●帝都
桜舞う帝都に書生姿の青年が降り立った。彼はずっしりとしたトランクケースを手に、周囲の様子をきょろきょろと伺っている。シャツの襟から黒い鉄の首輪が覗いていた。青年はトランクの中身を気にしながら洋館へと入っていく。艶やかな女主人が彼を迎えた。彼は主人と二言三言話してから、書斎へと向かった。
●グリモアベース
「大変よ! 大変よ!」
集まった猟兵たちにこう言うのは棗・瑠璃子(ハイカラさんの學徒兵・f22649)!
「幻朧戦線って組織が影朧兵器の一つ、グラッジ弾を持ち出したの!」
彼女は続けて……現在は禁止されている非人道的な『影朧兵器』、そのひとつである『グラッジ弾』は人間の『恨み』を凝縮し、弾丸としたもの。この銃弾を浴びた被害者は、強い『恨み』を浴びて、周囲に影朧を呼び寄せる存在となってしまう。しかし、全て破棄された筈の『グラッジ弾』を所持する幻朧戦線という組織が、帝都に現れた……ということを超ザックリと説明した。
「幻朧戦線の特徴は黒い鉄の首輪なんだけど……他のことはよくわからなかったわ。ごめんなさい。で、その一員がとある屋敷に潜入しているのが見えたのよ。その屋敷って言うのが、作家の狩谷茉莉さんの家なんだけど……」
瑠璃子は苦笑して腕を組んだ。
「茉莉さんは彼を信用しているみたいね、いきなり捕まえようとしても協力してくれないかも。まずは何かこう……すべらない話をして彼女の心を掴んだ方が良いわね!」
ここまで言うと、瑠璃子は説明は終わりだと言わんばかりに手を叩いて猟兵たちに微笑んだ。
「というわけで、頑張って!」
人参SiriSiri
はじめまして!!! はじめましてじゃない方はお世話になっております!! 人参Sirisiriです!!
よろしくお願いします!!
今回は三章構成です!!
一章では幻朧戦線の一員が潜んでいる屋敷の主人、女流作家の狩谷茉莉さんと話しつつその行方を探ってください。
二章では屋敷の地下を探索してください。地下には隠し通路があり、そこから地上に出ることが出来ます。地下は絡繰だらけなので気を付けて!
三章では影朧の群れと戦います。頑張ってください!!!
連携ですが、相手様のIDを指定するか共通の単語を【】で指定すると確実です。期限までに相手様が不在の場合返金します!
プレイングはオープニング公開後すぐ受け付けます。
皆さんのプレイングお待ちしています!
第1章 日常
『君、ちよつと聞かせてくれたまゑ。』
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POW : 敵を倒して活躍したときの話をする。
SPD : 類稀なる技量で窮地を脱したときの話をする。
WIZ : 閃きや機転で困難を突破したときの話をする。
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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
「『超弩級戦力』だそうで……茉莉様、昨日からずっと楽しみにしておりましたの」
猟兵たちを部屋に案内する女中は、矢絣の着物に袴、フリルのついたエプロンを着ている。絵画の並ぶ長い廊下の奥、ノックをして精緻な彫刻の施された扉を開けると、その向こうに艶やかな女の姿がある。
「こちらです」
下がる女中と共に動く人影。彼が幻朧戦線の一員だろう。しかし、彼はサッサとどこかに行ってしまった。視線でそれを追う猟兵をもし。と呼び止める女の声。
「お待ちしておりました。それで……どんな話を聞かせてくれるの?」
雨音・玲
「帝都桜學府」の伝手を頼り
女流作家の狩谷茉莉さんの「超弩級戦力」の話を聞きたいという
要望に応えます
まぁ俺の話で良ければいくらでも
面白いか面白くないか判断はお任せしますよ
洒落た部屋で向かい合って小一時間
今までの経験を粗方話し終えた後に
出された紅茶を飲みつつ、一言添えます
そうだ今面白い物をお聞かせしましょうか?
もう少ししたら別の人が来ます特徴はこんな人-…
あと茉莉さん、なかなか面白い物を書いてますねー…
ただ窓際に折角の原稿を置いておくのは良くない
風に飛ばされてしまいますよ?
「遠見の瞳」でリアルタイムに得た情報を
あたかも予知しているように語って聞かせます
占い師みたいで面白いでしょう?
自由に演出OK
「まぁ俺の話で良ければいくらでも……面白いか面白くないか判断はお任せしますよ」
ふかふかのソファーの上で、雨音・玲(路地裏のカラス・f16697)は足を組みつつ口を開いた。茉莉と向かい合い、これまでの出来事を小一時間ほど語る。一番食いつきが良かったのは先の戦争のこと、絵画の中での戦いだった。話が落ち着いたところで、女中が紅茶を持ってくる。
「そうだ、今面白い物をお聞かせしましょうか?」
「何かしら」
彼はゆったりとした調子でこう語った。
「もう少ししたら別の人が来ます。特徴はこんな人-……幼い女の子ですね。六歳くらいかな……銀色の髪に琥珀のような瞳をしている……」
茉莉は興味深そうに聞いている。続いて玲はこう言った。
「あと茉莉さん、なかなか面白い物を書いてますねー……これは随筆ですか? いいですね」
「よくわかったわね。本当に占い師みたい」
彼女は何でもないような顔をしていたが、次の瞬間蒼くなり女中を呼ぶ。
「ただ窓際に折角の原稿を置いておくのは良くない。風に飛ばされてしまいますよ?」
動転する茉莉を制しながら、玲は【遠見の瞳(ファミリアコネクト)】を解除した。
「種明かしをしますと、猟兵の能力を使って鳥を召喚し、視覚を共有しました。女の子のことは外に、原稿のことは窓辺に。当てずっぽうで言っているわけではないんです」
「そ、そんなことも出来るのね……」
落ち着いたところで女中がやってきた。茉莉は紅茶のおかわりを頼み、玲にも勧めた。
大成功
🔵🔵🔵
雨音・玲
銀の彼女は…
どうも、もうしばらく時間がかかりそうですね…
苦笑しながら
ゆっくりと勧められた紅茶を啜ります
心を奪う「スティール」を使用
それにしてもホント凄いですね
ココに来る前に作品を拝見しましたが
どの作品もリアルな内容で大変面白かった
すべて茉莉さんの能力と色々取材の成果だと思いますが…
(懐から本を出し)
この作品は
もしかしてネタ元はさっき見かけた彼ですか?
あはは、その表情で十分です
俺に隠し事は難しいのはもう知ってるでしょ?
そうだ、もし茉莉さんが良ければ
俺にも手伝わせてもらえませんか?
専属契約と言いますか、たまに寄って世界の話を聞かせます
悪い話じゃ無いでしょう?
報酬はそうですね…
アドリブお任せします♪
「銀の彼女は……どうも、もうしばらく時間がかかりそうですね……」
雨音・玲(路地裏のカラス・f16697)は勧められた紅茶を有り難くいただくと、それを啜る。その顔に浮かぶのは苦笑だった。柱時計がボーンと鳴り時刻を知らせる。いつの間にかそれなりの時が経っていたようだ。
「それにしてもホント凄いですね。ココに来る前に作品を拝見しましたが、どの作品もリアルな内容で大変面白かった」
「あらそう? ふふ、ありがとう。嬉しいわ」
「それもすべて茉莉さんの能力と色々取材の成果だと思いますが……」
意味ありげに言って、玲は懐から本を取り出した。
「この作品は……もしかしてネタ元はさっき見かけた彼ですか? 特高に追われる革命家だそうですが」
玲の言葉に茉莉の表情が固まる。彼は笑うと本を戻し紅茶に手を伸ばした。
「あはは、その表情で十分です。俺に隠し事は難しいのはもう知ってるでしょ?」
「……こ、根拠は何かしら」
「主人公が所属している団体の人物がつけているものを、彼も付けていましたね。黒い鉄の首輪……やけに詳細な描写でしたが。それだけではありません。あの雰囲気は只物ではない。職業柄、見るだけでわかるのです」
彼女は少し考え込んでいる。彼は最後の一押しにとこう言った。
「そうだ、もし茉莉さんが良ければ俺にも手伝わせてもらえませんか?」
「何を……」
「ネタの提供。専属契約と言いますか、たまに寄って世界の話を聞かせます。悪い話じゃ無いでしょう?」
茉莉の心が動いたと見ると、玲はすかさず続ける。
「報酬はそうですね……ひとまずは彼の身柄の確保を」
彼女がとうとう頷いたところで慌てた女中が入ってきた。女中は茉莉に耳打ちすると廊下へと駆けだす。
「彼が逃げたわ! この子が案内するから、追ってちょうだい!」
「おっとこれは急展開……」
玲は女中を追って部屋を出た。
大成功
🔵🔵🔵
第2章 冒険
『大豪邸の地下へ』
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POW : 取りこぼしが無いように全部屋をチェックしていく。
SPD : フロアをマッピングしつつ入り口から一番遠い場所を目指す。
WIZ : 積もった埃や換気の風を追って影朧の痕跡を辿る。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
「彼はおそらくここに……!」
猟兵たちは女中に案内され、地下迷宮へ辿り着いた。地上の華やかさから一変し、そこには陰鬱な空気が漂っている。暗闇のため遠くを見ることは出来ない。
「ここは入り組んでいる上に……ああっ!」
女中がふらりとよろめくと、刹那数本の矢が石畳に刺さり、流れた血がぽとりぽとりと染みを作った。彼女は肩を抑えながら猟兵に向き直る。
「……絡繰や罠が仕掛けてあります。お気を付けて……では私はここで失礼します!」
敬礼して速足で帰っていく女中は怪我の割りに元気そうだ。上で手当てすれば問題ないだろう。それよりも、幻朧戦線を探すのが先決だろう。
鳴夜・鶯
A
ヘザーちゃんを見てると明るくてすごく元気になる!
ナァトさんってすごくミステリアス!カッコいい!
あれ?歌が好きなの?…な、仲間!!
「たまには顔出せ!」って手伝いに来たけど
地下迷宮の探索?
あぁ確かにボク向きの依頼
やりますかぁ、ランタンを片手に探索開始!!
UC『Ultrasonic』
音波を飛ばして攻撃する技
外れても地形、生存者、周囲の情報を瞬時に正確に把握できるのが味噌なのさ
ボクにはすべてお見通しだぞ♪
パフォーマンスを発揮するのだ!
ふふっ、観念して投降しなさい!!
あっヘザーちゃん?
ちょっと待って…ボク紙装甲だから守ってね?
ヘザーちゃん?ストップ!?ストップ!?
そ、そこは壊したら危ないよぉ~~(汗)
ヘザー・デストリュクシオン
A
玲くんが人手が足りないって言うから来たの!
ナァトちゃんと鶯ちゃんとははじめて会ったけど、なんかおもしろそう!
どんな風に戦うのか楽しみなの!
地上は玲くんたちにまかせて、わたしは鶯ちゃんと地下たんさく!
野生の勘でワナを回避しつつ人の気配のする方に向かって、聞き耳で物音がしないかたしかめつつ追跡するの。
鶯ちゃんのUCべんり!
でもすぐめんどくさくなってワナもドアもカベもUCで壊せるものは壊しながら進むの。
ねえ!ここ地下だから早く出て来ないと、生きうめにしちゃうの!わたしはあなたと壊しあいたいだけなのよー!
…ほんとに生きうめにしたら、さすがに玲くんおこるかな?
ん?壊しちゃだめ?…もう壊しちゃったの♪
ナァト・イガル
B
「あらあら、大変!」
常に【第六感、情報収集、偵察、聞き耳】を駆使しつつ、慌てる【演技】をしながら、立ち去ろうとする女中をブラックタールの身体を伸ばして掴み、抱き上げるわ
「協力者の方にお怪我をさせてしまうなんて、申し訳ないわ。安全なところで治療しないと」
地下はAの頼もしいお二方に任せておけば安心ね。そのまま、雨音さんと共に狩谷さんのところまで戻りましょう
必要があれば女中をUCで癒し、雨音さんに協力して、お二人に色々伺うわ
あら、下から何か破壊音が……?出口さえわかれば、これ以上の”ご迷惑”をおかけせずに済むのだけれど。
なるべく協力してもらえるよう、警戒心を解くような話し方の【演技】を心がけるわね
雨音・玲
B
起動した矢に違和感を覚えつつ
両手の炎で辺りを照らし
真新しい足跡が残って無いか確認します
与えられた情報を鵜呑みにする情報屋は居ねぇっての…
悪い、連絡用に烏を残すし任せていいかい?
手の内を良く知っている「A」に『遠見の瞳』で呼び出した一羽を託し
ナァトと共に屋敷に戻ります
しかし茉莉さんの試験がまだ続いてる気がするな
女中の口ぶりからして…
ある程度「地下遺跡」の構造、罠、出口の場所について知ってるはず
追跡する人間に情報を与えないのは違和感あり過ぎだ
彼女も協力者って最悪のパターンも想定して楔は打っておくべきだろ
有益な情報を引き出して烏を介して追跡組に伝える!
俺たちも出口が分かれば先回りも可能だろうしな!
女中の背に不信の目を投げかけつつ、雨音・玲(路地裏のカラス・f16697)は両手に火をつけて辺りを照らす。目ぼしい足跡は一つ、おそらくあの書生のものであろう。だが、しかし屋敷の人間がどうも怪しいと玲は訝しむ。彼は後ろを振り返り、
「悪い、連絡用に烏を残すし任せていいかい?」
と言って、探索中の猟兵二人に喚んだ鳥の一羽を託す。そんな玲についていくのはナァト・イガル(さまよえる小夜啼鳥・f26029)。彼女は迷宮内に気を配りながら、女中の身体にブラックタールの身体を伸ばして掴み、抱き上げる。
「きゃっ!?」
「あらあら、大変!」
ばたばたと手足を動かす女中だがどうにも抜け出せない。
「協力者の方にお怪我をさせてしまうなんて、申し訳ないわ。安全なところで治療しないと」
ナァトはおどおどと慌てた様子で屋敷へと戻っていく。とはいえそれも演技のうちなのだけれども。玲が地上に上がるにつれ、迷宮に闇が戻っていく。
「やりますかぁ」
後を託された猟兵のうちの一人、鳴夜・鶯(ナキムシ歌姫・f23950)はランタンで前方を照らしながら自らのユーベルコード【Ultrasonic(ウルトラソニック)】を発動させた。彼女の口笛に乗って超音波が四方八方へ飛んでいく。
「ボクにはすべてお見通しだぞ! パフォーマンスを発揮するのだ!」
それに反応した絡繰りが動き出し、迷宮を変容させた。仕掛けられていた罠の位置と迷宮の全容が鶯の頭に入り、先程より格段に歩きやすくなる。
「わー! べんり!」
「いやぁ、それほどでも」
その横で感激している少女はヘザー・デストリュクシオン(白猫兎の破壊者・f16748)。
「そういえば鶯ちゃんとははじめてなの! どんな風に戦うのか楽しみなの!」
「戦うっていっても、居るかなぁ」
もう一度音波を飛ばしてみるが、標的の書生らしい反応がない。だいぶ奥へ逃げ込んだのだろうか。ヘザーが叫ぶ。
「ねえ! ここ地下だから早く出て来ないと、生きうめにしちゃうの!」
「聞こえてるかなぁ」
しかし声が反響するだけで何も起こらない。もう一度叫ぶ。探索が面倒くさくなってきた彼女はついでに【グラウンドクラッシャー】で壁を壊す。そのせいか瓦礫がドっと飛び散った。
「わたしはあなたと壊しあいたいだけなのよー!」
「あっヘザーちゃん? ちょっと待って……ボク紙装甲だから守ってね?」
ガシャガシャと罠をも壊すヘザーに、鶯は少し焦り出した。大事な柱を壊したら無事では済まない……が、ヘザーの野生の勘のおかげか建物の急所と言えるポイントは外れている。そうして奥へ奥へ進むものの、ある一点ではたと我に返って立ち止まる。
「……ほんとに生きうめにしたら、さすがに玲くんおこるかな?」
「それは、うん、さすがに……ってえ? ヘザーちゃん? ストップ!? ストップ!?」
しかしそれも一瞬のこと、ヘザーは先程よりもずっと勢いを付けて地下を破壊する! その勢いはもはや掘削機!
「そ、そこは壊したら危ないよぉ~~」
鶯の悲痛な叫びがこだました。
「……つまり、貴方たちは私がまだなにか隠していると――そう言いたいんですね」
「そうなりますね。こちらとしても与えられた情報を鵜呑みにするわけには……」
「あら、下から何か破壊音が……?」
ちょうどその時、地上に戻った二人は茉莉と交渉を行っていた……が、激しい地響きが鳴る。
「出口さえわかれば、これ以上の”ご迷惑”をおかけせずに済むのだけれど……」
「わ――わかりました! わかりましたわ! お教えします!」
あまりのことに動転した茉莉は迷宮の構造を洗いざらい話し、また地下から地上に抜けた先がどこかも明かす。
「よし、俺たちは先回りだ」
「ええ! 急ぎましょう!」
――そうして得た情報を鳥が二人の少女に告げると。ガラガラと轟く中で青年の呻き声がどこからか聞こえ出す。と同時にその奥にはしごらしきものが上下に伸びているのが見える。
「ん? 壊しちゃだめ? ……もう壊しちゃったの♪」
「だめだったけど……ナイスだよ!」
「ナイス? あー! 見つけた!」
呻き声を辿ると書生の姿。標的である幻朧戦線の一員だ。彼は二人の姿に気付くと舌打ちした。
「くそっ!!」
「ふふっ、観念して投降しなさい!!」
書生は慌てて地上に上がるが、その先に玲とナァトの姿を認め立ち止まり、トランクケースを開けて何かやり始めた。動きを見るに弾を装填しているようだが――。
「聞こえなかった?」
「投降して!」
その時、グラッジ弾が書生の身体を貫通した。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
第3章 集団戦
『旧帝都軍突撃隊・桜花組隊員』
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POW : 疑似幻朧桜の鉄刃
自身の装備武器を無数の【自分の寿命を代償に起動する鋼鉄の桜】の花びらに変え、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
SPD : 疑似幻朧桜の霊縛
【舞い散る桜の花びら】が命中した対象を捕縛し、ユーベルコードを封じる。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
WIZ : 疑似幻朧桜の癒やし
【自分の生命力を分け与える桜吹雪】が命中した対象を高速治療するが、自身は疲労する。更に疲労すれば、複数同時の高速治療も可能。
👑11
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
地上、狩谷邸の裏庭にて銃声が起こる。黒い鉄の首輪が光る。自害した書生は仰向けに倒れ、ごぼごぼと血を吹いた。
「ははッ……大正の世は終わるべきだ……こんな、代わり映えもしない景色を何年も何年も……狂っている」
狂っているのはお前だ、と云う者もいるだろう。しかし彼は猟兵の言葉など聞いていないのか、ぶつぶつと喋り続けている。
「見ろ……新たな時代の幕開けだ……戦乱こそが……人を進化……さ……せ……」
書生はそこで息絶えた。恨みを帯びたその身体は影朧を呼び寄せる。どこからか桜の花びら。ブーツの足音。一人だけではない、何人もの音。旧帝都軍突撃隊・桜花組隊員。影朧となった少女たちが今、猟兵の周囲を囲んでいる。
アラン・スミシー(サポート)
基本突然現れて仕事を終えたら去っていく人物です。
基本的に【乱戦】か【銃撃戦】での援護がメインとなります。
他の猟兵の手の足りない所に現れては銃で攻撃し、気を引いたり足止めをしたり敵の頭数を減らしたりします。
説得や交渉等が必要ならなんか良い感じの言葉を言います。
例:君の正義は分かった。しかしその正義は君を救ったかい?
ユーベルコードのセリフを参照し、MSの言って欲しい都合の良い言葉をアレンジしてやってください。
大体無意味に格好いいこと言ってます、割と適当に。
状況次第では不意打ちとかもするかもしれません。適当にお使い下さい。
青年の銃声は遠く、しかし桜花組の少女たちは隊列を組みどこか一点へ向かっている。
「なかなかの美人揃いだ、目の保養になる」
そんな中、アラン・スミシー(パッセンジャー・f23395)は少女たちに弾丸を撃ち込んでいく。背後からの不意打ちに少女たちは次々と倒れていった。だが、やられているだけではない。少女はアランの弾丸を避け、彼の懐に入り込む。
「おおっと危ない。うかうかしてるとやられるね」
少女が生み出した鋼鉄の花びらが舞う。花びらは周囲の建物を削り、瓦礫をバラバラと落とす。アランはそれらを間一髪のところで避けながら、ユーベルコードを発動させる。
「そんじゃ反撃といきますか」
彼はブロック片を掴むと、少女たちの頭部目掛けて投げていく。混乱している状態で、死角からの攻撃を避けられるはずもない。少女たちは一人、また一人と地に伏せる。数を減らされた少女たちはアランを諦め、本来の目的地へと向かっていった。
成功
🔵🔵🔴
雨音・玲
【SPD/ファブル】で参加
バカ野郎―…
戦乱で得るもんなんて何もねぇよ!!
数相手は範囲炎術系で一気になぎ払いたいところだけど
(狩谷邸に目を向けて溜息を一つ)
この状況で―…心を許している仲間が居るのはホント心強い
俺は機動力でさっさと幕を引く―
UB『陽炎』――
その姿は揺らめく「陽炎」
「縮地」と「早業」で、一瞬で距離を潰し
「緊急回避」で器用に桜の花びらを掻い潜り
避け切れないものは、高レベルの「属性攻撃」の炎で燃やしながら
炎を引き連れ「空中戦」で舞うように戦場を駆け抜けます。
終わりだよ―静かに眠りな
すべてが終われば青年の遺体を弔い。
彼の荷物から計画が分かるものがあれば
「帝都桜學府」に伝えて置きます。
鳴夜・鶯
【WIZ/ファブル】で参加
あぁ、もう何度目かな?
はぁ、相変わらず…
幻朧戦線って組織は…
命が軽すぎる―…
命を捨てる覚悟があるならもっと違う方法を模索できないの…
ナァトさんの合図で意図を理解して
ギターケースからギターを取り出します。
ボクはボクの音楽でナァトさんの哀歌を引き上げる。
(すっと弦を弾く、コレはボクからの鎮魂歌)
いくよ──♪♪♪
ナァトさんの歌を邪魔しないように即興で曲を付けます。
UB『シャイク・ハート』
―対象の心を揺さぶる音楽で―敵UCの足止めを専念。
【楽器演奏・パフォーマンス】
影朧を鎮めるのが、桜の精であるボクのお仕事だからね
ボクのすべてを届けてあげる!!!
ヘザー・デストリュクシオン
【SPD/ファブル】
(青年の遺体を見て小声で何か言っている。「どうして」「おいていかないで」等聞こえるかもしれない)
…だいじょうぶ。わたしはもう一人じゃないの。みんながいる。
わたしはただいつも通り、楽しく壊しあうだけなの。
リボンを解いてUCの効果で速さを上げて、ダッシュやジャンプ、スライディングで敵をかくらんしながら戦うの。
そういえば鶯ちゃんに守ってって言われてたっけ。
鶯ちゃんを狙おうとするやつを先に壊しちゃうの。
敵の攻撃はなるべく回避するけど、避けきれなければ気にせず捨て身の一撃を食らわせるの!
UCが使えなくたって、爪も脚力も使えるのよ!
ほら、もっと楽しませてよ!
青年の死体には近づかないの。
ナァト・イガル
【WIZ/ファブル】
自決、だなんて……
(唇を引き結び)
いえ、それどころではないわね。ここを切り抜けられなければ、私達の命が失われるだけでは済まないのだもの。
「雨音さん、ヘザーさん。援護するわ」
系統は違えど音楽を生業とするもの同士、鳴夜さんとは目線を合わせ合図として
(すぅと息を吸い)
UCを発動
「さぁ、此れより語りまするは──」
御国のためと命を散らせた、儚くも気高き少女たちの哀歌に御座います──
鳴夜さんと息を合わせ、敵UCの封印と足止めに専念
【歌唱、祈り】、シンフォニアの天分を駆使して、哀れな影朧のために歌うわ。
……結局、凶行を防げはしなかった、か。
せめて、追うべき手がかりがあれば良いのだけれど。
「どうして……」
青年の遺体を前に、ヘザー・デストリュクシオン(白猫兎の破壊者・f16748)は茫然として呟いた。
「自決、だなんて……」
ナァト・イガル(さまよえる小夜啼鳥・f26029)もそれに続く。
「バカ野郎―……戦乱で得るもんなんて何もねぇよ!!」
「あぁ、もう何度目かな? はぁ、相変わらず……幻朧戦線って組織は……命が軽すぎる―……命を捨てる覚悟があるならもっと違う方法を模索できないの……」
雨音・玲(路地裏のカラス・f16697)と鳴夜・鶯(ナキムシ歌姫・f23950)は慟哭し、その背後では影朧の動く音。ヘザーは三人の顔を見て深く息を吸い込む。
(……だいじょうぶ。わたしはもう一人じゃないの。みんながいる)
ヘザーの心は凪いでいき、ナァトは唇を引き結んだ。二人は四人を囲む少女たちに向き直り、口を開いた。
「いえ、それどころではないわね。ここを切り抜けられなければ、私達の命が失われるだけでは済まないのだもの」
「……うん! やろやろ!」
(わたしはただいつも通り、楽しく壊しあうだけなの)
リボンの端が宙に舞う。身軽になったヘザーは【シーブズ・ギャンビット】の力で高く飛び上がった。少女たちの視線が彼女に注がれる。
(数相手は範囲炎術系で一気になぎ払いたいところだけど)
その下で、玲は狩谷邸を一瞥して溜息を吐いた。そうして、別の戦法を考える。鋼鉄の花びらが舞う中、ヘザーは流星の如き速さで少女たちを切りつけていった。ふと、その中の一人が標的を鶯に変える――が。
「ありがと」
「えへへー」
金属音の後、彼女たちは倒れていった。ヘザーはそのまま鶯を狙う敵に鋭い爪を食らわせる。
「ほら、もっと楽しませてよ!」
ヘザーに率いられ少女たちは鶯との距離を離す。ナァトはその隙を逃さず、鶯に目線を遣った。
「雨音さん、ヘザーさん。援護するわ」
「! いくよ――」
鶯もすべてを察して楽器ケースからギターを取り出す。次の瞬間、ナァトの唇から美しい歌声が響いた。
「さぁ、此れより語りまするは──」
【小夜啼鳥の哀歌】に鶯が【シャイク・ハート】と即興曲を付ける。
「御国のためと命を散らせた、儚くも気高き少女たちの哀歌に御座います──」
自分たちの境遇を哀れんだその歌に少女たちは惹きつけられ、ぴたりと動きを止めた。玲は目にも止まらぬ早業で少女たちに近付き、花びらを掻い潜りながら踊るように駆け抜ける。その姿はまさに揺らめく【陽炎】――。
「終わりだよ――静かに眠りな」
鮮やかな連携に少女たちは為すすべもなく崩れ落ちる。旧帝都軍突撃隊・桜花組隊員は今ふたたび殲滅された。すべてが終わった後、玲とナァトは青年の遺体に近付き手を合わせ、あるいは祈った。何か思うところがあるのか、ヘザーは鶯の後ろに隠れて俯いている。
「……結局、凶行を防げはしなかった、か」
弔いを終えた後に二人は青年の荷物を開けた。こういった状況を想定していたのだろう、グラッジ弾を除きそのほとんどが関係のないもの――煙草、小説、燐寸などであった。ナァトは訝しんで、一度トランクケースを閉じ持ち上げる。しかしそれにしては妙に重みがある。入っているものはどれも軽いであろうもの。量があるとはいえ、ここまで重くなるのはまれだろう。
「せめて、追うべき手がかりがあれば良いのだけれど」
「そうだな……ん? これは……」
二人はトランクケースをもう一度開けて、中を探った。しかし先程同じようなものが出てくるだけである。二人は諦めかけたが、玲はある点で違和感を覚えそこを開ける。二重底のようだった。中には書類が入っている。何枚もあるそれは高度な暗号を用いて書かれているせいか、この場では内容を知ることは出来ない。ナァトは玲から手渡されたそれをパラパラと捲る。やはりすぐに解けるものではない。
「學府に伝えよう」
「そうだねぇ」
「そうね」
玲は青年の遺体に視線を戻した。その瞳は何も映さず、手は空に向かって伸びている。
辺りがしんと静まり返った。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵