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可愛いものは可愛いなのです

#アルダワ魔法学園

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#アルダワ魔法学園


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●可愛いものは可愛いわけで
「モフ~ンモフ〜」
 アルダワ魔法学園の地下、学園迷宮に『かれら』の姿はあった。麗しの相貌、ぴん、とたった耳(たぶん)にネメスがよく似合う。背に翼を持つ『かれら』はこの学園迷宮の一角、宮殿の間の主たる存在。モフィンクスたちは、てし、とその短い足を階段にかけーー鳴いた。
「モフ〜!」
「モフ、モフモフ!」
「モフ〜ン」
 迷宮の守護者たちは鳴く。それはもう最近あんまり来る人いないなぁって話であって。いやでもここって居心地良いじゃんこのままでもよくない? という小さな妥協であって。いやいやでもでも、やっぱり我らは守護者なわけですから。
「モフ〜ンモッフモフ!」
 新しいお部屋、探しに行きませんか。

●楽園じゃないかと思ったのだけど
「主に人が通りかかる、ということで彼らは階層を上がってきているそうよ」
 猟兵たちの前、姿を見せたのは淡いピンク色の髪を揺らす猟兵であった。ほう、と落ちた息をひとつ、憂い顔でシノア・プサルトゥイーリ(ミルワの詩篇・f10214)は告げた。
「上がってくるということは、モフィンクスたちの住処があったということ。そんな楽園があればそれこそ見て……、いいえ、仕事の話をしましょう」
 こほん、と一つ咳払いをしてシノアは猟兵たちを見た。
「モフィンクスたちが階層を攻め上がってきているのは事実よ。比較的温厚な性格ではあるけれど、道を塞いでしまうから迷宮への行き来に問題が出てくるわ。それになにより、今の彼らは謎かけに飢えているのよね」
 つまり、通りがかった学生相手にそれはもう謎かけをしたい気分な訳で。そんな状態のモフィンクスへの謎かけに非戦闘員が捕まったら大変なことになる。
「学園施設には、非戦闘員も多くいるもの。全ての階層を突破され、学園施設での戦闘となるその前に、防衛に適した場所での迎撃を依頼します」
 それがこの、螺旋階段の間だ。
 螺旋階段といっても巨大な螺旋階段だ。階段の幅は広く、その傾斜は緩やかだ。
「その分、上がってくるモフィンクスたち全てを倒すには、少し手間がかかるかもしれないけれど。えぇ、階段を上がってくる姿はきっと、とても、可愛いと思うの」
 ほう、と落ちた二度目のため息にツッコミも不在のまま、シノアは話を続けた。
「螺旋階段を下り切れば、ボスとの戦いが想定されるわ。モフィンクスたちが移動を決めた理由が何か、あると思われるから」
 ここはアルダワ魔法学園。
 学園迷宮というものが存在するこの世界で、ずっと誰にも会えないかもしれないなんて少し気になる話だ。
「それと、無事に終わったら学園のカフェで一休みしましょう? 降ってばかりはきっと疲れたでしょうし」
 学園内の温室。併設されたカフェでは花を使ったスイーツが楽しめるというのだから、ゆっくりしていくにはきっと良い筈。
「それに、良かったら私に教えてくださる? モフィンクスのその、触った、感触とか……」
 もふもふだったのかしら、と落ちた息は何度目か。相変わらずのツッコミ不在のまま、兎にも角にも、迫るモフィンクスたちの元へ急がねば。


秋月諒
 秋月です。
 どうぞよろしくお願いいたします。
 初めて見た時から心を奪われていました……。モフィンクス、なんて罪づくりな……。

●各章について
 第1章……モフィンクスとの集団戦になります。
 螺旋階段の間、入口からスタートです。
 螺旋階段の幅は広く、戦闘に問題はありません。
 総数は不明ですが、だいたいもふもふみっちみちです。

 第2章……螺旋階段の下、踊り場から廊下を移動します。
 ボスとの戦闘が予想されます。

 第3章……花やかなお茶会。
 学園内にある温室。併設されたカフェでお茶を飲んだりスイーツを楽しんだり。

 お呼びがあれば、三章のみシノア・プサルトゥイーリ(ミルワの詩篇・f10214)が顔を出します。モフィンクスの触った感じの感想を聞きたいそうです。強いて言えばぎゅっと抱きしめて見たかった心が抑え切れていない。

 それでは皆様、ご武運を。
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第1章 集団戦 『モフィンクス』

POW   :    モフ~ン
完全な脱力状態でユーベルコードを受けると、それを無効化して【気の抜けた鳴き声 】から排出する。失敗すると被害は2倍。
SPD   :    モフ~zzz
【眠気を誘うアクビ 】を聞いて共感した対象全てを治療する。
WIZ   :    モフッ、モフッ(実は今欲しい物)
質問と共に【質問の解答が具現化する靄 】を放ち、命中した対象が真実を言えば解除、それ以外はダメージ。簡単な質問ほど威力上昇。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●モッフモッフモッフーン
 それはまさに、行進というに相応しい光景でした。なにせ緩やかな螺旋階段を、短な足でとってとってとーん、とモフィンクスたちが登ってくるのですから。
「モフ〜ン……」
「モッフモッフ……」
「モッフモッフモッフ……」
 それはそれは大層な数だったのですから、広いはずの螺旋階段もみっちみちになってしまいます。階段だって人が降りてくるのにちょうど良い高さで作られていたのですから、モフィンクスたちの高さにはちょっと高すぎるのです。ちょっとなのです。別に頑張ってちょっととか言ったわけでないのです。
「モフ〜ン、モッフ」
「モッフモッフッモ……!?」
 ちょっとばかり高いものですが、とーんという力強いジャンプで飛び越して行こうなどと考えれば転んでしまいます。そして一体が転んでしまえば、もう一体も足を滑らせてしまうわけで。
「モフーー!!」
「モフ〜ン……」
 ころころころ。
 すってんころりん転がったモフィンクスが、モフィンクスの群の中にまたすぽん、と入って行きました。
 さてさてどれだけ転がって、階段がちょっとばかし高くても諦めるわけにはいきません。
 だって最近、謎かけしていないのですから。
百合根・理嘉
もふもふ……猫というよりも犬?え?猫?
みっちみちのもっふもふ……大人しくしてりゃ良いのに
いやいや、倒さなきゃなんねぇけど、うん

バトルキャラクターズを使用
POG-BK [ RYS ]からにーさんらを召喚して
1体ずつ確実にもふもふ排除

くっそ!
顔だけじゃなくて、鳴き声?まで気の抜ける……!
ちょっと癒し要素強過ぎねぇ?

質問とか、学のねぇ俺には結構きついんですけど-?!
お、お手柔らかに、な?
正解だったらラッキーってな!

階段なので戦闘時の立ち回りには注意
必要であれば仲間のフォローも行う

補足
バトルキャラクター
透明度の高い、細身剣を振るう青年
主に氷結系の技を振るう
理嘉はゲーム内の名前ではなく「にーさん」と呼ぶ


ジゼル・スノーデン
【wiz】で行動だ

もふもふもふ
地下迷宮は、ときめきの宝庫だな
もう好き。大好き。ときめき回路暴走しそう。

謎解きにいくらでも付き合ってやるつもりだぞ
そしてふかふかもふもふを、全身で体感したい……

て、たおすのか。倒さなきゃいけないのか
もふもふもまた、はかないものだな。せつない(もふもふ
でも、守護者が暇だからって他の場所でてきちゃだめだろう!
そればっかりは、ちょっとめっだ。ちゃんと自分の持ち場を守りなさい。

とりあえず、なぞなぞだすばかりではつまらないだろう。【ミレナリオ・リフレクション】でなぞなぞ返し……あ、これだと相殺してしまうか。


オズ・ケストナー
わーっもふもふ
と階段を覗き込んで
てしてし上がってくる姿にほっこり

ここからとびこんでも痛くなさそう…
だめだめ、倒さないとね

攻撃してるうちに他のモフィンクスにぶつかってもふっとなったり
「あっ、ごめんね」
謎かけに元気よく答えてみたり
「ふかふかの枕っ」
眠気に誘われそうになったり
「もふー」
ハッ。だめだめ、倒さないとね

ガジェットショータイムでもふぃんくすをもふもふ…
じゃなかった、倒すね

ちょっとこころが痛むけど、上がってきたらだめなんだよ
シュネーもおいで、
ゆうわくに負けないようにがんばろう

えっ。まだ負けてないよ、負けてない。うん。
ここから上には上がらせないからね

でも本当に、どうして大移動をはじめたんだろう?


メーアルーナ・レトラント
もふ!!!もっふー!!
ひゃあ、ぎゅうぎゅうもふもふ!!
くるくるのかいだんにもふもふ!!
メアもがんばってもふもふするのです!

もふにはもふ…
ひよこしゃーん!
おともだちのひよこさんたちがあつまって、ぴよぴよひとつにあわされば……
もっふもふのひよこキングしゃん!
その背中にのって……もふもふ対決なのです!

もふぃさんとひよきんぐしゃん……(そわ)
ひよきんぐしゃん、メアはうわきしません、だいじょうぶです!
ひよきんぐしゃんはせかいでいちばん、イケひよこ!!
でもでも!ふああ!もふぃさんもふもふふああああ!!!
あっ、ひよきんぐしゃんもです!ぎゅう!!
もふぃさんはたおすあいて、ひよきんぐしゃん、つんつんです!



●だって可愛い訳ですから!
「モッフモー……」
「モッフモッフー!」
 とん、と螺旋階段にたどり着いた少女の前、転がり落ちたモフィンクスたちがもっふもっふと行軍を進めていた。行軍といってもみっちみちのもっふもふなわけで。時折足を踏み外してはコロコロしていってしまうわけで。
「もふもふもふ。地下迷宮は、ときめきの宝庫だな」
 ほう、とジゼル・スノーデン(ハルシオン・f02633)は息をついた。何だろうこの光景。何だろうこのもっふもふ。
「もう好き。大好き。ときめき回路暴走しそう」
 目を輝かせたジゼルに気がついてか、モフィンクス達がぴぴん、と耳をたてる。
「モフ?」
「モフモフ!」
「謎解きにいくらでも付き合ってやるつもりだぞ」
 そう、そしてふかふかもふもふを、全身で体感したい……。
 それはもう此処ぞとばかりに、力一杯。なにせこれだけ沢山いるわけなのだから。螺旋階段にみっちみちな感じに上がってくる訳でーー訳で。
 そう、モフィンクスたちは地上に向かって上がってきているのですから、それはもう、実のところ危険だったりする訳で。
「たおすのか。倒さなきゃいけないのか。もふもふもまた、はかないものだな」
 せつない、と呟いたジゼルに、モフー、とモフィンクスがやってくる。突撃のようなその一撃は、なんとももっふもふなわけで。ふんわかなわけで。
「モフ~ン」
 絶妙に、モフモフなのだ。
「せつない」
「モッフモー」
「モフー」
 抱きつけば魅惑のもっふもふ。てしてし、と謎解きを準備する姿もそれはそれはもう可愛いけれど。
「でも、守護者が暇だからって他の場所でてきちゃだめだろう! そればっかりは、ちょっとめっだ。ちゃんと自分の持ち場を守りなさい」
「モフー!」
「モッフモフー!!!」
 モフィンクス達的にも言い分はあるのか。てしてし、もっふもふとやってくるモフィンクス達をジゼルは見据える。
「とりあえず、なぞなぞだすばかりではつまらないだろう。これでなぞなぞ返しを……」
 するりと伸びた指先。少女の指先は的確にモフィンクスの一撃を止めた。
「ーーあ」
「モフッ、モフッ……モフーーーーー!!!」
 そう、相殺したのだ。しちゃった。
 正確に同じユーベルコードを紡いだジゼルの前、ショックそうな顔をしたモフィンクスがよろよろと立ち上がる。
「モフ……」
「……う」
 そう心なしか、ちょっともふもふ度の下がったもふ感が、こう、心にーー痛い。
 すたたたた、とジゼルの前に並んだモフィンクス達が一斉に質問大会を始めようとするのを見ながら百合根・理嘉(風伯の仔・f03365)は思った。あれは何だろう、と。
「もふもふ……猫というよりも犬? え? 猫?」
「モッフー」
「……みっちみちのもっふもふ……大人しくしてりゃ良いのにいやいや、倒さなきゃなんねぇけど、うん」
 モフィンクスの合いは、何とも微笑ましいというか何と言うか。
「とりあえず、仕事だな」
 黒い携帯用ゲーム機ーーPOG-BK [ RYS ]を操作して理嘉は細身の剣を振るう青年を召喚する。にーさん、と青年が呼んだバトルキャラクターは、とん、と軽く地を蹴ってモフィンクス達へと向かった。
「モフー……!!」
 螺旋階段に、冷気が落ちた。氷結の一撃に、モフィンクスがコロコロと転がっていく。
「モフ~zzz」
 とん、ててて。と転がった先、立ち上がったモフィンクスが眠気を誘うアクビを零した。久しぶりの運動だったのか、モッフモー……、とすぴょすぴょしだした相手に理嘉はひくり、と頬を引きつらせた。
 いやだって一応、一応此処って戦場な訳で。
 突破されたら結構大変なことになる訳なのですけど。
「くっそ! 顔だけじゃなくて、鳴き声?まで気の抜ける……! ちょっと癒し要素強過ぎねぇ?」
 なんか回復した気がするし。特に傷も受けてなかったから、疲労度的なものが抜けた感じがするのはあれか、あれが癒しというやつなのか。
「モフッ、モフッ」
「質問とか、学のねぇ俺には結構きついんですけど-?! お、お手柔らかに、な?」
「モフー」
 ふふん、とどこか誇らしげにやってきたモフィンクスが質問の準備を始まる。ふわり、と戦場に生まれようとする靄に理嘉の叫びが響き渡った。
「正解だったらラッキーってな!」
 よし、と回答を選んだ青年より少し上で、少女は耳元から這える羽をひこひことさせていた。
「ひゃあ、ぎゅうぎゅうもふもふ!! くるくるのかいだんにもふもふ!! メアもがんばってもふもふするのです!」
 てい、と螺旋階段に降り立ったメーアルーナ・レトラント(ゆうびんやさん・f12458)は、広がるもっふもふの光景にぴしり、と手を伸ばした。
「ひよこしゃーん!」
「ぴよ」
「ぴよぴよ」
「ぴっぴよー!」
 それはメーアルーナによって呼び出された無数のひよこ達。少女の友人であるひよこさんたちが集まってぴよぴよひとつに合わさればーー。
「もっふもふのひよこキングしゃん!」
「ぴよー!」
 得意げなひよこキングの背中にのって、メーアルーナはモフィンクス達を見た。
「もふもふ対決なのです!」
「モフ~zzz」
 みっちみちでもふもふだった所為か、おねむなモフィンクスの眠気を誘うアクビが癒しを齎す。
「モフ~……モフ~……」
 それはもう、なんとも言えないほどの癒し系で。
「もふぃさんとひよきんぐしゃん……」
「!!」
 ぽつり、と零したメーアルーナにひよこキングがピピヨ! と振り返る。
「ひよきんぐしゃん、メアはうわきしません、だいじょうぶです! ひよきんぐしゃんはせかいでいちばん、イケひよこ!!」
「!!」
 それなら。それだったら! と目を輝かせたひよこキングさんの横をてーん、とモフィンクスが横切っていく。螺旋階段をコロコロ転がって、降ってしまった分を取り戻すようにモフィンクスがてーい、と飛ぶ。
「モッフモッフー……!」
「でもでも! ふああ!」
 てしり、とひよこキングさんにぶつかって、もふっとメーアルーナの膝の上に乗ってしまったのですからそれはもう。
「もふぃさんもふもふふああああ!!!」
「ピ、ピヨーーー!!!」
 これは由々しき事態なのではないだろうか。それはもう危機的な事態ではないのだろうか。
 そんなことを思ったか思わなかったか。ピヨピヨ、と声を上げるひよきんぐさんをメーアルーナはぎゅう、と抱きついた。
「あっ、ひよきんぐしゃんもです! もふぃさんはたおすあいて、ひよきんぐしゃん、つんつんです!」
 ぎゅうぎゅうと抱きしめて、少女はひよきんぐと一緒にモフィンクスへと向かった。
「モッフモッフー!」
「ピヨー!」
 それはもう、なんとも言えない癒しな光景だったと言ったのは誰であったか。
「あっ、ごめんね」
「モフッモフー」
 一撃の後、振るう腕が隣のモフィンクスに触れた。もふっと感に、思わず息を飲んだオズ・ケストナー(Ein Kinderspiel・f01136)の横、てしてしとやってきたモフィンクスが質問を用意する。
「モフッ、モフッ」
 ふわりと広がるのは靄。質問の回答が具現化する靄だ。ダンジョンの門番らしく、ポーズをとって出された質問にオズは元気よく答えた。
「ふかふかの枕っ」
「モッフー!」
 ぱふん、と靄が解除される。キラキラとした光の向こう、ご機嫌なモフィンクスが目に映る。
 もふもふだと、階段を覗き込んで、てしてしと上がってくる姿にほっこりとしていたのが少し前のこと。このもふもふ、間違いなく飛び込んでも痛くなさそうだったけれど。
「ハッ。だめだめ、倒さないとね」
 すぅ、と息を吸って、オズは戦場に変な形のガジェットを召喚する。
「ちょっとこころが痛むけど、上がってきたらだめなんだよ。シュネーもおいで、ゆうわくに負けないようにがんばろう」
 桜色の瞳が、ちょっとばかり意味ありげにオズを見る。
「えっ。まだ負けてないよ、負けてない。うん。ここから上には上がらせないからね」
 いこう、と向けた一撃がモフィンクスをコロコロと転がしていく。もふん、もっふもっふと階段を転がって。ぱふん、と光になって消えたのを見送ってーーあぁ、でもまだまだ群は上に上がってくる。
 彼らには、元々いる場所があったという。
「でも本当に、どうして大移動をはじめたんだろう?」
 そこから出てきた理由って、何なのだろうか。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

メーリ・フルメヴァーラ
私ワルダワ生まれなんだけどね
このモフは!初めて見た!!
すごいすごいかわいいねー!
ぎゅうぎゅうでおしくらまんじゅうなのが尚更かわいい!

螺旋階段にひらり降り立ったなら
攻撃に移る前にモフィンクスとご対面
なぞかけしたいの?
私でよければ答えるよ、頑張る!

最近あんまり来る人いなかったらさみしいよね
質問にちゃんと答えてあげられたらいいな
ううーん、…あっわかった!
正解だったらぎゅって抱き着いて
不正解ならリベンジ狙う

あっそうだ
スマホを取り出してモフィンクスと自撮りとっておこ
あとでシノアに見せてあげるんだ!

倒すのは忍びない!のでぎりぎりまで粘りたいけど
どうしてもなら天翔ける綺羅星の在処で一掃
ないてないもん!!


ヴァロ・タハティ
※喋らせないでください※

(きゃ~!)
(身の丈以上の大きな杖をかかえて
右往左往おぶおぶするちびまんごー)
(もふぃんに溺れそうになる)

ボクが相手だ!とばかりにババーン!って
立ち向かうけれど
もふぃんってされても、まけない!
ぎゅうっと目をつむってえいえい、『属性攻撃』

?(質問をされたらちょこんと首をかしげる)
……?(反対側にかしげる)
??(こたえない!)

ボク、動かなくなったモフィンクスを
【ゴースト・リボーン】で"友だち"にするよ
ぺちぺち戦ったり壁になって貰って
ボクもちゃんと、皆の役に立つんだ!


イルナハ・エイワズ
魔法学園の迷宮には不思議な生物がいるのですね
その足でこの螺旋階段を登ってくるのは大変だったのではないのでしょうか?
移動することに向いた足とは思えません

あまり実害があるようにも見えませんが邪魔なのは確かですね
簡単に排除する方法があればいいのですが

今欲しい物は
モフィンクスたちを邪魔にならない場所に強制転移させる装置
がほしいですね
居心地のいい新しい部屋に転移させれば、そこで大人しくしてるんじゃないでしょうか
まぁ、そんな都合のいい物はないのでしょうけど

UCで防御力を強化し
邪魔なモフィンクスぽいぽいと適当な部屋や通路に詰め込みつつ
螺旋階段を進みましょう


ハロルド・グレナディーン
もふもふと言われればケットシーの出番である
…いやいや、仕事もきちんと熟すものだよ?
何せ我輩は、やれば出来る猫なのだから!

先ずは道を塞ぐ、迷宮の守護者たちのお相手を
謎掛けも良いが…我輩の友人と共に戯れるのも如何かな?
敵の動きをよく見て、からくり人形達を操り
弱点や弱った個体が分かれば
数を減らすためにも狙いを集中させる
指揮者も見ているだけではないぞ、と
【ライオンライド】も呼び出し
敵からの攻撃を躱したり防御もする
黄金に輝く獅子からの、猫パンチもくらうが良いさ

戦闘経験が不慣れなため
アドリブやアレンジ大歓迎


チロル・キャンディベル
もふもふさんがいっぱい…!
みっちりのところ、とびこんでもだいじょうぶかしら?
きっと体中もふもふでしあわせなの

その…目のところのっておひげかしら?
さわってみたい…(そわ)
あ、でも小さなお手てもみりょくてき…!

あんまり遊んでると、またソルベ(白熊)におこられちゃう!
たおしちゃうのかわいそうだけど…
だって、お友達がいなくてさみしかったかもだし
んんん、でも学園のみんなのために、チロがんばるの!
エレメンタル・ファンタジアで水流つくるのー!

むずかしいこと苦手だから、なぞなぞも苦手なんだけど…
え、今ほしいもの…?
えーっと、チロのほしいものはなにかしら?
モフィンクスさんともっともふもふしたい…!はダメ?



●もっふもふの謎
「モッフー」
「モッフモッフー」
「……!!!」
 きゃ~! と身の丈以上の大きな杖をかかえて右往左往おぶおぶするちびまんごーがひとり。ヴァロ・タハティ(キセキ・f05764)は今まさに、もっふもふモフィンクスたちの波に溺れそうになってきた。
「モッフー」
「モッフモッフ?」
 ボクが相手だ! とばかりにババーンと立ち向かうのだがーーもふぃん、ともふん、とヴァロは受け止められてしまう。なにせモフィンクスたちの群れの中、ちょっと溺れてしまいそうになるくらいなのですから。
「モッフーモフン」
 てし、と顎を乗せられそうになって、ぎゅうっと目を瞑ってヴァロはえいえい、と杖を振るった。
「モフー」
 ヴァロの杖が、モフン、とモフィンクスに当たればころころぽすん、と転がったモフィンクスがてし、と立ち上がる。
「モフッ、モフッ」
「?」
 もくもく、と出来上がった質問の解答が具現化する靄にヴァロはちょこん、と首を傾げた。
「……?」
 反対側に傾げてーーそうして。
「??」
 こたえない。
「モッフー!」
 ぱふん、と靄は弾けて、一撃がヴァロを襲った。とと、と転がりかけたちいさなマンゴーは大きな杖をきゅっとかかえて、もう一回、とばかりに属性を纏った。
「もふもふさんがいっぱい……!」
 みっちりのところにソルベと一緒に飛び込めば、もっふもふのふっかふかがチロル・キャンディベル(雪のはっぱ・f09776)を出迎えた。
「モフー」
「モッフ、モフモフ?」
 ぱふ、と顔を上げれば、白熊のソルベの頭の上に迷い込んだモフィンクスが一体。こてり、と首を傾げるモフィンクスがこちらを向いた。
「モフ?」
「その…目のところのっておひげかしら? さわってみたい……」
 そわ、そわ、としたチロルがそっと触れてみればーーそれは、それはもうもっふもふのフッカフカで。
「モフモフ……ッ」
 くすぐったそうにモフィンクスが身を捩れば、ソルベの白い毛に埋まった小さな手が見える。
「あ、でも小さなお手てもみりょくてき……!」
「モフー!」
 ふふん、とご機嫌にてーん、と飛んだモフィンクスが階段へと戻っていく。弾んでいる。とってもとっても弾んでいる。思わず真っ白な耳がぴくぴく動かしてーーチロルは、ふるり、と頭を振るった。
「あんまり遊んでると、またソルベにおこられちゃう! たおしちゃうのかわいそうだけど……だって、お友達がいなくてさみしかったかもだし。んんん、でも学園のみんなのために、チロがんばるの!」
 ソルベに腰掛けて、いくの、と尻尾を揺らした少女は水流を作り上げる。ざっばーん、と勢いよくやってきた水に、モフィンクス達が流されていく。
「モッフー」
「モッフモッフー」
 ぱふん、と光となって消えたモフィンクスたちの中、ぷかぷかと流されていったモフィンクスがすちゃり、と螺旋階段の端っこにひっかかって、ポーズを取った。
「モフッ、モフッ」
 ふわり、と広がったのはーーあの質問の靄か。
「むずかしいこと苦手だから、なぞなぞも苦手なんだけど……え、今ほしいもの……? 
えーっと、チロのほしいものはなにかしら?」
 むむむむむ、と悩んだ少女は、小さく首を傾げた。
「モフィンクスさんともっともふもふしたい……! はダメ?」
「モッフモッフー!」
 大丈夫! のポーズか。ぱふん、と段差を蹴ったモフィンクスが、チロルの前に展開させていた靄を消していく。
「もふもふと言われればケットシーの出番である」
 もっふもふの波の元へと、すちゃりと姿を見せたのはハロルド・グレナディーン(ケットシーの人形遣い・f06123)だ。そう、もふもふと言われればケットシーだって負けていないわけで。
「……いやいや、仕事もきちんと熟すものだよ? 何せ我輩は、やれば出来る猫なのだから!」
「モフ?」
 モフモフ? と首を傾げたモフィンクスの前に灰色のケットシーはゆるり、と尻尾を立てた。
「謎掛けも良いが……我輩の友人と共に戯れるのも如何かな?」
 モフィンクス達の動きをよく見て、からくり人形を引き寄せる。新たなカラクリの客に、モフィンクス達がぴぴん、と耳を立てた。
「モッフー!」
「モッフモー!」
 盛り上がるモフィンクスたちが、ワクワクと質問を用意しようとしてはモッフモー、と階段で滑って転がっていくのを見ながらハロルドは、戦場を見据えた。
 モフィンクスの数自体は、確かに減ってきている。
 こちらの怪我が少ないのはあのモフィンクスの眠そうな声のお陰だろう。さすがというべきか何と言うべきか。癒し系を全力でいくモフィンクス達は、そう、それでも道を塞いでしまっているわけで。
「モフー!」
「指揮者も見ているだけではないぞ」
 人形を操る指先を滑らせて、ハロルドは自分よりも大きな黄金のライオンを呼び出した。
「黄金に輝く獅子からの、猫パンチもくらうが良いさ」
「モフ~zzz」
 しゅん、と弧を描く、鋭い猫パンチに弱っていたモフィンクスがころころすてん、と転がってぱふん、と消えた。
「右の方がいくらか弱っているぞ」
「成る程」
 吐息を一つ零し、頷いたのはイルナハ・エイワズ(挟界図書館の司書・f02906)であった。金の瞳を細めた彼女の視界で、動かなくなったモフィンクスを“友だち”にしたヴァロが、とってとって、と階段を降りていく。
「魔法学園の迷宮には不思議な生物がいるのですね。その足でこの螺旋階段を登ってくるのは大変だったのではないのでしょうか?」
「モッフ、モッフモー」
「モッフー!」
 それほどでも? と首を傾げてみせたのか、それとも新しい部屋を探してますので。と言って見せたのか。移動するには向いた足とは思えない、短い足でてしり、と階段を蹴って、モフィンクスは階段を一段飛ばししてみせた。
「モフ★」
「モフー!!!」
 着地完了。今度は転がっていくこともないまま、一段飛ばしを完成させたモフィンクスと、なんだか同じことをやろうとしながらころころこてこて転がっていくモフィンクスを見ながらイルナハは思った。
「あまり実害があるようにも見えませんが邪魔なのは確かですね。簡単に排除する方法があればいいのですが」
 指先に水を纏い、風に触れ、炎の魔力をその身に宿し、イルナハはその身を強化する。
「私ワルダワ生まれなんだけどね。このモフは! 初めて見た!! すごいすごいかわいいねー!」
 わぁあとメーリ・フルメヴァーラ(人間のガジェッティア・f01264)は、螺旋階段に広がる光景に目を輝かせていた。
「ぎゅうぎゅうでおしくらまんじゅうなのが尚更かわいい!」
 ひらり、と螺旋階段に降り立てば水晶の色彩の髪が揺れる。すちゃり、と着地した少女に、モフィンクスがぴぴん、と耳をたてた。
「モッフモフ?」
「なぞかけしたいの?」
「!」
「私でよければ答えるよ、頑張る!」
「!!!」
 それはもう嬉しそうにモフィンクスは小さな羽をぱたぱたと動かしました。あんまり浮いてませんが、心はワクワクで浮いているのです。
(「最近あんまり来る人いなかったらさみしいよね。質問にちゃんと答えてあげられたらいいな」)
 よし、とひとつ頷いたメーリの前、ふわり、と靄が放たれた。
「モフッ、モフッ」
「ううーん、……あっわかった!」
 これ! と告げた先、正解にたどり着いたメーリの前でぱふり、と靄が消える。正解、と言わんばかりにモフー、と聞こえた声に少女はぎゅうっとモフィンクスに抱きついた。
「モッフモッフー!」
「モッフー!」
 心なしか上機嫌に聞こえるのは、たくさん質問ができているからだろうか。螺旋階段のもっふもふたちは、コロコロ転がっていてもなんだか楽しげで。また一個ころころすたたと転がっていたっけれど。
「あっそうだ。スマホを取り出してモフィンクスと自撮りとっておこ」
 あとでシノアに見せてあげるんだ!
 ぎゅ、と抱きしめたモフィンクスとツーショット。もふ? と首を傾げたモフィンクスはそれはもう可愛くてふわふわでもっふもふでーーそう、倒すのにはあまりに忍びないのだけど。このままだと学園までもっふもふになってしまうわけで。
「モフ~ン」
「……う」
 く、と顔を上げてメーリは魔力を輝く弾丸へと変える。キラキラ、と落ちる輝きともに、少女は詠唱銃を構えた。
「ないてないもん!!」
「モフーーーー」
 ぱふん、ともっふもふなモフィンクス達が光となって消えていきました。
「モフ~ン」
「……」
 なんとも気の抜けた声が耳に届く。一撃に対し、構えを取っていた状況であればこの声にはひっかからない。モフー、と聞こえてきた声にイルナハはモフィンクスに手を伸ばした。適当な部屋があれば良かったが、この螺旋階段からでは丁度良い部屋を見つけることができない。下まで降りることができれば、モフィンクスを詰め込んでおく部屋を見つけられるかもしれないが、その為には目の前のモフィンクスの群れへの対応が必要となる。
「モッフモッフモーン」
 てっしてっし、とやってきたモフィンクスが質問の構えをとる。質問はそう、今欲しいものを問うのだったか。
「モフッ、モフッ」
 ふわり、と靄が放たれる。それは彼らの守護者としての術。問いかけ。
「今欲しい物はモフィンクスたちを邪魔にならない場所に強制転移させる装置がほしいですね。居心地のいい新しい部屋に転移させれば、そこで大人しくしてるんじゃないでしょうか」
 まぁ、そんな都合のいい物はないのでしょうけど。
 ほう、とついた息ひとつ、こてり、と首を傾げたモフィンクスの前、ふわふわと揺れた靄が消えていく。ぼんやりとできた形は、答えとなる前に消えーーだが、体に痛みがないことを考えれば『正解』で通してくれたのだろう。
 斯くしてもっふもふまみれの戦いは続き、ぽいぽいと投げた先でてしてしと攻撃が決まっていけばもふもふもぱふん、と光になって消えていきーー。
「モフー」
「モッフモッフー」
 猟兵達を質問攻めにしたモフィンクス達は、なんだかちょっと満足げな表情でもっふもふの体をふわり光に変えてゆきました。なにせ新しいお部屋探しの前に、たくさんたくさん質問をできたのですから。

●もっふもふの理由
 もふもふとの出会いと別れ、モフロスを抱えたーーかもしれない猟兵たちは螺旋階段の下へと辿り着く。長く続く回廊の向こうは、広間になっているようだ。豪奢な柱に、キラキラとした祭壇が一行の目に映る。
「アレェ? 誰が来たカと思っタラ」
 その祭壇に腰掛けている影がひとつ。ふわふわと浮く『何か』と戯れていた影は、猟兵たちを見て、カラカラと笑った。
「なーんでオタクらが遊びに来てるワケ?」

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​




第2章 ボス戦 『機怪魚人間』

POW   :    ぎょぎょ魚
レベル×1体の、【身体】に1と刻印された戦闘用【機怪魚】を召喚する。合体させると数字が合計され強くなる。
SPD   :    ミニ魚雷発射
【怒り】の感情を与える事に成功した対象に、召喚した【機怪魚】から、高命中力の【ミニ魚雷】を飛ばす。
WIZ   :    武器錬成
自身が装備する【魚型銃器】をレベル×1個複製し、念力で全てばらばらに操作する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠鳥渡・璃瑠です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●めかめかさんの言うところ
「イヤイヤおっかしいッショ? なんで来てんのサ」
 キラキラとした祭壇に腰掛けた存在ーー機怪魚人間は心底不機嫌そうな声で言う。そこから一歩も入るなって話っすよ、とついついと猟兵たちの足元を指差した機怪魚人間は、ノイズがかったため息を零す。
「ココは、俺とこいつらの住処なんで。勝手に入られたら困るっつーか、なんのためにあのモフ塊どかしたか分かんないじゃないっすか」
 がしがしと頭をかいて、話を聞かせるのが面倒だったとか、蹴った方が早かっただとか言いつらねる。
「俺たちの新居汚してもびっみょーつーか、面倒だったし? だったらさっさと出てってもらったらこの金ピカを手に入れるのも楽だったシ? やっぱり金ピカは俺たちの水槽にピッタリじゃん?」
 つまり、自分の住処とするためにモフィンクスたちを最初にいた空間から追い出したというのか。
 豪奢な柱に、煌びやかな装飾が施された壁面。
 幅の広い、長方形型の空間の左右にはーー確かに台座らしきものがある。
 あそこに守護者であるモフィンクスたちがもふっと固まってーー、否、座っていたのだろうか。 
「イヤイヤ追い出したとかそんなエゲツナイワケでもないシ? アイツらも質問できてソーハッピーだったわけじゃん?」
 ふゆふよ、と機怪魚人間の周りで機械の魚が泳ぐ。少しばかり大きな魚の上、手を置いて上機嫌に機怪魚人間は笑う。
「結果として、死んじまってもサァ?」
 低く、低く。嘲り笑うようにそう言って、機怪魚人間は祭壇から降りる。まぁ邪魔をするならば、と容赦はしないと告げて。
「それに、言っとくっすけド。あのモフ共より、俺のぎょぎょ魚の方がスーパー可愛いんで!」
 ーーなるほど?
ジゼル・スノーデン
【wiz】で行動

もふもふをここから追い出したのはお前か?
わりともふもふとの別れは切なかったぞ!

そしてその祭壇はなんだ……?何かすごいキラキラなんだけど。ちょっと興味がある……けど、もふもふのこと考えたら開けたらだめ、だよな。むむ、気になる

小脇に抱えた?もふもふのために、ここから出て行ってもらいたいところだが、聞き分けないなら痛い目にあってもらおう

一緒に戦う猟兵と協力できたらいい。
わたしはミレナリオ・リフレクションで、機械魚を相手しよう。
広い部屋とはいえ、相手は厄介なものを数多く出してくるようだからな。戦闘中でも見覚えたら、できる限り相殺しよう


百合根・理嘉
……いや、可愛くねぇ。
全くもって可愛くねぇ(きっぱりしっかりはっきり)
あいつらの方が微笑ましさつーかあったし!
触り心地とかサイコーにもふもふだったし!
何よりもお前のその根性気に入らねぇから潰す(びしぃ!)

バトルキャラクターズ使用
POG-BK [ RYS ]で召喚したにーさんらで対応

先制攻撃からの2回攻撃!
ついでにフェイントも使ってく

数には数で対抗するぜ
機械魚にはにーさんら個別で当たらせるし
魚雷と錬成された武器にはにーさんらには尊い犠牲になって貰おう
って事で当てて相殺する感じで対応するぜ

補足
猫好き(と言うか多分、もふもふ好き)故にふざけんな!
と思っている
見目の無愛想さから言わないが!言わないが!



「……いや、可愛くねぇ。全くもって可愛くねぇ」
 きっぱりしっかりはっきり百合根・理嘉が言い切れば、機怪魚人間は不機嫌そうに声を上げた。
「ハァ? なニ? 俺のぎょぎょ魚のスーパー可愛い感じが分からないワケ?」
「あいつらの方が微笑ましさつーかあったし! 触り心地とかサイコーにもふもふだったし!」
 ふるふると震える拳を握り、びしぃっと理嘉は機怪魚人間を指を向けた。
「何よりもお前のその根性気に入らねぇから潰す」
 実のところ、そう実のところ猫好きな青年としてみればーーもふもふ好きな心としてみればそれはもう、なんというか、全方位ふざけんな! という話なわけで。ちょっと見た目ば無愛想で、りかちゃんとかゆりちゃんとか仲間に言われたりするけれども、そこはちょっと口に出していないラインではあったけれど。そうあったけれどーー好きなものは好きな、わけで。
「ふざけんな!」
「ハ? フザケンナはお前ノ方ダシ!? ぜってぇ潰スワ猟兵!」
 ばきばきと指を鳴らし、た、と床を蹴った機怪魚人間を前に理嘉は端末を操作する。ぶおん、と鈍い音と共に召喚されたにーさんらが、理嘉の横を駆け抜け拳をーー機怪魚人間へと叩き込んだ。
「ハァ!?」
 ぐらり、揺れた体。飛ぶように前に出たゲームキャラクターの膝蹴りが、機怪魚人間の腹に入った。傾ぐ身にそのまま、もう一人のにーさんが蹴りを叩き込む。
「……ッァアア、アッタマ来タワケダヨ! マァ? 最初ッカラ? 潰スって決めてたケド?」
 パチン、と機怪魚人間が指を鳴らせば、周囲をふよふよと泳いでいた機怪魚たちが横についた。
「カモン! 俺の可愛いぎょぎょ魚たち!」
 災魔の声に、機怪魚たちが一斉にミニ魚雷を放った。爆炎に、軽く舌を打って理嘉は身を飛ばす。
「にーさんら、よろしく!」
 イコール壁になってくださいというあれで。ことの詰まりは尊い犠牲というやつで。
「ハァ!?」
 何度目かの機怪魚人間の悪態が金ピカ空間に響き渡った。
「もふもふをここから追い出したのはお前だな。わりともふもふとの別れは切なかったぞ!」
「もふもふより俺のぎょぎょの方が可愛イっての! 時代の最先端ってヤツなんだヨ!」
 猟兵、と叫ぶ声の後ろ、どうしたってジゼル・スノーデンの目にあの無駄にキラキラした金ピカ祭壇は目に入るわけで。
「その祭壇はなんだ……? 何かすごいキラキラなんだけど。ちょっと興味がある……けど、もふもふのこと考えたら開けたらだめ、だよな」
 むむ、気になる。
 これ見よがしに置かれているあれとか、それとかがすごく。
 でもモフィンクスは守護者だった訳で。ということは彼らがこれを守っていたのだとしたら、開けてはあのもふがもっふもふ怒るだろう。それはそれでちょっと可愛い気もするけれど。
「アァ。この祭壇? 俺とぎょぎょ魚たちの新居に飾りダシ? そこらの箱モ動かなイケド、マァ、インテリア? には良さソウダシ?」
 だからほらさぁ、と機怪魚人間は言う。
「ボッコボコにされた後デ、出てっテクレル?」
「それはこちらの台詞だ。聞き分けないなら痛い目にあってもらおう」
 掲げた杖が淡く光を帯びる。オール状の魔法の杖を、まっすぐに機怪魚に向けた。ひゅん、と空を泳ぎ、一撃叩き込もうとした機械の魚が空でーー止まる。正確に全く同じユーベルコードを放ったのだ。
「ギィイ!?」
「……ッチ、俺のぎょぎょ魚の動きを止めるとか無いッショ!」
 鈍い光の中、機怪魚人間は魚型銃器を空に放った。雷光に似た音が響き渡ると同時に、その武器が複製される。
「俺たちの連携見せてやるってノ!」
「悪いが、負けるつもりはないぞ」
 なにせもふとの別れは切なかったし、ここは確かに彼らの守っていた場所なのだから。
「わたしは機怪魚の相手をしよう」
 杖を握りしめ、少女はモフたちのーーモフィンクス達の守ってきた場所をまっすぐに、見た。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

オズ・ケストナー
やだ、やだやだ

なんだかすごくいやな感じ…
なんで笑うの

あの子たちのことそんなふうにわらって欲しくない。
倒したのはわたしたちだけど、だけど

どっちの方がかわいいとかかわいくないとかじゃないよ。
あの子たちはかわいかったし、いい子だった

なんていっていいかわからない
ねえ、シュネーならわかる?
心の中で問いかけて
おおきな声を出したくなるみたいなこのきもち

斧をぎゅっと握り
わたしだってようしゃ、しないよ

魚雷を武器で叩くように受ける
傷ついたってだいじょうぶ
体は痛くない

斧を振り下ろす
「勝手に入られたら困る」なんて、先にモフィンクスがいた場所に入ってきたのはだれなの
やだやだ、――きらいっ

初めて口にする言葉に目の奥が熱く


メーアルーナ・レトラント
すーぱーかわいい?
メアむずかしいことわかんないけどこれむずかしいことじゃないのはわかります。
でもメアわからないです。
もふぃさんのほうがかわいいです、もふもふだし!ぎゅっぎゅってしたくなるのです!
それに、それにメアのひよこしゃんたちのほうが、もっともっとかわいいんだもーん!!(ひよこほいっするぴっぴっぴー!で召喚)

おさかなさんふわもこじゃないです!つるんぷよんふにゃんでもなくてがしょんがしょんです!
メアにとってはもっふもふがだいせいぎなのです!!
ぎょぎょさんにもおしえてあげるのです。ひよキングしゃんのもっふもふの、いだいさを!!
そしてメアとひよキングしゃんのらぶらぶっぷりをくらうとよいのです!!


ハロルド・グレナディーン
ふむふむ。アレがモフィンクス事件の親玉かな。
どちらかと言えばツルツルしてるような…見た目の
印象はさて置き、魔法学園の平和を護る為にも
本腰を入れて頑張るとしようか

序盤から【ライオンライド】に騎乗して攻撃する
ボスとの戦闘だ、我輩の本気をお見せしよう
数の多そうな機械魚からの攻撃には
からくり人形を駆使して躱したり防御を。
敵の動きをよく見て冷静に戦いを行うよう努める
黄金に輝く獅子とケットシーに敵対しようとは…
魚はネコ科に食べられるもの、と
相場が決まっているとは思わないかい?

戦闘経験が不慣れなため
アドリブやアレンジ大歓迎



「すーぱーかわいい?」
 こてり、と少女は首を傾げれば、大きな郵便鞄が揺れる。メーアルーナ・レトラントはぴこり、と耳元から生える羽を揺らした。
「メアむずかしいことわかんないけどこれむずかしいことじゃないのはわかります」
 でも、とメーアルーナは言う。
 メアわからないです、と。
「もふぃさんのほうがかわいいです、もふもふだし! ぎゅっぎゅってしたくなるのです!」
「ハァ!? 俺のぎょぎょ魚のだってつやってしててつるってしてて魅惑のボデーなんスヨ!?」
 ぎゅうっとお気に入りのぬいぐるみを抱きしめて、びしぃっと言った幼女と、近くのぎょぎょ魚を抱きしめて機怪魚人間は謎の抵抗を見せた。
 後一人、誰かツッコミ役が居たならば間違いなく言っただろう。幼い少女と何を張り合っているのだと。というか召喚した魚捕まえてていいのかと。なんかビチビチしているけどとか。
 ーーだが、最初から謎の可愛い対決にスイッチが入っていた機怪魚人間がそんなことに気がつくわけもなく。
 互いに一歩も譲らぬ空間で、しゅたっとメーアルーナはひよこほいっするを手にした。
「それに、それにメアのひよこしゃんたちのほうが、もっともっとかわいいんだもーん!!」
 ぴっぴっぴー!と軽快な音が響き渡る。ぱふん、とメーアルーナの周りに無数のひよこ達が召喚された。
「ぴよ」
「ぴよぴよぴよ」
「ぴっぴよー!」
 ぴんと綺麗な羽を揺らして、ふふん、とポーズをひとつ。ぴっぴー! とメーアルーナのホイッスルに整列したひよこたちがキュルン、と光と共にひよこキングに合体する。
「ぴっぴよー!」
「おさかなさんふわもこじゃないです! つるんぷよんふにゃんでもなくてがしょんがしょんです!」
「ナ……!?」
 衝撃を受けた機怪魚人間の前、少女は言い切った。
「メアにとってはもっふもふがだいせいぎなのです!!」
 てい、とメーアルーナはひよこキングに乗る。郵便鞄は落とさないように、もふっとひよこキングに抱きついて。全速力でも落ちないように。
「ぎょぎょさんにもおしえてあげるのです。ひよキングしゃんのもっふもふの、いだいさを!!」
 そしてメアとひよキングしゃんのらぶらぶっぷりをくらうとよいのです!!
「ピヨー!」
「ナ……!? 待テ……!」
 ぽふん、と床を蹴って、一気にピッピヨー! と突撃するメアと巨大なひよこーーひよキングの突撃が、機怪魚人間を襲った。ぱふん、と感触は柔らかに。けれど、衝撃はーー大きい。
「……ック、フワフワ、ジャン……」
 そう、ふわふわなわけで。もこもこなひよこさんなわけで。
「ハ! 違ウシ、俺がラヴなのはぎょぎょ魚だシ!? ってわけでヘイカモン!」
 慌てて頭を振るい、ぱちん、と機怪魚人間が指を鳴らした。
「……」
 若干、そう若干。機怪魚たちの動きが鈍いのはあれか。冷たい視線だったりするのか。ゆるり、と弧を描き、だが高い命中力を持ってミニ魚雷がメーアルーナへと撃ち出された。
「メアとひよキングしゃんだってまけません!」
 てい、とひよキングと一緒に、きゅ、と華麗なターンと共に避けた少女を視界に、ハロルド・グレナディーンは黄金のライオンを呼び出す。てしてし、と足で床を叩き、淡く色づく陣の真ん中で灰色のケットシーは息をつく。
「ふむふむ。アレがモフィンクス事件の親玉かな。どちらかと言えばツルツルしてるような……」
 まぁ見た目の印象はさて置き、だ。魔法学園の平和を護る為にも、此処は本腰を入れて頑張るとしよう。
 キュイン、と光の中から、黄金のライオンが姿を見せる。とん、と軽やかに騎乗するとハロルドは、ゆるり、と尻尾を揺らした。
「我輩の本気をお見せしよう」
「ハァ!? 本気ダロウガ何ダロウガ、出てくのはそっちダッテノ!」
 カモン、とハロルドの接近に気がついた機怪魚人間が指を鳴らした。瞬間、無数の魚雷がハロルドへと襲いかかった。ーーだが。
「ふむふむ。このくらい、か」
「ナ……!?」
 爆撃は、ケットシーへ届くその前にからくり人形が受け止めた。ほんの僅か、余波だけがハロルドを掠っていく。
「避けタノカヨ!?」
「黄金に輝く獅子とケットシーに敵対しようとは……魚はネコ科に食べられるもの、と相場が決まっているとは思わないかい?」
「ナ……!? 猫、猫になんて俺のぎょぎょ魚ちゃん達が負けるワケネェンダヨ!」
 くそ、と悪態をつき、再び指を鳴らす。新しく召喚された機怪魚たちが災魔の周りをくるり、と一周する。
(「もしや……、奴の周りに必ず一度は戻るのか?」)
 機怪魚たちを召喚しているのは、確かに機怪魚人間だ。魚らしく回遊はするが、大きくは離れない。
「もっとも離れすぎて破壊されれば、新しいものが召喚される、か」
 わふん、とハロルドの黄金に輝く獅子が機怪魚をぱくり、と加える。ふん、と振り払えばその向こうでメーアルーナとひよこキングがぴよーっと突撃をかましていったところだった。
「ギ……!?」
「ハ!? イヤイヤ待て待てッテ。モコフワに懐柔サレタラ駄目ッショ? ココ俺タチのマイホームにスルンダッタジャン?」
 追加で召喚! と機怪魚人間が配下を生み出す。ぎぃ、と軋む鋼の音。鉄の匂い。欠け落ちた破片があるだけのこの場所は、モフィンクスたちが守っていた姿は遠い。
「やだ、やだやだ。なんだかすごくいやな感じ……なんで笑うの」
 オズ・ケストナーは呟く。ゆる、ゆると首を振って。
「あの子たちのことそんなふうにわらって欲しくない。倒したのはわたしたちだけど、だけど」
「……ハァ!? 別にイージャンカヨ。あのモフ塊どもは満足シテッタンダロ?」
 カツン、と硬い足音が響く。訝しげに息を吐き、機怪魚人間がオズの方を向けば薄い笑みが浮かべられた。
「みんなハッピー万々歳ジャンカヨ」
 煽るようなそれに、オズはきゅ、と唇を引き結ぶ。笑う声は何度も頭の中で聞こえてくる。
「どっちの方がかわいいとかかわいくないとかじゃないよ。あの子たちはかわいかったし、いい子だった」
 なんていっていいかわからない。零れだしそうになる何かに、オズはきつく拳を握る。
(「ねえ、シュネーならわかる? おおきな声を出したくなるみたいなこのきもち」)
 心の中で問いかけて、オズはぎゅ、と召喚した斧を握った。
「わたしだってようしゃ、しないよ」
 顔を、あげる。目が合えば、ヘェ、と露悪的な声が耳についた。
「俺たちの邪魔、スルッテノ?」
 できるのかと言いたげな声と共にパチン、と機怪魚人間が指を鳴らす。瞬間、空間が熱を帯びた。撃ち出された無数の魚雷にーーだが、オズは前に出る。
「ナ……!?」
「ーー」
 ガウン、と斧を振るう。振り下ろす。叩くようにして、その身に受けて、オズは顔を上げた。傷ついたってだいじょうぶ。体は痛く無い。熱が、ちりちりと体に残るけどそれだけ。それだけのこと。
「勝手に入られたら困る」なんて、先にモフィンクスがいた場所に入ってきたのはだれなの」
 く、と上げた顔で。キトンブルーの瞳でオズは災魔を見据えた。真っ直ぐに。あざ笑うその顔に、声に、耳を目を、逸らすことなど無いままに。
「やだやだ、――きらいっ」
 初めて口にする言葉に目の奥がーー熱く、なる。
「ハァ!? 別にテメェら猟兵に嫌ワレようガ……ッ!?」
 どうだってと、笑う機怪魚人間の間合いへとオズが飛び込む。前に、ひたすらに前に向かって、振り下ろされた己が機怪魚人間へと届く。
「グ、ァア……ックソ!?」
 悪態と共に、手を振るう。瞬間、召喚された無数の機怪魚たちにーーだがハロルドのからくり人形たちが踏み込んだ。
「そうやすやすと攻めきれると思わないことだ」
「メアとひよキングしゃんのとつげきもみるのです……!」
「ピヨーーー!」
 ぱふーん、とひよこキングのご自慢のもっふもふと一緒に飛び込んだメーアルーナが機怪魚人間の次の一撃を阻む。ぶん、と勢いよく振られたぷりてぃーな尻尾がばふん、と当たれば機怪魚人間はぐらり、とその身を揺らした。
「クソ……ッぎょぎょ魚たち!」
「いや、それは許さないさ」
「そういうわけだっての!」
 ぶわり、と召喚された機怪魚たちをジゼルと理嘉が阻む。押しとどめ、時に撃ち払えば一瞬、正面が空いた。機怪魚人間の、正面への。
「これで……ッこれで!」
 た、とオズは駆け出す。飛ぶように、一歩前に出てさいごだと、叫ぶオズの一撃が機怪魚人間に振り下ろされた。
「……ッグ、ァア……ク、ソ。ソンナ、俺とぎょぎょ魚、ガ、モフに、猟兵に負ケ……」
 ぐらり、身を揺らす。召喚されていた機怪魚たちが一体、一体と消え、最後の最後一人きりになった機怪魚人間は煌びやかな空間で淡い光と共にーー消えた。

●金の祭壇
 斯くして、その地に静寂は訪れた。煌びやかな祭壇の向こう何があるかは分からないまま。けれど、この静寂こそ、モフィンクスたちが守っていたものなのだろう。その静けさにちょっと寂しさを重ねて、重ねて、そうして最後の一言共に出て行ってしまった彼らだけれど。もふもふと守っていた空間は、今、無事に猟兵たちの手によって取り戻されていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 日常 『花やかなお茶会』

POW   :    カフェでまったり過ごす

SPD   :    お菓子を購入する

WIZ   :    温室の花を観賞する

👑5
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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●穏やかな時間
 お帰りなさい、と一行を出迎えたのはシノア・プサルトゥイーリ(ミルワの詩篇・f10214)であった。学園には話を通してあるのだと言った彼女は、一行を学園内の温室に併設されたカフェに案内する。
「実はちょうど、新作のメニューを考えていたそうなの。少し早いけれど、桜を使ったお菓子があるそうよ」
 他に、桃の花のケーキもあれば薔薇の香るジャムとスコーンのセットもあるという。
 持ち帰りのお菓子も、先取りのメニューが少しばかりあるそうだ。
 季節の様々な花が楽しめる温室も、迷宮で疲れた体を癒しには良いだろう。中には、ふかふかのソファー席もあり、ゆったりと座ったまま花を愛でることもできるという。
 さぁ、何をしようか。
百合根・理嘉
なんつーか、一足どころか二足くれぇ早い花見だな、これ
ん?花見イコール桜、ってなりがちだけども
花を見るから花見なら間違ってねぇだろ?

つー訳で、折角だし、新作ケーキ食べるぜー。

新作の桜のも桃のも喰う!遠慮なく喰う!

んまい……!お茶もケーキの美味さ損なわないし
ちゃんと紅茶の美味さも活きてて美味い……

お持ち帰り、お菓子だけなんかな?
ジャム、あるならそっち買いたいんだけども無理かね?
無理そうなら、しゃーねぇから違うもん探そーっと
何なら土産に出来んの?
カフェの店員に確認して色々購入

ふかふかソファーはあれか?
もふもふ(もふぃんくす)の触り心地に似てんのかね?

補足
お持ち帰り品に関してはお任せ
絡み、アドリブ歓迎


メーアルーナ・レトラント
チロ(f09776)とごいっしょ
シノアおねーさまもよければ!

すこーん!
がぶっといきたいきもちをがまんして、はんぶんこは?
そしたらべつのおあじもたのしめるのです!
メアははちみつー!
ひゃあ!しあわせ!

もふぃさんはもふもふでした!
ほんとうにもふのもふもふでもふでした!
でもメアのひよこしゃんたちもまけてないのです!
あっ、シノアおねーさまにもしょうかいします!
(ぴっぴーとホイッスル)
……ソルベしゃんにももふもふまけないのです!!(めらり)
でもソルベしゃんのほうがひよキングしゃんよりおおきい……メアはひよこしゃんたちにかこまれてしょうぶなのです!
ひよこしゃんみんなとあそぶのすき!あそんだけてね!


チロル・キャンディベル
メア(f12458)といっしょなの
シノアもごいっしょしましょう!

スコーンって、どうやって食べるのかしら?
このままがぶっていっていい?ちがう?
半分こ!ステキね、じゃあチロはバラのジャムぬるの
んー!ほくほくおいしいー!

お茶といっしょはモフィンクスさんのお話!
あのね、もふもふだったのよ!
ちっちゃなお手てはかわいいし
おひげがあってね、そこがとってももふもふだったの
1匹連れて帰りたかったの!

あ、でもチロにはソルベがいるからね
ソルベだっておっきくてもふもふなのよ
でもメアのひよこさんもステキなの
ちっちゃなもふが集まるのも、みわくてきよね!
チロもさわっていいかしら?(そわ)
シノアもいっしょに、もふしましょう!


境・花世
とりどりの花があんまり綺麗だったから
わたしもこのひとつになれるかな、
なんてぼんやり考えながら歩く

肉も骨もいつか朽ち果てるけど
右目の花だけは残るといい
ひととき目を細めてくれる誰かがいるのなら
それだけでどんなにか、
……なんて、まだまだ生きてるけど

やがて辿り着くソファに座れば
ふかふか埋もれていい気持ち
何も穢れないうつくしい色をした
花びらの夢に、落ちてく――

(ふわり、)

ん、んん、
寝ちゃって、た?

もしも夢から掬い上げてくれた誰かがいるなら
ゆらゆらと夢現に微笑みかけて
綺麗って、言ってくれたの

わたしも、咲き誇る花のひとつに
きみの世界を彩る何かに
――ああ、本当にそうだったら、いいのになあ

(f01786さんと)


都槻・綾
WIZ
温室で廻る四季

春心地の暖かさの中では
つい、ふかりと欠伸が浮かび
口元を覆って隠すも
眦潤す雫の所為で煌く情景が
一段と幻想的で美しい

風に舞う花弁は蝶のよう
私を何処へ誘うものぞと
興に乗ってのんびり後を追う

花々と樹々の下生えが柔らかに萌ゆる若草であれば
いっそ寝転んでしまいたいものですね

想像して独り言
くすくす笑みつつの遊歩は軽やか
やがて
見るからに寝心地の良さそうなソファを発見

舞う花がひらひら
寝入る先客へと降り注ぐ様に目を瞬いて
まるで童話の中の眠り姫の如し

…花葬?

吐息があるのものか、
傍らに屈んで
姫君の頬にかかる花弁に触れ
其の白きかんばせを覗き込む

開いた眸もまた、花の彩
誠――馨しい

(f11024さんと)


イルナハ・エイワズ
カフェでまったり過ごしましょう

テーブル席でユルと一緒にすごしましょう
写真付きのメニューをテーブルに置いてユルに選ばせましょう
ユルがどれにしようかと真剣に悩んでる様子を見ながら
「私の分もいれて、2つ選んでいいですよ」
ユルが2つお菓子を選ぶまでゆっくりとその様子を眺めて過ごします


フレズローゼ・クォレクロニカ
🍓 リル(f10762)くんと
アドリブ等歓迎

リルくん!カフェ、美味しそう!
目の前の人魚は今日も綺麗で、温室にいる姿なんて幻想的

桜のジュレに桃の花のケーキ、スコーンにはたっぷりのクリームに苺ジャムをのせて!えへへ、ボクとお姉ちゃん達と櫻宵のモチーフなんだぁ
あ、リルくんはクリームね!
笑顔で大好きな人達のモチーフお菓子をパクり
リルくんは何食べ……あ、桜ばっかり
桜好きだよね
……理由は聞かないでおいたげるよ
ほらほら、もっとお食べ!苺スコーンを分けてあげる!

ん!(頬に着いたクリームをとってもらい、それを舐めた姿をみた
リルくん
……それは天然?
…可愛い…

リルくんみたいなお兄ちゃんがいればよかったのにな
なんて


リル・ルリ
■ フレズローゼ(f01174)と
(アドリブ等大歓迎

「フレズ。けーきだ。どれにする?」
そう
今日は2人でかふぇにきた
満面の笑みで喜ぶ子兎に微笑みかけて
ゆらりゆらり
機嫌よく尾鰭を揺らし

「随分たくさん食べるんだね
好きな人の
そう、フレズには好きな人がたくさんだ」
クリームが僕?嬉しい

「僕はこれにする。桜のお菓子、全部」
桜、櫻は――少し特別なんだ
理由を聞かないフレズに微笑んで
彼女が分けてくれたスコーンを齧る
これも美味しい
桜と
苺とクリームの味

「フレズ、ほっぺについてるよ」
指ですくいとってペロりと舐める
―櫻の君が前にそうしてくれた様に

おにいちゃん
ふふ、悪くない
僕に家族はいないから
そう呼んでくれてもいいんだよ?


オズ・ケストナー
皆に会う前に自分の頬をぺちぺち
うん、だいじょうぶ

メーリ(f01264)と一緒にカフェにいくよ
シノアも一緒にいこっ

お花のケーキ、きれい
シュネーの目の色を思い出して
ふふ。わたし、きめた
桜にしようっと

メーリとシノアは?
ならわたしはロールケーキっ
ひとくち交換しよう
おいしいね

メーリの写真をのぞき込んで
そうそう、もっふもふのふっかふかだったよ
謎かけしてるときなんてとってもたのしそうでねっ
ちいさな手をぴょこぴょこして
かわいかった

あ、そうだ
ふたりが今ほしいもの、なーんだっ
モフィンクスの謎かけを投げかけてみる

わたしはもう少しお話したいから
お茶とケーキのおかわり、なんて
どうかな

メーリの言葉によろこんで
ゆびきり約束


メーリ・フルメヴァーラ
オズ(f01136)と!
ねえシノアも一緒しようよ~!
温室、すごいね綺麗だねえ

お花のお菓子なんて好きに決まってるもん
椅子に座った足をぱたぱたさせちゃう
あっ私も桜のがいいな
目移りしちゃうけど~…これっ!
桜のフィナンシェとマドレーヌ!
バターの馨りに桜の風味がすごく素敵
薔薇のジャムを紅茶に入れたいなあ

ロールケーキのお花はどんないろ?
オズとシノアの手元を覗き込む
分けっこしようしよう
違う甘さを分けてもらえたらご満悦
美味しいって幸せっ

モフィンクスとの自撮りあるよ
見てみてとスマホをシノアとオズへ
もふもふで可愛かった~!

オズのなぞなぞの答えに大歓迎と笑って
私はうーんとね…次のおでかけの約束!
叶うなら指切りを共に


ジゼル・スノーデン
リュー(f01051)と一緒に、カフェでまったりだ

頼むお菓子は何にしようか
メニューを広げて、二人で見てみるぞ

何にするか、考えるのも楽しいな。何しろ、メニュー表から華やかだ
なんだろう、ときめく!
わたしは、桃の花のケーキにしようか。あと甘いお茶が飲みたい。何があるだろうか
リューはどうする?いやでなければ、一口ずつ交換しないか?
流石に三つも四つもケーキを食べるのは……まぁ、いけなくもないけれどな

そしてもふもふがいかにもふもふだったかを
彼らの場所に、ピカピカの箱があったことをお話する
開けたら何が入っていたんだろう?最高のモフモフだったりしないかな?
むむ、リューの関節はどうなっているんだ?

アドリブも歓迎


リュー・メトカーフ
ジゼル(f02633)と共に

こう沢山のものがあると、どれにするか迷ってしまうね
おお、それは名案だ。是非とも交換しようじゃあないか
それでは店員さん、桃の花のケーキを二つ──いや、冗談だよ
同じケーキ2個頼んでも交換する意味がないじゃあないか
私はこの桜のタルトにしよう。アールグレイも頂こうか

甘味を味わいながら、ジゼルの話をのんびりと楽しもう
モフモフか、それは私も経験してみたかったな……
だけれどジゼル、君の球体関節に毛が挟まっては事だ、ちゃんと手入れは欠かしてはいけないよ
その点私は球体関節型ではないからね、思う存分モフモフを楽しめるのさ。ふふん。

自由に。アドリブもいい。



●穏やかな時間
 ふわりと、甘い花の香りが踊る。外の冷えた空気とはまるで違う、春を思わせる暖かさに目を細めれば色とりどり、様々な季節の花が目に入った。淡く色づく薔薇に、菫の花園。華やかなダリアの向こうに見えるのは、あれはーー藤だろうか。
「なんつーか、一足どころか二足くれぇ早い花見だな、これ」
 くぅと背を伸ばし、百合根・理嘉はカフェを選ぶ。温室に降り注ぐ光の中、淡い影は花の色をしている。
「んまい……!」
 新作の桜のも、桃のも遠慮なく! と頼んだ理嘉に折角だからと店員は一緒に持ってきた。食べ比べでも、一つずつでも。折角だから感想も教えてくださいね、と笑った店員は、ケーキの提案者なのだという。
「お茶もケーキの美味さ損なわないし、ちゃんと紅茶の美味さも活きてて美味い……」
 知らず綻んだ口元に笑みが浮かぶ。ほう、と落ちた何度目かの息とともに背を預けたソファーの柔らかさにふと、理嘉はあのもふもふたちを思い出す。
『もふー、もふもふ』
「……」
 触り心地がこう、なんというかーー近い。
 思わぬ切なさにかられながらも、すい、と視線を向けた先でメニューが目に入る。持ち帰りは、確か菓子がメインだという話だったが。
「あのさ。ジャム、あるならそっち買いたいんだけども無理かね?」
「お菓子とセットのものはあるんですが……」
「あーそっか」
 じゃぁ、とカフェの店員に確認しながら、さてどれにしようかと理嘉は悩む。新作のケーキ類は流石にお土産にはまだ入ってきていないらしいがーー……。
「じゃぁ、このストライプのやつで」
「カルディナールシュニッテンですね。はい。お包みしますね」

 猫足のテーブルの上、広げられたメニューには新作の文字と、人気の文字が踊る。温室でのひと時をテーマに、中にはバスケットに入って振舞われる菓子もあるという。お出かけの風景、ということだ。艶々の桃に、季節を少し先取りした桜。甘い香りが伝わって来そうなイラストにもふもふなドラゴンーーユルが熱い視線を注いでいた。
「……」
 真剣に悩んでいる様子を見ながら、イルナハ・エイワズは小さく口元を緩めた。
「私の分もいれて、2つ選んでいいですよ」
「!」
 ぴくり、と少しばかり動いた尻尾は隠しきれなかった嬉しさか。
 ユルが二つお菓子を選ぶまでの時間、イルナハはゆっくりとその様子を眺めながら過ごしていた。

 ふかふかのクッション席には花の刺繍が施されていた。柔らかな色彩にこぼす笑みは、出来立てのスコーンの香ばしい香りにわぁああ、と華やぐ。真っ白な小皿には色鮮やかな薔薇のジャム、金色の蜂蜜ーーそれに、とろり、と少しだけ溶けたバターが運ばれて来ていた。
「スコーンって、どうやって食べるのかしら?」
 ひとつ手にとって、チロル・キャンディベルは小さく首を傾げる。
「このままがぶっていっていい? ちがう?」
 両の手で持ったまま、こてりと首を傾げて悩むチロルに、メーアルーナ・レトラントは、ぱ、と顔を上げた。
「がぶっといきたいきもちをがまんして、はんぶんこは? そしたらべつのおあじもたのしめるのです!」
「半分こ!」
 ぱち、と若葉の瞳を瞬いて、チロルはぴん、と耳をたてた。
「ステキね、じゃあチロはバラのジャムぬるの」
「メアははちみつー!」
 さぁ、とろりと甘い蜂蜜を。今日の蜂蜜はみかんの蜂蜜。さくり、と半分にしたスコーンにつけて一口食べれば、ふわり、と甘みが一緒に広がってーー。
「ひゃあ! しあわせ!」
 銀のスプーンでバラのジャムをひとさじ。半分こにしたスコーンに塗って、はふり、とチロルは一口。
「んー! ほくほくおいしいー!」
 薔薇の香りがふわりと抜けて、しっとりふんわりとしたスコーンにチロルは思わず笑みを零した。
「お嬢さん達を見ていると、どちらも美味しそう。私も半分こにして食べようかしら」
 折角のスコーン。折角のジャムと蜂蜜なのだから。口元、笑みを浮かべたシノアに、はふり、と最後の一口を終えて、ジャムの前にカップをとったメーアルーナが、ぱ、と顔をあげる。
「もふぃさんはもふもふでした! ほんとうにもふのもふもふでもふでした!」
「!」
 ぱ、とシノアも顔をあげる。カップをそっと置いたのは冷静でいられる自信がちょっとばかりなかったからか。
「あのね、もふもふだったのよ! ちっちゃなお手てはかわいいし。おひげがあってね、そこがとってももふもふだったの」
「お嬢さんは、手が届いたの?」
 は、と息を飲むシノアにチロルはこくりと頷いた。
「1匹連れて帰りたかったの!」
「そう、そうよね。やっぱり、もふもふは一匹連れて帰りたい……」
 そう、我儘が通るのであれば一匹でなくたって二匹だって三匹だって良いわけで。
 思わず息を落としたシノアに、ぱ、とチロルは顔をあげる。
「あ、でもチロにはソルベがいるからね。ソルベだっておっきくてもふもふなのよ」
「お嬢さんの相棒は、白熊さんなのね」
 ぱち、と瞬いたシノアにチロルは微笑んで頷いた。もふもふ? とそうっと問うシノアに頷いていれば「でも」とメーアルーナの声が上がる。
「メアのひよこしゃんたちもまけてないのです!」
 てや、とソファーから降りたメーアルーナにシノアは首を傾げる。
「お嬢さん?」
「あっ、シノアおねーさまにもしょうかいします!」
 ぴっぴー、とメーアルーナがホイッスルを吹けば、ぴっぴよ、とぴよよよ、と無数のひよこ達が姿を見せーーぱふん、とひよこキングに合体した。
「……ソルベしゃんにももふもふまけないのです!!」
 めらり、と対抗心をみせた幼女の後ろ、ふふん、とひよこキングさんがもふっぷりと、ぷりっぷりの尻尾を揺らす。
「でもソルベしゃんのほうがひよキングしゃんよりおおきい……メアはひよこしゃんたちにかこまれてしょうぶなのです!」
 ぴよー、ぴっぴよー。と力強い鳴き声に後押しされつつ。ひよこしゃんたちの真ん中、ていっと構えたメーアルーナの周り、ひよこさんたちがポフポフしているわけでーー。
「でもメアのひよこさんもステキなの。ちっちゃなもふが集まるのも、みわくてきよね!」
 チロモさわっていいかしら? とそわそわしながら、聞けばメーアルーナはにこりと笑みを見せた。
「ひよこしゃんみんなとあそぶのすき! あそんだけてね!」
「ありがとう。シノアもいっしょに、もふしましょう!」
「ーーえぇ」
 それはもう、感嘆の籠った声であったと。気がついた者がどれだけいたかいなかったか。そうっと触ったところで、ふわふわ、と零したダンピールは抱きつきたい心を必死に抑えていた。

「フレズ。けーきだ。どれにする?」
 満面の笑みで喜ぶ子兎に微笑みかけて、 リル・ルリ(瑠璃迷宮・f10762)はゆらりゆらり、機嫌よく尾鰭を揺らす。メニュー表と睨み合って、最後に決めたのはテーブルいっぱいのケーキにスコーン。
「桜のジュレに桃の花のケーキ、スコーンにはたっぷりのクリームに苺ジャムをのせて! えへへ、ボクとお姉ちゃん達と櫻宵のモチーフなんだぁ」
「随分たくさん食べるんだね」
 好きな人の、とフレズローゼ・クォレクロニカ(夜明けの国のクォレジーナ・f01174)から聞けば、成る程と思う。
「そう、フレズには好きな人がたくさんだ」
「あ、リルくんはクリームね!」
「クリームが僕? 嬉しい」
 ぱち、と瞬いて、零して笑みはリルの零した笑みは柔く。ほっそりとした指先は、淡く残る色彩を辿るようにひとつのお菓子を選んだ。
「僕はこれにする。桜のお菓子、全部」
 桜、櫻は――少し特別なんだ。
「桜好きだよね。……理由は聞かないでおいたげるよ」
 理由を聞かないフレズローゼに微笑んで、ほらほらと、差し出されたイチゴのスコーンを受け取る。ふわり甘い香り。カリカリとした表面に齧り付けば、中はしっとりとふわふわで。
(「これも美味しい」)
 桜と苺とクリームの味。
 ーーふ、と溢れる息の音を聞いた。ん? とフレズローゼは小さく首を傾げれば、くすくすと笑う人魚さんの声がする。
「リルくん?」
「フレズ、ほっぺについてるよ」
「ん!」
 ひょい、と指ですくいとってーーそのまま、リルは指先についていたクリームをペロリと舐めた。
「リルくん……それは天然?」
「?」
 こてり、と小さく首を傾げる人魚さんは、櫻の君が前にそうしてくれた様にした訳で。さらりと流れた髪に、その表情に思わずフレズローゼは呟く。
「……可愛い……」
 星詠みの娘はゆるり、足を揺らして。ふかふかのソファーに身を沈めながら顔を上げた。
「リルくんみたいなお兄ちゃんがいればよかったのにな」
「おにいちゃん」
 ぱち、と瞬いてリルは笑った。
「ふふ、悪くない。僕に家族はいないから、そう呼んでくれてもいいんだよ?」
 囁く様に笑う様に告げた人魚に、さて少女はどう返すのか。
 ふわり甘い花の香りが、小さく揺れる。温室に咲くには色とりどり、季節も様々の花達だった。季節というよりは種類で揃えられているのだろう。指先で花弁に触れ、境・花世(*葬・f11024)は温室の中を歩いていく。
(「わたしもこのひとつになれるかな、」)
 肉も骨もいつか朽ち果てるけど、右目の花だけは残るといい。ひととき目を細めてくれる誰かがいるのならーー。
「それだけでどんなにか」
 知らず、落ちた呟きに花世は息をつく。
「……なんて、まだまだ生きてるけど」
 右目に咲き誇る薄紅。八重咲牡丹。神隠しの性を持つ娘は異界を渡り歩いて来た。今までーーずっと。
「ん? ソファー……」
 辿り着いたソファーに腰掛ければ、体が沈み込む。ふかふかに埋もれて良い気持ちに沈んでいく。遠く、過ぎるのは花弁。何も穢れない。うつくしい色をした花弁の夢が花世を招きーー落とす。
 ーーふかり、と欠伸が浮かぶ。春心地の暖かさの中では、どうしたって溢れてゆくものだ。口元を覆って隠すも、都槻・綾(夜宵の森・f01786)の視界に、眦潤す雫の所為で煌く情景が一段と幻想的で美しい。
「ーーおや?」
 温室の中に然程風は無かった筈だがーー花弁が舞っている。ゆるり、と敷いた笑みひとつ、興に乗ってのんびりと後を追ってゆけば、さくさく、と木々の下生えが足裏に心地よい。足取りは軽やかに温室を歩いてゆけば綾の目に寝心地の良さそうなソファーが見えた。そこに、あの花も。
「……」
 舞う花はひらひらと。寝入る先客に降り注ぐ様に目を開く。童話の中の眠り姫のようだとそう思うのにーー。
「……花葬?」
 口をついた言葉。吐息があるものか、傍に屈んで姫君の頬にかかる花弁に触れる。其の白きかんばせを覗き込めばーーぱち、と先客が目を開く。
「開いた眸もまた、花の彩。誠――馨しい」
 薄紅の花。大輪の似合うそれに綾は吐息を零す様に笑った。
「ん、んん、寝ちゃって、た?」
 ゆらゆらと、夢現に花世は微笑みかける。綺麗、とそう言ってくれたから。
(「わたしも、咲き誇る花のひとつに。きみの世界を彩る何かに。――ああ、本当にそうだったら、いいのになあ」)
 ふわり、はらり、花は舞う。
 温室の一角、バラ園はカフェでのジャムでも使われているバラが咲いているのだという。季節と天気に合わせて。あとはそう、早朝の瞬間、温室で微睡むバラ達の中から最初の花びらだけを摘むのだという。

「こう沢山のものがあると、どれにするか迷ってしまうね」
 リュー・メトカーフ(ヴィユーヴィス・f01051)は、ほう、と息をついた。
「何にするか、考えるのも楽しいな。何しろ、メニュー表から華やかだ。」
 メニューを広げて、二人悩むのだってなんだか楽しいしーーときめくのだ。目を輝かせながらメニュー表を辿りつつ、ジゼル・スノーデンは淡い色彩で彩られた一品を選ぶ。
「わたしは、桃の花のケーキにしようか。あと甘いお茶が飲みたい」
 見れば、ハーブティの他に、ジャムを落とす紅茶もあるらしい。フルーツティーの文字に目が輝く。
「リューはどうする? いやでなければ、一口ずつ交換しないか?」
「おお、それは名案だ。是非とも交換しようじゃあないか」
 それでは定員さん、とリューが声を投げる。
「桃の花のケーキを二つ──」
「流石に三つも四つもケーキを食べるのは……まぁ、いけなくもないけれどな」
 冷静に考えて。ちょっと考えてみていけなくもないかなというか行けちゃう様な気もしたけれど。
「いや、冗談だよ」
 悪戯好きの色を滲ませ、リューは静かに笑った。
「同じケーキ2個頼んでも交換する意味がないじゃあないか。私はこの桜のタルトにしよう。アールグレイも頂こうか」
「承りました」
 微笑ましげに二人のやり取りを見守っていた店員が下がってゆけば、ふわり、甘い香りが踊る。温室の花の香りだろう。ソファー席に身を沈め、ケーキと紅茶がやってくれば、少女二人。どうしたって話は盛り上がるのだ。
 ーーそう、もふもふがいかにもふもふだったか。
「彼らの場所にはピカピカの箱があってな。開けたら何が入っていたんだろう? 最高のモフモフだったりしないかな?」
「モフモフか、それは私も経験してみたかったな……」
 もふ。もふもふ。饒舌に語られるもふもふに少しばかりの興味を惹かれつつ、リューはカップを置いた。
「だけれどジゼル、君の球体関節に毛が挟まっては事だ、ちゃんと手入れは欠かしてはいけないよ」
 海を知らない人形師が、海への憧れを詰めて作った少女人形。それがジゼルだ。
「その点私は球体関節型ではないからね、思う存分モフモフを楽しめるのさ。ふふん」
「むむ、リューの関節はどうなっているんだ?」
 もふが絡まない良い感じの構造なのか。背中の螺子こそ知れど、そこのあたり満喫もふができちゃう感じなのか。少女たちの話はーー続く。

「お花のケーキ、きれい」
 シュネーの目の色を思い出してオズ・ケストナーはこくり、と頷いた。
「ふふ。わたし、きめた。桜にしようっと」
 気分は、大分よくなってきていた。
 皆に会う前に、自分の頬をぺちぺちと叩いて。だいじょうぶ、とそう頷いてきたのだ。
 オズはメーリ・フルメヴァーラとシノアと一緒にカフェでケーキを選んでいた。
「メーリとシノアは?」
「あっ私も桜のがいいな。目移りしちゃうけど~……これっ!」
 てしっとひとつ、メーリが選んだのはオススメの文字が踊るお菓子。
「桜のフィナンシェとマドレーヌ!」
「じゃぁ私は桜のスコーンにしようかしら」
「ならわたしはロールケーキっ」
 ひとくち交換しよう、というオズにメーリもシノアも微笑んで頷いた。
 そうしてふわりやってくるのは甘い香り。ロールケーキの乗ったお皿には櫻の花がジャムで描かれーーメーリの頼んだフィナンシェとマドレーヌも丁度出来立てだ。
「バターの馨りに桜の風味がすごく素敵」
 花の形のお皿に、一緒に乗るのは花びらの砂糖漬け。ほう、とメーリは思わず笑みを零した。
「薔薇のジャムを紅茶に入れたいなあ」
 きっと絶対に美味しいに違いない。
「ロールケーキのお花はどんないろ?」
 オズとシノアの手元を覗き込めば、見えたのはふわり淡い桜の色。春踊る色彩に、わぁと溢れた笑みは二人オズと重なって。みんなで分けっこすれば、違う甘さとの出会いが待っている。
「美味しいって幸せっ」
「うん」
 思わず笑みを零したオズの前、そうだ、とメーリがスマホを取り出した。
「モフィンクスとの自撮りあるよ。見てみて」
「! それは」
「もふもふで可愛かった~!」
 は、と息を飲むシノアの前、そうそう、とオズも頷いた。
「もっふもふのふっかふかだったよ。謎かけしてるときなんてとってもたのしそうでねっ」
 ちいさな手をぴょこぴょこして。
 もふー、と必死にやっては、楽しげにふふんとしてみせるのだから。
「かわいかった」
「ありがとう、二人とも。えぇ、絶対に行く」
 行かなきゃとかじゃぁもうないんだな、と誰が思ったか思わなかったか。
「それと……お嬢さん、良ければその写真、後で送ってもらえないかしら?」
 モフィンクス、と零れ落ちた声に、そうだ、とオズはゆるりと笑みを浮かべた。
「ふたりが今ほしいもの、なーんだっ」
 モフィンクスの謎かけを口にして、オズは悪戯っぽく笑った。
「わたしはもう少しお話したいから、お茶とケーキのおかわり、なんて。どうかな」
「喜んで。私もまだ貴方とお嬢さんとお話がしたいから、ケーキのおかわりを」
「大歓迎。私はうーんとね……」
 シノアと一緒に笑って、メーリは考える。何が良いだろう。何かな、とくるりと考えて辿り着いたのはーー。
「次のおでかけの約束!」
「よろこんで」
 ゆるり微笑んだオズと、ゆびきりの約束を。
 さぁ、次はどこにでかけよう。
 モフィンクスとの冒険を終えて、なぞなぞを通り抜けて。今日も守り抜いた平穏の先で。いつだって冒険は待っている。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年01月29日


挿絵イラスト