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岩櫃城攻略戦~力と意思と恐怖の果てに

#UDCアース

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 邪神召喚を狙い、多くの邪神教団が集い、そして猟兵の活躍により召喚された邪神が打ち破られた岩櫃山。
 しかしその山に漂う濃密な邪気は薄まるどころか、よりその濃さを増していたのだ。
 本来ならば消失して然るべき邪気、されど強まる原因は蓋となっていた邪神の消滅か、はたまた不完全な儀式故か。
 山全体に立ち込めた邪気はやがて中城付近、多くの邪神教団残党が集められ、そして猟兵によって散らされた地へと集まっていく。
 この仕掛け、この場への誘導を試みた恐怖を伝播する者たちによる儀式が何らかの形を成してしまったことを意味していた。
 しかし儀式は完全なものではなかった、だからこそ顕現が遅れ猟兵が別の教団、青ざめた馬が召喚した邪神を駆逐するまでの時間がかかり、ようやく不完全な形で出現を始めたのであろう。
「ギギ、ガガガ、足リヌ、足リヌ、チカラガ……」
 空間が歪み、姿を見せたのは巨大な刃を片手に持って、黒き甲冑が如き体を持つ存在。
 別の邪神が召喚の為に高まった力を横から奪い、先に万全の形で出現しようとしていたのだろう。
 だが儀式は妨害され、恐怖を伝播する者による力の収奪は失敗。
 代わりに青ざめた馬が不完全な邪神顕現を果たし、この地に満ちる邪気が弱まってしまったがためにこの存在も不完全な形での復活をしてしまったのだ。
 いわば、二つの教団が互いに足を引っ張り合っていた所に猟兵の力が加わって、双方の目論見が完全に崩壊、共に不完全な邪神の復活となっていた。
「オノレ、武田、真田! 我ガ城ガ……モハヤコレマデ。
 父上、此処ハ落チ延ビ、奪還セリ……?
 此ノ地、真田、任セタゾ。我、人ヲ使ウニアラズ。ソノ業ヲ使ウニアリ。
 故ニ汝ノ力デモッテ、此ノ地……ニ、勝頼様ヲオ招キシ、守リ通シ……?
 グギ、ガガガガ? 法度ノ多キハ宜シカラズ……」
 突如意味を持つような、それでいて繋がりのない言葉を発する邪神。
 それは複数の人間が一つの体で、バラバラに喋っているようなものであったがやがてそれも収まって。
「コレデハナイ。奴ノ、力ヲ。キサマラノ、チカラヲヨコセ!」
 別組織が呼び出した邪神の力、それを収奪しきれなかったが故に不足するエネルギー。
 それらを補おうと自身を観察していた邪神教団に気付き、あらゆるものから生命力を全て吸い上げようと動き始めていたのだ。
「い、いかん!? 不足したエネルギーをこの地に漂う残留思念で補ったせいか、制御から外れているぞ!?」
「諦めるな、この状況でも迎えが来れば……まだっ」
 エネルギーを常に求める本質、それだけに支配された邪神を見つめ、猟兵によって儀式を妨害され、山林に伏せていた邪神教団、恐怖を伝播する者達が言葉を交わす。
 制御不能、力の不足、本質の発露となれば自分たちでは回収は不可能であり手が出せない。
 山の木々が、逃げ遅れた昆虫たちが生命力を吸い上げられて、枯れ果て命を落としていくおぞましい光景を目の当たりにした教団員たち。
 こうなればもう、撤退しより強き力を持つ回収担う存在に全てを託すしかないとほんの少数の教団員達は下山を決意。
 仲間を見捨て、制御を外れた邪神を背にして一目散に逃げ出すが、その先にまっていたのUDC組織による拘束であった。


「う~ん、やっぱりまだ居ましたねぇ~、邪神が出てきますよぉ?」
 グリモアベースにて集まった猟兵を前にしてノクス・フォルトゥナ(強化人間のマジックナイト・f17760)が説明を開始していた。
 彼女が今回予知したのは、既に義姉妹が予知し、猟兵を案内した群馬県、岩櫃山に出現した邪神との戦い、その影響で出現する別の邪神たちである。
「本当はぁ、顕現できないはずだったんですけどねぇ。
 邪神教団同士、裏で足の引っ張り合いをしてぇ、一つの教団が無理矢理出した邪神が倒されてぇ、おかげでちょこーっと残った力を吸収してぇ。
 別の邪神が不完全に出現しちゃったみたいなんですよぉ」
 邪神教団同士の出し抜きあい、片方は力を高めて召喚を狙い、片方はそれを援護するように見せかけて集められた力の強奪、別の邪神に注ぎ込む。
 そこへ猟兵による武力介入、横槍がなければ片方の邪神は力を奪い何処かへ向かい、残る邪神は時間がかかるも顕現し殺戮を始めるはずだった。
 しかし妨害により双方の儀式が阻害、力の収奪を補助する儀式は打ち破られ、更に力を高める儀式も止められれば岩櫃山に集まる力は不足し不完全な顕現。
 片方の邪神が倒れ、残る力を吸収しても完全に力を発揮するまでの召喚とはならず、不足した部分を何らかの形で補った結果、混乱状態での出現となったのだという。
「どうやらぁ、城を作って守っててぇ、陥落させられた人たちとぉ。
 そこを落とさせた人とぉ、城主だった人の思念をごちゃ混ぜに取り込んで補ったみたいなんですぅ。
 斉藤、武田、真田の三家縁の思念が無茶苦茶に混ざってますねぇ。
 けどこれはチャンスですよぉ? だってぇ、制御不能でパワー不足の今だからぁ、普通に戦うより楽に戦えますからねぇ~。
 この邪神をやっつけたらぁ、回収しようとしてる眷属と邪神もきますのでぇ、そのまま続けてやっちゃってくださいねぇ?」
 万全の状態でなく、更には手当たり次第に攻撃するに等しい状況。
 一気に倒すには十分すぎる好機、異空間へ転移を狙う存在も訪れるがそれらも纏めて倒してしまえばこの周囲一帯の平穏は守られることだろう。
 義姉妹が予知し、現場に向かっていた場所で何か別の異変が無いか予知しようとしていたとは、普段のサボり魔な様子からは想像できないナイスフォローであるのだが……。
「本当はぁ、予知はケーレス姉さまにして貰おうと思ってたんですけどねぇ~。
 けどぉ、もし予知して出かけられたらぁ、帰ってくるまで家事はぜーんぶわたしがしなきゃいけなくなるって事がわかりましてぇ。
 これはわたしが行くしかないと思ってぇ、じっくり調べてたんですよぉ~」
 家事をしたくない、押し付けたいという不純な動機、サボりたいが為の努力。
 力の入れどころが違うというのに胸を張ってドヤってるノクス、ここは自慢できるところではない。
「状況はこんなところですねぇ。
 不完全な邪神を倒してぇ、お迎えにきた眷属を蹴散らしてぇ、実際回収しようとしてやってくる別の邪神を倒してお終いですよぉ。
 あ、月明かりが出てますけどぉ、眷属とか回収しにくる邪神次第だとちょーっと明かりが足りないかもですからぁ、何か用意した方がいいかもですねぇ。
 それではご案内しますですよぉ」
 色々と突っ込みどころはあるのだがそんな事など何処吹く風。
 状況説明を完了させてノクスは浮遊しグリモアを起動、岩櫃山にて出現した邪神たちの討伐へ猟兵達を送り出すのであった。


紅葉茉莉
 こんにちは、紅葉茉莉です。
 連動シナリオ、先に完結しました『岩櫃城跡攻略戦~前哨戦は温泉旅館!?』『岩櫃城跡攻略戦~逃れし者が呼び出す邪悪』を経て、今だ山に漂う邪気。
 その原因となっている邪神を倒すシナリオです。

 尚、上記二本に不参加、未読でも問題なく、参加歓迎です。
 内容は下記に示しますが、完全に戦闘オンリーのシナリオです。

 今回はオープニングでも説明している通り、顕現した不完全な邪神の討伐に続き、その邪神を回収、別の場所へと連れ出そうとしている眷族とその使役者たる邪神を相手にする、戦闘特化の三連戦です。
 儀式への妨害が上手く行ったので、本来ならば別の異空間へ万全の状態で転送されるはずだった邪神をここで討ちとる好機が巡ってきました。
 邪神と迎えの面々を一網打尽にするまたとない機会、そして先の戦いで足枷となり得る邪神教団の面々は強制下山でUDC組織によって摘発が開始されています。
 よって、何も気にせず木々と幾つかの遺構が残るこの場で、派手にドンパチ、邪神との戦いを遠慮なく行ってください。

 ただし戦場は夜、大型で光る邪神相手ならば少々視認がしにくい程度ですが、後続の敵によっては少々相手取りにくい可能性もあります。
 何らかの工夫が必要となる戦いになる可能性もありますので、その点にはご注意ください。

 では、ここまで長文をご覧いただきありがとうございました。
 岩櫃山を舞台とした邪神討伐シナリオ、ご縁がありましたらよろしくお願いします。
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第1章 ボス戦 『渇望する黒機甲』

POW   :    ドレイン・ランページ
【吸収渇望形態】に変化し、超攻撃力と超耐久力を得る。ただし理性を失い、速く動く物を無差別攻撃し続ける。
SPD   :    ホールド・アブソーバー
【武器による攻撃】が命中した対象に対し、高威力高命中の【エネルギー吸収攻撃】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
WIZ   :    スペクトラム・サクション
【生命力を吸収する波動】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。

イラスト:純志

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はグラディス・プロトワンです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

カビパン・カピパン
ルテルテ様に吹っ飛ばされて空中遊泳するカビパン。まあギャグ世界の人間だからね。地面に着陸するも転がり、黒機甲背後にぶつかって止まる。

「チカラヲヨコセ!」

鉄の塊がなんか喋り出した。
しかしカビパンの機嫌は最高にチョベリバだった。
「しみったれたこと言ってんじゃーねよ、死ね!」

ドカッドカッ!

「私は癒し系~♪」
【リバレート】して眩しく輝くと、音程が外れた変な歌を歌い出す。黒機甲を後ろからキックで蹴り倒すと、そこをひたすらヤクザキック。いや、女神キック。

「でも誰も癒し系って言ってくれない♪」
ドカッドカッ!
激情のままに蹴りまくる。

「さっさと私に癒されろ~♪」
一切容赦のない苛烈な攻撃にスクラップ化していた。


四季乃・瑠璃
瑠璃「いつの間にか完全にシリアスになったね」
緋瑪「え?最初からシリアスだったよ?」
翡翠「えっ」

【破壊の姫君】で分身&シスターズ

飛翔翼で3人飛行。
緋瑪がアイゼン・アーマー形態を装着し、機銃と戦車砲による掃射を掛けながら派手に降下。
瑠璃と翡翠は敵の上空を高速旋回しつつ、雷撃や凍結の魔術を付与したK100による銃撃【ドロウ、属性攻撃】と空中からの【範囲攻撃、蹂躙、早業、鎧砕き、鎧無視】接触式ボムによる空爆で支援。
魔術弾と爆撃で動きを封じつつ、緋瑪の戦車砲で敵の頭部や胸部の核を吹き飛ばすよ。

緋瑪「跡形も無く粉砕だー!」
瑠璃「コレは史跡残るかなー…」
翡翠「あ、もしもし、UDC組織?後処理お願いねー…」


雨咲・ケイ
なるほど、ここからが本当の闘いというわけですね。
少々厳しい闘いになりそうですが、
今こそチャイナドレスの真の力を(略)
それはそれとして長引くと山の生命が大変な事になりますので
早急に片づけましょう。

【POW】で行動します。

【グラップル】による接近戦を仕掛けましょう。
関節部分を狙って一点集中で攻撃していきます。
敵の攻撃に対しては回避を試みますが、
困難であれば【盾受け】と【オーラ防御】を
併用して凌ぎます。
敵がUCを使用したらアリエルの盾を輝かせて、
あえて明後日の方向に全力【投擲】。
敵の注意が逸れたら、集中攻撃していた部分に
【魔斬りの刃】を放ちます。

アドリブ歓迎です。



 力を求め動き出した黒機甲、一歩踏み出し大地を揺らせばその歩を進め、足つく場所から生命力が吸収されて草が枯れ果てる。
 徐々に力を取り戻さんとする邪神であるがその歩みは思わぬ方向、更に上空から飛来した者によって突然の停止を余儀なくされた。
「ふわぁぁ……あら、地面が近くなって……あいたっ!?」
 空中遊泳どころかもう空中でくつろいでたのか、ふわぁあ、と伸びをしながら体をほぐしていたカビパン・カピパン(女教皇 ただし貧乏性・f24111)が何故か飛んできた。
 いや、飛んできたというよりは先ほど山頂付近で邪神教団、青ざめた馬が呼び出したルテルテ様に吹っ飛ばされたがまだ飛んでいたのか、これだからギャグ世界の住人は!
 そのままの勢いで着陸っていうか地面に衝突、派手に転がりながら黒機甲の背部に激突、思わぬ衝撃によろけた黒機甲。
「グギッ、チカラヲヨコセ!」
 想定外の奇襲になったがそれでも力の収奪を狙う黒機甲、振り向こうとしたがそれより早く激突したカビパンは立ち上がり……そして何故かとても不機嫌そうな顔をして彼女は先に行動していた。
「しみったれたこと言ってんじゃねーよ、死ね!」
 吸収対象の出現、しかし攻撃するより早く黒機甲の両足首に走る衝撃。
 怒りのままに近づいて、真正面に足裏を繰り出し蹴り飛ばすヤクザキック、いや、今の彼女は女神でありこの攻撃は女神キックだ。
「私は癒し系~♪」
 とても輝き力を増して、ひたすらに蹴りまくるカビパン。
 何か音程が外れてるしやってることはどうみても癒し系ではなく暴力系ヒロインのそれである。
「でも誰も癒し系って言ってくれない♪」
 完全な八つ当たり、とりあえず蹴れと言わんばかりの態度でドカンバコンと黒機甲の脚部装甲を不意打ちな形でへこませる。
「さっさと私に癒されろ~♪」
 癒し系とは程遠い、蹴りで癒されるわけもないのに激情のままに攻撃継続。
 このままスクラップにするんじゃなかろうか、という凄まじい勢いだったがここまで流れが良いと振り戻しがあるのも当然。
 つまり禍福は糾える縄の如し、幸福と不幸は交互にやってくるものである。
「ギガッ、邪魔ヲスルナ!」
 不意打ちされたこととかあるけど、シリアスな空気がギャグな空気に汚染された事に苛立ったのだろうか。
 吸収対象が出てきたというのに何故か大剣を振り上げて、しかも刃ではなく武器の側面、幅広な部分で打ち据える形を作る黒機甲。
 そのまま力任せにフルスイング、べしこーん、と気持ち良い擬音と共に哀れカビパンは再び空へ。
 キラーン、と夜空に一つの星が綺麗に輝いていたという…………。

「いつの間にか完全にシリアスになったね」
 吹っ飛ぶカビパンを夜空に見遣り、四季乃・瑠璃("2人で1人"の殺人姫・f09675)が言葉を紡ぐ
「え? 最初からシリアスだったよ?」
 いやいや、最初ってか前哨戦はギャグ酷かったじゃないですか、分身してる別人格の緋瑪さん。
 たった今、滅茶苦茶ギャグ時空、ギャグ世界の住人が大暴れしてましたやん。
「えっ?」
 うんうん、途中から遅れてきた別人格を宿した人形の翡翠さんも疑問符を頭の上に浮かべて尋ねてますし。
 分身とかそっくりな人形に人格を宿した状態、まるで三つ子の井戸端会議。
 しかし考えってかここまでの状況に対しての感じ方が全員バラバラ、大丈夫なのだろうか、連携とか。
「ま、まあまあ。感じ方は人それぞれですし、今はそれより長引くと山の生命が大変な事になりますので早急に片づけましょう。
 ここからが本当の闘い、というような状況ですし」
 そんな三人に言葉をかける雨咲・ケイ(人間の學徒兵・f00882)
 少々厳しい闘いになりそう、なんて言ってシリアスな空気をかもし出してますが戦闘服は先の闘いから変わらずチャイナドレスである。
 うーん、なんだかカビパンからくるギャグ空間の流れがこの二人、っていうか分身含めたら四人か、こっちにもきている気がするが大丈夫だろうか。
 そんな空気を一変させるようにシリアスな顔でケイが言葉を発していく。
「接近戦はお任せください、援護はお願いしますよ」
 小型の盾、アリエルに闘氣を注ぎ輝かせるケイ。
 真正面からぶつかり合う意図を見せる彼にキャイキャイと三姉妹のようなやり取りしていた瑠璃、緋瑪、翡翠も頷き行動開始。
「オッケー、任せたよ。それじゃ、私たちは援護射撃かな」
「空爆になっちゃうから巻き込まれないでね♪」
「やりすぎ注意、だよ……」
 三人揃って機械翼を背につけてふわりと浮遊、一拍おいて急上昇。
 上空からの襲撃準備を整えて、緋瑪だけが重装備のパワードアーマーを装着しての大火力支援の準備。
「うーん、史跡への被害はできるだけ抑えたいところですが……四の五の言ってられませんね、いきます」
 サイキック増幅器を兼ねたブレスレットを輝かせ、カビパンを吹き飛ばすことに注意が向いていた黒機甲へと駆け出すケイ。
 枯れ果てた雑草が走る勢いに負けて千切れて宙を舞い、新たな敵影を察知した黒機甲が反応して向き直る。
「ギギガガッ、チカラ、チカラヲヨコセェ!!」
 不足した力を求めて渇望し、己が力を高めた黒機甲。
 素早く動き接近する存在を無差別攻撃、されど味方す者が存在せぬならばそれは単純な戦闘力強化の能力でありデメリットは殆どない。
 理性を投げ捨て振り上げた大剣は空を切り、風切り音と共にケイ目掛けて振り下ろされれば咄嗟に翳した盾のアリエル。
 エネルギーを注ぎ込み、更にはオーラを滾らせ守りを固めた彼の防御をもってしても真正面からぶつかれば圧倒的な黒機甲の膂力と武器そのものの質量が合わさって、破壊し断ち切るはずの一撃。
「甘いですね、真正面から受け止めるとでも?」
 だがそれは馬鹿正直に武器を受け止め、ぶつかり合った場合の話。
 ケイは盾をわずかに傾け、曲面加工された形状を生かし攻撃を逸らす方向へ。
 断ち切るはずの衝撃力を流されて、振り下ろしの勢いそのままに大剣の刀身は地面と激突、轟音と共に深い亀裂が刻まれて。
 深々と地面に食い込み、引き戻す為に時間が必要、つまりは大きな隙を晒す事となる。
「今です、攻撃を!」
 黒機甲の一撃を受け流し、隙を作ったケイが叫べばそれに呼応するのが上空へ向かった瑠璃と翡翠。
「オッケー、一気にいくよ」
「爆撃だからよけてね……」
 相手の気を引くように瑠璃が急降下、右腕が封じられた状態の黒機甲の上部から降り注ぐ雷撃、氷結の力を付与した自動拳銃の銃弾が降り注ぎ、咄嗟に翳した左腕でその銃弾をはじき返す黒機甲。
 されど武器持つ右腕が動かせず、更には左腕で上空からの攻撃を凌ごうとしたが故に正面、さらには下方からの攻撃に対して守りが外れれば、それを逃さず翡翠が地表スレスレまで降下して90度旋回、一直線に突っ込んで。
 反応遅れた黒機甲にぶつかる勢いで急接近、接触式ボムを放り投げ自身は黒機甲にぶつかる前に弧を描き、その上を通り抜ける形で離脱。
 空中へ投げ出された爆弾は慣性の法則に従って黒機甲へと接触し、爆発を引き起こす。
「ギガガ、イノチヨコセェエエ!」
 だが不完全とはいえ相手は邪神、爆発程度では倒れぬと咆哮すればそれと同時に周囲一帯へ噴出す波動、それは生命力を奪い取る収奪の力でもあり草木が枯れ、生ける者の命を奪わんとする。
 そのまま自身へ迫る猟兵を倒し、その生命力全てを奪い取ろうと画策した黒機甲だが相対する面々も負けてはいない。
「その程度では……倒されませんよ」
 自身を覆うオーラにて吸収する波動を食い止め地面を蹴ったケイ。
 そのまま地面に食い込んだ大剣もった腕へと迫り、腕を足場に黒機甲の頭部目指して駆け上がる。
 二度の跳躍にて二の腕超えて肩まで飛んだケイはアリエルの盾をより一層輝かせ、あえて黒機甲の頭部から離れた方向、大きく外れた場所へ相手の視界を通る様に放り投げれば高速移動する対象を追ってしまう暴走形態の性か、体が勝手に反応しケイから視線が外れてしまう。
 こうなれば攻撃してくれと言っているようなもの、隙だらけの頭部目掛けてもう一跳ねして接近すれば、自らの手に闘氣を集中。
 これによって手刀はオーラで出来た鋭き刃と姿を変えて、無防備な頭部へ振り上げ一閃。
 右目付近へ亀裂が走り、激痛と共によろけて左手で頭部を押さえる黒機甲だが攻撃はこれだけではない。
「跡形も無く粉砕だー!」
 空中から迫るのは先の波動放出、それらをアーマーで受け止めた緋瑪。
 戦車が分離し合体したそのアーマーにはもちろん戦車砲が装備、そのまま躊躇無く砲撃すれば直撃弾や外れた弾体、更には援護に入っていた瑠璃と翡翠の爆弾が降り注ぎ大爆発。
 地表をえぐる爆撃と砲撃にて幾つかの遺構が崩れる損害が出るものの、黒機甲の装甲へ大きなダメージを与えていたのだ。
「コレは史跡残るかなー……」
 やりすぎちゃった重爆撃と砲撃、色々破壊してしまったので苦笑いしながら状況を確認する瑠璃。
「あ、もしもし、UDC組織? 後処理お願いねー……」
 そんな彼女を後ろにし、とりあえずUDC組織に一報を入れる翡翠。
 いや、報告は大事なんですけど、これは対応する組織の人が胃痛と円形脱毛症に見舞われるフラグなのではないのだろうか。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

紗咲・亜闇
※アドリブ・連携歓迎
あのお方……いや、あいつの気配が……あの裏切り者の気配がする。これまでの戦いを知らない身で悪いけど参戦させてもらうよ。

【生命力吸収】は私も使える技だ。多少の耐性はある。そして私の生命力を吸収されきる前に【限界突破】して必殺のUCを発動。周囲の石ころだとかを光速のヨーヨーに変換して敵を攻撃する。このヨーヨーは当たったものを光に還す【鎧無視攻撃】。体がどれだけ硬そうでも関係ない。視界についても私のヨーヨー攻撃は光【属性攻撃】。相手の視界を【目潰し】できる程に光るから周囲の視認性は問題ない。

悪いけど、お前に興味はないんだ……さあ、いつ出てくる?
私がかつて信仰した神よ…!


シュバルツ・ウルリヒ
不完全な状態か…経歴はどうあれ、邪神は邪神…斬るまでだ。


仮面には暗視機能も付いている。そしてここに来た直前、地縛鎖で辺りの地形の情報は収集済だ。これで問題なく戦える筈だ(視力、情報収集)

邪神に遭遇したら、まず魔剣を構えて衝撃波で牽制、そして敵の注意を引けたら、周りの木々を盾にしながら動きを観察する。(衝撃波、地形の利用、情報収集)

そして…敵の動きをある程度把握出来たら…こちらの番だ。残像を出しながら接近、そして敵のUCを残像に誘発させる。(残像)

出番だ、魔ックス。久しぶりにお前の好きな物を…神を喰わせてやる。

UCを発動(デメリット、流血)

…この一撃、耐えられるか?(鎧砕き、力溜め、封印を解く)



「ギギ、ガガガガ……チカラ、イノチ」
 立ち上る爆風を振り払う刃、頭部、右目へ縦に走る傷刻み、全身も細やかな傷にまみれた黒機甲が煙の中から姿を見せる。
 だがこの程度では倒れぬ、まだ渇望という欲求は満たせていないと猟兵倒す為に武器を構えて前進していた。
「まさに不完全な状態か……経歴はどうあれ、邪神は邪神……斬るまでだ」
 右腕に絡みつく鎖を鳴らしシュバルツ・ウルリヒ(黒剣・f14572)が闇の中から戦況を眺めていた。
 仮面によって彼の表情はうかがい知ることは出来ないが、一つだけわかっていることはその仮面の下、相手を凝視するシュバルツの瞳はこれまでの戦い、相手のクセなどを見切っていたという事だろう。
「あのお方……いや、あいつの気配が……あの裏切り者の気配がする」
 闇に潜むがシュバルツならば、代わりに真正面で黒機甲と相対するのは紗咲・亜闇(相克のスケバン・f21822)
 だが彼女が感じていたのは黒機甲の滾るオーラ、渇望の力ではなく別の存在、そう、もっと強い悪意をもった、裏で糸引く何者か、の気配である。
 其れ故に、眼前で暴れ狂う黒機甲などは単なる障害物でしかない。
 これまでの戦い、邪神教団による集いを知らぬ身ではあるが黒幕への思いと共に参戦した彼女は障壁となる黒機甲を排除すべくあえて黒機甲の視界内へと躍り出ていたのであった。
「ギガガガ、ジャマダ、糧トナレ!」
 自身に立ち向かう存在は自身を傷つけ、吸収を妨害する存在だと先の攻撃で察した黒機甲。
 強烈な悪意と共に武器を振り上げ、邪魔する存在を排除し自らの力としようと地響きと共に進むがその進軍を阻んだのは、闇に潜み機を伺うシュバルツである。
「糧になるのはお前の方だ、不完全な邪神」
 魔剣を構え一振り、数多の怨念を吸収したそれは彼の意に従うように衝撃波を発生させ、横合いから黒機甲の体を軋ませる。
 その程度では倒れはしないと動きを止めない黒機甲だが注意が側面にもそれ、また衝撃波の直撃でほんの一瞬動きが鈍れば刹那の判断、見切りによって勝敗決す戦いにおいては致命的な隙となる。
「光に還れ……このヨーヨーで!」
 亜闇が叫べばそれに呼応、地面に散らばる数多の石片が輝き姿を変える。
 それらは全て輝く光のヨーヨー、そして黒機甲が踏み荒らし、更には爆撃で飛び散ったが故に石の数は無数と呼ぶに錯覚するほどのヨーヨーを生み出す結果となっていたのだ。
 その輝きは凄まじく、ヨーヨーに囲まれた黒機甲の周囲が昼ではないかと錯覚するほどの光量へ。
 だがヨーヨーは光り、視界を確保するだけのものではない。
 一つ、また一つと動き出し、次々と黒機甲へと命中すれば被弾した部分の甲冑が小さく砕け、ヨーヨーと共に光の粒子へと変じていくではないか。
「ガァアアア、排除、エネルギーヲ!」
 全周囲から迫る衝撃、それらを打ち払おうと此方も周囲一帯へエネルギーを収奪する衝撃波を放っていく黒機甲。
 飛来するヨーヨーを打ち払い、そして生命力を吸い上げようとするもそのヨーヨーは元々はただの石ころ、吸い上げる生命力など無に等しい。
 更には最も生命力を持つと見える亜闇ですら呪詛への耐性をもってして、その吸収へ耐える姿勢をみせれば思った以上の効果は無く、ただ無駄にエネルギーを消費したにすぎない。
「なるほど、大振りな動きが多いな。
 出番だ、魔ックス。久しぶりにお前の好きな物を……神を喰わせてやる」
 衝撃波の放出、それを木に隠れてやり過ごしたシュバルツが飛び出せば、数多の残像を空中に残しながら黒機甲へ急接近。
 右へ左へ飛び回り、残像を視界内へと刻み込むことでどれが本物かわからずに武器を振るったその瞬間を見逃さず。
 残像を断ち切った刹那、既に懐へと潜り込んでいたシュバルツは魔剣に宿した負の力、魔斧と自身が持つ神殺しの力、そして吸血鬼の力を一斉に解き放つ。
 同時に全身、体表から数多の出血、体を覆う黒きローブが血液で濡れていくが彼はそんなものを気にせずに。
 右手の魔剣、左手の魔斧。
 柄の長い魔斧を遠心力を生かして真横に振るえば腰部に命中、大きな亀裂を走らせながら刃が食い込み、衝撃を全て相手の体へ叩き込めばシュバルツは手を離し、食い込んだ斧の柄を足場に跳躍。
 胸部装甲へと右手の魔剣、その切っ先を突き刺して鎧へ風穴を刻みつけ、大きなダメージを与えることに成功していたのだ。
「ガガガ、アァアアアア! ギガァアア!」
 咆哮、そして無茶苦茶に武器を、腕を振り回し自身を傷つけた猟兵を振り払う黒機甲。
 相手に食い込んだままの斧、その柄へ鎖を伸ばして絡ませて、力いっぱい引き戻しシュバルツは武器を回収すれば変わりに飛来するは再び生成された光のヨーヨー。
「悪いけど、お前に興味はないんだ……さあ、いつ出てくる?
 私がかつて信仰した神よ……!」
 最早黒機甲には興味はなく、肌で感じる別の神への強き激情に突き動かされた亜闇。
 情け容赦なく放たれたヨーヨーによって装甲を削ぎ落とされつつも武器を振り回し抵抗、衝撃波にて草木からなけなしの生命力を吸い上げた黒機甲は再度の戦闘態勢。
 渇望する感情のままに動き、完全に破壊されるまでは止まらぬと猟兵への攻撃を再開するのであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ヴィヴ・クロックロック
本当にこの辺の霊だのが端から食いつくされてるな…不完全な邪神と聞いたがすさまじい悪食っぷりだ。だが死霊の類じゃ腹の足しにもなるまい?

まずは私の船団で骸の海から新鮮な霊を雇い入れる。ここの縁なら…サナダとタケダの武士が食い散らかされた自分たちの仇を取るべく来てくれるだろう。
六文銭の準備は万端都合がいい、まあ詳しくは知らないがシンボルだとは聞くしな。
彼らにはとにかく包囲を優先、範囲攻撃で生命力の吸収?彼らにそんなものはない。サムライが楽器で袋叩きの東洋ロックスタイル、最後はダイナマイトを投げ込み丸ごと弔ってやろう、ナムサン。

(アドリブ共闘歓迎です)


黒木・摩那
あぁ、やっと岩櫃城に大挙して押し寄せていた理由がわかりました。
確かに古城には怨霊とかもろもろいますね。
それを利用しようとするなんて、邪教徒達の考えることは一味違います。

邪神は飢えているというだけあって、こちらのパワーを吸い取る気満々です。
吸い取られるのは癪ですが、避けていては致命打を与えられません。
ここは踏み込んでいきます。

魔法剣『緋月絢爛』で戦います。
魔法剣をUC【偃月招雷】で帯電【属性攻撃】【破魔】。
相手の吸収波は【衝撃波】で打ち返して切り開きます。

【ダッシュ】で一気に距離を詰めて、【鎧無視攻撃】【先制攻撃】で斬りこみます。



「オアァアアアア、タリヌ、足リヌ、力モ、ナニモカモ!」
 ガチャガチャと甲冑鳴らし、周囲の生命力を、そしてこの地に残る武士たちの残留思念を再び取り込み、力へと転用しようと試みる黒機甲。
 手当たり次第に吸収、最早対象を選ばぬなりふり構わぬその姿勢にヴィヴ・クロックロック(世界を救う音(自称)・f04080)が呆れ果てながら言葉を発したのはその時であった。
「本当にこの辺の霊だのが端から食いつくされてるな……不完全な邪神と聞いたがすさまじい悪食っぷりだ」
 単純な武士たちの霊ではなく、動物霊や土地そのものに残った思いまでもを吸収しようとする姿勢。
 しかし吸収できるエネルギーなど、活動し消耗する分に比べれば不足しているのは一目見てわかり、更なる吸収を求め猟兵にらむその顔にはおぞましいほどの邪気が漂っていた。
「あぁ、やっと岩櫃城に大挙して押し寄せていた理由がわかりました。
 確かに古城には怨霊とかもろもろいますね」
 その様子を見ながら、右手で作った握りこぶしを左の掌にポンと打ちあて合点がいったとばかりに頷いていた黒木・摩那(冥界の迷い子・f06233)
 前哨戦は温泉旅館であったがそれを隠れ蓑として、本丸跡まで邪神教団が動き儀式をしようとした理由。
 城跡、それも合戦と落城を経た城には怨霊なども多数存在、更には強い思いが残るのも事実。
 本来なら出来る限りかかわりたくないそれらを利用してしまおうと考える、邪神教団の一味違う思惑がこれだったかと納得しつつも彼女はこの邪神、黒機甲を破壊すべく行動開始。
「相手は此方のエネルギーを吸収する気満々です。
 が、避けていては致命打を与えられませんし、踏み込んでいきます」
「うむ、ならば踏み込む援護はしよう。私の船団でサナダとタケダ、あたりの軍勢を呼び出そうか」
 魔法剣『緋月絢爛』を構え、その刀身のルーン文字を輝かせた摩那が言葉を発すれば、それを援護するとヴィヴィも返答。
 普通に切り込むだけでは懐に入ろうとも衝撃波が面倒だろう、ならばその切欠を作るとヴィヴィが六問銭を掲げれば、虚空が歪み小型のガレオス船が複数隻出現し、それぞれに日本の鎧甲冑に身を包んだ武士の霊が乗船していた。
 その甲冑は皆が赤き色で染め上げられ、赤揃えとも言うべき様相。
 黒一色の黒機甲が叫び、吸い上げる霊の、思念の同胞である武田、真田を語るには外せない赤き甲冑の軍勢である。
「オオオオオオオオオ!!!」
 船の戦闘、舳先に立った一人の武士が武器を掲げれば、それに呼応し全ての船から大地を揺るがさんとばかりに放たれる鯨波の声。
 黒機甲の咆哮に負けず劣らぬ亡霊たちの鬨の声、浮かぶ船から飛び降りた軍団は黒機甲を包囲するよう迅速に展開し、何故か持つ武器は槍や刀、弓矢と違いギターなどの楽器にダイナマイトという爆破物。
「死霊の類じゃ腹の足しにもなるまい? 新鮮な霊たちだ。
 もっとも、同胞の思いを汚したお前に対して大層お怒りのようだがな」
 パチン、とヴィヴィが指を鳴らせばそれが攻撃の合図となる。
 ギターを無作為にかき鳴らし、不協和音を響かせながら赤き甲冑武者たちが包囲を狭めて急接近。
 巨体を生かし、武器を振るって近づく武者を斬り飛ばす黒機甲だが前後左右からひっきりなしに近づいて、そして既に死んでおり死の危険が無いこと、更には同胞を汚された怒りを宿した軍勢の士気は高く、ひるむ事無く突撃が継続。
 楽器での袋叩き、楽器を凶器にするというのはどこぞの悪魔の閣下たちがやりそうな東洋ロックスタイルの猛攻に業を煮やしたのか全周囲への衝撃波を放つ黒機甲。
 一気に霊たちが消滅し、その生命力を喰らうはずだったがもとより霊に生命力などあるはずもない。
「ナムサン」
 消失した同胞を追うように追撃していく軍団霊、それぞれの手に持つのは火のついたダイナマイト。
 全員特攻、自爆しに向かう軍団を眺めつつヴィヴィが右手を上げて胸の前で祈るように翳した瞬間、軍団霊が黒機甲の周りに取り付き爆発四散。
 消滅すると同時にその圧倒的な衝撃力でよろけた黒機甲には大きな隙が生じており、摩那が切り込むには十分すぎるチャンスを作り出していたのであった。
「助かりました、では一気に決めますよ。
 ウロボロス起動……励起。昇圧、集束を確認……帯電完了」
 翳した魔法剣に紫電纏わせ摩那が地面を蹴って全力疾走。
 その勢いに地面の小石が跳ね上げられて、最初の一つが地面に落下するのと同時に彼女は黒機甲へと肉薄。
 無理な姿勢で振り下ろされた大剣の一撃、それを軽やかな身のこなしで難なくかわせばその右腕を狙い一閃。
 直後、斬られた手首が激しい発光と共に大きく引き裂かれれば、続けざまに脛を狙って袈裟懸けに、更には跳躍、そして閉じられた胸部装甲を断ち切って内部構造を引き出さんとばかりに切り上げが命中。
 そのどれもが深々と装甲切り裂き、内部の構造をあらわにすれば黒機甲の防御性能は大きく減少。
 だがこのまま倒れてなるものか、と左腕を振り上げエネルギーを高めればそれは周囲一帯からエネルギーを奪う、見慣れた波動の力を宿したエネルギー。
「何度も使えば、対応するのは簡単です」
 直後、放たれた生命収奪の衝撃波。
 だが何度も見てきた摩那にとっては防ぐことは可能な一撃。
 先の切り上げで空中に浮いていた彼女は地表、迫る衝撃波目掛けて武器を一閃。
 輝く電光を衝撃波として打ち返し、自身に迫る衝撃と相殺。
 流石に全てを相殺するには至らぬが生命力を奪い取る、自身に当たる範囲の多くを打ち払う事で殆ど生命力の吸収をさせず、また衝撃同士の衝突で生じたエネルギーで後方へ飛ぶことで追撃しようと振り上げた左腕の一撃がむなしく宙を切っていく。
「まだまだ、これで終わりではありません」
 そのまま再度の突撃敢行、今度は動きを封じると先に切り込んだ脛を狙って斬り抜けて、傷口広げれば体を支えきれずに思わず膝つく黒機甲。
 残存エネルギーの振り分け調整、稼働可能にするために破損部位の応急修理に貴重な力を消費して再び立つ黒機甲だが戦況の不利は決定的。
 必死の抵抗を見せていくも、その流れを断ち切らせぬと別の猟兵が終わらせるべく攻勢を仕掛けていく。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ロベリア・エリヌス
この一連の事件もいよいよ大詰めね
こういう正面からぶつかり合う展開だと、私は戦力になるかどうか分からないけれど…
乗り掛かった舟、毒を食らわば皿まで…よ
それにこう言った状況って中々お目にかかれない物でしょうから、良い『記録』になりそうね
だから貴方と言う『物語』、蒐集させて貰うわ

…取り合えず幾つか質問してみましょう
貴方は『誰』?
それ程混ざり合った『貴方』の主導権は誰が握っているの?
混ざり合った『貴方』は何を為さんと欲するのかしら?

【其の答えを識るまで、僕は死ぬ事もままならぬ】のよ

それにしても…
邪神の到来に合わせて城跡が城に格上げされるっていうのも物語的じゃないかしら
邪神にしては中々洒落ているじゃない


エウトティア・ナトゥア
※アドリブ・連携歓迎

むむ、また出てきおったか。彼奴らもなかなか頑張るのう。
じゃが、そろそろ打ち止めじゃろう。
このまま一気に押し切るのじゃ。
とは言えどうしたものか…先程の尖兵共がいたら楽ができたのじゃがな…
まあ、よい。マニトゥ、もうひと頑張り頼むぞ。
『渇望する黒機甲』をお主の爪や牙で引き裂いてやるのじゃ。
わしも【精霊石】の力を借りて風の精霊を呼び出して、【属性攻撃】風の槌で敵を打ちつけて敵の体勢を崩す【援護射撃】するのじゃ。
おっと、『ホールド・アブソーバー』は痛そうじゃな。剣を振り下ろすタイミングに合わせて【風の障壁】で軌道を反らしてやるかの。
マニトゥ、今じゃ。タイミングを合わせて突撃じゃ!



「むむ、まだ立ち上がるか。彼奴らもなかなか頑張るのう」
「ええ、けどこの一連の事件もいよいよ大詰めね」
 不屈の意志かはたまた、周囲一帯から生命力を吸い上げているおかげかまだ倒れぬ黒機甲を見遣りつつエウトティア・ナトゥア(緋色線条の巫女姫・f04161)とロベリア・エリヌス(recorder・f23533)が言葉を交わす。
 各所の装甲がひび割れ、めくれ、亀裂が走り後一歩、されどこの場に踏みとどまって抵抗する構えを見せて猟兵へ刃を向ける黒機甲を完全に止めるべく、二人は顔を見合わせ頷きあう。
「まあ、いくらやる気があっても、そろそろ限界じゃろう。このまま一気に押し切るのじゃ」
「そうね、こういう正面からぶつかり合う展開だと、私は戦力になるかどうか分からないけれど……。
 乗り掛かった舟、毒を食らわば皿まで……よ」
 真正面、力と力でぶつかり合う戦術では崩壊しつつある黒機甲でも彼女らを押し潰すことは可能であろう。
 されどこの二人、搦め手、更には使役する能力に秀でた者達、故に黒機甲が得意とする分野で馬鹿正直にぶつかり合うことなどありえない。
「マニトゥ、もうひと頑張り頼むぞ」
 不敵に笑ったエウトティア、彼女の後ろ、闇の中から双眼光らせ姿を見せるは彼女と共に歩む巨狼マニトゥ。
 月明かりに照らされた白き体毛は青白く輝いて、その幻想的な姿で内に秘めたる凶暴な膂力を覆い隠していた。
「ふふ、相変わらず頼りになる相棒さんね。それじゃ、私も相棒、じゃないけど頼りになる子を出していこうかしら」
 狼との連携、その構えをみせたエウトティアを見て文庫本を取り出して、ロベリアがそのページをぱらぱらと捲っていく。
 そのページを捲る動きがピタッと止まれば、そこは何も記されていない白紙のページ。
「こう言った状況って中々お目にかかれない物でしょうから、良い『記録』になりそうね。
 だから貴方と言う『物語』、蒐集させて貰うわ」
 そう、ロベリアはこの白紙のページにこの邪神、渇望する黒機甲と此度の思念吸収による変容を物語として収集すべく動いていたのだ。
 文庫のページを止めた彼女の右手、その人差し指を黒機甲へ突きつけて。
「貴方は『誰』?
 それ程混ざり合った『貴方』の主導権は誰が握っているの?
 混ざり合った『貴方』は何を為さんと欲するのかしら?」
 数多の思念が、更にはこの土地に残る霊と生命を吸い上げ混ざり合う黒機甲。
 ならば今の存在はどうなっているのか、そして誰が今この存在を、黒機甲の形として操っているのかと。
 そして求める物はなんなのか。
 不完全ゆえの変異、その答えを知ろうと問えば、文庫本から答えを求む情念の獣が姿を見せて鋭き牙を光らせていた。
「グ、ギ、ガガガ? 我、我ハ誰カト?
 混ザリ合ッタト? 笑止、我ハ我。故ニ此ノ思念ナド不純物。
 貴様ラノチカラ奪エバ、スグニデモ切リ捨テテクレル!」
 何らかの理性があったか、それとも猛攻からの回復で吸収渇望形態が解除されたか黒機甲の口元がガチガチと動き、問いに対して答えていく。
 それは到底、ロベリアが望むような変化のある物語、異質で収集する価値高き答えとは程遠く、ただ一つの邪神が思念を喰らったにすぎない陳腐な物語。
「あら、意外とつまらないのね。けど、切り捨てる、なんていった物に頼らないと形を維持できてないじゃない?
 折角の邪神到来、歴代城主の思念を喰らって城跡が城に格上げされるっていう、邪神にしては中々洒落てる物語になりそうだったんだし、出てきて貰いたいわね」
 黒機甲の返答にロベリアが言葉を紡げば、取り込んだ思念に出てきてもらうと情念の獣がぬるりと動く。
 それはまるで、粘性のある液体が斜面を流れていくように、地表を這うように蠢いて黒機甲へ急接近。
 もたげた鎌首、光る牙にて噛み千切ろうと画策するが流石に邪神か、左腕を翳しその噛み付きを防御し右手の武器を一閃しようと企てた。
 だがその反撃は猟兵にとっての想定内、既に準備を整えていたエウトティアが許すはずも無い。
「おっと、そこまでじゃ。次はわしの出番じゃよ」
 いつの間にやらエウトティアが手にしていたのは煌びやかに光る精霊石。
 右手に持つそれは風の精霊を呼び出して、不可視の槌をその場に形成。
 左手、人差し指をエウトティアが黒機甲へと向ければその槌は標的定め一直線に飛来して。
 何かの接近、されど視認できぬ存在からの凄まじい衝撃を胸部甲冑へと叩き込まれて黒機甲は思わずよろめき、後ろへ尻餅をつく形となっていたのだ。
「今じゃ、マニトゥ。お主の爪と牙で奴を引き裂いてやるのじゃ」
 好機逃さず指示出せば一吼えして駆け出すマニトゥ。
 白銀の軌跡を残し地面を駆けて、白き砲弾が如き速度で突っ込んで。
 情念の獣に左腕を噛まれ、右腕、武器持つ手で何とか姿勢を整え立ち上がろうとしていた黒機甲、その真正面から飛び掛り、破損激しい脛へ噛み付き立ち上がりを妨害しながら装甲を噛み砕く。
 更には開いた装甲の隙間、そこへ前足突っ込んで亀裂を更に大きくしようと力をこめるがそれ以上の攻撃、されてなるものかと黒機甲が武器を振り上げ、噛み付くマニトゥ目掛け力いっぱい振り下ろす。
「おっと、それは痛そうじゃな。風の精よ、全ての悪意から彼の者を護れ!」
 その刹那、目にも止まらぬ速さでエウトティアが放つのは風にて生成され、攻撃を逸らす障壁。
 直接ぶつけ、その存在でもって攻撃を受け止めるのではなく軌道を逸らし無力化させる一時の暴風は振り下ろされた大剣を受け止め、軌道を横へと向けていき。
 狙い外れて地面を打って、数多の石片巻き上げて轟音を立てるだけに留まっていた。
「マニトゥ、今じゃ。タイミングを合わせて追撃じゃ!」
「チャンス到来、って奴ね。それじゃこっちも便乗させて貰おうかしら」
 攻撃の無力化、攻守ともに抵抗できる手段が無い手詰まりとなった黒機甲。
 マニトゥへ追撃の指示出せばこの機を逃さぬとロベリアも攻め手を変更、噛み付いていた情念の獣が腕から離れ胸部を狙い体を伸ばす。
 自由になった左腕、されど右腕、大剣の叩き付けにてまともに動かせない右腕と、噛み砕かれて立ち上がれぬ足ならば片手が動くだけで何ができよう。
 胸部装甲、その隙間へと情念の獣が牙を突き立て捲るように首を動かし、甲冑を引き剥がし。
 更にはマニトゥが跳躍、傷の入った右目へと自らの左前足突っ込んでその傷を拡大し、首筋の装甲へ噛み付き牙を突き刺せば勝負は決した。
「グガ、ガガガ、チカラ、チカラヲ……?
 我、ハイボク? マタシテモ、城ガ……落城?
 カツヨ……リ?」
 崩壊していく四肢、そして邪神の意識と交じり合った思念たち。
 最後に形として引き出されたもの、それは戦の果てにて城を失った城主の思念と。
 この地へ主家を招きいれ、失墜する家を守ろうと願ったが、結局は別の城へと向かわれて、守りぬけなかった無念の思い。
 その二つが最後まで強い思念として形を保ち、崩壊する黒機甲の口から零れ出たのは一つの現象に過ぎないが。
 強き思いが邪神の糧として使われる、それは生けるものも死せるものでも関係なく、この世界を崩壊へ導く危険なものであることを、猟兵達へ改めて認識させるものとなっていた。
「これで終わり、となればメデタシメデタシ、なんだけどね」
「うむ、まだ来るようじゃな。気は抜けんの」
 消失した渇望する黒機甲、されど山の邪気はまだ晴れず。
 更なる存在の接近を肌で感じ、ロベリアとエウトティアは言葉を交わし次なる戦いへ備えていた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第2章 集団戦 『ルリハ』

POW   :    セカンダリー・インフェクション
自身に【病源体】をまとい、高速移動と【病源体】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
SPD   :    アウトブレイク
【伝染力の高い病源体】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ   :    スーパー・スプレッダー
【病源体】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【にばら撒くことで】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。

イラスト:龍烏こう

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 邪神の消失、そして一時の静寂が訪れるがその静寂も長くは続かなかった。
 警戒怠らぬ猟兵達、森の一部が枯れ果てて無残な姿を晒すその場所へ、侵食防ぎ緑を残す木々を潜って侵入者が現れたのはその時であった。
「ギギッ、ギィイイ!」
 その声の主、侵入者は複数種類の獣たち。
 いや、獣だけではない。鳥類も両生類も昆虫も、様々な生物が何かに追われるようにしてこの開けた中城付近、先ほどまで猟兵と邪神が戦っていた場所へ追い立てられているのである。
 だがその生物たちは普通とは違っていた。
 よくよく見ればその外見は健康なそれではなく、ところどころが腐り爛れ、壊死しつつあったのだ。
 苦しみながら逃げ惑い、力尽きて倒れた数多の生物。
 その上に舞い降りるのは、闇に紛れて視認が難しい小鳥たちであった。
 だがその小鳥は死肉を啄ばみに来たような生易しいものでは決して無い。
 その鳥たちが降り立った瞬間に倒れ付した獣たちの腐敗が一気に進み、完全に息の根を止めていたのだから。
 触れることで皮膚を爛れ、腐らせ死に誘うこの鳥たちこそ恐怖を伝播する者たちが使役していた眷属であろう。
 急激な外見変容、そして死へと向かう姿は人々に恐怖を与え、混乱を招くにはうってつけの能力、病原菌であるのだから。
 となればこの小鳥たち、恐怖と死を振りまく存在を放置する道理は無い。
 邪神を迎えに訪れた眷属たちを打ち破り、更なる使役者を引きずり出すのだ。
カビパン・カピパン
舞ってる、また宙に舞っているカビパン。
シリアスぶりたい所だが、それは不可能なのでほどなくして落下。防御オーラ展開し墜落、落ちた衝撃でルリハが何匹が潰れた。自分たちが降り立たれる側になるとは。

その時、とんでもない事に気がついた。
えっと、その…つかぬ事を伺いますが、もしかして第2章、始まっちゃってる?

残念ですが【ハリセンで叩かずにはいられない女】が発動しました。
「あらやだ、この鳥可愛いわね」
ハリセンでバシバシ叩くとルリハ達は苦しみ出した。
僕たち恐怖と死を振りまく存在なんでこんなギャグ世界に適応できませんとばかりに。
「小林と名付けて飼育しようかしら」
ルリハ達は耐えられなくなって死んだ。



 闇の中を飛び交い、腐敗と壊死による恐怖を振りまく眷属ルリハ。
 囀りは苦しみと死を告げる不吉なもの、愛らしい姿からはかけ離れた不気味な、それでいて恐ろしい空気を放つ存在であったがその空気をぶち壊す者が居る。
 突如、空の一点がキラリと光ったと思えば二度、空を舞って何処かへ飛んでいたカビパンが急降下をしているではないか。
 飛行能力を持たない彼女が空を飛び、そして重力に従うままに落ちてくれば結末は一つしかない、つまりは落下である。
「ピピッ? ビギィイイ!」
 なーんか変な気配がするなぁ、って感じて上を見たルリハ、その視線の先にはオーラに身を包み自身の上へと一直線に落ちてくるカビパンの姿。
 慌てて飛び立とうとするも既に手遅れ、3匹ほど纏まっていたルリハの上へ質量と重力加速を乗せちゃったカビパンの体が叩きつけられその衝撃で潰されてしまったルリハ、ナムアミダブツッ!
「いたた、まさか二度も宙を舞うことになるとは。
 しかし残念でしたね、自分たちが降り立たれる側になるとは」
 体をオーラで光らせて、ぺしゃんこになったルリハを見下ろすカビパン。
 うん、台詞はカッコイイんだがその、登場の仕方とか色々とシリアスからかけ離れてるからね?
 その時、カビパンは何かを感じたように、というか敵が黒機甲ではなくなっているという事実からとんでもない事に気付いた模様。
「えっと、その……つかぬ事を伺いますが、もしかして第2章、始まっちゃってる?」
 はい、もう始まってます。そしてシリアスな空気だったのを開幕、カビパンさんがぶち壊して登場してます。
 そんな空気ぶち壊しのカビパンをどうにかしようと、飛び交うルリハたちがカビパンを包囲して病原菌を撒き散らすがそれと同時に、カビパンも範囲攻撃で対抗。
「あらやだ、この鳥可愛いわね」
 月明かりでほんの少し、チラリと姿が見えただけなのに。
 そこから全身図を想像で補って可愛いなんて言い出すカビパン、そして彼女が取り出したるは女神のハリセン。
 撒き散らされてる病原菌を持ってる羽毛とか、直接飛んできてるルリハを手当たり次第、適当にブンブンとハリセン振り回して迎撃。
 打率は3割切ってるような物だがツッコミの嵐、数打ちゃ当たるの精神で不運なルリハが打ち据えられると突如地面に落下して、苦しそうに悶えていた。
 シリアスな、病魔を撒き散らし、恐怖と死を齎す使者としての存在なのに無理矢理ギャグ世界に放り込まれたのである。
 地面に落ちた蝉が最後にもがき苦しむように、バタバタと翼を動かしのた打ち回るルリハ。
 その姿はこんなギャグ世界には対応できません、と全身でアピールしているようなものであったが容赦ない一言が。
「ふふ、元気でいいわね。小林と名付けて飼育しようかしら」
 あかーん、完全にギャグ空間に連れていかれる。
 そんな未来を思ってか、それともユーベルコードの衝撃なのか、はたまた適応障害でも起こしたのか。
 耐え切れなくなったルリハがビクンッ、とひときわ大きく痙攣すれば、地に墜ちた数羽のルリハが絶命していた。
 いけない、この一角だけシリアスではなくギャグになってしまっているっ!

成功 🔵​🔵​🔴​

シュバルツ・ウルリヒ
眷属。……人間の信者かと思っていたが……違った。……だが、いい誤算だ。人間でないなら――手加減せずに斬れる。……今度はお前の番だ。シュバル2、お前の…食事の時間だ…!

病原体、成る程、それは…厄介だな。…だが、厄介なだけで、対処可能だ。……UC発動、今回のデメリットは…猛毒。……この猛毒が僕の身体に流れてる限り病原体は…効かん。…だが、まあ…だからといって長期戦はキツイ、猛毒だからな。激【激痛耐性】…速攻で蹴りを着ける。

鳥に向かって【衝撃波】を放つ。…だが、奴等は空中、ただ放った衝撃波では…当てるのは難しいだろうな。…だが、それでいい。…避けた鳥に向かって鎖を放つ。…地面に落とせば…こちらの番だ


黒木・摩那
青い鳥!
綺麗ですね。良いものを見ることができました。眼福眼福。

青い鳥というと幸せの鳥というイメージがありますが、
残念ながらこちらの鳥は不幸の鳥のようです。

すごく勿体ないですが、ここで片づけてしまわないと、
他の鳥が大変なことになってしまいますからね。

病源菌持ちは焼くのが一番です。
ヨーヨー『エクリプス』で戦います。
ヨーヨーの質量を軽くして反応性重視に設定します。
さらにUC【トリニティ・エンハンス】の【火の魔力】を付与します【属性攻撃】。
ヨーヨーに炎をまとわせて、
ルリハ達を【武器落とし】よろしく【なぎ払い】していきます。



 地に落ち、ギャグ世界に適応できず動きを止めたルリハの死骸。
 内包する病原菌が危険なそれを赤い光が照らし出していた。
「眷属。……人間の信者かと思っていたが……違った。
 ……だが、いい誤算だ。人間でないなら――手加減せずに斬れる」
 死骸を見下ろすシュバルツ、そんな彼が装着した仮面から放たれていたのがルリハを照らす赤き光。
 発光機能を持つそれを用いて彼は敵の姿、大きさを確認していたのだ。
「青い鳥! 綺麗ですね。良いものを見ることができました。眼福眼福」
 シュバルツが照らしたルリハ、それを同じようにして見て声を上げたのは摩那。
 美しく、深みを持った青き羽もつその存在、見とれてしまいそうな姿を見ての率直な感想。
「青い鳥というと幸せの鳥というイメージがありますが、残念ながらこちらの鳥は不幸の鳥のようです」
「ああ、どう見ても、病原体を、ばら撒いている。成る程、つまりこれは……厄介だな」
 見た目は綺麗、しかしその実態は病原体をばら撒き死を、不幸を、恐怖を振りまく小さき悪魔。
 幸せをイメージさせる青い鳥とは間逆の性質を持った存在を解き放つことなど許されない。
「……だが、厄介なだけで、対処可能だ」
「ええ、すごく勿体ないですが、ここで片づけてしまわないと、他の鳥が大変なことになってしまいますからね」
 隣り合って頷きあい、片やシュバルツは躊躇い無く。
 片や摩那は少し名残惜しそうに、周囲を飛び交い、闇に溶け込み病原体をばら撒かんとするルリハを凝視する。
「追い立てるのは、任せてくれ。……ただし、速攻で蹴りを着ける」
「なら私は、見やすいように明るくしましょう」
 シュバルツが身を屈めてから一度、ビクンと痙攣。
 全身へ魔剣、魔斧、吸血鬼の力を行き届かせればそれと同じく彼の体を蝕む猛毒。
 激痛に仮面の下の表情が一瞬曇るがその痛みを耐性で押さえ込み、跳ね上がった身体能力をもってして行動開始。
 先の戦いで大量発生していた石片が跳ね上がると同時に彼の姿はその場から消え、わずか一歩、瞬きする間に10m以上を突き進み、ルリハの群れへと一直線に突っ込んでいたのだ。
「ビィイ、ギィイ!」
 シュバルツの強襲に対抗、ルリハ達は高度をあげつつその翼から疫病もたらす病原体を撒き散らし、更には闇に紛れてシュバルツから逃れつつ反撃へ転じていく。
 舞い落ちる羽根の下、魔剣と魔斧の二刀流、回転しながら吹き飛ばすが全てを払う事は出来ず、付着した羽根がシュバルツのローブを侵食、更にはその下、皮膚までを腐らそうと力を見せるがその侵食は進まずに。
 付着した羽根を、病原体を振り払うようにシュバルツが腕を振るえば破れたローブのその下に、病原体の腐食とは違う青黒い毒が脈打つ皮膚が覗いていたのである。
「……この猛毒が僕の身体に流れてる限り病原体は……効かん」
 腐敗と壊死、その二つをもたらす病原体など無意味とあえて見せ付けるように振舞うシュバルツ。
 その威圧感に気圧されたか、羽ばたきを強め自身を強く見せようとしたルリハであったがその眼前を赤き炎が横切ったのはその瞬間。
「病源菌持ちは焼くのが一番です」
 惜しくも外れた赤き炎、それを放ったのは摩那。
 いや、正確には炎ではなく……。
「ま、外しても戻ってくるんですけどね、これは」
 通過した筈の炎がある一転で静止、そしてほぼ同じ軌道を描いて反転接近。
 一度目は外れたが、その炎に照らされ位置が判明したルリハに戻る炎が直撃し、燃やしながら摩那の手元へ引き寄せられて。
「さて、火力を上げてもう一周。一気に照らしていきますよ!」
 摩那が右の手首を返していけば、手元に戻った火球が再度反転、今度は大きな弧を描き、炎上するルリハを跳ね飛ばして飛んでいく。
 そう、彼女が操るのは単純な炎ではなくその指に付けられたワイヤーにて操る超合金ヨーヨーのエクリプス。
 質量調整、反応性を最大限に活かせる重量まで落としたそれにユーベルコードで炎の属性を付与すれば、手首の返し、腕の動きで自由自在に操れる火球へと即座に変化。
 大きく円形運動をしたそれはその炎によって飛び回るルリハの位置を仲間に知らせ、最適な攻撃を行う起点となって。
「……見えた、そこだ!」
 身を屈め、溜めた力で地面を蹴って、シュバルツが飛び跳ねて。
 空中で反転、右手に持った魔剣に魔力が滾っていって。
「……今度はお前の番だ。シュバル2、お前の……食事の時間だ……!」
 魔剣一閃、煌く刀身が月明かりに照らされれば、それと同時に放たれる衝撃波。
 当たってなるものかとルリハ達は空中で旋回、衝撃波の軌道から逃れていくがそれこそがシュバルツの狙いである。
「月の方へ、流れた!」
「了解しました、まとめてなぎ払っちゃいましょう」
 一斉反転、衝撃波を避けるが為に集団の多くが移動した方向を示していけば、待ってましたとばかりに摩那が腕を振るってエクリプスを操作。
 大きく円形軌道を描いていたそれは腕の動きに呼応して軌道を変更、急反転からルリハの密集地帯目掛けて飛んで行き、回避も防御も間に合わぬ哀れなルリハを打ち据えて弾き飛ばし、更には回避に成功したルリハの位置を照らし出す。
 位置が特定されてしまえば更なる追撃も容易、衝撃波を外したシュバルツが右手を振るえば絡みついていた鎖が解け、ルリハ目掛けて伸びていく。
「ギィィイイイ!?」
 その鎖に絡め取られ、羽ばたきもがこうにも抵抗できないルリハが不快な鳴き声を上げていくがそれが最後の断末魔。
 グンと鎖が引っ張られ、締め付ける感触と共にルリハの視界に映ったものは。
 禍々しい空気を纏い、自らへ向けられたシュバルツの魔剣、その切っ先であった。
「……次はお前だ。……地面に落とせば……こちらの番だ」
 魔剣でルリハを貫いて、腕に鎖を絡ませて。
 別のルリハを威嚇しながらシュバルツが呟いて、左手に魔斧を持って見せ付ける。
 放たれた殺気から逃れるように高度を上げるルリハ、その動きを追うように摩那の操る炎を纏ったエクリプスが飛び回っていた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ロベリア・エリヌス
先ずは周囲にサイリウムを撒いて光源を確保するわね
数には數を…と言うわけで【エレクトロレギオン】を呼出さないとね

それにしても、雉も鳴かずば…なんて言葉があるけれど…
折角の優位な状況と能力が噛み合っていないというのは誰にとっての不幸かしらね

病原体をばら撒くまでは良いのでしょけれど…その能力を十全に活かす為には地に降り立たなければ意味がないんじゃないかしら
折角飛べるのだから、そのまま夜闇に紛れて飛び続けていればまた違ったのでしょうけれどね
いくら私でも、能力の半分しか活かせないユーベルコードに後れを取るつもりはないし、活かそうと地に降りれば見逃すつもりはないわ
…さあ、貴方達はどちらを選択するのかしら?


エウトティア・ナトゥア
※アドリブ・連携歓迎

ふむ、疫病を運ぶ鳥か駆除しておいた方がよさそうじゃな。
今回は動物たちを出さない方がよいじゃろう。

まずは『ルリハ』への対処じゃな。
空中の敵には飛び道具が有効じゃろう。
【精霊石】の力を借りて、この地に遍く精霊に願い風を矢となし、【手製の短弓】につがえて解き放つかの。
空を翔けようと風より速く動けまい【追跡】する風の矢で尽く撃ち落とすのじゃ。

さて穢れをそのままにしておく訳にもいくまい。
清めるには火が手っ取り早いかの?火の精霊を呼び出し、火炎で大地にばら撒かれた『病原体』を落ちた『ルリハ』ごと焼き払うとするか。
精霊達よ、この地を清めるのじゃ。じゃが周りの木々を焼かぬようにのう。



「ユーベルコードだけじゃ光量が足りないわね、これを使って」
 攻撃から逃れ、夜闇に溶け込むルリハを見遣りロベリアが取り出したのは化学反応にて発光する、多数の棒状ライト。
 色彩豊かなそれを周囲へばら撒けば、淡い光で照らされて枯れ果てた大地を、倒れ付した獣たちを浮かび上がらせ、また地表にルリハが降り立てばその姿を確実に照らしだすだろう。
 更にロベリアが指を鳴らせば数には数をと、小型の機械兵器、エレクトロレギオンの集団が彼女の後背より姿を見せ、その機銃を、アームクローを向けてルリハを迎え撃とうとしていた。
「ふむ、疫病を運ぶ鳥か駆除しておいた方がよさそうじゃな。
 今回は動物たちを出さない方がよいじゃろう」
 それと同時に動くエウトティア。
 疫病を撒き散らす存在に対して自身の使役する動物では相性が悪いと此度は得意なそれを使わず変わりに取り出すは彼女手製の弓であり、番えた矢は風によって生み出された不可視の矢。
 見れば彼女のすぐ側には風の精霊が付き従い、彼女へ風の力を与えていたのである。
「雉も鳴かずば……なんて言葉があるけれど……。
 折角の優位な状況と能力が噛み合っていないというのは誰にとっての不幸かしらね」
「ふむ、この世界の古い言葉かの。まあこれ以上疫病をばら撒かれては面倒じゃし、あの囀りも鬱陶しく思えるからの」
 故事成語、ふと相手を見て思った言葉をロベリアが口にすれば、それを実行するかのようにエウトティアが弓引き、ぎりりと弦が張り詰めて力を抜けばひょう、と音が奏でられ。
 照らし出されたルリハを追って、風にて生み出された矢が飛翔。
 視認不可能なその一撃に一羽のルリハが射抜かれ地面に落ちれば、他のルリハも攻撃されたことを認識。
 バサバサと不快な羽音と共に飛び上がるも続けざまに放たれた矢が追いかけて、風切り音を感じてでたらめに飛び交うもエウトティアの矢は認識したものを追尾する、誘導ミサイルのようなもの。
 曲線的な動きを持って回避を試みたルリハたちではあったがエウトティアが矢を放てば一羽、また一羽と射抜かれて、このままではやられるばかりと悟ったか。
 大量の病原体を蓄えた仲間の死骸を、そして自分たちの生み出した液体をエウトティア目掛けてぶちまけていたのである。
「おおっとぉ、これはなんとも面倒なことをしてくれるのぅ」
 攻守逆転、弓を持ったまま飛びのいて。
 風の精霊が生み出した障壁で自らに降りかかる液体を、死骸を防いで後退したエウトティア。
 視線を移せば地面を汚染し、死を振りまく領域へ複数のルリハたちが降り立って、ロベリアがばら撒いた棒状のケミカルライトに照らし出されて不気味な姿を見せていた。
 だが能力強化の為に地面に降り立つという事は夜闇に紛れて飛び回り、視認性を下げて回避力を高めるという優位性を投げ捨てる行為でもあり、反撃の危険も伴う。
「あら、そっちを選ぶのね。
 折角飛べるのだから、そのまま夜闇に紛れて飛び続けていればまた違ったのでしょうけれどね」
 地表に降りて力を高め、猟兵達を疫病にて苦しめようとするルリハを哀れむように見ていたロベリア。
 能力を十分に生かすには飛行という利点を捨てる必要のある技、ただの病原体射出に徹して空を飛ぶのか、はたまた地上に降り立って優位性を捨ててまで戦闘力を高めるのか。
 回避ではなく攻撃優先にシフトしたルリハ達を見遣りつつロベリアが右手を突きつければ、迎え撃つように動き出した数多のエレクトロレギオン達が包囲開始。
 ルリハの放つ病原体、その射出によって最前線の機体は一撃で行動不能、消失していくがそれ以上に数の多いレギオン達は包囲を狭め距離をつめ。
 機銃の掃射とアームクロー、遠近二種の攻撃をもってしてルリハ達を追い詰めていたのである。
「ギギッ、ビギィイイ!」
 地表にいれば包囲殲滅の危険性、されど今から飛んだところでケミカルライトに照らされ射撃攻撃の餌食になるのは明白。
 追い詰められたルリハ達はならばこの包囲を破るまでと此れまで以上に翼を動かし、数多の病原体を放ってレギオンたちを蹴散らし始めるが抵抗はそこまで。
「清めるには火が手っ取り早いかの? 精霊達よ、この地を清めるのじゃ。じゃが周りの木々を焼かぬようにのう」
 ルリハ達をロベリアのレギオンが抑える最中、呼び出す精霊を取替え風から炎へ属性変更させたエウトティア。
 必死の抵抗見せルリハに対し無常の宣告、炎を纏った精霊達がその包囲へ加われば、浮遊したまま上空から次々と炎を放ちルリハを、そして汚染された地面を焼き払い、そして病原体ごと焼き清める。
「ギギッ、ギィイイ!!」
 たまらず飛び上がり、逃げ出そうとするルリハであったがそれを逃さぬとアームクローで捕獲したり、機銃で撃ち落すレギオンたち。
 地面に降り立った一群はこの包囲攻撃によって次々と命を落とし、そして地表焦がす炎によって焼き払われていくのであった。
「能力の半分しか活かせないまま戦っていれば、簡単に倒せるこの子達でもそうそう数は減らせなかったでしょうね。
 そして、活かそうと地に降りればこの結末。
 どちらにしても、貴方たちの物語は終わることが決まっていたのよ」
 炎、銃弾、クローに矢。複数の攻撃によって殲滅され、焼き清められるルリハ達を見下ろしながらロベリアが物語の終幕を宣言する。
 だがその終幕宣言を覆そうと残るルリハが怒りを込めて空を舞い、猟兵へ反撃を試みるがその抵抗すら粉砕する、猟兵の猛攻はまだまだ続くのであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

雨咲・ケイ
ギャグ時空?ま、まあいいじゃあないですか。
「終わり良ければ総て良し」という言葉もありますし……。
という事であの存在さえ許してはならない凶悪なオブリビオンを
殲滅しましょう。

【SPD】で行動。

アリエルの盾を輝かせて光源とします。
初手で【退魔集氣法】を使用し、
高速移動で接敵して近接攻撃を仕掛けましょう。
間合いを取ろうとする敵には衝撃波で対応。
敵の攻撃には【傷を癒し賦活する闘氣】による
【オーラ防御】で対応しますが防御よりも攻撃重視で
速攻で殲滅しましょう。

まだ息のある山の生物にはスノーホワイトの薔薇の花弁を
撒き散らし、救える生命は救います。

アドリブ歓迎です。


紗咲・亜闇
病原体か……いずれにしろお前たちも邪魔だ。まとめて吹き飛べ。
UCで【破魔】と【呪詛】が込められた光と闇のオーラの爆発による【衝撃波】で病原体も小鳥どもも消し飛ばす。【範囲攻撃】だ。
私への病原体の効果も【呪詛耐性】と【混乱耐性】である程度は抑えられるはず…邪神の眷属ってことは多分この病原体も邪悪な何かの力が変質したものだろうし。

爆発させた後は私も爆発に巻き込まれて(例え自分のオーラによるものとはいえ)多少はダメージを受けてるだろうし、爆発でも倒されなかった敵の生き残りにアイテムの暗黒流体を向かわせて【生命力吸収】でトドメ。そして私が病原体と爆発で受けたダメージを回復する。

さて…次だ。


四季乃・瑠璃
緋瑪「病原体か~。撒き散らされると厄介だね~。ナパームで焼く?」
瑠璃「ちょうど良いから、新しい能力の実験台になって貰おう」
翡翠「あぁ…」(憐れみを込めた目)

【虐殺庭園】で分身

魔力により敵集団を取り込む形で空間内に爆撃と銃弾の雨が降る『殺戮領域』(結界)を形成。
空間支配で敵を空間内に固定して動きを封じ、病原体を敵の内側に押し込めて銃撃の雨で殲滅。
落下した敵をナパーム(焼夷弾)の雨で病原体ごと一気に焼き払うよ

緋瑪「この世界はわたし達の領域である殲滅空間♪」
瑠璃「この中の全ては私達の手で死に絶えるのみ」(手を翳すだけで数多の爆弾が投下)
翡翠「えげつないよねー…」(他人事みたいに言いながら敵焼却)


ヴィヴ・クロックロック
コイツは困った。正直苦手なタイプだな…。

とりあえず汚いから直接触りたくない、兄弟たちを纏って病原菌を避けつつ空中戦に対応だ。
死角が無いように出来る限り球形でそこから腕を生やし分銅とギースバッハで空中戦に対応する。

しかし私の骸装変異では細かい敵には対応がしにくいからな、とにかく広域に攻撃を巻いて私のところにおびき寄せる。間合いに入ったら最大速度で絡め取りつつ兄弟たちごとダイナマイトで吹き飛ばす。

飛び散る諸々はオーラ防御でガードしつつ森の木に分銅をひっかて出来る限り安全に着地だ。


(共闘アドリブ歓迎です)



「病原体か~。撒き散らされると厄介だね~。ナパームで焼く?」
「ちょうど良いから、新しい能力の実験台になって貰おう」
 反撃に転じようと飛び上がったルリハ達を見上げつつ、緋瑪と瑠璃が言葉を交わす。
 最早この二人にとっては追い詰められたオブリビオンなど新たな力を試す実験台にしか過ぎず、周囲への被害も躊躇わぬ姿勢はルリハ以上に死と不幸を齎す、敵にとっては危険極まりない存在と言えるだろう。
「あぁ……」
 そんな二人とルリハを交互に見遣り、ため息つくのは別人格を宿した人形、翡翠。
 哀れみを込めた視線はやりたい放題に暴れる二人へか、それともその衝動を受けて殲滅される未来しかないルリハに向けられたものなのか。
 真意は彼女の心の中にだけあるのだろう。
「ギャグ時空?ま、まあいいじゃあないですか。「終わり良ければ総て良し」という言葉もありますし……」
 そんな三人から先ほど展開されたカビパンのギャグ時空に通じる何かを感じてしまったのはケイ。
 だが最後が綺麗に収まれば良いんだと自分に言い聞かせるように言葉を紡げば何故かサムズアップで返す緋瑪と瑠璃。
 その返答にギャグ時空に成りかねない気配を感じ、背中に嫌な汗をかくケイであったがシリアス時空に返す者が居るのも事実。
「コイツは困った。正直苦手なタイプだな……」
 そこには自身の戦闘スタイル、敵の動き、双方を勘案し如何に立ち回るのが最良か、メガネの位置を直しつつ思案するヴィヴの姿。
 苦手と言いつつ対応する手段はあるのだろう、中折れ式の構造を持つ爆弾銃・ギースバッハを折り曲げればその砲身へと炸裂榴弾を装填。
 更には彼女の背部、その空間が歪み中からゾンビと形容するに相応しい動物のパーツを組み合わせた異形のモノが姿を見せれば、ヴィヴの体に巻きつき覆えば彼女の戦闘力は飛躍的に高まって。
 身体能力の増強に留まらず、球状の形へ変わる中で彼女に飛翔能力を与えていたのだ。
「病原体か……いずれにしろお前たちも邪魔だ。まとめて吹き飛べ」
 更には浮かんだヴィヴの下、地表にて右手には闇を、左手には光のオーラを滾らせた亜闇が立つ。
 だがそのオーラをどうするか、といえば何故か彼女の足元には圧力鍋が。
 その中へ両手のオーラを注ぎ込み、蓋をして圧縮、二つの反発する属性を纏めて力を高めユーベルコードの準備に入る。
 シリアスとギャグが混在する気配、どちらに傾くのだろうと再び不安になるケイであったが今更どうこうできるものでもなく。
「と、とりあえずあの存在さえ許してはならない凶悪なオブリビオンを殲滅しましょう」
 どちらに転ぶか分からぬが賽は投げられた、とばかりにケイが言葉を紡いでいけば、それに応じるように残る面々が頷いて。
 必死の抵抗を見せるルリハ、その殲滅へ最後のダメ押しが始まろうとしていた。

「お前ら全員料理してやるッ!」
 最後の攻防、残る面々が固まり小規模の群れとなったルリハ達との戦い、その口火を切ったのは亜闇であった。
 鍋を抱えたまま一気に前進、迎撃しようと病原体を撒き散らし、同じ病原体を持つがゆえに被害を受けぬ仲間を躊躇いなく巻き込んでの無差別攻撃を仕掛けるルリハに臆する事無く彼女は突撃。
 体中に病原体を受けながらも絶えながら群れの中ほどまで突き進み、鍋を開ければ内部で圧縮されていた光と闇、相反しあってた高まり続けていたエネルギーが出口を見つけ、此れ幸いと殺到し。
 強烈な勢いと共に放出され、無差別にその衝撃で存在する全てのものを穿つ破壊兵器となっていたのだ。
「ギギッイ!? ギ、ギ……」
 自分達は仲間への被害が殆どない範囲攻撃、優位性を持った攻撃で迎撃したはずなのに。
 同様に範囲への無差別攻撃、更には夜闇に紛れて命中しづらいはずの自分達がいとも簡単に攻撃された事実。
 一瞬で優位性を失って、混乱状態に陥ったルリハ達であったが猟兵の攻撃は始まったばかりである。
「あなた方の動き、見え見えですよ」
 続けて群れへ切り込んだのはケイ、右手に翳した小盾のアリエルにオーラを注ぎ、いつも以上に光らせればそれその物が防具と光源、二種の機能を持つ存在へと変化して。
 先刻ばら撒かれた光源から離れつつあったルリハの群れを照らし出し、高速で地面を駆けてルリハ達へ急接近。
 放たれた病原体を振り払うように右手を振るって立ち込めるそれらを吹き飛ばし、突撃の勢いそのままに地面を蹴って急上昇。
 瞬時に間合いへ入り込み、盾であるアリエルを鈍器として使用、力任せに叩き付けルリハを地面に打ち据えていたのである。
 このままでは殲滅されると恐怖を与えるはずが逆に恐慌状態へと陥るルリハ。
 何とか逃れようと更に高度を高めるがそれを許す猟兵達ではない。
「そっちに逃げても行き止まりだ。逃げたければ私を倒す事だな」
 上空から聞こえた声、理解したかどうかは分からぬが反応して病原体を身に纏い、戦闘力を跳ね上げたルリハであったが空中で炸裂する榴弾によって行動前に傷を負う。
 その攻撃は飛翔したヴィヴのもの、ギースバッハから放たれた榴弾による一撃であり、地表から見舞われたケイの放った衝撃波という挟み込むような攻撃で混乱状態は更に加速。
 上か下か、どちらに向かうべきかとルリハが逡巡する隙にヴィヴは球体の中でギースバッハを勢い良く折り曲げて、その衝撃で榴弾射出後の薬莢排出。
 次弾を装填、再び直線的な形状へと戻しつつ、今度は球状の体から一本の腕が伸びてきて。
 その手に握られたのは縄分銅、腕が大きく動けばその動きに呼応して分銅が勢い良く回転し、遠心力による高いエネルギーを本体に宿していけばヴィヴの飛行能力も相まって、移動する凶器となりえる。
「どうした、逃げ道はこっちだぞ?」
 そのまま一気に急降下、自分に引き付けるように分銅を回して接近すれば打ち据えられたルリハが地面に落ちて、更には群れの形が降下したヴィヴを避けるように変形、ドーナツ状の形を成していく。
 だが円環の形を成したという事は、その中央に存在する者達への攻撃が集中するのも事実。
 これまでの反撃とばかりにルリハ達が次々とヴィヴを狙って病原体が形を成した粘液を吐き出し攻撃するも、それらを立ち上るオーラで凌ぎ、また身を包む骸装を損壊させつつもヴィヴ本人には届かない。
「この世界はわたし達の領域である殲滅空間♪」
「この中の全ては私達の手で死に絶えるのみ」
 その間にルリハ達の存在する領域、そこを魔力の結界で覆い尽くした緋瑪と瑠璃。
「大丈夫? 結構派手に行くけど逃げれる?」
 範囲内に存在する仲間に警告する翡翠、その警告を受けてまずは最も身体能力の高まっていたケイが離脱。
「なるほど、範囲攻撃か。任せた、こちらも離脱する」
 続けて動くはヴィヴ、自身を覆う兄弟達の外装を解除しながら分銅を振り回し、飛ばした先には立ち枯れた一本の木。
 そこへ分銅を巻きつけ腕を引けばグン、と体が引っ張られ、攻撃範囲より急速離脱。
 離脱ついでに外装にダイナマイトを握らせつつ、ギースバッハの砲身よりオマケとばかりにダイナマイトを射出。
 爆発寸前、上空から緋瑪が銃弾の雨を降らせばルリハの翼が撃ち貫かれ、その飛行能力を奪っていき。
「私に構うな、まとめて撃て!」
 地表から聞こえた亜闇の叫び、それと同時に黒き流体が彼女の体を覆いつつルリハを捕らえようと伸びればそれが爆発の引き金に。
 まずは空中、ヴィヴの外装ごとダイナマイトが爆発し、飛び回るルリハ達の機動力を奪い取ると同時に瑠璃は右手を翳していけば、数多の爆弾が仕切られた領域の上空から一斉投下。
 焼夷弾の雨が降り、爆発と同時にルリハ達を撒き散らされた病原菌ごと焼き払い、その生命を全て奪い去る一撃が。
「うわぁ、えげつないよねー……」
 自分も焼夷弾をぶちまけ焼却に加担したのに他人事のような翡翠、そんな彼女が燃え盛る炎の中に目をやれば、体を焦がしつつも粘性持つ暗黒の流体に多数のルリハを絡め取り。
 その生命力を収奪、吸い尽くした亡骸をひとつ、またひとつと炎の中へと放り投げつつ歩み出てきた亜闇の姿がそこにはあった。
「これで眷属は殲滅。さて……次だ」
 倒しつくしたルリハ、だがこれも違うと鬼気迫る表情で次なる存在へ思いを馳せる亜闇。
 浅はかではない因縁めいた相手が居るのだろう、と感じつつ、分銅で木にぶら下がっていたヴィヴは縄を握る手の力を緩め、スルスルと伝ってゆっくりと着地。
 さて、何処から次の敵が来るのかと周囲を見遣れば、白薔薇、スノーホワイトの花弁を撒くケイの姿。
 その足元には息も絶え絶えな獣達が倒れていたが、花弁が上に落ちると同時に邪気が祓われ何とか呼吸が整って。
 全てを救う事はできなかったが、山に住む命のいくつかは何とかその生命を繋ぎとめることが出来ていた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​




第3章 ボス戦 『『光の亜神』ザラスシュトラ・ドルグワント』

POW   :    闇にその身を委ねよ
非戦闘行為に没頭している間、自身の【影から生まれた光速で動く闇の眷属たち 】が【触れた者を奴隷にする闇の泥をばら撒き続け】、外部からの攻撃を遮断し、生命維持も不要になる。
SPD   :     光の叡智を授けよう
【光速の反応・反射で光の輪 】を向けた対象に、【魂を光の叡智で陵辱し奴隷にする光の束】でダメージを与える。命中率が高い。
WIZ   :    私の味方になってはくれないか
【見た者の心を問答無用で強く震わせる胸の炎】を披露した指定の全対象に【この炎を持つ者に永遠に隷属したいという】感情を与える。対象の心を強く震わせる程、効果時間は伸びる。

イラスト:tel

👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は紗咲・亜闇です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 炎によって焼き尽くされた、汚染された大地。
 その地面が歪み、一瞬禍々しい空間が広がったように感じたがすぐさま神々しい光が立ち上り、地面から生えるようにして一つの存在が姿を見せていた。
「我は求む者を助け、救済する者。
 闇を払い、人類を救う光の者。その我を、我に助けを求む者を滅ぼさんとする汝らは闇であり悪である」
 自らを人類を救う存在と騙り、更には自らの信者を排除した猟兵が闇であり悪だと断じるこの存在。
 その神々しいまでの立ち振る舞い、そして胸元で燃え盛る炎はこの神に隷属したい、善神のために自分達の力を差し出したいという衝動を抱かせていた。
 だが、その足元。
 光によって隠れた影、そこに蠢く闇の眷属を猟兵達は見逃さない。
 如何に神々しい光によって、猛き炎で心を揺さぶろうとも裏に隠れた闇の本性、そしてそこより生じるモノを隠し切ることは出来ない。
 人間を嫌わず、力を貸す事も厭わないと言葉を紡ぐが所詮はこの神からみればちっぽけな存在を利用する為に、絶対強者が意のままに動き、敵対者を妨害するに有効だからに他ならない。
 まるで家畜や実験動物、有用に使えるからと保護する思い上がった考えと、それを覆い隠す光と炎の偽装。
 湧き出す闇の汚泥が光によって隠されて、人々を自らのコントロールに組み込む存在をこのまま返すわけにはいかない。
「我は慈悲深き者。汝らが行った行為も人類を思っての物。
 ならば真に人類の為になる、我に隷属しての行動こそが真の救済、さあ、我に全てを委ねるのだ」
 猟兵達へ自分に降る様に促す神、されどそのような甘言に騙されてはいけない。
 人類を、そして邪神教団ですら利用して、自分の思うままに操って。
 この岩櫃山に立ち込める邪気を吸い上げた邪神を配下に加え、自らの勢力を広げようとした邪神の企みを完全に打ち砕き、二度と同じ企みが出来ぬ様ここで完全に討ち滅ぼすのだ。
シュバルツ・ウルリヒ
ようやく…出てきたか、小物の癖に…随分と遅い登場だな?…いや、小物だからこそか?手下を使って楽して力を得ようとしたぐらいだもんな。…だが、残念だったな、貴様の目的は…ここで打ち止めだ。……魔剣、魔斧、食後のデザートだ。余り美味くはないだろうが…残さず食べてくれ。

奴の情報は事前収集済だ。人の魂を拘束し奴隷にする…実に小物だ。…だが、僕一人ではそのその拘束に抗えない、…情けない話だな。(情報収集)

…一人ならな。出番だ、魔剣。お前の力を…いや、僕が拘束されてる間、僕の身体をお前に貸してやる。(封印を解く、激痛耐性)

奴の精神は拘束出来ても…もう一人、私の心は出来んだろう…!(咄嗟の一撃、衝撃波)


ロベリア・エリヌス
「正義を嘯く存在程胡散臭い物もない」を体現してるのね
とは言え、此の儘じゃ勝てなそうね…
仕方ないわ、此方も奥の手を使うとしましょう

<真の姿を開放>
エsysdジョ lpmpヂhsys ヂォゥsmソmプpmr
frzpドlsysmソエs

…っといけないわ
思考言語迄姿に引かれたら『記録』にならないじゃない
非常識な存在を「神」と呼ぶなら、常識の埒外である猟兵も邪神みたいなものよね
そう考えると邪神が沢山居るんだから教団も喜ばしいでしょう?

【クロックアップ・スピード】で加速
加えて遮光性の煙幕を撒いて戦場を覆い【暗殺】してあげる
光ってね、案外簡単に遮られるのよ

…さあ、『貴方』という物語、蒐集させて貰うわ


四季乃・瑠璃
緋瑪「病原体撒き散らす様な眷属使っておいて、何を言ってるんだかね~」
瑠璃「私達は別に自分を光だとも思ってない。私達は私達の意思で戦う」
翡翠「貴方の救済なんて知らないよ…」

「「「さぁ、神殺しを始めよう」」」

UCで分身&シスターズ

胸の炎を見ない様に3人で敵の側面や背面に回る様に動きながらK100による銃撃【ドロウ】や【範囲攻撃、蹂躙、鎧砕き、早業】接触式ボムで連携攻撃。
多方面からの連続・同時攻撃で敵や眷属を爆砕して動きを封じつつ翻弄。
互いを支援し着実に敵の急所に攻撃を叩き込み、3人での【ジェノサイドブレイカー】の全力砲撃を至近で放ち、消し飛ばしてあげるよ。

「神だろうと関係無い。ただ私達は殺すだけ」


カビパン・カピパン
突然新手の新興宗教勧誘がやってきた。光を自在に扱える私に対して、人類を救う光の者とか名乗っている。面倒ごとが嫌な私は同じ教祖同士、仲良くしようと握手を差し伸べたら「我は神だ、カビじゃない『神』だ!」とか言ってキレた。

要約すると『愚かな人間め、全員信仰しろ』と迷惑な新興宗教。
勝手にハッスルしていたが、何故宴に招かれて、壊滅した邪神教団をまとめて、UDC組織を攪乱して闇鍋して鳥を飼育しようとしただけの私がこんな言われようなんだろう。おかしくない、マスター?

ツッコミ所満載?ふふ、UCを発動させていたのよ。

光の亜神、ようこそ私の(ギャグ)世界へ。
胸の炎は燃料が勿体ないし、環境に良くないわよ。(貧乏性)


ヴィヴ・クロックロック
生憎光は間に合っている。しかしまあ…聞きしに勝る胡散臭さだ、私は勝手に救われるからさっさとあっち(骸の海)に逝け。

光子活性剤を使用しリアクターの出力を一気に上げてUCを発動、大弓を精製しありったけの輝きを込めた一矢を番え、放つ。命中しようとしまいと矢を光の鉄鎖にし縛りあげ矢をの影に隠れ間合いを詰め、残った光を込めた貫手で足元の汚泥を穿ち相手の闇を削ぐ削げるだけ削ぎ穿つ。こいつを倒すべきは私ではない、なら全力で彼女に道を付けるのが私の役目だろう!

奴の攻撃は多目的おやつ精製装置で欲望に塗れたその邪悪な光を片っ端からおやつに、絶対マズいのでこれは食べずに捨てる。

(アドリブ連携歓迎です)


雨咲・ケイ
この場合は偽善者ではなく偽善神とでも言うのでしょうか?
邪神なら邪神らしくしてもらった方が
いっそ清々しいんですけどねえ……。

【POW】で行動します。

では速攻による絶え間ない攻撃で
戦闘行為に気を向けざるを得ない状況を作りましょう。
敵に向けてアリエルの盾を全力【投擲】し、
極限まで輝かせて【目潰し】を仕掛けます。
怯んだら更に銀霊縛鎖を【投擲】し、
そのまま間髪入れずに【グラップル】で近接攻撃。
「いかに邪神といえど今この場で猟兵から目を逸らす事は
滅びを意味しますよ?」と挑発し、
右手と左手による【魔斬りの刃】の【2回攻撃】を放ちましょう。

アドリブ・共闘歓迎です。


黒木・摩那
邪神は自らのことを邪神とは言いません。
たいていは神を名乗るものです。

人類のため、と言いつつ、自らを崇め、ひれ伏す信者を増やそうとする、
その野心をここで断ち切ります。

せっかくですから、闇の泥を再利用します。
ヨーヨー『エクリプス』にUC【紅月疾走】で闇の泥をまとわせます。
そして、それを例の神様にぶつけます【破魔】【衝撃波】。
相手の反応速度を抑えるためにも、ヨーヨーは【念動力】で軌道を操作して回避困難にします。

さすがに自らの生成物で奴隷にはならないでしょうが、顔に泥を塗るのはできそうです。

炎の隷属はポーチの唐辛子を一口噛んで、【気合】で対抗します。
【呪詛耐性】あり。


ヨナルデ・パズトーリ
アレンジ連携歓迎

ほんに反吐が出る外道よな
己が欲の侭に人を傷つけ苦しめ……其れで神を名乗るな下郎!



魔法は原則『高速詠唱』で『範囲攻撃』

目を瞑り『野生の勘』と『第六感』を駆使し敵を補足し『先制攻撃』
『呪詛』の籠った闇の『属性攻撃』『全力魔法』の『目潰し』で周囲を闇に染め炎が見えない様に

其の侭『存在感』を薄れさせ『闇に紛れ』逆に『存在感』と『殺気』を『残像』やUCで召喚した梟達に持たせ攪乱

梟達に攻撃させつつ『オーラ防御』を纏わせた『怪力』『シールドバッシュ』で
ぶんなぐり『零距離射撃』で『マヒ攻撃』の『呪詛』を乗せた氷の『属性攻撃』
『全力魔法』を『多重詠唱』でぶちかまし拘束する事で味方の攻撃を援護する


エウトティア・ナトゥア
※アドリブ・連携歓迎

また良からぬ精霊が出てきおったか。
神は神らしく大人しく祭られておれ。
神が人の世に干渉するでないわ。

さて、さっさと骸の海に還すとするかの。
まずは小手調べじゃ、【巨狼マニトゥ】を『光の亜神』に嗾けて狼の爪や牙で攻撃するのじゃ。
さて、わしも続けて攻撃と言いたいところじゃが妙に心が波立つのう、あの胸の炎は人を惑わす術か厄介じゃ。
心を囚われぬ様【厄除けの護符】の【破魔】の力で防ぎ気を確かに保つとするか、じゃが抵抗はできても長時間曝されるのは不味いかもしれぬな。
面倒じゃ、あの目障りな炎を本体ごと大技で吹き飛ばすとするかの。
【手製の短弓】に精霊光を集めて『光の亜神』に砲撃放つのじゃ。


紗咲・亜闇
私に力を与え、私に邪神を倒すという使命を与えてくれた神よ。私は貴方を心から崇拝し、貴方を親のように思い、慕っておりました……家族だと思っていました。

ですがあなたは私を裏切り、私を闇に堕とそうとしたばかりか、私の大事な友達や先輩を殺め、汚しました。最早、決して許すことはできません。

今、私の内から生ずる力は、光も闇も、あなたから与えられたものではない…私自身の光と闇だ。光と闇の【属性攻撃】、【破魔】と【呪詛】。私は光と闇を支配した。

ただ、消えなさい。光と闇、どちらも極められなかった神『モドキ』よ。同じく人の枠組みを【限界突破】し神『モドキ』に至った私の力で骸の海へと還れ。

さようなら………お父さん。



 神々しい光と共に輝く胸元の炎、それらを持って猟兵の心すらを奪わんとする『光の亜神』ザラスシュトラ・ドルグワント。
 その炎と煌きと脳裏に響く甘言を打ち払う声が響いたのはその時であった。
「邪神は自らのことを邪神とは言いません。たいていは神を名乗るものです」
「この場合は偽善者ではなく偽善神とでも言うのでしょうか?
 邪神なら邪神らしくしてもらった方がいっそ清々しいんですけどねえ……」
 相手は邪神、故に神を騙ると摩那が断じればこの言動は偽善者、ではなく偽善神と称するのが良さそうとケイが続ける。
 邪神らしさを狡猾に隠し、それ故に弱き心を持つ者をコントロール下に置こうとする外道であることを誰もが感じたその瞬間。
「ならば我が光の叡智にて、真理を知るが良い」
 亜神が向けた光の輪、そこより放たれた光束が二人を射抜かんと空裂くが命中する直前に。
 地を削る衝撃波、そして空中を駆ける高熱発する光刃が亜神の光とぶつかり合って消失していた。
「ようやく……出てきたか、小物の癖に……随分と遅い登場だな? ……いや、小物だからこそか?」
「生憎光は間に合っている。しかしまあ……聞きしに勝る胡散臭さだ、私は勝手に救われるからさっさとあっちに逝け」
 衝撃波を放ったのはシュバルツ、魔剣に宿る負の力をその身に宿し、相手を小物と挑発。
 そして別方向から光刃で光束を打ち払っていたヴィヴ。
「手下を使って楽して力を得ようとしたぐらいだもんな……だが、残念だったな、貴様の目的は……ここで打ち止めだ」
 続けざまにシュバルツが言葉を紡ぎ、神を騙る亜神を貶めながら地面を蹴って側面へと回り込む。
「愚かな、自ら神の救いを手放すか」
 焦る様子を見せもせず、逆に猟兵達を哀れむように言葉を発する亜神。
 せめてもの慈悲、苦しまず、そして心を失って隷属するか。それとも命を失うか。
 どちらにせよ、障害となる猟兵達を無力化させようと胸の炎をより激しく燃え上がらせて動き出す。
「ほんに反吐が出る外道よな。己が欲の侭に人を傷つけ苦しめ……其れで神を名乗るな下郎!」
「また良からぬ精霊が出てきおったか。神は神らしく大人しく祭られておれ。
 神が人の世に干渉するでないわ」
 その亜神を否定したのはヨナルデ・パズトーリ(テスカトリポカにしてケツァルペトラトル・f16451)であり、彼女が下郎と断じれば神ではなく悪しき精霊、故に祭られ人の世へと干渉するものではないとエウトティアが続ければ。
 その否定すら打ち消させ、隷属させようと亜神が炎を煌かせるもそれを阻止すべくヨナルデが動いていた。
「我が眷属よ。此の者を討ち滅ぼすが良い」
 命じ、ヨナルデが呼び出したのは己が眷属である数多のフクロウ。
 その全てが黒曜石の爪と羽持ち、バサバサと羽音を響かせながら亜神の炎、それが放つ光を遮る様に取り囲み心震わす感情を抑えれば。
「マニトゥ、いけるな? お主の牙と爪で隙あらば引き裂いてやるのじゃ」
 エウトティアも己が相棒たる巨狼マニトゥを嗾けながら、自身は短弓携え援護の構え。
 周囲を囲むフクロウたちを振り払う様に亜神が腕を振り回し、生じた隙間を目掛け矢を放つもその一矢は浮かぶ光輪によって防がれていた。
「人を操り、手駒とし。下郎と称し、干渉すると我に言う。
 されど汝らも動物を手駒とするならば、我の否定は己の否定と同義であろう?」
 自らへ飛び掛るフクロウを払いのけ、飛来した矢を打ち落とし。
 次々と猟兵から投げかけられた否定の言葉、それは動物を使役する猟兵たちにも当てはまると戯言を述べて心を乱そうと試みる。
「病原体撒き散らす様な眷属使っておいて、何を言ってるんだかね~」
 その戯言を否定したのはパッと見では誰が誰だか判別の難しい、分身した多重人格少女の一人緋瑪。
 猟兵が動物を使うのに対し、亜神が用いたのは病原体を撒き散らし、それによる恐怖を与える眷族ルリハ。
 不幸と恐怖、死を齎す存在を使い捨てた亜神とは、共に信じあい、力を貸し合う猟兵とは根本から違うと小馬鹿にし。
「それに私達は別に自分を光だとも思ってない。私達は私達の意思で戦う」
「貴方の救済なんて知らないよ……」
 猟兵達が光を自称していると、先に亜神が発した言葉を瑠璃が否定し、救済不要と翡翠が続け。
「まったく、「正義を嘯く存在程胡散臭い物もない」を体現してるのね」
 これまでのやり取りを黙って見ていたロベリアが呆れたように言い放ち、所詮はまがい物の神、そしてそれは一つの物語に過ぎないと言葉を続ける。
 ならばまがい物かどうか、己の体で確かめてみるが良い。
 そう示そうと亜神がゆらりと動いた時、まるでその一角だけ時空が歪んだのは気のせいではない。
「突然新手の新興宗教勧誘がやってきた。光を自在に扱える私に対して、人類を救う光の者とか名乗っている」
 その歪んだ空間に立っていたのはカビパン。
 大仰に両手を広げ、そして首をかしげて謎のアピール。
 完全に始まったギャグ時空、しかし本人は大真面目。
「しかしそちらも光の教祖、私も光の教祖。同じ教祖同士、仲良くしようじゃないか」
 巨大な亜神に臆する事無く右手を差し出し悪手を求めるカビパンではあったのだが、明らかに場違いである。
「我は神、カビではなく『神』である」
 同類と言われたことが、更にはギャグ時空であり、加えて神とカビ、とてもよく似た読みの存在と混同されかけたりと要素が重なりすぎたのだろう。
 これまでの落ち着き払った態度が一瞬崩れ、まるで人であるかのような否定の言葉を発したのだ。
 その言葉を聞き、表情が一瞬曇るもすぐに決意を秘め、鋭き顔で亜神を見つめたのは亜闇であった。
「私に力を与え、私に邪神を倒すという使命を与えてくれた神よ。
 私は貴方を心から崇拝し、貴方を親のように思い、慕っておりました……家族だと思っていました」
 ぎゅっと拳を握り締め、怪訝そうに首を傾げた亜神を前に彼女は更に言葉を続ける。
「ですがあなたは私を裏切り、私を闇に堕とそうとしたばかりか、私の大事な友達や先輩を殺め、汚しました。
 最早、決して許すことはできません」
 如何なる言葉を相手が発そうと、自分が成すべき事は眼前に立つ亜神。
 過去、彼女に力を、使命を与え、心のよりどころであった者を完全に滅ぼすと、強い意志が込められていたのである。
「……知らぬな。飼育管理され、日々膨大に処理される家畜一匹一匹に気を止める人間が居ろうか。
 所詮、汝もその程度に過ぎん」
 放たれた亜闇の決意、それを踏みにじるかのように。
 管理番号が与えられ、時が来れば自動的に処理される家畜に気を止めない人間たち。
 それと同じような物だと亜神が切って捨てればそれが激戦の合図となる。
「なるほど、そう言うのなら」
「「「さぁ、神殺しを始めよう」」」
 決意を込めた仲間の言葉を踏みにじった存在へ、冷たく瑠璃が言い放ち。
 同意を示した緋瑪と翡翠が加わって、神殺しを宣言。
 三人が拳銃を取り出し同時に発砲、複数の銃声が重なり合って両者の衝突が始まっていた。


 善神と称した亜神と猟兵の衝突。
 個々人の実力と照らし合わせれば亜神が各個撃破で猟兵の戦力を削ぎ落とし、最後には全員を隷属させ世界を破滅させる尖兵へと転じさせていただろう。
 だが猟兵は一人で戦っているのではない。
 眷属を放ち相手を、大地を汚し、そのまま自身の奴隷へと変えようとすれば地形ごと破壊し、その支配を奪う者が。
 光を放ち、その光をもってして猟兵を打ち倒さんとするも庇い合い、光を逸らし。
 一人ならば防ぎきれないであろう攻撃を仲間同士で防ぎあい、互いの衝突が続いていけば力量で勝る亜神の攻撃にも徐々に綻びが生じていく。
「人間、この力を持ってすれば……我と共に遍く人類を導けるであろう。考え直せ、今ならばまだ間に合おう」
 猟兵達の力を認め、そして自らの支配下に置こうとする亜神が再度の勧誘を行うがそれを是とする者はここには居ない。
 その誘いを否定するように動いたのはカビパンであった。
「迷惑な新興宗教ね、要約すると愚かな人間め、全員信仰しろというなんて」
 相手側の無茶苦茶な要求など知らぬと自己主張。
 背中に後光を背負いつつ、更に一歩近づいて。
「勝手にハッスルしていたが、何故宴に招かれて、壊滅した邪神教団をまとめて、UDC組織を攪乱して闇鍋して鳥を飼育しようとしただけの私がこんな言われようなんだろう」
 これまで岩櫃山、ここに関する事件について行ってきた自らの行動を悪びれもぜずしゃあしゃあと言ってのけるカビパン。
 やってることは完全に邪神教団のそれであり、裏で糸を引いていた亜神ですらツッコミせざるを得ない空気を生み出せば、困惑している亜神に向かってカビパンが飛ぶ。
 ほんの一瞬、刹那の隙。
 本来ならば見逃さず、そして迎撃できたはずの亜神の胸部に振り抜かれたのはカビパンが持つ女神のハリセン。
 スパァアアン、と良い音を立てながら炎の一部を吹き飛ばし、そして胸部を揺らした一撃入れて。
 跳躍の勢いそのままに、亜神の脇下を潜り抜けたカビパンが着地しながら不敵に哂う。
「ツッコミ所満載? ふふ、UCを発動させていたのよ」
 動けなかった事、そして此れまでの戦いとは違い動きの良くなったカビパンに困惑していた亜神に対しネタばらし。
「光の亜神、ようこそ私の(ギャグ)世界へ。
 胸の炎は燃料が勿体ないし、環境に良くないわよ」
 自らが生み出したギャグ時空に適応した者だけが能力向上を得る、そんな世界。
 先の一撃で弱まった胸の炎を指し示すように女神のハリセン、その先端を向け亜神の注意をひき付ければ、この一撃が猛攻の起点となる。
「愚弄するか、人間。自ら同属と語り協力を求めた汝が……」
 多勢に無勢、ならば再び闇の眷属を解き放ち、戦線を再構築しようと瞑想。
 精神集中と共に光が増して、それによって生じた影から闇の眷属。影と泥にて生み出された数多の蛇が、蠍が、蜘蛛が恐るべき速度で飛び出して、多量の泥を撒き散らし猟兵達を遠ざけようと動き出す。
「眷属を生み出すためとは言え、動きを止めるとは感心しませんね」
 その眷属、闇の泥にて汚された地面を飛び越え切り込んでいくケイ。
 接近させまいと蛇が鎌首もたげて噛み付くもその攻撃を輝く盾、アリエルにて受け止めて。
 ならばと蠍が蠢くが、その攻撃より早く。
「おっと、邪魔はさせないよ♪」
 眷属達の動きを注視していた緋瑪が発砲、銃弾の直撃で蠍がよろけた機を逃さず。
 続けざまに瑠璃が投げた爆弾が落下、直後に爆破し蠍を大きく吹き飛ばせばケイの進軍を阻む存在は取り除かれて。
「ありがとうございます、では速攻による絶え間ない攻撃で戦闘行為に気を向けざるを得ない状況を作りましょう」
 これ以上眷属の展開を許さぬと、あえて手にした防具を手放しアリエルを投げつけるケイ。
 白銀の軌跡を描き、その輝きは亜神が放つ光に迫るものとなる。
 眼前を通過したアリエルによって一瞬の目晦まし、ほんの一瞬、反射で首が動いてしまったその時を見逃さず、続けざまにケイは白銀の鎖を投げつけながら跳躍。
「いかに邪神といえど今この場で猟兵から目を逸らす事は滅びを意味しますよ?」
 ふわりと浮かび、両者の視線が一致した瞬間に。
 手刀を作ったケイの両手が激しく光り、右左、と間髪入れずに放たれたのは手刀の斬撃。
 右手の一撃までは防ぎきった亜神であるが、続けざまに放たれた左の手刀までは防げなかったか頭部の輝かしい黄金の飾りが欠損、それと同時に集中が途切れ汚れた大地を残して眷族が消滅していたのだ。
「ぐっ、人間が……あくまで抵抗するならば、最早容赦はせぬぞ」
 部位破損、そして眷属の消失。
 これまで互角に渡り合ってきたが徐々に悪くなる流れ。それを機敏に察知し早期に相手を減らそうと、多量の光輪を浮かべた亜神は猛攻撃へと転じていく。
「隷属せぬなら此処で滅びよ、弱き人の子よ」
 次々と放たれる光束、標的としたのは周囲を駆けて此方の動きを見切ろうとしていたシュバルツ。
 初撃、二撃は飛び跳ね、転がり避けるが全て避けきることは適わずに。
 三撃目を受け、大きく体をのけぞらせるシュバルツだったが仮面の下では不敵に笑う。
「人の魂を拘束し奴隷にする……実に小物だ。
 ……だが、僕一人ではそのその拘束に抗えない……情けない話だな」
 人を支配し、自らの奴隷とする亜神の力。
 その力を受けつつ小物と称し、されど自分ではその拘束から逃れられぬと自嘲するシュバルツだったが余裕は崩れず。
 一瞬、体が彼の意思に反して仲間の猟兵側へ向き直ろうと動き出すがその動作は途中で止まる。
「……一人ならな。出番だ、魔剣。
 お前の力を……いや、僕が拘束されてる間、僕の身体をお前に貸してやる」
 拘束された自分の心、故に自由を奪われたはずのシュバルツの体であったが、彼は自らの体を意思持つ魔剣に明け渡す事で亜神のコントロール下から逃れていたのである。
 完全に支配したはずの猟兵、命令を下したはずが動きを止めたその存在は、反転しかけた体を再動。
 されど此度、向き直ったのは猟兵側ではなく亜神側であり、手にした魔剣が黒き瘴気を刀身に滾らせて。
「奴の精神は拘束出来ても……もう一人、私の心は出来んだろう……!」
 シュバルツをコントロール魔剣、それがシュバルツの口を通して亜神に言葉を発しつつ魔剣が振るわれ、黒き衝撃波が発生。
 不意を打たれた一撃は浮遊していた一つの光輪を打ち据え破壊して、攻撃手段を減らす事に成功していたのだ。
「おのれ、おのれっ!? 人間が、人間風情めが!」
 部位破損、攻撃手段の欠落に苛立つ亜神。
 だがその苛立ちこそ、拮抗状態から流れの動いた戦いにおいて劣勢へと傾ける致命的なミス。
「隙だらけだな、それとこのぐらいで苛つくようでは神ではない」
 挑発的な言葉を発し、ヴィヴが自らの体へ打ち込むアンプル。
 彼女の内蔵機関、心臓に埋め込まれた光子リアクターを強制的に活性化させるアンプルにて滾る鬼火のごときエネルギーが放出。
 それらを素材に彼女は大弓を生成し、全エネルギーを集中した一矢を放つ。
 輝く軌跡を闇夜に描き、光輝なる亜神へと放たれた矢は途中、先端から変形。
 細長く、そしてくねり始めればそれは鎖へ転化して、光の鎖として亜神に絡み、その動きを束縛する。
「無駄だ、人間。我の動きを封じてもこの光は縛れまい」
 動きを封じられてもなお、人間には遅れをとらぬと豪語、残る光輪を動かしてヴィヴ狙い、光束を放つ亜神。
 その攻撃に怯まずにヴィヴは前進、光子変換式多目的携帯おやつ精製装置を盾にして突っ込めば、亜神の放った欲望と邪悪さを隠した光が取り込まれ、見た目が綺麗なおやつとなって飛び出していた。
「ふん、こんなもの。見た目は良いが中身は絶対にマズイ」
 外見だけを取り繕った、亜神をあらわすような生成されたお菓子。
 それを躊躇なく捨ててヴィヴは更に前進、だが一つだけ光を無効果してもまだ光輪はあると続けざまに攻撃を続ける亜神であったが突如、立ち込めた煙幕によってその射線は遮られてしまっていた。
「エsysdジョ lpmpヂhsys ヂォゥsmソmプpmr frzpドlsysmソエs」
 それと同時に戦場に響くは理解しがたき、言語と言うにはあまりにもおぞましいナニカ。
 声の先には複数の眼球を持った、形容しがたき数多の足のようなものを持つ異形が立っていたのである。
「……っといけないわ。思考言語迄姿に引かれたら『記録』にならないじゃない」
 奇声を発したその直後、理性的な言葉を呟くその異形。
 それは真の姿を開放したロベリアであったのだ。
 そのまま異形たるロベリアは急加速、目にも止まらぬ速さで亜神の側面に回り込み、その内部から響くような声を出す。
「非常識な存在を「神」と呼ぶなら、常識の埒外である猟兵も邪神みたいなものよね。
 そう考えると邪神が沢山居るんだから教団も喜ばしいでしょう?」
 亜神が率い、配下とした邪神教団にとってみれば猟兵そのものも邪神のようなもの。
 そしてここには多数の猟兵、即ち亜神の信者たちも喜ぶだろうと皮肉を込めて言葉を紡げば声を頼りに亜神が光を放っていく。
 しかしその攻撃は煙幕の中へと吸い込まれ、精神支配の実感を亜神に与えず外れたことを伝えていたのだ。
「ああ、そうそう。光ってね、案外簡単に遮られるのよ。
 ……さあ、『貴方』という物語、蒐集させて貰うわ」
 地の底から響くような、ぞっとする声。
 それと同時に亜神の腹部から剣が延びて、ロベリアが後背から一撃加えたことを戦場に立つ者全てへ伝えていたのだ。
「ぐ、は……?」
 この戦いで受けた、初めての痛打。
 信じられぬと体を傾け、されど人間風情に負けれぬと光輪を飛ばし周囲を射抜くがそれより早く、二人の猟兵が切り込んでいた。
「食後のデザートだ。余り美味くはないだろうが……残さず食べてくれ」
「こいつを倒すべきは私ではない、なら全力で彼女に道を付けるのが私の役目だ!」
 一人は魔剣に体を委ね、そして標的を光輪へと定めたシュバルツ。
 もう一人はロベリアが広げた煙幕によって亜神か一時身を隠し、接近を果たしたヴィヴ。
 跳躍したシュバルツが狙うは亜神の武器、その一つである光輪であり、振りかざした斧を力任せにたたきつければ回避もできず光輪は真っ二つに断ち切られ。
 地上に展開、その左手に握った弓を光へと再転換、そのまま纏わせ貫手を作ったヴィヴは亜神の影にて蠢く闇を見逃さず。
 光を持ってその闇を、眷属の素材を削ぎ落とし、貫き穿ち、汚泥をぶちまけその力を奪い去る。
「善神を騙った邪神、その終わりの始まりにするには、武器を、力を奪われるのはお似合いじゃないかしら?」
 更にはロベリアが再び剣を振るい、残る光輪を断ち切ってその攻撃手段を完全に粉砕、ここにきて亜神は一気に追い込まれることとなっていた。


「否、我、敗北などありえぬ……」
 闇の眷属、そして光輪を失えど戦意は衰えず、逆に胸の炎を滾らせ汚染された大地の上で抗戦の意思示す亜神。
 しかし劣勢は決定的、そして完膚なきまで滅ぼす為に猟兵の猛攻が続いていく。
「人類のため、と言いつつ、自らを崇め、ひれ伏す信者を増やそうとする、その野心をここで断ち切ります」
 ヨーヨー、エクリプスを高速回転させる摩那。
 広がる汚泥の上にて炎を滾らせ、その心を掻き乱さんとする亜神ではなく足元狙い放った鋭い一撃。
 ワイヤー伸びる音響かせて、地面に着弾。
 そのまま回転しながら地面を抉り、多量の汚泥を本体に纏わせたエクリプスを見届け摩那が手首を返せばエクリプスは瞬時に浮遊。
 伸びきったワイヤーが巻き戻される動作と共に、回転による遠心力で纏った泥が撒き散らされて亜神の顔を、腕を、胸部を黒く汚していく。
「き、さま……!」
 ダメージではなく、物理的に顔に泥を塗る行為。
 怒りと共に炎を更に滾らせて、摩那の精神を完全に支配しようと試みるがそれと同時に摩那はポーチから取り出し口に含んで噛み締める。
「……あなたにしたが……舌が辛いっっ!」
 激辛の唐辛子、それによる辛味で意識を強引に引き戻し、辛さと精神攻撃に気合で耐えて踏みとどまる。
 そんな小手先でいつまでも耐えれるものかと再び炎を向ける亜神であったが、むしろそれは摩那にとっては好都合でもあった。
「い、今です、みなさん!」
 辛味で少し舌が回らなかったが、それでも仲間へ向けて合図を出せば。
 汚泥が削られ生み出された亜神への道、その道をエウトティアの相棒であるマニトゥが凄まじい勢いで駆けていく。
「グルル、ガゥウウ!」
 相手を威嚇し、相棒の精神を掻き乱す炎に対し恐れも抱かず明確な敵意を持って飛び掛り、亜神の右腕へ噛み付くマニトゥ。
 牙を突き立て絡みつき、その爪でもって亜神の体を傷つければ更なる攻め手が動き出す。
「見て心が乱れるならば、目に入れねば良いのじゃ。故に闇へ飲まれよ、下郎が!」
 目を瞑り視覚を断って勘と感、肌で感じる情報と気配を頼りに炎により精神攻撃を避けながら切り込んだヨナルデ。
 呪詛を組み上げ魔力を高め、闇の力を持った魔力を放てばそれは光を、炎を覆う闇となって亜神を、そしてそれより生じる光も炎も遮って、戦場照らす光が大きく減じていく。
 更に闇に便乗、ヨナルデが使役するフクロウ達が亜神の動きが止められ、また闇によって視界が塞がれた事を幸いとして全方位から容赦なく飛び掛り、マニトゥが噛み付く右腕を避けて全身を傷つけていく。
「暫し止まっておれ、お主が果てる時までな」
 そのまま闇に紛れたヨナルデは手にした黒曜石の斧を振り上げ急接近。
 斧頭に冷気を纏わせ、怪力任せに振りぬいた一撃は亜神の腰部から脚部にかけて伸びる飾りを断ち切り、地面に叩きつけられると同時に氷が出現。
 振り抜かれた斧の軌跡を縫うように氷が伸びて、地面と亜神を繋ぎ合わせその場へ縛り付けていたのだ。
「うむ、これならば楽に狙えるの、感謝じゃ」
 拘束された亜神が左腕を動かして、自身を覆う闇を払いのければその視線の先には弓を構え、亜神を狙うエウトティア。
 すかさず炎を立ち上らせ、見せ付けるように胸を張るも此れまでの攻防で心が波立ち、人を惑わす炎である事を実感していたエウトティアは既に対策として魔除の護符を握り締め、その力によって気を保つ。
「マニトゥよ、退け! 天地に満ちる精霊よ。我が敵を討ち滅ぼせ!」
 相棒へ合図を送り、叫び力を高めれば膨大な数の紅き光の精霊光がエウトティアの構える弓へと集まり、矢から砲弾へと形を変えて。
 十分に収束し、紡錘状の形を成せば彼女は右手をふっと緩め、紅き軌跡を描いて亜神目掛けて放たれる砲弾。
 それと同時にマニトゥは強靭な後ろ足にて亜神を蹴って跳躍、離脱。
 ふふん、と得意げな表情で相手を見下ろすその瞬間、胸部目掛けて砲弾が命中。
 凄まじい爆発と共に黄金のパーツがバラバラと吹き飛んで、大きなダメージを与えた事を視覚的に猟兵達へ伝えていた。
「ほぼ決まり、だけど」
「まだ戦うつもりなら」
「容赦しないから……」
 そのボロボロになった亜神へ追撃を仕掛けるのは緋瑪、瑠璃、翡翠の三人。
 散開し、左右、後方へ散らばった彼女らが続けざまに拳銃を発砲、狙いを絞らせず、また反転しようものならばそうはさせまいと急接近した誰かに爆弾を押し付けられ、爆発によってその体制を崩していく。
 万全の状態ならば、いや。損耗率が7割程度までならば彼女らの散開、そして牽制しつつの攻撃に対し自ら持つ隷属の炎にて動きを縛ることは可能であっただろう。
 しかし今や亜神は眷属も光輪も失い、更には自らを構築する多くの装甲が破壊された状態。
 反応だけで凌ぎ、炎を見せ付ける事は困難となり、両腕を盾にして耐える状況。
 だがここまで追い込まれようとも亜神は抗戦の姿勢を崩さずに、三人の動きを先読み。
「我、多くを失おうとも屈さぬ。故に汝、我が眷属となれ」
 爆発でよろけつつ、強引に腰を捻って胸部を瑠璃へと向け胸の炎を一気に燃え上がらせ隷属を試みて。
「おおっとぉ、そこまでです。無理な姿勢は腰を痛めますよ」
 されどその抵抗、先読みしていた摩那が許すはずもなく。
 まっすぐ飛んでいたエクリプスが空中にて急降下、そして再度の前進から急上昇。
 体を曲げた亜神を囲うような挙動をすれば、そのまま首へと巻きついて。
 力いっぱい摩那がワイヤー引けば、腰の回転が戻され無残に地面に叩きつけられる亜神。
 甲高い金属音と共に最早どうしようもない隙が生じれば、三方向に分散していた緋瑪、瑠璃、翡翠が集結。
「神だろうと関係無い。ただ私達は殺すだけ」
 淡々と抑揚のない声で翡翠が呟き、緋瑪と瑠璃が互いに持つ銃を重ねあい。
「「これが(私/わたし)達の全力全壊! ジェノサイドブレイカー!!」」
 叫ぶと同時に引き金引けば、倒れ動けぬ亜神目掛けて拳銃からは到底放てぬ大型の魔力砲弾が放たれ直撃。
 凄まじい爆発と共に数多の部品が飛び散って、致命の一撃であることを物語っていた。


「ぐ、ぎ、が、ががが……」
 猛攻受けても消滅せず、全身の装甲がひび割れ砕かれても立ち上がり、弱々しくも再び胸の炎を灯す亜神。
 その前に進み出たのは人の姿ではなく、光と闇の翼が重なり合う異形、相克の亜神となった亜闇であった。
「光と、闇、だと……? 逸れは、我が人の身を持つ者へ与えた、も……」
「いいえ、違います。今、私の内から生ずる力は、光も闇も、あなたから与えられたものではない……私自身の光と闇だ」
 相対する『光の亜神』ザラスシュトラ・ドルグワンと波動放つ相克の亜神。
 自らが分け与えた力で持って抵抗する、脆弱な存在と認識していたはずの亜闇は既にこの亜神が知る頃の彼女ではなく。
 己自身の力でもって、光と闇を支配する一柱の神であったのだ。
「ば、かな……光と、闇の……支配、だと」
 光で隠した闇でもなく。
 光を飲み込む闇でもなく。
 互いに調和し、干渉する事なく放たれる破魔の光と闇の呪詛。
 それに対して自分は何だ。
 光と闇、それを同時に行使する、双方を極めたように見えるが結局は偽りの力。
 どちらも半端であるという事が眼前の存在、亜闇によって突きつけられてしまったのだ。
「い、否、否。我は、光と闇を……」
 否定しようと胸の炎を滾らせて、眼前の存在は神の似姿、所詮はまがい物で人間だと示そうと。
 亜闇の心を隷属しようとするも彼女の心は風一つない湖面の如く静まり返っていた。
「ただ、消えなさい。光と闇、どちらも極められなかった神『モドキ』よ。
 同じく人の枠組みを超え神『モドキ』に至った私の力で骸の海へと還れ」
 抑揚なく紡がれた亜闇の言葉。
 それと同時に破魔の光と闇の呪詛が重なり合い、無へと誘う波動となって亜神を包む。
 一瞬体を震わせて、しかし抵抗も出来ず末端から崩れ消失していく亜神。
「ぐ、ががが……我は、我ハ?」
 既に存在意義も失って、崩壊していくザラスシュトラ・ドルグワン。
 その姿を見ていた亜闇が再び紡いだその言葉。
「さようなら……お父さん」
 抑揚なく語られた今までの言葉とは違い、憂いを、悲しみを帯びたその声色。
 父と呼ばれたその瞬間、天を仰いでいたはずのザラスシュトラ・ドルグワンは視線を戻し、亜闇をすっと凝視して。
「我、父……? 娘、彩美……?」
 崩れる最中、ちっぽけと思っていた人間たちに対しての記憶が戻ったのか。
 亜闇の名を呼び、それが最後の言葉となって。
 岩櫃山に漂う全ての邪気と共に、完全に消滅していた。


 多くの邪神教団の思惑が重なり、複数の邪神が召喚されたこの事件。
 猟兵達の尽力とUDC組織の協力があり、関係した教団は一つを除き教祖を失い完全に消滅した。
 では、残った教団は如何なる教団なのか?
「居たぞ、情報どおりの格好だ、奴が教祖だ!」
「おお、なんと酷い扱いでしょう。しかし捕まるわけにはいきませんね!」
 UDC組織が追うのは猟兵、カビパン。
 いやまあ、前哨戦から盛大に多くの邪神教団を取り込んでいろいろやってきたので誤認されても仕方ないと思うのだ。
 しかし邪神を呼び出すような事もないので教祖が逃走しても問題はないだろう、信者もこのカビパン教に染まり、元の組織を復活させることも無い。
 多くの教団の思惑と邪神の策謀が断ち切られたこの山に平穏が戻ったのは事実なのだ。

 時が流れ、邪神によって枯れ果てた大地に一輪の花が咲き、再生の兆しを見せて。
 一人の猟兵の因縁が断たれた物語は幕を閉じるのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年04月26日
宿敵 『『光の亜神』ザラスシュトラ・ドルグワント』 を撃破!


挿絵イラスト