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喧嘩

#キマイラフューチャー

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#キマイラフューチャー


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●それって
 キマイラフューチャー、真冬の蚤の市。イベントホールにて。
 『ほにゃららしないと出られない部屋』と銘打った、課せられた条件をクリアしないと出して貰えない部屋という催しでキマイラ達が賑わっている。
 お題は参加者毎に設定され、恋人達であれば『お互いに愛を叫ぶ』とか、料理が得意な者であれば『厚焼き卵を上手く作る』とか、至って健全なものだ。ちょっとでもやましい様なものを想像した場合、ちょっと冷水を頭から被ってクールダウンを図る事をお勧めしたい。
 然し、そんな平和な遊びにも突如として暗雲が立ち込める。ブツン、とブレーカーが落ち、パニックに陥る参加者。スタッフが復旧に追われ漸く電気が戻ったかと思えば、お題が表示される筈の広場中央のモニターに映って居たのはお馴染みの――馬鹿野郎のにやけ面! くそっ、此奴は何時もそうだ。
「ジャック成功ぅーーーー! 面白ぇ事してんじゃん、俺様も混ぜてよ」
 どぅるるるるるるるるるるるん、じゃんっ。一枚の紙を広げて見せる。ドラムロールを口頭で発する準備の浅さに加え、その紙には書き損じを塗り潰した跡がある。あれ、もしかして漢字が書けなかったのだろうか。
「お前達にはこれから『喧嘩』をして貰いまーす! 俺様を満足させてくれよなーッ!」

●熱くなるな
「やぁ、君達。殴り合いって得意だろう」
 猟兵は日がなオブリビオンとどつき合いを繰り広げている。そんな君達に似合いの依頼があるのさ、と茶を啜りながら話すのはテイア・ティアル(パラドックスブルー・f05368)。
 あまり緊急性を要していなさそうなその態度に、察しの良い者は『またキマフュかな』『怪人かぁ』と口々に囁き合った。
「うん、そうなんだ。とあるイベント会場で、条件を満たさないと出られない部屋、とかそんな遊びをしている所に怪人が首を突っ込んでね。なんでも『喧嘩』をさせたいのだと」
 其の儘放っておくと、キマイラ達が仕方なしに殴り合いを始めはするものの、何時迄も本気と判定されず中途半端に疲弊するだけなのだと彼女は言う。
「と、そんな訳で。いっその事君達が其処に入ってちょっと本気の喧嘩を見せてやって欲しい。きっと直ぐに震え上がってそのイベントからは手を引くから」
 喧嘩の手法は問わないらしく、口プロレスでも、拳での殴り合いでも、はたまた武器やユーベルコード使っても構わない。部屋には十分な広さがある為、気兼ね無くドンパチ出来る。派手に吹っ飛んだりするのも楽しいだろう。
「それが本気と判定されるなら、やーいお前のカーチャンでべそ、とかでも扉は開くんだこれが。だからな、溜まっているフラストレーションとかそんなののガス抜きにも丁度いいんじゃないか?」
 恋人や夫婦といった関係のどつき愛。気の置けない仲間達との殴り合い。師弟関係。自分の人格同士。その他エトセトラ。勿論、一人で参加しても誰かしらが相手をしてくれるだろうから心配は要らない。
「嗚呼、だけれども。後で本当に喧嘩の種になる様な悪意ある暴言なんかは止めような。気持ちよく楽しく殴り合おう、誰が勝つか賭けるなんてのも面白いかも知れないぞ」
 最後は美しく互いを称え合うなり、共倒れするなり。何であれ、兎に角『楽しく』だ。これだけは踏まえておいてくれれば他は大体何をしたって良い、とテイアは笑って、その後の作戦について話し出す。
 怪人はその後も何とかイベントに茶々を入れる機会を伺ってウロついているので、蚤の市が行われている広場を散策してみたり、別の企画に名乗りを上げて煽ってやればひょっこり姿を表す。そうなった所を袋叩き、が理想といった所か。
「部屋は一度入ったら厳重にロックが掛かるから判定が下るまで出るのはどう足掻いても不可能だ。忘れ物はないかしっかり確認してから、覚悟が決まり次第わたしに声を掛けておくれ」
 それじゃあ、宜しく頼むよ。急須で2杯目のお茶を入れて、彼女は炬燵へと吸い込まれて行った。


しらね葵
 しらね葵(――・あおい)と申します。
 この度は当シナリオのオープニングを読んで下さり、有難う御座います。


 今回はウルトラシンプルに『喧嘩』をしましょうといった内容です。口喧嘩、殴り合い、武器・ユーベルコードの使用、方法は問いません。

 2名様以上での参加者の方は、気兼ねなく喧嘩が出来る様に各部屋へご案内致します。
 グループでのご参加の場合、【旅団名やグループ名/Aとか●●組等】をご記載下さい、そのグループ内でのAチーム対Bチームでの喧嘩として描写させて頂きます。三つ巴や1人対他全員での無双orリンチであるとかも可能です。
 もし、【旅団名やグループ名】のみだった場合、人数が均等になる様にしながら厳選なるあみだくじでチーム分けを行いますので、丸っと投げて下さっても大丈夫です。
 喧嘩の勝敗の結果については特別描写を致しませんが、「こちらが勝つ」などの結果が書かれていた場合はその様に、「お任せ」の場合はサイコロなどで決めますのでご気軽にどうぞ。(この記載は代表者の方のみで構いません)
 ソロでご参加の方は他の方とのバトルロワイヤル形式を予定しております。


 第2章は『オリジナル必殺技披露大会』です。300文字目一杯叫ぶであるとか、「先程の戦いで編み出した……!!」など、今シナリオは一貫してあまり深く考えずにグッと知能指数を下げて行って頂けたら幸いです。第3章はそのノリでボス戦に移行します。


 以上です。皆様のご参加、プレイングをお待ちしております。
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第1章 冒険 『条件をクリアしないと出られない部屋』

POW   :    何も考えず正直に条件をストレートにクリアする

SPD   :    隠し通路や扉などを発見して脱出する

WIZ   :    条件を逆手にとって思わぬ手段でクリアする

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

浅沼・灯人
赤銅(f01007)と殴り合い。
いっぺんお前とは喧嘩してみたかったんだよなー、やー楽しみ楽しみ。

特に合図がないなら扉閉まると共に一発殴りにいく。
後はまーあいつの攻撃受けつつの、隙見て殴って蹴ってだな。
え?顔?殴るに決まってんだろ?喧嘩だぞ喧嘩。
眼鏡割られようがまあいいわ。てめぇの顔ならなくても見えらぁ。

でもまあ本気で、竜の力使って殴るのは腕と腹だけだな。
お前、鬼なんだろ?強いんだろ、堅いんだろ?
ならよぉ、壊れないで立っててくれよ、なあ。

ああ畜生、やっぱ楽しいなぁ。
いいぞ、持ってけ。そいつでチャラなら格安だ。

無理なんてもんじゃねぇよ、俺ぁ痛みへの耐性とかねぇんだ。
でもまあいいか。
お前もな。


多々羅・赤銅
灯人と。
やーそりゃ光栄。
どーぞ本日はよろっしく〜↑

はは、初撃はくらってやる。だからテメエも逃げるなよ!!
鼻血唾液なんでも垂らしてがっぷり殴り合おうじゃねえの
ああ、即ダウンもつまんねえから適度に受け止め受け流しもしてこうな
羅刹の戦闘本能が、ぎらぎらひかる
そーだ眼鏡割っとこ。角掴んで引き寄せて顔面に膝いれてやろおな

竜腕持ち出されたら
(何をご要望かは、ちょっと察しちまうなあ
お前優しい子だもんなあ)
地を強く踏みしめる
オラ来いや

甘やかしたくなる顔だなあ
目元を指で一撫で

してから
羅刹旋風乗せの拳で殴り潰す
女の腹を本気で殴った分は、肋骨と内臓で取り立てまーす
お安いもんだろォ?♡

流石にちと無理した
ひひひ
ばーか



●褥に竜鱗
 鍵の閉まる音が部屋に落ちると同時に動いたのは浅沼・灯人(ささくれ・f00902)だ。恋人達がキスをする様な気軽さで、腰を落とし放った一撃は多々羅・赤銅(ヒヒイロカネ・f01007)の顎を捉える。脳を突き抜ける様に奔る痺れに、『随分なご挨拶じゃないの』と口端を歪める赤銅。
「いっぺんお前とは喧嘩してみたかったんだよなー、やー楽しみ楽しみ」
「やーそりゃ光栄。どーぞ本日はよろっしく〜」
 見合って、見合って、いざいざ尋常に勝負。
 直ぐに意識を手放してしまう様ではつまらない。往なし往なされ、時に野蛮に獰猛に。ぎらぎらひかる戦闘本能に忠順に、酸いものが混み上げればその辺に吐き捨てて、縺れ合い、男と女は地を輾転とした。
 赤銅が角を掴んで柔く導く様に引き寄せると、彼女の振り上げた膝が灯人の顔へとのめり込む。いとも容易く歪む世界、ひしゃげたフレーム、罅割れたレンズ。然して、其れを失った男の眼は、疑う余地も無い程の無邪気さに輝いている。
「てめぇの顔ならなくても見えらぁ」
 目立つ淡紅の髪を引っ掴めば、し返しとばかりに喉笛へと牙を立て噛り付き。
 お前、鬼なんだろ? 強いんだろ、堅いんだろ? ならよぉ――、
 組み敷いてそうがなれば、汗と血のいろに混じって女の甘ったるい燻香が鼻について、こびり付いて止まない。簒奪する者の竜腕が、柔らかそうな胎を抉った。
 ――ならよぉ、壊れないで立っててくれよ、なあ。
 それは呪詛の如く耳を劈く。この男が何をご要望かは、女にも察する処が有った。『お前、優しい子だもんなあ』なんていう言葉は飲み込んで、起ち上がれば額の一撃を相手の胸に喰らわせて打倒する。
「嗚呼、甘やかしたくなる顔だなあ」
 なんて顔をしてくれちゃってるの。痛みに喘ぎながらも『楽しい』と地の上をのたうつ男の元に跪くと、腫れぼったいその目元を指で撫でてやってから、力いっぱい悪鬼の様に殴り潰した。
「女の腹を本気で殴った分は、肋骨と内臓で取り立てまーす。お安いもんだろォ?」
「いいぞ、持ってけ。そいつでチャラなら格安だ」

 ――終いにはふたり、疲れ果てて息を切らし、血まみれになり継続不可能、と両手を挙げ斃れ伏す。
「流石にちと無理した」
「無理なんてもんじゃねぇよ、俺ぁ痛みへの耐性とかねぇんだ。ァー、痛え。でもまあ、いいか」
「ひひひ、ばーか」
「お前もな」
 そうして、可笑しくって堪らなくなって、からから笑った。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

唐木・蒼
へぇ、面白そうなことになってるのね。普段からオブリビオンは思いっきり殴り倒してるけど、猟兵同士で戦うってしたことないわねそういえば。いい機会、腕試しと思って挑ませてもらうわね!
私は勿論ステゴロ希望、この拳ひとつでどこまでやれるか…ロマン、ええロマンね!(テンション↑↑)とはいえむき出しの拳だと自分も相手もめちゃくちゃになるから、見えざる拳を気持ち柔らかめに調整してグローブ代わりに纏わせとこうっと。
開始と同時におたけびひとつ、気合を誇示。攻めるも受けるも正面から堂々と!ガードより回避を目指してカウンター狙い基本に。相手が速ければフィールド広く使ってヒットアンドアウェイね。
楽しみましょう!!


斬断・彩萌
喧嘩かー、思いっきりやった事なんてないカモ?痛いの嫌いだし進んでやる必要もないんだけど~。ま、ストレス発散にはいいじゃんね。テキトーな相手が居そうだったら暴れちゃお♪

【喧嘩】
んでは獲物のお披露目~!(二丁拳銃をくるくる回す)
お互いに距離があるうちは銃で牽制、近づかせないようにして体力を削る。弾丸は炸裂弾、猟兵でも流石に吃驚すんじゃない?

間合いを詰められてからが本番。腕から先は私の領域。――ざぁんねん本命はこっち(Oracle)なの!
引きこんで一気に急所を狙うわ。せめて一撃で倒してあげないと可哀想っしょ?

敵の攻撃は極力武器受けで流す。あとは場のノリで何とか。


ヘラ・テンタクルス
殴り合いだなんて何を考えているんでしょう……普段ならそう思うところですが
最近運動不足でして、私としてもちょっと運動したい。

……ハッ!?
身体を動かしお互い汗を流す。そう!これはスポーツ、スポーツですわ!
それに最近運動させていなかった触手のストレス発散にもってこいですわね
彼らは私と違って暴れるのが好きですし、最近退屈させていましたからね……
たまには好き勝手やらせてあげるのも良いかもしれませんわね。

(全身に潜む触手が、うねうねしゅっしゅびたんびたんしている)
(両肩の触腕はシャドーボクシングをやり始めた)

彼らの乗り気のようですし、相手様も猟兵ですから遠慮はいらないですわよね。

※アドリブなど大歓迎です。



●音が咲く
「普段からオブリビオンは思いっきり殴り倒してるけど、猟兵同士で戦うってしたことないわねそういえば!」
 爛々と目を輝かせ一番に到着した唐木・蒼(喰らい砕くはこの拳・f10361)に続いて、部屋にやって来たのは斬断・彩萌(殺界パラディーゾ・f03307)だ。
「分かりみ~。痛いの嫌いだし進んでやる必要もないんだけど~。ま、ストレス発散には良いじゃんね」
 なんか溜まってたりする? だ等と暫し入り口で歓談をしている所に、もうひとりエントリーして来た者がいた。
「あの、もしまだ締め切ってなければご一緒させて頂いても?」
 最近、運動不足でして。そうお腹辺りを摩ったりしながら現れたヘラ・テンタクルス(キマイラのUDCエージェント・f05286)に、釣られて皆自分の身体を見下ろす。露出の高い衣服を好む蒼にも、オタサーの姫である彩萌にも、スタイルの維持は何時だって気になる部分である。
「あ、もしかしてヘラっちじゃん。あけおめ~! お餅食べ過ぎた?」
「あらっ、ふたりはお知り合い? 今日はいい機会、腕試しと思って挑ませてもらうわね、よろしく!」
「ええ、以前同じお仕事を受けまして。お正月はどうしても……ね、こちらこそよろしくお願い致しますわ」
 奇しくも、ひとりで名乗りを上げたのは女が三人。揃えば何とやら、話題に花を咲かすのもそこそこに、部屋に入れば扉が閉ざされた。
「ちなみに私は勿論ステゴロ希望、この拳ひとつでどこまでやれるか試してみたいわ」
 でも剥き出しだとめちゃくちゃになるわよね、と妖狐の狐火的な不思議パワー、恐らく気合いみたいなものを握った拳に纏わせるて見せると、他の2人も其々得物の申告を行う。
「んではお披露目~! 刮目せよ!」
 取り出したるは処刑人と反逆者の名を冠した二丁拳銃。ガンマンの様にくるくる回してポーズを決めれば、その横に立っていたヘラの、彼女が平時は隠し歩く全身に潜ませた触手がうねうねしゅっしゅ、びたんびたん。
「運動不足なのはこの子達もでして……最近退屈させていましたから」
 肩甲骨から生えた巨大なイカの触腕もシャドウボクシングをやり始めている。皆、準備は万端の様だ。戦いの火蓋が切られれば、3人互いに距離を取った。
「うっしゃらぁぁぁいっ!」
 開始と同時におたけびひとつ。気合を誇示した蒼が先ずは動く。殴り掛かる先は――彩萌!
「ちょ、マジビビったンですケド。てかこっち来る? じゃあ私もちょっと驚かしちゃお~」
 牽制の意を込めて放つ弾丸は炸裂弾。当てられたら堪らないとばかりに堪らず躱した蒼の頭の上を抜け、壁に当たれば、その衝撃で炸薬が爆発し派手な音を立てる。
「ひゃっ、吃驚した! お嬢さんとは間合いを詰めるのが先決かしら。銃に拳で立ち向かうってのもロマンよ!」
 テンションガン上げで走る蒼。対抗策として左右にステップを踏む様にしながら肉薄すれば、一撃拳を振るう。それを銃身で往なせば、彩萌は素早くスカートの下に仕込んでいたナイフを取り出して見せた。
「――ざぁんねん、本命はこっちなの!」
「2段構えとかやるわね!」
 そこから暫くふたりの攻防が続く。段々と本気になる余り、見えざる拳を薄くして攻めゆく蒼と、器用に都度ナイフを伸縮させ斬り込む彩萌。戦いの行く先を見守るヘラ。触手が物問いた気にその身でインテロゲーションマークを作る。
「え? お前は何時混ざるのだ、ですって? 漁夫の利も美味しいかと思いまして……あと、純粋にお若いって良いわね。私なんて謂わばver.3.0のおばさんですもの。それに」

 扉の方を振り返ると、そのドアの鍵はとうの昔に開いていた。具体的に言うと蒼が本気の雄叫びを上げた辺りで、怪人もビビってキーロックを解除していたのだ。自分でネタを振っておきながら存外肝が小さいと見える。
「ふふっ、まぁ良いでしょう、あなた達も遊んで貰って来なさい」
 別に扉が開いたからとて、直ぐにやめなければならぬ決まりもない。3人は心ゆくまで喧嘩を堪能するのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

アルベール・ユヌモンド
【かもめ亭】
喧嘩に勝ったほうが飯奢り……勝てば今晩は高級寿司だな
やはり気になるのは職業傭兵の鳴宮……だが新弥にも体格では負けているか
困ったもんだ、これは
【制限解放】を使いサイキックを身に纏い短期決戦を挑みます
高速移動で的を絞らせず、衝撃波で牽制して、視界内に入った相手を【模倣魔剣】で切裂く
サイキックで応用した千里眼だ
遠方もよく見えるし、透視も出来る。――ついでにお前たちの未来もな
相手のユーべルコードに対しては【反気相殺】で防ぐ
最も回避できるのなら使ってはやらないが

誰か一人勝ちの気配がでてきたら、他の一人と手を組むため目線で合図
乗ってくるなら共闘する
奢りは最初の一人だからな

勝負の結果は【お任せ】


鳴宮・匡
【かもめ亭】
◆勝敗お任せ

奢りはまあいいんだけど
職業柄負けるのはちょっとな
これ一本で食ってきたようなもんだしさ

序盤は観察・見切りに徹しよう
出来るだけ至近に入られないように立ち回る
見た感じ二人ともそっちの方が得意そうだ

ある程度動きのクセが見切れたら攻めに移るよ
動き出しを制するように距離を取って射撃
攻撃動作を見たら【抑止の楔】
関節や攻撃の起点になる部位を狙撃して妨害
封殺まで行かなくても威を削ぎたい

明確に二人とも此方を狙ってきてるようなら
射撃で片方を牽制、近い方は格闘戦で制圧
悪いけどこっちも、そこそこ得意だぜ

お、隙見っけ――(極自然にヘッドショットを狙おうとして)
……じゃねえ。殺しちゃまずいじゃん


雨宮・新弥
【かもめ亭】
ケンカが見てえとはまた悪趣味なやつだな…
ま、二人とはやりあってみたかったし。丁度いいっちゃいいかな。
匡サン、アルベール、よろしくなァ
負けたらメシ奢りで。
勝つ。
肉。

使えるモンは使う精神で。周りにモノがあんならガンガン使うし、無ェならバイクで轢く。
鋼鉄拳で足場崩したりもできっかな?
一時共闘もアリ。
ケンカは勝ったら勝ちだし、俺の実力じゃ行儀良いやり方であんたらに勝てるとも思わねェ
なにより負けたら悔しいかんな!全力でやらせてもらうぜ。

…つか食費浮かせてーし
俺一人でキツイのにプラスで男二人分とかマジ無理だし
食費浮かせてーし
肉食いてーし
このケンカ、負けるワケにはいかねェ…!

(勝敗お任せ)



●おどる魚
「負けたらメシ奢りで。肉」
「回らない方。高級寿司だな」
 そう言い合う食べ盛りの10代の若人達に挟まれ、苦笑いを見せる引率のお兄さんは鳴宮・匡(凪の海・f01612)だ。
「奢りはまあいいんだけど……職業柄負けるのはちょっとな。これ一本で食ってきたようなもんだしさ」
 そう言って愛銃を撫ぜれば、矢張りそうだよなと強敵の態度に頷くアルベール・ユヌモンド(無月の輝きは・f05654)は、『この勝負、些か分が悪い』と眉間に皺を寄せる。
 勿論、匡だけに限った事ではない。頻りに財布の中身を憂う雨宮・新弥(宵待人・f04640)にも体格では負けているだろうか。
「困ったもんだ、これは」
「肉……」
 もうただひたすらに、新弥の頭にあるのは肉である。焼肉食べ放題か、はたまたがっつりステーキか。この時期だったらしゃぶしゃぶやすき焼きといった鍋物だって良い。
 斯くして、それぞれの思惑渦巻く【かもめ亭】からエントリーした男子3人の戦いは幕を開ける。
「一時共闘アリアリのアリだと思う奴~?」
 宇宙バイクのエンジンを蒸しながら、この指とまれ、と掲げられた新弥の指を咄嗟に握ったのはアルベール。誰か一人勝ちをするくらいなら――そう思っては居たが、これでもうひとりと組まれてしまっては事態は最悪故に。
「嗚呼、奢りは最初のひとりだからな」
 後部座席へと一名様御案内だ。
「いやはや、青いねえ」
 乗り遅れた悔しさではない余裕が、この男にはあった。成る程、ふたりとも此方を狙って来るのであれば、手立ては幾らだと思い付く。どう動くか、先ずは観察と行こう。
「して、策はあるのか」
「遮蔽物も無ェしな? ――そしたら、轢く!」
 実力を垣間見れば、行儀の良いやり方では到底敵いっこない。そう踏んだ。根っこにあるのは『負けたら悔しい』という男の子らしさだ。
「よし、成る程。じゃあお前の未来に少し加担してやる」
「えっ」
 ――『制限解放』。アルベールがサイキックを纏えばバイクがぐん、と加速した。勝利を掴む為とは言え、報酬が寿司で代償が寿命を削る事ともなると、どちらが良いのかについてはきっと突っ込んではいけない。何、彼はまだ若いから。
 爆走するバイク、対する匡は衝撃波を受け流しながらもそれを正面から迎え撃つ。前輪、ヒット。後輪、ヒット。確実に威は削いだものの、然し止まらない! ならば、と匡が跳ねれば、ふたりとひとり、交差する刹那、足が運転手の顎を凪ぐ。
 堪らずハンドルから手を離す新弥。余波を受けて吹き飛ぶアルベール。旅の移動手段である愛車が壁に突き刺さってるのを見れば、持ち主は『マジかよ……』と途方にくれた。
「ま、そういうのに頼らず後は殴り合いでも良いんじゃねえかな。悪いけどこっちも、そこそこ得意だぜ?」
「おーおー、クソっ! やってやろうじゃねェの。食費の他に修理費も出して貰わなきゃだしな。なんかもう兎に角肉食いてーし、負ける訳に…… って、アレ?」
 匡の蹴りの威力に加え、新弥の全体重に巻き込まれたアルベールが床で伸びていた。
「アーハン? じゃあこれで俺が新弥を倒せば俺の一人勝ち……」
 無慈悲に、そして極自然に額に突き付けられる銃口。命乞いをする間も与えられない何かが、渦巻いている様に見える。
「……じゃねえ。殺しちゃまずいじゃん」
「そそそ、そーだよ、ビビったわ!」
「ま、バイクの修理費くらい俺が出してやるよ。奢り分は2人で折半したらどうだ?」
 先程の冷たい眼差しと打って変わって格好を崩した匡にほっと胸を撫で下ろして、新弥は『そうさせて貰うわ……』と不貞腐れ地面にへたり込みのの字の量産を始めた。

――勝者、鳴宮・匡。並びに、雨宮・新弥。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ジン・エラー
【花の涯】
さァさァ、お楽しみの時間だぜ
女将サンとやり合えるたァ贅沢だ
正々堂々ステゴロでやろうや
鬼の力、見せてみな

あァ〜〜〜〜痛ェ〜〜なァ〜〜〜〜〜〜
あ?いや身体じゃねェよ
女将サンの綺麗なトコを殴る蹴るなンてしなきゃいけないなンてなァ〜〜〜〜〜〜
心が痛ェ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
なッ!!!!

顔だって狙ってやるさ
化け物だろォーが人だろォーが、まずは顔面だもンなァ〜〜〜
ま、そりゃ向こうもだろォ〜〜が
マスク、取れても不思議じゃァねェな

ンじゃ、終わったら【光】で癒してやるよ
オレが聖者で良かったな〜〜ァ??ブヒャハハハハ!!!


千桜・エリシャ
【花の涯】
あら。合法的にジンさんと喧嘩ができるなんて、願ってもない機会ですわ
ふふふ……そう余裕ぶってられるのも今のうちですわよ
日頃のあれそれを晴らさせていただきますわ!
私と拳でやり会おうなんていい度胸ですこと
羅刹の怪力お見せして差し上げます
――あとで後悔しても知りませんわよ?

本っ当に白々しいですわね!
私の信条はやられたらやり返す――つまり顔を狙われたら勿論狙い返しますわよ!
その可笑しなマスクひっぺがしてやりますわ!
……でもあなたなんだかんだ優しいですから私の顔は殴らないでしょう?
私は殴りますけど

そう、あなたが光ってくれれば一発ですものね
今日だけは感謝して差し上げます
久しぶりにいい汗かきましたわ



●我れは命
「さァさァ、お楽しみの時間だぜ」
 これ愉快と勇んで新しい部屋に入って来たのはジン・エラー(救いあり・f08098)と、千桜・エリシャ(春宵・f02565)のふたり。
「あら――あとで後悔しても知りませんわよ?」
 甘く色付く脣を引き結び、羅刹の乙女が突如として男の咽頭を締め上げる。あゝ、その聲が今は酷く不快ですの。そう言いた気に乱雑に小柄なその体を壁に叩き付けて、少しでも動けば触れてしまいそうな程の距離で凄んで見せた。
「カァ~~~幸せだな、贅沢だなァ~~~女将サンとやり合えるたァ。いいぜ、鬼の力、見せてみな」
 打った頭が酷く痛む。身を捩り自由を得た肺に酸素を送り込みながらジンは下卑た笑みを浮かべ、然しその色違いの双眸は恍惚に満ちている。
 ――正々堂々ステゴロでやろうや。そう、発破を掛ければ対するエリシャの紅引いた花瞼の下にある桜色は蟲惑に滲んだ。
「ふふふ、そう余裕ぶっていられるのも今のうちですわよ。……それに、私と拳で遣り合おうなんていい度胸ですこと」
 振り解く術を残しただけ、先程見せた力など、己の力の誇示にもならない。
「先ずはどうしようかしら。その可笑しなマスクひっぺがしてやりますわ!」
 そうしてしたたかに拳で殴れば、男もまた渾身の力を込めて殴り返す。
「あァ〜〜〜〜痛ェ〜〜なァ〜〜〜〜〜〜 あ? いや身体じゃねェよ、女将サンの綺麗なトコを殴る蹴るなンてしなきゃいけないなンてなァ〜〜〜〜〜〜」
 心が痛ェ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 なッ!!!!――、
 一撃、その細い腹を。一撃、その緩く上下を繰り返す胸を。蹴りつけながらそんな事を宣う男の、なんと白々しい事か! 足首を掴んで、羅刹の怪力を擅まに、撚り上げればいとも容易く地を打つ肢体を見下ろして。馥郁たる髪を振り乱し、娘もまた熾烈な享楽へと浸る様に、された分だけ踵を鳴らし、拳を揮った。
 それは眩惑の趾頭舞踏。――さあ、私を『×して』、もっと、私を悦ばせて下さいな。
「……でもあなたなんだかんだ優しいですから、私の顔は殴らないでしょう?」
「あァ~~~ン?」

「オレが聖者で良かったな〜〜ァ??ブヒャハハハハ!!!」
「えぇい、もっと気前よく光れませんの!」
 ぺかぺか悪戯に点滅するジンをぺちん、と叩くエリシャ。ふたりとも頰にぷっくり腫れた痕を拵えて、今は仲良く地に転がっていた。男の持つ生まれながらの力でそれを癒している最中だ。
「いえ、これでもまあ。今日だけは感謝して差し上げます……」
「そう言えばマスクは剥がさなくて良かったのか女将サン?」
 不意に顔を覗き込まれれば、またぺちん、と今度は反対側を力無く叩く。
「それは、……、……こんなに観衆がいては」
 まごついて、ふいと顔を背けて。それから、冬の澄んだ晴れ空と、温かなひかりを浴びて、少しだけと、眠った。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 冒険 『オリジナル必殺技!』

POW   :    力を生かしたオリジナル必殺技を披露する

SPD   :    速さを生かしたオリジナル必殺技を披露する

WIZ   :    魔法的なオリジナル必殺技を披露する

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●すもぅる
「レディース&ジェントルマァァァン! さぁさ寄ってらっしゃい見てらっしゃい!! 必殺技お披露目会、開催中です!!」
「エントリーNo.3番、麺料理を噛み切らずに食べる事が出来ます! 技名は『バキュームちゅるる』!」
「おーっと此処に湯気が立ち昇る熱々ラーメンが! それでは実演して頂きましょう!」
「あひっ、あひっ……」

「エントリーNo.4番、針の穴に糸を一発で通せます! 技名は『乾坤一擲』です!」
「思わず辞書を引いてしまいましたが技名はそれで良いのかーッ!? ともあれカメラさん! 演者の手元にズームをお願い致します!」

「エントリーNo.5番、何もなくても絶対30秒で泣けます! 『泣き落としのサチ』!」
「これは大分男と女の駆け引きにおいて有効そうですね! まぁ大体30秒も開けっ放しにしていれば乾燥で涙がでますけれど!」

「エントリーNo.6番、カラオケでめっちゃ褒められるんですけど、自分ビブラートがめっちゃ綺麗です。 『ガノンゾを流れる美しき川の如き調べ』!」
「では一曲歌って頂きましょう、アッ、マイクをどうぞ!」
「ワワワワー」

 といった様な、少し、いやかなりスケールの小さい必殺技をキマイラ達が披露して遊んでいる。仕方あるまい、このキマイラ達は一般キマイラなので特殊な訓練とかは受けて居ないのだから。
 スケールの程は彼等に合わせてやるも良し、折角だから此処で一発、猟兵ならではの凄い特技を見せてやって場を驚かすのもアリだ。それから、パトロールがてら、周りの屋台に冷やかしに行ったり、腹を満たしておくのも良いだろう。
 構ってちゃんのあの怪人の事だ。皆が楽しそうにしていれば『俺様も混ぜて』と高確率で釣れる。お前は面倒臭い彼女か何かかな。

「エントリーはまだまだ受け付けております! 舞台右手テントにて手続きが出来ますので皆様どうぞ挙ってご参加下さいませーッ! 尚、優勝者には林檎888個が進呈されます!!!」
ローウェン・カーティス
またしてもやって来てしまいましたか…キマイラフューチャー
皆さん御健勝そうで何よりです…ええ

やれ…人前で目立つ芸を披露する、などといったことは不慣れだというのに
構われたがりの怪人には困ったものですね?
然し、これが怪人を誘き寄せる一手となるのであれば
やらなければなりますまい…

【WIZ】
これでも魔術師の端くれ
自在…とまではまいりませんが
術式を操って御覧に入れましょう

派手に見せるならばやはり炎が定番でしょうか
操る炎で大蛇を象り
周囲を舞わせて見せましょう
ははあ、キマイラさん達が何だか盛り上がって(悲鳴を上げて)ますね?

これはもうちょっと派手にやれ、というゴーサインと見ました
期待には応えねばなりますまい?



●踊る蛇
「皆さん御健勝そうで何よりです……ええ」
 相変わらず呑気なお人達だなぁ、等と考えながら再びこの世界にやってきたローウェン・カーティス(ピースメイカー・f09657)が舞台に躍り出れば、『猟兵さんだー!』と一気に場が盛り上がる。
「やれ……人前で目立つ芸を披露する、などといったことは不慣れなのですが」
 これも構われたがりの怪人を誘き寄せる為。少しの恥じらい歯あるものの、やらなければなりますまいと気を引き締めれば人差し指を観衆へと掲げて見せた。
「え、えぇーっと。エントリーNo.10番。これでも魔術師の端くれ、自在とまではまいりませんが――術式を操って御覧に入れましょう」
 芒、とその指先に炎が点り、それはやがてぐるぐると塒を巻く大蛇となると、ぐんと一つ伸びをして宙を舞い始めて。
 魔術の基礎中の基礎ではあるが、炎の魔法は華やかかつ派手で皆の目を引いた。蛇が大きく口を開けて牙を向けば、吐き出された炎と爆ぜる火の粉に挙ってカメラのシャッターを切る音が響く。

 ――ジュッ。
「ヒッ、おろし立てのフリースに穴がー!」
 火の粉が飛んでるのにそんなPET素材の召し物で最前列まで見に来るから。彼のパフォーマンスが熾烈さを増す程に、『うわー蛇怖いー』『熱いー』とキマイラ達が逃げ惑い始めた。
「ははあ、何だか盛り上がって(悲鳴を上げて)ますね? 成る程、これはもうちょっと派手にやれ、というゴーサインと見ました」
 少し副音声がジャムっている様だが、日々の生活にストレスなどを負っていたりしないだろうか。お兄さん探しと猟兵の仕事も程々にたまには思いっきり休んで頂きたい。
 斯くして蛇がドラゴンになったりと、本格的に運営からストップが掛かるまで、暫しの間ローウェンの独擅場であったという。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ヘラ・テンタクルス
必殺技……というより宴会芸ですわね
面白そうなのであとで賑やかしで参加してみましょうか

まずは色々と素敵なお店が並んでいるので
見て回りながらお食事を済ませましょうか
お酒なんかもあると嬉しいですわ

だいぶ良い気分になったところで
会場の方に目をむけると、蛇やドラゴンが見えてなんだか楽しそうですわ
せっかくなので一緒に盛り上げたいですわね
そうだ!私とてUDCエージェントの端くれ
なんやかんや色々出してみて皆さんに喜んでいただきましょう
直視するとやばそうな方々は今回お休みしていただいて
比較的放送に耐えれるビジュアルの方々をぽこじゃか召喚していきます
あ、そうだ死霊もだせました

せっかくのお祭り騒ぎ、大サービスですわ



●拝啓、奈落より
「あれはもう……必殺技……というより宴会芸ですわね」
 時折ステージ上に目を配りながらも、屋台を渡るヘラの足取りはうきうきと軽く。左手にはイカ焼き、右手には肉汁滴るぐるぐるウィンナー。触手がまさかの共喰いに少々ビビりながらもビールが並々と注がれたコップを持ってくれていた。
「色んな出店がありますわ、お酒をもうちょっと頂きたいのですが」
 流石はお祭り価格。普段であれば少々お高く感じるけれど、この日の為に腕前を鍛えて来たキマイラ達の提供する物はどれも大変美味である。先程まで食べていたカレーはお肉もほろほろで、体の温まるスパイシーな辛さの加減は絶妙。自家製ジンジャーエールで流し込めばうっすらと出た汗も引き、胃が満たされた。今は酒と肴を求めてふらりふらりとしているが、一応、此れも表向きは怪人を探す為の『パトロール』だ。例え、パンフレットに付属してたスタンプラリーを全踏破する勢いの満喫っぷりだったとしても!
 大分良い気分になって来た所で、観客達が非常に緩い悲鳴と共に逃げ惑っているのを耳にし其方へ歩みを進めると、穏やかそうな青年が非常にいい笑顔で礼をし立ち去る所だった。

「私も混ぜて下さいませ、なんやかんや出すのは得意ですのよ」
 スタイルが完璧にお祭りを堪能している酔っ払いの其れだったが、入れ違いで壇上に登るが否や、マイクを取って名乗りを上げた。
「エントリーNo.……何番でしょう、あ、11ですか。ヘラで御座います」
 彼女とて立派なUDCエージェントの端くれ。『なんやかんや』という言葉を聴いたキマイラ達に不安の色が走る中、ぼとり、何処からか音がした。
 ぼとり、ぼとり、続く音はそう、彼女のムラサキダコの脚と皮膜に覆われたスカートの内部から。うぞうぞと這い出た其れ等によって、幾人かに正気度チェックが入る。発狂にまでは至らないものの『おばけこわいー』『うわーばけものー』と観客達が遠ざかって行った。
「あ、成る程。楽しいですわね! これでも直視するとやばそうな方々にはお休み頂いて放送コードに耐え得る方を選んでる心算なのですが……」
「はい、まだギリオッケーですヘラ選手!」
 物凄い離れた所から腕で丸を作って見せる実況。『全然オッケーじゃなーい』とおろおろする者達。何と無く心の奥底にある『好きな子を虐めたい』的な加虐心が満たされてちょっと気持ちの良いヘラ。
「あ、そうだ死霊……妖精さんも出せました」
 今確かに『死霊』って。リザレクトされた騎士や蛇竜までぽこじゃかと召喚され、場は阿鼻叫喚。然し何だか凄く楽しいヘラは止まらない!
「せっかくのお祭り騒ぎ、大サービスですわ~」

大成功 🔵​🔵​🔵​

斬断・彩萌
り、林檎。888個もどうするのこれ……まぁくれるなら貰うけどサー。

【WIZ】
とーぜんココは知的なとこ見せてキマイラ達を感動の……なんだっけ、渦?みなぎっちゃう的な?そんな感じで感動させちゃうわ!

必殺技は『宿命の陽炎』!
高めたサイキックエナジーを対象に当てて、対象が思い浮かべたものの幻覚を見せる精神技よ(顔に手を翳したカッコイイポーズ)
サイキックエナジーを使った超能力の応用ね。
使い道は色々。思い出に浸ったり、絶対手に入らない物を夢見たり。楽しくない事にも使えるかもね?
(多分ぴかーって光ってなんやかんやなる感じ)

はー、やりきったわ。屋台でおいしいモノでも食べて回ろっと。
おお、林檎飴!

※アドリブ歓迎



●まぼろし
「り、林檎。888個もどうするのこれ……? まぁくれるなら貰うけどサー」
 ステージ横、今にも崩れそうな程堆く積まれた林檎の有効な活用方法に憂いつつ彩萌が続く。日がなお世話になってる知人に配ったとしても、暫くは毎日が林檎を使ったスウィーツ三昧であろう。『流石に食べるのも作るのも飽きるわ!』とは思いはするが、怖いもの見たさというのもあったりはするものだ。
「はいはーい! エントリーNo.12番、彩ピでっす。まぁ、トーゼン? 此処は知的なとこ見せてアンタ達を感動の……感動の……なんだっけ? 渦みたいな……みなぎっちゃう的な? そんな感じで感動させちゃうわ!」
「『感動の坩堝』でしょうか」
「そうそれそれ。いやその、ちょっとド忘れしただけだしぃ~?」
 伊達の丸眼鏡をクイクイ上げ下げして動揺を隠す。クソ、意外にも実況を勤めるキマイラのIQが高かった! 気を取り直して、しゅぴしゅぴしゅぱっ。顔に手を翳し、腰に捻りを利かせたポーズを取る彩萌。
「私の必殺技は『宿命の陽炎《-Fatalitat Hitzeschleier-》』! 高めたサイキックエナジーを対象に当てて、対象が思い浮かべたものの幻覚を見せる精神技よ、どやや!!」
 『あのお姉ちゃんなんて言ったのー?』『ふぁたりてーと・ひっつぇしゅらいあー?』と首を傾げるキマイラが多い中、一部のピンと来た者達が手を挙げた。
「それってもしかして、推しと手を繋いでデートが出来たり……?」
「無論よ、使い道は色々。思い出に浸ったり、絶対手に入らない物を夢見たり……まぁ、楽しくない事にも使えるかもね?」
 マジかよ、夢女子もオタクも歓喜の優しい世界じゃん。また、一人の男がおずおずと手を挙げて尋ねる。
「その……ごにょごにょ……な……」
「オッケー、みなまで言うな。イケる、てかそのくらいヨユーだし。でも私今をときめく16歳のJKだから、そんな質問しちゃって捕まらない様に気を付けて!」
 これは彼女の覇権濃厚かとばかりにどよめきが広がる。『とりま、実演させて……』と辺りを見渡すと、皆が挙って期待の眼差しで見つめて来るものだから、余りの食い付きの良さに軽く引きつつも大盤振舞いと片っ端からぴかーっと光ってなんやかんや。其々が自分の世界に入り出した所で逃げ出す様に舞台から去った。

「はー、やりきったわー。便利なのは良いけどちょっとカロリー使うのよね。屋台で美味しいモノでも食べて回ろうっと。……おお、林檎飴!」

大成功 🔵​🔵​🔵​

ポケッティ・パフカニアン
ふーん、必殺技を披露しろって?
ふふん、いいわよ!あたしの華麗な魔法と暗殺技術で、文字通りに必殺の…

って何よこれ!隠し芸大会みたいなレベルじゃないの!どこが必ず殺す技よ!
まぁ、いいんだけど。仕方ないわねぇ…隠し芸、隠し芸ねぇ…

●WIZ
よーし、決めた。それじゃこれで行くわよ!
必殺!神隠しの術!(フェアリーランドで辺りにあった物を吸い込み)
どう?タネも仕掛けも無いわよ?あるのは、あたしの国だけ。

ふふん、隠す物の制限だって無いわよ。食べ物、屋台、そこのキマイラ。何だっていけるんだから。
あっ、ちょっと!抵抗すんじゃないわよ!服だけ隠すわよ!スッパにされたくなかったら、大人しく隠されなさい!拒否権はナシ!



●美しき哉、妖精の国
「ふーん、必殺技を披露しろって? ふふん、いいわよ!あたしの華麗な魔法と暗殺技術で、文字通りに必殺の……必殺の……?」
 『あなたの鍛え抜いた必殺技を披露する時!』とポップな文字で書かれたビラを手にぶら下げポケッティ・パフカニアン(時織りエトランゼ・f00314)は途方に暮れていた。
 何だアレは。猟兵達こそ、まあまあ其れらしき事をしているが、それでも――。
「ってこれじゃあ! 隠し芸大会みたいなレベルじゃないの! どこが『必』ず『殺』す『技』よ!」
 こんなの、正月に集まった親族のノリか、大学生の新歓コンパか、花見で浮かれたおっさん達の集まりか何かじゃん!
 紙をグシャア、と丸めて憤りをぶつける様にポイ捨てた。仕方が無いのだ、見れば分かる。このキマイラ達、どいつもこいつも蚊の1匹でも叩き潰せず逃げ惑いそうな感じをしている。そんな者達に磨く様な必殺技もへったくれもないのであった。
 因みに此のポケッティも、様々な事情により虫は嫌いではあったが、別に普通に潰す位は出来る。
「まぁ、いいんだけど。仕方ないわねぇ……隠し芸、隠し芸ねぇ……」
 身長凡そ23cm。遠くの観客にも見える様に、正面のカメラが彼女を追い、バックスクリーンに大きく映し出された。
「あーあー、マイクテス。本日は晴天なり! ってな訳でエントリーNo.13番、ポケッティ様のお通りよ!」
 此処に取り出しますは小さな壺。其れに触れたマイクとスタンドが、皆の前で忽然と消えたではないか!
「どうよ、必殺! 神隠しの術! どう? タネも仕掛けも無いわよ、――あるのは、あたしの国だけ」
「ああー! ポケッティ選手、備品を消すのは……」
「えいっ」
 しゅいん。慌てて突っ込みを入れに来た実況者も壺に飲み込まれて行った。慄く他のスタッフ、息を飲む観客。此れで文句を言う者は居なくなった。
「ふふーん、聴いて驚けー。隠す物の制限だって無いわよ。食べ物、屋台……何ならそこのキマイラ! 何だっていけるんだから」
 『ひぇー』『命だけはお助けをー』と許しを乞い出すキマイラ達。別に出ようと思えば直ぐにでもフェアリーランドから出て来る事が出来るのだが、少し黙っておく事にしようと妖精はほくそ笑む。何かその方が面白い気がするし。
「よーし試しに其処のアンタを消して見せる! あっ、ちょっと! 抵抗するんじゃないわよ!」
「え、えっと、ぼ、僕には病気がちの母と帰りを待つ妹や弟が居て……!」
「いや、其れマジだったらお祭り満喫してる場合じゃないわよね!?」
 思わず目を見開くポケッティ。きっと父親は蒸発したか、酒浸りで暴力とか振るうんだ。――勿論、嘘であるが。
「抵抗すんじゃないわよ! 服だけ隠すわよ。スッパにされたくなかったら、大人しく隠されなさい! 拒否権はナーシッ!」

大成功 🔵​🔵​🔵​

霄・花雫
林檎……みんなにお裾分けしても余りに余るよねぇ。
あ、マーヴェリックに持ち込んだら林檎フェアとかしてくんないかなー。

必殺技って何でもイイんだよね?
んじゃ、あたしもやるー!
みんなキマイラ仲間が舞台上で目立つの見たいでしょ?ね?
だーいじょうぶっ、怖くないよー。みんな幸せにしたげる!

【全力魔法】で風を起こして春の花びらを巻き上げて、【野生の勘、第六感】が導くままに踊っちゃおう!
こっそりユーベルコードも使って、【ダンス、パフォーマンス、誘惑】の大盤振る舞い。
誰より目立って楽しくなって、楽しく笑ってはしゃいで飛んで跳ねて、舞台の主役はあたし!って見せつけちゃうよー。

ほらほら、楽しそうでしょ。出ておいで。



●空、深深
「林檎……みんなにお裾分けしても余りに余るよねぇ」
 と、言うか貰ったとしてもどうやって持って帰ったら良いんだろう、と景品の前で首を傾げていた霄・花雫(霄を凌ぐ花・f00523)が、軈てぽん、と手を打った。
「あっ、マーヴェリックに持ち込んだら林檎フェアとかしてくんないかなー?」
 彼女が通う『表向き』は喫茶店であり――様々な猟兵達が集う場所。林檎パフェ、爽やかなサワークリームを添えたタルト・タタン。愛らしい花を模したタルトに、定番のアップルパイは勿論外せない。しっとりしたパウンドケーキに、大胆にシナモンとお砂糖を詰めた丸焼きにはバニラアイスクリームが似合う。大人な人にはブランデー漬けの林檎を使った物だって!
 美味しい珈琲と一緒の至福な時間を想像して、頬っぺたが落ちてしまいそうで。そうと決まれば、つったかつったか、足取りは軽く。
「必殺技って何でもイイんだよね? んじゃ、あたしもやるー!」
 ふわり、香るは春の花弁。彼女を中心に巻き上がった其れ等を引き連れて、風に乗りぴょんぴょんぴょん!
 舞台に上がれば手拍子求めて、皆を煽っていく。同胞の小さな少女に観衆が口笛を吹き、手を叩き始めた。
「エントリーNo.13、あたしは花雫だよー! みんな幸せにしたげる!」
 飛んで跳ねて、まるでその姿は空を泳ぐ魚の様。
 気の赴く侭に、ステージの隅から隅まで隈無く使って頭のてっぺんから足、指の先まで賑やかに、楽しそうに笑ってはしゃいで見せる花雫に投げ掛けられる賑やかしの声も温かく、また楽し気で。リズミカルに躰を揺らしてくれているものだから、尚の事嬉しくなってテンポを上げて行く。
 こっそり仕込んだ技で、最大限にまで高められた身体能力とパフォーマンス、持ち前のとびっきりの明るさ。焚かれるシャッター音に応える様に時折ポーズを取ったりウィンクを送ってみたりなんかもして。
 今や舞台の主役の座は彼女の物も同然。誰しもが熱い視線を送るが怯む事なく、寧ろ俄然燃えるとばかりに場を盛り立て流のだ。
「さぁさぁ、恥ずかしがり屋さんもさびしんぼさんも出ておいで! ちゃーんと、見ててよねー!」

 ――最早瞬き一つすら惜しい程、昂ぶる場内。林檎は、君の手に委ねられた!

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『パスト・フォーサイス』

POW   :    来い!俺様の手下どもっ!!質より量で押し潰せ!!
【相手している猟兵の10倍の数の雑魚キャラ】が現れ、協力してくれる。それは、自身からレベルの二乗m半径の範囲を移動できる。
SPD   :    おりゃおりゃおりゃおりゃおりゃおりゃおりゃ!!!
【武器を使った怒涛の連続攻撃】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
WIZ   :    俺様は逃げるから、後は任せたぞ!俺様ちゃん人形!
自身が戦闘で瀕死になると【逃げる時間稼ぎ用の巨大パスト君ぬいぐるみ】が召喚される。それは高い戦闘力を持ち、自身と同じ攻撃手段で戦う。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は百目鬼・明日多です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●窮鼠は反って猫を噛むか?
「ヘヘッ、中々アンタ等、面白ェじゃん?」
 パズルゲームの様に上手い事積み上げられた景品の林檎の一つを手に取り、しゃくり、しゃくり、齧る少年の姿があった。顔半分を覆う不思議な面、手には此れでもかと言う位の屋台のグルメ達。そして――。
「あ、あれは! 靴底に穴が空くまで這いずり回らないとコンプ出来ないって噂の……!?」
 非売品であり、ファンの間では喉から手が出る程欲しいと噂でフリーマーケットアプリで出品された日には大炎上必死のTシャツ。蚤の市のスタンプラリーを踏破した者のみが着る事を許される『のみのん』――蓑虫のゆるキャラである全身毛布に包まれたおっさんがプリントされたお品を召した怪人『パスト・フォーサイス』がニタニタと笑いながら其処に立っていた。
 凄い満喫っぷりだ、楽しみたいだけなら素直に『混ぜて』って言えばまた違ってたと言うのに。
「上等、俺様の相手をするに相応しい奴等って認めてやんよ! 来な、ステージはあっちだ」
 顎で示されたのは最初に通された、条件をクリアするまで出られない部屋。散々怖がって自分から逃げ出したと言うのに、当の本人は既に其れを忘れている様子。鳥も吃驚する程である。
「全員入ったか? ――条件はベリーハード。『何方かが勝つまで出られない』様に設定したからな、まぁ~~~? 俺様は強いから~~~? 一人ずつでも、何なら全員で掛かって来ても構わないんだぜ」
 『まぁ? 妥当に一人ずつかな?』。チラッチラッと視線を送る怪人。
 『やっちゃえ猟兵さーん』『ぶちのめせー』。声援を送る数多ものキマイラ達に見守られ、どう考えても彼方一人の首を絞める事が容易に想像出来る闘いが、幕を切る――!
ルイズ・ペレンナ
結局は喧嘩の勝者だけが出られる部屋には違いないと。
それでも楽しそうだから飛び入り。というのもこの世界の華というものかしら?

わたくしは泥棒ですので喧嘩より『のみのん』Tシャツの価値に興味津々ですけれど。

さて、先方のお望みは1対1のようですけれど。一人ずつでも協力してでも、どちらでも対応できるよう致しますわ

【ゴッドスピードライド】による高速移動で撹乱しながら、『衝撃波』による『範囲攻撃』で主に手下たちを攻撃しますわ
範囲攻撃で敵を削りながら高速移動で分散させ各個撃破に繋げれば理想ね

彼への道を切り拓けば他の方にお任せしますけれど
隙あらば盗んでみましょうかTシャツ
ふふ、身ぐるみ剥がすのも盗賊の本懐かしら


斬断・彩萌
はぁ~いキマイラの皆さ~ん。応援まぢあり~★
サクっとぶちのめしてくるからちょっと待っててね!
頑張ったご褒美にたこ焼きとか用意してくれてたら嬉しいナ~なんて。

で、そこの…鳥頭くん。ベリーハードなのはあなたから見た難易度でしょ?
私達猟兵からしたらこんなのイージーモードみたいなもんよ。
悪いけど時間が惜しいからさっさと始めるわよ。

●POW
『殺界壱式』でドバババっと撃ち抜くわ。アサルトライフルとはいえ、狙いをしっかりつければ全弾当たるんだから。
俺様ちゃん人形?ごと蜂の巣になりなさいな。
反撃されるようなら【見切り】で回避。どうしても間に合わなそうな時だけ【武器受け】。

※アドリブ・絡み歓迎


ローウェン・カーティス
自ら逃げ場を無くしてくれるとはありがたいですね
これなら不慣れな芸を披露した甲斐があったというものです、ええ

…然し、彼が現れた時のキマイラさんがたの湧き上がり
あの服がそれを引き起こした様ですが…
面妖な絵柄の服にしか見えないんですけど、一体如何様な仕掛けが??

さて、あの自信は存外に自意識過剰でもないのでしょう
一応はオブリビオンですからね…

気が抜けるような、ないような…そんな気分ではありますが
あっ、はい…声援どうも…(律儀)
…確実に仕留めて見せます!

配下を呼び出すならば
纏めて仕留めてしまっても構いますまい?
此の戦輪は縦横無尽、自由自在
貴方の姿が視えている限り、追い続けることも決して難しくありませんよ


ヘラ・テンタクルス
そ、そのTシャツは……
スタンプラリーを巡る途中からどうしても欲しくなってきた限定Tシャツ!!
のみのんかわいいですわよねのみのん、げてm……私の触手に通ずるものがありますわ。

「実在していたのですね。これは是が非でもゲットしなくては……」

いくら怪人とはいえ年端もいかない男の子をひんむくのは放送倫理的にアウトな気がするので、
私は私のTシャツゲットの為にさっさとこの場を片付けましょう。

「私のTシャツが無くなる前にスタンプラリーを踏破せねばなりません。少し、本気を出します。」

戦闘は主に触手を召喚。狙うはお尻百叩き。

「さぁ泣いて謝るまであなたのお尻をしばき続けます!さっさと降参した方が身のためですわよ?」



●相手なければ訴訟なし
「のみのんかわいいですわよねのみのん」
「其のTシャツにはわたくし、興味が有りますねぇ」
「え~、マジヤバいっしょあのセンス。クソダサっ……」
「面妖な絵柄の服にしか見えないんですけど、一体如何様な仕掛けが??」
 早速意見が二分化して気不味い雰囲気が漂う猟兵達。『マジで……?』みたいな顔でお互いを見つめ合う。だが然しルイズ・ペレンナ(怪盗淑女・f06141)があくまで『泥棒的価値観により金になるなら欲し位ですわね』と付け加えれば、今度はヘラが孤立した。
「え、えっ? でも、げても……私の触手に通ずるものがありません?」
「それは判る。ヘラっち落ち着いてどうどう」
 方や部屋の隅では、服のセンスを彼是言われまくっている怪人が拗ねて居た。
「なーぁ! 褒めるも貶すも別に良いけどよ、アンタ等結局どうすんの? 来るならさっさと来いよ!」
「「「「全員で」」」」
「えっ」
 其処には迷わずハモる彼彼女等に冷や汗タラタラの怪人。尚、この一部始終は部屋に設置されたカメラから、広場に設置された幾つもの大型モニターに映し出され多くのキマイラ達が歓声を挙げやいのやいのと大盛り上がりだ。『いっせーのーせ、りょーへーさん、がんばえーーー!』。
「はぁ~いキマイラの皆さ~ん。応援まぢあり~★ サクっとぶちのめしてくるからちょっと待っててね!」
「あっ、はい……声援どうも…… 確実に仕留めて見せます!」
 頑張ったご褒美にたこ焼きとか用意してくれてたら嬉しいナ~なんて! きゃるるんとカメラに向かってキスを投げる彩萌と、色んな所で律儀なローウェンが応えた。
「では、飛び入りのわたくしから。トドメとかそう言う花はお譲りしますの」
 愛機の宇宙バイク『JET-WIDOW』に跨った淑女が駆ける。だが、相手取る彼だって何も策が無かった訳ではない。即座に有象無象の手下を召喚、器用に操ってルイズにぶつけながら自分自身はちょこまかと移動をする狡いながらも手堅い戦法だ。
「そこの……鳥頭くん。ベリーハードなのはあなたから見た難易度でしょ? ……こんなのねぇ、」
 アサルトライフルを構えた彩萌が不敵に笑う。撹乱され行き場に惑う手下を、驚くべき精度で蜂の巣に仕立て上げて行く。
「こんなの、私達猟兵からしたらこんなのイージーモードみたいなもんよ!」
「全くです、纏めて仕留めてしまっても構いますまい? さぁ、触れる全てを切り裂いて御覧に入れましょう」
 ローウェンが放つ術は意の儘に飛ぶ光の戦輪。縦横無尽、自由自在に疾る其れは標的を捉えて逃がさない。手下達を巻き込んで木っ端微塵にしながら、怪人に追い縋って、退路を絶った。
「ヒェッ、アンタ等鬼か!!」
 其れとも悪魔か! そう涙目で逃げる怪人が喚くが、元を辿れば『何なら全員で掛かって来ても構わないんだぜ』だなんて余裕ぶった自分の責であって、決して猟兵達に非は無いのだ。
「って、ちょ! 俺様が折角頑張って貰ったTシャツ! 脱がさないで!!」
 大方の手下が居なくなった隙を突いて、ぬるりと近寄ったルイズがいつの間にか背後まで迫り脱がそうとして居た。元より泥棒、喧嘩よりレア物だ。
「ふふ、身包み剥がすのも盗賊の本懐かしらと思って。こう言うのはお嫌いで?」
 ――それなら。と目配せした先はヘラ。
「嗚呼、のみのんTシャツ! 実在していただなんて……半信半疑でしたが…… こうと決まれば、私のTシャツが無くなる前にスタンプラリーを踏破せねばなりませんよね」
 少し、本気を出します、と――伸びた触手が怪人の腰に巻き付き、膝を立てて構えた彼女の上へ腹這いの形にホールド。高らかに振り上げられる右手はきっちり指を伸ばして、そして怪人の尻を強かに打ち据える!
「さぁ! 泣いて謝るまで! あなたのお尻を! しばき続けます! さっさと降参した方が身のためですわよ?」
 ぺしん、ペしん。一定のリズムを保ってきびきびと振り下ろされる手に、数を数える者もあれば痛ましいものを見る目を向ける者もいた。
「うっわー、マジ痛そう。ああいう子供への罰って言うの? ウチは古い家だったから正座とかだったナー」
「そうなんですか、私は受けた事が有りませんが、兄が良く……」
「スパンキング文化って欧米の方が盛んって感じするもんね~」
「欧米? は、はぁ……」
「何はともあれ、これで一件落着なんで御座いません事?」
 そんな阿鼻叫喚な図を尻目にあっはっは、と話に花を咲かせ始めた3人に、怪人の悲鳴は最早蚊帳の外。
「ウワァァァン!! 御免なさい! 痛ッ、くそ、俺の負け! 俺の負けで良いから! 参りました、痛ッ……」
 そんな声を聞き届けると、扉の鍵が自動でガチャりと開いて――。
「あ、後は任せたぞ、俺様ちゃん人形!!」
 いつの間にか怪人は身代わりの《巨大パスト君ぬいぐるみ》へと姿を変え、肝心の彼の姿は何処にも見当たらず。逃げたならまぁ、此の儘でいっか! と言う雰囲気が漂う一向。

 斯くして、寂しがり屋の怪人が嵐の様に現れて去って行った会場では、また恙無く祭りが執り行われる事となった。『助けてくれたりょーへーさん達へ』と、猟兵の皆にはのみのんTシャツが進呈されたと言うが――其れを皆がどうしたかは、また、別のお話。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年05月20日


挿絵イラスト