●欲望の海に沈む宇宙戦艦
その船は、かつては星の海を縦横無尽に飛び回っていたという。
だが、それも遥か昔の話。
欲望の海に落ちた今は、ただ朽ちた巨体の一部を、無惨に海上に晒すのみだ。
そしてその巨大な鉄の塊は、今やコンキスタドール達の根城と化していた。
この宇宙戦艦と共にこの地に墜ちたウォーマシン達。
この鉄の島に流れ着いた幽霊船達。
彼らは『キャプテン』と呼ばれるコンキスタドールを中心に徒党を組み、周囲の島々で略奪と殺戮を繰り返していた。
辛うじて生き延びた人々は見たという。
複数の幽霊船が合体した、天を衝くような巨人の姿を。
●スペースシップ『ブラックゴースト』
「まさか、スペースシップワールド以外にスペースシップが存在しているとは思いませんでした」
エルシー・ナイン(微笑の破壊兵器・f04299)は、集まった猟兵達に、やや困惑気味にそう告げた。
「その船は、スペースシップワールドでは『ブラックゴースト』と呼ばれていました。記録によれば、宇宙海賊達が運用していた海賊船だったようです。その船が、何の因果かグリードオーシャンに引き寄せられ、今では島の一つになっています」
そしてその島には、元々の乗員だったウォーマシン達がコンキスタドールと化して棲み付いているのだという。
「彼らは今度はグリードオーシャンの海賊として、周囲の島々を荒らしまわっています。そこで皆さんには、『ブラックゴースト』に潜入し、コンキスタドール達を殲滅してもらいたいのです」
だが、この島に棲みついたのはウォーマシン達だけではない。流れ着いた幽霊船達が、先住民たるウォーマシン達を支配下に置き、今やこの島の主として君臨しているのだという。
「その幽霊船を束ねるのは、『キャプテン』と呼ばれる亡霊です。キャプテンは、幽霊船達を合体させる能力を持っているようですので、充分注意してください」
猟兵達は鉄甲船で『ブラックゴースト』に接舷し、内部へと侵入することになる。
「『ブラックゴースト』の内部は通路が迷路のように入り組んでいる上、所々浸水しています。加えてウォーマシン達が地の利を生かして待ち伏せているので、撃破しつつ奥へと進んで下さい。目指すは、幽霊船達が波止場代わりに使用している格納スペースです」
そして、格納スペースで幽霊船達を撃破すれば、作戦は終了となる。
「ですが、これは思い過ごしかもしれませんが、何か嫌な予感がするんです」
エルシーが、ウォーマシンとは思えないあいまいな表現でそう口にした。
「予知が阻害されているため、何が起こるかまでは分かりませんが……、コンキスタドール撃破後も気を抜かないようにお願いします」
そう言ってエルシーは深々と頭を下げ、猟兵達を送り出したのだった。
J九郎
こんにちは、J九郎です。
スペースシップが舞台ですが、あくまでグリードオーシャンのシナリオですのでお間違えの無いようにお願いします。
第1章では、スペースシップ内でのウォーマシン達との集団戦になります。
ウォーマシン達は地の利を生かして迎撃してきます。対策を考えておくと有利に戦えるかもしれません。
第2章では、合体幽霊船とのボス戦になります。
そして第3章では、何かが起こります。何が起こるかは第3章公開時に追記予定です。
それでは、気合の入ったプレイングをお待ちしています。
第1章 集団戦
『メカニカルパイレーツ』
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POW : 目標確認、銃殺で処理
【ビームマスケット】が命中した箇所を破壊する。敵が体勢を崩していれば、より致命的な箇所に命中する。
SPD : 目標確認、近接を敢行
あらゆる行動に成功する。ただし、自身の【耐久力及びエネルギーと他の仲間】を困難さに応じた量だけ代償にできなければ失敗する。
WIZ : 耐久力低下、至近距離自爆を遂行
自身に【エネルギーシールドと高熱】をまとい、高速移動と【自爆による爆発エネルギー】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
イラスト:ゆりちかお
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
リョウガ・イグナイト
お、すっげぇ! 俺の島じゃあんまり居なかったウォーマシンが沢山動いてら!!
ってこれ全部敵なんだよな。しっかたねー。
奪って良さそうなモンは奪ってくのが海賊ってコトで。
バトルアンカーを【怪力】【鎧砕き】で振り回しながら牽制。
まー、これは全く本命じゃねーんだけど。
掻い潜って近寄って来たなら、右手側のガントレットを
【リミッター解除】、【属性攻撃】【零距離射撃】で【指定UC】をぶっぱなす。
ついでにいくらか巻き込んじまうか……って。
あ、やべ。壊しすぎた。
修理したら部下みたいに使えねーかなー。武器にするのが関の山か……?
※アドリブ可
●スペースノイドの海賊
今は島と化したスペースシップ『ブラックゴースト』の艦内通路を、幾多のウォーマシン達が哨戒している。
鉄甲船から降り立ったリョウガ・イグナイト(星海を目指す者・f26399)は、船内に通じるハッチの陰からその様子を確認し、目を輝かせた。
「お、すっげぇ! 俺の島じゃあんまり居なかったウォーマシンが沢山動いてら!!」
リョウガは、このブラックゴースト同様に、宇宙船の形をした『島』で産まれた猟兵だ。だが、彼の島にはこれほどの数のウォーマシンは存在していなかった。いつか先祖のいたスペースシップワールドへ行きたいと願っているリョウガにとって、この光景はどこか憧れのその世界を連想させるものだったのだ。
「……って、これ全部敵なんだよな」
だが、その光景に心躍らせていたのも数瞬の事。リョウガは気持ちを切り替えると、巨大な錨『バトルアンカー』と、そこから伸びる鎖をしっかりと握り締めた。
「しっかたねー。奪って良さそうなモンは奪ってくのが海賊ってコトで」
隠れていたハッチの陰から飛び出し、船内の通路に踊り込んだリョウガは、左手で鎖の根元部分を持って持ち前の怪力でバトルアンカーを大きく振り回し、哨戒中のメカニカルパイレーツ達へと突っ込んでいった。不意を打たれたメカニカルパイレーツの一体の頭部が、錨の直撃を受けて大きく凹み、さらに勢いのまま本体からもがれて吹き飛んでいく。
『侵入者発見!』
『敵襲、敵襲! 総員、警戒セヨ!!』
あっという間に1体の同胞を破壊されたウォーマシン達は、警告音を発しながら迎撃態勢を整えていった。狭い通路内では、鎖を振り回すにも限界があり、動きを読みやすい。そう判断したメカニカルパイレーツが2体、振り回される錨の軌道を見切り、掻い潜るようにしてリョウガへと迫っていった。その手には、輝く光刃を持つ二刀のカトラスが握られている。
(「まー、これは全く本命じゃねーんだけど」)
リョウガは不敵な笑みを浮かべると、右腕に装着した機械式のガントレット『開拓者の剛腕』を迫りくるウォーマシン達に向けた。
ガントレットのリミッターが解除され、内蔵された小型大砲『海裂く流星』が剥き出しになる。
「……良いぜ、このぶっ壊れた海ごと『消し飛ばして』やる」
そして、ほぼ零距離で放たれた砲弾は、その名の通り流星と化し、今まさにカトラスを振り下ろさんとしていた二体のメカニカルパイレーツを粉々に吹き飛ばした。のみならず、貫通した砲弾は通路の後方で攻撃の機を窺っていたウォーマシン達へも迫っていく。
「ついでにいくらか巻き込んじまうか……って」
リョウガがそこまで呟いた時、砲弾が轟音と共に炸裂した。
『ガ……!!』
『ギガガガッ……!?』
通路を、爆炎が吹き荒れる。そして爆炎が晴れた時には、砕け散ったウォーマシンの破片と、抉れた通路だけが残されていた。
「あ、やべ。壊しすぎた。これ、修理したら部下みたいに使えねーかなー。武器にするのが関の山か……?」
砕け散ったウォーマシンの残骸を、海賊らしく物色を始めるリョウガ。だが、『海裂く流星』の威力が強すぎたのか、まともに使えそうなパーツを見つけることはできなかった。
「まあいいか。ウォーマシンはまだまだいるみたいだしな」
リョウガは気を取り直して錨を肩に担ぐと、通路の奥へと進みだしたのだった。
成功
🔵🔵🔴
クネウス・ウィギンシティ
アドリブ&絡み歓迎
「スペースシップですか……故郷の船は懐かしいですね」
【POW】
●侵入
「大体は脱出用のハッチがあるものです」
【メカニック】としての勘で比較的安全であろう避難ルートから逆潜入します。メンテナンス用のシャフトや梯子を通って目的地を目指します(【地形の利用】)。
●戦闘
光学【迷彩】を纏い先行【偵察】。高所に『セントリーガン』を仕掛け、『ドローン』を展開してから交戦開始。
「目標確認、戦闘開始」
『ライオットシールド型パイルバンカー』の杭を足元に突き刺し盾代わり(【武器受け】)に、自分はその後ろからUCで狙撃。セントリーガンとドローンも遠隔【操縦】で攻撃。
「CODE:LAXIS。打ち貫く!」
●潜む狙撃手
他の猟兵達が正面ハッチから島の内部へと侵入していく中、クネウス・ウィギンシティ(鋼鉄のエンジニア・f02209)は冷静に船の外観を観察していた。
「スペースシップですか……故郷の船は懐かしいですね」
スペースシップワールドの軍人であるクネウスにとって、元スペースシップである『ブラックゴースト』の姿は馴染みのあるものだ。だがもちろん、クネウスはただ感慨に耽っているわけではない。
「宇宙船には、大体は脱出用のハッチがあるものです」
クネウスは自動哨戒型飛行ドローン『D6ID』を展開し、隠されるように存在していた脱出用ハッチを見つけ出していた。彼はメカニックとしての技術を駆使してロックを解除すると、光学迷彩を纏いつつ、ハッチから内部へと潜入していく。
元々は避難用のルートだけに、哨戒しているウォーマシンの姿も見当たらない。このルートなら比較的安全だろうというクネウスの読みは当たったようだ。
だがクネウスは油断することなく、今度はメンテナンス用のシャフトの入り口を探す。そしてメカニックの勘を活かして入り口を見つけ出し、素早くその内部へと潜り込んでいった。念のために、『D6ID』は通路の天井付近に残し、偵察を続行させる。
メンテナンス用のシャフト内部は狭く、身をかがめなければ歩くことすらできない。だがそれゆえに、ボディの大きいウォーマシンが使用することはなかったようで、少なくともこのグリードオーシャンに落ちて来てからは、誰も使用した形跡がない。
「ここまでは順調ですが、万全を期すとしましょう」
クネウスは、自走式セントリーガン『オラクル』をシャフト内に配置しつつ、慎重に先へと進んでいく。
と、その時彼の装着する電脳ゴーグル『CYBER-SPACE GOGGLES TYPE:E.MAGI』に、ドローンから送られてきた映像が投影された。通路を偵察中の『D6ID』が、哨戒中の3体のメカニカルパイレーツを発見したのだ。
このままこのメンテナンス用シャフトに潜んでいれば、やり過ごすことはできるだろう。だが、放っておけば他の猟兵の脅威になるかもしれないし、どのみち目的地である格納スペースに辿り着いたらシャフトからは出なければならない。その際に、挟み撃ちを受ける可能性もある。
クネウスは素早く決断を下すと、
「目標確認、戦闘開始」
遠隔操作でドローンに攻撃を開始させた。そして、ドローンの存在に気付いたウォーマシン達がそちらに気を取られている間に、クネウスは音もなくシャフトから通路へと着地。ライオットシールド一体型パイルバンカー『第六式雷電攻艦杭』の杭を床に突き刺して盾代わりとしつつ、アームドフォート『Anti DeusEx Cannon ゲオルギウス』を構えた。
一体のメカニカルパイレーツがクネウスの存在に気付き、振り向いた次の瞬間。
「CODE:LAXIS。打ち貫く!」
アームドフォートから放たれた銃弾が、メカニカルパイレーツの胴中央を撃ち抜いた。そのメカニカルパイレーツは一瞬で機能を停止し、頽れていく。
だがそのことで、残る2体のウォーマシンもクネウスの存在に気付き、ビームマスケットの銃口をクネウスに向けた。しかし、彼らがビームマスケットを撃つ前に、上方から降り注いだ銃弾の雨が、2体の動きを阻害する。シャフト内に残してきた自走式セントリーガン『オラクル』が、天井越しに援護射撃を開始したのだ。
そしてその間にクネウスは、精確無比な狙撃によって、確実に一体一体、メカニカルパイレーツ達を仕留めていったのだった。
大成功
🔵🔵🔵
ニコリネ・ユーリカ
遠い昔、遙か宇宙の彼方を泳いだ船が
欲望の海に落ちて悪者達の根城に……浪漫ねぇ
しがない花屋も海賊の冒険譚にまぜて頂戴
地の利が相手にある状況で猛進は危険
背後を取られたり囲繞されないよう注意深く
背を壁にして船内を進みましょ
左手は常に壁に触れつつ、姿を隠して探索
音を立てないようコッソリと(闇に紛れる、忍び足)
曲り角では手鏡で様子を探り、敵が居たら隙を見て仕掛ける!
所々浸水しているのが海水なら好都合
機械の貴方達にとびきりの雷を落としてあげる
敵がエネルギーシールドを纏う前にやっつけちゃえ!
(属性攻撃、範囲攻撃、全力魔法、高速詠唱)
自爆の気配があれば入り組んだ通路に退避
疲れる前に目的地に辿り着きたいハァハァ
●花屋の冒険譚
「遠い昔、遙か宇宙の彼方を泳いだ船が、欲望の海に落ちて悪者達の根城に……浪漫ねぇ」
ニコリネ・ユーリカ(花売り娘・f02123)は、元スペースシップ『ブラックゴースト』の内部をゆっくりと進みながらも、どこかワクワクしている自分に気付いていた。しがない花屋の自分が、海賊の冒険譚の世界に入り込んでいることが、彼女の気分を高揚させる。
とはいえ、彼女の行動は慎重だ。地の利が敵にある以上、猛進は禁物。ニコリネは背後を取られたり囲繞されたりしないように、壁に背を付けるように進んでいく。
船内の地図も分からないので、左手は常に壁に触れている。古典的だが確実な方法だ。
可能な限り影から影へ渡り歩くように、なおかつ足音を忍ばせるように。ニコリネは一歩一歩確実に船内を進んでいった。
やがて、T字路となった通路に辿り着くと、ニコリネは手鏡を取り出し、そっと通路の先の様子を探った。
右側の通路はしばらく先にシャッターが下りていて行く手を塞いでいる。左側の通路はさらに先で右側に折れている。そしてその通路には、3体のウォーマシンの姿が確認できた。
(「まだ気づかれていないようね。不意を突ければ、私一人でも倒せるかしら」)
ニコリネは手鏡を動かし、通路の様子を探る。半ば水没し島と化したブラックゴーストの内部は、所々浸水し、海水の水溜りを作っていた。ウォーマシン達が巡回している通路にも、浅い水溜りがいくつか見受けられる。
(「これは好都合ね」)
ニコリネは、意を決してT字路を左に折れると、メカニカルパイレーツ達が反応するよりも速く、手にしたシャッター棒をウォーマシン達に突きつけた。
「機械の貴方達にとびきりの雷を落としてあげる!!」
次の瞬間、シャッター棒の先端から迸った稲妻が、海水を伝いメカニカルパイレーツ達を直撃した。メカニカルパイレーツ達がエネルギーシールドを纏う間もないほどの早業だ。たちまち放電がウォーマシン達の表面を這い回り、内部の電子回路を焼き切っていく。
「ギ、ギギギ……機能、大幅低下。至近距離自爆ヲ遂行」
それでも辛うじて機能停止を免れた一体が、もはやこれまでとばかり、猛然とニコリネ目掛けて突っ込んできた。
「自爆に巻き込まれるのは困るわね」
ニコリネは元来た道へと駆け戻っていった。先の道については全く情報はないが、これまで辿ってきた道ならすべて記憶している。
「ガガガ……!!」
既に自爆を覚悟しているウォーマシンは、リミッターを解除した限界を超えた速度でニコリネに迫る。だが、電撃で電脳の一部を破壊されたウォーマシンは、最早複雑な判断ができない。自分達の根城のはずの宇宙船内の入り組んだ通路に惑い、ニコリネの姿を見失ってしまう。
「ギ、ガガ……!!」
ついにメカニカルパイレーツは無念そうに倒れ込み、そして轟音とともに爆発した。
「ハァハァ……、なんとか凌げたわね」
荒い息を吐きながら、ニコリネは通路の先を見据える。
「このまま、疲れる前に目的地に辿り着きたい」
とはいえ、先はまだまだ長そうだ。ニコリネは祈るような気持ちで、再度通路を進みだしたのだった。
成功
🔵🔵🔴
七篠・コガネ
宇宙船もこうして海に落ちるとただの鉄塊ですね…
本物の海と空だと喜ぶ余裕もなかったのでしょう
それも過去の話
同胞達、こんな所で何やってるんですか…
プラズマジェットでほんの少し浮上しながら『code-Nobody』展開
前方へ【一斉発射】して敵の攻撃当てさせません!
水気があるならこのプラズマ射撃で感電させる事も出来るでしょうね
同じウォーマシンでも僕は元軍人
積まれた経験が同格だと思わないで下さい!
最も厄介なのはこの宇宙船内ですね
倒れた敵の一体を【怪力】で掴み取ります
…良かった。データはまだ生きてる
敵の中に艦内データがあれば通信してアクセス
艦内データを僕の目を通して強制送受信してみます
きっと後々活かせる筈
メイスン・ドットハック
【SPD】
この世界でウォーマシンとは珍しいのー
じゃけどすでに型落ちのセキュリティなど僕にとっては美味しい獲物じゃのー
アメジストの迷宮の主としてのアクセス権を行使して、UC「迷宮主の領域に踏み込みし権能」を発動
自身の劣化コピー体達と共に、敵ウォーマシンの脳内に電脳魔術によるハッキングを敢行
制御権を奪えれば最高であるが、無理をせずに目標識別機能を重点的に狙う
敵ウォーマシンを味方として認識させて、派手に同士討ちを起こさせる作戦
手が足りないならコピー体に加勢させて成功するまで手勢を追加させて、成功人数でチームを組んでやらせる
主に味方に攻撃しようしている個体優先
さて、派手にやってくれのー
アドリブ絡みOK
●マシン・ハッキング
「宇宙船もこうして海に落ちるとただの鉄塊ですね……」
鉄甲船の上から『ブラックゴースト』を眺めながら、七篠・コガネ(ひとりぼっちのコガネムシ・f01385)はそう呟いた。スペースシップワールド出身のウォーマシンであるコガネにとって、宇宙船の変わり果てた姿には思うところがあるのだろう。
「きっと、本物の海と空だと喜ぶ余裕もなかったのでしょう」
この世界に落ちてきた当時に思いを馳せたのも束の間の事。コガネは気持ちを切り替えて鉄甲船の甲板を蹴り、ブラックゴーストのハッチへと飛び込んでいった。
『侵入者発見。迎撃開始』
さっそく、船内を巡回していたメカニカルパイレーツ達がコガネの姿を認め、ビームマスケットを構える。
「同胞達、こんな所で何やってるんですか……」
自身と同じウォーマシン達の変わり果てた有様に、コガネは呆れた表情を浮かべるが、それでも戦闘態勢を取ることは忘れない。プラズマジェットを吹かしてわずかに浮上しながら、背中に内蔵されているアームドフォート『code-Nobody』を翼のように展開。メカニカルパイレーツ達が攻撃に移るよりも先に、プラズマ砲を一斉に発射した。電撃が通路を縦横無尽に飛び交い、メカニカルパイレーツ達に襲い掛かる。
「おーおーやっとるのー。しかし、この世界でウォーマシンとは珍しいのー」
そんなコガネとメカニカルパイレーツ達の戦いを通路の後方から観戦しているのは、メイスン・ドットハック(ウィザード級ハッカー(引き籠り)・f03092)だ。もちろん、ただ眺めているわけではない。メカニカルパイレーツの性能を、電脳AI搭載メガネ『MIYAJIMA』を通して解析していた。
「じゃけどすでに型落ちのセキュリティなど、僕にとっては美味しい獲物じゃのー」
メイスンは自身の周囲に電脳空間を展開すると、アメジストの迷宮の主としてのアクセス権を行使する。
「迷宮の主として権能で生み出した僕達の電脳魔術、堪能していくといいのー」
すると、メイスンが身に付けていたデータアクセス宝具『アメジスト』が光り輝き、メイスンの姿そっくりの複製体を生み出した。
「そんじゃ、さっそく始めるとするかのー」
メイスンは自身の劣化コピーである複製体と共に、電脳魔術を発動させる。標的は、メカニカルパイレーツ達の機械仕掛けの頭脳だ。
「悪いけどもうしばらく持ち堪えてくれるかのー」
メイスンの呼びかけに、コガネが不敵に応じる。
「任せてください。同じウォーマシンでも僕は元軍人」
コガネは今度はプラズマ弾を、通路に所々ある水溜り目掛けて発射した。電撃はその水溜りを通して、メカニカルパイレーツ達を感電させていく。
「積まれた経験が同格だと思わないで下さい!」
そして、メカニカルパイレーツ達が感電し一時的に動きを止めた隙に、メイスンがそのうち3体へのハッキングを成功させていた。
「制御権を奪えれば最高じゃったけど、さすがに短時間ではそこまでは難しいのー」
メイスンの標的となった3体のメカニカルパイレーツが、動きを停止した。だがすぐにそのウォーマシンは再起動し……そして急に反転すると、同胞のはずの他のメカニカルパイレーツへと攻撃を開始した。
「これは一体……」
コガネが、思わぬ事態に目を見開く。
「制御権は奪えんかったけど、目標識別機能を誤認させることならできるのじゃ」
メイスンはメカニカルパイレーツの識別機能に干渉し、自分達を味方と認識させたのだ。
「さて、派手にやってくれのー」
同胞を敵と誤認したメカニカルパイレーツ達は、同士討ちを繰り広げ始めた。
「この状況、最大限に利用させてもらいましょう」
コガネが、背中のプラズマジェットを全開に吹かす。そして、
「昔の人はこう言いました。”精神一到何事か成らざらん”!」
同士討ちを繰り広げるウォーマシンの群れに超高速で突撃していくと、宇宙船の装甲すら砕くほどの勢いで、強烈な蹴りを炸裂させた。稲妻の如きその蹴りは、通路に密集していた7体のメカニカルパイレーツを同時に通路の奥の壁面まで吹き飛ばし、一瞬にしてスクラップに変える。
「どうやらこのあたりのウォーマシンは片付いたようじゃのー」
「ええ。ですが、最も厄介なのはこの宇宙船内ですね」
コガネは、破壊されたメカニカルパイレーツの内比較的原型を留めた1体に近づくと、その頭部を掴んで、無造作に持ち上げた。
「……良かった。データはまだ生きています」
「なるほど。やりたいことは分かったのじゃ」
メイスンが、破壊されたメカニカルパイレーツにハッキングを試みる。既に機能停止したウォーマシンのハッキングなど、彼女にとってはお手の物だ。
「うむ。データを抜けたのじゃ」
「そのデータを僕に送ってもらえますか?」
メイスンは頷くと、メカニカルパイレーツに蓄積されていたデータをコガネの電脳へと転送する。
「きっと、船内のデータがあるはず……」
転送されてきたデータを検索していったコガネは、やがてその中に船内の見取り図とウォーマシン達の配備状況のデータを発見した。
「このデータがあれば、きっと後々活かせる筈です」
「とりあえず、格納スペースまでのルートを確認して欲しいのー」
そして二人は、抜き出したデータを元に安全なルートを選び、先に進み始めたのだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ウィンディ・アストレイ
フム…ウォーマシンとは、少々毛色が異なりますか。
但し、どんな攻撃も当たらなければ。どうという事はありません!
バーニア&スラスタを併用し、壁や天井等を蹴りながらの空中機動と
戦闘勘と見切り、残像を駆使して射線や照準を惑わせ
射撃を躱しながら間合いを詰めていき
頃合を図って一気に敵陣の懐に飛び込んで
「風の妖精の戦闘機動。瞬きしていたら、見逃しますよ!」
零距離から、某F91のMEPE宜しく残像を駆使したUCフルバーストで
敵機を一気に殲滅します!
(以上、空中戦&戦闘知識&第六感&見切り&零距離射撃&残像)
「状況終了。センサーモード、戦闘感度を維持しつつ進軍再開します」
※アドリブ&他猟兵との絡み連携OK
明石・真多子
たとえ浸水していようと軟体魔忍の諜報能力なら火の中、水の中!…たこ焼きになっちゃうからやっぱり火の中はナシ!
道中が傾いていたり床が無かったりしてもアタシの吸盤で壁に張り付いて超えていくよ!
暗い所も深海で暮らしてきたタコの眼ならお見通し!
敵の伏兵も丸裸だよ!
あっ!アタシみたいに腕が沢山ある!
ま~でもタコのアタシの方が多いけどね!フフン!
いざ勝負!【軟体忍法蛸引き包丁の術】でタコスミの墨刀(ぼくとう)6刀流で応戦するよ!
ビームは墨刀で受けながら、吸盤脚で壁を走って間合いに飛び込もう!
墨の刀身だから蒸発してもすぐに直せるからね!
たぁ~っ軟体魔忍秘伝、八枚おろし!
アタシの方が一枚も八枚も上だったね!
●最終防衛ライン突破
電子戦を得意とする猟兵達がメカニカルパイレーツの電脳をハッキングして得た船内の見取り図は、船内に侵入した全ての猟兵達へと共有されていた。
おかげで、明石・真多子(軟体魔忍マダコ・f00079)はほぼ最短ルートで、『ブラックゴースト』の最奥部、格納スペースまで向かうことができていた。
最短ルートを辿るには、通路が完全に浸水した地点を通過する必要があったが、
「たとえ浸水していようと軟体魔忍の諜報能力なら火の中、水の中!」
タコのキマイラである真多子にとって、海水など何の障害にもなりはしない。
「……たこ焼きになっちゃうからやっぱり火の中はナシ!」
しかし、やはり火は怖いので、他の猟兵が戦闘を繰り広げた結果火災が発生していた区画は迂回することにした。
他にも、床の崩れた区画は吸盤で壁に張り付きながら乗り越え、照明の落ちた区画は深海も見渡せるタコの目の暗視能力で乗り切る。ちなみに、照明の落ちたエリアで待ち伏せを目論んでいたメカニカルパイレーツは、大層悔しがっていたという。
そして真多子はついに、格納スペース前の通路へと辿り着いた。荷物の搬出のためか、その通路はこれまで通ってきた通路よりも数倍の広さがあり、天井も高い。だが今その通路には、10体を超えるウォーマシン達が結集し、守りを固めていた。彼らにとってはこここそが、最終防衛ラインなのだろう。
そして、そこにはすでに、猟兵達の中では最も速く辿り着いていたウィンディ・アストレイ(W-ASTRAY・f09020)が、メカニカルパイレーツ達と交戦状態に突入していた。
「フム……ウォーマシンとは、少々毛色が異なりますか。但し、どんな攻撃も当たらなければ、どうという事はありません!」
メカニカルパイレーツ達のビームマスケットによる集中砲火を、ウィンディはバーニアとスラスタを併用し、壁や天井等を蹴りながらの空中機動で巧みに回避していく。そして、隙を見てはバスターライフルの射撃で、ウォーマシン達に損傷を与えていった。
「あっ! あのロボット、アタシみたいに腕が沢山ある!」
しばし戦いに見惚れていた真多子が、中でも着目していたのはメカニカルパイレーツの4本の腕だ。
「ま~でもタコのアタシの方が多いけどね! フフン!」
謎の優越感に浸る真多子にウィンディが、
「すみません。よろしければ助勢をお願いします」
高速で飛び回りながらそう声を掛けた。
「おっと! いよいよ軟体魔忍の出番だね!」
真多子は待ってましたとばかりに蛸墨を噴き出すと、
「軟体忍法、蛸引き包丁の術! 8枚におろしてあげるから覚悟してね!」
たちまちの内に蛸墨を6本の墨刀へと変じさせ、自身の六本の手にそれぞれ握らせた。
「いざ勝負!」
そして、そのままウォーマシンの群れへと突っ込んでいく。ウォーマシン達は迎撃すべくビームマスケットを乱射するが、真多子は巧みに6本の刀を操り、ビームを受け流していった。墨刀はビームに焼かれ蒸発してしまうが、その度に真多子は墨から再び墨刀を生み出し応戦していく。
一方、ウィンディも真多子の参戦でメカニカルパイレーツ達の気が逸れた隙を逃さない。
「風の妖精の戦闘機動。瞬きしていたら、見逃しますよ!」
敵の射撃を回避しつつ、一気に敵の中央へと飛び込んでいく。メカニカルパイレーツ達は一斉にウィンディへと銃口を向けるが、ウィンディは光り輝く残像を残しながらまるで分身するように宙を自在に駆けた。ウォーマシン達はウィンディの高速での不規則機動に照準を合わせることができず、戸惑ったように的外れな射撃を繰り返すのみだ。
「タコスミの墨刀6刀流、特別に披露してあげるよ!」
真多子もまた、吸盤を駆使して壁や天井を走りながらも、敵陣の只中に突撃していった。
メカニカルパイレーツ達はウィンディと真多子の変幻自在の動きに今や総崩れとなり、統制を取れた動きが取れなくなっている。
敵陣の中央に飛び込んだ真多子は、6本の墨刀を同時に構えると、
「たぁ~っ軟体魔忍秘伝、八枚おろし!」
一気に6本の手に持った墨刀を振るった。同時に放たれた斬撃が、周囲のメカニカルパイレーツ達をまとめて切り裂いていく。
「敵機を一気に殲滅します!」
そしてウィンディは、メカニカルパイレーツに突撃しつつ激突する寸前で制動をかけ、ほぼ零距離の間合いで装備した全火器によるフルバーストを浴びせかけた。耐えきれずウォーマシンが爆発をを起こしたその時には、光の残像を残して後退していたウィンディは既に別のメカニカルパイレーツに接近し、再び全武装の一斉射を放っている。
2人の猟兵の縦横無尽の猛攻により、最終防衛ラインを形成していたメカニカルパイレーツ達は成す術もなく次々と打ち倒されていき、気付いた時には動く物は一体もいなくなっていた。
「アタシの方が一枚も八枚も上だったね!」
「状況終了。センサーモード、戦闘感度を維持しつつ進軍。最終目的地へと侵攻します」
真多子とウィンディは、ウォーマシン達の残骸の上を乗り越えるようにして、幽霊船が待ち受けているであろう格納スペースへと向かっていったのだった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
第2章 ボス戦
『幽霊海賊船合体カイゾクオー』
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POW : ガレオンバスター
【身体を構成するガレオン船に搭載した大砲 】を巨大化し、自身からレベルm半径内の敵全員を攻撃する。敵味方の区別をしないなら3回攻撃できる。
SPD : 派手に行くぜ!
【両手のカトラスを用いた海賊剣術 】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
WIZ : とんでもない奴ら
【亡霊海賊の中でも最強の5人チーム 】の霊を召喚する。これは【カトラスとピストルを用いた格闘術】や【チームワークが生み出す連携技】で攻撃する能力を持つ。
イラスト:8mix
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠砲撃怪獣・ガンドドン」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●幽霊海賊船合体カイゾクオー
スペースシップ『ブラックゴースト』の最奥にある格納スペースは、小さな村なら丸々収まりそうなほど、広大な空間だった。かつて宇宙に在った頃は、艦載機で埋め尽くされていただろうその空間は、今や半ば浸水し、入江のようになっていた。
そしてその入り江に停泊するのは、8隻もの幽霊船だ。半ば朽ちた船体が、入江と化した格納スペースに陰鬱な雰囲気を醸し出している。
『よくぞここまでやってきたものだ、忌むべき猟兵共よ……』
その幽霊船の前に、一つの人影が浮かび上がった。古びてボロボロになった海賊服を纏った、ガイコツのようなその姿。彼こそが、『ブラックゴースト』を根城にする海賊団の頭目である『キャプテン』なのだろう。
『だが、貴様らの命運もここまでよ。我がメガリスの力、思い知るがよい!!』
キャプテンが、古ぼけたボトルシップのようなものを高々と掲げた。すると、入江にその巨体を佇ませていた幽霊船達が突如空へと浮かび上がる。のみならず、幽霊船同士が融合し、次第に巨大な人型へと姿を変えていった。その巨体は格納スペースの天井を突き破り、島を見下ろすように直立していく。
『我がメガリスの能力は、幽霊船の融合合体。見よ、我が切り札『カイゾクオー』の姿を!!』
キャプテンの身体が、カイゾクオーの頭部へと吸い込まれるように消えていった。同時に、髑髏のようなカイゾクオーの虚ろな眼窩が、不気味に光り輝く。
体長500メートルを超える、桁外れの巨人が今、猟兵達の前に立ちはだかったのだった。
メイスン・ドットハック
【WIZ】
おー、随分とでかくなったものじゃのー
けど大きいだけで最強とは限らんけーのー
二足歩行戦車KIYOMORIに搭乗して参戦
LPL砲とミサイル発射タンクにUC「巨人を穿つ叡智の煌き」の対巨大生物特攻増幅装置を装備して、足元から崩すべく集中砲火
とんべもない奴らはレーザー砲ユニットで遠近距離対応し、AI制御の揚陸艦ロストリンクの支援砲撃で、連携を崩しながら対処していく
足元を崩したら、心臓部や頭部などの核がありそうな箇所を再び特攻砲撃を加えて打撃を与えたい
巨大なだけのウスノロなんぞ、僕にとっては鴨が葱しょって歩いているもんじゃけーのー!
アドリブ絡みOK
ニコリネ・ユーリカ
やだかっこいい
巨大化と合体は永遠の浪漫、だけど
何事も過ぎたるは及ばざるが如し
これじゃいかにも「やっつけてほしいボス」よね
キャプテン、貴方の命運もここまでよ!
UDCで世界最大の船より大きいなんて
一人で何とか出来るサイズじゃない
儲けたいという商売人の魂を火種に巨大化して
巨体に影響が及ぼせるサイズになって対抗しましょ
必要ならお仲間さんの壁や足場になって協力しまーす
大砲の射線、劔撃の軌道に入らないよう挙動を観察
特に体向と関節の可動域に注意し、損耗を抑えて接近
人型なら死角も多くて助かっちゃう
ボロの幽霊船と骸骨だもの、隙間に打撃か魔法を衝き入れて
部位ごとに解体していきましょう
骨だけにコツコツとね!(ドヤァ
リョウガ・イグナイト
融合合体はロマンあるけど、メカじゃねーもんなぁ。
ちょっと残念だけど、お前の部下修理して拝借すれば、
来た意味もあるし、トントンだし良いか。
攻撃範囲も図体もデカいなら、
全員『喰らう』のは目に見えてるもんな。
なら、俺の返す答えは簡単だ。『その分やりかえす』。
――その為の【海賊王の怒り】だ。
(胸部の紋様が光りメガリスのエネルギーが
リョウガの肉体を強く循環し始める)
脚部からバランスを崩させるようにして、バトルアンカーで白兵、
遠距離も同時に攻撃出来るように、『開闢の流星雨』も展開だ。
その自慢の幽霊船装甲からぶち壊してやるぜ。
(【鎧砕き】【属性攻撃】(炎)を乗っけて同時に複数箇所攻撃)
※アドリブ連携可
●巨人に挑む者
『ブラックゴースト』の格納スペースの天井すら突き破り、カイゾクオーは遥か高みから、眼下の猟兵達を見下ろしていた。
「おー、随分とでかくなったものじゃのー」
メイスン・ドットハック(ウィザード級ハッカー(引き籠り)・f03092)が、首が痛くなるくらい頭を逸らしてカイゾクオーを見上げ、率直な感想を口にする。その隣では、
「やだかっこいい。巨大化と合体は永遠の浪漫よね」
ニコリネ・ユーリカ(花売り娘・f02123)が、思わず目を輝かせていた。
「たしかに融合合体はロマンあるけど、メカじゃねーもんなぁ」
リョウガ・イグナイト(星海を目指す者・f26399)が残念そうな表情を浮かべたのは、幽霊船のパーツを回収して、自身の装備として流用できないかと考えていたからだろう。
「ちょっと残念だけど、お前の部下修理して拝借すれば、来た意味もあるし、トントンだし良いか」
そう自分を納得させたリョウガは、バトルアンカーを構えた。
「大きいだけで最強とは限らんけーのー」
メイスンはカイゾクオーに対抗すべく、水陸両用のO-Ⅶ型機動強襲用二足歩行戦車『KIYOMORI』を呼び出すと、胸部にあるコクピットへと潜り込んでいった。KIYOMORIの頭部カメラが光を放ち、各部ユニットが機動音と共に動き出す。だが、通常の人間に比べれば遥かに巨体を誇るKIYOMORIでも、カイゾクオーと比べると小型に見えてしまうのはやむを得ないところだろう。
「巨大化は浪漫ではあるけど、何事も過ぎたるは及ばざるが如し。これじゃいかにも『やっつけてほしいボス』よね」
ニコリネは、遥か頭上のカイゾクオーの頭部へと指を向けると、
「キャプテン、貴方の命運もここまでよ!」
よく通る大きな声で、そう啖呵を切った。
(「とはいえ、UDCで世界最大の船より大きいなんて、一人で何とか出来るサイズじゃない」)
その分、もしカイゾクオーを撃破できれば、得られる名声は大きなものになるだろう。そうすれば、花屋としてのニコリネの知名度も、大きく上がるかも知れない。
「さあ、花屋の商魂、見せてあげる!」
儲けたいという商売人の魂を火種に、ユーベルコード【Over Florist】を発動させたニコリネの身体が、見る見る大きくなっていく。それでもカイゾクオーの巨体には遥かに及ばないものの、メイスンの乗るKIYOMORIを見下ろすほどの巨人と化したニコリネは、カイゾクオーの出方を探るべく、その挙動を観察し始めた。
『色々と小細工を弄しているようだが、貴様らが何をしようと、所詮は蟻の悪あがき。どんなにあがいたところで、巨大な象にはかなわん』
カイゾクオーから、大気を震わせるが如きキャプテンの大音声が響く。同時に、カイゾクオーを構成する8隻のガレオン船に搭載された大砲が、一斉に猟兵達へと向けられた。
『跡形もなく消し飛ぶがよい!!』
そして放たれた砲弾は、次々と連鎖的に爆発を起こし、猟兵達を巻き込んでいく。
「おおう、さすがに強力じゃのー」
メイスンはO-Ⅴ型ソフトウェアAI『DIABLO』を活用し、砲弾の着弾点を予測し回避していくが、砲弾の数があまりにも多すぎて、回避が追い付かない。
「危ないわ、私の後ろに隠れて」
巨大化したニコリネが、メイスンの駆るKIYOMORIを庇うように立ち塞がると、得意の魔法で砲弾を撃ち落としていく。
そしてリョウガは、敢えて砲弾の雨に身を晒すように仁王立ちしていた。
「攻撃範囲も図体もデカいなら、全員『喰らう』のは目に見えてるもんな。なら、俺の返す答えは簡単だ」
ボロボロになりながらも爆炎に耐えるリョウガの胸部に刻まれた操舵輪のような紋様が、リョウガや他の猟兵達の受けた負傷に比例するかのように、激しく光り輝き始める。
「やられたら『その分やりかえす』。――その為の【海賊王の怒り】だ!!」
紋様から発した光――リョウガの体内に宿るメガリスのエネルギーは、やがてリョウガの全身へと広がっていき、彼の肉体を循環し始めた。
「その自慢の幽霊船、装甲からぶち壊してやるぜ」
メガリスのエネルギーで超強化されたリョウガは、次々に巻き起こる爆発を掻い潜りながら、バトルアンカーを鎖ごと振り回して、カイゾクオーの巨体の足元へと突き進んでいく。そのリョウガに追随しているのは、メガリスのエネルギーを受けて実体化した浮遊式携行砲台『開闢の流星雨』だ。
「デカブツであればあるほど餌食じゃけーのー」
メイスンも、反撃に転じた。対巨大生物用の電脳魔術特攻増幅器を搭載した『LPL(長距離プラズマレーザー)砲』と『電脳ミサイル&多目的榴弾(HE-MP)』を展開。カイゾクオーの砲撃に対抗するように、一斉射する。その狙いは、カイゾクオーの足首ただ一点。対巨大生物戦用に特化されたレーザー光線とミサイルが、カイゾクオーの足元を崩すように炸裂し、爆炎と閃光をまき散らす。さしものカイゾクオーも、態勢がわずかに崩れ、その衝撃で砲撃が止んだ。
「今だ!!」
その一瞬の機に、リョウガは損傷を受けたカイゾクオーの足首へと、バトルアンカーを叩きつけた。さらに『開闢の流星雨』から放たれたレーザーが、その傷口を広げるように焼き払っていく。
『おのれ、小賢しい真似を! ならば行け、亡霊共よ!!』
キャプテンの号令を受け、カイゾクオーの内部から浮き出るように、5体の亡霊海賊が姿を現した。亡霊海賊達は足元へと攻撃を集中させるメイスンとリョウガを阻害すべく、カトラスやマスケット銃を構え、突撃してくる。
「こいつらは僕に任せてもらおうかのー」
メイスンは、『浮遊追尾型電脳レーザー砲ユニット』を迫りくる亡霊達に差し向けると、さらにAI制御のロストリンク【ワダツミ級強襲揚陸艦・亜種】を呼び出し、レーザー砲ユニットの支援に当たらせた。亡霊達は連携してレーザー砲ユニットとロストリンクを突破しようとするが、AIによる完全なる連携を突破しきれない。
『であれば、砲撃を再開するまで! 各艦、砲弾を再充填せよ!!』
再び、全てのガレオン船の砲口が、足元に執拗に攻撃を加えるメイスンとリョウガに向けられる。だがその時、カイゾクオーは突如右膝裏に衝撃を受け、大きくバランスを崩した。
「人型なら死角も多くて助かっちゃう」
いつの間にかカイゾクオーの背後に回り込んでいたニコリネが、カイゾクオーの膝裏に魔法を炸裂させたのだ。体向と関節の可動域を細かく観察していたニコリネは、負荷の集中する膝部分こそが、カイゾクオーの弱点と判断したのだ。
『くっ、亡霊共、なにをやっておるか!!』
キャプテンは亡霊達をニコリネへ向かわせようとするが、亡霊はメイスンの放ったレーザー砲ユニットとロストリンクに完全に釘付けにされている。
「ボロの幽霊船と骸骨だもの、隙間に打撃を与えて、部位ごとに解体していきましょう」
「了解だっ!!」
ニコリネが後方からシャッター棒を、リョウガが正面からバトルアンカーを、同時にカイゾクオーの右膝に叩きつけた。膝を構成するガレオン船の装甲が砕け、カイゾクオーがくずおれそうになる。何とか踏ん張ろうとするカイゾクオーだが、先程まで受けていた足首への集中攻撃のダメージで、踏ん張りが効かない。カイゾクオーは無様に、仰向けに倒れていった。そして、巨大な『ブラックゴースト』全体を震わせるような轟音と衝撃と共に、カイゾクオーが転倒する。
「確か先程キャプテンが融合したのは頭部じゃったのー」
なんとか再び立ち上がろうとするカイゾクオーの頭部へと、メイスンはLPL砲を向け、躊躇なく撃ち放った。
「巨大なだけのウスノロなんぞ、僕にとっては鴨が葱しょって歩いているもんじゃけーのー!」
頭部にレーザーの直撃を受けたカイゾクオーが、再びバランスを崩して起き上がり損ねる。
「さあ、このまま解体を続けましょうか。骨だけにコツコツとね!」
ニコリネはそう言って、ドヤ顔を見せたのだった。
大成功
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明石・真多子
あっ!このホネホネがさっきの奴らの親玉だね!ド派手にパワーアップまでして見るからにボスっぽいもん!
それにしても軟体生物で骨無しのアタシとは対照的に骨ばっかり!
こんな奴はアタシのカッコイイ戦いで骨抜きにしちゃおう!
まずはこっちも『真の姿』にパワーアップだ!【軟体忍法鏡写しの術】!
じゃじゃーん!大人ボディの免許皆伝真多子ちゃんだよ!
時間がないし、このまま蛸墨水鏡を墨刀や蛸墨手裏剣に変化させて攻撃しよう!
相手の一撃がどれだけ強くたって、六刀流の手数で勝るはず!
4本の墨刀でなんとか受け流しながら隙を見て残り二本の挟み打ちだ!名付けて、肉を切らせて骨を断つ作戦!
これが筋肉だけで動くタコの強さだぁっ!!
七篠・コガネ
【ダッシュ】して入り江へ飛び込みます!
水の中なら砲弾の勢いだって押し消す事が出来る筈
水中は得意じゃないけど…空中なら大得意なんですからッ!
【怪力】で砲弾を抱えてプラズマジェット全開!
底を【踏みつけ】て勢い良く水面へ向かって上昇
入り江から飛び出したらそのまま【空中戦】へ持ち込みます
これ…お返しですよ。いらねーから受け取りなッさい!
持ってた弾をあの大砲の口へ向けて蹴り飛ばしましょう
上手くいけば大砲1つ塞いで暴発させられる気がします …ワクワク
天井なくなったおかげで頭上がガラ空きですね
敵の頭上を飛び越えて後ろに回り込み背中へ向けてUC使用
自慢の足蹴りの威力の大きさに比べればお前なんてちっぽけなんです
●どれだけ巨大だとしても
「あっ! このホネホネがさっきの奴らの親玉だね! ド派手にパワーアップまでして見るからにボスっぽいもん!」
明石・真多子(軟体魔忍マダコ・f00079)は、なんとか再び立ち上がったカイゾクオーを、のほほんとした感じで見上げていた。
「それにしても軟体生物で骨無しのアタシとは対照的に骨ばっかり! こんな奴はアタシのカッコイイ戦いで骨抜きにしちゃおう!」
真多子はそう言うと、6本の腕それぞれで印を組む。そして、吹き出した蛸墨を水鏡に見立てて覗き込んだ。
「軟体忍法、鏡写しの術! テクマクマダコン、テクマクマダコン、8年後のアタシになれ~!」
すると、水鏡に映し出された真多子の姿が徐々に成長していき、やがて8年後のものらしい大人の姿になった真多子へと変じていった。そしてその姿に合わせるように、真多子自身の姿も変貌していく。
「じゃじゃーん! 大人ボディの免許皆伝真多子ちゃんだよ!」
より大きくなった胸を張る真多子を横目に、七篠・コガネ(ひとりぼっちのコガネムシ・f01385)は思案に暮れていた。
「変身もいいですが、この巨大さ、どう戦いましょうか」
だが、キャプテンは2人にゆっくりと考える時間を与えてはくれなかった。
『ガレオンバスター、全砲門、撃て―いっ!!』
カイゾクオーの全砲門が、一斉に火を噴く。コガネは思考を一時中断して前方にダッシュし、咄嗟に入江に飛び込んだ。直後、砲弾が格納スペースに降り注ぐ。だが、砲弾は水圧に押し返されるように加速度を失い、或いは火種が消えて不発に終わり、ことごとく威力を殺されていった。
一方、真多子は素早く蛸墨水鏡を墨刀と蛸墨手裏剣に変化させると、
「そっちの一撃がどれだけ強くたって、六刀流の手数で勝るはず!」
飛び交う砲弾を次々と切り捨てながら、カイゾクオーへと突っ込んでいった。
なかなか猟兵を仕留められず、苛立ったキャプテンはさらに砲弾の発射ペースを上げていく。
「水中は得意じゃないけど……空中なら大得意なんですからッ!」
そんな中、コガネは背中の『code-Nobody』を翼のように展開させると、飛んでくる砲弾の一つを捕まえ、抱え込んだ。
「プラズマジェット全開!!」
そして、入江の底を蹴って一気に水中から飛び出すと、飛び交う砲弾をかわしながらカイゾクオーに急接近していく。
「これ……お返しですよ。いらねーから受け取りなッさい!」
至近距離までカイゾクオーに近づいたコガネは、抱えてきた砲弾を思いっきり蹴飛ばした。砲弾は大砲から発射された時以上の勢いとスピードで宙を飛び、そのままカイゾクオーの大砲の口に吸い込まれるように消えていく。直後、大砲の内部で大爆発が起き、大砲のみならず周囲の甲板や装甲板までを吹き飛ばした。コガネの蹴り込んだ砲弾が、暴発したのだ。
「こうも想定通りに行くと、ワクワクしますね」
その爆発を見届けたコガネは、カイゾクオーの表面に張り付くように、更に上昇していく。
『ええーい、撃ち方止め―い! こうなれば、海賊剣術で息の根を止めてやろう!!』
カイゾクオーが、その手に持つ刃渡り100メートル以上はありそうなカトラスを振り上げ、思いっきり振り下ろす。その風圧だけで、宙を飛んでいたコガネは煽られ、吹き飛ばされた。そして、その剣の振り下ろされた先には、真多子がいた。
「そんな大きな包丁で、捌かれるわけにはいかないよっ!!」
真多子は4本の墨刀で辛うじてそのカトラスを受け止める。だが、その大きさに見合った圧倒的な重量と巨体から繰り出される膂力を、長時間支えきれようはずもない。故に真多子はこのまま受け続けることはせず、わずかに剣先を逸らすように受け流すと、残り2本の剣をカトラスを挟むように打ち付けた。
「名付けて、肉を切らせて骨を断つ作戦!」
真多子の渾身の一撃を受けた巨大なカトラスに、ヒビが入る。
「これが筋肉だけで動くタコの強さだぁっ!!」
そして真多子がそう叫んだ瞬間、カトラスの剣先が粉々に砕け散った。
『なんだとーうっ!?』
キャプテンが驚愕の叫びをあげる。だが、彼の驚きはそれだけでは終わらなかった。
「天井なくなったおかげで頭上がガラ空きですね」
先程カトラスが振るわれた風圧で吹き飛ばされたコガネが、その風圧すらも利用して上昇し、カイゾクオーの真上へと至っていたのだ。
「昔の人はこう言いました。”悪の報いは針の先”!」
最高地点に到達すると、コガネは機械の鉤爪の付いた左足を前方へと突き出した。そして、落下の勢いも加えて、流星のようにカイゾクオーの背中へと猛禽のごとき蹴りを炸裂させた。地形さえも変えるほどのその一撃は、背中を構成する幽霊船の装甲に巨大な穴を穿ち、さらにはカイゾクオーの体内を貫通していく。
「自慢の足蹴りの威力の大きさに比べれば、お前なんてちっぽけなんです」
カイゾクオーの内部を突き抜けて、胸部に開けた穴から飛び出したコガネは、プラズマジェットを吹かして宙に滑空しながら、そう言い放ったのだった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
ウィンディ・アストレイ
某クォーター級を超えるサイズですか。
空中をサーフィンで駆け抜けたら、感心して差し上げる所ですが…
こうもサイズ差があると、外側から叩くより
内側から破壊した方が良さそうですね
外周を飛行して乱数機動&牽制しつつ
装甲の薄い所や外側に残った出入口等を探り
破砕突破して内部へ侵入
(空中戦&戦闘知識&第六感&見切り&情報収集&鎧砕き)
侵入後は非接触ハッキングで中枢部やコクピット等を探り
【選択UC】発動、武装にエネルギーチャージしつつ全速力で急行
対象が操縦者ならザンバーで、中枢機構なら射撃武器の一斉射で
一気に勝負をかけます!
(情報収集&ハッキング&空中戦&ダッシュ&力溜め&一斉発射)
※アドリブ&絡み連携OK
クネウス・ウィギンシティ
アドリブ&絡み歓迎
【POW】
●戦闘
先程(第1章)は脱出用のハッチを通りメンテナンス用シャフトでエネルギーケーブルを見掛けました。ハッキングが効く以上、動力が今も活きているのでしょう(【地形の利用】)。
「丁度いいですね」
戦場には同僚の傭兵が先行している様子。それを脇目に自分の機械の身体とケーブルを繋ぎます(【メカニック&防具改造】)。身体とアームドフォートは既に接続済み(【武器改造】)。
「ケーブル接続完了。チャージスタート……【リミッター解除】」
巨大であれば狙いを付ける必要も無いですね。
「GEAR:SCHWARZSCHILD HORIZON」
UCを発動、敵にマイクロブラックホールを投射します。
●内と外から
膝部に多大な損傷を受け、片方の剣の先端を破壊され、胸部に大穴を穿たれても、カイゾクオーは未だに世界を睥睨するかのように立ちはだかっていた。
そして今、その巨体を見つめるのはウィンディ・アストレイ(W-ASTRAY・f09020)だ。
「某クォーター級戦艦を超えるサイズですか。空中をサーフィンで駆け抜けたら、感心して差し上げるところですが……」
だが、ウィンディが全てを言い終えるよりも速く、カイゾクオーは全身の砲門から一斉に砲弾を放った。もはやキャプテンも、問答をしている余裕がなくなったのだろう。
ウィンディは白鳥の翼を思わせる背部推進ユニットを展開して宙に浮かび上がると、砲弾を回避しつつカイゾクオーの様子を観察していった。
「こうもサイズ差があると、外側から叩くより内側から破壊した方が良さそうですね」
乱数機動で飛び回り、時折『サイバレット・ガトリング』や『バスターライフル』で牽制射撃を行いながら、内部への侵入ルートを探っていくウィンディ。
「融合前の幽霊船の出入口もありますが……やはり背中に開いた大穴から潜入するのが確実ですね」
目標を定めたウィンディは、砲弾の集中射撃を乱数機動で回避し或いは『シールドザンバー』で切り裂きながら強行突破し、一気に背中に開いた穴へと飛び込んでいった。
その様子を、クネウス・ウィギンシティ(鋼鉄のエンジニア・f02209)は、スコープ越しにじっと見守っていた。
いや、ウィンディの戦いの様子だけではない。カイゾクオーが出現してからの戦いの様子は、ずっと見守ってきていたのだ。それでも彼がこれまで参戦せずにいたのには理由がある。
あれだけの巨体を破壊することは、生半可な攻撃では到底不可能。ならば今、クネウスが出し得る最大限の攻撃を加えるしかない。
幸い、クネウスは格納スペースに辿り着くまでに通過してきたメンテナンス用シャフト内で、エネルギーケーブルを発見していた。
(「丁度いいですね」)
そう考えたクネウスは、他の猟兵達がカイゾクオーと戦っている間に、そのエネルギーケーブルと自分の機械の身体を接続していたのだ。
「ケーブル接続完了。チャージスタート……【リミッター解除】」
既に機械の身体とアームドフォート『ゲオルギウス』は接続済みだ。後は、チャージ完了を待つのみ。願わくはその前に他の猟兵が倒れることが無いように。そう祈りながら待ち続ける時間というものは、存外長く感じるものだ。
その頃、カイゾクオーの内部に突入したウィンディは、内部の状況を解析しながら中枢部を目指し進んでいた。
「空へ……無限なる虚空へ。何処までも高く遠く、速く速く……!』
ウィンディの全身が淡い輝きを放ち、飛行速度がさらに加速していく。進路上の全物質との摩擦を無効化するオーラに包まれたウィンディは、幽霊船の乗員たる亡霊達を『バニシング・フィンガー』で蹴散らしつつ、ついにはキャプテンが鎮座する頭部に当たるエリアに到達した。
『まさか、ここまでやってくるとはな』
半透明の身体を、半ば壁に同化させているキャプテンが忌々し気に唸る。
「一気に勝負をかけさせてもらいます!」
ウィンディは、肩に装着した肩懸架型簡易可変式巨大楯『シールドザンバー』にサイキックエナジーを流入し、巨大剣へと変形させると、有無を言わさず一気にザンバーを振るった。カイゾクオーと同化しているキャプテンに、その一撃がかわせようはずもない。
『グアアアアアアアッ!!!』
横一文字に切り払われたキャプテンは、怨嗟を込めた絶叫と共に、姿を消していった。
そして、キャプテンが消え去ったのと、クネウスのチャージが完了したのは、ほぼ同時だった。
「これだけ巨大であれば狙いを付ける必要も無いですね。GEAR:SCHWARZSCHILD HORIZON。マイクロブラックホール生成。事象の地平へ行ってもらいましょうか、投射!!」
満を持してAnti DeusEx Cannon 『ゲオルギウス』が、人工マイクロブラックホールを撃ち出した。マイクロブラックホールは触れた物のみならず、周囲のあらゆるものを吸い込みながらカイゾクオー目掛けて飛んでいく。その、光すら吸い込む超重力の塊の前には、さしものカイゾクオーとて、耐えきれなかった。カイゾクオーを構成する船体が軋み、砕け、強引に融合から引き離されると、たちまちの内にブラックホールへと吸い込まれていく。幽霊船の搭乗員達もまた、次々とブラックホールへと飲み込まれていった。司令塔たるキャプテンを失ったカイゾクオーを制御する者はもはや誰もおらず、ゆえにブラックホールに抗うことも出来ない。
そして、全長500メートルの巨体を誇るカイゾクオーが、全てブラックホールへと飲み込まれて消滅するまでに、1分とかからなかったのだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
第3章 冒険
『沈んだ宇宙戦艦に潜むモノは?』
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POW : 肉体の挑戦、水浸しの通路を息を止めて一気に突き進め!
SPD : これは罠か、目覚めた迎撃システムを華麗にすり抜けろ!
WIZ : 変な光が? 僅かに動く艦内の制御システムを利用せよ!
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●幽霊船長の呪い
『おのれ……、まさかワシのカイゾクオーが、消滅させられるとは……』
辛うじてカイゾクオーから脱出したらしいキャプテンが、唸る。だがキャプテン自身猟兵に一刀両断にされており、下半身と上半身が泣き別れしている。オブリビオンであり幽霊でもあるキャプテンだからこそ辛うじて消滅を免れているが、それも長くはもたないだろう。
『だが、ワシだけが滅びるはずがない……貴様らも一緒に骸の海へと連れていく!!』
キャプテンが、手にしていたボトルシップ型のメガリスを、最後の力で地面へと叩きつけた。
たちまち、元スペースシップである『ブラックゴースト』の巨大な船体が、激しく振動し始める。
『フハハハハッ……この島の自爆装置を起動させた。もはや誰にも止めることは叶わぬ。貴様らは、ここで海の藻屑と化すのだ……!!』
それだけを言い残し、キャプテンは完全に消滅していったのだった。
※第3章について
この章では、ブラックゴーストが自爆する前に、鉄甲船に辿り着くことが目的になります。
これまでの戦闘の影響で、海は激しく荒れ狂い、空は乱気流が発生しています。また、船内はあちこちで非常用の隔壁が下りており、来た時とは様相が大きく変わっています。
さらに、どのルートを取った場合でも、亡霊やウォーマシンの残党と遭遇する可能性があります。
ちなみに、キャプテンが消滅した今、自爆を止める手段はありません。
それでは、みなさんの健闘を祈ります。
メイスン・ドットハック
【WIZ】
最後の最後で自爆とはお約束じゃのー
メガリスの欠片くらいは貰っておいてさっそく脱出するとしようかのー
UC「未知の夢よ、それは踏破する為にある」を発動して、電脳領域を展開
さらに電脳魔術によるハッキングを行い、即座に制御を掌握できるようなら実行して、セキュリティを開放させる
無理なら能力による空間圧縮で隔壁ごと握り潰し、そこに道を作っていく
ハッキングの際に船のマップ情報が手に入れられるのなら、情報を収集し、データ送信で他の仲間とも共有し、直線ルートを含めた最短ルートを割り出して進む
また海水が流れ込んできても、高速遊泳して対策とする
こんなことでは僕等は仕留められんけーのー!
アドリブ絡みOK
ニコリネ・ユーリカ
イヤよ、浪漫と一緒に心中だなんて
しがない花屋じゃ終れない
先ずは壁をシャッター棒で叩き壊……
硬い、痛い、無理!
頑張れ私の想像力
営業車『Floral Fallal』の車輛の概念を解き
いつか何かの物語で見た「ドリル戦車」に昇華するのよ
圧倒的破壊力と推進力で壁を掘削!
超重量の安定性で暴風も荒波も何のその
不整地走行用キャタピラで悪路もラクラク進みましょ
お仲間さんも同乗OK!
シェルター代わりの車内から外を注意深く観察
辿ってきた内部の構造を僅かにもヒントにしつつ
最良で最短のルートを探しましょ
亡霊もウォーマシンも構ってられない
ドリルで摺り潰し、キャタピラで轢き殺しちゃう
それいけー! 私達は、生き残る!(くわっ
●最短・最速で
「最後の最後で自爆とはお約束じゃのー」
メイスン・ドットハック(ウィザード級ハッカー(引き籠り)・f03092)は、この緊迫した状況にもかかわらず、砕け散ったボトルシップ型のメガリスの破片を拾い集めていた。
「イヤよ、浪漫と一緒に心中だなんて」
一方、ニコリネ・ユーリカ(花売り娘・f02123)は、思いつめた表情でシャッター棒を握り締めると、
「このまま、しがない花屋じゃ終れない」
行く手を塞ぐ非常用隔壁を力いっぱい殴りつけた。
「――硬い、痛い、無理!」
じーんと手に伝わってきた衝撃に泣きそうな表情を浮かべるニコリネ。
「こんなことで、負けない。頑張れ私の想像力!」
ニコリネが何とか脱出の方法を考え込んでいると、
「拾えるものは拾ったし、さっそく脱出するとしようかのー」
メイスンが自身の周囲に電脳領域を展開し始めた。
「それじゃちょっとばかし、遊ぶとするかのー。空間把握開始じゃ」
メイスンの姿が薄れ、次第にその姿を電脳虚数体へと変えていく。そのままメイスンは、元スペースシップである『ブラックゴースト』へのハッキングを開始した。
その様子を見て、ニコリネの脳裏に閃きが走る。
「姿を変える……はっ! そうよ、『Floral Fallal』の車両の概念を解き放てば!!」
ニコリネは4WDの花車『Floral Fallal』の姿を、ユーベルコード【FAB】を用いて変形させていった。イメージするのは、いつか何かの物語で見た『ドリル戦車』だ。シンプルで愛らしい外見だった『Floral Fallal』の姿が、見る見るいかつく変貌していき、その先端に巨大なドリルが生えてくる。
「メイスンさん、一緒に乗っていきますか?」
戦車と化した『Floral Fallal』に乗り込んだニコリネの問いかけに、ハッキング中だったメイスンがわずかに視線をそちらに向けた。
「もうちょっとだけ待ってもらえるかのー。もうじきここの隔壁だけでも開くことができそうじゃけー」
メイスンがそう口にする間にも、先程ニコリネがシャッター棒で殴りかかった隔壁が、重い音を上げて開いていく。
「うむ、これで先に進めるのー」
メイスンは満足げに頷くと、『Floral Fallal』へと乗り込んでいった。
「それじゃ、出発進行!」
ニコリネの掛け声と共に、ドリル戦車のキャタピラが回転を始め、その車体が勢いよく走り出す。その圧倒的破壊力と推進力の前には、スペースシップの壁とて紙のようなもの。何ら障害にはなりはしない。
それでも流石に隔壁は簡単には破れなかったが、
「なら、僕もお手伝いするかのー」
メイスンが手をまっすぐに突き出し、握りしめると、前方の空間が隔壁ごと歪み、握り潰されていった。電脳虚数体の持つ、空間圧縮の能力だ。
「もうちょっとで、船内のマップ情報が手に入れられそうじゃのー。そうすれば、最短ルートで鉄甲船まで辿り着けるじゃろ」
「このドリル戦車なら、超重量の安定性で暴風も荒波も何のその。不整地走行用キャタピラで悪路もラクラクよ」
船内のマップが手に入るまでは、ニコリネがシェルター代わりの車内から通路の様子を注意深く観察し、往路の記憶もヒントにしながら、最良かつ最短のルートを選んで進んでいく。
「……うむ、ハッキング完了じゃ。今、戦車にマップを転送するから確認頼んだのじゃ」
やがて、メイスンのハッキングが完了し船内マップが確認できたことで、ドリル戦車の移動効率は格段に向上した。圧倒的な走破性と破壊力を誇るドリル戦車と、空間を圧縮・断絶できるメイスンの前には、壁も障害物も浸水してきた水も、何の妨げにもなりはしない。二人を乗せた『Floral Fallal』は、メイスンの算出した直線的な最短ルートで、鉄甲船目指し進んでいった。
「せっかく手に入れたマップじゃ、他の皆にもデータを送るとするかの―」
どうやら無事突破できそうだと見たメイスンは、手に入れたデータを、共に戦った他の猟兵達へと送信していく。
『ギ、ギギギ……侵入者、発見』
だが、そんなドリル戦車の前に、往路で殲滅し損ねていたらしいウォーマシンの残党が立ちはだかった。さらに背後からは、カイゾクオーの乗員だったらしき亡霊達が、追いかけてくる。
「こんな時に、面倒な奴らじゃのー」
「今は、亡霊もウォーマシンも構ってられない」
ニコリネは、構わず『Floral Fallal』のアクセルを踏み込んだ。先端のドリルが激しく回転し、立ちはだかるウォーマシンを削りながら跳ね飛ばす。さらに、床に倒れたそのウォーマシンを、キャタピラが容赦なく踏みつぶしていく。
「それいけー! 私達は、生き残る!」
目をくわっと見開き、鬼気迫る表情を見せるニコリネ。
「こんなことでは僕等は仕留められんけーのー!」
メイスンも、背後から迫ってきていた亡霊達を空間ごと切り裂いていく。
こうして二人は、他の猟兵達に先駆けて、鉄甲船まで辿り着くことができたのだった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
ウィンディ・アストレイ
やれやれ。往生際の悪い事ですね…
などと、ぼやいている暇も無さそうですね。
UC【妖精の舞】を起動、非接触ハッキングで艦内システムにアクセス
セキュリティシステムを掌握して隔壁の操作権限を取得
同時に敵位置のサーチを行い、少なくともウォーマシンの位置を把握
最短距離に近いルートに彼らが極力配置されぬ様
隔壁操作で可能な限りシャットアウトします
(ハッキング&情報収集&罠使い&鍵開け&時間稼ぎ)
亡霊相手は面倒なので、なるべく会わない様留意しつつ
遭遇してしまったらサイバレットで撃退しつつ進みます
(第六感&見切り&カウンター&零距離射撃&スナイパー&破魔)
※アドリブ&絡み連携OK
七篠・コガネ
最後まであがく事。それが命ある者の義務だと
陛下のご子孫たるミディア様…さんも仰ってました
船内データ、入手しといて大正解です!
UCで【ダッシュ】して駆け抜けましょう
波で船が大きく揺らぐからモタモタする程足を取られます
獲得したデータを分析して最適ルートを導き出しましょう
道が真っ直ぐな箇所が多く、しかし敵は少ないルート…
隔壁は無視でいいですね
なぜって【踏みつけ】て蹴り壊せばいいんですからね!
僕の前に立ち塞がるのは自殺行為に等しいです
止められるもんなら止めてみろってんですよ!
おっと、データを計算した通りここから下り坂
後ろ向きで【一斉発射】
反動で思いっきり下ります
僕にはまだやんなきゃいけない事があるの!
●機械戦士達の撤退戦
「やれやれ。往生際の悪い事ですね……などと、ぼやいている暇も無さそうですね」
自爆装置が作動したことで激しい振動が発生した『ブラックゴースト』の船内で、ウィンディ・アストレイ(W-ASTRAY・f09020)は溜息を一つ吐いた。
「最後まであがく事。それが命ある者の義務だと、陛下のご子孫たるミディア様……さんも仰ってました」
七篠・コガネ(ひとりぼっちのコガネムシ・f01385)の言葉に、同じスペースシップワールド出身のウィンディも頷く。
「幸い、ここに来る際に船内のデータは入手しています。ウォーマシンの配置状況は最早役に立たないかもしれませんが、見取り図は活かせるはずです」
コガネが、船内の見取り図のデータをウィンディに転送し共有した。
「でしたら、私もハッキングを仕掛けてみましょうか。『Fairy Dance』……System Ready.」
ウィンディは非接触ハッキングで、『ブラックゴースト』の艦内システムに強制的にアクセスすると、瞬く間にセキュリティシステムを掌握していく。
「時間がないので全てのセキュリティを掌握することはできませんが、進路上の隔壁を制御することくらいは可能です」
「それでは、一気に駆け抜けるとしましょう。昔の人はこう言いました。”飛脚に三里の灸”!」
たちまち、コガネの背中の羽型ジェットが大きく展開して火を噴いた。爆発的な推進力を得たコガネは、超高速で船内を駆けだしていく。ウィンディもまた、白翼を思わせる背部推進ユニット『Blanches Aile』を展開して、その後を追っていった。
「波で船が大きく揺らぐから、モタモタする程足を取られます。速攻で鉄甲船を目指しましょう」
高速で移動しながらもコガネは、船内のデータを分析し、最適ルートを導き出していく。目指すは、道が真っ直ぐな箇所が多く、それでいて敵の少ないルートだ。
その解析データを共有しているウィンディは、船内のセキュリティシステムに干渉して進路上の隔壁を操作し、ウォーマシン達がルート上にやってこないようシャットアウトしていった。だが、
「……申し訳ありません。前方の隔壁を掌握できませんでした。隔壁を回避したルートへの変更をお願いします」
同時に複数の隔壁を操作するのには限界がある。ウォーマシンの進行を阻止することに注力していたウィンディは、ルート上にある隔壁の制御に失敗してしまう。
「いえ、その隔壁は無視でいいです。なぜって……」
コガネは駆け抜ける速度を緩めることなく、猛禽の鉤爪のような形状の脚部を正面に突き出して、スライディングするように隔壁に突っ込んでいく。
「踏みつけて蹴り壊せばいいんですからね!!」
コガネの機械の身体が、弾丸のように隔壁に激突した瞬間。ミサイルの直撃にも耐えそうな分厚い隔壁が歪み、次の瞬間爆音と共に大穴が開いた。
「僕の前に立ち塞がるのは自殺行為に等しいです。止められるもんなら止めてみろってんですよ!」
しかし、障害は正面からだけやってくるとは限らない。
「!? 背後から、何か来ます!」
ウィンディの警告に、コガネが驚いて背後を振り返る。サイボーグのウィンディとウォーマシンのコガネ、2人の鋭敏なセンサーに引っかかることなく、更には船内のセキュリティすら潜り抜けられるもの、それは……、
「カイゾクオーの亡霊達!!」
いつの間にか背後からやってきていたのは、半ば透明な身体を持つ、亡霊達だった。質量を持たず熱も発しない亡霊達ゆえに、目視以外の手段で捉えるのは難しかったのだ。
「しかも背後からとは、厄介ですね」
足を止めて迎撃態勢を取ろうとするコガネを、しかしウィンディが制する。
「ここはボクに任せて、あなたは進路の確保をお願いします」
そのままウィンディは、コガネの返事を待たずに体の向きを変えて亡霊達と相対すると、
「いくら亡霊といえども、サイキックエナジーの弾丸なら射抜けるはず」
前腕に装着した三連ガトリングガン『サイバレット・ガトリング』を亡霊達に向け、問答無用で連射していった。圧縮された破魔の力を秘めたサイキックエナジーが、実体を持たない亡霊達の霊体を射抜き、次々と消滅させていく。
「おっと、データを計算した通りここから下り坂です。ここを下りきれば、鉄甲船ですよ」
亡霊と戦いつつ後退していくウィンディに、先を行くコガネが声を掛けた。二人は頷き合うと、後ろを向いて装着した火器を一斉射する。その反動で、2人の身体は一気に坂道を滑り降りていった。さらに放たれた弾丸は、追いすがってきていた亡霊達を蜂の巣にして、一瞬にして消滅させていく。
「僕達にはまだやんなきゃいけない事があるの!」
こうしてコガネとウィンディは、亡霊を撃破しつつ、勢いよく鉄甲船へ帰還したのだった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
明石・真多子
おっと、あちこちバチバチグラグラ言っててヤバそうだね!
おじいちゃんから教わった蛸の心得その一!「危なくなったら墨吐いて逃げろ」の出番!
ドロンと華麗に脱出しよう!
まずは慌てず騒がず【軟体忍法明石家秘伝帳の術】!
グリモア兼用の巻物を取り出して、脱出した未来のアタシが通った経路をカンニングしておこうかな!
気が付けば艦内も騒がしくなってきたし、面倒な奴に足止めされないように『タコの保護色能力』で迷彩しながら天井や壁に張り付いて進んでいくね!
どうしても邪魔な奴は『タコ墨』を手裏剣のように投げて目潰ししたり、天井からタコ触手で首を括って締め上げちゃおう!
生きて帰るまでが諜報任務!軟体魔忍の本領発揮だよ!
●軟体魔忍流脱出術
「おっと、あちこちバチバチグラグラ言っててヤバそうだね!」
自爆装置が作動し、激しい振動に襲われた『ブラックゴースト』船内で、しかし明石・真多子(軟体魔忍マダコ・f00079)は直立不動の姿勢を保っていた。吸盤を持つタコのキマイラならではの芸当だ。
「ここはおじいちゃんから教わった蛸の心得その一! 『危なくなったら墨吐いて逃げろ』の出番!」
真多子はおもむろに胸に挟んでいた明石家秘伝の巻物を取り出すと、ばさっとその巻物を広げた。
「これぞ軟体忍法、明石家秘伝帳の術! こんな時は~えっと~ここ! ……こっちかだったかな?」
ぶつぶつ呟きながらもグリモア兼用の巻物に目を通していた真多子の脳裏に、少し先の未来で真多子が脱出に使った経路が浮かび上がってくる。
「さあ、ドロンと華麗に脱出しよう!」
元気よくそう宣言した真多子の姿が、周囲に溶け込むように消えていった。『タコの保護色能力』で、服や髪まで含めて船内の光景に同化したのだ。
船の振動はいよいよ大きくなり、通路の先の方ではウォーマシンや亡霊が他の猟兵と戦っているらしき音も聞こえてくる。真多子は迷彩状態のまま吸盤を使って天井にピタッと張り付くと、そのまま先ほど未来視で見たルートを進み始めた。張り付いての移動だけに走って移動するよりも速度は遅くなるが、天井を進めば迷彩と合わせて一層見つかりにくくなる上に、障害物に悩まされることもない。今は安全第一で行くべきだろう。
と、その時前方から、索敵中らしいウォーマシンが1体、姿を現した。
(「おっと、あぶない」)
真多子は天井にピタッと張り付いたまま、動きを止める。姿は消せても音は完全に消すことはできない。念には念を入れた方がいいだろう。
だが、
「ギギ……、熱源反応感知」
ウォーマシンが、姿が見えないはずの真多子のいる位置を見上げた。姿は消せても発する熱までは消すことができない。故に、ウォーマシンのサーモセンサーで感知されてしまったのだ。
「ばれてしまっては仕方ないね! 必殺・タコスミケンだよ!!」
真多子はウォーマシンが戦闘態勢に入るよりも速く、圧縮したタコ墨を手裏剣のように飛ばしてその頭部へと直撃させた。タコ墨はウォーマシンの頭部で炸裂し、そのセンサーを真っ黒に塗り潰す。
「さらにこれでどうだーっ!」
次いで、真多子のタコ触手がにゅるにゅると伸び、ウォーマシンの関節部を締め上げていった。その思わぬ怪力に、ウォーマシンの手足が関節部から折れ曲がっていく。
四肢をもがれウォーマシンが活動不能になったのを確認すると、真多子はそのままウォーマシンを置き去りにして、再び鉄甲船目指して進みだしたのだった。
「生きて帰るまでが諜報任務! 軟体魔忍の本領発揮だよ!」
成功
🔵🔵🔴
クネウス・ウィギンシティ
アドリブ&絡み歓迎
「閉鎖されましたか……出遅れた様子」
【SPD】
●避難
「冷却完了、ケーブル切断」
先程の戦闘の後処理を終え、目指すは【情報収集】済みのメンテナンス用シャフトの脱出ハッチ。
「GEAR:ATROPOS。強化外骨格生成完了、行きます」
UCを発動し無敵の鎧を身に纏い、侵入ルートから逆に外に脱出する狙いです。
背面ブースターの【リミッター解除】、シャフトの【地形の利用】を活かした三次元高速移動。侵入時(第1章)に設置した『自走セントリーガン』を随伴させ、外を目指します。
外には自前の『ホバー戦車』を光学【迷彩】展開の上、自動【操縦】で待機済み。
「外に出ることさえ出来ればなんとかなりますか……」
リョウガ・イグナイト
え、この船自爆すんの。
ウォーマシンの残骸拾いとかできねーじゃんやだー!!!
こうなったら拾いながら帰――(意識の強制遮断)
『――生命危機を感知、適合者の意識の強制遮断を実行しました』
【『自我無き舞踏』】による肉体の自動操作を開始します。
迎撃システムの作動であれば『機械的』な判断で勝るだけです。
エネルギーを最小限の【オーラ防御】に転化、
必要とあらば隔壁を【鎧砕き】で破壊。最短経路にて突破します。
ブラックゴースト脱出完了後、
適当なタイミングで適合主に肉体の操作権限を返却致します。
メガリスに『意志』があるなどと、感付かれては困りますし。
※アドリブ可 自動操作中は無機質な自動音声みたいな喋りです
●最後尾からの
「閉鎖されましたか……出遅れた様子」
クネウス・ウィギンシティ(鋼鉄のエンジニア・f02209)は、そう呟きながらも接続していた『ブラックゴースト』のエネルギーケーブルの切断準備を淡々と続けていた。
「え、この船自爆すんの。ウォーマシンの残骸拾いとかできねーじゃんやだー!!!」
一方、リョウガ・イグナイト(星海を目指す者・f26399)は『ブラックゴースト』内で、ウォーマシンやカイゾクオーの残骸を物色していて出遅れたようだった。
「こうなったら拾いながら帰――」
リョウガの言葉が途中で途切れ、全身の動きが止まる。次いで、
『――生命危機を感知、適合者の意識の強制遮断を実行しました』
これまでのリョウガのものとは全く違う、機械的で平坦な声が響いた。その声に合わせて、リョウガはまるで操り人形のようにピンと背筋を伸ばすと、無表情のまま周囲の状況を観察し始める。
「これは……何らかの肉体の自動制御システムが働いたのでしょうか」
ケーブルの冷却作業を行いながらその様子を観察していたクネウスが、わずかに首を傾げた。
「冷却完了、ケーブル切断」
ようやくカイゾクオーとの戦闘の後処理を終え、エネルギーケーブルを切断したクネウスは、ここまで来る際に通過してきたメンテナンス用シャフトの脱出ハッチに目を向ける。
『船内マップデータ、受信しました。最適ルート検索』
先に進んでいった猟兵から送られてきた船内マップを受信したらしいリョウガが、図らずもクネウスが向かおうとしていた脱出ハッチ目指して、機械的な動作で走り出した。
「これは、一緒に行動した方がよさそうですね。GEAR:ATROPOS。強化外骨格生成完了、行きます」
創造の力で無敵の強化外骨格を生み出し全身に纏ったクネウスは、リョウガの後を追っていく。
こうして脱出ハッチからメンテナンス用シャフトに飛び込んだ二人だったが、すぐに障害にぶち当たる。シャフト内が、障壁によって閉ざされていたのだ。
「まさか、こんなところまで隔壁が設置されていたとは」
予想外の事態に、しかしクネウスは冷静に別のルートがないか、船内マップを確認し始める。しかしその時、
『目標硬度確認。最短距離で突破します』
リョウガが突然、機械式ガントレット『開拓者の剛腕』で隔壁を殴りつけた。隔壁が大きく凹むが、流石に一撃で隔壁は壊れたりはしない。だがリョウガは機械的に、続けて一撃、更にもう一撃と、ひたすらに隔壁を殴り続ける。
「成程。時間もない以上、強行突破というのは正しい選択ですね」
クネウスは、侵入時にシャフト内に設置していた自走式セントリーガン『オラクル』に指示を出し、隔壁目掛けて射撃を行わせた。隔壁は銃弾の連射を受け、さらに駄目押しのリョウガの一撃を喰らい、ついに耐久力の限界を迎えたように奥へ向かって吹き飛んでいく。
「もう時間があまりありません。飛ばしていきましょう」
クネウスは背面ブースターのリミッターを解除し、縦横に伸びるシャフトの構造を活かした三次元高速移動で、外部への出口を目指し突き進んでいった。
常人には追随不可能なそのクネウスの後方を、しかしリョウガはクネウスの動きをトレースするように、ぴたりと付いていく。
『後方から接近する存在を感知』
突然リョウガが、後ろを振り向くことすらなくそんな言葉を発した。
「亡霊かウォーマシンが、こちらの存在に気付きましたか」
クネウスもまた、振り向くことはしない。それどころか、ますます移動速度を加速させていく。
「もはや戦っている時間はありません。外にさえ出てしまえば、なんとでもなります」
背後からの追手を振り切るように移動速度を上げた二人はやがて、シャフトを抜け出し『ブラックゴースト』から飛び出していた。
外に広がるのは、荒れ狂う海だ。猟兵といえど、この海に飲み込まれたらただでは済みそうにない。おまけに『ブラックゴースト』を抜け出したこの地点は、鉄甲船とはやや離れた場所だった。
「それでも、外に出ることさえ出来ればなんとかなりますか……」
クネウスがそう口にした時、海を割って何かが姿を現した。光学迷彩を解除して姿を現したのは、クネウスが自動操縦で待機させていたホバー戦車『ヴォルフ』だった。
クネウスとリョウガの2人が飛び乗ると同時に、ヴォルフは荒波を蹴って鉄甲船目掛けて爆走を開始する。
その2人目掛け、背後から追ってきていた亡霊達がヴォルフに取り付こうと迫るが、
「後方オブリビオンに照準セット、発射!」
ヴォルフに搭載された機関銃が一斉に火を噴き、亡霊達を蜂の巣へと変えていった。
こうして二人はわずかな時間の後、無事に鉄甲船と合流することができたのだった。
「ふう、なんとかなったな」
リョウガが、汗を拭いながら大きく息を吐く。
「元に戻りましたか」
その様子に、クネウスがそう声を掛けると、
「え? なんのこと?」
リョウガはわざとらしく首をひねってみせた。
(「俺の身体に宿るメガリスに『意志』があるなんて、感付かれたら困るしな」)
そんな内心の声は、もちろん口にすることはなかったのだった。
●沈む『ブラックゴースト』
全ての猟兵が帰還すると同時に、鉄甲船は最大船速で『ブラックゴースト』から離脱を開始した。
それから間もなく。大気を震わすほどの爆音と共に、『ブラックゴースト』の各部から炎と黒煙が噴き上がり、『ブラックゴースト』の船体はいくつかの塊に分断されつつ、次第に海へと沈んでいった。
その衝撃で海は荒れ、巨大な波が鉄甲船にも襲い掛かってくるが、鉄甲船は巧みに波に乗り、その海域から遠ざかっていった。
遥か昔に星の海を翔け、欲望の海に堕ちてからは島となって悠久の時を過ごしてきた『ブラックゴースト』の、それが最期の光景だった。
成功
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