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飛べない鳥は水を駆ける

#スペースシップワールド

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#スペースシップワールド


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●水中観賞型宇宙船
 住まう星を奪われ、宇宙船を住処とする世界。―その名をスペースシップワールドと言う。
 安寧の星を探し、宇宙船間での交易を行う傍ら。嘗て、破滅したはずの銀河帝国の襲撃は人々の心に深い闇を落としていた。
 そんな、無数に存在する宇宙船の中の一つ。
 遥か昔、まだ本物の魚が海を泳いでいた頃。水中の生き物を愛玩、観賞する施設があったのだと言う。
 その施設の名は、水族館。旧時代の、娯楽の名残である。
 生きた魚が無理ならば、機械の魚を。種類が展示出来ないのであれば、立体映像を。娯楽失くしては人の心は渇き、枯れてしまう。
 そんな旧時代の遺産を、悪用しようとするものが現れた。
 愛くるしい体躯、円らな瞳。
 飛べない鳥と呼ばれる、かつてペンギンと呼ばれた生き物を模した兵器を使い、宇宙船を内部から破壊せんと帝国の魔の手が迫っていた。

●王様、小型、髭
「…報告。宇宙船に、オブリビオンが、現れたそう、です」
 ペンギンのぬいぐるみを撫ぜながら、神宮時・蒼(終わらぬ雨・f03681)が集まった者へと告げた。
 立体映像や機械の魚で出来た水族館に見立てた宇宙船に、帝国の工作員…。オブリビオンが侵入したというのだ。
「…困惑。水族館、だから、なのか、敵は、その、ペンギンさんの、姿を、している、そう、です」
 ペンギンだからと侮るなかれ。群れで行動するこのペンギンには隊長がおり、その号令で幾つもの宇宙船を沈めてきたのだという。また、冷気を使用しての攻撃はとても強力だ、とも。
「…推測。…ぺんぎんさんを、倒せば、裏で、糸を引いている、オブリビオンの、存在も、露見、すると、思われ、ます」
 工作ペンギンが倒されたとなれば、黒幕であるオブリビオンも表に出てこざる得ないだろう。

「…観光。…ボスを、倒したら、水族館で、遊んでも、いい、そうです」
 立体映像の水族館を楽しむもよし、オリジナルのホログラムを泳がせてみるのもいいかもしれない。音楽を掛けて、より水族館の演出を素晴らしい物にする事も可能との事。

「…皆様なら、無事に、戻って、こられる、はず、です。…よろしく、お願い、します、です」


幽灯
 幽灯(ゆうひ)と申します。
 今回は、宇宙船に住まう世界の、疑似アクアリウムのお話をお届けします。
 工作員が現れたとの話が住人には伝わっている為、人の姿はほとんどありません。

 ●1章
 🐧の数は20体前後。種類も様々。
 見た目は可愛らしいですが、冷気を操るツワモノです。

 ●2章
 🐧を送り出した張本人です。最後の🐧を倒すと猟兵の前に現れます。

 ●3章
 ご一緒する方は「お名前」か「ID」、旅団で参加する場合は「旅団名」を記載してください。
 蒼をお誘いいただいても構いません。その旨をプレイングに記入してください。

 それでは、良き冒険となりますよう。
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第1章 集団戦 『アイスバーグレンジャー』

POW   :    フォーメーション『霜』
【冷凍ビーム】が命中した対象を爆破し、更に互いを【氷の鎖】で繋ぐ。
SPD   :    フォーメーション『霰』
【隊長ペンギンの特攻体当たり】が命中した対象に対し、高威力高命中の【隊員ペンギン達の連続体当たり】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
WIZ   :    フォーメーション『雹』
【隊員全員のパワーを合わせて巨大氷山】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●ペンギンクライシス
 ぺたり、ぺたりと宇宙船には不似合いな足音が響く。
 黒や黄金の嘴、ずんぐりむっくりとしたなだらかボディ。―嘗て、地上に存在していた、鳥綱ペンギン目。通称・ペンギン。
 しかし、この場にいるペンギンはバイザーを着用し、クリアなマントを背に靡かせ、明確な敵意を持って其処に在った。
 何故なら、この世界で本物に会う事はもう、無い。
 此処に存在するのは、人に害を為さんとする作られた存在。
 可愛い見た目だが、其の力は計り知れない。だって、そのペンギンは兵器なのだから。ならば、猟兵がなすべき行動は、たった一つ。
小鳥遊・晶
カナカナ(f04382)ちゃんと連携して戦います。

ペンギンさん可愛いけど、
倒させてもらうよ。

まずは観察して隊長ペンギンを見極めるよ。
観察はカナカナちゃんに任せて私は敵の気を引いたり、攻撃したりして
カナカナちゃんが集中出来るように頑張るよ。

隊員ペンギンさんの数も少しでも減らせるように攻撃していくよ。

隊長ペンギンがわかったら、取り押さえなきゃね。
こいつを押さえたら連携が取りづらくなるかな?

ライオンライドで攻撃を避けながら、反撃するよ!

隊長以外のペンギンさんも、もちろん倒さなきゃね。
頑張るよ。


カナカナ・リッタリア
晶(f05955)をサポートしながら共に戦う
無事倒せたら一緒に水族館を見て回ろうね

ペンギンさん可愛い…
ちょっと倒しずらい気もしちゃうけど、頑張ろう

■戦闘
隊長ペンギンの動きを封じれば連携を崩せそうかな?
最初は隊長がどの子か観察する
『雹』を使った時が一番見分けが付きそうかな

目星がついたら【七つの薔薇の抱擁】で隊長の動きを抑えよう
可愛い可愛いペンギンさん、僕の薔薇で抱きしめてあげるよ

「晶、今のうちだよ!」

隊員ペンギンから一掃してしまおう
晶が傷ついたら【生まれながらの光】で傷を癒す
大丈夫?あともう少し、頑張ろう



 そのペンギンは5体程度の小さな群れを形成していた。この中に隊長ペンギンが居ると言うが、どの個体も見た目は一緒である為、判別は難しそうである。
 そんなペンギンの姿を見つめる小鳥遊・晶(緋眼の黒狼・f05955)とカナカナ・リッタリア(七つの赤薔薇・f04382)の姿。
「「ペンギンさん可愛い…」」
 周囲を警戒しながらきょろきょろと辺りを見回す姿からは全く脅威が感じられず。只々、愛くるしい姿に、晶もカナカナも思わず感嘆の声を漏らす。
「可愛いけど、可愛いけど!倒させてもらうよ」
 可愛いの部分を力説しながら、何処か名残惜し気に晶が告げる。
「ちょっと倒しずらい気もしちゃうけど、頑張ろう」
 晶の傍らに寄り添うカナカナが、そっと肩を叩く。傍目から見て、隊長ペンギンの判別は不可。ならば、実際に戦って見極める他ない。
 二人は互いに顔を見合わせると、小さく頷いた。―それが、戦闘開始の合図となった。

 まずは、隊長ペンギンの特定を。晶がペンギンたちの前に姿を現せば、ぴくり、とペンギンが一斉に顔を上げる。
『グァー!』
 見た目にそぐわない渋い鳴き声をその場に響かせた。その内の一体が、晶に向かって勢いを付け、腹這いで突進してきた。突然の攻撃に慌てて回避行動を取るも、鋭い嘴が晶の腿を裂き、鮮血が舞う。次いで、残りのペンギンが同じように突進してくる。連続して当たっては不味いと、慌てて避けるが、ペンギンたちの連携は巧みで、その身に幾つか新しい傷が生まれた。
 その様子を冷静に観察していたカナカナが、隊長ペンギンの目星を付けた。
 両手を隊長ペンギンへと向けると、手のひらから七色に輝く種が放たれる。
「可愛い可愛いペンギンさん、僕の薔薇で抱きしめてあげるよ」
足元へと放たれた種は瞬く間に鋭い棘を持つ茨へと成長し、最初に突進したペンギン…、隊長ペンギンの身を封じた。
「晶、今のうちだよ!」
「ありがとう、カナカナちゃん!」
 傍らに、金色に輝くライオンを召喚すると、ひらりとその背に飛び乗る。瞬間、拘束されているペンギンへと迫り、その鋭い爪で、柔らかな腹へと横薙ぎに一閃。
 茨に拘束されている隊長ペンギンは、回避する事敵わず、その場に倒れ動かなくなった。
 その様子を見て、残りのペンギンが慌てだす。頭が倒れてしまえば、後は簡単だった。
 ふわりと黄昏色の薄い羽根を揺らし、カナカナが晶へ癒しの光を送る。
「大丈夫?あともう少し、頑張ろ」
「頑張る!」
 にこりと笑って応じた晶が、再びライオンを駆り、残されたペンギンへその牙を、爪を、そして自身が持つ細剣を振るう。
 連携の取れなくなったペンギンは、為す術なく一体、また一体と倒れていった。そして、全てのペンギンが地に伏せた。
「…ペンギンさん」
 僅かに残念そうな色を滲ませる晶へ、カナカナが水族館への誘いを。其の言葉に、晶はキラキラとした表情で応じるのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ヴォルフガング・ディーツェ
【SPD】

喪われた自然を模した機械仕掛けの水族館、か
自ら壊しておきながら、捨てておきながら求めるのはエゴかも知れないけど…嫌いじゃないよ、そういう考え

先ずは相手の数を確実に減らしていこう
【ブラックドッグ】を召喚、身近な敵から噛み砕き、切り裂いて貰い手数を補うよ
オレはなるべく多くの対象に【属性攻撃】を上乗せした【範囲攻撃】を鞭で行うよ
氷の鎖も千切れないか試してみようか
敵が少なくなる、近接に踏み込まれた場合はクロウに変えたガジェットで【傷口を抉る】一撃を見舞おう

相手に囲まれない様に立ち位置にも注意
相手の攻撃動作も観察し、回避や武器でガード出来ないかも試行

なるべき🐧の損傷は避けたいけれど…仕方ない


江戸川・律
△序

あーあーペンギンね…
バレない内に資料室に帰っ…
(ずもももっ…と背後に現れる影)
あっ王様?また勝手に!

えっ行きたい?
間違った道を行く奴らは正さなければ!!って、アレは兵器で鳥じゃ無いよ!!
ちょっ話聞けー!
引っ張んなーー!!

△そして宇宙(そら)へ

来ちゃったよ…宇宙
なんか…
何時になく王様ヤル気満々だしさ
我浮いてる?良かったね
アレがターゲットか
えっ、氷や突進など邪道?
じゃあどうすんのさ?
まさか…

(突進して来たペンギン達を3メートル弱の巨体から放つ翼の一撃で打ちつけて行きます)

わかってたけど半端ねーのな…
苦笑いを浮かべながら
レプリカクラフトで障害物を作りながらサポート

アドリブ共闘歓迎です


久留米・圓太郎
結構猟兵は、駆けつけてるみたいだな。
それなら、俺がペンギンの真ん前に立つよりかは、他の仲間が気持ちよく(?)戦えるよう、動こう。

【威風堂々】で[全力魔法・オーラ防御・鼓舞]乗せて、仲間の鼓舞をしよう。
皆、聴いてくれ!
頑張って、宇宙船奪還しよう!



 ところ変わって、巨大な水槽の前。水槽と言っても、中には水は張っておらず。どうやら、形だけを模したもののようだった。
 何もいない水槽をヴォルフガング・ディーツェ(咎狼・f09192)はぼんやりと見つめていた。
(喪われた自然を模した機械仕掛けの水族館、か)
 人は、失くした物ほど強い憧れを抱く。何時の時代、どの世界でも其れだけは変わらなかった。だからこそ、作り出すのだ。嘗ての姿を模して、存在を証明するように。
「…嫌いじゃないよ、そういう考え」
 だって、それはヴォルフガング自身にも言える事だったから。
「来ちゃったよ…宇宙」
 相棒の王様に連行された江戸川・律(摩天楼の探求者・f03475)は、既に疲れていた。
 そう、相棒の王様もペンギン。王様にとって、このペンギンたちは赦せぬ存在らしい。曰く、”間違った道を行く奴らは正さなければ!!”との事。
アレは兵器で鳥じゃ無いよ!!と律が力説しても、王様は全く話を聞いてはくれず。
 気が付けばあれよあれよと宇宙に上がっていた。
 水槽の周囲を見回しながら、留米・圓太郎(自称魔法使いの一番弟子・f00447)がこの場にペンギンの姿が無い事を確認し、集まった猟兵の姿を映す。
「結構猟兵は、駆けつけてるみたいだな」
 この場に集ったのは3名だが、広い船内である。己に他にも誰かが来ているだろうと当たりを踏んで。
 まずは、元凶のペンギンを探さねばと圓太郎が後ろを振り向くと、円らな黒い瞳と視線が合った。…合ってしまった。
『アァー!』
 ぱたぱたと黒い翼を動かすペンギンの鳴き声に、ヴォルフガングは巨大な黒犬を召喚し、律の隣に佇む王様…、巨大なペンギンも威嚇の声を挙げ。ー各々が、戦闘の体勢に入った。

 鳴き声に触発されたのか、わらわらとペンギンが巨大な水槽の前に群がってくる。その数、十体程度だろうか。
 白き翼が圓太郎の魔力によってふわりと揺れる。魔力に霊気を練り込んで、味方の力になるべく声を挙げる。
「皆、聴いてくれ!頑張って、宇宙船奪還しよう!」
 小さく、大きく頷く姿が目に入り、僅かに圓太郎の口角が上がる。士気を高める鬨の声は、確かに二人に力を与えたよう。
 駆ける黒犬の牙がペンギンのざらついた皮膚を捕らえ、噛み砕く。其処に落ちるは鮮血ならず、機械の残骸。ペンギンならば、熱に弱いと踏んで、ヴォルフガングが炎の力を乗せた鞭を横薙ぎに払うと、僅かに混じる亡き者の聲。
 乱戦の隙をついて、突進してくるペンギンを姿を認めた律が回避しようと王様を促す。が、王様微動だにせず。
「えっ、突進など邪道?じゃあどうすんのさ?」
 律の言葉に、まあ見てろよと言わんばかりの視線を寄越す王様。
「まさか…」
 大きな翼を振り上げ、突進してきた固体へと振り下ろす。突進してきた固体は、元来た路を戻り、その場にいたペンギンを巻き込み、やがて動かなくなった。
「わかってたけど半端ねーのな…」
 その光景を見ていたヴォルフガングと圓太郎の瞳が、呆気に取られたように丸くなるのを見て、律は小さく苦笑を溢した。

 律が障害物を生みペンギンへと道を作ると、王様が其れをビンタで薙ぎ払う。壁に打ち付けた時に出来たであろう亀裂に、ヴォルフガングが魔爪で中身を抉り出す。
 からん、と部品が落ちる音が響くとそれが戦闘終了の合図のように周囲に静けさが漂う。
 辺りには倒したペンギンの残骸が転がっていた。使命を果たしたと言わんばかりの雰囲気を醸し出す王様の横で、律が苦笑する。圓太郎は二人に怪我は無いかと問うたが、大した怪我が無い事を知ると安堵の息を漏らした。ヴォルフガングは朽ちたペンギンの姿をほんの少し、残念そうに見つめていた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

シャーロット・リード
英壱さん(f07000)と参加です

ふむふむ、初めて見るものがたくさんあるのですよ
うー早く見て回りたいです、そのために鳥退治がんばります!

敵の見た目は可愛いらしいのですが、これだけ群れで行動されてると厄介ですね
まとめて攻撃するにも分散してしまうかもしれませんし

よーし、ここはわたしが囮になって敵を引き付けて、そこを英壱さんに攻撃してもらうのですよ!
敵の前に出るのは少し怖いですが【覚悟】をきめて、やってやるです
複雑な攻撃はこないようですし、ユーベルコードでズバッと予想して攻撃を避けながら英壱さんの方へ敵を引き付けて
英壱さんが攻撃しはじめたら、敵を逃がさないよう動きを注意して見張っておくのです


黒谷・英壱
シャーロットと行動

何やら特殊な水族館を見てまわりたいという事だけど、まあいつも通りお邪魔してる奴を駆除してくれ系のやつだよな
折角シャロの初依頼ってのもあるし、さくっと終わらせて楽しみますか

しかしペンギンの群れとなると数の暴力もあるしあまり長丁場にはしたくないな
ここはシャロの発案で一旦彼女が囮になってもらって、ある程度寄ってきて隙が出来たのを【見切】ってミサイル攻撃するか
事前情報じゃ相手は氷を使ってくるという事だし、炎属性なこいつで溶かしちまえばさほど脅威にはならないだろう
まあ念には念を入れて【属性攻撃】に【2回攻撃】もしっかり加えてっと

群れの数的に考えれば、意外と短期決戦でなんとかなりそうかな



 其処は開けた、少し広いホールだった。小さな水槽が幾つも並んだ其処には、今は何も移さず。
 何処か興奮冷めやらぬ様子でシャーロット・リード(ホーリープレイ・f04624)がきょろきょろと周囲を見回す。
「うー、早く見て回りたいです、そのために鳥退治がんばります!」
 シャーロットにとって、今回がオブリビオンとの初戦闘。何処か緊張しているのか、落ち着きがない。
 そんなシャーロットを諫めつつ、黒谷・英壱(ダンス・オン・ワンライン・f07000)は周囲の警戒を緩めない。
「さくっと終わらせて楽しみますか」
 ぴこ、とフードに隠れた耳が小さな音を捕らえる。ぺたぺたと何かが歩くようなその音は、きっと―。

 平たい足が床を踏み締める度、ぺたぺたと音が響く。ちょこちょこと歩く姿は可愛らしいが、相手は立派なオブリビオン。僅かな油断が命取りとなる。
 現れたペンギンの姿を見てシャーロットの心がほんのわずかに揺れる。しかし、此処に来た目的を思いだし、気を引き締める。
「よーし、ここはわたしが囮になって敵を引き付けるのです」
 微かに震える手を見て、英壱がシャーロットへ声を掛けようとするも、彼女の覚悟眼差しに気が付き、言葉を変えた。
「分かった。シャロに任せる。…でも、無理だけはするなよ」
 其の言葉に、こくりと頷くシャーロット。怖い、怖いけど、わたしは一人じゃない。
 意を決し、ペンギンの前へと踊り出る。ペンギンの姿を見据えると、僅か先の未来がシャーロットの脳裏に映し出される。
(だいじょうぶです。わたしなら、やれます!)
 ペンギンが放った蒼い光のレーザーを、横に飛びのく事で回避する。
 順調に攻撃を回避するシャーロットへ、ペンギンも攻撃を当てんと躍起になる。ペンギンの意識が全てシャーロットへ向かったのを確認すると英壱は自身の魔力を練り上げる。
 顕現するは炎の矢。氷属性を多用するならば炎に弱かろうと思っての選択だった。
「さて、決着を付けますかっと」
 幸い、ペンギンはシャーロットのおかげで此方の動向には気が付いていない様子。ペンギンが攻撃を放った後の隙を見切って、英壱が炎の矢をペンギンへと放った。
 予期せぬ方向からの攻撃にペンギンたちは回避する事敵わず、その身に幾つもの炎の矢を受け、その場に倒れ込み、動作を停止した。

「や、やりました。成功なのです…!」
 喜びの声をあげるシャーロットだが、安堵に力が抜けたのかぺたりと床に座り込んでしまう。慌てて英壱が傍へと駆けよる。
「大丈夫か、シャロ。…怪我してないか?」
 英壱の言葉にこくりとシャーロットが頷いた。

 周囲にはペンギンの姿も気配も感じられず、先ほどのが最後の群れであったようだ。まだ見ぬ黒幕の姿に、改めて警戒を強める二人の姿が在った。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『帝国エージェント』

POW   :    ゴールドアイ
【金色の瞳】に覚醒して【歴戦の白兵戦型ウォーマシン】に変身し、戦闘能力が爆発的に増大する。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
SPD   :    仕込み帽子
自身が装備する【鋭利な刃を仕込んだ帽子】をレベル×1個複製し、念力で全てばらばらに操作する。
WIZ   :    ハッキング
対象のユーベルコードに対し【電脳魔術のハッキング】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。
👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠グロリア・グルッグです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●エージェントは暗躍する
 兵器であるペンギンは駆除されたが、未だ黒幕の存在は明らかにならず。
 何処かに隠れているのかもしれない、とは誰の言葉だったか。
『おやおや、倒されてしまいましたか。愛くるしいペンギンを倒すとは、何とも外道な』
 大きな円柱の水槽が床から天井に伸びている、その陰から。ジェラルミンケースを携えた、何処か草臥れたスーツに身を包んだ機人が現れる。
 倒れたペンギンを見て、肩を竦めた様子を見せる。
『折角、この場にいる人間を駆逐するチャンスでしたのに。この代償は、高くつきますよ?』
 どうやら、この機人が黒幕のよう。
 彼らにとって、人類の殲滅こそが使命。邪魔される事など今までなく、これからもそのはずだった。
 予想外の事態ではあったが、目の前の猟兵を消してしまえば、きっと均衡は変わらないと。
 帝国のエージェントは任務を完遂する。そのためには、手段を惜しまない。
小鳥遊・晶
カナカナ(f04382)ちゃんと連携して戦います。

黒幕の登場かな?

かなり強そう!
でも負けるわけにはいかないよね。

深緋の残響で素早く攻撃のあと
攻撃を受けないようにかわしていくよ。

カナカナちゃんに敵の動きを押さえてもらって、
その隙をついて攻撃!

仕込み帽子の攻撃の時は避けることに集中して、当たらないようにきをつけます。

無理に突っ込まず、安全第一で。
もちろん、カナカナちゃんがピンチの時は助けに入るよ!

あと少し頑張ろー。


カナカナ・リッタリア
引き続き晶(f05955)と共に仲間と連携しながら戦う

ふーん、見るからに黒幕って感じだねぇ
外道なのは、そんな愛らしい兵器で人を惑わそうとする君の方だよ

初手から暫くは【グラフィティスプラッシュ】で攻撃する
君の帽子、お洒落に飾りつけしてあげる
そのコートも虹色の方が目立っていいんじゃない?
ま、君の仕事には向いてなさそうだけど

敵の疲労が溜まってきた所で【七つの薔薇の抱擁】で動きを封じ
晶にとどめをいれてもらおう
足元を狙って転ばせられたらいいかな
🐧戦と同じ戦法だけど
初手からのグラフィティスプラッシュの印象付けで成功すれば吉だね

晶のダメージが大きければ【生まれながらの光】で回復を
油断せずに行こう



 何処からともなく現れたエージェントに小鳥遊・晶(緋眼の黒狼・f05955)はぴんと黒の狼耳を伸ばし警戒を露わにする。
「かなり強そう!でも負けるわけにはいかないよね」
 そんな晶の傍らに寄り添うは、黄昏色の羽根を震わせるカナカナ・リッタリア(七つの赤薔薇・f04382)は冷静に相手を見据える。
「外道なのは、そんな愛らしい兵器で人を惑わそうとする君の方だよ」
 兵器だって使われなければ、ただの物。其れを扱う方に問題があるとカナカナは指摘する。
『くく、不思議な事を仰るお嬢さんですねえ。害成してこその兵器ではありませんか』
 帽子を深く被り直し、エージェントはさも当然のように言い放つ。もとより会話が成立するとは思っていない。晶とカナカナは、己が武器を構え、戦闘態勢に入るのだった。

 先に動いたのは晶。深緋の残響にて、鋭い一撃をエージェントへと放つ。突然の攻撃に、エージェントは躱し切る事が出来ず、脇腹を浅く傷を負う。
 僅かによろけた隙を好いて、カナカナがその頭上に虹色の塗料をぶちまける。
「君の帽子、お洒落に飾りつけしてあげる。コートも虹色の方が目立っていいんじゃない?」
 塗料を浴びたエージェントの身体が、派手な虹色に染まる。塗料がアイセンサーに掛ったのか、その視線は定まらない。
『く…。前、が…見えない』
 次いで迫るユーベルコードを感知し、ハッキングで相殺しようとするも、視界が遮られてる状態では意味を為さない。
 念には念を。カナカナが、七色の種から急成長した茨でエージェントを絡めとれば、心得たとばかりに晶が鋭い斬撃をエージェントへと見舞う。
「一瞬で楽にしてあげる」
 晶の斬撃を受け、後方へと下がるエージェント。拘束を振り払い、乱暴にアイセンサーを袖で拭う。
 ぱさり、と塗料に染まった帽子が地に落ちた。しかし、其れを拾うことなくエージェントは不敵に笑う。
『ここで私が倒れてしまっては、意味がなくなって、しまいます。…私の本気をお見せ出来ないのは残念ですが、いったん引くとしましょう』
 そして、通路の奥へと走り去ってしまう。
「…逃げちゃった」
「どこまでも外道ね。…晶、怪我は無い?」
 エージェントが消えた通路を見つめる晶の傍へ、カナカナがそっと近づく。
「カナカナちゃんのおかげで、怪我ひとつないよ」
 にっこりと太陽のような笑みを浮かべる晶を見て、ほっと安堵の表情を浮かべるカナカナ。
 傷は負わせた。後は、他の猟兵がきっと。あのエージェントを倒してくれるはずだと、二人は願うのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

久留米・圓太郎
駆逐?だれがされるかってぇの!
ペンギンを利用しておいて、俺らを一方的に外道というんじゃねぇ!

さっきは裏方に廻ったが、今度は俺も行くぜ。
【サモニング・ガイスト】発動。

機械人、ということは、単純な叩き合いになったら、俺が不利になるか。
それならば!これで吹っ飛ばしてやるぜ!
(魔法使いの箒を、持ち出しながら)
『吹けよ、突風!!』
箒を棒術の如く操り、その先端を敵に向けたところで、ユーベルコード発動させるぜ。

そうそうやっつけられてたまるかよ!
畳みかけるなら、今のうちに頼むぜ!俺だけでケリを付けるのは、無理なようだからな(にやり、と歯を剥いて笑い)


江戸川・律
ふむ、此奴が悪い奴か?
どうやらそうみたいですね
ふむふむ、ならば此奴が我が眷属を悪の道へ
いや、アレはロボットって説明したじゃないですかぁ…

(我知らぬとぷぃと横を向く王様に、このトリ頭と内心思う俺…)

さて取り敢えずいつも通りですかね?

仲間のサポートをすべく
罠使い 早業→レプリカクラフトで罠作成中に
痺れを切らした王様が突貫を仕掛けます

えっえっ?王様ぁ!?
ちんたらしてるお前が悪いのだぁ!!
🐧====!!!

急いでエージェントの動きを妨害する罠を起動させ
動けなくなったエージェントに王様がスライディングタックルをかまします
王様…突貫邪道って言ってませんでした?
ケースバイケース!!

アドリブ大歓迎です


ヴォルフガング・ディーツェ
【SPD>POW】

おやおや、愛くるしい🐧の陰に隠れていたのが情緒も分からぬポンコツの君とは、何とも滑稽な
皮肉を切り返しつつ指を鳴らして…さあ始めようか、終演への序奏を

相手がゴールドアイ使用までは相手の攻撃を可能な限り受け流しつつ接近戦を展開
使用後は被弾を避ける意味も含めて敏捷性重視のヒット&アウェイで相手を翻弄
仕込み帽子の標的になり辛くなるようにも留意するよ

攻撃に転じる際は【属性攻撃】を上乗せした【2回攻撃】で相手を抉りつつ隙を伺おう
焦燥や苛立ちといった感情の動き、攻撃に出た時の動き、地形…あらゆるもの観察を行い、僅かでも好機があれば【屠龍連撃爪】を叩き込もう

自覚しなよ、君は俺達の「獲物」だ



 カツカツと軽快な足音がホールに響く。通路から広間に現れたのは、虹の塗料が掛かったコートを羽織ったエージェントの姿。脇腹に、肩に傷を負っているが、今回の黒幕であり、事件の元凶。
『…此処にもいましたか、外道が。予定外ですね』
「ペンギンを利用しておいて、俺らを一方的に外道というんじゃねぇ!」 
エージェントの言葉に久留米・圓太郎(自称魔法使いの一番弟子・f00447)は怒りを露わにする。
 傍らに巨大なペンギンの王様と共に在る江戸川・律(摩天楼の探求者・f03475)も何処か怒りを…。
「いや、アレはロボットって説明したじゃないですかぁ…」
 己が眷属を悪の道へ引きずり込んだと怒る王様に懸命に説明をしたが、真意は通じなかった模様。
 挙句、そんな事は知らぬとそっぽを向く王様へ
(このトリ頭…)
 と、内心憤っていたことは本人だけの秘密である。
「おやおや、愛くるしいペンギンの陰に隠れていたのが情緒も分からぬポンコツの君とは、何とも滑稽な…」
 エージェントを見やるヴォルフガング・ディーツェ(咎狼・f09192)は嘲笑を浮かべ、其の視線は氷のように凍てついていた。
 皆が怒りを隠し切れず。二度とこのような悲劇を繰り返してはならないと、改めて決意を固めた。

 エージェントがジェラルミンケースから替えの帽子を取り出し、深く被り直す。汚れたコートと相まって、其れは何処かミスマッチだった。
 律が早業で罠を作成し、仕掛けている其の横で、待ちきれぬといった様相で王様が飛び出す。
「えっえっ?王様ぁ!?」
 突撃する王様を横目に、圓太郎が古代兵士の亡霊を呼び出し、炎でエージェントの足元を焼く。
 炎を避けた先、律が慌てて罠を作動させ、相手の動きを封じた。と同時に、王様が巨体を生かした華麗なスライディングをエージェントへと仕掛ける。
 しかし、其れはエージェントのハッキングにて相殺される。拘束を振り払ったエージェントの背後を襲ったのは、魔爪に属性を乗せたヴォルフガングの斬撃。上から一閃し、横に薙ぎ払えば、油断していたのかエージェントの身体は水槽へと叩きつけられる。
『侮るなよ』
 何処か怒りを滲ませた声が小さく響くと、紅く輝いていたエージェントの瞳が金へと変じる。
 刹那、巨大なウォーマシンへと姿が変わり、その場に蒸気を吐き出した。
「さっきは裏方に廻ったが、今度は俺も行くぜ」
 相手に先手を取られては不味いと圓太郎が魔法の箒を向け、突風を叩きつける。
「…王様!」
 風に怯まず、前に進もうとするエージェントへ律が王様を嗾ける。王様の鰭が勢いよく振り下ろされるが、寸での処で受け止められる。
 ウォーマシンとペンギンの、力比べ。体躯は互角。純粋な力のみの勝負。…僅かに王様の腕が押し戻され、勢いの任せて振り払われる。
 ―しかし、この場に集うのは、一人ではない。
 圓太郎が続いて烈風を浴びせ、ヴォルフガングが闘爪術による連撃を放てば、さすがのエージェントもウォーマシン化を解かれ、地に伏せるしかなかった。
「…自覚しなよ、君は俺達の獲物だ」
 倒れたエージェントを見下ろし、ヴォルフガングが無機質な声音で告げる。圓太郎も同意するように頷く。
 やや離れた場所では、律が王様を助け起こしているよう。
『…こんな、はず、で、は…』
 そう呟くと同時に、エージェントは完全に機能を停止した。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 日常 『スペースアクアリウム』

POW   :    歩き回って楽しむ

SPD   :    自分のデザインした生き物を泳がせる

WIZ   :    音楽などで雰囲気を演出する

👑5
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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●疑似アクアリウム
 無音だった空間に、水の流れる音が響く。水槽には水と嘗て生きて居た頃の魚のホログラムが映し出されていた。
 戦闘では使われなかった大広間。
 広場全体を水槽に見立てた空間は、まるで自身が水の中にいるよう。

 残念ながら、ペンギンは存在しないけれども、様々な生き物が生きて居た頃の証が其処にはあった。
 そんな軌跡をなぞった水族館。
 今は一時の休息を―。
久留米・圓太郎
【POW】
それじゃ、俺はアクアリウムを楽しむか。

本物の魚とかがいない、というけど、なんか俺の故郷(キマイラフューチャー)をちょっと思い出しそうだな。

ま、「花より団子」等と言う野暮な事は言いたくないし、ここはちゃんと楽しむか。



 ゆらゆらと水面が揺れる。一面、青に彩られた世界を、久留米・圓太郎(自称魔法使いの一番弟子・f00447)はのんびりと歩く。
 水槽を泳ぐは、機械仕掛けの魚と、嘗ての姿を投影する偽りの映像。しかし、その動きはとても偽物とは思えない程、精巧に出来ていた。
(本物の魚とかがいない、というけど…。なんか俺の故郷をちょっと思い出しそうだな)
 今は遠い故郷を圓太郎は静かに思い出す。全てが行楽地と化したあの世界も、全てが偽物ではないけれど、決して本物とも言えない。
 そんな雰囲気をうっすらと肌で感じたのだろう。しばし圓太郎の意識は故郷へと向いた。
「たまにはこういうのんびりとした時間も悪くないな…」
 目の前を、鮮やかな色彩の魚の幻影が泳いでいく。その動きを目で追いながら、圓太郎は次のフロアへと足を進めた。
 小さな水槽から始まり、大きな水槽では力強い魚の動きに感動して。まるで海の中にいるような広間では、真横を通り過ぎた巨大な魚のホログラムに驚いたりして。
 気が付けば、水族館の出口へと差し掛かっていた。出口のゲートを通り抜ける頃には、圓太郎の顔には笑みが浮かんでいた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

小鳥遊・晶
カナカナ(f04382)ちゃんと参加です。
戦いが終わってほっと一息。
このアクアリウムを楽しもう!
わぁ!キレイ!
水が煌めく水槽だけで、テンションが上がるね。

シャチって大きいやつだよね?
私見たことないや。

クラゲも光ってキレイだね。

ゆらゆらふらふらと泳ぐマンボウ。
ホログラムなのに危なっかしい泳ぎに
晶もはらはらしてしまう。
まさか壁にぶつかるなんてことは…

色々みて回って、楽しんだ晶。
でも狼の本能なのか、
鰯の大群をみて晶が一言
「…美味しそう、お腹すいた。」


カナカナ・リッタリア
晶(f05955)と共に【POW】で魚を見て回る

ふふ、すごく綺麗…この場所を守れて本当によかった
まるで僕等も海の中にいるみたいだよね

ねぇ晶、僕シャチが見たいんだ
晶は見たことない?じゃあどの子か教えてあげる
シャチを見つけられたら一緒に並んで泳いで(飛んで)みせよう
さらに宙返り!とかできるかなぁ

晶は好きなお魚とかいるの?僕はクラゲとかも好きだよ
あれ、マンボウ…?
マンボウって、
確か水槽のガラスにぶつかっちゃうとか繊細な逸話があったよね
アクアリウムでそんなことは…起きない、よね?

晶の最後の一言には思わず笑っちゃったな
今日の晩御飯はお魚かな



 まるで、水底を歩いているような印象を受ける通路を小鳥遊・晶(緋眼の黒狼・f05955)とカナカナ・リッタリア(七つの赤薔薇・f04382)はゆっくりと歩いていた。
「わぁ!キレイ!水が煌めく水槽だけで、テンションが上がるね!」
「ふふ、すごく綺麗…。まるで僕等も海の中にいるみたいだよね」
 にこやかに通路を歩く二人が目指すは、空間全体を水底へと模した広間。当時、生きていた魚の動きをリアルに再現したという触れ込みが有名な場所だった。
「ねぇ晶、僕シャチが見たいんだ」
 進む傍ら、カナカナがぽつりと言葉を落とす。落とされた言葉を拾った晶は輝くような笑顔を浮かべる。
「シャチって大きいやつだよね?私見たことないや」
 柔らかな微笑みを称え、じゃあどの子か教えてあげるとカナカナが晶へと告げる。
 そして辿り着いたるは、一面の青の世界。こぽりと、空気の泡が海上へ上り、そして弾けた。
 まるで海の中にいるような錯覚を起こす空間に二人が声を失っていると、頭上を大きな影が通り過ぎる。
 黒と白の体躯、悠然と尾びれを揺らして泳ぐ姿はまさに海の王。一瞬、呆気に取られるも、先に我に返ったカナカナがふわりとシャチの傍らに寄り添う。まるで共に泳いでいるような光景に、知らず晶の頬が緩む。
 シャチに別れを告げ、ぷかぷか揺ぐクラゲを見上げれば、ほんのりと光を放つ。無数のクラゲが集まれば、其れは幻想的な空間へと様変わり。綺麗…、と言葉を溢したのは、果たしてどちらか。
 幻想的な世界もまもなく出口。夢のような時間が終わってしまう事を何処か残念に思いながら、ふと視線を後方に向けると、其処にはのっぺりとした体躯の平たい生き物の姿。
「あれ、マンボウ…?」
「だ、大丈夫かな。真っ直ぐにしか泳いでないけど」
 ふと、カナカナの脳裏に嘗て聞いた事にある逸話が思い浮かぶ。
「確か水槽のガラスにぶつかっちゃうとか繊細な逸話があったよね。…アクアリウムでそんなことは…起きない、よね?」
 その言葉に、晶ははらはらとした視線をマンボウへと向ける。
「まさか壁にぶつかるなんてことは…」
 途端、まさに壁にぶつかろうとしていたマンボウがゆったりと進路を変える。幾らホログラムとはいえ、繊細な動きをする様子にいつしか本物かと錯覚してしまっていたようで。二人揃って安堵の息を吐き出すのだった。
 水族館を出た瞬間、晶のおなかが可愛らしく音を奏でた。
「お魚、美味しそうだったね。…なんだかお腹すいた」
 おなかを擦る姿を見て、カナカナが思わず吹き出す。
「もう、晶ってば。…今日の晩御飯、お魚食べて帰ろうか」
 そうして二人は帰路へと着く。二人の今日の晩御飯が何だったのかは、当人のみぞ知る。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

黒谷・英壱
シャーロットと行動

ここが水族館か
話は聞いてたけどすごいな
水槽の外にいるのに、本当に水の中を歩いている感覚だよ

ふと側の水槽に触れて覗きこむ
この魚のホログラム、違和感無くて良くできてる
まるで本当に生きてるみたいだ

え、何か合いそうな音楽?
うーん、こういう時にってやつ俺持ってたかな
ちょっと待っててとシャロに伝えてスマホ内をざっと見る
そうだな、こういうのならどうだ?とピアノだけの落ち着いた曲を選曲
流れる水の音に合わせて奏でられる旋律に合わせ、彼女の歩幅に合わせて見てまわろう
戦いが終わった後のひと時、こういう息抜きも大事だし楽しまないとな

あ、あの奥にいるでっかいの、くじらじゃね?
ほら、あそこ!すっげえ……


シャーロット・リード
英壱さん(f07000)と参加です

心情:初めて見る色々なものに興奮し目をキラキラさせてます

わーい、水族館です。はじめてなのですよ!

そうだ、折角水中にいるみたいですし
水中に漂っているような落ち着いた感じの音楽とか合うと思うのですよ!
でも、わたし音楽に詳しくないのですよ……
あ、英壱さん!英壱さんは合いそうな音楽を知りませんか?

音楽をかけていい感じになったら英壱さんといっしょにお魚を見て回ります
泳いでいる姿をしっかり見るのははじめてなのです。じっくり見て楽しみますよ!
お魚以外にも、くじらとかイルカやサメなど水中の動物も見れたら嬉しいですねー。

え、くじら!?どこ、どこですか?
わたしも見たいのです!



 一面の青色に、シャーロット・リード(ホーリープレイ・f04624)は同色の瞳をキラキラと輝かせた。
「わーい、水族館です。はじめてなのですよ!」
 そんなシャーロットの様子を微笑ましく見つめながら、黒谷・英壱(ダンス・オン・ワンライン・f07000)も周囲をぐるりと見回す。
「話は聞いてたけどすごいな…。水槽の外にいるのに、本当に水の中を歩いている感覚だよ」
 近くの水槽を覗き込むが、映像の境目は分からず。リアルな魚の動きは、まるで本物のように錯覚させる。
「…まるで本当に生きてるみたいだ」
 無意識のうちに、言葉が零れた。映像であると言われなければ、本物の生き物であると信じ込んでしまいそうなほどに、其れは生き生きと水の中を泳いでいた。
 ふと、シャーロットが何かを閃いたようで、英壱のパーカーの控えめに引いた。
「そうだ、折角水中にいるみたいですし、水中に漂っているような落ち着いた感じの音楽とか合うと思うのですよ!」
 けれども、自分が持っている音楽の知識では、当てはまるものが思いつかない。
「英壱さんは合いそうな音楽を知りませんか?」
「え、何か合いそうな音楽?うーん、こういう時にってやつ俺持ってたかな」
 僅かに悩んだ後、取り出したのはスマートフォン。英壱は一言、シャーロットへ断りを入れ、音楽フォルダにざっと目を通す。
 そして、ひとつの曲が目に留まる。曲調と、今の雰囲気を頭の中で照らし合わせる。
「そうだな、こういうのならどうだ?」
 指先が画面に触れると、静かなピアノの旋律がその場に響く。落ち着いた曲調は、何処か心をも鎮めてくれるようで、二人の顔に、小さく笑みが浮かぶ。
 どちらかともなく歩き出せば、音楽の効果も相まってか、瞳に映る世界は更に輝きを増して。
 僅か、早足になるシャーロットの歩幅に合わせる英壱も、知らずのうちに水の生き物の動きに目を奪われていた。
「あ、あの奥にいるでっかいの、くじらじゃね?」
 大きな水槽の奥の方を英壱が指させば、シャーロットが興奮したように水槽へと顔を近づける。
「え、くじら!?どこ、どこですか?わたしも見たいのです!」
 水槽から目を離さないまま、くじらがいるであろう方向を英壱が示す。
「ほら、あそこ!すっげえ……」
 ゆったりと身を翻すくじらの動きに二人して心を奪われる。
 水の中にいるような不思議な時間はゆっくりと過ぎていくのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ヴォルフガング・ディーツェ
お疲れ様、これで平穏が戻る…かと思ったけど、少しばかり破壊活動に勤しみすぎた、かな

夢と希望を取り戻すお手伝いをいくらかしていくとしようか

ガジェッティアとしてはお手のもの、【メカニック】で先ずは壊してしまった🐧達の修復から始めるとしようか

破損部分の修復は元より、プログラム内容も弄られていないか確認しないとね
持ち込み品も活用しよう…ヘルメス、「起動」して
中身を透視しつつ見ていこうか

終わったら、他には小型のイルカを作って泳がせてみたいかなあ
少し実際とは異なるけれど、虹色の尾をもって、来る子供達を明るい未来に導いてくれるような、そんなこにしたいと思う

作り物だと言えばそれまでだけど、それでもと願うよ



 ひっそりと片隅に片づけられたペンギンであった物の残骸。其れを、何処か罰が悪そうにヴォルフガング・ディーツェ(咎狼・f09192)は見つめていた。
 改造されて兵器にされたペンギンに罪はない。もともとは、この水族館で人々を愉しませていたのかもしれない。そう思うと、心がチクリと僅かに痛んだ。
「…夢と希望を取り戻すお手伝いをいくらかしていくとしようか…」
 ちょっぴりの罪悪感を滲ませ、ヴォルフガングは嘗てペンギンだった物へと向き合う。
 もとより、彼はガジェッティア。機械の扱いなら手馴れている。無事な部品を集めて、ペンギンを物と姿へと修復していく。
 ある程度、形になったらば、内部のプログラムの確認を行う。
「…ヘルメス、起動して」
 装着したモノクルを起動すれば、淡く光を放った後に主の言葉に従い、プログラムの透視を行う。
 起動スイッチを軽く押すと、黒い瞳に光が宿る。動き出したペンギンは辺りをきょろきょろと見回した後、館内をペタペタと歩き始める。
 ほう、と息を吐き出し、同時に作っていた小型のイルカを起動する。其の姿はまるで幻想世界を切り取ったかのよう。
 虹色の尾が水を切る度に、美しい軌跡が、虹の道がその場に現れる。
 願わくば、来る子供達を明るい未来に導いてくれるように、と。
 目を伏せ、小さくヴォルフガングはまだ見ぬ未来へ祈るのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年01月31日


挿絵イラスト