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流星は宇宙を灼いて

#スペースシップワールド

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#スペースシップワールド


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●カウントダウン
 漆黒の宇宙を往く、一筋の流星があった。
 否、流星ではない。
 どこかの星の大気圏に突入しているわけでもないのに、尾を引くような流星がどこにあるというのか。
 ではほうき星か?
 いや、そちらでもない。
 それは、宇宙船だった。
 鋭角的な船体は宇宙の闇に溶け込むような漆黒に塗られ、側面には黄金の帝国軍の紋章が描かれている。
 その周囲に、まるでコバンザメのように戦闘機部隊を引き連れて、帝国軍艦はただ宇宙を進む。
 ただひたすらに。その先の自らの運命を知っていようとも。
 いずれ燃え尽き果てる流れ星のように、進む。
 ……どれだけ行っただろうか。
 いつしかその先に、墜ちるべき地表が……星々を巡る船団が、微かに映りはじめていた。

●墜ちるか、あるいは
「緊急事態ですっ!」
 所はかわってグリモアベース。
 その一角で、グリモア猟兵、シャルロット・クリスティア(f00330)の緊迫した声がする。
 グリモア猟兵の持ち込んでくる案件は総じて緊急性の高いものではあるが、それでもその声色は、ただ事ではないことを匂わせるには十分だった。
「今回予知があったのはスペースシップワールド。航行中のスペースシップに、帝国軍のオブリビオン船が攻撃をかける、と言うのが察知されたのですが……」
 早口で今回の予知内容の説明を始めるシャル。
 この段階では、重要でこそあってもそう珍しくは無い話では、ある。が。
「問題なのは、その攻撃方法です。おそらく、今回の敵の攻撃方法は……体当たりと予想されます」
 ざわりと猟兵達の間にどよめきが起こる。
 体当たり。
 つまるところ、帝国船そのものを巨大な質量弾としてスペースシップにぶつけようと言うのだ。
 船自体が過去から滲み出たオブリビオンとは言え、よくもまぁ豪快なことをするものだ。
「単純ですが、阻止は非常に困難です。戦闘機を撃墜したり、シールドを張って弾を防ぐのとはスケールが違いますから」
 居住を前提とした宇宙船と違い、今回の帝国船は比較的小型の艦船であると言うが、それでも一般的な弾丸や戦闘機などと比べて巨大なのは、説明するまでも無い。
 そんなものの衝突を防ぐ手段など、どれほどあるであろう。
「ですので今回の作戦は……猟兵達による精鋭部隊が目標艦に侵入、艦のコントロールを奪い、停止させることが最重要目標となります。
 敵勢力の殲滅は後で構いません。何よりもまず、船を停止させることを最優先させてください」
 とにかくも、衝突を避けるのが大前提だ。
 敵を殲滅したところで、これを防ぐことが出来なければどうしようもない。
「今回、皆様にはまず、大きく二手に分かれて頂きたく思います。船外と船内ですね」
 まず船外。
 こちらは、帝国船の周囲に展開する敵の護衛部隊を相手取る側となる。
「まず、護衛を掻い潜って帝国船に侵入していただくのはもちろんなんですが……その他にも、突入するメンバーから敵の気を逸らしたり、仲間の突入後に、船内の援護に向かわせない用に釘づけしたり……等の支援にあたっていただくのが主な役割になります。
 突入用の小型艇は支給してもらえるように取り計らってありますが、鎧装騎兵やスターライダー等、宇宙空間での戦闘が可能な方は、自分の装備を使っていただいて構いません」
 無論、艦のコントロール奪取後はあとから内部に突入して援護に回ることも必要になってくるだろう。
「次に船内活動側ですが、こちらはお察しいただけると思います。
 船内の警備部隊を抜け、コントロールルームへと急行。艦の航行停止を最優先に動いてください。
 その後、再稼働を防ぐために艦の制圧、と言う流れになると思われます」
 敵の構成は、元々使い捨て前提だからか、バトルドロイドを中心としたロボット兵のみで無人なのだと言う。
 捕虜なども無く、帝国船内において自分たち以外の人命を考慮する必要はない。
 ここまでの説明が終わり、さっそく準備に取り掛かる猟兵達であったが、それを呼び止めるシャルの声。
「……その。確かに説明は以上になるのですが……」
 歯切れが悪い。
 猟兵の一人が続きを促せば、
「……すみません。グリモアが具体的なビジョンを見せたわけではないのですが……何か、嫌な予感がします。
 不確かな情報で皆様の不安を煽りたくはないのです、けど……」
 どうか、充分に気を付けて。
 そう締めくくるシャルの顔は、最後まで晴れないままであった。


ふねこ
 私がスペワシナリオを書こうというのだ!
 はいどうも、ふねこだよそれは です。何が言いたいのか自分でもよくわかりませんね。
 例によって、更新タイミング等の大雑把な目安はマスター自己紹介にも随時書いていこうと思いますので、そちらもよろしければご確認くださいませ。
 以下、補足情報になります。

 第一章ですが、主に「船外で帝国船に突入する」「船外で敵戦闘機の陽動、足止めを行う」「船内でコントロールルームを目指し、制御を奪う」のどれかをやっていただきます(ほか思いついたらそちらでもいいですけど)。
 リプレイの描写外でも参加していらっしゃる猟兵さんはいる(ハズ)なので、人数バランスを気にしていただく必要はありません。
 自分が描写してほしいところ、活躍できそうなところだけ考えて行動してくださればOKです。
 第二章以降はほぼ船内オンリーになります。

 支給される戦闘機ですが、レーザー機銃と小型ミサイルで武装してあります。
 操作は簡単なので、特記が無い限りは誰でも動かせるでしょう。
 敵の護衛機もだいたい同じような装備です。敵船自体は防御用の対空機銃があるだけのようです。

 それでは、皆様のご参加お待ちしております。
 …え、嫌な予感?なんの事でしょう?
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第1章 冒険 『制御奪還作戦』

POW   :    護衛や警備を蹴散らす。敵の制御システムを力ずくで壊す。

SPD   :    護衛や警備を掻い潜る。敵の制御システムを技巧を凝らして壊す。

WIZ   :    護衛や警備の裏をかく。敵の制御システムを知恵を絞って壊す。

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●その日、流星となって
「各機、装備の最終チェック急げ!」
「燃料と推進剤のチェックもだ!戦闘中にガス欠なんて笑えないぞ!」
「終わったら甲板員以外はさっさと引っ込め!外に投げ出されたいのか!」
 スペースシップの格納庫には、絶えず怒号が響いていた。
 忙しなく行き交う、宇宙服姿の整備士たち。
 彼らが見上げるのは、普段そこに並んでいるのとは違う、大小さまざまなアームドフォートや宇宙バイク、戦闘機たち。
 常駐している護衛部隊とは違う、猟兵達が駆る各々の相棒たち。
 だが、普段と違うものだからと言って、出来ないなどと泣き事を言う人間はここにはいない。
 誰であろうと、仲間を万全の状態で送り出すのが、整備士の役目。
 猟兵のように敵を倒す力はなくとも、彼らもまた、住む場所を守るために戦っている。
「全機搭乗完了!」
「クルーの退避もOKだ!ハッチ開けろ!」
「各機へ!指示に従って1番、2番カタパルトより順次発艦をお願いします!」
 ごぅん、ごぅん……。
 重厚な音を響かせながら、ゆっくりとハッチが開いていく。
 広がっているのは、漆黒の宇宙。そのはるか先に、帝国船のスラスター炎が微かに瞬いているのが見えた。
「……進路クリア!発進、どうぞ!」
 命綱を繋いだ甲板員が、誘導灯を振り上げる。
 一つ、また一つ。
 白銀のスペースシップから、次々と飛び立っていく猟兵達。
 その光は、夜空を照らす流星群のようにも見えた。
ファランス・ゲヘナ
【心境】
「単純だがだからこその効果的という奴カ。」
ならばこその力技が解決策というのも理にかなったル…

【行動】
SPD
戦闘機では速さが足りなイ。
オレは愛用の宇宙バイク:龍星号に『騎乗』して発進すル。
護衛機や警備機の陽動を行イ。後に続く猟兵たちが続きやすいように道を作るゾ。

敵戦闘機にギリギリまで接近すると熱線銃による『2回攻撃』で攻撃し挑発すると反転シ、味方機とは違う方向へ引き付けル。可能な限りの数をある程度引き付けテ、味方機が突入を開始したらオレも合流に向かうカ。

UC:ゴットスピードライドを発動。加速装置で『残像』を生むほどの『ダッシュ』で加速し振り切りつつ敵艦に突入すル。


バーソロミュー・スケルトン
ガハハハッ!船での体当たりなぞ、海賊みたいな戦法をとるやつらじゃな。
どれ、ぶつけられる前にその船を丸ごといただいてくれるわ!

自前のスペースボートに乗って、船への突入を目指すとするぞい。
船のハッチなど装甲が薄そうな部分めがけて、フルバースト・マキシマムでダメージを与えてから、ボートの衝角を使った本物の海賊式体当たりで船内への突入を目指すぞい!

首尾よく突撃できたあとは、周囲に敵がいればそのまま掃討して突入口を確保じゃな。

もし、装甲が厚すぎたり敵の攻撃が激しくて突撃に失敗したら、敵の注意も集まっとるじゃろうから、派手に撃ち合って陽動に回るとするかのう。


サーズデイ・ドラッケン
【ウェイブストライカー】であれば、速度・小回りとも敵を翻弄するには充分であると自負します
私は船外にて、友軍の突入を支援するために敵の囮となりましょう

突入部隊に先行して敵戦闘機隊と会敵
全砲門からの一斉発射で先手を取り、
敵の編隊に穴が開いたところから船に突撃…と見せかけて突入部隊から敵戦闘機部隊を引き離すように機動・攻撃を行います
小型ミサイルはウッドペッカーで迎撃、船の対空機銃はレールガンで極力破壊を

しかし、何か違和感が…
…船団を沈めるのに単艦での特攻
単純な質量弾としてぶつけるだけでは確実性に些か不安が残る
となれば、敵が万全を期すなら…
…私の考えすぎであればいいのですが



「ガハハハッ!船での体当たりなぞ、海賊みたいな戦法をとるやつらじゃな!」
「単純だが、だからこその効果的という奴カ」
「まったくです。むしろ我々向きかもしれませんね」
 先頭を行く、三台の宇宙バイク。
 紫に金装飾が施された『龍星号』。
 モーターボートを思わせる鋭角的な『スペースボート』。
 そして、もう一つはサーフボードさながらに宇宙を走る『WMC-ハミングバード』。
 それらを駆るのは、三人の宇宙海賊。
 支給される戦闘機では速さが足りない。動かすことは容易くても、機体の個性は一朝一夕で掴めるものでもない。
 故に彼らは迷いなく自らの相棒の操縦を選んだ。
「そラ、来たゾ!」
 ブラックタールの身体でも扱いやすいよう、専用の改造を施された愛機……龍星号を駆るファランスが声を張り上げる。
 正面、熱源多数。
 毒々しい紅色のレーザー弾の連射が、雨あられと降り注いでくるのが見えた。
 だが、その程度のものに臆していては、宇宙海賊は務まらない。
「ガハハハッ!良い波だ、それでこそよ!」
「では、海賊流の波乗りを魅せるとしましょう!」
 スペースボートを操縦するバーソロミューが笑い声をあげ、ハミングバードを乗りこなすサーズデイが続く。
 その弾幕は決して薄いとは言えない、苛烈なものだ。
 だが、その程度がなんだ。
 ただ荒いだけの海を突き進めずに、どうして海賊を名乗れよう。
 掠めていくレーザー光など、ただの水飛沫。
 荒波に乗る以上、そんなものはいくらでもある。
 光芒の中を、三つの機影が駆け抜けていく。
「よーし、抜けタ!」
「ならばっ!」
 敵の初撃を抜け、敵部隊が見えてきた。会敵まであと僅かというところで、サーズデイが動く。
 アームドフォート、XAF-レイヴン。レールガン、ミサイルポッド、全砲門展開。
 ……斉射。
 敵の光芒が止んだ一瞬を衝いて、火線が走る。
 まるで花が開くように、正面に爆発が巻き起こった。
「このまま突入。機動・攻撃を行います」
「それならば俺も続くゾ!」
 敵陣に空いた穴目掛けて、ハミングバードと龍星号が猛進する。
 ともに速力、機動力に優れた機体同士。自ずと彼らが採る戦術も近しくなる。
 陽動。
 暴れ、引きつけ、誘い込み、攪乱し、道を作る。
 敵部隊の目的は、あくまでも船の護衛だ。最優先に排除すべきは、船に攻撃を仕掛ける敵である。
 だが、そちらに注意を向けようものなら、即座に彼らの砲が火を吹く。海賊は目敏いのだ。
「ほほぅ、派手に始めよったな。どれ、わしもひとつ、ぶつけられる前にその船を丸ごといただいてくれるわ!」
 先行して交戦を始めた二機を見やりながら、バーソロミューも骸骨じみた口角を上げ、スペースボートの舵を切る。
 敵の注意が二機に向いた今ならば。
 舵を向ける先は、敵船後方。艦載機の出撃用ハッチだ。
 開閉する必要がある都合、他と比べてどうしても脆くなりがちなうえに、奥には『十分な広さの空間』の存在が確定している。
 狙うには一番都合がいい。
 ……照準、セット。真正面。
 アームドフォートが唸りを上げる。広がる爆炎が、見る見るうちに眼前に迫ってくる。
 接近に気付いたらしい護衛機や、敵船の機銃座からレーザーが襲い掛かってきても、そんなもので彼のスペースボートは止まらない。
 出力維持、最大戦速。
 煙が晴れたその先にあるのは、黒こげひしゃげひび割れた敵船のハッチ。
「これが!本物の海賊式体当たりよぉ!!」
 轟音と共に、スペースボートの衝角がハッチを抉り取った。
「派手にやるのはどちらですか、まったく……」
「単純だからこその効果的。ならばこその力技が解決策というのも、理にかなっっていル……という事カ」
 バーソロミューを追って龍星号の舵を切るファランスを見送りながら、しかしサーズデイは思案する。
「(……船団を沈めるのに単艦での特攻。単純な質量弾としてぶつけるだけでは確実性に些か不安が残る)」
 護衛機こそいるものの、船そのものの武装は機銃程度。
 元々戦闘用でなかったものを転用した苦肉の策ということなのか。
「(……私の考えすぎであればいいのですが)」
 交戦中に考えに耽るなど自殺行為だ。ミサイルを撃ちおとしながら、サーズデイは思考を現実に引き戻す。
 目の前に映る景色は、今のところ順調に見えた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

天通・ジン
嫌な予感がする。……こういう台詞を誰かが言うと、当たるんだよね。

さて。宇宙戦とくれば、俺の出番だよ。
ユーベルコード【宙域戦闘機動】で、敵戦闘機に対して陽動、足止め作戦を行う。

【空中戦】は得意さ、なんてったってパイロットだからね
簡単なレーザー機銃と小型ミサイル相手なら、俺の【操縦】でかわせるはず
デブリとか何かの残骸とか、利用できそうな障害物があれば【地形の利用】

空中戦に出ている味方がいたら、【SPD】を活かしてその味方が戦っている相手の死角から、【援護射撃】を仕掛けるよ
スコア稼ぎがしたいわけじゃない、あくまで援護でね

敵の動きから敵の目的の【情報収集】とかできたらいいな

誰かとの連携、アドリブ歓迎


東郷・三笠
POWで判定

ふふふ、クジラ狩りか
腕が鳴るな
まずはその前の露払いか
我の火力を見せてやろう!

空中戦1で空間戦闘が可能なので単身で出撃
一斉発射11、範囲攻撃1、鎧無視攻撃8、零距離射撃1、暗視2、視力1を用いてヤマト型オーバーアームドフォート『タケミカヅチ』を使ってフルバースト・マキシマムで一気に殲滅します
有象無象が、墜ちるがよい!

敵や戦艦の攻撃は盾受け7を用いてアサルトシールドフィールドで防御
そんな豆鉄砲は通用せん!

鼓舞5、存在感3で仲間を指揮官らしく鼓舞
諸君、敵は戦艦だがなに恐れることはない
敵がいつもやっていることだ
それが我らに出来ぬ事があろうか

アドリブで他の方との絡み歓迎


マハティ・キースリング
派手で分かりやすくていい事だ

船外での陽動と足止めに回ろう
鎧装騎兵なので撃墜されてもプラズマジェットで宇宙を自在に移動可能だ

周辺の宙域を小型センサーとサイバーアイで簡易的な地形を抑えておき
回避の際の遮蔽の利用や、引きつけて逃げる時の逃走経路の助けにする

ヴァリアブル・ウェポンの機能を命中に特化
これと武器改造で、戦闘機に大型砲門とブラスターを追加
一斉射撃や誘導弾で派手に攻撃を撒き散らし、敵の意識を引く

突入班の艇へ向かう戦闘機への攻撃・妨害を最優先で行おう
次点で回避、引き離しの専念

タイムリミットが刻一刻と迫っているが焦る事は無い
我々の仕事をしよう



「おいおい、豪快に行ったなぁ……!?」
「お互い、派手で分かりやすくていい事だ」
 ジンとマハディの二人は、スペースボートがハッチに風穴を開けるさまをキャノピー越しに見て思わず声を漏らしていた。
 やっていることは、まさに今敵がやろうとしていることのダウンサイジング版であるわけだが、よくもまぁ。
 なにはともあれ、まず最初の道は切り拓いた。
 他の猟兵達が我先にとハッチに向かっていく姿も見受けられるが、一度逸れた敵の注意がまた船の防衛に戻り始めている。
 まだ、戦いはすぐには終わりそうにはない。
 そんな中、猟兵達の通信機に響き渡る声があった。
『……諸君。私は第六六宇宙艦隊、東郷三笠である』
 その発信源は、戦場の真上に陣取った、一人の鎧装騎兵。
 火砲をこれでもかと積載した重装アームドフォートを身に纏って仁王立ちする、宇宙服の女性。
『敵は艦船クラスだが、なに恐れることはない。敵がいつもやっていることだ。
それが我らに出来ぬ事があろうか』
 ……往くぞ諸君、クジラ狩りだ!我々の力を見せてやろうではないか!
 堂々たる鼓舞が響き渡る。空気の無い筈の宇宙が震えるかのような錯覚がする。
「……まさか、こんなところで元々敵方の鼓舞を聞くことになるなんてね」
 それを耳にしながら、マハティは苦笑する。
 元帝国軍人が、今こうして鼓舞を聞きながら帝国船に攻撃をかけるなどと、世の中何が起こるかわからないものだ。
 操縦桿を握る手に力を込める。
 与えられた時間は確かに少ない。だが、焦ることも無い。
 為すべきことを為せば成る。だからこそ作戦として成立しているのだ。
「(我々の仕事をしよう)」
 自らの技能を生かして(半ば勝手に)追加搭載したブラスターで手近な敵機を撃ち抜き、ミサイルアラートを感知すると同時に機体にロールをかけながら、内心でマハティは呟く。
 ……そう、『我々』だ。
 キャノピー越しに後ろを振り返ったりはしない。レーダーを見れば、今しがたミサイルを飛ばしてきた相手の反応が、丁度消失するところで。
「撃墜スコア、持っていかれたな」
「スコア稼ぎがしたいわけじゃない、あくまで援護さ、援護」
 右舷を横切っていくジンの機影と、短い軽口を交わし合う。
 ここで戦っているのは、決して一人などではない。
「戦闘システム、"問題なし(アレス・グーテ)"。……調子は上々。天通・ジン、戦闘を続行する!」
 後方に数機の敵機を追わせながら、ジンはぺろりと自分の唇を舐める。
 自分だってパイロットだ。そう簡単に後れは取らない自負がある。
 追ってくるのであれば、それなりの対応をするだけだ。
 飛び込むのは、機体の残骸や小惑星が漂うデブリ帯。
 航行に細心の注意を求められるそこを、しかしジンは一切の速度を緩めずに飛ぶ。
 自身を狙ったミサイルを小惑星が阻み、弾け飛んだ瓦礫が後を追う敵機にぶつかり、爆ぜる。
 それらを抜けて追いすがる敵機は決して少なくはない。だが
「ふ、良い腕ではないか、そこのパイロット!」
「さっきのスコア、取り戻させてもらおうか!」
 ジンと、後を追う敵機が飛び出したのは三笠とマハティの射線上。
 味方を撃つようなヘマは無い。撃ち抜かれるのは敵機のみ。
 十字状の爆発の連なりが、宇宙を照らし出していく。
「上等!」
「しかし、『嫌な予感がする』か。……こういう台詞を誰かが言うと、当たるんだよね」
「なぁに、だとしてもそれごと撃ち抜くのみだ」
 豪快だなぁ。
 言い切る三笠に見えないように苦笑しながら、ジンとマハティは機首を再び敵陣へと向けた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

ペイン・フィン
それにしても、船そのもので攻撃か・・・・・・。
効果的だけど、すごく、面倒だね。

とりあえず、早々に船内に侵入。
船のコントロールを奪いにいこうか。
ただ、侵入する仲間の援護をメインに動こうかな。

敵を発見したら、遠慮無くコードを使用。
複製するのはスタンガン。召喚するのは自動式テーザーガン。
装備している武器からは、猫鞭を使おうかな。
ドロイドを発見し次第、無力化していこう。
必要なら、そのまま船内の敵の注目を集めても良いかな。

・・・・・・このスタンガンは、ハッキングした機械に”苦痛”のデータを与える。
痛みを知らない、使い捨ての機械だったとしも、それは同じなんだ・・・・・・。
あんまり、好きじゃないけどね。


寧宮・澪
船、落とさせたり、しないですよー……。

船内で、制御、もらいに行こかとー……。
【ハッキング】で敵船のシステムに侵入ー……警備や、船のマップゲット警備避けつつ、や、自分の所属情報、偽装してー……コントロールルームへ。
システムには、ばれないように、照会に時間かかるよう、【時間稼ぎ】を仕込んでー……。

得た情報から警備避け、道すがら、設備の制御権をもらえたら、もらいましょー。
ついでにシステムシステムこっちにもらいつつ、コントロールルームへ。
ついたらレギオンも呼んで、一気に制御もらいましょかー。
船は航行停止で……突破されないように、【暗号作成】ー……。

たぶん、ロボットたちの、上の人、いそうですよねー……。



 船外で熾烈な戦いが繰り広げられている、ちょうどそのころ。
「それにしても、船そのもので攻撃か……。効果的だけど、すごく、面倒だね」
「そうですねー……船、落とさせたり、しないですよー……」
 護衛機を潜り抜けて、無事船内への侵入を果たした猟兵達もまた、行動を既に始めていた。
 適当な下士官室に入り込んで、そこの端末からコンピューターに侵入を仕掛ける寝ぼけ眼のオラトリオ、澪とその背中を守り、周囲の警戒を行うヤドリガミ、ペイン。
 他にも潜入した者はいるだろうが、偶然にも合流して、そのまま行動を共にしているわけである。
「警備情報とー、船内マップ、ゲットですー……」
 のんびりとした口調だが、澪のハッキングにはそつがない。
 必要な情報を手早く抜き取り、さらに自分たちの情報を偽装。監視網を追っての追跡を困難にする。
「ただー……この状況ですし、巡回ルートはアテにならないかも、ですけどー……」
「機械とは言え、非常時であちこち探しまわるくらいはするだろうからな……」
 下士官室を抜け出し、廊下を駆ける二人。
 あれだけ外で派手に戦っているのだ。侵入を許したという事実はどうあがいてもバレる。
 ネットワークが当てにならない以上、しらみつぶしに目で探してくるのは自明だ。
 遭遇率は少なからず下げたにしても、不意の遭遇はどうしても起こりうる。
 曲がり角から、金属質な駆動音と、足音。
 咄嗟に澪を手で制しながら、ペインが即座に前に出て。
「侵入者発k」
「すまない、何も言わないでくれ」
 電子音が響いたのはほんの一瞬。それはすぐにバチリという音に掻き消されて。
 目の前にいるのは、崩れ落ちるドロイド兵。正面に立つペインの手に握られているのは、一台のスタンガン。
 一瞬の早業。強烈な電圧による内部構造への過負荷は、本来痛みを知らぬはずの機械であれど、耐えがたい負担になりうる。
「ふぁー……ありがとうございますー……」
「一時的に無力化しただけだ。急ごう」
 澪の言葉に物憂げな表情で応えながら、ペインは再び走り出し、澪も進路を指示しながらその後を追う。
 しばらくはその繰り返し。
 ほどなくして船の中心、動力制御室に二人は辿り着いた。
「それではー、始めますので―……れぎおんと、ペインさんは、護衛、お願いしますー……」
「任されたよ」
 呼び寄せた琥珀金の機械兵器に周囲を守らせながら、澪はハッキングに取り掛かる。
 自らのコードを偽造し、指揮権を誤認させる。
 権限を用いて、侵入する。
 一つひとつ、丁寧に、迅速に。ミスの無いように。
 そして、命令を上書きする。航行を停止させよ。
 ……そう、一切のミスもなく、澪は命令の上書を完了させた。
「よし、あとは……」
「!待って、ください……!」
 だが、ペインの安堵の声を遮って、澪が声を上げる。
 次の瞬間、船内全体にけたたましい警報音が響き渡った。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ユーイ・コスモナッツ
船外で敵戦闘機の陽動、足止めを行います

大盾状のスターバイクである
「反重力シールド」に乗って、
騎乗・空中戦技能を駆使して戦います

猟兵としての私の取り柄
それは純粋な戦闘力でもなければ、
隠密行動の技術でもなく、
この反重力シールドを駆っての機動力!
ましてや宇宙戦ともなれば、
宇宙騎士の名にかけて、
無様な戦いはできません

ユーベルコード「流星の運動方程式」も起動させ、
護衛部隊を撹乱しつつの遊撃です

突入メンバーの動きを悟られないよう、
なるべく派手に飛び回り、
こちらに注意を引き付けますね

仲間が助け合うのは当然だもの!


トリテレイア・ゼロナイン
なんとしてでも宇宙船を止めなければ
宇宙船を護衛する帝国の戦闘機を排除し、突入する猟兵の援護に回ります

自前の合体ロボット「ブローディア」で出撃
ロボの「怪力」で振るう剣と盾で戦闘機を撃墜し、「盾受け」「武器受け」「かばう」で突入する猟兵の船を護衛します
敵の戦闘機を「踏みつけ」て方向転換する三次元的な動きで敵護衛を翻弄しましょう

防空用の対空機銃は格納銃器(サイズ的に砲)の「スナイパー」で狙撃、無力化します

宇宙を駆ける騎士として、突入する皆様の盾となりましょう



 周辺宙域は、乱戦の様相を呈し始めていた。
 侵入者を追わねばならぬ。
 突入した仲間を追わせてはならぬ。
 双方の戦力が、穴の開いた発着口に迫っては弾きだされ、追い立ててはまた迫りを繰り返す。
 その中心に、『彼』はいた。
「なんとしてでも、宇宙船を止めなければ……!」
 全長10mはあろうかという巨大な人型兵器。
 航宙戦対応型合体ロボット『ブローディア』。それを駆るのは、プローディアと一体化したウォーマシン、トリテレイア。
 次々と再突入を敢行してくる敵機を、追わせるものかとその体躯に見合う巨大な盾で防ぎ、剣で両断していく。
 その姿は、お伽噺に出てくる騎士のよう。
 自らもまた、そのようであるようにと心に誓い、トリテレイアは剣を振るい続ける。
 このような巨大なロボット、呼び出すのに当然負担が無いわけではない。
 現に、転送だけでエネルギーの9割ほどを持っていかれている。残った数少ない稼働時間。それだけでも絶対に持ちこたえねば。
 とは言え、その巨体は大きな武器ではあるが、弱点にもなりうる。
 死角と、小回りの利かなさだ。
 だが、それを補うのが、もう一人の騎士である。
「宇宙戦ともなれば……宇宙騎士の名にかけて、無様な戦いはできません!」
 プローディアの脇を抜けて行く、ひとすじの流星。
 反重力シールドと呼ばれる特殊な盾をボード代わりに戦場を駆け抜けるのは、宇宙の騎士を自認する一人の少女、ユーイ。
 自らには、船内に潜入した仲間のような隠密行動力があるわけでも、目の前にそびえ立つ騎士のように力強い戦闘力があるわけでもない。
 今此処にいる猟兵としての、自身の取り柄、それは機動力。
 重厚でこそあれど、小回りの利かないプローディア。
 その守りを抜けて行く敵機や、他の仲間の撃ち漏らし。その相手こそが、ユーイが受け持つべき敵機である。
「逃がすかぁーっ!」
 今まさに猟兵の攻勢を抜けて行こうとする、一機の敵戦闘機。
 雄叫びと共に反重力シールドのブーストを吹かし、頭上からランスチャージの一撃を叩き込む。
 抜けたと思うな、余所見をするな。騎士はここにもいるぞ。
 そう言わんばかりに、ユーイは駆ける。
 大小差はあれど、それは確かに背中を預け合う騎士たちの共闘に相違ない。
「宇宙を駆ける騎士として、突入した皆様の盾となりましょう」
「はい!仲間が助け合うのは当然だもの!」
 頷きあう二人。
 万事は順調に思われた。

 しかし、それを遮る通信が、猟兵達に届けられる。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第2章 集団戦 『バトルドロイド』

POW   :    バトルスイッチオン
【超戦闘モード】に変化し、超攻撃力と超耐久力を得る。ただし理性を失い、速く動く物を無差別攻撃し続ける。
SPD   :    精密射撃
【狙撃用プログラム】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【熱線銃(ブラスター)】で攻撃する。
WIZ   :    シュートダウン
対象のユーベルコードに対し【正確にタイミングを合わせた射撃】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。
👑11
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●それは、地に墜ちる間もなく消える星のように
 確かに、ハッキングはつつがなく完了した。そこに何の落ち度も無かった。
 現に、船の推進器は動きを止め、船はその場に静止している。
 停止命令は、間違いなく受け入れられた。
 しかし……。

「……自爆っ!?」

 その情報は、驚愕を以て迎えられた。
 動力炉の暴走。
 どうやらそれは、『命令があとから上書きされること』で発動するトラップとして仕込まれていたらしい。
 それが、誰からの命令でも関係ない。
 作戦の中止を求めるものは、誰であろうと帝国の敵に違いないのだから。
 問題なく作戦が完了されればそれでよし、仮に誰かの手によって阻止されようとも、せめてその『誰か』だけでも。
 帝国のそんな思惑が透けて見えるようにも思えた。
 動力炉の加熱は今まさに進行している。プログラムそのものを止めようとも、炉の反応はすぐに止めることはできない。
 帝国部隊の動きが変わる。
 敵を追い払おうと言う動きから、逃がさないようにする動きへと。
 船内のドロイド兵が一斉に動き出す。
 侵入者を逃がすな。船と運命を共にさせろ。
 船内の猟兵達は、脱出を阻む敵を蹴散らし、デッキへと急がねばならない。
 船外にいた猟兵達の中には、侵入した仲間を援護するために突入するものもいるだろう。
 ここに来て、戦闘は突入戦から撤退戦へとその様相を変えた。

 ……自爆までの残り時間、15分。
寧宮・澪
うーわー……まずった、ですねー……トラップ、気づけないなんてー……。
ううん、とりあえず……外に、でましょかー……。
 
船内の、システムに【ハッキング】して【情報収集】、してー……さっき手に入れたマップと合わせて、敵が比較的少なくて、デッキまでの道のりが短いルート、出しましょー……。

その過程で出会った敵は、レギオン、に、お願いしましょー……集られないように、【戦闘知識】、で、陣形考えつつ……。
こっちへのダメージ、はー……【オーラ防御】と、【見切り】、で、軽減しつつー……走りますよー……。
多少、謳って、少し世界が走りやすく、なるようにー、しつつ……。

アドリブ、連携、お任せですよー。


トリテレイア・ゼロナイン
ブローディアを放棄、機械白馬に「騎乗」して船内に突入、戦闘の音が聞こえる場所に急行し、味方の脱出ルートを切り開きます

ドロイド軍団と接敵したら真正面から突撃、ブラスターを「武器受け」「盾受け」自前の装甲で凌ぎ、「怪力」で振るう槍と盾、馬の「踏みつけ」で装甲ごと「鎧砕き」で粉砕します

真正面からの突撃、敵からの集中砲火を浴び、こちらも損傷は免れないでしょう。ですが敵の攻撃を引き付けることで脱出する仲間を「かばう」のが目的、望むところです

味方を送り届けた先が死地だったなど騎士として許せるはずがありません
紛い物の身ではありますが騎士として、突入した皆様をお迎えにあがります


ペイン・フィン
真の力を解放。
血霧のようなモノを身に纏い、何歳程度か幼い姿になる。

そして、その血霧のようなモノを、持ってきていたスタンガンに注ぎ込む。
コードを使用。
スタンガンを一時的にヤドリガミ化させ、協力してもらう。
スタンガンのヤドリガミ形態は、顔が無機質な仮面で覆われているサイボーグの少女。
スタンガンの時同様に、スタン攻撃とハッキングを得意としている。

後はとにかく、逃げる。
敵がでたら2人でスタンさせ、撃破しきれなくともそのままどうにかデッキに急ごう。
道中見つけた仲間の支援も、同様に。

・・・・・・それにしても、まさかこんな罠があったなんてね。
多分だけど、少し、いや・・・・・・酷く苛立つかな。


東郷・三笠
POWで判定
ち、二段構えの作戦だったとは

鼓舞5、存在感5で味方を鼓舞
血路を開くぞ
我に続け!

空中戦10、ジャンプ4、ダッシュ4でクロステイルスラスターを用い三次元移動しながら超電磁単分子ブレイド『布都御魂』で敵を切り捨て
一斉発射11、範囲攻撃1、鎧無視攻撃8、零距離射撃1を用いてヤマト型オーバーアームドフォート『タケミカヅチ』を使ってフルバースト・マキシマムで殲滅
とにかく一角を崩して脱出路確保

敵の攻撃は盾受け7を用いてアサルトシールドフィールドで防御

超戦闘モードにはいったバトルドロイドを見つけたら仲間に警告

覚悟2、勇気1を使って殿
殿と足止めは我が受け持った!早く行け!

アドリブで他の方との絡み歓迎


ユーイ・コスモナッツ
船内の猟兵さんの脱出を支援します!

ユーベルコード「流星の運動方程式」を
全速全開で起動!
船内に突入して、猟兵さんを探します

船内でも最高速度を維持
狭い通路でスピードの出し過ぎは危険かもですが、
騎乗技能には自信があります

通路で遭遇したバトルドロイドは、
スピードに任せて蹴散らしてしまいたい

時間ぎりぎりまで船内を捜索して、
猟兵さんに出会えたら、抱えて脱出します

脱出時も、もちろん全速力!
ちょっと怖いかもしれませんけど、
しっかりつかまっていて下さいね?



「うーわー……まずった、ですねー……」
「まさか、こんな罠があったなんてね……」
 眠そうな表情に僅かに悔しさをにじませる澪と、口調こそ穏やかなもののどこか苛立たしさを感じるペイン。
 まさか、このようなトラップが仕込まれていようとは。
 コントロールルームには今やけたたましい警報が響いて、非常灯の点滅が目にうるさい。
 澪が広げるモニターには、大量のドロイド兵がこちらに向けて集結しつつある様子が鮮明に表示されている。
 悠長にしている暇はない。
 探すのは、敵が比較的少なくて、デッキまでの道のりが短いルート。
 全員相手にしていては時間がいくらあっても足りない。
「とにかく、逃げるしかない。急ごう」
「そうですねー……とりあえず……外に、でましょかー……」
 ルートを算出したとしても、まずは集結してくる敵を突破しないことには何も始まらない。
 地図とルートを頭に叩き込んで端末の画面を閉じ、二人は踵を返して走り出す。
 画面を閉じる瞬間、デッキ付近に新たな熱源が複数映りこむのが、一瞬だけ見えた。

「ち、二段構えの作戦だったとは……!」
 歯噛みをしながら、三笠は装備しているスラスターを吹かす。
 帝国船の外、護衛戦闘機部隊を相手にしていた猟兵達も、連絡を受けて次々と船内へと侵入を果たしていた。
 自分が助かるだけならば、そんな危険を冒す必要はもちろんない。
 だが、船の航行を止めるために突入した仲間を見捨てるという選択肢は三笠には無かった。
 そしてそれは、後を続くトリテレイアとユーイも同じである。
「味方を送り届けた先が死地だったなど、騎士として許せるはずがありません」
「その通り!私も船内の猟兵さんの脱出を支援します!」
「よし、血路を開くぞ。二人とも、我に続け!」
 三笠の号令に合わせ、機械の白馬に騎乗したトリテレイアと反重力シールドを駆るユーイが続く。
 当然、ドロイド兵とて新たな侵入者に気付いていないわけもない。
 先の侵入者の脱出妨害と並行して、そちらにも戦力を差し向けてきている。
 むしろ、ハッキング目的に潜入していたメンバーは偽装工作も行っているので、目立ち具合としてはこちらの方が上だろう。
 何が言いたいかと言うと、当然彼女たちの元にもドロイド兵が立ち塞がってきているということなのだが。
「邪魔をするなっ!!」
 出会い頭に三笠が単分子ブレイドですれ違いざまに両断。
 多少の討ち漏らしに無視、それでも邪魔をしてこようものなら、トリテレイアとユーイのランスチャージの餌食となる。
 そして進路上にいない敵は、追いかけようにも一切緩められない速度の前には追いつきようもない。
 三度目の遭遇戦を蹴散らしたころ、トリテレイアの聴覚センサーが戦闘音を捉えた。
 聞こえてくるのは、奥の方から。
 おそらく救助部隊で最も先行しているのはこの三人だ。その更に奥となれば……。

「お仕事ですよー……れぎおーん……」
 間延びした澪の号令を受けて、琥珀金の機兵が楔型陣形を維持しながら進軍する。
 真正面、最前列に立つ機兵が集中砲火を浴びて消滅すると同時に、反撃の銃弾が飛んで敵陣を切り崩す。
 物量に物を言わせた強引な進軍。だが、今回に関してはこれが最も手っ取り早い。
 そして、レギオン達を弾除けにしながら、合間を縫ってドロイド舞台に肉薄する影が二つ。
 手持ちの道具を一時的にヤドリガミ化させる、という荒業で自らのスタンガンと連携攻撃をかけるペイン。
 一体ずつ、着実にドロイド兵を行動不能に追い込んでいく。
 だが、レギオンの戦闘能力にも限界はあり、手数を増やしたとしても敵陣をまとめてスタン、なんて真似は、いくら真の力の片鱗を見せているとはいえ、現在のペインには難しい。
 多勢に無勢。
 次々と押し寄せるドロイド兵と共に、焦りも蓄積されつつあるのを感じ始めたその時であった。
「……ペイン、下がれ!!」
「……っ!?」
 進む道の奥から声。
 なんだと確認するよりも早く、言われたとおりにペインは身を翻し、澪がレギオンを護衛につかせる。
 次の瞬間、轟音と共にもたらされる大きな振動と濛々とたちこめる煙。
 煙の奥で、ドロイドのセンサー光が困惑げに揺れているのが見える。
「な……なーんですかー……?」
「今の声は……」
 煙が晴れる。
 その奥で澪とペインの二人が見たのは、こちらに向けて猛進してくる巨大な体躯の白馬の騎士であった。
 突然の乱入者にドロイド兵たちの熱線が火を吹くも、それを盾で、あるいは頑強なその身そのもので受けながら、しかしそれらを物ともせずに騎兵槍で蹴散らしながら。
「紛い物の身ではありますが、騎士として皆様をお迎えにあがりました」
 騎士……トリテレイアは、二人にそう告げた。
「よかった……ご無事でしたね!」
「そうでなくては困るさ。状況は?」
「船は止まったのでー……爆発しても、船団が巻き込まれることはないと思いますー……。あとはー……私達が脱出するだけ、ですねー……」
 三笠の一斉射撃とトリテレイアの突撃。
 予想外の方向からの二重の猛攻で今度こそ完全に敵陣に穴が開く。
 合流を果たした澪の言葉に、一同はほっと息をつくものの、だからと言って休んでいる暇はない。
 最初の目標は果たした。あとは生きて帰らねば。
「そう言うことなら、飛ばしますよっ!」
「えっ……?」
 言うが早いか、ひょいと澪を抱えて反重力シールドに騎乗しなおすユーイ。
「最高速度で突っ切ります!ちょっと怖いかもしれませんけど、騎乗技能には自信がありますので!」
「そうだね。僕より、澪さんのほうを手伝ってもらった方が良い」
「えっ、えっ」
 笑顔で言うユーイに首肯を返すペイン。
 問答している時間は貰えなかった。
 しっかりつかまっていて下さいね、というユーイの言葉を残して、反重力シールドが唸りを上げ、ペインがその後を駆けていく。
「殿と足止めは我が受け持った!早く行け!」
「……わかりました!我が身を以て、守り通してみせましょう!」
 あなたもご武運を!
 踵を返し、白馬を走らせる騎士への返答はない。
 トリテレイアはその代わりに、背中で再度の轟音が鳴り響くのを聞いた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

ファランス・ゲヘナ
【心境】
「船内突入の成功を確認っト。」
おっと、手早いお迎え感謝ダ。
これはつまらないモノだガ、どうぞよろしくってナ(熱線銃を発射)

【行動】
さっテ、これは大量のドロイドだナ。これは良イ。なんといっても一々狙いをつけなくてもいいのがいイ。
宇宙バイク:龍星号に『騎乗』、最強武器である『勇気』を胸に特攻してドロイドどもを轢き逃げすル。轢き逃げる合間に熱線銃:戦士の銃で『ゼロ距離射撃』と『二回攻撃』で攻撃もしておク
おっとこれも忘れたらいけないナ

UC:影分身を発動し【´・ω・】【 ̄Ω ̄】【・ω・`】(な小型の分身体)を対象に放ちドロイドどもに張り付かせル。

出てこなければやられなかったの二…。


サーズデイ・ドラッケン
単純な質量弾としてぶつけるだけでは些か不安が残る
ならば艦そのものを爆弾としてしまえば良い
万が一艦が停止したならば、侵入者ごと葬り去れば良い
やはり自爆機能が走っていましたか…!

艦内へ突入し迅速に敵部隊を排除、友軍の撤退を援護します
…予測出来ていながら警告出来なかった私の落ち度です
行動を以って埋め合わせを

とにかく時間との戦いです
突入後、盾を前面に構えたままスラスター、ブースターを全開
スピードは一切落とさず【ダッシュ】し、
攻撃を【盾受け】しながら【フルバースト・マキシマム】による【一斉発射】で敵を蹴散らし友軍の救出に向かいます
撃ち漏らしは擦れ違いざまにLS-スパロウによる【なぎ払い】でトドメを


バーソロミュー・スケルトン
金目のモノとか一切合切いただいてやろうと思うたが、ちと時間がなさそうじゃな。
最低限の用は済んだのじゃし、爆発する前にさっさとずらかるぞい!

道すがらに味方を探しつつ、船内からの脱出を目指して駆けるのじゃ。
目の前の敵は踏みつけて後ろに蹴り飛ばしてやったり、
遠くの敵はクイックドロウの2回攻撃で速攻倒していくぞい。
わしの早撃ちを見せてくれるわ。



「手早いお迎え感謝ダ!」
 5人の猟兵が脱出を目指すのとはまた別の通路。甲高い発射音と、金属の溶ける音が響く。
 倒れ伏すドロイド兵。その先にいたのは、宇宙バイクに騎乗した丸っこいブラックタール。
 その手には、戦士の銃と呼ばれる旧式のブラスター。
 ファランスもまた、他と同様に潜入を果たし、そして脱出を目指していた。
「これはつまらないモノだガ、どうぞよろしくってナ」
 まぁ、短い付き合いになるんだガ。
 続いて出てきたドロイド兵に出合い頭にもう一発。これでもう何体目だろうか。
 そろそろ数えるのが面倒になりながら、続いて聞こえてきた足音の方向に銃口を向け……咄嗟にその先を跳ね上げた。
 現れたのは、ドロイド兵とはまた違う骸骨じみたウォーマシン。
 だが海賊風の衣装をまとった姿は明らかにドロイド兵とは異質で、また見覚えのあるものだった。
「おっと、お前さんも無事だったカ」
「当然じゃ!しかし、金目のモノとか一切合切いただいてやろうと思うたが、ちとその時間はなさそうじゃな。最低限の用は済んだのじゃし、爆発する前にさっさとずらかるぞい!」
 べらんめぇ口調でまくし立てる骸骨船長……バーソロミューにファランスも頷きを返し。
 二人そろって見据える先には、大量のドロイド兵。
「かっか、よくもまぁわらわらと湧いて出てきよったわい!」
「これは良イ。なんといっても一々狙いをつけなくてもいいのがいイ」
 顔を見合わせ、にやりと笑う。
 やることは単純だ。蹴散らせばいい。
 バーソロミューの足が床を蹴り、ファランスの流星号が唸りを上げた。
 見ようによっては、無謀な特攻。
 だがその実、強引ではありながら突破は成っている。
 攻撃態勢に入った敵は、バーソロミューの早撃ちの前に倒れ、その隙にファランスの流星号が突入。
 邪魔なドロイド兵を引きつぶして敵陣に道を作り、銃口を向けてくる相手はすれ違いざまに零距離射撃。
 不用意に背中を向けようものなら、バーソロミューに踏み台にされるのがオチとなる。
「わしの早撃ちを侮るでないわ!」
 飛び越しざまに振り向いての追撃をかけながらバーソロミューが吼える。
 続けて前に立ちふさがるドロイド兵に銃口を向け……次の瞬間、そのドロイド兵が横合いに吹っ飛ばされた。
「単純な質量弾としてぶつけるだけでは些か不安が残る……ならば艦そのものを爆弾としてしまえば良い。万が一艦が停止したならば、侵入者ごと葬り去れば良い……」
 やはり自爆機能が走っていましたか……!
 現れたのは、光刃を手にしたウォーマシン、サーズデイ。
 騎乗した可変防盾のスラスターはかなりの熱を持ち、ここまで全速力で突っ切ってきたのが伺える。
 アームドフォートの方向からも煙が尾を引いており、今の今までフル稼働していたんだろう。
「こいつはまた、派手にやり合ってきたようじゃな」
「……予測出来ていながら警告出来なかった私の落ち度です。行動を以って埋め合わせを」
「真面目なこっタ」
 神妙な顔のサーズデイにやれやれとファランスは肩をすくめる。
「とにかく、時間との戦いです。急ぎましょう、二人とも」
「解っていル。……おっと、これも忘れたらいけないナ」
 同時にくるっと機体を反転させる二人。
 即ち、サーズデイは入り口側へ。ファランスは奥側に。
 何をする気だとサーズデイが口を開く前に、ファランスは行動に移っていた。
「お前達!ジェットストリームアタックを仕掛けるゾ!」
 呼び出したのは、どこかで見たような顔の小さな分身たち。
 飛びかかる先は、逃がすものかと追撃にやってきたドロイド兵たち。
 突然の反転攻勢に混乱の渦に叩き込まれるドロイド兵を見て、ファランスは満足げに頷いて。
「出てこなければやられなかったの二……」
「格好つけてる場合ですか……」
 心配そうなサーズデイをよそに、海賊たちはどこか楽しげであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

天通・ジン
撤退戦なら、その「退却地点を確保」する必要があるよな。
まず、船内へと潜入した猟兵たちがどこから潜入したのかを確認。
一番多くの猟兵の撤退支援ができそうな場所へ、戦闘機を寄せよう。
艦載機出撃用のハッチとかかな。

宇宙戦闘機でそこを抑える。
俺が敵だったら、先回りして猟兵の脱出手段を封じるからね。
敵がそこへドロイドを派遣してない保証がない。
【確率予測演算】で敵の攻撃を回避しつつ、そこを制圧する。

制圧したら、その地点で飛行機を降りる。
ブラスターを構えて、味方がやってくるのを待つよ。

まさかボスがいるなんてことはきっとありえないだろうけど、念のため、いつでも味方を援護できるよう、位置確認は怠らず。

アドリブ歓迎



 一方そのころ、船外の戦闘は落ちつきつつあった。
 護衛についていた戦闘機の多くは猟兵達の前に撃墜されて大きくその数を減らし、猟兵達もまた、船内の味方の救助のために戦列から離れたものも数多い。
 双方の戦力が減った結果、必然的に戦闘が小規模化した格好だ。
 残った敵戦力も、いずれは猟兵達に駆逐されることだろう。
「(となれば、俺のやるべきことは……)」
 そんな戦場を飛びながら、ジンは帝国船のハッチを見据える。
 撤退戦となれば、必要であるのは「退却地点の確保」。
 船内に侵入した仲間は数いれど、彼らの目的は船内の仲間の救助だ。敵陣に穴こそあけても、脱出口を制圧しているわけではない。
「(俺が敵だったら、先回りして猟兵の脱出手段を封じる……一時的に突破口は開いたとしても、その後敵がそこへドロイドを派遣してない保証がない)」
 舵を切る。機首の向ける先は、船の内部。
 センサーが捉える地形と味方機の位置を艦載コンピューターに叩き込みながら、制動。
 ふわりと宇宙戦闘機が速度を落としながらも、ホバリングは維持して急旋回。
 同時にモニターに次々と表示される熱源反応。ドロイド兵だ。
「……読み通り!」
 機銃が火を吹く。
 格納庫内をホバリングしながらの旋回射撃。
 搭載コンピュータの演算のおかげで、射線上に味方機が入り込みそうになったら自動で射撃は止めてくれる。そして残りはまとめてなぎ払う。
 全滅は無理としても、機先を制し数を大きく削いだ。先手でこれだけやれれば十分だろう。
 とは言え、流石に格納庫内では小型のバイクならともかく宇宙戦闘機で縦横無尽に戦うのは無理がある。
 そう判断したジンはすぐさまブラスターを手に戦闘機から降り、手近なドロイド兵を撃ち抜いて。
 後は、他の味方が来るまでここを維持すればいい。

 ……そして、しばらく周囲の警戒と先制射撃を繰り返していると、奥の通路から、明らかに異質な戦闘音が聞こえてきた。
 次いで視界に入ってくるのは、吹き飛ばされるドロイド兵と見覚えのある猟兵達の姿。
「これで一安心か……」
 まさかボスがいるなんてことはきっとありえないだろうけど。
 そう思ってジンが一つ息をつき、いやしかしと意識内で警笛が鳴った。
 嫌な予感とは当たるもの。そう言ったのは自分ではないかと。
 ぱらりと何かが零れ落ちる音がした。
「……みんな止まれ!上だっ!!」
 ジンが叫んだ次の瞬間、『何か』が格納庫の天井を突き破った。

成功 🔵​🔵​🔴​




第3章 ボス戦 『二足歩行戦車』

POW   :    一斉砲撃
【機体各所に搭載した火器】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD   :    レジェンダリーソルジャー
【伝説的な戦車兵を再現したAI】を召喚し、自身を操らせる事で戦闘力が向上する。
WIZ   :    胴体下部可動式ビームキャノン
【砲門】を向けた対象に、【ビームの連射】でダメージを与える。命中率が高い。
👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●立ち塞がる最後の壁
 脱出を図る猟兵達の目の前。
 格納庫の中心に降り立ったのは、巨大な二足歩行戦車であった。
 大方、体当たり後にスペースシップに放つつもりで艦首近くにでも待機していたせいで、今までその姿を見ることが無かったのだろう。

 不吉な赤色を放つセンサーアイが、猟兵達を捉える。
 見逃してくれるような相手でないのは明らかだ。
 一部のスターライダーであれば、その猛攻を抜けて脱出することは不可能ではないだろうが、全員が全員そんなことをやれるのであれば苦労は無い。
 全員無事で脱出するには、こいつを倒していくしかない。
 そう猟兵達が覚悟したのを肯定するかのように、二足戦車のビーム砲が鎌首をもたげた。

 ……自爆までの残り時間、あと8分。
ユーイ・コスモナッツ
シャルさんの「嫌な予感」、
大的中ですね
ええ、だからこそ、
無事に還ってみせなくては!

反重力シールドに乗ったまま、
加速しながら距離を詰めます
一斉砲撃もビームキャノンは
スピードと騎乗技能で回避! してみせます!

脇を抜けて脱出……すると見せかけてぇ、
急上昇からの垂直降下!
ユーベルコード「彗星の重力加速度」で、
頭上からの一撃を狙いますっ

周辺地形を破壊して足場を崩せば、
相手は二足歩行の巨大メカ
動きを鈍らせることができるんじゃないかな

あっ、でも!
破壊しすぎて脱出口を塞いでしまうようなことがないよう
そこだけは注意しますね

そんなわけで
宇宙騎士ユーイ! 吶喊します!


寧宮・澪
運んでもらって、ありがとーございますー……すごい、すぴーど……でしたー……。
一安心……じゃない、ですねー……。
あれは、横、通してくれないですしー……。

8分より、前に、倒してー……皆で無事に、帰りましょー……。
戦車、は、ぶっ倒すー……。
【祈り】、【勇気】、【鼓舞】、【覚悟】。
いっぱい込めて、【謳函】を、【歌唱】してー……援護します、よー……。

攻撃はー……【オーラ防御】で、軽減をー……避けれなくても、軽減できます、ようにー……。

あとは船のシステム【ハッキング】して、格納庫の船とか、機械とかー……進路上においたり、まとわりつかせて、動き鈍くさせられる、でしょか……。

アレンジ、連携、お任せですー。



「大丈夫ですか、澪さん?」
「運んでもらって、ありがとーございますー……すごい、すぴーど……でしたー……」
 澪の身体がなんだかふわふわと揺れていた。
 今の今までユーイに抱えられて、あまり広いとは言えない通路を超高速で、かつぶつからずに右へ左へと突っ切らされて、少し酔ったかもしれない。
 ……いや、最初からこんな感じだったような気もする。
 まぁ、それは良い。本人が大丈夫そうなので別にいい。問題はこっちだ。
「これで一安心……じゃない、ですねー……」
「ですね……シャルさんの『嫌な予感』、大的中です」
 二足戦車を見据える二人。
 大人しく横を通してくれるとは思えない。
 よしんば、ユーイ単独であれば、通り抜けるだけなら可能かもしれないが、澪もとなると厳しい。
 となればやることは一つ。
「8分より、前に、倒してー……皆で無事に、帰りましょー……。戦車、は、ぶっ倒すー……」
「はい!無事に還ってみせなくては!」
 澪が手にした箱型ガジェットを掲げるよこで、ユーイは再度反重力シールドのスラスターを吹かす。
 肉薄。火を吹くビームキャノンの火線の脇を抜け、足の間を潜り、そのまま一気に後方へ。
 脱出を狙うとでも思ったのか、戦車の砲口はユーイを追って足の間に潜り込もうとする。
 が、勿論そんな選択肢をユーイが選択するはずもなく。
 急上昇。取るのは頭上。強力なビームキャノンも、こうなってしまえば戦車の胴体そのものが遮蔽となって、ユーイには届かない。
 代わりに向くのは、戦車上面に配置された対空機銃群だ。
 ビームほどの威力は無いにしても、元々機動力の高い航空戦力を想定した武装。
 高速戦を得意とするユーイもこれには流石に顔を顰め……たところで、不意にユーイは自身の体が軽くなるのを感じた。
 重力の変動と言った物理的な要素ではない。もっと、感覚的なもの。
 それと同時に、格納庫に転がっていた敵兵器の残骸の火砲が、戦車目掛けて銃弾を叩き込んだ。
「はい、がんばりましょー……」
「!……ありがとうございますっ!」
 聞こえてくるのは、警告灯が赤く光る格納庫内には不釣り合いな、澄んだ歌声。
 仲間を鼓舞し、またあるものはハッキングを以て支配下に置く、電子の歌姫の魔法。
 誰が厄介なのか。何から墜とせばよいのか。優先順位の判断を付けかねたらしき戦車の銃口が困惑げにブレた。
 決定的な隙。仕掛けるならば今。
「宇宙騎士ユーイ!吶喊します!」
 突撃。
 直上からの急降下。反重力シールドの全推力に、船内の人工重力をも上乗せして。
 超高速、全身全霊の戦乙女のランスチャージを、叩き込む。
 室内に高々と響き渡る轟音。
 戦車の曲面装甲がひしゃげ、それでもなお殺しきれぬ衝撃が踏みしめた戦車の足をめり込ませ、格納庫の床に大きな亀裂を走らせた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

トリテレイア・ゼロナイン
やはり簡単には脱出できそうにありませんね。あの重武装、真正面からぶつかると苦労しそうです。

それにしても二足歩行とは随分とトップヘビーな設計…
……騎士の戦法ではありませんが、そこを突かせて頂きます

機械馬に「騎乗」し、攻撃を「武器受け」「盾受け」で防御しつつ接近。
戦車の脚にワイヤー制御隠し腕を放ち、機械の「怪力」で掴みます。そのまま円を描くように走り、ワイヤーを脚に絡ませて転倒させましょう。

転倒しても火砲は生きているでしょうから、味方への攻撃を「かばい」つつ、馬の「踏みつけ」と槍と盾の殴打による「鎧砕き」で火砲を破壊します。
起き上がるまでに痛手を与えられれば良いのですが…


東郷・三笠
最後の障害という訳か
時間はかけていられん
作戦ノ成否、コノ一戦二在リ
東郷・三笠、推して参る!

一斉発射11、範囲攻撃1を用いてヤマト型オーバーアームドフォート『タケミカヅチ』で砲撃戦
隙が出来たら空中戦10、ジャンプ5、ダッシュ5でクロステイルスラスターを用い三次元移動しながら
残像1、鎧無視攻撃8、見切り1、捨て身の一撃2、覚悟2、勇気1で超電磁単分子ブレイド『布都御魂』で東郷流電磁抜刀術『閃雷』を使用
トドメをさせそうなら胴体
それ以外なら足を狙う
雷剣神の妙技を見よ!東郷流電磁抜刀術―――『閃雷』

敵の攻撃は盾受け7を用いてアサルトシールドフィールドで防御

アドリブで他の方との絡み歓迎



「あの重装甲……やはり簡単には脱出できそうにありませんね」
 真正面から強烈な一撃を受けても、ノーダメージとは行かないまでも二足戦車はいまだ健在。
 決して楽な相手ではないと、トリテレイアは歯噛み(ウォーマシンの彼に歯があるかは知らないが)する。
「文字通り、最後の障害という訳か……だが、時間はかけていられん」
 作戦ノ成否、コノ一戦二在リ。
 こいつさえ倒して無事に脱出すれば、猟兵の完全勝利。三笠の言うように、成功まであと一歩、最後の一押しというところまでは来ているのだ。
 それに、やりようはある。
「距離を詰めます。援護を!」
「ふ、良いだろう。東郷・三笠、推して参る!」
 トリテレイアの提案に確かな自信を感じ取ったのか、三笠は二つ返事で了承すると、自らのアームドフォートの砲口を二足戦車へと向けて。
「さぁ、我が相手だ!」
 斉射。
 幾分床に沈みこみ、わずかな間とは言え動きの止まった戦車目掛けて、何条もの火線が走り、装甲を焼き、抉る。
 それでもなお、戦車の堅牢な装甲は形を歪ませながらもまだ耐えていた。
 お返しとばかりに戦車の機銃が、ミサイルが、ビームが飛ぶ。
 対する三笠はエネルギーシールドを展開。盾受けの要領で攻撃を凌ぐが、兵装の搭載量の差はいかんせん埋めがたい。
 このままでは押し負けるのは誰の目にも明らか。だが、一時的に相手の火砲をすべて受け持った。それで十分だった。
 その隙にトリテレイアは、機械馬を駆って側面に回り込むことができていたのだから。
「騎士の戦法ではありませんが……!」
 少々美学に反するものの、状況が状況であると割り切り、それを起動させる。
 放ったのは、腰部の装甲に搭載されていた有線式の隠し腕。その向かう先は、戦車の脚。
 二足歩行という設計上、どうしてもその重心はトップヘビーにならざるを得ない。
 それならば。
「かかった……!」
 隠し腕のスパイクが、過たず戦車の脚部装甲を貫く。最重要部位故にその装甲は堅牢、これだけで機能停止に追い込むのは当然無理だが『引っかかりはした』。それでいい。
 トリテレイアの機械馬はその速度を緩めない。戦車の周囲を円を描き、駆け続ける。
 そうするとどうなるか。当然、隠し腕を繋ぐワイヤーは脚部に絡まることになる。
 後は、ウォーマシンの恵まれた体格とトルクを活かして強引に踏ん張り、渾身の力で引っ張り、引っ張り……。
 やがて、巨大な歩行戦車の体躯がぐらりと揺らいだ。
「今です!」
「任せろ!」
 返事よりも先に、三笠は動き出していた。
 限界に近かったエネルギーシールドを早々に解除、入れ替わりにスラスターを起動。
 残像を残すほどの速度で肉薄しながら、超電磁単分子ブレイドの柄を握り込む。
「雷剣神の妙技を見よ!東郷流電磁抜刀術……」
 狙うは、脚。ここで、完全に支えを潰す。
「……『閃雷』ッ!!」
 一閃。
 電磁加速が為されたすれ違いざまの抜き打ち。
 その一撃が確かに戦車の脚部フレームにまで届いていた事実は、自身の重量を支え切れずに崩れ落ちる二足戦車の姿が雄弁に語っていた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

バーソロミュー・スケルトン
最後に邪魔なデカブツが出てきおったのう。
わしの行く道を邪魔する奴は、宇宙の藻屑にしてくれるわ!

ドロイドの残骸なんかを取り込んで、巨大海賊兵装を使うぞい。
巨大化して敵の注意を引きつつ正面から殴りかかるのじゃ。

2倍化すれば5m超のサイズじゃからな。
他の猟兵共も壁にするなり、スキを突くなりしやすくなるじゃろう。

まあ、うかうかしておるようなら、わしがそのままぶっ潰してしまうかもしれんがな。ガハハハッ!


ペイン・フィン
・・・・・・逃がしてくれそうにもない、か。
こっちも急いでいることだし、なるべく早くに片づけたいね。

真の力を解放。
血霧のようなモノを纏い、何歳か幼い姿に。
同時にコードを使用。
先ほどまで実体化させてたスタンガン含む全ての拷問具を複製。
物量に任せて、たたき込み続けるよ。

ナイフは敵の関節部の分解狙い。
指潰し、膝砕きは相手の身体を潰し、砕く。
焼き鏝でコードなんかを焼き切り、
猫鞭、積み石でがんじがらめにし、足を封じよう。
そして熱湯をかけた上から、スタンガンで電気を流し、苦痛のデータを与える。
・・・・・・さて、少しは効いたかな?



「足は止まった……とはいえ、逃がしてくれそうにもない、か」
「まったく邪魔なデカブツが出てきおったのう……!」
 斜めを向いて擱座する二足戦車。
 だが、それは『足回りが死んだ』というだけで完全に機能を停止したわけではない。
 戦車の火砲は、他の猟兵達の攻撃によって着実に潰されつつあるものの、まだ生きている。
 しつこいものだと、敵戦闘機の残骸を盾代わりにしながらペインとバーソロミューの二人は歯噛みする。
「こっちも急いでいることだし、なるべく早くに片づけたいが……」
「……ならば、そろそろ仕掛けるとするかのう」
 ちらりと周囲を見やり、バーソロミューがしたり顔で頷く。
 何をする気だとペインが問えば、骸骨頭でにやりと笑い。
「簡単なことよ。わしの行く道を邪魔する奴は、宇宙の藻屑にしてくれるわ!」
 言うが早いか、物陰から飛び出していくバーソロミュー。
「さあ、わしのボディとなれ。共に大暴れしてやろうじゃねえか!」
 彼が吼えれば、その声に中てられたかのように、周囲に散らばるドロイドや施設の残骸が震え、重力に逆らい浮き上がる。
 敵の流れ弾やこれまでの余波で、瓦礫の量は十二分。それらあるものすべて、バーソロミューの下に集わせて。
 これこそが巨大海賊兵装。全高は二倍ほどにまで膨れ上がり、歪ながらも荒々しい力強さを見せつける、人型兵器と化す海賊船長の業。
 5メートルを超す巨体は、いくら格納庫内と言えど流石に窮屈だ。
 だが、回避など考える必要はない。正面から押し通すまで。
 機銃が装甲を削ろうとも、ビームが肩口を抉ろうとも構わず、正面から組み付いて行く。
「そうらお前達!うかうかしておると、わしがそのままぶっ潰してしまうかもしれんぞ!」
 ガハハと豪快な笑い声をあげ、バーソロミューが戦車目掛けて鉄拳を振り下ろす。
 巨大兵器同士の組み合いの中、それを聞いたペインもまた、動き出していた。
「……不本意だけどね」
 あまり使いたい力ではないのは自覚している。そんな不満を誰へともなく吐き出して。
 だが、状況が状況だ。せっかく作ってもらえた隙を、限られた時間の中で自分の我儘で無に帰す気も無い。
 ナイフ、指潰し、スタンガン。
 ありとあらゆる拷問器具を取り出し、複製し、飛ばす。
 相手が拘束されているのであれば、苦痛を与えることに何の支障もありはしない。
 たとえ、それが痛みを知らぬはずの機械であろうとも。
「……『拷問』を、開始するね」
 関節部に刃をねじ込み、電流を流し込み、装甲を潰し、回路を焼く。
 火花が散り、軋みを上げる音は、物言わぬ機械の悲鳴のようにも聞こえた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ファランス・ゲヘナ
【心境】
「ちっ、邪魔だナ。悪いがくず鉄に用はなイ。」
全員で生きて帰るゾ。それが奴らへの最大の仕返しだナ。

【戦闘】

『騎乗』している龍星号をUC:ゴットスピードライドで超高速モードへ変形。
格納庫という閉鎖空間でも迷わず駆けるオレの『操縦』テクニックを魅せてやル。
質量のない『分身』を生み出す『ダッシュ』を越えた加速で戦車へ突撃すル。
奴の装甲を貫く『鎧砕き』の突進を『二回攻撃』の連続攻撃ダ。
「どんな装甲でモ、撃ち貫くのミ!!」
ビーム砲カ、可能な限りを回避しつツ、『オーラ防御』で被弾ダメージを最小にしつツ、再度突貫を開始すル。
これがゲヘナ流海賊術ダ!!


サーズデイ・ドラッケン
ここが正念場です
格納庫の外へ向かって【ダッシュ】
逃げるように見せかけて敵の注意をこちらへ向け、味方と十字砲火が出来るように位置取りをし、【援護射撃】を行います

可動式ビームキャノンを狙って火力を集中
破壊次第、敵のセンサーアイ付近にミサイルを撃ち込み爆風で【目潰し】
爆風が晴れるまでにブースター全開で【スライディング】し敵の股下を潜り抜け背後に回り、
ワイヤーガンを併用して敵の頭上へ跳躍
LS-スパロウを敵の頭頂部に突き立て、その状態で【オーバードブレイド】を起動、内側から喰い破ります

破壊後、脱出に間に合いそうにない味方を担いでウェイブストライカーで離脱します
少々荒っぽいですがご容赦を



 どこか回線がイカれたのか、狂ったように機銃やビームを撒き散らす二足戦車。
 その様は完全に機能を停止させる前の最期の足掻きのようにも見える。
 追い込んでいるのは確実だ。だが、こんな状態では安易に近くを抜けることもままならないし、かと言って悠長に機能停止を待っている時間も無い。
 何せ、タイムリミットまで残りは3分を切っている。
「ここが正念場ですね……!」
 あともう一押し。
 ここでサーズデイが打って出た。
 やることは、最初にユーイがやって見せたこととほぼ同じだ。
 即ち、脇を抜けて脱出すると見せかけて、注意を惹く。
 壊れかけとは言え、戦車もまだ己の役割を理解できなくなったわけではないらしく、ビームキャノンをサーズデイに向けて発射する。
 回避された火線が天井を焼き、パラパラと赤熱化した金属片を降らせた。
 だが、これで良い。
 ビームキャノンがこちらを狙っていることは、他の仲間にビームキャノンが向いていないということだ。
 それに、こちらを狙っているならば、こちらが狙いやすいということでもある。
 ビーム砲目掛けて、火線を集中。破壊できればそれでよし、そうでなくても注意は向く。
 その撃ち合いの中に、飛び込んでくるもう一つの影があった。
「悪いがくず鉄に用はなイ……!」
 いい加減邪魔なのだと、二足戦車に肉薄していく紫色の宇宙バイク。
 ファランスの龍星号だ。
 閉鎖空間であろうと、巨大兵器が複数いようと、火線が飛び交っていようと関係ない。
 残像を残すほどの超加速。中途半端な狙いなど物ともしない。
 他に注意が逸れて、狙いも散漫であれば猶更だ。当たる道理など微塵もない。
「どんな装甲でモ、撃ち貫くのミ!!」
 携えるのは巨大なダブルヘッドハンマー。
 狙うは懐。パチパチと火花を散らす装甲の亀裂へと。
 そして、サーズデイもまた、ファランスに一拍遅れて跳躍し、戦車の頭頂部目掛けてカトラスの光刃を。
「これがゲヘナ流海賊術ダ!!」
「オーバードブレイド、レディ。……食い破ります」
 十二分に速度の乗ったファランスの鉄槌が前部装甲を抉り飛ばし、ひしゃげた上部装甲に突き立った光刃が圧倒的な光量を放つ。
 瞬間、二足戦車の内側で何かの爆ぜるような音が響き、そしてついにそのセンサーから光が、消えた。
 完全な機能停止。だが、猟兵達に去来する達成感は無い。
 そう、まだすべきことが一つだけ残っている。
「全員で生きて帰るゾ。それが奴らへの最大の仕返しだナ」
「機体が被弾している人は私が担ぎます。少々荒っぽいですがご容赦を」
 動力炉の熱が、今や遠く離れた格納庫ですらも感じられるほどだ。
 最早一刻の猶予も無い。
 機体が動く者はすぐさま飛び乗り、流れ弾を喰らっている機体は放棄。
 動けるものが動けないものを乗せ、あるいは担ぎ。
 そして……。

 漆黒の宇宙の真中で、光が一つ、爆ぜた。
 きらきらと尾を煌めかせながら離れていく、幾条もの流星を見送りながら。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年01月28日


挿絵イラスト