33
男子(おとこ)の戦い

#グリードオーシャン #エロ本


 ……平和な島は、恐怖によって支配されていた。
 30cmほどの無数の人型蜂が、無機質な瞳で怯える島民たちを見つめている。
 そして蜂の群れを統率するのは、それら以上に無機質な機械兵士。
『収奪のウラヌス』――あらゆるものをデータ化し、収集し、強奪する無慈悲な機械。
『……これが最後通告だ』
 機械の戦士は淡々とした声音で言った。
『秘宝を差し出せ。でなくば、貴様ら全員を殺す』
「そ、そんな! いくらなんでも――ぐえっ」
 口答えした男が、哀れにも真っ二つになり、死んだ。
『秘宝を差し出せ』
 どこまでも無機質な声。島民らは震え……そして、誰かが言った。
「わ、わかりました」
 恐怖が彼らの心を折った。島に伝わる秘宝を差し出さねば、命はないのだから。
「こ、これが我が島の宝です」
『……これが?』
 古びた書物を手に取り、『収奪のウラヌス』はぎらりとツインアイを輝かせた。
『謀ってはいないだろうな。これのどこがメガリスなのだ』
「はっ? いや、メガリスとは俺達は一言も……」
『なんだと? ではこれはなんだ』
「いや、だからそれが俺たちの宝です。大事な大事なエロ本ですよォ!!」

『は?』
 収奪のウラヌスは古びた書物を二度見した。
 雨風に晒され、カッピカピになったエロ本を。
『は???』
「だから!! それが俺たちの秘蔵のお宝なんだよォ!!!!」
 島民……男子中学生めいた純朴な精神(オブラートな表現)を持つ男たちは咽び泣く。
 お宝を護るため命を散らした、勇敢なる同胞たちの死を悼んで。
 そして喪われた、秘宝を悔やんで……!!
『……は?????』
 とりあえず全員殺すか。収奪のウラヌスはそう思った。

●グリモアベース
 グリモア猟兵、ムルヘルベル・アーキロギアは両手で顔を覆い、丸まっていた。
「どうしてワガハイがこんな予知を……どうして……」
 グリモア猟兵とはそういうものである。予知を選り好みできたら苦労しない。
 だが彼は視てしまったのだ。コンキスタドールがもたらす絶望を!
 純粋無垢(オブラートな表現)な島の男たちが命を、大事な宝を奪われる悲劇を!
 そういうわけなので、ムルヘルベルはげっそりした顔で予知を伝えた。
「……どうもコンキスタドールは、その島にメガリスがあると思いこんでいるらしい。
 島の名は『カセンジキ島』。UDCアースに由来する島で、男ばかりが住んでいるそうだ」
 誰もが男子中学生のようなピュアなマインドを持つ気さくな奴らである。
 彼らは遠い祖先の頃から、島に遺された様々なUDCアースの遺物に親しんできた。
 具体的に言うとエロ本である。なぜか島にはたくさんのエロ本が眠っているのだ!!

 ――エロ本。
 それはトレジャー。
 それは希望。
 それは光。
 それはロマン。
 男子にとっての避け得ぬ……通過点!!
「ワガハイだってこんな予知視たくなかったのである」
 げんなりした顔の宝石賢者は、いつかと同じ台詞を吐いた。
 まったくもって馬鹿げた話だが、このままだと洒落にならない数の死者が出る。
 どげんかして、島に潜むコンキスタドールを倒さねば!
「しかし彼奴らは島のどこかに隠れているため、情報を集める必要がある。
 一番手っ取り早いのは、島民と交流して信用を得ること、なの、だが……」
 ムルヘルベルは盛大に溜息をついた。
「……もう予測はつくと思うが、島民の信用を得るのに普通の交流では効果が薄い。
 だから、こう……たとえばそういう本を拾ってきて、分け与えるであるとか……」
 あとなんか性癖を暴露することで信用を得られる。グリモアの予知だから間違いない。
 もう話しているだけで消え入りたい様子のムルヘルベル。でもグリモアの予知だから。 なお、色仕掛けとかあまりに刺激の強い方向で信用を得ようとすると、
 色んな意味でピュアな島の男達はゴリラめいてドラミングし、威嚇してくるらしい。
「まあそのへん全無視で島でバカンスしてもいいと思うのである。海だし。
 どのみちあちらは動いてくるであろうから、状況が変わるだけの話ゆえな」
 先んじて敵の居所を見つけ出せば、こちらから攻め込むことが出来るだろう。
 そうでなければ、敵は猟兵を警戒し襲撃してくる……と、いうわけだ。
「とりあえず出てきたらさっさとぶっ倒してほしいのである。彼奴らのためにもな!
 ……真面目にメガリス探しているつもりのあちらは、さぞかし驚くであろうなあ」
 まさかオブリビオンに同情する日が来るとは。ムルヘルベルは遠い目になった。
 そして持っていた本を閉じ、いつものようにそれっぽい箴言を……。
「……ん? いや、これはいかがわしい本などではないぞ? 違うから、ちーがーうー!!
 ええい、いいから早く言ってくるのだ! 転移するから! もう!!!」
 とりあえず、そんな感じで猟兵達の戦いが始まった。


唐揚げ
 オニオンリングです。エロ本拾いシナリオ、第二弾です。
 が、以前のシナリオと特に話のつながりはありません。
 コメントの最後にURLを置いときます。読めば雰囲気はわかるかと。

●一章の補足
 日常フラグメントのため、必ず探索や交流が必要なわけではない。
 しかし島のエロ本を探索して住民に譲ったり、性癖を暴露するなどすれば、
 島の人々(ピュアな男達)の友好を得やすい。別にやらなくてもいい(重要)
 ただし、島にはとてもたくさんのエロ本があります。
 はたして……(性癖的な意味で)地雷を踏まずに……いられるかな!?

●シナリオにご参加いただくための注意点
 こんなOPですが、性別による参加制限などはありません。
(でも男性のほうが色んな意味でノリやすいとは思います)
 こんなOPですが、あくまで健全なギャグシナリオです。
 イヤーンなハプニングとか、そういうのは特にありません。
 レーティングのかからない全年齢向けな感じでお考えください。
(プレイング内容によっては、適宜マスタリングなどを行います)

●第一章のプレイング受付締め切り時間
 2020年04月16日(金)08:30前後まで。

●問題の第一弾シナリオ:ようこそ……男子(おとこ)の世界へ
『https://tw6.jp/scenario/show?scenario_id=6665』
533




第1章 日常 『青い海・白い砂浜・穏やかな午後』

POW   :    スポーツ・水泳、身体を動かそう

SPD   :    釣り・砂遊び、黙々と遊ぼう

WIZ   :    観賞・昼寝、ぼんやり過ごそう

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

 ありったけの性癖(ロマン)をかき集めた、ここはカセンジキ島。
 ビルとか陸橋とか、とりあえずUDCアースっぽいのが積み重なる島。
 そしてそこかしこ……なぜか人目につきにくい暗い場所……に、
 これまたなぜか様々なエロ本が眠る、未知と脅威と男子のロマンが詰まった島!!
「おや、外からお客さんなんて珍しい! ひょっとして商人かなにかかい?
 この島はたいしたところじゃあないが、お客さんのことは歓迎しているんだ。
 どうかゆっくりしていってくれ。ビーチで遊ぶもよし、穏やかに過ごすもよし!」
 身分を偽って上陸した猟兵らに対し、島の男達は紳士的に応対した。
 実に気持ちのいい、爽やかで友好的な人々である。
 彼らは知らないのだ。この島に密かに忍び寄りつつある危険な敵の影を……!

 まあ、そいつらも探してるのがエロ本だなんて露知らず、なのだが。
 とりあえず風光明媚だし、普通にリゾート地っぽいのがまたアレである。
 もしも君達が己の腹の底(性癖)を晒せば、
 あるいはこの島で手に入れたヒミツの宝(エロ本)を差し出せば……!
 彼らはきっと、より友好的になってくれることだろう。

 だが注意してほしい、彼らは男子中学生めいたピュアな心を持つ紳士達。
 あまりに直接的な刺激に対しては、ゴリラめいてドラミングして威嚇する!
 それもまた、悲しい男子のサガなのである……。
●プレイング受付期間の訂正
 正しくは、
『2020年04月16日(木)13:59前後まで』となります。
 曜日と時間を間違えておりました、申し訳ありません。
露木・鬼燈
艶本ですか。
んー、あんまり手にする機会ないんだよね。
僕って戦ってれば満足できる質だし。
とりあえず集めるだけ集めよう。
で、それを積み上げて堂々と読みふけるですよ。
…メリーさんにのぞき込まれながら。
なんだこの状況。
まぁ、気にしてもしょうがないので続きを読む。
ピンとくるようなものがないなー。
隠すような特殊性癖とかないんだけどなぁ。
んー、銀髪巨乳はちょっと気になるっぽい?
んんー?あー、なるほどなー。
この娘はメリーさんに似てるよね。
…メリーさんと一緒にメリーさん似の艶本を読む。
ホントに何だこの状況!
とゆーか、メリーさんの考えが読めない。
いろんな意味でドキドキしてきたっぽい!
友好を得るどころじゃないよ!



「やべえ……」
「やべえよやべえよ……」
「あんな"剛の者"見たことねえ!!」
 島の男たちがざわめく。その理由は、露木・鬼燈にあった。
 なんと彼は……白昼堂々! 拾ってきたエロ本を読みふけっていたのだ!
 しかも衆人環視のもとである。な、なんたる豪傑、まさに益荒男!!
「んー、やっぱりあんまりピンとこないなあ」
「マジかよ、あんなドギツい"お宝"なのにか!?」
「お、俺ちょっと怖くなってきた……幻覚じゃないのかこれ」
「いやーん、冒険商人さんのエッチ!」
 畏怖のあまり、なんか性自認が狂ってしまった男まで出てくる始末。
 しかし鬼燈は恥じらうどころか後ろめたそうな様子を欠片も見せず、
 並の男なら絶句するであろうキワモノの本をひとつまたひとつと読破する。
 ……というか、そもそも鬼燈はさっぱり興奮もしていなかった。
 なにせ彼は羅刹の忍び。色事などは二の次で、戦いをこそ愛する修羅だ。
 自分からこの手の"お宝"に手を出したことなどほとんどないし、
 そもそも必要としない。つまりは、鉄の男、アイアンなマンであった。
 ……空飛べるし鎧も着るし、出そうと思えばビームとか出せるし、
 割と間違っていないのではないのだろうか? どこかの誰かが訝しんだ。
「ああっ! 見ろ、なんてこった!!」
「お、女だ! 女が覗き込んでる……!」
「だ、ダメだァーッ!! それ以上いけない!!」
 ざわざわ。男たちは突然現れた銀髪の美少女の美貌にどよめき、
 そしてその彼女……悪魔の"メリーさん"が、こともあろうに本を覗き込んだことに戦慄した。
 エロ本とは男のロマン。それはあくまでも静かに楽しむべきものだ。
 彼らのような"夢追い人"が何より恐れるもの、それはエロ本バレ……!!
 ママンに見つかって机の上にきちっと揃えて置かれてたりとか、
 あと「うわー男子何読んでるのサイテー、先生に言いつけるからね!」とか、
 そういう男子中学生なら誰しも味わったことのある(要出典)トラウマ災厄!
 いかなタフガイですら心折れるであろう惨事……おお、だが、見よ!
「んんー? あ、なるほどなー」
 鬼燈はなにか納得した様子で顔を上げると、メリーさんのほうを見た。
「ねえねえ、この娘メリーさんに似てるよね。どう?」
 メリーさん、なにやら興味津々な様子で肩を並べ、一緒に本を読む。
 ……一緒に本を読む!? 銀髪ダウナー美少女と!? 並んで!?
 しかもそのダウナー美少女にめちゃくちゃ似てる女性の!? ほにゃららを!?
「アイエエエエ!!」
 あまりの衝撃的光景に耐えきれず、島民の中には気絶する者も出始めた。
 これが……本物の羅刹ということなのか……!?
「……なんだろう。色んな意味でドキドキしてきたっぽい」
 そんな阿鼻叫喚をよそに、鬼燈はなんだか照れた様子で呟いた。
 彼の威風堂々たる姿が、島の男たちに認められ、"益荒男"の異名をつけられるのはまた別の話である……。

大成功 🔵​🔵​🔵​

オリヴィア・ローゼンタール
宝の本……聖書のようなものですかね?

シスター服で上陸
バカンスもできるそうなので海水浴場へ
道すがら、樹の洞などにあった本を回収
表紙は……私のようなシスターが描かれていますね
聖書のコミック化でしょうか?

海水浴場に到着……視線を感じる
敵意なし、隠れ方も素人、島民の少年ですね
こちらから声をかけてみる
この本に興味がおありですか?
先ほど拾った物なのですが……私はしばらく海を楽しむので、お貸ししてもいいですよ
バサッとシスター服を脱ぐと、下に着込んでいた白い水着に
後で感想を聞かせてくださいね

【高速泳法】などで海を楽しんだ後、戻って来る
感想を聞きながら【情報収集】
お気に召したのでしたら、その本は差し上げますよ



「宝の本……聖書のようなもの、でしょうか」
 いっそ清清しいまでの天然ボケであった。
 しかしどうやら、オリヴィア・ローゼンタールはマジの大マジらしい。
 なにせ17歳の花も恥じらう乙女、しかも清廉潔白なシスターである。
 エロ本のエの字も知らなくて無理はない。聖職者なんだから当然だよね!
 ……どうしてそんな清らかな乙女がこんなところに来てしまったんだろうか?
 きっとグリモア猟兵はものすごく沈痛な面持ちで彼女を転移させたことだろう。
 賢者だってとても苦しんでるんだよ、本当だよ!

 ……それはさておき。
 オリヴィアはどうやら、戦いの前にバカンスを楽しむつもりのようだ。
 そんな彼女がふとヤシの木の前を通りがかったときのこと。
「あら……誰かの落とし物でしょうか? それにしては古びていますね」
 彼女が拾い上げたのは、シスターが描かれた妙に薄い本であった。
 そう、エロ本だ。しかも……シスターもの!! なんたることか!!
 もしも彼女が真実を知ってしまえば、一体どうなってしまうのか……!!
 驚くかどうかはともかく、エロ本が塵と消えるのは間違いなさそうですね。
(それに、この視線は……あの子でしょうか)
 本を開こうとしたオリヴィアは、何やら妙な気配に振り返った。
 なるほどそこにはたしかに、島の住民と思しき少年が彼女を見つめている。
 正しくは彼女のエロ本を……である。この小僧、なんたる剛の者か。
 間違いなく将来有望だ。普通の若者ならこんな状況では物怖じしてしまうもの。
 とある国家機関の調査によれば、エロ本を書店で購入する時、
 カウンターの店員が女性だった時に萎縮してしまう男が7割を超えるという。
 つまりこの少年は、残り三割! きっと立派な紳士になるだろう。
「そこの方。この本に興味がおありですか?」
「えっ」
 しかしそんな天才的エロ小僧をして、オリヴィアの台詞には固まった。
 そう……思い出してもらいたい。オリヴィアはエロ本のエの字も知らない!
 持っているエロ本の表紙のシスターがやけにムチムチしていることにも、
 タイトルが明らかにエロ本っぽいダジャレであることにも気づいていないのだ!
「さきほど拾ったものなのですが、もしよろしければお貸ししてもいいですよ」
「えっ!?」
 ぽかんとする少年、しかし彼の両手は正直に差し出されていた。
 オリヴィアは慈愛に満ちた笑みを浮かべ、その手にそっと本を握らせる。
 そして彼女は海に踵を返し……ナ、ナムアミダブツ! シスター服を!! ALAS!!
「アイエエエ!?」
 少年は思わず気絶しかけた。オリヴィアはシスター服を……脱いだのだ!
 しかし彼女はバカンスが相当楽しみだったらしく、きっちり水着は着用済み。
 これが見せつけるような行為であれば少年はとっくにゴリラっていただろうが、
 オリヴィアの清廉潔白な雰囲気が、色んな意味で彼を飲み込んでいた。
「よければあとで感想を聞かせてくださいね」
「ア……ア……」
 そしてオリヴィアはたおやかな足取りで波打ち際へ。
 少年はしばし立ち尽くし……そして、おもむろに本を読んだ。
「アアアアアアアーッ!?」
 ALAS! あまりのイベントに頭が追いつかず混乱状態だ!
 少年は本を読み、ドラミングし、本を読み、ドラミングし……彼方へ走り去っていく。
 オリヴィアが戻ってきたときには、少年の姿は影も形もなかったという。
 そんな少年が後に『シスター博士』と呼ばれるほどのシスターものの"玄人"になることなど、誰も知る由がなかった……。

大成功 🔵​🔵​🔵​

彩波・いちご
【恋華荘】
女子連れで水着姿でエロ本探し…
なんで2人の方が積極的なんです?
寮が女性だらけなせいか、私自身はエロ本にあまり興味ないんですが…

2人に連れまわされ
にもかかわらず2人とも私の方見向きもせずにエロ本漁り
あのー、もしもーし?
「何を探してるんですか…?」
手元を覗き込むと…男の娘本?
…これは私は見てはいけない気が

かまってもらえないので
理緒さんがポイ捨てした巨乳本とかヌード写真集とか見てます
私だって興味ゼロではないですし…芸術的な意味でヌード写真とか、造形美的には胸は大きい方がいいとか…

もう放っておいて、拾った写真集手土産に島民と交流しましょうか?(遠い目

性癖:全裸派。巨乳好き。2人には知られてる


アイ・リスパー
【恋華荘】
グリードオーシャンなので水着姿(全身カット参照)

「秘宝を狙うコンキスタドールは、電脳魔術師として許すわけには行きません!」

秘宝が敵の手に渡る前に回収しなくては!

「さあ、理緒さん行きましょう!」

いちごさんを引き連れ、理緒さんとハイテンションに秘宝探し開始です!

「理緒さん!秘宝は見つかりましたか!?」

秘宝――男の娘の出ているえっちな本を見つけたら、いちごさんの顔にコラージュする作業を理緒さんに任せ、私は【チューリングの神託機械】でアクセスした電脳空間にそれらをデジタルアーカイブしていきます。

「この秘宝がこの世から失われることは避けなければ!」

寮に帰ったら理緒さんと鑑賞会です。

性癖:男の娘


菫宮・理緒
【恋華荘】

女の子向けの依頼じゃないと思ったね!
甘い、甘いよ!なんで女の子がエロ本見ないと思った?

「秘宝はわたしたちは必ず手に入れる!」
とアイさんと2人、勢い込んで宝探し。
あ、いちごさんもちゃんとついてきてね?
……素材は多い方がいいから(ぼそ)

島だしスク水でエロ本探し。

巨乳?(ポイ
全裸?(ポイ
これは見せちゃいけない。

男の娘……これこれこういうの!
「アイさん、あったあった!けっこう大漁!」
うんうんいいね!……それではさっそく……。

アイさんのアーカイブと隣のいちごさんをスキャンした素材で、
【虚実置換】を使って、完璧ないちごさんのコラを作るよ!
……うふふふふ。寮に帰ってからのお楽しみだね!

性癖:男の娘



「秘宝を狙うコンキスタドールは、電脳魔術士として許すわけにはいきません!」
「あの、アイさん?」
「秘宝はわたしたちが必ず手に入れる!! 命に換えても……!!」
「理緒さん? もしもーし?」
「さあ、理緒さんいきましょう! 未知と脅威が私たちを待っています!」
「うん……きっと危険なトラップや、恐るべき宝の番人が居るだろうね」
「そんな話予知のなかにこれっぽっちも出てなかったと思うんですけど!?」
「それじゃあ、理緒さん!」
「そうだね、アイさん! 冒険の始まりだ!」
「……なんでそんなにふたりしてハイテンションなんですかー!?」
 彩波・いちごの必死のツッコミも、いまは完全スルーされていた。
 はたから見れば仲睦まじい女子三人組……といってもいちごは♂だが……である。
 アイ・リスパーも菫宮・理緒も、おしゃれな水着でバッチリ決めていた。
 問題はテンションの高さ、そしてそのハイテンションの矛先である。
 燃えていた。アイも理緒も誇張抜きに燃えていた。そう……エロ本探しに!
 エロ本――それは男のロマン。男のパラダイス。男の理想郷。
 だが考えてみてほしい。いったい誰が、エロ本は男だけのものと決めた?
 時代は多様性、そして男女平等! ポリティカルが……なんかこう、アレだ!
 猟兵であろうともそこは変わらない。否、むしろ猟兵だからこそ。
 多種多様な趣味嗜好があり、性癖があり、そして萌えポイントがあった。
 それは誰にも否定できない人類の権利、いわば煌めく希望の輝きなのだ……!

 なんか大それた表現をしてみたが、ようはふたりしてエロ本が好きなのである。
 そんなわけで女子ふたりは燃えていた。いちごがちょっとヒくぐらいに。
「私はあんまりエロ本なんて興味ないんですが……」
「何を言っているんですかいちごさん! エロ本なんですよ!?」
「大声で言わないでくださいよ!?」
「そうだよ! エロ本だよ!! もうちょっと下品に言うとスケベブック!」
「わざわざ言い換えないでいいですから!?」
 さすがのいちごもたじたじだ。何が彼女らをそうさせるのか。
「とにかくいちごさん、おとなしくついてきてください。これは戦争なんです」
「いや私たち一応バカンスに来た商人ということになっていて……」
「生きるか死ぬかの戦いなの。ちゃんとついてきてね、いちごさん。わかった?」
「は、はあ……」
「……素材は多いほうがいいし(ぼそっ)」
「いま明らかに不穏な台詞呟きましたよね!? ねえ理緒さん!?
 ちょ、あの、腕を引っ張らなくていいですから! 理緒さん私の目を見て!
 なんでそんな目をそらして口笛を吹いてるんですか!? ちょっとぉ~~~!?」
 ずるずるずる。無惨、アイと理緒に引きずられていくいちご……!
 ところで、そんな三人を遠巻きに見ている肝心の島の男たちはというと。
「やべえ、やべえよ……」
「てえへんだ、てえへんだ!」
「女子だ、エロ本好きの女子だ! こいつは嵐が起こるぜ……!?」
 なんか料理漫画とかスポーツ漫画に出てきそうなモブみたいになっていた。
 もう十分騒ぎになってねえかこれ、というのは野暮なツッコミである。

 かくして、すさまじい闘志を燃やす女子たち(と男の娘)の探索は始まった。
 いくらこの島に無数のエロ本があるとはいえ、簡単な旅路ではなかった。
 我先に秘宝を手に入れようとする島の男たちとの壮絶な競争、
 あるときは遺跡の奥深くに隠された謎めいた碑文を解き明かし、
 またあるときは太古の眠りから目覚めた邪悪なアンデッドとの戦い。
 はたまたあるときは転がる巨大な岩石から命からがら逃げ延び、
 かとおもえばあるときは、危険な毒蛇の罠が彼女らを待っていたのだ……!
「……長い、長い道のりでしたね」
 煤まみれの頬を拭い、アイはどこか爽やかな笑みを浮かべた。
「ああ、そうだね……一歩間違えば、全滅していた可能性もあった」
 そんなアイの言葉に頷く理緒の横顔もまた、いっぱしの冒険家らしいものだ。
 多くの困難、そして出会いと別れが彼女たちを成長させたのである……。
「……いや今の回想、明らかに幻覚混じってますよね!?」
「え? 何言ってるんですかいちごさん、あの大迷宮のことをお忘れで?」
「ええ……?」
「まさか古代人が宇宙からやってきた超文明の末裔だとは思わなかったよ」
「どこのトンデモ学説ですかそれ」
 実際そういうインディでジョーンズな感じの大冒険があったかはともかく、
 見よ……アイの手に握られた、光り輝くようなカピカピのエロ本を……!!
「これが……これが私たちの探し求めた秘宝なんですね、理緒さん!」
「そうだよ! 伝説の男の娘オンリー本、実在したとは思わなかった……!」
「いま聞き捨てならない単語が聞こえたんですが!?」
「「いちごさんは黙ってて!!」」
「ひえっ」
 くわわっ。思わぬガチのプレッシャーに気圧されるいちご。
 そしてアイと理緒は、悪代官みたいなゲスい笑顔で密談を始める。
「それじゃあアイさん、さっそく……始めようか」
「任せてください。デジタルアーカイブの準備は万端です!」
 カシャッ(いちごの顔に差し替えられるあられもないページ)
 カシャッ(いちごの背丈にうまいことコラージュされるあられもないピンナップ)
 な、なんということか。ふたりの目的はこれだったのだ!
 上質なエロ本をいちごの顔にコラージュし、密かに楽しむという陰謀!
 肖像権とかそんなものは存在しない! おお、なんという巨悪……!
「はあ……かまってくれませんし、もういいですよーだ」
 しかし当のいちごは露知らず、完全に拗ねていた。
 あたりに散乱した巨乳モノのエロ本を拾い上げ、ぺらぺらとめくる。
 ……まあ、興味がないわけではない。だって一応男の子だしね。
「もういっそ、これらで島の方々と交流しましょうか……」
 ぐふぐふと女の子が見せてはいけない感じの顔をしているふたりをよそに、
 いちごは遠い目で明後日の方を見やるのであった。
 ああ、しかし彼のセンチメントをよそに、今日も海は平和である。
「これは鑑賞会が楽しみですね、理緒さん!」
「うふふふふ……今から寮に帰るのが楽しみだよ……!」
 そしてそんな彼の横で、悪事はひそかに進むのであった。とっぴんぱらりのぷう。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

大紋・狩人
(性癖:清楚やボーイッシュ等の性から一見遠い要素)

(艶話は正直大の苦手だが
戦人は仕事から逃げないものだ。
だが、眩暈
覚悟と演技で拝聴)
それが君らの好みな。
灰白鳩。拾ってきたげて。
嗜好にあってる筈、いや見せなくていい。
………そ。
よかったな。
(まさかの役立ちに頭を抱える!)

……僕?
初恋は、近所の教会のシスターだった。
(こういう話だよな?)
健やかな体ではなかったが清らな佇まいで
花の茎めいた首や脹ら脛にはどきりとした。
手が白くほっそりして
撫でて貰った事があるけど
石鹸のいい匂いがしたよ。
……内緒。
詳しくないが
秘するが花だろう?

他に?ない!
(大事な子と温泉に入った話などできるか!)
だから見せなくていいって!


ラピタ・カンパネルラ
僕、「えろ」は知らないのだけど
宝物を奪われるのは、悲しいもの
「ぴゅあ」な君たちがそれだけ大切にしている浪漫なんだ
奪わせたりしないよ
燕達、本を探して運んできておくれ。

(ーースケベにとんとうとい盲目である)
(性の概念は知っているが! エロ本など!知る由もないのである!!)

ね、どんな事が書いてある本なんだい
僕、文字は読めないのだけど
是非とも、君たちの宝物のことを知りたいんだ

(無垢、圧倒的無垢!)

ーー女の人のはだか。
女神様の本なんだね?

(燕達も「これほんとうに持ってきてよかったのかな」と心配そうだ!!)

じゃあ、こっちの本に描いてあるのは、どんな女神様?

(無垢は時に地獄を周りに見せるのだ!!!)



 自慢ではないが、自分だってけっこうな修羅場を潜ってきたつもりだ。
 アリスラビリンスでの日々は戦いに次ぐ戦いだったし、それからもそう。
 猟兵となってからというもの、様々な世界で様々な敵と戦ってきた。
 死にかけたことも一度や二度ではない。何度だって勇気を振るい立ち上がった。
 だのになんだろうこれ、ものすげえめまいする。ていうかいっそ気絶したい。
「…………いや、いや! しっかりしろ、僕。戦人は仕事から逃げないものだ!」
 大紋・狩人は首を振り、ぴしゃぴしゃと両手で頬を張った。
 仕事。そう、仕事だ。一応これ、大惨事の前触れなのである。
 このまま手をこまねいていれば、何の罪もない島民が犠牲になってしまう!
「ニーソックスにむちっと乗っかった腿肉いいよね! 僕も大好きだ!!」
「二日間ぐらい履きっぱなしのタイツ、いい……」
「ぼ、僕は、お、おにぎりが、す、好きなんだな」
「……いや待て今なにか変なのいなかったか?」
「ちくわ大明神」
「おい誰だ今の!?」
 なんか変なノイズが混じったが特に狩人以外誰も気にしてなかった。
 そんなわけで彼が何をしているのかというと、直截に言えば性癖談義だった。
 別に彼が振ったわけでなく、情報収集しようとしたらなんか勝手に盛り上がって、
 キラキラした目の島民たちが好き勝手に語っているだけなのだが。
 やれ乳袋がいいだの、褐色最高だの、メカバレのために生まれてきただの、
 これからはドラゴンカーなんとかの時代が来るだの、色々すさまじかった。
 飛び交う文言を聞いてるだけで頭が痛くなってくる狩人だが、仕事は仕事だ。
「……わかった、わかった。それが君らの好みな。……灰白鳩」
 くるっぽー。どこからかぱたぱた飛んでくる一匹の鳩。
「その、とても心苦しいんだが……拾ってきたげて」
 くるっぽー。無垢な鳩は従順に鳴いてばさばさと飛んでいった。
「えっ!? 好みのエロ本を持ってきてくれるのか!?」
「いちいち言わなくていい」
「まさか、『洗車しながらオギャらせてくれる女装黒ギャルママ♂』本も!?」
「だから言わなくて……いやなんだその局所的すぎるシチュエーションは!?」
 脳みそのどこをひねればそんな文言出てくるんだ? 狩人は真剣に悩んだ。
 そもそもそんな本があるのか……? と、そこへくるっぽーという鳴き声。
「すっ、すげえ! ほんとにあった!!」
「そんな馬鹿な……」
「ほら見てくれよ! この道端に捨てられたビニール袋のエロさときたら……!」
「いや見せなくて……えっそれそそるのか? 人間いなくないか???」
 本格的に頭が痛くなってきた狩人。ため息をついてまた首を振る。
 なんだかんだ役に立ってしまったことがまた彼を苦しめるのだ……!

「なあなあ! オイラはアンタの性癖も気になるぜぇ!」
「……僕?」
 なんだかトカゲっぽい顔つきの島民に言われ、きょとんとする狩人。
「そうだよ! 恩人の性癖を聞かなきゃ男がすたるぜ!」
「ことわざにもあるしな……"性癖知らぬもの、大海を知らず"」
「勝手にことわざを捏造するな!! ……ん、まあ、そうだな……」
 狩人はこほんと咳払い。それで島の男たちが信頼してくれるならば……。
 彼は目を閉じ、しばし眉間に皺寄せ、おもむろに語りだした。
「……初恋は、近所の教会のシスターだった」
「教会の、シスター」
「ああ。……その、健やかな体ではなかったが清らな佇まいをしていた」
「そういうのが、好きなんだね」
「そ、そう言われるのはいやだが……まあ、花の茎めいた首やふくらはぎには、
 その……ううん、ちょっぴり、どきりとした、というか……」
「撫でてもらったことは、あるのかい」
「何度か、な。手が白くほっそりしてて、石鹸のいい匂いが……ん?」
 なにかおかしいぞ。島民の相槌がやけに的確じゃないか?
 というかこの声は聞いたことが……? ぱちりと閉じていた目を開く狩人。
「どうしたんだい。もっと聞かせてほしいな、君の「はつこい」の話」
「…………」
「ね。教えてよカロン。それとも、僕に話すのは、厭かな」
「ラ――ラピタ……ッッッッッ!?!?!?」
 そう、狩人の目の前にいたのは……ラピタ・カンパネルラである!
 なんたることか、彼女は彼女で別口で今回の仕事にやってきていたのだ!
 ラピタは聞いたことのない狩人の上ずった声に、きょとんと首を傾げる。
 彼女の目には視えていない――外れそうなほど口を開けた狩人の顔が。
「な、ど、どどどどどうしてここに……!?」
「仕事。君と同じ」
 ラピタはなんてことのない声音で言う。
「宝物を奪われるのは、悲しいもの――僕、「えろ」は知らないのだけれど」
「バ、バカな…………!?!?」
 狩人はさすがに崩れ落ちた。だが考えてみれば自明の理であった。
 ラピタはピュアなのだ。そらもうものすんごいシリアスな方向に無垢なのだ。
 今まで参加したシナリオだってシリアスで叙情的なものばかりなのだ……!
 なのに、なぜ!? どうしてそんなラピタが此処に!?
 しかも、ああ……彼女は、エロ本がなんたるかを知らないのである……!!
 ほんとになぜここに来てしまったのだろうか。神のいたずらかな?
「ね、カロン。もうひとつ聞きたいことがあるのだけれど」
「な、なんだ……?」
「宝物とやらには、どんなことが書いてあるんだい」
 ぴしり。狩人は石化した。
 そこへぱたぱた飛んでくるツバメたち。人語を解する! ツバメたち!!
「い、いや、ラピタ。本の内容は気にしなくて」
『ただいま、ラピタ! 持ってきたよ、エロ本!』
『ぼくたちびっくりしたよ! ラピタも女の人のはだかが好きなの?』
『ちょっと心配だったけど……カロンがいるから大丈夫だよね!』
「……女の人の、はだか」
 つぶやくラピタとエロ本銜えたツバメたちを三度見する狩人。
「そっか。宝物っていうのは、女神様の本なんだね?」
「……そ、そう! そうなんだラピタ!! 女神の書物なんだ!!!!」
「いや俺が注文したのはボインボインのチャンネーの」
「セイッ!(峰打ち)」
「アバッ」
 どさり。哀れ、島民はみぞおちに狩人のいいのを喰らい昏倒した。
「ね、カロン。どんな女神様が描いてあるのか、僕に教えてくれないかい」
「そ、それは……」
「なあなあ恩人さんよ! もしかしてその子といい感じなのかぁ!?」
「静かにしててくれ!?」
「もしかして温泉とか一緒に入ったりしたのかぁ!? オイラ気になるぜぇ!」
「~~~~~~~~~~ッ!!」
 狩人の顔が赤くなり、青くなり、赤くなり、そしてまた青くなった。
 なんで的確に突いてきたんだあのトカゲっぽい顔の島民。ていうかなんだあいつ?
「カロン、教えておくれよ。ねえ」
「…………誰か、助けてくれ…………」
 最終的に死にそうな顔になりながら、なんとか場を落ち着かせた狩人であったという。
 どういう説明があったのか、そのへんは本人のみぞ知る――!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

夏目・晴夜
なるほど、エロカースト最底辺島ですね
同類だと思わせるのが手っ取り早そうです

このハレルヤの悩みを解決する気はありませんか
プライドの高い女性をへし折るのが今も昔も好きなのですが、
私は18歳未満なので堂々とエロ本を漁れないんですよね
そもそもエロ本漁りに相応しくない高貴な見目ですし

手伝って下さるなら妹に礼をさせますよ
優しく可愛く人懐こく童顔でやたら発育が良い、
「とにかく服を着てくれー!」系の妹です
写真やハグも可
互いに良い条件では?仲良くしましょうよ、お兄さん

情報収集はエロ本を漁らせている間の雑談で
ニッキーくんは然るべき時まで隠れて待機
誰かに見つけられてもソッ…と隠れ直し、夢かと思わせて難を逃れるように


ニィエン・バハムート
着きましたの麝香島!待っていなさい『紅のフラップテイル』!あなたを倒し、あなたの持つメガリスを海賊として奪ってさしあげ―――ん?
何か聞いていた話と違いますわね…要塞がないし、島民もいますわ…。もしかして今はまだコンキスタドールに支配される前…?
予知の時系列がズレたのでしょうか…?
私たちの世界は予知が阻害されているという話ですし、そのせいで…?
兎に角、まずは【情報収集】ですわね。現在の島に切羽詰まった雰囲気はないので普通にコンキスタドールに狙われそうなお宝がないか島民たちに聞いて回ります……やけに口が固いですわね。
でしたら金貨で【取引】を…え?そういうことじゃない?
何なんですのいったい…?


シャルロッテ・ヴェイロン
――男ってやーねー、なのですよ(ボソ)。

――ていうか、どこの世界にもいるんですねー、こう――何でしたっけ、「薄い本」?にドギマギしちゃってる連中って。
(さすがに偶然見つけた「現在プレイしてる人気タイトルのエロパロ本」には正直嫌悪感を示している)

――まぁとりあえず、テキトーに海水浴気分を堪能しつつ、島の住民からメガリスとかいう秘宝について知ってるか聞いていきましょうか。
(あと、生き残ってるコンピュータを見つけて【ハッキング】による【情報収集】もしたいところだが、電力が来てるかどうかもあやしい……)

※アドリブ・連携大歓迎です。



「――さあ、無事到着ですわね」
 スリッド号から新たに降り立つ猟兵がまたひとり。
 その名、ニィエン・バハムート。竜人っぽい見た目だが深海人の少女だ。
「ここが麝香島……待っていなさい『紅のフラップテイル』!
 あなたを倒し、あなたの持つメガリスを海賊として奪ってさしあげますわ!!」
 バァアアアアアン! というオノマトペを背負いながら見得を切るニィエン。
 ……が、そこで彼女ははたと我に返り、きょろきょろと周りを見渡した。
 はてな。グリモア猟兵の話では、目的の島は要塞化されているのでは?
 海底洞窟から潜り込むとかなんかそんな話だった気がするのだが、
 普通に船で上陸できているし、もっと言えば普通に島の住人もいるぞ?
「……はっ。もしや、予知の時系列がズレたのでしょうか……?」
 グリードオーシャンではグリモアの予知は阻害されてしまう。
 おそらくはその影響で、コンキスタドールに支配される前の島に来たのだろう。
 であればこれから惨劇が起きるということか。必ず止めなくては!
「ってそんなわけないやろがーい、なのです」
「えっ!? あ、あなたは!?」
 ズビシ、と横からツッコミを入れた謎の少女に驚くニィエン。
「わたしはシャルロッテ・ヴェイロンと言うのです。まあそれはともかく。
 あなた、来る島を間違えてるのですよ。ここはカセンジキ島というそうです」
「な……なんですってッッ!?」
 ガガァン! ニィエンは雷に撃たれたような衝撃を受けた。
 よもや、向かうべき島を間違えてしまうとは……! 竜王、一生の不覚!
 ……まあ彼女が行くつもりだった件の島について予知していたのも例の賢者だし、
 もっと言えば同じ船で向かうことになっていたので、無理もないのだが。
「私としたことがとんでもない間違いをしてしまったアルヨ……」
「は? アルヨ?」
「お、おほん! いえ、してしまいましたわ!」
 思わず地元の訛りが出てしまうほど、ニィエンはショックだったらしい。
「それよりもですわ! あなた、よく気付きましたわね?
 それにわざわざ教えてくれるだなんて……とりあえず、感謝いたします」
 咳払いで無理矢理誤魔化しつつ、かなり強引に話題を切り替えた。
「あー……まあ、ご愁傷さまというかそんな気分になったので、つい」
「え? どういう意味ですのそれ?」
「……あー」
 きょとんとするニィエンの顔から、シャルロッテはおおよそを察した。
 そして彼女の察した通り……ニィエンは、まったく気づいていないのだ。
 この島がどんな場所なのか……そして何をすべきなのか、を!
「まー、そういうことならのんびり海水浴でも楽しんでいればいいのですよ」
「いいえ、そうはいきませんわ! 間違えてしまったとはいえ依頼は依頼。
 この島にもコンキスタドールが居るのでしょう? ならば情報を集めねば!」
「……わたしは止めたですよー」
 やれやれといった様子のシャルロッテ、それ以上は無理強いしなかった。
 ニィエンは間違えたこともあってか奮起しており、無駄だと感じたのだ。
「というわけで、わたしは海水浴に」
「えっ? 手伝ってくださらないんですの?」
「……ええー……」
 ものすごい嫌そうな顔のシャルロッテ、またしてもきょとんとするニィエン。
 だがそこで竜王(自称)の少女は理解した。悟ったのだ。
 もしや、口にするもはばかられる惨劇が起きてしまうのではないか……と!
(これは、是が非でも情報を手に入れませんと……!)
(確実に誤解してる顔ですねー、あれは)
 やれやれと何度目かのため息をつきつつ、おとなしくついていくシャルロッテ。
 なにせ彼女は10歳。年頃の女の子なのである。エロ本とか、ちょっと、ねえ?
 そんなわけでシャルロッテは、だいぶ島の男たちを軽蔑しているのだった。
 しかしそんなことは露知らず、ニィエンは燃えている……!

「もし、そこの方? 少しお聞きしたいことがあるのですけれど」
「えっ? 一体なんだい? なんでも聞いてくれよ!」
「この島に隠されているという秘宝について……」
「おっと急用を思い出した! オタッシャデー!」
「えっ!? あ、ちょっと! ……な、ならそちらの方!」
「お困りですかお嬢さん?」
「この島にコンキスタドールに狙われそうなお宝は」
「ウオッホンオッホン! オッホオホッ、ゲホッゴホー! サラバダー!」
「ええええええ!?」
 ……そして、ふたりが出会ってから一時間ほど後。
 ニィエンの必死の調査にも、島の男たちはまったく口を開かなかった!
「……男ってやーねー、なのですよ(ぼそり)」
「え? なにかおっしゃいました?」
「いーえ、なんにも。まあ、仕方ないのです。聞き込みは無理かと」
「……であれば、この金貨で取引を……」
「余計無理だと思うのです」
「ええ……? なんなんですのいったい……?」
 ニィエンはすっかり困り果てた様子。シャルロッテは完全に呆れていた。
 彼女にではなく、完全にビビってる島の男たちに、である。
「さすがにコンピュータも動いてないですし、ハッキングは無理ですねー。
 ほんと、どこの世界にもいるものですねー、ああいう連中って」
「??? よくわかりませんけれど、このままでは調査が……!」
 何もかもわかっていないニィエン、完全にやる気が空回りしていた。
 もはや手詰まりか? ふたり(というかニィエン)がそう思った、その時!
「……なるほど、話はおおよそ把握しました」
「「!?」」
 はたしていつからそこに居たのか、したり顔で頷く人狼の青年がひとり。
「であれば、このハレルヤにおまかせください。たちどころに解決してみせますよ」
「何が"であれば"なのかさっぱりわからないんですけど!?」
「よ、よくわからないですけれど、ものすごい自信を感じますわ!!」
 あまりの唐突っぷり、そして得も知れぬ傲慢さに気圧されるふたり。
 人狼の青年……夏目・晴夜は、ものすごくプライドの高そうな笑みを浮かべた。
「なに、困っている猟兵を助けるのも、このハレルヤの責務ですからね。
 なにせ私、世界で一番偉いですから。仕事に貴賤をつけないんですよ」
(ものすごい上から目線なのです!)
(ものすごい上から目線ですわ……)
 ちょっとヒき気味のふたりをよそに、ハレルヤは悠然と島民の元へ。
「ああ、すいません。あなた、このハレルヤの悩みを解決する気はありませんか?」
「えっ? なにかお困りなのかい、お兄さん」
 何事かと話を聞く男に対し、ハレルヤは声を潜めて言った。
「……実は私、プライドの高い女性をへし折るのが今も昔も好きでして」
「な、なんだって!?」
「けれど私、18歳未満なので。堂々とエロ本を漁れないんですよね。
 なのでお手伝いいただけないか、と思い、声をかけたわけです。喜んでください」
 男は頷きかけ……遠巻きに見守る少女たちをちらりとみやった。
「あー……すまないが兄さん、女の子のいる前ではちょっと」
「手伝ってくださるなら、此処にはいませんが私の妹に礼をさせましょう」
「妹!?」
「ええ、優しく可愛く人懐っこく童顔で、やたら発育がいい妹です。
 一言で言うと、「とにかく服を着てくれー!」系の妹ですよ」
「そ、それは……しゃ、写真とかを撮っても!?」
「ハグも可ですよ」
「オオ、ゴッド……!!」
 落涙する男。遠くでドン引きしているシャルロッテ、首を傾げるニィエン。
 妹。発育のいい妹。まるでエロ漫画から抜け出してきたようなロマン存在。
 その魅力に取り憑かれた男に、もはや少女たちは見えていなかった。
「というわけで、お手伝いいただけますね?」
「任せてくんな! 仲間たちも呼んでくるからよっ!!」
「ええ、ではお願いしますよ。お兄さん」
 ぴゅーんとすっ飛んでいく島民を見送り、ふたりのもとへ戻ってくる晴夜。
「というわけで、協力を取り付けました。あとは待っていればいいでしょう」
「す、すごいですわ! いったいどんな交渉術を!?」
「簡単なことです。(エロ)カースト最底辺の同類だと思わせただけですよ」
(ようは全部嘘ついてたってことなんですね、怖っ)
 ドヤ顔の晴夜を、純粋な尊敬の眼差しで見つめるニィエン。ドン引きのシャルロッテ。
 ともあれそんな感じで、島民の信頼(?)を勝ち得た(?)一行であった。

 ……ところで、去っていった男はというと。
「みんなぁ~! てえへんだてえへんだ、妹のブロマイドがもらえ……ひいっ!?」
 仲間を呼びに集落へやってきた男は、物陰を見て腰を抜かした。
 なぜならそこには、バッキバキのマッチョ……ただし頭は不気味なウサギの着ぐるみ、しかも格好は殺人鬼めいたオーバーオール……がみっちりと縮こまっていたからだ。
「も、怪物(モンスター)……!!」
 謎の怪人、もといシリアルキラー……もとい晴夜の人形『優しく可愛いニッキーくん』である。
 ニッキーくんはギギギ、と不気味に男を見返し、そしてまた縮こまった。
 オバケなんてないさ、オバケなんてウソさ。どう見てもチェーンソー振り回しそうなからくり人形(アイテムIC参照)もウソさ。
 男はすべて夢だったと思うことにして、仲間たちのもとへ走るのであった……。
 ……ニッキーくんが隠れていた理由? それは晴夜のみぞ知る、である。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

才堂・紅葉
「中々に頭が痛いですね」
対処を誤れば殺戮の舞台となる

まず【情報収集】で裏山の洞窟や橋の下等を巡ってエロ本を大量回収
安全を確保済の“海辺の洞窟”を召喚符で作った簡易迷宮作成ツールで簡単な迷宮に改造し、大量のエロ本を年代物の箱に隠します

清楚なワンピース姿で島民に会い
「すいません。この地図なのですが……」
【暗号作成】で作った謎解き地図と殴り書きの文章を見せます

『TT!SR!FTMM! 私の持つ宝の全てはそこに置いてきた。全て好きだが、強いて言えば俺はFTMM派だ』

「兄がこの島に残した秘宝のようです。思い出作りに、宝探しに協力してもらえないでしょうか?」
ちょっとした冒険を経て、島民と仲良くなりましょう


ヴィヴ・クロックロック
なるほどなるほどそういう…とりあえず全員殺すか。ヴィヴはそう思った。

まあ実際殺すわけにはいかないか、飢えたケダモノ?とは言えど
しかし、しかしだ。この巨乳に偏りたるこのジャンル…仕方がない。巨乳の本を探して全て燃やす。そう全てを。他人の所有物は流石にスルー。

貧乳を布教すればおそらくモテが来る。私はそう信じている。ならばこの島は足掛かりで私のすることはただ一つ。この島の宝とやらは私が集めて選別のち焼却と配布。私は眼鏡とこの体格を流行らせるのだ…!

※ヴィヴは基本的にその手の知識は中学生並であり好みのタイプは自分より強い白馬の王子様というお花畑かつふんわりしている生物

(共闘アドリブ歓迎です)


ユーシア・ロクス
※アドリブ絡み他歓迎です
(同僚のUDC職員から)聞いた話じゃ、前の事件の時はみんな割と(それ特定の個人の事じゃ?って感じの)好みをぶちまけたりしてたそうじゃないっすか!
そして今回の事件、これは見に行くしかない(外道)

行動は【WIZ】で。
【目立たない】よう気を付けつつのんびりエロ本を探し、それを材料に情報収集……しつつ他人の性癖暴露を拝聴します(本命)

まあボクはエロ本よりカップルがいちゃついてるの見る方が好きなんすけどね。
見つけたら全部交渉材料に……漫画もあるんすね(懐in)

好み:いちゃらぶ、仲良し、ご懐妊とか
地雷:愛がない無理矢理、NTR、かわいそうなのはだめ
※恋愛事は常に他人事の「萌え対象」


エドゥアルト・ルーデル
またウ=ス異本が集めたいのか!あんた達は!
拙者もだ!

今日はピュアーな島民諸君の為に性癖をマイルドにしていかないと…
という訳で種が割れるようなイメージの【直感】に従いトゥ!ヘアー!と浜辺を駆け回って見つけた本はこれ!『くすぐり』でござる
くすぐりと馬鹿にしたものでは無いぞ!拘束されて体の自由が無い状態で強制的に笑わせられる行為は一種の尊厳破壊であり身悶えして体を震わせるエロスが…(早口)

島民達にこのただ露出すればいいというもんじゃあないとわからせる新たなる剣で性癖を植え付けてやりますぞ
大事な部分は一切出てこないのでジッサイ健全

前回みたいに非道い本だったらアーキロギア氏の懐に無理やりねじ込んでおこう



「邪魔だ!! どけ!!! 全員殺すぞ!!!!!」
「ウオオオオ!! エドゥアルト死すとも性癖は死なずでござる!!
 具体的に言うとこれからはオフィス女装レズの時代が来るでござるーっ!!」
「さあ皆さん! 負けずに突き進みましょう! お宝を手に入れるために!!」
「「「ウオオオオオオーッ!!」」」
「……おかしい」
 そうだ、おかしい。なんだこの状況は、何もかもが間違っている。
 ユーシア・ロクスは全速力で走りながら、それでも思ってしまった。
 なぜ自分はこの明らかに頭のイカれた猟兵たち+島民どもと一緒んなって、
 このわけわからん地下迷宮に入ったあげく、転がる岩石から逃げ続けてるんだ?
 そうじゃない。違う。自分はもっと悠々自適に楽しみに来たはず!!
 こう、初々しく性癖をご開陳して恥じらう少年の様子を拝聴したりして、
 いやー初々しいなー微笑ましいなーって生ぬるい笑みを浮かべるはずだったのに!
 そういうプレイングも書いたのに!? どうしてこんなインディ状態に!?
「そもそも、聞いていた話と何もかも違うじゃないっすかー!!」
 哀れな少女の悲鳴は、誰にも省みられることはなかったのである……。

 ……話はやや遡る。
「いやー、まさか同僚から聞いていた話がホントだったとは思わなかったなー」
 波打ち際を歩きながらうんうん頷くユーシア。何やら楽しげだ。
 まだ彼女はこれから巻き込まれる大惨事を知らぬ、小悪魔的乙女だった。
 かなりマセた感じの言動とつるんぺたんな外見はともすれば少年めいているが、
 まあそこはそれ。ありますよね、そういう子がわからせられちゃうやつ。
 え? そういう話じゃない? そうですね、話を戻しましょう。
 ……とにかくユーシアは、こう見えてUDC職員にツテがある。
 そしてそんな同僚から、以前起きたというトンチキな事件のことを聞いていたのだ。
 そう、本を媒介に現れる特殊なUDCオブジェクトにまつわる大騒動……。
 よりにもよってエロ本に転化しちまった魔導書をなんとかして探すため、
 どでかい公園に30名超の猟兵が集まった(そしてエロ本を探した)というアレだ。
 同僚曰く『集めたエロ本が紙飛行機になってラスボスになった』とのことだが、
 聞いた時はそいつの正気を疑ったものである。だが、こんなことになるとは。
「まさに渡りに船。これは楽しむしかない……!」
 しかしその同僚って誰のことなんでしょうね。候補多すぎてわかんねえなあ!
 話は変わりますが、その公園では伝説の足フェチの言い伝えがあるそうです。
 ……閑話休題。
 ともあれそんなわけで、ユーシアは邪心MAXでここへ来たのだ。
 とりあえずのんびりエロ本を探し、それを材料に情報収集。
 そしてさりげなーく他人の性癖暴露を拝聴しよう、というわけだ。
「おっと、漫画もあるんすね……」
 ごくごく自然な仕草で懐にしまうユーシア。彼女も大概であった。
「……ん?」
 と、そんな彼女が気づいたのは、なにやらちょっとした人だかりだ。
 もしやすでに"宴"が始まっていたのか? こそこそと近づくユーシア。
 どうやら人だかりの中心には、何やら清楚なワンピース姿の女性がおり……。

「お、お嬢ちゃん! その話、本当なんだろうな!?」
 思わず食って掛かる島民に対し、ワンピースの女……才堂・紅葉は頷いた。
「ええ、これは私の兄がこの島に残した秘宝……その在処を示した地図です。
 もしみなさんがよければ、宝探しに協力してもらえないでしょうか?」
 と、爽やかな笑みとともに見せているのは、何やら地図と殴り書きの文章。
 どうもいくつかの謎を解かねば、秘宝のありかはわからないらしい。
 そしてなぐり書きの文章には、こう書かれている。
『TT! SR!! FTMM!!! 私の持つ宝の全てはそこに置いてきた。
 すべて好きだが、強いて言えば俺はFTMM派だ。でもSRもいいと思う』
 ついさっきそこらへんで書いてきました感マックスの文章であった。
(どう見てもヤラセじゃないっすかこれ!?)
 と、愕然としているユーシアをよそに、島の男たちはというと。
「すべて……すべての宝が、手に入る……!?」
「この世すべての財……すなわち、バビロンのゲートがここに!!」
「こうしちゃいられねえ! せにゃぜ!」
(見事に騙されてるー!?)
 思わずツッコミを入れそうに為るユーシア。ギリギリで我慢する。
「皆さん乗り気なようで嬉しいです。ではさっそく地図のポイントへ……」
「「ちょおおっとまったぁー!!」」
「「「!?」」」
 いつの合コン番組だよみたいなノリで突然かかった待ったの声。
 ざわめく島の男たち。振り返るとそこにはふたりの人影……!
「乳だと? 尻だと? 太腿だと!? いや後者二つはどうでもいいが! 乳だと!!
 許せん……その宝、私がすべてゲットさせてもらう……絶対にだ!!」
 くわわっ! とやけに凄みを聞かせるのはヴィヴ・クロックロック。
 なぜだかわからないが、彼女はえらくエロ本のことを憎んでいるらしい。
 顔に『選別のち焼却』と書いてある。あまりにも剣呑であった。
「いいか餓えたケダモノども! 巨乳など邪道!! すべて悪魔の産物だ!!」
 そしてなんか拳を握り、演説を始めた。
「真に尊ぶべきは貧乳!! 私がそれを教えてやる、頂点に立つことで!」
「えっそれってもしかしてご自分が貧乳だから嫉妬してアバーッ!?」
「……他に異議がある者はいるか」
 鎖分銅でヤシの木に縛り付けられた島民を背後に、ヴィヴが言った。
 もはや誰も迂闊なことは言わなかった。ただ男たちは彼女の胸を見ていた。
 それはもう、実にスリムで空気抵抗が少なそうな胸を。
「そういう目をしたッ!!」
「「「アバーッ!?」」」
 島民無惨! だがこれもカセンジキ島ではチャメシインシデントだ!
 あと、死んでないので大丈夫である。ちょっと吊るされたりするだけだ。
「とにかく! 宝はすべて私が手に入れる! もちろん配布してやろう!」
「「「えっ!?」」」
「私が選びに選んだ、メガネ系のエロ本と貧乳系のエロ本をな……!!」
「やっぱりそれ自分がモテるための工作アバーッ!?」
 またひとり愚かな男が斃れた。島民たちは震え上がった。
「ふっふっふ、まったくこれだから貧乳は野蛮でござるな。だがそれがいい!」
 暴れ狂うヴィヴの隣に立つのは、明らかに不審者めいた黒髭の男。
 この不審者……ではなく要注意人物……名をエドゥアルト・ルーデルと云う。
 誰がどう見ても通報したほうがいい顔から分かる通り、不審者であった。
「乳だの尻だの太腿だの、そんなエロ本はピュアな諸君には目に毒でござる。
 エロ本とはもっと自由で静かで救われてなければいけないのでござるよ」
「じゃ、じゃああんたは何ならいいっていうんだ!?」
「――これでござる。くすぐりッ!!」
 デデドン! 拾ってきたばかりのエロ本を高く高く掲げるエドゥアルト。
「「「くすぐり」」」
「いや馬鹿にしたものではないぞ? 拘束されて体の自由がない状態で強制的に笑わせられる好意は一種の尊厳破壊であり身悶えして体を震わせるエロスが」
「あの人性癖の話になると早口になるの」
「やめましょう」
 思わずエドゥアルトを指差したユーシアをやんわりたしなめる紅葉。
「ともあれ! その宝は拙者が独占し、清く正しいエロを推し進めるでござる!」
「「「ゆ、許せねえ!」」」
「またウ=ス異本が集めたいのか! あんた達は!? ……拙者もだ!!
 つまり拙者らはみなライバル、切磋琢磨してエロホンカツドウ! でござる」
「「「エロカツ!!」」」
 なぜか意気投合してジャンプする男たち。目がかなりキマっていた。
(あっ、わたしやべーとこに迷い込んじまったっすねこれ。ズラかろ)
 絶対に関わり合いになってはいけない空気を察し、去ろうとするユーシア。
 が、そんな彼女の腕をがしっと掴みにこりと微笑んだのは、紅葉である。
「え」
「頑張りましょうね、宝探し」
「いやあの、わたしはそういうのはちょっと」
「思い出づくりですよ! 島民の皆さんと仲良くなりませんよ!」
「ねえなんで!? わたし野次馬しに来ただけあああああああ!!!!!」
 ……というわけで、狂人どもの宴に巻き込まれてしまったのである。

 そして時間軸は現在に戻る。
「拙者は!! なんとしてでもこの新たなる剣で皆を目覚めさせるでござる!!
 ただ露出すればいいってもんじゃない! むしろ隠れてたほうがエロい!!」
「いま隠れるほどの胸もないと言ったか!? よしお前から殺す!!」
 わけわからんことを叫ぶエドゥアルト、目がガンギマリのヴィヴ。
 地下迷宮の容赦なきサバイバルは、彼らを極限状況に追い込んでいた。
「あわわわわ……え、えらいこっちゃあ……」
「少しトラップを工夫しすぎましたね。これは」
「ってこれあなたの自作自演だったんすかやっぱりぃ!?」
 そうですが? みたいな顔の紅葉のサイコっぶりにビビるユーシア。
 だがもはや逃げ場はない。もはや突き進み宝を手に入れるしかないのだ!
「わ、わたしはただ性癖暴露とか聞きたかっただけなんすよぉ!」
「お、おで、NTR、す、すき」
「はい地雷!! 愛がないのはノットフォーミー!!」
 性癖をポロッた島民に地雷を踏まれ、ユーシアも目の色を変えた。
 はたしてこの極限のデスゲーム、勝利するのは一体誰だ!?
「これならば、殺戮の惨劇を止められそうですね……!」
 一方黒幕である紅葉は、パーフェクトコミュニケーションみたいな顔をしていた。
 そもそも宝(そこらへんで集めてきたエロ本を適当に詰めただけ)を用意し、
 アルダワの技術で簡単(当社比)な迷宮を用意したのはこいつである。
 しかしそんなことはもはやどうでもいいのだ。なぜならば賽は投げられた!
「貧乳とメガネをすこれ!! よ!!!!!」
「いちゃらぶが唯一絶対の王道なんすよぉ!!」
「拙者巨女ものも好き!!(バァアアアアン)」
 最初に正気に戻るのは誰だ!? もしかすると全滅かもしれない!
 喧嘩のあとは絆が深まるものだし、多分交流自体は成功したと思います。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ジャガーノート・ジャック
★レグルス

(ザザッ)
ロク。確認しなくていい。
――その【優しさ】本当は【傷口を抉る】じゃないよな??

ともあれ任務とあらば全うする迄。
島民との交渉材料に適した「宝」の探索任務を開始する。
(あくまで任務。そこに邪な気持ちなんてないとも。
ないって。
ないったら。)

(ザザッ)
"経験予知"。
嫌でもわかるものだ。
紡いだ経験から目当てのものが何処にあるかなど――。
(経験を紡いだ相手から「そんな事の為に使う技か??」とか言われそうだがスルー。
相棒の眼差しも何か痛いがスルー。)

発見、一次任務完了。
(久しぶりだな――「ふともも写真館 制服写真部」。)

――いや、君はみなくていい。
復唱もいいから。
(ザザッ)

*アドリブ歓迎


ロク・ザイオン
★レグルス

(森番、一度言葉を消し飛ばされたが故に)
えろほんは、
おんなのはだかがいっぱいの本。
です。
(グリモア猟兵へ復唱再び)
(目的の共有は実際大事)
…だってさ。ジャック。
ジャックは、あれ…脚。
脚がいい。な。
(【学習力】【優しさ】で相棒の求めるものもわかるのだ)
狩りだ。

(ジャックの纏う"本気"の気配
どうやらジャックの方が狩場に精通しているらしい
お手並み拝見だ。わくわく見守る)
……。
(もしかしてすごくしょうもない事に経験予知使ってるな
なんて思ってない。ないったら
だって相棒だぞ)
……。

(宿敵を倒したような雰囲気を纏わせる横で覗き込む)
ふとももしゃしんかん。
読むな?
そう。

※ちょっと滑らかに喋れます


祇条・結月
できることを、する、ために……猟兵に、なったんだから
前向きに努力を……

ごめん、やっぱ辛い

……えーと、はい(仕切り直し)

ちょっと捜し物に力を入れてみよっか
廃墟で見つけた、しばらく開けた形跡がない金庫
開けようと努力した後は見えるけど、「開かなかった」んだろうね
でもこれくらいなら。【鍵開け】で開錠

中身は……うん、予想してたけど案の定、ヒミツの宝。
欲しい人に提供するよ。開かない箱を開けたっていう付加価値とで、尊敬してもらえるんじゃないかな

尊敬……

いや、ごめん
やっぱ辛いな、これ

【激痛耐性】でハートに負った傷を誤魔化しながら、情報収集するね

……ところで、その浴衣の本はめっちゃ気になr
いや、なんでもない


リンタロウ・ホネハミ
あー分かるっす分かるっす、経験値低い頃は経験値高いヤツが畏怖の対象っすもんね
そりゃ威嚇のためにドラミングもする……いやしねぇっすね、なんなんすかここの住人

まー男子中学生だろうと遊び人だろうと共有出来るロマンっつーのはあるでしょう!!
胸とか!胸とか!!胸とか!!!
だからこう、あるっしょ? こう、大きいことは良いことだって言わんばかりの、巨乳特集のものが……!
あ、できればメガネかけてて理知的な感じの人がいるのは避けてもらええると
なんかこう、浪漫的な目線で見づらいっすからね
ブロンド的な感じでおねがいしゃっす!
ブロンドビッグボイン、好きっしょ?
でしょ!?ブロンドビックボインばんざ~い!ばんざ~い!!



「違うんだよ」
 浮気がバレたクズ野郎みたいな台詞であった。
「これは……違う。うん。いや、違わないんだけど、違うんだよね」
 悲しいかな、言ってる祇条・結月当人がなんの意味もないことをわかっていた。
 だが言わずにはいられない。だって、男ってそういう生き物だから。
「これはなんていうか……いや、というか、みんなだってそうでしょ?
 出来ることをする……それが僕の戦う理由だからさ。つまり、その」
「おんなのはだかがいっぱいの本を、あつめてたのだな」
《――ロク》
 え? 何? みたいな顔で相棒を見上げるロク・ザイオン。
 傍らに立つジャガーノート・ジャックは、静かに首を横に振った。
《――復唱しなくていい。必要ない》
「……わかった」
 こくりと頷いたロク。消え入りそうな表情の結月を見て、口を開く。
「えろほんは、おんなのはだかがいっぱいの本。です」
《――敬語にしろという話ではない、ロク。じっと見つめるな、ロク》
 ええ? 何があかんの……? みたいな顔で相棒を見上げるロク(二度目)
 ジャガーノートは考えた。相棒も悪気があるわけではないだろう。
 ここに来る前、グリモア猟兵の前で復唱したのも言葉を覚えるがためだ。
 いやほんとか? 実はこいつ無垢なふりしていじめてねえか青少年のこと???
 あるいは彼が"本来の姿"であったならば、結月を……盟友(とも)を庇えたろう。
 しかし今の彼は、ジャガーノート・ジャック。揺れず慌てずの鉄の猟兵。
 なんかこうシュッとした感じでビャーッてしてる、つまりカッコいいアレだ。
 なので、相棒を止めるしかなかった。結月は顔を覆って丸まっていた。
「いやいや、あんまロクを責めたらいけないっすよジャック」
 そこで助け舟を出したのは、状況を見守っていたリンタロウ・ホネハミだ。
 最年長としての含蓄で場を収め……あっダメだこいつ悪い顔(IC)してる!
「そもそもね、ほら、やっぱ分かるっすよオレも。だから顔を上げろっす」
 結月に肩ぽむ。ものすっげえ悪い顔(IC参照)のまま。
「歳、いくつっすか? 15?」
「……16、だけど」
「あ~~~~(何やら含みのある声と生暖かい眼差し)」
「……これ、僕、ものすごい勢いで誤解されてるよね……!?」
「いやー皆まで言うなっすよ、ね! 恥ずかしいことじゃないっすから!
 ジャックもそう思わないっすか? やっぱこう、通過儀礼っつーかこう」
《――本機に同意を求められても困る》
「ええ~??? 本当でござるっすか~~???」
《――なぜ侍口調になるのだ、リンタロウ》
 ジャガーノートは揺るがない。冷たく、シュッとしてて、かっこいい兵士なのだ。
 ビークール、ビークールレグルス……! これは明らかな挑発……!
 役割(ロールプレイ)を徹底していれば、その仮面は決してはずれない……!
「ジャックは、あれ……脚」
《――ロク》
「脚がいい。な」
《――ロク》
 めっ! 相棒、めっ! だがジャガーノートの意志は届かない。
 なにせロクは真面目である。だってこれは、れっきとした狩り(要出典)なのだ。
《――相棒の言葉は気にしないでもらいたい。本機は任務のためここへ来た》
「そ、そうだよね。仕事、だからね。うん、前向きにやらないと」
《――本機も同意する。これは惨劇を防ぐための必要な情報収集だ》
「そうそう、そうなんだよロク。だから僕も真面目にやってるんだ」
「結月も、脚がいいのか」
《「ロク」》
 ジャガーノートと結月の声が完全にハモった瞬間であった。

 そもそも、どうしたってこんな合ってるような合ってないような顔ぶれになったかというと。
「……こんなものまで流れ着いてるんだ」
 最初に"それ"を発見したのは、実は結月であった。
 彼の足元には、どこかから漂着したと思しき金庫が転がっている。
 よく見れば、その扉部分は、バールかなにかを打ち付けたような痕跡。
「開けようと努力はしたみたいだけど、"開かなかった"んだろうな……」
 そしてこの島に転がっているということは、まあ十中八九そういうことだ。
 得意の鍵開けで解錠しようとした結月……だがぴたりと手が止まる。
「……いや僕何やってるんだ???」
 我に返ってしまった。エロ本拾いにおいては最悪の展開である。
 二昔前の日本においてVHS媒体が普及したのは、エロのおかげだという。
 ムフフなビデオを誰もが求め、おかげでビデオデッキが売れた、らしい。
 そんなわけで、エロにはものすごいリビドーが、パワーがある。
 普通なら絶対やらないようなことも、エロのためならば割とやれる。
 配牌した瞬間に天和和了りやがる脱衣麻雀筐体にしこたま連コしたり、
 タイトルだけ見るとなんかエロいけど実際はそんなことない深夜映画を見るため、
 寝ぼけ眼をこすりながら夜ふかしし、こっそりテレビを見る……そういうアレだ。
 え? そんな経験がない? 騎士以外の発言は認めないッ!!
 ……まあそういうわけで、誰もが経験したことがあるだろう。
 だがそんなエロのパワも、我に返ってしまうと雲散霧消する。
 賢者なんとか……とはまた別だ。だが常に我々の背後に隠れている。
 さながら、プロの登山家ですら一足踏み違えれば遭難してしまうように……!!
「はあ、やっぱ辛い……」
 なにげに二度目の経験な結月でも、というかだからこそキツいらしい。
 きっと彼にイケメンの仲間(料理が上手かったりカップヌードルを愛好する)がいれば、その言葉に「言えたじゃねえか」と笑ってくれただろう。
 だが彼は、ひとりだ。エロ本拾いとは孤独な戦いなのである。
「まあ、とりあえずさっさと開けて、島の人に渡しちゃうか……」
 気を取り直し、がちゃりと金庫を開けた結月。
 そして金庫の中から、秘宝(トレジャー)を取り出そうとしたその時!!
《――発見、一次任務完了》
「えっ」
 結月が顔を上げると、そこにはシュッとしたかっこいい兵士がいた。
 そう、持ち前の"経験予知"で秘宝を探り当てたジャガーノートである。
 それは今まで彼が積んできたあらゆる経験をもとに、状況に対応するもの。
 攻撃を回避するのみならず、こうした捜索任務にすら転用可能なのだ。
「見つけたか、ジャック」
「えっ、ロク!?」
 ぽてぽてあとから現れた顔見知りを見て二度びっくり。
 そしてはたと思い至る。己が取り出したものは……嗚呼!!
「……」
「…………」
《――………………》
 一同に気まずい沈黙が満ちる。
「……こ、これは、えっと」
「ボイン!? もしかしてボインっすか!?!?!?!?」
「「《!?》」」
 そこへすさまじい速度で駆け込んできたのはリンタロウであった。
「たしかに感じたっすよボインの匂いを! ブロンドなボインのスメルを!!」
「ええ……」
《――リンタロウ。君もここへ来ていたのか》
「当然じゃないっすか!! で、ボインは!?」
「ぼいん」
「でっけー胸のことっすよロク!! 男はみんな大好きなんすねぇ!」
「男は、みんな、おおきな胸の女がすき」
「《ロク》」
 ……と、いうわけである(?)

 そんなわけで、一同は金庫を囲みあれこれ話していた。
 というかだいたいリンタロウが茶化して話が脱線したというのが正しい。
《――どうやら、この中には複数の書籍が含まれていたようだ》
「えろほん」
《――ロク》
 へこたれない相棒。なんだかジャガーノートへの視線も痛い気がする。
 しかし兵士はブレないもの。シュッとしてるのでスルーも出来るのだ。
 そもそも冷徹な兵士は邪念を挟まない。エロ本とかそんな、ハハハ。
《――ここはそれぞれで書籍を獲得し、島民と個別に交流するのはどうか》
「え、あ、うん。……えっ僕も?」
「もちろんっすよ! だって開けたのはあんたっしょ? つまりあんたのモノ!
 まあオレはボインがありゃいいんで。こうね、金髪でボンッて感じのやつ」
「ぼいんは、金髪でぼんってかんじの女」
「《ロク》」
 はたしてせっかく学んだ語彙がこんな形で蓄積されていいんだろうか。
 その答えは誰にも出せない……なぜなら三人とも男だから……。
《――失礼する》
 そしてさりげなく、ごくごく自然な動作で本を回収するジャガーノート。
 こころなしか、紅いバイザーの眼差しは旧き宿敵を見つめるようだった。
(……久しぶりだな)
 彼は心のなかで、その本のタイトルを
「ふとももしゃしんかん」
《――読まなくていい、ロク》
「せい……せいふく、しゃ」
《――復唱もいい》
「……そう」
 心なしか、相棒の眼差しは冷ややかだった。
「よしボイン来た!! やっぱ男は胸っすよ胸!! な!?」
「いや僕に同意を求められても……」
「違うんすか? じゃあどこがいいんす? 尻?」
「の、ノーコメントで……」
「じゃあボイン!? ボインっすよね!! ブロンドビッグボイン!!
 もしかして今隠したそっちのもボインっすか!? 見せてほしいっす!!」
「い、いやこれは」
「ボイン!! ビッグ・ボインバンザイ!! ボインイェーイ!!」
《――リンタロウはアルコールを摂取している恐れがある》
「おれもそう思う」
 なんか吸ってる感じのノリで結月のエロ本をひったくるリンタロウ。
 ……表紙には、爽やかな感じの浴衣美人のジャケットがあった。
「「浴衣」」
「違くて!!!!!」
 ばばっ(急いでひったくる音)
「提供用だから! ね!?」
《――結月》
「えっ」
《――二次任務、ともに頑張ろう。我々ならば、惨劇を止められる》
 なぜかものすごく温かい言葉をかけるジャガーノート。肩ぽむ。
「う、うん……???」
 なんでこんなにフレンドリーなんだろう。結月は割と面食らった。
「まーこれならドラミングの心配もないっすね。いやなんだドラミングって」
「おれは知ってる。えろほんが、すきな男は、ドラミングをする」
「ロク見たことあるんすか???」
 リンタロウはあの公園における大騒動を経験していないのであった。
「……じゃあ目的も果たしたし、僕は先に行くね」
「お? どうしたんすか急に」
「いやなんか、ここにいたらよくないような気配がして」
 結月の言葉にはてなと首をかしげるリンタロウ。そこで彼はなにかに気づいた。
「ってあそこにいるのヴィクティム達じゃないっすか!」
「僕行くね!!」
 急いで飛び出そうとする結月。再び肩ぽむするジャガーノート。
 兵士はゆっくり首を横に振った。慈悲深さすら感じられる仕草だった。
 表情がないはずの鋼の兵士は、しかしたしかにその面持ちで語りかけていた。
 ――もう、ここにいたの全部バレてると。
「……!」
 そしてやってくる例の三人組の姿を見て、ロクはぴんと耳を立てた。
 喪われたはずの言葉が、いまたしかに、記憶の底から蘇ってきたのだ……!
「――アセンション」
 それはまさしく、エロ本のもたらした奇跡であった……!!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ネグル・ギュネス
【アサルト】
またこの類の話が来るとは思わなかったな
というかお宝(本)を強奪の上に殺戮とか、とんでもねぇ悪党だ
行くぞアサルト、アセンシ──どした相棒、何か疲れてない?あとヴィクティム、世界に喧嘩売りまくってんなオイ

一先ず島民の信頼を得なければなるまい
本を見つける為に、唸れ我が黄金眼──!

いやヴィクティム、露出も大事だろ
特に脚チラ、腋や胸(マウンテン)チラ、これが史上
ちなみに俺は小さい派だ。なんかそう言わないと死ぬ気がする
相棒はどう思う?

まあ個人的感情云々はね、勿論大事な要素だ
それはそれとして欲望には正直にだ!

本見つけたら、釣り客あたり捕まえて譲ったり語ったりしようじゃないか
情報収集だから(強弁)


鳴宮・匡
【アサルト】


なんでお前らこの手の話題になると元気なんだよ
やめろ今相棒って呼ぶな
今のお前を見てると相棒って事実に物凄く抵抗感がある

とりあえずあいつらがよくわかんない話題で盛り上がってる隙に
適当に敵の位置でも探っ ヴィクティムなんて?
ごめん急に目が悪くなったから他をあたってくれ
(視覚を犠牲に聴覚を賦活しつつ)

いやどうって言われても……しいて言うならどうでもいいかな……
相手のことを好ましく思ってれば、見た目に感じ入るものもあるけど
そうじゃない相手の写真とか見たってどうとも思わないし
そもそも個人的な好感情がある相手ですらそういう目で見たことない……

…………あ
ごめん今のなしでよろしく
俺仕事してくるから


ヴィクティム・ウィンターミュート
【アサルト】

ふーむ…"薫って"きたな…
分からないか?アセ…おっと、皆まで言うべきじゃあない
俺が年上攻め好きであるということは世界共通の認識(大嘘)だと思う
最近、そこにあるエッセンスを加えることで相乗効果で凄いことになるという事実に気が付いた

着衣だ
いやだから着衣なんだよね
脱ぐよりも着てる方がエロない?分かるネグル?
とりあえずタイトな服着てて欲しいんだわ
というわけでそういう本を探そう
首尾よく見つけてプレゼン出来れば信用を得られる
はい、じゃあこの中で一番目がイイ人
そうだね匡だねよろしく
やろ?やった方が良いと思う
プランナーである俺が言うんだし間違いないって
あ、出来れば鼻水そうめん先生の作品を重点的に…



――輝いていた。
 太陽の如き黄金の輝きが、燦然とカセンジキ島を照らしていた。
 まるでそれは、そう、島の名の通り……河川敷を照らす夕日のようである。
「「「うおっまぶし!!」」」
 島民たちはみなその黄金の輝きを畏れ、反射的に跪いていた。
 それこそはまさしく、"アセンション"をもたらす神の後光めいていた。
 さながら現人神の降臨めいたその後光を背負うのは、おお……!
「唸れ、我が黄金眼――!!」
 ビカァアアアアア。めっちゃ輝くネグル・ギュネスのマシン・アイ。
 この瞳、別に玩具ギミックではなくれっきとしたユーベルコードである。
 "勝利導く黄金の眼(ヴィクトリー・フューチャー)"――。
 超高速演算により、ありとあらゆる近未来を予測、取捨選択する奇跡の力。
 これまで多くの強敵を打倒し、今日という未来を勝ち得たネグルの切り札だ。
 それを、光らせている。軍用の懐中電灯並のカンデラで光らせている。
 何のために? そりゃもちろんエロ本を探すためにさ!!
「……ふーむ。"薫って"きたな……」
 そんなネグルの隣でなにやらクールな表情で言っているハッカー。
 どこの方かな? まあもちろんヴィクティム・ウィンターミュートなんですが。
 彼もまた、極めてシリアスな表情で天才的頭脳をフル回転させていた。
 なんだったらヴィクティムもヴィクティムで、サイバーパーツが光っている。
 どこのゲーミングガジェットだってくらいの勢いで七色に光っていた。
「「「うおっまぶし!!」」」
 例にもよって島民たちは目が潰れそうになった。そして畏れた。
 このふたりが卓越したトレジャーハンターであることを理解したのだ……!
「……なんでお前ら、この手の話題になると元気なんだよ」
 そんな彼らの横で呆れ返る鳴宮・匡。まとめ役? いいえ被害者です。
 匡の脳裏によぎる、かつての大惨事……そう、UDCアースでのアレだ。
 あの頭がおかしくなるような出来事が二度も、しかも他の世界で起きるとは。
 適当に仕事をねじ込んでフケるつもり満々の匡だったが、ふたりは見逃さなかった。
 半ば強制的に……いやというか完全に無理矢理連れてこられた形である。
 考えてみると、人でなしと己を卑下する匡が一番まともってどうなんだこれ?
 いや逆に、これもまた匡が人間らしさに慣れていないということなのか。
 つまり一見呆れ返って帰りたそうな彼も、実は人間らしさを楽しんでいる……。
 そういう風に書けば多分そうなるので、そうなりました。はいエモ成分ゲット。

 ともあれ、そんな匡をよそにアホふたりは大盛り上がりしている。
「しかしまさか、またこの類の話が来るとは思わなかった」
「ああ。まさしくアセ――おっと。みなまで言うべきじゃあないな」
 なぜか言い渋るヴィクティム。名前を呼んではいけないあの人みたいな感じだ。
「はしゃがれても困るけど、その妙に理性的なノリもそれはそれで困るんだが」
「おいおい、何を言ってるんだ相棒。チームアサルトの出番じゃないか。
 お宝を強奪のうえに殺戮とか、とんでもない悪党を止めなきゃだからな!」
「やめろ今相棒って呼ぶな」
「えっ」
「今のお前を見てると相棒って事実にものすごく抵抗感があるんだよ」
「ええ~? なんででござるかぁ~?」
 チャキッ。反射的に拳銃を抜きかけてギリギリ思いとどまる匡。
 落ち着け。こんなんでも一応相棒だ。相互感情結ぶぐらいの大事な仲間だ。
 こんなギャグシナリオで撃っちまったらそれこそ人でなしになってしまう!!
 どうせならもっとかっこいい時に撃ちましょう。それがいい。
「なに、匡はまだ"覚醒"めてないからな。仕方ねえよ」
「俺のほうが遅れてるみたいな言い方不服でしかないからやめてくれ」
「わかったわかった。それよりも性癖の話しようぜ!」
「勝手にやってろよ……」
 匡はもう相手しないことにした。心は動かないが頭痛くなってくるもの!
「でだ、俺が年上攻め好きであるということは世界共通の認識だと思う」
「俺の話聞いてるか??? なんで普通に話進めるんだ???
 しかもお前の好みがどうとか知らないし聞きたくもねえよ」
 でもツッコミは入れてしまう匡であった。そういうサガなのだ。
「おいおいヴィクティム、世界に喧嘩売りまくってんなオイ。でもわかるよ」
「だろ? でだな、最近そこに"あるエッセンス"を加えることで、
 相乗効果ですごいことになるという事実に気がついたんだよ……!!」
「な、なんだってー!?」
 どこの漫画編集部のミステリーサークルかな? みたいな顔をするネグル。
 匡はもはやツッコミすら諦めて、敵がいないか探し始めていた。
「ヴィクティム、そのエッセンスとは一体……!?」
 ふっとニヒルに笑うヴィクティム。ごくりと唾を飲み込むネグル。放置の匡。
 CMのあと、ヴィクティムがとんでもない衝撃的発言を……!

「――着衣だ」
「着衣」
「いやだから、着衣なんだよね」
「お、おう」
「脱ぐよりも着てるほうがエロない? 分かるネグル?」
「わかる(ワカル・ギュネスは一年ぶりに頷いた)」
「俺ねー、とりあえずタイトな服着ててほしいんだわ。出来ればセーター。
 オット! 皆まで言うなよ、もちろん縦縞さ……それが"答え"……だろ?」
 キラリ。普段なら絶対見せない白い歯が輝くようなスマイルであった。
 この男、色々残念だが顔はいい。それに色々悲しい過去を背負っている。
 なのになあ箱を開けてみればご覧の通りだよ! でもそれがいいよね!!
「……だがなヴィクティム。露出も大事だろ」
 しかしどうやらネグル、大いに一言物申したいらしい。
「特に脚チラ、腋や胸(マウンテン)チラ、これが至上!!」
「お、おう」
 今度はヴィクティムのほうが"圧"にビビる番であった。
「だが俺は着衣のよさだってわかる。露出とは着衣があってことだ。
 ――つまりヴィクティム。ノースリーブの腋出しセーター、これだ……!」
「エウレカ!!(ヴィクティム・ワカッターミュートは一年ぶりに天啓を得た)」
「お前ら盛り上がるのはいいからもう少し声潜めろマジで」
「あっ、ちなみに俺は小さい派だ。だから問題ない(?)」
「そんな話してねえんだけど???」
「いやな相棒、なんとなくこう言わないと死ぬような気がしてな……」
 何かを恐れて周囲を見渡すワカ……ネグル。はたして彼は何を恐れるのか。
 とっても可愛くておしゃまなどこかのフェアリーの美女のことかな!?
 そんなに恐れるなら最初からエロ本拾いに来るべきではないのでは?(正論)
「まあそんな個人的感情はともかくな、欲望は大事だ!!」
「大声で言うなって」
「つまり俺は着衣も脱衣も好きなんだよ!!!!!!!」
「俺の声ほんとに届いてるか???」
 もう本当ひとりで先に帰ろうかな、と真面目に思う匡であった。
「よし、じゃあ匡。エロ本探し、頼むぜ!」
「なんで俺に振ってきた???」
「いやだって、この中で一番目がいいヤツがほら、な?」
「……そこに目ぇピカピカさせてるやついるけど?」
「ヴィクトリー、フューチャアーッ!!」
 ピカーッ(点灯するネグルの黄金眼)
「なんでそんなテンション高いんだよ」
「これは物を知らない相棒もいたものだな……。
 真に"高貴"な者とは、自然に光り輝いてみる、ということなんだよ」
「光る理由のほうは聞いてないんだけど???」
 はああ~、とツッコミ疲れで盛大にため息をつく匡。
「そういうわけで俺光で眼やられたから、他を当たってくれ」
「待て! いいか思い出せ、俺のプランニングが間違ってることがあったか?」
「戦闘に関しては間違ってないけど今回は間違いなく間違ってるだろ」
「出来れば鼻水そうめん先生の作品を重点的に探してくれ」
「お前もお前で俺の話聞いてないな???」
 そもそも誰だ鼻水そうめん先生って、と匡は思った。
「……まあ待て、相棒」
 そこでなぜか温かい笑みを浮かべ、肩ぽむするネグル(発光)
「そもそも相棒、お前はエロ本に興味があったりしないのか?」
「いや……普通にどうでもいいけど……」
「本当か? 本当にか!? 吐け! 吐いてみせろ!!」
 くわわっ(刑事ものの取調室に置かれたライトみたいに輝く黄金眼)
「だいたい好ましいと思ってもいない相手の写真を見ても何も思わないだろ」
「「……ん?」」
 そこで零れた台詞に、思わず顔を見合わせるふたり(ヴィクティムは眼をやられてのたうち回った)
「そもそも俺は、個人的な好感情がある相手ですらそういう目で見たことは……」
「…………」
「………………あ」
 急に黙りこくったネグルの沈黙で、はっと我に返る匡。
 彼にしては珍しい表情で口元を抑え、がしがしと頭をかいた。
「ごめん、今のなしでよろしく」
「まさか相棒」
「俺仕事してくるから」
「相棒! ちょっ待てよ! 相棒、相棒~!!」
「だから相棒はやめろ」
「グワーッ目が!! 目がグワーッ!!」
 スタスタ歩いていく匡、のたうち回るヴィクティム、発光するネグル。
 ネグルは思わず匡を追いかけそうになった。だが彼は足を止めた。
「……そうか。なら深くは聞かないよ、相棒」
 ふっ、と穏やかな微笑を浮かべるネグル。彼にもシリアス成分が残って
「あっ巨乳もの発見!! ヴィクティム!! ヴィクティムー!!」
 いやダメだわこいつ。誰かなんとかしてください!!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

レイニィ・レッド
坊ちゃん/f14904
狭筵サン/f15055

断り切れずに来ちまったンですけど
これがグリードオーシャン初上陸って本気ですか?
まさか三人とも?
……正気かよ

自分クール気取ってるわけじゃないですが
ってか
二人とも何どさくさに紛れて
特殊性癖を人に押し付けようとしてるんです
おいやめろ
妄想を膨らませるんじゃない
自分は女医モノって決めてンですよ

そうですね
眼鏡を掛けていると尚……いえ、なんでも

そういう狭筵サンも人妻って
そんな自分は普通です~みてぇな面してますけどね
アンタのそれも表に出せませんよ

別に自分診察されたい訳じゃないですよ
ねェ 坊ちゃんだって
メイドがいいからってそういう訳じゃな

……あ、そういう?
成程


矢来・夕立
狭筵さん/f15055
赤ずきんさん/f17810

エンパイアの海の果て…いえ、こう言うべきでしょう。「海に果てはない」。
我々が辿り着いたこの島は、恐らくかの秘境――エロ本塚(えろほん-づか)。
またの名を中学生のエルドラド(575)。実在したんですね。

ドラゴンカーなんとかはそこのピンク頭の趣味ですよ。
人に任せて希少な財宝(ニッチな逸品)だけは得ようとする。冒険者の風上にも置けねえ。

オレは伝説の島をこの目にしたので満足しました。
…まあ…しいて言えば…メイド…かな…

ああ、いえ。本は結構です。
もしや「メイド服を着た女がよい」と聞こえましたか。失礼。
オレが着るんです。上級者なので。

ウソですが。

ウソですが?


狭筵・桜人
矢来さん/f14904
赤ずきんさん/f17810

今日はクール気取りのスカした男共に恥をかかせに来ました!!
コンキスタドール……?あ〜……ね!忘れてないです。

やけに詳しいですね。漁ったことでもあるんです?
矢来さんも赤ずきんさんも見るからに特殊性癖ホルダーでしょう。
ドラゴンカーなんとかみたいな……そういうのが好きに違いないです。

えっなにそんな趣味だったんですか二人とも。
あ、ほらありましたよメイドと女医の本。
私?私は別に普通ですよ……人妻。
背徳感がいいですよね。
ご主人様って呼ばれたい人とスケベな診察されたい人に言われたくないです。スケベ。ごっこプレイマニア。

えっ……自分で
へ、へぇ〜…………(気遣い)



「――流れ流れてエンパイアの海の果て、オレたちはついに見つけました。
 いえ、こう言うべきでしょう――"海に果てはない"と。それが答えです」
 ざざーん……寄せては返す波打ち際、心地よい潮風に思いを馳せる。
 遠く無限めいて続く水平線を見つめて――否、事実それは無限なのだろう。
 この世界に終わりはない。そう、"強欲(グリード)"の名の通りに。
「我々はついに辿り着きました。恐らくはかの秘境――"エロ本塚"に。
 またの名を/中学生の/エルドラド。実在するとは、思いませんでしたよ」
「……あの坊っちゃん、雰囲気に浸ってるトコ悪いんですけど」
 おずおずと手を挙げるレイニィ・レッド。
「なんで微妙に韻踏んでるんです?」
「海の果て/エロ本塚に/夢はある」
「だからなんで七五調なんです……?」
 なにか矢来・夕立の様子がおかしい。レイニィはちょっと心配になってきた。
 だが、夕立を揶揄することは出来まい。なにせここはまさに理想郷。
 男たちが恋い焦がれ、しかし決して辿り着くことの出来ぬガンダーラ……。
 そこに行っても特に願いは叶わないが男たちはみな笑顔になる。
 ゆえについた名前は"笑い話"と書いてラフテr……えっそういう話じゃない?
 というかレイニィはどうやら、夕立のノリについていけないらしい。
 なにせ彼は、ほとんど無理矢理連れてこられたようなものなのである。
「断りきれずに来ちまった自分も自分なンですけど、一応いいですかね」
「はい? なんですか?」
 ニコニコしたままの狭筵・桜人が首を傾げる。
「……これがグリードオーシャン初上陸って本気ですか?」
「「はい」」
「まさか三人とも……?」
「「はい」」
「正気かよ」
 マジトーンであった。だが桜人は相変わらずニコニコしている。
「いいんですよ! だって今日はあんたらの化けの皮を剥ぐためですからね!!」
「化けの皮て。いや自分レインコート着てますけど」
「いえ私に他意はないですよ? ただこう赤ずきんさんも矢来さんも、
 クール気取りでいつも表情を変えないのが鼻につくとかまさかそんな」
「自分クール気取りじゃねえですし完全にゲロってるじゃないですか」
「今日は恥をかいてもらいますよ!! 覚悟してください!!!!!!」
 桜人は何と戦ってるのか? 素直なレイニィは素直に心配した。
「まあ気にしないほうがいいですよ赤ずきんさん。彼は中学生ですから」
「は、はあ」
「恥ずかしいのは本当は狭筵さんです。性癖が特殊すぎるんですよね」
「えっそれマジ話です? いつものウソです?」
「ドラゴンカー……まあ、アレです。さすがのオレもちょっと」
「この人すげえ無理矢理同行者のこと特殊性癖ホルダーにしようとしてンな?」
 だが夕立は真顔である。こいつはそうやってウソをゴリ押しする!
 そしてその鉄面皮が気に入らないとばかりに、桜人は地団太を踏んだ!
「勝手なこと言わないでください! 特殊性癖ホルダーはそっちでしょう!!」
「いや坊ちゃんは知らないですけど自分巻き込まないでもらえます?」
「生きたヤギをコンクリートで固めるとかそういうのが好きなんでしょう!!」
「むしろアンタそんなモンどこで聞いたンですか???」
 下手するとドラゴンカーなんとかよりヤバいだろ。レイニィは訝しんだ。
「そうやってオレたちをスケープゴートに仕立て上げて自分は得しようとする。
 冒険者(むっつりつけべ)の風上にも置けねえ。真の悪党はあなたですよ」
「は? 私はただ仕事のために来ただけなんですが???」
「でも未だにコンキスタドールのコの字も口に出してないですよね」
「…………」
 間。
「……あ~……ね!」
「ね! じゃないですよ」
 珍しくツッコミ役のレイニィであった。

 しかしどうやらレイニィ少年、まだ言いたいことがあるらしい。
「大体ですね、勝手に妄想を膨らませてほしいンですよね」
「ほう。というと赤ずきんさんの特殊性癖は?」
「いやだから特殊性癖ホルダーじゃねえっつってんでしょうやめろ」
 ガチめに夕立を睨むレイニィ。
「自分は女医モノって決めてンですよ……!!」
「女医」
「そう、強いて言うならメガネをかけてるとなお、こう……いやなんでも」
「ありましたよ! 女医モノ!!」
「でかしました狭筵サン!! ……おほん」
 ものすげえムカつく笑顔になる桜人。レイニィは割と殴りたいと思った。
「いや自分のことはいいんですよ。それよか坊ちゃんと狭筵サンはどうなんですか」
「私? 私は別に普通ですよ」
「なら言ってみてくださいよ狭筵さん。ほら早くどうしました?
 言えないんですか? 言えないならオレの勝ちですが???」
「なんでソーシャルネットワークでバトルする人みたいに詰めてくるんです!?」
「ヤバいですよ赤ずきんさん、ヤバすぎます。激ヤバです」
「坊ちゃんいきなりどうしたんですか急に人差し指立てて……」
 レイニィはだいぶ理解がおっつかなくなっていた。
「でも実際気になりますよ、特殊なんですかやっぱり」
「やっぱりってなんですか! 私はだから普通の」
「「普通の?」」
「………………人妻です」
「「人妻」」
「背徳感がいいですよね」
「「背徳感」」
「いちいちオウム返しやめてくれませんかね真顔で!!! そういう矢来さんは!?」
 半ばヤケで水を向ける桜人。レイニィも夕立をガン見した。
「……あえて言うならメイド、ですかね」
「は~ほら! ほら、ね、聞きました赤ずきんさん、ね!!」
「えっ」
「いや~驚きましたよ、ふたりしてやっぱり特殊性癖ホルダーですね!
 ご主人さまって呼ばれてなんかこうもえもえなオムライス作ってもらったり、
 "また粗相をしたな? お仕置きが必要のようだなグフフ"とか言ったり、
 あとこうヒミツの保健室でふたりきりのスケベな診察とかしてもらったり、
 なんだったら実験という建前でえんやこらしたいんでしょうがあんたたちは!!」
「あの坊ちゃん、あの人性癖の話すると早口になるの」
「やめておきましょう赤ずきんさん、そういうこともあります」
「どうして私の立つ瀬がなくなっていくんですかね!? このスケベども!!
 ごっこプレイマニア!! 屈服フェチ! あと……えーと、あー、メガネ!」
「自分メガネじゃねえんですが……」
 相変わらず表情を変えないふたり。桜人は悔しげだ。
 夕立はなんか、もうここに来た時点でだいぶ満足しているらしかった。
「まあそれはさておき、ここにメイド本もあるんですよね」
「ああ、いえ。本は結構です」
「「えっ!?」」
 ちょっと驚いたふたり。まさか夕立はもう、賢者……!?
 愕然とするふたりに対し、夕立は咳払いをして言った。
「もしや「メイド服を着た女がよい」と聞こえましたか。失礼しました。
 ――オレが着るんですよ。上級者なので。今日も一式持ってきてます」
「「えっ」」
「ウソですが」
「「……へ、へぇ~……」」
「ウソですが?」
 だがふたりはなにやらヒソヒソ話し、生暖かい眼差しを向けていた。
「いや、自分詳しくないですが、そういう趣味も認められていいと思いますよ」
「ウソですが??」
「世の中多様性ですもんね。ジェンダー……ジェンダー、なんとかですよ!」
「いやだからウソですが???」
「狭筵サン、ちょっと自分らそっとしておきましょうか」
「あの赤ずきんさん」
「そうですね! 矢来さんはお楽しみになるでしょうし、ね!」
「おい待てものすごい速度で離れるなだからウソって耳を塞ぐなおい」
「「ごゆっくり!」」
 サササササーッ。蜘蛛の子を散らすように去っていくふたり。
 夕立はぽつねんと取り残され、かちゃりとメガネを上げ直した。
「まあいいでしょう、勘違いしたいならさせておけばいいわけですし」
 と、そこへなにやら声をかけてきた朗らかな笑顔の島民。
「ようそこの兄ちゃん! あんただよ、女装が似合いそうな兄ちゃん!
 もっと具体的に言うと、大正風のハイカラな女装が似合いそうな兄」
「イヤーッ!」
「アバーッ!?」
 ナムアミダブツ、ナムアミダブツ……!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

月舘・夜彦
【華禱】
えろほん……?
それが彼等に必要なものなのでしょうか
人の助けとなるならば手伝わない訳にはいきません

倫太郎殿はえろほんを御存じなのですね
『10代のオトコの浪漫』……?
若者の浪漫……浪漫……冒険や旅といったものでしょうか
それを書き綴られた書物となれば、それは浪漫
若者が求めるはずですね

倫太郎殿に情報収集と世界知識により大きさを尋ね
視力や第六感を使って、その書物が入りそうな所を探します
まさか隠す所も重要とされているとは余程のものなのでしょう

見つけましたが……こ、これは
つまり、私が探していたものは……春……画
真面目に探した己も、見つけた物も恥ずかしく

……倫太郎殿、これは貴方が彼等に届けてください


篝・倫太郎
【華禱】
観光も出来るみたいだけど
どーする?夜彦

あ、ハイ
あんたはそこから説明しないとかー
そっかー……

ま、一言で言うなら『10代のオトコの浪漫』?
それこそ、百聞は一見に如かず、だ
探そうぜ

大体、隠されてるからなぁ……
ベッドの下とか、箪笥の裏とか
そーゆー見つかりにくいと思われるトコに
お宝ってそーゆーモンだろ?

ぅン……それが、エロ本と言われるモノ、デス
島民にやればいーんじゃないかな
多分、喜ばれる……と思うぜ?
俺も見つけたの島民に譲ろっかなって

つーか、このウブい反応……
島民の皆サンといい勝負なんじゃね?
何言ってんの、あんたも一緒に往くんだよ?


好みはスリムスレンダー女子
え?一番は夜彦に決まってるけどな?



 カッ、と熱い太陽が照らすカセンジキ島。
 深く知るとあまりにも残念な島だが、ここは一応リゾート地でもある。
 実際この島を知る商人や海賊らには、いい海水浴場として親しまれているのだ。
 だからもし月舘・夜彦が嫌がるなら普通にバカンスもいいなー、
 とか呑気に考えていた篝・倫太郎。ああ、しかし!!
「……えろほん……? それが、彼らに必要なものなのでしょうか」
「えっ。夜彦あんたまさか」
「私は詳しく存じませんが、きっと人の助けとなるものなのでしょう。
 ならば猟兵として、この島の人々を助けてさしあげねば……!!」
「アッハイ」
 そう、夜彦はヤドリガミ。百年を閲したとは言え彼は人間ではない。
 なのでこう、世間知らずなのだ。具体的に言うとエロ本を知らなかった!!
 想像できるはずだった。だがまさかの事態に、倫太郎は思わず天を仰いだ。
「そこから説明しないとかー、そっかー……」
「? ……よくわかりませんが、倫太郎殿はえろほんをご存知なのですね?」
「お、おう……ま、なんつーか、こう」
 ええい、ままよ。ここで逃げるのは男の恥。倫太郎は覚悟を決めた。
「一言で言うなら『10代のオトコの浪漫』……かな?」
「??? 若者の、浪漫、浪漫……なるほど、わかりました!」
「……一応言ってみ?」
「冒険や旅といったものですね! そういったものが記された書物、と。
 たしかにそれならば、このグリードオーシャンの若者は尊ぶでしょう」」
「あ、うん、そ^ね……あんたはそれでいいよ……」
 むしろそこがいい。いやそういう話じゃねえやっぱりわかってねえわこれ。
 倫太郎は色々と覚悟を改めて決めて、いっそ爽やかな笑顔を浮かべた。
「とりあえず百聞は一見に如かず、だ。探そうぜ!」
「いつになくテンションが高いですね、倫太郎殿。私も見習わねば」
「いやーそういう夜彦はちょっと見たくねーかなー」
「?????」
 とまあ、そういう感じで致命的な誤解を残したまま、宝探しは始まった。

 しばらくあと。
「……あの、倫太郎殿?」
「ん? どーした?」
「いえ……その、私が間違っていたら申し訳ないのですが」
 夜彦は妙にためらいながらも、おずおずと言った。
「どうしてさきほどから、ベッドの下やタンスの裏ばかり探しているのですか?
 普通書物というものは、そんな場所には置かないと思うのですが……」
「いやあ、だってお宝だぜ? 見つかりにくいトコに隠すモンだろ?」
「そういうもの、なのでしょうか。ううむ、浪漫とは深いですね……」
 シリアス顔で懊悩する夜彦。倫太郎はおもわずほっこりとした笑顔になる。
 なんだか騙しているようで悪い気もするが、でもこんな顔が見れるなら、ねえ?
「……きっとそれほどの素晴らしい書物なのでしょうね。興味が湧いてきました」
「うんうん、あんたはそーゆーヤツだよな」
「?????」
 なんだか今日は倫太郎の様子がおかしいぞ? きょとんと首を傾げる夜彦。
 いやいや、そんな場合ではない。惨劇を止めるために発奮しなければ!
 夜彦は改めて気合を入れて、「えろほん」を探し続ける……そして!
「見つけましたよ、倫太郎殿。これがそう……!?」
 誇らしげな笑顔で振り返った夜彦、だがそこでぴしりと体が固まる。
 彼は見てしまった。取り出した書物の表紙……つまり、ジャケットに!
「こ、こ、これは……な、なんと破廉恥な姿の女性……!」
「おー、これはなかなか刺激的だなー。いやむしろ、うん、うん!」
 なんだか感慨深げな表情(表紙の女性はスリムスレンダー系だ)の倫太郎、
 そんな倫太郎と手に持った「えろほん」を交互に二度見する夜彦。
「ま、まさか倫太郎殿、こ、これは……春、画……なの、では?」
「え? ……あ、ぅ、ぅン。そ、ソウデス」
「最初からわかっていたのですね!? なぜ黙っていたのです!?」
「い、いやあ……へへっ」
「そんないたずら小僧っぽく鼻の下をこすっても誤魔化されませんよ!?」
 いや待て。そもそも勝手に勘違いして発奮していたのは自分ではないか。
 はたと我に返った夜彦。脳裏に蘇る真面目に探していた自分の醜態……!
 夜彦はかあっと首まで真っ赤にして、ぷるぷる震える手でエロ本を差し出した。
「……こ、これは倫太郎殿、あなたが彼らに届けてください……」
(いやーウブだなー、島民といい勝負なんじゃねーかこれ)
「……倫太郎殿? なぜ受け取ってくれないのですか?」
「いやあんたも一緒に行くんだよ?」
「えっ」
「え?」
「…………えっ!!??」
 その日、倫太郎は「夜彦もあんな驚いた顔するんだな」と思った。
 そのあと必死に拒む彼をどう説得したかは、ふたりのみぞ知る……。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

フォルター・ユングフラウ
ネロと共に参加する

一体、何のつもりで我を誘った?
低俗な本に興味は無い…が、無垢な男共を甚振るのは暇潰しに丁度良い
案ずるな、軽く“可愛がってやる”だけよ…ふふっ

猿めいた態度を示すという割には紳士的な出迎えではないか
では、その礼だ
早速UCを発動させて耳元で囁いてやる
「趣味嗜好を知る。これに勝る相互理解は無かろう?」とな
誘惑、威厳、言いくるめ…諸々を駆使し、手籠めにしてやろう
そして、その身と精神に刻んでやる
我の趣味嗜好とは、加虐による愉悦だとな
なぁに、他所の世界の者に本気は出さぬ
精々椅子や足置きにする程度よ
汝を椅子にしてやらぬ事も無いぞ、ネロよ
雑多な性癖が存在する島だ、我の犬に足る者も居ろう…くくっ


ネロ・バロック
フォルター(f07891)と一緒

なぜ誘ったと問われると
「お前と南の島に遊びに行きたかったから」
が答えなんだが素直に言えねェ
明らかに人選間違えてる気がしてきたぜ!
でもどういう反応するのか見てみたい気もするぜ!

あいつの交渉にドン引きしつつも
なんだかゾワゾワするものも覚える
畜生、なんだよこの気分!ヤキモチ…じゃねぇかんな

つか俺も仕事しなきゃなぁ!
島民の奴らに秘蔵のエロ本をいくつかあげっかぁ
何を隠そうこのネロ様の趣味は…
「おっぱい」「おねショタ」だ!
おねショタの主導権をショタに握らせるな!
って誰かが言ってたけど俺としてはこう
ショタに良いようにされちゃうお姉さんもいいと思うんだァ
分かるよな?な!



 世の中には「適材適所」という言葉がある。
 相応しき人材は相応しきポジションに配置してこそ最大効率を発揮する。
 それは仕事であれ猟兵としての戦いであれ同じことだろう。
「……ものすげえいまさらだし自分で言うことじゃねェけど、アレだな!
 俺、とんでもなく人選をミスったような気がするぜ!! まあいいか!!」
 ネロ・バロックは天を仰ぎ、いっそ爽やかに開き直った。
 さすがはふてぶてしい俺様系少年、ミスを認めても凹みはしない。
 それが一番楽しく人生を過ごせるということを彼は知っているのだ。
 ……いやそういう話をしている場合ではない。やれやれとため息をつく美女。
「わかっているようだがあえて聞いておく。一体何のつもりで我を誘った?」
 フォルター・ユングフラウの言うことはごもっともであった。
 なにせ彼女は美女だ。スタイルも……こう、すごい。ワーオ。
 そして纏う雰囲気は明らかに女王様な感じのアレであり、つまりめっちゃ怖い。
 誰がどう見ても、こんなエロ本拾いに参加すべきではない人材だ!
 というかネロ少年、何か吸ったのでなければとんでもない度胸ではなかろうか?
 普通ならば試みすらすまい。島の男たちは密かな畏れを感じ震えた。
「え? いやあ、そりゃあもちろんお前と……なんでもねェ」
「んん? なんだ、その奥歯に物の挟まった言い方は。はっきりしないな。
 言っておくが我は低俗な本に興味はない。まあ、汝がどうかは知らんが」
「ばっ、別に興味なんてねェし! ただこう南の島で……こう、アレだよ!!」
「わからんのだが?」
「わかれよ!!」
「……もういい。過ぎたことをとやかくは言うまい」
 呆れた様子で頭を振るフォルタ―、一方のネロは内心ホッとしていた。
 よもや「お前と南の島に遊びに行きたかったから」などと素直には言えまい。
 それが普通だ。彼だって男の子なのだ! しかも15歳、多感なお年頃!!
 あんなこと言ってたがもちろんエロ本には興味津々だし、
 なんなら今日という日のために秘蔵のエロ本をいくつかピックアップしている。
 これを島の男たちに譲るのもやぶさかではない……そんな覚悟を決めていた。
 誰がどう考えても覚悟を決める方向と内容が違うのだが、まあそれはそれ。
「まあよい。聞けばこの島の男どもは、たいそう無垢で猿めいているそうだな」
「呼んどいてなんだけど、あの説明をそう解釈するお前もかなりこえーよ」
 ちょっとビビるネロであった。いやビビってねーし、全然だし。
「ふむ……暇つぶしにはちょうどよい、か」
「おい、一体何するつもりだ? まさか猟奇的なあれこれを……」
「なあに、案ずるな。軽く"かわいがってやる"だけよ。……ふふっ」
「その笑みの時点でもう俺がこえーよ! いや怖くねーけど!!」
 ネロをよそに不敵に笑うフォルタ―。ALAS、よもや浜辺が血に染まるか!?

 ……5分後!
「そうら、跪いて豚のように鳴いてみよ!(鞭スパーン)」
「ブヒィーッ!!」
「そっちの貴様。何をサボっている? 我の命令を忘れたか!!(スパーン)
 1時間空気椅子で(スパーン)過ごせと(スパーン)言ったろう!(スパーン)」
「アアーッ!! イイーッ!!」
「うわあ……」
 ネロはドン引きしていた。ノリノリのフォルターとノリノリの島民たちに。
 思った通り、フォルタ―の"交渉"とはごらんの有様であった。
 彼女がなんかこうセクシーなポーズとかしていたなら途端にゴリラだったろうが、
 幸い(?)誘惑したのがそのケのある男だったのでこの惨状である。
 でも多分需要と供給が満たされてるし、いいんじゃないかな? 多分。
 だが実は、ネロが複雑な表情をしているのはドン引きのせいだけではなかった。
(なんだこの妙な気分……あれを見てるとゾワゾワしてくるぜ……!)
 おお、ネロ・バロック。決していい育ちとは言えない15歳の少年よ。
 汝多感なるもの、そして思春期のもの。つまりはエロに愛されし若者なり。
 目覚めるというのか! その、つまり、そういうケのアレに!?
「どうした? 我がやれと言ったことをできんのか? 貴様は!(スパーン)」
「アヒィ! で、ですがお許しください、いくらなんでも出来ません!
 こんな砂浜でフィギュアスケートして四回転半してみろというのは無茶」
「口答えするな豚め!!(スパパパパーン!)」
「オーオオオーッ!!」
(いや違えなこれ! ヤキモ……いや違うそれも違う、クソッ!)
 さすがにあんなふうになるのはプライドが許さない。ネロは頭を振った。
 そしてへとへとになった島民に近寄り、ヒソヒソと耳打ちする。
「おい、お前ら。よく頑張ったな、俺がいいものやるよ」
「いや性癖なんで……エッいいもの? それは一体?」
「これさ!」
「そっ、それは……!!」
 ビカァアアアア! と光を放つ(ように見える)エロ本!
 表紙にはパイオツがカイデーなお姉さんと、無垢そうな男の子のふたり!
「まさか……オオ、ゴッド……おねショタ本、ですか!?」
「そうさ……しかもな――ショタ攻めだぜ」
「は? ショタ受けが至高なんだが?」
「は? ショタ攻めもいいだろうが?」
 バチバチバチバチッ。途端に殺気立つ両名!
 なんたることか。おねショタの攻守は実際とてもデリケートな問題!
 歴史書を紐解けば、これが元で亡びた国も無数にあったという!
『メガネっ娘のメガネを外してそっちのほうが綺麗だと言う』
『メカクレっ子の目を露出させてそっちのほうが綺麗だと言う』
『あれこれされてた男の子が途中からいきなりテクニシャンになる』
 この三つの災厄がぶつかり合いそして異常磁場をもたらしたのが、
 世に名高きバミューダトライアングルの真実なのは言うまでもない!!
「"決着"つけてやんよォ!?("!?")」
「いい"度胸"じゃねェか、"喧嘩"買ってやんよ……!?("!?")」
 なぜかガンをつけあいながら凄まじい殺気をぶつけ合う両名。
 豚(島民のすがた)を椅子代わりに座るフォルタ―は、肩をすくめた。
「……何をやっているんだあれは? まあ、よいか」
「うおおおおーっ!! お前の敗けだぁー!!」
「俺の勝ちだ!! こっちは猟兵だぞコノヤロウ!!」
 爽やかな浜辺、燦々とした太陽を背景にクロスカウンターするふたり。
 しばらくあとなぜか肩を組んで「どっちもいいよね」と意気投合するふたりを見て、
 フォルターはまたしてもわけがわからんと首を傾げたという。ちゃんちゃん。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

シチカ・ダンテス
ベイメリアさんと(f01781)

彼女が見つけた本を持って話は俺が担当
どんな中身かちょっとだけ読もうとしちゃう
ご、ごめんなさい

俺だって男だから興味はあるよ
少しだけネットで見ちゃったりもするけど…あんまり知らない
※体のオウガにからかわれるのが恥ずかしい

「性癖ってよく聞くけど具体的にはなんだろ…」
端末で調べ
「強いて言えば…優しくて包容力がある人…?」

タイプとは違う?
「服装とか体形…なのかな。グラマラスな人はドキドキする。
服はピッタリしたものがすき、かも」
ベイメリアさんを思い浮かべて顔をブンブン横に振り。
こんなえっちな奴らに何もしないでいいからね?
連れてきてなんだけど彼女が変な目で見られないか心配だ


ベイメリア・ミハイロフ
【シチカさま(f21761)と】

えっちな本、でございますか
ええ、わたくし、それが殿方の嗜みの一つである事
きちんと心得ておりますよ

シチカさまと綺麗な海辺を散策しながら
もし見つけてしまったならば、中身を改め
内容があまりに過激であれば、ぽっと頬を赤らめつつ
シチカさま、シチカさまにはまだお早うございますが…
おそらくこのようなご本の方がお気に召されるのでございましょう
決して、決して中をご覧いただくことのなきよう

固くご忠告申し上げつつ
ご本を持っての島民への接触はシチカさまにお任せし
わたくしはそっぽを向いて遠くにおりますね

島民が去り次第駆け寄り
いかがでございましたか?何か情報は得られましたでございましょうか



 ざざーん、ざざーん……。
 心地よい音とともに、透き通るような蒼い白波が寄せては返す。
 空は雨模様なんて言葉を忘れてしまったかのように晴れ渡っていた。
 燦々と降り注ぐ太陽は、しかしこれっぽっちも辛くはない。
 からっとした大気は不思議と爽やかで、踊りたくなるほどに陽気である。
 島の内陸へと目を向ければ、生い茂る青々とした木々、そして果実。
 島の人々はみな朗らかで心優しく、そこは理想郷めいていた。
 嗚呼、これこそ南の島! 誰もが穏やかに過ごせる常夏の島……。

 なんて情感込めて描写しておけば少しはそれっぽくなると思いましたか?
 残念でした! ここはギャグシナリオなんだよォ!!!!!
 というわけでこの素晴らしい情景も雰囲気も何もかも台無しになる場所、
 その名はカセンジキ島。多分名付けたやつは相当頭が悪いであろう島。
 見た目と気候と雰囲気だけはいい浜辺を、ふたりの少年と美女が歩いている。
「……あ、あのさベイメリアさん。どうしても読んだらダメ……?」
「だめ、でございます。こればかりはシチカさまの頼みでも聞けません」
「でもほら、交渉のための大事な道具なんだし、少しぐらい」
「めっ、でございますよ」
「はい……」
 シチカ・ダンテスはしょんぼりと肩を落とし、おとなしく頷いた。
 そんな姿を心の中で可愛らしいと思いつつ、ベイメリア・ミハイロフは咳払い。
 そう、ここはカセンジキ島……名の通り(?)エロ本が大量にある島。
 彼女は天然ボケではないので、勘違いしていないし理解もしている。
 伊達に24歳の乙女ではない。そういう本もあることだって、わかっている!
「そういった本が殿方の嗜みのひとつであることは、たしかに事実でございます」
「うん」
「ですが……こほん。失礼ながら、シチカさまにはまだお早うございますよ」
「……まあ、ベイメリアさんがそこまで言うなら無理は言わないけどさ」
 唇を尖らせるシチカ少年、御年14歳。UDCアースで言えばバリバリの中学2年生。
 興味がないわけがない。むしろ興味はある! 読みたい!! 読み、たいッ!!
 え? そこまでの熱意ではプレイングしてない? いんだよ細けえことは!
 しかし彼がドギマギしていないのは、今どきの少年らしい理由だった。
(コンにからかわれるの恥ずかしいし、ネットもあるしな……)
 なんたるおませさん! そりゃあオウガだって小馬鹿にする!
 多分こう、「グググ……シチカよ、オヌシはフートンに入っておれ」とか、
 なんかそういう言い方を……あ、はい、しませんね、そうですね。
 ともあれそんなわけで、シチカはエロに馴染みが薄いのであった。
 ネットで調べたことがないわけではないが、なんか広告とか色々怖いし、
 はじめて検索した時はポップアップが出てきただけでビビって電源消した。
 それをしこたまバカにされたトラウマが蘇る……おのれオウガ!!

「――シチカさま、少々お待ち下さいませ」
「え? どうしたのベイメリアさ……ああ」
 シチカはベイメリアがしゃがみこむのを見て察した。エロ本であろう。
 こんな素敵な景色にまで落ちてるとか、一体この島どうなってんだ?
 まあそれはさておき、ベイメリアは表紙を検め、内容をしばしチェックした。
「……こ、これは……」
 ぽっ、と頬を赤らめる様も淑やかで美しい。ああ花の24歳。
「はっ!! だ、ダメでございますよシチカさま、見てはなりません!」
「いや無理に見ようとはしてないけど……」
「こんなものをシチカさまがごらんになってしまったら……ああっ!
 わたくし、想像しただけで卒倒しそうでございます! なんてこと……」
「ベイメリアさん? 俺見てないからね!?」
 いや本当はちょっと見たい。そんな言われると逆に見たくなる。
 しかしベイメリアはふるふると頭を振り、しっかり表紙にカバーをした。
「ですが島の方々には、シチカさまがお渡ししたほうがよいでしょう。
 いいですね、絶対に中を覗いてはなりませんよ。もし覗いたら……」
「ベイメリアさん、なんでちょっと都市伝説の人っぽいの? ねえなんで?」
 多分羞恥心のせいで頭が火照ったのだろう。そう思うことにしたシチカ。
 ともあれ彼は本を受け取り島民のもとへ向かいつつ、端末をいじる。
「性癖ってよく聞くけど、具体的にはなんだろ……」
「なんだ坊主! 自分の性癖がわからないのかい?」
「えっ!?」
 突然ソシャゲのモブキャラみたいに横スライドしてきた島民に驚くシチカ。
「性癖ってのはな、つまり坊主が好きなもの……いわば、心の浪漫さ!」
「心の浪漫」
「目を閉じて思い描いてみな……己に問いかけるのさ……!」
「う、うん」
 本を渡す暇もねえ。おとなしく従い、瞑目するシチカ。
 性癖……強いて言うなら優しくて包容力があり、グラマラスな……。
 それでいて服装はピッタリしたもので、白とか赤とか似合う感じの……。
((("理解"ったみたいだな坊主、それがお前の答えさ……)))
(こ、この島民、直接頭のなかに……!?)
 はっと我に返るシチカ。そしてぶんぶんと頭を横に振った。
 いや違う。ついさっきまで一緒に居たから顔が思い浮かんだだけで、
 別にベイメリアが性癖に合致してるとかそんなことはない。ないよ、ないったら。
「ふっ、若ぇな坊主。だがそれもまた男の道さ……」
「わかったような顔で頷かないでよ!? と、とにかくこれ!」
 エロ本を押し付け、シチカはぴゅーんと脱兎のごとく逃げ出した。
 島の男は、とても生暖かい眼差しで彼を見送るのであった。

「……カさま? シチカさま??」
「えっ? あ、ベ、ベイメリアさん!?」
「? いかがでございましたか? 何か情報は得られましたでございましょうか?」
「…………あっ!!」
 何も聞いてねえ! しかもエロ本渡しちまったあとだこれ!
「ご、ごめんなさい……さっぱりだった」
「いえいえ、よいのですよ。けれども、なぜでしょうか……」
「どうしたのベイメリアさん?」
「なんだか妙に、シチカさまが立派な顔つきになられたような……」
「そ、そんなことないよ? ないからね!?」
 なぜかわたわたするシチカに、ベイメリアは頬に手を当てて首を傾げる。
 そう、それはひと夏の思い出……エロ本がもたらしたパラダイム・シフト。
 少年は誰しも、そうやってエロを通じて、大人になっていくのだ……。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

霧島・ニュイ
……この島は天国かな!?
緑色のサーフパンツに水色のパーカー
バカンス楽しむ気満々
いざ!!エロ本の旅へ!!

いやあ、エロ本って最高の文化だと思うんだよね
綺麗なお姉さん達のあははうふふな一面が見られる至福のひととき
おしとやかな女の子が大胆な一面をさらけ出してくれるのもギャップがあってたまらない
胸が大きいとなお、よしっっっ!!
ボンキュッボンは宝だと思う!
白い肌を惜しみなく晒してくれるともう天使かなって
本音が口から出てきながら発掘
物陰を探したり、シャベル(大)で掘り返したり
発掘出来たら真剣にパラパラパラパラ

性癖語りながら、原住民と一緒に探せたらいいなー

【備考】
思春期男子
自分に正直
性癖は上の通り
任せた


クロト・ラトキエ
※アドリブ歓迎

陸橋の陰。
草叢の中。
或いは隠れず堂々と。
神秘(おとこのロマン)は尽きず、解き明か(発見)される時を待っているもの…。
以前よりレベルアップした僕の目は掻い潜れませんよ!
(※前も別に掻い潜られてはない)

時に彼の賢者殿はこの手の予知に愛され過ぎでは?

取り敢えず2、3冊…
ご安心下さい。
(言いませんが実物派なので)冷静に
(内密ですがハードなのも嗜みます故)客観的な目で
島民の御心を慮り厳選。
『見えるか見えないかのギリギリ』とか、
『お風呂でばったりハプニング』とか…
彼らのトキメキを解き放ち、
微笑みと共にそれを肯定し。
最近変わった事が無かったかなど真面目に情報収集しますね。
えぇ!常に!真面目に!



「……ニュイ」
「クロトさん……!?」
 霧島・ニュイとクロト・ラトキエは、思わず呆然としてしまった。
 嗚呼、なんたることか。運命とは実に不思議、そして残酷なものである。
 なぜかこのエロ本拾いの仕事は、妙に知り合いと出会う可能性が高いのだ!
 このふたり、普段はこうお洒落で叙情的なスポットで語り合ったり、
 つまりこうすごくエモい感じの時間を過ごしてきた間柄である。
 それが! よりによって!! こんなふざけた仕事場でとは!!!
 おお神よ。別にどの神も悪くなんかねえけど、これがあなたの采配なのか。
 ふたりは互いの存在にいたたまれなくなり、恥じ入ってしまうのか!?
「エロ本って最高の文化だよね!!」
「ふっ――当然じゃないですか。人類の生み出した文化の極みですよ」
 あれ?」
「クロトさん!」
「ニュイ……!」
 がしっ。爽やかな笑顔で握手し、力強く頷き合う両名。
 なんたることか。この野郎ども、およそ恥じらいが存在しなかった!!
 むしろ仲が深まったまである。だがその潔さ――実によし!!

「――そして僕らは、恐るべき性癖エロ魔導書を倒したのですよ」
「そんなことがあったんだね……じゃあ、余計頑張らなきゃ」
 長い長い過去を(行間で)語り終えたクロトは、こくりと頷いた。
「神秘(おとこのロマン)は尽きず、発見(ときあか)されるときを待っているもの。
 あの戦いを経て、僕の目はレベルアップしました。もう何も見逃しません!」
「さっすがクロトさん! 言葉の意味はわからないけどすごい自信だ!!」
 というわけで衝撃の出会いからほどなくして、両名は早速島民を懐柔していた。
 ニュイの格好はサーフパンツに水色パーカー、普通に見れば観光客だ。
 だが笑顔でおのれの性癖をひけらかした彼に、男たちは敬意を抱いたのである。
「兄ちゃんすげえな! でもわかるぜ、おしとやかな子のギャップ、いいよな!」
「うんうん。胸が大きいとなお、よしっっっ!!」
「「「わかる!!」」」
「ボンキュッボンは宝だと思う!」
「「「それな!!!!!」」」
 大合唱であった。完全に意気投合、ソウルなブラザーとなっていた。
 そんな様子をうんうんと暖かな笑顔で見守るクロト。彼の手にはエロ本。
 恐るべきことにユーベルコードまで駆使した彼のガチな探索は、
 実際に秘宝をトレジャーハントしてみせ、彼らの信頼を勝ち得たのである。
「さあ、おまたせしました。こちらがお探しの品ですよ」
「おお……! 「旅館の女将全集・創刊号」! 本当に手に入るなんて……!」
「あなたにはこちらです。さあどうぞ」
「か、神よ!! 「喪服美女のうなじガイドブック」が、この手に!!」
「僕が言うのもなんですけどみなさんだいぶマニアックですね(笑顔)」
 クロトの笑顔は仏のようだ。島民たちは魂の汗を目から流し、感謝し続けた。
 一方その頃、ニュイは男たちとスコップを力強く振るっていた。
「エロ本探して三千里~、地球の核まで届いてみせる~」
「「「ヤイサホー!!」」」
 ザッザッザッ。シェルターでも作るのか? みたいな勢いの掘削スピードだ。
「しかし――見えるか見えないかのギリギリ、それもまたよしですね」
「あ、あんた! わかるのか!? チラリズムのよさが!!」
「ええ、もちろんです。お風呂でばったりハプニングも……ね?」
「よかった、俺の魂は救われた……おお……!!」
 クロトに全肯定されて咽び泣く島民たち。傍らでエロ本探し穴掘る集団。
 燦々と降り注ぐ太陽。潮風と波音。大量のエロ本。性癖談義。なんだこの地獄。
「クロトさん、ねえ見てよ! この表紙のお姉さんすごくない!?」
「さすがにこのサイズの胸は僕も見たことがないですね」
「だよね! 中もすごいんだよ、これが……ワオ……」
 真剣な表情でパラパラとエロ本をめくるニュイと男たち。
 これが保護者気分ってやつなのだろうか。クロトはそう思った。
 ん? この流れなんか既視感あるぞ? いやいやとりあえず置いとこう。
「ところで皆さん。ココ最近何かかわったことはありませんでしたか?」
「そうだなあ、なんかぶんぶんうるせえハチがたくさんいたな!」
「あと『秘宝を探している』とか真面目ぶった変な機械の兄ちゃんもな!」
「あ、はい。ありがとうございました」
 クロト、一瞬で情報ゲット。島民の警戒心のなさがちょっと怖いぐらいである。
「ですがまだまだお話を聞きたいところですね。僕もお手伝いしましょう」
「待ってクロトさん……いまいいところなんだ! この本の袋とじが、ああっ!」
「は、裸ブラウスが好きでよかった!!」
(ニュイが島のみなさんと仲良くなれたようでよかったですねえ)
 あくまで保護者目線で微笑むクロト。彼はあくまでも冷静であった。
 どんなエロ本が出てこようと、人生経験豊富な傭兵が揺らぐことはない。
 なぜなら彼は――どちらかというと、実物派だからである。
 恐るべし、クロト・ラトキエ。その性癖、まさに底なし――!!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ミケ・ナーハ
【悪魔のランプ】でジンさんに
島民との交流をお願い♪
私はバカンスを楽しみます♪

「お礼は後でたっぷりするので、お願いします♪」
はちきれそうな爆乳をはじめ
抜群のスタイルの
露出度の高いビキニ姿の私♪
島民には刺激的過ぎますが
ジンさんを【誘惑】するには最適です♪

『子猫ちゃんの頼みなら仕方ねえな』
ジンさんは、海パン一丁
筋肉質な格好良いおじさまの姿

『よう、とっておきのお宝があるんだが……』
ジンさんが島民に見せるのは、私の写真集♪
露出度の高いビキニ姿から
手で隠しきれない爆乳を覆ったセミヌードまで♪

『この娘は全てが最高なんだが、やはり1番は胸だな』
『こんなに大きくて美しい胸は他に無い』
私の胸に島民も大興奮なはず♪



「お、おい、あれ……」
「ああ……すげえ漢(おとこ)だ」
「ヒューッ、なんて筋肉だ、まるで鋼だぜ!」
 島の男たちは畏れた。のしのしとこちらに近づいてくる大男を。
 その身、ギリシャ彫像の如くキレッキレの、はちきれんばかりの筋肉。
 そして……ALAS! 鋭角的ビキニパンツ! まさに……WARRIOR……!!
『よう、お前さんたち。とっておきのお宝があるんだが……』
「「「えっ。こ、これはーッ!?」」」
 その男……ミケ・ナーハが召喚したジンが見せたのは、おお、ゴッド!
 なんとも刺激的な水着姿の美女の写真集……ていうかミケ本人だこれ!
 そう、彼女はあろうことか、己の写真集をジンに配らせたのである。
 もしも彼女がその姿で直接男たちにコンタクトを取っていたならば、
 いまごろあたりはゴリラの大合唱でサファリゾーン状態であっただろう。
 しかし、これほどの漢(おとこ)がエロ本として渡すならば!?
「なんてこった……」
「あんたはもしや、神……!?」
「アイエエエ!」
 男たちは畏怖し、そしてジンに敬意を抱いた。
 なぜかワセリンでテッカテカのジンは筋肉を誇示しながらニッと笑う。
『欲しけりゃ譲るぜ。この胸、最高だろう?』
「マジかよ」
「やっぱり神だ」
「いやいっそ……神を通り越した神では!?」
 どよめきのあまり、男たちも何を言ってるのかよくわからなくなっている。
『そうだろうそうだろう。この娘はすべてが最高さ、だが一番は胸だ』
「胸推しがすごいぜ1」
「とんでもない思い入れを感じる」
「やはり……すごい漢(おとこ)だ!!」
 思わぬ"神"の出現に、沸き立つ男たちであった。

『……ってわけで、色々目撃情報を集めてきたぜ子猫ちゃん』
「ありがとうございますジンさん! ……あの、ジンさん?」
『なんだい子猫ちゃん? 遠慮するこたねえぜ?』
「なんでさっきから喋るたびにマッスルポーズを取ってるんです?」
『ふっ、あの男たちがあまりに褒め称えるからよ……』
 惚れ惚れするほどのフロント・ダブル・バイセップスをキメるジン。
 なんのこっちゃと困惑するミケをよそに、ジンはイイ笑顔だ。
 その体は、相変わらずワセリンでテッカテカであった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

オーガスト・メルト
…この依頼は俺にどうしろと?
『うきゅー?』
いや、ぶっちゃけ真面目にやりたいかと聞かれても困るぞ、デイズ。
『うにゃー?』
…そうだな、ナイツ。この際、エロ本は無視するか。
枯れ果てた俺には全く興味ないし。

リゾート地とまではいかなくても、食事をしたりする施設はあるんだろう?
そこで適当にくつろいで時間を潰すさ。
で、この島にも女性は居るだろうから、遠回しに色々と話でも聞いておこう。
「この島の男性たちがコソコソと人気のない所へ入っていくのを見かけたが、何かあるのか?」
とでも聞いて、女性たちがエロ本についてどういう認識をしてるのか聞きたいな。
この際、聞かされるのが愚痴だけでもいい。エロ本探しよりは有意義だ。



『うきゅー』
「……うん、そうだな。明らかにおかしいな、デイズ」
『うにゃー』
「もうかなり待ってるが……もしかしてこの島、女性がいないのか!?」
 島の食堂。龍たちと会話するオーガスト・メルトは、愕然とした。
 彼の目当ては男性……ではなく、島にいるであろう女性たちだったのだ。
 そもそもオーガストはあまりエロ本に、というかまったく興味がない。
 そんなもんを拾っても、どれがウケがいいかなんてこれっぽっちもわからんのだ。
 そこで一計を案じ、女性らがこの島と男たちについてどう考えているのか聞こうと思ったのだが……。
「な、なああんた」
「おうどうした兄ちゃん! おかわりかい?」
「いやそれはいいんだ。この島の住民ってもしかして、男性だけなのか?」
「はっはっは、そりゃそうだろ! 何をおかしなこと言ってんだ!」
「え、いや子供とか……」
「そんなことよりサービスで飯出すから食ってきな! 男は体力だぜ!」
「あ、ああ……ありがとう……」
 ニカッと笑う店員が豪快によそったライスを受け取り、席に戻る。
「――いややっぱりおかしいだろう!?」
『うきゅー』
『うにゃー』
「そんなことも時にはあるよ、ってなんでお前らが俺をたしなめるんだよ!?
 もしかしてデイズ、ナイツ、お前たちなんかおかしくなったのか……?」
『うきゅー』
『うにゃー』
「おかしいのは俺のほう? いやそんなはずは、でもしかし……」
 オーガストは頭を抱えた。もしかしたらこれは悪い夢ではないのか?
 女性がいない、しかしエロ本は大量にある島。これは一体。
 であればこの島の男たちはどこから来たのだ? そもそもここはなんなのだ?
 考えれば考えるほどわからなくなる。オーガストは苦悶した!
「いっそ悪夢であってくれ……俺はなんだか頭が痛くなってきた……」
『うきゅー』
『うにゃー』
 やれやれみたいな感じのポーズをするデイズとナイツ。ため息をつくオーガスト。
「……よし、海を見よう。考えるのはやめた。深淵に落ちる気がする」
 男は苦悩する。本来であればそんなとき、エロ本が救いとなるのだ。
 しかし枯れ果てたオーガストには、そんな逃げ道すら存在しない。
 それもまた、悲しき過去を背負うオーガストの宿業なのかもしれない……。
 ここはカセンジキ島、男の夢とロマンが詰まった理想郷。
 そこには、女の姿など探せど探せど存在しないのである――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ラビット・ビット
ふっふっふ
えちちな本と言えばビットくんの出番ですよ
任せてください得意ですそういうの

にこにこ笑顔で近づいて話しかけましょう
なんとね!コミュ力が!1もあるから
ビットくんは平気です
ろくろうさんの後ろから話しかけましょうね
へへ…この島にはお宝があるって聞いたんですけど
あの…えーっと、お宝見せるからお宝…

ビットくんのお宝は二次元的な本ですけど~
二次元は想像が無限大だからいいですよ二次元
どんなニッチな性癖も大体カバーしてくれます

しかし彼らは知らなかった!
その中には性転換ものや女装本が10冊に1冊紛れ込んでいることを!
そう!こうやってじわじわとこっち側に染める作戦
10人のうち1人でもお友達になってください!


猿投畑・桜子
アドリブ大歓迎

んーっと、よくわかんねぇけども……落ちてる本拾って島の男衆に渡せば良いんだな!
そんなんでいいなら簡単だべよー。あっちこっち走り回ってかき集めてくるべ!
いっぱい持ってきたらきっと大喜びだべな!

言葉通りあちこちを駆けずり回ってエロ本を収集する。
本の内容は知らないので島の人にも遠慮なく尋ねて探す。
動きやすいように着物の袖や裾を捲くり走り回る姿と覗く二の腕や脚、健康的な日焼けの肌に滴る汗、屈託のない笑顔。
刺激的どころかひと夏の青春を思い起こさせる健全な魅力の前にきっと島民も快く接してくれるはず。
なお持ってくる本は何故か和服美人や田舎娘のあんなのやこんなのが多く混じっている、かもしれない。


オニバス・ビロウ
・SPD
花桃よ、失せ物見つけたよ!という顔で本を持ってこられても困る
しかし本が道端に落ちているという状況、さむらいえんぱいあ出身の身としては驚嘆に値する
本は須らく貴重品であり、艶本であれば滅多と…いや、これは己が故郷が孤島である故のような気がしてきたぞ
…ともあれ妻を連れて帰った時にこの手の本が家にあると、非常に気まずいのだが
(表紙を見る)ばにーがーる…ううん、悪くは無いが金髪の胸が豊かな女子ではなく黒髪の良い尻の女子のものは無いのか

性癖:黒髪ロングストレート太眉青目で笑顔が愛らしく、尻と太腿がむちむちしてる女性
即ち己が妻のことである

地雷:NTR
死にたいなら素直にそう言え
(アドリブ等歓迎にて


フェルト・フィルファーデン
その…あの……エ、エr……破廉恥な本!それを探して島の民の心を掴めば良いのよね?
ええ、これも世界を救うため。頑張りましょう!

……と、意気込んだのは良いけれど、どうしましょうか……
ひとまず小型の兵士人形達に島の各所を探して貰って、捨てられている本を持って来てもらって……
本の精査はわたしが行いましょう。

要するに破廉恥な表紙だけ選べばいいのよ。薄目で見れば細部は見えないし、これなら簡単……
あら?素敵な表紙の本もあるじゃない。
(王子様とお姫様のラブロマンス(系のエロ)本を手に取り開く)


【性癖:御伽話の王子様 颯爽と助けてくれるとなお良し ただしハッピーエンドに限る】


……(最後まで読んだ)破廉恥だわ!?



「……困ったわ……!」
 フェアリーの少女、フェルト・フィルファーデンは頭を抱えた。
 なにせ花も恥じらう13歳の女の子、しかも元王女、ガチガチのお嬢様だ。
 つまりどういうことかというと、彼女はエロ本に免疫がないのである!
 え? 本当に世間知らずならそもそもエロ本を知らないんじゃないのかって?
 よくお気づきになりましたね! つまりそういうことですね! おませさん!!
 ……まあ与太はさておき、フェルトは何やら困っている様子。
 一体それはなぜ? 目の前にあるのはただのエロ本の山である。
 彼女の愛しい妖精兵士人形たちが総出で集めてきた、ただのエロ本の山だ。
 ――誰がどう見てもこれのせいであった。数が多すぎる!!
「こ、こんなに持ってきても……いえありがたいけれど、困るのよ!?
 ……なんて、わたしの絡繰たちに八つ当たりしても仕方ないわね……」
 本を探してくるように命じたのは自分だ。はあ、とため息をつくフェルト。
 これを配るのは骨が折れる。効率的に島民と交流するためには……。
「……精査、するしかないわよね……」
 顔を赤らめる王女さま。けれどもフェルトはぶんぶんと頭を振る!
「だ、だめよわたし! これも世界を救うため、頑張らなきゃ……!」
 フェルトは健気にも己を鼓舞し、エロ本選別のために覚悟を決める。
 さすがに中身は……中身はちょっと無理だ。なので、表紙を選ぶことにしよう。
 その手の破廉恥な本は、きっと表紙の時点でわかるはずなのだから。
 ええ~? なんでそんなこと知ってるのかな~? どうしてどうして~!?
「なっ、なんなのこの破廉恥な本は……女の人が、まあ……!」
 しかし最初に手にとった本からして、かなりワーオな感じであった。
 それはもう、なんかこう、少なくともコンビニには置けないやーつである。
 もうなくなってしまいました。ああ、憎むべきは世間の目……!
 話がそれましたね。ともあれフェルトはしょっぱなから心が折れかけていた。

 ――と、その時!
「ふっふっふ……聞こえます、聞こえますよこのビットくんの耳に!
 えちちな本を集めたはいいけれど、色々困ってる女の子の声が!!」
「えっ、だ、誰っ!?」
 くるり。思わず振り返ったフェルトが見たのは、2m超えの継ぎ接ぎ人形。
 ……の後ろからぴこっとなにやら突き出したウサギ耳。ふりふり。
「……人形?」
「違いますよ! こっちですよ!!!」
 ひょこっ。顔を出したのは、なにやらシルクハットを被ったウサギであった。
 この者、名をラビット・ビットと云う。平たく言うとオタクだ。
 しかも薄い本にかけてはすさまじい情熱を燃やす、いわば雑食生物!
 この世に存在する性癖はだいたい美味しくいただけるやべーやつであった。
「お困りのあなた! ここはビットくんにお任せください!
 えちちな本のことなら得意です。いいものを選んであげましょう!」
「……それは嬉しいのだけれど、どうしてまた隠れてしまったの……?」
「あっやめて覗き込まないで! ビットくんコミュ障なので! で!!
 いやコミュ障じゃないですよコミュ力ありますよ全然違いますよ!!
 ただこう思わずノリで話しかけたけど人見知りしたとかじゃないんだからねっ!」
(も、ものすごい早口だわ。相当滑舌がいいのかしら……)
 オタク特有のあるあるにぽかんとするフェルト。ラビットが顔を覗かせる。
「と、というわけで……へへ……あの、えと、きょ、協力とかしません……」
「え、ええ、もちろんよ! ……ねえ、どうしてまた隠れてしまうの?」
「あ~~~無理無理尊い、えちち本で恥ずかしがる妖精とかしんどい~~~」
(なんだかよくわからないけど深く聞いてはいけない気がするわ……!!)
 破廉恥本から開放されるなら、多少のことには目をつぶろう。
 そう思い、ビットのオタクあるある発言はスルーすることにしたフェルトだった。

「なんと、ここにもこんな数の本が……!」
 と、そこへ新たにやってきたのは、金髪の貴公子めいた美丈夫であった。
 しかしその口調と物腰は、どことなく侍めいたものを感じさせる。
 さもありなん、彼――オニバス・ビロウはサムライエンパイアで育った者。
 実直で真面目な男である。そんな輩がどうしてこんなとこへ来た???
「うーむ、実に驚嘆に値する。俺の故郷では本はすべからく貴重品であった。
 それが艶本となるとめったに見れたものではない、いや驚くべきことだな……」
「……あ、あの、そこの方? あなたもは、破廉恥な本をお持ちだけれど……?」
 フェルトがおずおずと問いかける(ラビットは人形に隠れている)と、
 オニバスははあ、としんどそうな感じで嘆息し、うむと頷いた。
「俺も花桃……この子狐の手を借りたのだがな、思った以上に集まってしまった。
 これでも俺は妻帯の身、この手の本が家にあると少々、いや非常に気まずい」
「(人形の陰から)あっわかるわかります! えちちな本見られたときのあの死にたい感! ね!! わかる~! でもねえビットくん思うんですよ、そういうところから何か新しい友情が芽生えたり、ほらえちちな本だとそういうトラブルからうっふ~んな展開とかよくあるじゃないですかビットくんああいうなりゆきで進んじゃうやーつ好きなんですよね~幼馴染とかだとなおいいな~好き~~~~」
「…………お、おう」
「はいビットくんまたやらかした!! 死にたい!!!!」
 どこで息継ぎしてんだって感じの早口に軽く気圧されるオニバスであった。
 人形の陰で丸まってるラビットはさておき、オニバスはフェルトに言う。
「ところでそこな少女よ、聞きたいことがある」
「えっ? な、何かしら?」
「この中に、黒髪でいい尻の女子の艶本はないだろうか?」
「!?!?!?!?!?!?」
 あ、ALAS! オニバスはそこではっと我に返った!
 フェアリーというものは見た目で年齢がわかりづらいものだが、ああ!
 顔を真っ赤にしてわなわなと言葉を失っているこの反応は……!
「い、いや違う! 俺はなにも悪気があって聞いたわけではないのだ、許せ!
 ただこう、どうせ艶本があるならどうせなら己が妻に似てるといいなとか、
 こんだけあるんだからきっとそちらも慣れているのだろうと思ったのであって」
「~~~~~~っ、し、知らないわっ!! わ、わからないものっ!!」
「すまぬ……」
 どよーん。年頃の少女に怒られて落ち込むさまはまるでお父さんのようである。

「黒髪の美人の本がどうしたべか~?」
「「「でかっ!?」」」
 ぬうっ、と上から顔を覗かせたのは、なんと身の丈5mを超える巨人!
 ……の、可愛らしい顔立ちをした、ちょっといなかっぽい少女であった。
 猿投畑・桜子はにこりと笑い、指先でつまんだ本を振ってみせる。
「驚かしてごめんだべよー、実はそういうのさっき拾ったんだべさ!」
「そ、そうか……いや待て。失礼だがそれが何かわかっているのか?」
「? よくわかんねぇけども、島の人らに聞いたら教えてくれたべよ!
 なんでかわかんねぇけんど、聞いた人らみんな顔覆って丸まってたけど」
(うわ~無知な女の子に根掘り葉掘り問いかけられていたたまれなくなるシチュわかる~~そういうのビットくんすき~~~)
 10行ほどかけて早口しそうなところ、今回は我慢するラビットであった。
 しかも桜子の見た目は、サイズを置いておけばあどけない田舎娘のもの。
 そんな素朴な少女が、やけに特徴の似通った和服美人や田舎娘の本ばかり見つめてしまうのである。
 それを渡された、あるいは話を訊かれた島民の心中や察するに余りある。
 オニバスは、桜子を気遣い心のなかで島民に黙祷を捧げるのであった。
「……ま、ともあれここに大量の艶本が集まったわけだ。それはそれでよし。
 ひとつ総出で適当なものを見繕い、島民らに配って情報を集めるのはどうか」
「そ、そうね、賛成だわ!」
「じゃあおらもっと探してくるべ、島の人たちも呼ばなきゃだべなー」
 ずしーんずしーん。またしても(島民にとっての)災害を撒き散らしに行く桜子。
 嗚呼、時として無垢は何よりも鋭き刃となる。R.I.P、名も知らぬ島の人々。
「へへ……実はビットくん、自分のお宝も持ってきたんですよ……」
 選別作業のさなか、なにやらニチャアと笑いながら本を見せるラビット。
「……絵巻物ばかりではないか」
「二次元いいでしょ!? あ、読みます? ていうか読んで???」
「いえわたしは……あら? これもそうなの? 素敵な表紙じゃない!」
 とそこで、フェルトは一冊のエロ本に目が留まった。
 見目麗しい白馬の王子様が、これまた高貴なお姫様と見つめ合う本だ。
「あっ。そ、それは!!」
「ふふっ、わたしこういうお伽噺、好きよ? どれどれ……」
 なぜか止めようとするラビットをさておき、読み始めるフェルト。
 なんたることか……それは中身はバリバリのエロ本だったのである!!
 ほら、レディコミとかっておしゃれに見えてえげつないエロとかあるじゃん?
 ああいう系。しかもラビットが仕込んだ女装ものだった。ALAS!
「…………は、破廉恥だわ!? しかもこれ、王子様がお姫様で、お姫様が……えっ、えっ!?」
「ああ~、開いちゃいましたね、新しい"扉"……」
「普通に大惨事ではないか!? なんでそんなものを仕込んだ!?」
「(ずしーんずしーん)みんなー、戻ってきたべよ~」
 にこにこと手を振る桜子、背後では沈痛な面持ちの島民のみなさん。
 みな根掘り葉掘り桜子に訊かれ、心に癒えぬ傷を負い、
 それはそれとして素朴で活発な桜子にキュンときてしまった奴らだ。
「さ、ここにみんなの欲しい本があるべ! 持ってっていいべよ!」
「「「アッハイ……」」」
「……なんでみんな暗い顔してるんだべ……???」
 桜子はきょとんと首を傾げるのだった。とっぴんぱらりのぷう。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

三咲・織愛
シオンくん(f09324)と

大切なお宝を奪おうとするだなんて、許せませんよね!!!
そういう本というものを拾って渡せば交流になるのでしょうか?
だとしたら先ずは拾ってこないといけませんね

それではシオンくん!
一緒に島を探検しましょう!
良さそうな本があったら拾っていきましょうね

え! 私もちゃんと中身の確認したいです!
おかしなものが載っていたらシオンくんに見せる訳には行きませんもん!
一緒に見ましょうねっ!

それにしてもまったく本が見つかりませんね……
こんなことなら私オススメの薄くて高い本を持ってくればよかったです

あっ、ねぇねぇシオンくん
海辺が気持ちいいですよ。風にあたっていきましょう


シオン・ミウル
織愛(f01585)と

……織愛、ちゃんと予知聞いてた? 大切なお宝の部分すっぽり聞いてなかったりしない?
俺が知らなかっただけでそういう本の事も分かったうえで言ってるのかなあ。それはそれで嫌なんだけど
勘違いしてる気がするから、適当~に目を逸らさせながら行こうかな

はいはい、探検ね。UDCアースの残骸があるっぽいし、本を無視してたらそれなりに楽しそうかな
とりあえず本があったら先ず俺が確認するけどいい? あ、だめなやつだこれ
一緒に見るのは一番嫌だなー……
おーけー。わかった。見付けたら一緒に見ようなー
って言いながら織愛に見つからないよう全部処理してこう

本は見付からなかったけど楽しかったからいんじゃない?



「……織愛さ、ちゃんと予知聞いてた?」
「えっ? もちろんですよシオンくん! きちんと聞いてました!」
 シオン・ミウルの言葉に、三咲・織愛はぷんすこ不服そうに頬を膨らませた。
「居眠りなんてしてないですしやることもわかってますよ、大丈夫です!
 大切なお宝を守りぬいて、秘密裏にコンキスタドールをやっつける……ですよね!」
「うん、いやそれであってるんだけどあってないっていうか……」
「?????」
 なんのこっちゃと首を傾げる織愛。その表情からするにやっぱりわかってないらしい。
 いや、あるいはわかった上であえてそんな風に言っているのだろうか?
 ……などと頭の中でぐるぐる考え続けて、やがてシオンは思考を放棄した。
 どっちであれ、考えても詮無きことだ。それに確認するのもためらわれる。
 もしも"そういう本"がなんなのかを知らないのだとしたら大惨事だし、
 知っていたとしたら知っていたとして、なんとなくちょっと嫌だったからだ。
(俺が知らなかっただけで実は……なんて考えは、傲慢かなあ。ま、いいか)
 己らしからぬ思考に内心で苦笑しながら、表向きはなんてことない表情をする。
「シオンくん、シーオーンーくん! どうしましたー?」
「ん、なんでもないよ。まあ、とりあえずそのお宝ってのを探そうか」
「はい! 探検ですよシオンくん、楽しみですね!」
「はいはい」
 しかし、実は知らなかったことがあるのはシオンのほうだった。
 否、あるいは彼もまた目を逸らしていたのか、別の可能性を思っていたのか。
 実は織愛は、かつてUDCアースで起きた、似たようなトンチキ……もとい、
 重大(?)な……まあようはエロ本拾いの仕事に携わっていたのである。
 その時の織愛がどうだったかって?
 そりゃあもちろん……何も知らずに参加して大赤面していましたとも!!
 ついでに、そこに同席してしまった不幸な少年は鉄拳制裁を食らっていた。
 はたしてシオンは無事にこのトンチキな事態を乗り切れるのか――!?

 まあそんな感じで始まった島内探検、織愛としてはレジャー気分だった。
 実際カセンジキ島は(その名とくそったれな状況はさておき)南国風の島で、
 話に聞いていた以上に気候もよく風光明媚、まさしくリゾート地だったのである。
 他の世界はまだ春の頃、この爽やかな常夏の風景は実に新鮮だろう。
「……本がなければ、もっと素直に観光気分に浸れるんだけどなあ」
「って、ダメですよシオンくん! 本を探すのが私たちの仕事なんですからっ」
「あ、うん。そうだね(織愛はどうしてこんなにやる気なんだろう)」
 そんなシオンの隣でるんるん気分の織愛。鼻歌など歌うほど上機嫌であった。
 なにせ、同人誌の即売会に出てもハイテンションになる女である。
 こんなトンチキな状況でもそれなりに楽しめるほど、心身ともにタフなのだ。
「ところでさ、ひとつ言っておきたいんだけど」
「はい? なんでしょう」
「本があったらまず俺が確認するけど、そこはいい?」
「えーーーーーーーーーーーーー!!」
 そしてシオンが言った瞬間、織愛のこのクソデカボイスである。
「どうしてですか!? 私も一緒に確認したいです!」
「えっ」
「だって変なものが載ってたら大変じゃないですか! ですから、ね!」
「ええ……」
 変なものしか載ってねーんだよこの島の本は、と言いたくなったシオンだが、
 ギリギリのところで耐える。やっぱ誤魔化す作戦はダメだこれ。
「……おーけー。わかった。"見つけたら"一緒に見ようなー」
「……シオンくん、なんだか含みがありませんか? 目を見てください」
「大丈夫大丈夫、ナンニモカンガエテナイヨー」
「ちょっと、シオンくん! もー、待ってくださ―い!」
 適当にやり過ごしながら先に進むシオン。そして目ざとく物陰をチェック。
 第一エロ本発見! 無駄に風を利用して最速最優先でゲット!
 シオンの作戦……それは、「織愛が見つける前にエロ本を手に入れる」というもの。
 見つけたら一緒にチェック(どう考えてもこれは地獄だ)しなければならない。
 それなら、織愛がエロ本そのものに気づかなければいいのである。
 な、なんたる智謀。果たして本当に15歳の少年なのだろうか?
 同じ歳のどこぞの俺様系少年はものすごいことになっていたというのに!
「むむむ、おかしいですね……本がまったく見つかりません!」
「まあそういうこともあるよ。それよりほら、潮風が気持ちいいよ織愛」
「あ! そうですね、うーん涼しい風です……!」
 まんまと誤魔化される織愛。シオンはこの島の無駄な風光明媚に感謝した。
 もしも彼が、この作戦を思いつけなかったならば……。
 ダイヤモンドよりも恐ろしい織愛の鉄拳が繰り出されていたかもしれない!
「……こんなことなら」
 そして水平線の彼方を見つめながら、織愛が言った。
「私秘蔵の薄くて高い本を持ってくればよかったですね――」
「そうだねー。…………ん!?」
 予想外の発言に、思わずその顔を二度見するシオンであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

黒江・イサカ
ロカジ/f04128と

ああ、ここは海が綺麗だな
海はいいよ こんなところがこれから荒されるなんて悲しいな
ずっと見てたいよ

おかえりロカジ、島のひとと交流は出来た?
……わあ、百合が入ってるのが絶妙にキモいな
若妻って表現もジジイだし
てか、僕に見せる前に自分の好きなのだけ確保するってひどくない?
君、友達いなかったでしょ いかんなあ おっぱい星人が透けてるし
…でも僕も女子アナとかくのいちとか好きだよ
コスプレって大人になるほどよくなってくるよね

そうだ ねえねえ、ほら、ロカジおじいちゃん見て見て
これ、僕のスマホなんだけど
この写真、島のひとにあげたら仲良くなれるかなあ
いわゆる、最新の春画ってやつなんだ

ハメd


ロカジ・ミナイ
イサカ/f04949

なんせこの僕
エロ本には馴染みがないから珍しくって仕方ねぇ
実に趣深い文化だ
そうだよ、春画と動画には慣れてるよ
けど袋とじは自分で開いて見たかったな

この足と隠者の瞳の二面アプローチでわんさか見つける
取捨選択も同時に済ませた
うっかり胸焼けしちまうからね
今胃薬飲んだとこよ

そうして選び抜かれた精鋭がコレ
若妻女子アナ百合くノ一緊縛NTR
これ以上のお宝があるかい?
キモいとかジジイって何さ
見せてやんないんだから!…分かればいいよ分かれば

…は?何してんだよ、この文化圏に最新の春画なんて送り込んだら
生態系が崩れるじゃないか!
そんなハメd 何
え!?お前が撮っ、うわっ、すっげ

ところでエロ本見つけた?



「――ああ」
 無限めいて続く水平線を見つめて、黒江・イサカは感嘆の吐息を漏らした。
 透き通るほどに蒼い海。寄せては返す白波と、安らかな潮騒。
 くうくうと穏やかに鳴くウミネコの鳴き声は、まるで子守唄のようだ。
 燦々と降りしきる太陽は暖かく、それでいてこれっぽっちも暑苦しくない。
 島の人々は誰もが爽やかな笑みを浮かべ、朗らかだった。
 まさしく理想郷。誰もが夢見る、終わらない常夏の島……。
「ここは、海が綺麗だな。……海はいいよ、心からそう思う」
「詩人だねえ。ま、海のよさとこの島の美しさは僕も同意するけどさ」
 そんなイサカと軽口を叩き合う間柄のロカジ・ミナイ、うんうんと頷いた。
 茶化してはいるがけして嘲ってはいない――彼もこの光景に魅入ったからだ。
 なるほど、グリードオーシャン。探索のはてに辿り着いた世界。
 これほどの島があるとは、正直なところ思っていなかった。
「こんなところがこれから荒らされるなんて、悲しいな。ずっと見ていたいよ」
「けれど僕らには――いや、だからこそやらなきゃいけないことがある」
 だろ? と目線で問えば、イサカはこくんと少年めいて頷いた。
 潮騒が鳴り響く。ざざーん、ざざーん……。

「――エロ本だ」
「エロ本だね」
 雰囲気ぶち壊しであった。
「でもさあ、正直僕あちこち歩き回って何かを探すなんて不得意なんだよね」
「それ自分で言うのかい? まあそんなことあろうと調達済みだよ」
 ズラッ。ポーカーかなんか? みたいな感じでエロ本を取り出すロカジ。
 爽やかな太陽が降り注ぐ。そう、ここは常夏の島、カセンジキ。
 どれだけ風景がよかろうと、なんかこう旅情的なシナリオっぽい描写しても、
 結局んとここれはギャグシナリオであり、ここはエロ本の島なのである。
 日常フラグメントだからってエモを補給できると思ったか? 残念だったな!!
「わあすごい。もしかして取捨選択も終わったのかな?」
「もちろんだよ。さすがに無造作に渡したら胸焼けしちまうだろう?」
「そうか……ロカジが胃薬を飲んでたのはそのためだったんだな」
 イサカは目を閉じ思いを馳せた。エロ本を見ては胃薬を飲むロカジの姿を。
 やべえ超面白い。出来れば一緒に見たかった。ぜってー面白いもん。
「正直圧倒されたよ。なんせこの僕、エロ本には馴染みがないから珍しくって」
「え、それで拾いにいったの? それ完全にエロ小僧じゃないか」
「あまり僕を褒めないでくれ。使ったさ、ユーベルコードも(倒置法)」
「それ完全にエロ小僧じゃないか」
「これ(UC)を送ってくれたイドにバレたら絶対に殺されるだろうから言えねぇ」
 いっそ爽やかな笑みだった。でも多分例の邪剣もわかってて言ってたと思う。
「いやでもさあ、僕思うんだよね。なんで僕に見せる前に選別済みなの?
 それどう考えても、君が好きなやつだけ確保したでしょ。ずるくない?」
「エロ小僧なのはそっちも大概だよねこれ」
「君、友達いなかったでしょ。いかんなあ、しかもラインナップがさあ」
 イサカはやれやれと頭を振り、ロカジのエロ本を手に取った。
『檄! 若妻過激団』
『女子アナ~その痴の覚醒め~』
『これからの百合の話をしよう』
『爆乳子持ちくノ一事件簿~危機一髪! 湯けむり温泉に死者の影~』
『完全緊縛マニュアル』
『高橋さん家ノ男性事情』
 ……エトセトラ、エトセトラ。
「おっぱい星人が透けてるよね、これ」
「おいおい、これ以上のお宝があるかい? もしかしてイサカってロリコン?」
「ロリコンではないけどさ、むしろロカジのほうがおじいちゃんでしょこれ。
 エロ小僧っていうよりエロおじいちゃん。ぐひひって笑うタイプのキモいやつ」
「あぁ?」
 ロカジ……キレた!!
「なんだい、そこまで言うなら見せてやんないんだから!!」
「……いや僕も好きだよ。女子アナとかくのいちとか。女捜査官ものもいいよね」
「…………」
「コスプレってさ、大人になるほどよくなってくるよね」
「……わかればいいよ、わかれば」
 よくわからんが和解したらしい。なんだこの流れ。

 ともあれ(?)戦利品を手に島民に接触するふたり。
(ロカジとイサカが欲しい以外の)エロ本を渡された島民はむせび泣き、
「あ、ありがとうごぜえやす、ありがとうごぜえやす!」
「これでおらたちも冬が越せますだ……!」
「おらもぱらいそさ連れてってくだせ! おらもぱらいそさ連れてってくだせ!」
「い、いんへるの」
 と、大好評(?)であった。
「いやあ、喜んでもらえてよかったねロカジおじいちゃん」
「誰がおじいちゃんやねん。ところでどうしたのスマホ取り出してさ」
「いやね、これ見て見て。この写真」
「……おいおいイサカ、この文化圏に最新の春画なんて送り込んだらダメだろ」
 スマホを見せようとするイサカに対し、ロカジは真顔で言った。
「生態系が崩れるじゃないか!」
「うん、何言ってんのか全然わかんないけどさ。これ自信作なんだよね」
「は? 自信作?」
「まあ百聞は一見にしかずってことで」
 スワイプスワイプ。……スワイプスワイプスワイプ。……。
 ズーム。……縮小。ズーム。ズームズームズームズーム。再生。
「えっ!? えっ、これお前が撮っ、え、うわっすっげ」
「でしょ? これを島の人たちに見せたら仲良くなれ」
「「「ホキョオオオオアアアアアアアアッ!!(ドコドコドコドコドコ)」」」
「「やべえ!!」」
 イサカとロカジは即座に逃げ出した。彼らは本能的に危険を察知したのだ。
 おお、だが時既に遅し。イサカは荒ぶる獅子を目覚めさせてしまった……!
「「「ホォオオオアァアアアアアアッ!!(ドコドコドコドコドコドコドコ)」」」
「まさかこんなことある? ただのハメd」
「いいから喋ってないで走れって馬鹿! マジでヤバいってこれ!!」
 ふたりは全速力で逃げる。一気にゴリラ化した島民たちから!
 いま、死の追いかけっこが始まろうとしていた……!!

 ……なんだこれ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

多々羅・赤銅
(多々羅赤銅は自堕落でスケベだ。故に家に勢いで買ったスケベブックがある)

ほい、差し入れ。

(カピカピになっていない……綺麗なブックを持って……島民と!仲良くなりに!来たのである!!)

そうゆうの好きか〜〜わかるよ……年上のお姉さんの抱擁力はなぁ堪んねえよなあ、カーッ
うんうん、寝取りはな!こう、残された旦那の気持ちが辛いよな!もっと幸せにストレスフリーにエロ本楽しみたい!わっかる〜〜〜!

(エロ本囲んで大盛り上がり)

あ〜〜お前はスレンダー好きか、通だな……わはは、折角だし貧乳触っとく?ほれ私の

え?うん女
触る?

(特徴:男に間違われる)

わははははすげえ威嚇するじゃんごめん!ごめんて!!仲良くして!!



「ごめんて」
 多々羅・赤銅はもう何度目かわからない謝罪の言葉を吐いた。
 しかし男たちは、決して彼女の言葉を聞き入れようとしない。
 彼らは赤銅を取り囲み……おお、彼女を取り囲み……!!
「うん、ごめんて。いや私も悪かったからさ、な? 顔上げてって、な。
 ……いやこの空気マジいたたまれないじゃん!? 気にしてないからごめんて!!」
 取り囲み、全力で土下座していた。
 威嚇でもドラミングでもなく、渾身の土下座である。
 はたして何がどうなってこうなったのか、時間はやや遡る――。

 ところで言うまでもないが、赤銅は自堕落でスケベな女である。
 だってほらプレイングにそう書いてある。日々の振る舞いもかなり自堕落だ。
 そんなわけなので、彼女の家にはいろんなスケベなブックがあった。
 酔っ払った帰りにゲラゲラ笑いながらコンビニで買ったやーつだとか、
 二次会探しの途中で何の気なしに入ったエロ本系の書店で買ったやーつだ。
 あるよね、24時間経営のやーつ。未成年だと入るだけでためらわれるところ。
 そんなところにも赤銅はずんずん入る。なぜか? スケベだからだ。
 なので、彼女の家にはいろーんなエロ本があった。いわば……"要塞"である。
「ほい、差し入れ」
「「「…………!?!?」」」
 男たちは目を剥いた。
 エロ本である。
 風雨に晒されてカピカピになっているわけでも、
 お前これモザイクっつーか"壁"じゃん!! みたいなコンビニ向けの修正もない、
 綺麗で、そしてそれでいて過激な……ALAS!! 極上のスケベブック!!
「アイエエエ!」
 あまりの衝撃に泡を吹いて気絶する者も出た。無理もない。
「あ、あんた! 本当にもらっちまっていいんですかい!?」
「そうやってエロ本を気軽に渡すから! あんたたちは!!」
「エロだよこれは!!」
「うん、いやいいけど。てかなんで微妙にロボットアニメっぽくなってんの?
 まあとりあえず持ってけ持ってけ。あ、巨乳ものとかあるけど要る? ん?」
「「「神(ゴッド)……!!」」」
 男たちは驚愕し、畏怖し、そして沸き立った。
 おお、父と聖霊と御子にかけて。今此処に救いは来たれり!!
「そうゆうの好きか~~~わかるよ……年上のお姉さんの包容力はなぁたまんねえよなぁ!」
「わかるか、わかってくれるか!!」
「お、おで、ち、痴漢もの、好き」
「いいよな~痴漢もの! いや犯罪はいけないことだけどな! それはそれ!」
「あ、あの、僕は弱いオタクなので寝取りとかあったらちょっと……」
「あー大丈夫大丈夫、避けといてあるから! 魚の小骨みたいに避けといた。
 やっぱさー残された旦那の気持ちとか辛いじゃん? もっと幸せがいいよな」
「!!!!!」
「エロ本はストレスフリーに楽しんでこそだろ、な!!」
「「「わかる!!!!!」」」
 エロ本を囲み、大盛りあがりする赤銅と男たち。酒も来た。
「おう兄ちゃん、感謝のしるしだ! 俺たちの自慢の地酒愉しんでくれぇ!」
「うっひゃっひゃ! 気前いいねえ、いやーエロを肴に飲む酒うまいわ~!」
 どんどんちゃかちゃか。ちょっとした祭り会場になっていた。なんだこれ。

 しかし、破滅の足音はすぐそこまで迫っていたのだ。
 誰もが幸せだった。だから、あるいは見て見ぬ振りをしたのかもしれない。
「あ~~お前はスレンダー好きか、わかるわかる。いいよな、肋骨のライン」
「そう、それ!! でもあんまり病的なのは困るっつーか、こう」
「皆まで言うなって! わはは!」
 けらけらと笑い、そこで赤銅は何気なく言った。
「あ、せっかくだし貧乳触っとく?」
「いやー兄ちゃんみたいなわかってくれる人に出会えてよか えっ」
「え? いやだから、私の」
「「「え?」」」
「え? どしたん? 触んねえの? やっぱ巨乳のほうがよかった?」
 いいぞ飛び込んでこい、みたいにどんと胸を叩く赤銅。
「「「…………えっ?」」」
 男たちはその堂々とした振る舞いを見て、赤銅の顔を見て、そして胸を見た。
 ……そして骨格を見た。おお、神よ! なんということか!!
「「「――お」」」
「あ、うん女。で、触る?」
「「「おぉおおおおおアアアアアアアアッ!!!」」」
 ドコドコドコドコドコドコドコドコドコドコドコドコドコドコドコドコ!!!
 Xで日本な感じのドラムばりに叩き鳴らされるドラミング! 大合唱!
「わはははは!! すげえ威嚇するじゃん!! わはは……は?」
 呵々大笑していた赤銅は、しかしきょとんとした。
 ドラミングしていた男たちは、流れるように土下座していたからだ。
「「「見間違えてすんませんっしたぁああああ!!」」」
「えっ」
「おいは恥ずかしか! もう生きてはおられんごっ!!」
「名案にごつ!」
「男に間違うたことば許せ!」
「ナチュラルに腹切りしようとすんなや!! え? いや気にしてねーから!
 そもそもお前ら標準語なのか薩摩人なのかどっちだよ!? わかんねーよ!」
 いやどうか許せもう生きてはいられぬと薩摩隼人モードに入った男たち。
 それを止める赤銅、言い争いはしばし続き……そして、今に至る。

「いやさ、私もまあ悪かったじゃん? 大丈夫だから、慣れてっから。
 それよりエロの話しようぜ、な! 私さあ自慢のエロ本持ってきたんだよ!」
 不良漫画の主人公みたいにかんらかんらと笑う赤銅、頭を上げる島民たち。
「「「い、いいんですか……?」」」
 男たちはピュアであり、そして紳士であった。
 特に女性だからといって差別はしないが、不当な誤解には深く謝罪するのだ。
 まあドラミングはするけど。それはそれとして、紳士でもあった。
 でもあんまり紳士すぎるのも逆にDでTな感じなんですよね。わかる。
「おう! 仲良くして!! な!!!」
「「「わあい!!」」」
 一斉に妙なポーズを取る男たち。さあ今度こそ宴会の始まりだ!
 エロ本ランド、はっじまっるよ~!!(どこかから鳴り響くベルの音)

大成功 🔵​🔵​🔵​

杜鬼・クロウ
カオス大歓迎
性癖は前と同じ
桜と女のエロ本がブーム(無意識。桜鬼の所為

海だ!
島だ!
エロ本だァ!
解放されし俺(潮風浴び謎ポーズ
俺を呼ンだな(いいえ
デジャヴ感…ふっ、ココにも現れちまったか
探すぜ
掴むぜ
俺だけの秘宝を
エロ本(ゆめ)を見ちまうのは男の性ってェモンよ

浪漫感じる所で本探索
ピュア男達と交流

何でも出せばイイ訳じゃねェ(サングラス外しカッ!
チラリズム最高
ふとした時の笑顔とか
でもきょぬーがイイ
顔埋めたいだろ!
腕組んだ時に当たる女の胸を感じたコトはあるか…
膝枕はな
前屈みになると、当たるンだ
外には誘惑(ゆめ)が沢山ある

地雷?あるさ
だが否定はしねェ
お前らの理想郷なンだろ?
突き詰めていけよ
何処までも高みへ!


黒沼・藍亜
エロ本拾い……あれこれもしかして(一部の)UDC職員間で伝説となったという“あの事件”の再来……?
もしそうなら青少年の、ついぽろっと好みの異性の事を漏らしたりとかが!聞ける!筈っす!

というわけで本心では他の人の赤裸々話を堪能する気満々で、【目立たない】ようにUCも出して探索するっす。で探索中誰かの話し声を耳にしても事故っすよね(外道)
エロ本にはさして興味がない(関係性とかに萌えるタイプ)ので見つけたら島民との交換材料にするっすよ


好き:仲良し、いちゃいちゃ
ダメ:どちらかがかわいそうなの、むりやりとか
※自身の恋愛事には関心ゼロ。あとエロ本よりはエロ漫画派

※アドリブ他歓迎です。よろしくお願いします


アリエ・イヴ
アドリブ◎
性癖:脚・尻フェチ
面食い
男女問わず

そこにお宝があるっつったら行かねぇわけにはいかねぇだろ
ロマンに生きる、それが海賊ってもんだ!

胸も悪かねぇがやっぱ時代は脚と尻だろう
きゅっと引き締まった上向きの小尻
尻と脚の付け根に存在する僅かな段差
そこから続く芸術的な曲線美!
柔らかそうな、あるいは弾力のあるその内腿に指を食い込ませてその先を暴いてみたい
男だったら一度は考えねぇか?
あとは鼠径部だな
鼠径部最高

海賊が手に入れたお宝を手放すことなんざ滅多にないが…
お前、わかってんな
同士を…いや兄弟を見つけたら親愛のハグ

このお宝はお前にやる
胸派が蔓延るこの世界で
脚と尻の良さを
真の美を
お前が世界に知らしめるんだ!


セリオス・アリス
アドリブ◎

前回は何もわかってなかった
けど今考えると…どう足掻いてもアイツのことじゃん
…死にてぇ
これ次に聞かれたら何て答えりゃいいんだ…

まあとにかく今はエロ本探しだ
好み…っつーかがはっきりしたわけだけど
…やっぱ本物の方がいいな

…しかし、アイツはどういうのがタイプなんだ?
女子どころか興奮してるとこ見たことねえ気がする
ちょっと探して確かめてみるか
巨乳…は胸ばっか見てるとか、見たことねえけどうーん保留
脚の綺麗な女も…隠せっていいそう、保留
歳上か幼い方が好みとか?…いや態度変わってねえな保留

色々保留にしたけど
アイツがこれがいいって言うの、聞きたくねぇな
手に入れたブツは全部島民にやろう
持って帰るのは無しだ


桔川・庸介
えーと、その。お、お宝探しをしなきゃっていうお願いかー。そっかー。
予知にあったことだしな!しゃーないよな!うん!

つっても俺、世代的にも橋の下のゴニョゴニョは
話で聞いた事あるだけで、実際見たことないんだよなー。
だいたいスマホで、いや、それはどーでも良いんだけど!

で、探してみたら……うわ、ホ、ホントに落ちてるんだ!すげー。
ちらっと見て、カ、カゲキすぎるやつには目をつぶって
健全な高校生チョイスのフツーのやつ持ってこ。ヨシ。
島民の人達とは気が合いそーな気がする。なんとなく。

(性癖:水着グラビアとかの入門的な物が好き、刺激が強すぎると怯える)
(余談:隠れてる支配人格は人嫌いをこじらせた純二次元専)



 ――一年ほど前のことである。
 UDCアースは日本のとある住宅街で、大規模な魔術事件が発生した。
 本を媒介として生じる特殊なUDCオブジェクトが、邪神を召喚せんとしたのだ。
 未曾有の危機に対し、U.D.Cは特務戦力……すなわち猟兵の投入を決断。
 かくして集まった30余人の勇士は、恐るべきUDC災害を未然に防ぐため、
 邪神の召喚を阻止せんと奮戦し……ついには、見事邪神を討ち倒したのである。
 ともすれば大量の民間人を巻き込んだカタストロフが起きかねない、
 極めて危険な重大事件であった。そう、それもまたオブリビオンの陰謀。
 猟兵たちの戦いがなければ、世界はたやすく破滅の闇に沈んでしまうのだ……。

 ……って感じで記したらシリアスになりませんかね?
 ならない? ですよね!
「やっぱり……これが、あの伝説になった"エロ本事件"の再来……!!」
 UDCエージェント、黒沼・藍亜は野次馬根性100%のシリアス顔で呟いた。
 エロ本事件――それは、なぜかエロ本が大量に散乱した公園に混入した、
 邪神召喚の力を宿した魔導書と、それを探さんとした猟兵たちにまつわるエトセトラ。
「なんでこんなに大量の猟兵さんが来てるんですかね」
「さあ?」
 という会話が現地のUDC職員の間で256回ぐらい交わされたというその事件は、
 どうもその後もUDC関係者の間で伝説になっていたらしい。そんなことある?
 ともあれ藍亜はひそかに(誰がどう見てもバレバレだが)発奮していた。
 だってこんな素敵なリゾート地がコンキスタドールに荒らされるとか、そんな!
 いくらトンチキだからって、一応朗らかな住民が殺されたりしたら、ねえ?
「青少年の、ついぽろっと好みの異星のことを漏らしたりとかが……聞ける!!」
 邪心100%だこれ! いっそ清清しいまでの野次馬根性であった。
 そんなわけで表向きはなんか職務的なあれで、実際は赤裸々話を聞く気満々で、
 真面目にエロ本を探しているふりをしながら聞き耳を立てる藍亜。
 23歳、女性。日頃の癒やしは撮りためた深夜アニメを見ている瞬間なダメ人間。
 どちらかといえば関係性に萌えを見出す、ようは厄介なオタクであった。

 さて、そんな藍亜の目論見通り(?)、男たちの声が聞こえてきた。
「なんでも出せばイイってわけじゃねェッッッ!!」
「「「!!!!」」」
 どんっ!! となんか黒字に極太のオノマトペが似合いそうな感じで、
 サングラスを外しくわわっ! と目を見開いて叫ぶ男あり。
 そのあまりの堂々とした、そして畏怖すらこみあげさせる覇王色の衝撃に、
 島の男たち……と、もじもじする野郎2名は完全に気圧された。
「ちょ、クロウお前! お前!! 声がでかいって!!」
 サングラスの男――杜鬼・クロウに対し、必死になだめようとする青年。
 彼の名はセリオス・アリス。運の悪いことにクロウの知己であった。
「何言ってンだァセリオス!! お前だって居たンだろォ? あの戦いに」
「だ、だから! お前、馬鹿! もう、馬鹿っ!!」
「海だ! 島だ!! エロ本だァ!!!」
 どどんっ!!(クロウの背景にまた出てくる謎のオノマトペ)
「――エロ本が、俺たちを呼ンだのさ。なら、恥じらう理由がどこにある。
 この手で! その手で! 秘宝(エロ本)を掴ンでこその男だろうがッ!!」
「俺今日ほどお前の知り合いだったことを後悔した日はねえよ……」
 顔を覆いうずくまるセリオス。その顔は美形であり、層に響く。
 はたしてなぜセリオスがここまで恥じらうのか? 実はこれには理由がある。
 というのもセリオスは、先に記したエロ本事件において、
 あるとんでもないミスをしてしまった――そして、それに今気付いたのだ。
 彼が何気なく挙げた"好みのタイプ"、それはよくよく思い返すとどう考えても……。
「あああああもう思い出すだけで丸まりてえ!! なんでここに来たんだ俺ぇ!!」
「その、事情は詳しく存じ上げないけど、その気持ちはわかるっすよ……」
 と、そんなセリオスに沈痛な面持ちで同調する少年がいた。
 桔川・庸介。彼は件の伝説の事件の経験はない、ごく普通の探索者である。
 それでも彼も恥じらっていた。もじもじしていた。これはこれで層に響く。
「だ、だってエロ本っすよ? そもそも俺そんなの見たことないんすよ!」
「ンだとォ? お前……さてはアレか、スマッホで、アレしてンのか!?」
「ひい! そ、そうですけどなんすか!? いや大声で言わせないでくださいよ!!」
 見た目は強面なクロウに詰め寄られ、庸介は思わず真実をゲロってしまった。
 そう、彼は16歳。平成生まれという言葉も当たり前になって久しい今日、
 その中でもかなりの若者――物理のあたたかみから離れてしまった世代なのだ。
「いやまあ、話には聞いたことあるんすけどね。さすがに見たことは……。
 ……つーかホントに落ちてんですね!? 見た時感動しちゃいましたよ俺!」
「だろ? "理解"ってンじゃねェか! ならもっとシャンとしろや!」
「いやあ、それとこれとは話が違うっつーか……だから声でかいですって!」
 とはいえ、それはそれこれはこれ。こんな白昼堂々騒げるほどタフではない。
 しかもあっちには女性(藍亜)までいるし……んっ? なんだあの女?
 さっきからこっちをちらちら見てはなんかニヤニヤ笑ってないか?
(や、やっぱり聞こえててキモがられてるんじゃないかこれ……!?)
 庸介は不安になった。そう、彼は男の子。女性の目とか気になるお年頃。
 いやまあ、異性の目を気にせずエロ話するのはそれはそれでヤバいのだが。
 そういう話じゃねえ!! 理屈じゃねえんだ、男ってのは!!(どんっ!!)
「道端に落ちてるエロ本はあっただろ? なら実在するさ――俺たちの秘宝もな」
「勝手に俺を巻き込むなよクロウ!?」
「俺も巻き込まれるとすげえ困るんすけど!!」
 クロウのノリに、大いに物申したいセリオスと庸介であった。

「話は訊かせてもらったぜ!!」
「「「!!??」」」
 どどんっ!! 何度出てくるんだこの妙に既視感のあるオノマトペ。
 ともあれ大音声とともに覇王色のなんかを吹かせて現れたのは、海賊だ!
「そこにお宝があるっつったら、男として行かねぇわけにはいかねぇだろ。
 ――ロマンに生きる、それが海賊ってもんだ! 理解ってるぜ、お前」
 ニヒルに笑うこの男、名をアリエ・イヴ。赤髪の鮮やかな海賊であった。
 クロウはそんなアリエの顔をじろりと睨み……そして、歩み寄る。
 静寂のなかにらみ合うふたり。一触即発の気配……!
「……あの、なんで大量のエロ本に囲まれて睨みあってんすかねあの人たち」
「俺に訊かねえでくれよ、わけわかんねえよこれ……」
 ぼそぼそとささやきあう置いてけぼりの庸介とセリオスである。
 しかしその時! クロウとアリエは同時に腕を動かした――そして!
「――やるじゃねェか、テメェ」
「お前もな! 見どころがあるぜ!!」
 がしぃっ!! と、力強く悪手! そして爽やかな笑顔でキメっ!
「やったー!! ふたりのヒーローが仲直りだー!!」
「これならどんな敵にも敗けないぜ!」
「海賊ーがんばえー」
 なぜか児童向け映画でペンライトを振る子供風に盛り上がる野次馬の島民たち!
「なんだこのノリ」
「置いてかれてる俺らのほうがおかしいんすかね……?」
 セリオスと庸介は、そのあまりの"圧"にぽかんとしているのだった。

「……いい」
 で、セリオスらとは別の方向からどんちゃん騒ぎを盗み聞きする藍亜。
 彼女はうっとりしていた。いい――実に、いい。
「エロを通じて盛り上がる男たち、熱い友情……実にイイ! っす!!
 それはそれとして、恥じらってる感じのあの子たちもグッドっすね……!」
 妄想が止まらねえ。心のカメラでシャッターを切りまくる良識系女オタク。
 なにせ彼女は割と雑食であった。無理やりとか可哀想なやーつとか、
 そういうのじゃなきゃ割となんでも食べられる。うんダメ人間だこれ。
「見てるだけのつもりだったっすけど、これはぜひ応援しなくちゃっすね……!」
 藍亜は意を決し、さっそく集めたエロ本を手土産に彼らに近づいた。
「おーい! ここにもエロ本あるっすよ! どうぞ持ってってくださいっす!」
「「「ワオオオオオーッ!!」」」
「へっ、ありがてえ支援物資じゃねェか。なァ海賊の!」
「ああ、海の上じゃこういう補給物資こそ生命線だからよ!」
 沸き立つ島民たち、なぜか肩を組んで爽やかに笑うクロウとアリエ。
「体育会系のノリすぎんだろ! ……あ、うーんでもこれは……ふーん」
「ってなにげに普通に読み始めるのすごいっすね!? か、かっけえ!」
 なんやかやエロ本を物色するセリオスの男っぷりにおののく庸介。
 しかしセリオスは、別に彼のスケベ心で読んでいるわけではない。
「巨乳……は、あいつ胸ばっか見てるとか、見たことねえし保留だなあ」
「あァ!? てめえセリオス、何言ってやがる! きょぬーは最高だろうがッ!!」
「そういう話じゃねぇよクロウ!? ……こっちは脚系か、これも保留だなあ」
「バッカ、お前!! 胸はともかく時代は脚と尻!! だろうが!?
 きゅっと引き締まった上向きの小尻! 尻と脚の付け根の僅かな段差!!
 そこから続く芸術的な脚線美……そして鼠径部の素晴らしさ!! わかれよ!!」
「急に早口になんなよ!? 知らねーよ!!」
 アリエは足フェチらしい。ぎゃあぎゃあ噛み付いてくる野郎どもに反論するセリオス。
「す、すっげえ……くそっ、俺も敗けてらんねえっす!
 ……ってこれ、ちょ、カゲキすぎないっすか!? これはちょっと!」
「ほほう。アンタはこういう入門系の水着グラビアが好みなんっすね?」
「ちょ、いや、ち、違……いや違わないっすけど……!!」
 庸介は思わぬ方向(具体的に言うと藍亜)から攻撃を喰らい、崩折れた。
 だが負けるな16歳! エロは多様性、健全なやーつでもいいじゃないか!
 それはそれとして、実は彼の内側に潜むもうひとつの人格的なアレは、
 藍亜が多めに調達した二次元系のエロ漫画を見て大いに満足していた。
「ちげーんだって、別に俺が好きなわけじゃなくて、だからこう土産っつーか」
「いいか!? チラリズム、そしてふとしたときの笑顔! これなんだぜ!」
「へっ、わからなくもねえよ。胸派のお前を認めたくはねえが……」
「きょぬーも足もいい。たとえばそう……膝枕とか、最高だろ?」
「……! やるじゃねえか、お前……!!」
(あっこいつら完全に盛り上がってて全然聞いてねえな)
 バチバチしたかと思ったらまた仲直りしてるクロウとアリエを冷ややかな目で見つめるセリオス。
 彼はため息をつき、物色したエロ本を島民らに配るのであった。
「えっ、い、いいんですかい旦那!?」
「なんでそんな三下口調なんだよ。だから俺がほしいわけじゃないんだって。
 ……土産にするのもなんか違う気がするしな。持ってけ持ってけ、全部」
「そうっすよ、どうせボクも興味ないんで!」
 うんうんと頷く藍亜。もう心の萌え袋はパンパンになっていた。ご満悦。
「いいか野郎ども! 胸派がはびこるこの世界に、真の美を知らしめろ!!」
「それは否定しねえ。だがきょぬーこそ至高。――突き詰めろよ、お前の高みを!」
「「「ウオオオオオーッ!!」」」
「ふ、深い、エロって深いっす……!! 俺ももう少し頑張らねえと……!」
 アリエとクロウの演説に盛り上がる島民たちの熱に、庸介も心を打たれた。
 大変だ! ここにはツッコミ役がセリオスしかいない! 誰か助けて!
 ああ、16歳の若者よ、どうかまっすぐにエロの道を突き進まんことを。
 君には、無限の可能性(せいへき)が開かれているのだから……!!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

アイザック・マグナ
ヤー・ダゥ!はっは!!
なんだなんだ随分と賑わってるじゃねえか!出遅れるわけにゃあいかねぇな!

つーわけで、この島の宝は俺たち『海賊団シルフィード』がいただくぜ!!いくぞ野郎ども!!!
ん?野郎ども?
おーい。おい〜?
ったくせっかちな奴らだぜ!はっはっ!

海賊は宝と名のつくもんにゃ鼻がきくんだぜ
お、このあたり怪しいな そーれそれ
はっはっ!なんだこりゃ!裸の女じゃねぇかいらねぇよ〜!はっはっ!俺様の鼻もアテになんねぇな!
なんだい、こんなのが欲しいのか?
こんなのの何がいいかね?ホンモンの女の方がやわらけぇし良い匂いするしきもち……おーいおいおい?俺様の話聞こえてるかーー??

なんだよこいつら変なやつらだな!


海鸚・アンデラ
空から見れば一発だと思ったのにまいったぜ…バッカニアさーん!どこいっちまったんですかー!

なんだアンタら?お宝を探してる?
なーるほど。キャプテンにもお宝ひとつでも持って帰りゃ許してもらえるかもな。
よーし!そうときまればこのアンデラ様も混ぜてもらおうか!

こ、これは……!!!
おおおおおおんな、ナッ ピッ‼︎
ばばばばばかぁにすんじゃないよ!!ヨユーだわヨユー!!海の男がぁあ女ごときにうろたえるわけねーーだろぉーーがーー!!
だーーまらっしゃーーい!!お前にやるわ!!!こんなもんはよぉ!!!

はぁ…あ…?なんだこりゃ
(ぺらっ)(とりのきもちインコ大特集)
ビャンッ
(ギュンッ)


バッカニア・マグナ
(額の汗を拭い、島をキリッと睨む)

「……なるほど、ここがエロ本(男の浪漫)の島か……!」

そうと決まれば話ははええぜ!
おいそこの兄ちゃん!わしは宝を求めてるんだ!この島のメガリス……そう、男の浪漫(エロ本)をな!!
(お!こんな所に男のロマンが!!)
(島民と一緒に肩を寄せ合い頷き合い)
わかるぞ!巨乳は良い!だが無くても良い!豊満も良いがスレンダーも良い!気が合うなぁわけえの!ぶわっはっはっ!
んん?女ならなんでも良いんじゃねえかって?ちげえねえ!!

おん?どっかで誰かわしを呼んだか?まぁ良いそれより次の浪漫だ次の浪漫!!

(島民と仲良くなりたいです)
(あと出来ればエロ本も!持って帰りたいです!!)


マグノーリャ・ヒミングレーヴァ
(『船』である巨女は、船変化をといて海辺でのんびりしていました)

この島は活力に溢れてる!それだけ魅力的なお宝がわんさかなのネ、グラッチェグラッチェ〜

(ふと
島から視線と賑わいを感じます)

(この海辺の巨女
乳がおっきいのである)

(巨女の!巨乳が!水が滴って!夢いっぱいたるたるふゆんふゆん!)

あらあらアロハロ?
賑やかネ!お話混ーぜてチュ!

(前屈み四つん這い
島民に耳を傾けます)
(ひと一人たやすく包みそうな!谷間が!眼前で無防備にたゆん!)

ゴリラごっこ!
この島式の挨拶ネ!力強さなら女神も負けないヨ、ウホホーイ!

(女神ドラミング!たゆたゆゆゆゆばるばるるるふゆゆゆゆあああああ女神女神自由なるおっぱあああああ



 ざざーん……ざざーん……。
 今日もカセンジキ島には爽やかな潮風が吹く。
 それは浪漫の風、無限の海に漕ぎ出す冒険心をくすぐる小悪魔めいた風だ。
 人々は旅の途中にこの島に降り立ち、心と体を癒やされまた旅に出る。
 ここは素晴らしい島だ。だが、ほとんどの人々はこの島に永住はしない。
 なぜならばこの世界はグリードオーシャン。強欲なる海の世界!
 そこに海が、冒険の舞台がある限り、奴らは危険を承知で突き進むのだ。
 馬鹿げたほどの勇敢さと、英雄譚を成し遂げる豪快さに敬意を込めて、
 人々は彼らをこう呼ぶ――そう、海賊と!

「ヤー・ダゥ!! はっは!!」
 トリコーン帽子をくいと上げて、高らかに笑う豪快な大男。
 彼の名はアイザック・マグナ! そう、誇り高き海賊である。
 アイザックがまとめる野郎どもの名は、気高く愉快なシルフィード海賊団。
 島での歓待を"略奪"と表現するその気風は、一部の荒くれ者どもからすれば、
 海賊ごっこと揶揄され嘲笑われることも少なくはない。
 だが、アイザックは――そして他の団員も――それを気にすることはない。
 なにせ彼らは風精(シルフィード)! その心は吹き抜ける海風のように自由!
 笑いたいやつには笑わせておけばいい。心に勇気と信念の輝きがあればよし。
 だからこそ彼らは――他の海賊の誰よりも、気高く胸を張っていた。
 ここまでノリノリで書いて思いましたが、もっと真面目なシナリオならよかったですね!
 こんなシナリオだから何書いてもギャグにしかならねえよ畜生!!
「島に眠る無数のお宝、もうかなりの野郎どもが騒いでるようじゃあねえか。
 これは出遅れるわけにゃあいかねぇ。さあ行くぞ、野郎ども!!!」
 びしぃ! と、アイザックは島を指差し言った。
 恐るべき海賊団の仲間たちが、雄叫びを上げて彼に続――続かない。
 というか、誰もいない。アイザックは思わず周りを二度見した。
「ん? ……野郎ども? おーい? おい~???」
 ぴゅう~。常夏の島にそぐわぬ空っ風が吹き抜ける。
「はっはっ! ったく、せっかちな奴らだぜ! まあいいか!!」
 どうやらとっくに"略奪"を始めたらしい団員たちに呵々大笑しつつ、
 アイザックもまた上陸する。そんな彼の背後……巨大な船が、変化した。
 おお、見よ。海賊旗をはためかせるシルフィード海賊団の勇ましき船は、
 あっという間に……見上げるほどの巨大な、しかし麗しい美女に!
「この島は活力に溢れてる! それだけ魅力的なお宝がわんさかなのネ!
 "略奪"、頑張ってネ、かしら! アタシ、ここでのんびりアロハロよ!」
「おうマグノーリャ、ここはいい島だ。航海もだいぶ先、しばらく休んでな」
「グラッチェグラッチェ~。いいお宝、見つかるようにお祈りネ!」
 巨大な乙女……マグノーリャ・ヒミングレーヴァは、朗らかに笑った。
 彼女こそはシルフィード海賊団の"船"であり、団員のひとり。
 まさしく彼らの航海を守る、偉大な船の"女神"というわけだ。
 そしてマグノーリャの激励を受け、アイザックは果敢にも略奪に挑む!
「手に入れてみせるぜこの島の宝――何が出てくるか楽しみだ! はっは!」
 だが、ALAS! アイザックはそもそもこの島の本性を知らなかった……!!

 では、彼に率いられる団員たちはどうなのかというと。
「……なるほど、ここが男(エロ)の浪漫(本)の島か!!!!」
 照りつける太陽に額の汗を拭い、爽やかに笑うエロジジイ。
 いや違う。偉大なるアイザックの父にして先代船長、バッカニア・マグナ。
 どうしようもねえろくでなしなので、完全にすべてを把握していた。
「そうと決まれば話ははええ……おいそこの兄ちゃん!!」
「うおっ? どうしたい海賊の旦那!」
「わしは宝を求めてるんだ! そう、この島の浪漫――エロ本をな!!」
「!!!」
 あっという間に彼の周りに島民が集まり、スクラムを組んだ。
 男たちは年齢も何もかもバラバラだったが、エロ本を取り囲み頷き合う。
「わかる、わかるぞ。皆まで言わんでもいい、巨乳はいい! 最高だ!!」
「「「さすがだぜ、海賊の旦那!」」」
「だがなくてもいい……スレンダーもそれはそれでいい! だろう!?」
「「「そうこなくちゃだぜ!」
「気が合うなあ若え衆! ぶわっはっはっ!!」
 一瞬で意気投合したろくでなしじじいとどうしようもない野郎ども、
 どこかから酒樽を転がしてきて、あっという間に宴会状態に突入だ。
「しかしよう海賊の旦那、ひょっとしてあんた、女ならなんでもいいんじゃねえか?」
「ぶわっはっはっ! そいつはちげえねえや!」
「へへへ、こいつは一本取られたぜ!」
 なんかもうマブダチみたいな勢いになっていた。
 そう、エロで繋がった男と男に、理屈は不要なのである……。
「……バッカニアさーん! おーい、バッカニアさーん!!」
「んぉ? この声は……いやまあいいか、次の浪漫を探しに行くぜ!」
「ってバッカニアさん!? おいちょっと! 待……あーあ」
 さささーっと次の本の略奪に向かうじじいども、一拍遅れて降りてくる男。
 キマイラの青年……海鸚・アンデラは、島民とバッカニアをぽかんと見送った。
「なんだよ、もうすっかり意気投合してんじゃねえか。敗けてらんねえな。
 このアンデラ様も、キャプテンのためにお宝を手に入れなきゃな……!」
「おっ、どうした兄ちゃん。あんたも秘宝を探しに来たのか?」
 意気込むアンデラに、なにやら朗らかに話しかけてくる屈強な島民。
「なんだ、教えてくれるのか? だったら渡りに船だぜ、そのとおりさ!
 オレはアンデラ、何を隠そうシルフィード海賊団の――あ? なんだそれ?」
「何って、見てのとおりお宝さ! お近づきの印にひとつどうだい!」
 アンデラは思わず男と、男が差し出した本とを二度見した。
 表紙には、あられもない姿でセクシーポーズをするブロンド美女が!
「こ、これは……!! お、おおおおおおおんな、ナッ ピッッ!!」
「……なんだ兄ちゃん、もしかしてエロ本に免疫なかったのか?」
 気遣うような男の言葉に、アンデラは顔を真っ赤にさせながら言った。
「ばばばばばばかぁにすんじゃないよ!! ヨユーだわヨユー!!」
「いやあ無理はしねえほうが」
「海の男がぁあ女ごときにうろたえるわけねーーーだろぉーーーがーーー!!」
「いやでも」
「だーーーまらっしゃーーーい!! お、おおおお前にやるわ!! こんなもん!!!」
 そうかい? と首を傾げつつ去っていく男。
 危ないところだった……必死に呼吸を整えるアンデラ、そんな彼は足元に一冊の本が落ちていることにきづいた。
「はぁ……あ……? なんだこりゃ……こ、これは!?!?!?」
 それは……とりのきもち、インコ大特集号!
 どう見ても普通の本だが、ALAS! アンデラには特攻だ!!
「ピャンッ」
 変な声を出して、アンデラはぶっ倒れるのであった。

 そして、唯一のまともな海賊ことアイザック!
「はっは! なんだこの島の奴らは、これが宝なのか? 変な奴らだぜ!
 おいマグノーリャ、どうやらこの島の宝は……おいマグノーリャ、どうした?」
 宝がエロ本だと知り、一笑に付して戻ってきたアイザック。
 彼が見たのは……ドラミングする男たちと、それに併せてドラミングするマグノーリャであった。
「アロハロかしら! ねえ見てみて、ゴリラごっこよ! この島式の挨拶ネ!」
「どう見ても威嚇してねえかそいつら!?」
「でもみんな楽しそうヨ! ウホホーイ!」
「「「ホキョオオオオアアアアア!!」」」
 ドコドコドコドコドコドコドコドコドコドコたゆたゆたゆたゆたゆ。
 揺れる胸! ドラミング! 響き渡る鳴き声! エロ本!
 ……地獄絵図であった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『『蒐集蜂』はたらきばち』

POW   :    θ
自身の【飛行能力】を代償に、【焼け爛れるほどの熱】を籠めた一撃を放つ。自分にとって飛行能力を失う代償が大きい程、威力は上昇する。
SPD   :    ζ
あらゆる行動に成功する。ただし、自身の【群れを率いる女王蜂が求める宝】を困難さに応じた量だけ代償にできなければ失敗する。
WIZ   :    φ
【倒れた仲間の身体】から【蜜や蜜蝋など】を放ち、【敵を窒息させる事】により対象の動きを一時的に封じる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

「エロ本を探してるのかい……」
「本当にエロ本を探してるのかい」
「エロ本なら他に探してる連中がいたぜ」
「なんかぶんぶん唸ってるハチだ」
「この島エロ本以外になんもねえ」
「正直エロ本以外の娯楽は皆無だ」
「ナンニモ無ェ」
「ちなみにそのハチならあっちのほうで見たぜ」

 ……というわけで(?)
 猟兵たちの果敢な(要出典)交流活動(独自研究)の成果もあって、
 島民たちから有益な情報(誰によって?)を得ることが出来た。
 そして猟兵たちが(エロ本片手に)向かった、秘密めいた遺跡には……!

『ブ~ン、はたらきばちだブ~ン』
『秘宝を集めるブ~ン』
 なんか微妙に力の抜ける口調で跳ぶ、大量のコンキスタドール!
 そして奴らの手にもまた……ALAS! 大量のエロ本が握られていた1
 ……こんな奴らを従えているリーダーの苦労が偲ばれる。
『うわ! 猟兵だブ~ン』
『要らない宝をあいつらに押し付けるブ~ン』
『このエッグいエロ本を喰らえ! ブ~ン』
 そして飛んでくる蜜! 針! あと大量のエッグいエロ本!
 気をつけろ! 奴らはすでに集めた大量のエロ本をすら攻撃に用いる。
 しかもなんでかわからないが、飛んでくるエロ本はそいつの地雷ばかりだ!
 心を強く保たねば、心理的ショックを受けて戦うのは困難になるだろう……!
 己の信念(せいへき)を胸に抱き、地雷リアリティショックを乗り越えて悪を討て!
 多分こいつらはここでぶっ殺しといたほうが、『収奪のウラヌス』のためにもなる!
 あるいはもしかすると、乱舞するエロ本に思わず心奪われてしまうかもしれない。
 だがここは戦場――気を抜けば、やられるのはこちらのほうだ……!!

●2章の特殊ルール
『はたらきばち』の群れは、なぜか大量のエロ本を攻撃の合間に乱舞させます。
 それらは猟兵にとって思わず目移りしてしまうほど好みのエロ本か、
 さもなくばとんでもなく地雷なエロ本(もしくはエグすぎてドン引きする)です。
 どちらにせよ、戦いがおろそかにならないよう心を強く持つ必要があるでしょう。
 必死に心を無にするなり、性癖で頭をいっぱいにして地雷を乗り越えるなり、
 逆に好きなものについて力説して力を奮起するなり、自由に挑戦されてください。

 え? エロ本に特に興味がない? なら特に気にしなくていいと思います。
 文字数ガラガラになる? 好きな寿司ネタとか書いておくのはどうでしょう!
 とりあえずそれでも、プレイングボーナスはお渡しします。

●プレイング受付期間
 4月22日、13時59分前後まで。
月舘・夜彦
【華禱】
この世界の人々と同じようにUDCアースの人々も「そう」なのですか……?
いいえ、悪いとは言っておりません
彼等が喜んでくださったのも事実なのですから宝なのではあるのでしょう
分かっておりますとも、人々の為に戦うのが私達猟兵なのですから

倫太郎殿が放つ拘束術より拘束された敵を優先
早業の抜刀術『陣風』、2回攻撃となぎ払い併せて多くの敵を攻撃
倫太郎殿と連携して一掃していきましょう

しかし……その……先程から色々なえろほんというものがチラチラと……
この程度で取り乱すとはまだまだ修業が足りません
いっそ、目を瞑って第六感と聞き耳にて敵の羽音と気配から距離を探れないかとも

お寿司、ですか?
私は青魚が食べたいです


篝・倫太郎
【華禱】
……ちょっと、夜彦サン
そのジト目はやめよーぜ?
島民の皆サン喜んでくれてたじゃん
笑顔キラッキラッだったじゃん……

さて、あの笑顔を守るためにちっと頑張ろうぜ?

拘束術使用
範囲内の総ての敵に鎖での先制攻撃と拘束
同時にダッシュで接近して華焔刀でなぎ払いからの範囲攻撃
飛行能力を『代償』にする前に封じちまえばす、む……

あー……悪ぃな
エロ本にドキドキしながらニマニマする
そんなウブなお年頃はもう過ぎてンだ
他人の性癖にゃ興味もねぇし……
エッグいのも通過(既に体験)しちまってっからさ!

初心者のあんたには刺激強かったかもなぁ……

なぁ、夜彦
この仕事終わったらさ
廻らねぇ寿司喰いに行こうぜ?
青魚デ、イインデスカ?



「……」
「…………ちょっと、夜彦サン」
「…………なんですか倫太郎殿」
「そのジト目はやめよーぜ? 俺がいたたまれねーからさ……」
 月舘・夜彦はジト―っと半眼で篝・倫太郎を睨んだ。恨めしげに。
 倫太郎は曖昧な笑みで誤魔化そうとする。なんとなく心がちくちく痛い。
「……一番いたたまれないのは他でもない私なのですが?」
「ま、まあわかるけどさ! でもほら、さっきの島民の皆サンの顔思い出そうよ!
 子供みたいに笑顔キラッキラッだったじゃん……いいことしたんだって、な?」
「……別に悪いとは言っておりませんよ」
 34歳ヤドリガミ、拗ねた子供のようにぷいっと顔を逸らす。
 どうやらしてやられた悔しさと恥ずかしさをやり返したいだけらしい。
 倫太郎は思わず頬が緩みかけ、慌てて両手で頬を抑えてこらえた。
 ここでニヤニヤしようもんなら、いよいよ説教されそうだったからだ。
「彼らが喜んでくださったのは、たしかに事実。宝なのではあるのでしょう。
 わかっておりますとも、人々のために戦うのが私たち猟兵なのですから……」
「え、じゃあ俺も無罪放免? 許してくれる??」
「それとこれとは話が別です(ズバッ)」
「デスヨネー」
 だからといって別に倫太郎は許されなかった。このあとお説教は不可避!
 まああの滅多に見れない顔が見れたなら、その程度の代償は支払おう。
 無意識ににやつく倫太郎の顔を、夜彦はジトーっと睨みつける。
「むしろ倫太郎殿、私が糺したいのは島の人々ではなくあなたの態度ですよ」
「エッ、ナンノコトデスカ?」
「あなたは明らかに私をからかって楽しんでいるでしょう。だいだい……」
『『『敵の前でイチャついてんじゃねえブ~ン!!!!!!!』』』
 おっとはたらきばち痺れを切らせた! 降り注ぐ大量のエロ本!
「っとぉ! そういやそうだった、話ははたらきばちを倒してからだぜ夜彦!」
「あ、ちょっと、倫太郎殿! ……ええい、仕方ありませんね……!」
 飛来する針ごとエロ本を切り裂き、ふたりは応戦する!
 ……これ幸いとばかりに誤魔化された感はあるが、致し方なし!

「ったく油断も隙もないな。けど、そんな程度で俺は止められないぜ!」
『『『ブブブブ~ン!?』』』
 倫太郎の鎖が舞う。軽やかに飛翔するはたらきばちを絡め取ってしまった!
 そして敵が逃れるより先に韋駄天めいて間合いを詰め――一閃!
『『『ブブブーン!!』』』
 燃え上がる剣閃が空気もろともハチの群れを切り裂き、爆散せしめる!
 派手に爆風が吹き荒れ、散乱するエロ本が風に舞い上がった。
「……なぜなら俺はもう大人さ。エロ本にドキドキニマニマするような、
 そんなウブなお年頃はもう過ぎてンだ。だから――効かねえよ!」
「倫太郎殿、春画まみれで格好をつけてもまったく意味がありませんよ……」
 夜彦は心底呆れ顔である。無理もなし、だって絵面が絵面である。
 しかしひらひらと落ちてくるエロ本は……どれも、エッグいのだ!!
「だいたい倫太郎殿、あなたはこんな……その、えろほんに慣れている、と?
 この世界の人々だけでなく、UDCアースの人々も「そう」なのでしょうか……」
「ンー、俺の場合はいろいろ通過済みだしなぁ? 気にすんなよ、っと!」
 さすがは健康優良22歳青年。生半可な性癖では心揺れないらしい。
 一方の夜彦は、状況のトンチキさと倫太郎への呆れとで、頭を抱えた。
「いえ、いいえいけませんね……この程度で取り乱すとは私も修業が足りません。
 こうなったらいっそ、目を瞑って敵の気配を探るのが最良でしょう……っ!」
 夜彦は瞼を落とし、目の前で繰り広げられる地獄から意識を逸らした。
 しかし、嗚呼! 初めて見たエロ本のえっぐいページが脳裏に焼き付く!
『ブンブ~ン、眼なんか閉じちゃって隙だらけグワーッ!?』
「……させませんよ。どれだけふざけた相手でも、敵は敵なのですから」
 白刃一閃! 神速の居合が不用意なはたらきばちを両断した!
「お、調子が出てきたな夜彦! けどやっぱ初心者には刺激強いかねぇ」
「茶化さないでくださいっ。とにかく、さっさと片付けますよ倫太郎殿!」
「へいへい。もちろん仕事は真面目にやるぜ? 俺だって猟兵、なんだからな」
 なんやかや、戦いとなれば頼もしい相棒となるのがまた腹立たしい。
 こみ上げる小言を一旦腹の底に落とし込み、夜彦は意識を戦いに集中……。
「ところでさ夜彦、この仕事が終わったら廻らねぇ寿司食いに行かね?」
「この状況で何を言っているんですかあなたは!」
「え、やっぱエロ本の話のほうがよかった?」
「そういう、ことでは、ありませんっっっ!!!」
「おーおっかね、へいへーい」
 敵の悲鳴よりも、夜彦の叱り声のほうがよっぽど戦場にこだましたという。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

シチカ・ダンテス
【ベイメリアさん(f01781)と】

ベイメリアさんすごく真面目!
この鉄壁ぶり…有り難いし嬉しいけど!
母がテレビで怪しい場面になったらチャンネルを変えるあの感じと一緒だ

でも多少の刺激は大人への階段
ちょっと位良いよね?
本を見ちゃった彼女の反応が一番見たい…

目立たないよう接近
彼女からももしかしたら目立たないかもしれない…
シスターが無理矢理破廉恥な目に合わされてしまう本を見て…
思ってた以上の衝撃を受けるけど
彼女が必死に守ってくれてるのに
こんな目に合わせてしまった(現実には合ってない)
自分を呪い、涙しながら九死殺戮刃でハチを滅多切りにする
ベイメリアさんには予め攻撃のタイミングと防御して欲しい旨を伝えて


ベイメリア・ミハイロフ
シチカさま(f21761)と

なんと…い、いけません、シチカさま!
シチカさまにはまだお早うございますっ!

敵の攻撃は激痛耐性・火炎耐性も用いつつ
第六感を駆使し見切り回避
その結果シチカさまに当たるようでしたら
オーラ防御又は武器受けにて捌きたく存じます

こちらからは早業・高速詠唱からの2回攻撃も狙い
とにかく飛んでくるご本をシチカさまの目に触れさせぬよう
必死にメイスで叩き落とします
うっかりご本が開こうものならば
あわわ、だっ、駄目です!となりつつも
属性攻撃に炎を付与し
Red typhoonにて灰に致します
全ての技能はご本を叩き落すために…!

シチカさまが攻撃をされる際には
お互いお声がけし、その際には身を引いて



 おお、パラダイス。これぞまさしくパラダイス。
 乱舞するエロ本、飛び散る袋とじ、空を覆わんばかりのピンナップ!
 まさしく男が夢見る理想郷――ただし、嗚呼! それらはすべてエッグい!
 そこそこエロ本に慣れた男ですら目を背けるほどのエッグいのである。
 ましてや、シチカ・ダンテスのような純情少年が見てしまったなら?
 精神的ブラクラである。心にトラウマを負ってしまうこと必至!
 下手すれば、そのせいでシチカの性癖が変なほうにネジ曲がるかもしれない!
「い、いけませんシチカさま! シチカさまにはまだお早うございますっ!!」
 ベイメリア・ミハイロフは血相を変え、慌ててシチカの両目を覆った。
「えっ? ご、ごめん、何も見えないよベイメリアさん!」
「見てはなりません! こ、こんなの……あああ、とんでもございませんよ!」
「いや戦闘中なんだけど!? 敵見えなかったら攻撃も回避も出来ないよ!?」
 なんてこった、今回ばかりはシチカの言う通り、ごもっともである。
 これ幸いとばかりに攻撃を仕掛けるはたらきばちの群れ! ひ、卑劣!!
「そんなことをおっしゃって、まさかさりげなく盗み見るおつもりでは!?」
「いや俺そんなこと言ってないよね!? ベイメリアさんの考えすぎだよ!!」
「ダメです、絶対になりません……こ、こんな破廉恥すぎる本はご禁制です!」
 しかしベイメリアは聞く耳持たない。完全にお母さんモードに入っていた。
 団欒中に見てた映画でなんかちょっとウッフンなシーンが流れたり、
 ほのぼの動物系バラエティ番組でちょっとアレなシーンが流れた時とか、
 そういうときにものすげえ速度でチャンネルを変える、あの感じ……!
(この鉄壁ぶり、ありがたいし嬉しいけど……で、でも、気になる!
 ベイメリアさんが本を見てどんな反応をするのか、そっちがみたい……!!)
 それはそれとして、シチカもシチカでだいぶ性癖がひん曲がっていた。
 いや、これも少年の淡い想いの発露……なのか? ほんとか……???

 さておき、そんなふたりにも容赦なく襲いかかる邪悪なコンキスタドール。
 鋭利な針で肉を切り裂き、骨身を焦がす蜜蝋を流し込もうというのだ!
「くっ、かくなる上は……シチカさま、絶対に見てはなりませんよ!」
 ベイメリアはシチカの眼から手を離し、敵の攻撃に専念することにした。
 近づく敵をメイスで叩きのめし、絶対にエロ本を彼に見せまいとする。
 なんたる献身的な姿勢だろうか。シチカはちょっと反省したほうがいい。
(ベイメリアさん、俺のためにここまで……けど、ごめん!)
 おお少年よ、呪われたオウガの力と想いと難儀な性癖を秘めた少年よ。
 これだけ気遣われてもなおお姉さんの恥じらう顔が見たいというのか、
 なんたる業の深さ。もうだいぶニッチに足を突っ込んでると思う。
 シチカは気配を消し、ベイメリアの様子を伺おうと忍び寄る……だがその時!
『ブ~ン、このシスターもののエッグい洋ピンを喰らうブ~ン!』
「あっ!? シ、シチカさまっ!?」
「……!!」
 少年が見てしまった! よりにもよって清楚なシスターがアレされる本を!
 なんだか妙に頬骨がいかついブロンドボインが、こう、アレな本を!
 ウサギマークが目印のアレだ! わからない? わかれ! でなければ帰れ!!
「こ、こ、これは……!」
「シチカさま、あわわわっ、だ、ダメですっ!!」
 ベイメリアは顔を真っ赤にし、メイスをめちゃくちゃに振り回した。
 燃え上がる深紅の花びらが舞い散り、はたらきばちごとエロ本を燃やす!
『『『ブブブブブ~ン!!』』』
「み、見てしまったのでございますかシチカさま、あれほど言ったのに……」
「……ごめん」
「え?」
 どう声をかけたものか考えあぐね顔をうつむかせたベイメリア。
 しかし帰ってきたシチカの声は、恥じらいとも困惑とも違う凛としたもの。
 ベイメリアが顔をあげると……シチカの流す涙が、きらりと煌めいた。
「シ、シチカさま……?」
「ごめん……ベイメリアさんが必死で俺のことを守ってくれてるのに……
 俺は、俺は……俺のせいで、ベイメリアさんをこんな破廉恥な目に……!!」
「あ、あのシチカさま? わたくし恥じらってはおりますがダメージは」
「あんな、あんな言葉にするのもはばかられる目に遭うなんて!!」
「シチカさま!? 衝撃のあまり本の内容と現実がごっちゃになっておりません!?」
「俺は……許さない、許さないぞコンキスタドール!!」
 シチカは熱い涙を流す。すべてはベイメリアの犠牲を弔うために!
 別にベイメリアはこれっぽっちもダメージ受けちゃいないんだが!
 目にしたエロ本の内容があまりにエグすぎて、少年は完全に錯乱していた!
 シチカ、キレた! 己を呪い、涙しながら殺戮の刃を振り回す!
『ブ~ン!? 現実とフィクションの区別がついてないブ~ン!』
『僕たちエロ本はばらまいても変なことはしないブ~ン!』
『こんな流れでやられたらたまったもんじゃないブグワーッ!?』
 SLASH! SLASH!! SLASH!! はたらきばちの群れは爆発四散!
「…………こ、こういうとき、どんな顔をすればよいのでしょうか……」
 シチカがまた一歩、変な大人の階段の登り方をしてしまった。
 ベイメリアははあとため息をつき、とりあえずこのハチの群れを滅殺することにした。
 なんもかんもこいつらが悪い! おのれコンキスタドール!!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

オーガスト・メルト
まぁ、あれだな。きっとこの島の住人全員か島そのものがUDCなんだろ。
なら別におかしくても不思議じゃない。

【POW】連携・アドリブ歓迎
という訳で、とっとと敵を蹴散らして帰るぞ。
って、なんでこいつらまで島の価値観に汚染されて…待て、なんだそれは。
(義姉や義妹に酷似したエロ本を目にしてキレます)
よし、デイズ。UC【焦熱庭園】でその本もろとも全部燃やしてしまえ。
『う、うきゅっ!』←怯えてる
はっはっはっは、羽虫は消毒してやらないとな!
おっと逃げるな。ここで俺に斬られて死んでけ、この害虫どもが!
『うにゃー…』←怯えてる

逆鱗本(金髪長髪のお姫様、姫カット&ドヤ顔の巫女、金髪ツインテールドリルお嬢様)



 ……エロとは、決して馬鹿にしていいものではない。
 いやいきなり何言ってんだって話だが、エロとは浪漫であり希望なのだ。
 人それぞれに侵されざる領域というものがある。早い話が地雷ですね。
 そして得てして、逆鱗に触れた者に待ち受ける末路というものは凄惨であり。
「はっはっはっは。羽虫は消毒してやらないとなあ!」
 オーガスト・メルトは笑っていた。だが目がこれっぽっちも笑ってない!
『う、うきゅっ!』
『うにゃー……』
 デイズとナイツも怯えている。オーガストは完ッ全にキレていた。
『ブウウウウウ~~~ン!?』
 ごおおおう! と虚空から現れた龍の炎が、はたらきばちを燃やす!
 もちろん、奴らのばらまくエロ本……金髪お姫様だとか姫カット巫女だとか、
 あとはいかにもな感じのツインテドリルお嬢様とか、そういうやつ。
 どうやらこれがオーガストの逆鱗に触れるらしい。しかしさもありなん。
 性欲が枯れたオーガストにとって、性的な意味での地雷は存在しない。
 これらは、彼の義理のきょうだいに酷似したものだったのだ……!
 はたしてはたらきばちの連中も、どうしてこんなダメなほうにタイムリーな本を手に入れていたのやら。
 あるいはこれもまた、この島のもつなんらかの不可思議な力なのか?
 オーガストは考えかけてやめた。やっぱり深淵に落ちる気がしたので。
「どうしたデイズ! 罪人は焼き払うもの、羽虫も同じだぞ!」
『う、うきゅ~……』
 相棒である龍はそのこれっぽっちも笑ってない顔に怯えながら炎を生み出す。
『ブ~ン!?』
『せっかく集めたお宝が! ブ~ン!』
『猟兵~!! お宝が惜しくないのかブ~ン!?』
「これっぽっちも惜しくないな。まとめて消し炭になれ! この害虫どもが!」
『『『ブブブブブ~~~ン!!』』』
 燃える虫、エロ本、立ち込める煙、悲鳴、散っていく火の粉と灰。
 ああ、コンキスタドールよ、しかし憐れむものは特にいまい。
 人の地雷を踏むというのは、それだけ恐ろしいことなのだから……。

大成功 🔵​🔵​🔵​

露木・鬼燈
最初っからクライマックスですよ!
秘伝忍法<凶>
百さんにライドオン!
搭載されている兵装でガンガン行くですよ!
押し寄せる敵を吹き飛ばし、飛び交う艶本をキャッチする。
うん、なにもおかしくないね!
えっ?百さん?
…さすがにムカデ本はないと思うですよ?
いやー、人化すればワンチャンあるかもですが。
このタイミングで挑戦…マジかー。
理想の人間体を艶本を参考に構築とか本気です?
…なんやかんやで人化モード(外見はお任せ)が完成。
まずは服を着ようか。
あ、うん、肌の触感は…これは外殻ですね間違いない。
戦闘用の機能としてなら問題ない。。
でも、人化としては人体への理解が足りてないっぽい。
今度は人体について理解を深めようね。



 鍛え上げられた忍びにとって、色仕掛けなど児戯に等しい。
 ましてやエロ本が乱舞したところで、精神的ダメージは皆無!
「というわけで最初っからクライマックスですよ! カモン、百さん!!」
 露木・鬼燈は秘伝忍法によって巨大サイボーグムカデを召喚。
 颯爽と「百さん」にライドオンし、搭載兵装ではたらきばちどもを吹き飛ばす!
『ブ~ン!?』
『こいつ精神攻撃が効かないブ~ン! 強すぎるブ~ン!!』
『エロ本探しにかまけすぎてて基本的戦闘力が落ちてしまってたブ~ン!!』
「おっと、でもお宝はそれはそれとして回収っと」
 とはいえ鬼燈も男である。うろたえないが興味がないとは言ってない。
 しかもエッグいエロ本と聞くと、色々知的好奇心も湧くものだ。
 てなわけでミサイルやらビーム砲やら剣呑すぎる武装をぶっ放しながら、
 飛び交うエロ本を素早くキャッチする鬼燈。忍び技能の無駄遣い!

 ……と、一通り敵をふっとばしたあとのこと。
「それじゃあ次の戦場に……お? あの、百さん?」
 何やらライドオンしているサイボーグムカデの様子がおかしい。
 鬼燈はいそいそと百さんから降りて、首を傾げる。
「……え、何、もしかして百さんも欲しいの? 本……?
 さすがにムカデ本はないと思うですよ? ニッチすぎるし……」
 その言葉に百さん、なんだかお冠な様子。ぐるぐるととぐろを巻き始めた!
「えっ、まさかこのタイミングで人化にチャレンジ!? マジか!!」
 できらぁ!! みたいな動きをする百さん。どういう動きなのはかわからない。
 しかも参考資料としてエロ本を要求してきたではないか!
「いやーおすすめしないのですけど……まあ、頑張って!」
 鬼燈のノリもだいぶ軽かった。それでいいのか屠龍忍者。
 そしてエロ本をしばし読んだ百さん、おもむろに全身に力を漲らせる!
 するとその巨体がカッ!とにわかに光り輝き――!

 ……光が消えると、そこには見目麗しい鋼鉄の美女が佇んでいた。
 大和撫子を思わせる長い黒髪、そして体型は……ワーオ、セクシー。
「あ、うん、肌の質感は……これは外殻ですね間違いない。
 見た目は完璧だけど人体への理解が足りてないなー! 頑張ろう!
 ……あと、服を着ようね百さん!! そんな堂々とされても困るからね!!」
 ドヤ顔する大和撫子と呆れた様子の鬼燈。なんだろうこの絵面……。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ミケ・ナーハ
豊満な胸をはじめ、抜群のスタイルを
強調したビキニ姿です♪

「ジンさん、お願いしますね♪」
【悪魔のランプ】でジンさんを召喚♪
【誘惑】し、戦ってもらいます♪

『こ、こいつは!』
巨乳のエロ本に釣られてしまうジンさん♪

「ハチを倒してくれたら、私がもっとイイコトしてあげますよ♪」
エロ本の女の子たちも
かなりの巨乳ですが
それよりも圧倒的に大きく、形も美しい
私の自慢の胸で、ジンさんを【誘惑】♪
ビキニから、はちきれんばかりの
ぷるんとした爆乳を見せつけます♪

『やっぱり子猫ちゃんの胸が最高だぜ!』
やる気を出したジンさんは、大きな熊に変身して
前足の強烈な一撃や、牙で噛みつく
パワフルな戦い方で、ハチを倒してくれるはずです♪



『ブ、ブ~ン……』
『現実は小説より奇なりブ~ン……』
 はたらきばちの群れは、もはやエロ本をばらまくことすらやめていた。
 なにせ、戦うミケ・ナーハのバディが……こう、すごいからである!
 エッグいエロ本がなんだというのか。そこにある質量にエロ本は勝てない。
『ふっ、俺としたことが思わずエロ本に目移りしちまったぜ……だが!』
 落ちているエロ本を拾い集めていたランプのジンは、くわっと目を見開いた。
『やっぱり子猫ちゃんの胸が最高だぜ!』
「ようやくやる気を出してくれたんですねジンさん♪」
『おう、任せときな! うおおおおおっ!!』
 全身の筋肉をはちきれんばかりにアピールするジンはみるみるうちに変身!
 ただでさえムキムキのジンが、いまや巨大な熊に変じていた!
『ブンブ~ン!?』
『鋼みてえな筋肉してるブ~ン!』
『ゴアアアアアアアッ!!』
 そして振るわれる爪! ザ・ベアパワー! 戦いは一方的だ!
「その調子ですよジンさん、ファイトーっ!」
 ミケは後ろで応援する係である。なんかを揺らしながら。
『ウオオオオッ!! 子猫ちゃんの前では……敗けられねえぜ!!』
 発奮するジン! 振るわれる爪! 紙くずみたいに吹き飛ぶはたらきばち!
 あと、エロ本も文字通り紙くずみたいに乱れ飛ぶ。地獄みたいな風景であった。
『エロ本より強いものがこの世にあるとは思わなかったブ~ン……!』
 とかなんとか言い残して死んでいくあたり、はたらきばちどももだいぶアレだ。
 とまあそんなわけで、やる気になったジンがたいそう活躍し、
 あたりのはたらきばちはものの数分で制圧されてしまったとかなんとか。
 恐るべしミケの肉体、そして恐るべし……煩悩のパワー!!

大成功 🔵​🔵​🔵​

オリヴィア・ローゼンタール
む、むむむ虫……!? しかもおっきい!?

【神聖竜王の召喚】で巨大な竜王を召喚
破壊のブレスで蜂の群れを【なぎ払う】
竜よ、竜王よ、助けてください! きゃぁああああ!!

蜜や針に紛れて、宝の本も投げ捨てている……?
破れかぶれになっているのでしょうか?
ともあれ、敵の手に渡るのは防がねば
しかし……いったいどんなメガリスなのでしょう?
読み聞かせれば洗脳してしまう、とかでしょうか?
性質が分かれば、打開のヒントに……(シスター表紙の本を開く)……(読む)……(竜王は戦っている)……(【属性攻撃】で本を焼く)

【全力魔法】で竜王に魔力充填、最大火力で【蹂躙】
竜王よ! 姦淫と背徳の魔書ごと、一切合切消し飛ばしなさい!



「む、むむむ虫……!? し、しかも、おおおおおっきい!?」
 はたらきばちの体長はおおよそ30cm。30cmである!
 オリヴィア・ローゼンタールのような虫嫌いにとっては地獄のような光景だ。
 しかも乱舞するエロ本! 常人ならば卒倒してもおかしくない……!
「竜よ、竜王よ、助けてください! きゃあああああ!!」
 オリヴィアの悲鳴じみた詠唱に応じ、神聖なる竜王が顕現する。
 そして吹き荒れる破壊のブレス……! オーバーキルにもほどがある!
『攻撃がガチすぎるブ~ン!?』
『こんなの消し炭すら残らなアバッ』
『エロ本ばらまいてるだけなのに理不尽すぎるブ~ン!!』
 はたらきばちどもは悲鳴をあげて逃げ惑う。でもこれだいぶ自業自得じゃないか?
 オリヴィアをなんとしてでも仕留めようと、敵の攻撃も激化!
 大量の針、蜜蝋……そして、飛び交う秘宝……!
「……これもコンキスタドールが集めた秘宝なのでしょうか?」
 オリヴィアはふと我に返り、足元に落ちてきた本を拾う。
 よくよく考えると、自分では実際に目にしたことがなかった。
 いったいどんなメガリスなのだろうか? いやメガリスではないのだが!
 オリヴィア、あまりの混乱に事の次第を忘れてしまったらしい。
「何か性質がわかれば打開のヒントに……。……。…………!!??」
 おお、オリヴィア。どうしてシスターものの本を開いてしまったのだ。
 しかもよりにもよって一章ではなく、エッグい本が飛び交うこの二章で!
「……………………」
 オリヴィアの顔が真っ赤になり、青くなり、そして眉間にシワが寄っていく。
 本を持つ手に恐ろしいほどの力が籠もり……ALAS! 本が燃え上がった!
 敵を蹂躙していた竜王も、あまりの殺気にビビって振り返るほどだ!
「許せません……」
 ゴゴゴゴゴゴ……オリヴィアの肩から立ち上るすさまじい殺気。
「竜王よ! 姦淫と背徳の魔書ごと、一切合体消し飛ばしなさいっ!!」
『『『ブブブブブ~ン!?』』』
 ゴバァアアアアアッ!! 吹き荒れる破壊のブレス! 消え去るエロ本!
 はたらきばちよ、永遠なれ……お前たちはもっとも触れてはならぬものに触れた。
 そして哀れなり収奪のウラヌス、何も知らぬまま猟兵のヘイトを買ってしまった男よ……!

大成功 🔵​🔵​🔵​

黒沼・藍亜
(地雷本を見て嫌な顔をする、が)
んー、ボクの好みや地雷は確かにあるっすけど……
(スカートの裾を広げ内から黒い粘液どばーして足元に黒い沼を広げる)
“これ”は好きも嫌いもなくただ因子を取り入れその血を継ぐ仔を孕む、
そういうモノだからあんまり関係ないっすね

【昏く暗い黒い沼】出番っすよ
(沼の一部は触腕となり、敵を【捕縛】し、
「警戒」してももう遅く、沼より這い出た落とし仔が敵を襲う)

(触腕と落とし仔が暴れまわる黒い沼の真ん中で)
終わったら他の人の所いくっすかねー?
(そんな光景など関係ないかのように女は)
もしかしたら“色々”聞けるかもしれないし?
(やっぱり邪神……もとい邪心まみれだった)

※アドリブ◎



 どろどろと、タールめいた黒い粘液が地面に広がる。
 際限なく広がり続けるそれは、土砂流……あるいは黒い沼を思わせた。
 黒沼・藍亜はその黒い沼地の只中で、なんてことのないように佇んでいる。
『ブブ~ン!?』
『なんだこれは! なんなのだこれはブ~ン!?』
『アバババババーッ!』
 逃げ惑うはたらきばちの群れ。それを絡め取る沼地から現れた触腕。
 なんとも名状しがたく、そしておぞましいのはそこから生まれるものどもだった。
 這い出る落とし子……落とし子と形容するほかない何か……が、
 怯える虫どもを引き裂き、あるいは喰らい、沼地に引きずりこんでいく。
 正常なる精神の持ち主であれば、正気を減じかねぬほどのおぞましい光景だった。
「"これ"は好きも嫌いもなくただ因子を取り入れ、その血を継ぐモノ。
 残念だけど、ボクの好みとか地雷なんてのは関係ないんっすよね~」
 藍亜は平然と、落とし子らによって行われるサバトめいた蹂躙を眺めていた。
 さきほどまで、カップルの関係性とかに萌えを見出していたダメUDC職員とは思えない。
 ……ある意味では、その二面性こそが何より恐ろしく見えるだろう。
「せめてコンキスタドールが性癖吐露とかしてくれたら楽しいんすけどね~。
 これが終わったら、他の人のところ行って"色々"聞いてみたほうがいいかな……」
 かと思えばにやりといたずらっぽく笑い、邪心をあらわにする。
 戦場に響き渡るのは悲鳴と阿鼻叫喚。それが虫であろうとおぞましいのは事実。
 まさしく災害じみた破壊と破滅……エロ本どころの騒ぎではなかった。
『こ、この島には、メガリスどころかよっぽどヤバいのがいたブ~ン……』
 とあるはたらきばちは、そんな断末魔を残して真っ二つに引きちぎられた。
 死して屍拾う者なし。一山いくらのコンキスタドールを顧みる者などいない。
 まるで祝祭でもあげるかのように、落とし子どもは黒き泥濘のなかでのたうつ。
 その中に佇む藍亜の姿は、ともすれば母――あるいは巫女のようでもあった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

夏目・晴夜
あの島民たち、満を持しての妹登場に喜び泣いていましたね
流石はニッキーくん、自慢の妹ですよ。男ですけど

しかしエロ本を投げつけてくるとは無礼な
ニッキーくんは純情なんですよ?
ああもう、照れ隠しから暴力系ヒロインになってるではないですか
因みにニッキーくん、どれがキツいですか
あー成る程、これはウケますね……ショックを

まあ、こんなのオールフィクションの完全ファンタジーです
エロ本みたいな女性は存在ないので、そんなウケる事ないですよ

いや実在する訳ないでしょう、何を夢見てるんですかオブリビオン如きが
この可愛い女性も、この綺麗な女性も、オカンみたいなこの女性だって
どうせ撮影終わればコンビニで飯買って直帰してますよ



「やったー妹だー! やったー! や……あ、アイエエエエ!?」
「妹!? 妹ナンデ!? アババババーッ!?」
「誰かー!! 誰か助けてくれー!! アアアアアーッ!!」
 ナムアミダブツ……ナムアミダブツ……!

 ……そんな島民阿鼻叫喚の風景があったとかなかったとか。
 ともあれ戦場に参着した夏目・晴夜は、満面の笑顔であった。
 多分彼は、人の不幸や悲鳴を啜ることで命を永らえるタイプの生命体なのかもしれない。
「いやあ、島の人々もみんな喜んでなによりでしたね、ニッキーくん」
 そんな晴夜の隣で、いやあーそれほどでもとばかりに頭をかくニッキーくん。
 優しくて可愛いニッキーくん。他ならぬ晴夜の妹とは彼のことだった。
 おお、なんたる欺瞞! 「くん」と呼んでいるのに妹とはこれいかに。
 いやそもそも、ニッキーくんは人形なのに男とか女とかあるんだろうか?
 とりあえず考えるのはやめておこう。島民たちの尊い犠牲に敬意を払って。
『ブンブ~ン! なんだあのシリアルキラー、怖っ!!』
『アレ間違いなく大量殺人鬼だブ~ン!』
『秘宝をぶつけて撃退だブ~ン! あっちいけブ~ン!』
 そこへ飛んでくる大量の針! 蜜蝋! そして山と積まれたエロ本!
 晴夜は無傷! なぜなら彼はエロカーストの頂点にありし王者だからだ!
 しかしニッキーくんは!? 優しく可愛い……つまり、純情キャラである。
 ALAS! ニッキーくん、暴走機関車めいた速度ではたらきばちに吶喊!
『ブブブブブーン!?』
 KRAAAAAAAAASH!! 強烈なハンマーパンチがはちの群れを撃墜!
「ああもう、照れ隠しからニッキーくんが暴力系ヒロインになってしまいました。
 可愛い妹にエロ本を見せるだなんて無礼な奴らですね。まあ男なんですが」
 晴夜は落ちてるエロ本を拾い上げ一瞥し、やれやれと頭を振った。
『ブブ~ン!? どうしてエロ本からダメージをくらわないブ~ン!?』
「は? こんなのオールフィクションの完全ファンタジーじゃないですか。
 エロ本みたいな女性は存在しません。つまりショックを受けたりはしませんよ」
『『『な、なんだってー!? ブーン!!』』』
「何を夢見てるんですかオブリビオンごときが。すべて創作上の存在ですよ?
 この可愛い女性も、このきれいな女性も、オカンみたいなこの女性だって!」
『『『アバババババーッ!?』』』
 はたらきばち無惨! あまりの現実の悲しみに次々に爆散していく!
 そして生き残りはニッキーくん(ヒロインのすがた)が叩き潰すのだ!
 鳴り響く悲鳴と絶叫、つまりは地獄絵図だった。
「エロ本を拾い集めたあまりにオブリビオンも毒されてしまいました、哀れな」
 言葉は嘆いていたが、晴夜の表情は明らかに面白がっていた。げ、外道!!

大成功 🔵​🔵​🔵​

ヴィヴ・クロックロック
私は言ったはずだぞ、すべての、巨乳、焼き払うと。
…よし、とりあえず殺すか。

降り注ぐソレが地雷というなら今の私にとってはきっと、必ず、それが降ってくる。ならばやることは変わらない。むしろ選別が無いのだから焼却粉砕爆破に躊躇が無くなる。
食らえダイナマイト!見るも無残な姿にトランスフォームしろ!!私は兄弟たちを変形させて不屈の姿にトランスフォームする!!外套とゾンビ肉で熱を防ぎつつ制空権を取る!地に這いつくばって桑田投手のモノマネをしろ!!

ここらで一杯熱いお茶とエンガワが欲しい。(ヴィヴの地雷は巨乳のエロ本、キレる的な意味で。好みを撒こうとするとほぼ少女漫画になる。)

(共闘アドリブ歓迎です)


ユーシア・ロクス
うーん、ここは?わたしは何して……あれ?何ですかこの光
「(UCの力で)ユーシア(2P)ちゃんが此処に爆誕っす!」
なんか色の違うわたしが出てきた―!?

つまり、わたしの大元(自作RPG)には「出る敵全部女体化という隠しモード」があって、その下地と諸々の(悪)影響の結果がさっきまでのわたし(=今の2P)?
「正解」
それで、え、えっちな本を守るための戦い?
「そう。行くっすよ全年齢ばn……1P!奴らを倒し今度こそ野望(性癖暴露拝聴)を成就するっす!」
今なんて!?
「【迷彩】からの奇襲【属性攻撃】で剣の錆となれー!」
何なんですかもー!

※1P:こども(嗜好NGは2Pと共通だがエロ耐性低い)
※アドリブ共闘歓迎です


才堂・紅葉
「時見色在性癖艶在本……」
澄んだ声で漢詩を謡う
「時に色(エロ)、性癖に在り、艶(エロ)、本に在るを見る……とでもいいましょうか」

狂気の喧騒の中を音の無い世界のように歩みながら、ノールックで落下するエロ本を優美に摘み取る
内容は大嫌いな蟲物だけど、心の水面は乱れることはありません

「仕組みは分りました。無心こそが対策ですね」
一歩離れた無関係になるゾーンに移動し、「蒸気ギター」を準備
曲は『カセンジキ島狂想曲』
サブミリナルに精神を昂揚させる音を、アルダワ【メカニック】で増幅して弾きます
日頃抑圧している性癖の【封印を解く】、そんな【優しさ】を乗せたいですね
頭を性癖で無心にしたい猟兵さんの力になれば幸いです


シャルロッテ・ヴェイロン
(大量のエロ本を漁ってるオブリビオンを前に、この島の住人を見た以上のドン引きぶり)

――とりあえず、(エロ本ごと)殲滅していいですか?

てなわけで、FPSの兵士(Lv5×13)を召喚して攻撃(【一斉発射・2回攻撃・制圧射撃・乱れ撃ち】)させて――って、あれは!ある意味で至高のジャンルともいえる――「JS百合エロもの」!!(ぉぃ)

(で、手に取ってまざまざと眺め)――これテイクアウトしていいですか?(ぉぃ)

※とある事件を機に、GLに目覚めつつあるらしい(ぇ)。

※アドリブ・連携・性癖談義(ぉぃ)歓迎します。


アマネク・アラニェ
アドリブ・連携歓迎

【WIZ】
今更だけど何故か、来なきゃいけないような気がしたのよ。
(『ブイブイ』に騎乗して現地へ)
蜂共の語尾がブンブンうるさいせいねきっと。
って、アラ何よこの本……?

地雷:『蜘蛛娘との異種いちゃラブからの捕食落ちグロ』

……OK。OK。(『電脳ゴーグル』装着)
UC起動。『呼鉄』『砥盾』セット。私の可愛い仔蜘蛛ちゃんたち、
四方八方縦横無尽、囲んで『一斉発射』!!
蜂共を撃ち落としなさい!!針や蜜は『砥盾』の『オーラ防御』でしのいで!!

ヒトは食べないわよー! ちょっと血をもらってるだけよー!
(つい自分と重ねてブイブイに泣き付く)
(蜘蛛だからって男を食的な意味で食べるネタが地雷です)


桔川・庸介
げっ、エロ本ばらまいてくる敵!敵なのかこれ?
なんか強そーだし、俺の腕っ節じゃ戦えそうにないから
コソコソ逃げて、そんで……本を集めてよっかな。
……や、違うし。他の人の地雷っぽいのを片付けて支援するためで
下心とかじゃないし!だ、だって俺これしかできねーもん!

それなりにインターネットの海に鍛えられた(?)世代。
エロすぎたりあんま好きじゃないタイプの広告バナーとかを
見えてはいるけど意識外に追いやっちゃう、あの感じを応用して
ヤバそーなやつはスルーできる!……多分!

これは洗脳、こっちは状態変化……じ、じぇい、ゆー、えぬ…?
おれの趣味じゃない。あいつのです。しーらない。すいませんでした。



「うーん、ここは……?」
 爆発四散した地下迷宮跡、むくりと立ち上がるユーシア・ロクス。
 彼女はあたりを困惑したように見渡し、そして首を傾げる。
「わたしは何して……あれ? なんですかこの光」
 そんな彼女の目の前に現れたのは、謎の光の玉……!
 呆然とするユーシアの眼の前で、その光は人形を取り……ALAS!
「えっ!?」
『ユーシア(2P)ちゃん、ここに爆誕っす!!』
「ええーっ!?」
 人型の光はユーシアと瓜二つの人間に変わったのである!
「なんか色の違うわたしが出てきたー!?」
『ふっふっふ、わたしはユーシア2P! 何を隠そうわたしの2Pカラーっす!』
「いやわかるようで全然わからないですよその説明! どういうことなんです!?」
 そう、ユーシアはバーチャルキャラクターである。
 そんな彼女の大元……つまり自作RPGには、ある隠しモードが存在した。
 それがこの島の(トンチキな)エネルギーと混ざりあった結果!
 彼女はこの土壇場でユーベルコードを発現させ……2Pが生まれたのである!
「そ、そんな馬鹿な……」
『驚いている場合はないっすよわたし! いざ、エロ本を守る戦いへ! っす!』
「は!?」
『奴らを倒し、今度こそ野望(性癖暴露)を成就するっす、全年齢版!!』
「いま明らかに聞き捨てならない単語をふたつ言いましたよねわたし!?」
『さあ、いざ鎌倉、ではなくいざエロ本っすー!!』
 飛び出すユーシア(2P)! このままでは間違いなくとんでもないことになる!
「わ、わたしのせいで妙なことに巻き込まれたんですね……ああもう!」
 仕方なくそんな彼女の追う、ユーシア(まともなすがた)であった……。

 一方その頃、エロ本が乱舞するはたらきばちとの戦場では!
「時見色在性癖艶在本……」
 才堂・紅葉はなぜか上品なお嬢様オーラを纏い、妙な漢詩を詠んだ。
 時に色(エロ)、性癖に在り。
 艶(エロ)、本に在るを見る――間違いなく紅葉のオリジナル漢詩であった。
「すべては移り変わるときのようなもの。無心でいれば心揺れることはありません」
「いやいやどう考えてもおかしいっすよ!? 何そのメンタル強度!?」
 桔川・庸介は思わずツッコミを入れた。ごもっともであった。
「この狂気の状況で平然としていられる方が明らかにおかしいと思うんすけど!?」
「そういうあなたは――実はエロ本を、回収していますね!?」
「ち、違……俺、そんなつもりじゃ……!」
 ささっ。懐に抱えたエロ本を見られないよう慌てて体の角度を変える庸介。
「お、俺はただ他のひとが混乱しないようにエロ本を回収して支援してただけっす!
 だって、ほ、ほら……エロ本を見たせいであの惨状っすよ!!!!」
 ずびしぃ! 庸介が指差した先……なんたる酸鼻な光景であろうか。
 悲鳴をあげて逃げ惑うはたらきばちどもを蹂躙滅殺する猟兵たち!
「私は言ったはずだぞ? すべての、巨乳、焼き払うと。――さあ、死ね」
 笑顔でダイナマイトを撒き散らし、はたらきばちどもを爆殺する貧乳女傑。
 ヴィヴ・クロックロックはキレていた。もはや殺意の具現となっていた。
 この世すべての巨乳を憎む彼女にとって、ばらまかれるエッグい巨乳エロ本はいわば挑発そのもの。
 地雷を踏んだ結果生まれたのが、この爆炎と殺意の地獄なのである!
『ブウ~~ン!? 胸は貧相なのにやることはえげつなグワーッ!?』
「ふははははは! そうかそうか、そこまで死にたいか、ようし全員死ね!!
 焼却! 粉砕!! 爆破!!! もはや私には一切の躊躇もないぞォ!!!」
 KBAM! KBAM! KRA-TOOOOOOOOOM!! おお、まさにここはキリングフィールド!
 さながら二昔前の特撮の殺陣めいたすさまじい爆炎の戦場の只中を、
 これまたノルマンディー上陸戦めいてまっすぐに突き進む完全武装兵士たち。
 それを指揮するのは、同じく殺意を漲らせたシャルロッテ・ヴェイロンであった。
「正直この島の住民より、こいつらのほうがドン引きです……いや、マジで。
 ぼくとしてはお前らの存在が許容できないので、とりあえず皆殺しで」
 BRATATATATA! BRATATATATATATA!!
 ユーベルコードで召喚されたFPS兵士たちの弾丸がはたらきばちを撃ち落とす!
『ブ、ブ~ン!? 射撃に迷いがなさすぎるブ~ン!』
『せっかく手に入れたお宝が……がくり、ブ~ン!』
「はっ!? あ、あれは!!」
 しかしその時、シャルロッテはひらりと舞い上がるエロ本に思わず眼を奪われた。
 あれは――ある意味で至高のジャンル、ロリでペドッペドなJS百合もの……!
 ……ちょっとまってほしい、10歳のアリス適合者が手を出していいジャンルか?
 いや、細かい話は後回しだ! シャルロッテは急いでエロ本をキャッチ!
「たしかにこれは世間的に見ればエグいですがわたしとしてはまさにご褒美!!
 ――これが手に入っただけでも、こんなところに来た意味はありましたね……!!」
 シャルロッテの目はマジになっていた。お、恐るべき性癖の力。
 それはそれとして、兵士たちはものすごく無慈悲な弾丸をばらまく!
 BRATATATATA! BRATATATATATATATA……!
『ア、アバーッ!!』
『ブブブブ~ン!?』
『エロ本上げたのにこのオチはないブ~ン!!』
「アラーッ、これはまた地獄みたいな風景ねえ……」
 そんな惨状のなか、なんだかマイペースにぽかんとするアマネク・アラニェ。
 さすがは大人の女郎蜘蛛(キマイラ)そこらのエロでは動じない。
 むしろ慌てふためき殺意を剥き出しにする若者たちの勢いににこにこしていた。
「それにしてもなんだかブンブンうるさいハチどもね……アラ?」
 と、そんなアマネクの前にひらりと落ちてきた一冊のエロ本。
 放っておけばいいものを、なにげに好奇心旺盛なアマラクはそれを拾い上げ、
 ぱらぱらとめくる。どうやらモンスター娘系の本のようだが……?
「アラ! 蜘蛛娘の異種いちゃラブものだなんていいわね……ん、んん?」
 しかしページを読み進めていくにつれ、作品世界は不穏な気配を帯びていく。
 そして最期には……ALAS! 男は蜘蛛娘に喰われてしまったのだ……!
 そう、モンスター娘において蜘蛛娘はわりかしポピュラーな属性。
 しかし蜘蛛という生物の特性を反映したせいか、はたまたカマキリと混同したか、
 なぜか蜘蛛娘はカニバルカーニバルしてしまう作品が多いのが現状である!
 それ自体は問題ではない――本当の問題は、それがアマネクの地雷だったことだ。
「……OK、OK」
 アマネクはおもむろに電脳ゴーグルを装着し、蜘蛛型機動兵器を召喚。
「私の可愛い仔蜘蛛ちゃんたち、ハチどもを撃ち落としなさい!!!!」
『『『ブブブブブブ~ン!?』』』
 機械蜘蛛どもが乱舞する! 爆炎! 悲鳴! そして断末魔!
「あのねえ、蜘蛛だからってヒトは食べないわよ!」
『いや現実の方は関係なグワーッ!?』
「ちょっと血をもらってるだけよー! 全員滅びなさーい!」
 ナムアミダブツ、ナムアミダブツ……!

「……な、なんかとんでもないことになってますよ、わたし?」
『これはちょっと立ち入るどころの話じゃないっすね、わたし……』
 遅れて戦場に駆けつけたユーシア×2は、その惨状にドン引きしていた。
 そんな彼女を一瞥し、紅葉はやはりお嬢様っぽい顔でふっと笑う。
「怯えてはいけません。興奮しても、怒り狂ってもいけません。心は平静でいなければ」
「『えっ』」
「カモン、蒸気ギター! さあいきますよ、カセンジキ島狂想曲!」
 ギャィイイイイイン! 紅葉の蒸気ギターがディストーションサウンドをかき鳴らす!
「さあみなさん、日頃抑圧している性癖の封印を解き、全力で戦いましょう!」
「それ状況が悪化するだけじゃないですかー!?」
『いや、わたし(2P)的にはこれは……おおありっす!!』
 鳴り響くBGM! さらに激しくなるヴィヴの爆破! 蜘蛛部隊の攻撃! そして兵士たちの弾幕!
「JS百合! これこそが至高なのです!」
「蜘蛛だからってあんなことやこんなことするとおもったら大間違いよ!!」
「巨乳死すべし慈悲はない!! メガネを尊べオラァアア!!」
「や、やべえ、やべえよやべえよ……おれじゃない! あいつらです! しらない!! すみませんでしたぁああ!!」
 あまりの惨状に、エロ本を拾い集める庸介はなぜか謝り始めた。
 いっそはたらきばちどもが不憫になるほどの、一方的虐殺であったという……。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

フルール・トゥインクル
くしゅんっ!!!
なんだか呼ばれた気がしてきてみましたですけど……これはまた、どこかで見た気がしますですね?

まぁでもオブリビオンならどうあれ倒さないt……(飛んでくるエロ本)(見える内容:巨乳なお姉さんの……)(自分自身と思わず見比べる)
(エロ本を片手でぐしゃっ)
OK、喧嘩を売られていることがよくわかったのです。
お目当ての方を探す前にあなたたちにはお仕置きが必要みたいなのですね?

【花の精霊】でそっと人間サイズになりながら、笑顔で【精霊の園】を展開するのです。
そのいかがわしい本ごと、消滅していただくのですよ、ね?(にこにこ)

(後は好きにしてください)



「――くしゅんっ!!!」
 かわいらしいくしゃみが、この地獄じみたカセンジキ島に響き渡った。
 新たにスリッド号から降り立ったのは、実に見目麗しいフェアリーの女性。
 見た目は少女めいているが、れっきとした21歳の可憐なレディである。
 ――そう、フルール・トゥインクル。とても可憐で純情なお姉さん……!
「なんだか呼ばれたような、呼ばれてないような……うーん」
 しかしなんたることか、フルールは今回の仕事の内容を詳しく知らなかった!
 転移させる前のグリモア猟兵は、たいへん味わい深い顔をしていたとか。
 そしてフルールはすぐさま戦闘現場に急行、地獄じみた光景に出くわす!
『ブ~ン、新手の猟兵が現れたブ~ン!』
『いらない秘宝をぶつけてやるブ~ン!』
『こいつを喰らえ! ブ~ン!』
「な、なんなのですこのハチたちは!? 口調が明らかにおかしいのです!
 よくわからないのですが、オブリビオンなら倒すだけ……って、なのです?」
 ひゅーん。はて何が飛んでくるのかと警戒していたフルールの目の前に、
 一冊の本が落ちてきた。どうやら、これが奴らの言う秘宝とやららしい。
「なんだかこの流れ、前にも見たことがあるようなないような……」
 おおフルール、どうしてそこで思い出さずに本を手にとってしまうのか。
 それはあなたが真面目な人だから。ネタとあれば拾わずにはいられないから!!
 ぱらぱら。フルールが拾ったエロ本は、ボイーンなお姉さんのアレであった。
 3D飛び出し絵本かよ! みたいな勢いのマウンテンである!!
 あ、ちなみにマウンテンという単語で胸を表現したのは、
 フルールさんととても、とてもとても関係が深いサイボーグの方です。
「…………」
 フルールはしばしエロ本を読んだあと、おもむろに自分の胸を見下ろした。
 すとーん。
 つるーん。
 ぺたーん。
 ……いやでもフェアリーですから! ね! サイズとか関係ないですよ!
 仮にここにサイボーグの某氏がいれば必死にフォローしただろう。
 嗚呼、しかしあの男、やはりすでに馬鹿をやっているのである! ノリノリで!!
「OK、喧嘩を売っていることはよくわかったのです」
『『『ブ~ン!?』』』
 ぐしゃり。エロ本を握りつぶしたフルールの全身から立ち上る闘気。
 いや、殺気……! はたらきばちどもは己の最期を予感し、震えた!
 そしてフルールの姿が人間大になっていく! まさか闘気がもたらす錯視か!?
 否、ユーベルコードによる実体化だ。いっそ晴れやかな笑顔!
 その笑顔が、逆におそろしい……!
「そのいかがわしい本ごと、消滅していただくのですよ。ふふふ!」
『『『アイエエエ!!』』』
「あ、あとあの人たちの居場所も教えてもらうのですよ、ふふふ!」
『『『アイエエエアバーッ!?』』』
 引き裂かれるはたらきばち! 悲鳴! 断末魔! 阿鼻叫喚!
 敵を鏖殺し終えるその時まで、フルールはずっと笑顔だったという。コワイ!
「さて、ネグルさんはどこにいるのでしょうか! お会いするのが楽しみなのです!!」
 まったく笑ってない声で言うときも、ニコニコのままだった。ALAS!!

大成功 🔵​🔵​🔵​

アイ・リスパー
【恋華荘】
「いやあ、理緒さん、今回は大漁でしたねー。
デジタルアーカイブも大変充実しました!」

さて、まだあの蜂たちがお宝を持っているようですから、そのデータもいただいていきましょう!

先程と同じく理緒さんにコラージュを任せて【チューリングの神託機械】で接続した万能コンピューターに画像を保存していきますが……

「なっ、こ、これは……
巨乳美女×男の娘モノっ!?
いけません、理緒さん!
早くコラージュを停止させて……
って、間に合わないっ!?
こちらもアーカイブシステム停止が間に合いませ……がふっ!」(ぱたり

好きな相手であるいちごさん(のコラ)が巨乳美女と絡んでる映像を見せられ、自分の胸と比較して崩れ落ちます。


菫宮・理緒
【恋華荘】

「うん。豊作だったね! 生きる希望が湧いてくるね!」

って、え……はち……むし……あれもエロ本もってるの?
お、お宝のためならしかたない。

【E.C.O.M.S】を使って【Octagonal Pyramid】を突撃。
近づかせたくないので、全力でいくよ!
「寄るな-! 虫こっちくるなー!」

飛んできたエロ本は中身を確認しつつ……って、虫姦!?
「うづげふっ!?」(およそ女子が出してはいけない声)

メンタルに1000万のダメージを負ってしまい、
放心状態で、アイさんからのヘルプの声も届か、
ずコラモードは暴走。
巨乳美女×男の娘モノまでコラってしまいます。

寿司ネタ:えんがわサーモン
地雷:虫の出てくる本


彩波・いちご
【恋華荘】
ああ、なんだかお寿司でも食べたくなってきましたね…トロサーモンとか、赤貝とか…

って、遠い目してる場合では
アイさんと理緒さんがトリップしててこっちにかまってくれなくても、お仕事はちゃんとしないと
ほら、敵ですよ、集団戦ですよ…って2人ともー?!
あの蜂からもお宝狙うつもりですかー
…そのお宝、私は関わってはいけないよーな

って関わらないでいたら、何か2人とも甚大なダメージ受けてますー?!
あわわ、助けないと
そのエロ本が悪いんですね、なら燃やしますね!
【異界の深焔】で炎を呼び出し燃やそうとしたら…
「ふぇ?!」
アイさん似の少女が集団暴行されてる本を見せられて、意識が遠く…

地雷:ネトラレ、リンカーン



「いやあ、理緒さん、今回は大漁でしたねー。デジタルアーカイブも大変充実しました!」
「うん。豊作だったね! 生きる希望が湧いてくるね!」
 まるで一汗流したサラリーマンのような爽やかな笑顔で語り合う、
 アイ・リスパーと菫宮・理緒。どんよりした顔であとに続く彩波・いちご。
 おかしい。なんだこの流れは。ちっともバカンスっぽくないぞ。
 そもそもあのふたりの笑顔、見ているだけで妙な悪寒が走る。コワイ。
 あきらかによからぬ企みを達成した悪党の笑みである。時折コッチを見るのもコワイ!
「こういうときはお寿司でもぱーっと食べたいですね、トロサーモンとか……」
 完全に遠い目をして現実逃避に入るいちご。精神の危機が迫っていた。
『ブンブンブ~ン』
『新たな猟兵発見だブ~ン!』
『要らないお宝で精神ダメージを与えてリサイクルだブ~ン』
 エロ本集め虫、もといはたらきばちの群れだ! その手には大量の秘宝!
「ちょ、アイさん理緒さん! 敵ですよ! ほら、集団戦ですよ~!」
 真面目ないちごは我に返り、完全にトリップしているふたりの体を揺すった。
 一方のアイと理緒、はたらきばちを眼にして一瞬真面目な顔つきになる、が!
「……はっ! 見てください理緒さん、あのハチが持っているものを……!」
「え? 虫なんて見たくな……!! あ、あれはまさか、アイさん!?」
 ふたりはなにやら深刻な表情で顔を見合わせ、頷きあった。
「もしも~し? おふたりとも、どうしたんですか~……?」
 さっそく嫌な予感がしてきたいちご。だがふたりはいちごそっちのけだ。
「あのお宝を使えば、さらなるデジタルアーカイブの充実が望めますね!」
「そうだね……もしかしたらもっとすごいコラ素材が手に入るかも!」
 キリッ。アイも理緒も至極真面目な顔で、トンチキなことを言っていた。
「おふたりとも何をわけをわからないこと言ってるんですか!? 敵ですよ!」
「「いちごさんは黙ってて!!」」
「あ、はい……」
 かつてない「圧」で気圧され、さすがのいちごもしょんぼりと落ち込んだ。
 そもそもふたりの会話、なんだかよくわかってはいけない気がする。
 理解してしまうと深淵に落ちるというか、SANがチェックするというか……。
 とにかくなんだかよくない気がする。聞かなかったことにしよう。
「いきましょう理緒さん、デジタルアーカイブ充実のために!」
「うん、わたしたちのコレクションを充実させるためにも……ね!」
 きりりっ。そんないちごをさておき、シリアスですみたいな顔のふたりである。

 しかし相手はコンキスタドール、そしてこいつは一応集団戦フラグメント。
 相手はふたりのトンチキなノリをよそに、一切容赦せず襲いかかる!
 具体的に言うと、ふたりの邪な企みをエッグいエロ本で潰しにきたのだ!
『ブブブブ~ン、お前らにはこいつがお似合いだブ~ン!』
『このエッグいエロ本を喰らえ! ブ~ン!』
『お求めのエロ本は現在品切れとなっておりますブ~ン!』
「えっ? ……ま、まさか、これは!?」
 ユーベルコードまで活用してデータ収集中だったアイは、愕然とした。
 飛んできたエロ本の中身! それは巨乳なお姉さんと、男の娘の……!!
「い、いけません理緒さん! すぐに早くコラージュを停止させてください!」
「うわあああっ! 寄るな! 虫こっちくるなー!!」
「相手が虫なせいで私の声が耳に届いてない!? 理緒さーん!!」
 ALAS! 攻撃に夢中の理緒はアイの警告が耳に届かなかったのだ!
 自動収集モードだったデジタルアーカイブが、無慈悲にエロ本をコラージュ!
 いちごが巨乳な美女とワーオなことをしているページが出力された!
「……」
 アイはじっとそれを見つめ、自分の胸を見下ろした。
 つるーん。
 ぺたーん。
 すとーん。
「がふっ!!!!!!!!!!!!!」
「あ、アイさーん!?」
 いちごからすると、いきなりアイが血を吐いて斃れたようにしか見えない。
 だが、おお……胸のサイズとは絶対的な現実をもたらすのだ……。
「理緒さん! 正気に戻ってください、アイさんが!」
「え? なんだい……はっ、このエロ本は!?」
 一方理緒もまた、飛んできたエロ本を反射的に開いてしまった。
 いたいけな美少女が、醜悪な虫に大変なことをされてしまっている本を!
「うづげふっ!?」
「り、理緒さんまでー!? その声は美少女的にどうなんですかー!?」
 倒れ伏す理緒。痙攣しているアイ。大惨事であった。
「くっ、こうなったら私だけでも、なんとかしなきゃ!
 すべてこのエロ本が悪いんです! なら燃やしてあげますよ!!」
『お前はこいつを喰らうブ~ン!』
「えっ」
 ぱさり。いちごの前に飛んできたのは……おお、実にバイオレンスな一冊。
 無駄にアイににている少女が大変なことになっていた!
「ごぶふっ」
 どさり。倒れ伏すいちご。だが呼び出された凶星の炎は暴走を続ける……!
『ブ~ン!?』
『あちちち! あちちちだブ~ン!』
『せっかく集めたエロ本まで燃えていくブ~ン!?』
 おお、炎は何もかも洗い流す。
 敵も、エッグいエロ本も、ついでに出来たてのコラージュも、何もかも……!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

霧島・ニュイ
クロトさん/f00472

僕の知ってる蜂と違う…
それこそ蜂の巣に、して……

飛んでくる攻撃はよく見て見切る
視線、手や足の動き、狙いを読み
よく見て……
!!うわぁぁ、なにあの本、めっちゃ気になる!
際どい!際どすぎるよ着エロ!
見えそうで見えない、それも良い!
あぁぁ、清楚なのに胸大きいなあ……笑顔が眩しい……

どうしよクロトさん、集中出来ないよおおおお>△<


なるほど!君達はムッツリだったのか!
つまり、倒せばエロ本が入手できると。レベルアップだね♪

やられたらやり返すんだからね…!
熱をくぐり抜け、見切り、木を盾にし不意打ちの一発
飛べない蜂は無力だよね?
弾丸乱れ撃ちをくらえ…!

(クロトさんから鬼畜の香りがする)


クロト・ラトキエ
※アドリブ大歓迎

ニュイ(f12029)の保護者(仮)としては、その成長を見守るべきなのでしょう…
(彼の兄貴分には冷めた目で見られそうですが!

敵の高度や速度、熱や攻撃へ移る挙動等、
見切り得る情報を回避に用い

ソフトでライトな一枚も十八才まだお断りのハードな戯れもいざや来い!
…結局、只の視覚情報
紙は何も反応してくれませんし?
故に
ニュイがピンチの時こそ出番と

ほぉら、君ら
本心では本を宝認定してるじゃないですか
自分用は確保してるんでしょう?
好みの、すっごい、エッグいのを!
持ち帰ってこっそり愉しむつもりで!
さぁ正直に仰いませ!!

UCを攻撃力にガン振り
鋼糸をびっしばし
やっぱり抵抗してくれる方が俄然好みですね☆



 すでに多くの猟兵がエロ本に撃沈、あるいは激昂して暴走していた。
 そこかしこから猟兵もしくははたらきばちの悲鳴が聞こえてくる地獄絵図である。
 多分、阿鼻叫喚という単語はこういう状況を指しているのだと思う。
 当然霧島・ニュイの周りにも、大量のエロ本が乱舞していた!
「くっ、エロ本の内容が気になって、敵の攻撃を読みきれない……!」
 かなりトンチキな状況だが、ニュイはわりかしシリアスだった。
 いくら相手がエロ本を飛び道具にしてくるトンチキコンキスタドールといえど、
 敵は敵。さらにあちらには数の利があるのだ!
 一瞬でも気を抜けば、こんなトンチキな状況でKOされてしまう……!
 それはちょっと、一端の猟兵としても健康な好青年としても御免こうむる。
 でも、それはそれとして、気になるのだ! あのエロ本の内容が!!
「あの本は着エロ!? くっ、見えそうで見えないきわどさがたまらない……!
 しかも表紙のお姉さんが清楚なのに巨乳で、笑顔が眩しい……くっ、ずるい!!」
『『『ブブブブブ~ン!』』』
「うわっととと!」
 その隙を狙った致命的攻撃を、ニュイはかろうじて回避する。
 おのれコンキスタドール。ふざけた語尾をしているくせに油断ならない奴らだ。
 このままニュイは、エロ本に目がくらんでやられてしまうのか!?
「どうしよクロトさん、集中出来ないよおおおお!!」
 ニュイは思わず、隣で戦っているはずのクロト・ラトキエに助けを求めた。
 そうだ、クロトならば!
 大抵の物事は涼やかにこなしてしまうクロトならば、あるいは……!
 きっと戦うための、最適なヒントをくれるのではないか!?
 ニュイは一縷の期待を込めてクロトを見て……そして、驚愕した!

 ――踊っていた。
 クロトは乱舞するエロ本とはたらきばちの攻撃の、嵐めいた暴威の中で。
 いつもと同じ涼やかな笑みを浮かべ、踊るように攻撃を避けていたのだ。
 いっそ優雅なほどの、見とれてしまいそうなほどの舞いであった。
 ……これがこんなトンチキな状況でなければまだマシだったのだが。
 状況と周りにあるもののせいで、優雅さも完全にギャグになっていた。
「ニュイ、君はまだ若い。心揺れてしまうのも無理はありません」
 まるで迷える修行僧に道を諭す賢者のような笑みを浮かべ、クロトが言った。
 かっこいい……多分カッコいいと思う状況なのだが、やはり絵面がおかしい!
「ですが落ち着いて見てみるのです。そうすればエロ本の真実が見えてきます」
「エロ本の……真実!?」
 なんか変なことを言い出したぞ。と思いつつニュイはおとなしく聞いた。
「エロ本は結局、ただの視覚情報。紙の集合体に過ぎません」
「た、たしかに……!!」
 ごもっともな話だ! ごもっともな話だが……そこまでもったいぶることか?
「紙は何をしても反応してくれません。ゆえに――心惹かれることも、ない」
「クロトさん……!!」
 ……冷静に考えると何いってんだおめえって感じの理屈なのであるが、
 実際にクロトはアルカイックスマイルを浮かべ、攻撃を完全に回避していた。
 彼はエロ本に心揺らされることも、地雷に心を砕かれることもない。
『ブ~ン!?』
『こ、こいつ、なぜ宝に反応しないブ~ン!?』
『エロに興味がないのかブ~ン!?』
「いいえ、興味はありますとも――そう、僕に地雷は存在しません」
 爽やかな笑みであった。
「ソフトもライトもハードなお戯れもいざや来い! むしろ大歓迎!!」
『『『ブ、ブ~ン……』』』
 無節操すぎんだろこいつ、とさすがのはたらきばちどももドン引きした。

「それよりも僕は言いたい」
 クロトはキリッとした真面目な顔で言った(エロ本の嵐のなかで)
「あなたたち、本心ではその本をお宝認定しているのでしょう?」
『『『!!』』』
「こっそり自分用のも確保してるんでしょう! 好みの、すっごい、エグいのを!!」
『『『そ、それは……!』』』
「……なるほど! こいつらは――むっつりだったんだね!!」
 ニュイ、変な方向に開眼する。
「やられたらやり返すしかない! 倒してエロ本をゲット、そういうことだねクロトさん!」
「え? あ、はい。じゃあ、それで」
 軽かった。
「僕もクロトさんみたいに立派な大人(要出典)にならなきゃ……ていっ!」
 BRATATATATATATATA!
 乱舞する弾丸! そしてクロトがさり気なく張り巡らせていた鋼糸!
『『『グワーッ!?』』』
 はたらきばちは一網打尽だ! クロトはニュイの成長ぶりにうんうんと頷いた。
「それでこそ、ですよニュイ――まあ兄貴分には醒めた眼で見られそうですが」
 まあ、それはそれで。
 大人なクロトは、どんな味も美味しくいただけるのだ……!!
 人、それをただの悪食と言う!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

フォルター・ユングフラウ
ネロと共に

【WIZ】

…あれは、虫か
我は、虫を好かぬ
よって、全て駆逐する
露払いは任せるぞ、ネロよ

虫が投げる本からネロを盾として身を護りつつ、UCを……うん、何だこれは
「監禁」「拷問」「血飛沫」「発狂」……ほう、中々に興味深い言葉が並んでいるではないか
だが、甘いな
こんな物は、当の昔にやり尽くした
所詮は虫の粗末な頭脳、我の嗜好を満たすには程遠いという事よ

期待外れの虫共は、蛇の餌にでもなるが良い
今度こそUCを発動し、蹂躙し尽くしてやる
愚かなものよな、余計な物を見せて我を刺激するからこうなるのだ
…何だネロよ、餌をねだる犬の様な目をして
早く我の盾とならぬか、上手く出来たら椅子くらいにはしてやるぞ


ネロ・バロック
フォルター(f07891)と

フレンズ(島民)とお宝を守るぜ
フォルターは虫が苦手かァ?女らしい面もあるんだな(笑)

虫退治は盛大に
と、あいつが見てる本はすっげぇ悪趣味なやつだ、げぇ。
そして俺の視界に入ってしまうそれは……NTR本!
俺の苦手分野だ!こんなハッピーになれねぇ本のどこが良いんだよ!
畜生、こんなもので俺が負けてたまるか。…だが動けねェ!
フォルターが一瞬甘くなってくれたら元気が出るかもしれねェ(チラチラッ)
椅子かよ!やっぱりこいつ甘さの欠片もねェな。
もうちょっとこう、色々あるだろ!八つ当たりパワーで蜂を叩く!
アイツが呼び出した蛇に乗って羅刹旋風で敵をはたき落とす!
八艘飛びで乗り移ってやんぜ



『ブンブンブブブン!』
『エロ本を大放出だブ~ン!』
『精神的ダメージを与えて猟兵を返り討ちだブ~ン!』
 大量のはたらきばち、そしてはたらきばちが撒き散らす大量のエロ本。
 あたりでは悲鳴と怒号と断末魔、あと興奮したアホの喜びが響く地獄絵図であった。
「……あれは、虫か」
 そんなアホコンキスタドールを見つめるフォルター・ユングフラウの眼は、
 普段の五割増し、いやさ二倍以上冷ややかだった。侮蔑と嫌悪1000%である。
「我は、虫を好かぬ……しかもなんだあのふざけた語尾は、ふざけおって」
「虫嫌いはともかく語尾はそこまでキレるほどかよ……?」
 傍らのネロ・バロックは、フォルタ―の殺意にちょっと驚いた。
 虫嫌いなんて女らしいとこもあんだな~(笑)的にからかうつもりだったが、
 ちょっとシャレにならないレベルのキレっぷりである。よほど語尾が癪に障ったか。
「よし、すべて駆逐するぞ。露払いは、ネロよ。汝に任せようではないか」
「へっ、言われるまでもねぇな! 全員片付けちまうっての!!」
 ネロはフォルタ―の言葉に獰猛に笑い、魔剣を担いで前に出た。
 さっき(具体的に言うと第一章)ではいまいちいいとこがなかったが、
 彼はその代わりに大切なものを――そう、盟友(フレンズ)を得た。
 いや、別にすっごーい! たーのしー! をするような仲間ではない。
 殴り合いのはてに得た友情と理解……そして、同志!
 誰かと心を通じ合わせ理解し合うことの大切さを、ネロは知ったのである。
 ……冷静に考えると、こんなトンチキシナリオで得ていい教訓でない気がするが、
 まあそれはそれ。こうやって男の子は"男"へと成長していくものなのだ。
「おらおらおらァ!! ネロ様のお通りだ、どきやがれ虫どもォ!!」
『『『ブゥウウウ~ン!!』』』
 はたらきばちどもはネロの振り回す魔剣の錆となるのを恐れ、後ずさる。
 ネロは勢いを得てさらに前に出て、フォルタ―の盾となるのである。
 他愛なし。所詮はエロ本をこそこそ集め、攻撃代わりにしていた雑魚どもだ。
 このまま一網打尽にしてやろう――ネロがそう会心の笑みを浮かべた、その時!
「なっ!? こ、こいつは……NTR本じゃねーーーーか!?」
 ALAS! ネロの前に落ちてきたのは、エッグいスケベブックだった!
 しかも割とガチでNTRする、読後感がものすごーくぐったりとなるやつだ!
 これはいけない。ネロにとってNTRは……地雷中の地雷……!!
「くっそぉお、どうしてハッピーになれねぇ本がこの世に存在するんだよぉ!!」
 ネロは悔しげに地面を叩き、へなへなと膝を突いた。
 女の子がひどい目に遭うような本は、もちろんまだいい。
 しかし、しかしだ! 可哀想な目に遭うのはいただけない!
 ましてやそれで最終的に救われず話が終わってしまうのは問題外である。
 ……こんな唯我独尊系キャラなのにエロの好みは割とソフトとか、
 ちょっとギャップな感じがまた年頃の男の子らしい。ネロも男の子であった。
「どうしたネロよ、攻撃の手が止まっているぞ。早く立て」
「た、立てねえ……あっでもフォルタ―が一瞬甘くなってくれたら(チラッ)」
「そうか。あの豚どもと同じ扱いがいいようだな?(鞭がヒュパンッと鳴る)」
「ちくしょう!! やっぱりこいつ甘さの欠片もねェな!!!!!」
 泣き落とし作戦失敗! むしろネロよ、なぜそれが通ると思った。
 ちなみに振り返ったネロが見たのは、エロ本を手に不敵に笑うフォルタ―。
 持っているエロ本はジャケットからしてもうだいぶエッグいやーつだったのだが、
 フォルタ―的にはすでに通り過ぎた道程でしかないのでノーダメージらしい。
「おかしいぜ、もうちょっとこう恥じらいとかねェのかよお前!?」
「我に恥じらい? ファーストフード店で和食を期待するようなものだな」
「たとえが微妙に俗っぽいのが気にかかるぜ畜生!! いいから支援よこせェ!」
「ふっ――いいだろう。さあ我が意に従え小さき王(バジリスク)よ!!」
 怪鳥音めいた鳴き声とともに、恐るべき金瞳の毒大蛇が鎌首をもたげた。
 さながら酒池肉林の地獄めいてうねる大蛇の頭を、ネロが飛び越えていく!
「うおおおおお! 八艘飛びで蹴散らしてやんぜ雑魚どもがァーッ!!」
『『『ブブブブウ~ン!?』』』
 はたらきばち無惨! バラバラに引き裂かれた敵は毒大蛇に飲み込まれる!
 NTR本もエッグいやつも、少年の淡い期待も何もかも飲み干して、
 毒の大蛇どもは敵の大軍を食らい尽くし、そして進軍していくのだ!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

大紋・狩人
【仄か】
[地雷:リョナ、無理やり]
ラピタ、行くの?
そっかぁ(死にそうな顔)

蟲をおびき寄せ、うわっ!
や、やめろ……そんなもの見せるなケダモノ、いや蟲ども!(威嚇)(決死)
狂気耐性で堪えてたら一気に楽になる。
ラピタのさいわいだ
有難う
大丈夫、もう僕はそんなものに屈しない!
ラピタだけは守るんだかr

って待ったーーー!!
火炎耐性の灰を本の頁に浴びせる。
よし
セーーーフ!
カウンターで蟲群を焼却【おそれは零時に熔けて】!
(あっ凹んでる。
さいわい受けた黒炎を
黒曜石のようにぺかぺか)
偶々この女神に縁がなかっただけ
でもきみは僕を助けてくれた。
……そうでもないよ。

(ぷしゅん)(弱る)
ごめん、ラピタ。
後でちょっと撫でて。


ラピタ・カンパネルラ
【仄か】

要らない宝なんてあるものか。
行こう(見えてない)

カロンの苦戦が聞こえる、助けなきゃ
【かたらい】のさいわいで、彼を守る。

『君が、とても苦しいのがわかる』
『僕も見ぬフリばかり出来ない』
『君を苦しめる、異教の女神ーー僕も知りたい(義眼ぴかっ)』

(説明しよう!ラピタは魔力を消耗すると視力が回復するのだ!)(つまり過激なエロ本がとうとう少女の目にーー

見えない)
(灰だらけ)
(魔力ぷしゅん)

『選ばれた人にしか、見えないのかも』
『ごめんねカロン、僕は』
『君の苦しみを共有できないみたいだ(しょぼ)』
『ーーあ、綺麗。』
ふふ
『カロン、優しいね』

うん。
僕の手指でも、良いのならば。
それが助けになるなら、喜んで。



「……あのさ、ラピタ」
「なあに? どうしたんだい、カロン」
 大紋・狩人はだいぶげんなりした顔をしていた。というか死にそうだった。
 出来ればいますぐこの島から引き上げたい、と顔に書いてある。
 しかし、ああ……ラピタ・カンパネルラの目には見えていないのだ!
「その……これだけ猟兵がいるんだし、僕らの出番は……」
「でも、まだ敵はいるよ。それに、まだ宝は奪われ続けてるんだ」
 ラピタはキリッとしたシリアス顔で言った。狩人は顔を覆いたくなった。
「要らない宝なんてあるものか。――行こう、カロン」
「そっかあ……」
 マンドラゴラの悲鳴をサラウンドで聞かされた犠牲者みたいな顔の狩人。
 ラピタは妙に生気のない狩人の声に首を傾げつつも、シリアス顔である。
(こうなったら僕が矢面に立って、ラピタを守らなきゃ……!!)
 狩人はこころに誓った。なにがなんでもラピタにエロ本は見せないと。
 というかここでラピタに真実が知れると、主に自分のイメージも危ない。
 もし万が一、ラピタが自分のことを軽蔑したりしたら?
 想像しただけでだいぶ死にたくなった。いや現実はおそらくもっと悲惨だ。
 ラピタは優しい子である。きっとドン引きはしつつも理解を示そうとして、
 逆に死にたくなるような暖かいことを言って一歩引いたりするのかもしれない。
 それはもう絶対にご勘弁願いたい。ラピタが汚されるのは一番困る!!
「こい蟲ども! 僕が相手だ!! 僕が相手だから僕だけ襲ってこい!!」
『ブ~ン? こいつもしかして女の子守ってるブ~ン?』
『気に入らねえブ~ン! 絶対エロ本浴びせてやるブ~ン!』
『コウノトリを信じてるような子に無修正のエロ本見せるの最高ブ~ン!!』
「どこの外道妖怪だお前らは!? くそっ、絶対にココは通さないぞ!!」
『『『ブ~ン!!』』』
「ウワーッ!?」
 哀れ狩人、敵の無駄な熱意と数の前に完全に圧されてしまった!
 さらに乱舞するエロ本、エッグい猟奇要素が狩人の精神を削り取る!
「こ、こいつら……やってることはトンチキだが戦術的効果が高すぎる……!」
『ブンブ~ン!!』
「しまっ――」
 たたらを踏んだところに襲いかかるはたらきばち! 哀れ狩人は――だが!

「……君が、とても苦しいのがわかるから」
「ラピタ……!」
 ラピタの義眼がにわかに輝き、魔力が幸運をもたらした。
 "さいわい"にも敵の攻撃は狩人をかすめ、はるか彼方へ飛んでったのだ。
 やっぱりラピタは優しい子だ。この純粋さを絶対に汚させるわけにh
「僕も見て見ぬ振りばかり出来ない――君を苦しめる、異教の女神のこと」
「えっ」
「僕も、知りたいんだ」
「っっっっっと!! まったーーーーーーーーーーーーー!!」
 ピカーッ! 輝く義眼! 消費される魔力! ……回復する、視力!!
 かすんでいたラピタの視界が徐々に像を結び、エロ本のかたちが浮かび上がる。
 しかもよりにもよって、かなりエッグいリョナ系のやーつである!
「わー!! わぁああああーっ!!」
「あ」
 ざっざっざっ。狩人はとっさに骨灰の怪物を召喚し、灰をエロ本にかぶせた。
 ラピタの視界が回復する。……見えたのは、灰で隠されたエロ本であった。
「見えない……選ばれた人にしか、見えないのかもしれないね」
 ぷしゅんと魔力が噴き出し、ラピタはしょんぼりと肩を落とした。
 別に見えなかったことが悲しいわけではない。いやワクワクはしてたが。
「ごめんねカロン、僕は――君の苦しみを共有できないみたいだ」
(あっ凹んでる。どうしたものかこうしたものか、えーとえーと)
『『『ブ~ン!! だったらここでお宝を見せ』
「思い知れそして味わえー!!(ゴバァアアアア)」
『『『アババババーッ!?』』』
 はたらきばち無惨!
「……たまたまこの女神に縁がなかっただけさ。きみは僕を助けてくれた。
 だから、そうでもないよ――ラピタは、いつだって僕を助けてくれる優しい子だ」
 狩人はラピタの視界を(エロ本を見せないように)覆い、微笑んだ。
 ラピタはくすりと笑い、言った。
「……カロンは、優しいね」
「え、あ、う、うん……」
 狩人はだいぶ死にたくなった。なんだか悪いことをしている気がする。
「ごめんラピタ、あとでちょっと撫でて……」
「――うん、僕の手指でも、いいならば。それが助けになるなら、喜んで」
 ラピタは淡く微笑む。可愛らしく、ガラスのように壊れそうな華奢な笑み。
 狩人は思った。状況が状況でなければなおさらよかったのに……と!!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ルエリラ・ルエラ
【アドリブ改変・連携歓迎】
ふっふっふ、お宝本回収のチャンスはここだね!
めんどうな情報収集は皆に任せて美味しいとこだけをもっていく美少女の私参上だよ
シーフな私は楽してズルしていただきってやつだね。わぁい

私は【芋煮ビット】で芋煮のお鍋をいっぱい飛ばして乱舞してるお宝本をゲットするよ!
あ、もちろん芋煮でびっしょりにならない様なお鍋を飛ばすから芋煮塗れになる事はないよ
地雷かどうかは帰ったら選別すればいいからとりあえず今はゲットすることだけを考えていくね
戦い?他の人に任せておくよ。ふふん
それにしても地雷本はどうしようかなぁ。仲間の枕元にでも仕込んでおこうかな
ん?唐突に電波が…好きなお寿司はサーモンかな


フェルト・フィルファーデン
ふう、ひどい目にあったわ…
お姫様は王子様の格好なんてしないしお姫様にそんなの付いてたら王子様じゃない!
……いえ、あれは本の話。もっと心を広く穏やかに振る舞わないとね!

――と、言ったけど撤回するわ。何で敵が破廉恥本投げつけてくるの!?
爛れているわ…もう嫌こんな島!!
(知識はあれど耐性0どんなエロ本も大ダメージ)

お願い、兵士人形達よ…わたし目を瞑っているから片付けて!
その間わたしは現実逃避するわ。
やっぱり王子様はカッコよくて優しくて強くて颯爽と助けてくれてでも時折見せる憂いを帯びた顔に寄り添ってあげたくなって人目を忍んで夜の逢引なんかしちゃったりして最後は口付けを交わしてハッピーエンド!これよ!!


オニバス・ビロウ
寿司は炙りカンパチを好む
いや、そういう話ではなく

この蜂?の異能を含めた攻撃に加え艶本を投げつけられるというのが非常に困、(地雷な内容が見えた。NTRである。己が妻に良く似た女が)…おのれ貴様ら斬り捨ててくれようぞ!

…まず木苺を食す
次に花冠の花を強く光らせ、それで目を潰す
己自身も目が眩むが艶本の内容が目に入らぬように出来ればそれでいい
継戦能力が上がっている状況ならば、目が見えずとも問題は少なかろう

その上でUC鉄樹開花を使う
艶本を打ち落とすには攻撃の手数が必要だからな
…攻撃が猟兵に当たるだろうが、まぁ大丈夫だと信じている
甘んじて受け入れよ、己は今回の状況で寿命を減らしたくないのだ

(アドリブ等歓迎


エドゥアルト・ルーデル
わぁいエロ本!拙者エロ本だ~いすき!
秘宝=エロ本なこの島でなら憂いなく雑に【銃弾】をばら撒いてればいいネ!適当に戦って乱舞したウ=ス異本を回収!回収でござる!
早速一部読むか…折角だから拙者はこのウ=ス異本を選ぶぜ!

『…の初恋絶対壊すべし』?
ラブコメ漫画の自作バッドエンドウ=ス異本か?これは…
これが貴様らの性癖だと申すか!ならばその出来を切り落とす!
原作がバッドエンドになる訳が無いのだ
バッドエンドに拘ってないでラブコメを素直に楽しめば良いでござろう
それが出来ないのは何故か?お前達が異常者の集まりだからだ

バッドエンド有りきで絵にリビドーのかけらもなし
その薄汚い性癖をもって罪を償う時が必ず来る


ニィエン・バハムート
※性的なことには少々潔癖

な、なんて下劣な本を……!女性の裸というだけでなく…これは……『欠損フェチ』?『義肢少女特集』?『異文化~だるま~』?

…………ひ、人の尊厳をなんだと思っているアルカ!!私もう怒ったヨ!!
私みたいに自分の意思で身体を改造するのはいいアル!!(…本当は良くないんだろうけど)
でも、あの喪失感と痛みは絶対にこんな下劣な目的で他人に与えていいものではないアル…ありませんわ!!

前にも倒したことある敵なので同じように皆殺し!!

下劣!下劣!下劣!!
決めました!この島に存在する全ての下劣な本は私が焼き払ってやりますの!
こんな下劣な本があるから下劣なコンキスタドールをおびき寄せるのです!!


ラビット・ビット
アドリブ◎
ビットくん何でも食うけど実はストライクゾーン狭いんですよ
逆かぷ
致命的な解釈違い
グロすぎるの
とかむりで
グロいの 回復しないとかわいそうじゃないですか
え?触手?触手本はむしろ好物ですけど
あと攻めの受けなんかも地雷ですね
攻めのケツは守られるべき
でもね、ビットくん心が広い腐男子だから
地雷本が存在してても心を無にしてスルーできるんです
ちゃんと存在を認めてあげますほんとほんと
それもまた誰かの性癖ですし
ほんと、ビットくんに無理やり見せたりしなければほんと

…ろくろうさん!全力で燃やしてください!!
塵も残すな!!
ビットくんの推し(攻めの方)のケツは聖なるパワーで守られてるんです!近寄るな解釈違い!!!


リンタロウ・ホネハミ
ぐぁぁぁぁぁ!!!
珠玉のボイン本に突如挟まれたババア本ぐぁぁぁぁぁ!!!
熟れてるってレベルじゃねーっすよこれ腐ってるっすよ完全に!!
白髪ピンクに染めたメガネババアとかほんと誰得なんすか!?
後なんでババアになると頭ショッキングに染めるんすか!?

クソッ、こんなのさっさと捨て……
待てよ? あのトワもいずれは老いる……
少なくとも老いるという選択肢は十分取り得る……
つまり、これはトワのあり得る姿……!
オレっちはこれを愛せるか否か、試されている……!?
こ、こんな死にかけのブルドックのような姿をオレっちは……オレっちはぁぁぁ!!!!
(ゴリラの骨を喰ってドラミングする。敵はなんか余波でなんかなる)



「ふっふっふ、お宝本の回収が捗るねえ、この状況……!」
 落ちているエロ本を素早く拾いながら、ルエリラ・ルエラが邪悪に笑った。
 およそ13歳エルフ美少女(しかもイラストは割とクール系)がしていい顔ではない。
 そもそもルエリラは、これっぽっちも戦うつもりがないのだ!
 彼女の目的……それはあくまですべて、エロ本を回収することのみ!
 地雷かどうかなど関係ない。そもそもルエリラに地雷などあるのだろうか?
 バキュームじみた勢いで芋煮鍋にエロ本を回収(?)するルエリラの顔は、
 完全にエロ本を拾い集めるおっさんのそれであった。び、美少女要素が!
「どうせ他にたくさん猟兵がいるんだからね、戦いは任せておけば……」
「雷霆万鈞!! バハムート・サンダーアルーッ!!!」
「グワーッ!?!?」
 ピシャーン! そんなルエリラに天罰めいて降り注ぐ雷!
 いいや、狙いがルエリラにあったわけではない。攻撃は極めて広範囲!
 すさまじい勢いで稲妻を落とすのは、顔を赤くしたニィエン・バハムートだ!
「下劣! 下劣!! 下劣!!! この島の正体がこれだったアルカ!?
 私もう怒ったヨ!! こ、こんな島も、こんな本も焼き払ってやりますの!!」
 なにやらニィエンは怒っていた。おかげで現地弁が混ざっている。
 なぜ彼女が怒っているのか……それは、彼女の足元を見れば一目瞭然だろう。
 なんたることか……彼女はよりにもよって地雷の中の地雷、
 ものすんごいエッグい肉体改造系とか欠損とかヤバめなのを読んでしまったのだ!
『ブブブブ~ン!?』
『なんて攻撃だブ~アババババーッ!?』
『エロ本が! せっかくの宝が燃えていくブ~ン!』
「こんなものはすべて焼却! 焼却ですわ! あなたたちもあなたたちでしょう!!
 下劣な本があるから下劣なコンキスタドールをおびき寄せるのに違いありません!!」
 ニィエンは、実は自らの手で己の体を改造した深海人である。
 だからこそ彼女は、体をあれこれする痛みと苦しさを知っているのだ。
 ……まあシリアスな話のように見えるが、彼女も彼女でだいぶトンチキな理由でメガリスボーグとなったのだが、まあそれはそれ。
 おかげで得られた竜的なパワーを、電撃としてほとばしらせるチャンスだ1
「皆殺しにしてやりますわ、はたらきばちどもーっ!!」
『『『アバババババーッ!?』』』
「ちょっと待ったわたしも混ざってアバーッ!?」
 ZZZZZTTTTTTT……KRAAAAAAAACK!!
 降り注ぐ1億ボルトの電撃が、ルエリラもろとも敵を打ちのめす……!

「う、ううっ、おかしい、わたしはただエロ本を拾っていただけなのに……」
 ほうぼうの体でニィエンの攻撃を逃れたルエリラ(アフロのすがた)。
 黒焦げになりあちこちから煙をあげながら、ルエリラはまだ諦めていなかった。
 というか持っていたエロ本が全部電撃で黒焦げになっちまったので、
 新たなエロ本を探すためにさまよっているのだ。こ、懲りていない……!
「ウオオオオオオッ!! ホキョアアアアアアアッ!!」
「グワーッ!?」
 そんなルエリラは、今度はすさまじい雄たけびと衝撃波に吹き飛ばされた!
 一体今度はなんだ? 彼女が見たのは……ドラミングする偉丈夫の姿!
 そう、ゴリラの骨を食らってゴリラパワーを手に入れたリンタロウ・ホネハミである。
「オレっちは、オレっちは……このくらいじゃ、諦めないっすよぉ!!」
「ちょ、ちょっと待った。攻撃範囲にわたしが」
「うおおおおお! トワぁあああああ!!」
「グワーッ!?」
 ドコドコドコドコドコドコドコドコドコドコドコドコドコ!
 リンタロウは有り余るゴリラパワーでたくましい胸板をドラミングし、
 それによって生じた衝撃波がルエリラ(とはたらきばち)を吹き飛ばす。
 ……リンタロウは苦悩していた。彼が拾ったのはかなりのババア本であった。
 二次元界隈でよく言われる、年増なキャラに対するババアという呼称ではない。
 むしろおばあちゃんと呼ぶべきご年齢のマダムの……そういう、本だ!
「ちくしょう、よりにもよって珠玉のボイン本にこれ幸いと挟みやがって!
 熟れてるってレベルじゃねーっすよこれは! むしろ腐ってるっすよ!!
 そもそもどうしてババアって歳取ると髪色がショッキングになるんすか!!」
 ドコドコドコドコドコドコドコドコドコドコ!(ドラミング衝撃波)
『『『グワーッ!?』』』
 はたらきばち無惨! だが自業自得だ!
 しかし、リンタロウが苦しんでいるのはまた別の理由があるようだ。
「……けど、トワもいずれは老いるんすよね、こんな風になるかもしれねえ……」
 そう、リンタロウは想い人のありえる未来の姿を思い浮かべていたのだ。
 いくら妖狐とて、年を取りはするだろう。ましてやとわのことである。
 きっと彼女は時が流れるのを良しとし、老化を自ら受け入れるかもしれない。
 では、自分はただ己の好みとエゴだけで、彼女のことを否定するというのか!?
 ……そもそも別にとわがそうすると決まったわけではないのだが、
 リンタロウはショックのあまり頭の中でいろいろなifを考えていた。
 実に真面目な好青年である。問題は状況が状況だってことなんだが!
「こ、こんな死にかけのブルドックのような姿をオレっちは、オレっちはぁああ!!」
 ドコドコドコドコドコドコドコドコドコ!(ドラミング衝撃波)
『『『「グワーッ!?」』』』
 吹き飛ぶはたらきばち! と、それに混じってぶっ飛ばされるルエリラ!
 リンタロウは胸板を叩きながら、ただ苦しみ続ける……!

 ドラミング衝撃波に吹き飛ばされ、顔面から地面に突き刺さるルエリラ。
 またしてもエロ本は無駄になった。ルエリラはふらふらと立ち上がった。
「……あ、あの、大丈夫かしら……?」
 そんなルエリラのボロボロの姿を見るにつけ、心配そうに声をかけたのは、
 なにやら顔を赤らめた様子のフェルト・フィルファーデンであった。
「あ、ああ、大丈夫だよ……ところでエロ本ないかな、このへんに」
「へっ!? わ、わからないわ! そもそもわたしはそんなのノーサンキューだもの!」
 フェルトはルエリラに問いかけられ、目を閉じていやいやと顔を振った。
 なんたることか。一応同い年であるはずの13歳、かつ美少女……。
 なのだが、かたや死にかけてもエロ本を求めるルエリラ(しかも戦いはサボってる)
 かたやエロ本のエグさに顔を赤らめ、恥じらうフェルト(元王女)である。
 一体どこでここまでの差がついたのか。多分プレイング時点だと思う。
「そこのふたり! 戦闘中ぞ、そんなところで気を抜いているな!」
『ブブ~ン!?』
 背後に忍び寄るはたらきばち、それを颯爽と両断したのはオニバス・ビロウだ。
「あっ、ご、ごめんなさい……! わたしとしたことが、いけないわね」
「いや、気持ちはよくわかる。そんな年頃の娘に艶本は辛かろう」
「わたしは特に気にしてないんだよね。エロ本持っていっていいかな?」
「ええ……」
 恥じらうフェルトと対照的にこれっぽっちも恥ずかしがらないルエリラに若干ヒくオニバスであった。
『くっ、かっこつけやがってブ~ン! こいつを喰らえブ~ン!』
「ふん、この俺に艶本など効かんぞ。よほどのものを出されない限、り……?」
 キリッとかっこいい顔をしていたオニバス、だが手にとった本は……ALAS!
 妻子持ちの彼にとっては地雷中の地雷、よりにもよってNTR本であった!
「おのれ貴様ら!!!!!1!!! 斬り捨ててくれようぞ!1!!11!1」
「ちょ、ちょっとどうしたの? 落ち着い……きゃあああ!?」
 顔を真っ赤にして激昂したオニバスをなだめようとしたフェルトだが、
 彼が投げ捨てたNTR本のエッグいページを見てしまい、フェルトも悲鳴をあげる!
「も、もういや! 兵士人形たちよ、わたしが目を閉じているうちに片付けて!!」
「ちょっと待った! そのエロ本、私がもらってグワーッ!?」
 フェルトの召喚した兵士人形たちがエロ本を速攻で片付けようとしたので、
 ルエリラは懲りずに手を出そうとし――そこに振るわれる剣風!
 半ば暴走めいてユーベルコード"鉄樹開花"の力を解放したオニバスの剣だ!
「コンキスタドールめ! よもや俺に己が妻似の艶本を見せるなど!!」
「いや私味方グワーッ!?」
「む! 猟兵を斬ったか? だがすまん、甘んじて受け入れよ! イヤーッ!」
 地獄絵図であった。ズバズバ斬り裂かれまくるコンキスタドール、とルエリラ!
 兵士人形たちは同時撃ちを恐れ、せめてフェルトを守ろうと周囲に展開する。

 ……が、兵士人形たちが警戒していたのはオニバスだけではなかった。
「わぁいエロ本! 拙者エロ本だ~いすき!」
「わぁいえちち本! ビットくんえちち本だ~いすき!」
 完全に遊園地か何かに来たようなテンションの、
 エドゥアルト・ルーデルとラビット・ビットの悪影響を恐れたのである。
 かたやどう見ても不審者な髭面サバイバルスーツ姿のおっさん、
 かたやオタク特有の早口をブツブツ言いながらエロ本を漁るウサギである。
 誰がどう見ても、この場でお近づきになってはいけないタイプの方々であった。
「いやあ色々なえちち本がありますねえ! ビットくんのコレクション捗る~!」
「ウ=ス異本は回収! 回収でござる! そしてさっそく読書開始!!」
「えっ、ビットくんも読みたいんですけど! こっち読ませてもらいますね!」
 某大型即売会で戦利品を貪るオタクめいて座り込むふたり。マナー皆無!!
 ウキウキしていたふたりの表情はしかし、一瞬で曇っていった。
「……なんでござるかこれは。五見さんの初恋絶対壊すべし……?」
「こ、これは……ビットくんの推しの逆かぷ本じゃないですかぁあああ!!」
 普段ならビットもエドゥアルトも、地雷を見ても生暖かくスルーできるオタクだ。
 そうでなくばウ=ス異本の海は泳ぎぬけない。ああ、だが!
「せっかくのエロ本かと思ったらこれとかナメてんでござるか貴様ら!!
 これが貴様らの性癖だと申すか! ならばその出来を切り落とす!!1!11」
「許せねえ……こいつはビットくん敵にも許せませんよ! ろくろうさん!! 全力で燃やしてください!1!!1!!1」
 状況のトンチキさ、そして込めた期待が彼らの冷静さを奪っていた。
 2mを超える人形が火炎を撒き散らし、エロ本を燃やしていく!
「ああっ! 私が回収しようとしていたエロ本がグワーッ!?」
「ついでにこそこそ回収中だったルエリラも燃える!
「ビットくん普段なら地雷本だってスルーしますけどねえこれはいただけない!
 ビットくんの推しのケツは!! 聖なるパワーで守られてるんですよ!!!!!」
「そもそもハッピーな原作がバッドエンドになるわけがないのでござる!
 バッドエンドにこだわっていないで素直に原作の味を愉しめばいいでござろう!
 それが出来ないのは何故か? コンキスタドールが異常者の集まりだからだ!!」
「あなたたちが生きてるだけで(攻め受けの)理が狂うんですよ! 頼むから死んでください!!!!」
『『『アバババババーッ!?』』』
 何もかもしっちゃかめっちゃかであった。
(流れ弾で)炎で燃やされ(流れ弾の)拳銃弾でぶち抜かれ、もはや瀕死のルエリラの脳裏によぎる過去――。
 面白半分で地雷系のエロ本をバラまき、仲間をブチギレさせた時のこと。
 面白半分で地雷系のウ=ス異本を刷り、在庫を友人に押し付けた時のこと……。
(私が即売会に参加していた頃の記憶か? これは……!)
 いやそもそも私、そんな即売会とかやってたか? 何もかもわからなくなってきた。
 正気と狂気の間では、記憶も真実もたやすく書き換えられていく……!
「下劣な本は全て燃えるですのーっ!!」
「うおおおおトワァアアアア!!」
「貴様らは誰一人として生かして返さん!! ここが最期だ!!」
「やっぱり王子様はかっこよくて優しくて強くて颯爽と助けてくれてでもときおり見せる憂いを帯びた顔に寄り添ってあげたくなって人目を忍んで夜の逢引なんかしちゃったりして最期は口づけを躱してハッピーエンド! これよ!!」
「むっ!! 拙者そういうの好き!! でござる!!!」
「ちょっと待って下さいビットくん思うんですけどそこで大臣×王子というのは!?」
 完全な狂気……! 地獄絵図がそこに生まれていた……!!
「きっとこの阿鼻叫喚の中から鬼(せいへき)の王が、生まれ……がくり」
 最後のエロ本を手から取り落し、力尽きるルエリラであった……。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

矢来・夕立
狭筵さん/f15055
赤ずきんさん/f17810

どこへ行ったんでしょうねあのアホ二人。
おっと。結構近いとこにいました。少し走るか。
この格好だと挙動が若干女っぽくなるな…

オラッ口説いてないで働け(地声)
服装?この島を経由する航路の確保を《取引》してきたところで(地声)
女装を拝ましたらなんか満足されました。(地声)
何があったんだか知りませんけど、その様子ならエロ本の精神攻撃も無効化できそうですね。(地声)

さて、何にでも成功するんですね?
このオレの刃を避けるためにどれだけの代償(エロ本)がいるか、
如何ほどの技量(えぐさ)なら通用するか、試してみたらどうですか。
言ったはずですよ――上級者だと。


レイニィ・レッド
坊ちゃん/f14904
狭筵サン/f15055

そもそも野晒しにされてるお宝に
期待し過ぎなんじゃないです?
まァラインナップは悪かないと思いますけど

ところで坊ちゃんはまだ?
そうですか
じゃあ一足先に
は? えっ 
まさかこんな島に女の子なんているわけ

――アッ(すべて理解した)
……、(すべてを理解して沈黙を選択)
……(レインコートを目深に被る)

……、坊ちゃんそこまでパーペキにやっておいて
声そのままなンすね
いやもう地雷とかどーでもいいです
さっさと片付けましょ
色々と傷口が広がる前に

狭筵サン
気絶させてやりたい気持ちだけはあるんですが
コイツの前で伸びたらヤバいでしょ

アンタの骨は拾ってやりますよ


狭筵・桜人
矢来さん/f14904
赤ずきんさん/f17810

この島お宝の保存状態が悪すぎますよ。
夫が寝てる隣でほにゃららシリーズもナンバリング揃わなかっ……

えっこの島に女の子!?!?しかも超タイプ!!(エロ本を投げ捨てる)
いやあやっぱ二次元より実物ですよ。私達を頼ってきたんですね!
可哀相に怖かったでしょう……あなたのことは必ずお守りしますよ。
さあ私の傍を離れないように――

は?

?????

ちちちがう、これは夢……
ウッ……オエッ……具合悪くなってきた
ああーーーー!!赤ずきんさん私を気絶させてください!!今すぐ!!!!
これはあのハチによる幻覚攻撃……?
れぎおん……ウウ……もう操縦ムリ自動モード【制圧射撃】……。



「まったく、この島はいけませんね……お宝があるのはいいんですが、
 肝心のお宝の保存状態が悪すぎます。どれもこれもカッピカピですよ」
「……そもそも、野ざらしになったエロ本に期待しすぎじゃないですかね」
 レイニィ・レッドのツッコミはごもっともであった。
 しかし、そのカピカピもまたエロ本の味わい深さを引き立てるエッセンス。
 いわば隠し味のようなもの。それがわからぬ狭筵・桜人はまだ子供だろう。
「そういう話じゃないんですよ赤ずきんさん! だいたいですねえ」
「そんなに目当てのエロ本シリーズが揃えられなかったからって、
 自分に八つ当たりするのやめてもらえませんかね……みっともないですよ」
「あーあ、これだから特殊性癖ホルダーにはわかってもらえませんね。
『夫が寝てる横でくさや干してたら奥さんが起き出してシリーズ』の良さもわからないとは」
「ちょっとまってくださいなんですかそのどう見ても特殊なエロ本は」
「そんなことより矢来さんはどうしたんです!? エロ本探しですか!」
「肝心なところだけスルーするの悪い癖ですよ狭筵サン……」
 そう、そこにいたのはふたり。一番あくどい忍びがいなかった。
 この戦場に来る前、いつのまにか矢来・夕立はいなくなっていたのだ。
 まあそれは夕立にはよくあることなので気にしていなかったふたりだが、
 もうすでにあちこちでは戦闘が始まっているということもあり、そうも言ってられない。
「私はこの目で見なければならないんですよ、矢来さんが地雷を食らって慌てふためく姿を!」
「……坊ちゃんにそんなモン在るとは思えませんけどねぇ……」
「まあいいでしょう。じゃあ先に赤ずきんさんの地雷を教えて下さいよ」
「は? なんで自分がそんなモン教えなきゃいけないんですかやめてください」
「私が何のためにこの島に来たと思ってるんですか!?!?!!?」
「仕事じゃねーのかよいよいよ包み隠さなくなってンなおい
 と、残された桜人とレイニィは喧々諤々の様子である。

 ……しかしそこへ、なにやらからころとハイカラな靴音が響いてきた。
 とっさに足音のほうを見やるふたり。するとこちらへ駆けてきたのは……。
「…………」
 おお、なんたることか。見たことのない、それでいて実に美形な乙女である!
 なにやらサクラミラージュめいたハイカラな格好が南国風景にミスマッチだが、
 そもそもさっきからそこらじゅうにエロ本がばらまかれているので誤差である。
 ……いや、待てよ。このエロ本まみれのトンチキ戦場にこんな美少女が!?
「は? えっ。まさかこんな島に女の子なんているわけ」
「えっこの島に女の子!?!?!? しかも超タイプ!!!!!!」
 訝しむレイニィをよそに、桜人は完全にスケベ心を剥き出しにしていた。
 大事そうに抱えていたエロ本を秒で捨て去り、全力で美少女(不確定名)に近づく。
 おお、桜人よ。浮かれているのはわかるがなんと不用心なことか。
 もしもここが狂える王の地下迷宮ならば、いまごろ罠が発動していた!
 多分テレポーターでかべのなかに いる! な目に遭っていただろう。
 幸いそんなことにはならなかったが――罠は、すでに発動していたのである。
「…………」
 不確定名・美少女は、駆け寄ってきた桜人をまじまじと見つめている。
 その赤い瞳のなんと吸い込まれそうなことか。底知れない闇を感じさせる。
 だがそのミステリアスさもグッド! 桜人は舞い上がった。
「あの狭筵サン、エロ本はいいンで?」
「いやあやっぱり二次元より実物ですよ! おっと、機にしないでください。
 ここは危険ですよ。その様子ではもう奴らの攻撃を食らってしまいましたか」
「…………」
「おっと、皆まで言わなくて大丈夫です。私たちが、いえこの私が!
 あなたのことを必ずお守りしますよ。どうかご安心くださいね、お嬢さん」
「…………」
「……狭筵サン、何か様子が」
「赤ずきんさんは黙っててください!! さあ私の傍を離れないように」
「オラッ口説いてないで働け(地声)」
 びっくりするほど低い声であった。声変わりはすでに済んでいる。
 桜人は思わず周りを見て、美少女(不確定名)を見、周りを見、美少女(?)を見た。
「――アッ」
 一瞬ですべてを悟ったレイニィ、桜人の目線から逃げるようにフードを目深にかぶる。
 そして桜人は三度美少女(?)を見た。いまの声は、彼女から……!?
「は?」
「は? じゃないですよ働けっつってんでしょうが(地声)」
「は?????????????」
 そう、目の前の美少女(?)は――他ならぬ夕立だったのだ!!
「……坊ちゃん、格好はそこまでパーペキにやっておいて、声はそのままなンすね」
「ええ、まあ。大抵の場合は見た目でごまかせますので(地声)」
「そもそもどうしてそんな格好してんですかね」
「ちょっと取引のために女装を拝ましたら満足されまして(地声)」
「…………」
 比較的冷静に受け容れていたレイニィをよそに、桜人は固まっていた。
「狭筵サン」
「………………」
「狭筵サン、ほら仕事の時間ですよ。気持ちはわかりますけど戦って」
「ち、ちち、ちがう。これは夢……わ、私が矢来さんを口説いたなんて、そんな……」
「いや夢じゃないですよ。あなたものすごい鼻の下伸ばしてましたよね(地声)」
「ウワーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!」
 なまら低い声で現実を浴びせてくる夕立(女装)! 桜人は頭を抱えた!
「ああーーーーー!! 赤ずきんさん私を気絶させてくださいいますぐ!!!!」
「いや戦闘中なんでそれはちょっと。骨は拾いますよ」
「アアアアアアーッ!! アアアア……ウッ、オエッ……オ、オボボボボ……」
 膝を突く桜人。いたたまれずにレイニィは顔を逸らした。
「よくわかりませんが、あの様子ではエロ本の精神攻撃も無効化できそうね(地声)」
「いや、まあ……もっとショッキングなモンが目の前にありますんで」
「それならなによりです。あの役立たずはほっといてオレらで片付けましょう」
 ずらりと並ぶはたらきばちの皆さん――奴らも、ドン引きしていた。
『ちょっとやべえブーン』
『わざわざ女装してくるとかちょっとエグすぎブ~ン』
『せめてボイスチェンジャとか使えブ~ン』
「逆に声だけそのままのほうがいいという需要もあるんですよ知らないんですか?
 ――さあ、上級者であるオレを怯ませられるか、その技量(えぐさ)を見せてください」
 ぎらり。夕立は鋭い瞳ではたらきばちどもを睨みつける――女装姿のまま!
「まあ、さっさと片付けますかね……」
 レイニィは、虹色のなんかをロッパーと吐いている桜人を一瞥して、頭を振った。
 おそらくどんなエロ本のエグさよりも、この事実は彼の心にトラウマを残したことだろう……。
「わ、私が、わた、私が……オボボボボボボボーッ!!」
 地獄絵図であった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

バッカニア・マグナ
【風海】

ヤー!ダウ!ぶわっはっはっ!!そんじょそこらの男の夢で!わしが倒せると思うなよ!!

(パァン!顔面アタック!肌色率の低いエロ本!)
ぶわっ!?いてて、ん?なん……(タイトル:どすこい女装相撲)

な???ん???

(それは逞しい、漢と漢のぶつかり合い。汗と涙と愛の物語。エロ本。どすこい女装相撲)

(膝を折るジジイ!!)
(さらに投げ付けられる続編どすこい!ジジイのライフはもうゼロよ!!)

で、出てこいお前ら!助けてくれ!!
(駆ける仲間骨!目的は、エロ本!!)
死んでなお夢を追いかける勇姿ーーー!!!

くそっ!動けるようにはなったけど!
あいつらあれもオッケーなの!?
嘘だろ!?
(蜂は頑張って殴り倒しました!)


アイザック・マグナ
【風海】

ヤァー・ダゥ!はっは!
おいおい何てモン投げつけてくんだよ
マグノーリャ、これ持っててくれるか?

スゥーーー

聞け!!
(UC発動!ドンッ!!!)
このえっぐい本も、あのどえろい本も
この島の連中にとってはお宝なんだ
乱暴に扱っていいはずがねぇ!
お互いの魂(性壁)を許し合おうぜ
エロいもんが好きって気持ちに貴賎はねぇだろ!
心はひとつ
魂の奥底に吹きすさぶ風に乗れば、どんな荒波だって乗り越えられるはずだ!

我らの名はシルフィード!!
俺の好きな寿司は海老中トロ卵焼き!!!
自由の風を思い出せ!!

※すべてを受け止める大海原の心
※どすこい女装相撲だって好きなやつがいるんだろ!!それでいいじゃねえか!!!!


海鸚・アンデラ
【風海】


アンデラは たおれている
ただの しかばね のようだ


●補足
乱舞するエロ本に耐えきれず、早々に出血多量(鼻血)でリタイア
すごく邪魔なところで倒れてる
仲間に踏まれたりするかもしれない
彼は丈夫なので大丈夫です

戦闘がなんとなく落ち着いた頃に起きて、エロ本が目に入ってぶっ倒れる

\ ピッッッ‼︎ / バタン


マグノーリャ・ヒミングレーヴァ
【風海】

飛び交う本?女神には小さくて見えない!
宝物保管しておくヨー、ヘイパス!かむかむはむにだ〜!(谷間に仕舞う)

ヤー・ダゥ!苦しい時にはtrès bien!
好きなSUSHIの話とお酒ヨーーー!!(WINE SPLASH !!!)(以下BGM女神)

ツナは魚の大王様〜♪泳ぎ続けて疲れ果てた〜紅い宝石ちょっとsexy〜〜♪
カニのハサミとShake hands〜釣り上げたピースサインをHold up世界平和〜〜♪✌️✌️
DOS・恋相撲で白黒つけたら〜買った方がSUSHI奢り〜♪♪

盛り上がってるー!?
ヤー!?(耳を傾ける)
ダゥー!!(yeaaah!)(酒追加)

あら?悪い蟲が飛んできた?
てぁっ(プチっ)



「「「「ヤァー・ダウ!!」」」」
 陽気で豪快なシルフィード海賊団の野郎どもと女神、今日も陽気に戦いへ。
 さあいざ進め! 敵は邪悪なコンキスタドールども!
 秘宝をばらまき心を奪い、青少年のなんかを破壊しようとする悪党どもだ!
 略奪だ! ぶち殺せ! カトラス振り上げいざ進め!

 ……と書くと実に海賊の戦いっぽくなるが、状況が状況であった。
 あたりに散乱する大量のエロ本。ブンブンうるせえはたらきばちども。
「おいおいなんてモン投げつけてくんだよ、しかもこいつが秘宝だァ?」
「ぶわっはっはっ!! てめぇにゃわからんか青二才! 所詮はガキよ!」
 呆れた様子のアイザック・マグナに対し、バッカニア・マグナは呵々大笑。
 さすがは現役70歳のクソジジイ、アイザックを文字通り子供扱いだ。
「はっは! くだらねえこと言いやがる。結局たかがエロ本だろうがよ!
 この程度シルフィードのモンならこれっぽっちもビビりゃしな……あ???」
 そしてアイザックは隣を見た。そこに海鸚・アンデラは居なかった。
 視線が下にずれる。アンデラらしきなんかが崩折れて痙攣していた。
「ピ、ピィイイイ……」
「「アンデラー!?」」
 マグナ親子、大いに驚く。なにせアンデラはシルフィードの勇ましき海賊。
 普段なら優雅に空を舞い、なんかこう華麗に戦ってくれるのに!
 なのに、この有様であった。お、恐るべし、コンキスタドールの陰謀!
「どうしたアンデラぁ! まさか知らない間に攻撃を食らってたのか!?」
「馬鹿野郎、見てわからねえのか!? こいつは不意打ちに違いねえぜ!!」
 マグナ親子、大いにシリアス顔である。そのぐらい信頼は厚かった。
 そんなまさか……まさか、アンデラの悪癖がここで出たとでもいうのか!?
 相手が女性ならばまだしもただのエロ本で? そんなはずがない!
 これは卑劣なコンキスタドールの陰謀に違いない……親子は拳を震わせた!
「ジジイ。からかいはナシだ。今日ばかりは肩を並べて本気で戦うぜ!!」
「ぶわっはっはっ! ええじゃろう。真の男っちゅうもんを見せてやるわ!!」
 シリアス顔のマグナ親子! その足元でビクビク震えてるアンデラ!
 そして飛来する大量のエロ本! ブンブンうるせえはたらきばちの群れ!
 どう見てもここが地獄ですほんとうにありがとうございました。

「それにしてもエロ本が邪魔で仕方ねえ! マグノーリャ!!」
「ヤー・ダゥ! あろはろ出番ネー?」
 アイザックの声に応じ、マグノーリャ・ヒミングレーヴァがぬうっと現れた。
 彼女は女神様だ。つまり女性――だが、エロ本はノーダメージ!
 なぜ? それは彼女がビッグサイズの女神様だからである!
 なんか小さい書物とか、まったく見えないのだ!
「この本が邪魔だ、こいつを集めておいてくれ!」
「なんだとぅ!? 男の夢を女に回収させるなど!」
「ええいうるせえぞジジイ! マグノーリャ、ほらよ!」
「ヘイパス! かむかむはむにだ~!」
 アイザックが次々にエロ本をキャッチし、マグノーリャに投げつける。
 マグノーリャはそれを胸元の谷間(!)にしまうのである。セクシー!
『巨女いいよね……ブ~ン』
『でもちょっとサイズデカすぎないかブ~ン?』
『は?』
『は?』
 なんか敵のほうでも同士討ちが起きていた。なんだこれ。
「ピ、ピィイイイ……」
 そして足元でアンデラはマグロめいてパクパク口を開いていた。なんだこれ。
「ふん! わしは男の夢をすべていただ――ぶわっ!?」
 そしてバッカニアが勇んで突撃しようとしたその時、顔面アタック!
 なにやらぶち当たったのは肌色率の低い奇妙なエロ本であった。
「いてて、ん? なん……『どすこい女装相撲』????」
 バッカニアは頭の周りにはてなマークを浮かべながらエロ本を開いた。
 おお……それはたくましい、漢と漢のぶつかりあい。
 汗と涙と愛の物語。
 普通に相撲をすればいいのに女装する変な力士どもの戦いのラブストーリー!
 ――どすこい、女装相撲。濡れ場はおもに土俵上で進行する。
「な??? ん???」
 バッカニアは何もかも理解できなかった。なんだこれ?
 だがエロ本の中では、どすこい力士(女装のすがた)たちのくんずほずれつ!
 肌色だって見える! まあ全部力士のむちむちボディなんだけど!
「アイエエエ!!」
 バッカニアは悲鳴をあげた。ジジイは膝を折る。だが、ALAS!
『続編もプレゼントだブ~ン!』
『どすこい女装相撲2~僕がどすこいダンサーになった理由~だブ~ン!』
『どすこい女装相撲3~そして横綱へ~もあるブ~ン!』
「アアアアアアーッ!?」
 バッカニアは頭を抱えた。理解できない!
 はたらきばちのこうげきのしょうたいがつかめない!
「――聞け!!!!!!!」
「「「!!!!」」」
 どどん!! そこで、アイザックがすさまじい覇王色の大声をあげた!
 バッカニアも、マグノーリャも、はたらきばちも、しかばね(アンデラのすがた)も意識を奪われる!
「このえっぐい本も、あのどえろい本も――この島の連中にとってはお宝なんだ」
「えっ!? どすこい女装相撲シリーズもか!?(バッカニア)」
「ああそうだ! 乱暴に扱っていいはずがねぇ、お互いの魂を許し合おうぜ!!」
 アイザックは至極真面目顔であった。アンデラは痙攣していた。
「エロいもんが好きって気持ちに貴賤はねぇだろ? そう、心はひとつ――。
 魂の奥底に吹きすさぶ風に乗れば、どんな荒波だって乗り越えられるはずだ!!」
「どすこい女装相撲でもか!?」
「どすこい女装相撲でもだ!!!!」
 どどんっ!!(アイザックの背後に出てくるオノマトペ)
「我らの名は! シルフィード!! 自由の風を思い出せ!!!」
「たしかにどすこい女装相撲は自由だけどよ!」
「マグノーリャ! BGM、カモンッッッ!!!」
 パチン! アイザックのフィンガースナップに合わせ、マグノーリャが踊りだす!
「オウイエー! 苦しいときにはtrès bien! 好きなSUSHIの話とお酒ヨーーー!!」
「俺の好きな寿司はエビ中トロ卵焼きだァ!!」
 パパーン! チャッチャララー、ダーダダダッダー、スパーン!(大量のワインスプラッシュ)
「ツナは魚の大王様~♪ 泳ぎ続けて疲れ果てた~紅い宝石ちょっとsexy~~♪
 カニのハサミとShake hands~釣り上げたピースサインをHold up 世界平和~♪✌️✌️
 DOS・恋相撲で白黒つけたら~買った方がSUSHI奢り~♪♪ オウイエー!」
「「「イエー!!」」」
「お前らぁ!?」
 いつの間にか出てきて完全にエビバディセイ! してる元船員(幽霊)にビビるバッカニア。
「盛り上がってるー!? ヤー!!」
「「「ダゥー!!」」」
「いやだからお前らいつのまに出てきた!? なんでそんなアゲアゲになっとる!?」
「あろはろお酒追加ヨー!」
 スパーン!(さらなる大量のワインスプラッシュ、カピカピになるエロ本)
「見ろよジジイ――こいつが、俺たちシルフィードの魂さ」
「この状況に対応してるのウソだろ……???」
 バッカニアは完全に置いてけぼりになっていた。アンデラは痙攣していた。
「おいアンデラ、いい加減に起きろ! ほれ、エロ本だぞ!」
「ピッ!!!!!!」
「しんだ」
 そしてバッカニアにトドメをさされた。
 降り注ぐワイン。乱舞するエロ本。その余波でぶっ殺されるはたらきばち。
 痙攣するアンデラ。ぽかんとするバッカニア。狂乱するアイザックとマグノーリャ。
 ――地獄絵図であった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ロカジ・ミナイ
イサカ/f04949

さぁ…受け入れるには大きさに難があったんじゃない?(多分黒船の話)

エロ本持ってるはちだよ、珍しいね
…はちもエロ本見るんだね
どこでなにをどうやるんだろうね

…ん!?
僕が闇に葬ったはずの本を何故持ってる!?
何でよりによって、えっ、こわ〜い!
どうしようイサカ!僕やっぱり呪われてるんだ!
本当に生態系壊れたんじゃないの?
お兄ちゃんって言うなエロ本の角で殴るぞ

震えて針に狙われようと
忍ばせてた『完全緊縛マニュアル』が阻む
さっき手にしたお宝に命を救われたのさ
お宝のお宝部分と引き換えに
…僕は受けの異常者ではない

キレた僕は全部燃やす
はちもエロ本も全部!お焚き上げだ!

そのハメ撮さっきと違くない?


黒江・イサカ
ロカジ/f04128と



エロ本以外何もないって言うなら、新しいものも受け入れて欲しいよね
黒船襲来だよ ジョイトイだよ
イサカオブジョイトイなのに

どれどれ、ハチとロカジの好みに合わないエロ本がなんだって……
わっ 見て ロカジ!
妹物だ!
しかも猫耳だよ!
尻尾までついてるスゴイヤツだ!
見て!見て見て!あんなことからこんなことまで!
妹に愛されちゃってるよ!ロカジお兄ちゃん!

僕が呼んだって精々弟なのに…
あ~あ怒っちゃった、ぼく知~らないっと

僕?僕は刺されないよ
だって攻めだし
とんでもなく地雷ってのもないなあ
僕、普通の男だし
ついでにハチさん、僕の秘宝も見るかい?
これが君らの探し物かはわからないけど…

ハメ撮



「エロ本以外なにもないっていうなら、新しいものも受け入れてほしいよね」
 黒江・イサカはかなり恨めしそうな顔で言った。
「まあ、大きすぎたんじゃないかな。いやショックがね」
 ロカジ・ミナイは、なぜかニュース番組のコメンテーター風の顔で言った。
「黒船襲来だよ? ジョイトイだよ、いわばイサカオブジョイトイなのに」
「仕方ないよ、あんな大きさじゃね。いや、黒船がね」
 なにやら含みのあるロカジの台詞。そこまでだ!!
『『『そこまでだブ~ン!』』』
「……はちだ」
「はちだね」
 イサカとロカジは顔を見合わせ、そしてはたらきばちを見た。
『『『ブンブ~ン!!』』』
「エロ本だよ」
「エロ本だね」
 そしてとんでくるエロ本! そもそもはちがエロ本を集めるってなんなんだ?
 こいつらもこいつらでエロ本を楽しんでるのか? ……どうやって?
「はちがエロ本読んでどうするんだろうね」
「はちがどこで何をどうやるんだろうね」
『『『そこまでだブ~ン! このエッグいエロ本を喰らえブーン!!』』』
 しかしイサカとロカジはかなりの"玄人"である。
 そんじょそこらのエロ本で心を乱されることはない――いや、しかし見よ!
「わっ、見てロカジ! あれあれ!」
「え、なんで君僕を陥れにかかってんの? ねえ?」
「いいからほらこれ、見てごらんって!」
「いやだからわざわざ拾う必要が……ん!?」
 ロカジはしかし、イサカがわざわざ持ってきたエロ本を見て表情を険しくした。
「妹ものだ! しかも猫耳だよ! 尻尾までついてるスゴイヤツだ!
 うわーすごーい! 語尾に「にゃ」とかついてるよこれ、すごいねえ!」
「僕が闇に葬ったはずの本が、な、なぜ……!?」
 タイトルもタイトルで、『東京ニャウニャウ~ご奉仕するにゃん~』とか、
 いかにもそれっぽい感じであった。もえもえでロリロリな猫耳娘本である。
「どうしようイサカ! 僕やっぱり呪われてるんだ!!」
「いやーすごいねこれ、絵柄の割に内容がかなりエグいよ面白いなあ。
 妹に愛されちゃってるよ! よかったねロカジお兄ちゃん!!」
「お兄ちゃんって言うなエロ本の角で殴るぞむしろグーで行くぞ」
「えっ怖っ。どうしてそんなに怒るにゃロカジお兄ちゃん」
「よしわかったお前を殺す」
 ロカジの目は完全に据わっていた。コワイ!
『隙アリだブ~ン!!』
「ああーロカジーあぶなーい(棒読み)」
 そこへ襲いかかるはたらきばち! 針がロカジの心臓にグサー!!
 あわやロカジ、こんなトンチキなシナリオで命を落とすのか……!?

 ――いや、見よ!
「悪いね。こんなこともあろうかと忍ばせておいたのさ――エロ本を」
 ロカジは不敵に笑い、胸元から分厚いエロ本を取り出した。
『完全緊縛マニュアル』! 無駄に分厚いエロ本が彼を救ったというのか!
 しかし、ああ……針が貫通したことで、お宝のお宝部分が台無しだ!
「……僕は受けの異常者ではない。というわけですべてお焚き上げだ!!!!」
『『『アバーッ!?』』』
 KA-BOOOOOOM! 可燃性丸薬が炸裂し、エロ本もハチの群れも焼き尽くす!
 はたらきばちどもは苦悶の叫びを上げた。だが奴らの恐れは別のところにあった。
「な、なぜ……なぜお前は、エロ本に心揺らがないブ~ン!?』
「いや僕、普通の男だし。あと攻めだし」
「受け攻めは関係ないよねこの状況で」
「むしろ僕の秘宝を見せてあげたいよね。このハメ撮」
『『『サヨナラ!!』』』
 はたらきばちの群れは爆発四散! イサカのスマホも無惨!
「あっ」
「……いまのそれ、さっきのやつと違ったよね」
「他にも色々あったんだけどな……」
「黒船っていうか無敵艦隊だよねもはや」
 恐るべしイサカ――エロの開国を迫る強者……いわばエロのペリー……!!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

三咲・織愛
シオンくん(f09324)と

すっかり観光を楽しんでしまいましたけど、
ようやくコンキスタドールとの戦いですね!
さあ、張り切って行きましょう、シオンくん!

!!!
本を投げるだなんて、なんてハチ達なんでしょう!
どんな本であろうと編纂や編集に携わる人達がいるんです
蔑ろにするなんて許せません!

さあ覚悟……、(視界に入るエロ本)
…………、(蘇る以前の依頼の記憶)
……きゃーーーっ!! だめーーーっ!!(真っ赤になりながらシオンくんを突き飛ばす)

だめです! シオンくん! 目を閉じてください! 見ちゃだめ!
シオンくんが見るのは10年くらい早いです!

うちの子に変なものを見せないでくださいー!!
(ぼっこぼこにします)


シオン・ミウル
織愛(f01585)と

やる気があるのはいいと思うんだけどさー……、あんまり張り切りたくはないっていうか。俺向こうに行っててもいい? だめ? 聞いてないなこれは。

あ、怒るポイントそこなんだ。そっかー。許せないよなー。
それじゃあもうハチをぼこぼこにするしかないね。それ以外は見ないようにしような。

…………えっ。(完全に不意打ちにで突き飛ばされる)(信じられないものを見る目)
……いや、そっち?? そうくる??? いくらなんでも子供扱いし過ぎっていうか、俺のこと妖精かなんかだと思ってない?

なんかすっごい納得出来ないんだけど……まあ憂さ晴らしにはちょうどいっか……。
むかついたから全力魔法で本気出してこう。



「本を投げるだなんて……なんてハチたちなんでしょう!!」
「あ、怒るとこそこなんだ」
 激昂する三咲・織愛のノリに、シオン・ミウルはちょっと呆れた。
「それはそうですよ! どんな本であろうと編纂や編集に携わる人たちがいます!
 それをないがしろにするなんて許せません! さあ、覚悟してもらいますよ!」
「まあそっかー、許せないよなー。それじゃあもうハチたちをぼこぼこにするしかないね。それ以外は見ないようにしような」
「え? 何がですか? 一体どういうことですかシオンk」
『『『エッグいエロ本を喰らえ! ブーン!!』』』
 そこへ飛んでくる無数のエロ本! 反射的にキャッチする織愛!
「あ」
「むむっ! だからダメですよ、本を投げたりしては!」
「いや織愛、いいからそれを棄てて」
「捨てる!? ダメです!! どんな本でも大事な……」
 織愛、ぷりぷり怒りながらもエロ本を読み始めてしまった。
「…………」
 そして蘇る様々な記憶。具体的に言うと、一年前のあの依頼の記憶!
 UDCアースでトンチキしまくった、あの呪わしい魔導書との戦いの記憶……!
「……きゃーーーーーーーーーーっ!!」
「あーあ」
「だめーーーーーーっ!!」
「えっ」
 ――どんっ!
 シオンは不意打ちで突き飛ばされ、信じられないものを見る顔で織愛を見上げた。
「だめです! シオンくん!! 目を閉じてください!! 見ちゃダメ!!」
「えっ、いやええ……そっち?? そうくる???」
「シオンくんには10年早いです!!」
「…………いくらなんでも子供扱いしすぎでしょそれ……」
 完全に赤面して織愛は怒っていたが、シオンはそれが気に入らなかった。
 もしかして彼女は自分のこと、妖精かなんかだと思ってないんだろうか。
『ブブブブブ~ン(笑い声)恥じらう娘は最高だブ~ン』
「うるさいです!! うちの子に変なものを見せないでくださいー!!」
 SMAAAAAAAAAAAAASH!! 鉄拳炸裂!
『『『グワワワワーッ!?』』』
「……久々に全力でやっちゃおうかな。なんかムカつくし」
『ブンブ~ン!? 子供扱いされたのが気に入らないからって八つ当たりは』
「ほら、斬り裂かれちゃいなよ。バラバラにしてあげるからさあ!」
『『『アババババーッ!!』』』
 鉄拳! 風刃! はたらきばちは叩きのめされ斬り裂かれバラバラだ!
 地獄が始まったのだ……はたらきばちにとっての地獄が……!!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ヴィクティム・ウィンターミュート
【アサルト】

いや蜂のムーブ雑かよ(急に冷静に戻る端役)

…くっ!!しまったアレは鼻水そうめん先生の傑作!!
まずい、まずいぞこのままでは…世界が…!!
ぐぉおおおおおおニューロンが乱れる!!アカンこれ!アカン!
大家さんのお手伝いをしたことでお礼に家にあがらせてもらい、そこで何やかんやするという王道シチュをこれでもかと煮詰めたアレが!!

この作品は7連作なんだが俺は4が一番すこだ
何せ高校自体の制服を着るという回だからだ
もうオバサンだよ~なんてお決まりのセリフを…
はっ!?まずい俺は何を 匡が居なければ危なかった
ネグルはまぁ…大丈夫だろ

というわけでジャーック!
煩悩を焼き払えジャーック!孤独なスケベ戦士!!


鳴宮・匡
【アサルト】


毎度思うんだけどさ
なんでこの手の仕事だとオブリビオンまで知能指数下がってんだよ
いやもともと蜂に知能とか期待しちゃダメか……

まあいい、粛々と仕事をしてさっさと帰ろう
熱だろうが蜜だろうが知ったことじゃない
当たらなければ何の関係もないし
なんなら撃たれる前に殺せばいいだけだ

投げつけられた本に目移りしたやつは鼻先を狙撃して無理やり正気に戻す
は? 当てるわけないだろ
お前らの行動パターンなんか読むまでもなくわかる
その“好みの本”とやらを抹消しないだけありがたく思ってくれ

巻き込まれたこっちはさっさと終わらせて帰りたいんだよ
いいからよそ見してないできりきり働け
懐に忍ばせたブツを抹消されたくないならな


ネグル・ギュネス
【アサルト】
蜂かぁ、厄介だよな群れるし
てか何やってんだよヴィクティム、そう言うのは倒した後に回収すりゃいいじゃないか

まあとりあえず纏めて殺虫──

(投げられた本)
(妖精NTR本)(若女将接待本)(聖女(に似た)女性写真集)

──ブチッ──

塵殺しにする、今決めた
ただでさえ最近色々あったトコだ、発散する


──来い、ファントム(バイクは心底嫌そうに来る)

匡は近いやつを潰してくれてる
ヴィクティムも、………なんかしてる、ならば

二人とも、10sec後距離を取ってくれ
纏めて圧殺するから

跳躍しながらバイクに乗り、力を溜めながら急降下!

【天から来る一撃】を以て!
貴様ら全員、押し潰されるが良い!!

本ごと!消え失せろ!!


ジャガーノート・ジャック
★レグルス

―次回予告―
乱れ舞う地雷、遂に膝をつく豹鎧。
そんな窮地に参上するのは――何と電子悪魔!?

灼鋼のレグルス 次回「ロストメモリー」
テレビの前の皆もレッツアセンション!


(ザザッ)
くっ、何て凄絶な狂気の嵐(女装本/他にも色々やばい奴)……!
心が挫けそうになったのは久々だが負ける訳には……

ん?
待て
なんでお前が出てk【書換実行 "対象"⇒"味方"に変換。同志討ちを誘発。】

――!
トラウマ達が敵に殺到していく!
いいぞラp【マ○ンクラフト ○ムシティ 記憶剥奪】

【おきのどくですが セーブデータは きえてしまいました▼】

―――。

は???

【m9(^Д^)プギャ-】

‥‥‥


殺す。
(豹鎧、キレた―ッッ!!)


ロク・ザイオン
★レグルス

(【野生の勘】で次回予告を受信する。ぴきゅーん)
レッツ・アセンション……!?

(――アセンションとは
(異なる性癖を)認め、
(己の性癖を)高め、
理想へと至る道を探求する「輝き」であった)
なるほど、そうか…!
(故に己も光る
痛みをおおらかに受け入れながらも
ひとは傷を癒やし、前に進むのだかr)
……。
(あっ黒髪美少女(12歳以下)が可哀想な目に遭うセンシティブ書籍)
それはだめだ!!!
(咎人殺し、キレた!)

(なんかちょうど良く蜂がベタベタ動かなくなってくので片っ端から【早業】【焼却】
地雷程度でこのレグルスが止まると思うか!!)


祇条・結月
えっ、どうしたらいいのこれ
いや、はい。戦うんですね
色々ありすぎて挫けそうで、もうわりと帰りたい……無理だよね
僕は猟兵なんだから(マインドセット)

って【覚悟】はしたんだけど
なにこの攻撃
要らないなら集めなきゃいいだろ!
勘違い? 知るか、ばか! おかげでこっちが迷惑してるんだからな!!!!

無心になることに努めて、エロ本は中身が見えないように
苦無を【投擲】で貫いて、正確に撃ち落としていく

地雷を目にするのはもちろん嫌だし、気になるものが目に入るのも困るし
心を強くって話ならいつかの邪神本の時みたいに、あの娘の幻に縋るのも嫌だから

数が多すぎるなら鍵を掛けて敵全員止める
後は渾身の突っ込みでノックアウトするね


杜鬼・クロウ
好みと地雷がランデブー

黒髪ロングのきょぬー美女特集、だと
血桜の木の下で和服が肌蹴る…肩から胸の曲線美
水着で露わになる下乳と太腿と蒼蝶
シースルの春桜フリル服…透け具合えっろ
誰かに似てる気ィするケド

余す事無くきょぬーを全面に押してきやがって
くっそ流石の俺も為す術が、ない!
嘗てない程の強敵…ドラゴンテイマー並だぜ
俺はここで死ぬ…のか

否!
俺の正道は性癖(ゆめ)ですら阻めない(きりっ
来たれ、八咫烏
上から格好良く斬りかかるぜ
読んでるから邪魔すンな
本は傷つけねェよ
持って帰るし

幼女が痛いコトされる本はダメ絶対
可哀想だろ
NTR?俺は好きな女は奪ってでも手に入れるし諦めねェ
まァ…一度棄てちまったがな(突然真面目



●これまでのあらすじというか次回予告というか
 過酷なエロ本コレクションを乗り越え、ついに戦いに臨んだ猟兵たち。
 そこかしこで(はたらきばちの)悲鳴がこだまし、(はたらきばちが)爆発四散する地獄絵図。
 そこへやってきた男たちに、ついに最大の試練が訪れる!?
 しかしそんな彼らのピンチを救ったのは意外なユーベルコードだった……!
 次回、灼鋼のレグルス、もしくはアサルト・ザ・アソールト、もしくはエロ本ラプソディ!
「ロストメモリー、もしくはエロ本交響曲」
 テレビの前のみんなも――レッツ、アセンション!!

●なんだったんだいまの
 というわけで(?)はたらきばちの数もついに減りつつあった。
 だが……ALAS! そこにやってきた猟兵たちはほとんど膝を突いていたのだ!
「くっ!! なんてこった、俺としたことがこんなことになるとは……!!」
 ヴィクティム・ウィンターミュートは悔しげに地面を殴りつけ、歯噛みした。
 あらゆる戦場において、最適な勝利をプロデュースすべき超一流の端役。
 そんな己が、こんなトンチキな戦場で膝を突いてしまうなどと……!
 ああ、だがしかし、一体誰がヴィクティムを無能と謗れようか?
 後ろの鳴宮・匡は全力で呆れ顔だが、しかし彼にもヴィクティムは揶揄できない!
 出来ないったら出来ない! 匡は「いいからさっさと戦え」みたいな顔してるが、
 これはトンチキシナリオであり今は一種のムービーシーンであるからして、
 とりあえずツッコミはさておいてここはやられていただくしかないのだ!
「アレは――アレは、鼻水そうめん先生の傑作!!!!」
「いやだから誰だよ鼻水そうめんって」
 至極ごもっともなツッコミだった。しかしヴィクティムには届いていない。
 ヴィクティムが敬愛する鼻水そうめん先生……大型即売会ではシャッター横が定番……の最高傑作と名高いエロ本!
 その名も「はじめてのおてつだい~未亡人の大家さんとメゾンで一刻~」!!
「大家さんのお手伝いをしたことでお礼に家に上がらせてもらい、そこでなんやかんやするという王道シチュをこれでもかと煮詰めたアレが!!」
「内容羅列する暇あるなら立てよ」
「なんだかんだ大家さんもあんなことやこんなことを期待していたことがわかり、後半に大家さんが「……する?」って斜め上目遣いに問いかけてくるシーンが満足度ナンバーワンと各国で噂のあの最高傑作がああああ!!」
「だからもうお前戦えるだろ立てよ」
 匡の言葉はまったく届いていなかった。
「ぐぉおおおおおニューロンが乱れる!! あかんこれ!! アカン!!」
 ヴィクティムは悔しげに地面を殴る。匡は絶対零度の眼差しで見下ろしていた。

 しかし、戦えなくなってしまったのは彼だけではないのだ……!
《――くっ、なんて凄絶な狂気の嵐だ。これは……!》
 そう、冷徹無比なる兵士、ジャガーノート・ジャックも膝を突いていた!
 彼の周りに散乱したのは……ALAS! 女装本に女装バニー本、そして女装タイツ本や女装ハイヒール本、あと女装メガネっ娘特集や女装オフィスレズ本!!
 特にバニーの比率が高い! いつになったらピンナップを頼んでくれるんだ!!
 まるで世界がジャガーノートに(というかジャガーノートの中の"彼"に)
 早急なピンナップ依頼を急かすかのような、そんなラインナップ!
 本当にいつになったら頼んでくれるんだ、一年前からずっと待っております!!
《――こうまで心が挫けそうになったのは久々だ……》
「ジャック、だいじょうぶか。アセンションするか?」
 相棒であるロク・ザイオンは心配そうに彼の顔を覗き込み、光った。
 ようは生まれながらの光を使った。そう、これこそ彼女なりのアセンション。
 アセッションとは異なる性癖を認め、己の性癖を高みへと導き、
 そして理想へと至る道を探求する――いわば、輝き(シャイニング)であった。
 多分それがあると、ジャック・ニコルソンに斧で追いかけられても逃げられる。
 ともあれそんなわけで、ロクは光り輝いていたのだ!
 そう、エロ本探しをしていたネグル・ギュネスやヴィクティムのように!
 その光にはこれっぽっちも意味がありゃしねえのだが、それはそれ!
 彼女の学びと気付きを無下にすることなど、そこで呆れてる匡にも不可能!!
「ジャック、これで楽になるか? アセンション――あ」
 だが、ALAS! ロクの足元に転がってきたのは、これまたエッグいやつだ!
 黒髪美少女(しかも12歳以下のガチガチのペドである)が可哀想な目に遭う、
 もう本当にやばげでLでOな感じのエロ漫画! ロクはへなへなと崩折れる!
「かわいそうなのはだめだ……(光りながら)」
《――なんという狂気、これはもしや邪神の仕業か……!?》
 女装! ロリ! 女装! バニー! バニー! 女装! ロリ! 女装!
 超高速回転する混雑時の回転寿司めいた強烈なエロ本コンビネーション!
 さしもの無敵コンビたるレグルスとて、これには立ち上がれない……!
「うん、なんだろうこの状況。僕もうかなり帰りたいんだけど」
 そして祇条・結月は、エロ本とはまた別のベクトルで戦意喪失していた。
 一旦は「僕は猟兵だしなんだかんだ戦わなきゃ」とマインドセットしたが、
 なんかもうエロ本がどんどん飛んでくるし兄貴分めいた匡の視線は痛いし、
 例にもよって寮に戻ったらお説教確約してるしジャガーノートの視線は暖かいし、
 ここに来るまでも15回ぐらい浴衣をネタにいじられつづけたし、
 やっぱり状況がトンチキだしでもう心が折れそうになっていた。
 無心になろうと努めようと、他のみんながふざけてるからついてけねえ!
 あっ匡がまた冷たい瞳でこっちを見てる! そしてなんかため息つかれた!
「だいたいエロ本が要らないなら集めなきゃいいだろ!! 投げ捨てるなよ!」
『わかってないブ~ン、お前みたいな子供が心折れるのを見るの最高だブ~ン!』
「最悪だよこいつら!?」
 というわけで、結月も結月で戦いどころではなかったのだ。
「テメェらどうした!? くっ、こうなったら俺がやるしかねえ!」
 そんな死屍累々(匡除く)の状況に駆けつけたのは杜鬼・クロウ。
 彼は一瞬で劣勢を察知し、黒魔剣を引き抜きはたらきばちを倒さんとした。
 だが、ALAS! クロウもまた、飛んできたエロ本の前に膝を突く!
「……そっちはどうしたんだよ」
「黒髪ロングきょぬー美女特集本、だと……!!」
「あ、うん」
 匡の眼差しから音速で熱が引いた。世界から善きものが消えていくような気がした。
 そう、クロウが食らったのは、なぜか妙に和服で黒髪ロングな美女が多い本。
 何故か羅刹ばかりが載っており、しかもやけに桜とのカットが多い。
 ん? これどう見ても特定個人指してねえか? いえ被写体は無関係です!
「シースルーの春桜フリル服だとぉ……!? 畜生、透け具合えっちじゃねェか!!」
「何に対する怒りだよそれ」
「あますことなくきょぬーを全面に推してきやがって……勝てねェ……!!」
「なんでどいつもこいつもこんな状況で駆けつけてきたんだ???」
 匡のツッコミはごもっともだった。

 ……しかし。この場で立ち上がったのは匡だけではなかったのだ。
「黒髪羅刹桜が似合う系日本刀和服美人の特集本、だと……?」
 ゆらり。陽炎めいて立ち上がったのは――おお、ネグル・ギュネス。
 彼の目は据わっていた。その手には、妖精美少女のNTR本……!
 全身からすさまじい闘気が立ち上り、黄金瞳が殺意にぎらつく……!
「ふざけやがって……テメェら、このオレの地雷を全力で踏みやがったな……?」
 そう……ネグルもまた(被写体は間違いなく別人なのだが)和服で羅刹で桜が似合って女将で、あと日本刀が似合い首とか欲しがるどこぞの方と縁深い男。
 そこへ彼の想い人であるフルールとこれまたよく似た妖精美少女のNTR本とか飛んできて、もはやネグルの地雷は完全起爆していたのである。
 ド許せぬ、コンキスタドール! ことごとく鏖殺すべし!!
「相棒――片付けるぞ。こいつらは皆殺しにする」
「真面目になるの遅すぎるけどまあいまさら贅沢は言わねえよ……」
 ぎらりと殺意を剥き出しにしたネグルの様子に、匡はやれやれと呆れた。
 そしてヴィクティムの鼻先にBLAMN! 弾丸をかすめさせて正気に戻す!
「アイエッ!?」
「いいから戦うぞヴィクティム。ほら、結月も」
「あ、う、うん。そうだね、僕も戦わないと……うん」
 かくしてチーム・アサルトと不幸な少年(浴衣が好き)は戦意を取り戻した。
 ああ、だがレグルスのふたりよ! 君達はもはや立ち上がれないというのか!?
 ――いや!
 見よ。ジャガーノートの体から滲み出るように現れた電脳の悪魔を。
 おお、ラプラス。代償を得て現実を書き換える恐るべき電子の悪魔。
 嗤笑する悪魔は、ジャガーノートとロクのトラウマを電子データにして吸い上げ、
 それを逆にはたらきばちへと叩きつけたのだ!
『グワーッ女装グワーッ!?』
『女装ピンナップグワーッ!?』
『アアアアアーッ!! 女の子が可哀想な目にィー!!』
《――いいぞ。トラウマが敵に殺到していく。ロク、立ち上がるんだ》
「……それだけは」
《――ロク?》
「かわいそうなのは!! それだけはダメだ!!!!!!!」
 どんっ!! 森番、キレた!! 光も強まる! アセンションだ!
「おしえてやる……アセンションの恐ろしさを……!!」
《――……まあ戦うつもりになったならばいい。ラプラス、よくやっ えっ》
 デロデロデロデロデロデロ デーロー(どこぞでおなじみのあのメロディ)
 ジャガーノートの電子HUDに表示される無慈悲なメッセージ。
「おきのどくですが ゲームのセーブデータは きえてしまいました▼」
《――…………》
 ピコッ(メッセージが改行された音)
『m9(^Д^)プギャ-』
 ラプラスであった。かの電子の悪魔はその力に代償を要求する。
 持っていかれたのだ……よりにもよってサンドボックス型クラフトゲームのデータを……!
 あとこう平和主義者が核ぶっ放したり街をシムするゲームの膨大なセーブデータを!!
《――殺す》
 ジャガーノート……キレた!!
「うおおおおお俺はこのシリーズだと4が一番すこなんだよぉおおお!!
 なにせ高校時代の制服を大家さんが「もうオバサンだよ~恥ずかしいな~」なんて定番の台詞を言いながらそれでも着てくれて、ちょっぴりパツパツになった制服でのあれやこれに臨む展開が最高だからだぁああああああっ!!」
 BRATATATATATA!! KRA-TOOOOOOOOOOOM!!
 ヴィクティムの喚び出した電脳プログラム版ジャガーノートと!
《――よし、殺す。プレイ時間XXXX時間の恨みを受けろ!!!!!!》
 本物のジャガーノートの超殲滅砲火! そして!
「来い!! ファントム!!!!!!」
 のろのろ嫌そうにやってきた愛機にまたがるネグルの超広範囲振り下ろし攻撃!
「アセンション!!!!!!!(ウォークライ的な掛け声)」
 ロクのばらまく光、あと烙印の刃からの炎が敵を焼き尽くす!
「あいつらの動き、僕が止めるよ。……どうしたの鳴宮さん?」
「……お前は妙なブツを懐に忍ばせたりしてないよな??」
「してないよ!?」
「そうか。まあ見ればわかるけどな――ヴィクティムはもう少しけしかけないとだな」
 完全に保母さんみたいな感じになってる匡の心労を察し悲しそうな顔をした結月であった。

 ……そして戦士たちの戦いぶりを見て、クロウもまた立ち上がった。
「ドラゴンテイマー以来の強敵……俺はここで死ぬのかと覚悟もしたがよ」
「そこまでか???(匡)」
「そうさ――俺はここじゃ終わらねェ。俺の正道(エロ)は性癖(ゆめ)ですら阻めねェ!」
「それキメ顔で言うことなの……?(結月)」
「本は捨てるな!! だが幼女が痛いコトされる本は許さねェ!!
 NTRなんざもってのほか――つまりテメェらは全員俺がぶっ殺す!!!!!」
 マシンを駆るネグルとともに、八咫烏を駆るクロウが戦場を駆け抜ける!
 火砲! 炎! 電子の悪魔の妨害と錠! 呆れ顔の匡の支援砲撃!
『『『ば、馬鹿なーッ!? どうして我らはたらきばちがやられるブ~ン!?』』』
「教えてやるぜコンキスタドール――テメェらのハチムーブ、雑すぎんだよッッ!!!」
 ヴィクティムは言い放った――そして、KRA-TOOOOOOM!!
 猟兵たちの怒りと涙と、エロへのたゆまなき欲望が敵を吹き飛ばす……!
「…………さっさと仕事終わらせて帰りたいんだよな。次こそ真面目にやってくれよ」
 頭をかきつつため息をつく匡の声は、心底疲れ切っていたという。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『収奪のウラヌス』

POW   :    横奪のバンシー
自身が【興味】を感じると、レベル×1体の【データ収集用ドローン】が召喚される。データ収集用ドローンは興味を与えた対象を追跡し、攻撃する。
SPD   :    侵奪のケートス
対象のユーベルコードを防御すると、それを【データへ変更し】、1度だけ借用できる。戦闘終了後解除される。
WIZ   :    攻奪のクラーケン
【これまでに収集したデータ】を使用する事で、【身体中から対象に有効な武装】を生やした、自身の身長の3倍の【戦闘用兵器】に変身する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

『――遅かったな、猟兵たちよ』
 なぜか山を抜けた先にあった特撮の撮影現場っぽい採石場、乾いた風が吹き抜ける。
 そこにひとり佇んでいたのは、そう――収奪のウラヌス。
 このトチ狂った島で、秘宝収集を部下に任せていたせいで何も知らず、
 ただひとりでシリアスな敵みたいな面をしている、可哀想なやつだ。
『残念だったが、この島に隠されていた秘宝はすでに手に入れたあとだ』
 しかし、ヤツは何を!? まさか秘宝は本当に存在していたと?
 猟兵がエロ本を拾い集めていたせいで、逆にやつが秘宝を手に入れてしまったというのか!?
 であればそれは一体――どんな恐るべきメガリスだというのか!?

『もはやこの身には、いかなる攻撃すらも通用しない』
 勝ち誇るウラヌスの体が、ゲーミングガジェットっぽく七色に光り輝いた。
 おお、あの輝きは! 島の男たちすらも知らなかった隠された秘宝!
 すなわち――『絶対最強ウルトラハイパースペシャルスーパー無敵マシン』の光!
 名前の通り、絶対最強ウルトラハイパースペシャルスーパー無敵の力を手に入れられうメガリスなのだ!
『さあ滅びるがいい猟兵よ。まずは貴様らを血祭りにあげてやろう!』
 恐るべき収奪のウラヌスの力が、猟兵たちに牙を剥く――!

「……なんだ?」
「おい、お前も感じたのか?」
「ああ……妙な胸騒ぎがしたっていうか」
 一方、そんな死闘を露知らぬ島の男たちは、あるヴィジョンを見ていた。
 それは、友誼を交わした猟兵(とも)たちが、ピンチに陥るという虫の知らせだ。
「なんだかよくわからないけど、妙に祈りたくなってきたぜ!」
「ああ、祈ればしょうたいふめいのボスもなんとかなるしな!」
「オオ、母(マザー)……!」
 男たちは姿を消した猟兵たちの心を強く胸に抱き、それぞれに祈りを捧げた。
 きっとどこかで(具体的に言うと島の採石場で)戦っている彼らの無事を祈って……!

 はたして、その祈りが届いたか。
 あるいは世界そのものが、猟兵たちに味方したのか。
 猟兵たちは直感的に理解した――絶対以下略マシンを倒す方法を。
 それは最初からそこに――この島に存在していたのだ。
 絶以下略ンの弱点! それは……エロなのだ!!
 戦う猟兵が心の赴くままに己の性癖を、主にどこがすこなのかを力説すること!
 それこそが、上略マシンの無敵性を打破する鍵となるのである!
 どこかのエモエモうるせえウサギと同じじゃねえか? いいんだよ細けえことは!
 そもそもエロ本に興味がない? でも多分なんか攻撃は通用するさ多分!
 とにかく、ここが最後の戦い。恐るべき敵を討ち果たすときだ!
 カセンジキの平和を人知れず守るため。多くのエロ本を、浪漫を守るため!
 エロを心に一、二と唱えよ――さあ、戦いだ!

●三章の特殊ルール
 収奪のウラヌスは密かに発見していた秘宝『絶対なんとかマシン』の力で、
 なんかすごい防御力とものすごい攻撃力を手にしました。めっちゃ強い。
 これを倒すには、あらゆるシリアスを破壊する力――つまり、エロこそが有効です。
 自分が好きな性癖について力説しまくる、
 手に入れたエロ本をとりあえず投げつける、
 トンチキな状況に翻弄され続けた怒りを八つ当たりする、
 おっぱい!!とかなんか適当に叫ぶ、
 普通にプレイングする、
 ……などの方法で、絶対なんとかの防御を乗り越え攻撃を叩き込むことが出来ます!
 エロ本に興味がない? うーんじゃあ好きな味噌汁の具を書いておくのはどうでしょう!
 とりあえず特にそういうのがなくても、なんか奇跡が起きて攻撃は通ります。
 プレイングボーナスも手に入ります。とりあえずそういうノリで、よろしくどうぞ。

●プレイング受付期間
 04月28日13時59分前後まで。
オーガスト・メルト
無言でUC【奥の手】を敵の眉間に叩きこむ。
更にもう一発、鼻っ柱に叩きこむ。
ついでにもう一発、みぞおちに叩きこむ。

【SPD】連携・アドリブ歓迎
黙れ。喋るな。とっとと骸の海へ還れ。
俺はとにかく一分一秒でも早くこの島から帰るんだよ。

敵の動きを【見切り】、UCを連発して全て敵の急所に正確に叩き込む。
どれだけ防御を重ねようとな、衝撃で【吹き飛ばし】てしまえば吹っ飛ぶし、
急所への【鎧無視攻撃】は反射的に避けようとしてしまうだろうし、
体内への【気絶攻撃】が通れば痛いんだよ。

そして、顎に叩きこむ。
おまけに喉笛へ叩きこむ。
最後に股間に叩きこむ。

とにかくお前が全て悪い。責任取ってここで死ね。



『ぬうっ?』
 収奪のウラヌスは、意識外から飛んできた一撃にたたらを踏んだ。
 眉間への攻撃。おそらくはフックは何かを投擲したことによる……。
『む……!』
 さらに一撃! 収奪のウラヌスは鼻頭への攻撃を一足早く反応し捌いた。
 それを牽制に突っ込んできたのは――オーガスト・メルトだ!
『貴様……!』
「黙れ。喋るな。とっとと骸の海へ還れ」
 オーガストは明らかな殺気を滴らせ言い捨てるとともに、手甲による打撃を放つ。
 すさまじい速度の拳打である。収奪のウラヌスは受けるので精一杯だ。
『貴様、一体何を言っている?』
「喋るなって言ってるだろうが。聞こえないのか?」
『ぬ……!!』
 重い。強烈なストレートパンチ――平時のウラヌスならまともに受けていたか。
 しかしメガリスの力がその身を守る。だがこの男の打撃はなおも……!
「お前は何も知らんだろうし知らせるつもりもない。が、俺は怒っている」
 オーガストは身を深く沈め、ぎろりと敵を睨みつけて言った。
 全身から放たれる闘気――収奪のウラヌスは本能的に直感した。
 次の一撃は受けきれない。避けることもすらも不可能……1
「だがとにかくお前がすべて悪い。責任取ってここで、死ね」
 何がなんだかわからない。そしてこのシナリオとは思えないシリアス濃度であった。
 オーガストは弾丸のように飛翔、強烈な一撃をみぞおちに重ねて叩き込む!
『がはっ!?』
 哀れなり、収奪のウラヌス。すべてはボスとして君臨したがゆえの自業自得。
 これっぽっちも事情も理由も説明してもらえない不憫なコンキスタドールへ鉄拳一撃!
 メガリスの守りを突き抜け、怒りの拳が叩き込まれた!

大成功 🔵​🔵​🔵​

ベイメリア・ミハイロフ
シチカさま(f21761)と



…はっ
ひ、秘宝を奪うとは、なんという不届きな輩でございましょう!
なんとしても、お退治申し上げなくては!
シチカさま、油断せずに参りましょう!参りますよ!

失せ物探しにてこの場に埋まるえっちな本を掘り当て
相手に余計なデータ収集をさせる為にご本をひたすら投げつけます
なんだか爆風や風が吹き荒れそうな現場でございますので
うっかりスカートがひいらりしてしまうやもしれません
もしくは転んだ拍子にそうなるやもしれません
そのような事になっては、わたくし、ひゃあーっとなってしまい
座り込みながら何かしら有効そうな技能を使いながらUCを

シチカさま、ご覧になられましたか?なられてませんよね??


シチカ・ダンテス
ベイメリアさん(f01781)と

恐るべし『絶対略ン』!
ベイメリアさんと協力して敵の防御を突破しなきゃ
でもそのためには恥を捨てるしか無いみたいだ!
ベイメリアさんみたいな人が恥ずかしい目に合うのが好きだなんて…
「…その、美しいものが汚れるのは…ゴニョゴニョ…」
あれ俺こんなキャラだったっけ?これは全部コンのせいだ!

🐺「小僧、人のせいにするのは良くないぞ」

そしてベイメリアさんのスカートが!瞼に焼き付く背徳的な光景
「見てません!(しっかり見た、白色だった!)」

「突然に訪れるラッキーな奇跡。これに勝るものはない」
悟り顔で何故か自信を漲らせて、半オウガ化をして敵を殴り倒そう!
コンが凄く嫌そうだが気にしない



「くっ……!」
「大丈夫、ベイメリアさんっ!?」
 吹き飛んだベイメリア・ミハイロフをかろうじて受け止めるシチカ・ダンテス。
 ふたりは敵を――ゲーミングガジェットめいて七色に光り輝く敵を睨む。
 収奪のウラヌス。このシナリオとは思えないシリアスな闘気を纏う強敵……!
 無敵とも思えるほどの強さだ。なんせ七色に光ってるんだからそらもう強い。
 古今東西、七色に輝いて専用BGMが流れたら無敵になると相場が決まっている。
 多分だけど、絶対なんとかマシンも星(スター)の形してたんじゃないですか?
「恐るべし絶対……絶対略ン!! まさかこんなに手強いなんて!」
「わたくしとしたことが、不覚を取ってしまいました。ですが!」
 ふたりは身構えると、視線を交わしこくりと頷いた。
 こんなところで退くわけにはいかない。奴こそがこの島の災いなのだ。
 なによりここで退いてしまっては――完全にエロ本に負けたようではないか!
「いかがわしい本を探したり叩きつけられたあげく逃げ帰ったなどと!
 そんなことがあっては、わたくしもう猟兵としてやっていける気がしません!」
「最後の戦いのモチベーションとしてはどうかと思うけど、すごくわかるよベイメリアさん!」
 ごもっともであった。こんなトンチキな状況に翻弄された怒りを叩きつけねば。
 しかし……ALAS! 敵の強大なメガリスはこんなときだけシリアスだったのだ!
『何をわけのわからんことを……恐怖のあまりおかしくなったか?』
 収奪のウラヌスは七色の無敵フラッシュとともに、強烈な威圧感を放つ。
 ……あいつだけずるくねえ? なんでシリアスな敵みたいな顔してんだ?
 まあ奴も奴である意味、この島の被害者と言えなくもないのだが……。
「シチカさま! なんとしてもお退治申し上げましょう、必ず!!!」
「いまだかつてない決意と覚悟を感じるよベイメリアさん……!」
 シチカは感動した。しかし……嗚呼! 彼は大人の階段を登りつつあった!
 すなわち、少年の心のなかにはほのかな邪な欲望が芽生えていたのだ……。
(あいつに勝つには恥を捨てなきゃいけない……つまり!)
 くわわっ。シチカは大きく、大きく目を見開いた。
 これから起きる何かの一挙一動を見逃すまいと、強く!
『小僧、一体なんのラッキーチャンスを狙っている』
「うるさいなコン! それもこれもお前のせいなんだぞ!」
『は??? わしのせいにするのはよくないぞ小僧!』
「そうだ、これもコンのせい……オウガの力が原因なんだ……!
 ベイメリアさんのえっちなところが見れるかもなんて期待しちゃうのも……!」
『小僧、話を聞け。というかそういう性癖か小僧、それは14歳としてどうなのだ』
「くっ、コンの力が俺を狂わせる……! 頑張って、ベイメリアさん!!」
『小僧……汚れてしまったな……』
 狼のオウガは、遠い目をして郷愁に浸るのであった。

『どうした? そちらが来ないならこちらから行くぞッ!』
 そんなトンチキをよそに、シリアス全開で襲いかかる収奪のウラヌス!
 ベイメリアは執拗な攻撃を躱しながら、何やら地面を掘っている。
「やはり、ありましたね! いかがわしい本が!!」
『なっ!? なんだそれは!?』
 ベイメリアは地面に埋まっていたカッピカピしわしわのエロ本を掘り出し、
 それをおもいっきり全力投球で収奪のウラヌスへと投げつけた!
 まさか命の取り合いの最中にエロ本が飛んでくると思っていなかった敵は、
 思わずそれを払い、せっかくの攻撃チャンスを逃してしまう!
『貴様……なんだこの珍妙な本は。女、まさか貴様はそういう……』
「わ、わわわわたくしではございませんっ!! この島がいけないのです!
 それもこれも、元はと言えばあなたがこんなところへ来なければーっ!?」
『ちょっと待て、それは濡れ衣にもほどがグワーッ!?』
 ベイメリアの攻撃! あなをほる!
 さらにベイメリアの攻撃! なげつける!
 さらにさらにベイメリアの攻撃! ジャッジメント・クルセイド!
「光に包まれて滅んでおしまいなさいっ!!」
『貴様そんなふざけた動作の中にガチの攻撃を組み込むとはグワーッ!?』
 カッ! と天からほとばしった光が、収奪のウラヌスを飲み込んだ!
 その光柱の威力たるや、ベイメリアの恥じらいと怒りを受けてかすさまじく、
 光柱の突き立った地点を中心に放射状の衝撃が、突風めいて吹き荒れた!
「……!!」
 そしてシチカは見た。衝撃に煽られはためくベイメリアの服の下……!
 白く健康的な太腿の付け根! そこにおわす……おお、少年よ、Mythologyになれ……!!
「……はっ!?」
 そこでベイメリアは我に返り、慌ててスカートを抑える。
 そして顔を赤くして振り返り、シチカをジト目で睨んだ!
「……シチカさま、もしや」
「見てないです!」
「わたくしまだ何も言っておりませんよ」
「見てません!!!!」
「…………」
『いやたしかに見ていたな小僧。小声で「白だ!」と呟いただろう」
『コン!!!!! 力をよこせ!!!!!!!」
 シチカは全力でごまかした。ベイメリアのジト目もいまは見ないことにする。
 ものすげえ嫌そうな顔のオウガに無理やり肉を食わせる! 横暴!
『モガガーッ!』
「突然に訪れるラッキーな奇跡、これに勝るものはない!」
「それは攻撃チャンスのことでございますか? そうでございますよね!?」
「もちろんそうですうおおおお喰らえコンキスタドールーっ!!」
 シチカ、勢いでごまかした! 叩き込まれる半オウガパンチ!
『なんなのだ貴様らグワーッ!?』
 見よ! これまでろくに攻撃の通じていなかった収奪のウラヌスがうめいた!
 まさしくエロの力は偉大。思春期の少年のリビドーは無敵なのだ!
「……シチカさま……」
「見てない!! です!!!!」
 少年は何を言われようと、それで押し通したという。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

彩波・いちご
【恋華荘】
「エロ本のことは忘れて、戦いますよ!」
「…って、ちょっとー?!」
2人とも私の話なんか聞かずに盛り上がってるんですけど!
というか私の目の前で、男の娘エロの話で、しかも私のコラージュとか?!
何映し出してるんですかー?!
空中に映し出された私のコラデータと敵を見比べて…どうすればいいんですかこの状況(頭抱え

って、動画にして動かさないで?!私目の前にいるのにー?!

…いっそのこと私も開き直って、動画の相手役にアイさんと理緒さんを表示するよう囁きかけます…?

完全にシリアスブレイクしましたし
【異界の深焔】の生きた炎を適当に敵に放てばいいかしら?

ああ、なめこの味噌汁とか飲みたいですねぇ…(現実逃避


菫宮・理緒
【恋華荘】

なめことお豆腐(赤だし)

って、え?なに?だれ?絶以下略?
これから心を立て直すところなんだから邪魔しないで?

どういうことかって?

それはもちろん、

ロリータな服着た、可愛い男の娘が、半脱ぎで
無理やり与えられる快感に顔を歪ませながら、最初は耐えるんだけど、
結局は堕ちて悶えて、何度もそれを繰り返されてるうちに、
最後はキレて攻守逆転。
それまで責めてたほうを、責めて責めて責めまくって、
泣かせて気絶させて、それでもやめないとかいいよね!

気絶してもまだ襲われるの!
でねでね! それで堕とされて、最後はペットで飼われるの!

途中で噛みつかれたり、
お漏らし羞恥プレイとかするのあったら、もう最高だよね!


アイ・リスパー
【恋華荘】
「なんか邪魔が入りましたけど、今回は豊作でしたね、理緒さん。
まだ家に帰りついてないですが、先に画像チェックしちゃいます?」

いちごさん(と、コンキスタドール)がいることは気にせず、
【チューリングの神託機械】で電脳空間の万能コンピューターにアクセス。
多重暗号化したデータ(パスワードは153)を展開。
採石場の空中にホロディスブレイを多数投影し、無数の男の娘画像(いちごさんコラ)を映し出します。

「理緒さんのリクエストにお答えして、エロ本の静止画から3Dモデリングデータを作成。
動画として再編集します!」

演算の負荷により血を流しながら(鼻から)、理緒さんの語った内容通りの動画を生成しきります!



『なんなのだ一体……メガリスの力が効かないだと……?』
 収奪のウラヌスは困惑していた。
 絶対無敵……なにせそういう名前なのだから間違いない……マシンの力ですら、
 猟兵の力を抑えきれない、というのだろうか?
 まさか猟兵の力は、それほどまでに想像を超えると……?
 収奪のウラヌスは、この島のトンチキな本性をまだ知らない。
 エロ本を叩きつけられたが、それがまさか攻撃に繋がっているとは思えない。
 思えるわけがない。当然である。そんなわけでシリアス継続中であった。
 なので、収奪のシリアスは真面目な雰囲気で考え込んでいるのである。
『まあよい……猟兵よ、次こそ貴様らを血祭りに』
「なんか邪魔が入りましたけど、今回は豊作でしたね、理緒さん!」
「そうだね……心に強いダメージを負った気がするけど忘れよう。忘れたい」
『……おい貴様ら、私の話を』
「でもデータはありますからね。気分転換も兼ねて画像チェックしちゃいましょう!」
「うん、それがいいね。それじゃあさっそく……」
『おい話を』
「「うるさいから黙ってて(ください!)」」
『アッハイ』
 なにやらご満悦の様子の彩波・いちごと菫宮・理緒の剣幕の前には、
 さすがのシリアス継続中の収奪のウラヌスですら抵抗不可能であった。
 なんだか完全に蚊帳の外に置かれている。思わず肩を落とす収奪のウラヌス。
「あ、あの……気持ちはわかりますよ。私と戦います?」
『何? 貴様はいいのか、猟兵よ』
「えっ、はあ、まあ……というか完全に忘れてますので」
 なにやら話しかけてきたアイ・リスパーを見て、収奪のウラヌスは胸打たれた。
 まさか猟兵の中に、自分の気持ちがわかってくれる者がいるとは!
『それは嬉しい申し出だ。では清く正しく戦うとしよう』
「は、はい! シリアスにやりましょう、シリアスに!」
 かっこよく身構えるふたり。その後ろでぐふぐふ笑っている美少女二名。
「いやあ、やはりいちごさんのコラ画像は最高だねえ」
「今回はエロ本の静止画から3Dモデリングデータを作成しました!」
「なんだって? それは本当かい?」
「これを使って動画として再編集すれば……ぐふふふ、おわかりですよね?」
「そ、それは……ぐふ、ふふふふふふ……」
「「ぐふふふふ……」」
「ってちょっと待ってください、いま聞き捨てならない台詞が聞こえたんですがー!?」
 思わずツッコミを入れるいちご。戦うどころの話じゃねえこれ!

 しかしアイと理緒のスイッチは完全に入っていた。いちごの話も聞こえない。
『そうか……お前も苦労しているのだな、猟兵よ……』
「やめてくれませんかその生暖かい慈悲の眼差し!? 敵ですよ!?」
『いや……さすがの私も色々いたたまれなくなってな……』
 いちごは泣きたくなった。オブリビオンにすら哀れまれるとかマジ死にたい。
 そんないちごのことは完全放置で、なにやら動画作成を始めているアイ!
「くっ、なんて演算負荷……けれど負けません!」
 なぜかシリアス顔で、鼻血を垂らしながらニューロンを酷使していた。
 いやこの鼻血、単純に脳内でよからぬ妄想をして出しただけじゃねえか???
「ようし、それじゃあ動画の内容だけれどね、まずはロリータ服の可愛い男の娘だ!
 男の娘は無理やり与えられる快感に顔を歪ませながら最初は耐えるんだけど、
 結局は堕ちて悶て、何度もそれを繰り返されているうちに、キレて攻守逆転。
 それまで攻めていたほうを、責めて責めて責めまくって泣かせて気絶させて」
「『イヤーッ!!』」
「「アアアアアアアーッ!?」」
 理緒とアイは悲鳴をあげた。す、3Dデータが……ALAS! めちゃくちゃだ!
 完全に息を合わせ必殺のインタラプトをキメたいちごと収奪のウラヌス、
 なにやら一仕事終えたような爽やかな笑顔を浮かべ、こくりと頷きあった。
『さあ、これでシリアスに戦わざるを得まい! 勝負してもらうぞ猟兵!』
「そうですよふたりとも! そのシチュもまあ……気になりはしますけど!
 いま戦いの最中ですからね!? ほら、敵ですよ、真面目になりましょう!」
「「…………」」
 しばしふたりは呆然としていたが、ぐるりといちごたちのほうを振り返った。
 ぞくり。収奪のウラヌスは命の危険を感じた――コワイ!
「もうこいつ殺そうか」
「そうですね。殺しましょう」
「あ、あのアイさん、理緒さん? 殺意が高すぎでは……???」
『くっ、しかし貴様らごときこの私には』
「「死ねーーーーーーーーーーっ!!」」
『グワーーーーーーーッ!?』
 いちごは顔面蒼白で震えた。おお、これがエロの恨み、エロの怒りなのか。
 無惨なことになっている収奪のウラヌスの姿にドン引きしながら、いちごもなんだかんだ支援攻撃はしたという。
 なお、3Dデータはそのドタバタの余波でめちゃくちゃになった。とっぴんぱらりのぷう。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

エスターテ・アレグレット
…え?なにこれ、どこここ
1章から参加するつもりだったのに、いつの間にか3章まで進んでたーって嘆きの声が後ろから聞こえるけど…僕には関係ない。無視だ無視
……帰りてぇ
はぁ…。でも盛り上がってるみたいで、帰れる雰囲気じゃねぇし…やるとするか

あの敵を倒すためには性癖語ればいいんすね
僕、興味ないんで……。

あー、嘘ですよ
本当はほくろっすよ!
胸とか尻とか普段は見えない、際どい位置にあるほくろ!!
本人も知らない、僕しか知らない、とか最高に興奮するでしょう!?

くそっ!
ここまで言ったんだから、一発殴らせろっつーの!!

僕ってば、わざわざ引っ張り出されて自分の性癖晒すためにきたってことになるんすかね。……はぁ(溜息



「……帰りてぇ」
 エスターテ・アレグレットは遠い目をして呟いた。
 もはや宴もたけなわ、エロ本狂想曲もいよいよクライマックス。
 あとはシリアス顔をしている収奪のウラヌスをぶっ倒すだけ……なのだが、
 なにやら奴を倒すためには、エロの力が必要なのだという。
 いやそもそもなんなんだエロ本って。この島はIDCかなんかなのか?
『ぐ、ぅうう……なぜだ、私がこんなトンチキな目に遭うなど……』
 そんなエスターテの前に現れたのは、ボロボロの収奪のウラヌスであった。
 敵とかち合ってしまった以上、猟兵として戦わねばならない。
 それはつまり、あられもねえ性癖談義をしなければならんということだった!
「……やるとするか」
 エスターテは死にたくなる自分の頬を張り、キッと敵を睨んだ。
「いやでもやっぱ興味ねえっすわ僕そういうの」
『何をわけのわからんことをブツブツと! どけッ!!』
「うおッ!」
 そこへ襲いかかる収奪のウラヌス! 致命的打撃をエスターテはかろうじて回避!
 は、疾い! ためしに攻撃を加えてみるが当然のように弾かれた!
 なにせ七色に光っていて無敵を標榜しているのだから、効くはずがない。
 古今東西、七色に光って無敵とか出て専用BGMとか流れたら無敵は無敵なのだ。
 スターとかキャンディとかだとなおさらそうなる。なので、無敵だ。
『それとも私に抗うか? ならば構えろ猟兵、血祭りに』
「――ほくろですよ」
『は???』
「ほくろっすよ! 僕の性癖はッ!!!!」
 収奪のウラヌスはぽかんとした。シリアスさん死す!
『貴様何を』
「胸とか尻とか、普段は見えない際どい位置にあるほくろ!!
 本人も知らない、僕しか知らないとか、最高に興奮するでしょう!?」
『おい私の話を』
「本人が隠れて自撮りとかアップしてんのがほくろの位置で本人バレしたりするとなおいいっす! 背徳感があるっつーかドキドキするっつーか!!」
『貴様もトンチキか猟兵ーっ!!』
「うるせえっすここまで言ったんだから一発殴らせろー!!」
 BLAMBLAMBLAM! スフォルツァンドがけたたましく銃声を響かせた!
 そして近づいてのダガー双剣斬撃! 無敵ってなんだとばかりに斬り裂かれる装甲!
『グワーッ!?』
「くっ、ホントに通じてるじゃないっすかどういうことだよこれ……!!」
 エスターテは恥ずかしさで死にたくなった。
 収奪のウラヌスも、わけがわからんしトンチキだしで死にたくなった。
 ああ、戦いとはそういうものなのだ。誰も救われず逃れられはしない。
 殴る方だって拳が痛むんですよ。だから喧嘩両成敗ってことですね! 解決!!
「ちなみにもちろん泣きぼくろとかも好きっすー!!(ズバーッ)」
『グワーーーーーッ!?』
 しばらく性癖開陳という名の地獄は続いたという。

大成功 🔵​🔵​🔵​

月舘・夜彦
【華禱】
メガリスもえろほんでしたら、此処にある全ての本も斬る所でした
絶対最強うるとらはいぱーすぺし、すぱ……無敵ましん
別世界の長い言葉は苦手です

兎も角、攻撃を通さないようですが
この世に完全なものは在らず、必ずや弱点はあるはずです

倫太郎殿が用意してきたえろほんは私には無縁のものですが
貴方が親玉であるならばお返ししましょう
彼が持ってきたものは言葉にするのさえ躊躇う標題の数々
何故そのような状況になってしまったのか分からない事態に陥っているもの
如何わしい服装に……親子くらいの年齢差……
……倫太郎殿
倫太郎殿……?

……私は貴方を信じておりますよ

とりあえず奴を倒しましょう
無敵であろうが何であれ、斬るのみ


篝・倫太郎
【華禱】
ふぅん……マジでメガリスなお宝あったんだ?
でも、それをアレが取り込んだとかは俺らの所為じゃなくね?
ムル(ムルへルベルを勝手に略した!)は
なぁんで予知できなかったかな……

あ、そーだ
これ、あんたの配下の忘れ物だから受け取りなっ!

えっぐいエロ本とか
えっぐいエロ本の残骸とかを
全力投球でウラヌスにぶん投げる!

元々は戦闘終わったら
島のそういう癖の奴にでも進呈しようと思ってたの!
別に俺の趣味じゃねぇから!

あああ!夜彦の視線が痛いぃぃ!!

信ジテクレテ、アリガト?
つか、その一言……めっちゃ刺さるから!


喧しいわ!(ウラヌスに一喝)
そもそも全部テメェの所為じゃねぇか!

篝火で攻撃力を強化して
華焔刀で一刀両断!



「俺、思うんだけどさぁ」
 篝・倫太郎は、薙刀でトントンと肩を叩きながら言った。
「マジでメガリスあんなら……どうしてそっち予知できなかったのかな」
「……それは言わぬが華ですよ倫太郎殿。きっとグリモア猟兵殿も不本意でしょう」
 そんな倫太郎の言葉を、月舘・夜彦はやんわりとたしなめる。
 夜彦は常識的で心優しく、そして何かと倫太郎にからかわれがちであった。
 なので、こういうときは相手の目線に立つ。そうなんですよそう事故事故。
 別に三章どうしようと思ってたら「せやメガリスがあるやん!」とか閃いたわけじゃなくて、この世界においてのグリモアの不完全性がここで出た形になるのだ。
 だからグリモア猟兵は悪くない。強いて言うならコンキスタドールが悪い。
「……いやでも、実は最初っからムル(なぜか略した)もエロ本目当てだったんじゃね?」
「倫太郎殿、まさかそんなはずは……はず、は……」
 夜彦はとっさにグリモア猟兵をかばおうとしたが、言葉は尻すぼみになった。
 もう何も信用できない。実はすべて織り込み済みだったとしても……!
 このトンチキな状況が、夜彦の頭をだいぶトンチキにしていた。
「いや、そもそも本のことは忘れましょう。というか私が忘れたいです。
 あれを倒せば話は済むこと……さあ参りますよ倫太郎殿、本を斬ります!」
「えー? でもちょっともったいな」
「倫太郎殿」
「ア、ハイ」
 剣士の剣幕に、さすがの倫太郎もしおしおとおとなしくなったという。

 とまあそんなわけで、倫太郎が石めいて投げつけたのはエッグいエロ本!
 ……の、残骸である。主に戦闘の余波や夜彦の八つ当たりで壊れたやつ。
「オラッあんたの配下の忘れ物だ! 受け取りなっ!!」
『何を言ってグワーッ!?』
 SMAAAAASH!! 無敵っぽい七色の光が消えた! 効いているのだ!
 すでにトンチキな猟兵どもの攻撃でほうぼうの体になっていた収奪のウラヌスは、
 高校球児めいて腰の入った投擲攻撃をまともに躱すことが出来ない。
 そして飛んできたのがエッグいエロ本であることが二倍の精神ダメージをもたらす!
『奴らがこれを集めていただと? わ、私は何をしていたのだ……!
 いや待て、そんなものをなぜ後生大事に持ってきた? まさか猟兵貴様の趣味』
「ちっげーーーーーよ!! もともと島の奴らに進呈しようと思ってたの!!
 別に俺の趣味じゃねぇから! ……ちょっと夜彦、あんたも何その顔!?」
 じとーっ。隣に立つパートナーの色々刺々しい視線が痛い!
「……ここまで私を翻弄して面白がっておいて、信用してもらえるとでも?」
「いやそうだけどさぁ! 俺もっとフツーよ!? ね!?」
「…………まあ、いちいちあげつらうのは避けておきましょう」
 さすがに乱舞するエロ本の内容を口にするのは、夜彦にもはばかられた。
 そもそもどうしてこんなエロ本が世の中にあるのかすら理解し難いものばかり。
 まあ本である以上、そういうのが好きな人たちもいるのだろう。
 それは否定すまい――みたいないい子ちゃんな台詞も言ってらんねえ!
「いかがわしい服装に……親子くらいの年齢差……」
「ちょっと夜彦サァン!? 夜彦サーーン!?」
 さしもの倫太郎も、この羞恥プレイめいた状況には音を上げた。
 痛い。夜彦の視線が物理的に痛い。なるほど剣豪だから視線も鋭くねってバカ!
「……倫太郎殿」
「だからぁ! 違うからね!?」
「本当ですか倫太郎殿……?」
『そもそも戦闘中だ私を忘れるな貴様らーっ!!』
 収奪のウラヌス、キレた! 咆哮しふたりに襲いかかる!
「そもそもはといえばあなたが侵略したのが原因です。反省なさい(ズバッ)」
『グワーッ!?』
 む、無慈悲! 一瞬にして無数の斬撃が収奪のウラヌスを切り裂いた!
「そうだぞ! なんもかんもテメェのせいだやかましいわ!!(スパッ)」
『アバーッ!?』
 倫太郎の八つ当たりめいた高速斬撃もさらに収奪のウラヌスを斬り裂く!
「……というわけだから、ね? 俺、もっとフツーだから」
「……はあ。言われずとも、私はあなたを信じてますよ、倫太郎殿」
 などと言いつつ、夜彦のジト目は相変わらずであった。
 そういうところがまた……いやそんなこと言うとやぶ蛇だこれ。
「信ジテクレテ、ア、アリガト……」
 倫太郎は顔を覆って丸まりたくなった。おのれコンキスタドールども!
 すべて奴らのせいである。とりあえずあいつを殺そう!!
『な、なぜ私がこんな目に……』
 収奪のウラヌスの嘆きは、誰にも顧みられることはなかった。南無阿弥陀仏。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

夏目・晴夜
おや、いい秘宝をお持ちではないですか
欲しいです


まあ一旦座って話でも聞いて下さいよ
ニッキーくんも大人しくさせておきますから

私は人様の心をへし折るのが大好きでしてね
特に性格の悪い傲慢な輩がいいです
調子に乗った顔が絶望に染まるのが最高なんですよ
わかるでしょう?

でもそういう奴って私と同じ性質な事も多くて
小賢しくも私を折ろうとしてくる奴も多いというか

なおかつ私は紳士ですから
ガチな世界に生きる女性とかが相手だと、
流石のハレルヤも結構厳しいんですよね
ハレルヤだって泣く時は泣きますし

なので私が最強になれるその秘宝が欲しいです
くれないのなら、じゃあせめて好きなだけ刺させてくれません?
それで手打ちにしてあげますよ



「欲しいです」
『は???』
「ですから、欲しいです。そのメガリス。ください」
『いや貴様何を』
「ニッキーくん、彼を"おとなしく座らせて"ください」
 SMAAAAAASH!!
『グワーッ!?』
「ありがとうございます。それじゃあお話しましょうか」
 夏目・晴夜はにこりと悪魔みたいな笑みを浮かべた。自分は座らなかった。
 オブリビオンと対等な目線に立つなどありえない話である。だから見下すのだ。
 腹にいいのを食らって崩折れ……座らされた収奪のウラヌスは呻いた。
「実は私、見た目からはわからないのですが人様の心をへし折るのが大好きでして」
『納得しかないのだが???』
「特に性格の悪い傲慢な輩がいいんですよ」
『自己紹介かなにかか???』
「調子に乗った顔が絶望に染まるのが最高なんですよ、わかるでしょう?」
『どう答えても私が苦しむことになるのはわかった……』
 なんで自分はこんな拷問みたいな責め苦に遭わされているんだろうか。
 いやまあ戦うこと自体はいいんだが、そもそもこれ戦いじゃねえだろ!
 収奪のウラヌスは泣きたくなった。おかしい、これは自分のキャラではない……!
「でもそういう奴って私と同じ性質なことも多いんですよね。
 小賢しくも私を折ろうとしてくる奴も多いというか……」
『その自信はどこから来るのだ???』
「あ、でも私も紳士ですからね。さすがのハレルヤも厳しい相手とかいるんですよ。
 こう、そういう業界の女性とか。だからそのメガリスがほしいわけです」
『話の繋がりがまったくわからん……!』
「くださいよ。くれないんですか? この話を聞いても?」
『今の流れで私がメガリスを渡すわけがないだろうが!!!!111』
 収奪のウラヌス――キレた!!
 晴夜はやれやれとばかりに頭を振り、パチンと指を鳴らした。
 そばで正座していたニッキーくんが妖刀を捧げ持つ。ヤクザみたいである。
「じゃあ刺しますね。好きなだけ」
『えっ』
「それで手打ちにしてあげますよ。とりあえず千回ほどですかね」
『おい待ておとなしく聞いていた私の立場はグワーッ!?』
 グサーッ! 樽から海賊を脱出させるゲームみたいに突き刺しまくる晴夜!
 その笑顔は……おお、おお、笑っていた! コワイ!!
 これがコンキスタドールの暴虐……いや間違えた猟兵の勇敢な戦いなのだ!
 誰がどう見ても善悪反転してるが、いつものことなのでさておこう!!

大成功 🔵​🔵​🔵​

黒沼・藍亜
ボクはカップルのイチャらぶが好きっすけど、
そのカップルに子供が生まれたらどんなのか妄想するのも好きなんすよね
良いっすよね生まれや育ちや種族が違う者同士でのカップル、猟兵万歳

ちなみにボクの中のUDC【昏く暗い黒い沼】はとにかく落とし子産み落とすのが好きっぽいっすね

特に未来を食い潰すような“過去”の子を産み落とし、
(足元に沼を広げ、触腕も伸びる)
親を海の底に強制隠居させるのとか
(どこか「はたらきばち」似の落とし子が這い出てくる)

じゃ、行くっすよ“過去”
恋し、愛し、子を生し繋ぐ生命の螺旋、巻き込まれる覚悟はできたっすか?
触腕に捕まれば「お前が(落とし子の)パパになるんだよ!」っすよ!

※アドリブ共闘◎


シャルロッテ・ヴェイロン
いやー、まさかのバトルフィールドな展開になりましたが。
思わぬ形でお宝ゲットできましたねー。
(と、目当てのエロ本を手にホックホクである。それでいいのか天才ゲーマーAliceCV)

(で、普通にオブリビオンに遭遇し)
で、絶対以下省略マシン?秘宝ってそれ?エロ本じゃなくて?

――うん、放置しましょう(ぉぃ)。

(そして敵を無視し)え、「なんでそんな性癖に?」って?そうですね、あれは少し前にアリスラビリンスで起きた事件で――(と、自らの性癖の由来について語ってる)
(その間にもレギオンが敵を囲んで【一斉発射】)

※性癖:JS百合(ソフトでもハードでも)、おねロリ

※アドリブ・連携歓迎


オリヴィア・ローゼンタール
メガリスなどと嘯いて、己が欲望を満たさんとする低俗な輩めっ!

弁明は聞き入れず、先に投げつけられた本を叩きつける
あなたの部下が収集していたこれが証拠です!
こ、こんな……こんな……もう!

【天魔変生・魔性狂乱】を発動、怒りでパワーアップ
敵は収集したデータにより変身、ということは……この変態めっ! もはや容赦はありません!

【怪力】を以って聖槍を叩きつける
近付けば近付くほど【生命力吸収】により回復とパワーアップを繰り返す(継戦能力)
冷静さを失った八つ当たり
技の冴えもなく、ただ暴力的に聖槍を振るい、【鎧砕き】【串刺し】【焼却】で【蹂躙】する


猿投畑・桜子
……はっ、気を失ってただか!?
(2章の戦闘に挑もうとしたところで初っ端エロ本直撃、内容の過激さに放心していた模様)
あんな、あんな……村の絵智郎(えちろう)や兵衛助(べえすけ)が隠し持っとったような本だったなんちゅーのも知らんで、
あんなもん探してるって島中の男の人らに聞いて回って、配って……!?
お、お、お……おめぇのせいかぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!?????
(激しい羞恥心をウラヌスへの怒りに変換し原初の巨人発動、暴れ狂う)
「ちらりずむ」だの「えすえむ」だのおら知らんべよぉぉぉ!!!
(なおでっかいので着物の合わせや裾等からちらちら見えるし激しい攻めは女王様もかくやの迫力である)


ニィエン・バハムート
な、なんて最低な弱点…!
あー……うー……本当に話したくないんですけども…………えっと、その……魚の部分多めの、深海人の………エラの部分が、その………特に、呼吸の瞬間に見える、中身の赤さが、グッとくるといいますか…………そして、無防備なそこに息を吹き込んだりしちゃったら、どんな反応するのかなって……いや、もちろん苦しむんでしょうけど……その後、涙目になるほど呼吸を乱しながらも、軽いノリで優しく許してくれたら……あー、そのー…………キュンときません?

―――その理解できない生き物を見る目はなんなんですの!!?!
あー!!もう!!大地震と大津波でこの島の何もかも!!全部海の底に沈めてやりますの!!!!!



「……はっ!?」
 巨人の田舎娘、猿投畑・桜子は目を見開き、そして起き上がった。
 どうやら気絶している間に、はたらきばちの群れは駆除されたらしい。
「気を失ってただか……? おらは一体……」
 桜子はこめかみを押さえ、気を失う前に何があったか思い出そうとする。
 そうだ……無事に島民たちに本を集めてやり、友好を得た。
 そして勇んで戦場に駆けつけたはいいが……そうだ、奴らが本を投げてきた。
 そのエッグいエロ本があまりにエグかったので気を失ったのだ……!
「~~~~~~~ッ!! そうだべ、全部思い出したべ!!
 あんな、あんな……村の絵智郎(えちろう)や兵衛助(べえすけ)が隠し持っとったような本だったなんちゅーのもおらは知らんで……!!」
 桜子の脳裏に蘇る過去の……具体的に言うと一章での自分の姿。
 エロ本のなんたるかを知らず無邪気にはしゃぎながら島民たちと交流し、
 そればかりかどういう本なのか島民に聞いて回ったりして恥ずか死させた、
 おお、なんという己の愚かさ……! 桜子の顔が火が出るほど赤くなる!
『う、うう……猟兵どもめ、私が何をしたというのだ……』
「おめぇえのせいかぁああああああ!!!!!!」
『えっ』
 そして不運なことに、そんな彼女の前に現れた収奪のウラヌス。
 トンチキな猟兵たちの八つ当たりで、無敵のはずなのにもはやボロボロであった。
 そんなところに桜子の怒号が炸裂である。目が点になって当然であろう。
 だが、哀れではあるが自業自得だ! だってこいつコンキスタドールだし!
 シリアスな敵みたいな顔していたのはご愁傷さまだが、敵は敵!
「許さねえべ……おめぇだけはおらがぶっ潰す!! べさ!!!!!」
『ま、待て猟兵! 話を聞け! 戦うのはいいがせめてもう少し真面目にやらせろ!!』
「弁明は聞き入れません、これを喰らいなさいっ!!」
『グワーッ!?』
 そこで横合いから飛んできたエロ本(シスターがあれこれさせるやつ)!
 ふーっ、ふーっと肩で息をさせながら現れたオリヴィア・ローゼンタール!
「あなたの部下が収集していたエロ本(これ)が証拠です……!」
『ま、待て。私は知らなかったのだ。というかアイツら全員そうだったのか!?』
「問答無用! あなたを猥褻罪で訴えます!! 理由はもちろんお分かりですね!?」
『だから私は無関係だと言ってグワーッ!?』
 SMAAAAAASH!! オリヴィアは聖僧を怪力を以て叩きつけた! 爆煙!
 収奪のウラヌスは、あまりの威力にほぼ垂直に吹っ飛び、そして落下!

『がはっ!! な、なぜだ、無敵であるはずの私のメガリスが……!』
 収奪のウラヌスはメガリスの力をさらに引き出し、無敵になろうとする。
 メガリスの力を引き出すと何が起きる? 知らんのか、七色に光る。
「あ、あれがふざけたメガリスの……本当に無敵な気がしてきましたわ……!
 それを突破するには性癖をひけらかさないといけないなんて、最低の弱点……!」
 そこへ駆けつけたニィエン・バハムートは、あまりのことに顔を覆った。
 彼女はなんだかんだお嬢様である。まだ14歳のうらわかい乙女なのだ……!
 ここまでの流れだけでもう十分のたうち回って死にたくなるほどなのに、
 ここに来てさらに自分の性癖を開陳しろというのか、おお世界よ!
「いやー、慣れてみると悪くないですよ? わたしお宝手に入りましたし」
「それはあなたはそうでしょう!? わ、私は違いますから!!」
「難儀ですねぇ。まあうぶな頃だとそういうこともあるですよ」
 年下のはずなのに、シャルロッテ・ヴェイロンは完全に先輩面であった。
 そんな彼女の懐には、彼女が愛好する幼女百合本がたんまり抱えられていた。
 ……10歳のアリス適合者が持つ性癖としてはかなりどうかと思うのだが、
 シャルロッテの笑顔は完全に満ち足りたものであり、他者の指摘を許さない。
 それでいいのか天才ゲーマーAliceCV。それでいいのかシャルロッテ!
「なんだったらわたしの回収したおたから読みます? 新しい扉開けるですよ」
「いいいいいいいらないですが!? ご勘弁くださいませ!!!!!!」
 そしてそんなシャルロッテとニィエンの漫才めいたやりとりを、
 こっちもこっちで生暖かい微笑みを浮かべながら見守る女あり。
「うぶなお嬢様と色々達観したロリの組み合わせ、うーんこれもいいっすね……」
 かなり厄介なタイプのオタク、もとい黒沼・藍亜であった。
 厄介なオタクたるもの、とりあえずそこに人がふたりいたら関係性を見出すもの。
 こと藍亜はカップルとかうぶな子とかそういうのに萌えるタイプなため、
 幼女百合本を勧められてしどろもどろのニィエンはとても美味しくいただける。
 心のシャッターをカシャカシャ切りながら、藍亜はご満悦な様子であった。
『き、貴様らも私をそんなふざけたやり方で倒すつもりか……!』
「ふざけた? それは聞き捨てならないっすね」
 ぎろり。藍亜は呆れた様子の収奪のウラヌスを睨みつける!
「エロは三大欲求のひとつ! 人が人である以上避けられないカルマっすよ!
 ボクもあの子(シャルロッテ)も、もちろんうぶそうなあの子(ニィエン)も本当は興味津々煩悩炸裂! っす!!」
「さりげなくものすごく不名誉なことを言われた気がしますがまあいいでしょう!」
「ワタシはよくないアル!!!!! 一緒にしないでくださいます!?!?!?」
 お宝が懐にあるので無敵のシャルロッテ、極めて遺憾と言った様子のニィエン。
 藍亜はびしぃ! とそんなふたりを指差し、仙人っぽい顔で言った。
「さあふたりとも! 愚かなコンキスタドールに教えてやるっすよ!!」
「えっ」
「私!?」
 突然の無茶振りにはさすがにぽかんとするふたりであった。
「そうっす。その性癖を開放してコンキスタドールを追い詰めるっすよ!
 あ、ボクはそれを美味しく聞かせてもらいますんで。さ、はよ」
「こんな流れでそんなこと言えるわけないでしょうがー!?」
「――聞かれたなら答えるしかないですね」
「えっ」
 ニィエンはなぜかシリアス顔なシャルロッテを二度見した。
「そう、あれは少し前にアリスラビリンスで起きた事件、わたしはそこで……」
「ほ、本当に語り始めましたわー!?」
 ニィエンはドン引きした。しかしシャルロッテには関係なかった。
 お宝がその懐にある以上、シャルロッテはどんな少女よりも強いのだ!
 いわば恋した少女は無敵。とにかくまあそういうやつであった。
『貴様、せめて真面目に戦えグワーッ!?』
「……とまあそういうわけだったような、宇宙開闢から定められていたような。
 とにかくそういう流れで"開眼"したんですよ。まあ、いわば運命ということですね」
 ひとしきり語って満足げなシャルロッテ。背景でエレクトロレギオンにボロクズにされている収奪のウラヌス。
 本当に効いている。ニィエンは頭を抱えたくなった。
「なるほど大体わかったっす。じゃあ次はアンタっすよ!」
「ほ、本当に私も言わされますのね……!? くっ、ほ、本当に厭だ……!」
 ニィエンはだいぶ死にたくなった。なんでこんな流れで性癖を御開帳せねば?
 しかし、話さねば終わらないと言うなら、いっそ話したほうが早い……。
「……えっと、その……私、こう見えても深海人なのですけれど……。
 魚の部分多めの、深海人の……エラの部分が、その……。
 特に呼吸の瞬間に見える中身の明さが、グッとくるといいますか……」
「ほうほう、人間とは違うカタチの種族ならではっすね!」
「というかなんでコンキスタドールよりあなたが興味津々なんですの!?」
 鼻息荒く食いついてくる藍亜の様子にドン引きのニィエンである。
『いいから話を聞け! 私は真面目に戦グワーッ!?』
 そこに襲いかかろうとする収奪のウラヌス、しかし吹っ飛んだー!
 横合いから強烈な攻撃を叩きつけたのは、怒りのシルヴィアと桜子だ!
「あなたはまたそうやって、いたいけのない女性を辱めるのですか!?」
「許せねえ、許せねえべよ!! 何が「ちらりずむ」だべかーっ!!」
 SMAAAAASH!! 巨人もかくやの怪力を込めた聖槍の連撃!
 KRAAAAASH!! 巨人そのものの拳! 蹴り! そしてハンマーパンチ!
『グ、グワーッ!? 今のがどう見たら私の仕業に見え』
「あなたが皆さんをこんな破廉恥な罠で辱め、精神を破壊したからです!!」
「覚悟の準備をしておくべさ! 近いうちに訴えるべ、裁判も起こすべ!!」
『今この状況が宗教裁判のようなものでグワーッ!?』
「あなたは犯罪者です!!」
「刑務所にぶちこまれる楽しみにしておくべさーっ!!」
 SMAAAAASH!! KRAAAAAAASH!!
 周辺地形を犠牲に叩きのめされる収奪のウラヌス。ミンチよりもひでぇ。
「そ、それで、無防備ならに息を吹き込んじゃったりしたらどんな反応数rのかなって……」
「ほうほう。涙目になるほど呼吸を乱しながらも軽いノリで優しく許してくれたらキュンとくると」
「さ、先読みされましたわ……!?」
「種族は違えど萌えの心は同じっすよ!」
 藍亜の爽やかな笑みに、ニィエンはこころがぽかぽかしたのを感じた。
 が、すぐに我に返る。主にぐふぐふと恍惚になっているシャルロッテを見て。
「あーーーーーー!!! もう!!!!! 恥ずかしくて死にたいですわ!!!!
 こうなったら大地震と大津波で何もかも海の底に沈めてやりますの!!!!!!」
『おい待て貴様を辱めたのは私では』
「いいからさっさと滅ぶですのーーーーーーーーー!!」
『アバーッ!?』
 ズゴゴゴゴゴゴ! 強烈な地割れと局所的大津波がウラヌスを飲み込む!
「そうやって集めたデータでいかがわしい姿に返信するつもりなのですか!?
 こ、この変態め……いよいよ容赦はありません! 滅殺するのみです!!!!」
『いや私もそんなデータを使いたくはグワーッ!?』
 オリヴィアの追撃!
「えすえむってなんだべ! おらそんなの知らんべよーっ!!」
『だから私がエロ本をばらまいたわけではアバーッ!?』
 KRAAAAAASH!! 大地を砕く桜子の拳! まさしくそれは天災だ!
 そしてボロボロの収奪のウラヌスに群がる、はたらきばちめいた落とし子の群れ!
「いやあ、満足っす。じゃ、そろそろ"過去"の掃除といくっすよ!」
『き、貴様……』
「ボクはともかく、ボクのなかのUDC(こいつ)は過去を喰らうのが大好きっすからねぇ?」
 きゅうとつり上がった藍亜の笑みを見て、収奪のウラヌスは恐怖した。
 触腕がウラヌスの全身を絡め取る。性別が性別ならかなりあれな絵面だ!
「お前が落とし子のパパっになるんだよ! っすよ!!」
『アイエエエ!! ヤメロー!! ヤメロー!!!!』
 悲痛な収奪のウラヌスの叫び声が、島に響き渡ったという……。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ヴィヴ・クロックロック
よし、怒り散らした結果私の脳はクールに冷えた。民主的に代表的なエロを決めようじゃないか。


投票権を持つのは今この島に居る全て、まあ私は骸の海から呼んだ紳士300人超にも投票させるし、多分勝てる。必勝の鉄板選挙。
そうと決まればそこのシリアス男、私とセリフが被ってた気のするオブリビオンの…ええと、名前知らないな。聞いた気がするが…性癖のコジレヌスも聞くがよい。まずは貧乳のこのシルエットと巨乳のシルエットを見比べるとその無駄のない洗礼されたフォルムが…聞いているのか淫売のエレボスくん!よーし今日は朝までみんなで説得(洗脳のち袋叩き)して清き一票を奪い取るぞ☆


きょうふのみぞしるがいい

(連携アドリブ歓迎)


ユーシア・ロクス
や、やっと出てきましたねボスキャラ!
正直色々疲れちゃったし2Pがいつの間にかいませんけど
例え攻撃が効かなくても、島の人たちのためにも負けられません……!
故郷(自作RPG)のみんな、力を貸して!【バトルキャラクターズ】!

スライムむすめLv1 13体 
ぺたんフェアリーLv3 6体
ゴーレム・ムネバインLv10 2体
が あらわれた!

……え?みなさんどちらさま?

『わたしの精一杯受け取るっすよ1P……』(空でサムズアップしている)
ってまた2Pわたしの仕業ですか!
でも手助けありがとうございます!行きます!(ヤケ)

※アドリブ共闘歓迎
出てきたモン娘達は細かい設定とか何もないのでどうぞご自由にお使いください


才堂・紅葉
「話半分に聞いて下さいね」
淑女の笑みで穏やかに告げる
性癖の話と言ってもバイトでの経験談だ

「恥ずかしながら、私、屈強で立派な一角の殿方が情けない姿を晒す姿がとても好きです」
召還符から良い音の出る鞭を取り出す
「とても知的だったり誇り高かったり、犯し難く高潔な殿方が、力や色々な物に屈する姿を素敵だと思います。積み上げてきた尊く厳かな物が破壊される姿、とても良いですよね……」
頬をうっすらと染める
「猟団のヒゲの同僚の方は、それを姫騎士物と同ジャンルと仰ってましたね」

「ところで貴方。少し頭が高くありませんか?」
重力【属性攻撃】で【礼儀作法】を教育しましょう
彼は中々に私好みの殿方です
ああ、話半分ですよ?


杜鬼・クロウ
だからきょぬー至上主義つってンだろ文句あっか?
…じゃねェ
流石に三章はCOOLな兄貴ムーブかまさねェと読者に誤解されちまうヤベェ!
胃痛から解放されてたのによ…
ツッコミ不足らしいからそっちに戻るわ
最後さえ良ければ全て良し!(好みのエロ本は懐に忍ばせ

絶対防御にはエロが有効?ナメてンのか(説得力0
何でもエロに結び付ける安直な発想
愚の骨頂だぜ!(どの口が
日常の中に垣間見える一瞬
無理に作らずとも常に隣り合わせなンだよ
ORE達が在ると思えば、EROは在る
新たな扉開いてけ

持ってた地雷エロ本の付録を代償に【無彩録の奔流】使用
呪詛入り怨念の炎でドローンや敵を格好良く斬る

イヤイヤ大真面目に言っちゃダメな奴!
声デカ!


エドゥアルト・ルーデル
ああ拙者にも聞こえるぞ…奴らの祈りが、奴らの願いが、拙者にガッツを与えてくれる
(脳内に浮かぶおっぱい!と叫びながら回転する虹色に光るカカポ達)

やはり基本は大事だよな…ならばあの情報を食べてそうな奴に教育してやるか
全身を【ドット絵】に変換!データ体を活かして敵の【データ収集ドローン】を【ハッキング】し制御コンピュータ内部に体を潜り込ませますぞ!
敵にもハッキングでデータを流し込みますぞ!それは幾多のエロカツ!を経て得た答え

The answer is
ロリ巨乳おっぱい
(虹色に光りながら回転し様々なデータを垂れ流す)

だがもし…今の状態で一部の知り合いを見たらこう言ってしまうだろう
貴様らは胸が無いだろう


ルエリラ・ルエラ
【アドリブ改変・連携歓迎】
やれやれ、酷い目にあった。芋煮がなかったら危なかったよ
そんな事より私のお宝本、どうしてこんな事に…
今回のボスっぽいのはシリアスムーヴしててお宝本ゲットは絶望的…
むっ、謎の祈りの電波が。手に入れたエロ本を投げつける戦法もあるんだ。ヨシ!

と、いう訳で誰かが投げつけるかもしれないお宝本をゲットを第一に考えて行動するよ
敵に向かって投げる人がいるだろうからね。投げ終わって役目を終えたお宝本に狙いをつけよう。今度こそ楽して頂きだね!
一応手伝いとして、投げつけられて弱った瞬間に私も背後から【芋煮アタック】でガツンと殴っておくよ
誰も投げなかったら悲しみの力を怒りに代えて殴って帰ろう



 ――ガギンッッ!!
 身の丈をはるかに超える黒魔剣と収奪のウラヌスの拳がぶつかり、火花を散らす。
 収奪のウラヌス、そして杜鬼・クロウは大きく飛び離れ、互いに身構えた。
『フッ――貴様の力、私が収集すべきデータとしては申し分ない』
「ハ、敵を褒めてる場合かよ? 次の切り結びでテメェは終わりだぜ」
 殺伐とした風が両者の間に吹き抜け、クロウの鴉羽めいたコートをはためかす。
 互いに闘気は十分。数度の切り結びを経て、お互いの力量は視えていた。
(――強いな)
(なかなかやるじゃねェか)
 互いに相手の強さへの敬意を抱き、そして打倒を誓う。
 闘争者がゆえの心が満ち足りていく感覚。敵であることが惜しいほどだ。
 ……だが。
「テメェはこの島の奴らを泣かせようとした。そンなこたさせるわけにはいかねェ」
『フン、我らはコンキスタドール。人はすべて収奪されるだけの駒に過ぎぬ』
「……そンな勝手な理屈は認められねェ。だから、ここで倒すぜ」
 クロウが黒魔剣を水平に構え、きりきりと鋭い殺気を放射した。
 収奪のウラヌスもまた闘気を両拳に集め、陽炎をどよもさせるほどの威圧感。
『ほざけ。だが、それでもなお私を倒さんとするならば――』
 じりじりと大気が張り詰めた。……極限の緊張が両者にのしかかる。
『その力のすべてを吐き出し挑むがいい、猟兵よ……!』
「言われるまでもねェ、吠え面かくンじゃねェぞッ!!」
 そして両者は疾風のように飛翔した。極限の武勇がぶつかり合う!
 おお、はたして勝者はどちらに? どちらが勝ってもおかしくない拮抗!
 これぞまさしく、シナリオ最終局面に相応しいシリアスな戦いだ――!

 ところで、そんなシリアスな戦いを背景に、なぜか出てきた黒板前。
「Repeat after me」
 エドゥアルト・ルーデルがやけに流暢な発音で言った。
「「「OK」」」
 ヴィヴ・クロックロック、才堂・紅葉、ルエリラ・ルエラが頷く。
「ミディア・スターゲイザー」
 とエドゥアルト。
「「ミディア・スターゲイザー」」
 ヴィヴ、紅葉は言われたとおりにリピートした……が。
「OPPAI」
 ルエリラがとんでもないことを言い出した。
「は?」
「は?」
 呆れるふたりをよそに虹色に輝きながら高速回転するエドゥアルトとルエリラ!
「……いや待ってください!? 何もかもおかしくないですか!?!?!?」
 あまりにも気の狂いそうな状況に、思わずユーシア・ロクスがツッコんだ!
 そもそもなんだあの虹色の光! なんだこのどこから聞こえてきたアゲアゲなBGM!
「なんでござるか~? いま大事なレッスン中なのでござるが~?」
「そうだよ、エロ本が手に入るかどうかの瀬戸際なんだ、真面目にしてほしいな」
「何もかも意味がわからないです! あそこで真面目に戦ってる人がいますよ!」
 はーこれだから素人はみたいな顔のエドゥアルトとルエリラの反応に、
 ユーシアは思わず食ってかかった。彼女は比較的真面目な猟兵であった。
「もうこうなったらわたしだけでも戦います! みんな、力を貸して!」
 うんざりしたユーシアはバトルキャラクターズを発動、ゲームキャラを召喚!
 自らの故郷というべき自作RPGから、同じ世界のキャラクターを呼び出す……が!
「……ん? あれ??? どちらさま?????」
 召喚されたのは、13体のスライムむすめ!
 さらにつるーんでぺたーんとしたフェアリーが6体!
 そしてムネがバインバインなゴーレムが2体であった!
「えっなんですかこれ??? えっ!?」
「この私の前におっぱいを出してくるとは殺されたいのかな???」
「アイエエエ!」
 笑顔のヴィヴが放つ"殺気"に、ユーシアは怯えた!
 そんな彼女の頭の上にひらひら落ちてくるなにかのメモ用紙。
『わたしの精一杯受け取るっすよ、わたし(1P)……!』
「ってまたわたし(2P)の仕業ですかー!?」
「男モンスターさんはいないんですね。少し残念です」
 紅葉は別の方向に落胆していた。なんだこの状況。
「Repeat after me.ぺたんフェアリー」
 そしてまた流暢な発音で謎のレッスンを始めたエドゥアルト。
「「「ぺたんフェアリー」」」
 やっぱり同調する女性陣……と、残りのモンスターたち。
「ど、どうして皆さん真面目に戦ってくれないんですか、どうして……!」
「おやおや、君には私が真面目に戦ってないように見えるのかい?」
 なぜかイケメンスマイルを見せるルエリラ(13歳美少女)
「私は真面目だよ――真面目に、エロ本の入手チャンスを伺ってるさ」
「それが不真面目だっていうんですよ!?」
「私はひとしきり怒り散らしたから脳がクールになっているんだよ」
「ついさっきわたしのバトルキャラクターにブチギレてましたよね!?」
 さわやかな笑みを浮かべるヴィヴにも思わず突っ込むユーシアであった。
「ですが、あれを倒すためにはエロが必要不可欠なんですよ?
 ならばエロの力を高めていく必要がある。これは戦略的判断です」
「そうでござるそうでござる! 見てみるでござるよあそこのイケメンを!
 さっきからシリアスに戦ってるがさっぱり決着ついてねえでござる!!」
「って人聞き悪ィこと言うンじゃねェよ!! こちとら必死だっつーの!!」
 紅葉とエドゥアルトの台詞に、戦闘中のクロウが吠えた。
『おい待て猟兵、関わるとろくなことにならんぞ。真面目に戦え』
「敵に説教される筋合いはねェよ! 俺ァなあ、進退窮まってンだ!!」
 そして何か熱弁を始めるクロウ。
「これまで完全におっぱいしか言ってなかったからよォ……。
 ここでCOOLな兄貴ムーブかまさねェと誤解されちまうだろうがッ!!」
『誰にだ!?』
「さらに言うともう手遅れな気しかしないです!!」
 収奪のウラヌスとユーシアのツッコミはクロウの耳には届かない。
「だいたいなンだテメェ、絶対防御にはエロが有効だァ? ナメてンのか」
『それはこっちの台詞なんだが???』
「なんでもエロに結びつける安直な発想――愚の骨頂だぜ」
「すごいでござる! 顔の良さでゴリ押しするつもり満々でござるあれ!!」
 エドゥアルトのおっしゃるとおり、何もかも台無しであった。

「わかりました。ではここで私がお話しましょう」
『何もわからんのだが???』
 きょとんとする収奪のウラヌスを完全スルーし、穏やかな笑みを浮かべる紅葉。
「恥ずかしながら、私――屈強で立派な、ひとかどの殿方が情けない姿を晒すのがとても好きでして」
「えっそれ今の俺のことじゃねェかヤベェ!!」
「屈強で立派かはともかく、情けない姿っていう自覚はあるんですね……」
 完全に間違った危機感を抱くクロウに呆れ返るユーシア。
 ところで紅葉はにこやかに語りながら、よく音の出る鞭を取り出した。
「とても知的だったり誇り高かったり、侵し難く高潔な殿方が、
 力やいろいろなものに屈する姿を素敵だと思います。心の底から」
「やっぱ俺のコトじゃねェか、ヤベェ……」
「イケメンでも自分で言うとここまで残念なんだね」
 ヴィヴはなにやら悟りを得たような顔をした。
「積み上げてきた尊く厳かなものが破壊される姿、とてもいいですよね……」
「あっでもそれわかるでござる! 愛がある!! 悲しみがある!!!
 でも陵辱がないでしょッッッ!!!! というやつでござるな、ドゥフフ」
「「「き、気持ち悪い!!」」」
 頬を染めるエドゥアルトの顔にドン引きする女子一同。
「――いや、しかし理解(ワカ)るぜ」
 そこでふとクロウは言った。
「つまりよォ、姫騎士ものと同じようなジャンルってコトだろ……?」
「ええ、そのとおりです。――ところでコンキスタドールのあなた」
『えっ』
「さきほどから、少し頭が高くありませんか?」
 スパァン!(地面を叩いた鞭が鳴らしためちゃめちゃいい音)
『えっ』
「礼儀作法を教育してあげましょう。きちんと覚えてくださいね」
『ちょっと待て私を性癖の対象にするなグワーッ!? アバーッ!?』
 スパーン! シパパーン!
「オォウ……や、ヤベェ……」
「も、ものすごいいい笑顔ですね……」
 クロウとユーシアは紅葉の"教育"にドン引きした。
「ねえところで誰かエロ本投げてくれないかな? 私キャッチしたいんだけど」
「残念だが(巨乳の)エロ本はすべて燃やし尽くしたよ」
「アイエエエ!?」
 ERS(エロ本リアリティショック)に陥ったルエリラは動転した!
「そう、この島においてもはや巨乳の存在は許さない。これは民意的合意だ。
 反論のある者はいるか? いるなら投票だ。私は300人の紳士団を召喚する」
「誰がどう見てもインチキじゃないですかーっ!?」
 なんでわたしこんなにツッコミ入れてるんだろう、と遠い目をするユーシア(1P)
「そこで悶えている性癖のコジレヌスも聞くがよい! そして知れ!!
 効いているのか淫売のエレボスくん! エドゥ子! アル茶を持ってきなさい!1!11」
 なぜか顔を真っ赤にしてわめき始めるヴィヴ。コワイ!
「だが貴様らには胸がないだろう」
「は?」
「は?」
「は?」
 そこでエドゥアルトの一言! ルエリラ・ヴィヴ・ユーシアはぎろりと睨み返した!
「エロカツ! を経て得た拙者の真理、それはただひとつでござる!」
「そ、それはまさか……ッ!?」
 ごくり。クロウは生唾を飲み込んだ。エドゥアルトは貯めて貯めて……言った!
「The answer is――ロリ巨乳おっぱい」
「は?」
「は?」
「は?」
「は?」
「は?」
「えっ拙者の味方がいないでござるグワーッ!? アバーッ!?」
 スパーン! スパパーン! 紅葉の鞭で敵もろとも叩かれるエドゥアルト!
「よし!!!!1!!1江戸幕府くん1!!1!11君も飛び六方してやろう!!!」
 顔を真っ赤にしたヴィヴと300人の紳士による攻撃! 攻撃攻撃攻撃!!
「『アバーッ!?』」
「誰もエロ本を投げてくれない私のこの悲しみの力を怒りに代えて!
 私は人を殺さない!! そのペドフィリアを殺す!!!!!1!!!」
 SMAAAAASH!! アーチャーであるはずのルエリラの弓矢キックだ!
『いや待て私は無関係グワーッ!?』
 巻き込まれる収奪のウラヌス! 無残!
「もうよくわかんなくなってきたから、みんな! やっつけちゃって!」
 ユーシアの号令に従い殺到する美少女モンスターたち! リンチ攻撃!
 スライムもフェアリーもゴーレムも、ロリ巨乳は実装していなかったのだ!
「せ、拙者は死なぬ……祈りが、願いが、ガッツを与えてくれるゆえ……!
 ガッツがあるので瀕死から一回復活でござる。はいバリアーはい無効ー」
 突然のエドゥアルトの小学生ムーブにイラッとする女性陣。
「――悪いな、おっぱいに貴賤はねェが」
 ちゃきり。そして大トリになってしまったクロウが黒魔剣を構えた。
「エロってのは日常の中に垣間見える一瞬……常に隣り合わせにある。
 OREたちが在るとおもえばEROは在る。テメェはそれがわかってねェ」
「なんかいいこと言ってる風でござるがさっぱり意味わからんでござるな!?」
「この状況でおっぱいおっぱい言うといよいよ俺のイメージ崩壊するし、
 そもそも敵が多すぎて俺もボコられそうだからここで死ンどけェーッ!!」
「イケメン無罪といってもほどがあるのでござグワーッ!?」
『だからなんで私も巻き込まれアバーッ!?』
 ドット絵状態のエドゥアルトと収奪のウラヌスは爆発四散!
 特撮番組めいた爆炎を背に、クロウはキリッとシリアスな顔を作った。
「――ロリはダメだと思うぜ」
「最後の台詞で台無しじゃないですかぁああ!!!!」
 ユーシアの悲痛なツッコミが響き渡った。ちゃんちゃん!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

霧島・ニュイ
クロトさん/f00472

僕のフェチは語り尽くしたんだよね…
清楚巨乳や、大人っぽいお姉さんが最高!
ボンキュッボンは至高
あー…そんな素敵なお姉さま方ときゃっきゃうふふしたい…
実地が!出来ないから本に逃げてるのにクロトさんめ!
ねえクロトさん。やっぱり遊びダメ?

そうだ、僕雑食って奴だから地雷ないよ
ほら、食らえ!
エロ本を投げつける
後ろから攻めて苛めたい貴方に、とか、縛りの世界は奥が深い、とか
SMにも憧れる年頃
ああ、苛めてみたい…
自分用は確保済み

エロ本を投げつけながら、手枷やロープ、猿轡も投げておく
スナイパーで命中率を上げて全て命中させ、UC封じを狙う
上手く行ったら、スナイパーと2回攻撃と一斉発射で蜂の巣


クロト・ラトキエ
ニュイ(f12029)よ…
もう僕の教えは不要、君は君の道(フェチ)を行――
あ、18でしたね。じゃあ未だダメです☆
(誰かは見知らぬ猟兵達のために祈った。
主にレーティングとか引っ掛からぬ様に)

さて、此処に一冊の古典
これまでの本との違うと…分かりますね?
興味を引けたら。
ドローンに確と収集、ご覧頂きましょうか。

それはUDCアースの某島国における最古の歴史書…
その道の研究者に言ったら怒られそうですが
…世界最古の艶本!
何かにつけて事に至り、シチュエーションも多種多様――
正に神も人も関係無しの業の煮凝り!

怯んだならUCで強化した鋼糸で範囲攻撃、
ドローンも絶略も纏めて斬り断つ。
いやぁ、生物とは奥深いなぁ(爽)



『……私はそもそもどうしてこんな島に来てしまったんだ……』
 猟兵どもの攻撃でボロボロになった収奪のウラヌスは、落ち込んでいた。
 別に彼はエロ本が欲しかったわけではない。そもそもなんだエロ本って。
 あくまで最強のメガリスを手に入れるため、この島に狙いを定めたのだ。
 それがこの島がトンチキな場所だったためにこんなことに……!
 まあ、人命を軽視し奪うことを厭わぬコンキスタドールなどに、
 慈悲や憐憫をかける必要はないし、こいつが来なけりゃよかったのだが。

 それはさておき、霧島・ニュイは晴れやかな笑顔を浮かべていた。
「いやー、この島楽しいなあ! たくさんエロ本手に入るし同志はいるし!
 まさか僕が思う存分フェチズムを語れると思わなかったよ。ねえクロトさん!」
「ふふ、爽やかな笑顔ですねニュイ。それでこそ健全な青少年というものですよ。
 もはや僕の教えは不要でしょう。君は君の道(フェチ)を行くといいでしょう」
 クロト・ラトキエもとてもイケメンな笑顔を浮かべて言った。
「……あ、でもそういえば君、まだ18歳でしたね?」
「うん!」
「じゃあまだダメですね☆お酒もタバコもエロも20歳から、ですよ」
「えーっ! うーん、でも映画とかはそうだよね。仕方ないなあ」
 この世に18禁という言葉あり。されどあれ、実は業界側の自主規制である。
 レーティングシステムは様々あるが、一番自由になるのはやはり20歳以上なのだ。
 クロトは祈った。ニュイが健やかなエロライフを送る未来が来るようにと。
 そして誰かもまた祈った。このシナリオ、レーティングに引っかからないように、と!
 大丈夫! 第六猟兵のシナリオだよ! 青少年のなんかに配慮しているのでごあんしんください。

 ……そんな保護者と被保護者の実に心温まる(?)語らいを、
 体育座りした収奪のウラヌスは、完全に死んだ目で眺めていた。
 いや目出てねえから死んでるかどうかは見た目じゃさっぱりわかんねえんだけど、
 ほらあの落ち込んでるキャラにどよーんと降りてくるやつあるじゃん?
 あの黒い線が縦に並んでるやつ。あれ。あれが周りに出てた。
 さらに言うと、周りがなんかどよーんって感じで紫になってたのでわかった。
『貴様らも私をそんなトンチキなやり方で倒すつもりか……』
「さて、トンチキかどうか――これを見れば怪しくなると思いますが?」
『!! そ、それは……!?』
 おもむろにクロトが差し出した一冊の書物に、収奪のウラヌスはどよめいた。
 明らかに歴史を感じさせる――カッピカピのエロ本とは違う歴史書!
 誰がどう見てもまともげな、図書館の閉架書庫とかにありそうなアレだ!
『ふ、ふふふ……魔導書かメガリスかは知らぬが、愚かなり猟兵!』
「クロトさん!? どうするの、データを収集されちゃうよ!?」
 襲いかかるドローン。慌てるニュイだが、クロトは不敵に笑ったままだ。
 むしろ逆に歴史書……歴史書?を投げつけ、悠然と腕を組む。
「さあ、しかとごらんください。UDCアース極東の島国における最古の歴史書」
『ふっ、見ているがいい。この私がその力を……な、何ぃ!?』
「……世界最古の艶本!! その歴史を!!!!!!!!」
 ドドォン! 開かれた歴史書に載っているのは……ALAS! エロばかりだ!
 非常に原始的だったり浮世絵めいた、時代を感じさせるエロの数々!
 タコにこうなんかあれされてたりとか、そういうやつだ……!
「さすがクロトさん! ていうかなんでそんなの持ってるの!?」
「温故知新という言葉があるのですよニュイ。エロに古いも新しいもありません」
「言ってることがさっぱりわからないけどとにかくすごい自信だね!」
 収奪のウラヌスは崩れ落ちた。まさに策にかかってしまったのだ。
 ようやくシリアスにパワーアップできると思ったらこれかよ! 畜生!!
『畜生……!!』
「おっと、僕からも贈り物だよ。このエッグいエロ本を喰らえ!」
『グワーッ!?』
 さらにニュイは収奪のウラヌスに、SMとかなんかそういうのを投げつけた!
 収奪のウラヌスは頭を抱えた。よりにもよってこんなの集めてたのかあのハチども!!
「あ、ついでに拘束させてもらうね」
『ちょっと待て、こんな本を読んだ後だと嫌な予感しかしないぞ!!』
 逃げようとする収奪のウラヌス、しかし無慈悲! 後ろ手に拘束されてしまう!
 猿ぐつわまで巻き付き、ロープはご丁寧に亀甲縛りだ!
『ンンンンーッ! ンンンーッ!!』
「人間の――いえ、生物の奥深さと底力。侮っていたようですね」
 シュピン――と、クロトの鋼糸が収奪のウラヌスを切り裂いた。
『ンンンンーッ!!』
「ついでにろうそくの代わりの弾丸だ、喰らえーっ!!」
『ンガガガガガガーッ!!』
 BRATATATATATA! 支援砲撃! 収奪のウラヌス無残!
 残酷なコンキスタドールには当然の報い……いや当然かこれ???
「ふっ、ニュイの未来は安泰ですね」
 楽しげに(銃で)責めるニュイの姿を見て、クロトはにこりと微笑んだ。
 誰がどう見てもろくでもないことになりそうだが、残念ここにツッコミ役はいないのだ!!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

フォルター・ユングフラウ
【古城】

【WIZ】

引き続き、ネロ(f02187)と共に

黙って聞いていれば、臆面も無く恥ずかしい事を語っているな…いや、これは使えるかもしれぬ

ネロ、我の傍に寄れ
そう、もっと近くにだ
汝の性癖、先程からの意味ありげな目線…我が、満たしてやろう
さぁ、存分に語り尽くせ
我という至極の存在の胸に埋もれながら、おねしょだか何だかの魅力をあれの魂にまで擦り込んでやれ!

……くくくっ、何とも容易いものよなぁ
我が美貌と、オブリビオンですら従わせた事のあるこのUCに掛かれば、思春期の子供を手懐けるなどどうという事もない

さぁ、しっかりと魅力を伝えるのだネロよ
上手く出来れば、たっぷりと「褒美」をくれてやるぞ?

※アドリブ歓迎


ネロ・バロック
【古城】
俺はおっぱいのデケェ女が好きだァ!
常識の範囲内の…ドタプンが良い!(フォルターくらいの!)
そんでもって優しい姉属性が至高だぜ!(フォルターは優しくねぇけど!)
嫌いな男はまずいねェ!好きなシチュはオネショタ!
主導権は最初が姉ちゃんで最後はショタ、これが黄金比だ!どうだァ!

フォルターが来いって何する気だァ?
うわぁぁ!直接的な誘惑じゃねェか!
抵抗しようとするも、1mmも体が動かねェ…!くっ!
魅力を語る前にヘロヘロになっちまう!しかも褒美ってなんだぁ!?(鼻血)
これ以上やると全年齢対象から外れちまいそうなので
さっさと唯我独尊斬りでボスをぶった斬るぜ!
今回の醜態はひみつきちズには見せられねえな!



「俺は!! おっぱいのデケェ女が好きだァ!!!!!!」
「『!?』」
 どどんっ!! と極太フォントのオノマトペを背後に背負いながら、
 ネロ・バロックはいきなり叫んだ。フォルター・ユングフラウはドン引きした。
「……いきなり何をたわけたことを叫ぶのだ、ネロよ。痴れ狂ったか?」
「馬鹿野郎ッッ!! いやフォルタ―は女だけど! 感じねェのかよ!?」
「何がだ。汝へのそこはかとない嫌悪感なら感じているが」
「さりげにひでェなオイ!! けど退けねぇ――感じるんだよ、この胸でな」
 ネロはなぜかシリアスな顔になり、どんっと胸板を叩いた。
「俺たちの勝利を祈る、同志(ブラザー)たちの祈りをよ……!!」
「そうか。汝がいよいよおかしくなったことはよくわかった」
「っかぁー! まァ女にはワカンネーよな! 仕方ねェ!!」
「我の胸部をガン見しながら言われてもこれっぽっちも効かんぞ」
「それが男ってモンなんだよ!!!!!!」
「わかったからもう話を進めよ。気が狂いそうだ」
 よもや狂気と猟奇を振りまく己がここまで狂わされそうになるとは。
 いやそういう戦法なのか? だとすれば恐ろしい、フォルタ―は戦慄した。
 それはさておき、唖然とする収奪のウラヌスにネロは語り続ける。
「ただしデケェと言っても、あくまで常識の範囲内……それでいてドタプンだ!!」
『なぜそれを私に向けて云う!?』
「そんでもって優しい姉属性が至高だぜ――そう思うだろ!? アンタも!!」
『思わんが!?』
「なら死ねェーッ!!」
『グワーッ!?』
 ズバーッ! 不意打ち同然の唯我独尊斬りヒット! 敵に大ダメージだ!
「くっ、手応えが足りねェ……俺の煩悩はこの程度だってのか!?」
「誰がどう見ても十二分に過ぎると思うが……恥ずかしいことはそこまでにしておけ」
 どうやら、女王様にもそれなりに羞恥心というものはあるらしい。
 ん? これなにげにかなり"良い"のでは? ネロのなにかの扉が開きかけた。
「ネロ、何を呆けている。さっさと我のそばに寄れ」
「えっ!? 俺、主導権は最初は姉ちゃんでショタが逆転するのがイイんだけど!?」
「だからその恥ずかしい性癖語りをやめろ。さっさと近くに来い」
 フォルタ―はうんざりした顔で手招きする。ネロはひょこひょこ近づいた。
 すると――フォルタ―はおもむろにネロの頭をがっちりと掴んだのだ!
「うおっ!? 待て、テメェ一体何を……うおおおおおっ!?」
 そして……ALAS! ネロの頭を己の胸元へ抱き寄せたのである……!

 ――そうか。
 ネロは唐突に理解した。
 宇宙を、人生を、そしてこの世のはじまりとおわりを。
 アルファがあるからオメガが存在し、無と有は表裏一体なのである。
 この世に意味のないものなどない。森羅万象のすべてが必然を有するのだ。
 すべてが、すべてがわかる。なぜ1+1が2なのかも、何もかも!!
「……はっ!?」
 そこでネロは我に返った。
 よもやフォルタ―に抱きしめられ……しかも、お、お、おっぱいに埋もれるなんて、夢にも思っていなかったのだから当然であろう。
 まあませた子ですこと! こんなの見てたらうちのぼっちゃんが不良になっちゃうザマス!
 ほら行くザマスよぼっちゃん! こらぼっちゃん! 指差したらダメザマス!
(衝撃のあまり通り過ぎていくイマジナリーインテリママとドラ息子)
「汝のその性癖、さきほどからの意味ありげな視線、すべてわかっていたぞ」
 フォルタ―はにやりと笑い、そして言った。
「さぁ、存分に語り尽くせ。我という至極の存在の胸に埋もれながら!
 その「おねしょ」だかなんだかいう魅力をあれの魂に刷り込んでやるのだ!」
「……あっテメェ!! これもしかしなくても俺にユーベルコード使ったなァ!?」
 ネロは体を包む違和感と、勝ち誇った表情のフォルタ―から察した。
「当然であろう。そらどうしたネロよ、"ご褒美"がほしかろう?」
「ご褒美だとォ!? どう考えても椅子か豚にされる予感しかしねェ!!
 けど抗えねェ……抗えねェよ!! だって俺、男の子だから!!!!!」
 鼻血を垂らしつつどこかに向けて熱弁するネロ。なぜか言い訳めいていた。
 多分だけど、例の秘密基地の子たちに向けて語りかけてたんじゃないかな?
 そういうわけで皆さん! もしこれをごらんになってもネロさんをそっとしておいてあげてください!
 彼は多分トンチキのせいで頭がおかしくなっています! いやもともとかな!?
「――もはや言葉は要らねェ。喰らえオブリビオンッ!!!」
『グワーーーーーーーーッ!?』
 ズバーッ! ネロの唯我独尊斬りが完全クリーンヒットだ!
 収奪のウラヌスは、完全に置いてけぼり&トンチキすぎる醜態に死にたくなった!
『私がこんなふざけた戦いでなどォーッ!!』
「へっ、ふざけちゃいねェよ――エロは、永遠なんだからな」
「鼻血を垂らしながら格好をつけようとしても何も決まっておらんぞネロよ」
 フォルタ―のジト目は、どこまでも冷ややかであったという。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

大紋・狩人
【仄か】
うっそだろお前(死相)
お味噌汁話に戦略的撤退、いや確実性は大事だからここまで来たら言うけど僕も死ぬんだよ諸刃だよ(ギレ)
大丈夫ラピタ
ごめん僕先行してくる!!
ラピタまで声届かないといいなあ
声隠しの黒炎ぶわっ

手折られそうな花の細さも
男女の差も気にしてない無防備さも
浮世離れした清らさも守ってあげたくなるだろ
癒される、っていうのかな
どきどきして苦しいようなたまらない気持ちになるんだ
でも細すぎたり軽すぎるのは
凄く心配になるからもっと健やかであってほし、

ラピターーー!!?(卒倒しかけ)(堪える)

絹さやと玉子バーストブロウ!!
あとで食べに行こうな
生でも焼いたのでもきみの好きなのを!
(色々忘れて!!)


ラピタ・カンパネルラ
【仄か】

カロン、凄く呼吸が乱れてる
大丈夫かい
うん、無理はしないで

えろ
えろかあ
無敵パワーを通すには
うーん
きっと、ちゃんと理解が、必要だよね

(おめめピカっ。目がすごく悪い人くらいに視力回復!幸いにも捲ったのはソフトセクシーブック!わあ、女神様綺麗)
(炎にも負けず聞こえてくるのは張りがありよく通るカロンの声!)

(ふんふん)

(ふん)

(おや)
(僕ももしかして)
(えろ)
(すなわち)
(女神属性なのでは……?)

ふんす
お豆腐がすぐに崩れちゃうの、か弱くて可愛いパンチ
なめこがぷるぷるお口で滑るのが楽しくて大好きキック

好きなのに言いたくないって苦しまなきゃいけないって
えろって複雑なんだねえ
お魚も食べたいね
ね、カロン



「うっそだろお前」
 大紋・狩人の顔には死相が出ていた。修羅場に出くわした男の貌である。
 ここで命を散らすのだろうと覚悟したものの、寂しくどこか清清しい顔だ。
「……カロン。すごく呼吸が乱れてる、大丈夫かい」
 そんな狩人を、ラピタ・カンパネルラはあくまでシリアスに心配した。
 彼女はまだ知らぬ。この島の本性を、このトンチキすぎる状況を知らぬ。
 それは狩人の奮戦のおかげであり……そして彼は逆に首が絞まっていた。
 でもさあ仕方ねえじゃん! こんないたいけな子に見せられるかエロ本を!!
 と、狩人は内心でキレた。誰に対してなのかはよくわからない。
 でもねそういう子がね、真実を知った時の顔ってのもね!
 またたまらんもんですよゲヘヘ。そういうの好きでしょみなさんも、ね!
「くっ、なんだか世界そのものがものすごい勢いで僕を追い詰めている気がする!
 けど……大丈夫だよラピタ、僕は死なない。お味噌汁は絹さやと卵が好きさ」
「うん、何を言っているか全然わからないけど、僕はお豆腐となめこが好きだよ」
 完全に話は食い違っていたが、なぜか話はきちんと通じていた。
 狩人は思った。
 このままトンチキな状況と緊張が続けば、多分自分は死ぬ。
 社会的な意味で? それもあるし精神的な意味でもだよ!!
 おのれコンキスタドール、よくもこんなキ○ガイシナリオを!!
『いいか猟兵、言っておくがな私も同じ気持ちなんだぞ』
 対峙する収奪のウラヌス(ボロボロのすがた)は心底から言った。
 相手も大概だった。本当だったらもっとシリアスに戦ってるはずだったのに。
 悲しきかな、コンキスタドールとてヤツは完全に被害者であった。
 なまじっかかっこよく虐殺するシーンも潰されたのでごらんの有様だよ!
 さっさと楽にしてやるのが猟兵心というものだ。いや本当か?
 なんだかんだ虐殺しようとしてたんだしこいつも別に被害者ではなくないか???
「ラピタ、とりあえず僕先行してくるね!!」
「えっ、でも」
「いいから! ラピタは後ろで僕のさいわいを祈っててくれ!!」
 キリッ。ここ一番のシリアス顔でかっこいいことを言う狩人。ごまかしだ。
 ついでにもう一つごまかしの黒炎を燃やし、狩人はさっそうと突撃した。
 なんとしてでも、あの邪智暴虐なコンキスタドールをアレせねばならぬ。
 そんでもって事実が露見する前に帰る! これしかねえ!!
「戦人になって初めてだぞこんな窮地……!!」
 呟く狩人の声音には、これ以上ないほどの悲壮さと切迫が籠もっていた。

 まあそんなわけで取り残されたラピタ、であったが。
 彼女は感受性が高い――ゆえに、彼女もまた感じ取っていたのだ。
 猟兵たち(とエロ本)の無事を祈る、島民たちの生臭い祈りの声を……!
「えろ、えろかあ」
 どうやらあのコンキスタドールを倒すには、えろの力が必要らしい。
 えろ。つまり女神の力。なるほど神の力は邪を払うにピッタリと言えるだろう。
 誤解が誤解を呼ぶ。そんなわけでラピタはふんすとやる気を出した。
「きちんと理解が、必要だよね――」
 くわわっ。ラピタは目を見開く。義眼が光り輝き、魔力が灯った!
 ALAS! 狩人はどうにかしてその場に残るべきだったのだ!
 ラピタは真面目だ……本当にシリアスな子なんですよ彼女! ほんと!!
 だから彼女は再び魔力を注ぎ、視力を回復してえろを知ろうとしたのだ……!
「……これが、えろ」
 ラピタの足元には、こんなこともあろうかと転がったセクシーブック!
 幸いそれはエッグいエロ本ではなく、きわどいグラビア程度のあれ、だが!
「……女神様、きれい」
 ああ、ラピタはついに、エロを知ってしまった――!

「いいか。一度しか言わないからよく聞けよコンキスタドール」
『いや私はこれっぽっちも聞きたくないのだが……』
「僕だって言いたくない!! けど仕方ないだろ!!!!!」
 もう誰にキレてるかもわからない狩人であった。ぐっと拳を握りしめる。
「手折られそうな花の細さも! 男女の差を気にしてない無防備さも!!
 浮世離れした滑らかさも守ってあげたくなるだろ――男として!!!!」
『それを力説された私はどう反応すればいいのだ???』
「……癒やされる、っていうのかな」
 げっそりした収奪のウラヌスの声も、狩人には届いていない。
 最初はいやいやだったが、なんだかんだ語ると熱が入るものだしね!
「どきどきして苦しいような、たまらない気持ちになるんだ」
『それが後ろの猟兵に対する思慕だというのか』
「……そうだ。でも細すぎたりかるすぎるのはすごく心配になラピターーーーーー!?」
 くるりと振り返った狩人は、そのまま仰向けにぶっ倒れそうになった。
 ラピタ、インカミング! 黒炎を振りまこうと声は消せなかった!
 なまじっか力を入れちまったからこのざまさ! ざまあみろ!!
「そうか。カロンはそう思ってくれていたんだね」
「(白目をむいて泡を吹いているので返事が出来ない狩人)」
「――つまり僕も、女神様に近い。えろということ、かな」
「違う!!!!!!!?!?!?!?!?!?」
 いや合ってんだけどなあ! 狩人はもうブラックホールになりたくなった!
「くそっ、それもこれもお前のせいだぞバーストブロウーッ!!」
『だから私は何も悪くなグワーッ!?』
「お魚もたべたいなパンチ!」
『さりげなく共同作業みたいな雰囲気を出すなグワーッ!?』
 クリーンヒット! 収奪のウラヌスは悲鳴をあげながら吹っ飛んだ!
「……えろって、複雑なんだねえ」
「いや、ラピタ。忘れて色々、お願いだから」
「でもカロンがいま」
「お願いだから忘れて!?!?!?!?」
 カロンのあんな情けない声は初めて聞いた――ラピタは、のちにそう述懐したという。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

海鸚・アンデラ
【風海】

ハッッ‼︎オレは一体何を…⁉︎
〈説明しよう‼︎海鸚アンデラは2章始まって早々にぶっ倒れたことにより戦闘中の記憶がないのである‼︎〉
くっ…略奪中にぶっ倒れるなんて情けねぇ…!(シリアス顔)

キャプテン!バッカニアさん!
ここはオレに任せてください!

〈役立たずのままではいられない!大きな翼を広げ勇猛果敢に飛び立つ‼︎〉
〈※ぶっ倒れてたので島民のスペシャルな祈りは受信できず〉
やいそこの七光り野郎!
このアンデラ様の華麗なる必殺技を食らいな!!

〈しかし―‼︎否が応でも耳に入る猟兵たちの玉石混合性壁暴露!!ウブな青年に耐えられるはずもなく!!〉

ピギィーーーー!!!(鼻血と共に後ろに吹っ飛ぶ)


アイザック・マグナ
【風海】

ア、アンデラーーーーー!!!
俺様のかわいい弟分をよくもやってくれたな!!

ジジイ!マグノーリャ!
こうなったら〝奥の手〟だぜ!(さもいつも使ってます面したキメ顔!!ジジイへの華麗なる無茶振り!!)

OH!ぶるんぶるんぼいんぼいん‼︎(合いの手)
HUEーーー‼︎ ボボルバッバッ!チェキチェキラ!(突然のボイパ)
sexyマグノーリャァァーーー‼︎(歓声)
(ジジイ引っ張りながら船に乗り込むぜ!!ついでにマグノーリャの気分もアゲアゲだ!)

ヤーーーダゥーーーーーーーーー!!
(ちゅどーん!)

食らえぇえええエエエエえぇえ!!!!
絶対無敵貫通ウルトラスーパーW石頭アタァーーーーック!!!!


マグノーリャ・ヒミングレーヴァ
【風海】

あらあら?アンデラがFly away !!
皆も負けてられないヨー! 仇討ちネ!
ヤー・ダゥ!! 奥の手キメてこ〜!(※初耳)

えっちなことを言うと強いのネ、任せて!
Tim Tim !!
Oh-ppai !(持ち上げる)
sexy dynamite 女神ーー!♡(イエーーー!!)
お味噌汁にはワカメがマブダチ〜♪ お豆腐の繊細さもmignon, mignon〜♪(船変化)(海賊船)
お船の姿もSEXYーーー!?♡(イエーーーー!!!)

そーれ、二人ともバッチリ主砲に乗り込んだー?
目にもの見せて、グッドルッキングガイ!!!

あると嬉しい・OH-FUuuuuuu!!!!(発射)


バッカニア・マグナ
【風海】

アンデラーー!!!
くそ!!このテンション!
アンデラが居なけりゃ、わしがツッコミに回らざるを得なくなる!!!

は?奥の手って……主砲を指すな主砲を!
いだだだだ!!ひっぱるな!ザックこら!わし老いぼれジジイぞ!?正気か!聞いてねえ!!

若さか!?これが若さってやつか!!ちくしょう!!わしだって負けとらんからな!?!
見せてやるわシルフィード1の歌い手の実力を!

まぁ詳しい歌詞とかムーブはMSに任せるんだけどな!!!
(なんか良い感じに歌いつつ主砲にlN)

Everybody sey!! OPPAAAAAIIII!!!
(ちゅどーん!)



「「ア、アンデラーーーーー!!!」」
 またしても響き渡るバッカニア親子の悲鳴。
 その後ろで、マグノーリャ・ヒミングレーヴァはにこにこ笑っていた。
 女神は細かいことを気にしない。あとアンデラが倒れるのはこれで三回目だ。
 神はおおらかなものである。いやちょっとおおらかすぎやしねえ???
「ピギィイイ……」
 吹き飛ぶ海鸚・アンデラの鼻からアーチ状に飛び散る、鼻血……!

 はたして何が起きたのか? 必要は一切なさそうだが説明しよう!
「ハッッ!! オレは一体、何を……!?」
 先のトンチキはたらきばち討滅戦の直後、アンデラはがばりと跳ね起きた。
 彼は記憶の残っていない自分の頭を訝しみ、こめかみに手を置いて呻いた。
 わからない、なんかとんでもなくショッキングなものを見たような……。
 あまりの衝撃のあまり、目撃したエロ本(という名の鳥類図鑑)のことも忘れていたのだ!
「くっ、略奪中にぶっ倒れるなんて、情けねぇぜ……!!」
「起きたかアンデラ。そう自分を責めるんじゃねえよ」
「!! キャ、キャプテン……!!」
 そんなアンデラにかがみ込み男の笑みを浮かべるキャプテン。
 もとい、アイザック・マグナの白い歯がキラリと輝いた。
「いいかアンデラ、でけぇ男ってのは細かいことを気にしないもんなんだ」
「キャプテンが言うと含蓄があるぜ!」
「昔の言葉にもあるもんな! 本当にち○こでけぇ男は武器持たねぇってよ!」
「バッカニアさんが言うと問題しかねぇ!!!!!!」
 アンデラのツッコミに、バッカニア・マグナはぶわっはっはと呵々大笑した。
 そんな彼の爽やかな顔を見ていると、嫌な思い出も洗い流される。
 酒ですら拭えぬ狂気の記憶……おお、恐るべきはどすこい女装相撲……!
 よもやシリーズがどこぞの宇宙英雄シリーズ並に存在するとは理解が出来ない。
 しかも映像化までされてるってんだから驚きだ。いやどこが映像化してんだ?
「はっ!! い、いけねぇ。わしとしたことが……!」
「??? どうしたんですかバッカニアさん???」
「いや、なんでもねぇ。アンデラが気にすることじゃねえよ」
 出来ればこの世から消し去りたい。バッカニアはスキットルを呷り頭を振った。
「それよりもだ! アンデラ、てめぇが起きた以上ツッコミはお前だ!!」
「ああそうだな、ジジイにツッコミやらせてたら血管ブチギレちまうぜ」
「Oh! アタシがツッコミ担当してもいいのヨー?」
「「見るも無残なことになりそうだからやめろ!」」
 バッカニア親子、声を揃えてマグノーリャを制止した。女神けらけら笑い。
「??? ツッコミ役……? ……はっ、そういうことか!!」
「わかったか、わかってくれたかアンデラ!!」
「もちろんですよバッカニアさん! 任せてくれよツッコミ役!!」
 精神的○○こと23歳健康優良不良青年は胸板を叩いて莞爾と笑った。
「今度こそ略奪の先陣を切って突っ込んで、男を見せろってことですね!?」
「あってるけど全然ちげぇよ! やっぱりわしがツッコミかよ!!」
「それはそれとしていい志じゃねえか! 行け、アンデラッ!!」
「ヤー・ダゥ! うおおおおおお!!」
 アンデラはアイザックの言葉に力強く応え、ばさりと空に舞い上がった。
 そうとも、このまま役立たずで終わるなど、海の男としての矜持が許さない。
 己もまた、この誇り高きシルフィード海賊団の一員なのだ!
 それを見せつけてやろうではないか、見ているがいいコンキスタドール!
 ……なんだかものすごくげっそりとした死んだ目でこちらを見上げているが、
 とりあえずぶちのめそう! なんか無敵っぽく光り輝いてるが勝てるはずだ!!
「やいそこの七光り野郎! このアンデラ様の華麗なる必殺技を喰らいなッ!!」
『待て猟兵! 今は――』
 しかし……嗚呼! アンデラは収奪のウラヌスの言葉に耳を傾けるべきだったのだ!
 その時まさに、とある猟兵がエッグい性癖暴露をしていたのだから……!
「ピギィーーーー!!!!」
 ちょっと聞こえただけで鼻血を噴き出すアンデラ! どんだけうぶだよ!!
 そして彼はハンマーで殴られたかのように、仰向けに吹き飛んだ!
「「ア、アンデラーーーーー!!!」」
 響き渡るバッカニア親子の悲鳴――そして、今に至るのだ。

「やはりアンデラではダメじゃったか……」
「アンデラがFly away! しちゃったネ! これも敵のせい?」
「そうでもあるしそうでもねえと言える! 確かなことはひとつだ!!」
 鼻血の螺旋を描きながら落下するアンデラから目をそらしつつ、アイザックは言った。
「アンデラの敵討ちは俺様とお前らで取らなきゃならねえ!!」
「お、おう」
「ジジイ! マグノ―リャ! こうなったら――"奥の手"だぜ!!」
「ヤー・ダゥ! 奥の手キメてこー!!
「おい待てお前ら! さもいつも使ってるみたいな顔してるが初耳だろうが!?
 ……クソっ!! やっぱりわしがツッコミ役じゃねえか! 酒!! 呑まずにはいられないッ!!」
 ぐびぐび。しかし酒をどんだけ呑もうがトンチキは終わらない。
「おいザック、一応聞いておくが奥の手って一体」
「マグノーリャ! ミュージック、スタートゥッ!!」
「ノリでごまかそうとしてんじゃねーーーーーーかッ!?」
 無慈悲! 高血圧寸前のバッカニアを無視して狂気は加速する!
「オウイエー! ミュージックスタートヨー!!」
 パチーン! マグノーリャのフィンガースナップとともに、
 なぜか強制召喚される昔の船員たち(バッカニアのユーベルコードである)
 そしてなぜか思い思いの楽器を手に、海の男たちがセッションする!
「お前らぁ!?」
「目にもの見せてやるぜ~えっちなことで~仇討ちだ~(デッケデケデケ!)
 Tim Tim!!(デケデッ!)Oh-ppai!!(ギャギャギュイーン!)
 Sexy Dynamite 女神~~~~♡(イェーイ! 歓声をあげる船員たち!)」
『嘘だろ貴様らまさかそれで私を倒すつもりなのか』
 収奪のウラヌスは死んだ目をしていた。だが狂気は加速する!
「Oh! ぷるんぷるんぼいんぼいん!!」
 合いの手を入れるアイザック! 鳴り響くBGM! 踊り狂う船員(幽霊)!
「よしわかった、わしもやってやらぁ!! 見せてやるわ!!」
 伊達にバッカニアもシンフォニアではない! 幽霊マイクをキャッチ!
「味噌汁にはワカメをIN!! 豆腐もあればシンフォニーの完成だぁ!
 つまりエロも人生も同じこと、おっぱい! お尻! どっちもなくして人生なし!!」
「Hue~~~!! ボボルバッバッ! チェキチェキラ!」
 なぜかボイパを始めるアイザック。背景で踊り狂うマグノーリャ。
 揺れる胸! お尻! 踊り狂う船員! 死にそうな顔のウラヌス!
「ヘイマグノーリャ! 我らの女神! セクシーダイナマイトナンバーワン!!」
「ヤー・ダゥ!!」
「準備はいいか? 見せてくれ、お前のSexyな船の姿! ソービューティビューティフルビューテッド!」
「イエーーーーーー!! レッツ・トランスフォーーーム!!」
「ワンダバダバワンダバダバダバ、ワンダバダバワンダバダバダバ!
 ワンダバダバワンダバダバダバ! ワンダバダバワンダバダバダバ!!」
 なぜか勇壮なマーチを口ずさむアイザック。バッカニアを引っ張る。
 マグノーリャは踊りながら船へと変身し、主砲がガギャンと上向いた!
「Yo-say!! エロが!! わしを刺激する!!! 生足も好きだぜイッツオーライ!!」
「生足! 臀部! 背筋から肩甲骨~~~(アイザックの合いの手)」
 ウィーンガション。主砲に乗り込むふたり。痙攣しているアンデラ。死にそうな顔の収奪のウラヌス。
「さあ目にもの見せて、グッドルッキングガイ!!」
「ヨーホー! さあ行くぜ、エビバディセイ!!」
「「「オッパーーーーーーーーーーーーーーーイ!!」」」
 KA-BOOOOOOOOOM!! 主砲が火を噴いた! 飛び出すバッカニア親子!
「ピィイイイ……」
 痙攣するアンデラは見た。太陽を背に空を舞う勇ましき海賊の姿を。
 ああ――やっぱりあのふたりはすげえや……彼は、心から敬意を抱いたのだ。
 それはそれとして、おっぱいシャウトのダメージが大きいので彼はまた気絶した。
「喰らえぇええええ!! 絶対無敵貫通!!」
「ウルトラスーパー!!」
「「ダブル石頭アターーーーーーーーック!!!!」」
『こんな攻撃で私がアバーーーーーッ!?』
 KRAAAAAASH!! 着弾! そして……KRA-TOOOOOOOOOOOM!!
「ふたりとも、カッコよかったヨ……! シーユーアゲイン、グッドルッキングガイ……!」
 沈みゆく太陽に浮かぶバッカニア親子のサムズアップ笑顔。
 マグノーリャはそれを見上げ……爽やかな笑顔で、サムズアップした。
 収奪のウラヌスはアンデラの隣でマグロめいて痙攣していた。これが狂気だ!!!!!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

露木・鬼燈
…まぁ、いいんじゃない?
うん、この島での最終バトルに相応しいよねたぶん。
艶本を回収したかいがあったのです。
とゆーか、伏線だったとはね。
せっかくなので艶本を利用して殺っちゃうですよ!
禁式・秘伝忍法<蠱惑>
隠忍之薬酒瓢箪で生成した幻覚作用のある清酒。
これを水遁で霧状にして散布。
これに幻術を重ね、艶本の内容を再現!
記憶と五感に作用することでにおいや感触まで再現されるのです。
相手が機械?経験皆無?
…その辺の猟兵が見ている幻覚を共有させればイケルイケル!
リクエストがあれば聞くですよ。
希望者は艶本をもってきてどうぞ。
防御が破れたら暗殺するっぽい!
急所っぽいところをてきとーに、ぐさっーとやるですよ。



『メガリスを拾いにきただけなのに……』
 収奪のウラヌスはボロボロの有様で、とぼとぼと背中を丸め歩いていた。
 いや、戦うのはいい。そのためにこの世に生じたのが己なのだから。
 敵が猟兵である以上争うのは必定――なぜならばオブリビオンとは仇敵同士。
 天敵であり不倶戴天の敵だからこそ、争いは必然なのである。
 問題は……問題は、それがあまりにもトンチキすぎることなのだ!!
『私が何をした!? ただメガリスを探しにこの島に来ただけだろう!
 まだ島民に手を出してすらいないのだぞ! それがこんなとは……!』
「うんうん、同情はするけどコンキスタドールに慈悲はないのですよね」
 おでん屋の店主みたいに愚痴を聞いていた露木・鬼燈、しかしにこりと言った。
「そもそもお前の手下からしてエロ本拾い集めてたんだし!」
『部下のチョイスから間違えた……!!』
 崩折れる収奪のウラヌスを不意打ちしない程度の情けは鬼燈にもあるらしい。
「とにかく立つですよ。さあ僕と戦うといいっぽい!」
『き、貴様は私とシリアスに戦ってくれるのか!?』
「ううん、それはそれこれはこれなのです! 喰らえ艶本アタック!!」
『やっぱりこのオチかグワーッ!?』
 SMAAAAASH!! 叩きつけられるえっぐい艶本!
 たたらを踏む収奪のウラヌス……そしてヤツは周りを見て驚愕した!
『な、なんだこれは!?』
 ワーオ。気がつけば周りにはあられもない姿の美女が……ワーオ!
 にこりと優しく微笑み、収奪のウラヌスに群がってくるのだ!
「ふっふっふ。これぞ禁式・秘伝忍法、蠱惑。もうお前は術中っぽい!」
『まさか幻……か!? いや、それにしてはあまりにも生々しい……!』
「わかったところで逃れられないっぽい! それともリクエストあるです?」
『あるわけないだろうが!!!!!!!!!』
「よし、では死ぬがよいっぽい!!」
『アバーッ!?』
 ALAS! 呑気に能力を説明していた鬼燈も幻覚の一部!
 まんまと無敵化が解除されてしまった収奪のウラヌスを貫く魔剣!
『な、なぜだ、なぜ私はシリアスに戦えないのだ……!』
「強いて言うなら、この島を選んだ時点で悪かったっぽい!」
『正論を真顔で言うなアバーッ!?』
 ぐりぐり。刺さった魔剣をねじられて収奪のウラヌスは悲鳴をあげた。
 鬼燈は一仕事終えたとばかりに、爽やかな笑みで汗を拭うのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ロカジ・ミナイ
イサカ/f04949

あ〜、コスプレね…
先生って呼ばれるの好きそう…(うわぁっていう目)
まぁね
この鬼畜生との趣味被りは認めたくないけど
正直いってけっこう好き
あっちがくノ一ならこっちはお代官様とかお館様とかね
うんうん、イサカにゃんってば分かってんじゃん

まぁ僕にはまだピュアなとこがあるから?
帽子が本体のやつにキッズって言われてもそうだねとしか言えないんだけど?
好きなものを挙げるなら
着飾らない系職業の女子とかいいと思うよ
ガテン系とか職人とか警官とかコンビニ店員とかさ
想像を超えた味わいに出逢えるからね

いいのいいの、そういうエロ本は求めてないの
まだエロ本の話してんの?

ええ?あ、
…ねぇコイツもしかして童貞?


黒江・イサカ
ロカジ/f04128と

うーん
改めて訊かれると、ちょっと困っちゃうんだよな
いや あるんだよ ある
コスプレはやっぱりいいよね
お手軽な癖に目で楽しい、耳で楽しい口で楽しいの3点セットだ

可愛い恰好させられるし、
そのついでにごっこ遊びなんてすればいつもと違う相手を楽しめるし、
僕だっていつもと違う僕をご提供出来るし

ご主人様とか先生とかさ
わかるだろうロカジにゃん
君のくのいち好きだって似たようなものに違いないよ
というか、くのいちって限定してくるのがまだキッズだよね
エロ本持って帰って勉強した方がいいぜ
折角ピンク頭なんだからさ

…ええ?
いやあ、あんなに全身ガチガチにしておいて童貞はないでしょ
ギークじゃあるまいし



「コスプレ、やっぱいいよね」
「うわ……」
 黒江・イサカはさも心外そうな顔でロカジ・ミナイを睨んだ。
 しかしロカジは気にしない。ふたりはそういう付き合いなのだから。
 ……ん? そういう付き合いって迂遠な書き方するとなんかエロいですね!?
 いやまったくもってふたりは悪友というかなんかそういうあれなのだが、
 それでもそこはかとないいやらしさは感じる。これが人類の知恵か。
「いやでもさ、わかるだろうロカジにゃん」
「にゃん言うな」
「お手軽なくせに目で楽しい、耳で楽しい口で楽しいの三点セットだよ?
 可愛い格好させられるし、そのつでにごっこ遊びすればいつもと違う感じ楽しめるし」
「うん。まあイサカにゃんが先生とか呼ばれるの好きそうなのはわかるよ」
「にゃん言うな」
 おま言う案件であった。
『……貴様ら、それはいいからせめて私と戦う気構えをしろ!?』
 ボロボロの収奪のウラヌスも、マイペースなふたりに思わず突っ込んだ。
 いっそこのまま性癖談義で盛り上がってどっか行ってくれたほうがいいのだが、
 悲しいかな彼は誇り高きオブリビオン。戦闘者としてのプライドがあった。
 時としてそういうプライドが人を殺す。オブリビオンでもおんなじようなもんだ。

 が、ふたりはそんな収奪のウラヌスを完全無視して性癖トークを続ける。
「そうさ、君のくのいち好きだって似たようなものに違いないよ」
「否定はしないけど断定されるとなんかムカつくんだよなあ!
 だいたい君みたいな鬼畜生との趣味被り、正直あんまり認めたくないよ」
「からの?」
「けっこう好き!!」
「だよね」
 ピシガシグッグッ。真顔のまま拳を打ち付け膝を突き合わせるふたり。
「くのいちの場合はやっぱね、こっちはお代官様とかお館様とかさあ」
「わかるわかる。でもほら、ちょっとこう、あれだよね」
 イサカはさもいいづらそうな顔をして、これっぽっちも言いづらくなさそうに行った。
「くのいちって限定してるの……なんていうか、まだ"キッズ"だよね」
「は???」
「だってさ、お菓子で言えばパンケーキみたいなものでしょ? くのいちって」
「その理屈はまったくわからないけど言いたいことはわかるよ」
 それがまた悔しいロカジであった。
「いやでも、僕だって別にくのいち以外にも好きなものあるし?」
「へえ、じゃあ言ってみるといいよロカジにゃん」
「だからにゃんやめろ。……いやさあほら、着飾らない職業の女子とかさあ」
 ロカジ、なにやらろくろを回し始めた。
「ガテン系とか職人とか、警官とかコンビニ店員とかさ?」
「え、汗臭いのがいいとかそういうやつ? うわ……」
「うん僕ぶん殴っていいかな」
 ロカジは真顔だった。
「そのへんわかんない帽子本体野郎のほうがキッズじゃないの?
 想像を越えた味わいってのをさ、まだ出逢ったこと……ないんだろ?」
「はいはい。ロカジにゃんはエロ本読んでもっと勉強しようね」
「だからロカジにゃんやめろ」
『私の!! 話を!!! 聞け!!!!!!』
 収奪のウラヌス、キレた! ふたりはきょとんと振り返る。
『いいか!! 私だって別に貴様らにやられたいわけではないが!!!!
 戦いに来たなら!! せめて!!! 真面目に!!!! 戦え!!!!!』
「え、なにあれ。もしかして僕らのエロトークにキレてんの?」
「もしくはロカジにゃん以上のピンク頭なのかもね。機械だけど」
「誰がピンク頭だ」
『貴様らーッ!!』
 襲いかかる収奪のウラヌス! しかし――SMAAAAASH!!
『グワーッ!?』
 ロカジの電撃を纏った神速の一撃と、目視すら出来ぬイサカの攻撃が、
 そのままバネじかけめいて収奪のウラヌスをふっとばした。あ、哀れ。
「あ、僕わかった」
「何が」
「もしかしてあいつ、○○なんじゃない?」
「……ええ?」
 イサカは収奪のウラヌスを見て、首をかしげた。
「いやあ、あんなに全身ガチガチにしておいて○○はないでしょ」
「その基準よくわかんないけど、そうすると色々腑に落ちない?」
「まあじゃあ、ロカジにゃんがそう言うならそういうことにしておくよ」
「だからにゃんやめろ!」
『わ、私はこんな奴らに倒されるというのか……ごふっ』
 収奪のウラヌス、立ち直れずぐったりと崩れ落ちるのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

レイニィ・レッド
坊ちゃん/f14904
狭筵サン/f15055

ぁー…狭筵サン?
元気出してくださいよ
あとでなんでもしますから

うん?
ちょっとよく聞こえませんでした
なに?
おいちょっと
待て

あー!仕方ねェな!
イイですよやってやりますよ!
特殊性癖ホルダーにされるよりずーっとマシです

って言うか女医って特殊じゃないでしょう

そりゃ白衣は必須です
布面積が小さい方がイイなんて風潮
自分は認めてないんで
自然体のお医者さんで居て欲しいですね
ああでもナースシューズは捨てがたいですよね

――なァんて言っても分からないんでしょうね!

女医の良さが分からねぇようじゃ
自分を満足させるなんて不可能ですから

畜生!
オラッさっさとくたばれオラッ!


矢来・夕立
狭筵さん/f15055
赤ずきんさん/f17810

黒ストッキングじゃないと嫌とかね。
タイトスカートが良いとかね。
まとめ髪の後れ毛とかね。
ないことないこと合いの手を入れながらきちんとシゴトはします。

イイモノありますよ。
【紙技・真奇廊】に少々細工をしました。
投げつけて、ぶつかった直後に中身が飛び出るように。
そして中には大量の収穫物を仕込んであります。名付けるならば、こうでしょう。

――忍法、エロ本爆弾の術。

煙幕の代わりみたいなものですって。しかも敵の能力を無効化できる優れ物です。
《闇に紛れ》ながら攻撃。

全員何かしらの傷を負いましたが、まあ勝てそうなのでイイんじゃないでしょうか。

何か言いましたか?


狭筵・桜人
矢来さん/f14904
赤ずきんさん/f17810

(夕立を見ないようにしている)

私はもう戦えません……。
クールに気取った二人をこの島に連れて来て
恥をかかせてやるつもりがどうしてこんなことに……。

本当ですか赤ずきんさん(そういやこの人には特に恨みとかなかった)……!
じゃあ私のために恥をかいて大火傷してください。
さっきなんでもするって言ったじゃないですか!!
人が恥かくとこ見ないと私もう立ち直れそうにないです!!!

なんて優しいんでしょう。矢来さんにも見習って欲しいです。

はあ!?結果オーライみたいに言わないでくれます!?
ていうかあなただけそんなにダメージ受けてない風な(夕立を見る)
(トラウマ)(倒れる)



「私はもう戦えません……」
 ぐったりとうなだれた様子で、狭筵・桜人は膝を突き頭を振った。
 もともと戦闘に真面目になった試しなどこれっぽっちもない男だが、
 今回ばかりは心の底から、魂の全活力を絞り出すような痛切な声音であった。
「……ぁー……狭筵サン? 元気出してくださいよ、ね」
 さすがのレイニィ・レッドも、これには軽口を叩くのがはばかられた。
 まあ……桜人が意気消沈してる理由が理由だけに、呆れもあったのだが!
「くっ、私はただ、クールに気取ったふたりをこの島に連れてきて、
 恥をかかせてやるつもりがどうしてこんなことに……私が何をしたと……!」
「いやどう考えてもそれが原因じゃねえですかね」
 おもにこういうところがあるので同情しきれねえんだよな!
『私は……私はもうダメだ……』
 一方、この島に攻め込んできたコンキスタドールの大ボス、
 すなわちなんら真実を知らずにシリアスな敵ですよみたいな顔をしてた、
 おろかで哀れな収奪のウラヌスもまた、桜人と鏡合わせめいて崩折れていた。
『襲ってくる猟兵のことごとくがトンチキなことを言い出すのだ……!
 私が何をしたというのだ、私はただメガリスを求めてここへ来ただけだ!
 たしかにもし秘宝が出てこなければ島民を虐殺するつもりだったが……!』
「うんまあそういうとこじゃないですかねアンタも」
 なんだろう。オブリビオンにここまで寄り添ったの初めてかもしれない。
 それはそれとしてやっぱりオブリビオンはオブリビオンなのであった。
「まったく理解に苦しみますね、口説いてきたのはそちらからでしょうに」
 で、そんな哀れで愚かな男どもを見下ろし、矢来・夕立が言うのである。
「ウワーーーーーーーーーーー!! 記憶を消してくれーーーーーーーー!!
 アワワワオワー!! アワワワワオワー!! ヘルプミーヘルプミー!!」
「ああっ! 坊ちゃんが余計なことを言ったせいで狭筵サンが妙なことに!
 具体的に言うと夜中布団の中で嫌な思い出を思い出した人みてえなことに!」
 どこの部族だよみたいな変な声を出しながらごろごろのたうち回る桜人。
 夕立はどこまでも冷たい目で見ていた。なお、服装はもとに戻っている。
「ともあれ坊ちゃん、どうしますこれ、戦いどころじゃねえですよ」
「いいんじゃないですか? インガオホーというやつではないかと」
「なんでちょっとニンジャめいてんですか」
「忍者なので」
「アッハイ。いやそうじゃねえんですよ埒が明かねえっつってんですよ」
 自分はなんでこんなツッコミ役になってるんだ? レイニィは訝しんだ。
 誰がどう見ても一番不憫で割を食らってるのはこの子である。
「……あー、狭筵サン。とりあえず戦いましょ、ね!」
「キリングミーソフトリー!! キリングミーソフトリー!!」
「なんで「優しく殺して」とか言ってんだこの人……あーわかりましたわかりました。
 自分でよけりゃ、終わったらなんでもしてあげますから、やる気出してくださ」
「本当ですか赤ずきんさんいまなんでもって言いましたよね!?!?!?」
「立ち上がるのはええなオイ!」
 起き上がりこぼしもびっくりの超回復であった。
「わかりました、ならやる気を出します! 代わりに今やってください!」
「ろくでもねえ予感しかしねえけど何をすればいいんですか」
「私のために恥を掻いて大やけどしてください!!!!!」
 レイニィは夕立を見た。夕立は頭を振り、喉元をかっきるポーズをした。
 しゃきん、しゃきんと大鋏が刃音を……いや待て、こらえろ赤ずきん!!

 しかし桜人は、ちょっと泣きそうな声音ですがりつくのであった。
「もう私は、人が恥かくとこ見ないと立ち直れそうにないんですよ!!!」
「どっかのカウンセリング行ってその性根叩き直すの強く勧めますよマジで」
 うんざりした顔で言いつつ、レイニィはやれやれと頭を振った。
「あー!! 仕方ねェな!! イイですよやってやりますよ!!」
「本当ですかデューク赤ずきん!!」
「誰が地上最強のスナイパーですか。やりゃいいんでしょ!?
 特殊性癖ホルダーにされるよりずーっとマシですよ……」
『そもそも私はそれを望んでないことを誰か汲んでくれ……』
 収奪のウラヌスは完全に置いてけぼりであった。
「しかし赤ずきんさん――あなたは女医一筋、なのでは?」
「ここぞとばかりに合いの手入れてきましたねそういうとこですよ坊ちゃん」
 こいつぜってえ本領の性癖隠してんだろとジト目で夕立を睨むレイニィ。
 ガラスケースの中のトランペットを見つめる黒人の子供めいた、
 桜人のキラキラした(どう見ても邪念しかない)眼差しをスルーしつつ、彼は言う。
「……女医って一言に言ってもね、色々条件みたいなもんがあるんですよ」
「白衣とかですね」
「まあそりゃ必須でしょ。ただ自分としては世の中に物申したいですね。
 布面積が小さい方がイイ――そんな風潮、自分は認められないです」
 レイニィはぐっと握りこぶしを作る。語り始めると熱が入るものだ。
「やっぱ自然体のお医者さんでいてほしいんですよね」
「やっぱりあれですか、黒ストッキングじゃないと厭、と?」
「あー、イイですね。必須じゃねえですけどあると嬉しいお得感です。
 ……いや待てよ? ナースシューズとかも捨てがたいような……」
「タイトスカートでね。まとめ髪がこう、縮れてて」
「坊ちゃんやる気なさそうな割に合いの手的確すぎないですか!?」
「――オレ、美形なので」
 何いってんだこいつみたいな顔をするふたり、クイッとメガネをあげる夕立。
『貴様ら、私を完全無視するなグワーッ!?』
 そこへ襲いかかろうとした収奪のウラヌス、しかし爆音!
 一体何が? 夕立が神速で投げつけたのは……ALAS! 爆弾めいた千代紙!
 そして散乱しているのは……はたらきばちどものエッグいエロ本!
「こ、これは!!」
「――忍法、エロ本爆弾の術」
 何いってんだこいつみたいな顔をするふたり。メガネをくいっとあげる夕立。
「さあぼんやりしてる暇はありませんよ。このエロ本煙幕が攻撃チャンスです」
「真面目な顔してトンチキなこと言われるとマジで頭きますね」
「全員何かしらの傷を負ったんだからイイじゃないですか」
「はあ!? 結果オーライみたいに言わないでくれます!?!?!」
 さあ攻撃だってタイミングで、ブチギレた桜人が食って掛かった!
「どう見てもあなただけダメージ受けてないでしょう! なんだよ女装って!!
 私わかりますよ、あんたには絶対もっと別の性癖があるってことぐらいね!!
 そうですね私の見立てによればおそらくそれはアバババババーッ!?」
 そして勝手なことをまくし立てた挙げ句泡を吹いて仰向けにぶっ倒れた!
 南無阿弥陀仏……先のトラウマがぶり返して精神を破壊したのだ。
 多分こう、パズルを組み立てるように精神を取り戻すスパンとか必要になる。
 んで青い目のドラゴンのカードとか、神のカードとか使うんじゃない?(適当)
「結局狭筵サン倒れてるし自分は恥こき損じゃねェかコラァー!!」
『だから私は何もしてなグワーッ!?』
「さっさとくたばれオラッ!! 死ね畜生!!」
「そうですね。ですが、もう心配はないと思いますよ」
 相変わらずデータ系の知的キャラっぽくメガネを上げ下げしながら、
 夕立は背後を振り返った。おお、そこから差し込めるあの輝きは……!
「――凄い"漢"たちが、強襲(アサルト)してくるようですからね」
「アアアアアーッ!! ヘルプミーヘルプミー!! アワワワオワー!!」
「死ね!! さっさと死ねコラ!! ASAPで死ねェ!!」
 誰も夕立の台詞を聞いちゃいなかったのである。ちゃんちゃん!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

フルール・トゥインクル
あなたですか。あなたなのですね。この、すべての、元凶は!

いいですか!あなたが現れなければですね、この島でこんなこと起こさなければですね!
(取り出したるは先ほど握りつぶしたエロ本)
私がこんなのを見ることも!(エロ本でぺしん)
彼がきっと意気揚々と来ることも!(続けでぺしん)
私がこんな体であることもなかったはずなのですぅぅぅ!!!(エロ本でぺしぺし)(完全な八つ当たり)

私の怒りは火山なのです、噴火寸前なのです。
みんな、力を借りるのですよ!
そう、力を貸してくれる精霊のみんなの属性で起こした噴火で私がどれだけおこなのかおもいしってもらうのです!!!(なお、大半が八つ当たりの模様)


リンタロウ・ホネハミ
年上大家の何が良いかって身近な包容力なんすよね家族ほど近すぎず同僚ほど遠くない壁をいくつか隔てたしかし生活が垣間見えるぐらいの距離感が実に丁度いいんすよそんな距離感の年上大家がずぼらなオレっちを見かねて色々世話を焼いてくれるわけっすやがてこないだ作りすぎたからって貰ったオカズのお礼に力仕事をしたりそういうささやかな近所の交流から始まるLoveStory楽園はこの1DKの安アパートの一室にあったんだと夢見させてくれる存在それこそが年上大家っすその年上大家に巨乳という包容力と浪漫の塊が合体した年上巨乳大家はもはや年上大家の最上ランクに位置する存在なんすよだって巨乳は太古から時に男を狂わせ時に安らぎ


祇条・結月
仕事の後ってラーメンとか食べたくならない?
駅前に美味しいお店があって……はい、逃避はここまでにします

とはいえ、いい加減腹も立ってるからその憤りは全部ウラヌスにぶつけるとして

ひとりで「やり遂げた」みたいな顔してんのほんと腹立つ!
こっちはお前の適当な捜し物で迷惑してるってのに

こう、半端に正気でいるとペースを乱されるし!
めっちゃ弄られるし!
好みのものがあった時の避けがたい好奇心と、直後に来る罪悪感半端ないし!
……ほんと、知人に似たものとかなくてよかったよ

――そういう憤りを全部乗っけて、絶以下略ンのバフの上から鍵ノ悪魔で貫通して殴る

そう、キレるときはキレるべき
この仕事で僕は、それを学んだ気がする……


ロク・ザイオン
★レグルス

(アセンションにより啓蒙が高まっている)
………わからないのだけど。
何で女のはだかを、絵とか写真とか、本にするんだ。
見て、触れば、いいんじゃないのか?
(輝いた目)
ひとの体は、いい。
毛がふわふわしてないけど、皮が薄いから、すべらかであったかい。触ると鼓動がどくどくしている。
女とか、こどもは、もっとぬくいし。肉がふわふわ柔らかい。
いい匂いがして、ぎゅーっとすると心地いい。
舐めると塩っぱくて、ちょっと甘い気がする。
擽るときれいな声で笑う。
(瞳孔カッ開いた輝いた目)
おれはそういうのが、いいと思う。
いいと思う。

ジャックもいいって言ってる。
柔らかくてあったかいのは、いい。な。
な!!


ヴィクティム・ウィンターミュート
【アサルト】

お前を殺す(デデッ)
例えお前がどんなに最強で、どんなに無敵で、どんな性癖があって、昔性欲のあまり倒錯的な趣味に嵌ったって、異常性癖を拗らせて夜な夜な悶々としていたって…関係無いんだ
俺には信じた性癖がある
故に負けることは無いんだ

──鼻水そうめん先生のあとがき曰く
制服を着る回の構想とは別に、スク水を着る回も考えていたらしい
この意味が分かるか?楽園は2つあったということだ(???)
自分の身体に自信が無いと言っておきながら何だそのボディラインは…これ以上罪を重ねるのも大概にしろ
行くぞ!アンドロイズ!アッセンション!!

・・・ところでお迎えが来てるようだぞ、ネグル
じゃ、撤収するんで
お疲れした


ジャガーノート・ジャック
★レグルス

―√V^🐆√V^―

(その時、豹鎧に天啓(学習力じゃないかな)奔る。
則ちHEROとはHとeroから成り、エロスは時に世界を救うのだと――)
(※やや思考がショートした豹鎧をお送りします)

そうか
理解した
ならばこう言おう


『脚』だ。(無駄な威厳ドンッッ)

スカートが揺れ腿が露わになる瞬間
その素肌の眩しさ
躍動感と美しさ

膝枕の柔らかさ、安寧の温度

水着の麗しさ
バニーの完成美

そして忘れてはならない
タイツ
ストッキング
ニーソを添えた時の良さ――!!

理解できたか?
できないししたくない?
ならば教えてやろう(ガン無視)

来いチューマ!
電脳ハックを介しリビドーの何たるかを直接叩き込んでやれエロスの電導師!
(ザザッ)


ネグル・ギュネス
【アサルト】
無敵、最強?知るかよ
行くぞ、二人とも

あんな地雷本差し向けた奴を、破片すら残さずブチ壊す…!


良いか、妖精は清純たる存在だ
美しき翅にスレンダーなボディ、太陽のような笑みに美しき肌!
それを肩に乗せる至福!触れる最強手触り!
特に我が愛しの花はその最たるもの
其れを汚すような内容は、滅尽滅相、全て塵に返す!
俺は、天下無敵強靭無双の妖精狂だおらァ!!!

匡、突っ込むから周りは任せた
ヴィクティム!奴を一瞬何か止めてくれ

脚部限界突破、一気に間合いを詰める
破魔の力、完全解放──焼け滅べ!雷光一閃、弍、参、死閃!
怒りの乱撃で、灰になるが良い!

全く、あんな本…嘆かわしいな!

あん?誰がいるっ、て…?あっ…。


フェルト・フィルファーデン
……えっ?メガリス?何で???
じゃあメガリス探せばよかったじゃない!あんな思いしたのに!?
もうわかったわよ語ればいいのでしょう?語るわよ!王子様を!!(ヤケクソ)

さっきの続きだけれど王子と姫に立ち塞がる新たな障害!
王子を過保護に溺愛する王子の母が差し向けた他国のワイルド系王子!
お姫様はそのワイルドさに振り回されるもふと見せる優しい素顔に思わずときめくの!
そこで王子(正統派)が現れ「私の姫を返してもらおうか!」『いいや、姫はオレのモンだ!』とかでついに決闘!
そしてわた…姫はこう言うのよ!【わたしのために争わないで!!】って!
……一度言ってみたいのよねこの台詞……はっ!な、何でもないわ!忘れて!?


鳴宮・匡
【アサルト】


………………(額を抑えてのクソデカ溜息)
わかった
お前ら好きなだけ性癖とやらを語っててくれ
俺はそれを聞き流しながら仕事をする

こいつらがなんか喋れば相手に隙ができるだろ……多分
俺はその隙をついて攻撃を重ねることに終始

ネグル、さっきまでの主張が反転してない??
お前は一体何に追われてんだ??
ヴィクティムはヴィクティムで言ってること全然わかんねーけど??
何かやばいもの見えてない??

……いやいい これ以上何も言うまい
粛々と仕事を片付けよう

……ああ、ネグル
ところでお迎えが来てるぜ、あっち
よかったなわざわざ来てくれるなんて男冥利に尽きるってやつだろ
知らないけど
俺ら先帰ってるからゆっくりしてていいぜ



 ――のちに、ある島民はこう語った。
「知ってるか? エロ本好きは三つのタイプに分けられる。
 好みを求めるやつ。
 性癖に生きるやつ。
 己のトレンドを読めるやつ――この三つだ」
 そして島民は空を見つめ、呟いた。
「あいつらの場合は――」
 これはカセンジキ島の平和の裏で人知れず起きていた戦いの、最後の記録。
 脳みそが破裂しそうなトンチキ空間でエロ本と性癖にまみれ、
 それでも健気に使命から逃げずに戦い抜いた少年少女と男どもの記憶である。
 エロ本の記憶を覚えているものは幸いである。心豊かであろうから――。

●序:貴様らに、何が語れるというのだ
「……わからないのだけれど」
 ロク・ザイオンが口を開いた瞬間、その場にいた一同が彼女を見つめた。
 もしかすると彼女は、なにかとんでもないことを言うんじゃないか?
 そんな予感――否、"確信"があった。とんでもねえ一言を言うのだろうと。
 それをいっちゃあおしまいよってレベルの、爆弾発言を……!
「なんで女のはだかを、絵とか写真とか、本にするんだ」
 男どもは騒然とした。というか男どもだけが騒然とした。
「見て、触れば、いいんじゃないのか?」
 そして戦慄した。森番の目はキラッキラ輝いていた。
 まるでダイヤの原石……あるいは夢と希望に燃える小さな子供のように。
 ああ、レグルスってそういう……いやそういうことじゃねえよ!!
「待ってロク、最初は納得しかけたけどそのあとが爆弾発言すぎるんだけど!?」
 もう何もかもを受け流すつもりで覚悟していた祇条・結月だったが、
 戦友のこの台詞にはさすがに口出しせざるを得なかった。いや女やぞお前!!
「わからんでもないけど! わからんでもないけどその結論はおかしくない!?」
「いや、とりあえずまずは聞いてみるっす。まだ話の途中っすよ」
 なぜかシリアス顔で結月を制するリンタロウ・ホネハミ。
 その目は……糸目キャラなので目見えねえんだが……極めて真面目なものだ。
 これまでリンタロウがこんなシリアスな空気を纏ったことあんのか?
 と、思わず彼の戦友や友人らが疑問に思うぐらい、"マジ"のテンションであった。
「そ、そもそもいまは戦闘中なのよ!? やることが違うんじゃないかしら!?」
 フェルト・フィルファーデンは、首まで真っ赤にしつつも必死に食い下がった。
 ほら見てごらんよ、あそこで雨に濡れた子犬みたいになってる収奪のウラヌス!
 あいつだってシリアスに戦いたいだろうに、それがこんな……!
「……いえ、冷静に考えたら、どうしてメガリスが眠っていたのかしら。
 わたしたち、完全に徒労をしていたのよね。いまかなり死にたいわ……」
「気持ちはわかるっす。けど覚えとくといいっすよ」
 ぐったりした様子のフェルトに対し、リンタロウはキメ顔で言った。
「――この世に無駄なものはない。エロも同じっす」
「さも偉人の格言みたいに死ぬほどどうでもいいことを言うな」
 鳴宮・匡のツッコミはどこまでも冷徹であった。しょんぼりするリンタロウ。
「はあ……あのふたりだけでも頭が痛いのに増えないでくれよ……。
 おい、ネグル、ヴィクティム。さっさと仕事終わらせるぞ。もう俺帰りた」
「――触れ得ざることで増すよさってのもあるんだよ、ロク」
「さっそく"モード"入ってんだけどなんで???」
 相棒である匡のツッコミも、今のネグル・ギュネスには届かない。
 彼の目は澄んでいた。そう、嵐が過ぎ去ったあとの青空のように。
 そしてその上で、光り輝いていた。金色に。ビッカビカ輝いていた。
「どれだけきれいなガラス細工でも、触れてしまえば簡単に壊れてしまう。
 だからこそ、触れずにただ愛でるだけの良さもある――人生も同じことさ」
「なんでお前もお前で格言みたいなノリで死ぬほどどうでもいいこと言うの???」
 匡は額に手を置いて、大きく……大きく、心底からのため息をついた。
 さっさと帰りたい。それかこいつらを黙らせたい。実力行使で。
「匡の気持ちはわかるぜ」
 まったくわかってなさそうな顔で、ヴィクティム・ウィンターミュートが言った。
「けどよ……思い出せよ。俺達はそもそもどうしてここへ来たのか」
「オブリビオン退治なんだけど???」
「人生ってのは一枚岩じゃねえ、いろんなことの積み重ねだ。――エロも同じさ」
「お前らのそれもしかしてブームかなんかなのか???」
 呆れ返る匡。そんな彼の肩に手を置き、ふるふると首を振る結月。
「諦めようよ鳴宮さん、もうどんな言葉も届かないよ……」
「……そうだな」
「だからもうさ、僕らは諦めて」
「それはそれとして、帰ったらあとで説教だから」
「えっ」
 常識側みたいな顔をしても、おしおきからは逃れられないのであった。
《――待て。まずはロクの語りを聞こう。話はそれからだ》
 だんがんこじれてきた話をまとめたのは、意外にもジャガーノート・ジャック。
 普段なら冷徹な兵士として、ロクにツッコミを入れる立場のはずなのだが……。
《――本機は聞いてみたい。ロクが見せる、アセンションの力を》
「アセンションか……それなら仕方ねえ」
 なぜか引き下がるヴィクティム。なんだこの流れ。
『――いやそもそも何を語っておるか貴様らァアアアアッ!!』
 そこへ痺れを切らせた収奪のウラヌスが怒号をあげ、襲いかかった!
 前置きはここまでにして……さあ、戦いだ!

●破:なぜ、自ら性癖を語る
 そんなわけで無敵パワーを全開にし猟兵に襲いかかった収奪のウラヌス。
 スターかさもなければキャンディ的ななんかで得た七色の後光は、
 恐るべきことに本当に無敵であった。匡の弾丸ですら完全に弾かれてしまう。
『ふっ、観念しろ猟兵……! いい加減に貴様らも真面目に戦え!』
「いい加減にするのはそっちだよ!!」
『!?』
 くわわっ。珍しい結月の剣幕に、収奪のウラヌスは気圧された。
「さっきから黙って聞いてればやれシリアスがどうとか被害者みたいな顔して!
 言っておくけど被害者はこっちだよ!? いじられっぱなしなんだよ僕は!!」
『そ、それは私のせいでは』
「僕ははやく仕事を終わらせてラーメンを食べにいきたいんだよーっ!!」
『グワーッ!?』
 怒りを込めた結月の一撃が炸裂! 無敵パワーが貫通してしまった!
 収奪のウラヌスはたたらを踏みつつ、どこか満足げであった。
 その怒りは(少なくとも奴にとっては)まったく見当違いの八つ当たりだが、
 それはそれとしてあまりトンチキではないのでこれはこれでまあよし!
 問題は……そう! あとから続く他の猟兵どもだよ!
「そうよ! わたしだってもうさんざっぱら辱められて……!!
 だいたい王子様とお姫様っていうのはそんな破廉恥なものじゃないの!!」
『いや待て貴様恥ずかしがっているが結局性癖の話をグワーッ!?』
 顔を赤らめながら怒り狂うフェルトの攻撃が無敵パワーを貫通!
「いい? 正しい王子様とお姫様っていうのはもっと清らかでロマンチックなの!
 無事結ばれる王子と姫……けれどそこに立ちはだかる新たな障害!
 それは、王子を過保護に溺愛する応じの母が差し向けた他国のワイルド系王子なのよ!」
『貴様何を言ってグワーッ!?』
 連撃! 連撃!! 連撃!!! フェルトはマシンガン状態だ!
「お姫様はそのワイルドさに振り回されるもふと見せる優しい素顔に思わずときめくの!
 そこで王子様(正統派)が現れ、ワイルド系王子にこういうのよ……!
(裏声で)私の姫を返してもらおうか。
(低めの声で)いいや、姫はオレのモンだ!!」
 左に右に、せわしなく移動しながら一人芝居を始めるフェルト。
 その片手間みたいな攻撃でボコボコにされる収奪のウラヌス。理不尽!
「そしてついに決闘……王子と王子の戦いは実力伯仲、決着はつかないの!
 そこでわた……姫はこういうのよ! そう――"わたしのために争わないで!"って!!」
《――いま何か言いかけたように聞こえたのだが》
「そこはスルーしてくださる!? 女の子はみんなお姫様なんだもの!!」
 ジャガーノート、めったに見れないフェルトの剣幕に気圧される。
 そしてがるるるると威嚇していたフェルトはうっとりあっちのほうを見上げた。
「……一度言ってみたいのよねこの台詞……女の子の夢だと思うわ……」
「そういうフェルト、おれはとてもいいと思う(なにやら満足げな表情のロク)」
《――やはり自分を投影しているフシがあるような気がするのだg》
「なんでもないわ!!!!! 忘れてくださる!?!?!?!?」
《――……了解した》
 ジャガーノートは理解した。これ以上この話題に踏み入るのはヤバいと。
 え? 収奪のウラヌス? うっとりしたフェルトの繰り出した攻撃で、
 というかフェルトが召喚した兵士人形たちの攻撃でボコボコになっています。
 兵士らのやる気も心なしか普段以上にノリノリのような気がした。
 なにせ王女様が夢を語っているのだ! やる気を出すのが臣下ってもんだよね!
「………………はあああああ」
 あまりにもふざけた攻撃の通り方に、匡は心底からため息をついた。
 もはや何も考えたくない。全力で心の中の海を凪がせていきたい所存だ。
 しかし、嗚呼! 彼はなまじっか人間性の欠片を得てしまったばかりに、
 次々に繰り出されるトンチキ事象にツッコミたくてしょうがなかったのである!
 とりあえず、さっさと全員分性癖語らせてあいつをぶっ殺そう。
 なんだかよくわからないが、全員分攻撃しないとあいつ死なない気がするし!
「でもロクにジャック、お前らはもう少し真面目に」
「ひとの体は、いい(キリッ)」
《――"脚"だ》
 あ、こっちもダメだこれ。匡の表情は『虚無』になった。
 そしてレグルスのふたりもまた、めちゃくちゃに切り裂き熱線を放ちながら、
 互いに話が通じてるようで噛み合わない感じで語り続ける。
「ひとの体は、毛がふわふわしてないけど、皮が薄いから、すべらかであったかい。
 触ると鼓動がどくどくしている。女とかこどもはもっとぬくいし、肉がふわふわやわらかい」
《――スカートが揺れ腿が顕になる瞬間、その素肌の眩しさ、躍動感、美しさ……》
 ふたりして着眼点がだいぶアレであった。
 特にジャガーノートは、何やら変な電波で色々ショートしている。
 誰がこんな風にした!? おのれコンキスタドール、許せないぜ!
 だがそんな彼も、戦いのあとには我に返り正しい選択をしてくれるだろう。
 ――そう、女装バニーという名の、"正しき白"の道を選んでくれるはずだ。
《――膝枕の柔らかさ、安寧の温度。水着の麗しさ、バニーの完成美……》
「女やこどもは、いい匂いがして、ぎゅーっとすると心地よい。
 ナメると塩っぱくて、ちょっと甘い気がする。くすぐると、きれいな声で笑う」
『グワーッ!? グワーッグワーッグワーッ!?』
 なおふたりが語ってる間、ボロクソに嬲られ続けてるのが本章のボスになります。
 ロクの目は完全に瞳孔がカッ開いていた。コワイ!
《――そうとも。そして忘れてはならないもの。それは……》
 くわわっ! ジャガーノートのバイザーも紅く、紅く紅く輝いた!
 アセンション――その力が、彼にも"光"をもたらしたのだ……!
 具体的に言うとどこぞのオプティックなブラストをするヒーローぐらい輝いた。
『グワーッ目が!? 目がグワーッ!?』
《――タイツ、ストッキング、ニーソを添えた時の良さだ》
 フェルトは顔を真っ赤にしながら、さりげなくスカートを抑えて脚を隠した。
《――理解できたか?》
「おれはした。おれもジャックも、柔らかくてあったかいのがいいとおもう」
「完全に変な方向にシンクロしてないこのふたり!?」
「俺はもう気にしないことにした。結月もそうしといたほうがいいぜ」
 困惑する結月に、今度は虚無の顔の匡が諭す番であった。
 さすがの凪の海でもこの人数へのツッコミは手が回らねえ!
『な、何もかもわからん……理解もしたくない……!!』
《――そうか、わからんか。ならば来いチューマ!》
 ジャガーノートのバイザーがさらに紅く光り輝いた。
《――リビドーのなんたるかを直接叩き込んでやれ、エロスの電導師よ!》
 誰がうまいことを言えと。

 そして崩折れる収奪のウラヌスに、ヴィクティムは歩み寄った。
『よ、ようやく真面目に戦ってくれるのか……?』
 すがるようなウラヌスに対し、ヴィクティムは優しく肩を叩いた。
 そしてウラヌスを立たせ……すれ違いざま、ヴィクティムは言ったのだ。
「お前を殺す」
 デデッ!! デケデケデケデケッ、デデッデッ!!(謎のBGM)
「いや今の間必要か???」
 手紙とかあったら破り捨てていそうなシリアス顔のヴィクティムである。
「――いいか、よく覚えておけコンキスタドール」
 彼はあくまで自分はシリアスですみたいな顔で言い放ったのだ。
「たとえお前がどんなに最強で、無敵で、どんな性癖があって、昔性欲のあまり倒錯的な趣味にハマっていたとしても」
『ちょっと待て私まで巻き込むな!?』
「そして異常性癖をこじらせて、夜な夜な悶々としていたって――関係ないんだ」
『少しは話を聞け!?』
「(諦めたほうがいいぞみたいな顔で首を振る匡)」
「――俺には、俺たちには、信じた性癖がある。ゆえに負けることはない」
 キリッ。ヴィクティムはキメ顔で言い、そして隣を見た。
 彼の悪友……リンタロウが、いつのまにかそこに立っていたのだ。
 そしてリンタロウは、これまで黙っていた口をゆっくりと開いた――。

「年上大家の何が良いかって身近な包容力なんすよね家族ほど近すぎず同僚ほど遠くない壁をいくつか隔てたしかし生活が垣間見えるぐらいの距離感が実に丁度いいんすよそんな距離感の年上大家がずぼらなオレっちを見かねて色々世話を焼いてくれるわけっすやがてこないだ作りすぎたからって貰ったオカズのお礼に力仕事をしたりそういうささやかな近所の交流から始まるLoveStory楽園はこの1DKの安アパートの一室にあったんだと夢見させてくれる存在それこそが年上大家っすその年上大家に巨乳という包容力と浪漫の塊が合体した年上巨乳大家はもはや年上大家の最上ランクに位置する存在なんすよだって巨乳は太古から時に男を狂わせ時に安らぎをもたらしてきた光にして影つまりは太陽みたいなものなんすだって太陽って近づきすぎると害っすからねけれどだからこそこの世からいや人類文明からどうあっても切り離せないものであり誰しも巨乳を愛し年上を愛するそれが男のいいや人類のもっと言えばオレっちのようにこの宇宙に命を得たすべての存在の宿業(カルマ)であり原罪であり祝福であり義務なんすわかったっすか????」
「肺活量どんだけだよ」
 さすがの匡も目を見開くほどの長口上であったという。
 ヴィクティムは当たり前といった様子で頷き、言葉を続けた。
「――鼻水そうめん先生のあとがきに曰く。制服回とは別にスク水回の構想もあったらしい。
 この意味が貴様にわかるか? いいや、テメェにはわからねえだろうな」
「分かる人がいたら驚きだと思うんだけど!?(結月)」
「――楽園は、ふたつあったってことさ」
「いよいよお前の言ってることもわかんねえよ」
 匡は銃を敵に向けるべきか仲間に向けるべきかかなり迷った。
 いやそもそも仲間かあいつ。中身だけなんか入れ替わってねえか?
「自分の体に自信がないと言っておきながらなんだそのボディラインは!!
 いいか!! これ以上罪を重ねるのも大概にしろ!! 俺が裁きだ!!!!」
 カッ! ヴィクティムのサイバーパーツが七色の光を放つ!
「行くぞ! アンドロイズ!! アッセンションッッ!!」
「いつものスラングどうしたお前」
 匡のツッコミをよそに、ヴィクティムとともに襲いかかる76体のアンドロイド!
 具体的に言うと囲んで棒で殴る! その隣でリンタロウはドラミング開始!
『アババババババーッ!?』
 KRAAAAAASH!! 強烈な衝撃に吹き飛び、収奪のウラヌスは地面に叩きつけられた!
 カツン、コツン……そこへ現れたるは、黄金の瞳をサーチライト並に輝かせる男……!
「……いいか、妖精は清純たる存在だ」
 ネグルは静かに語り始めた。
「美しき翅にスレンダーなボディ、太陽のような笑みに美しき肌!
 それを肩に乗せる至福! 触れる最強手触り!!!!!!!!」
「……(ちょっとヒいた顔でネグルから距離を取るフェルト)」
「おれもそう思う。おれもそう思う(赤べこみたいに頷くロク)」
《――そして、脚だ(完全にラリっているジャガーノート)》
「やっぱりこれみんなダメになってるよ鳴宮さん!?」
 匡は結月の顔を見ないことにした。頭が痛くなるので。
 それはさておき、ネグルは語り続ける。
「特に我が愛しの花は最たるもの――だが貴様の部下は!!
 それを汚すような内容のエロ本をオレに突きつけてきた、すなわち咎だ!!」
「……いや待てネグル、お前さっきと主張まるっきり反転してないか???」
「言うな相棒!! オレは死にたくない!!」
「お前は何を恐れてるんだよ敵を恐れろよせめて」
 ネグルは相棒の言葉をシャットアウトした。そして叫ぶ!
「オレはチームアサルトの切り込み役――だがそれ以前に!
 この地上の、いいや添加最強無敵強靭無双の妖精狂だオラァ!!!!!」
『グワワワワワーッ!?』
 雷光一閃! 斬撃が、収奪のウラヌスに致命的ダメージを与えた!
「匡、ヴィクティム! そしてみんな――邪悪をここで滅ぼすぞ!」
「俺最初からそうしたくてずっとお前ら急かしてたんだけどな」
「任せとけネグル! さあみんな、アセンションだぜ!!」
「アセンションってなんなの!?」
 ノリノリのチームアサルト(うち一名は虚無の顔)にノセられかけるが、
 明らかに自分が知る言語とは別の単語に困惑するフェルトであった。
「うん、もう何もわけがわからないけどこの怒りをぶつけたくて仕方ないよ。
 何もかもあいつが悪い、僕はそう思うことにした。ていうか実際そうだし」
 結月の目はだいぶ据わっていた。
「やわらかくていい匂いのするもののため、おれは戦う」
《――無論、本機もだ。見せてやる、アセンションの力を……!!》
 ピカァアアアアア。ロクは輝き、ジャガーノートもバイザーが輝いた!
「ホキョアァアアアアアアアア!!!(ドコドコドコドコドコドコドコ)」
 色々臨界突破したリンタロウはドラミングしていた。ゴリラパワーキンジラレタチカラ!
『こ、こんな攻撃で、私が死ぬなどォオオオオーッ!?』
 そして猟兵たちのすべての力を込めた一撃が、ついに収奪のウラヌスを――否!
『いや死んでいられるかァアアアア!』
 た、耐えた! アセンションの絆で結ばれた戦士たちの攻撃を、奴は!
 もはや奴は不死身なのか? けっきょくシリアスに戦うしかないのか!?
 匡はそれをただひたすらに願っていたのだが、それはそれ、これはこれ!
 ――だがそこで匡は背後を振り返り、ふうと一息ついた。
「お迎えが来たみたいだな」
「それは敵の……あー、ああ。なるほど」
 ヴィクティムも同じように振り返り、何かを悟った。
 男たちは揃ってネグルの肩を叩き、言った。
「じゃあ俺ら、先に帰ってるから」
「ジャックたちもな。あとは頑張れよ、ネグル」
「えっ、何が――あ」
 ネグルもまた振り返り、知った。そして、震えた。
「アイエエエ!!」
 そう――この戦いにはもうひとり、戦士がいたのだ。

●急:男子の戦い、あるいはブチギレた女性陣による裁きの時
 人はどれほど歴史を重ねようと、何度でも同じように誤ちを繰り返す。
 螺旋の如き歴史に刻まれたその事実が、変えようのない宿業を示している。
 そう、オブリビオンも同じだ。奴らは何度でも人々を、世界を脅かす。
 あるときはシリアスに、
 またあるときはトンチキに、
 これまたあるときはやっぱりトンチキに、
 頭脳指数とか倫理観とかが限界突破した状態で戦うこととなる。
 ならば何が悲劇を断ち切る――それは、怒りだ。
 まったき怒り。
 なんでこんなふざけたシナリオがまた起きてしまったのかという怒り。
 しかも前回と変わらずノリノリでエロ本漁っとるやんけという、怒り……。
 天よ地よ、見よ。怒りの日、ついに来たれり!
 震えるネグルの前、満面の笑みで腕組をする人間サイズの妖精美女あり。
 その名、破壊神カーリー……いや違った、フルール・トゥインクルと云う。
「ネグルさん。またなのですね」
 フルールは満面の笑みを浮かべていた。
 満面の笑みを浮かべて、キレていた。
「またやらかしたのですね? 前と同じように、今回も」
 ネグルは震えながら、お手本の如き土下座姿勢へと移行した。
 ジャパニーズ・トラディショナル・土下座……!!
 それを見ていた誰もが、あまりのフォームの美しさに息を呑んだ。
 それはそれとして、フルールはにこにこと敵を睨みつける。
「そして、あなたが原因なのですね?」
『えっ』
「いいですか」
 フルールが取り出したのは、手のひらサイズに圧縮された一冊の本。
 それはかつてエロ本だったもの――だが、怒りの力でこのざまだ。
 ぐしゃり。フルールはそれをさらにゴルフボール大に握りつぶした。
「あなたが現れなければ、この島でこんなことを起こさなければですね。
 私がこんなものを見ることも(さらに圧縮されて散る元エロ本)
 ネグルさんや他の人たちが意気揚々と来ることもなかったのです!」
「いや僕それはちょっと疑わしいと思うな外野だけど……」
「そこは俺も思うぜ」
 結月と匡の指摘は聞かなかったことにするフルール女史であった。
「そ、そうよ! 何もかもコンキスタドールが、オブリビオンが悪いのよ!
 なんだかわたしも恥ずかしいことをぺらぺら言った気がするわ……許せない!」
 同じフェアリーであるフェルトは、思い出したように怒りを燃やした。
 フルールはこくりと頷く。肩から立ち上る怒りの陽炎……!
 なお、その背景で、リンタロウはドラミングしながら年上がどうこう言っていた。
「私の怒りは火山なのです。噴火寸前なのです」
『ア、アイエエエ……』
「みんな――精霊のみんな! そして猟兵の皆さん! 力を!! 借りるのですよ!!」
 ギョワアアアアア……見よ、アセンションの光がフルールのもとに!
『な、なんだこれは!? 動け我が体、なぜ動かん!』
「あなたにはわかるはずがないのです、私の体を通して出るこの力が!!」
「フルールも、アセンションしたのか」
《――アセンションに貴賤はない。そういうことだな》
 レグルスのふたりはなにやら間違った理解を得ていた。
 ネグルは、粛々と土下座を続けていた。潔い男である。
「私の! いいえ、このトンチキな状況に翻弄された私たちの怒り!
 その身で、魂で! どれだけおこなのか思い知ってもらうのです!!!!!」
『ちょっと待てどう考えてもそれは八つ当たりグワーーーーーーーーーッ!?』
 KRA-TOOOOOOOOOM!!
 地面が割れ、マグマが噴き出し、収奪のウラヌスは火柱に呑まれた!
『こ、これが猟兵の力……いや』
 ――アセンションの力、なのか。
 断末魔は永く響き、やがてそれも火柱のなかに溶けて消えた。
「……うん、なんだろうこれ」
 結月はひとりつぶやき、空を見上げた。
 ――虹が。見事な虹がひとつ、カセンジキ島を跨いでいたのだ。
「……僕、わかったよ。キレるときはキレるべきなんだね……」
「年上巨乳のよさも、理解できたっすよね?」
「だからもうそれはいいよぉおお!!!!」
 爽やかな笑顔で肩を叩くリンタロウの言葉に、結月は悲鳴をあげた。
 その後ろで、ネグルは粛々と土下座をしていた。フルールはにこやかな笑みだった。
「……なんだか前より疲れた気がする」
「それだけ強敵だったってことだな、あのコンキスタドールがよ……」
「お前それわかってていってるか???」
 やっぱこいつ撃つか? 匡はヴィクティムを見て真面目にそう思った。
《――戦いが、終わったのだな》
「ああ、おれたちの勝ちだ」
「……って! こんな綺麗に締めていいとわたしは全然思えないのだけれどーーーー!?」
 フェルトの悲鳴が、平和を取り戻したカセンジキ島にむなしくこだまする。
 シーユーイェーガー、アンドアゲイン――英雄たちに幸あらんことを。
 きっとまた、第二第三のエロ本シナリオが彼らを襲うだろう。
 多分世界もまた違う。しかし心に勇気と性癖を抱き、戦えイェーガー!
 いつか、未来と性癖に合致したエロをその手に掴むまで――!

 とっぴんぱらりの、ぷう。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年05月01日


タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#グリードオーシャン
#エロ本


30




種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠トール・ペルクナスです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


挿絵イラスト