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造る船長、奪う船長

#グリードオーシャン

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#グリードオーシャン


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●ジャンクに笑うか、唾吐くか。
「な、元船長よ。これが最後だよく聞いてくれ。いい加減俺らの部下になってくれよ。もっといい船にだって乗れるし、金だってジャブジャブだぜ?雑用から始めさせてやるからよぉ」
 巨大な鉄の船が鎮座し、むき出しの基盤のような物質が所々に散見する鉄と土の島、島民たちが住まう中心部。
 そこでは、何人ものぼろぼろの男たちが絞首台に駆けられていた。
 その絞首台の中央で、立派な鎧に身を包み、機械の兵隊を従えた男が痩せぎすの老人に話しかけ続ける、老人を見上げながら、見下すように。
「…お断りだ見習い。壊して、奪って、愛したぼろ船に唾吐いて、直した島をぶっ壊して、そんな生活、愛がない」
 老人は断った。
 周りの男たちも、断った。
 鎧の男は合図を出した。
 男たちは、物言わぬ骸となった。

●バッドエンドはお断り!
「そんな結末お断り!仕事の時間よ、猟兵達!」
 新たな世界の発見に、あちこちでブリーフィングの準備が始められるグリモアベース。
 道行く猟兵達をどうにか捕まえたグリモア猟兵、古の火の女神たるフー・フラム(燃え上がる種火・f17967)は荒れた息を整えた後、仕切りなおすように見栄を切って宣言した。
「…続けるわよ?今回、あんた達に行ってもらうのはちょうど話題になってるグリードオーシャンよ。どうにかひとつ、予知に成功した島を見つけたのだけど、ちょっと面倒なことになってるのよね」
 グリードオーシャン、広大な海ばかりが広がり、その中に《異世界から落ちてきた島》が少しずつ見つかっている海図を取り出すと、彼女はそのうちの一ヵ所を指さした。
 フラムが指さした先、彼女が発見した島の名は【ジャンク・ラック・アイランド】。
 曰く、スペースシップワールドを祖とし、高度な機械文明の名残を残しているという。
 老海賊キャプテンジャンク率いるジャンク海賊団が縄張りとし、島に遺る廃品を集め人を集め復興してきた島。

 今回、その島が海賊とコンキスタドールのいざこざの舞台になってしまうようで…。
「古いしきたりなのかしら。彼の部下がコンキスタドールと化した部下は自分たちの手でケリをつける、いわゆる海賊の掟を彼は実行しようとして…失敗し、返り討ちにあった」
 かつての部下から島を守ろうとした彼ら海賊団は逆に追い詰められ、ジャンク品を集めて建造したという自慢の海賊船も破壊され、拠点も崩壊したという惨憺たる有様だ。
 このままいけば全員処刑され、島はコンキスタドールの一味によって支配されてしまうだろう。
「そんなシナリオ、私たち猟兵の手で灰にしてやりましょう!ってことよ1!」
 再び、見栄を切って大声を上げたフーは咳払いを入れて調子を整えなおすと、自身気な表情で猟兵に向き直った。
「処刑が執り行われるのは島の中心部、島民たちの目の前で島の守りであった海賊団を一斉に処刑することで島民の心を折るつもりね…なにも起きなければ処刑されるのは時間の問題よ。だから、ここで何かを起こす!てか起こして」
 転移のタイミングは処刑執行の直前、そこが限界だと彼女は言う。
 だから、そのぎりぎりのタイミングで盛大に場をぶっ壊してやればいいのだ。

「敵は強力なコンキスタドールの船長によって率いられたコンキスタドール海賊団よ、遠慮は全くいらないわ、ぶっ飛ばしちゃいなさい!……あ、それと海賊団の救出もできればお願い、ぐずぐずしててうっかり処刑されました、だと今後の島の安全が危ないから。わかった?わかったわよね!?それじゃ、頼んだわよ!」
 頑張ってねー!そう付け加えて、大きく手を振って彼女は猟兵達を送り出した。


とま太郎
 自分で造ることに喜びを見出す海賊だって入る。
 ジャンクを愛する、海賊の矜持。

 初めまして、マスターのとま太郎と申します!

 初シナリオ、グリードオーシャンにてお送りいたします。
 コンキスタドールと化した元部下によって全滅間近、縄張りまで奪われそうになっている廃品大好き海賊【ジャンク海賊団】の面々を救出し、縄張りである島を守ってあげてください。

 第一章では元部下が引きつれたメカニカルなコンキスタドール海賊団との大立ち回りとなります。
 オブリビオンを倒し、処刑間近の海賊団を救出してあげてください。

 第一章を乗り越えた先、第二章では元凶の元部下であるコンキスタドールとの直接対決。
 無事第三章までたどり着けば、スペースシップワールドの遺産を用いた船や島の復興などが待ち受けております。

 この、島の守りと復興を務める海賊らしくない海賊団をどうか皆さんの手で助けてやってください。
 それでは、どうぞよろしくお願いします。
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第1章 集団戦 『メカニカルパイレーツ』

POW   :    目標確認、銃殺で処理
【ビームマスケット】が命中した箇所を破壊する。敵が体勢を崩していれば、より致命的な箇所に命中する。
SPD   :    目標確認、近接を敢行
あらゆる行動に成功する。ただし、自身の【耐久力及びエネルギーと他の仲間】を困難さに応じた量だけ代償にできなければ失敗する。
WIZ   :    耐久力低下、至近距離自爆を遂行
自身に【エネルギーシールドと高熱】をまとい、高速移動と【自爆による爆発エネルギー】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。

イラスト:ゆりちかお

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

アイン・セラフィナイト
新世界、早速どんなところか探索を……なんて言ってられない状況みたいだね。
ジャンクを集める海賊団ってなんかエコだね。スペースシップワールドの遺物とかオーバーテクノロジーの宝庫なんじゃないかな?
うん、それじゃあまあ……助けに来たよ!

自爆特攻してくる機械たちってことだし……動けなくすれば良いよね。
UC発動、ボクの『白翼の杖』を【ノーム・ダスト】に変えて周囲に拡散、襲いかかる機械兵士たちを『高速詠唱・範囲攻撃』で行動阻害だ。
動けなくなった後は、爆発しないように『境界術式』で喚び出した氷属性の魔書の魔弾で『属性攻撃・全力魔法・蹂躙』するよ!

自爆させずに解体、この機械の兵士たちもジャンクにできるかな?


レア・ジェラルディーン
ふむ、久しぶりに感動した。世の中にはこのような平和な海賊もいるのだな。ファミリー達を守ってあげねば。
「さて、数で押しましょうか」
〈誇り高き騎士団〉を召喚し、団員達に告ぐ。
「い達よ、ゴミを自滅させてあげなさい!」
先制攻撃をしかけ、敵に近付き自爆を誘発してもらう。上手く外れの方へ誘導させたい。その際に敵を何体か巻き込んで自爆させたら完璧だと思うのだ。
〈リザレクト・オブリビオン〉を唱え、あ達を出せるだけ呼ぶ。
「海賊達を助けに行きなさい」
彼らにも敵の殲滅もしてもらう。

皆、幽霊や死兵なので痛みを感じない。生命力吸収や見切り・残像・部位破壊・範囲攻撃をするので、綺麗に倒し終わるだろう。

アドリブ、連携歓迎!



 【ジャンク・ラック・アイランド】中心部、島民たちの見守る中、ジャンク海賊団と鎧の略奪船長、コンキスタドールとの交渉は決裂した。

「ふむ、久しぶりに感動した。世の中にはこのような平和な海賊もいるのだな。ファミリー達を守ってあげねば…ですね」
「うん。新世界、早速どんなところか探索を……なんて言ってられない状況みたいだ」
その光景を、船長の矜持を島民たちに紛れて見つめていた二人の少年少女、レア・ジェラルディーン(神風主義な参謀様・f25080)とアイン・セラフィナイト(精霊の愛し子・f15171)は、各々感じ入るものがあったのかそう呟くと、静かに戦闘態勢を取った。

「それにしても、ジャンクを集める海賊団ってなんかエコだね。スペースシップワールドの遺物とかオーバーテクノロジーの宝庫なんじゃないかな?」
「あるいは、それを解き明かしたからこそ海賊団としてやってこれたのではないでしょうか?…先制攻撃、行きますよ」

「仕方がないなぁ、いやだってんなら殺すしかねぇよな?じゃ、死ねよ!」
 鎧の船長、コンキスタドールは、自らの手下である機械仕掛けの海賊に合図を出し、ついに処刑は決行される…そういう段取りであったのに、床が開く様子はない。

ざわめく島民と、眼を見張るジャンク海賊団と、そして鎧の船長が床を開く仕掛けの場所にいたはずの手下の方を振り返れば…そこには、無力化された手下と、それを見下ろすレアとアインの姿があった。

「て、てめぇらなにもんだ…いや、そんなとこは問題じゃねぇ…何俺様を見下してやがんだぁ!?やいてめぇら、あのガキどもを血祭りにあげろ!」
 鎧の船長が剣を抜いて命ずれば、彼を取り巻いていたメカニカルパイレーツが光り輝くシールドを掲げ、高熱を纏い、機敏な動作で二人を取り囲む。
 命令を最速で実行することがプログラムされた彼らは、数と力技に物を言わせて襲い掛かる。

「絆がれた我が盟杖、解け荒む挺身の砂塵、波紋に墜ちる雫が涸る―――!」
 その力技も、瞬く間に取り押さえられる。
 唱えるはアインと妖精の合わせ技【呼び声に応えよ、豊穣の祖よ(ノーム・ダスト)】。
 自らが持つ白翼の杖をノーム・ダスト、即ち超重量超高密度の増殖する砂に変えて周囲に拡散、盾を剣を抱えて飛び掛かった海賊の集団は、見る間に砂が纏わりつきその動きを緩慢にさせていく。

 それでも命令を果たそうと鋼の機体を赤熱化させ、最後の武器である自爆で命令を果たそうとするメカニカルパイレーツ。
 その前に、立派な武具に身を包んだ半透明の騎士達が立ちふさがる。
「さて、まずは数で押しましょうか…い達よ、ゴミを自滅させてあげなさい!」
 黄泉の国より軍船と共に参戦した、い達と呼ばれる騎士の軍団だった。
 仰せのままに、言葉なく行動で示す彼らは、自爆シークエンスに入っているメカニカルパイレーツを瞬時に見切ると、各々が手にした武器でそれらを破壊し、人気のない場所まで押し込み…無駄な自爆で終わらせる。

 一機、また一機無駄に自爆していき、二人を襲った海賊はあっという間に全滅間近…そこに氷の魔弾が降り注ぎ、メカニカルパイレーツを氷像へと変えていく。

 レアと騎士が振り向けば、魔導書を携えたアインの姿。
「自爆させずに凍らせれば、ジャンクにできるかな?って…」
 その言葉に、絞首台の上の海賊たちが笑顔でサムズアップを贈った。
「…まぁいいです。あ達、ジャンク好きな海賊を助けに行きなさい」
 リザレクト・オブリビオン。
 あ達、と呼ばれる死霊騎士と死霊蛇竜が絞首台へと近づいていき…どこからか現れた無数のメカニカルパイレーツに阻まれた。
 よく見れば、島民たちを飛び越え数はどんどん増えていく。
 この数こそ、ジャンク海賊団を追い込んだメカニカルパイレーツの武器。
 アインは閉じかけていた魔導書を開きなおし、レアは召喚したあ達、い達を周囲に呼び戻す。
 戦いは、まだ始まったばかりだ。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

エル・クーゴー
●POW



作戦地帯に現着しました
ジャンク海賊団に友軍マーカーを設定
躯体番号L-95、これより【援護射撃】を開始します


・戦場へエントリーする前に【攻城級マネギ】を召喚

・マニピュレーターを稼働させまくっての【メカニック】で攻城級マネギを【武器改造】
・中に搭乗スペースはじめ操縦桿や計器類を準備し、乗り込む

・巨大アームドフォートを背負い、銃砲火器類を満載した巨大猫型メカの挙動を「中から」操縦
・【誘導弾】仕様の【砲撃】と【爆撃】の【一斉発射】で、メカニカルパイレーツ共を【蹂躙】する

・巨大猫型メカがのっしのっし進軍する絵面
・その重心安定性は、ビームでちょっと撃たれても姿勢なんか崩さない【継戦能力】を実現する


エドゥアルト・ルーデル
何その島スカベンジし放題じゃん!宝が詰まった夢の島でござるな!

島って事は周りは砂浜でござるな!こりゃアレだーナーアレやるしかねーナー
こーぶらーふふふふふーんと鼻歌を歌いながら【軍用機】を召喚ですぞ!呼び出すのはAH-1Wでござるよ!
自ら【操縦】して突入ですぞ!ついでに目立つように『ワルキューレの騎行』でも流すか

挨拶代わりに上空からロケット弾のプレゼントだ!ノックにするべきでだったでござるかね?
後はパーティータイムでござる!機銃と対戦車ミサイルでいっぱい、こいつは奢りですぞ!
敵が近づこうとしてきたらヘリを急上昇させますぞ!接近を困難にしてやればよろしい
それでも接近されたら?笑ってごまかすさぁ!


ヨナルデ・パズトーリ
やれやれ、失敗すれば敵になり仲間の手で討たねばならぬ、か
此の世界は此の世界で過酷よの


魔法は原則『高速詠唱』で『範囲攻撃』の『乱れ撃ち』

UCを『高速詠唱』で発動
『先制攻撃』で高熱対策も兼ね『呪詛』を込めた闇の『属性攻撃』『全力魔法』と
『マヒ攻撃』の冷気の『属性攻撃』『全力魔法』の『多重詠唱』で『目潰し』

其の侭自身の『存在感』を薄め『目立たない』様にし『闇に紛れ』逆に『存在感』と
『殺気』を持たせた『残像』を囮に攪乱
敵の動きは『野生の勘』で補足し『薙ぎ払い』の『衝撃波』や『全力魔法』
『怪力』による斧の『鎧無視攻撃』で『蹂躙』

高熱と自爆は『野生の勘』を駆使し『炎熱耐性』を強化した『オーラ防御』で対応


宇迦野・兵十
海には海の矜持がある。
ふふ、そいつはかっこいいじゃないか。
こいつは一度その顔を拝んでみないといけないね。

さてその為にはまず、邪魔な連中を黙らせようか。

―【コミュ力/誘惑】で敵をひきつつ、
 痺れを切らせて高速移動をしかけてくるまで
 【見切り/武器受け/残像】で敵の攻撃を避けて逃げ回る。

鬼さんこちら、手の鳴る方へってね。

―使ってきたら【暗殺/早業】で【折紙呪法】を飛ばし、
 自爆まで『七星七縛符』で縛り付ける。

どうしたんだい? 動かなくていいのかい?

―にやにやと微笑みかけて

地獄に戻るまで少し時間がある。
向こうの海とは違うんだ、戻るまでここの海でも眺めて逝きなよ。

[アドリブ歓迎、諸々お任せいたします]


フェーズ・ワン
ジャンク海賊団か
いいねぇ、気に入った
同じく造る事が大好きな者同士、助太刀させてもらうぜ
事が済んだら、是非じっくりと技術交換してぇもんだな

にしてもやけに数が多いなおい
そんじゃ、こっちも数で対応してやるかね
UC発動
隼型メカ「ウィンズ」を複製し、敵の頭上から一斉に強襲
海での戦いは慣れてんだろうが、空からの攻撃ってのは経験あるかい?

敵の注意が空に向けば、サイ型メカ「スピナー」を突撃させ地上と空から攻撃を仕掛ける
その隙に自身は人型メカ「タップ」を護衛につけて、絞首台へと向かう
それでまた的に阻まれるなら、それも良し
であれば今度は自身を囮にし、再度ウィンズに空から攻撃させる

ジャンク品がよりどりみどり、ってな



 そのころ一方島の海岸にて。
「何その島スカベンジし放題じゃん!宝が詰まった夢の島でござるな!んで?島って事は周りは砂浜でござるな!こりゃアレだーナーアレやるしかねーナー」
 妙なことを捲し立てながら何やら準備を整える、迷彩服に身を包んだこのおじさん、エドゥアルト・ルーデル(黒ヒゲ・f10354)何かを企んでいた彼はやや離れた場所に転移した様で…
「こーぶらー」
 ふふふふふーんと鼻歌?と共に呼び出したのはAW-1H、所謂戦闘ヘリだ。
 いそいそとヘリに乗り込み、慣れた手つきで操縦を開始し戦場へと突入していくエドゥアルト。
 何を考えているのか、島中に聞こえるぐらいの大音量で『ワルキューレの騎行』を垂れ流しながらのエントリーである。気は確かか?
 そんな映画さながらのセルフBGM付きエントリーを決めようとしたヘリの近くに接近する、機影…否、女性の姿が。
 エル・クーゴー(躯体番号L-95・f04770)だ。
「友軍マーカー確認、援護します」
「おっほぉ美少女友軍機とはありがてぇ!そんじゃあ…鉄くず海賊どもをオモチャにしてやるでござる!!ヒャッハー!」

「……先にいかせていいのかの、あれ」
「ま、代わりに目立ってくれるんならいいんじゃねぇか?」
「救助だってしないといけないんだ、立っているものは何とやら…てね」
飛び立つ二機を、物影から見送った(と言うより近づき難かった)ヨナルデ・パズトーリ(テスカトリポカにしてケツァルペトラトル・f16451)フェーズ・ワン(快音響・f06673)宇迦野・兵十(きつねさん・f13898)もまた、やや呆れながらも戦場へと飛び込んでいく。

「挨拶代わりでござるよおらぁん!!」
 同型機をやられながらもぞろぞろぞろと、猟兵達を迎え撃たんと数を揃えるメカニカルパイレーツ。
 そんな一団の上空からロケット弾のプレゼントだ!
「あー、ノックにするべきでだったでござるかね?コンコーン!じゃー後はパーティータイムでござる!こいつは奢りですぞ!」
 ヘリから機銃と対戦車ミサイルを雨霰とばかりに撃ちまくり、敵の接近を許さないエドゥアルト。

 それでも、動けない機体を盾に接近するメカニカルパイレーツ。一歩また一歩と近づきつつある軍団の相手をするのは…
「作戦地帯に現着しました。ジャンク海賊団に友軍マーカーを設定、躯体番号L-95、これより援護射撃を開始します」
 ヘリと共に戦場へ突入していたエル・クーゴーが操る、巨大猫型メカである!
 猫…猫!?島民もメカニカルパイレーツもジャンク海賊団も思わず二度見した!
 そんな周辺を置いてけぼりにして羽生やしたデブ猫、攻城級マネギに乗り込んだエル。乗り込み式へと改造されたマネギの操縦桿を握り、計器類を瞬時にチェックした彼女は全身に満載した武装を起動する。
 猫に搭載された武装は、巨大なアームズフォートを初めとした銃砲火器。
 中から操縦を始めたエルの挙動に従い、その超火力を敵へと向け…撃ち放つ。
 誘導式仕様と言う技術が魅せる、的確な砲撃、爆撃。一機、また一機、盾にされた機体もそうでない機体も爆発四散していく。
 辛うじて行われた反撃も、エルの制御によって齎される安定性の前では意味をなさない。
 
 それでも、それでも敵の数は多い。
  鎧の略奪船長の命令で、まだ温存されていた機体も片っ端から戦闘に参加し始める。
 それこそ、絞首台の守りが手薄になるほどに。

「ジャンク海賊団か、いいねぇ、気に入った。同じく造る事が大好きな者同士、助太刀させてもらうぜ」
 絞首台で警戒を行っていた見張りのもとへ、突如として機械の隼達が襲い掛かる。
 フェーズが複製させた戦闘メカ【ウィンズ】である。
 当然、見張り達とてヘリの攻撃を見て頭上の攻撃は警戒していたが…
「そんじゃ、こっちも数で対応してやるかね」
 その隙に飛び込んだサイ型メカ【スピナー】の突撃が、ウィンズへの対処に追われていたメカニカルパイレーツの横っ腹に突き刺さり、彼らを跳ね飛ばす。
フェーズによって制御されたウィンズとスピナーの連携攻撃は、味方を切り捨ててでも任務に戻ろうとする、プログラム通りに動くメカニカルパイレーツを巧みに捌いていく。

「んじゃ、俺は救出に行くから後は頼むぜ……事が済んだら、是非じっくりと技術交換してぇもんだな」
 そう言うと、フェーズはさらに複製された人型メカ【タップ】を護衛に、絞首台へと近づくと、タップ達と共にジャンク海賊団を救出に向かう。
 そして、その道筋を守る為に待機していた兵十とヨナルデが、最後の控えと残っていた戦力への対処を請け負った。

「海には海の矜持がある。ふふ、そいつはかっこいいじゃないか。こいつは一度その顔を拝んでみないといけないね」
「しかし…やれやれ、失敗すれば敵になり仲間の手で討たねばならぬ、か、此の世界は此の世界で過酷よの」
 海賊の掟に対極の反応を見せつつも、指令を果たさんと高熱を纏い、自爆のエネルギーを漏らしながら迫るメカニカルパイレーツを見据えるその視線に揺るぎはない。
「さてその為にはまず、邪魔な連中を黙らせようか」
「じゃな」
 
 先陣をきったのはヨナルデだ。
「我ジャガーにして煙吐く鏡、テスカトリポカにしてケツァルペトラトルたる者!民と共に在った嘗ての妾の猛き力、目に焼き付けるが良い!」
 ジャガーを模した黒曜石の鎧、黒曜石の斧を身に着けた彼女は、血と骨の翼を羽ばたかせ、眼にも止まらぬ速さで目の前の敵へと膨大な闇と冷気を叩き付ける。
 暴走間近となることで戦闘能力を引き上げていたメカニカルパイレーツにとって致命的なその一撃に、たちどころに機動力が落ちていく。
 それでもと、エネルギーシールドを叩き付けようとする機体もいるが、その一撃は空を切る。
 機械に存在を誤認させるほどの殺気を持ったヨナルデの残像を次々と現れ、囮となって攪乱しているのだ。
 その間に、空気の様に存在感を消し、戦闘神としての野生の勘で敵陣へ。
 そうやって、ちょうど敵陣の中心へとたどり着き、戦闘神の力を解き放つ。
 斧で割り砕き、衝撃波で吹き飛ばし、全力魔法で消滅させ、暴れまわる。
 無論破壊されてでも、自爆しようとする機体も存在する。しかし、光栄に控えていた一人の優男が、それを許さない。

ひらりひらりと、流れ弾を避けながら佇んでいた兵十が的確なタイミングで折紙呪法なる折り紙の鶴を飛ばせば、自爆しようとした機体は地面へと縛り付けられ、最後の手段を実行できぬまま吹き飛んだ。
 その光景に、慌てて残っている機体が兵十へとターゲットを変更し、余裕綽々の優男へ視線を向ければ、最優先で撃破せねば!と高速で接近していく。
 しかし、兵十はどんなに速い一撃も受け流していく。
 時に手にしたなまくらで流して、時には挑発するように紙一重で避けて。
 「鬼さんこちら、手の鳴る方へってね」
 埒が明かないと判断したか、あるいはプラグラムにすら怒りを覚えさせるほどに挑発がうまくいったか、一斉に兵十へと突進しそのまま自爆しようとして…動かない、動けない。その足元には、兵十が放った、折紙の蛙が飛びついていた。
これこそ彼の【七星七縛符】。験力が込められた折紙が、その機体を値に縛り付けて放さない。
 どうしたんだい? 動かなくていいのかい?地に縛り付けられた集団に、にやにやと微笑みかけながら兵十は語り掛ける。
「地獄に戻るまで少し時間がある。
向こうの海とは違うんだ、戻るまでここの海でも眺めて逝きなよ」
 その言葉を聞きながら、目の前の優男を睨み付けて機械達は吹き飛んで行った。
 そこに、相手をしていた最後の一機の頭部を怪力で叩き砕いたヨナルデが残骸を放り捨てながら戻ってきた。
「…お主,中々良い趣味をしているの」
「それほどでも……おや、他も終わったようだよ」
 二人が銘銘視線を向ければ、やかましい音楽を垂れ流しながらヘリを着陸させるエドゥアルトが、最後の一機を丹念に穴だらけにしたエルが、ジャンク海賊団を開放し、老船長キャプテンジャンクへと肩を貸すフェーズの姿が、ひとつの戦いを終えた猟兵達の姿があった。
そして無数とも思える機械の海賊たちは、見事に残骸へと変わり果てていた。
「ジャンク品がよりどりみどり、ってな。あれ、使えるかい?なぁ老船長よ」
「…ああ、最高のジャンク品だね」
 フェーズがキャプテンジャンクへ尋ねれば、彼は楽し気な笑顔でそう答えた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『略奪船長』

POW   :    海賊船長の長口上
自身の【敵を見下して悦に入り虚栄心を満たす欲求】の為に敢えて不利な行動をすると、身体能力が増大する。
SPD   :    海賊流戦闘術
いま戦っている対象に有効な【取り回しの良い片手武器】(形状は毎回変わる)が召喚される。使い方を理解できれば強い。
WIZ   :    彷徨える海賊船
【ボロボロのカトラス】で武装した【ガリガリに痩せた奴隷戦闘員】の幽霊をレベル×5体乗せた【朽ち果てた海賊船】を召喚する。

イラスト:山庫

👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「て………てっててててめぇらふざけてんのかぁ!!!」
 怪しい光を纏ったカトラスを振りかざし、鎧の略奪船長、名をティールス。
 自慢の海賊団を壊滅させられた彼は怒り狂っていた。

 雑用から始め、ひたすらに媚を売り、懐に潜り込み、ついにジャンク海賊団が手にしたメガリスを盗み出して覚醒者になろうとした。
 結果としてこんな姿になってしまったわけだが、この記憶も、力も素晴らしいものだ。
 噂のコンキスタドールの力は素晴らしい!なぜなら無数の部下だって手に入ったのだ!かつて自分を見下していた連中に血を舐めさせることだってできた!
 生意気な島民たちを震え上がらせてやった!
 もう少しで、あと少しでこの島は自分の天下となるはずだったのだ。
 だからこそ、自分の邪魔をした、自分を舐め腐ったこの連中を血祭りにあげなければならない。
 奴らから奪わなけばならない、武器を、力を、すべてを!

 …ティールスはもはや死んでいる。
 コンキスタドールとなって飲み込まれた彼に、かつての熱意も忍耐力もなく、ただ奪うことだけに執着している。
 今ここにいるのは、ティールスの記憶を持ったオブリビオン。
 故に、その在り方に無意識に従い、ただひたすらに奪いそして最後には殺す。
 
 ――ああ、奪わなければ。
 目の前のこいつらから、俺のプライドを、富を、未来を、奪わなければ!!
レア・ジェラルディーン
「‥哀れですね。媚を売ってまで力を求めたのに、結局その力に支配されるとは。貴方は制する事の出来る器じゃなかったんですね」

〈誇り高き騎士団〉を召喚し、団員に告ぐ。
「い達よ、相手は奴隷です。幽霊の魂を救いなさい」
そして、〈リザレクト・オブリビオン〉を唱え、「あ達、哀れな召喚者に死を。死に邪魔な執着という未練を断ち切りなさい」
指示を出すと、彼らは先制攻撃を仕掛ける。生命力吸収で自己回復可能な彼ら。そして2回攻撃・範囲攻撃・部位破壊・残像・見切りも使うので、私は集団戦術を使いつつ闘いを任せるだけで良い。

自業自得だが、支配されるほど面倒なものはないな。

アドリブ、連携歓迎です



「‥哀れですね。媚を売ってまで力を求めたのに、結局その力に支配されるとは。貴方は制する事の出来る器じゃなかったんですね」
「ああ!?」
 カトラスを引き抜き今にも斬り込もうとしていた略奪船長、ティールス。
 その耳が捕らえた言葉に、彼は怒りをむき出しにして哀れみをこぼしたレア・ジェラルディーン(神風主義な参謀様・f25080)に向け怒りの視線を投げかける。
「俺を、哀れんだ!?哀れんだのか!?下に見やがって――殺せ、あのガキを捻じ伏せろ、俺の海賊団!!」
 ティールスが号令を下せば朽ち果てた海賊船が、亡霊の海賊団を乗せ、軋みを上げて霧を伴い現れる。
 無論、亡霊たちは彼の海賊団ではない。
 周辺を彷徨う亡霊たちを捕らえ、支配し引き込んだこの場限りの手下。ゆえにその扱いは消耗品。
 海賊船ごと、特攻させる。

「い達よ、相手は奴隷です。幽霊の魂を救いなさい」
 それを阻むは、騎士の集いし絢爛たる軍船。
 騎士の幽霊たちを乗せた軍船が、使える主を守るべく船体をぶつけ、拮抗し、押し返す。
 騎士達はそのまま軍船を操舵し、幽霊船へと戦いを挑む。
 その後ろで守られるレアは次の手を打つ。
「あ達、哀れな召喚者に死を。死に邪魔な執着という未練を断ち切りなさい」
 リザレクト・オブリビオン、あ達と呼ばれる騎士と蛇竜を呼び出し、現れた軍船に対して歯ぎしりするティールスへ不意打ちを仕掛けた――が。
「舐めてんな…舐めてんなぁぁ!!」
 ティールスはその不意打ちをしのぎ、反撃を加える。
あ達は自己回復を繰り返すが、怒声を上げカトラスを振り回すティールスに手こずってしまう。

「…自業自得だが、支配されるほど面倒なものはないな」
 あの怒りがティールスの物なのか、オブリビオンの物なのか。
 苛立ちと哀れみを向けながらも、あ達に戦いを任せ彼女は後ろへと下がるのであった。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

アイン・セラフィナイト
ジャンク海賊団ってさ、聞く限りじゃかなり平和的な海賊だよね。積み上げることがこの海賊の本質なら、キミもその海賊の一員として……その歯車の一つの役割として埋め込まれてたのに、他のメンバーに舐められてたって思うのかな。
まあ、オブリビオンになってるから仕方ないかな。

圧倒的な物量での攻撃、確かに真っ向から戦うには分が悪そうだね。
……だから、ボクの使い魔の世界に呑まれてもらうよ。【溢れろ境界】!全ての時を凍てつかせろ!

減退した時の中で自由に動けるのはこの鴉羽を持っているボクだけだ。
『境界術式』で喚び出した数多の魔書、光属性の魔弾で『属性攻撃・全力魔法・範囲攻撃』、海賊船とティールス全てを『蹂躙』するよ!



「奪え、もっと奪え!俺の海賊団よ、あいつらから奪えぇ!!」
 自ら呼び出した海賊船に乗り込み声を張り上げる略奪船長、ティールス。
 そんな彼の船に、躊躇なく乗り込んだのはアイン・セラフィナイト(精霊の愛し子・f15171)だ。
「ジャンク海賊団ってさ、聞く限りじゃかなり平和的な海賊だよね」
「ああ!?…へぇ、わかってるじゃねぇか、そうだろ?あいつらほど腑抜けた連中は早々いねぇんだよ、おかげでメガリスだって奪えたしよぉ!」
 気が合うと思ったのか、生前の、船員であった頃のティールスの残滓に触れたのか、アインの言葉にティールスがへらへらと同調するが、アインはそれを気にせずに問いを投げかける。
「積み上げることがこの海賊の本質なら、キミもその海賊の一員として……その歯車の一つの役割として埋め込まれてたのに、他のメンバーに舐められてたって思うのかな」
「…何が言いてぇ」
「まあ、オブリビオンになってるから仕方ないかな」
「…何が、何が言いてぇんだよてめぇはよぉぉ1うざったいんだよ、船長みたいなこと言いやがってよぉぉぉ!!」
 激昂し、カトラスを振り上げ号令を下す、殺せ!と。号令を受け、奴隷の幽霊たちが一斉に襲い掛かる。
 オブリビオンとなったティールスの十八番、圧倒的物量による襲撃。
 少年一人、真っ向から叩かうにはあまりに分が悪い。
「……だから、ボクの使い魔の世界に呑まれてもらうよ」
 しかし、この少年にはそれを覆す魔法がある。
「【溢れろ境界】!全ての時を凍てつかせろ!」
 号令と共に、鴉羽が降り注ぎ、幽霊船が異界へと引きずり込まれる。
 固唾をのんで見守っていたジャンク海賊団が、慌てて島民を避難させ戦場を見れば、この世ならざる黄昏の世界が軍船を取り込んでいた。
 「う、ごけねぇ…て…てめぇ、何をしやがった…!」
「減退した時の中で自由に動けるのはこの鴉羽を持っているボクだけだ」
 幽世の中で、アインは堂々と宣言する。
 周囲の軍勢の動きを止め、いざ薙ぎ払わんと魔導書を取り出し…幽世に、光が溢れた。
 そして幽世が消えた世界に残ったのは、鴉羽を手にしたアインと光に焼かれたティールスだけだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

エドゥアルト・ルーデル
略奪良いよね!拙者も大好きだ!
だから奪おう!そういうことになった

生憎と【長口上】なんか聞いてたら眠くなっちまうんで話が始まる前に姿を晦ますでござるよ
その際時間稼ぎと目眩まし用に暴徒鎮圧用【UAV】を放てッ!目潰し用レーザーやら催涙弾やらついてお値段なんとXXXX万円!

その後は背後から【忍び足】で近づきLet'sお楽しみターイム!
拙者がやるのはスマートに適当なアイテムを【スリ取り】でござるがね
略奪者から逆に奪うのは最高だなァ…うわっコイツの手持ち、ショボすぎ…?
ついでに手榴弾を懐に【スリ渡し】てプレゼントしますぞ!これで懐を暖めると良いでござるよ!
爆発する前にねぇどんな気持ちしながら退散でござる



 
船を消され地を舐めた略奪船長。
「くそが!くそがくそがくそが!!いいかてめぇらよっくきけぇ!!俺様はな、こんなところで終わるような器じゃねぇんだ、あぁ!?」
 ぎゃあぎゃあと喚き散らすその後ろに、スススと忍び足で近づく影。
「略奪良いよね!拙者も大好きだ!だから奪おう!そういうことになった」
 誰に行ってるんだこいつ。ヘリを降ろして戻ってきたエドゥアルト・ルーデル(黒ヒゲ・f10354)だ。
 長口上なんか聞きたくねぇよ眠くなっちまうよと話が始まる前に姿を晦ましていたこのヒゲのおじさん、良い具合のポジションにつくと懐からスイッチを取り出す。
「時間稼ぎと目眩まし用に、と…ぽちっとな」
暴徒鎮圧用UAV、発進!目潰し用レーザーやら催涙弾やらついてお値段なんとXXXX万円!壊されたら彼の明日は多分真っ暗!!
「あぁ?なんだおらぁ見下してんじゃねぇよ見下ろすんじゃねぇよ!!」
 飛び立ったUAVに止せばいいのにカトラスを振り上げ喚き散ら真正面から襲い掛かる。
 そんなことだから気づかない、こそこそ近づいていた怪しい髭の姿に!
「えーそれではね、拙者がやるのはスマートに適当なアイテムをスリ取るでござるかね」
略奪者から逆に奪うの最高だなぁ…ニタニタ笑いながら一個また一個ティールスの懐から盗み出す。ティールスの懐が軽くなるぐらい盗み出して戦果を確認すれば…
「うわっコイツの手持ち、ショボすぎ…?」
鎧の中身は、さびた硬貨やらずだ袋やらぼろい地図やらしなびた果実やらであった。 惨憺たるとはまさにこのこと。
「あん…あってめぇなにしてやがんだ!?」
 漸く気が付いたティールスが振り返れば、軽くなった懐と自分の荷物を物色するエドゥアルト。
「はっ…ははっ、なんだ?そんなものありがたく持っちまってよぉ、良いぜ、くれてやるよ。そんなもん痛くも痒くもねぇからなぁ、ははははは!!」
 虚栄心を満たし、再び立つために見栄を張ろうとするティールス。
「ははははは、ゴミ引き取る趣味はねぇでござる。さ、これはプレゼントしますぞ!これで懐を暖めると良いでござるよ!」
言うが早いか、エドゥアルトの言葉に固まるティールスの懐に丸い物体を滑り込ませると、ポンポンと彼の肩を叩いてそそくさと彼のそばから離れ走っていった。
「あ、ねぇどんな気持ち?あっという間に荷物すられた上に見下してやろうと思った相手に施し貰うとかどんな気持ち!?」
 返答は憤怒。怒りの形相でエドゥアルトを追いかけようとし…懐の丸い物体、手榴弾が爆発!
 略奪船長の立派な鎧の中身は、真っ黒こげになったのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ヨナルデ・パズトーリ
やれやれ、何処迄も愚かな事よ
そして、過去の己すら裏切るとは哀れよな

じゃが、奴等と同じコンキスタドールを名乗る貴様らにこれ以上奪わせはせねさ

妾の手で討ち滅ぼそう!


魔法は原則『高速詠唱』『範囲攻撃』且つ『乱れうち』


『先制攻撃』で幽霊対策も兼ねた『破魔』の力を込めた闇の『属性攻撃』『全力魔法』で『目潰し』

己の『存在感』を薄れさせ『目立たない』様にし『闇に紛れ』逆に『存在感』と『殺気』を持たせた『残像』で撹乱

『高速詠唱』でUC発動
高速飛行の『空中戦』で敵に肉薄
『怪力』による『鎧無視攻撃』をぶちかまし『傷口をえぐる』様に『零距離射撃』の『破魔』の『全力魔法』を『多重詠唱』でぶちこむ『二回攻撃』



「やれやれ、何処迄も愚かな事よ」
 嘆息交じりに再び現れつつあった幽霊船の前に立ったのはヨナルデ・パズトーリ(テスカトリポカにしてケツァルペトラトル・f16451)。
 奴隷たちに自身を回収させ再び船を取り戻したティールスは、動き始めた幽霊船を操舵し、ヨナルデを引きつぶそうとする。
「そして、過去の己すら裏切るとは哀れよな…じゃが、奴等と同じコンキスタドールを名乗る貴様らにこれ以上奪わせはせねさ」
 メキシコの古き死神、戦闘神の化身とも呼ばれる神は、迫り来る幽霊船に手を翳す。
「妾の手で討ち滅ぼそう!」
 神の叫びと共に放たれたのは強力な『破魔』の力が込められた闇の魔法。乱れ撃たれるその魔法は、幽霊である奴隷戦闘員にとって致命的な乱撃。
 まともに浴びれば消し飛び、辛うじて回避しても、闇がその視界を奪う。
 それでも、この闇を耐えきったティールスと残る奴隷が闇を止めさせようと船から見下ろせば、そこにヨナルデの姿はない。
 姿を探して闇に目を凝らせば、そこには強烈な殺気を持って見えつつあるヨナルデの姿…否、また離れた場所にヨナルデの姿が一つ、二つ、増えていく。
 空気のごとく存在感を消し視線を逸らし、闇に紛れたヨナルデが次々と残像を発生させているのだ。それも、神の強烈な存在感を持った残像だ。
 奴隷戦闘員もティールスも、その存在感と殺気に恐怖を覚え視線を外せず、ヨナルデの本当の場所を見つけ出せないでいる。
 そして、闇の中でヨナルデは姿を変える。黒曜石の鎧と斧、血と骨の翼を身に纏い、闇の中から神は飛び立つ。
 闇の中から飛翔し、海賊船へと超高速で飛び込む。それだけで船が傾き、やせ細った奴隷の幽霊が数体纏めて消滅させられる。
 そのまま滑り込む様にティールスへと肉薄すると、斧を振りかざして叩き付ける。
 怪力から放たれる一撃は、ティールスの鎧など知ったことかと、彼を船底へ叩き込んだ。
 さらに、船底に沈むティールスを追い、起き上がろうとした所に追撃の拳をぶつけると、その拳に力を集中。
 何重にも重ねられた彼女の全力の魔法が、拳から全力でぶち込まれた。

 神の一撃は余波で海賊船を粉砕し、船底を突き破ってティールスを地面へと叩き込んだのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

エル・クーゴー
●WIZ



最終撃破目標を目視で捕捉しました

躯体番号L-95
これより、敵性の完全沈黙まで――ワイルドハントを開始します

【マルチプルミサイル】、セット
同時にマニピュレーターへ【メカニック】のタスクを定義
また、当機の火器管制システムへ自ら【ハッキング】を実行し【リミッター解除】
ミサイルポッドの二門一対化――装弾数の単純な倍増を期した【武器改造】を実行
負荷は【継戦能力】を以て欺瞞します

奴隷戦闘員、敵船体、そして敵船長「ティールス」
捕捉し得る全敵性に対し、射程限界付近の遠方より【誘導弾】仕様のミサイルを【一斉発射】――

(LV71×5発)×ミサイルポッド二門
マックス710発の乱舞による【蹂躙】を敢行します


宇迦野・兵十
媚売りだと馬鹿にされようが
自分の夢を手に入れようと踏ん張った。
僕はさ、そんな成り上がりの物語は嫌いじゃないよ。

―【コミュ力】で語りかけるように

僕の国でもそんな風に生きた英雄だっていたんだ。
良い悪いは別にしても、生き方としては間違ってる訳じゃない。

―動きを【見切り】攻撃を回避し、当たりそうものは【見切り/武器受け】で捌く
 捌ききれないものは致命傷にならないよう【覚悟/激痛耐性】で受けて

でもね、船長殿。
お前さんの物語はさ、もう終わってるんだよ。

―【暗殺/早業】で踏み込みつつ、【早業】で笑狐を引き抜く
 
そんな力に心を奪われちまった時に、さ。

―【三狐新陰流・常世還】

[アドリブ歓迎お任せいたします]



「がっ…げほぉ!?ごほっ、まだだ、まだ俺の未来は、こっからなんだ…働けてめぇらぁ!!」
 崩れ落ちた幽霊船の中で、砕けた鎧に身を包んだティールスが、血反吐を吐いて立ち上がる。罅の入ったカトラスを地面に突き立て、再び幽霊船と奴隷達を顕現させる。
 選手で血反吐と怒声を吐き散らすティールスが、コンキスタドールが諦めず、見下す為に夢を叶える為に未来を奪おうとする限り船も奴隷も、何度でも引きずり戻される。
 
「夢はここから、成り上がり…ね」
 宇迦野・兵十(きつねさん・f13898)が、その姿に思わず言葉を零す。
「媚売りだと馬鹿にされようが自分の夢を手に入れようと踏ん張った。僕はさ、そんな成り上がりの物語は嫌いじゃないよ」
 だが、だがしかしその執念は終わらせなければならない。腰のなまくらに、手をかけた。
「まずは、足元から…一つ、頼めるかい?機械のお嬢さん」
 怜悧な表情を浮かべた兵十は、高所より攻撃の準備に入っていたエル・クーゴー(躯体番号L-95・f04770)に幽霊船への対処を任せ、前へ進む。

「委託、了承。最終撃破目標を目視で捕捉しました」
 戦場を遠方の高所から観測していたエルは行動を開始する。
 マルチプルミサイル、セット。
 両肩に、両腕に、両手に、両足に。アームズフォートから展開したミサイルポッドが彼女自身に次々と搭載されていく。その数だけでも過剰と呼べる重装備。
 しかし、彼女はそこで終わらない。マニュピレーターの一部を自らへと伸ばし、自らの火器管制システムへハッキング、そのリミッターを解除。
 残るマニュピレータは展開した武装へと手を伸ばし、瞬時に手を加える。展開、搭載が完了したころにはミサイルポッドへの改造は完了。
 二門一対化――装弾数の単純な倍増。
  これぞまさしく荷重、過剰。視界に絶えずエラーの表示が発生するが、それをすぐさま消去して自らを欺瞞する。
 改造を終了したマニュピレータ―が軋みを上げながら彼女を支え、エルは一個のアームズフォートと化す。
 計、710ものミサイル。コンピュータ制御によって奴隷戦闘員、敵船体、そして敵船長、すべての適正勢力を捕捉し、精密に爆撃する、一隻の船に対してあまりに過剰な火力。
 幽霊船が、動き始める。迎え撃つは、重火力の嵐。
「躯体番号L-95。これより、敵性の完全沈黙まで――ワイルドハントを開始します」

「あらまぁ、これはまさしく嵐だねぇ、危ない危ない…」
 降り注ぐミサイルに奴隷戦闘員が吹き飛び、幽霊船が破壊されていく。そんな嵐の中を兵十がのらりくらりと歩いていく。
 エルの精密な誘導と兵十の鋭い視線が、奴隷たちの妨害を許さない。
 崩壊する船の船首で、護衛の奴隷戦闘員をなまくらで打ち据え消滅させた兵十がティールスへと相対する。
「なんだてめぇ…俺は、俺は奪うぞ、まだ奪うぞ…かかってきやがれってんだ…!」
「なぁお前さん。僕の国でもそんな風に生きた英雄だっていたんだ。お前さんの良い悪いは別にしても、生き方としては間違ってる訳じゃない」
 兵十は、なまくらから手を離して語り始める。武器を持たず、諭すように。
「は…はは、そうだろ。俺は間違っちゃいねぇ…なぁ、お前、俺の部下にしてやろうか?強いやつは、俺の力になるやつは、大歓迎だ、ぜ」
 息も絶え絶えに、カトラスを向けるティールス。兵十はその言葉に哀れむ様に首を振る。

「でもね、船長殿。お前さんの物語はさ、もう終わってるんだよ」
 瞬間、兵十が踏み込む。目にも止まらぬ速さでなまくらを―妖しき刃、笑狐の封を切り、引き抜く。
――三狐新陰流・常世還。
「…そんな力に心を奪われちまった時に、さ」
一刀両断、悪を斬る刃の前に、ティールスの体はあっけなく両断された。
兵十はそのまま振り向かず、主を失い消えゆく幽霊船から立ち去っていく。

最後まで何かを求めていた男の死に顔を、すべてのミサイルを撃ち終えたエルだけが記録していたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 日常 『船の修理、できるかな?』

POW   :    目立つ損壊部分を修復する

SPD   :    細かい損傷部分を修繕する

WIZ   :    何かビビっと来たので修理ついでに改造してみる

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「「ありがとう!助かった!!助けてくれ!!!」」
 銘銘戦闘を終え、合流した猟兵達。そこに救出されたジャンク海賊団が息を揃えて頭を下げる。
「アンタら猟兵って連中だろう?助けてくれてありがとう!ついでにもひとつ助けてくれ!!」
 戦闘で頭を下げていたのはジャンク海賊団の船長、キャプテンジャンク。
 船長と言うより、工場長といった雰囲気が似合う目の前の老船長が言うには、傷付いた船員たちに代わって、破壊されてしまった海賊船の修復を手伝ってほしいとのこと。
 海岸に打ち上げられたジャンク海賊団の海賊船は、激戦であったのだろうことを示すように、完膚なきまでに破壊されていた。
「長い付き合いだからわかる。ただの人間がやってたらえらい時間がかかる具合だ…で、これが俺たちだけの問題ならいいんだが。この島は輸送から交易、防衛まで何から何まで俺たちが受け持っているんだ。このままじゃ連中の生活にまで支障が出ちまう」
 幸い、先ほどの戦闘で出来上がったジャンクに加えて島の中央にある壊れた鉄の船に基盤が散見する地面――宇宙船やコロニーの残骸はまだまだ山ほどある。
「この島の資材はいくら使ってくれてもかまわねぇ、あんたらの噂も聞いてる…恥を忍んで、よろしく頼む!」
アイン・セラフィナイト
ジャンクって、男性のロマンだよね!
でも相当大変だね……一人いなくなっただけでも大打撃だ。交易と防衛こなすってなると、それ相応に頑丈で壊れにくい船にしないと。

ここはオリジンに手を貸してもらおうかな。砂浜にある周囲の物質を分解、ジャンクパーツに変化させて船の破損部分を補強していくよ。

それに、『全力魔法』でジャンクパーツに魔力を付加させて外部からの衝撃、荒波にも耐えうる強靭な船体に補強しておこう。創り出したジャンクパーツに魔力生成効果でもエンチャントしておいて半永久的な装置として設置しておこうかな。

んー、後は内部も快適な方が良いかな?オリジン、ついでに『掃除』、船内の雑多な部分も改造よろしくね。


エドゥアルト・ルーデル
艦船の製造でござるか
HLGシステムはないんでござるか?無いか

流石に船舶工学には明るくない拙者だ
だからここはお船本体は他に任せて武装を盛ろうぞ!ああ…レールキャノンでござるな…でっかい大砲って男の子だよね!
何電力が足りない?そこに宇宙船の動力があるじゃろ?
何狙いがつけられない?そこに宇宙船のレーダーとFCSがあるじゃろ?
適当に剥ぎ取ってきた砲の直径80cmぐらいあるレールガンを船体のど真ん中に設置!
船体と同サイズのレールガンが天に向かって雄々しく反り立ってこれは…摩天楼…
このレールガンで敵船をジャァァンクにしてあげるでござるよ!

…でもなんだかパンチが足りなくない?
よしここはドリルをつけようぞ!



「ジャンクって、男性のロマンだよね!」
「でっかい大砲って男の子だよね!」
 アイン・セラフィナイト(精霊の愛し子・f15171)が船を目の前に声を張り上げれば、エドゥアルト・ルーデル(黒ヒゲ・f10354)がそれに続く。歳の離れた二人であるがそこは浪漫のわかる男同士、通じるものがあったのかともに作業に取り掛かる。
 
「でも相当大変だね……一人いなくなっただけでも大打撃だ。交易と防衛こなすってなると、それ相応に頑丈で壊れにくい船にしないと」
 と、アインが船体の修復について思案を巡らせれば
「いやこれもう修復っていうか製造の段階でござるよね。艦船の製造でござるか…HLGシステムはないんでござるか?無いか」
と、首を捻るエドゥアルト。
「決めた、頑丈な船にしよう!」
「決めた、武装を盛ろう!」
「「……」」
 無言で視線を交わし、固い握手。
「分解は任せて、心強い味方がいるから。力を貸してくれ、万物を司る精霊王『オリジン』!」
「あらまた便利な…じゃ、船体光学には詳しくないから任せるでござる」
 アインから厳かに召喚された精霊王の霊が周囲に散らばる残骸を次々と成形し、ただのごみから【使える】ジャンクパーツへと変換していくのを見ながら彼は島にある宇宙船のもとへと走る。
「…でっかい大砲って男の子だよね!」
 でかい大砲は大事なことである。

「え~と…ただ成形し得て補強しただけじゃダメそうだよね…まずは魔力付加からか…はぁっ!!」
 成形され、ジャンクパーツの装甲にアインが強力な魔法を施していく。
 外部からの衝撃はもちろん、荒波に揉まれようが晒されようがびくともしない程の耐久性をパーツ一つ一つに付加し、船体は見る間に魔法によって強化された。
 万物を司る精霊王ですら唸る見事な強化魔法、その見事さを理解できないまでもその素晴らしさを理解したジャンク海賊団が礼を言うために声をかけようとして…
「やっぱり、長く使ってもらうには半永久的に動くようにしておかないと…」
「…はい?」
 精霊の愛し子は止まらない。更にパーツそのものに、強化を維持するための魔力を生成するエンチャントを付加していく。
「んー、後は内部も快適な方が良いかな?オリジン、ついでに掃除と…船内の雑多な部分も改造よろしくね」
 明らかにえらい精霊さんにめっちゃ雑に雑用命じた!?
 慄く海賊団を後目に、精霊王が船内へと乗り込んでいくのであった。

「んーなるほどなるほど、土台は十分、と…おーい、適当にはぎ取ってきたでござるよー」
 そんな光景を自らが召喚したどっかの知らない人(たぶんグリシャン限定の知らない人)を通して見物しつつ戻ってきたエドゥアルト。なにやら色々はぎ取ってきたようだ。
 その持ってきたものに、諸々常識の範囲外な強化魔法を使用していたアインも思わず目を見張る。
「…あの、それって」
「ああ…レールキャノンでござるな…いや正式にはレールガンでござるが」
 そう、でかいどころかでかすぎる大砲、即ち浪漫の塊、レールガンであった。どうやって持ってきやがった。
 さすがにでかすぎるそれに、見学し再び慄いていたジャンク海賊団が恐る恐る声をかける。
「あの、これどうやって動かせば」
「何電力が足りない?そこに宇宙船の動力があるじゃろ?」
「あの、これ動かせてもどうやって当てれば」
「 何狙いがつけられない?そこに宇宙船のレーダーとFCSがあるじゃろ?」
 準備万端であった。
「万事解決!!!それじゃーこの…直径80cmぐらいあるレールガンを船体のど真ん中に設置!どっこいしょー!!」
 アインとオリジンの手を借り、ででんと雑にど真ん中にレールガンを設置。
「船体と同サイズのレールガンが天に向かって雄々しく反り立ってこれは…摩天楼…
このレールガンで敵船をジャァァンクにしてあげるでござるよ!ね?」
 いや、ね?と言われても…どうしたものかと考える海賊団とは裏腹に、老船長はかなりキラキラした目を向けている。
 まずは一隻、魔法の装甲にでっかいレールガンが搭載されたなんともちぐはぐな海賊船が出来上がったのだった。


「…でもなんだかパンチが足りなくない?よしここはドリルをつけようぞ!」
「まって!?」
 さすがにそれは止められた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

宇迦野・兵十
手伝いたくても僕には大した事はできそうにないね、こりゃ困った。

ふむ…海賊ってのは男伊達って事だろう?
それじゃあ、あんなボロボロの旗と帆じゃダメだろう。
直してやらなきゃ見栄えが悪いや。

そうと決まれば《コミュ力》で人手を集めて《失せ物探し》探しで元々の旗を探そうか。何、島の英雄の為なら皆手伝ってくれるさ。
見つかったら、そいつを綺麗に直そうか。
破けたのを直すでも、作り直すでもやり方は色々あるからね。

直せる検討がついたら、そこから離れて旗の一つでも作ろうか。
髑髏の周りに花が咲く、そんな図案でさ。

海賊には矜持があるんだろ、それじゃあ精々死ぬまで格好つければいいさ。

しかしまぁ…我ながら下手な絵だねぇ。



「手伝いたくても僕には大した事はできそうにないね、こりゃ困った」
 修繕されつつある海賊船の停泊する砂浜。
 加えた煙管に手を添えながら宇迦野・兵十(きつねさん・f13898)は船を見上げ、どこに手を貸したものかと考え込んでいた。
 見た目も直され武器も置かれ、さて自分はどうしたものか、首を傾げてふと上を見上げてみれば、ぼろぼろになったそれが目に付く。
「ふむ…海賊ってのは男伊達って事だろう?それじゃあ、あんなボロボロの旗と帆じゃダメだろう。直してやらなきゃ見栄えが悪いや」
 そう、彼が目を付けたのは戦いの中でズタボロになってしまった帆と、破壊されていた海賊旗であった。

帆は縫い合わせればいい、だが旗はいけない。折れて無くなってしまっている海賊旗だったもの、どうしたものかと老船長と兵十が肩を並べる。
「ああ~!?…あれなぁ、負けちまった時にへし折られちまってよう…てんやわんやすぎてすっかり忘れてたぜ…」
「そりゃあまた、難儀だねぇ…ふむ、ちょっと待っててもらっていいかい?何、島の英雄の為なら皆手伝ってくれるさ」
 ふらりと島へ姿を消した兵十。戻ってきてみれば、なにやら大勢の島民を引きつれその手に亡くなったはずの海賊気を手にしていた。
 何のことはない、島民たちに事情を話し人海戦術で島中を探してもらったのだ。
 そうして兵十が老船長に海賊気を手渡すと、島民たちが集まって旗と帆の修繕に手を貸し始める。
 そんな光景を尻目に、兵十は一人真新しい旗に向き合っていた。
 海賊旗に兵十が描いたのは、海賊の象徴たる髑髏の周りに花が咲き誇る、どこか美しく儚い海賊の象徴。


「海賊には矜持があるんだろ、それじゃあ精々死ぬまで格好つければいいさ…しかしまぁ…我ながら下手な絵だねぇ」
 中々良い絵だと老船長や島民たちがその絵に食いつき、船に飾ろうとするのを見守る兵十はへらへらと笑うのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年04月12日


挿絵イラスト