●星の導きに踊る
魔法と精霊の力が漂うその空間には、星が満ちていた。
蒸気機関と魔法によるプラネタリウムに浮かぶホロスコープは奥行きを持ち、薄闇のなかで綺羅ときらめく。
その奥へ向かう扉の前でティーポットやカップが浮かんでいる。いや、それは精霊の仕業だ。傾けたポットからこぼれるお茶がゆるく渦を巻き、不規則にぽふぽふと踊るクッキーはくっついては離れる。
きらきら、さやさや。
精霊たちの、星のささやきに似た笑い声のそばで、ポットを抱えたネズミがふわとあくびをした。
●今はまだ導かれず
「ごきげんよう、皆様方」
柔らかく微笑み、ユーリアレッテ・アウィン(アリス適合者の王子様・f19343)は優雅に膝を折った。
「ご存知のように、先日アルダワ魔法学園において行われました魔王戦争にて、大魔王が討伐されました。ですけれど、この世界で最も優秀な人材を育成する学園としての役割は失われておりません」
それどころか、大魔王を打倒した真の英雄である猟兵たちに教えを乞いたいと、世界各国の有力者の子弟たちや、成績優秀な学生たちが押し寄せているという。
そこまで聞けば、おおよその話は理解できた。
「つまり、我々に教師役を務めろと」
「はい。ですがこの度ユーリィが皆様方にご案内いたしますのは、ただ武器を取りユーベルコードを操る手管ではありませんの」
言って、ほんの少しだけ目を伏せる。
「大切な方とともに過ごすための作法を学びたいと、先方からのお申し出です。ええ、そうは言いましてもおひとりでも構いませんのよ。特別なことはなんにもありませんわ。いつもどおり過ごしていただければよいのです」
というのは、彼が依頼を受けた折に、このように説明を受けたのだ。
戦技を磨くのも研鑽だろう。しかしそればかりでは心が磨かれぬ。また、ともに戦う仲間をねぎらいいたわる術を学ぶのも研鑽となろう。と。
そこで提案されたのが、無重力プラネタリウムとそこに併設するカフェで過ごすプランなのだが……。
「プラネタリウムでは、星の海を浮かび泳ぎながら様々な星に触れたりすることができます。その一角にはカフェがあるのですけれど、いたずら好きな精霊たちが、カフェから様々なものを持ち出してしまい、カフェへの扉を封じてしまった上にお茶会をして楽しんでいるのです」
精霊たちはいたずら好きだが友好的なので、意図的に敵対行動を取らなければ好意的に接してくれるだろう。
「ちょっぴり……ええ、いたずらされてしまうかもしれませんけれど」
くすっと笑い、それから今度こそ困ったような表情を浮かべた。
「そして、こちらも少々問題なのですけれど……カフェには災魔、オブリビリオンが居着いてしまっていますの。眠りネズミと言いまして、とっても可愛らしい災魔ですわ。こちらも攻撃的ではないので、警戒する必要はありません」
カフェのあちこちに居着いた眠りネズミのポット内にある『夜糖蜜』は飲むと望む夢が見られ、毛を寝具に使えばよく眠れる。他にも尾・羽・吐息など、全身『良い眠り』をもたらす素材になるという。この素材を用いて手芸に興じるのも楽しそうだ。
しかし、見た目や性格がどうであれ、倒すべき存在であるのは間違いない。強力な攻撃方法などは持っていないので、入念に準備をせずとも倒せてしまうだろう。
カフェは星や星座をモチーフとしたメニューを扱っており、星の光を集めたような輝きのランプに照らされた店内は、視界を邪魔しない穏やかな暗さ。
眠りネズミがいても営業はしているので、普段通りに過ごせばいい。
「ともあれまずは、プラネタリウムを楽しまれるとよいと思いますわ。それでは、皆様。どうぞよき日をお過ごしくださいませね」
そう言って、ユーリアレッテは胸に手を当てて微笑んだ。
鈴木リョウジ
こんにちは、鈴木です。
今回お届けするのは、星巡る海とまどろみカフェ。
第1章【日常】蒸気機関と魔法による無重力プラネタリウムを楽しみます。無重力状態からシーンが始まります。
第2章【冒険】カフェへ続く扉を封じてしまっているいたずら好きな精霊たちを楽しませたり一緒に楽しみ、扉を開けてもらいます。
第3章【集団戦】カフェに居着いてしまった眠りネズミを、もふもふしたりちょっと素材をもらったりして楽しんだ後に討伐します。がっつり戦闘して討伐というよりはカフェと眠りネズミを楽しむのがメインになるかと思いますが、プレイングの最後に一言倒す行動を添えてください。
●お願い
カフェのメニューは『あると言えばある』ので、お気軽にご注文ください。
一緒に行動される方がいる場合【○○(ID)と一緒】と分かるようにお願いします。お名前は呼び方で構いません。
グループでの場合はグループ名をお願いします。
複数名で行動される場合、リプレイ執筆のタイミングがずれてしまうのを避けるために、プレイングの送信タイミングを可能な限り同日中に揃えてください。
それでは、よろしくお願いいたします。
第1章 日常
『まほろばの星巡り』
|
POW : 廻る星を追ってみる。
SPD : 星の動きを読み、先回りして捕まえてみる。
WIZ : 魔法で星の光を作ってみる。
👑5
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
|
種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
そこは、いくつもの星が輝く空間だった。
ゆっくり足を踏み込むと、そう望まずとも視線が高くなっていく。音もなく流れる星々の川に足先をひたし、風渡るように頬をなでていく流星に目を細めた。
そっと差し伸べた指に触れた星をツンとつつけばふんわりゆらぎ、手先にほわと乗って指飾りのように彩る。
不思議と色を変える星を追ってくるり姿勢を変えたその時、小さなきらめきがまつわりついた。
数多の星が輝くのに、決して眩しくも賑やかでもないその空間は、さらさらと星のささやきがひそやかに聞こえる。
再び伸ばした指が触れるのは星か、それとも――……。
ユメコ・セキエイ
【ヴァロさん(f05764)と一緒】
輝く星のひとかけらを、サイコキネシスでそっと引き寄せる
星に触れられるなんて、とても不思議な体験
「あら、こんにちは。貴方も星の海を楽しんでいる?」
フードをすっぽり被った姿に興味を惹かれて、ふわりと近づいて首を傾げる
「ね、お星さまって金平糖みたいよね。形も似ているけれど、キラキラ輝いていて」
金平糖を差し出されたら喜んで受け取るわ
私は甘いものが大好きだから、頬張れば甘くて幸せで、思わず笑顔になるわね
ヴァロさんの灯す光には、目をぱちくりさせてから感嘆の声
星の様に輝けるなんて、とても素敵ね
隣に並べば、手にした星の光と相まって、暖かくて幸せな気持ちになるわ
ヴァロ・タハティ
【ユメコ(f10521)といっしょ!】
※喋らせないでください
あわ
あわわわ…
星を追いかけて
おぶおぶぷかぷか漂ってたら
声をかけてきたのは
キラキラしてて、金平糖みたいな…
ひょっとしてキミは…おほしさまのひと?
ユメコの反対側に首をこてん、傾げて
こくこく!
ぶんぶん!
すごく似てるよね!ぴかぴかのキラキラでとーってもきれいなんだ
ぐっと拳を握ったなら
オチカヅキのシルシにどーぞって
金平糖を差し出そうとするね!
それからじーっとみつめるのは
ユメコの手のキラキラの星
えいやって掴もうとするけど
う~ん、ボクには難しいや…
『生まれながらの光』を自分に灯したら
ボクもキラキラの星になれるかなあ?
どう?って
ユメコにみせてみるよ
柔らかな薄闇のなか、ユメコ・セキエイ(Sugar・f10521)は、輝く星のひとかけらを、サイコキネシスでそっと引き寄せる。
ちょんと触れた光は軽いような重いような、ふんわりはねかえりそうでそのままとどまっていそうな。
星に触れられるなんて、とても不思議な体験。
ひとつ、ふたつ。触れては手のなかに収められるだけのきらめきをそっとつつむ。
熱を持っているわけでもないのに、なぜだかほんのり心地よい。輝きをいとおしげに見つめる彼女の、そのほんのちょっとだけ離れたところで。
あわ。
あわわわ……。
星を追いかけて、ヴァロ・タハティ(キセキ・f05764)がおぶおぶぷかぷか漂ってたら。
「あら、こんにちは。貴方も星の海を楽しんでいる?」
声をかけてきたのは、キラキラしてて、金平糖みたいな……。
星の輝きをその身に映す少女は、美しく光を透かす琥珀糖のようにも見えて。ほう、と見とれてしまい。
彼女も彼の、フードをすっぽり被った姿に興味を惹かれて、ふわりと近づいて首を傾げる。
仔まんごーの少年の、よおく見ればその首元で、星の輝きよりもなお優しく光を含む鉱石ランプ。
――ひょっとしてキミは……おほしさまのひと?
そう問うと、ユメコの反対側に首をこてん、傾げて。
愛らしい仕草にくすっと笑い、きらめく指先ですぐそばの星をなでた。
「ね、お星さまって金平糖みたいよね。形も似ているけれど、キラキラ輝いていて」
透き通る微笑みに、ヴァロはぱあっと目を輝かせてうなずいた。
こくこく! ぶんぶん! ……っと、ちょっと勢いがよすぎるくらいに。
すごく似てるよね! ぴかぴかのキラキラでとーってもきれいなんだ。
みぶりてぶりも交えての、あんまりに嬉しそうなその様子に、ユメコも嬉しくなって頷いて。
それからヴァロがぐっと拳を握ったなら、オチカヅキのシルシにどーぞって差し出したのは金平糖。
たくさんに散りばめられた星の白。赤い色は喜びの星。青い色は真珠星。緑の色は天秤の皿の色。彼らをつつむ星よりも色とりどりの金平糖に、ユメコは喜んで受け取る。
甘いものが大好きだから、頬張れば甘くて幸せで、思わず笑顔になる少女にヴァロもまためいっぱいの笑顔。
それからじーっとみつめるのは、彼女の手のキラキラの星。
同じようにしてみたくて、えいやって掴もうとするけど、その指先から逃げるように離れてしまう。
こんなにも近くにあるのに触れられそうで触れられない、そんなジレンマ。
う~ん、ボクには難しいや……。
ちょっぴり残念そうなヴァロにユメコも心配そう。けれどすぐに気がついて。
――『生まれながらの光』を自分に灯したら、ボクもキラキラの星になれるかなあ?
思い立って灯した光は周囲の星の輝きをかき消すことなく、さりとて負けることもなく。
どう? って見せてみると、果たして彼女は目をぱちくりさせてから感嘆の声。
「星の様に輝けるなんて、とても素敵ね」
笑う彼女もまた、彼の輝きを映してキラキラ輝いて。
隣に並べば、手にした星の光と相まって、暖かくて幸せな気持ちになる。
あなたが掴もうとする星は、あなたのなかにきっとある。
だって、こんなにも暖かい光なのだから。
……もしかしたら、金平糖にも似ているかもしれないね。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
蘭・七結
【春嵐】
囁きがきこえる
これが、星の声?
英さんにもきこえているかしら
星の海を游いでみたかったの
たゆたう感覚は不思議ね
ゆらりと泳いで星と戯れましょう
未知なる心地に心が踊るわ
逸れないように指さきを結わう
この海の中でもあたたかなひと
果ての先までも游いでいけそうね
まばゆい星にくらい星
星の図録にて見映したものたちが拡がる
あまり詳しくはないのだけれど
星座を紡ぐのもたのしそう
無意識に探したのはあなたの眸
あたたかな熱の深緋
あかく瞬くひとつきり
いく億もの煌めきの中から探り出して
――みいつけた
まるでいのちのあか
あの星は、何かしら
アンタレス
嗚呼。それが、あなたの名前
今は星の海に溺れたい
あまい眠りにおちるのは、また後で
榎本・英
【春嵐】
星に包まれる。なんとも未知の感覚
聞こえたとも
まるで笑っているようだ
なゆ、なゆ
君が星に攫われてしまわないように
指を絡めて、そっと結ぼう
底無しの海に揺蕩うと
星の一部になっているのではないかと錯覚してしまう
しかし、果てを目指して流れ星にはならないでくれよ
星には物語があるそうだ
あれも、あちらの星も、全て生きている
見てご覧。あの星の川にも話があるのだよ
それからその中の、君が見つけた赤い星
あれは――蠍座の心臓だね
アンタレス
もう少しで死んでしまうから
あのようにいのちを燃やしているらしい
いのちのあか
星の物語に興味があるのなら
眠りにつく時にでも語ろう
今はまだこの海で游ぐ
おやすみは後程
星に包まれる。なんとも未知の感覚。
榎本・英(人である・f22898)に伴われ、蘭・七結(まなくれなゐ・f00421)がそっと耳を澄ますと、囁きがきこえる。
これが、星の声?
「英さんにもきこえているかしら」
問うと、聞こえたとも。と返る。
まるで笑っているようだ。
星々のかすかな囁きは、彼女の笑みを空へとかしたように。
「星の海を游いでみたかったの」
たゆたう感覚は不思議ね。
横たわるでなく、身を委ねるでなく。ゆらりと泳いで星と戯れましょう。
未知なる心地に心が踊るわ。そう微笑む彼女に、けれど英はかすか眉をひそめた。
なゆ、なゆ。囁くように名を呼ぶ。
君が星に攫われてしまわないように。指を絡めて、逸れないように指さきを結わう。
決して強くない感触は優しくて、ここにあなたがいると改めて教えてくれる。
この海の中でもあたたかなひと。
離れぬよう確りと寄り添い、底無しの海に揺蕩うと、星の一部になっているのではないかと錯覚してしまう。
「果ての先までも游いでいけそうね」
人の身では至れぬ、果たして果てすらあるのだろうか、そんな先への空想。
「しかし、果てを目指して流れ星にはならないでくれよ」
星灯りの如き彼女に、英は心配になってしまう。
流れて遠く、星のかけらになってしまいそうで。
優しい想いに微笑んで、ふいと視線を巡らせた。
まばゆい星にくらい星。
星の図録にて見映したものたちが拡がる。
繊手に触れる輝きは、赤ければ青くもある。よくよく眺めれば、見知った星も見つかるか。
あまり詳しくはないのだけれど、星座を紡ぐのもたのしそう。
「星には物語があるそうだ」
あれも、あちらの星も、全て生きている。
いつか消えるとしても、今こうして在る。
あれはと指差し英に問えば、七結へこれはと静かに言い添える。
無意識に探したのはあなたの眸。
あたたかな熱の深緋。
あかく瞬くひとつきり。
いく億もの煌めきの中から探り出して。
――みいつけた。
七結の視線の先の輝きに、英もまたそちらを見た。
「見てご覧。あの星の川にも話があるのだよ」
それからその中の、君が見つけた赤い星。
まるでいのちのあか。
「あの星は、何かしら」
我は此処に在りと示すかに煌と輝く。
「あれは――蠍座の心臓だね」
アンタレス。
嗚呼。それが、あなたの名前。
「もう少しで死んでしまうから、あのようにいのちを燃やしているらしい」
いのちのあか。
嗚於。それは、あんなにも美しく。
「星の物語に興味があるのなら、眠りにつく時にでも語ろう」
如何かと問えば、ゆるりと首を振って。
今は星の海に溺れたい。
あまい眠りにおちるのは、また後で。
微笑んで、結わえ絡めた指に唇を落とす。
今はまだこの海で游ぐ。
おやすみは後程。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
月待・楪
氷月(f16824)と
相変わらず綺麗なもんだな…
…誘うかと思ったケドお前あんとき大学の課題がー!って顔死んでただろ
何回見てもこんだけの星空ってやっぱすげーな…
くは、どっかの誰かさんが空中浮遊チャレンジしてるみてェだけど
なっかなか成功しねーもんな?
これなら二人でゆっくり出来るだろ
…氷月とこうして見てみたかったのは俺もだし
星を眺めながら、近くにあった小さい星を集めて氷月の髪に飾ってみる
くそ、顔がいいから違和感なく似合いやがる…
お前の色が似合わないわけないだろ
並んで浮くのもいいけど…なんとなく、誰も見てねェだろうし
なぁ、ひづ、後ろから抱き締めてくんねーの?
おー…気長に待ってやる
楽しみにしてるし、な?
氷月・望
楪(f16731)と
アドリブ等歓迎
前に同僚のグリモア猟兵が
ふわふわで、きらきらな予知をしたって聞いて
その時、ゆーくんと一緒に行けなくてさ
……ちょっと寂しかった、なんてね
いやー、あの時はマジで教授の頭ハゲろって思ったわ!
ふわふわ、きらきらだねー!
SNS映えも待ったなし、の絶景だケド……
今日はゆーくんと二人で、静かに楽しみたい気分
ゆずもそう思ってくれて、すげー嬉しい
ん?何、何、似合う?
キメ顔しつつ、ゆーくんにも赤色の星をお裾分け
めっちゃ似合ってる!
念動力に関しては不器用過ぎだろ!?とか
我ながら思うわー!
でも……ゆずとまた、色々な景色を一緒に見たいし
(後ろからぎゅーっ、と抱き締めつつ)頑張るわ、俺
「相変わらず綺麗なもんだな……」
溜息をつく月待・楪(Villan・Twilight・f16731)に、氷月・望(Villain Carminus・f16824)がうなずく。
前に同僚のグリモア猟兵が、ふわふわで、きらきらな予知をしたって聞いて。
その時、ゆーくんと一緒に行けなくてさ。
「……ちょっと寂しかった、なんてね」
寂しそうに笑うと、楪は唇を尖らせた。
「……誘うかと思ったケドお前あんとき大学の課題がー! って顔死んでただろ」
「いやー、あの時はマジで教授の頭ハゲろって思ったわ!」
ぎりぃっと拳を握りしめ、恨みつらみを吐き出す。
けれど、そんな日常があるからこそ、こんなにも愛おしい。
彼の頭をくしゃりと撫でて、改めて天空を見上げた。
「何回見てもこんだけの星空ってやっぱすげーな……」
壮大な光景は幻想だからなのか。
この世界の、いや、どこかの世界には、本当にこれほどの星空があるのかもしれないけれど。
望もぐるり顔を巡らせて、彼らを囲む輝きに感嘆した。
「ふわふわ、きらきらだねー!」
SNS映えも待ったなし、の絶景だケド……。
ちらっと見た相手の表情は、うん、悪くない。
「くは、どっかの誰かさんが空中浮遊チャレンジしてるみてェだけどなっかなか成功しねーもんな?」
楪は悪戯げに笑って、これなら二人でゆっくり出来るだろ。と口にする。
「……氷月とこうして見てみたかったのは俺もだし」
口に出してみると、なんだか少し照れくさい気がした。
そんな彼に、望がはにかんだ。
今日はゆーくんと二人で、静かに楽しみたい気分。
「ゆずもそう思ってくれて、すげー嬉しい」
偽りもごまかしも、もちろんお世辞もない言葉に、楪も笑い返した。
星を眺めながら、近くにあった小さい星を集めて望の髪に飾ってみる。
「くそ、顔がいいから違和感なく似合いやがる……」
悔しいほどよく似合っている。分かっていたけれど。
「ん? 何、何、似合う?」
キメ顔しつつ、楪にも赤色の星をお裾分け。
ああ、ほら。思ったとおりだ。
「めっちゃ似合ってる!」
「お前の色が似合わないわけないだろ」
言い返す楪はまんざらでもなさそうだ。
それに、色は違えどお揃いで。
「念動力に関しては不器用過ぎだろ!? とか我ながら思うわー!」
力いっぱい自虐する望に、楪が人の悪い表情になり。
しかしふいと浮かべる感情を変えたのに気づく。
「でも……ゆずとまた、色々な景色を一緒に見たいし」
笑顔のなかに真摯を交えて。
そんな彼に、ふ、と笑って返した。
並んで浮くのもいいけど……なんとなく、誰も見てねェだろうし。
それに、ほら。こんなに輝きがあるのなら、きっと隠してくれるだろうさ。
「なぁ、ひづ、後ろから抱き締めてくんねーの?」
前からでも、横からでもなく。後ろからぎゅーっ、と抱き締めつつ、望は楪の耳元で伝えた。
「頑張るわ、俺」
「おー……気長に待ってやる」
さほど期待しているふうには思えない反応に唇を尖らせると。
「楽しみにしてるし、な?」
頬へ口づけしそうに顔を上げて。
だからほら。一緒に。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
インディゴ・クロワッサン
「眠りネズミに関する予知と聞いたら、関わらずにはいられないなぁ…」
いや、この前のアルダワの戦争で10倍もの夜糖蜜は確保したけど… ほら、何時かは尽きちゃうじゃん?
「…当面は尽きそうもないけど…ほら、ね?」
まぁ、とりあえず何となくその辺に浮いてるけど…大丈夫?僕の着てる服って黒いから、うっかり【闇に紛れて】たりしない?
プラネタリウム満喫する前に何か寝ちゃいそーだよ…
「はふぁぁ………」
あっ 心地良い暗さに思わず欠伸が…
まぁ、無重力ではないにせよ【空中浮遊】には慣れてるから、他人に邪魔にならなさそーな所を【第六感】や【情報収集】で探して、お仕事の前のお昼寝と洒落込もーっと………(˘ω˘)
※寝落ちた
「眠りネズミに関する予知と聞いたら、関わらずにはいられないなぁ……」
星々の間をゆるりとたゆたいながら、インディゴ・クロワッサン(藍染め三日月・f07157)はほつりとつぶやく。
彼は何度か眠りネズミと縁があり、そのたびにそのポットから夜糖蜜をいただいているのだけれども。
いや、この前のアルダワの戦争で10倍もの夜糖蜜は確保したけど………ほら、何時かは尽きちゃうじゃん?
「……当面は尽きそうもないけど……ほら、ね?」
それはもうたくさんいっぱい集めた。大魔王様ありがとう。
けれどいつか尽きてしまうから、手に入れられるうちに手に入れたいもの。
とはいえ、まだ眠りネズミと対峙するにはもう少し手間が必要だ。急ぐ必要もないし。
まぁ、とりあえず何となくその辺に浮いてるけど……大丈夫? 僕の着てる服って黒いから、うっかり闇に紛れてたりしない?
懸念するその黒衣も、月明かりに照らされた夜空のような藍色の髪も、柔らかく輝く星に静かに照らされて、ほのかにきらめく。
プラネタリウム満喫する前に何か寝ちゃいそーだよ……。
とろけるようなまどろみに、インディゴは月光の雫に似た瞳を細めた。
「はふぁぁ………」
あっ。
心地良い暗さに思わず欠伸が……。
まぁ、無重力ではないにせよ空中浮遊には慣れてるから、他人に邪魔にならなさそーな所を探して、お仕事の前のお昼寝と洒落込もーっと…………(˘ω˘)
周囲をぐるっと見回して他の人の位置を確かめ、どう動くか予測すると、人がこなそうな場所を選んで移動する。
…………。
……………………?
よーく見れば、しっかりと寝落ちしていた。
ちょっと声をかけられたくらいでは起きなさそうだ。
それもいいかもしれない。だって、このプラネタリウムで寝てはいけないという規則はないのだから。
さて……彼の眠りのなかには、何か映り込むのだろうか?
成功
🔵🔵🔴
鹿村・トーゴ
プラネタリウムってアレだろ?天井とかに本物みたいな星空映せるやつ
故郷(サムライエンパイア)の星とこの世界の星ってきっと違うんだろうなー
(と、自分の懐に入れた相棒の鸚鵡ユキエに話しかけて)
うわ無重力…?ってなんか変
地に足つかねーって不安になるな、しかも天地左右星だし
なーユキエ、空飛ぶのってこんな感じ?(ユキエは無言で見つめ返してくるばかり)えーなに怒ってんの?
あ。鳥目だから真っ暗が怖い?(首のあたりを撫でてやり、ぼんやり浮いてると顔をの横を星が掠めてちょっとびっくり)
…っと、本物と違うのは星にさわれる事だった(いくつかつついてみて
山から見る満天の星ってのも好きだけどさ
星の中にいるってのもいーねえ
「プラネタリウムってアレだろ? 天井とかに本物みたいな星空映せるやつ」
そう想像していた鹿村・トーゴ(鄙村の外忍・f14519)の視界には、ずっとずっと多くの星がきらめいている。
彼の故郷であるサムライエンパイアの星空と、今目の前に広がる星空は、同じだろうか。
思いを馳せながら見上げ、それから視線を下げる。
「故郷の星とこの世界の星ってきっと違うんだろうなー」
と、自分の懐に入れた相棒の鸚鵡、ユキエに話しかけて。
いつも賢くて気が強くよくしゃべる黄芭旦はいつになくおとなしくしていて、どうしたのかと覗き込もうとした拍子にバランスを崩す。
ユキエをうっかり傷つけないよう気をつけて姿勢を取り直し。
「うわ無重力……? ってなんか変」
地に足つかねーって不安になるな、しかも天地左右星だし。
落ちているようでも、昇っているようでもない。かといって同じ場所にとどまっているわけでもない、不思議な感覚。
「なーユキエ、空飛ぶのってこんな感じ?」
ゆるり、くるり。上が下になり右を左としながら問いかけてみるけれど、ユキエは無言で見つめ返してくるばかり。
「えーなに怒ってんの?」
指の背ですりすりしてやって、あーそうか、と気づく。
「あ。鳥目だから真っ暗が怖い?」
首のあたりを撫でてやり、ぼんやり浮いてると顔の横を星が掠めてちょっとびっくり。
当たっても痛くはないのだろうけれど、やっぱりすぐそばを通り過ぎると驚いてしまう。
「……っと、本物と違うのは星にさわれる事だった」
いくつかつついてみて、熱くも冷たくもない感触を楽しむ。
手のひらに乗せれてみれば、ユキエもそおっと顔を覗かせた。
相棒の様子にふっと笑って周囲を見渡す。
「山から見る満天の星ってのも好きだけどさ」
星の中にいるってのもいーねえ。
成功
🔵🔵🔴
第2章 冒険
『暇を持て余す精霊達と遊ぼう』
|
POW : 身体を使って挑戦。<楽器演奏>や<歌唱>など、場を和ませて楽しんでもらおうか。
SPD : 技術を使って挑戦。<料理>や<パフォーマンス>など、技術を使ってご機嫌を取ってみようか。
WIZ : 知恵を使って挑戦。<世界知識>や<優しさ>など、感性や知恵で満足させてみようか。
👑7
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
|
種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
皆がそれぞれに星々の輝きを楽しんでいると。
こつん。と、小さなかけらが触れた。
星に触れるのとは違うその感覚の原因をよく見れば、一口ほどのクッキーが。
流れてきたその先をたどると、カフェの扉の前に置かれたいくつかのテーブルの上で、ティーポットやカップ、それに様々な形のお菓子が踊っている。
はて、あそこは無重力の影響を受けないはずだが……?
疑問に思うもすぐに解決する。精霊たちが、不躾にもお茶菓子で遊んでいるのだ。
これはいけない。どうにかして精霊たちをなだめないと、カフェへ入ることができない。
それにはまず――精霊たちとのお茶会を楽しまなければ。
榎本・英
【春嵐】
小さな囁きは、
嗚呼。彼らの遊ぶ声。
困ったね、中には入れてくれないらしい。
君は彼らをあやす方法を知っているかい?
早速、君の髪の毛で遊んでいるようだが
とても微笑ましい光景だよ
中に入らずとも此処で満足してしまいそうだ。
折角だ。私とも一緒に遊ぶかい?
なゆの髪もとても心地良いかもしれないが
私の髪の毛も気にいると思うよ
実は既に、私の髪を気に入った妖精が友達にいてね
此処ではない世界に住んでいる
君たちも気に入れば良いのだが。
なゆも此処で眠ってみるかい?
私の頭の上はどうやら気持ちが良いらしい。
もちろんどうぞ、大きな妖精さん。
寝物語も、目覚めの春も準備は出来ているよ。
蘭・七結
【春嵐】
星のまたたきに添う囁きたち
なゆの耳にも聴こえているわ
とてもうれしそうに微笑むのね
通せんぼは、かわいい悪戯かしら
戯れるのは、はじめてよ
なにをして遊び――まあ、
ふふ。なんだかくすぐったい
なゆの髪で遊ぶのは、たのしい?
引かれて絡んで結われてゆく
左右でひとつずつ、ふたつの三つ編み
あいらしい微笑たちに頬が緩むよう
あたたかな春のぬくもり
英さんの頭上は、心地が良さそうね
眠たげな眸をした子がいるわ
ちいさくなることはむつかしい
けれど、別の方法ならば
微睡んだ精霊が飛び立ったあと
つま先立って、あなたの癖髪へと指さき伸ばす
触れても、いい?
やわくてやさしいあなたの温度
ぬくもりを抱いて眠る物語も、ステキでしょうね
星のまたたきに添う囁きたち。小さな囁きは、嗚呼。彼らの遊ぶ声。
英からの、問わずの問いの視線に微笑む。なゆの耳にも聴こえているわ。
「困ったね、中には入れてくれないらしい」
困ったと言うのに、まあ。
とてもうれしそうに微笑むのね。
「通せんぼは、かわいい悪戯かしら」
まるで差し出されるように七結の手のひらへぽんと落とされたクッキーに視線を落とす。
一口か二口で食べられるほど小さなそれは、薄く色づくキャンディで空洞になっているようで。挟み込まれたそのなかに小さな砂糖菓子が閉じ込められ、振るとかすかに音が立つ。
「君は彼らをあやす方法を知っているかい?」
英の問いに、戯れるのは、はじめてよ。と答えて、もうひとつクッキーを受け取った。こちらは不思議なマーブル模様にアラザンを散らせて星空を模したものだ。
「なにをして遊び――まあ、」
彼へクッキーを渡すその隙に、ゆぅるりと精霊たちが七結の髪と戯れる。
仄優しいあかりにつやめく彼女の髪は心地よいのだろうか。さらさらと精霊たちの笑う声が立つ。
「早速、君の髪の毛で遊んでいるようだが、とても微笑ましい光景だよ」
戯れる間に無理に絡まないよう梳いたり、彼女の髪を彩る飾りを傷つけないよう注意して。
優しくいらうその様子。
中に入らずとも此処で満足してしまいそうだ。
あちらこちらと髪に触れられ、七結も笑みがこぼれた。
ふふ。なんだかくすぐったい。
「なゆの髪で遊ぶのは、たのしい?」
問うまでもなく、楽しそうに。引かれて絡んで結われてゆく。
左右でひとつずつ、ふたつの三つ編み。
あいらしい微笑たちに頬が緩むよう。
柔らかく結われた七結の三つ編みを、英のその手に乗せられて。
「折角だ。私とも一緒に遊ぶかい?」
なゆの髪もとても心地良いかもしれないが、私の髪の毛も気にいると思うよ。
いざないに、精霊たちは興味を惹かれてふわと彼の肩や額の先に触れる。
そわり、ひそり。ついばむような感覚のあとには撫でるように。
「実は既に、私の髪を気に入った妖精が友達にいてね」
此処ではない世界に住んでいる、その友達のようとまではいかなくとも。
君たちも気に入れば良いのだが。
そう案じるけれど、その心配はなさそうだ。
だってほら、彼の頭の上にも精霊がちょこんと乗っている。その様子があんまりに優しくて、七結の口元がほころんだ。
あたたかな春のぬくもり。
「英さんの頭上は、心地が良さそうね」
眠たげな眸をした子がいるわ。
伝えられてそちらを見ようにも、まったく。そんなにも心地が良さそうなら、邪魔はできない。
「なゆも此処で眠ってみるかい?」
私の頭の上はどうやら気持ちが良いらしい。
いたずらっぽく微笑んでの問いに、ふんわり微笑み返す。
ちいさくなることはむつかしい。
けれど、別の方法ならば。
微睡んだ精霊が飛び立ったあと、つま先立って、あなたの癖髪へと指さき伸ばす。
触れても、いい?
声に出さない問いに、やはり言葉ではない答え。
もちろんどうぞ、大きな妖精さん。
寝物語も、目覚めの春も準備は出来ているよ。
やわくてやさしいあなたの温度。
ぬくもりを抱いて眠る物語も、ステキでしょうね。
精霊たちも、きっと見守ってくれる。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
鹿村・トーゴ
イタズラつーても目に見える害有るわけでも…(チョコや焼き菓子、お菓子の欠片がぽつんこつんと飛んでくる。なんか的にされてる?手で受けてぽりぽり)
お?渡来のお菓子かな?
甘くて美味いや
ほれユキエ(ドライフルーツが飛んでくればそれを与え、ユキエもご満悦そうに頷きついばむ)
しかし…(額の角に輪っか型のお菓子を輪投げよろしく投げられると)これはちょっとねー
精霊に近づき輪っかを返上
その辺のお菓子をお皿にどんどん積む
四角いビスケットでドミノ作ってみたり(邪魔される)
こっちも【念動力】使って色違いの飴で五目並べ
勝手に動くカップから一杯貰う(めっちゃ焦げ苦い珈琲だった)
扉が開けばバイバイと手を振って通過
アドリブ可
目の前には、お菓子で戯れる精霊たち。
「イタズラつーても目に見える害有るわけでも……」
独白するトーゴ目がけて、チョコや焼き菓子、お菓子の欠片がぽつんこつんと飛んでくる。なんか的にされてる? と手で受けてぽりぽり。
「お? 渡来のお菓子かな?」
甘くて美味いや。
もうひとつ、またひとつとかじる彼の様子は精霊たちにとって好ましい反応だったようで、次はこれ、その次はこっちも、と次々にお菓子が届く。
お菓子以外にもドライフルーツが飛んでくるとそれを受け止めて、
「ほれユキエ」
それを与え、ユキエもご満悦そうに頷きついばむ。
すると今度は、精霊たちは小さくしたドライフルーツを彼女にも。
「しかし……」
額の角に輪っか型のお菓子を輪投げよろしく投げられると、さすがに眉をひそめる。
羅刹である彼の角はちょうどいい目標になったのだろうけども、だからといって少々悪ふざけが過ぎたようだ。
「これはちょっとねー」
精霊に近づき輪っかを返上。ダメ? 問われて、ダメ。と応え。
だんだん集まってきたその辺のお菓子をお皿にどんどん積むと、精霊たちも真似して積みはじめてはころりと落とす。
並べるのにちょうどよさそうな四角いビスケットでドミノを作ってみれば、邪魔されてことこと倒れる。
ぽわぽわ浮かぶ飴には、こっちも念動力を使って色違いの飴で五目並べ。けれど次第に色数が増えていって、勝ち負けどころかどちらがどんな状態なのかも分からない。
一息ついて、勝手に動くカップから一杯貰うと。
「うぇっ……!」
めっちゃ焦げ苦い珈琲だった……。
予想外のことで顔をしかめたトーゴの悲鳴に、大丈夫? とユキエがつんつん頬をつつく。
精霊たちは慌てて口直し用に甘いお菓子を彼の前に積み上げて、お詫びというわけでもないのだろうけれど、小ぶりのお菓子を薄葉紙にいくつか包み彼の手のなかに落とした。
一緒に遊んで満足した精霊たちは、カフェへと通じる扉の封印を解くとまた遊んでねーと手を振り、トーゴもバイバイと手を振って。
ユキエの黄色い冠羽を名残惜しそうに撫でる精霊をやんわりと離してから扉をくぐった。
成功
🔵🔵🔴
インディゴ・クロワッサン
…精霊かぁ…
…僕にやれそうな事全然思い付かないんだけど、どうしようね?
「うん、微塵もやれそうな事が思い付かない!」
だから、ふーわふーわと【空中浮遊】しながらお茶会にお邪魔させて貰おうっと…
「お邪魔しまーす」
お、クッキー?(もぐ)うん、美味しいー
「流石に紅茶の直飲みは…」
せめてカップが欲しいな!切実に!…うん?
「あ、ちょ、勝手に髪解かないでー!?」
それで勝手に髪で遊ばないでー!?三つ編みにしないでーーー!?
「………何言っても無駄かぁ…」
給仕され続けるクッキーをパリポリ食べながら、諦めて精霊に遊ばれますかー…(溜め息
……精霊かぁ……。
ふよふよ、ぽわぽわ。
目の前に浮かぶお茶やお菓子をインディゴは一見涼しげに、実のところ困り果てて眺めた。
……僕にやれそうな事全然思い付かないんだけど、どうしようね?
なにかこう、面白い芸のひとつでもできればいいんだけども。……うーん。
「うん、微塵もやれそうな事が思い付かない!」
もういっそ何もしないのもありってやつかな!
だから、ふーわふーわと空中浮遊しながらお茶会にお邪魔させて貰おうっと……。
「お邪魔しまーす」
そろっと挨拶すると精霊たちは、また誰か来た。と興味を惹かれて集まり、これ食べる? こっちは? あちこちからわちゃわちゃとお菓子を手に手に彼の口元へ運んできた。
お、クッキー?
差し出されるまま、もぐ。とかじる。食べやすく整えられた焼き菓子は、口に含むとほろり崩れた。
うん、美味しいー。
つい顔がほころんだところに、空中で一口サイズにまとめられたお茶もどうぞとなかば強引に口へと押し込められた。
「流石に紅茶の直飲みは……」
言いかけたところでもうひとつこぷん。問答無用というやつである。
せめてカップが欲しいな! 切実に! ……うん?
もごもごしていたら不意に感じた、頭が引っ張られる感覚にそちらを見やると、背中に払いやったはずの藍色の髪。
ふわふわしている間に乱れたかと考え、いやでもそんな簡単に解けるはずがないぞ?
となると、答えはもちろん。
「あ、ちょ、勝手に髪解かないでー!?」
それで勝手に髪で遊ばないでー!? 三つ編みにしないでーーー!?
器用に毛束を分けて編み込みはじめた精霊たちを慌てて止めようとするも、もはや遅い。
精霊たちによって、インディゴの長い髪は三つ編みをいくつも編み込まれていく。なかには三つ編みをまた束ねて編み込んだものも。
「…………何言っても無駄かぁ……」
諦めて精霊に遊ばれますかー……。
給仕され続けるクッキーをパリポリ食べながら、溜息をついていると。
ちらっと見てしまった。
お菓子の給仕の順番待ちをしている精霊たちを。
差し出した分だけ食べてくれる彼のことを気に入ったようだ。
さすがに、いい加減強引に食べさせるということはなかったけれども。
成功
🔵🔵🔴
氷月・望
楪(f16731)と
アドリブ等歓迎
老若男女、精霊だろうとバッチコーイ!
ココで【コミュ力】を使わないで
いつ使う!いや、今でしょ!なんちゃって?
お茶菓子で遊ぶのもいいケド
一緒に食べる方が楽しいし、美味しいと思うよ?
そんな風に精霊達をやんわり宥めつつ
ソレでも言うコトを聞かない子には【言いくるめ】も辞さない
お菓子をお裾分けしようとしてくれる精霊も居るかも?
ゴメンね、俺の大事なヤツが嫉妬しちゃうんで
自分で食っていいから、な?(そっと撫でてみようと
実際、このケーキとかマフィンは美味そうなんだよな
ゆーくん、どうかし……んっ?
え、あーん?マジで?
(ニヤけそうになるのを堪え切れないまま、もぐっ
……すっげー美味い
月待・楪
氷月(f16824)と
アドリブ等歓迎
いって……クッキー?
うわ…あれは俺向きじゃねェな…
ひづ、せーれーとかそーいうのは任せた
無駄なコミュ力の使い所だぞ
精霊相手は氷月に押し付けたし
俺はのんびり紅茶でも飲んでクッキー食うか…
つか、なに
クッキー、紅茶以外にも
マフィンとかケーキまでふわふわしてんのかよ
どれも美味そうではあるな…選ぶのめんどくせーケド
適当に【念動力】で引き寄せて
氷月の様子を見つつ食っておく
あー…美味い…
なんかこう、すげーだらけてるなァ
……いや、面倒だから忙しくねぇのが一番か
ひらっと氷月を見て
案外楽しそうにやってんのにイラっとする
ひーづき、こっち見ろよ
ほら、あーん
このクッキー中々美味いぜ?
こっつん。
「いって……クッキー?」
額に落ちた衝撃に楪が顔をしかめた。見れば精霊たちが、彼らを興味津々で見つめている。
もう間違いなく、絶対になにかされないで済むはずがない。
うわ……あれは俺向きじゃねェな……。
「ひづ、せーれーとかそーいうのは任せた」
無駄なコミュ力の使い所だぞ。
そう振られた望はやる気満々でうなずいた。
老若男女、精霊だろうとバッチコーイ!
「ココでコミュ力を使わないでいつ使う! いや、今でしょ! なんちゃって?」
愛嬌のある笑顔で応えて、さっそく精霊たちへとこちらから声をかける。
「お茶菓子で遊ぶのもいいケド、一緒に食べる方が楽しいし、美味しいと思うよ?」
なぁに? とこっくり首を傾げる精霊たちをやんわり宥めつつ、ソレでも言うコトを聞かない子には言いくるめも辞さない。
とはいえ、すぐにすべての精霊たちがおとなしくなるはずもなく。
なにやら大騒ぎの精霊の相手は望に押し付けたし。
俺はのんびり紅茶でも飲んでクッキー食うか……と視線を移して、楪は渋い顔になった。
「つか、なに」
星空マーブルにアラザンの星散るマカロンが、マフィンにぺしょりとくっつく。かと思えば、たくさんのマシュマロを積み上げてチョコレートで飾ったヒツジも。あちらには……。
クッキー、紅茶以外にもマフィンとかケーキまでふわふわしてんのかよ。
あんまりに精霊たちのいたずらが過ぎて、新しいスイーツが生まれてさえいた。
「どれも美味そうではあるな……選ぶのめんどくせーケド」
それならそれで、適当にそのへんのを取ればいい。美味しいのは間違いないのだから。
精霊たちはどうやら彼は構ってくれないと判断してターゲットを変える。食べてみてみてと望へお菓子をお裾分けしようとしてくれる精霊たちに、
「ゴメンね、俺の大事なヤツが嫉妬しちゃうんで」
自分で食っていいから、な?
やんわり断りつつそっと撫でてみようとすると、くすぐったそうに笑って撫でさせてくれた。
微笑み返しながら、しかしまだそのあたりに浮かんでいるお菓子をちらと見る。
実際、このケーキとかマフィンは美味そうなんだよな。
……でもガマンだ。
ぐっと耐える彼とは対称に、適当に念動力で引き寄せて、望の様子を見つつ食べる楪。
「あー……美味い……」
こうして眺めながら食べるのはまた別だ。彼を眺めているから、かもしれない。
「なんかこう、すげーだらけてるなァ」
……いや、面倒だから忙しくねぇのが一番か。
但し、面倒ごとを押しつけた相手はそうでもなさそうで。
ひらっと望を見て、案外楽しそうにやっているのにイラっとする。
「ひーづき、こっち見ろよ」
クッキーをつまんで呼ぶと、ようやく精霊たちを落ち着かせた望は一息ついて彼のそばへ戻った。
「ゆーくん、どうかし……んっ?」
ほら、あーん。
続いた言葉とクッキーに目を見張る。
「え、あーん? マジで?」
「このクッキー中々美味いぜ?」
差し出すというよりは、唇に軽く押し付けて。
ニヤけそうになるのを堪え切れないまま、もぐっ。
「……すっげー美味い」
多分それは、味だけのせいではないけれども。
客人たちとのお茶会を充分に楽しんだ精霊たちはひそやかに笑いあいながら、カフェへの扉にかけた封印を完全に解く。
さあ、どうぞ。
ごゆるりと。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
第3章 集団戦
『眠りネズミ』
|
POW : おやすみなさい、よいゆめを
全身を【ねむねむふわふわおやすみモード】に変える。あらゆる攻撃に対しほぼ無敵になるが、自身は全く動けない。
SPD : みんないっしょに、ねむりましょ
【ふわふわのしっぽ】から【ふんわりとつつみこむもふもふのいちげき】を放ち、【今すぐこの場で眠りたい気持ち】により対象の動きを一時的に封じる。
WIZ : きらきらひかる、こうもりさん
対象のユーベルコードに対し【吐息からキラキラ光る小さなコウモリたち】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。
イラスト:なかみね
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴
|
種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
カフェへそっと踏み込むと、ささやかに音が聞こえる。
薄闇のなか、かすかな灯火をクリスタルガラスのサンキャッチャーが反射して、天井から床まで星明りが散っているよう。
五芒星をいくつか重ねた小ぶりのランプを渡され通されたテーブルは、どれも2人掛けや3人掛けのソファが置かれていて、ゆったりとくつろげるようになっている。
そして、その上。
「あれか」
クッションにもたれたり、テーブルの片隅に落ち着いていたり。
あちこちで、眠りネズミたちもくつろいでいた。
オブリビオンを前にした以上は、猟兵として討伐しなければならない。
「……まあ、ちょっとくらいもふもふしてからでもいいよね」
ちょっとくらいなら、いいよね。
インディゴ・クロワッサン
(精霊に悪戯された髪のままで)
普段は簡単に結い留めるだけだから、まー多少はね?
「どーせ真の姿の時は髪ほどいちゃうし…それまでは、ね」
さて、と
「いて座モチーフの、夜糖蜜が溶けそうな飲み物くーださい♪」
てきとーな席に腰掛けて、傍らの眠りネズミを撫でながら、ふわぁと大欠伸。
飲み物が運ばれて来たら、自前の夜糖蜜を注ぎ込んで、幸せな甘さに思わずにっこり。
もひとつ欠伸をしたら、傍らの眠りネズミを撫でてから、拷問具:嘆きの金糸雀でぽこん。
夜糖蜜のポットをテーブルの上に置いて、別の眠りネズミを枕にして
「おやすみなさーい…」
(うっかり指定UCが発動し、控えめに花弁の数が増えながらもぽこぽこと倒していく)
精霊に悪戯された髪のままで、インディゴは苦笑した。
普段は簡単に結い留めるだけだから、まー多少はね?
「どーせ真の姿の時は髪ほどいちゃうし……それまでは、ね」
精霊たちがいた方向をちらり振り返った拍子に、柔らかく編み込まれた三つ編みが揺れる。
さて、と。
「いて座モチーフの、夜糖蜜が溶けそうな飲み物くーださい♪」
てきとーな席に腰掛けて注文を告げると、傍らの眠りネズミを撫でながら、ふわぁと大欠伸。
ほどなく運ばれてきたのは、透きとおるハーブティのソーダ。優しいリンゴのフレーバーが甘酸っぱく香り、冷たすぎない微炭酸に沈むフルーツのなかに小さな星のゼリーがひとつ隠れている。
いて座を構成する南斗六星が『生と癒やしを司る』という逸話にちなんで、ヒーリング効果のあるハーブをメインにミックスしたドリンク。
三日月のコースターに乗せられたグラスへ自前の夜糖蜜を注ぎ込んで、幸せな甘さに思わずにっこり。
もひとつ欠伸をしたら、傍らの眠りネズミを撫でてから、奇妙な形状のベルでぽこん。この『嘆きの金糸雀』は、本来は血なまぐさい用い方をする拷問具だけども、今回はなしで。
夜糖蜜のポットをテーブルの上に置いて、別の眠りネズミを枕にして。
「おやすみなさーい……」
ああ……そういえば、眠ってしまってもいいのだろうか?
穏やかなまどろみに少しだけ抗って視線をめぐらせれば、もしかしたら撫でている間に陥落してしまったのか、置かれた飲み物もそのままで心地よさそうに眠っている客の姿。
通りかかった店員が薄手のブランケットをかけてあげているのも見えたし、それならそれで、目が覚めるまで眠ってもいいのだろう。
「後はよろしく~……」
夢うつつにユーベルコードをうっかり発動し、インディゴの周囲で漂う藍薔薇が控えめに花弁の数を増やしながらぽこぽこと倒していく。
けれどもそれは、彼の知るところではない。眠りネズミがたちが残していった夜糖蜜のポットを店員がテーブルに並べても。
藍の落ちる夢は、果たして。
成功
🔵🔵🔴
テティス・カスタリア
未来が読めない
人工の星明り
「嫌いじゃ、ないけど」
敵と一緒…いいの?
でも確かに星は黙してただ在るべき
乱したり壊したり、ダメ
「…夜糖蜜、欲しい」
予知の猟兵は手芸?の話もしてたけど
「興味……んん」
持ってたら、役に、立つ?
夜糖蜜でジャムかシロップ辺り作ろうとしてた
船の、ドクター…朝弱いみたい
ぱちっと起きられないの、眠りが悪いかもって思って
「……誰か(きょろきょろ)、教えてくれる(そわそわ)、人……?(うろうろ)」
夜糖蜜のレシピ、手芸のやり方…やり方書いてる本の在り処でも、いい
教えてくれると、助かる
目的も、素材狩りも忘れてない
何か適当な物、星に変えて最低限の一撃で倒す
星に変えた物も元通りに戻してから帰る
空を仰いだテティス・カスタリア(想いの受容体・f26417)は溜息をついた。
未来が読めない人工の星明り。
「嫌いじゃ、ないけど」
敵と一緒……いいの?
そこここでくつろいでいる眠りネズミ。客と一緒に眠っているものもいる。あれは一応、オブリビオンなのに。
でも確かに星は黙してただ在るべき。
乱したり壊したり、ダメ。
こくりとうなずいて、眠りネズミの抱えるポットの中身を見た。
夜空を溶かしたように深い色のなかに、ちらちらと輝きが揺れる。
「……夜糖蜜、欲しい」
予知の猟兵は手芸? の話もしてたけど。
首を傾げるテティスの目の前で、眠りネズミは彼が大切に手にしているオーブに閉じ込められたイフェイオンの花を眠たげに眺めている。
「興味……んん」
持ってたら、役に、立つ?
そういえばと思い出し。
夜糖蜜でジャムかシロップ辺り作ろうとしてた、船の、ドクター……朝弱いみたい。
ぱちっと起きられないの、眠りが悪いかもって思って。
それなら、いい眠りをもたらすものを作ってあげたら喜んでくれるだろうか。
「……誰か、教えてくれる、人……?」
きょろきょろ、そわそわ、うろうろ。さまよう足元で一緒に眠りネズミもうろうろ。
夜糖蜜のレシピ、手芸のやり方……やり方書いてる本の在り処でも、いい。
教えてくれると、助かる。
困り果ててしまった彼を、何やら悩んでいる様子と見て取った近くの客や店員があれこれと教えてくれた。
何なら眠りネズミの素材で安眠グッズを作っている人が作例として見せてくれたり、夜糖蜜を使ったレシピのメモをもらったり。
メモを真摯に、本当のところはちょっとぼんやり見つめるテティスの足元で、眠りネズミはゆったりと尾を振った。
ああ、うん。もちろん。
目的も、素材狩りも忘れてない。
「望む未来、描く星――」
言葉とともに手元の何か適当な物を星に変えると、眠りネズミへ向けて最低限の一撃で倒す。
ぽふんぽんと当たった星のきらめきが薄闇に溶け、変えた物も元通りに戻して。
とりあえずの量の素材を確保したテティスは、そっと触れてみる。優しくて柔らかくて心地よい。
これならきっと、いいものができそうだ。満足そうにうなずいて、カフェを後にする。
少し浮いたその足取りは、どこか楽しそうに見えた。
成功
🔵🔵🔴
蘭・七結
【春嵐】
微睡む眸。星明かりを纏う眠たげな子
ゆらりと揺れる尾へと指さき伸ばす
……ふうわりと、やわいのね
嗚呼。あたたかいわ
しあわせな眠りに誘うためのもの
あまく眠るひと夜もステキでしょうね
あなたは、眠らないの?
指さきでほどけてゆく三つ編み
新たに編まれ結われて心地よい
あまりにもやさしい貌で笑むのだから
つられて頬が緩んでしまう
編み終えた指のさきを
そうと絡めて手繰りましょう
いいえ、共に起きているわ
あたたかく降る春の声を、
紡がれてゆく物語をきいていたい
きらめきの川、それとも蠍座の心臓?
どの彩にもいのちがあって、いきている
あなたの声が綴る物語
結びを得るまでは眠たい子と一緒に
さようならは『おしまい』を迎えてから
榎本・英
【春嵐】
星の散らばる場所に眠そうな子
とても愛らしいね
彼らから素材をもらうと良く眠れるそうだよ
少しいただくかい?
この蜜は飲み干すためのもの
彼らの毛は寝具に
どちらも甘くて心地良いのだろうね。
嗚呼。私は大丈夫。
そう、眠らない
だから柔らかな毛を堪能するよ
なゆも抱いてみるかい。
こっそり伸ばした手は
妖精たちに編まれた君の髪
眠い子の毛よりも柔らかい
指先で梳いて結って
嗚呼。邪魔をしてしまったかな。
君は眠らないのかい?
絡めた指を撫で
寝物語に星々の話を聞かせよう。
話し終えたら眠い子にさようならを告げなければならないが
語り終えたら眠い子におやすみを
それまではもう暫し
星の散らばる場所に眠そうな子。
英の指を自ら弄われるように掠めて寄り添うそばに、もう一体が自分もと求めてそろと近づく。
微睡む眸。星明かりを纏う眠たげな子。
ゆらりと揺れる尾へと七結が指さき伸ばすと、眠りネズミも包むように尾を添わせた。
「……ふうわりと、やわいのね」
嗚呼。あたたかいわ。
微笑む彼女に英はとても愛らしいねと微笑み反し。
「彼らから素材をもらうと良く眠れるそうだよ」
少しいただくかい? 不思議な彩を透かすポットを示す。
この蜜は飲み干すためのもの。彼らの毛は寝具に。
しあわせな眠りに誘うためのもの。
どちらも甘くて心地良いのだろうね。
微笑みその頭を指先でなぞると、ちらりポットのなかで星が瞬く。
あまく眠るひと夜もステキでしょうねと応え。
「あなたは、眠らないの?」
問われて笑う。
「嗚呼。私は大丈夫」
そう、眠らない。
膝に抱き差し出した手にすりと身を擦る眠りネズミの感触はそわりと優しくなよびかで。
だから柔らかな毛を堪能するよ。
「なゆも抱いてみるかい」
こっそり伸ばした手は、妖精たちに編まれた君の髪。眠い子の毛よりも柔らかい。
指先で梳いて結って――……。
指さきでほどけてゆく三つ編み。新たに編まれ結われて心地よい。
甘い心地に七結がそっと目を伏せると。
「嗚呼。邪魔をしてしまったかな」
悪気なくしてしまった行為を詫びながらのまどかな微笑み。
あまりにもやさしい貌で笑むのだから、つられて頬が緩んでしまう。
編み終えた指のさきを、そうと絡めて手繰りましょう。精霊のように悪戯なその指を。
君は眠らないのかい? いいえ、共に起きているわ。
絡めた指を撫で、寝物語に星々の話を聞かせよう。
あたたかく降る春の声を、紡がれてゆく物語をきいていたい。
話し終えたら眠い子にさようならを告げなければならないが。
そればかりはどうしようもなく、少し寂しいけれども。一緒に物語を聞きましょう。
きらめきの川、それとも蠍座の心臓? どの彩にもいのちがあって、いきている。
あなたの声が綴る物語。
結びを得るまでは眠たい子と一緒に。
語り終えたら眠い子におやすみを。それまではもう暫し。
さようならは『おしまい』を迎えてから。
嗚呼、でも――いつか『おしまい』は来てしまう。
つめたい夜を、ひらきましょう。
――離さないでくれよ。
ひそやかに紡がれたユーベルコードが、静かにさようならを告げた。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
鹿村・トーゴ
(キラキラした飾りに見とれふかふかソファが思いのほか体が沈んで驚く)
なんかプラネタリウムからこっち頭がほわんてなりそ
眠いわけじゃないんだけどさー
あのねずみのポットの中身飲むといい夢見れるんだってよ
ユキエ、…?
『ユキエ、さっきのフルーツでおなかいっぱい。眠ーい』
外套の中に潜ってうとうとしたユキエをそのままに
自分もふかふかソファでうとうと
あっだめだ、忘れそーだったけど
あのねずみ倒しに来たんだった
倒しに…(ねずみをふかふか触る)うーんなんか敵ってゆーよりぬいぐるみじゃん、いい手触りだなぁ
触るだけでも眠くなりそ
でも、さて、いつまでも遊んでられないんだ
なるべく痛くないよーに…(UC使用
じゃーね
アドリブ可
トーゴはちょんと席につくと、キラキラした飾りに見とれふかふかソファが思いのほか体が沈んで驚く。
「なんかプラネタリウムからこっち頭がほわんてなりそ」
眠いわけじゃないんだけどさー。
そんな彼を、眠りネズミたちはとろんとした様子で眺め。
あのねずみのポットの中身飲むといい夢見れるんだってよ、とユキエに説うと、彼女は関心なさげな様子。
「ユキエ、……?」
『ユキエ、さっきのフルーツでおなかいっぱい。眠ーい』
しぱしぱとまばたきして、くちばしを胸に当てる。
外套の中に潜ってうとうとしたユキエをそのままに、自分もふかふかソファでうとうと。
ついでに彼らのそばで、眠りネズミたちも集まってうとうと。
ふわふわ……うとうと……もふもふ……ねむねむ……。
「あっだめだ、忘れそーだったけど」
不意にがばっと起き上がる。
あのねずみ倒しに来たんだった。
「倒しに……」
試しに眠りネズミをふかふか触る。ふわふわ。もふもふ。
「うーんなんか敵ってゆーよりぬいぐるみじゃん、いい手触りだなぁ」
触るだけでも眠くなりそ。
トーゴのつぶやきに、ユキエがやや強めにつっつく。
『ダメー! 倒すのー!』
確固とした意志というよりは、眠りネズミに誘惑されそうな彼をこちらへ引き戻そうとするように。
ああ……しかしこの、魅惑の手触り……。
抵抗されることもないので、やめどきを見極められない。
「ユキエとは違うんだよなあ」
苦悩しつつ指先でユキエの頭を撫でてやる。
でも、さて、いつまでも遊んでられないんだ。
すごく惜しいけど、これがオブリビオンである以上は倒さなければいけない。
「なるべく痛くないよーに……」
燈の花は刀の禍に転じて靡け黄の菜花――……。
紡いだ詠唱に、無数の菜の花の花びらが眠りネズミたちへと降りその姿を隠す。
「じゃーね」
さあっと花びらが散ったその後には、さやかなきらめきが揺れて消えた。
成功
🔵🔵🔴
月待・楪
氷月(f16824)と
アドリブ等歓迎
相変わらず気ぃ抜けてんな、こいつら
てか、寝てれば無害だしいっそのことマスコットにでもしちまえば?
あー…連れて帰りてェ
なぁ、氷月
一匹くらいならよくね?
部屋から出さないし
餌も探して食わせるし
ちゃんと洗うし
一匹…(じっと見つめて)
…ダメか?
?
俺のバディはお前だろ
もふもふしたり
適当に構ってみたりしつつ
こっそり氷月に見つかんねーよーに、持ってきたガラスの瓶にこいつらの蜜をわけてもらう
…そろそろなくなりそうだったし、ちょうどいい
…どーいたしまして
ま、お守り程度にしかなんねーけどな
苦しまないように
なんてガラじゃねーけど
でもせめて寝てる間に
【P. granatum】
おやすみ
氷月・望
楪(f16731)と
アドリブ等歓迎
いやー、初の眠りネズミ!
本当にゆるゆるだね……普通に寝てるし
ゆーくん?
コレでもオブリビオンなんだし、倒さないとだよ?
お菓子作りに使えるかもだし
夜糖蜜を分けてもらおうと、透明な瓶を取り出し
ゆーずー?
一匹でも何匹でもダメなものはダメ
部屋から出さなくても、餌が見つかっても、洗ってもダメ
じーっと見つめる様子は可愛いから
つい、揺らぎそうになるケド!
今度、バディペットとか……あ、ハイ、ソウダネ(照れた
でも、このふわふわはすげぇ気持ちいいかも
……コイツらのリボンで
ゆーくんがお守り作ってくれたんだよな
ありがとうな、なんて呟いて笑って
最後は眠っている間にそっと
自傷による【紅嵐】
「いやー、初の眠りネズミ!」
眠りネズミを前にして、望の頬が緩む。
一方の眠りネズミは、熱い視線を向けられても意に介さず。
「本当にゆるゆるだね……普通に寝てるし」
本来敵対すべき猟兵を前にしても、時折しっぽをゆらと揺らしてとろとろと。
相変わらず気ぃ抜けてんな、こいつら。と楪が息を吐く。
「てか、寝てれば無害だしいっそのことマスコットにでもしちまえば?」
「ゆーくん?」
ぽふんとしっぽを手に乗せて言う彼を望が諌めた。
「コレでもオブリビオンなんだし、倒さないとだよ?」
とはいえ全身何かしらの素材なのだから、倒す前に少し分けてもらっても構わないだろう。
お菓子作りに使えるかもだし、夜糖蜜を分けてもらおうと、透明な瓶を取り出し。
「……うわ。すごいもふもふ……」
眠りネズミに触れた途端に感じたその感覚。手を少し差し込めばふんわりと優しく包み込んで、抜くときには撫でるように離れる。
「あー……連れて帰りてェ」
もっふもふと楪はためらいなく撫でてもふってついでにしっぽも撫でて。
「なぁ、氷月」
一匹くらいならよくね?
その言葉に、望の笑みが凍りついたけれど、楪の視線は眠りネズミのほうに向いていた。
部屋から出さないし、餌も探して食わせるし、ちゃんと洗うし。
だから。
「一匹……」
じっと見つめて。
「……ダメか?」
ほんの少しだけ上目遣いで。
「ゆーずー?」
さすがに二度目は望も強く出た。
「一匹でも何匹でもダメなものはダメ」
部屋から出さなくても、餌が見つかっても、洗ってもダメ。
じーっと見つめる様子は可愛いから、つい、揺らぎそうになるケド!
「今度、バディペットとか……」
言いかけた望に、楪が『?』と不思議そうな顔になる。
「俺のバディはお前だろ」
なんの疑いもなく、自信たっぷりというよりはそれが当然と言わんばかりの断言。
望は言葉を失い、それからふっと苦笑。
「あ、ハイ、ソウダネ」
やや棒読み気味で応えて、眠りネズミを掴まえた。
もふもふしたり、適当に構ってみたりしつつ。楪がちらりと視線を移せば望は何やらやっているようだ。
こっそり彼に見つからないように、持ってきたガラスの瓶に夜糖蜜をわけてもらう。
静かに滴る蜜は眠りに落ちる間際のまどろみに似て。
「……そろそろなくなりそうだったし、ちょうどいい」
瓶を星明りに透かして、かすか思いを馳せる。
同じように夜糖蜜で瓶を満たした望も、眠りネズミを見つめた。
でも、このふわふわはすげぇ気持ちいいかも。
「……コイツらのリボンで、ゆーくんがお守り作ってくれたんだよな」
金色の星形の飾りがついた、眠りネズミのリボンと紺から紫へグラデしたリボンで出来たブレスレット。
その下になったリボンが、彼の見つめる先で柔らかく結ばれている。
ありがとうな、なんて呟いて笑って。
その笑顔に、楪はまんざらでもない様子。
「……どーいたしまして」
ま、お守り程度にしかなんねーけどな。
彼はそう言うけれど、だからこそ『お守り』だ。目に見えるものでも、見えないものでも、意味がある。
ふたりの交わす想いなど知らずに、眠りネズミたちは眠っている。
さあ、そろそろ終わりの時間だ。
「苦しまないように、なんてガラじゃねーけど」
でもせめて寝てる間に。
楪の言葉に、望もうなずいた。最後は眠っている間にそっと。
おもむろに自身を傷つける望の瞳が輝き、滴り落ちる血が目に見えないワイヤーを伝い刃となる。
「弾けろ」
低く落とした声で楪が告げるとともに現れたいくつもの炎が、ザクロのように弾け弾丸となり、眠りネズミへと降った。
小さく鳴いたその声までも、どこか優しい眠り歌のように。
「おやすみ」
そうして、アルダワ魔法学園からの依頼は無事完了した。
これらを報告したグリモア猟兵によれば――「仲間をねぎらいいたわるだけでなく、信頼関係にない相手の懐柔、油断しているように見せかけての攻撃などについても学ぶことができた」と学園側からは好評だったそうだ。
何かちょっと勘違いしているような気がしなくもないが、まあ、そういうことにしておこう。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴