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超☆エキサイティングなバトルドッジボール開☆幕!

#キマイラフューチャー

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#キマイラフューチャー


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●発端
「ひらめいた!」
 オブリビオンであるパスト・フォーサイスはガタッと勢い良く立ち上がると元気に叫んだ。
「俺様が目立てるスポーツ!それは、ドゥオオオオオオオオオオッジ……ぼおおおおおおおおおおおrrrrrrるっ!!」
 すっごく舌巻いて、外国語っぽく発音するので聞き取りにくかったが、どうやらパストが思いついた競技というのはドッジボールらしい。
「いいか、お前たち」
 パストは机に上がり、辺りを見下ろす形を取ると、回りに集まる手下たちに向かって説明を始めた。
「野球、サッカー、テニス。それらの人気スポーツに共通する点はなんだ!?そうだ!ボールを使うというところだ!ボールを使う遊びはみんな注目度が高い!だろ?!ならドッジボールを動画にしたらどうなると思う!?俺様の凄さを大勢にアッピールすること間違いなしっという寸法よっ!」
 なんということだ。完璧な作戦だ。これはもう、キマイラ達の間でドッジボールブームが起こる。もう間違いない。
「分かったら、お前たち!今からドッジボールの練習だ!野郎ども!表へ出ろぃ!相手は、そうだな。そこらを歩いてるのに協力してもらえばいいだろう。さぁさぁ、いっちょやったろうぜ!」
 かくして、オブリビオン達の猛烈なドッジボール特訓が始まった。

●グリモアベース
「みなさん、事件デス!」
 グリモア猟兵のモッチ・モチは、皆に呼びかけた。
「どうやら、キマイラフューチャーで新たな事件が発生するようデス」
 冷静な口調に、猟兵達はどんな依頼内容なのか固唾を飲んで見守っている。
「パスト・フォーサイスくんをご存じでしょうか?知らない?彼は今、巷を賑わせている可愛い男の子デス。あ、これだと語弊がありますね。可愛いオブリビオン、デス♪」
 いたずらやおバカな挑戦を猟兵達に仕掛け、毎回やられているオブリビオンであることを補足しつつ、モッチはさらに話を続けた。
「パストくんの目的は、注目を浴びて、凄さをアピールすることデス。それを邪魔してから、パストくんにもお灸を据えてあげること。それが今回の目的になりマス」
 作戦目的はシンプル。やることも明確だ。
「今回、彼はドッジボールを題材に選んだようデス。それならまだ平和的なんですが、予知では、通行人を巻き込み、手下達と鍛えたドッジボール技をいかんなく発揮し、愉悦に浸るみたいなんデス。おかげで巻き込まれた通行人はボロボロのへとへとデス」
 モッチがボロボロの通行人を思って、悲しそうな顔をする。
「ボロボロへとへとの通行人が出る前に皆さんで相手をしてあげてくだサイ。あ、大事なことを言い忘れていまシタ」
 舌を出してうっかりな顔を浮かべながら、モッチは続ける。
「今回、ユーベルコードを使用することが可能です。ドッジボール?いいえ、バトルドッジボール、デス。動画映えするのでパストくんも納得するでしょう」
 となれば、色んな手段が使えそうだ。
「相手は、量はいますがドッジボールの強さはそこそこのようデス。量だけはいますので、そこだけは皆さん注意してくだサイネ?では皆さんの検討をお祈りしていマス♪」
 モッチは、皆にそう忠告すると、転移でキマイラフューチャーへと飛んだ。


オノマトP
 新人のオノマトPです。よろしくお願いします。
今回の敵はパストくんです。

1章、2章と、バトルドッジボールを行ってもらい、3章でパストくんとの一騎打ちを予定しています。

あんな技、こんな技をドッジボールに組み込み、かっこよく敵をやっつけちゃってください。

このシナリオについて
・友達と協力プレイも可能です。
・あ、ボールは特別性なので破裂しません。
・敵にボールを当てるプレイングでも、敵の攻撃を避けるプレイングでもお任せします。ドッジボールを楽しんでください。

以上です。ではでは、よろしくお願いします。
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第1章 冒険 『ドッジボールしようぜ!』

POW   :    力こそパワー!

SPD   :    撹乱してカウンターアタック!

WIZ   :    能力で敵を翻弄!

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


『武器や防具は体の一部と一緒だかんね!盾でボールを防いでも、ボールがそのあと地面についたらアウト!おーけー?』

『こっちも同じルールでやるんだから、不公平とか言うなよ?それに公平でないと、俺様の凄さをアッピールできないからな!』

『人数制限?そっちはなくていいよ。こっちはコテンパンにしてごめんなさいって言うあんたらの映像を配信できれば満足だからさ』

『それに外野に行っても、倒したら内野に帰ってこれるしな。余裕余裕』

 以上、パストくんの談。
------広い公園-------

 十分に広いスペース。十分に関係のない人達から離れた安全な場所。配慮が行き届いたこの場所に、白いラインが引かれていく。
 学校のグラウンドでよく見たあれ。そう、ライン引き。白い粉でラインを引いていくあれだ。四角くラインが引かれていくと、たちまちドッジボールのフィールドが完成した。
 このままでは散歩中のおじいちゃんや、ジョギングをしてダイエットに励む女性がドッジボールに巻き込まれてしまう。

(ザザッ)
 砂煙をあげ、砂を踏む音が突如として起こった。巻き上げられた砂煙に複数の人影が映し出される。宙を舞った砂煙が風に流され、現れた人影の主の姿を顕わにしていくと、そこに姿を現したのは……。
『お、猟兵さんたちのご到着か?ドッジボールの相手してくれるって顔だな。俺様の相手に不足なし。いっちょ勝負と行きますか!』
 颯爽と登場した猟兵達に、待ってましたとばかりのパストくんは、ボールを人差し指の先でくるくると回す。
 両者準備は整った。
 
ーーピィー!!!!
 ジャッジをする怪人によって高らかに試合開始の合図である笛が鳴らされた。
 それとほぼ同時。
『先制攻撃はいただきだよーっと』
 ジャンプボールを先に制したのオブリビオンサイドのパストくん。低身長ながら、軽やかに飛ぶと、そのジャンプ力の高さで先制攻撃をモノにしていく。伊達に怪人たちと繰り返し練習を積んでいないといったところか。
『まずは小手調べ。行け!怪人A!』
「ウッホウッホホ!」
 ゴリラ、顔はどう見てもゴリラ。ゴリラの覆面を被った人のような出で立ちの怪人が、ボールを構えると、振りかぶり、--。
(びゅっ!!)
 思い切りぶん投げた。
セレッサ・フォトン
【POW】
「ええ、ええ、素晴らしいですよね、ドッジボール。ワタシも嫌いではないですよ♡ですが…、」
自分の方に飛んできたボールを指弾で真上にレシーブ、からの落ちてきたボールを優雅にキャッチ…できるかどうかは運次第
「ワタシより目立とうなんて、そうは問屋がなんとやら、ですよ、フフッ♡」
ただただ目立ちたいだけなので基本パス回し専門
「それに、ワタシ、他人に何かを強要する人、大っっっ嫌いですので覚悟しておいてくださいね♡」


リリィエル・ロックウェル
つまり何やってもいいドッジボールなのですね、何やってもいいんですね(確認)
何やってもいいならクレヨンソード白:塗りつぶしペイントで自分とボールを透明にして、飛んで相手コートにどうして至近距離でぶつけるのです。
自陣から出たらダメ?出てないのです、コートから出たって誰か見たんですか?見えてませんでしたよね?だったらただの言いがかりなのです。


三原・凛花
【誘惑】【おびき寄せ】で狙いを引き付け、わざとボールに当たるよ。
ひ弱な私じゃ、敵のボールは受けられないだろうからね。

で、ボールが当たった瞬間【激痛耐性】で痛みを堪えつつ、【水子召喚】で呼んだ子供達を、ボールに取り憑かせる。

ボールに取り憑いた子供達には、
・敵がボールを持った時だけ【生命力吸収】で敵を弱らせる。
・猟兵がボールを投げる時は勢い良く動き、敵が投げる時は遅く動く。

この二つをその都度指示するよ。

外野では私もボールを投げるね。
子供達が取り憑いてるボールに、更に【呪詛】と【衝撃波】を乗せて投げれば、私のヒョロ球でもそれなりの威力になるだろうし。

まあ折角の機会だし、子供達と一緒に楽しみましょう。


花盛・乙女
■POW

どっじぼぉる…?
よく分からんが、豪力ほど良いという話は聞いた。私も一肌脱ぐとしよう。

ふむ。このような球を投げて相手に当てればいいのか。
簡単すぎるな。私の怪力は剣のみにあらず。
投擲においても充分にその力を発揮する。
死者が出てはつまらんからな、持ちこたえてくれよ?

なに?一方的に投げるのではなく相手からの球も受けねばならんのか?
ふむ…それがしきたりなら仕方ないが…男は投げてこないだろうな?
私はこう見えて男が大の苦手だ。もし…もしも男にこの勝負負けたら…
…わ、私の純潔が汚されしまうのか!?
それだけはダメだ!それだけは…ダメだー!!

全部落とさず確保し、男への苦手意識を力に変えてやる!!!


御形・菘
はーっはっはっは、ドッジボールの神、妾参っ上!
皆の衆よ、勘違いをしてはいかんぞ
こ奴らにとっては究極的にドッジボールの勝敗なぞ問題ではない、いかに目立つかが重要なのだ
ゆえに妾は圧倒的に注目を浴び、怪人どもの鼻っ柱を叩き折ってやるわ!

いくぞ、一投一殺の絶技、見せてやろう!

まずは「トリニティ・エンハンス」を用いて攻撃力を強化よ、これでおよそ威力は2倍
そして奥義「部位狙い」をして威力が更に倍!
そして更に更に、禁断の派生技「顔面狙い」を発動!
なんやかんや合計して最終威力は通常の約10倍ぐらいよ!

いくぞ、フェイタリティ・シュート!

外れた時のことは知らん!
外野に行ってしまったら、当てて戻れば良いだけのことよ



「ウッホ!」
 大きく振りかぶってから放たれたゴリラからの一投。剛腕から放たれた一投は空気を裂き、スパイラル回転を描きつつ、猟兵の陣目掛け飛ぶ。さながら砲丸が如く。
「ええ、ええ、素晴らしいですよね、ドッジボール。ワタシも嫌いではないですよ?ですが…」
 セレッサ・フォトン(小悪魔系後輩電脳奇術師・f06147)は、豪速球を見ても怯みも恐れもせず、身構えた。彼女の構え、それはまるでガンマンのように真っ直ぐ腕を伸ばした姿勢、立ち姿も真っ直ぐと構える。
(ピキィーン……!)
 後を引く金属音。軽い金属が弾かれたような、そんな音がした。彼女がコインを弾いたのだ。【シューティング・シルバー】。彼女のバレットはコイン。そのコインによる指弾がボールを迎え撃つ。
(ダッーーーーン!!)
 ボールとコインとの激突が空気を振るわせる。衝撃が風となって伝わってくるほどに。肌をビリビリと震えさせた。
 割れることなく威力を殺されたボールは、上方に高く舞い上がり……そして、自由落下。
(ポスッ)
 落下地点、それはセレッサの手中に他ならなかった。
「ワタシより目立とうなんて、そうは問屋がなんとやら、ですよ、フフッ」
『くっ、やるな。初めてのバトルドッジボールだろうに。その余裕、侮れないぜ』
 パストくんが相手に一目置く。バトルの興奮か、それともセレッサの色っぽさのせいか、少し顔が赤い、気もする。
「それに、ワタシ、他人に何かを強要する人、大っっっ嫌いですので覚悟しておいてくださいね」
 パストくんがそれを聞いて身震いしている。顔も若干青ざめいるようにも感じる。
 セレッサは「覚悟しておいてください」と言いつつも、自分が手を出すつもりはないようで、すぐ近くにいた味方へとボールをパス。
「ワタシ目立ちたいだけですので」
 セレッサは満足そうに笑みを浮かべる。
 パスを受け取ったのは、花盛・乙女(誇り咲き舞う乙女花・f00399)。黒髪を両サイドに結んだ和服の少女だ。スポーツには向かなそうな足回り、袴に草履といった出で立ちだ。
「どっじぼぉる…?よく分からんが、豪力ほど良いという話は聞いた。私も一肌脱ぐとしよう」
 乙女はボールをくるくると手の中で遊ばせると、正面の敵を見据えた。
「ちなみにあのゴリラはオスか?メスか?私は男には絶対に負けられんからな。オスか!オスだろう!その顔はオスだな!あのゴリラには絶対に負けられん!もし負けてしまったら……、わ、私の純潔が汚されてしまうのか!?ダメだ!それだけは……ダメだー!!」
 ゴリラに汚されたくない。その想いが力となり、目にも止まらぬ腕の振りからボールが放たれた。
 普段は剣を振るうための剛腕をボールに持ち替え、死者すら出かねない、そう思わせるほどの速球がゴリラを襲う。
 一方のゴリラは、真正面から受け止める構えだ。正々堂々と勝負するその姿、まさにゴリラの鏡。いや、鑑。
(ドスッ!)
 ボールが当たる音にしては妙な、そうまるで突き刺さるような音がした。音の出どころに目を向けると、そこはゴリラの腹部。そこに突き刺さるようにボールが収まりつつも、そこからシュルシュルと回転し続けている。
「メッ!?…………すぅ……」
「ふっ、他愛もない」
 ゴリラは最後、何か言いたげな声を漏らし、膝から崩れた。
『くっ、ゴリラ怪人がやられた!なんておねえさんだ!あのおねえさんは最後だぞ!他をねらえ!』
 戦略的なパストくん、賢明な判断だ。
 オブリビオンサイドに転がるボールを持ったのは、パストくんだ。
『狙うはまずは弱そうな相手から。そうだな、あの子にしよう!いっくぞー!超すーぱーゴージャスデリシャスウルトラあたーっくっ!!』
(ビャッ!)
 鋭い腕の振りから投げられたボールは、速度はそこまでではない。しかし、凄まじい回転が加わっているため、取ろうとしても弾いてしまいそうだ。
 ターゲットにされたのは、三原・凛花(『聖霊』に憑かれた少女・f10247)。見た目は正真正銘の10代前半の少女の姿。
 敵もその容姿を見て、ボールを放った。それが彼女の思惑通りとも知らず。
「弱そう。そうね、あなたの言うように、ひ弱な私じゃ、ボールは受けられないだろうね」
 凛花は、両手でボールを防ぐ姿勢を取る。
(チッ)
 手に裂傷が入る。そこからも回転の凄まじさがありありと伝わってくる。
「……!」
 痛みに対して耐性を持つ凛花は、ぐっと痛みに堪えつつ、【水子召喚(ミズコショウカン)】をボールに施した。
(ポン……ぽんぽんぽん…………)
 手から離れたボールは地面で弾むと、バウンドしながらコロコロと転がる。
「遊んでもらいなさい」
 凛花がそう口にした。その言葉の相手、それは自身がボールに施し、取り憑かせた水子たちに向かってだ。
 水子たちの働きに期待し、自身はこの催しを楽しもうと考えつつ、凛花は外野に移動した。

 転がったボールの行方がどうなったのか。
「バトルドッジボール。つまり何やってもいいドッジボールなのですね、何やってもいいんですね」
 転がってきたボールを前にしながら、リリィエル・ロックウェル(クレヨンの勇者・f01438)はクレヨンソードを胸の前に持ちながら嬉しそうにはしゃいだ。
「白は始まりの色、真っ白な画用紙の色なのです」
 手に持ったクレヨンソードの色を白に付け替えると、自分自身、それとボールに塗る。するとあら不思議。たちまち透明になり、姿形が見えなくなった。
『なっ!?消えた、だとっ!?』
 パストくんはあたりをキョロキョロと見まわし、ボールの行方、それから愛らしい小さな妖精の姿を追った。
『くっどこだ!』
「えいっ」
(ドンッ!)
「あいてっ」
 リリィエルが透明のまま近づき、怪人の一人にボールをぶつけた。透明なので誰からも分からない、が、怪人の声でなんとなく、そうだろうなと誰もが察したのだった。
「自陣から出たらダメ?出てないのです、コートから出たって誰か見たんですか?見えてませんでしたよね?だったらただの言いがかりなのです」
 リリィエルは元気な声で自身の勝ちを確信する。
『くっくっく、はーっはっはっは!!』
「えっ」
『たしかにな。これは一本取られた!透明になるなんて発想、俺様も思いもつかなったぜ。でも、”ほんとうに当てたの?”』
「ぁっ!」
『ボールも透明なら、当たったかどうかは誰も分からない。そうじゃないか?妖精さんがコートから出たかどうか分からないのと同じようにね!次からはもうその案は使えないぜ?さっき「あいてっ」って言った怪人、あれは特別にアウトにしとくよ。……あー、あとな、その、俺様が思うにだな……』
 パストくんは頬をポリポリと掻きながら言葉を続ける。
『好きだぜ、策で困難を越えようとするとことか。あと、透明になるなんてもったいないと思うぞ?そんな可愛い……(ゴホン)……そんな動画映えする見た目なのにさ?』
 照れるパストくん。耳まで真っ赤だ。
『だーっ、もう!つづき!つづきしようぜつづき!』

(ピィー!!)
 再開の笛がコートに高らかと響いた。パストくんがラインを引く白い粉で位置を割り出す案を提示。ボールは猟兵サイドに転がっていた。
「はーっはっはっは、ドッジボールの神、妾参っ上!」
 御形・菘(目指せビリオン・f12350)は、ボールを拾い上げながら高らかに叫んだ。
「皆の衆よ、勘違いをしてはいかんぞ。こ奴らにとっては究極的にドッジボールの勝敗なぞ問題ではない、いかに目立つかが重要なのだ。ゆえに妾は圧倒的に注目を浴び、怪人どもの鼻っ柱を叩き折ってやるわ!」
『ほう、よくわかってるじゃねーか』
「いくぞ、一投一殺の絶技、見せてやろう!」
 銀の髪を陽光に輝かせながら、そこに、炎、水、風の魔力が菘の体を覆う。
「【トリニティ・エンハンス】で攻撃力強化!これでおよそ威力は2倍!奥義「部位狙い」でさらに倍!」さらにさらに禁断の派生技「顔面狙い」を発動!なんやかんや合計して最終威力は通常の約10倍ぐらいよ!」
 もちろん、そんなユーベルコードや技はないし、そのようなルールも効果もない。だが、ノリは大事だ。動画映えというやつだ。
「いくぞ!フェイタリティ・シュート!くらえ、坊主!」
『こいっ!』
 1対1の真っ向勝負!
(グワッ…………ドビュン!!)
 ゆっくりとしたモーションから一気に勢いをつけてボールが放たれた。下半身が蛇のキマイラである菘は、その特徴をフルに活かし、下半身のばねをボールにいかんなく伝え、渾身の力を込めて投げた。パストくんの顔面目掛けて。
『っ!!』



(ビィー!)「アウトボール。オブリビオンチームのボールから再スタートでーす」
 審判怪人の声と、次いで楽しそうな猟兵とオブリビオン達の声がコートに弾けるように響いた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

蛇塚・レモン
ドッジボール?
懐かしいなぁ~!
久々に頑張っちゃうよっ!

WIZで勝負
敵チームのボールは【念動力】で軌道を曲げてUターン!
味方のこぼれ球を地面に落下する前に【念動力】で手元に引き寄せてキャッチだよっ!
ボールを投げた直後に【クイックドロウ】で超霊力オーラガンを【衝撃波】付きでボール目掛けて発射!
超加速した衝撃波付きボールで【範囲攻撃】&【だまし討ち】
あわよくばパスト君に直撃させちゃおっかな~っ?
予告して【恐怖を与える】よっ!
あたいは狙われないように衣服に宿った加護で【迷彩】を発動!
【第六感】と【学習力】で敵の球筋の癖を見抜いて回避だよっ!

奥の手は【念動力】であたい自身を宙に浮かせて【空中戦】だよっ!



「ドッジボール?懐かしいなぁ~!久々に頑張っちゃうよっ!」
『久々?そっか、じゃー手加減してあげようか?』
「あたい”たち”に手加減は無用!」
『そうか、なら真剣勝負だ!名を名乗れぃ!』
「あたいは蛇塚・レモン!そして親友の蛇神様だよ!」
『ふーん、そういう猟兵か。人格?っていうのが多いみたいな。なるほどね。これは楽しめそうだ、ね、っと♪』
「うわっと!急に投げてきたら危ないよ!(パシッ)」
『なっ、確かに相手が取りにくい膝あたりに投げたはず!それなのにボールの軌道が変わって手元で楽々キャッチだと!?さては、それが噂の【念動力】。実際に見るのは初めてだが、そんなに自在なのか!!やべーかっけぇ!!』
「それだけじゃないよ!こういうこともできるんだから!」
『来るならこい!……って、投げた後に、ボールが加速!?ボールに弾丸でも当てたみたいに急に……っ、くっ』
(ッダーーーーン!!)
「「「「ぐわぁー!?」」」」」
「どう?これは効いたでしょ!ってあれ?怪人たちが壁になって防いだ?」
『なっ、怪人たち!!俺の身代わりにっ!!くっ、俺様なら余裕だったのに、お前ら。余計な真似してくれちゃってさ……。ふっ……、お前らの死を俺様は無駄にはしない!!レモンって言ったな。これが!俺様の!全力だああああ!!!!』
「くるっ!ここは回避っ!いや、今までの相手の投げてきた球、それを考えれば次は!!」
(ビュン!!)
『な、俺様の必殺の2段変化の変化球を読んでいた、だとっ!?』
「くると思っていたよ!勘、それに学習したんだよ。パスト君の癖をね!2段変化してくるのは学習してなかったけどね」
『あれを避けるとは、さすがだぜ。認めないといけないな。あんたはすごいやつだ!良いぜ、今度はそっちの番だ!どこからでも来いよ!』
「なら、あたい”たち”のとっておき!奥の手でいくしかないみたいだね!!」
(スゥ……)
『飛んだ!?だとっ!!』
「【念動力】の応用で自身を浮かせてからのぉ、一球入魂!!これで君はおしまいだよ!」
(ビュン!)
『来たな!それに勝利宣言とは余裕だな!だが、俺様はどんな相手だろうと諦めない!!(チャキ)この鎌でそのボールを打ち返し、お前にダイレクトに当ててジ・エンドだ!!どりゃああああああああ!!!!』
(バチィィィーーーーー!!!!!!)
『ぐっ、重、いっ!!だとしても!!……とんで、っけええええええ!!!!』

(バァァァァァン!!!!!)



「(ピッピィーーー!!)勝負あり!勝者!猟兵チーム!!」

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 冒険 『遊戯決闘』

POW   :    とにかく正攻法!力強いプレイングで勝負!

SPD   :    経験に基づいた熟練のプレイヤースキルで勝負!

WIZ   :    重要なのは心理戦!常に優位を取ってゲームを支配して勝負!

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


『も”っ”がい”!!』
 目に涙を浮かべるパストくん。
『三回勝負の先に2勝した方が勝ちだって最初に言ったでしょ!』(言ってない)


 パスト君の強引な主張で、バトルドッジボールの第2回戦目の火蓋が切って落とされることとなった。
化野・那由他
「ふっふっふ、お前など私一人で十分よ!」
UDCアース世界の体操服に赤の鉢巻き姿で現れ、パスト君と対峙します。周りに猟兵達がいる中、敢えて注目を集めるような言動を。
「私一人倒せない貴方の痴態(?)を大勢に晒すといいわ!」
重要なのは心理戦。挑発をして隙を作り出します。
その上で『叢原火』を使用。周囲を取り巻く鬼火を放つと同時に力いっぱいボールを投げます。必殺技演出みたいな感じに。
「おイタはここまでよ。必殺! 炎の叢原火シューーーートッ!! 死ねぇパスト!!」
全力魔法と範囲攻撃で取り巻きも吹っ飛ばしましょう。
敵のボールは[仍て件の如し]で回避します。

※アドリブ大歓迎です。好きに動かしてください!



「(ピィーーーーー!!)試合開始!!」
 晴天の下、沸く猟兵達とオブリビオンと怪人達。流れる汗が熱く弾ける。
「ふっふっふ、お前など私一人で十分よ!」
 敵の大将、パストを前に威勢の良い声を上げるのは、化野・那由他(書物のヤドリガミ・f01201)だ。
『気合の入った格好だな、猟兵!』
 パストが言う。体操服をその身に纏い、赤い鉢巻が風になびく。そう、彼女の恰好はまさにドッジボールをやるに相応しい正装と言っても過言ではない。それほど場に適していた。
(ダッ!)(ダッ!)
 フィールド中央で怪人と那由他が審判の投げたボール目掛け同時にジャンプする。
(バシィ!)
 敵が二十歳になる女性の体操服姿に目を奪われたのかは定かではない。が、結果としてジャンプボールで競り勝ったのは那由他。ボールキープを決めた猟兵陣の士気が高まる。
「私一人倒せない貴方の痴態(?)を大勢に晒すといいわ!」
 那由他の周りを無数の鬼火『叢原火』が取り巻く。複数の鬼火、それがさながら炎の渦となり、その熱気が上昇気流を生むと、彼女の髪を激しく揺らす。
 彼女は手にしたボールを片手で掴むと宣言する。
「おイタはここまでよ。必殺! 炎の叢原火シューーーートッ!! 死ねぇパスト!!」
 投げられたボールが鬼火を纏う。そのまま火の玉の如く宙を駆け、敵陣を襲った。
『こい!そんなボール、俺様が軽くキャッチして……え、火、つくの?え、火力やばない?ちょまっ』
(ドガーン!)
 着弾!ボールが発したとは思えぬ着弾音だ。さながら大砲のような音がその球の威力を物語っていた。魔力によって増大した威力は複数の怪人とパストを焼きながら吹っ飛ばす。
『ぐわあああああああああああ!!』
 怪人とパストの吹き飛ぶ姿、それはどこかボーリングでストライクが出るときのピンアクションに似ていた。
 多くの注目を浴びた那由他は、満足げに笑みを浮かべると、腰を低く落とし反撃に備えるのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

リリィエル・ロックウェル
「うんうん、3回勝負なんて言ってない気がするけどその強引なバラエティ番組みたいな展開嫌いじゃないのです」
パスト君が何かかわいそうだから2回戦に突入してやるのです。
「さっきは微妙にしてやられか感じがするので今回は私は避けることに専念するのです、疲れるまで避けてやるからかかってくるのです」
 マジカルキャンディリンゴ味を舐めて知覚を強化して避けまくるのです、フェアリー特有の辺り判定の小ささと、空中戦、目立たないのスキルもフル活用で避けて避けて避けまくるのです、とにかく相手を疲れさせるのです。



「うんうん、3回勝負なんて言ってない気がするけどその強引なバラエティ番組みたいな展開嫌いじゃないのです」
 リリィエル・ロックウェル(クレヨンの勇者・f01438)は頷きながらそう言った。
 彼女は背中の羽で滞空しつつ、1回戦目であった出来事を思い起こす。
「さっきは微妙にしてやられた感じがするので今回は私は避けることに専念するのです、疲れるまで避けてやるからかかってくるのです」
 リリィエルは腰につけた瓶に手を回す。マジカルキャンディのビン、そこから彼女はリンゴ味を選び取ると、口に放り込んだ。舐めると甘味、そして魔力が口いっぱいに広がる。妖精に伝わる伝説のキャンディ。これは味により効果が違う。
「林檎は知恵の実、禁断の果実の味は知恵の味なのです」
 糖が、魔力が、体を循環し、脳に。そして電気信号の伝達が、加速する!
『最後まで残られるとやっかいそうな相手がいるな。おい、外野の怪人!当てにくい敵がいた時のあの作戦いくぞ』
(びゅん、、、びゅん、、、びゅん、、、びゅん、、びゅん、、びゅんびゅんびゅん)
 パストくんが怪人に指示を出すと、外野と内野でパス回しが始まった。それはだんだん加速し全力投球の投げ合いのようなスピードになっていく。
「避け切って見せるのです!」
 ドッジ。意味、避ける。彼女の作戦はまさにドッジボールの醍醐味を体現したものだった。
 ひらり。
 はらり。
 リリィエルは、蝶のように舞い、危なげなく剛速球を回避する。彼女には別の時間が流れている、人々の目にはそう写ることだろう。それほどの空中戦だった。

 どれほどの時間がたっただろう。わからない。長いかもしれないし短いかもしれない。それほどの息を飲む試合展開だった。
『ダンスが得意のようだな、(はぁ……はぁ……)、でも避けるばかりで反撃はしないのか?そんなんじゃー俺様は(はぁ……はぁ……)倒せないぞ!それともそのままダンサーにでもなるか?』
 息を切らしつつ、強がるパストくんにリリィエルは答える。
「ダンサー?違います、私はクレヨンの勇者なのです!」
 とびきりの笑顔でにっこりと微笑む。
『くっ』
 長いこと狙って投げているのに当たらない。パストくんにとって、彼女の笑顔が何よりの攻撃になっているのかもしれなかった。
「♪」

成功 🔵​🔵​🔴​

御形・菘
あー確かに、先に2勝した方が勝ちって言っていたかもしれんな~(ゲス顔)
良いぞ良いぞ、実に怪人らしいその態度! お主らの気の済むまでバトってしんぜよう!

といっても第二戦、妾の戦略は至って正攻法よ
ガチで戦って負ける方が、つまるところダメージが大きいものよ
……それに、切り札はまだ温存しておいた方が良い段階であろう?
リアルタイムで成長し続ける妾の実力、とくとその目に焼き付けい!

というわけで、真っ当にキャッチして普通に投げる!
ほれほれ、まさか妾がただのイロモノだとか、そんなこと思っておらんかったよな~?
負けたら超恥ずかしいからな、配信者の毎日は鍛錬の積み重ねよ!
そーれ、単純に速い球でどーん!



「あー確かに、先に2勝した方が勝ちって言っていたかもしれんな~」
 御形・菘は、試合開始前の様子を思い出しながら、そんな取り決めは言っていなかったことを知りつつも、すごく笑顔だ。いや、笑顔というよりもこれは、ゲス顔という表現が正しいのかもしれない。長い舌をチロチロとさせ、割れた舌先が揺らしながら、相手を挑発するように畳みかける。
「良いぞ良いぞ、実に怪人らしいその態度! お主らの気の済むまでバトってしんぜよう!」
 急なルール変更に怒っている様子はない。むしろ彼女はそんな現状を楽しんでいるようですらある。
『1回勝ったくらいで調子に乗るなよ!今回はもうお前らなんかけちょんけちょんのギッタギタだからな!』
 けちょんけちょんのギッタギタという表現は、だいぶ古い言い回しな気もするが、これも《オブリビオン》が《失われた過去の化身》であるが故の事だろう。
『それにそういうセリフはこっちのボールをキャッチしてから言うんだね!』
 現在ボールをキープするはオブリビオンサイド。パス回しで猟兵サイドを撹乱しつつ、機を伺っている。
 場の緊張感が増す。日差しがあるといっても真冬の公園、それなりに気温が低いにも関わらず、両陣営の額に汗が光る。
 先ほどからパスを回していたオブリビオンサイド、ここでボールがパストくんの手元に来る、、、その直前。
「妾の戦略は至って正攻法よ」
 敵のパス回しが甘くなった一瞬の隙を突いて菘がパスカット。バネのある動きで瞬時に移動するとボールを見事に敵から掻っ攫う。
「ガチで戦って負ける方が、つまるところダメージが大きいものよ」
 菘は配信者としての経験がある。視聴者の心の機微を察する力には多少の心得があった。なので分かる。


ーー能力なしの真っ向勝負で負けたら超恥ずかしいという事を!!


 配信者として、そして猟兵として負けられない!それはパストくんとて同じこと!
「小細工なしの真っ向勝負!これで負けたら超恥ずかしいからな、配信者は毎日の鍛錬の積み重ねよ!」
『なるほどね、あんたも配信者か。なら、話が早い。こっからは敵であり、そしてライバルだ!』
 ドッジボールの敵同士であると同時に、配信者としてのプライドが上乗せされ、両者互いにボルテージが上がる。これはもう互いに絶対に負けられない。
「というわけで……そーれ、単純に速い球どーん!」
『俺様のことを煽りまくってくれちゃって!絶対に許さないぞ!』
 ここに新たな熱い戦いの始まりを告げる一投が投げられたのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

水心子・静柄
先に2勝した方が勝ちだと最初に言ったか言ってないかは私のユーベルコードで本人に聞けばわかる事だけど、ここで無闇にダメージを与えた所で(真実を言及した所で)勝敗に関係しないから無駄なのよね。それならまた勝って、今度こそ負けを認めさせればいいわ!

基本はドッジボールよね?それなら無敵の外野から相手を一方的に凹れば楽勝じゃないかしらね?私って冴えてるわ!

さてと…飛んできたボールをキャッチして投げ返すとチマチマやっていても長引くだけだから、私はこれ(鞘に入った脇差)で飛んできたボールを打ち返して相手を狙うわ。もちろんグラウンドクラッシャー使用でね。ボールは破裂しないみたいだけど一瞬変形したりするかしら?



『くっそー!なんという劣勢!この勝負が三本先取じゃなかったら危なかった。すぐ終わるとこだったぜ!』
 なんということだ、さらに一本増えている。
 パストくんの戯言を聞きつつ、水心子・静柄(剣の舞姫・f05492)は、灰色の長い髪をなびかせながら、外野から思いを巡らせる。
ーー私のユーベルコードを使えば、いくら嘘を重ねようと無駄なのよね。でも、敵の目的を挫くことにはならない。それならまた勝って、今度こそ負けを認めさせればいいわ!
 ボールは右に左に移動し、熱い攻防が続いている。その様子を静柄は外野から眺めていた。
「基本はドッジボールよね?それなら無敵の外野から相手を一方的に凹れば楽勝じゃないかしらね?私って冴えてるわ!」
 戦況や戦術を見定める目は、さすが勝負師といったところか。すぐに戦略を立て、敵を掌の上で操るがごとく、その匠さは半端ではない。
 脇差のヤドリガミである静柄。脇差とは、本差が破壊されるなどして使えない時に使われる予備の刀。彼女が外野を選び、内野の控えとなることを選んだのは、もはや必然なのかもしれない。
(びゅ……!)
 そこに猟兵サイド側の内野から静柄のいる外野に向かってボールが勢いよく飛んできた。敵は誰も取る様子はない。ここはスルーして、リスクを回避するつもりのようだ。
「さてと……」
 静柄は、腰を落として構えを取る。刀に利き手を添えると、鋭くボールに視線を向けた。鋭い。とても鋭利な刃のようなその眼光は、ボールを切り裂いてしまいそうなほどの勢いを感じる。
「ハッ!」
 鞘から抜くことなく振られた脇差が、ボールを捉えた。爆発。そう形容できそうなほどの衝撃が振られた脇差から生まれる。
 ボールがひしゃげている。そのシーンだけが一時停止のように皆の目に写った。それも一瞬のこと。ボールは反発し、打ち返される形となった。
『ノータイムで刀によるダイレクトアタックだと!?』
 焦るパストくん。それもそのはず、彼はボールに対して背を向けている。つまり、内野側に向いているのだ。 
ーー当たる!!
(バーン!)
『痛っ!?』
 後頭部でボールを受けたパストくんは、そのまま前に大の字の形なって倒れた。
「これで決まりね」
 ボールは、高く舞い上がり、落下点にいた怪人がキャッチ。
『ノーバウンドだからセーフ!』
 多大なダメージを負いつつもなんとか九死に一生を得たパストくん。
 だが、静柄が与えたダメージは思いのほか大きかったようで、後頭部に大きなたんこぶを作った。
「運に助けられたわね」
 静柄は、外野からボールを目から離さぬようにすると、次の攻撃の機会を窺うのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

セレッサ・フォトン
先に2勝といったかどうかはどうでもいいですけどちょっとは本気を出すとしますかね♥

【誘惑】【言いくるめ】を乗せた挑発をパストくんに浴びせかけまくります
飛んでくるボールは【フェイント】で死ぬ気の回避(余裕があるような立ち振る舞い)で凌ぎますね

そしてパストくんが最高に輝いたタイミングで【零距離射撃】【カウンター】の【シューティング・シルバー】でボールを受け止めて
【スナイパー】で狙いを定めた全力の【投擲】でパストくんにボールをシュート!

大人げない?ルールで認められてるなら問題ないですよね♥



「先に2勝といったかどうかはどうでもいいですけどちょっとは本気を出すとしますかね♥」
 セレッサ・フォトン(小悪魔系後輩電脳奇術師・f06147)は、パストくんのボールを見ながらペロリと唇を舐めた。
『ま、まるで今までが本気じゃないみたいな言い草だな!///』
 セレッサを直視せずに、顔を赤らめながらも強気なコメントを残すパストくん。彼もちょっぴりお年頃、年上のおねえさんの魅力にはドキドキしてしまうのだ。動きがぎこちなく見えるのはなぜか、それは男の子にしか計り知れぬ深い訳がありそうだった。
 オブリビオンサイド、パストくんのぎこちない投球フォームから怪人とのパス連携、からのセレッサへの攻撃を繰り出す。パストくん本人は攻撃に出ない。怪人に任せている。それはなぜか、男の子だからだ。
「あら、パストくんは投げてこないんですか?ふーん、別にいいですけど、もしかして何か理由でもあったりするんでしょうか♥」
 セレッサはパストくんを誘惑、もとい挑発する手を緩めない。口による攻撃を続けつつ、飛んでくるボールは余裕で回避。本当は全然余裕などなくギリギリの回避だが、表情にはおくびにも出さない。
『くっそ!余裕ぶりやがって!許せん!』
 パストくんは怒りに任せ腕を振った。回転をかけて捕球しにくくすることも忘れない。
「がんばりやさんですね♥」
 敵を労いながら、セレッサは今度はボールを避けることも捕ることもしようとしない。
 引きつけて引きつけて引きつけて。急なボールの変化にも対応せんがために、限界まで引きつける。
(ピィーー……ン)
 セレッサは鮮やかにコイントスをすると、落下してくるコイン目掛けユーベルコード【シューティング・シルバー】を放った。
 前に進む力と同等の力を逆方向からぶつけられたボールはどうなるか。そう、それは必然。エネルギーを失い、失速、停止した。セレッサは空中で止まったところをすかさずキャッチ。
 ほぼゼロ距離で行われた妙技に敵も度肝を抜かれている。
 セレッサは好機とばかりに敵に暇を与えることなく、すぐさま【投擲】を繰り出した。
『コイントスからのあの技かっけー!まるでレールガn……うわっあぶなっ』
 ノータイムで飛んできたボールに意表を突かれたパストくんは慌てて手に持った鎌で防御。
(ガシンッ!)
 ボールは鎌に当たり、真上に跳ね返り、落ちてきた所を自ら両手で掴む。
『危ないなー、おねえさん。準備できてないところに投げるなんて大人げないぞ!』
「大人げない?ルールで認められてるなら問題ないですよね♥」
 この時は誰も気づいてはいなかった。セレッサが与えた一撃がパストくんの鎌にヒビが入るほどのダメージを加えていたということに。
 一人のバーチャルキャラクターによって、時限式の爆弾を抱えさせられたパストくんは、そうとは知らずふたたび試合を続行するのだった。少女の不敵な微笑みに不安を抱かされつつ。

成功 🔵​🔵​🔴​

花盛・乙女
えぇい、泣きの一回とは男らしくないな貴様!!
私は男は苦手だが男らしくない男の泣き言は苦手どころか虫唾が走る。
よかろう。この花盛乙女、貴様の性根を叩き直してくれる!!

ボールを手に取り、握ったまま腕を回す。羅刹旋風だ。

いいかよく聞け、パトス何某。
貴様の生命力を多めに見積もって1000万としよう。

私の元々の球を投げる威力が100万羅刹パワー
羅刹旋風を使うと威力は2倍になり100万×2倍の200万羅刹パワー
そこにいつもの2倍の『ジャンプ』力を加え200万×2倍の400万羅刹パワー
そして!球にいつもの3倍の回転をかけ400万×3となり…

パトス何某!貴様の1000万を越えた1200万羅刹パワーだーッ!!!



 ドッジボールもいよいよ大詰め。両チーム生存者が減ってきていた。しかし、オブリビオンサイドもさる者、まだパストくんが生存している。
 ここにパストくんがどうしても許せない剣士がいた。花盛・乙女(誇り咲き舞う乙女花・f00399)、その人である。
「えぇい、泣きの一回とは男らしくないな貴様!!私は男は苦手だが男らしくない男の泣き言は苦手どころか虫唾が走る。よかろう。この花盛乙女、貴様の性根を叩き直してくれる!!」
 異性に対して凄まじい執念と警戒心を持つ乙女は、ボールを片手で握る。
(ギチギチギチ)
 握られたボールが悲鳴のような音を立てながら、いびつに変形する。女性では片手で掴むのも難しいと思われるが172cmの長身である乙女には容易いことだった。
 乙女はボールを握った状態のまま、ぐるぐると腕を回して徐々に加速させる。
(ブン…………ブン……ブン…ブンブンブンブン!!)
 ユーベルコード【羅刹旋風】。字のごとく、旋風のようにボールを持った腕を回し、力を増強させる。

「いいかよく聞け、パトス何某」

「貴様の生命力を多めに見積もって1000万としよう」

「私の元々の球を投げる威力が100万羅刹パワー」

「羅刹旋風を使うと威力は2倍になり100万×2倍の200万羅刹パワー」

「そこにいつもの2倍の『ジャンプ』力を加え200万×2倍の400万羅刹パワー」

「そして!球にいつもの3倍の回転をかけ400万×3となり…」

「パトス何某!貴様の1000万を越えた1200万羅刹パワーだーッ!!!」

『な、なんだってー!!』
「くらえ、パスト何某!!」
 相乗効果を得たボールが乙女の腕から放たれた!
『だが、俺様にも200万パワーを補う奥義『鉄のカーテン』があるのさ!』
 パストくんは、大鎌の後ろに身を隠すようにすると、その鎌でもって乙女が投げたボールを受け止めた。
 両者の羅刹パワーが激突。ギャリギャリとボールと鉄がこすれる異音があたりに広がる!
「な、なに!?受け止めた!?」
(びきっ……)
『これをこのまま受け止めてもいいし、打ち返してもいい。どっちにしても俺様の勝ちだ!』
「ま、負ける!?だめだ!このままでは私の純潔が汚されてしまう!?」
(ピキィーーーーーーン!!)
 鎌に入った亀裂、そこから耐久の限界を迎えた鎌は、一気に割れが生じた。
『な、俺様の二股に別れた鎌の片方の部分が折れた!?ぐわああああああああああああ!?』
 ボールは多少勢いが殺されたものの、残った推進力でパストくんの胸のあたりに直撃したのだ。
 そのまま吹っ飛び、大の字に横たわるパストくん。
 乙女の純潔は無事守られることとなった。
 審判怪人の「パストくん、あうとー」の声、そしてホイッスルが冬空に溶けて消えていくのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『パスト・フォーサイス』

POW   :    来い!俺様の手下どもっ!!質より量で押し潰せ!!
【相手している猟兵の10倍の数の雑魚キャラ】が現れ、協力してくれる。それは、自身からレベルの二乗m半径の範囲を移動できる。
SPD   :    おりゃおりゃおりゃおりゃおりゃおりゃおりゃ!!!
【武器を使った怒涛の連続攻撃】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
WIZ   :    俺様は逃げるから、後は任せたぞ!俺様ちゃん人形!
自身が戦闘で瀕死になると【逃げる時間稼ぎ用の巨大パスト君ぬいぐるみ】が召喚される。それは高い戦闘力を持ち、自身と同じ攻撃手段で戦う。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は百目鬼・明日多です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


パストくんを失ったオブリビオンチームは、そこから一気に生存者の数を減らし、そのまま猟兵チームの勝利で決着した。
「(ピピィー!)勝者猟兵チーム!」
 審判怪人の宣言に、外野にいたパストくんは憤慨して叫んだ。
『に、二連敗だとしても!最後に立っていた者が勝者!俺様はまだ負けてない!!…………………いや、そうじゃない……違うよな』
 パストくんは目に涙を溜めながらつぶやいた。
 手に持った鎌を強く握り直す。ぎゅーっと強く強く。その後うつむいてから、何やらじっと考えている。
 数秒ほど、じっと考えを巡らせたパストくんが顔をあげると……。

ーー笑顔だった。

 まだ、目を赤く腫らし、鼻をすすっていて泣いたことは隠しようがない。だが、彼の笑顔はとてもとても、あったかい。歯を見せ、ニッと笑う様は先ほどまで一緒にドッジボールをしていた少年とはたして同一人物なのだろうか。そんな印象すら受けた。
 わがままな少年だった顔から、少しばかり成長し大人に近づいたような、素敵な笑顔。それを猟兵達に向ける。
『いい試合だったぜ猟兵!だが、これは俺様個人的な思いなんだがな。ぜひ手合わせしてもらいたい!お前らに勝ったら、俺様は本当の意味で、自分にも旧人類にも誇れる自分になれる気がするんだ!』



(ピィー!)
 次回!最終決戦!成長したパストを倒せ1
水心子・静柄
今まで傲慢だったのが急に人として成長するなんて疑わしいわね。人としてちゃんと出来ていてたならオブリビオンにならずに済んでいたんじゃないかしらね?連続攻撃を避けながら真実を暴いてみせるわ!

恫喝というなの恐喝で色々と質問

・ドッジボールで負けて悔しかったか?
・今度も負けたら2勝先取と言うんじゃないかしら?
・負ける度に言い訳して恥ずかしくないのかしら?
・次もまた負けるんじゃないの?
・ねぇ今どんな気持ち?
・今まで何問目?

とりあえず煽って人間性を見るわ。それで成長出来てると判断たら本気で相手になってあげるわ…この後の人達が!

鎌での連続攻撃は範囲が厄介だから距離をあけて第六感と野生の勘頼りに避ける。



『俺様はお前たちとの熱いバトルの中で目が覚めた!負けの中から得るものがあった!だから、これが最後の勝負だ!』

「私、水心子・静柄の目は誤魔化せないわよ?今まで傲慢だったのが急に人として成長するなんて疑わしいわね。【恫喝というなの恐喝】の前には、些細な嘘も見破ることができるわ」

『ああ、いいぜ。疑うのも無理はない。俺様にできること、それは態度で示す!それだけだ!』

「いいわ。あなたがいくら連続攻撃を繰り出そうとも、それを避けながら真実を暴いてみせるわ!」

『いざ、勝負!(ダッ!)』

「あなた、《ドッジボールで負けて悔しかったの?》」

『負けるつもりでドッジボールなんてしてないからな!当然悔しかったに決まっているだろう!(ブンッと大鎌を振るう)』

「(ヒョイっと避け)《今度も負けたら2勝先取と言うんじゃないかしら?》」

『いいや、俺様は今度は潔く認めるさ!(ブンッ!)』

「(ヒョイ)《負ける度に言い訳して恥ずかしくないのかしら?》」

『言い訳して良い訳ないだろってね!(ズドン!っと縦ぶりから地面に突き刺さる一撃)』

「(ヒラリ)《次もまた負けるんじゃないの?》」

『かもな。でも負けるつもりで勝負するつもりはさらさらねぇ!それは今も以前も同じだ!(ブンッブンッ!!)』

「(ヒラリ、ハラリ)ねぇ、《今どんな気持ち?》」

『今か?勝負の最中におしゃべりなんてずいぶん余裕だなって思ってるぜ!あとはそうだな、今までの行いはこれからの態度と誠意で示す!だからまずはこの一戦、手加減なしの全力で戦うこと!それが俺様の敬意だ!!(チャキッと鎌を握り直し)』

「そう。じゃー、最後の質問。《今、何問目?》」

『あ!そういう質問!?ずりぃ!えーっとえーっと……』

「はい、時間切れ」

『グブァ”ッ!?顔面を急に殴られたのようなっ、くっ、これがあんたの能力か!?ただ、質問してたって訳じゃなかったってことか』

「ええ。でもあなたの言葉に嘘はなかったようね。見させてもらったわ、あなたの人間性。いいわ、今度は本気で相手になってあげるわ…この後の人達が!」

『おう!…………………Σってあんたがやるんじゃないんかいっ!!』

大成功 🔵​🔵​🔵​

リリィエル・ロックウェル
負けを認めた上で最後まで笑顔、中々の男なのです、なので最後までドッジボールで決めるのです、もう直接殴り合うだけで決まる勝負でもないのです。

マジカルキャンディバナナ味を舐めてボールを取るのです、これを取れればその成長を認めるのです。
ただしこのボールはマジカルキャンディの力で摩擦を極限まで減らしてあるのです、取れない魔球を食らうといいのです。



「負けを認めた上で最後まで笑顔、中々の男なのです」
 リリィエル・ロックウェル(クレヨンの勇者・f01438)は、パストくんを認める発言をしつつ、小さな翅でその場に留まるように羽ばたいている。
『男を見せるのはこれからだけどね。でも褒めてくれるのは素直にうれしいぞ、クレヨンの勇者』
 先ほど、見えない魔球を投げてきた妖精のリリィエルの事をパストくんは覚えていた。彼にとってあれだけ印象深い球を受けたのは初めてだったゆえ、それも当然なのかもしれなかった。
「なので最後までドッジボールで決めるのです、もう直接殴り合うだけで決まる勝負でもないのです」
 リリィエルは腰のポーチからキャンディの瓶を取り出すと、中からバナナ色のキャンディを取り出しながら、自身と同サイズほどもあるボールを持ち上げた。
「これはマジカルキャンディバナナ味。ボールのまさつを極限まで減らして投げます!取れない魔球を食らうといいのです。これを取れればあなたの成長を認めるのです」
 リリィエルがボールを振りかぶり……投げた!
 真っ直ぐボールはパストくんの方へ飛んでいく。正真正銘の一球勝負だ。
『いままで力のある球、豪速球、いろいろな球を取ってきた。この球も攻略してやるぜ!いくぞ!おりゃおりゃおりゃおりゃおりゃおりゃおりゃおりゃ!!!』
 パストくんは手に持つ大鎌を振り回し、ボールを打ち返そうとボールに向かっていた。
 パストくんとボールの距離が縮まる。勝負は一瞬で決まる。
(パシッ)
 ボールが鎌に当たり、そして……。
(つるっ)
『あべしっ!?』
 大鎌の表面をつるっとすべったボールはパストくんの頬に当たった。そのままボールはパストくんの顔面を滑るように移動すると、宙高く舞い上がった。
『いってぇー!?ボールが変な軌道で鎌を滑って……いや、まだだ!ボールはまだ生きている!怪人、手伝え!』
 パストくんは怪人に指示すると、自身の着ているコートを脱ぎ、怪人達と協力しつつ四方を持った。
 そのまま落下点に入ると、落ちてきたボールをストンとキャッチ。コートで包んでしまった。
 摩擦を奪われているボールはまだコートの中で回っているのだろう。シュルシュルと音がしている。
『良い球だったぜ、顔面の一撃。でも逃げる訳にも負ける訳にもいかなかったからな。こいつは引き分けだな。また勝負しようぜ。クレヨンの勇者が俺様の事、認めてくれたならだけどな』
 ニカッと歯を見せてリリィエルに向かって微笑むパストくん。リリィエルもそんな彼に笑顔を返す。
 認めたのか、認めていないのか。それは彼女のみぞ知るのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

御形・菘
えっ、マジで?
……はーっはっはっは! そうかそうか!
私は、いや妾は! 擾乱を起こすだけの愚か者どもは誰であれ容赦なくボコる!
だが気高き行いと志には相応の敬意を払う! たとえ怪人相手でも、ドッジボールであってもだ!

あ、後で皆で記念撮影せんか? 神回確定なんで映像のサムネに使いたいのだが

さあ、出し惜しみ無しでこの一投に全てを賭けるぞ!
翼を使って天高く飛翔、そしてブラッド・ガイスト発動!
凌源貪夢の邪気を後方へ流し、すべて推進力に変換!
加えて捨て身の一撃も乗せて、食らえ妾の全身全霊全力! フェイタリティ・シュート(真)!

むぐっ、受け身も取れんか
まあ当てれば良かろう、今度は外野から叩き込んでやるわ!




『さぁ、どこからでもいいぜ!』
 パストくんが威勢よく鎌を構えて前に出た。
 御形・菘(目指せビリオン・f12350)は、パストくんの変貌ぶりに感服した様子だ。
「えっ、マジで?……はーっはっはっは!」
 菘は高笑いする。小僧だと思っていた敵の、目をしっかりと見据えながら。
「そうかそうか!私は、いや妾は!擾乱を起こすだけの愚か者どもは誰であれ容赦なくボコる!だが気高き行いと志には相応の敬意を払う!たとえ怪人相手でも、ドッジボールであってもだ!」
 菘は舌をチロチロと出しながら、パストくんに対し身構える。
 パストくんも臨戦態勢を取り、敵の出方を伺っている様子だ。
『コテンパンのギッタギタだかんね!』
 いつの時代の躯の海からやってきたのか、表現が若干古い気もする。

「あ、後で皆で記念撮影せんか?神回確定なんで映像のサムネに使いたいのだが」
 尻尾をフリフリと左右に揺らしながら、自身の動画の爆上げ再生数をすでに脳裏に浮かべながら菘は提案する。
『ああ、だがその頃に猟兵達の足腰が立てばの話しだがな!』
(ザザザッ)
 地面を擦る複数の足音が鳴った。見ると、10を超える怪人がパストくんの後ろに控えるように立ち、合図を待つようにして静止していた。
「そっちはそういう手でくるか!なら、妾も出し惜しみ無しでこの一投に全てを賭けるぞ!」
 菘はボールを抱えながら地を蹴り、背にある翼を羽ばたかせ、全身全霊を込める。
 右手に宿した凌源貪夢による漆黒の邪気を後方に流す。
(ゴオオオオオオ!!)
 空気を震わす振動が唸り、轟きとなり、木霊する。
「食らえ妾の全身全霊全力! フェイタリティ・シュート(真)!」
『受けきって見せる!《質より量の防御陣形》展開!』
(ドシャ)
「むぐっ、受け身も取れんか。まあ当てれば良かろう、今度は外野から叩き込んでやるわ!

 菘はボールの行方に目を向ける。
 怪人達が上空からくるボールを受けんと、フォーメーションを組む。組体操のような形で出来上がったのは、壁。肉の壁。
(ドォーーーーーン!!!!)
『ぐわぁああああ!!』
 怪人達もろともボールの威力によって吹き飛ばされるパストくん。
 立ち上がるも服も肌も土がついて痛々しくある。
『良いボールだ。ダメージも中々!やるね、邪神(?)のおねえさん』


 熾烈を極めたこの勝負、勝者はどちらの手に!


 そんな文言を編集で入れようか、などと脳裏に浮かべつつ、菘は笑みを浮かべるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

花盛・乙女
ほぉ、少しは筋金が入ったか。ならば良し。
この花盛乙女の剣を振るうに値しよう。
いざ、尋常に!

黒椿と乙女の二振りを構え、真正面から切り結ぶ。
片刃となった鎌とはいえ剣呑な得物に変わりはない。破砕するつもりで斬ってやろう。

…って、ちょっと待て。なんだその大量の手下は!?
改心して男として勝負を仕掛けてきたのではないのか!?
なに?猟兵も多勢でくるだろう、だと?
…確かに。それも道理だ。

よかろう。
我が身に宿る羅刹の豪力、花盛の剣の冴えにて返してやる。
【鬼吹雪】、多勢だろうが関係ない。我が眼の下全てが間合いとなる技よ。

質より量とは商いの話。
戦いにおいて私達と貴様の次元に置いては、やはり量より質だと知るがいい。



『本気になれば猟兵なんてどうってことないと思っていたけど、どうやら今までの俺様の認識は違っていたようだ。ドッジボールを通じてわかったぜ。そう、魂で理解した!』


「ほぉ、少しは筋金が入ったか。ならば良し。この花盛乙女の剣を振るうに値しよう。いざ、尋常に!」


(ガチンッ!)
 両者、刹那の間に互いの間合いを詰めると、鍔迫り合いの押し合いになった。
(ッ!)(ッ!)
 互いに一息吸い込むと、息を止める。両者の視線が交錯すると同時だった。
 甲高い金属音が打ち合わされる音が連続的に響く。互いに手を伸ばせば届く距離。乙女は黒椿と乙女の銘を持つ二振りを。パストくんはフォーサイスを。超インファイトで切り結ぶ。
 一秒十撃。それが百撃になり、千撃へと加速する。乙女の二振りによる斬撃に対し、パストくんも大鎌の柄尾の部分についた補助鎌で受ける。
『フォーサイス、4つの鎌、その意味わかったかな?』
「なるほどな。片刃となった鎌とはいえ剣呑な得物に変わりはない。破砕するつもりで斬ってやろう」
 鍛錬の末に行きつく領域、体の反射による攻防。頭で考えていては追いつかぬ領域に二人はいた。
 敵の癖を見抜き、返す。返されれば、それをさらに返す。それの繰り返し。剣で会話をするとはよく言うが、今二人がしているのは、それ以上の何かだと分かる。

 そこに加勢をせんと、怪人達がパストくんの背後に控え出す。
「…って、ちょっと待て。なんだその大量の手下は!?改心して男として勝負を仕掛けてきたのではないのか!?」
『いや、だって猟兵たちも多勢に無勢で来るでしょ?え、これって卑怯?』
「…確かに。それも道理だ」
 乙女は、鍔迫り合いを解き、間合いを取った。場の変化に対応するべく、二振りの刀を握り直した。
『俺様の鎌を受けるとは、なかなかどうして華奢に見えても重い一撃を放つね。羅刹、そうだろう?可愛いおねえさん。あ、そうだ、思い出した。ドッジボールですごいボール投げてたゴリラの(怪人と渡りあった綺麗な)おねえさんだ』
「…………………………、よかろう。我が身に宿る羅刹の豪力、花盛の剣の冴えにて返してやる。【鬼吹雪】、多勢だろうが関係ない。我が眼の下全てが間合いとなる技よ」
 可愛いとゴリラという形容詞に腹が立ったとかそういうことではない。今、目の前にいる敵を斬る。ただそれだけだ。そのような言葉に心乱されるようなことは決してない。そう、絶対にない。ないはずだ。ないに違いない。
『おねえさん、何か怒ってない?絶対怒ってるよね?何か背後に鬼のオーラみたいなの見える気がするんだけど……』
 パストくんが怯えた声を出すが、乙女は聞く耳を持たない。異性に対して抜群に警戒心が高い為だろう。
「質より量とは商いの話。戦いにおいて私達と貴様の次元に置いては、やはり量より質だと知るがいい!雑魚に用はない!鬼の吹雪で乱れ散れ!」
 無数の一閃が舞うように飛翔する。
 怪人達、そしてパストくんも例外なく斬撃をその身に受けた。
『ぐわああああああああああ!?』
 量より質、そして口は災いの元。その二つをオブリビオンの少年は此度の戦いで学ぶのだった。
(キンッ)
 乙女の鞘に刀を収めるその音は、怒りにも、冷たさにも、無機質さにも、その全てにも聞こえたという。

大成功 🔵​🔵​🔵​

セリエルフィナ・メルフォワーゼ
【ブットバース】の皆と連携するよ!

パストくん、その意気や良し!
ボクも全身全霊を込めて、君の思いを受け止めてあげるよ!

と言っても、今回は前衛も充実してるみたいだし、ボクは後衛から【オーラナイトダンサー】(以下ADK)で攻撃させてもらうけどね。
【ADK】に【おびき寄せ】【存在感】【パフォーマンス】を使わせて、パスト君を翻弄しつつ、巨大パスト君ぬいぐるみを出してきたらそれを足止めさせるよ。


輝夜・レナ
【ブットバース】

……ホントにパスト・フォーサイスが改心したの?
にわかには信じられないけど……ま、良いわ。
ボスには変わらないみたいだし、改心ついでにぶっ飛ばされてちょうだいね。

【バトルデータ・インストール】でいつも通りの格闘戦モードね。
「それじゃ、いつも通り行きましょうか!」
味方との連携を意識しながら、連続攻撃を仕掛けていくわ。
「ほらほら、動きが鈍ってるわよ?」

連続攻撃を避けたところがチャンスね。
飛び蹴りからの乱舞技【ワールドエンド・マキシマム】を確実に決めてフィニッシュよ!
「よ、っと……隙あり!ワールドエンドッ!マキシマムッ!ドラァイブッ!!」

ま、うん。
自分がボスであるのが不安だったね?


化野・那由他
【ブットバース】の皆と共闘します。
有り得ない……あのパストくんがこんな爽やかでちょっと可愛くていい子に見えるなんてなにかの間違いよそうに決まってるわ……!

ぶんぶん首を振った後(相変わらずの体操着姿のままで)叢原火を使用、全力魔法で味方を援護射撃します。
本当に正々堂々と勝負を挑んできているとしたら、正面からぶつかるのみ。
貴方がそこまで言うなら、私が……いえ、私達が相手してあげるわ。
最後に全力の一撃を。
「必殺! 炎の! 叢原火シューーーート!!」
良い戦いだったわ、パスト・フォーサイス。

あ、可能だったら付喪神奇譚で薬缶の付喪神(見た目薬缶)を呼び出して投げつけます。すこーんって。

※アドリブ歓迎です。


木霊・ウタ
【ブットバース】
心情
オブリビオンって
過去に囚われた心故に
成長しないだろって思ってたけど
そっか
経験から学んでいけるんだな

なんかいい意味で嬉しいぜ
マジで

気分よく海へ還してやれそうだぜ

手段
未来を守る想い込め
奏で歌い皆を鼓舞しつつ
音色でパストの力を弱める
;コミュ&パフォ&演奏&歌唱&手をつなぐ&鼓舞&勇気&優しさ&破魔

アンタの成長に敬服するぜ
でそんなアンタに報いる為にも全力でぶっ倒す!

紅蓮の炎纏う焔摩天を喰らわせる
:属性攻撃&破魔&薙ぎ払い&鎧砕き&UC

雑魚キャラは炎の渦でオサラバだ

連続攻撃は武器受け&属性攻撃で
焔摩天を白熱化させて受けるぜ
熱ィだろ?


倒れたパストへ運動会BGM風の曲を捧げる
安らかにな


犬憑・転助
【ブットバース】で参加

ったく、どっじなんたらって遊びはもうしねーのか?
外野にいて敵が背を向けて下がって来たら斬り捨てたり、敵が球を受けた瞬間に刀投げて突き刺したりできるって聞いて、楽な戦いだって思ってたんだが……

超嗅覚で敵が狙っている対象を嗅ぎ分け、狙われてる仲間に警告
もちろん自分を狙ってる場合は回避、または全て刀で斬り落とす

敵が手下雑魚をたくさん召喚してきたら【殺気】を放って一瞬だけ足止めし、その隙に【範囲攻撃】で全て刀で斬り飛ばす

またキナ臭い場所を嗅ぎ分け、敵の弱点を見つけトドメを!

サムライに斬れないものは、ないんだぜ?

困った状況になったら頭良いPCに従う

アドリブ歓迎、他PCと絡み希望


ロア・ネコンティ
【WIZ/ブットバースから参加・アドリブ歓迎】

・心境
パストくんが、ドッジボールを通じて成長してる?!
いやぁ、スポ根っていいですね。コ□コ□コミックのような『熱い少年心』は大好物です。大人として、キミと全力勝負がしたい!

・対パスト
パストくん、君の想いは全力の[武器受け]で存分に受けさせてもらいます。
さあ、僕の攻撃……[全力魔法+属性攻撃+誘導弾]の[エレメンタル・ファンタジア]直結20cmのボール、それを火の精霊を用いて可能な限り超高温にし、風の精霊によって高速ジャイロスピンを加えて、パストくんに向かって全力投球!!

さあ!僕の熱い思いを受け取ってくれ!!



『なかなかどうして、強いじゃないか、猟兵。俺様も出し惜しみはなしだ!』
 パストくんも本気にならざるを得ない状況に追い込まれていた。今度こそ、本当に全力の全力である。
 どこに隠していたのか、怪人達が隊列を組み、また一方でパストくん巨大ぬいぐるみが出現した。
『行けよ怪人!後は任せたぞ俺様ちゃん人形!殿は俺様が努める!』


「……ホントにパスト・フォーサイスが改心したの?にわかには信じられないけど……ま、良いわ。ボスには変わらないみたいだし、改心ついでにぶっ飛ばされてちょうだいね」
 輝夜・レナ(流離のボスハンターReNa・f12146)は紫のロングヘアーをなびかせながら、自身の目的であるボス、パストくんを見定めた。
 その横でレナと同じく前衛で戦おうとするは、犬憑・転助(孤狼の侍・f06830)だ。
「ったく、どっじなんたらって遊びはもうしねーのか?外野にいて敵が背を向けて下がって来たら斬り捨てたり、敵が球を受けた瞬間に刀投げて突き刺したりできるって聞いて、楽な戦いだって思ってたんだが……」
 ボールを追いかけたかった、のかどうかは定かではないが、本音か建て前か、転助はそう口にこぼした。
「それじゃ、いつも通り行きましょうか!」
 レナに掛けられた声に転助が答える。
「おう!もし狙われても俺の超嗅覚で危険をかぎ分けてやるから安心しな。万が一、『コロ助』と呼ばない限りは援護してやる」
「コロ……「フリじゃねーぞ?」………………」
 憎まれ口も互いを信頼すればこそ。レナは、自身に格闘ゲームキャラクターをインストールして、転助は抜刀して、敵との距離を詰めんと、拳を互いに合わせつつ、勇み前へ出た。


「オブリビオンって過去に囚われた心故に成長しないだろって思ってたけど、そっか、経験から学んでいけるんだな。なんかいい意味で嬉しいぜ。マジで。気分よく海へ還してやれそうだぜ」
 木霊・ウタ(地獄が歌うは希望・f03893)は、パストくんの成長に感心しつつ、愛刀であり巨大刀「焔摩天」を肩に担いだ。
 ウタと同じくパストくんの変貌に驚くのは、化野・那由他(書物のヤドリガミ・f01201)。こちらはちょっと驚愕の色が交じった声をあげる。
「有り得ない……あのパストくんがこんな爽やかでちょっと可愛くていい子に見えるなんてなにかの間違いよそうに決まってるわ……!」
 那由他は(相変わらずの体操服姿のままで)、足元に転がるドッジボールを拾い上げつつ、立ち並ぶ怪人達や巨大なぬいぐるみを眺める。
 その横でロア・ネコンティ(泥棒ねこ・f05423)がもこもこの尻尾を揺らしながら感想を漏らした。
「パストくんが、ドッジボールを通じて成長してる?!いやぁ、スポ根っていいですね。某少年漫画のような『熱い少年心』は大好物です。大人として、キミと全力勝負がしたい!」
 同じく全力勝負を挑まんとするのは、セリエルフィナ・メルフォワーゼ(天翔ける一輪の君影草・f08589)だ。
「パストくん、その意気や良し!ボクも全身全霊を込めて、君の思いを受け止めてあげるよ!」
 4人の共通認識、それはパストくんが成長し、より強くなっているだろうということだろう。
 前を見れば、複数の怪人が居並び、巨大パストくんぬいぐるみは狂気なまでに可愛い。

 4人の中でまず動いたのは、セリエルフィナだった。パストくんに攻撃を届かせるにはまず、他の敵から。そう考え、巨大ぬいぐるみに焦点を絞る。
「バックダンサーと一緒に、賑やかにいくよ!」
 セリエルフィナはユーベルコード【オーラナイトダンサー】を発動させると、たちまち複数のオーラの炎が地を這うと、そこから縦に燃え上がり、その形は徐々に人型へと姿を変えていった。
 ADK、つまりオーラナイトダンサーは、巨大ぬいぐるみを翻弄するように飛び回ると、パストぬいぐるみが手を払って熱そうなしぐさをする。ぬいぐるみに炎、効果はばつぐんだ。
 ウタは、セリエルフィナの出したADKのダンスに合わせ、歌で味方を鼓舞する。未来を守る想いを込め、音色でパストくんの力も同時に弱めんとする。味方の鼓舞に応えるように、ADKの勢いも増し、激しくぬいぐるみにダメージを与えていく。。
「アンタの成長に敬服するぜ、でそんなアンタに報いる為にも全力でぶっ倒す!」
 ウタは、前衛に躍り出ると、雑魚キャラに紅蓮の炎を纏った「焔摩天」をもって斬り伏せるべく前に出た。


(わらわらわら……)
 雑魚キャラ、もとい怪人達が鬱葱とひしめいていく。
 そんな光景にも、全く臆せず転助が前に出る。殺意ひとつで、一陣の風が強く吹き抜けたかのような圧力を生み、敵の足を止めた。
 その隙を突いて、転助は両の手に持った、「白狼刀」「白狽刀」を銘に持つ二振りでもって、切り抜ける。狼が上下の顎(あぎと)でもって、獲物を噛み、仕留めるが如く。
 レナも負けじと、敵を屠る。己の体に宿したバトルキャラクターの動作データが、エリアルコンボ(空中コンボ)を叩き込む。
 地に降り立つその瞬間。
 着地隙。着地動作は硬直が発生するゲームが多い。つまり。
「ッ!」
 レナが地面に降り立つのに合わせ、怪人が攻撃を仕掛けてきた。
(ザシュ!)(ボシュ!)(すこーんっ)
「きな臭さでわかってたぜ」
「複数敵相手なら炎の渦でオサラバだ」
 割って入ったのは、転助、ウタ、そして那由他の援護射撃、の薬缶。レナにとっては窮地でもなかったが、仲間の加勢には素直にありがたく、礼を述べるのだった。


 連携、作戦、個々の力。それらの活躍により、パストくんの周りにいた部下たちもその数を減らしていった。
 これなら、パストくんへの攻撃も通るだろう。目線を向けると、
(ヒュンヒュンヒュンヒュンヒュン……!)
 大鎌を軽々と振るうパストくんの姿があった。
『そろそろ頃合いかな?いいだろう、俺様が相手になってやる。鎌さばきについてこれるかな!』
「本当に正々堂々と勝負を挑んできているとしたら、正面からぶつかるのみ。貴方がそこまで言うなら、私が……いえ、私達が相手してあげるわ」
 那由他が宣言する。そして大きく振りかぶり、
「必殺!炎の!叢原火シューーーート!!」
 放たれたボールは、鬼火を纏い、高速でパストくんに向かい飛んでいく。
「パストくん、君の想いは全力の受けさせてもらいます」
 ロアが精霊の力をボールに宿し、威力をあげた。
 火の精霊がボールの火力が増し、風の精霊がジャイロ回転を加え速度も上がる。
「さあ!僕の熱い思いを受け取ってくれ!!」
「ボクのオーラも援護させるよ」
 巨大ぬいぐるみと戦闘中のオーラダンサーとは別のダンサーをボールに纏わせる。赤い炎は、紅蓮の炎となり、威力をあげパストに襲い掛かる。
 ロアの想い、那由他の、セリエルフィナの、そしてみんなの想いを乗せ、放たれたボール。
『ああ、いいぜ!勝負だ猟兵!』
(ガチィ!!!!)
 鎌の柄で受け止め、ゴォゴォと燃え盛るボールを、足で電車道を築きながらなお、抵抗する。
(パキンッ)
『な、鎌が!』
 柄の部分でパッキリと折れる。ボールは威力を完全に失い、ポン…………ポン……ポポポンと力なく弾む。
『まだだ!俺様はまだ立っている!』
 両の手に鎌を構え、パストくんはレナ目掛けて疾走する。
『おりゃおりゃおりゃおりゃおりゃおりゃおりゃ!!!』
 二振りの鎌からの連続攻撃が、レナの服を、そして皮膚をかすめる。ぎりぎりのセービング、ぎりぎりの回避、ぎりぎりのパリィ(受け流し)。格闘ゲームの回避行動のすべてを駆使して受ける。受ける。受けきる。
「よ、っと……隙あり!ワールドエンドッ!マキシマムッ!ドラァイブッ!!」
『ぐわあああああああああああああああああ!?』
 レナの連続攻撃がパストくんを体ごと持ち上げ、パストくんを大きく打ち上げた。
(ひゅーーーーー…………ドスン!!)
『あうあうあうあー@@』
 目を回し、大の字で横たわるパストくん。熱い熱いバトルの終焉は、やはり、熱い戦闘による決着であった。
 倒れたパストくんのもとに運動会BGM風の曲が流れる。
「安らかにな」
 ウタが彼にぴったりの曲を届けて、この度のバトルドッジボールは閉幕となった。


(ピィーーーーーーー!!!!)
「勝負あり!勝者!猟兵チーム!」
 審判怪人が笛を吹き、勝敗を告げる。大将の敗北に、巨大ぬいぐるみは消え、残った怪人が、パストくんを抱え、すたこらさっさと逃げていった。

 また、来るのだろうか。成長したパストくんか。それとも、躯の海からくる別のパストくんか。それは分からない。
 でも、行われた名勝負は、人々の心に、熱く、そして儚く残るのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年02月14日


挿絵イラスト