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キマイラフューチャーでぼくと握手!

#キマイラフューチャー

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#キマイラフューチャー


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●ブンブンブン
 キマイラ達が日々おもしろおかしく暮らしているキマイラフューチャー。今日の繁華街の広場はダンスバトルのために集まったキマイラ達でごった返している。
 ブイーン ブブーン……。
「なにこの音?」
「ちょっと誰ー? 羽音は控えてよねー」
 キマイラ達は音楽を邪魔する羽音を虫の翅が生えた誰かの仕業だと思って周りを見たが、そこにいたのはブンブンと飛んでくる蜂の集団だった。
 奴等は怪人働き蜂戦闘員!
 ジョック臭あふれる女王蜂怪人に仕える働き蜂。女王蜂怪人の指示があればどんな所にでも文字通り飛んで行く僕の鏡!
 驚くキマイラ達めがけて働き蜂戦闘員が一斉に槍を構えた!

●見た目は愉快でもシャレにならない
「みんないらっしゃい。仕事の紹介だよー!」
 キャロ・エレフセレリア(たーのしー!・f12156)が猟兵達を出迎える。
 彼女が手ずから作り出した相棒のガジェッティアも「熱烈歓迎」と旗を振っていた。
「事件が起きるのはキマイラフューチャー。ぱっと見とっても楽しそうだし実際住民のほとんどは毎日楽しく過ごしてるんだけどね」
 しかしこの世界にもオブリビオンの魔の手は伸びている。
「場所は繁華街の広場。この広場は毎日何かのイベントをやってて、その日はダンスバトルをやってたの。そこを蜂の怪人に襲われるんだ」
 怪人は働き蜂戦闘員。どこかにある巣と言うかアジトと言うか、そこから出てきたらしい。
「まずはこの蜂の怪人を倒さないと繁華街にいるキマイラのみんなが殺されちゃう。一匹も逃がさないでね!」
 物騒な事を言い出すキャロだった。
「怪人を倒したらこいつのアジトに突入して。そこにもなんかこうウネウネした怪人がいるからそいつも倒しちゃって!」
 怪人をすべて倒せば事件は無事解決。めでたしめでたし。
「終わったからって帰っちゃダメ。キマイラフューチャーではあなたたち猟兵はヒーローなの。怪人を倒したらそれを大々的に宣伝してみんなに安心してもらわなきゃ」
 そして始まるヒーロー握手会。
 キマイラ達は楽しい事が大好きだ。ノリも良い。きっとヒーロー握手会で大いに盛り上がるだろう。
「握手会で猟兵にいい印象を持ってもらえたら今後の活動にもきっといい影響になると思うの。だから最後まで頑張ってね!」
 キャロは笑顔で親指を立てて猟兵たちを送り出した。


水見
 猟兵のみなさん初めまして。新人マスターの水見です。愉快そうなキマイラフューチャーでの事件をお送りします。
 第一章は『働き蜂戦闘員』をボッコボコにするお仕事。
 第二章はアジトにいるボスをボッコボコにするお仕事。
 第三章は怪人を倒したヒーローとして、集まって来るキマイラフューチャーの住民の皆さんとの握手会のお仕事です。
 全体的に騒がしく賑やかに、どっちかと言うとコメディっぽいリプレイになると思います。
 シリアスはシナリオに失敗しない限りはでてこないんじゃないでしょうか。
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第1章 集団戦 『働き蜂戦闘員』

POW   :    御槍奉公
【槍】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD   :    飛行モード
空中をレベル回まで蹴ってジャンプできる。
WIZ   :    数で圧す
自身が戦闘で瀕死になると【さらなる増援】が召喚される。それは高い戦闘力を持ち、自身と同じ攻撃手段で戦う。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

フロッシュ・フェローチェス
喧しい握手会はどうでも良いけど、仕事はきっちり果たすか。
――そう言う訳だから。
じゃあ、さっさと消えて害虫モドキ。

SPDには自信がある、【ダッシュ】も【早業】もね。
メカブーツ・衝角炉でブッ叩くか。故【先制攻撃】は基本。
まずは上から奇襲。
続けて素早く回し蹴りで薙ぎ払う【2回攻撃】だ。

集団で行動するなら、何処から攻め崩すかを【見切り】、引っ掻き回す。
【選択したUC】で巻き込んで吹き飛ばす。
空へ逃げたなら【スカイステッパー】と、【衝撃波】で叩き落してやる。

特別サービスだ。
【地形の利用】がキモなフリーラインニングのように動き回り、
【残像】が見える程のブレイクダンス――で蹴る。


後は【野生の勘】に従うのみ。



 原色と蛍光色で彩られたキマイラフューチャーの繁華街に突如現れた怪人働き蜂戦闘員。驚いて逃げ惑うキマイラ達に向けられた槍は運の悪い犠牲者に突き刺さる前に持ち主ごと地面に叩き落された。
 非常に痛そうな音を立てて広場のタイルに激突した戦闘員の頭には何か硬い物がめり込んだ痕がついている。
「喧しい握手会はどうでも良いけど、仕事はきっちり果たすか」
 ブンブン飛び回る働き蜂戦闘員の頭上からメカブーツ・衝角炉を叩きつけた張本人がそこにいた。
 逃げ惑うキマイラ達の中に一人、フロッシュ・フェローチェス(疾咬の神速者・f04767)は色めき立つ働き蜂戦闘員が陣形を組み直す前に疾風のごとく駆け出した。
 ガジェッティアの技術でフル改造したメカブーツはダッシュのスピードと目にもとまらぬ早業による回し蹴りの威力を凶悪なものに仕立て上げる。
 回し蹴りを喰らった働き蜂戦闘員はタイルに落ちた戦闘員を飛び越えてきりもみ回転しつつ吹っ飛んで行く。
「―――そう言う訳だから。じゃあ、さっさと消えて害虫モドキ」
 働き蜂戦闘員がよくも仲間を! とブンブン飛び回るのを、フロッシュは青い左目と明らかに大きさの違う緑の【化け物】の目で見る。
 集団で襲い掛かって来る働き蜂戦闘員の群れの動き、うるさい羽音にも煩わされずに何処から攻め崩すかを冷静に見切る。
「飛び回る音は威勢がいいけど、速さは大したことないね」
 空中をジャンプして上空から襲い掛かろうとする働き蜂戦闘員より高く、フロッシュは跳ぶ。
「特別サービスだ」
 働き蜂戦闘員を襲うのは残像が見えるほどのブレイクダンス。
 激しい動きは衝撃波を起こし、跳ね飛ばされた働き蜂戦闘員は先に落ちた仲間と同じく広場の床に落ちて行った

成功 🔵​🔵​🔴​

蝶ヶ崎・羊
蜂の羽音は怒っているときに羽ばたくと聞きますが、市民の敵であることは変わりありませんね
さて、害虫駆除の始まりです
まずはジャッジメント・クルセイドで近くの敵に【天からの光】を落とします
蜂は目が良いと聞きますし、もしその光で目が眩んだ敵がいれば鎌鼬で【二回攻撃】して確実に落とします
向かってくる敵には【気絶攻撃】で気絶させ周りを怯ませるのをかねて【全力魔法】で攻撃早さに自信がないので敵の攻撃を【見切り】ながら少量を確実に倒せる戦法を心がけます



 蝶ヶ崎・羊(伽藍堂の歌箱・f01975)はブンブンと飛び回る働き蜂戦闘員から逃げ回るキマイラ達を守るため広場に現れた。
「蜂の羽音は怒っているときに羽ばたくと聞きますが、市民の敵であることは変わりありませんね」
 広場のいたるところで働き蜂戦闘員が飛び回っているせいでうるさいくらいだった。
「さて、害虫駆除の始まりです」
 白い指先を向けられた働き蜂戦闘員は何か頭上で光った事に気付いた。
 ジャッジメント・クルセイド。天から降り注いだ光が働き蜂戦闘員の視界と意識を白く染める。
 攻撃だと気付いた周りの戦闘員は直撃こそ食らわなかったが、強い光に目が眩んだ。
「落ちなさい」
 視界を奪われた事で危機感を覚えた働き蜂戦闘員が下がろうとする所を風の精霊の力を宿した鎌鼬銃撃が鋭い疾風となって切り裂いていく。
 とどめには一歩足りずに反撃してくる働き蜂戦闘員の槍をギリギリで躱して鎌鼬の銃底で殴りつける。
 いい所に入った銃底の衝撃で脳震盪を起こした戦闘員はふらふらと地面にへたり込む。
「私は早さにはあまり自信がありませんので、その分全力でいかせていただきます」
 全力で放たれた羊の魔力に働き蜂戦闘員が飲み込まれていった。

成功 🔵​🔵​🔴​

アーサー・ツヴァイク
※協力アドリブ大歓迎

今度の相手は…蜂か? ま、豆腐頭に比べりゃよっぽど戦闘員っぽいな!
でもお前らブンブンうるせえから、さっさと退場してもらうぜ!

とりあえずライドランに【騎乗】した状態で突撃、相手の隊列をかき乱す!
ある程度切り崩したら【早業】でレイシューターを構えて【一斉発射】だ!

楽しいダンスにブンブン音は邪魔になるだけだぜ! 蜂は蜂らしく、野原で蜜でも探してるんだな!


ペトニアロトゥシカ・ンゴゥワストード
アドリブ、絡み歓迎です

「蜂蜜が取れるわけでもないのに蜂と戦うってのは、いまいち気合が入らないねえ。」

とはいえ人命がかかってるから【鋭敏感覚】で加速した思考で考えるよ。

(空を飛べるとはいえ武器は槍のみ。接近戦は頭上からの奇襲以外は普段と大差ない。飛ばれて後衛に近付かれるのが一番厄介。少数なら後衛が撃ち落とせるから集団で一斉に飛ばせない事を優先。)

強化された【視力】と【聞き耳】で全体を把握して、敵の動きを【見切り】ながら石を【投擲】して味方への【援護射撃】をしつつ、斧を振り回して【衝撃波】で敵を【吹き飛ばし】て足並みを揃えさせない事を優先して立ち回るよ。



「今度の相手は……蜂か? ま、豆腐頭に比べりゃよっぽど戦闘員っぽいな!」
 アーサー・ツヴァイク(ドーンブレイカー・f03446)は前に戦った豆腐……豆腐? 頭の怪人と働き蜂戦闘員を比べて自分を納得させる。
「でもお前らブンブンうるせえから、さっさと退場してもらうぜ!」
 うなりを上げるアーサーのライドラン。
 槍を構えて攻撃して来る働き蜂戦闘員の隊列に真っ向から突撃する。
 働き蜂戦闘員の槍がかすめようともスピードは緩めない。
 強引に隊列を崩して行くライドランの突撃に何匹かが跳ね飛ばされながら、働き蜂戦闘員は数を頼みにアーサーを取り囲もうとする。
 そこにペトニアロトゥシカ・ンゴゥワストード(蛮族キマイラ・f07620)の援護射撃が届いた。
「蜂蜜が取れるわけでもないのに蜂と戦うってのは、いまいち気合が入らないねえ」
 口ではそんなことを言うペトニアロトゥシカが振り回した斧は衝撃波でアーサーを囲もうとした働き蜂戦闘員を吹き飛ばす。
「とはいえ人命がかかってるからねぇ」
 ぶうんと振り回す武骨な巨大斧。
 その餌食になった働き蜂戦闘員が背後に折り重なっているのを見たアーサーはやるなあ! と口笛を吹く。
(あっちは空を飛べるとはいえ武器は槍のみ。接近戦は頭上からの奇襲以外は普段と大差ない)
 巨大斧を軽々と担ぐ姿はキマイラの見た目もあって蛮族か獣人の戦士と言った風情。鋭敏な感覚で戦況を見極める。
「飛ばれて後衛に近付かれるのが一番厄介。少数なら後衛が撃ち落とせるから、集団で飛ばせないようにしよう」
 ペトニアロトゥシカの提案をアーサーが快諾する。
 突撃するアーサーをペトロニアロトゥシカが投擲した石と斧から繰り出される衝撃波が援護する。
「楽しいダンスにブンブン音は邪魔になるだけだぜ! 蜂は蜂らしく、野原で蜜でも探してるんだな!」
 ライドランから早業で持ち替えたレイシューターのソーラーパワーがペトロニアロトゥシカの衝撃波と一緒に働き蜂戦闘員の隊列を片付けた。
 倒れた先から増援を呼ぶ働き蜂戦闘員も、ここまで続いた猟兵たちの怒涛の攻撃で増援が追い付かなくなってくる。

「かっこいいー!」
「さっきの光るのもすごかったよ!」
「あのブレイクダンスだって! ぶわっとなってドカドカって!」
 猟兵が駆けつけるのに間に合って働き蜂戦闘員から無事逃げられたキマイラ達だったが、繁華街の建物に避難してずっと猟兵の戦いを見詰めていた。
 最初は恐る恐るどうなってしまうんだろうと不安そうだった顔も、猟兵の戦いぶりを見る内に恐怖はどこかに行ってしまったらしい。
「次は何が見れるかな?」
 元々楽しい事が大好きなキマイラ達は目の前の光景にわくわくしていた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ゲンジロウ・ヨハンソン
くおん(f02218)セルマ(f06556)れに(f00693)と共に連携して戦おう。

さーて今回は終わりにヒーロー扱いで出迎えてくれるそうじゃな。
そいつも楽しみじゃが、ひとまずは煩い蜂共の殲滅じゃな。

使用武器:装備してるものからご自由に。

戦闘スタイルは【挑発】で敵視を稼いで攻撃を引きつけるタンクじゃな。
【怪力】から繰り出される【なぎ払い】や【生命力吸収】によって敵の活動数を減らしていこうかの。
味方が重症を負いそうな時は、【覚悟】を以て【激痛耐性】【捨て身の一撃】【盾受け】によって【かばう】ぞぃ。

ピンチはチャンス、わしが瀕死になってもユーベルコードの発動によってむしろ手数が増えるぞ。


佐藤・くおん
※ゲンジロウ、セルマと連携希望
「まてぇい!お前らの好きにはさせないぞ!」
崖の上からカッコよく声かけて三人でトウッ!って着地して戦闘開始
特に捻りなくグルメツールでチャンバラしておく、【パフォーマンス】を考えてなるべく派手なアクションでぶっ飛ばしていくよ!地上の敵はまかせろー!
空中の敵には【ドラゴニック・エンド】を放って、ドラゴンさんにセルマさんの手伝いをしてもらうよ
「あー!おっちゃん(ゲンジロウ)そこ邪魔!」【敵を盾にする】でおっちゃんのなぎ払いをガードしておきます
トドメは【ジャンプ】しそこから【喝采の一撃】でまとめて雑魚を【踏みつけ】る「ラ〇ダーキィィィック!」


セルマ・エンフィールド
佐藤・くおん(f02218)ゲンジロウ・ヨハンソン(f06844)琥珀川・れに(f00693)と連携

この世界でオブリビオンと戦うのは初めてですが……なんというか、緩い感じですね。

前衛は任せます。私は『援護射撃』に専念するとしましょう。

ゲンジロウさんに引き付けてもらった敵を『スナイパー』技能による【氷の狙撃手】で狙います。

飛び回られると面倒ですし、特に飛行モードの敵は積極的に狙い撃ちます。飛行モードとはいっても実際はジャンプ、軌道を『見切り』、飛び上がると撃ち落とされると思わせましょう。

くおんさんと琥珀川さんもいますし、今回は怪人に接近された場合のことは考える必要はなさそうですね。


琥珀川・れに
くおん
セルマ
ゲンジロウ達に呼ばれて

盾と狙撃と攻撃役がいるので
僕は伏兵か回復って所かな?

時間差で突撃
技能【属性攻撃】火を付加
蜜蜂もスズメ蜂を熱殺するし、熱に弱いだろう
【目立たない】で素早く近寄り【先制攻撃】で【串刺し】して進んでいく

くおんにたどり着いたら剣で一緒に戦う
「君の背中は僕が守るよ、安心して」
【見切り】からの【カウンター】のスマートな戦い方が一番得意なんだ

【恐怖を与える】で敵の動きを鈍らせたらセルマの狙撃の手伝いができるかな?

ゲンジロウらが瀕死になった場合UC【贄の天涙】
弱った者が居ない場合は使わなくてもいい

※どうなるか分からないから面白い。アドリブ大好き。
追加アレンジ・省略歓迎




 自分達の劣勢を感じて働き蜂戦闘員はこうなったら一人でも多く道連れにしてやると覚悟を決めた。
 襲い掛かって来るやつらは手強いがさっきまで追い回していたキマイラならどうだろう。丁度近くの窓のところにいるからそいつらを―――。
「まてぇい!お前らの好きにはさせないぞ!」
 その時、働き蜂戦闘員達の頭上から声が響いた。
 トゥッ!
 掛け声と広場に向かって跳躍した人影は三人分。
「さーて今回は終わりにヒーロー扱いで出迎えてくれるそうじゃな」
 いぶし銀、ゲンジロウ・ヨハンソン(腕白青二才・f06844)
「この世界でオブリビオンと戦うのは初めてですが……なんというか、緩い感じですね」
 銃持つ乙女セルマ・エンフィールド(氷の狙撃手・f06556)
「そして僕!」
 ビシッ! とヒーロー着地からのポーズを決める佐藤・くおん(スマイルジャンキー・f02218)
 三人の猟兵が今、怪人の魔の手からキマイラフューチャーの平和を守るために参上!
 わっ! と建物の中で盛り上がるキマイラ達の声援を受けていざ戦闘開始!
「地上の敵はまかせろー!」
 くおんのグルメツールと働き蜂戦闘員の槍が火花を散らす。飛行モードとはいっても実際はジャンプ、軌道を『見切り』、飛び上がると撃ち落とされると思わせましょう。
 あえて派手なアクションで戦うくおんのパフォーマンスにすっかり見物気分のキマイラ達も盛り上がる。
「ヒーロー扱いと言うのも楽しみじゃが、ひとまずは煩い蜂共の殲滅じゃな。―――ほれ、羽虫どもかかってこんか」
 ゲンジロウは悠々と構えて劣勢を覆そうと激しく飛び回る働き蜂戦闘員を挑発する。
「ほれほれ、そんなに悠長に構えておると真っ二つだぞ」
 叩き切る、断ち切る、そんな表現がぴったりの大鉈は振り回すゲンジロウの怪力もあって恐ろしいほどの音を立てて風を切っている。
 負けじと風を切ってブンブン飛んでくる働き蜂戦闘員を視界に納めて冷静に引き金を引くのはセルマの役目。
「前衛は任せます。私は『援護射撃』に専念するとしましょう」
 そう言って引き金を引くセルマの援護射撃は飛び回っている働き蜂戦闘員の動作を見切り、確実に一体一体減らして行く。
「それじゃ僕は伏兵か回復って所かな?」
「! 琥珀川さん」
 セルマに声を掛けたのは琥珀川・れに(男装の麗少女 レニー・f00693)だった。
 援護射撃をしてくるセルマを狙ってきた戦闘員の攻撃を見切り、カウンターで撃退する。
 派手に暴れるくおんとゲンジロウに敵が気を取られている隙に気配を決して敵に近付き串刺しにする。
「蜜蜂もスズメ蜂を熱殺するし、熱に弱いだろう」
 ルーンを刀身にあしらったエペ ド ルーンから燃え上がった炎に串刺にされた傷口ごと焼かれていく。
 そうして襲い掛かる敵を倒しながらくおんと背中合わせになる。
「君の背中は僕が守るよ、安心して」
 れにはエペ ド ルーンで宣言通りくおんを背後から襲おうとした働き蜂戦闘員に向かって恐怖を与える。
 動きが鈍った蜂などセルマにとってはいい的だった。
「なら正面は俺に任せろ!」
 働き蜂戦闘員の攻撃力に全振りした槍の突撃をゲンジロウが受け止めた。
 覚悟を決めたゲンジロウの守りは硬く、槍を防がれた働き蜂戦闘員に更になぎ払いが迫る。
「あー! おっちゃんそこ邪魔!」
 なぎ払いに巻き込まれかけたくおんは慌てて近くでれにに燃やされた働き蜂戦闘員を盾にした。
 あえなく瀕死になった働き蜂戦闘員が増援を呼んだが、もう劣勢を覆すほどの硬貨はない。
「援護します。終わらせましょう」
 セルマの銃が冷気を帯びる。
「さて、完全に凍り付くのは何発目でしょうか?」
 氷の狙撃手が命中した働き蜂戦闘員が凍り付いて広場の床出砕けた。
「僕とゲンジロウで敵の数を減らそう」
 れにの提案にゲンジロウはもちろん協力すると言って、最後の締めをくおんに任せる事にした」
「派手にやってやれ!」
「任せて!」
 ゲンジロウのなぎ払いが集まって来る働き蜂戦闘員を払いのけ、れにがそれを串刺しで倒して行く。
 くおんは残った働き蜂戦闘員に向けて高くジャンプした。
「食らってくたばれ!」
 重い捨て身の一撃が働き蜂戦闘員を踏みつぶし、直撃地点になった広場のタイルが爆散する。
 巻き上がるタイルの破片が繁華街の原色と蛍光色のライトに照らされて派手に光る。
 働き蜂戦闘員がすべて倒されて歓声を上げるキマイラ達の声を聞きながら、猟兵たちは次の戦場へと向かう。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​




第2章 ボス戦 『海神ポセ男』

POW   :    ヒッポカムポスわっしょい
自身の身長の2倍の【金色のたてがみをもつ海馬の引く馬車 】を召喚し騎乗する。互いの戦闘力を強化し、生命力を共有する。
SPD   :    クロノス激おこ
【触手の先】を向けた対象に、【麻痺状態にする電撃】でダメージを与える。命中率が高い。
WIZ   :    アムピトリテさまさま
【毒を持つ蟹足】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はレド・ダークライトです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 アジトは薄暗く、生臭い水の臭いが階下から漂ってくる。
 ひた、ひた、べちゃりと湿った音を立てて触手がうごめきてらてらと光る。
 『海神ポセ男』―――アジトの地下に棲みついた亀のようなヒレに軟体動物の下半身、背中から蟹のような手足が生えた怪人がここのボスだ。
 海神ポセ男はブンブンうるさい羽音のかわりに聞こえて来た足音にぬらりと動き出す。
 迷い込んだキマイラか、討伐に来たヒーロー気取りか、ポセ男にとってはどちらでもよかった。自分の縄張りに踏み込んだ侵入者には違いない。
 名前こそユニークだがこのポセ男、毒攻撃や麻痺攻撃に馬車を呼び出すと言うなかなか厄介な怪人だ。
 薄暗いアジトの地下、足元はなんだかぬるっとしていてあっちこっちに骨っぽい何かも転がってもいる。
 戦う時は注意しないと盛大に滑ってしまい、運が悪いとそこらへんに転がっている骨っぽい尖ったもので余計な怪我をするかも知れない。気を付けて戦おう。 
佐藤・くおん
※チーム【オブリバスターズ】で連携希望
全員と合流して「オブリバスターズ見参!これが最後の戦いだ!」
【地形の利用】を行って滑走し【ジャンプ】、セルマさんが凍結させた箇所を狙って【見切り】【喝采の一撃】で正面攻撃。援護と防御はお味方に任せた!おっちゃんが気を引いてる間に態勢を整えて【捨て身の一撃】を食らわせる!
「みんな!準備はいいね!」と声かけして、アーサー君の一斉発射に合わせるよ。タイミングを合わせてドラゴンランス二つを【投擲】しアーサー君の後ろに追いかけるように【ドラゴニック・エンド】二連起動!


琥珀川・れに
高い場所から登場
「【オブリバスターズ】のクール担当参上」(薔薇を投げる)

「とうっ」と着地し
一見弱そうな僕の見た目で馬車かポセ男のどちらかを【おびき寄せ】
敵の攻撃を美しく【見切り】とにかく見切りからの【カウンター】でクールに戦うよ
自分の動きが最低限なら転んで怪我する可能性もないね。

トドメは全員でアーサーの一斉攻撃に合わせる!
UC【ブラッドガイスト】で【恐怖を与える】ことができるかな。
剣を持つ腕で串刺し。攻撃時はそのまま通り過ぎる位の【捨て身攻撃】だ。

※アドリブ歓迎。追加アレンジ・省略歓迎。


ゲンジロウ・ヨハンソン
誰も呼んではおらんが、自称で通す!【オブリバスターズ】のチームで参戦じゃ!

ヒーローならやっぱあれが必要じゃろ…そ、巨大ロボじゃ。

○戦闘
超未来変形屋台バイク【IZAKAYA:げんちゃん】にのって颯爽と登場!
そのまま乗り込んだら滑って転びそうじゃし、敵影が見え次第ユーベルコード発動じゃ!

ゲンチャンダー、この巨大な身体を武器にして【挑発】し敵視を稼ぐぞ。
自分への攻撃は【盾受け】【激痛耐性】で耐え、味方への攻撃は【かばう】【なぎ払い】敵への【怪力】と用いた【手をつなぐ】で食い止めよう。

○トドメの一撃
アーサーの【一斉発射】の号令に合わせ、ゲンチャンダーの【怪力】で巨人の百刃束で【捨て身の一撃】を放つ!


セルマ・エンフィールド
ペトさん、ツヴァイクさんと合流して【オブリバスターズ】で参戦

もしかしてこの後もこのチーム名で握手会を……? こういった名乗りは割と恥ずかしいのですが……いえ、まずは戦いに集中しましょう。

私は引き続き援護射撃を。
触手は攻撃手段であり足も兼ねているようですし、積極的にスナイパー技能【氷の狙撃手】で狙って凍結させます。

電撃は触手の先の向きを見切り、クイックドロウで袖口から取り出したスローイングナイフを投擲して防ぎましょう。

・とどめの合体攻撃
とどめはオブリバスターズ全員の合体攻撃で。
【スカイステッパー】で敵の頭上を取り、真上から手持ちの技で最大威力の【凍風一陣】を放ち、そのまま敵の背後に着地します。


アーサー・ツヴァイク
※協力アドリブ大歓迎

即席チーム【オブリバスターズ】参上!
親玉の女王蜂…じゃねぇななんだアレ。ま、まあ…皆で行くぜ!

まずはライドランに【騎乗】して接近! ゲンジロウやれにが敵の注意を引いてくれているうちに相手に近づいたら【早業】でライドランを槍に変形! すげー見た目の海馬を【串刺し】にして馬車の足を止めてやるぜ!

「〆の一撃は皆で行くぜ!」
【一斉発射】の技能を駆使して攻撃の号令を出す! 俺の号令に合わせて皆の一斉攻撃が始まったら、それに合わせて俺も攻撃をぶちかますぜ!
くおんのドラゴンと並んで…行くぜ、ファイナルベン…じゃねぇ! 行くぜ、【シャイニングブレイク】だ!


ペトニアロトゥシカ・ンゴゥワストード
【オブリバスターズ】として参戦するよ。

「オブリバスターズの…何担当だろう?まあいいや。」

薄暗いのは【暗視】で、滑る床はむしろ【地形の利用】で【スライディング】して素早く動けるし、落ちてる骨は【投擲】に使える。地形は問題ないね。

(数はこっちが上。数が減らないよう立ち回ろう)

馬車の相手はゲンジロウに任せて、細かい攻撃の対処に回ろうか。攻撃は高い【視力】で【見切り】、右腕を盾に【盾受け】で味方を攻撃から【かばう】よ。電撃も蟹足も【電撃耐性】【毒耐性】で軽減できるし。最後の一撃はアーサーの一斉発射の指示に合わせて、尻尾の発電器官による雷の【属性攻撃】を纏わせた斧を、全力で【飛天放弾】で投げつけるよ。


蝶ヶ崎・羊
『蜂の次はタコ…いや、イカ…蟹?まぁ敵であることは変わりありません』
真の姿を隠すように黄色いローブを羽織り戦闘します
サポート面ではまずは敵の攻撃を【見切り】ながら不安定な足場を観察し、転倒しにくいよう本で【学習(力)】した知識を元にして行動します。余裕があれば他の方にも知らせましょう

攻撃面ではユーベルコードを使用して召喚できる数のイタチさんを召喚して手数を増やし、一部は敵を撹乱、一部は合体して強化させて攻撃させます
ワタシは鎌鼬で【二回攻撃】してイタチさんの攻撃が当たるように援護します
また攻撃を【見切り】さえすれば隙ができるはず…そこを見逃さず【全力魔法】を仕掛けます

※他の方との連携も歓迎します



 薄暗いアジトの地下はどこかの水道管が破裂して溢れて来た生臭い水が染み出していて『海神ポセ男』にとっては悪くない場所だった。
 いつの間にか上に住み着いたブンブンうるさい連中は正直面倒だったが、たまに生き物を投げ込んで来るのでまあいいかと許している。
 ただし、階上の連中が出掛けている間に迷い込んで来る連中は別だ。
 遠慮なく近付いて来る足音にポセ男がどうしてやろうかと考えていると、その足音は勢いよく地下に飛び込んで来た。
「とうっ」
 掛け声がして飛び込んで来た足音の主はぬるっとした床にも負けず着地。
「オブリバスターズ参上!」
 赤いマフラー靡かせて、唸るライドランと共に鎧装騎兵アーサー・ツヴァイク(ドーンブレイカー・f03446)が現れた。
 そこに突然めっちゃカッコイイBGMが流れて来る。
「バトルアーマーモード! 超爆装屋台、コード【IZAKAYA:げんちゃん】!!」
 ラジカセからBGMを流しつつ登場したのは【IZAKYA:げんちゃん】に変形したバイク? いや巨大ロボ(屋台)ゲンチャンダーだ! に合体したゲンジロウ・ヨハンソン(腕白青二才・f06844)。
「オブリバスターズのクール担当参上」
 しゃららーんと効果音が聞こえてきそうな仕草で薔薇を投げる琥珀川・れに(男装の麗少女 レニー・f00693)。
「オブリバスターズの……何担当だろう? まあいいや」
 角に尻尾に手足におめめ。チャームポイントたっぷりのバーバリアン、ペトニアロトゥシカ・ンゴゥワストード(蛮族キマイラ・f07620)。
「お、オブリバスターズ、参戦です……」
 まだちょっと照れが捨てられなかった物理的にもクール担当、セルマ・エンフィールド(氷の狙撃手・f06556)。
「蜂の次はタコ……いや、イカ……蟹? まぁ敵であることは変わりありませんが……ワタシもポーズ決めないといけませんか?」
 連携も歓迎しますと言ったし本日のお召し物が黄色いローブで戦隊もののイエローを連想させたからと巻き込まれてしまった蝶ヶ崎・羊(伽藍堂の歌箱・f01975)。
「オブリバスターズ見参! これが最後の戦いだ!」
 トリはカトラリーでオブリビオンを倒してしまえる兎耳の竜騎士、佐藤・くおん(スマイルジャンキー・f02218)。
 六人揃ってポーズを取る。若干名恥ずかしそうだったりよく分かってなかったりするがバッチリ決まった!
 でも海神ポセ男はそう言ったノリには乗ってくれないオブリビオン。
 金色のたてがみをもつ海馬が現れ、ポセ男は海馬が引く馬車に乗り込んで突撃してくる。
「そんな何の捻りもない突進、受け止めるまでもないな」
 れには無駄のない最小限の足さばきでポセ男の馬車を美しく回避。しかしポセ男にとってここは慣れた自分の棲家。滑る床を利用して強引に馬車をぐるりとカーブさせて方向転換する。
「そんなに僕が気になるかい?」
 わざと気障な口調と綺羅綺羅しいいかにもな王子風の出で立ちでポセ男に弱そうな優男アピール。まんまと引っ掛かったポセ男が再び突撃してきた所でれには自身の血液を代償に武器の封印を解く。
 殺戮捕食態に変化した武器を手に馬車の横をすりぬけざま斬りつけた。
 馬車を引く海馬とポセ男はその攻撃に馬車のコントロールが乱れたが、それを立て直して更に走り回る。
「ゲンチャンダー、受け止めろ!」
 ゲンジロウはゲンチャンダーを走らせてポセ男の馬車と激突。ドガアアアン! とぶつかったのが馬車と屋台とは思えない激しい音が地下に反響して、押されたのはゲンチャンダー!
 スピードに乗った馬車の衝撃は激しく床がぬるぬるしているせいで踏ん張りがきかずに壁に叩きつけられてしまった。
「ぬううっ、馬車なんぞに負けるかあ!」
 しかしゲンジロウはその衝撃と痛みに耐え抜いてポセ男の馬車をがっしりと組み付く。
「Select…FINAL ACTION!!」
 ポセ男がゲンジロウの組付きから離れようとすると馬車にアーサーの光の鎖が命中した。
 ゲンジロウと光の鎖、ダブルで動きを止められたポセ男は次の攻撃を避ける事ができない。
「馬ごとぶっ飛ばしてやるぜ!」
 アーサーの必殺キック、シャイニングブレイクが馬車に突き刺さった。
 海馬が倒れ投げ飛ばされたポセ男にくおんが迫る。
「二人ともそのまま押さえてて!」
 くおんが手にした槍から召喚されたドラゴンが放たれてポセ男に襲いかかった。
 避ける事に失敗したポセ男は痛みで触手と蟹の手足をばたつかせてのたうち回る。
「うわ気持ちわる……」
 フードファイターでもあるくおんだったが、蛸っぽくても蟹っぽくてもオブリビオンにいやな感じに配合されていては食欲が湧かないらしい。
 ちょっと引いたくおんはのたうち回っている触手が自分に向けられたのを見てはっとする。
 触手の間から見えたポセ男の目は怒りに見開かれて、触手が攻撃の意思に従って振り下ろされていた。
「散会して下さい!」
 その攻撃を見切った羊が危険を知らせるが、ぬるぬるした床のせいで避けそこなう猟兵が続出した。
 クロノス激おこなポセ男の触手は電撃を帯びていて当たった端から麻痺状態にして行く。
 形勢逆転かとポセ男が勢いづいた所で、動かない触手がある事に気付いた。
「もう完全に凍り付きましたよ。さて、残りの触手が完全に凍り付くのは何発目でしょうか?」
 氷の狙撃手、セルマがそんなポセ男を氷のような目で見ている。
 ポセ男の触手の一部がセルマの弾丸によって凍り付いて動かなくなっていた。
「風の神よ……目の前の罪人に罰を与えたまえ!」
 ここが好機と見た羊は風イタチの喝殺歌で小刀を咥えた風乗りイタチを召喚する。
 ペトニアロトゥシカもセルマが作ったチャンスを逃さない。
(数はこっちが上。数が減らないよう立ち回ろう)
 ペトニアロトゥシカの目は薄暗い場所もしっかり見える。ミズゴケだか藻だか菌だかよくわからない黒っぽいものでぬるぬるした床。あちこちに人骨や武器の残骸と思われる物が散らばっている。
 暴れ回る触手をぬめる床を上手く利用したスライディングで避け、滑りながら目星を付けていた骨を拾う。
 それを見ていたセルマがクイックドロウで取り出したスローイングナイフで触手に向かって投げつけ、
「さぁて、ぶん投げるよー!」
 ぶぉん! と、軽いはずの骨が大きな風切り音を立ててポセ男に飛んで行く。
 暴れ回る触手をかすめ失敗したかと思ったら、跳弾のように跳飛んでさくっとポセ男の頭に尖った先端が刺さった。
 地味に痛かったらしくびくんと硬直したポセ男に、羊が素早い二回攻撃でイタチと一緒に斬りつける。
 懐に入り込んだ羊に覆いかぶさるように蟹の手足と触手が蠢くが、セルマがクイックドロウで取り出したスローイングダガーが邪魔をする。
「無駄な抵抗です」
 セルマはもう終わりはみえているのだからととどめの一撃を準備する。
 ただし、やるのはセルマ一人ではない。
「〆の一撃は皆で行くぜ!」
 アーサーの一斉射撃の号令で七人の猟兵が力を集結させる。
 高く舞い上がるアーサーとくおんに続いてセルマもポセ男の頭上に跳ぶ。
「あたしらも行こうかぁ」
「はい、ご一緒しましょう」
 ペトロニアロトゥシカが尻尾の発電器官から発生させた電撃を斧に纏わせるのを見て、羊も全力魔法を放つために魔力を練り上げる。
「僕のとっておきの一撃をお見舞いしてあげるよ!」
「行くぞゲンチャンダー! ドドメの一撃じゃ!」
 れにが封印を解いた武器を手に、ゲンジロウが巨人の百刃束で、捨て身の一撃でポセ男に迫る。
「みんな! 準備はいいね!」
 くおんがアーサーの後に続いてドラゴンランス二振りを投擲、ドラゴニック・エンドを発動させる。
「これで決める、うおりゃあああああああ!!!」
 七人の力を合わせた合体攻撃が今ここに完成!
 薄暗い地下が光に塗り潰され、轟音と粉々に砕けた床石が嵐のように巻き上げられる。
「―――オブリバスターズの勝利だ!」
 嵐が収まった地下には何も残っていなかった。
 海神ポセ男はオブリバスターズの必殺の一撃で跡形もなく消し飛んだのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​




第3章 日常 『無限握手会』

POW   :    気合いでサインや握手の全てに応える

SPD   :    速さと技量でサインや握手に応える

WIZ   :    魔力や賢さを活かしサインや握手に応える

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 キマイラフューチャーの繁華街に平和が戻った。
 働き蜂戦闘員との戦いで壊れた物も床のタイルくらいで、ダンスバトルのために集まっていたキマイラ達に怪我はない。むしろ元気一杯だった。
「あー! お前ズルいぞ!」
「見せて見せて!」
 あちこちで自慢する声と羨む声があがっている。
 働き蜂戦闘員をなぎ倒す猟兵達の動画や写真をちゃっかり撮っていたことの自慢と羨望だった。
 肖像権とかそう言った話題はここでは出て来ない。このままでは猟兵たちの姿が無断で動画に利用されたりクソコラされたりするかもしれない!
 しかし猟兵がこのキマイラフューチャーではヒーローと見られている以上は仕方ない……かもしれない。
 ヒーローらしくこの混乱を収めるためにもこの騒ぎを利用して勝手に商売にしようとしている商店と協力してスムーズに利益の絡まない握手会へと導こう。
 ちなみに繁華街に集まった数は半端じゃない。噂を聞いたり映像配信を見てどんどん追加される。
 君達の指は、手の皮は、関節は、この戦いを生き抜く事ができるだろうか。
蝶ヶ崎・羊
『…これがある意味一番の難関…なのかも知れませんね…』
ワタシは皮より関節の心配をした方が良いかもしれませんね…しかしこのふれあいも大切にしなくてはいけませんよね…気合いをいれなくては!
POWをフル回転させて気合いで皆さんに答えます。もちろん笑顔は忘れずに。
もし身体のピークが来たと感じれば【歌唱】を披露してやんわりと退場します。


琥珀川・れに
『オブリバスターズ』チームで参加。

アーサーの爆発に乗っかり全員で登場。
期待を持たせる曲、登場にはかっこいい曲も流してもらおう。

ファンになってくれた人達の為にキラキラとした微笑みを見せてあげる。
「君たちに会いに来たんだよ」
「さあ、よく顔を見せてくれ」

【存在感】と【コミュ力】に圧倒されて、気絶してしまったり、
たじたじして【時間稼ぎ】になってしまうかもね。
特に女性には2割増しで愛想をサービスしよう。(ウインク)

…よっぽど勇気を出した人位しか手なんか握れなかったりして。
僕の輝きにきっとよからぬ客も変な事なんかできないよ。

※アドリブ大好き。省略・追加アレンジご自由に


セルマ・エンフィールド
引き続き【オブリバスターズ】で握手会に参加します。

握手会……? ダークセイヴァーでは見かけなかった文化ですが、手を握ればいいのでしょうか。

登場はツヴァイクさんの爆発演出で……少しは慣れてきました。

お祭りのようなものですし多少ならば構いませんが、行き過ぎた撮影や行儀の悪い人はスカートの陰のデリンジャーのクイックドロウ・四連や袖口に仕込んだスローイングナイフの投擲で少し脅してしまいましょう。(演出も兼ねて撃ち抜いたカメラをさらに空中で撃ち抜いていくなど曲芸っぽい方法で※アドリブ歓迎)


ゲンジロウ・ヨハンソン
【オブリバスターズ】のメンバーと共に行動じゃ。

アーサーの演出に合わせてばばーんと登場、ヒーローっつーことじゃし、
しっかりフルフェイス兜被ってヒーローらしい出で立ちで登場しようかの。

依頼で活躍した、ゲンチャンダーこと超未来変形屋台バイクもしっかり持ち込むとしよう。

握手会が始まったら、わしはバイクを屋台に変形させて握手会兼小料理屋をはじめよう。
未成年もおるじゃろうから、今回は酒は控えるとしよう。
佐藤が【料理】を作るそうじゃからな、わしゃその手伝いでもしようかの。

終わりにはユーベルコードを使って、ゲンチャンダーも登場させて【コミュ力】で盛り上げようかの。
最後まで残ってくれた子達へのサービスじゃ。


アーサー・ツヴァイク
※最後まで協力アドリブ大歓迎
【オブリバスターズ】の面々で行動するぜ!

さて…凄い数だな! ここはひとまずド派手に出てきて、皆の注目を引こうじゃないか!
商店の人に小道具を用意してもらおう。ダンスステージに置いてもらったら、俺たちは登場…そしてそれに合わせて槍に変形したライドランを【槍投げ】!
命中に合わせて皆でポーズを取れば…【エクスプローシブ・ドラゴンライド】の力でヒーロー特有の爆破演出の完成、だぜ!
オブリバスターズ、参上だ!

さて、動画より生のヒーローの方が百億倍カッコいいってのを見せたところで、後は気合いで握手会に応じるだけだな!

さあ、キマイラフューチャーで僕と握手!


佐藤・くおん
【オブリバスターズ】で連携希望
「良い子のみんな!待たせたね!」と言って全員で高いところからトウッ!するよ。用意されたステージに着地してみんなで【パフォーマンス】してから握手会に移行だ!
お客さんたちに僕の【料理】を配って列に並んでる間に食べてもらおうかな。おっちゃんの屋台を借りておきます!
ついでに「他のお客様のご迷惑ですのでー」と迷惑な客を【マヒ攻撃】的当身でしばらく動けなくするよ(アレンジ・アドリブ歓迎)


ペトニアロトゥシカ・ンゴゥワストード
【POW】を使用

【オブリバスターズ】のみんなと一緒に行動するよ。

正直こういうのはあんまり得意じゃないんだけどねえ。
【獣相変貌】で手足の多い生き物に変身とかしちゃ駄目?ムカデとかその辺。
…やっぱ駄目?しかたない、真面目にやるかー。

登場はアーサーの演出に乗っかって、ついでに尻尾の発電器官使って、全身から放電して派手に登場するよ。
そのあとは普通に握手会してようか。あたしの右手は頑丈だから他の人よりは楽かなあ。
あとは、握手会の剥がしもやっておこうか。しつこい人が居たら、怪力で引き剥がして怪我しない程度に放り投げてしまおう。

はあ、いつになったら終わるかなあ…。


フロッシュ・フェローチェス
応える訳ないでしょ?サイン会になんか。……オブリビオンは倒した、さっさと帰るよ。
はぁ……何で回り込むかな、ホント。

まあ良い、お前らが見ているそのアタシは残像。早業で次々間を縫ってダッシュして行こう。
隙間を見切り、そのチャンスは決して逃さない。
ぶっ飛ばす訳にも行かないし――逃げのスタイルで行くかな。

――まだ居る、いや子供か。なら別に……何その手?
サイン?握手?するわけないでしょ。
あ、おい、勝手に手を握……もういいや。これっきりだから。

――ちょっと待って。
何でコッチ来るんだあのキマイラ共……!?
チャンスでも何でもないんだよ、アタシは応え無いってのに……!
気まぐれで握手し返すんじゃなかった……!!



 繁華街は盛り上がっていた。むしろ騒乱手前だった。
 ちゃっかり猟兵達の戦いを動画や写真に収めていた者、それを羨む者、店のカメラに写っていた映像を早くも編集して動画やパネルに仕立てようとする繁華街の商店が好き勝手にやっている。
 このままでは繁華街は無秩序な騒ぎに飲み込まれてしまう!

 そこに突然、繁華街のスピーカーから聞いているとワクワクしてくるかっこいい曲が流れて来た。
 何が始まるんだろうと期待するキマイラ達は自然と声が聞こえて来た頭上のスピーカーを見上げる。
「トウッ!」
 七人の声と人影がいつの間にか設置されていたライトの光を背に跳ぶ。
 あれはなんだ。鳥か、飛行機か、いや―――。
 ハッ! と見上げるキマイラ達。ライトと一緒にイベントに慣れた繁華街のスタッフさん達が秒で用意してくれたステージにエクスプロージョン・ドラゴンライドが突き刺さり爆発が起きた。
 爆炎を背に降り立った彼等の名は―――。
「オブリバスターズ、参上!」
 ババーン!
 BGMが最高に盛り上がると同時に名乗りを上げ、七人の猟兵がポーズを決めた。

 ワアアアアアアアアアアアア!

 会場は大興奮。戦いの場にいたり動画配信で顔を見たキマイラ達だけでなく、よく分からないけど楽しそうだから参加したキマイラ達もこの演出におおはしゃぎだ。
「やあ、歓迎してくれてありがとう。君たちに会いに来たんだよ」
 シャララーンと琥珀川・れに(男装の麗少女 レニー・f00693)が輝く笑顔を振りまくと男装の麗人がクリティカルヒットした主に女性から黄色い悲鳴が上がる。
「怪人はわしらオブリバスターズが倒したぞ!」
 フルフェイスの兜でヒーローっぽく演出しているゲンジロウ・ヨハンソン(腕白青二才・f06844)。
「正直こういうのはあんまり得意じゃないんだけどねえ」
 そう言いながら登場シーンは爆炎に合わせて全身から放電してかっこよく決めたペトニアロトゥシカ・ンゴゥワストード(蛮族キマイラ・f07620)はなかなか分かっている。
「爆発演出にポーズ……少し慣れてきました」
 最初は即席ヒーロー戦隊オブリバスターズとしてのパフォーマンスに戸惑っていたセルマ・エンフィールド(氷の狙撃手・f06556)も大分慣れて来たらしい。ポーズも照れずに決めていた。
「……結局最後まで巻き込まれてしまいました……」
 まだちょっと照れと不慣れ感が残っているのは一人挑もうとした所大人の事情で今回もオブリバスターズに巻き込まれてしまった蝶ヶ崎・羊(伽藍堂の歌箱・f01975)。
「良い子のみんな! 待たせたね!」
 ノリノリでオブリバスターズをしている佐藤・くおん(スマイルジャンキー・f02218)は当然「トウッ!」をかっこよく行い着地からポーズまで華麗に決めた。
 爆発演出を担当したアーサー・ツヴァイク(ドーンブレイカー・f03446)BGMやステージ設置で協力してもらったスタッフが「準備できました!」と合図を送って来たのを見て頷き、爽やかに言った。
「さあ、キマイラフューチャーで僕たちと握手!」
 アーサーの一言に再びキマイラ達が歓声を上げた。

「動画より生のヒーローの方が百億倍カッコいいだろう!」
 赤いマフラー靡かせたアーサーは主にちびっこやあんまり表には出してないけど密かにヒーローや戦隊ものが好きな人たちに人気だった。
 握手やサインをどれだけ求められても、手の平が段々ヒリヒリしてきても、サインを書き続ける手の神経が悲鳴を上げ始めても、決して笑顔を歪ませず堂々たる態度を保つアーサー。
 そんなアーサーにヒーローみを感じたキマイラ達がますます握手とサインを求めて来る。
「もちろんだ! 君達の応援がヒーローの力になる!」
 最初から最後まで気合いで乗り切ったアーサーの姿はまさに赤をまとうヒーローに相応しいものだった。
 しかしそんな風に盛り上がっていると困ったお客様も出て来る。
 列を無視してわっと殺到してくるのをペトロニアロトゥシカが怪力で引き剥がして列の最後尾に放り投げる。
「怪我しない程度には加減したけど、あんまり酷いようだったら本気で投げるからね」
 忠告をしてもテンションが上がり切った中には聞く耳を持たない困ったさんもいる。
 そんな困ったさんを黙らせのはくおんのマヒ攻撃とセルマのクイックドロウ・四連による早撃ちだった。
「他のお客様のご迷惑ですのでー」
「多少ならば構いませんが、行き過ぎた撮影や行儀の悪い人は―――」
 セルマがカメラに目を向けると察しのいいスタッフが玩具のカメラを持って来た。
 それを撃って反動で空中に跳ね上げて落ちてくる前に次々と命中させる。
「……こうなりたくないですよね?」
 空中でくるくる回って蜂の巣になったカメラをキャッチしたセルマに、主に行き過ぎたカメラ小僧がひえっと大事なカメラを胸に抱えた。
 三人の物理的な活躍できちんと列に並ぶようになったキマイラ達を羊がにこやかに対応している。
「……これがある意味一番の難関…なのかも知れませんね……」
 持てるパワーをフル回転させて握手やサインに応える羊だったが気掛かりはある。
「ワタシは皮より関節の心配をした方が良いかも知れませんね……」
 羊はミレナリィドール。滑らかに動く体は高度な技術による関節部の賜物。この人数を相手に果たしてもつだろうか?
 しかし―――。
 羊は握手を求めて来るキマイラ達の明るくキラキラした表情を見て思った。
「このふれあいも大切にしなくてはいけませんよね……気合いをいれなくては!」
 気合いを入れた羊だったが、いくら猟兵でも疲れるものは疲れる。
 関節の可動部がきしみ出したのを感じた羊は次の戦いに向かわねばと告げて、自分で退場に相応しい歌を歌いながら去って行った。

 ペトロニアロトゥシカは右手の頑丈さに自信がある。
 事実硬い甲殻を持つ右手は何度握手をしても剥ける皮もなく甲殻も擦り減らない。
「……人数が多いんだよね」
 一番の問題はひたすら握手を繰り返す時間の退屈さだった。
「手足の多い生き物に変身とかしちゃ駄目? ムカデとかその辺
 左右の仲間やスタッフがその一言に一斉に「ダメ!」とジェスチャーを送って来た。
 ムカデとかゲジゲジとかの手足の多い生き物が苦手と言う人はキマイラの中にもいる。
「……やっぱ駄目? しかたない、真面目にやるかー」
 めんどくさそうに、でも手が届かない小さい子にはきちんとかがんで握手をしてあげるペトロニアロトゥシカだった。
「握手会……ダークセイヴァーでは見掛けなかった文化ですが、手を握ればいいのでしょうか」
 ヴァンパイアに支配されて長いダークセイヴァー出身のセルマはこのノリになんとかついていっても、握手会と言うのは未知の体験だった。
 戸惑い気味に、慎重に手を握り返してくるセルマの対応はむしろさっき見せたクイックドロウ・四連の技の冴えとのギャップがいい! と人気だった。
 だからと言ってあんまり熱烈に手を握ってきたり、後ろで待っている人が焦れるくらいに長く握ったりしてくる人に対しては瞬時にクールになるセルマだった。
「行儀よく、紳士的にお願いします」
 袖口に光るスローイングナイフとセルマの冷たい目の光に逆にますますファンになった人もいたが、表面上はおおむね紳士的に終わっていった。
 二人とはちょっと違った事になっているのがれにの列。
 存在感がキラキラしすぎて「サインください!」「握手してください!」なんて突撃していっていいのだろうかとためらう乙女までいる。
「俯かないでほしい。さあ、よく顔を見せてくれ」
 女性には2割増しでキラキラした王子モードになるれに。
「きみたちもそんな所にいないでこっちにおいで。恥ずかしがらなくていいんだよ?」
 もじもじしている乙女にはウインクまでサービスする。
 非常にファンサービスあふれるれにの列だったが、溢れるファンサービスにキャーキャー言うばかりで握手とサインの進み具合は非常にゆっくりだった。
(上手くいったね。僕の輝きにきっとよからぬ客も変な事なんかできないよ)
 なんと握手会の冒頭にいたような困った客を寄せ付けない作戦だった。

 列のゆっくり進行に苛立つ人や我慢できなくなった子供たちにはくおんとゲンジロウが料理と言う技で生物である以上抗えない本能である食欲を刺激して沈静化していた。
「お腹はすいてない? 待っている間にどうぞー」
「ゲンチャンダーの屋台で作った温かい料理じゃ。美味いぞー」
 くおんとゲンジロウは【IZAKAYA:げんちゃん】の屋台機能を使って握手会兼小料理屋を開いていた。
 いつもなら酒も出せるゲンチャンダーの屋台だが、ゲンジロウは子供もいると言う事で出していない。
 代わりにホットジュースなどの温かい飲み物を出してくおんの料理につける。
「あったかーい」
「うまい!」
 美味しく食べてしかも料理を渡される時についでに握手もできるとあって、いつの間にかゲンチャンダーの屋台小料理屋は握手とサインを求める声と同じくらいに料理を頼む声が飛び交うようになっていった。
「強くてカッコよく!」
「更に料理もおいしい!」
「オブリバスターズとIZAKAYAげんちゃんをこれからも応援よろしく!」
 くおんのノリにゲンジロウはちゃっかり屋台の宣伝も加えたが、あたたかい料理にあたたまったキマイラ達からの反応は上々だった。
 握手会が終わりに近付いた頃には心も体も温まったキマイラ達の前で、ゲンジロウが最後のパフォーマンスを見せる。
 それは超未来変形屋台バイク【IZAKAYA:げんちゃん】のもう一つの姿、ゲンチャンダー!
「それでは皆、さらばじゃ!」
「君達がピンチの時、オブリバスターズはまた駆け付けるよ!」
 ゲンチャンダーに仲間達を乗せ、最後までオブリバスターズとしてのパフォーマンスを忘れずに去って行く。
 その姿を集まったキマイラ達は歓声を上げながら見送った。

 その騒ぎを離れた場所で見ている左右不揃いの瞳。
「凄い騒ぎ……さっさと離れてよかった」
 フロッシュ・フェローチェス(疾咬の神速者・f04767)は事件の推移を確かめるだけ確かめて帰ろうとしていた。
 終わったら地獄の握手会でありサイン会と言う仕事があるとも聞いていたが、フロッシュはクールに断った。
「応える訳ないでしょ? サイン会なんか」
 だからさっさと帰るつもりだったのに。
「はぁ……何で回り込むかな、ホント」
 ステージができている広場とは反対方向に向かったフロッシュだったが、目敏いキマイラ達に付かれてしまった。
 残像さえ生み出すスピードで逃げ切ろうとも思ったが、自分を見上げて来る小さな子供に気付いてつい足を止める。
「何その手?」
「お姉ちゃんすごく足早かった! 僕もそんな風になりたい!」
 きゃあきゃあと騒ぐ子供たちは兎や馬やチーターの足を持つキマイラだった。この子供たちにとってスフロッシュが戦闘で見せた速度は憧れそのものだったらしい。
「サイン? 握手? するわけない……あ、おい、勝手に手を……もういいや。これっきりだから」
 ここから去ればもうこんな茶番は二度とないだろう。
 それにこんな子供たちから逃げるなんてむしろ馬鹿らしい。
 そんな事を思って足を止めてしまったのがフロッシュの運命を決めてしまった。
「あ! 見て見て! ヒーローのお姉ちゃんにサインもらっちゃった!」
「―――ちょっと待って」
 サインと握手をもらった子供たちが広場の方に聞こえるような声で自慢しだした。
「やった! ヒーローに握手するチャンスだ!」
「オブリバスターズのもう一人の隠れヒーロー? レアだぞ!」
 何がレアだ。チャンスでも何でもないんだよ!
 これは付き合っていられないと逃げようとしたフロッシュだったが、まだ握手をしてもらってない。サインがほしいと言う子どもたちにしがみつかれてしまった。
「気まぐれで握手し返すんじゃなかった……!!」
 後悔先に立たず。
 フロッシュがこの後どうなったかは彼女が語らない限り誰にも分からない。
 ともかく、キマイラフューチャーの平和を脅かす怪人たちはヒーロー達によって倒された。
 しかし怪人たちがすべて倒された訳ではない。
 これから先、何度も怪人たちはキマイラフューチャーに現れるだろう。
 罪なき人々を守るため、戦え七人のオブリバスターズ! 生き残れもう一人のヒーロー!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年01月25日
宿敵 『海神ポセ男』 を撃破!


挿絵イラスト