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静謐に閉じた昏き島

#グリードオーシャン

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#グリードオーシャン


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 そこは何か…重苦しい空気が蔓延っているのか、何処か薄暗い。
 それは荘厳な作りの屋敷…いや、城と言ってもいいかもしれない。しかし、その建物は足元を海に浸して久しいらしく、海からの侵食にされるがままのようだ。だが、生物が上に上がってくる気配もなく、過去に遡ってもその痕跡はない。
 生きる鼓動の一つもないこの城のお前に、朽ち果てたかのようなボロボロの一隻の船が佇んでいる。まるで、命ある者の全てを拒むかのように。

「は~い、お化け?退治のお願いですにゃ~」
 なんかライトの光を下から顔に当てながらおどろおどろしく言ってくるユキノ・サーメッティアだった。てゆーか、お化け?退治?
「いや、今回の、幽霊船だし」
 まぁ、それは確かにお化けっちゃ、お化けやね。

 とにかくも、見えた範囲の事を語るユキノ。
 どうも屋敷というよりも城と言っていいほどに豪華な作りな建物らしいが、その造りから憶測するにダークセイヴァーの建物のようであるらしい。
「その建物、4階建てのようだけど…一階一階の高さが結構あるみたいだよ? けど、一階部分は殆ど水浸しで、もし探索するにしても、水の中に潜らなきゃいけないみたい」
 足を着けて探索できるのは2階から上、ということらしい。……もしかしたら地下もあるかもしれないが、ダークセイヴァーの建物であった場合、そこにあるのはあまり見たいと思うようなものじゃないだろうとのこと。
「……相手が幽霊船なのは、まさかそこから漂う怨念や怨嗟だったりして? まぁでも、まずは幽霊船をどうにかしないと近づく事もできないんだけどにゃ」
 城を護っているのか、それとも居場所を護ってるのはかは定かじゃないけれども、その幽霊船は近づく者を許さないらしく、その為に哨戒として船首の魔物を辺りに放ってるそうである。
「だから、まずはその哨戒を倒して、幽霊船を海に還してあげるべきですにゃ!」
 島の解放するにも、鎮魂の為にもそうしてあげるべきであろう。

「あ、そうそう。お城に負けず劣らずのでっかい石像も見えたけど…もしかしたらそこの主の像だったかもね~」
 たいして価値のあるような情報でもなかったためか、なんか適当っぽく言うユキノだった。


にゃんさん。
 グリードオーシャンから2つ目の島のにゃんさん。なのです。

 ダークセイヴァーっぽい建物って言ってますが、まぁ紛れもなくダークセイヴァーの建物です。
 建物・屋敷っていうかほぼ城。
 地下一階の地上4階の構成。けど、一階の部分は水浸しのため、まともに島を調べられるのは2階から上の部分だけですよ。
 一応、一階部分を調べる事もできまずが、元々水に適性のある種族かそんな技能でもなければ難しいかも? けど、水に永く浸かってる部分でもあるため、まず見る物は無いですよ。ちなみに地下は当時の当主に色々アレな事された後でそこに押し込められた人達の残滓があるだけです。
 石像は…当主の像か何か。頭部分が粉砕されてるようで顔を知ることは出来ませんが。無駄にデカいので、目印にはなるかも。
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第1章 集団戦 『呪われた船首像』

POW   :    まとわりつく触腕
【下半身の触腕】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD   :    掻き毟る爪
【水かきのついた指先の爪】による素早い一撃を放つ。また、【自らの肉を削ぎ落す】等で身軽になれば、更に加速する。
WIZ   :    呪われた舟唄
【恨みのこもった悲し気な歌声】を聞いて共感した対象全てを治療する。

イラスト:Kirsche

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 グリードオーシャンの大海原を船が往く。やがて、遠目に大きな石像と…装飾を凝らした城が見え始めるだろう。
 そこが今回の目的地であり、そのまま船を進ませればやがて、ボロボロの幽霊船が姿を見せ始める。……こちらから幽霊船が見えるということは、あちらからも見えることだろう。荒れた海でもなし、身を隠せるような物もない海の上だ、まぁ当然といえることだが。
 向こう側は、近づくことを拒絶するかのように、辺りを哨戒させていた配下を差し向けてくるのだった。
ベム・クラーク
アドリブ連携歓迎します。
「脆そうな敵、注意すべきは重砲撃の禁止と脆そうな甲板、私の重さに耐えきれるでしょうか。」
 戦闘中、重装甲を活かして敵の注意を引きつけるオトリ役になります。
 呪われた船首像の「まとわりつく触腕(POW)」に対し、ユーベルコード「フルバースト・マキシマム」で迎撃します。
 足元が不安なのであまり回避はせずに敵のせん滅に当たります。
 ダメージ覚悟ですが、幽霊船にあるかもしれない宝箱が見たいとか考えています。


安里・真優
【心境】
「う~ん。なんか今回の島はあまりお宝には期待できそうにないなー。」
ちょっと雰囲気があまり良くないや…。

【行動】
判定:WIZ

蒼穹の剣号で『サーフィン』『航海術』で敵に素早く接近しますねー。
いけ、カメゴン君に決めた!!
(カメゴン「がめぇぇぇぇぇぇっ。」ぶくぶくぶくぶ…)

……
………
…………っは。
やっぱりリクガメ種に水上戦は無茶だったかぁ(ダコタンに救出されているカメゴンをねぎらいつつ)
がんばれマンボン!!マンボン、フレアドライブ(焼却の炎を纏ったマンボンの体当たり攻撃)
召喚“深紅の翼号”とスターライトによる『属性攻撃』雷の『砲撃』の援護射撃です。

【その他】
アドリブ他猟兵との絡みOK



 魔物と化した船の船首像が向かってきている中、遠くに見える島のどこか重そうな雰囲気を、安里・真優(巨人の冒険商人・f26177)は感じ取っているようだ。
「う~ん。なんか今回の島はあまりお宝には機体できそうにないなー」
 事前に聞かされていた島の情報から、お宝の気配はないかなぁ? との思いもあるからなのかもしれない。
「島のお宝の有無はともかく、私としてはうあの幽霊船にお宝があるのか気になりますよ」
 真優のお宝発言に、ベム・クラーク(ウォーマシンの鎧装騎兵・f27033)も、内心でお宝の事を考えてはいたようだ。ただ、その対象は島ではなく幽霊船の方にであるが。

 のんびり会話してるように見えるがそんな訳もなく、それぞれに動いている。
 そうしている間にもに近づいていた船首像は十分な距離になったからか、船を叩き沈めてやると言わんばかりに下半身の触腕を振ってきた。
 その攻撃をそのまま受けてやることもないと、船の先にその身を砲台みたいに置くようにして構えていたベラは自身が身に付けている銃身を展開、迫る無数の触腕に向ける。
「脆そうな敵、注意すべきは重砲撃の禁止と脆そうな甲板、私の重さに耐えきれるでしょうか」
 砲身を構えながら射撃姿勢を取るベラだが、乗っている船に大きな影響を出さないようにと配慮していた。ベラ本人が重装備に重装甲でかなりの重量であり、撃ち方如何によっては船がひっくり返るかもしれないとの心配からのようなのだけれど。
 一応、グリードオーシャンの大海原を長く航海できる程度には頑丈な造りの船ではあるが、よほど激しい無茶をすればそうなる可能性はあるのかもしれない。
 その心配はともかくとして、ベラは触腕に向けている銃口を一斉に火を噴かせる。
 弾丸の礫を受けた触腕であるが、それらはベラの装甲に、そしていくつかが船に当たった。ただ当たったとはいっても、千切れた物が飛んできただけで、ベラの装甲はもとより、船に傷を作るような代物ではないが。
「おや、予想以上の結果ですね」
 運が良いことに、脆い所に弾が集中して当たったようであり、そのおかげで触腕を押し返すどころか千切ったようである。
 全て、とはいかずとも、それでも少なくない触腕を失わせたのは確かであり、そのせいなのか、船首像はベラを明確な脅威と認識したようで、その顔をベラに向けたのだった。
「私は逃げも隠れもしませんよ」
 そしてそれはベラにとっては望むこと、自分に攻撃が集中すればその分、船に攻撃がいかないということである。
 身体で受ける分は増えるが、物理的に数が減った触腕と射撃による迎撃。そしてベラの厚い装甲は容易く抜ける物ではなく、長い間気を引いてられることだろう。

 ベラが船の先に身を置いたころ、真優は船から降りて愛用しているサーフボードに乗り換えていた。
「さぁ、一気に行くよ!」
 青い海の上に青い軌跡を描く様にして、真優はサーフボードを操り、船首像の下に行こうとする。だが、船首像は一体ではなく複数。いくら巨人とはいえ、真優一人では無理があるだろう。
「いけ、カメゴン君に決めた!!」
 それは真優も分かってることなのか、なにかボールを投げるような時の声を上げると、海の上に木が生えた。……というか小島が生えた。
「がめぇぇぇぇぇぇっ」
 それは小島ではなく、亀の甲羅だったのだが、すぐに海の中へぶくぶくぶく…と沈んでいった。なんだか溺れてるようである。だって彼、リクガメだもの。
 …。
 ……。
 ………。
「…………っは。やっぱリクガメ種に水上戦は無茶だったかぁ」
 沈んでいくカメゴンを眺めていた真優だったか、我に返ると巨大タコのダコタンに救助されているカメゴンを労っていた。
 その一連の様子を見ていた船首像だったが、勝手に現れ勝手に沈んでいくのを見せられて、放っておいていいと判断したのか、その視線をベラの方へと向けた。
 理不尽な目にあったようで、その実相手の視線を外させるという、ある意味でいい仕事をしたカメゴンであった。
「カメゴンは無茶だったし、それならダコタン…はカメゴン支えてるから駄目か。なら、がんばれマンボン!!」
 相手がこちらを向いてないというチャンスに真優はこれまた大きなマンボウを呼び出した。
「マンボン、フレアドライブ」
 呼び出されたマンボウのマンボンは真優の掛け声に答えるように自らを火で包む。なんだか、自分から焼き魚になる絵面のようにも見えるが、火に包まれたマンボウは平気そうで、その火に包まれた巨体で船首像へと突っ込んでいく。
 船首像達は、聞くと心がさざ波立つような悲し気な声を上げてその身を癒していたが、それで失った部分が戻るわけでもなく。そこへ火達磨になったマンボンが突っ込ん出来たために、鳴くどころでは無くなっていた。
「私の夢の船団で援護するよ」
 呼び出した者に暴れさせるだけでなく、真優は船団を呼ぶと言へば、何の前触れもなく真優の周りに武装したガレオン級の船のがいくつも現れた。
 現れた複数のガレオン船は、先端に付けた衝角を、いくつもの砲門を船首像達に向けて。……そして始まった蹂躙なのだった。
 撃たれる物は弾ではなく、雷であり、一射ごとに相応の轟音が響く。そして撃たれた雷は確かに船首像に注がれていく。
「うわー、すごいですねー…」
 ガレオン船団のあまりにも殺意の高そうな攻撃を間近で眺めることになったベラも思わずそう呟いていた。
 真優としては船に装備する物だとしても物騒だとの認識で現実逃避することが多いようなのだけれども。

 ベラの迎撃で船を沈めるどころか手痛い負傷を負わされ、真優によって蹂躙された船首像達であったが、それでも船団のあの攻撃を掻い潜った数体ほどいるようだ。けれどもそれらも満身創痍であることに変わりはないのだが。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

サジー・パルザン
『いつか、命果てるまで。』
 人間のバーバリアン×海賊、27歳の男です。
 普段の口調は「男性的(俺、呼び捨て、だ、だぜ、だな、だよな?)」、戦闘中は「粗暴(俺、てめぇ、だ、だぜ、だな、だよな?)」です。

勇猛なヴァイキングであり、死を恐れず自身の信念の為に戦います。
敵が攻撃するタイミングで相打ちを狙うことすらある程で、防御より攻撃を。やられるならやり返すといった直情的な人物です。煽りに弱く、自身の筋肉と武器を信じて正面から戦うことを好みます。

敵の数が多ければユーベルコードのヴァイキングの行進を。
強敵であれば巡り合わせに感謝しつつヴァルハラ・アウェイツを行います。



「ちっ、死にぞこないが未練たらしいことだぜ」
 この先には行かせいとでも言うように存在している船首像の群れと、奥に見え島を護るかのように鎮座している幽霊船。まるで島の守護者のような振る舞いのように見えるが、実際の所は命ある者を見境なく襲う存在だ。
 そんな存在を前に見て、サジー・パルザン(ヴァイキングの生き様・f12550)は忌々しそうに吐き捨てた。
 サジー自身、死をも恐れず信念を持って戦う勇猛なヴァイキングだ。亡霊のような死んでからも現世にしがみき、本能のままに動く様な存在は自分のあり方とは相反するからなのだろう。
 そんなサジーの内心を知らず、船首像達は新たに現れたサジーに威嚇してくる。

 つい先、数体を討たれ身体の一部を失うことになったというのにも関わらず、生者への憎悪を向けていた。
「こいつぁ、まだ獣のほうが賢いだろうよ」
 本来ならば、戦うことすら困難になるであろう痛手であろうが、それでも戦意が衰えてないのは死を恐れない者達のようでもある。
「けどそれは生きてる間の話。死んだら死んだですっぱりと冥府なりヴァルハラなりに行くもんだ」

 ズシリとサジーの体格でもっても両の手で持たなければいけないほどの斧を構えると、船首像達も来ると感じたのか、あちら側も構える。
「さぁ、出番だぜ!野郎ども!! 俺達の戦いかったてのをあいつらに叩き込んでやれ!! 今すぐやつらを蹂躙してやる!」
 戦いの気配を感じ取ったのかサジーはニヤリと凶悪そうな笑みを浮かべて号令をかけた。
 その号令に答えるようにしてサジーの下に集うようにして現れるヴァイキングの部隊。その面々は揃いも揃って凶悪そうな面構えのように見えたことだろう。
 船首像達は、突如として増えた相手方に戸惑うような素振りも見せずに、信念も何もないままにただ破滅への本能のままに襲い掛かっていった。
「んなことで俺達が止められるわけねぇだろうが!!」
 サジーへと迫る船首像の一体だが、それに対してサジーは斧を振り上げ、勢いよく振り下ろす。
 船首像はそれを伸ばした爪で受け止めようとするが、重量のある斧の一撃である。受け止めるどころか、爪ごと一刀に両断された。
 召喚されたヴァイキングの部隊も、盾で殴り倒し、剣で斬り裂いていた。サジーが言った通りに船首像達は蹂躙されていった。
「信念も何もねぇやつが俺達を止められるわけねぇだろう」
 サジーと、サジーのヴァイキングの部隊によってさんざんと討ち倒された船首像達。かなりの数を減らされて既にその数もごく僅か。だが、その僅かに残った者達はそれを知ることもなく…いや、できないのだろう。衰えず恨みを込められた瞳を向けていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

大神・狼煙
【喫茶店の刺客】

なるほど、今回の敵は異形系美女なん……

ドガシャァン!!

双葉ちゃんに叩き落とされる眼鏡の図

下手すると船じゃなく海に落ちるんじゃないかな……

まぁ、その辺は構わない

重要なのは敵から餌に見える事

飛び道具を持たない以上、殺しに来るなら接近戦になる

敵が十分に近づいた所でUC

見えざる怨霊にモグモグさせて、敵の一体を同化、支配下におく

やったね双葉ちゃん、水中移動の手段が手に入ったよ!

後は配下にした船首像に抱きついて動き回りながら、他の個体も怨霊に食わせて同化しつつ、幽霊船に乗れていたなら甲板を、海に落ちたなら船の周りをぐるぐる

船の装備やギミックを把握しておきたいところ


満月・双葉
【喫茶店の刺客】
さぁて上から行こうか
狼煙の襟首を掴んで飛び、船に接近
船に狼煙を落っことすと言うより最早投げ込む
僕は【空中戦】を展開、光弓の首飾りを【スナイパー】で精度上げて放射し【掩護射撃】
『狼煙頑張れー』
眼鏡を外して虹瞳を展開し、【生命力吸収攻撃】を行い、命に直接攻撃することで【鎧無視攻撃】をし、回復しようがその端から吸いとっていき努力を無に帰さしてやる
狼煙がスムーズに動けるようにするのが僕の目的
上から狼煙の危険を察知したら知らせる
『狼煙後ろー』

自分に飛んでくる攻撃は【野生の勘】も使って見切る
避けられないものは【オーラ防御】を展開して防御
ダメージをおった場合は【激痛耐性】で痛みを無視して動く



「なるほど、今回の敵は異形系美女なん……」
 船の上で相手の確認をしようとして相方に襟首引っ掴まれてすぐさま空の上に運ばれることになった大神・狼煙(コーヒー味・f06108)だった。
 そんなことをやらかしたのは満月・双葉(神出鬼没な星のカケラ・f01681)であるが、上から行こうかという、ちゃんと考えたうえでの行動である。……これ、相手にちゃんと説明してるんだろうか?
 それはそれとして、海の上に飛んだ双葉は荷物(狼煙)を幽霊船に方に落とそうと…。
「いや、あの!? これもはや落とすっていうか投げるって体勢じゃありません!?」
「……狼煙ならきっと大丈夫だろう?」
 落とすというか投げ込む体勢に狼が叫び声を上げるが双葉はそれを聞き流しながら幽霊船へと向けて投げ出した。
「これ下手すれば船じゃなくて海に落ち…あぁ~~!!?」
 狼煙は星になるというか、彗星になって飛んで行く。
 船首像達からすれば直接幽霊船を狙うこの行為を許せるようなことではないようで、未だ残っている船首像が飛んで行く狼煙を叩き落とそうと触腕をわしゃわしゃさせていた。
「狼煙頑張れー」
 一応、投げっぱなしにはせずに飛ばした狼煙を援護するように、首飾りを弓矢に戻した双葉が、狼煙に迫る触腕を矢で射貫いて行くが、船首像は刺さる矢を無視して狼煙をべちっとはたき落とす。
 船まで届かず、はたかれて加速した勢いのままけっこう大きな水柱を立てながら海に落ちてぷかぷかと浮かぶ眼鏡の図だった。

 幽霊船に投げ込んだ張本人である双葉をほとんどの船首像が睨みつけているなか、双葉は封印である眼鏡を外してその虹瞳の力を解放させた。
 その瞳に見つめられた船首像は、存在を否定するかのような、何か奥底から吸い込まれていくような感覚を覚え、その感覚に危機を覚えて悲し気な歌で鳴くが、それもすぐに無意味な物になる。
 特に何かをされたわけでもないのに、どうしてか自分達が弱められていることに戸惑ったようだが、とにかくとして、上で飛んでいる双葉を先ほどの男と同じように海に落としてやろうと動きだした。
 双葉はそれをただ甘んじて受ける必要もなく、自分に飛んでくる攻撃を空を思うがままに飛び回りながら避けていく。
 軽い物ばかりで避けるにも造作もないと思うのも束の間…まさかのトビウオの如く飛び出して身体ごとぶつかってくいくのを敢行する船首像に、流石にそれは避け切れないと防御の体勢をとった。
 なにか、膜のような物を纏ったことで痛みを感じるほどではなかったが、質量を無視することは出来ずに後ろへと流された。

 双葉が船首像に注目されているなか、いつのまにやら復活していた狼煙だが…ぷかぷか浮いて流れた先が船首像の群れのど真ん中。
「目が覚めたら敵のただ中とかどんな状況ですか!?」
 敵陣の真ん中で声を出すとか危険な行為だが、まぁ、目が覚めたら囲まれてるとかだし、シカタナイネ。
「狼煙後ろー」
 ある意味、一番狙いやすい場所に現れた相手だと船首像は狼煙の背後から迫るが、上から見ている双葉からは丸見えであり、危険を教えられた狼煙はすぐさま船首像に飛びつく。
 強面の男性が異形とはいえ女性に飛びつくという、文にすればなにか犯罪っぽく見えそうだけど、実際のところ大きさの差がある(元の船首像自体が大きめ)のでやってる方としては大変である。

 狼煙に飛びつかれた船首像は振り落とそうと暴れるが、狼煙のみえざる怨霊に存在をモグモグされていることに気づかずに徐々にだがその暴れも大人しくなっていった。
 完全に大人しくなるば、もはや狼煙の命で自由に動く存在になり果てている。
「やったね双葉ちゃん、水中移動の手段を手に入ったよ!」
 なんかヤバそうな台詞だけれど…その子、殺っちゃえばいいの?
「何故!?」
 いやだってそのネタの少女、最近は殺っちゃう系少女として再登場してるし…。
 それは置いておいて、船首像を怨霊と同化させて支配下に置いた狼煙は残った船首像達も同じように怨霊にモグモグさせて配下にしていき、ついには幽霊船を護りは瓦解させたのだった。
「では、あの船の装備なりを確認させてもらいましょうかね」
 海上での移動手段を手に入れた狼煙はそのまま幽霊船に何があるのかを確認しようと近づいていくのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第2章 ボス戦 『幽霊船』

POW   :    幽霊船一斉砲撃
【海賊船に搭載された全ての大砲】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
SPD   :    幽霊団の船出
レベル×1体の、【カトラスを装備した右手の甲】に1と刻印された戦闘用【幽霊海賊団員】を召喚する。合体させると数字が合計され強くなる。
WIZ   :    聖エルモの炎
全身を【不気味な紫の光】で覆い、自身が敵から受けた【攻撃回数】に比例した戦闘力増強と、生命力吸収能力を得る。

イラスト:猫背

👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 海上の移動手段を手にいれたとある喫茶店の眼鏡マスターが幽霊船に近づいて行くが、単に近づいて行くだけでは的である。
 幽霊船の上で複数の何かが蠢けば、突き出された大砲が喫茶店マスターに向けられて、轟ッと大きな音が鳴り響く。
 その後どうなったかはともかくとして、何か兵士のような者がいることと大砲が装備されていることを体当たり?で判明させたのだった。
 ……というか直接甲板に乗ってたら危なかったんじゃないのか?

 大砲の一発を合図にするかのように、幽霊船がゆっくりと前に出てくる。
 島の調査をするためにも上陸を阻む幽霊船をここで討ち果たし、あるべき世界に還して解放させてあげよう。
ベム・クラーク
アドリブ連携歓迎です。

「あ、あの人救助を、いえ、急いで大砲を沈黙させましょう。」

何か非常識な光景を見てしまった事実からカメラアイをそらして、砲撃してくる大砲を優先して「フルバースト・マキシマム」を撃ち込みます。

スペースシップワールドでの艦隊戦を思い出しながら「戦闘知識」「砲撃」「一斉発射」「制圧射撃」「誘導弾」「スナイパー」「吹き飛ばし」で幽霊船の砲撃の妨害と撃破を行います。

「幽霊船の弾薬はどこで補給しているのでしょう。ドックも幽霊なんでしょうか?」


安里・真優
【心境】
「ゆーれい船かぁ…やっぱお宝無さそう…」
それじゃあ頑張って成仏させないとね。
あ、おはらい用の清め塩用意しておかないと…。

【行動】
判定:WIZ

さて、蒼穹の剣号で『サーフィン』して接近だよ。
って大砲きたーー。あぶない。経験豊富な『航海術』で波を読みつつ、カメゴンに『念動力』で逸らしてもらうよ。あ、カメゴンはお船で援護射撃よろしく。
「カメゴン、破壊光線!!」
ユーベルコード:桜の輝は死の香りでカメゴンの破壊光線に合わせて私も胸元から取り出したコールドコインを『属性攻撃』炎を付与して指で弾いて『投擲』だよ。
やすらに眠りなさい。せめて祈ります汝の魂に救いアレ。


【その他】
アドリブ他猟兵との絡みOK



 幽霊船から醸し出される異様な雰囲気と佇まい…よりもついさっき吹っ飛ばされた人がいるという事実に困惑しているベム・クラーク(ウォーマシンの鎧装騎兵・f27033)だった
「あ、あの人を救助を、いえ、急いで大砲を沈黙させましょう」
 何か非常識な光景を見たことで、海に落ちたことへの救助をしようとするが、それを許してくれる様子もを見せない幽霊船に、先に安全を確保する方が先だとベムはカメラアイをそちらに向ける。
 あり得ない光景から目を逸らした。という訳でもないだろう、……多分。
 ちなみに、海に落とされた眼鏡さんは配下にした者達から掬われてるのでそっちの問題はないです。

 そっちは問題はないとして、幽霊船を前にしているのは安里・真優(巨人の冒険商人・f26177)も同じ。
「ゆーれい船かぁ…やっぱりお宝無さそう…」
 お宝の一つでも乗せてないかと期待していたが、それも無さそうと落胆する真優。
 何らかの理由で沈んだりした船が幽霊船と噂されるのは海が身近にあればよくある話であろうが、ここは場所が場所である。今回の幽霊船はお宝よりも恨み辛みの方が満載かもしれない。
「あ、おはらい用の清めの塩用意しておかないと…」
 相手が幽霊なんだし、祓い清めるためと、塩が無いかとガサゴソ……オブリビオンとなった存在に浄めの塩って効くんだろうか?

 そんなこんなしてはいたが、動きだした幽霊船は待ってはくれない。轟ッ!轟ッ! と、備えられている大砲から撃ちだしてきた。
「そう簡単には撃ち落とさせたりはさせませんよ!」
 撃ちだされてきた大砲の弾丸を迎撃しようと、ベムは装備している全ての武装を展開させて迎えうつ。
 サイズの差はあれども射撃戦となった様相に、ベムは宇宙世界の艦隊戦を思い出していた。

 幽霊船から撃たれる大砲は大気や重力の影響を受けるために、その弾道も読みやすく、宇宙という他の影響がほぼ0の空間での撃ち合いの経験を持つベムにしてみれば、その難易度は大幅に下がるというものだろう。
「幽霊船の弾薬はどこで補給しているのでしょう。ドッグも幽霊なんでしょうか?」
 その撃ちあいは、ふと補給も無しで撃ってくる幽霊船に、どこで弾を調達してるのかと疑問と思う余裕が見えるほどだった。
 ……ベムその疑問に関しては、学者であっても解明は困難だと思う。調べるにしても危ないってのもあるし。

 幽霊船との撃ちあいを続けるベムと共に受け持つ一人…ではなく一匹。真優のカメゴンである。
 海上の時とは違い、船の上で足をしっかりと着けてるために、カメゴンも十全に力を発揮できていた。
 カメゴンは飛んでくる砲弾を持ち前の念動力で受け流して、船に当たらないようにしている。それもあってベムの迎撃も楽になっていたのだ。
 その力は弾雨の中をサーフボードで突っ切っていく真優の方にも届いている。
 雨霰とと降り注ぐ弾丸の中には、それが真優に届いてしまうといった物があったが、カメゴンのその力で軌道を逸らされて真優に当たる事はない。
 真優も真優で、撃ちあいの末に海におちた砲弾が海面に波を作るって読み辛くされてはいるが、海にでたことで磨き上げられた航海術で波を詠み切り、そして幽霊船のすぐ側にへと近づいた。

 真優に接近されたことに気づいた幽霊船は、砲門を一つ、真優の方へと向けるが。
「カメゴン、破壊光線!」
 撃たれるよりも速く、真優がカメゴンへと指示を出して、カメゴンの口から、大砲よりもなお強烈な爆音を生みながら幽霊船に向けて閃光が放たれた。
 真優は胸元に手を突っ込むと、そこから取りだした一つのコインを燃やし、閃光に合わせるようにして幽霊船へと弾き飛ばした。
 弾かれたコインは真優に向けられた砲門の口に飲みこまれ、そこに閃光が突き刺さり、飲みこんでいく。
 これによって砲門の一つを潰したが、それよりもこの余波を受けて幽霊船から何か爆発するような音が鳴ったが、そちらの方がよほどのダメージだろう。
 肺胞の雨が止み、そこを隙とみたベムも閃光に飲まれた部分に武装の一斉斉射を重ねて行く。
「やすらかに眠りなさい。汝の魂に救いアレ」
 せめて祈ってあげようと真優が祈りを捧げた幽霊船だが、そこかしこで爆炎を立てさせながら大きく船体を傾げたのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

満月・双葉
【喫茶店の刺客】
狼煙ー生きてるかー
まぁいっか(大丈夫だろう)
【空中戦】で遠距離から狼煙を【援護射撃】していくよ
大砲には、大根で対抗
何せ僕の大根は特別製…爆発の【属性攻撃】付だ
大根を焼くのではなく大根が焼く
虹瞳を引き続き利用
【生命力吸収攻撃】を命に直接叩き込む【鎧無視攻撃】で敵を確実に弱らせていく
魔眼で相手の命を視て、弱点が判ればユーベルコードも利用していく

海に叩き落とされる訳にはいかない
何せ僕は泳げないんだから
敵の攻撃は【野生の勘】で【見切り】するか、【オーラ防御】で防御する ダメージは【激痛耐性】で無視して動く
痛覚無視の訓練しておいて良かった良かった

狼煙、風邪引くなよ?


大神・狼煙
【喫茶店の刺客】

なるほど、奴も配下と大砲を備え……あっやべ

轟ッ!!

配下達は海中へと退避させたものの、その際に水中に適応していない自分は足手まとい……

いや、だからって何故投げ捨てる!?

砲弾が直撃、眼鏡はお星様になったのだ……

双葉ちゃんが撃墜されると不味いため、配下達は彼女の救出に向け、水中にて待機

本来の主人とも戦いたくない……よね?

はてさて、空高く吹き飛ばされ、落下して来たら機械巨人の拳を転送

双葉ちゃんの大根爆撃で注意を引いてもらいつつ、直上から拳を叩き落として甲板、あわよくば貫通させて竜骨を叩き割る

反撃? この世代の大砲、真上には撃てないはずだが?

撃てても拳ごと落とし返す



 敵を支配下に置くことで水中の移動手段を手に入れた大神・狼煙(コーヒー味・f06108)だが、そのまま幽霊船を観察するために近づいていたが…船首像が纏まっていれば狙ってくれと言ってるような物。
「なるほど、奴も配下と大砲を備え……(ガゴン!)あっやっべ」
 幽霊船の甲板に蠢く何かと側面や正面に取り付けられた大砲をを見つけた狼煙だが、その中いなった大砲が狼煙の方にその砲口を向けたのである。当然、轟音を鳴らす。
 轟ッ!!
 大砲が放たれたことでこれま拙いと狼煙は咄嗟に船首像達を海中に退避させようとするが、水の中では活動が著しく制限される狼煙は連れてけないと狼煙を荷物のようにポイッ。
「いや、だからって何故投げ捨てる!?」
 荷物のように投げ捨てたのは咄嗟のことと、人一人程の小ささならまず『当たらなければ、どうということもない』といったからだろう。きっと支配下から逃れたわけではない…ハズ。
 ただ、投げた方向に問題があったようだが。
 放り捨てられた狼煙だが、飛んで行った所にまるで吸い込まれるようにして飛来してくる砲弾。
 あっ、やっべって表情をする狼煙を投げた船首像。
「ああぁぁぁ~~~~!!?」
 ドォーン!! と空中で狼煙を巻きこみ、まぁホームランみたいに打ち上げられた。
 哀れ、空の星となった眼鏡だった。……さっきは海で今度は空かぁ。

「狼煙ー生きてるかー……まぁいっか」
 お空の星になった狼煙を心配する、ようで即(大丈夫だろう)と判断する、己の翼で飛んでいたままの満月・双葉(神出鬼没な星のカケラ・f01681)。
 狼煙に対する謎の信頼なのか、それともいつものことと割り切ってるのかよく分らないが、一つ分かっていることは狼煙が戦線離脱してる状態であり、現状双葉が一人で幽霊船の相手をしなければいけないと言うことである。
(船首像達は双葉の下でどっかから持ってきた投網を落ちても受け止めるよ! って言いたそうに拡げてネットみたいにしてた)
 下で安全対策を取ってはくれているものの、双葉本人としては海の上で落ちることはしたくない。だって彼女は泳げないのだから。
 そんなわけで、双葉を撃墜してやろうと撃たれてくる砲弾はどうにかしなければいけないのだ。

 飛んでくる砲弾に対して双葉が取りだしたのは…大根。何処からどう見ても、紛うことなく大根だった。
 大根をバットのように振りかぶると、砲弾に合わせるようにフルスイング!
 ドゴンっ!! ……大根が金属製の物に当たったら出るような音じゃなかった。
「僕の大根は特別製…」
 勢いが付いた物質に正面から叩きつけたのに関わらず、傷一つない大根は確かに特別製なのだろう。

 ………ゥゥゥゥゥ…。

 飛んでくる砲弾を大根で撃ち返し、そのたびボカンドカンと爆発音が響き渡る。幽霊船の大砲は炸裂するタイプではないはずなのだが。
 そもそも爆発してるのは撃ち返された物だけだ。つまりは爆発しているのは大根の力である。……ちょっと何言ってるのか分らなくなるけど。大根ってこんな凶悪だっけ?

 ヒュウゥゥゥゥゥ……。

 ボカボカと激しい音に紛れるようにして、上から何か降ってきた。
 空の星と言ったが、それは物理的な意味で空に吹っ飛ばされて星になっていた狼煙が降ってきた音だ。
 激しい音に落下の音が紛れていたことで、幽霊船が狼煙に気づいてももう既に遅い。
「その世代の船では大砲は真上には撃てないでしょう!!」
 落ちてきながら狼煙は機械兵器の腕を召喚装着して、船の頭上という死角からの急降下アタックを敢行した。
 バギャッ! メギィッ!!
 勢いのつきすぎたそれは幽霊船の甲板や側面を抉るように貫き、その衝撃は船の命である竜骨に少なくないダメージを与えたようで、竜骨には無数の罅が走ったようだった。

 そんな一撃を与えた狼煙はと言うと…。
「狼煙、風邪引くなよ?」
 高所からの落下の衝撃は幽霊船の方に大半は叩きこめたが、あまりに高すぎる所からの落下だったことで全ての衝撃を殺しきれずにまたもプカプカと海に浮かんでいた。
「風邪はともかく、今は節々が痛いですね」
 軽めに返せる辺り、軽傷程度で済んでいるようだけれども。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

徳川・家光(サポート)
『将軍なんだから、戦わなきゃね』
『この家光、悪は決して許せぬ!』
『一か八か……嫌いな言葉じゃありません!』
 サムライエンパイアの将軍ですが、普通の猟兵として描写していただけるとありがたいです。ユーベルコードは指定した物をどれでも使いますが、全般的な特徴として「悪事を許せない」直情的な傾向と、「負傷を厭わない」捨て身の戦法を得意とします。
 嫁が何百人もいるので色仕掛けには反応しません。また、エンパイアの偉い人には会いません(話がややこしくなるので)。
よく使う武器は「大天狗正宗」「千子村正権現」「鎚曇斬剣」です。
普段の一人称は「僕」、真剣な時は「余」です。
あとはおまかせ。よろしくです!



 沈んでも可笑しくないほどに破損が激しくなった幽霊船だが、それでも沈まないのは積もった恨み辛みに寄る物なのか。
 もはや幾ばくも無く最期を迎えそうな幽霊船に引導を渡すために対峙してるのは徳川・家光(江戸幕府将軍・f04430)だ。なんで将軍がここにいるの? と聞かれそうではあるが、将軍の前に一人の猟兵というスタンスなだけである。「将軍なんだから、戦わなきゃね」というのは本人の弁である。

 満身創痍としかいいようない幽霊船が動きだす。猟兵達が乗ってきた船諸共に海の藻屑にするのか、それとも同じ船の括りなのだし、修繕用にするためなのか、幽霊船のその進む先はぶつかるコースだ。
「一か八かは……嫌いな言葉じゃありません!」
 そう叫ぶと同時に、家光は乗っている船から迫ってきている敵地とも言うべき幽霊船へと飛び移る。
『火産霊丸よ、焔の底より出ませい!』
 飛び移りながら、焔に包まれた巨躯の白馬を呼び出せば、その白馬に跨りながら幽霊船の甲板の上に立った。
 飛び移られたことで、幽霊船の意識は家光の方に向いたようで、船への衝突コースからは外れたようであり、そうされた原因となった家光を先に排除してやろうと幽霊船は蠢く。
 火産霊丸に跨る家光を自らの甲板から叩き落とそうとするため、青白い肌色や顔色をしたまるで幽霊のような海賊達が甲板の上に生みだされていくが、家光はそれらを前にしながらも堂々として声を張り上げる。
「さぁ、余がお前たちをあるべき場所に送ってやろう!」

 長年の研鑽による乗馬術は確かなもので、幽霊海賊が降ってくるカトラスの刃を弾き、その弾かれて体勢を崩しているその身体に名刀の斬れ味をしっかりと叩きこんだ。
 人と馬の、人馬一体となって幽霊船の甲板の上で暴れまわる家光に、まずは馬をどうにかしてやろうと幽霊海賊の一部は動くのだが、馬の前や後ろに立つのは危険である。案の定、後ろに立った者は蹴りつけられ、前に立つ者は振り上げた前脚によって踏みつぶされる。
 これ以上の好き勝手はさせまいと、残った幽霊海賊は一つの集まり、一人となった。
 一つに集まったことで、先ほどまでの有象無象のような希薄そうな印象はなく、強く存在を感じられるようでもあった。
「ほう……。どうやら乾坤一擲を望むようだな」
 ただ一つの海賊はその眼を確かに家光に向けて、相手の覚悟を肌で感じた家光は同じように覚悟を決めて白馬と共に向き合う。

 いつの間にか、幽霊船のそこかしこに火が熾る。存分に暴れた火産霊丸の焔が燃え移ったのか、それとも最期が近い幽霊船が燃え尽きようとしているからだろうか?
 互いに向き合いながら動かずにいたが、炎に周りを囲まれて行く中で、どちらともに動きだした。
 同じように駆けだし、そして交差する。
 跳躍して落下の勢いをつけた海賊が掲げたカトラスを受け止め、流そうとする家光だが、振り絞られた力は重く、流せずにただ受け止めるだけに留まる。
 力比べのように押しあう形となったが、その均衡を崩すように仕掛けたのは家光の方だった。

 僅かに力を抜いて、海賊のカトラスの刃が家光の身体に喰い込み始めて、白揃えに赤い色が染みだす。
 それを好機と見た海賊が再度の力を籠めるために極少々に力を抜いた瞬間。
「勝った、と思うのはまだ早すぎるであろう!」
 自らの身に傷が付くことも厭わずに起こしたことで起きた崩れた均衡のその瞬間を見逃さず、家光はその瞬間にカトラスを弾き飛ばし、そして直刃の鉄剣を振り抜いて海賊の首に一閃。

 首に一閃を受けた海賊は、首と胴が離れたかのように見えたが、そのように見えたのは幻だったのか、その姿を霧散させる。そしてそれは幽霊船の最期の時でもあった。
「おっとと…、もう戻らないと危ないね」
 崩れ落ち始めた幽霊船から脱出するため、乗り移った時と同じようで、今度は火産霊丸に跨ったままに幽霊船から飛び出して、元の船に戻る家光。
 元の船に戻り、幽霊船の方を見れば、そこには炎に包まれて崩れていく幽霊船の姿。

 炎に包まれ崩れていく幽霊船だが、最後の力なのか大砲の一門が動き、一発だけ撃ちだした。それは猟兵達の乗る船とはまるで見当違いの方向に飛んで行く…。
 その砲弾は屋敷の傍にある石像の足元に着弾、根元から崩していった。それは、島となった屋敷の元の主への意趣返しであったのだろうか? それを知ることはもはや叶わない。
 炎に包まれた幽霊船は、その炎を供として消えてしまったのだから。

 島となった屋敷への上陸を阻んでいたものは、もう無い。

成功 🔵​🔵​🔴​




第3章 冒険 『闇の中へ』

POW   :    自ら闇の中へ飛び込む

SPD   :    気配を消して進む

WIZ   :    注意深く行動する

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 島のようになっている屋敷へとようやくの上陸を果たす猟兵達。
 この屋敷の元の世界から考えるに、死臭がこびりついていそうではあるが、それも潮風に洗い流されたのか、それてもいまだ残っているのか…。 

 乗り上げる前、幽霊船と戦う前はまだ闇が濃かったような気がするが、屋敷へと乗り上げたときには、まだまだ薄暗くはあるが、必ずしも灯りが必要とも言えないくらいには闇が薄れているような気がする。
 ここになにか思う物があった幽霊船を討ち果たしからなのか分からないが、探索は多少のほどであるが、しやしくはなっているだろう。
 ここには一体、何があるのだろうか?
 薄暗闇の中で探索を始めればすぐに見つかったのは、もはや下品と評されそうなほどにこれでもかと金が使われた何を象ったのか分らない珍妙な置き物がそこら辺に転がっていた。造形はともかくとして、構成する素材そのものは使えることだろう。
 もしかしたら、このような物を持ちだす暇もなかったのかもしれない。(持ちだせた所で置き物そのものに価値を見出せる人物がいたかは疑問だが)探せば何かしら見つかるかも?
安里・真優
【心境】
「う~ん。苦労した割に実入りが少なさそうですねー。」
それ以上に帰る時も苦労しそうで少し憂鬱ですねー。

【行動】
判定:WIZ

マンボン。『焼却』の火を噴いて照らしてください。
さすがに巨人的にはこの暗さでは足元に不安が残りますよ(苦笑)
さて、実は昨夜に『占星術』で運を占っていました。はいラッキーアイテムのピンクのバックを持って『宝探し』です。これで運気が上がる…といいなぁ。
ダコタンとカメゴンも島の探索手伝ってくださいね。
屋敷の周りを探索ですねー。え?中??
……巨人には厳しいですねー。あの荒れ模様だと絶対床ぬけるんですよ(すでに経験済み)

注意深く行動です(地下室の天井を踏み抜いたらしい)



 番人としてあった幽霊船とその配下達を討ち、ようやく島への上陸を阻むものはいなくなった。
 薄暗さの中で猟兵が早速と探索するために乗り上げている中で、安里・真優(巨人の冒険商人・f26177)は上陸せずにいた。
「マンボン。火を噴いて照らしてください」
 灯りが必要なさそうなほどの暗さとはいっても、それは普通の人の場合であって、真優は巨人である。どうにも足元に不安が残るなぁと苦笑い。
 そんな真優のその指示を聞いたマンボウことマンボンは辺りを火で照らしだす。
 辺りが火の灯りで照らされたことで、真優達の周りの闇を晴らして島の細部を浮き彫りにしていく。
「さて…はい、ラッキーアイテムのピンクのバックー」
 ここに来る前に昨夜の間に占っていたらしく、その結果としてのラッキーアイテムを某子守ロボっトのように…ではないけれど、見せるようにして掲げた。
「う~ん、苦労した割に見入りが少なそうですねー。このバッグで運気が上がる…といいなぁ」
 占ったことだし、何かしら見つけられるといいなってくらいの気の持ちようではあるみたいだけれど。

「それじゃあ、屋敷の周りを探索ですねー。ダコタンとカメゴンも島の探索手伝ってくださいね」
 マンボンの火の灯りに、ゆらゆらと映る大きな影。なんてことはない、大きな身体のタコのダコタンとリクガメのカメゴンで、どちらも真優のペットだ。
 真優が探索に乗りだそうとするけれど(屋敷の中はどうするのか?)と聞いて(?)きたことに対して真優は。 
「屋敷の中は……巨人には厳しそうですねー…」
 幽霊船に護られていた時でも、遠目でもボロそうっぽく見えていたが、近づき、火で照らしてみれば思っていた以上にボロボロだったのだ。今まで人の手が入らなかったのだから当然なのかもしれないが。
 あの荒れ模様だと絶対床が抜けるんですよ…と、何か既に経験したかのような遠い目をする真優。
 身体が大きいのが当然の巨人とはいえ、真優は女の子。床の方に問題があっても、踏み抜いて『重い』なんて突きつけれられるような出来事には遭いたくないのだ。

 真優が遠い目から戻って、ペット達と共に島の周りに何があるのかを探してみれば、火の灯りもあって意外と何かしら転がっているのを見つけられた。
「それにしても、悪趣味な品物ばっかりですねー」
 拾った物品は少ないけれども、そのどれもが芸術性が無い成金趣味と指摘されそうな物ばかり。おそらくだが権力と富の象徴して作らせたのかもしれない。そしてそれらが残されているのも、屋敷がこの世界に落ちて取る物も取らずに主はここから逃げたのか。
 この屋敷が辿った歴史は分らないが、残された品物その物の芸術的価値はともかく素材としては利用できそうなので真優はそれを拾ってピンクのバッグに詰めていった。

 カメゴンが何かに足を取られたといったハプニングがあったものの、いくつかは品物を拾えた。ただバッグが一杯になるほどではなかった。
 探索する前に懸念した実入りが少なそうってことと、マンボウの灯りが届かない場所は薄暗いままなので、その薄闇を見て帰りも苦労しそうとなにか少し憂鬱な気分になる真優なのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

満月・双葉
【喫茶店からの刺客】
よし!狼煙、金目のものを探すぞ手伝え
……言わなくてももう探してたね

【野生の勘】でもって探してみよう
静止はきかない

とりあえず、危険なのが残ってないかは警戒しつつ、何処かウキウキしながら探索する
金目のものを持ち帰るのは悪魔でもついでで……どんなやつが住んでいたのか興味があるじゃん
だって、ねぇ?
悪趣味なんだものさ…

恐怖による支配って無駄な労力がかかるからお勧めしないんだけどねぇ?
こんな子供でも判るようなことを
吸血鬼って馬鹿なのかな

そう言えば狼煙、けがの方は大丈夫?

金になるなら何でも良いの精神で拾う
仕方ないお金ないもの!!


大神・狼煙
【喫茶店からの刺客】

ヒャッハー!純金だぁ!!

双葉が振り返るとそこには、転がる金細工を拾い集める眼鏡の姿があった。


怪我?あれくらいならいつもの爆発の方がヤバげふんげふん

あ、あまり深入りはしない方がいいよ

多分住んでたのは貴族級吸血鬼だろうからねー

全部は分かんないけど、この金細工辺りは飾り皿でね、ここに殺した人間の首を置いておくだろう?

すると、金は腐食しづらいから、人の首だけが腐っていく

そうやって見せしめにして、奴隷から反抗心を奪ったり、周囲の人民に恐怖を与えたりするのさ

何故知ってるか?

俺、ダクセ出身だもん⭐︎

平然とヤベー金細工を拾う、赤貧眼鏡の図……

仕方ないよね、お金がないんだもの!!



 芸術的価値は無くとも金目の物ってことには違いはない。

「よし! 狼煙、金目のものを探すぞ手伝え」
 なにか色々と転がってる屋敷内部で、使われてる素材その物が金目の物になり得るってことで早速と他にもないか探すぞと相方にも手伝わせようとする満月・双葉(時に紡がれた星の欠片・f01681)が振り返るが。
「ヒャッハー! 純金だぁ!!」
「……言わなくてももう探してたね」
 まぁ……その相方である大神・狼煙(コーヒー味・f06108)は、双葉に言われる前に既に目の色を変えて辺りを探っていたが。
「そう言えば狼煙、けがの方は大丈夫?」
 軽傷とはいえ、怪我したことには変わりなく、具合はどうなのかと聞く双葉だけれど、聞かれた当人の狼煙は、怪我したことなんて感じさせさにようだった。
 本人曰く「あれくらいならいつもの爆発の方がヤバげふんげふん」ってなことを言ってることから、あれくらいは怪我の内に入らないのかもしれない。
 ……彼のお店でよく起きる出来事を知ってる者であるならば、何を言ってるのかは分かることだけど……というか日常的に大怪我してるってことでは?
「あ、あまり深入りしない方がいいよ」
 そういうことらしい。

 狼煙の普段からの扱われ方には触れないことにしておいて、双葉は双葉で勘を頼りに目星を付けて探していた。
 何かの危険が潜んでいないかと警戒はしてはいるものの、宝探しのようで何処かウキウキとしてるようである。
 今の双葉は例え止められようとも止まる様子ではない。って言っても、狼煙も似たような状態だし、止める人なんていないんだけれど。

「けど、どんなやつが住んでたのか興味があるね、だってほら、悪趣味じゃん?」
 屋敷の主に興味が湧いた双葉の手にはなにか赤黒いシミがこびりついた飾りが付いた皿やらゴブレットがあった。
 赤黒いシミは、見ているとどうにみ生理的な嫌悪感を覚えるようで、元から低い価値の品が余計に暴落させているかのようである。
「多分住んでたのは貴族級吸血鬼だろうからねー」
 双葉が見つけた品物を見て、狼煙はどんな奴が住んでたのかを推測した。
「全部は分かんないけど、この金細工辺りは飾り皿でね、ここに殺した人間の首を置いておくだろ? すると、金は腐食しづらいから、人の首だけ腐っていく」
 シミがある飾り皿の用途がどんなものであったのか推測を交えて説明する狼煙だけれど、その推測はほぼ間違いはないだろう。
 それにしてもまるで見たことがあるかのような説明だったけれど……。
「俺、ダクセ出身だもん☆」
 あぁ、その世界出身ならそんなことした輩を見たこともありえますか。

「そうやって見せしめにして、奴隷から反抗心を奪ったり、周囲の人間に恐怖を与えたりするのさ」
 皿の用途がどんう使われていたのかを説明した狼煙に対して、双葉が思ったことは『吸血鬼って馬鹿なのかな』ってことだった。
 他者を恐怖で支配するのならば、相応の労力がかかるはずだからである。そんな、子供でも判るをことをしたからこそ、そう思ったのだ。

 屋敷にはそんなことをしたであろう吸血鬼の主はもはやなく、あるのはそれを思わせる残滓があるだけだ。
 双葉も狼煙も、この屋敷で起きたであろうことは既に昔として、普通に赤黒いシミが付いているなにかヤベー呪いが付いちゃってそうな金細工の皿やら何やら拾ってはをいそいそとしまい込む。
 結局のところ、お金になりそうならなんでもいいのである。
「「仕方ないよね、お金ないんだもの!!」」
 全部、貧乏が悪いってことですね。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

グァンデ・アォ(サポート)
《アドリブ、連携、苦戦描写、ユーベルコード詠唱変更、その他何でも歓迎です》

「おや? あれは何だろう……ねーねー、そこのオネーさん、これは何なの?」

通常はだいたいイラストの通りのキャラクターです。
好奇心の向くまま、あちこちウロチョロ飛び回っては、なんやかんやで状況を動かします。
念動力でその場にあるものをなんやかんやしたり、ウロチョロ飛び回ってなんやかんやしたり、危険な行為に勇気を出してなんやかんやします。

「サポートAI、『大人の』グァンデです。よろしくお願いします」

マシンヘルムに変形して誰かに装着してもらう(攻性ユニット化)場合に限り、口調と人格が大人のそれになり、装着者の行動をアシストします。



 薄暗い屋敷の中、何があるのかと好奇心の赴くままにグァンデ・アォ(敖 広徳・f10200)が飛び回っている。
 ただ思うままに飛び回り、部屋の一つ一つを覗いていくが、最上階に鍵がかかっていて開かない扉が一つあるだけで、大抵の部屋は乱雑に物が散乱しており、もしそこを調べるのならば一苦労しそうなのは一目で分かりそうである。
「どこもかしこも同じー。何かあったりするかなー? そういえばあの扉の鍵って何処にあるんだろ?」
 部屋を覗いて行くうちにどこも似たり寄ったりな光景に飽きて来たようで、なら鍵かかかってた扉の鍵を探そう! ってことで、散乱してる中にあるかなと、そこから浮かせては何かあるかなとどかしていく。
 ただ、これもこれで単調な作業でしかなく、辛い作業ともいえる。
 最初は丁寧に作業していたグァンデだけれど、その内に品物の扱いも若干ぞんざいさが滲み出てきているようだった(流石に壊れやすそうな物はちゃんと扱ってはいるけれど)
 そんな中、転がっていた小さな小箱を適当に放り捨てるように投げ捨てると、小箱は落ちた衝撃で壊れたらしく、小箱から投げられるように飛び出した物体が床に甲高い音を立てて転がった。
「あれ? 今の音はなんだろうか?」
 繰り返しの作業の中で、いつもとの違う出来事に何があったのだろうかと音の発生源の方に顔を向ければ、壊れた小箱の傍には、なにか装飾された金属の棒……鍵が転がっていた。
「鍵、見つけた!」
 開かない扉が一つだけだったのだから、どこの鍵であったかなんて考えるまでもない。その扉をこれで開けられると喜び勇んでグァンデは件の扉に急行した。

 施錠された扉の前にまでやってきたグァンデは、見つけた鍵を慎重に鍵穴に差しこんで回すと、僅かの抵抗があっただけでカチャリと扉の鍵が開いた。
「ここだけまだ見れてないし、何があるかな……」
 一体、何が待ち受けているのかとドキドキしながら扉を開ければ、そこには今までの部屋より一層広々とした空間が広がっていた。
「広いなー。もしかしてここがこの屋敷の当主の部屋だったのかも?」
 今までで一番の広さにそう予測するのだけれど、備え付けられている調度品がそう思わせるに十分である。

 この部屋にも何があるのかと見て回ろうとするが、動こうとする前に、大きな、悠に5人は横になれそうなほどにお起きなベッドに何か人影のような物が見えたので、そこに誰かいるのかと調べる為にそちらに近づけば、そこに居たのはもう何十年と立ったのであろう、骨と化した2人の亡骸であった。
「この人達って、ここの当主?」
 この部屋にいるのだから、そう疑問に思うのも当然だろうが、ボロボロでよく分らないがよく見れば着ている服は良い物には見えない。
 おそらくであるが、この屋敷に取り残された、奴隷辺りの身分の者達なのだろう。
 ふと、外に続くバルコニーの方にも人影が見えた事で、そっちにも似たようなことがあるのだろうかと、グァンデはバルコニーの方に出てみる。

 そこには、テーブルに杯を置いたまま椅子に腰かけたまま、先の2人と同じように骨になった者が居た。
「この人、最後まで生き残った人なのかな」
 それももはや遠い過去に置き去りにされた事柄だ。もはや憶測することでしか当時を偲ぶことしかできないだろう。
 グァンデは、その椅子に座ったままの姿であるのは辛いだろうと、丁寧に、そして慎重に浮かせると、中まであろう2人の亡骸と一章に横たえたあげた。
「今はこれくらいしかできないけど」
 ――安らかにお休みない。
 そう、ここで眠り付いた者達に祈りを捧げて、此処で見つけたことを伝えるために船のい帰途に着いたのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​


 一際大きな部屋、おそらく当主の部屋であろう。
 そこで見つかった3人の亡骸は、一体どんな思いで最後の瞬間を迎えたのだろうか?
 テーブルの上の杯の中身は既に乾燥しており、中見は無い。当時の事を知る術は、今この場しかなく、他はもう失われている。
 しかし、今はそれよりも、この屋敷に囚われ、犠牲となったきた者達に漸くと安息した眠りを捧げられるほうが重要なことだろう。
 今回探されてはいないけれど、浸水した屋敷の地下には、そこに閉じ込められたままに事切れた者達の亡骸もあったのだ。
 その者達にも、陽の下に連れだして穏やかな眠りを与えてやるべきだろう。

 猟兵達が引き上げるころには、屋敷を渦巻く闇を祓うように日が差しこみ、屋敷の闇が心なしか晴れて行くような気がした。

最終結果:成功

完成日:2020年06月14日


挿絵イラスト