5
取り零す、それを罪と呼ぶならば……

#ダークセイヴァー #同族殺し

タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#ダークセイヴァー
🔒
#同族殺し


0




「ああ、また護れなんだ。護れなんだ」
 焦点の合わない目でうわごとのように繰り返しながら少女は彷徨歩く。そして、少女は見つけた、城を、その領土を。
「おお、また私の領土が侵略されておる。取り返さねば」
 そこは少女の領土ではない。それどころか初めて訪れる土地だ。しかし、少女の目にはかつて失われた領土に見えているようだ。濁った瞳が映すは妄想の世界。故に少女は城へと襲撃をかける。
「返してもらうぞ、私の領土を」
 少女、同族を殺す狂えるオブリビオン、「同族殺し」の『ロックハーツ辺境伯』が異端の神『夜(デモン)』を伴い駆け抜ける。
「あら、ねぇ様、襲撃者のようよ。愚かなことね」
「ええ、そうね、セレナちゃん。愚かなことだわ」
 迎え撃つは幼き吸血姫『セレナ・ロックハーツ』。理想のイマジナリーねぇ様を具現化する異能の使い手。
 狂った末に妄想に憑かれた者と、幼さ故に妄想の世界に生きる者。二種の妄想の使い手が今ここに戦いの幕を上げる。


「と、いう夢を見たわ」
 夢かよ!
「勿論、予知だけどね。「同族殺し」、もう聞いたことがある人も多いのではないかしら?」
 同族を殺す狂えるオブリビオン、「同族殺し」。彼らが何故狂い何故同族を殺すのか? それを知るものはいない。狂っているが故にまともな会話は成立せず情報収集もままならない。ただ、彼らがうわ言のように繰り返す言葉から推測するしかないのだ。
「で、この「同族殺し」が領土館に襲撃をかけるから、この機に乗じて吸血姫領主を討ってきて欲しいの」
 領主の名は『セレナ・ロックハーツ』。幼い見た目の吸血姫。領主となり敬愛する姉に会えない日々のストレスからイマジナリーねぇ様を実体化するに至った異能の吸血姫。彼女は姉に似た人物を見つけると拐い自らのコレクションにしてるらしい。彼女の城には至るところに等身大のお人形が飾られている。
「このお人形は、まぁ、そういうことね。放っておけば被害が増える一方よ」
 普通に戦えば勝ち目はない。だが、「同族殺し」は彼女に匹敵する力を持っている。だから、この「同族殺し」が領土館を襲撃する今が最大の好機である。「同族殺し」を利用して防衛部隊を打ち破りその刃を領主に届かせるのだ。
「防衛部隊や領主との戦闘の時に間違っても「同族殺し」に攻撃を仕掛けてはダメよ。「同族殺し」の力を利用しなければ苦戦は必至、敵に認定されてしまえば失敗もあり得るわ」
 「同族殺し」の力を利用すること、それが前提の作戦なのだ。
「そして、領主を討伐できたら、その戦いで消耗した「同族殺し」も討伐してちょうだい。狂った彼女を放置しておけば方々で厄災を引き起こすでしょうから」
 既にまともな会話も不能な程に狂っているのだ、その刃が同族以外に向くのも時間の問題だろう。
「それでも、気が乗らないのなら、説得するのを止めたりはしないわ。ただ、何度も言っているように、まともな会話は成立しない。そのことは忘れないでね」
 そこまで言うとアリス・セカンドカラー(不可思議な腐敗の魔少女・f05202)はペコリと頭を下げた。
「皆ならきっと成し遂げられると信じているわ。それじゃ……よろしくね。行ってらっしゃい」


蒼汁の人
 はーい♪ごにゃーぽ☆ごきげんよう♪
『ネタに逝きネタに死す』蒼汁の人でございます。
 今回は一応は心情系になるのでしょうか? フラグメントのUC的にいつものプレイングでも問題ない気はします。
 注意事項、一章二章において「同族殺し」に攻撃を仕掛けた場合、苦戦や失敗になる確率が高くなります。何故なら、ここで「同族殺し」を利用できなければ、そもそも館の警備を破れないからです。
 それでは、皆様からの素敵なプレイングをお待ちしております。
159




第1章 集団戦 『『願望少女』アリスシスターズ』

POW   :    あなたの全てを受け入れるわ
戦闘力のない【純粋なる好意又は善意】を召喚する。自身が活躍や苦戦をする度、【全てを肯定し受け入れ破滅に導く誘惑】によって武器や防具がパワーアップする。
SPD   :    自信がないならわたしが与えてあげる
【純粋なる好意や善意によって】【根拠の無い励ましや応援で過剰な自信を与え】【根拠なく成功を確信する破滅へと導く誘惑】を対象に放ち、命中した対象の攻撃力を減らす。全て命中するとユーベルコードを封じる。
WIZ   :    あなたの願いを叶えて欲望を満たしてあげる
【願望又は欲望】の感情を与える事に成功した対象に、召喚した【燭台の炎が描く魔法陣】から、高命中力の【願望や欲望を叶える代償に破滅へと導く誘惑】を飛ばす。

イラスト:葛飾ぱち

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「さぁ、ねぇ様。お願いね」
「「「ええ、任せてちょうだいセレナちゃん」」」
 城に飾られた“お人形”が一斉に動きだす。
「我が領民をこのような……今解放してやるぞ」
 「同族殺し」が『夜』を“お人形”達に解き放つ。しかし、多勢に無勢、「同族殺し」が押され始める。この天秤を崩せるのは猟兵達だけだ。
ユウキ・スズキ
セレナ・ロックハーツか。
たしか以前……いや、あれは妹の担当だったか。
……まぁいい。
面倒だが、気取られんように立ち回るとしよう。
「各員散開。あの餓鬼どもに近づくなよ。少なくとも、その戯言に耳を傾けるな」
遠距離からの銃撃で【同族殺し】を支援する。
部下達も同様、雑魚含め同族殺しに存在を気取られんように行動させる。
面倒だから纏めて叩き殺してやりたいのは山々だが、利用出来ると言うのなら利用させて貰おうか。
こちらの消耗は最小限に、あちらの被害は最大限にってな。
「……さぁ、地獄の悪鬼と踊るとしよう。舞う血しぶきに酔いしれる時間だ」



「物は試しとは良く言った物だな……おかえり、みんな……さっそくで悪いが、一暴れといこうぜ……BlackSpider.s!!」
 ユウキ・スズキ((元米国陸軍)少尉 不審者さん・f07020)はかつての部下達を喚びだした。オブリビオンに取り込まれた部下達であったが、その復讐を終え試しにユーベルコードで喚びだしてみたら本当に喚べてしまったのだ、猟兵の奇跡の力様々である。
 ともあれ、かつての部下が喚べるなら切れる手札が増えた訳である。
「各員散開。あの餓鬼どもに近づくなよ。少なくとも、その戯言に耳を傾けるな」
「ヘイ! ボス!」
 ユウキの号令に従い部下達が散開していく。
「なんで山賊風なんだよ………それにしてもセレナ・ロックハーツか。たしか以前……いや、あれは妹の担当だったか。……まぁいい」
 面倒だが、気取られんように立ち回るとしよう。ユウキは通信機を介して部下に適切に指示をだしていく。元米国陸軍少尉として奮った戦場指揮官の手腕だ。そして、その命を受けるのその頃に背中を預けあった戦友達である。ならば、なんの不安もなくミッションを遂行できるだろう。
 「同族殺し」が『夜』でアリスシスターズを薙ぎ払う、その死角をつき「同族殺し」へと仕掛けたシスターズの頭が吹き飛んだ。あの見事なヘッドショットはリオだろう。そして、アラタが牽制で動きを止めたとこをロハンとチェンがシスターズの手足を撃ち抜き無力化していく。シスターズの数に比べれば無力化した数はたいしたものではないが、その僅かな齟齬がシスターズの連携を鈍らせ「同族殺し」の無双を許すことになる。
「面倒だから纏めて叩き殺してやりたいのは山々だが、利用出来ると言うのなら利用させて貰おうか」
 こちらの消耗は最小限に、あちらの被害は最大限にってな。特に弾薬は節約しておきたい、つい最近に大きな出費がありその金作の結果がアレなことになったのもまだ記憶に新しいのだ。僅かな物資で連携を乱すだけで「同族殺し」が無双してくれるならこれ程有難いことはない。
「……さぁ、地獄の悪鬼と踊るとしよう。舞う血しぶきに酔いしれる時間だ」
 反応を分析し新たな指示を飛ばす。これは本来あり得なかった時間、取り零した筈の時間だ。だが、奇跡は成し今は彼らと供にある。ああ、不謹慎ではあるが今はそのことを嬉しく思うのだ。
「こちらサンダーバードからピーピングトムへ」
「誰がピーピングトム(覗き魔)だ! 何があった」
 さて、さっそくトラブルがあったようだ。対処に動くとしよう。

大成功 🔵​🔵​🔵​

リーヴァルディ・カーライル
…ん。狂った領主に弄ばれ、亡骸を人形にされて…。
…待っていて。今、貴女達の願いを叶えてあげる。

…これ以上、貴女達の尊厳が侵される前に、
その呪わしき命運を絶ち切っててあげる。

自我の存在感を増幅する“調律の呪詛”を施し、
強化した狂気耐性で敵の精神攻撃を受け流して、
限界突破した精神力を溜めてUCを発動する

…私の望みは、貴女達を解放すること。
精霊達よ、現在と過去を繋ぐ鎖を断つ光を此処に…!

第六感が危険や殺気を感じない限り同族殺しは警戒するにとどめ、
闇に紛れたこの世界の精霊達に心の中で救世の祈りを捧げ、
星光のオーラで防御を無視して浄化する光属性攻撃を放つ

…もう苦しむ必要は無いわ。眠りなさい、安らかに…。



「……ん。狂った領主に弄ばれ、亡骸を人形にされて……待っていて。今、貴女達の願いを叶えてあげる」
 リーヴァルディ・カーライル(ダンピールの黒騎士・f01841)は領主のやり口に憤りを感じていた。
「……これ以上、貴女達の尊厳が侵される前に、その呪わしき命運を絶ち切っててあげる」
 その身に精神を調律する呪詛を施し、精神への干渉からの防壁となす。リーヴァルディの精神が限界を越えて高まっていく。調律の呪詛、呪いの力。それは自らを高める“まじない”であり、同時に自らを縛る“のろい”であった。
「……限定解放。この世界に救済を……血の魔星」
 そして、その精神力をもってリーヴァルディは世界中の自然現象――精霊へと訴えた、世界を救済したいのだ、と。呪詛により純度の高められたその願いに多くの精霊が応えリーヴァルディの元へと集い始める。
「……私の望みは、貴女達を解放すること。精霊達よ、現在と過去を繋ぐ鎖を断つ光を此処に……!」
 精霊へと救世の祈りを捧げる為にリーヴァルディが掲げた両手から浄化の光が溢れ出す。それは闇に紛れたこの世界を照らし出す星光のオーラ、リーヴァルディの願いに賛同した精霊達がその願いを実現する為にもたらした奇跡の光。
 その輝きに照らされたアリスシスターズが灰となり消えていく。
『……ありがとう』
 消滅の間際、確かにそう呟いたのが聞こえた気がした。
「……もう苦しむ必要は無いわ。眠りなさい、安らかに……」
 しかし、集団があれば必ずマイノリティは生まれるものである。
『いいえ、そういう訳にはいかないわ』
「え?」
 一体だけ、その身を浄化の光で灼かれながらも消滅に抗う個体がいた。
『今度は、今度こそは、あの子を妹を護りきってみせるわ』
「なぜ? あれはあなたの本当の妹ではない」
『ええ、セレナちゃんとは血の繋がりはないわ』
「だったらなぜ?」
『あの子が生きていればちょうどセレナちゃんぐらいなのよ』
「……そう」
 リーヴァルディは理解した。このアリスは洗脳されたわけでも狂ったわけでもなく、自らの意思で領主に従っているのだと。ならばこれは吸血鬼の尖兵だ。
「……灰は灰に。塵は塵に。過去が私の前に立たないで」
 星光を湛える救世の光にさらなる浄化の力を込めようとしたその時、リーヴァルディの背筋に悪寒が走った。反射的にバックステップを踏みアリスから距離を取る。その目の前を『夜』が抜けていきアリスを呑み込んでいった。「同族殺し」、あれも討つべき吸血鬼だ。だが今は、先に領主を狩るべきだろう。
 先行する「同族殺し」を追い、リーヴァルディも領主の元へと向かう。

大成功 🔵​🔵​🔵​

涼風・穹
……蝋人形の館じゃあるまいし、ヴァンパイア達ってのは本当にどいつもこいつも愉快な事をしているもんだ…

それにしても戦い辛い相手だな…
殺された女の子を素体にしているとなると、好き勝手に身体を使われているだけなんだし必要以上に傷付けるのも気が引けるしな…

まあ今回は同族殺しを先に進ませるのが目的なんだし無理に殲滅するよりは道を作る方を優先するか
ハーレム的な酒池肉林は望むところではあるけど、流石に屍姦趣味はないからな…

《贋作者》で金属壁を作り出してお人形さん達を足止めします
今の俺なら結構な厚さと長さの金属壁を作り出せるし多勢に無勢でも抑えるだけならどうとでもなる
悪いけど、ここから先は通行止めだ…なんてな



「……蝋人形の館じゃあるまいし、ヴァンパイア達ってのは本当にどいつもこいつも愉快な事をしているもんだ……」
 と呆れたように涼風・穹(人間の探索者・f02404)。蝋は蝋でも死蝋ではあるので蝋人形の館というのもあながち間違ってはいない。
「それにしても戦い辛い相手だな……殺された女の子を素体にしているとなると、好き勝手に身体を使われているだけなんだし必要以上に傷付けるのも気が引けるしな……」
 一部、自らの意思で従っているのも居るようだが、それとて妹の面影を領主に重ねているが故のようだ。厳しい世界だ、赤子の生存率は……そこまで考えて頭を振る。今考えるのはそのことではなく、
「「同族殺し」を先に進ませないとな」
 アリスシスターズは願望器としての力を備えているという。穹とて健全な男子高校生ではあるので、ハーレム的な酒池肉林に興味が無いと言えば嘘になるだろう。
「とはいえ、流石に屍姦趣味はないからな……」
 穹は元々は一般高校生である。ネクロフィリア趣味などあろうはずもない、ハードルが高すぎる。相手が死蝋人形であったことが穹の誘惑を断ち切るきっかけになったようだ。
「まあ今回は同族殺しを先に進ませるのが目的なんだし無理に殲滅するよりは道を作る方を優先するか」
 しかし、先程言ったように傷付けるのが気が引けるというのも事実である。女好きでセクハラ上等のスケベではあるが、レディファーストの心得もある紳士でもあるのだ。出来る限り女性に乱暴はしたくない。
 そこで穹は自らのユーベルコード贋作者で金属の壁を作り足止めすることにした。贋作者は造りは荒いが本物を模した偽物を造り出す能力だ。今の穹であれば実に64立米までの物を造れるのだ。充分な厚さと長さを誇る壁を造ることは容易く、シンプルな壁であれば造りの荒さもまったく問題ではなかった。
「悪いけど、ここから先は通行止めだ……なんてな」
 多勢に無勢ではあるが、足止めに徹するのであれば実に有効な作戦であった。アリスシスターズは「同族殺し」と分断され、邪魔のいなくなった「同族殺し」は領主の元へと駆けていくのであった。 

大成功 🔵​🔵​🔵​

桜雨・カイ(サポート)
【日常】
口調は年齢立場変わらず丁寧語です
自分は人形なので、人のそばにいて力になりたいと思っています。
怒ったり、他人を悪く言う事はしません。どんな恰好や行動もその人の個性ですから
まだまだ知らない事が多いので…言われた事は素直に信じてしまう性格です。

【戦闘】
UCは状況に応じて使い分けます
【錬成カミヤドリ】は防御と攻撃に分ける事が多いです
【エレメンタルー】は精霊にお願いすると手を貸してくれます(炎が多いです)【念糸】で敵の動きを封じる時も。
基本は人を守ろうと動きます。
…でも、どうしても避けられない時は…手を下す側にまわります。
どんなに辛くても……大丈夫です、自分で決めた事ですから。



 桜雨・カイ(人形を操る人形・f05712)は念糸を伸ばし籠目に編み上げた結界でアリスシスターズを拘束していた。「同族殺し」は無力化されたシスターズを無視して奥へ奥へと進んでいく。
「……死蝋の人形ですか」
 カイは人形のヤドリガミだ。だからこそ理解した、理解出来てしまった。この“人形”達はそのすべてが丁寧に手入れがなされていると。自分は人形だ、だから人の為に存り、その側にいて力になりたいと思っている。
 そんな自分と同じように彼女達も吸血鬼の為に在ろうとしているのだろうか?
『セレナちゃんの元には行かせないわ!』
 その証拠というようにまた一人拘束を抜け出し「同族殺し」へと掴みかかり鎧袖一触に薙ぎ倒されていた。いや、そこまでの気勢を見せるのは極一部だ。それ以外のシスターズは拘束された時点で空虚に虚空を見つめている。
 カイは拘束を抜け出した者達の共通項を見いだしていた。それは妹だ。かつて妹がいて、その妹を失くした者達が領主の為に気合いを見せていた。姉として求められた彼女達は領主を失くした妹の代替として依存しているように思われた。
「それにしても妹ですか。あれは気のせいだと思ったのですが」
 転送前、ほんの微かに『義妹をよろしくね』と聞こえた気がしたのだが。
「『ロックハーツ』」
 そう『ロックハーツ』だ。予知者とは姓が違う。そして、『セレナ・ロックハーツ』と『ロックハーツ辺境伯』、この名称の一致は果たして偶然であろうか? 仮に偶然ではないとして二人が揃ったその意味は?
 人の為にある人形はアリスシスターズを拘束無力化しながら考察を深めていく。自分はまだまだ知らないことが多い、だから思考をフル回転させるのだ。だが、その思考の時間もそろそろ終わりだ。最後の扉が見えてきた、領主との邂逅はもうすぐだ。

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 ボス戦 『セレナ・ロックハーツ』

POW   :    【人工未知霊体】セレナのねぇ様達は最高なのよ
無敵の【実姉と異母姉の実体化イマジナリーねぇ様】を想像から創造し、戦闘に利用できる。強力だが、能力に疑念を感じると大幅に弱体化する。
SPD   :    【人工未知霊体】セレナのねぇ様達は負けないわ
【実姉と異母姉の実体化イマジナリーねぇ様】の霊を召喚する。これは【精神具現化】や【セレナの脳内設定能力】で攻撃する能力を持つ。
WIZ   :    【人工未知霊体】セレナのねぇ様達は魔法も得意なの
【美化された想い出と妄想】から、【精神具現化】の術を操る悪魔「【実姉と異母姉の実体化イマジナリーねぇ様】」を召喚する。ただし命令に従わせるには、強さに応じた交渉が必要。

イラスト:しらゆき

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠二色・ありすです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 扉を抜けた先に彼女達はいた。セレナ・ロックハーツ、この地方の領主だ。
『そんな、あり得ない。私のねぇ様達は最高で最強で負ける筈がないのに』
『いいえ、セレナちゃん。まだ負けてはいないわ、だってまだ私達がいるもの』
 だが、その場にいたのはよく似た三人の少女だ。その内の二人はよく見れば体が透けていた。
『返して貰うぞ、私の領土と領民達を!』
 そこに「同族殺し」が踊りかかる。
『おっと、セレナちゃんに手出しはさせないわ』
『かわいい異母妹に手を出す悪い子にはお仕置きよ☆』
 そこに透けた体の少女が割って入る。セレナはそんな二人の姿をうっとりと眺めていた。
『ああ、ねぇ様♡ セレナの為に♡』
 緊迫感が霧散した。そんな状況の中、「同族殺し」と領主、そして猟兵達の三つ巴の戦いが幕を開けようとしていた。
ユウキ・スズキ
ん……?記憶とだいぶ違う気が……まぁいいか。
煙草に火を付ける。
……話をしてやろう。
死んだ人間は生き返らないし、君がどれほど彼女を望もうが、それは彼女ではない。
……分かるか?
虚構を姉と称し、現実を捨て悦に浸る。
……今の君を簡潔に語ればこうなる。
……虚しい物だ。
……そこにいる彼女は君を愛するだろう。君を裏切る事も無いだろう。君の望みを全て叶えるだろう。
……なぜなら君が生み出す幻想でしか無いからだ。
……お前はそれでいいのか?
自身を騙り、幻想を語って生み出した都合の良い姉を本当に愛せるのか?
……終わらせたまえよ。
夢から醒め、現実の姉を見たまえ。
手助けならしてやるさ。



「ん……?」
 ユウキ・スズキ((元米国陸軍)少尉 不審者さん・f07020)は違和感に首を傾げる。
「記憶とだいぶ違う気が……まぁいいか」
 セレナの様子が記憶にあったものと違ったからだ。もっとも、オブリビオンは過去が染みだした存在なので、年代別に別の個体として存在することも多いので直ぐに記憶の片隅に追いやった。
 それよりも重要なのは、と煙草を咥え火をつける。煙を一息吐くと「同族殺し」と
妄想の産物の戦いを一瞥し、それを恍惚とした表情で見つめるセレナへ近づいていく。
「……話をしてやろう」
『あら、おじ様? 今いいところなの、セレナの邪魔しないでくださる』
「お、おじ……まぁまぁそう言わずにお兄さんの話を聞きたまえ」
 セレナの言い種にユウキは一瞬鼻白むもすぐさま立て直し話を続ける。
「死んだ人間は生き返らないし、君がどれほど彼女を望もうが、それは彼女ではない。
……分かるか?」
『死んだ人間?』
「そうだ、姉の代わりなのだろう?」
『ええ、遠隔地で頑張ってるねぇ様の変わりよ。仕事が忙しくてもう何年も会えていないわ』
「………ん?」
 ユウキは予知の内容を詳しく思い出す。
「……領主となり会えない日々のストレス、確かに死んだとは言っいていないな」
 言ってはいない。だが、それが死んでいないことの証明かと聞かれれば疑問を覚える。
「ふむ」
 紫煙をくゆらせ暫し思案にくれる。そもそも姉が二人だとは聞いていないし、姉の片方がアレだとも聞いていない。前提となる情報が足りていない。しかし、用意したプランが無駄になるかといえば……セレナがこちらとの会話に気を取られている分「同族殺し」がやや優勢のようだ。リソースを削るという意味ではこのまま続けても問題ないだろう。
「虚構を姉と称し、現実を捨て悦に浸る。……今の君を簡潔に語ればこうなる」
『現実は捨てていないわ、だってこれねぇ様に再会した時の練習だもの』
「……虚しい物だ」
『そうね、セレナの想造では到底本物のねぇ様には及ばないもの』
「……そこにいる彼女は君を愛するだろう。君を裏切る事も無いだろう。君の望みを全て叶えるだろう」
『そこはちょっと物足りなくはあるわね』
「……なぜなら君が生み出す幻想でしか、自覚はあるのか」
『ええ、ねぇ様に教えてもらった術だもの。そもそも本物のねぇ様をセレナに制御できると思いまして?』
「……お前はそれでいいのか? 自身を騙り、幻想を語って生み出した都合の良い姉を本当に愛せるのか?」
『練習だと言ったでしょう? それに、色んなねぇ様と遊べて楽しいわ』
「……終わらせたまえよ。夢から醒め、現実の姉を見たまえ。手助けならしてやるさ」
『あら、ねぇ様に会わせてくれるの?』
「……今すぐにというわけではないがな」
 紫煙を燻らせる程に思考はクリアになっていく。ちらりと視線を投げれば、「同族殺し」と「妄想の姉」の戦いは理想的な拮抗状態を保っているようだ。ならば、このままセレナとの会話を続け双方の消耗を促すべきだろう。

大成功 🔵​🔵​🔵​

緑川・小夜
[WIZ]

なるほど、人形といい、お姉様に対する愛といい、わたくしとは話が合いそうね。
オブリビオンでなければ…だけど

鈴を鳴らし選択UCを発動、16体の分身を生み出すわ

分身達を領主に向かわせて一定の距離に着いたとき、指を鳴らすと分身三体が崩れて、領主に向かって幻覚作用のある粉が流れていく

この粉はわたくしが操作可能。
同族殺しには届かせない
そして、領主には幻覚を見て貰うわ
辺り一面には無数の領主のねぇ様の姿。それが領主を罵倒し、傷つける(【精神攻撃】)

美化された思い出が力になるなら、汚して台無しにしてあげる

あとは同族殺しに注意しながら、残った分身に領主を切りつけさせるわね

[アドリブ連携歓迎です]



「なるほど、人形といい、お姉様に対する愛といい、わたくしとは話が合いそうね」
 緑川・小夜(蝶であり蜘蛛であり・f23337)はセレナを見てそんな感想を抱いた。もっとも、
「オブリビオンでなければ……だけど」
 そう、相手は吸血姫、人類の敵なのだ。そんな人類の敵を口説いている不審者もいるようだが、まぁ、巻き込んでも問題はないだろう。お姉様からも許可は出ている。
 小夜は手持ちの鈴を取り出すと鳴らし始める。リンとした澄んだ音色が響き渡り、音色に合わせて周囲の無機物が幻覚作用を持つ粉末となり収縮していく。それは小夜にそっくりな人型を形成していく、その数十六体。
 そうして生み出した分身を、小夜はセレナから一定の距離を保たせて配置する。配置が終われば小夜はおもむろにパチリと鳴らし、十六体いる分身の内三体を崩して粉末へと戻し操作する。幸いにも「同族殺し」とセレナとの距離は離れている、粉末を「同族殺し」へと届かぬよう操作するのも簡単だった。
『あら、ねぇ様がいっぱい増えたわ』
 小夜はセレナへと無数のねぇ様の幻覚を見せた。
「美化された思い出が力になるなら、汚して台無しにしてあげる」
 そして、小夜は幻覚のねぇ様達にセレナを罵倒させるのだった。黒蝶として引き継いだ記憶があるためレパートリーは豊富だ。その罵倒を受けたセレナは膝から崩れ落ちると両手を頬に添え、瞳を潤ませながら上気した表情で息を弾ませていた。
『ああ、ねぇ様ねぇ様ねぇ様ねぇ様ねぇ様……もっとセレナを罵って♡』
「……まぁ、そうなりますよね」
 セレナのあんまりな反応はしかし小夜には予測の範囲内であった。なぜならば、
「あれ、少し幼いですがどう見てもお姉様ですし」
 セレナが想造した二人のねぇ様の内片方になんとなく見覚えがあったからだ。あれがそうであるならば「我々の業界では御褒美です♡」的なセレナの反応もある意味納得のいくものであった。
 なんにせよ、隙だらけなのは間違いない。小夜は残った十三体の分身でセレナを取り囲むと一斉に特注の剣鉈を振り落とした。
『ああ♡ セレナにいっぱいねぇ様の傷を刻んでください♡』
「お姉様はこういうプレイも好きなのかしら?」
 もしや、幻覚に対するセレナの反応を分析すれば、お姉様を完堕ちさせる糸口になるのでは? そんなことが少しだけ気になる小夜であった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

涼風・穹
……この三つ巴の状況で一番弱いのは猟兵側で、しかもセレナと同族殺しには此方を始末する理由まである、と…
二人で潰し合ってくれるなら黙って見ているつもりではあるけど、流れ弾に当たるだけでも洒落にならない事になりそうだな…

セレナから攻撃されそうになれば《贋作者》で先程の"お人形さん"やイマジナリーねぇ様達の等身大フィギュアを作り出して囮にします
武具ではないからどこまで精巧に作れるかは怪しいけど…

……イマジナリーねぇ様のオリジナル、セレナの本物のねぇ様はどこにいるんだろうな…?
過去の産物であるオブリビオンが過去に囚われているというのは偶然なのか必然なのかは知らないけど、今回も随分と皮肉な話ではあるな…



「……この三つ巴の状況で一番弱いのは猟兵側で、しかもセレナと同族殺しには此方を始末する理由まである、と……」
 涼風・穹(人間の探索者・f02404)はどうしたものか、と頭を抱える。
「二人で潰し合ってくれるなら黙って見ているつもりではあるけど、流れ弾に当たるだけでも洒落にならない事になりそうだな……」
 身を守る手段さえ確保できるのであれば、それも一つの手段ではあるのだろう。最終的には「同族殺し」も始末しなければならないのだ。であるならば、両者を潰し合わせて残った方を仕留めるのはセオリーの一つではある。だが、それも両者の戦いの余波に耐えられることが前提だ。そして、穹は自分の手札ではそれは難しいと判断した。
 判断したがそれはどうやら杞憂で終わりそうではある。領主の部屋だからか無駄に広くはあるが、室内という限定された環境にもかかわらず流れ弾が飛んでこない。イマジナリーねぇ様の片方がセレナを巻き込まないように結界を張っているようだ。
 もし、セレナに攻撃された時の為の囮にしようと穹は先程のお人形達やイマジナリーねぇ様を参考にした等身大フィギュアを造り出す。その瞬間セレナが穹に振り向いた。
『あら、献上品?』
「え? ……ああ、造りが荒くて申し訳ないんだが」
 予想外のセレナの反応に穹は面喰らうも話に乗ることにした。やけに上機嫌なのだ、その機嫌を損ねない方がいいという判断だ。
『それは仕方ないわ、だって、ねぇ様なのよ? その素晴らしさを凡夫に表現しきれる筈がないもの』
 フィギュアに抱きつきながら頬を上気させ興奮気味にねぇ様の素晴らしさをセレナは語る。穹は嫌がることなくその話を聞いていた。当初のプランとは大分違う流れになってきたが平和なのはいいことだ。
「……イマジナリーねぇ様のオリジナル、セレナの本物のねぇ様はどこにいるんだろうな……?」
 ふと、穹はそんなことを呟いた。
『わからないわ。とぉ様もにぃ様も教えてくれる前にいなくなってしまったし』
「いなくなった?」
『ええ、にぃ様は領民を大切にしすぎるから領主に相応しくないって、とぉ様が攻めこんで』
「おいおいおい」
『そういえばあれ、行方不明のにぃ様にそっくりだわ』
「……それ本人じゃないのか?」
  にぃ様こと「同族殺し」の扱いが憐れに過ぎた。ついでに、少女にしか見えない「同族殺し」が実は男であるといういらない情報もおまけでついてきた。セレナのねぇ様自慢話から薄々察していたが、異母姉の方はどうやら某小悪魔で確定らしい。
「はぁ」
 情報過多である、穹は長い溜め息を吐いた。その気はなかたったがセレナが勝手に色々としゃべってくれるのだ、情報リテラシーが低すぎる。
 それにしても、と穹は思う。過去の産物であるオブリビオンが過去に囚われているというのは偶然なのか必然なのかは知らないけど、今回も随分と皮肉な話ではあるな……と。

大成功 🔵​🔵​🔵​

リーヴァルディ・カーライル
…ん。確かに正面から闘えば危険かもしれないけど、
もとよりまともに相手をするつもりはない。
…同族殺しが吸血鬼を攻撃するならば、それはそれで利用するだけよ。

今までの戦闘知識と【吸血鬼狩りの業】から両者の行動を見切り、
自身の殺気や気合いを断ち存在感を消す早業で闇に紛れ、
第六感が好機を捉えるまで両者の死角に潜り気配を遮断する

…良いの?私に構って?
大事な妹が狩られてしまうわ。こんな風に…ね。

姉が此方に向かってきたりセレナの守りが手薄になったらUCを発動
暗視した死角へ転移して
呪力を溜めた大鎌を怪力任せになぎ払う闇属性攻撃を行い、
生命力を吸収して再び闇に紛れる

…死者の尊厳を弄んだ罪を償うが良い、ロックハーツ



「……ん。確かに正面から闘えば危険かもしれないけど、もとよりまともに相手をするつもりはない。……同族殺しが吸血鬼を攻撃するならば、それはそれで利用するだけよ」
 リーヴァルディ・カーライル(ダンピールの黒騎士・f01841)は気配を断ち機を窺っていた。領主の部屋、広いとはいえ主の性格を反映してか雑多にものは溢れ、常世の世界たるダークセイヴァーの室内は基本的に暗い。領主故に上等な代物を使用しているとはいえ、照明ランタンではたかがしれている。
 結果としてリーヴァルディが紛れる闇は充分であり、先の猟兵がセレナの気を惹いてくれていた為に、隠密行動をするのは容易であった。そして、その機は訪れた。二人いるイマジナリーねぇ様の片割れに斬りかかる。そのねぇ様が気づいて対処してくるのは想定内だ。
「……良いの? 私に構って?」
 不意にリーヴァルディの姿がかき消えた。
「大事な妹が狩られてしまうわ。こんな風に……ね」
 そして、その姿がセレナの後ろに現れた。限定解放・血の疾走、射程内に召喚した常闇の鍵を基点に視認した対象へと転移攻撃をしかけることが可能なユーベルコードだ。その力でセレナの死角、背後へと転移し大鎌を振り下ろした。
 呪力を溜め闇の力を込めた大鎌がセレナの背中を大きく切り裂き、その傷口から闇の力がセレナの生命力を吸い上げていく。
『きゃー!』
『セレナちゃん!』
 それに気を取られたイマジナリーねぇ様が大きく隙をさらし、「同族殺し」の攻撃を直撃され一気に形勢は傾いた。されどリーヴァルディに油断はなく再び闇に紛れると次の機会を窺う。慎重に堅実に確実に、吸血鬼狩りの基本だ。功を急いだ者から死んでいく。
「……死者の尊厳を弄んだ罪を償うが良い、ロックハーツ」
『私はそのようなことはせぬ!』
 セレナに投げ掛けた言葉を「同族殺し」に反論され一瞬リーヴァルディは面喰らう。ああ、「同族殺し」も『ロックハーツ辺境伯』だったなと思い出した。まぁ、やるべきことは変わらない。先程の一撃でイマジナリーねぇ様二人は「同族殺し」の相手で手一杯だ。セレナ自身も背中の傷が原因で集中力に欠け魔術を練れていない。
 闇に紛れながらの転移によるヒット&アウェイでリーヴァルディは セレナの命を削り取っていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ドゥルール・ブラッドティアーズ
共闘NG
グロNG
SPD

大好きなお姉さんに会いたい一心で妄想具現化能力を?
私も元々は孤独を埋める為に死霊術を学んだの。
女手一つで私を育ててくれた最愛の母だけは
何故か蘇生できなかったけどね

貴女とは気が合いそう。
……薄汚い同族殺しに穢させはしないわ

激戦を繰り広げる同族殺しとセレナの姉達を尻目に
守護霊の憑依【ドーピング】で戦闘力を高め
『無情なる刻』で14.4秒の時止め。
【怪力】でセレナを抱えて別室へ

移動中に【吸血】で体内に【呪詛】を注ぐ【マヒ攻撃】
これで時が動き出しても抵抗できない

同じ孤独を知る者同士
温もりを分かち合いましょう?

【誘惑・催眠術】で魅了。
服を脱がし、唇と素肌を重ね合い【慰め・生命力吸収】



 セレナの命が尽きる直前、ドゥルール・ブラッドティアーズ(狂愛の吸血姫・f10671)は時を止めセレナを救いだし別室へと逃れていた。大好きな姉に逢いたい一心で妄想を具現化する術を身に付けたセレナに己を重ねてのことだった。
「私も元々は孤独を埋める為に死霊術を学んだの。女手一つで私を育ててくれた最愛の母だけは何故か蘇生できなかったけどね」
 腕の中でぐったりとしているセレナにドゥルールは語りかける。時止めの効果は既に切れている。にもかかわらずセレナは未だに動き出そうとしない、それどころか呼吸がだんだんと弱まっていく。止めの直前だったのだ、セレナの命は風前の灯であった。
「本当にぎりぎりだったわね。今、助けるわ」
 ドゥルールはセレナの首筋に牙をたてるとわずかばかりに吸血し、その血を媒体にして呪詛による感染で己の生命力を分け与えていく。それは己に憑依させた守護霊と同じく魂に対するドーピングだ。ドゥルールの生命力を分け与えられたセレナの呼吸は安定していき、直ぐに寝息へと変わっていった。
「貴女とは気が合いそう」
 ドゥルールは慈しむようにセレナの頭を撫でる。すると、セレナな身じろぎ目を覚ます。
「おはようセレナ」
『んゆ? ねぇ様?』
 ぼんやりとした頭でセレナはドゥルールをねぇ様と認識した。その身にかけられた麻痺の呪詛をレジストしてがばっと跳ね起きる。
『ねぇ様だ! ねぇ様だ! ねぇ様だ! いつこちらに?』
「えと、ついさっきよ」
 催眠術も誘惑もまだしかけてもいないのに何故か自分を姉と認識するセレナに戸惑うドゥルール。なぜそんなことになっているのか? 一つ心当たりがあった。先程の生命力感染の呪詛だろう。それによりセレナの魂をドゥルールの生命力でドーピングしたことで、セレナの魂にドゥルールの因子が混ざり身内判定になったのだと推測される。
 他者回復の手段を持たないドゥルールが苦し紛れに即席でぶっつけ本番で行った施術ではあるが、それが功を奏したようだ。セレナはドゥルールに甘えるように頭をぐりぐりと押し付けている。
『ねぇ様ぁ、今回はいつまでいられるのですか?』
「いいえ、今回は滞在しに来たのではないわ」
『そ、そんな』
「貴女を迎えにきたのよ、これからはずっと一緒よ」
『本当! やったー☆』
 喜ぶセレナを抱き寄せドゥルールは唇を重ねる。
『ああ、ねぇ様ぁ♡ いつものようにセレナを愛してくださるのですね♡』
 そのまま押し倒し服を脱がす。セレナの身体は既に準備は出来ており、その肌は上気した頬と同じようにほんのりと朱に染まっていた。潤んだ瞳で見上げてくるセレナの期待に応えるようにドゥルールはその肌を深く深く重ね合わせるのだった。
 同じ孤独を知る者同士、温もりを分かち合いましょう? その言葉を呑み込んで。そう、既に孤独ではないのだ、文字通り命を交わり分かち合ったのだから。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『ロックハーツ辺境伯』

POW   :    デモニック・イマジネイション
無敵の【願望器:異端の神『夜(デモン)』 】を想像から創造し、戦闘に利用できる。強力だが、能力に疑念を感じると大幅に弱体化する。
SPD   :    自重?なにそれおいしいの?
自身の【自重 】を代償に、【異端の神『夜(デモン)』】を戦わせる。それは代償に比例した戦闘力を持ち、【欲望具現化魔法】で戦う。
WIZ   :    欲望迷宮『終わり無き愚者の宴』
戦場全体に、【願望器:異端の神『夜(デモン)』 】で出来た迷路を作り出す。迷路はかなりの硬度を持ち、出口はひとつしかない。

イラスト:葛飾ぱち

👑8
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠アリス・セカンドカラーです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 止め一撃、しかし、それに手応えはなく、されどセレナの姿は消え二人のイマジナリーねぇ様もそれに合わせて消滅した。
 そこに残ったのは猟兵達と満身創痍の「同族殺し」『ロックハーツ辺境伯』だ。
『セレ……ナ?』
 ほんの一瞬だけ「同族殺し」の瞳に理性が宿る。しかし、それも直ぐに霧散した。
『今度こそ護るのだ、領土を、領民を』
 吸血鬼でありながら領民の為の政治を行いよき領主であろうとした。だが、それ故に吸血鬼の領主として相応しくないと追放されたのだ。その過程で父を討ち、代償に領民を喪った。そして今、狂気に捕らわれそれと認識出来ないままに妹を目の前で喪った。
 護るのだ、護るのだ、その言葉が虚しく繰り返される。
 彼を討つのか、それとも説得で浄化するのか、その判断は猟兵達に委ねられていた。
リーヴァルディ・カーライル
…ん。とり逃した?…いえ、何か考えがあるのでしょう。
…それより今はお前の相手が先決ね、辺境伯。

…お前がどんな存在で、どんな過去があろうとも、私の為すべき事に変わりはない。
ここは今を生きる人が住まう世界だもの。
過去は過去に…骸の海に還る時よ、吸血鬼。

今までの戦闘知識と第六感から気合いや殺気を暗視して召喚を見切り、
左眼の聖痕に自身の生命力を吸収してUCを発動

…その術は既に見切っている。二度も三度も同じ業が通じると思うな。

全身を時間を停滞させる黒炎で覆い限界突破の超加速を行い、
残像が生じる早業で黒炎の魔力を溜めた大鎌を怪力任せになぎ払い、
黒炎のオーラで防御を無視する
時間属性攻撃の斬撃を乱れ撃つ



 リーヴァルディ・カーライル(ダンピールの黒騎士・f01841)は大鎌を振り下ろした残心の姿勢を取りながら違和感を覚えた。
「……ん。とり逃した? ……いえ、何か考えがあるのでしょう」
 猟兵の中には打ち倒したオブリビオンを己の力に変える者もいると聞く。その為に何らかの儀式をしているのだろう。なんにせよ吸血鬼を狩ってくれるのであれば子細はない。
「……それより今はお前の相手が先決ね、辺境伯」
『おお、我が民よ。今までよくぞ耐えてくれた』
 リーヴァルディは「同族殺し」ことロックハーツ辺境伯へと向き直る。何事かを言っているようだが、吸血鬼それも狂気に囚われた者の言葉など聞く価値はない。
「……お前がどんな存在で、どんな過去があろうとも、私の為すべき事に変わりはない。
ここは今を生きる人が住まう世界だもの」
 言いながらリーヴァルディは左眼の聖痕の封印を開放する。その身が黒い炎に覆われていく。それは時間を焼却し停滞させる黒炎だ、周囲の時間が停滞することでリーヴァルディのスピードと反応速度が爆発的に増大していく。代償として自身の時間、即ち寿命も焼却されてしまうが、それで吸血鬼が狩れるなら安い代償だ。なんなら生命力吸収して補うこともできる。
「過去は過去に……骸の海に還る時よ、吸血鬼」
 宣言し大鎌をロックハーツ辺境伯に突きつける。
『またなのか父上! あの時のようにまた我が民草を操るというのか! だが、今解放してくれようぞ』
 ロックハーツ辺境伯が欲望具現魔法を放つ。
「……その術は既に見切っている。二度も三度も同じ業が通じると思うな」
 妄想を具象化する術なら既にセレナが使っているのを見た。兄妹だけあり力の性質もにたりよったりだ、ならば見切るのも容易い。残像を伴うスピードで回避し「同族殺し」に肉薄、大鎌を振るう。停滞した時間の中、本来一振りしかできないような僅かな時間で数度乱れ斬る。それは、傍目にはまるで腕が増えたかのように見えた。
 その凄まじい速度での連擊に「同族殺し」の防御は間に合わず、その時間を大鎌が纏う黒炎に焼却されていくのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ユウキ・スズキ
さて……面倒なのは消えたな。
「露払いご苦労さん。お前は休むといい……骸の海でな?」
部下達に命令。
「お前ら、召喚体の相手……を……?」
………
……

「おい、貴様ら!! なんで登場早々誑かされてんだ!?」
……まて?
「まさか……ナズナさん?」
「私は大丈夫ですよ兄さん。今更何かを望むほど暇でもないので」
……良かった。
「あぁ、もう!! 本体に対し二方向から制圧射撃!! 形はどうあれ召喚体は引き付けられてんだ!! 的を絞らせずに蜂の巣にしてやれッ!!」
「Sir Yes sir…」
……「まったく!!」



 さて……面倒なのは消えたな、とユウキ・スズキ((元米国陸軍)少尉 不審者さん・f07020)は煙草の火を消しながら「同族殺し」に向き直る。
「露払いご苦労さん。お前は休むといい……骸の海でな?」
『うむ、祝勝会は明日でよかろう。お前達もしっかり休むがよい』
「ん?」
 会話は通じないと聞いてはいたがそれにしても反応がおかしい。そこまで親しげにされる覚えはな……いや、これはもしかして自分達を部下だと認識しているのか。
 ああ、ここまで援護してきたのだ、「同族殺し」の中で領地奪還作戦の為に連れてきた部下として記憶が捏造されていてもおかしくはない。なんにせよ、召喚体で攻撃をしてこないのであればやりやすい。
「つっても邪魔な物は邪魔だな。お前ら、召喚体の始末……を……?」
 召喚したかつての部下6名がじっと自分を見つめている。相手の技は欲望具現化魔法だ、もし、こちらを領民として認識しているのであれば、その力を自分達の為に使ってくれる? 今は召喚体として必要な時に喚ばれるだけの存在だ、だが、もしも、もしも、それが可能なら日常で隊長をからかうこともできるのだろうか?
「おい、貴様ら!! なんで登場早々誑かされてんだ!?」
 ……まて?
「まさか……ナズナさん?」
「私は大丈夫ですよ兄さん。今更何かを望むほど暇でもないので」
 ……良かった。
「ただ、幼女を誑かそうとしていたとタレコミがありまして」
「は? なんの話しだ?」
 まったく心当たりはなかった。しかし、タレコミした人物の名を聞いてどういうことか理解する。
「ばっか、それさっきの足止めの話じゃねぇか! くだらんことで遊ぶ暇があるならとっとと仕事しろ!」
「Sir Yes sir…」
「まったく!!」
 いや、わかってはいるのだ。オブリビオンの力で叶えた願いなどろくなことになりはしないのだと。それでも、ありえたかもしれない日常をつい夢想する。
「本体に対し二方向から制圧射撃!! 形はどうあれ召喚体は引き付けられてんだ!! 的を絞らせずに蜂の巣にしてやれッ!!」
「Sir Yes sir!!」
 だが、この時間すら既に奇跡なのだ。これ以上を望むのは罰があたるだろう。だから、限られた時間で精一杯隊長をからかうのだ。
「てめぇらいいかげんにしておけよ!!」
 勿論、仕事は完璧にこなした上でだが。

大成功 🔵​🔵​🔵​

涼風・穹
……本当に愉快だねぇ…
ここまで皮肉な話になって、護るべき妹すら認識出来なくなる程になっても何の助けもないとは、どうやらオブリビオンには『闇からの救済者(ダークセイヴァー)』も存在しないらしいな…

……アリスなら男の娘相手はお手の物だろうし、相手の精神に干渉でもしてどうにかするなり俺とは違う対処も出来そうではあるけど…
気の利いた台詞の一つも思い付けない俺がロックハーツ辺境伯に出来るのは、最後まで敵であり続けて妄執の中で終わらせるだけだな…

かかってこいよ、ロックハーツ辺境伯
護るべき大切なものを脅かす敵ならここにいるぜ

今更小細工はせず正面から突っ込んで『風牙』で斬ります
せめて家族の元へ行けると良いな…



「……本当に愉快だねぇ……」
 言葉とは裏腹に涼風・穹(人間の探索者・f02404)の表情は晴れない。
「ここまで皮肉な話になって、護るべき妹すら認識出来なくなる程になっても何の助けもないとは、どうやらオブリビオンには『闇からの救済者(ダークセイヴァー)』も存在しないらしいな……」
 穹が彼に与えてやれる救いは終わりを与えてやることだけだ。終焉を忘れた者に終焉を。だが、とも思う。
「……アリスなら男の娘相手はお手の物だろうし、相手の精神に干渉でもしてどうにかするなり俺とは違う対処も出来そうではあるけど……」
 この場にいるのが自分ではなく、他の誰かであれば他の手段を用意出来たのではないかと。そもそも穹は元は普通の学生であったのだ。それが偶然と好奇心が重なりUDC事件に巻き込まれ、気がつけば何の因果か予知能力まで得て異世界で吸血鬼退治である。
 まるで、ラノベか何かのような生活だが、そのラノベの主人公達のような気の利いた言葉の一つも思い付けはしない。そんな穹が選んだ道は最後まで敵であり続けて妄執の中で終わらせることであった。
「かかってこいよ、ロックハーツ辺境伯。護るべき大切なものを脅かす敵ならここにいるぜ」
『ぬぅ、お主も父上に操られておるのか』
「……? なんの話を、いや、俺を領民だと勘違いしてるのか?」
 本当に皮肉な話だ。護るべき妹を敵として戦い、今、その妹を奪った猟兵を護るべき領民として認識しているとは。
「……こないならこちらからいくぜ」
 穹はなんの小細工もなく真正面から斬りかかる。それが、穹にできるロックハーツ辺境伯への精一杯の誠意だ。
「せめて家族の元へ行けると良いな……」
 穹の持つ刀型のアーティファクト『風牙』が振り下ろされ、ロックハーツ辺境伯を大きく切り裂いた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ドゥルール・ブラッドティアーズ
共闘NG
グロNG
POW

オブリビオンを脅かすオブリビオンは私の敵よ
引導を渡してあげるわ、同族殺し

守護霊の憑依【ドーピング】で戦闘力を高め
相手の攻撃に【オーラ防御・激痛耐性】で耐えたり
【見切り・残像】で避けながら【呪詛】を唱え
同族殺しの心身を蝕み、ダメージを与える

下僕だけ無敵でも意味ないわ
貴女は私には勝てない

【催眠術】で能力に疑念を感じさせ
弱体化したデモンを【衝撃波・全力魔法】で空の彼方へ

さあ、救済のお時間よ

同族殺しを【怪力】で押し倒し
局部を【慰め】……男の娘!? いや~ん❤

『欲望解放』で爆発的に強化!
【騎乗・生命力吸収】で精を搾りつつ
【属性攻撃】の雷を纏った指で乳首責め❤
快感で記憶も戻るかしら?



 疲れ果てて眠りこんだセレナの頭をドゥルール・ブラッドティアーズ(狂愛の吸血姫・f10671)は愛おしげに撫でていた。何時までもこうしていたいがそういうわけにもいかない。
「オブリビオンを脅かすオブリビオンは私の敵よ。引導を渡してあげるわ、同族殺し」
 そう、セレナを脅かすことになった元凶がいるからだ。あれがいなければこの予知がされることもなく、セレナは今も楽しく妄想の姉達と遊んでいたに違いない。
 だが、離れがたいのもまた事実。もう暫くこのままセレナを愛でるかドゥルールは暫し逡巡する。結果としてこの場に留まったのが正解だったようだ。「同族殺し」が部屋へと逃げ込んできたのだ、もし打って出ていたらすれ違っていただろう。
『む、お主らは……ああ夜伽の相手か』
「……は?」
 予想外の言葉にドゥルールは一瞬呆けた。どうやら「同族殺し」はこれまでサポートをしてきた猟兵達のことを領地奪還作戦に参加した部下や領民として認識しているらしかった。その上でドゥルールとセレナが生まれたままの姿でいたことから夜伽だと判断したようだ。
 ある意味においてこれはドゥルールにとって都合がよかった。折角用意した『夜』対策がお蔵入りになるのは残念であったが、その分のリソースを「同族殺し」へと注げるのであれば悪くない。
「さあ、救済のお時間よ」
 ドゥルールは「同族殺し」を押し倒し、その手を股の間へと伸ばしていく。そこにはドゥルールが予想していたものとは違う感触があった。
「……男の娘!?  いや~ん❤」
 その事実にドゥルールの愛欲が高まり欲望が解放される。ドゥルールは「同族殺し」に股がると固く勃立した欲棒を咥えこんだ。
『うあ、熱い』
 更にドゥルールは指先に電気を纏うと「同族殺し」の胸の突起を爪弾いた。その刺激に「同族殺し」の身体がびくりと跳ねる。それに合わせてドゥルールが欲棒を締め付ければ「同族殺し」は耐えることも出来ずにドゥルールの中へと欲望を吐き出した。
『うお、搾り取られる♡』
 「同族殺し」がびくびくと痙攣するのを感じながらドゥルールは容赦なく腰を振り「同族殺し」の上で踊る。
『ま、まて! イったばかりで瓶詰めだから動くでな……あぁ♡』
 あっという間に二発目を搾りとる。
「ふふ、快感で記憶も戻るかしら?」
 だが、その程度でドゥルールの責めは終わらない。「同族殺し」を快楽に墜としその精を搾り取るのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

緑川・小夜
[WIZ]

…同族殺し、貴方は優しく殺してあげるわ
理由?単なる気まぐれよ

選択UC発動。
青い肌に金色の踊り子の衣装、両手に鉈のような剣を構えた『死の女神』の姿に変わるわ

この力…夢の世界から現実への侵食で、同族殺しが作った迷宮に、同族殺しへの一本道をわたくしの夢によって作り出す

そのまま同族殺しの前に立ち、一つ質問をする

「貴方の幸せだった時はいつかしら?」

妹と過ごした時なら、幼き日の貴方と妹を。よき領主としてあった時なら、領主であった貴方と慕う領民達を。貴方の夢の中から現実に侵食させて叶えてあげるわ(「精神攻撃」)

そして、夢の中で幸せなまま殺してあげる

[アドリブ連携歓迎です]



『ここは?』
 ロックハーツ辺境伯は執務室ではっと我に返り頭を振った。
『どうかしましたか、にぃ様』
『いや、何でもないよ、セレナ』
 そうだ、自分は辺境伯位を継承し領地の経営をしているのだった。三人の妹達も補佐として手伝いをしてくれていたのだった。
『もう、お兄様しっかりしてくださいませ』
『そう言うものではないわアリス。お兄様だって疲れているのだもの。その分フォローすればいいのよ』
『ええ、ええ、アリスの言う通りでしょうとも。でもね、私達がこうして苦労してるのに目の前で呑気にぐーすか眠りこけられたら腹が立つというものだわ』
『はは、ごめんごめん。もう居眠りなんかしないよ』
 ああ、隣国でキナ臭い噂はあるが今は至って平和なものだ。だからこそ私はこの場所を護り抜こうと思うのだ。

「……なる程、それが貴方の一番幸せだった時ですか」
 青い肌に金色の踊り子の衣装、両手に鉈のような剣を構えた『死の女神』の姿に変身した緑川・小夜(蝶であり蜘蛛であり・f23337)は、その力でロックハーツ辺境伯の欲望迷宮『終わり無き愚者の宴』を侵食した。
 願望器の力を現実を蝕む悪夢の力で侵食した小夜は、その二つの力を用いてロックハーツ辺境伯の“幸せだった時間”を具現化したのだった。何故そのようなことしたのか?
「……同族殺し、貴方は優しく殺してあげるわ。理由? 単なる気まぐれよ」
 とは本人の言ではあるが、その胸の裡はわからない。ともあれ、欲望迷宮の中にありし日の日々が具象化した。日の光の射し込む執務室、闇に包まれたこの世界においてそれは吸血鬼が過去となる前の時代、ロックハーツ辺境伯の生前の記憶であることを物語っていた。
「妹と過ごした時なら、幼き日の貴方と妹を。よき領主としてあった時なら、領主であった貴方と慕う領民達を。と、思いましたが両方ですか。中々に欲張りな方なのですね」
 そして、小夜は具現化した夢の中から立ち去った。夢が閉じていく。邯鄲之夢、人は夢の中であれば一晩で一生分の体験を得られるという。ならば、この悪夢が崩壊するまでの間に幸せだった時を十全に味わえるだろう。
「そのまま、夢の中で幸せなまま殺してあげる」
 そう、それは悪夢なのだ。甘く幸せな死に至る毒である。こうして「同族殺し」ことロックハーツ辺境伯は、二度と目覚めることのない夢の国の住人となった。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年03月21日


挿絵イラスト