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まんじゅうこわい

#グリードオーシャン #メガリス

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#グリードオーシャン
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#メガリス


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●グリードオーシャンにて
 海と戦乱の世界、グリードオーシャン。多くの島々で成り立つこの世界に、息を潜めるようにぽつりと浮かぶ小さな島があった。
 風が吹くと、島からは潮の匂いとはまた違う甘い香りがする……と思ったら、今度は酸っぱい匂いが鼻につく。またしばらくすると今度は目が痛くなるほどの辛い風が吹きつけてくる。
 ころころと切り替わる風の「味」が、島の異常さを密かに訴えかけていた。

●グリモアベースにて
「みなさん!おあつまりいただき、ありがとうございます!」
 存在感を主張するように、メメ・ペペル(やせいのてれびうむ・f15302)が飛び跳ねながら挨拶をした。
「さっそくですがみなさんには、『グリードオーシャン』にある、むじんとうのちょーさにむかってもらいます!」
 ペペルの顔の画面が、目的地のマップへと切り替わる。マップの横には小さく「テンサウザンド島」と記されていた。ペペルによると、どうやら島は全体的にキマイラフューチャーの面影を残しているらしい。
「この『テンサウザンド島』に、『メガリス』がねむっていることをよちしました!」
 そういえば、みなさんは「メガリス」をごぞんじですか、とペペルが問いかける。「メガリス」とは、世界中のどこかに眠っている呪いの秘宝のことを指すのだという。
「『秘宝』って、なんだかわくわくしませんか!このびっくうぇーぶにのるしかありません!ということで、『メガリス』のかくほが、こんかいのもくてきになります!」
 ペペルの画面が元の緩い表情に切り替わる。
「ですが、しまは『メガリス』のえいきょうで、おおくのきけんがひそんでいるかのうせいが、ひっっっじょうにたかいです!」
 小さなテレビウムは腕をぶんぶんと振った。
「『鉄甲船』にのっているあいだ、ほぞんしょくのちょうりはかならずおこなってください!それから、『メガリス』につられてやってくるであろう、てきの『コンキスタドール』にも、ちゅういしてくださいね!」
 ペペルの画面が輝き始め、転送を開始する。
「それでは、いってらっしゃい!こうかいのないこうかいを!あ!いまのは『後悔』と『航海』をかけたぎゃぐです!」
 寒いギャグで見送られながら、猟兵達は航海へと旅立った。


はんぺん
 あんこはこしあん派です。はんぺんと申します。今回はグリードオーシャンでの無人島探検になります。お手柔らかにお願いします。以下は、シナリオの補足です。

●第一章(日常)
 航海中は食べるものが限られるため、島に着くまでの間に、船の上で作れる美味しい保存食を調理してください。料理が苦手な猟兵さんは、釣り等で材料の確保に徹しても構いません。

●第二章(冒険)
 上陸した島では、元世界であるキマイラフューチャーの遺産(コンコンするやつ)が暴走し、食べ物が増えまくっています。それをどうにか止めてください。
 この章では、プレイングに記載した食べ物を増やしまくる予定なので、猟兵さんの好物(もしくは苦手な物)を記載してくださると幸いです。

●第三章(ボス戦)
 「メガリス」(もしくは食べ物)に釣られてやってきたコンキスタドールとのボス戦です。「メガリス」を横取りされないよう、撃破してください。

 公開された時点でプレイングの受付を開始します。〆切等の連絡はマスターページやTwitterをご確認ください。それでは、よろしくお願いします。
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第1章 日常 『きっと美味しい保存食』

POW   :    保存食は質より量。ガッツリ食べれる保存食を準備する

SPD   :    ある程度保存が効いて、美味しいものってあるのかな?

WIZ   :    長期保存可能な食材と調理法で、保存食を準備する

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ネミ・ミミーニーズ
よかったこしあん派か。
危うくはんごろしにするところだったゼ。

というわけで食べ物食べ物。
とりあえず『苦い花』を保存食に乗せよう。
あとお魚を釣ったらお刺身にしてお花を添えるのもありですな。
(フェアリー内職中……)
あ、この花を乗せておくと防腐効果とかなんとかな感じなんですよ、あと彩り。
おいしくないけど。

そいえばネミさんのフェアリーランドには
諸事情でサムライエンパイア産の海藻がめっちゃ詰まってるんだけど
みんな食べるかしら?

(いろいろてきとーにおまかせ)


草野・千秋
新しく見つかった世界には
よくよく見知った世界の島がありましたか
うーん、海世界で食べ物の用意?
やっぱりお魚ですかね
釣りですか
……昔、ほんとに昔、父が連れてってくれましたね、釣り

まずはお魚釣って料理ですかね?
お魚は専門外ですが前に習ったことはあります
毒のある魚がいないかどうか視力でよく見る
魚料理は料理技能でやってトライ
白身魚の天ぷらとか身がフワッフワしてて美味しそうです

保存食も作った方がいいでしょうか
アジの開きの生干し的なものも作ります
包丁で内臓や血合いを丁寧に取り除いて
力を入れすぎずお腹を開くのです
そして適度な塩分濃度で塩味をつけて
洗って干してベタつきが取れたら完成です
お気に召すといいんですが


アリシア・マクリントック
航海での保存食……といえば乾パンです!シップ・ビスケットと言うくらいですからね。
さて、作り方ですが……実は普通のパンとあまり変わりません。水を粉の半量程度と少なくして生地を作ります。発酵が終わったら小さく切り分けて穴を開けたら普通のパンより高めの温度でじっくり焼いて完成です!

うーん……待ち時間が結構長くなりますし、乾パンに合わせるのにいいジャムでも作りましょうか。こちらは切り分けたフルーツにたっぷりの砂糖を加えて加熱するだけです。いくつかバリエーションを用意できれば長い航海でも飽きにくいですね。

それにしてもこの組み合わせですと紅茶が欲しくなりますね。


コルチェ・ウーパニャン
保存食と言えば干物!!
お魚を開いていっぱい並べて甲板で干します。
おとなりにコルチェも並んで大の字で干されます!!
これは……サボっているのではないよ!!
よく乾くように太陽さんを応援しているんだよ!!!(ピカピカーッ)
あと鳥さんが来ないように見張っているよ!(スピーッ)

満足いくまで日光浴とお昼寝をしたら、定番のアレを作ります。
船旅といったらそう! レモンだね!!
海賊もビタミン不足には勝てないっていうし、日焼けにも良いし、
なによりレモンを輪切りにして、ハチミツにどっぽんしたらおいしい!!

レモンの蜂蜜漬けが仕上がるまで、もうしばらく干物さんと一緒にお昼寝しよっかな!
出来上がったらみんなで食べるんだぁ…


ユキ・スノーバー
べっちゃん(f18666)と一緒っ!

メメさん冴えてたっ(ひゅーひゅーっ)
折角の海だしお魚食べたいっ
料理得意じゃないから釣り…成程日干しっ!
べっちゃん、どっちが多く釣れるか競争しよっ?(きらきら)
え?大きさ勝負も?…とりあえず凄い方勝ちとか如何っ?

そんな訳で(手に竿をしっかり固定)大きく振り被…てーいっ!
食いついてくれるまでジッと待ったり
それが駄目なら、時折動かしたりして誘い込み
魚の引っ張る力が強いなら、お芋掘りの要領でうんとこしょ!するし
(様子見)…べっちゃん何か変わった事してるっ!

べっちゃんのピンチ時や、ぼく落ちそうなら
しろくまの行進(釣り師モード)で救出大作戦っ。フォローもバッチリするー!


ベッジ・トラッシュ
ユキくん(f06201)と一緒っ

ギャグもキレッキレだった!(きゃっきゃ)
ベッジさんも料理はからきしだ
だが保存食ならテキトーに日干しで長く食えるだろう(えへん)

勝負なら大きさも大事だぞ~!
スゴい方が勝ち、それなら分かりやすいなっ

(糸を垂らして数分後)
……もしも、釣った魚が襲いかかってきたら…怖い!
(その前に拘束せねばとの考えから、
【怖がりの集大成】発動
ユキくんの邪魔をしない位置にに、蠢く絵の具を投網状に投下!)
だって怖…これも作戦だっ

引っ張られたら海にドボン前提なので、
かかったら「おたすけーっっっ」ってなる
逆に、ユキくんのピンチには竿をぽいっとして助けるぞ

二人でピンチを乗り越えたら、イェーイだ!



●ながされててれびうむ
 猟兵達は転送先から鉄甲船に乗り、船旅を開始した。天候は不規則に変化し、波もやや荒れてはいるが、今のところはコンキスタドールなどの気配は感じられない。
「メメさん冴えてたっ」
 ユキ・スノーバー(しろくま・f06201)が長靴をきゅっきゅっと鳴らしながら言うと、
「ギャグもキレッキレだった!」
 ベッジ・トラッシュ(深淵を覗く瞳・f18666)が大きなトンガリ帽子を揺らして返事をした。優しい世界。
「お船乗ったらご飯作んなきゃって、メメさん言ってたよね。折角の海だしお魚食べたいっ」
「そうだな!」
 しかし、二人のテレビウムは互いの顔を見合わせると、こてんと首を傾げた。
「……べっちゃん、お料理出来る?」
「ベッジさんも料理はからきしだ。だが保存食ならテキトーに日干しで長く食えるだろう」
「成程日干しっ!べっちゃん賢い!」
 二人は頷くと、釣り竿を借りるために倉庫へ駆け抜けていった。

「こういう場所で食べ物を用意するなら、やっぱりお魚ですかね」
 草野・千秋(断罪戦士ダムナーティオー・f01504)は、そう呟くと、船に打ちつける波を眺めた。手には既に借りてきた釣り竿を持っている。
「……釣り、ですか」
 千秋は俯いて目を伏せた。思い出したのは遠い昔の記憶。波の音が掻き立てるように、あの日の父の背中を思い起こさせる。
「……駄目だ、こんな時に」
 これ以上はやめようと、千秋は記憶を振り切った。自分を信じてくれた人のために、こんなところでへこんでいるわけにはいかないのだ。
「何かしら釣れると良いんですけど」
 千秋が釣り竿を振ると、ルアーが波の間を抜けて沈んでいった。

 仲良しテレビウム二人は無事に釣り竿を借りると甲板に戻ってきた。するとそこには、既に先客の姿がある。
「草野さんだー!」
「あ、お二人も釣りですか?」
 千秋は屈んで、ぴょこぴょこと跳ねるテレビウム達に目線を合わせた。
「ベッジさん達は料理が出来ないから、釣りをすることにしたぞ!」
「干物いっぱい作るよー!」
「お魚は専門外ですけど、調理方法は以前習ったことがあるので、後で一緒にやりましょうね」
「本当か!知識がある人がいると心強いな!」
「よろしくだよー!そうだべっちゃん、どっちが多く釣れるか競争しよっ?草野さんも一緒にやろー!」
「勝負ですか、良いですよ」
「勝負なら大きさも大事だぞ~!」
「大きさもかあ……じゃあとりあえず、凄い方が勝ちとか如何っ?」
「スゴい方が勝ち、それなら分かりやすいなっ」
(『スゴい方』ってどういうことだろう……?)
 千秋は疑問に思ったが、楽しそうなテレビウム達に水を差すのは悪いと考え、敢えて口には出さないでおいた。

「釣れたら僕に見せてください。毒がないか確認しますね」
「「はーい!」」
 団員びうむと友好ぼーぐは一列に並んで釣りを始めた。
「大きく振り被……てーいっ!」
 ユキは小さな手を精一杯振った。既にその目は楽しさできらきらと輝いている。
「ユキさんお上手ですね」
「ありがとうだよー」
 それを見たベッジも真似して竿を振りかぶった。ルアーがぽちゃんと音を立てる。船上はとても穏やかな時間が流れていた。
「平和だな……」
 そう呟いたベッジの脳裏を、突如一抹の不安が過ぎっていく。この平穏がいつまでも続くわけがない。きっとこの後何かが起こる。
 一度そう考えてしまうと、不安はとめどなく襲いかかってくる。例えば、糸を垂らした先にいる魚が、とてつもなく凶暴なやつだったりするかもしれない。
(……もしも、釣った魚が襲いかかってきたら…怖い!)
 臆病なベッジは恐怖に囚われ、慌てて作戦を練り始めた。

「草野さん一匹釣れたよー」
「それはアジですかね。干物にしても美味しいですし、揚げ物にしても良いですね」
「美味しそー!」
 皆で用意したバケツの中には、数匹の魚が泳いでいる。釣果は順調と言えるだろう。
「草野さん、干物ってどうやって作るの?今のうちに教えてー」
「包丁で内臓や血合いを丁寧に取り除いて、力を入れすぎずお腹を開くのです。そして適度な塩分濃度で塩味をつけて、洗って干してベタつきが取れたら完成です」
「うーん、簡単だけど難しそう……?」
「ならユキさん達は塩味をつける役はどうでしょう。捌くのは僕がやっておくので」
「わーい!べっちゃんと頑張ってお塩つけるね!」
「……そういえば、ベッジさんはどうでしょうか」
「あれ、べっちゃん……って何か変わった事してるっ!」
 ユキが手を指した先には、蠢く絵の具の網を投下するベッジがいた。
「べっちゃん何してるのー?」
「だって怖……これも作戦だっ」
 絵の具の網は何かを捕らえたのか、小さなベッジの身体をずるずると海面の方へと引きずっている。
「このままだと危ないですよ」
 千秋がそう言いかけた瞬間だった。

「「「あっ」」」

 三人が一斉に声を出すとベッジの身体は宙に浮き、そのまま海面へと落とされた。
「お、おたすけーっっっ!!!!!」
 網の中にいる魚に引っ張られ、じわじわとベッジは沈みかけている。
「べっちゃーん!今助けるよー!」
 ユキが手を振ると、キャップを被りライフジャケットを着こんだゆるい顔の白熊がたくさん現れ、ベッジが溺れないように絵の具の網を一斉に引っ張った。
「よいしょー!いっけー!」
 ユキの指示で網を力強く引き上げると、ベッジと網が海面から勢いよく飛び出してくる。
「ぎゃぴーーー!!?」
「ベッジさん!」
 一本釣りの如く再び宙を舞ったベッジを、千秋は落下点を見極めてスライディングキャッチした。時間差で、網に引っかかっていた大量の魚が甲板に落ちてくる。
「べっちゃん大丈夫ー?」
「怪我はありませんか?」
「……び、びっくりしたデス」
 千秋に抱きかかえられたベッジは、ビクビクしながら答えた。服が濡れはしたものの、怪我はないようだ。
「でも、これでお魚いっぱい捕れたねー」
「無事で良かった。あとは頑張ってこれを調理しましょうか」
 甲板には、魚達がぴちぴちと跳ねる音が鳴り響いている。
「ベッジさんもお手伝いしマス!」
「その前にべっちゃんはお着替えだよー」
「そっか、風邪引いたらまずいからな!」
(テレビウムって風邪引くのかな……?)
 千秋は疑問に思ったが、ここで聞くことではないと考え、敢えて口には出さないでおいた。


●猟兵n分クッキング(nは自然数とする)
 猟兵達は皆で協力して甲板に飛び散った魚をかき集め、種類ごとにバケツに分けておいた。甲板についた磯臭さは若干抜けてないが、許容範囲だろう。
「保存食と言えば干物!!」
 コルチェ・ウーパニャン(マネキンドールのピカリガンナー・f00698)は、千秋やテレビウム達が一緒に調理した魚の開きを、ウキウキさせながら並べた。甲板に置いた干し網は次々と魚で埋まっていく。
「よーし、コルチェはお昼寝……じゃなかった、鳥さんにお魚を取られないように見張るぞー!」
 満足そうにうなずくと、コルチェは甲板に寝っ転がった。
「ついでにこれもどうぞー」
 魚が一通り干されたのを確認すると、今度はネミ・ミミーニーズ(蒸気打ちの妖精・f00595)が魚の上に珍しい色の花を置いていった。コルチェは思わず起き上がり、その様子をじっと眺める。
「それなーに?」
「これは防腐効果とか彩りとかを上手いことやってくれるなんかすごいお花よ。お刺身に乗せても良いわね」
「なんかすごいやつだー!一個ちょうだい!」
 コルチェはネミから花を受け取ると、躊躇なくぱくりとそれを口に含んだ。
「うあー、めっちゃ苦ーい」
「上手いことやってくれるなんかすごいお花だけど、美味しくはないわよ」
「そんなー」
 コルチェは魔法光ファイバーの髪を明滅させながらがっくりと肩を落とした。

「あ、お二人とも作業の方はどうですか」
 船室の方からアリシア・マクリントック(旅するお嬢様・f01607)が出てきて、二人に尋ねた。両手には果物の籠を抱えている。
「お魚は全部並べ終わったよ!今は見張りしてる!」
「お昼寝って言ってなかったかしら」
「き、気のせいだよ!」
 ネミの指摘に動揺して、コルチェは目を泳がせた。
「……なら、丁度良かった。ちょっとお手伝いしてほしいんです」
「何作るのー?」
 コルチェは興味津々な様子で身を乗り出した。
「お魚ばかりだと、きっと皆さんも飽きてしまうと思って、乾パンとジャムを作ることにしたんです」
「それのお手伝いするの?お昼寝したかったけど、アリシアちゃんのお願いなら良いよ!」
「やっぱりお昼寝じゃないの。ネミさんも手伝うわよー」
「き、気のせいだって!」
「ありがとうございます。では、厨房に行きましょう」

「……というわけで『アリシアクッキング』の時間よ」
「どういうわけですか」
「今日はアリシア先生に、航海に役立つ乾パンとジャムの作り方を教わるよ!よろしくね!」
「お二人とも、どこに話しかけているんですか……?」
「まあまあ、お気になさらず」
「は……はあ」
 突如始まった料理番組に困惑しつつ、アリシアはとりあえず調理を始めることにした。
「……では、材料はこちらです」

【マクリントック流乾パン】
<材料>
・薄力粉 …適量
・水 …適量
・バター …適量
・砂糖 …適量
・塩 …適量

【マクリントック流フルーツジャム】
<材料>
・お好みのフルーツ …適量
・砂糖 …いっぱい

「すごく雑だー」
「書いている人間が料理出来ないのがバレるわね」
「ネミさん!それは内緒ですよ!さて、作り方ですが……実は普通のパンとあまり変わりません。水を粉の半量程度と少なくして生地を作ります」
 アリシアは手早くボウルで生地を練っていく。
「アリシアちゃん、こんなのどこで勉強したの?」
「実家に料理が得意なメイドがいるんです」
 アリシアは遠い地にいる家族に思いを馳せ、目を細めた。
「発酵が終わったら小さく切り分けて穴を開けたら普通のパンより高めの温度でじっくり焼いて完成です!」
「すっごく簡単!」
「乾パンは『シップ・ビスケット』とも言うくらいですから、航海に相性が良いんですよね。この間にジャムも作ってしまいましょうか」
「手際が良いわね」
 アリシアは先程の籠から果物を取り出した。
「こちらは切り分けたフルーツにたっぷりの砂糖を加えて加熱するだけです。いくつかバリエーションを用意できれば長い航海でも飽きにくいですね」
「コルチェ、レモンをハチミツにどっぽんしたやつも食べたーい」
「レモンも確かあったはずですから、一緒に作りましょう」
「やったー!」

 二人の手伝い(?)も相まって、アリシアはお喋りをしながら美味しい保存食を作ることに成功した。焼き上がった乾パンの香ばしい匂いと、ジャムの甘い香りが厨房を満たしていく。
「それにしてもこの組み合わせですと紅茶が欲しくなりますね」
「わかるわかる!」
「昆布ならあるわよ」
「「昆布」」
 ネミの持っている壺からは昆布がぬるりと顔を見せている。
「どうして昆布?」
「ネミさんのフェアリーランドには諸事情でサムライエンパイア産の海藻がめっちゃ詰まっているのよ。どうせなら、これを機に消費出来ないかしらね」
「海藻なら、お魚と同様に甲板で干せば保存食に出来ますね」
「やったー!じゃあ甲板戻ろ!みんなで干してお昼寝しよ!」
「最早お昼寝が目的であることを隠さなくなったわね」
 三人は片付けを済ませると再び甲板へ向かって行った。


●もうすぐ上陸
 猟兵達は鉄甲船に十分な食料を備蓄することに成功した。この量であれば、帰りの船でも飢える心配はないだろう。

 それから船を進めて数日後、猟兵の一人が進行方向の先に島があることに気づいた。双眼鏡で覗いてみると、事前の説明で聞いていたように、島の所々にキマイラフューチャーの面影らしき高いビルの残骸が見える。目的の島はあそこで間違いないだろう。
 それと同時に、猟兵達は違和感を覚える。島の方向から漂う、様々な匂いが入り混じった異臭。それから、島の周囲を飛び交う何か。
 再び猟兵の一人が双眼鏡を覗くと、そこには異様な光景が広がっていた。

電波塔であった建物の残骸。その先端から、無数の饅頭が空を舞っていたのだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 冒険 『狂える遺産』

POW   :    「元世界の遺産」を力ずくで完膚なきまでに破壊する

SPD   :    暴走の被害を抑えるため、細工や避難誘導を行う

WIZ   :    暴走の原因を突き止め、取り除く

👑11
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●ひょっこりくいもん島
 比較的安全そうな場所へと鉄甲船を停泊させると、一行は「テンサウザンド島」へと上陸した。潮風に乗って流れていた匂いはより一層強くなっている。かなり苔むしてはいるが、周囲には本来キマイラフューチャーの一部であった建物が立ち並び、それらのあらゆる場所から食べ物が噴出している。匂いの原因は正しくこれであろう。
 このままでは「メガリス」を探すどころではないため、まずはこれらキマイラフューチャーの遺産(コンコンするやつ)を止めて、島が食べ物で埋め尽くされるのを防ぐ必要がある。
草野・千秋
新しい島に上陸すると同時に戦闘知識とサイバーアイの視力で警戒
確かにキマイラフューチャーの面影はするものの
ここは新天地新世界、油断はしない

うーん、これは色々な匂いがシャッフルしてますね
甘かったり酸っぱかったり辛かったり?
嗅いでいるだけで喉が渇いてお水が欲しくなりますね
コンコンするやつを止めればいいんですか!
急いで駆け付けますよ

(お水を飲む)
ああ、それにしてもお腹が空いた
こんな時ふっと祖母や母が作ってくれたあの味が懐かしくなります
肉じゃがとか茶色い系の家庭料理な煮物
僕があの人達から教わった得意料理もそれで
(首を振る)
い、いけない!こんな想像をしたら食べ物が!あふれかえってしまう!

◎色々ご自由に!


ベッジ・トラッシュ
ユキくん(f06201)とっ!
皆スゴかった、勝負は猟兵の勝ちだな(えへん)

くんくん…
美味い食い物の香りだ!バーガーもあるか?(わくわく)

(ふと、溢れたアレソレが食べきれず傷んで、
ベッジさん色になって襲ってくる想像をして)
ひっ…まんじゅう怖い!
大丈夫だぞ。ユキくんの耳はいつも通りの大福だ(きりっ)
(ユキくんと一緒に)Σぎゃぴーっ!

テレビウム探検隊だー!
そもそも、コンコンはどうなってんだ?
転送装置…にしても某かの電源供給は要るはずだ
ボタン、配電、電波…何か止めるヒントを得ねばな
機械は案外センサイだ!
コード一本引き抜いて様子見

お前さん(コンコン)、お疲れだったな
もう休んでいいんだ
(出て来た物)あー…


ユキ・スノーバー
べっちゃん(f18666)と一緒っ!

帰りの安心も作れてるから、島からの匂いを如何にかしないとなんだよーっ

饅頭、ぼくの耳と入れ替わってないよね…?(ふるふる)
こんなに色々降ってきてたら、金平糖も…あったーっ!(飛び跳ね)
キマフュのお困りごとでばひゅーんって小回り利くのは、テレビウムならではだと思うっ!
(如何にも辛い通り越した痛そうな食べ物が飛んできて)Σやーっ!

探検隊出動ーっ!
べっちゃん賢い!…けど、その対処の間誤作動で出続けてたりとか
振動でコンコンしちゃってるとかなら、物理的に止めないとねっ
華吹雪で本体毎氷でコーティングしちゃうぞーっ

…所で
出て来ちゃった食べ物、分別とかどうしよっ?(てへーっ)



●テレビウム探検隊withサイボーグ
「皆スゴかった、勝負は猟兵の勝ちだな!」
「やったー!」
 上陸早々、ベッジとユキの仲良しテレビウム二人組は、釣り対決の健闘を讃え合った。やはり優しい世界。
「草野さんもスゴい活躍だったな!」
「べっちゃんのことキャッチしたり、お魚綺麗に捌いたりしてた!」
「そんな……僕は大したことはしてませんよ」
 千秋は謙遜して首を振ったが、曇りのない純粋な目でこちらを見つめるテレビウム達に釣られ、照れ笑いを浮かべた。

「……とはいえ、この状況を打破しないと目的の『メガリス』どころではないよな!」
「帰りの安心も作れてるから、島からの匂いを如何にかしないとなんだよーっ」
「そうですね、食べ物の発生源になっている元凶を探れたら良いのですが」
 そう言うと、千秋はサイバーアイのピントを合わせ、周囲の状況分析を始めた。
「草野さん、どんな感じー?」
「……やはり話に聞いていた通り、キマイラフューチャーの建物がかなり残っていますね。ここなんか、ほら」
 千秋が拾った枝で苔むした足元を削ると、下からはコンクリートで舗装された地面が出てきた。
「ここも、昔はキマイラフューチャーのどこかだったはずなんですよね。とは言っても、今はグリードオーシャンの一部ですから、見知っている場所だからと油断しない方が良さそうです」
「なるほどな!発生源はどこだかわかりそうか?」
「あそこ辺りが怪しいかもですね」
 千秋が示した先には、他よりも少し背の高い建物がある。
「先程から何か動いているように見えます。食べ物が溢れているのかもしれません」
「そうなのー?ぼく達ちっちゃいから見えなーい!」
「とりあえずそっちに向かってみるか!」
 テレビウム達はぴょこぴょこ跳ねながら千秋に同意した。

「テレビウム探検隊だー!」
「出動ー!!」
「サイボーグもいますよー」
 三人がてくてくと歩みを進める間にも、ちまちまとお菓子の類が空から落ちてきている。
「饅頭、ぼくの耳と入れ替わってないよね……?」
 ユキは必死に手を伸ばして自分の頭を触っている。
「大丈夫だぞ。ユキくんの耳はいつも通りの大福だ!」
「食べちゃ駄目だよー、あっ!金平糖降ってきたー!」
 好物の金平糖が降ってきたユキは慌てて手を広げると、ジャンプしてそれをキャッチした。
「甘ーい!」
「良かったなユキくん!バーガーもあるか?」
「バーガーはそっち!」
「本当だ!しかもちゃんと箱に入ってるしまだ温かい!」
 慣れたキマイラフューチャーの道(だった場所)を軽快に進んでいくテレビウム達を追いながら、千秋は鼻を通っていく様々な匂いに思いを馳せた。出汁や醤油の匂いがする度に、今はもういない家族のことを思い出す。大切な人から教わった料理は、今では大切な人に振る舞う得意料理になっていた。
「……早く行かないと」
 気がつくと、先を行っていたテレビウム達が遠くでぶんぶんと手を振っていた。

「ここが元凶っぽいな!」
 三人の目の前には、目的地の建物がそびえ立っている。建物は三階程の高さまで食べ物で埋まってしまい、中へ侵入することを阻んでいた。
「なんか目がヒリヒリするよー」
「辛い感じの匂いもしますね」
 よくよく見てみると、溢れ出ている食べ物はいかにも辛そうな見た目の唐辛子であることがわかる。下の方にある唐辛子はいつからそこにあるのか、変色して原形が崩れてしまっていた。
 臆病なベッジはそれを見て、唐辛子が黒い塊となって襲いかかって来る様子を即座に想像する。
「ひっ……!襲ってくる!」
「べっちゃんどうしたのー?」
「なっ……なっな、な何でもないデスよ!」
 その時だった。建物の天辺からポンと唐辛子が飛び出て、根元の山に落ちてきた。落ちた唐辛子はぶつかり、根元の山を崩していく。崩れた山の一部は、重力の動きに則って、こちらに雪崩てくる。
「これはまずいやつでは……?」
「やーーーっ!!」
「ぎゃぴーーー!!」
 近くにいるだけで目がヒリヒリするアレに埋もれたらどうなるか。本能的に危機を察知した千秋は、咄嗟に二人を抱き抱えると、雪崩から逃げ出した。
「おっおお、おおおたすけーーー!!」
「べっちゃんもう助けられてるから落ち着いてー!」
「……もう、大丈夫でしょうか?」
 しばらく進んだところで千秋が振り返ると、雪崩は止まっていた。山が崩れたことで、本来の建物の入口が見えるようになっている。
「また助けられたデス……」
「不幸中の幸いってやつだねー、草野さんありがとう!」
「いえいえ、唐辛子に埋もれて死ぬのは嫌ですもんね……」

 建物の中は埃っぽいものの、食べ物も落ちておらず今度は雪崩の心配はなさそうだ。何も無い広々としたフロアの隅っこには、構造が謎な機械がちょこんと置いてある。
「あれがコンコンの元かもしれないな!」
 謎な機械は、古い洗濯機の如くガタガタと音を立てながら過剰に動いている。
「これを止めればもう雪崩に遭わなくて済みますかね」
「こういうのは電力供給が必要なはずだから、裏に何かあるかもだな」
 ベッジは機械の裏に回って配線を確認し始めた。
「べっちゃん賢い!この間に誤作動したら困っちゃうから、お手伝いするね!」
 ユキが冷え冷えのアイスピックを取り出すと、それによってユキの周囲に吹雪が巻き起こる。
「覚悟ー!」
 猛吹雪とアイスピックの一撃が機械に直撃した瞬間、氷が機械を包み込んでいく。半ば暴走気味だった機械は、急に何事も無かったかのように大人しくなった。
「これでとりあえず大丈夫かな」
 千秋はフロアの窓を開けて、外の様子を見てみた。空からは何も降ってきていないようだ。
「一先ず落ち着いたみたいですね」
「べっちゃんはどう?」
「おそらくこれだな!」
 裏にいたベッジがコードの一つを手に取って戻ってきた。
「これが電力供給の元のはずだ!」
 ベッジがコードをスポっと引き抜く。二人はその様子をじっと眺めていた。
「お前さん、お疲れだったな。もう休んでいいんだ」
 ベッジが機械をコンコンする。電力供給を失った機械は、コンコンしても何も出すことはなかった。無事に暴走を止められたようだ。
「やりましたね!」
「良かったー!けど、崩れたあの唐辛子の山、分別とかどうしよっ?」
「あー……なんか捨てるのも勿体ないよな……」
「けど、そのまま食べる訳にもいきませんしね……」

 もったいない精神が働いたテレビウム探検隊とサイボーグの面々が、ベッジのトンガリ帽子に傷んでない唐辛子を敷き詰めて持って帰ってくるのは後の話。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

ネミ・ミミーニーズ
お前と!お前の触感が尽き果てるまで潰れ続けんことを!
ネミさんです。つぶあんのまんじゅうを滅ぼしに来ました。

んでコンコンコンの暴走と。
確かあれはドン・フリーダムが世界を滅ぼすために造ってたもの。
侵略樹アヴェスタがあれば干渉出来るって胡散臭いヒゲも言っていました。

……、……。
流石にアヴェスタなんて危険なものを都合よく持ってるはずないですが。
ここはアヴェスタの代わりに『矛盾時計』を使おう。
(ごちゃごちゃした妙なネジと歯車の塊を地面にぶっ刺す)

この装置を通して『何でも操縦機』の力を使うと、
事件は解決してもすごく真面目な絵面になるので何かみんな後ろで面白い事しててくださいネミさんシリアスとか耐えられな


コルチェ・ウーパニャン
あわわわわーっ!コンコンしなくても出てきちゃうのはマズいのではーっ!!
えっとえっと、スイッチないかな!?キンキューテイシ的な!!
もしくはどこかで誰かがコンコンしてないかな!?石とか枝が当たって、コンコーン的な…… 
調べなくっちゃいけないことがいっぱい!
手が足りない!こんなときは借りようネコの手!
ココちゃんとルルちゃんをひょっこりお呼びだしして、調査を手伝ってもらうよ!
コルチェの考え休むにナントカだから、2人にお任せしてコルチェはお昼寝……
…さっき寝ちゃったから眠くなーい!?
しょーがないからそのへんの甘そうなところをつまみ食いしながらコルチェもさがしもの…
ペロッこれは……ソフトクリーム!!🍦


アリシア・マクリントック
うーん……止めるのは少々もったいない気もいたしますが、制御できないまま置いておくのも危険ですよね。それでしたらこういうのはどうでしょうか。変身!
ヘパイストスアーマー!うまくいくかはわかりませんが、制御できるよう『錬成』してみます。技術的なことはわかりませんからね……
他の方も含め上手くいかなかったら……仕方ありません、壊してしまいましょう。ジェネシスハンマーに砕けぬものなし!

それにしても、この食料の山はどうしましょうか?廃棄するのももったいないですよね……なにか活かす方法はないものでしょうか。



●略して「シマチュー」
 ネミ、コルチェ、アリシアの三人は、上陸前に双眼鏡から見た電波塔の根元にやってきた。電波塔も同様に、根元の方は溢れ出た食べ物で埋まってしまっている。
「あわわわわーっ!コンコンしなくても出てきちゃうのはマズいのではーっ!!」
 コルチェが空を舞っていく饅頭を見ながら言うと、
「お前と!お前の触感が尽き果てるまで潰れ続けんことを!」
 ネミはつぶあんに親が殺されたかのように、発生源である電波塔を睨みつけた。
「まずは、暴走の原因を突き止める必要がありそうですね」
 その一方で、アリシアは冷静に状況を分析している。
「原因として咄嗟に思いつくのは、元世界から切り離されたことによる予期せぬ動作不良でしょうか。私は技術的なことはわかりませんが……」
「石や枝が当たっちゃってコンコンしちゃってるのかも!」
「確かあれはドン・フリーダムが世界を滅ぼすために造ってたもの。侵略樹アヴェスタがあれば干渉出来るって胡散臭いヒゲも言っていたけど、そんな都合よくアヴェスタなんて持ってないわね……」
 三人が首を傾げていると、突如コルチェが頭に電球マークを光らせた。
「どうしました?」
「こんな時はコルチェに任せて!」
 コルチェが腕をピシッと上げると、手元にかわいいデザインのシールが収まった。
「調べなくっちゃいけないことがいっぱい!手が足りない!こんなときは借りようネコの手!ということで、発射!」
 コルチェがブラスターからシールを射出すると、二人の小さなお人形が召喚された。一人はキラキラと光るビーズのドレスを、もう一人はヒラヒラと舞う紙のドレスを身に着けている。
「ココちゃんとルルちゃんに調査を手伝ってもらうよ!ちっちゃいお人形だから、コルチェ達じゃ探し切れないところまでみてくれるはず!」
「確かに、この状況なら遠隔から調査した方が良いかもしれませんね」
「でしょでしょ!じゃあココちゃんルルちゃん、行ってらっしゃい!」
 三人が小さな人形達を見送ると、再び周囲には静寂が戻った。
「あのお人形さんが戻ってくるまでやることがなくなったわね……」
「待ってました!じゃあお昼寝タイムだね!」
「ま、まさかコルチェさん、お昼寝したくてお人形さんを行かせたわけではないですよね……?」
「そそそそそそんなことないよ!考え休むにナントカっていうでしょ!だから頭の休憩を……」
 アリシアが追及すると、コルチェの髪が動揺して不規則に光った。更にネミのツッコミが入る。
「しかもコルチェさん、さっき上陸するまでの間にお昼寝してなかったかしら」
「た……確かに!いつもならこの時間は眠くなるのに、今日は眠くない!睡眠時間の調整をミスった!」
「コルチェさん……」
 アリシアが困惑した表情でコルチェを見ていると、ココちゃんとルルちゃんがふわふわとしながら帰ってきた。
「思ったより早かったわね」
「お二人とも、どうでしたか?」
 アリシアが尋ねると、人形達は電波塔の中腹を指し示した。よく見てみると、そこには謎の機械がポンと置いてある。
「あれが原因なんだね!ありがとう!」
 コルチェの声に人形達は頷くと、キラキラと消えていった。

「うーん……止めるのは少々もったいない気もいたしますが、制御できないまま置いておくのも危険ですよね。それでしたらこういうのはどうでしょうか。変身!」
 アリシアは、チャームをつけたキーをベルトに差し込み、光でできた扉をくぐると、セイバークロスと燃えるように赤い追加アーマーを身に着けた。
「ヘパイストスアーマーは、炎と鍛冶の神の名を借りた姿。これであれば、錬成して叩き直すことが出来るかもしれません!」
「なんか心強い!頑張れアリシアちゃん!」
 アリシアは頷くと、地面を蹴り上げて上空へ舞い、手に持ったジェネシスハンマーで謎な機械を強く叩いた。機械はゴンと盛大な音を立てる。
「……これで、どうでしょうか」
 三人は謎な機械をじっと見つめる。
 次の瞬間、機械はボンと軽く爆発してソフトクリームを一個だけ排出すると、煙を出して動かなくなった。
「あっ!ソフトクリーム!」
 コルチェは落ちてくるソフトクリームを無事キャッチした。
「えへへー、美味しいー」
「錬成も成功したようですね!」
 アリシアは、ソフトクリームを頬張るコルチェの横で得意気に胸を張った。
「いや、あれ錬成したんじゃなくて壊したんじゃないかしら!?」
「あらそうなのですか?まあ、ジェネシスハンマーに砕けぬものなどありませんからね!『力はパワー』と何かの本で読んだこともあります!」
「えぇ……?」
 今度はネミが困惑してアリシアを見つめた。

「それにしても、この食料の山はどうしましょうか?廃棄するのももったいないですよね……なにか活かす方法はないものでしょうか」
「それならネミさんに考えがあるわ。ここはアヴェスタの代わりに『矛盾時計』を使おう」
 ネミはごちゃごちゃした妙なネジと歯車の塊を地面に勢いよくぶっ刺した。
「この装置を通して『何でも操縦機』の力を使うわ」
 ネミがスイッチをポチッと押すと、不思議な力で蒸気電極機が食べ物の山に引っ付いた。それと同時に矛盾時計の針がカタカタと回り始める。
「何だこれー?」
「これ、どうなるんですか?」
「なんとこの後」
 二人は息を呑んでその先の言葉を待った。
「生命の躍動と神秘を映像化した環境映像のようなシンプルでシリアスな絵面が延々と続くわ」
「何じゃそりゃ?」
 コルチェが首を傾げると、食べ物の山が崩れて消えていき、その跡から植物の芽がゆっくりと顔を出した。
「この芽たちが大木になるまでこの機械は止まらないわ」
「つまり、それが終わるまでコルチェ達は帰れないってこと?」
「それってどのくらいかかりますか?」
「大体三時間くらいね」
「そこそこ暇だー!みんなやることないからお昼寝しよー!」
 コルチェは食べ物が消えて綺麗になった草原に寝っ転がった。
「コルチェさんは切り替えが早いですね……」
「そんな!この地味でシリアスな絵面を延々と見せられるなんて耐えられないわ!コルチェさんは起きて何か面白いことして!」
「そんな無茶な……むにゃ……」
「寝るのが早い!」
「まあまあ、たまにはこういうのも良いではないですか……私もちょっと一休みしますね……」
「アリシアさんまで!二人とも起きて!」
 ネミの声掛けも虚しく、二人は安らかな寝息を立てている。

「助けてくださあああああい!」

 シリアスに耐え切れなくなったネミは、島の中心で哀を叫んだ。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​




第3章 ボス戦 『シーサーペント』

POW   :    海神の咆哮
自身の【霊力】を代償に、【邪悪の咆哮】を籠めた一撃を放つ。自分にとって霊力を失う代償が大きい程、威力は上昇する。
SPD   :    大渦大回転
【体を高速回転させ、強力な水竜巻】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
WIZ   :    深海の王者
【海竜の血】を降らせる事で、戦場全体が【グリードオーシャンの深海】と同じ環境に変化する。[グリードオーシャンの深海]に適応した者の行動成功率が上昇する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●深海竜討伐クエスト
 数時間後、猟兵達は電波塔のあった島の中心に集合した。島に溢れ返っていた食べ物の匂いはかなり少なくなり、代わりに大木がビルの合間を縫うようにそびえ立っている。そして、食べ物があって見えていなかった塔の根元に、いかにもな雰囲気で、開けると特別な音が鳴りそうな宝箱が置いてある。
 あれが「メガリス」で間違いないだろう。猟兵達がそう確信すると、急に地面が揺れ始めた。海の方を見てみると、大きなコンキスタドールがビルと大木の隙間を抜けてこちらに向かって来るのが見える。あれを止めなければ、「メガリス」は確保出来ないだろう。猟兵達は武器を構えた。
アリシア・マクリントック
まさか地面の上で水中戦をすることになるとは思っても見ませんでしたが……水中も私のフィールドです!変身!
セイレーンアーマー!これで条件は五分です!
水が引くのであれば神話形態に変形、環境に合わせて切り替えながら戦いましょう。
咆哮には歌で対抗します。どちらの声が世界に響き渡るか……勝負です!
竜巻を起こすというのであればその流れに乗って加速、その威力を利用して突撃してセイレーンスピアを突き立てます!
私が仕掛けられないタイミングでは歌でみなさんの援護をしましょう。

『♪触れたもの全てが 未来になっていく
ただ突き進んで行くのも 悪くないでしょ?
My way』


コルチェ・ウーパニャン
ぐっすり寝てコルチェ、げんきいっぱい!!
……だけど、これは……!! コルチェ、ピンチかも!!
海がぜーんぶどっぽんするのは、いいとこもある……
ピカブラの光がお水を出たり入ったりすると、狙いが逸れちゃうもんね。(小学校 理科 4年生)
でもシールははがれちゃうし、熱線の熱もボヤけちゃう……視界はユラユラ、コルチェもユラユラ……

……キケンシールを、ピカブラにぺったん!
ピカブラの出力を上げて、攻撃を届ける作戦!
銃身がアツいけど、お水の中だからちょっとはラクだね……
コルチェ、お人形だから息は大丈夫だけど、水圧もミシミシだから、かなり、ピンチ……
でも、でも、ほかのみんなも、一緒だから……!!


ネミ・ミミーニーズ
来たな大蛇野郎!
お前はこしあん派かつぶあん派か!
慎重に言葉を選べ!
返答しだいじゃ死ぬよりヒドイ目に遭うしだいじゃ野郎!

おっと今のは韻を踏んだだけです。
さて……、

そんなこんなで
『全ては鹿』でその辺に転がってる食べ物を鹿ビームで鹿にして敵にぶつけよう。
鹿とは即ち神の使いだ。お前は神を怒らせたのだ。
食べ物を粗末にするとどういう目に遭うのか思う存分思い知るがいい。
こしあん派かつぶあん派かによって残酷度が違うぞ。
ちなみに無回答が一番ヒドイ、それはもーヒドイ。
そりゃーもー血の雨が降るゼ。

そうして相手は叫ぶのサ。
「まんじゅうこわい」と。
ぁ、メガリス?誰が持って帰る?



●あくまでも個人の意見です
 シーサーペントは鋭い目を猟兵達へと向けると、地鳴りのような声をあげた。敵意の籠った咆哮は、周囲の空気を一変させる。させはしたのだが。
「うーん、ロップちゃんあと五分だけ……むにゃむにゃ……」
 どうやらコルチェには効果がなかったようだ。
「コルチェさん!起きてください!」
「……あれぇ?」
 アリシアが慌てて揺すると、コルチェは寝惚け眼でゆっくりと起き上がった。
「ふあー、よく寝た!ぐっすり寝てコルチェ、げんきいっぱい!!」
「そんなことを言っている場合じゃないですよ!」
 アリシアがこちらに迫るシーサーペントを指すと、コルチェのグレーの瞳が見開かれた。
「うわわー!やばいやつ来てるー!」
 コルチェがおろおろしていると、二人の前にネミが立ち塞がった。その目は真っ直ぐシーサーペントを見据えている。
「来たな大蛇野郎!お前はこしあん派かつぶあん派か!慎重に言葉を選べ!」
 ネミがガジェットをシーサーペントへと向けながら吠えた。
「返答しだいじゃ死ぬよりヒドイ目に遭うしだいじゃ野郎!」
「えっ」
「えっ」
 不意に寒いギャグを聞いた二人の視線がネミへと吸い寄せられていく。
「……今のは韻を踏んだだけです」
 三人の間に気まずい時間が流れたように見えたその時だった。コルチェとアリシアは目を輝かせてネミに迫った。
「……なるほど、これが『韻を踏む』というものですか!『ハイク』にも通ずるという、あの『韻を踏む』ですね!」
「ネミちゃん、言葉遊びが出来るなんて賢いね!」
「何故か思いの外ウケてる!」
 想定外の事態にネミは狼狽えた。

「こちらを無視するなあああああ!!!!」 
 三人のやりとりを見ていたシーサーペントが大きく口を開けて三人を怒鳴りつけた。
「わわっ、敵さん喋れるの?」
「喋れるなら都合が良いわ、もう一度問うわよ!こしあん派かつぶあん派か、お前はどっちだ!!」
「つぶあん派に決まっているだろうが!」
「……何ですって?」
 ネミの目から光が消え失せた。
「微妙に小豆の皮の食感が残っているのが美味いんだろうが!!だからこの島の饅頭は気に入っていたのに、お前らが機械を止めおって!!」
 シーサーペントは尻尾をびたんびたんさせている。
「完全に私怨ですね……」
「黙れ!貴様らは藻屑と化して消えろ!」
 シーサーペントが叩きつけた尾から血を流すと、周囲から水が沸き上がり、三人をあっという間に包んでいった。ビルや大木が青に染まって淡く光を反射させる。
(まさか地面の上で水中戦をすることになるとは思っても見ませんでしたが……)
 アリシアはすぐさまベルトにチャームをつけたキーを差し込むと、現れた光の扉を軽い身のこなしで泳いでくぐった。
(……水中も私のフィールドです!)
その身に透き通るような美しい人魚のアーマーを纏ったアリシアは、手に持ったスピアを軽く振ると、息を吸い込んだ。

(面倒なことを……!)
 ネミは水に流されながらも、敵を見失わないよう睨みつけた。その目はつぶあんへの執念で燃え滾っている。何が彼女をそこまで駆り立てるのだろうか。
(……これは!)
 ネミは周囲に食べ物の残骸が漂っていることに気づいた。先程発生した水に飲まれて流されてきたのだろうか。
(……使えるわね)
 ネミは悪そうな顔でニッと笑うと、取り出したガジェットからビームをビシビシと乱射した。光が当たった食べ物はむくむくと膨れ上がり……。

 鹿になった。

 全身を覆う栗色の毛、そこに不規則に広がる白い斑紋、枝分かれした角。紛れもなく哺乳綱偶蹄目シカ科に分類され、主に森林や草原に群れを成して棲息する草食動物である鹿がネミの前に大量発生した。
「行くわよ!!」
 ネミは鹿の大軍を引き連れると敵へと向かっていった。

(これは……!!コルチェ、ピンチかも!!)
 水に飲まれたコルチェは、ブラスターを握りながら足をバタつかせた。
(シールははがれちゃうし、熱線の熱もボヤけちゃう……視界はユラユラ、コルチェもユラユラ……)
 いつもとは違う、覚束ない足元と揺らぐ視界にコルチェは翻弄されていた。
(……こういう時は)
 コルチェはいかにも危険そうなデザインのシールをブラスターに装着した。出力そのものを上げることで、敵へ攻撃を届けようとしたのだ。
 出力の上がったブラスターは熱を帯び、シューシューと蒸気を発していく。
 熱は水が冷やすことで多少マシにはなっているものの、増していく水圧がコルチェの身体にじわじわとダメージを与えていく。
(でも、でも、ほかのみんなも、一緒だから……!!)
 コルチェがブラスターを強く握った瞬間。

「響いて、私の魂の歌!」
 水の中でもはっきりと通る澄んだ声がコルチェの耳に入ってくる。声のした方を見ると、アリシアが声を響かせていた。
『♪触れたもの全てが 未来になっていく』
「……アリシアちゃん!」
『♪ただ突き進んで行くのも 悪くないでしょ?』
 力強くもありつつ繊細な歌声がコルチェに力を与えていく。
「「「うおおおおおお!!」」」
「今度はなになに!?」
 コルチェが振り返ると、ネミが鹿の大軍を引き連れてやってきた。歌は鹿にも効果があるのか、鹿はどんどんムキムキになっていく。
「アリシアちゃんすごーい!」
「流石に鹿相手に歌うのは初めてでしたが、上手くいって良かったです」
アリシアは二人(と無数の鹿)へと泳ぎ寄ると、柔らかい笑みを浮かべた。

「何だそれは!?」
 シーサーペントが三人(と無数の鹿)を見て言った。
「……これがコルチェ達の力だよ!」
「小癪な真似を!」
 シーサーペントは身体を振り回し、竜巻を起こすと、それを三人の元へぶつけようとする。
「やらせはしません!」
 アリシアは竜巻の勢いに乗って加速すると、手に持ったスピアを強く突き立て、シーサーペントの体勢を崩した。
「なっ……!」
「お二人とも、今です!」
「鹿とは即ち神の使いだ。お前は神を怒らせたのだ。食べ物を粗末にするとどういう目に遭うのか思う存分思い知るがいい!!」
「発射ー!!」
 出力を上げた熱線とムキムキの鹿のタックルがシーサーペントに直撃する。シーサーペントの硬い鱗にひびが入り、水が波を打って爆発した。
「まんじゅうこわい!!」
 シーサーペントがそう叫んで崩れ落ちると、水は消え去り、周囲は元通りになった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

草野・千秋
来ましたね新たなる僕らの敵、コンキスタドール
キマイラフューチャー島をこんなメシテロ状態にしたのは
いったい結局なんだったんですかね!?
まんじゅうこわいとはまさにこの事でした
僕はつぶあん派……戦争になりそうですが
それは今はおいときます

勇気で戦いに挑みますよ
邪悪の咆哮は歌でかき消しましょう、やれるだけはやってみますか
戦闘前に歌唱、楽器演奏、存在感、パフォーマンス、UC【Vivere est militare!】を発動
仲間に力が宿ったら自分も攻撃に切り替え
怪力、2回攻撃、グラップルで接近戦に挑む
戦闘知識、視力で敵の動きをよく見定めて
可能なら第六感も交えて攻撃をかわし
激痛耐性、盾受けで耐えて仲間はかばう



●紡ぐは千夜の群青
三人(と大軍)の一斉攻撃は、シーサーペントに大ダメージを与えた。
(僕はつぶあん派……戦争になりそうですが、それは今はおいときます)
一連の様子を見ていた千秋は、心の中でそう呟いた。心優しい千秋は猟兵同士で争うことを望んではいない。
それに第一、極限まで強化されたムキムキの鹿軍団と戦うことだけは避けたいと思った。正直、誰だってムキムキの鹿とは戦いたくないだろう。

(お前、つぶあん派だろう……!?)
千秋がハッとして顔を上げると、のっそりと起き上がって鋭い目をこちらに向けるシーサーペントの姿があった。
(……こいつ、直接脳内に!?)
(どうだ、わしと手を組まないか。共につぶあん派として、こしあん派を打ち滅ぼそうではないか)
千秋はシーサーペントの目を一瞥すると、小さく首を振った。
「……互いが好きな物を食べるのではいけないのか」
「なんだと……!?」
「好きな物を自由に食べられてこそ平和じゃないのか!!お前のそれはただの押しつけだ!」
「……せっかく命拾い出来るところであったのに、愚かな」
シーサーペントが周囲に霊力を纏い、咆哮を放とうとする。対する千秋は群青色のギターを掻き鳴らすと、俯いて肩の力を抜いた。

『立ち上がれ』
紡ぎ上げていくのは、自らの思いを込めた魂の歌。
『まだ倒れる時ではない』
シーサーペントが放った霊力は弾かれて消えていく。
『前を向け』
風が吹き、波が起こり、木々が鳴く。
『まだ朽ちる時ではない』
千秋の「生きるもの」を勇気づける歌は、島をも活気付ける。島全体が千秋の味方となっていた。
『今こそ羽ばたき翔けるんだ』
千秋は歌に合わせて、敵へと走り抜けていく。
『焼きつけろ』
攻撃を封じられたシーサーペントを狙って、千秋は拳を振り上げる。
『その目に映る群青を』
思い切り振り下ろされた拳が、シーサーペントの脳天に直撃した。シーサーペントは再びゆらゆらと崩れ落ちる。

「……ご清聴、ありがとうございました」
千秋はギターの無事を確認すると、島に対して一礼した。

成功 🔵​🔵​🔴​

ユキ・スノーバー
べっちゃん(f18666)と!

泳ぐのそこまで得意じゃないし
あんこはこしあん派なぼくと相性最悪で良かったっ!
容赦なく敵対出来て一安心だねっ(ウインク)
あんな如何にも宝箱って感じのメガリスは渡さないぞーっ!

べっちゃん、良い作戦があるよっ!(帽子つんつん)
(耳元?でひそひそ)さっき手に入れた唐辛子、攻撃手段にしちゃおっ?
息継ぎの心配は正直してないけど、スムーズに動けなくなるの困るから
華吹雪で飛んできたりとかした水を凍らせたり
ぼくも唐辛子巻き込んだ吹雪で、あげるから(※押し付ける)にはお残しは許さないぞーアタックで突っ込んでいくねっ
唐辛子の方があんこより粒々してるから好きなんじゃないかなっ?(無茶振り


ベッジ・トラッシュ
ユキくん(f06201)と一緒!
ベッジさんも、た、戦うゾ

あわわ…
でっかい竜が出てきてしまった!
だが島のメガリスは奪わせ、ない!
(こっそり視線を伏せて、
つぶ餡好きは黙っとこう、うん)

作戦会議(お耳?でひそひそ)ユキくんすごいな!
苦手なものは危ないヤツに投げるー!
パチンコを取り出して、唐辛子ぽいぽーいっ
ついでに【UC:グラフィティスプラッシュ】の絵の具玉も、
竜まで飛ばすぞ!

ぶくぶく…陸上で深海とはアッパレな能力…
ぴっ?!沈む!
だ、だがしかし!不思議生物であるオレ達は呼吸の心配はいらないのダ(たぶん)
UCは水中でも構わず発射だ
ハズレても水に混ざれば、オレも動きやすくなる、か?

残さず食べといてくれなっ



●ましまし唐辛子
 シーサーペントはかなりのダメージを受けたものの、どうにか起き上がって猟兵達に敵意を向けた。饅頭と「メガリス」への執念が、シーサーペントを無理矢理動かしていたのだ。
「あわわ……でっかい竜が出てきてしまった!」
 ベッジがおろおろとする一方で、ユキはふんすと胸を張った。
「あんこはこしあん派なぼくと相性最悪で良かった!これで容赦なく敵対出来るよ!ね、べっちゃん!」
 ユキが純粋な目でベッジを見つめる。
「そ、そうだぞ!島の『メガリス』は奪わせないぞ!(……実はつぶあんが好きなのは黙っておこう)」
「……?べっちゃんどうしたのー?」
「な、何でもないデスよ!」
 こしあんつぶあん問題は猟兵達にとって相容れない根深いものであることが露呈したところで、ユキがベッジの帽子をつんつんした。
「そうだべっちゃん、良い作戦があるよ!」
「なになに……?」
 四角いベッジと丸いユキの頭がくっついた。かわいい。
「ひそひそ……」
「ふむふむ……」
 テレビウムの耳がどこにあるのかはさておき、二人はぴったりくっついてシーサーペントには秘密の作戦会議を済ませた。

「よーし!覚悟ー!」
「ベッジさんも、た、戦うゾ!」
「ふん……ちっぽけなお前らに何が出来る」
 シーサーペントは長い身体をくねらせてふんぞり返った。
「竜さん、お饅頭が食べられなくてお腹空いてるでしょー?」
「これでもくらえ!」
 ベッジがパチンコを使うと、ぺしっと音を立てて真っ赤な唐辛子が飛んでいった。それそのものは大したダメージにはならないが、近くにいるだけで目がヒリヒリするレベルの唐辛子が、シーサーペントの身体の傷に直撃するとどうなるか。
「……………っ!!!!!!」
 シーサーペントは身を捩らせて声にならない悲鳴をあげた。まさに「傷口に塩を塗る」状態である。
「まだこれからだゾ!」
 ベッジは更に、腰から下げたガラス瓶を手に取ると、フタをポンと開けた。中から鮮やかな色の絵具が飛び出し、それらが唐辛子を包んでいく。
「発射ー!」
 ベッジが指示を出すと、絵の具の群れはシーサーペントへと飛んで、傷口に更なるダメージを与えていった。
「よし、ユキくんの言った通りだったな!」
「でもまだ倒れないね!」

「おのれええええええ!!!!!!」
 激怒したシーサーペントが、周囲から水を起こして波を作り、二人のいる方向へと攻撃を仕掛けてきた。
「うわわー!」
「ぎゃぴー!」
 二人は水に呑まれ、ここで力尽きてしまうかと思ったが。
「苦しくないよ!」
「そうだ!不思議生物であるオレ達は呼吸の心配はいらないのダ!」
「えー?そうなの?」
「多分ナ!」
 ゆっくり沈んでいっているものの、二人はまだまだ戦える状態にある。ここでやられてはテレビウムの名が廃るのだ。
「こっからは反撃だよー!」
「ラジャー!」
 ベッジが再びガラス瓶を取り出すと、絵の具が二人を包んで簡易的な結界を作り出し、周囲の水を弾いて追い払った。
「よーし!これで動きやすくなるよ!」
 今度はユキがキンキンに冷えたアイスピックをぶんぶんと振った。ユキの周辺に冷気が発生し、弾いた水と絵の具、それから唐辛子が集まって無数の氷の塊となっていく。
「唐辛子の方があんこより粒々してるから好きなんじゃないかな?」
「残さず食べといてくれなっ!」
「「いっけー!!」」
 仲良しテレビウムのコンビネーションで完成した猛吹雪が、シーサーペントの全体を激しく攻撃していった。
 シーサーペントはどうにか反撃しようとするが、身体が凍りついて上手く動けず、そのまま島の外まで吹き飛ばされて行った。
「やったー!!」
「ここここここ怖かっタ………」
 喜びで跳ねるユキとは真逆に、ベッジはへにゃへにゃとその場に座り込んだ。

 あれだけの戦闘があったにも関わらず、「メガリス」は変わらず元の場所にぽつんと佇んでいる。なんでやねん。
 猟兵の一人がそれを回収すると、全員は鉄甲船へと戻っていった。無事目的も達成し、船には前もって作ったたくさんの非常食がある。帰りは楽しいパーティになるだろう。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2020年04月03日


挿絵イラスト