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鶯鳴く桜の島へ

作者：笹山ぱんだ

●桜の島へ
　世界はグリードオーシャン。海と落ちてきた島がある世界。
　その島はサクラミラージュから落ちてきた島【ウグイス島】
　春を囀る鳥が島を駆け回り、一年を桜が彩る不思議な島だ。
「おーーい、今日はどうだ？」
　船乗り達が酒を呷るポーズをすれば他の男たちもおおーー！と声を上げる。
　今夜は宴だ、酒盛りだ！
　しかし、その様子を眺めるコンキスタドールが居た。島を蹂躙し殺戮を進めるそれ達は夜に動き出し、船乗り達を襲うだろう。
　それは防がねばならない。新しい世界とて、そこにオブリビオンが居るのならそこは猟兵達の戦場だ。

●新しい世界へと
「…新しい世界の情報は聞きましたか」
　花摘・しずる（missing・f26024）は集まった猟兵達を見回し、こくりと頷いた。
「今回貴方達に行って頂く島は、ウグイス島。その名の通り、ウグイスが沢山居る島です。…サクラミラージュから落ちてきた島らしく、桜が一年中咲いているようです。まず、貴方達にして頂きたいのは、船乗り達との交流…酒盛りです」
　酒盛り。文字通りの酒盛りだ。夕方からキャンプファイヤーを囲み、お酒（未成年はジュース）を楽しむ。他の島から来た旅人だと言えば船乗り達は喜んで受け入れてくれるだろう。
「その後は、戦闘になります。まずは集団戦、【殺戮オウムガイ】との戦いです。どうやら人語を話せる知能はあるようですが…会話しても、説得やそのような物は意味の無いものになるでしょう」
　メガリスによって死に、オウムガイの形でコンキスタドールになったようだ。知能があっても不思議では無いのだろう。ただ、それはもう、人とは違う別のモノなのだが。
「その後の敵は幽霊船…砲撃をしてくるようなので、皆さんも船に乗り込み、迎撃を行ってください。船は用意致します。名は【常春号】…船の名は私が決めたわけではありませんので、文句は言わないでください」
　幽霊船は暗い深海の底から浮上し、不気味な紫の光と共に島々を襲い、人々を深海へと連れ帰ろうとしているようだ。油断すると猟兵達もそうなるかもしれない。
「…新しい世界へ行くときは、とても楽しくなると思います。ですが、油断だけは、しない様にしてくださいね」
　しずるは傍らの女騎士と共に、仄かに微笑んだ。

第1章 日常 『酒盛りをしよう（未成年はジュース）』

POW   :    飲み比べで勝負する。酒樽全部もってこい！ SPD   :    酒のつまみを用意して、美味しく適度にお酒を楽しむよ WIZ   :    飲酒は嗜む程度で、会話を楽しみます 👑5 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

●さくらと宴会
　時間は夕刻、キャンプファイヤーが設置され宴会が始まる。船乗り達にオススメされたこの島で採れた桃と桜のミックスジュースを飲みセレシェイラ・フロレセール（桜綴・f25838）は笑った。
　年齢的には成人をしているが、流石にこの姿で酒を飲んでいればびっくりさせてしまうかもしれない。
「このウグイス島ではな、このピンクの花がずーっと咲いてるんだ。まぁ、何でかは俺も知らないんだけどな！」
　船乗りはビール瓶片手にセレシェイラに話しかけた。幼い旅人の姿は目立ったのだろう。ジュースを用意してくれ色んな話を聞かせてくれた。
　一年中桜が咲くこと、昔から立派な建物が何故か建っていること、島にはウグイスが沢山住んでおり暖かい日は良く鳴いていること。
　色んな話に聞き入りながらもジュースをおかわりしそれも半分程飲んでしまえばそれを側にあった小さなテーブルに置いて立ち上がる。
「そういえば、宴会には芸が必要なのよね。こんな時のための魔法を披露しちゃいます」
　ユーベルコード【桜儚】を発動させると周りには沢山のシャボン玉が出現した。その一つ一つには桜の花が内包されている。
「ひとときの夢幻を、ご覧あれ」
　そんなことをしていれば周りに他の船乗り達も集まってくるのも道理。
「嬢ちゃん凄いな！」
「ほうほう、外の技術ではそんなことも出来るのか…」
　沢山の船乗り達が集まりセレシェイラの魔法を見、喜んでくれている。
「ふふ、喜んでもらえたならわたしも嬉しいな」
　暗くなり始めたオレンジの空に沢山のシャボン玉が舞い上がった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

●料理とお酒
　黒鵺・瑞樹（界渡・f17491）は船乗り達から厨房を借り料理を作りながら考えていた。
「サクラミラージュから落ちてきたって聞いたけど、この一年中咲く桜も幻朧桜なんだろうか？」
　もしそうなら影朧が居てもおかしくはない。だがこの世界に落ちてきたことでその存在も変異しているのかもしれない。どちらにせよその疑問は今知る術のない事だった。

　　
「や、や、私も混ぜて下さいな！」
　鈴木・志乃（ブラック・f12101）がワインを数本持参して宴会に参加すれば船乗り達も見たことのない酒に歓迎した。
「お、嬢ちゃんもいける口かい？」
「お酒はあんまし飲めないけど、好きだよ。これ葡萄って果物の酒なんだけど全部品種が違うんだ」
「そりゃ面白い。おーい、異国の酒だ！つまみを持ってこーい！」
　酒盛りが大声を出せば色々とつまみが運ばれてくる。その中には瑞樹の作った料理も含まれていた。
　志乃がちらりとその料理を覗けば瑞樹は皿に乗せられた魚達を見せる。
「アジとホッケのヒラキ。あとスルメイカだよ。七味とマヨネーズ、それと醤油を合わせると美味いんだよなぁ」
「美味しそう。瑞樹さんもワイン飲もうよ。魚だし白ワインはどう？」
　志乃はワイングラスに白ワイン注げば瑞樹に渡す。礼を言って瑞樹は香りを嗅いでからワイングラスを傾けて飲む。
　スッキリとしていて尚且つ魚の味を引き立てる。とてもリッチな味わいに瞳を輝かせた。
　アジを箸でつつき食べている志乃は片手にスパークリングワインが注がれたグラスを持っていた。
「アジに合うなぁ。美味しい」
　勿論酔い過ぎないように量は考えつつ。
「あ、船乗りさん、こっちも飲んでみて。これは私の世界の首相……あー、国のトップが式典で皆に振舞ったワインでね……」
　船乗り達に酒を勧めるのも忘れない。酒に強い船乗り達も飲んだことのない酒の味を楽しんでいる様子だ。
「美味しいお酒とご飯があるだけで楽しくなるよね」
「そうだな。志乃、こっちもどうだ？」
　スルメイカを勧める瑞樹も食べる事と、飲むことは忘れない。
「こっちも美味しい！さ、皆もっとどーぞどーぞー♪」
　酒と料理、あとは楽しい場の雰囲気、それがあれば宴会はこんなにも盛り上がる。
　この後の戦いが無ければもっと楽しめるのにーー。
　猟兵達は海へと視線を向けた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

第2章 集団戦 『殺戮オウムガイ』

POW   :    念動衝撃波 見えない【衝撃波】を放ち、遠距離の対象を攻撃する。遠隔地の物を掴んで動かしたり、精密に操作する事も可能。 SPD   :    賢者の触手 質問と共に【無数の触手】を放ち、命中した対象が真実を言えば解除、それ以外はダメージ。簡単な質問ほど威力上昇。 WIZ   :    オウムガイ粘液 【粘液】が命中した対象を捕縛し、ユーベルコードを封じる。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。 イラスト：りょうま 👑11 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

●オウムガイの来襲
　猟兵達と船乗りが楽しく宴会をし、夜も更けてきた頃合いだ。
　海からの気配に気付いた猟兵達は船乗りに安全な場所へ避難するように伝えた。
　船乗り達も何が起こったかは分からずに問い詰めてくるが、時間は無かった。　海から上がって来るのは無数のオウムガイの形をしたオブリビオンーーコンキスタドールだ。
　やっとその事に気付いた船乗り達も猟兵だけを戦わせるわけには行かずに各々武器を構える。
　猟兵達より戦力は劣るとは言え海で生計を立てる船乗り達は屈強の者も多い。
　しかし、コンキスタドールに船乗り達を殺されるわけには行かないのだ。
　宴会を壊した物たちを倒さねばいけない。猟兵達が今夜ここにきたのはそれが理由なのだから。
　オウムガイ達を見、猟兵達もまた武器を構えたのだった。




●オウムガイが暴れる
「宴会とても楽しかった。英気も充分に養ったわ」
　セレシェイラ・フロレセール（桜綴・f25838）は船乗り達にお辞儀をして礼を言った。
「さて、無粋なコンキスタドール達を迎撃するとしましょうか」
　海からの這い出て来るのはオウムガイの形をしたコンキスタドール。つるんとした殻から見える脳味噌、たくさん生えた触手。生理的嫌悪感を感じる物も少なくは無いだろう。
（……とは言ったものの、アレ見た目が本当に無理！）
　セレシェイラは電光石火で殲滅していく事を心に決めた。

　そしてもう一人、そう決めた猟兵ー黒鵺・瑞樹（界渡・f17491）は闇に紛れ、気配を消し近づいてはユーベルコード【炎陽】を発動させて一体ずつ倒していく。清めの炎はオウムガイ達を浄化するが如く燃やしていく。
　…さっさと倒さねば、船乗り達が助
けにくるかもしれない。

「キミ達に彩の魔法を綴ろう」
　瑞樹に続いてユーベルコード【桜彩】を発動しセレシェイラはその初撃をオウムガイの集団の中心に見舞う。桜色の魔法陣から魔法弾が放たれ、敵を桜色に染め破壊していく。
　セレシェイラが派手に攻撃をしている為、瑞樹は逆に目立たぬ攻撃が出来る。
　敵オウムガイを攻撃しマヒを付与した上でその傷口を抉り損傷を酷くする。
　しかしオウムガイもただ攻撃を受けているだけではない。その粘液を瑞樹に浴びせその身を捕縛する。
「っ…」
　それを見たオウムガイ達は楽しげに笑う。そう、このオウムガイ達は人の言葉を話せるほど知能が高い。…人から変化した物なのだから当然と言えば当然なのだろう。
「えいっ、大丈夫？」
　桜のガラスペンで描いた魔法陣の上を転々と飛び回りながら瑞樹の様子を見つけたセレシェイラはその魔法陣から魔法弾を射出し瑞樹を縛るオウムガイを倒す。
「大丈夫だ。…ありがとう。それと、」
　セレシェイラの横を炎が通り過ぎる。飛んできた粘膜が燃える音をセレシェイラは聞いた。
「…そっちも気をつけろよ」
「う、うん！」
　ヤドリガミの共同戦線を張り、オウムガイ達に攻撃を繰り返したーー。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

●殺戮オウムガイとの戦い
　世界はグリードオーシャン、場所はサクラミラージュから落とされただろう一つの島、春告げ鳥鳴く【ウグイス島】
　猟兵達が船乗り達との酒盛りをしていれば、予知の通りに海から奴らがやってきた。
　そう、メガリスの力で死したる人であった存在、コンキスタドール。殺戮オウムガイだ。

　緑の瞳に勝ち気な色を乗せてネピア・ドットヤード（サイキックゴリラパワー妹系幼女・f20332）はぴっとオウムガイに人差し指向けて。
「皆を傷付けるなんて許さない！」
　拳を振りかざし、ユーベルコード【勇気の証明（ブレイブハート）】を発動させる。
「僕の真の力を見せてやる！うおー！パワー全開！」
　ネピアの上着が真っ赤な緋色のマントに変化し全身を覆う。ふわりと空中へ飛べば、オウムガイに向かって、自然落下しながらも己の力を込めて拳を振り下ろした。ドゴっと音を立て敵ごと地面が陥没する。

　紅く燃えるのはポインセチアの花。ひらひら散って敵へとまとわりつけば一斉に燃やし尽くす。
「平穏に心馳せる我が灼熱の想い、花びらに乗せて届け…！」
　薙沢・歌織（人間のマジックナイト・f26562）がそのルーンソードを花弁へと変え炎へと変化させる。敵の数は沢山、ならばこの手は攻撃を。ルーンソードの形に戻った武器を構えれば後ろから遅い来る敵に再び攻撃を行おうとすればーー
「空からなら何しようがばればれですから！大丈夫ですか？」
　ネピアがその踵をオウムガイに向けて振り下ろしたのだった。
「ありがとう、ございます」
　その勝ち気な笑みに歌織は思わず和んで微笑んだ。
「にゃ、にゃあー！どいてにゃー！」
　ぴょんと猫耳のように跳ねた髪を持つミルディア・ディスティン（人間のシャーマン・f04581）が己の攻撃の勢いを殺しきれずに二人へと向かっていく。
　慌てて避ければ地面に顔面からスライディング。
「だ、大丈夫ですか！？」
「大丈夫にゃ…驚いたにゃ」
　ミルディアが起き上がれば擦れた鼻から出血をしていて。女の子の顔に傷は良くないとユーベルコード【風精の癒歌】を使い傷を癒やす。心地の良い歌声に聞き惚れている間は無かった。敵は減ってきたとは言え、まだ居るのだから。

「全速全開！ともかくやってみるのにゃ！」
　武器片手に持ちミルディアはオウムガイ達へ攻撃を行う。見えない衝撃波が襲ってきても、怯みをせず立ち向かって。そしてユーベルコード【サモニング・ガイスト】を使い戦士達をよびだすとその戦士達とともに攻撃を繰り返す。
「これで、終わりにゃー！」
　ネピアの拳が、歌織のルーンソードが、ミルディアの魔法が、オウムガイを蹴散らし消し去っていく。


　おおーー！と周りから声が聞こえた。それら酒盛りをしていた船乗り達の歓声だ。
「嬢ちゃん達やるじゃねぇか！」
　数々の声に3人は嬉しげに笑う。しかし、その島に近づく物はあと一つあった。
　怪しげな幽霊船がこの島に、接近している。
　ーーーこの島を襲うために。
　

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

第3章 ボス戦 『幽霊船』

POW   :    幽霊船一斉砲撃 【海賊船に搭載された全ての大砲】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。 SPD   :    幽霊団の船出 レベル×1体の、【カトラスを装備した右手の甲】に1と刻印された戦闘用【幽霊海賊団員】を召喚する。合体させると数字が合計され強くなる。 WIZ   :    聖エルモの炎 全身を【不気味な紫の光】で覆い、自身が敵から受けた【攻撃回数】に比例した戦闘力増強と、生命力吸収能力を得る。 イラスト：猫背 👑11 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

●幽霊船へ
　猟兵達はオウムガイ達を倒すと海を見た。
　まだ遠くだがかなりのスピードでこちらへ向かっているのが解る。
　船の姿を保っているのが可笑しいぐらいに朽ち果てたその船は不気味な光を宿していた。
　猟兵達はその船へと向かうために、己達をこの島へと連れてきた船【常春号】へと向かう。
　乗船すれば幽霊船へと導いてくれるだろう。
　そこからはーー君達の戦いだ。
　
　




●ストップ幽霊船
　猟兵達が急いで常春号へと戻れば船は港を離れ幽霊船へと向かう。近づけば近づくほどその禍々しい光が確認できる。
「船そのものが幽霊ってことかな！？」
　ふよんふよん、と飛びながらフィロメーラ・アステール（SSR妖精：流れ星フィロ・f07828）は船を観察しながら言う。さぁな、と答えて黒鵺・瑞樹（界渡・f17491）は武器を両手に持ちその存在感を消しては闇夜に紛れる。
「じゃああの不気味な光の仕業？いずれにせよ邪悪な力の産物だな！」
　よーし、と、フィロメーラも気合いを入れては幽霊船へと向かった。

　幽霊船から出現するのは右手の甲に数字が刻まれた海賊団員。全ては死していて意識は無く、ただただ幽霊船に操られるがまま敵を殲滅する存在だった。
　気配を消した瑞樹は海賊団員達を素早く暗殺していく。
　合体し力が強くなる前に全てを殲滅する勢いでーー。
　敵からの攻撃には胡を使い攻撃を受け流し、反対の手で持っている黒鵺で反撃をする。そして、他の攻撃も感覚で避け受け流して、反撃を繰り返していれば後ろからの攻撃に対応出来ず、辛うじてオーラで防御をし、痛みへの耐性を上げる。しかしそれも長くは続かないだろうー。
　瞬間、瑞樹に光の粒子が降り注ぐ。その粒子が触れると傷が塞がっていく。
　その光の粒子に触れた海賊団員達は苦しみ初め、膝を折った。
「何だ…？」
「大成功！この光は破魔の聖なる力だよ！」
　くるりと瑞樹の周りを一周しながらダンスをするのはフィロメーラだ。
　フィロメーラの放ったユーベルコード【生まれかわりの光】邪悪なる敵の力と反発し、ダメージを与えているようだ。
「なるほど。…傷も治った。これでまた戦えるな。ありがとう」
「どういたしまして！じゃあ、まだまだいっくよー！」　
　フィロメーラはふわりと飛び立ち、上空から光の粒子を振りまく。その光は敵の視界を塞ぎ、目潰しの効果もあるようで海賊団員はふらふらと動く。
　瑞樹は無数の黒鵺、自らの本体を操り敵の身体を貫いていく。
　敵の数は確実に減っているようだ。「…終わらせないとな」
　本当の意味での酒盛りは、この戦いの後だろう。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

●幽霊船と
　桜の島を襲わんとする幽霊船から出現したのは沢山の幽霊海賊団員達。
　常春号に乗り幽霊船と戦おうとする猟兵達の目の前に現れたの海賊団員達に驚き羽生・乃々（管使い・f23961）はルナリリス・シュヴァリエ（二律背反の聖剣使い・f25397）の後ろへ隠れた。
「わぁん、た、助けてぇ！ルナリリスさん！」　
　頼られたルナリリスはわかりました、と乃々を後ろに庇い聖剣アストライアを構える。
「下がっていてください、乃々様。サポートはお任せします！」
「は、はぁい！」
　乃々は言われた通り後ろへ下がり管狐達にサポートをお願いした。

　右手の甲に2と書かれた幽霊海賊団員達は立ちふさがるルナリリスに襲いかかる。
　それを切り払い、宣言するように告げる。
「はぁ！…私は、負けません！島の皆様を守る為、貴方方を倒します！」
　そしてルナリリスは歌うように詠唱を始めた。
「月の始まり、日の終わり……祝福されし刻は来たれり。かくて世界は確率に満たされた。出でよ、出でよ……ッ！」
　ユーベルコード【神器具現化】は今戦っている敵に有効な神器を具現化するものだ。そうしてルナリリスの手に具現化されたのは霊刀だった。幽霊を斬る為にある清浄な力が宿った刀ーー。
「…行きます！」
　その刀で敵を斬ればまるでそこに居なかったかのように幽霊海賊団員はかき消えていく。全て居なくなれば幽霊船へと攻撃を移す。

「ルナリリスさんが頑張ってる…よ、よぉし、私も頑張らなきゃ…」
　乃々はルナリリスが攻撃を受けるたびにびくびくと体を揺らしながらも、その戦いぶりに感化され気合を入れるべく拳を握りしめた。
　そして傍らの管狐達に指示を出して、
「管狐さん達、やっちゃってくださーいっ」
　人差し指をぴっと幽霊船に向けて言うと管狐達は幽霊船へと向かっていきその不思議な力で幽霊船が攻撃せんとする瞬間に動きを止めさせた。
「助かりました、乃々様。後はお任せください！」
　ルナリリスは霊刀で幽霊船に一刀を放ったのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

●幽霊船と将軍
　桜咲く島を襲わんとする幽霊船を倒そうと猟兵達は常春号へと乗り込んで幽霊船へと立ち向かう。
　徳川・家光（江戸幕府将軍・f04430）もまた、その一人だ。
「禍々しい気を感じますね…」
　幽霊船が放つ不気味なオーラが見えると家光は小さくそう呟きユーベルコード【火産霊丸】を呼び出す。　
　赤く燃える白馬は家光の手にすりすりと擦り寄った後、幽霊船と目を向け勇むように嘶く。
「えぇ、勿論です。頼みましたよ」
　火産霊丸に騎乗すれば、幽霊船へと駈けていくー。
　敵が召喚した幽霊海賊団員達をサムライブレイドー千子村正権現で切り伏せ道を作り幽霊船とその一刀を捧げる。
　既に数多の攻撃を受けていた幽霊船はそれが致命傷になったようでぶくぶくと海底へ沈んでいく。
　常春号に乗っていた他の猟兵達の歓声が聞こえる。
　あぁ、これで倒したのだ。島に戻ってまた酒盛りの続きをしよう。島の住人、船乗り達もきっと迎え入れてくれるだろう。

成功 🔵​🔵​🔴​

最終結果：成功 完成日:2020年04月15日