アルダワ魔王戦争8-BⅡ〜宝石災魔を撃ち落とせ
天を仰ぐ存在がいた。
飛翔✕飛翔✕飛翔……。
探索✕グリモア✕発生源……。
視線の先にあるのは青空ではない、迷宮の天井だ。
大魔王✕無限災群✕壊滅……。
わたしたち✕使命✕継続……。
飛翔✕完成✕あと少し……。
だが『それ』の目は決して天井を見ているのではなかった。
飛翔✕飛翔✕飛翔……。
探索✕グリモア✕発生源……。
行くべき道筋を探していた。三色の首と共に。
「皆、戦争お疲れ様だ」
幽暮・半月(一葉・f00901)がグリモアベースから生えていた。本当に生えているわけではなく単にブラックタールの体を伸ばしているだけだ。
「大魔王は無事討伐し、学園に平和が戻った……と言いたいところだが、まだブレイクタイムには早いようだ」
戦争中に何か企んでいた敵、グラン・ギニョール。その置き土産ともいうべき災魔が宝物庫に存在する。
宝石災魔――その名の通り、災魔と万能宝石から造られた怪物だ。
「ただの災魔ではない。厄介なことに世界移動能力を備えようとしているのだ」
今はまだ能力が完成していない。だが時間を置けば能力を完成させ、災害を撒き散らすことだろう。その前に対処しなくてはならない。
「油断できる敵ではない。必ず先手を取られるだろう、ユーベルコードへの対処はしっかり考えていてくれ」
宝石災魔が扱うユーベルコードは周囲を取り巻く首を操るものだ。赤い首はユーベルコードを吸収する剣を生み出し自己強化する、青の首は攻撃を加えた相手の肉体をコピーし命中と威力を増強する、緑の首は多数召喚されて攻撃してくる。
「この戦争に勝てた皆なら必ず勝てるだろう。無事を祈る」
赤城
赤城と申します。よろしくお願いします。
魔王の第三形態がさいかわでした。あとおっぱいさんとトンカチさんには懐かしいで賞を差し上げたい。
難易度がやや難なのでご注意ください。
OPで軽く触れていますが「敵のユーベルコードへの対処法を編みだす」がプレイングボーナスになります。宝石災魔は必ず先制してきます。
敵の詳細については下の方を参照お願いします。
3月1日までこの戦場が残っていると、宝石災魔達は「世界移動能力」を完成させ、逃げてゆきます。それまでに、倒し尽くしてしまいましょう。
20シナリオ程成功すると、この戦場を制圧し、世界移動を阻止できます。
それでは楽しいプレイングをお待ちしてます。
第1章 ボス戦
『宝石災魔』
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POW : 龍脈✕女神✕断龍剣
【喰らった者に活力を与える『赤の首』】を代償に自身の装備武器の封印を解いて【ユーベルコードを吸収する剣】に変化させ、殺傷力を増す。
SPD : 瘴気✕屍王✕模倣死者
【敵の肉体をコピーする『青の首』】で攻撃する。また、攻撃が命中した敵の【首から下の肉体形状】を覚え、同じ敵に攻撃する際の命中力と威力を増強する。
WIZ : 霊紋✕鬼霊✕地獄絵図
レベル×5体の、小型の戦闘用【高速飛翔する『緑の首』】を召喚し戦わせる。程々の強さを持つが、一撃で消滅する。
イラスト:大希
👑11
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
赤青緑、輪郭をぼかしながらもそれらは人の首を成していた。災魔が撫でるように指を伸ばすとよりその形は明瞭に浮かぶ。天井と壁がそれぞれの色に照らされ、移ろい、時に混ざり合う。
絵画の世界のような、夢のような――しかし現実に顕現しようとしている悪夢の光景であった。
飛翔×完成×あと少し……。
時間×必要×成長……。
岩永・勘十郎
敵は【瘴気✕屍王✕模倣死者】を使い攻撃してくる。勘十郎はすぐさま【早業】を駆使して背後に飛ぶ。しかし少し掠ったらしく敵は勘十郎の肉体を覚え、次の攻撃や動きを予測してくる。
「チッ……厄介だな。だがそれだけだ。剣術って言うのは『心・技・体』あってこそ。ワシの身体の仕組みを理解したとしても、それがワシを知った事にはならん」
そう。勘十郎の持つ経験や技、精神力までは分からない。それが勝敗に大きく影響してくるだろう。勘十郎はUCを発動し、彼が今までに経験した戦闘での動き、言わば【サバイバル】知識を生かし、敵の攻撃を【早業・見切り】で回避、一気に間合いを詰め、物凄い【怪力】を利用し刀の【串刺し】を繰り出した
宝石災魔がふと気づいたように視線を動かすと、そこには黒髪の青年がいた。学ランに学生帽、黒い衣服に身を包んだ彼は、刀を携えて強気に災魔を睨んでいる。
岩永・勘十郎(帝都の浪人・f23816)の構えには油断が無い。隙があるようには到底見えない、熟達した剣士の姿勢であったが宝石災魔は怯まなかった。無造作に腕を振ると、青い首が誰かの肉体を模倣し、恐ろしい速さで勘十郎に迫る。
勘十郎はすぐさま背後に飛んだ。鍛えられた早業であった。しかし少し掠ったらしく敵は勘十郎の肉体を覚え、次の攻撃や動きを予測してくるだろう。
「チッ……厄介だな」
片方の頬が一本線の熱を帯びた。掠っただけの浅い傷だが、相手に攻撃の糸口を渡してしまった。
勘十郎は頭を振った。
「だがそれだけだ。剣術って言うのは『心・技・体』あってこそ。ワシの身体の仕組みを理解したとしても、それがワシを知った事にはならん」
そう。勘十郎の持つ経験や技、精神力までは分からない。能力というのは単なるフィジカルだけではない、それが勝敗に大きく影響してくるだろう。
『ワシの“人斬り”を見せてやる』
スッ、と僅かに重心を落とした。勘十郎の手の内は見切ったとばかりに青首は悠々と迎えようとしているようだった。
勘十郎が今までに経験した戦闘での動き、言わばサバイバル知識を生かし、青首の迎撃を見切って躱した。赤い目に映る首は、表情が動かない。しかし何が起きているのか分かっていないような、呆然とした気配があった。
その隙を逃すはずもない。一気に間合いを詰め、物凄い怪力を利用し刀の串刺しを繰り出した。
怪力による串刺しは、青首を貫いて宝石災魔へ一直線に向かう。勘十郎の手に伝わってきたのは固い泥のような、奇妙な手応え。
この災魔を倒すための一撃を与えた、という確かな手応えであった。
大成功
🔵🔵🔵
傷×修復×休息……。
痛苦×忍耐×成長……。
先の一撃を成長の邪魔だと感じたのか、宝石災魔は音もなく移動を始めた。静寂を保ったままするりするりと動く様は怪談染みて不気味なものがあった。
だが――。
荒谷・ひかる
【FH】
対先制攻撃は澪さんの鎌鼬の防壁の中で背中合わせになり
風の精霊さんの力を貸してもらうことで防壁を強化&澪さんを応援
自分でも二丁の精霊銃から光の散弾を放ち、緑の首を迎撃して死角を減らす
初撃を凌げたら【精霊さん応援団】発動
澪さんへの【鼓舞】の思いを込めて、共に歌う
9種(炎、水、風、大地、草木、氷、雷、光、闇)の精霊さん達も、わたし達の歌に合わせ各々の精霊魔法を演出も兼ねて放ちつつ舞い踊る
完成するのは、星(精霊)の力の祝福を受けた二人のための大舞台!
わたし達二人の歌と、精霊さん達のダンス……こんな贅沢なコラボライブ、そうそう無いですよ!
今宵の舞台、逃げずに最期まで楽しんでいってくださいね♪
栗花落・澪
【FH】
★Venti Alaに風魔法の【高速詠唱、属性攻撃】を纏わせ
【激痛耐性+オーラ防御】と組み合わせ鎌鼬の防壁を発生
ひかるさんの前に立って護るよ
近づいて来る緑の首を風の刃で弾き飛ばし
更に生成した【破魔】の★花園から花弁を舞い上げることで
強化してもらった風と浄化で少しでも首の数を減らします
僕とひかるさんの分で倍出てる筈だしね
合間に★爪紅を【投擲】
本体を巻き込みつつその周辺の首も爆発で吹っ飛ばそう
初撃を凌げたら【誘幻の楽園】を発動
敵に対する【催眠】を乗せた【歌唱】を響かせ
聴覚があるなら足止めと同時に破魔の花弁を操る
デュエットで威力も上乗せされてるし?
絆の力で!残った首ごと本体に【全力魔法】
動いたのは緑色の首だ。その淡い光に照らされながら、荒谷・ひかる(精霊寵姫・f07833)と栗花落・澪(泡沫の花・f03165)はぽふんっと背中を合わせた。強固に背を繋ぐのは信頼だ。
「澪さんっ、お願いします!」
ひかるの声とほぼ同時、前面に出た澪は応えていた。軽やかに踵を踏み鳴らし、口の中で素早く風を呼び起こすまじないを唱えると柔らかな翼が靴――Venti Alaから生える。痛みを和らげるオーラを纏い、その流れは渦巻いて鎌鼬を作り出した。
一番最初に飛んできた緑の首を巻き取って天井に叩きつけたが、首は次から次へと飛来してくる。多勢は覚悟していたが、それでも多い。
「もうちょっと防御を固めた方がいいかな?」
「風の精霊さん、力を貸して!」
澪の呟きとひかるの言葉に、悪戯っぽい笑い声が微かに聞こえた気がした。
すると鎌鼬の弧が力強く膨らんだ。それに合わせて澪は破魔の聖痕を翳す、その向こうに宝石災魔を視界に入れて。
舞い上がった花弁は風に乗り、首を迎え撃っては戦果を挙げて散っていく。
澪が背後の様子をちらと窺うと、ひかるが二丁の精霊銃を引く度に光が弾けていた。死角からの首は光の散弾を叩きつけられて消滅していく。
安堵して爪紅と名付けた髪飾りに触れた。赤い花を模したそれは、おしべを引っ張ると熟れた果実のように変化してころんと手の中に転がる。
琥珀色の瞳で一睨みしてしっかりと狙いを定め、手首のスナップを利かせて投げ飛ばす。糸で繋がっているのかと思うほど正確に宝石災魔の元へ吸い込まれ――果実は手榴弾としての役目を果たして爆発した。
煙の中から現れた宝石災魔は、緑の首を盾にしたのか残念なことに大きなダメージは無いようだった。だがこれで大きく飛来してくる首の数は減った、と残った首を二人は殲滅する。
そうしてひかるは澪と並び立った。きゅっと脇を締め、足は肩幅、掌は拳、長い銀髪を心持ち膨らませて大きく大きく声を張り上げる。
『みんなーっ! がんばれがんばれーっ♪』
「……うん。頑張るよ、僕」
澪は口元を綻ばせた。ここにいるのは澪一人ではない。ひかると、ひかるに協力してくれる数多の属性の精霊がいてくれる。彼女の歌に合わせて精霊たちは周囲を踊る様に廻る。
炎、水、風、大地、草木、氷、雷、光、闇。九種の精霊が快晴の夜空に広がる花火のように宝物庫の中を彩って、一つの舞台を作り上げていた。
『幸せのままに眠れ』
ひかるの鼓舞を受け止めた澪は、合わせて歌う。力の向かう先は倒すべき敵だ。催眠の力を乗せ、逃がしはしないと湧き出た花弁を宝石災魔へ向かわせる。
一瞬、巡り合わせのように九種の精霊の輝きが弱まる。だがそれは力が弱まったからではない。新たな精霊を迎え入れるためだ。
新たな精霊は空間一杯に広がり――それが収束した姿である様に瞬いた。星の精霊は歌う二人を祝福するように優しく照らし出す。
殺到する刃の花弁を前に、もう少し聞いていてもいいかもしれない、だがゆっくり回復したい。そんな気配を宝石災魔は漂わせていた。
ぐっ、と澪は全力の魔力を籠め、そしてひかるは明るく元気に呼びかけた。
「わたし達二人の歌と、精霊さん達のダンス……こんな贅沢なコラボライブ、そうそう無いですよ! 今宵の舞台、逃げずに最期まで楽しんでいってくださいね♪」
果たしてそれを聞き入れた結果かどうなのか――宝石災魔の体には無数の花弁が刃として突き立っていた。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
飛翔✕飛翔✕飛翔……。
生存✕崩壊✕間近……。
敵✕存在✕妨害……。
飛翔✕飛翔✕飛翔……。
飛翔✕飛翔✕飛翔……。
飛翔✕飛翔✕飛翔……。
黒影・兵庫
世界移動能力なんて危険な能力が敵の手に渡ったら
全ての世界が今までとは比べ物にならないほどの危機に
陥ってしまいます!
なんとしても、ここであの宝石災魔を倒さないと
いけません!せんせー!
(頭の中の教導虫に話しかける)
●攻撃対策
緑の首はどんなに早く動こうが必ず俺に接近するので
俺の周りに『衝撃波』を『念動力』で留めて作った
空気の壁で防御します!
敵が集まったら留めておいた『衝撃波』を開放して
敵を一気に殲滅します!
●反撃
敵の攻撃を凌いだら反撃です!
UC【蝗害】を発動します!
強襲兵の皆さん!宝石災魔に一斉攻撃を仕掛けてください!
俺も皆さんに続いて『衝撃波』で敵に攻撃を加えます!
全身に傷を負って尚も宝石災魔は諦めていない。警棒を片手に仁王立ちで塞がったのは、黒影・兵庫(不惑の尖兵・f17150)だ。
「世界移動能力なんて危険な能力が敵の手に渡ったら、全ての世界が今までとは比べ物にならないほどの危機に陥ってしまいます!」
きりりと真剣そのものの目つきで宝石災魔と視線をかち合わせる。一歩たりとも引かないと全身が表していた、
「なんとしても、ここであの宝石災魔を倒さないといけません! せんせー!」
頭蓋の中に住まう教導虫に決意を宣言すると、それが合図となった。
宝石災魔から何重にも緑色の首が生まれてくる。どんなに早く動こうとも対象を追尾してくるのは火を見るよりも明らかであった。
ならば、と兵庫は自身に活を入れた。
迫っていた緑の首は隙有りとばかりに突っ込み――対象の直前で跳ね返った。
兵庫の得意とする念動力、それに衝撃波を合わせて空気の壁を作れば首はそれ以上近寄ることができない。緑の首も勿論諦めたりせず、次から次へと少年へと群がっていく。傍から見れば緑色の首が一ヵ所で蠢く、空恐ろしい光景が作り上げられたがそれも長時間のことではない。
触覚でもあるアホ毛がぴょんこと立った。全ての首が兵庫の周りに集まったのだ。
「せんせー、行きますよ!」
兵庫は警棒を一閃、念動力と衝撃波を外に解放するとその圧は緑の首を纏めて吹き飛ばした。正しく一網打尽。
緑色の塵は一瞬宝物庫を覆ったが一瞬で骸の海に消えていった。猟兵の少年は十分に引き絞られ、そして放たれた矢のように駆け出した。
『強襲兵のみなさーん!こちらでーす!』
重い羽音が一斉に鳴った。鋼鉄をも噛砕する羽虫の群れが召喚されたのだ。
「強襲兵の皆さん! 宝石災魔に一斉攻撃を仕掛けてください!」
警棒の先を敵に向けると、完璧に統率された動きで敵へと向かって行った。
宝石災魔に煙のように纏わり付くと、強靭な顎が彫刻のような表面を食い破っていく。血は流れない。固まっていない粘土を噛み千切っているような奇妙な光景であった。
もはや災魔の体に傷の無い部分はない。切られ、刻まれ、そして今はどんどん体積を減らしていく。
飛翔×不可能×失敗……。
猟兵×猟兵×猟兵……!
声が響いた。憎むようであり、賛美するようであり――あるいは己を消し去る存在を心に刻もうとでもしたのか。
「これで……終わりです!」
兵庫が床を強く蹴った。勢いよく宝石災魔の懐に飛び込むと警棒を叩きつけ、衝撃波を送り込む。
災魔の姿がぐにゃりと歪む。そして地面に触れた端から、初めから存在しなかったかのようにふっ、と消えて後には何も残らない。
目覚めた後の夢のように。
大成功
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