絆を紡ぎし航海路〜グラディウス号島攻略戦〜
●グリードオーシャン・グラディウス号島
異世界から落ちてきた島と広大な海が広がる世界「グリードオーシャン」。その島々を奪い合う世界において、力無き者は悪であり、力を持つ者こそ正義として生き残る。
そんな世界で原住民や異世界から落ちてきた島に住んでいた人々が支配して暮らしている島もあれば、そうでない島もある。世界に眠る呪われた秘宝「メガリス」に魅入られ、呪われて死んだ者。それらは死後甦り、人に仇なす怪物となる。その怪物を、人々は「コンキスタドール」と呼んだ。
そしてこの島、グラディウス号島はそのコンキスタドールによって支配されている。スペースシップワールドから落ちてきたと思われるこの島の原住民達はもういない。すべてこの島を支配するコンキスタドールに殺されたからだ。
そのコンキスタドールは島の内部にある司令官室に鎮座している。彼女の名前はエマ・スプリングフィールド。この島、いやグラディウス号の元白兵戦部隊の隊長であった。元は銀河帝国軍にも渡り合う賞金稼ぎだっただけに腕利きであって、このグリードオーシャンに落ちてきた直後でも、その環境に適応していた。迫りくる海賊やサーペント達を撃退し、生存圏を確保しようと精力的に戦闘をこなしていた。だがある海賊が所持していたメガリスを手にした時、彼女の運命は狂った。彼女はメガリスの呪いに耐えきれずに死に、そしてコンキスタドールと成り果てた。
その後は自身が沈めた船の艦首をコンキスタドールに変えて、グラディウス号島へと逆侵攻を仕掛けた。勝手知る場所故に攻略は容易であり、元同僚達を容赦なく殺戮した。そして今は人一人としていないこの島を中心として、海賊行動を繰り返しているというわけだ。
「もっとだ。もっと死を、屍を集めるんだよ」
もはや彼女に残っているのは敵を殺し、栄誉を得るという賞金稼ぎとしての本能だけ。部下を率いてエマ・スプリングフィールドは今日も死を集める為に出陣する。
●グリモアベース・ブリーフィングルーム
「ということで、早速グリードオーシャンに入り込んで問題事じゃのー」
そう言ってグリモア猟兵、メイスン・ドットハック(ウィザード級ハッカー(引き籠り)・f03092)は溜息をつく。その画面にはつい先日グリードオーシャンに入ることに成功した鉄甲船「失絆号」と宇宙船の名残を残した「グラディウス号島」が映し出されている。
「これから航海して探索しようとしているところじゃけど、まず最初に立ち寄った島がすでにコンキスタドールと呼ばれるオブリビオンに完全制圧されておってのー」
元いた島民は誰も生き残っていない死の島。それが現状のグラディウス号島らしい。そしてその島を拠点として、この島のコンキスタドール達は周辺海域に海賊行動を繰り返し実行しているらしい。
この島を回避して進むという選択肢はあるが、洋上で襲われれば危険な上に、近くの島も危険に晒され続けるだろう。故に、メイスンは猟兵達にこの島の攻略を依頼する。
「この島を支配するのはエマ・スプリングフィールドと呼ばれる元賞金稼ぎじゃのー。じゃけど詳しいことはわからん」
その言葉に猟兵達は首を傾げる。実はグリードオーシャンは異常気象のせいか、グリモアの予知とテレポート、そして島間の飛行が阻害されているらしい。故に予知も断片的でり不正確に成らざるを得ず、テレポートも鉄甲船に限定される。つまりグリモアの力を発揮するためにも鉄甲船で航海して、一つ一つ島を巡ってきくしかないのだ。
「予知や転移も限定的になる上に未知の海と島。危険は承知じゃけど、冒険にそれは付き物じゃけーのー」
メイスンは猟兵達を信じていると言った口振りで、鉄甲船「失絆号」へと送り出す。
強欲の海に点在する未知の島々。その最初の一歩で猟兵達はコンキスタドールという脅威とさっそくぶつかろうとしていた。
ライラ.hack
海賊! 財宝! コンキスタドール! 全くいい時代なったものだぜ!
どうも皆様こんにちは、ライラ.hackです。
この度はコンキスタドールが支配するグリードオーシャンの島の一つである「グラディウス号島」を攻略して頂きます。
この島の主であるエマ・スプリングフィールドの来歴しか情報はない状態です。
すべての困難を乗り越えて、グラディウス号島をコンキスタドールの支配から解放して下さい。
簡潔ですが、説明は以上となります。
それでは皆様の素晴らしいプレイングをお待ちしております。
第1章 集団戦
『呪われた船首像』
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POW : まとわりつく触腕
【下半身の触腕】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD : 掻き毟る爪
【水かきのついた指先の爪】による素早い一撃を放つ。また、【自らの肉を削ぎ落す】等で身軽になれば、更に加速する。
WIZ : 呪われた舟唄
【恨みのこもった悲し気な歌声】を聞いて共感した対象全てを治療する。
イラスト:Kirsche
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●グリードオーシャン・グラディウス号島周辺海域
鉄甲船「失絆号」に乗船し、目的の島へと航海する猟兵達。艦首の銀の乙女は、晴天の海の行く末を指し示すように佇んでいる。
「おい、見えたぞ。グラディウス号島だ!」
事前情報通りの航海を続けていたクルー達の耳に響く観測員からの声。その視線の先には、この時代にはそぐわないオーバーテクノロジーの塊のような宇宙船が存在していた。
あれこそが、グラディウス号島。スペースシップワールドからの落下島であり、今はコンキスタドールが支配する島である。
「ん……? 島から何がこっちに来ているぞ!」
だがこの島の支配者は簡単に攻略させてくれるつもりはないようだ。海賊らしく、こちらが上陸する前に戦力を放ってきたようだ。
そしてその敵が視界に入る。沈没した艦首がまるで船の悪魔として甦ったような、凶々しい怪物達の群れ。これもコンキスタドールの一種もいうべきなのか。
その怪物は、鉄甲船の艦首の銀の乙女も仲間に加えんと襲い掛かってくる。そうはさせないと迎撃態勢を整える猟兵達。グラディウス号島を前に壮絶な海戦が始まろうとしていた。
※この戦いは以下のルールがございます。
●プレイングボーナス
『飛行制限された海で海戦を有利に進める戦いをする』
以上です。それでは素晴らしいプレイングをお待ちしております。
アリス・ラーヴァ
※アドリブ・連携歓迎
やってきましたグリードオーシャン~!
青い海、白い雲、広がる水平線ー
そして新鮮な海の幸なのよー(『呪われた船首像』を見て)
早速獲って【捕食】しちゃおー
でもまずは「失絆号」の安全の確保からねー
妹達を沢山呼んで、【水上を滑り】【ダッシュ】で突進、得意の【集団戦術】で複数で当たって【怪力】で『呪われた船首像』を押し止めるのよー
『まとわりつく触腕』の攻撃は甲殻で受けてがまんがまん(激痛耐性+継戦能力)
鋏角で【串刺し】にして【マヒ毒】を流し込んで動きを封じるのー
みんなー頑張ってー、押し止めて味方の猟兵さんが敵を倒すまで船を守るのよー
終わったらみんなでごはんにしましょー
ヨナルデ・パズトーリ
メガリスの呪詛により仲間を討ち滅ぼし死せる島にて一人略奪を死の蒐集を行い続ける、哀れなものよな
奴等コンキスタドールの名を持つとはいえ、怒りも沸かぬな
魔法は原則『高速詠唱』『範囲攻撃』
己の右足を戦闘に支障のない程度に切り裂き生贄とし高速詠唱でUC発動し海上に
召喚
痛みは『激痛耐性』で耐える
あくまで身を守れる足場になってくれれば良し
大地の基となった巨大鰐シパクトリに足場になって貰い戦闘
『先制攻撃』で味方の足場確保も兼ねて海ごと『マヒ攻撃』の『呪詛』いり
氷結『属性攻撃』『連続魔法』の『乱れ撃ち』
敵の動きは『野生の勘』で『見切り』近づく敵は『全力魔法』や『怪力』の
斧の『薙ぎ払い』、シパクトリの攻撃で対応
欲望と宝に魅了された者達が跋扈する海の世界。それこそグリードオーシャン。様々な異世界から落下してきた島によって構成され、メガリスという呪われた宝が点在する世界。
そしてメガリスの呪いが生み出す死者の成れの果てこそ、コンキスタドールという化け物。今、この世界を探索せんとする鉄甲船「失絆号」を沈めんと迫る船首像群こそ、そのコンキスタドールの一種である。
「アアアアアアアアアアアアアアアア!」
船を導く者として先導に立ったが、あえなく沈められその無念を背負った船首像達。それがメガリスが放つ呪いによって化け物へと引き上げられ、こうして仲間を増やさんと呪いの雄たけびを上げながら波をかき分けてくる。
「メガリスの呪詛により仲間を討ち滅ぼし死せる島にて一人略奪を死の蒐集を行い続ける、哀れなものよな」
その船首像群を「失絆号」の甲板から眺めながら、ヨナルデ・パズトーリ(テスカトリポカにしてケツァルペトラトル・f16451)はこれを生み出し率いている者のことを思う。メキシコの古き死神として死を冒涜するオブリビオンを許せないとはいえ、その有様に憐憫の情すら浮かべる。
「奴等コンキスタドールの名を持つとはいえ、怒りも沸かぬな」
ヨナルデにとってコンキスタドールという存在はどんな責め苦を負わせても晴れない感情を持つ。だが世界は違えば意味も違う。自身に渦巻く感情を整理しながらも、迫る船首像を見据える横で、大きな蜘蛛アリス・ラーヴァ(狂科学者の愛娘『貪食群体』・f24787)ははしゃいでいた。
「ギチギチ!(やってきました、グリードオーシャン~! 青い海、白い雲、広がる水平線ー♪)」
綺麗に輝くぬばたまの瞳は青い海に好奇心を宿し、艶やかな濡羽色の甲殻は照りつける太陽光を受け止め光り輝く。そしてその好奇心の瞳は、船首像へと向く。
「ギチギチ!(そして新鮮な海の幸なのよー。早速獲って捕食しちゃおー)」
アリスにとっては、あの禍々しい船首像すらも捕食対象に過ぎないのか、その目は爛々と輝いている。その脳内に響く声を聴いたヨナルデは一つため息をつく。
「食事もよいが、程々にしておくとよいぞ?」
「ギチギチ!(わかってるー。まずは『失絆号』の安全の確保からねー)」
そうしてアリスは甲板から飛び、海へと飛翔する。そしてその着水地点に群がるは彼女の妹達。アリスと同種の成虫達が彼女の足場となり、水の上をカトンボのように浮き、そのまま海の上を走る。
「アアアアアアアアアアアアア!」
「ギチギチギチギチ~♪(みんな~全速前進よ~♪)」
そして海上にて正面衝突するアリス達と呪われた船首像群。巨体であり、海上を埋め尽くすほどの船首像であるが、同じく巨躯であるアリス達に加え能力「ぜんそくぜんしん~」の効果に突進に強制後退能力が付与されて若干押し気味に船首像群を抑え込むアリスと妹達。
踏みとどまるアリス達を突破せんと、下半身の触腕がまとわりついてくる。だがアリス達の甲殻はそう易々と破壊できるほど軟ではない。そしてお返しと言わんばかりに口の鋏角がその身体を刺し貫く。そこから流し込まれるは、アリスの体内で生成された特製の麻痺毒だ。
「ギチギチギチギチ!(みんなー頑張ってー、押し止めて味方の猟兵さんが敵を倒すまで船を守るのよー)」
「これはやるものだ。妾も頑張らなくてはな」
アリスの毒が効いて動きが鈍くなっていく船首像群。それを見て、ヨナルデが動く。己の右足を戦闘に支障のない程度に切り裂き、その肉片を海に放り投げ魔法詠唱をする。
「大地の基となりし鰐シパクトリよ、来たれ!」
発動するは「大地になりし鰐女神(パチャママシパクトリ)」。黒曜石の牙で覆われた大顎と翡翠の爪と持ちし、大地の鰐シパクトリが海上へと召喚される。右足の痛みに耐えながらもヨナルデはその上へと立つ。シパクトリは海上での足場と、身を守るための守護者としての役割だ。
「ではテスカトリポカにしてケツァルペトラトル、ヨナルデ・パズトーリが死を与えようぞ!」
大地の基になった巨大鰐シパクトリの安定した足場から、ヨナルデは魔法を放つ。相手を動きを蝕む呪詛の籠った魔法弾と、海ごと凍らせる氷結の魔法弾が炸裂する。アリス達によって動きを止められた船首像群は触手すら動かすことできないほど、その場に縛られた状態になる。
そしてその状態になった船首像達に襲い掛かるは海をかき分けて迫る鰐シパクトリと黒曜石の戦斧を構えるヨナルデだ。
「シパクトリ、喰らうがいい!」
ヨナルデが戦斧で敵の身体を一閃両断すると、シパクトリがその顎で船首像の身体を噛み砕き、翡翠の爪はその陣形を切り裂いていく。そしてヨナルデの突撃に呼応するように、アリス達も動き出す。
「ギチギチギチ!(今だよー! みんなでごはんにしましょー!)」
アリスの号令と共に、一斉に捕食体制に入るアリスと妹達。アリスの麻痺毒と、ヨナルデの呪詛と凍結によって満足に動きを取れなくなった船首像達は、なす術もなくアリス達の腹に収まっていく。
この後もヨナルデは敵を蹂躙し、アリス達もまた敵を喰らい尽くした。こうして船首像群の第一波は完璧なる撃退をもって全滅となり、鉄甲船「失絆号」は、グラディウス号島上陸へと近づいたのだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
宮落・ライア
船首像?醜いと言うかなんというか。海魔っていう言葉がふさわしいのかな。
飛ぶのが制限されている?なら走ればいいじゃない!
何時もの如く、気合いと力任せで水面を蹴ってダッシュ。
技術じゃないよ、脳筋だよ。
まぁその都合で止まったら沈むんだけどね!
だから捨て身で突っ込んで触腕伸ばされたら
見切ってカウンターで切り捨てて、返す刀で胴を両断する。
にしても、島ってこんなのもあるのか。
SSWの船ならそうか。島になりうるのか。
トリスティア・ラヴィット
ちょっとキモいわねアイツら。相棒ちゃんもそう思わない?
んー、でもよく見たらアンタも大概ね。その歯とか特に。
まあそんなことはどうだっていいのよ。だって私が全部吹き飛ばしちゃうんだから!
【S・M・R】で近づいて来たやつに片っ端からロケットを打ち込むわ。
鉄甲船がやられたらマズいから近づかれる前になんとかしなきゃね。
アンタらは船首像じゃなくて海の藻屑がお似合いよ!
鉄甲船「失絆号」がグリードオーシャンに入って、最初に発見した島・グラディウス号島の近海にて勃発したコンキスタドールとの戦闘。洋上を自在に泳ぎ、畝る触腕を持つ呪われた船首像という異形の一団の第一波を防いだ猟兵達。
だがまだグラディウス号島に接岸するには距離がありすぎる。鉄甲船の特性故に高速で航行することができない「失絆号」。ある程度接近した所で、再びグラディウス号島から、大量の敵影が現れる。
「アアアアアアアアアアアアアアアア!」
地獄の底から込み上げてきたような、怨嗟の声が合唱で海に響く。鉄甲船の艦首である銀の乙女を目指して突撃するのをやめることはない。それは未だに海を駆け人を導けることへの嫉妬も混じっているのかもしれない。
そんなある意味悲しきも呪われた船首像群に宮落・ライア(ノゾム者・f05053)は艦首の側に立ち、正面から睥睨する。そして迫り来る船首像群の姿を見て首を傾げる。
「船首像? 醜いと言うかなんというか。海魔っていう言葉がふさわしいのかな」
ライアのその言葉は正しい。船首像であっただろう部分には生命の躍動を感じさせ、さらに下半身に生える触腕が蠢く。それらが大量に迫って来る様は、まさに海の悪魔と言った所だろう。
「ちょっとキモいわねアイツら。相棒ちゃんもそう思わない?」
相棒の改造サメ「サメランチャー」にそう問いかけるのはトリスティア・ラヴィット(KABOOOM!!・f26249)。サメを神と崇める悪の秘密組織に拉致され無理矢理デッドマンへと改造させられた彼女は、破壊欲求を抑えることもないまま、狂気的な笑みを浮かべる。
オブリビオンは彼女にとっては破壊衝動を発散させる絶好の餌だ。それがこちらに自らやってくるのだから言うことはない。
「んー、でもよく見たらアンタも大概ね。その歯とか特に」
そう言って相棒のサメランチャーの頭を撫でるトリスティア。相棒も悪い気はしないのか、凶暴な牙を剥き出しにしながら跳ねている。
「じゃ、そろそろボクは行くぞー! 一番乗り頂きだー!」
「あ、待ちなさいよ! そんなことはどうだっていいのよ。私が全部吹き飛ばしちゃうんだから!」
笑顔でトリスティアとサメランチャーを観察していたライアだが、我慢しきれずに襲来する船首像群へと突っ込む。それに負けじとトリスティアも迎撃態勢を取る。
「アアアアアアアアアアアアアアアア!」
呪詛の篭った声を上げて触腕で絡めとらんとする呪われた船首像の群れに対し、先陣を切るのはライアだ。グリードオーシャンの世界では謎の力が働いているのか、飛行能力に制限がかかっている。
「飛ぶのが制限されている? なら走ればいいじゃない!」
だがそんなものでライアを縛ることはできない。何時もの如く、気合いと力任せで水面を蹴って疾駆する。技術ではなく、脳筋という名の力技である。
「まぁその都合で止まったら沈むんだけどね!」
お気楽に目を輝かせながらもライアは足を止めることはない。そして船首像の一体まで急接近すると伸ばしてきた触腕に合わせるように身を躱し、捨て身で懐に入り込む。
手には美しき刀身が特徴的な刀。そこから放たれるは、「剣刃一閃」。なおもライアに食らいつこうとする触腕を瞬時に斬り捨て、返す刀で胴を一刀両断する。そしてその泣き別れした船首像の胴体を足場にして飛び、他の船首像の頭からの剣刃一閃で真っ二つにする。
こうして水中高速機動と鮮やかな刀術によって、敵陣をかき乱すライア。対するトリスティアは鉄甲船に近づく敵を迎撃する役目を請け負う。
「サメランチャーロックオン! ファイヤー!」
鉄甲船に取りつかれれば厄介なことになる。ならばその前に何とかすればいいと言わんばかりに、「S・M・R(シャーク・マルチプル・ロケット)」を発動し、サメランチャーから複数のロケット弾が海上に降り注ぐ。
サメの口から放たれる多種多様なロケット弾は、容赦なく船首像に降り注ぎ、再び海の藻屑へと変えていく。
「近づくやつには、片っ端からロケットを打ち込んであげるわ! アンタらは船首像じゃなくて海の藻屑がお似合いよ!」
まさしく固定砲台と言わんばかりの暴れっぷりでトリスティアは砲撃を続ける。ライアはそれに巻き込まれように範囲外から疾駆しながら艦首像を狩る。
「にしても、島ってこんなのもあるのか。スペースシップワールドの船ならそうか。島になりうるのかー!」
ふと遠巻きにライアの瞳にグラディウス号島の姿が目に入り、その威容に目を輝かせる。まだ見ぬ世界がライアを待っている。それを思うと、より力が入るというもの。トリスティアのロケットが爆発すると同時に、ライアは近くにいた船首像の首を容赦なく刎ね、大海原の空に舞う。
こうして剣と爆発の競演により、船首像の第二陣も蹴散らすことができた。これでよりグラディウス号島への航行距離が稼げることになる。それはつまり、島への上陸がまもなくということに他ならなかった。
そのことにライアは心が躍り、トリスティアはさらなる戦いに胸がときめく。それぞれの想いを乗せて、鉄甲船「失絆号」は切り開いた海を進む。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
緋奈森・鈴音
グラディウスってどー言う意味だったっけー?
武器の名前以外に何か意味があったかなー?
んー、飛べないし、相手は自由に海を動き回る……こっちに不利だけど、それなら向こうも自由に動けなくしてあげればいいわよねー。
水の魔力で海中に乱流や渦をたくさん作って相手の動きを制限して鈍らせるわー。
近づかせなければ攻撃もままならないわよねー。
そーしながら鉄腕や手裏剣で寄ってくる相手を狙い撃ちしていくわねー。
「きゃー、魅力的な子(艦首像)に集まってくるのが多いー」
並行して風の魔力でちょっと大きめの荷物とかを浮かせて接近戦主体の人の足場も作って攻撃のサポート!
鉄腕も足場にしてくれても大丈夫よー。
才堂・紅葉
「さって、清々しい新世界。気持ち良くお仕事と参りましょうか」
召喚符を用いて「蒸気バイク」を呼び出して【操縦】
錬金科自慢の【メカニック】でマリンバイク仕様だ
方針
敵を船に近づけないのが第一
【情報収集】で見渡し、味方と敵配置を【戦闘知識】で分析して飛び出す
細かく移動して位置取りを調整し、自機と味方の船員で敵を挟むように「アサルトライフル」で射撃。撃破よりも味方の損耗を抑える【援護射撃】が重点
丁寧に確実に一体ずつ三点バーストだ。歌う敵には榴弾をお見舞いする
近付く敵は基本、バイクの機動力で距離を取るで対処
包囲されそうなら、陣容の薄い所狙いで近距離からの【気合い】のフルバーストで突破を図る
【改変連携歓迎】
ファラン・ウルフブラッド
呪われた秘宝「メガリス」ねぇ。 ハッハァ!浪漫があっていいねぇ、実にオレ好みのお宝じゃねぇか。
必ず見つけ出して、オレがこの手に掴んでやるぜ!
ファヴニール(サーフボード)を手に海へダイブ!
ハワイで習得したサーフィン魔法と技能『サーフィン・ダッシュ』を駆使して船首像へ接近、アクロバットな波乗りで翻弄するぜ。
敵の攻撃は『見切り・衝撃波・範囲攻撃』で散らして回避。
散らした後は一気に詰め寄ってUCを発動し、イカ?タコ?の刺身にしてやんぜ!
オレぁ諦めねぇぜ。お宝を見つけて頂戴するまでが略奪だ!!それが、海賊の流儀ってもんだぜ!!
二度のグラディウス号島からのコンキスタドール達の襲撃を防いだことで、大きく航行することができた鉄甲船「失絆号」。そしてその目的の島、いや宇宙船というべきグラディウス号島の姿もはっきりと見えるようになってきた。
帆船が航海するこのグリードオーシャンにしては、明らかにオーバーテクノロジーなスペースシップワールド製の大型宇宙船であった。だがすでに機能は停止しているのか、その船体にも破壊された箇所も多く、コケのような緑が覆い茂っている箇所もある。
こちらに落ちてきてかなり日月が経っているのかもしれない、と思った所におそらく最後であろう、呪われた船首像の群れ達が海に解き放たれる。もちろん、グラディウス号島に上陸しようとする敵を海上で排除するためだ。
「アアアアアアアアアアアアアアアア!」
鉄甲船の艦首である銀の乙女に、ありたっけの呪詛の声を上げる船首像群。その瞳は濁り切り、呪いの黒へと染まっている。
「グラディウスってどー言う意味だったっけー? 武器の名前以外に何か意味があったかなー?」
「んー、私もゲーム以外は聞いたことないかな?」
その呪われた船首像を見ても悪戯っぽい笑みを崩さない妖狐、緋奈森・鈴音(妖狐の化身忍者・f03767)は水着姿で艦首付近で敵影を見つめる。その隣の才堂・紅葉(お嬢・f08859)も歴戦工作員の名に恥じない佇まいで鈴音の質問に頭を捻って答えている。
「ハッ! 関係ないねぇ。呪われた秘宝『メガリス』……ハッハァ! 浪漫があっていいねぇ、実にオレ好みのお宝じゃねぇか」
そう言って元国王という肩書を捨てて、夢を追う海賊商人となったファラン・ウルフブラッド(紅嵐の航海者.EX・f03735)は獰猛な笑みを浮かべる。その瞳は財宝を目指す希望の光と、人間の原初たる欲望の闇が渦巻いている。
純粋なる欲望が渦巻く世界で、ファランはその本性を解き放とうとしている。それこそがまさしく、この世界に相応しい海賊の流儀でもあった。そうして海に向けて拳を握りしめる。
「必ず見つけ出して、オレがこの手に掴んでやるぜ!」
「うーん、このコンキスタドール感」
「こっちを退治した方が人類の為かしら?」
盛大に高笑いをするファランに、容赦ない突っ込みを入れる鈴音と紅葉。もちろんジョークの類だろうか、苦笑交じりで談笑している女性陣はいい意味でリラックスしている証拠でもあろう。
そんな女性陣を尻目に、ファランは黒竜の鱗で作られた漆黒のサーフボード「ファブニール」を海へと飛び出す。そしてグリードオーシャンの荒れた海の波を的確に捉えるサーフィングで、海上を駆ける。
その力の源はハワイで習得したサーフィン魔法と訓練されたサーフィンの腕前にある。まるで海を自在に疾駆しているかのようなアクロバットな波乗りで船首像に接近し、翻弄する。
「金ェ! 名声ィ! 邪魔するなら刺身にしてやんぜ!」
触腕で絡めとろうとするのを神剣バルムンクで蹴散らし、能力「吹き荒ぶ風の刃」を発動。ファランの剣から放たれる無数の真空の刃は容赦なくイカかタコかわからない、その呪われた身体を斬り刻んでいく。
「オレぁ諦めねぇぜ。お宝を見つけて頂戴するまでが略奪だ! それが、海賊の流儀ってもんだぜ!」
まさしくその姿は海の略奪者そのものである。そんな見事な斬り込みを見せつけたファランに対し、紅葉も負けていられないと言わんばかりに拳を叩く。
「さって、清々しい新世界。気持ち良くお仕事と参りましょうか」
そして紅葉は召喚符を取り出し、「アルダワ符術:機構召喚符(ガジェットカード)」を発動。呼び出された蒸気バイクに召喚符が変形合体し、海にハイペリアの紋章を刻んだマリンバイクが降臨する。もちろん、アルダワ錬金科自慢のメカニックでチューンアップしている仕様だ。
「あ、おねーさんも乗っていいかな?」
「OK、しっかり捕まっていてね!」
海の足を確保したと言わんばかりに鈴音が紅葉の後ろに乗り、海へと発進する。目的はもちろん、ファランが対処しきれない敵を船に近づけないこと。これこそ第一優先事項だ。
「んー、飛べないし、相手は自由に海を動き回る……こっちに不利だけど、それなら向こうも自由に動けなくしてあげればいいわよねー」
そういって鈴音は能力「トリニティ・エンハンス」を発動させて、水の魔力を練り上げる。そしてその魔力を持って操るは、海流の流れだ。海中に乱流や渦を作り出すことにより、敵の動きを制限させて鈍らせるのが狙いだ。
「近づかせなければ攻撃もままならないわよねー」
「いい仕事ね。それじゃ狙い撃ちと行きましょう!」
紅葉は冷静な観察眼によって、敵位置を分析し、海流の乱れも察知して巻き込まれように位置取りをしながら海を駆け巡る。そして身動きが取れない敵に対して、置き土産のようにアサルトライフルからの射撃。的確に丁寧に確実に一体ずつ仕留める三点バーストで船首像を射抜き、鮮血と共に海の底へと沈めていく。
掻きむしる爪で身を身軽にして逃れようとする敵に対しても、榴弾を投げ込み爆破して事を起こさせる前に叩く紅葉。そして後ろの鈴音は海流を操りながらも、近づいてくる敵に対して手裏剣や鉄腕を飛ばしながら迎撃する。
「きゃー、魅力的な子に集まってくるのが多いー!」
銀の乙女の艦首に近づく敵には容赦しないと言わんばかりに、鉄甲船に近づく敵を優先して鉄腕で叩き潰す鈴音。だがその瞳が、現在対処している所とは別の方角から攻めてくる別動隊を発見する。
「させないわー!」
そして次は風の魔力を練り上げることによって風向きに干渉する鈴音。気流の流れを操って風の橋を作り上げる。それは急激な風流に乗ることによって、即座にその一団へとたどり着く道となる。
「やらせるものですか! フルバースト発進!」
その鈴音が作り出した風の道に乗って、水飛沫を上げながら空を飛ぶ蒸気マリンバイク。そして一飛びでその別動隊の上を取った二人のアサルトライフルの銃弾と手裏剣が、船首像群の身体を射抜く。別動隊であるのか、数は多くなかったので程なく潰すことができた紅葉と鈴音。
そして迎撃を繰り返しながら戦況が進み、鈴音が生み出した海流の乱れは強烈な渦となり、船首像達の動きをさらに縛り上げていた。
しかし複雑で強力な渦は先行しているファランにも影響が出るはず。少し心配した鈴音はファランの方を見るが、そこには照り付ける太陽の中で高笑いしながら波に乗るファランの姿があった。
「ハッハァーー! サンタマリアの波が俺を呼んでいるぜーー!」
ファランはその鈴音が生み出した渦にも負けずに、サーフィンに乗りながら剣を振るって船首像達を蹴散らしている。その様子を見た鈴音は多少引きずった笑みを浮かべる。
「……はいはい、コンキスタドールコンキスタドール」
「はい、よそ見しない。ちょっと飛ばしていくわよ!」
鈴音の渦とファランの切り崩しによって生まれた陣形の乱れを、歴戦の経験を持つ紅葉は見逃さない。ガジェットマリンバイクのフルバーストを再び発動し、その船首像群の崩れに突撃して、さらにかき乱す。
二つの海の流星達は、黒い呪われた群れを切り裂き、やがてそれをすべて消滅させた。鉄甲船の艦首の銀の乙女がその海域を航行する時には、すでに船首像は影も形もなくなっていたのである。
そしてついに鉄甲船「失絆号」はグリードオーシャンに入り、最初に発見した島「グラディウス号島」への接岸を果たす。そこには港の機能もあるのか、船着き場のような場所もある。
被害もなく上陸できたのはまさしく猟兵達の力の賜物である。だがこの先にいるコンキスタドールは、彼等の探索を阻まんと最奥で待ち構えていたのだ。
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
第2章 ボス戦
『女賞金稼ぎ』
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POW : ハンタータイム
全身を【右目の義眼(メガリス)から放たれた青い光】で覆い、自身の【これまで殺した賞金首の賞金合計額】に比例した戦闘力増強と、最大でレベル×100km/hに達する飛翔能力を得る。
SPD : 殺戮斧旋風
自身の【右目の義眼(メガリス)】が輝く間、【呪われた戦斧】の攻撃回数が9倍になる。ただし、味方を1回も攻撃しないと寿命が減る。
WIZ : カースバウンティ
【自分が過去に殺した賞金首】の霊を召喚する。これは【手にした武器】や【怨嗟の呻き声】で攻撃する能力を持つ。
イラスト:藤乃原あきひら
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●グリードオーシャン・グラディウス号島内司令官室
呪われた船首像の大群を退け、鉄甲船「失絆号」はグラディウス号島の港へと接岸する。そこにはさきほどのコンキスタドール達の襲撃が嘘だったかのように何者もいない。
そしてグラディウス号艦内へと侵攻していく猟兵達。人っ子一人すらいない状況。だが艦内の到るところに血の跡がこべり付き、死臭が立ち込めている。中には白骨化した遺体すらあったのを発見する。
コンキスタドール化したエマ・スプリングフィールドと、グラディウス号島に住む者達との激しい戦いの後が刻まれているようだった。そして現在あるのは不気味なほどの静寂であった。
司令官室はグラディウス号島の通路最深部に位置し、そこにたどり着くまでにコンキスタドールはおろか、トラップや警備の一つすら当たることがなかった。
罠かと思い警戒して司令官室の扉を開けるが、そこでも何もなかった。そして、その司令官室の豪華な椅子に座る一人の女性。
「来たかい、新しい獲物達。欲しいのは私の命かい? それともこの左目のメガリスかい? ま、どっちでもいいことだけどね……」
コンキスタドール、エマ・スプリングフィールド。かつてはスペースシップワールドでもそれなりに名を売った賞金稼ぎでもあった彼女。今は怨念に満ちた斧を持ち、死んだ目で猟兵達を見据えている。
そして文様が描かれた髪の下からは、彼女を呪った財宝「メガリス」が垣間見える。美しきエメラルドの宝石。そして薄っすらと天秤が刻まれたメガリスは、今は彼女の義眼として一体化している。
その美しい義眼に興味を持ったと感じたエマは、猟兵達に歪んだ笑みを見せる。
「こいつは『天秤のマアト』と呼ばれるメガリスさ。フフッ、命の価値が見えるのさ。つまりはリアルな賞金の額っていうのが私にはわかる、という意味さ」
つまり義眼として機能するだけではなく、生命の価格判定を行うことのできるメガリスらしい。つまりは、今の猟兵の命を数字化しているということでもある。
「以来、私には生命ある者は狩り甲斐のある賞金首しか見えなくてねぇ。アンタ等の命もいい額、しているよ……」
もはや生前のエマ・スプリングフィールドの魂はそこにはなく、ただ価値ある生命を狩るコンキスタドールがいるのみである。凶悪な笑みと共に、呪われた大斧を構えて猟兵達と対峙する。
すでに話し合いでどうにかなる相手でもない。グラディウス号島を支配する死の賞金稼ぎから解放するために、そしてエマの魂を解き放つために、猟兵達は戦闘態勢を取る。
海賊が跋扈する海の世界には似合わない、近未来的な司令官室で激戦が始まろうとしていた。
才堂・紅葉
「はっ、上等よ! その良い値のつきそうな左目から頂こうかしら!」
啖呵を返し六尺棒を構える
頭の冷えた部分では、彼女の稼いだ賞金首を概算し危険な水準のバフだと判断
「しゃあないか。デコード」
マッド共の試作した装備品の【封印を解く】
奴等が“3倍”と言う言葉に囚われた時期の名残だ
・方針
ブーツの跳躍機構は自身が何度も壁や天井に激突する程に強化され
六尺棒は魔術文字が青白く輝き、威力倍加の重力術式のせいで重心が非常に取りにくい
紋章板も多層構造の術式が入り組み、下手に防御陣を構築すれば自身まで吹き飛ぶ
それでも【気合と野生の勘と戦闘知識】で何とか使いこなす
奴に当り負けしないのだけは有難い
だが、馬鹿共は後で殴ろう…
トリスティア・ラヴィット
命の価値?命に価値があるなんて初めて知ったわ!驚きね!
ねーねー、アタシの価値はどれくらい?死んでても価値はあるの?ねーねー。
やーん、しつこく聞きすぎておばさん怒っちゃった。おばさんが落ち着くまで相棒ちゃんに任せよっと。
【S・P・G】を使うわ。相棒ちゃん、いいわよね?って、逃げようとしないの!【グラップル】でしっかり掴んでるから観念しなさい!
落ち着いたら今度はアタシの番ね!相棒ちゃんで叩きつけ×9回攻撃!
【怪力】があるから相棒ちゃんを振り回すくらいへっちゃらよ!
いーち、にーい、さーん――なーな、はーち……アタシは死んでるから寿命関係ナシ!きゅう!!
時間余ってる?じゃあもう1セットいっとく?
グラディウス号元白兵戦部隊長エマ・スプリングフィールド。スペースシップワールド時代からも戦い方は近接武器、主に斧での戦い方を好む賞金稼ぎであった。ビーム銃にも怯まない勇猛果敢な戦いぶりは「宙海のアマゾネス」とまで船内で言われるほどであった。
グリードオーシャンに落ちてきた後もその戦い方は変わらず、むしろ海賊を威圧する意味でより大きな斧を使いこなした。その威力をもって海賊船を破壊し、巨大なサーペント共を打ち倒した。
だがメガリス「天秤のマアト」で呪死しコンキスタドールになった今、彼女の持つ戦斧は生前振るっていたものより遥かに大きい。そしてそれを片手で難なく振り回し、使いこなすほど身体能力は向上しているのだ。
「さあ、アンタ達の賞金を、頂こうかねぇ」
そう言って呪われた戦斧を敵へと向けるエマ。エメラルドの義眼はその生命の賞金を測ろうと妖しく光る。だがそんなもので、歴戦の工作員である才堂・紅葉は怯まない。
「はっ、上等よ! その良い値のつきそうな右目から頂こうかしら!」
そう啖呵を返し六尺棒を構える紅葉。だがエマに対抗する烈気を放ちながらも、紅葉の頭の冷えた部分では、彼女が生前に稼いだ賞金額を概算する。それは戦闘経験という意味だけではなく、「天秤のマアト」による強化にも当てられる。それを加味して危険な水準のバフだと判断し、容易に間合いに入るようなことはしない。
「命の価値? 命に価値があるなんて初めて知ったわ! 驚きね!」
だが狂おしき破壊者であり、すでに死人であるトリスティア・ラヴィットは慎重な紅葉とは対照的に前に出る。目には狂気を宿し、口は興味から笑みに歪んでいる。
「ねーねー、アタシの価値はどれくらい? 死んでても価値はあるの? ねーねー」
しつこいくらいに挑発地味たトリスティアの言葉。命に価値などあまりないと思っている彼女にとっては、純粋な興味であったかもしれない。だがエマは義眼で捉えた後、落胆したようにため息をつく。
「なんだアンタ、デッドマンかい。死人に生命があるわけないだろ? とっととくたばりな」
そして義眼である「天秤のマアト」が光輝くと、猛然とトリスティアを薙ぎ払おうと戦斧を振りかぶって迫ってくる。そんな脅威の中でもトリスティアは嗤う。
「やーん、しつこく聞きすぎておばさん怒っちゃった。おばさんが落ち着くまで相棒ちゃんに任せよっと。相棒ちゃん、いいわよね?」
そういって相棒であるサメランチャーに問いかけ、「S・P・G(シャーク・パーフェクト・ガード)」を発動しようとする。だが迫るエマの脅威に嫌な予感を感じたのか、トリスティアの手を離れようと暴れ出す。
「って、逃げようとしないの! アタシがしっかり掴んでるから観念しなさい!」
「なんだ、仲間割れかい。それならこっちから行くよ!」
そしてエマから繰り出されるは、殺戮の旋風。目にも止まらない戦斧の超高速連撃。「天秤のマアト」による自己強化により、時が加速したような力を与え、瞬時にトリスティアを斬り刻む。そして最後の一撃でトリスティアを司令官室の壁へと吹き飛ばす。
あっという間の惨劇に紅葉は冷や汗をかいていた。援護もままならないほどの高速攻撃。まともに食らえば紅葉でも対処できるかわからないほどだった。故に彼女は決断する。
「しゃあないか。デコード」
そういって起動コードを口にした紅葉は、「アルダワ学園錬金科魂(ソウルオブマッドアルケミスト)」を起動する。封印を解くは、マッド共の試作した装備品。
『これぞあなたへの秘密兵器!』
『大スタァのワタクシが保証しますわ!』
『ラヴ様の逸品だオラァ!』
そう言って芋煮艇が誇るマッド三連星から渡された品々。彼女達が“3倍”と言う言葉に囚われた時期の名残である。
「さて、いい値が張ったお姉ちゃん。次はアンタだ」
トリスティアを始末したと判断したエマの戦斧が、次は紅葉を切り裂こうと牙を剥く。再びエメラルドの義眼が輝き、殺戮旋風が吹き荒れる。だが紅葉はガジェットブーツによる跳躍、六尺棒による撃ち込み、そして対処しきれない場合に備えての紋章板のガードにてその9連撃を対処しきる。
「へえ、やるじゃないか。まだまだ行くよ!」
そう言ってエマの吹き荒れるような斧の斬撃嵐が繰り出される。だが本来であれば、対処すら難しいこの超高速斬撃に対しても、紅葉は当たり負けは一切していない。回避も攻撃も防御も、凄まじい強化をしていると言っても過言ではないだろう。
「当り負けしないのだけは有難い、けどさぁ……」
そう言いながらも紅葉はものすごく苦戦していた。あのメガリスで強化された斬撃と互角に撃ち合っている状況とは裏腹に、そのピーキーな装備品の性能に四苦八苦していた。
ブーツの跳躍機構は自身が何度も壁や天井に激突する程に強化され、そのたびに力の調整を余儀なくされる。さらに六尺棒は魔術文字が青白く輝き、威力倍加の重力術式のせいで重心が非常に取りにくいので、戦闘技術込みで相手の攻撃を捌く紅葉にとっては調整がものすごく負担となる。極めつけは、紋章板も多層構造の術式が入り組み、下手に防御陣を構築すれば自身まで吹き飛ぶという危険極まりない代物だ。
だがそれを紅葉の勘や戦闘技術で使いこなし、何とかエマの戦斧を凌ぐ。そしてチャンスは紅葉とエマの撃ち合いの中に乱入してくる者によって齎される。
「痛っかったーーー! じゃあ今度はアタシの番ね!」
頭から血を流しながらもトリスティアがサメランチャーを振り上げてエマへと突進してくる。その凶暴な瞳はすでに、相手を破壊することしか目にない状態だ。
そして繰り出されるは、相棒であるサメランチャーによる叩きつけ攻撃。しかもエマの殺戮旋風を模したかのような高速打撃だ。
「いーち、にーい、さーん――」
「……くっ!」
戦斧より重さのあるサメランチャーを軽々と振り回せるのは、能力だけではなくトリスティア本来の怪力によるものだろう。防戦一方に回ったエマに対して容赦ない叩きつけを行う。
「なーな、はーち……アタシは死んでるから寿命関係ナシ! きゅう!」
最後の9連撃目にトリスティア渾身の攻撃を繰り出し、エマのガードを突き崩して吹き飛ばす。戦斧ごと空中に持ち上げるほどのフルスイングに、さすがのエマも苦痛に顔が歪む。そして態勢を崩す敵に対し、チャンスを逃さず追撃するは紅葉。
「隙ありよ!」
六尺棒の重力術式を全開して繰り出される刺突。ブーツの跳躍機能も使って、一条の流星のように繰り出された攻撃はエマの脇腹に刺さり、骨の破壊音と肉が捩じ切れる音が響き渡る。そしてトリスティアが吹き飛ばされた逆方向にエマが壁へと叩きつけられる。
「……あの馬鹿共は後で殴ろう」
何とか使いこなせたものの、ピーキー強化過ぎる装備品に紅葉はいつもの倍以上の疲労を感じていた。そしてそれを渡したマッド3人の姿を思い浮かべて、拳骨を叩きつける決意をする。
「時間余ってる? じゃあもう1セットいっとく? あ、相棒ちゃん暴れないのー!」
そしてさらに敵を殴りたいトリスティアに対してサメランチャーが全力の抵抗をしだす。防御と殴打に晒された相棒の抵抗は、おそらくしばらく収まることはないだろう。
紅葉のトリスティアの疲労とダメージから、これ以上の追撃は難しい。だが彼女達の戦いが、見事にエマへのダメージとなり、戦いを優位に進めることになったのは事実であった。
成功
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ヨナルデ・パズトーリ
正義と真理を司る神の名を持つ物により悪逆と偽りに堕ちる、か
余りに皮肉が効きすぎじゃし哀れよ、の
嘗てのそなたの為にも倒さねばな
魔法は原則『高速詠唱』『範囲攻撃』且つ『乱れうち』
UCを『高速詠唱』で即発動
『先制攻撃』で幽霊対策も兼ねた『破魔』の力を込めた闇の『属性攻撃』『全力魔法』で『目潰し』
『目立たない』様に『存在感』を薄れさせ『闇に紛れ』逆に『殺気』と『存在感』を持たせた『残像』で撹乱
敵の動きは『野生の勘』で『見切り』流れ弾は『オーラ防御』でいなしつつ高速飛行の『空中戦』で肉薄
『怪力』による『鎧無視攻撃』をぶちかまし間髪いれず『零距離射撃』の『全力魔法』を『傷口をえぐる』ように放つ『二回攻撃』
緋奈森・鈴音
司令官室みたいな狭い部屋だと戦いにくい相手よねー。
狐火を召喚したら敵との間に展開、半数は攻撃に回して残りは賞金首の霊が攻撃してくるのを妨害するように使うわねー。
攻撃は呻き声を上げてくる相手を優先、次いで飛び道具使いの順に。
防御に使ってる方は小刻みに動かして軌道を変化させつつ、ぶつけ合ったり捨て破裂音や炸裂音を起こすわー。
近接武器なら接近を阻害できるでしょうし、飛び道具なら盾にするわ。
呻き声は保証はないけど爆音とかで音としての威力が削げるかなって。
「亡霊には火ってやっぱりこーいう世界でも定番かしらー?」
亡霊を掃討したらエマの義眼側の視界の死角から攻撃!
「狐火には命の価値って見えないわよねー?」
さきほどの戦いによってエマ・スプリングフィールドは少なくないダメージを負っていた。強烈な打撃を受けたことにより腕は痺れを起こし、さらに脇腹に喰らった攻撃は骨や筋肉はおろか、内臓にまでダメージが浸透している。
しばらくはまともな攻撃は期待できないだろう。そう思って今しばらくは回復に専念しようとするエマ。
「しかし中々やるものだね。そこらの海賊とは違う、ってことか」
口から溢れてきた血を拭いながらも、エマは口を歪めて笑う。この程度の死地など、生前の頃から潜り抜けてきた。ならば今回も再び踏み砕いてやるのみ、とばかりに戦意を滾らせる。
だがそのエマの姿を哀れと断ずる闇に生きる神がいた。その神は憐憫をもって、その戦いの化身と相対する。
「正義と真理を司る神の名を持つ物により悪逆と偽りに堕ちる、か」
その神、ヨナルデ・パズトーリは身の丈もある黒曜石の斧を持ちながら、かの者の姿を瞳に納める。「天秤のマアト」という神の名を偽るメガリスの呪いに蝕まれた魂に悲しみすら感じる。
「余りに皮肉が効きすぎじゃし哀れよ、の。嘗てのそなたの為にも倒さねばな」
「そうだけどー、司令官室みたいな狭い部屋だと戦いにくい相手よねー」
そしてその隣には妖狐の緋奈森・鈴音が悪戯っぽい笑みを浮かべながら余裕の佇まいだ。身長差から見ても付き添いのお姉さんと子供という構図である。だが鈴音は的確に戦場を把握し、いかにエマに対処するかを考えていた。
どんな攻撃がこようとも跳ね返してやろうとするヨナルデに対して、鈴音はしかと観察する。あの肉体ダメージからすぐに戦斧で攻撃、というわけではないだろうが、油断はできない。
「今はタイミングが悪くてねえ……天秤のマアトよ、賞金首共を起こしな!」
エマは即座にエメラルドの義眼の力を解放する。そしてその光から現れたのは、かつて自分が過去に殺した賞金首達の霊。近隣の海賊達はもちろん、スペースシップワールド時代に狩った銀河帝国軍や宇宙海賊の姿もある。まさしくエマの戦歴を物語る陣容であろう。
海賊達の霊はカトラスや斧を構え、銀河帝国軍や宇宙海賊達の霊はビームライフルの銃口を向ける。その口からは一様に聞こえる怨嗟の声。
『お前達も……仲間に……』
『苦しみを……痛みを……』
メガリス「天秤のマアト」によって生命に賞金を課すことができるエマにとって、殺されればその霊の列に並ぶことになる。もしかすると、仲間であるグラディウス号の船員達もその場にいるのかもしれない。
そう思うとヨナルデは呼び出された霊達が攻撃を始める前に、能力「第一之太陽再臨(ナウイオセロトル)」を発動する。
「我ジャガーにして煙吐く鏡、テスカトリポカにしてケツァルペトラトルたる者!」
ヨナルデのその身が瞬時にジャガーを模した黒曜石の鎧を纏うと、辺り一面を覆う闇が放たれる。まさしく闇夜の如し空間。これはもちろん、ヨナルデの魔法であり、闇でありながら破魔の力も宿したものだ。その闇に飲まれた霊は身体が焼けるような熱さと共に蒸発していく。
「慌てるんじゃないよ! 本体を狙いな!」
エマは銀河帝国軍や宇宙海賊の霊達にビームライフルでヨナルデを銃撃させるが、それはすでに魔力で構成されたヨナルデの幻影と入れ替わったものだった。ビームに撃たれた瞬間、その姿は霧のように霧散していく。
「あ、いい目くらまし。おねーさんも便乗しよっと」
そして鈴音はヨナルデが作り出した闇へと身を隠し、「フォックスファイア」の狐火を放つ。それはまさに闇夜の墓場に現れた幽火のようであった。そしてその狙いは呪詛の如き呻き声を上げる海賊の霊達だ。
『ぐおおおおおおおおおおおおお!』
「亡霊には火ってやっぱりこーいう世界でも定番かしらー?」
霊体だろうと容赦なく焼き尽くす鈴音の狐火。そして闇に向けてビームライフルを発射しようとしようとしている銀河帝国軍兵士の霊にも狐火を殺到させる。
そして鈴音はヨナルデの破魔の闇の中で、残りの狐火を小刻みに動かして軌道を変化させつつ、ぶつけ合ったり捨て破裂音や炸裂音を起こす。そうすることで視界が悪い闇の中でビームの狙いをその音の所に誘導することができ、さらに呪詛の呻き声と音を相殺する狙いもあった。
「チッ、あの闇が邪魔だね」
そうやって次々と賞金首の亡霊を生み出しつつ、エマは舌打ちをする。だが破魔の闇とて無限にあるわけではない。徐々に力を消耗し、次第にそれは晴れつつある。そうなれば中の鈴音と潜んでいるであろうヨナルデを倒すのみだ、と思案するエマ。
だが次の瞬間、エマはぞくっと悪寒が走る。そして何気なく視線を上にあげると、そこに黒曜石の斧を振りかぶったヨナルデがいたのだ。
「なっ!」
エマが驚くのは無理はない。ヨナルデの残像、破魔の闇、鈴音の狐火はすべて正面へと意識を傾けるため。そして自身は闇を背にして、嘗て自らに捧げられた血と骨で構成された翼を羽ばたかせ、気配と音を殺しながらステルス飛行で迂回しながら背後に回り込み、上へと飛び上がったのだ。そして今、その脳天に黒き斧を叩き込まんとしている。
「民と共に在った嘗ての妾の猛き力、目に焼き付けるが良い!」
ヨナルデの黒曜石の斧の全力振り下ろしに、エマの戦斧とが衝突する。傷を受けているとはいえ、完全ファイタータイプのエマは何とかヨナルデの斧を受け止める。このまま押し返そうとした瞬間、右から熱く燃え上がる痛みが走る。
「ぐあああああああああ!」
「狐火には命の価値って見えないわよねー?」
エマの右顔面に取りついたのは鈴音の狐火だった。生命の価値を測る「天秤のマアト」の義眼だが、その生命力探知故に、死角となる狐火に対する警戒が薄かったのだ。まさに視界の死角を突く攻撃で、ヨナルデの攻撃に圧し負けるエマ。そしてヨナルデは懐に入り、掌をかざす。
「今こそ、呪われし魂を解放しようぞ!」
そこはさきほど打突を食らった傷口の箇所。そこに向かって全力の魔力を込めた魔法をねじ込む。破魔と火炎の二重属性の籠った渾身の一撃。それは傷口に入り込み、臓物を焼き、呪いを霧散させ、魂を焦す炎。その激痛に声ならぬ呻きをあげるエマ。
「……ッハ! ぼう、れい、どもォ!」
だがエマはそれでも倒れない。再び「天秤のマアト」の義眼が光り、亡霊達が生み出される。それらを盾にし、ヨナルデと鈴音から距離を取る。
「あれでも倒れないなんて、たいしたものねー」
「じゃが時間の問題よ。できれば救われて欲しいものであるが……」
鈴音の周りの闇も晴れ、ヨナルデも殺到する亡霊を倒さなければ身の安全は保障されない。二人は気を引き締めて海賊や銀河帝国軍の亡霊達をなぎ倒していく。
こうしてエマ・スプリングフィールドを縛る呪いと魂に絶大なダメージを与えることができたヨナルデと鈴音。呪われた財宝「メガリス」から生まれたコンキスタドールが倒れる時は、刻一刻と近づいていた。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
アリス・ラーヴァ
※アドリブ・連携歓迎
すごいすごーい、命の価値が分かるなんておもしろいのー
アリスの命の価格はどのくらいなのかしらー?
あ、でもでもアリスアイも相手のお肉の量が分かるのよー
エマさんは『乙女の秘密』kgくらいかなー
アリス的にはもう少し多い方がうれしーかもー
でも仲良く分けるから心配しないでねー
と言う事で、妹達を呼んでエマさんを捕まえるのよー
凄く速く飛んでいるし意外と力が強そうだけど、アリスも【力持ち】だし室内だから壁や天井から【ジャンプ】して飛び掛かるのー
みんなー、得意の【集団戦術】で囲い込むのよー
逃げ道を残しておいて【アリスの糸】で作った網に追い込むのー
取り付けたら鋏角で【串刺し】にして【捕食】よー!
宮落・ライア
真の姿:群青の髪、鉄の腕を持った姿。
【群青の鴉の継嗣】で【目立たない・忍び足・だまし討ち】を習得
そのまま物陰などに潜み着々と【カリバニヨウコソ】で巣を形成していく。
糸は相手は目視不能な強靭な糸で。
屋内でさらに見えない糸なんて増えたら飛翔能力なんて使い物にならないだろ?ああ、外に繋がってそうな場所は念入りに蜘蛛の巣作っておくな。
絡まれば…もがけばさらに絡むし、力づくで逃げられるのならやってみればどうだ?千切れるかもしれないが。
決め技は【ドウシタノ】で、機械の爪で頭部を固定して、指先から伸びる
光の爪でメガリスを破壊する。
ファラン・ウルフブラッド
◇連携・絡み・アドリブ歓迎
それがお前さんのお宝、メガリスか。
確かに便利な義眼みてぇだな。いいねぇ、オレがちゃんと『平和的な有効利用』してやるからよぉ、この島とそのお宝、オレが全部略奪させて貰うぜ?
相手が能力発動したらこちらもUCを発動し『限界突破』、速さの差を埋めて対抗。
攻撃は『見切り・第六感・武器受け』等で受け流し、『二回攻撃・衝撃波・フェイント』で緩急をつけた斬撃をするぜ。
『地形利用』で司令室の機材等を蹴り上げてのブラインド攻撃なんかもいいな。隙を見せたら後ろからブスリといくぜぇ?
極力メガリスには傷をつけないようにしないとな。メガリスを『強奪』出来ねぇからよぉ!お宝の価値が下がっちまうぜ。
すでにエマ・スプリングフィールドは致命傷に近いダメージを負っている。あと一押しすれば、彼女の魂は解放され、メガリスの呪いも霧散するだろうという時は近づいている。
だが窮鼠というのは恐ろしいものである。死が近いと感じるほど、エマの感覚は研ぎ澄まされていた。そして身体もある程度回復し、もはや出し惜しみなどするつもりもない。
エマの右目の義眼でもあるメガリス「天秤のマアト」の能力を全力解放し、猟兵達を迎え撃つ。エメラルドの宝石が光を放ち輝く。
「さあ、狩りの時間だ……!」
そして青い光がエマの身体を包み込む。これこそ今まで殺した賞金首の賞金合計額に比例して、戦闘力を増強させるエマの奥の手。これにて今のエマは獰猛なる賞金首を狩る獣になったのだ。
「それがお前さんのお宝、メガリスか」
その様子を興味深く見ていたのは、海賊商人ファラン・ウルフブラッドである。目の前に現れたお宝を前に、瞳を爛々と輝かせて、心が躍るのが止まらないと言った感じだ。
「確かに便利な義眼みてぇだな。いいねぇ、オレがちゃんと『平和的な有効利用』してやるからよぉ、この島とそのお宝、オレが全部略奪させて貰うぜ?」
敵からは奪う。容赦なく奪うのが、海の略奪王たるファランの流儀。もはや「天秤のマアト」とグラディウス号島は彼の物にするというのが、ファランの基本方針のようだ。貪欲なる欲望に身を焦しながら、自身の武器である神剣バルムンクを抜く。
「ギチギチギチギチギチッ!(すごいすごーい、命の価値が分かるなんておもしろいのー! アリスの命の価格はどのくらいなのかしらー?)」
そしてもう一人好奇心に心を躍らせているのが、大型蜘蛛のようなバイオモンスター、アリス・ラーヴァだ。脳内に響く会話は、とても楽しそうな少女の声ようであるが、アリスの口から聞こえるのは金切り音である。
「ギチギチギチッ(あ、でもでもアリスアイも相手のお肉の量が分かるのよー。エマさんは【乙女の秘密】kgくらいかなー)」
アリスアイの指摘はドンピシャの数字を言い当てていた。だが肉の量を測るというのは、つまりアリスの捕食本能からきている。つまりは食べられる肉の量を測っているに過ぎないのだ。
「ギチギチギチギチッ(アリス的にはもう少し多い方がうれしーかもー。でも仲良く分けるから心配しないでねー)」
「どいつもこいつも欲望に忠実だねぇ。いいね、狩り甲斐がある相手でなァ!」
そしてファランとアリスを狩る為に青い光を纏ったエマが襲い掛かってくる。アリスは天井へと跳躍し逃げるのに対し、ファランは即座に能力「神速の紅き閃光」を発動する。その身に纏う真紅に煌く粒子は意志の力に反映して力を増す。つまりファランの今のファランの意志とは、相手から絶対略奪するという強固な意志だ。
「ハッハァー! 頂いていくぜェ!」
そしてエマとファラン。限界突破した者同士の撃ち合いが始まる。戦斧を軽々と振り回し強烈な斬撃を繰り出すエマに対し、ファランは剣王と呼ばれていた頃の技術を駆使して受け流しをしつつ、緩急を付けた攻撃で的を絞らせない斬撃を放つ。まさしく烈火と流水の対決の如く、激しく撃ち合う。
「ギチギチギチギチ~♪(みんな~全速前進よ~! 妹達、エマさんを捕まえるのよー!)」
そこに乱入してきたのは大地を埋め尽くすほどの妹達を引き連れたアリスだ。司令官室という室内空間において、この数の圧迫感は計り知れない。そして数に任せた包囲戦術で一気に襲い掛かる。
「甘いんだよ!」
ファランのバルムンクを力づくで押し返し、アリスの妹達を薙ぎ払うエマ。その膂力・スピードの強化は、彼女がいかにグリードオーシャンだけではなく、スペースシップワールドでも賞金首を狩ってきたかがわかる強さであった。
そして妹達の包囲を抜いてアリスを直接叩こうとするエマ。だがその道こそ、彼女が仕掛けた罠でもあった。壁に仕掛けてあったアリスの糸を引っ張り、瞬時にエマを捕える網が形成される。さすがに目の前に即座に現れた網を躱すことができずに、腕を捕えられるエマ。
「くそっ、蜘蛛の糸かい!」
「ギチギチギチッ!(今だよー! 捕食するよー!)」
アリスはその糸に捕らわれた獲物を逃がさない。エマの左腕に鋏角を串刺しにして、そこから一気に肉と骨を貪り始める。抉る音と砕く音が、激痛と共にエマに襲い掛かってくる。だがそれでもエマは冷静で、なおかつ狂っていた。
「いいぜ、腕はくれてやる。だがアンタの命は貰うぜ!」
そして戦斧で自身の左腕を切断するエマ。鮮血が舞うが、これで拘束を逃れ、捕食体制のアリスは無防備状態。いくら硬い甲殻に守られているといっても、今のエマの力ならば叩き割られる可能性は高い。エマは大きく振りかぶる。
だがその身体は衝撃と共に吹き飛ばされる。一体何が、とエマが衝撃の方向を見ると、身体にぶち当たっているのは司令室の通信機材であった。それはファランが咄嗟に放ったブラインド攻撃だったが、何とかアリスの危機を救った形となった。
しかし拘束は抜けたと、再び加速態勢に入ろうとするエマ。だがその身体が動くことはなかった。なぜか身体をピクリとも動かすことができない状態なのだ。
「これ、は……!」
「屋内でさらに見えない糸が張り巡らせられているなんて、気づかない。もうお前は蜘蛛の糸の手中だよ」
そう言ったのは今の今まで物陰などに潜み、行動していた宮落・ライアだった。その姿はいつもの活発な姿ではなく、群青の髪、鉄の腕を持った姿。それこそ、自らの内に眠る真の姿の一つ「群青の鴉の継嗣」を目覚めさせている状態だ。
そしてエマを捕えているのは能力「群青の鴉の継嗣:error7F7301(カリバニヨウコソ)」で作り上げた目視不能な強靭な糸だ。複腕から紫の光の糸を放ち、それを練り上げる時間によって強度も鋭さも段違いに変わる。そしてその時間はアリスとファランが十分に稼いでくれた。
「ぐっぐっあああああああああああ!」
「絡まれば…もがけばさらに絡むし、力づくで逃げられるのならやってみればどうだ?」
そうなれば鋭さから身体が千切れる可能性すらあるライアの糸。暗い世界の傭兵として暗躍したその姿に手抜かりなどない。もはやエマは完全に詰みの状態となった。あまりに完璧に嵌ったおかげで、出口付近に仕掛けた捕縛用の蜘蛛の巣が無駄になったが、と内心ライアは嘆息する。
そしてその動けないエマに背後から心臓を剣が貫く。そこには暗黒の笑みを浮かべた海賊ファランがいた。
「極力メガリスには傷をつけないようにしないとな。メガリスを『強奪』出来ねぇからよぉ! お宝の価値が下がっちまうぜ」
そのための心臓狙い。エマの生命を刈り取る無慈悲な攻撃が見事に突き刺さったのだ。エマが壮大に血を吐き出す。だがまだ魂は死んでいないと言わんばかりに戦斧を振りかぶろうとする。
だがライアは機械の爪で頭部を固定して、その光輝く義眼に対して指先から伸びる光の爪が射抜く。まさしく神速であり、左腕を貪っているアリスも、心臓を貫いているファランも反応できなかったほどだ。
「自分は何もさせない。お前はここで終わりだ」
冷酷に宣告したライアは、光の爪をねじ込み、エメラルドの義眼を破壊する。エマの力の源であり、呪いの根源でもあるメガリス「天秤のマアト」を見事に粉砕した瞬間であった。
「な、な、な、何をするだあああああああああ!」
だがメガリスを略奪しようとしていたファランの目から滂沱の涙がこぼれ落ちる。まさしくお宝が手の中から滑り落ちた瞬間でもあったからだ。だがライアにとっては仕事を完遂したに過ぎないので、ファランの反応はよくわかっていなかった。
「私が終わる、かい……だけどね、奪われるのは、性じゃないんだよ! 天秤のマアトよ!」
エマの咆哮が司令官室に響き渡る。そしてエメラルドの義眼が最後の光を放つ。そして解き放たれるは今までため込んだ亡霊達。数多の賞金首達がグラディウス号島の各所に散らばっていく。
そして膨大なエネルギーの奔流によって、ライアの糸とファランを吹き飛ばしたエマは、司令官室の机の引き出しを開ける。そこには赤いボタンのようなものがあった。
「ははっ、死ぬなら、全部壊すのが、コンキスタドールの流儀だよ!」
そしてボタンを押すエマ。その直後にけたましく鳴る警報。島全体が揺れ、衝撃が走る。そして聞こえるのは、繰り返される警告の放送だ。
『緊急事態発生、緊急事態発生。エンジン部の熱暴走を確認』
『爆発による大破の危険あり。至急乗組員は避難してください』
この状況からエマが作動させたのは、グラディウス号島の自爆機能らしい。このまま島ごと猟兵達を道連れにする気だ。
「ハッハッハッ! 逃げられるかい、略奪者共! せいぜい足掻くんだな!」
そして真っ先に司令官室のエマのいる屋根に爆発が起き、崩壊に巻き込まれていく。地面が突き抜けて、下の階まで崩落していく様を目撃した三人。
もはやエマ・スプリングフィールドというコンキスタドールは滅んだ。後はこの崩壊していく島から脱出するかに掛かっている。
食事を堪能するアリスや「天秤のマアト」の欠片を握りしめて泣き崩れるファランをライアは冷静に激励しながら、島からの脱出を急ぐ。これから熾烈な脱出戦が始まろうとしていた。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ドゥルール・ブラッドティアーズ
共闘NG
グロNG
WIZ
私が欲しいのは貴女の心と体❤
賞金稼ぎは殺意が湧くくらい大嫌いだけど
オブリビオンなら話は別よ
守護霊の憑依【ドーピング】で戦闘力増強。
二百を超えるオブリビオンを愛し
魂を取り込んできた私の金額を測れば
某 戦闘力測定機のようにメガリスが壊れるかもね
『挽歌・二重水鏡』で
私と同じ強さと技能を持つアイリスとナルを召喚し
3人で【誘惑・催眠術】を込めた【歌唱】
相手の死霊を洗脳し、エマを襲わせるわ
アイリス:死霊術士のルルに死霊術で挑むなんて
ナル:十年早いんじゃないかな
雷の【属性攻撃・全力魔法】による【マヒ攻撃】で
相手の死霊は消滅。エマも動けない。
濃厚なキスと共に胸や局部を【慰め・生命力吸収】
これは崩壊が始まったグラディウス号島の中の話。司令官室の崩壊から落下したエマ・スプリングフィールドはなおも生きていた。メガリス「天秤のマアト」の呪縛は思いのほか強く、彼女の魂を縛り続けている。だがすでにメガリスは彼女の義眼から消失し、残る命の火もわずかである。
すでに脱出はおろか、指一本すら動かす力すらなく、ただグラディウス号島の崩壊に巻き込まれるか、自然に消滅していくが先かである。、
そんなエマージェンシー音が鳴り響く中で、壁に寄りかかり死を待つだけになったエマの前に、半吸血鬼のドゥルール・ブラッドティアーズ(狂愛の吸血姫・f10671)が現れる。
「……死にぞこないに、何か用かい?」
「メガリスとか冒険とか私は興味ないわ。私が欲しいのは貴女の心と体……だけど、もう体はもちそうにないわね」
崩れ落ちそうなエマの身体を見て、ドゥルールは苦々しい顔を浮かべる。彼女が愛すべきはオブリビオン。だがすべてを手に入れるには、彼女は少々遅かったのかもしれない。
「賞金稼ぎは殺意が湧くくらい大嫌いだけど、オブリビオンなら話は別よ」
「コンキスタドール、だよ。ここでは、ね……」
末期の会話を楽しむかのように、ドゥルールとエマは語り合う。だがそれを邪魔する者が現れる。天秤のマアトの力を解放して解き放った賞金首の海賊達だ。
『死ね……死ね……』
『生者は……殺せ……』
呪詛の言葉を吐き、ドゥルールへとカトラスや手斧を振りかぶって襲い掛かろうとする海賊の亡霊。だがドゥルールは不愉快な表情を浮かべて、今まで集めたオブリビオンの守護霊達を憑依させる。二百を超えるオブリビオンを愛し魂を取り込んできたドゥルールであれば、「天秤のマアト」の義眼であればさぞよい金額を叩きだしたであろう。
「鏡よ」
短く詠唱し「挽歌・二重水鏡(ムーンダスト・ドッペルミラーシスターズ)」を発動させる。ドゥルールの前に現れるは金属生命体の姉弟『アイリス』と『ナル』。長い銀髪と青い肌が特徴の姉弟は、海賊達の亡霊を見つめるとそれを嘲笑する。
『死霊術士のルルに死霊術で挑むなんて』
『十年早いんじゃないかな』
そしてアイリスとナルによる死霊の合唱が響き渡る。その歌声は亡霊であろうとも、強力な幻覚と催眠を引き起こす魔の歌唱。やがて歌に洗脳された海賊の亡霊が、同じ亡霊へと襲い掛かるようになる。そこに巻き起こるは壮絶な同士討ちだった。
「これで邪魔者はなし、と……エマ」
そう言ってドゥルールは虫の息のエマに近づき、顎を引き寄せる。その瞳に映るは、情欲の炎。エマが失って久しい感情が宿る瞳であった。
「愛してあげられないのは残念だけど、貴女の魂は頂いていくわ」
そして濃厚なキスをするドゥルール。彼女の唇からの生命力吸引でエマの最後の魂を吸いつくす。だが敵意をもってではない、ただ愛をもっての殺意。それに包まれてエマの魂の力は今度こそ尽きる。
「いいね……まさか、私が、愛されて、終わる、なんて……」
こうしてエマ・スプリングフィールドは塵となって消えていった。最後の魂はドゥルールが吸いつくしていった。その行為は偽善かもしれない。だが彼女なりに愛を持って応えたのだ。
「私の中で生きていくがいいわ。エマ・スプリングフィールド」
そしてエマの消失を確認するとドゥルールの元に降り注ぐ瓦礫の山。ついにグラディウス号島の本格的な崩壊が始まろうとしていた。
成功
🔵🔵🔴
第3章 冒険
『宇宙船島に残ったトラップ群を突破せよ!』
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POW : 力づくでトラップ群を突破する!
SPD : スピードでトラップ群を突破する!
WIZ : 知恵を持ってトラップ群を突破する!
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
『緊急事態発生、緊急事態発生。エンジン部の熱暴走を確認』
『爆発による大破の危険あり。至急乗組員は避難してください』
耳に響くアラーム音が艦内に鳴り響く。そのアナウンスからも、エマ・スプリングフィールドが最後に起動したのが自爆装置だったのは疑う余地もない。なぜこのグラディウス号にそんな機能があったのかはわからないが、今は脱出しなければならない。
だがこの司令官室に来た時は何も障害がなかったが、今はそうではない。ここから港まで帰るまでには困難が待ち受けている。エマが末期の渾身の力でメガリス「天秤のマアト」の力を解放し、通路には殺された賞金首の海賊や、銀河帝国軍や宇宙海賊達の亡霊が闊歩している。
さらにグラディウス号の乗組員の亡霊も解放されたようで、ここから生きて逃すまいと、艦内の防衛装置を次々と起動させている。
『死に……絶え……ろ……』
『一人……は嫌……だ……』
『お前……達も……道連れ……だ……』
生者を呪い、世を呪い、自分達と同じ世界へと導こうとする執念。そんな亡霊達の怨念が猟兵達の前に立ち塞がる。本来であれば根気よく倒していけば問題はない。だがグラディウス号島が崩壊するまでどれだけ時間があるかわからない。
刻一刻とその時が迫る中、猟兵達の脱出行が始まる。求められるは突破力と速度。亡霊達の妨害を蹴散らし、鉄甲船『失絆号』まで戻り、海へと脱出せよ。
ファラン・ウルフブラッド
◇アドリブ・絡み歓迎!
うぉぉおおおん!!オレの、オレのお宝がぁ…メガリスがぁぁぁあ…!
そんな感じで慟哭してる時に亡霊共が道連れとか死ねとか言ってきたら、そりゃまぁ…ブチ切れるよなぁ!
【殺気】と【恐怖を与える】を発動し、鬼のような形相を亡霊共に向けて
「オレのお宝は割れたガラス玉みてぇになるし、強奪して利用する筈だった島は爆発四散。 …ふっざけんじゃねぇぞクソッタレがぁぁ!!奴隷としても使い道のねぇ亡霊共がナメた事言ってんじゃねぇ!」
【限界突破・破魔】を乗せた『UC:バルムンク』を発動。
【怪力・範囲攻撃・衝撃波・属性攻撃(光)】で超強化した一撃を司令室から船の最後尾に向けて一気に叩き斬るぜ!
ヨナルデ・パズトーリ
ふむ・・・可能ならばゆっくり祓ってやりたいが今はちいと無理じゃな
故に移動しながら少し乱暴に祓ってやる故、覚悟致せ?
魔法は原則『高速詠唱』と『範囲攻撃』
又、幽霊対策として魔法や武器、オーラ防御には『破魔』の力を付与
UCを『高速詠唱』で発動し高速飛行の『空中戦』で艦内を突破
自身に迫る幽霊や罠の動きは『地形の利用』の仕方や『物を隠す』方法の知識を
基にしつつ『野生の勘』と『第六感』で『見切り』回避
『全力魔法』の『乱れ撃ち』で『蹂躙』し其れで討ち漏らした相手は『怪力』
により振るわれる斧の『薙ぎ払い』、近づいてきた敵には『オーラ防御』を
足全体に纏わせての『シールドバッシュ』『グラップル』での膝蹴りで対応
エマ・スプリングフィールドが倒れたことによって解放されるかと思われたグラディウス号島。だがすでに船内に配備された自爆装置を起動され、末期にメガリス「天秤のマアト」より解放された亡霊達が船内を跋扈して猟兵達を道連れにしようとしている状態。
もはや一刻の猶予もない。いくら猟兵といえども島の崩壊に巻き込まれれば無事で済むとは思えない。本格的な崩壊が始まる前に鉄甲船へと戻り、この島を離れる他ない。
さらに「天秤のマアト」が呼び出した亡霊達も厄介だ。元凶であるメガリスは破壊されている故に、時間が経てば消え去る存在であるものの、崩壊の時間までは現世にいるほどの力はある。その怨念は生き延びようとする猟兵達の妨害になりうる存在である。
「うぉぉおおおん! オレの、オレのお宝がぁ…メガリスがぁぁぁあ…!」
「う、うむ。まぁ、なんじゃ。元気を出せ、の?」
そんな困難が予想される状況下で、司令官室ではファラン・ウルフブラッドの慟哭が鳴り響いていた。その手には砕かれたメガリス「天秤のマアト」の欠片があった。あと一歩の所で財宝を手にするところまできていた。だがそれは儚く目の前にすり抜けていった。
そんな人の姿を見て放置できないのが神として存在するヨナルデ・パズトーリだ。若干、コンキスタドールの気配がするファランにチリチリとしたものを感じながらも、あまりの号泣にさすがに慰めの言葉をかけざるを得ない。
だがそんなところに司令官室にも亡霊が足を踏み入れてくる。生者は生きてここから逃がさないと言わんばかりに、ファランとヨナルデを睨みつけて呪詛の言葉を吐き出す。
『道連れ……だ……』
『死ね……死んで……』
このままではまずいと言わんばかりにヨナルデが魔法詠唱で対応しようと動こうとするが、それに先に反応したのはファランだった。
「道連れ……? 死ね……? 何言ってやがるクソ亡霊共がよォ……!」
慟哭していた表情はすでになく、そこにあるのは鬼の形相。すでに死者である亡霊にすら恐怖を与えんばかりに殺気を放ち、ファランは神剣バルムンクを抜き去る。
「オレのお宝は割れたガラス玉みてぇになるし、強奪して利用する筈だった島は爆発四散……ふっざけんじゃねぇぞクソッタレがぁぁ!」
ブチ切れた感情のままに「天に吼えし竜は 光と共に地へ墜ちる(バルムンク)」を発動する。ファランの剣が収束した極光に包まれ、その刃から放出した膨大な魔力の奔流は亡霊達を巻き込み、司令室から船の最後尾に向けて一気に放たれる。司令官室の壁はおろか、通路も吹き飛ばす一撃はファランの怒りを示していると言っても過言ではなかった。
そうして出来た風穴は見事に脱出路となる。そこから破魔の魔力を宿したバルムンクを手にファランは鉄甲船への道を進む為に亡霊を駆逐しだす。
「奴隷としても使い道のねぇ亡霊共がナメた事言ってんじゃねぇ!」
「……やはり、こ奴は妾が倒すべきコンキスタドールではないかの?」
言っている言動はまさしくヨナルデが不倶戴天の敵としているコンキスタドールそのもの。だが猟兵である以上、いけないと理性で感情を抑え込むヨナルデ。そんな彼女の元にも亡霊達が殺到する。
「ふむ……可能ならばゆっくり祓ってやりたいが今はちいと無理じゃな」
手斧やカトラスを振りかぶって襲い掛かってくる海賊の亡霊に対し、ヨナルデは即座に自身の黒曜石の斧に破魔の効果を付与する魔法詠唱。そして身を守るオーラにも破魔属性を付与し、大地を蹴る。
「故に移動しながら少し乱暴に祓ってやる故、覚悟致せ?」
そして発動するは「今は亡き対なす神の残り香(ナワールケツァルコアトル)」。短縮詠唱により呪文を唱えた後、ヨナルデの姿は翼を生やし鱗に覆われた高速飛行形態へと変じる。これこそ、嘗て壊れ行く伴侶を止めた際に其の残滓によって得た力。そのスピードは亡霊が放つ攻撃など当たりもしないほど俊敏だ。
「力を貸して貰うぞ! 妾と対なす者、戦友にして好敵手にして兄妹だった者! 神である事に囚われ壊れ妾が過去へと送った伴侶! 翼ある蛇よ!」
回避した際に放たれる魔を祓う魔法の弾雨。ショットガンのように炸裂し、亡霊を纏めて吹き飛ばす。そして近隣の敵に対しては黒曜石の斧を一振りにしてなぎ倒す。飛行をしながら、ファランの斬り込みをさらに広げんと徹底的に残敵をなぎ倒すヨナルデ。
「ハッハァー! ゴキゲンな翼だなァそれはよォ!」
「全く、海賊と共闘とはの!」
運命の皮肉を笑うヨナルデ。だが息の合った攻撃は健在で、ファランが極光の光で全面的を薙ぎ払い、ヨナルデが魔法弾で脇の敵を消し飛ばす。後ろから追いすがってくる敵をヨナルデの斧が薙ぎ払い、横の敵はファランの剣が差し込まれて串刺しにする。
「冒険はこれからだ! こんなところで俺は止まらなねぇぜ!」
ファランの咆哮が亡霊で溢れかえったグラディウス号島の通路に響き渡る。切り開いた先へと進むファランの背後に迫った敵を、ヨナルデが足全体に纏った破魔のオーラの強烈な膝蹴りで吹き飛ばすと、それに続く。
こうして亡霊と防衛装置が待ち構える大脱出劇は、強烈な二人の斬り込み突破によって幕を開けることとなった。グラディウス号島の崩壊が先か、それとも猟兵の力が血路を切り開くが先か、それは未だわからない。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
トリスティア・ラヴィット
自爆装置なんてあるのね!とってもベタな展開だけど、嫌いじゃないわ!アハハ!
アタシは相棒ちゃんに乗っていくわね。相棒ちゃんは【空中浮遊】できるから水中じゃなくても問題ないわ。
【S・S・L】となった相棒ちゃんのスピードは通常の三倍!全速力で行くわよ、相棒ちゃん!
邪魔する亡霊や防衛装置は全部【砲撃】で爆破しながら進んでいくわ。
私はともかくみんなも巻き込まれないようにね。なんたって威力も3倍なんだもの!責任はとらないからねー!
あれだけ亡霊や防衛兵器を蹴散らし、破壊したにも関わらず、港へと至る道には亡霊が溢れかえっている。エマ・スプリングフィールドが狩った賞金首が思った以上に多かったのか、それともコンキスタドールになってから殺戮を尽くして溜めたのかはもはや判別はつかない。
だが一様にその怨念は脱出しようとする猟兵に向けられ、殺意を持ってその斧やカトラスを振るわんと迫る。銀河帝国兵士の亡霊はレーザー銃を構え、射撃態勢を取り待ち構えている。
これらの防衛線はすべて猟兵達をグラディウス号島崩壊に巻き込もうとする執念。ただそれだけの、自分達の存在をかけて阻もうとする意志。これにさらにグラディウス号の作業ロボまで加わり、分厚い防衛ラインが引かれている状態だ。
「自爆装置なんてあるのね! とってもベタな展開だけど、嫌いじゃないわ! アハハ!」
そんな分厚い防御線を前にしてもトリスティア・ラヴィットは凶笑する。相棒のサメランチャーに騎乗し、死を恐れないデッドマンの彼女はこの危険な状況を愉しんでいる。その相棒はというと、空中浮遊もできるので水中でなくても問題なく行動できる状態だ。
そして亡霊や作業ロボを倒す為に、能力「S・S・L(スーパー・サメ・ランチャー)」を発動させる。サメランチャーの砲撃の効果・威力・射程を3倍にまで高める能力。そこにトリスティアの鮫魔術も併用することで騎乗時のスピードなども強化されていく。心なしか、サメランチャーの目が紅く輝く。
「相棒ちゃんのスピードは通常の三倍! 全速力で行くわよ、相棒ちゃん!」
トリスティアの陽気な掛け声と共に、サメランチャーの獰猛な咆哮が通路に響く。そして威圧よりも先にサメランチャーの砲撃が容赦なく亡霊達に降り注ぐ。通路の壁や床を爆破しながら、亡霊をもろとも吹き飛ばしていくトリスティアが乗っているサメランチャー。
作業ロボがその巨体な腕を振り回してトリスティアを捕らえようとするが、海を泳ぐように高速で空中を遊泳するサメランチャーを捉えることができず、逆に振り回しの隙を突かれて砲撃で爆破されていく。
「アハハハハッ! みんなも巻き込まれないようにね。なんたって威力も3倍なんだもの! 責任はとらないからねー!」
もはや味方のことなど考えない慈悲なきサメランチャーの砲撃は、亡霊の防衛ラインを木っ端微塵にし、作業ロボをスクラップに変える。さらにグラディウス号島の自爆の崩壊関係なく、通路や区画を破壊していく様はまさしく破壊の権化であった。
こうしてトリスティアとサメランチャーが力尽きるまで亡霊の駆逐と破壊は続けられ、その更地となった通路を踏み越えて、港へと急ぐ一行であった。
大成功
🔵🔵🔵
才堂・紅葉
【アドリブ連携歓迎】
まぁ、お約束よね
こっから先はパルクールかしら
トラップ群は経験に基づく【情報収集と戦闘知識】、学園で学んだ【メカニック】の知識、そして天性の【野生の勘】で見極める
「ガジェットブーツ」の接地機構で壁や天井を道とし、跳躍機構でショートカットしていこう
物理的な罠なら「六尺棒」で棒高跳び等で対処する。段々とテンションが上がって来た
後は【気合い】だ
「迦楼羅王!」
幽霊に対しては躊躇わず迦楼羅王の【封印を解く】
【破魔】の炎【属性攻撃】で蹴散らしていこう
「紋章板」をその嘴に加えさせ、ついでに引っ張ってもらってショートカットする
協力者がいるなら【怪力】で抱えて一緒に飛んでいきたい
アリス・ラーヴァ
※アドリブ・連携歓迎
わー、これがパパが言っていた自爆装置なのねー
自爆装置は科学者の嗜みだから仕方ないよねー
でも崩壊に巻き込まれたらアリスが減っちゃいそうだし頑張って脱出するのよー
船の中にいる妹達と一緒に壁などの障害物を前肢で切り裂きながら【ダッシュ】で駆け抜けるのー(団体行動)
邪魔者は突進で弾き飛ばし、崩壊しそうな部分は【アリスの糸】で固めて進路を確保して直進するのよー
多少の攻撃は甲殻(継戦能力+激痛耐性)で弾いてがまんがまん
亡霊達の怨念とかアリスよく分からないから無視していいよねー(呪詛耐性)
邪魔な扉や壁なんかも【トンネル掘り】の要領で破壊しましょー!
さー、みんなー全速前進よー
エンジン部の熱暴走により爆発と崩壊が始まったグラディウス号島。施設自体もすでに古く老朽化している箇所も多いので、爆発に耐えきれずに崩壊していくところも多く見られる。
そんな危険地帯と化した島からは早く脱出したいところだが、「天秤のマアト」が解き放った亡霊は思ったより数が多い。さらに元グラディウス号島の船員の亡霊が防衛システムを作動したようなのか、到るところに作業ロボや防衛マシンが闊歩している。
『逃が……さない……』
『一人……でも……』
『一緒に……死のう……』
死の恐怖から解放されても、現世にとどまり続ける亡霊達。その怨念が今、猟兵達を逃がさないとばかりにその道を塞ぎ、崩壊を共にしようとしている。
「まぁ、お約束よね。こっから先はパルクールかしら」
そんな通路に満載の亡霊と防衛兵器群を前にしても才堂・紅葉は余裕の表情だ。すでに本命は倒した後なので、後は無事に鉄甲船まで戻ることができればミッションコンプリートだ。故に入念にストレッチをこなしてこれから始まる強行突破に備えている。
「ギチギチギチギチ~(わー、これがパパが言っていた自爆装置なのねー。自爆装置は科学者の嗜みだから仕方ないよねー)」
一方の隣の蜘蛛のようなバイオモンスター、アリス・ラーヴァも楽しそうである。ボスを倒した後の拠点崩壊の話は、彼女のパパと呼ばれる存在から事前に聞いていた。その通りになったからにはアリスにとってこれは想定内というか、当然のことのように感じていた。妹達もなぜかはしゃいでいるようにも見える。
「ギチギチギチギチ~(でも崩壊に巻き込まれたらアリスが減っちゃいそうだし頑張って脱出するのよー)」
「……うーん、脳内に可愛い声が聞こえてくるのは慣れないけど、ご一緒させて貰おうかしら」
亡霊だろうがロボだろうがお構いなく、アリスと妹達は突進していく。それに便乗するように柔軟体操を終えた紅葉は、六尺棒を構えガジェットブーツを起動する。準備は万端と言わんばかりに障害物に挑む。
アリス達が進むのは船までのルート一直線だ。壁は前肢で切り裂きながら全速力で駆け抜ける。さらに邪魔する作業ロボや防衛マシンは猛烈な突進で突き飛ばす。
「ギチギチギチギチ~♪(みんな~全速前進よ~♪)」
壁も天井も埋め尽くすアリスと妹達の行進の前に防衛マシン群も手がつけられない状態だ。それどころか吹き飛ばしたロボにアリスの蜘蛛の糸を巻き付け、崩壊しそうな部分に固定するという器用さも見せる。
その様子に紅葉は苦笑しつつも、防衛マシン以外のトラップ群に目を光らせる。それは各所に取り付けられているレーザー機銃や火炎放射などの固定兵器だ。そういったところはアリス達の手の届かないところや進路外にあることが多い。それに狙われても厄介だ。
「こういうのは度胸と気合よ!」
戦場経験や学園で学んだメカニック、それに天性の野生の勘を生かし、そういったトラップや防衛装置の配置箇所を割り出し、アリス達を狙う前に潰しにかかる。ガジェットブーツを起動させて接地機構で天井に配置してあったレーザー機銃を踏み潰し、無力化させる。さらに跳躍機構で天井を飛び、部屋角にある火炎放射器を六尺棒で撃ち落とす。そしてそのまま六尺棒を棒高跳びの要領でしならせ、アリスの身体の上まで飛んで着地する。
「ギチギチギチー!(うわー、お姉さん器用だねー!)」
アリスの突進スピードにも対応する紅葉の罠潰しにアリスは走りながら前肢で喝采を送る。その間にも防衛マシンが放つガトリングガンの弾をその硬い甲殻で弾きながら進んでいる。そしてそのまま突進で吹き飛ばし、壁をトンネルを掘る要領で破壊する。
だが突破した先に現れたのは海賊の亡霊達も群れだ。さきほどの防衛マシンのようにはいかない。アリス達にはある程度の呪詛耐性があるからそのまま構わず突進しようとする。
「迦楼羅王!」
だがここで呪詛に甲殻の硬さを無視する亡霊の攻撃にアリス達を危険にさらすわけにはいかないと、紅葉が躊躇わず「迦楼羅王(ガルトマーン)」の封印を解く。自身のリボンが変じた神鳥が破魔の力を宿した迦楼羅焔を纏い、亡霊の群れに突進する。
その迦楼羅焔は亡霊を滅殺しながら空間を浄化させながら飛翔する。さらに紅葉はいくつかアリスの妹達を抱えて、紋章板を迦楼羅王の嘴に咥えさせ、一緒に飛翔している。そしてアリス達より一足早く壁に到達し、妹達に壁を破壊させる。
「アリス達も、早く迦楼羅王が浄化した道を進んで!」
「ギチギチギチギチ~!(すごーい! さー、みんなー全速前進よー!)」
障害のなくなったアリスと妹達は、紅葉が切り開いた道を猛突進する。そして一足早く妹達が崩しておいた壁を破壊し、一気に亡霊達が闊歩する部屋を抜ける。
この息を合った紅葉とアリスとその妹達のコンビネーションによって、港までの最短ルートを進み切った猟兵達。だがエンジン部の大爆発まではもう時間がない。港に着く時間が縮まったとはいえ油断はできない展開は続く。
しかしこの短縮した時間は、大きく脱出に向けて動く猟兵達に余裕を与えるだろうことは確かであった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
メンカル・プルモーサ
……あのオブリビオン、最期に自爆装置を起動させるとかお約束を理解しすぎじゃ無いかな…やりおる…(感心した様子で)
…さて…感心ばかりしてないで脱出しないとだね……まずは最短ルートを確認……
さらに【起動:応用術式『増幅』】を使用…術式の効力を高めよう…
そして箒に乗って一気に突破…邪魔な亡霊は浄化復元術式【ハラエド】で祓ってしまおう…
…さらにヤタに命じた上で封印解除術式【ルーナル】を併用…電子的な防御を破って…船のシステムにハッキング…
…流石に自爆装置を止めるのは無理でも起動している防衛機構を出来る限り封印・停止…シャッターの類は強制解放…脱出の助けとするよ…
宮落・ライア
まったく。潔くないなー。
終わりぐらい潔くぱっぱと消えればいいものを。
まぁこれならメガリス壊して正解だったかなー。
危ないものは壊すに限る。
で、わざわざ順路通り戻るのなんて面倒くさいし、
壁をぶっ壊して外まで一直線でいいでしょ。
野性の勘でどこら辺が外まで最短距離かなんとなく決めて
気合いと自慢の怪力で【森羅万象断】で装甲ぶち破って一直線に退路を作る
まぁ自爆装置起動してるし盛大に壊していいよね。
エンジン壊せば止まるなんて事はないよねー。
壊した衝撃でどの道爆発しそう。
メガリス「天秤のマアト」が解放した海賊や銀河帝国兵士の亡霊をなぎ倒し、元グラディウス号の船員達が起動させた防衛マシンや作業ロボを打ち倒して道を切り開いてきた猟兵達。
その快進撃を前に、崩壊が進むグラディウス号島の中でも巻き込まれることなく、ついに鉄甲船「失絆号」が停泊している港まであと一歩の所まで来ていた。
だがエンジン部のメルトダウンも間近に迫っている。それがわかっているか、亡霊達も死に物狂いで猟兵達に殺到し、防衛マシンや作業ロボだけでなく、防火壁や隔離壁まで起動してその道を阻もうとする。
それはまさしく死へと道連れにせんとする亡者の執念。いや、グラディウス号島という巨大な怨念が逃さないと声を上げているようにも思えた。
「まったく。潔くないなー。終わりぐらい潔く、ぱっぱと消えればいいものを」
そんな亡霊の大群を見ながら、宮落・ライアは溜息混じりで呟く。元凶であるメガリス「天秤のマアト」を破壊し、後は気分良く次の島へ行けるかと思った矢先の障害である。面倒くさいにもほどがある。
だがあれだけの亡霊を解放するとなると、今回のメガリスは危険なものであったのは間違いなかった。
「まぁこれならメガリス壊して正解だったかなー。危ないものは壊すに限る」
「ライア……あなたはわかっていない……」
そんなライアにツッコミを入れたのが、脱出サポートに駆けつけたメンカル・プルモーサ(トリニティ・ウィッチ・f08301)。話を聞き、メンカルはしきりに頷いて同意している。
「……あのオブリビオン、最期に自爆装置を起動させるとかお約束を理解しすぎじゃ無いかな…やりおる…」
「お、おう……そうなのかー?」
あのメンカルが感心している姿を見て、流石のライアも同意せざるを得ない。いや、同意させられるような迫力を感じてしまったのである。
「…さて…感心ばかりしてないで脱出しないとだね……」
そう言ってメンカルは電脳魔術を使い、マッピングしようとする。ライアも脱出の為に力を振るうのを惜しまないのか、ブンブンと腕を回す。
「で、わざわざ順路通り戻るのなんて面倒くさいし、壁をぶっ壊して外まで一直線でいいでしょ!」
「……それも含めて最短ルートを確認する……」
シンプル・イズ・ベスト。単純明快なライアのやり方に、メンカルは一つ溜息をつきながらも、相棒のやることをしっかりとサポートするように動く。能力「起動:応用術式『増幅』(ラン・ブーステッド)」により術式のマッピング精度と効果をあげ、港までに一直線でいけるルートを瞬時に割り出し、速やかに探査完了する。
「そっか。ボクもそっちらへんだと思ったんだよね!」
メンカルから方角を提示されるとライアが笑いながら骨肉の剣を構える。数秒の溜めの後に放たれるは「森羅万象断(シンラバンショウダチ)」。裂帛の気と共に宇宙船の装甲を吹き飛ばす斬撃が放たれ、船への道が切り開かれる。
「まぁ自爆装置起動してるし盛大に壊していいよね」
派手に壊しておきながらライアはお気楽に呟く。ふとエンジン壊せば止まるのでは、と思ったが、壊した衝撃でどの道爆発しそうと思い考えを振り切って鉄甲船へと走る。
だがそのできた船への直線路に亡霊達が立ち塞がる。倒せないまでも壁として邪魔をする気なのかもしれない。だがその呪詛の声も聞く時間もないと言わんばかりに、メンカルは浄化復元術式【ハラエド】を展開する。
「……邪魔…しないで……」
穢れを祓う術式が広範囲に炸裂し、術式に巻き込まれた亡霊が霧散していく。それはまさに光の中に溶けていくようだった。
「おー、すごいな!」
ライアが驚くのも無理はない。メンカルのハラエドの浄化具合が通常よりも遥かに上だったからだ。これも応用術式『増幅』の効果であった。
だが最後の足掻きと言わんばかりにグラディウス号の隔離壁が作動して港を完全隔離しようとする。ライアが再び骨肉の剣を構えようとするが、メンカルがそれを手で制す。
「……大丈夫…手は打っておいた……」
その言葉の通り、閉まろうとしていた隔離壁が途中で止まり、人が通れるスペース確保された状態になっている。これはメンカルの自己判断型伝令術式【ヤタ】に予め指令をだしており、封印解除術式【ルーナル】を併用発動させて、グラディウス号船員の亡霊が操るシステムにハッキングし、電子的な防御を破った上で防衛機構を出来る限り封印・停止したのだ。
流石に自爆装置を止めるのは無理であったが、妨害という意味では脱出の助けとなった。
そしてついにライアとメンカルが鉄甲船「失絆号」の甲板に到達し、続いて次々と猟兵達が船に乗り込んで脱出してくる。
「よっしゃー! 全員間に合ったー! 出航出航ー!」
ライアの気合いの入った号令と共に、鉄甲船は港から離れる。亡霊達や防衛マシン達が港へと殺到してくるのを振り切って、大海原に出た瞬間、耳を切り裂く大爆音が響く。
ついにエンジンが連鎖爆発を起こし、グラディウス号島が完全崩壊の時を迎える。火と崩落が亡霊達を、全てを海の藻屑へと変えていく。
その様子を目の当たりにしたライアとメンカルはもちろん、ほかの猟兵達も胸を撫で下ろす。もう少し遅かったら危なかったと、ようやく安堵の感情が溢れ出したのだった。
こうしてエンジン部が爆発して沈みゆくグラディウス号島を、島から離れていく鉄甲船「失絆号」の甲板から見る猟兵達。エマ・スプリングフィールドとの激闘から、即座の脱出により疲労の色も見えるが、それでもまだまだ元気な者も多い。
あの破壊状況からもはや島としての機能は期待できないだろう。だがエマ・スプリングフィールドはもちろん、多くのグラディウス号の船員の白骨死体や血痕も残る場所。これを墓標とするのもいいのかもしれなかった。
船着き場としての休憩島となら何とかなるかもしれない、と期待を寄せながら、猟兵達は手を合わせる。不運にもこのグリードオーシャンの世界に落ちて、メガリスの呪いによって不幸になってしまった船員達の冥福を。
そしてこれからの鉄甲船「失絆号」の行き先に幸あれ、と願いを込めて。そして船は次なる島への航海へと進む。次はどんな困難が待ち構えているのか。それはだれにもわからない。
大成功
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