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カモン! キマイラの島!!

#グリードオーシャン

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#グリードオーシャン


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「みなさん、新しい世界の話は聞きましたか?」

 猟兵達の拠点「グリモアベース」
 そこに集まった猟兵たちに、平・胸盛(三枚重ね・f18162)が問いかける。
 グリードオーシャン。メガリスの試練に打ち勝った海賊たちが統治する島々と海の世界だ。

「この世界は独特で、グリモアの予知がすごく制限されるんです。わたしたちが辿り着いた島のすぐ近くまでしか予知できません。だから、この世界を平和にするためにはみんなで少しずつ既知世界を広げていくことになります」

 今回胸盛が予知したのは、キマライフューチャーからこぼれ落ちた島についてだ。カモキマ島と呼ばれるその島は、生まれ落ちた瞬間からUDCアース通貨換算で数千万円の借金を背負い、歩行過多税や呼吸過多税、睡眠税などさまざまな理由で増え続ける借金を返済しようと島民キマイラ達が毎日楽しく重労働に勤しむ海の楽園だ。

 そのカモキマ島を襲撃し、統治する海賊のメガリスを奪って滅ぼそうとするコンキスタドールの陰謀が予知された。海賊を始め島民たちはまだその企みに気づいていない。

「平和に暮らす島民さんたちに無用な心配をさせる必要はないと思います。なんとか秘密裏にみなさんで島を守ってあげてください」

 ただ見慣れない者たちが急に島に集まりだしたら住民も警戒するだろう。
 そこで、遊びのように毎日行われている肉体労働を手伝ってあげれば自然と仲良くなれるかもしれないし、いつかこの交流が役立つことになるような日も来るかもしれない。
 砕いた岩で道を舗装したり、その砕く岩を遠くから運んできたり、畑を耕したり井戸を掘ったり。もしピンとくる遊びが思いつかなければ、島の中央にある放射状の棒をぐるぐる回すのもいいかもしれない。込める力によっていくらでも抵抗が重くなるので、鍛錬にもなるだろう。

「おそらくコンキスタドールたちは夜、北の入り江から侵略を始めると思います。そしてこの島を手始めに、やがて全てを滅ぼそうとするでしょう。
 どうか、世界を救ってください」

 そう言って、胸盛は深々と頭を下げた。


斑鴉
 いつもお世話になっております。斑鴉です。
 グリードオーシャン依頼2つ目になります。皆様のプレイングお待ちしております。

 申し訳ありませんが個人的な事情で土曜日から月曜にかけてはリプレイが遅くなると思います。ご容赦ください。
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第1章 日常 『島の遊びを楽しもう』

POW   :    腕っぷしに任せて勝ちを狙う

SPD   :    華麗なフットワークで魅せる

WIZ   :    頭脳プレイでスマートにこなす

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🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

エルザ・メレディウス
*アドリブなど大歓迎です
*他の方の行動に矛盾が起きてしまう場合は、行動を控えます

▼WIZを使用します
手持ちの金貨や銀貨を使用して、村の方々と【取引】をしながら力のありそうな方と一緒に道の舗装を手伝っていただこうかしら?

後々、コンキスタドールが北の入り江から攻めてくるのを考慮して...北の入り江へと続く道を、住民の方と協力して重点的に舗装しようと思います
特に砂利道や、石が崩れてしまっている街道は念入りに舗装を行います
一緒に汗を流して労働をして彼らとの仲を深めながら、労働の後は、皆様と一緒にお食事をとろうと思います



「後々、コンキスタドールは北の入り江から攻めてくるのよね」
 立て看板に張り出されている薄汚れた島の全体図を見ながら
 エルザ・メレディウス(復讐者・f19492)が小首をかしげる。
「なら、北の入り江へと続く道を重点的に舗装しましょう。できれば住民の方と協力して」

 予知したグリモア猟兵はこの世のものとも思えない、だれかを村長という名目で招いておきながら詐欺めいた手法で借金漬けにして働かせる地獄の島のように語っていた。
 しかし見る限りここで働くむきむきのキライラたちは重労働ではあるが元来の気楽な性質はそのまま、楽しそうに思うまま島を住みやすく改造するように働いている。

 エルザはそのうちの一人に手伝ってもらえないか声をかける。
 理由は言えないが、北の入り江に続く道を舗装するのを手伝ってもらえないかと。
 交渉はすぐまとまった。物好きだねと言いながら数人のキマイラが仕事を放り投げて手伝いを買って出る。対価として申し出た金貨や銀貨は、ほとんど受け取られなかった。
「たくさんお金をもらっても、所得税の累進加算と消費税でなくなっちゃうからね」
 と笑いながら言っていた。

 幸い、材料はたくさんあった。作業の開始を阻む要素はない。
 エルザも名門メレディウス家の出身だが、汗を厭わずキマイラたちに混じって肉体労働に勤しむ。慣れているキマイラ達から時に助言を受けながら、足元の悪そうな砂利道や崩れた石畳を丁寧に補修していく。
 島国の強い太陽の下、時に潮風に吹かれながら陽気なおしゃべりを交え、作業はスムーズに進んでいく。そして日が傾いたころにはおおよその成果は上がっていた。

 女性キマイラ用の完全防備シャワー室を借りて汗を流して戻ってくると、労働の報酬と言って魚のスープが振る舞われた。共に作業したキマイラたちとテーブルを囲んでいただくと、塩気の強い野性的な味が疲れた体と妙に合う。
 そして監査管らしいキマイラが各自の本日の報酬と税金の差額を書いた大きい紙を立て看板に張り出し、それを見たキマイラたちが悲喜こもごもではあるが基本的にみな楽しそうな声を上げる。

 そして日が暮れていく。
 

成功 🔵​🔵​🔴​

ルルティア・サーゲイト
 うむ、新技の慣らしには良さそうじゃな。下半身をタコ化するスキュラ形態で周辺海域を泳いで哨戒(という名目でただ泳ぎたいだけ)の後に陸地での使い勝手も確かめておこう。
 この八本脚、上手く操るには慣れが必要そうじゃしな。細かい作業は無理じゃろうが、岩を砕いたり伐採したりは全く問題ない。まあ、大鎌使った方がその辺の作業早いが、今は新技の習熟である。
 何度かタコ足は使ったが、泳ぐか持ち上げるかしか使ってなかったからのう。もっと色々出来るようになれば戦略の幅も広がる。
 それにしても、誰も気付かぬが……こうも堂々とはいてない状態を晒せるのは気分が良い! ……まあ、色々とタコなんじゃがな……



 ユーベルコード:ルル・スキュラ・シフト(ルルスキュラシフト)
 オイキマ島の周辺の海上を、和風の服の女性の上半身が移動していく。
 ルルティア・サーゲイト(はかなき凶殲姫・f03155)だ。

 怪奇現象のような光景だが、静かに進む水面下ではタコの足に变化した下半身が白鳥の足のように水をかき分けている。
 このグリードオーシャンという世界が猟兵たちに開かれたことで目覚めた、ルルティアの新しいユーベルコード。本来なら戦闘力の強化に使うものだが、なにごともまずは慣れである。時おり絡まったりまごついたりしながらも、次第に思う通りに動かせるようになっていく。

 オイキマ島の住民たちははるか昔に元の世界から零れた存在とはいえ、祖先を同じくする者と思い親近感が湧くのかもしれない。陸地から手を振ってくるむきむきのキライラたちに手を振り返し、ついでにタコ足で魚を捉えてお近づきのしるしとばかりに投げ渡してみる。

 もうしばらく海中に慣らしてから、今度は陸上での動作をテストしてみる。今までにもタコ足は使ってきたが、持ち上げたり泳いだりばかりで、このあたりで戦闘用の動きにも慣れておきたい。
 通りかかった島民のキマイラから採石場の位置を聞き、岩場に向かう。幸い今はだれも作業していないようだ。これなら遠慮なく力を振るえる。
 まずはタコ足の怪力で出っ張っている岩を砕く。海中よりやや威力は落ちるが、まあ悪くない。次は怪力と柔軟性をあわせて鞭のように振るって深々と岩を切り裂いてみる。愛用の鎌を使うほうがよほど速いが、それでもなかなか悪くない。これなら実用にも耐える。戦略の幅も広がるだろう。

 採石場を後にすると、砂利を取りに来たキマイラたちと出くわしたので笑顔で手を振ってみる。
(誰も気付かぬが……こうも堂々と、はいてない状態を晒せるのは気分が良い!)
 普段ははいてないのを気づかれないよう意識したりして少々窮屈だったりするが、このタコモードならそんなことも気にしなくていい。その開放感が心地よい。すれ違うキマイラ達の横でそんなことを考える。
(……まあ、色々とタコなんじゃがな)

成功 🔵​🔵​🔴​

九十九・静香
※連携アドリブ可

ここが新しい世界なのですね。ふふ、潮風が心地良いですね
しかし借金とは穏やかではありませんが苦しんでいる訳ではないのなら良いのでしょうか…?

筋肉令嬢に変身
UCでメイド隊を招集し、
力仕事を主にわたくしも皆と一緒に◆奉仕致しましょう

皆様も素晴らしい筋肉ですがわたくしも負けてはいませんよ?
◆怪力で力を振るい、◆クライミングで山肌を登ったり◆運搬で大量の物を運んだりしていきます
メイド隊には同じく◆怪力での力仕事、◆団体行動での連携作業、◆鼓舞で皆様を応援して貰います

休憩や食事のついでに◆情報収集をしましょう
島の地形や抜け道等、迎撃に使えそうな情報を少しでも集めましょう



「ここが新しい世界なのですね」
 切り立った崖で長い黒髪を潮風にたなびかせているのは
 九十九・静香(怪奇!筋肉令嬢・f22751)だ。
 眼下で肉体労働に精を出すむきむきのキマイラたちを見て、ふと考える。
「しかし借金とは穏やかではありませんが苦しんでいる訳ではないのなら良いのでしょうか…?」
 考えてみても始まらない。まずは軽く準備運動。
 あくまで本人にとっての軽い運動であり、客観的に見ればパンプアップが起こるクラスの運動量だが、そこはそれ。筋肉令嬢に変身し、キライマたちの手助け……奉仕に向かう。

 ユーベルコード:九十九家筋肉給仕隊、出動!(ツクモケマッスルメイドタイシュツドウ)
 呼び出した九十九家筋肉メイド隊と共に、筋肉キマイラたちの重労働を手伝っていく。あまりの動員数に最初はどちらかというと「ボクの仕事とらないでよ。また税金が増えちゃう!」と抵抗感を示していたキマイラ達も、コミュニケーションを取るうちに必要とされている場所や仕事などをすり合わせ、効率的な労働環境が組み上がっていく。
 そんな時、事件は起きた。
 全員で舗装した道のど真ん中が破壊され、木の柵で四角く囲われて「新しく公民館を作るよ」という立て札が立っている。
 キマイラ達は一瞬だけ呆然として、すぐに「またかよ」と笑い出した。この島ではたまにあることらしい。取り立てて怒っている様子はない。

 その様子が心に残り、静香は休憩の時に情報収集がてら比較的年齢を重ねているキマイラに尋ねてみた。
「ワシらの借金な、あれ別に返す必要ないんだよ」
 その老キマイラは笑いながら話す。
「ワシらの祖先が世界から切り離されてこの島に落とされた時、それは大変だったらしい。元の世界はなにかを叩けば食べ物も服もなんでも出てくるらしいが、ここにはそんなものはない。だから働かないといけない」
 そう言って一口だけ甘い茶のようなものをすする。
「しかし島に居るのは遊ぶことしか知らないキマイラたちだ。だから最初の島主、カモキマ島の海賊は生き残ることをゲームにした。日々の労働で増えたり減ったりする借金に一喜一憂しながら、生き残るためにみんなで力を合わせて働く。マンネリにならないよう、たまにハプニングで昼間みたいな事件も起こす。そうやってこの島は回ってるんだよ」
 みんなには内緒だぞ、と人差し指を唇に当てる。ネタバレしたらつまらんからな、と。
「それで質問の件だが、北からなにかが来るとして、集まるとしたらここの入り江じゃろうな。幸い見晴らしがいいところで、外から来る者は隠れられないし、島から行くなら身を隠すものも多くあるはずだ」
 薄々なにかを察していたのだろう。老キマイラは静香に頭を下げる。
「いくら体を鍛えても、ワシらは遊ぶことしか知らない者たちだ。よろしくお願いする」

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『殺戮オウムガイ』

POW   :    念動衝撃波
見えない【衝撃波】を放ち、遠距離の対象を攻撃する。遠隔地の物を掴んで動かしたり、精密に操作する事も可能。
SPD   :    賢者の触手
質問と共に【無数の触手】を放ち、命中した対象が真実を言えば解除、それ以外はダメージ。簡単な質問ほど威力上昇。
WIZ   :    オウムガイ粘液
【粘液】が命中した対象を捕縛し、ユーベルコードを封じる。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。

イラスト:りょうま

👑11
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 そして夜。
 予知のとおりにコンキスタドールの先遣部隊が到着する。
 島民たちとのコミュニケーションもあり、事前の準備は抜かりない。後は迎え撃つだけだ。
ルルティア・サーゲイト
 奇襲する側と言うのは得てして自分が奇襲されるとは考えていない物である。奇襲とは、相手の思考の視覚を突き崩す物である。即ち、
「上陸前に水中で襲われるとは考えておらん」
 海中で待ち伏せ、ジェット噴射のタコ泳法にて一気に距離を詰め、大鎌で両断する。このUCには水中適正も含まれるからのう。潜りっぱなしでも問題は無い。上半身は水着で行けばよい。
 事前に習熟し、海中の地形把握も済ませておる。地の利はこちらにある。
 しかし、このオウムガイ喋るのか。別に聞かれて困る事は無い。下着の色でも何でも答えてやろう。
「はいてないがの!」
 触手を以って触手を捌き、大鎌で両断する。



 夜空から降り注ぐ月の光が、海面を進むなにかの群れを照らし出している。
 コンキスタドール、殺戮オウムガイの集団だ。
 旧型の潜水艦のように海面に浮上して、重労働の疲れを癒やすため眠りについているカモキマ島の住人たちを殺戮しようと近づいていく。
 殺戮オウムガイと言っても、薄い殻から覗く内臓は紛れもなく巨大な脳。フェアリーが知性で巨人に劣るわけではなく、脳の大きさが頭の良さに直結するわけではないが、このコンキスタドールたちの瞳には確かな知性がある。

 しかし、頭が働くからこそひっかかる落とし穴というものもある。
(奇襲する側と言うのは得てして、自分が奇襲されるとは考えていないものである)
 泡も波も立てないように身じろぎもせず、ただじっと上を見つめているのは
 ルルティア・サーゲイト(はかなき凶殲姫・f03155)だ。
 奇襲とは、相手の思考の死角を突くもの。即ち。
(上陸前に水中で襲われるとは考えておらん)

 ユーベルコード:ルル・スキュラ・シフト(ルルスキュラシフト)
 昼間に体と頭に馴染ませておいたタコ足モード。しかもここはその最大の力を発揮できる海中だ。
 コンキスタドールたちの意識が完全に島に向かう瞬間を逃さず、本物のタコのように海水をコントロールして急浮上。昼間のパトロールで海底の地形も把握してある。吹き出す海水の反射も計算に入れ、最も速く浮上できる位置と角度も分かっている。
 そして海中からの大鎌の一閃が最初のコンキスタドールを両断。さらに海面に飛び上がってもう一閃。動揺するコンキスタドールの群れの二体目を仕留める。ちなみにこの急浮上でもベルトのような水着はまったくズレていなかった。

 しかし殺戮オウムガイたちも動物的な知能ですぐ状況に対処する。
 本体を先行させながら何体かの殺戮オウムガイがルルティアを取り囲み、触手を蠢かせる。
 ユーベルコード:賢者の触手
 対象を触手で絡め取りながら質問をして、相手が真実を言えば解除されるが、それ以外ならばダメージを与える技だ。
(このオウムガイ喋るのか)
 驚くルルティアに触手が殺到する。
「別に聞かれて困る事は無い。下着の色でも何でも答えてやろう」
 巻き付く触手を悠然と見返すルルティア。
「はいてないがの!」
 そこに殺戮オウムガイたちからの質問が放たれる。
「寒くない? すーすーしない?」
 虚を突かれ返答に詰まる。触手の締め付けが体に食い込む。
 しかし、それも一瞬。
「……うん、ちょっとだけじゃが」
 その返答に触手の群れが離れていく。
 そして再び月光を反射しながら大鎌が閃き、両断された周囲の殺戮オウムガイたちは音も立てずに骸の海へと還っていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

エルザ・メレディウス
*アドリブ大歓迎です
*仲間の行動に矛盾する場合は行動を控えます

*POW使用します
・舗装された道を進んで、相手の上陸予定ポイント周辺に隠れて機会を伺います
・仲間の攻撃に合わせて、私も相手へ攻撃を始めます。上手い形で【だまし討ち】致したいところです
・私は...海上を逃れて陸上へ上陸した敵を優先的に狙うように致します。陸と海から同時に攻撃を行うことで前後から相手を挟み撃ちできるように工夫してみましょう
UCは剣刃一閃を使用します。一体倒したら次の一体へ...次から次へと相手を斬り伏せていきます



 硬い音を立てながら、でこぼこな手作業で、しかし心を込めて敷かれた石畳を歩いていく影がある。
 エルザ・メレディウス(復讐者・f19492)だ。
 そろそろ頃合いだろう。
 島のキマイラたちと汗を流しながら敷いた石の上を、昼間の記憶を噛み締めながら歩いていく。守らなければ。この島を。

 仲間と共有している情報で、身を隠す場所には困らない。
 やがて月明かりに照らされて、白く半透明な殺戮オウムガイたちの一団が島に上陸しようとする。
 周囲に仲間の気配はある。しかし互いに様子を伺いすぎているのか、最初の一歩を踏み出すものがいない。
 ならば、と、エルザは隠れていた木陰を飛び出した。
 まっすぐ進む殺戮オウムガイの隊列の横腹に、近距離から突然現れて斬りかかる。
 しかし少しだけ遠かった。
 唯一反応できた殺戮オウムガイの一体の視線が真正面からエルザを捉える。
 ユーベルコード:念動衝撃波
 大きく開いた口から放たれた衝撃波が突撃するエルザの足を止める。さらに状況に追いついた他の殺戮オウムガイたちも、念動力で舗装に使った石を持ち上げて投射しようとする。
 だが、エルザとキマイラたちが丁寧に敷き詰めた石は思いの外重く、制御に戸惑う。その間に陸と海から猟兵たちが集まり、乱戦が始まる。
 ユーベルコード:剣刃一閃
 その間隙に飛び込んで、エルザが刀を振るう。
 銀光がきらめいて、殺戮オウムガイの一体が両断される。
 もちろんそれだけでは終わらない。次は最初に衝撃波を放ってきた個体。そしてさらに近くにいた殺戮オウムガイを斬り伏せていく。
 そう時間はかからなかった。やがて、エルザの周囲の殺戮オウムガイたちはすべて骸の海に還っていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

勘解由小路・津雲(サポート)
(退魔師口調)集団戦は、【エレメンタル・ファンタジア】や【歳刑神招来】など、範囲攻撃できるものを優先して使うな。一般人に被害が出ないように気を使うぜ。そのためには【符術・結界陣】や【八陣の迷宮】など守備的な行動も取るね。そうそう【エレメンタル・ファンタジア】は水や氷に関連するものに限定しているな。
 敵の攻撃はかわすより、オーラ防御や各種耐性を込めた結界で防ごうとする。同情の余地ある敵は、破魔で浄化を試みるね。
(素の口調)戦闘中にこの口調でしゃべることはまずないですね。常に冷静さを心がけ、敵の弱点や、有効な戦術を考えます。


マルグレーテ・エストリゼン(サポート)
護るべき者は誰で…
解決すべき問題は何か?
まずそれを考える
その際主義主張を重んずる
私は善良な命が理不尽な暴力に苛まれるのを嫌う
そういう許し難い主義を掲げた者がいれば打倒する

「ゆくぞ! ダークプリンセスパワー・フォールダウン!!!」
決め台詞とともに変身、颯爽と登場
闇に覆われ、死神の嗤いのような音とともに、漆黒のドレス姿になる

飛行して移動したり、敵を翻弄したりするぞ
黒く染まったプリンセスハートを飛ばして攻撃する
ハートは戦いで感情が高ぶると質量を増すのだ
必殺技は硬度と質量を増したハートを敵の脳天から落とす【ヘル・メサイア】!
サポートとしての役目を果たしたら飛び去ろう
「危機は去った……さらばだ!」



 そして、乱戦の反対側では。
 古式ゆかしい狩衣。首から下げるは金属を磨き抜いた古鏡。そして見るものが思わず自分の心を映し出されるように感じる瞳を敵団に向けて。
「ここから先には進ませないぜ!」
 勘解由小路・津雲(明鏡止水の陰陽師・f07917)が殺戮オウムガイの集団の前に立ちはだかる。
 言葉を操る知能はあるが、問答は無用。そう判断した殺戮オウムガイたちが一斉に触手を向ける。
 だが問答が無用なのはこちらとて同じこと。津雲は片手で印を切り、もう片側の手で鈴のような音を立てながら武芸者が棍を操るように錫杖を回転させて。
「氷帝招来、破っ!」
 ユーベルコード:氷術・絶対零度(ヒョウジュツ・ゼッタイレイド)
 敵団に向けて突いた錫杖の先端の一点を中心に強烈な冷気が吹き出す。そして思わず足が止まった殺戮オウムガイたちに、無差別に氷の刃が襲いかかって突き刺していく。
 氷の刃は闇に紛れて包囲しようとしていた殺戮オウムガイたちも巻き込んで次々と骸の海に還していった。

 しかし氷刃の届く範囲のすぐ外で、機を伺っている一体の殺戮オウムガイがいる。
 ユーベルコード:オウムガイ粘液
 寿命と引き換えに粘液を飛ばし、命中した対象のユーベルコード能力を封じる技だ。間断なく放たれる氷の刃が次々襲い来る敵を押し留めているが、それが止められれば一瞬で敵の波に飲み込まれるのは目に見えている。

 だが。
「ゆくぞ! ダークプリンセスパワー・フォールダウン!!!」
 戦場を見下ろす小高い岩の上。夜闇に紛れてなお黒い髪を潮風にたなびかせる影がある。
 マルグレーテ・エストリゼン(ダークプリンセス・f23705)だ。
 このままでは遺され与えられた超文明の名残ではなく、自分たちの手で作り上げた楽園で楽しく暮らすキマイラたちが滅ぼされてしまう。鍛えてあるとはいえ彼等は戦う術など知らない。善良な命が理不尽な暴力に弄ばれ、散らされてしまう。
 防がねばならない。

 そのままユーベルコードを放っていれば戦線は瓦解、キマイラたちが眠る集落まで彼らを遮るものはなかっただろう。
 しかし、なまじ知性があるだけに、隙を伺っていた殺戮オウムガイはマルグレーテに意識を向けてしまった。

 ユーベルコード:ドレスアップ・プリンセス
 マルグレーテの周囲に闇が集まり、死神の嗤いのような音とともに、漆黒のドレスに身を包む。
 そして突き出された手のひらから黒いハートを質量を持って殺戮オウムガイに放たれる。
 戦意に応じて質量と硬度を増す黒いハート。マルグレーテの後ろには自分と仲間のために厳しい環境で毎日を楽しく暮らすキマイラたちの村。破壊力は十分だ。
 その威力を見誤って体で受けた殺戮オウムガイが簡単に潰れる。
 唯一の逆転のチャンスはこれで潰えた。

 あとは津雲が大火力で敵を減らし続け、漏らした敵をマルグレーテが確実に潰していく。この繰り返しで、周囲の敵はまたたく間に数を減らしていった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

龍統・光明(サポート)
『その業喰わせて貰う。さぁ、貴様の業を数えろ……』
ヤドリガミの電脳魔術士×竜騎士
年齢:18歳 男
外見:173.3cm・赤い瞳・銀髪・色白の肌
特徴:左胸に傷跡・知識欲が強い・由緒正しい血筋・料理が好き・創作活動が好き
口調:男性的(俺、呼び捨て、だ、だな、だろう、なのか?)

基本冷静沈着。但しノリは良い

二刀流と蹴術を織り交ぜながら羽形スレイブを操り戦う

ユーベルコードは指定した物をどれでも使用

基本回避優先で防御の際は左腕を盾代わりに使う

常にクールである事に努めており、他に迷惑をかけない様に心掛けている

自由に動かして頂いて構いません。(NG:ギャグ・コミカル)



 そして、主戦場からわずかに外れた岩陰に蠢く影があった。
 島を知り尽くしてた地元のキマイラ達でさえ、そこからなにかくるだろうとは考えなかった難所。そこを登ってくる殺戮オウムガイの一団だ。

 だが、そこにある影はコンキスタドールたちのものばかりではない。
 近未来風の全身鎧に身を包んだ青年。
 龍統・光明(千変万化の超越者・f02421)だ。

 そもそも迎え撃たれるとさえ思っていなかったコンキスタドールたちの、余興じみた遊兵だ。まさか目の前に立ちはだかる者がいるとは予想だにしない。

 なぜ光明がこの場所に敵が来ると読めていたのか、本人も含めて論理だって説明できる者はいないだろう。ただ、ヤドリガミの身となっても受け継いでいる龍の血の導きとだけ。そしてその導きは正しく住民たちを虐殺から守る最後の盾となる。

 殺戮オウムガイが触手を向けて、ユーベルコードを放とうとする。しかしとっさのことで、ユーベルコードの発動条件になる問いかけを思いつかない。
 むろんコンキスタドールたちの混乱が収まるのを待つ理由はない。
「喰らい尽くせ、総餓流秘奥義【創破】顕現」
 ユーベルコード:創破(ソウハ)
 それは果たして血に刻まれた記憶だろうか。エネルギーで形作られた双頭龍が現れ、空中高くから殺戮オウムガイたちを睨めつける。
 コンキスタドールたちの意識が一斉を上に向く。その瞬間、自身の身長より長い漆黒の長刀「絶」と、さらにそれと連動した戦闘システム、通称ASが起動。

 古の時代から鍛え続け練り上げ続けられてきた技と二刀の刃、さらに独自の体術と多くの支援兵装。そして双頭龍とのコンビネーション。
 もはや苦戦する道理はなかった。
 コンキスタドールの遊兵たちはまたたく間もなく壊滅。誰も見ておらずとも疲労を隠し、光明もその場を後にする。

 尖兵たちが完全に壊滅するまで、それから時間はかからなかった。

成功 🔵​🔵​🔴​




第3章 ボス戦 『不浄なるキノコの波動に飲まれた少女』

POW   :    どうせみんなきのこになる
【視認困難な胞子】を降らせる事で、戦場全体が【キノコが次々と生えてくるきのこ農園】と同じ環境に変化する。[キノコが次々と生えてくるきのこ農園]に適応した者の行動成功率が上昇する。
SPD   :    今はきのこが食べる時代です
命中した【視認困難なきのこ】の【胞子】が【対象から養分を吸いとり成長するキノコ】に変形し、対象に突き刺さって抜けなくなる。
WIZ   :    胞子を落とした責任、とってくださいね?
【突如現れた謎の宇宙船】から、【きのこ】の術を操る悪魔「【完全武装したユゴスより来るもの】」を召喚する。ただし命令に従わせるには、強さに応じた交渉が必要。

イラスト:ゆりちかお

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠ウルフシャ・オーゲツです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「きーのこ、きーのこ、元気のこ!」
 そして海上を流れる板に乗って、襲撃を計画したオブリビオンが姿を表す。
「なんか日当たり良すぎて嫌だけど、もっと鬱蒼と木を伸ばして、ここをキノコの聖地としましょう! 養分になるケモノ人間もいっぱいいるし!」
大崎・玉恵(サポート)
『あまり、老狐に無理をさせるでないぞ』
 妖狐の戦巫女×陰陽師女です。
 普段の口調は「女性的(わし、おぬし、じゃ、のう、じゃろう、じゃろうか?)」、気にいったら「尊大(わらわ、おぬし、じゃ、のう、じゃろう、じゃろうか?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、公序良俗に反する行動はしません。
ユーベルコードを絡めた【誘惑】による認識操作や籠絡、【呪符】に【破魔】【焼却】等の【呪詛】を込め【呪殺弾】とする、薙刀による【薙ぎ払い】【2回攻撃】が得意です。
卑劣な手段をとる敵には【威厳】【存在感】を放ち神として振る舞います。


リダン・ムグルエギ(サポート)
「餅は餅屋。後の戦いはお任せするわね
「お、今の映えるわね!ヒュー

キマフュ特有のノリの服飾師

見た人の五感を狂わす「催眠模様」の入り衣装を作って配る事で
仲間や一般人の防御底上げと敵の妨害を実施したり
依頼に即したなんらかのブームを生むことで敵に特定の行動を躊躇させたり
等を得意とし

「戦闘開始前に自分のやるべき仕事の準備を終えている」事が多い純支援キャラ

依頼本編では戦いの様子等を撮影・配信したり
キャーキャー逃げたり
合いの手を入れてたりしています
単独戦闘には不向き

ミシンや針、布等も所持
その場で他依頼参加者に合わせ衣装アレンジも

MSのセンスで自由に動かしてOK
エロだけは厳禁



「あまり、老狐に無理をさせるでないぞ」
すでに大半が菌に侵食され、朽ちかけていながらも荒波を乗り越えて真っ直ぐにカモキマ島を目指す一枚の板。
 その中央に立つコンキスタドール、不浄なるキノコの波動に飲まれた少女の正面に、一人の狐耳の少女が立ちはだかる。
 大崎・玉恵(白面金毛・艶美空狐・f18343)だ。
 ある神社で神として祀られていた存在だが、今は世界の危機を救うために猟兵として様々な場所を渡り歩いてオブリビオンを退治している。
 そして今、玉恵が守るのは一つの島。彼女の背後には数百の戦う術を持たないキマイラたちが明日という日に備えて夢を見ている。
「島民たちに知らせる必要もない。この場で後禍なく消し去ってくれるのじゃ」

 ユーベルコード:胞子を落とした責任、とってくださいね?
 玉恵に気づいたコンキスタドールが不安定な板の上で立ち上がり、人差し指で夜空を指す。その先にあるものは月……いや、違う。
 月にも見えたその輝きはジグジグ飛行を繰り返しながら降下し、ハチがダンスで同族に蜜の在り処を教えるように、何らかの意図を持った動きを繰り返す。
 それに合わせてコンキスタドール、不浄なるキノコの波動に飲まれた少女も応答するように謎のダンスを踊る。
 そして余人には計り知れない交渉の末に、コンキスタドールは宇宙船からスペースシップワールド風の鎧に身を包んだ悪魔を尖兵として借り受ける。見るものの正気を削る、きのこの術を操る悪魔だ。代償としてキノコの形のクラッカーとチョコの菓子を数箱分宇宙船に送る場面を、夜更ししていた子供が見ていた。
 そして交渉が終わり、きのこの悪魔が玉恵に敵意を向けた時。

 ユーベルコード:ゴートリック・ファウスト(ゴートリック・ファウスト)
 岩陰から様子を伺っていた
 リダン・ムグルエギ(宇宙山羊のデザイナー・f03694)が懐中電灯のようなものをきのこの術を使う悪魔ではなく、玉恵に向ける。
 そして玉恵の白い巫女服に浮かび上がる謎の文様。
 とりたてて変哲のない、ただの文様である。だがそれを直視したきのこ悪魔が動きを止め、錯乱したように周囲にキノコビームを乱射し始める。
 見るものの五感、そして精神を狂わす催眠模様をプロジェクトマッピングする特製の懐中電灯だ。事前に仲間の服に刺繍する時間が取れなかったので、今回のシチュエーションに合わせた代用品を引っ張り出してきた。
「餅は餅屋。後の戦いはお任せするわね」
 そして催眠が十分に効果を上げたのを見定めて、懐中電灯を生配信用の夜間高感度用カメラに持ち帰る。自分の仕事はすでに終わった。あとは楽しんで帰ろう。

 そして、玉恵も。
 ユーベルコード:巫覡載霊の舞
 かつての在り方にも似た神霊体に変じて薙刀を一閃。その衝撃波がきのこ悪魔を両断する。
 神や神に類する存在に、その時は来るのだろうか。定命の者のように、はての内容な時間の先に、いつかその瞬間を迎える時が来るのだろうか。
 答えは誰にも分からない。だが、間違いなく生命力を燃やしてその瞬間に近づく代償を求められるユーベルコードだ。しかしリダンの支援によって、代償は最小に押さえられた。

 そして手札を落とされたコンキスタドールの板が近づいてくる。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ルルティア・サーゲイト
引き続きスキュラモードのまま海上にいる内に襲撃できるなら襲撃をしておこう。
「戯けが! 海でキノコが育つか!」
 海上にいる内は完全に地の利がある。残影舞踏陣で仕掛ける。視認困難じゃろうと、海中で育つキノコなど無い……と、言い切れないのがオブリビオンではある。用心はしよう。
 上陸後なら黒竜爆砕刃に切り替える。
「今日の妾は二刀も使う!」
 タコ足を使えば普段は出来ないダイナミックな回転斬撃も打てよう。辺り一帯を燃え上がらせればキノコの胞子も焼き払える。
「つまり、海上は元より陸に上がってもお主の行き場は無い訳じゃな。あるべき場所に、躯の海へと還るが良い」



 海流を無視した動きで少しずつ島の進んでくる、コンキスタドールの乗る板。
 そのすぐ後ろで、盛大に海水を跳ねながら一つの影が飛び上がる。
「戯けが! 海でキノコが育つか!」
 ルルティア・サーゲイト(はかなき凶殲姫・f03155)。先程のオウムガイを殲滅した後に、オウムガイに命令を下した者が現れるだろうとスキュラモードのまま海中に潜んでいたのだ。

 周囲にはキノコが育つような養分もない海上。対してルルティアは昼間のうちから地形を調査し、海に適応する姿も完全に使いこなせるほど熟達している。地の利は完全にこちらにある。
 そのはずだった。
 この逆境をひっくり返す手段などない。ないはずだが、絶対にないと言いきれないのがオブリビオンだ。
 そして悪い予感ほどよく当たる。
 ユーベルコード:どうせみんなきのこになる
 月光にきらめく塵のようなキノコ胞子。それが一面に広がっていく。
 キノコ胞子を豊富なプランクトンを栄養に海水の塩分さえ飲み込みながら海面を白い菌糸が覆い尽くして、無数のきのこを生やしていく。
 環境が激変し、ルルティアの機動力が削がれる。反対に不浄なるキノコの波動に飲まれた少女は菌糸を引きながら板から飛び降り、菌糸に覆われた海上を渡って貫手でルルティアを穿とうとする。
 しかし。
 ユーベルコード:黒竜爆砕刃(コクリュウバクサイジン)
 咄嗟に身の丈以上もある大鎌、凶鳥の翼をタコ足の一本に持ち替えて炎の闘気と共に遠心力を乗せて振り回す。炎が海上の菌糸を焼き、即席のきのこ農園を燃やす。
「この海上は元より、陸にもお主の行き場はない」
 そして最後の一閃が、慌てて板に飛び戻ろうとしていたコンキスタドールの背中を深々と切り裂いた。
「あるべき場所に、躯の海へと還るが良い」

大成功 🔵​🔵​🔵​

シフォン・メルヴェイユ(サポート)
『楽しい世界が待っていたらいいなぁ。』
 普段の口調は「女性的(私、あなた、~さん、なの、よ、なのね、なのよね?)」
 怒った時は「無口(わたし、あなた、呼び捨て、ね、わ、~よ、~の?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。

のんびりとして、無邪気な性格をしています。
基本的に常に笑顔で人に接して、
敵以外なら誰に対しても友好的な性格です。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!


エレクトゥス・レヴィン(サポート)
『本丸到達、パーティー開始ってな!』
『契約の下に、ぶっ潰す!!』
『履行、完了……!』

機械化された両足と右腕を酷使して戦うサイボーグ。
大雑把な性格で口が悪いが、人並みの正義感は持ち合わせている。
生身の左腕を包む「超硬連結放熱板」は強力な武器にして防具。
主にボス戦に於ける猟兵側の増援として参戦。

戦闘でよく使う装備は、上記の「超硬連結放熱板」、脚部の内蔵火器「炸裂者」それに装填された「G型特殊弾薬」の属性弾。
加えて、ボス戦では義肢から放つユーベルコードと併用した集中砲火を行う。
基本は力押し、または力任せのカウンター戦法。
絡み、アドリブ大歓迎。

24歳、男。
口調:男性的、一人称:オレ、二人称:呼び捨て。



 手傷を負いながらも、ついにコンキスタドールがカモキマ島に足を踏み入れる。
「わたしは宣言するわ! ここをキノコの楽園にすると!」
 そして祈るように片膝をつくと、コンキスタドールの周囲が少しずつキノコに侵食されていく。

「本丸到達、パーティー開始ってな!」
 そのタイミングで、戦場に辿り着いた一人の男性。
 エレクトゥス・レヴィン(誓兵・f11060)だ。
 無防備なオブリビオンを蹴り飛ばそうと駆け寄り、絶対キノコ領域(Absolute KINOKO FIELD)に足を踏み入れようとして。
 猛烈に嫌な予感がして、無理やり慣性を捻じ曲げて広がるフィールドから逃れる。
 その直観は間違っていなかったのだろう。少しだけフィールドに触れてしまった靴先が謎の菌にぐずぐずに侵食されていた。
 奥歯を噛み締め、もう一人の猟兵に声をかける。
「悪ぃ、時間を稼いでくれ!」

「はーい、わかったわ」
 そう返す女性は
 シフォン・メルヴェイユ(夢見る少女・f19704)。
 いい意味で自由奔放に生きてきたため、のんびりとした天真爛漫な性格を汚されずに育ったエルフの女性だ。
 楽しい世界を期待して、このグリードオーシャンに訪れた。様々な世界からこぼれ落ちて独自の進化を遂げた島々の世界だ。きっと彼女の心を満たしてくれるなにかもあるだろう。
 そして広がっていくキノコ領域が猟兵たちが島民のキマイラと共に心を込めて舗装した石畳を侵食していくのを目にして、笑顔が曇り言葉が少なくなっていく。

 ユーベルコード:時と空間の先導(トキトクウカンノセンドウ)
 月光も弾くような光に包まれ、シフォンの服装が変化する。人々の信仰を一心に集めるような天使の豪奢な白いドレスに身を包まれ、ふわりと宙に浮き上がる。
 そして月夜にかざす時詠みのトライデントが、ユーベルコードによって増幅された力でフィールドの時の歩みに干渉し、侵食の速度を無理やり抑える。

 もう一方で。
 ユーベルコード:丙型略式履行(ヘイガタリャクシキリコウ)
 まるで大魔法の詠唱のように、エレクトゥスは瞳を閉ざして自らに課す誓いの言葉を口にする。
 内容はこの島の平穏を守ること。誰一人として犠牲者を出さず、誰にも危機を悟らせず、彼らの平穏な楽しい労働の日々を守り抜くこと。
 誓いの言葉の長さ、重さに応じてこのユーベルコードはエレクトゥスに力を与える。もし仮に誓いが違えられたとしても、誰もエレクトゥスを責める者はいない。たった一人、エレクトゥス自身を除いては。

 左腕に装着した超硬連結放熱板が、エレクトゥスの心の熱量を現実のものに変えて放出する。それが熱線のように時の止まったフィールドに飛び、時を読んでいたようなタイミングで解除された時間停止帯をすり抜けて絶対キノコ領域を焼き切り、その中心にいたコンキスタドールを焼き尽くし、骸の海へと還していった。

「履行、完了……!」
 自らに課した誓いを果たし、エレクトゥスは口元に笑みを浮かべて踵を返し、その場を後にする。
 コンキスタドールの消滅によって展開していたキノコ領域は消滅。ぐずぐずに侵食された石畳は元には戻らなかったが、汚染が残っている様子はない。明日にでもキマイラたちが楽しそうな顔で直していくだろう。
 まるでそんな明日を直接目にしたように、シフォンも笑顔で新しい世界を求めてその場を去っていった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2020年04月09日


挿絵イラスト