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アルダワ魔王戦争8-BⅡ～完全体になるため

作者：ゆうきつかさ

●アルダワ魔法学園
「大魔王✕無限災群✕壊滅……。わたしたち✕危険✕最悪の事態……。戦闘✕勝利✕飛翔……」
　戦略級殺人鬼『グラン・ギニョール』が宝物庫に貯蔵していた『宝石災魔』達が目を覚ましたのは、彼女が撃破された後だった。
　だが、目を覚ました宝石災魔達は、未だに未完成状態。
　完全状態になるためには、あと数日程の時間を必要としていた。
　しかし、宝石災魔達は、分かっていた。
　自分達を滅ぼすため、猟兵達がこの場に訪れる事を……。
　故に、宝石災魔達は警戒した。
　自らの身を守るため……。
　さらなる進化を求めて……。
「猟兵✕排除✕進化……」
　そんな中、虚ろな表情を浮かべた宝石災魔が、猟兵達を迎え撃つため、宝物庫の入り口に降り立つのであった。

●ガジルからの依頼
「みんなに頼みたい事があるんだよ！」
　ガジル・コリアンダー（キマイラのスカイダンサー・f00907）が真剣な表情を浮かべ、猟兵達に対して今回の依頼を説明し始めた。
　今回の目的は、未完成状態のオブリビオン『宝石災魔』を倒す事。
　グラン・ギニョールが撃破された事で、幸運にも宝石災魔が完成する前に、宝物庫の中に侵入する事が出来たため、後は宝石災魔を倒すのみ。
　万が一、このまま宝石災魔達を倒さずに放っておくと、『世界移動能力』を完成させてしまい、何処かに逃げてしまうようだ。
　また宝石災魔達を倒す事に時間が掛かってしまうと、同様に『世界移動能力』が完成してしまうため、くれぐれも注意が必要のようである。
　最悪の場合、宝石災魔達が別の世界に移動してしまい、探し出す事さえ困難になってしまうため、そうなる前に倒して欲しいという事だった。

第1章 ボス戦 『宝石災魔』

POW   :    龍脈✕女神✕断龍剣 【喰らった者に活力を与える『赤の首』】を代償に自身の装備武器の封印を解いて【ユーベルコードを吸収する剣】に変化させ、殺傷力を増す。 SPD   :    瘴気✕屍王✕模倣死者 【敵の肉体をコピーする『青の首』】で攻撃する。また、攻撃が命中した敵の【首から下の肉体形状】を覚え、同じ敵に攻撃する際の命中力と威力を増強する。 WIZ   :    霊紋✕鬼霊✕地獄絵図 レベル×5体の、小型の戦闘用【高速飛翔する『緑の首』】を召喚し戦わせる。程々の強さを持つが、一撃で消滅する。 イラスト：大希 👑11 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

●宝物庫にて
「随分と完成に近づいているようだけど、それもここまでだよ……！」
　栗花落・澪（泡沫の花・f03165）は宝物庫に足を踏み入れ、宝石災魔の前に陣取った。
　宝石災魔は虚ろな表情を浮かべたまま、何も言わずに猟兵達を見下ろしていた。
　それはまるで猟兵達の力量を見極めているような感じにも見えた。
「流石に学園の危機に何もしないっていうわけにはいかないものね」
　泉・火華流（人間のガジェッティア・f11305）も覚悟を決めた様子で、宝石災魔の行く手を阻んだ。
　アルダワ学園は火華流にとって出身校であるため、このまま放っておく訳にはいかない。
　そういった意味でも、必要以上に気合が入っている感じであった。
「霊紋✕鬼霊✕地獄絵図……」
　次の瞬間、宝石災魔が小型で高速飛翔する緑の首を、次々と召喚して猟兵達に嗾けた。
　その指示に従って緑の首が蛇の如くウネりながら、奇妙な鳴き声を響かせ猟兵達に襲い掛かってきた。
「ほらほら、何処を狙ってるの？　鬼さんこちら、捕まえられるなら来てみなよ！」
　すぐさま、澪がVenti Ala（靴）に高速詠唱で風魔法を纏わせ、オーラ防御を展開しながら、風の属性攻撃でカマイタチの防壁を発生させた。
　そのため、緑の首は澪に近づく事さえ出来ず、カマイタチの防壁で傷つき、緑色の体液を撒き散らした。
「それじゃ、いくよ……！」
　それに合わせて、火華流が早業でカウンターを仕掛け、アームドフォートの一斉射撃で、緑の首を撃ち落とした。
「ここは僕に任せて！」
　続いて、澪が戦場の歌姫（センジョウノディーヴァ）を発動させ、誘惑と歌唱で緑の首を足止めした。
　それと同時に、仇なすものを払う花園が出現し、ダンスに合わせて纏う風で、破魔の花弁を鋭く舞い上げ、緑の首達を斬り裂き浄化した。
「危険✕最悪✕逃亡……」
　その事に危機感を覚えた宝石災魔が、眩い光を放ちながら、宝物庫から逃げ出そうとした。
　おそらく、この場から逃げ出し、何処かで完全体になるつもりなのだろう。
　傷つく事も恐れず、捨て身の覚悟で、逃亡を図っていた。
「絶対に逃がさないわよっ!!」
　次の瞬間、火華流が宝石災魔にダッシュで近づくと、ハイスチームミニガンと随伴式 FlyingBeamCannon【ＦＢＣ】（ビームキャノン）で緑の首を蹴散らし、時間差でShark小型戦闘機隊・テイクオフ【略：ＳＫＴ】（シャークコガタセントウキタイ・テイクオフ）を発動させ、小型の戦闘用Shark小型戦闘機隊を召喚すると、グラビティ・アンカーチェーンで宝石災魔を捕縛すると、一斉射撃で攻撃した。
「逃亡✕飛翔✕移動……」
　それでも、宝石災魔は必死に抵抗しつつ、逃げる機会を窺いながら、眩い光を放つのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

●最後の足掻き
「１体たりとも逃がさないぞ！　ここで確実に殲滅する！」
　その行く手を阻むようにして、宝石災魔の前に現れたのは、館野・敬輔（人間の黒騎士・f14505）と、フィロメーラ・アステール（SSR妖精：流れ星フィロ・f07828）であった。
　ふたりは宝物庫の入り口に陣取り、宝石災魔をジロリと睨みつけた。
「龍脈✕女神✕断龍剣……」
　その視線に気づいた宝石災魔がふたりを見下ろし、喰らった者に活力を与える『赤の首』を代償に、自らの装備武器の封印を解き、ユーベルコードを吸収する剣に変化させた。
　その剣はまるで誰かの血を吸ったかの如く真紅の色に輝き、禍々しい気配を纏っていた。
「……あの剣は厄介だな！」
　フィロメーラが警戒した様子で、宝石災魔と距離を取った。
　宝石災魔は虚ろな表情を浮かべたまま、真紅に染まった剣を握り締め、猟兵達に攻撃を仕掛けてきた。
「……ユーベルコードを吸収する剣か。要は剣で斬られたり受けられたりしたら吸収されるってことだろう？　なら、そのどちらもさせなければいい話だな」
　敬輔が宝石災魔の挙動を観察しながら、宝物庫の地形を利用しつつ、第六感と残像を駆使して、剣を避けていった。
「……いっそ取り上げてしまうのはどうかな？」
　その間に、フィロメーラが迷彩魔法で、物を隠す効果を発動させ、存在感を抑える事で、密かに距離を縮めていった。
「脅威✕破壊✕吸収……」
　その影響で宝石災魔の注意が敬輔に向けられ、真紅に染まった剣が風を切りながら、力強く振り下ろされた。
「……遅い！」
　その隙をつくようにして、敬輔が早業とダッシュで密接すると、カウンターで咄嗟の一撃を繰り出し、宝石災魔の右腕を破壊した。
　それと同時に、真紅に染まった剣が宝石災魔の右手を離れ、クルクルと回転するようにして宙を舞った。
「もらったァ！」
　すぐさま、フィロメーラが気合を込めた念動力で、真紅に染まった剣をグラップルすると、空中浮遊させて盗み取った。
「危険✕最悪✕脅威……」
　その事に危機感を覚えた宝石災魔が右腕を庇いつつ、逃げるようにして後ろに下がった。
「グラン・ギニョールの忘れ形見め。……ここで散れ！」
　次の瞬間、敬輔が【憤怒の解放・両断剣（フンヌノカイホウ・リョウダンケン）】を発動させた。
　それと同時に、敬輔の右目が激しく光り、超高速かつ大威力の一撃で、宝石災魔の頭を叩き割った。
「危険✕退避✕強制移動……」
　途端に、宝石災魔の全身が眩い光に包まれ、まるで周囲の景色を飲み込むようにして、空間がグニャリと歪んだ。
　それは何かの前触れのようであったが、宝石災魔の肉体が耐え切れず、ボロボロと身体が崩れ始めていた。
「何処か別の世界に移動するつもりか？　でも、剣が無ければ、こっちのモンだ！　いっけー、必殺のオーラ斬撃だ！！！」
　その事に気づいたフィロメーラが、真紅に染まった剣を全力魔法で武器改造して、オーラの力を吸収させ、【聖星辰・飛龍段波（ハイパワー・オーラブラスター）】で、オーラを纏った超高速かつ大威力の一撃を宝石災魔に放った。
「強制移動✕不可能✕絶体絶命……」
　その一撃を喰らった宝石災魔が、みるみるうちに光を失い、無数の欠片となって地面に落ちた。
　そして、猟兵達は宝石災魔だったモノが完全に動かなくなった事を確認した後、その場を後にするのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

最終結果：成功 完成日:2020年02月29日