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ゆかりちゃんとねこのいる小屋

#UDCアース

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#UDCアース


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『行方不明』
『おなまえ:■■■ゆかり』
『小学■年生』
『特徴■■■■■■■■』
『見かけたら■■■■■までお電話を』

 あちこちの破れた張り紙が、電柱に張り付いている。
 もうずっと昔に諦められ、忘れられ、乾き、干からび、風景の一部と化した張り紙。
 もはや正しく読むこともできなくなったそれを、引きはがす男の手。
「やはり、ここにも……か」
 アンダーグラウンド・ディフェンス・コープに所属するエージェント蟋蟀畑・苦虫は顔をしかめ、スマートホンの画面を開く。
 高速スワイプ入力で書き込まれたのは、彼の新たな調査記録であった。

 調査二百七日目。
 少女『ゆかり』の行方不明を知らせる痕跡を発見。ねこがいた。
 日本各地で目撃されたこの行方不明報告は、すべて発信者とねこが存在しないことが分かっている。
 加えて、各地で『ゆかりちゃんを目撃した』というインターネット上の書き込みや電話とねこ、手紙とねこがあてもなく発信され、それらはどこかに収集されているという情報もあり、ねこもいる。
 それらが集中する場所はここ、ウボツゼ町。ねこがいる。
 あらゆるネット上の都市伝説の中で私が有力視しているものをアテにして、ここまでたどり着いた。ねこがいる。
 その都市伝説――。
 ねこがいる。ねこだ。ねこだ。ねこだ。ねこだ。ねこだ。ねこだ。ねこだ。ねこだ。ねこだ。ねこだ。ねこだ。ねこだ。ねこだ。ねこだ。ねこだ。ねこだ。ねこだ。ねこだ。ねこだ。ねこだ。ねこだ。ねこだ。ねこだ。ねこだ。ねこだ。ねこだ。ねこだ。ねこだ。ねこだ。ねこだ。ねこだ。ねこだ。ねこだ。ねこだ。ねこだ。ねこだ。ねこだ。ねこだ。ねこだ。ねこだ。ねこだ。ねこだ。ねこだ。ねこだ。ねこだ。ねこだ。ねこだ。ねこだ。ねこだ。ねこだ。ねこだ。ねこだ。ねこだ。ねこだ。ねこだ。ねこだ。ねこだ。ねこだ。ねこだ。ねこだ。ねこだ。ねこだ。ねこだ。ねこだ。ねこだ。ねこだ。ねこだ。ねこだ。ねこだ。ねこだ。ねこだ。ねこだ。ねこだ。ねこだ。ねこだ。ねこだ。ねこだ。ねこだ。ねこだ。ねこだ。ねこだ。ねこだ。ねこだ。ねこだ。ねこだ。ねこだ。ねこだ。ねこだ。

 ここで、テキストは途切れていた。
 タップしていた手はそのままに、肘から先だけが綺麗に消えて、井戸小屋の前に落ちている。
 エージェント蟋蟀畑の行方を知るものは、いない。



●かくして猟兵は町へゆく
「エージェントの失踪……いや抹殺はオブリビオンによるもので間違いない。
 オブリビオンのふりまく狂気にあてられ、どこかへ誘い込まれ、そして殺された。
 『行方不明のゆかりちゃん』の都市伝説をエサに、何者かが何かを企んでいる」
 『何か』としか言えないことに、ナンシー・アラタメは歯噛みした。
 ここはグリモアベース。風景はUDCアースの井戸小屋前へと変わっていた。
「何よりもまずは、この井戸小屋だな。ここへ行かないことには何も始まらない。
 恐らく現場は狂気のエネルギーに満ちている筈だ。
 この場の狂気にあてられるかもしれない。おかしな体験もするだろう。
 だがそれによって命を落とすような俺たちじゃあない。
 俺たちはイェーガー。罠をかけられたなら、あえて踏み抜いてやるだけの力がある。
 さあ、行こうぜ――狂気と踊りに」


空白革命
 ねこはいます。ねこです。よろしくおねがいします。ねこです。あれはねこでした。ねこでした。ねこです。ねこをよろしくおねがいします。よろしくおねがいします。ねこだったのです。ねこが、ねこの、ねこがいました。ねこがいます。ねこです。ねこがいました。ねこがねこ、ねこ。ねこです。ねこ。ねこです。ねこです。ねこです。ねこですよろしくおねがいします。
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第1章 冒険 『ねこです。よろしくおねがいします』

POW   :    井戸小屋を修繕します

SPD   :    井戸小屋の掃除をします

WIZ   :    井戸小屋を明るくします

👑11
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ブランシュ・シコ
【SPD】
おおかみだよ。ブランシュは。

井戸小屋ってUDCアースにもあるんだね。
これオブリビオンのわるさだと思うけど、どうかな。走って倒せるかな。
いいや試せば。

井戸小屋のまわりのちらかったものを『ダッシュ』でかたづけるよ。
『ランナー』になってはしればなんやかんやで攻撃するから、
井戸小屋がオブリビオンだったら痛くなるはず。
オブリビオンじゃなくても、井戸小屋のまわりのちらかった物を1個1個ぽいしていけばね、どれが悪さしてるかはわかると思うよ。

ブランシュさきにいくからね、ブランシュおかしくなったら注意してね。



「ねこ? おおかみだよ、ブランシュは」
 誰に答えるでもなくブランシュは小屋の前へとやってきていた。
 一見してただの小屋だ。おかしな所は特にない。
「うーん……んー……?」
 よくよく考えればおかしな事件である。
 オブリビオンのしわざなのは間違いないらしいが、どこの誰がどうやって、そしてなんのために事件を起こしているのかがさっぱりわからないのだ。
「まっ、いいよね。色んなものをぽいぽいしていけば、きっと悪いものもみつかるよね」
 ブランシュは一旦助走をつけると、足を中心に全身の力を爆発させた。
 ある種走るために生まれた生命、ブランシュ。彼女の文字通り命がけの走りはそれだけで爆発的な破壊力を生む。
 小屋めがけて走り、思い切りタックルを仕掛ける。
 本来なら壁ごと崩壊してもおかしくないはず……だが。
「あ……ん? あれ?」
 ブランシュは気づけば、小屋の壁にぺたんとよりかかるように立っているだけだった。
「おかしいな。おかしいね。ただのねこがいる小屋のはずなのに……」
 ブランシュはそこまで呟いて、視界の端にあるものが映っていることにきがついた。
 見たことも無い。
 なにか。
 みたこともない、なにかだ。
 けれどそれが。
 なぜだろう。
「ねこだ。ねこがいるよ。ねえ、ねこ」
 ブランシュは、それを『ねこ』としか認識できなくなっていた。

成功 🔵​🔵​🔴​

神元・眞白
【SPD重視】
ねこ?猫、寝子……ねこ。
飛威(人形)、なんとかしておいて。

中はどうなってるか分からないし、まずは見通しよく。換気。
いい意味でも悪い意味でも、ねこ換気。ねこ。

手がかりでもあれば。早めに回収と離脱。ねこ。



 ブランシュの様子が見るからにおかしい。
 何も無い、それも小汚い、小屋の一角を指さしてひたすらに『ねこがいる』と主張しているのだ。
「…………」
 早速おかしくなったんじゃないだろうか。眞白は怪訝そうに目を細め、かたわらに立つ人形の飛威に指でサインを出した。
「なんとかしておいて。中はどうなってるかわからないし。まずは綺麗に……」
 しかし、ねこ。
 ねこか。
 こんな場所だ。野良猫の一匹や二匹住み着いていることもあるだろう。
 先に小屋に入った飛威が窓をあけたり戸を開放したりと多少居心地良くしたところで、眞白は小屋に入っていった。
(何か手がかりがあればいいけど)
 小屋の中を見回してみる。
 が、ねこらしいものなど一匹もいなかった。
 ふと飛威に目をとめる。
 部屋の端に立ち、なにやら小屋の角をじっと見つめているようだ。
 天井の隅。角のあたりだ。
「何か見つけたの?」
 問いかけ、同じように天井の角を見る。
「ああ、ねこだ」





 その一分後。
 眞白とブランシュの姿は小屋から忽然と消えていた。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

寝子・ねこ
……ねこです。ねこはありとあらゆるねこのミームから生み出されたバーチャルキャラクターです。
しかし、ここは、どこかすこしなつかしいような、そんな気もします。
ただ、よくありません。ヒトに迷惑をかけてはいけないと、ねこはおもいます。ねこなので。
『レプリカクラフト』で井戸小屋修繕に必要な道具、及び木の板などを作りながら仕掛け罠を設置、何かが引っかからないか試します。
そういった作業は苦手ですが、できるだけ丁寧に、綺麗に仕上がるように気をつけていきます。無論、何かよくわからないものの気配にも。


リネット・ルゥセーブル
……事前情報が正しければ、ミーム汚染の類か。厄介だな。

井戸小屋を懐中電灯で照らしながら探索。
掃除の必要はあるかもしれないが、まずは探索だろう。
【世界知識】として怪奇譚は仕入れている。まずはその類型でないかを探ってみる。
また、捜索願の張り紙にも不審な点がないかを調べてみよう。

【呪詛耐性】はあるとはいえ、万全ではない。耳栓を用意し、また自分自身も口を絶対に開かないことでミーム汚染の拡大を防ぐ。
また、情報伝達は紙媒体を用いるようにするが、万が一「ねこ」が含まれていたら即座に塗りつぶす。
こうすれば、私の思考がねこに汚染されようと、それだけで終わる。



 先行した二人のイェーガーが消息を絶ったという事態を聞きつけ、寝子・ねことリネット・ルゥセーブルは小屋を訪れた。
「ミーム汚染の可能性がある。厄介だな」
「みーむ?」
 リネットの呟きに、ねこは大きく首を傾げた。
 ミームという単語には様々な意味があり、人から人へ伝わる情報や文化、風習などに用いられる言葉だが……『ミーム汚染』という使われ方をした場合、それは特殊な意味をもつ。
「とりあえず、情報媒体には気をつけろ。メモ。録音された音声。誰かの発言。落書き……そういったものから感染することがある」
「びょうきなのです?」
「似たようなものだ」
 イェーガーは強靱ではあるが無敵ではない。気が狂うことも死ぬことも、きっとあるだろう。
「んーん……」
 ねこは大きく深呼吸した。
 彼女もまた、ミームから生まれた存在だ。複雑かつ広大なネットの海の中で生まれたねこという情報。その中から紡ぎ出されたのが、ねこである。
「なんだかなつかしいような……けど、よくないことの、ような……」
 ねこは『なんにせよヒトに迷惑をかけるのはいけません』といった風に、板や釘をつかって簡単な罠を仕掛け始めた。

「どうだ。なにか見つかったか」
 暫く小屋の周りを探索していたらしいリネットが戻ってくる。
 ねこはふるふると首を振って返した。
「だめです。ねこしかいません」
「……」
「ねこしかいませんでした。けど、ねこはいます。ここにねこはいるので、ねこもねことおなじになろうとおもいました。ねこは、ねこなので」
「……」
 大きく息を吸うリネット。
「ねこをとめないでください」
 ねこはなんということもないという風に、近くの壁へと手を触れ、溶けるように壁の中へと吸い込まれていった。
 消えた仲間。
 リネットは。
「……危なかったな」
 耳栓に手を当て、深く息を吐いた。
「恐らく何かの情報を閲覧して汚染されたか」
 ふと、ねこが作りかけだった罠が目にとまる。
「罠……そうか」

 『ゆかりちゃん』のうわさ。
 その噂をたどっていくと到達するこの小屋。
 訪れた者を汚染する『なにか』。
 一連のすべてが何かしら意図されたことなのだとしたら……。
「おや、ねこだ」
 リネットは呟くと同時にバケツいっぱいの墨汁を小屋の天井付近。すみの落書きへと浴びせかけた。
「わたしはここまでのようだが……あとは頼んだぞ」
 ヒントは、置いていく。




 こうして、ねことリネットもまた、小屋から姿を消した。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

天都狐・華夜
【収容違反やった手前、後始末に参上】
行動:材料を運んで井戸小屋を修繕します。
ねこがいますけど、材料を運びます。
草むらの影からねこがのぞいてますけど井戸小屋を修繕します。
汚染されねこがいますないようにねこはいました気をしっかり持って作業を完遂しましょうねこですよろしくおねがいします。

「ああ……ねこですよろしくおねがいします収容違反が……後始末頑張らないと……」

なお、井戸小屋周囲には爆発物や銃撃戦の痕跡があり、同系装備を華夜は有していた。
井戸小屋がぶっ壊れた原因は……


鏡島・嵐
なんだ、この感じ……。
頭がくらくらする。すげぇ冷てぇ感覚が、背筋を這い回ってる。
ねこって、何なんだ。動物の猫じゃねえ、のか?
戦いに向き合う時の恐怖とは全然違うけど……なんだ、この感覚。

【WIZ】
懐中電灯を用意して、井戸小屋と、その周辺を照らしながら、目を惹いたデジカメで撮影し、自分が直に見た映像と、カメラに写した映像を見比べてみる。
おれの目には直に見ても写真でもねこに見えるなんてことは……ええい、考えてもしょうがねえ!
後に続いてくれる奴のために、デジカメはデータごとその場に残していく。


白金・ジュン
WIZ判定

【スキル】
視力2、暗視2、追跡2、情報収集1、第六感1

【行動】
ユーベルコード使用してマスコットを呼び出し内部を偵察させる
その後中に踏み込み、スマホでライトで照らしながら撮影
機械の映像と自分の視界で食い違いが出ないか確かめる

【心情】
・小屋の前
いや、ダメだってコレ
ホントダメなんだよこういう雰囲気
オレなんでこんなブラックな職場に就職しちゃったのかなぁ……

・仕事開始
良し、時刻確認
撮影開始これより問題の井戸小屋に潜入を開始します
情報に会ったねこの姿を確認出来たら一時退避して
情報を逐次送ります



「収容違反報告があったのはここですか……?」
 スマートホンを手に小屋の前へやってきた天都狐・華夜。
「これが例の『ねこ』だとしたら収容手順ははっきりしているんですが……さて、どこから手をつけましょうかね」
 そう言って小屋へと近づく華夜の肩を、同行していた白金・ジュンが掴んで止めた。
「まって、ちがう。これは……その『ねこ』じゃない」
「どういうことです?」
 顔をしかめる華夜に、ジュンはネクタイを締め直してから語った。

「まず前提がおかしいんだ。もしミーム感染源であるとするなら感染の拡大速度があまりに遅すぎる」
「つまり……」
「ああ。コイツは『罠』だ」
 後ろから合流してきた鏡島・嵐が、小屋をポラロイドカメラで撮影した。
 ほどなくしてできあがった写真を手に取り、ぱたぱたと振ってから翳す。
 写真にうつっていたのは、『更地と井戸』であった。
「おお……」
「これは……」
 同じく写真を覗き込んだ華夜とジュンがげっそりした顔をした。
 いかにもあやしい物体を見せ、探索した人間を引きずり込むトラップ。
 ダンジョンでいう『人食い宝箱』のようなものである。
 そのたとえでいうなら、小屋は怪物の胃袋とでもいおうか。
 中に入った人間の世界への認識力を溶かし、自らの空間へと消化していく。
「ってことは、入り口や出口がどっかにはあるはずだ」
「待ってください。井戸だけ様子がおかしくありませんか」
 指さす華夜につきあって写真の井戸と実物(?)を見比べてみる。
 写真には井戸の片側からバケツ一杯分の墨汁らしきものがしみ出ているが、実際の井戸には何も無い。
「なるほどな……前任者のヒント、ってわけか」
「いや、ダメだってコレ。ホントダメなんだよこういう雰囲気。オレなんでこんなブラックな職場に就職しちゃったのかなぁ……」
 井戸を覗き込むジュン。
(頭がくらくらする。すげぇ冷てぇ感覚が、背筋を這い回ってる。戦いに向き合う時の恐怖とは全然違うけど……なんだ、この感覚)
 ジュンや嵐たちは、井戸のなかをライトで照らしながら、持ち込んだロープを華夜に握らせた。
「時刻確認。撮影開始これより問題の井戸への侵入を開始します。さ、行ってきて」
 ジュンは安全のために魔法少女のお供(マジカル・マスコット)を井戸の底へと放ってから、嵐と共に井戸を下りていった。

 どれだけ長いこと下り続けただろうか、気づけば周囲の風景は変容し、不思議な十字路へと降り立っていた。
 夜の十字路。
 見たことがあるような、ないような。
 どこにでもあるような十字路だ。
 ロープをどこかへと固定し、追っておりてきた華夜。
「十字路ですか。四辻は四つの道、つまり死の道へつながる辻であるとして、死者と交差しやすいといわれていますが……」
「死人が出てくるならまだいい。俺たちの推理が正しかったなら、ここは」
「怪物の胃袋の中、ってことになるのかな」
 あはは、と力なく笑うジュン。
 嵐はシャレにならないという顔でライトをつけた。
 その時、である。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​




第2章 集団戦 『ゆかりちゃん』

POW   :    「ただいま」「おかあさん、おとうさん」
戦闘用の、自身と同じ強さの【母親の様な物体 】と【父親の様な物体】を召喚する。ただし自身は戦えず、自身が傷を受けると解除。
SPD   :    「どうしてそんなへんなかおでわたしをみるの?」
【炎上し始める捜索願いからの飛び火 】が命中した対象を燃やす。放たれた【無慈悲な】炎は、延焼分も含め自身が任意に消去可能。
WIZ   :    「ひどいよ、ひどいよ、ひどいよ」
【嗚咽を零した後、劈く様な叫声 】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
👑11
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「うわあ! ねこ! ……じゃない!」
 大きなダストボックスから飛び出し、路上へと転げ落ちる。
 小屋のトラップに絡め取られ怪物の胃袋(?)に入ってしまったらしいイェーガーたち。
 しかしそれだけで自我を崩壊させて自滅してしまわないのが、イェーガーの強いところである。
「ここが怪物の胃袋だと仮定したなら、消化液になる何かが現われるはずだ」
「どろどろにとかされるとか?」
「それならまだいいんですけどね……」

 ふと気づけば、そこは十字路。
 どこからともなく、小さな少女の手まり歌が聞こえてくる。
 いるはずのない少女。
 いなくなったはずのない少女。
 ミーム。都市伝説。あるはずのない事件。
 『ゆかりちゃん』が、十字路のあちこちから現われた。
「ただいま」
「よくみて」
「かえってきたよ」
「わたしだよ」
「「ねえ」」
「「わたしだよ」」
 誰の記憶にもないはずなのに、昔から知っていたように感じてしまう。
 感覚を汚染し、狂気をまき散らす、それこそが――。
「オブリビオン、か」

 戦わなければ、消されるだけだ!
ブランシュ・シコ
【SPD】
ねこじゃないね……おおかみだよ。頭ぐわんぐわんするね。

ゆかりちゃんどこかで会った?オブリビオンの知り合いはいないけど。
おぼえてる気がするけど顔おぼえてないんだよね。

おいかけっこして、ブランシュが勝ったらおしえてよ。
ゆかりちゃんが誰なのかってこと。

『どうしてそんなへんなかおでわたしをみるの?』は紙が燃えてから火が飛んでくるんだ。それじゃおそいよ。
『ダッシュ』の勢いのまま、『ランナー』を発動していっぱいいるゆかりちゃんの顔に張り付いた紙をはがしちゃえ。

とっちゃったら火は出せないでしょ?
ブランシュが顔もおもいだせるかもしれないよ。
こんなに遅いともだちはしらないけどね。



「あたま、ぐわんぐわんするね……」
 両目をぎゅっと瞑り、ブランシュ・シコは右側頭部を押さえた。
 実際の声はしないはずなのに、耳元で誰かが喋ったような感覚だけがある。
 ずっと昔から知っている誰かが、親しげに、そして悲しげに自分を呼ぶ。覚えの無い罪悪感と、記憶に無い自責が、ブランシュを深くさいなんでいく。
「だれだか、わからない。知ってる気が、するけど……」
 ブランシュは右手の指先をアスファルト道路の表面につけると、頭を下げた。
「おしえてよ。ゆかりちゃん。あなたは、だれ?」
「「しってるでしょ?」」
 無数の声。
 ブロック塀いっぱいに敷き詰められる捜索願広告紙の全てが燃えさかり、ブランシュへと襲いかかる。
 だがその全てを、ブランシュは振り切った。
 走ること。
 前へ進むこと。
 それが誰よりも早いなら。
 どんな悲しみも、どんな罪も、振り切って生きることができる。
 風よりも音よりも、想いよりも早いブランシュの足が、無数にゆらめくゆかりちゃんの姿をかき消し、ブロック塀に敷き詰められた無数の紙をひっかくようにはがしていく。

成功 🔵​🔵​🔴​

リネット・ルゥセーブル
識らない。
識っている者が還ってくることは、ない。

もし仮に還ってきたのだったなら、
それは私の抱える呪いに過ぎない。

だから、私の罪は私が殺す。

【やり投げ】の要領でテトラを遠投し、敵陣へと投げ込み、「愁訴不定の無色」により【呪詛】の坩堝を展開する。
『紛い物め』
『罠に嵌めて家族を手に入れてどんな気持ちだ?』
『偽物の子には偽物の家族がちょうど良いな』

もし着弾点近くに猟兵が居れば、耳を塞ぐよう注意をする。
二重の呪詛で気が狂ってもおかしくはない。

返される呪詛には【呪詛耐性】で耐えながら、隙を見て「謂れなき呪詛返し」で一人ずつ潰していく。

過去の事象は過去へと消え去ると良い。
(アドリブ歓迎です)



 ひどいよという声が、耳の奥で反響している。脳の中かも知れない。
 リネット・ルゥセーブルはわずかに顔をしかめネコの人形を手に握った。
「識らない。識っている者が還ってくることは、ない。もし仮に還ってきたのだったなら、それは私の抱える呪いに過ぎない」
 いもしない友達を喪うという病がある。
 その逆に、いもしなかった友人や親が帰ってきたと本気で主張する病がある。
 そのどちらも、原因は友にも親にもない。
 いつも自分自身。
 自分の内心。
「だから、私の罪は私が殺す」
 大きく振りかぶったリネットは、ネコの人形を『ゆかりちゃん』の集団の中へと放り投げた。
 灰色の空を舞い、汚れたアスファルトをはねる人形。
「罪禍解放――『愁訴不定の無色(アンダーコート)』」
『紛い物め』『罠に嵌めて家族を手に入れてどんな気持ちだ?』『おまえはいない』『偽物の子には偽物の家族がちょうど良いな』『偽物だ』『過去も未来ももたぬくせに』
 わき上がる無数の呪詛が広がり、『ゆかりちゃん』たちの存在を揺るがしていく。
「過去の事象よ。過去へと消え去ると良い」

成功 🔵​🔵​🔴​

鏡島・嵐
なまじ人(おれら)と同じ姿ってのも、余計怖ぇもんだよな……。
いつものことだけど、身体の震えに歯止めが利かねえや……。

【WIZ】
前哨戦の段階で皆を消耗させたくねえし、《大海の姫の恋歌》で味方の支援に回る。
武器として持ってる「手作りのパチンコ」で〈援護射撃〉しつつ、ヤバそうな攻撃を〈第六感〉で察知して皆に警告を発するようにするぞ。
自分に向かって飛んでくる叫び声や飛び火は、〈見切り〉で回避を試みる。


天都狐・華夜
「はい、おかえりなさい。そしてお還り下さい」

魂に刻まれたとある事件を想起しつつ、建材を目眩まし代わりに投げつけスティレット01の射出を開始。
戦術重機動兵器が何処からともなく合流し、華夜をコックピットへと収容する動作を行う。

ガジェット研究会もしくは猟兵商業組合所属の猟兵が居た場合、支援行動



 自らを襲う知らないはずなのに聞き覚えのある声に、鏡島・嵐は歯を食いしばる。
「なまじおれらと同じ姿ってのも怖ぇもんだよな、余計に」
「かも、しれませんね。けれど」
 殺して死ぬなら、単純でいい。
「スティレット01、起動」
 天都狐・華夜が腕時計型端末へと唱えると、剣がすすり泣く『ゆかりちゃん』へと発射され誘導ミサイルのごとく着弾、爆発した。
「67、来なさい」
 更に天空から落下し強引に着陸した戦術重機動兵器。開いたハッチから駆け上がり、コックピットへ自らを格納。
「手腕保持兵装以外の各兵装全自動照準開始。トリガータイミングの同期完了。……今!」
 華夜は搭載した全ての武装を開放、重機関銃やマイクロミサイルポットが一斉に牙を剥く。
 ひとつなぎの重い銃声と次々におこる爆発。
 それでもブロック塀やアスファルト道路やゆるい電線が傷つかないのは、ここが現実の空間ではないからだ。
 嵐はそんな中を駆け抜け、ありもしない『ゆかりちゃんの両親』ににた物体へとスリングショットでの射撃を加えていく。
 なぜこんなことをするの。
 常識がないのか。
 どんな教育をうけてきたの。
 いいかげんにしろ。
 心ない罵声が浴びせられる。
 嵐は、自分が社会的な悪人であるかのように錯覚しはじめた。
 おまえみたいな奴は死ぬべきだ。
 みんなに迷惑だ。
 そんなことはないと思うたび頭がいたむ。
「汚え言葉ばかり浴びせやがって……!」
 嵐はしかし、対抗手段を知っていた。
「頼むぜ――『大海の姫の恋歌(シレネッタ・アリア)』!」
 時空を切り裂いた泡の中から人魚の歌姫がわずかに姿を見せる。
 海の底から聞こえるようなはかない歌声が、嵐や華夜たちの心を癒やし始めた。
 認識が己を壊すなら、逆に癒やすことも出来る。
 嵐はそれを知っていた。
「ありもしない過去にとらわれてる場合じゃねえんだ。それに、自由と奔放は親譲りでな……!」
 嵐のふくオカリナの音色が、人魚の歌声に重なって響いていく。
 心に直接うったえるような声が、『ゆかりちゃん』の罪悪感を打ち消していった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

白金・ジュン
※合同プレ可

判定【WIZ】

【スキル】
怪力3、ロープワーク2、援護射撃2、ジャンプ2

【行動】
真の姿を開放しゆかりちゃんたちの頭上を飛び超えながら
ユーベルコードで呼び出したリボンを放ち
相手の顔面部分をラッピングリボンで花飾り風に縛る

【演出】
真の姿
「マジピュア・ウェイクアップ。オーバーシンクロ!」
の掛け声とともに魔法少女風のゴーストが呼び出され
さらに自身と憑依合体して全身がゴーストの衣装に変わる
「希望の戦士ピュア・ホワイト、みんなの未来を守ります!」


冠月・拓真
白金・ジュン とは同じ旅団の友人。

ええ、そりゃあ参戦いたしますとも。幼女だもの。
むしろジュン貴様、一人だけ抜け駆けして幼女と逢引するとか許されると思ってるの?

やあ、ゆかりちゃん! ぷにぷにして愛らしい二の腕だね!
結婚を前提に妹になってください!

あれ? 駄目? 逢引じゃなくてジュンと合挽き肉にされちゃうやつ?
ふむ、つまりいっぱいいるからお兄ちゃん取り合ってしまうわけだね!

ふっ、イケメンお兄ちゃんのつらいところだね!
なら、ちょっと数を減らした上でもっかい愛を囁きメロメロになった一人を連れて帰るなら問題なかろう。

というわけで、まずはアパマンブレイカーによる可燃性ガス爆発で数減らしといこうか!



 燃えさかる町並み。
 知らないはずなのに懐かしい町並み。
 今からちょうど一年前、いなくなった『ゆかりちゃん』。
 白金・ジュンは彼女をずっと知っていた気がして、ずっと待っていた気がして、けれど記憶のどこにもないことに、ひどく困惑した。
「記憶……記憶……」
 彼は知っていた。
 『やつら』はずっとそばにあった。
 この世界の裏側で、ずっと世界をむしばんでいた。
 頭を押さえ、顔を伏せるジュン。
 ブロック塀を、電柱を、足下を埋め尽くすかすれた捜索願の張り紙。
 その全てが炎に包まれ、ジュンもまた炎に包まれていく。
 シルエットすら見えなくなった、その直後に。

「マジピュア……ウェイクアップ」
 彼は、知っている。
「オーバー、シンクロ!」
 世界の裏側は、自分の裏側は、いつだってそこにあったことを。
 マジカルな光が炎をなめるように消し去り、焦げ付いた地面には一人の『魔法少女』が立っていた。
「希望の戦士ピュア・ホワイト、みんなの未来を守ります!」
「そうこなくっちゃあ」
 ぱしん、と手を叩く音。
 今度こそ聞き覚えのある声に振り向くと、冠月・拓真が立っていた。
「テレポートして来たんですか!? この異空間に!?」
「フッ、当然」
 片手で前髪をふぁさっとかき上げると、拓真は優雅な足取りで『ゆかりちゃん』の眼前へと跪いた。
「やあ、ゆかりちゃん! ぷにぷにして愛らしい二の腕だね! 結婚を前提に妹になっ――ア゛ア゛ア゛ア゛!?」
 悲痛な泣き声と防犯ブザーの音がひとまとめの衝撃となり、拓真を派手に吹き飛ばした。
 ごろごろ転がる拓真を、真顔で見下ろすジュン。
「……なにしに来たんですか」
「見ればわかるだろ!」
「なに堂々としてんですか!」
「むしろジュン貴様、一人だけ抜け駆けして幼女と逢引するとか許されると思ってるの? 幼女独占禁止法をしらないの?」
「滅べそんな法治国家」
「ジュン。いや希望の戦士ピュア・ホワイト」
 急に声のトーンをおとし、真剣なまなざしとなった拓真に、ジュンは思わず息を呑んだ。
「今から俺は危険な技をつかう。もしかしたらお前にまで飛び火するかもしれない技だ」
「……なにを今更、ですよ」
 ジュンは笑ってマジカルロッドを構えた。
「フォローすればいいんでしょう!?」
 夢のように跳躍し、希望のように駆け抜けるジュンの魔法が『ゆかりちゃん』をリボンで次々に拘束していく。
 拓真は、かちりと給湯器のスイッチを押した。
「注意一瞬、怪我一生! 良い子は真似しないでね。必殺、アパマンブレイカー!」
「飛び火(炎上)ってそういう――!?」
 拓真本人に悪意はないはずだからなるたけ怒らないであげてほしい爆発が、あたりを包み込んだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

フロッシュ・フェローチェス
そりゃ当たり前でしょ。
狂気がどうのな井戸小屋を、真面に探る方がおかしいから。
……反面、倒すのなら飛び込まなきゃいけないのが嫌だね。

まあ良い。
――やかましいんだよ、消えろ害悪。そしてさっさと吐き出せよ。
ああ、嫌ならそのままで良いよ?掻っ捌いてやるから。



いつも通り【先制攻撃】だ、蹴り飛ばす。
で【ダッシュ】しつつ【早業】で散弾純をまき散らし、
【野生の勘】合わせて【見切り】、【残像】からの【カウンター】で
ドスを振るう。
――ああそうだ。
お礼にコッチも面白いもの見せてあげようか?
おでんのUC【驚倒アワー】だよ……頭がある意味痛くなる。

その隙に【ダッシュ】と【逃げ足】で翻弄。
最後は【選択したUC】だ。


ネグル・ギュネス
「ならば問う。
お前は、何だ。」


刀を引き抜き、遠慮なく刃を突きつける。

POWで勝負を挑む
刀を振り、【衝撃波】で両親の形をした何かを【なぎ払い】で対処。

攻撃は、何度か敵の攻撃を見た上で、【見切り】【残像】で回避を行う。


「まずここは貴様の家では無く、私は貴様の家族でも既知でもない。」

境遇、伝説に哀れむ部分はあるが。
されど、関係は無い。

「戦場で向かって来た以上、貴様は敵だ。それ以上は何者でも無い。」

躊躇いなく、ユーベルコード【剣刃一閃】で、顔に貼り付いた紙ごと、叩き斬る!

お前が帰る場所は、此処では無い。
天に戻り、眠れ。

次は、幸せになれれば良いなと願っておこう。


三岐・未夜
【団地】
……ゆかりちゃんは、だれなのかな。僕は、顔ももう分からない捜索依頼の張り紙しか知らないから。
でも、ここにいるのはさびしいよ。帰ろ、お家に。

たからと連携して行くよ。
飛び跳ね回るたからに当てないように、【操縦】【誘導弾】で精密射撃していこう。
みんなみんな燃えて逝けと。
【破魔】も込めて、ゆらゆらさびしい黄昏色の浄化の炎を。
どのゆかりちゃんも等しくみんな灰になって、さよならしよう。帰る時間だよ。
【誘惑】【催眠術】【おびき寄せ】で時折ゆかりちゃんを呼び寄せて、たからが動きやすいようにするよ。
僕は前に出ないから、その分、後ろから安全圏を見極めて行くつもり。


鎹・たから
【団地】
あなた達は居なくなっていないのですね
ゆかりちゃんは居なくなっていない
ならばたからは、あなた達をほろぼします

灰雪で飛び跳ねまわって攻撃を
【空中戦】は得意です

手裏剣で、フォースセイバーで
オーラの風で、連珠を握った拳で
あらゆる刃であなた達を斬りましょう
【暗殺、2回攻撃、先制攻撃、範囲攻撃、衝撃波】活用

味方が危険ならば【オーラ防御、かばう】で支え
連携を重視し確実に数を減らしていきます
未夜の的確な射撃が、たからの支えになります

たからはこどもを守ります
あなた達はこどもだから
おうちに帰りましょうね

おやすみなさい、ゆかりちゃん


神元・眞白
ねこ、猫じゃなかった。残念。
終わってるものは素直に終わりに。飛威、お願い。

戦いは飛威に任せて私は補助。
数が多いなら本体がどこかにいる?核を突いて終われば、だけど。
群れてるのをかき分けるなら戦術器(人形)の皆を放っておく…のは最後の手で。


ショーン・ブラッド
ここはどこだ…
周囲の状況を把握するため『物を隠す』で気づかれないよう『撮影』を行うドローン達を放ち偵察させる。

スライムをドラゴンに変身させて突撃させて『先制攻撃』『2回攻撃』でゆかりちゃんを撹乱させる。

相手からの攻撃は『第六感』で察知して『見切り』で回避し、本体から生まれながらの光を放ち浄化させる。
「どんな状況であれ悲しいという感情は聞くのは苦しいものだな…せめてすぐに楽にさせてやろう」


エグゼ・エクスマキナ
怖い。ゆかりちゃん怖い。マジ怖いわ、超怖い。

というわけでもう怖いんでアームドフォート乱射です。
怖いのであれば怖い対象を焼却すればよいのではないだろうか?

というわけで、フルバースト・マキシマムでまとめて薙ぎ払います。

「ふははははははははは、我のSAN値の為に灰塵と化せ!!」


神舵・イカリ
「ゆかりちゃん」
不定の狂気が形を持ったと言えるそれこそ、都市伝説の極致。形のない恐怖。

そんな知識だけの絵空事だと思っていた事象を前にして、僅かに体が強張っているのを自覚

「けど…怖くたって、人に害を与える存在は放っておけるかよ! 今回は配信とか遊びは無しだ!」

フルスロットルでいくぜ、と。専用装備である四門のカノンを呼び出し、一斉発射

「ミームの海へと帰れ…! 乱れ撃て、クアントロム・カノン!!」

眩い閃光がいくつも放たれ、「ゆかりちゃん」を滅そうとする

飽和攻撃により敵の力を削ぐことが狙いであり、力の減衰を感じたら、近接戦に移行して、剣で斬りつける



 無数の爆発にさらされる『ゆかりちゃん』が、悲鳴をあげて助けを求めていた。
 罪なき幼子を虐げる罪悪感と、親しい相手を拒絶する嫌悪感。
 覚えの無い記憶に由来する覚えの無い精神負荷が、神元・眞白たちを襲った。
「…………」
 胸の辺りをすっと撫でて、眞白は気持ちを落ち着けた。
 ありもしないものに、これ以上心を奪われるいわれはない。
 このまま放置していれば、いずれはこの異空間を作った何者かが自分たちを放出するだろう。
 だが、それを待つ時間すら惜しい。
 その『何者か』が、罠が使えなくなったことを知って再び別の行動を起こさないとも限らないのだ。
「ひどいよ」
「ひどい」
「「わすれちゃったの?」」
 眞白たちを引き留めるように、悲しそうに泣き始める『ゆかりちゃん』の群れ。まるでかすむ幻覚のようににじみ、増え、十字路が至る全ての道を埋めていく。
 囲まれるか。それともすりつぶされるか。
 というところで……。
「ならば問おう。お前は、何だ」
 どこからともなく現われたネグル・ギュネスの刀が、すすりなく『ゆかりちゃん』を斜めに切断、消滅させた。
「お前は関係ない!」
「非常識だわ!」
 『ゆかりちゃん』を保護するように現われる両親らしきなにかの存在を、しかしネグルは即座に切り捨てる。
「ここは貴様の帰る場所でも、いるべき場所でもない」
「……一人で、助けに?」
 振り返る眞白に、ネグルは小さく首を振った。
「いや、大勢でだ」
 次の瞬間、エグゼ・エクスマキナが天空から飛来、両足で力強く民家の屋根に着地した。衝撃で砕け飛ぶ瓦をそのままに、固定砲台をセット。
「我が知り合い(?)がメーワクかけたな。ついでだ、もっと吹き飛んでいけ」
 アームドフォートを自動乱射モードにセットすると、エグゼはガトリング機関銃による掃射を開始した。
 『ゆかりちゃんの両親らしきなにか』が現われるそばから破壊されていく。
「怖い。ゆかりちゃん怖い。マジ怖いわ、超怖い」
 いまやどこか余裕ぶったその口ぶりに、ぺふんと後ろに隠れるように着地したショーン・ブラッドが頷く。
「確かに恐いな。ドローンがとばしたそばから行方不明になっていく。座標の存在しない土地? 四次元ポケットかなにかか? 出口らしきものも見えないな」
 ドローンたちのなかに混じった意志を持つスライム体が変身。『ゆかりちゃん』たちへ向けて攻撃を始めた。
「身に覚えの無い罪悪感がわき上がるようだが……物理的に壊せない対象はこれだから恐いな」
 そういいながらも、ショーンは『生まれながらの光』を放射。
 身に覚えの無い親しみや罪悪感を取り払っていく。
「どんな状況であれ、誰かの悲しみを観測するのは心苦しいものだな。せめて、すぐに楽にさせてやろう」
「おいおい、なに感情移入してんだ」
 屋根を蹴って路上へと飛び出すフロッシュ・フェローチェス。
 降下と共にすすりなく『ゆかりちゃん』を蹴り飛ばし、ブロック塀を蹴って反転。ソードオフタイプのショットガン・ガジェットを素早く抜くと、一斉に振り返る『ゆかりちゃん』の顔めがけて乱射した。
「ちっ……!」
 『ゆかりちゃん』からの攻撃は心への反射。由来なき罪悪感。架空の被害者感情。つまりは呪いだ。
 誰しもそんな呪いを受けたことはあるはずだ。傷ついている人がいるかもしれないという理由で振りかざされる正論や、貧しい人がいるのだという理由でふりかかる非難。不謹慎。不道徳。非常識。空気が読めない。寒い。それらの中に共通して含有される……つまりは、呪いである。
 これらは反射神経や物理障壁でかわすことができない。
 いわば、フロッシュがひどく嫌う、そして苦手なタイプであった。
「やかましいんだよ、消えろ害悪!」
 いわれのない非難をあびせ掴みかかろうとする『存在するはずの無い知人』に長ドスを差し込み、強引に切り裂いていく。
「たから、いくよ」
「フォローをたのみます、未夜」
 路上へと飛び降り、フォースセイバーを抜く鎹・たから。
 おびえすくみ、助けを呼ぶ弱者の群れを、稲妻のように駆け抜けては切り裂いていく。
「やめて」
 命乞いをする子供を数珠を巻いた拳で殴り。
「どうして」
 泣く子供たちへ棒手裏剣を投げ放つ。
 すべては呪い。
 いなくなった誰かを想う、何者かの呪い。
「あなた達は居なくなっていないのですね。ゆかりちゃんは居なくなっていない」
 仮に。もし仮に『ゆかりちゃん』が実在し、本当に行方不明になっていたとしよう。
 残された人々は確定しない現在の『ゆかりちゃん』を想い、生死すら定かで無い相手に対して口をつぐむかもしれない。話題に出すことを避け、仮に述べるならきっと生きてる、悪く言うなんて許せない、不謹慎だ。そう言って、彼女への攻撃的行為すべてに牙を剥くかも知れない。
 だが仮に、実在していたとするならば。
 『それら』はけっして『ゆかりちゃん』ではない。
 過去から浸食したまぼろしに、ほかならない。
「ならばたからは、あなた達をほろぼします」
 たからの周囲に大量の捜索願の張り紙が現われ、炎が燃え上がっていく。
 この子の顔を見ろ。可哀想だと思わないのか。無事を祈るのが普通だろう。非物理的な圧力が、炎となってたからを襲う。
 未夜は肉体に封じたUDCを限定開放。
 顔半分を覆う魔術紋様に手を当てて、炎の時間を遡らせる。
 強制的に『燃えなかったことにした』張り紙の群れをみて、未夜は目を細めた。
 執拗に貼り付けられる捜索願。
 そのどれもが顔を失っている。
 目的をうしなった行動のなれはてを見ているようで、未夜は顔に当てていた手を、なぞるように胸へとあてた。
「しらない。僕は、ゆかりちゃんをしらない。知っているような幻だけが、『ゆかりちゃん』を作っているんだね。そんなところにいるのは、きっと寂しいよ。帰ろう、過去(おうち)に」
 寂しさの中に去来する炎の名を知っているか。
 ぱっと燃え上がるように生まれて、気づけば冷たくなっているあの炎の名前を。
 未夜からみて黄昏の色をしたそれを、『玄狐ノ性(ゲンコノサガ)』と彼は呼んだ。
 炎のあばれる住宅街の十字路に、神舵・イカリは降り立っている。
「これが、この現象が『ゆかりちゃん』……か」
 都市伝説。形なき恐怖。
 たとえば地球の裏側で落ちたコインのように、関係の無い出来事だと思っていたそれが、確かに地続きの出来事であったのだと思い知らされる。
 そしてその恐怖を、この都市伝説と同種の呪いを、イカリはちゃんと知っていた。
 人の精神を喰う呪い。『架空の被害者感情』という呪いだ。
 歩みを鈍らせ、成長を止め、生きることを諦めさせるその呪いに対抗するすべもまた……イカリはちゃんと知っていた。
「ああ、放っておけない。放っておけるかよ。遊びナシの、フルスロットルで行くぜ……!」
 ベルトに固定したカードケースからカードを抜き出し、翻す。
「《戦艦鎧装 マキナフリート》!」
 突如現われた四門の砲。
 空中に発生したバレット選択ダイヤルを指で回してタップすると、詭弁弾圧性理論バレルをセット。『ゆかりちゃん』たちへと向けられる。
「ミームの海へと帰れ! 乱れ撃て、クアントロム・カノン!!」
 大量の理論エネルギーが光となって発射される。
 砲撃を砲台に任せ、イカリは剣を抜いて路上へと飛び降りていった。
「仮にここが邪心の仮想空間だとすれば、処理能力を上回る破壊をおこせば放出される」
「くそ重いモン山ほど喰うと吐くってことだな? そういうことなら任せろ。おあつらえ向きのがある」
 フロッシュは手のひらを翳し、召喚術を発動。
「出てこい、驚倒アワー! 馬鹿みたいにめちゃくちゃにしてやれ!」
 フロッシュの召喚した超高速で動き回るおでんの具材めいた不思議生命体が『ゆかりちゃん』たちへとまとわりついていく。
 かの呪いに対するメタ。いわゆるミーム浸食にあたる攻撃である。
「ふははははははははは、我のSAN値の為に灰塵と化せ!!」
 エグゼが砲台をフルバーストモードにセット。『ゆかりちゃん』を周囲の風景ごと吹き飛ばしはじめる。
「なるほど、道理だ。破壊は任せるぞ」
 ショーンは『生まれながらの光』を継続放射しながら、エグゼの後ろへと隠れる。
 前へ出るのは、ネグルたちの役目だ。
「戦場で向かって来た以上、貴様は敵だ。それ以上は何者でも無い」
 地球においても、古来より敵兵の罪悪感を利用する戦術は無数に存在する。だがその全てを覆すために、戦士の覚悟というものが存在していた。
 刀を両手でしっかりと握り込み、斜めに切り上げるように振り込む。
 やや黒い刀身が『ゆかりちゃん』を、そしてそのさきの風景そのものを切断していく。
 幻影をも切り裂くという、彼の刀の力ゆえだろうか。
 振り抜く姿勢に……りん、と鈴の音が鳴った。
 僅かに開いたその裂け目に、眞白が鋭く指をさす。
「飛威、皆、お願い」
 ダガーを両手に構えた戦闘人形が手を伸ばして立ち塞がろうとする『両親らしきなにか』を切り裂き、それに付き従うように大量の人形が発生。『ゆかりちゃん』たちを切り裂いていく。
「たから。今」
 未夜は炎を一本の矢に変えて、裂け目へと発射する。同時に飛び出したたからが、きらりと白く光るなにかをのこして飛んだ。
「あなた達はこどもだから。過去(おうち)に帰りましょうね。おやすみなさい」
 ガラスの剣が、裂け目へと突き込まれる。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『残響の女神』

POW   :    信者の供物
自身の装備武器に【生贄になった者の身体部位の一部 】を搭載し、破壊力を増加する。
SPD   :    叫ぶ
【絶叫 】を聞いて共感した対象全ての戦闘力を増強する。
WIZ   :    凝視
小さな【狂気 】に触れた抵抗しない対象を吸い込む。中はユーベルコード製の【トラウマに応じてダメージを与える空間】で、いつでも外に出られる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はナハト・ダァトです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 時空そのものが切り裂かれるような、なんとも言えぬ音と光に包まれる。
 次の瞬間、上下左右の感覚が狂い、荒れ地へと投げ出される。
 それまで井戸小屋があったと皆が思っていた場所。
 古く朽ちた井戸だけがある、更地。
 その中央に、異形の怪物が立っていた。
 人間に似たシルエット。
 しかし決定的に生きていない。生贄を無数に継ぎ合わせたいびつな肉体は、邪神の器に他ならない。
「異空間を作ってたのはコイツか」
「汚えモン見せてくれやがって!」
 それぞれの武器を構えるイェーガー。
「資料で一度だけ見たことがあります。『残響の女神』、ですね」
 UDコープ出身のイェーガーが、仲間たちに呼びかけた。
「奴の狙いは『生贄の獲得』だ。誰かがシステムを作って、システムに呑まれて、システムだけが動いてる。こいつはもう、ただ生贄を集めて自らを大きくし続けるだけのマシーンみたいなものさ」
「つまり?」
「放っておけば、また同じことをくりかえします」
「ここで破壊すれば、くりかえさずにすむ」
 ならば。
 今やるべきことは、ひとつだけ。
「「ブッ潰す!!」」
フロッシュ・フェローチェス
来たね?頭目。
人格潰すわ、モノ狂わせて顎に放り込むわ、面倒な「胃液」をゾロゾロながすわと……。
まあアタシが「ねこ」どうのの汚染を受けたわけじゃないけど、
諸々でいい加減イラついてるんだよね。

だから退れ。故に散れ。今潰れろよ、ヒトモドキ。

【ダッシュ】からの【先制攻撃】、顔面へ膝蹴りを入れてやる。
隙があるなら退却しざまに【2回攻撃】の要領で銃撃だ。
その後は……。
敵が攻撃してきたなら【見切り】、【カウンター】で斬りつけよう。

反撃として相手がUCを使ってきたなら【早業】で【選択したUC】だ。
小うるさい絶叫だろうと関係ない。
叫び声が届く前に、蹴り飛ばす。

のろま相手へ、速さを見せつけてやろう。


※アドリブ歓迎



 土のついた肩をはらい、ゆらりと立ち上がるフロッシュ・フェローチェス。
 首を傾けるように鳴らすと、怒りと嫌悪による左右非対称な表情をしてみせた。
「『残響の女神』、ね。人格潰すわモノ狂わせて顎に放り込むわ、面倒な胃液をゾロゾロながすわ好き勝手やってくれたね。こちとらイラついて仕方ないんだよ……」
 フロッシュはメカブーツの踵と足裏からホイールを展開。後部からの衝撃噴射とキックによって爆発的な初速を生み出した。
 ショートモードに縮んだドスを逆手に握り、一瞬の接近から高速回し蹴りと斬撃を連続で繰り出していく。
「だから退れ。故に散れ。今潰れろよ、ヒトモドキ!」
 二段ヒット――かに思われたが、『残響の女神』はその両方を受け止めていた。
 肉体に畳まれるように収納されていた男女の腕がそれぞれ伸び、フロッシュの足と腕を受け止めたのだ。
 うろのような目がフロッシュをとらえる。
 窮地――かに、思われたが!
「メカブーツ、シフト」
 シュートモードに変形したブーツが細かい衝撃をいくつも連続で放ち、一秒間に90発以上の蹴りを叩き込んでいった。
 傍目からはフロッシュの足が突如数十本に増えたようにすら見えただろう。
「今度止めるなら、両足まとめて止めるんだな」
 最後の蹴りが胸を打ち抜く。
 直撃をうけた『残響の女神』は派手に吹き飛ばされ、井戸の縁へとぶつかった。

成功 🔵​🔵​🔴​

鏡島・嵐
おれは弱ぇ。戦うのが、怖くて堪らねぇ。
トラウマなんかじゃねぇ、もっと根深い、魂のカタチがそうさせるんだろう。今までどんなに経験を重ねても戦うのが怖ぇのを克服出来なかったし、多分、これからもそう。
でも、だからこそ、奮い立って叫ぼう。
「それでも、おれは逃げねぇ」と。

【WIZ】
《笛吹き男の凱歌》と〈援護射撃〉で味方を鼓舞、支援するのを中心に行動。
向こうがヤバそうな行動を取りそうならなるべく事前に〈第六感〉で察知して、周囲に警告を発するか、最悪庇うようにする。



 言葉にならない叫びがあたり一帯を覆った。
 無数の生け贄の喉が複合して鳴らされる、合唱のような、助けを求める群衆のような叫びだ。
 と同時に、周囲の風景が見知らぬどこかへと変わった。
 いや、鏡島・嵐は知っている。
 血。死。暴力。そして常識の破壊。
 戦場という地獄を、嵐は知っている。
「くそっ……!」
 がちがちと鳴る歯。胸は高鳴り、汗は噴き出ていく。
 この恐怖がなくなることなんて、きっとない。
 それは、嵐が大切にしていた気持ちが、決して無くならないことに由来していた。
 だから。
「それでも、おれは逃げねぇ」
 腕を振る。りんと鈴の音がなった。
 呼び出した道化師が、高らかにラッパを吹き鳴らす。
 あわせるように吹き始めたオカリナの力強い音色が、周囲の空間をねじ曲げていった。
 嵐は知っている。
 恐怖のゆらいを知っている。
 命の美しさを、世界の美しさを、発見の喜びを、出会いの喜びを。
 さあ知れ。
 世界よ、美しきことを知れ。
 偽りの世界など、いつでも破れることを知れ。

成功 🔵​🔵​🔴​

白金・ジュン
【WIZ】判定

※真の姿持続中

・スキル
衝撃波3、祈り3、怪力3、オーラ防御1、ジャンプ2、ダッシュ1

・行動
漂う小さな狂気をオーラによる防御と増幅された身体能力で避け
背後に回り込んでから
マジカルロッドにヒーリングウェーブを込めて力いっぱい振り抜きます

・セリフ
溺れる人を助けるには正面から向かうと
掴まれて一緒に引き釣り込まれてしまうそうです
(ダッシュ移動)
……つまり、目にもとまらぬ速さで背後に回り
ひと思いに救い上げてしまえばいいんです!
(背後で思いっきりロッドを振りかぶり)
マジピュア・ヒーリングウェーブ!ホームラン!

過去から続く悪しき因果、この希望の戦士が癒して見せます!



 世界が晴れ渡っていく。
 空が青く、高く、広いことを知る。
「魔法がそうであるように」
 白金・ジュンはマジカルロッドを握りしめ、魔法少女めいて目を開けた。
「人々の願いや希望は時として呪いになります。
 けれどそれを良いことのために使えるなら。
 みんなの笑顔のために使えるなら。そう……」
 狂気の世界がジュンを襲うが、ジュンはそれを輝かしいオーラによって打ち払った。
「魔法少女が、そうであるように!」
 跳躍。
 反転。
 太陽を背にし、ジュンはロッドを振りかぶる。
 対する『残響の女神』は狂気の叫びをあげながら、無数の腕を伸ばした。
 腕と腕が継ぎ合わさり、まるで長いロープのように伸びた腕。その全てをジュンはすり抜けるようにかわしていく。
 偽りの姿に降りたこの世ならざる力。
 そういう意味では、ジュン――いや『希望の戦士ピュア・ホワイト』と『残響の女神』は同じものかもしれない。
 同じ力。
 悪から生まれた罪の力。
 されど。
「願いよ叶え――マジピュア・ヒーリングウェーブ!」
 空中加速によって相手の後ろに回り込み、地面をえぐるかのようにブレーキをかけたジュン。彼の魔力が宿ったロッドが、『残響の女神』の背へと直撃した。

成功 🔵​🔵​🔴​

リネット・ルゥセーブル
つまりはただ、乗せる呪いもデッドコピーのままミームをばら撒いていただけ、というわけか。
……あまりにも醜悪だ。これならば自分の願いのために世界を滅ぼすほうがまだ可愛げがある。

その怨嗟も絶叫も、唯の真似事なんだろう。
特別だ。本物を見せてやる。

『緋世界航海紀行』。
フィーネの首を引きちぎれば、私が目にし、突きつけられ、浴びせられ、叫んだ【呪詛】と怨嗟の総てが此処に顕れる。
そこに故はあれど脈絡は無い。
「生まれなければよかった」?
「親殺し」?
「眼の前の人を見ないルール人間」?
「英雄気取り」?
ああ、全部わたしのことだ。知っている。

これが人の呪い<おもい>だ。そう易易と気取れると思うな。


冠月・拓真
ゆかりちゃんは?
俺のゆかりちゃんは何処に消えたの?
もしかして全員倒しちゃったの。やだー。
ねえジュン、幼女成分なくなったので俺もう帰っちゃダメ?

などと宣う間にレプリカクラフトで、スイッチを入れると一定時間で爆発する爆弾トラップを衣服に仕込む。

そんなに引き込むのが好きなら、引き込まれてあげようじゃあないか。

敵が【凝視】を使ってくるまで隙だらけでボケ倒し続け、攻撃にかかった振りをするか、わざとかかって近付き爆発させるぞう。

ああ、ゆかりちゃんそこにいたんだね……いやだなあ、そんなイケメンなおにいちゃん大好きだなんて、正直なんだから!


神舵・イカリ
残響。それは誰のものだったか。今はもうそれすらわからなくなった無数の犠牲者の魂を、確かに感じた

人に仇為し喰らう、闇のシステム。システムという意味では、バーチャルキャラであるイカリも変わらない。ただ、決定的に違うのは

「俺は、闇には負けない。人の弱さも受け入れて、その上で、俺は希望に満ち溢れた毎日を見せ続ける!!」

故に力強く一歩、前に

「電子の海に揺蕩う光の可能性よ! 俺の声に応え、その一片を現せ! 量子召喚ッ!!」

取り出した3枚のカードで、Lv5へと融合させた三体のデータモンスター白銀の聖騎士
オーロラ纏う巨竜
紺碧の巨大戦艦

を召喚

斬り裂き、焼き払い、撃ち抜く

トドメは自分とモンスターによる同時攻撃


ショーン・ブラッド
来たか、元凶。このような悲劇を繰り返す訳にはいかない、ここで我らがケリをつけてやろう。

UCを使い、黄色い女性下着を被り雷を纏った巨大なドラゴンを召喚する。
『先制攻撃』『見切り』『第六感』で指示をしながら、一緒に戦い『2回攻撃』を行う。
「雷龍よ、我が呼び掛けに答えよ」

『叫ぶ』に対して、『鼓舞』『祈り』『封印を解く』『破魔』『勇気』を用いて、こちらも支援を行い効果を打ち消す。


神元・眞白
女神。…めがみ。聞いたのと違う気がする。そういうものもある。
呑まれた人は結局壊しても戻らない。…戻れない。
やる事は周りと一緒。結局、協力大事。

【SPD】
飛威と別に動けるから飛威には合わせてもらう。お願い。
後で忘れてもらうことにして相手の叫びには飛威に共感してもらう。
返しが強くなれば楽になるけど、私は聞こえない様に。耳栓?

ありがとう猫。…じゃない、ねこ。猫になって生まれて。


ブランシュ・シコ
【SPD】
『残響の女神』、かなりつよいよ。
全員にくらくらする幻を見せてた力をたたかいに集中したみたいだから。
でも、はやくはないかな。

『●叫ぶ』ために口ついてるのが気持ち悪い見た目してるけど、
叫ぶなら口開いてないといけないってことだよ。
だから、『ダッシュ』で後ろに回り込んだら『アンカー』を始めるよ。

アンカーの衝撃波をあびながら、意味のある叫ぶことできるかな?
叫んでもいいけどね。
ブランシュの方向いて来ても、首をふるよりブランシュの走る方がはやいから。

いけそうなら……衝撃波でふきとばす前に走って回り込んで、
ぐるぐるぐるぐるブランシュが敵の周りを回ってふきとばし続ける。

ねこじゃなくておおかみだからね!


三岐・未夜
【団地】
ガリガリと。痛みと共に、身の内で時を喰らうUDCが蠢いているのが分かる。力を使ったのだから、対価を寄越せと。咄嗟に使ってしまったそれは、己の若さを喰らう。
戦闘とは別種の恐怖に飲み込まれる前に、たからの足だけは引っ張らないように、ぐ、と唇を噛む。

たからが前に飛び出すのに合わせて、玄火20を融合強化し、重ね合わせてその数4つへ。
【操縦】【誘導弾】【2回攻撃】【破魔】【援護射撃】でたからや周りの人に当てないように。
もしも危険がありそうなら【第六感】を働かせつつ、炎に【催眠術】【誘惑】【おびき寄せ】【時間稼ぎ】を仕掛けた炎で囮を作り、敵のヘイトを其方に向かわせないようにする。


ヌル・プラニスフィア
遅れてやって来て、追い付いたのがこのタイミングとはな。
過程はわからないが、やることは単純明快とみた。
おぞましいものにはキッチリ蓋をしてやらないとな。

■戦闘
今回は俺だけでいく。他人格はホラー耐性ないしな。
絶叫が聞こえないくらいのUCの爆弾をばらまいてやるさ。【目立たない】【物を隠す】【騙し討ち】【罠使い】…そういうのは得意なんだ。分かりやすく撒いた囮と、しっかり隠した本命で緩急つけて仲間の戦いやすい戦場作りを心がけるとしよう。絶叫や狂気にのまれたり、連戦で気づついた仲間がいれば【医術】や【かばう】でサポートする。
とにかくとことんサポートだ。ホラーはな、…俺も苦手なんだよ。

アドリブ、絡みOKです。


鎹・たから
【団地】
あなたが、ゆかりちゃんとねこを利用したのですね
ゆかりちゃんは、おうちに帰りました
ですがあなたに帰る場所はありません
たから達が、ほろぼします

未夜、大丈夫ですか
彼が少し震えているのはきっと
この敵がこわいからでしょう

未夜はたからがまもります
どうかたからを支えて下さい

【幽鬼】を宿し前へ突っ込み全力の攻撃を
どのような代償も払いましょう
【暗殺、2回攻撃、先制攻撃、気絶攻撃、鎧砕き】活用
猟兵同士の連携重視
たからは腕や脚を狙って機動力を落としていきます

味方の危機は【庇う、オーラ防御】で支えてから
カウンターとして【グラップル】で打撃力を上げ拳で殴りつけ

未夜に触らないで下さい
彼はあなたの贄ではありません



 狂気の叫びが聞こえる。
 木々を食いちぎり空を飲み、土を舐め尽くす叫びが聞こえる。
 無数の生贄を継ぎ合わせ器とした狂気の邪神が、偽りの教義を語るのだ。
「『ねこ』も『ゆかりちゃん』も、呪いのデッドコピーをミーム拡散していただけ、というわけか……醜悪だ。あまりにも」
 リネット・ルゥセーブルはフードのさきをつまむと、目元を影に隠すように引いた。
「えーヤダヤダー。ゆかりちゃんいないのー? 幼女成分もうないのー?」
 完全にやる気をなくした冠月・拓真が地面に寝そべっている。
「あるぞ。見ろ、生け贄の中に組み込まれている」
「そういうキメラげのあるやつは求めてないんだよなあ」
「もう一踏ん張りだ。最後まで付き合おう」
 ショーン・ブラッドが拓真の腕を引っ張ると、拓真はぐたっとしたままぶらさがった。
「このような悲劇を繰り返す訳にはいかない、ここで我らがケリをつけてやろう」
「えー、でもー」
 腰を横に曲げるようにして身体ごと首を傾げるブランシュ・シコ。
「おおかみなら、いるよ」
「……」
「いっしょに、はしる?」
「はしるー!」
 拓真は謎の肉体動作でピンと立ち上がった。
 視線をそらして気を取り直す神元・眞白。
「女神……残響の、女神」
 人が語る女神とは随分と様相の異なる、醜い外見ではないか。
 人造の神などこんなものなのか、それとも作った人間があまりに不作法だったのか。
 いずれにせよ、生贄たちもこのままでは浮かばれまい。
「今はもう誰かも分からなくなった生贄たちの魂を、俺は感じる」
 神舵・イカリは自らの胸に手を当てた。
「人を無尽蔵に喰らい続ける闇のシステム。架空の存在。作られた器と架空の存在という意味では俺と同じかも知れない……だが!」
 抜いたカードを扇状に広げ眼前へと翳す。
「俺は、闇には負けない。人の弱さも受け入れて、その上で、俺は希望に満ち溢れた毎日を見せ続ける!!」
 こくり、と三岐・未夜と鎹・たからが頷きあった。
 二人並んで半歩ずつ前に。
 ちくりといたむ側頭部。未夜はそれが魂の痛みであると自覚した。
 体内に封じたUDCが暴れ、肉体と魂を傷付けている痛みだ。
「未夜」
 たからは彼の名前を呼んだ。呼んだだけで、それ以上は何も言わなかった。
 それで充分であったからだ。名前を呼ぶという行為には、古来より多くの意味がある。
 存在を縛ること。存在を守ること。存在を見つけること。
 そのコールひとつだけで、未夜の呪いが僅かに軽くなった気がした。
 もう半歩、二人は前へ。
「あなたが、『ゆかりちゃん』と『ねこ』を利用したのですね。けれどどちらも、もうおうちに帰りました」
「君も帰るんだ。どこでもない、無へ」
「あなたは、たからたちがほろぼします」
 じゃららごん。
 骨と肉を打ち鳴らす『残響の女神』。腕を八つに増やしたいびつなシルエットが、無数の人間の声帯を複合させた呪いの叫びを合唱する。
 一個体にして群。大勢の人間が寄せる狂気の圧力が、イェーガーたちへ波のように襲いかかる。
 人類はいつも、群の狂気に晒されていた。例えばオイルショックによる買い占め騒動。例えばインターネットの炎上騒動。群衆という圧力は狂気を生み、狂気は個を飲み込み拡大を続ける。
 いずれは地球すら飲み込み、人類を狂気に沈めるかもしれない。
 『残響の女神』はそれらを一個体に集約した、いわゆるひとつの神なのだ。
 狂気のフィールドが広がっていく。
 世界が塗り替えられ、青紫の空と黄色い土。赤黒い木々と闇色のシルエットの群衆に包まれていく。
「おっと、『真打ちは遅れて登場』ってタイミングでもなさそうだな……」
 ふらりと現われたヌル・プラニスフィアが、深く被っていた帽子を脱ぐ。
「この有様から過程は……まあ想像もつかないが、やるべきことはハッキリしてるとみた」
 ちらりと『残響の女神』を見やるヌル。
「奴を倒せば丸く収まる。そうだろ?」
 片眉を上げて振り返るヌルに、リネットは三回小さく頷いた。
「ああ、ある意味丁度いい所に来た。奴に『本物』を見せてやるところだ。少し手伝っていけ」
 リネットは古ぼけた熊の人形を取り出すと、首を無理矢理に引きちぎって見せた。
 まるで毒気の瓶を開いたように、まがまがしいなにかが内側よりあふれ出る。
 人類の呪術は共通して、『おなじことをしたものはおなじものになる』という原理に基づいている。わら人形。黒魔術。ひとりかくれんぼ。そして――。
「『緋世界航海紀行(ルージュ・ボンボヤージュ)』」
 リネットの中に詰め込まれていた呪いが緋色のなにかになって溢れだしていく。
 言葉ならぬ言葉が、世界を舐めるように浸食していった。
 『生まれなければよかった』『親殺し』『眼の前の人を見ないルール人間』『英雄気取り』――自らが受けた痛みこそが、力。呪術の、神髄。
 そんな呪いの影に隠れるように、ヌルは器用に駆け抜けていく。
 呪いに混じって仕掛けられた『呪いをもした爆弾』が、周囲をおおう闇色のシルエット群衆たちへと降りかかった。
「ホラーは苦手なんだ。エンタメ路線で行かせてもらう」
 かちり、とひねり式スイッチをオンにすると、爆弾が次々に爆発。
 周囲を茜色に染め始める。
 それこそが、我が色。我が世界。
 自らに近いものに触れたとき、人は自らの力をより大きく引き出せる。それも呪術……否、『おまじない』の原理だ。
 未夜はくちびるをわずかに噛み、『玄火(ハジメノヒ)』を放出した。
 二十の炎が天を照らし、黄昏色に寂しく色づいた。
「たから」
 彼が呼ぶ。それだけで、たからは走った。
 炎の軍勢を引き連れて、自らに幽鬼を宿す。
 呪いの炎が、たからの表皮を焼くように焦がしていく。
 かまうことはない。強く握り込んだガラスの剣で、たからは『残響の女神』へと斬りかかった。
 生贄の腕が束に鳴り、剣を受け止める。
 だが、受け止めた腕ごとたからはそれらを切り裂き、破壊していく。
「畳みかけるぞ! カード・ドロー!」
 イカリはデッキからカードを引き抜くと、手札のうち三枚のカードを選んで天に放った。
「電子の海に揺蕩う光の可能性よ! 俺の声に応え、その一片を現せ! ――量子召喚!!」
 三枚のカードが閃光となり、イメージが世界に顕現する。
 データモンスター『白銀の騎士』『オーロラ纏う巨竜』『紺碧の巨大戦艦』が召喚された。
 その全てが攻撃を仕掛け、いびつにコピーされた呪術存在たちを打ち壊していく。
 『残響の女神』が腕の一本を切り離して飛ばすと、大量の生贄の肉体が腕にまとわりつき巨大な四足獣へと変化。狂気の叫びをあげながら突撃してくる。
「負けるか! 三体のデータモンスターでクアンタム・ネットワークを構築。量子の海より希望を示せ。多重量子召喚――」
 獣へ飛びかかるイカリに、データモンスターが光に変換され合体。巨大な機械鎧となってイカリへと装着された。
 巨大な光の剣が獣へと叩き付けられる。
「召喚術か。我も手伝おう」
 ショーンは女性用下着を頭に被ると、巨大なドラゴンを召喚した。
「雷龍よ、我が呼び掛けに答えよ」
 ショーンの振りかざした勇気と破魔の祈りが、ドラゴンへと集まっていく。
 びしりと突き出すショーンの指が、獣へとむく。
「みよ、これぞ――『注文・勝負下着(コール・オブ・ジョーカー)』」
 ドラゴンの雷が獣へと直撃した。
「フッ、とどめだ!」
 拓真がイケメンの限りを尽くして跳躍アンドキック。
 流星のごとくまっすぐに飛び、獣の口の中へと入っていった。
「…………」
「…………」
 真顔で止まるショーンとイカリ。
「と見せかけて」
 獣の体内にて、拓真はぽちりと胸のボタンをおした。
 突如起こる大爆発。
 ショーンとイカリの攻撃によって崩壊寸前にあった獣を内側から吹き飛ばし、生まれたままの拓真が現われた。
「引きずり込むのが好きなら、むしろ引き込まれてやろう……なんてね」

 切り離した腕が破壊されたことで、『残響の女神』は大きな悲鳴をあげた。
 狂気の叫びでも、犠牲者を引き込む誘いの声でもない。
 器におりた神が消滅の危機を察して発する、本当の悲鳴である。
「飛威、あわせて――『リザレクト・オブリビオン』」
 眞白の放った戦闘人形と、同時に呼び出された死霊騎士団。
 その全てが『残響の女神』へと襲いかかり、ぶつかり合っていく。
 ため込んでいた生贄の肉体を一斉に放出し、なんとか死霊騎士団を撃退する『残響の女神』。
 だが本命は別。
 戦闘人形『飛威』が凄まじい速度で接近。ボディをこまのように高速回転させると、両手に握ったダガーで『残響の女神』の肉体を切り刻み始めた。
 このままでは終わってしまう。
 それは、『残響の女神』にもきっと自覚できたことだろう。
 新たな叫びをあげ呪術の強化をはかろうとするが……。
「おそいね」
 ブランシュが、音よりも早く駆け抜けた。
 走る。ただそれだけの動作でおきた衝撃が、『残響の女神』の喉をすべて潰した。
 古来より、人類は走ることに感動した。
 地球にて音より早い乗り物が完成してもなお、世界一速く走る人間はスターであり続けた。
 それは人類の夢であり、希望であり、そして呪いとおなじものだった。
 ブランシュの力は、呪いによって生まれ、夢によって動いていた。
「これで、おわりです」
 ターン。
 再び駆け抜けたブランシュの後ろで、『残響の女神』がばらばらに崩れ散っていく。
 もはや生け贄の肉体は器たりえず、宿った神も力をなくした。
 ここにあるのはもはや、可哀想な死体の群れに過ぎない。





 全てが過ぎ去った今。
 ここにはもう何も無い。
 小屋があったはずの平地も、大量の死体が投げ捨てられていた井戸も、UDコープが回収、隠蔽し毒汚染された土地というカバーシナリオによって周辺住民の遠ざけも完了した。
 もうここでやるべきことはない。グリモアベースに帰ろうという、その時。
 ふと、誰かが振り返った。
「あ、ねこ」
 つられて振り返ると、ねこではないなにかが、視界のはじを横切った。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年01月18日


挿絵イラスト