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銀河に紡ぐ鎮魂歌~白き亡霊に永遠の眠りを~

#スペースシップワールド #戦後

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#スペースシップワールド
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#戦後


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●スペースシップワールド・銀河帝国輸送艦「アルヒェ」
「銀河帝国は滅び、残党も緩やかに滅びつつある」
 そう呟きながら、白きウォーマシンは銀河の宙を見つめる。かのオブリビオン・フォーミュラたる銀河帝国皇帝が滅んでから約一年。銀河帝国残党は徐々に、そして確実に滅びへと向かいつつある。スペースノイドを筆頭にした人類の目はすでに、遥か彼方に存在する未踏宙域の先へと向かっている。
 だからこそそのウォーマシンが乗る銀河帝国輸送艦「アルヒェ」は今も存在できたともいえるだろう。1年前のあの戦争の時に、大量のウォーマシンを積んだこの船を指揮する上位個体として、その戦いを傍観すると決めたあの時から。その瞳は銀河帝国の滅びを見つめ続けていた。
「だからこそ、我々は本懐を果たさなければならない」
 そう言いつつ、かの指揮個体はもう一つの側面を現す。それこそ、かの「白騎士」のベースとした帝国理念の人格。最後の一兵になろうとも、抵抗を見せるという気概。せめて多くの被害をまき散らしながら同胞の無念を晴らすという意志。
 だがもう一つの人格はそれを拒む。それこそはその個体の設計者が組み込んだ、対なる人格。帝国の滅びを看取るという本質の部分とも言えた。

「我々に未来はない。ならば、最後まで滅びを看取ろう」
 そうして上位個体は今日も反芻する。帝国の反撃と傍観という、相反する理念をぶつけ合わせ、輸送艦「アルヒェ」は銀河の海を彷徨う。行き場のない船はどこに向かうのかは、かの個体もわからない。

●グリモアベース・ブリーフィングルーム
「まだまだ残党というのはおるものじゃのー」
 そういって溜息交じりでグリモア猟兵であるメイスン・ドットハック(ウィザード級ハッカー(引き籠り)・f03092)は、電脳ウィンドウを開きながら説明を始める。そこに映し出されているのは一隻の宇宙輸送艦だ。
「銀河帝国所属のアルヒェと呼ばれる輸送艦じゃのー。1年前の銀河帝国との戦争に参加せずにこの宙域を彷徨っておったじゃけど、予知に引っかかってのー」
 どうやらこの輸送艦は戦争に参加するべく大量の帝国産ウォーマシンを搭載しているらしく、戦力としては無視できるものではない。だがその指揮官たる上位ウォーマシン個体が戦闘に消極的で今まで発見が遅れた、とのことだ。
「じゃけど、残党は残党。どんなきっかけでオブリビオン・フォーミュラが生まれるかもわからん状態じゃけー、発見できたのなら掃討すべきじゃろーのー」
 だがそのアルヒェに飛ぶ前にやって欲しいことがあるとメイスンが別の電脳ウィンドウを開く。そこに映し出されているのはかなり年代物の宇宙船であった。昨今、未踏宙域の探索が進み、それによって物資の輸送量も増加傾向にあり、それによって輸送船が足りなくなってきているらしい。それ故にあるスペースノイドの会社から中古の宇宙船を、未踏宙域からの物資を運べるくらいのレベルまで補修・改良して欲しいと依頼があったらしい。
「そちらもそちらで重要じゃけーのー。色々大変じゃろーけど、頑張って欲しいのー」
 そう言ってメイスンは中古船への転移術式を開始する。それが終わり次第、残党がいる輸送艦アルヒェに転移してくれるとのことだ。

 銀河帝国との一大決戦より約1年。まだ終わらぬ残党との戦い。それでも油断するべきではないと、猟兵達は気を引き締めて事に当たろうとしていた。


ライラ.hack
 宇宙での戦い、今だ終わらず。
 どうも皆様こんばんわ。ライラ.hackです。

 このたびは銀河帝国の残党である、帝国輸送艦「アルヒェ」に乗るウォーマシン軍団の掃討戦となります。
 また昨今の未踏宙域探索で活発になったことで、物資輸送船不足になっていることから中古の宇宙船を補修・改良をしていくのもお願いします。

 すでに銀河帝国残党は過去の残骸となっていますが、油断せずに戦っていきましょう。
 それでは皆様の素晴らしいプレイングをお待ちしております。
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第1章 日常 『中古宇宙船の再利用のために』

POW   :    外装や船体の補強に従事する

SPD   :    ジェットや加速装置の補強に従事する

WIZ   :    兵器やコンピュータ関連の補強に従事する

イラスト:高橋ろでむ

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●スペースシップワールド・中古船保管区域
 依頼された場所へと転送された猟兵達。そこにあったのはすでに何年も稼働されず保管されていた中古の宇宙船であった。
「来てくれたか、猟兵。今回も任務を引き受けてくれて感謝するよ」
 そう言って歓迎の意を示したのは、40代黒人のスペースノイド。彼の名前はルチル・エーゲスト。現在、未踏宙域を探索している艦「ノーチラス」の艦長でもあり、今回の中古船改良の依頼者でもある。
「未踏宙域から運ばれてくる物資は多くな。どうしても輸送艦の増加は急務なんだ」
 新造艦も急ピッチに進めらているのものの、とてもペースとしては間に合っていないのが現状だ。だからこそ、中古船を改造・改良して、あの過酷な未踏宙域でも活動可能な輸送艦として再利用することを望まれているというわけだ。
「材料や装置などは自由にオーダーしてくれ。可能な限り揃えてみよう」
 そういうルチルの好意に甘え、猟兵達は宇宙船の再利用のために改修作業へと入る。これはこれで気の抜けない仕事にはあるが、やりがいはあると言わんばかりに。
アシェラ・ヘリオース
「了解だ、ルチルさん。早速手を付けてみよう」
今回の相手となるかっての同胞を思えば気が塞ぐが、中古船の改造となると心が躍る
士官時代には廃棄予定の老朽艦をいかに補修・改造して見せるか、皆で色々と競ったものだ

方針はOSや電子系統の改善に手を付けよう
最新とはいかなくても、最近の技術の製品に差し替えるだけでも効率は俄然違ってくる。そも最新の航海アプリが使える程度のOS更新は必須だろう
【メカニック】や【ハッキング】の技術に、士官時代の【戦闘知識】を加えアップデートを進めていきたい

「お前達は各部署の端末を頼む。なに、昔取った杵柄だろう?」
後は部下達を各所に散らし分業しよう。これも【集団戦術】だ


シル・ウィンディア
お船の改造かぁ…
色んな改良点が必要だよね

んー、装甲や兵装も大切だけど…
やっぱり、足というか速度が大切だよね
緊急回避的なところで、リミッター付けた加速装置かな?

設計とかはわたしできないからお任せだけど…
瞬間的に加速して、脅威から振り切るような、そんな装置ってあったりするのかな?
となると、大型ブースターとかがあればいいのかなー

あとは、小回りも利かないとね
小型のバーニアを船体の所々に付けて、調整用のバーニアにするよ

余ったら…。
大型な物の破砕用のビームキャノンやレールキャノンとか
小物を打ち落とす小型レーザーバルカンとか、そういうのも付けたいね

装甲は…
機動の邪魔にならないようにしたいね。



 中古船保管区域に存在する中古船というのはそれなりの数が集められている。ルチル・エーゲストがこれからの未踏宙域の開発も見込んで、方々から集めてきたのだろうと予想はできた。
 そしてバリエーションも豊富であることもさることながら、改造に必要な材料や資材もある程度揃えられている。これならば自由な改造や改良が施すことも可能であろう。
「とりあえず何かあれば私に言ってくれれば問題ない。必要なことは聞いてくれ」
「了解だ、ルチルさん。早速手を付けてみよう」
 そう言ってルチルの要請に快く返事したのがアシェラ・ヘリオース(ダークフォースナイト・f13819)。武芸百般に長じ、極めて強大な天性のフォース量を誇る戦士である彼女ではあるが、今回は目の前の中古船の改造に心の踊る一人の技術者である。
 今回の相手となるかつての同胞を思えば気が塞ぐ部分もあるが、改造という作業がそれを和らげてくれる。士官時代には廃棄予定の老朽艦をいかに補修・改造して見せるか、アシェラと同僚の皆で色々と競ったのはいい思い出として彼女の脳裏をよぎる。
「お船の改造かぁ。色んな改良点が必要だよね」
 一方の小さきエルフ、シル・ウィンディア(光刃の精霊術士・f03964)は大いに頭を悩ませていた。結構な改良点がある中古船であるが故に、改良点は無数に存在する。だがそれは改造する自由性の高さを意味する。
 だがシルが念頭に置いたのはやはり輸送船に求められる機能だ。そこから行きつくのはやはり何よりも機動性だと思いつく。
「んー、装甲や兵装も大切だけど……やっぱり、足というか速度が大切だよね」
「なるほど、そう来るか。ならば私はOSや電子系統の改善に手を付けよう」
 ジルの着眼点に感心するように、アシェラも自身の方針に従って行動を開始する。
 シルが構想したのは緊急回避を可能するリミッター付きの加速装置だ。設計などはもちろんできるわけではないからルチルに要請してその性能に見合う装置を用意して貰う。
「瞬間的に加速して、脅威から振り切るような、そんな装置ってあったりするのかな?」
「ふむ、それならばこの大型ブースターなどはどうだろうか?」
 そういってルチルにかなり大きめの巨大ブースターを薦められてそれを取り付けていく。後は小回りを利かす為に、姿勢制御用補助エンジンである小型バーニアを船体の所々につけて、調整用としていく。
「うんうん! いい形になってきた。あとは武器、と装甲だね」
 機動性が確保されたのならば、後は攻撃と防御性能だ。シルが選んだのは大型な物の破砕用のビームキャノンやレールキャノン。後は小物を打ち落とす小型レーザーバルカンだ。これだけのものがあれば、輸送船といえども身を守るには十分であるし、不測の事態にも対応できる攻撃性能はあるだろう。
 そして装甲は機動性の確保のために最小限に抑えられる。そうすることで攻撃性能を上げるためのチョイスにしている。それらの改造をルチルと共に行い、ご満悦になるシル。

 一方中古船内では、アシェラがOSや電子系統の改造に着手していた。最新とはいかなくても、最近の技術の製品に差し替えるだけでも効率は俄然違ってくる。
 そもそも最新の航海アプリが使える程度のOS更新は必須。ならばと、自身が培ったハッキングやメカニックの技術を駆使して、電子機器を弄っていく。そうしたアップデートの中には、アシェラが士官時代に学んだ戦闘知識もアプリなどに組み込んでいき、より高性能な基礎OSを構築していく。
「見事なものだ。うちの電子技師としても欲しい腕前だな」
「それは光栄だな、ルチルさん……お前達は各部署の端末を頼む。なに、昔取った杵柄だろう?」
 その腕前に感嘆するルチルの視線を受けつつ、能力「黒騎招来(サモン・ダークナイツ)」によって呼び出された小型の闇鋼製騎士ユニットに指令を出す。本来は戦闘・広範囲偵察用であるが、こういった細やかな作業も手伝うことができるのが強みだ。
 デフォルメされた可愛らしい騎士人形達はアシェラの意を受けつつ、彼女の電子関連の作業をそつなくこなしていく。この集団作業も広い船内での電子機器のアップデート作業を行うには最適な行動ともいえる。各所に散らし分業させて、的確に終わらせて報告を受けていくアシェラの表情は、とても満足したものだ。

 こうしてシルの外装と船体性能、アシェラの電子関連の性能向上により、一隻の中古船は未踏宙域での活動も可能にする見事な輸送船へと改良された。
 この船を見た瞬間、依頼者のルチルは猟兵達に依頼してよかったと、諸手を挙げて喜んでいたという。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

オーレン・ルベライト
アドリブ、協力大歓迎だよ!

人手が足りないなら、ここは銀河系美少年たる僕の出番さ!
と言っても力仕事はてんでダメなんですけどねモース硬度7の電気石とはいえ(早口

な、なので、僕は効率UPのサポートを務めよう!
なにせ僕は美少年(自称)、『存在感』なら隕石群の中でも霞まないさ
バトルキャラクターを船体の外周に一体ずつ配置して
『誘導弾』を誘導灯代わりに撃たせ、同志諸君を手伝ってもらおう

さあ華麗に誘導するとも、まずはこちらに!

時間に余裕があれば塗装を施しておきたいね
中古でも外観は美しくしておかないと、気持ちよく使うために!
…あ、ルチル艦長さんの意向は汲み取るのでステルス性重視なら暗色がいいと思うんですががが!


幻武・極
へえ、宇宙船の修理ね。
未踏宙域に行くならしっかりと修理しておきたいね。
電磁シールドとかバリアーとかつけたいよね。
えっ、そんな予算はないって
しょうがないなぁ。
魔術装甲にしてみるかな。
トリニティ・エンハンスを応用して守りを強化してみようか。



 中古宇宙船といっても一重に特徴がないわけではない。機動性・防御面などを重視したものもあれば、室内などの快適性を重視したものもある。
 だが今回の改造・改良で求められるのは、輸送船としての特徴だ。特にここ最近は未踏宙域への開発が進んでいるだけあって、その宙域に入っての物資搬入や物資輸送を求められることも多々ある。
 故に並大抵の改造では未踏宙域への活動は容易ではない。銀河帝国残党やクエーサービーストという脅威は未だ存在するのだから。
「へえ、宇宙船の修理ね。未踏宙域に行くならしっかりと修理しておきたいね」
 そうやって腕を振り回すのは、武術道をまい進する羅刹少女、幻武・極(最高の武術?を追い求める羅刹・f00331)だ。思う存分船を修理改良できるとあってそのやる気は表情を見ればわかるというものだ。
「人手が足りないなら、ここは銀河系美少年たる僕の出番さ! と言っても力仕事はてんでダメなんですけどねモース硬度7の電気石とはいえ!」
「そ、そうか。頑張ってくれ」
 依頼者のルチルが口を挟む間もないくらい、超絶早口でしゃべるのは美しいピンクの髪が特徴のクリスタリアンであるオーレン・ルベライト(銀河系美少年・f15476)だ。とても自信ありげに見えるが、実は動揺すると早口になるので、内心はバクバクになっているのは内緒である。
「じゃあ、ボクは装甲面を改良するよ。キミは?」
「な、なら、僕は効率UPのサポートを務めよう!」
 極の気安い態度にオーレンはまたしても早口で答える。二人の余裕度がこうも違うと面白く見えるのか、ルチルとしても微笑ましい光景である。
 そしてまずはオーレンが能力「バトルキャラクターズ」を発動して、船体の外周に一体ずつ配置し、誘導灯を持たせて部品の搬入誘導を行っていく。
「なにせ僕は美少年、存在感なら隕石群の中でも霞まないさ」
 そうやって華麗に美少年(自称)をアピールしながら、自身も煌めく魅力をさらけ出しながら搬入を手伝うオーレン。装甲強化ともなれば、大型部品も多くなっていく。故にこの手の作業は危険な部分も多い。誘導灯による作業もあるが、いざとなればオーレンやバトルキャラクターが力作業で手伝うことも考慮した配置となっている。
「さあ華麗に誘導するとも、まずはこちらに!」
「そうそう、その装甲がいいね。これからいい感じに敵の防御に使えそうだ」
 そうオーレンが装甲部品を運搬誘導しているのは、極がこれから取り付けをするためにチョイスした部品だからだ。彼女の怪力なら自身で持ち上げて配置するのも苦ではない。力仕事はお任せあれと言わんばかりに、運搬員から受け取った装甲を取り付けていく。
「あと、電磁シールドとかバリアーとかつけたいよね」
「うーむ、あるにはあるが……全体となると予算的に厳しいかもな。一隻辺りのコストというものがあってな」
 極が直接的な装甲だけではなく、電磁シールドなどの近未来的な防御手段の提案を行うが、ルチルも難色を示した顔をする。局地的な防御として電磁シールドやバリアを取り付けることはできるが、船体全体をカバーするとなるとコストがかかる。そうなるとこの中古船だけでは明らかな予算オーバーとなるからだ。
 そういうルチルの顔を見て、極が口を尖らせるが、彼女も大人の事情というものは察せられる年頃である。
「ちぇー、しょうがないなぁ。魔術装甲にしてみるかな」
 そういいながら電磁シールドは前面に取りつけを行いつつ、残った側面や背部は能力「トリニティ・エンハンス」を応用して、魔術紋様を加えることで魔力による防御術式を施していく。
 特に火の魔力による耐火性、水の魔力による熱による耐性は攻撃を受けた際、とても強力な防御となってくれるだろうと極もご満悦な表情だ。
「うーん、でも武骨すぎるかな?」
「ならば塗装はお任せあれ!」
 頭を捻る極に対し、誘導作業をしていたオーレンが早口で駆けよる。やはり外見による美意識はオーレンとしては気になったらしく、時間的に余裕のある今ならやるべきだと判断したのだろう。
「中古でも外観は美しくしておかないと、気持ちよく使うために!」
 そう言って一部のバトルキャラクター達に命じて塗装作業を開始するオーレン。その色はどちらかといえば暗い色が多く、オーレンらしくはない。
「あ、ルチル艦長さんの意向は汲み取るのでステルス性重視なら暗色がいいと思うんですががが!」
「ああ、そこは君に任せるよ。さすがに派手過ぎるのはダメだが、ある程度なら構わんよ」
 その言葉にオーレンの表情はぱぁっと明るくなる。そして少し明るい色が加わって中古船の武骨な装甲が色鮮やかに仕上がっていく。その作業はオーレンの気分を現しているかのようだった。

 こうしてとても中古船とは思えないほどピカピカの輸送船に仕上がったのを見て、オーレンは満足感を示し、極も納得の表情で首を縦に振る。
 防御性能を大幅に向上させたこの輸送船は未踏宙域でも大いに活躍してくれるだろう。少し自己主張がにじみ出る塗装もご愛敬ともいえるものであるので、中々いい具合だとルチルも口にしたという。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

七篠・コガネ
想うところは沢山あるけど今はやる事がありますね
補修といえど大事な事なんですから

外部の作業は任せて下さい!僕は宇宙空間平気
重たい荷物も【怪力】で両手で持って…
おっと、外(宇宙)に出てしまえば無重力で重さなんてなかったですね
背中の羽型ジェット機構にも荷物括り付けて運びましょう
でも背中に手が届かないので荷物下ろす時はちょっと手伝って下さい…
僕自身が電源になる事も可能なので電気が欲しい時は言って下さいね

クエーサービーストと戦って思ったのです
運搬用だから移動速度が出せる構造が理想ですよね
欲を言えば耐久力も。
考えるがまま意見だけ言ってみます
僕の躰に使われてる素材ですか?

でもこれ帝国製だから…


トリテレイア・ゼロナイン
こうした専門性が求められる作業は門外漢で普段消費者側
ですが故郷の発展の為、力を尽くさなくては…

ソフト面で貢献
●ハッキング技術とUCも併用
自身をシュミレート演算装置として利用
事前に●情報収集し得たSSWの船舶航宙記録(●世界知識)と照らし合わせ、航行中の異常に船のスペックや対処能力が十分かを高速で動作確認

外壁損傷時の機能…規定値クリア
敵性存在遭遇時の機能…規定値クリア
下水処理設備…軽微なシステムエラー、これは後で対処…

機械は定められた範囲で動き、良くも悪くも逸脱することは「狂っている」と言えます
一般使用を考え動作確認は念入りに

…『自我』という不確定要素を持つ私がそれを為すのは皮肉かもしれませんが



 猟兵達による中古宇宙船の改良・改造は続く。それぞれの個性がでるように、次々と新造宇宙船に勝るとも劣らない輸送船に仕上がっていく様は、まさしく猟兵達の手腕の賜物と言えるだろう。
 依頼者であるルチルもその様子を満足そうに眺めている。猟兵達の実力は過去の未踏宙域の探索でも見せて貰ったが、こういった作業でも成果を上げる様を見ると賞賛の声を上げたくなる。
 それに完成する輸送船が多ければ多いほど、これからの未踏宙域の活動領域が広がることにもつながる。そのことに全スペースノイドの夢が詰まっているといっても過言ではない。
「こうした専門性が求められる作業は門外漢で普段消費者側ですが故郷の発展の為、力を尽くさなくては……」
「そうですね。想うところは沢山あるけど今はやる事がありますね。補修といえど大事な事なんですから」
 そういって二人のウォーマシンが中古宇宙船の前に降り立つ。一人は白き騎士の如き容貌のトリテレイア・ゼロナイン(紛い物の機械騎士・f04141)。もう一人は漆黒のボディを持つ七篠・コガネ(ひとりぼっちのコガネムシ・f01385)だ。
 二人の専門は戦闘であるのは目に見えてわかることなのだが、それでもやれることはあると言わんばかりに行動に移る。トリテレイアは船内に、コガネは船外にて各々の活動を開始する。
「外部の作業は任せて下さい!」
 そう言って元気よく最重量の装置を運ぶコガネの表情は全く苦に染まっていない。宇宙空間でも平気に活動できる彼にとっては、保管庫での作業はとても楽に感じたであろう。
「でもここまで重量があっても……おっと、外に出てしまえば無重力で重さなんてなかったですね」
 そんな中で重機ですら持ち上げるのが難しい装甲を背中の羽型ジェット機構に括りつけ、他の作業員の邪魔にならないように運び出すコガネ。だが背中の荷物を下ろす時は手が届かないので、手伝って貰うまでがご愛敬である。
 さらに発電能力もある自身のボディを使って、電力が足りなくなったバッテリー装置の充電にも駆け付け、外回りの作業のサポートもしていく。
「クエーサービーストと戦って思ったのです。運搬用だから移動速度が出せる構造が理想ですよね。欲を言えば耐久力も」
「ふむ、そうだな。だがやはり輸送船は物資運搬が主な任務だからな。それを加味すると……」
 そういった作業の中で、移動速度を出す為の加速装置や装甲のバランスなどを、コガネは責任者であるルチルと話し合っていく。こういったバランスは輸送船の能力を決定する物にもなりうるから手は抜けない。
「ところで、コガネ君のボディはどうなのかね?」
「僕の躰に使われてる素材ですか? でもこれ帝国製だから……」
 そういった口淀むコガネに、ルチルはそうかと言ってそれ以上は聞かなかった。ある意味、銀河帝国というのはタブーと化している。あまり深堀するべきことではないと察したのだろう。

 そうやって船外の作業がコガネが中心となって進めていく中で、船内のトリテレイアはソフト面で貢献を測ろうと管制室にて作業を続けている。
「全て見通す……とまではいきませんが、やれることはやりましょう」
 そういって持ち前のハッキング技術と能力「鋼の擬似天眼(マルチセンサー・フルアクティブモード)」のセンサー等で情報収集、超高速演算での解析の合わせ技で次々と作業をこなしていく。
 トリテレイア自身をシュミレート演算装置として利用し、事前に入手しておいたスペースシップワールドの船舶航宙記録と照らし合わせていく。そうすることによって航行中の異常に船のスペックや対処能力が十分かを高速で動作確認し、シュミレートしていく。

『外壁損傷時の機能…規定値クリア
 敵性存在遭遇時の機能…規定値クリア
 下水処理設備…軽微なシステムエラー』

「なるほど、これは後で対処ですね」
 トリテレイアの呟きと共に、高速タイピングが繰り返される。そういったエラーが出るたびに、それを穴埋めするようなプラグラムを組んで、確実にエラーに対処できるように仕込んでいく。
 自身がウォーマシン故に、トリテレイアは機械は定められた範囲で動き、良くも悪くも逸脱することは「狂っている」と考えている。故に一般使用を考え動作確認は念入りに行う。それこそ、バグを丁寧に潰していくように細やかに。
「……『自我』という不確定要素を持つ私がそれを為すのは皮肉かもしれませんが」
 そんな呟きと共に、輸送船のシステム構築はトリテレイア監修の元に完璧に行われ、どんなトラブルにも負けないトラブルシューティング能力を持った強固なシステムが出来上がる。

 こうして装甲と加速能力のバランスが整った、最新鋭システムにも負けない危機管理能力を持った自動システムを搭載した輸送船が完成する。
 これこそ未踏宙域の未知のトラブルにも負けない、まさしく強靭な輸送船になるだろうとコガネとトリテレイアは作業を終えて感慨深く見守る。この船がこれから多くの物資を運び、世界に恵みを齎さんことを祈って。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ルパート・ブラックスミス
貨物区画の改修監理。船員幾人かにも手伝ってもらう。
今後想定される輸送物資の内容を【情報収集】。
中には当方如きには理解できん危険物も含まれるだろう。
機密性を要求されるもの、スペースを要求されるもの、
近づけてはならない組み合わせ等を基に区画分けを考案させる。
この手の管理環境の整備は運用前に徹底させなければ忙殺されるにつれ瓦解する。

自身は現場確認に赴く。
トラムやクレーンの交換の必要性、そして直接の整備・管理スペースの確認。
高性能なマシン・システムがあるのは構わんがそれらが故障したら打つ手なし、では話にならん。
いつでもどこでも、最後はマンパワーが通用する環境にしておくことが肝要だろう。

【アドリブ歓迎】


ミスト・ペルメオス
【SPD】

なるほど。これもまた、未踏宙域での活動による成果という訳ですか…!
支援行動が得意という訳ではありませんが、精一杯やらせていただきますッ。

愛機たる機械鎧を駆って任務に従事。
戦闘が本分の愛機も使いようによっては何とかなるはず、と。
【サモン・オプションアームズ】。支援機体用の大型工作装備を転送し、主兵装から換装。
本職の工兵ほどに上手くやれるわけではないが、出来る限りの作業を行う。

機動力の強化もそうだが、多少の損傷でも足が鈍らないようにしたい。
メイン推進機関の強化に加え、サブ推進機関も追加。
加えて機関部周辺の防御機能を強化…と。
少々大掛かりな改修となるが、愛機と工作装備を上手く使えば…!


シン・ドレッドノート
久々の帝国残党戦ですね。…まだ居たのですか。
今後の平和のためにも、しっかり掃討しておきましょう。

「ふむ。なかなか基礎設計は良さそうな船ですね」
輸送船の補修は、推進装置の増強を中心に行います。

長期航行にも備え、手に入るパーツの中から燃費の良い推進装置を選び、進行方向へ効率良く最大推力が出せるよう、配置を計算。バランス良く追加の推進装置を取り付けていきます。

「さて、計算通りなら、これでうまく動くはずですが…」
怪盗の単眼鏡で宇宙船の制御装置にアクセスしながら、元々の推進装置と連動して動作するよう、操作系にも注意して動作確認しておきましょう。
加速時の船体の重力制御にも影響が無いように、確認は念入りに。



 未踏宙域に耐えうる輸送船を、ここにある中古船から改修・改造して造り出す。探索艦の艦長もであるルチル・エーゲストの依頼から始まった作業も最終段階に入っていた。
 この保管庫に残った船で一番の大きさを誇る中古船が存在感を示している。巨大というのは誉め言葉ではあるが、宇宙船の小型化・コストパフォーマンスを追求したのは銀河帝国が滅亡して後期に入ってからのスタイルだと聞く。
 つまりはこの大型中古船はいわば、前期の代物。一番の年代物というわけだ。そんな遺物と呼べるもの故に、多くの資材と人員を裂くことになるだろう。
「自分は貨物区画の改修監理を。船員幾人かにも手伝ってもらおう」
 そういって武骨に受け応えするのは中世の騎士鎧のヤドリガミ、ルパート・ブラックスミス(独り歩きする黒騎士の鎧・f10937)だ。口下手ではあるが、そのやる気は本物でルチルの船員を吸人伴って船内の貨物区画の改修を行うべく、船内へと入っていく。
「なるほど。これもまた、未踏宙域での活動による成果という訳ですか…! 支援行動が得意という訳ではありませんが、精一杯やらせていただきますッ」
「ふむ。なかなか基礎設計は良さそうな船ですね。私も手伝いますよ」
 そして船の外回りの強化に従事するのは、機械鎧「ブラックバード」に搭乗したミスト・ペルメオス(銀河渡りの黒い鳥・f05377)と片眼鏡をくいっと上げて大型中古船を観察する妖狐のシン・ドレッドノート(真紅の奇術師・f05130)だ。
 ミストは愛機であるブラックバードの力を借りる。本来は戦闘が本分ではあるが、力仕事などの使いようによっては有意義な働きができるはずだと思ったからだ。さらに「サモン・オプションアームズ」により、支援機体用の大型工作装備を転送し、主兵装から換装することより工作特化機体へと変形を果たす。
「本職の工兵ほどに上手くやれるわけではないけど……」
「いえ、十分ですよ。ミスト君、ではお願いしますよ」
 シンはミストの働きこそ、自身の計画に沿うものができると心強さを覚える。その基本指針は推進装置の増強が中心となる。
 未踏宙域という長期航行にも備え、ルチルが用意した手に入るパーツの中から燃費の良い推進装置をシンが厳選。さらに進行方向へ効率良く最大推力が出せるよう、配置を計算しバランス良く追加の推進装置の計画をミストや作業員に伝え、取りつけていく。
「さて、計算通りなら、これでうまく動くはずですが…」
 そう言って、試運転とばかりに怪盗の単眼鏡で宇宙船の制御装置にアクセスし、元々の推進装置と連動して動作するよう、操作系にも注意して動作確認を行う。もちろん、これはミストや船内にいるルパートとも連絡を取り合ってのテストであった。
 そうやって何度か試運転テストを行って、シンの満足した結果が得られると、ミストが追加の作業に入る。
「機動力の強化もそうだが、多少の損傷でも足が鈍らないようにしないと」
 そう言って愛機ブラックバードの性能と工作装備を駆使して、メイン推進機関の強化とさきほどの追加推進機関の整備を行っていく。これによりさらに性能がアップするはずだ。
 さらに機関部周辺の防御機能を強化も行っていく。これは輸送船の心臓ともいえる機関部が直撃で大破しないように耐久力を高めるためである。これも生存能力を上げることに繋がると信じて、ミストは熱心に作業を続ける。
 シンもその作業を見ながら、自身の計算に狂いが生じないか、監修を続けている。

 そして船内の貨物区画に入ったルパートというと、ルチルの船員から今後想定される輸送物資の内容を聞き出していた。こういった情報収集が貨物区画の整理・効率化につながっていく。
「中には当方如きには理解できん危険物も含まれるだろう」
 そうルパートが口にするように専門外で知らないことも多い。そういった情報を元に機密性を要求されるもの、スペースを要求されるもの、近づけてはならない組み合わせ等を基に区画分けを考案させる。
 地道な作業ではあるが、この手の管理環境の整備は運用前に徹底させなければ忙殺されるにつれ瓦解するのをよく知っているからだ。船員もそれがわかっているからこそ、協力を惜しまない。
 そしてルパート自身も現場で指揮を執る。トラムやクレーンの交換の必要性、そして直接の整備・管理スペースの確認を徹底させ、とにかく非常時に対する対策はしっかりと行う。
「なるほど、徹底しているな。危険時の対策マニュアルが作れそうなくらいだ」
「高性能なマシン・システムがあるのは構わんがそれらが故障したら打つ手なし、では話にならん」
 ルパートのもっともな指摘に、視察にきたルチルが確かに足を叩いて笑う。それでこそ、猟兵達に助力を頼んだ甲斐があると、頼もしさを覚えたものだった。
 こうしてルパートの監修の元、貨物区画は最後は常にマンパワーが通用する環境に整えられていく。それでこそ、非常時に力を発揮できる要となると信じて、徹底させていったのだった。

 こうしてルパートの貨物区画の改修、シンとミストの推進装置の増強、さらに古いパーツなどの総取り換えによって、大型中古船は大量の運搬を可能とする輸送船へと改修が完了する。
 これによって保管庫にあった中古船はすべて回収を終えて、輸送船はルチルから委託業者へと手渡され、未踏宙域の輸送業務へと携わっていくだろう。
「さて、諸君。手伝いをありがとう。あとは猟兵のメイスン君から、すぐに敵地に送ると言伝を受け取っている」
 そう、この次の任務こそ、銀河帝国の残党掃討というもう一つの任務となる。おそらく激戦になるだろう、戦地へと赴く猟兵達にルチル以下船員達一同は敬礼を持って見送る。
「久々の帝国残党戦ですね……しかし、まだ居たのですか。今後の平和のためにも、しっかり掃討しておきましょう」
 そういってシンが猟兵としての顔で厳しく大いなる宙を見上げる。ミストも、ルパートも戦士の顔へと変わっている。そして猟兵達はメイスンの転移を持って、敵地である銀河帝国輸送艦「アルヒェ」へと乗り込むこととなる。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『要人・式典護衛用銀河帝国製ウォーマシン』

POW   :    非情なる機械騎士
【剣と盾による近接攻撃を仕掛ける際に頭部】を向けた対象に、【頭部の格納銃器による至近距離からの発砲】でダメージを与える。命中率が高い。
SPD   :    学習型電子頭脳搭載・護衛用ウォーマシン
【戦闘経験を際限なく蓄積し向上する戦闘技術】【機械の怪力で振るう剣と盾を活かした防御術】【熱、振動を始めとした各種センサーでの索敵】で自身を強化する。攻撃力、防御力、状態異常力のどれを重視するか選べる。
WIZ   :    暗殺者泣かせ
【熱、音、振動用の各種センサーによる索敵】から【追加装備(通常は腕部銃器)による攻撃】を放ち、【牽制の攻撃と急所を狙った精密攻撃】により対象の動きを一時的に封じる。

イラスト:エンシロウ

👑7
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●スペースシップワールド・銀河帝国輸送艦「アルヒェ」
 侵入者を知らせるサイレンの音が、銀河帝国輸送艦「アルヒェ」艦内全体に響き渡る。その音を聞き、司令官室にいる白いウォーマシンは画面を見つめる。
 そこにいたのは復活した銀河帝国を瓦解させたとされる猟兵達の姿が映っている。どこから侵入してきたのか、ルートは不明。だがここに降り立ったということは、ついに存在が補足されたということであった。
「ついに来るべき運命が来た、というわけですか」
 そのウォーマシンの上位個体とよべる存在は感慨深くその画面を見つめる。その感情を察することはできないが、的確な指揮は執る。すかさず輸送艦内の全戦力を持って猟兵達を叩き潰すことを決定する。
 この艦内のウォーマシンは要人・式典護衛用のウォーマシンで、戦争時は白騎士ディアブロを守護するために送り出されようとされていた特級のウォーマシン軍団だ。
 数も多く、守備に長けるこのウォーマシン達を蹴散らすのは容易なことではない。だが猟兵達は決して油断できる存在ではない。
 だからこそ上位個体の白きウォーマシンは画面を見つめる。ある種の憎悪、そして期待を持った視線を向ける。

「来るがいい、猟兵。ここで滅ぶは貴様等か、我等か。それを見定めよう」
ミレア・ソリティス
銀河帝国……私の起動時には既にかの大戦は終結していた為交戦経験はありませんので、支援に徹します

UC【コード・レギオン:α】を使用。簡易型の「ミレア」を計230機生成、10機単位で編隊を組ませ【かばう】【援護射撃】を用いての味方猟兵のサポートに回します
私自身は船内電子機器類へ【ハッキング】を行い敵の妨害を試行、
直接交戦時は味方の支援を中心に動き、簡易型同様【かばう】【援護射撃】でのサポートに回ります。

敵UCに対してはセンサーの無力化を狙い閃光弾へと弾頭を変更した肩部ランチャーやライフルでの【一斉発射】【属性攻撃】を。閃光と爆音を浴びてもらいましょう

※アドリブ共闘歓迎です。よろしくお願いします


オーレン・ルベライト
アドリブ・連携OK

いきなり敵陣!?…いや待て、敵艦ならクラックもアリでは
なら僕の戦い方で同志諸君を助けよう!

指揮系統をかき乱して『時間稼ぎ』すれば同志諸君も動きやすくなるハズ…少数との連戦と大多数との長丁場なら、前者の方がマシだよね

まず手近な個室の端末から戦艦のサーバーへ、電脳魔術で接続&ハッキング!ゴーグル越しに解るよ、カメラや隔壁の配置、電子ロックのパスコードもね!

敵の進行方向の隔壁を下ろしたり、監視カメラの映像を遮断したり、敵の指揮系統を妨害するよ
可能なら通信プログラムも僕フォトフォルダに変えたいけど…

あ、もし敵が入ってきそうならナルキソス緊急召喚!
搭乗してUC発動から強行突破でゴー!



 グリモア猟兵の転移術式により、中古船保管庫から一気に敵陣である銀河帝国輸送艦「アルヒェ」までテレポートしてきた猟兵達。これが出来たのも敵の位置が正確に把握できていたのと、輸送艦故に対艦装備がそこまで整っていなかったことが起因している。
 その分、輸送するべき戦力が大量に搭載されているともいえる。銀河帝国との一大決戦の際、白騎士ディアブロを守るために搭載されていたとされる要人・式典護衛用ウォーマシン達が多く配置されている。
『侵入者を感知、侵入者を感知。ただちに排除せよ、総員敵を排除せよ』
 サイレンの音と共に緊急アナウンスが艦内に鳴り響く。武装したウォーマシン達が敵へと殺到していく。
「いきなり敵陣!? いや待て、敵艦ならクラックもアリでは。なら僕の戦い方で同志諸君を助けよう!」
 そう言って自信満々で電脳魔術を展開するクリスタリアンのオーレン・ルベライト(銀河系美少年・f15476)。狙うはこの輸送艦のサーバーへのハッキングであった。
「指揮系統をかき乱して、時間稼ぎすれば同志諸君も動きやすくなるハズ」
「なるほど、では私は支援に徹しましょう」
 輸送艦にある個室に入り、そこの端末から接続してハッキングしようと電脳ゴーグルを被るオーレンに対し、まさしく機械的ともいえる口調のミレア・ソリティス(軍団たる「私」・f26027)が外でウォーマシン達の壁となる。
 自身の犠牲など何者ぞと言わんばかりに殺到してくるウォーマシンに対して、ミレアは何の感情も浮かべずに対峙する。
「銀河帝国……私の起動時には既にかの大戦は終結していた為交戦経験はありませんが、お相手します」
 センサーで感知して腕に装備した銃器によって攻撃しようとしてくるウォーマシンに対し、ミレアは能力「コード・レギオン:α」をすかさず発動させ、簡易型の小型「ミレア」を計230機生成する。数であれば負けないほどの自分の分身達が死を厭わず突っ込んでいく。
「コード・レギオンを発令。敵勢力を極力、足止めしなさい」
 そのミレアの総指揮の元、小型ミレアは10機単位で編隊を組み、ウォーマシンへと突撃する。もちろん一撃で死ぬ上に、センサーで死角を埋めるウォーマシンの射撃は正確無比だ。だが死を躊躇わないその突貫と連携射撃に少なからず損傷を与えられるウォーマシン軍団。
 さらにミレアは敵ウォーマシン本体に妨害ハッキングを仕掛けそのセンサーや射撃の妨害を試みる。その甲斐があって徐々にミレア部隊が押し始めてくる。
「センサーは無力化しました。では攻勢を仕掛けます」
 そう言って完全にセンサーを掌握した個体には閃光弾へと弾頭を変更した肩部ランチャーや手に持ったライフルで、小型ミレアと共に一斉射撃を敢行する。眩しいまでの閃光で感知を潰し、その後に来る無慈悲なる弾雨が敵を粉砕していく。
 だがウォーマシンも数は際限なく居る状態だ。劣勢になりつつあるウォーマシン軍団を支援すべく、援軍を呼び出すが、そこに隔離壁が下りてきて進路を阻む。
「大多数との長丁場なら、こういう手も悪くない。それに僕は見える、カメラや隔壁の配置、電子ロックのパスコードもね!」
 そうこの隔離壁を下したのはサーバー接続に成功したオーレンの仕業である。監視カメラも掌握し、敵の進路を阻むように隔離壁を作動させ、敵を分断。さらに敵の監視カメラ映像も、オーレンのフォトフォルダに埋め尽くされる。まさしく通信プログラムを掌握した証でもあった。
 この端末でできることはやりきったと言わんばかりにオーレンはため息をついて作業を終える。このプログラムを突破されるのも時間はかかるだろう。だがそれで成果は十分であった。
「ならば後は強行突破のみ! 刮目するといい! これが美しさの極点を超克せし、愛され美少年の超必殺テクニックだぁぁ!」
 そう言って発動するは能力「麗しきは我が身、水鏡に映る希望(ナルシシズム・オーバー・ドライブ)」。搭乗機の美少年型白銀甲冑「ナルキソス」をネメシス制裁超級美少年モードの変形させ、機体両肩に煌くペーパーホワイト開花する。
 そしてそれに搭乗したオーレンのまるで自分の存在を誇示するような蹂躙劇が開始される。キラキラとしたエフェクトが似合うその搭乗機ナルキソスはまるで美をアピールしているように戦いを繰り広げる。それをサポートするようにミレアと軍団は援護射撃をしてウォーマシン達を蹴散らしていく。

 そうやって完全に分断と各個撃破を達成したオーレンとミレアの二人。戦力を限定され、さらに様々な支援機器を無効にされたことで、その守備能力を生かす間もなく、その個室に殺到した一隊は殲滅されることになる。
 さらにオーレンの分断により各地に散らばった猟兵達の戦闘もやりやすくなったと言えよう。これから猟兵達のアルヒェでの戦闘は激化していくこととなる。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

シン・ドレッドノート
銀河帝国からの指名手配も過去の話。
帝国のお宝を次々と奪い、レジスタンスへと横流ししていた頃が懐かしいですね。
今や立場は逆転、残党の皆さんには骸の海へお還りいただきましょう。

「さすがに良い動きをしてますね…貴方達と戦うのは初めてではありませんが」
閃光の魔盾のビーム障壁を展開、攻撃を受け流しながら、ソードビットとライフルビットを操って攻撃をしかけます。

「パターン・ラーニング。その動き、見切りました。」
【標的は照準の中に】を発動。ライフルビットから牽制の一斉射撃を行い、その攻撃に対する反応を怪盗の単眼鏡で解析。パターンと急所を見極めた上で、収束率を上げて貫通力を増した必殺の狙撃を真紅銃から放ちます。


幻武・極
へえ、キミたちなかなかやるね。
もし、キミたちがあの戦いに駆けつけていたら戦況は変わっていたかもしれないね。
まあ、仮定の話だし。
もしかしたら、キミたちを新たなオブリビオン・フォーミュラーの護衛につかせようと考えていたのかもしれないしね。
まあ、何であれキミたちを倒させてもらうよ。

とは言ったものの、武器受けで銃撃を抑えるので手一杯なんだよね。
なら、このピンチを追加入力で切り抜けるかな。
防戦状態からの追加入力で銃撃を薙ぎ払い、その隙に一気に接近して鎧砕きの攻撃を打ち込むよ。



 オーレンが操作した隔離壁によって銀河帝国輸送艦「アルヒェ」に配置されたウォーマシンは合流を阻まれ、散発的に集結する状態になった。
 だがそれでも要人・式典護衛用にプラグラムされた思考は揺らぐことはない。問題ないと言わんばかりに大軍団での集結を諦めて、小中規模による編成による守備プログラムをもって猟兵達を迎え撃たんするウォーマシン達。
 そこには防御であれば何者にも負けないという確固たる自信があった。白き盾と剣と銃を構えて、猟兵達を迎撃する準備を整える敵陣。
「銀河帝国からの指名手配も過去の話。帝国のお宝を次々と奪い、レジスタンスへと横流ししていた頃が懐かしいですね」
 過去の銀河帝国との戦いに思いをはせるシン・ドレッドノート。黎明期より戦い続け、賞金首とまでなった自身ではあるが、まさかこうやって残党狩りを行う未来など予想しえたであろうか。
「今や立場は逆転、残党の皆さんには骸の海へお還りいただきましょう」
 そう言って盾を構えて迎撃態勢となっているウォーマシン達に突っ込むシン。その突撃は慣れたもので、ソードビットとライフルビットを操って敵の合間を縫うように攻撃を仕掛けていく。
 だが敵のウォーマシンも負けじと剣と盾を駆使した防御術とセンサー感知による回避、さらに銃撃と手堅い戦いでシンを迎え撃つ。
「さすがに良い動きをしてますね……貴方達と戦うのは初めてではありませんが」
 過去に戦った個体よりも精錬された動きをするウォーマシンに、シンは閃光の魔盾のビーム障壁を展開し攻撃を受け流す。この輸送艦にいる指揮官が優秀なのか、それとも個体が上等なのか、中々の強敵と認識しシンは唸る。
「へえ、キミたちなかなかやるね。もし、キミたちがあの戦いに駆けつけていたら戦況は変わっていたかもしれないね」
 そう言いながら、シンが突撃する方面の側方を突くように羅刹少女の幻武・極が斬り込んでくる。まさしく防御陣を切り裂くような打撃が繰り出され、ウォーマシンの一体を華麗に破壊する極。
「まあ、仮定の話だし。もしかしたら、キミたちを新たなオブリビオン・フォーミュラーの護衛につかせようと考えていたのかもしれないしね。まあ、何であれキミたちを倒させてもらうよ」
 そう言う間にさらに敵の懐に入り込んで、強烈な打撃を繰り出してウォーマシンの頭部や頸部を容赦なく粉砕していく極。その正確無比で無慈悲な打撃は機械の身体であるウォーマシンであっても有効打となりうる。
 魔法を直接体内に撃ち込んで破壊する魔法掌は健在である。だが敵もすぐにセンサーで極の動きに対応して、防御網を再構築し銃による反撃を仕掛けてくる。
「おっと、危ないね。この銃撃は、抑えるのに手一杯かな」
 攻撃から一転、守勢へと回り込む極。ゲーム武術を駆使した武器受けで対応しているが、正確無比な射撃に対して攻撃に回ることができない。ならば、と能力「幻武流『追加入力』(ゲンブリュウ・カクシコマンド)」を発動させる。
「ゲームでもよくあるじゃん、ピンチを脱出したり、より強力な技に変化させる隠しコマンドがね!」
 召喚されたゲーム用コントローラーに追加コマンドを入力することにより、手持ちの幻武の鍵が巨大化する。そのフルスイングによって、ウォーマシンの銃撃をすべて弾き飛ばし、風圧で銃口を退けさせる。その隙に再び斬り込む。
「隙ありって奴だね!」
 好きを見逃さないと言わんばかりにウォーマシンの鎧を粉砕するような打撃を繰り出していく極。地面も砕くような踏み込みから生み出される掌打は、ウォーマシンの防御機能を粉々し戦闘不能へと追い込む。
「パターン・ラーニング。その動き、見切りました」
 さらに極の生み出した隙により、シンも「標的は照準の中に(ターゲット・イン・サイト)」を発動させ、一気呵成へと出る。ライフルビットから牽制の一斉射撃を行った際に、その攻撃に対する反応を怪盗の単眼鏡で解析。その情報を元にパターンと急所を見極める。
 ウォーマシンの鉄壁の防御術の合間を縫うように、敵の急所へと至る道がシンにははっきりと見えていた。そこに収束率を上げて貫通力を増した必殺の狙撃が真紅銃から放たれる。盾を構えて防御したはずのウォーマシンはその僅かな隙を付かれて、制御システムを貫かれて活動を停止させられる。
「ふむ、いい感じですね。もう逃げられませんよ?」
 一撃必殺のタイミングを覚えたシンは、それを学習させられる前に敵戦力を撃滅すべく、極と挟み撃ちの形でウォーマシン軍団をすり潰していく。

 学習能力が高い敵ウォーマシンに対し、一気に撃滅を狙った二人の狙いは正しく、対応が完了する前にその戦場は二人が見事に制圧することに成功していた。
「とはいえ、やはり強敵だったね」
「ええ、油断せずにいきましょう」
 汗を拭う極に、シンも勝利に対して表情を引き締めて次の戦場へと向かう。敵ウォーマシンはまだまだ数は多い。だが油断なく戦う二人は確実にアルヒェ制圧に近づいていくのは確かであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

シル・ウィンディア
さて、それじゃちょっぴり頑張りますかっ!

船内だから空中戦はしにくいので…
【フェイント】を交えて壁なども使った三次元機動で動き回るよ
【残像】も生み出して、撹乱だねっ!

敵攻撃は【第六感】を信じて
敵の動きを【見切り】上記機動で回避行動
被弾しそうになったら【盾受け】と【オーラ防御】で防ぐよ

こっちからの攻撃は
光刃剣と精霊剣の二刀流でのヒット&アウェイで動くけど
【フェイント】を混ぜての【二回攻撃】!
離脱時は腰部の精霊電磁砲での牽制も忘れずに

通常攻撃をしつつ、こっちを向いていない敵がいたら
【高速詠唱】で隙を減らした
エレメンタルドライブ・ライトミラージュで瞬間移動して
切裂いていくよ

…よそ見、厳禁だよ?


テラ・ウィンディア
シルを追いかけてくるぞ
成程な…まだこんなところがあったんだな

……ちょいとおれも銀河帝国には思うところがある(黒騎士アンヘルを思い出す

おれは…おれのやるべきことをするだけだ

【戦闘知識】で敵陣形とその動きと性質とパターンの把握

【属性攻撃】重力属性を全身と武器に付与

敵陣に突撃して襲い掛かる

【見切り・第六感・残像・空中戦】で飛び回りながらも常に敵の攻撃に注意しながら襲い掛かって
槍で【串刺し】にすればその後は【早業】で剣と太刀に切り開けては切り捨て

密集陣形に飛び込み射程圏内に大量の敵を捕捉すれば
グラビティブラスト発動
腰のグラビティバスターも使用して
【一斉放射】で一気に殲滅にかかる!
殲滅戦は得意だぞ?



 銀河帝国輸送艦「アルヒェ」の艦内で猟兵と要人・式典護衛用のウォーマシン軍団の戦いが各所で繰り広げられている。隔離壁で数の利を制限されたウォーマシンは思うように動くことができない状態でもあった。
 それでも寡兵の猟兵達に比べれば、まだまだ盛況を誇るウォーマシン達。伊達に銀河帝国との一大決戦にて投入されようとした戦力を輸送した艦だけあって、その配備数は驚異的なものがある。
 その数もそうではあるが、それに負けないほどの高性能を誇る防御能力を持って徐々に敵を追い詰めていこうと、防御陣を構築して猟兵を迎撃せしめんとする態勢だ。
「さて、それじゃちょっぴり頑張りますかっ!」
 だがそんな緊迫した中でもシル・ウィンディアの元気さは損なわれることはない。室内戦であるが故に、持ち前の空中戦は行うことは難しい状態である。
 それでもやり方はある誇示するようにシルは空中を舞う。鉄壁の守備陣形を構築するウォーマシン軍団の上をフェイントも混ぜた壁などを使った三次元機動で動き回る。その動きはもはや残像すら生み出すほど俊敏で、その動きをもってシルは敵を攪乱していく。
 その動きをセンサーなどで補足して銃撃や剣によって攻撃しようと試みるウォーマシン達。シルも第六感を最大限に動員して、敵の動きを見切って咄嗟に回避行動を取る。まさにそれは未来予測にも似た回避だったかもしれないが、数が多いので多少当たりそうになる弾丸は魔力で生み出した盾とオーラによる防御で捌いていく。
「それじゃこっちからも行くよ!」
 そして反撃と言わんばかりに、回避と同時にシルは光刃剣『エレメンティア』と精霊剣・六源和導の二刀流を繰り出す。その戦法はまさしくヒット&アウェイの手堅い戦法ではあるが、相手に読ませないようにフェイントも交えた高度な動きを誇り、着実にウォーマシンの戦闘能力を削り、継戦能力を奪っていく。
「やるな、シル。しかし成程な…まだこんなところがあったんだな」
 そう言ってシルを追いかけてきたエルフの二卵性双子にて、シルの妹であるテラ・ウィンディア(炎玉の竜騎士・f04499)。その脳裏にはかつて戦った銀河帝国の記憶が呼び起こされる。
「……ちょいとおれも銀河帝国には思うところがある」
 それは苦い敗北の記憶ともいうべきか。テラにとって誇らしい勝利の記憶よりも、血に伏した敗北の記憶が甦る。黒騎士アンヘル、あの強敵の姿が脳裏に過る。
 未熟であったあの頃とは今は違う。だからこそ、それをこの戦で証明するのも悪くない。そして敗北を糧にして、さらなる高みを目指すのだと言わんばかりにテラは前を向く。
「おれは…おれのやるべきことをするだけだ」
 そしてシルが作り出した陣形の綻びを突く形で、テラの突撃が敵陣へと襲い掛かる。すでにシルの斬り込みがその動きと性質とパターンを把握するのに十分であった。それほどの戦闘経験をテラは積み重ねてきたのだ。
 シルも顔負けの機動戦を仕掛けて敵を翻弄するテラ。だがその戦い方はシルよりも豪快であり、紅龍槍『廣利王』で串刺しにしてその装甲ごと燃やし尽くしていく。そして小回りのきく星刃剣『グランディア』によって切り分けていき、次々と敵を屠っていく。
 だが攻撃だけに集中するだけではなく、ウォーマシンの急所を狙った射撃の警戒も怠らない。テラの頭部の狙撃も持ち前の勘で事前に回避していく。そして密集陣形を敷いた箇所を発見すると、突き出した掌から「グラビティ・ブラスト」を発動させる。
「大地の力…存在の維持を司る力…星の力…我が手に集いて我が敵を滅せよ…グラビティ・ブラスト…往けぇ!」
 盾を構えて防御陣形の敵陣に、強力な重力波砲が炸裂する。さらに腰の星霊重力砲『グラビティ・バスター』を使用して追撃も行うという徹底ぶりで、重力場は容赦なくウォーマシンの機械の身体を粉砕するほどに圧し潰していく。
「殲滅戦は任せろ!」
「もー、テラ。よそ見、厳禁だよ?」
 敵を圧し潰してご満悦なテラの隙を突こうとしたウォーマシンをシルの魔力で出来た光の剣が貫く。それは一瞬の出来事、シルは「エレメンタルドライブ・ライトミラージュ」で瞬間移動して一気に間合いを詰めたのだ。あまりの神速にウォーマシンは何をされたか理解しないまま絶命する。
 シルを認識していないところからの突然の刃。高速詠唱によって隙が少なくなったといえ、この術式での移動は敵にとっては脅威そのものである。
「あいかわらずシルはえげつねーな」
「そんなことより残りもやるよ、テラ」
 そう言って双子の姉妹の連携は見事に敵のウォーマシンを翻弄し、時に大いに粉砕していく。まさしく双子だからこその息の合い方ともいえるだろう。

 ウォーマシンも同型とはいえ、経験というデータが少なすぎたのも敗因だったのだろう。戦闘経験が豊富な二人に対して最後までついていくことができず、その身体は無残にもスクラップと化すこととなる。
 こうしてこの戦場の一戦も双子のエルフによって勝利をおさめ、輸送艦アルヒェの戦局は猟兵有利へとより一歩傾いていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

トリテレイア・ゼロナイン
記憶無くとも同型機達と幾度も相対すれば否が応でも己が出自は理解出来るという物、感傷も僅か

『今』の人々の安寧の為、撃破します

頭、腕、肩部格納銃器をフル活用した近接攻撃敢行
先手の●なぎ払い掃射で防御させた隙を付き接近
包囲と攻撃はセンサー情報収集で●見切り躱し、武器受け盾受け
怪力盾殴打で防御を崩し、頭を剣で斬り飛ばし射撃阻止
直ぐに胴部を大盾殴打で粉砕、電子頭脳を圧壊

動作が単調、経験を骸の海に置いてきたのですか!

殲滅後アンカーでハッキング

何故、私だけが帝国への忠義を失い『過去』とならなかったのか
どの個体も『御伽噺』が裡にある以上、これは人格形成要素
直接原因では無し

上位個体…果たして答えを持っているのか


アシェラ・ヘリオース
「貴人の護りとして頼もしい存在だったが……因果な物だな」
小さく息を吐いて切り替える
一度目の帝国の滅びで、己の戦争は終ったのだ

方針は【黒気収束】からの大技だ
前線から一歩下がり、戦場を俯瞰して圧縮開始
赤光の盾を【オーラ防御】で展開して防御、【念動力】で「黒渦」を操作して攻撃を行いたい

敵の【集団戦術】には覚えがある
数の利と守備に長けた特徴を活かしての包囲と殲滅だ
「足を止めるな。機動戦が活路だ」
自他を【鼓舞】し、【戦闘知識】で対策を伝えたい

「貴公等の終わりはここだ」
極限収束したフォースを【範囲攻撃】で【砲撃】。更に【誘導弾】で敵機を一体ずつ仕留めたい
そして【二回攻撃】で、先程と同じ念動砲撃で畳み掛ける



 要人・式典護衛用ウォーマシン達は多く造られた存在である。対象相手を守るというのであれば、盾は多くあるほど護衛対象を守ることができる。また自身を犠牲にして守護することはその本懐ともいえた。
 故にこの銀河帝国輸送艦「アルヒェ」に搭載されたウォーマシンの数からしても、その対象がどれほどの存在だったかは想像がつくことであった。分断されたといえ、各地で奮戦を見せている片鱗からもすべてが集まった状態では危うい状況だったのかもしれない。
 これを白騎士ディアブロの手の中で生かされていたとなると、ぞっとしない状況でもあった。だがそのifは存在しないものであり、現在は殲滅が続けられる中でもある。
 そんな中で、「自身」と姿が似ているウォーマシン達を見てトリテレイア・ゼロナインは思考する。記憶無くとも同型機達と幾度も相対すれば否が応でも己が出自は理解出来る。だが自身は猟兵であり、すでにこの身は帝国のものではない。故に感傷も僅かに、儀礼用長剣を抜き去る。
「『今』の人々の安寧の為、撃破します」
 鉄壁の防御陣を敷くウォーマシン軍団に対して、正々堂々の騎士突撃を敢行するトリテレイア。だがその個体はかのウォーマシン達と同様の造りである。つまり内臓された頭、腕、肩部格納銃器はトリテレイアにも仕込まれているいうことだ。
 「機械騎士の二重規範(ダブルスタンダード)」をフル活用した掃討射撃にて、まずは敵ウォーマシンの防御を誘う。その隙に急速接近し、怪力を伴ったシールドバッシュで態勢を崩し、剣で頭部を容赦なく斬り飛ばす。
 当然敵ウォーマシンもトリテレイアに対して、包囲を仕掛けて攻撃をしてくる。だが同型機達の行動などお見通しなのか、体内センサーで敵攻撃を認識・察知し、ある攻撃は見切った上で躱し、ある攻撃は盾や剣で受け止めていく。その際に格納銃器で反撃していくのを忘れず、強力なカウンターを攻撃のたびに見舞っていく。
「動作が単調、経験を骸の海に置いてきたのですか!」
 憤りにも感じるトリテレイアの口調と共に、ウォーマシンの胴部を盾の強烈な殴打で粉砕し、そのまま電子頭脳を圧壊していく。
 その獅子奮迅な斬り込みをアシェラ・ヘリオースは惜しみない賞賛を送りながら、往来する気持ちもあった。
「貴人の護りとして頼もしい存在だったが……因果な物だな」
 かつての大戦末期でその存在を頼もしく思った記憶。だがそれは冷凍保存から目覚めた時に置くべき思い出だ。そう頭で判断し、小さく息を吐いて切り替えるアシェラ。
「一度目の帝国の滅びで、己の戦争は終ったのだ」
 アシェラは帝国軍人としての決別はすでに終わらせている。だからこそ、過去は過去へと還すために、能力「黒気収束(ダークチャージ)」を発動させる。前線から一歩下がったところで、戦場を俯瞰してフォースの圧縮を開始する。
 幸いに敵ウォーマシンはトリテレイアが引き受けてくれているので、遠慮することなくフォースを練ることができる。さらに戦場を俯瞰した視点をトリテレイアにフォースによる念話を送ることで、さらに動きを洗練させる役割もこなしていた。
(足を止めるな。機動戦が活路だ)
 同型機たるトリテレイアすら知り得ない、敵の集団戦術。過去の戦場を共にすることで培ったアシェラの知識。数の利と守備に長けた特徴を活かしての包囲と殲滅戦術を、余すことなく伝え、トリテレイアをサポートする。
 そしてついに圧縮が終わり、巨大風車手裏剣「黒渦」を投げてトリテレイアの脱出の活路を作り出す。敵を切り裂く手裏剣が合図となり、トリテレイアは包囲を脱出する。
「貴公等の終わりはここだ」
 放たれるは極限収束したフォースによる範囲砲撃。着弾点となった箇所は見事に破壊され、フォースの爆発は容赦なくウォーマシン達を崩壊させた。辛くもそのフォースの餌食にならなかったウォーマシンも、アシェラの念動砲撃やトリテレイアの追撃によって撃破されていく。 

 そしてウォーマシン軍団は見事に殲滅され、その残骸が二人の眼前に広がる。その中で比較的頭部が無事なウォーマシンに対して、トリテレイアはアンカーを撃ち込んでハッキングを開始する。
「……何故、私だけが帝国への忠義を失い『過去』とならなかったのか」
 それは長年のトリテレイアの疑問でもあり、答えを探し続けたことであった。その淡い期待もあってウォーマシンの情報を探るが、どの個体も『御伽噺』が裡にある以上、これは人格形成要素である。そしてそれはトリテレイアの疑問を晴らす直接原因では無い。
 トリテレイアの態度から成果がないと判断したアシェラは彼の肩に手を置く。
「だいたいの事情は察している。だが今は、敵を倒すことに専念だ」
 その言葉にトリテレイアも頷く。個人的な動機とはいえ、まずは銀河帝国の残党を掃討することこそ、第一目標であるには変わりがないのは確かだ。だがアシェラに諭されても、トリテレイアは思うのだ。
「上位個体……果たして答えを持っているのか」
 そう言いつつ、トリテレイアはおそらく輸送艦アルヒェの最奥にて待つであろう敵指揮官へと思いを馳せる。長年持ち続け来た疑問を解決する答えがあるかもしれない、という淡い期待がその機械の脳裏に宿る。
 アシェラが次の敵殲滅に動く中で、トリテレイアも追従する。かつての同胞であろうとも、人々の為。その攻勢が緩むことはない。そして答えを得るために、二人は戦いを続けるのだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ミスト・ペルメオス
【WIZ】

――さて。やるか。

愛機たる機械鎧を駆りつつ、敵輸送艦に直接乗り込む。
マシンヘルム等を介して念動力を活用、機体をフルコントロール。
閉所空間ゆえスラスターを無遠慮に噴射することは出来ない、しかし小刻みに活用して戦闘機動を行うとする。

数も多く守りに長けた敵勢ならば、それ以上の火力を叩きつけて喰い破るとばかりに。
【バラージショット】。敵を照準に捉え次第、機械鎧に搭載する全ての火器――
可変速ビームキャノン、ビームアサルトライフル、マシンキャノンを次々と叩き込んでいく。
応射は小刻みな回避機動、もしくは前腕部のビームシールドで凌ぎつつ。
決して足を止めず、射撃も止めず…!

※他の方との共闘等、歓迎です


メンカル・プルモーサ
ふーむ…要人・式典護衛用…とくればおそらくは得意は連携による集団戦かな…
…となればまずそれを崩すか…【鳴り止まぬ万雷の拍手】によりウォーマシンの知覚系に負荷を与えよう…
…当然、ウォーマシンもそれを回避すべくリミッタを掛けるだろうけど…
それは少なからず、センサ類の性能を落とすと言うことになる…
…他の仲間がその隙を付けばよし…
…まあそうでなくても私でも【アヌエヌエ】の銃弾を当てれる様にはなるからね…
…遅発連動術式【クロノス】により、着弾をトリガーに【尽きる事なき暴食の大火】が発動する印の刻まれた銃弾を…
盾で防いだとしてもその盾ごとウォーマシンを燃やしていくよ…
白騎士の居る骸の海に戻るといいよ…



 分断された銀河帝国輸送艦「アルヒェ」のウォーマシン達。要人・式典護衛用と高性能かつ集団戦に長けるその機体達は、その性能を十二分に発揮することなく猟兵達に破壊されていく。
 本来であれば圧倒的な数を誇るウォーマシン達の物量に対し、猟兵達は苦戦を強いられていたかもしれない。だが戦力の分断と各個撃破が戦況を優位に運んでいる。
 だが油断はできるものではない。システムの再奪取も視野に入れて、なるべく多くのウォーマシン達を討ち取らなければ、再び戦局は暗転してしまう可能性もあるからだ。
「――さて。やるか」
 そういった短い言葉と共に愛機である機械鎧「ブラックバード」に乗り込んだまま転送されてきたミスト・ペルメオスはウォーマシン軍団に対峙する。敵も熱・音・振動などのセンサーを総動員させ、ミストのブラックバードの機動に対抗しようと陣形を組んで待ち構えていた。
 ミストはそんな敵をマシンヘルム等を介して見据える。敵は強敵なれど、負けるつもりなどない。そう言わんばかりに念動力を活用し、機体をフルコントロールする。
「ついてこれるか?」
 そう言ってミストは全力の念動力でブラックバードを駆動する。敵の射撃は降り注ぐは、その漆黒の機体に当てることはできない。確かに閉所空間ゆえスラスターを無遠慮に噴射することは出来ないが、小刻みに活用して戦闘機動することで緩急で敵の狙いを外していく。
 そして華麗なる回避の先に待っているのは、苛烈なる反撃だ。数も多く守りに長けた敵勢ならば、それ以上の火力を叩きつけて喰い破るとばかりに、ミストは「バラージショット」を炸裂れセル。
 火器管制システムの照準に捉えられたウォーマシン達は、機械鎧に搭載する全ての火器――可変速ビームキャノン、ビームアサルトライフル、マシンキャノンを次々と叩き込まれ、物言わぬ残骸へと変えていく。
「ふーむ、要人・式典護衛用……とくればおそらくは得意は連携による集団戦かな……となればまずそれを崩すか」
 ミストのブラックバードとウォーマシン軍団との攻防を静かに観察していたメンカル・プルモーサ(トリニティ・ウィッチ・f08301)は、情報を集め終わったと言わんばかりに動き出す。
 ガジェット研究者の一族として名高いプルモーサ家の一員として、得られた知識を総動員して敵の弱点を突く戦い。そして今回選んだのは、センサーを最大限にしているウォーマシンの知覚系に打撃を与えることだった。
「観測せし虚像よ、沸け、轟け。汝は観客、汝は賞賛。魔女が望むは舞台を止めし大喝采……」
 詠唱が始まった瞬間、合図と受け取ったミストがすべての知覚機器を切る。そして発動したメンカルの「鳴り止まぬ万雷の拍手(ショウ・ストッパー)」。ウォーマシンを照らす閃光と喝采に似た轟音の幻覚が、知覚に高度の負荷を与え動きが止まる。あまりの高負荷に一時的なフリーズを起こしたのだろう。
 それを突く形でミストのバラージショットが容赦なく敵を討ち取っていく。だがすぐにウォーマシン達は再起動をして、メンカルの知覚破壊の対策としてセンサー類にリミッターをかける。だがそれもメンカルの策の手中。少なからず、センサーの感度・精度が落ちるという証左でもあるのだから。
 それを証拠にミストの回避回数が減り、攻撃回数が増えつつある。つまりは回避をするまでもなく、攻撃に専念できるようになったのだ。
「……それじゃ、わたしのアヌエヌエの弾丸も味わうといい」
 そう言って術式拳銃【アヌエヌエ】を構えて、ウォーマシン達に撃ち込んでいくメンカル。身体に当たることもあれば、盾に防がれることもある。撃破までもいかない攻撃にウォーマシンの警戒も薄い。
 だがその弾丸には遅発連動術式【クロノス】が刻まている弾丸だった。時間差で体内に「鳴り止まぬ万雷の拍手」の知覚破壊を発動させ、さらに鎧も溶かす大規模な炎を発生させる術式だ。知覚を潰され対応できなくなったところでの、焼き尽くす炎。盾で防いだとしてもそれを溶かされ、ミストの射撃の餌食となっていく。
「白騎士の居る骸の海に戻るといいよ……」
 メンカルが容赦なく術式を発動する段階で危険と判断し、ウォーマシン達が射撃で応戦しようとしても、小刻みな回避機動で足を止めずに射撃を繰り返すミストが邪魔をする。当たりそうになると前腕部のビームシールドで凌ぎ、決してメンカルまでは届かせない。
 ここまで戦場を支配されれば負けは必定。だがウォーマシン達は退却することはなかった。要人・式典護衛用として製造された性というべきか、退くということを知らなかったのかもしれない。

 こうして漆黒の機体と静かなる魔女の奮闘により、多くのウォーマシン達が屍を晒すことになる。もはや輸送艦の制圧は目前に迫ろうとしていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ルパート・ブラックスミス
…見覚えのある出で立ちだな。
さて、では実力の方は如何に。

各種装備にUC【燃ゆる貴き血鉛】付与。
敵近接攻撃を大剣で【武器受け】した瞬間纏う鉛を【武器改造】し剣に溶接させ拘束(【グラップル】)、
【怪力】任せに振るい牽き倒すことで【武器落とし】・追撃の格納銃器の発砲体勢を崩すことで回避。

攻撃面は敵の猿真似といこう。
【物を隠す】要領で鎧や冑内に仕込んでいた短剣【誘導弾】を射出。
関節部や銃器展開部分から機体内に潜り込ませ、UCで内側から【焼却】する。
ただでさえ精密機械の身体、加えてその仕込み銃も熱で銃身が歪めば暴発は免れまい。

敵の情けなど望みもすまい。
確実に、一騎残らず、討ち取る。
【アドリブ歓迎】


グラディス・プロトワン
※アドリブ・連携ご自由に

久しぶりの故郷だが、まだ帝国の残党がいるとはな

護衛用のウォーマシンか…ただでさえ厄介なのに数まで多い
こちらも他の猟兵と協力して対応した方が良いだろう

随分と統率が取れているが…奴らの指揮を執っている存在はなかなか優秀なようだな
機械らしく整然として無駄がない
俺も以前なら同じように機械らしい定石通りの動きをしていただろう
猟兵としての経験が良くも悪くも俺を変えたのがよく分かる

俺や他の猟兵達は定石通りには動かないというのを見せてやろうじゃないか
【怪力】には自信があるが、直接相手に当てる事だけが攻撃ではない…
護衛用らしく防御に長けるようだが、こちらの攻撃を防ぎ切れるか?
いくぞ!


七篠・コガネ
僕にとって銀河帝国はもう過去であって欲しい
過去は後ろにいるものなんです
…振り返らせないで下さいよ…

この型のウォーマシンは戦った事ありますよ
僕のブレインコンピューターにデータは残ってるんですから
戦い方、覚えているのです
後ろを向いてる敵の背後へ立ち回り、別の敵個体の視界に入り込みます
発砲されたらすぐ【ダッシュ】
そうすれば後ろを向いてた敵への同士討ちが狙えそうです

こちらからもアクションを起こさないとですね
敵の発砲体勢を【視力】で視認したら咄嗟に【ジャンプ】
天井を蹴ってUCで上から突撃!【踏みつけ】ちゃいますよ!
前線に駆り出されてたデストロイウォーマシンをナメんなです…!
破壊…そのために僕は造られた!



 猟兵達の要人・式典護衛用ウォーマシン達の戦闘は各所で行われており、その戦闘は悉く猟兵達が勝利を収めていた。
 最初は圧倒的数を誇っていたウォーマシン軍団ではあるが、急激に数を減らしており銀河帝国輸送艦「アルヒェ」の掌握も間近に迫る状態ではある。
 だが今だ司令官であろう上位個体は姿を見せることはない。そしてその行く手を阻むべく、隔壁を突破して再集結したウォーマシンの軍勢がその進路上に立ち塞がっている状態だ。
「…見覚えのある出で立ちだな。さて、では実力の方は如何に」
「久しぶりの故郷だが、まだ帝国の残党がいるとはな」
 そんなウォーマシンの長壁を思わせるような防御陣形を敷く相手に対しても、ルパート・ブラックスミスの瞳の炎は揺らぐことはない。そして漆黒のボディを煌めかせ、グラディス・プロトワン(黒の機甲騎士・f16655)はかつての帝国の残党相手にも怯む気配などない。
「僕にとって銀河帝国はもう過去であって欲しい。過去は後ろにいるものなんです……振り返らせないで下さいよ」
 そう言って不愉快と言わんばかりに七篠・コガネも敵を見据える。過去の遺物が眼前にあるのを我慢ならない、という表情をしている。過去は過去に、未来にあるべきではないとその機械の身体は叫び続けている。そしてその闘争本能が赴くままに3人の猟兵達の戦いが始まる。
 まず動いたのはルパートだ。各種武器に「燃ゆる貴き血鉛(ブレイズブルーブラッド)」を付与していく。そして接近してウォーマシンの攻撃を誘い、ルパートは大剣で攻撃を受け流す。それと同時に纏った鉛を変化させてウォーマシンの剣と溶接する。
「我が血はもはや栄光なく、されど未だ闇に消えず」
 そのまま力任せに武器を取り上げて、さらに怪力でそのまま叩きつけるように振るい牽き倒す。そうすることで敵を粉砕すると共に追撃の格納銃器の発砲体勢を崩す。
「護衛用のウォーマシンか…ただでさえ厄介なのに数まで多い。ならば乗らせて貰おう」
 そうしてルパートが打ち込んだ楔に入り込んでくるのは漆黒の機体グラディスだ。巨大な両手剣サイフォンソードを持ち、盾の角度が乱れたウォーマシンを力任せに両断していく。すかさず協力していこうと判断したグラディスの動きは早く、陣形を立て直す前にその大剣でさらに楔を広げていく。
 さらにグラディスのサイフォンソードは敵のエネルギーを吸収してより力が強大化していく。そしてエネルギー充電が完了した時、特大の「グラウンド・ブレイカー」が放たれる。
「護衛用らしく防御に長けるようだが、こちらの攻撃を防ぎ切れるか? いくぞ!」
 そしてその大剣からは地形を粉砕するかの如き一撃がウォーマシンに放たれる。盾で防御するものの、その盾ごと地面へと圧し潰し機械の身体を粉砕していく。そして追撃の一手と言わんばかりにそのまま横薙ぎにウォーマシンを斬り付けていく。
 だがウォーマシンはそんな破壊神の如きグラディスにも怯まない。すかさず包囲と防御態勢を構築し、遠距離の射撃で仕留めようとする。だが血鉛で敵の武器を奪い敵を倒していたはずのルパートの短剣から銃弾が発射され、撃ち出そうとしていたウォーマシンの銃身に入り込む。
「ただでさえ精密機械の身体、加えてその仕込み銃も熱で銃身が歪めば暴発は免れまい」
 もちろんその弾の中にも「燃ゆる貴き血鉛」の鉛は入り込んでおり、そこから関節部や銃身機構に入り込んでいき、その熱で構造が変化。銃弾を発射した瞬間、暴発して腕が損失し、さらに鉛は体内にも入り込んで容赦なく破壊していく。
 その血鉛の入った銃弾を発射しながらルパートもウォーマシン軍団に対抗する。だが数の利を生かし、包囲を完了しようとする敵にグラディスは素直な賛辞を贈る。
「随分と統率が取れているが…奴らの指揮を執っている存在はなかなか優秀なようだな。機械らしく整然として無駄がない」
「だけど、この型のウォーマシンは戦った事ありますよ。僕のブレインコンピューターにデータは残ってるんですから」
 だが側面を突くようにコガネが包囲の横を突くように現れる。その速度はまさしく神速と呼ばれるもので、いつの間にかウォーマシンの背後を取った形だ。異物を排除する為にウォーマシンが射撃を試みる。
 以前の経験からかのウォーマシンの戦い方を覚えていたコガネは同士討ちを狙うように、ウォーマシンの別個体の視界に入り込み射撃を誘導。そして撃たれた瞬間、ダッシュして回避をし、敵の背面を撃たせる。こうすることで鉄壁の陣形を誇る敵包囲網を攪乱させていく。
 もちろん攻撃も忘れていない。ウォーマシンならではの超視力で敵の発砲タイミングを見極め、視認した瞬間に咄嗟に跳躍して天井まで到達。そのまま蹴り、「イーグルバレット」をお見舞いする。
「昔の人はこう言いました。”精神一到何事か成らざらん”!」
 敵を踏みつけるように宇宙船の装甲すら破壊する蹴りを伴った突進は、ウォーマシンの上半身を粉々に粉砕し、跡形も残さない。そして背中のプラズマジェットを噴射し、その勢いのままもう一体のウォーマシンも蹴り砕いていく。
「前線に駆り出されてたデストロイウォーマシンをナメんなです…! 破壊…そのために僕は造られた!」
 閃光のように敵包囲陣を切り裂いていくコガネ。それにより防御も包囲もズタズタにされたウォーマシン達は、蹂躙するのは包囲の内にいたグラディスだ。
「俺も以前なら同じように機械らしい定石通りの動きをしていただろう。猟兵としての経験が良くも悪くも俺を変えたのがよく分かる」
 機械らしくない熟練の戦士の動きは、グラディスが猟兵として活動した証であろう。サイフォンソードを振るって敵を両断しながら、さらに力を貯める。
「俺や他の猟兵達は定石通りには動かないというのを見せてやろうじゃないか」
「敵の情けなど望みもすまい。確実に、一騎残らず、討ち取る」
 グラディスの咆哮に同調するように、血鉛を纏った武器を振るうルパートも容赦なくウォーマシン達を刈り取っていく。それはもはや蹂躙と呼べる戦場となっていた。

 内からグラディス、外からルパート、遊撃にコガネがすることで鉄壁を誇っていたウォーマシン軍団は見るも無残に破壊しつくされた。一人ではこうはならなかったであろう。
 強大ながらも個性的な力が結集した時、何倍の力にもなると証明した結果でもあった。そして最後のウォーマシンが倒れた時、輸送艦アルヒェの司令官室の扉への道が開かれる。それはこの艦の総指揮を執るボスとの邂逅の時でもあった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『トリテレイア・ゼロシックス』

POW   :    誇り高き/忌まわしき「白」の血統
自身の【裡に何故か在る正道の御伽の騎士への憧憬】を代償に、【【帝国の盾】の護衛機状態に移行した自身】を戦わせる。それは代償に比例した戦闘力を持ち、【未来予測演算で適切に攻撃を凌ぎ強烈な反撃】で戦う。
SPD   :    式典・要人護衛用ウォーマシン・エースナンバー
【【帝国の盾】の護衛機状態に移行。接敵直後】から【UC発動を妨害する全身に仕込んだ格納銃器】を放ち、【遠近織り交ぜた態勢を整える暇を与えぬ追撃】により対象の動きを一時的に封じる。
WIZ   :    複合ユーベルコード【帝国の盾】/【帝国の剣】
【電子干渉完全遮断、常に敵を捕捉する護衛機】に変形し、自身の【迎撃性能向上】/【駆動・演算リミット解除】を代償に、自身の【初見技でも回避、防御し急接近して放つ攻撃】を強化する。

イラスト:エンシロウ

👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はトリテレイア・ゼロナインです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 銀河帝国輸送艦「アルヒェ」の最奥に位置する司令官室。輸送艦各地に潤沢に配備されいたウォーマシン達を全滅させて辿り着いた先にいたのは、今まで自分達が倒したウォーマシン達と同型の機体であった。
 いやよく見ればカラーリングが異なっており、さらに鎧や盾などの意匠もこちらの方が凝っている。つまりはウォーマシンの統率用に作られた個体ともいえるだろう。
「来たか、猟兵。我が傍観を阻止する者。そして滅びを届ける者よ」
 そう言って機械じみた声を上げる指揮官らしき上位個体。だがそこにはウォーマシンらしく、感情は籠っていない。
「すでにアルヒェの戦力は無にされたに等しい。ならば我も使命に準じよう。帝国の一員として、帝国の剣として、帝国の盾としての本懐を成そう」
 そう言って剣を抜く上位個体。だが気のせいだろうか。帝国という執着を見せる割には、その感情に熱は感じられない。ある意味、不気味すら感じさせる敵であった。

「我が名はトリテレイア・ゼロシックス。滅びを見届ける者である」
 その言葉と共に上位個体トリテレイア・ゼロシックスとの死闘が幕を開ける。かの瞳は的確に猟兵達を捉え、そして敵を排除しようとその剣を振るうのであった。
シン・ドレッドノート
一目で分かりますね…あれは強敵です。
あまり柄ではありませんが、露払いをさせてもらいましょう。

敵を視界に入れると同時に閃光の魔盾のビーム障壁を全面展開。接敵される前にソードビットのエネルギーも使って全力で防御態勢を整えます。

「紅き光よ!」
盾で受けることでカウンターで発動する【真紅に輝く閃光の魔盾】によって攻撃を受けきり、すぐさま受け止めた攻撃をコピー、盾で受けた状態のままライフルビットで再現することで、敵の動きを一時的に封じます。

その後は他の皆さんの攻撃に合わせて離脱、敵の行動阻害目的の援護射撃に徹するとしましょう。

まぁ、此処にはトリテレイアさんも居ます。後は任せても大丈夫でしょうからね。


シル・ウィンディア
隊長さんだね
帝国はもうなくなってるのにね

機動は壁や天井、床を使った三次元機動
【フェイント】で緩急をつけて【残像】を生み出してセンサーを撹乱
天井や壁を使う時は【空中戦】のように飛び回っていくよ

回避は敵の行動を【第六感】で感じて【見切り】対処
動きは上記機動で避けて、被弾時は【オーラ防御】と右腕ビームシールドでの【盾受け】で対処

攻撃は光刃剣と精霊剣の二刀流で【フェイント】を混ぜ【属性攻撃】で雷を付与した【2回攻撃】で行動だね
ヒット&アウェイを心掛けるよ

動きは厄介だけどわたしが信じたこれで行くよ
【高速詠唱】で隙を減らして【多重詠唱】と【全力魔法】で選択UC!
わたしの全力、持って行けーっ!!


アシェラ・ヘリオース
自身は「黒」の所属だったので直接の縁は薄い
だが受けて立つべき相手だ

「帝国近衛騎士第一分隊隊長アシェラ・ヘリオース」
真の姿で近衛装束を纏い、【威厳】をもって「破天槍」を構える

「白」の血統に小細工は利かない
正面から堂々と、最短に最速に最強の攻撃を正中線に打ち込もう
黒騎士殿ならいざ知らず、自身の「未来予測演算」への対処は膨大量のフォースに任せた正面突破のみだ

(【戦闘知識】を突き詰めた結果が、正道の御伽の騎士めいてるのは我ながら皮肉な事だな)

雀蜂の如き【空中戦】と【二回攻撃、オーラ防御】で攻防を展開
破天槍は臨界現象によるエネルギー解放で、相手の防御ごと【鎧砕き】の【継続ダメージ】を与え【傷口をえぐる】



 銀河帝国輸送艦「アルヒェ」において戦力となるウォーマシンはもはや目の前の上位個体「トリテレイア・ゼロシックス」しかいない。そう言った意味では戦う意味は薄いのかもしれない。
 滅びを傍観するという意味では行動的に破壊活動に従事するタイプではないという意味では脅威ではないかもしれない。
 だがこの威圧感・存在感は、かの白騎士にも届くかの如き迫力である。これほどのオブリビオンを放っておいては脅威になりかねない。
「一目で分かりますね…あれは強敵です」
「隊長さんだね。帝国はもうなくなってるのにね」
 そういってまずは先陣を切るのはシン・ドレッドノートとシル・ウィンディアだ。機動力に富むシルは意気揚々と飛び込む気ではあるし、シンはそれに同調するようだった。
「あまり柄ではありませんが、露払いをさせてもらいましょう」
「来るがいい、猟兵。我が力を持って粉砕しよう」
 そう言ってシンがトリテレイア・ゼロシックスを視界に入れると同時に、閃光の魔盾のビーム障壁を全面展開する。敵は「帝国の盾」モードに移行して一気に距離を詰めて接敵しようとする。
 だがそれを妨害しようとシルが壁や天井、床を使った三次元機動で攪乱するようにトリテレイア・ゼロシックスに迫る。その動きはフェイントを使って緩急を付け、残像を生み出すかのように華麗に空中を舞う。
 トリテレイア・ゼロシックスもそれに対して「帝国の剣」モードも起動して迎撃態勢を整え、シルの動きを読み切る。行動を先回りにして剣撃を放つものの、シルの感覚による見切りによって回避し、射撃は右腕ビームシールドで受けきる。そしてその合間を縫って、光刃剣と精霊剣の二刀流を持って雷を纏った攻撃を繰り出していく。
「動きは厄介だけどわたしが信じたこれで行くよ!」
「小賢しい!」
 そう言ってヒット&アウェイの高速機動を繰り返して攻撃してくるシルに対し、剣と盾で迎撃を繰り返し、ついにシンへと到達する。だがシンもすでにソードビットのエネルギーも使って全力で防御態勢を整えていた。
「紅き光よ!」
 そう言って「真紅に輝く閃光の魔盾(ルビーライト・アトラント)」を発動する。敵の反撃・追撃を妨害する格納銃器と剣術のコンボが炸裂するが、それを見事に閃光の魔盾で防ぎきるシン。完璧に繰り出されていては反撃の余裕すらなかったが、シルが常に攻撃を仕掛けているので、シンも動ける隙ができた。
「リフレクション・アトラント!」
 そして魔盾が光り輝き、さきほどのトリテレイア・ゼロシックスの目にも止まらない超連撃を再現するシン。盾で受けた状態のままライフルビットが、その白き機体の動きを抑えきる。
「ぐっ、これは……」
「わたしの全力、持って行けーっ!」
 そしてその動きが止まった隙をシルは狙いを定める。高速詠唱で隙を減らし、多重詠唱で威力を増加した「エレメンタル・ファランクス」を発動させる。火・水・風・土の4属性の魔力砲撃がトリテレイア・ゼロシックスの無防備の身体に突き刺さる。
 その魔法がトリテレイア・ゼロシックスの装甲にダメージを与えながらも、すぐに防御態勢を整え、完全被弾までには到らない。それこそまさしく帝国の盾としての、エースナンバーとしての矜持だったのだろう。
「自身は「黒」の所属だったので直接の縁は薄い。だが受けて立つべき相手だ」
 だがダメージを負った時こそ唯一の隙である。それに狙いを定めたアシェラ・ヘリオースは構えを取る。自身が所属した黒騎士はまさしく実戦を重きに置いた。戦場の優位性を譲る気はない。
「帝国近衛騎士第一分隊隊長アシェラ・ヘリオース」
 その姿は帝国近衛装束を身に纏った姿だ。威厳のある構えで、「破天槍(ブラストスピア)」を発動する。運用フォースの5割を結晶化に費やし、超高出力の励起状態を維持した赤晶槍を作り出す。
 「白」の血統の未来予知に対し、小細工は利かない。ならば正面から堂々と、最短に最速に最強の攻撃を正中線に打ち込むことこそ突破口。
(自身の戦闘知識を突き詰めた結果が、正道の御伽の騎士めいてるのは我ながら皮肉な事だな)
 そう内心で皮肉を笑いながら、アシェラは口元を歪める。上司である黒騎士アンヘルならば違う方法もあったかもしれない。だがアシェラの「未来予測演算」への対処にできるのは、膨大量のフォースに任せた正面突破のみだ。
「行くぞ、白の血統!」
 そう言ってアシェラは飛翔する。雀蜂の如き敏捷性と残りのサイキックフォースを防御に展開することで敵の迎撃に対処。さらに構えた赤晶槍は臨界現象によるエネルギー解放で凄まじい勢いを生み出す。
「その装束、黒の者か」
 シンの拘束とシルの砲撃を受けた後であっても、アシェラの突撃を予測したトリテレイア・ゼロシックス。その盾を構えて、黒の血統の槍突撃を受ける。だがアシェラの全力のフォースを乗せた突撃は、その盾を弾き飛ばし、砲撃を受けた箇所を正確に抉る。
 それでもトリテレイア・ゼロシックスは歴戦の技術を持ってアシェラの突撃を最小限の傷に留め、帝国の剣を持ってはじき返す。
「見事だ、黒の近衛の者よ」
「貴殿もな、白の者よ」
 そう言ってアシェラも距離を取る。同じ攻撃は未来予測を得意とするかの機体には通用しない。それは高速機動を繰り返すシルや、防御態勢を整えるシンも同様であった。
「まぁ、此処にはトリテレイアさんも居ます。後は任せても大丈夫でしょうからね」
 そう言って、シンは援護射撃を行い、二人と同じタイミングでの後退を支援する。トリテレイア・ゼロシックスは少なからず損傷を負った為に無理に追うことはしない。まさしく冷徹な判断がなせる技であろう。
 こうして最初の攻防戦は幕を閉じた。鉄壁と思われたトリテレイア・ゼロシックスの攻防は、3人の連携を見せつけることでその完璧を穿つことに成功したのだ。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

グラディス・プロトワン
※アドリブ・連携お任せ

同じ姿の猟兵に心当たりがあるな…今は気にしても仕方ないか

護衛用のウォーマシン達を指揮していた者だ、一筋縄ではいかないだろう
あの戦いも見ていたはず…ならば同じ動きは通じないと考えるのが妥当だが、どう攻めるか

いや、待て…見ていた事を逆手に取れないか?
奴は俺が剣で攻撃してくると予測しているだろうから、その迎撃に集中しようとするはず
剣での攻撃を囮にして【グラップル】での組み付きを狙おう
多少攻撃を受けるだろうが、そのままUCで動きを鈍らせれば追撃も容易だろう

本音を言うと、指揮官クラスのエネルギーに興味があってな
先程の戦闘による消耗で空腹なのもあって『食事』がしたいと思っていたのだ


ルパート・ブラックスミス
滅びを見届ける、か。
よかろう。『銀河帝国攻略戦』今こそ決戦の時だ。

燃える鉛による大剣の巨大化【武器改造】。
敵の射撃を【武器受け】しつつ斬撃【衝撃波】。

勿論これを捌けん輩ではあるまい。
掻い潜られ接近戦になればこんな大物役に立たん。

出番だ、ニクス。

【おびき寄せ】た敵を【物を隠す】要領で大剣にへばり付いていた
鳥形態の爆槍フェニックスが槍形態に変形、攻撃。
それに対応した隙を【見切り】大剣を放し【グラップル】。

先の同型との【戦闘知識】で仕込み銃を向かせない体勢は把握済みだ!
【指定UC】の熱と変換能力、先程と同じく格納銃器を【焼却】【武器落とし】!

知己の機械騎士曰く、その銃は無粋だそうだ。塞がせて貰うぞ!


ミスト・ペルメオス
【POW】

…似ている。だが、違う…!

引き続き愛機たる機械鎧を駆って戦闘に臨む。
指揮官と思わしき敵、その姿には強い既視感を覚えるが…
あれは、共闘した事もあるかの猟兵とは全く異なる存在。容赦も油断もしない。

マシンヘルム等を介して念動力を活用、引き続き機体をフルコントロール。
戦闘機動を取りつつ射撃戦を展開。携行火器や迎撃装備による制圧射撃。主兵装の速射。
…しかし上位個体だけあり、それだけで勝てるとは考えていない。
射撃戦を継続し、意識を引き付けてからの【シュラウド・ストリーム】…
弾幕に紛れさせた念動波の一撃を呼び水として、異次元からのサイキック・エナジーの奔流を叩きつける!

※他の方との共闘等、歓迎です



 白の血統を継ぐというコンセプトを元に製造されたトリテレイア・ゼロシックスは他のウォーマシンとは違い、高性能な防御能力を誇る。それを生かす攻撃を繰り出すこともできる個体である。
 だがその高度な防御性能・迎撃性能をもってしても、猟兵の攻撃を防ぐことはできずに損傷をもらっていた。そのことにトリテレイア・ゼロシックスはさらなる評価の上方修正を施す。
 未来予知をするが故に、その隙を埋めていけば敗北はあり得ない。それでこそ滅びを見るという使命も果たせるというもの。だからこそ、今までも生存しえてきたのだから。
「同じ姿の猟兵に心当たりがあるな…今は気にしても仕方ないか」
 そんな白の機体に対し、漆黒の機体たるグラディス・プロトワンが立ち塞がる。知己の猟兵に心当たりがあるものの、今は強敵に対して気の抜ける相手ではない。
 すでに迎撃態勢を取り、グラディスを見据えているトリテレイア・ゼロシックスに隙はない。その佇まいからもさすがは護衛用のウォーマシン達を指揮していた者と感嘆し、一筋縄ではいかないだろうとグラディスは悟る。
 モニター越しからもグラディスの戦い方は見られていたことも考えられ、同じ戦い方では対応される可能性は高い。どう攻めるか、と思案するも選無きことであるとグラディスは思う。
「……行くぞ!」
「来るがいい、黒き同胞よ」
 グラディスは一直線に向かい、サイフォンソードを振り下ろす。そのエネルギー吸収能力を知覚しているトリテレイア・ゼロシックスはその迎撃に集中する。攻撃を受けないように盾で受け流し、剣で吹き飛ばす。まさしくオーソドックスな迎撃方法だ。
 そして格納銃器で追撃をしようとするトリテレイア・ゼロシックス。だがこれこそグラディスの思惑通りだ。剣での攻撃は囮、さきほどの攻撃手段を見ていたからこそ、それを逆手に取った攻撃である。銃撃を受けながらも相手の懐に入り込み、グラップルによる組付きを敢行する。
「本音を言うと、指揮官クラスのエネルギーに興味があってな」
 そのままトリテレイア・ゼロシックスの腕を取り動きを封じながら、「スタティック・サクション」を発動。試作型E.Dシステムが起動し、組ついた箇所からエネルギー吸収攻撃を行い、トリテレイア・ゼロシックスの活動エネルギーを奪っていく。
 先ほどの戦闘にて消耗したグラディスは空腹もあり、ご馳走と言わんばかりに「食事」を得んと貪欲に吸収する。だが拘束による吸収を感知したトリテレイア・ゼロシックスの動きは早い。
「小癪な、させぬ!」
 活動エネルギーを吸いつくされる前に思いっきりグラディスを叩きつけ、遠投の要領で壁へと投げ飛ばす。さすがにそこまでやられればグラディスとて手を離さざるを得ない。
「滅びを見届ける、か。よかろう。『銀河帝国攻略戦』今こそ決戦の時だ」
 だがグラディスのエネルギー吸収に動きが弱まったところを、ルパート・ブラックスミスは見逃さない。燃える鉛を纏わせることで大剣の巨大化改造を施し一気に迫る。
「…似ている。だが、違う…!」
 そしてミスト・ペルメオスも機械鎧「ブラックバード」を駆り、戦闘へと挑む。その心は戦闘に集中しているものの、指揮官と思わしき敵、その姿には強い既視感を覚えている。それでも共闘した猟兵と姿は似ても全く異なる存在と知覚する。ミストに容赦も油断もしない。
 ルパートとミストの突撃に対し、トリテレイア・ゼロシックスのは冷静に帝国の盾モードを発動。的確な未来予知の元に格納武器による射撃を行う。
 それに対し、ミストはマシンヘルム等を介して念動力を活用。さきほどの戦闘と同様に引き続き機体をフルコントロールして、高度な機動戦闘を行う。そのまま応射するように射撃戦を展開し、携行火器や迎撃装備による制圧射撃と主兵装の速射を敢行していく。
 そんなミストとトリテレイア・ゼロシックスの銃弾が飛び交う中をルパートは勇猛果敢に飛び込んでいく。大剣で武器受けしながら、銃弾が掠めながらも敵の懐に入り込む。そしてそのまま衝撃波を放つが如きの斬撃を繰り出す。
「ここまでこれたのは見事」
 だがそれだけだと言わんばかりに、未来予知で感知した斬撃を盾でいなし、カウンターの剣撃がルパートを襲う。
 だがルパートもこんな単純な攻撃が当たるとは思っていなかった。掻い潜り接近戦になればこれほどの大物を捌くことなど容易いことである。
「出番だ、ニクス」
 そう言ってルパートの大剣がドロリと変化する。それこそ今まで燃える鉛にへばりつくように隠れていた鳥形態の爆槍フェニックスであった。そしてフェニックスは再び槍となって、ルパートはそれを取ってトリテレイア・ゼロシックスの剣撃に対応する。
 トリテレイア・ゼロシックスの攻撃を凌ぎ、わずかに発した揺らぎをつくように大剣や槍を手放し、その腕に組みつく。
「我が血はもはや栄光なく…されど未だ我が業と炎は消えず…!」
 再度のグラップルにトリテレイア・ゼロシックスは格納した銃器をもって撃ち落とそうとするも、ルパートはさきほどの同型タイプとの戦闘で仕込み銃を向かせない体勢は把握しており、うまく態勢を整え、「黒騎士呑み込む青き業火(キックドオフカルマナイト)」を発動する。、
 触れた物質や生命力を燃える鉛に変換する力がその腕に宿り、熱と変換能力を持った鉛が、格納銃器を侵し焼却・融解させていく。
「知己の機械騎士曰く、その銃は無粋だそうだ。塞がせて貰うぞ!」
 片腕の格納銃器をやられた時点で失策を悟ったトリテレイア・ゼロシックス。さきほどの戦闘から鉛が体内に入り込む前に、強力な腕力でルパートを引き剥がす。だがその後に来たのはミストのブラックバードの容赦ない射撃だ。
「……上位個体、それだけで勝てるとは思わない」
 無論、ミストもそれは重々承知であった。未来予知による防御は健在であり、盾で見事にミストの射撃を防ぐ様はさすがとしか言いようがない。だが二度のグラップルで接近に意識が傾いている中で、ミストは遠距離攻撃手段にとって出る。
 能力「シュラウド・ストリーム」。射撃の中に紛れ込ませた不可視のサイキック・エナジー波を投射し、トリテレイア・ゼロシックスに叩きつける。それ自体は何の害もない念動波である。だがそれに続く異次元からのサイキック・エナジーの奔流こそ、本命の一撃である。
「……ガッ!」
 さすがに未来予知が可能なトリテレイア・ゼロシックスであっても、異次元から突如現れるエネルギーの奔流には対応できなかったらしく、機体を損傷させながら司令官室の壁に叩きつけられる。その一撃はまさしく不意の一撃であり、効果的な一打でもあったことは明白で、ミストはブラックバードの中で安堵の息を吐く。

 緊迫した中で行われる白の後継機との一戦。だがその戦闘能力は徐々に削がれつつあり、その未来予知をも掻い潜る攻撃を繰り出し猟兵達はさらに攻勢を強めていく。かの個体を追い詰める時は刻一刻と近づいていた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

オーレン・ルベライト
キミは実に矛盾している
兵として本懐を成すと言いながら、滅びを見届ける者だとも言う
本当は自分も早く終わらせて欲しいんじゃないかな?

剣の直撃とか超怖いしナルキソスには搭乗したままです!
そして僕の『存在感』と『勇気』の見せ所
この超絶美少年オーラ(装備)は無視できまい(鬱陶しくて
クソゲーで鍛えた僕のガッツ見せてやんよ!

僕の220基のエレクトロレギオン、四方から包囲するように攻撃を開始!
出来なくとも構わない、僕の務めはいつだって『時間稼ぎ』だからね
美少年である僕が注目を引いて陽動すれば、他の誰かが狙う隙が生ずるというもの

僕が狙われても頑張って避けますともクソゲーは理不尽展開ばっかりですからねぇぇーッ!?


フィロメーラ・アステール
「こいつは手強い相手みたいだな……」
【忍び足】でこっそり。
手助けが必要そうなら応援だー!

敵は変形してパワーアップするのか!
こっちもパワーアップしたらどうかな?
【生まれいずる光へ】発動!
魔法の光の粒子を【念動力】に乗せ味方にお届け!
力が強くなるとか動きが速くなるとかの戦闘力アップ!

敵は迎撃・回避・防御と、主に攻撃される事を想定してるっぽい!
攻撃しなければ返し技の大半を受けずに済むと思う!
普通の攻撃にも警戒するけど! 支援&防御専念!

この世界の機械なら魔法解析は苦手なんじゃない?
魔法での強化は計算しにくいかも!
タイミングよく【全力魔法】パワーを注ぎ込めば、きっと敵の想定を超えることだってできるさ!


メンカル・プルモーサ
……うわぁ……相性悪いなこれ…まあいいや、出来る限りやろう…
…箒に乗って機動力を確保…これがないと始まらない…
…あの形態の間は電子干渉はダメ、敵を常に捕捉する、初見殺しも対応…
…なので…箒で間合いを取りながら…【空より降りたる静謐の魔剣】により物量で攻めて…防御・回避の仕方を誘導して急接近の邪魔をしながら時間を稼ぐ……
…そして敵の情報を集めて【崩壊せし邪悪なる符号】を発動……
その護衛機形態への変形を解除して浸透破壊術式【ベルゼブブ】から電子干渉をするよ…
電子干渉への防御をUCに頼った事がそちらの敗因…センサー類と変形機構を潰させて貰う…



 白騎士のデータを組み込まれ、式典・要人護衛用ウォーマシンのエースナンバーとして調整された機体性能は誇るものである。トリテレイア・ゼロシックスは自身の性能に自信を持っていた。
「だがここまでやるか、猟兵」
 その呟きと共に自身の損傷を確認しながら、猟兵の健闘を称える。正直な感想を言えば、勝率は大きく引き下げられたと言える。そう判断するほど機体の損傷は甘くはないと、ウォーマシンならではの冷徹な判断を下す。
 さすがは白騎士ディアブロを、銀河帝国皇帝を、銀河帝国を滅ぼし尽くそうする存在。そのことにトリテレイア・ゼロシックスはウォーマシンにあるまじき感情を抱いていた。それこそは「歓喜」と呼べるものだったのかもしれない。
「キミは実に矛盾している。兵として本懐を成すと言いながら、滅びを見届ける者だとも言う。本当は自分も早く終わらせて欲しいんじゃないかな?」
 そのトリテレイア・ゼロシックスの感情の揺らぎを突くようにオーレン・ルベライトは言い放つ。そしてそれは的確にかの機体の挑発になる言葉であった。その赤い瞳が睨みつけるようにオーレンを捉える。
 だがそれでもオーレンは怯むことなく超絶美少年オーラを放ち続ける。無視できないほどの鬱陶しさも兼ねながらだが、オーレンは存在感を見せつけながら勇気を振り絞る。ただし剣の直撃を極度に恐れているので、騎士鎧型戦闘機「ナルキソス」に搭乗したままであるが。
「クソゲーで鍛えた僕のガッツ見せてやんよ!」
 その咆哮と共に、トリテレイア・ゼロシックスが自ら突っ込んでくる。帝国の盾モードで迎撃準備を整えながら、オーレンを排除するためだ。その容赦ない攻勢にビビりながらも、オーレンは220基のエレクトロレギオンを四方に展開しながら攻撃を開始する。
 そして自身は徹底的に攻撃の回避に専念する。攻撃をただ避けるだけならトリテレイア・ゼロシックスに捉えられるだろうが、エレクトロレギオンの攻撃を凌ぎながらの状態ならば何とかできる。そう、彼の役割は『時間稼ぎ』であるのだから。
 眩いばかりの美少年オーラも、挑発も、注目を引いて陽動すれば、他の誰かが狙う隙が生ずるというもの。ただそれだけのために危険領域に踏みとどまるオーレン。
「僕が狙われても頑張って避けますともクソゲーは理不尽展開ばっかりですからねぇぇーッ!?」
 次々と剣撃と格納銃器でエレクトロレギオンが撃ち落とされつつも、攻撃を避け続けるオーレン。それを見ながらメンカル・プルモーサは戦況を見続けていた。
「……うわぁ……相性悪いなこれ…まあいいや、出来る限りやろう……」
 そういって箒の飛び乗って機動力を確保し、戦況を分析し続ける。メンカルの得意とする分野を潰すかの如き「帝国の盾」モード。電子干渉を遮断し、敵を補足し続け、初見殺しも対応する。
 まさしくメンカルの不得手の塊である性能。だからこそ、情報を稼ぐためにオーレンを支援するために、魔法で魔剣を精製しながら放射してトリテレイア・ゼロシックスの回避運動を誘発し、情報収集の時間を稼ぐ。それはつまり隙を突く為の戦いである。
「こいつは手強い相手みたいだな……」
 オーレンとメンカルが激闘を繰り広げる中、こっそりと司令官室に忍び込んだのは綺羅星の如く輝く妖精フィロメーラ・アステール(SSR妖精:流れ星フィロ・f07828)だった。そして彼女がここに来た理由は攻撃ではない。
「手助けが必要そうなら応援だー!」
 そして発動するは「生まれいずる光へ(アースライトテイル)」。光の粒子と共に応援を届けるフィロメーラ。敵がパワーアップするのならば、こちらもパワーアップすればいいじゃないといった理論。
 その光と共にオーレンの動きは洗練されていき、メンカルの魔法攻撃力や精度も上がっていく。フィロメーラは支援に徹し、トリテレイア・ゼロシックスには手を出さない。攻撃は警戒するが、あの二人が相手ならばこちらに来ることはないと安心感はある。
「魔法の力は世界を救う、ってな!」
 そういってフィロメーラは何となく魔法による強化を行っているが、これが実はトリテレイア・ゼロシックスにとっては正解であった。魔法という不可思議はこの世界にとっては解析が咄嗟には難しい。故にその強化は、演算による予測にも微妙な揺らぎとして影響が出てくる。
 そんなことができればと思ってフィロメーラは全力で光の粒子を送り届ける。そしてそれはメンカルの術式発動の隙を生むことになる。溢れ出す魔力から「崩壊せし邪悪なる符号(ユーベルコード・ディスインテグレイト)」が発動される。
「邪なる力よ、解れ、壊れよ。汝は雲散、汝は霧消。魔女が望むは乱れ散じて潰えし理」
 詠唱と共に発現するは、時を逆巻くようなユーベルコードの解除であった。トリテレイア・ゼロシックスの護衛機形態への変形を解除され、すかさずメンカルは浸透破壊術式【ベルゼブブ】から電子干渉を行う。
「ガッ……馬鹿な……!」
「電子干渉への防御を機構に頼った事がそちらの敗因…センサー類と変形機構を潰させて貰う…」
 そう言ってセンサーと変形機構に一時的なセーフティロックを掛けて、魔剣の一斉放射を行うメンカル。さらにオーレンも残ったエレクトロレギオンを使って包囲射撃を行う。盾によってある程度は防げるものの、四方八方からの強烈な射撃によって機体を削り取られ、損傷を深めていくトリテレイア・ゼロシックス。
「ぐっ……さすがだ、猟兵」
「うわっと!」
 そう言って二人の強化の要であるフィロメーラの射撃を行うトリテレイア・ゼロシックス。咄嗟に回避することに成功するが、生まれいずる光の強化効果が切れたことにより、攻撃精度が落ちる。その隙にトリテレイア・ゼロシックスは見事に死地を脱したのだった。

 メンカルはその手腕にさすがと唸りながらも、その確かなる観察眼は敵の被害を的確に捉えていた。相当な打撃を与えた上に、性能も初期の頃により落ちてきている、と。
 つまりは決着の時は近いと確信しつつも、囮の回避を果たして限界ギリギリのオーレンを守りつつ、再び距離を取る。もはや決着は間近であることは疑いようもない。ならば、彼に任せるとしようとメンカルは思うのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

テラ・ウィンディア
強者に挑むのは誉だよ
だから…挑ませてもらう

おれは竜騎士テラ・ウィンディア
その剣に挑もう

【属性攻撃】
炎を全身と剣太刀に付与

【戦闘知識】でその戦い方と流派
動きの癖やパターンの解析

【早業】で剣と太刀による猛攻

【見切り・第六感・残像・空中戦】で多角的に飛び回りながら斬りあい

トリテレイアの斬撃も
己の斬撃も
シルや他の猟兵の斬撃も頭に叩き込み

…お前は滅びを見届けるか
…辛いな
二度滅びを見届けるということか

ならば……

攻防を繰り返しながら

最も激しい斬撃の軌跡が残った場所へと誘い

…お前が過去の存在であるならば
過去を見届けるものであるならば

…過去の刃を以てお前を送ろう

消えざる過去の痛み発動
(斬斬斬斬斬!

知ってるよな?


幻武・極
へえ、キミがここのリーダーか。
ほんと、白騎士を思い出してしまうよね。
さて、キミの未来予測に勝負させてもらうよ。隙のない守りの体勢だね。
なら、その守りを貫く強打を打ち込むしかないね。

羅刹旋風で威力を高めた一撃を鎧砕きの要領で盾を砕き貫き通すつもりで打ち込むよ。
攻撃が躱されたら、そのまま武器をすっぽ抜けさせ零距離射撃で2撃目を放つよ。念動力で軌道修正をかけて当てるよ。
キミの未来予測でこの2撃目までは予測できたかな?


トリテレイア・ゼロナイン
(帝国が『過去』となる前、白騎士の電脳の一部を模倣できた技術者により帝国の強制で我々が開発された。技術者が命じた『防衛対象の己の殺害』の矛盾命令を実行、自我崩壊後に調査用に凍結された個体が居たと述懐され)

それが私だと
創造主の意に反し生まれ、主殺しの私達は何処までも『紛い物の騎士』だと…

(かもしれん、な。我は帝国の為に剣盾を執る
貴様は?蘇りし狂気の9番)

…!

同一機種の数秒の未来予測合戦
無限の選択肢から最適解を選ぶ攻防の中

不合理
狂気
ありえない行動を選択
予測修正の刹那の虚を突き半ば相打ちで胴を貫き

私は、この胸中の御伽噺に
届かぬ理想…『めでたしめでたし』に

合理と不合理の狭間
私は歩みます
6番、貴方の分も



 トリテレイア・ゼロシックスは多くの滅びを見続けてきた。銀河帝国の一大決戦の時も、かつての銀河帝国が滅ぶ時も、その滅亡をその瞳に焼き付けてきた。
 だからこそわかる。滅びの足音が自らに近づいていることが。その瞬間が訪れようとしていることに、銀河帝国ウォーマシンでも随一の頭脳が察する。
 帝国の剣として、帝国の盾として、その使命に殉ずる時が来たと本能が感じ、多くの敵を道連れにせよと叫ぶ。だがある一面は、この滅びに喜びを見出す。もはやトリテレイア・ゼロシックスにとってその二面性は日常茶飯事であり、両方を受け入れる。
「この抵抗も、この歓喜も、我である」
 欠陥であろうとも歩みを止めることのないトリテレイア・ゼロシックス。その前に滅びを届けるべく、テラ・ウィンディアと幻武・極が降り立つ。
「強者に挑むのは誉だよ。だから…挑ませてもらう」
「へえ、キミがここのリーダーか。ほんと、白騎士を思い出してしまうよね」
 テラはそう言いながら闘志を燃やし、剣と太刀、さらに全身を炎に包んでいく。そして極は腕を振り回しながら、今は亡き白騎士のことを思い出し、烈気を放つトリテレイア・ゼロシックスを見据える。
「おれは竜騎士テラ・ウィンディア。その剣に挑もう」
「さて、キミの未来予測に勝負させてもらうよ」
「よかろう。我が剣と盾が、全力で応えよう」
 そして三人にそれ以上の言葉は不要であった。魔法拳の打撃と打撃故の俊敏な動きをもって攻める極、無数の剣と太刀による猛攻と空中機動を混ぜ合わせた多角的に跳び回って攻撃を繰り出すテラ。それを未来予測演算をし、帝国の盾として鉄壁の防御を誇りながらも、合間で剣で撃墜しようと試みるトリテレイア・ゼロシックス。
 複雑に攻防を繰り返す3人。その均衡を破ったのは極だった。
「隙のない守りの体勢だね。なら、その守りを貫く強打を打ち込むしかないね」
 そして手に持ったルーンソードを振り回し、能力「羅刹旋風」を発動する。そして高めた攻撃力と共に盾を破壊するべく剣を叩きつける。だが未来予知によりその攻撃は容易く感知することができたトリテレイア・ゼロシックスは盾を受けるのではなく、受け流すために使い、極のルーンソードを滑らせ反撃の剣を突き立てる。
 だが極はその手に持ったルーンソードを投げ捨て、身体を一回転させる。そして剣を回転する身体で回避し、そのまま拳を盾へと撃ち込む。それもまた螺旋旋風により強化された拳であり、数多の攻撃を受け続けた白の盾はついに破壊される。
「キミの未来予測でこの2撃目までは予測できたかな?」
 不敵に笑い白き騎士を見据える極。そしてその反対からはテラが迫る。受け続けた盾はすでにないのならば、トリテレイア・ゼロシックスは剣にてテラを迎え撃つ。
「…お前は滅びを見届けるか…辛いな。二度滅びを見届けるということか。ならば……」
 テラはトリテレイア・ゼロシックスを見ていた。己の斬撃も。そして極が放った攻撃も。そしてテラとトリテレイア・ゼロシックスが交わるところこそ、最も剣戟が激しかった場所。
「…お前が過去の存在であるならば、過去を見届けるものであるならば…過去の刃を以てお前を送ろう」
 そして発動する「悔恨『消えざる過去の痛み』(キエザルカコノヤイバ)」。空間に刻まれた斬撃が、トリテレイア・ゼロシックスの機体を微塵に斬り裂いていく。
「これは……黒騎士様の……」
「知ってるよな?」
 まさしく黒騎士アンヘルの過去の刃の再演。未来予測演算をもってしても読めなかった斬撃。機体の装甲は刻まれ、片腕が吹き飛ばされる。だがそれでもその瞳は赤く光り、その身体が地に着くことがなかった。
 だが極もテラも知っていた。かの者に引導を渡すべき相手がいるのを。その機体、トリテレイア・ゼロナインはトリテレイア・ゼロシックスの前に立っていた。

 すでに装甲がボロボロのトリテレイア・ゼロシックスに対し、トリテレシアは無傷である。だがその白き機体は全くの同種であった。
「……帝国が『過去』となる前、白騎士様の電脳の一部を模倣できた技術者により帝国の強制で我々が開発された。だがその技術者が命じた『防衛対象の己の殺害』の矛盾命令を実行、自我崩壊後に調査用に凍結された個体が居たな」
「それが私だと?」
 トリテレイア・ゼロシックスの語りにトリテレシアは反芻する。つまりはトリテレシアも目の前のゼロシックスもまた、創造主の意に反し生まれ、主殺しの機体群であると言うのだ。
 ならば、私達は何処までも『紛い物の騎士』だと。トリテレシアは自身の意味を問い続けている。そして騎士としてあろうと。それを否定する出自に疑問が湧き出てくる。
「……かもしれん、な。我は帝国の為に剣盾を執る。だが貴様は? 蘇りし狂気の9番よ」
「……!」
 敢えて狂気を口にしたトリテレイア・ゼロシックスが未来予測演算を開始する。そしてトリテレシアもまた「紛い物の白騎士(ホワイトライト・トゥルーライト・イミテイト)」を発動して、未来予測演算を開始する。
 同一機種の数秒の未来予測合戦。まさしく千日手と思われる無限の選択肢から最適解を選ぶ攻防。その中、トリテレシアは狂気と呼ばれたワードが脳内を駆け巡る。そして不合理にして、狂気。選択肢からありえない行動を選ぶ。
 トリテレイア・ゼロシックスの虚をつく相打ちにも似た突撃。その予測修正を隙を突き、トリテレシアの剣は胴を貫く。それこそ滅びを与える一撃だった。
「私は、この胸中の御伽噺に。届かぬ理想…『めでたしめでたし』に」
 その御伽噺こそ、トリテレシアの中の道標。合理と不合理の狭間を進み、道を作る意志。それを手向けとして貫いた剣を振りぬく。トリテレイア・ゼロシックスの頭を切り裂く一撃となり、ついに白き騎士は終わる。
「……ならば進め、9番。我が代わりとなり、滅びを……」
「私は歩みます。6番、貴方の分も」
 そしてトリテレシア・ゼロシックスはついに倒れる。その瞳は二度と光を灯すことはなく、滅びを見ることはないだろう。だがその遺志は、騎士の誓いを果たしたトリテレシア・ゼロナインが継いでいくことだろう。


 こうして主なきウォーマシン達は滅び、白き騎士の意志を継ぐ機体もまた滅んだ。銀河帝国輸送艦「アルヒェ」もまた役割を終えて、猟兵が脱出した後に自動爆破され、宇宙の藻屑と化した。
 トリテレイアはそれを眺め、銀河帝国の終焉を看取り続けるであろう。それが亡き兄弟ともいえる、6番の魂を継ぐと信じて。己の存在意義をこれからも証明し続けるために戦い続けるだろう。
 そしてそれを支えてくれる頼もしき仲間もいる。力強き猟兵達の帰還を、スペースシップワールドの人々は待っている。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年05月05日
宿敵 『トリテレイア・ゼロシックス』 を撃破!


挿絵イラスト