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アンジェランドに吹く風は

#グリードオーシャン

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#グリードオーシャン


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「皆様お集まり頂きありがとうございます」
 人首・椿(傷と記憶は刻むモノ・f06124)はコロリと電子巻物を広げて、グリードオーシャンのとある島を示す。
「こちらの島にて、コンキスタドールによる襲撃が予知されました。目的は現在不明ですが、放置すれば島民が犠牲になることだけは確実です」
 無辜の民が傷つくのなら、動かない理由はない……ないよね?
「島の名はアンジェランド。元はダークセイヴァーであった島のようです。教会のようなモノが残されており、そのステンドグラスから名付けられたのだとか……」
 じゃあ島はドヨンと薄暗いのかというと。
「燦々と日が降り注ぎ、農耕が盛んな島のようです。島民は皆力強く、種族の壁を越えた絆が紡がれる素晴らしい島ですよ」
 ダークセイヴァーから来た島とは一体……いや、当時の住民が残っていない、グリードオーシャンならではの光景とも言えるだろう。
「皆さんは海賊や商人を装って島へ上陸後、島民が風車の修理に当たっております故、これを手助けしながら情報収集を行ってください。十分に情報を集める事ができれば、こちらからコンキスタドールの住処に打って出る事ができますが、詰めが甘ければ島民達の村の中での戦闘になる事が予想されます」
 島民達を不安にさせない為にも、いかに信頼を得て情報をかき集められるかが重要になるだろう。
「それでは皆様、ご武運を。敵は島民を扇動する可能性もあります。もし、後ろから刺されたりしたら……ふふふ」
 椿が刀の柄に触れた所で、猟兵達は目を背けるように装備を整えるのだった。


久澄零太
ヒャッハー新世界だぁ!!

えっ、遅い?

そんなぁ……

大体そんな感じの久澄です

雰囲気はこんなんですが、ネタネタできたらいいな……な!(期待の眼差し)


初回執筆は五日の予定です

当日早朝までにプレくれると嬉しいなー?
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第1章 日常 『風車を建てよう』

POW   :    とにかく身体を動かす

SPD   :    効率的に作業する方法

WIZ   :    壊れ難くする方法

👑5
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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

亞東・霧亥
【SPD】

「久々のクズ=ミMSのシナリオと在らば、嫌がらせでも参戦せねば!第四の壁?さっき取り払ったアレか?」
指差す先には瓦礫の山。

資材運搬、組立・・・工程が面倒だな。

【UC】
第四の壁(瓦礫)と資材と共に風車へ向かい、壊れた箇所に取り付き、修理されるまで待機するよう指示。

資材を引き連れての真昼の百鬼夜行も、ダークセイヴァー由来の島なら稀によくある話だろう。

手も空いた事だし、少々ドン引き気味の島民から話を聞きますかね。
「流行りに乗り遅れたクズ=ミのシナリオ展開、今後はどうなると思う?予想を聞かせて。」

※絡み大歓迎


アリス・セカンドカラー
おまかせプレイング☆狂言回しとしてうまく使いたまえ。
GET A GLORYは仲良しになることで力を発揮するので島民との交流メインで。
リミッター解除したフェロモン(催眠術、誘惑、ドーピング、毒使い)を増し増しで♡心の鍵開けでハートを盗み攻撃して略奪しちゃうわ♪
修理作業で疲れた島民をマッサージや料理等の奉仕で癒すわよ☆ま、その頃には限界突破したスタミナ(継戦能力)も共有してるだろうから疲れなんか知らないだろうけど♡
で、交流しながらアストラルプロジェクションリーリング(第六感、視力、聞き耳、ハッキング、世界知識、情報収集)の超能力で思考と過去を透視してコンキスタドールの情報を集めましょ。


四季乃・瑠璃
【ダブル】で分身中

肉体労働とは別方面でサポート!ホラ、か弱いJKコンビだし。
え?そんな何言ってんだコイツみたいな顔する地の文は爆破しちゃうぞ☆(地の文爆破)

とりあえず、移動屋台の双子の看板娘として風車の修理に当ってる人達に美味しい料理をガラガラと。
甘いもの好きの緋瑪がUDCアース仕込みのこの世界では珍しいスイーツ、激辛(致死)好きな瑠璃がマイデスソースを使用した激辛料理をお届け!
料理を提供しながら島の人達と笑顔で世間話とかして信頼を得ながら情報を収集するよ♪(【コミュ力、情報収集、言いくるめ】)

瑠璃「足りない分は魔術で脳に【ハッキング】でも掛ければ情報なんて一発だよね」
緋瑪「わぁ、瑠璃過激♪」


セプテンバー・トリル
なるほど、風車の修理と【情報収集】ですか…
ただ直すだけなら、私一人でもあっという間に済みますけど…それでは意味ありませんわね。

【WIZ】連携・アドリブ歓迎
ええ、常識の範囲内で手伝いをしましょう。そういうのも好きですから問題ありません。
とりあえず、周辺の観測と警戒は上空から【サーベイヤー】にこっそりやらせて…
住民の皆さんには【ディビジョンス】の中から小型の工具を呼び出してレンタルしましょう。

うふふふ。あぁ、楽しい!大勢での現場作業は大好きですわー。
え?修理に没頭して情報収集してなくないかですって?まさか!
私が任務より趣味を優先するように見えます?うふふ。


夢ヶ枝・るこる
■方針
・【POW】使用
・アド/絡◎

■行動
成程、まずは風車の建築ですねぇ?
お手伝い致しますぅ。

『鞄』の中に、沢山の「食材」を入れてお持ちしますねぇ。
そしてまずは[怪力]で「資材の運搬」を手伝いますぅ。
運び終えましたら、終了後の為に「持ち込んだ食材」を提供し[料理]に入りますねぇ。
元々「打ち上げの宴」等の予定が有るなら「調理担当者」の方にお話を聞けますし、それが無くても「宴」を御用意&提供すれば、その際にお話を聞くことが出来ますぅ。
私は年齢上飲めませんが、お酒が入れば口も軽くなるでしょう。
作り過ぎた場合は、私が食べれば良いですねぇ。

情報が得られたらそれを元に【饒僕】を使用、更なる調査を行いますぅ。


プリエスト・シュメルトレーネ
アドリブ共闘大歓迎です。

●心情
初めての依頼です。
不安がないといえば嘘になりますが、できる限り手を尽くしましょう

●行動
このような作業の手伝いはお手の物です。お任せを。
島の人に風車を直すように依頼を受けたものだと話して、エレクトロレギオンを使った材料の運送を請け負うようにします。
これで運ぶときに自然と人と話すことになりますし、これで完璧ですね。

……どうしましょう。事務的な会話ならまだしもそれ以外だとどう聞けばいいのかまるで思い浮かびません。
何なら半径1m以内に近づくのは無理です。人間怖いです。
こういうときは何と切り出せばいいのやら……
えーと、今日は天気がいいですね?
……結局何も分かりませんでした。


彩波・いちご
今日は南の島の取材旅行…
…って、今回は相方のテティスさん不在でした
前回の事もあっておやすみしてもらったんですよね

今日はソロなので
私が真人間だって地の文さんにも思い出してもらういい機会です
頑張りますよぅ!

風車の修理ですね
無人島開拓の長寿番組みたいなものでしょうか…っていけない、普段の思考に毒されてる
今日は撮影の振りはいりません…物足りないとかはないですよ?

島民に手伝いを申し出て
【異界の抱擁】で触手召喚、文字通り足りない所にも手が届きます!
力仕事も高所作業も、触手にお任せですよ

周りに女の子がいなければ、とらぶるも起きませんし安全です!
いかがですかっ(どやぁ

これで仲良くなって情報もばっちりですねっ


火霧・塔子
やってきました、グリードオーシャーン!
元がダークセイヴァーの島なら、きっとここの方々のハートにも反逆スピリッツが眠っているハズです!

風車を直せば良いのですね!
せっかくですし、風車塔を見張り塔仕様にしましょうか!
UCで強化した煽動器で【存在感】を出して、島民の皆さんを【鼓舞】しましょう!
「島々を巡る海賊さん達の中には略奪にいそいそする悪い船団もいると聞きます! 皆さんも略奪者に反逆をキメるために、自衛のための武装をしましょう!」
見張り塔には武装として火炎瓶やゲバ棒も用意しておきたいですね

そういえば、この島には悪そうな海賊さんは来ていないのですか?
え? 私が何者か? 私はただの一瓶の叛逆者ですよ!


御手洗・そそぎ
風車のう
水なら専門じゃが、まあ……何とかするぞい

折角作るなら、壊れにくいようにせんとの
風を受けて風車は回るが、強風で倒れては元も子もない

風通しがよく地盤がしっかりした場所に風車を建てるよう勧めるかの
きゃわいいセーラー服着ておけば、はためくスカートで風も読める

ところで、風車を作って何をするのじゃ?
粉でも挽くのなら、場所は条件のいいところを選びやすいが、灌漑用なら水辺でないと都合が悪いしのう

わしは力仕事は不得手じゃが、WIZ系らしく知恵を出して住民の信を得て、情報を引き出すぞい

疲れて動けぬ者が居たら、生まれながらの光で回復じゃ
立派な風車ができたら、天辺に上って完成祝い……って、下から覗くでないわ!


涼風・穹
……いつかはダークセイヴァーもこんな風に明るい太陽の光に満ちて食うに困らない程度には食料が豊富な世界になるのかねぇ…?

用件は商売という事にして軽くて少量販売でも不自然ではない香辛料や砂糖を持ち込みます
UDCアースの業務用スーパーで購入したものでそこまで高いものでもありませんし無理に儲けを出す必要がある訳でもないので、グリードオーシャンでの相場に合わせた上で赤字にならない程度に調整した価格で売り出しておきます
……まあそれでも交易があまりない世界だと結構な金額になるかもしれませんが、もし儲けが大きければ島の食堂や酒場でおだいじんの真似事でもして景気よく周囲の方々に奢ってある程度島に還元しておきます


エドゥアルト・ルーデル
受け継がれる意思
時代のうねり
人の夢
この世界が求める限り止められねぇからよ…止まるんじゃねぇぞ…

新世界に良い感じのナレーションを入れつつ…
風車の修理ならヒールするでござるね!使うの久しぶりダナー
これ?なんの変哲もないブレイブマインでござるが何か?(お出しされるパンジャンドラム)
制止する間も与えず気軽に転がされるパンジャン!風車を包む盛大な【カラ
フルに輝く爆発】!
煙の中から幻想化して修復された風車が…元からダクセめいた風車なんだから幻想的もクソもないナ!

こんな感じで適当に風車をボッカンボッカン修復ですぞ!
住民が爆発に巻き込まれてもヒールの爆発だから問題ないでござろう!攻撃力も上がってるかもナ



「受け継がれる意思、時代のうねり、人の夢……この世界が求める限り止められねぇからよ……止まるんじゃ……」
「やってきました、グリードオーシャーン!」
 \ドンッ/
「ぬぇええええ!?」
 猟兵を運ぶ船の先端からエドゥアルト・ルーデル(黒ヒゲ・f10354)が火霧・塔子(火炎瓶のヤドリガミ・f16991)に突き飛ばされてドッポーン。水飛沫を上げながら海中に消えていく。
「元がダークセイヴァーの島なら、きっとここの方々のハートにも反逆スピリッツが眠っているハズです!」
 元の住民は残ってねぇって言ってるのに、この子何言ってるのかしら……と、既に問題しか起こさなそうな今回の面子、その他にも。
「久々のクズ=ミMSのシナリオと在らば、嫌がらせでも参戦せねば!第四の壁?さっき取り払ったアレか?」
 はい、概念に質量を持たせて建材として船に積載しちゃったアホ、亞東・霧亥(峻刻・f05789)です。
「やっちまったわね、あなた……」
 フッ、小さく笑って潮風に揺られる髪をかき撫でるアリス・セカンドカラー(不可思議な腐敗の魔少女・f05202)は、手すりに身を乗り出して近づく島を見つめ、脳裏に過る過去を想う。
「第四の壁って、何の為にあるか知っているかしら?」
「こちらとあちらの境界線だろう?それがないと、こっちの戦闘の余波があちらに届くから。だが、邪神クズ=ミにそんなものは必要ない、むしろぶち込んでやらなくては」
 この人、編纂者をなんだと思ってるのかしらね……。
「そうよ、奴に第四の壁は必要ないの。だってあれは、『あちらからこちらへの過干渉を防ぐため』のモノだもの」
「何……?」
 やっぱり、何も知らないのね。アレの重要性を……。
「あのー……ちょっといいでしょうか?」
 おずおずと手を挙げたのは、彩波・いちご(ないしょの土地神様・f00301)ちゃんね。何故かしら、女の子なのに凄く美味しそうな匂いがする……いけないいけない、私の好物はあくまでも男の娘。これ以上幅を広げたら、旅団の娘達に怒られちゃうわ。
「さっきから、モノローグがアリスさんの心情になってるんですけど……」
『えっ』
 私含めて、全員が第四の壁跡地を確認したわ、そして固まっちゃった。本当に私の考えてた事が描かれ。
「なんで私なの?」
 何となく隠しちゃったけど、駄目ねコレ。現在進行形で記録されてるから、隠蔽が追い付かないわ……。
「今日はソロなので、私が真人間だって地の文さんにも思い出してもらういい機会だと思ってたんですが、どこにもお姿がなくて……」
「いや、最初はいたぞ?だから俺が引きずり出す為に第四の壁を解体したんだし……」
「えっと、それってつまり、地の文に逃げられたのでは?」
 まずい、まずいわよ。もし塔子ちゃんの言う通りだとしたら、既に奴はどこかから私達を狙って……。

 ――ッポーン。

『……』
 上がったのは小さな水柱。気づけば猟兵が一人減っていて、甲板には軍人染みたおじさまが海藻のロン毛ウィッグ被って白目を剥いていたのよ。沈黙に支配された私たちは、何も見なかった事にして島へ上陸することにしたの……あ、あそこの雲、いなくなった霧亥さんに似てるわね……。


「死ぬかと思った」
 上陸した猟兵達が最初に見たのは、砂浜に膝から下だけ出して埋め立てられた霧亥だった。掘り起こした彼は何かに怯えるように震えているが、懐からヌラヌラと蠢く懐中時計を取りだして。
「だが残念だったなクズ=ミ!俺は深海の狂気には慣れている!常日頃見続けているからなぁ!!」
「それ、むしろ親和性が高くて次はないってオチじゃないかしら……」
 アリスに呆れられる霧亥が建材の輸送(自分で運んでるとは言ってない)を始めた所で、砂浜に降り立ったいちごが振り返るなり、その表情を曇らせる。
「今日は南の島の取材旅行……って、今回は相方のテティスさん不在でした。前回の事もあっておやすみしてもらったんですよね」
 シリアスだって言ってるのに、敵のUCに無策で突っ込んでいったからな……さすがに帰ってくる頃には綺麗なテティスに生まれ変わっている事だろう(フラグ臭)。
「って、地の文さん!お帰りなさい、今回は私の真人間っぷりをこれでもかと披露しちゃいますからね!!」
 気づいてるか、お前?こうやってこちら側に干渉してくるのは霧亥レベルに無謀なバカか、アリス並みに次元超越してる怪物のどっちかで、少なくとも真人間ではないぞ?
「そんな事ないですー、私は真人間ですー」
 むーっ、頬を膨らませて両手をブンブン振り、全身で不満を表すいちごはほっといて。
「放置しないでください!?」
 今回は何も間違っていないようで間違いしかない奴もいる。
「なるほど、風車の修理と情報収集ですか……ただ直すだけなら、私一人でもあっという間に済みますけど……それでは意味ありませんわね」
 口先では困った風だが、目がお菓子の山を前にしたおこちゃまレベルでキラッキラの建築馬鹿、セプテンバー・トリル(ゼネコンのお姫様・f16535)さんです。
「うふふこの風車ちょっと独特の羽根をしていますわ。きっと、昼夜で風向きが変わる潮風に対応するためにどちらでも回せるようにしてあるんですわね。ここからロープが伸びている所を見るに、遠方に作用点があるのかしら?」
「だとしたら、風車を作って何をしているのじゃ?粉でも挽くのなら、場所は条件のいいところを選びやすいが、灌漑用なら川なんかの水辺でないと都合が悪いしのう」
 御手洗・そそぎ(ラバーカップのヤドリガミ様・f03566)が首を傾げるのも無理はない。俗にいう現代社会であれば、風力発電も考えられるがグリードオーシャンにそのレベルの技術はない。故に、風車に繋がれたロープの先に目的の場所があるのだろうが、だとしたら何故近くに風車を建てなかったのか、という話になって来る。
「風通しがよく地盤がしっかりした場所に風車を建てるよう勧めるかの。きゃわいいセーラー服着ておけば、はためくスカートで風も読める」
「あん?なんだお前ら……」
 集まっていた猟兵達の下へ、島民が木材を担いでやって来たのだが……その瞬間、強い風が吹き抜けて、普段は袴であるが故に、セーラー服のスカート丈に油断していたそそぎ。その腰布がバッサァ……。
「……」
 一瞬の出来事に硬直する島民たちを前に、そそぎは先端にドーム状のゴムがついた得物を構えて。
「見 た な ?」

 ※ただいま映像が荒ぶっております。しばらくお待ちください。

「というわけで、風車が止まってしまっておりましたのを目撃した商船から、連絡を受けて参ったしだいです」
 何故か吸盤っぽい跡をつけて死屍累々と転がる島民の中、貴重な生存者を前にプリエスト・シュメルトレーネ(捨てられた管理人・f01188)が淡々と説明するが、島民は完全に怯え切った様子でそそぎを見ている。まぁ、つまりはそういう事だ。
(はっ!これはきっと、慰めたりして自然な会話をする流れですね……)
 これ幸いと、プリエストは島民へ言葉を投げかけようとするのだが。
(いやちょっと待ってください、ここでもう大丈夫ですよ、なんて言ったらそれはそれで上から目線になってしまうのではありませんか?)
 住民から情報を引き出すのなら、相手に対して悪い印象は無いに越したことはない。であるなら。
(ここはやはり、我々の仲間が申し訳ありませんと謝罪を……あ、駄目です、勝手に仲間なんて呼んでしまったらそそぎさんに失礼です……!)
 コミュ障を拗らせて、人間関係に慎重すぎるプリエスト。結果、導き出した答えが。
「修復に当たって現状をお聞きしたいのですが、よろしいですか?」
 完全に作業連絡のそれである。しかも。
「随分堅苦しい嬢ちゃんだな……」
 緊張故か、毅然としすぎて無表情にジッと見つめるという最悪の組み合わせ。お前なんて興味ねーよオーラが立ち昇る、典型的な『コミュニケーションとる気欠片もないからこっち組んな』系の人種状態である。
(やってしまいましたー!?)
 表情筋を微動だにさせず、心中泣き叫ぶプリエストには気づかず、島民が言う事には。
「この風車は、村の端にある井戸から水をくみ上げる為の物でな。常に水をくみ上げ続けて、使わない分はまた井戸に戻る様にしてあるんだが……」
「まぁ、村の方にはそのような仕掛けが!?」
 新手の建築物の気配にセプテンバーが目を輝かせ、どうどう、といちごが彼女を宥めると。
「最近、妙に劣化が早いんだ。潮風に当たってる分、すぐ駄目になるのは分かるんだが、それにしたって早すぎる。まぁ、そんな事もあるかなって誰も気にしてないけどな」
「ふむ、環境に変化があったのでしょうか……」
 船からヘリを離陸させ、静かに島の周辺を探索させるセプテンバーだが、島民が一斉にギョッと硬直。視線の先には、七十人の霧亥と五十体の機械人形が資材(という名の第四の壁)を運搬しており。
「なに、細かい事は後でいい。とにかくまずは修理が最優先だろう?」
「取りあえず、資材を降ろしてしまいましょう」
 霧亥とプリエストが主導で荷物を降ろしている内に、そそぎが島民が来た方を示して。
「しかし、すぐに傷むのなら村の近くに作ればよいのではないか?」
「いや、村には畑が広がってるからな。村の周りを防砂林で囲ってて、風車を回すには風が弱いんだ」
「それでこの距離から引っ張っておるのか……」
 潮風との関係で風車を移動させられないのなら、これを修復するのが一番手っ取り早い、という事で幾度となく修繕を繰り返していたようだが。
「せっかくですし、風車を見張り塔仕様にしましょうか!」
「何がどうしてそうなった!?」
 塔子の提案に島民がツッコンでしまったが最期、グイグイ迫る彼女は眼鏡をキュピーン。
「島々を巡る海賊さん達の中には略奪にいそいそする悪い船団もいると聞きます!皆さんも略奪者に反逆をキメるために、自衛のための武装をしましょう!」
「武装なんかいらねぇよ、海賊程度なら俺たちの肉体で十分に……」
「見張り塔には武装として火炎瓶やゲバ棒も用意しておきたいですね」
「変なもん持ち込まないでくれよ!?」
 アルコールの入った瓶に紙で蓋をした物やら、意味深な角材やらをゴロゴロ取り出す塔子を前に、島民も困惑を隠せないようだが。
「そういえば、この島には悪そうな海賊さんは来ていないのですか?実際の海賊相手に丸腰ってかなり危険ですよね?」
「そうでもないぞ?今までに何度か来たことはあるが、銃を撃つ前に殴ればいいし、剣を振るわれる前に殴ればいい。ただそれだけの話だろう?」
「なるほど、つまりゲバ棒の出番ですね!!」
 木製バットに無数の釘が打たれたモノが追加されてしまった。
「なんだよその物騒なモン!?お前何なんだ!?」
「え?私が何者か?私はただの一瓶の叛逆者ですよ!」
 火霧塔子。その正体は火炎瓶のヤドリガミ、使い捨ての女……。
「違いますよ!?私の反逆の炎は、例え深海だろうと消えません!!」
 消えない火炎瓶て、もはやナパーム弾(非人道兵器だった気がする)だと思うんだ……。
「えぇと、風車に見張り台をつけるとなると……」
 セプテンバー落ち着いて、それ絶対いらない。
「いりますわよ?主にメンテナンスの為に。決して、決っして、風車に余計な物をつける事で難易度が上がるから楽しいだなんて、そんな事は……!」
 駄目だこいつ、完全に趣味に走ってやがる……。
「時間がかかりそうですしぃ、先にお昼にしましょうかぁ」
 夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)による、るこるクッキングのお時間です。さーて本日の食材はー?
「今日は鶏肉をメインにぃ、建築作業に向けてスタミナがつきそうな味付けにしていきましょうかぁ」
 ピッと、るこるが指したのは。
「アシスタントの調味料おじさんですぅ。よろしくお願いしますねぇ」
「ふぉっふぉっふぉ、任せておきたまえ」
 ……涼風・穹(人間の探索者・f02404)、何してんの?
「いや、香辛料の類を揃えて商人の真似事でもしようと思ったら、ちょうど必要なスパイスが揃ってるから手伝ってくれって言われて……」
 などと語る穹はローブに身を包んで、瓶底グルグル鼻眼鏡という怪しい商人スタイル。胡椒がとんでもない高級品(グリードオーシャンだから何か違うかもしれないけど)の時代に、この格好で少量とはいえ香辛料の類をあれこれ持ってたら、まー怪しいわな。
「まずは鶏肉の内臓を取り出して、代わりにハーブを詰め込みますぅ」
「そうれ、好きなものを持って行きなさい」
 かぱっ、穹がアタッシュケースを開けば色とりどりの小瓶が並ぶ。よく見ると日本語で色々書いてあるし、一本辺り数百円(UDC円)程度の一般的なモノなのは秘密だ!
「……それはスパイスですぅ」
「え、違うの?」
 結局使うものではある為、小瓶をいくつか抜き取るるこるに、穹が一瞬素に戻るが今度は葉っぱの詰め合わせのような物を引っ張り出して。
「そうそう、ハーブはこっちの生で使うものでぇ、スパイスは乾燥させたものを使う時に言うんですよぉ」
「へー……」
 健全な男子高校生(だった)穹、異世界に来て家庭の豆知識を知るの巻。
「表面にはスパイスを塗り込んでぇ、後は大きな葉っぱに包んだら……」
 るこる、お肉の塊が入った葉っぱを燃え盛る焚火の中にシューッ!超!エキサイティンッ!!
「このように丸焼きにしますぅ」
「あれ肉も燃えてないか?葉っぱに引火してないか!?」
 割と盛大に燃え盛る焚火を前に穹もビビるが、るこるはへにゃん。
「大丈夫ですよぉ。葉っぱの水分が中のお肉を守ってくれますからぁ、火が消えるころには蒸し焼きになっていますぅ」
「メインが出るまではもう少しかかるかな?」
「待ってる間に私達がお届け!」
 四季乃・瑠璃("2人で1人"の殺人姫・f09675)と分離した別人格、緋瑪がガラゴロ。
「こっちはもうできてるから、すぐに食べられるよー」
「メインディッシュを前に、ちょっとおつまみはいかが?」
 物珍しい料理を前に、島民が近づいていくのだが……彼らは知らない、それが悲劇の幕開けだと。
「肉体労働とは別方面でサポート!」
「ホラ、か弱いJKコンビだし」
 か弱い……?お前ら、つい最近爆破系のテロリストから名誉幹部の称号を賜るくらいには頭のおかしい女として、そっち界隈で有名になっ……。
「え?そんな何言ってんだコイツみたいな顔する地の文は……」
「爆破しちゃうぞ☆」
 ちょ、待て、こっちにそんな物騒なモンを投げるんじゃ……。

 ――チュドーン!!

「じゃぁ、焼き上がるまでに手早くヤッちゃいましょうか?」
「えっ」
 コフッ、あの双子いつかシメる……!
 ……コホン、一方、瑠璃緋瑪コンビが突然何もない空間を爆破なんかするから、ビビッて料理に近づかなかった方へ向けて、アリスがコキリ、拳を鳴らして島民たちが身構えるのだが。
「ほら、硬くなってきた……もっと力を抜いて?」
「んっ……あぁ……」
「ここ?ここがいいのかしら?」
「ぁ……そ、そこは……!」
 島民の体にアリスが跨り、その体を小さな手で蹂躙しながら、その耳元で甘い吐息を溢す。
「随分疲れがたまってるのね?」
「まぁ、毎日農作業してるとな……」
 えぇ、マッサージ(健全)です。
「来る日も来る日も同じ事の繰り返し……お仕事って大変よね」
「そうでもないぞ?この島は基本的には穏やかだが、たまに暴風雨に見舞われる事がある。そうなると、村も畑もボロボロなんだが、それはそれで復興するのが楽しくてな……」
「暴風雨?」
 グリードオーシャンにおいて、島と島の間は常に荒れ狂っているものであるが、話を聞くかぎり、少なくともこの島においては嵐に見舞われるのは一周回ってイベントのような物らしい。
「年にどれくらい来るのかしら?」
「さてねぇ……来るときは一か月するかしないかだし、来ない時は数か月来ないし……」
(普通の気象現象じゃなさそうね……)
 フワリ、マッサージする手を通じて自身の魂を流し込む。
(その暴風雨、見せてもらおうじゃないの……)
 神経を辿り、記憶を辿り、過去を見るそれは実体験をなぞるモノとは少し異なる。人の記憶という道標を元に、歴史を遡り過去を見る、いわばリバースグリモア……。
「……なるほど?」
 小さく呟いたアリスは頷き。
「何も分からないわね!」
 分からないんかい!
「えぇ、でも、それこそが最大の矛盾なのよ?」
 と、アリスが何かをつかみ取った一方で。そろそろ皆気になってる頃合いじゃないだろうか、某双子の料理が。二人の……ていうか、瑠璃の手料理を口にした島民のリアクションがこちら。
「カッラァアアアアア!?」
 シュゴー、パタッ。
「おい大丈夫か!?しっかりしろ!!」
 あまりの激辛振りに、口から火を吐き撃沈。痙攣して気絶した島民が村へと運び込まれていく。
「そんなに辛いかなー……」
 白身魚のナゲットを、サルサっぽいソースに付けてぱく、作った張本人、瑠璃が口にしてみると。
「ちょっとピリッとする程度にしてるんだけどなー」
「フッ、ガキに食えて俺たちに食えないわけがない」
 盛大なフラグを建てて、人狼の男性がパクッ。サルサに見えたそれは、瑠璃お気に入りのヤベー真っ赤なソースであり。
「オボォ!?」
 ガクッ、ドサァ……。
「クソッ、二人連続でやられただと!?次は誰かいないのか!?……え、俺?いや、俺は辛いのはちょっと……待て、押すな!押すんじゃない!待って!?」
「はい、あーん」
 パクッ、シュボッ!
「コフッ……」
 チーン。えぇ、ご覧の通り地獄絵図。あまりの辛さの前に、一周回って男衆の度胸試しになってます。
「だから瑠璃のは辛すぎるって言ったのにー」
「緋瑪が甘すぎるんだよー」
 呆れ切った緋瑪に瑠璃は唇を尖らせるものの。
「果実のように甘いのに、とろける舌触り……なにより、こんなにも冷たい……!」
 緋瑪が持ち込んだアイスを前に、島民が感動に打ち震えて、それが最後の晩餐であるかのようにゆっくりと食べ進めている。完全にカルチャーショックですね。
「ほらー。辛さより甘さの方が全世界共通の美味しさなんだよ!」
「そんなの認めなーい!!」
 味の好みによる姉妹喧嘩?が始まる傍ら、るこるが焚火の中から葉っぱをズボッ!包みを開けば、表面のスパイスからカレーの香りが漂い、切り分ければ中から澄み渡る香草が薫る一品。
「ピリ辛に仕立てた丸焼きですよぉ、皆さんドンドン食べてくださいねぇ」
「辛いの!?」
 瑠璃、何故真っ先にお前が食いに行く?
「ははひほひひはははへふひはひはへはひほはははほふはほ!」
 ……緋瑪、通訳頼む。
「できるわけないでしょ!?あーもー、瑠璃、ちゃんと食べてから話してよー」
 とまぁ、最初の一切れは何故か猟兵にとられたが、島民に配ったるこるは酒瓶を手にすすすと近寄り。
「香ばしい料理には、やっぱりお酒ですよねぇ」
「おっと、これはありがたい……」
 注がれるままに飲み干す天使に、るこるはジッと傷んだ部位を解体される風車を見て。
「あの風車ってぇ、そんなにすぐ壊れるんですかぁ?」
「まさか!潮風に晒されるぶん劣化は早いが、ここ最近が異常に早いだけだよ。最近は台風もなかったから、安心してたんだがなぁ……」
「台風?」
 ぐいーっと酒を煽る男性にるこるが首を傾げると。
「この島はたまに暴風雨に見舞われるのさ。つっても、被害こそ大きいが復興は苦じゃない。それがここ最近起こらなかったんで、珍しい事もあるもんだと思ったんだがなぁ……」
「気象に変化が起こっているんでしょうかぁ……?」
 るこるが首を傾げた、その瞬間である。
「きゃー!?」
「危ない!」
 交換部分を解体していたセプテンバーだが、ここは砂地。思いもよらぬタイミングで風車がバランスを崩し、瓦解し始めてしまう……が、まぁ崩れ落ちる建築物に潰された所でどうこうなるような柔な女じゃないセプテンバー。何事もなければ「びっくりしましたわ」で片付いたのに、咄嗟に解体を手伝っていたいちごがカバーに入ったから、砂浜にいちごがセプテンバーを押し倒した形に。
「ひ、酷いですわ……」
「え、あ、ご、ごめんなさい!?」
 咄嗟の事とは言え、女性を押し倒してしまったと慌てるいちごだが、当のセプテンバーはいちごの胸を叩き。
「どうせ抱かれるなら、ふわふわおっぱいが良かったですわー!!」
「そっちですか!?」
 建築女子的に、貧乳女子は守備範囲外らしい。
「いやそもそも私はですね……」
「ハッ!拙者が海底で見てはならぬモノとランデブーしてる間に、何か面白そうな事になってるでござる!?」
 ここで開幕早々気絶しやがったエドゥアルトさんが復帰。仕事もせずおねんねしてた気分はどうだい?
「正直船酔いで洒落にならんくらいヤベーでござる……しかぁし!その程度で拙者のグラビティは揺るがねぇ!」
 パチン!指を鳴らした瞬間、島上空を輸送機が通過。旋回して真っ直ぐ猟兵達に突っ込んでくるではないか。
「海域の嵐を無視して飛んで来ただと!?」
「HAHAHA!拙者の輸送ヘリは特別仕様……早い話、転送したから何の問題も……ん?」
 キーン……翼が大気を斬り裂くこの音は、どう見ても戦闘機ですありがとうございます。
「嘘ぉん!?ヘリは?拙者の太陽機は!?」
 呼び出した本人が震えだす間にも、戦闘機が急降下してハッチを解放。村にばら撒かれるそれは、ボビンにも似た、ロケット花火で回転する爆弾。
「キターッ!よかった!中身は安定と信頼のパンジャンさんでござった!」
「パンジャンドラムって不安定さに定評のある兵器じゃなかったか!?」
 穹が慌てて身構えるが、エドゥアルトがノンノン。
「大丈夫でござる。だってアレ……」
 村から風車に向かって真っすぐ転がるパンジャンドラムの群れは、到着と同時に導火線が燃え尽きて。
「ヒールでござるから」
 サムズアップするエドゥアルトの前で大☆爆☆発♪
「これであっという間に元通りに……」
「なるほど!立て直す為に一度破壊するんですね!素晴らしい反逆です!」
 赤青黄緑桃の五色の爆炎に向けて、塔子が火炎瓶をシューッ!
「ちょっとぉ!?拙者のアレ修復用の爆発なんですけどぉ!?」
「ん?直す為に爆発させるんですよね?」
「爆弾の出番かな?」
「じゃあ私達もッ!」
 瑠璃緋瑪の爆弾追加!効果は抜群だ!!

 ――ドン!さぁぁぁ……。

「降り注ぐ砂の向こう側は、ただの更地だったでござる……」
 何も残ってない事態にエドゥアルトは真っ白に燃え尽きてしまったが、ここから燃え上がる連中もいるわけで。
「流行りに乗り遅れたクズ=ミのシナリオ展開、今後はどうなると思う?予想を聞かせて」
「誰ですかそれ?」
「君たちが地の文と呼ぶ化物さ……」
「化物ってレベルで済むんですか……?」
 霧亥といちごが第四の壁を自分の複製と影から生えた触手で支えて。
「さーぁ、ここからが本番ですわー!!」
 目からシャイニングビーム状態のセプテンバーがトテカンコッコン。
「ハンマー!」
「はい」
「釘!」
「はい」
「蝶番!!」
「はい」
 その場から自身は動かず作業を続けるセプテンバーに対して、運搬用の機械人形に機材を運ばせるのはプリエスト。それこそ自分で持って行けば会話くらい生まれそうなものなのだが。
「むりむりむりむり……半径一メートルに近づくのも無理です、人間恐いです……」
 波打ち際でプルプルし始めてしまったので、そっとしておいてあげよう……そして作業に加わってない穹はというと。
「……いつかはダークセイヴァーもこんな風に、明るい太陽の光に満ちて食うに困らない程度には食料が豊富な世界になるのかねぇ……?」
 未だグリモアにも映らぬ、未来に想いを馳せていた……のもほんの数分。
「完成ですわー!!」
 てってれー!破壊不能なはずの概念に質量を持たせた特殊建材による風車(見晴台つき)が完成した!……どうしてこうなった?
「どれどれ、折角じゃしオーシャンビューとやらでも拝んでやるかの」
 オーシャンビューってそういう意味じゃなかった気もするけど、その辺は置いといて、トトトンと軽やかに駆け上がるそそぎが海を眺めれば、再びの潮風ファッサァ……。
「もはや見せてるとしか思えないな……」
「……って、下から覗くでないわ!」
 布より中身の方に興味がる穹は、怒鳴られた所でやれやれと呆れ顔である。かくして、猟兵達は無事に風車を完成させたのであった……。

 ―完―

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『ウォーマシン・タイプマリン』

POW   :    襲撃は速やかに
【急速接近からの超高温ヒートカトラス 】による素早い一撃を放つ。また、【水中から船・陸上へ強襲出来る推進機構起動】等で身軽になれば、更に加速する。
SPD   :    障害は燃やし沈めて
【機敏な動きで右腕に担いだマルチランチャー】を向けた対象に、【通常炸裂弾頭か高速誘導魚雷】でダメージを与える。命中率が高い。
WIZ   :    命と宝は根こそぎに
自身の【頭部(メガリス探知用センサーユニット)】が輝く間、【敵位置を常に補足し】放つ【銛型高速徹甲弾】の攻撃回数が9倍になる。ただし、味方を1回も攻撃しないと寿命が減る。

イラスト:良之助

👑11
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「いや終わっちゃダメだろ!?」
 ツッコむ猟兵もいたが、もう扱い切れる気がしない此度の面子。
「そうだぞ、まだまだ弄るための用意が……」
 おめーみたいのがいるから扱いづれぇんだよ!
「それはさておきぃ、現状の情報から何か分かるのでしょうかぁ?」
「島の周りを観測しても、何もないんですけれど……」
「でも、オブリビオン……コンキスタドールがいるのは確かなんですよね……?」
 猟兵達が唸る中、一先ず住民を村に帰した猟兵が戻ってきて。
「村の方にも変わった事はなかったよ」
「井戸の方も問題なしっ!」
「えぇ、でもだからこそ、敵の住処には見当がついたわ」
 一人の猟兵の発言で、ハッとした猟兵も現れる。
「ここは周りに何もない島ですものね」
「そして島にも何も怪しいところがないと来たか。しからば疑うべき場所は一つ」
「敵は海から来やがるって事でござるな!?」
 既に村人は村に帰っており、巻き込む心配はない。バッと振り返ったら、ちょうど銛っぽいランチャーユニット構えたメカメカしいのと目(顔がないとか気にしてはいけない)があった。
「チッ、気づかれたか……」
「騒がしいから様子を見に来てみれば……」
「貴様ら、生きては帰さん!」
 殺意を振り撒く敵を前に、猟兵は火炎瓶に着火。
「ヒャッハー!敵の方かノコノコと!!レッツ反逆ターイム☆」
 速い話、戦闘ですって。


 ※次回は九日に執筆予定です。八日の深夜までにプレをくれると嬉しいなー?
アリス・セカンドカラー
おまかせプレイング。
P-1グランプリ愉しい動画だったわー。ちょうどいい材料(ウォーマシン・タイプマリン)が目の前にいるからこれで作ろっと☆
『真なる夜』に変身してー、範囲攻撃の念動力で磨り潰しこねこねしつつ魔力溜めで注入してー、材料から外れたタイプマリンを重力(念動力、重量攻撃)で纏まてシュー! 爆撃☆
あ、オーラ防御で各種耐性を高める結界を島中に張り巡らせてるから、コンキスタドール以外に被害はありません☆
限界突破した継戦能力と盗み攻撃&略奪でのエナジードレインでリソースは確保してるからまだまだパンジャンドラム作れるわ♪


セプテンバー・トリル
せっかく修理(再建)した風車を壊されては困りますわ。
早々に退場していただきましょうか。

【POW】連携・アドリブ歓迎
偵察に出していた【サーベイヤー】を呼び戻して搭乗し、攻撃を回避しつつ上空へ行きます。
その装備は水陸両用ではあっても対空は不十分ではないかしら?
そしてUC【重機神ナガツキ】で合体変形しましょう。
影に潜みし悪を討つ!正義と秩序の観測者!重機神ナガツキ・Sv(サーベイヤー)ここに推参!
後は上空から氷の【属性攻撃】の【誘導弾】を放って敵を【蹂躙】しますわ。
戦場が水辺だとよく凍りますわね。…え?仲間も巻き込む?
この程度でどうにかなる人達なら苦労したりしないでしょう、担当官さん?


夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎

■行動
おや、海からでしたかぁ。
『第四の壁跡地』及び『向こう側』という、明らかに怪しい場所が有りましたから、そこからの強襲で無くて良かったですぅ。
【UC】は何が有るか解りませんからねぇ。

さて、まずはいつも通り『F●S』三種を展開、攻撃と防御に用いることにしまして。
【燦華】を使用し、全身を『光』に変えますねぇ。
この状態であれば、純粋な『物理攻撃』は効きませんし、メガリスの効果等で効く可能性が有りそうなら、光速で回避すればどうとでも。
後は、光速で動き回りつつ[砲撃]による[範囲攻撃]主体で、順に叩きますねぇ。

何とかなりそうでしたら、ボスの登場前に摘まめるよう、何か作りましょうかぁ。


御手洗・そそぎ
ほほう……敵はロボじゃったか
精密機械には水は厳禁

防水しとるなら……防水剥がして水属性攻撃じゃな!
ラバーキャップ・ミサイルを敵に飛ばして、更に敵に張り付いたラバーキャップをズボズボしまくって、防水加工を高圧で押し通すぞい!

防水だから平気?
そんな道理は……わしの無理で押し通すわい!

ほほう?
もしかしてセンサー部は防水が弱いのかの?
弱くないなら庇わんでもいいじゃろう?

ほれほれ、未使用じゃから安心して喰らうがいいわ
これが弱点なら、WIZなわしらしく冴えておるのう

なんぞ……ピー、ガガガ……とか言い出して煙が出てきたぞい?
爆発しそうじゃし、敵の群れの方にラバーキャップでツンツンして押しやっておくかの

ツンツン


四季乃・瑠璃
緋瑪「みんな濃い面々だから仕方ないね!」
瑠璃「私達みたいな常識人は落ち着いて対処しないと…ん?またおまえらの何処が常識人だみたいな顔してる地の文は誰かな?」

【破壊の姫君】で分身
爆破強化特化状態で二人で飛行。

瑠璃が空中から魔術で敵センサーに【高速詠唱、ハッキング】を掛けて自分達の位置を誤認させつつ、空中からジェノサイドボム【範囲攻撃、蹂躙、早業】で爆撃。
緋瑪も同様に空中から爆撃を掛け、銃弾に雷撃を付与したK100【属性攻撃、ドロウ】で動きを制して爆破していくよ

瑠璃「でも、村の人達にデスソース不評だったなぁ…この人達なら理解してくれるかも」(爆弾の一部にデスソース混入)
緋瑪「化学兵器かな…?」


プリエスト・シュメルトレーネ
アドリブ共闘大歓迎です。

●行動
そろそろ、建築は終わった頃でしょうか?
私もオブリビオンの情報をもらって対策しないと……

そういえば、今回のオブリビオンはどこから来るのでしょう?
周囲には何もないようですが……
(海から上がってきたオブリビオンと目が合う)

……
地元の漁師の方ですね? いえ大丈夫です、みなまで言ってしまわないでください。
ああ、長時間海水に浸っていると脱水症状になるそうです。ここに水を置いておくので補給してください。
それではお体にお気をつけて。

……このまま逃がしてはくれませんよね!?
座標いど…… あ、でも依頼の方の近くに飛ぶのは……
一応味方だからきっと、きっと大丈夫です!(自己暗示)


彩波・いちご
戦闘ですね!
撮影のふりとかない戦闘は本当に気が楽です!

地の文さん、ここからはシリアスにいきますよ
かっこよくバトルシーンかいてくださいね!
私真人間なのでっ!

そして、今回不在の相方のためにも、アイドルとしての戦いを見せてあげますっ
これが、私の歌の力です!
【天使のような悪魔の歌声】
私の歌は、自分で言うのは恥ずかしいですけど、かなりいけてるも思いますよ?
極上の歌声で味方は鼓舞しつつ、敵にのみ超音波振動でダメージを与えます!
ただの音波兵器じゃないんですよ!

ふぅ、どうですか私の歌は

もちろん歌だけでなくステージパフォーマンスも欠かしません
ダンスのステップで敵の攻撃は華麗に避けますよ

アンコールもお望みなら♪


火霧・塔子
勢力が劣る反逆軍にとって、乗り込まれる前に敵を叩く水際の防衛は極めて重大な意味を持ちます
まずはこの先遣部隊らしき人たちを燃やしましょう!

基本は【なぎ払い】戦術です!
煽動器で放つ音波衝撃で陸上にあがる敵をゴー・バックさせます!
飛んでくる弾丸は反旗で振り払いましょう!

さあ、島の皆さん! 今こそ反逆風車の出番です!
外洋からの侵略文明に中指立てる気概こそ、島人ぬ魂!
UCで皆さんを強化しますので、見張り台から火炎瓶での援護をお願いします!
私も火炎瓶を【一斉発射】
敵の持つ炸裂弾や魚雷に火をつけて、ドガーン!! と【焼却】です!

親玉はこの海の向こうにいるでしょうか?
私たちも襲撃は速やかにと行きましょう!


涼風・穹
……あのコンキスタドール達は一級フラグ建築士みたいだけど、風車に突っ込むドンキホーテみたいなオチになるんじゃないか…?

無謀にも近付いてきたコンキスタドール達は、いつの間にかブレードが取り付けられていた風車の羽が回転する度に斬られていきます
離れている相手には見晴台に設置されている砲塔が火を噴いて次から次へと撃沈していきます
そのうち更なる兵器が披露されたり変形したり自走したりするかもしれません

最早風車塔というよりは要塞かトーチカとでも表現した方が適切なのではないかという程に魔改造された風車塔の力でコンキスタドール達を撃退していきます
一体誰がここまでの武装を…?

《贋作者》:俺が視認した武具を複製可能


エドゥアルト・ルーデル
なんてこったメタ濃度がどんどん上がっている…拙者もギアを一つ上げていくか

海の敵には船で対抗でござるね!
でっかい戦艦いいよねロマンでござるよね…しかもただの船じゃあないぞ今回は創造でお出しした【架空兵器】ですぞ
ああ…この艦首の巨大ドリルを見てくれ、コイツをどう思う?そうだねドリル戦艦だね
創造によるムテキ・アティチュードなので船体を攻撃されても問題ナッシング
逆にドリルカラテにて粉砕し陸地に上がった敵は艦砲射撃=ジツにより仕留める
このようにドリル戦艦はスキがなくジッサイツヨイ

所で地の文=サンはドリル戦艦と聞くと何を思い浮かべる?
超兵器?トロンベ?海底軍艦?
…想像したな?それをお出ししてくだされ


亞東・霧亥
【POW】

クズ=ミの第四の壁は豆腐と大差無いとか。(脆弱性を指摘)
そんな壁で大丈夫か?

・武器改造、罠使い、地形の利用
クリエイトフォースを形状:虎鋏に魔改造。
色は砂浜と同じ保護色。
これを広範囲に設置。
敵から来るなら好都合。

敵が罠に掛かったら【UC】
どんな連撃かはMSの自由だ。

因みに、虎鋏は他の猟兵が掛かる事は想定していない。
まさか歴戦の猟兵達が、ちょっと見えにくいだけの罠に掛かるなんて、あるわけない。
だから、安心して広範囲に設置できる。

※絡み大歓迎



※この依頼は共闘を前提としたものであり、決して猟兵同士のバトルロワイヤルではありません。そのことを念頭に置いて記録をご覧ください。

「そろそろ、建築は終わった頃でしょうか?私もオブリビオンの情報をもらって対策しないと……」
 波打ち際で震えていたプリエストは完成した風車を見やり、安堵のため息と同時に不安が一つ。
「そういえば、今回のオブリビオンはどこから来るのでしょう?周囲には何もないようですが……」
 さっきからずっとその話してたのに、これである。しかしまぁ、コミュ障ってそんなもんなのよね、自分一人の世界に沈んでいくから、どうしても周りで重要な話してても聞こえてなくて、急に振られると「ほぇっ!?」てなる的な。
「……地元の漁師の方ですね?いえ大丈夫です、みなまで言ってしまわないでください」
 だからって海の方を向いてオブリビオンと目が合った途端に、その反応はどうかと思うんだ!?
「あぁそうだとも、我々はこの島を漁場にすべく……」
「長時間海水に浸っていると脱水症状になるそうです。ここに水を置いておくので補給してください。それではお体にお気をつけて」
「待てーぃ!?」
 水筒を残してそそくさと逃走を図るプリエストの前に、青い装甲がフェードイン。
「……やっぱりこのまま逃がしてはくれませんよね!?」
「当たり前だ!我々の邪魔をしたことを後悔するが……」
「影に潜みし悪を討つ!正義と秩序の観測者!」
 コンキスタドールが喋ってるのに、上空から響き渡るのはセプテンバーの前口上。呼び戻したヘリに取り込まれるように合体、背中のプロペラを回転させて滞空する彼女は機関砲の砲身を回転させて。
「重機神ナガツキ・サーベイヤー、ここに推参!」
 かーらーの。
「戦場が水辺なら、やっぱりこれですわよね」
 ドドドドドド!上空から弾をばら撒き始めたぞ何やってんだあのドリル女!?下に仲間がいる事分かってる!?
「え?誤射で死ぬような柔な猟兵が悪いのではありませんか?」
 駄目だこいつただのバーサーカーだわ。
「なんだコレ!?ただの弾丸じゃないぞ!?」
「退避!退避ー!!」
 着弾するなり砂を巻き上げる弾丸は、飛び上がった砂の時を止めたかのように、氷柱へと姿を変える。次々と戦場を常夏の島から氷の地獄へと染め上げていくセプテンバーを前に、敵も「こいつら新手のコンキスタドールだわ」って顔で逃走を図るのだが。
「(検閲)-1グランプリ愉しい動画だったわー。ちょうどいい材料が目の前にいるからこれで作ろっと☆」
「え、何の一番を決める戦い……?」
「おい馬鹿触れるんじゃねぇよそれ絶対世界から削除された言葉だから、ていうか流れ的にそのガキも頭おかしいはずだから!」
 猟兵側にツッコミがいない事もあり、海の前に立ちはだかるアリスと向き合わざるを得ないコンキスタドール達。その目の前で何故かアリスの上空だけが夜空に変わり、降り注ぐ月明かりの下、少女の姿は夜闇に溶けて、無数の触手が姿を現す。
『完ッ全にバケモンだー!?』
 夜がそのまま顕現した怪物に、絶叫するオブリビオンだが、コイツを前に足を止めたのが最期、伸びた触手が青い機体の一体を絡めとり、巻き付き、圧縮、注入。
「相棒ー!?」
「諦めろ、あいつはもうダメだ……!」
 メキョッ、パキッ、ギュニュ、ドクッ、ドクッ……金属を捻じ曲げる不快音が響く中、仲間を救おうとするコンキスタドールをオブリビオンが引き留めて、海へ逃走を図るがその目前に水柱が跳ね上がる。
「どちらへ行かれるのですかぁ?」
 浮遊砲台を引き連れて、神々しい後光を放つるこる……いや違うわ、後光ですらねぇよ、むしろこいつが光ってるよ。
「光学兵器は速くて強くて強力ですぅ……つまり、最も効率的な戦術とはぁ、私自身が光学兵器になることですぅ……!」
 ちょっと何言ってるか分からない。ていうか物理法則めいたサムシングを無視するのやめて?何が起こるか俺にも分からないんだけど!?
『変態ッだぁあああああ!?』
 敵さんも混乱のあまりわけ分からない悲鳴上げ始めちゃったじゃん!!
「光と化した今の私にはぁ、いかなる攻撃もあたらな……あっ」
 ねぇ知ってる?光の速度で動くと時が止まるんだよ……そうなると、人の近くで自身の動きを把握できるのかって問題が……いや、今はそんなもんどうでもいい。そんな事より、元が人類である以上、さすがに大気摩擦とか無視し始めると、そもそも肉体を維持できない扱いになるんだ……。
「電磁波なのに摩擦が発生するんですかぁ?」
 普通はしねぇよ、普通は。お前みたいに頭のネジがダース単位で吹っ飛んだ事されるとその辺説明がめんどくせぇんだよ!!とにもかくにも、摩擦熱で今度は赤熱する実体を持つるこる。完全な光とは言い難い自身の手をジッと見つめて。
「UCが解けてしまったのでしょうかぁ?でも、解けてたらこんな体じゃありませんよねぇ……」
 首を傾げる、敵を見る。てってこてってこ。
「えーい」
 だきゅむ、ジュッ!!
『三号が溶けたー!?』
 超高温状態のるこるのヒートハグ!コンキスタドールは溶け落ちた……。
「野郎、吹き飛ばしてやる!」
 と、機体から射出される銛がるこるの胸を穿つのだが、そのまま素通りして海へポチャッ……。
「は?」
「あ、今の私実体が曖昧な電磁波ですからぁ、物理的な干渉は受けないのですぅ」
「理不尽!?」
 両手を広げてハグ待ちに見えるが、腰を落として狙い澄ましているため、実際には獲物を狙うアリクイのポーズでジリジリせまりくるるこる。後退するオブリビオンの背後にいたのは……。
「ほほう……敵はロボじゃったか。精密機械には水は厳禁。防水しとるなら……防水剥がして水属性攻撃じゃな!」
 はい、常識人のツラをして変人枠のそそぎさんです。
「防水だから平気?そんな道理は……わしの無理で押し通すわい!」
 無理も道理もねぇよ!取りあえず敵をラバーキャップ塗れで新手の針鼠状態にするのはやめてやれよ!?
「ぎゃぁああああ!?」
「ほほう?もしかしてセンサー部は防水が弱いのかの?弱くないなら庇わんでもいいじゃろう?」
 頭部に着いたラバーキャップを大慌てで外そうとする機体へ、そそぎが追加のラバーキャップを押し付けて、ズボズボ。
「それ、確か汚物の処理をする道具じゃ……」
「今その情報いらない!むしろ聞きたくなかった!!」
「ほれほれ、未使用じゃから安心して喰らうがいいわ」
 仲間にすらドン引きされるウォーマシンだが、サーモグラフが熱源を感知。
「あ、やばい、来てる。アイツ来てる!早くコレ外し……」
「えーい」
 だきゅむ、ジュワッ!!ウォーマシンはラバーカップ諸共、南国の風になりました……。
「トイレのヤドリガミ……彼女はいい奴だったな……」
 青空の向こう、ウォーマシンと並んで敬礼してる気がしたそそぎに、霧亥はフッと微笑んで……。
「いや死んどらんわい!?」
 ニョキッ、新手のそそぎが生えた!
「あの敵と一緒に抱きしめられてたじゃないか」
「ヤドリガミでなければ芳香剤にされていたのじゃ……」
「まぁ、これで猟兵が丈夫って事は証明されたし、やるか」
 霧亥が指を鳴らした途端、トサトサ、砂の上に何かが落ちた。
「クソッ、こんな戦場やってられるか!俺は村に人質を取りに行かせてもらう!!」
 圧倒的不利っていうか、むしろ完全に弄ばれている現状を前にウォーマシンは住民を狙いに行こうとして、ガショッ、ビターン!
「んな……トラバサミだと!?」
 砂浜と同じ色彩を持つ罠に足をとられてスッ転び、霧亥がにっこり。
「くっ、こんな罠で我々を倒せるわけが……」
「あら、ちょうどいい所にいるわね」
「えっ」
 霧亥が流木で砂浜に線を引き、二本引かれたラインのその向こう。夜闇の塊めいたサムシングの触手と化したアリスが、どう見てもパンジャンドラってるウォーマシンだったモノを構えて、一歩引いた。
「ちょうど風向きもいいし、まずは風力から行きましょうか」
 アリス(だった何か)、第一投、投げた!風に押されてパンジャンドラったオブリビオンが転がる!転がる!おっと、風に乗っているが砂浜独特の地形に揺らいで……。
「勢力が劣る反逆軍にとって、乗り込まれる前に敵を叩く水際の防衛は極めて重大な意味を持ちます。まずはこの先遣部隊らしき人たちを燃やしましょう!」
 火炎瓶を両手一杯に抱えた塔子の方にいったー!?
「はっ!あれに見えるはパンジャンドラなんとか!仲間内から現れる裏切り者……つまりこれは悪い反逆ですね!!」
 バッと振り返るのは、開幕早々にパンジャンドラってたパンジャンドラマー、黒ひげことエドゥアルトだが。
「さぁ今回も始まってしまいました、第二回ボンボン!パンジャンドラムグランプリ!!実況は拙者、黒焦げのおひげ、エドゥアルトと!」
「ハァイ、パンジャンドラム作りに余念がない、パンジャンデモンのアリスよ♪」
「いつの間にか妙なレースに巻き込まれてました!それはそれとして反逆ジャンプ!!」
 ぴょいっと躱す塔子だが、パンジャンドラムはそのまま建築直後の風車へ向かい……。

 スパーン☆

「風車がスライサーになってます!?」
 転がる勢いのままに、スライス(実際には丸みを失っていくカット)されていくパンジャンドラムを前に、塔子は頬を染めて胸に手を当てて。
「島の皆さんが反逆魂に目覚めて、帰って来てくれたんですね……!」
 お前は何を言ってるんだ、戦闘に巻き込まないように村に押し込んできたばかりだろうに。
「さあ、島の皆さん!今こそ反逆風車の出番です!外洋からの侵略文明に中指立てる気概こそ、島人ぬ魂!皆さんを強化しますので、見張り台から火炎瓶での援護をお願いします!」
 などと勝手に盛り上がる塔子だが、風車を刃に作り変えるとか、短時間でできる島民がいるならそもそも猟兵が手伝う必要性が欠片もない。じゃあ誰の仕業かってーと。
「……あのコンキスタドール達は一級フラグ建築士みたいだけど、風車に突っ込むドンキホーテみたいなオチになるんじゃないか……?」
 風車の見晴らし台に身を潜めてサボ……もとい、待機してる穹さんです。
「今回の面子からして、大人しく戦線に立ってたら大惨事が目に見えてるからな……」
 穹のUCは目にした武装を再現する。つまり、そういう事だ。
「だったら、こうやって拠点に引きこもって、戦うより身を守ることを優先した方が合理的だろう……」
 そう信じて、穹はゴロリと横になり空を見上げる。吹き抜ける潮風、どこまでも広がる青空、寄せては返す波の音色に……。
「続きまして第二パンジャン!気になるこちらのスペックはいかほどでござるかな!?」
「今回はオーソドックスにロケット花火にしてみたわ」
「おぉ……クラシカルタイプ……これは暴走爆破に期待が高まりますぞぉ……!」
 全てを台無しにするこのバカ騒ぎである。
「ロケット花火だなんてとんでもない!ここは最高の火力と反逆力を持つ火炎瓶を使うべきです!!」
「え、ちょっと、それ大丈夫?混ぜるな危険って聞いたことない?拙者嫌な予感しかしないんだけど……」
 おっと、ここで塔子が花火の代わりに火炎瓶を装着。点火した所でまぁ、転がるわけもなく、段々火が燃え進み……。
「こんなんパンジャンドラムじゃねぇ!ただの爆弾じゃねぇかバーロー!!」
 オチを察してエドゥアルトが走り出そうとした瞬間、ガチョン。
「いっでー!?誰だこんな所にトラバサミ仕掛けた奴!?」
 なんと爆弾を前に身動きが取れなくなった!!
(あ、これはあれですよね、私の転移能力でお助けして、お仲間認定からの友情をはぐくむパターン……!)
 この爆破オチの危機を、好機ととらえたプリエスト。しかし。
(いやちょっと待ちましょう、確かにあのトラバサミは凄く分かりにくいですが、そう簡単に歴戦の猟兵さんが引っかかるでしょうか……もしこれが「お約束」と呼ばれる芸風だったら、私はお笑いの何たるかも分からない、つまらない女という事に……)
 考えすぎたプリエスト、その思考の渦は止まらない。
(こ、このままでは空気の読めない奴として、更に距離を置かれてしまいます!で、でももし本当にピンチだったらこれを機に仲良くなれたり……)
 チュドーン!!
「……あら?」
 爆風に髪を揺らし、コテンと首を傾げるプリエスト。彼女が考えてる間に、パンジャンドラマーは犠牲になったのだ……。
「みんな濃い面々だからね、猟兵が巻き込まれるのも仕方ないね!」
「私達みたいな常識人は落ち着いて対処しないと……ん?またおまえらの何処が常識人だみたいな顔してる地の文は誰かな?」
 まだ何も言ってないやろ!?大体似たような事は思ったけどさぁ!!
「とはいえ、このままじゃ私達も巻き込まれちゃうかな?」
「こういう時は空に逃げるのが鉄板だよね!」
 などと、緋瑪が瑠璃の手を取れば、二人の背にフライングユニットが生成され、二人も空に昇るのだが。
「あら、あなた方も空中戦ですの?」
「うん、あそこだと巻き添えになりそうだからね……」
「これからジャンジャン爆破しちゃうよ!」
 セプテンバーと合流したもんだからさぁ大変。上空の光景だと。
「まぁ、上からの攻撃が増えた所で問題はないでしょう」
「でも、村の人達にデスソース不評だったなぁ……この人達なら理解してくれるかも」
「化学兵器かな……?」
 青い弾丸と赤い爆弾をポイポイパーンしてるだけだが、地上だと。
「氷柱だ!氷柱が降って来るぞ!!」
「空中で爆弾とぶつかって氷塊になってやがる……!」
「五号機!上だ!!」
「馬鹿、下見ろ!トラバサミがそこに……」
 ガチャッ、ボンッ、パタタッ……ドグッシャァ!!
「うーん、これは酷い」
 霧亥が風車に背を預け、戦場を見た感想がこれである。トラバサミに引っ掛かって脚を止めれば、上空からの爆風と熱波、そこにカプサイシンが降り注ぎトドメと言わんばかりに氷塊が降って来る。
「全く誰がこんな酷い事を……」
 お前だよお前、回避封じのトラバサミ仕掛けたの霧亥やろがい。
「戦闘ですね!撮影のふりとかない戦闘は本当に気が楽です!」
 その傍ら、この地獄絵図を前にワクワクしているのがいちごです。
「地の文さん、ここからはシリアスにいきますよ。かっこよくバトルシーンかいてくださいね!私真人間なのでっ!」
「やめといた方がいいぞ……」
 目を輝かせて準備運動するいちごにふりかけられたのは、練乳のようにねっとりとした穹の声。
「なんでですか?シリアス路線ならまともな方なんですよね?」
「だからだよ……」
 穹はふと、蒼穹の彼方にある、風のエンブレムを背負った男を想う。
「あのグリモアが絡んだ事件で、絶対にシリアスを求めるな。五体満足に帰りたいならな……」
 そこまで呟いて、穹がいちごに落したのは、サムライエンパイアにおける戦闘記録……それは、いちごの相方が戦場に赴いた際の物で。
「……えっ」
「ハラワタを晒す趣味がないなら、程々に頑張る事をお勧めするぜ」
 硬直するいちごに背を向けるように、穹がゴロリ。
「え、えーい!」
 ギュッと目をつぶって記録を畳み、懐にしまったいちごはマイクを構えて。
「今回不在の相方のためにも、アイドルとしての戦いを見せてあげますっ!これが、私の歌の力です!」
 お前……死ぬのか?
「死にませんよっ!私の歌は、自分で言うのは恥ずかしいですけど、かなりいけてるも思いますよ?極上の歌声で味方は鼓舞しつつ、敵にのみ超音波振動でダメージを与えます!ただの音波兵器じゃないんですよ!つまり!!」
 グッ、拳を握るいちごは、自信満々に。
「そもそもピンチに陥らない!!」
 おい、ここ戦場やぞ……。
「例え戦場だろうと、危機回避して歌い、踊り続けるのがアイドル……その矜持、今こそお見せしましょう!!」
 いちごが指を鳴らせば、どこからともなくミュージック。いちごの声が音楽に乗って浜辺に広がり、その空気の振動がウォーマシンの装甲を震わせて。
「うぉおおおおなんだこれぇえええ!!」
「頭ががががっが!?」
「センサーが……センサーがぁあああ!!」
 皆一様に頭を抱えて悶絶するウォーマシンを前に、塔子のサムズアップ。
「指向性の音響兵器……ナイス反逆です!」
「兵器じゃなくて歌声ですー!私はアイドルなんですよ!?ほら、ステップだって……」
 ここが砂場だという事を忘れさせる軽やかな脚さばきは、着地の際に沈み込むはずの脚を重心移動で支え、ステージ上と変わらぬダンスを魅せるが……バチン!
「……ん?」
 突然の音に、いちごが嫌な予感と共に視線を落とすと。

 ト ラ バ サ ミ ☆

「みゃぁああああああ!?」
 妖狐なのに猫みたいな悲鳴を上げたいちごだが、元がUCで作ったものであるため、痛みはないし傷もない。でもとれない(重要)。
「なんでコレ敵味方関係なく捕まえちゃうんですかー!?」
「そりゃー……」
 設置した霧亥が、ニコリ。
「まさか歴戦の猟兵達が、ちょっと見えにくいだけの罠に掛かるなんて、あるわけないし、こんな所で踊り出す人がいるだなんて、想定してるわけないじゃないか」
「この人、純粋無垢なままに味方諸共皆殺しにする顔をしてます……!」
 サーっと青ざめたいちごだが、不意にこっちを見て。
「というか、私シリアスにお願いしますって言ったじゃないですか!」
 だからシリアスじゃないか。
「どこがですか!?」
 お前、味方の罠にかかる可能性を一切考えてないやん。
「はうぁ!?……いや、普通そんなの考えてませんよね!?って、まさか……」
 どうやらここまで来て、いちごはようやく理解してくれたようだ。
「し、シリアスな記録を残す為には、シリアスな判定を突破できなければならないのですか……!」
 つまりはそういう事だよ。だから穹も言っていたじゃないか、シリアスに挑むのなら、内蔵をぶちまける覚悟で逝けと。
「それ帰って来れないパターンじゃないですかぁあああ!!」
「大丈夫ですよ……」
 あわあわとトラバサミ解除を試みるいちごの肩を、塔子がポムって。
「反逆とはそれ即ち、現状打破の第一歩。動けないのなら、動かなければいいのです……さぁ、火炎瓶をどうぞ!」
「アイドルはそんな危ない物使いません!!」
 NOと言える猟兵、いちごは断るが横から霧亥が一本取って。
「いや待ちたまえよ。こんな時こそこれをこうして」
 シュボッ、火がついた火炎瓶を振りかぶって。
「クズ=ミの第四の壁に向けてシューッ!」
 ブスッ。
「あの、第四の壁に刺さってますけど……」
「豆腐並みの硬さらしいからな。これでジワジワと焼き豆腐にしてやれば、出てこざるを得なくなってこの現状を都合よく改変し」
 ッポーン。
「……」
 話の途中で霧亥さんがいなくなり、水音が聞こえた気がして海を見たんですが、意味深な触手が海中に消えるのが見えました。私が改めて第四の壁を見やれば、そこには私の心情が書きだされていて驚いてしまい……。
「わー!わー!なんで今度は私の心情が書かれてるんですか!?」
「それは……嬢ちゃんだからさ……」
 カロン……大きな氷が入ったグラスに麦茶を入れて、エドゥアルトさんがビーチチェアに寝そべってるんですが……これはツッコミ待ちというモノでしょうか?
「あの、つまりどういう事でしょう?」
「何、所詮はまだまだシリアスたり得ないネタ枠だと思われてるって事でござるよ」
 などと、エドゥアルトはグラスを置くなり、いつの間にかかけていたグラサンを外す。
「あ、地の文さんお帰りなさい。あの、一つ相談なんですけど、この罠外してくれませんか……?」
 そいつはできない相談だ。
「何故です!?」
 めんどい。
「なんで!?」
「なんてこったメタ濃度がどんどん上がっている……拙者もギアを一つ上げていくか」
 常識人っぽかった(過去形)いちごまでメタいこと言い始めたからエドゥアルトは……オイコラフレームを越えるんじゃねぇよ。
「硬い事はなしでござるよー。取りあえずUCで戦艦呼びたいんでござるが、地の文=サンはドリル戦艦と聞くと何を思い浮かべる?超兵器?トロンベ?海底軍艦?」
 え、俺の記憶にある奴、色々とおかしいよ?
「……想像したな?それをお出ししてくだされ」
 よーし、俺はどうなっても知らんからな?
「ハハハ、この戦場に来た時点で、どんなオチだろうと覚悟はできてるでござるよ……よいしょっと」
 自己再生を始めた第四の壁を越えて、戻って来たエドゥアルトは考える黒ひげのポーズ。
「それでは早速、ほわんほわんほわんクロヒゲ~」
 ゴウン……ゴウン……ソナー音に似た音を響かせて、島を巨大な影が覆い尽くす。空を見上げて絶句する猟兵達を前に、エドゥアルトはふっへっへ。
「海の敵には船で対抗でござるね!でっかい戦艦いいよねロマンでござるよね……しかもただの船じゃあないぞ今回は創造でお出しした架空兵器ですぞ。ああ……この艦首の巨大ドリルを見てくれ、コイツをどう思う?」
「あのー……」
「そうだねドリル戦艦だね」
 いちごが何か言おうとしたが、エドゥアルトは勝手に完結させて。
「創造によるムテキ・アティチュードなので船体を攻撃されても問題ナッシング。逆にドリルカラテにて粉砕し陸地に上がった敵は艦砲射撃=ジツにより仕留める。このようにドリル戦艦はスキがなくジッサイツヨイ……」
 ここまで語って空を見上げた彼が見たものは。
「ドリルねぇええええ!?」
 無数の砲塔を同時に戦場に向ける巨大飛行戦艦でした。
「な、何故だ!?拙者は確かにドリル戦艦を頼んだはず……」
 あががが……ガクブルするエドゥアルトの前で戦艦の上部ハッチが開き、巨大な空薬莢が排出され、それに合わせて砲塔が光を放ち……。
「あ、これ一掃する気だ」
 何かを察したエドゥアルトが退避。
「「「ん?」」」
 上空娘三人衆、巻き添えを察する。
「なーんで私達もいるのにぶっ放すんですのー!?」
「ひょえ!?瑠璃、後はお願い!!」
「あ、緋瑪!私に押し付けないでよー!?」
 三人(緋瑪が瑠璃に帰ったため、実質二人)が撤退した直後、光の柱が砂浜に落ち、ウォーマシンを一掃してなお戦艦は止まらない。
「あ、これはあれでござるな?」
 風車の陰に隠れたエドゥアルトが察し、手をポム。
「この後変形するパターンでござるな?」
 ご名答。船の先端が展開、内部から突出する円錐形の衝角は螺旋を描き、ゆっくりと回転を始めると……。
「あ、でもコレ拙者達も巻き込まれる気がす」

 ――記録はここで途切れている。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『メガリス・サーペント』

POW   :    カース・オブ・メガリス
【食べたメガリスの力】を使用する事で、【鱗のようにそのメガリスの複製】を生やした、自身の身長の3倍の【呪いに侵食された姿】に変身する。
SPD   :    海竜の牙
【噛み砕き】による素早い一撃を放つ。また、【水中で戦う】等で身軽になれば、更に加速する。
WIZ   :    サーペントワインド
【長い胴体で囲んで】から【巻き付き攻撃】を放ち、【締め上げること】により対象の動きを一時的に封じる。

イラスト:いぬひろ

👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はマチルダ・メイルストロームです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「ハッ!生きてる……?拙者、生きてる!?」
 起き上がった猟兵達を出迎えたのは、奇跡的に無事だった風車と砂浜部分が狭くなった浜辺。
「風車を建て直す事にならなくてよかったですわ……」
「ていうかなんで私達まで巻き込もうとするかなー……」
「全員無事か、つまらな……こほん、良かったな!」
 生存確認をする最中、ふと猟兵は思う。
「待てよ、あいつらのボスは?」
「そういえばわしら、情報を引き出す前に片付けてしまったの」
「むむぅ、振り出しに戻ってしまったのでしょうかぁ……」
 などと不安に駆られる猟兵達だったが。
「え、何あいつら、近づかんとこ……」
 あまりにもバカ騒ぎしてるから、ボスっぽいコンキスタドールが近くまで顔を出して来たものの、そのままそっと海中に帰っていった……。
「あら?今逃げたの……ボスじゃない?」
 まぁ、逃がすわけないよね!
「はわわ……えっと、その……お、追いかけ……ますか……?」
「追撃しましょう!私たちの反逆はここからです!!」
 猟兵の一人が、大きく手を振って。
「おーい!帰って来てくださーい!このままでは、私のシリアスがないままに終わっちゃうんですよぉおおお!!」
 その悲痛な叫びは、波に飲まれて消えた……。君達は海目がけてUCをぶち込み、問答無用で戦闘をおっぱじめてもいいし、何も見なかった事にして浜辺で遊んでいてもいい。


 ※次回の執筆は十四日を予定しています。十三日の深夜までにプレくれると嬉しいなー?
アリス・セカンドカラー
あははははは♪この場は既に私の私による私の為の空間よ?逃げられると思うてか☆すべてはごにゃーぽでそれは魂八保なので即ち男の娘でおいしいおいしい人外サーペント男の娘いいと思いますごにゃーぽごにゃーぽとほらとても気持ちいいでしょ♪もうナニも考えなくていいのほら私にすべてを委ねてこねこね魂八保に魂を捏ねておいしくおいしく料理して捕食してすべてを略奪してあげる♡ほらとてもとてもごにゃーぽで魂八保で星辰界が繋がればそれは不可思議な宇宙の真理に繋がった気になれてごにゃーぽ的にとてもとてもしあわせでしょう魂を八(最善)に保つ魂八保の秘術でエナジーを循環させればほらあなたも私でごにゃーぽで魂八保なので幸福です


火霧・塔子
親玉を討ち果たすまでが反逆です!

ふぅむ……、メガリスを食べると呪いに浸食された姿になるようですね
ドジっ子です!
自らを強化しようとして、うっかり呪われてしまっています!
もっと餌を与えたら自滅するかもしれませんね!
肥太った果てにあるのは溜め込んだ咎に焼かれる未来ですよ!

でも私、メガリスなんて持ってません!
仕方ないので火炎瓶の【一斉発射】で餌の代用としましょう!
ついでにUCのワン・ショットも投げ込みます!
水の中だとあちらの方が有利ですし、吹き飛ばして陸にあげてやりますよ!
私、泳げないですし!

たくさん働きました!
こんな夏色浜辺ではアイスが食べたいです!
第四の壁の向こうからお取り寄せできないでしょうか?


セプテンバー・トリル
相手は海中ですか…では私は支援メカを呼ぶとしましょう。

【WIZ】連携・アドリブ歓迎
早速、UC【緊急支援要請】で【ディビジョンズ】たちを召喚し、【水中機動】に特化したメガロドン型メカに合体させましょう。
あなたたちは敵が水中深くや沖へ逃げようとしたら、逃亡を阻止しつつ岸の方へ追い込みなさい。
ただし無理な戦闘は禁止です。あくまで牽制ですわ。

さて、私は撤退して風車の周辺に戦闘の余波が及ばないように【拠点防御】の土塁でも作っておきましょう。
ええ、決して自分が巻き添えにならないように逃げた訳ではありませんわ!
支援メカが危なくなったら緊急送還できるように注意は怠りません。


夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎

■行動
成程、海龍さんでしたかぁ。

ところで思い出しましたが、A&Wの「ドラゴン肉」は美味しいですよねぇ。
海蛇さんも場所によっては食べられておりますし。
この方も美味しそうな気がしますぅ。

ということで『オプション兵装』を使用して『FRS』『FSS』の弾頭を『魚雷』に変更、一気に発射しますぅ。
そしてメガリスを纏っている以上、この程度では火力不足の可能性が高いと思われますし、【遍界招】を使用して『巨大スタンガン型祭器』を召喚、海水に電気を流しましょうかぁ。
私自身は『FBS』で飛行していれば大丈夫ですし。

出来るだけ多めに確保して『海龍の焼肉パーティ』を始めたいところですが、如何でしょう?


プリエスト・シュメルトレーネ
アドリブ・共闘大歓迎。

●行動
そういえば、先ほどの戦闘で私、役に立ってないですよね。
このままだと私はいわゆる戦犯になって他の方たちに怠惰とそしられることに……
それだけは避けないといけません。

ここから先はお仕事です。
真面目に戦いましょう。

この状況で一番困るのは…… 逃げに回られることでしょうか。
UCを使って重力属性を満ち潮に合成して海水の重量を上げて、水の抵抗を増やすことで逃走を図る相手に「時間稼ぎ」をします。
もちろん発動前に他の人には声を掛けます。

戦闘後、私は巻き込まれて打ち上げられた海産物を海に戻す作業に移ります。これは私がやってしまったことなので私が責任をもって返さないといけません。


四季乃・瑠璃
引き続き【破壊の姫君】で分身

飛翔翼で飛行しつつ、2章でいちごさんが音響兵器(仮)で倒した損傷の少ないのを中心に敵のスクラップを回収。
継ぎ接ぎして修理しつつ【高速詠唱、ハッキング】で電子頭脳カキカキして猟兵達(参考:緋瑪やこの場の個性的な猟兵達)の思考プログラムを搭載した尖兵として逆に利用し、出撃。攻撃させるよ!
ちなみに全機遠隔起爆式のジェノサイドボムによる自爆装置とデスソース搭載済。
後は二人で飛翔翼で文字通り空から高みの見物。
いざとなれば遠隔起爆ポチっとな

瑠璃「元々水中用の機体みたいだし、わたし達楽で良いね」
緋瑪「機体の再利用もできて正にエコだね!島の環境にも優しい殺人姫って偉くないかな!」


御手洗・そそぎ
これは立派なウナギじゃのう?
天然物でこうも立派なのは貴重じゃな

わしはこう見えて料理は得意じゃが、あの大きさのウナギに串を打って焼くのは……骨が折れそうじゃ
ちゅうわけで、お掃除おばちゃん召喚でPOWフルに調理するかの

ほれ、暴れるなら……おばちゃんに尻尾掴ませて、浜に何発か叩きつけてみるかの
まだ暴れるなら……次は岩場じゃな

あまり岩に叩きつけると身が傷むかもしれん
加減せんとのう

動かなくなったら、串を打って焼きに入るかの
ちゅうても、このウナギに打てる串があるかのう?

誰ぞ持っておるか?

っと、隙をみて逃げようとは往生際の悪いウナギじゃ!

……はて、ウナギに腕はあったかのう?
もしや、これは新種発見かの!?


涼風・穹
……もう帰る…訳にもいかないよな…
……一応は侵略者を撃退した戦闘の余波、と言えば嘘ではないけどこの浜辺の惨状は島民の方々にどう説明したものか…?
差し当たり賠償として俺の持ち込んだスパイス類を渡しておくか…

シーサーペント?
……関わりたくない気持ちはよく分かるしもう去る者追わずで良いんじゃないかな…
グリードオーシャンでは俺もグリモア猟兵としてRB島について予知したんだし役割も一応は果たしたんだからそろそろ帰りたいんだよ
俺はもう疲れたよパトラッシュ…

だいたい海中戦用装備なんて用意していないんだから海中の相手をどうしろと…?

《贋作者》:俺が視認した武具を複製可能、当然さっきのメカメカしい方々の武装も…


エドゥアルト・ルーデル
登場物お任せしたらトンデモナイ事になったでござるな
でもこれからもっと非道くなるんでござるよねわかります

どうせ起こるだろう猟兵による大惨事対戦はぁじまぁるよー!
まずは風車の壁に一定のリズムで頭を打ち付ける
すると名前欄が狂ったグリシャンのアイテムが出るので装備後に適当に誰かの攻撃を食らって頭から砂浜に突き刺さってやられる
そうするとじゃし…【物理演算の神】が召喚されて【お戯れのバグ】を無差別に放つので身体の伸び縮や世界の裏側に行くのを楽しむ

ボスキャラのサーペントを突如湧いたテクスチャの隙間にポイして地の文=サンの元にシュー!
色々と耐性の無いサーペントはSAN値直葬するのでコレが一番早いと思うでござる


彩波・いちご
私のシリアスを諦めない!
ここでボスに逃げられたら、私に何しに来たのかわからないじゃないですかっ
真人間のシリアスキャラゆえに、カオスなネタにも乗り切れず、影も薄く…
だから、ボス戦くらいはシリアスに大活躍して目立つんですっ

普段は相方と一緒だからアイドル行動メインですけど
今回はシリアスなので、アイドルではなく猟兵として、全力全開の召喚魔術行きますよっ!
【異界の抱擁】でボスの逃げた海の中に広範囲に触手群を呼び出して、どこまで逃げてもみんなまとめて絡み取ってやりますぅぅぅ!
何人たりとも、私の触手から逃げられると思わないでくださいねっ!

…って、地の文さん、触手アイドルとか変な事言わないでくださいよっ?!


亞東・霧亥
何をしても良い第三章。
これはもう余興するしか。

【UC】
満を持して武者爆誕。
大将首と聞いては登場せざるを得ない。

『ボスは何処に?』
「彼方に(逃げた)。」

そう気を落とすな、大将はあっちにも居る。
第四の壁を超えた先、編纂者の汚部屋に首は在る。

・略奪、吹き飛ばし、スナイパー
「(ボスに狙いを定め)概念は剥ぎ取って、彼方に吹き飛ばしておくから。君は存分に中で暴れておいで。」
『承知!』

クズ=ミに首狩インタビュー、頭の中身を大公開!
99%のネタと0.01%のシリアスを内包するらしいクズ=ミ脳の、残り0.99%に迫る!

※絡み辛いけど大歓迎



「あははははは♪この場は既に私の私による私の為の空間よ?逃げられると思うてか☆すべてはごにゃーぽでそれは魂八保なので即ち男の娘でおいしいおいしい人外サーペント男の娘いいと思いますごにゃーぽごにゃーぽとほらとても気持ちいいでしょ♪もうナニも考えなくていいのほら私にすべてを委ねてこねこね魂八保に魂を捏ねておいしくおいしく料理して捕食してすべてを略奪してあげる♡ほらとてもとてもごにゃーぽで魂八保で星辰界が繋がればそれは不可思議な宇宙の真理に繋がった気になれてごにゃーぽ的にとてもとてもしあわせでしょう魂を八に保つ魂八保の秘術でエナジーを循環させればほらあなたも私でごにゃーぽで魂八保なので幸福です」
「……もう帰る……訳にもいかないよな……」
 バーサークするアリスから穹がそっと目を逸らして。
「……一応は侵略者を撃退した戦闘の余波、と言えば嘘ではないけどこの浜辺の惨状は島民の方々にどう説明したものか……?差し当たり賠償として俺の持ち込んだスパイス類を渡しておくか……」
 そっち!?アリスを何とかしてくれない!?もう俺の手に負えないぞアレ!?
「俺ももうやだよ!こちとら元は一般人なんだよ!!」
 既にメンタルがポッキリ逝ってしまっている穹は崩れ落ち、砂を涙で濡らす。しかし、ここで足を止めてしまえば自体は悪化するばかり。
「そういえば、先ほどの戦闘で私、役に立ってないですよね。このままだと私はいわゆる戦犯になって他の方たちに怠惰とそしられることに……それだけは避けないといけません」
 役立たずの烙印を押され、石ころを投げつけられる未来を幻視したプリエスト。ガクブルしながら、おずおずと波打ち際に。
「て、敵の足止めをします……」
 ここでコミュ力の低さ出しちゃうかー。海に重力属性を叩き付けて、海水に作用することで海そのものを引きずり寄せて、その中身を浜辺に引きずり寄せるという規模の大きい事をするのだが、声が小さくて他の猟兵に届いていない。その結果。
「いやー!?海からお魚が突っ込んできますわー!?」
 びちびち。セプテンバーの顔面を鮮度抜群の生魚がスマッシュ!次々と浜に打ち上げられる海産物を前に、ツインドリルおぜうさまは風車を背に土塁を築き上げて。
「カモン、ディビジョンズ!」
 呼び出したのは重機の群れ。無数のショベルの先端を牙に、アームをアゴに、キャタピラを皮膚にして本体を連結。
「あなたたちは敵が水中深くや沖へ逃げようとしたら、逃亡を阻止しつつ岸の方へ追い込みなさい。ただし無理な戦闘は禁止です。あくまで牽制ですわ」
できあがった巨大な鮫は、皮膚を回転させて砂浜を滑り海の中へ……が、ここで困ったのはプリエスト。
「え、味方も海に入るんですか!?」
 セプテンバーが呼び出した重機の鮫が海に入ったもんだからさぁ大変。海そのものに干渉してるんだから、敵の足止めになるが味方も足止めしてしまう。
「どどどどうしましょう!?」
 とはいえ、下手に緩めると敵を取り逃がす可能性も出てくる。多少海流が変わったくらいで流される敵ではないのだ、現状は精々エスカレーターを逆走している程度の物。もちろんセプテンバーシャークも似たような物で、彼我の距離は縮まることなく、両者ともに沖に向かっている状態。
「これは今の内だね」
「ぱぱっと作っちゃおうか!」
 なんかもー嫌な予感しかしない瑠璃緋瑪コンビは、砂浜に降り立つなり無惨に散った敵の欠片を回収。これ、オブリビオンの扱いだから何も残ってない事もあるって事も把握しとけよ?
「その辺はー」
「ご都合主義で!」
 オイ!?
「この辺のー、綺麗な欠片をー」
「並べてくっつけて、トンテンカーン♪」
 瑠璃&緋瑪の工作タイム、はっじまっるよー……いや何遊んでんのさ!?
「遊んでないよ?」
「組み立ててるんだよ!」
 ててーん、うぉーましん(ひらがな発音)が完成した!
「三つの頭で敵を補足!」
「八本の腕で敵を爆破!」
「「完璧だね!!」」
 どうしてこうなった?ていうか脚は!?
「脚なんて飾りだよ!!」
「脚部パーツだけ、使えるのがなかったんだよね……」
 ポジティブな緋瑪とリアルな問題にぶち当たった瑠璃なのであった。
「取りあえず、頭の中見は空っぽだったからプログラムを書き込んで……」
「おバカさんだったのかな?」
 ちげーよ、ウォーマシンっつー人類の一種?だから、普通の機械とは違う思考プログラムがされててお前らじゃ分かんなかっただけだよ。ていうか仮に残ってたら後ろから猟兵を撃って来てるって。
「とにかく後は」
「海へぽーい!」
 ざっぽーん。再び飛行状態へ移行する二人によって海に投下された元オブリビオンは、奇妙な赤い爆弾を手に進んでいくが、まぁ、満ち潮に捕まって減速するよね。
「元々水中用の機体みたいだし、わたし達楽で良いね」
「機体の再利用もできて正にエコだね!島の環境にも優しい殺人姫って偉くないかな!」
 そんな様子を上から見てるこの二人は、敵を死してなお利用する外道枠だってことは、言わない方が身のためなんだろうなぁ……。
「「誰が外道だって?」」
 うっそ聞こえてるの!?
「成程、海龍さんでしたかぁ」
 迫りくるメカシャークの追撃を振り切り沖へ逃走を図る海龍、そしてそれを目指して八本腕によるバタフライで海面をジャンピングしながら追いかける謎兵器。その攻防を額に手を当て見守るるこるの脳裏に……
「ちょっとごまかさないでよ」
「お前も爆破人形にしてやろうかぁ!?」
 瑠璃緋瑪引っ込んでて!?
「ところで思い出しましたが、A&Wの『ドラゴン肉』は美味しいですよねぇ。海蛇さんも場所によっては食べられておりますし。この方も美味しそうな気がしますぅ」
 お前は何を言ってるんだ?いや、前からネタ枠とカオス枠を兼ね備えた頭おかしい部類だとは思ってたけど、あえてもう一度言おう。お前は、何を、言ってるんだ?
「海龍の蒲焼って、どんなタレなら合いますかねぇ……」
 駄目だこいつ完全に食う気だ!?
「ほほう、奴さんは鰻じゃったのか……」
 そそぎ、お前は騙されている。アレは鰻なんかじゃない、人語を解する化物だ……!
「まずは釣り上げないといけませんねぇ……」
 魚じゃねぇって言って……るこる、その魚雷どったの?
「私の武装は、大体の物は発射できますからぁ、換装用の弾頭も持ち歩いているんですよぉ」
 ガチャコン、浮遊砲台に魚雷をセット、海上に一列に並べて。
「全弾発射ですぅ!」
 とぷん。海水に落ちた魚雷のスクリューが回転。白い軌跡を残して真っ直ぐ海龍に向かっていくのだが……さーて、海龍の手前に追手がいましたね?
「「「あっ」」」
 ドッパーン!!派手な水飛沫と共に、八本腕のキメラアーマーが爆散!!
「当たっちゃったかー」
「あちゃー、でも仕方ないね!」
 カチッ。ぺちっとこめかみに手を当てた緋瑪が、スイッチオン。飛び散った機械兵がカッ……ボンッ!!
「ロボットと言えば……」
「自爆装置だよね☆」
 何搭載してんだお前ら!?今の爆発で辺りに赤いモノが飛び散ったんだけど!?
「あ、あれも爆弾だよ」
「手から離れたらデスソースをまき散らすやつ」
「カッラ!?」
 海龍が跳ねたー!?あまりの辛さに海が汚染されて、コンキスタドールが海上に跳んだ!?しかし、この被害は敵のみにあらず。
「目が!目がぁあああ!!」
「こ、この程度蒼汁で鍛えた私にはどうって事はあダメ辛いわギャグ補正による無効が効かない!?」
 海岸にいた猟兵にも飛んで来るんですよねー。
「はわわ……」
 目を押さえて悶絶する穹やら、何故かダンボールを机に薄い本を描き始めたアリスが描きながらビクンビクンし始めた姿を前に、プリエストがプルプル。
(こ、これも私のせいでしょうか!?で、でも海流の操作をやめたら逃げられてしまいますし……はうぅ、これも戦犯になってしまうのでしょうか……!?)
 まだ見ぬ未来の処分風景に戦慄するプリエストの傍ら、巻き添え防止の……。
「風車を守る為ですわ!」
 などと供述する土塁の向こう側のセプテンバーは、これを好機と見た。
「今ですわディビジョンズ!回り込んで足止めしなさい!」
 機械鮫が海龍の下を泳ぎ抜け、再び海へと落下する海龍の顔面にテイルスイング!
「サーモンッ!?」
 ベッチィン!痛々しい音と共に若干押し戻され、海流にどんぶらこっこされる海龍を前に、顔バレ防止用アイドルサングラスで目を守ったいちごがキリッ。
「私のシリアスを諦めない!ここでボスに逃げられたら、私は何しに来たのかわからないじゃないですかっ!この好機、逃がしません……!!」
 という建前の後ろに。
(真人間のシリアスキャラゆえに、カオスなネタにも乗り切れず、影も薄く……だから、ボス戦くらいはシリアスに大活躍して目立つんですっ)
 アイドル故の自己顕示欲が見え隠れ……これが偶像【アイドル】の性か。
「普段は相方と一緒だからアイドル行動メインですけど、今回はシリアスなので、アイドルではなく猟兵として、全力全開の召喚魔術行きますよっ!」
 グルリ、いちごの影が泥沼の如く広がっていく。真円の中心で両の手を重ねた彼女を囲み、這って出ずるは無数の触手。ぬらめく表皮は光を照り返し、色彩揺らめくそれは擬態の特性。
「ボスの逃げた海の中に広範囲に触手群を呼び出して、どこまで逃げてもみんなまとめて絡み取ってやりますぅぅぅ!何人たりとも、私の触手から逃げられると思わないでくださいねっ!」
 何かヤケを起こしてないか!?
「自棄じゃありません!ただ必死なだけです!!」
「触手に襲われるアイドルが、むしろ触手を操る……薄い本が厚くなりますなぁ」
「分かるわ。現在進行形で私の原稿も進行スピードがマッハで上昇中よ☆」
 いちごは真人間だと思っていたが、その実態は触手アイドルだったのか……。
「ちょっと皆さん!?地の文さんに至っては触手アイドルとか変な事言わないでくださいよっ!?」
 いやだって……ねぇ?
「ござるござる」
「うふふふ……」
 ほら、エドゥアルトとアリスは分かってくれてるぞ?
「なんで私がおかしいみたいな流れになってるんですかー!?」
 この場に味方がいないと察したいちごが、頬を膨らませて両手をぶんぶん、その動きに合わせて触手がぴちぴち。腕を振るんじゃねぇよ触手が荒ぶるから!
「こうなったらなんとしてもシリアスキャラになってやりますよ……触手さん、いってください!」
 腕を伸ばしたいちごの号令に合わせて、彼女の左右から触手が伸びる。骨を持たないそれは海に飛び込むなり左右から海龍を挟撃。尾に絡み付くと裏面に備えた吸盤で貼りついて、圧力をもって吸着、表皮を滑るようにしてその身を這い上り、螺旋を描く拘束と化した。
「捕えました!逃がしませんよ……!」
 拳を握り、手繰り寄せるように触手を引き戻すいちごだが、海龍とて大人しくやられる道理はない。その身をくねらせる度に、単純な膂力の差で触手の筋繊維が悲鳴をあげる。
「クッ、さすがに強い……!」
「援護するぜ」
 歯噛みするいちごの傍ら、膝をついた穹。その肩には先のウォーマシンが持っていたランチャー。
「それって……」
「さすがに対潜装備なんてなかったからな。ちょっと作った」
 認識した武装を再現する異能を持つ穹。敵が持っていた物をコピーして構えるが、そこに装填された銛に、るこるがいそいそ。
「これで撃ってもらえますかぁ?」
「ん?あ、あぁ……」
 ワイヤーと接続する意図を読めない穹がトリガー。空気を引き裂く鏃は触手の隙間から覗く鱗を穿ち、鈍血色の飛沫を上げるものの。
「で、これどうすんだよ?さすがに俺の腕力はおろか、ここにいる面子全員で引っ張ったって、たかが知れてるぞ?」
「引くんじゃなくて、送るんですぅ」
 カチッ、るこるは穹のランチャーから繋がるワイヤーに、謎のフックをセット。それを押し出すように、シャーッ。
「なんだあれ?」
「あれはですねー」
 フックが海龍に触れた瞬間、るこるがにっこり。
「大型回遊魚の漁で使われる、スタンガンですぅ」
「イワシッ!?」
 バヂィッ!爆ぜる雷音と共にまたしても海龍が大きく跳ねて、その隙に一気に手繰り寄せられたコンキスタドールが、ついにその身を浜辺に寄せた。その巨躯を前にいちごがはしゃぎそうな物なのだが……。
「ぁ……わ……活躍……でき……」
 スタンガンの雷撃が触手を通じて、ビクンビクン。感電してますね、コレ。
「登場物お任せしたらトンデモナイ事になったでござるな。でもこれからもっと非道くなるんでござるよねわかります」
 エドゥアルト、何言ってるの?
「敵さんに攻撃できる距離になった今、どうせ起こるだろう猟兵による大惨事対戦はぁじまぁるよー!」
「いやー!?風車に何するんですの!?」
 突然風車に頭突きして行進曲を奏でるエドゥアルト。リズミカルなヘッドバットに、風車の破壊を目論んでいると思い込んだセプテンバーが大型ハンマーをフルスウィング!
「折角建てたんですから壊さないでくださいまし!」
「よっしゃバグコインを入手でござおりょー!?」
 I=ノI‘Vを装備したエドゥアルトだが、すぐさまセプテンバーによりスマッシュ!
「たーしけてー!?」
「あ、なんか飛んで来た……」
「危ないッ!」
 瑠璃と緋瑪が、ひょいっ。
「何故避ける!?」
 拾ってもらえなかったエドゥアルトは重力に引かれて、頭から砂浜にグサァ……物言わぬオブジェと化した。
「わしはこう見えて料理は得意じゃが、あの大きさのウナギに串を打って焼くのは……骨が折れそうじゃ」
 後ろで味方がエライ目に遭ってる事にも気づかず、そそぎは腕組みして眉間にしわを刻み。
「おばちゃんに尻尾掴ませて、浜に何発か叩きつけてみるかの」
 にゅっ、三メートル程度のおばちゃんと言う名のクリーチャーが現れ、海龍の尻尾を掴んで、ドンッ!
「おぼっ!?」
 そらー、砂浜にぶつけたら砂を巻き上げるわな……。
「あまり岩に叩きつけると身が傷むかもしれんが、やはり岩場にぶつけるしかないかのう……」
 ていうか地形に影響しそうな真似をするんじゃねぇ!?
「えー……ではしかたない、首を落として開いて、串を打つか……ちゅうても、このウナギに打てる串があるかのう?誰ぞ持っておるか?」
「誰が鰻だオラー!?」
「っと、隙をみて逃げようとは往生際の悪いウナギじゃ!」
 感電が解けた海龍がブチ切れて起き上がると、今なお鰻と信じて疑わないそそぎが、首を傾げる。
「……はて、ウナギに腕はあったかのう?もしや、これは新種発見かの!?」
 なんで目を輝かせてやがるんですかねぇ!?
「ふぅむ……メガリスを食べると呪いに浸食された姿になるようですね。ドジっ子です!自らを強化しようとして、うっかり呪われてしまっています!もっと餌を与えたら自滅するかもしれませんね!肥太った果てにあるのは溜め込んだ咎に焼かれる未来ですよ!」
 塔子はその反逆者めいた視点に偏るのどうにかならない!?
「なりません!」
 即答しやがった……。
「でも私、メガリスなんて持ってませんからね、これで行きます!」
 取出したるは火炎瓶。バカの一つ覚えというが、コイツの場合は一念岩をも通すの方で。
「仕方ないので火炎瓶を投げ込みましょう!」
「小娘が、その程度で私を倒せると思ったか!」
「あっ」
 トサッ……火炎瓶を一本、砂浜に残して塔子の姿が海龍の顎に消えていく。
「た、たべられ……」
 プリエストがガクブルし始めたその直後。
「アボッフ!?」
「口が爆発しましたー!?」
 プリエストが号泣し始めた所でニョキッ、砂浜から新しい塔子が生えてくる。
「我が反逆魂は不滅です!!」
「復活しましたー!?」
 プリエスト叫び過ぎぃ!
「いや、あの、だって人が……!」
「あ、私は火炎瓶と反逆のヤドリガミですから!!」
 ビシッと敬礼する塔子を前に、人と変な接し方したせいでキャパオーバーしたプリエストが目を回し、ダウン。ゆっくりと砂浜に倒れてしまった。
「フフフ、我が反逆のお味はいかがですか?」
 ドヤッとする塔子に、横からそそぎがぼそり。
「あれでは火力が足りんのう……全く火が通っておらぬ」(調理的な意味)
「なるほど、やはり全身をがっつり焼かないといけませんよね!!」(反逆的な意味)
 何故か話が噛み合ってしまった、全く違う事を考える二人組。そして異色コンビはコイツらだけでなく。
「なぁ、霧亥よ」
「何か?」
 斬馬刀背負った武者と並び、二人で一緒に腕組みしてる霧亥が海龍をじー。
「我はボスの首を落とせと言うから出てきてやったのだが、あれを鰻と言う。ボスはどこに?」
「彼方に」
 一礼してこっちを指す霧亥……ってオイコラてめぇ!?
「ほう、ほう、概念の敵とは面白い」
「概念の壁は剥ぎ取って、彼方に吹き飛ばしておくから。君は存分に中で暴れておいで」
「承知!」
 お前何考えてんの!?
「いやほら、もうほっといても何とかなりそうだから、第四の壁の限界に挑むしかないかなって……」
 解体した第四の壁を建材にして、それをセプテンバーが嬉々として風車を補強し……おいマテお前マジで分かって……。
「問答無用」

 ――ザシュッ。

「クズ=ミに首狩インタビュー、頭の中身を大公開!」
「のう、霧亥よ」
「何かね?」
「こやつ、首の中身がないのだが……」
「え?」
「どうしましたのー?」
「いや、邪神の首を斬ったら、中身がないって言われて……」
「なるほど……まさに無能ですわね!」ドヤッ
「誰が上手い事言えと……!」
 フフ、じゃあ『ココ』は私のモノね?
「霧亥よ」
「なんだ?」
「今、其奴の収まっていた役割に違うモノが収まったようだが?」
「……え?」
 ハァイ、アリスよ♪折角だから、邪神の椅子を頂いちゃった☆
「お前何やってんだー!?」
 穹が叫んでるけど……知った事じゃないわね☆もらっちゃったんだもの。
「いやいやいやそう簡単にできるわけ……なんだこの紙?」
 私が書いてた薄い本の原稿よ。これが舞い散る範囲は私の世界……そう、この世は既に私のモノ!
「ぐっふっふ……なるほど、邪神はこちらにいたのでござるな……」
 エドゥアルト、あなた埋まったまま何を笑っているのかしら?
「なーに、簡単な事、目には目を、歯には歯を、邪神には邪神をぶつければいいって事よ!」
「……海に帰ってもいいかな?」
「……関わりたくない気持ちはよく分かるし、俺ももう去る者追わずで良いんじゃないかなって思いはするんだ……」
 天より舞い降りる実体非実体が入り乱れる混沌物理邪神と、もはや概念たる『観測者』と化した私が睨みあってる間に、海龍と穹がそそぎと塔子が用意してる特大グリルの前で膝を抱えて語り合い始めたわね……何話してるのか気になるんだけど、ちょっとあっちの邪神もほっとけないし……。
「お前もこの島はヤバいって手を引こうとしてるし、グリードオーシャンでは俺もグリモア猟兵としてRB島について予知したんだし、役割も一応は果たしたんだからそろそろ帰りたいんだよ。もう実質解決した後だと思うんだ。俺はもう疲れたよシーサーペント……」
「よく分からんが、お前もメガリスで苦労してるのだな……」
 グリモアとメガリスがごっちゃになって分かり合っちゃってるじゃない、何してるのよあの二人!?
「隙を見せたな?物理演算の神の旦那!やっちまってくだせぇ!!」
 しまった、ツッコミしてる間に先手を……。

 ぺりっ、むんず……ぽいっ。

「ちょ、ここどこ!?ていうか今空間を引き剥がさなかった!?」
 ……とられたと思ったら、あら?やだ、あの神様『こっち』に海龍を送り込んでくるだなんて……。
「ひっ!?」
 何も怖がることはないわ大丈夫すべて私に委ねて人外サーペント男の娘って絶対需要があると思うのだからこの記録はしっかり残さないといけないわねまずはショタるところから全てを始めましょううふふふ全ては魂八保の導きのままに……。
「アッー!?」
「……今、コンキスタドールの悲鳴が聞こえた気がする」
「気のせいだろう。と言うか君、中身がないのに話せるのか」
「中身なんて飾りだからな……それはそうと、霧亥、テメーは許さん」
「何故?面白ければよかろ……待って待って深海はもうやったじゃないか、というかそこに触手アイドルもいるからさすがに二回も三回も同じネタは……」
「私は触手アイドルじゃないですってば!!……て、大丈夫なんですか、それ?」
「お前が気にする事じゃないから安心していい」
「なぁ、あの蜂と狼のキメラは何かな?」
「海の次は、空だろう?」
「ちょっと待ってアレ空とかそういう次元じゃな――」
「……最期の言葉、ドップラー効果すら残らなかったんですけど、大丈夫ですか?」
「並の人間なら空気抵抗ですり身になるかもしれないけど、あいつは大丈夫やろ……さて、じゃあちょっと返してもらいに行ってくるわ」
「え、あっちって、今大変な事になってるんじゃ……」
「大丈夫、えーっと……」
「く、空間に腕が……!」
「はぁ……はぁ……ふふふ、さて次は……あら?」
「やぁアリス、久しいな」
「……え?な、なんであなたが……」
「カ ク ゴ シ ロ ヨ ?」


※映像が乱れております、しばらくお待ちください。


 ――ザザーン……ザザーン……。
 寄せては帰す波打ち際、沈みゆく夕日を眺めて、いちごは膝を抱えていた。
「相方がいたら、こんな事にはならなかったのでしょうか……」
「アイスが欲しいって言ったのに、冷凍パインしか出さないとか、シケてますよね、あの……」
 塔子が何か言おうとしたが、その手を掴み、いちごは静かに首を振る。
「やめておきましょう。これ以上関わると、次は私達がああなります」
「来るなら来やがれですよ、私はいくらでも反逆してやりますとも!まぁ、今日の所は早く帰ってクッキーバニラのアイスが食べたいので止めておきますが」
 いつもは声が大きな塔子でさえ、静かに響く波音のようにプイと顔を背けて黄色い冷凍果実を頬張る。
「よし、竃はこんなものでしょうか?」
「そんじゃ、簡易式の焼夷弾を最小サイズで作ってっと……」
 額を拭い、調理場を拵えたセプテンバー。その竃に穹が乾燥した小枝と、燃料代わりのミニマム焼夷弾を投下。小さな焚き木を始めれば、エドゥアルトが金網を乗せて肉の塊を置く。
「持っててよかった、黒ひげ印のお肉の缶詰。脂っこく見えて、実はきちんと栄養バランスが考えられておりますぞ!」
「皆の者、魚が獲れたのじゃ!」
「海龍さんが食材にできればよかったのですがねぇ……」
「あの鰻は惜しかったのう……」
 そそぎとるこるが調理を始めると、瑠璃が後ろからすすす……。
「調理と言えば調味料、調味料と言えばデスソース……」
「瑠璃」
 こっそり激辛調味料を使おうとした瑠璃の肩を、緋瑪がポムン。
「やめよう?多分、取り返しがつかなくなる」
 まさかの真顔で言われて、さすがに瑠璃も諦めざるを得なかったとか。
「ま、こんなもんかの?」
「缶詰の焼き具合もいい感じですぞー」
「皆さんご飯ですよぅ」
 猟兵達が談笑に花を咲かせる中、隅っこでおどおどしていたプリエストへ、そっといちごが串焼きを差し出して。
「わ、私も食べていいんでしょうか……」
「いいんですよ、皆で食べましょう?」
「というか、そのお魚だってあなたが獲ってくださったようなものですもの」
「むしろ、ここで食っておくのが責任って物じゃないか?」
 戦闘の影響で浜辺に魚を打ち上げていたプリエストに、セプテンバーが更なる料理と飲み物を出して、穹が微笑む。未だ、会話は上手くできないけれど、片隅で料理を頬張るプリエスト。そんな彼女を見守る、未だ赤みが残る夜空の向こう……霧亥とアリスが、微笑んでいるような気がした。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年04月14日


挿絵イラスト