●
日が沈み始めた薄暗い森の中、その一郭に煌々と灯りの灯された場所があった。
そこはその森に住む部族の者が暮らす村。
胸に響くリズムと共に、今まさに宴が繰り広げられていた。
大地を踏み鳴らし。
ハンドドラムが打ち鳴らされ。
角笛が響きわたる。
腰ミノを振り歓声があげながら、宴に酔いしれる人々。
しかしその幸せは、長くは続かなかった。
夜の帳が落ち宴が佳境へと入った頃、突如森の中から動物たちが躍り出る。
本来温厚であるはずの動物たちが篝火を、人々を撥ね飛ばし走り去る。
喜びに満ちた宴は、瞬時に阿鼻叫喚に包まれた。
その狂乱が鎮まった頃……森の奥深くから、悪しき巨獣が現れる。
●
「部族の者を救って欲しい」
グリモアベースでそう猟兵たちに語りかけるのは、己もまた蛮族衣装に身を包むテオ・イェラキ(雄々しき蛮族・f00426)だ。
テオによれば事件はアックス&ウィザーズのとある部族の住まう土地で起こる。
その森の奥から現れた獣に人々が襲われる未来が予知されたというのだ。
同じ部族では無いものの、感情移入をつよくしている様子のテオは、いつも以上に真剣に頼み込む。
「部族として神聖な宴の最中……皆が言ったからといって、はいそうですかと避難はしてくれないだろう。皆には、まずは現地の部族に認められる必要がある」
被害を防ぐ為にも、まずは現地の人々を避難させる必要があるだろう。
その為には猟兵たちが心を通わせ、認められる必要がある。
つまりは宴に共に参加し、共に舞う必要があるのだ。
「人々を避難させた後、皆には森の奥深くへと向かってもらい、元凶を討伐して欲しい」
森の奥深くへと元凶を討つべく向かったのであれば、予知のように森の獣たちが襲ってくるだろう。
本来であれば温厚な動物も多く、その凶行には間違いなく元凶が存在する。
可能であれば命を奪わず、無力化して欲しい。
もしも心を通わせることが出来たなら、何か情報が得られるかもしれない。
そして動物たちをいなし、もしくは無力化することが出来たなら、森の奥深くから現れる、悪しき獣を討伐することが可能となるだろう。
「色々と面倒な頼みが多くてすまない……だが、何卒頼む」
赤きグリモア猟兵は猟兵たちを送り出す。
皆の安全を祈り、鼓舞の舞を踊りながら。
きみはる
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お世話になります、きみはるです。
今回はネタ要素強めになりますので、ご承知おき下さい。
一章:ドンドコドンドコ ウンババウンババしている現地住民にパッションとソウルを示し、尊敬されて下さい。
二章:暴れる動物たちを命を奪わずに無力化して下さい。心を通わせるプレイングに対しては、プレイングボーナスを与えます。
三章:最後は真面目にボス戦です。
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一章プレイング募集は、20日(木)8時31分~土曜昼までとなります。
二章以降は別途マスターページにて告知させて頂きます。
それでは、皆のソウルフルなプレイングをお待ちしております。
第1章 冒険
『魂を奮わせろ!』
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POW : 身体能力を発揮した踊りを見せる
SPD : 細やかなキレのある動きを披露する
WIZ : 熱意を身体全体で表現する
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
ザッフィーロ・アドラツィオーネ
宵f02925と
現地の者の舞は良くは解らんが…腰蓑か
その衣装はきっと隠す場所も少ないのだろう?
踊る度に腰蓑と上衣の合間から垣間見れる宵の腹はきっと愛らしかろう…と
…だが、もしや他の者にその愛らしい姿を見せる事になるのか…?
俺はどうすれば…!と一人悩みながらも、ジャージの上に腰蓑を纏った宵の姿を見れば何故だ!とツッコミを入れてしまうやもしれん
…俺の分のジャージもあるのか。そうか…
…別に何も言っては居らんぞ?
舞は現地の者の踊りを真似宵と舞おう
…宵の腹が見れぬ切なさを込めた舞はきっと鬼気迫る物になるに違いまい…
ああ、踊る宵も愛らしいな
惜しむべきは…その…、…
…くっ、…何故、何故ジャージ…なのだ…っ
逢坂・宵
ザッフィーロ君(f06826)と
踊り、ですか こういった原種的な踊りは寡聞にして疎く
社交の場で踊るような踊りしか知りませんが……
まぁ、パッションとハートがあればなんとかなるでしょう
踊りの衣装に困り
とは言え露出の高いものを着る気にもなれず
普段鍛錬の際に着ているジャージの上下を着てくれば
なにやら大変に落胆したらしいザッフィーロ君に首を傾げ
どうしましたか?
ああ、きみの分もありますよとかれの分のジャージを手にして声をかけるも
元気のなさそうなかれになおさら首を捻り
ハートとパッションを込めれば良いのですね?
ザッフィーロ君への想いをのせたこの踊り、とくとご覧くださいませ
●
「よく来た、猟兵たちよ……我らが宴に歓迎する」
猟兵たちを迎え入れたのは、腰が曲がった一人の老人であった。
族長を名乗る老人――その頭上に据えられた立派な羽の拵え物もまた、彼の権力を象徴していた。
その族長自身も、また他の者も含め、二人や他の猟兵たちに対し排他的な雰囲気は無く、むしろ歓迎するような、客人に対する丁寧な対応を見せていた。
一先ず宴の参加事態は問題なさそうだと、安心した様子を見せた猟兵たちの中で一人……ザッフィーロ・アドラツィオーネ(赦しの指輪・f06826)は険しい顔で族長を始めとした部族の者たちを見つめていた。
(腰蓑、か……)
ザッフィーロが細めたその眼で見つめていたのは、族長の腰に巻かれた藁で出来た衣服――俗に言う腰蓑である。
藁で編まれたその独特の外衣。
部族の者は男女問わず纏っているそれは、身体を隠すという衣類本来の役割において効果を発揮する面積は、決して広いとは言えないだろう。
彼が心配しているのは、それを己が身に着けた際に恥ずかしいか否か、といった問題では無い。
彼と連れ添う相棒――逢坂・宵(天廻アストロラーベ・f02925)のことだ。
(踊る度に腰蓑と上衣の合間から垣間見れる宵の腹はきっと愛らしかろう……だが、もしや他の者にその愛らしい姿を見せる事になるのか?)
普段見れない恰好の宵。
その姿を見たいと思うものの、他の者には見せたくないという矛盾がザッフィーロの胸中を駆け巡る。
どうしたものをかと悶々と悩んでいると、ふと背後から己を呼ぶ声に気付いた。
「ザッフィーロ君、どうしました?」
その呼び声に思わず身体の動きを止めるザッフィーロ。
ドキドキしながらゆっくりと振り返った視線を向けた先には、何故か“ジャージの上から”腰蓑を身に着けた宵の姿。
「何故だ!」
彼の想像から斜め上の映像を捉えたザッフィーロは、思わず腹の底から声をあげるのであった。
●
宵は、何故か気落ちした様子のザッフィーロを不思議そうに眺める。
急に大声をあげたザッフィーロの様子に目を白黒させた宵。
自分もジャージが欲しかったのかと思い、彼の為に用意していたものを渡したものの、何やら元気が出た様子は無い。
一体何が不満なのかと首を捻るものの、宴は既に始まっているのだ。
腑に落ちない部分は残っても今は目の前の仕事に集中せねばなるまいと、宵は視線を前へと向けるのであった。
視線の先では、自分たちを含め円を描くように人々が楽器を鳴らし、手を叩き、大地を踏みしめている。
その円の中心では一曲につき数名ずつ、代わる代わるに舞を披露していた。
ラテンのリズム、とでも言えば良いのだろうか?
独特の拍子に合わせて体を揺らすその様子は、一見決まりがあるようでその実自由。
好き好きに舞を披露する人々を眺めていると、そろそろ自分たちの手番がやって来たようだ。
(ハートとパッションを込めれば良いのですね? ザッフィーロ君への想いをのせたこの踊り、とくとご覧くださいませ)
宵が込めるのは、愛する者への感情。
これまで目にした部族の者の踊りを見様見真似で身体を揺らす。
時に寄り添い、時には身を離す。
その動きの一つ一つから読み取れる感情の機微が、思わず見守る者に溜息をつかせる。
(ああ、踊る宵も愛らしいな……惜しむべきは、その……くっ……何故、何故ジャージ……なのだっ)
対し、ザッフィーロが表現するのは激情と悲哀。
彼の胸中では宵の踊りを見ることが出来る喜びと、その恰好がジャージという残念さによる悲しみの相反する激情が荒れ狂っていた。
同じく見様見真似で振るう四肢の動きの一つ一つが感情の荒々しさを表現し、そして何よりその鬼気迫る表情と雰囲気がまた、その舞の深みを強めていた。
その圧力に舞を見守る観客もまた思わず息を呑む。
そして音楽が激しくになっていくにつれ、その動きもまた激しさを増す。
「何故だっ!」
曲のフィナーレと共にこぼれ出る激情。
人々は口笛と拍手と共に二人の舞を祝福したのであった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
イネス・オルティス
故郷の隠れ里とはまた違うけれど何だか懐かしい雰囲気ね
お近づきの印ではないけれど、ビキニアーマーの女戦士の”パフォーマンス”を見せましょう
周りと自分”鼓舞”するように【薄衣甲冑覚醒】
ドンッと大地を”踏みつけ”腰を落とし”怪力”を活かした
”串刺し””なぎ払い”等の槍の動きを模した”ダンス”を見せる
激しい動きで”存在感”ある胸が揺れたりして周りを”誘惑”するかもしれませんが、
”恥ずかしさ耐性”のあるイネスにそのつもりはありません
アドリブ・絡み・可 ””内技能
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「故郷の隠れ里とはまた違うけれど何だか懐かしい雰囲気ね」
布地の少ない鎧――ビキニアーマーに身を包んだ女性、イネス・オルティス(隠れ里の女戦士・f06902)はその村の様子に懐かしさを感じる。
故郷の隠れ里とはまた違った様相の村人たち。
しかしその自由で自然と共に生きる姿を見て、イネスはどこか懐かしさを感じた。
「お近づきの印……ではないけれど、ビキニアーマーの女戦士のパフォーマンスを見せましょう」
イネスが猟兵たちと共に参加するのは、部族の者たちが神聖なものとして大事にしている宴。
であれば彼女もまた己が大事にしているものをもってして、彼らの宴を盛り上げたいと、そう感じるのであった。
「今、伝統の鎧は伝説の鎧へ進化する」
彼女は『薄衣甲冑覚醒』により自身が身に纏うビキニアーマーを変化させる。
込めるのは彼女の隠れ里で信仰されていた守護精霊――ビキニアーマーの精霊への想いだ。
ビキニアーマーを信頼し、ビキニアーマーを身に纏い、ビキニアーマーと共に戦ってきた英霊たちを敬い、ビキニアーマーの守護精霊を信仰する。
それはビキニアーマーのビキニアーマーによるビキニアーマーの為の信仰。
ビキニーアップしたイネスのビキニアーマーはよりビキニ化し、伝統のビキニアーマーがビキナイゼーションし伝説のビキニアーマーと化す。
もはやそれはビキニアーマーの最終形態――マイクロビキニアーマーと言っても過言ではないかもしれない。
見守る部族の者達は何だか付いていけてないが、とりあえずイネスが神々しいオーラを身に纏い始めたことは理解した。
「せっ、はっ!」
イネスが舞うのは戦士の武舞。
その四肢の動きの一つ一つが武威を示す。
しかしそれを見守る部族たちにその勢いに呑まれることは無い。
何故ならば男女問わず、その視線は荒ぶるイネスの双球に目を奪われていたからだ。
しかしその視線にイネスが気圧された様子も、恥じる様子も無い。
何故ならば普段からビキニアーマーを身に纏う彼女にとって、その程度の視線など“慣れたもの”なのだ。
ビキニアーマーに栄光あれ!
大成功
🔵🔵🔵
名雪・瑠珠
「危ないから神聖な宴を中断して逃げろ」だけじゃ逃げない
そりゃそうであろうなあ
心を通わせるために舞え、と
ふっふっふ、そういうのも好きであるぞ!
彼らの作法は知らぬが、宴も儀式も気・持・ちが大切なのだ!
最初は彼らの舞を見て似た感じで踊りはじめるが、すぐ気持ちは乗って違う舞になるであろうな(おおかた脚を使う武術が混ざるだろう)
だがそんなことは気にせぬ!
気にするのは舞に込められた気持ちだ
楽しげな舞か、悲しげな舞か、喜びの舞なのか
どう見分けるか、だと?
そんなもの彼らを見ていればビンビンと伝わってくるであろう!
今は聞いた予知もこのあとの仕事のことも忘れて宴を全身全霊楽しむのである!
※連携アドリブ歓迎であるぞ
●
「心を通わせるために舞え、と……ふっふっふ、そういうのも好きであるぞ!」
和服でありながらもミニスカートへと改造されたけしからん衣装を身に纏った少女――名雪・瑠珠(羅刹のバーバリアン・f25092)は嬉しそうに笑みを零す。
彼らの作法などもちろん知らぬものの、不躾に神聖な宴を中断して逃げろと言うこと自体が、大層無礼な話であることは理解が出来る。
故に瑠珠は全身全霊を以って宴に参加する。
それこそが、神聖なる宴に快く来訪者である猟兵たちを受け入れてくれた彼らに対する礼儀なのだから。
「宴も儀式も気・持・ちが大切なのだ!」
見様見真似で体を震わせる瑠珠。
最初は慣れぬ動きでぎこちなさが残るものの、その軽快なリズムで打ち鳴らされるハンドドラムが瑠珠の動きをアップテンポに変えていく。
その動きは段々と速さと鋭さを増していく。
意気揚々と笑顔で瑠珠が踊るその舞は、ついには回りの部族のモノとは別物へと変化していった。
「だがそんなことは気にせぬ!」
正しいか、正しくないのか。
大事なのは、そこでは無い……宴を心から楽しむのか、一参加者として、盛り上げることが出来るのか。
つまりは全ては、気持ち次第なのだ。
大事なのは、部族の者たちと心を通わせること。
彼らが踊りたいのは楽しげな舞なのかか、悲しげな舞なのかか、はたまた喜びの舞なのか。
部族の者たちの踊りを理解できぬ己に、果たしてそれが理解できるのか……。
(どう見分けるか、だと? そんなもの彼らを見ていればビンビンと伝わってくるであろう!)
そのような不安など無用。
何故ならば舞とは、ダンスとは、パッションで踊り、ソウルで感じるものだからだ。
瑠珠は踊る。
心の底から楽しんで、身体の奥底から全ての体力を振り絞って全力で。
そこには後のことなど、欠片も考えてはいない。
その瞬間を全力で生き、その瞬間を全力で楽しんでいるのだ。
このあとの仕事のことなど――完全に忘れているのだ!
成功
🔵🔵🔴
ヨハン・バルクレイン
祭りに踊り、いいねいいね楽しいよね!
さあ行こうかエレン。俺らのコンビネーションを見せつけるぞ!
え、何?聞いてない?言ってないからね!
そもそも大切な時間が邪魔されるのはダメだから行く、って言ったのは君でしょ。
『ここまで手伝うとか言ってない』
とか言ってなんだかんだで来てくれるよね。俺らはずっと一緒だから。ほら【覚悟】決めて。俺は行くよ。
『ヨハンがどんくさいからだ』
はいはいそうだよ。ほら手伝って。
『さっさと終わらせる。俺はすぐ帰るから』
踊りとかわかんないけど、周りの動きを【見切って】、【第六感】でエレンと示し合わせて、見様見真似で頑張ろう。
●
「祭りに踊り、いいねいいね楽しいよね! さあ行こうかエレン。俺らのコンビネーションを見せつけるぞ!」
溌剌とした青年――ヨハン・バルクレイン(ふたりぼっち・f13945)は楽しそうに独り言を零す。
否、傍から見れば独り言にしか見れないそれは、決して独り言では無い。
彼が話しかけていたのはヨハンの中に存在する内在人学――双子の弟であるエレンであった。
「え、何? 聞いてない? 言ってないからね!」
すぐさま己の内から帰ってきた否定的な言葉に、悪びれも無くわざと言っていなかったと返答するヨハン。
エレンの性格を考えると、人前で踊るなどと言えば依頼への参加自体を大反対されるに違いない。
そう感じたヨハンは、最初からエレンに伝えなかったのだ。
「そもそも大切な時間が邪魔されるのはダメだから行く、って言ったのは君でしょ」
概要を伝えた際に依頼の参加自体に賛成したのはエレンも同じ。
部族の者たちにとって神聖な宴を台無しにしてはならないと、依頼への参加を快諾したのだ。
ただし、その情報には先のエレンの文句にあったように、一部の情報が“意図的に”省かれていたのだが。
「なんだかんだで来てくれるよね。俺らはずっと一緒だから。ほら、覚悟決めて……俺は行くよ」
未だにぶつぶつと不満げな言葉を続けるエレンの言葉を笑い飛ばす。
その彼の言葉の一部が琴線に触れたのだろうか。
それまで静かに文句を言っていたエレンの言葉に、ヨハンは熱を感じた。
ドンくさいだなんだと、暴言に近い言葉を投げかけるも、ヨハンは欠片も気を悪くした様子は無い。
「はいはいそうだよ。ほら手伝って」
何故なら彼は、それがエレンの照れ隠しなのだとよく理解していたから。
「さっさと終わらせる……俺はすぐ帰るから」
“耳元”から突如聞こえた不満げな声に驚くことなく、ヨハンは歩を進める。
周囲から集まる驚きに満ちた人々の視線にくすりと笑いながら。
――“二人”で共に舞う為に。
成功
🔵🔵🔴
ポク・ョゥョゥ
どんどこするのーどんどこってなーにー?
踊ったりするのー?わかったのー
ぽくだよーぱんだなのー
楽しそうな音してるのーぽくもまぜてー
踊るよーぱんだ踊りするよー
お友達のーぱくも一緒に踊るよー
ぱくはドラゴンだけどー大人しいよー大丈夫ー
いっくよー
ぽよんぽよん跳ねたりーお尻ふったりー元気いっぱいゆるゆる踊るよー
ぽくはちょっと形が変わったり出来るぱんだなのー
笛も吹くよーぷっぷこぺーぴこー
上手でしょーえへんー
踊ったりー演奏したりしてーあー。ご飯も食べてるのー?
おいしーぽくっきーあげるのー手作りだよー
おいしー?よかったー
演奏して踊ってクッキーも作れるぱんだなのーすごいー?やったー
あがめよー
最後はぺかーって光るよー
●
「ぽくだよーぱんだなのー」
一見パンダのように見える恰好をしたブラックタール――ポク・ョゥョゥ(よろしくなの~・f12425)は間延びした声をあげながら立ち上がる。
「楽しそうな音してるのーぽくもまぜてー」
そのふわもこなパンダウェアーの上から腰蓑を身に着け、意気揚々といった様相で輪の中へと進んでいく。
「踊るよーぱんだ踊りするよー」
果たしてぱんだ踊りとは一体何なのか。
それは部族の者たちには、それどころか共に依頼に挑む猟兵たちをもってしても理解は出来ない。
腰をふりふり、お尻もふりふり。
その可愛らしさに胸をキュンとさせたオーディエンスは、皆一様に穏やかな笑みを浮かべポクの踊りを見守る。
「お友達のーぱくも一緒に踊るよー」
ついでに現れた白竜――パクと共にゆったり踊る。
一緒に腰をふりふり、ぴょんぴょん跳ねて。
パクにドリブルされるという高度なコンビネーションまで披露する。
「ぽくはちょっと形が変わったり出来るぱんだなのー」
ついつい忘れてしまうが、彼は決してパンダでは無い。
パンダのようなブラックタールなのだ。
「ぷっぷこぺーぴこー」
踊りをゆるく踊るポクのテンションは最高潮へと達していく。
傍目には変わらずゆったりまったり踊っているか、本人の脳内ではアップテンポなビートを刻んでいるのだ。
テンションの上がったポクはついにはダンスどころだけに留まらず演奏にも参戦。
その胸に下げられた笛を一生懸命鳴らしていく。
もはやドラムのリズムなど関係なく、皆でゆったりとした手拍子を刻む。
「上手でしょーえへんー」
自信満々に演奏を終えたポクへと、優しい拍手を送る観客たち。
何だかよく分からないが、宴が最早終わったかのような穏やかな空気が周囲を包んでいた。
「あがめよー」
こうして宴は終わりを迎える。
光る何かを囲いながら。
大成功
🔵🔵🔵
第2章 冒険
『逃げ出す動物たち』
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POW : 大胆に調査
SPD : 慎重に調査
WIZ : アイテムや技能を活用
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
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「なるほど……猟兵たちの話を信じよう」
宴の盛り上がりが最高潮を迎えた後、猟兵たちは事件の内容を部族の者たちへと打ち明けた。
彼らの心配を他所に、部族の者たちは宴の切り上げと避難を快く受け入れる。
それは彼らと猟兵たちとの間に生まれた信頼関係故。
そして何より猟兵たちの飛び入り参加により普段以上に盛り上がった宴に彼らが満足したが故だろう。
「だが、やはり村は捨てられない……すまないが、森を宜しく頼む」
一時避難は受け入れられても、移住までは受け入れられない。
故にその森の異変を何とかして欲しいという願いを受け、猟兵たちは森へと足を踏み入れた。
猟兵たちが森の奥へと足を踏み入れた頃、既に日は沈み、森に不気味な気配が広がっていた。
自然と共に過ごす者であれば気付いただろう……夜の森では有り得ないほど、森がザワついていることに。
そうして奥へ、奥へと足を進めていくと、ふとした気配を察知し足を止める。
周囲には殺気立った無数の瞳に囲まれていた。
これが狼の群れであれば、猟兵たちも決して戸惑いは感じなかっただろう。
しかし猟兵たちは驚きを覚える――その周囲を囲うのが、草食獣たちであるが故に。
鹿が、馬が、牛が、鹿が、猪が……。
それどころか猿も、ゴリラも、鳥さえも。
ありとあらゆる動物たちが、殺気立ち猟兵たちを睨みつけている。
そう、睨みつけているのだ。
決して狂っているわけでは無い、焦点の合った知性を感じる視線で。
イネス・オルティス
これは、進路を妨げてくれるなってところかしら?
正直よくわからないけれど村の人たちを襲わせるわけにはいかないわ
正直圧力がすごいけれど”気合い”を入れて”覚悟”決めないと
村を”かばう”様に立ち、【薄衣甲冑覚醒 弐】で”存在感”を際立たせ
動物たちを”おびき寄せ”る
よく観察して”野生の勘”に引っかかるものはないか”情報収集”
場合によっては”恫喝”の要領で足止めをしないといけないかもね
アドリブ・絡み・可 ””内技能
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「これは、進路を妨げてくれるなってところかしら?」
イネス・オルティス(隠れ里の女戦士・f06902)は周囲を囲うようにこちらを睨みつける動物たちを見つめ、言葉をこぼす。
正直に言えば、イネスにはこの状況について理解は出来ない。
その露わになった素肌にビリビリと殺気を感じながらも、気圧ぬよう気合いを新たに相対する。
その瞳には絶対に村は襲わせまいと、確固たる強い意志が宿っていた。
「今、伝統の鎧を依り代に伝説再誕」
イネスはその身に纏いしビキニアーマーに対し、さらなるビキニーアップによる強化を行なう。
彼女が身に纏うビキニアーマーは神々しいオーラを放つ。
その圧倒的な存在感は闇夜に沈んだ森の暗闇に紛れ、猟兵たちを迂回せんと歩を進めていた動物たちすら目を奪われるほどだ。
警戒し、距離をとりながらもこちらを伺う動物たちのうち、覚悟を決めたのだろう一頭――雄々しい猪が前へ踏み出す。
その瞳には強者たるイネスの圧力に気圧された様子も無く、彼女同様の確固たる意志を感じる。
こちらへの突撃を向けて地面を何度も蹴るその様子に彼女の野生の感が警鐘を鳴らす。
何かがおかしい――その決死の覚悟すら感じる動物たちの圧力に、自然の摂理とは相反した何かを感じるのだ。
(足止めの為には……)
この異常な状態には何か事情があるのであろう。
だがそれでも、背後の村を守る為には力を振るうことを決意する。
イネスがその手に握る槍を振るえば、その圧倒的膂力から放たれる衝撃波が地面すら抉れる。
それは――それ以上進めば命は無いという明確な威嚇。
眼前の猪は唸り声をあげながらも歩を止める。
そこには、強者同士故に踏み出せぬ静かなる戦いが繰り広げられていた。
成功
🔵🔵🔴
逢坂・宵
ザッフィーロ(f06826)と
まだ謎の衝撃を受けている様子のかれを横目で見て首を捻りつつも
村人たちに一時避難を承諾していただけてよかったですねと返しましょう
周囲を囲む動物たちを目にしたならばざっと視線を走らせ
挑発的に感じられないように視線の位置、声音には注意を払いましょう
刺激しないよう距離を取って、かれと視線を交わしたならば試してみるほかありませんと視線に込め
「動物と話す」「優しさ」を活用して何かあったのですかと問いかけてみましょう
攻撃されたならば「オーラ防御」で防ぎつつ「マヒ攻撃」で無力化したく
本当になにがあったのでしょうね……穏やかではありません
ザッフィーロ・アドラツィオーネ
宵f02925と
無事一時避難を受け入れて貰え良かったが…が…
……何故ジャージなのだ…と。先の衝撃から立ち直れぬ侭宵と共に森を進むも、先の村人達とは違い決して友好的ではない瞳で見つめ来る動物達を見れば、警戒させぬ様足を止めよう
草食動物だけ…という事が少々気になるが…何か原因があるのだろうか?
そう宵へ視線を交わしつつ離れた場所から落ち着いた声音で動物達へ声をかけてみる
ミニュイとメレンガ…子猫と子犬と共に暮らしているせいか『動物会話』ー意思の疎通はなんとなく出来るようになってきたように感じる故に
もし動物が襲い掛かってきたならば素手にて『気絶攻撃』をして対応したい
本当に、何があったのだろうな…?
●
「村人たちに一時避難を承諾していただけてよかったですね」
ジャージから普段依頼で纏う衣装へと着替えた逢坂・宵(天廻アストロラーベ・f02925)は、傍らに立つザッフィーロ・アドラツィオーネ(赦しの指輪・f06826)へと声をかける。
「あぁ、無事一時避難を受け入れて貰え良かったが、が……」
対し、返事を返すザッフィーロは未だ宴の中でも感じた気落ちした様子から立ち直っていない様子。
何か凹むことでもあったものかと、宵は不思議そうに首をかしげながら共に暗闇に沈んだ森を歩く。
ブツブツといまいち聞き取り切れない小さな声で呟く言葉から、何故、だのジャージ、だのと意味不明な単語が耳に届くが、どうにもそれぞれの単語が繋がることで有り得る事情というものが、宵には理解出来ないでいた。
そうして二人が弛緩した雰囲気のまま歩いていると、その行く先が動物たちに取り囲まれていることにふと気づき、足を止める。
やけに殺気立った雰囲気からこれが予知にあった村を襲うはずだった動物たちだと確信する二人。
しかしよくよく見れば、それは本来温厚なはずの草食獣たち。
それも様々な種類が混ざった群れに違和感を感じ、注意が必要だと互いに視線を交わす。
これまで幾度となく、様々な戦いに共に挑んできた二人。
そこには余計な会話など必要無い――命を奪わずに無力化する、グリモアベースでの頼みを思い出しながら、二人はその戦場へと足を踏み入れるのであった。
「大丈夫、大丈夫だぞ?」
ザッフィーロは眼前のゴリラへと害する意思は無いとばかりに両手を広げる。
彼が想い出すのは自身が共に暮らす子猫と子犬――ミニュイとメレンガだ。
興奮させぬよう手を頭上からでは無く下から伸ばす。
大丈夫、大丈夫だと……心穏やかに言い聞かせれば、目の前で興奮した様子でドラミングを続けるゴリラとだって会話が成立し、犬や猫のように見えて来るはずだ。
『コロス!』
ちょっとこの殺気溢れるゴリラに対し可愛い同居人を意識して同一視するのはさすがに無理があったかとザッフィーロは気を取り直す。
「少し、落ち着くといい」
そのまま岩をも砕かんという勢いで振るわれるゴリラの拳をつかむと、そのまま持ち上げ、叩きつけることで気絶させる。
たとえ平均握力は500kgという人間とは比較にならない筋力を誇るゴリラとはいえ、同じく人間離れした身体能力へと鍛え上げられた猟兵たるザッフィーロにかかれば、素手で気絶させることなど容易なことなのだ。
「何かあったのですか?」
宵もまた、眼前の鹿へと優し気な声色で声をかける。
動物を刺激させぬよう視線を低く、声量は小さく。
指先の動きまで配慮され、動物たちの心の機微を読み取ろうという宵の行動。
それでも尚、大地を蹴りこちらへと疾駆する鹿は宵を貫くべく、その頭上にそびえ立つ立派な角を突き立てんと、駆ける勢いそのままに突撃する。
しかしその狂気は彼の身に纏うローブを貫くことは出来ない。
何故ならそこには――不可視の盾により守られていた為だ。
『マケラレナイ』
宵が猟兵として得た動物と意思を疎通する為の力が、彼らの悲壮感と決意を伝えて来る。
説得は難しいことを感じ取った宵は杖を振るう。
せめて彼らを傷つけぬよう、動きを止める為に。
「何があったのだろうな……」
「えぇ、本当になにがあったのでしょうね……穏やかではありません」
心優しき二人は森の奥を睨みつける。
奥深くから……邪悪な気配を感じながら。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
名雪・瑠珠
ふむ、睨んでいる理由があるであるか?
獣と言葉を交わす術はないであるから、理由を聞く他の猟兵がいたら助かるな
居ないなら言葉が通じて反応を返す可能性に賭けて話しかける
やれることはやるのである!
人族が危害を加える等の誤解ならそんなことはせぬと態度で示す
武器は捨て、なんなら腹も見せるであるぞ
睨まれる原因がすでに起きた事柄ならそれは誤解かそう思い込まされているであろうから違うと説得
納得してもらえないなら彼らの注意を引く行動(話の内容からその場で考える)をして走り去る!
彼らをできるだけ引きつけて他の猟兵達が原因者のもとに行く道を作るのだ!
話ができぬ場合はUCで地面を叩き物理的に驚かせるが、これは最終手段だ
●
「ふむ、睨んでいる理由があるであるか?」
名雪・瑠珠(羅刹のバーバリアン・f25092)は悩みながら睥睨する動物たちを見回す。
正直、動物たちと会話する手段など瑠珠は持たぬし、こうしてこちらに敵意を向ける彼らの事情など、推察する術を持たない。
これまでの戦いの中でも見かけてきた、動物と会話する術を持つ猟兵――そうした仲間に頼りたいという気持ちもある。
だが多くの動物に囲まれているこの状況。
他の者は他の者で相対している動物への対応で手いっぱいであり、今まさにこちらへと敵意をむく己が身長以上の巨躯を誇る動物――馬に対し、助力を求めるというのは難しいものがあろう。
であるのならば仕方は無い。
名雪・瑠珠は無いモノ強請りをウジウジとするような女子では無い。
その時その時を全力で生き、ベストを尽くす少女なのだ。
「やれることはやるのである!」
まず瑠珠が試すのは対話。
己が動物と会話する異能を持たぬことは重々承知の上。
だが不思議と感じる知性に一欠片の希望を乗せ、必死に声をかける。
その動物へと語りかける様子は見るものを和ませる可愛らしさがあるものの、苛立たし気に嘶き鬣を振るう眼前の馬には、通じた様子は欠片もなかった。
賭けとしては分が悪い合ったことは重々承知の上。
それでもワンチャンいけるんじゃないかなと思っていた瑠珠は、ちょっぴり気落ちしながら次なる手段へと挑む。
「ならば、これでどうだ!」
次なる手段はボディーランゲージ。
交戦の意思が無いことを示すにはこれしかないとばかりに、地面へと寝ころんだ瑠珠は降伏のポーズとして知られるように、腹を見せる。
実際にたくし上げられた衣類から顔を出すその腹部は、チャーミングかつセクシーであり見るものを魅了させる。
しかしそれはあくまで相手が人間であればのこと。
可愛らしいおヘソに気を取られることの無かった馬は、その凶器に等しい蹄を腹部目掛けて振り下ろす。
とっさに身を翻した彼女は、悔し気に口を結ぶのであった。
「くぅっ……仕方ない、最後の手段なのだ!」
残された手段は多くは無く、彼女が取り得た手段は陽動。
身を翻した彼女はそのまま後ろに向かって前進する。
これは撤退では無い……少しでも動物たちを惹きつけ、他の猟兵たちが森の奥へと進めることが出来るようにと配慮されたコンビネーションだ。
だからその選択肢は、決して悔しいものなんかじゃ無いのだ。
涙を堪え走る瑠珠の未来は、どっちだ!?
大成功
🔵🔵🔵
月殿山・鬼照(サポート)
元山岳信仰の修行僧なので、信心深くクソ真面目。
控えめではありますが、仲間を護る行動に躊躇いはないので、遠慮無く盾にしてください。
台詞が設定されていないユーベルコード発動時には、真言を唱えます。
「ノウマク サンマンダ バザラダン センダ……」
バカ正直なので自ら知略的な行動を取ることは少ないですが、与えられた役目は一生懸命こなします。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
あとはおまかせ。アドリブネタ連携なんでも大丈夫です。よろしくおねがいします!
●
「貴殿らにも事情があるのでござろう」
月殿山・鬼照(不動明王の守護有れかし・f03371)は確固たる意志を瞳に宿らせ、こちらへと殺気を向ける動物たちを眺め、言葉をかける。
彼は動物と心を通わせる術を持ってはいない。
しかし動物たちの瞳に輝く決意が、彼らとて引けぬものがあるのだと、鬼照の心に響くものがあったのだ。
「しかし拙者も引くわけにはいかないのでござる」
しかし鬼照とて、今は人々を救うために依頼に挑んでいるのだ。
部族の人々の願いを受け、彼らの生活を守る為にも、引くわけにはいかない。
しかしそれと同時に、この気高さすら感じる動物たちを決して殺めたくないと、助けたいとも感じるのであった。
「魔道……調伏!」
鬼照が放つのは破魔の力を持つ煙幕弾。
この技であれば動物たちを傷つけることは無い。
そして彼らが魔の力に侵されているのであれば助けることが出来、そうでなくともこの囲まれた状態から脱することが出来るのだ。
「すまぬ」
視界を遮る煙幕に紛れ、鬼照は眼前の動物たちへと接敵する。
大柄な猿の顎を殴り、荒ぶる猪の牙をつかむと地面へと叩きつける。
攻めて怪我をさせぬよう、手加減された攻撃。
煙に紛れて一匹、また一匹と動物たちを気絶させていく。
もしかしたら、もっと上手い方法があるのかもしれない。
しかし鬼照は迷わない。
今自分に出来る最善を選び、今自分に出来る最大に挑む。
たとえ動物たちに配慮するあまり、攻撃を受け自分の身が傷つこうとも。
自分の信じた道を往く修行僧は、信じるがまま先へと進むのだった。
成功
🔵🔵🔴
風雷堂・顕吉(サポート)
アドリブ連携歓迎
約100年前、ダークセイヴァーの人類敗北以来、ヴァンパイアとの死闘を細々と繰り広げてきたダンピール、それが俺だ。
ダークセイヴァー世界の大抵のヴァンパイア相手ならそれがどのような血族かは知っているし、知らなくとも調べる伝手はある。
それ以外の世界については物珍しそうに振る舞うことになる。すぐに慣れるだろう。
ダークセイヴァーとスペースシップワールド以外の世界は日差しが強すぎるので、サングラスを着用する。
戦闘は剣士の動きだ。
フェイントを多用する。相手が格上や多数の場合は挑発をして隙を作ることもある。
次に参加する猟兵が戦いやすい状況を作ることも多い。
●
「夜で良かった……」
風雷堂・顕吉(ヴァンパイアハンター・f03119)は宵闇に沈む森の中を猟兵たちと共に歩く。
先ほどまで村で開催されていた宴であっても、夕暮れ故に普段ほど辛く感じないものの、煌々と周囲を照らす焚き火に囲まれれば、それはそれで何か居心地の悪さを感じていたのだ。
それに対し、この常人であれば数歩先も見通すことが難しい暗闇は何と素晴らしいことか。
ダンピールとしての血が、顕吉の中で騒めくのを感じていた。
「しかしこの世界の夜は随分と無粋なようだな」
本来であれば静まりかえった夜の森。
しかし今まさにこちらへ襲い掛からんと殺気立つ動物たちの視線が、その存在が、森の中の他の動植物へと伝わっているのだろうか――森全体がどこか騒めいているのを感じていた。
「あまり故郷では見ない動物も多いな……ふむ」
その深紅の瞳で動物たちをねめつける顕吉。
普段ダークセイヴァーで暮らす彼にとって、様々な動物たちが集う群れを見かけるのは、物珍しい光景。
ピリピリと殺気立つ空気も厭わず、興味深げに辺りを見回す。
しかしそれもすぐに興味を失ったのだろう。
この場を収めるべく、今まさにこちらへ襲い掛からんとしている動物たちを収めるべく、その瞳に力を込めるのであった。
「ふむ、ちょっといいかな?」
まるで宝石のような深みのある瞳に、怪しげな光が宿る。
それは催眠の力を持つ魅了の瞳。
顕吉と視線を合わせた動物たちは、全身を脱力させ次々と倒れていく。
一見死んだかと思うほどの衝撃的な映像。
しかしよくよく見れば、動物たちの呼吸は穏やかで、唯々眠っているのが見て取れる。
それは冷たき空気を纏うヴァンパイアハンターの、精一杯の優しさであった。
成功
🔵🔵🔴
ポク・ョゥョゥ
動物たん達怒ってるのー?どしたのー?
ぽくとあそぼー
ぽくのふえはねー、動物たんといしそつー?できるのー
笛吹いて~怒らないで~って気持ちだしてみるおー
怖いぱんだじゃないよーゆるいよー
仲良くしよー
およー突進してきちゃうー?
うまく笛吹けないな~そうだー
ぽくっきー食べるのーぽくが増えるよー
増えたぽくで鬼ごっこするのーあっちこっち逃げるよ~
その間に笛吹いて~応えてくれた動物たんといしそつーするのー
ぽく達はねー動物たんのおうちをお助けにきたんだよー
安心していいんだよー
ぽくが動物たん達を困らせる子にめっしてくるから~
それまで避難しててほしーなー
そんな感じを演奏で伝えるんだおー
仲良くなったらぎゅーとかしたいなー
●
「ぽくとあそぼー」
ポク・ョゥョゥ(よろしくなの~・f12425)は殺気立つ動物たちに対し、何でもないとばかりに朗らかに笑う。
そこには気負った様子は一切なく、きっと動物たちと分かり合えるのだと信じ切った笑顔がそこにはあった。
「怖いぱんだじゃないよーゆるいよー仲良くしよー」
ポクは動物たちと心を交わすべく、その首から下げられた笛を吹こうとする。
自分は怖くないと、優しいのだと。
まぁ怖いか否かもそうだが、そもそもパンダでは無いのだが。
「およー突進してきちゃうー?」
しかし荒れ狂う動物たちは、まったりとしたポクがゆっくり笛を吹く時間を呑気に与えてはくれない。
次から次へと飛び掛かる動物たちをひらりひらりと避けるポクは、なんだか少し困り顔。
どうしたものかとうーんうーんと悩んでいれば、良いアイデアを思い付いたとばかりに、その表情を花の咲いたような笑顔へと変える。
「ぽくっきー食べるのー」
ポクが取り出したのは彼と同じ顔をしたチョコレートクッキー。
「いただきまーしゅ」
美味しそうな顔をしてパンダ柄のクッキーをボリボリと食べるポク。
するとどうしたことだろうか。
そのパンダ柄のブラックタールが次から次へと増えていくではないか。
続々と増えるポクを追いかける動物たち。
殺気立ち追いかける動物たちに反し、追われる分身たちの表情は追いかけっことばかりにキャッキャと笑い、悲壮感は無い。
そうして時間を稼いでいるうちに、ポク本体は笛の音を鳴らすのだ。
この優しい音色が、動物たちの心に響くと信じて。
きっと笑い合い、抱きしめられることを願って。
大成功
🔵🔵🔵
ヨハン・バルクレイン
んん、なんだろう変だよね。本当は大人しい性格ばかりはずだし。
『やるか?』
いや、出てこなくて大丈夫だよ。こらボリスに触らない。
皆、多分怖いんだろうね。今の君も同じ目をしているんじゃないかな。
『刺激するな、と』
そ、だから手は出さない。まあ口出しはするけど。
『俺の出番はないか』
今は、ね。後でたくさん頑張ってもらうからいいよ!
『後で覚えてろ』
ファウストの【演奏】を通じて【動物と意思疎通】をしてみるよ。獣使いの本領発揮、ってやつだね。
俺らは、君たちを助けに来た。君たちの家族を守りに来た。俺らにはその力がある。
皆をいじめる奴をやっつけに来たんだ。どんな奴か教えてほしいな。
ところで、御大将はどんな奴だろう?
●
「んん、なんだろう変だよね……本当は大人しい性格ばかりはずだし」
ヨハン・バルクレイン(ふたりぼっち・f13945)はこちらへと殺気を込めた視線を送る動物たちを眺め、不思議そうに言葉を零す。
『やるか?』
ヨハンに対し言葉を返すのは、彼の内在人格たるエレン。
寂しがりで引っ込み思案なヨハンの弟は、どうにも口が悪いのだ。
「いや、出てこなくて大丈夫だよ……こらボリスに触らない」
物騒な言葉を心の内に響かせるエレンに苦笑したヨハンは、勝手に愛用のドラゴンランスへと手を伸ばそうとするやんちゃな弟をなだめるように優しく窘める。
なんだかこちらを睨みつけながら囲う動物たちがこの弟と被って見え、エレンは張り詰めた空気に反し思わず吹き出しそうになってしまうのだった。
「皆、多分怖いんだろうね。今の君も同じ目をしているんじゃないかな」
見ることが出来ずとも、ヨハンの表情は鮮明に脳裏に浮かぶように予測が出来る。
『刺激するな、と』
「そ、だから手は出さない。まあ口出しはするけど」
今必要なのは動物たちの動きを止めることで、倒すことでは無い。
その為にはエレンが言うように、不必要な刺激は避けるべきなのだ。
『俺の出番はないか』
不満げに呟くエレンの様子をくすりと笑うと、宥めるようにヨハンは言葉を零す。
「今は、ね。後でたくさん頑張ってもらうからいいよ!」
『後で覚えてろ』
恨みがまし気な言葉を聞かぬふりをしながら、ヨハンは愛用の土笛――獣奏器ファウストを奏でる。
その優し気な音色こそ、ビーストマスターたるヨハンの真骨頂。
具体的な会話を交わさずとも、動物たちと心を通わせていくのだ。
自分は味方だと。
君たちを、君たちの家族を守りに来たのだと。
その力が……今まさに仲間たちによって示されているようにあるのだと。
(どんな奴か教えてほしいな……俺らは、皆をいじめる奴をやっつけに来たんだから)
その優し気な音色が止んだとき、動物たちには既に殺気は無く――静かに頭を垂れるのであった。
大成功
🔵🔵🔵
第3章 ボス戦
『悪食』
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POW : 欠片の排出
自身が【食欲】を感じると、レベル×1体の【ユーベルコードさえも喰らう自身の分身体】が召喚される。ユーベルコードさえも喰らう自身の分身体は食欲を与えた対象を追跡し、攻撃する。
SPD : 嗜食の末路
自身の身体部位ひとつを【今まで喰らった獲物】に変異させ、その特性を活かした様々な行動が可能となる。
WIZ : 捕食行動
自身の【胸部の紋様】が輝く間、【3つぞれぞれの頭部】の攻撃回数が9倍になる。ただし、味方を1回も攻撃しないと寿命が減る。
イラスト:ハギワラ キョウヘイ
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「宇冠・龍」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●
猟兵たちの開かれた心と、敵意の無さが通じたのか……動物たちは、その剥かれた牙を収めた。
動物たちによれば、彼らの凶行は大切な家族を奪われた為。
そしてその元凶は、森の奥深くで彼らから奪った大切な子供たちを人質にとっているというのだ。
村を襲うのを止める代わりに助けて欲しいという動物たちの願いを、猟兵たちはもちろんだとばかりに受け入れる。
今……猟兵たちは大切な命を――部族の者たちの大切な村を、そして動物たちの家族を背負い、元凶たる邪悪な獣を目指し足を進めるのであった。
「マタ、美味ソウナ奴ラガ来タナ」
森の奥深くへと足を踏み入れた猟兵たちの耳には、動物と言葉を交わす異能を持たずとも理解出来る明確な言葉が入ってきた。
それは、悪意に満ちた邪悪な言葉。
その言葉を放つ邪悪は獣は、弱き獣たちを足元へと一纏めにしながら立ち上がる。
悪しき巨獣は 舌なめずりをしながら猟兵たちを見つめるのだ。
「親タチハ死ンダカ……アマリ役ニ立タナカッタガ、マァ良イ。ジャア、モウコイツラハ食ベテ良イナ」
複数あるその首の一つは、同時に幼き獣たちを視野にとらえながら。
今、最後の戦いの火蓋が切って落とされようとしていた。
ポク・ョゥョゥ
子供たんいじめるのはいくないおー
せいばいだー
人質を助けてー悪い子倒すのー?
だったらまた増えちゃうよー
ぽくもねーいっぱいクッキー食べられる大食いさんなのー
増えた子もクッキー食べて更に増えるよー
そしたらー悪い子たんに突撃ーするぽくとー
人質たんを助けるぽくにわかれるのー
バウンドボディではねーるはねるー
森の木々にぽよぽよぶつかってーあちこち跳ねてー
子供たんとかー他の猟兵たんへの注意を逸らすよー
ぽくも救出手伝うのーにげてー
白竜のぱくもーブレスとかでフォローしてー
敵たんの周りわちゃわちゃして食べさせないのー
救出終わったら~一斉攻撃だー
いっぱいのぽくでーぱんだ体当たりあたーっく
どうだーまいったかー
あがめよー
●
「子供たんいじめるのはいくないおー」
ピリついた空気の中、ポク・ョゥョゥ(よろしくなの〜・f12425)の可愛いらしい声が響く。
しかし付き合いの長いものであれば気付いただろう――その声に、ポクの精一杯の怒気が込められていたことに。
「せいばいだー」
猟兵たちと巨獣――互いが出方を伺う中、その小さなパンダは走り出す。
その両手には先ほども見られたポクッキーを抱え、一所懸命に頬張る。
一人が二人に、二人が四人に。
分身が新たな分身を呼び、倍々に増えたポクが突撃する。
戦場が覆われんばかりのパンダの姿に、誰しもが目を白黒とさせるのであった。
「はねーる、はねるおー」
弾ける様は全力で弾き出されたビリヤードの如く。
パンダがパンダと、そしてパンダが森の木々とぶつかり合うことで、複雑な軌道を描きながら行ったりきたり。
「猪口才ナ」
巨獣が唾液にまみれた牙を剥くも、弾けるパンダを捉えることは出来ない。
いや、本当に彼がパンダであれば、丸くなってピンボールさながらに動き回ることは無いだろう。
だが安心して欲しい。
彼はあくまで、パンダのような衣服に身を包んだブラックタールなのだから。
「ぱんだ体当たりあたーっく」
飛び交うパンダ(厳密にはパンダでは無いのだが)に注意をとられ、三つ首の視線は右往左往。
そうした隙をつき、ポクたちは全力で体当たりをかます。
「グッ……」
ぽよよんとでも聴こえそうな可愛らしい見た目に反し、呻き声を溢す程度にはダメージがあるらしい。
その瞳は怒りに赤く染め、足元の幼子たちを喰らう余裕は見えない。
「あがめよー」
より幼子たちから注意を逸らすように、ポクは光輝くのであった。
成功
🔵🔵🔴
イネス・オルティス
あの子たちを”かばう”事を優先した方がよさそうね
【決闘規則宣告】使用
「動物の子供たちに危害を加えることを禁止するわ」
簡単でしょ? 食べたりしなければいいんだから
”存在感”を発揮して”おびき寄せ”た敵を”串刺し”にして
”怪力”を活かして”敵を盾にする”様に振り回し他の敵を”なぎ払い”
:真の姿:
〔一族伝統の鎧〕が黄金に輝き、全身にきらきら光るなんか強そうなオーラを纏っている
アドリブ・絡み・可 ””内技能
●
「あの子たちを助ける事を優先した方がよさそうね」
イネス・オルティス(隠れ里の女戦士・f06902)は戦場を見回し、冷静にそう判断する。
彼女が身に纏う一族伝統の鎧――ビキニアーマーはこれまでの戦いでビキニ―アップにより段階的に力を解放し、ついには真の力を解放する。
その白銀の胸当ては黄金に輝き、その身に纏いし神気すら光り輝いて見せた。
そのオーラは圧倒的な存在感を放ち、つい先ほどまで猟兵たちとの戦いに注意を引かれていた巨獣の三つ首とて、彼女存在感を無視することは出来ない。
「キラキラト煩イ奴ダ」
苛立たし気にイネスへと首をもたげる巨獣。
その獣と視線を合わせたイネスは、おもむろに艶やかなウィンクを飛ばす。
「動物の子供たちに危害を加えることを禁止するわ」
彼女は決して遊んでいるわけでも、巨獣を誘っているわけでも無い。
彼女が用いし異能の名は『決闘規則宣告』――そのまばたきを受けた者は彼女の定めたルールに従わざるを得ず、それを破った者は傷を負うのだ。
「簡単でしょ? 食べたりしなければいいんだから」
その程度、もちろん出来るでしょ? とでも言いたげに。
まるで手のかかる幼子を諫めるように。
もしくは、悪童を懲らしめるように。
「オ前カラ喰ウ!」
その余裕の笑みに苛立つように、巨獣の三つ首が牙を剥く。
巨獣の紋章が光り輝き、その三つ首の動きはより一層苛烈さを極める。
しかし荒ぶる軌道を描くその頭部に対し、イオスはその手に握る巨獣槍で迎え撃つのだ。
這うように低い軌道で迫り来る頭部を貫き、その首ごと引き寄せるようにして次なる攻撃へと盾とする。
追撃せんと牙を剥く頭部を含め、薙ぎ払って見せると――イネスはその勢いのまま宙を舞い距離をとるように着地して見せた。
「この場は――私がルールよ」
まるで己の思い通りにならぬことなど無いとばかりに。
強く、太々しく、艶やかな笑みを浮かべながら。
大成功
🔵🔵🔵
逢坂・宵
ザッフィーロ(f06826)と
人質を取るのは卑劣なやり方ですねぇ
賢いやり方ではなさそうです
おや、ザッフィーロ その気持ちは分かりますが、僕は僕のためにきみが手を汚すのは困りますね
僕は大切な家族も、皆さんもとります
どちらかなんて選べないのはごめんですから
そう、攻撃回数が増えたとて、手数を増やせば――
攻撃し続ければ、対処できます
360個の流星を、ご覧に入れましょう
「属性攻撃」「全力魔法」「一斉発射」「範囲攻撃」を付加した
【天撃アストロフィジックス】にて相殺を狙いつつ敵を攻撃しましょう
敵の攻撃には「オーラ防御」で防いでゆき
―――僕は僕の大切なものを、誇りなき野獣に触れさせるつもりはありませんので
ザッフィーロ・アドラツィオーネ
宵f02925と
奪われた家族合を護る為…か
宵が人質に取られたならば俺も同じ様な事をしてしまうやもしれんと
そう眉間に皺を寄せつつ動物達の願いを受け入れ敵の元へ
敵が現れたならば、ついぞ宵を庇いように前衛へと向かってしまうやもしれん
…お前は強いが…だが、万が一人質に取られたらと思うとな
戦闘時は73体の炎の狼達を【狼達の饗宴】にて呼び出し纏わりつかせるように攻撃を
攻撃回数が増えたとて、その分此方も攻撃の手を増やせばよい事だろう?
動きを制限させるように食ませ燃やしつつ己や宵に向かう攻撃は『盾受け』で『かばい』メイスにて『怪力』任せの『カウンター』を
…俺の大事な物をお前に触れさせる気はないのでな
●
「人質を取るのは卑劣なやり方ですねぇ……賢いやり方ではなさそうです」
逢坂・宵(天廻アストロラーベ・f02925)は辟易とした表情で言葉を零す。
力を持ちながらも、あえて動物たちに対し人質を取るという手段を選択した悪しき巨獣。
効率だけ考えれば直接巨獣が村を襲った方が早い――逆に言えば、それは効率とは反した選択を取り得るだけの悪意が存在するのであろう。
「奪われた家族合を護る為……か」
対し、ザッフィーロ・アドラツィオーネ(赦しの指輪・f06826)は心の中に静かに怒りの炎を灯す。
「俺とて、宵が人質に取られたならば……」
自分たちに己が子供たちの命を預け、懇願した動物たち。
自身ももしも今隣に立つ愛するものが人質に取られたならば、動物たちのように悪事にすら手を染めてしまうかもしれないと。
であればこそ動物たちの願いを叶えんと、ザッフィーロは強く決意するのだ。
「その気持ちは分かりますが、僕は僕のためにきみが手を汚すのは困りますね」
真剣な面持ちで悩むザッフィーロに対し、その言葉の続きは必要無いとばかりに宵はその手をザッフィーロの肩にそっと手を乗せる。
全てを聞かずとも、言葉の端からザッフィーロの苦悩の全てを理解する宵。
そんな想像は必要無いとばかりに、言外にそっと励ますのだ。
「僕は大切な家族も、皆さんもとります……どちらかなんて選べないのはごめんですから」
宵の真っすぐな瞳と視線を絡め、ザッフィーロはそうだな、とそっと微笑む。
二人は無言で見つめ合い頷くと、決意を新たに戦場へと足を踏み入れるのであった。
(宵……お前は強いが……だが、万が一人質に取られたらと思うとな)
先ほどの会話を思い出し、相棒の心の強さに胸を打たれながらもザッフィーロは前へ出る。
宵は強い、心も身体も。
それでも万一人質に取られたならと想像すれば、ザッフィーロは庇わずにはいられないのだ。
「来い、俺は物故肉はやれぬが……子羊ならばあそこに居る。……精々暴れて来い」
絶対に負けられないという決意と共にザッフィーロが放つは『狼達の饗宴』――狼を形どった炎の群れは地面を埋めつくし、荒れ狂うように牙を剥き巨獣を襲う。
「美味ソウナ炎ダ」
対し、巨獣もまた己が分身体でその場を埋めつくす。
餌が増えたとばかりに嬉しそうに舌なめずりをすると、狼の群れへと飛び込んでいった。
炎の狼を美味そうに咀嚼する巨獣。
巨獣へと喰らい付き、燃え上がらせる狼。
それはまさに、数の暴力による殴り合い。
互いが互いを喰らう地獄のような光景が繰り広げられていた。
「そう、数が増えたとて、手数を増やせば――攻撃し続ければ、対処できます。360個の流星を、ご覧に入れましょう」
大地を埋めつくす狼と巨獣。
対し宵が放つのは――空を埋めつくすほどの流星だ。
「僕は僕の大切なものを、誇りなき野獣に触れさせるつもりはありませんので」
巨獣が空を見上げれば、眩しい程の満天の星空が瞬く。
しかしその星々を眺め続ければ気付くだろう――その星々が“落ちて”きていることに。
「星スラ喰ラッテクレルワ」
その降り注ぐ流星すら喰らわんと、巨獣たちは大口を開けて空を見上げる。
しかしその空を覆うほどの流星の群れなど喰らい尽くすことなど出来ず、巨獣たちは全身を貫かれ地面へと伏していくのだった。
「貴様ガッ!」
恐らくは本体なのであろう――燃ゆる狼の群れにも、降り注ぐ流星の矢にも耐え、全身に傷を負いながらも立ち続ける一体の巨獣。
その巨獣は自身に手痛い傷を負わせた宵を目ざとく見つけると、喰らい付かんとその首を伸ばす。
「……俺の大事な物をお前に触れさせる気はないのでな」
しかしその凶刃は決して届かない。
何故ならば、そこには――己が愛する者を決して傷つけさせまいと立ちふさがる、覚悟を持った男が立っているのだから。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ヨハン・バルクレイン
わぁおっかないね。あんな獣そうそういないよ。
『ケダモノ、いやバケモノだな』
大変そうだけど約束したからね。頑張ろっか。
……さ、狩りの時間だ。存分に疾っておくれ。
それじゃあエレン、後は任せた!
子供たちも仲間もこの体も、ね!
(人格交代ヨハン→エレン)
本当に覚えてろ、ヨハン。
……さて、今は俺に従ってくれ。頼んだ。
相手はでかい。力はあるだろうが、小回りは効かないはずだ。ライオンの機動力と【地形を利用】して速さで撹乱する。攻撃は俺が【見切って】受け流す。危険だが【覚悟】を決めろ。足を止めるな。
無視しようものなら死角からの【騙し討ち】で柔い所を突いてやれ。
とっとと骸の海とやらに還ってくれ。俺は帰りたい。
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「わぁおっかないね。あんな獣そうそういないよ」
ヨハン・バルクレイン(ふたりぼっち・f13945)は傷つき唸り声をあげる悪しき巨獣を見上げ、冗談めかしたように言葉をかける。
『ケダモノ、いやバケモノだな』
ヨハンの双子の弟――エレンが評する通り、それはもはや獣を通り越して化物。
ビーストマスターたるヨハンとて、この巨獣を御することは不可能であろう。
「大変そうだけど約束したからね。頑張ろっか……さ、狩りの時間だ。存分に疾っておくれ」
しかしヨハンは、己が跨る黄金の獅子の鬣を撫でながら、何ら気負った様子も無くへらりと笑う」
彼は決して、楽勝などと思ってはいない。
だが頼まれたのだ、懇願されたのだ――己が愛しい子らを助けて欲しいと。
故に勝たねばならない。
故に後を弟に託す。
可愛く愛しい――そして頼りになる弟に。
「それじゃあエレン、後は任せた! 子供たちも仲間もこの体も、ね!」
ヨハンの言葉を最後に、彼の纏う空気が変わった。
肩に乗る小さな蜥蜴、否……小さな竜を蒼色の十文字槍へと姿を変え、構える。
その少年の名はエレン――竜騎士、エレンだ。
「……さて、今は俺に従ってくれ。頼んだ」
エレンは跨っている主の気配が変わったことを嫌がった獅子を撫で、言葉をかける。
先ほどまで嬉しそうにヨハンを乗せていた獅子は、仕方がないとばかり不承不承駆け出すのだ。
「美味ソウナ飯ダ!」
猟兵たちとの闘いにより傷を負った巨獣は、それでも尚食欲のままに牙を剥く。
三本の首は縦横無尽に振られ、地面を穿つ。
それはもはや天災。
数々のクレーターが生まれる中、地面が揺れる中。
その全ての動きを読み、エレンは獅子に跨り駆ける。
何故ならばヨハンは、覚悟と共に挑んでいるから。
愛しき兄に頼られた、その期待に応える為に。
「とっとと骸の海とやらに還ってくれ。俺は帰りたい」
そう気だるげに呟きながら、全力を以って悪しき巨獣の瞳を貫くのだ。
成功
🔵🔵🔴
名雪・瑠珠
正直動物たちには何もしてやれんかったし、幼き獣は気になってしまう
だがわたしには彼らを助ける技や力も不向きなことをできる技術もないのだ
だから一番得意なことをする、それがわたしのやり方であり生き様である!
攻める!幼き獣たちに気をとられている余裕もないほどに、敵が鬱陶しいと感じるほどに動きまわり攻め立てる
あまり素早い相手は追う気が失せるかもしれんがわたしの移動速度は充分狩れる速さだろう、苦手なことも役に立つことはあるのである
金棒で殴り、UC【足棍】で頭を優先的に狙うぞ
行儀の悪い口はめっ!である
分身はUCを喰うと。厄介だがそっちを先に殴ればよいな
攻撃してくるやつは攻撃される覚悟もしておけである!
●
「正直動物たちには何もしてやれんかった」
心優しき少女――名雪・瑠珠(羅刹のバーバリアン・f25092)は悔しそうに戦場を睨む。
先ほどは荒ぶる動物たちを諫めるのに、今一つ力になれなかったと悔いている瑠珠。
せめて動物の子供たちを助けたいとも思うが、己が技術を思えば適してるとも言い難い。
ならば救助は頼りになる仲間に任せ、己は己の出来ることをする。
己が一番得意なことで、皆の役に立てば良いのだ。
それが、それこそが――
「わたしのやり方であり生き様である!」
「参る!」
己に出来るのは、攻めること……敵が鬱陶しいと感じるほどに動きまわり攻め立てることだ。
戦場を駆ける瑠珠は愛用の金棒を手に脛を殴り、腕を殴り、三つ首の頭部を殴る。
「娘ェ!貴様モ喰ラウ!」
正直素早い動きというのはそこまで得意では無い。
だが敵は既に満身創痍。
故に彼女の移動速度とて捕まえきれず、それでいて見失わない程度。
己が不得意とて戦いに活かし、出来ることに全力を尽くす。
名雪・瑠珠とはそういう真っすぐな少女なのだ。
「死ネェ!」
巨獣の怒りと共に胸の紋章が輝けば、荒ぶる頭部の動きは一層脅威を増す。
急激に速度を増した攻撃に避け切れず一つ、また一つと傷を増やす瑠珠。
しかし彼女の視線は真っすぐ倒すべき敵を見つめ、その目は未だ力を失っていない。
「今ダ!」
捉えたことを確信した巨獣は、その顎を開き瑠珠を喰らわんと牙を剥く。
「隙ありっ!」
しかしその渾身の一撃こそ、瑠珠が待ちに待った大振りによる隙。
「行儀の悪い口はめっ! である」
金棒を投げつけ攻撃を逸らすと、そのおみ足を振りかぶり巨獣の脳天へと振り下ろした。
岩をも砕かんという轟音の後、その巨体がゆっくりと沈む。
地面が揺れ立ち上った土煙が晴れた後……そこには倒れ伏す悪しき巨獣の上に、朗らかに笑う少女が仁王立ちしていたという。
大成功
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