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ろくでもない日もあるもんだ

#UDCアース

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#UDCアース


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●人生で一番ろくでもない日
 男は後悔していた。この一時間をやり直す機会が与えられるのだとしたら、きっと自分は何を犠牲にしたとしてもやり直すことを選択するだろう。
 原因は目の前のカカシだ。へのへのもへじと書かれた間抜けヅラからは想像できないほど凶悪なオーラを放っている。
 そのカカシは、表情の全く変わらない顔を男へ向ける。
 男は精一杯の勇気を振り絞ってその場から逃走した。だが、もう遅いのだ。カカシの足元に転がる他の犠牲者のように、男もまた一秒とかからず同じ末路を辿ることになるのだから。

●グリモアベースにて
「おーっす! あんた、よかったら手ぇ貸してくれないか?」
 そう声をかける、いかにも兵士であることを主張するような格好の青年、アーチャーの戦場傭兵であるジャック・ハミルトンは至って軽い口調であなたを呼び止めた。

「いやね、どうもUDCアースのとある都市でオブリビオンが復活したみたいでさ、そいつをフルボッコにするための人手を募集中な訳だ。」
 ふざけた顔面のカカシでさぁ。と彼は続ける。

「胡散臭い話を振りまいては集まってくる人間を殺して回ってる感じだ。当然、野放しにしとく理由はない。街が地獄に変わる前に、そのカカシはなんとしても地獄送りにしたい。
 そこで、協力していただける皆々様にはその胡散臭い話を調べ、阻止し、怒り心頭で出てくるであろう、ふざけた顔面のカカシをぶっ飛ばして来てほしい。」

 ただなぁ。と彼は疲れたように続ける。

「同日、同じ街でやってる展覧会に邪神が封印されてる絵画が展覧されるみたいなんだが、封印がぼろぼろでなぁ。見てるだけで精神持ってかれる代物なんだわ。幸い、すぐに邪神が復活するなんてことはないから安心してほしい。
 ただまあ、放置って訳にもなぁ? という訳でカカシをのす前の準備運動として、このおっかねぇ絵画の回収もよろしく頼みたい。」
 どんな偶然だよな。と彼は笑う。

「本当にろくでもない一日になりそうだが、まだ阻止できる範囲だ。現場までは俺が責任を持って送り届ける。どうか、無力な俺に力を貸してほしい。」
 彼はそう言ってからからと笑うのだった。


ザンザルバ
 ザンザルバです。よろしくお願いします。
 まずは絵画の調査になります。絵画の怪物は今回は何があっても復活しませんが、一般の人は長く見続けると些細なことで不幸のどん底に感じるくらいには影響を受けてしまいます。
 また、絵画にたどり着けば普通に買い取れるので強奪等の手段に打って出る必要はありません。資金は現地協力者の皆さんから経費として落ちますのでご安心を。
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第1章 冒険 『狂気の芸術』

POW   :    美術館などをとにかく巡り絵画展を特定する等

SPD   :    聞き込みや美術商の調査で絵画展を特定する等

WIZ   :    絵画の魔力を辿ったり美術知識で絵画展を特定する等

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🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

六六六・たかし
ついに現れたか悪魔の数字(デビルズナンバー)…
いつか来るであろうこの日を待ちわびていた…!
待っていろ…貴様たちはこの俺たかしが必ず封印してくれる…!

【SPD】
何?いきなりデビルズナンバーを倒しに行ってはいけないのか?
邪神が封印された絵画だと…?
デビルズナンバーの仕業か…!(多分違う)
まぁいい、乗りかかった船だ。
街の異物は全て俺が排除する。

周囲の人間の様子が変になっていれば気がつく人間もいるだろう
俺のスキル「言いくるめ」でそいつらから話を聞き出してみよう。
もしかしたら場所が特定出来るかもしれん。
どんな相手からだって話を引き出してみせる、なぜなら俺はたかしだから。



「ついに現れたか悪魔の数字(デビルズナンバー)……。
 いつか来るであろうこの日を待ちわびていた……! 待っていろ、貴様たちはこの俺たかしが必ず封印してくれる……!」

 そう街角で意気込むのは六六六・たかし(悪魔の数字・f04492)だ。しかしながら、いきなり戦闘になるわけでもなく、とりあえずは偶然にも同じ町で発生したという邪神の封印された絵画を探すという仕事の為、ついでだからということで街を捜索しに出てきた次第だ。

 六六六は街の様子を観察しながら歩いた。オフィス街に商店街に地下街と気の向くままに練り歩いてゆく。
 というのも、邪神の絵画を見ると一般の人は精神を病んでしまうようなのだ。そういった様子がおかしい人を探し出し、あるいはそんな人に心当たりがあるであろう人を見つけ、言いくるめて事情を聞き出そうという魂胆だ。もっとも心の状態の善し悪しの話である為、一目でわかるなどといったことはなく、話を聞く対象というのは、あくまで観察の上でおかしければといった条件が付く。

 そしてそんな条件に合致した人が一人。携帯電話を耳に当てている若い女性だ。遠目から観察しているとどうにも電話の相手がどういった理由かは分からないが随分と憔悴しているらしく、女性も見かねて駆け付けたいようではあるが、荷物の受け渡しがあるため離れられないようだった。
 と、くれば言いくるめの出番だ。女性に声をかけても警戒されにくく、かつ女性に利用価値があると思わせることが出来れば、多少の事情を話してもらえるかもしれない。ならば、この女性にとって、また自分にとって都合のいい人間になればいい。

「どうも、このビルの警備員のたかしというものだ。先ほどから随分と立て込んでいるようだがどうかしたのか?」

 つまり警備員だ。六六六は事情を聴いても不審に思われず、女性にとっては代わりに荷物を預かっていてもらえるかもしれない人間である。女性は、あたふたとしながらも事情の説明を始めた。

「あ、はい。えっと、友達が随分と怖い目にあったみたいで、電話越しにも様子がおかしいんです。直ぐに様子を見に行きたいんですが別の友達にこれを渡す約束してて、もう十分くらいっていうんですけど……。」

 友達が心配なのか、随分と慌てている女性をなだめながら話を整理していく。

「その友達は駅のほうの絵の展覧会に行った後、様子がおかしくなったのか。詳しい場所は分かるかな?タクシーを呼ぼう。」

「いえ、そこまでして頂く訳には……。それに、駅のほうってだけで詳しい場所は分かりませんし……。」

 前日に話を聞いた程度でのようで、駅のほうというざっくりとした位置のみしか聞いていないようだった。どこの駅かもわからない。しかし、展覧会に行って様子がおかしくなったのであれば、六六六が探している邪神の封印された絵画である可能性が高い。

「そうか、では荷物は責任をもってお預かりしよう。気を付けて行け。」

「すいません。ありがとうございます。」

 そう言って女性は走り去っていった。六六六の手にはやや重い紙袋が残されている。言いくるめたとは言え、引き受けた仕事は責任をもってこなす。
 待ち人が来る僅かな間、六六六は他にも情報を持っている人間がいるかもしれないと観察を再開するのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

乙雪・柚佳
とにかく町中を飛び回ってみよう!下手な直感も数撃ちゃ当たるってね!

UC使用でとにかく多くの美術館を回るよ、梟の羽を生やし足を蜘蛛に変形させてビルの隙間や狭い建物の中もスイスイだ!

まだ情報が足りないと思うけど、万が一発見した時は応援要請又は応援に向かうよ。



 乙雪・柚佳(シトロンスカイ・f01966)はユーベルコード、融放集中・蜘糸(スコープス・ヴェナトリア)で変化させた体で比喩でも何でもなくビルの隙間を飛び交っていた。それは短時間でできる限り多くの美術館や展覧会を回るために知恵を絞った結果ではあるが、異形の女の子が頭上をビュンビュン飛び交っている様はなかなかにシュールだ。今のところ変に注目を集めるでもなく、目的通りの時間短縮ができていることは幸いと言える。仮に注目を集めたとして、複雑に入り組んでいるビル街を直線的に移動している乙雪を捉えることは非常に難易度が高いだろう。下手に車で移動するよりは機動力があるのだ。
 とはいえ、その機動力を活かしても回れる美術館や展覧会の会場は多くはない。美術館はともかく展覧会の会場ともなれば小規模なものや古本屋の展示スペースなども合わせて把握しきれない程にあるのだ。ならば、とにかく多く回ってみるしかない。

 そんな事情でアクション映画の如くビルの谷間を飛び交っていた次第である。既に五箇所程の会場を回っており、このビル街外れの地区に残るはショッピングモール内で開かれている展覧会を残すのみだった。
 モール内のイベントスペースを借りて開催されているそれは近くの展覧会に比べると規模が大きく、それなりに人が集まっている様子。乙雪はすっと変身を解除すると弾むような足取りで展覧会の会場内に進んでいった。
 展示されている絵画はどうやら宗教画のようだった。絵画はどれも神話や聖書のワンシーンを彷彿とさせるものばかりだ。それなりに人だかりができている絵画もあるが……

「うーん、ここじゃないよね。」

 肝心の邪神が封印されているという絵画は置いていないようだった。様子がおかしい人も邪悪な気配もないのだからまだ展示されていない可能性も捨てていいだろう。それでも、何かないのかと会場をうろうろしていると一人のおばあさんが話しかけてきた。

「おやお嬢ちゃん。絵が好きなのかい?」

 見るからに優しそうな笑いじわのあるおばあさんだった。よほど絵画が好きなのか、いくつかの展覧会のパンフレットを紙袋に入れて手押しカバンに下げているようだった。

「こんにちわ、おばあさん! ちょっと探しものがあって、見て回っていたところだったんです! おばあさんも絵は好きなんですか?」

 パンフレットいっぱいありますね、と乙雪は無邪気に返す。

「なに、散歩がてらに見て回るのが楽しくなっちゃってねぇ。こんなところを見て回ってるなら探しものは絵なのかい? よかったらパンフレットをあげようか。一昨日から回っていたから、あちこちのを持ってるよ。」

 そう言っておばあさんは手押しカバンの蓋を開ける。中にはそれなりの量のパンフレットが入っているようだ。これを参考に探してみるのもいいかもしれない。
 乙雪はパンフレットを受け取ると元気よくお礼を言った。

「わあ! ありがとうございます! でも本当にもらっちゃってもいいんですか?」

「なに、持って帰っても捨てちゃうばかりだしねぇ。お嬢ちゃんの役に立つなら是非持っていっておくれ。」

「そうですか、本当にありがとうございます! 助かります!」

 乙雪は再度おばあさんに頭を下げるともらったパンフレットを両手で抱えながら勢いよく会場を後にした。流石に一抱えもあるパンフレットを持ちながら探すのは効率が悪い。乙雪は、もらったパンフレットを一度拠点に置きに戻ることにしたのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ロバート・ブレイズ
「絵画だったか。死骸を貪る鬼など在り来たりな類だが、違う物体の可能性も高い。偏見に満ちた人間は最悪へと墜ちるものだ。故に私は確実に。一個一個潰すのみ」
【SPD】
聞き込み開始
町中の人々に訊いて『怪しい人物』や『妙な噂』最近話題になった『絵画』などの情報を収集していこう。
更に『農村』『収穫』『殺人』『案山子』などをテーマにした『絵画』の有無も調べよう。口にするのを躊躇う人間が居た場合はコミュ力。
「真実に近付くには時々、残酷な精神が必要と成る」



「絵画だったか。死骸を貪る鬼など在り来たりな類だが、違う物体の可能性も高い。偏見に満ちた人間は最悪へと墜ちるものだ。故に私は確実に。一個一個潰すのみ。」

 そう街角で一人呟くのはロバート・ブレイズ(冒涜翁・f00135)だ。彼は到着するやいなや早々に聞き込みを開始した。
 対象は怪しい人物や奇妙な噂話、最近話題になった絵画のなど鮮度の高い情報を期待できるものばかりを中心に。
 結論から言うに、それは抜群の成果を発揮した。怪しい人物の目撃情報、奇妙な噂話、最近話題になった絵画まで。普段ならば積極的に話題にはならないであろうテーマではあるが、街の異変を理解はできなくとも感じるものがあるのだろう。彼らは彼らなりの警戒心を持って情報を集めていたのだ。
 加えてブレイズ自身の情報収集能力の高さ。聞き込み対象の選別から得られた情報の整理、それらを元に話題を作成し更に深いところまで話を広げていく技量は例え本業の探偵といえども容易に真似できるものではないだろう。
 そうして集めた荒唐無稽で曖昧模糊な真実の原石を、より価値のある宝石へと加工していく。

 一つ、怪しい人物の目撃情報。服装、年齢、性別にばらつきがあるが共通項としてその誰もが尋常ではない鬼気迫った様子だという。駅より西にある中央公園と呼ばれる広場を中心に多く目撃されているようだ。
 二つ、奇妙な噂話。友人や知人が突如消息を断ってしまったというもの。共通項としては誰もが金に困っていたという。
 三つ、話題になっている絵画について。話題の殆どが美術館に収められている有名画家のものではあったが気になる話がいくつか。どうやら美術商の男がこの街で自殺しているらしい。ニュースで僅かに取り上げられたそうだ。宗教画を専門に扱っている人物だったのだとか。

「情報の提供感謝する。」

 ブレイズは最後に聞き込みを行った男性に礼を述べるとその場を後にする。結局絵画に関して事前に考察していたキーワードに接触するような情報こそ得られなかったが聞き出せた情報は十分に考慮すべきものだと判断する。

「真実に近付くには時々、残酷な精神が必要と成る。」

 果たしてそれは誰に対しての言葉だったのか。ブレイズは人混みに紛れるように街に消えていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

苧環・つづら
碌でもない……本当にそうかしら。
猟兵とすれば一度で阻止と排除は一石二鳥。
……アタシのホームだもの、此処(UDCアース)は。

他の猟兵の皆さんが集めた絵画の重要情報を突き合わせ。
解析絡みならアナタよセゼン、(オルタナティブ・ダブルで)協力して。
二馬力でいくわ。タブレット担当宜しくね、情報の海を浚って頂戴。
パンフレットの記載、会場は駅の近く、自殺した美術商、宗教画……
え、「当該美術商の最終関連絵画が濃厚との認識か?」
そうね、一番怪しいのはそこだけど……念の為十件位は遡ってみましょ。
心が壊れながらも仕事を全うしたのかもしれないし……

不審人物と行方不明はカカシさん方面かしら。余力があればこちらもね。



「碌でもない……本当にそうかしら。」

 苧環・つづら(残響にて紡ぐ円環・f06155)は一人思考を巡らせていた。そも価値観など立場によって変わるもの。一般的に考えておおよそろくでもない状況だったとしても苧環は猟兵という立場の人間だ。一度で阻止と排除が出来るこの仕事はそう悪い仕事でもない。
 自身の思考にそう結論を出すと苧環は情報の整理に着手した。既に複数名の猟兵によってある程度の情報が集められている。ならばその集められた情報を解析し整理することで見えてくるものもあるだろう。

「解析がらみならアナタよセゼン、協力して。」

 ユーベルコード、オルタナティブ・ダブルを使い自身の中の人格に体を与える。セゼンと呼ばれた自身の分身は最初から分かっているとでもいうように用意されている資料に目を通していく。セゼンは情報の解析が得意分野なのだろう。すぐに情報の整理を終えた。

「当該美術商の最終関連絵画が濃厚との認識か?」

「そうね、一番怪しいのはそこだけど……、念の為十件くらいはさかのぼってみましょ。心が壊れながらも仕事を全うしたのかもしれないし……。」

 分身であるセゼンと苧環は短時間で方針をまとめた。自殺したという美術商。その間近十件ほどの仕事内容を足とタブレットを使い洗い出していく。そうすると、どうやら一つ前の展覧会後から様子がおかしくなっていったことが分かった。元より短気で気分屋ではあったようだが、ある日を境に正しく人が変わったかのようであったとか。
 そしてその美術商が企画した最後の展覧会が現在進行形で開催されているらしい。美術商本人は企画のみで会場の準備手配等は遺族が行ったものであるようだ。大方、遺品整理も兼ねているのであろう。そしてそんな展覧会が開かれている会場は、駅の西側の中央公園の外れ。アートオフィスというビルの三階で開かれているらしい。

「ありがとね、セゼン。」

 苧環はそうセゼンに礼を告げるとオルタナティブ・ダブルを解除した。溶けるように、あるいは解れる様に消えていく分身を見送ると情報を共有すべく苧環は一度拠点に顔を出しに向かうのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

虚偽・うつろぎ
駅の方の展覧会、アートオフィスの三階で開催中の件の展覧会ね
皆の集めた情報通り、実際にここに行って確かめようか
さて何が出るかな、どんな絵画かとても興味深いね

展覧会では
カカシに関する絵画、観客の様子がおかしい絵画、雰囲気が異様な絵画
それらに注意して探してみるよ

発見後は購入のための交渉
それらしい絵画が複数あった場合は念のためそれら全てを買い取りで

言い値で買い取りましょう



「駅の方の展覧会、アートオフィスの三階で開催中の件の展覧会ね。皆の集めた情報通り、実際にここに行って確かめようかさて何が出るかな。どんな絵画かとても興味深いね」

 そう呟いた虚偽・うつろぎ(名状しやすきもの・f01139)は他猟兵の集めた情報を元に、アートオフィスに訪れていた。このビルの三階で行われている展覧会で出品されている絵画が、問題の絵画で有る可能性が高い。

 あたりを少し見まわす。来客の数自体は左程多くはないようだが、その誰もが思いつめたように下を向いていた。これは明らかに件の絵画の影響だろうと断定する。
 虚偽はするすると異様な空気を漂わせるビルに入ると、帰るのであろう客と入れ違いになる様にエレベーターに体を滑り込ませ、この目的の展覧会の会場に向かうため三階のボタンを押す。
 ゴウン、と古いエレベーターが動き出す。少しの静寂と埃っぽい匂い。薄暗いエレベータの中は異様な空気も相まってこのまま地獄にでも連れていかれそうな雰囲気だ。
 程なくしてエレベータが重苦しい音を立てて停止する。ゆっくりと扉が開いたのを見届けると展覧会の会場に足を踏み入れた。

 会場の光景を一言で語るならそれは寂しいである。来客が少ないのもあるのだろうが、それ以上にこの会場からは主催者の工夫や努力の痕跡を一切感じない。正しく絵が掛けてあるだけの、展覧会というよりは展示会とでもいうべきか。
 それに輪をかけているのがこの異様な空気だ。いや、それは既に正しくない。会場に踏み込んだ時点で異様さは息遣いの様な不快な気配に様変わりしたのだから。猟兵だからこそより強く不快に感じるのであろう敵の香り。この場所に件の絵画があるのは間違いないようだった。

 虚偽は、会場の中へと歩を進めた。迷うことはない。これだけ強い気配なのだ、もはや迷うほうがどうかしていた。そうして一つの絵の前で立ち止まった。周囲には誰もいない。いや、誰も近寄ろうとしないと言うべきか。誰もがこの絵の異質さを肌で感じているようだった。
 改めて絵画に目を向ける。一見それは落書きの様だった。黒や赤を主体に描かれたそれは朧げに人型を認識できる程度の抽象的な絵。唯一特徴といえるものは目がはっきりと描かれている事だろうか。タイトルは塗りつぶされていて見ることが出来ない。普通であれば気にも留めないような絵画。異常な点は、見られていると強く感じること。
 この絵画で間違いないだろうと虚偽は確信した。一応他の絵画にも目を向けるがおかしな点は見つからない。恐らくはこの絵一点だけなのだろう。虚偽のフォントが、恐らくはニヤリと歪む。そして一番近くのスタッフに声をかけると虚偽はこう告げた。

「言い値で買い取りましょう。」

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 冒険 『みんなー!100万円が欲しいかー!?』

POW   :    100万円が欲しいフリをして謎の会合に紛れ込む

SPD   :    足を使った聴き込みで人々から情報を集める

WIZ   :    ネットを駆使して企業実態や社長の身辺調査にあたる

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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 男はぼりぼりと頭をかいた。

 どうにも思考が晴れない。悪寒がぬぐえない。あの絵を見てからというもの今までの自分の行いすべてがフラッシュバックし後悔だけが心の内で暴れまわる。

「……うぅ。」

 そも気晴らしに外出したのが間違いだったのだ。今は気分転換にと自分を家からたたき出した友人すら憎く思えてならない。そも、自分はなぜこんなに何もかもを後悔しているのだろうか?
 思い返すが浮かんでは消えるそれらは全て些細なことだ。些細なことのはずなのに、人生全てを失敗したと断じてしまうほどその男は憔悴していた。

 ああ、だがこの男が本当についていないのはこれからだった。まっすぐ帰れば今日は気分が悪かったで終わったのだ。憂さ晴らしに好きなギャンブルに挑んだとしても有り金をすった程度で終わったのだ。だが残念ながら男は見つけてしまったのだ。この町で起きているもう一つの厄介ごと。胡散臭い地獄への片道切符。だがそんなことはかけらも知りもしないその男は、胡散臭い広告を片手に人生の再起を誓うのだった。
苧環・つづら
絵画はもう大丈夫、なら本番のカカシさん側かしら。

お金の悩みが行方不明者の共通点、オブリビオンは胡散臭い話で釣る……
だとしたら、労せず大金を得るとか簡単なお金儲けとかその辺よね。
まあ、UDCアースじゃ確かにお金は必要なのだけど実生活上。

苦悩につけ込む謳い文句、条件不問、会場は今日のこの街か周辺……
胡散臭さの強めな広告やサイト、掲示板に絞って情報収集してみましょ。
あの中央公園の中で周囲の様子を観察しながらタブレット操作。
絵画の影響が残ってる人もまだいるかもしれないし、
気持ちが沈むと変な話にも引っ掛かってしまいがちだから、ね……。



苧環・つづら(残響にて紡ぐ円環・f06155)が公園に差し掛かった時、件の絵画が回収されたという連絡が入ってきた。

「絵画はもう大丈夫、なら本番のカカシさん側かしら。」

 そう呟くと苧環はタブレットから顔を上げる。どうやら前哨戦は終わったようだ。次は正真正銘、今回の事件のキモとなるカカシがらみの案件だ。本丸はどうやら胡散臭い儲け話を餌に犠牲者を集めているらしい。昨今胡散臭い儲け話など星の数ほどあるが、労せず大金が、または簡単にお金儲けといったあたりがキーワードになってくるだろうか。釣られてしまう人もどうかと思うが、ことUDCアースじゃ確かにお金は必要なのだけど、と多少の共感を抱く。

 ともかく探す儲け話の条件を絞っていく。苦悩につけ込む謳い文句や、詳細な条件が一切提示されていないもの、さらに会場はこの町で有れば好ましい。そういった胡散臭いものをネットの広告や掲示板を流し読みにしながら探していく。
 また、時折顔を上げては周囲を観察する。苧環はまだ中央公園から動いてはいないのだ。絵画が発見されてから時間がたっている訳でもない為、絵画の影響を受けた人がまだいる可能性があった。気持ちが沈むと変な話にも引っ掛かってしまいがちだからと、もののついでに観察していく。
 そうして忙しなく目を動かしていると、どマイナーな掲示板でいくつか気になる投稿を発見した。

【●月●●日10時】
お金に困ってはいませんか?
困っているならばすぐに100万円をご用意いたしましょう!
さらに、条件次第でもう100万円があなたのものに!
今すぐあなたもレッツチャレンジ!

 内容や文章に若干のばらつきがあるものの、おおよそ同じ投稿がちらほら。どの投稿もここ最近のものばかりで、続けて読み進めていくと数は少ないものの釣られてしまった人もいるようだった。最高に胡散臭いが、引っかかる者の心境としては藁をも掴むだろうか。発言からは余裕のなさがうかがえるものばかりだった。
 ともかく投稿に書かれている集合場所を控えて協力者たちに送信していく。もう既に幾つかの投稿で指定されていた時刻は過ぎてしまっているものもあったがまだ、集合場所に間に合いそうなものもある。行ってみるのも一つの手かもしれない。
 または掲示板で発言してみるのもいいかもしれない。投稿者が返答してくれば得られるものもあるだろう。

 メールを送信し終わった苧環は、再び公園の人々に視線を向けると次の一手について考えを巡らせるのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​


※トミーウォーカーからのお知らせ
 ここからはトミーウォーカーの「一本三三七」が代筆します。完成までハイペースで執筆しますので、どうぞご参加をお願いします!
ギャレット・ディマージオ(サポート)
『あの攻撃……まともに喰らえば一たまりもないな』
『流石にやるな。だが、まだだ!』

●性格
ダークセイヴァー出身の冷静沈着な黒騎士です。
かつてオブリビオンに滅ぼされた都市で自分一人だけ生き残ってしまった過去を悔いています。
人々を守り、被害を防止することを重視して行動します。

●冒険・日常
適切に事態の解決を試みようとします。
いつも鎧兜です。

●戦闘
防御的なユーベルコードを主に使います。
・敵の攻撃から他の猟兵や一般人を守る(ついでに敵の強さを解説)
・敵の攻撃を凌ぎ、他の猟兵のチャンスを作る
・敵の攻撃を回避してカウンター
等の行動を取らせてください。
メイン武器は「黒剣」です。

以上、よろしくお願い致します。


琥珀川・れに(サポート)
※人数が間に合ってるなら流してくれてかまわないよ


僕のことは気さくにレニーと呼んでくれ

ダンピール貴族
いかにも王子様っぽければねつ造歓迎さ
紳士的ジョークやいたずらも好きかな

敵も味方も性別か見た目が女性ならとりあえず一言は口説きたいね
ナンパではなくあくまで紳士的にだよ?

実は男装女子で
隠しはしないが男風源氏名レニーで通している
その方がかっこいいからね

戦闘スタイルは
・剣で紳士らしくスマートに
・自らの血を操作して体を変化させパワフル
のどちらの場合も
おいしくて面白くて効果的な戦いができれば嬉しいよ

説得系は
キラキライケメンオーラやコミュ力で口説こう
相手を照れさせてみせよう


花咲・桜華(サポート)
人狼の王子様 × サウンドソルジャー
アドリブ共演可

<キャラ概要>
感情豊かな男の娘(成人済)
皆を笑顔にするためにアイドルをしている
感情豊かで敵にも同情することはあるが、油断しない集中力を持つ
潜入などの場合は耳と尻尾はしまっている

<戦闘関連>
ナイフとワイヤーフックを使って、SPDを活かす。
ヒット&アウェイを主体に、回避重視で奇跡の破壊者(光、鎖、雷でUC封印)やHot Blood(歌で見える範囲の相手を魅了攻撃)
保護対象がいるなら必死に守るよ!

<交流関連>
アイドルをやっているから歌やダンス、あとベースもできるよ
ロックも童謡も、激しくも優しくも歌えるんだ
老若男女問わず、皆を笑顔にするために頑張るよ!



 つづらから、怪しい集会が開かれる場所のメールを受け取った猟兵達は、最も開催時間が近い、都内の公園へと向かう。
 怪しい集会は、場所と時間ごとに年齢や性別といった対象を絞って、それに相応しい勧誘方法をとっていた。
 この都内の公園に集められたのは、フリーターから老年までの女性達。
 既に、遊興費や生活費や子育て費用に老後の心配など、様々な理由でお金に困った女性が集まっている。

 最初に公園に到着したギャレット・ディマージオ(人間の黒騎士・f02429)は、後に続く仲間の為に、公園内部の見取り図や、公園の周囲の道路状況などの情報を足を使って調査した。
 漆黒の鎧兜のギャレットは、UDCの人々から見れば、黒服のヤクザのような、やべぇ人に見えるらしく、彼が近づけば、誰者がそそそと離れていく為、その調査は思ったよりも捗った。

 一渉り調査を終えたギャレットは、続いて到着した、琥珀川・れに(男装の麗少女 レニー・f00693)に、情報を伝える。

「私の調査によれば、公園中央の高台で見張る事で、IT企業の社長なり、デビルズナンバーなりが近づくのを視認できる筈だ」
 ギャレットの報告を聞いたれには、気さくにギャレットの労を労った。

「ご苦労だったね。君が女性ならば、その労を労う為に、甘い言葉を囁くことを躊躇わなかったろう」
 キラキラの笑顔でれには、その兜の下が美女というお約束はあるのかな? とギャレットに問いかける。

「琥珀川、私には、君が何を言っているか理解できないのだが?」
 ギャレットが、珍妙な顔でれにに問い返したが、れには、
「僕のことは気さくにレニーと呼んでくれ」
 と輝く笑顔で応えるだけだった。

「……と言う事で、俺は、あの高台で、警戒を続けよう。琥珀川は、後続の猟兵と協力して、集まったお金に困った人々の対処を頼む」
「レニーと呼んでくれても良いのに……」
 れには残念そうに呟いたが、ギャレットの提案は適材適所であったので、その指示に従った。

「お嬢さん? なにか困りごとがあるのかな? こんな怪しいメールになど頼らず、この僕に話してみるのはどうだろう」
「レディ、あなたの隣に座する栄誉を僕に与えてくれないかな? ありがとう、あなたのような素敵な淑女と同席できるのは光栄だな。ご夫君に嫉妬されたとしても、本望だよ」
「おばあさん、お荷物お持ちしましょうか? あやしいものではありません。あなたのような方が、このような重荷を背負われているのを、僕が我慢できないだけなのです」
 レニは、公園を巡って、集まったお金に困った女性達に次々に声をかけて、女性達を誘惑しつつ、集会の場所から避難させていく。

 避難させる先は、公園の反対側に設営された、ステージだ。
 そこでは、花咲・桜華(桃色王子様・f04874)が、ステージの準備と整えて待っていた。
 1036プロダクション所属のアイドルである桜華の即席ステージ。
 お金に困って集まった女性であっても、このひと時の夢の誘惑には敵わないだろう。
 一人、また一人と、即席ステージ前に集まる女性達。

「ボクの本気を見せてあげるよ!!」
 桜華は気合を入れてマイクを握る。
 彼が女性達を魅了する事ができれば、それだけ女性達を危険から遠ざける事が出来るし、オブリビオンに馬脚を現せる事が出来るのだ。
 これで、気合が入らないのならば、アイドルでは無い。

「それじゃ、一曲目! ホットブラッドっ!」
 ステージに設置されたスピーカーから、アイドルらしい軽快な音楽が流れ、そこに、桜華の甘い声が重なった。

『Stop watch with cold eyes. You can't start without looking ahead』
 思いを込めた桜華の声が高く低く響き、集まった女性達のハートをズキュンズキュンと攻撃して、撃沈していく。
 いつしか女性達は、お金の心配を忘れ、れにからプレゼントされたハンカチーフを、頭の上で振り回し、熱狂的に桜華コールを繰り広げた。

 これにより、当然ながら、
「IT社長と思われる人物の接近を確認、至急対処せよ」
 警戒に当たっていたギャレットが、敵の発見を報告した時には、集会の場所には誰一人、残ってはいなかった。

「これは、どういうことじゃね?」
 謎のIT企業の不気味な社長は、人っ子一人いない周回場所で目を白黒させている。

 この社長を問いただせば、黒幕たるデビルナンバーの情報を得る事が出来るだろう。
 さっそく、一人の猟兵が、不気味な社長へと近づいた……。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

鞠丘・麻陽
■方針
・同行者:鞠丘 月麻(f13599)/双子の妹
・【POW】使用
・アド/絡◎

■行動
まあ、お金は必要だと思うし、惹かれるのも解らなくはないんだけど。
どう見ても怪しいと思うんだよ?

「会合の情報」は貰えてるみたいだから、まだ「時間に余裕のある会合」の場所を選んで早めに行っておくんだよ。
気の急いている人の中には、同じく早めに来ている人が居ると思うし、その中には下調べした人もいると思うから、時間までに探して話を聞いてみるんだよ。

私達が「お金が居る理由」を聞かれたら「答えなきゃダメ?」って上目遣いで誤魔化すけど、それでも聞かれたら「両親が借金して、怪しい御店に入れられそうになってる」ことにするんだよ。



 無人の集会所で、目を白黒させる不気味な社長の後ろから声をかけたのは、鞠丘・麻陽(豊饒の使徒・陽・f13598)だった。
 振り向いた不気味な社長は、それまでの不機嫌を投げ捨て、麻陽の豊満なお胸様に目をくぎ付けにすると、脂下がった声で、声をかける。
「やぁ、チミはお金に困っているのかな? 今なら、この100万円が無料で手に入るよ!」
 懐から100万円の札束を取り出した社長は、その札束を、麻陽のお胸様の谷間に挟めて見たいという欲望を隠しもせずに、ひらひらさせて鼻息を荒くする。

 麻陽は、
「答えなきゃダメぇ?」
 と甘えた声をあげつつ、用意していた作り話を語って聞かせた。
「実はぁ、両親が借金をしてぇ、怪しい御店にぃ売られそうにになってるんだよう」
 その麻陽の答えに、「うらやまけしからん!」と、不気味な社長はエキサイト。

「お嬢さんが、そんなお店に入る必要は無い! この100万円はチミのものだ! それに、これから先も、おじさんが幾らでもチミにお小遣いをあげよう。チミは、おじさんだけを癒してくれればいいのだよぉーー」
 不気味な社長は、鼻の穴を膨らませて、麻陽に迫ってくる。
 麻陽は、
「えー、そんなー」
 と嫌がるそぶりを見せながら、
「でも、おじさんは、どうして、そんなにお金持ちなの?」
 と、問いかけて誘導尋問を試みる。
 麻陽の魅力に、すっかり腑抜けになった不気味な社長に、この誘導尋問を回避する事は不可能であった……。

「実はおじさんは、デビルナンバーの使徒なんだよ。デビルナンバー様は、とっても強い邪神でね、お金だってガッポガッポ。そうだ、チミにも、デビルナンバー様の力を見せてあげよう! おいでませ、四六七『デビルズナンバーかかし』様ぁ」

 不気味な社長の召喚の合図と同時に、公園の山の上から、ギャレットの「オブリビオンの召喚を確認、注意するんだ!」という声も聞こえてくる。

「ありがとう、おじさん。助かったんだよ」
 麻陽は、せっかくだからと100万円の札束を受け取ると、チャイナドレスのスリットから、華麗なおみ足を閃かせつつ、不気味な社長を廻し蹴りして、その意識を刈り取った。

 その社長が倒れるのとほぼ同時に、四六七『デビルズナンバーかかし』の実体化が完了する。
 戦いの時は、すぐそこまで迫ってきていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『四六七『デビルズナンバーかかし』』

POW   :    悪魔の変身(デビルバリエーション)
【巨大デビルかかし】に変化し、超攻撃力と超耐久力を得る。ただし理性を失い、速く動く物を無差別攻撃し続ける。
SPD   :    悪魔の竜巻(デビルトルネード)
【鋤】による素早い一撃を放つ。また、【高速回転により宙に浮く】等で身軽になれば、更に加速する。
WIZ   :    悪魔の案山子(デビルスケアクロウ)
戦場で死亡あるいは気絶中の対象を【かかし】に変えて操る。戦闘力は落ちる。24時間後解除される。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は六六六・たかしです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

火土金水・明
「今回の邪神は案山子ですか。そういえば、そろそろ稲刈りの時期ですね。」「そっちの案山子は田んぼの平和を守ってくれる良いものなのですが。」
【WIZ】で攻撃です。
【先制攻撃】で【高速詠唱】した【属性攻撃】の【全力魔法】の【破魔】属性の【フレイムランス】で『四六七『デビルズナンバーかかし』』を【フェイント】を掛けつつ【範囲攻撃】でどこに動いても狙えるようにして【2回攻撃】します。相手の攻撃に関しては【残像】【オーラ防御】で、ダメージの軽減を試みます。
「残念ながら、邪神は『骸の海』へ帰ってください。」「この世界に、あなたの居場所はありませんので。」
アドリブや他の方との絡み等は、お任せします。



 苧環・つづらからのメールを受けた火土金水・明(人間のウィザード・f01561)が、戦場に到着したのは、丁度、麻陽が不気味な社長を蹴り倒した直後で会った。
 明の目の前で出現した邪神、四六七『デビルズナンバーかかし』は、キョロキョロと周囲を確認した後、駆け付けてきた明を敵と認識して、へのへのな眼を向けると、クワを手にした巨大な手を振り上げた。

 おそろしげに威嚇する、デビルナンバーかかしの姿に、しかし明は……、
「今回の邪神は案山子ですか。そういえば、そろそろ稲刈りの時期ですね」
 古き日本の美を感じ取っていた。
 もし、このデビルナンバーが普通のかかしであったならば、日本の田園風景に、良く似合っていただろう。

「バカニスルナ!! イクゾッ、デビィールゥゥスケアクロー」
 その明の心の声を感じたのか、デビルナンバーかかしは、怒りと共に魔力を爆発させる。
 その爆発した魔力を、麻陽の蹴りで気絶していた不気味な社長が、膨らませた鼻の穴から吸い込み……、
「チミモ、ヨイムネモッテルネィ、ワシとイイコトシナイっ!」
 不気味社長かかしとして復活して、明に襲いかかった。
「イイコトシテクレタラ、100マンエン、アゲルヨー!!」

「まったく、案山子は田んぼの平和を守っていればいいものを。エロかかしさんに、天誅!」
 明は、襲い掛かってきた不気味な社長かかしの機先を制して、七色の杖を掲げると、255発の炎の矢を放って焼き尽くしてみせる……。
 しかし、明が不気味な社長かかしを攻撃した隙に、デビルナンバーかかしが、クワを振り上げて、明を耕そうと振り下ろした!

 憐れ、明は、無惨にも耕されて畑の肥やしに……は、ならなかった。

「それ、残像なのよね?」
 クワの攻撃と共に掻き消えた残像にたたらを踏んだデビルナンバーかかしに、明の再びのフレイムランスが襲い掛かる。

 その炎の一撃は、決戦の開始を告げる嚆矢となったのだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ジャスティス・ボトムズ
こいつが敵か。
カカシのクセして十分過ぎるほど邪悪なことしてきたようだな。

見た目からじゃ何してくるかわからねえ。
だったらやることは一つだろ。
全力で叩き斬る!

敵を倒すという強い意志を持ってUCでパワーマックスになるぜ。
そのまま力任せに敵を叩き斬るぜ!

悪さするヤツがいるなら、誰かが正しいことしないとバランスわるいだろ?
俺は自分の正義を貫かせてもらう。
俺の正義は敵を容赦なくぶっ倒すことだ。

全力で暴れるぜ!


紗咲・亜闇
※アドリブ・連携歓迎
前哨戦丸々すっぽかして悪いけど、オブリビオンが復活したって言うんなら関係ない!ぶっ潰してやる!
巨大デビルカカシになろうと私の【誘導弾】の特性を持ったヨーヨーの精密動作なら理性を失った単純な動きなんて簡単に捉えられる。
超耐久力だって【鎧砕き】ができる私のヨーヨーの威力なら突破できるはずだ。かかしの一本足を【なぎ払い】倒してそのまま【部位破壊】して立てなくしてやるよ。お前が悪魔だって言うんなら【破魔】の力できっちりトドメを刺して終わらせる!
ま、仮にトドメまで行かなくても機動力を下げてダメージを与えることに成功できてれば他の猟兵が有利に立ち回れるだろうさ。



「チッ、もう始まってるのか!」
 明のフレイムランスの爆発を感じて、紗咲・亜闇(相克のスケバン・f21822)は、走る速度をあげる。
 今時珍しい、踝まであるロングのセーラ服のスカートを翻して疾走する亜闇。
 その後ろから、全身を黄金のオーラで覆った、ジャスティス・ボトムズ(裏切りの正義・f22965)が、ヒーロマントを翻して、目にも止まらす速度で飛行し、
「悪いが、先に行くぜ!」
 亜闇を追い抜いて公園へと突入した。

「こいつが敵か」
 公園に突入したジャスティスは、炎に包まれるデビルナンバーかかしを視認すると、黄金のオーラと共に突撃する。
「見た目はへのへのだが、油断はしねぇぜ。全力で叩き斬る!」
 ジャスティスは、正義を執行する彼の剣を大上段に構えると、その速度と重さを遺憾なく発揮した強烈な一撃を、デビルナンバーかかしへと叩きこむ。
 デビルナンバーかかしも、太い丸太のような下半身を踏ん張って、その攻撃に耐えようとするが、敵を倒すというジャスティスの強い意志が勝ったのか、ドォゥと言う轟音と共に、地面に叩きつけられた。

「オノレェェェ」
 地に伏したデビルナンバーかかしは、怒りの咆哮をあげて、ジャスティスに向かった立ち上がる。
 その怒りのオーラのせいなのか、デビルナンバーかかしの姿が倒れた時よりも大きく見えた……。

「いや見間違いじゃねぇ、こいつ、巨大化しやがったぜっ!」
 みるみる巨大化し10mにもなったデビルナンバーかかし。
 だが、ジャスティスの戦意は衰えない。
「どうやら、一筋なわではいかないみたいだが、俺は自分の正義を貫かせてもらう!」
 ジャッジメントブレードを構えて、巨大化したデビルナンバーかかしを迎え撃った。

 しかし、大きさはパワー。
 力任せのジャスティスの戦い方は、巨大化した敵と相性が悪く、パワー負けしたジャスティスに、巨大デビルナンバーかかしの巨大クワが襲い掛かり、その体を耕そうと振り下ろされる……。

 しかし、その巨大クワは、後方から放たれたヨーヨーによって絡めとられ、ジャスティスから大きく外れて地面を耕してしまった。

「やっと追いついたかっ!」
 飛行するジャスティスに追い抜かれた亜闇が、ここで、公園に到着したのだ。
「巨大化してパワーは増しているようだが、そんな大ぶりの攻撃が、私に効くと思ったか?」
 亜闇は、光の神から授かったという輝くヨーヨーを精密に誘導し、巨大化したデビルナンバーかかしを翻弄。攻撃を行なおうとする動きの『起こり』を的確に潰して、完封してみせた。
 なんとか、亜闇のヨーヨーの攻撃から逃れようと力任せにクワを振るうデビルナンバーかかしだったが、亜闇の前では、全て無駄な努力となる。

「光のヨーヨーの精密動作があれば、単純な動きなんて簡単に捉えられるのさ」
 更にこのヨーヨーは、見かけによらぬ威力を持つ為、高耐久の巨大化デビルナンバーかかしであっても、無視できないダメージを与え続けていた。

「さて、そろそろ止めと行くか。そこのお前、私に合わせな!」
 亜闇は、その場に居たジャスティスに声をかけると、光のヨーヨーをあやとりでもするように精密に操ると、デビルナンバーかかしの一本足を絡めとり薙ぎ払い、動きを封じる。

 この好機にジャスティスは、ジャッジメントブレードを大上段に構えてデビルナンバーかかしの頭上まで飛び上がると、全力全壊の力でもって、振り下ろした。
 圧倒的な力による一撃により、巨大化デビルナンバーかかしは、へのへのな頭部に被さった麦わら帽子から、とげとげの丸太のような脚部まで、一刀両断に切り倒され、
「俺の正義は敵を容赦なくぶっ倒すことだ!」
 ジャスティスの言葉と共に、土煙をあげながら崩れ去っていった。

「やったか!」
 確かな手ごたえを感じて、亜闇がそう確認するが……。

 土煙がおさまった時、そこには、元の大きさに戻り満身創痍の状態ながらも、まだ滅びていない、邪神デビルナンバーかかしの姿があった。

「フラグだったか……」
 亜闇は、一瞬前の自分の発言を公開したが、後一歩まで追い詰めているのは間違いない。

 デビルナンバーかかしとの戦いは、最終段階へと至ろうとしていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

秋月・信子
・POW
カカシ…確かにカカシ、ですね
本当にカカシなら…藁で作られた体に銃弾を撃ち込んでもそんなにダメージを与えられそうないですから…ここは【紅蓮の魔弾】で燃やしてみます
まずは関節部分を狙い撃ち、燃え尽きるまでの間は回避行動に専念して【時間稼ぎ】をします
そして燃え残って脆くなった部分を炸裂の魔弾で【吹き飛ばし】【部位破壊】を試してみます
それを繰り返して身動きが取れなくなった所を【紅蓮の魔弾】で集中攻撃し、燃やし切ってみせます



 土煙の中から現れた、満身創痍のデビルナンバーかかし。
 体力は僅かしか残されていなかったが、それでも、邪神の一柱としての矜持であろうか、目の前の敵を道連れに滅びようと、襲い掛かってくる。

 と、そこに、公園の小山から一発の銃声が響いた。
 戦場を俯瞰する絶好の狙撃ポイントに位置どった、秋月・信子(魔弾の射手・f00732)の、ボルトアクションライフルから放たれた弾丸が、デビルナンバーかかしの頭を、麦わら帽子ごと吹き飛ばしたのだ。
(なお、山の上に陣取っていた黒っぽい猟兵は、信子の邪魔になるからと、今は、山を下りて公園のベンチに座っている)

 更に続けて放たれた信子の弾丸は、亜闇とジャスティスに襲い掛かろうとしていたデビルナンバーかかしの周囲を囲むように着弾し、その動きを停止させた。

「本当にカカシなら……藁で作られた体に銃弾を撃ち込んでもそんなにダメージを与えられそうないですね……」
 デビルナンバーかかしの動きが封じられたのを確認した信子は、ガチャンと薬莢の排出をすると、

『――形象、開始。 ――魔弾、装填。――セット』

 焔の魔力を持つ弾丸を装填し……、

『ファイア!』

 必殺の威力と共に撃ち放った。

 信子の放った紅蓮の魔弾は、デビルナンバーかかしの胸部を射抜くと、その体を発火させ、紅蓮の炎に包み込む。
 亜闇とジャスティスの目の前で、デビルナンバーかかしが火葬されていく……。
 満身創痍のデビルナンバーかかしには、再び巨大化する力も残っておらず、炎にまかれて、灰燼となって、消滅したのだった。

「一件落着ですね」
 信子は、ボルトアクションライフルを肩から外すと、ほっと息を吐いた。
 UDCアースの、お金に困った人々を食い物にしていた、邪神の事件は、猟兵の活躍により、解決した。

 あとは……、

「せっかくだから、向こうのコンサートも見てから戻ろうかしら?」
 信子の視線の先……公園の反対側では、桜華のコンサートが、まだまだ盛り上がっているようだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年10月10日
宿敵 『四六七『デビルズナンバーかかし』』 を撃破!


挿絵イラスト