「しぇけなべいべー、よく来てくれたなお前ら」
集まった猟兵たちに向けて、グリモア猟兵リップル・イブウェイブはそのように声をかけた。いつものようにやる気なさげな表情だが、その声色はこころなしか普段よりも弾んでいるように思えた。
「知ってるだろ?にゅーわーるどぐりーどおーしゃん。海賊、冒険、宝探しだ」
そう言ってリップルはまるきり物語に出てくるそれのような、宝の地図らしきものを掲げてみせた。どうやら年齢相応にそういったものが好きであるらしい。
猟兵たちがどことなくほっこりした気持ちでリップルの話を聞いていると、彼女は不意に被っていたフードを顔を隠すように引き下げた。多重人格者であるリップルが人格を切り替える際の動作である。
「というわけで、宝──メガリス探しのお仕事です」
「もらった地図見てたら急に予知が来てなー」
「この地図に示されている無人島にメガリスが存在するということが分かったので、この世界のオブリビオン、コンキスタドールよりも先に回収してください」
「気をつけろよ、めがりすのせいで難易度ははーどだ」
「つまり、メガリスが島に影響を与えているのか、環境が変化してちょっとしたトラップとして機能してるんです」
メガリス、それは手にしたものに力を与え、時にはコンキスタドールに変化させてしまうグリードオーシャンの秘宝。それは存在するだけで周囲に影響を与えるほどの力を持つのだ。
「だけど安心しろお前ら。私にぷらんがある」
「実はですね、予知によってそのトラップの攻略法が見えてるんです」
なんと。それが本当ならばとてもありがたい。猟兵たちはリップルの言葉を待つ。
「この島なー、もとはあっくす&うぃざーずから落ちてきたみたいでなー」
「島にもとから生息していた動植物がメガリスの影響でメガリスに近づいたものを攻撃するようになっているんです」
「でもな、こいつら、植物は日光が当たらないと力が出ないし、動物は夜になったら寝る」
つまり。
「日が暮れるのを待っていれば簡単にメガリスのところまでいけます」
「そんなでかい島でもないから一晩あれば海岸からめがりすのとこまで行って帰ってこれるぞ」
猟兵たちは思った。
身も蓋もねぇ。
「しょーがねーだろ、予知できちゃったんだから」
それはしょうがないけど。
ところでそれならわざわざ待たずとも、日が落ちてから島に向かのはダメなのだろうか。
「てれぽーとが使えたらそれでも良かったんだけどなー」
グリードオーシャンはグリモア猟兵の能力が何らかの要因で阻害されている。今回のことが予知できたのは、世界の入口に近い海域での事だからかろうじて、といったところだろう。
ともあれ、直接テレポートできない以上、船で目的地に向かうしかないのだが。
「この島に夜に着くように調節するとどっちにしろ待機時間ができるからなー」
「それに、港もない無人島に日が暮れてから上陸するのは危険ですし」
というわけである。
「海岸あたりまではめがりすの影響も届いてないみたいだからなー。ちょっとした休暇だと思って遊んできたらどうだ?」
「あ、でも気をつけてくださいね。皆さんが島に向かったことを察知したコンキスタドールが略奪目当てに襲撃してくるかもしれないんで」
それは予知ですらない予測なのだろうが。グリモア猟兵にそう言われると実際に起こるような気がする。猟兵たちはそう思いながら準備を始めるのだった。
夢ハルカ
こんばんは、夢ハルカです。
世はまさに大航海時代らしいですね。というわけで今回は海っぽいシナリオです。海といえば水着だよなぁ!!!
第一章は時間をつぶすために海岸でのんびりと楽しんでいてください。海水浴するのに師匠がない程度の気候の島ですので、気兼ねなく水着に着替えてもらえたらと思います。
地形は広めの砂浜のすぐ後ろから森が続いている感じです。森の深部は説明通りメガリスの影響で凶暴化した動植物がひしめいていますが、浅いところで果物なんかを採取する分には危険はないでしょう。
ちなみに、浜辺で遊ばず森の奥に突撃しても、すげぇ危険ですしそんなの相手にしてるうちに日が暮れてしまうと思われますので、おとなしく日暮れを待っていたほうが良いでしょう。
2章以降はメガリスや物資を狙ったコンキスタドールの襲撃などが予想されます。備えましょう。
それでは、皆さんのプレイングお待ちしております。
第1章 日常
『レッツ海水浴』
|
POW : 健康的で大胆な水着を披露しつつ、遠泳などで泳ぎまくるよ。ご飯は、もちろん、大盛で
SPD : スタイリッシュでスポオーティーな水着を披露しつつ、高飛び込みやビーチバレーを楽しもう。
WIZ : 露出度少な目だけどセンスのある水着で参加する。ビーチパラソルの下で読書でもしようかな?
|
種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
セレシェイラ・フロレセール
キラキラの青い海、綺麗な砂浜
ちょっとしたバカンスみたい
このひとときを多いに楽しみましょ
水着は持ってないからリゾート用の白ワンピースでもいいかな
ビーチでのんびり読書や未知の果物取りに行くのも素敵だけど
どうしても試してみたい魔法があるんだよね
今なら出来る気がする……!
取り出したるは我が本体の桜の硝子ペン
桜色の魔力を込めて、水の上に波紋を描くように桜の魔法陣を描こう
スカートの裾を少し摘まんで魔法陣の上にふわりと飛び移れば水上浮遊の魔法の出来上がり
辿りたいルートに桜の魔法陣を描いていこう
海の上をお散歩出来るなんて夢のよう
ふわふわ漂う姿は海月のようにも見えちゃうのかな、なんて
嗚呼、潮風がとても心地いいね
●波べりにさくら咲く
セレシェイラ・フロレセール(桜綴・f25838)は、降り注ぐ日光を反射してキラキラと輝く海に目を細めた。
目に入る色はたったの二色。空と海の青に、砂浜と、セレシェイラが身にまとうワンピースの白色だ。振り返れば生い茂る森の緑もあるのだけれど、とにかく印象に残るのは輝くようなその二色だった。
セレシェイラは波打ち際を歩いてゆく。降って湧いたような、日が暮れてから仕事が始まるまでのつかの間のバカンス。この海で泳ぐには、セレシェイラは水着を持っていない。それならビーチでのんびり読書をするのも良い。果物を探して森に入った猟兵たちも居るようだ。
でも、セレシェイラは、
「どうしても試してみたい魔法があるんだよね」
取り出したるは桜の硝子ペン。ヤドリガミである彼女の本体である。
インク代わりに桜色の魔力を込めて、波間にペン先を揺らせば波紋のように広がる桜の形の魔法陣。
上品にスカートの裾をつまんでふわりとそこに飛び乗れば、足は水に沈むことなく桜の魔法に受け止められる。
「ふふ、上手くいった」
それはささやかながらも鮮やかな水上浮遊の魔法。行きたい先にペンを走らせ、次々に桜を咲かせていく。セレシェイラが歩くだけ広がる、波間にたゆたう桜の花は、どこか海月のようにも見えて、それが少しおかしくて彼女は笑う。
「嗚呼、潮風がとても心地いいね」
そんな、彼女のひとときであった。
成功
🔵🔵🔴
フィオリナ・ソルレスティア
【ペア/f05803】【SPD】(アドリブ可)
■作戦
せっかくだから水着に着替えて海で遊んじゃおう作戦
■水着
水着イェーガーカード2019
■行動
「ちょっと早いけど水着になるのも悪くないわね」
胸元のリボンがお気に入りの水着に着替えたら愛用のウォターガンを手にして海へ!
「さあ、ここは今から戦場よ」
スプラストリームを構えてフォルセティと姉弟のウォーターガンバトルを繰り広げる
「ちょっと、どこを狙っているのよ。もー」
胸元を狙われたので、フォルセティを狙って反撃開始!
弟と二人で思いっきり『きゃーきゃーわーわー』して海水浴を楽しむ
「ちょっとはしゃぎ過ぎたかしら?」
さすがに疲れたらビーチで休憩して夜に備える
フォルセティ・ソルレスティア
【ペア/f00964】【SPD】(アドリブOK)
フィオ姉ちゃんとビーチサイドでウォーターガンで遊ぶんだよ
【水着】
水着イェーガーカード参照
【行動】
「わーい、グリードオーシャン初上陸だよ!」
ビーチに降り立ったら早速水着に(早着替え)だね。水が冷たくて気持ち良いや。
海に入ったら手にしたウォーターガンに注水
「フィオ姉ちゃん、覚悟ー!」
ボクのアクアバズーカでフィオ姉ちゃんの胸を狙い撃ち
「命中確認だね! わわわっ」
HIT成功と思ったら顔に反撃されたよ。ふえーん、ひどいよ。
こーなったらこっちも反撃だー。リミッター解除でフルバースト!!
「ふえー、もう疲れたよー」
あとは夜になるまでビーチでゴロゴロしておくね。
●水も滴る
「わーい、グリードオーシャン初上陸だよ!」
沖に停泊した船から下ろして乗ってきたボートから飛び降り、フォルセティ・ソルレスティア(星海の王子様・f05803)は溌剌に叫んだ。発見されたばかりの新世界、そこでの初めての冒険となれば、心躍るのは無理もないことだろう。
あるいは、事前に聞いた説明が「温暖な気候の島でのバカンス」だったからかもしれない。フォルセティは叫びながら水着に早着替えしていた。というか服の下に水着を着ていたようで、脱いだら即水着だった。小学生か。
水着はセーラー風のトップスにショートパンツ風のボトムス。記号で見れば男らしいはずだがどことなくフェミニンな印象を受けるのはフォルセティの愛らしさ故か。
「ちょっと早いけど水着になるのも悪くないわね」
と、さっさと着替えたフォルセティに彼の姉、フィオリナ・ソルレスティア(サイバープリンセス・f00964)はそんなふうに声をかけた。
今の時期、例えばUDCアースなどは水着どころかコートが必要なくらいの季節である。しかし、この島は何もしないで居てもじんわりと汗を掻く程度に気温が高く、水着で過ごすのに支障のない環境だ。異世界様様である。
さておき、彼女は流石に服の下に水着を着たりはしていなかったようで、誰かが立てた簡易の更衣室で着替えてきたようだ。それでも、フォルセティが少しはしゃいでいる間に着替え終わって戻ってきのだから、魔法のように素早い着替えである。実際魔法かもしれない。ウィザードだし。
フィオリナの水着は、白い布地に赤いリボンがあしらわれたシンプルながらも可愛らしいデザインのものだ。赤が彼女のイメージにぴたりとハマりよく似合っている。
「さあ、ここは今から戦場よ」
キリッとした顔でフィオリナはフォルセティに告げた。それは、水着であろうとも猟兵としてオブリビオンと戦う心構えを居ついかなる時も忘れず、みたいな話ではない。なぜなら彼女が今手に抱えているのはウォーターガン。スプラッシュな戦いをする気満々の装備である。
「オッケー!フィオ姉ちゃん、覚悟ー!」
顔をキリッとさせたはいいが、先手を取ったのは先に着替えを済ませて海に入り、ウォーターガンの装填を済ませていたフォルセティの方である。ウォーターガンというかアクアバズーカでフィオリナの胸を狙い撃ち。何故胸を狙ったかといえば赤いリボンが目を引くからだ。他意はない。きっと。
「ちょっと、どこを狙っているのよ。もー」
「命中確認だね!と、わわわっ」
それは当然の抗議。胸元を海水で濡らしたフィオリナはしかし冷静に自分のウォーターガンに注水を終え、上機嫌に胸をそらしていたフォルセティに反撃のスプラッシュ。狙いは容赦なく顔面である。そこをためらわずに狙いにけるかどうかで姉弟間のヒエラルキーは決まる。知らないけど。
「ふえーん、ひどいよ!こーなったらリミッター解除で反撃だー!」
「先に撃ってきたのはそっちよ!こっちこそ手加減は終わりだからね!」
わーわーきゃーきゃー。そもそも特にルールを決めてやり始めたわけでもないので、どっちが勝ちか負けかなんてことも決まらず。
「ふえー、もう疲れたよー」
「ちょっとはしゃぎ過ぎたかしら?」
お互い思う様水を掛け合ったあと、仲良くビーチに並んで身を休めるのであった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
雪・兼光
◇アレンジとかおまかせ
グリードオブオーシャンに来た訳だが…。
ほんと、こー。のんびりするにはリゾート地と変わらねー訳だ。
ま、この後はお仕事ですし、今は体力を温そ…。
…ちょっと走るか。
ユーベルコードでブラスター変形させて水上バイクみたいにして、
皆から離れない様に近場で運転の練習…。今後水上で戦う事も増えてくるだろうし。やらねーよりかはやった方がいいかな。
後は、相手を轢殺す時の為にもな。
あ、やべ…。飲み物とか買ってくるんだったな。
チトセ・シロガネ
海から何かが上がってくる。
白い肌、布地の少ない大胆な水着、歩く度に揺れる大きな果実。
水も滴るイイ女が現れる……そう、ボクネ!
へーい、ユーたちィ。
バーベキューするネ!
陽気な声の美人の肩にはマグロのような巨大魚が担がれていた。
属性攻撃による電気ショックで捕まえたヨ。
腹が減っては何とやら、お宝探しの前にこいつを焼いてランチにするヨ。
マグロ、プリーズ ステイ チューンド!(ご期待下さい)
そう言いながらフォースセイバーでズンバラリにするヨ。
●ハイテク・アクティビティ
「のんびりするにはリゾート地と変わらねーな」
雪・兼光(ブラスターガンナー・f14765)は水上バイクを適当に走らせながら、誰にともなく呟いた。グリモア猟兵の能力が阻害されていたり、様々な世界の断片が落ちてきて島を成しているなど、このグリードオーシャンは特異な特徴を持つ世界であるが、こうして海辺で身を休める分には、どこかの世界の観光地などとそう代わり映えするものではないと感じられた。
兼光は水上バイク、正確にはユーベルコードで変形させたブラスターを走らせる。この世界で戦う限り水上戦は避けられないことだ。故にのんびりできる今のうちに練習しておくつもりであった。雪・兼光、根が真面目である。
「まぁ、だいたい感覚はつかめたか。飲み物でも買ってくるんだったな……ん?」
ふと気づく。波間の下に何かが泳いでいる。何かが海から上がってくる、と。
「何だ、一体何が……?」
兼光は警戒する。気の所為ならばそれで良し。見間違いでなく、そしてそれが敵意を持つものなら、変形しても健在なブラスターの熱線を食らわせるか、あるいは速度を上げて轢殺するか……。
その思考に結論が出る前に、それは姿を表した。
白い肌、布地の少ない大胆な水着、何とは言わないがぶるんと揺れる。そう、それは。
「水も滴るイイ女が現れる……そう、ボクネ!」
「いや危ねぇ!?」
急ブレーキ。ユーベルコードの産物である水上バイクは大した制動距離を取ることもなく、水も滴るイイ女、チトセ・シロガネ(チトセ・ザ・スターライト・f01698)の目の前で停車した。
「いや、何やってんだアンタ」
「ダイビングネ。これ獲ってきたヨ」
チトセはそう言いながらザバァって何かを引き上げ、それをヨイショと肩に担いだ。何かっていうか、マグロみたいな巨大魚である。縦にしてみたら彼女の身長と同じぐらいのサイズはありそうだ。
「こういうのって勝手に獲っても良かったっけか……?ていうかどうやって捕まえたんだよこんなでかいの」
「ハハハ、無人島でそんなこと気にしちゃダメネ。捕まえるのはこう、電気ショックでビリっとネ」
「そうか……」
UDCアースあたりだったら捕まりそうな理論だったし漁法だった。しかし、グリードオーシャンでそれを追求しても仕方ない。兼光はそう結論して遠くを見ることにした。
「そんなことよりコイツでバーベキューするネ!あ、これ重いからそのバイクで岸まで引っ張っていってくれナイ?」
「はいよ」
兼光は水上バイクを走らせる。水も滴るイイ女の漁の成果を引っ張って。
その後、バーベキューはチトセが「マグロ、プリーズ ステイ チューンド!」などと叫びながら解体ショーをしてものすげぇ盛り上がった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
第2章 冒険
『鮫・鮫・鮫』
|
POW : 真正面から鮫を受け止めて、投げ飛ばすなど、力技で撃退する
SPD : 素早く回り込んで鮫に攻撃、次々と無力化していく
WIZ : 鮫の動きを予測して人々を避難させたり、罠を仕掛けたりする
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
|
種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●担当のグリモア猟兵「これはちょっと予想外だった」
グリードオーシャンのとある島にて日が暮れて任務開始するまでの束の間の休暇を楽しむ猟兵たち。だがその享楽的な空気は突然にして終わりを告げる。
「鮫が出たぞォ!!!」
最初に気がついたのは誰だったのか。その叫びに他の者達も慌てて沖合に目を向けてみれば、波を切り裂くようにいくつもの三角形が海面から突き出しているのが見て取れた。
「沖まで行かなけりゃ問題なくない?」
「……いやまぁ鮫だしなぁ」
「わざわざ関わりに行くこともないよね」
まぁそうだった。目的のメガリスは島の内陸部に存在する。海の中の鮫は、どうあってもメガリス回収の邪魔になったりはしない。島を出るときも、頑丈な船に乗っていれば問題になることはないだろう。
「泳ぎに行けないのはちょっと残念だけどね。さぁ、バーベキューの続きを」
「SHAAAAAAAARK!!!」
「うおぁああああ!?」
なんか飛んできた。何が。鮫である。
「はぁ!?」
「い、一体何がおきた!?」
「「「SHAAAARK!」」」
「うわぁいっぱい来た?!」
ミサイルが如く飛んでくる鮫をなんとか躱しながら海に目をやると、トビウオのように海面から飛び出し、そのまま滑空してこちらに突っ込んでくる鮫の姿が目に入った。夢だと思いたかった。
「SHAAAARK!」
「ぬぉおお!何だこの鮫!?」
「知るか!しらんけどこいつら倒さないとやばいぞ!?」
見ると、突撃をかわされ森の方へと突っ込んでいった鮫も、何事もなかったかのように空中で身体を反転させると再度こちらへ突撃する姿勢を見せていた。
これもメガリスの影響なのか、はたまたただそういう生態の鮫なのか。
考えても答えは出るはずもないか。一つだけわかっていることは。
「くそぉ、せっかくのバカンスが!戦闘開始だァ!」
休暇は思っていた以上に短いものになりそうだった。
セレシェイラ・フロレセール
拝啓 担当様
新世界は思っていたよりもずっと綺麗で楽しくて謎に満ち溢れた場所でした
たった今鮫ミサイルが飛んできたところだけどわたしは元気です
……どうしてこうなった
何故鮫が飛んでいるの?
何故鮫が空中で方向転換出来るの?
これは夢?夢なの?夢なのね?
夢なら何したって許されるわね
鮫さん、お花見!するわよ!
ほらほら綺麗な桜がたくさん咲いていますよー
お利口さんにして桜を眺めるのが花見のマナーです
桜は傷つけてはいけませんよ
桜並木を一緒に歩きましょう
桜のトンネルを潜って視界いっぱいの桜に見蕩れましょう
鮫さんとお花見楽しいね
あれ、鮫って泳ぎ続けていないとダメなんだっけ?
まあ夢の世界の出来事だからどうでもいっか
●それは夢のような
「拝啓、担当様へ」
セレシェイラは手紙を綴っていた。もっとも、いくら彼女が硝子ペンのヤドリガミといえど戦乱の最中にのんびりと筆を走らせることはしない。あくまでも心の中の便箋にそっと書き付けているだけだ。
「新世界は思っていたよりもずっと綺麗で楽しくて謎に満ち溢れた場所でした」
しかし、戦乱の最中である。何故そのような状況で心に手紙を書き付けているのか。今しがた述べたように、新世界の情景が彼女の心を震わせたからだろうか。
ある意味、そうかも知れない。彼女にとって、きっとそれは、
「たった今鮫ミサイルが飛んできたところだけどわたしは元気です」
悪夢のような光景だろうから。
「SHAAAARK!!」
海中からすごい勢いで飛んできた鮫が砂浜に設置されたパラソルやビーチチェアを破壊していくさまは、穏やかなサクラの少女にはいささか刺激が強すぎたようだ。この刺激を物足りないと言えるやつは早々この世に居ないだろうが。
「何故鮫が飛んでいるの?」
それはね、メガリスの影響だと思われるよ。
「何故鮫が空中で方向転換出来るの?」
それもね、メガリスの影響だと思われるよ。
「これは夢?夢なの?夢なのね?」
現実じゃないかなぁ。
「……夢なら何したって許されるわね」
それで心の均衡が保たれるなら良いんじゃないでしょうか。
「さぁ鮫さん、お花見!するわよ!」
その時のセレシェイラの瞳は桜の花びらでいっぱいだったという。
セレシェイラの幻想魔法でさっきまで夏真っ盛りだったビーチはあっという間に桜色の春爛漫に。
幻覚に目を回した鮫は標的を失い、砂浜に転がりビチビチと跳ねていた。
「うふふ、鮫さんとお花見楽しいね」
彼女には砂浜に転がる鮫がお花見をしているように見えているらしい。
「あれ、鮫って泳ぎ続けていないとダメなんだっけ?」
それはマグロだと思います。
「まあ夢の世界の出来事だからどうでもいっか」
成功
🔵🔵🔴
フィオリナ・ソルレスティア
【ペア/f05803】【WIZ】(アドリブ/連携可)
「ええ、そうね。水遊びも無駄じゃなかったはず?」
少し誤魔化しつつも集中力を保った状態で迫りくる鮫に対処する
■作戦
フォルセティと背中合わせになって飛来する鮫を撃ち落とす
■行動
「まずは勢いを落とさないといけないわね」
[先制攻撃]で髪飾りに触れて【眠れる森の美女】を展開。
眠りの電波を鮫に浴びせて行動を抑制させる
「あとは弾幕シューティングね」
動きが鈍った鮫をオートフォーカスで次に次にロックオンし【ロンギヌスの槍】で一気呵成に撃墜する
「それにしても、どうして鮫が飛んでくるのかしら?」
メガリスの影響?
フォルセティ・ソルレスティア
【ペア/f00964】【WIZ】(アドリブ・共闘可)
「ただ遊んでいた訳じゃないんだよねー、フィオ姉ちゃん」
ウォーターガンで遊んだのも訓練の一環なんだよ、えっへん(嘘です)
兎に角フィオ姉ちゃんと一緒に飛来する鮫を撃退だー
【行動】()内は技能
「ボクも負けてないからねー」
飛来する鮫に向かって(先制攻撃)でバーラ・スーペルノーバだね
重力磁場で動きを止める作戦だよ
「全部まとめてやっつけちゃうよ」
動きが悪くなった鮫に、(高速詠唱)でロンギヌスの槍を発動。まとめて(串刺し)にしちゃうね
危なくなったら(見切り)で華麗に躱していくよ
「今日はフカヒレスープ食べ放題かな?」
●鮫幕シューティング
「ただ遊んでいた訳じゃないんだよねー、フィオ姉ちゃん」
「ええ、そうね。水遊びも無駄じゃなかったはず?」
ソルレスティア姉弟はキリッとした顔でそんなことを述べる。目の前に広がるのは宙を舞う幾多の鮫、鮫、鮫。
先程までウォーターガンでスプラッシュしていた二人だが、フォルセティの言うようにただ遊んでいたわけではない。このような敵に対処することを想定した訓練の一環として水鉄砲を撃ち合ってきゃっきゃうふふしていたというわけだ。
もちろん嘘である。二人の本来の得物は魔法の箒。要するにマジカルな感じのあれである。ウォーターガンでの訓練は少し勝手が違うだろう。
そんなわけで、口ではそう言いながらも姉のフィオリナはどこか誤魔化すような口調だ。対して弟のフォルセティはえっへんと胸を張っている。立派な面の皮だと思います。
さておき。そんなどこかとぼけた言葉を交わしながらも二人の思考は冷静だ。
四方八方から飛び交う鮫に、背中合わせになって対処する。
「まずは勢いを落とさないといけないわね。『夢の中で逢いましょう。安息へ導け、紡ぎ車の錘よ!』」
機先を制したのはフィオリだ。魔術、ユーベルコードの媒介である髪飾りに手を触れ詠唱。【眠れる森の美女(プリンセサ・ドルミエンテ)】、対象の脳機能を停止させ眠らせる業だ。ものすごい勢いで空を飛ぶ以外はごく普通の鮫はそれに抵抗できるはずもなく、二人の周囲に居た鮫はことごとくその動きを鈍らせた。
「よーし、ボクも負けてないからねー!『常闇の淵に彷徨う黄昏よ。其に捧げるは原初の神韻』」
フィオリナと同時、フォルセティも詠唱に入る。媒介は銀河を象った魔道帽。名をバーラ・スーペルノーバというその業は魔導帽から放たれる幾つもの魔力弾である。しかしその本命は魔力弾そのものではなく着弾にある。
漆黒の魔力により生み出されるのは超重力を発生させる磁場だ。
フィオリナの攻撃により眠らされた鮫は、その重力に引き寄せられ、一箇所に吸い寄せられ、拘束される。
「あとは弾幕シューティングね」
「オッケー、フィオ姉ちゃん、任せて!『全てを貫け、ロンギヌスの槍(ランサ・ロンギヌス)よ!』」
動きを止めたあとは大技と相場が決まっている。二人で一つの媒介に魔力を込め、術式を構成する。通常であればただ氷の槍を射出するその魔導は姉弟の連携により髪をも貫く閃槍と化す。
「いっけぇー!!」
「これで終わりね!」
閃光、轟音、それから静寂。
視界を埋め尽くすほどの鮫の大群はその大半が光の中に消え去った。
「よし、大勝利!今日はフカヒレスープ食べ放題かな?」
「そうね……って、まだ終わりじゃないわよ」
メガリスを回収するまでが今回のお仕事です。
「それにしても、どうして鮫が飛んでくるのかしら?」
「今更それ気にしちゃう?」
メガリスの影響です。たぶん。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
雪・兼光
SPD/共闘等はお任せで
へぇ。こっちのサメって陸でも動けるんだな。
ちょうどいい。
ターゲットの前のウォーミングアップになってもらおう
素早い奴にはそれ用のユーベルコードを使用して
運転、範囲攻撃、2回攻撃を使用
大量に居るんだひきまくっても構わないだろ?
オーソドックスに相手に向かって思いきり突っこむのも良いし
ドリフトでひき飛ばして、別の個体に当てるのもやってみるか
高速旋回して突っこむのも楽しそうだな。
さぁ、楽しいドライブと行こうか
水面にむかったならそのまま水中バイクにして練習の成果をだすとしようか。
●安全運転と言ってられないときもある
「へぇ。こっちのサメって陸でも動けるんだな」
雪・兼光は水上バイクの上でそう独り言ちていた。陸の上というか、宙を舞っているのだが、普通は映画の中でくらいしかお目にかかれない存在という意味ではそう変わらないだろう。
ちなみに、こっちの鮫とは言ったがこっちに生息する鮫でもこんな挙動を取るやつは希少種である。メガリス影響とは恐ろしいものだ。
「と、眺めてばかり居ても仕方ないな」
兼光はアクセルを捻ると、バイクは南海とは少々ミスマッチに感じるサイバーな唸り声を上げた。
さて、古来より人間の扱う武器というものはたとえ姿形が違ってもその本質は実のところ一つの事象を突き詰めたものが大半である。
即ち。
「さぁ、楽しいドライブと行こうか!」
重いものをすごい速さでぶつけたらとても痛い。
現在兼光の持つ最大重量は騎乗している水上バイクである。そして、速度を出すのにバイクというものはとても優れている。
つまり、そのままの勢いで衝突していくのが兼光の最大の攻撃なのである。無人島だから道交法なんてものもないしね。
交通安全なんのその、今こそ音の壁をぶち破ってピリオドの向こう側へ。
なんてことを言っているわけではないが。とにかく鮫を轢殺せんとアクセルを前回にする。
「……飛んでる鮫にぶつけるのって思ったより難しいな」
水上バイクに空中適性はないのであった。
苦戦
🔵🔴🔴
チトセ・シロガネ
お、ボクの出番カ?
飛び掛かるサメの大群に立ちはだかる白いヤツ一人
先ほどのバーベキューでお酒飲んでハイテンション!
飛びかかる一体を第六感でタイミングを取って
怪力で殴りつけて地面に叩き落とすネ。
それが成功したら、そいつの尻尾をグラップルしてUC【霹靂閃電】を発動。
ユーがバットになるネ!
予告ホームランの構えを取ってアピール。
さらに襲い来るシャークをシャーク製バットで「デヤァ!」っと叩き落す!
ぶつかり合う衝撃で肉塊と化すシャーク、ワオ!スプラッター!
バットが折れたら、別のをグラップルしてさらに振り回すヨ。
こうしてシャークだった残骸の山で暴れまわるゴリラという地獄絵図が生み出されるのであった。
●今夜はホームラン
「ハハハ!お、ボクの出番カ?」
鮫の飛び交うビーチに仁王立ちする白いヤツ。烏賊か豆腐か消しゴムか。いいやあれはチトセ・シロガネ。
先程までバーベキューでお酒を飲ま飲まイエイしていたためにハイテンションモードである。特に性能が向上したりはしないが理性と良心のタガが外れるモードだ。ただの酔っ払いである。
しかし相手が空を飛ぶこと以外はただの鮫とはいえ酒飲に飲まれた状態で戦闘が可能なのか。けたけた笑いながらフラフラしているところに飛び込んでくる鮫ミサイルに対処することは可能なのか。
「ハッハァ!ユーがバットになるネ!」
──可能である。
「デヤァ!」みたいな掛け声とともにナックル一閃、飛んできた鮫を地面に叩き落とす。
原始的な軟骨骨格ではその衝撃に耐えきれず、ビーチに転がりぐったりする鮫。チトセはそれの尻尾のあたりを掴んで先程の言の通り、バットのように構え予告ホームランのポーズ。鬼か。
「SHAAAARK!!」
仲間の敵討ちというわけではなかろうが、鮫を振り回すチトセめがけて後続の鮫が次々に躍りかかる。
「ワォ!スプラッター!」
チトセは普通に迎撃。思い切りぶつかった鮫と鮫は彼女の豪腕に耐えきれずクラッシュ。ヘモグロビンを撒き散らす。アルコールモードのチトセはその様子にケラケラ笑う。無敵か。
バット(鮫)が壊れたのでそのへんに転がっているバット(鮫)を拾って再度ホームラン。当然のように折れるバット(鮫)。回収される次のバット。
そんな光景がエンドレスに続き、ふと気がつけば鮫は駆逐され日は傾きあたりは夕暮れの赤色に染まり始めていたのだった。
成功
🔵🔵🔴
第3章 ボス戦
『女賞金稼ぎ』
|
POW : ハンタータイム
全身を【右目の義眼(メガリス)から放たれた青い光】で覆い、自身の【これまで殺した賞金首の賞金合計額】に比例した戦闘力増強と、最大でレベル×100km/hに達する飛翔能力を得る。
SPD : 殺戮斧旋風
自身の【右目の義眼(メガリス)】が輝く間、【呪われた戦斧】の攻撃回数が9倍になる。ただし、味方を1回も攻撃しないと寿命が減る。
WIZ : カースバウンティ
【自分が過去に殺した賞金首】の霊を召喚する。これは【手にした武器】や【怨嗟の呻き声】で攻撃する能力を持つ。
イラスト:藤乃原あきひら
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
|
種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●決戦は赤く染まる海で
飛び交う鮫をなんとか退けた猟兵たちはホッと一息をつく。なんで鮫が飛ぶのかとか色々言いたいことはあるが、これもメガリスの脅威なのである。
ともあれ、存外鮫と戦っている時間が長かったのか、すっかり日が暮れはじめ、あたりは夕焼け色に染まっていた。
もう少し待てば太陽は完全に水平線の向こうに沈みメガリスのある目的地に突入できるだろう。
と、そこで気がついた一人の猟兵が指をさす。
半分ほどが海の無効に沈んだ太陽の真ん中に、ぽつんと、影が。
「ふぅん、あの鮫嵐に巻き込まれて全滅するかと思ったけど」
少しずつ、大きくなる。
「まぁ良いさ、仕事が一つ増えただけさね」
それは、動力がなにかもわからない、常軌を逸した速度で接近する小舟であり。
「アタシには宝を、お前らには死を」
その上に佇む一つの人影であった。
「さぁ、何もかもを差し出しなァ!!!」
大斧を振るってそれは咆える。
それは、人の形を取りながら人ではない。
それは、何もかもを奪い去る略奪者。
コンキスタドール、このグリードオーシャンに巣食うオブリビオンである。
交渉の余地はない。彼女は、猟兵たちの命を、そしてこの島のメガリスを奪うことのみを考えている。
連戦ではあるが、引くわけには行かない。武器を取り、この略奪者を退けるのだ。
フォルセティ・ソルレスティア
【ペア/f00964】【WIZ】(アドリブ・共闘可)
「フィオ姉ちゃん、おっぱい無いしねー」
フィオ姉ちゃんはいつもの巨乳オブリビオン死すべしモードだからボクは後方支援かな?
姉弟の力で女賞金稼ぎを撃退するよ。
【行動】()内は技能
「とりあえず賞金首の霊はボクにまかせてよね」
カースバウンティに対抗してアサールト・マルテで軍神マルスを召喚するよ。
霊には霊でってことで裁きの雷でやっつけちゃうんだ。
「うわー、フィオ姉ちゃん怒ってるよ」
攻撃はフィオ姉ちゃんに任せるとして、後は援護しないとね。
(ダッシュ)で回り込みながら(全力魔法)でバーラ・スーペルノーバだよ
重力の磁場で女賞金稼ぎの動きを封じ込めるんだ。
フィオリナ・ソルレスティア
【ペア/f05803】【WIZ】(アドリブ/連携可)
「貴女に差し出すモノなんかないわよ」
何故か女賞金稼ぎの胸サイズに怒りを露にしながら対峙。
最大火力の攻撃で女賞金稼ぎをボッコボコにする。
■行動
「大きければ良いってものじゃないわ」
怒りゲージMAXで【ティアマトの大嵐】を発動。
海嘯龍を大暴れさせながら女賞金稼ぎに次々に食らいつく
「逃がさないわよ」
さらに弟のUCで女賞金稼ぎの動きが鈍くなった瞬間を捉え、オートフォーカスで
素早くロックオンし、[全力魔法]で【バベルの光】を撃ち落とす
「侵略者の好きにはさせないわ」
決して私情で戦ったわけではないと、胸を張って勝利の宣言をする
●譲れない闘い(他意)
「貴女に差し出すモノなんかないわよ」
フィオリナ・ソルレスティアは激怒した。必ず、あの邪智暴虐の女賞金稼ぎを叩きのめさねばと決意した。フィオリナには巨乳がわからぬ。フィオリナは慎ましきウィザードである。魔術を手習い、弟と遊んで暮らしてきた。けれども巨乳に対しては、人一倍に敏感であった。
「フィオ姉ちゃん、おっぱい無いしねー」
のほほんとそんなことを宣う弟の言葉が耳に入らない程度にはフィオリナは怒っていた。もともと盛って、もとい持っているというだけでもフィオリナの心胆を苛むを言うのに、あまつさえ持たざるものから奪おうなどという暴虐が、決して許されるはずがなかった。
少なくとも、フィオリナはそう思っている。
「結構。何も持ってないなら命だけでも貰っていくさね」
対するはコンキスタドール、女賞金稼ぎである。割と様子のおかしいフィオリナを前にしてその態度を崩さない。彼女の行動原理は奪いことがすべて。人の形をしていても、その本質は相互理解などありえない怪物なのだ。
「はぁ?自分は持ってるからって余裕って言うつもり?」
フィオリナも現時点においては会話が通じない存在という点では類似しているのかもしれない。闘いとは悲劇的なものなのである。
「やるわよ、フォルセティ。大きければ良いってものじゃないことを教えてあげるわ」
「はーい。それじゃあ……」
フィオリナに返答しながらフォルセティは魔術を編む。
「遅い、遅い!アタシの軍勢に飲み込まれちまいなァ!」
対して、女賞金稼ぎはその方向一つで攻撃を一つ完成させる。カースバウンティ。彼女が過去に殺した賞金稼ぎの亡霊が地獄の淵から呼び戻され、略奪の軍団として姉弟に襲い来る。
「とりあえずこっちの方はボクにまかせてよね『白羊宮を司りし蘇芳の軍神よ。古の契約に従い我が命に答えよ』」
まさに地獄のような光景を前にして、フォルセティは動じない。一息で詠唱を終えると、発現したのは女賞金稼ぎと同種、しかし性質は真逆と言っても良い、軍神の軍勢の召喚である。
赤き軍神は統制の取れた動きで亡霊の軍勢を蹴散らし、打ち払う。業としての性質は近けれど、呼び出される兵士の質は圧倒的であった。
「ちぃ、味な真似を……!だがいくら雑魚を倒したところで……」
「勿論。あなたも逃さないわよ」
弟に任せきりにして満足するような姉ではない。フィオリナは2つの軍勢が衝突したときに発生した間隙を縫って詠唱を終えている。
それは再度の召喚術。呼び出されるものは亡霊よりもなお混沌に近しく、しかし軍神よりも神性なるもの。
「全てを無に帰せ、海嘯龍ティアマトよ!」
召喚されるやいなや、ティアマトは女賞金稼ぎをその牙で打ち砕かんと猛進する。
女賞金稼ぎは舌打ちをしつつもそれを迎撃するが、あまりの猛攻に対処が追いつかず、その肌に1つ2つと傷跡が刻まれてゆく。
「くそっ、コイツ執拗に胸元を狙ってきやがる!?」
このティアマト、己を呼び出したフィオリナの執念と言うか情念と言うか、コンプレックスを感じさせたものを執拗に攻撃する性質がある。
「ハッ!心臓狙いってわけかい!いいねぇその強欲気に入った!!」
女賞金稼ぎはなんか別の解釈をしたようだが。ともあれ。
「気に入られても嬉しくないわ。それより……」
燃えるようでありながら、どこまでも冷たい眼でフィオリナは女賞金稼ぎに警告する。
「頭上注意よ」
「……ッ!?」
その言葉に。女賞金稼ぎは上空を見上げる。いつの間にそこにあったのか、天高くに莫大な魔力の奔流が。
アレが降り注いできたら……。
不味い。女賞金稼ぎは己の直感に従い、追いすがる海龍を打ち払いその場から飛び退こうとして。手足がまるで枷を嵌められたように重くなっていることに気がつく。
「ついでに、足元注意だよ」
フォルセティの警句。それは先程の鮫との闘いにも使った重力魔法。あるいは、その闘いを女賞金稼ぎが目撃していたなら、その存在に注意を払うことができたかもしれない。
しかし現実にもしもはなく。重力に捕われた女賞金稼ぎが降り注ぐ光を躱すすべはなかった。
「侵略者の好きにはさせない……。えぇこれっぽっちも私情とか私怨とかないんだからね」
「うんうん、分かってるから」
神話に語られる塔のように、光が地上を貫いた。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
雪・兼光
SPD/アドリブ、連携お任せ
◇第六感、見切り、運転は常に使用
ターゲットのおでましだ
ユーベルコードでブラスターを水上バイクで変えて先ずは相手の攻撃を避けることを優先しよう。
相手の眼が輝くなったらブラスターで一気に相手をひく(範囲攻撃、2回攻撃)
輝きが失わないなら一定の15M以上の間合いを開けて相手を弓で居る
距離が空いたら弓で射る(乱れ撃ち、スナイパー、誘導弾、傷口をえぐる)
メガリスに当たれば大当たり…。おまけも付けてやろう(2回攻撃)
攻撃を受けて吹き飛びそうになったら、ユーベルコードを解除して空中戦をしようして零距離射撃、乱れ撃ち、範囲攻撃、2回攻撃、誘導弾を利用してブラスターで撃つ
●早打ち勝負
「ターゲットのお出ましか」
雪・兼光は水上バイクの上でそうつぶやく。ちなみに今回のターゲットはこの島にあるメガリスであり、今戦っている女賞金稼ぎは作戦目標というわけではない。
まぁ、こいつを倒さなければメガリスの回収に迎えないし、こいつさえ倒してしまえばメガリスの回収に支障はないのでそういう認識でもそう間違いではないだろう。
さておき。
「やって、くれるじゃあないか……!」
手痛い攻撃を受けたとはいえ、未だ健在な女賞金稼ぎ。このタフネスは流石のコンキスタドールといったところか。
とはいえ、無傷というわけでもない。このまま攻撃を加えれば、打倒することも難しくはないだろう。
「けど、あんな大雑把な攻撃がそう何度も当たると思わないことさね……!」
女賞金稼ぎは呻くようにそう言うと斧を構える。右目の義眼、彼女の力の源であるメガリスが輝き、その肢体に力が漲る。殺戮斧旋風、重い代償と引き換えに通常の9倍もの攻撃速度を引き出す技である。
「そうかい。まぁ俺は堅実に殺らせてもらうさ」
尋常ではない速度で迫る女賞金稼ぎを見ても、兼光は慌てることなくそう嘯く。
速さは脅威だが、速さ比べをするならば、いま彼が跨っているものはうってつけだ。アクセルを入れれば、女賞金稼ぎの踏み込みよりも早く、彼女が動き出す前よりも遠く、間合いを離す。
「ちっ!おい、てめぇ逃げてんじゃねぇぞ!!誇りはねぇか?!」
「略奪者に言われてもな。悪いがこっちも仕事だからな」
言葉とともに弓を射る。女賞金稼ぎは攻撃の為振るっていた斧をとっさに防御に回すが、斧の重量は急激な起動の変更についてこれず、被弾を許す。
「クソがッ!」
「地味で悪いが、このまま削らせてもらうぞ」
兼光が水上バイクに乗っている限り、その速度差は覆せない。女賞金稼ぎは本領を発揮できないままに消耗を強いられることになる。
成功
🔵🔵🔴
フィロメーラ・アステール
「奪われる悲しみがわかるかー!?」
わからないだろうな!
それじゃ、わからせてやる!
【神魔繋がる星の虹霓】を発動だ!
出でよ、盗人属性のあたし!
【迷彩】魔法で姿を隠して、後ろから忍び寄って……!
ヤツの大事なお宝を【盗み】取るんだ!
ってバレバレ作戦会議するぞ!
でもこれは【演技】だ!
大事なお宝ってたぶんメガリスの事だと思うんじゃない?
んで、後ろのほうでちょこちょこしてる【存在感】をオトリにして、あたし本体が【念動力】を放つ!
それで敵の斧を【グラップル】して【空中浮遊】させて奪うぞ!
敵の技は斧の攻撃回数アップ!
つまり斧がないと効果なし!
その隙に盗人あたしが【全力魔法】を込めた【踏みつけ】キックだー!
●目には目をというけれど
「奪われる悲しみがわかるかー!?」
コンキスタドール女賞金稼ぎに向けて、声高に叫んだのはフィロメーラ・アステール(SSR妖精:流れ星フィロ・f07828)である。幸運の流れ星を自称する彼女は悪意をもたらすものにはことさら厳しいのだ。多分。
「あぁ?知るかよそんなこと。アタシは奪う側の存在だからねぇ!」
「だと思った!わからないならわからせてやる!出でよ、盗人属性のあたし!」
フィロメーラは女賞金稼ぎに気炎を上げながらユーベルコードを発動する。キラキラと虹色に光り輝く演出とともに、フィロメーラとそっくりな、しかし頭にバンダナを巻いていたり武器がナイフだったりして、言葉の通り盗賊のような姿の人物が現れる。
『神魔繋がる星の虹霓(スターボウフレーク)』。任意の属性を付与した自らの分身を召喚する技である。
「来たぞ、あたし!」
「いらっしゃい、あたし!それじゃあ早速いくぞ!」
「オッケー!迷彩魔法で姿を隠して!」
「あいつの大事な宝を奪うんだ!」
自分の分身だけあって息はぴったりである。短い掛け合いで作戦を共有すると、盗賊フィロメーラは姿を隠しながら女賞金稼ぎの背後に回り込む為駆け出す。
「は!間抜けめ!大声で叫んでちゃあ迎え撃ってくれって言ってるようなもんだよ!」
フィロメーラたちの掛け合いで、女賞金稼ぎは彼女の狙いが自分の持つメガリスだと当たりをつけていた。姿を隠しても来ると分かっているものを撃ち落とすのは容易い。背後に迫った盗賊フィロメーラを叩き切らんと斧を振りかぶり──、
「と、思うじゃん?」
「んなッ!?」
意識の外から飛んできた衝撃に弾かれ、女賞金稼ぎの斧が、その手から離れる。
「間抜けはそっちだったね!」
「クソが!謀りやがったな!」
あえて大声て作戦を喋ることに寄って、女賞金稼ぎの意識を姿を隠した盗賊フィロメーラの方に集中させ、本体フィロメーラが不意を打つというのが本当の作戦だ。
言ってみれば単純な策だが、頭に血が上っている相手にはよく効くものだ。
「そして、よそ見は良くないぞ!」
「ッ!しまった!?」
攻め手が入れ替わる。しかしそれはフィロメーラと女賞金稼ぎの間でではなく、2人のフィロメーラの間で。
今。攻撃を当てたフィロメーラに女賞金稼ぎの意識は向いている。それは、姿を隠して迫る者がいる状況ではいささか致命的すぎる隙であった。
「全力全開!潰れろぉー!!」
隠れ身はもう必要ない。絶対不可避の距離まで迫った盗賊フィロメーラは迷彩魔法を解除。その分の魔力まで攻撃に回し、跳躍。落下の運動エネルギーも加えた必殺のキックが、女賞金稼ぎの胸に突き刺さった。
成功
🔵🔵🔴
クレア・フォースフェンサー
賞金稼ぎということは、無法者を捕まえ回っておるということか
それは殊勝な心掛け……と言いたいところじゃが、随分と殺し回っておったようじゃな
その上で、更なる力を求めた結果が今の姿というわけか
それだけの力と美貌を持ちながら、なんとも残念な娘子だったようじゃの
光剣で攻撃を往なしながら敵に近づく
いくら速く飛び回ろうと、それだけ派手に動いては躱してくれと言っているようなものじゃ
さて、おぬしが手に入れたその青い光、毒ともなることを知るがよい
【能力反転】で動きを鈍らせ、心臓を貫こうぞ
おぬしらコンキスタドールに価値があるとすれば、それはおぬしの義眼のように、わしらにメガリスを持ってきてくれるというじゃな
●宝の行く末
「クソォッ!こ、こんなところで終われるかよ……!」
「いんや、おぬしはここで終わりじゃよ」
猟兵たちの攻撃で満身創痍となった女賞金稼ぎ。それでもなお健在であると咆えるが、そこに冷たく声をかけるものが居た。
「なんだてめぇ……いやどうでもいい、お前から殺す!!」
「賞金稼ぎなどと言うからには無法者を過去には捕まえてきたのかもしれんが……力に飲まれてその有様か。なんとも残念な娘子だったようじゃの」
ボロボロの有様で荒れ狂う女賞金稼ぎと対象に涼しい顔でクレア・フォースフェンサー(UDC執行者・f09175)は光剣を構える。
その様子が癪に障ったのか、女賞金稼ぎはますます怒りを燃え上がらせていく。
「その余裕ぶった顔を剥いでやるよ!ここからはハンタータイムだ!!」
その言葉を契機に女賞金稼ぎの右目に埋め込まれたメガリスが青い光を放ち、それは瞬く間に女賞金稼ぎの全身を覆うように広がっていく。
その光は、あるいは彼女が今までに屠ってきた者の怨念か。とにかくそれは女賞金稼ぎの身体能力を劇的に高める力を持つ。
「は、ハッハァ!吹き飛びなぁ!!」
青い光をまとい、一回りほど大きくなったように見える斧を振りかぶり、女賞金稼ぎは駆ける。
その目標地点にいるクレアはしかし、一欠片の動揺もなくそれを迎え撃つ。
「大した力じゃが、さて。おぬしが手に入れたその青い光、毒ともなることを知るがよい」
軽く手をかざしただけのように見えた。しかし結果は劇的である。
「ガッ!?」
女賞金稼ぎの身体を覆っていた光が一瞬でかき消える。飛ぶようであった勢いもまるでなくなり、バランスを崩して無様に砂浜に転がった。
「何を、何をしやがった……!」
「『能力反転(リバース・コード)』技の効果を反転させる、単純なものじゃが。おぬしのような輩にはことさらによく刺さるの」
反転した強化効果は指一本すら満足に動かせないほどの衰弱をもたらした。
女賞金稼ぎにできることは、己の心臓に向けて突き出される光剣の切っ先をにらみつけることだけである。
「さて、これにて任務完了。ではなかったのぅ」
本来の任務はこの島のメガリスを回収することである。とはいえ、もはや障害になるものもなく。猟兵たちは滞りなく最後の仕事もこなしたのであった。
──完──
大成功
🔵🔵🔵