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星猫のカンタータ

#スペースシップワールド

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#スペースシップワールド


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●帝国のお姉さんもお仕事なのです。
 宇宙船、ねこねこ号。
 その船は、人々が寄り添うように暮らす小さな宇宙船だった。
 その宇宙船の中、動力室にカゴを乗せたワゴンを押して忍び込み、次々と猫を放つお姉さんがいた。
「猫さんたち、いい子ね」

 にゃあー。
 にゃあ、にゃあ。

 猫たちは次々と部屋に放たれていく。
 人影は一匹一匹に巣立っていく生徒を見る新卒の教師のような目で見送った。
 一匹が足元に留まり、人影をじっと見上げる。
「くっ……、そんな目で見ないでちょうだい。これも仕事なのよ」

 にゃー?

 にゃあー!

「さよなら……」
 目元を拭う仕草をして立ち去るお姉さんは、実はお仕事でこの宇宙船を沈めようとしている悪い人なのであった。

●はじめてのお使い?
「来てくださってありがとうございます」
 グリモアベースの一室でアルトワイン・ディネリンド(真昼の月・f00189)がぺこりと頭を下げた。実はアルトワイン、はじめての予知であった。すこし緊張している。
「じつは、スペースシップワールドで事件が起きます。
 場所は、小さな宇宙船ねこねこ号。隕石群が迫っているのです」
 言いながらアルトワインは四角い箱を恭しい手付きで差し出した。
 猟兵が蓋を開けると、なんと中には猫じゃらしとニボシ袋が入っているではないか!

「宇宙船ねこねこ号では、現在……動力室に実に50匹もの猫さんが溢れています。
 どうも、帝国のお姉さんが放ったようなのです。
 船内のクルーたちも猫さんに振り回されてしまっているようで」
 アルトワインは自由帳を見せた。
 クレヨンで描かれた猫の絵がいっぱい描いてある。
 あまり上手ではなかった。

「お姉さんは隕石が衝突する前に、脱出ポットで逃げようとしています。
 皆様にはまず猫さんたちを捕まえてください。
 そして、隕石から宇宙船を逃がしてあげてください。
 あとあと、逃げようとしている帝国のお姉さんも捕まえて頂きたいのです」
 アルトワインは自由帳のページを一枚めくった。
 クレヨンで描かれたお姉さんの絵が描いてある。
 あまり上手ではなかった。

 アルトワインは猫じゃらしを手に、真剣な顔で語る。
「隕石がぶつかってしまったら、船のみなさんや猫さんの命が危険です。
 どうぞ、よろしくお願いします」
 そして、もう一度ぺこりと頭を下げるのであった。


remo
 おはようございます。remoです。
 初めましての方も、そうでない方もどうぞよろしくお願いいたします。
 こちらはレベル上限解放をお祝いを記念したゆるい感じのシナリオで、スペースシップワールドの世界での冒険です。
 ゆるゆる、ほのぼの、のほほんとしたシナリオなので、あまり真面目に考えずに気楽にお付き合いいただけますと、うれしいです。

 1章は動力室で猫さんたちとにゃあにゃあして頂きます。
 2章は小型シップを操縦して宇宙船を守り戦うor内部でクルーたちを支援していただきます。小型シップはご自身のシップでも、現地でレンタルするのでも構いません。
 プレイングで小型シップに【お好きなシップ名】を付けてください。
 3章は帝国のお姉さんを捕まえて頂きます。
 プレイングは自由に書いてくださいませ。

 キャラクター様の個性を発揮する機会になれば、幸いでございます。
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第1章 冒険 『にゃんこバンバン』

POW   :    とにかく驚かせて危険な場所から逃がす

SPD   :    猫を追いかけて捕まえる

WIZ   :    おやつやおもちゃでおびき寄せる

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🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

満月・双葉
【WIZ】世界知識で、猫のことを調べていきます。
ねこ…小さい時実家に黒猫が居ましてね…いつの間にか居なくなったのですが。
ふむ、矢張り愛玩動物ですね、可愛らしい。
猫じゃらしで遊んでみたり、食べ過ぎにならない程度におやつを上げてリラックスさせてみたりして仕事に貢献しましょう。
表情筋が死んでいるのが心配ですがまぁ、驚かすことは無いでしょう。

つ、連れて帰りたくなりますね…ぇぇ、勿論いけませんよ、この子達にはこの子達の居場所があるのですから…。



●猫さんたちはあそんでいる!
「ねこ……小さい時実家に黒猫が居ましてね……いつの間にか居なくなったのですが」
 満月・双葉(星のカケラ・f01681)が動力室に溢れかえる猫たちを見て呟いた。
 猫は、たくさんいた。

 縞模様の猫が物陰から猫じゃらしを見ている。
 双葉は一匹に狙いを定め、猫じゃらしを振る。
 左右に振ると、動きにあわせて猫のちいさな首がうごく。

 右へ。左へ。右へ。左へ。
 くいっ、くいっ、くいっ、くいっ。

「ふむ、矢張り愛玩動物ですね、可愛らしい」
 双葉は表情を変えずに頷いた。

 猫は猫じゃらしに夢中だ。
 おしりを持ち上げてうずうずと狙う動き。
「それそれ」
 猫じゃらしを一瞬止める。
 今にゃっ!! とばかりに猫が突進してきた。

「そーれ」
 猫じゃらしをスイっと上にあげる。

 あにゃー!

 猫は釣られて両手を上にあげ、ひょこんとジャンプっ。
 腰からコロンと落ちた。ころころと腹を見せ転がりながら、両手で懸命に猫じゃらしを捉えようとする。
 大きく空中を揺らすと、夢中で ダイナミックジャンプ!
 危うく眼鏡をかすめそうになる。ささっとガード。
「ぁ、メガネはいけませんよ、ママに殺されるので」

 と、そこへ横から黒毛の猫が参戦!
 びゅんっ、と勢いよく突進した猫は猫じゃらしを横から奪おうとする。
「ふむ」
 猫はズザーッと何もない空間を滑っていった。
 なんと残像だ!
 双葉、早業で猫じゃらしを揺らし残像を生み出すというテクニックを披露!
 猫は悔しそうにしている。

 にゃあ! にゃあ! 
 しばし2匹と戯れる。
 やがて2匹は猫じゃらしをガシッと掴んだ。
 2匹で引っ張り合って転がしたり、ガジガジと噛んで大喜び。
「これも食べますか?」
 双葉がやさしくニボシを差し出すと猫は目を輝かせた。

 にゃあー!!
 にゃあっ!

 縞模様の猫が手のひらのニボシにふんふんと鼻を近づけ、あんぐっとくわえた。
 やらないぞ! このニボシは独り占めするんだぞ! と言いたげに少し離れたところであむあむする。黒猫は涙目だ。
「まだありますよ」」
 ニボシを追加する。

 にゃあ♪

 黒猫が喜んだ。
 手にすりすりと頬を擦り、愛情表現している。
「つ、連れて帰りたくなりますね……」

 双葉、思わずつぶやく。が、頭を振った。
「ぇぇ、勿論いけませんよ、この子達にはこの子達の居場所があるのですから……」
 そういえばこの子たちはどこから連れて来られたんだろう。

 ちょっとした謎が生まれてしまった瞬間だった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

レイチェル・ケイトリン
アルトワインさん、おてがらだね。
アルトワインさんでほんとによかったよ。


えと、おでかけまえにアルトワインさんがかいた、おねえさんの絵をカラーコピーさせてもらうね。

で、念動力技能でユーベルコード刹那の想いをつかうよ。

まわりがぜんぶとまっていく、わたしの心の時間。

でも念動力はおもいのままに精密な操作もできるから、そのはやさでやさしくねこさんたちをあつめてあげるよ。

ニボシ袋もつかわせてもらうね。

こんなの、グリモアねこさんのコンラッドさんにばれたら、こんどこそ、グリモアをバラバラにしちゃうかも。

コンラッドさん、ほんとにたいへんみたいだし。

コンラッドさんがきがついちゃうまえにいそいでぜんぶ解決しないとね。



●気付かれないように気を付けないといけないらしい
 レイチェル・ケイトリン(心の力・f09500)はお姉さんの絵をカラーコピーして持ってきた。
 お姉さんの絵はクレヨンで書かれたらくがきである。
 果たして事件解決の役に立つのか。
 付近にいた猟兵たちはドキドキはらはらと見守っていた。

「心のなかで時間よ、とまれ」
 レイチェルはユーベルコードを発動する。それは『刹那の想い』。
 レイチェルを取り巻く世界がゆっくり、ゆっくり……止まっていく。
 床をころんころんしていた猫も、ぴょんぴょん跳びまわっていた猫も、すやすやと眠っていた猫も、すべてが動きを止め。

「ねこさん、つかまえさせてもらうね」
 やわらかに微笑み、レイチェルはまわりでピタリ、動きを止めている猫たちを一匹、また一匹と念動力でつかまえていく。
 ころんころんしたポーズのまま動きを止めている猫は背中を打たないように気を付けながらカゴにそっと置いてあげる。
 ぴょんぴょん跳んだポーズの猫は、少しカゴの入り口でひっかかったが方向をクルリと変えて中に入れてあげた。動き出したときに飛び上がって頭をぶつけても大変なので、背中を床につけてころんと置いてあげる。
 すやすや猫はそのままカゴの隅で寝かしてあげよう。

 置物を置いていくように猫たちをカゴの中に置いたレイチェルははふ、と息をつく。
 ユーベルコードを解除すれば、猫たちもびっくり。
 
 にゃっ?
 フーッ!?

 ひっくりかえったポーズだった猫はばたばたと脚を動かし、ちょっとパニック。まわりをキョロキョロと見た。
 ころんころんしていたら、次の瞬間カゴの中にいた!
 ジャンプしたら、カゴの中でひっくりかえっていた!
 寝ている猫はすやすや寝ていた。平和である。

「びっくりさせちゃった。ごめんね」
 レイチェルは猫にやさしく声をかけ、ニボシ袋からニボシを取り出した。
 猫たちが目をキラーン! とさせる。

 カゴの中にニボシを入れると、はぐはぐと美味しそうだ。
「こんなの、グリモアねこさんのコンラッドさんにばれたら、こんどこそ、グリモアをバラバラにしちゃうかも」
 レイチェルがぽつりと呟く。頬に手を添えて、ふうと息を吐く。

「コンラッドさん、ほんとにたいへんみたいだし。
 コンラッドさんがきがついちゃうまえにいそいでぜんぶ解決しないとね」
 コンラッドさんが気付くっとたいへんなことになるらしい。いったいどんな事になってしまうのか。気になる情報であった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

フィオリナ・ソルレスティア
【ペア/f05803】【SPD】
話を聞くやいなや猛スピードで「ねこねこ号」へ
「にゃんこ達を救わなければ!」
超絶猫好きのため、もの凄い使命感に燃えて船内へ

■行動
羞恥心を振り払ってネコ耳カチューシャ、猫尻尾を装着
「くっ、こんなにたくさんのにゃんこが」
ここは正にパラダイス。でも、猫を助けるのが先決と言い聞かせる
玩具で集めて安全な場所へ移動させる

・猫の目の高さにあわせる(這う)
・ねこじゃらしを緩急をつけて動かす
 →獲物を連想させる動きで夢中にさせる
・遊ばせながらそのまま安全な場所へ移動
 (段差等あれば抱きかかえる)

「もう大丈夫よ」
たくさんの猫を軽く抱っこして、優しく撫でて安心させる
「か、かわいい~」


フォルセティ・ソルレスティア
【ペア/f00964】【SPD】
「なんだかフィオ姉ちゃんの目が本気だー」
無類の猫好きの姉に誘われ「ねこねこ号」へ
というか早すぎて追いつけなかった。

フィオ姉ちゃんはおもちゃで、ボクはおやつで猫を集めるよ
動力室から安全な部屋に移動させないとね

チューブやスティックに入ったジェル状のおやつを
複数持って、おもちゃに興味を示さない猫を誘うよ。
「ほらほら、たくさんあるから喧嘩しないでねー」
おやつを餌にして、少しずつ移動するよ
「ここは危ないからねー」
ネコに乗っかられたりし、ぺろぺろされたりしながらも
ゆっくり移動。動力室から逃がすよ。

…ネコ耳姿のフィオ姉ちゃんは、とりあえず幸せそうなので
そのままにしておこう…



●姉と弟のクリティカル
 動力室にフィオリナ・ソルレスティア(サイバープリンセス・f00964)が猛スピードで突っ込んでいった。
「にゃんこ達を救わなければ!」
 フィオリナ、なんとネコ耳カチューシャと猫尻尾着用である。その瞬間ダイスがクリティカルを放った!
 船内のクルーたちはフィオリナに見惚れている!
 本筋には全く関係のない判定であった。

「わー、フィオ姉ちゃん待ってよ」
 弟のフォルセティ・ソルレスティア(星海の王子様・f05803)があたふたしながら大きな箒を抱えて姉を追いかけてくる。姉が早すぎて追いつけないのだ。その愛らしさにクルーたちは微笑ましく見守ってしまう。
「姉ちゃんあっち行ったぞー」
 そんな声まで飛んでくる。
「もう、」
 追いかけながらも、フォルセティはクルーたちにぺこり。
「女の子かな」
「男の子じゃないか」
 そんな議論が発生したが、幸い本人の耳には入らなかった。

 本人の耳に入ったのは……、
「くっ、こんなにたくさんのにゃんこが」
 と、そんな姉の声であった。

 やったぞ! 動力室は猫で溢れかえっている!
 フィオリナは目を輝かせた。
(正にパラダイス! でも、猫を助けるのが先決……!)

「待ってってばー」
 弟が追い付いてきた。

 フィオリナはちらりと弟に視線を巡らせる。
 フィオリナは、普段は弟に冷たくしている。だが、姉として頼りになる姿を見せて『フィオ姉ちゃんすごーい』って言わせたい。そんな気持ちもちょっとだけ湧いていた。

 弟が見守る中、姉はネコ耳と尻尾姿で床を這う。そして、猫たちに近寄って行った。猫に近寄る時は低く行く。そして、仲間だと思わせるためにネコ耳と尻尾を付けた。これが匠の技か。弟よ、これが姉の勇姿だ。
 猫たちは少し警戒していた。が、フィオリナはそれも計算済。
 警戒を緩めるため、一度動きを止めた。
 四つん這いの若干疲れる体勢をきっちりキープ。

 ……

 猫たちはやがてフィオリナへの警戒を緩めた。
 ペロペロと毛づくろいを始めた猫たちを見て、再び前進するフィオリナ。

 ビクッ!

 猫たちが再びの接近に目をやる。フィオリナ、再び停止。
 それは何故か、だるまさんがころんだ、の光景に似ていた。
 しかし、何度かするうちに徐々に猫たちはフィオリナに慣れた。ついに近くへと座り込んだフィオリナ、猫じゃらしを取り出す。
「あとは作戦通りにやれば……」
 勝利を確信した呟き。弟よ、これが姉の勇姿だ!

「ほらほら、たくさんあるから喧嘩しないでねー」
 弟は見ていなかった。
 チューブやスティックに入れたジェル状のおやつを手に猫たちを誘っている。

 にゃあっ。
 にゃー!

 猫たちはおやつに突進!
 フォルセティは少しずつおやつを餌に猫を釣り、移動していく。
「ここは危ないからねー」
 猫たちはおやつに目をキラキラさせていた。
「あっ」
 1匹がフォルセティの膝に乗る。すりすりとお腹に頬をこすりつけ、懐いている。フォルセティはやわやわと撫でてやった。すると、

 にゃあ、にゃあー!
 我も我もと猫が寄ってきた。
「くすぐったいよー」
 よじのぼってきた猫にぺろぺろと頬を舐められ、ふにゃりと笑うフォルセティ。ついには膝で眠る猫まで出た。膝がぬくぬくする。が、
(動けなくなっちゃったよー)
 少し困ってしまうフォルセティだった。

 にゃあ! にゃあー!

 視線を巡らせれば、離れた場所で猫を釣る姉が見える。

 フィオリナはフィオリナで順調だった。
「釣れた! 釣れたぞ! にゃんこが……こんなに」
 フィオリナの猫じゃらしは絶妙の緩急で猫たちを釘付けにしていた。

 ゆら~……り、そ~っ、と右側へと床を這わせる。
 目の前に並んだ5匹の猫たちが一斉に首を右へ。
(……!)
 内心悶絶しつつ、フィオリナは素早く猫じゃらしを上へ。

 サッ!
 猫たちも、サッ! と上を向く。

(……!!)
 フィオリナはふるふると肩をふるわせた。
「こうだ!」
 ささっと降下する鳥のような動きで左下へ猫じゃらしを動かす。絶妙。

 にゃあー!!
 にゃっ!

 猫たちが一斉にダッシュ。
 フィオリナは素早く、しかし優しく猫たちをゲッツした。
 作戦通りであった。

 ちいさな猫たちが両腕いっぱいにジタバタする。特有の猫のにおい。
 毛皮がやわらかく肌をくすぐる。そして、その下の体温がぬくい。
「もう大丈夫よ」
 優しく撫でれば、やがて猫たちは落ち着いてゴロゴロと喉を鳴らした。
「か、かわいい~」
 フィオリナは頬をゆるめた。

(……フィオ姉ちゃん)
 弟はそれを見ていた。
 姉は相変わらずネコ耳と尻尾を付けている。
(とりあえず幸せそうなのでそのままにしておこう……)
 仲の良い姉弟であった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

海月・びいどろ
WIZ

たくさんのねこだ。
ちいさないきものは、まだ慣れていないのだけど…
ふわふわ。つい、気になるの。

電子の海から海月人形たちを喚び出して。ゆらゆら、ふわり、おもちゃ代わりにあやしながら
危ないところから引き離してみるね。
あとは毛糸玉なんて持って来てみたけれど、追いかけたりしてくれる?
こっちに、おいで。
ボクとも遊んで欲しいな。

遊び疲れたら煮干しをあげている内に、そうっと、そーっと
……抱き上げるのは勇気がいるから
海月のともだちに頼んで運んでもらおう。
あたたかくて、ふわふわで、やわらかいの。
どう扱って良いのか分からないのだけど、今日はすこしだけ、撫でさせてもらえないかな…。



●ねこは、あたたかい
「たくさんのねこだ……」
 海月・びいどろ(ほしづくよ・f11200)がゆるゆると首をかしげた。
 ねこが溢れていた。
 たくさん。
 たくさんだ。

 びいどろはふわふわとそれを見ていた。
 ちいさないきものは、まだ慣れていない。
 どう扱って良いか、分からないところがあった。
 でも、びいどろはデータを知っている。
(匂いと、熱と、鼓動と)
 目の前でうごうごしている生き物を目で追いかけて。
(ふわふわで、かわいい)
 
 びいどろは電子の海を揺蕩う海月人形たちを喚び出した。
 たくさんいる。だから、喚ぶのもたくさん。
 ゆらゆら、ふわり。
 たくさんの海月人形たちが揺らめいた。

 にゃあ?

「こっちに、おいで」
 ゆらり、ゆらりと誘う動きをさせればねこたちがいっぱいいっぱい、付いてきた。
(まだ釣れていない子もいる)
 びいどろは隅で小さくなっている子ねこに気付いた。

「キミも」
 毛糸玉をころん。目の前に転がしてみる。

 ……にゃ。

 子ねこは目をあげた。
 ビー玉みたいにきらりと煌めく、そんな目だった。
 毛糸玉をあえてそのままにすれば、歩み寄りそっと転がす子ねこの姿。
「ボクとも、遊んで欲しいな」
 ふわふわ、毛糸玉をいっしょに転がして。
 気付けば子ねこも部屋の外。

 部屋の外ではたくさん、たくさんのねこたちが遊んでいた。
「遊び疲れたのかな」
 うごきが遅くなってきたねこたち。
 びいどろはふわり、ゆらり、揺蕩うように今度は煮干しをプレゼント。
 猫たちは煮干しにも夢中になった。

 そうっと。そーっと。
 びいどろは猫に手を伸ばそうとした。しかし、毛皮に触れそうになった瞬間に手は止まり、ちょっと躊躇ってしまう。
「どう扱って良いのか分からないのだけど……」
 海月のともだちにひとまずお願いし、ねこたちを運んでもらう。
 でも。
「今日はすこしだけ、撫でさせてもらえないかな……」
 やっぱり、と。
 びいどろが囁く。その視線の先にはさきほどの子ねこがいた。

 ……にゃーあ……♪

 子ねこは目を細め、甘やかに鳴いた。そして、自らびいどろへと寄ってくる。おずおずと手を伸ばせば、さらり、ふわふわ、やわらかい。
「……やわらかいの」
 
 にゃあ♪

 猫がゴロゴロと喉を鳴らした。よろこんでいる。それが、伝わる。

「……あたたかい」
 びいどろはそっと、つぶやいた。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 冒険 『隕石群の手動迎撃』

POW   :    リロードの遅い高威力大型機銃で迎え撃つ

SPD   :    速射型または高精度型の機銃で迎え撃つ

WIZ   :    自動迎撃システムの復帰を手伝う

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●隕石をなんとかする!
 そんなこんなで猫さんたちは無事救出された!
 そして、船長がイエーガーたちに頼む。

「船を動かすまでの間、ほんのちょっとだけなのだが時間が足りないんだ!」
 なんとかしてくれ、というのであった。

 船長はイエーガーたちをシップ乗り場へと案内する。
「好きなシップに乗っていってくれ!」
 出撃して隕石を迎え撃ってくれというのであった。

「あの、シップとかよくわかんないんですけど」
 誰かが言った。
「大丈夫だ! イエーガーパワーで適当に動く!」
 船長はウンウンと頷き、忙しそうに走り去る。

 そんなわけで、イエーガーたちはシップに乗って出撃することになった。
 シップが名前を付けて欲しそうな顔(?)で並んで待っている……。そして、宇宙空間では隕石たちが『出番まだかな?』と待っている。

 戦えイエーガー! 猫さんたちもきっと応援しているに違いないっ。
海月・びいどろ
SPD

猟兵の力ってすごいんだね
なんやかんやで、どうにかなってしまうんだもの…
シップ、格好良いな。なんて名前にしよう
ねこ…は、この船の名前に付いているものね

てのひらを、握って、開いて
まだあたたかくて、ふわふわが残ってる気がする
……頑張るよ

決めた。キミの名前は、閃光
ブリッツって呼ぶことにするね
今日は、ボクがキミの相棒
ひかりみたいに疾く駆けて、みんなをまもろう

どれを押せばミサイルとかビーム出たりするのかな
情報収集しながら、シップのことも調べつつ
隕石の軌道も読まなきゃ
キミはどんなことが出来るの?

このボタンと、あのレバーを…
照準に合わせてスイッチ
たくさん撃って時間を稼ぐよ
頼りにしてるからね、ブリッツ


レイチェル・ケイトリン
シップのなまえ、えと、ねこねこ号のシップだから、こねこ号かな。

念動力技能でサイコドライブをつかってシップをはやくして速射型の機銃で迎え撃つね。

そのはやさでまわりをよくみて、ほかの猟兵さんたちと声をかけあって協力していくね。

隕石、みのがすわけにはいかないもの。

がんばらないと。



●星芒、煌めき
 騒然とした艦内。
 仲間たちのシップが次々と出撃していく。

「猟兵の力ってすごいんだね
 なんやかんやで、どうにかなってしまうんだもの……」
 海月・びいどろ(ほしづくよ・f11200)が揺蕩うように視線を向けるのは、ずらり並んだシップたちだった。
 物言わぬ無機物の彼らは、冷たく美しくイエーガーたちを待っている。
(シップ、格好良いな。なんて名前にしよう)
 名前を考える。
 ねこ……、
 ふと思いつき、そっと首を振る。
(この船の名前に付いているものね)
 同じ名前は避けよう、と。

 てのひらを握って、開いて。
「まだあたたかくて、ふわふわが残ってる気がする……」
 ゆらり、と首をかしげると春花が咲きこぼれたように、宝石を散らしたように、淡い色がゆらり。幽かな光は透き通るようにどこか冷えやか、だけど穏やか。

「決めた。キミの名前は、閃光」
 ひとつへと話しかける。無機質なシップは物言わずびいどろの声を待っている。決めた。決めた。今決めた。
「ブリッツって呼ぶことにするね」
 どこか冷たいその姿にぺたり、手を這わせれば、思った通りの冷たさがてのひらを通して気持ちよい。

 周囲の喧騒もどこ吹く風。
 ひどく穏やかに、しずかに語りかける姿がそこにある。
 そこだけ切り取られた別の空間のようだった。

「今日は、ボクがキミの相棒。
 ひかりみたいに疾く駆けて、みんなをまもろう」
 星の粒が煌めくように瞳を向ければ、物言わぬシップも何処か先ほどよりも温かく映る。

「シップのなまえ、えと、ねこねこ号のシップだから、こねこ号かな」
 一方でレイチェル・ケイトリン(心の力・f09500)はシップにねこの名前をつけていた。
 ん、と視線を向けるびいどろ。
 静かに視線が交差した。

 白花めいた柔らかなレイチェルがこてん、と首を傾けば。
 星粒めいた不思議なびいどろはふわり、と首を傾けた。
 それは、とてもしずかで、優しい光景だった。

 ともに宇宙空間へと繰り出せば、黒天鵞絨を夢幻に広げた空間が彼らを包み込む。幻想のように美しい空間は、けれどしずかで冷たい、そんな宇宙だ。

 今、彼らの前には隕石群があった。

「がんばらないと」
 みのがすわけにはいかない。
「いくよ。この船で」
 レイチェルが呟き、サイコドライブでシップを加速する。
「がんばろうね、『こねこ号』」
 レイチェルがしずかに語りかける。
 返事をする声はないけれど、シップはきっと応えてくれる。
 レイチェルは操縦席で微笑んだ。

 しずかに加速するシップ『こねこ号』をびいどろが追った。
「『ブリッツ』、ボクたちもいかないとね」
 声と共に加速する。
 シップの内部では、電脳の海を泳ぐように情報を取得していくびいどろの姿があった。
「キミはどんなことが出来るの?」
 問えば、海は応えてくれる。海が、教えてくれる。
 びいどろは電脳の海を揺蕩う。

「右は、わたしに任せて」
 通信回線からレイチェルの声がする。
 びいどろは頷いた。頷いて、気付いた。声で伝えないと伝わらない。
「うん」
 通信で声を届ける。
 短い言葉。感情は薄っすらと。
 聞くものによっては冷たさを感じることもあるかもしれない。
 けれど、決してそんなことはないとわかるレイチェルはニコリとする。

「たくさん撃って時間を稼ぐよ」
「わたしも、たくさん撃つよ」
 真空の隔たりを経てなお届く声は、あたたかい。

 びいどろは隕石の軌道を読み、レイチェルの『こねこ号』へと送る。
「ありがとう。がんばるね」
 声がお礼をつたえてきた。
 しずかに頷く。今度は声を発しなかった。
 それでも、きっともう伝わるから。

 こねこ号が宇宙空間を高速で駆け抜け、隕石を排除していく。
 びいどろも照準を合わせる。
「このボタンと、あのレバーを……」
 頼りにしてるからね、ブリッツ。囁けば、シップが速度を増した気がした。 
 2隻のシップは次々と隕石を落としていく。
 それは軽やかな舞いにも似て、真空に輝く星芒となり、人々の心を奮わせるのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

フィオリナ・ソルレスティア
【ペア/f05803】【SPD】
「【ノルウェージャンフォレストキャット号】テイクオフ!」
ネコ耳と尻尾をつけたまま(←忘れてる)、シップへ乗り込む
「にゃんこ達の為にも、何とかするわ」

■行動
速射型の機銃を操作して隕石を迎え撃つ
「宇宙バイクとは勝手が違うわね」
操縦技能を駆使し何とかシップを安定運行させて隕石へアタック

「フォルセティ、大きいのは任せたわ」
中規模の隕石に狙いを定め、機銃で掃射する
「ここは秘儀、名古屋撃ちで決めるしかないわね」
自分でもよくわからないけど、とにかく隕石の軌道をそらしたり
破壊したりして直撃しない様にバンバン攻撃する

「にゃんことシップは、私達が護る!」


フォルセティ・ソルレスティア
【ペア/f00964】【POW】
「フィオ姉ちゃん。シップ名、長すぎない?」
ボクは【ベンガル】号にするよ。
フィオ姉ちゃんとそれぞれ二隻のシップに乗り込み
連携・分担しながら隕石を迎撃するよ。
実際には隕石の軌道を逸らすのと時間稼ぎが目的

【行動】()内は技能
「やっぱり高威力大型機銃はロマンだよね」
こう見えても(操縦)はそこそこできるよ

「大きな隕石は任せてよね!」
隕石に狙いを定めて(スナイパー)トリガーに手をかける
「いっけー」
と大型機銃で攻撃するよ

目には目を、隕石には隕石を―、
カラミダド・メテオーロをぶつけてみるのも面白いけどね
それにしても…
「フィオ姉ちゃんは気合入っているよね」
ボクも負けていられないや



●高得点を叩き出せ!
 ネコ耳と尻尾をつけたまま、フィオリナ・ソルレスティア(サイバープリンセス・f00964)がシップへ乗り込んでいく。
 乗り込む背中を宇宙船のクルーたちが見送る。クルーたちの傍には猫たちの入ったカゴがあった。

 にゃあー!
 にゃあー?

 猫たちも応援している!
 フォルセティはやる気になった。
「にゃんこ達の為にも、何とかするわ」

 そんな姉に続き、夜廻りのお月さまを帽子に乗せた弟のフォルセティ・ソルレスティア(星海の王子様・f05803)が自分のシップに乗り込んだ。
「ボクは【ベンガル】号にするよ」
 姉弟シップが宇宙空間へと出撃する。

「【ノルウェージャンフォレストキャット号】テイクオフ!」
 通信回線を開きっぱなしで姉が叫ぶ。
「フィオ姉ちゃん。シップ名、長すぎない?」
 弟は冷静だ。

 彼らの前には、大小さまざまな隕石の群れが待ち構えている。

「宇宙バイクとは勝手が違うわね」
 言いつつ、フィオリナはシップを把握していく。勝手が違うとはいえ、全くわからないわけではない。操縦技能はそれを助けた。
 ほどなくシップは安定した動きを見せる。
「やっぱり高威力大型機銃はロマンだよね」
 一方、『ベンガル号』はというと、軽やかに隕石を撃破していた。
 なんと弟は平然とシップを乗りこなしている!
 本来は隕石の軌道逸らしと時間稼ぎが目的の砲撃は高威力をもって目的以上の成果を出していたのだ。

「にゃんこ達、見てて!」
 フィオリナが速射型の機銃を操作した。『ノルウェージャンフォレストキャット号』が火を吹いた。隕石が蹴散らされていく!

 にゃあー!
 
 通信回線から猫の鳴き声が聞こえてくる。宇宙船のオペレーターが気を利かせ、猫の声を届けてみたらしい。
「にゃ、にゃんこが応援してくれてる!」
「気が散らないかな?」
 弟は冷静だった。

 姉の『ノルウェージャンフォレストキャット号』と弟の『ベンガル号』が並んで宇宙空間を駆け抜ける。
「フォルセティ、大きいのは任せたわ!」
「わかったよフィオ姉ちゃん!」
 フィオリナはシップを操り高度を上げる。
 『ノルウェージャンフォレストキャット号』の進行方向に中規模の隕石群が広がっていた。機銃で掃射する。
 その『ノルウェージャンフォレストキャット号』に右方から迫る巨大隕石。
「大きな隕石は任せてよね!」
 すでに狙いは定めていた。フォルセティがトリガーを手に獲物を仕留めるように橙の瞳を煌めかせる。
「いっけー」
 『ベンガル号』の大型機銃が圧縮された光を放った! 浪漫溢れる高威力の光砲が隕石をあたかたもなく消し去ってしまう。

 弟の浪漫砲を目に、姉は張り切った。
「ここは秘儀、名古屋撃ちで決めるしかないわね」
 通信回線ごしにクルーたちのどよめきが聞こえた。
 フィオリナは操縦席の投入口へとワンコインを投入!

 ちゃりんっ、

「名人の技が見られるぞ!」
 通信回線からそんな声がする。ドタバタと足音が聞こえ、人が集まってきたようだった。

「最初は左からよ」
 フィオリナはシップを華麗に操り、整然と並んだ隕石群を美しく処理!
「フォルセティ、安全地帯を見失わないようにね」
 弟に忠告しながら姉は左の一部の隕石を残し、残りは掃討する。

 隕石が接近!
 フィオリナは慌てない。隕石の動きを読み切り、奥にちらりと見えた隕石を的確に処理!
 次は右端の隕石群を処理だ。
「にゃんことシップは、私達が護る!」
 連射! 連射! 高得点!

 通信回線が湧いていた。
「フィオ姉ちゃんは気合入っているよね」
 『ベンガル号』の弟は肩を竦め。
「ボクも負けていられないや」
 ユーベルコードの詠唱を始める。
「悠久に揺蕩う無限の星屑よ」
 聖箒ソル・アトゥースを隕石群に向ける。
 詠唱に応え、なんと隕石たちに異変が……!?

「星柩満ちて此へ集うは漆黒の紅炎!」
 目標に定めた巨大な隕石群が灼熱の炎を纏い、仲間(?)の隕石へとぶつかっていくではないか!

「目には目を、隕石には隕石を―」
 実に巧みな連携であった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

トリテレイア・ゼロナイン
猫を追いかけているいるうちに狭い場所に引っ掛かったり、吐き戻した毛玉を掃除していたりで先程はあまり活躍できませんでしたが、隕石除去で挽回してみせましょう(埃まみれでモップを片手に)

シップは使わず、自前の合体ロボット「ブローディア」で出撃します
大型の隕石を狙ってロボットの「怪力」で振るわれる剣と盾で「鎧砕き」の要領で砕いたり、「盾受け」「武器受け」の要領でコースを逸らしたりします。隕石を「踏みつけ」てコース変更と移動を同時にこなすのもいいですね

遠間の隕石は「スナイパー」技能で格納銃(サイズ的に砲)で粉砕します

宇宙船には一個たりとも近づけさせませんよ…おや?ガス欠?
(この後必死に宇宙遊泳して帰還)



●ロシナンテは留守番している!
「隕石除去で挽回してみせましょう」
 トリテレイアがクルーたちに見送られ、なんとロボットに搭乗して宇宙へ出撃する。

「頑張ってねえー」
 お掃除のおばちゃんがモップを振り応援していた。
 実は彼、猫を追いかけているいるうちに狭い場所に引っ掛かったり、吐き戻した毛玉を掃除していたりしていたのだという。
 お掃除のおばちゃんからは自分の息子を見るような目で案じる。
「宇宙では隕石に引っかかったら、あかんよぉ。気をつけるんやぁー」

 さて宇宙空間。
 ロボット『ブローディア』は大型の剣と盾を持ち、巨大隕石に接近すると初手から華麗に一刀両断!
 ロシナンテが嫉妬しそうな乗りこなし具合だ。

「イエーガーの機体がすごいぞ!」
 通信回線が湧き上がる!
「バケモノか!」
「変形はまだか!」

 次回はきっと変形してくれるに違いない。
 それはともかくとして、ロボットは高技術の塊であった。
 迫り来る隕石をなんと盾で受け流し、時には剣で受け止める。
「アレの仕事ぶり……映画で観たのと同じだ! 彼はまさか、どこかの星系で活躍したと噂のゴールキーパーなのでは」
 通信回線からはそんな声も聞こえてきた。

 一瞬、過ぎ去りし過去の戦いを思い出しながらトリテレイアは『ブローディア』で隕石を踏みつけ、そして砕く!
「怪我しないようにするんやでえー」
 お掃除のおばちゃんの声が脳内に蘇る。

 遠くから迫る隕石の一群。
「守ってみせます!」
 後ろには非戦闘員を抱え、身動きの取れない宇宙船。
 揺るぎない騎士の覚悟と共に、トリテレイアは格納砲を惜しみなく放つ。
「全弾発射!」

 ひゅーん!

 広々とした宙空を弧を描くように砲撃が飛んでいく!
 前方で大きな光芒。潰えていく隕石たちを彼は見守り……

「宇宙船には一個たりとも近づけさせませんよ……」
 と、ロボットを動かそうとするがなんとロボットは応えない。
「おや? ガス欠?」

 心配するおばちゃんが待つ船へと、トリテレイアは宇宙遊泳して帰還した。

成功 🔵​🔵​🔴​

満月・双葉
【WIZ】
隕石で落とすとは、面倒くさいやり方をする人もあったものですね…

なっ名前…名前………みーちゃん……いや、えのにゃんで。昔飼ってた猫の名前です。由来は知りません。

自動迎撃システムの復帰を手伝います。
どうしたらいいのか教えて貰えますか。
コミュ力で何とかなりませんかね
世界知識をもって多少なりの操縦知識を…
困った時にはユーベルコードで隕石を攻撃します
スナイパーで命中率あげ、鎧砕きで隕石の硬さを突破していきましょう。



●船長の趣味であった。
「隕石で落とすとは、面倒くさいやり方をする人もあったものですね……」
 満月・双葉(星のカケラ・f01681)がシップの性能を確認しながら呟いた。その表情からは、感情が窺えない。

 オペレーターが通信回線でシップの名前を聞いてきた。
「なっ名前……」
 なんと出撃するにはシップに名前を付けないといけない!
 双葉は悩む。
「名前………みーちゃん……」
 思い付いたまま、呟き。だが頭を振る。
「いや、えのにゃんで」
 オペレーターが通信ごしに真剣な顔で復唱した。
「了解しました。シップえのにゃん!」
 双葉はなんとなく説明の必要を感じて補足した。
「昔飼ってた猫の名前です。由来は知りません」
「了解しました!」
 オペレーターが真面目な顔で頷いた。
 やりとりしつつ、双葉は猫の事をほんの少し思い出す。この宇宙船にもたくさんの猫が、そして人々が乗っている……。

 双葉は出撃した。
 知識を頼りに動かしてみれば、思っていたよりも簡単にシップは動かせるようだった。

 迫る隕石を処理しつつ、通信ごしに問いかける。
「自動迎撃システムの復帰を手伝います。
 どうしたらいいのか教えて貰えますか」
 先ほどのやり取りで打ち解けていたオペレーターは協力的だ。
「本船の背面右斜め三十二度に非常用サイキックエナジーの動力スイッチがあります」
「なぜ、そんなところに」
「船長の趣味です」
 趣味なら仕方ない。双葉は背面へとシップを滑らせるように移動した。

「警告!」
 声にハッとする。
 なんと前方から急速に接近する隕石が!

 双葉はメガネに手をかけた。
 裸眼を迫り来る隕石へと向け……、
「そこで踊っていてください」
 静かな声と共に、真空に虹色の薔薇の花が舞う。極光めいたオーラを煌めかせ、虹薔薇がひらりと隕石を取り巻き踊れば夢のような光景の中、隕石が幻想めいて粉と化す。
「凄い技ですね」
 美技にオペレーターが感嘆する。双葉は宇宙船にシップを近寄らせ……、
「ぁ……」
 まるでブレーカーのような見た目で、スイッチが宇宙船の背面に隠れていた。分かりやすく、切、入、という文字まである。
「……」
「船長の趣味です」

 ともあれ、双葉は動力を復旧させることに成功したのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ロースト・チキン
ヒャッハーーー!!
死にたくねぇ!死にたくねぇんだぁぁぁぁー!!

何故か迎撃にシップ「タン・怒リー・チキン」に乗ってしまったニワトリさん。このままでは、シップのように真っ赤な調理鶏になってしまう。

◆SPD

全ては速さだ!
無駄弾も数うちゃ当たるんだよぉ!
小物の隕石から優先的に撃ち落としてやるぜ!!

ヒ、ヒャーーーーーーッハッ!!?(焦り)

【覚悟】を決めたローストは、【野生の勘】、【第六感】で宇宙をシップで駆け抜けながら【操縦】しつつデッドオアアライブします。



●一方で
「死にたくねぇ!死にたくねぇんだぁぁぁぁー!!」
 愛らしいトサカのニワトリさん、ロースト・チキン(チキン野郎・f03598)18さいは焦っていた。
 何故かシップ「タン・怒リー・チキン」に乗ってしまい、しかも気付いたら出撃していたのだ。
 そう、それはまるで、昨日まで過ごしていたニワトリ小屋でうたた寝していたら気付いたら出荷されようとしているような。
 そんな突然の危機であった。

 このままでは、シップのように真っ赤な調理鶏になってしまう?
 ロースト、大ピンチ!

 ちなみに、ピンチながらもしっかりとシップに名前もつけているあたりが流石の熟練イェーガーだ。
 通信回線ごしにクルーたちのやり取りが聞こえる……、
「今夜は肉が食いたいな」

 自分の命を救えるのは自分だけだ!
 ローストは覚悟を決めた……!!

「全ては速さだ!
無駄弾も数うちゃ当たるんだよぉ!」
 軽く涙目になりながらもローストは一羽で宇宙空間を飛び回る!

 あっ、今ローストは空を飛んでいる。
 ローストは気付いた。
 普段空を飛べないことをコンプレックスにしていたが、宇宙空間を今彼は飛んでいるではないか?
 地表にいる時に見上げていた鳥たちよ、俺だって飛べるんだ! やったぜ!
 そんなことを考えながら覚悟を決めたローストは野生の勘の導くままに隕石の群れに全弾発射!
「ファイヤァーー!!」
 そして、付け足した。
「ヒャッハーーー!!」

 シップの至近距離で隕石が爆発し、細かな破片が猛烈に降り注ぐ!
「ハ、ハァーーー!?」
 ロースト、おおいに焦りながらもなんとか回避!操舵する手が汗に濡れる。ぐいと拭い、ローストは己に言い聞かせる。

 しくじるな、ワンミスが命取りだぜ。

 隕石の群れを命からがら掻い潜り、ニワトリは空を舞う!
 その姿はさながら大自然を生きる野生生物のごとく、厳しくも美しいものであった……!

「命って、すごい」
 クルーの1人がつぶやいた。

成功 🔵​🔵​🔴​




第3章 ボス戦 『帝国近衛騎士』

POW   :    ダークフォースソード
【レベルmまで伸長する闇黒のフォースソード】が命中した対象を切断する。
SPD   :    リミッター解除
対象の攻撃を軽減する【フォース全開状態】に変身しつつ、【対象の動きを鈍らせる闇黒の念動力場の形成】で攻撃する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
WIZ   :    死の先を行く兵(つわもの)達
【闇鋼によって仮受肉した死せる帝国騎士達】の霊を召喚する。これは【念動力による斬撃等の直接攻撃】や【高い錬度で成立する集団戦術】で攻撃する能力を持つ。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は神酒坂・恭二郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●帝国のおねーさんにお仕置きだ!
「まさかイエーガーが出てくるなんて」
 コソコソっと逃げようとする帝国のお姉さん。
「でも、猫さんたちが無事でちょっと安心してる自分もいたりして……いいえ、ダメだわ。お仕事だもん。頑張らなくっちゃ!」
 次はミスらずに船を落とす!
 そんな決意と共に脱出ポッドに乗り込もうとし……、

「そこまでだ!」
 と、そんな感じでイエーガーたちが駆けつけるのであった。

●おまけ
 ちなみに、猫さんたちは居住区で増えすぎてしまい、貰い手を探しているようだ。
 希望すれば好きな猫を引き取り、名前を付けて飼うことができる。
レイチェル・ケイトリン
脱出ポッドにサイコエッジたたきこんでこわして
「いた! 目撃者さんがかいた絵にそっくり! あなたがこの事件の犯人だねっ!」
とカラーコピー見せるね。

そして念動力と吹き飛ばしの技能でサイコエッジで
敵を攻撃してふっとばすよ。

敵が闇黒のフォースソードや念動力場をつかったら
それもサイコエッジできりさいてふっとばすの。
かばう技能もつかって他の人の分もね。

それでおどかすの。
「黒幕はどこ? おしえてくれないとこの事件のこと、
この絵と監視カメラの映像付きで世界中にばらまいてさがすよ。
ねこさんたちつかって船こわすなんてひどすぎるもの!」

……この依頼って「つかまえて」なの。降伏させなきゃいけないからしかたないよね……


トリテレイア・ゼロナイン
※船内狭いので馬は留守番

猫を管理もせず無責任に放す所業、同じ騎士として許すわけにはいきません。あのご婦人(掃除のおばちゃん)も「かわいいんだけどねぇ」とお困りでしたし。なにやら私人と騎士との間で揺れているようですがここで討たせていただきます。

「かばう」「盾受け」UCを使い騎士や霊の攻撃から仲間を援護し壁となります。騎士との接近戦になったら伸びるフォースソードが振りぬかれる前に脚部スラスターで地面を「スライディング」しながら急速接近、剣の柄を「武器受け」で止めて「怪力」による大盾殴打で「鎧砕き」、バイザーを破壊します

猫は…猟兵の活動で世話する時間がないので遠慮しておきます
可愛いんですけれどねぇ…


月守・咲凛
「この、この、えっと……ねこごろし!」
艦を沈めようとしたのもアレですけどそれより猫の命を危険に晒したことは万死に値します。無事で安心?それは猫を捨てた人の言って良い台詞ではありません!
と、プリプリ怒っていますので攻撃も全力です。
ガトリング一斉射からミサイル発射、爆風に紛れさせてのブレードガーディアンで攻撃。敵の攻撃は見切りと残像で回避、ユーベルコードを発動して来たらこちらもユーベルコード使用して回避します。



●イエーガーは精鋭揃いだった
「いた! 目撃者さんがかいた絵にそっくり! あなたがこの事件の犯人だねっ!」
 レイチェル・ケイトリン(心の力・f09500)がサイコエッジで脱出ポッドの入り口を壊した。

「エエッ」
 帝国のお姉さん、びっくり。
「こ、これェ~?」
突きつけられたその絵は6さい幼女の描いたクレヨン画であった。なんとも言えない表情のお姉さんへ、これまた可憐な女の子であるレイチェルが紙をぐいぐい見せて近寄る。
「そっくり!」
 レイチェルはキッパリと断言した。

 そこへ、トリテレイア・ゼロナイン(紛い物の機械騎士・f04141)が駆けつける。
「猫を管理もせず無責任に放す所業、同じ騎士として許すわけにはいきません」
 トリテレイアはレイチェルの盾となるよう立つ。
「あのご婦人(掃除のおばちゃん)も「かわいいんだけどねぇ」とお困りでした」
 言うと、帝国のお姉さんはすこしだけ同情的な顔をした。
「お掃除のお仕事も大変そうね」
 ふっと遠い目をする。
「でも、お仕事ってそういうものなのよね」
 そんな帝国のお姉さんに新たなイエーガーの放った言葉が突き刺さる。。
「この、この、えっと……ねこごろし!」
 月守・咲凛(空戦型カラーひよこ・f06652)がプリプリ怒りながら、トリテレイアの後ろからぴょこりと顔を出した。苺めいて甘やかな瞳も今は怒りに燃えている。
「艦を沈めようとしたのもアレですけどそれより猫の命を危険に晒したことは万死に値します。
 無事で安心? それは猫を捨てた人の言って良い台詞ではありません!」
 仲間の言葉にトリテレイアも頷く。
「なにやら私人と騎士との間で揺れているようですがここで討たせていただきます」

「ふ、ふん」
 動揺していた帝国のお姉さんはなんとか気を取り直した。
「イエーガーには手加減しないわよ!」
 イエーガーは帝国の敵なのだ! 仕留めたら船を沈められなかった失敗を帳消しにしてもらえるかもしれない。お姉さんはフォースソードに闇黒のオーラを纏わせ、容赦なく振り抜いた!

 帝国のお姉さんがダークフォースソードで鋭く斬りこむ。
 トリテレイアは仲間を大盾で守る。白き巨躯は無敵の城塞となって仲間たちを守り抜く。
「伸びよ!」
 帝国のお姉さんの声と共に闇黒のオーラが伸びる。
「どう! 女だからって舐めていたでしょうけど、お姉さんだって強い技があるんですからね!」
 帝国のお姉さんは得意げに高笑いすると長く伸びたソードを振り上げ、
「止めてしまえばどうってことはありませんけどね」
 その瞬間急速接近したトリテレイアが剣の柄を長剣で止めた。
「ああっ」
 巨躯に見合わぬ機敏な挙動に驚く帝国のお姉さん。
「防ぐのみの盾だと舐めていたでしょうけど、わたしにだって剣があるんですよ」
 囁くように告げ、機械騎士が大盾を叩きこむ! 衝撃に帝国のお姉さんが派手に吹き飛び、壁に激突した。

しかし、お姉さんお姉さんと言っているが彼女もオブリビオンだ。
「くっ……!」
 バイザーを破壊され、素顔をあらわにしながらもお姉さんは立ち上がった。その瞳が焦燥を語っていた――、イエーガーは思っていたよりも強い!

 咲凛は両腕の装甲のガトリングガンを構える。
「手加減はしません!」
 高らかに宣言すると、ガトリングガンをぶっ放した。一斉に火花が迸る!
 それだけでは終わらない。
「ミサイル発射っ!」
 両肩、両脚の装甲からなんとミサイルが発射された!

 ダダダダダッ!

 咲凛の長い髪がゆらりと揺れ、周囲に水晶めいた透明な結晶がキラキラと銃光を反射して冷たくも美しく舞っている。長い髪の隙間からちらりととがった耳が覗き――、
「冗談じゃないわっ」
 帝国のお姉さんは必死に自分のリミッターを解除した。こんな苛烈な銃撃をまともに受け続けたら骸の海まっしぐらだ!
 闇のオーラを全開にした帝国のお姉さんは自身を狙っているイエーガーの動きを少しでも阻害しようと闇黒の念動力場を形成する。

 が、

「残像っ!?」
 すでにそこに咲凛はいない!
「う、後ろかっ」
 背後へとフォースソードを振るも、咲凛は完全に剣筋を見切り、避けていく。
 天から落ちる雨水を躱すかのように、それはまるでサーカスの曲芸のように。

 同時に、トリテレイアがレイチェルを肩に乗せて浮かんでいた。レイチェルがサイキックエナジーで浮かせているのだ。
「わたしも、手加減しないから」
 守護騎士の肩の上からレイチェルがしとやかに手を伸ばす。

 キインッ

 硬質な音とともにサイコエッジがダークフォースにぶつかり、
「ああっ!」
 なんと帝国のお姉さんのフォースソードは弾かれ、飛ばされてしまった。同時に闇黒の念動力場も掻き消える。

レイチェルは静かな瞳で彼女を見つめた。

「黒幕はどこ? おしえてくれないとこの事件のこと、この絵と監視カメラの映像付きで世界中にばらまいてさがすよ。
 ねこさんたちつかって船こわすなんてひどすぎるもの!」
 お姉さんはウッと唸った。
「黒幕、黒幕は……うちの上司、ひどいのよ。船を沈めるのにやり方は丸投げで、1人で計画から実行までやれって言うんだもの」
「帝国はブラックなのか」
 野次馬として戦いを見ていたクルーからそんな声が上がった。

「それはそうとしてイエーガーは面倒ね! こんなの、まともに相手してられないわ!」

  隙を突きフォースソードを拾ったお姉さんは3人のイエーガーに背を向け逃亡しようと走り出す。
 が、そこには連携し、待ち構えていた仲間たちがいる。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

フォルセティ・ソルレスティア
【ペア/f00964】【WIZ】
「猫たちは無事に救出したよ。だから安心してね」
帝国のおねーさん、根は悪い人じゃなかったのかも。
「でもお仕置きはしないとね」

【行動】()内は技能
(先制攻撃)でウィザード・ミサイルを使うよ!
(2回攻撃)で(全力魔法)にして、数の暴力で帝国騎士達の霊を
押し返しつつ、ダメージを狙うよ。
「フィオ姉ちゃん、任せたよー!」
フィニッシュはフィオ姉ちゃんに。

また、おねーさんが反撃してくるなら
「にゃ~」と猫の鳴き声を真似て動揺させるよ
「にゃーにゃー♪」
距離を保って戦うことも忘れないよ

・猫の引き取り
ボクは最初に膝に乗ってくれた「三毛猫」にするね。
女の子だから名前は『ルナ』にするよ


フィオリナ・ソルレスティア
【ペア/f05803】【WIZ】
「にゃんこ好きに悪い人はいない」
フォルセティと共に近衛騎士に対峙する
「…だけど過去の残滓は殲滅するのみ」
銀翼杖セラファイトを構える

■作戦
フォルセティの攻撃で帝国騎士の霊を押し返し
自身のUCで女近衛騎士を貫く

■行動
近衛騎士とは距離をとりながらオートフォーカスで
ロックオン
フォルセティのUCの間隙を縫って攻撃する
「その身に刻め!バベルの光よ」
(技能:高速詠唱×全力魔法×2回攻撃)
2本の光で近衛騎士を貫く

「貴女とは、別な世界で出会いたかった」
にゃんこ好きの友として…

■おまけ
「こ、この子にする!」
フォレストキャットの仔猫を抱きしめる
名前は『マシュー』マシュマロみたいだから


海月・びいどろ
帝国のおねーさん、大人って、仕事って大変なんだ…

でも、ねこたちや、みんなを危ない目に合わせるのは
やっぱり良くないことだもの
…おしおき、しないといけないね

迷彩を施した機械海月の兵隊たちを喚び出して、たくさんには、たくさんで取り囲むよ
ふわふわ、フェイントを仕掛けながら他の猟兵たちとも協力して、しっかり倒そう

帝国のおねーさんには、ビリビリと電流を流してマヒ攻撃を
油断と手加減は、しないよ
逃げられないように、しなくちゃね

たたかい、終わったら
……どうしよう。ねこたち、帰るところないのかな
さっきの、ビー玉みたいな瞳をした、ちいさなあの子

もし、家族とか、連れて帰る人がいないのなら
――ボクといっしょに、来る?


満月・双葉
猫を悪用したバチですよ

ユーベルコード冥界の女王の怒りを前に使い相手を動揺させた後、お姉ちゃん…『力を貸して』

地形の把握、死角利用、他の猟兵との連携重視
攪乱により隙を作らせ戦闘を有利に
目的の為に手段を選ばぬのはママからの遺伝…忌々しい
第六感や野生の勘を使い攻撃を見切り、見切れぬものはオーラ防御や盾受けで受ける
ダメージは激痛耐性で耐える

パパ譲りに多彩で翻弄していく
パパ直筆の御札は恐怖を与える呪詛や催眠術
桜姫による生命力吸収攻撃から大鎌に変形、衝撃波による薙ぎ払い吹き飛ばす2回攻撃
大根による串刺し
薔薇の涙を投擲
スナイパーを利用しお兄ちゃんの銃で零距離攻撃

黒猫が居たら…連れて帰りたいですが…



●決戦
 先行したイエーガーたちにより傷を負い、逃亡しようとした帝国のお姉さんの前に、4人のイエーガーが現れた。
 先行組と打ち合わせのもと、待ち伏せしていたのだ。
「打ち合わせ通りに」
 4人は視線を合わせ、頷くと戦闘を開始する。

「猫を悪用したバチですよ」
 満月・双葉(星のカケラ・f01681)の裸眼が帝国のお姉さんを見つめていた。視線が、合う。
「!!」
 その瞬間、帝国のお姉さんが感じた。足元の床を越え、その下の宇宙空間を遥かに呑み込むほどに昏く広がる冥界の気配。それを統べる女王の怒り。
 純粋な死より余程恐ろしいその悪寒に帝国のお姉さんはゾッと背筋を凍らせ、恐怖した。

 海月・びいどろ(ほしづくよ・f11200)が指を一振りすると、電子の画面が現れた。何かを参照しているような。思案するような。感じ取ろうとしているような。理解を試みるような。そんな瞳が、瞬く。
「帝国のおねーさん、大人って、仕事って大変なんだ……」

「猫たちは無事に救出したよ。だから安心してね」
 帝国のお姉さんに声をかけるのはフォルセティ・ソルレスティア(星海の王子様・f05803)。
 傍らに立つのは姉のフィオリナ・ソルレスティア(サイバープリンセス・f00964)だ。姉の耳に弟の呟きが届く。
「帝国のおねーさん、根は悪い人じゃなかったのかも」
 フィオリナはウンウンと頷いた。頷きながらも、VF-1オートフォーカスで解析したデータを味方に送信している。情報共有。
「にゃんこ好きに悪い人はいない」
 けれど、とフィオリナは杖を構えた。ソルレスティア家に代々伝わる杖は清廉にして清浄な魔力を湛えている。名を、『銀翼杖セラファイト』。

「……だけど過去の残滓は殲滅するのみ」
 うん、とフォルセティが姉に頷く。2人、真っ直ぐに『敵』を見据えて。
「お仕置きはしないとね」

「ねこたちや、みんなを危ない目に合わせるのはやっぱり良くないことだもの
……おしおき、しないといけないね」
 びいどろもコクリ、頷く。

 双葉は一瞬瞳を閉じ、囁く。
「力を貸して」
 姉に。願う。

 帝国のお姉さんはそんなイエーガーたちへと視線を向け、震える右手でダークフォースソードを高く掲げた。そして、左手では懐から小さなケースを取り出す。ケースには『業務用』と書いてある!
「銀河帝国の騎士たちよ! 戦いの時は来たれり! 助けて! 助けて!」
 過去に亡くなりし帝国騎士へ懇願するように叫び、ソードから闇のオーラを放つ。同時になんとケースから黒塗りされたクリップをばら撒いた!
 闇鋼製クリップに仮受肉した過去の帝国騎士たちの霊がゆらあ~と並ぶ。

「なんか、弱そう……」
 思わず零しながらも素早く距離を取り、フォルセティは聖なる箒をぴたりと『敵』に定め、詠唱する。フィオリナもまた弟同様に距離を取っていた。

「時歯車を狭間に留めし郷火纏う追憶の火蜥蜴よ」
 流麗な炎の弧を描き、色鮮やかな赤の光が箒を中心として渦を巻く! フォルセティは目の前の幻想へと術式を編み、方向付ける。箒の先で指揮をするように。
「敵を貫く矢雨となれ!」
 声とともに100本もの炎の矢が帝国騎士へ降り注ぐ! 次々と焔に包まれ骸の海へと還っていく帝国騎士たち。
 フィオリナが弟の仕事を見て自分のことのように誇らしげな目をしていた。

「ボクも。ボクも、たくさんには、たくさんで取り囲むよ」
 揺蕩うような応えとともに、びいどろがするり指を滑らせる。電子の海がこたえる――、
 機械海月の兵隊たちが迷彩を纏い、ゆらりゆらりと現れる。ゆらりゆらりと取り囲む。

 双葉はさりげなく機械海月の兵隊たちの影から攻撃をする。
「待って! 今大根が飛んできたわよ!?」
 帝国騎士が悲鳴をあげた。
 双葉は本も投擲してあげた。帝国のお姉さんの頭にガッと命中したのは『薔薇の涙』。赤ん坊の頃兄に読み聞かせられた有難い本だ。成長してからは撲殺用に使わせてもらっていた。本の角は強い。
 帝国のお姉さんは痛む頭を抑えながら必死に呼び出した帝国騎士を鼓舞する。
 しかし。
「もういっぱーつ!」
 元気な声と共に再び100本の炎の矢が飛来し、帝国騎士たちを燃やしていく!

 双葉も炎の矢に紛れるように御札を放つ。
 汚れひとつない御札に書かれた文字が目に入る。大切な御札だ。パパの直筆だ。幽かに目を細める。
 御札があたたかな光を放つと周囲にいた帝国兵士たちが動きを止めた。
 それら目掛けて一瞬の刃が閃き、生命力が吸われると兵士たちはバラバラとクリップへと戻っていった。
「……桜姫」
 双葉が呼びかける。変形したそれは、赤黒い大鎌。これは、証。
 無言のまま、双葉は衝撃波を放った。神速の波は2度押し寄せて残りの帝国騎士たちを薙ぎ払い、壁へと叩きつけ……、
「そんなあーっ!」
 帝国のお姉さんが悲鳴をあげた。呼び出したばかりの業務用帝国騎士たちは跡形もなく掃除されてしまったのだった。

「双葉さんは手数が多いね! すごいなー」
 フォルセティが旅団で話した時のようにひらひらと手を振り、笑顔を向けた。
 双葉は軽く目礼する。役に立てたならよかった、と。
 目的の為に有効な手段を。ゴールのために必要な手段を。選択する。実行する。
 双葉にはその能力があった。手段を選ばない怜悧さがあった。
(……忌々しい)
 そんな自分を倦む気持ちもあった。目的の為に手段を選ばぬのはママからの遺伝だと思うからだ。

 絶望に打ちひしがれる帝国のお姉さん。
 その姿をフィオリナがロックオンしていた。サファイアのペンダントが煌々と光を帯び、魔力を高める。青の光は荘厳にあたりを照らした。
 光の中、フィオリナの赤い瞳が宝石のようにキラキラと輝く。
「バベルの光よ!」
 声と共に帝国のお姉さん目掛けてなんと人工衛星から高出力でこの場に空間転送されてきたレーザーが……!! 高くそびえる塔すら崩れようかという高威力の一撃がなんと高速詠唱により2本も召喚された! 力を集約し圧縮するかのように宙で眩く恐ろしい光を放っている。
 あれが放たれ命中したらひとたまりもない! 帝国のお姉さんは真っ青になりダークフォースソードを伸ばす。無我夢中、死に物狂いで振り回した。

 射程にいた双葉はひらりと攻撃を見切る。勘が良いのだ。
「せめて、1人でも!」
 帝国のお姉さんはそれでも、と双葉に迫る。最も近くにいたのだ。

「油断と手加減は、しないよ」
 びいどろの静かな声が耳を打つ――、
「キャアッ」
 ビリビリと電流が流れ、帝国のお姉さんは一瞬動きを止めた。ダークフォースソードを落とし、手を抑え――痺れている。
「逃げられないように、しなくちゃね」
 びいどろがゆらり、と視線を巡らせる。仲間へと。

 チェックメイトだ。

「――バベルの光よ、貫け!」
 フィオリナのレーザーが帝国のお姉さんへとついに放たれた。恐るべき威力を秘めた美しき光が音もなく奔り。
 同時に双葉が構えるのは、お兄ちゃんの銃だ。

 ――タァ……ン……!

 銃声は、一度。
 
「貴女とは、別な世界で出会いたかった」
 にゃんこ好きの友として……。
 消えゆく『敵』へとフィオリナは呟く。
 そんな姉の横顔を弟が静かに見つめているのであった。

●戦いの終わり
 戦いが終わり、後始末をするイエーガーたち。
 そんな彼らにクルーたちが言った。
「貰い手のない猫たちを、もしよかったら引き取ってくれないだろうか」
 イエーガーたちは……、

●びいどろとビー玉の仔猫
「……どうしよう。ねこたち、帰るところないのかな」
 びいどろがこてん、と首を傾け。
 それなら、それなら。と目は探す。
(さっきの、ビー玉みたいな瞳をした、ちいさなあの子)

 たくさん、たくさんの猫の中。視線はぐるり、見渡して……、
「いた」
 すぐに、見つけた。
 びいどろの青い瞳が仄かに春めいた光を宿す。

 にゃあ……、

 ビー玉の瞳が見つめ返した。
 隅っこで小さくなっていた、その子。

「もし、家族とか、連れて帰る人がいないのなら
 ――ボクといっしょに、来る?」
 そっと手を差し出せば、ビー玉がきら、きらり。喜びに目を輝かせ、走ってくる。

 ……にゃぁっ!

●姉弟とマシューとルナ
「こ、この子にする!」
 ふわふわの毛並み、うるうると潤んだつぶらな瞳。フォレストキャットの仔猫を抱きしめ、フィオリナが笑顔を浮かべた。
「名前は『マシュー』!」
 マシュマロみたいだから。そう言ってマシューを撫でる姉の隣で、フォルセティも猫を撫でていた。動力室で最初に膝に乗ってきた三毛の猫である。
 猫は嬉しそうに喉を鳴らしていた。
「女の子だから名前は『ルナ』にするよ」

 みゃー♪
 にゃあー♪

 幸せそうな猫の鳴き声が響いた。

「一緒に、帰ろう」
 フォルセティがやさしく囁いて顔をあげれば、姉の姿が目に入る。
 未だにネコ耳と尻尾をつけたフィオリナはふわふわのマシューになにやら話しかけている。
「一緒に、帰るわよ」
 言葉がきこえて、フォルセティは頬を緩めた。

 姉と、弟と、マシューと、ルナと。
 みんなで、帰ろう。

●双葉と黒い猫
 たくさんの猫たちがいた。
 そっと視線を巡らせる。

 どの猫も、ふわふわ、やわやわ、愛らしい。
 通信ごしではなく、今は身近な距離で会話するオペレーターが言う。
 好きな子を連れて行っていいのだと。
 
「黒猫が居たら……連れて帰りたいですが……」
 呟く双葉の足元へ、すり、と頬を寄せるものがいた。

「……ぁ」

 軽く目を瞠る。
 やわらかな黒い毛並み。
 似た毛並みの猫はたくさんいるけれど、間違いないとすぐわかった。
 黒猫が双葉をみあげ、鳴いた。

 にゃあ。

 連れて行ってくれるの? と、その瞳が問いかけ。
 双葉はそっと黒猫を抱き上げた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年01月22日
宿敵 『帝国近衛騎士』 を撃破!


挿絵イラスト