●改造は意欲的に
「お頭、本当にやるんですかい?」
「当ったり前よ! 何でも俺たちのご先祖はよ、ガラクタに蒸気を組み込んで化物と戦ってたっていうじゃねぇか。蒸気にできてメガリスに出来ないって理屈はねぇだろ」
「正直俺はあんま信じちゃいないですけどねその話。大体この船の代金だってまだ払い終わってないし……」
「うるせぇ! こいつが成功すりゃ船代なんて払った上で展望風呂と天文台と歌声喫茶増設したって釣りが来るくらいがっぽがっぽよ!」
「必要なものから増やしましょうよお頭」
「いちいち細けぇんだよお前は! とにかく行くぞ、メガリス接続!」
「「し、失敗だー!?」」
●改造は計画的に
「はい、あなたのメルでございます。皆さまグリードオーシャンまでの航海お疲れ様でございました」
メル・メドレイサ(蕩けるウサメイド・f25476)が集まった猟兵たちにラム酒を配る。飲めない猟兵にはラムレーズンで代用だ。
「早速ですけどお仕事のお時間です。数多ある島の一つ、『カリコシャ島』を拠点とする海賊団『サバカン団』の方々が『メガリスの試練』を行い、それに失敗してしまいます」
メガリスの試練、それは海賊がユーベルコードを持たぬ部下にメガリスを与え、力を得るか、さもなくばコンキスタドール……つまりはオブリビオンとなるかという試練を受けさせる凄絶なる儀式だ。それに失敗するということは、その海賊団からコンキスタドールとなるものが出てしまうということなのだろう。
どうあっても犠牲を止められぬ戦いになると知り、一部の猟兵は暗い顔をする。だがメルは明るい調子を崩さない。
「なのですが、今回試練を受けるのは人ではなく船……つまり、この海賊の団長さんが自分の船にメガリスを動力として組み込み、結果船そのものがコンキスタドール化してしまうのです。どうもこの島はかつてはアルダワ魔法学園の一部だったらしく、蒸気機関についての情報が極めて不完全な形で伝わっていたみたいですね」
船は海賊にとって家であり、国であり、恋人でもあると言う。あるいは彼らにとってはこれも命がけの部下の強化の一種のつもりだったのだろうか。
「本来この試練に失敗した場合、発生したコンキスタドールはその海賊団が責任をもって討伐しなければなりません。ですが最近ではコンキスタドールが活発化、海賊団の方が返り討ちに合う事例も増えています。今回のサバカン団の皆さんもまた、放っておけば暴走した船に滅ぼされてしまいます。なので皆さんには彼らを守っていただきたく思います」
そう言ってメルは戦闘の詳細を説明し始める。
「まずは船首像が分裂して動き出し、サバカン団の皆さんを襲っています。ここに割り込んで彼らを守ってください。像は女性型ではありますが、話は通じません。思いっきりぶっとばしちゃってください」
触手やひっかきによる攻撃のほか、歌声を発し味方を回復する能力を持つ。泥仕合にならないよう注意が必要だろう。
「次に船本体との戦いです。大砲や海賊団員の幻影の召喚、自己強化を行ってきます。ここではうまく助けていればサバカン団の皆さんが協力してくれます。実力は皆さんには劣りますが、力になってくれることでしょう」
愛する船を手にかけることになるが、そこは海賊、きっと涙を呑んで手を貸してくれることだろう。
「無事撃退したらしばしの休息時間です。カリコシャ島の海岸で海水浴などいかがでしょう。サバカン団の方々と親交を深めてみるのもよろしいかと」
猟兵たちもグリードオーシャンに着いたばかり。地元民と親睦を深めておくのは決して無駄ではあるまい。
「グリードオーシャンではグリモアによるテレポートは使えません。現地までは鉄甲戦『黍団号』にてお送りします。それでは皆様、よろしくお願いいたします」
そう言ってメルは一礼し、操舵室へと入っていった。
鳴声海矢
こんにちは、鳴声海矢でございます。
到着しましたねグリードオーシャン。
今回はちょっとした思い付きで大惨事を引き起こしてしまった海賊団『サバカン団』を救援していただきます。
やっぱりノリの軽い冒険バトルを目指すつもりですが、プレイング次第では違う展開になるかもしれません。
オープニングに出ている人たちの情報はこんな感じ。
お頭:ミズリー・マッカレル(20) 男勝りな赤毛のミレナリィドールの女性。快活で行動的だが思い付きで動くのが欠点。海賊×ガジェッティア(もどき)
側近:キンメ・レッドスナッパー(36) 三毛猫のケットシー。文句は多いがお頭のためを思ってのこと。団とお頭への忠義は極めて厚い。鮫魔術士×マジックナイト(もどき)
サバカン団:正式名称『災魔とかいう化物を完膚なきまでにぶっ倒す団』ただし長ったらしいうえどういう意味かもグリードオーシャンでは団員含め忘れ去られているので、誰もそう呼ばない。割と武闘派だが喧嘩の相手はほぼコンキスタドール。
それでは、よろしくお願いします。
第1章 集団戦
『呪われた船首像』
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POW : まとわりつく触腕
【下半身の触腕】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD : 掻き毟る爪
【水かきのついた指先の爪】による素早い一撃を放つ。また、【自らの肉を削ぎ落す】等で身軽になれば、更に加速する。
WIZ : 呪われた舟唄
【恨みのこもった悲し気な歌声】を聞いて共感した対象全てを治療する。
イラスト:Kirsche
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
「くそっ、こいつら結構強いじゃねぇか!」
海賊『サバカン団』お頭のミズリーがラッパ銃を連射し、コンキスタドールと化した船首像に制圧射撃をかけていく。全く効果がないわけではないが、多少傷を与えたところで後続の船首像が歌声を上げ、すぐにダメージを帳消しにされてしまっていた。
「正確に言えば強いんじゃなくて鬱陶しいって感じですな……俺たちだけじゃ火力が足りなさすぎでさぁ」
その側近であるキンメはバブルワンドを像の群れに向け、炎の詰まった泡を噴きかけるが、やはり大した効果はない。
「ったく、こんな時にまで細かいこと言うなお前はよ……」
「細かい所まで冷静に考えてこそ正しい答えが見えてくるってもんでさぁ」
常と変わらぬ軽口をたたき合ってお互いを鼓舞するが、それだけでどうにかなるような状況ではない。二人は徐々に押し込まれ、ついに壁を背にするところまで追い詰められてしまった。
「畜生、ここまでかよ……」
思わず諦めの言葉が出かけたその時、突如として波をかき分ける大きな音が響く。そしてその音と共に、巨大な鉄の塊……鉄製の船が改造場としても使っていたドックに殴り込みをかけてきた。
「な、なんだこりゃ……鉄の船?」
あっけにとられるサバカン団。その目の前で、見たこともない格好の者たちが次々と船から飛び出し、船首像に攻撃を仕掛け始めた。
「な、なんですかあいつらは……大道芸人にしちゃちょっと物騒すぎじゃないすかね……」
「そんなもん俺が知るかよ……ただ分かるのは、俺たちにもまだツキが残ってたってことだ!」
雪・兼光
【SPD/お任せ】
終始ユーベルコードでブラスターを水上バイク化
運転利用
まったくちゃんと調べてから挑めってんだ。
悪いな、アンタ達の船を壊させて貰う!
泥仕合は好きじゃないんだ。
遠慮なくその喉を潰させて貰うぜ、先ずは突撃して引く、相手の攻撃には第六感、攻撃を見た後は見切りも一緒に利用、相手の攻撃を妨害できないか、相手の喉めがけて乱れ撃ち、二回攻撃、誘導弾、スナイパーも利用
近距離になったら、零距離射撃、スナイパー、二回攻撃で喉を狙う
自分の肉をそぎ落とす暇を与えず水上で何度でもひいてブラスターを撃ち込んでやる。
まず最初に『黍団号』から飛び出したのは雪・兼光(ブラスターガンナー・f14765)。兼光は船からまっすぐ水に向かって落ちながら、愛用のブラスターを下に向かって構えた。
「俺のブラスターは質量無視で変形もできるんだぜ?」
その言葉通りブラスターは高速で構造を組み替えながら何倍もの大きさに巨大化、一台の水上バイクとなって飛沫を上げて着水し、兼光はその背にまたがる。
そのまま兼光は一気にアクセルを開け、船首像の群れとサバカン団のいる場所へ突進した。
「まったくちゃんと調べてから挑めってんだ。悪いな、アンタ達の船を壊させて貰う!」
群れていた船首像たちを次々と跳ね飛ばしながら、兼光はサバカン団に声をかける。
「どこの誰か知りませんが全面的に同意しますぜ!」
「すんじゃねぇ! だが助かったぜ、感謝する!」
突如現れた兼光を味方と判断したか、二人は船首像の迎撃を続けながら兼光に礼を言う。その声を受けながら兼光は急旋回し、敵の群れの中へと再度バイクを踊りこませる。
乱入者である兼光を明確に敵と認識した船首像たちは、一斉にそちらへと向けて手を伸ばした。兼光はその手もろとも像たちを跳ね飛ばしながら、ある程度の距離が開いたらブラスターを放つ。
「泥仕合は好きじゃないんだ。遠慮なくその喉を潰させて貰うぜ」
放たれた熱線は正確な狙撃技術に加えそれ自体にも誘導性があり、連続で乱れ撃たれているにも関わらず正確に像たちの喉を貫いていき、その歌唱能力を奪っていった。そうして何体かの船首像が沈黙したのを確認し、兼光は三度群れの中へとバイクを突進させる。
さらに近距離からもブラスターの零距離射撃を浴びせ次々と船首像を撃ち倒していく兼光。多少敏捷性に優れているとはいえバイクに速さにはついていけない船首像たちは、その鋭い爪を自らに向けてその肉を削ぎ落そうとしていく。
「おっと、そんな暇はやらねぇぜ」
その動作を取る個体に向けて突撃し、削ごうとしていた肉諸共轢き潰す。さらにその上で急転回して念入りに轢き、上からブラスターでとどめをかけることで完全に沈黙させた。そしてすぐさま遠距離でその動作を行うものにはブラスターの連射を見舞い、攻撃を許さない。
「すげぇ……一人であの化物どもとやりあってやがりますぜ」
「ああ……それに何なんだあの乗ってるのは? 新種のメガリスか何かか?」
兼光の戦いぶりとグリードオーシャンにはない技術にあっけにとられるサバカン団。その間に迫っていた船首像の一体を、兼光のブラスターが撃ちぬく。
「質問は全部終わってから受け付けるぜ。あんたたちも自分の身くらいは守ってな!」
その声と共に水上バイクがまたしても猛スピードで転回し、敵の群れの中へと何度目かの突撃をかけて行った。
大成功
🔵🔵🔵
夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎
■行動
間に合ったみたいで、良かったですぅ。
それでは、始めましょうかぁ。
【紘器】を使用、『F●S』3種のコピーを一気に構成しますねぇ。
『FRS』は出来るだけ上方に配置し「射撃攻撃」に、『FSS』は半数を「サバカン団」の、残り半分を「黍団号」の周囲に展開して防壁を形成し守りに使いますぅ。
『FBS』は、この場で『低空飛行』が出来そうであれば「本体」のみ四肢に嵌めて飛行に使い、残りは私と船首像の間に配置して「触腕」による攻撃の為近づいてきた個体を[カウンター]で迎撃しますぅ。
後は、配置済みの『FRS』による[一斉発射]&[範囲攻撃]、味方を巻き込まない様に注意しつつ一気に狙いますねぇ
「間に合ったみたいで、良かったですぅ。それでは、始めましょうかぁ」
次に舞い降りてきたのは夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)。るこるは降下しながら浮遊兵装を周囲に広げ、そこに力を注いだ。
「大いなる豊饒の女神、その『祭器』の真実の姿を此処に」
【豊乳女神の加護・紘器】、その祈りに応えるように元々多数あった兵装はさらにその数を増し、るこるの脳波コントロールを受け多方向に展開する。
まずは最初に広がったのはビームシールドであるFSS。その半数は黍団号の周囲に、そして残る半数は、サバカン団を守るように配置された。そのままビーム同士が干渉しあって一つの巨大なシールドとなり、大きな防壁を形成する。
「なんだこりゃあ……どうやって浮いてんだ?」
「鮫魔術……じゃないですよねどう見ても」
また別種の未知の技術に唖然とするサバカン団。そこにまたしても船首像たちが迫るが、その爪や触腕はビームシールドに阻まれ二人までには届かない。
さらにるこるは戦輪FBSを四肢にはめ海面すれすれを飛行し、船首像たちへと向かった。風圧で水面を切り裂きながら飛んでいくその前方には、先んじて残るFBSが展開されている。
向かってくるるこるを迎撃すべく、船首像たちは一斉に触腕を伸ばした。だが、それもるこるの想定の内。FBSはその触腕をカウンターで斬り飛ばし、次々と無力化していった。
前衛が無力化されていくのを見てか、後ろにいた船首像たちは胸に手を当て歌唱の構えを取る。
「そちらも対策済みですよぉ」
しかしその船首像たちに、上空に配置されていた浮遊砲台FRSからの一斉射撃が降り注いだ。威力と速射性を強化された370門から放たれる砲弾の雨が、後ろにいた船首像たちを有無を言わさず沈黙させていく。
前衛は攻め込むほどにカウンターを受け、後衛は援護の間もなく打ち倒されていく。分裂した像たちをも超える圧倒的な物量戦に、個々の能力で劣る船首像たちはなすすべもなく数を減らしていった。
「すげぇな、あれくらい大砲積めばどんな敵にだって……」
「お頭、そんな金うちにはありません」
その頃防壁の後ろでは、るこるの圧巻の制圧力を見て目を輝かせるミズリーを、キンメの非情なまでに現実的な言葉が抑え込んでいた。
大成功
🔵🔵🔵
ジェイク・リー
※アリス、エルーゼ、華澄と行動
「船がオブリビオンにか」
似たような経験はあるらしいので驚かない。
剛刀に形成した七星天狼刃を振いつつ、ドゥームへと切り替えや二刀流で攻めつつ、見切りながらカウンターを繰り出す。
(ほんとに大丈夫なのか?)
触腕が、などと起きないか多少不安を抱く。
ワイルド・ハントは機関銃やハンドキャノンで援護させる。
「要は火力あればいいんだろ?」
六つの魔法陣が現れ、純粋な魔力の破壊光線を掃射する形で撃たせる。
絡み・アドリブOK
エルーゼ・フーシェン
※アリス、華澄、ジェイクと行動
「さてさて、さっさと終わらせてバカンスね」
息抜きも大事でしょ?学園都市での打ち上げもまだだし。
あれらを何とかしないといけないのよね。何とかなるでしょ。
双頭刃に形成したヤヌスを振って撃退するわね。分離させて二刀流でも使えるから便利ね。
流れるように動きつつ、迫ってくる触腕を斬り捨ててやるわ。
見切りで避けたり、残像で空振り誘うのも悪くないかも。
絡み・アドリブOK
アリス・スラクシナ
※エルーゼ、華澄、ジェイクと行動
「色々な世界が集まっている世界か」
柄の前後に刺々しい刃の付いた短剣状に形成したイザナギの覚悟と白銀の魂を持ち、応戦する。
「数で押すつもりか?」
見切りで避けてはカウンターを繰り出し、各個撃破していく。
「あの歌、回復させるのか。なら黙らせるか」
リージョンをマシンガンに形成して撃って妨害を試みる。
なお、新しい衣装に心配する声もあるとかないとか。
絡み・アドリブOK
藤宮・華澄
※アリス、エルーゼ、ジェイクと行動
「私達は味方ですので」
信じてもらえるか分かりませんけど、私達の目的を話しましょう。
ヴァナディースによる援護射撃しつつ、ミズリーさんたちのお話を聞いてみましょうか。
船に関しては……諦めてもらうしか。
私はいつも通り、援護役に回って、回復などを。
数が多いですね。けどなんとかなりますよ。
絡み・アドリブOK
次に船から飛び出したのは四人の男女。
「色々な世界が集まっている世界か」
アリス・スラクシナ(邪神の仔・f21329)は訪れたばかりのグリードオーシャンの構造に思いを巡らせる。彼女の今の服装はハットにレザーコートにホットパンツ、というこの世界でもなかなか様になるスタイルだが、一部ではそれを心配する声もあるとかないとか。
「さてさて、さっさと終わらせてバカンスね」
続いて下りてきたのはエルーゼ・フーシェン(踊り子・f13445)。彼女の思考は既に終わった後の海水浴に向いているようだ。
「息抜きも大事でしょ? 学園都市での打ち上げもまだだし」
奇しくも、ここは元は先に大きな戦いのあったアルダワ魔法学園の一部。その打ち上げをするには確かにふさわしい場所と言えるかもしれない。
「船がオブリビオンにか」
冷静に敵の状況を確認するのはジェイク・リー(鋼の豪傑・f24231)。メガリスという未知の物体に起因してはいるものの、無機物がオブリビオンになる、という事象そのものは既に経験済みのことである。故にジェイクは驚くことはなく、冷静にどう戦っていくかの作戦を頭の中で組み立てるのみであった。
そして三人がそれぞれ船首像たちに向かっていく中、別方向へと動くものが一人。藤宮・華澄(戦医師・f17614)はサバカン団の方へと向かい、ライフル『ヴァナディース』を構えながら彼らの前に立った。
「私達は味方ですので」
華澄は信じてもらえるかどうかに一抹の不安を抱きつつ、ここに来た目的を説明する。ここで起きる事件を事前に察知したこと、発生したコンキスタドールから彼らを守りに来たこと。普通なら俄かには信じがたい話ではあるが、既に幾人かの猟兵が戦うのを見ていることと、見たこともない超技術の数々を目の前で披露されていることもあり、彼らは華澄の話に一応は納得したようだ。
「あー……ところでよ、ムシのいい話なんだけど、船を壊さないで元に戻したりとかは……」
「残念ですが……諦めてもらうしか」
「だよなぁ……」
おずおずと聞くミズリーに、華澄は否定の答えを返す。恐らくダメ元での質問ではあったのだろうが、その答えに彼女はがっくりと肩を落とした。
一方真っすぐ船首像たちへと向かった三人は、それぞれの武器を今の戦況に合わせた形に組み替え戦闘に入る。
「あれらを何とかしないといけないのよね。何とかなるでしょ」
双頭の刃を持つ形になった『ヤヌス』を振るい、エルーゼが前方から迫る触腕を切り捨てた。束になった触腕はいともたやすく切り裂かれ、水面に落ちては崩れていく。
「数で押すつもりか?」
さらにアリスが『イザナギの覚悟』と『白銀の魂』を刺々しい刃のついた短剣に形成、触腕を失った船首像たちの懐へもぐりこんで次々と切りつけた。その刃は一振りで複雑な傷を与え、船首像たちの行動を阻害する。深くはないものの速く鋭い連撃が船首像たちを圧倒し、それ以上の進撃を許さなかった。
そうして動きの止まった船首像を、剛刀となったジェイクの『七星天狼刃』が叩き切りとどめを刺して行く。その力強い一撃は群れる船首像を次々と仕留め、さらにその間合いから逃れ攻めかかる者にも『ドゥーム』に切り替えた二刀流や相手に合わせたカウンターを使い対処していく。
(ほんとに大丈夫なのか?)
だがそうして敵をなぎ倒してなお、ジェイクは気を緩めなかった。一体ごとの生死を確認している暇などないこの状況では、どこから敵が起き上がり、触腕を伸ばしてくるかわからない。常に最悪を想定して動くこと、それは戦場で生きる上で必須ともいえる慎重さであった。
そしてその意を汲んでいるのは前衛で戦っている者だけではない。
華澄もまた、サバカン団を護衛しながら『ヴァナディース』を撃ち、的確に仲間を援護していた。
近接の射程に入って来ない者を撃ち倒し、味方の攻撃でよろけた者、逆に攻撃を当てる隙を見せない者の気を逸らさせる。さらにもし負傷を追うものが出れば即座に回復に回れるよう、【ノーブルラウンド】をいつでも放つ準備も整えてある。
「若いのに大したもんですね」
後方で全体を見ているからこそできる戦い方に、キンメが感心したように言った。
「ありがとうございます。私の役目はこれなので、全うしませんと」
敵から意識は反らさないままで会話に応じる華澄。彼らの話を聞くのは、今後のことを考えれば様々な面で大切なことである。これもまた、後方でサバカン団を護衛する役目を負った華澄の役目であった。
そして前線では、後方になお控えている船首像たちが一斉に声を張り上げていた。悍ましくも悲しい、恨みに満ちた歌声が響き渡る。それは普通の者には決して理解できる歌ではなかったが、同一の存在である船首像たちには共感と共鳴を生み、その傷を癒していった。
「あの歌、回復させるのか。なら黙らせるか」
その動作を見たアリスは、『リージョン』をマシンガンへと形成、回復を担う者たちへ掃射をかけて妨害を試みる。
後方を狙っているアリスに傷の癒えた船首像たちの爪が迫るが、それは流れるような動きで振るわれたエルーゼのヤヌスによって切り裂かれた。さらに今度はそのエルーゼを狙った爪が左右から振るわれるも、その爪は残像のみをむなしく切り裂き、二つに分離されたヤヌスによって両側が同時に切り捨てられた。【血の覚醒】と【クロス・エレメント】によって強化された二人のコンビネーションが前後の船首像を次々封殺していく。
「要は火力あればいいんだろ? 来い!」
ジェイクはそこに自身の別人格『ワイルド・ハント』を呼び出し、その攻撃の群れに加わらせた。紳士然とした狩人は機関銃とハンドキャノンの強烈な火力でその制圧に花を添えていく。さらに華澄の援護射撃も加わり、回復手たちの手が回り切らないほどの傷を全体に与えていった。
そしてジェイク自身は、六つの魔法陣を呼び出しそこに魔力を充填させた。
そこに溜められていく力は純粋な破壊の力となり、船首像を狙う。実戦投入するにはおおよそ隙の大きすぎるその力は、しかし厚い援護のおかげで戦局を決める最終兵器へとなり得ていた。
「消えろ!」
そして魔力の破壊光線が掃射され、敵を一気になぎ払う。宣言通りそれは回復する間もないほどの破壊力で、船首像たちを海へと沈めていった。
その照射が終わった時、そこには触腕の欠片すら浮かばぬ、静かな水面だけが残されていた。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
泉・火華流
OPの『ガラクタに蒸気を組み込んで~』や新世界を意識したプレイングです
昔のアルダワ学園の一部があるって聞いたから見に来たつもりだったのに…
(新世界観光?目的…が、話を聞いて協力)
ミズリーさん&キンメさんを襲う船首像を武装『ハイスチームミニガン』と『FBC』で攻撃しながら登場
オバさん達…大丈夫?
敵に向き直って…
まだ本体も残ってるし…一気に殲滅して余力は残したいところね…
指定UC(武装:機銃のみ)を使用し、シャークペイントの小型戦闘機隊を出撃させる【制圧射撃・掃除・空中戦・(他の猟兵の)援護射撃】
自身もレガリアス・エアシューズで渦巻くホイールで水上を駆け【ダッシュ+水上歩行】、敵を排除していく
ミケ・ナーハ
はちきれんばかりの豊満な胸をはじめ
抜群のスタイルが際立つ
セクシーな、くノ一装束姿です♪
「魔導蒸気機械の力、見せてあげましょう♪」
アルダワ魔法学園の技術で作られた
虎型ガジェット『スア』の
背中にまたがって登場します♪
『スア』を、大きなぬいぐるみのような姿から
くノ一型ロボットに『機忍変形』♪
私に似た、女性的な美しいフォルムで
大きく張り出した胸部が、目をひきます♪
蒸気が出るので、サバカン団の皆さんが
もしかしてあれは!?みたいに
盛り上がってくれるかもですし
格好良い所を見せないとですね♪
「水遁の術を受けてください♪」
海水を利用し、超高圧で噴射する
水圧カッターによる
水【属性攻撃】で
敵を切り刻んで攻撃します♪
「昔のアルダワ学園の一部があるって聞いたから見に来たつもりだったのに……」
泉・火華流(人間のガジェッティア・f11305)は元々新世界、そしてアルダワ魔法学園から切り離されたという島を観光するつもりで鉄甲船に乗り込んでいた。だがどうにも他に乗り合わせた者から話を聞くに、そんな穏やかな状況ではないらしい。コンキスタドール……この世界のオブリビオンに海賊が襲われるのを助けなければならず、さらにその海賊はアルダワ住人の末裔で、不完全ながらガジェッティアの能力を持つというのだ。
すぐに観光に移れないのは残念だが、これはこれで興味深い。話を聞いた火華流は協力を決意し船から飛び出した。
「ち、またこっちにきやがった……」
度重なる猟兵の攻撃で大きく数を減らした船首像たちだが、弱いものから倒すつもりか、あるいはこの事態を引き起こした原因だと分かっているのか、猟兵を無視しサバカン団に迫るものが増え始めた。
「自分の身くらいは守りたいもんですが、それもままならねぇのが情けねぇ話で……」
なかなか致命打にならない攻撃を当てながら、二人は歯噛みする。その二人に向かい、周囲の船首像から一斉に触腕が伸びた……
その次の瞬間、その触腕は根元の本体諸共、光線と実弾によってなぎ倒された。
「オバさん達……大丈夫?」
ビームキャノンを周囲に浮かせ、小型のガトリングガンを構えた火華流が二人に声をかけた。
「な、てめ、だれがオバさんだコラァ!?」
「お頭、しょーがないです、あのくらいの子には大人はみんなおじさんおばさんです。ありがとな、お嬢ちゃん!」
ミザリーの怒声とキンメの礼を背に受けながら敵に向き直る火華流。そしてそれと入れ替わりに、もう一人の人影がサバカン団の前に降り立った。
「魔導蒸気機械の力、見せてあげましょう♪」
はちきれんばかりの豊満な胸を高露出のくノ一衣装に押し込んだ、ミケ・ナーハ(にゃんにゃんくノ一・f08989)。その体は虎のぬいぐるみのようなものにまたがり宙に浮いていた。ミケはミズリーに向かって思わせぶりな口調で笑いかける。
その蒸気、という言葉にミズリーはぴくりと体を震わせた。
「機忍変形!」
ミケが虎型ガジェット『スア』から飛び降りながら掛け声をかけると、スアは蒸気を噴き上げながらその構造を組み替えていく。
「もしかしてあれは……お、おい、見ろ! 蒸気だ! 蒸気で動いてるぞ!」
「信じられねぇ……まさかあんなもんが本当にあるなんて……」
噴き出す蒸気に感嘆の声を上げるサバカン団の前で、スアはガジェットだからこそできる奇想天外な変形の末、女性的なフォルムを持った機械のくノ一へと変形した。特に目を引くのは、ミケにも劣らぬその大きく張り出した胸部である。
「すげぇ……いやマジですげぇ……いやホント……」
ミズリーはまじまじとスアのその姿を見る。その目には興奮と感動、そして憧憬が入り混じっていた。なお余談だが、彼女は非常にスレンダーである。余談ではあるが。
「ふふ、盛り上がってくれてますね。それじゃあ格好良い所を見せないとですね♪」
ミケはスアと共に、船首像へと向かっていった。
「次元格納庫オープン……Shark小型戦闘機隊、各機出撃準備整い次第、次元滑走路より出撃お願いね♪」
先んじて船首像と交戦していた火華流が、空間に穴をあけ大量の鮫のペイントを施された小型戦闘機を召喚する。戦闘機たちは蒸気を噴き上げながら機銃を掃射し、船首像たちを制圧していった。
「すげぇ……鮫も蒸気で動かせるのか……」
この姿はミズリーだけでなく、鮫を模しているためかキンメにも刺さるものがあったらしい。
さらに火華流自身も大気をホイールにしたレガリアスシューズで水面をかけ、次々と素早く船首像を仕留めていく。
「水遁の術を受けてください♪」
その横ではミケがスアと共に水を操り、海水を水圧カッターとして放って船首像を切断していく。肉を削ぎ落そうとする腕自体をそれが切断し、敵の強化と攻撃を一度に封じ込めていった。さらに歌唱でそれを回復させようとするものは、召喚された小型戦闘機の機銃が抑え込んでそれをさせない。
「それじゃ、フィニッシュだよ!」
「はい、いっちゃいますよ♪」
そして火華流とミケ、そしてそれぞれのガジェットの同時攻撃が、サバカン団に群がってきた船首像の最後の一体に炸裂した。それを受け、船首像は跡形もなく四散する。
「これが本物の、蒸気の力……!」
その姿を見てミズリーが震えているのは、未知の技術への興奮か、流れる血の記憶に動かされてなのか。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ドゥルール・ブラッドティアーズ
共闘NG
グロNG
WIZ
……ツナ缶だかサバ缶だか知らないけど
メガリスの試練とやら
よく考えて行ったんでしょうね?
(お頭を睨んで尋ねる。
勢いでいけると思った等なら一発殴る)
人間の愚行によって生命を持ち
人間の手で始末される……
一番の被害者は貴女(船首像)達よね
悲しい歌声に共感しつつも
守護霊の憑依【ドーピング】で戦闘力を高め
『挽歌・二重水鏡』で私と同じ強さと技能を持つ
アイリスとナルを召喚
アイリス:話は通じなくても人間を恨む心があるなら
3人の【誘惑・催眠術・全力魔法・歌唱】の鎮魂歌で
戦意喪失させられるはずよ
ナル:その間に胸や背中への愛撫と濃厚なキスで
心も体も【慰め・生命力吸収】だね。
ボク達で彼女達を救おう
あれだけいた船首像も最早ほとんどが駆逐され、サバカン団から離れた場所に傷ついた数体が残るのみとなっていた。最大の武器であった数を減らされた今、決着は時間の問題と言えるだろう。
これならば、と武器を構える二人の後ろから、冷たい声が聞こえた。
「……ツナ缶だかサバ缶だか知らないけど、メガリスの試練とやら、よく考えて行ったんでしょうね?」
ドゥルール・ブラッドティアーズ(狂愛の吸血姫・f10671)は他の猟兵のように鉄甲船からではなく、いつの間にかサバカン団の後ろに立ち、ミズリーを睨みつけていた。
今までも彼女の行為に難色を示した猟兵はいたが、嗜めるような意図が感じられたそれらとは違う、刺すような視線と声。それにミズリーは言葉を詰まらせるが、彼女の答えを待つようにドゥルールは刃のように鋭く真っ直ぐな視線をそらさない。
「……正直、勢いって言うか、島に伝わる伝説を試してみたかった」
搾りだすようなミズリーの答え。それを聞くとドゥルールは失望したような、あるいは諦めたような表情をすると、ミズリーの頬を一発はたき彼女から離れていった。
ミズリーとキンメ、二人ともが何も反論をしないのは、今回の責任の全てが自分たちにあるのが分かっているからだろう。だが、ドゥルールが本当は何に怒り、悲しんでいるのか、彼女たちに理解できていただろうか。
ドゥルールは残りの船首像たちの集団に近づくと、打って変わった慈しむような声で語り掛けた。
「人間の愚行によって生命を持ち人間の手で始末される……一番の被害者は貴女達よね」
その言葉に、しかし船首像たちは爪と触腕を伸ばすことで答える。そこまで高い知能は持ち合わせていないのだろう、自分たちに憐れみを向けた相手を他のものと同じ敵と断じて傷を負わせた。
また後ろに控えていたものが、前に立っているものを癒そうと恨みの歌声を上げる。その声は前にいた船首像たちの傷を塞ぎ……同時に、その仲間たちが付けたドゥルールの傷さえも塞いでいった。この人の言葉で紡がれぬ、恨みを乗せた歌に敵味方の区別はない。共感するか否か、それだけである。
ドゥルールはその身にオブリビオンの霊を守護霊として憑依させながら、その歌声に合わせるようにに自らの詠唱を重ねた。
「鏡よ鏡、貴方は誰?」「私はアナタ」「キミはボク」
【挽歌・二重水鏡】の発動により現れたのは、『アイリス』と『ナル』の姉弟。二人はその青い肌の胸を膨らませ、召喚主であるドゥルールと共に魔力を籠めた歌を歌い始めた。
「話は通じなくても人間を恨む心があるなら」
アイリスの言葉通り、望まぬ生と望まぬ死を与えられた、その哀れな霊への鎮魂歌は魂を眠らせる歌となって、船首像たちの動きを止めた。
「ボク達で彼女達を救おう」
ナルの言葉を皮切りに、動きの止まった船首像たちを、三人はめいめいに抱き寄せる。
アイリスは慈しむように像の胸を愛撫する。
ナルは抱き寄せた像の背に手を回し、慰め、落ち着かせるようにゆっくりと何度も撫でる。
そしてドゥルールは異形でありながらも美さもあるその顔に自らも顔を寄せ、唇を重ねて生命力を吸い上げた。
もとより左程強い力は与えられていない船首像たちは、その慰めの中、僅かな生命を吸いつくされて瞬く間に消え去った。
最後に恨みの歌が聞こえなかったのは、ただ動ける者がいなかったからだけなのだろうか。その答えは、力を失いただの木に戻って水に浮かぶ、壊れた像だけが知っているのかもしれない。
大成功
🔵🔵🔵
第2章 ボス戦
『幽霊船』
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POW : 幽霊船一斉砲撃
【海賊船に搭載された全ての大砲】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
SPD : 幽霊団の船出
レベル×1体の、【カトラスを装備した右手の甲】に1と刻印された戦闘用【幽霊海賊団員】を召喚する。合体させると数字が合計され強くなる。
WIZ : 聖エルモの炎
全身を【不気味な紫の光】で覆い、自身が敵から受けた【攻撃回数】に比例した戦闘力増強と、生命力吸収能力を得る。
イラスト:猫背
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
猟兵たちの活躍により呪われし船首像は駆逐され、サバカン団も一先ずの危機を脱した。しかしこれはあくまで前哨戦に過ぎない。
ドックに繋がれていた船が紫の光を発し、係留の為の綱を引きちぎった。光は炎の様にたなびいて船体を覆い、焦がす。
帆は一瞬で朽ちたようにボロボロになり、それでいて搭載された大砲だけは獲物を求めるように鈍い光を放っていた。
組み込まれたメガリスの力に飲まれコンキスタドールとなってしまった船。その姿はまさに幽霊船と呼ぶにふさわしい姿と成り果て、かつての主と猟兵たちの前にその姿を晒していた。
「すまねぇ……」
ミズリーの漏らした声は、見ず知らずの自分を救援に来た猟兵にか、あるいは自身の軽挙によって異形と成り果てた愛船にか。
「本当は俺たちがやらなきゃならないことだ。手伝うって言うのもおかしな話だけどな……やれるだけのことはやるぜ」
ミズリーはそのままラッパ銃を手に前に立ち、キンメもそれに従ってバブルワンドを構える。猟兵にこそ劣るが、支援役とするには十分な実力はあるはずだろう。
彼女たちと連携し、哀れなる船に安息を与えるのだ!
死絡・送
「幽霊船か、成仏するが良い!」
ノーブルバットに変身して参加、空中浮遊1、空中戦1で空を飛び回り
ながら光の剣ワールドライトブレードを振るい、鎧無視攻撃と鎧砕きと
破魔と属性攻撃で聖なる光の力で走行を無視した斬撃での2回攻撃を試す。
相手の攻撃は幽霊だけに呪詛耐性や狂気耐性で踏ん張り
オーラ防御でバリヤーを張って耐えてみようとしたりと念動力で敵の攻撃を逸らしてみようと試す。
海に落ちた仲間がいたら、追跡と救助活動や水泳で助けに行こうとする。
「超科学の光も喰らえ!」とユーベルコードの光子魚雷一万発発射!!を仲間に当たらないように使おうとする。
暴走する幽霊船に最初に挑みかかったのは、ここからの参戦となる死絡・送(ノーブルバット・f00528)。
「幽霊船か、成仏するが良い!」
蝙蝠を模した黒いヒーローコスチュームで飛び回り、相手の巨大さに対抗する送。その手には光の剣『ワールドライトブレード』を構え、縦横に飛び回りながらその船体へと切りつけた。
光の剣は破魔の力を宿し、紫の炎に包まれた幽霊船の装甲を容易く切り刻む。さらに飛び上がりからの急降下でもう一度同じ場所を切り裂いて、装甲を失った場所により深いダメージを与えた。
幽霊船は切られた側面にある大砲を、下方へと降下した送に向ける。そして間髪入れず、その全てから砲弾が放たれた。メガリスの力によってか、大砲は本来あり得ない角度にまで砲塔を向け、今目の前にいる唯一の敵対者である送へと一斉砲撃をかける。
「甘いっ!」
しかし送は自分に迫る大量の砲弾にも心乱すことなく、オーラのバリヤーを展開した。さらに念動力によって砲弾を逸らし正面からの直撃を避け、バリヤーの端に当てることで弾の軌道を変え、別方向へと逸らしていく。結果として、送はほとんど消耗することなく砲弾の連射をしのぐことができた。
「うわっ、たっ、あ、危ねっ、ぎゃー!」
「お頭ー!?」
逸れた砲弾の一部が後方にいるサバカン団の元に飛来、直撃こそしなかったものの、衝撃でバランスを崩したミズリーが海へ落ちてしまう。
それを察知した送はバリヤーを解除し高速で海へ突入、水中で迅速にミズリーを抱え、そのまま再び空中へと飛び出した。
「悪かったな。大丈夫か?」
「あー、まぁ、何とかな……」
送は元の場所へと彼女を戻すと、再び宙を舞って幽霊船へと向かう。
「こっちも同じ手で返してやろう。超科学の光も喰らえ!」
送の周囲に光が集まり、魚雷の形を作っていく。その数は先刻幽霊船から撃たれた砲弾の数倍、あるいは数十倍以上はあるだろうか。
「全てを光に変えて消す!! 光子魚雷、射て~~~~~~~っ!!」
送の掛け声とともに、無数の光の魚雷が一斉に幽霊船に向かって放たれた。それは次々と船の側面に着弾し、目も眩むほどの光を上げて爆発していく。
やがてその光の雨が収まった時、幽霊船の片側の側面は紫の炎によらない、新たな焦げ跡と穴を大量に作られていた。
大成功
🔵🔵🔵
夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎
■行動
船については、御愁傷様でしたぁ。
それでは、何とかしましょうかぁ。
『FRS』による射撃と『FSS』による防護を行いつつ、出来るだけ距離を取り【乳焔海】を使いますねぇ。
此方はかなりの広範囲を覆うことが出来ますので、「相手の砲撃範囲の外」から叩ければ良し、ドックの構造上難しくても、距離をとれば弾幕は薄くなりますぅ。
サバカン団の方々が巻き込まれる可能性も有りますし、飛来する『砲弾』自体も『波動』の範囲内ですから、攻撃対象に含め空中で焼き払いますねぇ。
船自体への攻撃は、サバカン団の方に「あの船の弱点」を尋ねましょう。
元々彼らの船ですから「構造上の弱点」は把握しているはずですので。
雪・兼光
SPD/連携等はお任せ
ようやく本体に仕掛けられる
よっし、続けていくぞ(運転常時利用)
出てきた幽霊海賊団を高速旋回やドリフトで引いて幽霊船に送り返してやる
(範囲攻撃)
戦闘は幽霊船に突撃してダイレクトに引いていく、零距離射撃もおまけ(2回攻撃)も忘れずに
相手の攻撃は見切りと第六感を利用して可能な限り回避を狙う
吹き飛ばされたらユーベルコードをすぐ解除して空中戦を利用して受け身を取れるか試す
ブラスターが手から離れたなら弓に武器を変更火力は落ちるだろうがないよりマシ。
余裕があるなら援護射撃も忘れずに
「ようやく本体に仕掛けられる。よっし、続けていくぞ」
雪・兼光(ブラスターガンナー・f14765)はブラスターの変形した水上バイクにまたがったまま、幽霊船を睨みつける。さらにその後方では夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)が浮遊状態を維持したまま、他の兵装を油断なく展開させていた。
「船については、御愁傷様でしたぁ。それでは、何とかしましょうかぁ」
るこるのその言葉に、できるものならしてみろ、とでも言わんばかりに砲塔が向けられる。さらにその船体の上には、半透明な幽霊のような、数多くの海賊たちが現れていた。
幽霊船とは言え沈没したわけではない。恐らくはコンキスタドール化によって得た力で、物理的な影響力のある幻影を召喚したと言ったところだろう。海賊たちに人間の他ミレナリィドールやケットシー、ドラゴニアンの姿が多くみられるのは、実際に自分に乗った海賊たちをモデルにしているからだろうか。
「大いなる豊饒の女神の象徴せし欠片、その裁きの理をここに」
るこるの詠唱が戦闘開始の合図となり、大砲は一斉に放たれ、幽霊海賊たちも船から飛び降りて二人へと向かって水面を移動していく。
それに対し兼光はエンジンを空ぶかしさせてから猛然と水上バイクを走らせ、砲弾と亡霊の群れに怯むことなく向かっていった。そして詠唱を終えたるこるは、その周囲に女神の波動を発生させる。波動は水面を揺らしながら兼光を追い越して幽霊たち、そして幽霊船さえも包んでいった。
次の瞬間、波動に震えた場所が真っ白に輝いた。
否、それは光ではない。女神の力を帯びた、乳白色の炎である。
炎は水上でさえ燃え盛り、幽霊たちを包み、さらには幽霊船の船体へ燃え移った。その炎は船から噴き出る紫の炎を喰らい、まるで侵食する、あるいは浄化するようにその船体を飲み込んでいく。
清浄なる光によって魔の物がもだえ苦しむかのように、幽霊船はめったやたらに砲を放つが、それは空中でやはり炎の餌食となり、燃え滓となって水面に落ちていった。
そしてその白い海の上を、兼光の水上バイクが爆走する。延焼範囲を意のままにできる炎は兼光を焦がすことはなく、まるでバイクは炎に乗って進むかのように、水しぶきを上げながら幽霊船へと向かっていった。
その途中、水上に足をつけた幽霊海賊たちが体が燃えるのも構わず兼光に襲い掛かる。
「生憎だが水上ドリフトは練習済みだぜ?」
兼光はそれを、バイクを水上で横滑りさせて纏めて轢き潰した。さらに下に沈んだものがいると見ればその場で高速旋回し、水中で踏みにじる。
実体がないため体は軽く、個々の能力も合体頼みな幽霊海賊たちは船首像以上にあっけなく、バイクに跳ね飛ばされて消えていった。
さらに勢いは止まらず、兼光は幽霊船本体へも突撃をかけて行く。
さすがに大きさが違いすぎるためか簡単に当たり勝つことは出来なかったが、横腹に強烈な衝撃を咥え、さらには至近距離での射撃を当てることも忘れない。巨体ゆえに小回りの利かない幽霊船を、兼光は下方から着実に削っていった。
後方では、飛んでくる砲弾をるこるの炎が次々と迎撃していく。ほとんどが無害な燃え残りとなって海に落ち、まれに形を残して飛んでくるものも、展開された『FSS』のシールドと『FRS』の射撃に阻まれるこるまでは届かない。るこるは自身と兵装を防衛ラインとしてサバカン団を防衛すべく、後方からの炎と兵器の操作に徹していた。
「ところでお二人とも……あの船の構造上の弱点とか、ご存知ですかぁ?」
るこるが自身のさらに後方にいるサバカン団に尋ねた。異形化したとはいえ元は彼女たちの船。構造や弱点を熟知しているのではと考えたのだ。
「え? あ、あぁ……そうだな……ああなっちまったのはメガリスのせいだから、多分そこが弱点って言うか、心臓部になってると思う。舵輪の部分だ。ちょっと壊れちまったから、いっそ似た形のメガリスに取り換えちまえって思ってさ……」
ミズリーが思い出しながらそう答えた。元は修理のついでの、ほんの思い付き程度のものだったのだろう。それが今このような結果を招いてしまったのだが、結果的にそれが弱点を推測する材料になっているのは皮肉な話だ。
「分かりました……兼光さん、舵輪のメガリスです!」
「了解だぜ!」
るこるは声を上げ、波動と炎を道しるべのように幽霊船の側面にぶつける。そして兼光はそれに導かれるように一気に幽霊船に突っ込むと、大きくハンドルを上げ水上でバイクをジャンプさせた。
船上に残っていた幽霊海賊たちが兼光を迎え撃とうとするが、延焼した炎がそれを押し返す。その動きを見切り空中戦の技を使って、兼光は舵輪部分へと落下した。
「おらよ!」
掛け声とともに舵輪のメガリスにバイクがのしかかり、落下速度も加えて強烈な轢き潰しをかけた。それに苦しむかのように幽霊船全体が大きく揺れる。
「仰られた通りみたいですね、効いてますぅ」
遠方からその様子を見たるこるが、ミズリーの見立てが正しかったことを確信した。
同時に船上の兼光も、一旦バイクをブラスターに戻して船から飛び降り、幽霊船から離れる。弱点を攻撃したとはいえ敵地のど真ん中、長居していい場所ではない。
白と紫の炎が入り混じる船体から、苦悶の声の如く出鱈目な砲が放たれていた。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
泉・火華流
このまま出航はさせないよ…
グラビティ・アンカーチェーンを帆柱などに巻き付け、反対側を岩などに絡ませて時間稼ぎ【ロープワーク・地形の利用】
Shark様…お願いっ!!
指定UCを使用(武装:機銃&投下弾)して幽霊船の上を通過するときに甲板を爆撃し、船の周囲を飛びながら船体を機銃掃射(主に大砲のある場所や船体下部を狙い穴を開けていく)【制圧射撃・範囲攻撃】
自身もレガリアス・エアシューズで水上を駆けながら【ダッシュ+水上歩行】、『ハイスチームミニガン&FBC』で船体に攻撃していく【制圧射撃・一斉発射】
基本的に足を止めずに駆け回り、敵の攻撃は回避&射撃による迎撃で防御
ダメージを受けてぐらつく幽霊船。その前に次なる猟兵が立ちはだかる。
泉・火華流(人間のガジェッティア・f11305)は言葉通り、重力制御装置付きの錨『グラビティ・アンカーチェイン』を幽霊船へ向かって射出する。その巨体が一本の鎖を避けるような機敏な動きができるはずもなく、狙いは過たず鎖は帆柱へと巻き付いた。
「このまま出航はさせないよ……」
火華流は周囲にあったとりわけ頑丈そうな岩に鎖を巻き付ける。その巻き方は鎖を用いていながら船の係留に使われるような複雑かつ頑丈なもので、これならばそう簡単に外れることはないだろう。
敵を完全にこの場に固定し、火華流は戦闘へと入った。
「Shark様……お願いっ!!」
ユーベルコード【GadgetSharkTime】を発動、空間に穴をあけ鮫のペイントが施された戦闘機型のガジェットを召喚する。先ほどと似た術式だが、今回は数が一体しかいない代わりに相手により有効な装備を選んで召喚ができるものだ。
鮫を模した戦闘機『GadgetShark様』は、幽霊船の上空を通り過ぎるように飛行し、すれ違いざまに爆弾を落としていく。いかにコンキスタドール化しているとはいえど元はただの海賊船、対空装備など備えているはずもなく、乗り込んでいる幽霊海賊団を巻き込んで甲板に爆発の花が咲いた。
さらに側面に回り込んで大砲や船体下部を狙うGadgetShark様に合わせ、火華流もレガリアスシューズに大気を纏わせ水面を疾走、挟み込むように逆側面から攻撃をかける。
「ほらほら、こっちだよ!」
水面を飛沫を上げ駆け抜けながら、『ハイスチームミニガン&FBC』が下方から炸裂、次々とその船体に穴を穿った。幽霊船も負けじと大砲を下方へ向けて連射するが、全て素早く走り抜ける火華流の後方に着水、高い水柱をあげるだけにとどまっていた。
爆撃を生き残った幽霊海賊たちが船から飛び出し、水の上を歩いて火華流とGadgetShark様をそれぞれ迎撃しようとするも、ただでさえも残り少ない団員を二つに裂いてしまった結果一方への人員は少なく、猟兵と有効打を持つガジェットを追いかけるには明らかに人員不足であった。
「追っかけてくる気? 捕まらないよ!」
どちらも船から離れるように引きながら、それぞれの銃を連射していく。カトラスしか装備を持たない幽霊海賊は両者にとって格好の的でしかなかった。
次々と打ち倒されていく海賊たち。一同が水に沈んだのを確認すると、GadgetShark様は再び幽霊船の上空へ、火華流は大砲が向けられないほど近くの船体下部へ向かい、それぞれの武器を構えた。
「それじゃ、フィニッシュいっくよー!」
上下からの爆弾とミニガンの一斉射撃が幽霊船を襲う。全くの死角から放たれる怒涛の攻撃は、まるで上下を貫通させるかの如く船体に叩きつけられ、爆炎と銃声、そしてもうもうとした蒸気を巻き上げるのであった。
大成功
🔵🔵🔵
死絡・送
味方の援護を軸に戦う。
「しぶといが、きっちり成仏させてやるか」
ノーブルバットに変身し継続で参加、ジャンプと空中戦と空中浮遊で空を動き回りながら誤射しないように狙ってアームドフォートから破魔の力を一斉発射。
オーラ防御で我が身を守り、海に落ちた或いは落ちそうな味方は
「待ってろ、助けに行く」と言い追跡して水泳し救助活動で助けに行く。
味方に攻撃が及ぶ時には「そうはさせない」と
念動力で敵の攻撃をそらして援護しようと試す。
接近戦ができそうならオーラ防御で守りつつ空中戦で空を飛んで近づき
ワールドライトブレードで傷口をえぐる破魔の鎧無視攻撃で敵の生命力を吸収する。
ミケ・ナーハ
豊満な胸をはじめ
抜群のスタイルが際立つ
くノ一装束姿です♪
「蒸気の力は、まだこんなものじゃないですよ♪」
女性的なフォルムを持った
機械のくノ一に『機忍変形』した
『スア』に、第1章に引き続き、乗っています♪
蒸気を噴き上げながら
格好良く活躍する姿を
サバカン団の皆さんに
見てもらいたいです♪
「合体なんてさせません♪」
敵の動きを【見切り】回避しながら
大きな手裏剣をいくつも投げ
幽霊海賊団員の合体を阻止しつつ撃破♪
「そこが弱点ですね♪」
幽霊海賊団員による攻撃が弱まったら
舵輪のメガリスを狙い
特大の手裏剣を投げます♪
戦闘の激しい動きで、私の豊満な胸も
こぼれそうなくらい、ぷるんと揺れますが
気にせず、堂々と戦います♪
「蒸気の力は、まだこんなものじゃないですよ♪」
ミケ・ナーハ(にゃんにゃんくノ一・f08989)は女性的なフォルムを持った姿に【機忍変形】したガジェット『スア』と共に、再び戦いへと向かう。
その姿はやはり豊満な体を高露出くノ一衣装で際立たせたもので、同じくらいの胸を持った姿になったスアともども、見るものを惹きつけずにはおかない。
「蒸気を噴き上げながら格好良く活躍する姿を、サバカン団の皆さんに見てもらいたいですしね♪」
ガジェットを扱うものとして、サバカン団には是非ともその魅力をアピールしたい。その思いを籠め、ミケは幽霊船へと立ち向かっていった。
それを再び幽霊船から生み出された幽霊海賊たちが、船から飛び出し迎え撃つ。しかしその一団はミケに届く前に、さらに後方から撃ちだされた砲撃によって押しとどめられた。
「しぶといが、きっちり成仏させてやるか」
死絡・送(ノーブルバット・f00528)は一戦を終えてなお、ノーブルバットへの変身を解かず戦線に留まっていた。
今度は味方の援護を主体に動くべく、まずは後方から破魔の力を射撃して敵を抑える。この力が相手によく効くことは先刻の交戦で実証済みだ。
分裂している状態では埒が明かない、幽霊海賊たちは寄り集まり、融合して強力な個体へと変形しようとする。だが、それも猟兵たちの予想の内であった。
「合体なんてさせません♪」
動きを見切って投げられた巨大な手裏剣が、集まった幽霊海賊たちの間を引き裂くように飛び交う。そして合体に戸惑っているそのうちに、送が放った砲撃が幽霊海賊を次々消滅させていった。
最初の集団を蹴散らした二人はその隙をついて幽霊船本体へと迫る。それを船のそくめっから放たれた砲撃が迎え撃つが、それは不自然な形で軌道を変え次々と水へと落ちていった。
「そうはさせない」
送の念動力が砲弾を逸らし、ミケを守る。相手の砲撃を逸らせることもまた、自分で身をもって証明したことだ。一度戦った相手の技をいなすなど造作もない。
「ありがとうございます♪ それじゃ、狙わせていただきますねぇ♪」
邪魔がなくなった所でミケがスアにまたがって大きく飛翔、甲板上部が見えるところまで飛びあがった。その凄まじい勢いに高露出な衣装でギリギリ抑えられていた豊満な胸がぷるんとゆれる。
「すげぇな、やっぱ……」
ミズリーが息をのむのが何にかは、彼女にしかわからないことだろう。
弱点である上方を取ったミケを何とか迎撃しようと大砲を動かし、また再度幽霊海賊を出現させようとするが、高速で水面すれすれを飛翔し肉薄していた送が光の剣で選定部分を切りつける。それはこれまでの戦闘で着いた傷をさらに引き裂いていき、その力を奪い去っていった。さらに万一に備え、ミケの下方に位置し落下した際はいつでも救援に行けるようにも備える。
そして完全に隙を曝した幽霊船の弱点を、上空のミケの目が確実に捕らえた。
「そこが弱点ですね♪」
舵輪部分のメガリス目掛け、ミケが巨大手裏剣を投げつける。それはミケの特大の胸が特大の動きを見せる程の凄まじい勢いで飛来し、舵輪のメガリスに直撃した。その船体の大きな揺れと共に紫の炎の勢いが弱まっていくのは、メガリスの結合が緩んだからだろうか。
「やりました♪」
ミケが上空から降りてスアと共に堂々と、ぶるるんと一際大きく胸を揺らし決めのセクシーポーズ。
その勝利の様子に、送も援護のかいあったと満足げに腕を組んで頷くのであった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ドゥルール・ブラッドティアーズ
共闘NG
グロNG
WIZ
『愛の想起・花と鳥の小夜曲』で
ハーミアとアルルの歌が私の戦闘力を高め
更に、幽霊船の戦闘力増強と生命力吸収能力を封じる
……あの船を救いたい?
なら、しばらく私を援護して頂戴
ミズリーとキンメにそう言い
【オーラ防御】を纏って幽霊船に接近し
光の【属性攻撃】による浄化で動きを封じる【マヒ攻撃】
アルル達の歌に合わせた【慰め・歌唱】の鎮魂歌と共に
優しく触れて【生命力吸収】
戦闘後、無害化した幽霊船の魂を
ミズリーに憑依【ドーピング】
召喚できるかは本人次第だけどね
……これがこの子にとって最も幸せな道だと思っただけ。
いくら私でも、船とは愛し合えないし?
お持ち帰りするのは船首像ちゃん達だけで充分よ
戦いを重ね少しずつ形を崩していく幽霊船を、ドゥルール・ブラッドティアーズ(狂愛の吸血姫・f10671)はじっと見つめていた。
やがてすっと前に出ると、幽霊船に近づきながら声を張り上げた。
「美しき半人半鳥の歌姫よ! そして、可憐なる花の精霊よ!」
「いよいよ出番ね!」
「いっぱいあそぼ~♪」
その声に応えるように、半分鳥のような体を持った女と、植物を思わせる髪質の女……ハーピーのハーミアをアルラウネのアルルが現れる。
そして二人を従えたまま、ドゥルールはサバカン団の前へと静かに歩み寄った。
「……あの船を救いたい?」
ミズリーに向かって言うドゥルールのその声は、やはり冷たく、だが先ほどと違い責めるよりも強い問いかけの意図があった。
それを受けたミズリーは、黙って一度力強く頷く。
「なら、しばらく私を援護して頂戴」
その答えを受けたドゥルールは変わらない口調でそう言うと、幽霊船へ向かって進みはじめた。
「よーし、それじゃあはりきっちゃおうか!」
「お船と遊ぶの~♪」
ハーミアとアルルの歌声がドゥルールを取り巻き、その力を増幅させていく。さらには幽霊船まで届けばそれは敵を蝕む呪詛となって、その強化を打ち消し能力を封じ込めていった。それを表すかのように、幽霊船の各所から噴き出す紫の炎が目に見えて弱く、小さくなっていく。
しかしそれでも完全に鎮火したわけではないその日が、ドゥルールを取り巻きその生命力を啜ろうとする。
白い肌を紫の炎が炙るが、それは肌に火傷の痕一つつけることなく、まるで攻めあぐねるかのように彼女を周りと回るだけで終わっていた。
ドゥルールを取り巻くオーラは、吸血姫から命を啜ろうなどおこがましい、とでもいうかのように炎を防ぎ、押し返している。さらにその光の属性は攻撃にも転用され、ドゥルールの手から放たれてその船体を穿ち、錨の如く幽霊船をその場に縫い留めた。
ハーミアの歌う愛と、アルルの歌う呪詛の二重奏、そこにドゥルールは自身の慰めの歌を重ね、幽霊船の魂へと歌いかける。
「あなたは勝手に生み出され、今滅ぼされようとしている。でも、もしあなたが望むなら……」
ドゥルールは船体に手を触れ、幽霊船の生命を吸い取ろうとする。だが、手が触れたその瞬間、熾火の如く燻っていた紫の炎がドゥルールの眼前で燃え上がり、彼女を再び包もうとした。
歌に魂を込めていたドゥルールは先と違いそれに防御無しで取り巻かれそうになる。が、その後方から放たれたもう一筋の紫の炎が、ドゥルールを取り巻くものを打ち払った。
「こんな恨みの火で……何も吸っちゃいけねぇよ……」
ミレナリィドールであるミズリーの【ミレナリオ・リフレクション】。ドゥルールが幽霊船に歌いかけてくれたから、ハーミアとアルルの歌でその威力を抑え観察の時間をくれたから、実力に劣る彼女でも幽霊船の一撃を打ち消すまで集中ができたのだろう。
続けて大量の水を含んだ泡が残る炎にかかり、それを消化していく。キンメがバブルワンドにありったけの水の魔力を籠め、放ったものであった。
二人が自分を確かに援護したのを見て、ドゥルールはもう一度幽霊船に優しく手を触れる。そしてそこから、今度こそそのコンキスタドールとしての命を吸い上げるのであった。
見る間に船体から炎が消え、船は静けさを取り戻す。元凶となったメガリスが今なお接続されている以上、戦いはまだ終わりではあるまい。だがドゥルールは船から離れるとミズリーに近づき、紫色の光が宿った手で彼女に触れた。
光はミズリーに移り、そのまま彼女の中に吸い込まれ、消えていく。
「……これがこの子にとって最も幸せな道だと思っただけ。いくら私でも、船とは愛し合えないし? お持ち帰りするのは船首像ちゃん達だけで充分よ」
オブリビオンの救済を掲げるドゥルール。もし自分でなく他人に預けるのがそれにつながるのならばそうするまで。恐らくそれは本心なのだろう。だが、そこにそれ以外の感情が同居していないと言い切って良いのは彼女だけだし、そうでないと思うのは他人の勝手な勘繰りでしかない。
ミズリーはドゥルールから渡されたその光と共にあろうと思いながら、ハーミアとアルルが今どちらも呪詛でなく愛の小夜曲を歌っていることが何かの答えであって欲しいと願った。
大成功
🔵🔵🔵
藤宮・華澄
※ジェイク、アリス、エルーゼと行動
ヴァナディースによる援護射撃をメインに行動。
単独で乗り込んだジェイクに関しては問題ないと告げる。
どこか怖い感じと言われたらフォローする。
二年半前の惨事が原因で人間性に問題を生じさせてしまった事やそれが原因で狂信者を殺すようになったと。
「で、でも……良い人なんですよ」
なにかあったら助けてくれる事が多いと。助けられた人も大勢いると。
「だから決めたんです。私たちも助けようって」
絡み・アドリブOK
アリス・スラクシナ
※エルーゼ、華澄、ジェイクと行動
「本当に大丈夫なのか?」
船に潜入すると提案するジェイクに協力する事になる。
「無理はするなよ」
エルーゼと共に囮役になり、気を引きつける。
後は内外から攻めれ沈められるだろうと考える。
「殺人鬼……あの状況では勘違いされても仕方ないが」
別件で助けた民間人から言われた一言を思い出す。
実際は霊光刀と呼ばれる浄化専用の非殺傷の刀に形成した七星天狼刃で斬っただけで死傷者はいなかったと話す。
「……どうやって脱出するんだ?」
絡み・アドリブOK
エルーゼ・フーシェン
※アリス、華澄、ジェイクと行動
「はあ、まったく無茶するわ」
アリスと共に囮役になって侵入の手助けをする。
空中浮遊とダッシュで砲撃を引きつけつつリヴァイアサンの咆哮で矢を放つ。
(ちゃんと教えてもらえばよかったな)
潜入さえできればあとは近接攻撃に持ち込む。
ヤヌスを二本の柄と光刃を形成してヒット&アウェイで攻撃。
「まあ、弟分みたいなものだしね?それに……あいつに似てて」
同じ猟兵であり恋人だった男を思い出す。
病身を隠し、最期の時まで人の為戦ったその人を。
「それで、脱出手段は聞いてるの?」
絡み・アドリブOK
ジェイク・リー
左腕に仕込んだワイヤーを使って単独で内部に潜入、船内から破壊を担う。
襲ってくる敵に剛刀に形成した七星天狼刃とドゥームで対処。
ワイルド・ハントを呼び出して範囲攻撃をメインとした攻めを行う。
早業による居合や二刀流、ミゼラブルによる銃撃を仕掛ける。
火薬を発見できれば攻撃を仕掛けて爆破させる。
「待ちな」
一旦止めてから霊光刀にした七星天狼刃を突き立てる。
「よし、やれ」
脱出はどうにかなるだろうと思い……。
絡み・アドリブOK
「はあ、まったく無茶するわ」
「無理はするなよ」
エルーゼ・フーシェン(踊り子・f13445)とアリス・スラクシナ(邪神の仔・f21329)はそれぞれに溜息をついた。だが、その相手はまるでそれを意に介さず、左手に仕込んだワイヤーを軽く伸ばして調子を見る。
ジェイク・リー(スレイヤー・f24231)は単独で幽霊船に乗り込み、内部からの破壊を試みるつもりであった。文字通り敵の中に乗り込むその作戦に、仲間たちは彼を信頼してはいるものの、やはり一抹の不安はぬぐえないでいた。
「問題ないですよね。信じています」
その中でも藤宮・華澄(戦医師・f17614)は一際彼を強く心配しているが、一方でその信頼もまた一際強い。その信頼を籠めた眼差しを向ける姿が、エルーゼとアリスへの何よりの説得となっていた。
「無理はするなよ」
しぶしぶと言った調子でアリスは武器を構え、幽霊船とそこから出てくる残りの幽霊海賊たちに立ち向かう。エルーゼもまた、空中を駆けてあえて砲撃の射程内に入り、自分に攻撃をひきつけながら魔弓『リヴァイアサンの咆哮』を射かけた。
そして華澄も、『ヴァナディース』を構え後方から幽霊船へと射撃をかける。華澄の頷く姿に見送られながら、ジェイクはワイヤーを伸ばして幽霊船の帆柱に巻きつけ、それを手繰り寄せて一気に戦場へと飛び込んでいった。
船上へ降り立ったジェイクに、船に最後まで残っていた幽霊海賊たちが襲い掛かった。ジェイクは剛刀と化した『七星天狼刃』と『ドゥーム』で彼らをなぎ払いその歓迎に応える。二刀を振るい敵をなぎ倒しながらも、遠方に現れた相手には瞬時にハンドキャノン『ミゼラブル』を放って接近を許さない。
「来い!」
さらには自身の別人格であるワイルド・ハントを召喚。彼に広範囲を攻撃させ敵を制圧しながら、自身はあるものを探し船内へと進んでいった。
船内は薄暗く、僅かに残った紫の火がまとわりつき、ジェイクの生命力を吸い取ろうとする。ジェイクはそれを無造作に踏みつぶし、船内を次々と検めていった。
「……これだな」
やがてある部屋で何かを見つけると、それに歩み寄り、手に取った。
一方船外では、幽霊海賊たちが粗方片付けられ、エルーゼとアリスは外側から幽霊船本体を相手取り始めていた。
二本の柄に光刃を持った形となった『ヤヌス』が船体を切り裂き、アリスが形成した属性剣が踊るようにその傷をさらに抉っていく。そして精一杯の足掻きのように大砲が放たれるが、その砲弾は華澄が的確に撃ち落とし、援護と防衛をこなす。
一方的な展開になりつつあるからか、後方には船上の様子をみる余裕さえ生まれていた。そこに目を向けると、圧倒的な火力で敵をなぎ払ったジェイク、そして彼が残したワイルド・ハントの制圧が見て取れる。
「強いな……なんか、怖いくらいに……」
その姿を見たミズリーが、ぼそりと呟いた。
それを聞いた華澄は、敵から目を逸らさないままでぽつぽつとジェイクの過去を語り始める。二年半前の惨事が原因で人間性に問題を生じさせてしまった事や、それが原因で狂信者を殺すようになった事。
彼の強さを支える凄絶な過去にミズリーは息をのむ。
「殺人鬼……あの状況では勘違いされても仕方ないが」
アリスもかつてジェイクが民間人から言われた言葉を思い出した。実際には浄化専用の霊光刀を使い死人を出さずに立ち回ったのだがな、と付け加え、彼の本質がそうではないことを言い添える。
「まあ、弟分みたいなものだしね? それに……あいつに似てて」
エルーゼもまた、ジェイクの本質が決して暴虐の塊のようなものではないと口添える。同じ猟兵であり恋人だった男、病身を隠し最期の時まで人の為戦ったその人と似ている彼が、そのような存在であるはずはないのだから。
「……悪い、別にそんなつもりじゃ……」
彼女たちの大切な人を図らずも貶してしまったと、ミズリーは俯いて謝罪する。だがそれに対し、華澄は微笑んで彼に助けられた人も大勢いるし、大丈夫だと答える。
「だから決めたんです。私たちも助けようって」
その言葉と共に放たれた銃弾で大砲の一つが完全に沈黙、より鮮明に船上の様子が見えるようになった。そしてそこに現れたのは、大量の麻袋を抱えたジェイクの姿であった。
「こいつで何とかなりそうだな」
ジェイクが船内で探していたもの、それは大砲を発射するための火薬であった。コンキスタドール化しているのだからそれに頼らずとも砲を撃てそうなものでもあるが、あるいは元からの積み荷でもあったのかもしれない。ともかく、大量に積まれた火薬を見つけたジェイクはそれを抱え、船上へと戻ってきたのであった。
ワイルド・ハントにより幽霊海賊は殲滅されており、無防備となった舵輪とそこに取り付けられたメガリスの周りに、ジェイクは火薬を積み上げる。
ワイルド・ハントは着火の為にそこに銃を向けるが、ジェイクは己の別人格を手で制した。
「待ちな」
剛刀であった『七星天狼刃』を別の形へと組み替える。それは奇しくも、先刻アリスの話した浄化の力の身を持つ霊光刀の姿。距離からしても彼女たちの会話が聞こえていたはずはないのだが、一体何の因果であろうか。
ジェイクは舵輪の根本へと霊光刀を突き立てた。その光はメガリスの浸食を抑え、幽霊船に最後の浄化をもたらす。
「よし、やれ」
ジェイクの合図とともに、ワイルド・ハントは火薬の山に向けて銃弾を放った。
次の瞬間、轟音と共に幽霊船は大爆発を起こした。船体はばらばらの木屑となって吹き飛び、へし折れたマストが横倒しになる。
その壮絶な船の最期に、ミズリーとキンメは瞑目し、何かを祈るように胸に手を当てていた。
「それで、脱出手段は聞いてるの?」
「……どうやって脱出するんだ?」
その中でのエルーゼとアリスの最後の疑問。こんな真似をしてジェイクは一体どうやって帰ってくるつもりだったのか……まさか船と心中? いや、いくら何でもそれは……
嫌な予感が全員を襲い、顔色を青くさせる。
「まあ、どうにかなるだろうと思ってた」
そんな不安をあっさり打ち砕き、爆炎の中からジェイクが戻ってきた。
「どうにか、って……あんた、やっぱ怖ぇよ、別の意味で……」
「別にいいだろ、実際どうにかなったんだからよ」
あっけにとられるミズリーにぶっきらぼうに返すジェイク。その答えにさらに大口を開けるミズリーだったが、彼女とは対照的に華澄は明るい笑顔をジェイクに向け、そんな三人を見てエルーゼとアリス、そしてキンメはやれやれと言った風に肩をすくめるのであった。
こうして、メガリスの力でコンキスタドールと化した海賊船は、炎に焼かれその仮初の命を失い骸の海への航海へと出たのであった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
第3章 日常
『レッツ海水浴』
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POW : 健康的で大胆な水着を披露しつつ、遠泳などで泳ぎまくるよ。ご飯は、もちろん、大盛で
SPD : スタイリッシュでスポオーティーな水着を披露しつつ、高飛び込みやビーチバレーを楽しもう。
WIZ : 露出度少な目だけどセンスのある水着で参加する。ビーチパラソルの下で読書でもしようかな?
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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
ちょっとした思い付きからあわや大惨事、となるところであった事件も、猟兵たちの活躍により無事終息を迎えた。
さあ、ここからは休息時間だ。カリコシャ島は温暖な気候で、この時期でも海水浴には十分すぎるほどの気温がある。ビーチには遊具のレンタルや様々な飲食店が並び、思い思いの方法で遊んだり寛いだりできる。あるいは夏本番に備え、水着を選び披露しておくのもありだろう。
また、サバカン団や島の人々と親睦を深めたり、この島やグリードオーシャンについて何か聞いておくのもいいかもしれない。恩人であり、珍しい外からの客人だ、きっと歓迎してくれることだろう。
さあ、一足早い夏を満喫だ!
ミケ・ナーハ
抜群のスタイルを見せつける
マイクロビキニ姿です♪
動くたび豊満な胸が
ぷるんと揺れ、こぼれそうです♪
「どうですか、私のスアは♪」
活躍した、虎型ガジェット
『スア』を胸を張り、自慢♪
大きなぬいぐるみの姿に戻っていますが
よく見ると蒸気の噴き出し口などが♪
「良かったら一緒に乗りませんか♪」
ミズリーさんとキンメさんを後ろに乗せ
海岸付近を飛翔♪
「えへへ、実はお願いして作ってもらったので、詳しくないんですけど♪」
『スア』について色々聞かれたら正直に答えます♪
作った人については詳しく言いません♪
ミズリーさんは、私のかわいい笑顔とセクシーな体を見て
こんな娘にお願いされたら、男はがんばるだろうな
みたいに思うかもです♪
戦いが終わり、一時の休息を満喫する猟兵たち。
ミケ・ナーハ(にゃんにゃんくノ一・f08989)はマイクロビキニを纏い海へと繰り出した。最低限の部分しか隠さない際どいビキニの下の体は、歩くだけでゆさゆさと揺れそこからこぼれそうになる。その姿にビーチの男性は目を奪われるが、ミケ自身はまっすぐサバカン団の元へ向かっていく。その横には、ぬいぐるみの形に戻った虎型ガジェット『スア』の姿があった。
「どうですか、私のスアは♪」
ミケはサバカン団に、今回の戦いで活躍したスアをぷるるんと胸を張り、自慢げに見せた。
「いやぁ、ほんと凄かったぜ。見た感じただのぬいぐるみにしか見えないのにあんなふうに動くんだもんなぁ。しかも原動力が蒸気! ここから出てんのか?」
「お頭、顔が焼けちまいますよ! せっかく生き延びたのにこんな所で死にたいんですかい!」
スアについている蒸気の吹き出し口を覗き込もうとするミズリーを、キンメが慌てて押しとどめる。その様子を見て、ミケは笑いながら言った。
「良かったら一緒に乗りませんか♪」
「え……マジか! いいのか? やったぁ!」
「お頭! 全く……すいません、ありがとうございます」
ミケは前によってスアにまたがり、大興奮するミズリーと申し訳なさげに頭を下げるキンメを後ろに乗せてスアを発進させる。スアは噴出孔から蒸気を噴き上げて地表から僅かに浮き上がり、砂煙を巻き上げて海へと出発した。
そのまま海面すれすれを高速で飛行し、水しぶきを巻き上げながら飛び回るスア。青空に飛沫が舞い、きらきらと光を反射させる。
キンメが振り落とされないようスアの体に必死にしがみつく一方、ミズリーは初めて間近で見る蒸気機関に大興奮で、矢継ぎ早にミケに質問を浴びせていた。
「なあなあ、これどうやって作ったんだ? 中はどうなってんだ? あんたのいるところでは普通に売ってたりするのか?」
「えへへ、実はお願いして作ってもらったので、詳しくないんですけど♪ ただこの技術……それにこの島にもとてもゆかりが深いと思う場所や、他にももっと別な技術が発達した場所がたくさんあるんですよ♪」
ミケは聞かれたことに、自分が知る限りを正直に答える。ミズリーには理解できない部分もいくつかあったが、外に広い世界があること、そこには蒸気機関をはじめとする様々な技術があるという事実は彼女の胸を高鳴らせた。
その話を聞きながら、ふと高速移動の風圧で激しく揺れる胸と、飛沫を浴びて輝くミケの笑顔が改めてミズリーの目に留まる。
(こんな娘にお願いされたら、男はがんばるだろうな……)
男勝りながら精神性は女性であるミズリーは、自身の細身の体を少し省みながら、そう思いミケにしがみつくのであった。
大成功
🔵🔵🔵
夢ヶ枝・るこる
■方針
・【POW】使用
・アド/絡◎
■行動
何とかなったみたいですし、ゆっくり出来るのは有難いですねぇ。
楽しませていただきますぅ。
海辺でBBQ等が良いでしょうかぁ。
【豊饒現界】で[料理]を強化して目利き、サバカン団の方々もお誘いし「島の名産」や「この世界の食物」を中心に購入しますねぇ。
後は一応「巨人」の居る世界ですし、「私のサイズでも着られる水着」が有る可能性も、多少?
此処にお金を落とせば「海賊団の復興費用」の足しになるでしょうかぁ?
後は、購入出来たら其方、無ければ普段の「牛柄ビキニ」を着用しBBQですぅ。
強化した[料理]で焼き役に入りつつ、[大食い]で沢山いただきましょう。
当然談笑も、ですねぇ。
雪・兼光
あっという間に終わっちまったなぁ。
そうだなぁ。相手を倒すことしか考えなかったから、どーしようか。
水着より横になってねてぇかなぁ。
あ、そうだ。此処で良い酒場ねぇか。
酒だ酒、こっちの世界なら色んな世界の酒とか流通してそうなんだけどどうないだ?
パラソルの下で海見ながら、酒飲みながらぐーたらしたら楽しそうだよなぁ。
「何とかなったみたいですし、ゆっくり出来るのは有難いですねぇ。楽しませていただきますぅ」
夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)は戦いが終わった所で人心地ついたか、大きく伸びをした。そうなると次に襲ってくるのは、やはり空腹感だ。何かこの島の名物でも、と思ったが、島どころかグリードオーシャンに来てからまだ一月も経っていないのだから、そう簡単に思いつくものでもない。しかしそこはるこるにも秘策があった。早速それを……としたところで、後ろから声がかかる。
「お、あんたも戦ってくれた人だろ、ありがとうな」
声をかけてきたのはミズリーであった。恐らく今回の事件で世話になった相手に礼を言いに来たのだろう。
「いえいえ、ご無事でよかったですぅ」
「いや、あんたたちのおかげだよ。で、今は何をしてたんだ?」
それに対し、良さそうな食事がないか探そうとしていたと答えるるこる。それを聞くとミズリーはにかっと笑った。
「それなら任せてくれよ。例と言っちゃなんだが、いい店教えるぜ?」
そう言ってミズリーはるこるを連れ、町の中心の方へと歩いていった。
一方、先に町の中に入っていたのは、雪・兼光(ブラスターガンナー・f14765)。
「あっという間に終わっちまったなぁ。そうだなぁ。相手を倒すことしか考えなかったから、どーしようか」
もとより戦うつもりでこの島へやってきた兼光。普段なら用が終わればグリモア猟兵にすぐ帰還させてもらうこともできたが、グリモアの力に制限のかかっているグリードオーシャンではそれもままならない。鉄甲船の出港時間まで時間を持て余してしまった兼光は、当てもなく町の中をぶらついていたのであった。
「ああ、やっと見つけましたぜ。乗り物の旦那……カネミツさんでしたな。今回はうちのお頭がご迷惑をおかけしまして、申し訳ありませんでした」
兼光に駆け寄ってきて頭を下げたのは、少し息が上がっているキンメであった。彼もまたミズリーと同じように、猟兵たちを探して礼を言って回っていたのであろう。
「いや、気にすんな。それが仕事みたいなもんだしな。まあお頭さんにゃもうちょっと考えてから行動するように言っといてくれ」
「全く仰る通りで……面目ねぇ。で、旦那は一体何をしておいでで?」
「別に何も。水着とか着る気もねぇし……あぁ、そうだ」
兼光はふと思いついたようにキンメに目を向ける。
「あんた見た目より歳行ってるって聞いたけど、此処で良い酒場ねぇか?」
その言葉に、キンメの名前通りの金色の目がきらりと光った。
「お、旦那、お好きな方ですかい?」
「あぁ、酒だ酒、こっちの世界なら色んな世界の酒とか流通してそうなんだけどどうなんだ?」
様々な世界の継ぎ接ぎであるグリードオーシャン。しかも冒険商人なんていう職業のものまでいる程に交易も盛んなのだ、その辺りの期待はしていいだろう。
二つ返事で了承したキンメに連れられ、兼光も町の通りの奥へと消えていった。
そしてややあって、ビーチでは水着姿のるこるとサバカン団がバーベキューに興じていた。
食材はるこるが【豊乳女神の加護・豊饒現界】で強化した料理スキルで目利きしてきた上物ばかり。その料理スキルをさらに使ってしばらくは焼き役に徹し、全員に行き渡ってから自分も大量に平らげる。
「しかしすげぇな、そんなことまでできちまうのか」
「えぇ。力というのは使いよう……ということですね。それにしても、私にちょうど合う水着があって良かったですぅ。なんかちょっと紐が長いですけど……」
今回の一件を思い出しながらの一言でもあったが、最後は自分がこの島で新調した水着についての話題に変えて場を和ませる。
「いや、それ巨人用の小さめのやつなんですけどね……」
「ほんと、すげぇ奴ばっかだよ……」
……それで和んだかは微妙であったが。
そしてその光景から離れたところでは、兼光がパラソルの下でビーチチェアに寝そべり、キンメと共に買い付けた酒を飲みながら海を眺めていた。
元がアルダワ魔法学園だからか現地での酒造りはあまり盛んではないようだが、一方それを埋めるためか他所から輸入したものは豊富に取り揃えられていた。アックス&ウィザーズの古式ゆかしい方法で作られた葡萄酒に、サムライエンパイアの日本酒、キマイラフューチャーの極彩色の謎の酒などが一つの店にずらりと並んで同列に扱われている様は、まさにこの世界ならではの光景であった。
世界を渡らずにあらゆる世界の品を味わえるのは、もしかしたらグリードオーシャンのとんでもない強みなのかもしれない……
そう考えながら戦いで疲れた体を酒で満たしていき、いつしか兼光は波の音の中で眠りに落ちていった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
藤宮・華澄
※アリス、エルーゼ、ジェイクと行動
水着はイラストのもので
さて、終えたら遊びますよ!
水辺で色々楽しみましょう。
遊びに誘われたらお付き合いしますよ
絡み・アドリブOK
エルーゼ・フーシェン
※アリス、華澄、ジェイクと行動
水着はイラストのもので
さてと、ゆっくりさせてもらおうかな。
華澄と付き合うのも悪くないかな。
色々と遊べそうだし、楽しみましょ!
絡み・アドリブOK
アリス・スラクシナ
※エルーゼ、華澄、ジェイクと行動
水着は黒のレオタード型。布で下半身は隠す
なんとか片付いたな。あとは休暇で。
二人はともかく、ジェイクはどこに行ったのか。
探しにいくか考えたが……不必要な関わりはしないと言っていたな。
はあ、まあなるようになるか。
私も息抜きしないとな。
絡み・アドリブOK
ジェイク・リー
水着は持たない上に独りでふらつく。
他人と関わりあいをせず、帰還する時まで時間を潰す。
絡み・アドリブOK
「さて、終えたら遊びますよ!」
藤宮・華澄(戦医師・f17614)は解放感からか、テンション高く声を上げる。戦闘時は控えめで後方支援に徹することが多いが、元来は陽気なたちなのだ。
「さてと、ゆっくりさせてもらおうかな」
エルーゼ・フーシェン(踊り子・f13445)もまた、終了後の休息時間に心を躍らせていた。元々戦闘前からこの時のことを楽しみにしていたエルーゼである。いざその時となって気分が上がらないはずがなかった。
「なんとか片付いたな。あとは休暇でいいだろう」
普段は冷静なツッコミ役になりがちなアリス・スラクシナ(邪神の仔・f21329)も、今は二人の遊びに付き合うつもりでいた。が、やはり少し引いた目線で見ていたからか、同行者の姿が見えないことに気が付く。
「ところで二人はともかく、ジェイクはどこに行ったのか……」
船主像戦、幽霊船戦ともに四人で戦っていた彼女たちだが、その中での唯一の男性であるジェイク・リー(スレイヤー・f24231)の姿がいつの間にかない。
元々単独行動を取ることも多く、休暇だからとはしゃぐ性質でもない。今回も不必要な関わりはしないと言っていたことを思い出し、アリスはそれ以上彼の姿を探すのをやめた。
「色々と遊べそうだし、楽しみましょ!」
「私もお付き合いしますね! ほら、アリスさんも!」
「はあ、まあなるようになるか。私も息抜きしないとな」
そう言葉を交わしながら、三人は海へと繰り出した。
海、エルーゼは真ん中の大きく空いた白と金の水着を着て、海水に寝そべって浮かんでいた。冷たい海水が疲れた体に心地よく、穏やかな波が適度に体を揺らす。
華澄は赤で、真ん中の開きはエルーゼに比べてもさらに大きく、見ようによってはスリングショットにも見える程の大胆なものを着用。その格好でビーチに座り、パイナップルをそのままくりぬいて器にした大きなトロピカルジュースを飲んでいる。
アリスは黒のレオタード型に、下半身にはパレオの様に布を巻き付けた水着。その姿でビーチチェアに寝そべり、パラソルで日光を防ぎながら体を休めていた。
「ふぅ……お疲れ様だったわね。今回も、この前も」
エルーゼが海から上がって二人に声をかける。さっきまで水に浸かっていたためか、長い銀髪から海水が滴り、いつもと違う形に流れて体に張り付いている。
「ああ……そうだな。そう言えばここも元はアルダワの一部だったか」
アリスもそれに相槌を打ち、海とは反対側の町のある方に目を向けた。そこにある建物はいかにも南国、という感じのものばかりではあるが、よくよく見れば妙に金属管や鋲打ちの壁が多く、アルダワ文明の面影らしきものが見て取れた。
「ええ……ジェイクさんとも一緒にお祝い出来たらよかったのですけど」
華澄は少し寂し気に声を出す、彼がそう言ったものを好まない性格であることは知っているし、だからと言って酷薄なわけでも、ましてや自分たちを厭うているわけでもないことは十分に承知している。だがそれでも、勝利の後の一時くらい一緒に祝いたかったと思うのは我がままだろうか。以前も助けてもらった礼も言いそびれたままだった華澄は、ついそう考えてしまう。
「まあ、いくらでもチャンスはあるでしょ。またその時よ」
華澄が何を考えているのか大方の察しはつくエルーゼは、何ということもなくそう言った。それはただ今は休暇を満喫したいからなのか、あるいは彼女を気遣ってなのか。
「あいつだって別に嫌がって避けてるわけではないだろう。その時はいずれ来るさ」
アリスもまた、そう言って華澄を元気づける。そう、過度に馴れ合いはしないが決して無情な男ではないというのは皆が分かっていることなのだ。
「……そうですね。それじゃあ楽しみますか!」
華澄は二人の言葉に笑顔で返し、立ち上がって食べ物をうっている店の方へ歩き出す。二人はその姿に安心しつつも、華澄がどれだけの食糧を抱えて戻ってくるのやらと僅かに別の心配を心によぎらせるのであった。
そしてその頃、幽霊船にとどめを刺し平然と爆発から戻った男は、町の中を一人ふらついていた。特段何かしたいことがあるわけでもなく、時間を潰すために目についたものを適当に眺めて飽きたらまた歩き出す。
他人と関わる気のないジェイクは、先に礼を言いに来たサバカン団にも簡単な相槌だけで済ませ、そのまま立ち去った。去り際にエルーゼたちのいる方向を教えたのは彼なりの最大限の気遣いだったのかもしれない。
何故たった一人で幽霊船の内部に乗り込んだのか。最後に霊光刀で舵輪を浄化した意味は。他人と関わるつもりもないのに、他人の尻拭いのようなこの戦いに参加したその理由は。
寡黙な、しかし決して無感情でないその男の胸中を知るものはなく、人と関わらぬが故に少なくとも今それを知りに行こうとする者はいない。
己しか知らぬ様々なものと共に、その男はただ時間を潰しつづける。
鉄甲船の出航まで、あともう少し。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
泉・火華流
サバカン団の面々を前にして
「…で、これからアンタ達…どうするつもりなの?」
何せ『大事な船を失ってしまった』(アポカリプスヘルで言うなら、『戦車を失った奪還者』(戦力・移動力…大ダウン)のようなもの)…再起には時間がかかるだろう
「…で、アンタ達…私達に協力しない?」
この島を拠点の一つにするにあたり、少なくとも腕は確か…島の防衛(コンキスタドールが攻めてくるかも?)やら海上戦闘では猟兵よりも経験や知識があるはず、力にはなると思う
「それにこの島…探せばいいもの見つかるかもしれないよ…」
過去のアルダワ学園の一部…過去の遺物で壊れているかもしれないが…修理できる(…かもしれない)子がここにいる
戦いの後、泉・火華流(人間のガジェッティア・f11305)は予定通りカリコシャ島内を観光、グリードオーシャンや島内のアルダワ魔法学園の痕跡について見て回っていた。文明の多くは失われているが、建物の様式や地名、所々に意味もなくつけられた排気筒、本来蒸気を通すべきところを水道や伝声管として使われている配管など、アルダワ文明の痕跡は確かにそこかしこに見受けられた。
そうこうしているうちにもう間もなく鉄甲船が出航する時間が迫る。火華流は船に乗り込むべく、とりあえずの停泊地であり戦場にもなった、サバカン団所有のドックへと向かった。そこには出航を見送るべく、ミズリーとキンメ、それに今回の顛末を知って集まった他のサバカン団メンバーが集まっていた。
「最後にやっと会えたな。あんたもありがとうな。蒸気積んだ鮫とか凄いもの色々見せてもらったよ。それに、この島に伝わる蒸気の伝説が本当だってことも分かったしさ」
ミズリーがそう言って火華流に握手を求める。火華流はそれに応じながらも、真剣な顔でミズリーを見返した。
「……で、これからアンタ達……どうするつもりなの?」
海賊にとって命ともいえる船を失ってしまった、それはアポカリプスヘルで戦車を失った奪還者か、あるいはスペースシップワールドで宇宙船を失ったスペースライダーともいえる程に致命的な損失と言えた。彼らの蓄えがどれほどあるのかは分からないが、再起にそれなりの時間がかかるのは明白であろう。
「あー……そうですねぇ、とりあえずしばらく海にはでれねぇですし、手持ちの宝売っぱらって当座の活動資金にして、ボロでもなんでもいいからとにかく一隻用立てて、あと保険……は多分下りねぇでしょうなぁ……」
キンメがこれからの計画をざっくりと算段しながら、すこし沈んだ声を出す。即座に解散、とまではいかないが、やはり前途多難なのは間違いないようだ。ミズリーも口を挟まず、難しい顔をしている。
それを見てやはりと思った火華流は、戦闘中より考えていたことを口にした。
「……で、アンタ達……私達に協力しない?」
火華流の提案に、二人は目を丸くする。この島が猟兵に友好的な拠点の一つとなってくれるのは疑いなく、そこに島の防衛や海上戦といった、グリードオーシャンに特化した海賊としての知識や技術に限れば猟兵をも上回る専門家がいること、それは猟兵側にとって間違いなく得のあることであった。
もちろん一方的に利用するだけのつもりはない。
「それにこの島……探せばいいもの見つかるかもしれないよ……」
町を歩いただけでアルダワの文明の痕跡はそこかしこに見つかったのだ。現行のアルダワ……いわば『正解』を知るものが調査すれば、より高度なものを見つけ出すこともできるだろう。仮にそれが長い時間の果てに壊れていたとしても、修理は可能かもしれない。そう、本職のガジェッティアである自分なら。
火華流はそう提案し、ミズリーに決断を促す。
「……そうだな、分かった。サバカン団とカリコシャ島はあんたたちに協力する。今日から俺たちは兄弟分だ。いいな、野郎ども!」
「おおーっ!!」
ミズリーの勇ましい声と共に、後ろに控えていた一般団員たちが一斉に鬨の声を上げる。相変わらずの即断即決だが、今回に限りはキンメも賛成なのだろう、細かい小言を挟むことはしなかった。
猟兵たちはまだまだグリードオーシャンの海図を広げていかなければならない。すぐにこの島に戻ってくることは恐らくできないだろう。だが、いつか再び訪れた時、忘れられた蒸気文明の眠る島を根城にする、意欲あるお頭と口うるさい側近に率いられた海賊たちがきっと猟兵を歓待してくれるはずだ。
その時までのしばしの別れとして、鉄甲船『黍団号』はカリコシャ島を離れ、再び強欲の大海へと船出していった。
大成功
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