●夜は終わらない
ーージジジジ。
日頃の重労働が響いたのか、今日は一向に寝つきが悪い。身体は怠く、今すぐにでも睡魔に身を委ねたいが...妙に目が覚めてしまった。コンビニへ行こう。こういう時は腹に何か入れる方が良いのだ。
ーージジジジ。
夜風が沁みる。勿論、深夜だから人の気配は無く、街灯が照らすのは私だけ。いつも通る道だけど、なんだか不気味だ。まるで異世界に来たみたい...。
ーージジジジジジ!!
ああ、煩い。こんなに酷い耳鳴りは初めてだ!コンビニよりも先に薬局へ行くべきだった!私は思わず頭を押さえて蹲る。意識が朦朧とし始める。
しかし不運は続くもので、大きな影が私を覆い隠した。何かがいる。襲われる!身の危険を感じた私は、急いで後ろを振り返った。そして後悔した。
ーーお前の睡魔はオレっちのものだ!
大きな翼、真っ赤な時計。巨大な蝙蝠の化け物が私を見つめていたのだ。
●ブリーフィング
「諸君、UDCアースで任務だ。我々は闇に潜む怪物共を狩らねばならない」
UDCエージェントの氷川(狼頭の生物学者・f20923)は、モニターに目撃されたUDCを映し出す。
「この『パープル・フリンジ』と呼ばれるUDCを見たまえ。彼らは、人々の噂に寄生するUDCだ」
不気味な色をした昆虫の怪物が、駅を歩く人々に群がっている。民間人に彼らは見えていないようだ。
「まだ非活性状態だからか、或いは時期を待っているのか、まだ民間人に被害は出ていない。今すぐ駆除すべきだろう」
しかし、と氷川は猟兵達に付け加える。
「フリンジ共は噂を知った者の精神を苗床に数を増やす。一定数増えれば、その後は宿主の身体を餌に繁殖するだろう...分かるかね?フリンジ共の卵は、元を辿れば一つの噂に起因するものだ」
どうやら今回はオブリビオンを葬るだけではダメらしい。猟兵達は作戦の詳細に耳を傾ける。
「今回の任務の最終目標は、噂の元になったUDCの討伐だ。詳細は不明。『パープル・フリンジ』の討伐後、現地で噂を調査しろ。目標は発見次第、攻撃しても構わん」
噂が広まれば、それだけ敵の数も増える。戦闘も民間人を巻き込む恐れがある。我々は迅速且つ柔軟な対応が必要だろう。
「噂の広がりはUDC組織が食い止める。諸君らの調査が完了すれば、民間人に記憶処理を施し情報統制を行う予定だ。それでは健闘を祈る」
ウルフパック
ウルフパックと申します。気軽にイヌとでもお呼びください。
このシナリオは、噂によって増えるUDCを討伐後、噂の出処を調査し、黒幕を討伐する以来です。
第1章は、『パープル・フリンジ』との集団戦です。優れた隠密性と集団戦闘能力を持っています。また、周囲には民間人がいるでしょう。
第2章では噂を調査します。どの噂が『パープル・フリンジ』の増殖に繋がっているのかを突き止め、黒幕の棲家を探しましょう。噂の流行を止める必要はありません。
第3章は、『五一二『デビルズナンバーよふかし』』とのボス戦です。
それでは皆さんのプレイングをお待ちしております!
第1章 集団戦
『パープル・フリンジ』
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POW : 狩り
【視線】を向けた対象に、【群れ】が群がり【鋭い牙】でダメージを与える。命中率が高い。
SPD : 存在しえない紫
対象の攻撃を軽減する【位相をずらした霞のような姿】に変身しつつ、【不意打ち】で攻撃する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
WIZ : 「「「ゲッゲッゲッゲッゲッ」」」
【不気味な鳴き声】を発し、群れの中で【それ】を聞いて共感した対象全ての戦闘力を増強する。
イラスト:オペラ
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
アレ・チカノ
アドリブ他諸々OK。
おなかが……空きました。
常に腹ペコですが、依頼を果たせば報酬でなにか食べられるので頑張ります。
両手に構えた片手犬、ポティマスとポーチェム(両方ポチ)で敵を殴っていきましょう。ポチ、噛み付きなさい。
一般人の被害にはあまり興味がありませんが、守れば報酬増えたりするのでしょうか?敵が一般人の方に向かうようならサイキックブラストで動きを止めて助けます。
コレはあなたを助けました、何かお礼に渡す物はありませんか?主に食べ物の現物支給とか歓迎します。
戦闘中で一般人相手だろうが普通に食べ物をたかりますが、後の処理はスタッフにお任せします。
食べ物が手に入ったら、ナチュラルに戦線離脱します。
●たかり屋アレ
生きる上で必要不可欠な事とは何か?食事である。ならば、それより大事な物などこの世に存在しないのではなかろうか。
「お腹が...空きました」
UDCが闇に潜むこの街は、大都市の南にある有名なベッドタウンだ。駅には仕事帰りのサラリーマンがごった返し、人々は自分達の日常を過ごしている。一見、騒々しいが平和な街だ。
「やはりいましたね、オブリビオン」
しかし、目を凝らすと確かにソレはいた。鋭い牙、そして大きな丸い瞳を持つ不可視の怪物『パープル・フリンジ』の幼体が、道行く人々から溢れ出していた。
「ゲッゲッ...ゲッゲッ...」
うわっ不味そう、これがアレ・チカノ(草食系ヴァンパイア・f16064)が最初に抱いた感想だった。おまけに食べ辛そう。殻が喉に刺さりそうだ。放っておけば、彼らもまた自分と同じように食料を求めて彷徨い始めるだろう。
「人間を守れば報酬増えたりするのでしょうか?なら吊り上げるが吉ですね」
彼女は人に非ず。人を襲わぬ吸血鬼。アレに人間を守る義理はない。しかし飯が食えるなら話は別だ。よって狙うのは買い物帰りの人間。アレも食料を求めて彷徨い始める。食料を持っていない人間は?どうでもいい、他の猟兵が何とかするだろう。
「痛い!嫌だ死にたくない!」
そして見つけた。高架橋下の暗がりで、人間がフリンジ達に襲われているではないか。男の手に持った袋からは美味しそうな匂いが立ち込めており、実に食欲がそそられる。
ーーバチッ!!!
アレは躊躇う事なく彼らに両手を向ける。放たれた高圧の電流が怪物共を捉え、全てのフリンジが地面と衝突した。完璧な奇襲だった。獲物が一番無防備になる瞬間は、獲物を捕らえた瞬間である。アレは幸運だった。
「ポチ、噛み付きなさい。あ、虫の方ですよ」
そしてアレは哀れな犠牲者に己の猟犬を叩きつけた。グシャッ、グチャッ...断続的に響く肉を叩く音が、小さく辺りに木霊した。仲間を呼ぼうにも声が出ない。彼らは死ぬまで、この地獄を味わう羽目になった。
「起きなさい。ほら、起きなさい人間」
「ハッ!此処は!?」
仕事帰り、いつものように自宅へ帰るというルーチンワークをこなしていた男は、自身が路地裏で倒れていた事に気がついた。はて、何故自分はこんな所で倒れ伏していたのだろうか。泥酔して倒れた?しかし今日は同僚と呑みに行く予定は無かったはずだ。
「やっと起きましたね。コレはあなたを助けました。さあ、何かお礼に渡す物はありませんか?」
「...助けた?」
そして何だこの女は。珍しい銀色の髪、そしてボロボロの赤いドレスを纏った女が、不躾に御礼を要求してきた。齢25年、こんな体験は生まれて初めてだった。
「食べ物の現物支給とか歓迎しますよ。いえ、寧ろ食べ物を寄越しなさい」
「あー、腹が減ってるのかい?」
「そうです、コレはいつもお腹を空かしているのです」
ひょっとして彼女、かなり訳アリなのではないだろうか...しかし、こうして己は『無傷』であり、盗まれた物も無さそう。盗みが目的ならば、こうして律儀に起こす必要もない。至って誠実。なら介抱してくれた彼女には、正当な報酬が必要だろう。
「これで良ければ食べますか?」
「いただきます」
男が差し出したコンビニ弁当は、中身がぐちゃぐちゃに崩れていた。慌てて別のを買いに行こうとしたが、アレは嬉しそうに白飯を頬張る。
「これもいるかい?」
男は女に命を助けられた。何故だかそう感じたのだ。男は違和感の残る右腕で味噌汁の缶を差し出した。女は黙ってそれを受け取った。
大成功
🔵🔵🔵
アリス・ラーヴァ
※アドリブ・連携歓迎
たいへーん、こんな街中に怪物達が現れるなんてー
街の人達に被害が出る前に倒さないといけないのー
まずは妹達を【迷彩】状態で【目立たない】ように街の各所に配置するのよー
準備が終わったら妹達の感覚器官(聞き耳+暗視+視力)を総動員しながら街を【ダッシュ】で捜索よー
あちらの方から『不気味な鳴き声』が聞こえてくるわねー
声を【追跡】して発見したら得意の【集団戦術】で伏せていた妹達と一緒に取り囲んで前肢や鋏角で【串刺し】にして【捕食】するのよー
街の人が危ない時は、敵の攻撃から【かばい】ましょー
その間に民間人は妹に【騎乗】して貰って避難して貰うのよー
UDC職員さんに預けたらいいのかなー?
●妖精達の足跡
必ずしも目にした事が世界の真実とは限らない。例え世界が安全を保障したとしても、誰もが日常を謳歌したとしても、私は平和を信じない。
ギチギチ...。
まただ。またあの音が聞こえる。街を歩く人達には聞こえないのか、それとも気にしていないのか、気にする素振りは伺えない。
ギイィ...ギチ...♪
音にも種類があるようで、物同士がぶつかる音、金属が擦れる音、そして...動物の声のようなラップ音。私だけに聞こえるこの音は、私を不安にさせるのに十分だった。
(ねえ、聞いた?あの噂...)
(ああ、アレだろ。不気味な音が聞こえてきて、振り返ったら怪物に攫われるっていう)
恐ろしい。まさに今、私に起きていることと同じだ!連れ去られた人はどうなったの!?やっぱり...殺されちゃった?
ゲッゲッ...ゲッゲッ...。
不気味な音が止む気配は無い。思わず女は走り出した。人々は怪訝な目で彼女を見つめるが、彼女に視線を気にする余裕はなかった。
ゲッゲッゲッゲッゲッ
幾ら走っても音は鳴り止まない。駅前にいた時よりも音はもっと近くで聞こえた。女の背後、すぐそこまで迫っていた。振り返ってはいけない...振り返ってはいけない...振り返れば、怪物に攫われる。
ギイィィィ!ギチギチギチ~!
ゲッゲッゲッゲッ!
だが、女は恐怖に抗えず、とうとう背後を振り向いた。
巨大な蜘蛛の怪物達が、霞色の昆虫を貪り食っていた。
同じ姿の妹達が闇の中から這い出てくる。背中に人間達を乗せ、また闇へ消えていく。
「ギチギチ!カチカチカチカチ!」
みんなーがんばってー、労いの言葉を掛けると妹達は嬉しそうに顎を鳴らす。彼女はアリス・ラーヴァ(狂科学者の愛娘『貪食群体』・f24787)、心優しき幼き少女。さあ、力を合わせよう。彼らを家へ返すのだ。
大成功
🔵🔵🔵
フェーズ・ワン
【GN3】
高いビルに登り街を見渡す
ったく、虫が不快な音出しやがるぜ
まだ夏にははええっつーの
ま、その音のお陰で位置はよーくわかるんだけどな
事前に渡していたインカムで通信
あー、あー、店長?
聞こえるかい?
綺麗だが、虫のせいで風情もあったもんじゃねぇな
いっちょ害虫駆除と行こうか
報酬は言い値だ、ひゅう、ぼろ儲けだね
UC発動
サーチドローン「Look」を複製し町中にばら撒く
各機が拾う音を正確に聞き分け、敵の羽音や鳴き声を判別次第、彼女に位置を連絡
撃破を信じ、自身は彼女の位置から近い敵を洗い出し、効率の良いルートを構築し、順次連絡
まだ熱くなりすぎんなよ?
本番はこれからさ
ホントに熱くなってないのかね、あれで
ヴァシリッサ・フロレスク
【GN3】
フフッ、イイ夜じゃないか。ロマンチックだねェ。
――ン。コチラ“Victor”……なンてね?
月が綺麗だよ、Mr.ワン。
あァ、イイ音だ。よぉく視えるよ。
Ya.
たんと稼がせて貰うさ、店の弾代だってロハじゃ無いからねェ?
――Over.
ワンからの正確無比な情報と暗視をフル活用、虫共を追跡。スナイパーの如く『ヴェズルフェルニル』で片端から排除。
ダンナがいりゃボーナスステージだ。
っと、街中で派手にヤり過ぎたねェ?
あンまりUDCに手間掛けさせちまうと後がコワイ。
Roger.
こっからはCOOLにいくよ?
血統覚醒
残りは『クルースニク』片手に暗殺者の如く死角から仕留める。
フフッ、オードヴルはこんなもンか。
●闘虫火葬
夜はまだ眠らない。オフィスビルが列なる摩天楼、その中で一番高い塔の上にフェーズ・ワン(快音響・f06673)は降り立った。フフッ、イイ夜じゃないか。稀代のメカニック、フェーズは夜の街を一望する。
「ったく、不快な音出しやがるぜ」
だが、不埒な輩が居るようだ。フェーズは耳が良い。良い音を出す、その情熱は自身の発明品に悉く注いでいる。そんな彼だからこそ聞こえた。虫の不快の羽音が、街の至る所から。
「あー、あー、店長?聞こえるかい?」
しかし、これは好機だ。敵の位置が筒抜けなのだ。己の役割を十二分に果たせるだろう。
『ーン。コチラ"Victor"...なンてね?月が綺麗だよ、Mr.ワン』
「綺麗だが、虫のせいで風情もあったもんじゃねぇな」
インカムから流れてきたのは、共同相手であるヴァシリッサ・フロレスク(浄火の血胤(自称)・f09894)の声だった。今回のフェーズの役割はサポートだ。自分は目であり、彼女は矛。
「いっちょ害虫駆除と行こうか!報酬は言い値だ。ひゅう、ぼろ儲けだね」
『Ya、たんと稼がせて貰うさ。店の弾代だってロハじゃ無いからねェ?』
ならば店の客から弾代くらい取れば良いのでは?いや、聞くのは無粋というものだ。彼女なりの拘りなのだろう。
『じゃァ、手筈通りにお願いねェ』
「任せな」
ーーゲッゲッ!
糞ったれな怪物共が臓物をブチ撒きながら死んでいく。ワケガワカラナイ、ソンナハズデハ。奴らの瞳がそう訴える。ヴァシリッサは、まだ生きている虫に小銃弾を喰らわせた。ふと、フェーズのドローンが目に留まる。
「あァ、イイ音だ。よぉく視えるよ」
流石ワンだ。辺りを飛ぶドローンの映像を即座に統計し、自分に知らせてくれているのだろう。端末に送られてくる情報は正確であり、逐一無線でサポートが入る。実にやりやすい。
『店長、ボーナスステージだ』
「ーOver」
『そこの突き当たりを右だ。大量の虫共が向かってくるぞ』
ーーゲッゲッゲッゲッゲッ
良いねェ、そうこなくっちゃ。敵側に動きがバレたのだろう。不気味な音を鳴らしながら、パープル・フリンジ達がヴァシリッサ目掛けて集まってくる。背後から仕掛けてきた一体にトレンチナイフをブッ刺した。血の雨が心地良い。
「っと、街中で派手にヤり過ぎたねェ?」
『まだ熱くなりすぎんなよ?本番はこれからさ』
「Roger、こっからはCOOLにいくよ?」
勿論、建物を壊せばUDC組織が後始末をしてくれるだろう。デカい借りを作ることになるが。それは面倒だ。ならば、手っ取り早く終わらせるべきだろう。ヴァシリッサの瞳が獰猛に光る。赤い残光を残し、彼女は闇へ溶けていった。
「ホントに熱くなってないのかね、あれで」
サーチドローンから送られてくる映像に、フェーズは思わず苦笑いを浮かべた。確かに、彼女は言われた通りに静かに事を終えるのだろう。だが、辺りは見渡す限りの血!血!血!
ーードッ!
鈍い音が聞こえるたび、
ーードチャッ!
悪魔が杭を穿つたび、
ーーグチッ!
虫から死花が咲き誇る。
ただ、彼女は一つ間違いを犯した。壁についた血糊、へばり付いたドロドロ...コレを掃除するのは一体誰だと思っている?
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
第2章 冒険
『駅の噂』
|
POW : 駅中を歩き回り怪しい場所を探す、多くの人に聞き込みする等
SPD : 駅の中に怪しい気配がないか探る、怪しい人物を尾行する等
WIZ : ネットでの噂を探ってみる、集めた手掛かりをもとに考察する等
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
アリス・ラーヴァ
※アドリブ・連携歓迎
POW
振り返ったら攫っていく怪物なんてこわーい、きっとUDCの仕業ねー
アリスも攫われないように気を付けないとー
さて次は噂の調査ねー
さっき街中に潜伏させた妹達にお手伝いして貰って、『パープル・フリンジ』が集っていた人達に噂の聞き込みをするのー(聞き耳+集団行動)
みんなー、街の人達から噂話を聞き出すのよー、でも補導されそーになったら逃げてねー
みんなと意識を共有させ、流れている噂の種類を分別して数の多かった噂の中心地を【追跡】するのよー
うーん、この地区が発信源かしらー?
発信源っぽい場所に怪しいものがないか幼い妹達にしらみつぶしで調べてもらいましょー(視力+暗視+偵察)
●UFOの噂
「ヒッ!誰かいるの!?」
カサカサと、壁を這う音が聞こえる。上も、下も、あらゆる所に何かが潜んでいる。手にした護身のスタンガンに力が入る。しかし、辺りを静寂が包んだ。覚悟を決めて背後を振り返る。そこに誰もいなかった。
「ねえ聞いた!UFOが出たんですって!」
「ネットに気になる書き込みがあったんだけどさ...」
「また人が攫われたんだってな、友達が路地裏に連れ去れれた人を見たって言うんだ」
「この街はもうお終いらしい、異世界からの怪物が攻めてくるんだってさ」
むずかしいわねー、アリス・ラーヴァ(狂科学者の愛娘『貪食群体』・f24787)の調査は滞っている。たくさんの妹たちの力を借りて、あらゆる噂を集めているが、その量はあまりにも膨大だった。それもそうだ、何も目的の噂だけが人々の間で交わされているわけではない。それこそ、突拍子もないオカルトから都市伝説まで様々だ。だが、それでもこれらの噂が聞こえた場所には『パープル・フリンジ』が湧いていることもあり、やはり何かしらの関連性があるのだろう。
「UFO?何処でだ?」
「西口通りの方だって!」
「西口?確かに、あそこはビルもそんな無いし、UFOも飛んでたら見つけやすいかもな...ん?」
あら、虫が湧いたわー。アリスは手際よくフリンジを『処理』し、若者達をUDC職員の元へ送る。これで彼らは安全だろう。
「うーん、そこが発信源かしらー?」
怪物に見た、襲われた、攫われた。こういった噂は多く、フリンジ達の卵も多数見られる。しかし、今回の噂は小規模ながらもフリンジが湧いた。事の発端を突き止める重要な鍵だろう。さらに今回の事件の黒幕は空を飛ぶらしい。苦戦を強いられるかもしれない。
「みんなー、頑張ろうねー」
アリスは妹達を鼓舞する。彼女らは可愛らしく足を振った。
大成功
🔵🔵🔵
フェーズ・ワン
【GN3】
噂ねぇ
不穏な噂あたりでも探っていきゃいいのか?
あー、店長の世界じゃ、まぁなぁ
うちのところも、帝国軍と戦争してたから過激なもんが多かったな
ま、平和でいられるうちは、楽しんどこーぜ
私服で駅前へ
Lookを放ち、片っ端から人の話を集音させ解析させる
あー、人多くてよくわかんねぇ
ん? なんだ店長、いい情報でも……
あー、はいはい。後でな、後で
……タップにでも行かせて買わせておくか?
直接の情報収集は店長に任せ、店長が仕入れた情報の信憑性を高めるため、情報の統計、解析に努める
あんまいじめてやんなよー
UFOねぇ
俺のやつであれば、枕詞にカッコイイ、とか、イカした、とか付くからちげーな
だが興味はあるねぇ
ヴァシリッサ・フロレスク
【GN3】
アドリブ歓迎!
人攫いだなんだってのがイチイチ噂になるってのも、このクニがつくづく平和だってのが身に沁みるねェ……まァ、満喫してるケドさ?
私服で、Mr.ワンと駅前へ繰り出す。
スマホを弄りながら。
……ダンナ、アタシんトコの情報筋じゃ、どーやらあの角の饅頭屋が美味いらしいヨ……え、アソビじゃ無いって?
Sir yes sir♪
にしても、ダンナのソレってばホント便利だねェ?
西口がクサイねェ、野性の勘でそのへんのコ捕まえて情報収集だ。
ン?別に恫喝するってンじゃないよ?これでもコミュ力にゃ自信があってサ?
そンなに怯えなくたってイイんだけどねェ?
で、UFOだってサ。フフッ、ダンナのじゃ無いのかい?
●鼻と耳
パープル・フリンジ達との戦闘を終え、フェーズ・ワン(快音響・f06673)とヴァシリッサ・フロレスク(浄火の血胤(自称)・f09894)は噂の調査を始めた。
「噂ねぇ...不穏な噂あたりでも探っていきゃいいのか?」
先程とは打って変わって、今のフェーズは和服を着ている。隣を歩くヴァシリッサも同様に私服であり、戦闘用の外套ではなくカーディガンを羽織っていた。
「西口がクサイねェ...ごらん、Mr.ワン」
どうやらヴァシリッサはネット掲示板で気になる書き込みを見つけたようだ。フェーズは言われた通り彼女のスマホを覗き込む。液晶の光が彼の顔を明るく照らした。
>やっぱり『西口の誘拐犯』は実在するかもしれない。そこに住んでいる同僚が全然出てこなくなった
「人攫いだなんだってのがイチイチ噂になるってのも、このクニがつくづく平和だってのが身に沁みるねェ」
「あー、店長の世界じゃ、まぁなぁ。うちのところも、帝国軍と戦争してたから過激なもんが多かったな」
フェーズもヴァシリッサも争いの絶えない世界の出身だ。そんな彼らから見れば、UDCアースの人々は実に平和ボケしている。
「...まァ、満喫してるケドさ?」
「ああ、平和でいられるうちは楽しんどこーぜ」
だからこそ、彼らにとっては価値のあるものだった。
「え、ええ...最近は物騒で、何でも影から怪物が湧いてくるとか...」
中央駅の西口、その商店通り。何人目になるか、通行人を呼び止めたヴァシリッサは、噂の聞き込みをしていた。隣ではフェーズがドローンから送られてくる録音記録を整理している。
「あんまいじめてやんなよー」
「そンなに怯えなくたってイイんだけどねェ?...でェ、その話は誰から聞いたのサ」
「ヒッ!電車の中で聞いたんだ!もう勘弁してくれ!」
「あァ、ご協力に感謝するヨ」
おっかねえ姉ちゃんだ、男が去り際に言った言葉を彼女は受け流す。ヴァシリッサは通行人から多くの噂を聞き出した。怪物の噂、UFOの噂、人攫いの噂...しかし、黒幕に繋がる決定的な噂は手に入らずにいた。
(あー、人多くてよくわかんねぇ)
それはフェーズも同様だったらしく何とも歯がゆい。それもそうだ。人々は何も噂ばかりを話す訳ではない。全ての会話内容を把握するのは難しいだろう。
(なんだ?この『不快』な音は...)
だが、彼は『快音響』にして快音狂。録音データの中に到底看過できないノイズを見つけたのだ。何だこのナンセンスな音は。聞いているだけで頭が痛くなってくる。
(もしかすると...)
「なァ、ダンナ...」
「ん? なんだ店長、いい情報でも...」
どうやら彼女にも進展があったらしい。フェーズはヴァシリッサが指差す方向を見つめる。
「アタシんトコの情報筋じゃ、どーやらあの角の饅頭屋が美味いらしいヨ」
...どうやら、彼女の自慢の鼻は近くの誘惑的な匂いを捉えたらしい。耳を澄ましてみれば、食欲を唆る饅頭の焼ける音が聞こえてくる。
「あー、はいはい。後でな、後で...タップにでも行かせて買わせておくか?」
「Sir yes sir♪」
だが、まずはあの『不快』な音の出処を調べなければならない。ジジジジジ、まだ耳に残る大きなノイズ音。例えオブリビオンが絡んでいなかったとしても許してはおけない。ヴァシリッサの嬉しそうな鼻歌が、彼の頭痛を和らいだ。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
アレ・チカノ
匂いを嗅いだらお腹が空いてしまいました、UDC職員を探し出して食事をたかる事にしましょう。
コレは働いた分の報酬を要求します。具体的にはそこのお店のオデーンが食べたいです。
さっき食べた物はさっき食べた物、今食べたい物は今食べたい物。別腹というやつですね。
色々なオデーンがあるのですね。目移りなどと生易しい事は言いません、端から順に全部ください。お代はこの人に。
職員の財布を寂しくさせながら、その辺の人々の噂話に耳を澄ませる事にしましょう、仕事ですから。等価交換というやつですね。
めぼしい噂は聞こえて来るでしょうか?
無ければ次に行きましょう、ハシゴという奴です。どうです?私は人間の生態に詳しいのですよ。
●眠ら無い女
「聞いてる大将!私ホント酷い目にあったんだから!」
「聞いてるよ。はい、大根と牛すじね」
大抵こうした駅近くには呑み屋があるものだ。この街も例外ではなく、酔いを求めて通りを練り歩く者たちが見受けられる。
「あまり飲み過ぎるな。最近、寝れてないんだろ」
此処はそんな大衆酒場の一つ。数人の客で賑わう店内で、女性がカウンターで酔いつぶれていた。
「一人でいるよりココの方がマシよ。また襲われるかもしれないじゃない!」
「はいはい、蝙蝠の怪物だろ?大変だったな」
「信じてないでしょ!」
女曰く、夜道を歩いていると背後に気配を感じたので振り返った。そこに件の怪物がいたのだと言う。追加のビールを一気に呷る。
「コレは信じますよ。その話、もっと聞かせなさい」
すると女性の隣に、ちょこんと少女が座った。アレ・チカノ(草食系ヴァンパイア・f16064)である。側にはUDC職員の男性もいる。一見すれば親子にも見えなくはない。子供がたった一人で...といった事はなさそうだ。女性はアレに目を向けると笑顔を浮かべた。
「お嬢ちゃん信じてくれるのね!良いわ話してあげる。大将、はんぺん頂戴!」
「色々なオデーンがあるのですね。端から順に全部ください」
「大丈夫か嬢ちゃん?かなり量があるぞ」
「問題ありません」
卵やつくね、ロールキャベツといった有り触れたタネが湯気を立て、皿に盛り付けられていく。見た目良し、香り良し。それをアレは受け取るやいなや、次々と口へ運んだ。
「...それで、そいつは去り際にこう言ったのよ。『お前の睡魔はオレっちのものだ!』って。お陰様で不眠症よ!」
「そいつが何処に行ったか分かりますか?」
「私の住んでるマンションに飛んでったと思う。やっぱりまだあの辺にいるんだろうなぁ...」
吸血鬼が雁もどきを頬張りながら相槌を打つ。あの小さな体躯で、本当に良く食べる。恐ろしいほどに。
「待て、じゃあお前家に帰ってないんじゃないか?仕事はどうした?」
「帰れるわけないじゃない!」
なんて無茶な。彼女をよく見れば、目の隈も濃く髪もボサボサ。話に真実味が増してくる。やはりターゲットと接触したのだろう。この女性は『当たり』らしい。
「なら、コレが付いて行ってあげましょう。報酬は明日の朝食で」
「え?あっ分かったわ。ハシゴのお誘いね!なら早速行きましょう!」
「次は何が食べられるか楽しみです」
どうやら彼女たちは一緒に店を出るらしい。それもそうだ。噂の聞き込みはもう終わっているのだ。後は彼女の帰路に付いて行けば、自ずとオブリビオンに辿り着くだろう。
「人間、お勘定です。お代はこの人に」
さて、問題は...
「領収書お願いします」
これが経費で落ちるかどうかだ。
大成功
🔵🔵🔵
第3章 ボス戦
『五一二『デビルズナンバーよふかし』』
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POW : 悪魔の騒音(デビルノイズ)
【時計から鼓膜が破れるほどの大きな音】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
SPD : 悪魔の音波(デビルソニック)
【体のデジタル目覚まし時計】から【特殊な超音波】を放ち、【極度の睡眠不足に似た症状】により対象の動きを一時的に封じる。
WIZ : 悪魔の蝙蝠(デビルバット)
全身を【実体化した蝙蝠型のオーラ】で覆い、自身の【吸い取った睡眠欲】に比例した戦闘力増強と、最大でレベル×100km/hに達する飛翔能力を得る。
イラスト:雲間陽子
👑11
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「六六六・たかし」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
怪物の噂、UFOの噂、そして不快な音の正体は、五一二『デビルズナンバーよふかし』の仕業だった。眠る他者を無理やり起こし、その睡魔を奪っていくオブリビオンだ。叩き起こされた住人達は噂を拡散するだろう。『眠れない』『怪物を見た』『奇妙な音がする』...それに目を付け、増殖したのがパープル・フリンジだったのだ。未だ人々は眠れない。噂は広がり続けている。早急に元を断つのだ。
では件の『よふかし』は何処にいるのか?最初の遭遇地点、その近くでぐっすり寝ていることだろう。
アレ・チカノ
アドリブ他諸々OK
人間、下がっていて下さい。少し掃除をする必要がありそうです。
マンションの近くで敵の気配を感じたら、不眠症の女性には少し下がって貰いましょう、彼女には食事を貰う約束をしているので守り抜く必要があります。
敵UCへはこちらもUCで対処
おかしな事をしますね?実体を持ったら弱点が増えるだけです。それに、速度が上がった所で、電気の速度からは逃げられませんよ。ポチ、噛みつきなさい。
ユーベルコードで速度が上がっても範囲攻撃すれば問題ありません、サイキックブラストで麻痺させて、そのままポチで死ぬまで殴り付けましょう。
敵を倒した後は、マンションにでも泊まって報酬の朝食をきちんと頂きます。
●夜は静かに
「人間、下がってください」
アレ・チカノ(草食系ヴァンパイア・f16064)は、保護した女性の部屋にいた。UDC職員を連れ回し、女と居酒屋をハシゴした後、アレは彼女の家に泊まっていた。しかし、宅飲みもお開きになりかけた所で、あの音が聞こえ始めたのだ。ーージジジジ。船を漕いでいた女が飛び起きる。
「い、いやぁああ!」
パニックになった女を宥める。さて、この音は何処から聞こえてくるのだろうか?...どうやら上の階からのようだ。アレは女性を待機していた職員達に任せ、単身で敵のアジトへ乗り込んだ。
「Zzz...もう食べられないぜ...」
アレが上階の空室に入ると、一体のオブリビオンがいた。目覚まし時計と蝙蝠が合体したオブリビオン、五一二『デビルズナンバーよふかし』だ。天井から逆さまに吊り下がっており、器用に眠りこけている。
「...」
静かにアレは両手に力を込める。握った拳から青白い光が漏れ出し、暗い部屋を明るく照らした。そして、アレは寝言を呟く不埒者に高圧電流を解き放った。
「ギャァアアア!だ、誰だオマエは!?」
「煩いですね、夜中ですよ。大人しくコレに倒されなさい」
「傍迷惑な奴だ!」
「迷惑なのはお前の方です」
振り下ろされたポチの頭を『よふかし』は持ち前のスピードで躱そうとした。『よふかし』は、吸い取った睡眠欲の量に応じて加速能力を得ることができるのだ。しかし、『よふかし』はアレの打撃を諸に受けることになる。不意打ちで当てられた電流により、動きが鈍くなったからだ。ポチの牙が蝙蝠の肉をひきちぎる。
「何てことしやがる!俺っちの大事なボディがショートしちまってるじゃないか!」
これでは逃げ出す事も真間ならない。『よふかし』は、アレの追撃を翼で受け止めた。
大成功
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アリス・ラーヴァ
アドリブ・連携歓迎
コウモリさんに目覚まし時計がくっついているのー
アラームが騒音を撒き散らしていて迷惑よねー
ご近所の平穏の為にも退治するのよー
【時計から鼓膜が破れるほどの大きな音】が出ているけど、アリスは鼓膜がないからへーきへーき
音圧が大きい【環境に抵抗】して【ダッシュ】で『五一二『デビルズナンバーよふかし』』に襲い掛かって捕まえるのよー
空中に居て届かない場合は、アリスの糸で【ロープワーク】を駆使して【捕縛】するのー
捕まえたら道路や壁に思いっきり叩きつけて弱らせちゃおー
アリスは【力持ち】だから捕まえたら逃がさないわよー
十分弱らせたらそのまま【捕食】しちゃおー!
●悪魔の所業
マンションの一室、その狭い空間で戦うのは困難であり、猟兵達は攻めあぐねていた。大技を繰り出そうにも、マンションの住人に被害が出てしまうような代物は使えない。一方、『よふかし』にとっては建物の住人全てが人質だ。此処で耐え続け、人々の睡眠欲を吸い続ければ、手がつけられなくなるだろう。
「喰らいな!デビルソニック!」
『よふかし』の放った特殊な超音波が、戦闘中の猟兵と階下の住人達に向けて放たれる。すると、超音波を浴びた者達から極度の睡眠不足に似た症状が現れ始めた。猟兵達の動きが一斉に鈍くなる。
「へへ!動きが鈍くなってるぜ!」
このまま睡眠欲を全て力に変えるべく、『よふかし』は大きく息を吸い込む。しかし、増長した蝙蝠の思い通りにはいかなかった。
「ギイィィィ!ギチギチ〜!」
窓ガラスを突き破って『よふかし』に襲いかかる者がいた。アリス・ラーヴァ(狂科学者の愛娘『貪食群体』・f24787)である。マンションの壁に張り付いていたのだ。強い環境耐性を持つ彼女達には、『よふかし』の超音波攻撃は効かなかったらしい。その自慢の脚で見事に『よふかし』を捉えた。
「は、離しやがれ!」
『よふかし』も黙ってはいない。組みつかれたのならば、大きな音で引き剥がすまで。
ーージジジジジジ!!
「どうだ!この音を至近距離で受けたんだ!」
だが、またしても『よふかし』の読みが外れる。この襲撃者には鼓膜が無いのだ。あ、ありえねぇ...誰かが呟いた。彼女は別の脚で『よふかし』の身体を糸で縛り上げる。
「ギチィ!ギイィィィ!」
今の言葉を訳すとこうだ。みんな〜、食事の時間よ〜。糸でぐるぐる巻きにされた『よふかし』が窓から放り出される。
その下には大勢の姉妹達が待ち構えていた。
大成功
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火奈本・火花(サポート)
人探しや潜入を得意とする、UDC組織所属のエージェントです
■平時
『大切な人達の光の為に、私達が闇に立ち向かいましょう』
普段は礼節を弁え、理知的で物腰穏やかな対応を心掛けます
世間一般に「紳士的」とされる態度と相違ありません
■戦闘時
『我々は人類を邪悪や狂気から守る。その為には冷酷を貫く事も厭わない』
UDCや関連団体に相対した時は、非情に徹します
一人称は誇りをもって「我々」と呼称します
■行動傾向
日常・冒険:変装や演技、Dクラス職員や組織の支援を駆使した情報収集が得意です。自らの身を削る事にも躊躇しません
戦闘:機動部隊との連携を基本に、火器や状況を利用した奇襲・速攻を得意とします。ヤドリギは奥の手です
●冷徹な仕事人
戦いは続く。突如として戦火に巻き込まれたマンションの住人達は怯えていた。耳を裂くような爆音、銃と思しき発砲音。心にトラウマが植え付けられ、もう平和な日常には戻れない。
「大丈夫ですか!?警察です。開けてください!」
「一体何が起きている!戦争でも起きたか!?」
どうやら助けが来たようだ。部屋に立て篭もっていた住人がドアを開ける。
「大丈夫です。全て悪い夢のようなものですから」
「え?」
戸を開けると、そこには黒いスーツを纏った女性が立っていた。男の意識はそこで途絶えている。優しげな笑みと共に、袖の奥が光った気がした。
「こちら火奈本です。一階の住人の記憶処理、完了しました。回収をお願いします」
UDCエージェントの火奈本・火花(エージェント・f00795)は、今回の騒動に巻き込まれた一般人の保護をしていた。スーツの袖に隠し持った記憶消去銃を取り出し、新たな針を装填する。
『いてぇええ!やめ、やめやがれ!』
ターゲットであるUDC『よふかし』がマンションの上階から落ちてきた。そしてそのまま、待ち構えていた猟兵達に蹂躙されているようだ。いい気味...火花は思わず溢れそうになった言葉を飲み込む。我々は人類の庇護者。私情に流されてはならない。今は自分の仕事が優先である。
ガシャーンッ!
だが、どうやら奴は自分の仕事さえも満足にさせてくれないらしい。猟兵達から逃げてきた『よふかし』は、窓を突き破って火花達のいる部屋に侵入する。
「ああ?寝ている奴がいるな...オレっちの前で眠るなんて許せねえ!」
「...こちら火奈本。ターゲットが一般人と接触。交戦します」
ああ、なんて愚かな種族なのだろうか。大きな音を発そうとする『よふかし』に、火花は素早い蹴りを叩き込んだ。
「相手は私だUDC。お前は此処で死ね」
丁度退屈していたところだったのだ。果たして、この憎悪の炎を消すのにお前の首で足りるだろうか。
成功
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虎熊・月霞(サポート)
「まー焦らずのんびり行こー。とりあえず昼寝しよぉ」
面倒臭いけど、僕とーじょーってねぇ。いつもどーり野太刀でバッサリと斬り捨てちゃうよぉ?
伊吹流から派生した雷鳴を組み込んだ伊吹"雷切"流、僕の場合は『紫電』を利用した剣術を使ってー雷の速度で近付いてー敵さんを真っ二つにするよぉ。まぁ面倒臭くなったら首刎ねちゃえばいっかぁ、そうすれば大体の生き物って死んじゃうよねぇ?
首の無い敵さん?……うん、まぁそこは高度な柔軟かつ臨機応変に対応していこー。
あ、あとお願いされたら他の猟兵さん達と共闘もするしぃ、お手伝いもするよぉ。ご飯一回奢ってくれるならね!
アレンジ・共闘可
●雷鳴一閃
「zzz...」
戦場で眠るとは、可憐にして豪胆な少女が一人。虎熊・月霞(電紫幻霧・f00285)は、建物の屋上で横になっていた。しかし愛刀たる野太刀『童子切・鬼血』は離さず、いつでも抜けるようにしている。所謂、常在戦場の心得である。
「ふあぁ...おっと、そろそろ真打とーじょーかな」
どうやら戦局が悪化しているようだ。もう少し休んでいたかったが、仕事を頼まれたからにはそうもいかない。月霞は立ち上がると、慣れた手つきで童子切を抜刀する。そして静かに、身の丈ほどある刀身を軽々と上段に構えた。
「落ちよ雷鳴ーー」
掲げた刀身に青い閃光が束ねられていく。そう、これこそが伊吹の雷。彼女の得意とする紫電の技だ。そして月霞は、柵の外へと飛び降りた。
さて場面は変わって、蝙蝠と目覚まし時計が合体したUDC『よふかし』との戦いは、『よふかし』側の優勢に傾きつつあった。睡魔を糧に力を増す『よふかし』にとって、夜は最高の狩場だ。例えUDC職員達が民間人を無理やり眠らせ保護したとしても、彼ら職員の睡魔が、そして猟兵達の睡魔が『よふかし』に力を与えてしまっていた。
「キメさせて貰うぜ!デビルバット!」
力を解放した『よふかし』の蝙蝠の身体が、より存在感を増していく。猟兵達にトドメを刺すべく己の速度を上げたようだ。今の『よふかし』に追いつくことは...もはや彼らには不可能だ。
「さぁて...くたばりな!」
もはや彼にとって壁など無意味。壁を突き破ってマンションの外へ飛び出した『よふかし』は、猟兵達を纏めて葬りさるべく大空へと羽ばたいた。ジジジジジ、と爆音を撒き散らしながら高度を上げていく。今度はどれほどの大音波を放つつもりなのか。耐性のない者達にとって致命の一撃になるに違いない。三階を過ぎ、四階を過ぎた。そして...
「オレっちの最大最悪の必殺技だぜ!喰らえ!デビルノイズ!」
しかし、彼の攻撃は不発に終わる。そう、紫電を携えた月霞の一閃が、彼の喚きを遮ったのだ。
「あれあれ?おかしいなー...首を絶っただろキミ。まだ生きてるなんて不思議だねぇ」
落雷とともに地面へ降り立った月霞。彼女は奇妙な光景を目にした。確かに、目の前の蝙蝠の首を陸ノ太刀で叩き切ったはずだ。しかし、何ということだろうか。目の前の怪物は首の無い身体で、よろめきながらも立ち上がったではないか。
「でも、雷は相当痛かったみたいだねー。ならやりようはあるかな」
高度な柔軟性を維持しつつ臨機応変に、要は火力に任せて敵を葬り去る。月霞は新たな紫電を刀身に纏う。
ジ、ジジ、ジジジジ...はた迷惑な目覚まし時計が、虚ろにアラームを鳴らす。後一息で決着がつくだろう。
成功
🔵🔵🔴
サジー・パルザン(サポート)
『いつか、命果てるまで。』
人間のバーバリアン×海賊、27歳の男です。
普段の口調は「男性的(俺、呼び捨て、だ、だぜ、だな、だよな?)」、戦闘中は「粗暴(俺、てめぇ、だ、だぜ、だな、だよな?)」です。
勇猛なヴァイキングであり、死を恐れず自身の信念の為に戦います。
敵が攻撃するタイミングで相打ちを狙うことすらある程で、防御より攻撃を。やられるならやり返すといった直情的な人物です。煽りに弱く、自身の筋肉と武器を信じて正面から戦うことを好みます。
敵の数が多ければユーベルコードのヴァイキングの行進を。
強敵であれば巡り合わせに感謝しつつヴァルハラ・アウェイツを行います。
●紅い死神
今回のターゲットである『よふかし』は、もはや満身創痍だった。蝙蝠の実体は維持するのがやっとらしく、切られた部分はそのままに、虚ろに地面に立っていた。胸の目覚まし時計からも煙が上がっており、放っておいても直に消滅するだろう。サジー・パルザン(ヴァイキングの生き様・f12550)はヴァイキングである。ヴァイキングとは、万物の父オーディンに認められるべく、日夜戦いに明け暮れる殉教者である。最高の戦士と認められ、死後ヴァルハラへと招かれることは、ヴァイキングにとって最も名誉なことなのだ。そのためには、流血に塗れた偉大な戦果を神々に示さなければならないわけだが...
「残念だ。アレと戦ってもオーディンは認めてくれないだろう」
ジジ、ジジジ...と、壊れた機械音が辺りを木霊する。せめてもの抵抗か、『よふかし』はアラームによる音波で反撃を試みているようだ。しかし、その光景は哀れとしか言いようがなかった。
「せめてもの手向けだ。終わらせてやろう」
狼の外套を纏った大斧の死神が、ゆっくりと『よふかし』へ近づいていく。一歩、二歩、歩みを進める毎に機械から漏れる音は激しさを増していく。
「ヴァルハラ」
そして祈りの言葉と共に、オブリビオンは解釈された
はずだった。
ーージジジジジジ!!!
突如として大音波を発した夜更かしの悪魔は、吹き飛ばしたサジーと相対する。翼は折れた、だが手足はまだある。頭は無い、だが本体たる目覚ましの身体は生きている。
(死にたくねえ!死にたくねえ!コイツを殺す!)
皮肉にも、サジーの与えた死への恐怖が『よふかし』を奮い立たせたのだ。最後の闘争心を呼び起こしたのだ。手足があるなら、まだ動ける。本体が生きているということは、まだ音が使える。なら、まだ戦える!
「...ハハ!その心意気や良し!」
死神は笑みを浮かべる。舐めやがって、今に見ていろ。お前の鼓膜を引き裂いて、この爪で心臓を抉り出してやる!
「オーディンよ!ロキよ!見ていろ!俺はヴァルハラに連なる戦士、サジー・パルザンだ!」
両者は睨み合い、そして同時に動き出した。しかし悪魔は素早かった。死神に近づくや否や、爆音を響かせる。ジジジジジ!そして、仇敵の身体を刺し貫いた。
(取った!!)
「ウォオオオオオ!!!!」
だが獣のような咆哮が、渾身の大音波を掻き消した。なんだよ...全く怯んでねえじゃねえか。急所を捉えたはずの一撃は、正しい位置を貫いてはいなかったのだ。これでもう、彼は避けることができない。
(けど、これでようやく...ゆっくり眠れる...)
そして大斧は確かに彼を両断せしめた。
サジーの聖戦は終わらない。相棒のデーンアックスを背負うと、次の戦いへと歩き出した。流れる鮮血が彼の証明とならんことを。
成功
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●私の戦いは終わらない
ーーピピッ
いつもは起きるのがやっとなぐらい寝起きの悪い私だが、今日はすこぶる調子が良かった。久々によく寝れたみたいだ...まあ、だからと言って今の気分は最悪なわけだが。
ーーピピッ
長年連れ添っている相棒に拳を叩きつける。普段なら早々に出勤準備に取り掛かるべきなのだが、今の私には必要ない。
リストラしたのだ。
どうやら、知らない間に数ヶ月も会社を休んでいたらしい。そんな馬鹿なと最初は疑ったが...暦を確認すると否応にも認めるしかない。それがつい先日のこと。まさに自分だけタイムトラベルした気分だ。
ーーピンポーン
...こんな時間に誰だろうか?宅急便にしては早すぎる。警戒しながら玄関のドアアイを覗き込む。そこに立っていたのは、黒いスーツを着た人物だった。何故だろうか、見覚えがある気がする。何か、とてつもないことを忘れている気がする。スタンガンをポケットに忍ばせると、ドアのチェーンを掛けたまま、玄関を開けた。
「目に見えない恐怖を感じているだろう。奴らの存在を感じているだろう」
「我々と共に人類を守らないか?」