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芽吹いた希望と望み

#アックス&ウィザーズ

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#アックス&ウィザーズ


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 荒野の片隅の丘。ある村の薬師の男は、そこで珍しい薬草が群生しているのを見つけ、興奮気味につぶやいた。
「これは滋養強壮の薬になる薬草だ! 珍しい薬草のはずなのに、こんなに育っているなんて……!」
 薬師は早速採取し始めようとする。
「これだけあれば、村の皆が病にかかるのを予防できるぞ」
 しかし、しゃがみ込んだ体に明らかな地響きを感じて辺りを見渡せば、こちらへ向かってくる無数のヘラジカの群れが遠くに見えた。体長2メートルを超えるその影は、見る見る内に近づいてくる。
 慌てて逃げ出した薬師は目についた木の場所まで走り込み、ヘラジカの群れから逃れるために、高い木の枝によじ登った。
「あぁ! 貴重な薬草がっ!」
 ヘラジカたちの蹄に踏み散らされていく薬草を見下ろすことしかできず、薬師はひたすら木にしがみついていた。
 ヘラジカたちは何かに追い立てられるように走り抜けて行く。その元凶であるものの鳴き声、増幅させたほら貝の音がひび割れたような竜の鳴き声が、徐々に丘へと近づいていた。


「ご機嫌よう、ご主人様」
 ミレナリィドールのノア・ローズタレット(ローズマリーの誓願・f02701)は、グリモアベースへと招かれた猟兵たちに向けて恭しく会釈すると、
「荒野に現れるドラゴンの存在、グラスアボラスを見つけました」
 早速オブリビオンであるドラゴンの出現について切り出した。
「グラスアボラスが縄張りとする花畑から、何百何千という数のヘラジカたちが追い立てられ、不運にも1人の薬師さんが巻き込まれてしまいます」
 グラスアボラスは植物の生命力を活性化する能力を持つドラゴンで、薬師が見つけた薬草はその能力の影響を受けたものと思われる。
「いずれドラゴンは、薬師が避難している木の場所まで到達します」
 その前に、薬師のいる木の周囲を大河のように横切るヘラジカたちの群れをどうにかして、薬師を救出してほしいとノアは要請した。
 切れ目が見えないほどにヘラジカの数は圧倒的に多い。激突されればひとたまりもない速さで、止めることは容易ではなさそうだ。
「薬師の男性は、例えドラゴンが迫っていようとも、薬草の苗を手に入れようと無茶をするかもしれません。彼が帰らぬ人となってしまっては、唯一の医療従事者を失って困る村の人たちがいます」
 薬師を必要とし、帰りを待つ村人がいることをノアは強く主張した。薬師を丘から退かせるためには、粘り強く説得するか、彼の目的に協力することも必要そうだ。
 ノアは猟兵たちを丘を下った場所、ヘラジカの群れの先頭が見える位置と時間に転送すると伝えると、
「ドラゴンとの戦いにも、充分備えてください。どうかご武運を」


夏雨
●『アックス&ウィザーズ』西洋風ファンタジー世界に向かいます。
 この世界では、猟兵は『凄腕の冒険者』として認識されがちです。猟兵ではない一般人の冒険者も存在し、ある程度の雑魚魔獣なら相手にできます。

●第1章 暴走するヘラジカの群れを止めろ
 木の上にいる薬師のもとまでたどり着くには、ヘラジカの群れの中を突っ切らなければなりません。いなくなるのを待っているだけでは、グラスアボラスがすぐ側まで来てしまうでしょう。
 ヘラジカたちを木の周囲から退けることができれば成功です。

●第2章 薬師を丘から引き離せ
 戦場となる丘から薬師を避難させなければなりません。薬師は薬草をなんとか確保しようと、勝手な行動を取るかもしれません。
 薬師の安全を確保し、丘から避難させることができれば成功です。

●第3章 息吹の竜『グラスアボラス』の討伐
 これ以上被害が出る前に、丘までたどり着いたグラスアボラスを倒しましょう。

 個性豊かな猟兵の皆さんの参加をお待ちしています。
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第1章 冒険 『大量の暴走角獣』

POW   :    殴って気絶させて治める

SPD   :    技量を駆使して治める

WIZ   :    原因を調査しながら治める

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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

フィーユ・エバーラスト
「これはまた、壮観だね」
大河のようだとは聞いていたけど、まさにだね。
「……これだけあれば、しばらくお肉には困らなさそうだ」
【POW】
【属性攻撃】【全力魔法】【2回攻撃】で強化した【皇輪閃墜矢】を使って、ヘラジカを力尽くで吹き飛ばす。
怒らせてこちらに向かってくるかもしれないから、事前にやり過ごせそうな場所に当たりを付けておく。
「丸焼きは得意料理だ。一匹残らず……とまではいかないけど、お腹いっぱいに堪能できるだけはこんがり焼かせて貰うよ」


シーザー・ゴールドマン
暴走するヘラジカの群れ、なかなか壮観だな。
とはいえ薬師を助ける為には眺めてばかりもいられないか。
『ゴモラの禍殃』で薬師の登っている木への道を炎で作ろう。
勿論、薬師の登っている木に延焼はさせないぞ。
※炎で道を作ってヘラジカを木の周辺から退け、薬師のもとに向かいます。


ユキ・コシイ
【うわあ、ヘラジカってでっかいねえナノ山さん。群れがきたらひとたまりもなさそうだ】
『そうだねテレ彦くん。でもうってつけのユーベルコードがあるじゃない』
【動物相手に歌うのは初めてだけど、効くかなー?】
『何事もやってみなきゃわからないよ!さあ、レッツミュージーック!』

…というわけで、群れの進路上へ向かい、「Cradle Song」でヘラジカの暴走を沈静化出来るか…試してみます。
眠らせるまでは行かなくとも…落ち着かせれば、激突されることはないはず。
動物相手に歌うのは初めてだけど、気後れは不要。魂の根源を揺さぶるのが…サウンドソルジャー。
さあ…ヘラジカの心に届け、私の歌―!


ローズ・ベルシュタイン
■心情
ヘラジカの群れですか、自然動物は大切にしなければいけませんし
むやみな殺生はしないでおきましょうかね。
はやく、薬師さんを助けましょう。

■行動
ヘラジカの好きそうな野菜や果物を用意して
薬師さんの避難している木から離れた位置まで投げて
ヘラジカを遠ざけますわね。

それでもヘラジカの流れが止まらないなら、
エレクトロレギオンも使用して
ヘラジカを驚かす様に機械兵器を動かして、
木の所から離れる様にしておきますわ。
「行きなさい、機械兵器たちよ、ヘラジカを驚かすのです!」

ある程度、ヘラジカが少なくなったら、
怪我をしない様に薬師のもとに行き、
『救助活動』を駆使して薬師を助けますわ。


グレ・オルジャン
さあ、お前の出番だよ、兄弟!
群れの行く手に黄金のライオンを呼び、様子を見よう。
脅かして悪いね野の兄弟たち、この道は譲っておくれ!
ライオンの上から辺りの地形を観察して
グラスアボラスからも逃れられる進路に逸れるよう
ライオンの立ち位置を調整し誘導。
要らない殺生をしないのが獣ってもんだ。
あんたたちもうまいこと逃げ切るんだよ!

ライオンを怖がらず突っ込んでくるなら
あんまりしたくはないけど、拳で黙ってもらうしかないね。
溜息一つで割り切り、ヘラジカ達をぶっ飛ばす。
ライオンにも太い前脚で転がす手伝いをしてもらおう。
すまないね兄弟、一応加減はしたつもりだよ。
あのドラゴンに喰われるよりは幾分マシだと思っておくれ。



「これはまた、壮観だね」
 ヘラジカの群れの大移動を目の前にして、フィーユ・エバーラストはつぶやいた。大河の中にぽつんと取り残されたように、無数のヘラジカたちの向こうに、木にしがみつく薬師の姿があった。
「……これだけあれば、しばらくお肉には困らなさそうだ」
 肉を確保するついでに人命救助に乗り出すフィーユは、食材を見る目付きで剣を構える。すると、その刃には銀の雷がほとばしり、瞬時に雷電の矢が放たれた。命中した数十の矢は、地面諸共ヘラジカたちを吹き飛ばす。
「1匹残らず……とまではいかないけど――」
 フィーユは吹き飛んだ1頭を回収しに向かおうと、
「お腹いっぱいに堪能できるだけは、こんがり焼かせて貰うよ」
 フィーユによって大きくえぐられた箇所に、ヘラジカたちの流れが途切れた瞬間、パニック状態のヘラジカたちの間を炎が走る。シーザー・ゴールドマンは、炎の壁を作ることでヘラジカたちに阻まれている薬師までの道のりを切り出そうと図った。
 目の前に立ち上った炎の壁に進路を阻まれ、ヘラジカたちは押し合い圧し合いしながら迂回を始めた。
 危機に瀕している薬師だが、炎の壁に挟まれた道が生まれる様子を見て叫んだ。
「やめてくれえええ! 薬草が灰になってしまうううう!」
 ローズ・ベルシュタインは薬師を気の毒に思いながらも、ヘラジカの誘導に尽力する。
「さあ、こちらですわ!」
 ローズはヘラジカが好みそうな野菜や果物をその手に掲げ、薬師の付近から離れた場所に放ることでヘラジカを誘導しようとした。しかし、木の周りをぐるりと囲む炎の中に、複数のヘラジカが取り残されている状態に気づく。
 ヘラジカたちを炎で隔てようとしたシーザーだったが、
「厄介な数だな……」
 と、さばき切れない数の多さに思わずため息をもらす。
 炎の壁に囲まれ、パニック状態で鳴き喚くヘラジカたち。シーザーは炎の切れ間を作り、ヘラジカたちを外側に誘導しようとする。だが、ヘラジカはシーザーに敵意をむき出し、角を何度も突き出して寄せ付けようとしない。1人では手に負えない状況の中で、
「行きなさい、機械兵器たちよ、ヘラジカたちを遠ざけるのです!」
 ローズの号令とともに、無数の小型の機械兵器がシーザーのそばまで駆け付けた。ヘラジカと比べるとその小ささが際立つが、ローズの機械兵器は徐々にヘラジカたちを追い立てていく。

「【うわあ、ヘラジカってでっかいねえナノ山さん。群れがきたらひとたまりもなさそうだ】」
「『そうだねテレ彦くん。でもうってつけのユーベルコードがあるじゃない』」
 ユキ・コシイの両手にはそれぞれマペットのぬいぐるみがはめられ、腹話術を披露するように会話を繰り広げている。
「【動物相手に歌うのは初めてだけど、効くかなー?】」
「『何事もやってみなきゃわからないよ!さあ、レッツ――』」
 不安そうに首をかしげるテレビウムの人形、テレ彦くんを、クリオネっぽい人形のナノ山さんが促したが、ユキは明らかに地響きの感覚が強くなるのを感じた。
 炎に驚いたヘラジカたちがユキのいる方へと進路を変え、すべてを蹴散らす勢いでまっすぐに向かってくる。
「【ナ、ナノ山さん!?】」
 ヘラジカたちの勢いに思わず圧倒され、テレ彦くんの声は上擦る。
「『気後れしたら負けだよ! さあ、レッツ――』」
 自らのユーベルコードを発動しようとした直前に、ユキの体は何者かにさらわれた。そして、次の瞬間には巨大な黄金のライオンの背中にまたがる形で、ヘラジカたちと並走していた。
「悪いね、お嬢ちゃん。余計なお世話だったかい? ――」
 ユキの背後から声をかけたのは、ライオンの主人であるグレ・オルジャンだった。
「無茶をするもんだと思ってさ。いくら凛々しいあんたでも、あのヘラジカたちが道を譲るとは思えなくてね」
 ヘラジカたちの進路を見定めながら、グレは言った。
「【助けてくれてありがとう!】」
 ユキはテレ彦くんをぴょこぴょこと動かし、人形を介してグレと話し続ける。
「『でも、どんな状況でも魂の根源を揺さぶるのが、サウンドソルジャーさ! その力だけは侮らないでほしいな』」
 愛らしくも毅然とした物言いのナノ山さん。更にナノ山さんはグレに協力を求めた。
「『このまま群れに並走して! 歌の力を見せてあげるよ』」
 その言葉に対し、グレはどこか生き生きとした表情で応じた。
「ああ、期待してるよ。あんたの歌の力、聞かせてやりな!」
 ユキとグレがまたがるライオンは、できる限り群れの近くを並走し続ける。
「【さあ、レッツミュージーック!】」
 テレ彦くんの掛け声の直後、ユキは自らの歌声を響かせた。幼い見た目に似合わず、丘中に響き渡る声量が大勢のヘラジカたちの耳に届く。
「いま一時だけはすべてを忘れ、私の胸で眠りなさい――♪」
 澄んだユキの歌声がヘラジカたちの神経に作用するように、ヘラジカたちは徐々に走る速度を緩めていく。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

紫谷・康行
少しだけヘラジカの通る道を逸らせばいい
邪魔な木があるところを通る必要もないだろうしね
上手くやり過ごせばいい

【コール・ミーミトリィ】を使い黒い梟に似た闇の精霊ミーミトリィを呼び出す

用意しておいたヘラジカが嫌がる臭いを出す薬草の粉とヘラジカが好きな臭いがする薬草の粉をミーミトリィと手分けして撒く

自分は木の近くで嫌いな臭いがする粉を撒く

ミーミトリィはヘラジカの通るルートから撒き始め、木を通るルートから少し離れた場所で好きな臭いがする粉を撒く
ヘラジカが向かってきたらヘラジカにぶつかる直前にミーミトリィを精霊界に返す
先頭のヘラジカが粉を巻き上げてくれれば臭いが残るだろうし薬草の粉はその場に残るようにする


サビエラ・ナヴァツカ
SPD 技量を駆使して収める
ヘラジカ達を歌で落ち着かせる、彼らも被害者だから

まずはユーベルコード『神聖なる牡鹿』で彼らを統率できるだけの大きな力のある鹿を呼び出す
それから『獣奏器』を奏でながら歌を歌う、ヘラジカたちが怯えないように、落ち着くように…
ドラゴンは俺たちがなんとかするからって、伝える

それで彼らが俺たちを信頼してくれれば、俺と牡鹿に従ってくれると思う
牡鹿と俺で、薬師のいる木から離れて、ドラゴンの居ない方角へ誘導する



 サビエラ・ナヴァツカはヘラジカたちをおとなしくさせた雪の歌声に感心していたが、何頭かのヘラジカはその場に座り込むほどリラックスし始めていた。
 危機感すらも失いかけているヘラジカたちを先導しようと、
「運命の導き手よ、ここへ――」
 サビエラは白く輝く牡鹿を召喚した。ヘラジカよりもひと回りも大きいその鹿にまたがったサビエラは、獣奏器を奏で始める。
 曲と共に朗々と響くサビエラの歌声。サビエラの声と音に反応するように、ヘラジカたちはピンと耳を立て始めていた。
 ビーストマスターとしてヘラジカたちと意思を通わせるサビエラは、
「おいで、ドラゴンに追いつかれる前に」
 牡鹿を走らせ、ついて来るようにヘラジカたちを促した。

「全き闇よりも深いナダキの森に住み、不安を見透かし絶望を糧とする黒き羽のミーミトリィよ。契約に従い我がもとに来たれ――」
 柴谷・康行は、黒いフクロウに似た闇の精霊、ミーミトリィを召喚し、後続のヘラジカたちにも道を示そうと行動を開始する。
 康行はヘラジカが嫌がる臭いの原料と、好きな臭いの原料を用意していた。粉末状にしたそれらを振りまくことで、ヘラジカの移動経路を制限しようと試みる。
 ミーミトリィは、ヘラジカの好きな臭いを薬師の居場所から離れた場所にまき、ヘラジカたちを遠ざけようとする。逆に康行は確実にヘラジカたちが寄りつかないように、木の周囲にヘラジカの嫌いな臭いを振りまいた。
 やがてシーザーが発生させた炎の壁を必要としないほどに、ヘラジカの脅威は去って行った。
 丘を下っていったヘラジカの群れの背を見送り、サビエラは背後を顧みた。その瞬間、丘へと迫るグラスアボラスの鳴き声が、大気を揺るがすように響き渡った。
 サビエラが牡鹿を走らせて木の場所まで戻ると、炎の壁は消え、木から少し離れた位置に薬師の姿があった。薬師は地面に這いつくばり、踏みけられずに無事な薬草が1つでもないか、必死に探していた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第2章 冒険 『薬草を守れ』

POW   :    体を張って助ける

SPD   :    罠や地形を利用する

WIZ   :    アイテムやユーベルコードを活用

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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

紫谷・康行
言葉には力がある
操るものの心の強さが言葉に力を宿すだろう
それが魔法の基本だと思う
彼を救おうとする意志を、生きていて欲しいという願いを乗せて語ろう

薬師の説得を試みる
薬師の方へ歩いて行き目線を合わせ、軽く肩を叩いてから話す
落ち着いた口調でゆっくりと諭すように

いくら魔法でも、人の命を蘇らせることは出来ない
病を治すことも時として難しい
病を治せる人間は貴重だ
人を治すためにはまずは自分がしっかりと生きてなくてはならない

大きな鳴き声が聞こえるだろう
じきに怪物がここに来てここは戦場になる
あなたがいなくなれば誰が病に伏した村人を救えるというのだ
あなたはすぐに村に帰りなさい

大丈夫だ
薬草は必ず持ち帰ると約束しよう


ローズ・ベルシュタイン
■心情
ドラゴンがやってくるのに、薬草に夢中になっているのは
とても危険ですわね。
はやく、引き離さないといけませんわ。

■行動
POW判定の行動

私は、薬師を交渉などでその場から離れて貰う様にしますわ。
『優しさ』を駆使して、薬師を信頼させやすくしますわね。
「この場には危険が迫っていますわ。竜がやってきます」
「薬草を採るのは、竜を倒した後でもよろしいでしょう、
薬草は私達が必ず守りますので、どうか今は避難して下さいませ」

どうしても説得が難しいなら、
腕を引いたりして、やや強引ながらも避難させますわね。


サビエラ・ナヴァツカ
説得をする
でも話を聞いてもらうためにも、まず薬草を探すのを手伝うよ
薬師に薬草について聞いてから【野生の勘】を使って探していく
自分の翼を使って土埃を払ったりしたら少しは探しやすくなるかな?

探しながら、その薬草は命より大事なものなのか聞きたい
死んでしまったら、村の人たちはきっと困るし悲しむと思うから
これで命を落としたら、助かるひとも助けられなくなっちゃうかもしれない
それは薬師さんにも凄く悔しいと思う

結果ひとつでも薬草が見つかったら納得してくれるようにお願いする
見つからなかったら…怒られるかもだけど力ずくかな

他の猟兵のみんなとも協力して、なんとかして助けたい


フィーユ・エバーラスト
「熱心なのは良いことだけど、全て片付いてからでも遅……いかな、うん」
踏み荒らされた薬草とついでに自分の雷で吹き飛ばした惨状を見渡しながら。

【POW】
仕方がない、ボクも薬草探しを手伝うよ。
ヘラジカごと薬草も吹っ飛ばしてしまったしね。
「ただし、今の咆哮が聞こえたとおりだ。猶予は無いし、もし見つからなくても早くここから立ち去るんだよ」
グラスアボラスが現れたら、集めた薬草を押し付けてから接近して攻撃を仕掛け、薬師が標的にされないようにする。
「残念だけど、タイムアップだ」
それでもごねるようなら手加減して【磁操奏】を放ち、薬師を離れた場所へ吹っ飛ばす。

仲間が説得に成功してすでに離れていたら薬草は後で渡す。



 ヘラジカたちが1匹残らず走り去った丘で、薬師の男は地面を漁るようにして、一心不乱に薬草を探していた。葉や茎もボロボロの状態ばかりだが、最低限の形をとどめているものを選り抜いていき、薬師はそれらを次々と袋に突っ込んでいた。
「熱心なのは良いことだけど、全て片付いてからでも遅……いかな、うん」
 グラスアボラスの咆哮を気にしながら、フィーユ・エバラストは薬師の手伝いを申し出た。
「今の咆哮が聞こえたとおり、あまり猶予は無いけど、できるだけ早くここから立ち去るんだよ」
 サビエラ・ナヴァツカも薬師の気が済むようにと、手伝う素振りを見せる。踏み荒らされて土をかぶってしまった場所に向けて、サビエラはその土を払うように、自らの翼で風を送り込んだ。
 薬草の特徴を薬師に尋ねたサビエラも、できる限り手を尽くして薬草をかき集めていく。
 ボロボロになった薬草ばかりを見て、薬師はため息をついてつぶやいた。
「苗として育てられる薬草が残っていればなぁ……」
 その一言に、ヘラジカ諸共地面を吹き飛ばしたフィーユの良心はチクチクと痛んだ。
「さあ、もう充分でしょう? この場には危険が迫っていますわ。竜がやって来ます」
 ローズ・ベルシュタインは薬師を促すが、相手はなかなか避難する様子を見せない。
「もう少しだけ……! 状態のいい苗を見つけたいんだ」
 薬師がそう言って渋る間にも、グラスアボラスは咆哮を響かせ、丘との距離を縮めてきている。
サビエラは薬師に尋ねた。
「その薬草は、アンタの命よりも大事なものなのかな?」
 紫谷・康行も薬師と目線を合わせ、真摯に語りかけた。
「どんな魔法でも、医術でも、人の命を蘇らせることはできない」
 康行の言葉を継いで、サビエラは薬師を説得しようと努める。
「アンタが死んでしまったら、村の人たちはきっと困るし、悲しむと思うから」
 強引にでも避難させることはできるが、ローズも薬師の説得に傾注した。
「薬草を採るのは、竜を倒した後でもよろしいでしょう、薬草は私達が必ず守りますので、どうか今は避難して下さいませ」
 薬草を摘む手を止めて押し黙る薬師は、まだ迷いがあるようだった。
 救おうとする意志、生きていて欲しいという願いを込めて、康行は薬師の説得を続けた。
「病を治せる人間は貴重だ。人を治すためにはまずは自分がしっかりと生きてなくてはならない。あなたはすぐに村に帰りなさい。あなたがいなくなれば、誰が病に伏した村人を救えるというのだ」
 サビエラは薬師の腕をつかんで強引に歩かせ始めながら、
「助かる人も助けられなくなる、そんな悔しい思いはさせられない」
「残念だけど、タイムアップだ」
 フィーユがそう言って集めた薬草を薬師に押しつけた直後、より大きな咆哮が響き渡り、丘へと近づいたグラスアボラスの存在を示す。
「ここは危険ですわ! はやく避難してください」
 ローズが薬師を急かす間も、フィーユは臨戦態勢を整える。
 フィーユは丘から見下ろせる位置にグラスアボラスの姿を確認した。グラスアボラスは自らの息吹で花畑を広げながら、フィーユたちのいる丘を目指していた。
「大丈夫だ。苗は必ず持ち帰ると約束しよう」
 最後まで薬草の苗にこだわり続けた薬師だが、康行の一言に背中を押され、ようやく避難するために丘を下った。
 グラスアボラスの通り道には見事に花々が咲き乱れ、植物の生命力を活性化させる力を充分に発揮していた。
 満開の花々に一瞬目を奪われたローズだが、
「花を咲かせるだけの存在なら、私たちが必要とされることもありませんのに……平和を脅かすからには、放っておけませんわ」
 戦闘に臨むために気持ちを切り替えた。
 丘から遠く離れていく薬師の姿を見届けたサビエラは、突き進むグラスアボラスに向き直りつぶやいた。
「ここで、食い止めよう」
 近隣の住民や動物たちの暮らしを守るためにも、オブリビオンであるドラゴンは排除しなければならない。
 花のような色彩の巨躯が、猟兵たちの目の前に近づきつつあった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『息吹の竜『グラスアボラス』』

POW   :    フラワリングブレス
【吐き出された息吹 】が命中した対象に対し、高威力高命中の【咲き乱れるフラワーカッター】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD   :    ガーデン・オブ・ゲンティアナ
自身の装備武器を無数の【竜胆 】の花びらに変え、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
WIZ   :    フラワーフィールド
【吐き出された息吹 】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【を花畑で埋め】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠ナイツ・ディンです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

紫谷・康行
約束したからね
薬草は必ず持ち帰らければね
相手のドラゴンの力で植物が育つならそれを利用させてもらおう
少し面倒な戦いになるだろうけど約束は守るためにあるからね

ドラゴンの様子を窺いつつ
薬草の苗があるところで待ち構え
ドラゴンを挑発して息吹を吐き出させようとする
ドラゴンが攻撃してくるまでは避けることを優先
ドラゴンの攻撃で薬草が育ったら場所を変えてドラゴンを倒しに行く

攻撃は【無言語り】を使いできるだけ周りに被害が行かないようドラゴンだけを慎重に狙いながら行う

「言葉は虚ろ、されど全。すなわち、全ては虚ろ。過去より蘇りし竜よ、その力とともに無へと帰れ。」

戦いが終わったら可能なら薬草を拾って薬師に届ける


サビエラ・ナヴァツカ
オブリビオンでさえなければ彼とも心を通わせられたのかなと思うと少し悲しい。でも戦うよ、猟兵だから

多分火力はほかのみんなの方が強いから、サポートに回る

牡鹿に跨がったままクアラボスの周りを移動【フェイント】を使って撹乱する
あとは【援護射撃】【二回攻撃】を使って味方に加勢
フラワーフィールドで強化されそうなら【拠点防御】で対抗したい

味方が強い攻撃を受けそうだったり、大技を決めるようなら『狼たちの包囲網』を使ってグアラボスの動きを止める

なるべく早く、苦しまないうちに倒してやりたい



 ――少し面倒な戦いになるだろうけど、約束は守るためにあるからね。
 グラスアボラスの息吹の力を利用しようとする紫谷・康行は、のそのそと丘を進むグラスアボラスの出方を窺う。
 グラスアボラスに向けて挑発と陽動を繰り返す康行に対し、低くうなるグラスアボラス。グラスアボラスから吐き出された息吹は、霧のように地面の上を覆っていく。その霧に触れることのないように退避しながら、康行は狙い通りに薬草を蘇らせることに成功した。だが、薬草はグラスアボラスの進路上に存在する。
 進路を逸らそうとする康行が杖を構えると、光り輝く牡鹿にまたがったサビエラも矢をつがえた。サビエラから矢を射かけられたグラスアボラスは、怒りのままに咆哮を発し、サビエラに注意を向けた。
 グラスアボラスの角の一部が無数の花びらとなって綻び始めると、花びらの嵐がサビエラを狙って襲い来る。牡鹿の機動力を生かして振り切ろうとするサビエラだが、刃のような鋭さを帯びた花びらは、その体に次々と裂傷を刻んだ。
「言葉は虚ろ、されど全。すなわち、全ては虚ろ――」
 グラスアボラスに向けて発せられる康行の詠唱は、光る文字の羅列を宙に浮かび上がらせた。
「――過去より蘇りし竜よ、その力とともに無へと帰れ」
 康行の詠唱に応じて浮かび上がった文字は瞬時に収束し、弾丸のごとくグラスアボラスへと放たれる。無数に渡る攻撃が集中し、グラスアボラスもたまらず怯む。その拍子に、花びらの嵐も動きを緩め、サビエラは薬草から離れた場所へと追いやられるグラスアボラスに再度矢を向けた。
 特殊な楔矢をつがえたサビエラは、その複数の矢を連続で放ち、グラスアボラスを囲むようにして地面を穿った。そうすることで、グラスアボラスの足元には魔法陣が発生し、動きを制限する力がグラスアボラスをその場にとどめた。
 思い通りに動かなくなる体に混乱しているのか、グラスアボラスは助けを求めるように鳴き喚く。
 オブリビオンとはいえ、生き物に手をかけることに対し、サビエラはその眼差しに憂いを覗かせてつぶやいた。
「少し悲しいけど……苦しまないように」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

シーザー・ゴールドマン
【POW】
グラスアボラス、なかなか有益なドラゴンのようだがオブリビオンとなれば是非もないな。
此処で倒させてもらおう。
戦術
『シドンの栄華』を発動して三種の魔力を纏って戦います。
状況に応じて重視する力を変更。
※決めなければならない場合は攻撃力重視
千変万化の剣術でオーラセイバーを振るって戦います。
(2回攻撃、鎧無視攻撃、怪力、見切り、フェイント、カウンター、先制攻撃)
防御面はオーラ防御、見切り、各種耐性に期待
【真の姿ver1:特に変わらない。黄金の瞳が輝き、身に纏う真紅のオーラが濃ゆくなるくらい】
「さて、無事な苗木かあれば良いのだがね」



 シーザー・ゴールドマンは剣の形を成す魔光の刃を構え、動きを封じられて必死に地面を引っ掻くグラスアボラスと、成長した薬草を見比べた。
 ――もたらす恩恵もあるようだが、オブリビオンとなれば是非もないな。
「此処で倒させてもらおう」
 そうつぶやいたシーザーの黄金の瞳は輝きを増し、身にまとう真紅のオーラはその輪郭をよりはっきりと現した。
 真の姿を発現させたシーザーは、サビエラの魔力に必死に抵抗するグラスアボラスに向かっていく。
 シーザーが振り切る刃は容赦なくその巨体を斬りつけたが、グラスアボラスはシーザーを待ち受けていたように動き出す。
 シーザーの視界は、グラスアボラスに接近した刹那の間に霧状の息吹に覆われた。しかし、シーザーは反射的にそれらを斬り払う。視界は晴れたが、音もなく攻撃を仕掛ける動きにシーザーは機敏に反応した。
 シーザーの周囲を舞い始める花びらは、弾丸のように空を切り、刃のような切れ味をもってシーザーを執拗に狙う。
 グラスアボラスの至近距離から飛び退き、シーザーは花びらの動きを見極めて身を翻す。大半の花びらが光の剣で払い落とされるが、すり抜ける花びらはシーザーに裂傷を刻みに向かう。能力を活性化させたシーザーのオーラは花びらすらも弾き返し、わずかな傷にとどめた。
 シーザーを見据えるグラスアボラスは、猟兵たちとの距離を縮めるためにのそのそと動き出した。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ローズ・ベルシュタイン
■心情
さぁ、現れましたわね、ドラゴン。
人々の脅威となる存在は、私達が倒してあげますわ。

■行動
WIZ判定の行動

スチームエンジンを使用して、自身の武器を強化しておきますわね。
その後は、フェイントを織り交ぜて確実に攻撃を当てる様にし、
2回攻撃、マヒ攻撃、気絶攻撃などを駆使して攻撃。

フラワリングブレスやフラワーフィールドは、
ジャンプ、ダッシュ、見切り等で回避するように努め
どうしても回避できないなら、盾受けで防御。

花畑となった地形は、なぎ払いや範囲攻撃で
花畑を散らす様にしますわ。

ガーデン・オブ・ゲンティアナには
ダッシュで敵の攻撃範囲内から離れる様にしますわね。


フィーユ・エバーラスト
「なるほど……考えたね」
グラスアボラスに薬草を生やさせるとは見事な機転だ。
ボクには倒すことしか頭に無かった。
「けど、それなら一番得意な分野で役目を果たせばいいさ」

接近戦での強力な攻撃を仕掛けるために、【見切り】で息吹を回避しながら接近。
「この距離でなら、薬草を吹き飛ばす心配はないね」
敵の心臓に近い胴体に直接触れる。
【全力魔法】に【2回攻撃】で【襲奏雷撃】を放ち、強力な一撃をお見舞いする。

生体電流を強化している雷が活性化して体の外に迸り、駆ける度に銀の閃光を引くようになる。


紫谷・康行
魔法の基本は信じることだ
信じた分だけ力も強くなる
信じてもらえた分、それに答えなければいけない
それが信頼と言うこと
回る因果の中にいる
そのことを忘れぬように

相手が動きを止めたのなら【ルウォルビルの炎】を使い一気に片を付けよう
静かに右手に念を込め、竜だけを焼き払うよう炎の範囲を調整、優しくその体に触れる
仲間の願いでもあるし苦しめることは望まない、はじめから魔力を全力で注ぐ
「闇を照らす心の炎よ。我が熱情を受け強く燃え上がれ。この者を安らかに眠らせよ。鎮魂の炎を、手向けの光を、我に与えよ。」

竜を倒した後は薬草を拾い集める
村に行き薬師に薬を渡しつつ言う
「これはあの竜がもたらしたもの、竜に感謝するといい」



 緩慢な動作で立ち向かうグラスアボラスだが、広範囲に広がる息吹や咲き乱れる花々によって活力を得る能力で猟兵たちに対抗する。
「なるほど……考えたね」
 ――グラスアボラスに薬草を生やさせるとは見事な機転だ。ボクには倒すことしか頭に無かった。
 薬草が急成長した一帯を顧みながら、フィーユ・エバーラストは感心していた。
「けど、それなら一番得意な分野で役目を果たせばいいさ」
 自らの能力である銀の雷をその身にほとばしらせ、フィーユは切り込む瞬間を窺った。
 ローズ・ベルシュタインの剣に搭載された蒸気エンジンは、剣に魔力を供給する役目を果たし、その破壊力を増大させていく。その能力を駆使して、ローズは周囲の地面を覆い尽くす花々をなぎ払う。
「人々に脅威を与えるからには、覚悟を決めてもらいますわ!」
 そう言い放つローズはグラスアボラスに斬りかかろうと向かっていくが、グラスアボラスの息吹は音もなくローズの周囲を覆った。
 攻撃の兆候を風の音に紛れさせたグラスアボラスが制するように見えたが、ローズは霧の中から瞬時に抜け出す。むせ返るほどの活力の源が流れ込み、毒のように体を回る。神経がくらむ一瞬を乗り切り、ローズはグラスアボラスへと迫った。
 後ずさるグラスアボラスだが、到底ローズのスピードには敵わない動きで、一閃するローズの刃が巨体を怯ませる。
 ローズの斬撃は、グラスアボラスがショック状態を引き起こすほどの威力を放った。かすれたうなり声を発して、目を白黒させるグラスアボラス。紫谷・康行はその機会を逃さず、グラスアボラスの体に魔力を注ぐために接近する。
「闇を照らす心の炎よ。我が熱情を受け強く燃え上がれ――」
 そっとグラスアボラスに触れる康行の右手は、静かに 魔力を注ぎ込む。
「――この者を安らかに眠らせよ。鎮魂の炎を、手向けの光を、我に与えよ」
 炎の魔力を制御する康行は、グラスアボラスのみを燃え盛る炎で包む。
 一気に片をつけようとする康行は全力で魔力を注いでいくが、グラスアボラスは一際鋭い声を発し、炎に耐えながら抵抗を見せる。
 焦げつく花びらも混じる中、グラスアボラスが舞い上げる花びらは凶器となって康行を狙う。
 花びらから逃れるためにグラスアボラスから距離を取り、攻撃を振り切ろうとする康行。しかし、康行の周囲に集まる花びらは渦を巻き始め、康行を切り刻もうとする。
 グラスアボラスの攻撃を阻止するために果敢に乗り出したのは、雷電を帯びたフィーユだった。フィーユの残像は銀色の閃光となって尾を引き、グラスアボラスを圧倒する速さで至近距離に捉える。
 グラスアボラスの心臓を停止させようと、フィーユはその胴体に触れた。その瞬間、グラスアボラスの全身に電撃が走り、ひとしきり異様に震える声を発し続けた。
 凄まじい電撃によって、ふらつくグラスアボラスは遂にその身を地面に伏せた。煙をあげていたグラスアボラスの体は崩壊を始め、無数の花びらとなって崩れていった。
 風に乗って運ばれる花びらは、丘を下った付近の村に一時の春の光景を見せていた。
 村の薬師は、やがて約束を守り抜いた者たちの名前を知ることとなるだろう。
 率先して薬草の苗を確保した康行は、信じて避難をしてくれた薬師に苗を手渡したのであった。
「これはあの竜がもたらしたもの、竜に感謝するといい」

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年02月08日


挿絵イラスト