イカしたぶっ飛びバイク
#アポカリプスヘル
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●はじまり
「あ……皆さん、お呼び立てしてしまい申し訳ありま……いえ、ここはありがとうございます、ですね」
グリモア猟兵の末席に名を連ねることになったナイアルテ・ブーゾヴァ(フラスコチャイルドのゴッドハンド・f25860)が頭を下げ、それから柔らかく微笑みながら顔を上げる。
「それでは早速、要件を。今回は皆さんにアポカリプスヘルのとある拠点(ベース)へと向かってほしいのです。その拠点の命運を託すことができるのは皆さん猟兵しかいません」
オブリビオン・ストームによって人類が滅びかけている世界、アポカリプスヘルの一つ拠点を救って欲しいと頼み込むナイアルテ。
その拠点は食糧不足からはじまった住民同士の不和、さらにくわえてオブリビオンの襲撃によって風前の灯となってしまっている。
この世界を救うための鎹の一つとして拠点の復興は急務であり、必須である。
「確かにその拠点は物資やコミュニティの悪化は見られますが、希望はあります。私を含め、猟兵の皆さんならひと目でわかることなのですが、人々を率いるカリスマ性の持ち主が一人、拠点にいるのです。彼を見出し、リーダーとして育てあげることができれば、拠点の崩壊は回避できるのです」
そのカリスマ性の持ち主というのが、黒い長髪の大人しい雰囲気を持つ青年、ハルマ。
リーダーとしてのカリスマ性を持ってはいるものの、亡くなった母親からの遺言の通り、人との争いを避けて来たため、本来のカリスマ性を薄れさせ、臆病者呼ばわりされているようだった。
「まずは、ハルマさんのカリスマ性を覚醒させることから始めなければなりません。ハルマさん自身がご自分の現状をよく思っておらず、上昇志向がある、というプラスの材料もあるのです」
大人しい性格になってしまったものの、誰かの役に立ちたいという気持ちはしっかりとあるようで、それはナイアルテもお墨付きを与えるほどだ。
「良いタイミングで拠点のリーダーを決める、ドラッグレース?なる催しがあるそうです。この催しで頭角を表すことがハルマさんを拠点のリーダーとして認知させる良い機会だと思うのです」
ドラッグレースは荒野を舞台として、直線コース上で停止状態のバイクを発進し、ゴールまでの時間を競うものだ。
このレースの優勝者を拠点のリーダーとして担ぎ上げ、拠点を放棄して次なる地へと向かおうというものらしい。
このレースでハルマを優勝させれば、彼のリーダーとしてのカリスマ性は覚醒することだろう。
「ですが、レースに優勝してもまだ拠点の皆さんは普段のハルマさんを払拭できていません。ここで荒野から乱入してくるレイダーというバイク乗りのあれくれ者たちの襲撃があります。ハルマさんと共にオブリビオン化した野盗たちを退治すれば、より強いリーダーとしてハルマさんを認め、拠点を移動せずに問題を解決して、よりよい拠点を作り出していくことになるでしょう」
ドラッグレースの直後にオブリビオンと化した野盗による集団戦が発生する。
ハルマと共にこの野盗を撃退し、なおかつ、百戦錬磨の猟兵による良いリーダーになるためのアドバイスがあれば、なお良いのだとナイアルテは言う。
野盗の数は多く、大型のバイクを乗り回し、重火器を用いいてくるため油断は禁物である。
しかし、猟兵が一対一で遅れを取ることはない。しっかりと迎撃しつつ、ハルマを助け指導して欲しいのだ。
「野盗の襲撃を退ければ、新リーダーの誕生を祝うささやかな宴が用意されています。荒廃した世界のアポカリプスヘルですが、少しばかりの息抜きは大切ですし、その宴の中で何か住民の皆さんに助力となるようなアドバイスをしていただいてもよいかと」
野盗の乱入から落ち着いた宴はささやかだが、戦いに疲れた猟兵たちも心休まるものだろう。
「猟兵のみなさんの経験とアドバイスがあれば、困難な世界であっても希望の光は灯るのだと信じております……どうぞ、よろしくお願いいたします」
海鶴
はじめまして、オープニングを読んでくださりありがとうございます。
今回は荒廃した世界、アポカリプスヘルを舞台とした成長物語となりそうなシナリオになります。
第一章は、拠点の新しいリーダー候補のハルマをドラッグレースで優勝させることが目的となります。
ドライバーとしての指導やアドバイスを行ったりしても良いですし、メカニックとしてバイクの整備や強化なんかも良いでしょう。
またドラッグレースの解説として参加されても、レースを盛り上げる要素となっていいかもしれません。
第二章は、ドラッグレース後に乱入してくる野盗オブリビオン、レイダーとの集団戦になります。とっても世紀末なヒャッハー!な敵ですので、ハルマと一緒に叩きのめしてください。
第三章は、日常パートですが、打ち上げのような雰囲気です。今後の拠点に対するアドバイスや、拠点の住人が抱える問題(食料、人間関係、環境)を解決したり、単純にハルマたちと共に飲んだり食べたり歌ったりもいいと思います。
それでは、皆様のキャラクターの物語の一助となれますようがんばりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
第1章 冒険
『ドラッグレース』
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POW : ドライバーとして参加
SPD : メカニックとして参加
WIZ : 観戦や解説として楽しむ
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
リーズ・リヴィエール(サポート)
時計ウサギの力持ち×ゴッドハンド、18歳の女です。
普段の口調は「女性的(私、あなた、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)」、敵には「女性的(私、あなた、呼び捨て、です、ます、でしょう、ですか?)」です。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
エッチな描写もNGです。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
アポカリプスヘルの辺境は、その荒廃した世界の縮図だった。
その荒れ果てた大地であっても、人々は身を寄せ合いながら、なんとか生存し続けていた。
そんな辺境の拠点(ベース)では、その行く末を率いる長を決めようとするドラッグレースが開かれようとしていた。
自身でチューンしたバイクを駆り、誰よりも早く目的地に到達すること―――迅速さがこの荒廃した世界には求められているのだ。
そんな拠点で、一人青年が決意を新たにドラッグレースの出場を決めていた。
「はい、意気込むのもわかりますが、まずはお茶を一杯どうですか?まずは肩の力を抜かないと、発揮できる力も発揮できませんよ?」
リーズ・リヴィエール(時計ウサギの力持ち・f24468)は、そんな決意をした青年ハルマの背後から声をかける。
「わっ!?えっ、えっ、どちら様…?」
ハルマは上ずった声でリーズを見やる。それもそうだろう。うさぎのような耳や美麗な姿には違和感を覚えることはないが、流石に健全な男子。
武術を叩き込まれ、健康的な女性の体には驚きというよりも、もじもじしてしまうというものだ。
「私はリーズと申します。何やら大変意気込んでおられたようなので、何かお手伝いできればと思いまして…」
はい、とリーズのユーベルコード「紅茶の時間」が発動する。
周囲を見てみれば、ハルマと同じようにリーズは紅茶を振る舞っていた。けれど、周囲の男たちは紅茶を楽しむ時間さえないと言わんばかりにぞんざいに煽るように飲み干していく。
そう、リーズのユーベルコードは紅茶を楽しんでいない対象全ての行動速度を5分の1にしてしまうのだ。
その効果にハルマ以外のドラッグレース参加者たちのバイクをチューンする手が目に見えて遅くなってしまっている。
「ささ、時間はたっぷり稼いでいますので、あなたはあなたのやるべきことを、じっくりと焦らず行ってくださいね?」
素敵な笑顔を浮かべるリーズに後押しされるように、ハルマはコクコクと頭を振り、バイクのチューンを続けていくのだった。
成功
🔵🔵🔴
ブラニ・アカバ
※アドリブ・連携歓迎
口調:コロコロ変わる
コウいうのっていいよナ! ヱ、参加はできナイ? リーダー候補を勝たせル……。成程。それじゃあ、勝たせてみせようじゃないか。
【選択UC】でマシンのチューンやメンテに有用そうなものを召喚して、利用方法を説明『せず』に貸し出す。マ、その方が面白そうだしナ!
――というより、手を貸し過ぎてもダメだろう。リーダーたるもの、他者を頼る事も必要だが、その前に自身の力を証明しなければならないのだから。
「ハハハ! 中々面白そうな事してるじゃねェか、オイ! コレで勝とうっていうなら、なかなかのコメディだナ! ――では、コレを貸してやろう。何、お前なら問題なく使える筈だ」
リーダーたる者の資質というもには、いくつかのものが挙げられるだろう。
カリスマ、行動力、発言力、他者を思いやる心……そして、何よりも自身の力を証明するという気概。
それをよく理解しているのは、ブラニ・アカバ(自称人間の壊れた兵器・f12349)だった。
バイクのチューンに四苦八苦しているハルマの隣にやってきて、ぽん、と肩を叩く。
少し不思議な喋り方だな、とハルマは思うも、ブラニの機械の体から感じられる考え方にシンパシーを覚えた。
「ハハハ! 中々面白そうな事してるじゃねェか、オイ! コレで勝とうっていうなら、なかなかのコメディだナ!」
「わ、わかってます……!でも、僕には今これしかバイクがないから……これでやるしかないんです!僕だって僕自身の力だけでできれば……!」
ブラニの言葉に自覚はあるようで、貧相なフレームのバイクを無念そうにハルマは見やる。
できること、できないことを知っているからこそハルマは現状の自分を許せないのだろう。その気概はブラニにもしっかりと伝わった。
「――では、コレを貸してやろう。何、お前なら問題なく使える筈だ」
そう言ってブラニがユーベルコード「ガジェットショータイム」で召喚したのは、大変ごきげんな出力のエンジン。しかし、ホイールとフレームがもつのか……?
だが、ブラニはそんな野暮なことは言わない。
そう、手を貸し過ぎてもダメだろう。リーダーたるもの、他者を頼る事も必要だが、その前に自身の力を証明しなければならないのだから。
「あ、ありがとうございます!す、すごいエンジン出力だ……!!こ、これなら……!」
ハルマはブラニに何度も頭を下げて礼を尽くす。頭を下げることができるというのも、リーダーの資質として必要なことだろう。
こうして、規格外のエンジンを積んだハルマのマシンは、最高速度だけならば、きっとドラッグレースでもぶっちぎることだろう。
ブラニが最後までエンジンの説明をしなかったのは……
「マ、その方が面白そうだしナ!」
そんな気まぐれじみた天の邪鬼のせいだった。
大成功
🔵🔵🔵
リカルド・マスケラス
彼が人々の希望になるのなら、協力を惜しむつもりはないっすよ
「ちょっとマシンの試運転に付き合ってくれないっすか?」
参加者を装いハルマに声をかける。そのまま試運転という形で自分の宇宙バイクを【操縦】しつつ、ハルマに運転をレクチャー
「直線と言っても、地面は舗装されているわけじゃないっすからね。タイヤが大地を踏みしめる感覚、フレームの振動、マシンがどう走りたいのかを知ることができれば、もっと早く走れるっすよ」
ついでにメシでもどうっすか?と誘い、好みを訊いた上でUCで【料理】
能力向上以外に、研ぎ澄まされたこの感覚を掴めば、今後の上達しやすくなるか
レースに出た時はギリギリまで追い込むが、華は持たせる
徐々に組み上がっていくハルマのバイク。他のレースに参加する者たちのバイクは、ハルマ以上にしっかりとした作りだ。これは、根本的な問題……つまりはドライバーの力量というものが、レースの展開に影響してくることは間違いなかった。
リカルド・マスケラス(ちょこっとチャラいお助けヒーロー・f12160)は、参加者の一人を装って、ハルマに近づく。たしかに見てみれば、事前の情報通り、ハルマは拠点を率いていく者としての素質を感じられた。
彼が人々の希望になるのなら、協力を惜しまないつもりで居たリカルドにとって、真摯にバイクのチューンに勤しむハルマの姿は好感が持てたに違いない。
「ちょっとマシンの試運転に付き合ってくれないっすか?」
そう後ろから声を掛けられたハルマが振り返ると、そこにはリカルドと彼の宇宙バイク。アポカリプスヘルにおいて、猟兵は彼らにとって非常に魅力的に映る。リカルドほどの者ならば、なおさら。
そんなリカルドにどうして自分が目をかけられたのか理解できないのか、ハルマは怪訝な顔をする。
「どうして僕なんですか……?その、お世辞じゃないですけど、あなたのバイクは僕のものより、ずぅっとすごいように思えますし……」
「そう謙遜ばっかりするもんじゃないっすよ。ハルマって言ってたっすね。ハルマの目、わりと嫌いな目じゃないっす。自分のため以上に誰かのために何かをできる人の目をしてたっす」
だから、少しばかり興味があると。きっかけは自分のためだったかもしれない。けれど、本当はずっと誰かのために何かをしたかったハルマの心をリカルドは見抜いていたのだ。誰かの笑顔のためにがんばれる、ちょこっとちゃらいけれど、お助けヒーローな彼だからこそ、ハルマの資質に気がつけたのだ。
それなら、とハルマはリカルドと共にバイクの試運転に向かう。途中、拠点の住人たちからも茶化されたりもしたが、リカルドと共に試運転がてら軽く流し始める。
確かにハルマの運転技術の筋は悪くない。むしろ、じゃじゃ馬なバイクを抑え込みつつ走る技量すらある。後は、ちょっとしたコツだけだ。
「直線と言っても、地面は舗装されているわっけじゃないっすからね。タイヤが大地を踏みしめる感覚、フレームの振動、マシンがどう走りたいのかを知ることができれば、もっと早く走れるっすよ」
リカルドの的確なアドバイスにハルマの運転技術は見る見る間に上達していく。
これならば、ちょっとやそっとのことでは動じない実力を身につけることだろう。
「ついでにメシでもどうすか?けっこーこう見えても料理上手なんすよ」
すっかりハルマも打ち解けて、胸筋を開く。じゃあ、と亡き母親が一度だけ手に入った食料で食べさせてもらった薄焼き卵を海苔の代わりにしたおむすびを、とリクエストを受ける。
さあ、ユーベルコード、戦場の料理人(キツネノコックサン)の出番だ。
「炊き出し系ヒーロー参上っす!」
ユーベルコードを使っているとはいえ、、リカルドの料理の腕前にかかれば、リクエストされたおむすびはすぐでも用意される。それに味も絶品だろう。
あの日、母親が結んでくれたのは、ハルマとリカルドの縁だったのかもしれない。
二人の食べたおむすびは、きっとハルマが年老いてもなお、輝く思い出になったに違いない。
成功
🔵🔵🔴
櫟・陽里
最初の一歩がドラッグレース!
いいね!自分の殻を破るのにもってこいだ
良いエンジン積んだんだ?
なら負荷のかかる部分の補強で手を貸すよ
路面に接地する性能もすごく重要だ
サスペンション調整もしとく
スタートまでの時間は基本に忠実に過ごそう
各パーツの動きを確認しタイヤを暖め
コースの下見をしてイメージトレーニング
レースだけじゃない、どんな時も基本を大切にな?
走り出したら空気抵抗を減らすために極力体を伏せろ
でも視線が下がると舵が乱れるから視線は絶対前な!
足元を見るな、ゴールだけ見ろ!
弱気になった瞬間マシンから振り落とされるぞ
一切疑う事なく自分を信じろ、大丈夫、ハルマならできる!
俺はゴールで待ってるな、頑張れよ!
猟兵たちの助けもあっても、徐々にハルマのバイクも、彼自身も少しづつではあるが、確実に本物へと近づいている。
ハルマ自身には未だに自覚はないものの、猟兵たちの目には、たしかに彼がリーダーとしての資質、そして、猟兵たちも惹きつけるものがあることがわかってきたかもしれない。
それはひたむきさだったり、誠実さであったりしたのかもしれない。
櫟・陽里(スターライダー ヒカリ・f05640)も、そんなハルマを好ましく思う猟兵の一人だったのかもしれない。
だって、最初の一歩がドラッグレースだ!いいじゃんん!自分の殻を破るのに持っていこだ。
なら、自分は彼の手助けとしてバイクの問題点を指摘し、後押しをするだけだ。
バイク好きならなおさらだ。それに、せっかくなら怪我なく終えてほしいし、レースが終わった後も、同じバイク好きがアポカリプスヘルにいるというのは、それは嬉しいことだからだ。
「よ!良いエンジン積んだんだな?なら、負荷のかかる部分の補強しなきゃな」
これまでもハルマに声をかける人がいなかったわけではない。だから、ハルマも少しは気の弱い雰囲気も少なくなっているのかと思いきや……
「はっ、は、はい!そうなんです……すごいエンジンなんですけど、フレームに問題があって……それと、路面のグリップも……」
「ああ!路面に接地する性能、すごく重要だ。よく気がついたな!サスペンションの調整も手伝うから一緒にやろうぜ」
陽里がニッカリと良い笑顔でサムズアップする。ありがとうございます!とハルマが礼を言う。人に頭を下げるときだけは、気弱な雰囲気はないようだ。自分のできることとできないことを、しっかりと理解しているのだ。
「よし、こんなもんかな。それじゃ、スタートまでは基本に忠実に行こうぜ。各パーツの動きや、タイヤの確認。それにコースのイメージトレーニングだって大切だ」
ハルマと陽里の姿は、バイクのチューンにすっかり夢中になって、オイルまみれの顔のままお互い笑いあって、最後の準備に取り掛かる。
「はい!少し前にコースの下見もしました!」
「レースに限ったことじゃないが、どんな時も基本を大切にな?」
それから二人は、レースが始まるまでに様々なことを語り合う。陽里からは、ドラッグレースのイロハを。そして何よりも、自分を信じることを。
そう、今のハルマに足りないのは、自信だ。
「俺はゴールで待ってるな、頑張れよ!」
その言葉は、ハルマに送る最大のエールだった―――!
大成功
🔵🔵🔵
ブリッツ・エレクトロダンス(サポート)
黒豹キマイラのハッカー&EDM系DJです。
キマイラフューチャーの旧人類が遺した遺物(レリック)には結構興味があります。
得意分野:音楽(EDM)、電子機器や蒸気機械のハッキング、SNSを辿ったりする情報収集
ユーベルコード:
・「敵の攻撃を迎撃、攪乱、妨害」「味方の援護」など、攻撃的・防御的なサポート戦術を使う傾向があります。
・また、疾風神雷による衣服の全損を躊躇わない傾向もあります。
行動面:
・多少の(怪我などの)リスクで大きなリターンが得られるなら躊躇はしません。
・割と常識人、というかツッコミ陣営です。
その他注意事項:
・マタタビを与えてはいけません。大きなにゃんこになってしまいます。
猟兵たちの後押しもあって、無事にハルマのバイクとハルマ自身の準備は整った。
後は、レースに出場し、彼がドラッグレースの優勝を飾るのみ。しかし、そう簡単に勝てるほど甘いものではない。
ドラッグレースは、そもそも直線コース上で停止状態から発進しゴールまでの時間を競うモータースポーツだ。
シグナルが変わる瞬間を見逃さない反射神経とエンジンから得られる速度を維持する精神力まで試される……単純に見えて―――
「ヘイ!これより先はDJ.Blitzの解説でお送りするぜ!」
―――ブリッツ・エレクトロダンス(★3:クロヒョウDJ・f01017)の軽快な声がドラッグレース会場に響き渡る。
「さあ!早速始まったぜドラッグレース!直線を走るだけな単純なもんだと思ってないか?だーが、違う!スタートダッシュを狙う獣の瞬発力に、イカしたぶっ飛びバイクを抑え込む腕っぷし!それに加えて、何よりも、ゴール一直線までかっ飛んでいく胆力!チキンにゃぁ、務まらねぇ!」
ハルマたちドラッグレース参加者たちは、横一直線に並ぶ。バイクのエンジン音がけたたましく響き渡り、即席のシグナルが点灯する。
緊張の一瞬。会場の誰もが、このレースに今後の命運をかけている。拠点を捨て、新たな場所へと向かう覚悟を持たなければならない。
だから最後くらいは、とこのレースに皆、思いを乗せる。
シグナルが灯る。
「賽は投げられた!さあ、荒野のカッ飛びヤローども!臆病なチキンはさっさとブレーキ握っちまいな!」
ブリッツの実況が熱気を伝える。白煙上げて、バーンアウトのタイヤの空転が起こる。勝負は一瞬だった。ハルマのバイクがそのすさまじい性能のエンジンを最大限まで引き出し、圧倒的な集中力でもって、バイクをコントロールする。
「おーっと!一人抜け出したぁ!つーか、早すぎんだろ!ぶっちりぎりすぎんだろ!おいおいおい!下馬評で人気最下位って書いたやつ誰だぁ!?ダークホース、ハルマがぶっちぎる!」
自信を持たせてもらった。拠点の住人たちのように茶化すこともなかった。猟兵たちの彼を信じる心が、ハルマの心を変えたのだ。
その結果が。
「あーっとうてき!一着はぶっちぎりでギリギリの勝負どころじゃない、イカしたぶっ飛びバイクヤローは!」
ブリッツが息を吸い込む。一拍のタメの後……
「―――優勝は、ハルマだー!!!!」
成功
🔵🔵🔴
第2章 集団戦
『レイダー』
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POW : レイダーズウェポン
【手に持ったチェーンソーや銃火器】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD : レイダーバイク
自身の身長の2倍の【全長を持つ大型武装バイク】を召喚し騎乗する。互いの戦闘力を強化し、生命力を共有する。
WIZ : レイダーズデザイア
【危険薬物によって身体機能】を一時的に増強し、全ての能力を6倍にする。ただし、レベル秒後に1分間の昏睡状態に陥る。
イラスト:あなQ
👑11
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
ゴールをぶっちぎったハルマが天に拳を突き上げる。その拳は、誰に向けてのものだったのだろうか。
亡き母だろうか。拠点の住人たちにだろうか。それとも、彼を手助けしてくれた猟兵たちに向けてのものだろうか……
その答えが出ぬまま、レース会場にオブリビオン―――レイダーたちの集団が乱入する。改造バイクにまたがり、今までこの拠点に幾度となく襲撃をかけ、物資を略奪し、時には住人たちを苦しめてきたならず者たち。
「―――!あいつら…!また……!」
これまでのハルマであれば、今までと同じように物陰に隠れて小さくなり、やり過ごすのを待っていただろう。自分だけは標的にされませんように。自分だけは、と。
だが、今のハルマは違う。レースの前と今とでは決定的に違う。
それは猟兵たちが彼に見出した―――リーダーたる資格。
戦う者の覚悟だ。
「戦える人は一緒に戦ってくれ!戦えない人たちは、僕たちが守る!できること、できないこと、僕らはあいつらみたいに独りよがりじゃない!みんなで生きているんだから!」
その覚悟が今、ハルマの瞳には宿っていた。
猟兵は守らなければならない。あの瞳に宿る決意は未だ小さな火だが、きっと今後、アポカリプスヘルを照らす光になるものだからだ―――!
リカルド・マスケラス
「よし! よく言ったっすよ!」
そう言って本体のお面と自分のバイク『アルタイル』を貸す
「力を貸すっすよ。このアルタイルはパワー重視型の荒事向きっすから。きっと力になるっす」
お面をつけてもらうことで、タクマの身体に自分の力を譲渡して戦う
「それじゃ、行くっすよ!」
【牽牛星覚醒】でバイクを強化し、まずは搭載のビーム砲で蹴散らす
「武装はこれだけじゃないっす!」
更にはバイクを【操縦】して敵に近づき、バイクから鎖分銅を射出し敵に【ロープワーク】で絡め、【怪力】で引きずり回す。更にドリフトでぶん回し、他の敵達へ【なぎ払い】
「ハルマに勇気があったからこそ、応えることが出来たっす」
あとの展開は好きにお任せ
オブリビオンである以上、物質は必要がない。なにせ食事をする必要もなければ、生きるのに必要なものさえいらない。
だというのに、このアポカリプスヘルにおいてレイダーと呼ばれるならず者たちのオブリビオンは他者から奪うことに喜びを感じている。他者を虐げ、他者から奪い、他者を貶める。
その行為が生前の止むに止まれぬ事情ゆえのことだったのか、弁護はできよう。
だが、今を生き、未来に希望を見る者たちの妨げになることは、何者にもして良いことではないのだ。
「よし!よく言ったっすよ!」
そうリカルド・マスケラス(ちょこっとチャラいお助けヒーロー・f12160)の声が響く。え、とハルマがリカルドを見る。だが、視線は狐のお面に向かっていた。
本体の男性ではなく、狐のお面を見据えたのだ。ヒーローマスクであるリカルドと心を通わせたハルマにとって、リカルドという友人は、まさにその狐の面なのだ。
「リカルドさん!」
手をのばすハルマ。リカルドがうなずく。彼らヒーローマスクは心を通わせた生物の体を借りることができる。リカルドの猟兵としての実力をその体に教え込めば、これからのこと安心だ。
「力を貸すっすよ。このアルタイルはパワー重視型の荒事向きっすから。きっと力になるっす」
リカルドの狐面をかぶるハルマ。力が溢れてくる!逆にリカルドも感じる。ハルマの心優しくも他者を思いやる心と暴虐を許せぬ正義の心を!
心が高ぶる。それは二人の素直な感想だった。
「それじゃ、行くっすよ!アルタイル! すごいとこ見せてやるっすよ!」
リカルドのユーベルコード、牽牛星覚醒(アルタイル・オーバーロード)が発動し、アルタイルが強化される。馬力は今まで乗っていたバイクの比ではなく、恐れすら感じてしまいそうになる。
だが、ハルマは今一人じゃない。リカルドがいる。その背後には、守りたいと思った人々がいる。
「リカルドさん!いきます!」
アルタイルが駆ける。白煙と土煙を上げて、荒野を疾走するのだ。レイダーたちの銃火器など一つもかすめることもない。お返しとばかりに搭載されたビーム砲が火線を引いて、レイダーたちを撃ち抜く。
「まだまだ!次!リカルドさん、あれを!」
「武装はこれだけじゃないっす!」
リカルドたちを無視して、拠点の住人たちに襲いかかろうとしたレイダーをバイクから放たれた鎖分銅が絡め取る。さらにバイクの馬力に物を言わせたまま、引きずり回しドリフトした後輪を跳ね上げさせて、はるか彼方へと吹き飛ばす。
「す、すごい…!リカルドさん、すごいですよ!これならみんな助けられる!」
ハルマは、リカルドの力に驚嘆の声を上げる。こんなにも自分の体は動くのかと。猟兵であるリカルドのちからはこんなにもすごいのかと。
だが、違うと、リカルドは答えた。
「ハルマに勇気があったからこそ、応えることが出来たっす」
だから、これはハルマの成したことなのだと、狐面が微笑んだ気がした。
大成功
🔵🔵🔵
鈴木・志乃
新しいリーダーの誕生、素敵じゃないか
荒廃した世界に芽吹く可能性はいつだって希望だよ
……さて、ではでは私も微力ながら参戦しましょうかね
ハルマさんの行く末を邪魔する輩は
猟兵が許しませんよーっと
UC発動
想像から生み出す鎖は神様から下賜されたもの
倒せるもんならやってみな
何が何でもぜってー負けねぇから
あたしもねー、昔はとある街のリーダーだったんですよ!!
ハルマと自分に高速詠唱でオーラ防御を張り
レイダーに早業で閃光手榴弾をぶん投げる【罠使い】
「援護出来る人は援護して!!」
私が補助の仕方を見せることで拠点の人が動けるようにしたいね
さあ鎖ぶん回して思いっきりなぎ払い攻撃だ
第六感で攻撃を見切り武器受けカウンター
荒野に存在する人類の拠点の一つにけたたましいエンジン音と悲鳴、それと土煙が立ち込める。暗澹とした荒野の行く末に灯るのは、一つの灯火。
それを絶やさぬと猟兵は荒野に降り立つ。その一人、鈴木・志乃(ブラック・f12101)もまた、荒野に芽吹く可能性を希望と見る者だった。
「……さて、ではでは私も微力ながら助力させてもらいますね。彼、新しいリーダーに成り得るハルマさんの行く末は邪魔させませんよっと!」
彼女のユーベルコード、光の鎖(チェイン・オブ・ホープ)が光の鎖を生み出す。神から下賜され、想像された鎖は、何者にも引きちぎることができない強固な鎖。
志乃の決意を表すように、光はあたりを照らすように輝く。
「あたしもねー、昔はとある街のリーダーだったんですよ!だから、何が何でもぜってー負けねぇから!だから、ハルマさんも!」
一緒に!と自身とハルマにオーラ防御を張る。これならば、オブリビオンの攻撃にも耐えられるはずだ。
それに、自分の戦い方を見れば、拠点の住人たちも、工夫した戦い方を覚えることができるかもしれない。
「ありがとうございます!こちらは任せます!僕は、あちらを!」
こくりとうなずくハルマとは反対方向に駆け出し、目にも留まらぬ早業で閃光手榴弾を投げ、レイダーたちの目を眩ませる。
補助はこうやるのだと手本を見せ、工夫をこらせば、自分よりも強大な敵にも立ち向かえるのだ。目を潰され、呻くレイダーたちを光の鎖をぶん回して薙ぎ払い、吹き飛ばしていく。
圧倒的な力でレイダーたちの集団を薙ぎ払う様は、まさに猟兵でなければできない芸当だろう。
「僕らは、弱った野盗を!みんなで囲んで、標的を絞らせないで!」
ハルマの支持も的確になってきている。一人はみんなのためにではなく、みんなで生き残るために戦う姿は、次第に住人たちの心を突き動かす小さな火となって灯っていく。
「さあ!みんな、できることをやりましょう!できないことは、できる人に!みんなの力を最大限に使えば、野盗なんて怖くありませんよ!」
そう、志乃の声が高らかに荒野に響き渡る。ハルマだけではない、住人たちも彼女の言葉に後押しされるように、果敢に立ち向かうのだった……!
大成功
🔵🔵🔵
ビードット・ワイワイ(サポート)
ビーえもんという名前のゆるキャラです
自由に楽しみ自身の布教に努める
見た目は浴衣JC
ユーベルコードは指定した物をどれでもよいですが、嫌らしい攻撃をすることで相手の強みを消す攻撃を得意とします。最近は真面目風に見えるネタ戦法をよく取っています。
ウォーマシンですので脅しや誘惑には屈しません。完全機械ウォーマシンらしくそれを活かした行動をします。一番かわいいと思っているのは自分自身です
アイテムは色々ありますが無視して構いません。実際どのような形をしているかは私も分かりません。正体不明です。
普段の一人称は「我」
あとはおまかせします
ドラッグレース会場の混乱は収まりつつある。住人たちは、新たなリーダー候補となったハルマの言葉に押されるように抵抗をはじめ、その統制はハルマによってなされ始めているのだ。
だが、彼らは未だ訓練されていない一般人の領域を出ていない。
オブリビオンであるレイダーたちに襲われれば、ひとたまりもないだろう。だからこそ、今は猟兵が守らなければならない。被害を出さす、けれど戦闘の経験は積ます。難しい問題だが、これを解決してこその猟兵!
ビードット・ワイワイ(根源的破滅招来者・f02622)が荒野に降り立つ。完全機械のウォーマシンの機体は、あまりにも鮮烈に……ん?あれ、なんか浴衣着てすんごいゆるい感じ…!?
「我は破滅を齎す招来者なり。今ここに慈悲を示さん」
ゆるい感じの体に似合わずの堅苦しい言葉。えっと、つまり助けてくれるってこと……?
レイダーたちはあまりのことにあっけに取られているが、ビードットが猟兵である以上、敵だと認識する。彼らにとって、猟兵とはどんな姿をしていても、宿敵と変わらないのだから。
レイダーたちの重火器が火を吹き、ビードットはその背に拠点の住人たちをかばう。金属の丸い体が銃弾を弾き飛ばし、一発の流れ弾も住人たちには及ばさない。
「ロードルーイン、規格外なる過剰兵装。もっと力を、もっと数を、もっと死を。過剰な力は扱えぬ。何れ刃は己刺す。かくして彼らは滅んだ」
彼のユーベルコード、実行仮想破滅・未だ潰えぬ猛き移動要塞(アクセス・イマジナリールーイン・メガフォートレス)が発動する。
まあるいシルエットが全身重火器の飛行能力を有する機体へと変形を遂げる。先程までのゆるきゃら然とした姿はどこに。
あまりの変貌ぶりに住人もオブリビオンも驚愕する。だが、驚愕するのはまだ早い。
「故に、汝ら過剰暴力を執行する者たちに、同様の火力で応戦するのは、必滅の一石なり」
飛翔するビードットの機体から一斉に放たれる火線!
オブリビオンであるレイダーたちをどこまでも追尾し、逃げ切れなくなるまで追い、撃破する。
爆滅するオブリビオンたちを背にビードットの機体が爆炎に晒される。その光景は、荒野に降り立つ破壊神そのもの……
過剰な力は、過剰な力を呼び寄せる。そのことを、ハルマや拠点の住人たちに知らしめるようだった。
成功
🔵🔵🔴
アメリア・イアハッター
なんか今凄いのが…まぁいいや!
率先して言って動いて勇気を出して
とっても素敵なリーダーの誕生だね
私もチームの一員に加えてちょうだいな!
宇宙バイク「エアハート」に騎乗し戦場へ
ハルマ君や拠点の住人の傍をついて回り、危険が生じた時にはバイクを割り込ませたり、先に敵を攻撃したりして皆を守ることを優先に行動する
大きな危険がないときはUCを発動し、ハルマ君達が自分たちで敵を撃退し、自信や勇気を付けられるようにフォローして回る
一人じゃ怖かったでしょうけど、ううん、皆といる今も怖いでしょうけど、それでもこうして協力すれば、あんな奴らすぐに撃退できるんだから!
それに今は私達もいる!
さぁ、大切なものを、皆で守ろう!
アポカリプスヘルの荒野にオブリビオンレイダーたちのバイクの残骸が転がる。
もはや、オブリビオンたちとの戦いの趨勢は決する。
拠点の住人たちは、新たなリーダーとしてハルマを認識するようになっていた。彼の覚悟と勇気は、きっと彼だけでは得ることのできかなかったものだろう。
猟兵たちのアドバイスが、きっとハルマの背中を押したのだ。
彼の勇気と覚悟は、また新たな猟兵をも引きつけ、その背中を押したいと思わせるものだったのかもしれない。
「私もチームの一員にくわえてちょうだいな!」
宇宙バイク「エアハート」を駆り、戦場へと舞い降りたのはアメリア・イアハッター(想空流・f01896)。赤い髪が風になびく姿は、戦場に舞い降りた戦乙女のように拠点の住人たちには思えたかもしれない。
「率先して動いて、勇気を出して……とっても素敵なリーダーの誕生だね。ハルマ君、私もお手伝いするから、もうひと頑張りしましょう!」
「あ、ありがとうございます!此処は大丈夫です!まだあっちに野盗たちが……!僕らでは間に合わな―――」
ハルマの言葉が言い終わる前にアメリアの宇宙バイクが空を駆ける!自分たちのバイクでは間に合わない状況でも、アメリアの宇宙バイクなら間に合う。その判断をアメリアは受けて、一瞬でオブリビオンに襲われかけていた住人たちとの間に割って入る。
宇宙バイクのテールがオブリビオンをしたたかに打ち付け、なんとか危機を脱した住人に手を貸すアメリア。
「よーし皆! 一緒に行こう!」
アメリアの言葉が住人たちの勇気を奮い立たせる。彼女の前向きな言葉は、ハルマというカリスマ性をもったリーダーの存在によって、さらなる力を生み出す。
ユーベルコード、ポジティブシンキング!彼女の言葉に共感したものたちの能力を増強させるユーベルコードだ。
「一人じゃ怖かったでしょうけど……ううん、みんなといる今も怖いでしょうけど、それでもこうして協力すれば!」
「そうです!みんないっしょに生きているんですから……!だから!」
アメリアの気持ちは、きっとハルマと同じものだったのだろう。最大限の共感をハルマから感じるアメリア。
だったら、アメリアはこう想うのだ。自分たちで敵を撃退し、自信や勇気をつけられるようにフォローしようと。
この経験は、きっとこれからの拠点を強く優しくしていくはずだからだ。
「そう!それに今は私達もいるよ!危ないことや、できないことは私達が引き受ける!さぁ!大切なものを、みんなで守ろう!」
彼女の言葉は、拠点の住人たちの心を震わせ、伝播していくように戦場を駆け巡っていった。
ほどなくして、オブリビオンたちは撃退され、住人たちの誇らしげな勝鬨が荒野に上がるのだった……!
大成功
🔵🔵🔵
第3章 日常
『打ち上げ』
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POW : 料理を楽しむ
SPD : 会話を楽しむ
WIZ : 物思いに耽る
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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
見事オブリビオンであるレイダーたちを退けた猟兵と拠点の住人たち。
猟兵の助けがあったとはいえ、ハルマもまた撃退戦の功労者として、ドラッグレースの優勝者として、住人たちから称賛と感謝の言葉に囲まれることになった。
「さあ、今日は祝いの日だ!これからも問題は、山積していくかもしれない。でも、悪くなることはない。みんなで力を合わせれば、知恵を出し合えば、助け合えば、乗り越えていけるって、わかったからだ!」
ハルマの言葉が響く。あのおどおどして、人と争うこともできなかった彼が堂々と住人たちに宣言する様子は、猟兵たちにとって、どのようなものであっただろうか。
新たなリーダーを迎え、問題を一つ一つ解決していく前祝いに、ささやかな宴が開かれる。
猟兵たちも、もちろん宴に誘われている。ささやかで余裕はないけれど、きっと楽しいもののはずだ。
誰だって暖かく迎えてくれる。そんな雰囲気が、拠点中に充満しているような気がした。
些細な変化かもしれないけれど、荒廃した世界にまた、一つの光が灯った瞬間だったのかもしれない。
鈴木・志乃
いいね、ダークセイヴァーを思い出すよ。あそこも明日の食料にすら困る日々だったけれど、ささやかな贅沢を楽しんだもんだ。
まぁ今の様子じゃ贅沢は難しいから……
UC発動
ささやかながら歌と躍りを提供するよ。出来れば皆で混じれる簡単なやつと、単純に魅せるやつとで二回楽しませる
食料がなくても趣向品がなくても、踊って歌えばそれだけで立派に祝いになる。宴になる。
そういうノリの宴じゃなければ適当にマジックでも披露しようか。
人生には夢が必要だ。一時ぐらい、我を忘れて夢中になっても良いじゃないか。
……人を笑わせて安心させるのも、リーダーの役目かもね?
アド連歓迎
ささやかながら開かれるドラッグレース後の宴。それは拠点の住人たちが初めて一致団結してならず者たち……オブリビオンのレイダーたちを退けた記念すべき宴でもあった。
誰も彼もが笑いあい、互いの健闘を称え合う。その様子を微笑ましく見つめるのは、鈴木・志乃(ブラック・f12101)だった。
ダークセイヴァーを思い出す。あの世界も、アポカリプスヘルと同じように困窮する日々にさいなまれる世界ではあったが、ささやかな贅沢を楽しんだものだと、思い出に浸る。その思い出と、今目の前で起こっている光景は、ダブるところがあったのだろう。
「まあ、今の様子じゃ贅沢も難しいからね……」
そう、物資に乏しいアポカリプスヘルにおいて、あまりにも盛大にはできない事情がある。けれど、盛り上げるためにできることは、何も食料などの物資だけではない。
ときにはこんなふうに。
「──!」
志乃のユーベルコード、上演(ジョウエン)が始まる。ささやかだけれど、と彼女は前置きしたが、ユーベルコードによって増幅された彼女の歌と踊りは、荒廃した世界に慣れた拠点の住人たちの心を癒やすには、十分すぎるものだった。
一度目は、皆の目を楽しませるもの。
口笛がなり、拍手が飛び、彼女の歌や容姿を褒めそやす声が響く。楽しげな雰囲気になり、宴は温かい空気に包まれてくるのを感じると、アンコールに応えるように二度目の歌。
けれど、今度は違う。さあ、と志乃は手をのばす。君も、と。え、とハルマが驚いた顔をするも、伸ばされた手をおずおずと取ると、彼女と楽しげに踊りだす。
その光景はすぐに拠点の住人たちへと伝播していく。楽しい!とハルマの笑顔がみんなの笑顔へと映っていくのを眩しいものを見るように目を細める志乃。
こんなふうに笑うことができるリーダーなら、この拠点はなんの心配もいらないだろう。そう思えるほどの笑顔だった。
「食料がなくても、嗜好品がなくっても、歌って踊ればそれだけで立派な祝いになる。宴になる。人生には夢が必要だ」
生きる糧、希望、様々な言葉に置き換えられるが、要は心から笑うことができれば、それが一番人間にとって大切なことなのだから。
「いいリーダーだよ、君は。人を笑わせて安心させるのも、リーダーの役目さ」
だから、今は一緒に歌って踊ろう。一時の夢だとしても、我を忘れるような夢中に心を踊らせてもいいじゃないかと―――
成功
🔵🔵🔴
リカルド・マスケラス
アドリブ歓迎
料理を楽しむ
「さ、何でもリクエスト受け付けるっすよ」
宇宙バイクで簡易キッチンセットを引っ張り、いろいろな料理を振る舞いながら盛り上がる。
食材がなくても大丈夫
あとは、ハルマに頼んで、一緒にバイクで荒野の上を特定のルートを通るように走ってもらう。ハルマが円を描いて、リカルドがその内側を複雑に走るみたいな
「準備完了っすね。森羅穣霊陣起動っす!」
バイクの轍で陣を描けたら、【森羅穣霊陣】を起動。破魔の力で荒れた大地を浄化し、水と土の属性の力で大地に潤いと豊穣を与える。しばらくは作物の成長も良くなるんじゃないっすかね
「自分にできるのは一時的なものくらいっす。あとはハルマの頑張り次第っすかね」
宴も盛況の様子で、拠点の人々の笑い声が絶えない。よかった、とリカルド・マスケラス(ちょこっとチャラいお助けヒーロー・f12160)は胸をなでおろす。お助けヒーローの面目躍如だ。いや、それ以上だと言っても過言ではないのだが。
だが、これで終わらないのが、お助けヒーロー、リカルド!
「さ、何でもリクエスト受け付けるっすよ」
宇宙バイクの簡易キッチンセットを引っ張り出し、即席では上がるが、様々な料理を拠点の住人たちに振る舞い始める。
拠点の住人たちは、廃墟からかき集めてきた物資しか食料としては知らないものだから、リクエストというのに戸惑っていたようだが、リカルドが振る舞う料理を見て、こんな料理はあるだろうかだとか、とにかく美味しいの!だとかアバウトなリクエストが飛ぶ。
よかった、と思う。だって、生きること以外にも意識が向いた。何が食べたい。アレが食べたい。そんなことに頭が動かせるのなら、この拠点の人たちは大丈夫だ。
なら、自分が与えるのはきっかけだけでいい。
「ハルマー!ちょっと頼み事があるっす!」
「え、なんですか、リカルドさん。頼み事って……僕にできることなら、なんでもしますけど……」
簡単っすよ。ちょっくら一緒に荒野をバイクで!とリカルドが微笑む。こうやってこうやって、とハルマに指示を出すリカルド。時折、楽しげに笑いあうのは、新たな友との共同作業に対する喜び。
ハルマと二人で荒野にバイクを走らせるリカルド。彼らがバイクで刻んだ轍は、陣。複雑な文様のそれは……
「準備完了っすね。森羅穣霊陣(グレイスフル・ガーデン)!起動っす!」
リカルドのユーベルコードが荒れた大地に発動し、その荒廃した土壌を癒やすように潤いと豊穣の力を与えるのだ。
見る見る間に痩せた大地が、豊かになっていく。この分だとすぐに作物を育てることができる。これで食糧問題は一気に解決できるかもしれない。
ただ、これは一時的なその場しのぎにすぎないこともリカルドはわかっていた。ユーベルコードも万能ではない。効果をすぐに失ってしまうことだろう。けれど、
「でも、大丈夫っす。一時的なものっすけどね。でも、後はハルマの頑張り次第っすかね?」
大丈夫っすよね?とリカルドは拳を突き出す。ハルマはうなずきを返して、コツンと拳を合わせる。
「ありがとうございます!みんなでなんとかやっていくつもりです。その、だから……」
言葉を濁すハルマ。なんだ、リーダーらしくないっすよ、とリカルドはからかうも、ハルマはしっかりとリカルドの狐面を見て言葉を紡ぐ。
それは感謝の言葉でもなければ、別離の言葉でもない。ただの約束。
「リカルド、また会おう。いつかきっと、この大地にいっぱいの作物が実る頃に。そしたら、また一緒におむすび、食べよう!」
成功
🔵🔵🔴
アメリア・イアハッター
ふふ、皆に笑顔が戻ってきたかな
皆と一緒に、そして笑顔を浮かべられれば、大抵のことはなんとかなるものと信じてるわ
自然と笑えて皆に勇気を与えられる、そんなリーダーになれるように頑張ってね!
どうしても乗り越えられない壁があったら、また私たちが助けにくるから!
それはそうと、皆にアピールしておきたいことがあるの
今回バイクは、レースに戦闘にと活躍し、そして普段は運搬にと便利な物だけれど、それだけじゃないわ
一緒に風を切り、傍にいてくれて、何処へでも連れてってくれる
そんなイカした相棒なんだから!
それにダンスのパートナーにもなっちゃう!
UCを発動し、バイクと共に踊りを披露し
これからもバイクを大切にしてあげてね!
これまでの拠点に起こっていた問題の経緯を踏まえれば、現状の笑顔溢れる宴は、奇跡のようなものだろう。
お互いが、お互いの欠点を埋め合う。欠点を責めるのではなく、補い合う。そういう考え方ができるようになったことこそ、一番の収穫なのではないだろうか。
未だに拠点が抱える問題は、全てがクリアだとは言い切れない。けれど、それを彼らが乗り越えることができると確信しているのは、猟兵たるアメリア・イアハッター(想空流・f01896)だ。
だって、みんなの笑顔が戻ってきたから。忘れていただけで、無くしたわけではない笑顔。それがとても嬉しいのだ。
「ふふ、みんなと一緒に、そして笑顔を浮かべられれば、大抵のことはなんとかなるものだものね」
嬉しいわ、とアメリアが皆に笑いかける。ハルマが改めてお礼を告げにやってきた時、彼女はユーベルコード、Cosmic Movement(コズミックムーブメント)を発動していて、宇宙バイクによるパフォーマンスの真っ最中だった。
「ほらっ、こんな事もできるのよ、この子たち!走ったり、運んだりって、そればっかりの乗り物って思っているでしょうけれど、こんなふうに工夫すればなんだってできるのよ」
ヤドリガミたる彼女らしい物言いだった。心を通わせれば、人も物も、関係ない。
彼女の赤い髪が荒野の空に華々しく舞い上がり、人々は歓声を上げる。
宇宙バイクが宙を舞い、音楽に合わせるように、踊るように空を駆ける。その姿は、まさにバイクの可能性を人々に魅せた。
ハルマもまた彼女の姿を見上げて、歓声を上げる一人だった。あら、と空から気がついて、アメリアがハルマに駆け寄る。
「どうしたの?何かまだ気になることが?」
「あ、いえ……お礼がまだだったって、思って……でも、本当に楽しそうにバイクに乗るんですね」
羨ましいとハルマが微笑む。あんなふうにバイクを乗りこなせたら、きっとどんな辛いことも乗り越えられると。
「大丈夫よ。あなたのイカした相棒も、そのうちぶっ飛んでく位できてしまうわ。もう知っているでしょう?だから」
アメリアがとびっきりの笑顔で言うのだ。きっとその言葉をハルマも、拠点の人々も忘れることはないだろう。
「これからもバイクを大切にしてあげてね!」
―――これからも、そして、その先も。
荒廃した世界にまた一つ、希望の灯りが灯ったのだった。
大成功
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