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黄昏エゴイズム

#UDCアース #星見ケ丘市

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#UDCアース
#星見ケ丘市


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●それを傲慢と呼べるのなら
 もういない人のに、会いたいと想う。
 その願いは多かれ少なかれ、誰にだってあるものだ。
 けれど、みんな頭を振って諦める。仕方のないことだ、と。
 それが普通だ。みんなそうしていることだ。
 ……もしも、きみが諦められないのだったら。
 それでもその人に会いたいと、きみの傲慢を押し通したいのなら。
 夕暮れ、その場所に来てごらん。
 己の願いを叶える為に、現実を曲げる覚悟があるのなら。
 称賛しよう、その傲慢は美しい。

●その願いは叶ってはならない
「死んだ人間に会いたいと思ったことはあるか?」
 グリモアベースの一角。
 忌塚・御門(RAIMEI・f03484)は、集まった猟兵たちを見回して言った。
「もう会えなくなった相手のことを思い出して、「会いたい」と思うことは、俺は誰にでもあることだと思ってる。……だがな、相手がもうこの世のものじゃあないのなら。そんでもって、それでも会いたい、「会おう」と考えちまった奴がいたなら……そいつはもう、大概ロクな事にならねぇだろ」
 死者は蘇らない。それが世の理――少なくともUDCアースにおいては、まだ、そうだ。
「……星見ヶ丘市っつー地方都市が、UDCアースにあるんだがな。そこの、とある鉄塔。
 そこに行けば、「死んでしまった大切な人」と再会できる、っつー噂があった」
 黄昏時、その鉄塔の真下で、もう会うことの出来ない大切な人の名前を告げると、その人と再会することが出来る……そんな噂。
「それを信じて行ったやつが、帰ってこなくなった。そのうち、噂の方も若干変化してな。……再会する相手は、死んでなくても良いんだそうだ、“もう会えない”相手ならな」
 噂が変化した後、その鉄塔へ行って帰らなくなった人間の数は、以前より増えたらしい。
「件の鉄塔がどこなのかはもう調べがついてるんで、UDC組織の方でとりあえず新しい犠牲者が生まれねぇように封鎖してる状態だ。そこに転移させるまでは俺が引き受ける。そっから先を頼まれてくれ」
 時刻は黄昏時。「もう会えない」大切な人の名前を告げる。恐らくはそれで、犠牲者達が消えた先へと向かうことが出来るだろう。
「正直な話、時間の経過から考えても失踪した連中が生きているとは考えにくい。だから誰かを助ける、っつーのは考えねぇでくれ。やってほしいのは、こっから先の犠牲者を出さねえ事だ」
 そこから先はどうなるか、自分にもわからないから、と御門は言う。
「くれぐれも用心してくれよ。そんじゃあ……準備ができたら、俺に言ってくれ」


遊津
 遊津です。UDCアースのシナリオをお届けいたします。
 こちら第一章冒険、第二章冒険、第三章ボス戦の構成となっております。

 第一章「鉄塔」
 「もう会えない大切な人」の名前を読んでいただくこととなっております。
 条件は“会えないと思っている”なので、実際には再会可能であったとしても、PCが会えない、と思っているだけで条件は満たせます。会いたくない相手でもとりあえず問題はありません。また、名前とありますが、フルネームでなくても構いません。(「お母さん」やあだ名などでも大丈夫です)
 プレイングにはその相手とどんな関係だったのか、どんな感情を抱いているのかなどを書いていただけるとよいかと思います。名前を呼ぶ相手の情報量が多いと描写しやすいです。

 参加をご検討くださる方は、MSページ上部で現在どのシナリオが受付中かどうかを常に表示しておりますので、そちらをご確認ください。
 特に第二章・第三章では追記がございますので、その間MSページは受付停止中としております。この間に送られたプレイングは(PL間の情報量の差を鑑みて)全て流させて頂いております。申し訳ございませんがご了承ください。
 2名以上のグループで参加される方は、よろしければプレイングは同日中に送信くださるようお願いします。また、プレイング頭に【グループ名】等で括ってくださるとわかりやすいかと思います。
 アドリブ多めになると思います。歓迎など書いていただけると、更に増えます。

 それでは、皆様のプレイングをお待ちしております。
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第1章 冒険 『逢魔ヶ時でまちあわせしましょう』

POW   :    大切な人の名前を叫び、誰が来るか周囲を見渡す

SPD   :    素早く何度も繰り返して名前を呟き、罠へ誘き寄せる

WIZ   :    想いを込めて大切な人の名前を告げ、気配を探る

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🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

キーシクス・ジェンダート
もう会えない人:妻
私の妻、私の最愛
自分の喉にナイフを突き刺して、血の中に倒れはして、そのまま消えてしまった彼女

死者は蘇らない、生き返らない、戻ってこない
あぁそうだ、それが理だ。少なくとも私の世界はそうだ。
だからこれはただ、犠牲を増やさないための、ただ入り口に立つだけの行為

レーア
キミと出会った日も、冒険した日も、私達の大切な息子が生まれた日も、全部全部覚えてる
愛していた、いや、今でも愛してる
…今のキミが私を見たら、きっと怒るだろうね。想い出が眩しくて、前もろくに向けていない私を。

…会いたいよ、レーア
もう一度だけでも、会いたいよ、キミに



●明日もまた君を想う朝が来る
 UDC組織によって施された人除けの幕の内側に足を踏み入れる。
夕焼けの赤と夜色が混ざり合う空の下、キーシクス・ジェンダート(翡翠の魔人・f20914)は小さな息を吐いて、その名を口にした。
「……レーア」
 それは、キーシクスが妻と呼んだひとの名だった。
紛れもなき最愛。
彼女と出会った日を、覚えている。
共に冒険した日々を、覚えている。
二人の間に愛情の結実たる息子が生まれた日のことも、全部全部覚えている。
ずっとずっと、忘れることなどできやしないだろう。
愛していた。
……否。今この瞬間だって、ずっと、愛しているのだ。

 だけれど彼女は、今ここに居ない。
自らの喉にナイフを突き立てて。
血の海の中に倒れ伏して……彼女の命の灯は、そうしてそのまま消えてしまった。

(今のキミが私を見たら、きっと怒るのだろうね)
 想い出が眩しすぎて、目を灼いてしまうから、碌に前なんて向けやしない。
そんな自分を、彼女はきっと叱ってくれるのだろう。
だけれどそんな、叱ってくれる彼女は今ここには居ないのだ、だから。
「……会いたいよ、レーア……!」
 もう一度だけでも。会いたいと願ってしまうのだ。
死者は、蘇らない。生き返らない、戻ってこない。それが世界の理だ。
キーシクスの世界でも、それはやはり覆らない。覆ってはくれない。
だからわかっている。これはただの願望で。現実にはならないのだと。
ただ新たな犠牲者を出さないために、犠牲を増やさないためにキーシクスはここに立っている、……そのつもりだった。

『……認めよう。その願いは美しい』
 キーシクスの耳に、そんな声が聞こえた、鈴を転がすような美しい声が。
そして彼の意識は、白く染まる。

成功 🔵​🔵​🔴​

シャーリー・クラーク
ここが大切な人に再会出来る場所…

叶いっこないって思ってても、望んじゃう気持ち、
私にも分かるなぁ…

―会いたいよ…師匠
独りだった私を拾ってくれて、育ててくれた
親代わりなんかじゃないよ、本当の親だと思ってる
師匠のおかげで私は世界のすべてが好きになれた
だから今でもみんなに『笑顔』を届けるんだ
師匠が大好きな、私に教えてくれた大道芸で

思い返せば涙が出そうになっちゃう…
どうして急に居なくなっちゃったの?
どうして何も言ってくれなかったの?
最後に聞いたのは「お前も立派な大道芸人だな」って言葉だけ…

―ダメダメっ
私が泣いてちゃ誰も救えない
だから笑顔でこう叫んでやるんだ
師匠のバカヤロォーーー!!



●同じ太陽を見上げているかもわからないけれど
「ここが、大切な人に再会できる場所……」
 シャーリー・クラーク(大空を遊泳する鮫天使・f26811)は誰も居ない鉄塔の下、夜に染められていく夕空を見上げる。
(叶いっこないって思ってても、会いたいって望んじゃう気持ち。私にもわかるなぁ……)
 シャーリーが想うのは、彼女を拾ってくれた、育ててくれた「師匠」の事だった。
一人ぼっちだった彼女に、誰かと一緒にいるということが幸せなのだと教えてくれたひと。
シャーリーにとっては、師匠は親代わりなどではなく本当の親だと思える存在だ。
師匠がともにいてくれたおかげで、見るもの、聞くもの、ふれあうもの……世界のすべてを、好きだと思うことができた。

 そうやってひとつひとつ、師匠のことを思い出していけば、こみ上げる涙で視界がぼやける。

――どうして急に、いなくなっちゃったの?
――どうして何も、言ってくれなかったの?

「お前も立派な大道芸人だな」と、シャーリーを認める言葉を残して……師匠はシャーリーの前から、いなくなってしまった。

(……ダメダメっ、)
 頭を振って、零れ落ちそうになった涙を押し止める。
今の自分は、師匠が認めてくれた通りにシャークショーで人々を笑顔にしている、みんなに笑顔を届けている。師匠が教えてくれた、師匠が大好きな芸で。
それがシャーリーの誇りだ。
だから、泣くわけには行かない。泣いてやるものか、とこらえる。
下がりそうになる口角を無理矢理に上げる。
(笑え。笑うんだ)
 皆に笑顔を届けるために師匠から教わった大道芸を続けているのに。
ここで自分が泣いてしまったら駄目だ。誰も救うことが出来ない。
だからシャーリーは下がりそうになる口角を無理矢理に持ち上げて。
声に交じる涙さえ吹き飛ばして、笑顔を作って、こう叫ぶのだ。
「……師匠の、バカヤロォーーー!!」
 ――ばかやろう。
こんな可愛い弟子(わたし)をひとりで置いていくなんて。
独りぼっちを拾い上げたくせに、また独りでおいていくなんて。

 そうして声とともに息を吐きだしたシャーリーの耳に、美しい声が聞こえる。
鈴を転がすような。

『……君を認めよう、その敬愛は美しい』
 シャーリーの視界が、ましろに染まった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

髪塚・鍬丸
もう一度会いたい人、か……。
やべぇな、家族も友人も恋人も、そこまで想える相手がいねぇよ、俺って奴は。

とは言え、御下命如何にしても果たすべし。任務達成の為には、なけなしの人間性を取り戻すしかねぇ。必死に記憶を辿る。
……そういや、あいつはどうだ……。

サムライエンパイアで、隠密として闇に生きていた過去に出会った、無骨な壮年の流浪の剣士。無双の剣術を極めながら、それを力無き人々の為だけに振るう男。
過去の非道を償う為に今を生きている、とか言ってたか。
成り行きで共闘し、酒を酌み交わした程度の仲だが、今の猟兵としての俺があるのは奴のせいかもしれねぇな。

そいつの名を呼んでみる。
……お前は今、どこで戦っている。



●彼の人よ、今は何するものぞ
「もう一度会いたい人、か……」
 人除けの幕の内側、草と石ころとを踏む髪塚・鍬丸(一介の猟兵・f10718)はさてどうしたものかと頭を掻いた。
(やべぇなぁ。家族も友人も恋人も……そこまで想える相手がいねぇよ、俺って奴は)
 これまで様々な世界を飛び回ってきた。時にはヒーロー、時にはフリーの傭兵稼業。一箇所にとどまることがない生き方をしていれば、自ずと他人との付き合いは浅くなる。
(とは言え、御下命如何にしても果たすべし……)
 任務達成のためにはなけなしの人間性を取り戻すしか無いと、鍬丸は必死に記憶を辿る。
世界を遊び歩いてきた彼が、もう会えない、けれどもう一度逢いたいと思える相手……。
(……ああ、そうだ。そういや、あいつはどうだ……)

 それは彼の故郷、サムライエンパイアに。
鍬丸が隠密として闇に生きていた時に出会った、流浪の剣士が一人いた。
年の頃はいくつくらいだったか、壮年と言える頃合いで、無骨な風体。
その剣術は無双を極め、しかしてその剣を力無き人々の為だけに振るう、そんな男がいた。
……過去に過ちを犯したのだと、そんな事を言っていた。
その非道を償うために今を生きているのだと。
(成り行きで共闘し、酒を酌み交わした程度の仲だが……)
鍬丸は思う。もしかしたら、今の猟兵としての自分はかの男の影響を多分に受けているのだろうなと。
ああ、ああ、確かにそうだ、この先かの男にもう一度まみえることはきっとないだろう。
サムライエンパイアとて広い。相手が流浪の生き様をしているのならば尚更だ。
ならば――ならば。

「…………――」
 ひゅうと吹いた風が音をかき消す、それでも鍬丸の口はその男の名を呼んでいた。
「なぁ、お前。今何をしているよ」
 ……お前は今、どこで、戦っている――?

 鍬丸の耳に、美しい声が聞こえた。
『……いいだろう、その光景もまた、美しいものだろうから』
 旅路の末に、来た道をふと振り返るように。
そうして、鍬丸の視界は、真っ白な光に塗りつぶされる。

成功 🔵​🔵​🔴​

シル・ウィンディア
会えない大切な人に会える場所…

それなら…
お母さんに会えるのかな?

魔物に襲われそうになった時に颯爽と駆けつけて助けてくれたお母さん
そんなお母さんが大好きだったの
でも、アックス&ウィザードでの冒険中に命を落としたって聞いたけど
まだ、信じられない

だから…

わたし、お母さんと一緒の冒険者になってるの
こう見えても、沢山冒険してきたんだよ
色んな人とも出会ったし、魔物とかも退治していたりもするんだよ

あとはね
勝気な双子の妹の事とか、もう一人の幼い妹の事とか…
その妹たちと一緒に沢山冒険したりしたこととか

元気で、笑顔でって言ってくれたことは忘れないけど…

今は泣きたいよ
一杯お話したいよ
会って、お話したいよぉ…



●覚えているのはその笑顔
 風が足元の草をそよがせる。シル・ウィンディア(光刃の精霊術士・f03964)は夕焼けと混じり合う紫色の空を見上げる。ここからは本当は町が一望できるらしい、けれど今は工事中を装って張られた幕に邪魔されて切り取られた四角い空が見えるだけだ。
(会えない、大切な人に会える場所……)
 もう会えない人に会える?
それが死んでしまった人でも?
だったら……だったら――、
「お母さんに、会えるのかな……?」

 幼い頃、魔物に襲われそうになったとき。
颯爽と駆けつけてくれて、助けてくれた母の微笑みにどれだけ安心させられたことだろうか。
シルはそんな母のことが大好きだった。
けれど彼女はもういない。最期を看取ったわけではない。
ただ、冒険中に命を落としたと、そう聞いた。
アックス&ウィザーズで、冒険者が命を落とすことはそう珍しいことではないだろう。
……それでも、母が亡くなったということを、シルは信じられずにいる。
だから。
シルはぐい、と目元を拭った。
「わたし、お母さんと一緒の冒険者になったんだよ……こう見えても、たくさん冒険だってしてきたんだよ、色んな人とも出会ったし、魔物だって退治してたりするんだよ……っ」

 会いたい。
お母さんに会えるのならば、話したいことがいっぱいある。
例えば、勝ち気な双子の妹のことだとか。もうひとりの幼い妹のことだとか。
妹たちと一緒に、たくさんの冒険をしてきた話だとか。
話したいことが、いっぱい、ありすぎる。

 母はシルにずっと言っていた、元気でいてね、笑顔でいてねと。
それは忘れない。忘れなどしない。けれど。
 拭うそばから、ぽろぽろ、ぽろぽろと涙の粒がこぼれて落ちる。
シルの手のひらではその大きすぎる感情を掬いきることなどできはしない。
(今は、泣きたいよ……!)
 ……いっぱい、お話したいよ。
お母さん。
「会って、お話したいよぉ……!」

『いいね、認めよう。その慕情はとても、美しい』
 聞こえた声は、母の声ではなかった。鈴を転がすような、美しい少女の声だ。
だれ、と振り向く暇もなく、シルの視界は真っ白に染まっていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

テラ・ウィンディア
もう会えなくて会いたい人か
そうだな…お父さん…かな

おれはもうお父さんとお母さんがどんな人かは思い出せないんだ

でも…遠い記憶
お父さんが戦う姿を見ていた
今だからわかる
お父さんはおれとシルを守ってた

でも…それ以上に…心を揺さぶったのは…魔法と斬撃
とても強くて…美しかったんだ

だからおれは…そう…在りたいと願っていた

あの時からおれは強くなれたかな
今も分からない
だけど…それでも今のおれを見せたい…

おれも冒険者になれたんだ
色んな世界を見ることができた
凄いんだぞ
あの空の星々の世界だって行ってみたんだ
泣かないぞ
心配させちまうからな

おれの話を聞いてほしい
お父さん達の冒険を教えてほしい
そう願わずにはいられないんだ



●記憶は声から消えていく
(もう会えなくて、会いたい人、か)
 少しずつ、少しずつ、夕焼けと夜色が混じり合うその色が濃くなってきている。
完全に夜になってしまえば、黄昏時は、噂の時間はおしまいだ。
テラ・ウィンディア(炎玉の竜騎士・f04499)は足元の影を見詰めて、呟いた。
「おれは……そうだな、お父さんかな……」。
 姉と違って、テラにはもう両親がどんな人だったかは遠すぎて思い出せない人だ。
けれど、今も心に残っている遠い記憶の中。
戦う男のひとの姿を、その背中を見ていた。
それが自分の父親なのだと、おぼろげな記憶でも理解できる。
そして、成長した今だからこそわかるのだ。
父は、自分たちを。テラと、テラの姉シルを守って戦っていたのだと。
そしてその記憶の中、心のなかで思い出すたびになにより色鮮やかに蘇るのは、テラの心を揺さぶるのは、戦う父の振るう剣の斬撃の軌道と、炸裂する魔法、その強さと美しさ。
(だからおれは……そう、在りたいと願っていた……)
 父のように強く、美しくありたいと。

(――あの時から、おれは強くなれたかな?)
 それは今もわからないことだ。きっと答えが出るのは、もっと先のことなのだろう。
けれど、それでも。父に、自分の姿を見せたい。叶うのなら、成長を喜んでもらいたい。

(おれも、冒険者になれた。なったんだ。いろんな世界を見ることが出来た)
 夜空に見上げるだけだった遠い星々。その星の世界にすら行くことが出来た。
「……凄いんだぞ」
 テラは泣かない。
父を心配させるようなことはしたくない。
だから、湧き上がりそうになる感情をぐっと堪える。
(……おれの話を、聞いて欲しい)
そして、父達の話を聞かせて欲しい。
もし会えるのならば。もう一度、再会が叶うならば。
(そう願わずには、いられないんだ)

『……認めよう、君の思慕もまた美しい』
 聞こえてきたのは、誰とも知らないうつくしい女の声。
それは勿論、父のものなんかじゃあないことはわかりきっている。
誰だと振り返る前に、テラの目の前は白く、白く塗りつぶされていった。

成功 🔵​🔵​🔴​

リプリー・エイプリル
もう会えない人:父

お父さん…ボクは

『嘘をついて済まない、お前は私の…』

著名な芸術家であるボクのお父さんは病没だった
これはお父さんがボクにむけて言った最期の言葉
結局お父さんは全て言い終える前に口を噤んでしまって
あの言葉の意味は未だに分からない
いや、分からないふりをしているんだろうか
でも今は…真実が何であれ、向き合いたいと思ってる
もう一度、会いたい。会ってあの言葉を最後までまで聞きたい
何を言われたってボクたち親子の絆は変わらないよって言ってやりたい

たとえボクが貴方の「死んだ最初の娘」でなくても

伝えてほしい言葉がある、伝えたい言葉がある
だから…もう一度だけ会いたい…お父さん!



●最期の吐息の理由を問う
 鉄塔の下に立ったリプリー・エイプリル(愛の芸術の面影・f27004)の灰色の髪を、冷たくなってきた風が撫でていく。
「お父さん……ボクは」
 リプリーはそれだけ言うと口を閉じた。
脳裏を巡るのは、著名な芸術家だった父の最期。
病に冒された死の床で、父はリプリーに向けて謝罪を口にした。すまない、と。
『嘘をついてすまない、お前は、私の……』
 そこまでだ。そこで口を噤んだ父は、その先を言い終えることはなくこの世を去った。
(あの言葉の意味は、未だにわからない――)
(……いや、わからないふりをしているんだろうか)
 いくらかの散りばめられた欠片が、リプリーに予感させるものがある。
もしかしたら、最期に父が言おうとしたことはそれまでのリプリーを否定するものになるかもしれない。だからこそ、父は今際の際にあってさえ言葉を飲み込んだのかもしれない。
(でも、今は、真実が何であれ……向き合いたいと思ってる)
 だからその為に、もう一度……会いたい。
会って、あのとき聞けなかった言葉の続きを。最後まで聞きたい。その上で。
(何を言われたって、ボクたち親子の絆は変わらないよって言ってやりたい……!)

 例えば。サイボーグとして蘇る以前の記憶のない自分が。ほんとうは。
父の『死んだ最初の娘』ではなかったのだとしても。
(伝えて欲しい言葉があるんだ。伝えたい言葉が、あるんだ。だから……もう一度だけ)
「もう一度だけ、会いたい……お父さん……!」
 握りしめた拳に雫が滴った。

『……いいだろう。君の慾望もまた、美しい』
 美しい声が、リプリーの耳朶を叩く。その声は一体どこから聞こえてきているのか。
わからないまま。リプリーの目の前は真っ白に塗りつぶされていった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ルネ・プロスト
全てはお父様の死後にお父様の手記から知ったこと
お父様がこの身に求めていたのは死した娘の器たること
実の娘を蘇らせる手段として人形の身に魂を宿したことを
――故に、故に
ルネが生前の記憶を持たないと知って正気を失った
ルネを娘として愛しつつも彼女の事も諦めきれず、他の手段を模索し続けた果てに狂気に蝕まれて事切れた
ルネから彼女の魂を取り出さなければ他に手段などないことを知ってた癖に

死霊術で呼べば会えはするのだろうけど
それで会えるのは狂気に冒され切った死際のお父様なのだろうね
だからこそ、会えるというなら今一度。正気を失う前のお父様に問い掛けたい
『そうまでしてルネをルネのまま残した(愛した)のは何故?』



●その時のあなたに会えるというのならば
 かつん、石ころを蹴ってルネ・プロスト(人形王国・f21741)は黄昏の空を見上げる。
ルネが会いたい、けれどもう会うことの出来ない人……それは、彼女のミレナリィドールたる肉体に魂を込めた「お父様」だ。
(死霊術を使えば、お父様の霊に会うこともできるのだろうけれど、ね)
 それに応えて現れるのは、ルネが会いたい父ではない。

 全ては父の死後、彼が遺した手記から知ったことではあるが――……。
ルネの父が『ルネ』に求めていたのは、亡き娘の魂の器たることだったという。
実の娘を蘇らせる手段として、ミレナリィドールの肉体に魂を宿した。
けれど、故に。彼は。   
目を覚ました『ルネ』が、「生前の記憶」を持たないことを知って、正気を失った。
「お父様」はたしかに自分を娘として愛してくれていた。
けれど、それでもやはり『娘』のことも諦めきれなかった。
娘を蘇らせる他の手段を模索して、探して、探して、その果てに狂気に蝕まれ、事切れた。
(ルネから彼女の魂を取り出さなければ、他に手段など無いことを、知っていた癖に)

 死霊術を使って現れるのは、きっと狂気に侵されきった死に際の父。
(会えるというのなら、いま一度、正気を失う前のお父様に問いかけたい)
 死んだ娘に会いたかったのならば、自分という選択肢を切り捨ててしまえばよかったのに。
 その他に方法など無いことを知っていた癖に、それをせずに、存在しない第三の手段を求めて、そして狂い果てて、死んだ。
「そうまでして、ルネをルネのまま残したのは、何故?」
(――ルネをルネのまま、愛したのは、何故?)
 小さな唇がぽつりとこぼす。

 声がした。鈴を転がすような、美しい声だった。
『……いいだろう。君の探求心もまた、美しいものだ』
 ルネの視界が白く染まっていく。夕焼け色と夜の色が、白く塗り変えられて――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

御手洗・暖悟
雰囲気でてんじゃん、昔を思い出しちまうぜ
俺、大学で所属してたサークルに2人友達がいたんだよ
孝明と好珠って奴でな?孝明は昔の恋愛ゲームの主人公みたいな奴で何回「爆発しろ!」って胸倉掴みあげた事か
好珠の奴はまー分かりやすい正統派美女、マドンナって奴だ、少し憧れてたよ、孝明とくっつくまでだけどな…ま、お似合いだったんで、素直に祝ってやった
でも現実円満な交際がずっと続く訳もなく、些細な喧嘩してたのを見た
で、仲直りの切欠作りに俺が心霊スポットに取材旅行計画したんだ、メンバー総出のな
これが良くなかった…出来の悪いスラッシャー映画みたいだったぜ

何で俺だけが…孝明…好珠…孝明…好珠…孝明…好珠…!



●懺悔のように滔々と
「へぇー、雰囲気出てんじゃん。昔を思い出しちまうぜ」
 鉄塔の下、UDC組織が人除けの為に張った幕をくぐって、御手洗・暖悟(仮面のマッドメカニック・f27021)はくっと唇をつり上げた。
 空はもう随分と夜色が濃くなっている。深い影が暖悟を照らし出す。
今日の黄昏時は、もうすぐ終わるだろう。

 ――それは十年にも満たない過去のこと。
大学で、所属していたサークルに二人の友人がいた。
孝明と好珠。孝明は一昔前の恋愛ゲームの主人公みたいな、とにかく女子から好感を抱かれるヤツで。何回「爆発しろ!」って胸ぐらを掴みあげたんだったか覚えちゃいない。
好珠の方はこれまた、まぁわかりやすい正統派美少女だった。こちらも少し昔の表現を借りるならばマドンナというやつだ。
(正直少し、憧れてたよ。孝明とくっつくまでの間だけどな。まぁ、お似合いだったんで、素直に祝ってやったさ)
 それで二人がずっと幸せだったなら、それはどんなに良かっただろう。
現実は円満な交際がずっと続くはずもなかった。とはいえそれだって、ほんの些細な喧嘩だったんだ。放っておけばそのまま当人たちでどうにか解決していたのかもしれない。
ああ、だったら仲立ちに入ろうとした自分が悪かったのか。そうなのか?
暖悟主催、大学のサークルメンバー総出でのちょっとした旅行企画。心霊スポットの取材旅行。恋人同士の肌が密着するにはおあつらえむきだと、そう思ったのだ。その時は。
 ――けれど、現実はどうだ。
出来の悪いスラッシャー映画みたいな惨劇の果て。夕焼けが滲む夜。血に彩られた夜。
耳を塞いでもなお頭の中から出ていかない悲鳴……
暖悟はその日、二人の友人と。そして仲間たちを、永遠に失った。
黄昏色が、夕焼けの赤が、頭の中でリフレインして。今がいつだったかも、何をしているのかもわからなくなる。
「何で、なんで、なんでだよ、なんで俺だけが……孝明……好珠……孝明……好珠……孝明……好珠……!!」
 友の名前を呼ぶ。息が上がる。あの日の記憶が、背中にぴったりとくっついて、そこから這い上がってきてしまいそうだ。

 だから、視界がホワイトアウトしたのは、暖悟にとって救いだったかもしれない。
『……興味深い。君の後悔の色は美しい。いいだろう』
 それが暖悟に聞き取れたかどうか。彼の耳元で、鈴を転がすような声がした。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 冒険 『開幕、バトルロイヤル』

POW   :    とにかく力押しで優勝を目指す

SPD   :    最後の一人まで逃げ回って優勝を目指す

WIZ   :    何か作戦を立てて優勝を目指す

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 白く塗りつぶされた視界が元に戻ってくると同時、周囲が全く異なる場所に変わっていることに気づくだろう。
 そこは、どこかのビルの1フロアのような場所だった。
『――君たちの願いは美しい』
『けれど』
『その願いは、本当にどうしても叶えたい願いなのかい?』
 天井に飾られた小鳥から、意識を失う前に聞いた鈴を転がすような美しい声が聞こえてくる。
『誰かにチャンスを譲ってしまえる程度の願いならば、易々と叶うと思わないことだ』
『故に』
『己の願いこそが叶うに相応しいのだと、証明し給え』
『願いを叶えたいのならば、どうしても叶えたいという思いを証明してみせる事だ』
『その願いは他者の願いを踏み躙っても叶えたいものだと、見せつけてみると良い』
『戦い給え』
『そのための道具ならば、此処に用意してある』 
 壁という壁には、剣が、ナイフが、銃が、斧が……ありとあらゆる武器がかかっている。
それがこの場所がオフィスビルなどではないことを
『戦って、勝ち残れ。そして上まで来ると良い』
『願いを抱える君の、執念(エゴ)の美しさを見せてくれ給え』
 ――声は、「殺し合え」と言っていた。

 血が飛沫いた。君たちの目の前には、今までいなかった人々がいた。
生きた人間ではない。けれど、オブリビオンでもない。

『いいじゃない。あたしはやるわよ』
 傍らの男の頭を手斧で叩き割り、セーラー服の少女が言う。
『どうせあの人に会えないのなら、生きてたって意味ないもの』
 少女の殺気に押された人々が壁から武器を取り、動き始める。

 君たちは気づくだろう。
彼らの獲物を求める目は、君たちにも向けられていると。
『勝ち残ってみせてくれ』
 美しい声が、最後にそう言った。

========================================
 ――おめでとうございます、第二章が開始されました。
ここでは戦闘を行い、屋上へ向かうことが目的となります。

 此処にいる人々は各々で殺し合い、また猟兵もその標的として殺すつもりで襲いかかってきます。
彼らは生きた人間ではなく。オブリビオンですらありません。
かつていつかこの空間に存在した、焼き付けられた残影です。
彼らは自身が生きていないことを理解することは出来ません。
そして、猟兵たちと同じ様に、「もう会えなくなってしまった、会いたい人」に再会する願いを持っており、「他者を殺しても願いを叶えて貰いたい」という思いのもとに襲いかかってきます。それを譲ることはありません。
残影はこの部屋に用意されていた武器を手にしており、ユーベルコードを使うことは出来ませんが、簡単に蹴散らすことの出来る弱さでもありません。

・第二章はビルの1フロアのような場所で行われます。
 戦闘でPCの種族由来のサイズでの有利不利などは発生しません。
・残影との戦いのリプレイは、基本的に一対一の戦いとして描写いたします。
・指定がなければ、リプレイ内で残影に必ず止めを刺します。
 残影は生きた人間ではなく、救助や説得、この空間からの避難などは不可能です。
 その上でとどめを刺したくない場合は、プレイングに記述ください。
シル・ウィンディア
上に行くためには、ここの乗り越える…
…どんな犠牲を払ってでも?
そしたら、お母さんに会えるの?

…それなら

目の前の人達の事も気になるけど…
でも、もし、お母さんに本当に会えるのなら…
わたしは、会いたいっ!

だから…
押し通らせてもらうよっ!

とはいえ、真正面から行くのもなぁ…

なら、撹乱しつつ攻撃だね

機動は【フェイント】を駆使したサイドステップやダッシュと
【残像】を生み出しての撹乱機動

攻撃はヒット&アウェイで攻撃開始
武器は使い慣れた光刃剣と精霊剣の二刀流だね
【残像】は他参加者にかぶるように発動させて、同士討ちを図るよ

想いのこもった攻撃だけど…
でも、わたしの想いはもっと強いのっ!
だから、絶対に負けないっ!



●骸で出来た道を歩んでも
 銀のロッドから光刃剣の刃が発現し、振り下ろされた刃を咄嗟に受ける。
ナイフを手にしていたのは長い髪の女性だった。
「お願い、お願いよ、死んでちょうだい、暴れないでくれれば、痛くしないから……!」
 女はシルの身体を刺そうと何度も刃を振り下ろす。
その一つ一つを受け止めながら、シルは必死に考えていた。
(上に行くために、此処を乗り越える……どんな犠牲を、払ってでも?)
 既に目の前の女はその覚悟を決めている。シルを犠牲にして、自らの願いが叶えられるに足るものであると証明しようと必死だ。
(そしたら、お母さんに会えるの?)
「それなら……!」
 それは目の前の彼女を殺す道だ。そして、今も目に映る闘(あらそ)う人々を見捨ててゆく道だ。けれど、それでも。
(もし、お母さんに本当に会えるのなら……)
「わたしは、会いたいっ!!」
 光刃剣がナイフを跳ね返す。左手に精霊剣を握り直す。
「……そう。あなたもそうなのね。譲っては、くれないのね」
 女のまなじりがつり上がる。
シルをただ自分のために殺す相手から、邪魔者として、敵として認めた目に変わる。
そして覚悟を決めたのは、シルとて同じだった。
「……いくよっ!!」
 シルが二刀をふるうたび、残影の女の身体に傷が刻まれる。
女の執念が振るうナイフは、シルの身体に赤く傷をつける。
「会いたいの!会わせてよ……私はあのひとに、謝らなくちゃならないの……!!」
 強い思いが肉体の限界を超えたのか、それとも残影故にか。
素早く撹乱するようなシルの動きに女はついてくる。確実に命脈を絶たんとナイフを振り下ろしてくる。
女の言葉が正面からぶつかってきて、圧倒されそうになる。
「でも、私の想いは、もっと強いのっ!……だから、絶対に負けない……っ!!」
 叫んだときだった。
「……あ、あああっ!!」
 別の男の振るった刃物が、女の腕へと突き刺さっていた。
同士討ちを狙ったシルの動きによるものだ。
女がナイフを取り落とす。もう一度自らの血でぬめった手で拾い上げようとする、それよりもシルがとどめを刺さんと動いたほうが早かった。
二刀の剣が振り抜かれて。ぱっと白い壁が真っ赤な血飛沫に彩られる。
女の身体が床に倒れ伏して、動かなくなった。
シルの唇が何かを言おうとして一度開き、そして噤んだ。

成功 🔵​🔵​🔴​

御手洗・暖悟
刺激的なシャワーだな、お陰で目ぇ醒めた
「ディメンション・フック」を天井に突き刺して『空中浮遊』
近接武器の射程から逃れつつ全体を俯瞰する
その前に一服する、銃持ちが居るようだが素人の盲撃ち
弾が脇を掠めようが知った事かよ
フー、流石UDC職員に支給される煙草、落ち着くぜ
何が美しさを見せてくれだ、笑えるぜ
人の輝きを「見ようとする」奴は始末に負えない
美しい筈の声が2人を殺した狂笑と重なってくる
直接手を下すかそうでないかの違いでしかねぇじゃねぇか
録画した映画を見るような感覚ってか?
俺は猟兵だ、UDC職員の職員だ
殺すよ、所詮唯の残影、へし折ってしまえばいい
クソッタレな黒幕のツラ、拝む為にはそれが必要なんだろ?



●温情などかける必要もなく
「……ああ、そうかい」
 暖悟は吐き捨てた。
「刺激的なシャワーだな、お陰で目ぇ冷めた」
 同時に始まった殺し合い、血の狂宴から背を向けるようにディメンジョン・フックを天井に突き刺し、身体を天井に浮かせた。
銃を手にした男が暖悟に向かって弾丸を放つ。
「……ハ、そうだよなぁ、ここじゃあ近接武器は届かねぇもんなぁ……だがよ、所詮素人、銃になんざ碌に触った事もねぇだろ? 空中で動くモンに中てンのは難しいんだぜ?」
 そう睨んだ通り、銃弾は暖悟を傷つけること無く脇をすり抜けて行った。
ポケットから煙草とライターを取り出して火を点ける。深く息と同時に煙を吸い込んで。
(流石はUDC職員に支給される煙草だ、落ち着くぜ……)
 ああ、そうだ。鈍っていた頭が有害物質を摂取して回りだす。
「何が「美しさを見せてくれ」だ。笑えるぜ。人の輝きを「見ようとする」奴は始末に負えねぇってな」
 先程聞いた、天井の鳥から聞こえた、美しい、鈴を転がすような声。
だがそれは、かつての二人の友人を奪った「もの」の狂笑と同じ忌まわしいものとして暖悟には感じられた。。
(だったら、直接手を下すかそうでないかの違いでしかねぇじゃねぇか、こんなモン)
「録画した映画を見るような感覚ってか? ……はっ、笑わせるぜ」
 もういちど有害物質を吸い込むと、煙草を咥えたまま暖悟は地上に降りた。
「……俺はな、猟兵だ。ついでにUDC組織の職員でもあるんだよ」
「畜生、死ね、死ね!……誰でもいいから死んでくれよ……!!」
 降りてきた暖悟に襲いかかる男の勢いを利用して顔面を殴りつける。壁に飾られた無数の武器の中からハンドガンを引き抜いた。
「殺すよ、所詮てめぇらはただの残影……へし折っちまえばいいだけの話だ。」
 ――ああ、そうだ、そういうことだろ?
「クソッタレな黒幕のツラぁ、拝む為にはそれが必要なんだろ?」
 銃声が響く。頭の中でプログラムされたとおりの正確無比の射撃が暖悟の手の中のハンドガンから放たれ、男はまず最初に脳天を撃ち抜かれ、何も出来ないまま蜂の巣となった。
マガジンが空っぽになってようやく、暖悟の指が引き金から外れる。
そのままハンドガンを投げ捨てると、再び壁の武器から、新たな銃を手にとった。
ふぅ、と紫煙を吐き出して、そして冷たく暗い声で暖悟は言った。
「殺してやるから、待っていやがれ」

成功 🔵​🔵​🔴​

髪塚・鍬丸
残影と対峙。さて、どうするか……
任務の為には眼前のこいつを討つのが最善。同情はするが所詮は感傷だ。最大火力を放ち……

『貴様の術の使い道はそれでいいのか?』
脳裏で囁かれる
『自己満足も一つの道でござる。殺す以外の道、貴様なら探れよう』
……あぁ、そうだ。こういう寝言をほざく野郎だった
もう生きてはいないだろう、あんな甘い奴が長生き出来る筈もない。ならば……

【幻術】使用。相手の思考と記憶を読み、抽出
会いたい者の姿と言動を幻として現出。再会を叶わせる。その者にとっては何ら現実と変わらない幻実。動きを止めさせる
こいつの執念は「殺した」。俺の勝ちだ、文句があるか

あの時の酒は旨かった。もう一度、味わえるだろうか



●それが唯一のの方法だった
 じり、じりと相手との距離が詰まっていく。
返り血をべったりと衣服につけた少女は血で滑る短刀を捨て、壁から新たなナイフを引き出した。
(さて、どうするか……)
 少女からひとたびも目をそらさぬまま、鍬丸は思案する。
(任務のためには、目の前のこいつを討つのが最善。その身の上に同情はするが、所詮は俺の感傷だ。ならば……)
 最大火力での一撃を以て一掃するか。そう、鍬丸が考えたときだ。
『――貴様の術の使い道は、それでいいのか?』
 脳裏に囁く声があった。それは、ずっと忘れていて、つい先程思い出した相手の言葉。
『自己満足も一つの道でござる。殺す以外の道、貴様なら探れよう』
(……あぁ、そうだ、こういう寝言をほざく野郎だった)
 もとより行動をともにした時間自体、とても短い間のことだ。そんな中で、男はよりにもよって忍びである鍬丸に人を「生かせ」と語ってみせた。
 ふと、男はもう生きていないだろうと悟る。
こんなにも甘い事を言ってのける奴が、長生きできるはずもない。
真実など知れない。ただ、鍬丸の中では男の生死はなかば決定してしまった。

 少女の瞳を見つめる。既に殺めてしまった者の血に濁ったその奥に大事に抱え込んだ願いをも見透かすように。
「……あ、」
 少女が声を上げた。
「ああ、あぁ……!!」
 涙をぼろぼろとこぼし、その場に崩れ落ちて、少女は焦点の合わぬ目で鍬丸を、否、少女の世界ではそこにいるらしい誰かを見上げる。
「ごめんなさい……ごめんなさい……!!あの時は何もかもあたしが悪かったの、全部、全部あたしが、あたしがあんなこと言わなければ良かったの……!」
 謝罪を繰り返す少女はここでない、彼女だけの世界を見ている。
これこそが鍬丸の術。幻を見せるその術は、少女から記憶と思考を読み取り、彼女が会いたかった相手の姿と言動を見せる。
彼女が誰かを殺してまで叶えたかった願い、再会を今、鍬丸が叶えていた。

 やがて、鍬丸には見えぬ誰かと会話していた少女は深く深く己の世界に没入し、意識を失い、そこに倒れ込む。
(こいつの執念は「殺した」。俺の勝ちだ――文句があるか)
視界の隅に捕らえていた、上に続く階段を睨む。
先程までは到底たどり着けそうにないと思えるような拒絶を放っていたそこからは、今はまるで招かれているようだ。
鍬丸はまっすぐに階段へ向かって歩いてゆく。

(あのときの酒は旨かった)
 男との思い出を一つ思い出す。
(……もう一度、味わえるだろうか)

成功 🔵​🔵​🔴​

テラ・ウィンディア
………そっか
本来なら…おれはお前らにその願いを譲らないといけないんだろうな
だって…お父さんはきっとこんなやり方でおれが会おうとしたら叱るだろうから

でも…それでもおれはお前らを止めないといけない

だって…お前らはきっと(それ以上…言えなかった。余りに残酷だから

ああ
おれは結局こういうやり方しかできないんだ

モードグランディア発動

【戦闘知識】で残影の動きを見て
そしてその癖を把握して

【見切り・第六感・残像・空中戦】を駆使して回避しながら

槍による【早業・串刺し】での反撃や猛攻

ああ
その思いがお前の強さか
なら今は挑もう

最後に
なぁ…お前が会いたかった人はどんな人なんだ
教えてくれ
お前が其処までして願った人を



●それでもこの道は、
「すまない」
 男は血に濡れた幅広の刃を手にして、テラへと謝罪しながら歩を進める。
「君を殺してしまう僕を許せとは言わない。君の願いを断ち切ってしまう僕を存分に恨んでくれていい。……だけど僕は君を殺すつもりだ。それだけは譲るつもりがないんだ、すまない」
 男の目は正気だった。どこまでも正気で、どこまでも本気だった。
その目を見て、テラは思う。
「……そっか。本来なら……おれはお前らにその願いを譲らないといけないんだろうな」
 だってテラの父はきっと、誰かを殺してまで自分を求めるテラを叱るであろう人だから。
血に濡れた道を通ってきた両足では、テラは父の前に立つ事をきっと許されない。
「でも…それでもおれはお前らを止めないといけない」
 ぽつりとつぶやいた言葉は、男の耳には聞こえないようだった。もし聞こえていたとしても何のことかはわからなかっただろうし、きっと男に理解できる範疇の意味に解釈されただろうが。
「だって…お前らはきっと……、」
 その先を紡ぐことは出来なかった。言えなかった。その予想は、余りに残酷だったから。
男は知らない。今から殺そうとしている少女が何者なのかを。
(ああ、……おれは結局こういうやり方しかできないんだ)
「……グラビティフィールド、展開……!!」
 ずしん、とその場が震える音。テラを中心に超重力が発生し、その手の中に紅龍槍が現れる。切りかかってきた男の刃の重さは勢いをつけて振り下ろしたにもかかわらず軽減され、紅龍槍の一振りによって弾かれる。
それでも男は、諦めようとはしなかった。壁から新たな刃を引き抜き、何度も何度も打ちかかってくる。
「僕は……死ねないんだ……!誰を殺しても、誰の願いを踏み躙っても……僕が、会いに行かなくちゃあ、ならないんだ!」
 だからお願いだ、僕に殺されてくれないか。
男の目は真摯だった。こんな願いでなかったら、頷いていただろうほどに真剣だった。
(ああ……その想いが、お前の強さなんだな……――ならば今は、挑もう)
 テラの足が床を蹴る。超重力によって加速された紅龍槍は、男の胸を貫いた。
ぱたり、と血が滴る。勢いによって押された男は胸に槍を突き刺したまま二、三歩歩き出し、そこで刃を取り落し、そして膝から崩れ落ちる。床に赤い血溜まりが広がっていく。
「ああ……殺されたのは、僕の方だったか」
 やっぱり駄目だな、僕は。そう言って、男はごほりと血を吐いた。
「なぁ……お前が会いたかった人は、どんな人なんだ?」
 最後に教えてくれよ、お前がそこまでして願った人のことを。
そう言ったテラに、男は自ら吐き出した血で真っ赤に染めた唇を開く。
「……一人娘なんだ……まだ、小さくて……難病だった……あの日、面会に行けていたら、こんなにも後悔はしなかったのに」
これは残影だ。いつかここに訪れた男姿かたち、記憶を写しとられたまがい物だ。それでも男は、娘に会いたい父親だった。
 ああ――、と、血に塗れた声で男が最期の言葉を吐き出す。
「僕は、父親失格だね」

成功 🔵​🔵​🔴​

ルネ・プロスト
他者を蹴落としてまで会いたいというわけではないのだけどね
本当に会えるというのであれば会ってみたくはあるけれど
こんな胡散臭いのにはそもそも全く期待なんてしてないし

人形達は死霊憑依&自律行動
それはそれとして向かってくる子の迎撃はするよ
ポーン8体で前線構築、UCでゴム弾入りの散弾撃って正面にいる子を鎮圧
側面、後方から来た子はルーク2体の大盾で殴り飛ばす
ビショップ2体はオーラ防御で自陣周辺覆って守りを固める
迎撃した子達は最終的にはルーク達の大盾で四肢の骨砕いて完全に無力化

声の望む通りに動くのが癪っていうのもあるけれど
無駄に殺業を重ねる気もないんだよね
敵に容赦はしないけど、必要なければ殺しまではしないよ



●人形たちの戦線
「他者を、蹴落としてまで会いたいというわけではないのだけれどね」
 天井の鳥から聞こえてくる声を耳にして、ルネは幾分がっかりとしたように言った。
「本当に会えるというのであれば、会ってみたくはあるけれど……どうせ、こんな胡散臭いのにはそもそも全く期待なんてしてないし」
 そう呟くルネの背後にいつの間にか忍び寄っていた男が、手にした鉈を振り下ろす。
けれど小さな頭を叩き割らんとしたその一撃は、突如現れた人形たちに阻まれた。
「でも、それはそれとして。向かってくる子の迎撃はきちんとさせてもらうよ」
「な、なんっ……なんだ、なんだコイツは……!!」
「銃弾換装、散弾装填。マスケット、構え。……撃て!」
 死霊憑依によって自律行動を開始した動く人形――ドールズナイト・ポーンが、ルネの言葉に合わせてマスケット銃を発射する。ゴム弾入りの散弾を食らった男がその場に膝から崩れ落ちる。
「ポーンは八体で前線を構築して正面にいる子を鎮圧。ルークは側面から来た子を頼むよ。ビショップ二体は周辺を覆って守りを固めてくれ」
 てきぱきとした指示の下、人形たちがルネを守る陣形を組み上げた。これでは彼女を殺そうとすることはおろか、害そうと近づくことさえここにいる誰にも不可能だ。
 そのまま黙って、ルネは倒れた男へと歩を進める。男の顔に怯えが浮かんだ。
「ルネを殺そうとしたっていうのに、そのルネに殺される事は怖いっていうのかい。……まあ、所詮は死が身近でない者の残影だからね。仕方のないことかもしれない」
「な……なんなんだ、お前は……何を言って、」
「だけどルネは殺しまではしないよ。あの声の望むとおりに動くっていうのが癪ってこともあるけれど、無駄に殺しの業を重ねる気もないんだ」
 男の顔に、希望めいたものが浮かんだ。それは生への期待か、はたして。
「だけど、無力化させてはもらう。容赦する気もないからね」
「がッ!!!????……ごぁ、がぁぁっ、あああああ!!!」
 ルーク人形の大盾が男の右腕の骨を破壊する。そして続けて左腕、右足、左足。
四肢の骨を砕かれた激痛に悶える男を人形に摘み上げさせると、ルネは既に残影達によって築かれていた死体たちの中に男を放り込む。
ここには誰かを殺さなくてはという強迫観念に駆られたものがまだたくさんいる。動けなくなった男が誰かにとどめだけを刺されて結局殺されていては、ルネが折角生かした意味がない。
「せいぜい、死体役に徹することだね」
 そう言って顔を上げたルネの目の前には、今までまるで遠かった階上への入り口がある。
「……なるほど?」
 かつりと靴音を鳴らし、ルネはそちらにむかって一歩を踏み出したのだった。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

鈴城・有斗(サポート)
倫理観や常識は基本的には現代日本に準拠
上記に反しない、他者に迷惑をかけない範囲で悪ノリや調子に乗る事もある

命がけの戦闘を経てきたせいか、暴力で解決できるなら倫理や常識に納まる範囲内で行使する事へのタガが緩くなっている
同様に、救助や避難の必要な対象が居る場合、UCを利用して効率をあげようとする事もある(冷静な状態ならある程度対象に配慮している)

戦闘よりも避難、救助を優先する事が多い
武器もUCも用途に応じて持っているものを使う
敵の姿が女子供でも、敵意を持って向かってくる相手に遠慮はしない
ゲスな奴なら尚更容赦しない

「地識の黒鎖」で過去の情景を調べられる



●この喜劇に閉幕を
 大きく風を切る音がして、鈴城・有斗(未来を導く意志は今ここに・f18440)の肩に手斧が振り下ろされる。咄嗟に手にしたバスタードソードで振り返りざまにその一撃を弾き、有斗は攻撃者の顔を見た。
 セーラー服の少女だ。既に幾人か仕留めてきたのであろう、手斧の刃は血に濡れていた。
遅れてこの場所へやってきた有斗に、彼の地職の黒鎖はここで先程起きたことを教える。
 今は沈黙している天井のスピーカーは、再会を願う人々をこのフロアに集め、戦えと、殺し合えと綺麗な声で謳った。その声に最も早く動いたのが、目の前の少女だった。
――彼女は、人間ではなく、オブリビオンですらない。
いつかのこの場所で実際に起きたであろう事をなぞる、焼き付いた残影だ。
「……温いわね。あたしを殺さなきゃ、あんたがあたしに殺されるのよ」
 あたしはとっくにそういうつもり、と、少女は殺意に赤く染まった目で有斗を睨んだ。
「あの人に会わなきゃならない!それが出来なきゃ、あたしには生きてる意味もない!」 ……だからあんたは、あたしに殺されろ!
叫んだ少女は、有斗の首を刎ね飛ばさんかという勢いで手斧を振り抜いた。
「悪いけど――」
 有斗のバスタードソードが、少女の手首を切り飛ばす。
小さな手首は簡単に跳ね跳び、びしゃり、と赤い中身が飛び散った、
「ぐぅぅっ……ああああああ!!」
 激痛に叫び、それでも歯を食いしばろうとする少女の返り血を浴びながら、有斗は抑えた声で言う。
「俺だって、容赦をするつもりは、ない」
 例え会いたい人への願いをかけてきたわけではなくとも――殺される謂れは、ない。
そして、もうここにいる誰を救うことも出来ないことを有斗は気づいていた。ここにいるのは猟兵以外は残影。焼き付いた影。既にこの殺し合いは、猟兵たちを抜きにして一度行われてしまっている。それが、猟兵たちを加えてまた再演されているだけ。
だから有斗は、情けをかけるつもりはない。
真っ直ぐに突き出されたバスタードソードが、少女の胸を壁に縫い止めた。
「はぁっ、はぁっ、……ふ、ふふ、何よ、出来るんじゃないの」
 少女は苦しげな声の下、有斗に向かって最期に、にやりと笑ってみせた。
「あたし、あの人のところに……いけないわ」
 人殺しだもの。天国にはいけない。
それが、少女の最後の言葉だった。
遣る瀬無い思いを抱えながら、有斗は顔を上げる。目の前にはいつの間にか、上へと続く階段が現れていた。
『上まで来ると良い』、そう声は言っていたはずだ。
有斗はバスタードソードを引きずり、血の道を作りながら、その道をゆっくりと歩いていった。

成功 🔵​🔵​🔴​




第3章 ボス戦 『強欲の人形『針鼠』』

POW   :    エウリュノメーの舞踏
【棘のついたメイスか、鋭いヒールのどちらか】が命中した箇所を破壊する。敵が体勢を崩していれば、より致命的な箇所に命中する。
SPD   :    カリスの演舞
自身が【その美しさを奪いたいという欲求】を感じると、レベル×1体の【見目にそぐわぬ武器を携えた、若い美女たち】が召喚される。見目にそぐわぬ武器を携えた、若い美女たちはその美しさを奪いたいという欲求を与えた対象を追跡し、攻撃する。
WIZ   :    アプロディタの薔薇
自身の装備武器を無数の【触れたものを溶かす毒に塗れた、白薔薇】の花びらに変え、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は葡萄原・聚楽です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 階段を上がった先は、街を一望する屋上だった。
『称賛しよう』
『君たちの願いは美しい。実に、実に僕好みだった』
 ずっと聞こえてきた美しい声の主――血塗れの人形は猟兵たちに背を向けたまま言う。
『そして、その願いを押し通そうという傲慢(エゴ)もまた、美しかった』

『ところで』

『僕は絶望もまた美しいと思っているから、先に告げよう』
『どれだけ殺したところで』
『君たちの願いは、最初から叶わない』
『叶える気もないし、そもそも僕にはそんな力はないのさ』
『そもそも君たちは』
『誰かを殺して、願いが叶えられるなんて』
『そんな甘いことを本気で信じていたのかい?』
 鈴を転がすような美しい声が、唾棄すべき現実を吐いた。
『さあ、頂くとしよう。厳選された美を』
 人形は美しい所作で振り返った。
========================================
UDC「強欲の人形『針鼠』」が一体現れました。

▼以下の条項に注意してください▼
 戦場はビルの屋上となります。
 猟兵がここから落下することはありませんが、同時に敵も落下することはありません。
 あくまで屋上のみがバトルフィールドです
 敵のサイズは人間と同じです。大きすぎることも小さすぎることもありません。
 種族的サイズ差で猟兵が不利になることはありません。
 また、屋上には戦闘に利用できるようなものはありません。

▼リプレイは戦闘から開始されます。
 また、第二章で登場した残影が追いかけて上ってくることもありません。

▼本人が言っている通り、「強欲の人形『針鼠』」を倒しても倒さなくても――
 再会の願いが、叶えられることはありません。
髪塚・鍬丸
希望を与えて弄ぶ類の外道だったか
…正直な所、もう一度奴と会う為なら多少の無茶は構わない気分だが
我欲の為に不要な殺しを働いて、どの面下げて再会出来るか、って話でもある
それに、忘れてた酒の味は思い出せた。もう、いつでも奴とは語り合える
再会は叶ったよ。ご期待に沿えなくて悪いな

奴にとっては美しくない来客だろう。UCの発動条件は満たさない、か?
油断はしない。地の利も奴にある
何より、想いを弄ぶ外道を許す訳にはいかない……だよな

【不動金縛りの術】。物理法則を超越し光速で動く。即ち世界の全てが相対的に停止する
例え美女達が召喚されようと、潜り抜け奴に接敵。光速の【早業】で質量を無限大に増加させた刀の一撃を放つぜ



●誰にも奪われない
 鍬丸は眉を顰め、頭から足まで血塗れの人形を見た。
(希望を与えて弄ぶ類の外道だったか――……)
 かつて、鍬丸がサムライエンパイアで出会った男。鍬丸がもう一度出会いたいと名を口にした男。エンパイアの世には優しすぎる生き方をしていた、あの剣士。
正直なところ。もう一度あの剣士と会うためならば多少の無茶はしても良い気分だ、とは鍬丸は思っていたのだけれど。
忍びの鍬丸に誰かを生かせと問いた男にもう一度会うために不要な殺しを働くなどと、一体どの面を下げて会うというのだろう。かつての男の言葉を思い出した鍬丸にとっては、馬鹿馬鹿しい限りの話だっただけのことだ。
……それに。
(忘れていた酒の味は、思い出せた。もういつでも、奴とは語り合える)
 鍬丸が心の中で振り向けば、男はそこで酒を飲んでいるだろう。
「再会は叶ったよ。ご期待に沿えなくて悪いな」
 ニヤリと笑ってみせた鍬丸に、人形は踊るように風を切りながら口を開く。
『それは何よりだ』
『たまにいるのさ。君のように己の中で再会を果たしてしまえるニンゲンが』
『しかし僕には困った話でね』
『何せ――……』
 人形の周りに美女たちが現れる。その手に手に持っているのは、悍ましい解体道具。
『君の中から“それ”を取り出すには、どこを切り落としたらいいのかわからないのさ』
 鑿を手にした美女が鍬丸の目を抉らんとする。鋸を手にした美女が、頭骨を切り離さんと迫る。
美女たちの顔面に鍬丸の打った手裏剣が突き刺さり、いやいやをするように女の挙動が遅れる。
『バラバラにしてから一つずつ検分するしかないのかな』
 頭を狙ったメイスで寸前で避けて、鍬丸はその場から飛び退いた。
(奴とっては美しくない来客、ユーベルコードの発動条件は満たさないかと思っていたが……やはり、そう甘くもなかったか……!)
 胸中で舌打ちをしながら、踵が壁にぶつかった感触を感じる。背にはなにもない。屋上の端だ。――地の利は、この人形に有る。
『何故?』
『何故だい?』
『ここまでの道中で僕に辿り着く前に再会を遂げた』
『君が得たそれ……心の中に居る、とやらなのかな』
『実に美しい話じゃあないか』
『じゃあ、君たちの心はどこにあるんだい?』
 人形の周りで、美女たちがめいめいに武器を掲げる。
それは蝶が翅を広げるようにも見えた。
『心臓をえぐり出しても、僕にそれを食べることは出来ない!』
「お前さんには、見つけることは出来んだろうよ……っ!」
 叫びながら、鍬丸は印を切る。
「“不動金縛りの術”――!!」
 空間が、異なる法則に塗り替えられる。
鍬丸の体は肉のそれから本来質量ゼロであるはずのルクソンに置き換わる。
常に光速で運動する、それにとっては、時間の流れと言う概念が存在しない素粒子。
即ち。世界のすべてが相対的に停止する。
凍りついたかのごとき世界を彼だけが走り抜けていく。
荘厳な蝶の翅、美女たちの腕の間をくぐり抜ける。
人形は動かない、否、鍬丸の世界に着いてこれていない。
世界がもとに戻る、否、鍬丸の世界が尋常のそれに戻ってくる頃には、叩き込まれた忍者刀の一撃が人形を貫いて、上空高くへ吹き飛ばしていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

シル・ウィンディア
…うん、わかっていたよ
わかっていたけど、やっぱり、望みがあるならって…
まだまだ弱いな、わたし…
でも、まだできることはあるの

『笑顔を忘れないで』
これ以上悲しみに暮れる人が増えない様に…

…あなたを討つっ!
絶望の連鎖は、ここで終わりだよっ!!

敵の攻撃は【第六感】を信じて動きを【見切り】
【オーラ防御】と【盾受け】で防御

これは…
誰かを落としてまでって思った自分への罰
この痛みも乗り越えて…

攻撃は、全力全開、限界突破で

攻撃時、真の姿を開放っ!
背中には一対の光の翼が発現

一撃でいい…
ゆっくり【多重詠唱】で術式強化
【全力魔法】で限界を超えての
エレメンタル・ファランクス

これが…悲しみの連鎖を撃ち砕く一撃だーっ!!


テラ・ウィンディア
姉のシルと共に

真の姿発動

【属性攻撃】
獄炎を全身に付与
分かっていたよ
いや…皆分かっていたんだ
でも…それでも僅かな希望に縋っていた
(泣くシルを見て…戦った男を思い出して

不思議だな
お前の性根は読めていたのに

もう少し冷静にいられると思ったのに

絶望が美しいと言ったな
なら味わえ
永遠に等しく続く絶望をな

【戦闘知識】で敵の動きと攻撃の癖の把握
【見切り・第六感・残像・空中戦】で可能な限り回避して致命を避ける

あふれる激情が己を支配する
そっか…想いを踏みにじる行為…それが許せないんだ
その弱さを弄ぶ事が…許せないんだ

たっぷりと味わえよ…絶望を
UC発動
【一斉放射】で破壊力増強
それに近づく程時間間隔は遅くなる
永遠に味わえ



●願いの果てに
 ――わかっていた。
誰かを傷つけて、殺めて、それでお母さんに会えたとして。
真っ赤な返り血に濡れた姿で、お母さんの前に出られるのかなんて。
そんなわたしを見て、お母さんが何て言うのかなんて。
「……うん、わかっていたよ」
 ぽつりと、シルは呟いた。
「シル……!」
 テラの悲痛な声が、余計にシルの心をじわじわと痛ませる。
「わかっていた……けど、やっぱり、望みがあるならって……」
 シルは笑った。妹に、笑ってみせた。お姉ちゃんは大丈夫、平気だよ、と。
けれどその瞳からは一筋、透明な雫が流れ落ちる。
(ああ、ダメ、ダメ。こんなとこで泣いちゃあ、ダメなのに……)
「まだまだ弱いな、わたし……」
 血塗れの人形が、唇を歪めて笑ったような気がした。

(……分かっていた)
 焔がテラの全身に纏わりつく。
その赤はテラを決して燃やすことはなく、ただ風だけを焦がしていく。
目の前で、姉が泣いている。
テラには、彼女が誰との再会を望んで戦ったのかわからない。
シルがテラの前でその名前を出さなかったからだ。
けれど、テラがあんなにも父の面影を望んだのだ。
シルだったら。姉だったならば、きっと。彼女が望んだのは。
うっすらとながらも、予想がついてしまう。そして、ついてしまうからこそ、姉の涙の意味がわかってしまう。
「……みんな、分かっていたんだ」
 自分に向かってきた男のことを思い出す。お願いだから殺されてくれと、不似合いな刃を握って懇願してきた男のことを。彼が望んでいたものを。
……かの残影の、最期の言葉を。
「でも、それでも僅かな希望に縋っていた……!」
 ぐるり、とテラの目が、人形を捉える。
「……不思議だな。お前の性根は、読めていたのに」
 ――もう少し、冷静でいられると、思ったのに。
ごうと音を立て、焔が爆ぜた。

 ぐっと拳で涙を拭い、シルは顔を上げる。
「それでも、まだできることはある!!……お母さんは言っていたもの……!」
 ――笑顔を、忘れないで。
母の言葉をもう一度思い出す。……元気でいてね、笑顔でいてね。
(これ以上悲しみに暮れる人が増えない様に)
「……あなたを討つっ! ……絶望の連鎖は、ここで終わりだよっ!!」
 願いと、渇望と、絶望を。すべてを今ここで断ち切ると、少女は叫んだ。
 コンクリートの屋上に白い薔薇が舞う。それは触れたもの全てを溶かすもの。
強欲の人形が美しいものを食らうための、消化液のようなもの。
強風に遊ばれる花が、人形の指先に導かれるままに少女たちへと向かっていく。
シルは光盾を広げ、叩きつけられる禍々しい白色の花嵐をくぐり抜けていく。
「くぅ、ううっ……!!」
 防ぎきれなかった花弁が、シルの盾持つ指先を焼く。
痛みに呻き声を漏らしながら、少女は歯を食いしばる。
これは、誰かを落としてまでもと願ってしまった自分への罰だと。
噛み締めた唇がぶちりと切れて、赤いものの味が口の中に広がる。
「“闇夜を照らす炎よ、命育む水よ、悠久を舞う風よ……!”」
 シルの背中に、一対の光翼が発現した。

「絶望が……美しいと、言ったな」
 じゅう、と白薔薇の花弁が焼かれる。
テラの全身に纏わりつく炎が、毒の花弁を焼き散らす。灰と化した花弁は毒性を失い、ただぱらぱらとテラと人形、両者の周りに落ちてくる。
「ならば、味わえ……永遠に等しく続く絶望をな……!!」
『それは、何だい?』
『怒り、とでも言うのかな』
『美しくないな。それは、僕が食べるに値しない』
 目を閉じたままの人形は、しかしテラから発するオーラに僅かに身じろいだ。
その声からは、どこか焦りさえ感じられる。
一方のテラの心は、溢れ出す激情に支配されながらもどこかで静かだった。
(そっか……思いを踏み躙る行為。……それが、許せないんだ。……その弱さを弄ぶことが、許せないんだ……)
 自分が何に対して怒りを感じているのか、頭に氷の芯を入れられたかのように冷静になって考えることができる。
「相転移出力……臨界……縮退圧……極大……重力崩壊臨界点……突破――……」
 それこそが、臨界点を超えた怒り。荒れ狂うことさえも忘れた。
怒りの極地にテラは立つ。
 炎を纏ったテラが放つ超重力の塊、全てを圧壊するブラックホールが人形へとゆっくりと迫る。近づけば近づくほど、時間の感覚は遅くなる――
舞い上がった花びらが、しかしテラに届くこと無く飲み込まれていく。
「永遠に絶望を味わえ……!」
『否だ。僕はそれを拒絶する……、』
 たった一人、敵を追い詰めようとするテラ。
その横に、シルが追いついた。光の翼を生やし、テラの手を握って。
一人では行かせはしないと、姉は妹の手を握りしめる。
「わたしを置いていくなんてダメだよ、テラ」
「シル……!」
 ブラックホールの後方に、幾重にも重なり合う魔法陣が描き出される。
赤い炎の。青い水の。緑の風の。黒い土の。
四条、四属性の魔法陣が放つ光は収束し、太い魔力の砲撃となる。
「これが……悲しみの連鎖を撃ち砕く一撃だ……っ!!」
 光の砲撃が先んじて着弾し。
「消え失せろ……!!」
 そして血塗れの人形は、ゆっくりとブラックホールへと落ちていく。
――落ちてゆく。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

御手洗・暖悟
だよな 知ってた

過去になっちまった奴は今には戻ってこない
過去はただ背中をじっと見つめているだけ、そう


今も


2人が俺を見つめている
あの時からじっと、微動だにせず



何時も見る景色だが今はあの時と同じに思える
あの時から 目に映る空は何時も昏く紅い黄昏
脳ではない カウンセラーは精神の問題だと言った…どうでも良いか「暗視」

今更奴と会話なぞしない 雑音 騒音 全て無視だ

女は大好きだがその手の物騒な展開は勘弁
クレイモア地雷を女共の真ん中にセット「罠使い」
道が開けたらフックで真ん中を突っ切ってアレに肉薄「空中戦」
さっきは武器をくれて有り難うよ
イミテーション・ヴォイド起動
奴を囲むように銃を虚空から出し「一斉発射」だ



●足音さえも聞こえずに
 ――再会の願いは、適わない。
叶える気もないし、そもそも叶える力だってない。
美しいものを喰らいたがる蜘蛛の如き人形が利用した、噂という名の蜘蛛の巣。
 死んでしまった人間に、もう一度出会えるなんてことは、無い――
「だよな、知ってた」
 暖悟は一言吐き捨てた。
これが悪辣な罠だなんて事は、そんな事はもうとっくに気づいてしまっていたし、そうでなくともいつだって思い知らされている。
(過去になっちまった奴は、今には戻ってこない)
 過去だ。そう。彼らは、彼らを失ったあの惨劇は、過去という事象として一つに括られて。ただ暖悟の背中をじっと見詰めている。――そう、
 
 今も。

 二人が自分のことを見詰めている。
あの時からずっと、じっと、微動だにせず。
彼らは感情の色さえない目で見てくるのだ。
ぐるぐるぐる、あの日の惨劇の記憶が頭の中で混ざって、混ざって、磨り潰される程に繰り返されても、色褪せない。色褪せてくれない。
 彼らは今も、自分のことを見ている――恨み言の一つでも言ってくれたら、いっそどんなにいいだろうか!
 人形の背後に映る空は、見慣れた黄昏色。
あの日から暖悟に目に映る空はいつだって昏く紅い黄昏色だ。
脳に異常はないと言われた。カウンセラーは精神的なものだと言った。精神的後遺症だと。ああ、そんなものはどうでもいい。どうせお前にも二人のことは見えちゃいない。
 人形が暖悟に語りかけてくる。
『君の後悔は実に美しいものだった』
「…………」   エゴ
『だから君にも君の妄執を貫いて見せて欲しかったのだけれどね』
「………………」
『君は僕に勘付いてしまった。全く残念でならないよ』
 美しい声? 否、雑音、騒音。
不快なノイズは無視して、黄昏色の空を睨む。

 凶器を――狂気を持った女達が這い寄ってくる。蠱惑的な笑みを、絵に描かれたように貼り付けて。口の中には鋭利な牙を隠して。
 女達の身体がコンクリートの屋上の床に沈み、そして爆ぜた。白い手も足もクレイモア地雷の鉄球に打ちのめされ、血に塗れてばらばらに弾け飛ぶ。
その真ん中を突っ切って、風になびく人形の髪に触れられるほどに近づいて、初めて暖悟は血塗れの人形に向かって口を開いた。
「さっきは武器をくれて有難うよ」
 それは階下の壁から引き抜いた銃だ。一丁ではない。幾つも幾つも、虚空に浮かび、その銃口を人形に向けている。
 ぎ、ぎぃ、と軋んだ音を立てて、壊れかけた女が暖悟の足を掴んだ。懐かしい名を呼ばれる。
――ああ、なんて不快な雑音だ。
 絡みつく手を蹴り飛ばし、その指先を踏み躙る。
そうしている間にも、一斉に銃口から放たれた弾丸が人形を貫いて――貫いて貫いて貫いて撃ち抜いて、爆ぜて爆ぜて爆ぜて蜂の巣にする。
 まるで脳漿のように中身をぶちまけた人形がゆっくりと倒れ、最後の足掻きかのように手を伸ばす。
それらの全ては、暖悟に音として記憶されることはない。だから――断末魔さえも無音だ。
女達の姿は既にない。人形は身体の大半を撃ち抜かれて失って、破片を撒き散らして、それでもなお残った指先で床を掻き、血の跡を残して……不意に、ノイズに包まれて消えた。

 やがて噂の元となった鉄塔からは、覆いが外される日が来る。
……それでも。

 今日も、明日も。目に映る黄昏色は、ちっとも変わりはしないまま。
背中には二対の瞳が、彼をじっと見ている。

成功 🔵​🔵​🔴​



最終結果:成功

完成日:2020年05月15日


挿絵イラスト