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トラップ・トリック・ラビリンス

#アルダワ魔法学園

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#アルダワ魔法学園


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●迷宮の奥にて
 アルダワ魔法学園の地下に広がる蒸気と歯車が織りなす圧巻の巨大迷宮。
 その迷宮を、とある二人の男子生徒が駆け回っていた。

「ぜぇ……はぁ……っ、ほんとに、あの話っ……マジなんだろうな!」
「はぁっ、あ……あぁ、間違いない!俺を、信じろって……お宝は、俺たちがぁっ!?」
 軽口もそぞろに息を切らせるのは、お宝を求めてやってきた百戦錬磨の悪ガキコンビ。
 転がる鉄球から逃げていた彼らは、バネ仕掛けの床に引っかかり空中へとその身を投げ出された。
「いってぇ……クソッ、なんなんだよこの妙なトラップの群れは!」
「言うなよ、逆にお宝があるって話にも信憑性が……ん?」
 二人が落下したのは、先程走っていた場所から少し離れた広い通路。
 起き上がろうとした彼らの手が、床とは異なる何かに触れる。
「……なんだこれ?木の板と、鉄の……」
「……レール?」
 彼らがそう口にするが早いか、通路内に汽笛の音色が反響する。
 振り返れば、通路の奥から前照灯の明かりが二人を照らし……。
「う、うわぁぁぁあああああああーっ!?」
 状況をやっと理解した二人はすぐさま立ち上がって逃げようとしたが……もう遅い。
 彼らの姿と叫びは背後から迫った鉄の機関車に圧し潰された……。

 アルダワ魔法学園の地下に広がる蒸気と歯車が織りなす圧巻の巨大迷宮。
 その迷宮を、鉄とオイルの匂いが走らせる無人の機関車が駆け抜けていった……。

●プルミエール・ラヴィンスの呼びかけ
「みんな聞いてください、アルダワの世界で事件が起きました」
 プルミエール・ラヴィンスは猟兵達に向けて語りかける。
「場所は魔法学園の地下迷宮アルダワです。予知によると、迷宮内に出現した災魔がフロアボスとなって迷宮の構造を変化させているようです。問題は、その迷宮には数多くの学園の生徒達も入り込んでいるということで……」
 子供の冒険心とは厄介なものだとプルミエールは溜息をついた。
「地下迷宮は数多くの学院生徒が我先に宝を見つけようと探索を行っています。迷宮の奥地まで生徒が辿り着いてしまえば、間違いなく災魔の餌食になってしまうでしょう」
 迷宮内の全ての生徒達へ声をかける時間はとてもない。生徒達より先回りしてオブリビオンを撃破して欲しいとプルミエールは告げる。
「しかしですね……流石迷宮と言いますか、お約束のトラップも沢山あるみたいです。中には暴走する蒸気機関車がレールの上を伝って迫って来る!なんてものも確認されています」
 速度を生かして最短攻略するか、近道を見つけてショートカットするか。時として強引な手段でも解決の糸口が見つかることもあるだろう。
 また、生徒達から情報を得ることができれば、判明しているトラップの攻略法も見えてくるかもしれない。
「それに加えて、迷宮内にはフロアボス以外の災魔も出現する可能性が考えられます」
 フロアボス程の力は持たないにしろ生徒達にとって危険な存在である事に変わりはなく、これらの排除も重要な仕事であると続けた。
「つまり、あなた達に頼みたいことは大きくわけて三つです。迷宮を生徒達をより先に突破すること、道中のオブリビオンを排除すること、そして最後にフロアボスを倒すこととなります」
 話をまとめ終わると、一息ついて再度猟兵達の方をしっかりと見据えて、言葉を続ける。
「あなた達の力があれば、今からなら被害を最小限に抑えることができるはずです。そして、全員が無事に帰って来てくれるなら、私は嬉しいです」
 どうかお気をつけて、とプルミエール・ラヴィンスは猟兵達へ後を託した。


Re:CODE
 はじめまして、Re:CODEと言います。
 まだまだ未熟ですが精一杯がんばっていこうと思います。
 よろしくお願いします。
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第1章 冒険 『冒険競争』

POW   :    力技で迷宮を攻略する

SPD   :    速度を活かして迷宮をショートカットする

WIZ   :    競争相手の生徒達の行動を読んで出し抜き先行する

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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

エルフィ・ティントット
聞こえますか……。聞こえますか……。
ボクは迷宮の精……今お前たちの精神に直接語りかけています……。
そっちには罠とかこわーいオブリビオンがあります……悪いこと言わないからこっちの道に行くのです……。

……え、何してるかって?
いやほら、フェアリーといえば冒険者を導くものでしょ?
ちっちゃい体を活かして隠れながら、コッソリ生徒を出口とか、安全な方に誘導できないかなーって。

迷宮だから、隠れ場所は豊富なはず。
そしていざとなったら、フェアリーランドで自分が壺の中に隠れる!
壺の中からでも声が届くなら引き続き語りかけてみよっかな?
生徒がトラップにかかりそうなら「危ない!」とか声もかけるよ。
したら信用も増す…はず!



「聞こえますか……。聞こえますか……。ボクは迷宮の精……今お前たちの精神に直接語りかけています……。そっちには罠とかこわーいオブリビオンがあります……悪いこと言わないからこっちの道に行くのです……」

 不用心に探索を続ける生徒達にそう告げる声の正体は、エルフィ・ティントット(グッドフェロー・f00156)。小柄な体を活かし、無造作に置かれた蒸気機関達の間へ身を隠し迷宮の精霊を演じ続ける。
 しかし、宝に目が眩んだ生徒達はそのありがたい天啓を誰かの悪戯だろうと嘲笑って一蹴。無視して迷宮を進み続ける……すると、
 小柄で視線の低いエルフィだからこそ気づけた違和感。それは生徒が進む先のフロアの床が色が違うということ。
 誰よりも早く目視で確認できたエルフィは咄嗟に声をあげた!

「……あ、危ない!」

 その声に驚いた生徒はハッと歩みを止める。すると目の前の床がドカン!と開き、生徒の一歩手前に機械仕掛けの巨大な落とし穴が姿を現す。
 ……底の見えない落とし穴の淵に立ち、寸前の所で難を逃れた生徒は、泣きそうな顔で命の恩人である迷宮の精へお礼を告げて逃げるように引き返していった。

「これはボクのおかげだね!」
 満足げに微笑む迷宮の精、もといお手伝い妖精のお手柄で迷宮の謎がまた一つ攻略されたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

神羅・アマミ
「妾は(自称)盾キャラじゃからな…こういう率先して迷宮の攻略に望むぞよ!妾の犠牲が皆の道を切り拓くと信じて!」というわけで全くのノープランノーフューチャー、自分のPOWを信じ(迂闊な過信)猪突猛進で迷宮に挑み、壁やトラップを破壊することで最短距離を目指しますが、或いは片っ端からトラップに引っかかるだけかもしれません。とは言え片っ端からトラップに引っかかっていればいずれは種が尽きるかも、よしんばリセットされるサイクルがあっても他のPCに傾向と対策を与えられるのでは?という狙いはあります。実際は「おぎゃー!」「ギャワー!」と奇声を発しながらアホなリアクションを取り続けてくれれば個人的に満足…



「妾は(自称)盾キャラじゃからな…こういう率先して迷宮の攻略に望むぞよ!妾の犠牲が皆の道を切り拓くと信じて!」

 などと言いながら、ノンストップで迷宮内を突き進む者が1人。神羅・アマミ(凡テ一太刀ニテ征ク・f00889)だ。
 壁という壁を叩き壊して進むその姿は、もしこの迷宮の製作者が見たら涙を禁じえない事だろう。
 そんな無念を代弁するかのように、迷宮内の凶悪なトラップ達がアマミに襲い掛かる……!

「ふっふっふっ、温い温い!道中の罠を少しでも解明しようという腹積もりであったが、この調子では妾が(カチッ)一番にゴールしてしまうかもしれんのう!……カチッ?」

 振り返るアマミ。
 押されたスイッチ。
 天井から降ってくるギロチンの刃。
「おぎゃーっ!?」

 走馬灯が駆け巡ったのは一瞬……そう、ほんの一瞬のことだ。
 すかさずギロチンの刃を迎撃するアマミ。斧による強烈な一撃に、刃は横合いへと飛んで行き……そして、偶然別のトラップのスイッチに激突した。
 ほっと一息つくアマミ。
 響く機械音。
 壁から飛び出す矢。
「ギャワーッ!?!?」

 アマミは走った。直撃しそうな矢は迎撃し、そうでもないものは気合で避けて。
 全速力で走り……そして、飛び出す床のトラップを踏んだ。
「キャバーッ!?!?!?」

 アマミは飛んだ。走っていた時の勢いのまま、きりもみ回転で。
 落下した先でスイッチを踏めば、巨大な岩が転がってくる。
 岩から逃げている内に、落とし穴で下の階に落とされる。
 連鎖、連鎖、連鎖。一周回って楽しくなってきた頃……

「……お、お?」

 突如としてトラップの連鎖が止まる。
 不思議に思ったアマミが振り返ると、そこには驚くべき光景が広がっていた。
 なんと、アマミがあまりにも立て続けにトラップに引っかかり続けたせいか、周囲のトラップの殆どが機能を停止しているではないか!

「………………ふっ、妾の作戦勝ちじゃな!」
 弾切れや他のトラップとの衝突によってボロボロになったトラップ達。
 彼らの気持ちを代弁するなら、恐らくこうだろう。
 もう勘弁してください……。

大成功 🔵​🔵​🔵​

エメラ・アーヴェスピア
狭い所に関しては私は戦い辛いのだけど…そうも言っていられないわね
ここはスピード重視で攻略しましょう
ただ、汽車自体に対する攻略は無いのよね、大人しく線路は回避しましょう。気にはなるのだけど…
他の罠は…兵達(ユーベルコードにより出現)を先行させておけば「私は」大丈夫よね
それじゃ、『出撃の時だ我が精兵達よ』っと
さぁ、こんな所はさっさと駆け抜けましょう



「狭い所では、私は少し戦い辛いのだけど……そうも言っていられないわね。ここはスピード重視で攻略しましょう」

 エメラ・アーヴェスピア(歩く魔導蒸気兵器庫・f03904)は、その言葉と共に10体の魔導蒸気兵を召喚した。
 蒸気兵たちを先行させ、通行の安全を確保するためだ。

「『出撃の時だ我が精兵達よ』っと……これで『私は』安全に進めるわね」

 狭い通路もなんのその、ローラーダッシュによって素早く迷宮を進んでいく蒸気兵たち。
 落とし穴や高圧水流などのトラップによって数体の蒸気兵が脱落するが、それらのトラップが起動した隙をエメラは颯爽とすり抜けていく。
 予想していたより随分とトラップの数が少ないのは気になる所だが、速度を要求されるこの局面においては歓迎すべき事だろう。

「さぁ、こんなジメジメした所はさっさと駆け抜けてしまいましょう」
 生き残った3体の魔導蒸気兵と共に、エメラは無事迷宮の奥地へと歩みを進めるのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

オルト・クロフォード
暴走機関車のトラップとはこれまた随分と大掛かりで派手だナ! ……感心してる場合ではないナ。人命第一、ダ。

クロックワーク・ボムを機関車に投げるゾ。ただ投げるのではなく、命中率を重視して車輪部分を狙ウ。コレで止まってくれればいいんだがナ。



鉄とオイルの匂いがより一層強くなリ始めた迷宮の奥、吹き出す蒸気を片手で払い悠々と進む男はオルト・クロフォード(クロックワーク・オートマトン・f01477)だ。
 しかし、とあるフロアに到着すると、一定の歩幅で進んでいた筈のオルトの足が止まった。視界に奇妙なものが飛び込んできたからだ。
 ……それは終点も始点も見えない程に延々と続く木の板と鉄のレール。

「……これハ、確か。そういえば言ってたナ……ってことは来るのカ?」

 予見したかのように呟き振り返ると……。
 ソレはまるで最初からその場所にあったかのように、汽笛の音を鳴り響かせブレーキのイカれた暴動機関車が此方に向かって突き進んで来るのが見える。

「暴走機関車のトラップとはこれまた随分と大掛かりで派手だナ! ……と感心してる場合ではないナ」

 懐に手を入れて、小さな時計を取り出した。
 チクタクチクタクチクタク……時を刻むその時計の正体は小型の爆弾、クロックワーク・ボム。

「10、9、8……」

 迫りくる蒸気機関車に憶することなく狙いを見定めて……。

「6、5……」

 ギリギリまで引き付け車輪部分目掛けて投げつけた!

「3、2、1、そラ、ドカンと来るゾ!」

 狙いは見事的中し、大きな爆発音が迷宮内に響き渡る!

 ……炎と煙が晴れた先には、何人もの犠牲者を出し続け暴れ回った暴走機関車が、その鉄の巨体を地に伏せて沈黙した姿が見え始めて来た。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『書物の魔物』

POW   :    魔書の記述
予め【状況に適したページを開き魔力を蓄える】事で、その時間に応じて戦闘力を増強する。ただし動きが見破られやすくなる為当てにくい。
SPD   :    ページカッター
レベル分の1秒で【刃に変えた自分のページ】を発射できる。
WIZ   :    ビブリオマジック
レベル×5本の【毒】属性の【インク魔法弾】を放つ。
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


迷宮の罠地獄を抜け、歯車達が噛み合い回る機械仕掛けの扉を開けた先は薄暗い図書館。
 鉄の匂いが薄らぎ、先程まで数多く見られた蒸気機関達は鳴りを潜め、代わりに目に映るのは床に散らばる数多の本達。
 無作為に置かれ、無秩序に散らばり、無造作に積み上げられ、書物の種類にも統一感を感じない。凡そそれは図書館と言うよりは『本の墓場』と形容するのが正しいだろう。
 
 ――そして招かれざる客に対して、『本の墓場』は躊躇いなく牙を剥き始める。
 不気味な嗤い声がフロアに響き、書物のページ達が次々と開かれていく……。


 司書不在のそのフロアへ踏み込んだ猟兵達が対面したのは、オブリビオン『書物の魔物』。
 アルダワ魔法学院では知識は力であると考えられています。そして知識を集積した書物もまた強力な力を持つことでしょう。
神羅・アマミ
「ハッ!既に妾はこの迷宮に関しては百戦錬磨、最早実家のような安心感じゃぜ?貴様ら雑魚が束になってかかってこようが紙切れ同然じゃよー!」と啖呵を切って戦闘に躍り出ます。
これまでに無数のトラップに嫌というほどかかってきたアマミちゃんならば、恐らく頭脳以上に本能や直感で迷宮の仕組みや罠のトリガーを熟知している(はず)!敵を攻撃し逆にトラップへ落とし込む、逃げ回りつつ巧みに誘導する、時には一緒に火達磨になったり細切れにされつつ書物の魔物の殲滅を試みます。
勿論、トラップを発動させるということは除去も兼ねているため、他者への脅威を少しでも軽減するという優しみも込めています(本人にはそんな自覚一切ない)。


エメラ・アーヴェスピア
…また妙な災魔がいるわね、それもまた私と相性が悪そうなのが
兵や砲を多数出してもすぐやられそう…それなら、私が撃つしかないわ

ガトリングに攻撃を指示、私自身もマスケットで射撃するわよ
それと、『我が砲火は未来の為に』。今回は…中型の魔導蒸気機関砲を呼びましょう(攻撃回数重視)
こちらもガトリングと同様に浮遊型自動射撃なのでそちらにも攻撃指示を
兎に角連射(攻撃回数)、銃弾の嵐で敵の数を減らすわよ

防御に関しては…浮遊盾しかないのが不安ね
誰か、前衛で守りつつ戦ってくれる人はいないかしら?
そうすれば、集中して(援護)射撃ができるのだけれども

こんな災魔が出るのなら、火炎放射器くらいは作っておくべきだったかしら




 窓明かりもない、薄暗き図書館に巣食うオブリビオンとなった書物の魔物達。
 それらを殲滅せんと猟兵達が武器を構えて果敢にも立ち向かう。
  ――アルダワ魔法学園の地下迷宮にて、猟兵とオブリビオンの戦いの火蓋が切られた。

「……また妙な災魔がいるわね、それもまた私と相性が悪そうなのが。兵や砲を多数出してもすぐやられそう……それなら、私が撃つしかないわ」
 嘲笑う書物の魔物達に対して臆する事無くそう告げたのは、エメラ・アーヴェスピア(歩く魔導蒸気兵器庫・f03904)。そして、そのエメラに寄りそうように追従するは、召喚された魔導蒸気砲。
 多数の銃身より放たれる銃弾は、圧倒的な弾幕となって書物の魔物達へ次々と着弾、その度にページは破れ宙に舞う。
 その弾幕を幸運にも抜けた個体も、的確に狙うエメラのマスケットの餌食となり撃ち落されていくのだが……。

「これは……流石に、多勢に無勢と言ったところかしら」

 撃てども撃てども襲い来る書物の魔物達。
 弾幕を抜けエメラに迫る攻撃は徐々に増加していく。
 それもその筈。迷宮には未だ無数のトラップが残存しており、エメラは書物達の攻撃と同時にそれらへの対処も要求されているのだ。
 浮遊盾による防御も限界を迎え、ついに一匹の書物の魔物が放ったページの刃が浮遊盾の守りをすり抜けてエメラに迫る。
 直撃を覚悟したエメラだったが……しかし、その攻撃は横合いから猛烈な勢いで飛び出してきた"何か"によって弾き返される事となった。
 ……そう、バネ仕掛けの床を利用し錐揉み回転で飛んできた神羅・アマミ(凡テ一太刀ニテ征ク・f00889)である!

「――妾、参上じゃ!どうやら盾キャラが入り用と見たが、如何かの?」
「ご明察……それじゃあ、頼りにさせて貰おうかしら」

 そこから先の戦いは、まさしく蹂躙と呼ぶに相応しいものだった。
 天井から降るギロチンの刃が、通路の壁から放たれる矢が、どこからともなく転がってくる大岩が――迷宮に存在する無数のトラップが、書物の魔物達に牙を剥く。
 道中のアレやコレやで迷宮の仕掛けを本能的に把握したアマミの誘導によって、これまで探索者達を苦しめてきたトラップは今や魔物に対抗する武器として二人に味方していた。
 時折アマミも魔物と一緒に丸焼きにされたりしているが……何、どうという事はない。
 何故なら、魔物達よりアマミの方が頑丈なのである!

「ハッ!既に妾はこの迷宮に関しては百戦錬磨、最早実家のような安心感じゃぜ?貴様ら雑魚が束になってかかってこようが紙切れ同然じゃよー!」
 見た目は真っ黒こげなのでイマイチ格好が付いていないが……事実として、この場の地の利を支配しているのは間違いなくアマミその人であった。

「本当に滅茶苦茶ね……でもそういうの、嫌いじゃないわよ」
 攻撃とトラップへの対処に苦しめられていたエメラも、アマミが加勢したことにより、再び圧倒的な弾幕で敵を蹴散らし始めた。

 即席ながら連携の取れたコンビネーションの前に、魔物達は哀れ紙キレ同然となって次々と散っていくのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

満月・双葉
…賑やかですね。

攻撃は可能な限り見切ります。
見切りできなくても毒耐性でビブリオマジックには耐えられますね。

此方の攻撃は【虹薔薇の静踊】による攻撃を主軸に。
【パパ直筆の御札】による呪詛によりジワジワと生命力を減らしてみたり、騙し討ちを行ったり。
衝撃波による吹き飛ばしも狙います。
武器は【桜姫】【薔薇の涙】【大根】【馬の置物】などフル活用。クルクル武器を変えてパターン色々で攻撃法を把握されにくくします。
忍び足で目立たない動きで敵の死角に入り込み串刺しにし更に傷をえぐったり、とまぁ…我ながら悪趣味ですね。




 猟兵達と交戦を始めた図書館中の魔物達は、次々と部屋の入口へと集結していった。そんな中で……。

「……賑やかですね」
 図書館の奥にて、魔物の一体を足でグリグリと踏みつけながら満月・双葉(星のカケラ・f01681)はそう呟いた。
 どこからともなく現れた突然の侵入者と、自分が置かれている状況が全く飲み込めない魔物は必死に逃げ出そうと踠くのだが……。

「あ、ちょっと静かにしててくださいね」
 双葉は、次は足の代わりに馬の置物を魔物の上に乗せた。……哀れ歴史ある書物はぺちゃんこに潰され部屋の飾りとなってしまったのだ。

「さて……」
 そして、双葉は足音を殺し、再び部屋の暗がりへと消えていった……。

 ……猟兵達と交戦を続けていた魔物達が異変に気付いたのは、それから暫く経ってからのことだった。
 先程まで後ろに控えていたはずの仲間達の気配がない。奇妙に感じ、振り返った魔物達はそこで始めて惨状を目にする。
 ある本は馬の置物に圧し潰され、ある本は表紙から大根に串刺しにされ、ある本はお札がまるで割引の値札のようにお札が貼り付けられ、ある本は真っ二つにされて床に無残にも転がっていた。

「我ながら悪趣味だと思うよ」

 『薔薇の涙』とタイトルが書かれた自前の本で振り返った魔物を思いっきりぶん殴り飛ばした後に、双葉はメガネのズレを直してそう告げた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

辰神・シエル
【POW】にて行動。
「ったく、本は大人しく本棚ん中に帰れってーの!」
仲間や敵の動きをしっかりと見ながら戦況を把握し、援護するように動いていく。
基本スタイルは戦場から少し離れた場所からのユーベルコード・ドラゴニアン・チェインを使用して敵の動きを阻害してからの味方へ攻撃のチャンスを作る動きです。
「妹が真っ先に走り出しちまうんでな!サポートは任せろ!」
なお、敵の数が1から2体なら、前線に出て積極的に攻撃します。




 続けて、迷宮を潜り抜け戦場に飛び込んでくる影がもう一人。辰神・シエル(ペネトレイトアロー・f02627)だ。
「暖まってきてるじゃねぇか!助太刀するぜ!」
 書物の魔物達にドラゴニアン・チェインを放ち、動きを封じるシエル。
 ヤンキー風の外見とは裏腹にその支援は非常に手馴れたもので、魔物達の攻撃は確実に封じられていった。
「妹が真っ先に走り出しちまうんでな!サポートは任せろ!」
 そうして攻撃の手が緩めば、周囲の猟兵達はより一層激しい攻勢で魔物達を殲滅していく。
 魔物達も当然攻撃を防ごうとするが、鎖による拘束がそれを許さない。
「紙切れが、うろちょろしてんじゃねぇよ!」
 時に味方への攻撃を妨害し、時に逃げる魔物を味方の攻撃範囲内に引きずり込む。
 的確な支援により、書物の魔物はみるみる内に数を減らしていき……

「終いだ。本は大人しく本棚ん中に帰れ、ってな!」
 片手で数え切れる程に数を減らした魔物達は、シエルの放つ地獄の炎で一匹残らず焼き尽くされたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『錬金術ドラゴン』

POW   :    無敵の黄金
全身を【黄金に輝く石像】に変える。あらゆる攻撃に対しほぼ無敵になるが、自身は全く動けない。
SPD   :    ドラゴンブレス
【炎・氷・雷・毒などのブレス】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ   :    アルケミックスラッシュ
【爪による斬撃】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【に錬金術の魔法陣を刻み】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



 猟兵達は幾層もの罠を超えて、迷宮の更なる深部へと足を踏み入れた。
 既に外界よりの明かりは途切れて久しく……薄暗い道を、ある者は壁伝いに手探りで、ある者はライターやマッチ等の僅かな灯に身体を委ねて進み続ける。
 ──そんな、いつ終わるかもわからない行進を続ける先で、猟兵達の前に巨大な壁が立ち塞がった。
 そこが行き止まりだと感じる者がいても可笑しくない。
 そう、一見ただの袋小路のように見えたのだが……暗闇の中でよくよく目を凝らしてみるとその正体は見上げるような巨大な『扉』だと気付くことができるだろう。

 無論、その巨大過ぎる扉は人が通る為に製造されたものではない。この先に巣食うであろう存在がとてつもない大きさであると、それは暗に示していた。

 さて、如何に巨大と言えども扉は扉、覚悟を決めた猟兵達が力を合わせると扉を容易く開いた……。
 扉の奥では壁という壁が、床という床が、一転して煌めきを放つ今迄で一番広く眩い空間が広がっている。
 そして、その中でも異彩を放つ巨輝……。
 ポケットにはとてもじゃないが納まりきらない危険すぎる宝。
 錬金術で生み出されし黄金のドラゴンが雄叫びをあげて侵入者を歓迎するのであった。

 フロア全体がその咆哮に震える中、猟兵達は黄金のドラゴンへと立ち向かった!
満月・双葉
他の猟兵との連携を重視します

先ずは戦場を把握し地形の利用をしながら戦います
攻撃は見切りを行ったり、第六感によりカンで避けてみたり、避けられない場合は盾受けで受けます

【桜姫】で生命力を吸収する攻撃を放ち、大鎌へ変形させつつの2回攻撃を行います。
魔法陣の上にいる時には衝撃波による吹き飛ばしでどかします。
本による気絶攻撃、大根による傷口をえぐる攻撃、スナイパーを利用し馬の置物を投擲
残像を残すほどの早業に惑わされてください
攻撃をくるくるとかえ把握されにくくします。
余裕がある時には力溜めをして威力をあげます。

勝つ為に何でもしますよ、悪趣味ですから。


神羅・アマミ
彼奴の戦闘力、想像以上に凶悪じゃの…しかし、妾のやることは変わらん!
接近しすぎずのらりくらりと敵の攻撃を躱し、既にこの迷宮を熟知した(つもりになっている)妾ならではの戦法として、隙あらばフロアの厄介なトラップを発動させ攻撃に転用しちゃるんじゃよー!
特に警戒すべきは奴を強化する魔法陣…トラップ戦法はもとより、場合によってはユーベルコード【グラウンドクラッシャー】を発動する等、物理的な地形破壊で敵が有利になる状況を率先して潰していくんじゃよー。

トラップや魔法陣の処理を優先しメインの攻撃やトドメは他の猟兵にお任せじゃ!
何しろ妾は盾キャラじゃからな…盾キャラじゃからな!(二回言った




 目も眩む程の黄金の巨躯に対して、まず攻撃を仕掛けたのは二人の猟兵。
 神羅・アマミ(凡テ一太刀ニテ征ク・f00889)と満月・双葉(星のカケラ・f01681)だ。
 先の書物の魔物との戦いにおいても、一際特異な戦法で活躍していた二人。
 その戦いぶりは、迷宮の深奥たるこの場においても健在だった。

「そりゃっ!ほいっ!こっちじゃーっ!」
 巨大な爪に臆することもなく、のらりくらりと爪による斬撃を躱すアマミ。
 爪によって描かれる強化の陣は、斧による重撃で刻まれた傍から破壊されていく。
 それと同時にフロア内のトラップを起動させ、床から放たれる槍や振り子刃のギロチンで牽制を仕掛ける事も欠かしていない。
 黄金の竜鱗を傷付ける程の威力を持たないそれらの罠は、しかし確実にドラゴンを苛立たせ冷静さを失わせていた。

 そして――、
「グルッ……グオオオオオオオオ!!」
 ついに放たれたのは、その怒りを体現するかのような業火の息吹。
 その炎はフロア一面に広がり、どこにも逃げ場はない。
 ――かのように、思われた。

「はっ、大技で来よったな!だが、しかぁーしっ!」
 次の瞬間、その声が響くのはドラゴンの頭上。
 アマミはブレスが放たれる瞬間、バネ床のトラップを用いて遥か上空へと跳躍していたのだ。
 その手に斧と共に握られているのは、先程牽制の為に利用した振り子刃のギロチン。
 刃を吊り下げるための強靭な鎖が、落下の勢いを利用してドラゴンの首に巻きつけられた。
 拘束を逃れようともがく程、鎖はドラゴンの首に食い込んでいく。
「ふっ、こうなっては好き勝手に暴れ回る事もできんじゃろ?――さぁ、反撃開始じゃ!」

「……ええ。勿論、そのつもりですとも」
 アマミが地面に開けた穴を利用してブレスを防いだ双葉も、その言葉と共にドラゴンへと攻撃を仕掛けていく。
 呪われた剣を手に、残像を残す程の速度でドラゴンに肉薄する双葉。
 上空のアマミに意識を向けていたドラゴンにとって、その姿はまったくの死角となっていた。
 先の一閃は無防備な尾部を桜姫の刃で切り裂き、その命を吸収。
 吸収した命を喰らって大鎌へと変化した桜姫による二度目の斬撃は、ドラゴンの黄金の竜尾を根元から真っ二つに切断するのだった。

「まずは一本……では、追撃させて貰いましょうか」
 すかさず取り出した大根を、尻尾を切断された傷口に抉り込むように突き刺す双葉。
 凶悪な大根による凶悪な一撃はとても凶悪であり、ドラゴンが堪らず苦悶の絶叫を上げるのも無理からぬことなのだ。

「ふっ、やりおるのう!それでこそ、妾も盾キャラを務める甲斐があるというものよ!」
 ……自らの作った隙に、最大限の成果を以って応えた双葉。
 アマミはその手際に感心しつつ、彼女に対して素朴な疑問を投げかける。

「……いやしかし、何故に大根……?」
「――勝つ為なら何でもしますよ、悪趣味ですから」

 ……なんだか余計に深まった疑問を解消する暇もなく、ドラゴンとの戦いは続いていくのだった……。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​


※トミーウォーカーからのお知らせ
 ここからはトミーウォーカーの「真壁真人」が代筆します。完成までハイペースで執筆しますので、どうぞご参加をお願いします!
吉柳・祥華
◆心情
ん?あれ…此処どこじゃ?

迷子の神様(神隠しで飛ばされた?)
近くまで来たので興味本位に立ち寄ったら
なんかドラゴン退治を頼まれたのざんしよ

道は、先に向かった猟兵たちが作っていたようざんしな
そのまま進むのじゃ

◆戦闘
ほぅ? 貴様がソレを使うのなら妾も応えよう
※範囲内に猟兵が居たのなら、耳でも塞いでおれ!と叫び
ユーベルを使用。

回避には残像や見切り、第六感や野生の勘などで

攻撃には力溜め、カウンターを仕掛け咄嗟の一撃からの二回攻撃
鎧を砕きで傷口をえぐるのじゃが、既に鎧無視攻撃も含まれておるじゃし
かなりのダメージが与えられると思うのじゃ

そんで…
暴力反対、とかほざきながら微笑を浮かべるのじゃ



 傷を負いながらも、ドラゴンはなお健在ぶりを示すかのように咆哮をあげた。
「ふむ、この地の竜だけあって易々とは滅びぬようじゃな」
 異世界の龍神たる吉柳・祥華は、暴れ回るドラゴンの攻撃を回避しつつも頑丈さに賞賛の言葉を向けてやる。
 すると、それに反応したかのように、ドラゴンは祥華にもまた、その顎を向けた。
「ほぅ? 貴様がソレを使うのなら妾も応えよう」
 祥華は前へと飛び出した。
 同時に、ドラゴンの喉奥に光が宿る。
 ブレスの前兆だ。
「耳でも塞いでおれ!!」
 猟兵達に警告を飛ばすと、祥華も大きく息を吸い込んだ。
 ドラゴンがブレスを放射すると寸前、祥華の喉の奥から咆哮が迸る。
『發っ!!』
 凄まじい衝撃がドラゴンへと襲い掛かり、そして爆発が生じる。
 吐き出されようとしたブレスが、装甲すら持たないドラゴンの喉奥で暴発したのだ。
「暴力反対……というやつじゃな」
 悲鳴のような咆哮を挙げるドラゴンに、祥華は凶暴さを隠した笑みを浮かべた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

落浜・語
アルダワの地下迷宮には何回か来てるが、ドラゴンまでいるのか…
本当不思議な所だな、魔法学園は…

まぁ、んなことはどうでもいいんで早いところお帰り願いますかね。
『人形行列』を使用。二百ちょっとを幾つかずつ、出来るならなるべく広範囲に配置。
破壊されれば爆発するんで、それを利用して攻撃すると同時に、相手が刻んだ魔法陣を消して行く。
爆破前には周囲に声掛け。巻き込むのはさすがに洒落にならないからな。
だから言っただろ。壊したら泣くぞって。



「あんな大きなドラゴンまでいるのか……」
 アルダワ魔法学園、その地下に広がる迷宮に改めて不思議なものを感じながら、落浜・語はドラゴンへと視線を向ける。
 ドラゴンは、その巨体で猟兵達へ肉弾戦を挑んできていた。まだ直撃こそしていないが、ドラゴンが振るう爪は迷宮の床に魔法陣を刻み、その力を高めつつある。
「あれを放置するわけにはいかないか。早いとこお帰り願いますかね」
 そう嘯いた語の周囲に、次々と小さな影が現れ、広間を満たしていく。
 それらは全て、戦闘用の人形だ。
 見慣れぬ和風の人形達の姿に、ドラゴンはどこか戸惑ったように首を動かす。
「おっと、派手に壊さないでくれよ? 派手に壊されたら、泣くからな」
 そう告げると同時、見えない糸に操られるかのように、語の人形達はドラゴンへと切り込んでいく。その人形をドラゴンの爪が切り裂いた、次の瞬間だ。
 爆発が生じ、ドラゴンの爪が折れ飛んだ。
 切り裂かれた語の人形が爆発したのだと、猟兵達が気付くのに時間は掛からない。
 爆発に呑み込まれた別の人形が、ドラゴンに飛びつきながら更なる爆発を生じていく。
「爆発オチ……とは違うが、少し離れて見といてくれよ。巻き込まれたら洒落じゃ済まないぜ」
 そう猟兵達に警告する語。その前で、人形達はドラゴンを包囲するよう動き、さらなる爆発の渦へと包み込んでいく。
 二百を超える数の爆発がようやく収まった時、広間は存在していたトラップの数々や、展開されていた魔法陣諸共に破壊されていた。無論、その中心にいたドラゴンも無事では済まない。
「だから言っただろ。壊したら泣くぞってな」
 語がそう口にするのと同時、大きく抉られたドラゴンの傷口から、薬液が血のように飛び散った。

大成功 🔵​🔵​🔵​

神羅・アマミ
ふふふ、他の猟兵にお任せと言ったが、すまんありゃ嘘じゃ。
この絶好のチャンス、是が非でも妾自らが首級を挙げたくなったわ!
何しろ、なんだかわからんが今の妾には滅茶苦茶気力が漲っとるでの~!
あれだけ強大に見えたドラゴンも、片手で捻り潰せそうな気さえする!

さすれば最早小細工は無用。
コード『結髪』を発動し、速やかな回避行動からブラスト照射に繋げひたすらに炙ってやろう。
無論、先刻つけた傷口を集中攻撃することは言わずもがな!
爪による斬撃?無差別攻撃のブレス?
既に我が家の庭も同然と化したこの迷宮フロアを神速で縦横無尽に駆け回る妾にとって、蚊が止まるような遅さじゃよッ!
流石にちょっと言いすぎたじゃろか…


エメラ・アーヴェスピア
ふぅ…やっと最奥までたどり着いたわね
あれがここのフロアボス…
ええ、何とか撃滅して、この依頼を達成しましょうか

『出撃の時だ我が精兵達よ』、Lv10を4体とLv7を呼び出すわ
Lv10の三体に大型の盾を持たせて前衛に、何とかブレスを【盾受け】で防ぎなさい
残りと私がその後ろから魔導蒸気ライフル…私はマスケットとガトリングだけど…でダメージを与えるわよ
危なそうなら盾で【かばう】してちょうだい
他に同僚さん達が居るなら【援護射撃】になるように撃ち込むわ
さぁ、着実にダメージを与えましょう

…所で私は何時ダンジョンに入った時よりもこんなにそれなりのレベルの兵を複数出せるようになったのかしら…?

※アドリブ・絡み歓迎



 凄まじい爆発が吹き荒れ、それでも耐え切ったドラゴンは再び動き出さんとする。
 それを叩き潰さんと荒れ果てた広間へと駆け込んでいくのは、エメラ・アーヴェスピアの操る蒸気兵達だ。
「さぁ、出番よ、我が精兵達。私の勝利の為に出撃なさい」
 エメラの命令を受け、合計5体の蒸気兵が前進していく。
「フロアボスを撃破して、依頼を達成しましょうか」
「絶好のチャンスじゃな! ふふふ、この絶好のチャンス、是が非でも妾自らが首級を挙げたくなったわ!」
 爆発を避けるために一時退避していた神羅・アマミは、総身に力が漲るのを感じていた。
「なんだかわからんが今の妾には滅茶苦茶気力が漲っとるでの~! ドラゴンも、片手で捻り潰せそうじゃ!」
「あら、貴女もですか? 私もなぜかダンジョンに入った時よりも随分と強い蒸気兵を出せるようになっているような……」
 蒸気兵達を宙を舞うマスケットとガトリングに援護させつつ、エメラはアマミへと言葉を向けた。前線の蒸気兵達は、10と刻印されたものが4体と7と刻印された1体となっており、連携の取れた戦いぶりを見せている。
 合法ロリと和ロリは一瞬視線を通わせ、しばし沈黙した。
 自動的に射撃を続ける魔導蒸気銃の銃声と、蒸気兵達の戦闘音が2人の困惑を他所に響く。
「考えないことにしましょう」
「そうじゃな」
 そういうことになった。

 気を取り直して、アマミは身につけた反重力装置のスイッチを入れた。
 もはや小細工は無用と、エネルギーを纏い、アマミはドラゴンを目掛け飛び出した。
 放射されるブレスを、一気に加速して回避する。
「いわゆる回避盾というやつじゃな……!」
『結髪』を発動させたアマミは、戦場を跳ねるように駆けながらフォトンブラストを放つ。先程アマミ自らがつけた傷口を抉られ、ドラゴンは怒りの混じった咆哮をあげた。
「爪か、ブレスか!? いずれにしても、今の妾にとっては蚊が止まるような遅さじゃよッ!」
 言い放ち、なおも高速で動き続けるアマミを捉え切れないと判断したか、ドラゴンは広間全域を覆うように全力で無差別にアルケミックブレスを放ち始める。
 エメラの蒸気兵は、構える盾でそれを受け止めた。見る間に盾が溶解していく。縦横無尽に飛び回るアマミはブレスをやすやすと回避しているが、行動範囲は次第に狭められていく。
 だが、エメラはそれをドラゴンの最後の抵抗と見て取った。
「援護します。終わらせましょう」
 彼女の号令一下、魔導蒸気銃と蒸気兵達の攻撃が広間の空気を切り裂いた。
 頭部から頸部にかけて突き刺さっていく銃弾の雨が、ドラゴンのブレスを食い止める。
 その攻撃の隙間を掻い潜るようにして、アマミはドラゴンへと迫った。勢いのまま、高々と跳躍したアマミはドラゴンの眼前へと手を突き付ける。
「さあ、妾が水先案内人となりて、直々に躯の海へと渡してやろうぞ! 死ねーッッ!!」
 至近距離からの全力でのフォトンブラストを浴びたドラゴンの眼球から光が消え、音を立てて横倒しに倒れ込む。
 そして猟兵達の勝利を示すように、フロアボスの巨体は消滅していく。
 罠に満ちた迷宮の攻略を完了した猟兵達は、アルダワ魔法学園へと帰還するのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年07月11日


挿絵イラスト