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チョコ泥棒の黒い策略

#スペースシップワールド

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#スペースシップワールド


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●深夜の犯行
 夜半過ぎ。
 コソコソとスペースシップの食糧倉庫に近づく集団の影があった。
「くくく。あれが食糧庫か。良いな、目当てのチョコレートはすべて奪うのだ!」
「サー、イエッサー!」
「しかし、そんなに大量のチョコを手に入れて一体どうするんでしょうかね?」
 気合の入る指揮官風の女性に対して、近くにいた部下が疑問を口にする。
「ふっ。スペースシップでも、二月のバレンタインに向けてチョコレートのキャンペーンが打ち出されるであろう」
「なるほど」
「民草が楽しみにしている行事に、肝心のチョコレートが無くなっていると分かればどうだ?」
 指揮官風の女性が部下たちを見回した。
「がっかりするでしょうね」
「そういう事だ。スペースシップの住民の落胆を誘い、その隙にこのシップを乗っ取るのだ」
「えげつない作戦だ」
「さすが指揮官殿」
 部下たちが尊敬のまなざしを指揮官へ向ける。
「決して、私が、渡す相手がいないからではないからな!!」
「……悲しい現実か」
「さすが……指揮官殿……」
 そして、ひそひそと囁き合うのであった。

●チョコ泥棒の黒い策略
「スペースシップワールドで許せない事件が起きるんだよ」
 ルビナ・ベイビーブルー(スペースノイドの電脳魔術士・f01646)が猟兵たちに語り始めた。
「あるスペースシップの食糧保管庫が狙われるの。目的は、大量に保管してあるチョコレートだよ!」
 どうやら、バレンタインに向けて保管してあるチョコレートが根こそぎ奪われるという事らしい。
 スペースシップでも、バレンタインに向けて様々な商品が出回り、キャンペーンが打ち出されるという。特に今回事件の起こるスペースシップは、毎年多くのチョコレートを生産して、住民が楽しめるよう大々的にバレンタインのイベントを開催している。
「チョコレートが無くなったら、バレンタインが危ないよね。何より、楽しみにしている皆さんがつらすぎるよね!!」
 盗まれるチョコレートは、スペースシップのバレンタイン用に用意されたチョコレートとのことで、かなりの量になる。それほど大規模なチョコレートの盗難となれば、おそらくただの泥棒の仕業ではないだろう。
「そこで、猟兵のみんなには、まずチョコレート泥棒を捕まえてもらって、どういうつもりか聞き出してほしんだよ」
 盗みが行われるのは、深夜だ。
 気づかれぬよう見張るか、罠を仕掛けるか、方法は任せるとのこと。仲間が捕まえた犯人から、事情を聞き出す係も欲しいところではある。
「犯人から事情を聞き出せば黒幕の正体も分かると思うんだ。でも! まずは食糧庫に忍び込む犯人の確保だよね」
 そう言ってルビナは猟兵たちに頭を下げた。
「みんな! スペースシップのチョコレートを守って! どうせなら、楽しい気持ちでバレンタインを迎えたいよね!」
 ルビナが転送できるのは、盗みが行われる少し前。
 食糧庫は居住区画から離れており、一般人の出入りは無いようだ。
 スペースシップのチョコレートを守るため、猟兵たちは現場へと向かうのであった。


陵かなめ
 こんにちは、よろしくお願いします。チョコレートを奪うなんて許せないですね。無事事件を解決して、楽しいバレンタインを迎えましょう。バレンタインいいなあ。
 1章冒険パートは食糧倉庫に盗みに来る犯人の対処です。集団でやってくるようなので、そのうちの何人かを捕まえて話を聞き出すことができれば良いかと思います。
 あまり派手に動きすぎてしまうと犯人が寄り付かなくなる可能性もありますので、お気を付けください。
 2章は捕らえた犯人を救助に来る敵兵部隊や異変を察知した敵兵などとの集団戦。3章は今回の事件の黒幕との対決などが予想されます。

 それでは、プレイングをお待ちしております。
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第1章 冒険 『食料倉庫の疑惑を解明せよ』

POW   :    食料倉庫の見張りに立ち犯人を捕まえる。

SPD   :    罠を仕掛けて犯人を捕まえる。

WIZ   :    仲間が捕まえた犯人から情報を引き出す。

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🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ルビーノ・マーレ
むっ.....甘い物を奪う奴らは許せない...。この老師が成敗っ...!謝礼はチョコレートで....。
...でも、僕一人じゃ無理。だから、他の人のサポートに回る。僕のユーベルコードを使って犯人を捕まえようとしている人を見えなくする。これで捕まえられる可能性は上がる...?
甘い物のために一肌脱ぐ。頑張る。


パティ・チャン
これが、初依頼!張り切って頑張りましょう!!

それじゃ、私は見晴らせていただきますね
(フェアリー族故、目線が低くなるので、人間族の目線位の高度で哨戒。他の見張りの方と共闘が可能なら連携)

犯人が来たら【サイコキネシス】で捕まえて、あとは仲間に犯人を倒していただきましょう!
(もし可能なら、余所の場所にいる仲間に連絡をします)


仲佐・衣吹
珠玉のチョコレートが踊るこの時期!
味はもちろん見た目も包装も凝ってて素敵!
見てるだけでも楽しいものよね♪
というわけでアタシことネイルお姉さん
邪魔する犯人逮捕、張り切っちゃうわよ!

食糧庫へ続く通路へ潜み
犯人が通りかかれば声を掛けて一本道へ向かうよう追いかけるわ
他の道は箱を積み上げたりして通れなくしちゃってからね
追い込んだところに

オルタナティブ・ダブルで分身していた僕ことベストが
部屋から飛び出し挟み撃ちって寸法さ
まさか盗んだチョコレート、全部捨てるわけじゃないんだろ?
一体誰が食べるんだろうね?
虫歯だらけにされたくなかったら、ここで白状しちゃうことだよ



●忍び寄る犯人たち
 珠玉のチョコレートが踊るこの時期であると、仲佐・衣吹(多重人格者のマジックナイト・f02831)の人格のネイルは言う。
「味はもちろん見た目も包装も凝ってて素敵! 見てるだけでも楽しいものよね♪」
 そのチョコレートを奪いに来る者たちがいるというのだ。
 ルビーノ・マーレ(宝石の女王・f11400)もこれには黙っていられないと思う。
「……甘い物を奪う奴らは許せない……。この老師が成敗っ……!」
 なお、謝礼はチョコレートだととてもうれしい。
「アタシも邪魔する犯人逮捕、張り切っちゃうわよ!」
 ネイルは、そう言ってぎゅっとこぶしを握り締めた。
 その隣では、パティ・チャン(フェアリーのフォースナイト・f12424)も気合十分な表情で手を上げる。ネイルとルビーノは二人の目線に合わせるように倉庫前の機材に立つパティを見て頷いた。パティは今回が初めての仕事と言うことで、張り切っているようだ。
「それじゃ、私は見晴らせていただきますね」
 そう言って、人間の目線ほどの位置を確認する。
 ネイルは食糧庫へ続く通路を見つけ、そこに身を隠すことにした。周辺を確認し、敵を誘い込めそうな道を整えておく。
 ルビーノはいざと言う時に仲間の姿を隠せるよう準備していた。
 そして、夜は更けていく。
 ひたひたと、食糧庫付近に足音が聞こえてきた。周辺を見張っていたパティがやや緊張した面持ちで音のするほうを向く。目を凝らしてみると、何やら動物のような影が見えた。
 ひたひた、慎重にこちらへと近づいてくる。
「それじゃあ、僕が君の姿を透明にする」
 ルビーノはクリスタライズを発動させ、パティの姿を透明にした。
「……ただし、音や体温は隠せない。注意して」
「はい。ルビーノ様、ありがとうございます。近づいて、やってみましょう」
 透明になった自分の姿に驚きながらも、パティは食糧庫へ忍び寄る影へ静かに近づいて行った。
 ひたり。
 足音が止む。
 どうやら、食糧庫に忍び込もうとしているのは、一人ではないようだ。十分に自分の間合いだと確信し、パティがサイコキネシスを使った。
 見えないサイキックエナジーが一体の侵入犯に命中し、よろめくのが見える。
「攻撃か!」
「俺に構うな! 走れ走れ」
 よろめいた侵入犯が言うと、残りの数体が食糧庫に向かって走り出した。
「一人捕まえるので精いっぱいなの……って、これは……?」
 パティは捕まえた敵の姿を見て、驚いた声を上げる。
「一人で十分。あとは仲間がじっくり話を聞き出してくれる」
 ルビーノも暴れる犯人を抑え込み、二人は犯人のうちの一人を捕まえた。うまく捕まえることができて、ほっとする。食糧庫に走っていった犯人は、仲間が何とかしてくれるはずだ。仲間をうまくサポートできて良かったと思う。ルビーノは甘いチョコレートがたくさん備蓄してある食糧庫を眺めた。
 一方、別のルートから侵入してきた敵を見つけたネイルも行動を開始した。
 オルタナティブ・ダブルで分身した衣吹のもう一つの人格ベストは、追い込む予定の場所ですでに待機している。
 ひたひたと足音が近づいてきた。
「ねえ、あなたたち? これから何をしようって言うの?」
 追い込むための道順を確認しながら、ネイルは近づいてきたものに声をかける。
「な……!」
 ひた、と、足音が止まり、それらは驚いた表情でネイルを見上げた。
「あら、ペンギンなのね」
 ネイルがくすりと笑う。ペンギンたちははっと思い出したように走り出した。
「くそ! 作戦がばれたのか!」
「否定! それは推測にすぎないぞ」
「とにかく散れ散れ!」
 ペンギンたちは散り散りに逃げていく。一本道に誘い込むつもりだったが、さすがに3体同時に追いかけるのは無理だった。ネイルは狙っていた道へ逃げたペンギンを追いかける。
 ペンギンは一目散に逃げていった。
 しかし、そこはベストが待ち構えている場所の真正面だ。物音を聞いて飛び出してきたベストがあっという間にペンギンの胴体を掴んだ。
「放せ! 俺を舐めるなよ!!」
 ペンギンが暴れる。
「まさか盗んだチョコレート、全部捨てるわけじゃないんだろ?」
「ふん!」
「虫歯だらけにされたくなかったら、ここで白状しちゃうことだよ」
 ともあれ、ネイルとベストは捕まえた一体のペンギンを抱え、仲間の元へと急いだ。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

才堂・紅葉
チョコレートかぁ。
バレンタインに思い入れはあまり無いがお仕事となれば話は別だ。
きちんと情報収集して、仕上げてしまおう。
取り敢えず罠が一番かな。
他の猟兵とも礼儀正しく相談して、鳴子のトラップを仕掛ける。
音が鳴れば良いや位のシンプルな仕掛けね。
後はシーヴズギャンビットで突っ込んでナイフの柄で当て身。気絶を狙う。不足なら絞め技も加えるわね
確保して情報書き出しましょ!

空いた時間があれば他の猟兵とバレンタイン話も良いわね。自分は興味ないけど、他人の話なら面白いもの


タマ・ハンクス
WIZ:犯人から情報を引き出す。
「 ボク、こう見えて尋問とか拷問とか得意なんだ。 ふっ、ネコは、残酷だよ…」
その1 手を握り、肉球でふにふにしつつ、上目遣いに小首をかしげてお願い【手を握る】 「ねえ、お話教えて」
その2 目の前で、美味しそうにカニカマを見せびらかして食べる 「ほら、いいでしょ、こんなに美味しいよ。食べたいのなら、わかるよね?」「 くっ、なんて心が強いの、カニカマに心を揺らさないなんて…。仕方ない最終手段だよ。
その3 足の裏を猫じゃらしの先でくすぐる、くすぐる、くすぐる!

「ごめんね、やりすぎちゃったかな。 でももし、ボクなら、貴女からチョコレートをもらったらうれしいけどね」


メイスン・ドットハック
【SPD】
なるほど、チョコ泥棒とはのー
娯楽を奪うとは許せん奴等じゃけー、懲らしめが必要じゃのー

まずは簡単なトラップを仕掛けておく(罠使い)
これはかかったら単純、というくらいの性能の罠
これでかかってくれればよし、という気持ちで

そして本命はユーベルコード「木を隠すなら森の中」で擬態したチョコレート
犯人がそれを取った瞬間、蜘蛛の糸のような粘着性のあるネットを放出
動きを封じて犯人を捕縛する作戦を取る

これで逃げた連中は仲間に任せる。急いで逃げる道にうっかり引っかかる虎ばさみの罠も忘れずに設置しておく(罠使い、おびき寄せ)



●罠と情報収集と
「チョコレートかぁ」
「なるほど、チョコ泥棒とはのー」
 すでに罠を仕掛け終わった才堂・紅葉(お嬢・f08859)とメイスン・ドットハック(引きこもり志望ハッカー・f03092)は、犯人を待つ間食糧庫内で静かに時間をつぶしていた。
「娯楽を奪うとは許せん奴等じゃけー、懲らしめが必要じゃのー」
 とメイスン。
 紅葉はと言うと、バレンタインには思い入れはあまりない。しかし仕事となれば話は別だ。
「きちんと情報収集して、仕上げてしまおう」

 犯人から情報を引き出す役目はタマ・ハンクス(アルダワの銀虎・f04771)が買って出た。
「ボク、こう見えて拷問とか得意なんだ。ふっ、ネコは、残酷だよ……」
 と、愛くるしい容姿でトンと自分の胸を叩く。

 そろそろ犯行時刻だ。
 三人はいっそう息をひそめ犯人の到着を待つ。
 その時、食糧庫の入り口付近でガラガラと紅葉の仕掛けた鳴子のトラップが鳴った。それも足元に注意していなかったような派手な鳴り方だ。窃盗犯ならもっと慎重に侵入してくると思っていたのだが、かなり急いで飛び込んできたようだ。もしかしたら、外にいる他の仲間が動いたのかもしれない。
「トラップか! ここまで手が回っているだと?」
「急げ急げ! とにかくターゲットを確保だ!」
 鳴子をガラガラ鳴らしながら、慌ただしく犯人が動き回る。
「くそ! このトラップひもが絡んで……っと、うわ?!」
 そのうちの一人が、今度は小さい悲鳴を上げた。どうやらメイスンの仕掛けた罠にかかったようだ。
「あの単純な罠にかかったようじゃ。かなり慌てているようじゃのー」
 ひそひそとメイスンが言う。
「俺に構わず先に行け!」
 簡単な罠に引っかかった犯人が叫んだ。
「了解。ターゲット確保に急ぐ!」
 ようやく鳴子のトラップから抜け出した犯人が走り出そうと前を向いた。
 ところが、その瞬間、紅葉が犯人の懐に飛び込んでナイフの柄で当て身をくらわせる。
「捕まるわけには!」
「それにしても、騒がしいペンギンですね」
 それでもバタバタと動き回る犯人を締め上げ、確実に取り押さえた。

「くくく。所詮奴らは陽動部隊」
「予定は狂ったが、ターゲットを確保すれば問題なかろう」
 さて、食糧庫の裏側では、ネイルから逃れてきたペンギンたちがチョコレートを狙って侵入を始めていた。正面から侵入したペンギンたちが捕らえられている隙に、チョコレートを強奪してしまおうというのであろうか。
「これが、チョコレートか」
「大量だが……俺たちだけで運ぶしかないな」
 二人は、大量に積まれたチョコレートの在庫に手をかけた。
 その瞬間。
「な?! あ?!」
 箱の一つから粘着性のあるネットが放出される。
「罠か!」
 ペンギンはバタバタと手足を動かしたが、動けば動くほどネットが体に絡まる。
「今助ける!」
 かろうじてネットを避けたペンギンが近づいた。
「馬鹿者! すぐに逃げて指揮官殿に報告だ!」
「ら、ラジャー」
 そう言って、ペンギンが一匹、チョコレートも取らずに逃げていく。
 ペンギンが引っ掛かったのは、メイスンの『木を隠すなら森の中』で作られ、チョコレートに擬態したトラップだった。
「こっちのトラップにも、一匹かかっておるようじゃのー」
 トラップの発動を感じ、様子を見に来たメイスンが、ネットに絡まって動けなくなっているペンギンを発見する。

 さて。
 仲間と合流し、捕らえたペンギンから情報を引き出そうとタマがペンギンたちの前に立った。
 捕らわれた五匹のペンギンたちは、いずれも縄で縛られ動きを封じられている。
 残酷な拷問の方法とは……? 猟兵たちはタマの拷問の行方を固唾をのんで見守った。
 タマは一体のペンギンの手をそっと取る。それから柔らかく握りしめて、自身の肉球でぷにぷにと刺激を与えてこう言う。
「ねえ、お話教えて」
 もちろん、上目遣いも忘れず、小首を傾げてお願いしたのだ。愛くるしい容貌と合わせて、実に圧倒的な可愛さである。
 しかしペンギンは冷めた目でタマを見た。
「俺たちは訓練を重ねたレンジャーだ。そんなこけおどしが通じるとでも?」
「あ、レンジャーなんだね」
「!!」
 タマは次にカニカマを取り出して見せびらかすように少しずつ食べ始めた。
「ほら、いいでしょ、こんなに美味しいよ。食べたいのなら、わかるよね?」
「ほう。磯の香りのする食べ物か」
「待て! これは罠だ。何も言うことはないな!」
 葛藤するペンギンたち。しかし、それでも重要な情報は聞き出せなかった。
 タマは大好物のカニカマの魅力が十分に伝わらなかったことに少なからず動揺を覚える。なんて心の強いレンジャーたちなんだろう。こんな美味しいカニカマを見て心を動かさないなんて……!
 こうなれば仕方がない。
 タマはなりふり構わず、取り出した猫じゃらしでペンギンたちをくすぐり始めた。
「ひゃ?! ぎゃはは! ひっ、や、め、て!」
「くくく、くすぐったい!! こら! やめ! やめて」
「「「わかった! 話す! 話します!!」」」
 執拗なくすぐり攻撃に、ついにペンギンたちが口を割った。
 自分たちが銀河帝国のサイコフォースペンギン特殊部隊であることや、他に指揮官と呼ばれる女性がいることなど、事件についての情報が猟兵たちに渡った。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『アイスバーグレンジャー』

POW   :    フォーメーション『霜』
【冷凍ビーム】が命中した対象を爆破し、更に互いを【氷の鎖】で繋ぐ。
SPD   :    フォーメーション『霰』
【隊長ペンギンの特攻体当たり】が命中した対象に対し、高威力高命中の【隊員ペンギン達の連続体当たり】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
WIZ   :    フォーメーション『雹』
【隊員全員のパワーを合わせて巨大氷山】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
👑11
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●集団戦の予感
 捕らえられたペンギンたちは、ふてくされながらもいくつかの重要な情報を提供してくれた。
 まず、ペンギン部隊――銀河帝国のサイコフォースペンギン特殊部隊隊員は他にもたくさんいること。運び出したチョコレートの廃棄や運搬のため、後方で待機しているとのことだ。
 また、彼らの指揮を執るのは銀河帝国の近衛騎士だ。そして、この近衛騎士こそ今回の作戦の首謀者だという。
「ふっ。俺たちが捕まったことは、本隊に知れているころだ」
「俺たち救出のため、そしてチョコレートを奪うため、指揮官殿は必ず部隊を動かす」
 ペンギンたちは言う。
 間もなく帝国のペンギン部隊が、この食糧倉庫へ押し寄せてくるだろうと。
 何より、作戦を知ってしまった猟兵たちを生かしておくわけがないだろうと。
 顔を見合わせる猟兵たちだったが、ほどなくしてそれが嘘ではないと知る。

 多数のペンギンたちが、食糧庫に向かって攻めてきたのだ。
 もはや、深夜の盗みのような隠密行動ではない。隊列をなし、戦闘の士気を高めているようだ。
 ここで猟兵たちが負けてしまえば、必ずこのスペースシップに被害が出るだろう。そして、敵の指揮官を始末しなければ、またチョコレートを狙ってくるかもしれない。
 見たところ、ペンギン部隊の一番奥に指揮官の姿がある。
 まずはあの多数のペンギン部隊を蹴散らすことだ。猟兵たちは現状を理解して、武器を手に取った。
メイスン・ドットハック
【WIZ】
なるほどのー、集団でかかってくるか
それならば、それなりの対応をさせて貰おうかのー

敵が来る進路にブービートラップを設置(罠使い、破壊工作)
前回、簡単な罠でもかかった連中なので、精度は並で、数を揃える
爆裂して破片が飛び散るワイヤートラップ、爆破地雷など種別は多彩

敵が痺れを切らしてフォーメーション『雹』を撃ってくるのを狙って、こちらも被弾覚悟で喰らって、ユーベルコードでラーニング

敵の集団にフォーメーション『雹』をぶち込んで一網打尽を試みる


パティ・チャン
私もある意味超能力(サイコキネシス)使いですが、敵もですか…

私が一ひねりされたら、お終いですし、今回も正体隠して【サイコキネシス】で倒しましょう。

発動位置は、倉庫扉から20m前くらいで
(目的の場所が見えたときが、一番油断しそう。)

本体の私は、物陰に隠れておいてタイミングは仲間に合わせる格好になりますが…
(というわけで、他の方にくっついって行く格好になります。)
もし可能なら、仲間よりも頭一つ高い位置取りして、より遠方を索敵できれば良いのですが。

本当は人質返還して、お引き取り願いたい所でしたが、どうもダメ、みたいですね。



●倉庫前、第一波
 ペンギン部隊が食糧倉庫間近に迫っている。
 メイスンは敵の進軍してくる道にブービートラップを設置し始めていた。
「なるほどのー、集団でかかってくるか」
 それならば、それなりの対応をさせてもらうまでのことだ。最初に食糧庫に忍び込んできたペンギンたちの捕獲経験を活かし、精度は並みでも数をそろえた。
 罠の設置作業をしているメイスンの元にパティがやってくる。
「メイスンさん、ご一緒していいでしょうか?」
「もちろん、歓迎じゃ」
 メイスンは手を止めて26センチ少々のパティを見た。パティとしては、自分が一ひねりされては元も子もないので、今回も物陰から敵を攻撃したいのだ。ただ物陰からだと攻撃のタイミングが掴めないので、メイスンの攻撃開始に合わせたいとのこと。
「本当は人質をお返ししてお引き取り願いたいところでしたが、どうもダメみたいですね」
 パティが言うと、メイスンは進軍してくるペンギンたちを眺めて頷いた。
「そうじゃのう。やる気満々みたいじゃ」
 そうして、二人はペンギンたちが最初の罠にかかるのを待った。
 第一陣が食糧庫の目の前の通路から突撃してきたのはその直後だった。
「そろったか! 全体、突撃ー!」
 号令がかかり、構えたペンギンたちが一斉に倉庫の扉へ突撃を仕掛ける。
 と、同時にメイスンのトラップが発動した。
 ペンギンの足元で爆裂し破片が飛び散る。ワイヤートラップに引っかかったものがいるようだ。続けて地雷が爆発し、ペンギンたちが吹き飛んだ。
「罠だ!!」
「注意ー!! 注意―!!」
 混乱するペンギンたち。
「我々は攻撃を受けている! どこからだ!!」
「分かりません!」
「ぐぬぬ。分からぬなら……全方位に攻撃を返せー!!」
 と、勝手に罠にかかりながらも、ペンギンたちがフォーメーションを組んだ。
「フォーメーション『雹』!! 氷山の力を示せ―!!」
 号令と共に、周辺にかなり大粒の氷の塊が乱舞する。
 それを見ていたメイスンが、敵の大技をしっかりとラーニングした。氷の礫を受けながら、それでも敵の前へ躍り出る。
「出たな!! この罠は、お前の仕業か!!」
 ペンギンたちはいきり立った。
 しかし、メイスンは落ち着いて氷山を召喚する。
「それじゃその能力、ちょっと借りていくのー」
 言うと同時に、氷の礫でフォーメーションを組んでいたペンギンたちを攻撃した。
「僕に続くのじゃ、パティ!」
「メイスンさん、ありがとうございます」
 続けて、物陰からパティがサイコキネシスを発動させた。
 メイスンばかりに注目していたペンギンたちは、見えないサイキックエナジーの攻撃をまともにくらい、吹き飛んでいく。
「くそ! まだ敵がいるぞ!」
「どこだ?! 駄目だ! 動けない!! やられた!」
 パティの攻撃により、ますます混乱するペンギンたち。サイキックエナジーが命中した者から、次々に行動不能になっていった。
 しかし、その後ろから、第二波が押し寄せて来る。どうやら、敵はかなりの数のようだ。
「ええい! どけ! どけ! 目的は食糧庫だ!」
「ここからは、分かれて突撃する!
 そう言い捨てると、罠とサイキックエナジーで大変なことになっている第一陣を避けるように食糧庫へと向かっていった。
「どうしましょう。敵が食糧庫に」
 ひそひそとパティが囁く。
「心配ないじゃろう。倉庫内でも、他の猟兵たちが待ち構えているはずじゃ」
 メイスンは罠の動作を確認しながら答えた。
 二人の活躍により、敵の第一陣は壊滅状態だ。ここを抜けていった敵も、きっと仲間が何とかするだろう。二人は、仲間を信じるように頷き合った。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

タマ・ハンクス
まさか、銀河帝国の特殊部隊だったなんて…。
でも、マントがちょっとかっこいいかも。

ペンギンレンジャーがかっこいいポーズをとるなら、負けじと
「アルダワの銀虎・タマとは、ボクのことだよ!」と、踏み台に乗って荒ぶる鷹のポーズ

両手の電撃を点滅させて目くらまし攻撃【目潰し】
「さすがは特殊部隊、ゴーグルをつけてくるなんて。ボクが目潰しを使ってくるのがわかってたんだね。強敵だよっ!

氷の鎖越しに直接電撃を流し込む
「氷は電気を通しやすいんだよ。空気にくらべて氷の電どーりつが、えっと、なんか、そんな感じ(あせあせ

隊長がすべりながら体当たりしてくるなら、パチンコ玉をじゃらじゃらと撒いて、邪魔をする【罠使い】


才堂・紅葉
「なんか撃ち殺すのも抵抗あるわね」
思わず脱力し、銃口が下がる。
だがまぁ仕留めないと報酬出ないしなぁ。
なんて思ってると。

「へっ!?」
 奇妙なビームが命中し、爆破吹き飛んだ所でガクンと止まる。
 氷の鎖?
 何時の間にか繋がれたロープ、油断した。
「ぐぇっ!?」
 隊長ペンギンの体当たりをボディに貰い、錐もみで吹っ飛び。
 続く連続体当たりで更に吹っ飛んで落下する。
 暫くダメージで倒れたのち。

「……うん。分かった。ぶち殺すわね♪」
 再起動して、流血のまま猟兵達の作った隙を探す。
 隙有らば空中関節技でその両羽をロック狙い。
 決まれそのままUCで地面に叩き付けうわね。


テン・オクトー
遅くなったけど合流だよ。ん?なんだかここカニカマのいい匂いもするね。

バレンタインイベントって何だろう?子供なボクはよく分からないけど、楽しみにしてる人がいっぱいいるならきっと素敵なイベントなんだろうね。それを妨害しようだなんて、なんて意地悪な指揮官だろう。まずは目の前のペンギンさんの団体をなんとかしないとね。
WIZ
フォーメーションだって?訓練されたレンジャーさん達なんだね。じゃあまずはその統制を崩さないとUCの竜巻効果でバラけさせるよ。フォーメーション雹がきたら、氷山は(クライミング)で登って(武器フレイル)(衝撃波)でガリガリかき氷のごとく砕いちゃおうかな。

他の方との絡み、アドリブ歓迎です。


陰白・幽
チョコを盗むなんて許されないよね、しかも捨てようとしてるなんて……大きな箱に入って待ち伏せするよ~……(もぐもぐ)……zZ
……はっ!……泥棒は~…………もう来てる……チョコ泥棒、覚悟だよ~(口の周りにチョコを付けたまま箱から飛び出してくる)

敵の隊長ペンギンの特攻攻撃を受けて直後のペンギンの連続攻撃を受ける前にUCを使って攻撃を受ける直後に戻して特攻攻撃を躱してカウンターの回し蹴りを叩き込む
そのあとは近接技や尻尾を使った戦闘をペンギンにしかけるよ。

チョコを盗むなんて許せないよね~……え、ボクの口の周り……銀河帝国こんな罠まで用意してるなんて……なんってすごいんだ……(口元ごしごししつつ)



●倉庫内、激闘
「ん? なんだかここカニカマのいい匂いもするね」
 みんなと合流したテン・オクトー(気弱な小さき猛獣・f03824)が倉庫内を確認して小首をかしげた。
「実はね、敵はカニカマの魅力にも屈しない、強靭な精神の持ち主なんだよ」
 タマが神妙な顔でそう語る。
「そっか。ボクはバレンタインイベントってよく分からないけれど、楽しいイベントを妨害するなんて、なんて意地悪な敵なんだろう」
 まだ子どものテンだけれども、楽しみにしている人がたくさんいるのなら、それが素敵なイベントだということは感じられる。まずは目の前のペンギン部隊をどうにかしなければならないだろう。
「そうなんだよね。まさか、チョコ泥棒が銀河帝国の特殊部隊だったなんて……」
 と、タマ。
 二人が深刻な表情で食糧倉庫の扉を見ていると、突如倉庫の扉が破られた。
 なだれ込んでくるペンギン部隊。
 タマとテンは、急いで敵の前へ飛び出す。
 ペンギンたちは、二人の姿を見るや否や、フォーメーションを組んだ。
「今度は後手に回らない! いきなり行くぞ!」
 倉庫前、扉の外で、仲間がある程度攻撃を加えていたようだ。そう言えば、遠くから確認したよりも数が少ない。
「訓練されたレンジャーさんって言うのは本当なんだね」
 敵のフォーメーションを見て、テンが感心したように言った。
 隣でタマが踏み台に乗って両手を広げる。
「アルダワの銀虎・タマとは、ボクのことだよ!」
 敵がかっこいいポーズを取るのなら、負けてはいられないのだ。片足を上げ、きりりと口元を結んで、荒ぶっている鷹のようなポーズを決めた。
「ふっ。そんなもの!」
 ペンギンたちも更に負けじと美しいフォーメーションで対抗する。

 そんな中、紅葉がふっと脱力して構えを解き銃口を下げた。
「なんか撃ち殺すのも抵抗あるわね」
 と、よどんだ瞳でペンギンたちを見る。
 あのビジュアルもさることながら、何となく緊迫感のない闘い方に思わず脱力してしまったというわけだ。最初に倉庫に忍び込んできた者たちの、やや間抜けな動きと言い、どうもピリッとしない。とは言え、あのペンギンたちを仕留めなければ報酬は無いだろう。
 そんなことを考えていると、いきなり冷凍ビームが飛んできた。
「へっ?!」
 と、振り向くと同時に体が引っ張られるのを感じた。どうやら、敵の鎖につかまってしまったようだ。敵は一部隊だけではなかったようだ。油断した。そう思ったと同時に、ペンギンたちが襲い掛かってくる。
「俺たちをなめるなよ!」
 とか、何とか言いながら紅葉をもみくちゃにした。最後にやや大きめの一撃をくらい、紅葉の体が吹き飛ぶ。
「ぐはは! 油断したな!」
 勝ち誇るペンギンたちの言葉を背に、紅葉はゆらりと立ち上がった。そして、とてもいい笑顔で振り返る。
「……うん。分かった。ぶち殺すわね♪」
「ひっ?! 言葉と表情があっていない!」
 ただならぬ気配を感じたのかペンギンたちが悲鳴を上げた。
 紅葉は口の端を上げて笑うと、地面を蹴った。

 さてそのころ、食糧倉庫内の箱で丸くなっていた陰白・幽(無限の可能性を持つ永眠龍・f00662)が眠い目をこすりながら目を覚ました。
 まったく、チョコを盗むなど許されないことだと思う。しかも、聞くところによると、強奪したチョコレートは処分するとのこと。
 本当に許せない。
「……はっ!」
 ようやく、思考がクリアになってくる。ええと、そうだ、泥棒はどうしたのだろうか。
 幽は、そっと箱の中から外を覗いた。するとどうだろう。いつの間にか仲間たちがペンギンたちと戦っているではないか。
「……泥棒は~…………もう来てる……」
 結構前から、来てた模様だ!
 幽は箱から飛び出して、ペンギンたちへ向かってこう言った。
「……チョコ泥棒、覚悟だよ~」
 ちょうどよかったので、箱の上からペンギンたちを見下ろす。
「何だ? 貴様?!」
 口元にチョコレートをつけたままの幽を、ペンギンたちはいぶかしげに見上げた。と、言うか、チョコレートを食べていたのだろうか。食べているうちに寝てしまったんだろうか。口元のチョコレートが、幽に一体何があったのか如実に物語っていた。
「ええい! 増援か!」
 隊長らしきペンギンが、そう言いながら特攻を仕掛けてくる。
 さすがはペンギンの体当たり。幽の体がぐらついた。
 続いて他のペンギンたちも一斉に仕掛けてくる。
 と。
 幽が永眠龍の刻を発動させた。数秒前まで時間を巻き戻し、隊長ペンギンの体当たりを今度は躱した。ペンギン隊長の体が空を滑り、バランスをとるようにバタバタと羽を上下させる。
「……カウンター、いくよ」
 体を反転させ、幽が回し蹴りを叩き込んだ。
 ペンギンの体が吹き飛ぶ。
 一連の流れを観察していた紅葉が、吹き飛んだペンギンへ向かって飛び込んできた。
「さっきは良くもやってくれたわね♪ はい、隙見つけたぁッ」
 張り付いた笑顔が怖い、と、ペンギンが感じる余裕はあったのだろうか。
 紅葉は空中でペンギンの羽をロックし、ハイペリア重殺術・獅子噛を繰り出した。高重力場で加重し、しっかりと固定したペンギンの体を、地面に叩きつける。
「……あ、ダメ、ギブ……」
 ゴキと、変な音がして、ペンギン隊長は沈んだ。
「……すごい技だ……ボクもがんばるよ~」
 流れる様な紅葉の技運びを眺めていた幽が、残ったペンギンたちに攻撃を仕掛けていく。
「隙を作ってくれて、ありがと。って、その口元……チョコレートでしょうか?」
 親指を立てて感謝の意を示した紅葉は、幽の口元を指さした。
「……え、ボクの口の周り」
 幽はようやく、自分の口元にチョコがついていることに気づいた。
「……銀河帝国こんな罠まで用意してるなんて……なんってすごいんだ……」
 とか何とか言いながら、ごしごしと口元をふきつつ、戦いに戻るのであった。

 一方、タマとテンもペンギンたち相手に戦いを続けていた。
「まずはその統制を崩さないとね」
 そう言って、テンはサモニング・ガイストを発動させた。
「ご先祖様、力をお借りします」
 召喚したのは、ケットシーの姿をした古代の戦士の霊だ。ケットシーの姿をした古代の戦士は、きちりとフォーメーションを組んだ敵の群れに向かって竜巻を巻き起こす。
「くおー! 飛ばされる―!」
「耐えろ! フォーメーション『雹』を崩すな!」
 ペンギンたちは必死に踏ん張り、巨大氷山を出現させた。ところが、かなり飛ばされた隊員もいるようで、氷山は意外と脆そうだ。
 テンはすぐに氷山に飛びつき、クライミング技術で登り始めた。
「これ、砕いちゃうね」
 そして、武器や衝撃波を使って氷山を砕く。敵の氷がみるみる粉々になっていった。これで、氷の礫の攻撃の心配はないだろう。古代の戦士は鉤爪でペンギンたちに一撃を入れている。竜巻に飲まれたペンギンや一撃を喰らったペンギンが、次々に倒れていった。
 タマはその様子を見て感嘆の声を上げる。
「すごいなあ。ボクも頑張らなくちゃ」
 そう言って、両掌からの高圧電流を点滅させるようにして目つぶし攻撃を放った。……のだが、ペンギンたちはゴーグルを装着しており、目くらましにはならないようだった。
「さすがは特殊部隊、ゴーグルをつけてくるなんて」
 と、感心するタマ。
「ふっ。貴様など、俺が潰してくれるわ!」
 タマの言葉を聞いて、ペンギンの一人がふんぞり返った。
「なあ、このゴーグルってそうだったっけ?」
「いや、もともとの装備だからなあ」
 後ろで平のペンギン隊員たちがひそひそしているようだが。
 ともあれ、ペンギンがタマに向かって特攻を仕掛けてきた。
「あぶない!」
 テンが思わず声を上げる。
「平気さ。こんなこともあろうかと」
 と、狙われたタマがその場にパチンコ玉をじゃらじゃらと流した。突撃してきたペンギンは、転がる球に足を取られ、そのまますーっと流れて壁に激突した。

 猟兵たちは思い思いに戦って、敵を撃破していった。
 気づけば深夜をとっくに過ぎているころ。
 最後の一匹まで撃破し、ペンギン部隊との戦いに勝利した。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『帝国近衛騎士』

POW   :    ダークフォースソード
【レベルmまで伸長する闇黒のフォースソード】が命中した対象を切断する。
SPD   :    リミッター解除
対象の攻撃を軽減する【フォース全開状態】に変身しつつ、【対象の動きを鈍らせる闇黒の念動力場の形成】で攻撃する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
WIZ   :    死の先を行く兵(つわもの)達
【闇鋼によって仮受肉した死せる帝国騎士達】の霊を召喚する。これは【念動力による斬撃等の直接攻撃】や【高い錬度で成立する集団戦術】で攻撃する能力を持つ。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は神酒坂・恭二郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●帝国近衛騎士
 ペンギン部隊を一掃した猟兵たちの前に、ついに帝国の騎士が降り立った。倉庫の中に足を踏み入れた騎士が、倉庫内を一瞥して舌打ちをする。
「まさか、ここまでやってくれるとは」
 ギリ、と、歯を鳴らしフォースソードを抜いたようだ。
「そこまでして、バレンタインを守りたいのか! そこまでしてチョコレートを贈り合う幸せに浸るというのか!!」
 帝国近衛騎士は憎悪の感情を隠すことなくぶつけてくる。
「いや、お前たちは、チョコを渡す相手もいない私を笑っているのだな!! そうに違いない!!」
 言っていることはめちゃくちゃだが、その力は本物のようだ。
 騎士から燃え上がるような闘志が巻き起こる。
「潰してやる。そして、この船を帝国のものにするのだ!!」
 猟兵たちも構えた。
 この騎士を倒さない限り、事件の解決はないのだと知る。
「バレンタインのチョコなど!! すべて消してくれる!!」
 こうして、帝国近衛騎士との戦いが始まった。
陰白・幽
チョコレートはあげたりするだけじゃ無くて食べれば美味しいのに、美味しい物はみんなで食べると美味しいのにね……

チョコを守る正念場だよ~、ペンギンさんたちのボスだからかな、なんだか残念な雰囲気を感じるけど……間違いなく強い……よね。

戦闘では鎖を使って中距離から戦うよ。鎖を使った正面からつくような一撃や薙ぎ払うように使っていく。
敵が念動力場を使い始めたら、敵の隙を見てUCを使用して敵の真後ろに瞬間移動して、踵落としをしていくよ。

(チョコレートを取り出して囓りながら)チョコレートはこんなに美味しいのに……みんなで食べても美味しいのに……まあ、なるようにしかならないか~。(もぐもぐ)やっぱりあまいな~


才堂・紅葉
・POW指定
「いや……それってどうなの」
思わず脱力する。
だがその力は無駄に本物だ。
「……あんたらも大変ね」
呼び出された騎士達に思わず声をかけると。
その腕を取って間接を決め、頭を掴んで高重力をかけて地面に串刺しにしよう。

・動機は頭が悪いが近衛騎士の実力は本物だ。牽制の射撃をしつつ榴弾なども打ち込むが、高度な連携を崩すのは難しいだろう。
押されるに任せて凌ぎながら、他の猟兵の切り札に合わせて前進。同情する振りをして、手を握って関節技からのUCで奴らを鎮めて行きたい。
 フォース全開状態は手も足も出ないので様子見。力場展開に苦戦するが、ひたすら隙が出来るのを待って、UCを狙いたい。
※アドリブ・連携歓迎



●騎士の剣
「いや……それってどうなの」
 帝国近衛騎士の主張を聞いて、紅葉は思わず脱力した。
 うんうんと頷いて、幽が言う。
「チョコレートはあげたりするだけじゃ無くて食べれば美味しいのに」
「確かにそうですね」
 と、紅葉。
「美味しい物はみんなで食べると美味しいのにね……」
 幽の言葉を聞いていた猟兵たちも、まったくそうだと頷いて見せる。
「貴様らがチョコレートを守るのか。ふんッ、こうなればチョコレートともども叩き潰してやる」
 近衛兵がますます怒りを露わにした。近づくバレンタインに、ラブ全快で盛り上がる若者たちに、嫉妬している姿を隠しきれていない。
 とは言え、立ち昇る闘気はすさまじい。
 幽はそんな近衛兵の力を見た。あのペンギンたちのボスだからか、その言動などに何やら残念な雰囲気を感じる。感じるのだが、それでも――。
「……間違いなく強い……よね」
「ええ。動機については頭は悪いようですけれど、実力は本物でしょうね」
 紅葉も同意する。
 二人はタイミングを見て走り出した。
 幽の鎖が真正面から騎士ののど元へ飛んでいく。
 騎士はそれを軽々と避けた。
「まだ終わりじゃないよ」
 幽が鎖を操り、飛び退いた騎士の体をなぎ払うように鎖を横薙ぎにする。あくまで敵との距離を保ちながら、鎖を使って戦うようだ。
 騎士が鎖をさばく様にフォースソードを振るう。
 だが、騎士が剣を振り下ろそうとした瞬間を狙い、紅葉が射撃で行動を阻害した。
 二人の攻撃に、騎士が舌打ちをする。
「なかなか頑丈なんだね~」
 幽は感心したように騎士を見た。騎士の攻撃のリズムを崩すことはできたが、これくらいの攻撃では傷を与えることはできないようだ。
 紅葉も何度か続けて撃ち込んだのだが、敵が頑丈だということが分かっただけだ。
 鎖と弾丸をさばいていた騎士は、吼えた。
「おおおッ。そんな実力で私に向かってきたわけではないだろうな! 行くぞ! 邪魔者たちめ!!」
 いきなりのリミッター解除。フォースを全開状態にして、闇黒の念動力場を形成し攻撃を仕掛けてきたのだ。その暗黒の力場が、徐々に二人に迫ってくる。
 と、幽はチョコレートを取り出してそんな様子をまったりと見ていた。
「ん~チョコレートはこんなに美味しいのに……」
 みんなで食べてもとても美味しいというのに。せっかくこの季節なのだから、皆で食べればいいのにと、もぐもぐ口を動かしている。
「……帝国騎士達を召喚しなくても良いの?」
 もし兵どもを呼ぶのなら、鎮めてやろうと思っていたのにと紅葉。
「馬鹿にするな。貴様が力で来るのなら、私も力で勝負をかけるッ!!」
 帝国騎士が形成した念動力場を真っすぐ進んできた。闇黒のフォースソードを伸長させ、力を込めて振り下ろしてくる。
 そんな折、幽はチョコレートを食べ終わった。
「まあ、なるようにしかならないか~」
 ぺろりと口の端を舐め、永眠龍の夢現を発動させる。発動と同時に、幽は敵の背後に瞬間移動した。騎士はソードを振る動作に入っていて、体を反転することができない。
 幽が敵の背後から力を込めて踵落としを喰らわせた。
「……ッ」
 バランスを崩し、たたらを踏む帝国騎士。
 幽が紅葉を見た。
「力ねえ。こう言う原始的な体術って、私には似合わないと思うのよね……」
 そう言いながら、紅葉は騎士の間合いまで一気に跳び、腕を取って関節技を決めにいく。騎士はもがいているが、技から抜け出せないようだ。
「コード・ハイペリアッ!!!」
 高重力場で加重し、紅葉は掴んだ頭を地面に叩きつけた。
「……ッ、は、ぁ」
 騎士の体が跳ねる。
 一瞬、息を吸い込むこともままならなかったのだろう。
「まだ、まだぁ!」
 だがまだ騎士の闘志は衰えない。
 技を喰らっても立ち上がる騎士を見て、二人はいったんその場を退いた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

メイスン・ドットハック
嫉妬から事を起こすとは愚かじゃのー
バレンタインなど、チョコ会社の陰謀というのがわからんほどアホになっておるようじゃのー

挑発するようにトラップ場所に誘導(おびき寄せ)
防御はユーベルコード「木を隠すなら森の中」で作成したハート型チョコを盾にする(チョコなら憎しと切りかかってくると予想して)
ハート型チョコは切りつけると、念動力を阻害する神経ガストラップ
徐々に弱らせて最後に自身を模したチョコを召喚
破壊すると、粘着性のあるネットを放出
動きを止めるのを確認したら、設置してある爆破トラップを起動。施設の破壊は最小限に留める方向で(罠使い、破壊工作、地形の利用)


この瞬間に他の仲間との連携もありで


パティ・チャン
近衛騎士とは、これは、私と境遇が似すぎ!
とすれば、使う技がかなり似ている、と考えた方が良さそうですね…

ならば、ここは姿を出した方が良さそうです!
【ライオンライド】で、騎乗して速度を生かして倒しましょう!
…でも、50cm強のライオンとは、ちょっと締まらないような気もしますが…それはそれで仕方がないかしら。

さぁ我が名は、辺境の地なれど近衛騎士が娘、パティ・チャンなるぞ!
いざ尋常に勝負!
(この位威勢を付けないと、身長差もありますし、怖くて仕方ないです…)



●勇士たち
 仲間の猟兵と戦う敵の姿を見て、パティが決意したように姿を現した。
 敵の司令官が近衛騎士だったとは驚きだ。境遇がよく似ている。となれば、使う技も似ていると考えていいかもしれない。
 それならば、姿を現したほうが良いと結論に至ったのだ。
「ほぉ? そんなナリで私と戦おうというのか?」
 冷ややかな騎士の言葉に、パティは怯みそうになった。
 だが。
「いいえ、行きますよ!」
 そう言って、黄金のライオンを召喚した。パティの二倍もの大きさのライオンが現れ、大きく吠える。と、言っても、50センチのライオンだ。
(「ちょっと締まらないような気もしますが……それはそれで仕方がないかしら」)
 パティはライオンのたてがみを一房掴み、ひらりとその背に騎乗した。
「さぁ我が名は、辺境の地なれど近衛騎士が娘、パティ・チャンなるぞ!」
 名乗りを上げて、相手を見据える。
 本当は、相手との身長差もあるのだ。怖くて仕方がない。パティは、それでもその怖さをねじ伏せるように、勇ましく声を上げた。
「いざ尋常に勝負!」
 パティを乗せたライオンが駆け出す。
「面白い!」
 勝負を挑まれた騎士は、再びリミッター解除を発動させ、闇黒の念動力場を形成した。
「くっ」
 パティが攻撃の余波に耐えるようにその場に踏みとどまる。
「嫉妬から事を起こすとは愚かじゃのー」
 さて、その場に、メイスンの呆れたような声が響いた。
「何だと?」
 帝国近衛騎士がそれを聞きとがめ、メイスンを睨みつける。
「言葉の意味そのままじゃ。バレンタインなど、チョコ会社の陰謀というのがわからんほどアホになっておるようじゃのー」
 念動力場はそのままに、帝国近衛騎士がフォースソードの切っ先をメイスンに向けた。
「もう一度言ってみろ。私が……何だと?」
「んー、聞こえなかったのかのう? アホになっておるようじゃと、言ったんじゃ」
 わざととぼけた風に答える。
「貴様ぁ!」
 すると、騎士は怒りを露わにしてメイスンに飛び掛かってきた。
 メイスンは『木を隠すなら森の中』で作成したチョコを盾にして、敵の攻撃に備える。そのチョコは、見た目もハート形となっており、今の季節にぴったりの偽物だった。
「私を、愚弄するのか!!」
 そのハート形も騎士を激昂させたようで、力任せに盾を斬りつけてきた。
 ところが、盾は斬られた瞬間トラップを発動し、神経ガスを騎士に向かって浴びせかける。
「罠か!」
「そうじゃのう」
 飄々と答えながら、二つ三つとトラップを発動させていくメイスン。
 トラップにも負けず、騎士は剣を振り回して攻撃を続けていた。だが、徐々にその動きも鈍ってくる。
 メイスンは自分に模したチョコレートも召喚してみせた。
「またチョコレートか! いい加減、鬱陶しい!」
 騎士の剣がメイスンのチョコを破壊する。
 発動したトラップは、粘着性のあるネットだった。
 ネットが騎士の体に絡み、動きを封じ込める。
「今じゃ!」
 メイスンが声を上げた。
「はいっ!」
 そこに、すっかり自由を取り戻したパティが飛び込んでくる。メイスンの対処に追われ、パティを攻撃していた念動力場が弱まったのだ。
 身長50センチの黄金のライオンが、勢いよく敵に体当たりする。
 小さいながらもその威力は確かなものだった。
 衝突の衝撃で、帝国近衛騎士が吹き飛んで床に叩きつけられる。
「やりました!」
 パティが瞳を輝かせた。
「よし、最後の仕上げじゃ!」
 メイスンは仲間の猟兵たちに、そう呼びかけた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

タマ・ハンクス
お姉さん、フォースの闇黒面にとらわれてしまってるんだね。
ボクが正しいフォースの導きを教えてあげるよ

両手で目潰しからの時間差電撃攻撃【目潰し】【2回攻撃】

「だめだよっ、闇黒のリミッターなんてを解除したら。寿命を削るということは、小じわや、お肌のしみそばかすなんかが、増えちゃうんだよっ」

銀河帝国なんかで悪いことばかり考えてるから、ステキな相手にめぐりあえないんだよ。帝国なんてやめちゃえば、バラ色の未来が待ってるよ。
戦闘終了後
彼女の手を優しく握りながら
「正しいフォースの道に戻って、改心して。
そしたら、ボクにチョコをちょうだい」【手を繋ぐ】



●導きをここに
 帝国近衛騎士が戦う姿を見て、タマは思った。あのお姉さんは、暗黒面にとらわれてしまっているのだと。チョコレートに嫉妬する、深い闇に。
「ボクが正しい導きを教えてあげるよ、フォースのね」
 そう言って、さっそく騎士に向かって走り出した。
「だめだよっ、闇黒のリミッターなんてを解除したら」
「くっ。新手か?! だが、負けるわけにはいかない!!」
 騎士はふらふらとしながらも、攻撃態勢を取る。
 しかし、タマの手が早かった。両手を使い、敵の目を潰しにかかる。
「寿命を削るということは、小じわや」
「は?」
 目を潰されながら、騎士は戸惑いの声を上げた。
「お肌のしみそばかすなんかが」
 タマは敵から離れず、そのままの態勢で高圧電流を放つ。
「しみそばかす?!」
「そうだよ、増えちゃうんだよっ」
「増える?!」
 バチッと、大きく火花が散った。
「ぎゃん?!」
 電撃が騎士の体を駆け巡り、感電させる。
 帝国近衛騎士は、ビリビリと帯電しながらその場に崩れ落ちた。
「そ、そんな……」
 すでに猟兵たちの攻撃で体力をすり減らしていたのだろう。強力な電撃を受け、騎士がなすすべもなく地に伏せる。
「銀河帝国なんかで悪いことばかり考えてるから、ステキな相手にめぐりあえないんだよ」
 そんな騎士のそばでしゃがみ込み、タマがそっと彼女の手を取った。
「帝国なんてやめちゃえば、バラ色の未来が待ってるよ」
「おもしろい……ことを、言う」
 騎士は消え去りそうな声で、小さく言う。
「帝国の……未来こそ、わが……」
「正しいフォースの道に戻って、改心して」
 ぎゅっと、優しく手を握った。
「そしたら、ボクにチョコをちょうだい」
 タマの声は優しい。
 一瞬、帝国近衛騎士は声を失って、タマを見上げた。
 それから、タマの手をゆっくりと振り払う。
「……、申し訳ないが……、チョコは、ようい、していない、のだ」
 今年は渡す相手がいなかったから。
「ふふ……、だが、私に、そんな風に……言葉を……」
 帝国近衛騎士の体から力が抜けていく。

 ああ、戦いは終わったのだと、猟兵たちは気づいた。
 騎士は崩れ去り、脅威は去った。
 夜明け前まであと数時間。
 倉庫のチョコレートは無事守り通した。
 猟兵たちはすべての敵のせん滅を確認し、ベースへと帰還していった。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年01月24日
宿敵 『帝国近衛騎士』 を撃破!


挿絵イラスト