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それは甘く、柔らかく

#スペースシップワールド #戦後

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#スペースシップワールド
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#戦後


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●ぺちぺちこねこね
「隊長! 我々はここで何をしているのでありますか!」
「うむ、銀河帝国復活の為の資金稼ぎである!」
「隊長! なぜその内容がスペースすあまを作ることなのでありますか!」
「うむ、唯一残った兵器を転用できそうな作業がそれくらいだからである!」
「隊長! これで本当に銀河帝国復活は成るのでありますか!」
「うむ、我々銀河帝国騎士に考えることは許されていないのである! 分かったらさっさと作業に戻るのである!」

●漢字で書くと寿甘または素甘
「すあま……」
 集まった猟兵たちの前で、アレクサンドラ・ヒュンディン(狗孤鈍狼・f25572)がぼそりと呟く。どうやら独り言らしく、猟兵たちの視線に気づくとアレクサンドラは慌てて居住まいを正す。
「あ、ごめんなさい、皆さん、お集まりいただきありがとうございます……お仕事の依頼です。スペースシップワールドで、銀河帝国の残党たちが帝国復活のために活動しています」
 銀河帝国が滅んでから一年余り、最早猟兵たちの目は未踏宙域に向いており、帝国のことなど忘れ去られたようにも見える。だが、彼らは完全に消え去ってはいない。今も各地に隠れ、細々と悪事を重ねたり、捲土重来を目指しているものがいるのだ。
「皆さんには、宇宙船のワープドライブ機能で現地に向かっていただきます。移動に使う船は菓子工場を搭載した船でして、お団子とか、大福とか、そういうお餅系のお菓子を作ったり食べたりもできます……移動中のお暇つぶしに、よろしければ……」
 そうして甘いもので英気を養ったところで、いざ本番である。
「場所は移動に使った船と似たような船で、やっぱりお菓子の工場になっています。そこで銀河帝国のクローン騎士が宇宙上新粉をこねて、スペースすあまを作っています。彼らはこうやって銀河帝国復興の資金集めをしているらしいので、戦って止めてください。皆さんが今まで何度も戦ったクローン騎士たちと能力は全く同じで、隊長と呼ばれてる人がいますがその人も特別強いわけではありません……今まで通り、やっつけちゃってください……」
 表情を変えないまま言うアレクサンドラは、宇宙上新粉にスペースすあまって何だとかこれ放っといてもいいやつなんじゃないかとか、そういうツッコミはスルーする方針らしい。
「クローン騎士たちをやっつけたら、すあま製造マシーン……もとい、試作型暴徒鎮圧ロボ『トルストイ』が動き出して襲ってきます。この機械は相手にやる気をなくさせる精神干渉波を放ち、その相手を柔らかくして生きたまま肉玉に成形して連れ去ってしまう恐ろしい機械です。クローン騎士たちはこの成形能力をすあま製造に役立てていたみたいです。皆さんもすあまにされないよう注意して戦ってください……」
 あくまで大真面目にアレクサンドラは言う。ちなみに中央にはパイロットのような存在が見えるが、これは精神干渉波を放つ装置を積んだ人形なので、会話などは出来ないし特に気にすることなく壊してしまっていいようだ。

 ともあれ、相手はオブリビオンであり、銀河帝国復興をもくろむ存在であることには変わりはない。予知に引っかかったということは、放置すれば宇宙規模のバタフライエフェクトがなんやかんやしていずれは大事件に発展する可能性も無きにしも非ず、と言えるのかもしれない。
 己の務めを果たすべく、アレクサンドラはグリモアを起動し猟兵を宇宙の旅へと送り出すのであった。


鳴声海矢
 こんにちは、鳴声海矢です。
 これ放置してもいいんじゃないか系シナリオ第二弾です。第三弾の予定は不明。
 察せるかと思いますがギャグシナリオです。

 第一章では和菓子工場付き宇宙船に乗って現地へ向かっていただきます。到着までの間和菓子を作ったり食べたりして楽しんでください。(スペースシップワールドなので材料は本物ではありませんし、作業員はロボットです)
 例に挙げたものの他にもギャラクシー胡桃柚餅子とかコズミック羽二重餅とか色々あるかもしれませんので、好きに捏造してください。

 第二章では銀河帝国復興を目論むクローン騎士の一団が登場します。
 ドローンに自分を操らせたりブラスターで連続射撃してきたりと、おなじみの攻撃を仕掛けてきます。隊長格はいますが特段強かったりはしません。

 第三章ではやる気をなくさせる催眠の呪詛と、肉体を軟化させて団子状に成形するという攻撃方法を持つロボットが出てきます。
 こちらは元々暴徒鎮圧用ロボットであり、そのための無力化、封印能力が搭載されており普通に強敵ですので、戦闘能力を奪われないよう気を付けて戦ってください。

 それでは、プレイングお待ちしております。
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第1章 日常 『宇宙のスイーツ工場』

POW   :    とにかく沢山のスイーツを作る

SPD   :    見た目にこだわるスイーツを作る

WIZ   :    挑戦的な味のするスイーツを作る

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 猟兵たちが乗り込んだワープドライブ機能付きの宇宙船、それは和菓子工場を搭載した船であった。
 製造は全てはロボットが行っているが、何かしらのこだわりでもあるのか、彼らは皆人の手のように繊細な動きをするアームを持っており、菓子をこね、成形するのは全てアームによる手作業で行われている。
 また見学者が来ることを想定しているのか、見学用ルートやガイドロボット、製造体験コーナーなども用意されている。もちろん出来立てを購入できるショップも完備だ。
 これからの戦いに備えここでどう過ごすか……それは猟兵たちの自由である。
アンノウン・シー
行動はPOW
一人称は当艦、三人称にはミスターorミス+苗字、愛称はウノ
「このようなものがあるのですか」
 食事を必要としないけど、とある目的の船を作る上で必要だと考え工場の設備に興味深々。あと和菓子職人は洋菓子も作れるとかの知識でこれを参考にすれば色々作れるのではないかと思っている。
様々な和菓子を作って貰って機械の動きをひたすら観察する
アドリブ連携歓迎


夢ヶ枝・るこる
■方針
・【POW】使用
・アド/絡◎

■行動
和菓子工場搭載の宇宙船、ですかぁ?
楽しみですぅ。

まずは【豊饒現界】で[料理][怪力]を強化、「本来の材料」で作った和菓子を出来るだけ色々と御用意し、持ち込みますねぇ。
その上で、「この世界の様々な品」も同様に作ってみて、両方を食べ比べてみましょうかぁ。
総じてかなり凄い量になりそうですが、同様に強化した[大食い]で無駄にせずしっかりといただきますぅ。
「恒星大福」や「中性子星ぼたもち」は、サイズ感も凄くてしっかりと詰まっており、食べでが有って美味しいですねぇ。
「食料の確保」が地上より難しい宇宙での「代用品」ですから、見た目以上にカロリーが凄そうな気もしますが。



「このようなものがあるのですか」
宇宙船に搭載された工場を、アンノウン・シー(所属不明の船・f26269)は興味深げに見回す。
 実のところ彼女は食事を必要としないタイプのウォーマシンなのだが、とある目的の船を造るため、こういったものを作る工場には興味津々なのだ。
 アンノウンは工場の生産ラインをたどりながら、その製造工程をしっかりと学んでいく。ラインの最初の方、一度に大量の材料を扱う下ごしらえ部分はいかにも工場、といった感じの大型機械が作業を行っているが、より細かな作業を必要とする工程に入るとロボットたちがまるで職人のように、一つ一つ機械のアームで丁寧に材料をこね、形を作っていた。
 アンノウンはそこで足を止め、ロボットたちの動きをじっと観察する。
「なるほど……これは勉強になります」
 その動きは人出はなし得ぬほどに早く、それでいて人の手と遜色ないほどに繊細で、まさにスペースシップワールドならではの菓子作り、とも言えるものであった。

 そんな製造ラインから少し離れた場所、体験用のラインには大量の荷物を抱えた夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)の姿があった。
「和菓子工場搭載の宇宙船、ですかぁ? 楽しみですぅ」
 そう言ってるこるは荷物を下ろす。その中身はすあまや大福など、他の世界から持ち込んだ『本物』の材料で作られた和菓子であった。
 それをユーベルコード【豊饒現界】で強化した力で目いっぱいに持ち込んでから、るこるはガイド担当のロボットに声をかける。
「これと同じものを作りたいのですけど、できますでしょうかぁ?」
 差し出された和菓子を受け取ったガイドは、それをしばし自身のカメラでスキャンした後、作業台の方へるこるを案内する。そこには恐らくこれが宇宙上新粉であろう白い粉や、通常よりかなり早いスピードで蒸しあげられる蒸し器などが用意されていた。
 るこるがつくと、台の横に備え付けられたモニターが点灯、菓子づくり講座のビデオが映される。それは説明しているのがロボットだという点を除けば、ある程度文明が進んだ世界でならよく見ることのできる工場見学者用ビデオと何ら変わらず、丁寧に宇宙式和菓子作りの工程を解説していた。
「なるほどなるほど……こうやって、こう、と……」
 るこるが説明に従いながら宇宙菓子を作っていく。そこに生産ラインの見学を終えたアンノウンが、今度は見学ラインの方を調べるべくやってきた。
「失礼します。当艦も見学させていただいてもよろしいでしょうか」
「はい、どうぞぉ」
 るこるが快諾すると、アンノウンは菓子作りの様子を見学し始める。ゴーグルに隠され視線は見えないが、その様子は真剣そのもの。どうやら彼女は菓子作りそのものと同時に、解説ビデオの内容やガイドの様子の方も見学しているようだ。これも彼女の船を作る目的のための一環、ということなのかもしれない。
 やがて解説が終わると、同時にるこるの前には大量の宇宙和菓子が出来上がっていた。それは見た目はるこるの持ち込んだ普通の和菓子と大差ないが、さて味の方はどうだろうか。
「うーん、「恒星大福」や「中性子星ぼたもち」は、サイズ感も凄くてしっかりと詰まっており、食べでが有って美味しいですねぇ」
 そう言って目の前の大量の菓子を平らげていくるこる。
「なるほど、それに優れた和菓子職人は洋菓子も作れると聞きます。この知識を転用すれば超新星ミルフィーユやブラックホールザッハトルテなどの作成も……」
 アンノウンも多くの知識を吸収し、さらなる発展形をも考えているようだ。
「こちらもおいしいですよぉ、ウノさんもどうですか?」
「いえ、当艦は勉強のみで。しかし課題は味が良すぎるとカロリーの過剰摂取が起きかねないことでしょうか。現にこれらは全て……」
 本物と宇宙菓子を比べ、後者が明確に勝っている点をアンノウンが指摘する。るこるもそれに気づきつつも、食べる手は止められないのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

藤宮・華澄
※アリス、エルーゼ、ジェイクと行動

せっかくですし、もらえるだけもらいましょうか。
なんで和菓子なのかはおいといて。
色々ありますから楽しめそうですね。数も大丈夫みたいですし。

絡み・アドリブOK


アリス・スラクシナ
※エルーゼ、華澄、ジェイクと行動

まあ、色々と言いたいが放っておくわけにもいかんだろう。
作ることもできるらしいが、まあその……迂闊な事をしないほうがいいだろ。
しかし華澄がほとんど食べなければいいのだが。

絡み・アドリブOK


エルーゼ・フーシェン
※アリス、華澄、ジェイクと行動

うーん、和菓子って細工とかしないといけないみたいだし、見るか食べるかだけにしておくかな。
にしても、ジェイクがあんなもの持ち込んでるなんてねえ。
なんか急造品っぽいし大丈夫なのかしら。
まあ、私たちでもなんとかなると思うし、お菓子でも食べて寛ぐわ。

絡み・アドリブOK


ジェイク・リー
※華澄、アリス、エルーゼと行動

ウルフを整備。
「甘党じゃねえんだが」
『糖分は頭の働きに必要です』
スマホに搭載したVEGAと対話しつつウルフの整備。
アポカリプスで見つけたはいいが、ほぼ大破していたものを使える部品等をかき集めて修復したものなので……。
「贅沢言えねえか」
燃料タンク剥き出し、コックピットも無理矢理設置したらしく……。
適当にもらった菓子食べながら計画を練る。

絡み・アドリブOK



「せっかくですし、もらえるだけもらいましょうか」
 藤宮・華澄(戦医師・f17614)は意気揚々と工場の中を進んでいく。その先にあるのは出来立てを販売するショップと備え付けのイートインスペースだ。
「うーん、和菓子って細工とかしないといけないみたいだし、見るか食べるかだけにしておくかな」
 その後に続きながらそう言うのはエルーゼ・フーシェン(踊り子・f13445)。彼女もまた和菓子を目当てに宇宙船内を進むが、やはり手間のかかる菓子作りを体験するつもりはなく、工程の見学と完成品を食べることを目的にしていた。
「作ることもできるらしいが、まあその……迂闊な事をしないほうがいいだろ」
 アリス・スラクシナ(邪神の仔・f21329)もやはり手作り体験はやめておき、食べるだけにとどめておくつもりだ。最も彼女の場合面倒がっているというより、慣れないことをして変な結果を呼びたくないという方が大きいようだ。
 いずれにせよ、三人はラインに沿った窓付きの通路から製造工程を横目に見つつ、奥にある販売所へと向かっていった。

 そしてその販売所で、三人は様々な宇宙菓子に舌鼓を打つ。
「これがスペースすあまですね、もちっとしてて柔らかくておいしいです!」
 華澄が桃色の餅菓子を頬張りながら言う。それは今回戦うことになる相手も作っている、スペースすあまなる菓子であった。
「まあ、色々と言いたいが放っておくわけにもいかんだろう」
 さすがに菓子に釣られて手心を……なんてことはないだろうが、無害そうな空気の漂う今回の敵のことを思いながらアリスは薄く切った芋羊羹を口に運ぶ。ちなみに商品名は天文単位の芋羊羹というらしい。
「にしても、ジェイクがあんなもの持ち込んでるなんてねえ」
 この場にいない男の名を出しながら、エルーゼは白色矮星白玉の乗ったあんみつをつついた。
「ああ、アポカリプスヘルで見つけたという……あれはちゃんと動くようになったのか?」
 アリスもその男と、彼が持ち込んだという兵器のことを思い出しながら言う。それは別の世界で彼が見つけたものだが、大破したものを急ぎ直したものなので所々動作が怪しい部分があった。
「さあ……直してはいたけど、なんか急造品っぽいし大丈夫なのかしら。まあ、私たちでもなんとかなると思うし、お菓子でも食べて寛ぐわ」
 エルーゼはそう言いながらさらに白玉を口に運ぶ。
「大丈夫ですよ。ジェイクさんはちゃんとやってくれます。いつだってそうでしたし」
 華澄の声は強い確信に満ちていた。恐らく彼女は、三人の中でもとりわけその男への信頼が強いのだろう。だから彼女は余計な心配などせず、今ある目の前のことに専念できる。
「ですので次はこの……ユニバースもなかというのを頂きましょう」
 そう言って席を立ち、すぐに両手いっぱいに最中を抱えて戻ってくる華澄。
「華澄がほとんど食べなければいいのだが……」
 まさか工場中の菓子を食い尽くすつもりでは。そんな不安が割と冗談で済まなくなりそうな華澄の食べっぷりを前に、アリスとエルーゼは苦笑いを浮かべるしかできないのであった。

 そんな女子三人の甘味会会場から離れた場所。工場でできたものを他船に配送するための小型艇が止めてあるドックに、彼女たちの話題に上っていた男がいた。
 ジェイク・リー(影の護り手・f24231)はそこで、アポカリプスヘルで入手した戦車『ウルフ』の整備に勤しんでいた。
「甘党じゃねえんだが」
『糖分は頭の働きに必要です』
 独り言じみたぼやきに、スマホに搭載されたAIのVEGAが答える。VEGAの言葉通り、ジェイクの行っている作業は色々なことに頭を使わねばならぬ問題が山積みであった。
 大破していたものを使える部品をかき集め強引に修理したものなので、燃料タンクは剥き出し、コックピットも無理矢理設置したような不自然な場所についており、いわば急所が丸出しのような状態である。
「贅沢言えねえか」
 それでも、拾った当初に比べれば大分マシになったほうである。幸いここは現状行ける中では最も技術の進んだスペースシップワールド。周囲にある戦闘用でない小型艇ですら、他世界とは比較にならぬ超技術の塊なのだ。ここでかき集められるものだけでもそれなりの整備はできるだろう。
 そう思いながら、ジェイクは適当に貰い受けてきた菓子を口にして整備を続ける。甘党ではないが全く食べられないわけではないし、戦前戦中の食事の大切さはよく分かっている。
 人と距離を取りながら、しかし衒いなく人のために戦える男は、人ならぬ声と時折会話を交わしながら、武骨な狼の牙に磨きをかけていくのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

天方・菫子
【祐一さん(f17856)とご一緒に】

すあまって美味しいんだよね!
残党退治の前の腹ごしらえ、大歓迎!

すごいね、和菓子特化型!
餡団子におまんじゅうにぼたもちは外せないよね
あたしの知ってる和菓子?
えっとね…
団子饅頭ぼたもちを基本として
大福桜餅柏餅八つ橋羽二重餅羊羹最中…
団子もみたらし団子とか三色団子とか…じゅるり
はっ、こんなに作ってもらっていいのかしら!?

色とりどり、和菓子って本当に綺麗だね
お茶をお供にいただきます
え、え?あーん?(ほんのり赤くなる)
うん、美味しいです…すあま、美味しい…
じゃあ、今度はあたしからあーんだね!
祐一さん、半分個しようー!

アドリブ歓迎(お色気系はNGです)


星野・祐一
【菫子(f17838)と一緒に】

すあま…如何にも甘そうな響きだよな
とりあえず残党退治の前に腹拵えから始めようか
早く菓子工場んとこへ行こうぜー

さて、何作って貰おうかな
まず餡団子だろ?お饅頭にぼた餅とか
ええと、それから…そうだ、菫子は何か良さそうなの知らない?
ほら、和菓子といえば菫子の故郷が本場だしさ
俺も知らない和菓子とかないかなーって

…気がついたら色んなもの頼んじまったな
見ろよこの色とりどりのお菓子!
お茶をお供に早速いただきますか
噂の素甘を半分に分けて片方を…んーうまい!
これイケるわ、菫子もほれ、あーん
…美味しいか?へへっそりゃよかった
菓子はまだまだあるし、いっぱい楽しもうぜ!

アドリブ歓迎です



「すあま……如何にも甘そうな響きだよな」
「うん! すあまって美味しいんだよね! すごいね、和菓子特化型!」
 星野・祐一(スペースノイドのブラスターガンナー・f17856)と天方・菫子(花笑う・f17838)は、残党退治前の腹ごしらえとして、工場へとやってきていた。
 二人は楽し気に話しながら、和菓子を選び始める。
「さて、何作って貰おうかな。まず餡団子だろ? お饅頭にぼた餅とか」
「餡団子におまんじゅうにぼたもちは外せないよね」
 祐一がいくつかの和菓子の名前を上げ、董子もそれに頷く。が、祐一はその後すぐに考え込むようなそぶりを見せて黙ってしまった。
「うーん……」
 しばらく考え込んで、祐一は薫子を見て声を出す。
「ええと、それから……そうだ、菫子は何か良さそうなの知らない? ほら、和菓子といえば菫子の故郷が本場だしさ」
 和名でこそあれ、祐一はスペースノイド、『本物』の和菓子に触れた経験は少なく、その名前も簡単には出てこない。対して董子の出身はサムライエンパイア。まさに本場といってもいいだろう。
「あたしの知ってる和菓子? えっとね……」
 祐一に問いに董子は少し考え。
「団子饅頭ぼたもちを基本として
大福桜餅柏餅八つ橋羽二重餅羊羹最中……団子もみたらし団子とか三色団子とか……じゅるり。はっ、こんなに作ってもらっていいのかしら!?」
 知っている菓子の名前を並べる董子。だがそれは途中から自分の食べたい菓子リストへとすり替わっていたよう、最後には涎を垂らしてしまう。いくら工場とはいえそんなに貰ってしまっては……と思い慌てる董子だが、そんな彼女の様子を祐一は微笑んで見守っていた。

 しばらくして、イートインスペースでお菓子の山を前にする二人。
 その内容は先刻董子が上げた菓子が全て含まれる豪華なもので、すこし渋めのお茶も完備だ。
「見ろよこの色とりどりのお菓子!」
「色とりどり、和菓子って本当に綺麗だね」
 一つ一つが芸術品のように細工を施され、様々な色をした菓子。それは本物とは違う材料で機械が作った宇宙の品とは思えぬほどの出来栄えで、名前こそふざけたようだがこの工場がいかに真剣に和菓子作りに取り組んでいるかの表れでもあった。
「それじゃ早速いただきますか」
 祐一はその中で、今回の依頼でもある意味中心となっているすあまを取る。それを半分に割って片方を口に入れた。
「んーうまい!」
 程よい甘さと柔らかい触感に祐一が感嘆の声を上げる。そのまま残り半分を持ち上げて、向ける先は己ではなく董子の方へ。
「これイケるわ、菫子もほれ、あーん」
「え、え? あーん?」
 その言葉に董子は一瞬戸惑うが、少し顔を赤くしながらも口を開け、その口にすあまが運ばれる。
「うん、美味しいです……すあま、美味しい……」
 元気な彼女としては珍しくちょっと控えめなその声は、多分顔が赤くなっているのと無関係ではないだろう。
「……美味しいか?へへっそりゃよかった。菓子はまだまだあるし、いっぱい楽しもうぜ!」
 その様子に笑って言う祐一。その笑顔に、今度は董子が羊羹を半分に切って近づける。
「じゃあ、今度はあたしからあーんだね! 祐一さん、半分個しようー!」
 またいつもの元気な調子に戻っていう董子。
 それからもたくさんの菓子が半分に割られ、それぞれの口へと運ばれた。
 どれも濃淡の差はあれ甘く、見た目も華やかなものば彼であったが、きっとその中でも一番甘くてきれいなのは、二人の間に流れる空気そのものだったはずである。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ジェシカ・ドゥ
和菓子の王道って言ったら羊羹よね。
見た目も私と似てるし親近感湧いちゃう。
そうだ!全身で味わう「お風呂用水羊羹」てどうかしら!
ねっとりプルプルの入り心地で皮膚から甘味が染み込んで何故か美味しさを感じるとか!



 ジェシカ・ドゥ(ブラックタールの陰陽師・f04038)は製造ラインの中でも、羊羹を製造する場所を特に念入りに見回っていた。
「和菓子の王道って言ったら羊羹よね」
 安いものから高級品まで様々な種類や価格帯のある羊羹。正統派に餡主体のものから、栗や芋などが入ったものや、塩味、梅味といった味の違うものなど色々あるが、その中でも流動性が高く、具や混ぜ物のない水羊羹が特にジェシカのお気に入りだ。
 製造工程を見終えてお土産売り場へ来たジェシカは、早速水羊羹を見て回る。
「見た目も私と似てるし親近感湧いちゃう」
 そう、彼女はスペースシップワールド出身の種族であるブラックタール。そしてとにかく製品に宇宙的な単語をつけるこの工場のこと、探してみれば……やはりあった、ブラックタール水羊羹。
 早速手に取るジェシカだが、普通に食べたのではつまらない。何か面白い食べ方はないかと考えてみる。それもブラックタールに相応しい食べ方は。
 しばし考えていたジェシカに妙案が思いつく。
「そうだ! 全身で味わう「お風呂用水羊羹」てどうかしら!」
 巨大な容器に水羊羹を入れ、その中に自分から入るのだ。ブラックタールは変幻自在の種族、どこが口で消化器官とも明確には決まっていない。個人差もあるだろうが、全身から食物を吸収できてもおかしくないだろう。
 そうと決まれば早速実験。大ぶりの入れ物を用意してもらい、そこにブラックタール水羊羹を満たす。そしてそこに自分自身も溶けこむように入れば。
「これはおいしいですね……」
 ねっとりプルプルの入り心地で皮膚から甘味が染み込んで何故か美味しさを感じる。念動力で羊羹を動かせばその揺らめきも体に伝わってなお心地よく。
 あるいはスペースシップワールドの技術によって他種族でも肌から甘みを感じられるようなものを作れれば、新たな宇宙菓子の開拓にもなるかもしれない。
 そんなことを考えながら、ジェシカは自身の体に水羊羹を吸収させ、その甘みを文字通り全身で享受するのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『クローン騎兵』

POW   :    ジェノサイダー
【自身の寿命】を代償に自身の装備武器の封印を解いて【ジェノサイドモード】に変化させ、殺傷力を増す。
SPD   :    インペリアル・インテリジェンス
【銀河帝国式戦術ドローン】を召喚し、自身を操らせる事で戦闘力が向上する。
WIZ   :    ブラスターレイン
【熱線銃(ブラスター)】を向けた対象に、【連続射撃】でダメージを与える。命中率が高い。

イラスト:蒼夜冬騎

👑7
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 やがて宇宙船はワープドライブを終え、目的地へと辿り着いた。
 放置された巨大船へと接舷し、内部へと乗り込む猟兵たち。
 情報通りその中は菓子工場となっており、大部分は機能が停止しているが、その一角に今も忙しなく動いている場所があった。
 そこではエプロンをつけたクローン騎士たちが懸命に粉をこね、それを蒸してついてはスペースすあまを作っていた。
「隊長! なぜ部外者が入ってきているのでありますか!」
「うむ、当方は工場見学は受け付けていないのである。速やかにお帰り願うのである!」
「隊長! なぜ彼らはこの銀河になさそうなものまで持って完全武装しているのでありますか!」
「うむ、もしかしたら見学ではなく我々のことをかぎつけた猟兵かもしれないのである!」
「隊長! この状況でもスペースすあまを作るのが優先でありますか!」
「うむ、銀河帝国復興という最終目標はすべてに優先すべきものである。しかし長期的に見れば眼前の障害を排除し作業効率を上げることが結果的に目的達成への早道となるのである。総員、作業やめ! 業務内容を戦闘に切り替え、猟兵を迎撃するのである!」
 隊長の声と共にクローン騎士たちは一斉に作業を停止。ブラスターを取り出し猟兵へ向けて構える。さあ猟兵よ、この工場に操業停止を言い渡すのだ!
夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎

■行動
さて、それでは食後の運動と参りましょうかぁ。
お相手させていただきますねぇ。

相手は『射撃武器』をお持ちですし、狙いを絞られると厄介な上、相手の【UC】でどのような強化が施されるか解らない以上、此方も基礎能力を強化しておくのが良さそうですねぇ。
【白翼衣】を使用、出来るだけ天井に近い位置を飛び回り、狙いを絞らせない様にしつつ『FRS』の[砲撃]と『FSS』による防御でお相手しますぅ。
『FBS』は低めの位置を移動、相手の懐に飛び込んで斬り上げさせましょう。

先程の『スペース和菓子』のカロリーが有りますから、強化も十分ですぅ。
途中で『スペースすあま』をつまみ食いして補充する方法も?



 宇宙の菓子工場でひっそりスペースすあまを作っていた銀河帝国残党たちに戦いを挑む猟兵。その一番手は、夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)だ。
「さて、それでは食後の運動と参りましょうかぁ。お相手させていただきますねぇ」
 そう言って構えを取るるこるに、クローン騎士たちは一糸乱れぬ動きで銃を向ける。
「総員、封印解除! ジェノサイドモードを発動せよ!」
「ラジャー!」
 隊長の掛け声とともに騎士たちの持つブラスターの形が変わり、ジェノサイドモードへと変化した。装甲に接続され寿命を吸い上げる非人道的な平気だが、指示一つでそれを躊躇なく使うのは、やはり彼らが銀河帝国のクローン騎士であるという証左である。
「《大いなる豊饒の女神》の使徒の名に於いて、その証たる衣を此処に」
 それに合わせるように、るこるも【豊乳女神の加護・白翼衣】を発動。全身をその豊満な体系と美しさを際立てるような白色のオーラで覆い、自らの戦闘力をアップさせた。
 敵が能力強化をしてくることは分かっていても、具体的に何をどう強化してくるかまでは分からない。それ故能力の底上げで対応力を上げようという判断であった。
「撃てぇい!」
 隊長の号令の元、ブラスターが一斉にるこるへと向けて発射される。携行火器としては過剰なまでの威力を持った光線が連続で放たれ、るこるを襲った。
 るこるはそれを、宙に浮いて躱す。直前にるこるがいた場所で爆発が起こりそこにあった機材が破壊されるが、騎士たちはそれに構わず、銃口を上に向けて再度狙いを定める。
「こちらからも行きますよぉ」
 撃たれる前に、とばかりに展開されていた砲台FRSがクローン騎士たちに向かって放たれた。それはジェノサイドモードで強化されたブラスターにも負けぬ威力で、敵を次々となぎ払っていく。
 まけじとクローン騎士たちも空中を舞うるこるへブラスターを連射するが、天井すれすれを移動しながら飛行するるこるに対しては中々狙いが定まらず、当たりそうな位置に撃たれたものも展開されたFSSのシールドに弾かれ、るこる本人には届かない。
「距離を詰めろ、全軍前進……」
「させませんよぉ」
 狙いを定めるため隊長は全身の指示を出すが、騎士たちが一歩踏み出した瞬間、低空に伏せていた戦輪FBSが上昇軌道を描いて敵を襲った。上空にばかり気を取られていた一団は、突然の足元からの攻撃に対応しきれず、次々と切り裂かれていく。
 上下からの砲撃と斬撃の連携は、るこるの本来の力に加え、ユーベルコードによって戦闘力へと変換された発育とカロリーが上乗せされ、普段以上の冴えと威力を持って敵を倒していった。
 その圧巻の発育は言うに及ばず、先に宇宙船内で食べた大量の宇宙和菓子の力も加わり、その力はまさに底知れない。
「ダメ押しもしておきましょうかぁ」
 その上で勝利を確実なものとする……という大義名分の元、るこるは工場内にあるスペースすあまを奪取、それを食べることでさらなるカロリーを上乗せした。
 やはりすあまらしく柔らかくもっちりとした触感。宇宙上新粉のおかげか、ざらつきがなく口当たりもいい。
 るこるがスペースすあまを食べるごとにFBSのキレは増し、その動きも早くなっていく。これは奇しくも彼らの作っていた宇宙和菓子の品質を証明するものであり、彼らのズレた勤勉さが彼らの運命を縮めてしまうという皮肉な結果でもあった。
「そ、それは商品である! タダ食いは厳禁でうおぁ!?」
 隊長の抗議の声を遮りながら、FBSはより鋭くクローン騎士たちの間を飛び回るのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

星野・祐一
あー食った食った!
腹拵えも済ませたし、本番開始と行きますか!

[SPD]
ええと、装甲服にエプロン姿はちょっとシュールすぎねーか?
ま、いいや…あんたらの製造業は本日を持って操業停止だ!

啖呵を切ると共にUCで【先制攻撃】
素早く障害物に身を隠しながら(地形の利用
【マヒ攻撃、誘導弾、乱れ撃ち】で
物陰から一方的に熱線の雨をプレゼントだ
ある程度攻撃したら次の障害物に移動して
集中砲火を受けない様に注意するぜ
2回攻撃や零距離射撃も適時活用な
敵の数が減ってきたら【空中浮遊】で上を取り
一気に決めにしようか(力溜め、衝撃波、吹き飛ばし
纏めて吹き飛べ!

…ところで、スペースすあまって結局なんだったんだ?

アドリブ・連携歓迎


アンノウン・シー
「参る」
 呼び方等は一章から継続
 大型二丁拳銃アンカーを抜いて攻撃します。UCを活用し戦場のあらゆる物体の動きを掌握することによって戦闘を有利に進めます。
 アンカーによる攻撃はただ狙って発砲するだけでなく、跳弾も扱い死角にいる敵にも対処します。



「あー食った食った! 腹拵えも済ませたし、本番開始と行きますか!」
 甘いものでしっかり英気を養った星野・祐一(スペースノイドのブラスターガンナー・f17856)は、そう言ってブラスターを手に敵の工場へと乗り込んだ。
 その後ろに、大型の二丁拳銃を携えたアンノウン・シー(所属不明の船・f26269)が続く。
 またしても現れた侵入者に、クローン騎士たちは整列して銃を向けた。一糸乱れぬ不気味なまでに整った動きだが、脱いでいる暇がなかったのか全員がエプロン姿のままである。
「ええと、装甲服にエプロン姿はちょっとシュールすぎねーか? ま、いいや……あんたらの製造業は本日を持って操業停止だ!」
 最初に呆れ声が入ったものの、祐一は啖呵と同時にブラスターを構え、クローン騎士たちが発砲するよりも早くそれを連射した。放たれた熱線は次々とクローン騎士たちに命中、その動きを封じていく。
「参る」
 それに続き、アンノウンが巨大な二丁拳銃『アンカー』を撃つ。大型の銃身に違わぬ強烈な弾が動けないクローン騎士に直撃し、並々ならぬダメージを与えていった。
「己で動けぬならリモート戦闘に切り替えるのだ! 戦闘用ドローン、起動である!」
 隊長の声と共に空中からクローン騎士たちの頭上にドローンが飛来、そこからケーブルが伸びて彼らの装甲に接続された。騎士たちの体から電子音が鳴り、マヒやダメージを強引に振り切るかのように、騎士たちが再び勢いよく動き始める。騎士たちは先刻以上に淀みない、本当に機械となったような早さと正確さで銃を連射し始めた。
 その容赦ない攻撃に、祐一はとっさに機械の陰に隠れるが、連続で放たれる銃弾がその機械をどんどん破損させていく。
「おっと、こりゃあ凄いな」
 祐一は物陰から誘導弾で反撃するが、いかんせん数が違う。隠れた機械は今にも壊されそうになっていた。
「あらゆる事象は原因と結果の因果によって結ばれている」
 そこに響くのはアンノウンの声。その冷たさも感じる物言いにそぐわぬ冷静さで、彼女は自身に放たれた銃撃を次々と回避していた。例えドローンに操られていようと、相手は物質であり力学に基づいて動いていることに変わりはない。アンノウンはドローンの操作さえも読み切り、先んじて動くことでその銃弾を躱していった。
 その状態でアンカーを構え、射撃する。片方から放たれた銃弾はアンノウンを狙う敵を次々と打ち倒していき、もう片方は天井に向けて発射された。銃弾は天井に張り巡らされた配管に当たり跳弾、直接は狙えない場所にいたクローン騎士たちに着弾した。そしてそれは、祐一の隠れていた場所を狙っていた騎士たちであった。
「よし、今だ!」
 攻撃が緩んだのを見て、祐一が物陰から飛び出した。近くにいた者を零距離射撃で打ち倒しながら宙に舞い、ブラスターにエネルギーをチャージする。
「纏めて吹き飛べ!」
 そして溜められたエネルギーが一気に解放、極大の光線となってクローン騎士の群れの中に叩き込まれ、衝撃波を伴いながら一気に広がり敵をなぎ払った。
 そして光と衝撃が収まった後には、倒れた騎士たちと破壊されたドローンの残骸が残るばかりであった。
「敵残存戦力ゼロ。制圧を確認しました」
 アンカーをしまいながらアンノウンが言い。
「ああ、お疲れさん……ところで、スペースすあまって結局なんだったんだ?」
 声を掛けた後、祐一が独り言のように呟く。
「ご説明しますミスター星野。宇宙上新粉をこねて作った宇宙和菓子の一つです。製造は手作業もしくは極めて精巧に人の手を模して造られたロボットアームによって行われます。ざらつきが少なく柔らかくてつるりとした食感が特徴。基本的な味や成分は通常のすあまと同じですが、宇宙食のため保存性が高く、また高カロリー、高エネルギーとなっており……」
「お、おう……」
 それに対して先ほどの見学で仕入れた情報を早速解説するアンノウン。まさかのガチ説明に祐一はたじろぐも、遮ることなく聞くのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

モアナ・ティアレ
「すあまより良いものをお見せしますわ♪」
露出度の高いビキニ姿の私♪
はちきれそうな爆乳をはじめ
抜群のスタイルで【誘惑】するお色気攻撃を♪
動くたび、ぷるんと弾力ある爆乳が揺れますわ♪

私の美しい豊満な胸が、すあま作りしていた敵には
見事にこねられた餅のように見えるかもですわ♪
騎士達は触っていた、すあまの感触から
私の胸を揉む感触を想像してしまうかも♪

「あぁんっ♪」
『水精霊の誘惑』で敵達から生命力吸収♪
体に力が流れ込む快感に悶え、色っぽい声が♪

「だーめ♪」
【水精の杖】から放つ【全力魔法】で水を操り
ブラスターを叩き落とし反撃阻止♪
敵の生命力を吸い尽くしますわ♪

最期に私の美しい姿が見られる♪
私の優しさですわ♪



「すあまより良いものをお見せしますわ♪」
 そう言ってクローン騎士たちの前に立ったのは、モアナ・ティアレ(海花姫・f26952)。はち切れそうな爆乳はビキニに包まれてはいるが、動くたびにぷるんぷるんと揺れ、今にもこぼれだしそうだ。
 その胸はすあまより柔らかく、大福より大きく、菓子以上の魅力があると言わんばかりに騎士たちを誘惑する。
「隊長! あれとスペースすあまはどちらがより柔らかいか確認してもいいでありますか!」
「馬鹿者! お前たちはそもそも内臓器官がないだろう! あれは敵の攻撃である!」
 うろたえる部下たちに体調が一括する。その通り、モアナはただ色気を振りまいていただけではない。これはユーベルコード【水精霊の誘惑】、色気をぶつけること自体が攻撃なのであった。それ故に、体内器官のほとんどを取り除かれ、生理的な欲求を持たないはずのクローン騎士さえも誘惑することができるのである。
「あぁんっ♪」
 甘い声を上げながらなおも胸を揺らすモアナ。爆乳がさらに激しく揺れ、布面積の少ない水着がずれそうになる。
「隊長!」
「ええい、しつこいのである! 総員ジェノサイドモード発動! 余計なことは考えないのである!」
 隊長が部下の懇願を切り捨て、強引にジェノサイドモード発動を指示。同時に騎士たちに装甲とブラスターが接続され、寿命と引き換えに攻撃力を上昇させるモードに移行した。
 そのまま連続で威力の上がったブラスターがモアナに放たれる……が、どうにも連射が鈍い。それどころか一部の騎士は足が震え、がくりと膝をつく者さえ出始めた。
「どうしたのだ貴様ら!」
 隊長が慌てた声を出すも、騎士の不調は止まらない。そこに容赦なく、モアナの『水精の杖』が向けられた。
「だーめ♪」
 そこから放たれる全力の魔法がブラスターを叩き落とす。それと同時に騎士の体から吸い上げられた生命力がモアナへ移動、その肌や体にさらなる潤いと艶を与えていった。
 モアナの放った魔法【水精霊の誘惑】は、色気に魅入られた相手の生命力を吸い上げてしまう技。それで弱った所に自ら寿命を削るジェノサイドモードを重ねた結果、クローン騎士たちは自ら衰弱を加速、耐え切れずに倒れてしまったのだ。
「最期に私の美しい姿が見られる♪私の優しさですわ♪」
 倒れた騎士たちの前で、たゆゆんと胸を揺らし水着を引っ張って、より艶やかになった体を見せつけるモアナ。その姿が消えゆくクローン騎士たちに見えていたかどうかは定かではなかった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ジェイク・リー
※アリス、エルーゼ、華澄と行動

ウルフに搭乗して応戦。
コックピットは胸部中央にあり、ハッチの真上に20ミリ機関砲があり。
駆動音と薬莢がハッチに当たり……。
「なんとかしろ、この音!」
無理である。ちなみに全高5m半という大きさ的に破壊には適してるが、対人には不向き。
アームに付属された機関銃で倒す。

アドリブOK


エルーゼ・フーシェン
※アリス、華澄、ジェイクと行動

なんですあまなのか分からないけど、こいつらをなんとかしないといけないのよね。
ヤヌスを一組の柄と光刃に形成したらさっさと片づけましょう。
見切りで回避しながら攻撃を仕掛けるわ。

絡み・アドリブOK


藤宮・華澄
※アリス、エルーゼ、ジェイクと行動

なぜお菓子を作るのかは分かりませんけど、なにか企みがあるなら阻止しないと。
ヴァナディースによる援護射撃を行い、回復や支援をメインに動きます。
乱れ撃ちなんかも駆使してなんとかしますね。

絡み・アドリブOK


アリス・スラクシナ
※エルーゼ、華澄、ジェイクと行動

目的は分らんが、こいつらを一掃する必要があるのは確かだな。
イザナギの覚悟を太刀、白銀の魂を大剣に形成して倒していく。
衝撃波を繰り出して吹っ飛ばすか。
にしてもなぜ和菓子なのか……。

絡み・アドリブOK



「なんですあまなのか分からないけど、こいつらをなんとかしないといけないのよね」
 工場船に乗り込んだエルーゼ・フーシェン(踊り子・f13445)が、クローン騎士たちを前にそう言う。
「なぜお菓子を作るのかは分かりませんけど、なにか企みがあるなら阻止しないと」
「目的は分らんが、こいつらを一掃する必要があるのは確かだな」
 藤宮・華澄(戦医師・f17614)とアリス・スラクシナ(邪神の仔・f21329)も、クローン騎士たちの行動に疑問を抱く。
 なぜ菓子作りなどという回りくどい方法をとるのか。なぜそこで選んだのがスペースシップワールドではメジャーとは言えなさそうな和菓子なのか。何か裏があり、壮大な計画を企んでいるのではないか……
「銀河帝国崩壊時に持ちだせた物資が宇宙上新粉のみだったのである! しかし同時に残っていた兵器が柔らかい物体の成形に極めて適した機能を持っていたので、それを利用したのである!」
 なかった。予知にあった通りだった。一切裏などなく、唯一残った物資と兵器を使い、あまりにも遠すぎる復興計画を立てていただけであった。
 千里どころじゃ済まなさそうな道を一歩ずつ歩もうとしていた帝国軍残党だが、彼女たちの言う通りに見つけたからには阻止しなければならない。三人は各々の武器を構え、戦いの準備を取るのであった。
 そしてそれから遅れること少し。猟兵たちの乗ってきた工場船から、ガタガタというやかましい駆動音が聞こえてきた。
「くそ、うるせえなこれ!」
 その音とともにやってきたのは、お世辞にも整っているとは言い難い見た目の戦車。燃料タンクはやはり剥き出しのままで、コクピットは何枚もの鉄板にボルトを打ち込み無理矢理中央に固定されている。エンジンも露出が多く、駆動音が丸聞こえだ。
 そんな未だ整備途上の戦車『ウルフ』に乗り込み、ジェイク・リー(影の護り手・f24231)は戦場へと現れた。
 移動中も整備は続けており、武装の追加や装甲の補強はしたが、いかに技術が優れているとはいえ異世界のもの。アポカリプスヘルの戦車をスペースシップワールドの機材で整備するのには限界があった。
「直った……のか?」
「さあ……」
 アリスとエルーゼがその様子を見て呟く。
「私は援護に回りますので、お願いします!」
 一方華澄は心強い味方を得たと言わんばかりに力強く声を上げる。確かにジェイクの実力は十分以上に高いのだが、ウルフの状態などまるで気にしないという風なその声は、彼への信頼の表れと言っていいのだろうか。
 ともあれ、これで戦力は揃った。まずはエルーゼとアリスの二人がそれぞれの武器の形を変え、敵に迫る。
 一組の柄と光刃に形成した『ヤヌス』を構えたエルーゼは敵中に踊り込み、舞うように次々と敵を撫で切りにした。スーツの装甲や構えた銃が次々切り裂かれ、火花を上げながら破壊されていく。
「出来損ないと言えど邪神の力は侮れんぞ」
 アリスは『イザナギの覚悟』を太刀に、『白銀の魂』を大剣にし、さらには【血の覚醒】で自らを強化し、猛然と敵へと切りかかった。その重い一撃は衝撃波さえ巻き起こし、直撃した者のみならず周囲の敵冴え巻き込みその体勢を崩していく。
 その後ろでは華澄が『ヴァナディース』での援護射撃を放つ。普段は回復や支援を主に行う彼女だが、今回は銃を乱れ撃って攻撃的に援護を行っていた。
 そうして三人に攻撃により、帝国騎士たちに大きな隙ができる。
「今です、ジェイクさん!」
 華澄の声を受け、ジェイクの乗ったウルフが前に出る。
「なんだそのガラクタは! 撃ち倒すのである!」
 隊長の声の元、ブラスターの連射がウルフに向けて放たれた。コックピットの中でジェイクが操縦桿を操り、ウルフの巨体を轟音を立てて動かし、銃撃を避けていく。
 だがウルフの全高は5m、歩兵戦でちょこまかと動けるようなサイズではなく、対人戦には向いていない。故にハッチ上に取り付けられた機関銃を乱射し、ジェイクは敵に反撃を試みた。
 さすがはここに来る直前まで手入れしただけのことはあり、機関銃はしっかりと動き、敵に向かって銃弾の雨を降らせる。が。
「なんとかしろ、この音!」
 無理である。ハッチの上にある機関銃は発砲の度薬莢をハッチに巻き散らかし、絶え間なくぶつかる音を立てている。さらには発射自体の銃声も絶え間なくコックピット内に響き、うるさいことこの上ない。つける場所を間違えたか……ジェイクはそう思うが、とりあえずこの戦いが終わるまではこのままで行くしかない。轟音を響かせながら、ウルフの機関銃は残るクローン騎士をなぎ払っていった。
「あともう少しです、頑張りましょう!」
 それは何を頑張れということなのか……華澄の声援に心の中でツッコミを入れつつ、エルーゼとアリスも攻撃を続けていく。
 ほどなくして、それぞれの胸中はともかく、結果としては隊長格を残してクローン騎士の一団を全滅に追い込むことができたのであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​




第3章 ボス戦 『試作型暴徒鎮圧ロボ『トルストイ』』

POW   :    タイダノジュソノサンプカイシシマス
【ありとあらゆる事をやる気がなくなる呪詛】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
SPD   :    ヘイショセイアツドローンヲシャシュツカイシシマス
【閉所制圧用のワームドローン】の霊を召喚する。これは【軟化剤散布】や【刺突による障害物の突破】や【軟化物を丸呑みして球形への圧縮成型処理】で攻撃する能力を持つ。
WIZ   :    タイショウノニクダマセイケイショリヲカイシシマス
【軟化剤を浴びせ粘土状になった対象をアーム】【で捕獲、球形となる様に捏ね繰り回してゆき】【、硬化剤で程よい弾力の状態で固定する攻撃】を対象に放ち、命中した対象の攻撃力を減らす。全て命中するとユーベルコードを封じる。

イラスト:霧島一樹

👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はシエナ・リーレイです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 猟兵たちの活躍によって全滅に追い込まれたクローン騎士団。しかし一人残った隊長格の騎士にあきらめた様子はない。
「おのれ猟兵め……だが、銀河帝国騎士に降伏の文字はないのである! かくなる上はこれを起動である!」
 そう叫んで隊長が後ろにあった宇宙上新粉の下ごしらえを行っていた機械のスイッチを押す。するとその機械は粉を振り落としながら動き出し、兵器のしての姿を露にした。
「これぞすあま製造マシーン改め試作型暴徒鎮圧ロボ『トルストイ』! これに捕まれば……」
 そこまで言ったところで突然隊長がやる気をなくしたようにへたり込む。トルストイはそのまま隊長を持ち上げ、軟化剤を浴びせてから丁寧にこね回し、球状に成形してしまった。なるほど、つまりはすあまにされるのである。
 すあまとなった隊長を梱包ラインに乗せてから、トルストイはゆっくりと猟兵に向き直る。猟兵よ、この見境ないすあま製造マシーンをスクラップに変えてやるのだ!
ジェイク・リー
※アリス、エルーゼ、華澄と行動

七星天狼刃とドゥームを武器改造で柄同士連結させ、蒼紅の光刃を形成する。
念動力を用いて物を飛ばしたり吹き飛ばしたりして人形部分を攻撃。
第六感で危険を察知し、攻撃を回避してからカウンターで衝撃波を飛ばす。
双頭刃や二刀、一刀流を使い分けながら斬り捨てる。
前回出してたらとあるSF大作っぽかったは禁句で。

最も戦闘に精通しているのは彼だけで……。

絡み・アドリブOK


アリス・スラクシナ
※エルーゼ、華澄、ジェイクと行動

イザナギの覚悟を長柄に形成して対処。
見切りで避けながら隙を突いては攻撃を仕掛ける。
持ち込んでいた大型バイクに乗って奔走しては攪乱して隙を作る。

絡み・アドリブOK


エルーゼ・フーシェン
※アリス、華澄、ジェイクと行動

ヤヌスを二本の柄と光刃に形成。
空中浮遊とダッシュによる機動戦で翻弄しつつ第六感で攻撃を回避。
隙を狙っては攻めて離脱のヒット&アウェイを繰り出す。

絡み・アドリブOK


藤宮・華澄
※アリス、エルーゼ、ジェイクと行動

目立たない様にしつつ、ヴァナディースによる援護射撃を行い、回復も行う。
乱れ撃ちによる乱射や属性攻撃を用いたマヒ攻撃、鎧砕きで防御面を弱らせたりなど後方支援に徹する。



 猟兵たちをすあまにすべく活動開始した試作型暴徒鎮圧ロボ『トルストイ』。菓子工場での最後の戦いが始まった。
「踊ろうか。どちらが倒れるか分からんが」
 まず動いたのはアリス・スラクシナ(邪神の仔・f21329)。『イザナギの覚悟』を長柄に形成しながら、持ち込んでいた大型バイクに乗ってトルストイへと突っ込んでいく。巧みにバイクを操り伸ばされるアームを避け、敵本体に一撃を加えては離脱し、捕縛されないような戦い方だ。
「こっちも見てもらおうかしら?」
 アリスが離れると同時にエルーゼ・フーシェン(踊り子・f13445)がトルストイへと踊りかかった。宙を高く舞い、二本の柄と光刃に形成した『ヤヌス』でトルストイの頭部を切りつける。ワームドローンがその首をそちらに向け軟化剤を射出するが、エルーゼは飛沫一つかからぬよう空中を舞い、そのままトルストイから距離を取った。
「接近戦だけじゃないですよ!」
 近距離攻撃二連発の後は、藤宮・華澄(戦医師・f17614)が『ヴァナディース』を構えての援護射撃だ。近距離に気を取られていたトルストイに遠方の目立たない位置からの銃弾が連続で着弾し、その体に傷を負わせていく。麻痺毒や各種属性など様々な追加効果が付与された弾丸が浴びせられ、多方面からの行動阻害がトルストイを蝕んだ。
 さらに畳みかけるべく、ジェイク・リー(影の護り手・f24231)が前に出る。今回は戦車を降りての白兵戦で、『七星天狼刃』と『ドゥーム』の柄同士を連結。蒼紅の光刃を両端に出現させ輝く双刃剣を作り出した。
 光の刃がその軌跡に残像を残しながら舞い、敵を切り刻む。双刃が回転してトルストイの太い脚を何度も抉り、両側から迎撃のためワームドローンが迫れば結合を外し、二刀流となって左右それぞれで敵を切り捨てる。トルストイ自身がアームで殴りかかってくればそれを一刀で凌ぎ、残る一刀で反撃をすると、二つの刃を巧みに操ってジェイクは敵を攻めたてていく。
「タイダノジュソノサンプカイシシマス」
 突如、トルストイの中心部から機械的な合成音声が聞こえた。その中心部にあるのは少女の形をした人形……戦前の説明によれば、呪詛の発射装置だ。その宣言通り、トルストイを中心に周囲の空気が重くなり、目に見えぬ波動がその一体を包み込む。複数の相手から入れ替わりに攻められているこの状況では、最良とも言える一手であった。
「……ち、嫌になってくるな」
 トルストイに取り付いて連撃を加えていたジェイクは、ぐらつく頭と重くなった足に歯噛みする。それでも強引に自らを奮い立たせ踏ん張るのは、彼が精神攻撃も含めた戦場に慣れていたからであろう。その一方で。
「何か面倒になってきちゃったわ……」
「……バイクが動かんぞ」
「このすあま食べてもいいですか~?」
 女性陣三人は見事に引っ掛かっていた。
「……お前らな」
 ジェイクがあきれ顔で見て、そちらに手を向ける。手から放たれた念動力が近くにあったものを巻き上げ、三人の頭にこつんと当たった。
「あたっ」
「うおっ!?」
「きゃっ!」
 こんこんこん、と軽い音がして三人が我に返る。その三人の様子を見ながら、ジェイクは再びトルストイに向きなおる。
「お前が変なもの出さなきゃ手間ないんだけどな」
 そう言ってジェイクは、呪詛の波動に反撃するかのように強烈な念動力による衝撃波を放つ。先のものとは違う、本気の破壊の意思を込めたそれは物理的な力をいかんなく発揮し、トルストイをぐらつかせた。
 光の刃に念動力、舞台は宇宙……何かを想起させる組み合わせだが、深くは言えない。とりあえず、クローン騎士との戦いでジェイクがウルフに乗っていて本当に良かったとだけ申し添えておく。
「カッコ悪いとこみせちゃったしね」
「このまま帰ったのでは格好つかんな」
 エルーゼとアリスもそう言って再度トルストイに攻撃を仕掛けた。まずはアリスが軽い攻撃を加え、そのままバイクで足元を走り回る。トルストイはそれを捕まえようとアームを伸ばすが、そのアームを宙を舞うエルーゼが切りつけた。
「ほら、こっちもちゃんと見てね」
 そう言うエルーゼにつられるようそちらにアームを伸ばせば、今度は戻ってきたアリスが攻撃を加える。二人の連携に翻弄され、トルストイはどっちつかずに攻めあぐねていた。
 そらにそこに華澄が放つ弾丸が浴びせられる。
「あそこを狙えれば……!」
 放つ弾は破壊力の強い徹甲弾。それは人形を覆うカバーにひびを入れ、そこの露出を広げていく。
「ジェイクさん!」
 華澄の声に、ジェイクがトルストイの中央部へ飛び掛かった。そのまま拳でヒビの入ったカバーを殴り、大きな穴をあける。
「なるほどな」
 そして露になった人形へもう一発。今度は光る双刃による斬撃が叩き込まれた。強烈な攻撃に人形は火花を上げ、呪詛の散布を弱める。
 多方からの畳みかける連撃は、トルストイにただならぬダメージを与えたのであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

リアン・ブリズヴェール
【アドリブ歓迎】
まずは【魅了変化】を使って4歳の魔法少女姿となってトルストイを引き付けます、その間に【オルタナティブダブル】でファムを召還して、自分を囮にして【一撃必殺】で攻撃します。

でも、ワームドローンの注意が疎かになって2人そろって軟化剤を受けて丸呑みされそうです

そうなったら【ソウルマリオネット】で魂となって反撃します、それでも魂も軟化剤を浴びて粘土状にされてアームで捕獲されてすあまにされて梱包されちゃいそうです


赤嶺・ふたば
へぇ、すあまかぁ。食べたことは無いが美味しそうだ。って食べるんじゃなくて変えてくるんだったな。
遠距離戦で攻めていこう。ショットガンの弾をグレネード弾に換装し、爆発魔法による制圧射撃で集中攻撃だ。近づかれても接近戦はせずに距離を取るようにしよう。
(アドリブ、絡みOKです)
(すあまに変えられる展開を希望したいです)



「へぇ、すあまかぁ。食べたことは無いが美味しそうだ。って食べるんじゃなくて変えてくるんだったな」
 赤嶺・ふたば(銃と魔法が好きな傭兵魔術師・f15765)があたりにあるスペースすあまと、それを作っていたトルストイを見て呟く。
「ともあれ、戦いましょう。この姿なら……」
 並んで前に出たリアン・ブリズヴェール(微風の双姫・f24485)が、早速ユーベルコード【魅了変化】を発動する。即座にリアンの体が光に包まれ、4歳の魔法少女姿へと変身した。
 その姿でトルストイへ接近、自ら出る誘惑効果で敵の攻撃を誘いだす。その試みが功を奏したか、トルストイはアームを振り回してリアンを捕まえにかかるが、リアンはそれをギリギリまで引き付けてはひらり、ひらりと避け続けた。
「今です……ファム!」
 何度目かの回避の後、リアンが突然叫ぶ。その瞬間、具現化された己の別人格であるファムが登場、拳による強烈な一撃を死角からトルストイに見舞った。それによって大きく体勢を崩すトルストイ。
「自分には……これがある! 火力集中だ!」
 それを好機とみて、ふたばがショットガンを構える。グレネード弾に換装したそれを、畳みかけるように連射、トルストイの体表で小さな爆発が無数に起こり、そこ体を炎と煙が包んだ。
 新たに攻撃してきた相手にトルストイは足を動かし近づこうとするが、その動きを見たふたばはすかさず後ずさり、距離を詰めさせない。
 さらにそちらに気を取られているうち、ファムの攻撃がまたしてもトルストイを襲う。これはこのまま決まってしまうか……そう思われたときだった。
「ひゃああっ!?」
 リアンが突然甲高い声を上げた。見るとその体はぐっしょりと何かの液体に濡れている。そしてその傍には、いつの間にか忍び寄っていた一体のワームドローンの姿があった。ワームドローンはそのまま大口を開け、リアンを飲み込んでいく。
 それに気づいたファムが救援に向かうが、リアンに気を取られすぎていたためか自身の近くにいたワームドローンの存在に気づかず、同じように飲み込まれてしまった。
「も……もがっ……おごご……」
 丸々と膨らんだ二体のドローンからくぐもった苦しそうな声が聞こえる。ふたばは助けようと銃を向けるが、中まで弾が貫通してしまったらと思うとうかつに引き金を引くことができない。
 そうこうしているうちにドローンの膨らみは徐々に球形になっていき、やがてトルストイの元へドローンが戻ると、そこから胸や尻を突き出すような格好ですあまに成形された二人が吐き出された。
「くそっ、よくも仲間を!」
 怒りに燃えるふたばが銃を連射する。しかしこちらも怒りで冷静さを失ってしまったか、攻撃はトルストイ本体に集中、横からのワームドローンの接近を許してしまっていた。
「ひ、ひぃぃっ!?」
 ドローンはまるで蛇がそうするようにふたばに絡みつき、先端から軟化剤を吐きかける。ふたばは抵抗しようとマチェットを手に取るが、その腕はぐにゃりと曲がり、マチェットを取り落としてしまった。
「や、やめ……あぁぁ……」
 物も持てないほどに軟化した体を飲み込まれていくふたば。ドローンの中で体を丸められ折り曲げられ、リアンやファムと同じようにすあまにされてしまった。
「うぐ……おあぁ……」
 トルストイの脇に吐き出され、こんな姿でも意識はありぴくぴくと動く肉すあまにされてしまったふたば。うめき声をあげ、よく見れば足や腰だったと思しき場所がひくひく動いている。
「まだ……私は、戦えます……」
 これで全滅、と思われた瞬間、すあまとなった肉体から離脱したリアンの魂がトルストイへと殴り掛かった。せめて一矢報いよう……その気概は、しかし一瞬で崩れ去る。
「あ、あれ……うごか、ない……」
 敵に肉薄してしまったことで、不調をきたしていた呪詛波の射程に入ってしまったのだ。動かなくなったリアンの魂に、肉体と同じように軟化剤が噴きかけられる。
「タイショウノニクダマセイケイショリヲカイシシマス」
 無機質な声と共に無様な形に固められていくリアン。
 やがて完成した4つの肉玉は、梱包ラインに並べられて隊長とは別ラインへと流れていく。
 愛らしくも無様な4つのすあまは、見た目の良い高級贈答品用パックとして箱詰めにされるのであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎

■行動
な、成程、確かにこれを野放しにしたら、全てがすあまにされそうですねぇ。
何とかここで仕留めましょう。

「やる気を無くしてくる」というのは厄介ですが、であれば「自動で攻撃可能な状態」にすれば良いでしょうかぁ。
『F●S』3種「自動操縦」に切り替え、私の意識が有れば攻撃継続可能にしますねぇ。
これでしたら「やる気が無くなる」=「詳細な操作は出来ないが止める気が無くなる」ですし。

そして【籠域】を使用、『乳白色の波動』を展開しますねぇ。
これで、すあまにする為に触れようとすれば、先に『波動』に触れますから、自動で[カウンター]が可能ですぅ。
後は、残りのすあまをいただきつつゆっくりしても?


星野・祐一
…まさかと思うけどさ
原材料クローン騎兵のスペースすあまが
そのまま売りにだされてたり…しないよな?

[SPD]
とにかくまずは数を減らすぞ
ドローン諸共ボスにUCを併用した【乱れ撃ちの先制攻撃】!
【マヒ攻撃】も付けるぜ!追加でもう一回受けな!(2回攻撃

挨拶後は常に動き続ける事を意識して行動だ
壁や障害物を蹴って飛ぶように動きながら(ジャンプ、地形の利用、空中戦
攻撃動作を【視力で見切り】回避しつつお返しも忘れない(誘導弾、カウンター

ボスの動きが鈍ったら人形部に飛び込み(ダッシュ、空中浮遊
雷鳴で一気に決める(零距離射撃、力溜め、衝撃波、吹き飛ばし

甘い物好きとして異物混入はノーサンキューだ!

アドリブ・連携歓迎



「な、成程、確かにこれを野放しにしたら、全てがすあまにされそうですねぇ」
 軟化剤ですあまを作ったトルストイを見て、夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)が呟く。
「……まさかと思うけどさ、原材料クローン騎兵のスペースすあまがそのまま売りにだされてたり……しないよな?」
 星野・祐一(スペースノイドのブラスターガンナー・f17856)も、その見境ないすあま製造ぶりに不安を募らせる。一応工場として安全や品質は気にしていたようなので、そう言った不祥事はないだろう。多分。
「とにかくまずは数を減らすぞ!」
 何かされる前にと、祐一はブラスターを構え先制での乱れ撃ちを放った。麻痺の力を込めたそのレーザーの嵐は、トルストイの体に見境なく着弾。その動きを鈍らせたところに追撃の光線がさらに当たり、先制攻撃を成功させた。
「何とかここで仕留めましょう」
 るこるもまた、各種浮遊兵装を自動操縦モードで展開する。それらは一斉にトルストイを取り囲み、射撃や斬撃での攻撃を加え始めた。
 自動操縦のため精密な動作はできないが、元々巨体でそこまで俊敏でもないトルストイはその攻撃をまともに食らっていく。
「ヘイショセイアツドローンヲシャシュツカイシシマス」
 単独での戦闘は無理と判断したか、トルストイは背中から複数のワームドローンを出撃させた。ドローンたちはそれぞれ祐一とるこるに狙いを定め、軟化剤を噴きかけるべく向かっていく。
「おっと、そう簡単には捕まらないぜ!」
 祐一は壁を蹴って飛び上がり、ドローンの襲撃を躱した。それを追うように一斉に軟化剤が噴きかけられるが、祐一は即座にもう一度、今度は機械を蹴ってその場か離れる。軟化剤は祐一に当たることはなく、その影を追うように機械を濡らすだけであった。
 そのまま祐一は物陰に着地。隠れたままでブラスターから誘導性のある光線を発射し、その場からドローンを一方的に破壊していった。
 機敏にかわしていく祐一を止めるためか、トルストイの中央部にいる人形が揺れ、そこから怠惰の呪詛が放たれた。その呪詛は広範囲にわたり、祐一だけでなくるこるの元にも届く。
「あぁ、なんだか……お腹が減りましたねぇ。ちょっと頂きましょうかぁ」
 飛び回ってそれを躱す祐一に対し、るこるはその呪詛をもろに浴び、その場に座り込んでしまった。そのまま手近にあったすあまをとり、食べ始めるるこる。完全に戦意を喪失したように見えるその姿は、もはや戦いそのものを放棄してしまったようにも見えた。
 しかしそんな主の様子にも関わらず、浮遊兵装たちは真っ直ぐ動いてワームドローンたちを迎撃していた。あらかじめ動き方を指示してあったため、るこる自身が指示を出さなくなっても兵装たちは動き続ける。さらにるこるを捕まえるべくトルストイが近づいてきた瞬間、るこるは最後の意思を振り絞り、【豊乳女神の加護・籠域】を発動した。
 アームが伸ばされると同時にるこるの体が乳白色の波動に包まれる。それに触れたアームは茶色い装甲を砕かれ飛び散らせながら、体ごと大きくのけ反るのであった。
「よし、今だ!」
 そののけ反りで人形の収納箇所が大きくさらされたのをチャンスと見た祐一が、素早くトルストイへ駆け寄りそこへと飛び込んだ。
「ぶっ壊れちまえ!」
 人形に肉薄した祐一が、最大出力のブラスターを零距離で人形に叩き込む。それは狭い収納場所の中を雷鳴で満たし、さらにトルストイ諸共後方へ大きく吹き飛ばす強烈な衝撃を伴う一撃であった。
 全身をスパークさせ揺らめくトルストイから祐一が飛び降りる。
「甘い物好きとして異物混入はノーサンキューだ!」
 トルストイに向けびしっと決める祐一。
「大丈夫ですよぉ~。変なものは入ってませんからぁ~」
 足元に座り込んですあまを食べるるこるの台詞は、この際聞こえないことにしておいた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

アンノウン・シー
「なんですかあれ……」
 呼び方は一章から継続
 大太刀【帆柱】を引き抜き、八相の構えで攻撃の隙を窺う。我流剣術【船闘一船流】を使いドローンに対しては胸当、本体に対しては帆柱が刃こぼれしないように気をつけながら切りかかる。
【船闘一船流】
小帆 敵の攻撃をいなして斬る
双胴 素早く敵を二回斬る
砕氷 上から全体重乗せて斬る
胸当 間合いに入った攻撃に対し反撃する
掘削 装甲の弱いところに放つ突き技


モアナ・ティアレ
「私の美しい体を、すあまになんてさせませんわ!」
抜群のスタイルが強調された
露出度の高い、ビキニ姿の私♪

はちきれんばかりの豊満な胸
キュッと引き締まったウエスト
すらりとした綺麗な脚♪
クローン騎士たちをも惑わせた
誰もが見惚れてしまう
美しいプロポーションですわ♪

「覚醒(アラウザル)♪」
『水精霊覚醒』で自身の力を引き出し
《水精の杖》から放つ【全力魔法】で
大量の水を操って戦いますわ♪
水でドローンを押し流して身を守りつつ
そのまま水とドローンを
トルストイにぶつけて攻撃♪

水の精霊セイレーンである私は
【深海適応】していて【水中戦】も得意♪
大量の水で、敵の動きが鈍る中
水の中を自由自在に動き回って
有利に戦えますわ♪



「なんですかあれ……」
 暴れまわるすあま製造マシーンこと試作型暴徒鎮圧ロボ『トルストイ』に、さすがのアンノウン・シー(所属不明の船・f26269)も引いたような声を出す。自分の船を作るため和菓子の知識や技術を吸収したが、さすがにこれはちょっと船には乗せられない。
「私の美しい体を、すあまになんてさせませんわ!」
 モアナ・ティアレ(海花姫・f26952)も自身のスタイルを守るべく、トルストイに戦いを挑む。
 衣装は相変わらずの露出の高いビキニ姿。それに包まれるのは、はち切れんばかりの豊満な胸にキュッと引き締まったウエスト、すらりとした綺麗な脚。クローン騎士さえ魅了した自慢の体である。すあまよりも柔らかく美しいと自負するそのプロポーションを変えられるわけにはいかないと、『水精の杖』を構えて戦闘の構えを取った。
「いざ」
 アンノウンが静かに1.5mはあろうかという大太刀『帆柱』を抜き、八相に構える。動きやすさと攻撃への移りやすさを重視したその構えを維持しながら、じしじしと間を詰めつつ敵の隙を窺っていくアンノウン。
「覚醒(アラウザル)♪」
 対してモアナは、先制で【水精霊覚醒】を発動。自身の魔力や魅力を大きく強化し、先んじて攻撃を仕掛けた。モアナの呼び寄せた大量の水が、濁流となってトルストイへ襲い掛かる。
「ヘイショセイアツドローンヲシャシュツカイシシマス」
 相変わらずの無機質な声と共に、トルストイの背後から多数のワームドローンが飛び出し、二人へと向かっていく。が、モアナに向かったものは先に流れていた水流に押し返され、大量の水諸共本体であるトルストイに激突、逆に武器として利用されてしまった。
「船闘一船流、胸当」
 対してアンノウンへ向かったものは、大太刀の射程内に入った瞬間最小限の動きで振るわれた刃に両断される。我流ながら緻密で無駄のない動きのその剣術は、攻撃行動に移ろうとするドローンから先に次々と切り裂き、床へと落としていった。
 ドローンがやられたのを見て、トルストイは自身でも敵を排除すべく歩き出す。だが、その動きは何処か鈍く、まるで四肢に枷をつけられているようであった。
 モアナはその隙に魔法で周囲に水を固めトルストイの脚部を水没させる。さらに自分はその中へと飛び込み、セイレーンとして備わっているものをさらに強化した、高い水中適正を活かして、水の中を水流で胸を震わせながら舞い泳ぎ、トルストイの脚部に連続して魔法を叩き込む。
「好機。船闘一船流、掘削」
 アンノウンも動きの鈍ったトルストイに向かって踏み込み、追撃をかける。繰り出すのは鋭い突き、狙うはあらゆる鎧の弱点ともいえる関節部分である。
 モアナの張った水を貫き、見事関節部分に刃が吸い込まれる。それと共に、まるで血を噴き出すように白い粉末が水中にぱっと撒き散らされた。
 これが動きの鈍ったもう一つの理由。水を吸った宇宙上新粉がダマとなり、機体の各部に詰まってしまっていたのだ。まさか自身が作り続けてきたすあまに裏切られることになるとは、トルストイも予想していなかっただろう。
 今が絶好の機会だと、モアナとアンノウンは目を見合わせる。
「あぁん、吹き出しちゃいますぅ♪」
 モアナは胸の先端が天を突くくらいに背を反らし、甘い声を上げた。それと同時に水が塊のまま柱となって上に噴きあがり、トルストイの頭上まで上り詰める。その頂上には、刀を構えたアンノウンの姿。
「全ての星は地球の周りを回る。地球は宇宙の中心にある。船闘一船流、砕氷」
 上を取ったアンノウンは、敵の頭上から全体重を込めて帆柱を振り下ろした。刀身さえも砕けてしまいそうなほどの重い斬撃だが、ユーベルコード【敗北理論「天動説」】の力で刃こぼれさせず最大威力を出すことに成功する。
 斬撃は一直線にトルストイを両断。刃が床に着くとともに、トルストイは周囲の水を吹き飛ばしながら爆散した。
「やりました♪ 私たちの勝ちです♪」
 シャワーのように注ぐ水をその肌に浴びながら、モアナが胸を揺らして尻を突き出し、勝利のポーズを取る。
「敵勢力完全制圧を確認。任務完了」
 アンノウンも帆柱をしまい、勝利を宣言する。
「今回は当艦にとって学ぶところが多くありました。繊細な技術と機械は決して相いれないものではないこと……そして機械の扱いには細心の注意を払わねばならないこと。当然のことですが、大切だと再確認しました」
 アンノウンはトルストイの残骸を見て呟く。この戦いも、きっと彼女の船作りに活かされることだろう。

 かくして、無駄に勤勉な銀河帝国騎士たちのすあま工場は操業停止へと追い込まれた。
 今だ宇宙には銀河帝国の残党が数多く残っている。それを完全に駆逐しない限り、第二、第三のすあま工場が現れないとも限らない。
 宇宙が平和になるその日まで、猟兵たちの戦いは続くのだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年05月05日


挿絵イラスト