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勝利への渇望をその手で創造せよ!

#キマイラフューチャー #戦後

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#キマイラフューチャー
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#戦後


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 歓声沸き立つバトルフィールドに二人の少年が立ち、互いを睨み付けている。片方の少年のすぐ隣には黄金の輝きを放つ竜が存在しており、その巨大な翼をはためかせて対戦相手の少年を威嚇している。
「俺はカードを二枚伏せてターンを終わるぜ! へっ、どうだ? オレの運命札で創造した『ゴールドウィング・シャイニングドラゴン』の恐ろしさは! こいつは互いのターンに場のカードを消費して相手のカードを破棄させる効果を持っている! お前が何を出しても今伏せたカードを消費して何もできなくしてやる! これで勝ちはオレのものだ!」
 自信満々に言いのける少年に対し、悔しそうに表情をゆがめる対戦相手の少年。こちらの少年は手には何も持たず、そばにクリーチャーの姿はない。先ほどのターンに壊滅させられて絶体絶命のピンチというところだ。
「それはどうかな? 僕にはまだこいつが残っている! 僕は運命札を使ってこれから引くカードを新たに創造する! クリエイト……ドロー!」
 少年の言葉に呼応するようにカードが輝くと、刀を引き抜くように、デッキの一番上にあるカードを勢いよく引き抜く。引いたカードを見た少年は満面の笑みを浮かべる。
「このカードは自分の場にカードがない時に引いた場合、無条件で場に出せる! 勝利の道を突き進むエンテーティナー! 出でよ! ファンタスティック・マジシャン! しかもこの方法で場に出たターンだけ相手のカードの効果を受けず、相手クリーチャーとのバトルの間は攻撃力を二倍にする!」
 純白のタキシードに派手なマントを広げた奇術師の男が颯爽と現れ、迸る虹色のエネルギーを黄金の竜に向けて放とうと構える。
「この攻撃で僕の勝ちだ! いっけー! ファンタスティック・マジック!」
「そ、そんな馬鹿なぁぁぁぁぁぁぁ!」
 虹色の光線を受け、黄金の竜とそれを操る少年は耐え切れず敗北する。会場は万雷の喝采に包まれ、逆転勝利を収めた少年を称えていた。

 映像の再生を止め、イライザ・フェブルウズ(この手が届くのなら・f21893)は集まった猟兵たちへと視線を向ける。
「いきなりゲームの動画を見せて申し訳ない。色々と説明するよりも実際に見てもらったほうが早いと判断したんだ」
 イライザが見せた動画は、キマイラフューチャーで最近人気を集めつつあるカードゲーム、その名も『バトルクリーチャーズ』と呼ばれるものだ。プレイヤーは戦士や魔法使い、猛獣や化け物が描かれたクリーチャーとそれらを補助する魔法札と罠札という多種多様なカードでデッキを作り、クリーチャー同士の戦闘や他のカードの効果を使って相手の生命力を0にしたほうが勝ちというゲームだ。
「このゲームは各プレイヤーに対戦中一回だけ動画であったようにカードを生み出すという奇妙なシステムがあってな。それによって生み出されたカードは使用後も残り続ける世界に一枚だけのレアカードとして所持できるんだ」
 状況によって内容が変わり、しかもそれによって勝敗が大きく変わってしまうことから運の要素が強すぎると批判が多いらしいが、動画での盛り上がりを見るにその一発逆転が面白いのだろうと予測できる。
「ピンチであるほど強力なカードが生まれる傾向にあるらしいが、残念ながら私はこう言った遊戯には疎くてね。だが、大きな大会で生まれた世界に一枚だけのカードというのは一部のコレクターには人気の商品みたいでね。目立ちたがりのオブリビオンもこれに目を付けたようだ」
 近くに行われる大会にて決勝戦が行われた後にオブリビオンが襲来し、優勝者の運命札を奪っていくという予知を見たイライザはいくつものアタッシュケースを取り出して猟兵たちの前に並べる。
「ルールブックも参考動画、もちろんゲームに使うカードも大量に用意したので、みんなにはこの大会に参加してもらい、襲来するオブリビオンを撃退してほしい。客席で待っているより選手として会場に入っているほうが防衛もしやすいだろう」
 もちろん参加者であれば運命札を使うこともできるので、異世界から来た猟兵でも問題なく参加できるであろう。なので、大会中は存分に楽しんでほしい、とイライザは言う。
「では参加する猟兵はデッキ構築を始めてくれ。そして完成したものから前に出てくれ」


札付ノワール
 最強決闘者のデュエルはすべて必然! ドローカードさえも決闘者が創造する! どうもリアルで決闘者やってる札付きノワールです。マイフェイバリットはデーモンの召喚。
 ぶっちゃけノリは遊○王です。二章以降は普通の戦闘ですが、一章だけはカードゲーム風に演出します。
 今回は文字数削減のため共闘、アドリブ可なら◎ 共闘のみ可なら○、アドリブのみ可なら△、どちらもNGなら×と各記号をご利用ください。

 プレイングに関してはPOW選択なら圧倒的パワーで敵を打ち倒すことを重視したデッキ。SPD選択なら弱いステータスだけど展開力のあるのデッキ、WIZ選択なら魔法や罠主体のデッキ、という形で描写します。
 ぶっちゃけロックやバーンデッキは面白く書ける気がしませんのでご了承ください。
 そして運命札の内容も切り札発動の口上も、文字数の許す限りどんどん書いちゃってください!書ききれない場合はこっちでいい感じに考えます。
 それと共闘で参加を予定されている方々は、タッグ戦ではなく共闘者同士で対戦するという形でご了承願います。なのでできれば偶数人での参加をお願いしたいです。
 注文ばかりで大変申し訳ありませんが、MSになってからやってみたかったことなので今回は許してください!
 それでは皆さんの熱いプレイングをお待ちしております!
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第1章 日常 『おれはこのかーどをえらぶぜ!』

POW   :    直感真剣勝負!細かいことはいらねぇ!ノーガードで攻めるぜ!

SPD   :    相手の顔色を伺い隙を見破るぞ。フェイントに見せかけて攻撃だ

WIZ   :    熟考こそ全て。確率から導きだす、自分への信頼!

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 四苦八苦しながらも己のデッキを構築した猟兵たち。どこか気恥しそうに、でも楽しそうに大会への受付を済ませていく。この後にオブリビオンの襲来があるのはわかっているが、今はただ、このカードゲームを純粋に楽しもうではないか。
佐和足・妹子
◎デッキ傾向おまかせ

……相手の場には強力なクリーチャー。
私の場の「鋭角獣アンジュ」の効果でバトルを回避できましたが、次の私のターンでなんとかしなきゃ……。

……はっ、デッキの一番上が輝いてる!ポチさん、そこにいるんですね……私に力を貸してください!
運命札を使い、クリエイト……ドロー!

私は領域魔法札「螺旋都市ダロス」の効果発動。隔離されている札の中から、鋭角獣クリーチャーを効果を無効にして可能な限り特殊召喚します!
そして、場の3体の鋭角獣クリーチャーを素材として吸収し、クリエイト召喚!

不浄なる角度より生まれし魔の猟犬よ!時空を飛び超え標的を穿て!
現れよ!「鋭角魔獣トライポチべロス」!



 大きな歓声に空気が震える。これから行われる闘いのスタジアムにはすでに二人の選手が立っていた。片や自信満々といった顔をした鍛え上げた筋肉を持つ巨漢の男。相対するのは金髪のセミロングで学生服を身に着けた気の弱そうな少女、佐和足・妹子(人間のUDCエージェント・f14599)だ。妹子は自信なさげに組み上げたデッキを見る。
 その不安のなさを、相手の男は見抜いており、気持ちの上ですでに自分は優位に立っていると確信する。ニヤリと口元を歪め、簡単に勝利が得られると余裕の表情だ。
「それではバトルを始めます……両者、デッキのセットを確認! それでは……バトル開始ぃぃぃぃぃ!!!」
 審判のサングラスをかけた黒スーツの男が高らかに宣言する。二人がデッキを置いた筐体には先攻は対戦相手の男であることを示していた。
 ゲームの内容は見た目に違わぬパワーでゴリ押しする男に妹子がギリギリのところで防ぐという一方的な展開であった。そして男は止めを刺すために運命札を先に使ったのだ。
「俺は『超絶進化』を発動!場手札のカードを全て破棄して、デッキから好きなクリーチャーを無条件で場に出すぜ! 来い! 俺の最強クリーチャー、キングジェノサイドレックス!」
 そこには体中にこれでもかと強力な兵器で武装したティラノサウルスが立っていた。このクリーチャーは場に出すだけでも多くの代償が必要だが、運命札によってその代償を踏み倒すことでいともたやすく降臨したのだ。
「レックスの効果発動! 自分の攻撃を放棄する代わりに、こいつはデッキの恐竜クリーチャーを2枚まで弾丸にして、その攻撃力分のダメージを与える! 今捨てた二枚のダメージが通れば俺の勝ちだ!」
 男がカードを捨てるとレックスの体が光が迸り、装備した兵器のすべてを同時に発射する。これで勝負は決まったと誰もが思っていた――妹子以外は!
「私の手札が三枚以上の奇数の時に相手がクリーチャー効果を使った時、手札の鋭角獣アンジュを場に出して、このターンに受けるダメージを全て半分にします!」
 全身を鋭角で構成された自然界ではありえない形態の獣が飛び出して、放たれた攻撃を防いでいく。だが、そのすべてを捌き切れずに妹子に抑えきれなかった破壊の暴風が叩きつけられる。
「ほう、まさかしのぐとは思わなかったが、まだ終わっていない! レックスの第二の効果! 相手の場のクリーチャーを指定し、そいつと同じ名前のクリーチャーをデッキと手札からすべて隔離領域へ幽閉する! これでターン終了だ!」
 レックスの膝部分からアンカーが飛び出して妹子のデッキに突き刺さり、鋭角獣アンジュを再利用が最も難しい隔離領域へと押し込んでしまう。なお、このゲーム、同じ名前のは三枚まで入れて良いことになっている。
「あんな強力なクリーチャーがいたんじゃ、時間稼ぎできそうにないですね……。このターンで何とかしないと……」
 だが目前に迫った敗北に妹子の指先が震える。このカードが状況を打破できるものでなかったらという不安で動けないのだ。しかし、手にしたカードが突如光を放ち始める。それはどこかうすら寒い蒼い輝き。だが、それこそが自身の相棒からのエールなのだと妹子は確信する。
「ポチさん、そこにいるんですね……私に力を貸してください!  運命札を使い、クリエイト……ドロー!」
 そして妹子は引いたばかりのカードを場に出す。それは場を書き換え、自分に有利な場を造り上げる領域魔法札の発動であった。
「私は領域魔法札『螺旋都市ダロス』の効果発動。隔離されている札の中から、鋭角獣クリーチャーを効果を無効にして可能な限り特殊召喚します! そして、場の三体の鋭角獣クリーチャーを素材として吸収し、クリエイト召喚!」
 先ほどレックスに隔離されたアンジュが場に戻り、その三体が空へと駆け出して一つの光となって混ざり合い、大きな爆発を生む。
「不浄なる角度より生まれし魔の猟犬よ! 時空を飛び超え標的を穿て!  現れよ!『鋭角魔獣トライポチべロス』!」
 そこには三つ首の悍ましくも強大な狼が立っていた。その異様さに男も一歩後ずさる。
「トライポチベロスの効果発動! このクリーチャーは名前が同じクリーチャーだけを素材にして場に出した場合、相手クリーチャーを捕食してその攻撃力を自分に加えます!」
 男の顔が絶望に染まる。それは敗北のショックか、それとも目の前でエースクリーチャーをぼりぼりと咀嚼する悍ましい化け物への恐怖か。
「直接攻撃です! あなたを護るカードは全部あなた自身が破棄しました!」
「ぐぉおおおおおおおおおお!?」
 生命力をすべて失い、男は倒れ伏す。もちろんゲームなので命に別状はない。
「ポチさん、ありがとうございます。おかげで勝てましたよ!」
 開始時の不安な顔はすっかり消え、大逆転勝利を収めた妹子は一礼をしてスタジアムから去っていくのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

紅葉・智華

口調:素
方針:SPD

「こういうのってテンション上がるのはオタク故かな……!」
低ステータスなクリーチャー(ナントカガジェット的な)を召喚して場を整え、魔法や罠で凌ぎながら、好機を窺う――けど、相手が切り札を召喚すれば、分が悪い。いずれ限界が来る。
「その為の運命札! クリエイトドロー!」
場を整える為の手札はある。よって、まずはクリーチャーを可能な限り揃える。
「このカードは、私の場の全クリーチャーを素材として召喚する! そしてその攻撃力は素材としたクリーチャーの攻撃力の合計となる! その黒い翼で全てを焼き尽くせ! 来い『玄翼猛禽(ダークラプター)※』!」
※某米国戦闘機風の形状・黒に赤のワンポイト



 紅葉・智華(紅眼の射手/自称・全サ連風紀委員・f07893)は震えていた。大会への緊張ではなく、勝利への不安でもない。彼女は短く黒い前髪をかき上げ、ずれた眼鏡を元の位置に戻す。その顔は複雑ながらも笑みを浮かべていた。
「こういうのってテンション上がるのはオタク故かな……!」
 智華はマンガやアニメで似たような状況を夢見たオタクだ。嬉しくないわけがない。むしろテンション爆上がりである。
「バトル開始ぃぃぃぃぃ!!!」
 審判の声で我に返った智華は自分が先攻であることに気づいて、手札から一枚のクリーチャーを出す。
「私は『ハグルマン・ブルー』を場に出して効果発動! デッキから『ハグルマン・ブラック』を手札に加えて、更に永続魔法札『ハグルマンファクトリー』を発動! こいつはハグルマンが破棄されたとき、デッキから破棄されたカードとは違う名前のハグルマンを手札に加える効果を持ってるよ。更にカードを二枚伏せて私のターンはここまで!」
 そこで対戦相手の黒縁メガネをかけた男の眉がピクリと動く。カードを出しておきながら手札を減らさないカードを使う。しかも場に残り続ける永続魔法札で後続を絶対に切らさない動き。間違いない、相手は初心者ではないと確信し、気を引き締めていた。
「どうやら一筋縄では行きそうにないね。でも勝つのは僕だ!」
 メガネの男も低ステータスながらも展開力に優れたデッキで、智華以上に多くのカードを展開していく。小回りの利く小型クリーチャーを素材に大型を呼び込む。それが彼のスタイルであった。気が付けば彼の場には美しい天使の羽を持ったクリーチャーは三体も並んでいた。
「僕は場のクリーチャーたちで攻撃だ!」
「おっと! そう簡単には通さないよ! 伏せた罠札を発動! 迅雷のサンダーバリア! 攻撃状態のクリーチャーをすべて破棄してその数に応じてダメージを与えるよ!」
「くっ! 『盾持ちの天使』はカードの効果では破棄されない! そして一番攻撃力の高い『四大天使ガブーリュ』は手札の『守護の天使』を捨てて破棄を無効! これで破棄されるのは一枚だけだ!」
 予想外に残った天使の攻撃を受け、智華はその衝撃で大きく後退する。だが、ファクトリーの効果でしっかりと後続は確保する。一見するとこの攻防でメガネの男が優位となったように見えるが、手札の多さと展開力で智華はこの不利な状況からほぼ五分の状態まで持って行ったのである。
「ハグルマンとファクトリーのコンボが厄介すぎる……だが、このままならデッキのハグルマンはそろそろ尽きる筈。あとは機を待って運命札で叩き伏せる! ターンを終了だ!」
 彼の睨んだ通り、デッキ内のハグルマンの数に限界が近い事、相手がまだ運命札を温存している事、今の手札で勝利を決める火力がない事を智華はすべて理解していた。だけど、相手が次のターンこそ止めを刺そうとしているこの間隙こそ、勝利を掴む絶好の機会であると言うことも理解していた。
「その為の運命札! クリエイトドロー!」
 引いたカードを見て、智華は笑みを浮かべる。勝利を決めるのに十分なクリーチャーだ。ならばあとは場を整えるだけだ。
「私はファクトリーの二つ目の効果を発動! 自身を破棄して、手札のハグルマンを三体まで硬貨を無効にして場に出す!」
 工場が崩壊するほどの過剰な稼働で、今まで智華を支えていたカードが消えていく。だが、その結果、既にいたハグルマンと合わせて計四体のハグルマンが場に揃う。なお、場に出せるクリーチャーは五体までだぞ!
「更に私は最後のハグルマン・ブルーを場に出す! デッキにはもうブラックはいないので効果は使わない! そして……このカードは、私の場の全クリーチャーを素材として召喚する!」
 五体のハグルマンたちは空へ飛んでいき、消えていく。すると空の彼方より黒い影のようなものが飛んでくる。それは漆黒の戦闘機だったが、その姿はあまりの速さに観客はおろか対戦相手の男にすら辛うじて赤いワンポイントのエンブレムが描かれているのが見える程度だ
「その黒い翼で全てを焼き尽くせ! 来い『玄翼猛禽(ダークラプター)』! このカードの攻撃力は素材としたクリーチャーの攻撃力の合計となる!」
「なにぃ!?」
 一つ一つは小さな歯車たちだ。だが小さくとも数が合わされば強大な天使を乗り越え、その主を焼き尽くすこともできる。小さな歯車たちが強大な敵を打ち滅ぼしたのだ。
「伏せているカードでは防御しきれない!? う、うわぁぁぁぁぁ!」
いくつもの爆弾とミサイルを撃ち込まれた男の生命力は尽き、智華は勝利を得る。そして満足げな笑顔を浮かべ、祝福する観客たちへ手を振るのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

涼風・穹


俺のデッキは龍デッキ
イメージとしては青い眼の龍が実は過去生の嫁だった社長や元キングみたいにモンスターの攻撃力で押していくようなタイプ

この期に及んでまだ攻めるつもりがないのか…!

壁モンスターだろうと俺の青眼の攻撃力の前では…くっ…!
またカード破壊効果か

白龍を特殊召喚…そこで罠か…ターンエンド…

俺はこのカードで墓地の白龍三体を除外
そして究極のドラゴンを召喚する!
そこで俺はカウンター罠発動!同じ手は二度も通用しない!

確かに俺の手札はゼロ、伏せカードも無い…だが!フィールドには最強のドラゴンがいる
貴方が勝ち誇るにはまだ早い!ドロー!
魔法カード発動!その効果により三回攻撃する!
全てを打ち砕く!破ーっ!



「くっ……押し切れない」
 苦虫を噛み潰したように苦悶の表情を浮かべている青髪と額に巻いた真紅のバンダナが目を惹く青年、涼風・穹(人間の探索者・f02404)は対戦相手を恨みがましく睨む。そんな相手は嫌らしい笑みを浮かべ、挑発するように穹を煽り立てる。
「くひっ、攻撃力だけでゴリ押す龍デッキなんて、いくらでも対策はとれるんだよ! 精々無駄な努力を続けるんだなぁ!」
「まだだ! 俺の場に残っている青眼飛竜で、そちらのクリーチャーに攻撃!」
 その名が示すように美しい青き目を持った飛竜が口から炎を噴き出すも、相手は余裕の表情のままで、伏せていた罠札を公開する。
「罠札『スパイダーマイン』発動! 自分の昆虫クリーチャーを道連れに相手クリーチャーを破棄! 更に豪華特典として相手のデッキの上からカードを五枚削るぜぇ!」
「またカード破棄効果か……しかもデッキの数がまた減っていく」
 相手のデッキは昆虫クリーチャーを主体にしたデッキではあるが、それ以上に厄介なのがこの豊富な効果破棄とデッキ削りだ。デッキがなくなり、ドローできなかった場合は自動で敗北となる。相手は守りを固め、こうやってデッキ自体を攻めていたのだ。
「だが、お前が墓場にカードを送ってくれたことでできることもある! 俺はターン終了! そしてこのターンに墓場へ送られた『白龍の光石』の効果を発動! こいつが墓場に行ったターンの終わりに、デッキか墓場からこいつを呼ぶことができる!」
 墓場ゾーンのカードが輝き、そこから眩く光る美しい白色の鱗を持った龍が現れると、大きな翼を広げて会場を震わせるほどの咆哮をあげた。
「こいつが俺の魂のカード! その名も『光輝白龍』だ!」
 その威容、輝き、力強さ、そのすべてが最高峰と言われる高レアカードの登場に会場がざわめき出す。だが、相手の表情は揺るがないどころか、さらに邪悪な笑みを浮かべている。
「ジャンジャジャーン! ここで衝撃の真実ぅ! まだ俺の場にはクリーチャー破棄のカードがあるんだぜぇ! 罠札発動! 『土砂崩れ』! 相手が一定以上の攻撃力を持つクリーチャーを場に出した時に、そいつを破棄! さらにさらにぃ! その攻撃力に応じて最大十枚までデッキを削るぜぇ! 高い攻撃力が仇になったなぁ!」
 消えていく白き龍と削られていく自分の未来。場のカードは消え、手札も消費しきってしまい、もはや穹にできることは何もなくなっていた。
「……ターンエンド」
「いいねぇ、その顔。希望が絶望に変わる瞬間を見るのが一番気持ちいいぜぇ! だが手は緩めねぇ! 運命札を使ってクリエイトドローだ!」
 有利な状況で、運命札を使っても強力なカードは創造されにくい。だが、現状で絶対に使えないカードにはならないという最低保証があり、こういう状況で使う者も一定数はいるのだ。
「俺は最初のターンから残していた『貪り食う白アリ』の効果を発動だ! こいつが場に居続けたターンの数まで相手のデッキを削る! すでにこいつは五ターンも居たからな、また五枚削るぜ! そしてこいつで止めだ! 『エフェクトリターン』! 白アリの効果をもう一度使用できる!」
 合計十枚のカードがデッキに送られようとして穹の手が止まる。遂にデッキのカードが尽きたのだ。最早、場と手札だけではない。相手がターン終了と宣言するだけで同時に自分が敗北するということを理解してしまう。
「さぁ、お前のターンだぜ? カードを引けよ」
 だがそこで穹は気づく。あと一枚だけ。たった一枚だけだがデッキになくても引くカードがあるということを。
「そうだ、これがあった! 運命札を使用! これでデッキのカードが今創造した一枚だけ増える! クリエイト……ドロー!」
(そこまでは予測済みさ。こっちの場にはまだ二枚目の『スパイダーマイン』がある。白アリを道連れにどんなクリーチャーでも破棄してやるよ!)
「俺は『帰還の宝札』を発動! 墓場にあるカードから魔法札と罠札を一枚ずつ選んで場に伏せる! 本来罠札は伏せたターンには使えないが、例外的にこのターンでも発動できる! そして伏せた魔法札はすぐに発動できるぜ! 『究極の呼び声』を発動! 俺は墓場から光輝白龍を三枚隔離して俺のデッキ最強の龍を召喚する!」
 突然空から雷が落ちてくる。その衝撃と輝きにすべての人は目を伏せる。そして光が収まるとそこには三つの首を生やしたより強大な体躯の光輝白龍――『光輝白龍―極天』が存在していた。
「『光輝白龍―極天』の攻撃だぜ! こいつは三回まで攻撃できる! これが全部通れば俺の勝ちだ!」
「ざーんねんでした! 『スパイダーマイン』を発動! 究極だか何だか知らねぇこれで――」
「罠札発動! 『白龍の威容』! 俺の場に『光輝白龍』の名前を持つクリーチャーがいる場合、相手のカード効果を無効にして破棄する! 同じ手は二度も通用しない!」
 その反撃に演技でも何でもない、心からの絶望に顔を歪ませる。もう自分を護るものは何もないのだ。
「全てを打ち砕く! 破ーっ!」
「そ、そんな馬鹿なぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
 光の波動の中へ消えていき、生命力のすべてを奪われる。これ以上ない大逆転勝利に会場は沸きに沸いて穹を讃え、祝福するのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

鈴木・志乃
◎WIZ
知り合いが他のカードゲーム楽しそうにやってるから、つい私もやりたくて来ちゃったよ……
しっかし初心者プレイ動画は配信には載せられないかな……後でSNSで発言だけして反応様子見するかどうか……

神族クリーチャーで固めた神族デッキで勝負
魔法と罠、特殊効果の多さが特徴だけど、強いクリーチャーは召喚条件が結構重い
除外やら破棄やらされて盤面はボロボロだけど、絶対に諦めない!

クリエイトドロー!
このカードは墓地に【イザナミ】と付くカードがある時特殊召喚出来る!
降臨せよ【和合の神 ククリヒメ】!

ククリヒメの召喚時効果発動
ライフを支払い相手の場のクリーチャーを隔離領域に除外だっ!



「知り合いが他のカードゲーム楽しそうにやってるから、つい私もやりたくて来ちゃったよ……」
 渋々と言った風に言ってはいるが、どこか楽しげにデッキを用意し、筐体にセットしているのは黒帽子に黒スーツを着こなす男装の少女、鈴木・志乃(ブラック・f12101)だ。
 故郷では配信者『ブラック』という名で動画の配信などを行っているが、さすがに初心者のプレイングを放送してしまえば経験者から何を言われるかわからない。逆にその初々しさに注目が集まるかもしれないという可能性もあるので、志乃は後にSNSで発言だけしてその反応によって動画化するか検討しよう、と決める。
「バトル開始ぃぃぃぃぃ!!!」
 高らかに響く審判の声を聴き、志乃はデッキからカードを引く。先攻はこちらだ。だが出せるクリーチャーがいない。不満げな表情を浮かべ、志乃はカードを二枚伏せて終わった。
「その様子。明らかな手札事故! これなら勝利は私で間違いないねぇ!」
 白衣を着た青年のよく分からない挑発に、志乃はピクリと眉を動かす。
「へぇ、運の要素が強いこのゲームでそこまで言うとは……精々魅せてほしいものだね」
「私は『フレーム・ロボ』を出して効果を発動! 自身を破棄して、デッキからこのクリーチャーを場に出す! 『パワーフレーム・ロボ』!」
 巨大な人型ロボが場に現れると会場が沸き立つ。やはり見た目の派手なクリーチャーは出るだけで注目を浴びるのだ。だが、そんな威容に見惚れず志乃は冷静にカードを発動していた。
「私は罠札『神産みの儀式』を発動! 相手がクリーチャーを効果で場に出した時、私もデッキから神クリーチャーを出すための条件を無視して場に出す! キミの出番だ! 『創造の神 イザナミ』! そしてイザナミが場に出たのもう一枚の罠札『国産みの儀式』を発動! 私の場にイザナミが出た時、デッキの『創造の神 イザナギ』も同じく条件を無視して場に出す!」
 本来は場に出すだけでもかなりの代償を要求する最上級の神クリーチャーであったが、うまく作戦がかみ合ったことに志乃は内心笑みを浮かべる。
 神々しい輝きを放つ男女の神の姿に、白衣の男は思わず一歩下がる。しかし、よくよく見れば攻撃力はこちらが勝っていることに気づき冷静さを取り戻す。
「ふ、ふん! 見掛け倒しだね! パワーフレーム・ロボで攻撃力の低いイザナミに攻撃だ!」
 巨大な体を持つ機械の巨人が、女神を叩きつぶす。そのダメージは激しい風となって志乃を襲うが、突然場にいたイザナギが怒りの表情を浮かべる。
「やってしまったね。妻であるイザナミが破棄されたのでイザナギの効果を発動! デッキから『十束の剣』を装備する! これでイザナギの攻撃力は大幅上昇だ!」
「ならばフレームチェンジだ! フレーム・ロボは状況によってその形態を変える! パワーフレーム・ロボを破棄してデッキから『ジェノサイドフレーム・ロボ』を場に出すよ! こいつはこのターン中、私が相手のカードを破棄していた場合、相手のカードを一枚破棄できる! イザナギも破棄だ!」
 怒りに震える創造神も、最新技術の粋を集めた兵器の前には為す術もなく、その怒りを開放できずに破棄されてしまう。
「くっ、イザナギの最後の効果! 自分が破棄されたとき、デッキから『三貴子』と名のついたカード一枚を手札に加える。私は『三貴子―スサノオ』を手札に加える!」
 一時的に盛り返したと思えば、臨機応変な対応で結局場のカードはすべて消えてしまう。これはさすがに厳しいなぁと思っていた志乃であったが、このまま見せ場もなく敗北することは動画配信者のプライドが許さない。先ほどの攻撃でそれなり以上のダメージを負ったが、まだ挽回の手は残されている。
「今の手札ではどうしようもない……でも絶対に諦めない! ならばクリエイトドロー!」
 輝きと共に手にした勝利への一枚を見て、志乃は笑みを浮かべる。これならいける。そう思わせるカードが想像されたのだ。
「このカードは墓地に【イザナミ】と付くカードがある時に場へ出せる!  降臨せよ【和合の神 ククリヒメ】!」
 そこには新たな女神が舞い降りて、天に向かって何かを囁き始める。
「ククリヒメの召喚時効果発動! 生命力を支払い相手の場のクリーチャーを隔離領域に幽閉だっ!」
「な、なんとー!? し、しかしククリヒメの攻撃力だけでは私の生命力は尽きない!」
「それはどうかな? 私は場と墓場から神クリーチャーを三種類以上幽閉して魔法札『三貴子降臨の儀式』を発動! 手札の『三貴子』と名のついたクリーチャーを三種類場に出す! 出番だよ! 『三貴子―アマテラス』『三貴子―ツクヨミ』『三貴子―スサノオ』!」
 その威容、美しさ、神々しさ、すべてが現実離れした三柱の存在に誰もが息を飲んでいた。だが表情を変え、笑みを浮かべているのは志乃ただ一人だけだ。
「中々の逆転劇じゃないかな? すべてのクリーチャーで攻撃!」
 闘いの決着がついた後でも、しばらくの間は静寂が広がっていたが、次第に拍手が出始めて志乃の勝利を祝福したのであった。
 これかなら動画にしてもいいかもしれないなぁ、と考えながら志乃は控室へ戻っていくのであった

成功 🔵​🔵​🔴​

中村・裕美

「本当は裕美の方がこういうのは得意なのでしょうけど、凝り性が災いしましたわね」
本人格の裕美は魔法デッキが間に合わなかったようなので、副人格のシルヴァーナが展開力メインのデッキで出ることに。
「それでは、よろしくお願いいたしますわ」
お嬢様然としてデュエルに望む
基本はクリーチャーを大量に展開し、攻撃力の不足は魔法カードや装備カードで埋めてゆくが、いずれは戦力が追いつかれるかも

クリエイト・ドロー!
『終わらぬ復讐の刃』このクリーチャーは装備カードとしても扱える。装備された場合、墓地のクリーチャーカードの分だけ攻撃力が上がる。装備したクリーチャーがフィールドから離れたら、再びクリーチャーとして残る



「このカード入れたら全体のバランスが……でもドロソはこれ以上割けないし、除去も削れない……んんん!」
 闘技場から名前を呼ぶ声が聞こえる。それは今この段階になってもデッキ構築が終わらない瓶底メガネをかけた黒髪の少女、中村・裕美(捻じくれクラッカー・f01705)を呼んでいた。
 ふと、裕美が立ち上がると先ほどまでいじっていたデッキとは別の既に完成していたデッキを手に闘技場へと歩を進めていた。その姿は濡れ烏の様な黒髪から、眩い白銀の髪へと変わっており、外したメガネの下には血のように赤い瞳が煌めいていた。
「本当は裕美の方がこういうのは得意なのでしょうけど、凝り性が災いしましたわね」
 複数の人格を持つ裕美に代わって出てきたのはシルヴァーナと呼ばれる人格だ。彼女は既にデッキを組み上げており、不戦敗になるくらいならとこうやって代わってきたのだ。
 遅くなったことを謝りながら、シルヴァーナがデッキを筐体に置き、闘いが始まる。相手は初手から高い攻撃力のクリーチャーを場に出して得意げにターンを渡す。
「それではわたくしのターン! わたくしは『殺戮機兵―前衛』を場に出して効果発動! デッキから殺戮機兵―前衛を場に出しますわ! そして魔法札『殺戮陣形―血染』を発動! このターン攻撃できない代わりに殺戮機兵が持つ攻撃力の合計以下のクリーチャーを破棄しますわ! カードを伏せて終了でしてよ!」
 強そうには見えない細い体の機兵がコンビネーションを駆使して巨大クリーチャーを斬り裂いていく。これは相手も衝撃を受けただろうと思っていたが、意外にも余裕の表情だ。
「オイラのターン! さっきは破棄してくれてありがとよ! 墓場の『ネクロジェネラル』の効果発動! こいつが効果で破棄された次のオイラのターンに復活して、デッキから『ネクロファイター』を場に出す! こいつも破棄されたら復活するぜ! これがオイラの『不滅のネクロデッキ』だ!」
 自ら『不滅』を謳うだけあって、相手のデッキは粘り強く、様々なタイミングで復活するネクロクリーチャーが非常に厄介であった。対するシルヴァーナも展開力に自信のあるデッキを用意しただけあり、相手の勢いに押されることもなく拮抗状態で互いに少しずつ生命力を削っていく展開になっていった。
「ここまでオイラに引き下がったやつはそんなにいなかったぜ……だが、ここで決める! クリエイトドロー!」
 相手は手にしたカードを確認するとすぐに場に出す。それは場を書き換える領域魔法札の演出であった。
「オイラは領域魔法札『不滅の都ネクロシティ』を発動! まず初同時にデッキのクリーチャー一枚を墓場に送る! そして墓場から復活したクリーチャーの攻撃力を大きく上げるぜ! 更にオイラは魔法札『ネクロリボーン』を発動してさっき墓場に送ったこいつを復活させる! こいつがオイラ最強のクリーチャー『不滅邪竜―ネクロドラグーン』だ!」
 腐敗した肉とそこかしこから見える骨が、非常に悍ましい暗黒の竜が現れる。これには会場からも悲鳴が飛び交っていた。
「ドラグーンの効果発動! 墓場から復活したとき、相手クリーチャーをすべて破棄する!」
 展開していた機兵たちが消えていく。場は完全にがら空きとなり非常に危険な状態だ。
「これで終わりだ! ネクロドラグーンの直接攻撃!」
 ドラグーンの毒々しいブレスが迫ってくる。しかし、そんなシルヴァーナの前に突然機兵が現れる。
「そうは参りません! 手札の『殺戮機兵―囮部隊』の効果を発動! 相手クリーチャーが攻撃したときに場へ出してこのクリーチャーと強制戦闘を行わせます!」
「やりきれなかったか……ターンエンド!」
 ギリギリのところで踏みとどまり一安心のシルヴァーナ。しかし、このターンでどうにかしなければ敗北は必至である。
「ならばここが使いどころでしょう……クリエイトドロー! これは……」
 やれる。そう確信を持てるほどに強力なカードを引いたのだ。
「わたくしは『殺戮機兵―特攻隊』を場に出して『終らぬ復讐の刃』を特攻隊に装備! このカードはクリーチャーでありながら装備魔法札のように装備が可能ですわ! その効果は墓場のクリーチャーの数だけ攻撃力を上昇させる!」
 特攻隊の攻撃力は大幅に上がるがそれでもドラグーンには及ばない。だがシルヴァーナはあえて攻撃を指示すると返り討ちに合う特攻隊はドラグーンの体に爆弾を巻き付けて爆破する。
「特攻隊の効果発動! 自分からの攻撃で破棄されたとき、相手クリーチャーを破棄します!」
「だ、だが次のターンにまた復活すれば――」
「いいえ、あなたに次のターンはありません。装備状態の復讐の刃は破棄されたときにクリーチャーとして蘇り、装備魔法札の時と同じ効果で攻撃力を上昇させます!」
「なに!? その攻撃力じゃ、オイラが耐え切れない!」
「これにて終幕にございます!」
 墓場から一振りの刃が飛び出してネクロナイトを貫いてその先の対戦相手の残った生命力も奪っていく。これにて勝負あり。シルヴァーナはほっと一息ついて残りは裕美に任せようと心に決めたのであった。
 猟兵たちの普段は見られない姿と白熱した闘いに会場は大いに盛り上がっている。このまま平穏に終わればいいのだが、そうでないことを猟兵たちは理解し、本当の戦いの準備も進めていくのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 集団戦 『紫御殿』

POW   :    仮面合身の術でござる!
無機物と合体し、自身の身長の2倍のロボに変形する。特に【男子がカッコいいと思うもの】と合体した時に最大の効果を発揮する。
SPD   :    仮面手裏剣の術でござる!
【懐】から【自動追尾する真っ白な仮面】を放ち、【相手の視界を塞ぐこと】により対象の動きを一時的に封じる。
WIZ   :    仮面狼群の術でござる!
【仮面を被った狼の群れを召喚、爪や牙】が命中した対象を切断する。

イラスト:りょうま

👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 プレイングは幕間公開後にお願いします。
 公開予定3月12日。
 猟兵たちが出場したカードゲーム大会は大盛況のうちに幕を落とす。優勝者は長年このゲームを続けていた一般の住人であり。猟兵たちとの経験の差を見せつけての優勝となった。
 そんな大会の様子を観客席で見ていた怪しい集団がいた。一部が薄緑色に変色した紫の髪に忍び装束更に白い仮面。周囲の観客はそんな彼女ら――紫御殿をクリーチャーのコスプレかな? と生温かい目で見ていたのには気づいていないようだ。
「くっくっくっ。世界でも有力なプレイヤーの生み出した運命札。それを手に入れればさぞや高く売れるでござるな」
「猟兵たちもいるようだが、まさか観客の中に我らのような影に潜む者がいるとは思うまいて」
 ぶっちゃけ周囲から完全に浮いているのに気づいていないのは彼女たちだけであり、猟兵たちも変な動きがあればすぐに対応できるように気を配っている。
「では行くとしよう! 出陣でござる!」
 観客席から飛び出す紫色の忍び集団。ふざけた集団ではあるが、放置はできない。彼女らからレアカードを守り、この大会を平穏に終わらせられるのは猟兵たちの尽力が必要だ。
 猟兵たちよ、カードの次は己の武力を手に、リアルバトルにて驚く観客たちを沸かせ、安心させてくれ。
紅葉・智華


(ギリギリまで対戦中)「――全く、純粋に楽しんでいたのにコレか。いや、知ってたケドさぁ」
何かの間違いで、オブリビオンが来なければそのまま楽しもうかと思っていたけど。念の為【選択UC】(盾受け、カウンター、属性攻撃)を展開して構えていたけども。
「(眼鏡を外しながら)――そんな事をされたら、プレイヤーから猟兵になるしかないでありますよ」
壁による反撃は、攻撃主を【追跡】して電流で攻撃する優れもの。その情報を参考に、アサルトウェポン『刹那』(2回攻撃)や[K']Sirius(鎧無視攻撃)で狙い撃つ(スナイパー)。
「――とっとと逝くがいいでありますよ!」



 紫御殿達が動き始めたのは表彰式が終わり、スタジアム内であれば誰とでもフリー対戦ができるようになったタイミングである。混雑時に行動を起こすという見識は間違ってはいない。ただ、彼女らは忍びを名乗っておきながら、圧倒的に目立っていたのだ。
「――全く、純粋に楽しんでいたのにコレか。いや、知ってたケドさぁ」
 グリモア猟兵の予知が間違っており、実はここにオブリビオンは現れないのではないかと淡い期待を抱いていた短い黒髪にアンダーリムの眼鏡をかけた少女は、赤いラインの入った漆黒のワンピース型の軍服を着たままフリー対戦を楽しんでいたようで、心底いやそうな表情で紫御殿達を睨みつける。
 そんな軍服の少女――紅葉・智華(紅眼の射手/自称・全サ連風紀委員・f07893)を確認した紫御殿達は、智華からも運命札を奪わんと襲い掛かる。
「忍法仮面狼群の術! さぁ我が眷属たちよ、にっくき猟兵から運命札を――」
 奪って来い。そう言いかけた紫偽電であったが、自身の呼び出した仮面をつけた狼の群れは
 智華へ爪や牙を突き立てようとすると、突然発生した電流によってその体を焼き焦がされていく。
「――そんな事をされたら、プレイヤーから猟兵になるしかないでありますよ」
 眼鏡を外すと、スイッチを切り替えたようにその表情は険しいものへと変わる。口調も軍人口調になり、これが彼女なりの戦闘時における心の切り替えだ。
「まさか我々の襲撃を予見していたとは……まるで未来を見通あびゃびゃびゃびゃびゃ!?」
 言葉を遮るように紫御殿達の体に電流が走る。これは先ほど仮面の狼の体を焼き焦がしたものと同質のものだ。
 そもそも彼女らを襲う電撃は、智華が事前に設置していた不可視の壁を生み出すユーベルコード『矛反転する見えぬ壁』 によるものだ。壁部分を攻撃した者だけでなく触れた対象を操るものがいれば、その本体まで追跡して電撃を浴びせるという非常に強力なものだ。
 仮面の狼は、すべて紫御殿の力によって生み出された存在故に、その力の源である彼女らにも電撃はしっかりと追尾して攻撃していたのだ。
 敵が電撃で混乱している間に、智華は銃身下部に鋭い刃が施された異質なライフルを構える。乾いた音が周囲に鳴り響く、正確な射撃によって慌てふためく紫御殿の体や頭をそのライフルに与えた名前と同様に刹那の間に撃ち抜いていく。
「えぇい! 見えないとはいえ壁は壁! それほどの高さは作るのは難しいはずでござる! 仮面群狼たちよ! 壁っぽい場所を越えて奴を直接狙うでござるよ! 団子みたいに固まっていけば銃撃の一発や二発は怖くないでござる!」
 隙間なく体を寄せ合い、先ほど壁に引っかかった仮面群狼の残りカスを目印に、大きく跳躍。一塊となって毛玉のようになった狼の群れが華麗に空を跳ぶ様は少々滑稽さを感じるが言わない方がいいだろう。
「着眼点は良いでありますな。だが――」
 そこで智華は武器を持ち替える。それは刹那よりも大型なライフルであった。毛玉と化した仮面群狼へ向けると白銀の装甲で作られた銃口に光が宿る。
「光学兵器の威力は、物理弾頭一発の比ではないでありますよ!」
 一筋の光が毛玉を貫く。それは中心にいた司令塔役の仮面群狼を正確に撃ち抜いてその塊を維持できなくする。そしてバラバラと落ちてくる群狼たちだが、その下には先ほどから展開されている 『矛反転する見えぬ壁』が依然として存在している。そこへある程度の重力を乗せて落ちてしまえば、それは立派な体当たりと言う攻撃だ。
 攻撃を受けたと判断した壁は、再び群狼を伝ってその本体である紫御殿達へ向かって電流を走らせる。慌てて群狼を消したところでもう遅い。壁の電流は狙うべき敵の本体を既に補足しているのだ。
「あばばばばばばばばば!?」
 またもや体を容赦なく焦がす電流を受け、紫御殿達は身体から黒煙を噴き出して次々に倒れていく。まだ辛うじて動ける個体がいたとしても、智華の狙撃で止めを刺されて消えていく。
「――とっとと逝くがいいでありますよ!」
 目視していた最後の一人に止めを刺し、智華はユーベルコードを解除する。早速フリー対戦に戻りたいところだが、まだ敵は残っているのはわかっている。
 智華はため息をした後、次の戦場へと歩を進めるのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

佐和足・妹子
久しぶりに童心に帰って楽しく遊べたなぁ~。創造した運命札はみんなの思い出の1枚になりますね。
しかしそんなカードを奪って売りさばこうなんて、とんだリアリストがいたものですね……。今度はカードではなく、本物のポチさんがお相手しますよ!

UC「猟犬の等価交換」を使ってポチさんを召喚、合体ロボ相手に戦います。
男子がカッコいいと思うもの、この場にめちゃくちゃありますね……これは強敵です!
しかしこちらもリアル生命力を最大限に使ってポチさんを強化し、迎え撃ちますよ!

※アドリブ・連携等歓迎です。



 オブリビオンが現れたため、会場は大混乱の渦に飲まれることなく観客席から猟兵を応援したり撮影を開始したり、果ては無視してフリー対戦をし始める者も出てきていた。まさにキマイラフューチャーというところか。オブリビオンの襲撃ですら、この世界では娯楽に過ぎないのだろう。
「ちゃっちゃか集めるでござるよ! 大会入賞者の運命札はそれだけ高値で売れるでござるからな!」
「創造した運命札はみんなの思い出の一枚になりますね。しかしそんなカードを奪って売りさばこうなんて、とんだリアリストがいたものですね……」
「我々はプレイヤーではないでござるからな!」
 短く切られた金髪に、三角形の細かいデザインの違うヘアピンを三つ付けた少女が迫りくる紫御殿達の前に立ちふさがる。運命札は大事な思い出、それを奪う輩を許しておけるほど佐和足・妹子(人間のUDCエージェント・f14599)は甘くない。
 だが、目立つための装飾が用意できない、食べるものもなくなれば済む場所もなくなる。オブリビオンは家賃を払って家を借りているかは別問題として、紫御殿達はとにかく活動資金のために金を欲していた。
「男子がかっこいいと思うものと合身することで、その思いが強いほど強くなる超忍法『仮面合身の術』で蹴散らしてやるでござる!」
「男子がカッコいいと思うもの、この場にめちゃくちゃありますね……これは強敵です!」
「え……?」
 その言葉に反応して、紫御殿達は周囲を見る。視界にはバトルクリーチャーズに登場するクリーチャーの等身大フィギュアや、それこそロボ型クリーチャーのバルーンも浮いている。男子がカッコいいと思うものはそこら中に溢れていた。
 紫御殿達の懐には、わざわざこの日の襲撃のためにかき集めた資金で買ったロボのプラモが握られている。
「……お前だけは絶対に許さないでござるぅぅぅぅ!!! 忍法仮面合身の術ぅぅぅ!!!」
「なな、なんだか理不尽すぎますぅ!?」
 怒りと悲しみと後なけなしの資金を詰めた巨大ロボが現れて妹子に迫る。彼女自身は戦う力を持たない。妹子はただの探索者であり戦闘となれば頼るべき相棒がいるのだ。
「理不尽に怒られてる気がするけど、ここは最大限の力で迎撃しなくちゃ! ポチさん!」
 右手の親指、人差指、中指で三角形を形作る。それぞれの爪は魔法陣がネイルで施されており、これによって生まれる鋭角より妹子の相棒にして悍ましい猟犬が顕現する。
 それは淀んだ蒼い煙で身体を構成し、関節がないようにうねうねと触腕のように動く脚。そして捧げられた妹子の生命力を咀嚼するように口を動かして、ニヤリと不気味な笑みを浮かべている。
 捧げた生命力の多さに、立ちくらみを起こしてその場に膝をつく妹子。好機と見たロボと合身した紫御殿はその剛腕を妹子に向けて振り下ろす。
 だがそれは妹子を護るように立ち塞がる一頭の狼によって食いちぎられる。ボリボリと咀嚼する音が響き、妹子が対戦したときに相手のエースクリーチャーだった機械の恐竜を咀嚼していたことを思い出す。
「ポチさん……思いっきりやっちゃってください!」
 妹子の声を受け、ポチは咀嚼していたロボの腕を吐き捨て、彼女を取り囲む合身ロボたちの周囲を駆け巡っていく。文字通りに金属すら斬り裂く爪で切り付け、強い毒を持つ青黒い瘴気を関節部から内部に浸透させて腐食させる。
 いくら最高性能を引き出せるほどの素材を使って合身したとしても、これだけの攻撃を受ければ紫御殿たちは次々と合身を解かされて倒れ伏していく。特に厄介なのがその毒だ。煙であるが故にどれだけ硬い装甲を持っていたとしてもわずかな隙間から浸透し、心臓部で操作する本体の紫御殿を侵食する。
 妹子の生命力を大量に摂取したためか、ポチの暴れっぷりは総会を通り越して最早蹂躙だった。まだ襲われていな紫御殿も、恐怖に慄き逃げ出そうとするが、それすらも許さずにポチによって踏みにじられていく。程なくして周囲は青黒い瘴気が漂う悍ましい不毛の地となってしまうが、ポチが役目を終えて消えると、その勝機も同時に消えていく。
「ちょ、ちょっとやりすぎちゃったかも……?」
 若干の公開をしつつも、限界まで代償を支払い疲労で動けなくなった妹子は、誰もいなくなったスタジアムの一角で次の襲撃までの休息をとるのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

鈴木・志乃
あぁ、楽しかった
運要素強いけど盤面がひっくり返る様子は
見ていて目に楽しいよね

さ、行きますか
どーも、配信者のブラックです
バレてないと思ってたのは貴女だけだよ?【精神攻撃】

第六感で攻撃を見切り光の鎖で早業武器受け
からのカウンターなぎ払いを繰り返しながらUC発動
さぁ、降臨せよ【創造の神 イザナギ】
【創造の神 イザナミ】!!
二体の幻想に十束剣と天沼矛を持たせて
敵に攻撃する幻想を見せるよ【催眠術】
私もそれに合わせて攻撃を行う!

因みに私自身は【和合の神 ククリヒメ】が
背後に立って【オーラ防御】を
纏わせているように見せかける

カードには命が宿ってる
それを奪おうなんて命知らずもいいとこだね!!



「あぁ、楽しかった。運要素強いけど盤面がひっくり返る様子は見ていて目に楽しいよね」
 そう言いながら撮影用ドローンの設置をしている黒一色の衣装を来た男装の少女、鈴木・志乃(ブラック・f12101)は漆黒のハットの位置を調整すると撮影を始める。
「どーも、配信者のブラックです。今回はカードゲーム大会を襲撃しようとしているオブリビオンを撃破してみます」
 こちらへ向かって音もなく走り続ける紫装束の仮面クノイチ、紫御殿はすでに動画配信の準備が完了しているどころか完全迎撃態勢の志乃を見て驚いていた。
「な、なぜ拙者たちの隠形が見破られたでござるか!? 絶対にバレないと思っていたのに!」
「バレてないと思ってたのは貴女だけだよ?」
 他には明らかに観客席で浮いていた。大声で喋っていたから一般人ですら気づいていた。そもそも観客に紛れるつもりがあるなら変装でもすればよかった。などなど紫御殿たちの隠形(笑)の拙さを指摘していく。
 まさにぐぅの音も出ないといった風にプルプル体を震わせる紫御殿達。志乃はそろそろかな、と思考を巡らせながら密かに体を守る光の鎖を自身の周囲に張り巡らせていた。
「………えぇい! ならば貴様の眼を潰してしまえば拙者らの姿は見えない! 故に完璧な隠形! 反論の余地もない完璧な理論でござる!」
 反論の余地しかない意味不明な理論を振りかざしながら紫御殿達は志乃へ向かって真っ白な仮面を懐から取り出して投げつける。それは志乃がその場を移動しても追尾し、明らかに視界を潰そうと顔面を狙って飛翔していた。
 狙いがわかっていれば迎撃も容易だ。志乃は忍ばせていた光の鎖を展開して、飛来する仮面たちを悉く粉砕していく。鎖を振り回す勢いを利用して紫御殿達に反撃を加え、隙を作ると、志乃は高らかに二枚のカードを掲げる。
「さぁ、降臨せよ【創造の神 イザナギ】! 【創造の神 イザナミ】!」
「クリーチャーが、実体化した……!?」
 これは志乃のユーベルコード『流星群』によって生み出された幻想だ。イザナギとイザナミはそれぞれ十束の剣と天沼矛を振るって、未だ飛来する白い仮面たちを浄化の力を持った風で吹き飛ばしていく。
 実際にはこの風自体も志乃は扱うユーベルコードの効果によるもので、視線を二柱の神に誘導することによって、幻想をによる映像を現実だと錯覚させるように催眠術を仕掛けていた。より確実に術が成功するように、志乃自身も光の鎖を目立たないように振るって紫御殿達を攻撃していく。傍目にはカードに描かれたクリーチャーが実体化してその神通力によって攻撃を防ぎ、反撃によって紫御殿達を薙ぎ払っているように見えるだろう。
 志乃の術中にはまった紫御殿達自身も間違いなくクリーチャーが攻撃していると錯覚していた。だが、それで膝を屈する気のない紫御殿達はクリーチャーではなく、その主である志乃へ向かって走りだす。仮面手裏剣が効かないのであれば直接攻撃で撃破するつもりだ。
 だが、その疾走すらも止まってしまう。なぜなら、志乃の背後には大会で彼女に勝利を導くきっかけを与えた女神【和合の神 ククリヒメ】が立っていたのだ。
 大会を観戦していたからこそ想像してしまう。ククリヒメハすべての敵を異次元へ幽閉する効果を持っていた。それを再現されてしまっては下手に近づいても無駄に迎撃されてしまう。
 三柱の神に守られた志乃は、油断なく戦意を喪失し始めている紫御殿達を迎撃していく。なんだかんだで大規模な幻想を長時間展開している故に疲労は確実にたまっている。急ぐ必要はない程度に余力は残しているが、のんびりもしていられない。
「カードには命が宿ってる」
 右手を掲げ、最後の号令を下さんと志乃は言葉を紡いでいく。
「それを奪おうなんて命知らずもいいとこだね!!」
 振り下ろし、三柱の神が一斉に攻撃を行って最後の紫御殿を撃破する。
 額に流れた一筋の汗を拭い、志乃は撮影していたドローンへ顔を向ける。
「この一戦がいいと思った方はチャンネル登録をお願いするよ、なんてね」
 そう言って余裕のある笑顔を浮かべてドローンの録画を停止させた志乃であった。

大成功 🔵​🔵​🔵​


 赤いバンダナが風に揺れる。涼風・穹(人間の探索者・f02404)は運命札を奪いに襲い来る紫御殿達を前に一枚のカードを見ていた。それは自身が絶望的な状況において生み出した勝利を呼び込んだ非常に強力な運命札『帰還の宝札』だ。
「自分で創造しておいて何だけど、俺の運命札は強力なのは間違いないけど使える局面は限られる」
 初期手札に来れば完全な死に札でしかない上に、後半に引けても墓場に強力なカードが揃っていないといけない上に魔法札と罠札が一枚ずつというのも使い勝手の悪さに拍車をかけていた。
「そんなのは関係ないでござる! 『大会において勝利を決めた運命札』というのはそれだけで十分な希少価値でござる!」
 手裏剣のように放たれた白い仮面が投げ放たれるも、穹が持つ抜身の刀に斬られ真っ二つになる。一つではだめかと考え、他の紫御殿達も仮面手裏剣を投げるが、悉く切って落とされる。
「例えば俺の対戦相手が創造した運命札の方が余程使える状況は多いし扱い易いだろうな」
 場のクリーチャーがもう一度だけ効果を使える。単純にしてこれもまた非常に強力ではあるが、一発逆転がウリのこのゲームにおいては確かに地味と言われても仕方ないかもしれない。
 使いにくくても使いやすくても、運命札はその人、そのタイミングにとって唯一無二の存在なのだ。だからこそ金儲けの手段にしかとらえていないオブリビオンたちを穹は許せないでいた。
「運命札は派手であればあるほど試合が盛り上がるというものでござる! 有利な時に勝利を盤石にするために使うなんて邪道にござる!」
「邪道、ね……だけど、カードを売り飛ばそうなんて方々に渡すつもりは無いし、他の方の運命札を奪わせもしない」
 穹は大きく目を開き刀を収めると、その手に持つ運命札を掲げる。筐体はないし、これは現実の戦いだ。今その手にあるのは何の力も持たないただのレアカードだ。しかし、そんなただのカードも穹の心を奮い立たせるという効果を間違いなく発動させていたのだ。
「俺はここで『帰還の宝札』を発動!」
「なにぃ!? でござる!」
「二枚のカード、《贋作者》の効果で俺自身に銃器を装備!」
 そう宣言すると、穹の手には片手で扱えるサブマシンガンがそれぞれの手に収まっている。まるで本当にカード効果が発動したように見える光景に紫御殿達は驚きにその進行を遅らせる。
「更に『真の姿の解放』により攻撃力を上げて迎撃する!」
 続いて穹の瞳が金色へと変わり、瞳と同様に輝く金色の翼が顕現していた。猟兵にとっての真の姿、それは切札中の切り札であり、本来はこのようなタイミングで使っていいものではない。これは破魔の力を全開にして見せただけのそれっぽいだけの偽物だ。
 だが、そんなこと露とも知らない紫御殿達にとってはモブとの遭遇戦かと思えばいきなり大ボス戦が開始した気分であり、ただただ唖然としていた。
 そんな隙を逃すわけもなく、穹は帰還の宝札のカードを大事にポケットにしまいこむと、全力で走り出してサブマシンガンを乱射する。ユーベルコードでコピーしただけの粗末な品物であるが、一度でもしっかりと視認した物に関しては極めて精巧な作りへと変じる。
 聞いただけのものや想像したものでは大した性能は出せないが、猟兵として覚醒し、こなしてきた闘いの中で多くの体験をすれば模倣する武器の幅広さはすさまじいものとなる。
「えぇい! ならば固まって突っ込むでござる! かなり痛いけど、何人か犠牲にすれば――」
 気が付けば穹の手にはサブマシンガンはなく、大口径のマグナム銃が握られていた。反動は非常に大きいが、猟兵として強化された穹の体ならば問題なく撃てるだろう。
「いや、それはちょっと卑きょ――」
 爆発音かと思うほどの発砲音が響き、一塊になった紫御殿達を文字通りに吹き飛ばす。一般人が喰らえば体が消し飛ぶような威力を受けても、その原形をとどめているのはさすがはオブリビオンと言ったところか。比較的被害の小さかった紫御殿が体勢を立て直すと、そこには全力で距離を詰め、抜き放った愛刀を振り上げる穹の姿があった。
 体勢を立て直す間もなく斬り捨てられる紫御殿達は、改めて猟兵の恐ろしさをその身に刻んだのであった。
中村・裕美
「……カードゲームは……誰にでも平等……だからこそ熱くなれるのかしら」
などと思いつつ、エレクトロレギオンを召喚。半数を迎撃。半数は一般人の避難誘導に回す。
「……現実は……カードゲームみたく……ターン終了は待ってくれないわ」
迎撃部隊に【早業】で指示を入力して狼の群れごと敵を攻撃。敵の攻撃で迎撃部隊が倒されてゆくかもしれないが、【目立たない】ようにこっそり別方向から仕事を終えた避難誘導部隊を呼び戻して【だまし討ち】
「……罠カードオープンとでも……言うべきかしら?」
そして総攻撃で仕留める
「……現実は……平等じゃないわ。……だからこそ……技術というリソースを……磨き続けるのよ」



 大会の控室にて長い黒髪に瞳が見えないほどに厚い瓶底メガネをかけた暗い雰囲気の少女は、椅子に座ったまま空中に浮かんだ電子パネルを操作していた。
「……カードゲームは……誰にでも平等……だからこそ熱くなれるのかしら」
 初戦はデッキ構築が間に合わず副人格のシルヴァーナに代理で出てもらったが、その後は完成した魔法デッキで十分すぎるほどに楽しむことができた裕美。
 他人とコミュニケーションをとるのが苦手な彼女であったが、だからこそできることがあるのだ。それが今展開している『ウロボロスレギオン』だ。本来は別の名がついていたが自分なりのアレンジを加えた際に別名として考えたものだ。
 それは黒い竜の姿を模した小型の戦闘用機械兵器を召喚し、自由に戦わせることができるユーベルコードなのだが、その数は三百を超えるとんでもない量であった。
 そんな凄まじい数の兵器を裕美は展開したパネルで逐一操作を行い、半数を避難誘導……というよりお祭り気分が抜けないキマイラフューチャーの一般人が戦闘区域に入らないように辛うじての誘導を行っていた。
 その間にもスタジアム内に攻め込んできた紫御殿達は仮面をつけた狼を大量に召喚し、猟兵の数が少ないエリアへと進行する準備をしていた。
「くっくっくっ。こちらから攻めれば警戒は薄く、猟兵が来るまで時間がかかるでござる。まさに今はカードゲームで例えるならばカードを伏せてターン終了! って言ってもいい感じでござるな」
「……現実は……カードゲームみたく……ターン終了は待ってくれないわ」
 パネルを操作する指の動きが加速する。それは目にも止まらぬ速さで次々と機械兵器に指示を与えて油断している紫御殿達を攻撃していく。同時に百以上の機体を操作するのだある程度自動操縦を組み込んでいたとしても、二つに分けた計三百以上の兵器を操る手腕は神業と言っても差し支えはないだろう。
「なんとー!? このちっこい機械はさっき別の場所にいたはずでござるよ!? だが所詮は小型兵器! 仮面群狼たちよ! あんなしょっぼい兵器をぎったんぎったんにするでござる!」
 群狼は吠え、黒き龍を模した兵器たちへ襲い掛かっていく。小型ゆえに小回りが利く黒竜兵器はその速度を活かして群狼たちを翻弄するが、それぞれの力は決して強くない故に少しずつだが群狼に噛み砕かれ、爪に引き裂かれ、次々にその数を減らしていく。
「やれる……やれるでござるよ! そのまま八つ裂きにしてやるでござる!」
 猟兵相手に優位に立てることは基本的に少ないのがフォーミュラや幹部でない一般オブリビオンの常と言ったところで、このように徐々にではあるが優位に立てる戦いは思わず気分をあげて声も大きくなってしまう。その大声が、背後から迫る駆動音をかき消してしまっていることに気づかずに。
 前方で暴れる群狼と黒竜兵器の戦いに意識を割いてしまった紫御殿達は、一応の避難誘導を終えた残りの黒竜兵器が静かに迫っていることに気づいていなかった。
 残りが少なくなった群狼と戦っていた黒竜兵器たちが一斉に紫御殿達へと銃口を向ける。せめてものあがきか、と余裕の表情を見せた瞬間――。
「あいででででででで!? な、なんで後ろから攻撃が――って前からも逆襲が来たでござるよー!」
「は、はさみうちとは卑怯でござるー!」
 奇襲を仕掛けようとした奴らが言っていい言葉ではないだろう。
 そんな無慈悲な挟み撃ちに紫御殿達は大混乱に陥り、指示が来なくなったことで行動を止めた仮面群狼たちもその隙に一斉射撃を受けて消滅していく。
「くぅ、ようやく猟兵に一泡吹かせられると思ったのに……世の中不平等でござるな」
 恨みのこもった言葉を残して消えていく最後の紫御殿。仮面の群狼もすべて消滅しきっており、奇襲は未然に防ぐことに成功した。
「……現実は……平等じゃないわ。……だからこそ……」
 そう言ってパネルを操作していた裕美は、その手を止めて眼鏡をはずす。疲労に痛む目を抑えながらも切れ長の美しい金色の目がパネルを見ている。
「……だからこそ……技術というリソースを……磨き続けるのよ」
 まだ同じように奇襲を企てているオブリビオンがいるかもしれない。そう考えた裕美は再び眼鏡をかけて残敵の掃討に集中するのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​




第3章 ボス戦 『パスト・フォーサイス』

POW   :    来い!俺様の手下どもっ!!質より量で押し潰せ!!
【相手している猟兵の10倍の数の雑魚キャラ】が現れ、協力してくれる。それは、自身からレベルの二乗m半径の範囲を移動できる。
SPD   :    おりゃおりゃおりゃおりゃおりゃおりゃおりゃ!!!
【武器を使った怒涛の連続攻撃】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
WIZ   :    俺様は逃げるから、後は任せたぞ!俺様ちゃん人形!
自身が戦闘で瀕死になると【逃げる時間稼ぎ用の巨大パスト君ぬいぐるみ】が召喚される。それは高い戦闘力を持ち、自身と同じ攻撃手段で戦う。

イラスト:ハレのちハレタ

👑7
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は百目鬼・明日多です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 プレイングは幕間公開後にお願いします。
 公開予定3月19日。
「なーんか雑魚供が勝手に暴れてたみたいだけど? そんなの知らねー!」
 スタジアムの中央に轟音とともに衝撃が迸る。砂埃の中には二本の角と身の丈ほどある錨を持った少年が立っていた。その名も『パスト・フォーサイス』パストは不敵な笑みを浮かべながら自身の起こした砂埃を錨で吹き飛ばす。
 それはある種の威圧感を持っていた。見た目に反して強大な錨を振り回すその姿は、正に強者の風格を――。
「大会に出ようとしたら、受付どころかもう大会終わったとかひどすぎんだろー!」
 怒りに任せて錨を地面に叩きつける。うん、威圧感も風格もなかった。
「しかもオブリビオンだから参加すらできねーってのはさすがの俺も怒ったもんねー! お前らの運命札全部奪って最強のデッキで別の大会を荒らしてやるぜ!」
 たぶん、他の大会でも出場拒否されるのだろうが、そこに気づいていないのも含め色々ダメだった。
 そもそも観客として入場できたオブリビオンがいたこともおかしいが、素直に大会に出ようとする辺り世界を滅ぼす自覚あるんだろうか、こいつら。たぶん、これでも大真面目なんだろうね。
「オラオラこいよ猟兵共! お前らの運命札を全部俺のものにしてやんよ!」
 ツッコミ所しかないが、このまま放置しておくわけにもいかない。
 猟兵たちよ、訳が分からないと思うが、これで終わりだからがんばってくれ。
涼風・穹
面白い…
そこまでいうならデュエルといこうじゃないか
……猟兵である俺が言うのもなんだけど、オブリビオンだからデュエル拒否というのも些か問題があるようにも思えるしな…

デッキは先程使った龍デッキをそのまま使用
『帰還の宝札』は迷いますが入れません
色々と考え抜いて組み上げた俺のデッキ
考慮していないカードを加えてバランスが崩れる方が怖いからな
強力なカードをただ入れれば勝てるならデュエルの楽しさは半減するだろうぜ

パストがルールに則ってデュエルをするのなら此方もカードで語るのみ
……運命札が本当に奇跡のカードを創造出来るというのなら…
猟兵とオブリビオンとが戦い以外での決着をつけるカードを…クリエイト……ドロー!



 参加を拒否された事へ怒りの声をあげるパストは、何度も錨を振るって暴れまわっている。そんなパストの言葉に透き通るような水色の髪を手で整えながら筐体の前へ進み、デッキを置いたのは涼風・穹(人間の探索者・f02404)だ。
「面白い…。そこまでいうならバトルといこうじゃないか……猟兵である俺が言うのもなんだけど、オブリビオンだから拒否というのも些か問題があるようにも思えるしな…」
 想定外の反応にパストは困惑の表情を浮かべる。カードバトルで応戦されるなど想定していなかったのだ。だが、この言葉にパストは満面の笑みを浮かべて錨を地面に突き刺して筐体の前に立つ。
 この流れに驚いたのは観客と他の猟兵たちだ。本気で対戦を始める二人をポカーンと見ていたかと思うと、ノリのいいキマイラフューチャーの住人たちは思わぬ対戦カードに胸を躍らせ楽しむ姿勢だ。そんな空気の中で攻撃するわけにもいかず、他の猟兵たちもその対戦を見守っていた。
「俺は『ストロングドラゴン』を場に出す! こいつはバトルじゃ破棄されないぜ! 更に永続魔法札『ドラゴニックファイト』を発動! 自分のドラゴンが戦闘する時に攻撃力をアップさせるぜ! カードを伏せてターン終了!」
 穹はカードを引く前に大事にしまった『帰還の宝札』へ思いを馳せる。実に強力ではあるが、今のデッキは自分のできる全力を込めたデッキ。運命札を入れることによるバランスの崩壊を危惧して投入はしなかったのだ。
「俺のターン、ドロー! 俺は手札を捨てて、『青眼飛竜』の効果発動! こいつを場に出す!」
 そして穹は更に展開していく。魔法札の効果により先ほど捨てた光輝白龍を復活させ、さらに追加で強力なドラゴンを場に出して一ターンに三体もの強力なクリーチャーを展開せしめたのだ。これならば戦闘で破棄することができなくても圧倒的パワーで生命力を大きく削ることができるだろう。
「クリーチャー達の攻撃力はドラゴニックファイトがあってもこちらが上だ! 行け! 青眼飛竜!」
 青眼飛竜がその口から炎を噴き出す。受け止めるのはもちろんストロングドラゴンだが、永続魔法札の効果を受けてパワーアップしても足りない。破棄はされないが受けきれないダメージがパストを襲う――はずだった。
 突然、攻撃したはずの青眼飛竜が破棄され、さらに大きなダメージが穹へと反射されたのだ。まるで自分より強いクリーチャーに返り討ちにあったような衝撃が迸る。
「俺は伏せていた永続罠札『ドラゴンカウンター』を発動していたんだぜ! 自分のドラゴンが戦闘で負けそうになった時に大きく攻撃力をあげるカードだ! どうだ! すげぇだろ!」
 そのパワーは非常に高く強力で、穹はここから防戦に回らざるを得なくなっていた。このコンボでどちらのターンでも高攻撃力を発揮するため、攻め手が見つけられず穹は壁となる龍を何体も犠牲にしてダメージを最小限に抑えていた。
「まぁまぁ楽しかったぜ! だからこのターンで終わらせてやる! クリエイトドロー!」
 パストは引いたカードをすぐさま発動させると、場に残っていたストロングドラゴンを中心に他のカードたちが混ざり合って融合していく。それはクリーチャーも、魔法札も罠札も関係なくだ。
「魔法札『魔王の融合』を発動! 自分の場と墓場のカードを全部隔離してその数に応じた攻撃力を持つ『竜魔王―ファイエンド』を出すぜ!」
 多くの色が混ざり合った淀んだ黒い三つ首の悍ましい竜が大きな叫びをあげる。
「こいつは素材となったカードの数だけ攻撃できる! お前のクリーチャーに攻撃!」
 素材となったカードの枚数は十枚を超えている。その攻撃力も、回数も、どちらもオーバーキルと言って差し支えないほどのものだった。だが、そこに穹はまだ立っていた。
「俺は罠札『不撓不屈』を発動していた! この効果を受けたクリーチャーはターンの終わりに破棄されるが、それ以外の方法では破棄されずダメージも受けない! 何度攻撃しても無意味だ」
「くそっ! ターン終了!」
 デッキに手を置き、穹は考える。運命札が本当に奇跡のカードを創造出来るというのなら…猟兵とオブリビオンとが戦い以外での決着をつけるカードも想像できるはずだ。
「クリエイト……ドロー!」
 そのカードを見て、穹は驚きの表情を見せた。こんなカードまで創造できるのか、そういう驚きだ。
「俺は魔法札『強敵との友情』を発動!」
 そして穹はパストへと歩み寄ってその手を差し出す。
「これは相手へ握手を求め、同意したら引き分け、断れば俺の墓場からクリーチャーを場に戻して戦闘させる。十分に楽しんだろ? この辺りで終わりにしないか?」
 だが、その手は無情にも弾かれる。猟兵とオブリビオンは決して相いれない。無言で訴えるパストの眼はそう語っていた。
「……残念だ、俺は握手を拒否された場合の効果を適用! 墓場に眠る『死竜王―涅槃』を場に戻す! こいつは墓場に眠る竜の数だけ攻撃力を大きく上げ、攻撃回数を増やす!」
 ファイエンドと似た効果を持つ強力な竜を前にパストは驚愕の表情を浮かべた。その攻撃力は散々暴れて破棄した多くの竜によってファイエンドを超えていたのだ。
「大暴れの代償、受け取ってもらうぞ! 涅槃で連続攻撃!」
 生命力をすべて奪われ膝をつくパスト。だがすぐに立ち上がるとそばにあった錨を手にその場から走り去ってまた破壊行為を始めた。
「運命札を奪って強化してたら俺が勝ってたし! やっぱ運命札をよこせお前ら―!」
 穹は弾かれて少しだけ痛む手で握りこぶしを作り、ユーベルコードで武器を生成して討伐へと向かうのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

紅葉・智華


「――言ったでありますよ。猟兵の時間だと」
真の姿を解放し、体表面を硬質化。電脳魔術を用いた【選択UC】による蜃気楼で位置を誤認(目潰し)させる。その上で直感(第六感,見切り)や経験(戦闘知識)をもとに最適なコースを算出し、【ダッシュ】で接敵してアサルトウェポン『刹那』を連射(2回攻撃,クイックドロウ)する。
「――どこに向かって撃ってるでありますかね? 私は此処でありますよ」
最終的には『刹那』の刃部分で【串刺し】にして、そのまま【零距離射撃】。(鎧無視攻撃)
「そもそも大会に出るつもりがあるのなら、ちゃんと開始前に参加する、ルールを守る……それができないようなら――迷わず、逝け……!」



 怒りに任せて破壊行動を続けるパスト・フォーサイスを、血のように赤く発光した目で睨みつけている少女がいた。その髪は黒く短く切られ、軍服を改造したようなワンピースを着ていた、だが目を惹くのはその肌だ。金属のように高質化した肌は光沢を放ち、まるで金属生命体と思えるような姿をしていた。
「――言ったでありますよ。猟兵の時間だと」
 紅葉・智華(紅眼の射手/自称・全サ連風紀委員・f07893)が猟兵としての力を覚醒し、危機的状況であればある程増大する切り札、これぞ猟兵が人類の埒外である証拠――猟兵の『真の姿』だ。
 その迸る力に反応してか、パストは智華の存在に気づき獰猛な笑みを浮かべる。
「お前、運命札もってるよな? だったらよこせよ! この俺に!」
 パストが大地を蹴ると弾丸のような速度で智華へと迫る。対する智華もアサルトウェポン『刹那』を構えてパストへ走り出す。
 向かい合いぶつかり合うその瞬間、パストの放った錨が大地に大きなひびを入れその強大さを見せつけるが、そこにいたはずの智華の姿は蜃気楼のように歪み消えていく。
「ニセモノかよ!?」
 揺らぎ消える智華の姿とはまた別の場所に、智華は姿を現して走り出す。刹那で狙いをつけ、弾丸を撃ちだしていく。一気に打ち切らず二点射、三点射と緩急をつけてパストの集中を削ぎつつもその体に傷を刻んでいく。
「だー!? うっとうしい!」
 爆発的な速力ではパストの方が上のようで、走りながら射撃を繰り返す智華へ難なく距離を詰める。
「また偽物の可能性を考えないでありますか?」
「ニセモノかどうかは殴ってみりゃわかるだろうが!」
 実に頭の悪い回答と共に怒りを振り回すパストであったが、その一撃も蜃気楼によって誤認された幻の智華であった。
 攻撃が当たらない苛立ちと、一方的に攻められるという状況にパストの怒りはこの上なく募っていく。つまり冷静さを欠き、その動きは確実に単調なものになっていく。
 あとは読みやすくなった攻撃を蜃気楼で回避しつつ、偶然の攻撃に当たってしまわないように注意しながら足を止めずに射撃を続ければ勝利は容易い。
 いくらオブリビオンとは言え、その思考力は子供と何ら変わらない。今回の仕事は思ったよりも楽に終わるかもしれないと思った瞬間の出来事であった。
「そこだぁ!」
 突然、パストは錨を投げつける。空気を巻き込みながら渦のような回転で姿を隠していた智華へ正確に向かっていく。咄嗟に智華は身体を反転させて投擲された錨を回避する。
(あれは勘に頼ったものではない。間違いなく私を狙った一撃……慢心して攻めが単調になってしまったか……?)
 錨を回収するために向かってくるパストの行動を冷静に分析しつつ、自分の甘さに内心舌打ちをする。だが、そうやってこちらの位置を確認するのならばやりようはいくらでもある、と智華は思考を切り替える。
 手応えがないものの、射撃が止んだことに自分の狙いが的外れでないと確信したパストは、再び始まった正確な智華の射撃をその身に受けるが、今度は射撃の感覚と場所、あとは僅かな勘を頼りに智華の位置を探っていた。
 蜃気楼によって生み出された智華も射撃を行うが、パストは受ける痛みに涙を浮かべながらも必殺の一撃を見舞う瞬間を待っていた。
「今度はそっちだぁ!」
 蜃気楼の智華を無視して、何もない空間へ全力を込めた連続攻撃を行う。
「おりゃおりゃおりゃおりゃおりゃおりゃおりゃ!!!」
 凄まじい速さで放たれる錨による攻撃は背景に溶け込んでいた智華を粉微塵に斬り裂いていく。だがまだ終わらない。パスト自身の力が尽きるその瞬間までその攻撃は終わらないのだ。
「――どこに向かって撃ってるでありますかね? 私は此処でありますよ」
「は? え?」
 ドスン。と思い衝撃がパストの背中に伝わる。そこには先ほど無視した蜃気楼が刹那を構えて、パストの背中へと刃部分を突き刺していた。
 見えている蜃気楼は全部偽物。姿を隠しているのが本体と思いこませ、わざと本体の姿を晒してパストの攻撃を誘導していたのだ。
 智華は刃を刺したまま、零距離による全弾斉射によってパストを撃ち抜いていく。その勢いに刃は背中から抜け、前のめりにパストは倒れこんだ。
「そもそも大会に出るつもりがあるのなら、ちゃんと開始前に参加する、ルールを守る……それができないようなら――迷わず、逝け……!」
 後頭部へ向かって最後の一発を放つ――がその銃弾は地面を抉るだけでパストには命中しなかった。
 気が付けばパストは智華から大きく離れた位置まで逃げており、舌を出してこちらを馬鹿にしていた。
「うっせー! 朝早くから受付するのが悪いんだよ! 俺は何にも悪くねーかんな!」
「どこまでも自分本位……本当に子供でありますな」
 そう言って反省の色なく逃げ出していくパストを、どこかやるせない表情で見る智華なのであった

成功 🔵​🔵​🔴​

佐和足・妹子
運命札ばっかり入れたデッキって回らなさそう……。
しかし、オブリビオンが大会に出たがるなんて、流石キマイラフューチャーといったところでしょうか。
よしっ、休憩も取れたことですし、もうひと頑張りです!

UC「猟犬の毛皮」を使って自身を強化し戦います。
UCで得た高速移動と技能【逃げ足】で連続攻撃の回避を試み、隙を見て反撃を行います。
衝撃波でパスト・フォーサイスの体勢を崩すことが出来れば、そこから斬撃で一気に畳みかけますよ!

試行錯誤して自分で組み上げたデッキだからこそ、勝っても負けても楽しいんじゃないでしょうか。他の人から奪った運命札ばかりで作ったデッキではカードも応えてくれないと思いますよ。



 先刻までのオブリビオン戦でそれなりの消耗をし、壁に背を預けている金髪の少女、佐和足・妹子(人間のUDCエージェント・f14599)は立ち上がると体を大きく伸ばして凝り固まった筋肉をほぐす。
 乱れた髪を整え、戦いで少し汚れたそこかしこに三角形の意匠が施されたお気に入りの服を手で軽くはたいた妹子は所かまわず運命札を奪おうと暴れているパスト・フォーサイスを視界に定める。
「運命札ばっかり入れたデッキって回らなさそう……」
 その時の状況を打破するためのカードが想像されるという性質故に、汎用性に大きく難のある運命札をデッキに入れすぎれば使えるカードが手札に一枚もないなどと言う状況は高確率で起きるだろう。
「しかし、オブリビオンが大会に出たがるなんて、流石キマイラフューチャーといったところでしょうか」
 さすがに参加拒否したのは正しい選択だと思うが、単純に受け付け終了どころか大会自体が終了してから受け付けしようとしたのだから、そりゃ門前払いもやむなしと言ったところだろう。
 パストはそれをオブリビオンだから差別されたと勘違いして暴れてい入る可能性もあるが、これだけの大暴れだ。情状酌量の余地は既にない。遠慮なくぶっ飛ばすべし。
「よしっ、休憩も取れたことですし、もうひと頑張りです!」
 とは言った物の、身の丈ほどの錨を振り回すパストの攻撃は鋭く、そして見た目相応に重い。戦いを相棒のポチに任せたとしても、自分が狙われてしまっては意味がない。よって妹子の取る手はたった一つだ。
 親指、人差し指、中指に施された三角形のネイルから禍々しい瘴気がにじみ出る。いつもであればここから相棒のポチが召喚されるのだが、今回は違う。妹子は正気を身体に纏いながらパストへ向かって走りだす。
 それは自分は平凡と言うにしては異常な速度による正に疾走。風のようにまっすぐにパストへ向かって瘴気を纏った右手を振るうと、妹子の右手からぶれるように瘴気は爪の形へと変わり、衝撃波を伴う攻撃が繰り出される。
 大地を抉りながら走る衝撃波の放つ音に気づいたパストは、大きく後退して衝撃波を放った妹子を睨みつける。
「あっぶねーな……じゃあ次はお前の運命札を奪ってやるよ!」
「えっと……鋭角獣っていうクリーチャーを使うのが前提の運命札なんですけど……?」
「そんなの知るかー! とにかくよこせー!」
 言葉は通じても話が通じない、今の状況はまさにそれだろう。妹子の運命札を手に入れたとして使いこなすのはほぼ間違いなく不可能だという言葉はパストの耳には全く入っていないようだ。とにかく運命札を集める。考えるのはそれからといったところか。暴風のような連続攻撃を繰り出しながら、パストは妹子へと迫ってくる。
 その言葉にいつもは温厚な妹子もカチンとくるものであった。依頼の内容を聞き、自分の相棒に似たクリーチャーがいたからという簡単な理由ではあるが、クリーチャーや魔法、罠札のバランス、やってみたいコンボを試行錯誤する時間は非常に楽しかったのだ。
 そんなカードゲームの醍醐味を無視して、ただ勝利だけを求めるパストのやり方は間違っている。それはもうゲームと呼んでいいものじゃないからだ。
「試行錯誤して自分で組み上げたデッキだからこそ、勝っても負けても楽しいんじゃないでしょうか」
「負けたら悔しいだけじゃないか! 何が楽しいんだよ!?」
 瘴気を纏い、身体能力を大幅に強化された妹子は振るわれ続けるパストの攻撃をかろうじてだが回避し続けている。時折、瘴気を越えて錨が妹子の体を傷つけ、小さな痛みに表情を歪める。
「全力を出してぶつかり合ったなら、負けても悔しくありません。実際私は途中で負けちゃいましたけど、悔しさよりも楽しさの方が大きかったんです。それに――」
「うるせぇー!!!」
 激昂するパストの勢いに圧され、次第に言葉の勢いと共に動きも鈍くなってくる。遂にパストの錨が妹子の体を完全にとらえようとする。止めの一撃を放とうとパストが大きく怒りを振り上げたその瞬間、足元で爆発のようなものが起きて砂埃によって視界が塞がれた。
 妹子が自信を巻き込むのも構わずに瘴気の爪による衝撃波を放ったのだ。それは互いの姿を一瞬だけ視認できなくする目くらましにしかならなかったが、その一瞬が勝敗を分けたのだ。
 突然の出来事に錨の重さによって体勢を崩したパストに、砂埃を掻き分けながら妹子が現れて渾身の斬撃を連続で繰り出した。
「他の人から奪った運命札ばかりで作ったデッキではカードも応えてくれないと思いますよ」
 そこにはもうパストの姿はなかった。こちらが消耗していた所為で傷が浅かったのか、止めを刺しきれずに逃がしてしまったようだ。妹子は慣れない肉弾戦と、想定以上の消耗にその場でへたり込んでしまうが、まだ戦いは終わっていないと自身を奮い立たせて再び戦場へと向かっていくのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

中村・裕美
「……例え全部運命札でデッキを作ったとて……優勝なんて……無理でしょうに」
まずは【邪竜降臨】で自身の能力を上げる
「……カードにも……ユーベルコードにも……長所短所がある」
そう言ってドラゴンエナジーを飲んで【毒耐性】【呪詛耐性】【激痛耐性】を【ドーピング】
「……それらを補う組み合わせも考えられないようじゃ……まだまだよ」
相手が攻撃を仕掛ける際に周囲の空間を【ハッキング】して光の屈折などをずらして自分の位置と違う場所に【残像】を出し、攻撃させる。
「……強い力も……扱うためのスキルがなければ持ち腐れ」
そして黒炎を纏ったドラゴンランスで【串刺し】
「……これでゲームセットよ」



「なんでみんなして俺のやり方がダメっていうんだよ……。強い運命札だけでデッキ組んだら絶対強いだろ……大会だって優勝しまくりに決まってる!」
 何度も叩きのめされ、かなりの消耗をしているパスト・フォーサイスは錨を杖代わりにして大きく呼吸を繰り返していた。
 そこへ濡れ烏の様な黒髪に、非常に度の強い瓶底メガネをかけた黒いパーカーの少女が現れる。非常に面倒くさそうな表情でパストを見る中村・裕美(捻じくれクラッカー・f01705)はパストの理論を真っ向から否定する。
「……例え全部運命札でデッキを作ったとて……優勝なんて……無理でしょうに」
「なんだとぉ!?」
 否定の言葉に再び勢いを取り戻すパストは錨を担ぎ上げ、裕美を睨みつける。だが、そんな視線など気づいていないかのように裕美は身体をうずくませると、背中の一部が盛り上がりパーカーを裂いて漆黒の鱗を持った龍の翼が生えてくる。ずれ落ちた眼鏡をポケットにしまうと爬虫類を思わせる金色の瞳を持ち、鋭い爪を持った邪竜を宿した凶悪な姿の裕美が立ち上がる。
「……カードにも……ユーベルコードにも……長所短所がある」
 その言葉を示すように、裕美の半身は痙攣して何かに縛られたように動かすことができず、毒を受けているかのように顔色が悪くなっていく。明らかに代償の方が重すぎる裕美の変身にパストは驚きを隠せずにいた。だが、明らかに弱っている奴でも猟兵には違いない。倒せば一気に名をあげることができると浅ましく結論を出したパストは喜々として錨を振り降ろす。
「……それらを補う組み合わせも考えられないようじゃ……まだまだよ」
 パストの錨を動かせるほうの腕で弾き飛ばす。強い反動があったのか、裕美の腕からはそれだけで鮮血が飛び散っていく。反撃が来ると身構えるパストであったが、裕美の手にはドラゴンエナジーと書かれた缶ジュースのようなものが握られていた。器用に片手の爪で開けると、そのまま一気に飲み干す。次第に顔色は良くなり、半身の呪縛も消えていく。出血も治まり、先ほどまでの凶悪な代償を踏み倒したかのように壮健な姿の裕美がそこにいた。
「なんだかよくわかんねーけど、自滅寸前じゃねーか! そのままぶっ潰してやる!」
 だが、そんな変化に気づけないパストは距離を詰めて錨を横薙ぎにふるうが、手応えはなく、実体のない陽炎のようにゆらゆらと裕美の姿だけがその空間に生み出されていた。裕美の本体を探そうと視界を巡らすパストの真上に現れた裕美が口から黒い炎を噴き出してパストの体を焼いていく。漆黒の炎は簡単には消えず、地面をのたうち回るパストを無慈悲にも蹴り上げて空中へ放り出す。
 それは圧倒的な強さを見せつけていた。
 空中に放り出されたパストは重力を無視しているかのように、空中で何度も裕美の打撃を受けて吹き飛ばされては回り込まれて別方向に殴り飛ばされる。
 だが、そんな状況でもパストはまだ闘志を捨てていなかった。何度殴られようとも離さなかった錨を巧みに操って空中で無理矢理に姿勢を正すと、回り込もうとする裕美に反撃の一撃を見舞う。
「ニセモノは攻撃できねーからな! お前は本物だ!」
 怒りによる強烈な一撃を両手で受けた裕美は、踏ん張ることのできない空中と言うこともあってかそのまま地面へと叩きつけられる。追撃として、そのまま重力に逆らわずにパストも隕石のように降ってくる。裕美は咄嗟に体を転がしてその攻撃を回避して体勢を立て直す。
 文字通り力任せの勘任せ。まるで獣のような戦い方は余計なことを考えない子供らしい戦術と言えるだろう。だが、裕美からすればそれは強いだけに過ぎない。
「……強い力も……扱うためのスキルがなければ持ち腐れ」
「強い力でぶん殴る! それが一番簡単で一番つえーんだよ!」
「……覇空竜スカイフォール」
 裕美が呼びかけるとどこからともなく甲高い鳴き声が響き、身長三十センチほどの小さなドラゴンが飛んできたかと思えば、その姿を変え穂先も、柄も、石突もそのすべてが漆黒に彩られた竜の翼を思わせる意匠の槍へとなる。裕美が槍を握ると、先ほどの黒い炎が槍を包み、勇壮さと同時に禍々しさを感じさせていた。
 互いの距離は一足で届く程度の物。次に行う攻撃に全力を込めるという意志が互いの瞳に宿っていた。すると、さきほど裕美が飲み干したドラゴンエナジーの空き缶が突風に煽られ空を舞い、重力のまま地面へと落ちる。
 その乾いた音を合図に二人は同時に駆け出した。射程に分がある長槍の裕美が先に突き通すか、その前に圧倒的力と重量で叩きつぶすか、勝負の結果は一瞬でついた。
 互いに駆け抜けると、ユーベルコードによる変身が解けた裕美がその場に膝をつく。対するパストはその胸に深々と槍が刺さり、体の内側から黒炎によって焼かれていた。
「……これでゲームセットよ」
「ちくしょー……俺も大会に出たかったなぁ」
 寂しげな言葉を残し、力だけを求めても届かなかった少年のオブリビオンは、骸の海へと還っていったのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​



最終結果:成功

完成日:2020年03月24日


挿絵イラスト