●古風な博物館
帝都の歴史物が保管され展示している博物館があった。その博物館自体は二百年前程に作られ今もなおその姿を残している歴史的建造物でもある。
書物や絵画、小物や武器、様々な文化財が保管されたその博物館は一般の利用者が多数居るとても人気な博物館だった。
そこを訪れるのは影朧甲冑と幻朧戦線の人達だ。
「大正の歴史なぞ保存の意味がない!」
「壊せ!」
「歴史が我らを守ったことがあるか?」
「無い!」
「意味の無い物など壊してしまえ!」
青年の凛とした声が幻朧戦線の人々を鼓舞するように声を上げる。
影朧甲冑を着ている男が、幻朧戦線が、その手を博物館へと向けた。
破壊し、破滅を誘う、その手を。
●
「…急ぎ、サクラミラージュへ行ってくれ」
マスクをした少年、樋島・奏弥(ノイズ・f23269)はぐっと拳を握りながらも荒くなる息を抑えた。
「敵は幻朧戦線。大正の時代を否定する一般人の集団だ。…ただ、その武器が問題だ。グラッジ弾の事は、皆色んな場面で聞いた事があるかもしれない。恨みをばら撒き影朧を呼び寄せる弾だ。…これだけでも十分脅威だと言える。だが…今回は」
奏弥は己の見た予知の凄惨さに一息呼吸をしまた話しだした。
「影朧甲冑…サクミラージュの大戦期に【最も非人道的】とされ禁じられた影朧兵器だ。
影朧を燃料に動く動力甲冑で、操縦する人間を必要としている。…しかし、これを纏った人間は影朧の呪いを受ける。…一生甲冑から降りれない。…降りると死ぬ、んだそうだ。…それ程までの兵器、簡単には倒せないだろう。…だが、貴方達なら倒せると、信じている」
それは猟兵達への信頼。サクラミラージュを守ろうとしてくれている猟兵達のことを奏弥は沢山知っている。
「…現れる場所は帝都の博物館。俺が貴方達をテレポートさせるのは博物館の前だ。既に敵は中へ入り込み行動を開始している。グラッジ弾を持った幻朧戦線が何人か居る。首に黒い鉄の首輪をしているから、解ると思う。
博物館の中にはスタッフの人や一般の客も残ってる。…何とか助けて上げてほしい。…出来るなら、中の文化財も守ってほしい、が…多くは言わない。人命の方が優先だ」
勿論代わりのない、重要な歴史的文化財もある。だが、今回に限れば壊れる事も仕方無いのだ。
「とりあえず皆を脱出させれば、影朧甲冑との戦いになるだろう。だが最初は強力な影朧の姿を模している。【辻斬り少女】…帝都を幾度か騒がしている影朧だ。それを倒したら本命である影朧甲冑との戦いになるだろう。
…影朧甲冑の中の人間の事だが、20前後の男。名前を【タチバナ】と言うらしい。彼が何を思って影朧甲冑に乗っているのかは解らない。…何を言っても響かないかもしれないし、説得出来たとしても、一生を影朧甲冑で過ごさなければいけない。…どちらとしても辛いものにはなるだろう」
それでも、帝都を守るために協力してほしい。
奏弥はそう言って貴方達を帝都へと転送した。
笹山ぱんだ
こんにちは笹山ぱんだです。
今回は初サクラミラージュです!
敵は幻朧戦線、影朧甲冑!
帝都の人々と博物館を守る為にどうか力を貸してください。
【タチバナ】
影朧甲冑に乗る青年。
大正の世を憂う男。詳細は不明
プレイング募集は一章も断章後になります。
それでは、良い戦いを。
第1章 冒険
『幻朧戦線の襲撃』
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POW : 襲い来る幻朧戦線の一般兵を肉壁となって阻止し、重要施設や一般人の安全を守ります
SPD : 混乱する戦場を駆けまわり、幻朧戦線の一般兵を各個撃破して無力化していきます
WIZ : 敵の襲撃計画を看破し、適切な避難計画をたてて一般人を誘導し安全を確保します
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●博物館への襲撃
「壊せ、全てを壊すんだ!」
突然の博物館への襲撃に館内から悲鳴の声が聞こえる。
子供の声、それを守ろうとする女性の声、低い年老いた男の声、沢山の博物館を見に来ていた人達の恐怖の叫びだ。
博物館は一階のみであり、地下は保存庫とスタッフルームがある様だった。
地下にいるスタッフ達は数人居て、文化財の保護をしていた。
他のスタッフ達も館内の混乱に対応すべく避難経路を作ろうとしていた。
だがそれも、武器を持った幻朧戦線の一般兵には目障りに写ったのだろう。銃口を向けられる。
「この場を守ろうとするのなら、全てが敵だ!壊せ!」
タチバナの声に兵達は応と言葉を返す。
館内の人達の命の灯火は、もうすぐ消えてしまいそうだった。
ミア・ミュラー
アドリブOK
ん、敵の方が先に中へ入っちゃったの、ね。急いでみんなを、助けないと……!
避難誘導は他の人に任せて、わたしは幻朧戦線の人たちを倒していくよ。【プリンセス・ホワイト】で呼んだ白鳥さんたちにお願いして、空から敵を探して、翼で叩いたり体当たりしてもらって気絶させよう、かな。空を飛べる白鳥さんなら、逃げる人たちとはぶつからないで動ける、よね。ん、白鳥さん、黒い鉄の首輪をしてる人たちをやっつけちゃって、ね。わたしも走り回って逃げる人を助ける、よ。
ん、昔のことを思い起こせるのは、すごくいいこと。忘れちゃうのは悲しいこと、なんだよ。だから、人はもちろん、博物館も守って、みせる。
●
ミア・ミュラー(アリスの恩返し・f20357)が博物館に転送され、聞こえたものは何かが割れた音だった。ガラスや陶磁器、そういう物だろう。
「ん、敵の方が先に中へ入っちゃったの、ね。急いでみんなを、助けないと……!」
慌てて博物館へ入れば幻朧戦線の人々がそれぞれ博物館の中の物を壊したり、博物館自体を破壊しようと動いていた。
ミアは一般人達の救出活動の前に、己は幻朧戦線を倒そうとユーベルコード【プリンセス・ホワイト】を発動する。羽に1と数字が刻印された白鳥を呼び出して。
「お願い、白鳥さん、黒い鉄の首輪をしてる人たちをやっつけちゃって、ね」
その言葉に頷いた白鳥さん達は空を飛び幻朧戦線の人達を翼で叩いたり、体当たりをしたりして気絶させていく。
空を飛べる白鳥さんなら、一般の人達にはぶつからずに敵を倒すことが出来る。
そうしてる間、ミアも博物館の中を走る。
「うわぁーん、おかあさーん!」
子供の声が聞こえて立ち止まれば小さな子供が展示物である掛け軸の後ろから覗いていた。
「…大丈夫?お母さんは?」
駆け寄り視線を合わせるとそう聞いてみて。
「わかんない…様子を見てくるから、ここに隠れててって…お母さん、どこ行ったの?」
少年は心細さに瞳に涙を溜める。ミアは頷いて、少年の頭を軽く撫でる。
「私が探してくる。あなたは外の危ないところで待ってて。…この白鳥さんに着いていけば、大丈夫だから」
「…ほんと?」
「えぇ」
一匹の白鳥さんを少年に預ける。きっと安全な場所まで連れて行ってくれるだろう。そしてミアは少年の母親を探す。
少年が指差した場所は書物が展示されてるエリアだ。既に幻朧戦線が来たらしいそこは本が散らばり、足元には展示品を守っていたガラスの破片も散らばっていた。
「…あ、」
散らばる本とガラスに塗れて女性が蹲っている姿が見え、ミアは駆け寄る。
「大丈夫?…貴方、あっちにいた男の子のお母さん?」
そう聞くと女性は顔を上げる。少年によく似た顔立ちから血縁関係なのが見て取れる。
「…息子に合ったの?息子は無事?!」
女性はミアに訴えるように言葉を投げかけて。安心させるように頷く。
「大丈夫。安全な、場所に連れて行った。…貴方も行って」
女性にも白鳥を一匹渡す。きっとこの人を導いてくれるだろう。
「…ありがとう、お嬢さん」
ぺこりとお辞儀をして、去っていく女性の姿を見送り、ふと散らばる本を一つ手に取る。歴史書らしいその本に目を細めた。
「ん、昔のことを思い起こせるのは、すごくいいこと。忘れちゃうのは悲しいこと、なんだよ」
アリスラビリンスに来る以前の記憶がほぼ無いミアには昔の事を記録し、受け継ぎ皆の記憶に残っているのはとても尊い物だと感じた。
(だから、人はもちろん、博物館も守って、みせる)
そう、ミアは決意し影朧甲冑の元へとへと向かった。
大成功
🔵🔵🔵
隠・籠
はく、ぶつかん…。すごい、見たこと、ないもの、たくさん…!
じゃ、なかった、ね…。ど、どうしよう…。みんなを、助けなきゃ…!で、でも、広いし、敵さん、いっぱい、だよう…。
そ、そうだ。UC【強き百獣の王の声】を使って、ガジェットのライオンさんを、召喚、して…。
大きいから、乗れる、よね?…よい、しょっと…。しっかり、しがみついて…。
こ、このまま、と、突撃ー!
敵さんを、どんどん切り裂いて……!あ、あそこにも!
ライオン、さん、逃げてる人、は、襲っちゃ、だめ、だよ?ちゃんと、私の言うこと、聞いて、ね。
※アドリブ・連携大歓迎
●救出と
「はく、ぶつかん…。すごい、見たこと、ないもの、たくさん…!」
まだ壊れていない展示物に思わず視線を向けていた隠・籠(踏み出した一歩・f20526)は大きな破壊音にあたりを見回した。
「じゃ、なかった、ね…。ど、どうしよう…。みんなを、助けなきゃ…!で、でも、広いし、敵さん、いっぱい、だよう…」
辺りには人の気配も沢山あり、その大多数が幻朧戦線の物であると推測出来た。
少し考えたあと、そうだ、と籠は思いつきユーベルコード【強き百獣の王の声】を使いライオンを召喚する。
「大きいから、乗れる、よね?…よい、しょっと…」
その背に乗れば優しくライオンを撫でて指示を出す。
「こ、このまま、と、突撃ー!
敵さんを、どんどん切り裂いて……!」
その支持通りライオンは幻朧戦線の人々を薙ぎ倒していく。いくら武装をしていても肉食獣相手では太刀打ちができないようだ。
ライオンの背から的確に敵の場所を把握すれば一人ずつ撃破していく。
「ライオン、さん、逃げてる人、は、襲っちゃ、だめ、だよ?ちゃんと、私の言うこと、聞いて、ね」
ガウ、とその言葉に返事をするようにライオンは鳴いて、敵を倒し人々を助ける為博物館を駈けていった。
大成功
🔵🔵🔵
九重・灯
ドンパチなら「オレ」の役割だ。
まあ確かにこの世界の歴史には違和感があるけどな。
(『ですが、わたしたち異世界人がとやかく言うことじゃありませんよ』)
もう一人の自分の声が頭の中に響く。
だが、影朧……オブリビオンを利用してテロ起こすんなら、オレたち猟兵が出張る理由になるってコトだ。
UC【偽神符・天狗】。顔を隠し、背に翼のある魔人を使役する。
数字6前後の10体で対応。
魔人の武器は槍だ。逆さに構えて石突きで打て。一般人は守れ。敵は不殺……なるべくでいい。
指示を出して自分も前に出る。
桜花演舞を振るう。
相手を絡め取り引き倒し、時に硬化させてなぎ払い、銃弾を打ち払う。
『なぎ払い6』『武器受け5』『見切り5』
●荒事は
九重・灯(多重人格者の探索者・f17073)は博物館に着くと眼鏡を外し己の中の別の人格に身体を委ねた。
「ドンパチなら「オレ」の役割だ。
まあ確かにこの世界の歴史には違和感あるけどな」
(『ですが、わたしたち異世界人がとやかく言うことじゃありませんよ』)
不死の帝が700年以上この地を治めているという事実はUDCアース出身の灯には多少の違和感があった。しかしそれはそれ、36個ある世界の1つ、何があってもおかしくはないのだ。
「だが、影朧……オブリビオンを利用してテロ起こすんなら、オレたち猟兵が出張る理由になるってコトだ」
灯は身のうちの主人格が頷く声が聞こえた。
ユーベルコード【偽神符・天狗】を使い顔を隠し、背に翼のある魔人を呼び出す。普段なら1の弱さのそれを呼び出すが今回は合体し数を減らす。そうすれば一体ずつの戦力も上がり行動しやすくなるたろう。槍を構えた魔人たちに灯は指示を出す。
「一般人は守れ。敵は不殺……なるべくでいい」
灯自身も前に出て武器ーー怪奇呪装『桜花演舞』を振るう。桜の模様のマフラーは思うままにその形を変え、硬化し敵を薙ぎ払っていく。たまに飛んでくる銃弾もそれで打ち払った。驚いた幻朧戦線達を絡め取り、床になぎ倒す。暫くは起きてこられぬよう適度に攻撃を仕掛ける。
そろそろ一般の客は避難しただろうか。灯は小さく息をついて辺りを見回した。
大成功
🔵🔵🔵
草野・千秋
アレンジアドリブ◎
書物、絵画、それは人間の生み出した文化
人々が血のにじむような努力の結果生み出されたものです
それを失わせるわけにはいきませんね……助太刀しましょう
歴史も文化も人の心を癒すんですよ
だから大正の世が700年も続いたのかもしれませんね
一般人の方も守らなければならない命
それを守れなくて何が猟兵、ヒーローですか
施設に残っている一般人さんが残っているようなら
早く退出できるよう時間稼ぎしつつ誘導し
怪我をした人がいるならUCで治療
動けない人がもしいたら人々を怪力で運ぶ
敵勢力はおびき寄せで注意を自分に向けさせ
幻朧戦線を見かけたなら気絶攻撃で大人しくさせる
●ヒーローが守るべきもの
「これは…酷いですね」
壊れた博物館の中を見れば草野・千秋(断罪戦士ダムナーティオー・f01504)はため息をついた。
(書物、絵画、それは人間の生み出した文化。人々が血のにじむような努力の結果生み出されたものです)
それを壊してしまうなど、暴挙にも程がある。ここにあったものは失われてしまったけれど、まだ奥にも展示物はあるはずだ。千秋は奥へと進む。
「歴史も文化も人の心を癒すんですよ
だから大正の世が700年も続いたのかもしれませんね」
客を入り口へと誘導しながら奥へと進んで行けば、不意に近くの崩れた瓦礫の下から声が聞こえてきた。
「…助けて…」
小さくも確かに聞こえた声に千秋はその声の元まで行けばしゃがみこむ。瓦礫の隙間から見えたのは高齢の女性だ。
瓦礫に押しつぶされ、脚も怪我をしているようだ。
「今、助けます!」
その瓦礫を押しのけ、女性の上から退かしてその身に覆い被さる物がすべて無くなればユーベルコード【新しい光の中で】を使う。
(一般人の方も守らなければならない命
それを守れなくて何が猟兵、ヒーローですか)
怪我をした脚が、擦り傷や、打撲が治っていく。それを感じ驚いた女性は目を丸くし。
「あら…あらまぁ…痛くないわ」
「入り口まで運びます。少し失礼しますね」
おんぶする形で女性を入り口まで運び、逃げるように指示をする。
「…何だかわからないけれど、あなたも気をつけてね」
「はい。ありがとう御座います」
女性は何も知らないだろうが、何かが始まっていることは察していたのだろう。千秋にそう声を掛ければ避難していった。
…まだ中には幻朧戦線の人々が居るはずだ。千秋はまた博物館の中へと戻り、救助活動を再開した。
大成功
🔵🔵🔵
第2章 ボス戦
『辻斬り少女』
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POW : 【先制攻撃型UC】血桜開花~満開~
【対象のあらゆる行動より早く急接近し、斬撃】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
SPD : 【先制攻撃型UC】絶対殺人刀
【対象のあらゆる行動より早く急接近し、殺意】を籠めた【斬撃】による一撃で、肉体を傷つけずに対象の【急所、又はそれに類する部位】のみを攻撃する。
WIZ : 【先制攻撃型UC】ガール・ザ・リッパー
【対象のあらゆる行動より早く急接近し、斬撃】が命中した対象を切断する。
イラスト:久蒼穹
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「アララギ・イチイ」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●変化するは辻斬りの
「猟兵か、邪魔をするな」
人々を助け幻朧戦線の人々を倒していく存在に気づいた影朧甲冑を纏う男、タチバナはそう言って影朧甲冑の姿を変化させる。少女の影朧【辻斬り少女】だ。
「憎い…憎い、殺さなきゃ」
この敵を全て殺さなければ少女は報われない。否、殺しても報われない。
その事に少女は気付いてはいない。殺す、という意志はタチバナの物でもあるのだろう。
だがタチバナの耳にはまだ言葉は届かない。何かを伝えるならば、先に少女を倒してからだ。
その後ならば、きっと猟兵達の言葉もタチバナへと届くだろう。
…聞いてくれるかは、また別の問題ではあるが。
草野・千秋
アレンジアドリブ連携◎
タチバナ……何の目論見があってこんなことを!?
影朧甲冑なんて人を悲しませるだけの非人道的なもの、速やかになんとかしないといけないっていうのに
辻斬り少女、お前……いやあなたは何を憎む?
殺す、という言葉はタチバナからのもの、とも聞きました
前に進むために対峙するしかないのですか
UC【Judgement you only】を使用して防御力を上げる
先制攻撃を受けても自分と仲間を守れるように
仲間がいたらかばい、盾受け、激痛耐性で耐える
敵影朧への攻撃は武器改造で属性攻撃の炎を拳に宿らせ
怪力、2回攻撃、グラップルで叩きのめす
九重・灯
デカい鎧が女の姿になりやがった。ずいぶんと奇っ怪な光景だな。
(『サクラミラージュのオブリビオン研究はかなり進んでいたようですね』)
もう一人の自分の声が頭の中に響く。
「ガッツリ呪い付きだけどな」
コイツ相手には手加減はいらねえ。剣、アザレアを抜いて構える。
「……ッ!」
先制攻撃に対して守りを固めてなんとか耐える。
同時に反撃。黒刃カゲツムギの刃を地面から突き上げる。
『見切り5』『武器受け5』『カウンター5』
UC【剣劇】。命中重視。
アザレアで斬り結ぶ。敵の脚を潰して機動力を削ぐ。
『なぎ払い6』『部位破壊5』『怪力5』
コイツ、影朧の意思で暴れてるのか。
だったら、こいよ影朧。こんなガラクタから解放してやる!
●少女のうらみ
影朧甲冑を纏う男、タチバナが少女に姿を変える。その光景は何とも言えず違和感のあるもので。
「デカい鎧が女の姿になりやがった。ずいぶんと奇っ怪な光景だな」
九重・灯(多重人格者の探索者・f17073)はそう感想じみた事を呟く。
(『サクラミラージュのオブリビオン研究はかなり進んでいたようですね』)
灯の体の中でもう一人の自分がそう述べた。
「ガッツリ呪い付きだけどな」
影朧甲冑に乗った人物は死ぬまで降りれない。降りれば死んでしまう。それを呪いと言わずとしてなんと言うのか。灯は赤みを帯びた片手剣ーアザレアを構えた。
「コイツ相手には手加減はいらねえ」
「タチバナ……何の目論見があってこんなことを!?」
草野・千秋(断罪戦士ダムナーティオー・f01504)は影朧の少女の姿になったそれに思わず問うた。
人を害し、博物館を壊すその理由、影朧甲冑という非人道的な兵器に搭乗している理由。彼が命を使ってまでその行動をするのは何故だろうか。疑問は尽きない。だが速やかに何とかしなければ。
「辻斬り少女、お前……いやあなたは何を憎む?」
千秋は影朧の少女に問いかけた。
「かなしいの、にくいの、私をこわした、こわした、こわしたこわした壊したにくい、人、にくい、殺さなきゃ、ころさなきゃ。」
理性を持っているようでその実少女の意識は朧気だ。少女は自分を殺した人間が憎い。だから殺さねばいけない。
ただーー、その人間の姿が解らない。だから少女は殺し続ける。斬って潰して壊して嬲って、殺す。
その意識にタチバナが混ざればどうなるのか。勿論人を殺すだけの殺戮マシーンになるのだ。
少女がその刀を抜き凄まじい速度で灯へと攻撃を放てばその前に動いたのは千秋だ。ユーベルコード【Judgement you only】を使い防御力を上げその攻撃を耐える。激痛への耐性があったとしても痛くない訳ではない。だが仲間は守り抜く。千秋が信じ、そして信じてくれた者の為に。己の挫けぬ正義の心がある限り。
「大丈夫ですか?」
「サンキュ!」
灯とて護られてばかりではない。その影から出現したワイヤーで少女を突き上げ攻撃を放ち、怯んだそこをユーベルコード【剣劇】を発動させる。
「ここからは“オレ”のターンだ!」
瞬間的に少女へと近づけばアザレアで脚を斬り機動力を削ぐ。
続いて攻撃を放ったのは千秋だ。炎を纏った拳で少女を穿てば後ろへ吹っ飛んだ。
しかしまだ起き上がる気力はあるようで少女は立つ。
二人は次にくる攻撃に耐えるため、武器を構えたーー。
大成功
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隠・籠
あなたが…敵、さん、なの?どうして…こんな酷いこと…
攻撃、は、避けれない…から、咄嗟に機械化してる腕、で、斬撃を受けようと…する、よ
!?…いっ…た……こ、怖い…も、もう…帰り、たい…!
でも、逃げてた、人たち、思い出して
みんなも、怖い思い、してた…まも、らなきゃ
腕は痛む、けど、まだ、動くかな…?動く、なら、少女人形型のガジェットを召喚、して、UC【踊る操り人形の声】で…!
も、もう、怒った、からね!みんなに、怖い思い、させて!
お人形さん、いく、よ!!!踊ろう、ね!!!
ダンスのステップを踏むように、踏みつけ攻撃!
どうしてそんなに、怒っている、の?私には…憎いが、何か、わからないの…
※アドリブOK
●いたみとにくしみ
「あなたが…敵、さん、なの?どうして…こんな酷いこと…」
隠・籠(踏み出した一歩・f20526)は影朧甲冑が変わった影朧の少女、辻斬り少女を前にしおずおずと話しかけた。
辻斬り少女は何も答えず、その刀を握り籠へと接近した。早すぎるその斬撃を避けることは出来ず、冷たく硬い機械の腕で受け止めた。怪我はせずとも機械は傷つき機械と肉体のつなぎ目の場所がじわじわと痛みを訴えている。
「!?…いっ…た……こ、怖い…も、もう…帰り、たい…!」
その痛みに思わず涙を浮かべるが、ふと頭の中に思い浮かんだのは逃げ惑う人たちの姿だ。
(みんなも、怖い思い、してた…まも、らなきゃ)
怖い思いをする、痛いこともある。しかし籠はそれを振り払い、対抗する為の力がある。例えそれが閉じ込められた箱庭の中で植え付けられたものだとしてもーー。みんなをたすけたい。痛い目に合わせたくは無い。
傷付いた機械の腕を動かした。少し傷付いていても、まだ動けるらしいそれに大きく頷いて少女人形型のガジェットを召喚する。そしてユーベルコード【踊る操り人形の声】を発動させるとガジェットを巨大化させる。
「も、もう、怒った、からね!みんなに、怖い思い、させて!お人形さん、いく、よ!踊ろう、ね…!」
人形のガジェットはまるで踊りを踊るように、ステップを踏む。そして辻斬り少女を踏み付けた。
ボロボロになりながらも立ち上がる辻斬り少女は呟くように言う。
「にくいの、にくい、ころさなきゃ、ころす、ころす、ほろぼす、」
言葉に憎しみを込め、ここに居る人間達全てに殺意を向ける。
「どうしてそんなに、怒っている、の?私には…憎いが、何か、わからないの…」
少女の嘆きも憎しみもまた、籠には解らなかった。それでも少女が何で皆を傷付けるのか、知りたいとは思った。
大成功
🔵🔵🔵
ミア・ミュラー
アドリブOK
んー、あの子は利用されちゃってる感じ、だね。助けてあげたいけど、倒さなきゃだめ、みたい。
相手の方が速いみたいだけど、刀で近づいて攻撃するみたいだから、とりあえず近づいてくる動きをよく見て、傘で攻撃を防ぐ、よ。傘なら別に切断されちゃっても、平気。
防いだら【雷盾】で斬られた傘とか周りの物を雷に変えて戦う、よ。雷の盾だから、防ぐだけでも雷が刀を伝って痺れさせるし、雷で反撃するのも当てやすい、はず。もし周りに貴重そうな文化財があれば、それもとりあえず雷に変換して壊されないようにしたい、な。
博物館に来た人たちを襲って、他の影朧まで利用して、あの人は一体何をしたいの、かな?
●迅雷
傷付きながらも立ち上がりミア・ミュラー(アリスの恩返し・f20357)を見る辻斬り少女を見ればミアは小さくため息をついた。
「んー、あの子は利用されちゃってる感じ、だね。助けてあげたいけど、倒さなきゃだめ、みたい」
例え影朧だったとしても、今は幻朧戦線の兵器に利用されその身を、その力を利用されているに過ぎない。だからこそミアは助けて上げたかったのだがーーどうやら倒すという選択肢しか無いらし い。辻斬り少女は尚も刀を構えてはミアに急接近し、その斬撃を放つ。勿論ミアとてただ斬られはしない。その接近してくる動き、刀の軌道、それを良く観察し持っていた傘で防ぐ。真っ二つに斬られた傘はユーベルコード【雷盾】で攻撃へと転じる。周りの無機物を反撃する雷の盾に変えればビリビリとした衝撃が辻斬り少女を襲う。
それが何故だが分からないのか少女は尚も攻撃を繰り返しては、雷を受けていく。
「あ、ぁ…いたい、にくい、にくい、いたい、ころさなきゃ……いたい、…しにたくないよ…」
その言葉は影朧としての少女の物なのか、それとも生前に刻み込まれた恐怖からの言葉なのかー、解らない。
だがその言葉を呟けば少女の姿は崩れ去り消えた場所には影朧甲冑が佇んでいた。
「博物館に来た人たちを襲って、他の影朧まで利用して、あの人は一体何をしたいの、かな?」
それに答える者は居なかった。
大成功
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第3章 ボス戦
『影朧甲冑』
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POW : 無影兜割
【刀による大上段からの振り下ろし】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD : 影朧飛翔弾
【甲冑の指先から、小型ミサイルの連射】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
WIZ : 影朧蒸気
全身を【燃料とされた影朧の呪いが宿るドス黒い蒸気】で覆い、自身が敵から受けた【影朧甲冑への攻撃回数】に比例した戦闘力増強と、生命力吸収能力を得る。
イラスト:雲間陽子
👑11
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●影朧甲冑とタチバナ
タチバナは幻朧戦線の一員である。
栄えある影朧甲冑の乗り手として選ばれその信念を押し通す為、この博物館を襲った。
大正の世は正しくは無い。この国を護る為には大正の世を終わらせ新たなる世を作らねばならない。だから大正の歴史を保存し、展示するこの場所は正しくはないのだ。
幻朧を使いその呪いを持って身を強化し戦うのだ。それが大儀である。
それを阻むものは敵だ。一般人であろうと、外から来た猟兵という存在も。
「俺の邪魔をするな!」
邪魔をすると言うのなら殺してから博物館の全てを壊し、燃やそう。
この国をーー、大正を終わらせ正しき世界にする為に。
火土金水・明
「やれやれ、大正を終わらせるための行動が武力行使ですか。」「一般人の方を巻き込むとは最低ですね。」
【SPD】で攻撃です。
攻撃方法は、【先制攻撃】で【高速詠唱】し【破魔】を付けて【フェイント】を絡めた【全力魔法】の【銀の流れ星】で、『影朧甲冑』に対して【2回攻撃】をします。相手の攻撃に関しては【見切り】【残像】【オーラ防御】でダメージの軽減を試みます。
「(攻撃を回避したら)残念、それは残像です。」「少しでも、ダメージを与えて次の方に。」
アドリブや他の方との絡み等はお任せします。
ミア・ミュラー
アドリブOK
あなたがやろうとしてるのと同じように、昔の人たちが命がけで作った歴史を、意味がないって壊しちゃうのは悲しい、よ。こんなことしなくても、世界を変える方法はなかった、の?
ん、あれだけたくさんのミサイルだと、傘で全部防御するのは難しい、よね。プリンセスハートに火属性を付与して飛ばして、こっちに来る前に誘爆させれば、ある程度数を減らせる、かな?残りは傘で頑張って防ぐ、ね。
防いだら【プリンセス・バースト】を使って、爆発の中で影朧の鎧も見通して、燃料部分とかを爆発で攻撃して、動きを止める、よ。
本当に壊した方がいいのは、その鎧。けど、できればあなたは助けたい、な……。
●影朧甲冑を纏うもの
影朧甲冑が纏っていた少女の姿が剥がれ落ちれば、そのままの姿で現れた。黒く禍々しい雰囲気を持つ存在は敵意を持ったまま猟兵達を見据えていた。
しかし、それは猟兵達も同じ事だ。博物館を破壊し、一般の人々を傷付ける行為は許されるものでは無い。
「やれやれ、大正を終わらせるための行動が武力行使ですか。」
火土金水・明(夜闇のウィザード・f01561)は彼の大義を聞けばため息をつく。
「あなたがやろうとしてるのと同じように、昔の人たちが命がけで作った歴史を、意味がないって壊しちゃうのは悲しい、よ」
藍の瞳を向けたミア・ミュラー(アリスの恩返し・f20357)はそう訴える。
「お前達ではわかるはずも無い。長い大正の世からこの国を開放してやらねばならないのだ」
影朧甲冑の兜の奥からくぐもった声、しかし信念に満ちた言葉が聞こえる。
「だからって、一般人の方を巻き込むとは最低ですね」
「大義の為の犠牲だ」
明の言葉に答えたその声色から無念には思っていることは感じ取れた。だが、止めることは無い。それがタチバナのすべき事であるからだ。
「こんなことしなくても、世界を変える方法はなかった、の?」
「何かを成すには時として劇薬が必要である。それが俺達だ」
ミアの言葉にも真摯に向き合い言葉を返す。しかしその言葉の中身は相容れるものでは無い。
解っていたことだが、倒すしかないのだ。
明が魔法を高速で詠唱し、魔を打ち破る力を込めたユーベルコード【銀の流れ星】を使い銀の剣で攻撃を加える。一瞬の隙に二回攻撃を行っていれば、影朧甲冑の指先から小型のミサイルが打ち出され至近距離からの攻撃を受けることになる。それを見切り防御を取り、避けた。
「残念、それは残像です」
それでも降り注いでくるミサイルの量は多く、避けるにも限度があった。
そんな明の横をすり抜け飛んでいくのは火の力を浴びたミアのプリンセスハートだ。
わざとミサイルに打つかっては誘爆を引き起こし数を減らす。
「残りは、これで…!」
傘を開けばそれを盾に使いミサイルを防ぐ。
ただ防いでいるばかりではない。影朧甲冑の姿を見通しその内部構造すらも感知すればユーベルコード【プリンセス・バースト】を発動させ燃料部分を爆発させた。
動きを止めた影朧甲冑の隙を明は突き剣を振るおうとする。
「待って…!出来れはあなたを…助けたい」
ミアの言葉は戦場に響いた。
大成功
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草野・千秋
アレンジアドリブ連携◎
違う!長く続いた平穏な歴史だからこそ続く意味がある!だからこそ人々はそれを称えて博物館を作った、お前がやろうとしていることは平穏を切り裂く殺戮だ
桜の大正には僕達猟兵の力もついている、そう簡単には終わらせない!この博物館を守ってみせる!
最早説得の余地はないですが、仮に出来たとしても影朧甲冑のせいでその後の人生は良くはないでしょう
僕らが本当に憎むべきは非人道的な兵器、影朧甲冑そのものです
兜割が手ごわそうです、怪力+部位破壊で刀を叩き割ろうと
怪力+2回攻撃+グラップルで敵を攻撃
攻撃は盾受け+激痛耐性で耐えつつ
決め技はUC【Mag Mell】を
隠・籠
どうしても、みんなを傷付ける、なら、あなたを、倒さなきゃいけない…よ…
召喚している少女人形型ガジェットさんに、もう一度頑張ってもらう、ね。
UC【八百万の神の御声】で煌めく第二形態へ進化
これは、神様がくれた力、だよ。あなたを倒すため、に…
ごめん、ね…
ガジェットさんは、振り下ろされる刀に反応して、攻撃するよ
…あっ…も、もう、やめ、て…!ガジェットさん、言うこと、聞いて…!もう、いいの…!
わからない、わからない、よ…私には…
世界は、私に、優しいって、教えてもらった、よ
壊しちゃ、だめ、だよ…
あなたにも、きっと、優しい世界、だったはず、なのに…
この腕の痛みは、忘れないでおく、ね…
※アドリブ・連携歓迎
●影朧甲冑の大義を
少女の殻を剥ぎとった影朧甲冑その物の姿は禍々しい雰囲気を纏いそこにあった。博物館を壊し、人々を傷つけたその存在は隠れもせず存在している。
そしてその大義を語った。
大正の世を終わらせる為には壊さねばいけない。この国は大正のままでは成長が見込めない。だからこそ壊し、もう一度この国を作り直すのだと。
「違う!長く続いた平穏な歴史だからこそ続く意味がある!だからこそ人々はそれを称えて博物館を作った、お前がやろうとしていることは平穏を切り裂く殺戮だ」
誰かを傷付けることで成り立つ大義などこの手で打ち破ってみせる。草野・千秋(断罪戦士ダムナーティオー・f01504)は拳を握りそう言った。
「桜の大正には僕達猟兵の力もついている、そう簡単には終わらせない!この博物館を守ってみせる!」
千秋の言葉に頷いた隠・籠(踏み出した一歩・f20526)は傍らの少女人形型のガジェットの手を握る。
「どうしても、みんなを傷付ける、なら、あなたを、倒さなきゃいけない…よ…」
「お前達には俺の大義が理解出来ないだろう。…だが成さねばならぬことなのだ」
お互いに理解は出来ないのだろう。人を傷付けることを許さない猟兵達と、大義の為に犠牲を作るタチバナと、では。
その身を焦がす想いも違う。
籠はユーベルコード【八百万の神の御声】を発動し少女人形型のガジェットを第2形態へと進化させる。煌めきを帯びたその姿は神々しくも、どこか刹那的だ。
「これは、神様がくれた力、だよ。あなたを倒すため、に…ごめん、ね…」
謝罪は誰にも聞こえず、空気に溶ける。
大きな刀での攻撃を少女人形型のガジェットは防御せずに受け止めた。そしてそのまま攻撃に転じる。第2形態になったガジェットはその攻撃力と耐久力を増すが先程まであった理性も無い。そして幾ら耐久力が高くても攻撃をされれば傷つかない筈もなく。
幾度も刀を振るわれ刀傷が増えていく姿に籠は身体をふるふる震わした。
ガジェットを攻撃し続ける刀を殴り、ふっ飛ばしては叩き割るのは千秋だ。
幾度も硬いものを攻撃すれば刀も摩耗するのは道理。意外にもあっさりそれは折れ地面へと落ちる。籠へと心配げな瞳を向ける千秋に、籠は大丈夫と小さく口ずさんだ。
尚も攻撃を続けようとするガジェットに気づいた籠は慌てて声をかける。
「…あっ…も、もう、やめ、て…!ガジェットさん、言うこと、聞いて…!もう、いいの…!」
武器を無くした影朧甲冑を攻撃し、攻撃し、攻撃し、動かなくなるまでーー
そんなガジェットを慌てて止める。影朧甲冑に乗ったタチバナも大きく耐久を削がれ地に伏せた。しかし疑問の言葉を言う。
「…何故だ。何故止めた」
「わからない、わからない、よ…私には…世界は、私に、優しいって、教えてもらった、よ。壊しちゃ、だめ、だよ…」
「…詭弁だな」
「あなたにも、きっと、優しい世界、だったはず、なのに…」
籠は必死に言葉を紡ぎタチバナに語りかける。すれば影朧甲冑の中で掠れた笑い声が聞こえた。
「……あぁ、俺もあなたみたいに思えたら…変わったのかな」
影朧甲冑の操縦席が開く。中から現れたのは20前半の男の姿だ。
「…ここで俺が死んでも、幻朧戦線は終わらない。心せよ!身体は崩れさっても、魂は不滅である!」
影朧甲冑から降りた男を呪いが蝕んででいく。程なくして倒れ、その身を冷たくさせた。
「この腕の痛みは、忘れないでおく、ね…」
そっと籠は手を合わせてつぶやいた。
この様なことを起こらせないよう猟兵達も務めなければいけない。千秋もぐ、と拳を握り決意を改めた。
大成功
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