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チョコレート怪人を召喚! 恋人たちの平和を守れ!

#キマイラフューチャー

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#キマイラフューチャー


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「ィィィイイヤッホォオオ!!!!」
 叫び声を上げながら雪原に飛び出て来たのは、全身タイツの割れたハート。
 その近くには、一組の男女。
「ハァアーーート!!! ブレイッ!!」
 割れたハートは悲鳴を聞きながらくるくると回転し、男女の仲を裂くかのように、間へ両踵落としを繰り出した。
 へたり込む男女、その間には割れたハートのような足跡が雪に刻まれている。
「ひ、ひぃいい……。」
 へっぴり腰で逃げ出す男。それを見て信じられないという顔をしながら後を追う女。
 全身タイツのそれは、高笑いを上げながらその光景を配信していた。

 ☆☆☆

「えっと、キマイラフューチャーで急激に再生回数を上げている動画、ですね。今見て頂いたのは……。」
 言いにくそうにそう切り出りだしたのは今回の依頼を予知したグリモア猟兵、ファータ・カンタータ(遥か彼方の花びら・f02060)だ。
 今回の依頼は、先ほどファータのグリモアから出てきた映像に映る『ハートブレイク・チョコレート怪人』を撃破することが成功の条件となる。
 この怪人はデートスポットで有名な雪山に出没し、主にカップルに飛び掛かって来るらしい。
「何故か相手は正確なカップルを見抜く審美眼を持っていますので、演技とかで急遽カップルを偽装……というのは、ちょっと厳しいみたいです。リスクは伴いますが、一般人のカップルを雪山に誘導して、チョコレート怪人をおびき寄せるのが一番有効そうですね。」
 今の時期はキマイラフューチャーでもバレンタインのイベントが盛んで、この時期デートスポットである雪山にはカップルがそれなりにいるそうだ。
 なのでその雪山でイベントを開催しカップルを集め、チョコレート怪人をおびき寄せるのが妥当だろう。
「そのイベントは、雪原を彩る音楽イベントが有効かと思います。キマイラフューチャーは今、空前の音楽ブームなので!」
 つまり、今回の流れはイベントの宣伝をしながら雪山を登ってもらい、その頂上で音楽イベント。そこで集まったカップル達を見て出てきたチョコレート怪人を撃破、という形になる。
 細かいところは猟兵達の行動に任せることになるが、戦闘の際、一般人の避難誘導などがあれば尚良いだろう。
「今キマイラフューチャーは冬真っ盛り。行くところも雪原となっておりますので、暖かくして行ってくださいね。」
 最近風邪が流行っていますので、どうかお気を付けて。
 そういうとファータは雪山の麓へとつながるゲートを開いたのだった。


苗木 葉菜
 こんにちは、苗木です。
 余裕のある方はマスターページも見てくれると嬉しいです。
 今回はキマイラフューチャーでバレンタインシナリオを出させて頂きました。
 カップルを生贄(?)にチョコレート怪人を召喚し、撃破してください。

 1章は雪山を登る形になります。音楽イベントの宣伝をしながら登ると効果的です。
 2章は音楽イベントでカップルを誘き寄せてください。ロマンチックなのからノリノリなのまで。
 歌詞はプレイングに書いてない限り描写しません。苗木の恥ずかしいポエムが見たい人は歌詞希望って書いておいてください。
 3章はチョコレート怪人との戦闘になります。平和なバレンタインにするために頑張っていきましょう。
 一応来月のバレンタインまでの完結を目指してのんびり頑張っていく予定です。
 お目に留まりましたらご参加のほう、よろしくお願いいたします。
 それではプレイング楽しみにしてますね!
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第1章 冒険 『恐怖、雪の中の怪人!』

POW   :    とにかく気合と体力で冬山を踏破する。根性!!

SPD   :    吹雪や雪崩をスキーを使って華麗にかわし、スマートに冬山を踏破する

WIZ   :    炬燵やファンヒーターを魔改造して自走化。冬山を踏破する! あったかーい

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 猟兵達が降り立ったのは、キマイラフューチャーにある雪山。
 いや、キマイラフューチャーは惑星全てが都市空間のため、正確には雪山リゾート風アトラクションという方が正しいだろうか。
 見た目は自然のそれとほぼ変わらない。変わるのは、やや登りやすいよう整備してあることくらいか。
 しかしそれでも見上げるほどの高さはある。これを駆け登るとなると、かなりの体力を消費されるだろう。
 中にはビラを準備するもの、拡声器を持つ者など、宣伝の用意をしている者もいるようだ。
 すべては、オブリビオンとして復活してしまったチョコレート怪人を倒すため。
 平和で楽しいバレンタインを迎えるべく、猟兵達は雪山へと進んでいった。
ビスマス・テルマール
●POW
ただ気合いと体力と根性だけで
踏破するのも
つまらないので

音楽イベントのチラシを
配りつつ観客に
配膳する『なめろう料理』の
試食会を行う名目で
雪山を登り
行く先々の一般人に
なめろうをお湯で溶いた
『なめろう味噌汁』を
振る舞って回ります

※魔法瓶数本に
暖かいなめろう味噌汁を入れて
事前用意

後、バーナーも背負い用意
それに真空パックに詰めた
『なめろう』もクーラーBoxに入れて用意
※イベントで振る舞う用の材料も入れ用意

一般人に差し出す際は
バーナーで
なめろうの表面だけを炙る
『焼きなめろう』にして
振る舞いますね。

『さんが焼き』に
しても良いかも

イベントでは
暖かいなめろう雑煮も
用意しますね

※アドリブ掛け合い絡み大歓迎


ボアネル・ゼブダイ
行動選択:POW
「親愛な者との憩いの一時を嬉々として邪魔するとは、無粋の極みのような奴だな・・・」
宣伝も兼ねるというなら、徒歩で行く方がいいだろう
なかなかキツそうな山道だがそこは【覚悟】を決めて最後まで行くぞ
まずは【世界知識】で宣伝に適したルートを見つけ
【地形利用】でしっかりとした足場を確保して安全に滞りなく歩く
登山中は【招き入れる歌声】を使い、共に登っている猟兵達の体力を回復しながら、精霊達の歌声で登山客にイベントの宣伝を行い最後まで登り切る
「美しい風景と音楽を、大切な人と過ごすために皆には是非参加してほしい」
(他メンバーとの絡みやアドリブ大歓迎です☆★)



 目の前に広がる一面の銀世界。
 シーズンなのもあってか、それなりに人がいるのが見受けられた。
「ただ気合いと体力と根性だけで踏破するのもつまらないですよね。」
 そう言うのはクリスタリアンのビスマス・テルマール(通りすがりのなめろう猟兵・f02021)。
 真っ白な雪原に、透き通った彼女の身体が良く映える。
 ロケーションや衣装を整えたら、それはもう絵になったことだろう。
 しかし――ビスマスの片手には大量のチラシ。もう片方の手には配膳用の紙コップ。
 首には大きな魔法瓶。中身は紙コップに入る予定のなめろう味噌汁らしい。
 さらにたすき掛けにされているのはクーラーボックスだ。
 察しの良い者なら気付いたかもしれないが、このクーラーボックスの中にも真空パックに入ったなめろうがぎっしりである。
 それで終わるかと思いきや背中にはバーナーまで背負っていた。
 ――大丈夫なのか。レジャー用に整備されているとは言え腐っても雪山である。
 登山に必要な物ならまだわかるがその類は一切なかった。
「……。」
 それを無言で見つめるのはボアネル・ゼブダイ(Livin' on a prayer・f07146)。
「よし、ではイベントのチラシを配りながら登って行きましょう!」
「いや、少し待ってくれ。」
 その視線も気に留めず、そのまま行こうとする彼女に思わず声をかけるボアネル。さすがに止める気だろうか。
 重装備のビスマスが小首をかしげていると、ボアネルはいつの間に手に入れたのか、懐から一枚のパンフレットを取り出した。
 それはこのレジャー施設の詳細が載っているもので、彼はそれを開くと己の技能を駆使して宣伝に適したルートを模索していく。
「この雪山にはカップル用に道中いくつかのフォトスポット等がある。ここを通りながら登るルートが効果的だろう。」
「なるほど!」
 止めるどころか最適化していっていた。
 ビスマスの話を聞けば音楽イベントと共に、なめろう布教と文化を護り渡る旅の一環として、なめろう料理の試食会をやる予定らしい。
 魔法瓶に入っている味噌汁はもちろん、背中にあるバーナーを使い炙ったなめろうも提供するつもりらしい。挙句の果てにはなめろうをハンバーグ状にして焼いたさんが焼きの提供も考えているとか。
 このままでは音楽イベントどころではない、なめろう試食会に乗っ取られそうな勢いだ。誰か彼女を止める者はいないのだろうか。
「なるほど……。温かいものであれば客からのウケもいいだろう。」
 いなかった。ボアネルの言葉にビスマスですよね!!と強くうなずく。
 こうして二人の宣伝登山は始まってしまった。

「しかし親愛な者との憩いの一時を嬉々として邪魔するとは、無粋の極みのような奴だな……。」
 パンフレット片手に雪山をずんずんと登りながら言うボアネル。そのあとをビスマスが付いていく。
 彼は重装備のビスマスを気遣ってか、地形利用の技能を活用して足場を確認しながら先導していくという形を取っていた。
 元々身体能力が高い猟兵達。レジャー用に整備された雪山を難なく登っていくと、変わった形の石が見えてくる。
 ハートの形に見えなくもないそれはパンフレットによると撮影スポットらしく、撮影待ちの人だかりが出来ていた。宣伝するにはいい場所だろう。
 それを見つけてからのビスマスの動きは速かった。目まぐるしいスピードで紙コップになめろう味噌汁を注ぐと、撮影待ちしている登山客たちに配っていく。
「どうぞ、温まりますよ。」
 共にチラシを渡すのも忘れない。余談だがチラシにはちゃっかり『あったか~いなめろう雑煮も配膳予定』と書かれていた。
 上げ下ろしが大変なため、背中のバーナーはある程度登り切るまで使わないほうがいいだろう。この極寒の中配られたなめろうの味噌汁は、確実に登山客の胃袋を、いや心を掴んでいっていた。
『なめろうってなにかしら? 初めて食べたけどおいし~い! あったまる!』
『音楽イベントだって! 楽しそうね!』
 そう会話する登山客達の視界に、きらきらとした光が入る。
 それはボアネルのユーベルコード“招き入れる歌声(インヴァイト・ボイス)”により召喚された精霊達だ。
 精霊たちは清らかな歌声を響かせながら、ふわふわと登山客の周りを飛んでいく。よく見るとその精霊たちも音楽イベントのチラシを持っていた。
 雪原に浮かぶそれは大変フォトジェニックで、撮影スポットも大いに賑わう。ついでにその効果によりビスマスの体力も回復していた。
「美しい風景と音楽を、大切な人と過ごすために……。このイベント、皆には是非参加してほしい。」
 光と雪の中佇み、恭しく礼をするボアネル。その姿が美しいあまり、恋人をそっちのけでシャッターを切る一部の登山客。
 どこからともなく黄色い歓声まで聞こえる。宣伝としては大きな効果があったと言えるだろう。
 アイコンタクトをするボアネルとビスマス。二人はこうして宣伝をしながら着実に雪山を登っていったのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

リズ・ルシーズ
全世界サイボーグ連盟と連携

【SPD】

人肌の恋しい季節だから、暖かいコタツなら皆の気が引けるはず!

【コタツ】を召喚し【重力制御装置】で【地形の利用】をしながら希望者を乗せて雪山を登っていくよ!【変装】を使って、コタツをデコレーションして目立たせるつもり!【氷結耐性】に【コタツ】で雪山と1人身のの寒さも何のそのだよ。折角だから、【ロープワーク】で【ワイヤー】を使ってコタツにソリでも括り付けて乗れる人を増やそうかな?

音楽祭やるよ!雪山デートの終わりは音楽とコタツで!

ついでに宣伝の【援護射撃】として、同じ旅団の人の宣伝を手伝おうかな。でもやっぱり、一番は【コタツ】の【誘惑】だよね!


クネウス・ウィギンシティ
全世界サイボーグ連盟として参加
希望者が入れば、コタツ乗車OK

「私はエンジニア。つまりは売り子だ!」
「石焼〜きいも おいも(続く)」

以下の内容で行動。
・【POW(コタツUC)】
・方針:音楽イベントの焼き芋露天の主として宣伝をしながら雪山行軍

【コタツUC】を【メカニック】でヒーターユニットをテーブルから貫通させ「石焼き芋器」に【武器改造】。
火力が弱い時はアームドフォートの超低出力【援護射撃】で温める。

「石焼き芋、お芋。どんな時も君と。焼き立て熱々ホックホク。芋くさい君だって、皮剥けてプッリプリ。石焼き芋、お芋……」

(露天販売開始) 「闘いの時、来たれり!」

(同乗) 「乗ってくかい」


河原崎・修羅雪姫
全世界サイボーグ連盟(全サ連)の仲間と参加。

POW:
「ギュイーンとソウルがシャウトするのDEATH!」

全サ連の仲間の持つ、自走式改造炬燵(パワーワード)に相乗りさせてもらう。
道中最初は、あったかーい炬燵の中でヌクヌク。

パフォーマンスはキマイラの人たちを盛り上げるため、コタツの上に飛び乗って、
轟炎噴き出す【火炎放射器付きエレキギター】を【楽器演奏】でかき鳴らして【誘惑】オンステージ!
「カモン、ヘッドバンカー!!」
漆黒の長髪を大きく振ってヘッドバンキング!
ヘビーメタルの重低音演奏で、みんなの度肝を抜いて魅了するわぁ。

雪山の障害物は、火炎放射で突破。
「BABYたち、ついて来なさいなぁ!」



 たらりーらららー。たりら。
 何処からともなく音楽が聴こえる。
 たらりーらららー。たりら。
 気のせいだと思いたいが火柱も見える。
 雪山の頂上にて姿を現したのは、コタツだった。
 いや、コタツなのか? かろうじてその原形はあるものの、人が上でギターを掻き鳴らしているし、自動的に登っているし、何やらデコレーションされているし、石焼き芋の機械まで搭載されている。
 そのコタツのような物は、雪山をずんどこずんどこ登って行っていた。大勢の登山客をソリに乗せて。
 ……何が起きたか順を追って説明しよう。これは先ほどの光景から数十分ほど前のことである。

「人肌の恋しい季節だから、暖かいコタツなら皆の気が引けるはず!」
 雪山の麓でそう意気込んでいるのはリズ・ルシーズ(Re-Z・f11009)。彼女はそう言うとユーベルコード“全サ連備品『コタツライド』 MARKⅢ(コタツ)”を使用し巨大なコタツを召喚した。
「やはりコタツ……いつ出発しますか? 私も同行します。」
「クネウス!」
 巨大なコタツの気配を感じて颯爽と登場したのは同じ旅団【全世界サイボーグ連盟】(通称全サ連というらしい)に所属するクネウス・ウィギンシティ(鋼鉄のエンジニア・f02209)だ。
 彼はコタツに吸い寄せられるようにユーベルコード“全サ連備品『コタツ戦車』(コ・タ・ツ)”を使用した。
「とう!」
 突如、高く飛来するクネウスとコタツ!
「拠点絶対防衛兵器KO・TA・TSU、暖房備品ファイナルフュージョン、承認!!」
 空からがしょんがしょんと機械音が聞こえ、一つのシルエットとなり再び雪原へ降り立つ。
 ――そこにはコタツと合体したクネウスがいた。
「乗ってくかい?」
 三メートルを超える巨大なコタツロボ。リズはそれを見て「すごいすごい!」と喜びながらバレンタインに合わせてか目立つよう装飾を施す。バレンタインらしく赤と茶色を中心とした電飾をぐるぐると巻き付けていった。
 更にはコタツとソリをワイヤーで結び、人が載れるように工作もしていく。なんとこのコタツ、クネウスと合体したおかげで移動も楽々できるぞ!
 更に更にテーブル部分には小さなアクリルボックスがあり、中には小石がぎっしりと敷き詰められていた。その中から見えるのはサツマイモ。どうやら音楽イベントで石焼き芋露天をやるつもりらしい。
「あら、やってるわねぇ。」
「姫さん。」
 コタツが姫さんと呼んだのは全サ連の団長である河原崎・修羅雪姫(スノーブラッド・f00298)。全身黒い彼女は雪原で見るとより一層目立っていたが、それよりもずっと大きな存在感を放つコタツロボ。
「リーダー! 準備はできてるよ!」
 そう言いながらきゅっとリボンを結ぶリズ。いつの間にかコタツロボはバレンタインプレゼントのようなラッピングが施されていた。
 彼女はその光景を見て、長い黒髪をかきあげながら「自走式改造ラッピング炬燵ってところかしら? パワーワードだわぁ。」と楽しそうに微笑む。
 果たして発進させて大丈夫なのかこれは。既にどことなく周りの視線を感じながら三人は登山を開始した。
 
「はー、あったか~い。」
 ぬくぬく。コタツの中で温まる修羅雪姫とリズ。
「雪山と独り身の寒さも何のそのだよ~。」
 そんな二人を乗せて険しい表情で雪山を進むコタツロボもといクネウス。
 ぼちぼち雪山も五合目に差し掛かろうというところだろうか。人もちらほら見える中、クネウスが二人に合図を送る。
 頷く二人。リズは拡声器、修羅雪姫はギターを取り出した。
「さぁて、ぼちぼち宣伝しちゃおうかしらねぇ。」
 コタツに登りアクリルボックスに片足をかけると、長い舌で舌なめずりしながらギターを弾き始める修羅雪姫、ヘビーメタルの重低音は登山客の耳によく届く。ただでさえ目立っているコタツロボが視線をさらに集めた。
「カモン、ヘッドバンカー!!」
 どことなく人が集まってきたところでヘッドバンキングをすると、彼女のギターからぼっ!と激しく炎が噴射する。
 パフォーマンスのそれはどこにも当たることなく天へと火柱を作った。
「音楽イベントやるよー! 雪山デートの終わりは音楽とコタツで!」
 その傍らで宣伝文句を流すリズ。どさくさに紛れてコタツの宣伝までしている。クネウスも黙っていない。
「闘いの時、来たれり!」
 アクリルボックスの石の中からぽこぽこっ、と出てくる芋。と同時に聞こえるお決まりの歌。
「いしや~~きいも~~~、おいも。どんな時も君と。焼き立て熱々ホックホク。芋くさい君だって、皮剥けてプッリプリ。石焼き芋、おいもー……。」
 音楽イベントの宣伝をして欲しかった!!
 今が商機と言わんばかりに焼き芋の宣伝をするクネウス。
『火が出てあったかーい!』
『焼き芋もやってるんだって!』
 しかしクネウスのタイミングは良かったようだ。寒い雪山を登っていたのもあってか、焼き芋は飛ぶように売れていく。
「ふはは、私はエンジニア。つまりは売り子だ!」
 結果的に人が集まり、音楽イベントのいい活動になった。
 それだけではない、焼き芋を買った人たちはソリで座りながら食べることができるのだ。
 しかも食べてる間に登山が出来る。なんて合理的かつ素晴らしいことなのだろう。
 もちろん修羅雪姫のパフォーマンスも見事なものだった。
 上がる火柱は焼き芋を食べている人を温め、さらに遠くからでも視認できるため人がどんどん集まってくる。
 焼き芋の加熱はクネウスのアームドフォートの超低出力が火を噴いた。
 人が集まるが故に焼き芋の販売会計が追いつくかが問題であったが、そこはリズがしっかりとフォローをいれる。
 音楽イベントの周知は十分過ぎるほどだといえるだろう。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ウルフシャ・オーゲツ
ほとばしる、ほとばしるぞウチのうぃずだむが!
 うちの宇宙バイクをこたつと化しながら、全力で音楽を流して宣伝じゃ!
「ところでなんの音楽でもええんじゃろうか?」
 と、いうことで全力のまさかのウルフシャ宣伝がてらのオンステージじゃ!
 和風アレンジしたなんか聞いたことがある音楽をメドレーで歌っていくぞ!
 ぬ?歌えたのかウルフシャ、じゃと? ……歌うのは好きじゃ!歌えば歌えぬものはおらぬ!
「さぁさぁ!続きが聞きたければこのままウチについてくるんじゃなー!」
 イベント内容とかもちゃーんと説明するぞ!

……ところで、うぃずだむ、とは、なんじゃ?


ビスマス・テルマール
●POW
少し大変ですけど
好評みたいですし
用意した甲斐がありました

じゃあ、ボアネルさんが
最適化してくれたルートを元に
宣伝活動しながら登山をすすめましょうか

気合いと根性に
なめろう布教の思いを乗せて

ある程度登りきったら
背中のバーナーで
さんが焼きとか作って
登山客に
なめろう味噌汁と一緒に配りながら

あっ、チラシを配り
音楽イベントを告知するのも
忘れないですよ

●SPD
可能ならディメイションサモン・ローカルモンスターで

なめろう雑煮怪人トークンを
喚び、チラシでの宣伝活動や
バーナーでのさんが焼きを焼くのを手伝わしますよ

いっそバーナーを背負って貰ったら楽かも。(無理なら使いません)

※アドリブ掛け合い絡み大歓迎



 忙しく鳴り響くエンジン音。
 これはウルフシャ・オーゲツ(しょしんしゃ・f00046)が騎乗している宇宙バイクのエンジン音で、たとえ雪の上でもなんのその。地面から少し浮いてるそれはすいすいと雪山を登って行っていた。
 ちなみにこの宇宙バイク、みんなが大好きなコタツ化されている。走行風で寒さに凍える必要もなかった。
「ほとばしる、ほとばしるぞウチのうぃずだむが!」
 ちなみにうぃずだむの意味はよく分かってないらしい。ウルフシャはそう言いながら木々をくぐり抜け、岩を飛び越え……そしてその先にある草の茂みに突っ込んだ。
「うおお!」
 避けきることが出来ずぼすっと突っ込むこたつ。がさがさと茂みをかき分け、ぷはっと顔を出す。
 辺りを見回せば、雪山の中間ながらちょっとした展望台のようだ。ベンチや撮影スポットなどでしばしの休憩を取っている登山客が多く見受けられた。
 そしてそこの中に見える人だかり。そこの中心人物は記憶をたどるとグリモアベースにいたような、そんなような気がする。ということは同じ猟兵だろうか?
「いやぁ、少し大変ですけど用意した甲斐がありました。」
 その猟兵は満足げに言いながらなめろう味噌汁を配膳している。そう、それはなめろうを愛する猟兵ビスマス・テルマール(通りすがりのなめろう猟兵・f02021)だ。
 彼女は先ほど行動を共にしていた猟兵と別れ、未だなめろうを布教せんと登山客になめろう料理を振舞っていた。
 更にユーベルコード“ディメイションサモン・ローカルモンスター”を使い、ご当地怪人型トークンに配膳を手伝わせている。
 味噌汁以外に見えるのはハンバーグ状のなめろう、さんが焼きだ。ウルフシャは宇宙バイクを引き摺りながら匂いに釣られるように近付いていく。
「良ければどうぞ。」
 ビスマスからすかさず渡される包み紙に入ったさんが焼き。あまり馴染みのない食べ物だが、味噌と魚介の風味が食欲をそそった。
 一口食べてみれば鼻腔を抜けるのはネギと味噌の焼けたなんとも美味しい香り。魚は青魚だろうか?生姜も入っているせいか、その臭みは全く感じない。
 これはご飯、ご飯が欲しくなる味だ。これに醤油を垂らし白米をかき込んだなら、口の中は至福と化すだろう。
「おいしいのじゃ……!」
 はぐはぐと食べるウルフシャ、それを見てビスマスは嬉しそうに微笑んだ。
 よく見るとサンガ焼きが入っていた包み紙、音楽イベントのチラシである。宣伝にも抜かりはないようだった。
「ウチも宣伝をしなければならぬな!」
 思い出したように宇宙バイクコタツに飛び乗るウルフシャ。どこからともなくスピーカー付きカラオケマイクを取り出す。
 歌うのか?と周りの登山客がウルフシャに視線を集中させた。
「……ところでなんの音楽でもええんじゃろうか?」
 その言葉に客は思わずずっこける。なんでもいいぞー!という客にウルフシャは頷くと、和風らしくアレンジされた聞き覚えのある曲を歌っていく。
 歌うのが好きな彼女は、うろ覚えの曲でも堂々と歌っていた。その姿勢が登山客の心を鷲掴みにする。さすがは音楽ブームというところだろうか。
 ところどころ替え歌にして音楽イベントの宣伝をするのも忘れない。
 客がノってきたところで宇宙バイクをゆっくりと走行し始めた。
「さぁさぁ! 続きが聞きたければこのままウチについてくるんじゃなー!」
 ぶろろろとエンジン音を響かせながら去っていくウルフシャを追いかけるように登山を再開する客たち。
 それを見送ったビスマスも、登山を再開しようと準備をし始める。
 ルートは先ほど行動を共にしてくれた猟兵が事細かく教えてくれた。そのお陰でさして登山で困ることもないだろうが、大荷物であることには間違いない。
 彼女はバーナーをご当地怪人型トークンに背負わせるとざくざくと雪山を登っていく。
 頂上広場まで、あと少し。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 冒険 『到来、音楽観賞ブーム!?』

POW   :    派手なロックで場を支配しよう!

SPD   :    ポップで明るく楽しく、ノリノリでいこう!

WIZ   :    クラシックで美しく聞き惚れさせよう!

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 猟兵たちは頂上広場へとたどり着いた。
 そこは開けた場所で、雪遊びをする客や、景色を楽しむ客、撮影に勤しむ客などが大勢いる。
 猟兵たちが陣取ったのはそういった人が集まる通り道。雪で簡易的なステージを作成し、着々と準備を始める。
 中にはコタツで温まるものや、なめろうを準備するものなどもいた。
 音楽イベント自体はもちろん、露天やパフォーマンスで集客し、盛り上げることも重要となるだろう。
 宣伝のお陰か、人の集まりは良さそうだ。
 あとは――盛り上げるのみ!
 今こそカップルを集客し、ハートブレイク・チョコレート怪人を召喚しよう!
ビスマス・テルマール
●POW
南国をイメージした
ロックな曲をピアノ(無いならギター)で
演奏してみようと

南国の賑やかで
晴れやかな
心がウキウキする感じの
ロックで場を支配する様に
イメージして
※曲のイメージは
ハワイアンロックンロール

足りない能力は
可能なら真の姿『ビスマス結晶の竜騎士』の姿になって補います

●事前&演奏中
ディメイションサモン・ローカルモンスターで
ブリ怪人トークン達を喚び

半数をわたしが演奏中
回りで踊って盛り上げて貰い

残り半数で
作っておいた
焼いたお餅の上に
ブリのなめろうを置き
そこに白味噌を注いだ
『ブリのなめろう雑煮』を
一般人のカップル等の客に配膳
して回って貰います

補充の調理も彼らに任せて

※アドリブ掛け合い絡み大歓迎


リズ・ルシーズ
全世界サイボーグ連盟で連携

【SPD】

雪山、コタツ、アイス!この完璧な三重奏!

クネウスの氷菓店近くに、乗ってきた【コタツ】で暖かいコタツ座席を作るよ。【リクリエイト】で【コタツ】を解析して精巧なコタツ座席を増やすつもり。
数は一杯あるし【迷彩】でデコレーションしなおしたカップル専用コタツも用意しようかな

あ、音楽祭がはじまってる。ボクもちょっとだけお手伝い。

鏡面体を射出し可視光ギリギリまで弱めたレーザーを使って簡易ミラーボールにするよ!

【礼儀作法】を使って、売り子として氷菓店の【援護射撃】しつつ、音楽祭は遠目に眺めてようかな

(下手な鼻歌を歌いつつ)ふんふ~ん、ふふふーん。皆、楽しそうで何よりだよね!


クネウス・ウィギンシティ
全世界サイボーグ連盟の仲間と参加

「これは、コタツ芋 VS なめろうの露店勝負!」

【WIZ】

方針:音楽フェスの露店に求められているのは、恋人や家族向けの休憩所でしょう。コタツ石焼き芋露店はそのまま、材料を取り出して【メカニック】で氷菓店を併設。

UCで100人のドロイドの武装スタッフを召喚し、お客様に挨拶(【先制攻撃】)
ドロイド『コタツ茶寮 へ ヨウコソ』

観覧席としてコタツ座席を設け、ステージも作りましょう。

店内デフォBGMはクラシックにします。ステージイベント時は変更。

メニューはドロイドが増産中のコタツ芋を使ったスイートポテトと紅芋ソフト、女性客を狙い(【スナイパー】)、カップルを集客します!


河原崎・修羅雪姫
全世界サイボーグ連盟(全サ連)の仲間と参加。

POW

「ロック……? 私の音(ノイズ)はそんなに軽くない。私のは、メタル(重低音曲)よぉ!」

雪で出来た特設ステージで、リズさんが作ったミラーボールに照らされながら、メタルパフォーマンス。
【楽器演奏13】と【誘惑12】で観客を総立ちにさせるわぁ。


クライマックスでは、この日のために作り上げた新UC、
【ヘビーメタル・シャウト】を使用。
『私は半人半機のメタルモンスター! 心臓はビス止めで、クロームの3重構造で出来ている!』

観客の戦闘力(笑)を上げ、モッシュさせる。
火炎放射で雪のステージが溶けだしたら、
【捨て身の一撃2】で観客席にモッシュダイブ!(飛び込む)



 頂上広場。作られた雪のステージに人だかりが出来ていく。
 その人々に釣られ、宣伝をされていない一般人たちも立ち止まる。
「何が行われるの?」「音楽イベントだって!」「音楽? 楽しみ!」
 まだキマイラフューチャーの音楽ブームは根強いようだ。音楽イベントが行われると聞いて続々と人が集まって来る。
「『検索、分析、構造化』Re-Cちょっと使わせて貰うね。」
 人だかりで見えにくかったが、よく見ると最前列付近にはコタツ席が作られていた。
 それはリズ・ルシーズ(Re-Z・f11009)のユーベルコード“Re-Create(リクリエイト)”によるもので、先ほど自分たちが登山に使用したコタツとそっくりな、しかしそれよりも巨大なものがステージ付近に現れる。
 他にも小さめだが可愛くデコレーションしたカップル専用コタツも数個設置していた。
 これで寒い雪山の頂上付近でも、ぬくぬくあったか気分で音楽イベントを楽しめるだろう。
 オリジナルのコタツはどこにいるのかと思えば、ステージとは反対側で先ほどと同じく焼き芋を販売していた。既にそちらにもコタツを量産済みだ。
 焼き芋店の店主であるクネウス・ウィギンシティ(鋼鉄のエンジニア・f02209)は己の技能を駆使し氷菓店――アイス屋さんまで作っている。
 コタツの中で食べるアイス、それすなわち至高。
 クラシック音楽を流しながら、紅芋ソフトを仕込んでいくクネウス。
 彼が商品まで増やし、この焼き芋露店に力を入れるのには理由があった。
 それは先ほど見かけた、なめろう料理を配っている仲間の猟兵。
 ビスマス・テルマール(通りすがりのなめろう猟兵・f02021)はクネウスのフレンドだ。
 知人のビスマスも露店を開くと聞けば、同じ猟兵として負けるわけにはいかない。
 そう、これはコタツ芋 VS なめろうの露店勝負と言っても過言ではないのだ。
 音楽イベントを盛り上げることが本来の依頼内容ではあるのだが、この際もうカップルが集まるならいいだろう!
 対抗心をめらりと燃やすクネウスに対し、ビスマスは余裕の表情だ。
 彼女は頂上広場で道具貸出をしている店の主から借りた、肩に掛けるタイプのキーボードを手にステージに上がる。
 まさか、彼女はこの露店販売に参加しないつもりなのか?
 クネウスがそう思ったのもつかの間、周りを見渡せばなめろう味噌汁やさんが焼きを持つ観客の姿。
 よく見ていればこの人混みの中、彼女のユーベルコード“ディメイションサモン・ローカルモンスター”により召喚されたご当地怪人型トークンがなめろう露店を経営していた。
 その中でも目玉商品は『ブリのなめろう雑煮』。バーナーで焼いたお餅の上に置かれたのはブリのなめろう。
 最後に白味噌を溶いたお湯を注げば出来上がり! あったか~いお餅と白みそが口を含んだ者の身体を温め、寒ブリの豊かな風味となめろうの食感がアクセントとなることだろう。
 しかしこれだけのメニュー提供、客捌き等の細かな動きをトークンだけに任せるのは無謀ではないか?
 ビスマスを見やるクネウス。するとクリスタリアンである彼女の身体は更にぱきん、ぱきんと結晶化していっているのがわかった。
 ――ここで、“真の姿”を開放するのか――!!
 真の姿により高められた能力であればこの程度は造作もないだろう。彼女のなめろう布教に対する執念には寒気さえ覚える。
 思わずコタツに入りながら負けじと自身のユーベルコード“SPARTOI(スパルトイ)”を使用し、アームドフォート付きバトルドロイドと言う人手を増やすクネウス。
 その数、なんと百体。
「いや多い多い、多いよ!」
 彼の露天手伝いをしに来たリズだったが、あまりの従業員の多さに思わず突っ込みを入れた。
 確かにこの規模のステージに、この数の人手はいらないだろう。ぎゅうぎゅうになる観客席を前に、ビスマスの奏でる音楽が聞こえる。
 結晶化が進んだビスマスの身体は、雪からの反射光で虹色に輝いて見えた。まるで真夏の太陽のような、そんな輝きを放ちながら軽快に歌い始めるビスマス。
 楽しく弾むような旋律に、伸びのある声。彼女のご当地怪人型トークンの一部がステージ上で楽しそうに踊る。
 ビスマスのパフォーマンスに観客は大盛り上がりだ。なめろう露店も盛況し、こたつに入りながら雑煮を頬張る姿が見られる。
 クネウスのバトルドロイドはそんな観客に圧し潰され、程よい数に減っていた。真の姿を解放したビスマスは予想以上だ。
 リズのフォローもあってか圧倒的ではないものの、状況は不利。ここから巻き返すことが出来るか、否か。
 焦るクネウス。そんな彼の肩をとんと優しく叩きながら、横を通った人物が、一人。
「……姫さん……!」
 そう、クネウスとリズが所属する旅団【全世界サイボーグ連盟】(通称全サ連)の団長、河原崎・修羅雪姫(スノーブラッド・f00298)だ。
「観客たちをサイッコーにHOTにしてきてあげるわぁ。」
 紅芋ソフトがきっと、飛ぶように売れるわよぉ。長い舌でれろりと舌なめずりをしながらそういう彼女。修羅雪姫はリズとアイコンタクトをすると、颯爽とステージに上がっていく。
 彼女の演奏を、今か今かと待ちわびる観客たち。しかしまず修羅雪姫の口から出たのは、歌ではなく、言葉。
「私の音(ノイズ)は、ロックよりもずぅっと重い……。」
 重低音曲(メタル)よぉ。直後に鳴り響くギターの地面を轟かすようなメロディ、その演奏技術はビスマスのそれを凌駕すると言っても過言ではないだろう。
 びりびりと背筋にまで響く重低音が、観客たちの心を鷲掴みにする。
「BABYたち、ついて来なさいなぁ!」
 修羅雪姫が咆えると、突如ステージに光の粒子が降り注ぐ。
「……ボクもちょっとだけお手伝い。」
 その光の演出はリズによるものだった。
 彼女は射出した鏡面体に弱くしたレーザーを当て、ステージに光を反射させることで、疑似的なミラーボールを作り出していく。
 降り注ぐ光の中、漆黒の長髪を振り回しながら歌う修羅雪姫。
 その姿は美しく、妖艶で、それでいて身体の内側からじわじわと熱くなるような魂(スピリッツ)を感じる。
 彼女が首を振ればエレキギターから噴き出す炎。ステージ全体が物理的な熱と精神的な熱が入り交じった。
 コタツに入っている場合ではないと、立ち上がる観客たち。それらは修羅雪姫が奏でる音楽に合わせ跳ねていく。
 もう曲もクライマックスというところだろうか、跳ねる観客たちはまるでおしくらまんじゅうをするかのように密集し、互いを押し合っていた。
 それを確認した白雪。にやりと口角を上げると、ひときわ大きな声を上げる。
「私は半人半機のメタルモンスター! 心臓はビス止めで、クロームの3重構造で出来ている!」
 歌うような詠唱に、走り抜けるエレキギターの旋律。修羅雪姫のユーベルコード“ヘビーメタル・シャウト”が炸裂した。
 戦闘力を上昇させる効果を持つユーベルコードにより、熱狂する観客たち。これがその場で集まった者たちとは思えないほどだ。
 まるでワンマンライブかのように盛り上がる観客たちのもとへ、修羅雪姫はステージを蹴り身を投げる。
 頂上広場はもう修羅雪姫への称賛と歓声に包まれていた。観客たちにもみくちゃにされる修羅雪姫。観客の中から、皆ありがとぉー!と声が聞こえた気がした。
「ふんふ~ん、ふふふーん。」
 そんな修羅雪姫の様子を楽しそうに見つめながら、鼻歌を歌うリズ。ちなみにあまりうまくはない。
 皆、楽しそうで何よりだよね!という彼女に、クネウスもゆっくりと頷く。
 修羅雪姫の演奏が終わり、会場は自然と休憩時間のようになっていた。彼女が言っていた通り、熱くなった観客たちはアイスを買い求める。
 跳ねまわったせいか小腹が減った客も多く、焼き芋も飛ぶように売れた。その点に関してはなめろう料理も負けていなかったが。
 観客席は温まり、露店も大盛況。
 カップルたちの雰囲気も高まれば言うことはないのだが、それまだこれからだろう。
 音楽イベントは、始まったばかりなのだから。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

ボアネル・ゼブダイ
行動選択:WIZ
さて、頂上にも着いたしこれからが本番だな。
私は前回と同じく招き入れる歌声を使おう
光り輝く妖精達による賛美歌で場のムードを盛り上げようと思う
UDCアースで歌われている「アメイジング・グレイス」や「アヴェ・マリア」等はキマイラフューチャーでは新鮮に聞こえるのではないだろうか?
美しく、ロマンティックな旋律はカップル達の愛を盛り上げるのにも一役買うと思うぞ
私の番が終わったら、敵が現れないか会場でなめろうでもつまみながら会場の警護もそれとなくしておこう
用心をしすぎる、と言うこともないだろうからな

(他メンバーとの絡みやアドリブ大歓迎です☆★)



 ステージ周りはヘビーメタルの波も過ぎ、観客も落ち着きを取り戻しているところだった。
 コタツに入りながら、紅芋ソフトやなめろう雑煮を頬張る一般人たち。
 楽しい雰囲気には包まれているようだが、イマイチムードが足りないようだ。
 やはり傍から見て羨ましくなるような、そんな雰囲気のある空間が今回の依頼には必須だろう。
 楽しそうに「次はなんだろうね?」「どんな音楽かな?」と話す観客たち。
 そんな観客たちの元へ、ふわりと光が舞い降りる。
 そして聴こえる音楽。見れば、先ほどの猟兵が使っていたキーボードの上を、光が遊ぶように転がるように走り回り演奏していた。
 ぽん、ぽん、ぽろろん。
 その神秘的な様子に、思わずため息をつくものもいるほどだ。
 優しく降り積もる雪のように、精霊たちの透き通った歌声が会場を包んでいく。
 その曲はUDCアースだと非常に有名な曲なのだが、ここはキマイラフューチャー。幻想的なメロディに、うっとりとするような曲調。
 コタツに入ったカップルの一人が、その音楽に聞き入るように恋人の肩へともたれかかった。
 その様子をステージの陰から見守り微笑む人物が、一人。
 この光の正体――精霊たちを召喚したボアネル・ゼブダイ(Livin' on a prayer・f07146)だ。
 先ほどの雪山登山の時も精霊たちを召喚し音楽イベントの宣伝をしていたのだが、その際になぜか恋人そっちのけで自分の写真を撮られてしまったので、今回は精霊たちのみをステージに上げる作戦へと出たようだ。
 その効果は絶大で、観客席に舞い降りながら歌う精霊たちにカップルたちは夢中。その光の演出に、うっとりと寄り添いながら聞く恋人たちが続出していた。
 中にはこっそり口付けをする者も。意外にばっちり見えてしまうのでどうか自重して欲しい。
 ボアネルはその様子を見守った後、精霊たちにもう一曲ロマンチックな歌を頼むと、猟兵達が経営している露店へと向かう。
 なめろうの味噌汁を音を立てずに啜りながら、どことなく周囲を警戒し始めた。
 自画自賛という訳ではないが、自分の精霊たちの歌でカップルの雰囲気は最高潮。人目をはばからずいちゃつく者も少なくない。
 もうそろそろ来るだろう。あの全身タイツのチョコレート怪人が。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『ハートブレイク・チョコレート怪人』

POW   :    ジェラシックフレイム
【チョコレートの頭部から噴き出す嫉妬の炎 】が命中した対象を燃やす。放たれた【嫉妬の】炎は、延焼分も含め自身が任意に消去可能。
SPD   :    センチメンタル・ギリチョコワールド
戦闘中に食べた【義理チョコ 】の量と質に応じて【過去の悲しみを糧として】、戦闘力が増加する。戦闘終了後解除される。
WIZ   :    ジェラシック・ラブイーター
【嫉妬 】の感情を与える事に成功した対象に、召喚した【とろけるチョコの塊】から、高命中力の【愛を食らう触手】を飛ばす。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠滝舘・穂刈です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 雪山の頂上広場の隅。人気のないけれど景色はいい場所に、不審なかまくらがあった。
 そのかまくらの作成者は、寒い中じっと三角座りで耐えながらこの人気のない場所にきたカップルをひたすらに襲うという悪事を働き続けている。
 今日は人も多く、絶好の悪事日和だと、そう思っていた。
 しかしいくら待っても、この周辺にカップルが来る気配はない。
 一体、何故か。
 思わずかまくらから出て辺りを見回す。するといつもなら何もない場所に、雪のステージが建っているではないか。
 そのステージに集まる人だかり、もといカップル。
 カップルたちはコタツのなかで悠々と温まりながら、いっちゃいっちゃいっちゃいっちゃいっちゃいっちゃと遠く離れたこちらにまで届くようなラブラブっぷりを放っている。
「ユ、ユ、ユ、ユ゛ル゛セ゛ン゛……ッ!!!!!!」
 熱気に当てられ我を失ったのか、それは綺麗なクラウチングスタートを決めると一目散に走り出す。
 それに気付いた猟兵の一人が仲間に知らせた。
 ほどなくして空高く跳ね、光の精霊が舞う中ステージに降り立つそれの名は――『ハートブレイク・チョコレート怪人』。
「カップル!! コイビト!!! ハート!! ブレイクッッッ!!!」
 わっきわっきと妙なポーズを決めた全身タイツのチョコ頭はそういうと観客のもとへとダイブしようとする。その時だった。
「そうはさせないよ!」
 同じくステージに上がったのは、今回イベントを盛り上げていた猟兵達。
「計画通り、ですね。」
 チョコレート怪人の召喚に成功した猟兵達は、各々武器を構えて行く。
 先ほどの怪人を見て、やや後方に下がった観客たちだったが、そのうちの一人が「……これって、ヒーローショウ?」とぽつりつぶやく。
 なるほど! と納得する観客たち。いやしないで欲しい。危険だから逃げてほしい。
 避難誘導をしなくてもなんとか戦えるかもしれないが、万が一のことを考えると厳しいかもしれない。
 それとなめろうや焼き芋露店も守らなければ。
 様々なことが猟兵たちの脳裏をよぎるが、ひとまずは目の前のコイツだ。
「出たわねぇハートブレイク・チョコレート怪人!」
 ひとまずヒーローショーのような感じで切り出す猟兵。
 キマイラフューチャーに出てくるオブリビオンは、尊厳を折ることも撃退法の一つのため、このまま人前で戦うのも選択肢の一つだ。
「キヒヒヒヒ! ナンダキサマラ! ブッコロ!!」
 しかもこの怪人、ノリがいい。カップルたちよりもこちらの戦いを優先してくれそうだ。
 判断はグリモア猟兵が言っていたように一任されている。この雪山最後の戦いが、今幕を開けようとしていた。
ビスマス・テルマール
何だか嫉妬絡みが
そんな感情が見て取れますし
気持ちは解らなくも無いですが

そんな事で行われる文化破壊と
一般カップルの犠牲

通りすがりのなめろう猟兵として見過ごせません

●POW
トリニティ・チルドナメロウを
防御力重視で発動と
真の姿解放を同時併用

特撮ヒーローショーみたく
公衆の面前で貴方(敵)を破壊します

ご挨拶に一斉発射と誘導弾を
同時にお見舞いし、近接し
冷やし孫茶バリアを纏い
ジャンプキック

その後仲間と連携を合わせて
敵の周囲を回りながら
冷凍クロマグロソードで
2回攻撃と早業併用で仕掛け

零距離射撃で絞めの繰り返し

敵のPOW&WlZの
ユーベルコードには
冷やし孫茶バリアで
盾受けで防ぎますよ

※アドリブ掛け合い絡み大歓迎


ボアネル・ゼブダイ
「現れたか、愛に飢え、嫉妬に狂った悲しき怪人よ」

怪人に対し従順たる悪意を発動
武装インプ達を召喚し怪人を攪乱し、攻撃目標を散らせる
その間隙を縫って人工血液セットから吸血し、血呪解放を発動
防御力を増幅させ、なるべく会場や観客に被害が出ないように攻撃をあえて受けつつ、2回攻撃や生命力吸収を使って反撃
ジェラシック・ラブイーターが放たれたらカウンターで炎属性の憎悪する薔薇を発動
欠片も残さず燃やし尽くす

「妬むな、とまでは言わんし、幸せなカップルを祝福しろ、とも言わん。だが、力なき者達を暴力で蹂躙するというのならば、全力で私達が貴様を止めて見せる」

(他メンバーとの絡みやアドリブ大歓迎です☆★)



 ステージで奇怪なポーズをキメるハートブレイク・チョコレート怪人。
「カップル!!!! ブレイク!!!!」
「現れたか、愛に飢え、嫉妬に狂った悲しき怪人よ!」
 ヒーローショウに見えるような立ち回りを意識してか、マントをばさっと広げながら登場したのはボアネル・ゼブダイ(Livin' on a prayer・f07146)。
 美しい銀の長髪が靡き、彼を見た観客の一部が黄色い歓声を上げた。
 遠くから沸き起こるフラッシュの嵐。それを見てぶるぶると震えるチョコレート怪人。
「グ・ギ・ギ……キサマ、ウラヤマ、ウラヤマ!! ヒーッヒヒヒヒ!」
 ボアネルに対し嫉妬するような動作を見せる怪人を見ながら、ビスマス・テルマール(通りすがりのなめろう猟兵・f02021)は冷静になめろう料理が描かれたカードを自身の装備に挿入する。
『Namerou Hearts Chilled!』
 機械音の音声が流れると同時に、ビスマスが光に包まれた。
「冷製なめろう武装、転・送っ!」
 きゅいーんと装備の稼働音が響く。光は一瞬だけステージ全体を包み、そして収まる。
 光が消えるとともに現れた彼女の身体はビスマス結晶化が進んでいた。再び“真の姿”となったビスマスは冷製なめろう水餃子型の鎧装に身を包む。
 更に、光と共に現れたのは冷凍クロマグロソード。ついでに冷やし孫茶バリア。これらはビスマスのユーベルコード“トリニティ・チルドナメロウ”によるものだ。彼女はマグロソードの尾をつかむと、その切っ先を怪人に向けた。
「嫉妬故の行動……そんなもので行われる文化破壊、そして一般カップルの犠牲……通りすがりのなめろう猟兵として見逃せません!」
「見逃せないのは同意しよう。男の嫉妬は醜いぞ。妬むな、とまでは言わんがな。」
 二人は共に雪山を登りながら宣伝活動をした仲だ。背中合わせになりながらびしっとポーズをキメる。そんな二人に観客席から物凄い歓声が聞こえた。
「キサマラ!!! 仲良クシヤガッテ!!!!」
 そんなつもりもないのだが、嫉妬に狂った怪人からはそう見えてしまうのだろう、気にすることもなく前衛へと出るビスマス。
 ご挨拶代わりと言わんばかりに、鎧に装備された砲台から誘導弾をお見舞いした。
 爆発を背景に 怒涛の攻撃がチョコレート怪人を襲う。が、相手はまるで打ち合わせされたアクションシーンのようにひらりひらりと攻撃をかわしてしまう。
 ビスマスからの攻撃を避けている最中、敵の割れた頭からじゅぶじゅぶと熱い炎がくすぶっているのが見えた。
 “ジェラシックフレイム”。ハートの割れ目からまるで火山の噴火のように噴き出た炎は、ステージ上だけでは収まらず席の後方まで飛んでいく。
「っ!」
 自身は先ほどの冷やし孫茶バリアで炎を難なく防げるが、ステージ外は別だ。上がる悲鳴に焦るビスマスだったが、彼女の視界を横切ったのは大量のインプ。
「暗く深き闇に蠢く邪悪で矮小なる者共よ、我が元に集い、我が意に従え!」
 それはボアネルのユーベルコード“従順たる悪意(オヴィディエント・マリス)”により召喚されたものだ。
 インプ達はぶわっと拡散すると、細かく散った炎を丁寧に受けとめ、そして消えていく。
 その演出に、観客からの悲鳴は歓声へと変わっていった。ほっとしたビスマスはボアネルに礼を言う。
 彼はというと、インプに炎の処理を任せ、人工血液セットから吸血をしていた。
 喉を鳴らしながらそれを飲み干し、口の端についた血を親指で拭うと、それもぺろりと舐めとり体内へと取り込む。
 “血呪解放(ブラッディ・インセンス)”の使用条件を満たしたボアネルの身体は、防御力が格段に上がっていった。
「敵だけに集中するがいい! 外への攻撃は私が引き受ける!」
 ボアネルが叫ぶ。先ほど敵がビスマスに集中していてくれたからこそインプ達を炎の処理に回すことができた。
 ここは彼女のバックアップに徹するのが得策だろうと後方へ下がるボアネル。
「――では、お言葉に甘えて。」
 そう言ったビスマスはマグロソードを構え、一気に踏み込み怪人へと接近する。
 振り回されるマグロ、叩きつけられるマグロ、ビスマスと共に宙を舞うマグロ。
 襲い掛かるマグロの猛攻をなんとかしのぐ怪人。気を抜けばビスマスの鎧についている砲台が火を噴く。
「ウ、ウ、ウ、ウラヤマー!!!!」
 信頼して背中を預けるビスマスを見て、頭部から噴き出す溶けたチョコ。それはびたびたと雪のステージに落ちるものの、固まらず面積を肥大化させた。
 やがて幾本もの触手となったそれは、物凄い速さでビスマスに襲い掛かる!
 すぐさまバリアを展開するビスマスだが、バリアごと飲み込む勢いだ。
 しかし、そんな触手にさくりと一本の薔薇が刺さる。
 いや、一本だけではない。次々と触手に咲く薔薇。合計百十本もの大量の薔薇が肥大している触手に刺さっていった。
 投げたのは、ボアネル。
「――爆ぜろ。」
 彼がそう言うとその薔薇達は一気にその身を爆発させた。
 爆発による煙に包まれるステージ。観客席からは、驚き声やざわついた声が聞こえる。
 ゆっくりと、冷たい空気にさらされ煙が晴れていくと、そこにはチョコレート怪人に突っ込んでいくビスマスがいた。
「はああっ!」
 零距離射撃。先ほどの爆発と同じくらいの音が響くと、チョコレート怪人は空高く舞い、そしてべしゃっと落ちる。
 しかし両足を上げ跳ねるように起き上がる怪人、まだ体力はあるようだ。
「……さすが、手強いですね。」
 煤けた鎧をぱんぱんと払いながら武器を構えなおすビスマス。
「ギギギ!!! カップル!! コワス!!! ブレイク!!!」
 尚も言う怪人にボアネルは力強い口調で言った。
「そうやって力無き者たちを暴力で蹂躙するというのならば……」
 全力で、私たちが止めて見せよう。
 再び、ヒーローもとい猟兵たちの戦闘は繰り広げられるのだった。
 

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

クネウス・ウィギンシティ
全世界サイボーグ連盟の仲間と参加

「お客様、当店への迷惑行為は命を持ってお支払い頂きます………」

以下で攻撃
・【POW】
・技能:(UC)先制攻撃、スナイパー、(コタツチェーン店)武器改造、防具改造、メカニック

戦う準備なら既に出来ている、魔改造の限りを尽くした突撃して爆発四散する『コタツ焼き芋露店』、召喚したは良いが行き場を無くした『アームドフォート付きバトルドロイド従業員(100人)』。

そしてクレーマー(敵)の前に現れる店主(私)。

「営業妨害怪人め、貴様を不揃いチョコレート怪人にしてくれる」

愉快な仲間たち(バトルドロイド)とマシンガンとパイルバンカーで店の外に怪人を打ち捨てます。


河原崎・修羅雪姫
全世界サイボーグ連盟(全サ連)の仲間と参加。

「出たわねぇハートブレイク・チョコレート怪人!」
紆余曲折あったけど、こちらはイベントでリア充していたわよ、と挑発。
まわりに観客がいるから、流れ弾が出ないように、
愛銃の【フリークスハンター】は一時封印。
この鉄塊剣でお相手するわぁ。

ともあれ、射撃戦スタイルの全サ連の中で貴重なワントップを務めるわぁ。

鉄塊剣は万能武器。
【嫉妬の炎】は薙ぎ払い、
【愛を食らう触手】は切り裂くわぁ。
む、触手プレイ? ここはヤラレテいたほうが読者サービスぅ?

トドメは【鎧砕き】でチョコ怪人の頭をパッカーン。
雪山の外まで場外ホームラン。【吹き飛ばし】ちゃうわよぉ。


リズ・ルシーズ
【全サ連】で連携

【SPD】

行くよルシーズ、ボク達の力を見せちゃって!

【ルシーズ】を使い、量産型Rシリーズを呼び出すよ。コタツだらけの【地形を利用】して塹壕替わりに使うね。ボクを含めて【スナイパー】みたいに、20人で擬似刻印での光【属性攻撃】を使うよ。20人での【援護射撃】だからちょっとした弾幕だね
空に浮かぶミラーボール・・・じゃなくて、鏡面体の反射を使って多角的に攻撃かな?

折角だから、活用しないとね!チョコレートだし溶け出さないかな?

戦闘終了後、Rシリーズの皆に売り子を任せて、ボクはコタツでゆっくりかな。もう十分働いたから大丈夫だよね?(気づくとRシリーズ皆コタツへと)

アドリブ歓迎だよ!



 まだまだ元気なチョコレート怪人だったが、次にそんな怪人の元に立ちはだかったのは全世界サイボーグ連盟――全サ連の団長、河原崎・修羅雪姫(スノーブラッド・f00298)。
「貴方が出て来る間、こっちは歌って踊って食べて遊んで最高の時間を過ごさせて貰ったわぁ。それはそれは楽しかったわよぉ。」
 一人凛としてステージに上がる彼女は、流れ弾が出る可能性を考慮し愛銃であるフリークスハンターではなく鉄塊剣を持ちながら、ここぞとばかりにリア充アピールをしていく。
 しかし食い下がるチョコレート怪人。
「ウ、ウ、ウ、嘘付ケ!! オマエ、今! ボッチ!!!」
 びしぃっと修羅雪姫に指を指す怪人だったが、それにわざとらしくおどけた修羅雪姫がぽつりと言った。
「――あらぁ? 私が一人で戦うなんて、いつ言ったかしらぁ?」
 刹那飛んできたのは、巨大なコタツ。
 どんがらがっしゃんびぃん、どかん。
 そのコタツはチョコレート怪人に物凄い音を立てながら激突すると一瞬だけ輝き一気にその身を爆発させた。
 口笛を吹きながらそれを見つめる修羅雪姫。そしてその横にしゅたっ、と着地したのは全サ連の団員、クネウス・ウィギンシティ(鋼鉄のエンジニア・f02209)だ。
 彼はもうもうと上がる煙の前でメガネを直しながら「既に攻撃の準備は整えてありました。」とキメ顔で言った。
 そう、彼は敵が現れるや否や、コタツ焼き芋露天を武器として改造し、怪人に突撃したのだ。その技術力には感服せざるを得ない。
 ステージ外を見れば、コタツの隙間から何やらたくさん蠢く影が見えた。
 それはリズ・ルシーズ(Re-Z・f11009)と、彼女のユーベルコード“R-Series(ルシーズ)”で召喚されたRシリーズと呼ばれるサイボーグ作成の実験体の自爆機能付き簡易複製体達だ。
 リズは修羅雪姫と目が合うとコタツの影からぐっと親指を立てた。
 親指を返しながら修羅雪姫は瓦礫へと歩み寄る。
 通常の敵ならばこの攻撃、ひとたまりもないだろう、が。
「ブレーーーーイク!!」
 やはり今回の怪人の強さは並以上。そう簡単にはやられてくれなかった。
 瓦礫から飛び出したハートブレイク・チョコレート怪人はそのままくるくると回転しながら"ジェラシックフレイム" を放つ。
 火炎車と成り果てたそれをするりとかわす修羅雪姫。ついでに鉄塊剣を軽々と振るえばその風圧で炎が消えた。
 すたっと着地した怪人はたて続けに攻撃を仕掛けるが、修羅雪姫には掠りさえしない。
「グヌウウ!!」
 痺れを切らして"ジェラシック・ラブイーター"を繰り出す怪人。
 ぼどぼどと涙のように落ちるチョコレートが触手となって修羅雪姫を襲ったが、まるで野球の素振りをするかのように鉄塊剣を振り切ると、切断されたチョコレートは天高く舞い、ステージに雨となって降り注いだ。
 頬についたチョコレートを、長い舌でれろりと舐め取る修羅雪姫。
「わざとヤラレていた方がおいしかったかしらぁ?」
 楽しそうに笑いながら言う彼女。実は怪人に気付かれないよう、密かにユーベルコード“脳内インプラント戦闘支援AI:コードALICE(未来演算装置)”を使用していた。
 突飛的なチョコレート怪人の行動の予測は演算しにくいかと思いきや、先ほどの挑発も効いていたのかそれほどでもなかったようだ。
 修羅雪姫はぶるぶると悔しそうに震えるチョコレート怪人を見ながら二、三歩下がると、静かに片手を上げる。
 それは砲撃の合図だった。
「ハートブレイク・チョコレート怪人、もとい営業妨害怪人め、貴様を不揃いチョコレート怪人にしてくれる。」
「ルシーズ、いくよ! ボク達の力を見せちゃって!」
 まず、ステージは光に包まれた。
 その光はリズの属性砲撃によるもの。先ほどの音楽イベントで使われた疑似ミラーボールである鏡面体に容赦なく当てられるレーザー。
 先ほどのような演出的な光とは比べ物にならない威力のレーザーが合計二十本、多方角から怪人へ押し寄せる。
 目くらましの役割も果たした援護射撃。
「CODE:LUCIFER。ブースト展開。」
 その光が収まらないうちにクネウスが発射したのはマシンガン。
 ばらららららららら。と騒々しい音を鳴らしながら放たれた。
「武装、リアライズ。仕掛ける!」
 そのまま自身の装備であるパイルバンカーを武装するとそのまま光の中へと突っ込んでいく。
 ユーベルコード“LUCIFER”。三連射されたパイルバンカーは、チョコレート怪人のタイツを縫い付け、ステージに固定させた。
「これで、トドメェ!」
 大きく踏み切り、飛び掛かるように鉄塊剣を振り下ろしたのは修羅雪姫。
 それはぱっかーんとハートブレイク・チョコレート怪人の頭を粉砕する――はずだった!
「なっ……!!」「なん、だと……?」
 驚く修羅雪姫とクネウス。無理もない、彼女が振り下ろした鉄塊剣は、ハートの亀裂部分のみで受け止められていたからだ。
 馬鹿な、在り得ない。
 唖然とした二人そしてそこから噴き出したチョコレートに二人は吹き飛ばされる。
「えっ? なになに!?」
 もう勝負は付いたものだと思い込み、コタツでくつろいでいたリズは慌てて振り返った。
 ステージにいたのは、全サ連の仲間。そして、自身から噴き出たチョコレートを一心不乱に食べている怪人。
「ウッ、ウッ、ウマッ、カラッ……ウマッ……ウグッ!!」
 どこか物悲しそうにすべてのチョコレートを食べ切った怪人。
 遠い過去の記憶でも思い起したようだ。悲しい感情は、やがて激しい怒りの感情へと移り変わっていく。
 “センチメンタル・ギリチョコワールド”により戦闘力が増加された怪人。
 しかし、全サ連のメンバーに与えられたダメージが回復したわけではない。最後の足掻きというところだろう。
 あと、もう一息。猟兵たちは再び武器を構えるのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

ビスマス・テルマール
力無き人達を……そして
人々が紡いだ文化を守って見せます

それがわたしの使命でも
ありますからね

ラストオーダーと
行きましょうか

●POW
真の姿を解放したままで
ビルド・なめろうビームウェポンを攻撃力重視で発動

生成するは
ハワイアンなめろう(マグロをバナナとアボカドと醤油とオリーブオイルで叩き混ぜた)・ビームパイルバンカー

※マグロとバナナの相性は良い

仲間の支援に連携を合わせ
空中戦で敵を上空から旋回したり翻弄しながら
誘導弾と一斉掃射をお見舞い

落下さまに頭に零距離射撃
ユーベルコードで
生成したので
2回攻撃と早業併用で
2連撃を(一撃目のインパクトの瞬間に二撃目を入れ込む)

※アドリブや他メンバーとの掛け合い絡み大歓迎



 パワーアップした怪人に、若干の焦りを覚える猟兵たち。
「カップル、ブレイク、ブレイク、ブレイーーーク!!」
 こちらの方が有利な状況にも関わらず、ハートブレイク・チョコレート怪人の気迫は増す。
 このまま戦っていては、観客たちまでもが巻き込まれてしまうのではないか。
 そんな不安を掻き消すように、七色の光がステージ上で輝く。
 真の姿化を進めたビスマス・テルマール(通りすがりのなめろう猟兵・f02021)は、片腕をばっと横に突き出した。
「生成開始(ビルド・オン)っ!」
 そう叫ぶとその手の先からじじじと電子音が鳴る。鳴ると同時に出てきたのはビームパイルバンカー。
 そのパイルバンカーに宿っているのは、ハワイアンなめろうのオーラ。
 ハワイアンなめろう、ポキと呼ばれる料理に似ていると思われるが、それと違うのはバナナが入っているところだ。
 マグロとバナナの相性はいいらしい。そのおいしいハワイアンなめろうの気を、ビスマスは己のパイルバンカーに纏わせていた。
 何を言っているのかわからないのかもしれないがニュアンスで感じ取ってほしい。
 要約するとビスマスのユーベルコード“ビルド・なめろうビームウェポン”にて、新たな武器を作り出したのである。
「――いきますよ!」
 がちゃこん。とパイルバンカーを装填しながら駆けるビスマス。
 彼女が動くたび、細かなビスマス結晶の欠片がきらきらと落ちていく。
 ハートブレイク・チョコレート怪人は突撃してくる彼女から距離を取るように高く飛んだが、すぐにそれが失敗だったことに気付いた。
 なぜなら彼女の鎧装についているジェットパックが作動し空を駆けるビスマスを見てしまったからだ。
「グギギ!!」
 しかし怪人は諦めない。ここにいるすべての恋人たちの仲を壊すまでは生き続けようという強い決意を胸に立ち向かう。
 誘導弾や一斉掃射を身を捻って避け、その爆風で吹き飛ばされながらもなんとか体制を持ち直し着地した。
 一息つけるかと思いきや、彼女はそれすらも許さない。
 上を見ればまるで空に浮かぶ太陽が降って来るかのようなビスマス結晶の輝き。
 そして光るビスマスの腕。そこについているビームパイルバンカー。
 彼女は腕を怪人の頭に向かって真っ直ぐ振り下ろす。
「ヌウウ!!!!」
 火事場の底力か、またしても攻撃を受け止めるチョコレート怪人。杭が割れ目ぎりぎりのところで止まっている。
 しかし彼女は諦めない。ここにいるすべての恋人たちを、そしてなめろうをはじめとした文化を守るという強い決意が新たな杭を装填した。
「さあ、ラストオーダーと行きましょうかっ!!」
 再び撃ち込まれる杭。射貫かれたハートはステージに縫い付けられる。
「アア、本命チョコガ、ホシカッタ、……。」
 力なくそう呟いた怪人から何故か上がる火花、直後に起こる謎の爆発。
 その爆発を背景に並ぶ猟兵たち。今回誰一人欠けては撃破ならなかったであろう。
 聞こえる観客席からの歓声に、ヒーローショウのように演出してたことを思い出した猟兵は、各々コメントしたり、ポーズを取ったりした。
 観客たちからの要望により、再開される音楽イベント。
 光の精霊は舞い、コタツは並べられ、焼き芋やなめろう料理が振舞われる。甘い時間、そして美味しい時間を思う存分堪能するカップルたち。
 後日この雪山レジャー施設に正式なコタツコーナーやなめろう露店が設けられたのは、言うまでもない。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年01月29日


挿絵イラスト