は溜息を零す。
「良い酒だ! もっと持ってこい!!」
「仰せのままに……」
 彼女へ従順に酌をしたのは、黒髪で眼鏡を掛けたエルフの娘だった。名は……村雨・ベル(エルフの錬金術士・f03157)だったか? ずっと昔、ある島で元ボスの鰐が捕まえた娘だ。他に行く所も無いのか、彼女が女王になって以来、側付きの侍女の役目を担っている。
 ――時に、女王である彼女の欲望の捌け口にもなっていた。ベルが纏っている肌も露わな透け透けの装束がその証である。なかなか良いカラダをしているベルは、抱き心地も悪くなかった。その肢体を膝の上に乗せ、パールウォリアーの女王はベルの形の良い乳房を杯を持つのとは逆の手で弄ぶ。
「あ、んっ……いけません、陛下……」
「ベッドの中でないと恥ずかしいか? 愛い奴だ……」
 頬を林檎のように赤らめたベルが注いだ二杯目の酒も一気に干し、三杯目を要求したところで……何となく違和感を覚える女王。
(あれ……? わたし、こんなにお酒好きだったかな……?)
 苦いし、アルコールの匂いは鼻を突くし、一口含んだだけで目を回したことがあるせいでお酒なんて大嫌いだったはず……?
「――おっと。駄目ですよ、女王様。深く考えては駄目です。ささ、もう一杯……」
「ああ……ああ、そうだな……」
 ベルに諭され、女王たる彼女は三杯目、四杯目と酒杯を傾けていく。自分に体重を預けてきたベルのお尻を撫で、太股を撫で、今夜はどう可愛がってやろうかと思い描いていけば、おかしな違和感など溶けるように消えていくのだった。
(そう、わたしはこの海の女王。誰も勝てない最強のコンキスタドール。わぁ、わたしTUEEEE……。最高だよぉ……。こんないい気持ち……もしも『夢』でも嬉しいにゃぁ……♪)

「――そうそう、もっと、もーっと深く、夢の世界で耽溺していて下さいね?」
 ……『現実の』コンキスタドールたちのアジトの砦で、ベルは廊下の隅で寝入るパールウォリアーへそう囁いていた。彼女の姿は水上水着剥ぎデスマッチを戦ったビキニ水着のまま。つまり、あれからまだ時間は半日と経っていないということである。
 このパールウォリアーが見ている自分が海の女王となったという『夢』は、ベルがユーベルコード・堕落制御術式『夢幻の宴』で見せていたものであった。
「……何だか夢の中で私に好き放題してたみたいですが……そこはまあ、サービスしといてあげますね♪」
 茶目っ気たっぷりに言って、ベルは眠って無抵抗なパールウォリアーに銃口を突き付けた。……とはいえ、それから発射されたのは弾丸ではない。不可解な色の光線がパールウォリアーの額を撃ち抜くが、後には傷一つ無かった。
 ――その銃が撃ち抜いたのは、パールウォリアーの『記憶』に他ならない……。
 ……具体的には『コンキスタドールになったこと』、それ自体の記憶である……。
「あなたたちは『貝』、海の中で動くこと無くじっとしている阿古屋貝です。だから、目覚めても動いちゃダメですよ? 貝が動くなんてこと、あまつさえ人型になって陸に上がってくるなんてこと、あり得るはずが無いんですから、ね?」
 何度も、何度も呪唱銃『ワン・ナイト・ドリーム』から光線を放ち、パールウォリアーへ言い含めていくベル。これでたっぷり一晩の間、このパールウォリアーは自分がただの貝だと思い込み続ける。猟兵たちがコンキスタドールたちのボスを撃破する邪魔など出来なくなるだろう。
「夢の世界でえっちに染まってなさい♪ ……えへっ」
 ぐっすり安らかな寝息のパールウォリアーの大変恵まれたおっぱいを、一回だけツンッ……とつついて弾ませて、ベルはその場から踵を返す。
「では、次の獲物を探しに行きますか! ある程度の数を無力化したら、今度は捕まっている人を救出したりして……本当、忙しいかも!」
 珍しく(?)、真面目に猟兵としてのお仕事に取り組んでいるベル。その手際は危なげなく鮮やかで、むしろ頼もしささえ感じるほどであった。
 ……いつもはアレな雰囲気でごまかされがちだが……ベルは間違いなく歴戦の猟兵であり、熟練のグリモア猟兵なのである。
 それを万全に発揮したのであれば、ベルの向かう所に敵など居ないのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ステラシエル・ルチフェロ
【アドリブ歓迎】
【淫魔組】

「うぅ…華麗な勝利にはずだったのに…」
全身隈なく触手に嬲られた身体をなんとか奮い立たせ
華麗に脱出を試みるのですが…

「信者候補を助ければ…ふふふ」
一般島民を発見、すぐさま打算的に活躍するべく動くわ
皆の前で華麗に敵を倒せば完璧よね!
敵中心に突撃!因果操作弾をばらまくわ!
水着の食い込みを直してビシっと決め!

「え?倒し損ね??きゃぁ!?」
びっくりして転んじゃったじゃない…うぅ…べとべと…
って、あら?動かな…何よコレ!
こんなポーズで、こら!笑うなぁ!
助けなさ、んぶぅ!?
最悪!
せ、せめて女神らしい神々しいポーズに……っ!


イプシィ・アスモディア
【アドリブ歓迎】
【淫魔組】
「全く偉い目にあったよ…」
子ライオン達のペロペロ攻撃の余韻で、ボクまだ膝笑ってるのに
ステラは信者獲得するわよ!って元気に突っ込んでるよ…

…――って、目の前で真珠エキスを浴びて煌く御神体になっていくステラ
まさか真珠像RTAチャレンジ達成するなんて…配信配信…

「…これは凄いよステラっ…信者爆増間違いなしだねっ!」
取れ高確実なステラちゃん御神体見て笑ってる場合じゃないよね♪
こんなピッカピカでも一応友達だし、今のボク達は猟兵
UC発動!色欲の権能で攻撃力を研ぎ澄まして全力魔法!アコヤガイシールドを貫いて!
サクッとやっちゃわないと、ね♥
…そう言えばモルテはどこ行っちゃったのかな?



「うぅ……華麗な勝利になるはずだったのに……」
 思惑が外れて、水上水着剥ぎデスマッチにて散々な……本当に散々な目に遭ったステラシエル・ルチフェロ(輝く明星・f25565)。その落ち込み様はなかなかに深いものであった。
「――何せ、全身くまなく触手に嬲られていたもんね。『こんなのしゅご過ぎ~!』ってアヘ顔Wピースまで晒してたし」
「やってない! そこまでは断じてやってないわ!!」
 事実を捏造しようとしたイプシィ・アスモディア(ジ・アスモダイXII・f16507)に、ステラシエルはまなじりを吊り上げて反論した。
 ……とはいえ、散々な目にあったのはイプシィの方も一緒なのであるが……。
「全くえらい目に遭ったよ……」
 ステラシエルの眷属たる子獅子たちに色々な場所をペロペロ舐められたイプシィ、それの余韻で今も膝が笑っているのはステラシエルには秘密だ。
 とにかく、そんな身体を張った頑張りのおかげで、ステラシエルもイプシィもコンキスタドールのボスに気に入られることが出来たのである。連れて来られたコンキスタドールたちのアジトの城砦内で、二人は行動を開始していた。
 とりあえず、押し込められた部屋から脱出し、砦内を散策していくステラシエルとイプシィは、廊下の角の向こうから誰かが厳しく声を発するのを聞く。顔を見合わせ、二人が覗いてみれば……。
「――いいですね! しばらく部屋から出ることを禁止します!!」
 配下のコンキスタドール――七人のパールウォリアーたちが、イプシィたちよりも前にこの砦に連れて来られたと思しき島民の少女たちへ強い声で言い含めているところであった。
 ステラシエルもイプシィも存じないことだったが、他の猟兵たちが起こした騒ぎで、パールウォリアーたちの警戒が上がっていたのである。
 その光景に、ステラシエルが目を煌かせた。
「信者候補発見……彼女たちの前で華麗に敵を倒し、助ければ……ふふふ」
「……え?」
 イプシィがステラシエルの台詞を聞き咎めた時には――既に金髪紫眼の女神はパールウォリアーたちに向けて突っ込んでいた。……イプシィが唖然とする。
 こっそり持ち込んでいた大型拳銃――光を避けるの異名を冠する『ルキフグス』と、神秘を暴くと形容される『アガリアレプト』……それらを両手に構えて、ステラシエルはパールウォリアーたちの真ん中に走り込んだ。
「何だ……? いや、銃を持っている! 敵だ!!」
「総員、迎撃よ!」
「遅いわ……『無駄よ、撃った瞬間に結末は決まっているのよ!』」
 アガリアレプトの方が六発の銃弾を放ち、それらが狙いを過たずにパールウォリアーたちの胸元に吸い込まれる。『因果ヲ破ル爪』……因果律を操る魔の弾丸であった。胸部中央を穿たれたパールウォリアーたちはバタバタと倒れ、燃え尽きた炭ように崩壊する。それを見届けたステラシエルは、疾駆したせいでお尻に喰い込んだ黄金色のビキニのボトムスを直し、凛と島民の少女たちへ向き直った。
「感謝しなさい! この私が助けに来てあげたわよ――」
「……あの、まだ一人残ってます……」
「――え?」
 島民の少女の一人の忠告に、キョトンとするステラシエル。その肩をポンポンと叩く手のひら……。恐る恐る振り返ったステラシエルの紫の目が、ニッコリ笑うパールウォリアーを目撃した。
 ……因果操作弾=六発。パールウォリアー=七人だったからね。
「え? 倒し損ね?? きゃぁ!?」
 最後に残ったパールウォリアーが、その肩の巨大阿古屋貝の殻から真珠色の粘液をステラシエルに浴びせる。それに驚いたステラシエルは、悲鳴を上げてひっくり返った。
「びっくりして転んじゃったじゃない! ……うぅ……べとべと――」
 そんな暢気に言っている場合ではなかった――ステラシエルの身体は、そのまま段々と真珠へと変じていったのだ。
「……って、あら? 動かな……何よコレ!?」
「……これは凄いよステラっ……信者爆増間違いなしだねっ!」
 そこに、超小型の動画撮影用の使い魔を引き連れて飛び出してきたイプシィが絶賛を声にする。ステラシエルの現状を生配信し、それに対する視聴者の反応に大興奮。
「まさかの真珠像RTA! ……素晴らしいよっ、取れ高確実! コメントも視聴者の増加も留まるところを知らないってば!!」
「こら、笑うなぁ! 助けなさ、んぷぅ!?」
 青筋を浮かべたステラシエルであるが、イプシィへ何かしようにもとっくに首から下のほとんどが固まっていた。真珠色の御神体化まで、最早秒読みである。
「こ、こんなポーズで……最悪! せ、せめて女神らしい神々しいポーズに……っ!!」
 ……せめてもの願いも果たせず、ステラシエルはUDCアースの阿弥陀如来のようなポーズで完全に真珠化した。お腹を抱えて爆笑するイプシィは……ひぃひぃ言いつつも、顔を上げた時には猟兵の表情となっていた。
「……ステラちゃん御神体を見て笑ってる場合じゃないよね♪」
 振り向いてパールウォリアーを射抜いたイプシィの視線は、何処までも鋭い。
「こんなピッカピカでも一応友達だし、今のボクたちは猟兵――」
 イプシィのユーベルコードが、爆発的に高まった。
「――『ふふ……見せてあげる。これがアスモダイの権能だよ♪』」
 イプシィがヒーローズアースの女神として持つ、『色欲』の権能――本来の形に解き放たれたそれが、イプシィの力をこれ以上無いほどにまで増大させる。
 極限まで研ぎ澄まされたイプシィの攻撃的な魔力が、一条の光の矢と化してパールウォリアーへ迸った。咄嗟に両肩の巨大阿古屋貝の殻を盾にしたパールウォリアーだが、ジュッ……という恐ろしげな音が響いた後には……。
「――サクッとやっちゃわないと、ね❤」
 ……上半身が跡形も無く消失したパールウォリアーの下半身が、どさりと床へ崩れ落ちたのだった。
「さて、と」
 くるりと可愛い仕草で振り返ったイプシィが、島民の少女たちへ微笑む。
「コンキスタドールたちも言ってたけど、部屋の外へは出ない方がいいよ。……いや、出来ればこのアジトの外まで逃げた方がいいかな? ここはこれから――戦場になるからね♪」
 イプシィにコクコクコクコクと何度も頷いた島民の少女たちは、我先にと砦の出口を目指していくのだった。それを見送って……。
「……あれ? ステラ、元に戻ってない? ……使用者を倒しても効果が解けないタイプのユーベルコードなんだ……。解除出来る猟兵を探さないと――」
 友人の今は真珠色の頬をナデナデしながら、イプシィはふと思い出す。
「……そういえば、モルテはどこ行っちゃったのかな……?」
 イプシィのもう一人の友人、彼女は……。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

モルテマリア・ベルフェゴール
【アドリブ歓迎】

浮島できゃっきゃってシてたらヌルっと足元すべって海にぼちゃん…
…うう、先にいっちゃうなんて酷過ぎます…
ライオンちゃんをなでなでだっこしながらおっかけて
…特にステラちゃんにはいいタイミングで転んじゃう呪いでもかけておきましょう♪

それはともあれ噂には聞きましたけど真珠の像
MBなコンキスタドールちゃんをみるに…辛抱たまらん感じで固まってるのも
「そういえば戻せるってことは~…ムムム…」
…協力してもらっても…いいですよね…♪

【誘惑】【生命力吸収】【大食い】
UC発動♪皆から辛抱たまらん欲望を吸い上げて~♪
「これで仇は討ちますよ~♪」
バッチリ殻も裂けそうな脈打ち大鎌でもって、行動開始ですっ♪



「うぇ~ん……」
 ポテポテと小さなライオンを抱いて走っていたモルテマリア・ベルフェゴール(サクラメント・アップル・f17390)は、他の猟兵たちから大分遅れて今、ようやくコンキスタドールたちのアジトに到着していた。
 ……水上水着剥ぎデスマッチに参加し、コンキスタドールたちのボスにも割と高評価をされていたモルテマリアが何故、こんなことになっているかというと……。

『きゃっきゃっ♪』(←競技が全て終わった後の浮島の上で大はしゃぎ)
 ヌルッ――ぼちゃんっ……。

 ……そのままうっかり離岸流に乗ってしまったのである……。
 ――そうして沖まで流されたモルテマリアが如何にしてこの島へと戻ってきたのかは、真に聞くも涙、語るも涙の大冒険であった。……のだが……今回は端折ろう。
 とにかく、唯一待っていてくれていた友人の女神の眷属である子獅子と一緒に、モルテマリアはどうにか此度の戦線へ復帰したのである。
「……うう、皆先に行っちゃうなんて酷過ぎます……」
 抱っこした子獅子をナデナデしながら、モルテマリアはそれの主に『いいタイミングで転んでしまう呪い』を掛けていた……。
 何はともあれ、モルテマリアは堂々と、砦の正面入口から中へと入っていく。……門番は居なかった。猟兵たちが内部で引き起こしていた混乱により、パールウォリアーたちもそれどころではなかったのである。
 悠々と砦の中を闊歩していくモルテマリアは、各所に鎮座した真珠色の像――パールウォリアーたちのユーベルコードで固められた男性島民たちを眺め……ふと立ち止まった。
「噂には聞いていましたけど~……この人なんて、『辛抱堪らん!』って感じで固まってますね~」
 ……一部ではあるが、真珠の像の中には恐怖とか驚愕ではなくて鼻息を荒げたような表情で固まっているものもあった。手も何やら『ワキワキ』という感じ……。
「MBなコンキスタドールちゃんたちを見るに、解りますけど……」
 水上水着剥ぎデスマッチの会場で見たパールウォリアーたちを思い出し、モルテマリアは納得はする。
 まあ、何というか……顔立ちも整っており、身体つきもワガママなパールウォリアーたちを前に、命を懸けてスケベ心を滾らせた猛者たちも島民の男性の中には居たということであった。
 それを悟ったモルテマリアは……「ん?」と首を傾げて宙を見上げる。
「……そういえば、ユーベルコードで戻せるってことは~……ムムム……?」
 眉間に皺を寄せて考え込んでいたモルテマリアは、合点がいった顔でぽむっと両手を打ち合わせる。
「……協力してもらっても……いいですよね……♪」
 楽しそうに微笑んだモルテマリアに、同行者の子獅子は「がるっ?」と首を捻った。
 ……モルテマリアは、これまでに見付けた「辛抱堪らん!」顔の真珠像の許を改めて巡っていく。そして、その前に来る度に……。
「『素敵な貴方。少しだけ、味見させてくださいね……?』」
 黒い瘴気を纏った大鎌を現出させ、それを、振り下ろす!
 ……ただし、真珠像のすぐ前の床へ。そこを起点に地を這った気配が真珠像へと絡み付き、彼らが秘めた欲望を吸い上げていった……。
 そんな風にアレな真珠像の内面を浄化していく中で、モルテマリアの大鎌は瘴気の内からドクン、ドクンッと脈打つ、尋常ならざる光を灯し始めていく。
「これで仇は討ちますよ~♪」
 パールウォリアーたちへの只ならぬ欲望を吸収した大鎌を手に、モルテマリアは行動を次のフェイズへと移した。砦内の廊下を駆け回っていたパールウォリアーへ、襲い掛かったのである。
「っ、敵襲!?」
「それ~♪」
 パールウォリアーへ向け、振るわれるモルテマリアの大鎌。鎌刃はトライデントと噛み合う――かと思われたが、途中で軌道を急激に変えた。身体をくねらせる蛇のように、パールウォリアーへ牙を剝く。
「……えっ? き、きゃああああああああっ!?」
「……え?」
 ズンバラリンッ。……という感じに、パールウォリアーの水着『のみ』が切り裂かれた。零れた胸と露わになった股間を手で隠し、パールウォリアーが尻餅をつく。モルテマリアは目をパチクリさせるしかなかった。
 ……彼女の手に握られた大鎌は、さらに怒張するように禍々しい光を増していく……。
「……吸い取る欲望、間違えましたかね~?」
 大鎌はまさに「辛抱堪らん!」という様相でパールウォリアーへ石突きを向けて震えていた……。
「……え? や……待って、待って待って! ま、まさかそれを私に……!? 嘘、嘘、嘘――」
 数瞬後、「ぃやぁぁああああああああ~~~~んっっ!!」というパールウォリアーの悲鳴がこだました……。
「駄目ぇっ! あ、あっ、あぅっ……!? そ、そんな奥まで……やだぁっ……! こ、壊れちゃ、ぅ、のぉっ……!!」
「……そうは言われましても~……」
 ……さらに数分の後、ビクン、ビクンッと打ち震えるだけの存在と化したパールウォリアーを前に、モルテマリアは自身も予想外の変貌を遂げた大鎌を見詰め、「……ムムムム……!?」と唸り声を上げた。彼女の中で、複雑な葛藤が為されて……。
「――まあ、強いからいいですね~♪」
 ……割り切った。
 そんなわけで、パールウォリアーの天敵と化した大鎌を携え、モルテマリアは次なる獲物を求めて歩み出す。
 彼女の足元で、子供のライオンが尻尾を振りながら並び歩いていった……。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『クロックダイル』

POW   :    100日後も生きてるぜ、たぶんな!
自身の【100日分の寿命】を代償に、【平行世界の未来から召喚した100人の自分】を戦わせる。それは代償に比例した戦闘力を持ち、【強靭な肉体、鋭い牙、手にしたサーベル】で戦う。
SPD   :    ガハハハ! ここから先は、ずっと俺様の時間だぜ!
【体内の時計型メガリスを起動させる】事で【通常の1000倍の速さで動ける姿】に変身し、スピードと反応速度が爆発的に増大する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
WIZ   :    産まれる前に戻って消えちまいな!
【物体の時を巻き戻し虚無へと還す波動】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【を、自分以外の時間を遅くする力場に変え】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。

イラスト:塚原脱兎

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠パトリシア・パープルです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「――どうなってやがる、こりゃあっ!?」
 数時間ぶりに自室から出てきたコンキスタドールのボスは、自身の城の惨状に目を白黒させた。
 この砦に集めた自分のお気に入りの女たちの姿は……無い。砦の各所にトロフィーのように飾っていた真珠化した男性島民たちも……居ない。何かが起こったのならそれを鎮圧しなければならないパールウォリアーたちさえも……皆無!
「何が……一体全体何が起きやがった!?」
 地団駄を踏む直立した鰐が漠然とながら事情を察したのは――この城砦の中庭部分をバルコニーから見下ろした時だった。
 ……眼下の中庭から、自分を険しい瞳で睨み付ける一同。今日の水上水着剥ぎデスマッチで見初めて連れてきた女たちも含まれているその一団は、荒ぶる海の波の如きユーベルコードを滾らせて臨戦態勢に入っていた。
「……オマエらか……?」
 オレの楽園を壊したのは? オレの王国を潰したのは?
 眼差しで何よりも強く「そうだ」と告げる彼ら――猟兵たちへ、鰐の姿のコンキスタドールは怒りを爆発させる。
「何処の誰だか知らねえが――後悔しろ! オレのこの力で……徹底的に蹂躙してやるっっ!!」
 鰐の腹からカチコチと時計の音がした。それは、時空すら掌握するメガリスの鼓動に他ならない。
 一般人の島民の少女たちは既に全員助けられ、この砦からは逃がされた。真珠にされていた島民の男性たちも同様である。この砦でどれだけ大暴れしようと、無辜の人々に犠牲が出ることは無いだろう。
 パールウォリアーたちも全滅……鰐のコンキスタドールの盾となる者は居ないが――そうであっても敵の力は強大だ。
 あと一歩。死力を振り絞り、悪しきハーレムであったこの島を解放せよ、猟兵たち!!
青葉・まどか
遂に待ち望んだ、元凶との決戦!
この島の未来の為にも必ず勝たないと。
でも、その姿を見た瞬間に【第六感】が働く。
コイツ、ヤバい!
……うん、覚悟を決めた。コイツを倒すなら手段は選んでいられない。
「私に勝ったらスキにしてイイよ❤️」
そんな風に【誘惑】すると敵は発奮して攻めてきて、私は奮闘するけど力及ばずに倒されてしまう。
それからは欲望の赴くままにヤリたい放題サれてしまう。
無様に負けた私を嘲笑いながら組み伏せるクロックダイル。
全く、その通り。なんて間抜けなんだろう……お前がね。
『逆しまの毒』発動
ドスケベなら必ず喰いついてくると思ったよ❤️
さあ、愉しんだ分くらいは苦しんでね❤️

※アドリブ・絡み 歓迎



 ついに待ち望んだ元凶との決戦である。
(この島の未来の為にも必ず勝たないと!)
 青葉・まどか(玄鳥・f06729)の胸にも強い決意が沸き立っていた。
 ――だが、石造りのバルコニーから、自分たちが立つ中庭を見下ろす鰐型コンキスタドール……『クロックダイル』を見た瞬間、まどかの背筋は絶対零度まで冷える。
(……コイツ、ヤバい!)
 猟兵として研かれてきたまどかの第六感が、劇的なまでの警鐘を鳴らしていた。
 ……そして、それの正しさが直後に証明されてしまう。まどかは間違いなく、一秒たりとも、一瞬たりともクロックダイルから視線を外していない。まばたきさえもしていないのだ。にもかかわらず――彼の鰐は、気が付けばバルコニーから消えていた。
「――いいかぁ? 思い知れ! ここから先はずっとオレ様の時間だぜ!!」
「!?」
 本当にいつの間にか、クロックダイルはまどかと同じ砦の中庭に下りてきていた。どのようなルートを使ってかも、まどかには一切認識出来ていない。
(あ、あんな動きをずっと続けられたら……どうしようも出来ないじゃない!!)
 早くもまどかの脳裏に猟兵側の敗北がちらつき始める……。
 けれど、それを甘んじて受け入れるほど、まどかは諦めが良くはなかった。
(……うん、覚悟を決めた。コイツを倒すなら手段は選んでいられない)
 だからこそ、まどかは一歩前に踏み出して自分をクロックダイルの視界に晒す。口元には笑み、眼鏡の奥の黒瞳は不敵に細め、14歳という年齢にそぐわぬ立派な胸を張ってみせた。
「よっぽど自分の力に自信があるんだね、鰐さん」
「は、当たり前だぜ! オレの力は百人力……いや、千人力だ! オマエらが束になって来ようと秒殺してやるぜ!!」
「勘違いは困るよ。戦うのはまず、私一人! ……そちらこそ、私を舐めないでよね?」
「あぁんっ……?」
 クロックダイルの胡乱げな眼差しがまどかに突き刺さる。首をもたげ掛けた弱気を跳ね除けて、まどかはコンキスタドールを真っ直ぐに睨み返し、言ってやった。

「もし私に勝ったらスキにしてイイよ❤」

 まどかのその台詞に、クロックダイルの縦長の瞳孔がギョロギョロと蠢いた。水上水着剥ぎデスマッチ以来、今日はずっと眼帯スリングビキニを身に着けたままのまどかの肢体……それの描く魅惑の曲線をせわしなくなぞり上げる。
 鰐の顎から牙が剥き出された。
「ははっ、可愛い顔してとんでもねえ好きモノだなぁ! いいぜ、すぐに可愛がってやるよぉっ!!」
「っっ!?」
 そこからのまどかは――為す術が無かった。
 とにかく、絶対的に……クロックダイルの姿が見えない。まどかのユーベルコード・『光学迷彩・透明』のように姿を消すユーベルコードを使っているわけではなかった。……速いのだ。同じ時間の流れの中に居るとは思えないほどに、信じられない速度で鰐のコンキスタドールは移動し――まどかへ襲い掛かってくる。
「あ、あ、あ、あ、ああああっっ……!?」
 自分が攻撃を喰らい、痛め付けられていることはまどかにも何とか解ったが、それがどんな攻めによるものなのかは理解出来なかった。ただ、右へ左へ前へ後ろへ上へ下へ自分の身体が縦横無尽に弾き飛ばされているのが確認出来るのみ……。
 ……まどかが耐えられた時間は10秒にも満たなかっただろう……。
「――口ほどにもねえ。デカいのは口とおっぱいだけか? ははははははっ!!」
 仰向けに地面へ倒れたまどかを揶揄し、大笑いするクロックダイル。それに反論することすら、今のまどかには満足に出来ない。完全に打ちのめされた様相……。だが、これで終わりではなかった。
「さぁて、約束通りだ。スキにさせてもらうぜ……」
「……ぅ……あっ……!」
 クロックダイルが帯を解きつつ、まどかへにじり寄っていく。散々に攻撃を受けたまどかの胸からも腰からも、既に水着は吹き飛んでいた。腕も脚も思うように動かせないまどかには、鰐の獣欲を押し返す方法など残っていない……。
 鰐という生物の雄の生殖器は、普段は体内に収納されているが、使用時には体外へと出てくる。その生えてくる動きは、まるでエイリアンのよう。その上、形状も不気味極まりなく、人間の男性のそれよりも大きい……。
「……ひ……っ……」
 それが今から自分の中へ『入ってくる』と悟れば、まどかの口からは押し殺し切れぬ悲鳴が漏れてしまう。
「そらっ、ひぃひぃ泣かせてやるぜ……!」
「……ぃ……ぁ、ぃ……っ……ぅぅうううううううう~~~~~~~~っっ……!!」
 宛がわれ、ねじ込まれ、押し広げられ、埋め尽くされ……身体を弓張月のように反り返らせたまどかの喉から、喘ぎとも呻きとも取れる音が迸る。
「あっあっあっあっあっあっあっあっぁんっあっんぁっぅあっ……!?」
 前戯も無く、いきなり突き込まれたまどかへの心遣いなどまるで無い……激しいグラインド。年齢不相応にたわわに実ったまどかの胸部の果実が、大地震のように揺れ弾んでいる。先端の突起など残像を残すほどだった。
(……こ、壊れ、ちゃうっ……!!)
 眼鏡がずれた視界を涙で歪ませ、まどかは女性的恐怖に打ち震えた。……自分の肉体の最奥で、まだ一度もその役割を果たせていない子を育む為の臓器が苛烈な打突を繰り返されている。そこと外部を繋ぐ道に至っては、壮絶な摩擦で中身がはみ出してしまいそうだ。
 しかし、何よりも怖いのは……それによって自分の内側の形が鰐のモノに慣らされていっていること。……鰐のモノがピッタリと一致するように加工されていっている事実……。
「やっやぁっ、ぃやぁっあぁっいやぁっいやぁぁああああああっっ……!?」
 拒絶の声を響かせるまどかにお構いなしに、クロックダイルはとうとうその行為の極致を実行に移す。
 あれほど激動させていた腰をピタッと止め――全身におこりのような痙攣を走らせたのだ。
「……っっ!? っ……あっ……あっ、あくっ……っぁああぁぁああああああああああ……っっ……❤」
 ……まどかの中に、クロックダイルの分身たる小さな細胞たちが振り撒かれる。まどかがいつか自分の子供を宿すはずの大切な部屋へ、その小さなクロックダイルたちは無遠慮に入り込んで……そこに居るはずのまどかの小さな分身を探して泳ぎ回っていた。
(……ぉ、お願い……)
 自分の分け身がクロックダイルの化身たちにどうか見付からないようにと、まどかは祈り、願う……。
 ……まどかへの徹底的な侵略を終えたクロックダイルは、さも楽しそうに嗤った。
「言いザマだなぁ、おい? これでオレのガキを孕んだりしたら……ははははっ、救いようの無い間抜けだぜ!!」
 クロックダイルからの嘲りに、まどかは唇の端を吊り上げて嗤った。
「……全く、その通り。なんて間抜けなんだろう……『お前』がね」
「……あん? ……っ……んぶっ……がぁぁっ……!?」
 凌辱の余韻で未だ動けぬまどかの囁きを聞いた途端――クロックダイルが血を吐いた。何かを察した様子でまどかから跳び退くものの……その動きは精彩を欠いている。
 一転して憎悪が籠もった目で、クロックダイルはまどかを睨み付けた。
「オマエ……っ……毒を仕込んで……オレと……!!」
「ドスケベなら必ず喰い付いてくると思ったよ❤」
 息も絶え絶えに何とか上体だけ起こし、まどかは妖艶に微笑んだ。
「さあ――愉しんだ分くらいは苦しんでね❤」
 拳銃の形にした指をまどかに向けられた瞬間、クロックダイルは苦痛の声を上げてより大量の血を吐いたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アリス・セカンドカラー
おまかせプレイング。お好きなように。
あらあら、肉体を虚無に戻した程度で私をどうにかできると思うなんて(くすくすくす)
心外だわ☆
生まれる前に戻ったことで狂える異端の神B.I.G EXPとしての本性の封印を解く、魂のリミッター解除。限界突破した変態性と妄想力を発揮して、煩悩が魂を凌駕する継戦能力でねちっこく戦うわよ♪
クロックダイルを私好みに萌擬人化した男の娘に形態変化させる呪詛で弱体化させて、騎乗して大食いで咥えこんでのエナジーを略奪して吸収(魔力溜め)する情熱ダンスでおいしく捕食するわ♡
あ、時計の方も萌擬人化男の娘への形態変化で力を封印しておきましょ、もちろん分身(多重詠唱)でおいしく捕食よ♡



 先陣を切った猟兵がクロックダイルに痛撃を喰らわせたのを見計らい、それに続いた猟兵が居る。――アリス・セカンドカラー(不可思議な腐敗の魔少女・f05202)であった。美しくも妖しきサイキックヴァンパイアの少女の接近に、血反吐を拭った鰐型コンキスタドールは咆哮を上げる。
「このオレ様を……侮ってんじゃねえっっ!!」
 何処からか時計の針の音が響き渡り……クロックダイルの眼前に形容し難い色の波動が渦巻いた。見るからに危険であると、まともな生物なら本能的に悟るその波が、容赦なくアリスへと牙を剥き――呑み込まれた彼女が、空間ごと抉り取られたかのように消滅した……。
「……は、ははははっ。産まれる前に戻って消えちまいなぁ……!」
 それは、物体の時を巻き戻して虚無へと還す恐るべき力であった。直撃すれば、どれほど歴戦の猟兵であってもこの世から消え失せてしまうであろう……。
『――ただし、わたしは例外よ♡』
「っっ!?」
 何処からか聞こえたアリスのくすくす笑う声に、クロックダイルの目が限界まで見開かれる。
『あらあら、肉体を虚無に戻した程度でわたしをどうにか出来ると思うなんて――』
 くすくす、くすくす、くすくすくすくす……辺り一面からこだまするアリスのくすくす笑いに、さしものコンキスタドールも震え上がった。
『――心外だわ☆』
「オ、オマ……一体何だっっ!?」
 クロックダイルの心からの疑問に、アリス――だった『それ』は答える。

『それは常に傍らに寄り添い、共に立ち向かう者。Stand by me、大いなる経験を共に、B.I.G.EXP』

 ――アリス・セカンドカラーとして生まれ落ちる前へと戻されたことで、狂える異端の神としての本性の封が解かれたのである。……絶対に向けてはならない相手へ、決して使ってはならない力を行使し、パンドラの箱を開いてしまった事実を、クロックダイルは腹の底から理解した。
「……っっ……!?」
 それでも、気付けたのであれば対策は立てられる。とにかく、今のアリス=B.I.G.EXPを相手取るのはクロックダイルであっても命知らずだ。
(一旦逃げて、ほとぼりが冷めるのを待つしかねえ! ――う、うおっ!?)
 ……彼は気付いていなかった。一応は『人の容(かたち)』にあることで、アリスはあれでも(認め難い人たちも多いだろうが……)自身の欲望やら欲求やらを、彼女なりの理性で抑え込んでいたのである。だが、アリスという容……『枷』を失ったことで、B.I.G.EXPの方には最早自身の変態性や妄想力を自制する機能など残ってはいなかったのだ。
 肉体が精神を凌駕し、魂が精神を凌駕し、煩悩が魂を凌駕する……楽しいティーパーティーの幕開けである!
「う、うおっ!? ……ぅわああああっ!?」
 クロックダイルのしゃがれた低い声が……変声期も訪れていないようなソプラノボイスへ変わる。皮膚を覆っていた鱗が残らず剥がれ落ち、下から現れたのは白磁のように滑らかな肌。気付けば骨格さえも全く別の構造へと変異しており……彼は鱗文様(二等辺三角形を規則正しく上下左右に連続して組み合わせた模様)の外套を羽織り、その下にはビキニのトップスとショートパンツを身に着けた、見事な男の娘へと変貌していたのである。
「なっ、なっ……これが……オレ?」
『ふふっ、なかなか美味しそうに仕上がったわね♡』
「ひっ……!?」
 そんなクロックダイル(男の娘Ver)の前に、水底から泡が立って弾けるように、全裸のアリス・セカンドカラーが出現した。……けれど、それはあくまでも都合が良いのでアリスの姿を再現しているだけ……。本質はB.I.G.EXPのままである。
 ――狂神は、何処までも自身の欲望に忠実であった。
「あ……ああぁあっ……!?」
『可愛い顔して、ここは立派なのね♡』
 少女と見紛う美貌を恐怖で歪ませるクロックダイルを仰向けに押し倒し、B.I.G.EXPは彼のショートパンツを引き下ろした。解説通り、まだ勃ち上がってもいないのに結構なサイズを誇るクロックダイルのソレを、アリスと同じ舌がチロチロと舐め上げていく。
「あっ……うっ、あっ……!!」
 神の舌技は、苦痛とすら感じるほどに気持ち良かった。ムクムクと起き上がり、鋼のような硬度と化したクロックダイルの下半身の塔を、B.I.G.EXPが跨ぐ。
『あっ、太い♡ 長い♡ 硬い♡ 素敵♡』
「ああぁぁああああああ~~~~~~~~!?」
 腰を下ろしたB.I.G.EXPの下半身に頬張られるクロックダイルの分身。狂える神の中は、入っただけで彼の方も狂ってしまいそうなほどの快感に満ちていて……。
 けれど、入れただけではB.I.G.EXPの方は満足するはずも無く……。彼女の腰から下が淫らに蠢いて、妖艶かつ情熱的なダンスを披露する。
「あぁ~!? ああぁぁ~!? ああぁぁああああああああっっ……!?」
 それによってもたらされる快楽は、生き物が耐えられる限度を超えており、クロックダイルは○○が初めて事に及んだ如く数秒で発射してしまう。……が、それが収まらぬ内にB.I.G.EXPの肉が彼の分身を柔らかく抱擁して……萎えることを許さない。
 狂気の淫神は、クロックダイルから全ての生命のエキスを搾り取ろうとするように、彼に自分の内での発射を繰り返させた。
「あっ……ぁ……あっ……」
 脳を灼く悦楽と急速に積もっていく疲労感に意識が朦朧とする中、それでもクロックダイルは己の腹に手を当てた。そこから伝わるカチッ、コチッという音に精神を集中させて……。
『――ああ。そこにメガリスがあるのね♡ その子も頂くわ♡』
「……あ。ああああっっっっ……!?」
 とぷんっと、B.I.G.EXPの繊手がクロックダイルの腹へ波紋を伴って沈み込み……そこから一個の懐中時計を取り出した。強く脈動するユーベルコードを纏ったそれが、クロックダイルの力の源たるメガリスなのであろう。
「か、返せ……!!」
『この子とも遊んだら、ね♡』
 B.I.G.EXPが懐中時計に口付けて、それを横に放り投げると――メガリスは急激に形を変え、時計兎を思わせる愛らしい男の娘へと変身した。目を白黒させるその子を……地面からせり上がってきたもう一人のB.I.G.EXPが抱き止める。
 ……交わる男の娘と女が、二組に増えた……。
 常人には解るはずも無い精神構造の神々に組み伏せられ、彼女たちに性的に捕食されるコンキスタドールとメガリス……。
 この淫猥な宴が終わった時に、それらにどれほどのユーベルコードが残っているかは……解らなかった……。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ハロ・シエラ
童話に出てきそうな姿の割にかなりの強敵、しかも最悪に残虐。
流石に装備が無ければ一溜まりも無さそうですね。

と言う事で、完全武装で挑みます。
彼らは全員同じ性格なのでしょうか。
ならば最初は【勇気】を持って果敢に挑みましょう。
傷付いても【激痛耐性】で耐え、【武器受け】などで致命傷を防ぎながら相手をします。
それでも恐らく100人相手には押されるでしょう。
私の心を折ろうと全員で痛めつけにくるでしょうか。
その時には敵を開けた場所に【おびき寄せ】ておきたいですね。
そこで一旦負けを認める様に見せ、【だまし討ち】します。
私を囲む敵達をユーベルコードで巨大化したレイピアで【なぎ払い】、一網打尽にしてやりましょう。



「――ぐっ……がぁぁああああああああああっっ!!」
 猟兵にして狂える神たる存在との悪夢のような一時がようやく終わった……。
 直立した鰐という本来の姿に回帰し、メガリスたる懐中時計もその手に握り締めたクロックダイルが激怒の咆哮を上げる。
 彼のコンキスタドールが負った消耗は間違いなく大きいものであろうが――その負担に反し、猟兵という存在に対して覚えた怒りがあまりにも絶大な様子である。憤怒で肉体を凌駕し、また一段と危険性を増しているようにも感じられた……。
 ――そこに挑んでいくのはハロ・シエラ(ソード&ダガー・f13966)である。水上水着剥ぎデスマッチを通じて、目の前の鰐に特に気に入られていた彼女だが……他の猟兵と共に自分へと挑み掛かってくるその姿に、クロックダイルの方は可愛さ余って憎さ百倍という様相だった。
「ぶち殺してやるぁああああああ――――――――っっ!!」
 クロックダイルの掌中の懐中時計の針が猛スピードで回転し――次の瞬間、空間から滲み出るように一人、また一人とクロックダイルが増えていく。……平行世界の未来から自分自身のあり得る可能性を召喚し、共に戦ってもらうという恐るべき秘術。元からいたこの時間軸のクロックダイルを含め、総勢101人のコンキスタドール……。とんでもない光景に、ハロの駆ける速度さえ若干鈍った。
 そこに、クロックダイルたちが津波のように押し寄せる。
「くっ……!?」
 クロックダイルの一人が降り下ろしてきた湾刀を、ハロのレイピアがどうにか受け流す。――が、即座に別方向からさらに一人のクロックダイルが横薙ぎに刃を振るってきた。それをもう片方の手に握っていた短剣で力任せに弾き飛ばすハロ。続いて後ろに回り込んできたクロックダイルは、後ろ蹴りで迎撃する。
「……流石に、装備が無かったら一溜まりもなかったですね……」
 増援の猟兵が運んできてくれた愛用の武具が間に合って良かったと、ハロは心から安堵する。
 完全武装であることがハロの胸に勇気を灯し、その戦いぶりを果敢なものにしていく。若干13歳の元・ダークセイヴァーの少年兵が、百倍のコンキスタドールに対して獅子奮迅の戦いを見せた。
 ……けれど、いくら何でも多勢に無勢が過ぎる。しかも、召喚された平行世界のクロックダイルたちは多少の個体差はあれど、元々の1体目に匹敵する強さ。徐々に、だけれど確実に、ハロが捌き切れない攻撃が出てくる……。
「くっ……んぁっ……いぎっ……!?」
 一振りの刀身がハロの二の腕を浅く裂き、それに刹那だけ気を取られた隙に、別の刀が彼女の腿に赤い線を走らせた。僅かに膝が折れたハロに、あるクロックダイルが肩口からぶつかって大きく撥ね飛ばす。
「――がはっ……!?」
 そうやって飛ばされた先に待ち構えていたクロックダイルたちが、交差法の要領で武器を叩き込んできた。その衝撃には、痛みに耐性を持つハロも堪え切れない。
 とうとう膝を突いてしまったハロに、四方から、八方から、鰐型コンキスタドールたちの暴力が押し寄せる……。
「………………っっっっ!!」
 悲鳴を上げる余裕すら無く、ハロは痛みを覚えるほどに歯を食い縛って耐え忍ぶしかなかった。
「泣け! 喚け!!」
「泣き叫んで許しを乞えよ、なぁっ!!」
「思い知りやがれ! オレは、オレ様は、この島の、いずれは全ての海の、支配者だっ!!」
「……ぁ……ぅ……た、助け……」
 ……苛烈な、嵐のような暴威を前に、とうとう心が折れたのか……ハロの口からか細い、懇願するような声が漏れた。
 それを聞き付けたクロックダイルの一人が湾刀を振るう手を止め、その隣のクロックダイルも荒げた息を整え出し、さらにその隣のクロックダイルが表情に喜悦を浮かべて……。
(……童話に出てきそうな姿の割にかなりの強敵……しかも、全員揃って最悪に残虐……)
 何というコンキスタドールだと、ハロはありとあらゆる箇所が痛む身体を眼前の地面へと傾がせて……。
 ――ズダンッ!! と、その勢いを全て大地に叩き付けるように、左足を踏み出した。
「……っはぁぁああああああああっっ……!!」
 大地を蹴り付けた反動が、力となってハロの身体を駆け上っていく。それを足の裏から足首へ、足首から膝へ、膝から股関節へ、股関節から腰へと伝えながら、彼女は大きく身を捻った。自分の身体の中を駆け巡っていくその力に、魔力も、ユーベルコードも残らず合流させて――右手に握った『子狐』の名を持つレイピアへと集束させていく。左手も、握っていた短剣を手離してレイピアの柄に添えた。
「――『ちぇえすとぉおぉおぉおぉぉぉぉ!』」
「「「「「――んなぁっ!?!?」」」」」
 ハロのレイピアが、『細剣』というその分類に喧嘩を売る如く長く、太く、何処までも豪胆に巨大化していく。それが描く弧は、夜空の星すら薙ぎ払わんばかりのものであった。――『スターブレイカー』。名前の通りの星すら砕きそうな一閃が、クロックダイルの集団を巻き込んでいく。
 101人も居たクロックダイルは、誰一人として気が付けなかった。ハロは、彼らがその数に増えた時からずっとこれを狙い、察せられぬよう細心の注意を払って、巨大化したレイピアを存分に振るえるこの開けた場所へとクロックダイルたちを誘導していたことを。
 クロックダイルの群れが風に飛ばされる砂のように豪快に吹き飛んで――その中にこの時間軸における本体が居たのだろう。あれだけの数が居たクロックダイルたちが、次々に風に溶けるように消えていく。
「……間違いなく、痛撃は与えましたね……」
 元の大きさに戻った『リトルフォックス』を杖代わりにし、ハロは自らの手に残る感触からそれを確信していた。……だが……。
「……私の方も、限界です……」
 101体のクロックダイルに与えられたダメージが浅くない上に、星砕きの太刀はハロの体力も魔力も根こそぎ奪い取っていく奥の手だった。
 彼女の小さな身体は、やり切ったように地面へと倒れ伏したのである……。

成功 🔵​🔵​🔴​

妖星・光
※アドリブ・絡み歓迎。NG無し


戦闘前、男奴隷達に
「島の人達には逃げられ、パールウォリアー達は全滅。これって処刑レベルの大失態だよね。あのワニに言い訳は無駄だよ」と【恐怖を与える】
そして「ボス退治に協力したら助けて上げる」と【言いくるめ】て【取引】するよ

ボクと〔選択UC〕の数人が『奴隷達を島民だと勘違いし、騙され捕まった猟兵』という設定で、男達に連れられボスの前へ
皆怯えたふりして命乞いし、ボスにいいように弄ばれるよ。(命の危険が迫ったら、UC解除して即帰還)
そのうちボスの気が緩んだら、隠してた機関銃を男から受け取り、口に突っ込んで容赦なく【零距離射撃】
更に遊撃隊を帰還させ【乱れ撃ち】するよ



 ……さて、時間は少しだけ、クロックダイルと猟兵たちの戦端が開かれる前まで遡る……。
 男たちにいいようにカラダを弄ばれる無力な少女ではなく、猟兵としての本当の顔を曝け出した妖星・光(前世は男の子?・f23939)の前で、コンキスタドールたちに労働奴隷として仕えていた男たちは冷や汗ダラダラで座り込んでいた。
 光のユーベルコードで召喚された、光の古い友人である少女たちと散々にお楽しみの時間を過ごして……今になってようやく、この砦がどのような状況に陥っているのか理解したのである。
 そんな彼らに冷たい目を向けて、光は言い含めた。
「島の人たちには逃げられ、パールウォリアーたちは全滅。これって処刑レベルの大失態だよね?」
 改めて事実を突き付けられて、しかし奴隷の男たちは口々に反論した。
「いや! これは俺たちのせいじゃなく……!!」
「パールウォリアーたちがしっかりやらなかったせいだろ!?」
「そもそも労働奴隷の俺たちには管轄外だ!!」
 自分たちのせいではないと責任の所在を余所へと押し付ける奴隷の男たちに、光は呆れた風に溜息を吐いてみせる。
「あの鰐に言い訳は無駄だよ?」
 ……そのことは、光以上に奴隷たちも痛感していたのだろう……。打って変わって彼らは押し黙ってしまう。
 そんな彼らへ、光は取引を持ち掛けた。
「ボス退治に協力したら助けてあげる」
 ……奴隷の男たちに、その言葉を拒否する道など既に残されていなかった……。

「……ぐふっ……あ、あの女共……!!」
 三名の女猟兵たちから三様の痛手を被ったコンキスタドールのボス・クロックダイルは、中庭の一角で息を荒げていた。
 肉体的な消耗は決して軽くないと見て取れるが……狂的な怒りの感情を発する両目はまだ全く死んではいない。むしろ、手負いの獣として危険性を増していっている雰囲気さえあった。
 ――そこへ、奴隷の男たちが駆け付ける。
「……ボ、ボスっ……!」
「………………」
 クロックダイルは、今さらやって来た労働奴隷たちへ無言で眼差しを向けるだけだった。そんな主人へと、一番前に立った奴隷の男は精一杯媚びへつらった表情を浮かべ、背後を示す。
「お、俺たち、この砦を襲った奴らの仲間を捕まえたんですよ! 俺らを島民だと勘違いして近付いてきたのを、上手く騙して……! へへ、見て下さいっ……!!」
 男が指差した後ろには、両腕を背中側に捻られた光と、彼女の古くからの仲間である少女たちの姿。彼女たちを拘束した奴隷の男たちは、一様に笑顔でクロックダイルの顔色を窺っていた。
 光が彼らに提示した作戦とは、こうして猟兵たちを捕まえたとクロックダイルに示し、それによっていい気になったコンキスタドールの隙を突こうというものである。……その過程で、クロックダイルから多少乱暴を受けても構わない……光にもその仲間の少女たちにもそれくらいの覚悟があった。
「こ、こいつらを人質として利用するとかどうですかね!? そうすりゃ、きっと――」
 ……ここまでは光の想定通りに進んでいた。――そして、ここからが光の想定外の事態……。
 ――ガブッ! ブチッ!! ガリッ、ボリッ、グチャグチャッッ……!!
「……え? ――っっ!! なっ……!?」
 光の指示通り、クロックダイルに自分たちの偽の功績をアピールしていた奴隷の男の頭部が……コンキスタドールの顎に噛まれ、千切られ、咀嚼され……飲み込まれた。……やや遅れて、首から下の身体が噴水のように血を噴いて倒れたのは……本当にその男が、最期まで自分の死を認識出来なかったからかもしれない。
 口の端から人の鮮血を零しつつ、クロックダイルが激昂した声を上げた。
「――オレやパールウォリアー共がああもいいようにやられた相手を、その仲間を、オマエら如きがどうやったところで捕まえられるわけが無えだろうが!! 寝返ってオレを罠に嵌めようとしてんのが見え見えなんだよ蝙蝠野郎共がっ!!」
(まずっ……!?)
 咄嗟に奴隷の男の腕を振り解き、地面に転がった光。その瞬間、ユーベルコードも解除して仲間の少女たちは故郷のサクラミラージュの貧民街へと送還していたが……それが限界だった。
 ……奴隷の男たちは――庇えない……。
 ――全員が、光の身体の上を過ぎていった男たちだ。彼らは……光から見て全く同時、0.01秒のずれさえ無く、首から上を喪失する。時間を操る鰐による、己の時間の超加速による体動……。
 それへの対抗策を、実のところ光は全く用意出来ていなかった……。
「っ、っ、ぅぁっ、っっ、っっっっ……!?」
 ……光は自分が今、何をされているのかも解らない。解るのは、平衡感覚が全く当てにならないレベルで身体が様々な方向へ吹き飛ばされているということだけ。視界はグチャグチャで、自分の瞳に映っているものが何なのかも把握出来ない。……数分間……それとも数秒間? 時間の感覚も曖昧になった光が気付いた時には、彼女はクロックダイルに襟首を掴まれて持ち上げられていた。
「小娘……舐めた真似しやがって!!」
「ぅあっ……!?」
 ただでさえぼろ切れと化していた光の衣装が、完全にその身から剥ぎ取られる。クロックダイルは露わになった光の女性に、自らの男性を容赦なく押し込んだ。極めて小柄な光の身体に、その肉塊はあまりに大き過ぎる……!
「可愛がってなんかやらねえ……! このまま内側から腹を突き破って殺してやる!!」
「あぁぁっ……ぁぎぃっ……ぅうぁああああっっ……!?」
 まさしく、コンキスタドールの言葉通りだった。コンキスタドールが光に行ったそれは、性交などという生易しいものではない……。光の女性としての機能を徹底的に破壊しようと繰り出される暴力だった。
「あっあっあっあっうあっうあぅっあぁっあぅぁっ……!!」
 クロックダイルに抱え上げられた光の小さな身体が、そういう玩具のように揺さぶられる。生まれてこの方、サクラミラージュの貧民街で生きていた頃でさえ、ここまで乱暴に扱われたことは無かったかもしれない。
(お腹の奥が……痛いっ……!!)
 かつてない悲鳴を上げている自分の最奥の臓器に、光は何とか耐えてと祈ることしか出来なかった。
 ……やがて、拷問染みたその時間がようやく終わる……。
「――っ、ぁ、あぃぃぁああぁぁああああああああっっ………!?」
 ……クロックダイルが光の中に放出したのだ。凄絶に突き上げられ、腫れ上がっているだろう光の赤ちゃんの為の部屋に、鰐の子種が注ぎ込まれる……。
 光は否応なく、クロックダイルの背中に腕を、脚さえも回してしがみ付き、その衝撃を堪えたのであった……。
「……はあっ、出すモン出したら少し楽になったぜ……」
 光を乱雑に放り出して、クロックダイルが一息吐く。その瞬間に――今度は、光の方の激情が爆発した。
「ぅ――ああああああああぁぁああああああっっ!!」
 視界の端に引っ掛かった、鈍色の塊――奴隷の男の一人に隠し持たせていた軽機関銃。それを引っ掴むと、光は獣のような動きでクロックダイルへと飛び掛かった。
「オマ……うぐっ!?」
「っ……っっ……っっっっ……!!」
 銃口を鰐の口の中へと突き入れ、光は躊躇なく引鉄を絞った。暴れ回る銃身を身体全体で抑え込んで、弾倉の中の全てをクロックダイルの中へと吐き出させる。
 ……たった今、自分がされたことをそのままお返しするように……。
 LMGが内部に収納していた鉛弾を全て撃ち放つのに掛かった時間は、一分にも満たない。口から硝煙を煙草の煙のように吐いて……クロックダイルが仰向けに倒れる……。
 ――否、倒れない。
「……っっ……ぁ……ますますムカつく連中だなぁああああっっ!!」
 喉の奥から血をゴボゴボと吐きつつ、それでも倒れぬ鰐の姿のコンキスタドール。
 ……ただ、流石にここから追撃を受けたらまずいと考えたのだろう。超加速させた体動で、
光の前から逃げ去る。
 それを見送って――光は軽機関銃を落とし、蹲った。
「ボクの方こそ……追撃されたら終わってたよ……」
 今もジンジンと痛む下腹を押さえて、光は深々と息を吐き出すのであった……。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

百目鬼・明日多
さて、ここまで裏方に徹してきましたが
ようやく出番の様ですね。…ちゃんと最初から居ました?ずっと…
何をしていたかというと…(略)…という感じです。頑張ってました。
ともあれ、行きましょう!

相手はスピードに自信があるようですが
それは僕も結構自信があるんですよ。
相手が通常の1000倍だろうと、その攻撃に合わせて先制攻撃で
『電脳化身の拳』を叩き込みます!
そこから打撃の速度や連打力勝負になったとしても
負けるつもりはありません!
正面から相手以上の速度で
再起不能になるまで殴りきりましょう!

時間を操る能力で速度を上げているようですが
真のゲーマーはチートに頼らなくても
それ以上の速度で戦えるんですよ?



 城砦の中庭を駆ける爬虫類染みた影を視認し、百目鬼・明日多(一枚のメダル・f00172)は茶色の瞳を鋭くした。
「さて、ここまで裏方に徹してきましたが、ようやく出番のようですね」
 ……他の猟兵たちは知らないことだったが、明日多は最初の水上水着剥ぎデスマッチの時からこの島に居り、色々と頑張っていたのだという。
「ずっと……何をしていたかというと――」
 ――それは、人知れず行われた明日多の大活劇であった。それを長々と語……っている時間は、生憎と今の明日多には無い。コンキスタドール・クロックダイルが逃げてしまうから。
 眼鏡を押し上げて位置を調整し、ユーベルコードを高めていく明日多。クロックダイルは既に他の猟兵からなかなかの痛痒を与えられている様子だったが――油断するつもりは彼には無い。
「ともあれ――行きましょう!」
 バーチャルキャラクターのバトルゲーマーとしての本領を発揮すべく、明日多はクロックダイルの前に躍り出るのであった。
「……っ!? 何だ、このガキぃっ!!」
 12歳という年齢にしても、小柄で幼げな雰囲気の明日多を前に、しかしクロックダイルは油断も隙も垣間見せなかった。……ここまでの戦いで、そういう油断や隙を見せた結果、猟兵たちに痛手を喰らったのである。それを忘れてしまうほど、この鰐は馬鹿ではなかった。
 ――だから、ここからの展開は油断も隙も無く、真っ向から明日多がクロックダイルを凌駕していった結果である。
 己の寿命を代償に、クロックダイルが自らの時の流れを千倍に加速した。音さえも追い抜くその体動で、明日多へと襲い掛かる。手にした湾曲した刀で、明日多の首を刈ろうとした――瞬間。
「――ぶがっ……!?」
 鼻っ面にカウンターの拳を叩き込まれたのは、クロックダイルの方だった。衝撃で眼前に火花を散らす鰐に向かい、明日多の声が『二重に』響く。
 ……片方の声は、普段の明日多よりもやや低く、落ち着いていた。
「「あなたはスピードに自信があるようですが、それは僕も結構自信があるんですよ」」
 未だ揺れているクロックダイルの視界に、明日多の隣に立つ青年の姿が映った。明日多と同じ緑色の髪をなびかせ、目元を未来的なゴーグルで覆ったその人物は、数歳分大人になった明日多を連想させる。
 その姿が……明日多と重なり、一つとなった。
「――本当の速さというものを教えてやる、来い」
「調子に乗ってんじゃ……ねえっっ!!」
 口調さえ変わった明日多へ、千倍速のクロックダイルが肉迫した。
 機関銃の連射速度さえ遥か後ろへ置き去りにするクロックダイルの連続攻撃。縦横無尽に乱舞する刃が……ことごとく青年の姿となった明日多の手で捌かれる。刀身の横腹を手の甲で弾かれ、ずらされた軌道は明日多の髪の先すら掠めることを許されない。同時に……。
「――がっ!? ――んぐっ!? ――ぐはっ!?」
 クロックダイルの攻撃の間隙を縫うように、明日多の拳が鰐の顔面へ打ち込まれた。その頻度は徐々に、徐々に上がっていき……やがてはクロックダイルの剣撃よりも、明日多の拳撃の方が多くなっていく。
 明確に、速度で追い抜かれていることに、クロックダイルの表情は驚愕に染まった。
「ば……馬鹿なっ!? メガリスの……時間を操る力だぞ!? ――はっ! まさかオマエも同じ力を……!?」
「――勘違いしないでもらおうか」
 心外だとばかりに、青年明日多は吐き捨てた。
「お前の時間を操るというチート能力と一緒にするな。真のゲーマーは、そのようなチートに頼らなくてもそれ以上の速度で戦えるんだ」
「……っっ!?」
 ……それは、日に30時間のゲームという矛盾!! その矛盾をひたすらゲームプレイの密度を高めることで補い続け――その果てに得られる境地!!
 ――なのかは知らないが、とにかく、卓越したゲーマーである明日多のスピードも反射神経も、寿命を代価に加速したクロックダイルに負けていない……否、それ以上のものだった。
「み……み、認められるかぁっ、そんなモン!! オレは、オレは……負けねえっっ!!」
「俺の方こそ負けるつもりは無い。この打撃速度と連射力の勝負……正面から受けて立つ。お前以上の速度で、お前が再起不能になるまで殴り切ってやろう!」
 クロックダイルと明日多、二人以外の全ての者を遥か後方へと置き去りにして……超次元の速さの中で、両者の剣と拳が衝突を繰り返す。一合、二合、三合……数え切れぬほどの交差を経て、いつしか……戦いの趨勢は、明日多の方へと天秤を傾かせていく。
「負け、ねえっ……オレは……オレ様はっっ……!!」
「――いいや、お前の負けだ」
 クロックダイルの湾刀を白刃取りし、蹴り足で鰐の顎を跳ね上げて――明日多の加速はその瞬間頂点を極める。
「『ルゥァララララララララララララララ!!!』」
 まるで天から降り注ぐ流星雨の如き鮮やかな連撃。明日多の左右の拳が、万の、億の砲弾となってクロックダイルの全身をくまなく叩いた。衝撃が誘爆し合い、高まった威力が鰐の体躯をゴミのように吹き飛ばす。
 ――が、それが少々やり過ぎだったことに明日多は気が付いた。
「……あ。や、やってしまいました……」
 思わず少年の方の、素の声が出てしまう。
 明日多の側の超高速連撃は、一度やり始めると予め規定された流れから『止められない』。要するに、相手に回避されたり……今回のように明日多の拳が届く範囲より遠くまで相手が吹き飛んでしまった場合、そこから元々の流れを変えて相手を追い掛けることが出来ないのだ。
「……この僕の手でケリをつけたかったんですが……」
 ユーベルコードを解除し、小柄な少年の姿へと戻った明日多は、ずれた眼鏡の位置を直しつつ呟く。
「まあ、仕方がありません。花道は、他の猟兵の方へと譲りましょうか」

大成功 🔵​🔵​🔵​

イプシィ・アスモディア
【アドリブ歓迎】
【淫魔組】
「あ、モルテ〜見て見てこの御神体。凄いよ…こんなの絶対バズっちゃう♥」
周りの猟兵が最終局面に臨むのを他所に
子ライオン連れて合流したモルテに真珠ステラ像を見せ
戯れてくる子獅子ちゃんをモフりながらどうしよう…って
顔を見合わせてたらボスの強力な攻撃!
慌てて子獅子抱えてモルテとステラ像の影に!助かった〜
…――あ、割れた。

持って帰ってステラ神社でも作ろうかと思ってたけど残念
でも仕方ない、かな。うん
何かもう凄いお怒りのステラ、なんでこっち見てるの…(目逸らす)
あはは…よし、気を取り直して!
「100年後とか気の長いこと言わずに、今倒してあげる…ね♥」
ステラ支援にUCで動きを封じます


ステラシエル・ルチフェロ
【アドリブ歓迎】
【淫魔組】

(屈辱!)
意識は戻ってるけど固い真珠が殻みたいで出れない!
声は聞こえてるからねイプ!
モルテもいるみたいだけど…なんで私の眷属と仲良くしてるのよー!!
二人とも早く助けなさいよ!ってこら!神社って何よ!
え、敵の攻撃…動けないから当たる当たる!
きゃぁーー!

「ふ、ふふふ…華麗にして荘厳!優美にして高妙な女神の復活よ!」
食い込みを直しながら復活!
私を助けなかった二人に目で物を言いつつ不遜なアイツに銃を向けるわ
危うく壊れる所だったじゃない!
圧倒的な神の力でボッコボコにしてあげるわ!
あ、そのシーンは信者に配信するわね!
ふふ、華麗に決めたわ
え、フラグ?
ち、違うわよね?
倒したわよね!?


モルテマリア・ベルフェゴール
【アドリブ歓迎】
【淫魔組】

「うう、ステラちゃん…っ」
なんてことでしょう…やっとの思いで合流したらこんな姿にっ
仔獅子ちゃんも悲しんで…あ、つるつるは好きじゃないみたいでイプにいっちゃった

それはともかく、ようやく黒幕のお出ましですね
すでにかわいい貝ちゃん達もいませんっ
さあ、この絶好調な鎌の錆に――…あー!へにゃんってなってるっ!?
…まぁ、元々働くのは本分ではありませんし、もう遠慮もいりませんので~…
へーい♪って足元の影から触手をうぞるうぞると大召喚っ
さあ~数と量で圧殺ですよぉ~ってしつつ

こっそり【封印を解く】如く、ステラちゃんも直してあげ…
あ、なんかヤバげな波動が――…守護ってステラちゃんガード!



「っ!?」
 友人たるステラシエル・ルチフェロ(輝く明星・f25565)の現状を見た瞬間、モルテマリア・ベルフェゴール(サクラメント・アップル・f17390)はピンクの瞳を大きく見開き、潤ませた。
「うう、ステラちゃん……っ」
「――あ、モルテ~、見て見てこの御神体。凄いよ……こんなの絶対バズっちゃう❤」
 ……モルテマリアとは対照的に、ステラシエルのもう一人の友人、イプシィ・アスモディア(ジ・アスモダイXII・f16507)は大興奮中だ。今のステラシエルの姿を撮影用の小型使い魔で四方八方から激写中である。
(……屈辱!)
 そんなイプシィの声に胸中で憤りを燃やしているのが、まるで阿弥陀如来のようなポーズで真珠像と化しているステラシエルであった。……パールウォリアーたちは既に全滅しているものの、彼女たちのユーベルコードは使い手の死によって解ける類いのものではなかった為、今も固まったままなのである。
(意識は戻ったけど、真珠の殻が硬くて出れないー! だけど声は聞こえてるからね、イプ!)
 後で絶対に泣かすと心に誓うステラシエルであった。……無理だと思うけど。
 そんなステラシエルの傍らに膝を突いて、モルテマリアはさめざめと涙を零していた。
「なんてことでしょう……やっとの思いで合流したらこんな姿にっ。子獅子ちゃんも悲しんで――」
 一緒に連れてきた、本来はステラシエルの眷属である子供のライオン……それと悲しみを分かち合おうとしたモルテマリアであるが、当の子獅子は前脚で二、三度ぺちぺちとステラシエル像の表面を叩いた後、ぷいっと顔を背けてイプシィの方へ走っていってしまった。
 ……つるつるしたものはお好みではないらしい……。
(ちょっと待ちなさいよ私の眷属ー! 眷属ー!!)
 ……眷属にまで見捨てられたステラシエルの明日はどっちだ?
 さて、何だこうだでステラシエル如来像の撮影を一段落させたイプシィは、子獅子を抱きかかえてモフりつつ、少し真面目に友人の救出方法を考え始める。
「どうしようか、モルテ……?」
「う~ん……どうしましょうか~?」
(封印を解くような感じで、こう……戻りませんかね~? ……あら?)
 その瞬間、モルテマリアは、イプシィの方も迫り来る強力なユーベルコードの気配を感じ取る。
「まさか――」
「――黒幕のお出ましですか~!?」
 天を仰いだイプシィとモルテマリアの目に、凄まじい速度できりもみ回転しながらこちらに飛んでくる黒幕のコンキスタドール……クロックダイルの姿が映った。
「凄く強力な攻撃の気配がするよ……!」
「あ、なんかヤバげな波動が――」
 戦慄する両名だが――いえ……違うんですよ。

 ――別の猟兵から圧倒的な威力の攻撃を喰らい、吹き飛んでいるだけである。

 そうとは露知らず、クロックダイルからの恐るべき奇襲だと疑っていないモルテマリアは、愛用の大鎌・『我が子を食らうサトゥルヌス』を掲げた。真珠化されていた島民の一部から力を借り受けたそれは、パールウォリアーたちとの戦いにおいて壮絶な威力を発揮したのである。今度もその力で危機を脱しようとしたのだが……。
「既にかわいい貝ちゃんたちもいませんっ。さあ、この絶好調な鎌の錆に――」
 ……けれど、あくまでも『対パールウォリアーの』力を借り受けていたその大鎌は、当のパールウォリアーたちの全滅でテンション爆下げになっていたのであった。
「……あー! へにゃんってなってるっ!?」
「――モルテ、こっちだよ!」
「あ――ま、守護ってステラちゃんガード!」
 子獅子を抱えたイプシィとモルテは、大慌てでステラシエルの陰に隠れるのであった。
(……え? 敵の、攻撃……? 待って、今の私動けないから当たる当たる当たる当たるきゃぁああああああああああっっ!?)

 ごっっっっちぃぃいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいんっっっっ!!

 ……この世の終わりの如く痛そうな音を轟かせて、クロックダイルが頭からステラシエル如来像へと激突した。重力に引かれて地面へと木の字(尻尾あり)に倒れた鰐型コンキスタドールに対し、ステラシエルの方は……。
「ふ、ふふふ……華麗にして荘厳! 優美にして高妙な女神の復活よ!!」
 粉々に砕けた真珠の破片を散らしつつ、仁王立ちする。……直後、眩暈がしたように身体を傾がせたけれど。
「……。――あ、割れた」
 キョトンとした顔でクロックダイルとステラシエルを見比べるイプシィ。
「持って帰ってステラ神社でも作ろうかと思ってたけど……うぅん、残念」
 そんなことを宣ったイプシィへ、ステラシエルの剣呑な眼差しが向けられる。
「……何でこっち見てるの……? ――あ、そうだよね。ああいう形の像だったんだからステラ神社じゃなくてステラ寺院じゃないと……」
 ますます剣呑な色を湛えていくステラシエルの瞳から、イプシィは目を逸らした。――その時だった。
「……ク、クソがぁっ……! なんて石頭してやがるこのアマ!! オマエの頭蓋骨は脳みそのある部分まで骨が詰まってんのか、コラ!?」
 ドデカいたんこぶを押さえて身を起こしたクロックダイルの暴言に、ステラシエルのこめかみに青筋が浮かんだ。
「それは私の台詞よ! 危うく壊れるところだったじゃない!!」
「あぁっ!?」
「はぁっ!?」
 ガンを付け合うクロックダイルとステラシエル。上手いところステラシエルの怒りが自分から逸れたのを見て取って、イプシィはその流れに乗ることにした。
「あはは……よし、気を取り直して! 100年後とか気の長いこと言わずに、今倒してあげる……ね❤」
 スイッチをサキュバスアイドルのそれに切り替えて――イプシィはステラシエルの前に滑り込んで、媚び媚びの蕩けた上目遣いをクロックダイルに向けた。
「『そんなにボクと遊びたいんだ? いいよ、遊んであ・げ・る♪』」
「……んぉっ? ……ぅ、ぅおおおおっっ……?」
 自分へとしなだれ掛かってきたイプシィを思わず受け止めたクロックダイル。背中にイプシィの腕が回され、太股がイプシィの太股によって挟まれて……耳元で囁かれる何事かに、瞳の中の光が虚ろになっていく……。
 その隙に、ステラシエルは大型拳銃型の眷属たちを引き抜いた。
「こんの鰐……圧倒的な神の力でボッコボコにしてあげるわ! ……あ、そのシーンは信者に配信するわね! 華麗な私の勝利を見せ付けてさらなる信者を獲得! 最も偉大なる女神として返り咲きよ!! 『さぁ信者達、私の願いは分かってるわね! 私は目立ちたいの!』」
 ちゃっかりSNSを通じて動画配信を開始しつつ、ステラシエルはイプシィと入れ替わるようにクロックダイルへと突っ込んだ。鰐のコンキスタドールはそれに対応するべく湾刀を抜こうとするが――身体が動かない。
 イプシィが、そのサキュバスアイドルとしての本領を存分に発揮することで発動する、行動封じのユーベルコード・『ザ・ワンナイト・スタンド』。それによって絡め取られたクロックダイルの魂は、肉体の動きすら封じてしまう……。
 そこへと炸裂する、ステラシエルの乱れ撃ち。ごく近距離から当たるに任せて鱗だらけの身体に銃弾を叩き込む。正面からだけでなく、弧を描き回り込む弾で鰐の背面すら撃ちまくった。硝煙をたなびかせ、クロックダイルが壊れた玩具の人形のような舞踏を演じる。
 ……やがて、糸が切れたように地面へと倒れたコンキスタドールへ背を向けて、ステラシエルは喰い込んだ黄金色のビキニのボトムスをクイッと直した。ドヤ顔でポーズを決める。
「ふふ、華麗に決めたわ。やはり私こそ至高の女神! ……あ、でも何だか汚れちゃったわね。帰る前にお風呂入ってくるわ――」
「「――あ」」
 ステラシエルの台詞に、イプシィとモルテマリアが「あちゃ~」という顔になる。
「……え? な、何よ、二人共!?」
「……いや、だってステラそれ……ねぇ?」
「立派な負けフラグですよ~?」
「……え、フラグ? ち、違うわよね? 倒したわよね!?」
 イプシィとモルテマリアの弁に、慌て始めたステラシエルが背後を振り返ろうとした寸前……。
「――本気で許さねぇぇええええええええええっっ!!」
「わ――きゃああああああああっっ!?」
 ズタボロになりつつも起き上がったクロックダイルが、ステラシエルの右の足首を掴み、逆さ吊りに持ち上げた。いきなり上下がひっくり返ったステラシエルは、思わず愛銃も落としてしまう。
 そこに、クロックダイルがもう片方の手で握った懐中時計が突き付けられた。針が高速回転し……見るからに恐ろしげな波動が発生していく……。
「――あれは本気でまずいヤツだよ! ステラ!!」
「逃げて下さい、ステラちゃん~!!」
「そ、そんなこと言ったってー!!」
 珍しく本気で焦った声を上げるイプシィとモルテマリアに、ステラシエルの危機感も一気に増大するが――時は既に遅かった。万物の時を巻き戻して虚無へと還す波動が、無防備なステラシエルへと放たれる。
「産まれる前に戻って消えちまいな!! ……あ?」
「いやぁぁああああああああああっっ!? ……あれ?」
 波動は、確かにステラシエルへと直撃した。……より正確には、ステラシエルの身体で最も突き出した部分へと。そこには、黄金色の布地がデデンッと鎮座していたわけで……。
 ――確かに虚無へと返った。……ステラシエルのビキニのトップスが。そして零れる、思わず拝みたくなるレベルのステラシエルのおっぱい。当然、クロックダイルも思わず拝む。
「……んきゃぁぁああああああああああああああああああああっっ!?」
 逆さ吊りでおっぱい丸出しというわけの解らない状況に、ステラシエルは腕と脚を振り回して大暴れした。ボカボカと叩かれて、クロックダイルは「おい、やめろ!」と動揺する。
 それをチャンスと見て、イプシィはモルテマリアに叫んだ。
「モルテ! 今の内にどうにかステラを助けて逃げるよ!」
「解りました~。『溢れて、零れて……♪』へ~い♪」
「……え? ここでそのチョイス?」
 モルテマリアが咄嗟に発動させたユーベルコードは……水上水着剥ぎデスマッチの会場を触手の海へと変えたアレだった。彼方まで広がったモルテマリアの影から、数え切れぬ数の触手が這い出してくる……。
「……んえっ!? ちょ、やだっ、何でこの触手私にまで絡み付いてくるのよ!?」
「……ってぇ、ちょっと待てちょっと待て!? オレの尻を撫でるな尻尾に絡み付くな!? おい、止めろそこの女こんな需要は無え――ッアァァアアアアアアアアアア――――――――ッッ!?」
 ……処女(多分)を奪われたクロックダイルが、ステラシエルの足首を手離す。必然的にステラシエルの身体は、触手の海へとボッチャンと落ちた。……彼女の柔らかそうな肢体に、触手の群れが大喜びで襲い掛かる。
「やぁぁっ!? 待って! 私の胸は触手如きが気安く触っていいものじゃないのよ!? だから――ひゃぁんっ!? だ、だからってお尻や……そんなトコ……触っちゃダメぇ……っっ……❤」
 ステラシエルの金色のボトムスの中へ潜り込み、触手が盛大に跳ね回る。釣り上げられたばかりの魚のように高速震動して、最も偉大な女神の大事な所をほじくり回した。
「やっ……やっ、や、や……あぁっ! 後ろ、そっちは、堪忍してぇぇええええええええええっっ❤」
 前後から掘削されていくステラシエルを見守りつつ、ふとイプシィは気付いた。
「……あ。ステラ、まだ動画配信中……」
「すごい勢いでバズってますね~」
 加速的に視聴者が増えていく生放送の状況に、モルテマリアが目を丸くする。
 まあ、そんなこんなで……。
 ――ステラシエルの『何でもいいから目立ちたい!』という願いは、叶ったのであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

備傘・剱
どんな奴がこのひどいハーレム作ってるのか拝んで見たかったが…
鰐面の海賊風味な野郎とはな
道理で悪食なわけだ

見かけによらず、素早く動き回るみたいだからな
まずは、誘導弾と呪殺弾と頭の上の一足りないのダイス攻撃で、周囲に弾幕をはり、敵の素早い動きに対応できるようにしておくぜ

分裂体も弾幕対処するが、戦闘に支障をきたす全面の奴は衝撃波で吹き飛ばして、進む道を作る

波動をとばして来たら、念動力でそこら辺にあるガラクタを引き寄せ、盾にするぜ
戦場の彼方此方にある壁や何やらを盾にするのもいいだろうな

そして、接近したら、ワイヤーワークスで縛り上げ、動きを封じてから、黒魔弾を叩き込んでやる

アドリブ、絡み、好きにしてくれ



 ……少々、シャレにならないダメージを(尻に)負った模様のクロックダイル……。
 若干フラフラした足取りの彼のコンキスタドールを、備傘・剱(絶路・f01759)はそれでも油断無き眼差しで見据えていた。
「どんな奴があんな酷いハーレム作ってるのか、拝んでみたかったが……」
 軽蔑たっぷりの声音で、剱は吐き捨てる。
「鰐面の海賊風味の野郎とはな。道理で悪食なわけだ」
 剱に同意するように、彼の頭の上で『妖怪一足りない』が鳴く。それを合図に、剱は黒豹の如く鰐型コンキスタドールへと駆け出した。
「――っ!? ク、ソッ……新手かっ……!!」
 クロックダイルは一瞬、超加速で迎え撃とうした様子だったが――剱が両腕のガントレットより放った連続光弾が弧を描く軌跡にて自分へと殺到した為、動き出す機を逸した。その上、着弾した光弾には死に至る呪詛が籠められており……蝕まれた鰐が片膝を突く。
 剱が拍子抜けしたような顔になった。
「……何だ、案外脆いもんだな?」
「――ほざくなぁっっ!! オレは……負けねえんだよぉっっ!!」
 剱からの嘲りに、クロックダイルは自分を鼓舞するような怒号を上げた。彼のメガリスである懐中時計が金色の光を放って針を超高速回転させる。時空が割れ……そこから雪崩のように、クロックダイルと同じ姿をしたコンキスタドールたちが溢れ出てきた。
「……ちっ、流石にきついぜ……」
 引き続き、誘導式の呪殺弾の掃射で対処しようとした剱だが――流石に数が多過ぎて撃ち漏らしが出てくる。掻い潜って湾刀による斬撃を放ってきた鰐を、一足りないが投げたダイスで牽制、刀身に光を湛えた短刀で一閃……喉笛を断ち切った。
 だが、骸となった平行世界の自分を踏み越えて、別のクロックダイルが剱に肉迫してくる。
(全部をいちいち相手にしてられねぇな、これは……!)
「……この時空における本体をどうにかすれば、残りは消えるか?」
 他の猟兵の奮戦の中で、そのような情報もあった。方針を決定すれば、剱の行動は早い。呪殺弾ではなく衝撃波を『フォトンガントレット』より放出し、目の前に立ち塞がるクロックダイルの群れを薙ぎ払っていく。転倒しているだけでまだ生きている個体も多いが……剱は無視した。足元の鰐たちを踏み付けて黙らせ、因幡の白兎よりも軽やかに走り抜けていく。
(何処だ……!?)
 しつこく後ろから掴んできたクロックダイルの腕を斬り飛ばし……。
(こいつは違う!)
 衝撃波で吹き飛ばされずに踏ん張った個体の顔面に零距離から光弾を叩き込んで……。
(こいつでもねぇ!)
 呪殺弾の侵食で全身の鱗の半分以上を黒く染めた鰐が荒く息を吐いているのを見て……。
「――あいつだっ!!」
 一番早く呪殺弾を喰らったが故に、その呪詛の侵食が最も広がっている個体……それこそがこの時空におけるクロックダイルの本体に他ならないはずである。
 剱は我が身を黒い弾丸と化して、その鰐目掛けて疾駆した。
「……っっ!? この野郎っ……!」
 苦々しい顔で、クロックダイルの本体も剱に見付かったことを悟った。並行世界から喚ばれた個体たちが、慌てて本体を庇いに割り込む。……何体かの手の中には、禍々しく蠢く波動が生じ始めていた。万物の時を巻き戻し、虚無へと還す恐るべき波動――コンキスタドールが容赦などするはずも無く、剱へとそのことごとくが放たれる。
「――容易く喰らって堪るかよ!!」
 剱が脳を焼き切らんばかりに念動力を行使し、周囲のガラクタを引き寄せて自分の前で盾とした。……剱の認識では、『クロックダイルたち』こそ『ガラクタ』である。同士討ちで虚無へと還った自分たちを目の当たりにし、波動を放ったクロックダイルたちに動揺が広がった。
 その隙を突いて衝撃波を連射、道を切り拓いた剱は、ついにクロックダイルの本体へと到達する。
「くっ……!!」
「ここまで来て逃がすものかよ!!」
 この期に及んで超加速の兆しを見せたクロックダイルへ、剱はフック型のハンマーを投じた。鋼鉄製のそれに殴打され、怯んだ鰐の身体を、そのハンマーと手首のブレスレットを繋ぐワイヤーで雁字搦めにする剱。ボンレスハムのようにきつく縛り上げ、動きを封じる。
「終わりだ――『漆黒の魔弾はいかな物も退ける。罠も、敵も、死の運命さえも!』」
 フォトンガントレットの手のひらを鱗塗れの身体に押し付け、超高速かつ大威力の黒き魔弾を剱は叩き込んだ。壮絶な爆音――クロックダイルの身体が破滅的に震える……が。
「……何っ!?」
 クロックダイルの息の根は――止まっていなかった。『黒魔弾』の威力で千切れたワイヤーを振り解き、千鳥のような足取りながらも剱から距離を取っていく。
「……っ、土壇場で悪運が強い野郎だ……!!」
 剱の渾身の魔弾は――クロックダイルのメガリスたる懐中時計へと当たっていたのだ。そこに秘められた膨大なユーベルコードが、かなりの威力を相殺してしまったのだろう……。
 ――しかし、その代償として、メガリスの文字盤は割れ、長針と短針は折れ曲がっている。秒針など何処かへ吹き飛んでしまったようだ。内部で歯車が回る音は、今にも途絶えそうになっている……。
「今なら殺れる――のに、退けっっ!!」
 声を荒げる剱の前に、残る平行世界のクロックダイルたちが割り込み、立ち塞がり、この時空のクロックダイルを覆い隠す。
 この島における決戦は、まだ終わらない……。

成功 🔵​🔵​🔴​

レナータ・メルトリア
時間を操ることは何となく予想できたけど…
でもでも、並行世界から連れてくるなんて…そんな能力にわたし、対応できないよ…もしかして、猟兵が負けて、そっくり『所有物』にしちゃったのもいるんじゃあ…?


案の定やられた私はお城の一室に連れ込まれて、何匹ものオブリビオン達に好き放題貪られちゃった
もう何週目か解らなくなった頃に、ボロボロになったおにいちゃんが引きずり出されて、実は部屋の中に居た事を教えられ

動物みたいな声で啼いていたのも、自分からねだったのも、好きな人にしか見せちゃいけない顔で受け止めたのも、全部全部見られてたんだ

そうだと解ってしまうと心が堕ちていくのは早くて、体力の限界まで快楽に溺れるのでした



 泥沼化し始めた戦闘の中で、猟兵側はこの時空における本体たるクロックダイルを見失っていた。
 ……これは、その最中に起こっていたことである……。
「……どうしよう……どうしよう……?」
 この島のコンキスタドールのボスと、猟兵たちの激戦。その戦場となっていた城砦の中庭から離れた砦内の廊下の一角で、レナータ・メルトリア(おにいちゃん大好き・f15048)は座り込んで頭を抱えていた。
「時間を操ることは何となく予想出来たけど……でもでも、平行世界から別の自分を連れてくるなんて……そんな能力にわたし、対応出来ないよ……」
 ……他の猟兵たちとは異なり、むしろ他猟兵たちと渡り合うクロックダイルの姿も垣間見たせいで、レナータの戦意は胸の内でしぼんでしまっていたのである。そのせいで、悪い想像も次から次へと浮かんできて……。
「……もしかして、もう負けちゃった猟兵も居るんじゃあ……? その猟兵はそっくりコンキスタドールの『所有物』にされてて……そのまま……」
「――あぁん……?」
「……っっ!?」
 そんな風に呟いていたレナータの耳に、聞きたくなかった声……。――猟兵たちの追跡を避け、中庭から城砦内へと逃げ込んできたクロックダイルの本体が、レナータと鉢合わせしたのだ。
「ちっ、こんなトコにも居やがったのかよ……!?」
「……ひっ……」
 湾曲した刀剣を構え、レナータに挑み掛かるクロックダイル。対して、レナータの方も何らかのユーベルコードを成就しようとしたが……。
 ……ああも猟兵たちに追い詰められながらも、未だ足掻いているクロックダイルの不屈の精神に比べて、レナータの方の精神はあまりに弱かった。
 彼女の敗北は必然だったのである……。

 ……猟兵側がクロックダイルを見失ってから、三時間が経過しようとしていた。
 これを猟兵側の落ち度というのは流石に酷だろう。――この城砦には、いざという時に砦外へと落ち延びる為の隠し通路があり、その道の途中には身を潜めて休息を取る為の隠し部屋も備えられていたのである。
 役割上、外部へは極めて音が漏れ難くなっているその部屋で――レナータはクロックダイル『たち』に貪られていた。
「あっ……あっ……あっ、あっ、あっ、あっ、あっあっあっあっ……❤」
 クロックダイルの私室にあった、彼本来の寝床と比べれば粗末極まりないベッドの上で……クロックダイルの内の一体に組み伏せられたレナータが、段々と喘ぎ声を切羽詰まらせていく。
 ……三時間前、レナータを速攻で撃破したクロックダイルの本体は、その為に召喚した平行世界の自分たちの大半は陽動として砦の各所へ散らばらせ、己は残った少数の自分たちと共に隠し通路へと潜り込んだのだ。そして、そのまま真っ直ぐに砦の外、果ては島外へと逃げるのではなく、かといって逆転を期する為に休息を取るでもなく、このような行為に及んでいる。その理由は……彼が最早、『助からない』ことを自覚しているからであった。
「……ゲフッ……ゲフガッ……! ……畜生めっっ……!!」
 どす黒い血を吐くクロックダイルの本体。……いや、それだけでなく、平行世界のクロックダイルたちも顔色が悪く、その鱗の所々を黒い『呪詛』で汚していた。
 ――ある猟兵から受けた『死に至る呪詛』。加えて、同じ猟兵の攻撃によりメガリスたる懐中時計も大きく破損してしまっていたのである。
「……オレはもう、死ぬだろ?」
 本体からの問い掛けに、平行世界のクロックダイルたちも頷いた。
「もう助からねえのなら、せめて……オレをここまで追い詰めたアイツらも道連れにしねえと気が済まねえっっ……!!」
 その為に、ここから先は爪牙の一本、鱗の一つに至るまで死力を振り絞る……そう決意していたクロックダイルだが――その前に、一つだけ果たしておきたいことがあった。
 それは、獣としての本能――種の存続。
 自分はここで死ぬとしても、自分の血脈だけは何処かに残しておきたい……!!
 ……それ故の、レナータとの行為であった。
「あっあっあっあっあっあっあっあっ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、ああぁぁああああああああああ~~~~~~~~~~っっっっ❤」
 今、レナータを犯していた個体が、自らの子種を彼女の中へ容赦なく注ぎ込む。それの衝撃で達したらしいレナータが、灰色の髪を振り乱し、意外に豊満な乳房を弾ませて痙攣した。
 この部屋に来てから、クロックダイルたちは代わる代わるレナータと交わっている。当然のことながら、避妊など一切考えていない。……それどころか、ここで確実に彼女へ自分たちの子を宿らせるつもりなのである。
 寸前まで交わっていた平行世界の自分が場所を空けたことで、この時空の本体たるクロックダイルが再びレナータの身体に手を掛けた。それにピクンッと腰を跳ねさせたレナータが、虚ろな赤い瞳で声を紡ぐ……。
「……き、気持ち、いい……❤ もっと、シて……❤」
 意識が半ば朦朧とし、さらに繰り返される行為によって理性のたがが外れてきたのだろう……レナータからのねだるような台詞に、クロックダイルの獣欲も刺激されたようだ。
「そうだな……この世で最後かもしれねえし、思い切り可愛がってやるよ」
「ぁん……❤」
 クロックダイルはレナータを俯せにひっくり返すと、彼女のお尻を抱え上げて――その姿勢で突き込んだ。
「んぁんっ❤」
「オラ、オラッ、オラァッ……!」
 パン、パンッと軽快に音を響かせて、クロックダイルの腰とレナータのお尻がぶつかり合う。
「あんっ、あんっ、あぁんっ、はぁんっ、あんっ、あんっ、あんっ、あんっっ……❤」
 後ろから出入りされる、まさに『交尾』の体勢。レナータは両手でシーツをギュッと掴み、お尻の曲線を淫らに蠢かせる。
「あっ❤ あっ❤ あっ❤ あっ❤ キてるよぉ……❤ 気持ちいいのっ……もうすぐ……キちゃぅ……っ……❤」
 レナータの赤眼の表面には涙が膜を張り、奥に灯る情欲の火をより強く揺らめかせていた。首から上は余すところなく赤熱した鉄の色をしており、上昇した体温が甘い体臭を発散させている。
 ……何より――彼女のカラダの奥では、新たな命を孕む為に用意された部屋が、今こそその時だとばかりに位置を変え、より強くクロックダイルの分身の先端へと密着してきていた。
 発情し切ったレナータの肉体は、鰐型のコンキスタドールへ妊娠したいと甘えているようである。
 それに――クロックダイルもそうそう耐えられるはずが無かった。
「んっ……ぐぅっっ……!!」
「あっ……❤ ぁああああぁぁひゃぁああああああああああああああ~~~~~~~~~~んんっっ❤」
 レナータの赤ちゃんの為の聖なる宮殿の入口に、クロックダイルの零距離の砲撃が着弾する。彼女の宮殿の門は為す術無く貫通を許した。己の胎内へと広がっていく自分以外の生き物の体温を、レナータは絶頂しながら迎え入れる……。
 ……そんな彼女の視線が、何とはなしに室内をさ迷って――『それ』を見付けた。
 瞬間、レナータの体感気温は一気に氷点下に下がる。
「……な……何で……?」
 レナータの中から引き抜きつつ、余韻を楽しんでいたクロックダイルの本体は彼女の目線を追って――「ああ」と零した。
「『オマエの人形』か。オマエを砦で倒した直後にトランクから勝手に這い出てきてな。暴れてくれたんで……ぶっ壊させてもらったぜ」
「あ――」
 室内の椅子に座らせられた、ペストマスク染みた顔の人形。レナータの『おにいちゃん』。レナータ自身は把握しているのか……? 彼の人形には今、『魂』が宿っている。レナータが危機に瀕した時、その魂は人形を憑代にこの世へと舞い戻って――レナータを守る為に戦うのだ。
 腕も脚もへし折れ、それでも何故か作り物のはずの眼球に光が宿っているようにも見える『おにいちゃん』。……『彼』に、この部屋で起こった全てを目撃されていたことを知って――レナータの心は今度こそ完全にへし折れたのである。
(動物みたいな声で啼いていたのも、自分からねだったのも、好きな人にしか見せちゃいけない顔で受け止めたのも……全部、全部見られてたんだ……)
「……ぁ……っ……ぁはっ……❤」
 その事実が、何とも言えない背徳感混じりの快感となって、レナータの全身をゾクゾクと駆け抜けた。今まで感じていた快感も、そのスパイスで何倍にも増幅されていくようである。かつてない刺激に……レナータは堕ちた。

「――あっ、あっ! あっあっあっあっあっあっあっあっ……はぁぁああああああああああんっっ❤」
 彼女は、次なるクロックダイルの子種も我が身の最奥の臓器で受け止めて……。

「やっやっやっやっ……! イクイクイクイクイクイクイクイクッ……イッちゃうよぉぉおおおおおおおおおおっっっっ……❤」
 さらなるクロックダイルの迸りを、赤子育む為の一室へと飲み込んで昇天し……。

「あんあんあんあんあんあんあんあんっっ……!! ふわぁぁっ……だいしゅきぃぃいいいいいいいいいいいい~~~~~~~~~~っっっっ❤」
 今度のクロックダイルの遺伝子も、背筋を弓形に反らせて体内に歓迎した……。

 ……人間の女性が性交から受精する確率は、いわゆる『危険日』であっても10%を切るという。その確率を1%……0.1%でも上げようというように、クロックダイルたちは何度も、何度も繰り返しレナータと交配した。
 数え切れないほどのその回数の全てを、レナータは悦びの中で受け止める。……やがて、この島での全てが終わった後に、彼女はこの部屋で疲労困憊の姿で発見されるのだが……。

 ――レナータの身に絶対的な変化が起こっていたか、その胎に禁断の命が宿っていたかは……この時点ではまだ、誰にも解らないのだった……。

成功 🔵​🔵​🔴​

夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎

■行動
相当厄介な相手ですねぇ。
何とかやってみましょうかぁ。

此処は『数には数』で参りますねぇ。
『FBS』を四肢に嵌め飛行、相手の得手と思われる接近戦を或る程度制限した上で【紘器】を使いましょう。
元々『複数セットの装備』を『倍率』で複製し上から展開、頭を押さえさせていただきますねぇ。

『FBS』は複製の一部を『本体』と融合させ飛行能力強化、残りは[カウンター]主体の攻撃用に。
『FRS』は計6000門以上の[砲撃]による[範囲攻撃]で、召喚された『並行世界の個体』を纏めて狙いましょう。
『FSS』は私と地上の間に全て展開、積層させて下からの攻撃を防ぎつつ、合間に[砲撃]を混ぜましょう。


才堂・紅葉
反省ね……頭に来過ぎて、連中と大差ない事やり口をしてたわ
連中を泣かすのは良いが、一般の人を狂った世界に巻き込みかけたのは反省だ

頭を冷やしてワニに対応する
奴の加速にはついていけないので、策を打とう
最初に自信のある強気の表情を見せ、劣勢に陥る程に崩れていく【演技】を行う。嬲られ服が剥がれるのも【恥ずかしさ耐性】で耐える

「くっ……嬲るつもりですか!?」

明鏡止水で致命打を避けつつ、奴の動きやパターンを【情報収集】
奴の視線をもう露な胸元や股間に集め、【野生の勘】で奴の意識の死角にある足元を【カウンター】で足をかけたい。1000倍の速度の自滅ダメージはさぞ大きいだろう
隙あらば【重量攻撃】で【部位破壊】する



 激化する戦闘の間隙を突かれ、猟兵側がクロックダイルを見失って数時間後……。
 既に時刻は深夜に達したその時に、彼のコンキスタドールは再び猟兵たちの前へ姿を現したのである。
 ……砦からも、島からも逃亡していたわけではなく、かといって己のダメージの回復を図っていた様子でもない。それは、最早鱗に覆われた身体のほぼ全域に及んでいる黒い呪詛……ある猟兵が施した『死に至る呪い』が雄弁に語っている。
 首を捻る部分はあるが――当の鰐は、この上無く猟兵たちと戦る気であった。
「オマエら全員、生きてこの島を出られるとは思わねえことだ! オマエらの首……地獄への手土産にしてやるぜ!!」
「何にせよ――」
 気炎を上げるクロックダイルを見据え、夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)はあどけない容姿に闘志を漲らせた。
「相当厄介な相手ですねぇ。何とかやってみましょうかぁ」
 その傍らでは、才堂・紅葉(お嬢・f08859)が一際真剣な表情を浮かべていた。
(反省ね……頭に来過ぎて、連中と大差ないやり口をしてたわ……)
 紅葉の脳裏に、自分が痛め付けたパールウォリアーへとどめを刺さないかと誘った時の、島民の少女たちの怯えた顔が思い出される。
 コンキスタドールたちを泣かすのは良い。だが、自分が足を突っ込んでいる狂った世界へ一般人を巻き込み掛けたことは、深い反省と共に紅葉の胸に刻まれたのだった。
 頭はしかと冷え、戦闘モードの思考へと移行していく紅葉の見る前で、クロックダイルはメガリスたる懐中時計を掲げている。……文字盤部分が半ば壊れている状態だが、それでも恐るべきユーベルコードは未だ秘められているらしい。――四方八方の空間が歪み、そこから平行世界の、あり得る未来の可能性たる別のクロックダイルたちが次々に出現する。
 ……その全員が、致死の呪詛に蝕まれているのだが。
「ここは『数には数』で参りますねぇ」
 軍勢と化したクロックダイルたちへ、るこるが対応に動く。四肢に嵌めた『FBS』――『フローティングブレイドシステム』なる戦輪を飛行ユニットとして使い、飛翔するるこる。空中へ身を置くことで、彼の鰐が得手とする接近戦を封じようという策なのだ。
 その上で『FRS』――『フローティングレイシステム』なる無数の砲身を展開するるこるだが……そこからが彼女の真骨頂であった。
「『大いなる豊饒の女神、その『祭器』の真実の姿を此処に』」
 空中にあるるこるの豊満な肢体から、莫大なユーベルコードが迸る。それを浴びたFBSが、FRSが、細胞分裂をするようにその数を加速的に増やしていくのだ。
 ……何ということか。ビームの刃を持つチャクラムは、まるで羽虫の群れのようにるこるの周りを飛び交い、それに守られるように、未来的な空中砲台が6000門を超える数並ぶ。そればかりか、天上のるこると地上を隔てるように、『FSS』――『フローティングシールドシステム』なる光の盾も城壁のように佇んで……スペースオペラの世界で、迫り来る宇宙艦隊へ戦争を仕掛けんばかりの様相であった。
「行きますよぉ――発射ぁ!!」
 るこるが上空より降り注がせた砲撃の雨は、流石のクロックダイルたちも対処しようがない破壊の雨であった。101体という数では到底凌ぎ切れぬさらなる数の暴力に、平行世界から訪れたクロックダイルたちは瞬く間に数を減らしていく……。
「……数で押し切れねえなら速さで押し切るまでよっっ!!」
「――えぇっ!?」
 壊れ掛けのメガリスが、それでもなお力を発揮する。最も呪詛が広がって見えるクロックダイル……この時空における本体が、るこるの瞳に捉え切れない速さで稲妻と化した。FRSの砲撃を掻い潜り、FSSを足場に、FBSを躱して空を舞うるこるへ肉迫する。
 るこるの細首へ、クロックダイルの湾刀が鞘走った――刹那。
「っっっっ……!?」
「ちぃっ……!?」
 地上から翔け上がってきた銃弾の群れが、鰐の振るった刃を間一髪で逸らした。眼下には、アサルトライフルを構えた紅葉。彼女を縦長の瞳孔へと捉えたクロックダイルは、牙剥く先をそちらへ変える。
「――先にオマエから殺してやるぁああああっ!!」
「くぅぅ……」
 ……どれだけの武装を展開していようと、今のるこるでは千倍速となったクロックダイルには対応出来ない。何か策がある様子の紅葉へ任せるしかなかった。
「ターゲットを次々と変える男は女の子に嫌われますよ!」
「今さら好まれようとも思ってねえさ!!」
 挑発気味に言ってのけた紅葉へ、音すら追い付けぬクロックダイルの斬撃が襲い掛かった。……どうにか、ギリギリでアサルトライフルの銃身を盾にした紅葉だが、致命的な音を立てて軋む自動小銃を慌てて手離して身を反らす。
 ――通り過ぎた刀身が巻き起こす剣風だけで、彼女が纏ったミリタリージャケットの胸元が弾け、開いた。
「なかなかいいモンをお持ちじゃねえかよ!」
「くっ……」
 そこから覗いたスポーティなビキニのトップス、それに包まれた胸の谷間の深さを揶揄され、紅葉の頬に朱が散る。
 そんな紅葉に対し、クロックダイルは渦を巻く雷光へと変じた。大気を裂く刃が、幾度となく紅葉の肢体を掠める。……切られても薄皮一枚……肉や骨を切断されることはどうにか避ける紅葉だが、その代償に装備の損傷はどんどん深まっていった。ミリタリージャケットが吹き飛び、赤いビキニのトップスもボトムスも切り刻まれてボロ布へと変わっていく……。
「……嬲るつもりですか!?」
「そんな余裕は……無えよっ……!!」
 羞恥に耐える紅葉の蔑みに、クロックダイルは何処か苦しげな呼吸で答えた。
 ……紅葉の側がユーベルコード・『明鏡止水』で致命打を避けているだけではない。ここまでの他の猟兵たちとの戦いで消耗したクロックダイルは、超加速中に正確に獲物を狙えるほどの余力が無くなってきているのだ。甘くなっていく狙いを、歴戦の猟兵にして歴戦の傭兵である紅葉が悟れぬはずは無い。
(ここが……勝機!)
 そう判断した紅葉が、何気ない仕草で最早露わになった乳房を、股間を強調するポーズを取った。元来スケベ心が強いクロックダイル……この期に及んでもどうしても、一瞬はそちらに視線が流れてしまう……。
(『時見月在晴天影在波……だったわね』)
 極限まで研ぎ澄ました精神と、野生の勘――それを頼りに、紅葉はそっと自らの右足を手前へと差し出した……。
「……ぐっ!? ――がぁぁああああああああああああああああああああっっっっ!!」
 その紅葉の足が――クロックダイルの足を引っ掛けた。千倍速という速度の衝撃をまともに喰らった紅葉の右足はビキキッ……!! とおぞましい音を立てるが、その甲斐はあったようである。
 クロックダイルが鰐面から地面へと転倒し、激しく……大地へと思い切り叩き付けたスーパーボールよりも激しく跳ね回り、転げ回り、ぶっ飛んでいった。
 彼方で、木の字の形にひっくり返ったクロックダイルへと、右足の痛みに耐えながら紅葉は跳び掛かる。
「この一撃で……!!」
 跳躍からの全体重を乗せた左の踵落とし。本当はクロックダイルの男性の証にでも打ち込んでやりたかったが……生憎爬虫類のソレは現状体内へと格納されており、狙えない。代わりに利き腕と思しき右腕を紅葉は思い切り踏み潰す。
「――後はお願いします!」
「了解しましたぁ!!」
 紅葉が跳び退るが早いか――声にならぬ悲鳴を上げるクロックダイルへ、待っていましたとばかりに上空のるこるからFRSの一斉射が放たれる。爆音が残響し、クロックダイルの声をその中に呑み込んでいった……。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

シホ・エーデルワイス
《華組》

贖わせると口にし
私は普段
オブリビオンが世界を壊すのは当然だと受止め悲しむのに
燦を傷付けられ感じた怒りに内心驚き
無意識に燦への想いが強くなっていると気付く


力場で効果時間が延びる残像と煙幕属性攻撃に
オーラ防御で直撃を避け
移動に支障のある範囲の力場は破魔で解除し
燦の罠へおびき寄せる


確実に罠へはめる為
必要であれば囮になり
怯え懇願する演技で嗜虐心を煽って誘惑

お願いです…
私に何をしても良いから燦は見逃して

罠にかかったら燦へ【霊装】

戦う以上
犯される事も含めて覚悟していますが
自分を安売りする気もありません


戦後
犯された少女達にトラウマが残らない様
傷は【犠聖】で移し
心は催眠術で癒す
移した傷は【贖罪】で消す


四王天・燦
《華組》

時間はあった。
罠使いで樹や柱にデストラップを仕込む。
肉を裂き絡みつく鋼糸の罠だ

シホもアタシも犯させない!
稲荷符からマヒ攻撃付きの雷属性攻撃を乱れ撃ち。
二人掛かりの利を活かす

波動は見切り回避&オーラ防御で逸らす。
シホと怯えて逃走と見せかけ罠へ誘導。
「シホは見逃して!」

煙幕の偽装も利用し、罠に捕えたら神鳴の峰打ちで部位破壊:股間!
能力の反動を予測し悶絶と糸の拘束で時間稼ぎ

女の子と、浜でのシホへの乱暴が許せない!
「好き過ぎて下心に躊躇うアタシの前でよくも…」
斬撃と殺気で恐怖を与え下拵え、真威解放で亡者の餌

介助は符の催眠術で手伝うよ。
治ると言っても憮然。
(シホのはじめて…これはノーカンだよな)



(――時間はあった……)
 そのように、四王天・燦(月夜の翼・f04448)は思う。
 ……泥沼の激戦の中で、猟兵側がクロックダイルを見失い……再び発見するまでの数時間。奇しくも発生したその時間的余裕を活かし、燦は彼のコンキスタドールを討つ為の万全の準備を整えていたのである。
(……万全……うん、そのはずだ。……なのに――)
 不安が心から拭い去れないのは――傍らに寄り添い立つ『彼女』が心配だからだろう。
 その彼女――シホ・エーデルワイス(捧げるもの・f03442)は、何処か不思議そうな眼差しで燦のことを窺っていた。
(……私、『贖わせる』って言ったの……?)
 クロックダイルの怒りを買い、この砦に連れて来られて。パールウォリアーたちからの拷問から脱した直後、シホはそう言ったのだ。
 ……燦を傷付けられたことに対して……。
 ……そのことを、クロックダイルに『贖わせる』と。
(私は普段、オブリビオンが世界を壊すことを悲しいとは思っても、それに対して怒るなんて無いのに……)
 オブリビオンたちが世界を壊すのは、シホたちにとっての食事などと同じ行為だと、そう受け止めているから。
 当人たちにもどうにも出来ない、そこに在る為に避けられぬ行いであるから、と……。
 それなのに、燦を傷付けられたことで理屈を超えて沸き上がった想いに、シホは戸惑っていた。
 ――けれど、シホが自分の胸の内と向き合っている時間は終わりを告げたのである。
「――来やがった!」
 燦が、獣が唸るような声音で告げる。
 この、城砦の中庭を駆ける直立した鰐の影。ある猟兵が仕掛けた致死の呪詛に全身を蝕まれ、右腕があらぬ方向へ捻じ曲がりながらも……爛々と狂的に輝く瞳は、凶暴性を増しているように見えた。
「燦……」
「……シホ」
 一度だけ、お互いの手をキュッと握り合って――二人は討つべきコンキスタドールの前に躍り出た。
「……オマエら! ああ、オマエらは確実に殺しとかねえとなっっ!!」
 クロックダイルは、自分に不敬を働いた燦とシホのことを憶えていた。その怒りをユーベルコードに変えて、躊躇なく撃ち放つ。
「くっ……よりにもよってこれか!?」
 形容し難い、混沌の色を湛えた波動が燦目掛けて突き進む。時を巻き戻し、万物を誕生する前へと還す破滅の力。射線上にあった木々を虚無へと還しながら迫る暴威を、燦はギリギリのところで見切った。体表に漲らせたオーラの圧力でどうにか逸らす。……も、クロックダイルの左の掌中には次弾の波動が生じていた。体勢を崩した状態の燦の頬を、冷や汗が伝う。
 その瞬間、シホの瞳に強い決意の色が宿った。
(燦は――私が守る……!!)
「……殺ったか!? ――何だとっ……!?」
 クロックダイルからは燦とシホが波動に丸呑みにされたように見えた……が、土煙が巻き上がる虚無に還ったはずの地点からはややずれて、二人が何事もなく寄り添っている姿が目撃された。――シホが地の属性に働き掛けて繰り出した土煙でコンキスタドールの視界を狭め、さらには普通よりも長く残る特殊な残像も発生させ、鰐の目測を狂わせたのである。
 とはいえ、流石に直撃=即死という攻撃を凌ぎ続けるのは、燦とシホにとっても重労働過ぎたのか――二人は表情を歪めて踵を返した。
「威勢良く出てきたクセに根性が無えなっっ!!」
 足を引きずりながらも追撃に移るクロックダイルに、燦が悲痛な声を上げた。
「アタシはどうなってもいい! だけど……シホは見逃して!!」
 その懇願に対するクロックダイルの返事は、三発目の虚無の波動だった。すぐ横の茂みが存在を無かったことにされたのを見て、燦の口が噤まれる。
 ……内心、本気で狙いが定まらなくなってきた自分自身に舌打ちしつつ、クロックダイルは命中率を補うように波動を連射した。
「誰一人として見逃すつもりは無えよ! オレが地獄へ落ちるとしても、オマエらも道連れだ!!」
 中庭からいくつもの物体が虚無へと還っていき……巻き起こった粉塵がクロックダイルの視界を閉ざす……。
「……ちぃっ、あの二人、何処だ……? ――んっ」
 霞む視界を凝らしたクロックダイルは、背中から翼を生やした影を見付ける。――シホ。燦の姿は傍には無く、混乱の中ではぐれてしまったのかもしれない。
 水上水着剥ぎデスマッチの折、クロックダイルを睨み付けた気高さは鳴りを潜め、怯え切った幼女の如き表情で、シホは懇願する。
「……お、お願いです……。私に何をしても良いから、燦だけは見逃して……」
「……オマエといいあっちのアマといい、自分より相手の方が大事なのかよ? ……ああ、いや――」
 青い瞳から涙の粒を零して訴えるシホに、暫し呆れ顔を浮かべたクロックダイルだったが――何か思い付いたようにシホの細顎へ手を添えた。
「いいぜ。あっちの灰色の髪の女も……オマエも見逃してやる。命は助けてやるよ。オレの言う通りにしたらな」
「……え?」
 クロックダイルのそこまでの譲歩は、シホも予想外だったのだろう。表情が困惑に染まる。
 ――直後に、壮絶に色を失ったのだが。

「オマエ――オレのガキを産め。そうすればオマエも、オマエの大事なあの女も助けてやる」

「…………っ!? な、何で、ですかっ……?」
 犯される覚悟くらいはしていたのだろう……が、『その先』を求められたことで覚悟が揺らいだか、シホが掠れた声で問い掛ける。
 クロックダイルは、死の呪詛で蝕まれた我が身を示し、叫んだ。
「……このまま、何も残せずに消えんのが嫌なんだよ! 自分の存在が無意味だったと突き付けられるようで怖えんだよ!! ……どんな小さなモンでもいい……オレがここに居た証を残しときてえんだ……!! ――解らねえか……?」
(……ああ、そうか……)
 そのクロックダイルの言葉を聞き、『燦』は理解する。コンキスタドールでも『同じ』なのだ。パールウォリアーの真珠化のユーベルコードを前に、内心恐怖を抑え切れなかった燦と同様に――時空を操るという脅威の能力を持つクロックダイルとて、『己が終わること』には恐怖するのである。
(なら、あの鰐はもうとっくに――)
 ――燦のこのユーベルコードを喰らう条件を満たしている。
「『陰の極意……開け魍魎ひしめく奈落への道! 亡者よ贄を喰い千切れ! その腕にて不浄の魂を連れ逝かん!』」
「――な、何だっ……!?」
 突如響いた燦の詠唱、それに呼応するように、クロックダイルの真後ろに漆黒……否、それよりもなお黒い穴が開いた。そこより怖気立つような声がして……半ば朽ちた生首と、明らかに生者のものではない腕が浮上してくる。それらに喰い付かれ、掴まれたクロックダイルが情けない悲鳴を上げた。
「な、何だコイツらは!? ひぃっ……!!」
「お前を地獄へ誘う水先案内人さ! シホも、アタシも――お前なんかには犯させない!!」
 シホがクロックダイルの前から下がるのに合わせ、燦は懐から引き抜いた霊符を鰐へと投じた。空中で雷へと変じた札は、コンキスタドールを打ち据えると同時に神経を焼き、その身を麻痺させる。
 さらに、燦がすぐ脇の細い糸を切断すると、クロックダイル目掛けて四方八方から極細ながら強靭な鋼糸が殺到した。鱗も、肉も裂いて自分に絡み付いてくるワイヤーに鰐の顎から苦痛の咆哮が上がる。
 ――燦も、シホも、最初からクロックダイルをこの場所へ……燦が渾身のデストラップを仕掛けた地点へ誘い込む想定だったのだ。コンキスタドールの攻撃に為す術が無いように振る舞ったのも、怯えて互いの助命を懇願した演技も、その為の布石である。
 罠と燦のユーベルコードで動きを封じられたクロックダイルへ、二人は最後の攻撃を仕掛けようとしていた。
「『この身は剣、この身は鎧、この身は翼、あなたに祝福を』……燦……!」
「シホ……!!」
 ユーベルコードによって聖なる霊体へと変化したシホが、燦の身体へと重なった。清廉な気が燦の中を駆け抜けて、背中からシホのそれと同じ純白の翼を顕現させる。
(燦の中……温かい……)
(アタシの中に居るシホが……温かい……!)
 二人一緒なら怖いものなどもう何も無い気がして――その万能感に任せ、燦とシホはクロックダイルを睨み、宙を翔ける。
「シホに自分の子供を産めとか……調子に乗るなこの鰐ぃっ!!」
『自分を安売りする気はありません!!』
 燦の愛刀『神鳴』が、普段の数十倍の紅の雷を迸らせる。それを、逆風の軌道でクロックダイルの股間へと叩き付けた。
「……ぐふぅっ……!?!?!?」
 峰打ち――だが、むしろそのせいで、衝撃が体内に収納中のクロックダイルの急所にまで浸透する。白目を剥いた鰐の身体が、その反動でますます鋼糸に喰い込み、絡まって、赤い飛沫を撒き散らした。
 クロックダイルの無惨な有様を金瞳に捉え、それでも気が収まらぬ顔で、燦は吐き捨てる。
「この島の女の子たちへの……そして浜でのシホへの乱暴が許せない!」
(……好き過ぎて下心に躊躇うアタシの前で、よくも……!!)
『……燦、あの……』
 憑依中のせいで燦の熱い気持ちがダイレクトに伝わってくるシホは、もしも生身だったら顔が熟し切ったリンゴのように真っ赤だったかもしれない。
「……オ、オレ、は……」
「奈落の底で亡者の餌になってろよ」
 亡者たちによって次元の穴へと引きずり込まれていくクロックダイルを見送り、燦は厳かに告げて奈落への扉を閉ざした。
 シホが憑依を解き、燦から滲み出て実体を取り戻す。
「……終わったな」
「……そうね。燦、お疲れ様……」
 自分を労ってくれたシホへ、燦は首を横に振る。
「アタシよりもシホの方が頑張ってたよ。シホこそお疲れ――」
「――ううん。私はまだ、やることが残っているから……」
 ……この島での戦いが全て終わった後、シホはクロックダイルに辱められた少女たちの肉体的な傷をユーベルコードで自身の身体へと移し、心の傷の方は催眠術でケアして回った。燦の方も、心の傷を催眠術で癒すことを手伝ったのだが……。
(シホのはじめて……これはノーカンだよな?)
 ユーベルコードで自分に移動させた少女たちの傷を……女性がハジメテの行為で負ってしまう傷も含めて消し去ったシホを見て、何処か悶々とする燦が居たとか居なかったとか。

 何にせよ――それは『全ての戦いが終わった後』の話で……。

「……? 燦、『あれ』は何かしら?」
「シホ、どうした……!?」
 燦は目を見開く。自分が閉ざした奈落への穴があった場所に、まだ点のように小さい黒い穴が開いていた。そこから、眩い、金色の光が漏れ出して……。
「シホ、危ない!!」
「燦……!?」
 咄嗟にシホを抱えて跳び離れた燦の判断は正しかった。ほとんど閉じていた次元の穴をこじ開けて――クロックダイルが現世へと帰還する。
「……っっぁぁああああああああああああああああああ――――――――――っっっっ!!!!」
 声も枯れんばかりに絶叫するクロックダイルの前で、浮遊していたメガリスの懐中時計が砕け散った。散乱した針が、文字盤が、歯車が、まるで衛星のように鰐の周りを取り巻き回る……。
「……メガリス破壊効果……?」
「え? シホ?」
 天啓のように、シホは頭に浮かんだその言葉を呟いていた。
 ……この島におけるコンキスタドールとの決戦は、最終局面へと突入する……。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

アイ・リスパー
【恋華荘】
「くっ、よくもあんなシーンを全世界生放送してくれましたねっ!
絶対に許しませんからねっ!」(自業自得

真珠化してしまった水着から普段着に着替え、涙目でコンキスタドールを睨みつけます。

【チューリングの神託機械】で情報処理能力を向上。
【ラプラスの悪魔】で敵の動きをシミュレートします。

「どんなに速く動けたとしても、動きさえ分かっていれば何ということはありません!」

脳内で計算したシミュレーション結果を口に出しましょう。

「あなたは、これから通常の1000倍の速度で動いて私の服を斬り裂く気ですね!
……って、えっ!?
避けられないんですか、これっ!?」

全裸になったところをドローンに生放送されるのでした。


高原・美弥子
【恋華荘】
はふぅ、まさかあんな展開でいちごの子種貰えるなんて(色っぽい溜息で下腹部撫で)
おっと、呆けてないで仕事しないとね

此処までくれば水着でなくてもいいよね?水着だといちごの垂れてきそうだし
イグニッションカードで銀誓館学園高校女子制服に着替えるよ
でもって両手に刀構えて炎で攻撃……しようとしたら、何時の間にか武器が消えて素っ裸にされてた!?
え!?なにが、あったの!?ひぃぃん!?む、胸!今揉まれ!?ぶぎゅ!い、今……口になにか入って!?
え、えぇ!?ま、まさか、相対時間の差で薄い本でいう時間停止ものってこと!?
や、嫌だ!このままいちご以外に犯されるのなんて絶対嫌だっ!いちご、たすけ、助けてぇ!!


彩波・いちご
【恋華荘】
「いえ、あの中継は…」
アイさんの自爆ですしねぇ…(遠い目

いえ、それはともかく、これが最後の戦いです
負けるわけにはいきませんっ!
敵が素早く動くなら、【護法の天使】で魔法少女ミラクル☆ストロベリーに変身、その動きについていきますっ!

…って思ったんですが、やっぱり1000倍の差は如何ともしがたくあっという間に魔法少女衣装を引き裂かれ、裸にされてしまい…

…ん?
もしかして、私が男だってことで驚いて硬直してます?

今しかチャンスはありませんっ!
裸にされても、変身で得た能力はそのままなので、思いっきり全力で格闘系魔法少女の蹴りをぶちかましますっ!

…って、アイさん、まだこれ撮影してるんですかーっ?!


菫宮・理緒
【恋華荘】

いいものたくさん見られたけど、
なんだか血を流しすぎた気がするよ。
あとでアイさんのアーカイブ、コピーさせてもらわないと。

あれ? ワニが立ってる。いよいよ幻覚かな?

え? ちがう? 敵なの?
あでも、たしかワニ肉って美味しいんだよね?
血が足りない。肉がある。いちごさんもいる。
ごはんだね。

【並列演算】でワニの攻撃を躱しつつ、
攪乱して、みんなの攻撃をサポートしよう。
「そんなにもたないから、みんないまのうちにお願い!」

ワニを惑わそうとしたら。
え? 早くない!?
気がついたら、全裸に向かれてた!?

気付いたときには時間切れ。
ぱったり倒れて気を失っちゃうね。

そのあとは……え? わたしどうされちゃうの!?


パニーニャ・エルシード
【恋華荘】
(※補足:パニーニャが「」、アザレアが『』での台詞。アドリブOK)

(主にいちごが)誤解を受けたけど…無事に人質は外に逃がせてるし、部下も排除はできてるし…

『後はあなただけ…下らない楽園は…沈める…!』
ロッド構え、早業で仕留めようとして…
「(アザレア、ダメ!避け―)」
『ぇ……んぁ♪~~ふぁあっ!?』
掠め避けたと思ったら…裸で地面に倒れ伏していて…
数度以上胸の谷間や、足の間に痛みと快感が走り、へたりこんじゃう

「―でも、これは想定外、でしょ!」
巻き戻しの影響で分身しても同じ姿になるはずのパニーニャが(銀の髪&額の宝石なし状態で)一時的に偶然分離…カウンターで氷の魔法を叩き込む!


霧沢・仁美
…結局アイさんのアカウントは無事だったのかな(さっきの放送的に)
ともあれ、あのワニが黒幕だね、この島の平和のためにやっつけちゃうよ!

念心看波を当てて思考を読めるようにして、その動きを先読みするような形でワイヤーロープを【投擲】して攻撃。
…って、なに人のおっぱいばっかり見てるの!(思考を読んだ結果気付いたらしい)

とか言ってたらユーベルコード使ってくるみたい…みんな気をつけ、んひぃぃっ!?
(1000倍速で動く相手にその速度で敏感な部位を弄られ一気に刺激注がれへたり込み)
こ、これピンチかも…と思ったらなんか固まってる?
それなら全力の【衝撃波】を叩き込んじゃうんだから!

…ってこれも撮られてるー!?



 いよいよ佳境へと突入したコンキスタドール・クロックダイルとの戦い……。
 その戦場へ、猟兵限定の女子寮・『恋華荘』の面々がなだれ込んできた。
「くっ、よくもあんなシーンを全世界生放送してくれましたねっ! 絶対に許しませんからねっ!!」
 涙目でそんな啖呵を切ったのはアイ・リスパー(電脳の天使・f07909)である。……パールウォリアーたちとの戦いの中、何とも恥ずかしい場面を世界の壁を越えて生放送、数え切れぬほどの視聴者へ披露してしまった彼女……その怒りをコンキスタドールへとぶつける気満々だった。
「……いえ、あの中継は……」
(……アイさんの自爆ですしねぇ……)
 そのアイの放送に巻き込まれてしまった彩波・いちご(ないしょの土地神様・f00301)、黄昏た目で遠くを見ている。同じく巻き込まれた霧沢・仁美(普通でありたい女子高生・f02862)も頬を染めつつ、別の心配もしていた。
(……結局、アイさんのアカウントは無事だったのかな……?)
 一応、何とか……本当にギリギリのところでアカウント削除は免れたらしい。でも、次にやらかしたら多分アウトだ。
「……ともあれ、あの鰐が黒幕だね、この島の平和の為にやっつけちゃうよ!」
 威勢良くクロックダイルへ向けてワイヤーロープを構えた仁美に、パニーニャ・エルシード(現世と隠世の栞花・f15849)も続く。……ちなみに、分離していた『パニーニャ』も肉体へと戻り、今は人格二人体制だ。主導は引き続き『アザレア』の方であるが。
『(主にいちごが)パールウォリアーから誤解を受けたけど……無事に人質は外に逃がせてるし、部下は排除出来てるし……』
 アザレアは、先端に炎を模した刀身を装着したロッドをクロックダイルへと突き付ける。
『後はあなただけ……下らない楽園は……沈める……!』
 アザレアが先陣を切り、恋華荘メンバーVSクロックダイルの決戦が火蓋を切った――瞬間。
「(アザレア、ダメ! 避け――)」
 アザレアと同じ肉体の中で、パニーニャの忠告が響いたが――時、既に遅く。
『ぇ……んぁ♪ ~~~~~~ふぁあっ……!?』
 ……気が付けば、アザレアは他のメンバーの遥か後方で仰向けに倒れ伏していた。その身体からは、ずっと着ていた白の競泳水着が失われ……剥き出しになったメートル級の爆乳の天辺では、突起が痛々しいほどに腫れ上がりながらもピクッ、ピクンッと悩ましげに痙攣している。
『はっ……はふっ……はふぅんっ……』
「(アザレア、起きて! 起きるの!!)」
 気を遣ってしまったアザレアと同じ肉体の中で、感覚を共有するパニーニャは感じていた。肌の上……特に胸の谷間の辺りを撫でる粘つく液体の感触を。両脚の付け根の部分にも同じ感触がこびり付き、同時に痛みと痺れが入り混じった快感が神経を刺してくる。
 彼女のすぐ傍らでは、膨大なユーベルコードを纏ったクロックダイルが大気を激震させる咆哮を放っていた。
「――んえっ!? えっ? ……何事!?」
 鰐の雄叫びに、高原・美弥子(ファイアフォックスのファイアブラッド・f10469)が慌てて我に返る。……ずっと、「まさかあんな展開でいちごの子種貰えるなんて……はふぅっ♪」と顔面を緩ませ、下腹を撫でていたが――アザレアが一瞬でやられたことを目の当たりにし、表情が戦闘用へと切り替わる。
「イグニッション! 『吹けよ風、血よ燃えろ。炎の嵐よ、全てを飲み込め!』……って、うぇぇっ!?」
 ――しかし、美弥子こそ次なる犠牲者となった。ここまで着ていた白のビキニから、スカートに大胆なスリットが入った学校の制服と思しき衣装に着替えていた美弥子だが……その服が、まばたきもしていない内に切り刻まれたのである。両手に現出させた『斬馬刀・白陽』も『妖刀・黒陽』も、気が付けば弾き飛ばされてクルクルと宙を舞い、離れた地面へと突き刺さった。
 美弥子の顎を、冷や汗が滴り落ちる……。
「……え!? な、何が、あったの――ひぃぃんっ!?」
 次の瞬間、美弥子の形の良い乳房が大嵐に巻き込まれたように弾みまくった。神経が焼き切れそうなほど押し寄せてくる圧迫感に、美弥子は本能的に理解する。
「……む、胸!? 今、揉まれ――ぶぎゅっ……!?」
 何かで口を塞がれたように黙してしまった美弥子を前に、いちごが状況を理解出来ずに右往左往した。
「な、何がどうなっているんです!? み、美弥子さん……アザレアさん……!!」
「ちょ、ちょっと待ってて下さいっ! 『電脳空間への接続を確認。万能コンピューターへログイン。オペレーション開始します』……!!」
 アイが撮影用のドローンを誤作動させつつも、自身の演算能力を高める為に電脳空間へアクセスを開始する。……と、彼女の隣でぼーっとしていた菫宮・理緒(バーチャルダイバー・f06437)が、やっとその目の焦点を多少結ばせた。
「……いいものたくさん見られたけど、なんだか血を流し過ぎた気がするよ……。――あ、アイさん、後でアーカイブコピーさせてね?」
「理緒さん今そんな場合じゃないんですよっ!」
 アイの悲痛な声に、理緒はようやく美弥子の周囲で現れたり消えたりしているクロックダイルに気が付く。
「……あれ? 鰐が立ってる? ……いよいよ幻覚かな?」
「幻覚じゃないですから! 理緒さん、敵ですコンキスタドールです!!」
 いちごが手振り身振りを交えて説明すると、理緒はうんうんと頷いた。
「あ、でも、確か鰐肉って美味しいんだよね? ……血が足りない。肉がある。いちごさんも居る。……ごはんだね」
「「だから違うんですってばー!!」」
 唱和したいちごとアイのツッコミに、首を捻りつつ理緒も『並列演算』を開始した。
「『接続確認……処理、開始』――っっ!?」
「――何ですって!? いちごさん、本気でまずいですっ!!」
 理緒の顔色が急速に蒼くなり、アイも切羽詰まった声を上げた。
「あのコンキスタドール……メガリスが壊れてますっ!」
「そ、それで……メガリスに秘められていた莫大なユーベルコードが解放されて……残らずあの鰐の中に吸収されたみたい! それで……暴走中っ! もうほとんど自意識も無いんじゃないかな……!?」
 アイと理緒の分析を統合すれば――いずれはユーベルコードが尽きて止まる=死ぬにしても、その瞬間まで猟兵たちが真の姿になった時が如く猛烈なパワーで暴れ続けるのだと。しかも、もうまともな人格も消え失せて本能的な反応で動いているに過ぎない。そして、元々のあのコンキスタドールの性格を鑑みれば、その本能は生殖方面が特に強いはずで……。
 ――即ち、かつてないエロモンスターが降臨しているということであった!!
「(そんなものにアザレアは襲われたの!?)」
(そして、そんなものにあたしは現在進行形で襲われてるの!?)
 アイと理緒の解説を聞いて、パニーニャと美弥子には怖気が走った。
(え? だとすると、今あたしの口の中に突っ込まれてるのって……!? やぁぁっ! 何か今お尻撫でられたぁ!! ……んっ、んんっ!?)
 ……それどころか、美弥子の最も大切な……いちご以外には誰にも許したくない場所に、何かが触れる気配。彼女の脳髄が絶対零度の温度の中へ引き込まれる。
(え、えぇ!? ま、まさか、相対時間の差で薄い本でいう時間停止ものってこと!? ……や、嫌だ! このままいちご以外に犯されるのなんて絶対嫌だ!!)
 どうにか、口を塞いでいた何かを振り払い、美弥子が涙ながらに叫ぶ。
「い……いちご、いちごっ! たすけっ……助けてぇっ……!!」
「……!!」
 その声を聞き、奮起しないいちごではなかった。青い眼差しに意志の炎を燃やして、ユーベルコードを成就する。
「『守護の力をこの身に。電脳プログラム同調準備完了、いつでもいけます!』」
「いきますよ、いちごさん!」
 アイから電脳の天使の力を受け取って、いちごの姿が黒地にピンク模様のフリル満載な魔法少女衣装へと変貌した。『護法天使ミラクル☆ストロベリー』……自分を愛してくれる少女の為、今――来臨する。
 いちごをサポートするべく、アイはさらに『ラプラスの悪魔』を起動。クロックダイルの動きの先読みを開始した。
「どんなに速く動けたとしても、動きさえ解っていれば何ということはありません!」
 未来さえも解き明かす精密なシミュレーションを高速で繰り返し、アイは自信満々に言い切った。
「あなたは、これから通常の千倍の速度で動いて私の服を切り裂く気ですね! ……って、え!?」
 そこまで語って……アイは気付く。水着が真珠になって砕けたので、着替えておいたいつもの衣装。白のブラウスに赤系のベストとミニスカートを合わせたそのコーディネートは……たった一瞬の気の緩みの間に細切れになっていた。青と白のストライプのショーツも今……はらりと地に落ちる。
 黒のニーソは残しているのがマニアックだった。
「んきゃああああああああぃやぁああああああああああっっ!? 避けられないんですか、これっ!?」
 なだらかな胸を隠し、しゃがみ込むアイ。……しかもその光景、誤作動したドローンによって撮影・配信されていることに彼女はまだ気付けてはいない……。
「アイさんにまで……よくも!」
 刹那だけ美弥子から離れたクロックダイルに向け、サイキックエナジーを放出する仁美。辛うじて命中させたそれが、彼女とコンキスタドールの思考を直結させる。
(思考さえ読めれば、動きを先読みして攻撃を当てられるはず……?)
 仁美がそう思った時、美弥子の方へ戻ろうとしたクロックダイルが突然急停止。不気味に輝く双眸で仁美を凝視した。ユーベルコードの影響で、仁美の頭にコンキスタドールの思考が流れ込んでくる……。
(おっぱいおっぱいおっぱいおっぱいおっぱいおっぱいおっぱいおっぱいおっぱいおっぱいおっぱいおっぱいおっぱいおっぱいおっぱいおっぱいおっぱいおっぱいおっぱいおっぱいおっぱいおっぱいおっぱいおっぱいおっぱいおっぱいおっぱいおっぱいおっぱいおっぱいおっぱいおっぱい)
「……って、何人のおっぱいばっかり見てるの!?」
 水着が破損した為、カジュアルな……何となく胸元を強調するような普段着に着替えていた仁美。その両腕で胸部を隠すが……隠し切れてはいない。
「……解せない」
「……解せません」
 おかげでクロックダイルからの追撃を回避出来たはずの美弥子とアイが、半眼になって仁美の一部分を睨んだ。
「解せないのはあたしの方よ! この――」
 怒りと恥ずかしさに任せ、ワイヤーロープを念動力で操って繰り出そうとした仁美。――だが、その瞬間に察してしまう。
(おっぱいおっぱいおっぱいおっぱいおっぱいおっぱいおっぱいおっぱいおっぱいおっぱいおっぱいおっぱいおっぱいおっぱいおっぱいおっぱいおっぱいおっぱいおっぱいおっぱいおっぱいおっぱいおっぱいおっぱいおっぱいおっぱいおっぱいおっぱいおっぱいおっぱいおっぱいおっぱい)
「――敵の思考が読めない!?」
 その為、先読みしての攻撃が出来るわけもなく……ワイヤーロープは明後日の方角へ飛んでいった。――そして直後、仁美の服の胸元が吹き飛ぶ。
「え、や、んひぃぃいいいいいいいいいいいいいいいいんっっ!?」
 次いで、胸の先っぽから燃えてしまいそうなほどの刺激が来襲し、仁美はがくりと膝を突いてしまう。
「……ぁ……あっ……ぁ……っ……」
 首筋から耳に至るまで、頭部の全てを上気させた仁美の唇から感嘆に似た吐息が漏れた。彼女の二つの胸の大山の頂上では、開花間近の蕾のようにぷっくりした桃色が湯気を上げている……。
(……こ、これ……ピンチかも……?)
 仁美の胸中の呟きの通り、ピンチである。……何せ、これもアイのドローンで撮影中、生放送中なのだから……。
 あっという間に6名居た恋華荘メンバーは4名が倒されてしまった。かつてない強敵に、理緒は気を急かしながらハシバミの枝で作られたミニワンドを振る。彼女の肩の上で、翼の生えた黒兎の姿の精霊が鳴いた。
「そんなにもたないから、いちごさんいまのうちにお願い! ――え?」
 脳とCPUをリンクさせたことで増強された理緒の力。彼女はそれを活かし、戦場に無数の空気の層を構築した。光が屈折し、恋華荘の顔触れの姿が歪んでいく。そうなれば、クロックダイルとて理緒たちをそうそう正確に狙えないだろうと思われた……のだが……。
「――えっ、ちょっ……速くない!?」
 理緒渾身の空気の層が完成する前に、クロックダイルは彼女の脇を駆け抜けていた。すり抜け様に、水着から着替えていたワンピースも引っぺがされる。……目一杯絶縁加工が施されていた一品だが……静電気とは違いコンキスタドールは止められなかった。……しかも……。
(……あ。時間……切れ……)
 ユーベルコードの反動で、理緒の意識が遠のく。クロックダイルにもたれ掛かるように、彼女は倒れた。インドア派ゆえの華奢な肢体が、終焉のケダモノたる鰐の懐中へと収まる。
 最早、理緒はまな板の上の鯉同然。クロックダイルからナニをされようが抵抗など一切不可能。……17歳の身空で、母親になってしまうのだろうか……? それも鰐の子供の?
「――そんなこと、させるわけがないでしょう!!」
 護法天使ミラクル☆ストロベリー……いちごが猛スピードでクロックダイルとの間合いを詰めた。格闘系魔法少女たる今のいちごの敏捷力は、並の猟兵では目で負えないほどである。そのスピードを活かして、いちごは千倍速のクロックダイルへ対抗しようとしていた。
 自らの拳打を鰐の左手が受け止めた隙を突き、理緒の身体を掻っ攫ういちご。……よく見れば、鰐の右腕が折れているからこそ出来たことだ。
(私たちの前に戦った人たちの、積み重ねですね……)
 それに感謝しつつ、理緒をアザレアの傍らに横たえたいちごは、踵を返して再度クロックダイルに突っ込んだ。残った自分が必ずこのコンキスタドールを討たねばならないと――気合いは充分!
 ……ただ、気合いで勝てる相手では、やはりなかった。
「うっ、あっ、くぅっ……!?」
 如何にいちごの側の体動や反射神経も加速しているとはいえ、クロックダイル側の千倍速には追い付きようがなかった。捌かれた拳撃の合間に上着が引き裂かれ、躱された蹴撃の合間にスカートが引きちぎられる。
「あっ……やっ……きゃああああああああっ……!?」
 ミラクル☆ストロベリーの衣装は切れ端になるまでズタズタにされた……下着も含めて。
 一糸纏わぬ姿にされたいちごは、あまりの敗北感に座り込んでしまう。……が。
(……あれ? とどめが来ません……?)
 キョトンと顔を上げたいちごは、大口を開けてアホ面を晒しているクロックダイルに目をパチクリさせた。……鰐の視線は、いちごの股間に集中している……。
「――もしかして、私が男だってことで驚いて硬直してます!?」
 いちごも目を丸くするが――千載一遇のチャンス。逃せぬその機会に、いちごは力を振り絞る。
(衣装は無くなっても、変身で得た力はそのままです……!)
「ぶちかましますよっ……!!」
 さらに、いちご以外にもう二人が動いていた。――一人目は仁美である。未だ乳房の先端がジンジンしているが……それを奥歯を噛み締めて我慢しつつ、サイキックエナジーを絞り出す。
(何か……固まってる……? それ、ならっ……!!)
 いちごの大上段の廻し蹴りがクロックダイルの頭部を薙ぎ払うと同時、鰐の背中に仁美の会心の衝撃波が炸裂した。そこへ、もう一人分の影が走り込む。
「よくも……いいように弄んでくれたな! それもいちごの前で!!」
 恋する乙女の怒りを炎に変えて、美弥子が拾い直した白陽と黒陽を十文字に閃かせる。
 いちごも仁美も美弥子も、クロックダイルに絶大なダメージが入ったことを確信するが……。
「――ぅ、ぅぅがぁぁああああああああああああああああああああっっっっ!!」
「「「!?」」」
 彼のコンキスタドールはまだ倒れない。振り回された尻尾がいちごと美弥子を打ち据え、続けて仁美の方へと突貫してくる。
「あ……駄目っ……」
 胸イキで腰が抜けていた仁美は、それから逃げる術を持たなくて……。
 ……あわや、鰐の子を身籠もるのは仁美なのかと思われた――刹那だった。
「(倍乗せよ、そっちお願い!)」
『んぅ、面倒だからさっさと片づける……!』
 意識を取り戻したアザレアと、パニーニャがユーベルコードを高めた。それに反応し、クロックダイルは向かう方向を変える。禍々しき波動が鰐の顎の中で高まって……アザレアとパニーニャの肉体を強襲した。
 直撃すればそれだけで終わってしまう、万物の時を巻き戻す波動。それを回避する為に、アザレアは全力で肉体を稼働させた。紙一重で波動は躱すことが出来たが、そのせいでまたアザレアは伸びてしまう。勝利の雄叫びのような声を上げるクロックダイル……。
「――でも、これは想定外、でしょ!」
「!?」
 ……虚無の波動が因果へとおかしく働いたのか……アザレアの傍らに銀髪の女性が立っていた。アザレアの今の肉体とそっくりだが、髪の色は銀色。何より、額の宝石が無い。
 ユーベルコードで、既に肉体の外へと出てきていたパニーニャの霊体。それが時を巻き戻す波動に当たった結果――今のパニーニャ・エルロードとして誕生する前の姿に一時的に戻ったのである。
 彼女の突き出された両手のひらの中には、何処までも冷たい煌めきが渦を巻いていた……。
「これでお終いよ!!」
「――――――――っっっっ!?」
 ――発動したパニーニャの全力全開の氷の魔法が、クロックダイルを凍結させながら吹き飛ばす。……一応は爬虫類。氷属性には弱いと思われるが……恋華荘の一同には、クロックダイルの生死を確認している余裕は無かったのである。
「……あ、あれ? あの、アイさん? もしかして、そのドローン……今までのやつ撮影して放送してない!?」
 ようやく察知した仁美の声に、皆が固まる。
「わ、私また恥ずかしい姿を全世界にっ!?」
「今度はあたしも!?」
「わ、私なんて上段廻し蹴りを……!」
「………………」
「……素っ裸で気絶してる理緒には教えないのが優しさかしら?」
『(ぐったり)』
 ……そんなこんなで、アイのアカウントは無事に凍結されたのであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

クレア・フォースフェンサー
あのような輩がこの島を蹂躙しておったのか
弱肉強食、それが世の常かもしれぬが、だからこそ、それを正す者がいることも示さねばなるまいな
おぬしが為したことの落とし前、きっちり付けさせてもらうぞ

見術をもって“本体”の核を見切り、選択UCの力を込めた手で鷲掴みにする

おぬしに汚された島の娘達
心を癒すことは叶わぬが、せめて身体は元の状態にまで巻き戻してもらおうかの
おぬしが種付けした者達じゃ。知覚を研ぎ澄ませれば、辿ることくらいはできるであろう?
おぬしはわしの手の中じゃ、よからぬ考えはせぬが身のためじゃぞ?

褒美じゃ
娘らが受けたのと同じだけの苦痛を味わうが良い
握り潰される感覚、しかとその魂に刻んで死ぬのじゃな



「……少々出遅れたかのう?」
 他の猟兵たちとの激戦の果て、全身を霜と致死の呪詛で蝕まれ、右腕もあらぬ方向へとねじ曲がったクロックダイルを見、クレア・フォースフェンサー(UDC執行者・f09175)はそんな風に独りごちた。
「あのような輩がこの島を蹂躙しておったのか。弱肉強食、それが世の常かもしれぬが、だからこそ、それを正す者が居ることも示さねばなるまいな」
(おぬしが為したことの落とし前、きっちり付けさせてもらうぞ)
 クロックダイルが死する前にやらせなければならないことがある――その決意を胸に、クレアは光の刃をその手に駆け出した。
「ぁ――ぉおおぅぁああああああああああっっ……!!」
 己の方へと疾駆してくるクレアの姿を捉えたのだろう。クロックダイルが咆哮と共に、平行世界の自分たちを召喚した。本体の鰐の身体の周囲をグルグルと回る歯車たちが、金色の波動を渦巻かせる。
「本体が実に解り易いことじゃ!」
 迫り来る平行世界のクロックダイルたちを斬り払い、クレアは走る速度をさらに上げる。本体も含めて101体にも及ぶコンキスタドールだが……そのことごとくが、この時空における本体と同様に呪詛に、氷に蝕まれていた。……数多の平行世界のいずれにも、最早彼の鰐が生存する未来は無いということだろう。
「いくら多勢に無勢でも……烏合の衆ではわしは止められぬぞ?」
 クレアの言葉通り――数が居るだけで、平行世界のクロックダイルたちは障害にもなりはしなかった。手にした光剣で動きを見切った端から斬り伏せて、クレアは彼らをこの世界という舞台から退場させていく。
 ……瞬く間に、本体のクロックダイルの前までクレアは辿り着いた。
「『-』」
 予備動作は最小限――クレアの左手が、音も無くクロックダイルの胸の中央へ突き込まれた。彼女の千里眼の如き瞳によって見切られた、コンキスタドールの『ユーベルコードの核』……それを容赦なく握り込む。
「――ぁ」
 小さく呻いた鰐の耳元へ、クレアは冷たく囁いた。
「今、おぬしはわしの手の中じゃ、よからぬ考えはせぬが身の為じゃぞ?」
 ……クロックダイルはそれに答えない。沈黙が首肯代わりだと判断したクレアは、『要求』をコンキスタドールへ突き付ける。
「おぬしに汚された島の娘たち……心を癒すことは叶わぬが、せめて身体は元の状態にまで巻き戻してもらおうかの? ……おぬしが種付けした者たちじゃ。知覚を研ぎ澄ませれば、辿ることくらいは出来るであろう?」
 散々絶望を味わったこの島の少女たちへの、クレアからのせめてもの慈悲……それを果たさせる為に、彼女はユーベルコードを破壊・反射・反転させる力を籠めた左手の爪をクロックダイルのユーベルコードの核へと突き立てる――が。
「……? 何を悠長にしておる? 早くせねば今すぐにでもおぬしの核を――っっ!?」
(この者は、既に……!?)
 ――本当に『出遅れて』しまっていたことに、その瞬間クレアは痛いほど気が付く。
 眼前のクロックダイルは……もうとっくに、この島を支配し、そこに住まう女性たちを食い物にしていた時のクロックダイルとは『違って』しまっていた。……他の猟兵との戦いの中で、メガリスたる懐中時計が崩壊したことが決定的だったのだろう……。
 メガリスに秘められていた無尽蔵なユーベルコードに呑み込まれ、人格も喪失し、最早本能的な反応で、ある意味機械的に動くだけの生きた人形……。
 元来のクロックダイルにクレアが考えていたようなことが出来たのかは、もう解らない。ただ、確実に言えるのは――今の『これ』には、そもそもクレアの言葉すら届いていなかったという事実。
 ……クレアの慈悲は、残念ながらこの島の少女たちにはもたらされない……。
 ――一応、補足するのであれば。この島での戦いが全て終わった後、クレアが望んだものと同じ内容のことを自身のユーベルコードで行った猟兵が居た為、この島の少女たちには最低限の救いはもたらされるのだが……予知など出来ないクレアは、今の時点ではそれを知ることなど叶わない。
 故に――クロックダイルへと容赦なき断罪をくれてやるしかなかった。
「褒美などではないが――娘らが受けたのと同じだけの苦痛を味わうが良い。握り潰される感覚、しかとその魂に刻んで死ぬのじゃな!」
 左手に渾身の力を籠め、クロックダイルのユーベルコードの核を粉砕するクレア。――しかし……。
「……なっ……!? どういうことじゃ!?」
 間違いなく、確かに……クロックダイルのユーベルコードの核は粉々に砕け散ったはずであった。……にもかかわらず、彼の鰐型コンキスタドールは……変わらずに動いたのである。顔面へと伸ばされてきた鰐の左手から逃れる為、クレアは腕を引き抜き大きく跳び退る。
「……っ……そういうことかっ……!」
 吐き捨てられたクレアの理解の声は、苦々しい。
 ……クロックダイルの周囲を衛星のように周回する歯車……メガリスの欠片たち。その一つ一つが今のクロックダイルのユーベルコードの核となっているのである。
「……それら全てを粉砕せねば、死なぬということかっ」
(――やってやろう!)
 金の瞳にさらなる戦意を燃やして――ユーベルコード殺しとも言える自身のユーベルコードを滾らせて、クレアは再度クロックダイルへと疾駆するのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

村雨・ベル
クロックダイル、時間を操る者
今日はちょっとばかり身体を張っちゃうぞ♪

恥ずかしさを我慢しこの可憐な水着姿で誘惑
私の事をエッチな目で見させましょう
虚無へと還す波動は身を包むオーラで可能な限り相殺し、ロリっ子ボディで相手してあげますよ
水着サイズは大人のままなのでちょっと危ないかも?
って、こらーっお子様になにをするかー!?

私を見たり触ってくる最中、時間を操る波動や生命力そのものを吸収してこっそり全力でチャージ
油断させた所でUC対七罪兵装『色欲封じの鉄鎖』で拘束し、時間操作能力も全部封じてあげます

えっちな目で見る人にはお仕置きです
魔法杖ドカンボーのトゲトゲに全力で雷属性を付与して思い切り股間にシュート☆


クヌギ・アルマータ
【アドリブ&お色気&絡み歓迎 処女が無事なら何でもOK】
他の猟兵との戦いで弱ったクロッコダイルをトドメを刺しに行きましょう!性的にもね♥
瀕死のボスに対峙すると、体に残ったキスマークを見せ、ハーレムの女の子を頂いちゃったと宣言(あ、勿論希望者だけよ!)
ハジメテの子が美味しかったなど煽りに煽りますわ
興奮し、上のお口に無理矢理咥えさせられるけど…あっさり搾り取っちゃいますの
今度はお尻に入れられ…ボスは私を手玉に取ろうとするものの、わたくしが制圧しちゃいますわ♪
せめて子孫を残そうと前への挿入を懇願するボスを許さず、そのままお尻で大量に搾り腹上死させちゃいましょ?
少しは女の子達の気持ちが解ったかしらね?


火奈本・火花
「進学おめでとうございます。……などと、悠長な事はいっていられませんね。遅くなりましたが力添え出来れば」

■行動
彼女の予知に多い災難は、今回は既に他の猟兵に片付けて貰っていますね
私の事です、隠密に徹して此処まで来れた……という感じでしょうか

ならばそのまま、この城の『地形の利用』で『暗殺』を仕掛けます
爆薬による『破壊工作』で城の一部を破壊して煙幕を立て『目潰し』し、『聞き耳』で鰐の居場所に辺りをつけ接近しましょう
召喚しても、本体さえ倒せば。ヤドリギの一撃を

「100日だろうと1000日だろうと、命ある者は何時死ぬか分かりません。だからこそ全ての命を、大切にするべきなのです」


アドリブ、色気、絡み可



 口元に手を当てて、村雨・ベル(エルフの錬金術士・f03157)は思考の海に沈んでいた……。
(クロックダイル……時間を操る者……)
 ある時は平行世界の自分を百人も召喚し、ある時は自分の時間を千倍にも加速して体動する。またある時には、時を巻き戻してその者が生まれる前へと還してしまうのだとか。……ベルとて、そうそう戦ったことがない強敵であることは明白だった。普通に戦ったのでは、勝利は困難である……。
 故に、彼女は覚悟を決めた。
「今日はちょっとばかり身体を張っちゃうぞ♪」
 去年の水着コンテストでも割といい線まで行った、可憐なビキニ水着姿でくるりんと回るベル。
 ……うん。悔しいが、確かに結構……かなり、可愛かった。

「……ふむ。彼女も何かやるようですね」
 その声は、コンキスタドールたちのアジトであるこの砦の影の一角で響いた。
「私も急ぎませんと――」

 さて、問題のクロックダイルであるが……ここまでくると、見た目はかなりボロボロである。
 城砦の中庭に立つ全身の鱗など、半分は死に至る呪いで真っ黒、もう半分は凍り付いて真っ白。右腕はあらぬ方向へ折れ曲がっているし、胸には何やら大穴が空いていた。……もう、何故まだ生きているのか不思議なレベルであるが、恐らくは周囲をグルグル回っている歯車――壊れてしまったメガリスの破片が何か影響しているのだろう。
 そんなクロックダイルの前に――ベルが輝かんばかりの笑顔で躍り出た。
「はいっ、お待ちかね、村雨さん家のベルちゃんですよー♪ 鰐さんこちら~、手の鳴る方へ~♪」
 手を叩きながらピョンピョン跳ねて、それで弾む胸によりクロックダイルの気を惹こうとするベル。――まるでゾンビのような様相だった鰐の首が、ギュインッと物凄い勢いでベルの方を見た。クロックダイルの脳からはとっくに元の人格は消え失せ、本能的な反応しか残っていないはずだが……いや、むしろだからこそ、エッチなお誘いには強く反応するのかもしれない。
 とにかく、言えることは……三角ビキニのトップスから零れそうになっているベルの美乳、やはり凄い! 間違いなく色香は豊富、中学生男子なら鼻血を噴きそうなレベルなのだが……それでも健康的で爽やか、しつこ過ぎないのである。何というか……一番男心をくすぐる領域を解っている感じだった。
 そんなものを前にして、本能の塊と化しているクロックダイルが我慢出来るはずも無い。元からケダモノの鰐型コンキスタドールは、さらなるケダモノと化してベルへと飛び掛かった。
「――あ、お触りはノーサンキューですよ♪」
 世界的有名大泥棒の三世的なダイブを見せたクロックダイルだが、ベルの卓越したオーラ防御の圧力で弾かれる。……それがお気に召さなかったのか……鰐の左手に禍々しい波動が渦を巻き始めた。
「ちょっ……待っ……短気過ぎですよ!?」
 本能の塊であればそれも当然か……? 万物を虚無に帰す時間巻き戻しの波動を、ベルはよりオーラを漲らせて相殺しようとした。鰐の波動とベルのオーラが真っ向からぶつかり合い、猛烈なスパークが走った後……。
「……わ? わぉ? こ、この身体はー!?」
 ベルは虚無に還りは――しなかった。けれど、波動を完全には相殺し切れなかったらしい。一回りほど若返って……JSっぽいロリッ子ベルちゃん、爆誕☆
 可憐さが増した笑顔で、クロックダイルに挑発的なウインクを飛ばす。
「今度はこのつるぺたボディで相手してあげますよ☆ ……って、ちょっ、ちょぉー!!」
 ……ベルが焦った様子で悲鳴を上げたのは、大人用のまま変わることがなかったビキニがトップスもボトムスもずり落ちたから……だけではなく、それをいち早く引っぺがそうとクロックダイルが牙を剥いてきたからである。
 ボトムスは鰐の左手に捕まれ、トップスなど口に咥えられ、見えたら青少年健全育成条例的に許されないものがお目見えしそうになるロリッ子ベル。
「こらーっ! お子様にナニをするかー!?」
 必死に抵抗するも、身体が縮んだことで抵抗力も弱まったか……ベルの身を守る布地は持ち去られてしまった。咄嗟に我が身を抱き締めるように要所を隠すベルだが……ちょっとどころではない大ピンチだ。
 本能に支配されたクロックダイルはJSでも充分にイケるクチらしく……口の端から涎を垂らしつつベルへとにじり寄る。まさか、ベルまでこのスケベ鰐の餌食となってしまうのか――と、思われた刹那である。
「――そこまでですわ。ここからはわたくしがお相手しますわね❤」
 豊満に育ちまくった乳房を大きく揺らしながら胸を張り、金髪縦ロールを掻き上げて不敵に微笑むのは、クヌギ・アルマータ(百合姫騎士・f00849)という名の妖狐だった。
 この佳境において送り込まれた増援の猟兵であるが……クヌギは少々色気を出していたのである(外見的な意味だけでなく)。
(他の猟兵との戦いで弱ったクロックダイルに、このわたくしがとどめを刺してあげましょう! 性的にもね❤)
 要は、最後の最後で美味しいところを自分が持っていってしまおうという腹であった。……そんなに上手くいくだろうか……?
 JSベルの青い果実のような色気も捨て難いが、クヌギの1ポンドステーキのような色香にも惹かれる……というのが、男の本能である。自分のダイナマイトボディを見据えるクロックダイルへ、クヌギは見せ付けるように柔肌を晒してみせた。……そこには、既に無数のキスマークが。
「……あ。あなたのハーレムだった女の子たちですけれど……頂いちゃいましたわ❤」
「何ですと!?」
 意味深に笑むクヌギに、ベルが目を白黒させる。
 苛烈な同性愛者であるクヌギ、ここに来る前に実際にクロックダイルのハーレムに囲われていた少女たちと接触を取り、誘惑していたのだが……クヌギにとっては残念極まりないことながら、これははったりであった。クロックダイルの手籠めにされてしまっていた少女たちは、コンキスタドールの本当に乱暴な扱いにそういう行為へのトラウマが著しく、クヌギに誘われただけで泣き出してしまう娘が続出したのである。未だ手を出されていなかった少女たちも少数居たが、そういう娘たちの中に百合趣味の者がそう都合良く居るわけもなく、全員がクヌギの誘惑を断固拒否。……そのような少女たちに無理矢理に手を出してしまえば、それこそクヌギはクロックダイルの同類であった。結果、悶々とした気持ちを抱えたまま、クヌギはこの場に来るしかなかったのである。
「――ハジメテの子がとても美味しかったですわね❤ わたくしの腕の中で、それは可愛く啼いておりましたわ……」
 胸中の落ち込みを押し殺し、クロックダイルを煽るように話すクヌギ。そんな彼女の言葉に興奮した……というより、明確な挑発に激昂した様子で、コンキスタドールの鰐はクヌギに接近した。彼女の髪を乱暴に掴み、体内からエイリアンのように生えてきた男性器をその口へと押し込む。……ベルが、流石に「うぇっ……」と口元を押さえた。
(ちょっと! わたくしの自慢の髪をそんな乱暴に……許せませんわ!!)
 一応は亡国の姫だというクヌギ。紳士的ではないクロックダイルの態度に憤りを覚え……それを自慢の舌技に籠める。
(あっさり、搾り取って差し上げますわ)
 ……確かに、クヌギのその技巧はかなりのものだったのだろう。クロックダイルは数秒と耐え切れずに発射する。――しかし、その後がクヌギの予想と若干違った。
(……えっ……!?)
 発射後も全く硬度を失わないモノで、引き続きクヌギの口を出入りしたのである。激しく喉の奥を突かれ、いくら何でもクヌギの方も耐えられなかった。
「――っぷはあっ!? ……な、何ですの……?」
 戸惑うクヌギを余所に、クロックダイルは、今度は肉付きの良い彼女のお尻へと回り込んで……分身を押し込んだ。
「んんっ!?」
(……な……? 全然大きっ……硬っ……!!)
「……あ、あの、大丈夫ですかー!?」
 ちゃっかり離れた木の陰へと避難していたロリベルが、尋常ではない雰囲気に思わず心配の声を掛けた。
 ……クヌギは、それどころではなかったのである。
「はっ……はぁっ……えぇっっ……!?」
 クヌギの唇からは不思議そうな声が漏れ、顔は困惑の色に染まっていた。
(お……おかしい……おかしいですわ……!?)
 クヌギは……実のところ、処女である。だが、逆にだからこそ、そちら以外での経験は豊富であり、その巧みさをもってすればクロックダイルを手玉に取って搾り尽くすなど簡単なことだと思っていた。……事実として、クロックダイルは何度もクヌギのお尻に吐き出しているし、搾取してやっている実感もクヌギにはある。……あるのだが……。
(……何でこの鰐、一向に休まないんですの……!?)
 人間の男なら、どれだけ絶倫な者でも何処かで休憩を挟まなければ……下世話な話だが勃たなくなる。なのに……クロックダイルはずっと勃った状態を保ち、クヌギを抉ってくるのだ。
 クヌギの脳裏に、クロックダイルに手籠めにされた少女たちの身も心も傷付いた様が浮かぶ。
(……ほ、本当にこんなのが相手なら……仕方がないですわ……!!)
 ……アレな話であるが、お付き合い願う。そもそも、人間の男性の生殖器などが大きくなったり萎えたりするのは、非使用時にも使用時の大きさのままでは邪魔であり、その上急所でもあるそこを狙われてしまうと危険だからだ。小さくすることで隠し易く、守り易くしているのである。
 なのだが、この話は爬虫類の雄など、生殖器を体内に収納出来る生き物には当て嵌まらない。彼らは別に生殖器のサイズを変えずとも、安全な体内へとそれを隠し、守ることが出来るのだから。
 要するに――爬虫類の雄に、『萎える』という機能は『無い』。
 ……もちろん、どんな生き物でも無限に生殖細胞を生み出し、貯蔵しておくことなど出来ないのだから、『弾切れ』は起こすのだが……弾切れになったところで、『雌に突っ込んで動かす』ことは、いくらだって出来るのである。
 クヌギは、端的に言ってしまうとクロックダイルを『腹上死(ただしお尻で)』させるつもりだったのだが……爬虫類の雄の標本の中には、生殖器が勃起したままで保存されているものもあったりするのだ。
 爬虫類という生物は、極論を言ってしまえば……『死んだ後も性交が行える生き物』なのである。
 ……そんな種の一員である鰐が、コンキスタドール化しているのだ……。
 ――クヌギのやり方でクロックダイルを倒すことは、根本的に『無理』なのである。
「あっ……あっ……あぁっ……!?」
 このままクヌギは、自分の方こそ『壊されてしまう』のを待つだけか……? ――そう思われた瞬間だった。
 ――ドンッッ!!
「……えっ!?」
 爆発音にベルが頭上を振り仰げば――本当に城砦の一角から爆炎と黒煙が上がっていた。しかも、場所はクロックダイルとクヌギの頭上。二人目掛けて瓦礫が降り注ぐ……。
 ――否、間一髪でクヌギの身体は細身の影に掻っ攫われた。瓦礫の雨にその身を打たれ、巻き起こった煙で視界を奪われたのはクロックダイルだけ……。
 キョトンとするベルの前にクヌギを抱えて駆け込んだのは――火奈本・火花(エージェント・f00795)であった。クヌギを地面に下ろし、眼鏡を押し上げると、火花はクロックダイルの消えた土煙の方へ視線を固定する。
「……灘杜さん、高校進学おめでとうございます――などと、悠長なことは言っていられませんね」
 彼女はクヌギと同じく、この最終局面へと送り込まれた増援であった。火花は、ここに至るまで他の猟兵からも身を隠し、有効そうな仕掛けをこの城砦に施して回りつつ、機を窺っていたのである。それを、今この瞬間に発動させたのだ。
 声だけで、火花はベルへ礼を述べる。
「彼女の予知に多い災難は、今回は既にあなた方が片付けて下さいましたからね。私は隠密に徹してここまで来れました。ありがとうございます」
「あ、いえいえ」
 ベルが照れたように頭を下げた。
「後は――決着をつけるだけですね。遅くなりましたが力添え出来れば……」
「そういうことなら、私ももうひと頑張りしちゃいますよー!」
 右手を拳の形にした火花と、いつの間にか取り返していたビキニを何とかロリボディへと装着し終えたベル。……二人に、薙刀を支えにフラフラと立ち上がったクヌギが並んだ。
「……思惑とは、違ってしまいましたけど……このまま泣き寝入りはご免ですわ……!」
 その身へと神霊を降ろしたクヌギへ頷いてみせた火花とベルは、一足先に走り出した。
 未だに残る土煙の向こうで、クロックダイルが最後の悪足掻きのように平行世界の自分を喚び出していくのが垣間見える。
(召喚されても、本体さえ倒せば――)
 どのみち、平行世界のクロックダイルたちも、この時空の本体のように弱り切っている。彼らを無視して、火花は本体が居ると思われる位置に当たりを付けた。
 ベルは走りつつ、先端にトゲトゲ鉄球を付けた魔法の杖をくるりと回す。
「はーい! 今もJSボディのピッチピチなベルちゃんはこちらですよー♪」
 可愛い声を上げて、お尻をフリフリ。それに、平行世界の者も含めてクロックダイルたちが獣欲に満ちた視線を向ける。……それだけで、条件は満たせた。
「『拘束制御漆式封印術式・目標を『色欲』に限定し発動承認!』」
 ベルのことをエロい目で見た対象を拘束し、力を封印するという鎖が無数に現れ、鰐たちを次から次へと縛り上げていく。……内の一体が鎖に巻かれたところで、他の全てのクロックダイルが消滅した。即ち――残ったそれこそが本体!
「良い仕事です」
 より早い段階で位置に当たりを付けて移動していた火花が、まさしく本体のクロックダイルへ肉迫し、右腕を振り上げた。
「『使いたくない技ではあるが、止むを得ない場合もあるという事だ』」
 火花の拳が見る見るとヤドリギの根によって覆われていく。彼女の体内に宿る、オブリビオンすら喰らう魔の植物。その一撃が、鰐の顔面をひしゃげさせた。――クロックダイルの周囲を取り巻く、歯車のいくつかが弾け飛ぶ。
 火花の後を追い掛けるように走ったベルの身体が、一歩を踏むごとに元の年齢へと戻っていっていた。……実は、自分が襲われている間も、クヌギが襲われている間も、クロックダイルからユーベルコードを吸収する術式を展開していたベル。チャージされていたその力により、万全、満点のパワーを発揮出来るのだ。
「エッチな目で見る人にはお仕置きです! 魔法杖ドカンボー――シュートッッ☆」
 雷を纏った杖をゴルフスイングのように振るい、先端のトゲトゲ鉄球を現在も外部に露出したままのクロックダイルの男の急所へジャストミートさせるベル。鰐が声無き絶叫を上げると同時――その周りの歯車の大半がボトボトと地面に落下した。
 そして、最後……。
「少しは女の子たちの気持ちを――解りなさいな!!」
 薙刀を一閃、クヌギが放った衝撃波が、鰐の頭部と胴体を永遠に泣き別れにさせる。……その瞬間、最後の一つの歯車が砕け散って――この島を統べていたコンキスタドールの息の根を止めた。
「……100日だろうと1000日だろうと、命ある者はいつ死ぬか解りません。だからこそ全ての命を、大切にするべきなのです」
 感慨深く呟いた火花のその声が、長かったこの島での戦いに今度こそ終止符を打ったのである……。

 多くの猟兵たちの尽力により、彼の島に作られていた悲劇のハーレムは解放された。
 けれど、件のコンキスタドールの残した爪痕は決して浅くはない。……一部の猟兵たちの思い遣りで、ある程度の救いはもたらされたと言っても、だ。
 この島のこれからがどうなっていくのかは、猟兵たちにも解りはしないのである。
 グリードオーシャンにまだまだ遠く広がる海……その先のことが、今はまだ見通せないように。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2020年05月14日


挿絵イラスト