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ほっといたら100年は生きるワニの島

#グリードオーシャン #メガリス

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「ヤッホーみんな!時世の流れはチェックしてる?」

 グリモアベースにてぽーんぽんと跳ね回るビーチボール、もとい海ということで水着仕様のブランカ・パインはその場にいる猟兵達にそう尋ねてから話を切り出した。

「アタシはあんまりしっかりしてなかったんだけどねぇ、ちょっとしたことでグリードオーシャンに関する予知がぽーんって出てきたんだよね。ってわけで、今日はグリードオーシャンの無人島にご案内するよ!」

 グリードオーシャン。新たに猟兵達に道が開かれた、海と島々の世界。
 この世界では特殊な気象条件故かグリモア猟兵の能力が阻害されているため、既に知られた場所伝いでなければ予知が効かない。また、猟兵を飛ばす召喚能力も現時点では制限されるため、サムライエンパイアから持ち込んだ鉄甲船に乗って目的の場所に行く必要がある。

「まずは予知の内容だけど、無人島に隠されたメガリスを見つけたんだよ。メビウスの輪みたいにねじれた、指につけ辛そうな銀色の指輪が無人島に一つだけある山の山頂に埋まってるらしくてねー。皆にはそれを確保しに行ってもらいたいんだよ。
 でも、コンキスタドール……グリードオーシャンのオブリビオンがね、そのメガリスに狙いをつけてるみたいだから――まとめると、メガリスを探して横取りしようとして来るやつぶっ放してがっちり確保してほしい!って感じだね」

 やってほしい事を伝えた後に、ブランカは現場の詳細な説明に入る。
 今回行くことになる無人島は楕円形で真ん中に三角形の切り立った山が立つ、シャチやサメが海面近くを泳いでいるような形をしているらしい。
 さほど広くは無い小島と言っていい島だが、メガリスの影響で生き物たちが頑健化しており、食料として狩られる以外の死亡ルートが存在しない状況らしい。

「これで何が起こってるかって言うとね、現在島の頂点に立つワニの楽園と化しているのよね。小さいワニ以外は狩られることが無いって状況のせいで大きく育った連中がひしめいてるのよね」

 メガリスの埋まる山には危険を感じるのか近寄らないらしいが、その分山以外の場所では普通に歩くだけでは突破できないほどにひしめいている。
 メガリスを確保するためには、ワニたちに対処する必要があるだろう。

「あとはー……桜の木がたくさんあるのと、鉄甲船貸してもらう交渉がてら現地で聞いたら遠目でもいつも咲いてるらしいから、サクラミラージュから落ちてきた島っぽいね。年中無休の桜っていったらあそこだし。
 島の名前は付けられてないみたいだから、アタシの独断で"和邇櫻島"って呼ぶことにするよ。捻りはないけど、わかりやすんじゃないかね?」

 その和邇櫻島だが、近くの島から小一時間ほどかかる場所にあるようだ。ゆえに到着まで、猟兵達には鉄甲船で時間を潰してもらう事になる。
 そして、とても重要な事なのだが……メガリスの影響は、島の近くの海まで及んでいる。
 つまり、島の周囲の魚を含む海産物も頑健化して大きく育っている。

「……わかるね? 到着までは!お魚パーティー!!します!!!
 いいお魚が釣れるし、猟兵なら危険生物泳いで来ててもワンパンで倒せるから素潜りで狙ったのを獲ることも出来る!このお魚食べ放題の機会を活かさないわけにはいかないでしょ!
 お魚の料理に強い料理人も船に乗せるから調理はお任せしてオッケー!あ、でもこだわりのある子は自分でお料理するのも良いかもね」

 ブランカ本人は危険回避のため同行しないが、そもそも好物が山盛りの時点で猟兵達の他の時間のつぶし方を考える事も出来なかったらしい。
 熱意を込めてお魚パーティーの事を語るだけ語った後、ふと冷静になったのかコホンと咳払いしてシメに入る。

「んっ……んん……コホン……ま、まあ、本題はお魚で英気を養ってもらった後なんだけど……皆の力が必要な事なのは確かだから、力を貸して欲しい。皆、メガリスの確保、頼んだよ!」


碧依
 こんにちは、碧依と申します。
 今回はグリードオーシャンの無人島で、メガリスを確保するシナリオとなっております。OPの説明と逆順になりますが、シナリオの流れは以下の感じです。

 一章で日常、お魚パーティー。
 二章で冒険、ワニさんパニック。
 三章でボス戦。

 ……と、なっております。基本的には気楽な感じの内容になると思います。
 それでは、皆様のご参加をお待ちしております。
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第1章 日常 『海鮮会戦』

POW   :    魚を素潜りで獲って食べる

SPD   :    魚を釣って食べる

WIZ   :    魚を自分で調理して食べる

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🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ナーシャ・シャワーズ
ハハッ、ワニねぇ。最近どこかで聞いた気がするぞ。
桜には気をつけにゃあならんかもな。
ついでにバナナも持っていくかい?

さて、この海には大物がいるんだったか。
のんびり糸を垂らしてたら竿ごと持っていかれちまいそうだ。
が、釣りって奴はあくびの一つもしながら当たりを待つってのが私の信条さ。
のんびりとその時を待つとするさ。

さて、見事にお魚さんが食いついたらそこからが勝負。
弱らせるなんて悠長なことは言わんぜ。
一本釣りって奴でイチコロだ。

カルパッチョ、アヒージョ、ムニエル……
船の上で望むには少しばかり手間がかかるか?
だがまあ、この船に乗るといったからにはやって見せてもらおう。
出来上がりを楽しみにしてるぜ。



「ワニねぇ、どっかで聞いた気もするし桜もちょっと気になるが……ま、先ずは釣りだね」

 和邇桜島に向かう鉄甲船の上、進行方向へと視線を向けるのはナーシャ・シャワーズ。今回の話を聞いてこの船に乗り込んだ猟兵の一人である。
 ナーシャは身体と視線を大海原へと向け、魚たちが待ち受ける海へ向けて釣竿を振った。

「さーて、どんなものがかかるかね。ホントに大物ばかりなら、のんびり釣り糸垂らしてたら持って行かれそうだ」

 言葉の内容とは逆に、ナーシャは椅子替わりの木箱に腰を下ろして伸びをする。
 釣竿を支えながらも欠伸をこぼし、時折毛先に淡く寒色の入ったブロンドの髪を手櫛で整える。
 その姿は明らかなリラックス状態だが、感じ取れる者ならばすでにユーベルコードを展開していることがわかる。とはいえ、その効果が出るのはもう少し後である。

「……ワニと聞いて用意したバナナも、釣り餌にしたら何かかかるかね?」

 暇を味わうかのように、思考も身振りもゆったりと過ごすナーシャ……だが、釣竿がグイと引かれた途端に立ち上がり、不敵な笑みを浮かべる!

「よし、ここからが勝負だよ!」

 彼女の釣りのスタイルは、大勝負型の一本釣り!甲板をしっかり踏みしめ、必要なタイミングと力の入れ方を適切に見切り、ユーベルコードで得ていた身体能力を思い切り揮って、高く、大きく釣竿を引き上げる!

「さあ、来いっ!」

 派手な水音と高い飛沫を上げながら、大きな鯛が宙を舞い――そして、甲板の上にそのまま叩きつけられるように釣り上げられた!

「おっ、良いのが釣れたね。おーい、料理人はどいつだい?」

 ナーシャの呼びかけに応えた男達に鯛を渡し、彼女は次々と料理をリクエストする。

「それじゃあ手始めにカルパッチョと、ムニエル。それから、もうちょっと釣る気だから切り身をいくつかとっといて後のと一緒にアヒージョを頼むよ」

 彼女が望んだのは、近代設備ではない鉄甲船の上では少し手間がかかるものばかり。
 しかし、レシピ自体は何を頼まれてもいいようにと事前に与えられていたこともあり、料理人たちはナーシャに向けて応と答えた。

「良い返事だ。腕がいいって聞いてるし、この船に乗るといったからにはやって見せてもらおう。それじゃあ、出来上がりを楽しみにしてるぜ」

 ナーシャは料理人たちを見送ると、更なる大物を釣り上げるために再び大海原に向かう。

「後のもあるって宣言したことだし、もう何匹か釣り上げたいね」

 次なる勝負を心待ちにするかのような笑顔で、彼女は再び釣竿を振った。

成功 🔵​🔵​🔴​

六式・歳蔵(サポート)
 妖狐の剣豪×闇医者、50歳の女です。
 普段の口調は「女性的(私、あなた、~さん、なの、よ、なのね、なのよね?)」、独り言は「無口(わたし、あなた、呼び捨て、ね、わ、~よ、~の?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
基本あほの子です。明るいが、落ち込むのも早く、立ち直るのも早いです。ただし戦闘中は真剣そのものです
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!


ルナリリス・シュヴァリエ(サポート)
何かお困りですか? 私は旅の聖剣使いです
誰かの力になりたい、そんな思いから猟兵活動をしています
私で良ければ力になりましょう。

お人好しな性格で、並みいる敵を聖剣でなぎ払い、罠やトラブルは体当たりで乗り越えていく
そんな突撃隊長的なキャラクターです。
そして古今東西のゲームに登場する神器や宝具を具現化(所持アイテム)して、その力(技能)を生かした活躍をします。

あとはお任せで、よろしくおねがいします。



 ざぱんっ!と、激しい水音を立てて一人の猟兵が海から甲板へと跳び上がった。
 彼女の名は六式・歳蔵。ぴょこんと跳ねた頭頂部の毛束と、妖孤らしい耳と尻尾が特徴の猟兵である。

「一回の潜水でひーふーみーよー……七匹!」

 彼女はぷるぷると耳と尻尾の水滴を振り払ってから、自身の戦果を見て楽しげに笑う。

「これはなかなか……息も続いたし、わたし素潜りの天才じゃない?これは他の猟兵にもみせ――」

 楽しげに揺れていた尾が、はたと止まる。さらにはしゅんと垂れる。
 歳蔵は、この船上に顔見知りときたわけではない。だというのに、乗り合わせただけの相手にテンション高く魚を押し付けるのは少し問題があるのではないか?と幼い見目に反して長生きな歳蔵は思い至ってしまったのだ。
 気付かぬままなら突撃できただろうが、気づいてしまうと耳も尻尾もどんどん下がる。ここから立ち上がってテンション高く素潜りしても、誰とも共有できないのはやはり寂しい……かといって、その辺にいる誰かを捕まえるのも申し訳ないような気がしないでもない……と、へこみがつづく歳蔵に救いの声がかけられた。

「あの、大丈夫でしょうか?」

 かけられた声に反応して、耳がピンと立つ。歳蔵が声の方を見ると同じく一人で来たらしい猟兵、ルナリリス・シュヴァリエの気遣わしげな瞳と目が合った。

「お?わ、私に、なにか?」
「申し遅れました、私はルナリリスと申します……なんだか気落ちしていたようですが、どうかなさったのですか?」

 ルナリリスは歳蔵を幼子扱いして心配しているのではなく、この船の同乗者――すなわち、猟兵として対等に見たうえで様子を気にしている。
 幼子に対する視線であれば、歳蔵は怒りはじめたのだろう。だが、声色と表情から決して舐められているのではないとわかった歳蔵は、ルナリリスと対話をはじめた。

「……料理や食事が一人だと実感して、多くとってもなぁって気持ちになっちゃったのよ。潜ってくるのは楽しかったんだけど、その先どうしようと思っちゃって」
「なるほど、調理の面での不安ですね?」
「ちょっと違……いや、料理人に預けても料理が来たときいなかったら困らせちゃうわね」
「協力者が欲しいという事でしたら、私で良ければ力になりましょう」
「いいの?じゃあ、お願いするわね!」

 ルナリリスと協力を結べたことで、歳蔵の耳と尻尾がピンと立って復活する。そのいきおいのままに、いっぱいとってくる!と言い残して再び海に飛び込む歳蔵を見送ると、ルナリリスは残された魚と共に厨房へと向かった。

「しかし……どうしましょう」

 キャンプに関する知識と技術はあるため、野営の食事は万全のはずだが……料理人が別の猟兵のリクエストに応えていたものと同レベルのものが作れるかというと、即答できない。
 だが迷い続けるわけにもいかない。実際に歳蔵から託された魚は目の前にあるのだ。

「……思いついたもの以外は保管しておきましょうか」

 まだシメてはいないためギリギリ息のある魚たちのうち、調理法が思い浮かばないものに手の甲をあてて異世界へと転送する。
 ユーベルコード製の美少女ゲーム空間に送られたお魚がどのような恋や冒険を送るのかはわからないが、こうすれば鮮度は落ちないはずである。

「基本的に思った通りに作用するはずですから大丈夫……でしょう。多分」

 向こうで食べられてしまう可能性がよぎるが、そっと頭の片隅に追いやる。
 向かうべきは手元にある魚。ルナリリスはプリプリに身の張ったアジを三枚におろしはじめた。

「凝ったものよりもまずは素材の味をいただきましょう。鮮度抜群の物が揃っているなら、刺身という選択は外せません!」

 本当に処理を通さない生魚は危険というのが一般認識であり、当然その意識はルナリリスにもある……が、彼女には勝算がある!

「この目が、悪い部分を一つも見逃しません!力になると決めた以上、美味しく安全な料理を作り上げて見せます!」

 そう、彼女の的確な視力と見切りであれば、危険な部位を取り除くことができる!
 猟兵が技能として名乗れるほどのそれらであれば、損傷個所や寄生虫を除くのは容易いと言っても良いだろう!それを証明するかのように、周囲の料理人からもルナリリスの作ったアジの片身に感嘆の声が上がった。


 数十分後、同じ卓をかこんだ歳蔵とルナリリスは刺身盛りを中心とした料理に舌鼓をうっていた。

「美味いっ!あなた、料理が上手なのね!」
「素材が良かったからですよ。調理は料理人の方々に聞きながらのところもあったのですが……歳蔵様に気に入っていただけたようで良かったです」

 自分の取ってきたものが美味しく調理されている事に喜ぶ歳蔵と、それをみて微笑むルナリリス。
 互いに互いの仕事を認め合って一時を共有する彼女らの耳に、不意に「見えてきたぞ」という声が飛び込んでくる。
 二人が思わず声のした方を見と、帆の向こう側に、和邇櫻島の鰭のような山が顔をのぞかせていた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第2章 冒険 『ワニの大量発生』

POW   :    ワニを倒して進む

SPD   :    ワニの背中を渡っていく

WIZ   :    ワニを誘導して道を空ける

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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

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※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 和邇櫻島は船が停泊できるほどの港がない小島である。
 故に、ある程度離れた個所から小舟をおろし、猟兵達は島へと近づいて行くのだが……遠目で見ても、桜色の島の地面が何かで覆われているのがわかる。
 さらに近づけば、そのなにかは巨大な生き物たちがひしめき合っている物だといやがおうにも認識するだろう。

 小舟を接岸させて猟兵達は和邇櫻島に降り立つ。
 事前に聞いていた通り、そこはワニの楽園……あるいは、監獄だった。

 接岸させた場所から見れるワニはどれもが7メートル近い大きさで、口はどちらかと言えば鋭く見える形をしている。詳細な分類まではわからないが、おそらくはクロコダイル科のワニだろう。
 それらが大きい物ばかりいるという事は、育ち切っていない小さなワニは――この島にはワニが多すぎる上、新たなワニを育成するためのスペースも餌も無い。そういうことだろう。

 まだ寒さの残る時期であるために、同族食いも厭わぬ飢えたワニたちの動きは鈍い。
 それでも危険と言わざるをえないこの島の、背鰭に似た山頂を目指して猟兵達は一歩を踏み出した。
アステリア・マグナ(サポート)
『私の剣が誰かの役に立つのなら、頑張ります!』
『難しい事はちょっと苦手です……』
『おじいちゃんから教わった、この技があれば!』

アステリア・マグナは剣闘士だった祖父から剣術や斧術を習った若い女戦士です。
元気で礼儀正しい良い子ですが、あまり知恵が回る方ではないので、頭を使う事や特殊な技術が必要な事は苦手です。

人が良いので、困っている人が居れば積極的に助けに行くでしょう、
また、義憤に駆られて戦いに赴く事もあるでしょう。
遊んで良い場面では元気一杯に遊びます。

年齢相応に異性に興味も有りますが、根が真面目なので猟兵としての使命を第一としています。
カッコいい仲間が居れば、見惚れるくらいはするかもしれません。


樋島・奏弥(サポート)
一人称 俺
二人称 貴方、名前+さん

基本的に言葉尻は「〜だ」「〜だな」「〜(言い切り)」

基本的にはサポートに徹し、補助、情報収集、戦闘時の索敵や手助けを行います
その際己の怪我は気にせず、攻撃を行うこともあり。
ユーベルコードもその為に使用。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
《寡黙だが人見知りではなく、人の役に立ちたい系》
「…こっちか?…いや、あっち…
「…情報収集してきた。共有しよう
「…無理するな。
「…無事?…なら、よかった
「大丈夫っ、まだいける!

 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



 ひしめくワニ。寒さからか緩慢ながらも、猟兵達に向く視線。

「うっ……全部が全部敵意ではないみたいですが……」

 アリステア・マグナは祖父から戦いの技術を学ぶ際に身に着けた感覚で、それらの視線が決して友好的ではない事を感じる。
 危機感に強い野生生物ならば猟兵達の強さを感じ取り道を開ける可能性もあったが、彼らはあまりにも長く島における強者でありつづけた。故に、猟兵達に対して譲る感覚を抱けないどころか、彼らを餌として認識しているようだ。

「なんにせよ、このままではいけませんね……突撃します!」

 アリステアはそう宣言すると、愛用のロングソードを手にワニたちの中へと突っ込んでいき戦端を開く!
 危険を感じ取れた賢いワニや、勢いに押されて身じろぐワニが明けた隙間を駆け抜け、自身と敵意に満ちた大口を開け迎え撃とうとするワニの鼻っ柱を薙ぎ払う様に叩く!
 退けばよし、そうでないなら血を見ると言わんばかりの真っ直ぐな最初の一歩。それを踏み出したアリステアに続くように、猟兵達も各々がワニの群れへと対峙していった。

 アリステアのあとに続くように踏み出した猟兵の一人、樋島・奏弥は自身の血を武器に与え、強化を施してからワニ達を退けはじめる。
 しかし、彼の目的は障害となるワニを減らすことそのものではない。ユーベルコードによる武器の強化で、戦闘面での余裕を作り出す。それは、周囲の確認の隙をつくるためであった。
 奏弥を狙う丸太のような太い尻尾を躱し、厚い皮ごと骨を砕くかのような一撃を返しながらも、彼はこの島の状況を確認する。

(……田の痕跡があるな。……そもそも、大型の鉄甲船が接岸する余裕はなかったが、小舟を留める場所はある……いつ無人化したかはわからないが、ここにはかつて人が住んでいたはずだ)

 密集するワニでわかりづらいが、高低差を見れば田んぼとその間を区切るように存在する畦道の痕跡を見つけることができる。
 となれば、山へ踏み入るための道もあるのではないだろうか?
 そのようにあたりを付けた彼は、先へ先へと進みながら山の方へと視線を向ける。見逃さぬようにつぶさに観察すれば、朽ちかけた2本の丸太にみえる鳥居の痕跡と、そこから山の上へと向かうように石や砂利を敷いてあったらしい道らしきものが見て取れた。

(……あった)

 別の山頂に向かうルートもあるかもしれないが、既に敷いてある道という導があればこの後の戦闘への体力も残せるだろう。そう判断した奏弥は、情報の共有のため引き返そうと足を止めた。
 寡黙故に普段大声を出すことが少ない奏弥は、可能な限り深く息を吸おうとする――が、そこにワニが襲い掛かる!

「――っ?!」

 吸いかけていた息を止め、身構える奏弥!大口を開けるワニ!
 しかしそこに、3つ目の要素――どこからか投げられた手袋が、ワニの鼻先に当たる!

「"動くな"っ!」

 少女の声が続いた直後、手袋を払おうと頭を振ったワニが手袋を起点とするように吹き飛ぶ!
 あまりの異様さに、周囲のワニが退く。そんな、僅かにあいた空間の中心となる奏弥のもとに駆けよったのは、アリステアであった。そう、ワニに向けられた手袋とその後の攻撃は彼女のユーベルコードによるものだったのである!

「大丈夫ですか?」
「……ああ、すまない。……山の上へと向かう道を、みつけた。丸太が2つ立っているような場所……そこが入口だ」
「それを伝えるために戻ろうと?」
「……そうだ」

 少し考えて、アリステアは再度口を開く。

「出来るだけ多くの人に伝えた方が良さそうですね、私も手伝います!」
「……頼む」

 アリステアの申し出に、奏弥は頷く。
 彼らが今いる場所も、まだワニの群れの中。この量を相手取るのならば、その対処のみに集中できたほうが突破の可能性が高くなるはずだ。

「では、私は戻ります!あなたは進んできている人に伝えてください!」
「……ああ、そうする」

 最初に群れに突っ込んだ時と同等の勢いで取って返すアリステアと、進んでいる猟兵を探しながら群れの中を往く奏弥。
 一時の邂逅を経て、二人の猟兵はまた別々の方向へと向っていった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ルナリリス・シュヴァリエ
みんな、お腹がすいているのですか?
大丈夫です、何とかしてあげますから。
ワニ達にそう約束した私は、半分くらいのワニに移住してもらおうと考えて行動します。

ただ、それにはワニ達にUC異世界転送を受け入れてもらう必要がありますので
#ヒロインオーラの優しさと慰めがワニに通じるよう#ホーリークロスに祈りながら
順番に手の甲で触れて、ワニに対して異世界転送を試みていきます。

もし攻撃してくるワニがいるようなら
聖属性の魔力を溜め始める聖剣をぽんぽんして宥めた後
パワーグローブの怪力による祝福されし荷物袋の重量攻撃で気絶してもらいます。

あとは、お腹がすいて弱っているワニがいれば
前章で異世界転送した魚を戻して与えます。



「みんな、お腹が空いているのですか?」

 そのようにワニたちに声をかけるのはルナリリス・シュヴァリエである。
 彼女は飢えに喘ぐ生命を救おうと、人の言葉の通じないワニたちに凛とした声で語りかける。

「大丈夫です、何とかしてあげますから」

 人が一人一人違うのと同じように、ワニにも性格差がある。先へ先へと進む猟兵達に手出しをしなかったワニたちは、受け入れてくれるかもしれない。
 ルナリリスは慰めが伝わりますようにと祈りながら、優しさを伝えるべく美少女オーラをしっかりと纏い、銀色に輝く十字架を握った。

「私と、私の行う事を信じてください。きっと、あなた達の未来が拓けます」

 語りかけながらユーベルコードの力を解放し、近くにいるワニ達にそっと手の甲を当てていく。
 身じろぎして拒絶するワニもいたが、逃げずにルナリリスに触れられたワニは彼女の故郷でもある異世界へと旅立って行った。

「あなたも逃げませんね、異世界に連れて行って差し上げ……あら?」

 ルナリリスは転移活動を続けるうちに、巨大だが異様にやつれたワニにいきあたる。
 この島の動物は、メガリスの影響で異常なまでに頑健になっている。このワニのように空腹が限界を超えてあらゆる気力を失った後も、殺されなければ死ぬことが許されず生き続けてしまう。
 本来であれば淘汰される命が、悲しみに暮れたかのようにルナリリスの前に留まっていた。

「……あなたは向こうに行く前に、腹ごしらえをしましょうか。新鮮な良いお魚を譲ってもらったんです。食べて、元気になって、新しい場所に向かいましょう?」

 鉄甲船上で異世界に転送していた魚を取り出し、目の前のワニの口に入れてやる。巨体のワニは何年ぶりかの食事の後、大人しくルナリリスの導きにその身を任せた。

「もしかして、他にも――っ!」

 他にもこうしたワニがいないかとルナリリスが視線を巡らせると、攻撃的な性格らしきワニがルナリリスをかみ砕かんと大口を開けたのが見えた。
 彼女が攻撃的ではないと見て襲ってきたのだろうが、無論ルナリリスも黙って喰われるようなことはしない!
 彼女は主の危機を守ろうと力を溜めはじめた聖剣――ではなく、自身の持つ荷物袋を利き手に取った!

「ダメですよ、まだあなたの出番ではありません」

 もう片方の手で聖剣をぽんぽんと叩いて宥めながらも、グローブが宿す怪力を使って荷物袋を思い切り振う!
 狙いも、勢いも、良し!大口を開けるワニの鼻面に、祝福による汚れ知らずな荷物袋がしたたかに打ち付けられた!

「……よし、ちゃんと沈黙してくれましたね」

 衝撃で気絶したワニを確認して一つ息を吐いたルナリリスは、再び説得のために自身の纏うオーラを整え、ワニたちに異世界への移住を勧めていった。

成功 🔵​🔵​🔴​

リヴェンティア・モーヴェマーレ(サポート)
サポプレ

▼アドリブや他の方との絡みモリモリの盛り大ジョブです

▼性格
いつも笑顔でほわほわのぽやんで楽観的な元気っ子

▼口調
なのでス、でショウ、なのですカ?
等、文章の語尾や途中に1、2文字カタカナが入る
挿入箇所はお任せ
『~な気持ち』が口癖
敵に対しても「さん」付けする

▼武器、アイテム
戦闘時以外は動物の形をとっている子達が多く
会話や意思の疎通もします
動物達の方がしっかりしてる説があるやも…
(踏ん反り返る動物達)

▼得意
情報収集
ハッキング
支援

▼好き
家事全般
動物

▼戦闘
後衛に居る事が多く
後方から援護射撃やオーラ防御での防衛サポを好む

▼NG
過度なエロ
(尚、羞恥心がぶっ飛んでるので恥ずかしがると言うことは無いでス)



 小舟から降りずに先を行く者たちを見ていた一人の猟兵が、自身の策を固め島の地面に足をつける。
 彼女の名は、リヴェンティア・モーヴェマーレ。
 動物好きであるが故にワニとの直接戦闘以外の方法を模索していた彼女の思考が、ワニたちが空腹であることとすべてが敵対的ではないという二つの情報を得て一つの答えを導き出したのだ。

「ケンカはしたくない気持ちなのでス……ですカラ私の彼らに退いてもらう方法は、これデス! 光無き燈火・円環の理・小さくも大きな刃を持つ我が子よ。この世界にその姿を見せよ」

 詠唱に合わせ、状況にあった小動物を召喚するユーベルコードが発動!リヴェンティアの手のひらの上に、トビネズミが召喚される!

「マァ!私のしたいコトにあった子が来てくれましたネ!ええと……ちょっと危険でスが、君にはワニさんたちをひきつけて、通るための隙間をあけて欲しいのデス」

 動物会話の技量を使ってトビネズミに話しかけると、トビネズミは「まかせた!」と言わんばかりに勢いよくリヴェンティアの手から跳び下り、敢えてワニたちの目の前を横切るようにしながら跳ねて行く。
 すると目の前を敢えて横切る小動物の誘惑に抗えず、行動的なワニたちはその姿を追いはじめた!

「順調にひっかかってくれてマスね。デモうちの子は皆賢いノデ、食べようとしても一筋縄ではいきませんヨ?」

 そう言ってくすっと一つ笑った後、リヴェンティアは目立たぬように気配を殺しながら、誘導で出来た隙間を進む。
 とはいえ、それでも誘導に乗らない、あるいは乗れない元気のないワニは乗り越えるか回り込むしかない。

(……そういえば、こういうワニさんに声をかけていた方がいましたネ)

 自分より先に行動を開始していた猟兵のことを思いだしたリヴェンティアは、ふと思い立ってワニ達に動物に伝わる声で声掛けする。

「あなた達を助けてくれる猟兵さんモ、居ますヨ。スグに来てくれるハズですから、その人の事を信じて任せると良いデス」

 その言葉でワニ達の目に少し気力が宿る。

「私は先を急ぎますカラ、少しだけずれて貰っても良いですカ?」

 情報提供に報いるように、新たな隙間がうまれる。
 そうしてリヴェンティアは再び、ワニたちの隙間を縫うように先に進んで行った。

成功 🔵​🔵​🔴​

ナーシャ・シャワーズ
ほーお、見渡す限りワニ、鰐、わにと。
聞いたことがあるぞ。
こういう時はその背をひょいひょい乗り継いで渡るもんだとな。
ま、嘘つきのウサギはそれで痛い目を見たらしいがね。

私はご覧の通り正直者だ。
も一つついでに言わせてもらえば
ワニに食われてやるほどすっとろくもない。
それじゃあ、ささっと山頂を目指すとしようか。

だがまあ、こうやって跳ねているばかりじゃあ面白くない。
ワイヤーガンを射出して
ターザンの要領で空を駆けるってのはどうだい。
誰が見てるかもわからんのだ、演出って奴は大事だぜ。

それにしてもよく育ったもんだ。
ワニ革ってサイズが大きければ価値が出るもんだったかな?
帰りに何匹か仕留めていくのも悪くないかもね。



「ほーお、見渡す限りワニ、鰐、わにと。これは聞いたことがあるぞ」

 先駆けとなった猟兵達を見送りつつ、ナーシャ・シャワーズは目の前の状況と以前耳にした昔話を重ねあわせる。

「こういう時は、その背をひょいひょい乗り継いで渡るもんだとな――無限跳躍機構、オン」

 ナーシャはユーベルコードとともに自身のブーツに仕込まれた無限跳躍機構を起動させ、軽やかに宙へと跳ね飛んだ。
 動くものの気配にワニが反応するが、ナーシャは気にすることなくそうしたワニの背を飛び石として、島の中央にある山の方へと向かっていく。
 彼女に背を蹴られたワニ達が怒ったように尻尾を振ったり大口を開けるのを見ても、小さく口元に笑みを浮かべるだけで恐怖は欠片も見当たらない。

「嘘つきのウサギはそれで痛い目を見たらしいがね。私はご覧の通り正直者だ」

 昔話の内容に沿うのならば、和邇の背を渡った兎はだまされた和邇を笑って怒りを買い、痛めつけられる。
 しかしナーシャは兎のようにワニを騙しておらず、最初から彼らの上を跳んでいる。
 さらに兎は陸ならば安全だと和邇に対して油断したという点もあるが……こちらもまた、回避能力と察知能力をしっかりと働かせるナーシャと縁のない話である。

「そもそも、ワニに食われてやるほどすっとろくもない。  ハハ、それでもやろうって奴がいるようだな?今の私は嘘つきの兎どころか月の兎にも負けはせんぞ?」

 跳び進む先で待ち構えていたかのように上げられた上顎をひらりと避け、お返しとばかりに鼻先を軽く蹴って再び宙に跳ぶ。

「鼻先でも跳ぶのに問題ない安定感とは、本当によく育ったもんだ。ワニ革ってサイズが大きければ価値が出るもんだったかな?帰りに何匹か仕留めていくのも悪くないかもね――ふむ」

 帰りの予定を考えつつも、跳ねているばかりじゃあ面白くないとばかりに腕輪に仕込まれたワイヤーガンを射出し、桜の枝にワイヤーをとりつけた。

「――演出って奴は大事だぜ。なぁ?」

 その呟きとともに、ワイヤーを利用して大きく揺られ、桜吹雪を生み出しながら空を駆ける!
 派手な移動をするナーシャに気づいたのか、下方から別の猟兵が彼女に声をかける。ナーシャもそれに気づき、次の桜の枝の上で一旦留まった。

「どうした?  へぇ、あのボロの丸太が立ってるあたりに道がありそうだと。……そうだね、私が一番先に向かう事になるだろうから、何か危険なものがあればついでに除けておくよ」

 先の地形の情報を受取ったナーシャは、先の事を請け負うと枝を蹴って再び宙へと跳び出す。
 そうして彼女は楽しげに、どこまでも自由を感じさせながらワニの群れを抜け、そのまま山頂へと向かっていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『海賊キャプテン・シックス』

POW   :    『これはサシの勝負だ!手を出すんじゃねえ!』
【指定した対象以外から攻撃を受けた場合、】【自身の寿命を代償に自身の全能力を6倍に】【する呪いのメガリスの力】で自身を強化する。攻撃力、防御力、状態異常力のどれを重視するか選べる。
SPD   :    『こいつ(ら)はてめえらの好きにしていいぞ!』
【性別種族年齢を問わない屈強な手下たちに】【マヒ・催眠・石化・肉体改造・幻覚・】【物理耐性・魔法耐性・状態異常耐性の能力】を宿し超強化する。強力だが、自身は呪縛、流血、毒のいずれかの代償を受ける。
WIZ   :    『てめえらの命は無駄にしねえ!』
【手下たちの命と肉体】を使用する事で、【触手・触碗・ひれ・サメ牙】を生やした、自身の身長の3倍の【太さの触手を持つサメ・タコ・イカのキメラ】に変身する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はロニ・グィーです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 無事にワニの群れを抜け、山を登った猟兵達は山頂が平たくなっている事に気づくと同時に、その中央に不思議な力があるのを感じた。
 彼らが力のある場所を狙って各々の武器や技で深く穴を掘ると、案内時に聞かされていたのと同じような形の捻じれた環が見つかる。
 これがこの島のメガリスだと全員が認識した直後、猟兵達が登ってきたのとは逆方向からバキバキと木の枝を踏み砕く音が聞こえてきた。

「待っていたぜ!メガリスが出土するこの時を!」

 声とともに現れたのは、海賊であることを主張するかのような格好のコンキスタドール。
 殊更に大きく育ったワニを10匹ほど引き連れたそれは、仮面越しでも伝わる程の憎しみの視線を猟兵達に向けていた。

「穴を掘るワニの手がたりなかったからテメェらに先を越されたが……目を付けたのは俺の方が先だ。返してもらうぜ、俺様のお宝をよ!」

 身勝手な言葉と共に、コンキスタドールことキャプテン・シックスは鞘から半月刀を抜く!
 猟兵達もそれに対峙すべく、戦意の姿勢を取った!
ナーシャ・シャワーズ
ほー、宇宙海賊の上前をはねようってのかい。
ま、海賊ならそれもいいだろう。
だが宝を先に手に入れられなかったから、ってのは情けないね。
奪うなら奪うで最初っからそのつもりでどっしり構えてればいいものを。

おまけにこのか弱い乙女を相手にぞろぞろと手下を引き連れてまあ。
口説きに来るなら一人で来なよ。
ほれほれ、怖いのかい。

さて、何で勝負する?
コインか?飲み比べか?
いやまさかそうじゃあるまい。

私はロマンとスリルって奴が好物でね。
こうやって自分を追い込むのもその一環さ。
逆転劇、ってのは盛り上がるだろう?

このソウル・ガンは魂の力をエネルギーとする。
私の心はいま、激しく燃え上がっているんだ。
お前に耐えられるかな?



「ほー、宇宙海賊の上前をはねようってのかい。ま、海賊ならそれもいいだろう」

 身構える者たちの中、コンキスタドールの登場した方向に踏み出したのはナーシャ・シャワーズである。彼女はユーベルコードを静かに発動させ、力の原型めいたものが己の中で揺蕩う感覚と共に歩みを進める。
 続こうとした猟兵に留まるように手ぶりで伝えながら、ナーシャは敵に向けて言葉を重ねた。

「だが、宝を先に手に入れられなかったから、ってのは情けないね。奪うなら奪うで最初っからそのつもりでどっしり構えてればいいものを」
「ああ゛っ?!なんだお前は!一人で俺達を相手取ろうってか?」

 宇宙と海、違う場所での活動ではあるが海賊である上で情けないと言われたキャプテン・シックスはその威を取り戻そうとするかのように後ろのワニ達に威嚇させる……が、当然ナーシャはそんなものに恐怖することは無い。
 それどころか、彼女は生温い笑みで受け流しながら挑発めいた言動を続ける。

「おまけにこのか弱い乙女を相手にぞろぞろと手下を引き連れてまあ。口説きに来るなら一人で来なよ。ほれほれ、怖いのかい?」
「……その喧嘩、買ってやる。サシで勝負と行こうじゃねえか!」

 馬鹿にされた怒りからか、ユーベルコードの発動すらも忘れたキャプテン・シックスは腰を落とし、抜き身の半月刀を構えて低い姿勢で駆ける!

「さて、何で勝負する?コインか?飲み比べか?いやまさか、そうじゃあるまい。」

 急接近したキャプテン・シックスが半月刀を振り抜く!一体で強大な敵となるタイプのオブリビオンの脚力は強く、それが威力として乗った半月刀で切り裂かれれば半端なダメージでは抑えられない!
 ……そのはずだったのに、ナーシャを切り裂かんとした刃は、空を切っている。
 スピードも力も申し分ないはずの一撃、目で見切ったとしても身体が追い付けぬと自負していたはずの攻撃を外したことにキャプテン・シックスは大きな動揺を見せる!

「なっ?!どこに「私はロマンとスリルって奴が好物でね」

 眼前に居たはずのナーシャの声が、何処からか降ってくる。

「こうやって自分を追い込むのもその一環さ。危機一髪からの逆転劇、ってのは盛り上がるだろう?」
「くそっ、どこだ……!!」

 巡らせる視線が上空近くへと移行した時、ようやく彼はナーシャの姿を捉えた。
 山中の木々、その枝の一つにワイヤーガンを使って飛び移っていたナーシャの腕にはエネルギー銃が装着されている!
 そう、自身の余裕のために敢えて作った不利な状況がキーとなり、ナーシャの身体能力はすでにユーベルコードによってグンと強化されている!それを瞬発力として利用すれば、意識に身体を追いつかせ、敵の想像をはるかに超えた速さだって生み出せるのだ!

「このソウル・ガンは魂の力をエネルギーとする。私の心はいま、激しく燃え上がっているんだ。お前に、耐えられるかな?」

 唖然とする敵に向け、外さぬ狙いでナーシャの一撃が射出される!
 一発逆転にふさわしいロマンの一撃が、キャプテン・シックスを捉え貫き、吹き飛ばした!

「……思いっきり風穴が空いていたから、このまま畳み掛けるのが良さそうだね。次の一撃を任せるよ」

 相手がワニの群れに突っ込むようにしてようやく止まったのを確認したナーシャは、枝から飛び降りると次に向かおうとする猟兵の背を、バトンを渡すかのように軽く叩いた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

五曜・うらら
古来より、こういった輩が己の不利を悟ったときにどうするか。
答えは、数を頼りに攻めてくる、ですっ!
いいでしょう、私がお相手いたします!

私の操る刀は宙を舞い、ワニたちを近づけさせません!
いかに面妖な力を得ようと、当たらなければ無意味ですっ!

私の刀を手下と呼ぶのは些か不服ですが……
その力、技。
全て模倣し、そっくりお返しさせていただきましょうっ!
同等の力を宿した刀ならば、あとは実力勝負です!
わにさんたちに恨みはありませんが、これも戦ですっ!
覚悟していただきましょう!

さて、なかなかに負担の大きい技のようですが……
あなたもそろそろ苦しくなってきたのでは?
刀の結界はあなたを捕らえていますっ!
まだ続けますか!



「はいっ!任されました!」

 先手を担った猟兵にそう答えると、幾本もの刀を携えた少女、五曜・うららは真っ直ぐに踏み込み、ワニたちの間から這いだすキャプテン・シックスへと迫る!

(古来より、こういった輩が己の不利を悟ったときにどうするか……答えは、数を頼りに攻めてくる、ですっ!)

 駆けながら、うららは自身の周囲に抜き身の刀を浮かべる!
 そのまま切先を向けると、敵は焦ってユーベルコードを発動させた。

「ぐっ?! おい、手下ども!!こいつはてめえらの好きにしていいぞ!っていうか力をくれてやるからテメェらがこいつをヤれ!!」

 彼の言葉の直後、ワニたちは超常の力で強化され筋肉が歪に盛り上がる!凶暴性を後押しされたそれらは、示されたうららにむけて牙をむいた!

「そう来るのは、わかってましたよ!いいでしょう、私がお相手いたします!」

 キャプテン・シックスの言葉に応じたワニ達に向けて、うららの刀たちが宙を舞う!
 とはいえ、超強化されたワニに今の状態では傷をつけることは叶わない……だが、そのように敵の力を己の刀で受ける事こそが、うららの狙いである!

「……学ばせていただきますっ!」

 己が念動力で操る刀で敵のユーベルコードを受けたうららは、自身のユーベルコードにてそれを学び取る!
 そしてそのように学び取ったユーベルコードを、刀を通して発動する!

「手下の強化ですか……私の刀を手下と呼ぶのは些か不服ですが……その力、技。全て模倣し、そっくりお返しさせていただきましょうっ!」

 うららの支配下にある刀を一時的に手下と定義したことで、ワニ達とぶつかり合う刀すべてが超強化される!
 それ単体で同等の力を得てしまえば、後は自力のぶつかり合い。であれば――野生のワニを、猟兵であるうららが操る刀たちが上回らぬ道理はない!

「わにさんたちに恨みはありませんが、これも戦ですっ!覚悟していただきましょう!」

 多少の数の不利はあるものの、舞う刀たちは難なくワニたちを薙ぎ、穿ち、自由に動けぬほどの負荷を与えていく!

「ぐぅぅっ?!この゛っ……!!もっと、シャンどしねえ゛かっ テメェら゛!!」

 一方で、叫ぶキャプテン・シックスの声は苦しげにくぐもっている。
 代償を伴うユーベルコードを使用した彼の身を、内から縛りつけるような呪縛が苛んでいるのだ。

「……さて、なかなかに負担の大きい技のようですが……あなたもそろそろ苦しくなってきたのでは?」

 うららにも代償である呪縛は襲いかかっているが、彼女自身は己の武器がもつ破魔の力によってそれを軽減している。
 この時点で、持つ技能による負担の差がキャプテン・シックスにも無視できない域に至ろうとしていた。

「刀の結界はあなたを捕らえていますっ!まだ続けますか!」

 うららの声に、侵略者は言葉でも攻撃でもなく、仮面越しの殺意の篭った視線で答えた。

成功 🔵​🔵​🔴​

火土金水・明
「メガリスを渡す訳にはいかないので、こちらも全力で迎え撃ちましょう。」
【WIZ】で攻撃です。
攻撃は、【高速詠唱】で【破魔】と【継続ダメージ】と【鎧無視攻撃】を付け【フェイント】を絡めた【全力魔法】の【新・ウィザード・ミサイル】で『海賊キャプテン・シックス』を【2回攻撃】します。相手の攻撃に関しては【見切り】【残像】【オーラ防御】で、ダメージの軽減を試みます。
「(攻撃を回避したら)残念、それは残像です。」「少しでもダメージを与えて次の方に。」
アドリブや他の方との絡み等はお任せします。



「こうも好き勝手やられちまうとはなぁ……これじゃあ、ワニ共はまともには生きていけねえ……だが、てめえらの命は無駄にしねえ!俺が直接、お前たちの命を使ってコイツらをやってやるからよ!」

 キャプテン・シックスのユーベルコードが発動!ワニ達の命と肉体が霧のように変化し、キャプテン・シックスへと吸い込まれていく!
 ――良いように使い、使えぬとなったら全てを簒奪する。
 これがコンキスタドールだと言わんばかりのおぞましき行為の果てに、彼の姿はもとの数倍にも膨れ上がった海産物のキメラと言うべき怪物へと変化した!

「ギャハハハハハ!!!どうだ?!多少の穴ぼこや切り傷じゃ、もう俺をどうこうできねえぞ!このままメガリスをいただくぜ!!」
「それは困りますね。メガリスを渡す訳にはいかないので、こちらも全力で迎え撃ちましょう――全ての属性を収束して、今、放つ!」

 魔力を纏いながら次の手を担うように歩み出たのは、火土金水・明!彼女は自身の持つすべての属性を宿した魔力を放つ!
 ユーベルコードの発動直前に仕込まれた高速詠唱の魔法たちと共に、放たれた魔力が一筋の光となって天に向かう。それがぱちんと弾けると、雨のように魔力の矢……新・ウィザード・ミサイルを降り注がせた!

「なんだ?やろうってのかテメ ぇ い゛だだだだっ??!!」

 拡散の動きを見せる矢の一つ一つはそうでもないだろうと油断したキャプテン・シックスだったが、メガリスの呪いも頑強になったはずの皮膚も関係ないといわんばかりに、容赦なく魔法の矢の一本一本が彼を貫いて行く!

 そう、高速詠唱により発動した魔法の正体は、ユーベルコードの強化!それも3つ!
 破魔の付与がキャプテン・シックスの有する呪いのメガリスの影響から矢を守り、鎧無視の付与が分厚い皮を貫き、継続化の付与が矢を敵の肉体の中に留まらせ痛みを長期化させる!
 敵を縫止める事に特化した魔力の矢は、まだ止む事無く降り続ける!

「配下の事を考えずに済むようになったのはありがたいですが、その状態で好きに動かれるのは困ります。動くための余力は、ここでしっかり削らせてもらいますよ」

 メガリスを確保した猟兵が後方にいて、敵にはまだ余裕がある。
 敵には先んじた猟兵達の攻撃による負荷もあるが、それを正しく突くためにも、動きを封じるように全身に痛みを残すべき。
 そう判断した明は、それを行うのに特化した強化を魔力の矢に付与したのだ!

「このぉ……!只じゃ済ませねえぞ!」

 それでもさすがと言うべきか。巨体化し数多の長大な触手を獲た怪物は、明に向けて幾本もの触手を伸ばす!
 ……だが、大半は降り注ぐ魔力の矢によって地に縫い付けられ、辛うじて明のもとに届いたはずの一本も他の触手と同じように空から地へと叩きつけられた!

「なっ?!」
「残念、それは残像です――さて、少しでもダメージを与えて次の方に繋ぎましょう」

 気付けば、数歩離れた位置に移動していた明の言葉の直後。
 怪物の意識が攻撃に向いていた隙を突いて上空へと放たれていた魔力が、ぱちんと弾けて拡散し、再び怪物へと向かって降り注いだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

クレア・フォースフェンサー
コンキスタドールということは、おぬしもメガリスを持っているわけじゃな
それは、その半月刀か、それとも、その怪しげな仮面か
ひょっとすると、海賊帽や海賊服ということもあるのかの?

いやなに、せっかくおぬしがわしらのためにここまで持ってきてくれたメガリスじゃ
傷は付けぬようにせねばと思ってな

人のメガリスを奪いにひょこひょこと出てきたのじゃ
当然、逆に自分のメガリスが奪われることくらいは想定しておろう?

光剣を構え、敵の攻撃を見切りつつ接近
敵がUCを使用した場合は、こちらも周囲に選択UCを展開してその効果を破壊
敵のメガリスのことなど一切気にせずに斬り払う

おぬしのメガリスは傷付けぬようにと言ったな。あれは嘘じゃ


オックスマン・ポジクラーシャ
遅れてすまない。状況は理解した。俺の立ち位置は破壊者だ。
喰らったか……追い詰められて部下をも。
冷静に考えろ。キャプテンを名乗りながら一人で立って何になる。

敵は巨大化している。ならば飲み込んでしまえばいい。
全てを薙ぎ払う、俺の力を見せるとしよう。
待っていろ……その瞬間を。

なんだと! グオォォォーっ!
今、待っていろと言ったぞ。不意を衝くとは卑怯な奴め。しかし……

図らずとも距離をとることになったな。
完全なる詠唱はここに破壊の力を生み出す。遅れてすまない。
今こそ俺の魔力を見るがいい!

全てを破壊せよ、漆黒色破壊者光線!
ルールがあるのだ、海には。自らの誇りを破壊したお前に、海賊を名乗る資格はなかったな。



 残る痛み、鈍る感覚。怪物の脳に焦りの思考が走る。

(こんなはずじゃなかった。この程度で終わる俺じゃなかった。なんで、この俺がこんなにも追いつめられているんだ?どいつもこいつも、俺が言葉を発する余裕すらなくなるほど強くはなかったはずだ!)

 己よりずっと弱いはずの猟兵達が、配下という数の力を用いても、数を束ねた強力な姿になっても振り払えない。
 怪物にとって、猟兵達に追い詰められている事は理解不能の出来事だった。
 そして、その怪物には理解できない存在がまた二人、前へと歩みを進めた。

「遅れてすまない。状況は理解した。俺の立ち位置は破壊者だ」
「そうか、わしも終らせる気で前に出た。目論見が同じなら、それぞれ思い切り己の策を叩きつけるのが良いと思うのじゃが」
「俺から行かせてくれ。奴に言っておきたい言葉がある」

 黒の鎧に身を包むオックスマン・ポジクラーシャは、白に身を包むクレア・フォースフェンサーの言葉にそう返して先を行く。
 彼は兜から覗く赤い輝きを宿した瞳で、怪物を睨みつけた。

「喰らったか……追い詰められて部下をも。冷静に考えろ。キャプテンを名乗りながら一人で立って何になる」

 キャプテンとは、"頭"を語源とする言葉。ならば、彼の配下は本来であれば手足のようなものとして扱うべき存在だったはずだ。

「……だんまりか。貴様には全てを薙ぎ払う、俺の力を見せるとしよう。待っていろ……その瞬間を」

 自らの手足を喰らい頭だけになった巨躯の怪物。それを呑み込むための魔力をオックスマンは練り上げていく――はずだったが、唐突な衝撃と共に彼の身は宙を舞った。
 無防備に見える状態におびき寄せられた怪物がその触手を振るい、オックスマンを弾き飛ばしたのだ!

「っ なんだと!?グオォォォーっ!」

 痛みへの耐性はあるものの発生した運動エネルギーまでは消せず、オックスマンはメガリスを守る猟兵達の頭上を越えて吹っ飛び、山の中腹へと姿を消した。

 一方、この場から離脱させられたオックスマンを案じながらも、クレアはここまでの状況が何を意味するのかを理解していた。

(なるほど、反応を見るに奴はオックスマン殿の言葉も聞こえておるようじゃな。明確な言葉が無くなっても思考までは失われておらぬ、と)

 たしかに、言葉による揺さぶりがキャプテン・シックスに良く効くのは先陣を切った者たちの戦いでも見えていた。
 言葉を発さなくなった事から、先程の魔力の矢の雨で消耗して思考も怪物に成り下がった可能性を見ていたクレアだったが、言葉が通じるとわかればそれを利用しない手は無い。

「ふむ……コンキスタドールということは、おぬしもメガリスを持っているわけじゃな。それは、その半月刀か、それとも、その怪しげな仮面か……ひょっとすると、海賊帽や海賊服ということもあるのかの?」

 光剣を構えたまま、クレアは相手に分かるようにその姿のあちこちに視線を移す。
 触手の一つが携えている半月刀、恐らく頭であろう位置に載る仮面と海賊帽、魔力の矢で肉体に射とめられた海賊服。
 触手の先が疑念を示すように渦巻く。
 それを見たクレアは怪物が己の言葉を聞いているという確信を深め、次の言葉へとつなげていった。

「いやなに、せっかくおぬしがわしらのためにここまで持ってきてくれたメガリスじゃ。傷は付けぬようにせねばと思ってな」

 喋りながら、腰を落とし脚に力を溜める。
 同時に、突撃時に確実に敵の動きを見切る為、彼女の怪物の動きを観察していく。

「人のメガリスを奪いにひょこひょこと出てきたのじゃ。当然、逆に自分のメガリスが奪われることくらいは想定しておろう?」

 己の側の準備を終えると、クレアは答えを聞くつもりのない問の直後、地を蹴りだして怪物へと突入する!
 彼女を相手取る為に怪物はユーベルコードを発動する……が、超常の力が条理を歪める感覚は発生と共にすぐに砕け散る!
 クレアも無策のまま突っ込むわけではない!彼女の機能である、ユーベルコードの阻害を行う力を働かせての吶喊である!

「おぬしの命、頂くぞ!」

 光剣の輝きが増す!
 その光を携えたまま真っ直ぐに突入するクレアに対し、怪物は己の身を守ろうと先ほど注目された品々を彼女の前に集める!
 だがクレアの勢いは止まらず、思い切り振りかぶられた光剣はそれらごと怪物の身を斬り払った!

「GYaAaaAAAAAAA!!!!」
「おぬしのメガリスは傷付けぬようにと言ったな。あれは嘘じゃ」

 さらりと己の嘘を示したクレアを拒絶するように、怪物は暴れ苦しみながら触手をばたつかせる!
 それらすべてを最低限の身のこなしで避け、それどころか暴れまわる触手に飛び乗ったクレアの瞳に、遅れてきた黒が映る。

「――さて、そろそろ頃合のようじゃな?」

 必死にのたうつ触手のうねりを見切り、その上を跳び渡るクレアの視線の先には、先ほど弾き飛ばされたオックスマンが堂々と立っていた。

「天よ地よ吹けよ嵐!万物の根源に回帰し永劫なる終焉を告げよ!闇の虚無にて破壊する!――俺は、待っていろと言ったぞ。不意を衝くとは卑怯な奴め。しかし……図らずとも距離をとることになったな」

 魔力の高まりを、猟兵達はその肌で感じる。
 怪物も焦ったかのようにさらに触手を激しくうねらせるが、距離を取っているオックスマンには届かず、クレアの完璧な見切りの隙を突く事も出来ない!

「完全なる詠唱はここに破壊の力を生み出す……遅れてすまない。今から最大の一撃を放つぞ」
「うむ。見切って避けるし、それがかなわずとも反射機能で身を守る!わしのことは考えずに、今ここで思い切りやるがよい!」
「ああ――今こそ、俺の魔力を見るがいい!全てを破壊せよ、漆黒色破壊者光線!」

 オックスマンが怪物へと剣先を向け技の名を叫ぶと、ここに戻るまでの間に行っていた詠唱で高威力化した魔力が、示す方向へと破壊の光線となって放たれた!

「―――――――!!!」
「ルールがあるのだ、海には。自らの誇りを破壊したお前に、海賊を名乗る資格はなかったな」

 真っ直ぐに放たれた黒き光が、怪物の巨躯をすべて呑み込んだ。
 光が到達する直前を見切り、触手のうねりを利用して思い切り跳んだクレアが着地する頃には、世界に歪みをもたらすオブリビオンの気配はこの島から消えて無くなっていた。

 かくして脅威は潰えた。
 猟兵達は、略奪を目論んだコンキスタドールから無事にメガリスを守ることに成功したのだ!

 そして、危険が去ったという事は、本来の目的であるメガリスの確保も順当に行われるという事でもある。
 無限大の記号に似た指輪型のメガリスは、帰還する猟兵によってグリモアベースへと運ばれていった。

 暫くの間はメガリスの影響が残るかもしれないが、ようやくこの島に終わりを含めた本当の生命の営みが戻ってくる。
 歪に永らえる生から逃れ、正しい輪廻に戻れた生命達を祝福するように、島のあちこちで桜吹雪が舞っていた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2020年07月05日


挿絵イラスト