「さあ、自由に味見していってくれ。獲れたての魚ばかりだよ」
潮風に靡く旗が浜の至る所に見えた。どうやら露天商のようで、切り身の魚肉を酢飯に乗せ、器用に海苔で巻いていく。
「赤身と鰐梨のやつをふたつおくれ」
「わたしはすり身がいいな!」
「魚卵はいいのがあるかねえ……」
客の出入りはひっきりなしで、それもそのはず。数日前から浜に植わった老木が薄紅色の花を咲かせているのだった。
島の住民たちはこぞって花見に出かけ、露天商たちはかき入れ時というわけである。
「はいよ。御贔屓に。魚卵ならお隣さんところの兄貴がいきのいい鮫の腹をさばいていたよ」
辺りを見回せば、他にも似たような郷土料理を売る露店がちらほらと見受けられる。この島では、魚と米が主食として好まれていた。さっぱりとした酢飯と新鮮な魚に季節の野菜を一緒に海苔で巻いた“マキズシ”は、食べやすいので宴会にも向いている。
「ふう、休む間もないな……」
なにしろ、あの老木の花は今の時期にしか咲かないのだ。ほんの短い間に散り急いでしまう儚さを、人々は愛しむ。
「さあ、花見のお供に好きなのを選んでいってくんな。お安くしておくよ」
――一見しては、平和な島の光景。
にも関わらず、彼らの知らぬ間にこの島を狙うコンキスタドールの名をサラといった。
「凶悪な女賞金稼ぎですわ。その目的は金、金、金。花見の宴にかこつけて、住民から強奪するつもりなのですわ……!」
集った猟兵たちに説明を始めた黒弗・シューニャ(零・f23640)は、怒りも露わに尾を振り回した。
なんでも、彼女は最高潮に宴が盛り上がった瞬間に乗り込んでやるつもりらしく、浜の周囲に身を潜めて住民らの様子を窺がっているのだ。
「とはいえ、路上でふらふらしていれば既に住民たちに見つかってしまっているはず。存在が知れないのはよほど手頃な隠れ家を見つけたとしか思えませんわ。住民の方々から情報が集められればきっと、襲撃よりも先に居場所を突き止められる可能性が高いですわ」
聞き込みは、正体を明かさずに自由な海賊や交易商人などを装って自然に島を訪れたことにするとよいだろう。
平和な島は、平和なままに。
「グリードオーシャンでは移送に制限がありますので、皆さまを鉄甲船までお送りいたしますわ。島ではちょうどお花見の時期なのだとか。マキズシという郷土料理がとっても美味しいのですって。お店によって巻き方や中身が違うのだと聞きましたわ」
是非ともご堪能下さいな、とシューニャは猟兵たちを送り出す。
グリードオーシャンを目指す鉄甲船の浮かぶ海原を、春風が強く、爽やかに吹き抜けていった。
ツヅキ
舞台はサクラミラージュから落ちてきた島です。そこはかとなく和風の伝統を残しつつ、南国らしい果実や野菜、海魚と合わせた“マキズシ”の妙をご堪能ください。
第1章はコンキスタドールに関する情報収集をしつつ、ご自由に郷土料理や花見をお楽しみ頂けましたら幸いです。
プレイングは公開後から常時受付、個別でお返しします。
ご一緒に行動されたい場合はプレイング冒頭にお相手の名前とID・もしくは団体名をご記載ください。
第2章は配下との集団戦、第3章は賞金稼ぎのサラとのボス戦になります。
第1章 日常
『郷土料理は異世界の味』
|
POW : 郷土料理は別腹、全部食う。
SPD : 島のあちこちを歩き回って、面白い郷土料理を探してみたい
WIZ : 食べるだけでなく、レシピを教えて貰ったり、実際に料理もしてみよう
|
種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
菱川・彌三八
着いて早速花見たァ乙だねェ
此処は帝都の一部と聞いたが、流石に桜は万年咲かねェらしい
お、今寿司と云ったかい
桜の飯は美味ェからヨ、ドレひとつもらおうか
中身ァ何だ?…江戸でやりゃぁ流行りそうだな
手控え失礼…っと
俺ァ此処いらの事にゃ詳しくねェからヨ、先ずは海賊と、賞金稼ぎとやらの事でも聞いてみようか
そうさなァ、最近襲われた島の話なんざ漁の折にでも話ァしめえか
後ァこの島の事
大体お前ェさんらが何処の辺りに集落作って、町がどの辺りで…ってとこか
ひと処でなく、飯食いがてらぼちゞゝと
港と浜は適当に足で見て回るゼ
勿論、手にはマキズシな
いい島だ
すれに、花見を邪魔するなんざ太ェ野郎を放っちゃおけねぇ
あゝ、女だったか
桜吹雪に誘われ、潮風香る島の港に鉄甲船はたどり着いた。乙だねェと零す菱川・彌三八(彌栄・f12195)の唇から俄かに笑みがほころび、草履の裏で砂が鳴る。
――薄紅の柔らかな春嵐。
かの帝都から切り落とされ、此の世界の一部として今や桜の幻朧を忘れた花弁が彌三八の肩へと舞い止まった。
「さぁさ、新鮮なマキズシはいかがだね?」
「お、今寿司と云ったかい」
「勿論さ。自慢の魚だよ」
「中身ァなんだ?」
「これは白身魚と鹹草に梅を和えてある。さっぱりしててうまいぜ。これから花見かい?」
ひとつもらおうか、毎度。
包みを渡すやり取りの間の問いかけに彌三八は相好を崩して肯い、袖を探って取り出した筆で聞いたばかりのタネの名を書きつけながら探りを入れる。
「ところで旦那、俺ァ此処いらの事にゃ詳しくねェんでよかったら聞かせてもらいたいんだがヨ。そうさなァ、例えば近くの島が襲われちまった……なァんて噂がありはしめえかい?」
「ああ、怪物のおかげで遠くまでは行けんが、近くの島の船とは漁で行き会うこともあるからねえ。そういやあ、最近はとんと東の島の面子を見なくなったな。言われてみりゃあ、気になるな……」
「東、ねェ」
遠浅の海岸線越しに浮かぶ近隣諸島に流し目をやり、彌三八はそちらがよく見える岬へ足を向けることにした。途中、情報を集めるついでにぼちゞゝと所望したマキズシを豪快に端から咥え、鼻歌でも口ずさみながらそぞろ歩く。
「……で、そこの高台より上に集落作って、商店なんぞは海沿いの街道か。港町らしい土地の使い方さナ」
いい島だ。
活気があり、なによりも手入れが行き届いている。
「覚えちとけばや、屹度役にも立つさァな。すれに、花見を邪魔するなんざ太ェ野郎を放っちゃおけねぇ。あゝ、女だったか」
嘯き、次のを屠る。
どうやら、此の程も楽しめそうである。桜も喧嘩も江戸の華。然らば此処には海の幸迄揃うわけで、盛り上がらないわけが益々あり得ないのであった。
成功
🔵🔵🔴
鈴木・志乃
やったね。マキズシ食べ放題。
雰囲気はサクラミラージュっぽいけど、寿司の中身は……なんだろこれ、どこ行った時だっけ。あれか、ハワイかな?
ハワイの感じがする(適当)
花見しながらお寿司食べるなんて素敵ですねぇ。
ちなみにどれが一番人気ですか?
随分賑わってますね。花見の時期ってこんなに混むんです?
……へぇ。それじゃー楽しまないとですね。
あーおにいさん。ついでに花見でなんか出し物とか、この辺りの面白い建物とかあったら教えて欲しいんですけど。
いや私あちこち歩いて回ってるもんで、ここ来るの初めてなんですよ。
楽しいこととか面白いこと大好きなのでね。
あ、このマキズシ美味しかったからもう一つ下さい。
「おいしー、幸せ―!」
鈴木・志乃(ブラック・f12101)は出来立てのマキズシを頬張り、新鮮な旨味に舌鼓を打った。
茹でた蟹と醤に漬けた鰐梨を合え、瓜と一緒に海苔で巻いた爽やかな風味。和洋折衷の滑らかな舌触りと味付けにふと既視感を覚えた志乃である。
「どこだろ、どこかで食べたことのあるような……そう、ハワイだ。たぶん」
「はわい?」
「えっとですね、そこもこういう感じの島なんですよ。海が綺麗で、常夏で。それにしてもほんとに美味しい。さすが一番人気。花見しながらお寿司食べるなんて素敵ですねぇ」
「ははっ、ありがとう。それがこの島の売りだからね」
「随分と賑わってますもんね。花見の時期ってこんなに混むんです?」
「ああ、散るまでの数日間は毎日が宴さ。住民はみんな仕事を休んで浜に繰り出すんだよ」
「……へぇ。それじゃー楽しまないとですね」
「一年で今だけだからねえ」
「わかります」
神妙に頷く店主に、志乃も相槌も打った。
「あー、ところでおにいさん。ついでに花見でなんか出し物とか、この辺りの面白い建物とかあったら教えて欲しいんですけど」
「出し物といったら、神社から神輿が出るよ。面白い建物は心当たりがないけども……なにか探してるのかい?」
「いえ、ここに来るの初めてなので面白いものがあるなら見ておきたいなーと」
ぐっ、と手を握って興味津々なのをアピールしたのが効いたのか、店主は腕を組んで唸り始めた。
「なんかあったかなあ……でも、漁業以外はめぼしい産業のない島でね。建物っていうと住宅の他には鳥居や社くらいしか――」
「社?」
二本目のお代を渡しつつ、志乃はぴくりと眉を動かした。
「ああ、いまはもう使われてないやつがね。でも、ただの廃墟だよ」
「あー、廃墟ですね。なるほど」
受け取ったマキズシを口に運びつつ、志乃は繰り返した。
「……廃墟の社、ですか。ふうん……」
成功
🔵🔵🔴
司・千尋
宴が最高潮に盛り上がった瞬間に乗り込んでくるとか無粋にも程があるな
野暮な真似をさせない為にも
出来る事からやっていこうか
駆け出しの交易商人を装って行動
色んな店のマキズシを珍しそうに物色しながら聞き込み
商品の在庫を保管するのにオススメの物件ってない?
そこそこ広くて人目につかないと最高なんだけど
目立ってたら海賊に奪われそうじゃん?
それは困るからさぁ
死活問題だよ
色々聞き込みしつつ
各店舗でオススメのマキズシを購入
どのマキズシも美味しいから甲乙付け難いな
聞き込みで得た情報を基に
奴等の居場所に検討をつけたい
俺1人じゃ難しくても
他にも来てる猟兵達がいるし
どうにかなるだろう
あとは時間までマキズシを楽しもうかな
「今は使われていない、廃墟の社?」
ほんの僅かにだけ目を瞠り、聞き込んだばかりの場所の名を繰り返す司・千尋(ヤドリガミの人形遣い・f01891)に寿司職人の男は「そうだ」と腕を組んだ。
「もう神サンはいないはずなんで、勝手に使っても問題はねえと思うんだよな。商品の在庫保管場所を探してるっていうあんたの希望通り、そこそこ広くて一目につかない物件さ。確かに、海賊の目をかいくぐるってのはこのご時世どうしたって気ぃつけなきゃなんねえからなあ」
駆け出しの交易商人という体で気さくに話しかけてきた千尋の話をすっかり信じ込んだ男は同じ商売人として共感するように言った。
「うん、死活問題だよな」
「そういうこと。ところで、こっちのも試食してみないかい? 擦り下ろした山芋に青海苔と貝柱を混ぜてみたんだ。体にもいいよ」
「へぇ、珍しそうだな。是非試させてもらおうか」
「他の店も回ったのかい?」
千尋は頷いた。
「うまい」と「そうだ」のふたつの意味で。
「一口にマキズシと言ってもいろいろな種類があって驚いたよ。うん、これもおいしい。さっきのと一緒に買わせてもらうよ」
「毎度どうも」
受け取った千尋は、それを他店で買った袋と一緒に腕へとかけた。
「買い過ぎたかな……どのマキズシも甲乙付け難い美味さで選びきれなかった。それにしても、打ち捨てられた社か」
念のため、他の店でも聞き込みを続ける。
だが、他にそれらしい建物はないようだ。それに、場所もこの浜から近い。無粋な賞金稼ぎが宴の盛り上がりを狙って襲撃するにはお誂えの条件が揃っている。
「野暮な真似をさせない為にも、出来る事からやっていこうか。大丈夫、他にも来てる猟兵達がいるからどうにかなるはずさ」
大成功
🔵🔵🔵
月水・輝命
【SPD】アド・連携◎
あらあらまぁまぁ!とても美味しそうですわ〜♪
……こ、こほん。やる事は忘れておりませんわよ?本当ですわよ?(目を逸らし)
ということで、わたくしは鼻歌、もとい『歌唱』しながら歩き回って、情報を集めようかと思いますわ〜♪
(マキズシの)噂を聞いてやってきた、と言えば不自然では無いでしょう!
オススメのマキズシも頂いちゃいます♪
なんと美味しいのでしょうか〜♪頬っぺた落っこちます〜♪
人は沢山出入りするでしょうし、情報を聞くなら、こう……『第六感』的な勘ですけれど、別荘に適した所とかでしょうか〜?
移住計画と称して辺りが静かな空き家とか〜?
あ、マキズシもう一本くださいな〜♪
桜の花弁を乗せた風に、柔らかで優しげな歌声が入り交じる。耳を掠める微かな旋律に気を取られた人々が振り返る先にいた渦中の人――月水・輝命(うつしうつすもの・f26153)は、ちょうど目があった男に目配せしてたずねる。
「あの~。わたくし、ここのマキズシがとても美味だとお聞きしてやってきましたの。よろしければオススメのお店を教えて頂けないかしら~♪」
「あっ、はい! あそこなんてどうですか?」
男の示す店には色鮮やかなマキズシが並んでいる。海老、卵、人参、桜田麩などが贅沢に使われ、目にも楽しい。
「あらあらまぁまぁ! とても美味しそうですわ~♪ ひとつ下さるかしら?」
「はいよ!」
「~~~……ッ、なんと美味しいのでしょうか~♪」
頬を両手で抑え、思わず唸るほどの新鮮な魚類の旨味と甘味。思わず本来の目的を忘れかけ、舌鼓を打つのに夢中になっていた輝命は慌てて咳払い、本題を切り出した。
「それにしても、賑わっておりますわね~? わたくしもこんな素敵なところに住んでみたいですわ。でも、ちょうどいい物件なんてありませんわよねえ……?」
ぴん、と来たのだ。
敵が潜んでいるとしたらきっと、別荘に適した処ではないか――と。
「できれば辺りが静かな空き家とかがいいですわね~」
「静かな場所にある空き家、ねえ」
職人の男は首をひねり、記憶をたどるように遠くを見やってから手を左右に振った。
「いやいや、お嬢さんみたいな高貴そうな人の住める空き家なんかこの辺にゃありませんよ。あるのは廃墟の社くらいで、あとは素泊まりの宿ばかり。ああ、もう1本どうです? おまけしときますよ」
「ありがとうございます~♪」
ぺこりと丁寧にお辞儀して、店を後にする。輝命はおまけしてもらったマキズシを齧りつつ、独り言のように呟いた。
「廃墟の社……身を隠すには、充分ですわよねえ……? ええ、とっても怪しいですわ。行ってみる価値はきっとありますわ!」
成功
🔵🔵🔴
第2章 集団戦
『巨大魚』
|
POW : 船喰らい
【頭部からの体当たり】が命中した対象に対し、高威力高命中の【鋭い牙によるかみ砕き攻撃】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD : テイルフィンインパクト
空中をレベル回まで蹴ってジャンプできる。
WIZ : ウォータービーム
レベル×5本の【海水】属性の【水流弾】を放つ。
イラスト:傘魚
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
|
種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
古ぼけた社は浜からほど近い、集落の外れにひっそりとたたずんでいた。聞き込みと足を使った調査の結果から、集落はそこから高台に向かって点在していることが判明している。そして、商店や市場などは港側だ。
故に、人々は滅多なことではその社に寄り付かない。棲みついたものがいるとすれば、外から来たまれびとのみ――。
「なんだって?」
埃っぽい床に座り込んだサラは配下にしている巨大魚たちの報告を聞き、眉をひそめた。
「何者かがこの場所を突き止め、近づいている……? はんッ、何のためにアンタたちを飼ってると思ってるんだい? さっさと追い払っちまいな。アタシは忙しいんだよ」
サラはさっさと配下の巨大魚を追い払うと、窓から望遠鏡で浜の様子をうかがった。まだだ。宴が最高潮に達し、人々の気が緩み、酒が十分に回るまでもう少し待たねばならない。
「ギョギョ……」
彼女にこき使われている巨大魚たちは諦めたように外へ出ると仲間を呼び寄せ、社の周囲を警戒し始める。
どうやら、中にいる女賞金稼ぎを倒すためにはまず、あの巨大魚たちを倒す必要がありそうだ。
「――」
一方、巨大後たちの方もいつどこから襲撃されても迎え撃てるように身構えている。春の柔らかな日差しが濡れた鱗を光らせ、鋭い牙をより白く輝かせていた。
レイン・ファリエル(サポート)
『さぁ、貴方の本気を見せて下さい』
人間のサイキッカー×ダークヒーロー、15歳の女です。
普段の口調は「クールで丁寧(私、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)」、機嫌が悪いと「無口(私、アナタ、ね、よ、なの、かしら?)」です。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。
性格は落ち着いてクールな感じのミステリアスな少女です。
人と話すのも好きなので、様々なアドリブ会話描写も歓迎です。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
「――袋の鼠にして差し上げましてよ」
罠にかかった巨大魚の群れ目がけ、レイン・ファリエル(クールビューティー・f17014)は矢継ぎ早に召喚用の呪文を唱えた。
呼び出されるは、太古の精霊――その身に有り余る稀有なる魔力を湛えた魔術師たちの霊である。彼らは口々に魔法を紡ぎ、襲い来る敵へとそれを容赦なく叩きつけた。
「ギョ――!?」
周囲が真っ白に染め上げられるほどに高純度の、激しい魔術の光芒が鱗を剥ぎ、肉を、骨を断つ。
「私たち、その社の中にいらっしゃる方に御用があるのです。故に、悠長にあなた方を構っている暇などございません。さぁ、抵抗はやめておどきなさい」
漆黒の外套が飛来する水流を弾き、冷たく暴虐なる攻撃からレインの身を守る。胸元で闇色の十字架が跳ねた。水滴にも濡れず、何者も寄せ付けない深淵の輝きを放ちつつ――。
「もう一撃!」
「ギョギョ……――!!」
完全に巨大魚たちは押されていた。
一歩、レインが進み出る。
巨大魚たちがじわりと後退する。
また一歩、レインは足を踏み出した。
「さようなら。せめて苦しまないように逝かせてあげましょう――」
成功
🔵🔵🔴
月水・輝命
アド・連携・絡み◎
WIZ
あらあら、廃墟のお社は大当たりのようですわね?
それでは続いて……お魚さん退治ですの!
とはいえ、わたくしはまだまだ未熟なヤドリガミの猟兵。
得意なことは、後の方々に繋げるサポート的な立ち位置。
ですので、使うは鏡映-転-。映す対象は水流弾。
す、水流弾痛いですけど! というか濡れませんか!?
ちょっと我慢しつつ本体が壊れない様に気を付けながら、その技、お返しです!
ただ水流弾を放つだけではありませんわ?
他の方々が連携されているところへ、上手く押し出しますの!
水流弾を撃ってこないなら、なぎ払いしつつ、劣勢のふりをして地道に誘導ですわね。
……そろそろピンチですかしら。なんて言いながら。
「あらあら、廃墟のお社は大当たりのようですわね?」
それでは、参りましょう――月水・輝命(うつしうつすもの・f26153)は銀色に煌めく髪をはためかせ、境内を区切る石垣を軽やかに飛び越える。
「ギョギョ!!」
戦場へと舞い降りた途端、待ち受けていた巨大魚たちの視線が一斉に輝命を捉え、じっと凝らすように見据えた。
「ま、まあ……! そんなに見つめられると緊張してしまいますわ。お手柔らかにお願いしますわね――って、そんなの聞いて下さいませんわよね? きゃっ、わっ、たっ」
号令と共に、まるで水鉄砲のように幾筋もの水流弾が弧を描き、輝命目がけて迸る。衣が濡らされ、袖から滴がしたたり落ちる。
輝命は唇を引き結び、冷たい湿りに耐えながら両手に持つ鏡を構えた。清涼な鈴の音が鳴り響く。
「――我が本体に映せし流水を跳ね返し給え……!」
鏡面を直撃した水流が反射して、それを撃ったもののところへ勢いを殺すことなく戻っていった。
「ギョ……!?」
横っ面を叩かれ、見る間に巨大魚は地面の上に倒れ込んだ。起き上がれずにぴちぴちと跳ねる仲間を踏み越え、別の巨大魚が輝命に迫る。
「キリがありませんわ……!」
下がる輝命を追い、殺到する。
3匹、4匹、5匹――。
「……そろそろピンチですかしら」
――だが、輝命は機会を待っていた。他の猟兵たちの待ち構える場所へ、彼らが纏めて踏み込んでゆくのを――。
「かかりましたわね」
薄っすらと微笑み、体を躱す。
入れ違いで、背後から放たれた激しい攻撃の本流が巨大魚たちを一挙に丸呑みにしていった。
成功
🔵🔵🔴
菱川・彌三八
こねェな社ァ、此処に在ると云うも同然だな
然し迎えがあるたァ、随分と歓迎されたモンだ
マ、此奴ァ喰えやしめェだろうがヨ
魚ァ数が多いな
筆三本を一度に振るい、三方からの大波で魚ァひとつに纏めっちまうか
ぶち当たる前に、波で絡めちやろう
水は噛めやしめェしよ
さて、魚ァ水を泳ぐか知れねェが、其れが大時化でありゃあ如何だろうな
乗るも抗うも好きにすりゃエエが、波に乗ったが最後サ
大きなうねりを高く高く上げりゃ、後ァ地に叩っつけるだけよ
ちいと派手に立ち回るが、社ァ使っちゃいねえんだ、流したって構うめェ
なあに、神サマにゃあ新しい社も造ってやりゃあエエさ
花見の守りサ、罰なんざ当たるめえよ
空を泳ぐは三本の筆。
社を前にした菱川・彌三八(彌栄・f12195)は墨を含ませた筆先を雅に躍らせつつ、まぢゞとその外観を見定めるのだった。
(「こねェな社ァ、此処に在ると云うも同然だな」)
先ず、人気無し。
次いで広く、終いには浜の様子もよく見えると三拍子揃った場所がよくも見つかったものである。
「ギョギョ……!?」
こちらの気配に気づいた者が声を上げるも、彌三八は小粋に嗤って筆を流線形に切る。
「――遅いわナ」
敵が跳躍して突撃を繰り出すよりも早く、彌三八の筆が三方から大波を呼び、疾風に荒れる波濤を描き招いた。
白、水色、濃藍。
飛沫を上げ、津波を連れ、暴れ蠢くそれに巨大魚たちは慄いた。これは、自分たちの知っている海ではない――!
「お迎えご苦労サン。マ、此奴ァ喰えやしめェだろうがヨ」
必死に波を噛む巨大魚のいじらしい努力を、彌三八は情け深く眺めやる。彼らは波に乗ろうと足掻き、身を捩るが更なる大波に浚われて身動きできないままに沈んでゆく。彌三八が軽く、くいっと筆を払うだけで波は白波を上げながらうず高く、まだ高く――天を衝くほどに昇り狂った。
「さァさ、お立ち合い。後ァ地に叩っつけるだけよ――と、言いてェところだが、ものは次いでヨ。何しろ今じゃ誰も使っちゃいねえ社なんだらう? 流したって構うめェ」
悪戯めいた素振りで筆を振るえば、その大波は巨大魚の群れのみならず、彼らが守る社ごと押し流さんと勢いを増した。
「なあに、神サマにゃあ新しい社も造ってやりゃあエエさ」
滝のように落下する波の流れが社の壁板をへし折り、巻き込んだ群れごと押し流さんと寄せては返す。
「花見の守りサ、罰なんざ当たるめえよ」
彌三八は社に背を向け、筆に残る墨を弾いた。花見囃子の鼓がここまで聞こえて来る。
何知らず、幸いに。
大成功
🔵🔵🔵
司・千尋
連携、アドリブ可
巨大魚も扱き使われて可哀想に…
だからと言って容赦はしないけど
常に周囲に気を配り敵の攻撃に備える
少しでも戦闘を有利に進められるよう意識
敵の数が多いので囲まれないように注意
足元や背後等の死角、攻撃の隙をついたりフェイント等を駆使
確実に当てられるよう工夫
遠くの敵やジャンプ等で逃げる敵には烏喙を投擲
近寄ってくる敵は近接武器を使い『月夜烏賦』を使用
宵と暁との波状攻撃で纏めて攻撃
味方は巻き込まないようにする
敵の攻撃は細かく分割した鳥威を複数展開し防ぐ
割れてもすぐ次を展開
手数が足りなければ近接武器も使い迎撃
サイズがデカいだけで魚は魚だろ?
三枚におろしてやるぜ
こういうのは得意だから任せてくれ
「――よ、っと」
そろそろ出番かなとでも言いたげな軽い足取りで、司・千尋(ヤドリガミの人形遣い・f01891)は話に聞いていた社の境内へと舞い降りた。
軽やかに指先を躍らせ、対となる2体の人形を自在に操る。
「宵、暁。近寄ってくる敵は任せたぜ。ちなみに、卑怯にも後ろから狙ってくるような輩は――」
振り返るまでもなく、手のひらをほんの僅かに閃かせただけで投擲された烏喙の刃が巨大魚の喉元を貫いた。
水浸しにになった社の周囲にて、女賞金稼ぎの配下である巨大な魚類がびちびちと跳ねまわっている。地上で平気なのか? とも思ったが、どうやらすぐ近くに海から遡上できる川があるようだ。
「にしたって、こいつらをこの場所で使うのは鬼だな。扱き使われていることには同情するけれど、だからと言って容赦はしない」
「ギョギョギョッ」
飛びかかってくる敵の動きに合わせ、千尋はその分だけ距離を取って囲まれないように気を配った。
ついでに、少しばかり派手な動きを見せて相手の注意を引き付けてやればお手の物。
「そうそう。精々俺に気を取られて背後がお留守になるといいさ」
背後に木々が迫る。
逃げ場がなくなる限界まで引っ張った刹那、千尋の瞳が金色に光り輝いて――。
「いまだ、2人とも」
一瞬、何が起こったのか俄かにはわからないほどだった。巨大魚たちの死角に回り込んでいた宵と暁を起点にして、幾重もの波状攻撃が彼らに襲いかかったのである。
ふっと千尋の唇に笑みが浮かぶ。
「やっぱり、魚は三枚おろしに限るな。こういうのは得意だから任せてくれ」
断面鋭い赤身を晒して倒れた敵への追撃は他の猟兵に任せ、千尋は次の標的に視線を差し向けた。
「サイズがデカいだけで魚は魚だろ? まとめて料理してやるよ」
大成功
🔵🔵🔵
藍原・蒼夜(サポート)
人間の學徒兵×力持ち、18歳の女です。
普段の口調は「おっとり系(私、あなた、~さん、なの、よ、なのね、なのよね?)」
偉い人には「敬語(私、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)」です。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。
のんびり、おっとりした性格で、多少天然ボケな面もあります。
武器は主に退魔刀を使用して戦います。
好きな物は、可愛いぬいぐるみ、綺麗な花、静かな場所。
趣味は小説等の読書。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
「まあ、おおきなお魚さん。では、私もお料理させてもらうわね?」
――蒼。
纏って突進する涼やかな闘気も、風になびく長い髪も、優しげな瞳も温和な雰囲気に似合わない刀の意匠も何もかもがその色彩を帯びている。
たった一度の突撃で、藍原・蒼夜(蒼き宝刀・f23131)は数体の巨大魚を蹴散らした。
「あら? 見た目よりも脆いのね」
刃が走り過ぎ、3枚におろすどころこか真っ二つにしてしまった蒼夜はきょとんと小首を傾げる。
「ギョ……!?」
驚愕する巨大魚ににっこりと微笑みかけ、再び刀を構えた。
「では、もう一度――」
「ギョー!!」
身を切られた上にまとめて吹き飛ばされた魚は見る間に境内の隅へと追い込まれていった。ものすごい光景である。なにしろ、その身をおろされた巨大な魚たちが大漁とばかりに折り重なっていくのだから。
「皆さんとご一緒だとお仕事が早く終わっていいわね」
それに、と蒼夜は空を見上げた。
風に乗った花弁がここまで流れてきたのだろう、美しい薄紅を晒している。
「綺麗な花……人がそれを愛でたいと想う心はどこの世界も変わらないのね。だめよ、その心に水を差すようなことをしては。お仕置き、してあげるわね」
成功
🔵🔵🔴
南護・炎(サポート)
人間の剣豪×パラディン、18歳の男です。
普段の口調は「男性的(俺、呼び捨て、だ、だぜ、だな、だよな?)」、級友には「丁寧(私、あなた、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)」です。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
「ここがグリードオーシャンか。俺の知っている世界に似ているのに、どこか違う。不思議な場所だが、どこだろうと俺のやるべきことは変わらない」
腰に提げた刀の柄に手をかけ、南護・炎(人間の剣豪・f23789)は挑戦的な眼差しで己を取り囲む巨大な魚たちを見据えた。
――悪即斬。
一族の教えは炎の体を本能的に動かした。
地面を蹴る。
刀を引き抜いたその動きを殺すことなく横一文字に薙ぎ、剣刃一閃をたたき込む――!!
「ギョッ!?」
驚いた相手が頭突きをかましてくるが、炎は怖じることなく叫んだ。
「そんなもん食らうかよ!!」
逆に、その額を狙って刀を突き出す。
「はあああああッ――!!」
鈍い手ごたえがして、切っ先が頭蓋骨を見事に穿ったのがわかった。更に力を籠め、完全に砕く。
「ギョ――」
炎は突き倒した敵の体を蹴り倒し、次の相手目がけて刀を振るった。所詮は雑魚だ。そこをどけ、と気迫でまかり通る。
「悪は全て俺が斬る……! それが、南護炎というサムライの生きざまだ!!」
成功
🔵🔵🔴
第3章 ボス戦
『女賞金稼ぎ』
|
POW : ハンタータイム
全身を【右目の義眼(メガリス)から放たれた青い光】で覆い、自身の【これまで殺した賞金首の賞金合計額】に比例した戦闘力増強と、最大でレベル×100km/hに達する飛翔能力を得る。
SPD : 殺戮斧旋風
自身の【右目の義眼(メガリス)】が輝く間、【呪われた戦斧】の攻撃回数が9倍になる。ただし、味方を1回も攻撃しないと寿命が減る。
WIZ : カースバウンティ
【自分が過去に殺した賞金首】の霊を召喚する。これは【手にした武器】や【怨嗟の呻き声】で攻撃する能力を持つ。
イラスト:藤乃原あきひら
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
|
種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
「なッ……なんだいこのザマは!?」
戦闘の余波で社ごと流されそうになった女賞金稼ぎのサラは、慌てて外に姿を現すなり驚いたように目をみはった。
「アタシのかわいい配下が全滅だと……!? アンタたち、一体何者なんだい」
ようやく、事は簡単ではないと悟ったらしい。
右目の義眼が紋章を帯び、魔力を貯めてゆくのが感じられる。あれは――メガリス。呪いの秘宝だ。
「どうやら、舐めてかかっちゃいけない相手みたいだからねえ。最初から全力でいかせてもらうよ。ハンタータイムの始まりさ!!」
月水・輝命
アド・連携・絡み◎
WIZ
遂に現れましたわね! 賞金稼ぎさん!
村の人達には、指一本たりとも触れさせませんのよ!
いざ!成敗ですわ〜!
わたくしは元より、姫巫女様の手にあった鏡。
相手が霊を召喚するのでしたら、鏡映-想-の「破魔」の矢で祓い清めますわ。
あら、ついつい力んで賞金稼ぎさんも巻き込んでしまいましたかしら?
ごめんあそばせ?
(本当は、わざと巻き込むように撃ったのですけれどね♪)
(人の為にと、そう想った日々を思い出しながら)
……脅威を未然に防げるなら、わたくしはどこにでも行きますわ。そうして助かる人々が、何人もいるのですから。
「――ついに現れましたわね! 賞金稼ぎさん!」
月水・輝命(うつしうつすもの・f26153)の眼前に銀白の光条が次々と差し込んだ。美しい幾何学を描いたそれらは見る間に削がれてゆき、やがて鋭い矢群となって戦場を迸る。
「ちッ……!」
召喚した賞金首の霊ごと射抜かれた女賞金稼ぎは舌を打って飛びずさった。
「あらまあ、ごめんあそばせ? まだ不慣れなものでして、ついつい力んでしまいましたわ」
「しらじらしい……!」
歯ぎしりする相手めがけ、輝命は再び破魔矢を構えた。
抜けるような青空より降り注ぐ陽光を鏡面のように反射する数多のそれは、輝命の想いが凝縮された“祈り”そのものである。
「降参されるなら今の内ですわよ? 村の人達には指一本たりとも触れさせるものですか!」
「それはこっちのセリフだよ! さっさとアンタらを倒して、宴を血祭へと変えてやる……ッ!!」
銃を構えた、屍人のような顔の霊たちが一斉に引き金を引いた。
「ッ――負けませんのよ……!」
人の為に。
輝命は皮膚を掠める銃弾にも怖じることなく、両指を組み合わせて新たな矢を思い描く。
「……脅威を未然に防げるなら、わたくしはどこにでも行きますわ。そうして助かる人々が、何人もいるのですから」
「なに――!?」
弾幕を破って殺到する光矢に瞠るその眼を貫いた途端、霊たちの姿がかき消えた。悲鳴を上げて顔を覆う女賞金稼ぎを見据え、輝命はしてやったりと無邪気な微笑を浮かべる。
「さあ、まだまだこれからですわよ。いざ! 成敗ですわ~!」
大成功
🔵🔵🔵
サエ・キルフィバオム(サポート)
猫かぶりな妖狐になります
直接的な戦闘というよりも、情報を集めたり、不意打ちやだまし討ちのような奇襲を得意とします
猫をかぶってる時は「あたし」と自身を呼び、語尾に「~」が入るような間延びしたしゃべり方をします
真剣な時は「私」呼びになり、口数は少なくなり、語尾の間延びは消え、気に食わない相手には結構キツめの口調になります
「ごめんなさい、あたし道に迷っちゃってぇ~……」
子供らしく振舞って油断を誘う、色気を出して魅力で釣るなど、あの手この手を使います
「は?私がそんな事許すと思った?」
本性を現し後ろから絞殺糸を巻き付けるようなイメージです
基本的に行動はおまかせします
よろしくお願いします
(「ふーん……そういうことかぁ」)
樹上の茂みに姿を隠したサエ・キルフィバオム(突撃!社会の裏事情特派員・f01091)は、女賞金稼ぎの言動から事の次第を理解して独り言つ。
「めんどくさいとこは全部手下に任せて自分はいいとこだけ持ってくつもりとか、そう上手くいかせるかってーの」
言い終えるが早いか、作戦行動を開始。
戦場から死角となる社の屋上から降下してサラと名乗る女賞金稼ぎの背後を取った。
「な――……!?」
相手が振り返るよりも先に、細い狐糸をその首へ巻き付けて一気に締め上げる。圧迫された喉から喘鳴が漏れ、うっ血してゆく。
「こ、の――ッ」
「おっと」
女賞金稼ぎの右目が輝くと同時に旋回して糸を振り払った殺戮斧の切っ先を、サエは軽やかなステップで回避。
「よくも……ッ!!」
「そうやって頭に血が上ってるの、負けフラグだって知ってる?」
指先に掲げた黄色い小型ブザーの紐を、まるで見せつけるように引っ張ってやる。すると、戦場に鼓膜が破れるかと思うほどの爆音が鳴り響いた。
「がッ――」
頭を抱え、膝から崩れ落ちる相手を前にしたサエは、指先で軽く眼鏡を押し上げながら告げるのだった。
「私と縁あってまみえたのが運の尽きね。自分が狩られる側になった気分はどう? 女賞金稼ぎさん?」
成功
🔵🔵🔴
南護・炎(サポート)
人間の剣豪×パラディン、18歳の男です。
普段の口調は「男性的(俺、呼び捨て、だ、だぜ、だな、だよな?)」、級友には「丁寧(私、あなた、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)」です。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
悪であるならば、余程“それらしく”していてくれた方が南護・炎(人間の剣豪・f23789)にとってはやりやすいことこの上ない。
「まさに、絵に描いたような悪役――だな? 女賞金稼ぎさんよ。だが、ちょっとばかり出てくるのが遅かったようだな」
斬り捨てた魚の体液に塗れた刀を払い、屍を超えて両者は対峙する。
片や伝家の宝刀、片やメガリスの魔力が込められた殺戮斧。同じく数多の血を吸えど、そこに籠められた精神性は天と地ほども差があった。
「はんッ。いきがってる坊やにはお仕置きが必要だろうねえ……!!」
――敵が動いた。
右目から発する青い光が全身を包み、翼を形成。上昇気流に乗り、いったん上空へと飛翔してから一気に降下する。
「来い!!」
炎は一歩たりとも動かない。
上から斧、下から刀が激しくぶつかり、鍔迫り合う――!!
「くッ――」
「うおお、おおおッ……!!」
炎の足元が地面にめり込み、無敵の城塞と化して桁違いの防御力を編み出していく。女賞金稼ぎの、メガリスを宿した右目が驚愕に見開かれた。
「切り崩せ……ない、だと――!?」
「あああッ!!」
叫び、斧を力任せに弾き上げる。
「きゃ――」
「――斬ッ……!!」
炎の両手が刃を返すと同時に、鮮やかなまでの血花が戦場に咲き乱れた。
成功
🔵🔵🔴
ネムネ・ロムネ(サポート)
『交渉を始めるのです』
『ん。ネムに任せるのですよ』
『んん。出てくるのがはえーですよ』
『うるせーです。知らねーです』
慈悲深く、困ってる人には手を差し伸べずには居られない性格です
オブリビオンに対しては容赦なく火器を振るいます
“交渉”や“説得”と称した武力制圧で敵を圧倒する事を好み、遠距離からの狙撃や中距離からの制圧射撃を軸に戦います
事前にロケーションを入念にチェックし、地形や建物を利用した戦闘で身体能力以上のパフォーマンスを発揮する戦略を得意としています(舞い上がる花弁を隠れ蓑にした狙撃や城の柱を崩落させて死角を生み出す戦術等)
ギャグ依頼も歓迎
恋人がいる為R18な事や他者との過度なスキンシップ禁止
「――そろそろ出番なのです?」
ネムネ・ロムネ(ホワイトワンダラー・f04456)が潜んでいるのは境内の周辺に茂る樹木の陰であった。敵はこちらの存在に気付いていない。銃器の安全装置を全解除。紳士的な“交渉”を始めるには都合のよいタイミングであろう。
他の猟兵との鍔迫り合いに敗れた女賞金稼ぎが血を噴いてよろめいたその瞬間を狙い、ガトリングガンによる多量の弾をばら撒きにかかった。
無論、遠慮など皆無で。
「な――!? いったいどこから、ッ」
驚いて振り返る敵の背後から、弾幕に巻き込まれた社の本殿が崩れ落ちる。慌てて逃げ出す背中へとネムネはだめ押しの追撃を行った。
「ハンタータイムがどうとか言ってたわりに無様ですね。それに、逃げても無駄なのですよ。あーあー、本日は晴天なり」
「くッ……」
ネムネが拡声器で警告すれば、その波長自体がレーダーとなって敵の居場所を教えてくれる。
「これは交渉なのです。とっとと改心して猟兵にやられるといーです」
「全力で攻撃しといてよく言うわ!!」
「やれやれ。交渉決裂ですか」
聞く耳を持たず、反対の手に持っていた予備のガトリングガンを突き付けた。
「ふん、もう弾の軌道は見切った――」
「と、思うですよね」
相手の注意が完全にスペアの銃器に向いた隙をついたネムネは可愛いにわとり型の防犯ストラップの仕掛けを発動。
「ぎゃ……!!」
風向きまで想定し、自身や他の猟兵たちを巻き込まないように発動した石化ガスが猛威を振るうさまを、ネムネは涼しげな顔で見届ける。
「人の話をきかねーからですよ。反省するのです」
成功
🔵🔵🔴
菱川・彌三八
傾いてやがんなァ構わねェがよ
云う事の小せェ奴ァ大成しねェやな
成ればヨ
お前ェさんの倒して来た奴らなんざ、大したこたァねえって事よ
筆は四、色は丹だな
千鳥の群れを旋風の様に、鰮の波の如くに操り、下から、上から、そして横から
そら、花が散る様だろ
ひと処に圧し固めた敵の怨霊は、千鳥で包んで捻り潰す
此処は桜の帝都だが、何時か見た癒しの様にゃあ行かねェや
ハナっからいかす気もねェがよ
次ァお前ェの番だぜ
攻撃は鉄入りの手甲で受けるか、斧の大振りなら間合いの外から千鳥をぶつける
怯んだら其の侭押し切るか、ぶん殴る
此奴ァ女の前に亡者よ
手応えがねェだけ俺のが損してら
消えたら其の秘宝っち云うのは残るのかね
面白そうじゃあねえか
――亡霊。
既にこの世には無き、怨念の残滓。負や陰に属するその者たちの不定形なる茫洋を断つのは真逆の艶やかな色彩い満ちた丹色の千鳥であった。
「鳥の群れ――!?」
羽ばたきの余波を堪えて踏みとどまる敵の前に、菱川・彌三八(彌栄・f12195)が片膝を付いて四本の筆を繰る姿が見える。
「手向けの花だと思ってくんな。何時か見た癒しの様にゃあ行かねェが、そら、花が散る様だろ」
亡霊たちを葬列へと誘うが如く、ありとあらゆる方向に泳ぎ回る群れの動きはまるで鰮の波を思わせる。
まさしく、艶技。
「傾いてやがんなァ構わねェがよ。云う事の小せェ奴ァ大成しねェやな」
「ちぃッ、すかしやがって……! アンタたち、もっと真剣にやんな!!」
丹の群れに囚われていた亡霊たちは、手に提げていた剣を、銃を構え、合唱のように嘆きの声を高めることでそれらを押し戻そうと抗った。
「チ、ぞっとしねェ唄を聞かせやがる」
銃弾を手甲で払い除け、彌三八は敢えて自分から距離を詰めた。
「ぶはッ――!?」
相手の遣り口は筆遣いのみと侮った女賞金稼ぎは、渾身の殴打をまともに食らって錐もみしながら地面を転がる。
「貴様ッ!!」
「お前ェは女の前に亡者よ。その証に、そら、まるで手応えってもんがありゃしねェ」
拳を解いた手を、彌三八はぶらぶらと振って見せた。むしろ損をしているのはこちらの方ではないか? と涼やかな眼差しが物語る。
主がやられたおかげで勢いを失った亡霊たちを丹の群れが圧倒し始めていた。故に、彌三八の言葉は証明される。
「この程度の奴らを従えたくれェで大見得切るなんざ、百年早かったナ。其の秘宝っち云うのが果たして残るのかどうか、試してみるとするかね?」
「このッ――」
敵が頭上へと斧を振りかぶったその隙をつき、間合いの外からなだれ込んだ群れが今度こそ致命的な打撃を与え、島の空に美しい花波を描いた。
大成功
🔵🔵🔵
司・千尋
連携、アドリブ可
折角出てきたのに悪いけど
さっさと退場してもらおうかな
俺も花見に参加したいんでね
常に周囲に気を配り敵の攻撃に備える
少しでも戦闘を有利に進められるよう意識
足元や背後等の死角、攻撃の隙をついたりフェイント等を駆使
確実に当てられるよう工夫
近接や投擲等の手持ちの武器も使いつつ『翠色冷光』で攻撃
弾道をある程度操作して追尾させ範囲内の敵を狙う
敵の攻撃は細かく分割した鳥威を複数展開し防ぐ
割れてもすぐ次を展開
間に合わない時は割れてる間に回避
手数が足りなければ近接武器も使い迎撃
どんなに強い攻撃でも当たらなければ意味がないからな
俺の間合いに入ったら撃ち落としてやるぜ
まさか逃げたりなんてしないよなぁ?
「が、あッ」
――美散する丹色の絵具の合間を縫うようにして、翠色の光弾が一斉に迸ったのはまさにその時であった。
「どこから――!?」
「油断大敵、って奴だな。背後がお留守だぜ、女賞金稼ぎさんよ」
光弾の照り返しを受けた司・千尋(ヤドリガミの人形遣い・f01891)の纏う飾り紐が俄かに揺れ、微かな衣擦れの音を立てる。
「人形遣い……!?」
千尋の繰る糸と人形に目を付けた敵の注意が逸れた。その隙を逃さず、投擲した黒刀が両肩を貫いて血しぶきを迸らせる。
「いかにも。だが、それだけだと思ってもらっちゃ困るな」
「小癪なッ――」
頭に血が上っている様子の女賞金稼ぎを相手取った千尋は糸を繰るのと同じ動作で光弾の軌道を調整。
「――今だ、いけ」
くんっと、着弾する直前に方向を変えた動きについていけなかった相手を四方から逃げ場なく、追い詰めて爆ぜる。
「よくも、やってくれたね……!?」
怒りに煌めくメガリスの発動光だ。しかし、それを読んでいた千尋は不敵な笑みさえ浮かべて告げた。
「逃げずに突っ込んできたことは褒めてやるよ。だけど、ここまで来て避けられるなんて思ってたりはしないよなぁ?」
「な――……ッ」
飛翔能力を得たことで、一直線に大地を蹴り弾丸よろしく飛び込んでしまった女賞金稼ぎはもはや“罠”にかかった獲物も同然であった。
そこには、細かく分割された鳥威が蜘蛛の巣のように複数設置されていたのだから。
「こんなもの――!!」
手当たり次第に斧でたたき割るも、次の盾が即時展開。
「無駄さ。相手が悪かったと諦めるんだな」
「ああァァあァ――!!!」
透明感のある音と共に引き抜いた小太刀を、千尋は軽やかに薙いだ。月光を思わせる剣閃が女の右目を断ち、轟く悲鳴と同時にメガリスの力が収縮してゆくのをその翡翠色の瞳で見届ける。
成功
🔵🔵🔴
パウル・ブラフマン
どもー!エイリアンツアーズでっす☆
愛機Glanzで乗り付け陽気に登場ッ♪
機動力UPご希望の方は後部座席へどーぞ!
てかもうクライマックスじゃね?
ならノッケからトバしてこ☆
UC発動―ココからはオレの海域だよ!
射程を3倍にしたKrakeを展開して
ヒット&アウェイ戦法でガンガン狙撃しまくっちゃうぞ♪
呪われた斧って強そーだし油断は禁物。
相手の冷静さを削ぐ為に煽っておくね。
そんなカワイイ間合いで宇宙のタコに勝てるつもり?
敵が距離を詰めてきたら
ここぞとばかりにコッチも特攻!
【ジャンプ】して空中から
義眼を狙って全砲門【一斉発射】ァ!!
アハッ☆隻眼オレとおそろ~!
もう潰しちゃうけど。
※アドリブ・絡み・同乗歓迎!
愛機Glanz――それはパウル・ブラフマン(Devilfish・f04694)が傍若無人に乗り回すイカれた性能の宇宙バイクであり、気心の知れた相棒でもある。
「どもー! エイリアンツアーズでっす☆」
南国ならではの灼けるような逆光を背に負い、エンジン音を派手に轟かせながら駆け付けたパウルはクラクションを鳴らしてクライマックスの到来を敵へと知らしめた。
「Hi! 随分と暴れてくれたみたいだね? けど、ココからはオレの海域だよ! ――Krake展開。3倍返しだ!」
「やれるもんならやってみなッ!!」
「――かかったね♪」
怒号と同時に、九つもの衝撃波がパウルへと襲いかかるも、くいッとバイクを斜めに倒してその真下をすり抜けて華麗にヒット&ウェイ。
「そんなカワイイ間合いで宇宙のタコに勝てるつもり?」
「このッ……!!」
わざと煽られているとも知らず、闇雲に斧を振り回す相手の射程外からパウルは触手を食虫花のように広げ、破竹の勢いで弾を撃ち込んでいった。
「ちィッ、撃ち合いじゃ不利か!」
女賞金稼ぎが前に出る。
パウルの唇にしてやったりの微笑が浮かんだ。エンジンを最大限にまで吹かし、岩場を利用して跳躍。
「――全砲門、一斉発射ァ!!」
「な――……ッ」
読まれていた。
愕然と見開く左目ではなく、そこを覆っていた右手ごと義眼が蜂の巣にされていく。快哉を上げたパウルの愛機が弧を描いて着地する間に、女賞金稼ぎは愕然と膝をつき、譫言のように繰り返した。
「ばかな、なぜ……アタシがこんな奴らに……?」
「アハッ☆ オレとおそろだね?」
自らの眼帯に隠された右目を指さし、パウルは底抜けに明るく言った。後ろから相手の頭に砲口を突き付けた格好で、無邪気な笑顔で。
「ま、もう潰しちゃうけど。それじゃ、さよーなら。イイ夢を♪」
大成功
🔵🔵🔵