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墜ちる操糸をその身に纏いて(作者 地属性
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●戦意高揚、意志消失
「召集に応じてくれた皆に感謝する。アポカリプスヘルにて事件発生だ。この超弩級世紀末な世界においては日常茶飯事かもしれないが、見過ごすわけにはいかない。解決のために皆の力が必要である。ぜひ貸してもらいたい!」
 尊大な振舞いと頭に浮かべた数字が特徴的な嘸口・知星(清澄への誘い水・f22024)はお決まりのセリフを述べるべく、印象的なフレーズを並べがちだ。
 ――事件に名を付けるのなら、これは「洗脳服」事件だ!
 さぞ興味がわいたことだろう、といつもの口癖を述べたところで、猟兵たちから、言い間違いを指摘される。戦闘服、いわゆるバトルコスチュームのことではないかと。その答えはNO! かぶりを振る彼女は事件のあらましを説明するのであった。

 「オブリビオン・ストーム」と呼ばれる暗黒の竜巻によって今なお破壊の爪痕が残った近未来の世界、アポカリプスヘル。
 物資、人材、活力など、あらゆる資源が枯渇していく中で、ゾンビや改造動物、自律兵器といった様々なオブリビオンが闊歩し、時には組織化し、野盗はレイダーを名乗って人々を奴隷という体のいい労働力にしようと暴れている。「洗脳服」を配っているのもそのレイダーだ。
 「威伏一族」を名乗る一団は、衣服の無償配布を装って無辜の民を操り人形にし、廃工場を根拠地としてその勢力を拡大しつつある。
 なにせ労働力も兵力もいくらでも補充がきくのだ。そして、当たり前のことだが、衣服を着ずに生活ができるものなどいない。
「風雨に晒されれば劣化し、汚れれば変えたくもなる。年頃ならおしゃれもしたい。そうでなくても機能性は確保したい。脆いのに、しかし生活に密接に関わっている」
 無理やり着させられ、服に着られては本末転倒だがな。と、述べる知星もまた、ひと目では脱ぎ着が難しそうな服を着ていることは、誰に指摘されなくとも明らかであった。

 閑話休題。
 「威伏一族」は廃棄された繊維工場に潜伏している。かつては秘密裏に、今は大々的に、不眠不休で設備を稼働し、「洗脳服」を増産している。労働力はもちろん衣服によって操られた、周囲から拉致されたり抵抗して捕まった一般人たちだ。不平や不満もなく、給与や休養もない地獄の生産工場。助けに行ったものは誰も戻ってはこない。
 まずは彼ら、彼女らを解放することが先決だ。老若男女、多くの人々が囚われている。
 幸いなことに、強固な洗脳によりオートメーション化されているため、レイダーの構成員は見当たらない。言うなれば、それほどまでに服の効能に全幅の信頼を置いている、というわけだ。
 では、どのような衣服か。さまざまなデザインがあるらしい。普通の衣服に見えるもの、機能性重視のボンテージスーツ、普段の衣装をカラートーンダウンさせたり露出を引き上げたもの、イメージを真逆にしたもの。中でも特に危険な例となるイメージをイラストに起こした参考資料をブリーフィングデスクに広げる。

 それは、もはや巨躯の生物に取り込まれてしまった人間、と形容できる存在だった。
 人体に有害、だとか、服には見えない、とかそんな感想を述べるには遅すぎる。
 一部洗脳服は鉄糸で編まれ機械化され、より被覆者を効率的に活用できるよう生体エネルギーを吸収する機構が取り付けられているようだ。服の定義を踏み越えたこのタイプはもはや単純な解放では万全な救出に至らないため、破壊する必要がある。
 レーザーや破壊光線もさることながら、やはり厄介なのは生体ユニットの生命力を吸収する行動パターン。この行動に移るまでに速攻で撃破するか、破壊した後のケアを別に勘案するか、いずれにせよ一筋縄ではいかないことは間違いない。

 殺戮繊維科学者『ドクター・ドミレイオン』。
 「威伏一族」の頭領は、頭脳派を自称する科学者だ。しかし働く知恵は悪知恵のみ。非人道的な特殊能力を持つ合成繊維を開発することに執心し、そのためならあらゆる犠牲を厭わない。
 周囲30メートル四方を薬物で汚染する化学繊維、伝播する洗脳衣装、自信を強化するドーピングコスチューム。さらに敵対存在の衣服を溶かして有害物質に変えるような搦手も用いる。
 人が意思を奪われ、衰弱し、苦しみながら死に絶えることを見るのが大好物という嗜好も、厄介この上ない。微塵も同情の余地のない卑劣さだ。
 彼女を打倒し、すべての被害者を洗脳服の拘束から解き放つこと、それこそが依頼の最終的な目的である。

「人の尊厳を踏みにじり、意思を奪い、自由も命も弄ぶ奴ら。こんな悪漢に容赦は必要ない。徹底的に叩き潰し、人々を救い、溜め込んでいる資源を取り戻そう。魔性の糸を、断ち切るのだ!」
 取り出したナイフを天に向かって突き上げる。それが異世界への転移の合図であることを、猟兵たちは直感した。
「さぞ栄光ある勝利を、あなたたちは持ち帰ることだろう。皆の武運を祈る!」





第2章 集団戦 『量産型サイバー・メイデン』

POW ●デスリップレーザー
【口内から放たれる極太レーザー】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
SPD ●生命エネルギー弾連射
【両腕と両胸のエネルギー砲】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
WIZ ●生体ユニット活性化
【生体ユニットに刺激を与え、エネルギー吸収】を一時的に増強し、全ての能力を6倍にする。ただし、レベル秒後に1分間の昏睡状態に陥る。
👑11 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 装甲型洗脳服。
 またの名をサイバーメイデン。
 白衣のレイダーたちがその白衣を脱ぎ捨てると、巨漢に思えたその姿は、実は衣装。単なる見せかけであったことが見て取れた。機械化衣装に洗脳され、服そのものと化したレイダーは一人一人が、稼働エネルギーとして拉致した女性をその身に宿す。醜悪な姿で施設内を闊歩するそれらは、最強の構成員にして最硬の盾でもある。捕虜を盾に巻きつけて進軍する小鬼兵の如き下劣さ。

 もはや、助けて、の言葉すら口にできない彼女たちを救うには、力ずくでことに当たるか、策を用いる他ない。
 少しでも躊躇すればたとえ猟兵とて逆に取り込まれ、生体ユニット化される末路を辿るだろう……!
花羽・紫音
【ソロ希望】【アドリブ歓迎】

洗脳服を着せられて悶えている所をレイダーに発見され、猟兵と見破られてしまえば、動けないことをいい事に散々弄ばれ嬲られ辱められてしまい……

涙を流したところで完全に捕らえられて、入念に鋼糸によって拘束されてサイバーメイデンのコアにされて生体ユニットとして限界までエネルギーを奪われてしまいそうですわ


「馬鹿な。この婚礼衣装は……洗脳が行き届いていないのか?」
「精神力のみで抵抗などできるはずもない!」
「とはいえ我々も、レアな被験者相手に油断はしないさ。ウサギを狩るにも全力を出すのが獅子というもの」
 好き勝手口々にそう言うのは、メカニカルな大型の全身スーツに身を包んだレイダーたち。その腹部にめり込むようにして取り込まれた被害者女性たちはいずれも全裸で、四肢の自由を奪われた人質兼エネルギー源だ。この姿になっても時折呻くような声が聞こえることから、生体ユニットは生命活動を細々と続けていることが見て取れる。
 否、見て取れただろうか?
 片目をきゅっと瞑り、這うようにしてなんとか壁にもたれて荒く息を吐くだけの紫音である。自慢の白翼はおろか、指先一本まで満足に動かせない。まさしく零落の花嫁。すでに袖を通した洗脳ウェディングボンテージは彼女をあと一押しといったところまでブレインコントロールを進めていた。
 ならば、あとはその抵抗値を暴力で削ぎ落としていくだけだ。
 紫音の身体を刺し貫くいくつもの衝撃。赤い光線が棚引くさまは、煌めくひと筋の流れ星のよう。それが生き血を搾って繰り出された《デスリップレーザー》であれば、ただ単純に「美しい」という感想では収まるまい。

「く、うっ……なんて威力……!」

 のけ反るようにして吹き飛ばされる。が、しかしすぐさま体勢を立て直そうと身悶えし、隙を見せるように浮いた顎に一体の砲塔、すなわち人で言えば右アッパーが炸裂する。

 ――ガガッ……ボゴォッ!!

「うぐっ、げッ……!?」
「どうだ? 幹部用洗脳服の鉄拳の味は? そらあ!」

 倒れこみそうになった紫音を無理やり叩き起こし、即座に振り下ろす動きでしなる左腕。ピンボールのように無茶苦茶に無抵抗の体が跳ね、一撃一撃ごとに鈍い音が響く。無様に血と嗚咽を吐き散らさないよう口を抑えようにも、身につけたグローブもまた洗脳服だ。美しい茶髪を振り乱して喘ぐことしか彼女には許されない。

「がっはッ……げほぇ!」
「止めをお見舞いしよう」
「うっぐっ……!?」

 フックが剥き出しの顔面を殴打し、無理やり地べたに足で押さえつけた。紫音は脱出しようともがくが、針で縫い付けられた昆虫のように身をよじることしかできない。レイダーの胸の先端が明滅し、生体ユニットがひときわ大きく身震いすると、胸部と腕部から一斉に光が放射された。至近距離のエネルギー弾!

 ――ドゥンドゥン、ドウゥゥゥンッ!

「うぎっ!? ぎぃィ、うぎゃっ、ぐっ、あああああ!?」

 熱い。
 熱い熱いあついあつい!
 気付けば彼女は体から煙を上げながら、涙を流して崩れ落ちていた。その前に、どさりと何かの物音がする。洗脳服から生体ユニットがパージされた音だ。
 なんだか知らないが、今がチャンス……?

「……くっ、どうして、体が言うことを聞いてくれないの……目の前に助けなきゃいけない人が、いるのに……!」
「人のことより自分のことだろう? 何せ次は貴様がこうなる番なんだからな」
「へ……? や、離して! イヤッ!」

 服の中から現れたアームにむんずと無遠慮に体を掴まれると、その内部に引き摺り込まれる紫音。よもやこの末路は想定していなかったのか、初めて恐怖と絶望感が色濃く表情に現出する。悲鳴は何も知らない子供のような「生の感情」丸出しで。レイダーの嗜虐心をこれでもかと刺激しながら、生体ユニット化の処理が進められていく。
 服の胸部あたりにユニットの頭を固定。全身を弛緩させる薬品投与。耳や臀部、股間に固定用の杭を次々に打ち込み全身を馴染ませると、電気と振動の刺激で、エネルギーを効率よく抽出する処理を進めていく。当然、元着ていた洗脳服との相乗効果で心のプロテクトを一枚一枚丁寧に刮げ取っていく。肌が焼けつくような刺激も快感へと変わっていき、剥き出しの口からは絶え間なく血と唾液が零れ落ちた。

「おごっ! ぐっ、ごお!?」
「随分と具合がいい! ははっ! これは最高のモルモットだ!」
「おっ、おっ、おおおおぉ……!」

 あまりの惨めさと屈辱、何よりもはや自力で脱出不能となった絶望感。そしてそれらを上塗りして押し流していく快感の波に運ばれて、涙の被膜を浮かべる紫音。自我をすり潰されるような奇妙な感覚に陥りながら、波間を揺蕩うように身体を預ける。抵抗する心がまた立ち上がるのが先か、それとも全てのエネルギーを吸収されるのが先か。生体ユニットと化した紫音には、今はただ、いつまで続くかわからない快楽拷問に耐える他なかった。
成功 🔵🔵🔴

サエ・キルフィバオム
アドリブ・絡み歓迎

「ふん、貴様。その動力炉では不満があるんじゃないのか?」
【生体ユニット活性化】をするサイバーメイデンに対して、洗脳され女幹部と化した人格のまま話しかけます

「わらわの玉座となる権利を与えよう、光栄に思うが良いぞ」
【誘惑】【挑発】【おびき寄せ】【言いくるめ】でメイデンから被害者を引っ張り出すと、自分が代わりに収まろうとします

「(今はこれしかない……!)」
残った本来の意識で【因果速報】を発動、メイデンより生命力を逆に吸収、機能停止に追い込みます

「なんじゃ情けない、わらわの玉座にふさわしいモノはおらぬのか!」
停止したメイデンから抜け出ると、その残骸を踏みつけつつ次のメイデンを探します


シズホ・トヒソズマ
はっ!たっぷり味わいつくしたせいか「わたしはしょうきにもどった」!
ちょっとヒーローマスク本体で拘束から出て、と
どうやら趣味ではないのに囚われている人々が多い模様
ここは一旦ヒーローとしての責務を優先しましょう!

UCで87枚のスライム化ヒーローマスクに分裂変身し
◆目立たないように敵に接近
取り込まれている女性らに近づき拘束の隙間から布一枚である体をいかして入り込み装着
女性らを自分ごとスライム化する事で拘束から解放し
女性らを支配し猟兵能力のままUCの有効範囲ギリギリまで逃げます

攻撃はスライム化による変形で回避

名残惜しいですがラバー巨人洗脳服もスライム化で脱いでおきましょう
持ち帰り確保はしておきますけど


マスクド・サンドリヨン
メイデンのコアにされるも、ピジョンの必死の呼びかけでなんとか意識を取り戻す私。
UCで内側から働きかけて逆にコントロールを乗っ取ろうと試みるわ。

攻撃の照準を反らすのが精一杯。息も絶え絶えで、口を開けば悶えと呻き。動きに合わせて四肢が引っ張られるだけで激痛が走る。
それでも必死に抵抗を続けていると、相手は私を無力化するために刺激を与え始める……女体から力を引き出す事に最適化されたその責めに、悲鳴を上げてしまう。痛みと快感が入り混じり、全身が熱くなる。

耐える私に痺れを切らして責めはどんどん強く……でも、無理をすれば相手もオーバーヒートする筈。
白目を剥き、泡を噴き、失禁しようとも、それまで耐え続けるわ。


 人には何にせよ素養というものがある。
 生まれつき火を放つことができる。
 何カ国語もの言語を操ることができる。
 空を飛ぶことができる。
「……ぁ……ぅっ」
「そろそろこのエネルギーパックもダメになりそうだな」
 あるいは、人を誘惑する魅力というものも、その一種だ。
 どんな衣装に身を包んでいても。
「ふん、貴様。その動力炉では不満があるんじゃないのか?」
 どんな口調であったとしても。
 黒いハイレグのボンデージ姿のサエが、すでに洗脳下にあって口調やら思考やらを衣装同様に黒く塗りつぶされていたとしても、その魅力は押し隠しきれるものではない。大きな耳がぴょこんと揺れれば、レイダーは極上の獲物を前に思わす生唾を飲み込まん勢いである。思わず前屈みになりながら、生体ユニット……搾かすとなった人質女性を排出すると、その手でサエを拘束せんとする。
「随分と座り心地の悪い玉座だな? 椅子は、椅子らしく」
「ぐお!? な、どこにこんな力が……!」
「尻に敷かれるがよい!」
 すっぽり収まったのも束の間、欲に満ちたレイダーを手玉に取ると、逆にまるっとそのため込んだエネルギーを吸収してしまった。崩れ落ちるレイダー
、やっと取り戻した被害者、人質の身柄。メガネをくいと押し上げると、余裕の笑みを浮かべる。頬を伝う汗が、しかし相当無理をしていることを予感させた。つまり、痩せ我慢である。
「(そんなにヨユーヨユーってわけでもないけど。口調が戻らないし……)」

「あっ……ぐう! ぎぃ!! ひぁ、イヤああぁ!?」

 悲鳴。ともあれ声の主の元に駆けつけたサエが目にしたのは、さらに責め苦に晒された姫華である。サイバー・メイデンに取り込まれてかなり憔悴していたところを、相棒ピジョンの呼びかけで半端に意識を覚醒させてしまったため、もはや始末に負えない狂乱ぶりを晒している。
 周囲に飛び散った汗やら血、それ以上に垂れ流した喜悦の証が、点々と床を濡らして妖しく煌めいている。
 姫華のずたずた具合は、傍目から見て、拘束していなければバラバラになってしまいそうなほどに苛烈ないものであった。ダメージの蓄積した体に火花が散るほどの生命吸収の負荷をかけられており、むんと熱気が、離れたサエにまで伝わってくる。
「あぅ……い!? いやあ! そんな、むりィッ! 気持ちよく……げ、ぐ、んんんんんッ!?」
「なんじゃ情けない、ならばその玉座、わらわが代わりに貰い受けようぞ!」
 悲鳴にますます快楽の余韻が混じり始めたあたりで、いよいよまずいと思ったサエが、姫華に近づく。すでに白目を剥いて、泡を噴いて、おびただしいほどの苦悶の結果漏らした粗相と、限界の様子。それでも、近づく味方には攻撃させまいと、ぐわんぐわんと体を揺らして抵抗してみせる。ヒーローとしての最後の矜恃が、彼女を凶行に及ばせることだけは踏み止まらせた。
「(今はこれしかない……けど!)」
「い゛!? わ、私、は……まけ、ません……ぅっ、ァぁ゛」

「はっ! たっぷり味わいつくしたせいか『わたしはしょうきにもどった』!」

 ヒーローは遅れてやってくる。
 そして――必ずピンチに駆けつける!
 ナチュラルボーンヒーローは、その素養を当然備えている。
 呆気にとられる猟兵、そしてレイダーを尻目に、次々と天から降り注ぐのはマスクめいた形状の布片だ。眼鏡やマスクの上から覆うようにして張り付いた《分裂!変身マスク》は、苦境に喘ぐ二人を有無を言わさず「スライム」へと変えると、洗脳服の拘束から解放して引っ張り出した。
 人ならざる形状に一瞬でも変身した二人の気持ちはここでは割愛するが、施術者当人シズホ・トヒソズマ曰く、心を通わせる必要も生物縛りもない自由なるマスク! だそう。驚くのは無理もない。……副作用がなく、可逆なことだけが安心材料です。
「エネルギーパックが解放されている……相性が悪い相手のようだな」
「逃すと思いますか? まあそのラバー巨人なメカメカしい洗脳服は、後学のためにもらってあげますけど……」
「ぐぬぬぬ」
 勝負は決した。脱兎の如く全裸で逃げ出すレイダーへの興味は既になく、先に奪ったラバーと今奪い取ったメカメカしい巨人洗脳服の両方を手にして儲け顔のシズホ。持ち帰り確保完了――♪ と、活用方法を模索しては、にんまり微笑んでいる。なんとか色々とピンチを切り抜けた二人も思わず顔を見合わせるだろう。そして互いに頷き合うはず。
 趣味と実益を兼ねた被虐心もまた素養の一つかもしれないと。
成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴

ヴェルモ・バグトルーパー
体内のヴォルテックエンジンから電流が迸り正気に戻る

危なかった……『守護』の衝動ある限り、ワタシはそこに戻る事が出来る……って、服と口調が治ってないじゃない!
仕方ない、このまま行こう!

敵も中々の巨体、ならこれだね!
UCで下半身にサソリ型戦車を装着するよ!
……なんかこっちもデザインが心なしか中華風になってる……

敵のレーザーは両腕のバリア発生機でのバリアで防御
すかさずヒートシザーやナードロヴェストで敵を攻撃して◆蹂躙
囚われてる人の拘束を破壊して解放していくよ!

解放できたならもう遠慮はいらないね!
◆限界突破で出力をアップして、ガトリングやビームキャノンで一気に敵を吹き飛ばすから!

後は親玉だけだね!


神薙・佑紀
【POW判定】【アドリブ、絡みOK】
このまま……洗脳に飲まれるぐらいなら……本当なら使いたく無いけど(ユーベルコードを使用。全身を黒い鱗に覆われた姿に変身する)
はあっ……服は気持ちいいけど、この頭の中に入ってこようとするのは厄介ねぇ。
1人の欲のためにたくさんの欲を潰すのは私、嫌いなのよねぇ。
上がってる戦闘力で攻撃を回避、力尽くで押さえつけて鱗を纏った触手でスパスパッと拘束部分を切って取り込まれてる子を引っ張り出しちゃおうか。

あの服、気持ちよくするだけなら今のうちに身につけちゃうのもありだけど、ねぇ。ま、私もこんなの作ったやつ気にくわないし、壊しに行こっかー


 ご主人様ご主人様ご主人様、と呪詛のように口内で繰り返していた彼に電流走る! それは比喩ではなく、駆動するヴォルテックエンジンが『守護』の衝動を励起させ、ヴェルモ・バグトルーパーを正気に戻したのである。
「ワタシはおんなのこでも、キョンシーでもないんだから! ……って、服と口調が治ってないじゃない!」
 しかし戦闘力自体は戻っているのだから結果オーライ、と言えないこともないだろう。
 その分何か大切なものを毎秒削っているかもしれないが、傍らの佑紀もまた、賭けているものの重みが違う。
 メキメキと音を立てて全身を黒い鱗で覆い、洗脳服などものともしない強靭な姿へと変容を遂げる。
「確かに、この頭の中に入り込んでこようとするのは厄介ねぇ。時間が解決してくれるとは思うけど」
 先住者であるところの寄生体も虫の居所が悪いのだろう。今回の攻撃的な変異は、戦闘を一瞬で終わらせようという気概を感じる。
「なんだ貴様ら!」
「急に動きが……うおお!?」
「はいはい。気持ちよくしてくれたお礼は言うけどね。形勢逆転、かしら?」
 地面すれすれを滑空して、囲む二人のレイダーの懐に飛び込むと、両腕でそれを空中に拘束する。抵抗する間も無く、砲塔である胸と両腕を切断する。体から直接生やした鱗塗れの触手の乱舞が。
「ば、化け物め!」
「欲に飢えたケダモノに言われるのは心外よ。それに、1人の欲のためにたくさんの欲を潰すのは私、嫌いなのよねぇ」
 最後に、何か言いたげな首をそれぞれ切断すると、生体ユニットの周囲を綺麗に切り取って、それを引っ張り出す。ぐったりとはしている上一糸纏わぬ姿ではあるものの、脈はある。仮に意識があればこの姿を見られて度肝を抜くことだろう。好都合とも言えた。
 さて、旗色が悪いと見るや否や、レイダーたちは徒党となることは火を見るより明らかである。圧倒的な優位性が失われれば、守るべきはまず自らの身の安全。すなわち、距離をとって砲撃で安全に削る方策だ。どこまでも見下げ果てる性根だった。
「まぁ逃がさないけどね?」
「なんだコレは……!?」
「スコルピーオタンコ! 今日はちょっと中華風だけど、ね! まずは人質をワタシたちに返してもらうよ」
「ぎゃああ!? ひっ、ひい!」
 ジタバタと暴れるレイダーたちに、両爪、鋭尾が次々と命中し、瞬く間に無力化していく。下半身に接続する大型蠍型メカ、ランペイジスコーピオは、その名の通りに戦場を蹂躙していく。通り過ぎた後に悪党の芽は一つとして生えてこない。
 生体ユニットを失ってしまえば、単なる重くて悪趣味な服でしかない洗脳服を着込んだレイダーたちが二人によって制圧されるのに、ものの時間は要さなかった。
「これで最後の一人っと。勝利! 後は親玉だけだね、ご主人様!」
「その口調が心配だけどねぇ……。ま、私もこんなの作ったやつ気にくわないし、壊しに行こっかー」
 服の残骸を触手から剥ぎ取りながら、ふぅと息をつく佑紀。
 もしも、あの洗脳服が、単に気持ちよくさせるだけの作用しかなければ、少しだけ身に付けるのも、と思ってしまう。慌てて首を振る。ちょっと邪な考えが、彼女に残った洗脳の副作用なのか、それとも単に魔が差しただけなのか。それは、この先の冒険のクライマックスで明らかになることであろう。
成功 🔵🔵🔵🔵🔴🔴