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panem et circenses

#アポカリプスヘル

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#アポカリプスヘル


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●空腹では隣人を愛せない
「クソッ! ここは安全じゃなかったのか!」
「情報収集が足りなかったんだろ! 口じゃなくて手を動かせ! 撃ち続けろ!!!」

 廃墟と化した『拠点』で銃を片手にオブリビオンと撃ち合いを続ける『簒奪者』たち。アポカリプスヘルの世界において彼らの様に廃墟を探索して食料や資材を持ち帰ることは最も重要な仕事の一つだった。

 しかし、今回この拠点に足を踏み入れた彼らは情報が誤っていたのか別のどこからか移動してきたのかわからないがオブリビオンたちと鉢合わせてしまいこうして戦闘になってしまった。歴戦の簒奪者と言えどオブリビオンと正面から戦っては勝ち目がない。

 ―――こうして今日もまた命が散る。

●グリモアベースにて
「皆様、お疲れ様です。今回はアポカリプスヘルでの依頼となります」

 グリモアベースで猟兵たちを出迎えたのはアマータ・プリムス(人形遣いの人形・f03768)だった。

「今回、当機が予知したのはとある拠点に所属する簒奪者がオブリビオンと鉢合わせてしまい惨殺されてしまうという未来です。皆様にはそれを事前に防いでいただきたいのです」

 簒奪者は拠点における重要な仕事。そんな彼らがいなくなってしまっては拠点への影響も計り知れない。故に今回は予知に従い、その死を回避してほしいというのがアマータの依頼だった。

「方法としましては彼らが廃墟に侵入する前に皆様に侵入していただき物資を確保していただきたいのです」

 先んじて物資を確保してしまえば簒奪者たちが廃墟に足を踏み入れる理由も無くなる。潜むオブリビオンも猟兵たちならばなんの問題もなく倒すことができるだろう。

「そして今回はただ物資を持ち帰るだけではありません。その後、この荒廃した世界で生きる人々のために一つ、催しを開こうかと思っております。こうして事件をこつこつ解決し、人々に希望を与え続ければいずれそれが人類の再建に繋がるかもしれません。催しの際は当機もお手伝いしますので何なりとお申し付けください」

 簒奪者たちに先んじて物資を確保し、それを持ち帰り拠点で催しを行う。
 それが今回の流れ。

「皆様でしたら難なく達成できるとは思いますが人命がかかっております。どうかご注意を」

 こうしてカーテシーと共に猟兵たちの転移が開始された。


灰色幽霊
 どうも、灰色幽霊です。
 今回は初のアポカリプスヘル! 新世界はまた今度です。

 依頼の流れとしましては。
 まず簒奪者たちより先に廃墟と化した拠点へ侵入していただきます。
 その後オブリビオンを掃討。
 物資を持ち帰り催しを開催となっております。
 3章に関してはご指名いただければアマータも参加いたします。御用があれば何なりと。

 今回の依頼は深く考える必要のないわかりやすい流れです。注意事項などは特にございません。

 シナリオの状況や注意事項がMSページにございますので一読よろしくお願いします。

 それでは皆様の素晴らしいプレイングをお待ちしております。
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第1章 冒険 『強行偵察任務』

POW   :    実力行使で敵を力づくで排除し、調査する

SPD   :    スピードで攪乱したり、卓越した技術で敵を翻弄し、調査する

WIZ   :    科学技術や魔術などで敵を無力化し、調査する

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●栄枯盛衰の資源の山

 誰もいなくなって久しい拠点。そこには未だ多くの物資が遺されていた。
 持ち出す暇もなく逃げ出したのか。
 逃げ出すことすらできず殲滅されたのか。
 それはもうだれにもわからない。

 わかるのはここには物資が遺されており、人がいなくなった今も機械化した動物たちが跋扈し、警備用のロボットたちが徘徊しているということだけ。

 物資が貯蔵されているコンテナまでたどり着かなければ確保はできない。


 ―――猟兵よ邪魔な機械化した動物たちと警備ロボットを掻い潜り物資までのルートを確保せよ
月代・十六夜
いやぁどの世界も世知辛い。犬も歩けばなんとやらってか

入る前に状況確認で【音の結晶】をぽーいで超音波ソナーな。反響音で大体の場所は分かるし、これで何か寄ってくるようならそれはそれで誘導できたってことで別のとこに回ろう。
幸い【韋駄天足】【スカイステッパー】で速度はあるし、廃墟にありがちな崩れそうな瓦礫だとか空洞とかはオールOKだしな。
あとは適当に見回りながらこまめな物資回収と地形の把握くらいかね。
あとはまぁ、バトルあるのは確定何だし適当に戦場になりそうなところに当たりつけておくかー。
罠とかは…やめとくか、情報共有無いのに他人が引っかかったらバカみたいな話だし。



●渡る世間に金はない

「いやぁどの世界も世知辛い。犬も歩けばなんとやらってか」

 転移を終え、真っ先に廃墟へとやって来たの月代・十六夜(韋駄天足・f10620)は入口の前で腕を組みこの世界について一考する。とはいえこの世界のことはこの世界の住人たちがどうにかすべきだろう。みすみす命を落とさせることもないが、わざわざ慈善事業の様なことをするつもりも十六夜にはなかった。

「んじゃ、ま、こいつで」

 そんな十六夜が取り出し廃墟の中に放り込んだのは属性を封じ込めた『属性結晶』。今回投げた小さ過ぎるそれでは例え攻撃だったとしても威力はたかが知れている。
 それもそのはず、今回の結晶は攻撃ではなく索敵が目的。音を封じ込めた結晶が廃墟の中で砕け散り、反響しながら音を立てる。

「———ふむ」

 常人ならば聞き取れない音も十六夜の聴覚ならば聞き取れる。
 その音の反響で廃墟の構造を把握し、ルートを構築してから十六夜の潜入は開始される。



「よっ、ほっ」

 天井は崩落し、ひび割れた床も何のその。【韋駄天足】で自身を発射し、【スカイステッパー】で宙を舞う。十六夜にとってこの程度の廃墟は障害とはならなかった。
 警備で巡回してるロボットも、機械化した動物たちも鳴り響く音に誘われ十六夜の侵攻ルート上には存在しない。不必要な戦闘でこの廃墟をこれ以上破壊すればどうなるかもわからない。故に十六夜は極力戦闘を避け廃墟を進む。

「こんなとこでドンパチやってみんな仲良く生き埋めってのはごめんだからな」

 戦闘はおそらく避けられない。しかしどこでも戦闘ができるわけでもない。暴れても問題がない場所で戦わなければこの廃墟自体がどうなるかもわからないのだ。猟兵であれば死ぬことはないかもしれないがリスクを無視するのは愚の骨頂。

「この辺りなら大丈夫そうか」

 十六夜は道中でも何か所か戦闘に耐えうるだろう部屋に当たりをつけていた。

「罠でも仕掛けられれば最高なんだが……誰かが引っかかったらバカみたいだしな」

 情報の共有もしていない状況で罠を仕掛ければ敵は元より味方である他の猟兵たちにも被害が及ぶかもしれない。だから十六夜が今できるのは戦闘時に使えそうな場所の目星をつけておくことくらいだった。

「ん? この足音は……逃げた方がよさそうだな」

 ここまで廃墟を進む中で構造のパターンも徘徊しているモノたちの足音や駆動音も把握済み。無駄な仕事は行わず、十六夜は徘徊するナニカと鉢合わせる前にさらに廃墟の奥へと進む。


 ―――物資の眠るコンテナまではあと少し。

大成功 🔵​🔵​🔵​

フェーズ・ワン
物資がたっぷりってか、いいねぇ
珍しい機械や骨董品、甘い物なんかもありゃいいが…
ま、腹が減ってはなんとやらだ
連中のためにも、食い物メインで探索するかね

物資は後で改造バンに乗せて運ぶとして、まずは探索だ
宇宙バイク「F.O.B.」に乗り、各メカに指示
UCを使いサーチドローン「Look」を複製、各地にばらまき物資の探索をさせ発見次第ルート確保に向かいつつマッピング
可能であれば味方にも情報を共有する

隼型「ウィンズ」は空から哨戒させ、Lookに敵が向かった場合これを撃破させる
サイ型「スピナー」は盾として側に配置し、障害物があれば突撃で破壊させる
人型「タップ」は銃器を持たせて護衛

さて、お宝は見つかるかね



●腹が減っては生活できぬ

「珍しい機械や骨董品、甘い物なんかもありゃいいが……」

 廃墟の入口でフェーズ・ワン(快音響・f06673)は準備を整えながら思案する。
 物資の乏しいこの世界。何かを得るためにはこうしてどこかにある物資を探し出し、持ち出さなければならない。

「ま、腹が減ってはなんとやらだ。食い物メインで探索するかね」

 空腹では探索もできない。人が生活するうえで食は最も大切なものの中の一つ。故に今回、フェーズが探すのは腹を満たすための食糧たち。そこに嗜好品でもある甘味もあれば最高だ。

「よし、行くぜ」

 展開したメカたちに指示を与えるためのインカム『Moving』を装着し、赤いバイク『F.O.B.』に跨りフェーズの準備は完了する。確保した物資は後で運び方を考えるとしてもまずは探索し、物資を見つけなければ話にならない。

「まずは頼んだぜ、Look」

 ユーベルコード【D-Team】により複製されたサーチドローン『Look』が風の吹く音を流しながらフェーズの指示に従い飛翔し、先行して物資を探す。

「ウィンズはLookの護衛、スピナーとタップは俺の傍にいろ」

 他の3機にも支持を飛ばし、フェーズの廃墟探索はスタートする。



 廃墟と化してどれだけの時間が経ったかわからないこの拠点。もちろん道の舗装などされてはおらず瓦礫もそこら中に転がっている。だがその程度の障害物は『サイ型半自律兵器【スピナー】』がツノのドリルを回転させ、突撃し、破壊する。障害物のない多少の悪路であればフェーズの操るバイクが走破できる。

「ん?」

 廃墟のマッピングを続けるフェーズの元へ届く『Look』からの信号。同時に『隼型半自律兵器【ウィンズ】』からも接敵した報告が飛んで来る。

「お宝の前に邪魔者らしいな!」

 信号のあった方向へバイクを方向転換するためにドリフトを一つ。音の無かった廃墟の中にスキール音が木霊する。そのままフェーズはアクセルを吹かし、こだわりのエンジン音と共に廃墟を疾走する。



「敵機発見! やっちまえタップ!」

 信号の元にたどり着くとそこには背に機関銃を生やした狼と背負うビームキャノンで応戦するウィンズの姿が。周囲に転がる残骸から察するに機械化した狼はすでに数体破壊されているようだ。
 ウィンズに加勢するように、その手に持つ銃を構える『人型半自律型兵器【タップ】』。放たれた弾丸の壁と降り注ぐビームの雨が残り数体となっていた機械狼を蹂躙し、破壊する。

「これなら加勢する必要もなかったか?」


 ―――破壊した残骸も乗り越え探索は続く。

成功 🔵​🔵​🔴​

アリス・ラーヴァ
※アドリブ・連携歓迎

わー、すてきな廃墟ー
依頼が終わったら妹達を何人か置いて巣を作っちゃおうかなー?
物資を集めるついでに住みやすそうな所を探してみるのよー
うーん、でもちょっと入り組んでいるみたいねー
後から物資を運び出さないといけないし、妹達を沢山呼んで【トンネル掘り】の要領で外から物資までの直通通路を作っちゃおー!
道が通れば他の猟兵さんも入りやすいよねー
成虫は前肢や鋏角で掘って、瓦礫は幼虫達が運び出すのよー【団体行動+運搬】
あ、ロボットや動物達が沢山いるのー
アリス動物だーいすきー!(食料として)
敵は他の猟兵さんが倒してくれると思うからアリス達は倒された敵を巣に持ちかえるのー
今日はごちそうよー!



●蓼食う虫も好き好き

「ギチギチィ(わー、すてきな廃墟―)」

 何も知らない者が見れば怪物が廃墟を跋扈しているようにしか見えないがアリス・ラーヴァ(狂科学者の愛娘『貪食群体』・f24787)もれっきとした猟兵である。
 しかし人が住んでおらず、薄暗いこの廃墟はアリスにとってとても居心地がよかった。それこそここに巣を作るか悩むほどに。

「ギチ……ギチー(うーん、でもちょっと入り組んでいるみたいねー)」

 とはいえ今は依頼の最中。為すべきことを為さねばならない。この入り組んだ通路を通り、見つけた物資を外に運び出すのは少々手間がかかる。だからアリスは近道を作ることにした。

「ギチギチギチギチ~♪(みんな~全速前進よ~♪)」

 アリスの呼びかけに応じ、現れるアリスと瓜二つの成虫と幼虫の姿をした幼い妹たち。アリスたちがつくる近道とはずばりトンネル。通路以外に物資と出口を繋ぐ横道を作れば確かに他の猟兵たちも行動しやすい。
 成虫たちは前肢や鋏角で壁や瓦礫を破壊。
 幼虫たちがそれを運び出す。
 そんな一糸乱れぬ作業を繰り返し、アリスは廃墟のトンネル工事を進めていく。


「ギチィ?(あれー?)」

 穴を掘り進めればもちろん他の通路と繋がることもある。そしてアリスがトンネルを掘り進める間に他の猟兵たちも廃墟の中を進んでいる。つまり誰かが通った痕跡が残ることもある。
 この通路に残っていたのは機械化した動物の死骸。ここで猟兵に襲い掛かり返り討ちにあったのだろう。周辺に武装の残骸らしきものも転がっている。

「ギチギチギチィ!(アリス動物だーいすきー!)」

 多少機械化していたとしても動物の肉はアリスにとって極上のごちそう。すかさず妹たちに指示を出しできた通路を通り外へと持ち出す。
 この世界の住人達のための物資は未だ見つかっていないがアリスたちのごちそうは増えていく。
 アリスたちが他の猟兵のために通路を作り、他の猟兵たちが出くわした動物を倒すという共存関係。物資までの道のりはまだ遠いが廃墟の中にどんどんトンネルができていく。

「ギチギチー!(今日はごちそうよー!)」

 こうしてアリスは妹たちと共に廃墟をまだまだ進んでいく。

 情報の共有が十全にはできておらず、他の猟兵がマッピングした地図がほんの少し変わってしまったのはご愛敬。



 ―――こうして姉妹の廃墟探索はまだまだ続く。

大成功 🔵​🔵​🔵​

クラウン・アンダーウッド
サクッとオブリビオンを片付けて人々を笑顔にさせにいこうか♪

邪魔モノは無力化していこう。γ。キミに任せたよ♪
γは恭しくお辞儀を1つすると蝗の大群を召喚し、蝗達に命令する。蝗は気付かれない内に相手の体内に侵入し、駆動系の配線や部品をボロボロに噛み砕いていく。

動けなくなった動物やロボットを横目に物資の下まで悠々と歩を進める。



●死体に口なし

「サクッとオブリビオンを片付けて人々を笑顔にさせにいこうか♪」

 クラウン・アンダーウッド(探求する道化師・f19033)は廃墟と化した拠点に足を踏み入れていた。どう探索しようか事前に考えていたが足を踏み入れてみればその心配は必要なかった。ルートを考える必要がないほどの大穴が廃墟の道を貫いていた。誰がやったのかは知らないが恐らくは先に来ていた猟兵の誰かの仕業だろう。クラウンにとって誰がやったかはさほど重要ではない。もし。この穴を作ったのがオブリビオンだとしても利用しただろう。

「さて、お届け物は何処にあるのかな♪」

 クラウンはカバンを手に穴を進んでいく。


 その穴はできてから少々時間が経っているようだった。穴を掘った張本人は既に別の場所にいるのか誰かがいる気配が今はなかった。在るのは何かが進む音だけ。その独特な音は生物が発するものではなく機械が発する音。もしかしたらそういった種族の猟兵かもしれないがそうであったのならば避ければいいだけの話。

「通路とも繋がっているみたいだしそこから入ったのかな。邪魔モノは無力化していこう。γ、キミに任せたよ♪」

 そう言ってクラウンが『カバン型移動工房』から呼び出したのはγと名付けられた『からくり人形』。その人形が恭しくお辞儀をすると現れるのは超極小の絡繰蝗の大群。【人形固有能力・タイプγ】により呼び出されたその蝗は食物だけではなく、命令さえあればありとあらゆるもの喰らい尽くす悪魔。その悪魔に命令を下せるのはγと呼ばれた人形のみ。相手がロボットだろうと機械化した動物たちであろうと体内に侵入し、内部から喰らい尽くす。

 大穴の中を進んでいく蝗の大群。道中で出会う全てを呑み込み、残るのは外見上は何の変化もない機械たち。しかしその中は無残に食いちぎられ正常には動かない。きっとその亡骸は大穴の主がそのうち見つけて片付けてくれるだろう。

「よし、じゃあ行こうか♪」

 人形と手を取り、転がる亡骸を尻目にクラウンは大穴の中を悠々と進んでいく。


 ―――進む先に物言わぬ亡骸を積み重ね人形と主の廃墟探索は進んでいく。

成功 🔵​🔵​🔴​

エドゥアルト・ルーデル
ヒャッハー!スカベンジの時間だァ!

潜入でも良いが…今日は暴れてぇ気分なんだ!正面から行かせてもらいますぞ!今宵の拙者はちにうえている…
派手に暴れると決まれば荒野にピッタリな【仮想兵器】を創造!世紀末には戦車だよネ!
…うム!大量の人型ロボットが!足と大砲が生えた神輿を担いでいる!
イカン!なんか想像が引っ張られた!
諦めてコレで行くか…所でどこに乗るんだコレ?取り敢えず神輿の屋根でいいか

走らせてみると意外と良い感じでござるね乗り心地以外は!
瓦礫や警備ロボをそそり立つ主砲で一撃で粉砕し、道中のまだ使えそうな物資も担ぎ手がソイヤソイヤと収集してくる!
なんか機動性もピカイチで案外いいマシンでごzケツ痛ェ!



●備えあれば嬉しいな

「ヒャッハー! スカベンジの時間だァ!」

 エドゥアルト・ルーデル(黒ヒゲ・f10354)は廃墟と化した拠点を前にテンション上がりまくりだった。もちろんこの手の依頼では無駄に戦闘を行わず、静かに潜入し目的の物を確保してずらかるのが一番効率がいいとエドゥアルトも知っている。

 知っていはいる。だがそれに従うかどうかはその日の気分次第。

「潜入でも良いが……今日は暴れてぇ気分なんだ! 正面から行かせてもらいますぞ!今宵の拙者はちにうえている……」

 そんなことを言っているがつまり何が言いたいかというと今日はこそこそするのではなく効率などは度外視して暴れたいということだ。この世界は派手に暴れてもいい世界。というかそんな輩ばっかりいる世界。
 そうと決まればエドゥアルトはユーベルコ―ド【例のアレがこの世界に現れたようです】を発動し、その想像力から実際には存在しない架空兵器を創造する。

「世紀末には戦車だよネ!」

 確かに世紀末には戦車がよく似合う。その履帯であらゆる場所を走破し、主砲で敵を薙ぎ払う。それはとても血沸き肉躍る展開。

 ―――しかし、このユーベルコ―ドには一つ欠点があった。

「……うム! 大量の人型ロボットが! 足と大砲が生えた神輿を担いでいる! イカン! なんか想像が引っ張られた!」

 そう、これはエドゥアルトの想像から創造するユーベルコ―ド。架空兵器を想像している最中にちらっと考えてしまった人力戦車のこと。そんなものを考えてしまっては想像が引っ張られないはずがない。

 出来上がったのはエドゥアルトの言葉通り足と大砲の生えた神輿を担ぐ大量の人型ロボット。
 見た目は悪いがユーベルコ―ドで作ったのだから性能は折り紙付き。しかしどこに乗ればいいかはわからなかったのでエドゥアルトはとりあえず神輿の屋根に乗ってみた。


 その人力(ロボ)戦車は走らせてみると想定以上の働きをした。邪魔な瓦礫や整備ロボはそそり立つ主砲で粉砕し、多少の悪路ならば人型ロボットたちが走破してくれる。そして床に転がる使えそうな物資も担ぎ手たちが収集してくれるという無駄のない働き。

「機動性もピカイチで案外いいマシンでごz――ケツ痛ェ!」

 しかし唯一の欠点は衝撃。サスペンションも何もなく、人型ロボットが担いでいるだけの神輿は衝撃をフルに屋根の上にいるエドゥアルトまで伝える。それに加え屋根の形状はひどく尖っており、その突起がエドゥアルトの臀部を襲う。



 ―――コンテナに辿り着くのが先か、エドゥアルトの臀部が悲鳴を上げるのが先か。デッドヒートの決着は如何に。

大成功 🔵​🔵​🔵​

メイスン・ドットハック
【SPD】
機械化した動物やロボットの墓場と言ったところかのー
こういう輩は僕にとっては全く怖くないじゃけどのー

アメジストを取り出して迷宮の主としての権限を行使し、UC「迷宮主の領域に踏み込みし権能」を発動
オブリビオン培養施設の技術を応用して自身の劣化コピーを作り出す
指示を出して全員で電脳魔術による電脳ハッキングを実行し、機械化した部分の制御を奪ったり、AIに干渉して敵味方認識を入れ替えた同士討ちをさせたりする
混乱の極みの中、ハッキング担当とは別の連中はレーザー砲ユニットを制御して、一斉砲撃で速やかに制圧していく

僕等にかかれば容易い仕事ではあるのー

味方には攻撃が行かないようにも配慮
アドリブ絡みOK



●地の利は人の数に如かず

「機械化した動物やロボットの墓場と言ったところかのー」

 そんなことを言いつつもメイスン・ドットハック(ウィザード級ハッカー(引き籠り)・f03092)は廃墟攻略の準備を進める。メイスンにすって機械相手は恐るるに足らない。
 取り出したのは一つの宝石。それは『ダンジョンロード『アメジスト』』と名付けられた先の戦争における迷宮の主の証。メイスンが主を担う迷宮はオブリビオン培養施設だった場所。この宝石はその主であるメイスンに培養施設のデータにアクセスする権限を与える。

「こういう時は人海戦術じゃのー」

 権限を行使し、【迷宮主の領域に踏み込みし権能】を発動するメイスン。その力で生み出されるのはメイスン自身の劣化コピー。本体の半分程度の力しか持たぬがその数は70を超える。

「みんな頼むのー」

 コピー達はそれぞれ廃墟のあらゆる方向に散らばっていく。先に潜入した猟兵たちも探索を行っている形跡が見受けられるがその後を追う形でメイスンも進んでいく。
 廃墟をぶち抜くように空けられた大穴に関しては少々驚いたが。


 コピー達は廃墟の各地で機械化した動物たちや警備ロボットと戦闘を繰り広げながら探索を進める。
 コピー達は数人でチームを作り、隙のない戦闘を行う。
 先ずはハッキング担当が電脳魔術による電脳ハッキングを実行し、動物たちの機械化した部分の制御を奪う。警備ロボはAIに干渉し敵味方の識別を変更することで同士討ちを誘発させる。そうして動きが止まれば後方に控えていた攻撃担当が『O-Ⅵ型電脳レーザー砲ユニット「MIYOSHI」』を制御し、一斉砲撃で速やかに制圧していく。
 そんなことを繰り返しメイスンは危なげなく廃墟の奥深くへと進んでいく。

「僕等にかかれば容易い仕事ではあるのー」


 廃墟の各地で鳴り響いていた戦闘の音が徐々に少なくなっていく。メイスンのコピー達の働きによるものも多いが、他の猟兵たちも別の場所で戦っていたのだろう。音の数が少なくなるということは探索がそれだけ進んでいるということに他ならない。

「む、怪しいのー」

 そんなメイスンの前に現れた巨大な扉。見たところ電子制御で鍵が掛けられているようだがこの程度の鍵などメイスンにとっては朝飯前。制御端末に侵入すると瞬く間にロックを解除し、巨大な扉は静かに開いた。

「―――大当たりじゃ」



 巨大な扉のその先にあったのは何かが納められたコンテナの数々。
 こうして猟兵たちは目的の地へと辿り着く。本番はここから。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『資材略奪用兵器群デッカイザー』

POW   :    よーし、ジッとしてるね!
全身を【全電磁塗布装甲を閉じ、熱血防御モード】に変える。あらゆる攻撃に対しほぼ無敵になるが、自身は全く動けない。
SPD   :    僕たちの邪魔をしないでよ~!
【装甲を展開し防御力を下げ、各種内蔵兵器】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
WIZ   :    超最強っぽい地上走行戦艦グレート・デッカイザー!
【群れが合体変形し、非常に強力な】突進によって与えたダメージに応じ、対象を後退させる。【数多く】の協力があれば威力が倍増する。
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●開門揖盗の資材の山

 コンテナに辿り着いた猟兵たちだったがそこには生憎と先客がいた。オブリビオンたちは資材のコンテナに群がりそれを運び出そうと試みている。
 しかし残念なことにスカベンジは早い者勝ちではない。先客がいたとしても排除してしまえばいいだけのこと。それがオブリビオンならばなおさらだ。

 幸いなことにこの倉庫らしき場所もコンテナも相応に頑丈らしくちょっとやそっとでは壊れないだろう。万全を期すならば事前に当たりをつけておいた場所へと誘導するのもいいかもしれない。どんな方法を使ってもコンテナの周囲にいるオブリビオンを排除し、コンテナを確保すればいい。


 ―――さぁ、楽しい略奪の時間の開始である。
アリス・ラーヴァ
※アドリブ・連携歓迎

あー!コンテナを持っていかれちゃうー!
悪い子達は前肢で切り裂いてお仕置きしてやるのー

(『よーし、ジッとしてるね!』に対して)
かたーい、刃が欠けるかと思ったー
うーん、どーしよー?
あ、でも硬いけど動けないのかなー?
それじゃー今のうちに妹達を呼んで【アリスの糸】でぐるぐる巻きにしちゃおー!
特に足やハサミは念入りにねー
『デッカイザー』が糸で絡まっている間にコンテナを取り上げて、幼い妹達に【運搬】して貰うのよー
アリスは動けない『デッカイザー』を鋏角で持ち上げて他の『デッカイザー』に何度も打ち付けるのー
いくら硬くても同じ硬度の物でアリスの【怪力】で叩いたら少しは効くよねー?


エドゥアルト・ルーデル
拙者のケツはボドボドだ!

さっきも戦車…戦車?だったからな…今度も兵器に乗り込んで暴れたいでござるな
目の前にあるじゃねぇか兵器が
早速全身を【ドット絵】に変換!イクゾー!(歩く度に鳴るやたら軽快なSE)
敵が【装甲を閉じた】らドット絵でペラッペラな身体を装甲の隙間にスイと潜り込ませますぞ
更に電子データな拙者に【ハッキング】を組み合わせる事で敵兵器の頭脳中枢に侵入し乗っ取りでござる!

ぷるぷる…せっしゃ悪いでっかいざーじゃないよ…
と味方のフリして油断させた所を内蔵兵器でドーン!
合体変形グレートデッカイザーで猟兵共をぶっ倒せ!おっと間違えた
適当に暴れてやられそうになったら脱出ですぞ!

アドリブ自由


メイスン・ドットハック
【WIZ】
僕等は奪還者であって略奪するのは本意ではないのじゃがのー
邪魔するならそれはそれで何とかするしかないけどのー

二足歩行戦車KIYOMORIに搭乗して参戦
グレート・デッカイザーになれるような場所まで誘導し、コンテナに被害が及ばないようにする
その際、電脳魔術で地雷を仕掛けておいて足場を崩しておき、合体の際に動きが取れないように罠を張っておく(罠使い・破壊工作)
そしてUC「巨人を穿つ叡智の煌めき」を発動して、巨大生物・機械のW特攻を付与した増幅兵器を戦車の各兵器に搭載して、一斉砲撃を敢行

やはりこういうのは纏めて倒すのが効率いいのー。一網打尽という奴じゃ!

アドリブ絡みOK



●一切合財を搔き集め

 コンテナに群がるオブリビオンたち。そしてそこへやって来た猟兵たち。
 そうなってしまえばここから何が始まるかは自明の理だった。

「ギチギチギチィ!(あー!コンテナを持っていかれちゃうー!)」
「え、こっちも敵でござる?」
「いや、バイオモンスターの猟兵じゃろー」

 この倉庫らしき場所にまず辿り着いたのはアリス・ラーヴァ(狂科学者の愛娘『貪食群体』・f24787)、エドゥアルト・ルーデル(黒ヒゲ・f10354)、メイスン・ドットハック(ウィザード級ハッカー(引き籠り)・f03092)の3人。アリスの姿に面食らったエドゥアルトの挙動が若干バグっていたが誤差の範囲である。
 しかしコンテナに集るオブリビオン、デッカイザーは3人に目もくれず資材を運び出そうと蠢いている。今回の目的はオブリビオンの討伐ではなく資材の確保。みすみすデッカイザーを逃す手はない。

「ここで戦うのはリスキーじゃのー」
「では移動ですぞ!」
「ギチィ♪(はーい♪)」
「え、こわ」

 メイスンの提案に顎を鳴らし同意するアリスとそれにビビりながらも賛同するエドゥアルト。移動のためにもまずはデッカイザーたちの注意を引かなければならない。
 メイスンは二足歩行戦車『O-Ⅶ型機動強襲用二足歩行戦車「KIYOMORI」』に乗り込み、エドゥアルトは『マークスマンライフル』を構え、デッカイザーたちの注意を引くべく牽制の射撃を開始する。

 牽制射撃によりようやく自分たちの仕事を脅かす者たちの存在に気づいたデッカイザーたちはその者たちの排除へと動き出す。攻撃されたからではなく、資材を運ぶ上で障害となる者たちの存在を許していてはデッカイザーたちの仕事が満足にできないというのが実際の理由である。
 引き撃ちをしながら誘導するメイスン、エドゥアルト。そしてそれに随伴するアリス。デッカイザーのいなくなったコンテナはアリスの呼び出した幼虫型の妹たちがせっせと運び出していた。


「この辺りがよさそうじゃなー」
「くそッ! 拙者のケツはボドボドだ!」

 事前に誰かがマーキングをしていた巨大なフロア。おそらく猟兵の誰かが戦闘用に目星をつけていた場所だろう。そこへデッカイザーたちを誘導してきた3人は改めてデッカイザーたちと対峙する。

「僕はちょっとあれこれするからアレの相手は頼むのじゃー」
「承知!」
「ギチィ!(はい!)」

 しかしここで一つ想定外の自体が発生する。明らかに倉庫から釣りだした数よりもデッカイザーが多い。おそらくこの廃墟の別の場所にいたデッカイザーも集められたのだろう。

「なんか多くないでござるか!?」
「ギチギチィ~(頑張るの~)」

 エドゥアルトの弾幕による援護を受けてアリスがデッカイザーの群れへと突貫し前肢を振るう。その超硬度の刃はいともたやすくデッカイザーの装甲を斬り捨てその身体を塵へと還す。

 群れの先頭が次々と骸の海へと還されていく中、デッカイザーたちもそれを学習し、次の行動へ移る。

「む、動きが止まったでござるな」
「ギチィ!(えーい!)」

 突如として動きの止まったデッカイザー。そこに同じ様に前肢で斬りつけるアリスだったが先ほどまでと同じにはいかず、甲高い金属音を廃墟に響かせ前肢の刃は弾かれた。

「ギィーギィ?(かたーい、刃が欠けるかと思ったー。うーん、どーしよー?)」
「見たところ装甲を展開したようですぞ。こちらの弾も弾かれるでござる」

 猟兵たちの攻撃に対し、デッカイザーは全身の電磁塗布装甲を閉じることでその攻撃を遮断した。だがその完璧な防御力と引き換えに失ったものもいくつかある。

「ギチギチ?(あ、でも硬いけど動けないのかなー?)」
「みたいでござるな。ん? さっきから拙者はなんで会話できてるでござる?」
「ギチギチギチィィィィ(それじゃー今のうちに妹達を呼んで糸でぐるぐる巻きにしちゃおー!)」
「……コントのようなことをしているのー」

 コントをしている様な二人をしり目にメイスンは自身の作業を黙々と進めていく。
 アリスとエドゥアルトの会話が成り立っているのはアリスのテレパシー的な能力のおかげなのだがそれは今どうでもいい。防御力と引き換えに身動きの取れなくなったデッカイザーたちをアリスは妹たちの放つ糸でぐるぐる巻きに拘束しようと試みる。

「拙者も働くか……さっきも戦車……戦車?だったから今度も平気に乗り込んで暴れたいでござるな」

 あの戦車もどきを戦車と呼称していいかはともかく手持ちの銃がデッカイザーたちに通じない以上エドゥアルトも別の攻撃方法を考える必要がある。

「ひらめいたでござる! イクゾー!」

 どんな兵器を使おうか考えていたエドゥアルトは目の前にあるうってつけの兵器を思い出す。【ドット職人の朝は早い】を発動すると全身をドット絵に変換し、警戒な足音と共に動きを止めたデッカイザーへと装甲の隙間へ電子データと化した身体を滑り込ませる。

「ここをあーしてこーして」

 自身の身体も平気であるデッカイザー。その内部から電子データと化したエドゥアルトはハッキングで意思を乗っ取りデッカイザーの身を己の手足の如く操作する。

「自分たちの武器でやられるでござる!」


 アリスは動きを止めたデッカイザーを糸で拘束し、鋏角で持ち上げ他のデッカイザーへ打ち付ける。
 エドゥアルトは乗っ取ったデッカイザーの内蔵兵器をこれでもかと炸裂させる。

「うひー、キリがないでござる!」
「ギチィ!(そーれ!)」
「どわー! ストップでござる!」
「ギチィ……(危なかったの……)」

 アリスとエドゥアルトがどれだけデッカイザーを倒しても次のデッカイザーが現れる。戦闘が長引けば流石の2人も不利になる。今もアリスが振り上げたデッカイザーを危うくエドゥアルトが入ったデッカイザーへ振り下ろすところだった。

「準備完了じゃー」

 だがここにきてやっとメイスンの仕掛けが完了する。

「やっとでござるか!」
「最後にちょっとあいつらを合体させてほしいのー」
「よーし、拙者に任せるですぞ!」

 なぜ合体させる必要があるのかはわからないがこのまま次々現れるデッカイザーを相手取ってもジリ貧になってしまう。エドゥアルトはメイスンの要望通り乗っ取ったデッカイザーを使い、群れへ語り掛ける。

「ぷるぷる…せっしゃ悪いでっかいざーじゃないよ……。あいつら強いよ。合体した方がいいよ」

 味方?の助言を受け群れも一考する。確かに装甲を展開し続けていても徐々に骸の海へと還されている。猟兵たちもジリ貧だがデッカイザーたちもジリ貧だった。故にここで状況を打開するための一手を打つのは悪くない。

 ———策がなにもなければ、の話だが。

 助言を受け、デッカイザーたちは合体変形し地上走行戦艦へとその姿を変えていく。ここの部屋の広さであればグレート・デッカイザーとして戦うのも申し分ない。その圧倒的巨体動かすため、内蔵されたエンジンを全力で吹かす。

「合体変形グレート・デッカイザーで猟兵共をぶっ倒せ! おっと間違えた。合体させたでござる!」
「よし、これでOKだのー」

 エンジンを吹かし、徐々に移動を開始するグレート・デッカイザーだったがその動きが突如止まる。足元に仕掛けられていたメイスン特製の地雷が炸裂し、床を陥没させ、大穴を作り上げる。そこへ落下したグレート・デッカイザーは身動き一つ取れなくなり恰好の的へとなり下がる。
 この場所へ誘い込まれた時点でデッカイザーたちに勝機はなかった。メイスンの策のまま合体変形を行い、罠にまんまと嵌められた。それがこの結果である。

「やはりこういうのは纏めて倒すのが効率いいのー。一網打尽という奴じゃ!」
「うっひょー!」
「ギィチ!(わぁい!)」

 そこへさらにメイスンは【巨人を穿つ叡智の煌めき】を発動し、対巨大生物・対機械の電脳魔術特攻増幅器を戦車の各兵器に搭載することでグレート・デッカイザーへの火力を飛躍的に向上させる。

 アリスは確保しておいた未だ装甲を展開しているデッカイザーを振り上げる。
 エドゥアルトは乗っ取ったデッカイザーの内蔵兵器の砲門を全て向ける。
 メイスンはKIYOMORIの電脳魔術特攻増幅器の搭載された兵装をフルオープン。



 銃弾、砲弾、その他諸々全てが身動きのとれぬグレート・デッカイザーへと叩き込まれる。硝煙が晴れた時、そこにはただ大穴だけが残っていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

フェーズ・ワン
へぇ、多脚メカで、カスタムパーツによって役割を変える感じか
おもしれぇじゃねぇの
ちっと解析してみたいね

にしても、こいつら資材持ってって、何に使うんかね
それこそ自分のカスタムか?

ともかく、ブツを渡してもらおうか
全メカを展開しつつ距離をとり、Lookで観察
どうやら攻撃時に一時的に装甲を展開しているみてぇだな
ならばそこにぶち込めば、簡単に倒せるだろう

UC発動
相手が装甲展開した瞬間に攻撃できるように、初速がやたら速い射撃武装を召喚し、各メカに取り付ける
自身はバイクに乗って機動力を確保しつつ、BSMGで牽制
Lookに常に見張らせ、敵が装甲展開した瞬間、メカが射撃を行うように命令しておく

甘いもん落とせオラ!


クラウン・アンダーウッド
団子虫...かな?まぁ、何でもいいさ♪お邪魔虫を片付けて早々に資材を回収するとしよう。

投げナイフを雨あられの様に投擲して相手のUCを誘い、怪力に任せた拳で殴りコンテナから離れた場所に跳ばす。

おぉ、硬い硬い!流石に力任せじゃ倒せないよねぇ......ちょっと工夫してみようか♪

からくり人形のαを呼び出し左腕に抱える。一瞬だけ防護障壁を展開させて、地面に出来た障壁の空間断絶による傷痕の位置を確認する。もう一度、相手のUCを誘ってαが展開する障壁の位置が相手の体を二分する所に来るように微調整し、防護障壁を展開させる。

位置はこの辺り......っと。さぁて、本来の使い方とは違うけど旨くいってくれるかな?



●四面楚歌を歌い上げ

「へぇ、多脚メカで、カスタムパーツによって役割を変える感じか。おもしれぇじゃねぇの」
「うん、団子虫……かな? まぁ、何でもいいさ♪お邪魔虫を片付けて早々に資材を回収するとしよう」

 遅れてコンテナまでやって来たフェーズ・ワン(快音響・f06673)とクラウン・アンダーウッド(探求する道化師・f19033)の2人。先に来た猟兵たちがある程度のデッカイザーを連れていったようだがコンテナに集るデッカイザーはまだまだ存在していた。
 コンテナもいくつか運びだされた形跡はあるがデッカイザーと共にいくらかは残っていた。

「ちっと解析してみたいが……にしてもこいつら資材持ってって、何に使うんかね
それこそ自分のカスタムか?」
「さぁ? ボクたちには関係ないさ。どうせ全部倒すんだから♪」
「ハッ! 違ぇねぇ!」

 フェーズは愛用の赤いバイク『F.O.B.』に跨ったまま『Moving』から展開しているメカたちに指示を飛ばす。クラウンも同様に『ガントレット』を嵌めなおし、『投げナイフ』を取り出した。

「GOGO!」
「ショーの始まりだ!」

 銃器の軽快な音と投げナイフの風を切る音。そしてそれをデッカイザーが装甲で弾く音が廃墟の中に木霊する。コンテナにとりついていたデッカイザーたちの注意が邪魔者2人へと向けられる。

「ウィンズとスピナーは注意を引きつけろ! タップは牽制だ!」
「ハハハ! 君たちの攻撃は当たらないよ♪」

 デッカイザーに内蔵された砲身がクラウンとフェーズを捉え、放たれる砲弾。しかしそれは2人に届くことなく、空を飛ぶ『隼型半自律兵器【ウィンズ】』のビームキャノンにより撃ち落とされる。
 巨大な鋏を振るう個体もいたがその鋏は誰も捉えることなくクラウンの抱える、からくり人形αの展開したバリアに阻まれ動きを止める。

「どうやら攻撃時に一時的に装甲を展開しているみてぇだな」
「ならそのタイミングで攻撃すればいいんだね♪」
「そういうこった! お前たちのためのとっておきだ!」

 事前に展開していたサーチドローン『Look』から集めた情報からフェーズはデッカイザーたちが攻撃のために装甲を展開し、一時的に防御力を下げることを見破った。

 隙があるのならばそこを狙えばいい。
 狙うための武器がないのなら創り上げればいい。

 フェーズは【V-Weapon】を発動し展開した装甲の隙を突ける武器、今回は初速に優れた電磁加速砲を各メカに装着した。準備が整えばあとはタイミングを待つのみ。各メカにデッカイザーへと照準を向けるよう命令。フェーズ自身は牽制のためにサブマシンガン『BSMG』を片手にバイクのアクセルを吹かし、疾走する。


「さぁさぁ♪ こっちだよ♪」

 フェーズが放つ牽制の弾幕の中、クラウンは囮としてデッカイザーたちの攻撃を誘っていた。αのバリアでデッカイザーたちの攻撃を遮断しながら内蔵兵器が展開されるその時を待ち続ける。
 その間もフェーズは『Look』から送られてくるデッカイザーたちの位置情報を元に装甲が展開した隙をつき、一撃で鎮められる位置へ各メカを移動させ狙わせる。

 そんなフェーズとクラウンの意図には気づかず、デッカイザーたちは内蔵兵器を展開し、クラウンをロックオンする。内蔵兵器が展開され、攻撃の邪魔になる自身の装甲も順次展開していく中でフェーズがインカム越しに指示を飛ばす。

「―――今だ! 甘いもん落とせオラ!」

 フェーズの欲望と共に放たれたその声から一瞬遅れ、音を置き去りに放たれる弾丸。今まさに攻撃をしようとしていたデッカイザーたちは何が起こったのかわからず身体を貫かれ、大穴を開け、塵となって消えていく。

「おや、生き残りがいたみたいだね♪」

 電磁加速砲の一斉射撃で大半のデッカイザーは骸の海へと還っていったが極一部の戦闘に参加していない個体が数体生き残っていた。しかも群れの仲間が倒されたことにより攻撃を行おうとすらせず、動きを止め防御を固めこのままやり過ごそうとコンテナにとりついていた。

「チッ、俺の武器じゃコンテナごとぶっ壊しちまうな」
「それじゃあボクにお任せあれ」

 固めた装甲を超える一撃を放てば倒すことはできるがそれではコンテナ諸共破壊してしまう。故にフェーズも各メカも下手に手を出せないがクラウンには策があった。
 動きを止めているのをいいことに持ち前の怪力に任せた拳でコンテナにとりつくデッカイザーたちを殴り飛ばすクラウン。

「おぉ、硬い硬い!流石に力任せじゃ倒せないよねぇ......ちょっと工夫してみようか♪」

 その言葉通りこの程度の打撃ではダメージにはなっていないだろうが位置を動かすことには成功した。そのままクラウンは殴り飛ばし、一カ所にまとめたデッカイザーたちへ左腕に抱えるからくり人形αを向ける。

「位置はこの辺り......っと。さぁて、本来の使い方とは違うけど旨くいってくれるかな?」

 これまで防御に使っていた【人形固有能力・タイプα】によるバリア。その応用としてデッカイザーたちの身体の中心で展開されるバリア。ありとあらゆる攻撃を遮断するバリアが身体の中で展開するとどうなるか。

 デッカイザーたちの身体は鋭利な刃物で斬られたかのように真っ二つに分断され、そのまま塵となり消えていく。

「ヒュー、お見事」
「よし、お掃除も終わったし資材を積み込もうか♪」



 倉庫に残っていたデッカイザーたちも掃討され障害となり得るモノは無くなった。

 別の場所で戦闘をしていた者たちとも合流し、それぞれが回収した資材をフェーズが運搬用に呼び出した『F.O.V.』へ積み込むと猟兵たちは蛻の殻となった廃墟を後にする。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 日常 『猟兵サーカス団』

POW   :    人間離れした力技を披露して、人々をビックリさせる

SPD   :    楽器演奏やマジック、大道芸などで、人々を盛り上げる

WIZ   :    歌唱や演劇、詩の朗読などで、人々を感動させる

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●panem et circenses

 物資を確保し近場の拠点へとやって来た猟兵たち。山の様な物資と共に現れた猟兵たちを住民たちは歓声と共に迎え入れる。回収した物資の中身は食料に武器等多岐に渡りどれも住民たちは喉から手が出るほど欲しいものだった。

 もちろん物資の配給も行うが今回はそれだけではない。

「パンが集まったのなら次はサーカスです」

 人が生きていく上で必要な物は食べ物や武器だけではない。娯楽こそが人の生活を豊かに彩るスパイスになる。

 食料は明日の活力に
 娯楽は明日の希望に

「さぁ、今宵限りの猟兵サーカス団の始動です」

 座長を務めるのは猟兵たちをここへ誘った一体の人形。
 演目は未だ決まらぬが、演者は疾うに決まっている。

 何をしてもいい、何を魅せてもいい。

 希望無き世界の住人へ、猟兵のサーカスが希望を届けよう。
クラウン・アンダーウッド
さぁさぁ、お集まりの皆様お待たせ致しました♪ボクは懐中時計の道化師、クラウンと申します。短い間ではありますがどうぞ楽しんでいってください!
動物や花の形に変化する地獄の炎で舞台演出を行う。

さぁて、ボクの持ち芸は投げナイフに楽器演奏。人形楽団とからくり人形達を伴ったダンスや音楽の華やかなパレード、ボク自身を回転する的に括り付けたからくり人形によるナイフ投げ......リングマスター(アマータさんの意)、早速皆さんに何をお見せするとよろしいでしょうか?



●ショーの始まり

 運ばれてきた物資に釣られて広場へと集まる住人達。
 物資は問題なくもらえるらしいがどうやら今回はそれだけではないらしい。猟兵と名乗る集団がなにやら芸を見せてくれるということで―――

「紳士淑女の皆様、ようこそお越しくださいました。これより始まるのは夢と希望にあふれた時間。当一座の芸を心行くまで楽しんでくださいませ」

 そう宣言したアマータ。既にそこには簡易的ながらステージがつくられていた。演じるのはここへ集った猟兵たち。

「さぁさぁ、お集まりの皆様お待たせ致しました♪ ボクは懐中時計の道化師、クラウンと申します。短い間ではありますがどうぞ楽しんでいってください!」

 その一番手を務めるのは人形たちを引き連れた一人の道化師。
【癒しの業火】により操られた動物や花の形を模した炎と共に現れたのはクラウン・アンダーウッド(探求する道化師・f19033)だった。

「掴みは任せましたよ、クラウン様」
「お任せあれ、リングマスター」

 こうして猟兵たちのショーが始まった。


 クラウンの『人形楽団』が奏でる演奏の中繰り広げられる列をなし一糸乱れぬ人形とクラウンのダンス。曲の進行と共にダンスは移り変わり用意されるのは回転する円盤。それはまるでルーレット板の様で何かを固定する器具が設置されていた。

「さぁ! 今からお見せするのは摩訶不思議なナイフ投げ。どれだけナイフを投げようと的に括りつけられたボクには当たりません!」

 その言葉と共に的へ自身を括りつけるクラウン。楽団の演奏する曲も賑やかな曲から激しい曲へと変わっていく。
 曲に合わせ回転する的へ人形たちにより投げられる投げナイフたち。しかしそれは一本もクラウンに当たることはなく、身体の形をなぞる様に的へ吸い込まれていく。もちろんこれは特別な魔法やなにかが使われているわけではなくただの技術。遥かに発達した技術は何も知らない者が見れば魔法と変わらない。
 観客が固唾を飲んで見守った数十秒で的に出来上がったのはクラウンと全く同じ形をしたナイフの剣山。ナイフは全てクラウンに当たることはなくそのギリギリを通過して的に突き刺さっていた。

「素晴らしい芸を魅せた人形たちと道化師にどうぞ大きな拍手を」

 アマータの言葉を合図に固定を外したクラウンは湧き上がる拍手へ人形たちと共に深々と一礼した。

「如何でしたか? リングマスター」
「完璧です」


 こうして幕を開けた一夜限りのサーカス団。
 ショーはまだ始まったばかり。

大成功 🔵​🔵​🔵​

エドゥアルト・ルーデル
なに急に無茶振りしてんだよ団長ォ!

仕方ないので拠点近郊の良い感じの広場にてやりますぞ!早速出しっぱだったソイヤな戦車?Raid on!
移動と人型ロボで会場設営でござる!もうコイツだけで十分ショーなのでは?拙者は訝しんだ
即席の小屋に大量の爆薬、中には椅子と鎖で拘束された拙者!そうだね脱出マジックだね
プリムス氏には拙者を鎖なりで縛って拘束して貰いますぞ
ホーミタイ!ホーミタイ!強く巻きしめて!

進むカウント!特に脱出とかしない拙者!始めるか、拙者の自爆ショー…
盛大な爆発と大空に薄っすらと浮かぶ拙者の顔…そして観客の背後から【リスポーン】して復活した拙者が登場!
マジック大成功でござるね!大成功と言え



●脱出マジック(物理)

 急に芸をしろと言われても対応できる猟兵もいればできない猟兵もいる。エドゥアルト・ルーデル(黒ヒゲ・f10354)もどちらかと言えば後者であった。

「……難しいでしょうか?」
「むむむ……閃いたでござる!」

 舞台裏でアマータから声をかけられたエドゥアルトは出しっぱなしにしていた戦車?のことを思い出しすかさずそれに乗り込んだ。そのまま舞台裏から出て向かう先は少し離れた広場。そこへ移動しながら神輿を担ぐ大量の人型ロボットが拠点に転がる瓦礫を回収していき、またエドゥアルトのケツへダメージを与えながら進んでいく。

「きびきび働くでござるよ!」

 広場へたどり着くとエドゥアルトの指示のもとせっせと小屋を作る人型ロボットたち。さっきまでの移動とこのインスタント小屋作成の時点で十分住人たちは驚いているがこれはまだ準備段階。エドゥアルトの魅せる芸はこの先にある。

「それで今回は何をするのでしょう?」
「ふっふっふ、ズバリ脱出マジックでござる! というわけではいこれ」

 そう言ってエドゥアルトがアマータに手渡したのは金属製の鎖。ちょっとやそっとでは切れそうにないこれでエドゥアルトを椅子に縛れということらしい。

「ホーミタイ! ホーミタイ! 強く巻きしめて!」
「……」
「ヤメテ! 死んだ魚を見るような目で見ないで!」

 とりあえずアマータは全力で鎖を絞めた。



 椅子に縛りつけられ、身動きの取れないエドゥアルト。そして小屋に設置された大量の爆薬。
 起爆装置のカウントは止まらず、脱出する気配もないエドゥアルト。
 そんな様子を心配そうに見つめる観客とジト目で眺めるアマータ。

「始めるか、拙者の自爆ショー……」


 ―――カウントが0になり小屋は爆炎に包まれた。


 生憎と曇りの大空に薄っすらと浮かぶエドゥアルトの顔。まるで天に召されたのかのようだがもちろんそんなわけはない。
 エドゥアルトは【リスポーン】を発動し爆発に巻き込まれ、瀕死になった身体を消し去り予め設置しておいた舞台のスポーンポイントへとリスポーンしていた。つまりマジックでもなんでもなくただの力技である。

「ジャッジャーン!」

 しかしそんなことは観客にはわからない。傍から見れば爆発までに抜け出していたようにしか見えない。

「マジック大成功でござるね! 大成功と言え」

 突如として舞台に現れたエドゥアルトへ送られる惜しみのない拍手と歓声。タネや仕掛けはどうであれマジックは成功したのだ。

「でも爆発には巻き込まれていますよね」
「はい……」

 成功したのだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アリス・ラーヴァ
※アドリブ・連携歓迎

わーい、サーカス楽しそー!
アリスも参加するのー
と言ってもあまり道具になる物がないわねー
演目は曲芸中心にしておこうかしらー?
妹達を呼び出して、アリスの上に高く積み上げて走り回ったり、幼虫達のジャジリングして盛り上げるのよー
アリスたちは【団体行動】が得意だからバランス芸もお手の物なのー
でももっと派手な物も欲しいわねー
そーだ、廃ビル間にアリスの糸で巣を架けて即席のロープ渡りや空中ブランコもやっちゃいましょー
ロープの上で【ダッシュ】や【ジャンプ】して派手に動き回るのよー
まー、【地形耐性】があるからロープを逆さに渡る事もできるのだけども…
黙っていたら分からないからセーフなのー


メイスン・ドットハック
【SPD】
ふむ、サーカスで娯楽とはのー
確かにそういったことは重要じゃけー、僕も協力するとするかのー

アメジストを使って迷宮主の権限にアクセスし、「迷宮主の領域に踏み込みし権能」を使って、自身のコピー体を大量発生させる

これがジャパニーズ分身の術というやつじゃのー

そしてそこから電脳魔術を全員で発動させ、空に電脳の打ち上げ花火をホログラフィックで再現し、空を盛大に彩っていく

そしてこれがジャパニーズ花火という奴じゃのー

電脳花火なので火災の心配もない。音も別のメイスンの演出で出せるようにして、風流を演出する。
綺麗な空の花火が人々の癒しになればと願う

アドリブ絡みOK



●舞台は終わり、また明日

「ギチギチギチー!(わーい、サーカス楽しそー!)」
「ふむ、サーカスで娯楽とはのー」

 最後に舞台に上がるのはアリス・ラーヴァ(狂科学者の愛娘『貪食群体』・f24787)とメイスン・ドットハック(ウィザード級ハッカー(引き籠り)・f03092)の2人。アリスの見た目で驚かれそうなものだが幸いなことにサーカスという物に初めて触れた街の住人達はそういうモノもいるのだろう、程度の認識だった。
 サーカスのトリを飾る二人なのだから生半可な芸では観客たちも満足しない。しかし、この2人だからこそできる芸というモノも存在する。

「ギチギチ~(みんな来るの~)」

 アリスが呼び出したのは自身と同じ姿をした妹たちと幼虫の姿をした妹たち。同じくメイスンも『ダンジョンロード『アメジスト』』を使い迷宮主としての権限を行使し、【迷宮主の領域に踏み込みし権能】で作り上げるのは自分自身の劣化コピー。
 これで2人しかいなかったはずの舞台は大勢の演者たちであふれていた。

「これがジャパニーズ分身の術というやつじゃのー」
「ギチィー(なのー)」

 人が増えればそれだけできることも増える。
 アリスと妹たちは上へ上へと高く積み上げ、その天辺にメイスンのコピーが仁王立ち。そのままアリスは妹たちの塔を背負って舞台の上を走り回る。
 別の場所ではアリスの妹が幼虫とメイスンのコピーを手玉にしたジャグリングを披露している。
 また別の場所ではメイスンのコピー達が組体操の様に自分たちだけで櫓を組んでいた。

「ふーむ……もう一味欲しいのー」
「ギチィ?(もう一味?)」
「僕たちがトリなわけだしもうちょっと派手な奴がいいと思ってのー」

 最後の最後のネタは決めてはいるがその前にも盛り上がりが欲しい。そう考えるメイスンとそれを聞いて何かを閃いたアリス。

「ギッチギチ!(それじゃあこういうの!)」

 アリスから放たれた糸は舞台の両脇にある廃ビルへとくっついた。二点を結び、空にかかるか細い橋。続けざまに放たれた糸は複雑に絡み合い、作り上げたのは空中ブランコ。

「なるほどのー。確かに高所の曲芸はサーカスの花形じゃのー」

 準備が整い次第メイスンのコピーを乗せたアリスの妹たちは廃ビルを駆けあがり糸の端へ。即席とはいえアリスの糸でできたロープと空中ブランコは十分すぎる強度を誇っていた。

 空中ブランコを使い、空を行き交うメイスンのコピー。
 糸のロープを縦横無尽に駆け回るアリスの妹たち。

 サーカスの花形である高所での曲芸は観客たちを大いに沸かせ、興奮させた。住民たちにとって高所とは命を賭けて登る場所でありそこでは必要最低限のことしかすることはない。こんな風に無駄な動きをするなどもってのほか。誰もやったことはないし見たこともない。
 だからこそ初めて見るからこそそれは娯楽と成り得る。普通ではできないこと、見ることができないことを目にすることで人は興奮する。

 生存に不可欠ではないモノに価値を見出し楽しむこと。それを人は娯楽と呼ぶ。

 生きることに必死なこの世界の住民たちは今日初めて娯楽というモノに触れ、学んだ。これで彼らの生活はこれまで以上に彩のある物になるだろう。

「そろそろかのー」

 メイスン本体の合図と共にコピーも含め全員で電脳魔術を発動させる。奔らせるのはとあるものを再現した術式。空へと打ち上げられ、大輪の花を咲かせる彩るそれはホログラフィックで再現された打ち上げ花火。

「ギチ~(きれ~)」
「これがジャパニーズ花火という奴じゃのー」

 本来の花火と違い電脳により再現されたそれは火災の心配もない。音も別のコピーが再現することでよりそれらしく。
 観客たちは皆、空を見上げ大きく咲き散る華を眺めながら今日の一日を回顧する。初めてのことばかりの今日だったがその初めてのおかげで何かが変わりそうな予感がする。

 綺麗な空の花火が人々の癒しになれば幸いだろう。



 こうして猟兵サーカス団の演目はすべて終了した。
 物資もすべて行きわたり住民たちには笑顔があふれている。
 散るはずだった命を未然に防ぐこともできた。

 ―――panem et circenses
 パンとサーカスさえあれば人は皆、幸せなのだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年04月09日


挿絵イラスト