4
剣を貸して、背中を押して

#グリードオーシャン

タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#グリードオーシャン


0




●処刑台の上
 海賊の掟というものがあった。
 船長は眼を開き下方を見遣った。そこにいたのはその昔、仲間『だった』船の乗組員が集めたコンキスタドール達だった。処刑台の周りを囲むように沢山の敵がそこにいた。
 もう少しだけ、視線を上げる。
 そこにいたのは、今は人の姿を失い異形の形――コンキスタドールへとなってしまった元仲間。
 さらに視線を上げれば、腕を縄で結ばれて、船長のいる処刑台から少し離れた場所にかたまって座り、こちらを見る人間達。
 それは、つい先程まで船長を慕ってくれていた仲間達。
「……すまんな」
 船長は誰にも聞こえないように呟く。
 その表情は誰にも見えない。そしてつー、と流れる涙の筋も、誰にも見えていない。
 メガリスの試練を受けて失敗し、部下をコンキスタドールにしてしまった。
 海賊の掟として、その部下のいた海賊団がケリをつけるのだが、如何せん相手が強かった。
 最強と呼ばれた船長でも歯が立たなかった。
 船長は処刑台の前でほくそ笑む、ように見える海獣をにらみつけた。首に冷たい刃が触れる。
 これから船長は首を落とされるのだ。
 船長の次は拘束されている部下達だ。23人の首が、落とされてしまうのだ。
「俺が……あの時、躊躇ったから」
 後悔、というには遅すぎた。
 何もかもが、遅すぎた。
 号令が鳴る。あと命は数秒。
 船長は叫ぼうとして――。

●グリモアベース
「悪いが、急ぎだ」
 綿貫・武蔵(羅刹の剣豪・f13777)は猟兵達を集めると手製の黒板にいそいそと絵を描き始める。数秒でそこに描かれたのは数十人の棒人間と、一匹の魚のような何かだった。
「海賊の掟というのは知っているか?」
 メガリスの試練を受けたが、死んでコンキスタドールとなった部下をその海賊団が倒す、というものだと武蔵は説明を加えた。
「予知したのは、その海賊の掟が失敗したところだ。要は部下に返り討ちになったんだとさ」
 黒板に付け加えられたのは、そこそこ大きな島。
 ヒーローズアースの名残のある島である『ダンツアルト島』。そこで行われた処刑の様子だと、武蔵は猟兵達に矢継ぎ早に伝えた。
「船長の首が飛ぶのも時間の問題だ」
 予知で見たのは首が落とされる瞬間であった、と眉間にしわを寄せる。
「敵は武装した人型と、鯨なんだか魚なんだかわからん何かだ。魚と言っても電気を操って地上を進むがな」
 武蔵は黒板に説明を付け加える。
「ともあれ、コンキスタドールが関わっている以上、あんた達にこいつらの討伐をお願いしたい」
 武蔵は頭を下げる。
「それと……もしできたら、船長の背中を押してやってくれ」
 猟兵達はそれを聞くと、各々は件の島へと急いで向かった。


荒木るんど
 こんにちは。荒木るんどです。

 今回はグリードオーシャンでのお話です。
 海賊の掟に失敗して処刑されそうになっている船長を助けて、コンキスタドールたちを討伐してください。

●第1章 集団戦『武装商船団・雇われ船員』
 とにかく、船長の首が落ちる前にこいつらをなんとかしましょう。

●第2章 ボス戦『ケートゥス』
 大きな海獣との戦いです。電気には気を付けましょう。
 
●第3章 日常『酒盛りをしよう(未成年はジュース)』
 海賊の掟が成功したら酒盛りです。羽目は外しすぎないように。

 今回のお話はこんな感じです。
 プレイング受付は4/11~です。
 詳細についてはマスターページをご確認ください。
 それではお待ちしております。
6




第1章 集団戦 『武装商船団・雇われ船員』

POW   :    姑息なる武装「商品使用」
装備中のアイテム「【湾曲刀(商品)】」の効果・威力・射程を3倍に増幅する。
SPD   :    偶然なる連携「十字砲火」
【好き勝手に動く船員達が銃撃】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
WIZ   :    強欲なる叫び「士気高揚」
【誰よりも強い】という願いを【船員達】に呼びかけ、「賛同人数÷願いの荒唐無稽さ」の度合いに応じた範囲で実現する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

アオイ・カーマイン
「仲間だった人を倒す掟か…自由な海賊にも辛い決まりがあるんだね…でも、船長さんは掟から逃げなかった。ならその覚悟に敬意を示さなきゃいけないね。」
かつての仲間たちとの戦いに挑んだ船長に敬意を評し、その助けになれればと、猟兵として参加します。

 戦闘中、
 武装商船団・雇われ船員の「姑息なる武装「商品使用」(POW)」に対し、ユーベルコード「ヴァリアブル・ウェポン(POW)」を使うことで、右腕から小銃を放ち、敵装備を破壊する事で敵の妨害、仲間へのサポートを行います。
 最大の目的は、救出です。
サポートをしつつ、隙を伺い
船長及び船員を救出し
最終的に共闘を狙います。



 船員達は悲痛な表情を浮かべ、どうしようもなく、見上げていた。
 視線の先は処刑台で船員達を見下ろす船長の姿。
 サーベルが振り下ろされ、船長の首が落ちる、と誰もが目を瞑った。しかし船員達が恐る恐る目を開いてもそこには未だ生きている船長の姿があった。振り下ろされていたはずのサーベルの姿はどこにもない。
「仲間だった人を倒す掟か……自由な海賊にも辛い決まりがあるんだね」
 アオイ・カーマイン(未完のサイボーグ・f26716)は船員達の側へと駆け寄り縄をほどいていた。その右腕からは小銃が生え、処刑台の上にいた敵――武装商船団・雇われ船員のサーベルを吹っ飛ばしていたのだった。
 ユーベルコード『ヴァリアブル・ウェポン』。
「でも、船長さんは掟から逃げなかった。ならその覚悟に敬意を示さなきゃいけないね」
 大丈夫、何とかするから、と頷くとアオイはその場から走り出した。
 処刑台までの道のりは遠い。
 何人もの敵がその進路を妨げる。

――あんだぁ? 俺たちの邪魔かぁ?

「あなた達がぼくらの邪魔をしているんだよ」
 敵の持つ湾曲刀がその長さを伸ばしてアオイに斬りかからんとする。
「あなた達の覚悟より、船長さん達の覚悟の方がずっと上だ」
 それを右腕から生えた小銃でその刀身を木端微塵に砕く。

――ああっ! 俺たちの大事な商品が!?

 敵の嘆きがアオイの耳に入るが、それを完全に無視して、前へひた走る。
 周りの猟兵達も絶対に足を止めずに、前へと進んでいった。

成功 🔵​🔵​🔴​

鴨嘴・ケンゴ(サポート)
戦闘をメインに活躍させて欲しいっす。
戦闘での行動は変形する偽神兵器を使って、カッコいい剣撃と銃撃、捕食による敵のデータ収集と偽神兵器の強化を行うっす(メタ的に言うとゲームのゴットイーターな感じ)
敵は絶対殺す又はデータ収集すると言う意思で戦う為に戦闘中は性格が変わったように攻撃的になります。
(口調 少年(おいら、~くん、~さん、~っす、~っすよ、~っすね、~っすか?)
敵には 野生の感覚が蘇る(オレ、アンタ、言い捨て)っす。


アウル・トールフォレスト(サポート)
(基本好きにお任せします)
「今日はどんなところに行けるのかな?」

楽観的で感情豊か、夢見る乙女な性格の少女
年相応に無邪気であり、根本が人でない故に残酷

神出鬼没に出現し、気まぐれに歩き回り、楽しげに爪を振るう
猟兵の役割は理解し依頼も一応遵守しようとするが、それはそれとして楽しそう、面白そうで物事を判断し、それを優先して行動する

バイオモンスターの特徴として、肉体は植物の性質を持つ

戦闘では怪力の発揮や身体の巨大化、鋭い爪での引き裂き、捕食等の野性味溢れる攻撃スタイル
理力の扱いも得意で、体表で自生する蔓や苔植物を操り、防御や隠密に罠等サポートも行わせる


リズ・ルシーズ(サポート)
生体ベースのサイボーグ、何らかの理由で生命維持モード(Re-A=リア)として活動中、普段の活発さはなくミステリアスな雰囲気。生命維持を最優先、リスクを避けるとともに敵対する存在に対して容赦はしない。白い外部装甲

『私はリア、この身体に敵対するものに容赦はしません』
『『解析・検証・再定義』データの取得に使わせていただきます』
『私はリズ程は甘くはありませんよ?』


21歳 女
口調:おしとやか(私、貴方(貴女)、~さん、ですね、です、ですか、でしょうか?)
武器:電磁ランスと疑似刻印による光属性攻撃のレーザー
補助装備:ナノワイヤー(トラップ・移動用)、重力制御装置
探索時:R-Seriesでの人海戦術など



「さーて、おいらも行くっすよ!」
 鴨嘴・ケンゴ(カモノハシのストームブレイド・f24488)が取り出したのは偽神兵器【骸喰】。それを二つに分けて、双剣へと姿を変化させる。
 ふわふわな体毛と可愛らしい手とはうってかわって、振り回す双剣は風を切る音を辺りへと響かせた。
「敵を確認しました。この身体に敵対するものに容赦はしません」
 リズ・ルシーズ(Re-Z・f11009)も間を置かずに敵の集団へと駆け出した。リズの皮膚には刻印が浮かび上がり、進路を妨害しようとする敵に向けてそこからレーザーを発射する。
「わたしも頑張らなきゃだよう……あれ、そのサーベルって!」
 一歩後ろにはアウル・トールフォレスト(高き森の怪物・f16860)も付いてきて、敵に視線をやり、その左拳に力をこめる。しかし敵の持つサーベルに興味を持ったのか、視線がややずれ始めていた。
 猟兵達の猛攻に一時恐怖を覚えていた敵の武装商船団・雇われ船員だったが、次第にサーベルを猟兵達へと向けて、吠え始めた。
 強欲に、誰よりも強くなるという想いを乗せた咆哮は周りにいる船員達へと波及していく。
 とにかく、目の前にいる猟兵達を倒す、それだけの願いを込めた咆哮は、実体は無いかもしれないが、より敵を強くしていく。
「ギャーギャーうるさい」
 しかしそれを物ともせず、猟兵達は敵の集団へと突っ込み、船長を助けようと前へ進んでいた。
 ケンゴの持っていた骸喰は双剣だったものが一つに戻り捕食の型へと姿を変え、敵を喰い始める。
「なるほど……意気だけか?」
 敵を喰うことで敵の情報を得て、さらには武器を強くしているのだ。
「だがまぁ、アンタ達、大したことない」
 ケンゴの骸喰は瞬時に再び変形させて、二丁の銃へと姿を変えた。銃弾を辺りに散らし敵の足元へとばら撒いた。
「よいしょっと! 一応お仕事もしないといけないもんね!」
 ケンゴの近くではアウルがあり余る怪力で敵の集団を端からなぎ倒していっていた。
「なんだか、その武器面白い!」
 かと思えば、敵の持っていた拳銃や湾曲刀に興味を示し、アウルの体表に自生する植物の蔓を自在に操り、敵は傷つけずに武器だけを取り上げて遊び始めるのだった。
 緑の瞳は残酷なまでに純粋で、そして無邪気であった。
「えへへ~! こういうの初めて見たよ!」
 しかしやがて興味を持った武器に関心がなくなると、それを捨てて船長を助けるという目的を思い出し、再び怪力や爪で敵をなぎ倒していくのだった。
「真っ直ぐに進むのは得策ではありませんね」
 正々堂々進む二人とは別に、リズは手のひらからワイヤーを辺りに射出する。錆びた柱が立っている屋外を巧みに使い、ワイヤーを柱へと絡めて、自身の身体を宙へと浮かび上がらせる。
「解析……右前方30度へ進む方法がリスクを最小限にできますね」
 遠心力を使用してリズが飛んだ先は敵が他の猟兵達へと向かっていったためにばらけている場所。
 残った敵はリズに向けて湾曲刀や銃を向けるが、その刃や弾が届く前にそれを刻印からのレーザーや長くなったネイルではじき返す。
「私は、甘くはありませんよ?」
 猟兵達は各々の方法で船長の元へとむかっていく。
 動揺が辺りに広がり、船長の処刑もごたついてしまい、中々進まない。
 猟兵達の手はもうすぐで、船長へと届きそうな所まで来たのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

ハルピュイア・フォスター(サポート)
絶望を与えるのがわたしの仕事…。
無表情で口調は事実を淡々と告げます

【暗殺】が得意
また【迷彩】【目立たない】【闇に紛れる】【地形の利用】など使用して隠密にまた撹乱しながら行動

Lost memory…敵のユーベルコードの矛盾や弱点を指摘しUC封じ込む

回避は【残像】で、怪我は厭わず積極的に行動

武器;首にマフラーの様に巻いてある武器『零刀(未完)』は基本は両手ナイフだが鞭や大鎌など距離や状況に合わせて形を変貌させ使用

他猟兵に迷惑をかける行為はしませんが、御飯やデザートは別問題…奪います。
公序良俗に反する行動は無し

後はおまかせでよろしくおねがいします


二尾・結(サポート)
強化人間でスーパーヒーロー、15歳の少女です。
キャライメージは考え無しに行動して酷い目に合うタイプのぽんこつ系。
性格はとにかく自信過剰で猪突猛進。『!』が多用される感じの、自信に溢れた力強い喋り方をします。

どんなことでも「私に任せなさい!完璧にこなしてみせるんだから!」と自信満々に正面から力技で突っ込んでいきます。
一応ヒーローなので、一般人や護衛対象への配慮はしっかりと行います。

戦闘時はまず敵の攻撃を全て受け止めてから反撃するスタイルで、使うUCも防御重視で選択します。状態異常などの搦め手への対策はあまり考えません。

NGは無し。ダメージ描写や格好悪い描写も遠慮なくやってOKです。



ーーくそっ、とっととそいつを処刑しろ!

 敵ーー武装商戦団・雇われの船員達は、次々と倒れていく仲間達の姿を見て、恐れ慄き船長の処刑を急かそうとする。
「でも、もう遅いよ」
 船長の首を斬るために振り上げようとした湾曲刀が既にそこにはなかった。
 ハルピュイア・フォスター(天獄の凶鳥・f01741)は慌てて湾曲刀を探す船員の真後ろに立っていた。その手には先ほどまで船員が持っていた刀。

ーーなっ、お前!

 敵はハルピュイアの姿を視認し、湾曲刀を奪い返そうとする。しかし瞬きをすればハルピュイアの姿が既にそこには無い。無い的には銃も刀も当てることはできない。
 と、そこに二尾・結(通りすがりのツインテール・f21193)が砂けぶりを凄まじいまでに立たせて、処刑台へと真っ直ぐに突っ込んできた。
「船長さん!!! 大丈夫!!!??」
 大声で船長へ呼びかけ船長の驚いた顔で生存を確認すると、結は剣を取り出し進路を妨害してきた敵へと向けた。
 まるで猪の突進のような勢いは、ある種の潔ささえ感じてしまうほどだ。結は剣を巧みに振り回し、敵の攻撃を受け、それを愚直なまでにそのまま受け、力任せに押して反撃する。
「船長は私に任せなさい! 傷一つつけずに助けるよ!」
 澄んだ瞳で遠くにいる船長を見据えて敵を次から次へとなぎ倒して着実に前へと進んでいく。
 それもあってか、ハルピュイアの隠密行動がより効果的に働いていた。結の大声は広い処刑場によく通り、いやでも人はそちらへと意識を向けざるを得なくなってしまう。
 その隙をついて、ハルピュイアは船長の近くにいる敵の武器を次から次へと奪取していっていた。
 ただ、中には結に気を取られながらも、ハルピュイアに気を留める敵も少なからずいた。

ーーお、お前! 俺達の邪魔はさせない!

「もう、とっくにそっちの計画は邪魔されてるよ」
 湾曲刀を構える敵を、マフラーのように身につけていた両手ナイフで斬り込む。比較的小さな体が敵の死角に入ればその姿はほとんど視認できない。
「終わるまで、おやすみしててね……ちょっと煩いかもしれないけど」
「船長さん!!! もう大丈夫よ!!」
 ハルピュイアが処刑台周辺の敵を全て無力化したと同時に、結が処刑台の上へと辿り着く。結は船長の手足に結ばれた縄を外す。
「さて、お次は大ボスってやつね!!」
「……魚?」
 二人の視線の先にいるのは、異形となったコンキスタドールの姿。
 元は船長の部下であった人間の変わり果てた姿。
 元部下は処刑を邪魔されたからなのか、怒りをその表情に濃く浮かび上がらせていた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第2章 ボス戦 『ケートゥス』

POW   :    カファルジドマの嵐
【電気伝導率の高い雨と雷】を降らせる事で、戦場全体が【雷を伴う大嵐】と同じ環境に変化する。[雷を伴う大嵐]に適応した者の行動成功率が上昇する。
SPD   :    バテン・カイトスの雷霆
自身の【周囲に漂う双つの極星】が輝く間、【翅の様な発電器官から放つ体内電流】の攻撃回数が9倍になる。ただし、味方を1回も攻撃しないと寿命が減る。
WIZ   :    ステラ・ミラの群れ
【不思議な色のヒトデの群れ】が現れ、協力してくれる。それは、自身からレベルの二乗m半径の範囲を移動できる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠ルシル・フューラーです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ヴィリヤ・カヤラ(サポート)
「やるなら頑張らないとね。」
ユーベルコードは指定内の物を適宜使用。
武器は黒剣の宵闇、鋼糸の刻旋、媒介道具の月輪を良く使うかな。
戦場の状況は出来る限り確認しながら動いて、
誰かが攻撃されそうなのに気付けたらフォローに入るかな。

吸血行為は無理矢理にはしないけど、敵に対しても同様で
相手の許可が無ければしないよ。
父様から同族(ダンピール)と
自分の血を吸うのはダメって言われてるからNG。

一般人は依頼内で救助の必要性があると
明言されているならなら助けるけど、
そうでない場合は状況によっては見捨てる判断もするかな。

楽しめそうな事は思いっきり楽しむけど、
夏の強い日光は苦手かな。
味覚は苦い物と酸っぱい物は苦手。


シホ・エーデルワイス(サポート)
助太刀します!


人柄

普段は物静かで儚げな雰囲気ですが
戦闘時は仲間が活躍しやすい様
積極的に支援します


心情

仲間と力を合わせる事で
どんな困難にも乗り越えられると信じています


基本行動

味方や救助対象が危険に晒されたら身の危険を顧みず庇い
疲労を気にせず治療します

一見自殺行為に見える事もあるかもしれませんが
誰も悲しませたくないと思っており
UCや技能を駆使して生き残ろうとします

またUC【贖罪】により楽には死ねません

ですが
心配させない様
苦しくても明るく振る舞います


戦闘

味方がいれば回復と支援に専念します
攻撃は主に聖銃二丁を使用


戦後
オブリビオンに憎悪等は感じず
悪逆非道な敵でも倒したら
命を頂いた事に弔いの祈りを捧げます


プリシラ・マーセナス(サポート)
『記憶はなくても、物事の善し悪しはわかるよ』
『援護は任せて!君には当てないから!』
 キマイラですが、記憶を喪失した状態でダークセイヴァーで暮らしています。
ユーベルコードはどれでも使いますが、移動手段として「黒虎」を、緊急の近接手段として「ガチキマイラ」を使い、基本的にはマスケット銃での中・遠距離戦を好みます。
 依頼内容には拘らず、手当たり次第に選ぶ傾向があります。また、一人で戦うよりも前衛の隙を補う戦法を選びます。
 相手の年齢、性別を問わず少年的に振舞います(素を出すと侮られると思っている為)。但し、咄嗟に女性的になる場合があります(驚いた時の叫び声など)
後はお任せ、よろしくお願いします!



 バチバチと、辺りが弾ける。
 雷が空気を叩き、横に走る。その中心にいるのは鯨だ。
 水晶、宝玉、色付きガラス。
 色々な模様を浮かばせたそれは、傍から見れば綺麗な生き物であった。
 普通の鯨と異なる点をあげるとすれば――あげればキリは無いのだが――鯨自体が雷を発していることだろう。
 翅の様なものから放たれるそれは太陽の下、激しく光り、空気を裂く轟音を辺りにまき散らしている。
「なんか大きいし、静電気がすごいし、太陽も強いし……でも、やるなら頑張らないとね」
 黒い剣の身が照り返す陽の光に思わず目を細めながら、ヴィリヤ・カヤラ(甘味日和・f02681)はこちらを睨みつけている、であろう敵――ケートゥスを見遣った。
「船長さんを何とかして、避難させないと危ないですね!」
 シホ・エーデルワイス(捧げるもの・f03442)はふわりと浮かぶ銀の長髪には気にも留めず、身体の前で手を握る。
 先程まで手足を枷で拘束されていた船員達への回復を行っていたが、明らかな敵意に気付き、シホは猟兵達が対峙するこの場所へと来ていたのだった。
「うーん……たぶんだけど、今僕、結構もふもふになってるね?」
 プリシラ・マーセナス(迷い子猫(21)・f21808)は普段よりも少しだけふんわりした首元をすこし気持ち良さそうにしながら少しだけ戸惑ったような表情を浮かべた。
 マスケット銃を扱うには特に支障はないようだが、どこか所在が無さげだった。
 猟兵達がケートゥスをへと武器を向ける。
 そして地面を踏み出そうとしたとき、辺りに雨が降り始めた。雨は嵐となり、雨粒はその場にいる人々を横から殴りつけるようであった。
 雷も凄まじいほどに落ち、稲妻が猟兵達のすぐそこに何本も落下していた。
「これは、迂闊に近付けないよね……といっても、ここにいるのも危ないかな」
「だろうね。動いたら危ない、動かなくても危ない、となるならどちらを選ぶか、もうわかりきったことかな?」
「大丈夫です! もし雷に当たったとしても私が必ず治療します!」
「と、いうことみたいだね。他の人達もどうやら同じ意見みたいだ」
 雷が降りしきる中、猟兵達はあちらこちらに泳がせた視線を一点に集中させ、すくみっぱなしだった肩の力を抜いた。
「それじゃ、行こう!」
 ヴィリヤが先頭に立ち、ケートゥスに向かって駆け出す。少し距離を置いてプリシラが、最後尾にシホという立ち位置だ。
「せあっ!」
 ヴィリヤは黒い身を持つ剣――宵闇を蛇腹状にしてケートゥスの土手腹にぶち込む。
「っと……結構ピリピリ来るね」
「回復します!」
 剣先からやってくる電気は予想以上で、ヴィリヤの手首は剣を支えることはできるものの、満足に振るには難しそうだ。
 その様子をみたシホは即座にヴィリヤの元へとやってきて治癒を行う。
「なるほどね。それじゃあ僕の出番ってわけだ」
 プリシラが構えたマスケット銃から小気味よい音がリズム良く放たれる。弾丸は雷の間をすり抜けてケートゥスの身体へと傷をつける。

 ――ウガァッ!!

 咆哮が辺りに響き渡る。
 傷をつけたとはいえ、まだ致命傷には程遠い。
「皆さん、治癒が必要なら私に言ってください! すぐに向かいますので!」
 シホが最後尾から前へと叫ぶ。
 その声を頼りに、猟兵達は雷の中、武器を振るい続けた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

紫野崎・結名(サポート)
音は、こころ。こころは、ちから。
今はたぶん、この音が合ってる…と思うから

音によるサポート、妨害、撹乱が好み
攻撃や運動は苦手、特に腕力はほとんど無いです
なので、キーボードも肩にかけます

ピンチは黒い天使、歩くのはセブンリーグブーツ、Float on soundをふわっと浮かべてキーボードを演奏
キーボードはスマホとつないで音源を自由に設定変更できるよ
動物の鳴き声にしたり、管楽器の音にしたり、弦楽器の音にしたり

食は細くてすぐお腹いっぱい
そして人見知り気味

他の猟兵に迷惑をかける行為はしません
また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません


池葉・雉乃(サポート)
『私は、歌の力で皆さんを支えたい。』
 スペースノイドのサウンドソルジャー×バトルゲーマー、15歳の女です。
 普段の口調は「お仕事モード(私、あなた、~さん、です、ます、でしょう、でしょうか?)」、リラックス中は「砕ける(わたし、~君、~さん、ね、わ、~よ、~の?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



アラン・スミシー(サポート)
基本突然現れて仕事を終えたら去っていく人物です。

基本的に【乱戦】か【銃撃戦】での援護がメインとなります。
他の猟兵の手の足りない所に現れては銃で攻撃し、気を引いたり足止めをしたり敵の頭数を減らしたりします。
また既存のPCでトドメを刺しにくい時は【最終局面】を使って下さい。逆転の隙を作ったり、心情的に殺せないタイプのPCがいた際にどうぞ。

説得や交渉等が必要ならなんか良い感じの言葉を言います。
例:君の正義は分かった。しかしその正義は君を救ったかい?

ユーベルコードのセリフを参照し、MSの言って欲しい都合の良い言葉をアレンジしてやってください。
大体無意味に格好いいこと言ってます、割と適当に。



「鯨が雷纏わせてるなんて、随分とおかしなことになってるねぇ」
 飄々、という言葉が具現化したような口調でトレンチコートを翻すのはアラン・スミシー(パッセンジャー・f23395)。くるくると拳銃を回しながら雷をまき散らすケートゥスに向けてニヤリと不敵な笑みを見せた。
「やり残したこと、あるよね……」
 肩からつるしたキーボードの鍵盤を押して音を奏で始める紫野崎・結名(歪な純白・f19420)は、その小さな手をゆっくりと、必死に動かす。
 結名の奏でるキーボードの音色は宙に浮かぶスピーカーから辺りへと広がる。ユーベルコード『分離のアリア』。音色はその場に倒れ伏せる敵の手下達へと浸透し、がくり、と壊れた人形のように起き上がる。
 そして起き上がったそれは、結名の指令通りに動き始めた。
「もし歌の力で、手伝うことができるのなら、私は精一杯歌いたいです!」
 池葉・雉乃(音楽の裏方さん・f05834)も片手で事足りるほどの数の鍵盤であるサウンドウェポンを操作しながらケートゥスと対峙している。

 ――ァァッ!

 猟兵の数が増えたのを確認したケートゥスはひとしきり唸り声をあげ、バチバチと再び電気を辺りにまき散らし始める。
「……この雷が当たっても、壊れない、ですよね?」
「だ、大丈夫だと思います。私もバックアップは取りました……たぶん」
 横に弾ける雷に少しだけ怯えた表情を浮かべる雉乃と結名をよそに、ケートゥスは雷をより激しくまき散らし、辺りに広げていく。
「向こうさんもどうやら増援みたいだよ」
 飄々とした笑みを崩さず、アランは自身の拳銃を構える。構えた先にいたのはヒトデ――ステラ・ミラだ。様々な色が混じり合い、時に光り輝く個体もいるステラ・ミラの群れがケートゥスの周りにいつの間にか現れていた。
「ちょっと、めんどくさくなってきたねぇ」
「それでも、私たちがやらないと、また船長さんが危なくなってしまいます!」
「それもそうか。それに、仕事はしっかりとこなさないとね。それが例え救助した人の仲良かったお友達を倒すことでも、ね」
 ステラ・ミラを集めたケートゥスは再び奮起するように雄叫びをあげた。
 しかし結名と雉乃の音楽がその音をかき消す。
「私は、誰かの背中を押すための歌を歌いたいです!」
 雉乃の鍵盤は様々な音を奏でる。ドラム、キーボード、ギター、トランペット。DTMと評される音楽のように、様々な音が猟兵達の背中を押し、項垂れた船長の背中を押す。
「お願い……道を、開けてあげて」
 結名はキーボードを鳴らして操っている手下達を動かす。ケートゥスの周りをふらふらと彷徨っていた手下達は結名の合図で一斉に動き、道を作る。
 それは、先ほど助けられた船長がいる場所から、ケートゥスのいるところまで。
「君、やることがあるんだろう?」
 船長の隣には、いつの間にかアランがいた。
 泣きはらして瞼を腫れさせた船長は、アランを一度見る。
「別に、やらないって言うなら私がやってしまうけど、必要だと思うけどねぇ」
『――っ!』
 アランが銃先をケートゥスへと向ける。猟兵達によってダメージを与えられたケートゥスは、既に倒れる寸前のところまで来ていた。
 あと、致命的な一発が入れば確実に倒れるだろう。倒れてしまえば、もう言葉は通じない。届かなくなる。
 船長はアランの言葉にハッとして、血を流し震える足を律して立ち上がる。
 もう一歩、はできない。しかし喉はまだ生きている。

『――――っ!!』

 船長はケートゥス、否、仲間だった男に叫んだ。
 それはきっと、謝罪だったのかもしれないし、ちょっとした怒りだったのかもしれないし、もしかしたら許しを乞うたのかもしれない。
 猟兵達にはわからなかった。
 しかし、船長はそれだけ言うと、今度こそ気力を使い果たし、その場に倒れ、気を失った。
「よく、できました」
 しっかりと、言葉の最後まで聞き取ったアランは、ケートゥスの頭に一発、ぶち抜いた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​




第3章 日常 『酒盛りをしよう(未成年はジュース)』

POW   :    飲み比べで勝負する。酒樽全部もってこい!

SPD   :    酒のつまみを用意して、美味しく適度にお酒を楽しむよ

WIZ   :    飲酒は嗜む程度で、会話を楽しみます

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

シホ・エーデルワイス
《華組》

メガリスの試練に失敗した方を私は知らず
安易な事は言えません
そう
どんな人かは皆さんしか知りません
だから
覚えていてあげて下さい
それできっと安らかに眠れるでしょう

祈りを捧げる


元来引っ込み思案で人見知りする故
宴の類は苦手
燦が思い浮かび連絡を取る


油揚げを生地にし
具材にツナ、イカ、大根おろし、長ネギ、コーン、青のり、溶けるチーズ
マヨネーズで味付けしたピザを
【供宴】で料理し振舞う

すごい
燦もこんなに美味しい料理が作れるのね
?アクアパッツァはスープですよ?


燦が昏睡したら静かな場所へ連れて行き
膝枕で介抱
寝言は聞き流すが

子どもを望まれ思わず突っ込むも
想われている事に喜びと
同時に聖痕が

宿命を忘れるな

と疼き悩む


四王天・燦
《華組》

SPD

今更参上。
線香あげて祈る

さて油揚げ馬鹿なアタシだけど想い人―シホに普通に料理ができる所を見せるチャンスだ!
刺身・煮付け・酒蒸し…得意な和食でドヤ顔。
「褒めて褒めて♪」

意気込んで苦手な洋食も作る。
「アクアパッツァが出来たぜ♪」
海の幸溢れるピッツァを召し上がれ…
ぇ?パッツァとピッツァって違うの?

料理が出来たら酒盛だ。
油揚げピザは尻尾振って食べるよ。
酒はセーブして飲む。海賊のお触りは許しません。
海賊が恋路を冷かしたら誤魔化すように一気飲みで昏睡(野郎のお触りNG)

「大好き。一緒に暮らしたい…毎日おはようが、言いたい…」
寝言で願望が漏れる

「シホのこども欲しい」
不意打ちで爆弾寝言するけどね


神々廻・朏
ユウキ(f05741)と一緒

酒盛りと聞いたら参加しない訳にはいかない
とワクワクしながら参加
強そうな人見つけては
「僕と酒呑み勝負、どう?」
と声をかけ
見た目で油断したら駄目だよ?
僕は酒豪だからと余裕の微笑みで飲み続け
一緒に勝負し始めましたユウキもちゃんと飲んでる?と覗いてみれば
「お!さっすがいい呑みっぷ!」
と上機嫌に言いつつも
空になったコップを見れば
「ほら…まだまだ飲めるでしょ?」
と自分も飲みつつ次々相手にも御酌しよう
御酌をし返されたら
ありがとー!と嬉しそうに

潰す気かと問われれば
「まさか!この程度で潰れたりなんてしないでしょ?」
と上機嫌
視線を感じれば振り向いて笑いつつ、まだまだこれからだよと笑顔で


ユウキ・ネストラ
朏(f02894)と参加

「飲み比べなら俺も混ぜてくれよ」
朏がふっかける勝負に俺も乗り、共に飲み比べに参加したい
相手の方が強そうな酒飲み勝負は普段なら避けるところだが、好きなだけ飲める場所でそんなこと言うのも無粋だよな
そうそう負ける気もないが
軽々杯を空ける朏に負けじとこちらもどんどん飲み干す
金の心配をせずに飲めるのっていいよな
呑みっぷりを褒められれば「そっちほどじゃないけどな」ニヤリと笑い、どんどん注がれる酌に対しては「おいおい、まさか潰す気か?」思わず警戒
そっちも呑め呑めと、負けじと朏に手酌する
俺も結構強い方なんだけどな。こいつの体どうなってるんだ
次々消えていく酒を見て、思わずまじまじ朏を見る



 しんみりとした空気は、無かった。
 むしろ、やり遂げた、といったように海賊達は騒ぎたてていた。ガシャン、と木製のジョッキがぶつかり合い、辺りにはアルコールの独特な匂いが漂っていた。
 星空の下、灯りの下には大量の樽があった。一つを除いてすべて、酒だ。
「ねえねえ! 僕と酒飲み勝負、どう?」
「なんだ姉ちゃん、俺達と飲み比べってかぁ?」
「ふふ~ん、見た目で侮ってもらっちゃあ困るって話だよ?」
 神々廻・朏(三日月・f02894)はふと見つけた島で酒盛りする、という情報を耳にして乱入してきたのだった。しかし海賊達は思いがけない闖入者に驚きはせず、むしろ宴に巻き込み、ともにジョッキをぶつけ高らかに笑う。
「飲み比べなら、俺も混ぜてくれよ」
 朏と海賊の一人が白いひげをつけていると、ぬっ、と灯りを遮る人影。ユウキ・ネストラ(人間のバーバリアン・f05741)だ。
「おうおう、兄ちゃんも一緒にのむぞぅ!」
「なんだ、もう出来上がってんのか?」
「お、待ってましたぁ! はい、これ!」
「おう、悪いな。こんな時でもなきゃパーッと何も考えずに飲むことなんざできないからな……かーーっ!」
 同じようにひげをつけたユウキはジョッキの中に入っていた炭酸をあおる。少し苦い炭酸のジュースは喉に染みわたり、身体のしみじみに広がる――ような気がしていた。
 ジョッキを一つ開けると、待ってましたと言わんばかりに朏がジョッキに再びジュースを入れる。
「お! さっすがいい呑みっぷり!」
「良い飲みっぷりじゃねえか兄ちゃん!」
「そっちほどじゃあないけどな……おい、朏。まさか潰す気か?」
 楽しそうに笑い、手を叩く海賊もユウキに負けじとジョッキをあおる。
「まさか! この程度で潰れたりなんてしないでしょ?」
「お前なぁ……明日大変になっても知らねえぞ?」
「それはお互い様ってやつだね……ん、ん、んっ、ぷはああっ!」
 朏はにやにやとユウキを見上げる。その脇にすでに何杯ものジョッキが転がっているのはユウキは気が付いている。しかし顔は赤の気配もない。
「おっちゃん、もう一杯!」
「おう待ってな姉ちゃん! その飲みっぷり気に入った!」
「あんたも明日ひどい頭痛に苛まれるぞ……」
「良い良い! 明日はどっちにしろ動かないつもりだからな!」
 ユウキは、それなら良いか、と肩をすくめてジョッキを再び空にする。隣を見れば二倍ほどの速度で消費する朏。
「こいつ……どうなってんだ、ほんとに……?」
「ん? 僕のこと?」
 けふ、と可愛らしくガス抜きをし、朏は信じられないものを見るように自身を見るユウキを見やる。
「まだまだこれからだよ!」
「おぉう! まだまだこれからだってもんだぜ!」
「二人とも……ほどほどにしておけよ」
 新しくやってきた木樽から炭酸を取り出し互いのジョッキに注ぐ朏と海賊にあきれ果てたように眉をハの字にするも、ユウキは酒精の香りに耐えられず、自身もジョッキを満たすのだった。

 翌日、元気な朏と頭を抱えるユウキを見かける猟兵達が多かったようだが、それはまた別の話。


 ◆◇◆◇◆


 宴の場所から少し離れた場所。そこではアルコールの香りに混じり、海鮮やチーズの香りが漂っている。焚き火の上では鉄製のフライパンがじゅうじゅうと音を鳴らしている。
 シホ・エーデルワイス(捧げるもの・f03442)と四王天・燦(月夜の翼・f04448)は宴の一角を借りて持ち込んだ食材で料理を作っていた。
「私の慈愛をここに、私の献身をここに、私の祈りをここに。主に感謝し捧げます」
 ユーベルコード『【供宴】もてなし捧げるもの』。シホは今回の戦いを全て最後までしっかりと目に焼き付けていた。少しでも安らかに眠れるように、と祈りを捧げた。
「さて、できました。燦はどう?」
「へへ~ん! ちゃんとできたぜ! アクアパッツァ♪」
「まぁすごい! ……あら?」
 シホの調理していたフライパンにあるのは、ツナ、イカ、長ネギなどをちりばめて油揚げを生地にし、たっぷりとチーズをかけてとろけさせた油揚げピザ。
 そして燦の調理していたところにあったのも、ピザだ。
 トマトをベースにしたソースの上には近場の海で採れたものを海賊から分けてもらった海老やイカをふんだんに使っている。言ってみれば、アクアピッツァだ。
「すごいだろ? 褒めて褒めて♪」
「?? アクアパッツァはスープですよ?」
 まるで子犬のようにシホを見上げる燦の表情が一瞬真顔に戻る。そして首を軽くかしげた。
「……ぇ? パッツァとピッツァって違うの?」
「大分違うものだと思うのだけれど……でも」
 パクリ、とシホは立ったまま燦のピザを手に取り口に運ぶ。小さな一口を頬張り、笑顔を浮かべた。
「これも、美味しいわ」
「ほ、本当!? なら良かった!」
「それじゃあこれ、早く皆さんに持っていきましょう」
「おう!」
 皿に盛ったピザを酒盛りで半分ほどすでにつぶれている集団に持っていけば、たちまち無くなっていく。
「あ、ちょっとそれアタシの!」
「嬢ちゃん達もとっとと食わねえと、俺たちは加減ってのは持ってねえからな!」
「だ、ダメだ! ほ、ほら早くシホも食うんだぜ!」
「ふふ、別に燦にはいつでも作ってあげるけれど」
 食料争奪戦を繰り広げる燦はやがて海賊達との酒盛りで盛り上がり、恋バナで盛り上がる。
 空が白むころには火は消え、海賊達はその場で爆睡し始めてしまった。
 同じペースで付き合っていた燦も爆睡し始め、それをシホが介抱する絵面がそこにはあった。
「……むにゃぁ」
「ふふ……全く、燦ったら」
 困ったような、嬉しいような表情を浮かべるシホは膝に燦の頭を乗せて、髪を軽く撫でた。
 色々な感情がシホの心の中を巡る。
 そんなことを知ってか知らずか、燦は寝言を呟く。
「――大好き。一緒に暮らしたい……毎日おはようが、言いたい……シホのこども欲しい……」
「こ、子供っ!? ……ふふ、えへ、えへへ……」
 所詮は寝言、なのだが、シホは嬉しそうに口角をあげる。
 と同時に感じる痛みのような、疼き。
「んっ…………」
 その相反する2つに思いを馳せながら、シホは燦の寝言を聞いて、朝が白むのを待った。


 ◆◇◆◇◆


 翌日、猟兵達は笑顔の――どちらかというと頭痛に苛まれる割合が多かったが――海賊達に手を振られ、その場を後にする。
 船長の顔は、まだ何かしら考えていることはあったようだが、幾分と晴れたようだった。
「今度は俺が、ちゃんとやるから」
 その一言を猟兵達に告げて、船長達は元の生活へと戻っていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年05月23日


挿絵イラスト