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絆を紡ぎし航海路Ⅱ~コハ・マーケット財宝争奪戦~

#グリードオーシャン

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#グリードオーシャン


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●コハ島・定例周期ジャンクマーケット
「なあ、あの噂は本当だと思うか?」
 コハ島で行われる定期的に行われるマーケット。島民だけではなく、近海の海賊達も参加する一大市場として認知されているこの島で今、ある噂が話題となっている。
「ああ、コハ島で発掘された財宝の話か? どうやらマジらしいぜ。コハ島の上役連中が今度のコハ・マーケットに出すって話だ」
 コハ・マーケットというのは、年に一度行われるコハ島最大の自由市場の総称だ。それももうまもなく開催予定とあって、人も多く集まり、船舶も港に溢れかえっている。
「マジか。どこの店だ?」
「そりゃわからん。あくまで客寄せも兼ねているからなあ。それにその財宝はメガリスらしいからな」
 呪われた財宝「メガリス」。力を与えるとも、呪いで死後も縛り続けるだのと噂が絶えない曰く付きの宝だ。商いで扱うにしても、厳重な取り扱いになるのは間違いない。
「そうか。じゃあコハ・マーケットの時に探してみるしかないな」
「そういうことだ。じゃ、また来てくれよ!」
 そう言って話を終えた男が、店主に代金を渡し買い物を終えて店を出る。そして男は口を緩ませる。

「どうやらメガリスはあるらしいな。そりゃ俺達が頂かないとなぁ」

●グリモアベース・ブリーフィングルーム
「えっと、猟兵の皆さん! お仕事の時間です!」
 そう言って元気一杯に声を出すのは、グリモア猟兵としての初仕事を迎えるセイレーンの一人、エィミー・ロストリンク(再臨せし絆の乙女・f26184)だ。グリードオーシャンは故郷ということもあり、予知しやすいと義姉より任された次第だ。
「今回は、メガリスって言う財宝がマーケットに流れるかもって情報があるの。だから皆でそのマーケットが開かれている島へと行って欲しいんだ!」
 そう言って魔術で景色を投影して、その姿を皆の前に映し出す。その島の名前はコハ島。スペースシップワールドの宇宙船が落ちて島となった所だ。もう宇宙船としての機能が失われて久しい島ではあるが、元々交易が主流の船だったらしく、自由市場を開き、その収益で海賊などを雇って島の秩序と平和を維持している経緯がある。
 そしてその年の最大市場であるコハ・マーケットにコハ島で発掘された財宝「メガリス」が売りに出されるという噂がこの近海に広まっている。それを求めて、多くの海賊達が集まってきているらしい。
「でもその中にコンキスタドールも混ざっているんだ。だからその人達も倒して、メガリスも手に入れて欲しいんだー!」
 そのコンキスタドールを炙り出すついでに、マーケットで買い物や掘り出し物を探すなど楽しむのもいいだろう。
「あとわたしの勘なんだけどー、このメガリス、とっても嫌な予感がするんだよね」
 だから気をつけて、とエィミーが言うと同時に鉄甲船「失絆号」への転移が始まる。大海原で開かれる大市場で、財宝と商売と戦いの物語が今、紡がれる。


ライラ.hack
 海で行われる大規模市場にて眠るメガリスの行方は……?
 どうも皆様こんばんわ、ライラ.hackです。

 このたびはスペースシップワールド系の島・コハ島で行われているコハ・マーケットで売られているだろうメガリスの確保、及びにそれを奪いにやってくるコンキスタドール達の撃退です。
 コンキスタドール達はマッケート参加しにきた海賊達に紛れていますので炙り出すためにも、こちらもマーケット参加していきましょう。鉄甲船の装備や、掘り出し物を探してみるのもいいかもしれません。

 今回の財宝(メガリス)はどんなものなのか、それは皆様の目で確かめてください。
 それでは皆様の素晴らしいプレイングをお待ちしております。
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第1章 日常 『鋼鉄のジャンクマーケット』

POW   :    武器などを目当てにマーケットを回る

SPD   :    補強材料などを目当てにマーケットを回る

WIZ   :    設計図などを目当てにマーケットを回る

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🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●グリードオーシャン・コハ島「コハ・マーケット」開催会場
 無数の船舶が今、コハ島の港に停泊している。海賊達と商人達、そして現地民達が活気を持って商売を行おうとしている。島の前進であった宇宙船の由来から、交易を主にして栄えてきたコハ島。定期的な市場とは別に、年に一度の掘り出し物や逸品を売りに出す最大交易市場「コハ・マーケット」が開催されているのだ。
 海賊達は自身が略奪した物を商人達に売りつけたり、または他の海賊達と交換していたりする。商人達は持ち込んだ商品を海賊達に売買し、また略奪品を買い付けたりもする。現地民達は会場開催の為の運営・または自身も商いへと参加している者達もいる。
 こういった人の坩堝の中で、掘り出し物を探したり、自分の求めている物を探したりするのも楽しいものだろう。それこそショッピングの醍醐味でもあるのだから。
 だが猟兵達は仕事も忘れてはいない。ここにこのコハ・マーケット最大の出品物となる発掘された財宝「メガリス」を狙うコンキスタドールがいることに。それを探すとなると至難となるだろうが、それでも警戒を怠ってはならない。
 とはいえ、このコハ・マーケットを楽しむのも一興であろう。猟兵達はそれぞれの目的のために活気あふれるマーケットへと足を踏み入れた。
シン・ドレッドノート
アドリブ絡みOK

マーケットの店先をのぞきながら、売り子さんと世間話。
財宝について聞いてきた人がいたら、その特徴を聴いておきますね。

とは言え、せっかくなので何かついでに買い物もさせていただきましょう。
ボトルシップ・貴紅に取り付ける羅針盤で良いものがないか、探してみます。

「ちょっとそこの羅針盤、見せていただいても?」
売り子の方に声をかけて、品物を手に取ってじっくり見せていただきましょう。
機能優先ですが、見た目も重視。
船体にピッタリくるような赤色を用いた物があると良いのですが。

「良いものを取り付けた時のモチベーションが違いますからね」
装備は命にかかわるものですので、コストはあまり気にしません。


桐嶋・水之江
◆なんでも歓迎
お宝を巡ってロクでもない目に遭うのはお約束…嫌な予感がするならつまりそういう事ね
さて愛しのメガリスを探しに市場を物色しましょうか
ついでに珍しいパーツが無いか見ておこうかしら
色んな世界からの漂流物が落ちてくるこの世界なら、色々面白いものもありそうだし
元の世界じゃ遠い昔にロストテクノロジー化してる代物もあったりして
まあ、保存状態にはあまり期待できなさそうだけれどね
勿論本来のお仕事目的も忘れてないわよ?
調査の基本は聞き込みよね
物色ついでに店員さんに伺ってみましょうか
とは言え急にメガリスの名前を出したら警戒されるかもね
けれど口が固いなら緩めればいいだけ…狂おしい誘惑を掛けてあげるわ



 コハ島。スペースシップワールドから落ちてきた宇宙船がそのまま島になったという過去を持つその島は、交易船という強みと積荷を用いて、自由市場として今日まで栄えてきた。
 そして定期市場を開催するコハ島の中でも、年に一度様々な逸品・珍品が集うと呼ばれている大規模市場「コハ・マーケット」。それが今日、開かれている。
 それに参加するために、近隣の島からはもちろん、屈強な海賊達や大海を渡る者達も集う結果となっている。だが今回のコハ・マーケットは過去最高の規模になるほどの盛り上がりを見せていた。それもこれも今回は呪われた財宝「メガリス」が目玉として売りに出されるという噂があるからだ。
「さあ、安いよ安いよ!」
「おう、そこの人! こっちを見ていきなァ!」
「おい、大将! こいつはいくらだ?」
 そういう声が飛び交う活発な市場の中を、シン・ドレッドノート(真紅の奇術師・f05130)は優雅に歩く。妖狐という特性を生かし、若さを保つ美貌の青年は売り子をしている女性と世間話をしていた。
「フフッ、シンさんは面白い方ですね」
「そう言って頂けるなら幸いですよ。ところでお嬢さん、ここ最近あの噂はお聞きになられましたか?」
 そう聞くと売り子の女性はやはりという顔をしてシンを見つめている。この手の噂話はよく持ち上がるのだろう。
「シンさんもメガリスを求めていらっしゃるのですか? 私もよく知らないんですよね~」
「おや、その顔ですと私以外にもこの手の話を聞いた方が?」
「もちろん! 色々な方々が噂が本当か、どこに売りに出されているのかってしつこいくらいですよー!」
 さすがに多くの海賊達が求めている財宝だけあって、かなり不特定多数の人達が噂の真偽について尋ねているようだ。特に最近は真紅の商船の一団がその情報収集に熱心だという。
 財宝の情報はさすがに聞けなかったが、それを求める者達の特徴を聞けて満足するシン。だがここで満足するようでは、さすがに売り子に悪いというものである。
「ちょっとそこの羅針盤、見せていただいても?」
「あ、はい。いいですよ♪」
 そこで店頭に並んでいる羅針盤から真紅の色合いのものを手に取ってみるシン。ボトルシップ・貴紅に取り付ける羅針盤に似合いそうなものを探していたシンにとって、その羅針盤はとてもしっくりくるものであった。
 機能優先ではあるが、見た目も重視しているシン。品物を手に取ってじっくり見れば見るほど、その赤が船体の赤にピッタリというイメージが出てきたので、即決する。
「これを頂きましょう。包んでいただけますか?」
「まいどありー! ありがとうございますね♪」
 そう言って売り子の女性から赤の羅針盤を買い上げるシン。装備は命に関わるので、コストは度外視した買い物というわけだ。
「良いものを取り付けた時のモチベーションが違いますからね」
「中々上機嫌ね、シンさん」
 そういって隣を歩いている水着姿の美女は桐嶋・水之江(機巧の魔女・f15226)。グリードオーシャン世界にあった衣装に身を包んでいるといった彼女は日傘を差しながら、優雅に隣を歩く。
「でも新婚さんなのだから、女性を口説くのは程々にね」
「おや、それは心外ですね。私は妻一筋ですよ。それに情報も品物もいい物を手に入れられたわけですし」
 からかい気味に言う水之江に対し、シンは余裕の笑みを返す。いい男というのは本当に様になるということを見せつけられてため息をつきつつも、呪われた財宝「メガリス」について思いを馳せる。
 そういった財宝を巡って争いが起き、ろくでもない目に合うのはある意味お約束ともいう。水之江は嫌な予感というのをそういう解釈をしつつ、それを想定して行動を開始する。
「さて愛しのメガリスを探しに市場を物色しましょうか」
 シンは目的のモノを手に入れたのだから、という形で今度は水之江が連れまわし市場を物色する。メガリスはもちろんであるが、他に狙うは愛しの自艦ワダツミに合う珍しいパーツがあるかどうかだ。
 グリードオーシャンと言いう世界の特徴から、様々な世界から色々な漂流物が落ちてくるだろう。その世界であれば、面白いものがあるかもしれないと胸躍らせる水之江であるからだ。
 スペースシップワールドでは銀河帝国によって一度文明・惑星が徹底的に破壊された過去を持つことから、もしかするとそれ以前のロストテクノロジー化してる代物もあるかもしれないという期待もあるからだ。
「まあ、保存状態にはあまり期待できなさそうだけれどね」
 そう言ったものがあってもこの海風に晒される世界。あったとしても実用性はないかもしれない、とあまり期待していない水之江。そう言った時ほど思わぬ出会いというのもあるものだ。ふとこの世界には場違いな金属で構成されたパーツが置かれた店を発見する。
「これ、売り物かしら?」
「ああ、そうだ。ただ耐久性は期待するなよ。ただ錆びないってだけの代物だからな」
 興味を引く代物を見た水之江はこれがこの時代のものではないことを一目で見抜く。そして科学的観点からの興味から購入は決定したが、もちろん本来の仕事を忘れてはいない。
「へえ……興味深いけど、もっと珍しいものとか知らないかしら?」
「……なんだ? アンタもアレについて探しているのか?」
 そう言って店員は警戒心を上げたのか、語気が強くなる。あまりにも聞かれることが多いので霹靂しているというのが態度にも表れているのだろう。そんな水之江は慎重かつスムーズな聞き込みをするために、能力「狂おしい誘惑(ファシネイション)」
 瞳があった瞬間、対象の意識を自身に集中させる誘惑魔術が放たれる。すると店主は一種の興奮状態になり、判断能力が著しく低下する状態になる。いわゆる魅了状態という奴だろう。あまり乱発は好みではないが、効果的に情報を得るにはやむを得ないという奴だと感じで水之江は情報収集を続ける。
「噂のアレについて、店主は知っているのかしら?」
「いや、詳しくは知らないが……ただしつこい奴等がいてな。いっそのこと運営委員会にでも聞いてくれって言ってやったんだよ」
 コハ・マーケットを取り仕切るこの島の運営委員会の人間ならば、その噂のメガリスの場所はわかるだろう。そう教えるとそのしつこい連中は去っていったらしい。その情報を聞けて満足すると、水之江は錆びないパーツを購入して、少し上機嫌になっていた。
「あまり褒められた手段ではないですね」
「あら、あなたの売り子に対する態度も似たようなものでしょう?」
 クスクスっと悪戯っぽく笑う水之江に、買い物に付き添っていたシンも苦笑して返すしかなかった。美女には敵わないといった笑みだったのかもしれない。

 こうしてメガリスの情報はあまり手に入ることはなかったが、それを追う者達に関しては中々に有力情報を得た二人はコハ・マーケットで物色を続ける。さらなる有益な情報を得るため、そして掘り出し物を探す為に、思う存分楽しむことも忘れない二人であった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ガーネット・グレイローズ
スペースシップワールドから落ちてきた島か。馴染み深いね。
さて、どんな掘り出し物があるかな?

ガーネット商会を率いてマーケットに参加。
商品はコーヒー豆やお茶。それにタバコと香辛料。
サムライエンパイアのカタナもあるよ。
こちらのお目当ては木材や金属部品。グリードオーシャンには老朽化した
建物が多いから、建築資材の需要は高いんじゃないかな
それと工事に使う機械や工具も使えそうなものがないか
<世界知識>で調べてみよう。よさげなものを見つけたらゴールドや
シルバーを使って<取引>。それから<コミュ力>も
交渉の武器にしたいな。入手した品物は部下の
船乗りに持ち帰らせて、会社の倉庫にストックしておこう。


田中・香織
中遠距離用の大型の重火器はあるけど、接近戦用の拳銃が無いから、せっかくの新世界だし、良いのが無いか探してみるわ。
こういった世界だし、掘り出し物がありそうだし。



 コハ島で年に一度行われる最大の自由市場「コハ・マーケット」は稀にみる大盛況を見せている。商船から持ち込んだ珍しき交易品が立ち並び、それを交渉し購入していく他の島の海賊や商人達。マーケットを取り仕切るコハ島の運営委員会の人間も忙しなく動き回っている。
 武器・弾薬はもちろん、食料・香辛料・材木・資材など様々な物が商いとして扱われている。そのあまりの店の多さに海賊達も一日では回り切れないと諦めるくらいの出店数であったと言えるだろう。
 これほどの商店や商会を招聘できるのも、長らく自由市場として培ってきたコハ島の信頼があるからだろう。だからこそ、ここでは争いではなく経済による理知的な商いが行われているのだ。
「スペースシップワールドから落ちてきた島か。馴染み深いね。さて、どんな掘り出し物があるかな?」
 そう言って辺りを見渡しているのが、吸血貴族グレイローズ家の娘であるガーネット・グレイローズ(灰色の薔薇の血族・f01964)だ。己が宇宙船ステラマリア号を率いて自らの会社を設立しているだけあって、この島となった古き宇宙船に思いをはせる。
 だが今回は掘り出し物を探すだけではなく、このコハ・マーケットに参加する「ガーネット商会」を率いて参入する側でもあるのだ。
「さあ、仕事だ。全員、商会の一員として結果を出せ!」
『へい、姐御!』
 能力によって呼ばれたグリードオーシャンの船乗りはきびきびと働く。船乗りとしての能力は一流ではあるが、商売に関しては多少の不安は残る。だが荒くれ者を相手にするのであれば問題はないだろうとガーネットは考えていた。
 ガーネット商会にて扱う品々は、コーヒー豆やお茶、それにタバコと香辛料といった嗜好品がメインだ。さらに東方の品であるサムライエンパイアのカタナも取り扱っている。
「お、こいつはいい品だな!」
「なんだこりゃ? 変な形だが美しい刀身だな」
 品質がいいガーネット商会が扱う品々に海賊や商人の人間が集まり、たちまちに大盛況となっていく。それを傍目で見つつ、ガーネットはお目当てのものを探す為に動き出す。狙うは木材や金属部品。グリードオーシャンは大陸がなく島だけの世界。つまりは海風に晒され老朽化した建物が多いから、建築資材の需要は高いと踏んでいた。
 そしてそのついでに工事に使う機械や工具も使えそうなものがないかも探して商店を見回ってみる。するとそういった物を扱っている商店群に当たることになり、ガーネットの目に適った物を購入する為に交渉していく。
「…………では、ゴールドとシルバーをこの比率でいいかな?」
「まったく負けたぜ、嬢ちゃん。そこまで言われたら、俺等の沽券に関わるってモンよ」
 そう言われてガーネットはニッコリと満面の笑みを浮かべる。会社を率いるものとして、こういった交渉事はお手の物だ。その商談の手腕をほめられることは悪いことではない。
「うおおおおおおおお! 武器武器武器ーーーー!」
 商談を取り纏めて商会の人間を呼んで購入した資材を運搬させようとしたガーネットがいた店先に縦ロールにしたピンク色の髪の少女が走り込んでくる。その少女こそ、人形のヤドリガミ田中・香織(ヒーローに憧れた人形・f14804)だ。
「なんだ、香織か」
「ガーネットさん! 接近戦用の拳銃ない? ここにお宝の臭いがしたんだけど!」
 特徴的なフィルムスーツ姿の香織が元気一杯に問いかけてくる。グリードオーシャンという新世界に足を踏み入れテンションが上がっている香織。未知の世界ということで掘り出し物があるかもしれないという予感に心が躍ったものだ。
 現在は中遠距離用の大型の重火器はあるが、接近戦用の拳銃はないので、ここでいいものを発見できればとコハ・マーケットを疾走している感じなのだ。そんな香織のハイテンションな様子にガーネットは苦笑する。
「ここは材木や資材を扱うエリアだ。武器はもう少し東にいったエリアに集中していたぞ」
「マジですか! ではそっち行ってみますねー!」
 そう言って教えられたエリアに全力疾走していく香織を見て、ガーネットは羨ましく思う。あれも若さ故のエネルギーであるものか、と。
「そういえば、あの嬢ちゃんみたいな赤い恰好の連中、最近よく見るな。何かあるのかねえ」
 その店主の呟きをガーネットは聞き逃さなかった。そういうちょっとした異変というのは、案外重要な案件に繋がっているというのはガーネットの経験則にも当てはまるからだ。
 呪われた財宝「メガリス」を狙って蠢動している連中、つまりはコンキスタドール。それらの動きが掴めるかもしれないと思ったガーネットは店主に対してその聞き込みも行っていく。

 こうしてガーネットは商会としての商いだけではなく、お目当ての資材や情報も手に入れることができた。その成果は十分に満足に足るものだっただろう。
 そして何気に情報を引き出した香織はというと、実用性はあまりない装飾が繊細に施された短銃に目を奪われ、キラキラした好奇心を満たしていたという。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

フローレンス・セブンスター
ジェシー(f25752)と共に行動。

・心情
(宇宙船を見て)
…こういう島もあるとは…まさに混沌の海だな。
確かにジェシーがはしゃぐのも無理はない。

・行動
まず(ドクワゴン内で)UC【アルジャーノンエフェクト】使用。
時間の限り世界知識・情報収集を駆使し、この島の全体像をまとめる。
昏睡前に自分の端末にそれを入力。

昏睡から覚めてから、ジェシーと合流。
はしゃぐジェシーを宥めながら
「観光で来てるんじゃないんだぞ…まぁ、気持ちはわかるが…」
マーケットを回る。
(目当ては、アポカリプスヘルで使えそうな装置や施設の設計図)
-いくらデータをまとめたとはいえ、そう都合よく見つかるかどうか…。

絡み・連携等は一任します。


ジェシー・オーガスタス
フローレンス(f25726)と共に行動。

・心情
…宇宙船の浮かぶ島まであるなんて…海の世界は広いんだなぁ。

・行動
まず島全体をUC【ゴッドスピードライド】を使用して回れる範囲を捜索。
常にフローレンスと連絡を交わしつつモニタリング。
彼女が「UCを使用する」と言ったら急いで帰還する。
(帰還後、自分の端末にデータを転送)

彼女が昏睡から覚めた後、一緒にマーケットを回る。
(探すのは、居住宇宙船に仕えそうなパーツなど)

フローレンスに窘められたら、
「あっ、いえ…確かにそうですけどっ。
この島は私の故郷と同じような場所ですし…」
しどろもどろになりつつもこう返します。

アドリブ・絡み等は一任します。



 コハ・マーケットは今年最大規模の名に負けないように盛り上がりを見せ、大盛況のまま時は過ぎ去っていく。このまま終われば素晴らしい取引ができたという船が多く出るであろう。
 だがその裏ではコンキスタドールが暗躍し、呪われた財宝「メガリス」を狙って蠢動しているという。そのメガリスというのもどういったものかも一切不明なのも不気味さが出ている。
 その企みを叩き潰し、メガリスも手に入れることが何とか手に入れるのが目的だ。その為に市場を回り、情報を集めている。
 しかしコハ・マーケット内だけが情報を手に入れる場所ではない。コハ島の外周を疾駆する宇宙バイク「シャドウチェイサー・Ω2220」を駆るジェシー・オーガスタス(世界を駆ける運び屋・f25752)は、雄大な海の光景を見て呟く。
「…宇宙船の浮かぶ島まであるなんて…海の世界は広いんだなぁ」
 そう呟きながらもバイクを駆りながら「ゴッドスピードライド」を使用して、思う存分疾走している。それは単純にドライブを楽しんでいるだけではなく、島全体を走行して回れる範囲を捜索しているのだ。
 そしてそのデータをモニタリングしてドグワゴンで眠そうに情報を整理しているのが、相棒のフローレンス・セブンスター(サイバードクター・f25726)である。
「…こういう島もあるとは…まさに混沌の海だな。確かにジェシーがはしゃぐのも無理はない」
 モニターごしでもジェシーが楽しそうにしているのはフローレンスが感じ取ることができた。だが仕事は果たさなければならない。ジェシーが集めた情報とモニタリングを元に、フローレンスが詰めの作業に入る。
「ジェシー。能力を使うので、後は頼む」
『……! わかった。すぐ戻るね!』
 そしてドグワゴンで能力「アルジャーノンエフェクト」を使用する。モニタリングした画像で、何かヒントになりそうな画像や島の全体像から得られる情報。それを瞬時に取捨選択して情報収集を果たし、コハ島の全体像を把握していく。
 だが脳をフル活用して行うその能力の活動時間は短く、すべての情報を整理し、自分の端末に結果を入力し終えた瞬間、倒れるようにフローレンスは昏睡状態に陥る。
「ドクター、大丈夫!?」
 そうして宇宙バイクをぶっ飛ばして帰って来たジェシーはドグワゴンの中に勢いよく入り、倒れ込んでいるフローレンスに寄る。意識はないものの、可愛い寝息を立てている。どうやら無事だということで、ほっと一息吐くジェシー。
 そしてフローレンスが打ち込んだ端末に、自分の端末を繋げて情報の共有を始める。その作業の中で気になる単語を見つけるジェシー。
「……鉄龍伝承?」
 どうやらコハ島の外れに刻まれている鉄板の碑文をスキャンできたらしい。その内容は遥か昔、鉄の龍が暴れまわり、島で決死の戦いがあった。何とか勝利し宝物を得て、コハ島は平穏を取り戻したという。そしてその宝物は決して動かすことなかれ、と警告文のように刻まれていたが、今や錆びがかっている碑文。コハ島の人間でも存在を知る者はどれほどいるかのレベルだろう。
 この情報はもしかすると売りに出されると噂の財宝「メガリス」のことかもしれないと、ジェシーは推察する。そして彼女の手は優しくフローレンスの頭を撫でる。お疲れ様、と言わんばかりに。

 そして情報収集の後、昏睡状態から目覚めたフローレンスはジェシーと共にコハ・マーケット内へと足を踏み入れていた。
「わあ、すごい! 結構色々とあるものですね」
 そう言いながらジェシーは居住宇宙船に仕えそうなパーツに使えそうな素材が集まる、ジャンクパーツ市場に来ていた。大航海時代レベルまで文明レベルが下げられている世界とはいえ、オーパーツとしてスペースシップワールドなどの資材も混ざっていることがある。そういうのを発掘することに、ジェシーは瞳を輝かせる。
「観光で来てるんじゃないんだぞ…まぁ、気持ちはわかるが…」
 昏睡から覚めた頭を必死に叩き起こしながら、はしゃぐジェシーを窘めるフローレンス。そう言いつつも、彼女もアポカリプスヘルで使えそうな装置や施設の設計図などを探しているわけだが。
「あっ、いえ…確かにそうですけどっ。この島は私の故郷と同じような場所ですし…」
 コハ島はスペースシップワールドの宇宙船の名残が多く残っている箇所が見受けられる。それを見ているとジェシーとしてもテンションが上がる要因なのだろう。そういってしどろもどろになりながら言い訳をするジェシーを見てフローレンスは軽くため息をついて笑う。
「わかったわかった。戦いまでは楽しもう。それも仕事だ」
「……! はい、ドクター!」
 そう言ってジェシーはジャンクパーツから掘り出し物を探すのを再開する。フローレンスは保護者気分でそれを見つめて、「鉄龍伝承」のデータを見る。
「いくらデータをまとめたとはいえ、そう都合よく見つかるかどうか…」

 そのフローレンスの懸念は的中し、さすがにコハ島のメガリスに関する情報はあまり集めることができなかった。
 だがジェシーはよさそうなパーツを見つけ、フローレンスも怪しい装置を嬉々として買い上げるなど、彼女達は思う存分コハ・マーケットを楽しむことができた。情報も得ることができたこと、そして相棒と無二の時間を過ごすことができたことは、何より得難い物となっただろう。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『武装商船団・雇われ船員』

POW   :    姑息なる武装「商品使用」
装備中のアイテム「【湾曲刀(商品)】」の効果・威力・射程を3倍に増幅する。
SPD   :    偶然なる連携「十字砲火」
【好き勝手に動く船員達が銃撃】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
WIZ   :    強欲なる叫び「士気高揚」
【誰よりも強い】という願いを【船員達】に呼びかけ、「賛同人数÷願いの荒唐無稽さ」の度合いに応じた範囲で実現する。

イラスト:Re;9

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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 コハ島最大の自由市場「コハ・マーケット」で買い物や商売、もしくは島内の探索をもって情報を集めた猟兵達。コハ島から発掘された財宝「メガリス」に関しては、どんな財宝なのかや具体的な保管場所などは判明しなかったが、島の運営委員会が管理していること。さらに島に伝わる「鉄龍伝承」に関係することが情報として集まった。
 さらにそのメガリスを狙うコンキスタドールの存在。コハ・マーケットが始まってから、頻繁に動き回っている赤っぽい衣装を纏った商船の一団。かなりメガリスに関する情報や噂などを聞き回っているらしく、相当に怪しいと思われる集団であろう。

 そう言った情報を猟兵達が集合して共有している中、事態は大きく動き出す。
 突如コハ島に砲撃音が鳴り響く。そしてその砲弾が飛んでいく先は、「コハ・マーケット」運営委員会が詰めている区画であった。騒然となるマーケット会場。そして港にはその砲撃を行った艦から武装した者達が降り立ってくる。
「あそこにメガリスがあるのは間違いねえ。野郎共、一気にいくぞ!」
「お前等は支援砲撃を行え!」
「了解!」
 そういって武装商船は指示通り、海上から支援砲撃を行う。虚を突かれた海賊船やコハ島の護衛船を沈め、上陸した船員達を援護するべく、マーケットに砲弾を撃ち込んでいく。
 突如戦場になったマーケットでも混乱が広がる。それに乗じて武装商船の船員達はメガリスを確保するに違いない。真紅の裏地をした船員達からしても、マーケットで広く情報収集をしていた連中と合致する。

 コンキスタドールの一団と思われる相手。何よりコハ・マーケットを崩壊させるわけにはいかないと、猟兵達は船員達を止めるべく、その前に立ち塞がる。
シン・ドレッドノート
アドリブ連携OK!

これまた大勢現れたものですねぇ…
マーケットの皆さんに被害が出ないよう、速やかに鎮圧するとしましょう。

運営委員会の区画に向かう船員たちの前に立ちはだかって【乱舞する弾丸の嵐】を発動。真紅銃と精霊石の銃、4対のライフルビットをそれぞれ最大まで複製召喚します。

「ターゲット・マルチロック。一気にいきますよ!」
船員たちの銃撃に対し、大量の銃からそれぞれ正確に飛んでくる弾丸を狙って放った弾丸で受け止めて相殺。続く連続発射で船員を撃ち抜いて戦闘不能にしていきます。

自分や近くにいる人に向かってくる弾丸については閃光の魔盾のビームシールドで受け流しつつ、カウンターの射撃で仕留めていきましょう。


桐嶋・水之江
◆なんでも歓迎
ちょっと何してくれるのよ
そんなドカスカ大砲撃ったら私のメガリスが吹っ飛んじゃうじゃない
どこから撃ってるのかしら?
必然手繰る解式で着弾地点から弾道を逆算しましょう
攻撃こそ最大の回避…停泊中のワダツミを緊急浮上させて迎撃ミサイルを発射するわ
使われているのは単純な砲弾みたいだし、極音速ミサイルでも無い限り撃ち落とすのは楽々よ
とは言え撃たれっぱなしじゃ意味無いわ
大元を断たないとね
弾道が分かっていれば当然出所も探知済みよ
二連装メガビーム砲用意、偏向角調整…目標、敵武装商船…よーく狙って、発射!
海賊のお相手?私が生身で戦うなんてむりむりむりのかたつむりよ
船はなんとかしてあげるから後は宜しく



 最大自由市場「コハ・マーケット」が開催されるコハ島に突如鳴り響く砲撃。コンキスタドール達が率いる武装商船からの艦砲撃であった。それらはコハ・マーケットはもちろん、近づくコハ島護衛船や海賊船も沈める勢いで行われている。
 突如突き刺さる砲弾に、破壊される商店。もはやマーケット開催どころではなく、砲撃を避けようと逃げ惑う人々。それを切り裂くように疾駆する武装商船のメンバー達。
「どけどけどけ! ぶっ殺されたいのか!」
「運営委員会の区画まで一直線だ!」
 武装商船からの支援砲撃、それによるマーケットの混乱。それが余計に武装商船のメンバーに進路を阻む者がいなくなっていった。このままいけば作戦は成功を収め、メガリスはコンキスタドール達の手中に落ちるであろう。
「これまた大勢現れたものですねぇ…」
 そう呟いて、コンキスタドールの前に立ち塞がったのはシン・ドレッドノート。余裕の笑みを浮かべつつも、真紅銃「スカーレット・ブラスター」と精霊石の銃を構えて迎撃態勢は万全だ。
「マーケットの皆さんに被害が出ないよう、速やかに鎮圧するとしましょう」
「なんだあいつはァ? 野郎共、蹴散らせ!」
 優雅に立ち塞がるシンに対して、武装商船の船員達は思うが儘に銃撃を仕掛けようとする。だがその前にシンが動く。ライフルビットが宙に浮き、能力「乱舞する弾丸の嵐(ハンドレット・ガンズ)」が発動される。自身の手元にある銃と、空中に浮く銃の複製が100を超える数ほど出現する。
 その銃はシンの思念通りに動くことができ、それぞれの銃が船員に向けて狙いを定めている状態だ。シンは薄く笑い、号令を下す。
「ターゲット・マルチロック。一気にいきますよ!」
 そしてシンの銃撃と船員達の銃撃がぶつかる。船員達が放った銃弾は数の多さは確かにあったが、シンの複製した銃はそれ以上の数を誇る。飛んでくる銃弾と相殺するように射撃したシンの銃撃は、船員達の無軌道な射撃をすべて叩き落していた。
「なっ……このっがっ!」
 撃ち落とされた銃弾に絶句する船員の頭をシンの続けざまの連続射撃が射抜く。連続射撃が可能なブラスター銃などはそれは容易であったし、シンも全く容赦する気はなさそうだ。
 だがそんな劣勢の船員達を援護するように武装商船の砲弾が降り注ぐ。シンもさすがにその砲弾を撃ち落とそうとはせずに、軽々と避ける。だがこの調子で行くと、劣勢の船員達が持ち直しそうな勢いである。

「ちょっと何してくれるのよ。そんなドカスカ大砲撃ったら私のメガリスが吹っ飛んじゃうじゃない」
 そうして憤慨するのは、メガリスを狙う脅威のマッドサイエンティスト桐嶋・水之江である。さすがに観光気分も吹き飛ぶ無粋な砲撃にひどくお冠の状態である。
「どこから撃ってるのかしら?」
 そうしてタブレット端末「モノリス」を開き、能力「必然手繰る解式(プリンシプルカリキュレーション)」を発動。周辺状況・砲弾の軌道・発射地点など分析した結果を端末に打ち込み、着弾地点から弾道を逆算する。
「見つけたわ。攻撃こそ最大の回避……ワダツミ!」
 そうして端末からボイス指令で、停泊中の強襲揚陸艦ワダツミを緊急浮上させ、武装商船の砲撃に合わせて迎撃ミサイルを発射させる。武装商船が行っている砲撃というのはレトロな鉄球による単純な砲弾。対して水之江のワダツミが行うミサイル射撃は、極音速ミサイルでも無い限り撃ち落とすのは容易ではない代物だ。後だしの発射でも楽々と砲弾を撃ち落とすワダツミ。
 だが砲弾を撃ち落としたからといって安心する水之江ではない。撃たれっぱなしでは威圧というプレッシャーをかけられるし、その大元を断ってこそ支援というのは無くなる。
「弾道が分かっていれば当然出所も探知済みよ」
 すでに分析は完了している。水之江はワダツミにデータ送信を済ませて撃墜モードに移行させる。狙うは海上の武装商船。二連装メガビーム砲がその方角へと構え、偏向角調整を行う。
「目標、敵武装商船…よーく狙って、発射!」
 水之江の号令と共に、亜音速の極大のビーム砲が武装商船へと突き刺さる。木材で出来た武装商船はかなりのダメージを負ったらしく、船体が軋んでいる。さらに火薬に引火したのか、爆発まで起こっているようだ。これでしばらくは支援砲撃を行うことはできないだろう。
 その結果にある程度満足しつつも、水之江はシンの後ろに隠れて優雅にワダツミを操作して次の武装商船へと狙いを定めている。その様子を船員達の射撃にカウンターを繰り出しつつ、シンは尋ねる。
「こっちは手伝ってもらえないのですか?」
「海賊のお相手? 私が生身で戦うなんてむりむりむりのかたつむりよ。船はなんとかしてあげるから後は宜しく」
 そう言ってワダツミの指令と操作に戻る水之江に、やれやれと軽くため息を突くシン。とはいえ、武装商船の砲撃を何とかしてくれるならありがたいと、閃光の魔盾のビームシールドを彼女の前に展開しつつ、自身は船員の射撃と迎撃に全力を注ぐ。

 こうして武装商船とその勢力との一戦。シンは見事にその勢力を撃退せしめ、水之江のワダツミは武装商船本隊に手痛い一撃を与えることに成功したのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

フローレンス・セブンスター
ジェシー(f25752)と共に行動

・心情
-武装商船…要は海賊だな。
集団戦ならこちらの取る戦法は一つ。

・行動
ドクワゴン内で待機して、UCを使用
「…(展開できるドローンが)200強。
一撃で壊れるとはいえこの数…凌いで見せろ」<敵に向かって呟く
ジェシーのいる場所へドローンを向かわせる

一機を残して全て攻撃。可能なら[部位狙い]
残った一機で周囲の様子をモニタリングと[情報収集]

状況次第で通信を送る
「-わかってる?ジェシー。私達の役目は…」
(※以下はジェシーの台詞に繋げる)

他の猟兵が駆けつけたら、ジェシーに撤退を指示
(この時、まだドローンが残っていたら[時間稼ぎ]で援護)

「…さて、次の一手を考えねば-」


ジェシー・オーガスタス
フローレンス(f25726)と共に行動。

・心情
よくも平和な島を…許さない!
「ドクター!一緒にアイツ等をやっつけましょう!」

・行動
UC【ゴッドスピードライド】を使用。
ドローンが到着したタイミングで攻撃開始。
[騎乗][空中戦][援護射撃]で対抗する

(※以下はフローレンスの台詞から続けて)
「了解!あくまでも後続のための露払いですね!」

他の猟兵が来たら、周りの[情報収集]と[撮影]しながら
[時間稼ぎ]と[制圧射撃]しつつ撤退。
それで得た情報を他の猟兵に知らせながら
「気が引けますが、後は皆様にお願いします!」

撤退後、フローレンスに対して
「…ドクター。私、不安です。この戦いでメガリスが覚醒するかもって…」



 運営委員会への区画へ攻め込む武装商船の船員達。だがその本隊はシンによる弾幕射撃、武装商船は水之江の揚陸艦による砲撃で対抗を果たしている。
 だがこの上陸勢力は違う、別動隊が裏側からメガリスがあると思われる運営委員会の商品保管庫へと向かっていた。伊達に長らく調査していたわけではなく、こういった搦手が通れる場所も把握していたのだ。
「よし、あっちが派手に引き付けてくれるからな」
「俺達でメガリスを確保、ってわけだな。ヒヒッ!」
 武装商船側も当然抵抗勢力のことを考えていなかったわけではない。もちろん、ここまで派手に押されるとは思っていなかったが、保険はかけていて正解だったというわけだ。
 だがそんな武装商船別動隊の動きを注視しているモノがいた。それは人間の目ではない。甲高い機械音が静かに鳴る。
『武装商船…要は海賊だな。集団戦ならこちらの取る戦法は一つ。準備はいいか、ジェシー?』
 そう通信機ごしに話すのは、遠くドグワゴンで200を超える小型戦闘用ドローン「エレクトロレギオン」を発動させ操作するフローレンス・セブンスター。そしてそのドローンを統率するようにジェシー・オーガスタスは宇宙バイク「シャドウチェイサー・Ω2220」に跨って準備万端言わんばかりに気炎を吐く。
「よくも平和な島を…許さない! ドクター! 一緒にアイツ等をやっつけましょう!」
『よし、では全軍突撃だ!』
 ジェシーとフローレンスが武装商船別動隊の裏をかく位置に陣取れたのも、先の調査でこの搦手に適した道を発見していたからだ。そして砲撃が始まってから、その道を敵が利用することを考えて待ち構えていたのだが、その予想は的中。
 そして相手の虚をつく奇襲が見事に成功する。フローレンスのドローンの射撃が武装商船の船員達の急所を射抜き、ジェシーは「ゴッドスピードライド」を発動して高速機動からの射撃でフローレンスが撃ち漏らした敵を討ち倒していく。
「な、なんだこいつ等は!」
「落ち着け! 相手は少ねえ、数で……ぐわっ!」
 フローレンスのドローンが指揮官らしい敵を撃ち抜く。ジェシーもシャドウチェイサーの高速機動を生かして敵陣を斬り裂きながら、敵を撃ち抜いていく戦法だ。こうして混乱状態を長く続けさせて敵を減らしていくのが、奇襲の利点だ。
 攻撃に参加したドローン以外で、フローレンスの目となっている一機のドローン。それは周囲の様子をモニタリングしながら戦況情報を収集する役目だった。そういった客観的な目はタイミングというのを見極める。
『――わかってる?ジェシー。私達の役目は…』
「了解!あくまでも後続のための露払いですね!」
 それは二人の打ち合わせで行っていたこと。後ろで待ち構えている猟兵に準備ができ次第、送る合図でもあった。ちょうどその頃には、武装船団別動隊の混乱も立ち直り、フローレンスのドローンも徐々に撃ち落とされつつある。数が減れば攻撃の手数が減る。そうなればドローンはいいが、ジェシーが攻囲されて危険な状況になりうる。
 ならばあとは後続の猟兵達に掃討を任せ、自分達は敵の数を減らしつつ撤退を開始する。ジェシーはフローレンスの監視用ドローンを回収し、その映像を取りながら撤退戦を開始する。フローレンスも残っているドローンを壁にしながら攻撃をし、ジェシーの撤退を援護する。
「気が引けますが、後は皆様にお願いします!」
「待ちやがれ!」
 散々にやられた武装商船の船員達は十字砲火をしながら追ってくるが、待てと言われて待つジェシーではない。面で制圧する射撃で道を切り開き、攻撃ドローンを破壊されながらもなんとかその死地を脱する。
 そうして得た情報はフローレンスが収集・整理し、後続の猟兵達の攻撃に役立つ情報として提供されることだろう。完璧なる制圧に向けて、着々と作戦は進みつつある。

『さて、次の一手を考えねば――』
「……ドクター。私、不安です。この戦いでメガリスが覚醒するかもって」
 ドグワゴンで作業を開始するフローレンスの呟きに対して、ジェシーはある不安を吐露する。自分達が調べた「鉄龍伝承」、それにまつわるメガリスの存在。
 もしかするとこの一戦がその引き金になるかもしれないというジェシーの嫌な予感は、フローレンスにも理解できた。だがその不安はまずは目の前のコンキスタドール達を撃退した後で考えることだ、ということで頭の片隅に追いやる。
 ジェシーも抱いた不安を捨てて、情報をフローレンスに持ち帰るためにシャドウチェイサーを疾駆させる。上陸した武装船団の一団を殲滅する為、最後の一手の情報を届ける為、死力をつくすと決意するのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ガーネット・グレイローズ
赤い裏地の海賊服…材木屋の主人が言ってたのはあいつらだな。
いけませんねぇ…ここは皆が楽しく買い物をする場所。
商売の邪魔をするつもりなら、こちらにも考えがありますよ

にわとり型ドローン「メカたまこEX」を放ち、
空から敵の姿を<撮影>させる。
その映像は私の端末に転送させ、地上と空の両方から敵を
<追跡>して追い詰めてやる。
【イデア覚醒】で<第六感>を研ぎ澄まし、
敵の殺気、あらゆる方向からの銃の弾道を瞬時に把握。
<フェイント>を駆使しながら移動し、銃撃を回避するぞ。
ついでに同士討ちを狙えたら儲けものなんだがなー。
弾丸を回避しつつ、<念動力>でスラッシュストリングを
操って反撃だ。


田中・香織
アームズフォートの大砲で催涙ガス弾(催涙ガスのユーベルコードを使うわ)を敵めがけて撃ち込んで動きを止めてから、重機関銃で攻撃するわ。
アームズフォートの大砲だとマーケットを更地にしかねないけど、重機関銃ならそこまでマーケットに被害を与えないですむから。
敵は倒したけどマーケットも更地になりました。じゃ話にならないから。
基本的には、近付かれる前に重機関銃で倒すつもりだけど、近付かれたらさっき(第1章)マーケットで買ってきたばかりの拳銃で対応するわ。



 シンや水之江が抑えている武装商船本隊と砲撃を行う艦、そしてその騒ぎに乗じて裏道からメガリスがあると思われるコハ・マーケット運営委員会の商品保管庫に向かう別動隊。それぞれの戦いが続く。
 ジェシーとフローレンスのドローン隊を退けた別動隊がそのまま裏道の奥へと進む。さらにシンの弾幕射撃を潜り抜けてきた本隊の船員達とも合流することができていた。
 それなりの数を揃え、このままいけば警備も容易に退けられてメガリスも確保はできる。大幅な邪魔はあったものの、計画完遂まであと一歩に迫っていることに船員達は笑みを隠すことができない。
「赤い裏地の海賊服…材木屋の主人が言ってたのはあいつらだな」
 だがそんな中、にわとり型ドローン「メカたまこEX」が空からその別動隊の姿を捉えている。それを操るのはガーネット商会をコハ・マーケットで開いている会頭でもあるガーネット・グレイローズ。
 すでにフローレンスから敵に関する情報も受け取っており、ルートも判明している。そしてその敵を一気に叩く、殺し間への誘引は完了していた。その哀れな敵に対して、ガーネットは薄く笑い敵意を露わにする。
「いけませんねぇ…ここは皆が楽しく買い物をする場所。商売の邪魔をするつもりなら、こちらにも考えがありますよ」
「こっちはいつでも準備OKよ、ガーネットさん」
 ドローンから送られてくる映像を端末で見ながら、隣では巨大なアームズフォートの大砲を構えている田中・香織がいる。他にも物々しい重機関銃も揃えるなど、大軍を相手にしても拠点防御ができそうなラインナップである。
 そして別動隊が迎撃ポイントに入ったのを画像で確認したところで、ガーネットは合図を送る。
「よし、香織。作戦開始だ!」
「OK! いつまでも笑っていられると思ったら大間違いよ!」
 財宝を前にニヤニヤ顔になっている武装商船の船員達に香織のアームズフォートが火を噴く。放たれるのは「催涙ガス(クロロアセトフェノン)」。香織の能力により通常の催涙弾より強化されたその催涙ガス弾は別動隊の中心にて爆裂し、涙と痛みを与えるガスが充満する。
「ゲホゲホゲホガハッ! なン、ガハ、だこりゃ!」
 そして催涙ガスで身動きがとれなくなっている別動隊に向けて、上から重機関銃の弾幕がその身体を吹き飛ばす。アームドフォードの砲撃で一網打尽も悪くはないが、それだとマーケットを更地にしかねない。
 その点、重機関銃であれば被害はゼロとは言わないが、そこまでマーケット会場への被害は与えずに済むという、香織の配慮であった。
「敵は倒したけどマーケットも更地になりました。じゃ話にならないからね」
 そうやって足を止めた船員達は次々と香織の弾幕の餌食になっていく。そんな中でも雄たけびを上げて士気高揚した船員達が重機関銃を撃ちまくる香織に向かって突撃してくることもあった。
「このアマ、いい加減に……グハッ!」
「あー、よかった。短銃買っておいて」
 近づいてくる船員の頭を撃ち抜いたのは、さきほどマーケットで購入した装飾銃だった。基本は重機関銃でなぎ倒す気であったが、こういう不意を突かれた時に持ってきてよかったと香織は思う。
「どうやらまだ動けるようね。なら、催涙ガス追加入りまーす!」
 そういってアームドフォートから再び催涙ガス弾を近づく船員に撃ち込む香織。そのガスが齎す涙と痛みで身動きが取れなくなったところを、弾幕が命を終わらせていく。

「くっそ! こうなりゃ正面突破だ!」
 留まるのは地獄と判断した別動隊の一部が強行突破と言わんばかりに進路を進む。だがそこに待ち受けているのはガーネット。
「ここは通しませんよ」
 そう言っているガーネットはすでに能力「イデア覚醒」により、第六感を研ぎ澄まし、物事の本質と先行きを瞬時に知る力を持って船員達を見据えていた。罵声と共に放たれる船員達の射撃がとてもスローモーションに感じられるほど、ガーネットの集中力はすさまじい。
 敵の殺気すらも知覚し、あらゆる方向からの銃の弾道を瞬時に把握できる今の状態ならば、銃弾を避けることなど容易。むしろフェイントを駆使して、その弾道を誘引することも可能なのだ。いつの間にかガーネットの回避は、船員達の同士討ちすら引き起こすほどであった。
「ぐわっ!」
「おい、こっちを撃つんじゃねえ!」
 十字砲火という連携はガーネットによって同士撃ちのフィールドと化していた。そして連携が崩れたところをスラッシュストリングのワイヤーが華麗に首を斬り裂いていく。
 念動力で生き物のように蠢くその攻撃を避けること能わず、夥しい出血と共に船員は絶命していく。
「商売の邪魔をするからそういうことになるんだ。因果応報だな」
 こうして進めばガーネットの餌食となり、留まれば香織の催涙ガスと重機関銃によって屍を積み重ねていく。もはや退却することもできず、数十分後に別動隊は全滅することになった。


 そして猟兵達が見事に武装商船の船員達を退けて勝利を決定的にした頃、運営委員会の保管庫で保存されているメガリス「ラクチェの要石」は呪われたオーラを発していた。
 そのオーラは糸のように伝い、海へと延びていく。そしてコハ島の海へと到達した瞬間、海水が一気に押し寄せ、メガリスを攫っていく。
 メガリスは海中へと沈んでいく。そして深海に眠る、巨大な海龍へと合流を果たす。その瞳が開き、獰猛な光を放つ。今、鉄龍はここに甦ろうとしていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『メガリス・サーペント』

POW   :    カース・オブ・メガリス
【食べたメガリスの力】を使用する事で、【鱗のようにそのメガリスの複製】を生やした、自身の身長の3倍の【呪いに侵食された姿】に変身する。
SPD   :    海竜の牙
【噛み砕き】による素早い一撃を放つ。また、【水中で戦う】等で身軽になれば、更に加速する。
WIZ   :    サーペントワインド
【長い胴体で囲んで】から【巻き付き攻撃】を放ち、【締め上げること】により対象の動きを一時的に封じる。

イラスト:いぬひろ

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はマチルダ・メイルストロームです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 武装商船の船員達は猟兵達に退けられ、その船体も大きなダメージを受けていた。それでも立て直そうと奔走するが、突如水柱が上がる。
 そこに出現したのは巨大なるサーペント。予期せぬ反撃を追う中での怪物の出現に、混乱がさらに広がる。
「な、なんだこいつは!」
「サーペントだ! 砲撃準備……」
「グオオオオオオオオオオオオオオオオ!」
 だが武装商船の攻撃が始まる前に鉄色のサーペントの動きが早い。海水が蠢く蛇のように動き、船体に撃ち付けられる。するとまるで鉄の塊をぶつけられたように、船が破壊されそのまま真っ二つにされる。
「な、なんだこりゃ……ゴホッ!」
「こ、これは……海水じゃねぇ……鉄……!」
 そうやって船に侵入した鉄の如き水に貫かれて絶命していくコンキスタドール達。もはや対象が人であろうとも、海賊であろうとも関係はない。そのサーペントにとって、動く者すべてが破壊対象であり、存在する物すべてが破滅をまき散らす対象であるのだから。

 かつてこの近海にあった島に伝わる呪われた財宝「メガリス」があった。その名は「ラクチェの要石」という。
 海の水を鉄のように硬質化し、さらに流水のように滑らかに自在に操ると言われるメガリス。それは厳重にその島に保管されていたのだが、ある時そのラクチェの要石を積んでいた船がサーペントによって強襲され、飲み込まれたのだ。
 そのサーペントはメガリスの呪いの飲み込まれ、荒れ狂う鉄龍と化したのだ。海水を鉄に変えて、島々を破壊しまわる災害と成り果てていたところ、コハ島の前身である宇宙船と交戦。輸送していたスペースシップワールドの兵器を使って何とかメガリスを抽出して、メガリスの能力を中和する装置によって封印。鉄龍本体もコハ島下の深海へと眠りについたのだ。
 それが「鉄龍伝承」と呼ばれる言い伝えの真相。そして時は流れ、コハ島の人達からも失われた伝承。発掘の際に壊された中和装置。徐々に覚醒した「ラクチェの要石」、呼応する深海に眠る鉄龍。そして覚醒し、メガリスを飲み込み、鉄龍はついに復活したのだ。

「グオオオオオオオオオオオオオオオ!」
 そして鉄龍の咆哮が響き渡る。覚醒した鉄龍に理性の欠片など存在しない。メガリスの呪いに飲み込まれ、ただ島と生物、船を破壊するサーペントなのだ。
 さきほどのように海水を鉄の水として切断するだけではなく、弾け飛ばした水滴は散弾のように対象を抉り飛ばす。雨のように海水を降り注げば、鉄の雨となって大地を貫くであろう。
 武装商船を沈めた後にやることは、目についた物の徹底的な破壊。そしてその瞳は、コハ島を捉えている。かつて自身のメガリスを奪い取り封印したという感情は一切存在しない。鉄龍にとって破壊こそが本能。咆哮するがままに島へと迫る。
 コハ島には多くの商船や海賊船もいるし、人も多くいる。上陸されれば多くの被害が出ることは明白である。幸い、鉄甲船「失絆号」は猟兵達を海へと送り出すべく、出港準備を整えていた。
 鉄の水を自在に操る「ラクチェの要石」を取り込んだ鉄龍。それを海の上で仕留めるべく、猟兵達は鉄甲船に乗り込み、大海原の決戦へと挑む。
桐嶋・水之江
◆なんでも歓迎
青い空と鉄の海…鉄の海?
海水を金属に変換するメガリス?
つまり金属取り放題…夢みたいね
海蛇には勿体無いわ
私にこそ有効活用させるべきよ
対潜水戦闘準備、全砲門開け、れっつごーワダツミ

船らしく海上でお相手しましょうか
浮かんでいれば他の猟兵さんの足場にもなるでしょうしね
巻き付かれても慌てず騒がず
このワダツミは深海でも運用可能…つまり圧力耐性は万全という訳
ちょっとやそっとじゃ潰れないわよ
それにワダツミが動けなくなっても私が動けなくなる訳じゃないもの
お返しにMLRSを介して追う氷球をプレゼント
夕飯の為に氷〆…までは行かなくとも氷が纏わり付けば動き難くなるでしょう
そこにDプラスで集中攻撃よ


シン・ドレッドノート
アドリブ連携OK!

要石によって封印されていた鉄龍…後顧の憂いを断つべく、今日この時!二度と現れないよう完全に滅しましょう!

「全速前進!目標、メガリス・サーペント!」
ボトルシップの蓋を開けて巨大化した高速戦艦・貴紅を海上に浮かべると、乗船して鉄龍に向けて出航します。

砲撃しながら接近したら、【暁光の紅彗星】を発動。
「燃えあがれ!ロード・スカーレット!」
光と共に変形した貴紅を身にまとい、紅い粒子を放ちながら水上を滑るように移動、超高速の連続攻撃をサーペントに撃ち込みます。

牙による攻撃に対しては、ソードビットで強化した閃光の魔盾のビーム障壁で受け流しつつ、カウンターの零距離射撃をお見舞いしましょう。



 呪われたメガリス「ラクチェの要石」を飲み干し、呪いに支配されながらその破壊衝動のままに目につくものに襲い掛かるようになった鉄龍。もはやその呪われたサーペントは災害の一種と成り果てていた。
 かの鉄龍が念じれば海水は鉄のような強度を誇る水と化し、敵を破壊する武器にも、己を守る盾にもできる。加えてサーペントとして長らく君臨したその巨躯もある。元が宇宙船であるコハ島を蹂躙するなど訳はないだろう。
「グオオオオオオオオオオオオオオオオ!」
 強烈な咆哮を上げて鉄龍はコハ島へと向かう。より多くの命があるコハ島ごと、それを物理的に破壊せんが為に海をかき分けて進む。だがその進行を指を食えて待っている猟兵ではない。
「青い空と鉄の海…鉄の海? 海水を金属に変換するメガリス? つまり金属取り放題…夢みたいね」
 メガリス「ラクチェの要石」の効果を目の当たりにして心が躍る桐嶋・水之江。元よりメガリスの奪取を目論んでいた彼女であったが、今後の研究に役立つ効果のあるメガリスを前に、その好奇心は頂点を迎える。
「海蛇には勿体無いわ。私にこそ有効活用させるべきよ」
 そう言いながら水之江は自身が誇る強襲揚陸艦ワダツミを海上で走らせながら鉄龍へと迫る。そしてその隣にはもう一隻の船がいる。
「要石によって封印されていた鉄龍…後顧の憂いを断つべく、今日この時! 二度と現れないよう完全に滅しましょう!」
 その船の名前は貴紅。封印されたボトルシップの蓋を開けて巨大化したシン・ドレッドノートの高速戦艦である。その船に乗船してシンは迎い撃つべき鉄龍の姿を見据える。
 まだ鉄龍は水之江やシン達を敵と認識していないのか、大きな目標物であるコハ島を向いたままである。だがこれを大きな攻撃チャンスとばかり、二人は号令する。
「対潜水戦闘準備、全砲門開け、れっつごーワダツミ!」
「全速前進! 目標、メガリス・サーペント!」
 そしてワダツミと貴紅から無数の砲撃が開始される。まさしく鉄龍の身体を抉り取らんとするその攻撃にさしものサーペントも苦痛に歪む。そしてその痛みを与えた二隻の船に攻撃目標が移る。
 ターゲットになったのは先行していた水之江のワダツミだ。ラクチェの要石によって海水を操作し、まるで鉄の蛇のようにワダツミの船体に巻き付き圧迫しようとする。だがその普通ならば船体が真っ二つになるような圧力を加えられても、水之江は慌てないし、騒がない。
「このワダツミは深海でも運用可能…つまり圧力耐性は万全という訳。ちょっとやそっとじゃ潰れないわよ」
 そう、圧力に対する対策は万全であるワダツミ。だが巨大なる鉄の水蛇に身動きが取れなくなったワダツミに攻撃を加えられればいい的になる。故にワダツミを自動操作に切り替え、水之江は甲板の上へと出て鉄龍と対面する。
「それにワダツミが動けなくなっても私が動けなくなる訳じゃないもの」
 彼女を縛るものは何もないと言わんばかりに、ワダツミに搭載された多連装ランチャーシステム「MLRS」に自身の能力「追う氷球(コールドストーカー)」の球体を装填していく。そしてミサイルとしてそれを撃ち出して、次々と鉄龍へと叩き込んでいく。
 その球体こそ、着弾寸前に炸裂し凍結による拘束と凍傷効果を伴う氷をまき散らす高性能誘導弾でもあるのだ。その身体が次々と氷漬けになり、鉄龍の動きが鈍くなっていく。
「これがお返しよ。夕飯の為に氷〆…までは行かなくとも氷が纏わり付けば動き難くなるでしょう」
 そしてそんな水之江の氷によって身動きが取れなくなった鉄龍を狙うのは、シンの貴紅だ。急速旋回して側面へと回り込み、回避が難しいポジションへと到達する。
「燃えあがれ! ロード・スカーレット!」
 そこで発動するは「暁光の紅彗星(ロード・スカーレット・オーバーフロウ)」。貴紅は光と共に変形しシンの身にまとい、紅い粒子を放ちながら水上を滑るように移動する。まさしくその姿は戦艦ではなく、真紅の機神であった。
 そして繰り出されるのは超高速の連続攻撃。回避することが難しい側面の上に、氷漬けの鉄龍にそれを避ける術はない。シンの怒涛の砲撃に身体が抉られていく激痛を感じる鉄龍。
「グオオオオオオオオオオオオオオ!」
 だがそれに負けじと鉄龍もメガリスを起動させて、鉄の海水による牙を貴紅を纏ったシンに繰り出してくる。シンは攻撃を撃ち尽くすと同時に、ソードビットで強化した閃光の魔盾のビーム障壁をすかさず展開。それを予測していたかように受け流しつつ海の上を飛翔する。
「攻撃はいいですが、がら空きですよ」
「こっちも忘れちゃ駄目よ?」
 そして鉄龍の頭上へと飛び上がり、そのままカウンターの零距離射撃をその身体へと叩き込む。そして抜け目なく水之江が放っていたウォーマシン型ドローン「Dプラス」3機が、シンと挟むように射撃を叩き込む。
 この集中砲火にさすがの鉄龍も大きく咆哮を上げて、海へと沈みこむ。巨大な身体は大きな水飛沫を上げて、その水を鉄へと変えて防壁してワダツミやDプラス、シンの貴紅の攻撃から逃れようとする鉄龍。
 この二隻の強力な攻撃により、逃げの一手を放った鉄龍。さすがに鉄のカーテンとも呼べる鉄壁に阻まれてこれ以上の攻撃は無理を判断する水之江とシン。だが強烈な先制攻撃は鉄龍に多大なるダメージを与えた。次の攻撃機会は、かの鉄龍が再び海上へと浮上した時こそ訪れるであろう。その時を今は静かに待つのであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

コトト・スターチス(サポート)
辻ヒーラーのコトトですっ
皆さんをいやせるようにがんばります!

強敵なので、おくの手の『ねこへんしん』をしますねっ!
(黒猫耳尻尾と天使の翼が生える)

僕は、怪我している方やピンチな方(特に一般人)が居れば、すぐさまメイスの癒しの波動で回復しながら【救助活動】をします!
辻ヒーラーとして護ることを中心に行動しますね

回復が不要なら、皆さんが有利になるように動きます
ボスの攻撃を【見切り】つつ動きのパターンを【情報収集】します
分析したデータを活かして敵の弱点や隙を見つけ、その情報を伝えたり、弱点を狙って【気絶攻撃】して次に繋げたいです

※ネタ・シリアスどちらもOKですが、迷惑行為や公序良俗に反する行動はしません


ガーネット・グレイローズ
鉄の水を操るサーペントか…
メガリスを捕食したのは、
偶発的な事故だったのだろう。
だが放っておけば、沢山の文明が
海の藻屑と化すだろう。
ラクチェの要石、人の手に余る呪いの財宝だな。

熱帯魚ランブルフィッシュの背に乗って出撃
海面から数メートルの高さを飛びながら
クロスグレイブで<砲撃>を開始。
敵の死角を突く攻め方をとるが
長い尾にはたき落とされないように、
適度に距離を取りながら戦いたい。
<戦闘知識>でクェーサービースト・キエリビウムJOXとの
戦いを思い出し、巻きついてくる巨体を
宇宙怪獣の触手に見立てて回避を試みるぞ。
【パイロキネシス・α】で反撃、
奴の口内に合体した火球を<念動力>で叩きつけて爆破してやる。


田中・香織
ここまで的がでかいと狙わなくても当たるからかえって楽よね。
ユーベルコードのフルバースト・マキシマムを使って撃ちまくるわ。
鱗が鉄になってるようだから、アームズフォートの大砲の弾を徹甲弾に換えるなど、相手の装甲を撃ち抜けるように対応しておくわ。
もちろん、一緒に戦ってくれる人がいたら積極的に協力するわ。
アレンジ・アドリブ、大歓迎だから、NPC感覚でじゃんじゃん使い倒して大丈夫よ。



 水之江とシンが乗った船によって打撃を受けて一時的に深海へと潜った鉄龍。だがその攻撃は呪いのよって増幅された自分以外への破壊衝動を増幅させる怒りへと変わっていった。
 もはや理性などというものは存在せず、ただ本能をもってメガリス「ラクチェの要石」の能力を使って、鉄の如き硬度を誇る海水を自在に操り、すべてを破壊する海神の化身。
「グオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!」
 その鉄龍がそのまま深海に潜むなど許さないとばかりに、海面へと飛び出し再び姿を見せる。狙いは依然と多くの人々が集まるコハ島。海をかき分けていざ進軍を再開する。
「鉄の水を操るサーペントか…メガリスを捕食したのは、偶発的な事故だったのだろう」
 そう言いながら猛烈な勢いで突き進む鉄龍を眺めるガーネット・グレイローズ。その身は巨大な青いベタ熱帯魚ランブルフィッシュの背に乗って悠然と構えている。
「だが放っておけば、沢山の文明が海の藻屑と化すだろう。ラクチェの要石、人の手に余る呪いの財宝だな」
 だからこそここで止める。そう言わんばかりにランブルフィッシュを疾走させて、鉄龍の死角へと回り込むべくガーネットは動き出す。なぜならば攻撃の本命は進路の先にある鉄甲船「失絆号」にあるからだ。
「ここまで的がでかいと狙わなくても当たるからかえって楽よね」
「回復や強化は任せてください!」
 その甲板にいるのはアームドフォードを構えて迎撃準備万端の田中・香織に、辻ヒーラーとして回復要員として控えていたコトト・スターチス(バーチャルネット辻ヒーラー・f04869)だ。攻撃に集中するために、防御は一切捨てた香織を、コトトがサポートする形になる。
「それじゃ行くわよ! 撃ちまくるわ!」
 そうしてコハ島に迫る鉄龍に、香織の「フルバースト・マキシマム」の全武装一斉発射が開始される。その弾丸が一気に鉄龍の身体に突き刺さり、爆裂して肉体を破砕していく。
「グギャアアアアオオオオオオオオオオオオオ!」
 だが鉄龍も黙ってはいない。まるでラクチェの要石が身体の所々に生えたかのように出現し、その石は光を放つ。呪いが浸食され身体が3倍近くまで増大し、まさしく巨龍と化す。
 しかし香織も黙ってはいない。アームドフォートの大砲弾を徹甲弾に素早く切り替え、鉄の鱗と化しているであろう鉄龍の身体を撃ち抜けるように対策して、お構いなく乱射していく。だが同時に飛来するのは鉄の散弾銃と化した水飛沫である。
 鉄龍も香織の砲撃によってダメージを負うが、香織の方も鉄龍によってダメージを負って血を吐く。だがその傷はというとコトトがすぐさまメイスの癒しの波動で回復して救助活動を行っていく。
「これは強敵です! これをみているお兄ちゃんたち、力をかしてくださいっ!」
 そうして奥の手と言わんばかりに、奥の手の『ねこへんしん』と呼ばれる黒猫耳尻尾と天使の翼が生えた姿になるコトト。そのまま生配信を行い、「うるとらちゃっと(セカイヲツナグウタ)」を開幕する。その姿は配信先の視聴者(おにいちゃん)達から力を与え、コトトに回復・強化の力を与えるもの。
 その力をコトトは香織の攻撃強化に使う。みるみると力が沸いてきた香織は砲撃の回数がさらに増やすことができることを確信する。
「よっしゃー! どんどん撃ち込んでやるからねー!」
 コトトの支援と回復によって、攻撃専念がより増した香織の砲撃は次々と苛烈になっていき、巨大化した鉄龍をものけ反らせるものになっていった。あまりの過激さに鉄龍は香織の排除より、足場となっている鉄甲船に狙いを定めようとする。
 だがそんなことをさせないとばかりに動いたのが背後へと回り込んだガーネットであった。香織とコトトが鉄龍の視線を引き付けてくれたおかげで、難なくポジション取りに成功したガーネットは、ランブルフィッシュと共に海面から数メートルの高さを飛ぶ。
「さあ、沈めてやるぞサーペント!」
 そして始まるは携行型ビーム砲塔デバイス「クロスグレイブ」の砲撃だ。正確無比で死角を突く砲撃は、集中的に狙いすまして鉄龍の身体を抉り取っていく。
 鉄龍も背後からの攻撃に気づいたのか、長い尾を叩きつけてくる。だがガーネットはもちろんそのことを計算に入れており、適度な距離を保って砲撃を続けている。ランブルフィッシュも見事に波を掴んで泳いでいる。
「グオオオオオオオオオオオオオオ!」
 鉄龍も尾が当たらないことを察すると、鉄の水を蛇のように操り、ガーネットを補足しようと巻き付こうとする。これに捕縛されればそのまま形状変化させて串刺しにされるか、鉄龍の巨尾に潰されるかのどちらかだろう。
 だがガーネットはかつて戦ったクェーサービースト・キエリビウムJOXの戦闘経験を引き出す。かの宇宙怪獣の触手はこれよりも何倍も大きく、そして絶望的なまでに速かった。ならばそれを回避しきった自身が対応できないはずはない。
 その経験を元にランブルフィッシュを操り、巻き付こうとする鉄の蛇達を突破する。そして能力「パイロキネシス・α(パイロキネシス・アルファ)」の炎が手に揺らめく。
「私の前に立ち塞がるものは、すべて焼き払ってやろう!」
 あらゆる環境で燃えるサイキックエナジーの大炎球を鉄龍へと叩き込む。その炎は蛇のようにうねり疾駆し、鉄龍の口へと侵入する。そして喉へと入った瞬間、サイキックエナジーの炸裂と共に大爆発を起こす。
「グオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!」
 今までにないほど苦悶の表情を浮かべる鉄龍。そしてそれにトドメと言わんばかりに香織の砲撃が鉄龍の顔面へと突き刺さる。角や眼球などを損傷し、ついに海面へと身体が倒れ込む鉄龍。
 やったか、とは思ったがガーネットは嫌な予感と共にランブルフィッシュを走らせる。その瞬間、海面が鉄の水へと変わりドーム状となって鉄龍を包み込んでいく。
 メガリス「ラクチェの要石」の発動はまだ終わっていない。つまり鉄龍はまだ力を残しているということだ。そして今は鉄壁の防壁を張り、傷を癒し態勢を立て直そうとしているといったところか。

 さすがにガーネットもここまでと言わんばかりに鉄甲船「失絆号」へと帰投する。だが鉄龍に与えた損害は凄まじく、ドーム状の鉄水からしても強力な力を使わせた緊急回避だと言える。
 つまりこのことは鉄龍は追い詰められている証左。香織とコトトは船の甲板で、決着が近いことを予感したのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

フローレンス・セブンスター
【四獣士】呼び方:蛇(アルクレピオス)
・心情
-ボスを相手取るのは初めてだ。…その為に助っ人を呼んだ。
目標は敵の討伐。最低でも敵を弱らせる事-!

・行動
まずは鴉の様子を見て、負傷したら救助活動で彼の回収
その後、UCを使用
「これより手術を開始する。…安心しろ、痛みは一瞬だ」

その後は、ボスに挑む鴉の援護
「私はドクター。診た患者に付き添うのも役目の一つ」
部位破壊と傷口をえぐって狙う所を示す
「…ここに攻撃を集中しろ」
(防御は獅子に任せる)

ボスが倒せなかったら、
時間稼ぎをしつつ天馬(ジェシー)に撤退を指示し鴉を回収
「…あのパラディンは私の事を一角獣と呼んだ。
だが…私はそんな高貴な存在じゃない」<撤退時に呟く


ジェシー・オーガスタス
【四獣士】呼び方:天馬
・心情
…あんな敵に挑むなんて、怖くないって言ったら嘘になる。
でも今は違う。一緒に戦ってくれる人がいるから!
「-猟兵、ジェシー・オーガスタス。行きます!」

・行動
UCを使用し、敵を攪乱。
運転、ジャンプ&空中戦、援護射撃で攻撃。
(防御より回避を最優先。あくまで攻撃は牽制)
『…皆、大丈夫かしら?ううん、ドクターの作戦を信じなきゃ!』<心の声

フローレンスから撤退の指示が来たら、
制圧射撃、時間稼ぎをしつつ(動けなくなってる)獅子を回収。
「人を乗せるのは初めてだけど…大丈夫!早く乗って!」

その後、敵の情報収集と撮影しながら他の猟兵に伝える。
「…気が引けますが、後は皆様にお願いします!」


レオンハルト・ヴァイスレーベ
【四獣士】呼び方:獅子又は盾

・心情
…あれがメガリスを取り込んだ敵。
-それでもボクはボクにできる事を! 

・行動
戦闘前にリミッター解除

敵のWIZ.UCに対し、かばうからUCを使用

他の攻撃に対しては、
オーラ防御や武器受けからのカウンターを駆使しつつ守りに徹する
(人を惹きつける様な、澄んだ鈴の音の声で)
「ボクが皆の盾になります!その間に奴を-!」

(防御時、誓いの剣を眼前に翳しつつ)
「ボクは進む-“救世”の道を…。ここで倒れる訳にはいかないんだ!」

撤退時、異性の体に触れる事に戸惑いながらも天馬のバイクに乗る
『…天馬は己が認めた人にしか乗せないと聞く。
ボクはそれに相応しい人間だろうか?』<心中の呟き


ヴォルクルス・ブラックエッジ
【四獣士】呼び方:鴉
まず自分が挑発し、敵の一撃をあえて受ける
その後、蛇のUCで回復(と強化)
「-痛みには慣れている」※蛇の言葉に続く形で

処置が終わったらドクワゴンから出て、黒剣と竜槍を手に突撃

ここまでやったんだ。必ず仕留める!<突撃時の心の声

・行動
2回攻撃、生命力吸収、呪詛、鎧無視攻撃でダメージを重ねる
(UC防御は獅子に任せる。他は~耐性とオーラ防御)

頃合いを見計らってから、
蛇が傷つけた場所をを串刺して、UC発動
『喰らえ!オイラの全開パワー!!』<発動時のファングの台詞

もし敵が倒れなかったら、蛇の指示に従う
ファング『チクショウ!これでもダメなのかよ!?』
「仕方ない、引くぞ!」

※絡み・連携歓迎



 鉄の如き硬度を誇る海水のドームに閉じこもる鉄龍。その力は取り込んだメガリス「ラクチェの要石」によるものであるが、あれほどの巨体を覆い隠すほどの海水を操るとなると相応の力を要する。
 いくら猟兵の猛攻を避ける為とはいえ、傷を癒す為とはいえ長く維持できるものではない。そう、鉄龍は今、追い詰められているのだ。かつての自身を封印したコハ島の宇宙船との決戦の時と同様に。
 だがこれ以上封印されることなどまっぴらごめんだと言わんばかりに、鉄龍はドームを解除して再び破壊をまき散らす化身となる。コハ島の周辺海域に大いなる咆哮が響き渡る。
「ボスを相手取るのは初めてだ……だからその為に助っ人を呼んだ」
 鉄甲船「失絆号」の甲板に乗船したドクワゴンの中でフローレンス・セブンスターは冷静な判断で鉄龍を見つめながら、状況を観察している。自分はこのパーティの指揮官であり、これから戦場に向かう3人に指示を送らなければならない。故に判断は冷静であり的確でなければならない。
 そしてフローレンスが呼んだ助っ人の一人、ヴォルクルス・ブラックエッジ(黒鴉の黒竜騎士・f22576)がまずは先陣を切る。鉄甲船とは別の船を借りて鉄龍へと斬り込み、まずは注意を引きつける。
 その漆黒の騎士が斬り付けた傷はすぐに鉄龍は反応を示す。身体に複数顕現したメガリス「ラクチェの要石」が光り輝き、すぐさま鉄の水がヴォルクルスの身体を引き裂いていく。強力な攻撃を食らい、甲冑の中で血を吐くヴォルクルス。
「ハハッ、いいの喰らっちゃねえ!」
「問題ない。予定通りだ」
 相棒のミニ竜・ファングの言う通り、ヴォルクルスが先陣を切り攻撃を食らうまでがフローレンスの計画の内だ。そしてひとまずフローレンスがいるドクワゴンまで引くヴォルクルス。追いかけようとする鉄龍であるが、それを阻むブラスターのビームがその身体を貫く。
 それこそ宇宙バイク「シャドウチェイサー・Ω2220」に搭乗し、大海原を駆けるジェシー・オーガスタスだ。その背にはもう一人の助っ人である白騎士レオンハルト・ヴァイスレーベ(白の従騎士・f23015)が敵を見据えている。
「……あれがメガリスを取り込んだ敵」
 そういって呟くレオンハルト。すでに呪いにより出現時より3倍以上に巨大化したした鉄龍はすさまじい威圧を誇る存在と化している。だがその若き獅子は怯むことはない。
 それはレオンハルトを乗せるジェシーも同じことだった。あれほどの強大な敵に挑むとなれば、怖くないって言ったら嘘になる。それでもジェシーは信じている。ドクターと呼ぶ相棒の存在を、それに応えて応援に来てくれたヴォルクルスとレオンハルトのことを。
「一緒に戦ってくれる人がいるから! 猟兵、ジェシー・オーガスタス。行きます!」
 そして「ゴッドスピードライド」を発動させることで、凄まじいスピードを得たシャドウチェイサーのドライブが展開される。その動きで鉄龍を翻弄し、ブラスターの射撃によって確実にダメージを与えていくジェシー。
 もちろんそのスピードで鉄龍の攻撃を防いでいくわけではあるが、生物のようにうねり、また海水が文字通り無限大にあるこの海上で、鉄龍のメガリスで操る鉄の水をすべて避けるのは不可能であった。だからこそ、レオンハルトはその為に呼ばれたのだ。
「ボクはボクにできる事を!」
 すでに戦闘時にリミッターは解除しており、いつでも対応した動きをすることはできる。「無敵城塞」を発動して、ジェシーが受ける攻撃をすべてその身で受け止めるレオンハルト。この超防御はほとんどダメージを受けることはないが、動くことができない。故にレオンハルトは攻撃を受けながら吠える。
「ボクがジェシーさんの盾になります! その間に奴を!」
「うん、わかっている!」
 人を惹きつける様な、澄んだ鈴の音の声を発するレオンハルト。それを聞いたジェシーは賢明にシャドウチェイサーを操りながら、ブラスターによる攻撃を続けている。今までの猟兵が傷つけた箇所を重点的に狙っている感じだ。そのジェシーの姿を見て、今も鉄の水を受け止めながらレオンハルトは回想する。
『人を乗せるのは初めてだけど…大丈夫! 早く乗って!』
 そう言って出撃前にシャドウチェイサーに乗せてくれたジェシー。己が認めない相手を乗せないと聞くそれに乗ることにレオンハルトは、自身は相応しい人間であるのか、という自問はした。だがそれでも今はその信頼に応えるのみである。
 誓いの剣を眼前に翳しつつ、少しずつ傷ついていく身体など気にせずに鉄龍へ目を向ける。守るべき者がいる限り、レオンハルトは倒れはしない。
「ボクは進む。“救世”の道を……ここで倒れる訳にはいかないんだ!」

 その頃ドクワゴンに撤退したヴォルクルスは、フローレンスの治療を受けていた。いや正確にはフローレンスの「ギタギタ血まみれ外科手術」の強化回復手術を受けていたというべきだろう。受けた傷に巨大メスを当てるという、とんでも手術であるが、その能力は折り紙つきであった。
「これより手術を開始する。安心しろ、痛みは一瞬だ」
「痛みには慣れている」
 そういうヴォルクルスに容赦なく施術を施していくフローレンス。そのスプラッター的な手術とは裏腹に傷はみるみると回復していき、その黒騎士の身体には普段よりも大きな力が宿っていく。
 これこそが最初の陽動の意味。敵の注意を引きつけるという意味もあったが、あえて攻撃を食らうことで、この手術を受けて強化を施すという意味もあったのだ。フローレンスの作戦であったが、ヴォルクルスは勝利の為に何の躊躇もなくこの提案を受け入れた。
「すべては勝つ為だ。治療感謝する」
「ああ、行ってこい!」
 処置が終わって黒剣と竜槍と持って戦場へと舞い戻るヴォルクルス。その眼前には、激戦を繰り広げるシャドウチェイサーの姿が見えていた。

「ドクター、大丈夫かしら? ううん、ドクターの作戦を信じなきゃ!」
 すでにレオンハルトはかなりの攻撃を受けきって貰っており、ジェシー自身も相当な疲労が見える。だがそれでも手ごたえは感じている。あと一押しがあれば、と思考が過る。
 そしてその援軍となる漆黒の騎士が現れる。ヴォルクルスは大跳躍と共に鉄龍へと乗り込み、そのまま竜矢理を突き立てる。そして竜鱗を引き剥がすように黒剣で身体を斬り刻んでいく。フローレンスの強化手術によりその力は何倍にも増幅されており、その怒涛の攻撃は止まらない。
「ゴギャアアアアアアアアアアアアアアアア!」
 だが鉄龍も自分の身体に飛び乗った侵入者を振り落とそうと鉄の水を繰り出そうとする。だがそれをさせじとジェシーのブラスター光線の援護射撃が炸裂する。
 そしてそれらの攻撃すらも陽動である。本命はアルクレピオスの蛇たる、フローレンスであった。
「私はドクター。診た患者に付き添うのも役目の一つだ!」
 鉄甲船から勢いよくドクワゴンを発進させて、大ジャンプを敢行。その勢いと共に鉄龍の頭部へと激突する。そしてドクワゴンから飛び出したフローレンスは巨大メスを振るい、傷口を抉っていく。狙うは先の戦いで負傷した鉄龍の眼球だ。
 目は竜鱗で強化できない場所。その箇所を容赦なく斬り刻み、眼球を摘出する。そしてその空洞こそ、鉄龍打倒の最終段階だ。
「……ここに攻撃を集中しろ」
「ゴギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!」
 だが眼球を抉り取られた鉄龍の怒りの攻撃がフローレンスに襲い掛かる。それを阻んだのはシャドウチェイサーから降りたレオンハルトだった。その攻撃を不屈の精神で受け止めていく白き騎士。
 そして最後のトドメと言わんばかりに、ヴォルクルスはフローレンスが傷つけた眼窩へと竜槍を投げつける。それに突き刺さった瞬間、「ドラゴニック・エンド」の発動条件は整った。
『喰らえ! オイラの全開パワー!』
 強烈な相棒ファングの突撃が、眼窩を突き破り鉄龍の脳へと達する。そのまま頭蓋骨を突き抜け、鉄龍の頭を貫く一条の光。だがそれでも鉄龍の瞳は凶暴な精神を宿している。その生命はまだ終わっていない。
『チクショウ! これでもダメなのかよ!?』
「仕方ない、引く……」
「いいえ、まだです!」
 ファングの悪態と共に、フローレンスの作戦通り撤退を開始しようとするヴォルクルス。だがそれを突き破ったのは、ジェシーのシャドウチェイサーだった。ファングが作った道、それこそジェシーが貫く道となったのだ。
「ドクターや皆の働きは無駄にしません……これで、終わりです!」
 超高速となったシャドウチェイサーは再び鉄龍の頭を貫く。加速と共に脳や組織を破壊した疾走。それこそ、ついにあの生命力溢れ、呪いと凶暴性に支配されたサーペントを終わらせる決定打となったのだ。
 鉄龍はその巨体のまま海へと沈み、そのまま身体は崩壊へと向かっていく。それこそが、今度は封印ではなく消滅という結果になった証でもあった。
 そして海上に浮かぶメガリス「ラクチェの要石」。それを手にした時には鉄龍はすでに跡形もなく、海と同化したように消え果てていた。
 巨大なる鉄龍を倒し、再びコハ島へと戻った鉄甲船。フローレンス・ジェシー・レオンハルト・ヴォルクルスや他の猟兵達を待っていたのは、島を救ってくれた英雄への最大の賛辞の嵐であった。
 

 こうしてコハ・マーケットが開かれた歴史上、最大の騒動は幕を閉じることになる。過去に類に見ない人を集め、そして過去に類を見ない事件であったと言える。
 コンキスタドールの武装商船は海の藻屑となり、騒動の元になった呪われたメガリス「ラクチェの要石」は猟兵達の預かりとなった。そして鉄龍は二度と人々の前に姿を現すことはないだろう。
 これからも脅威は危機はあるかもしれない。それでも乗り越えられる力の息吹を感じるのは、人の賑わいと活力を感じることができるからであろう。交易で栄えている島を見ていると猟兵達はそう感じることができるのだ。
 来年も「コハ・マーケット」は開催されるのだろう。人々の希望と欲望を叶える為、そしてあの賑わいと楽しむ為に、今日もこの大海原を生きていく。鉄甲船「失絆号」はグリードオーシャンの海を駆けていく。
 まだ見ぬ、未知の世界を目指して。賑わいと喧騒の記憶を抱いて。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年04月28日


挿絵イラスト