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武芸八十八町動乱大活劇!

#サムライエンパイア

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 剣一閃。木枠の窓より差し込む陽光に波紋がひかるその刹那を、道着の若者は見た。
 見たがしかし、動くより先に刀は振り切られ、その衝撃を誰よりも感じた相手の視界は、斜めにちいさくずれていた。
 なにごとか言おうとした彼の喉は既に切り裂かれ、空気のあわが出るばかり。
 遅れて吹き出た血のしぶきを、『奴』はするりとよけるように相手の後ろへと通り過ぎた。
「弱い、弱い。あまりに弱い」
 刀を納める浪人風の男を、道場の誰も知らなかった。
 ある日突然道場に現われ、冷たい木床に刀を突き立てた彼は開口一番こう述べたのだ。
『この道場で一番強え奴を出せ』
 それからおよそ一分後。
 道場師範代は血を吹き床に沈むこととなった。

「こんな事件が、武芸のまち『八十八町(やづやちょう)』に頻発するようになる。そう、未来の話だ。
 道場破りが現われ、道場主を殺して去って行く。それも道場破りは一人じゃあない。町のあちこちの道場に、様々な道場破りが現われるようだ。
 私たちがこの話をしていることから察しは付いているとおもうが……この事件は恐らくオブリビオンによるもの。
 つまり、俺たちの出番ってわけさ」

 パチンと指を鳴らしたナンシー・アラタメ。
 グリモアガードの風景はみごとにサムライエンパイアのものに変わり、いくつもの道場がならぶ武芸のまち八十八町へと移っていく。
「この町の名物さ。武芸八十八般といってな、様々な武術の道場があちこちに建てられている。剣術槍術棒術、他にも異国の武術やかなり先を見すぎた武術まで様々だ。けど、オブリビオンの武芸者はその上を行く。対抗できるのは俺たちイェーガーしかいないだろう。
 俺たちが乱入して勝負を引き受けたり、反則気味な方法で撃退してしまったり、それ以前に現われる道場に見当をつけて待ち構えたり……とまあやり方も色々さ」
 こうしてオブリビオンの道場破りを倒していけば、必ず元凶が姿を見せるはずだ。
「奴らは確かに強い。強いがしかし、愛が無い。
 過去にとらわれた力は、未来を作る俺たちによって倒される。そうだろう?
 さあ、テレポートの準備はいいな!?」


空白革命
 Don't Say No! JAUT LIVE MORE!!
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第1章 冒険 『招かれざる道場破り』

POW   :    道場破りと真っ向勝負

SPD   :    アイテムやユーベルコードを上手く活用して撃退

WIZ   :    次に襲われる道場を予測して迎え撃つ準備をする

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

逢坂・宵
【WIZ】
道場破りは複数いる、そして同時多発的に道場を訪れている……
となれば、彼らはまず巷の噂でも強いと言われる道場から襲うのではないのでしょうか
そうでなければ、街の入り口から手近な道場を手当たり次第に襲っていくかのどちらかでしょうが

……僕、ですか?
ははは、僕は一般的な術師ですから
斬った張ったは少々不得手でしてね
争い事は他の皆さんにお任せできればと思います
まあ、どうしてもとおっしゃるのならば仕方ありませんが



 八十八町の砂利道を、黒髪の男がゆく。
 通り過ぎる風になびく長髪に、蕎麦屋台の男が振り返った。
「ダンナ、この辺のひとじゃねえな」
「ええ、たしかに……そうですが」
 振り返る男、逢坂・宵。
 彼の腰に下がったステッキを武器とみたのか、蕎麦屋は顔をしかめた。
「道場を探しに来たんならやめたほうがいい。ここいらは今物騒だ」
「ほう。たとえば……あのように?」
 宵が視線を奥へやると、三間坂剣道場という立て看板が切り裂かれていた。
 身の丈二メートルはあろうかという巨漢の剣士に、である。
 ひいといって腰を抜かす蕎麦屋。
 宵はさりげなく男の前に出ると、ステッキに指を触れた。
 身体ごと振り向く剣士。
「貴様。その堂々たる立ち振る舞い……ただ者では無いと見た」
「ははは。僕はただの術士ですから。そういったことは不得手でしてね」
「うそをつけ! 貴様からあふれる気、ただ者のはずがなかろう!」
 剣を大上段に振り上げる巨漢。蕎麦屋は惨劇を目の当たりにせぬようにと顔を覆った。
 その直後。
「どうしても、というのですか」
 ステッキを抜き、天に翳す。
 ただそれだけで、空中に投影された天星図が広がり、この空間そのものが彼のホームと化した。
「仕方がありませんね」
 杖をひとふり。
 斬りかかった男は謎のスパークをおこし、壁へと叩き付けられた。
「ぐ、ぐふ……一体、何をされた……」
「わからないでしょう。あなたでは」
 宵は髪をはらい、きびすを返した。
「さて、次に狙われるのはどこでしょうね」

成功 🔵​🔵​🔴​

坂上・貞信
※アドリブ、絡み歓迎です。

やれやれ、人間相手に自分の力を誇示するだなんて
品の無い真似をするものだねえ……
はてさてそれとも。
それ以外に何か目的でもあるのかな、探し物とか探し人とか。

【行動:WIZ】
まあ良いさ。これまでの行動範囲を地図で見ながら、
共通点を洗い出して次に訪れるであろう道場に目星をつけておこう。

首尾よく表れたならば、『我が愛しき部下よ来たれ』。
門の中で待ち構えた死霊分隊に蜂の巣にさせるか、
死霊軍曹の『スナイパー』で遠くから片付けてしまおう。

悲しいかな。一人の武勇って時代じゃあ無いんだよ、
失われた過去の化身くん。


グウェンドリン・グレンジャー
(数百年ほど時代を先取りした、ハイカラ銘仙にレェスの羽織の異人娘が走り出てくる。)

第六感でどこにいるか予測。
私……は、力押し、しかできない。なので、真っ向から、いかせて、もらう……

(腰から武器を全展開して)
剣は、知らない。でも、戦いなら、負けてない……喰らわせて貰う。

空中戦技能で高度を取り、暗殺技能で死角に回り、Raven's Roarを使用。捨て身の一撃と生命力吸収を使って追加ダメージを狙う。


※アドリブ、絡み歓迎です



 流星道場と書かれた看板にいびつな人の影がかぶる。
 砂の混じった風に目を細める、大鎧の武者であった。
「武芸など下らん。所詮は人殺しの技よ……」
 武者は懐からこぶし大の爆破筒を取り出すと、火打ち石を近づけた。
 と、その瞬間。
「おっと……そこまでだ」
 サムライエンパイアの文化感より数百年単位で時代を先取りした女が現われた。
 名をグウェンドリン・グレンジャー。
 錦織を大胆に着こなした彼女は、指を武者へとつきつける。
「いやだ、と言ったら?」
「かまわない……私、は……力尽くで、とめる」
 武者の手から爆破筒が離れる。頭上高く投げたのだ。
 と同時に腰より太刀を抜き必殺の間合いへ詰める。
 グウェンドリンの膝を切り落とし動きを奪うが狙い。
 しかしグウェンドリンはよけるも退くもせず、ただ一歩深く踏み出したのみ。
 なぜか?
 刃が恐ろしくないのか?
 否。
「剣は、知らない。でも……」
 腰から黒い翼状のブレードをはやすと、武者の刀をすばやくはねのけていた。
「負けない。喰らわせて、もらう」
 更にもう一歩。
 そう、これは『剣の死角』。
「ぐ、おのれ……!?」
 振り込んだ動きのまま防御すらできず鎧武者の肉体ごと、ブレードが切り裂いていく。

 一方。天に放られた爆破筒。これは鎧武者が残した切り札であった。
 密かに着火されていた筒はウェンドリンを吹き飛ばすべく自由落下をはじめる――かに思われたが。
 どこからかの狙撃。空中で爆発する筒。
「その手は読んでいる」
 瓦屋根の上に姿を現わした坂上・貞信が、パチンと指を鳴らしてみせた。
「『我が愛しき部下よ来たれ(コールマイネーム)』」
 道場の影。そして道場の中から現われる死霊分隊。そして死霊軍曹。
 彼らは貞信を見上げ敬礼すると、素早くある方向へと走り出した。
「そして、次の手も、だ。もう隠れても無駄だ。出てくるんだ」
「くっ……!」
 武者がやられた時のために奇襲をねらっていた別の鎧武者が茂みから飛び出してくる。
「技を磨き上げたこの私が、手勢などに負けるはずが――!」
「悲しいね」
 貞信はどこか余裕のある笑みを浮かべると、短く隊列名をコールした。
 まるでひとつの生き物であるかのように、完璧に連携する死霊の兵隊たち。
 すばやく武者を五人がかりで取り囲む。
 いや。五人ではない。
 貞信に、12本の腕がついたようなものだ。
「一人の武勇って時代じゃあ無いんだよ、失われた過去の化身くん」
 断末魔。
 貞信は背を向け、息をついた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

リグレース・ロディット
何だか変わった建物が多い世界だね。初めて見る武術も……いっぱい道場があるからいっぱい死んじゃう。だからダメ。町の人たち助けなきゃ。
【SPD】真正面から戦えるほど僕強くないから……ちょっとこそこそやってみるね。まずね装備の『導きの銀』でオブリビオン探すんだ。ユーベルコードの『凍血焼刃』を『2回攻撃』で攻撃してみたりしてね、少し弱ったくらいで『Rust Murderer』と『ドロップシャドウ』でがっしり拘束したらこの町を引きずり歩くんだぁ。そしたら弱らせることもできるし、こう言う奴らが悪い奴ってわかるから良いと思うんだけど……頑張ってみるね。



「なんだか、変わった建物ばかりだね……」
 細かい砂利で舗装された浅い川沿いの道を、リグレース・ロディットはゆっくりと歩いていた。
 木板で作られた橋や、籠をもって走る飛脚。
 瓦屋根の木造住宅。
 リグレースには新鮮に見えるこの世界も、しかしやはり人の世界。
 どこかかぎなれた、覚えの深い臭いが鼻をついた。
「これは」
 『導きの銀』というモノクル型デバイスを翳し地面を見る。
 血痕。それも新しい血だ。
 血はてんてんと続き、通りを曲がった道場へと続いていた。
 道場に立ち入ればむっとする血のにおい。
 手刀を老人の腹に打ち込んだ胴着姿の男が、小さくこちらを振り返る。
 徒手での武術を教えているであろう師範代の老人はがくりと膝を突き、粗く息をしていた。
 記憶のずっと向こう側に見た、何かに似ていた気がして、リグレースは目を細める。
 首のチョーカーを中指でなでる。赤い爪が、血のようにてらりと光った。
「そこまでにしてもらおうか」
「ふん……」
 彼を一目で敵と認識したのか、道着の男は凄まじい速度で接近してくる。
 が、リグレースは自身の影を鎖のように具現化すると、男の足へと巻き付けた。
 一瞬の停止。
 しかしそれが、絶対の勝機。
「燃える痛みを、その身に刻め――『凍血焼刃(フリーズブルート)』!」
 吹き出した自らの血が無数の刃となって、男へと突き刺さっていく。
 表情をなくし、血の色をなくし、崩れ落ちる男。
 腹を刺された老人はまだ息があるようだ。
 リグレースは安堵と笑みが混じり合ったような複雑な表情で、なにも言わず道場に背を向けた。

成功 🔵​🔵​🔴​

戦場外院・晶
【WIZ】

「強い者と戦いたい……ええ、ええ。分かりますとも」

その願い、叶えて差し上げましょうとも

まちを暫し歩いて巡り、外まで声の聞こえるような活気ある道場を探して【忍び歩き】で入ります
「天下自在符」をお見せして屋根を借り、道場破りを待ちましょう

「お待ちを。そちら私の客で御座います」
道場破りが現れたなら、しめたもの。畳んで見せましょう

「さあ、いらっしゃいまし、まさか、もののふたる方が、恐ろしい訳も……」

斬りかかって来られたら、此方から踏み込みます

「……そこです」

刀を握るその【手をつないで】
止めて見せましょう

【奥義・不生】の応用に御座います

【怪力】と【グラップル】を持ってして、灸を据えて差し上げる



「羅刹無限掌!」
 六つに増えたかのような残像を残し放たれた掌打が、道場主を地面と水平に吹き飛ばす。
 壁を破壊し野外へ転げ出た相手を、しかし彼は追いはしなかった。
「弱い弱い。今を生きる者のなんと脆弱なことか。強い者はおらんのか。強い者をだせ!」
「そのお気持ち……わかりますよ」
 清らかな声に振り返ると、道場の入り口に一人の尼が立っていた。
 否。手にした十字のシンボルは紛れもなく異邦の宗教。そう、しすたあと発音すべき彼女は……しかし。
「貴様、武術を極めし者か」
 そう。この場の誰も、彼女が道場へと入った足音を聞いていないのだ。
「戦場外院・晶と申します……強者を求めるあなたの願い。叶えて差し上げましょう」
 そう言いながらも、構えをとらない晶。
 男は正拳を打ち込む構えをとりながら、じりじりとすり足で間合いを詰めていく。
 リーチはこちらの方が長いはず。男はそう考えた。だが。
 なぜだろう。
 晶の間合いに近づくことが、どうしてもできない。
「さあ、いらっしゃいまし、まさか、もののふたる方が、恐ろしい訳も……」
「そ、そんなわけが……!」
 意を決して踏み込んだ。
 その瞬間。
「そこです」
 相手が間合いを詰める速さよりも早く、晶は自らの間合いを獲得。
 顎に掌打、胸に拳、腹に肘、腰に肘、膝に蹴り足を踏みもう一度腹に拳を打ち込む。他者からは、晶が男のまわりをくるりと踊り回ったように見えたことだろう。
「こ。これ、は」
「『奥義・不生』」
 男に背を向け、手を組み合わせて祈る晶。
 男は、泡を吹いてくずれた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

野良・わんこ
「頼もーーーーーぅ!!」
道場破りが入った直後に道場破りに入る。その道場の看板を持って。
「じゃあわんこがそこの道場破りを倒せば万事解決というわけですね」
「武器? 武器ならこの看板で充分ですよ!」
「ふふん、如何に刀といっても刃筋を通さなければ斬れな斬れたーーーーー!!?」
「いいでしょう、ここはわんこも本気を出しましょう」
腰の刀を抜くと同時に影の追跡者を相手の背後に召喚。
気を取られたスキに刀からサイキックブラストを放つ。
そのままサイコキネシスで天井と壁にしこたま打ち付けてから外に放り出す。
「戦場に常道なし。油断したそっちが悪いのです」
納刀していい感じだったかのように締める。



 真剣をたずさえた浪人風の男が土面の道場へと入っていく。
 練習用の藁を一瞬で全て切り落とした男に門下生たちが腰を抜かし、道場主に剣がつきつけられた。
「看板を渡せばよし。さもなく死ぬだけだ」
「たのもーーーーぅ!」
 場をさくように、どこか人なつっこい声が道場にこだました。
 道場にもとからたっていた看板を肩に担ぎ、胸にベルトをした少女が道場へと入ってくる。
 皆は知っているだろう。野良・わんこのことを。
「道場を破れば看板が下ろされるなら、わんこがその人を倒して看板を戻せば万事解決元通りというわけですね?」
「…………」
 浪人風の男は、わんこを見ても侮らなかった。
 わんこからあふれる不思議な自信とオーラが、ただものではないと思わせたのだ。
「よかろう。腰の剣を抜け」
「腰の? いやいや……看板をかけるんだから、武器はこれでいいんですよ!」
 道場の看板を両手で掴み、肩にかつぐように構えてみせるわんこ。
 浪人風の男は舌打ちし、刀を抜いた。
 看板が真っ二つに切り裂かれる。
「本気でかからねば――」
「――いいでしょう」
 二の句を告げるより早く、わんこは刀を抜いていた。
 抜いて、きびすを返し、浪人風の男に背を向けていた。
 なぜ敵に背を向けるのか?
 むろん、浪人風の男は既に倒れ、道場の壁に叩き付けられていたからだ。
「戦場に常道なし。油断したそっちが悪いのです」

成功 🔵​🔵​🔴​

新堂・ゆき
次に襲われると思われる道場で待ち伏せるのがよさそうです。
人の噂やネットや色々調べて出現した場所はのぞいて、範囲を絞ってと。
下手したら私、門下生に見えなくもないかも?
正当な試合という訳にはいかないでしょうね。
月照丸を繰り勝負です。
パワーでは勝てないかもしれませんが、それ以外なら手数も技術も
負けません。幼少の頃から戦闘三昧ですから・・ね。
(風の中に消えてなくなりそうな呟きで)
1対1なら渾身のオペラツィオン・マカブルをおみまいです!
もう少し歯ごたえのある敵を引っ張り出せればいいのですけど。
不謹慎かもしれませんが、楽しみです。



「道場主はおるか。看板を出せ」
 刀を手に道場の板間へと乗り込む剣士は、しかしはじめの一歩目で足を止めた。
 なぜなら、門下生も道場主も全てが道場の端に正座し、中央には少女がひとり、からくり人形が一体。
 少女――新堂・ゆきは紫色の目をゆっくりと開いた。
「いずれ、ここへは来るだろうと踏んでいました」
 片足を踏み出せば、人形もまた同じく片足を踏み出した。
 ゆきが立ち上がれば、まるで魂が連動しているかのように人形も立ち上がった。
「貴様……何者だ。その立ち居振る舞い、いくさばをくぐり抜けた者と見える」
「そう、見えますか」
 誰に聞こえるでも無い声で、ゆきは小さく呟いた。
「幼少の頃から戦闘三昧ですから、ね」
 冷たい風が吹き抜ける。
 剣士は板の間へと上がり込むと、真剣をゆきへと突きつけた。
「黄桜地獄流、京才……参る!」
 すり足だけで間合いをつめてくる剣士。
 が、ゆきは薙刀を水平に振りかざして刀を防御。直後……!
「月照丸!」
 からくり人形月照丸が相手の剣士と全く同じ動きで相手の身体を真っ二つに切り裂いた。
 崩れ落ち、消え去る剣士。
「これがただの道場破りとは思えません。一体なにが、背後にあるのか……」
 ゆきはうするく、小さく笑った。
「不謹慎かもしれませんがすこし、楽しみです」

成功 🔵​🔵​🔴​

キッシュ・アルザス
(POW)
道場破りに乱入して、堂々、真っ向勝負を挑むよ!
使うのはブレイズフレイム!
強い人と勝負が望みなんでしょ? なら、先に私と勝負してよ
道場の人が危なかったら、割り込んで防ぐことで実力を見せるよ

きっと過去の猛者なんだろうけど、負けるわけには行かないね!
炎を纏って、攻め込んで行こう!
貴方の記憶に、こんな武技の記憶はあるかな?!
貴方達、過去の英傑を倒すために、続いてきた力だ!
ここは、私たちとは違うけど、そんな風に力と技を継承する場。
これ以上、荒らさせたりさせないよ!
倒れそうでも、気合い! 私の炎は、まだ消えてない!



 無数の矢が、さながら機関銃のごとく飛ぶ。
 広い弓道場の的や土面や石壁に、矢が次々と突き刺さる。
 キッシュ・アルザスはそんな中を駆け抜けていた。
「それっ!」
 跳躍によってさらなる追撃をかわすと、空中で弓を発射。
 連射は相手に劣るやもしれないが、一発の威力は熊をも殺す。
 咄嗟に飛び交わした相手の弓使いは派手に転がり、背後の壁が矢一本で崩壊したことを知った。
「フーム……想像以上の手練れ」
「それが望みだったんでしょ? 道場の人たちには手を出さないでよね」
「貴様が期待外れでなければな……!」
 再びの弓連射。
 しかしキッシュはその動きを見切っていた。
 否。わかっていた。
 自らに突き刺さる無数の矢。それをあえて避けずに、身体に地獄の炎を燃え上がらせた。
「それは……!?」
「その期待、応えてあげる。これは過去の英傑を倒すために、続いてきた力だ! ここはそんなふうに力を継承させていくために作られたとても大事な場所なんだ。それを、壊させたりしないよ!」
 キッシュが更に加速。
 とめようと放たれた矢は、しかしキッシュの炎によって焼き尽くされた。
「そんなことで、私の炎は消えない!」
 繰り出された拳が、弓使いの顔面へとめり込んだ。炎が、相手を包み込んでいく。

成功 🔵​🔵​🔴​

天御鏡・百々
ううむ。道場破りか。
武術の冴えを見せるにも、他にまっとうな手段はあるであろうに
少々懲らしめてやらねばならぬか

道場破りが現れた場所を地図に1つずつ記していけば、
何か法則性が見つかるか?

道場破りを見つけたとて、
我が外見(8歳の少女)では相手にされぬかもしれぬな
薙刀での神楽舞(巫覡載霊の舞)を見せれば
相手として認めてもらえるであろうか?

道場破りとの戦い自体はユーベルコードの力に
神通力(武器)による障壁(オーラ防御15)を利用すれば
負けることはないであろう

倒した後は黒幕について情報収集したいが……
気絶してしまっていればそれもかなわぬか?

●神鏡のヤドリガミ
●アドリブ、絡み歓迎



 八十八町に広がる道場破り騒動は、主要な道場こそ撃退することはできたものの、中小の道場たちはいまだ危険にさらされたままであった。
「ううむ、どうやら連中、手当たり次第に襲撃するようになったようだな」
 武術の冴えを見せるにも、他にまっとうな手段はあるであろうに。少々懲らしめてやらねばならぬか……と、百々は小柄な身体で道場のひとつを覗き込んだ。
 棒術の達人らしき男が、道場主を叩きふせている所のようだ。
 彼が棒の先端を道場主の後頭部へ突き立てようとしたその寸前。
「待たれよ」
 道場の中へ、百々は堂々と踏みいった。
「なんだ小娘。ここは遊び場では……いや」
 追い払おうとした棒術使い。しかし、百々を一目見た瞬間に身構えた。
「貴様。イェーガーか……?」
「分かるならば話は早い」
 朱色の薙刀を手に取り、心霊体へと変身し始める百々。
「相手にとって不足なし。ゆくぞ!」
 棒術使いの豪快な足払い。百々はオーラによってその攻撃を受け止めると、薙刀によって相手の足を払った。
 激しい衝撃が棒術使いの身体を上下180度回転。頭から落ちた男は、低く唸って気を失った。
「ううむ……できれば情報を得たいが気絶させてしまっては面倒に……む?」
 百々はふと、男の腕に彫り込まれた桜の入れ墨に目をとめた。
「これは、一体」

成功 🔵​🔵​🔴​

清川・シャル
んー。道場破り破り?
名のある大きい所に「たのもー!」って行けばいいです?
情報収集使いましょ

背中にぐーちゃん、腰に村雨
金棒引っさげてシャルちゃん参上
ちっちゃいけど私は羅刹なので
羅刹なめんなです
強い相手ほど燃えますし

初手はぐーちゃんで目くらましと足止め
強さ分からないですし、視力で見て盾受けと見切りとカウンターで様子見しましょう
隙を見て金棒めり込ませましょ
間合いに入られたら金棒投げつけて抜刀で応戦
ていうか相手の獲物折ればいいんですけどね
鎧無視攻撃、衝撃波、なぎ払い、吹き飛ばし

いい子はおねんねしててくださいねー



「ふむふむ。道場破りはみんな身体のどこかに桜の入れ墨を?」
 清川・シャルは新たに得た情報をメモすると、唇に筆の柄をあてて『んー』と唸った。
 そんな彼女がすれ違えば、誰とて振り返ることだろう。
 シャルの可愛らしい容姿もさることながら、背中や腰にぶらさげた武装がただごとではないのだ。
 ゆえに。
「止まれ。よほどの武芸者と見える。我と手合わせをせよ」
 大きな刀を抜いた男に、赤い橋の上で止められた。
 それがオブリビオンであることを、シャルは一目で確信した。相手も同じだろう。
 決して油断すること無く、シャルへと構える。
「その桃色の棍棒、なかなかの業物。我が勝ったなら置いていくがいい」
「なめんなです。それいけ、ぐーちゃん!」
 シャルはグレネードランチャーを発射。
 相手が爆弾を切り裂き、爆風の中を強引に突き進んでくるのを確認すると、ショッキングピンクの棍棒で迎え撃つ――かにみせかけて、おもいきり棍棒を投げつけた。
「何!?」
 思わず防御する男。
 その横を、シャルは高速で駆け抜けた。
 妖気をまとった刀が振り抜かれ、男は橋の手すりをこえ川へと落ちていく。
 ちらりと見れば、男の首の後ろに桜の入れ墨が見えた。
「あの男にも。もしかしたら、これは……」

成功 🔵​🔵​🔴​

上月・衒之丞
狼藉者でありんすか。
好かねえ事をしなんす、野暮な武佐なんしな。
あちきは強い男も強い女も好きなんしが、強いオブリビオンは嫌いなんし。
人型である身を自身で呪いささんす。

これまでの動きから予測される道を考察し、次に来る道場を予測し、張り込もう。
もしくは、往来の住民に尋ねても良い。
道場破りが入ろうとしたところに糸を伸ばし、四肢を絡めとり拘束する。
「間に合って何よりなんし。無明弦月流、如月、文月。無理に動けば、その首散りなんしや」

捉えた相手を外に連れ出して、次の襲撃先を問い質そう。
答えても答えなくても結末は同じだが。そのまま首を刎ねる。
「今日は紅牡丹の見頃なんしなぁ」
そのまま次の道場に向かうとしよう。



「次の行き先は秀明館……で、ありんすか」
「フン。そうだ。さっさと殺すがいい。長らえた命に価値などない」
「言われずとも」
 上月・衒之丞はオブリビオンの首を切り落とすと、『今日は紅牡丹の見頃なんしなぁ』と呟いて、話に聞く道場へと向かった。
「狼藉者……好かねえ事をしなんす、野暮な武佐なんしな。あちきは強い男も強い女も好きなんしが、強いオブリビオンは嫌いなんし。人型である身を自身で呪いささんす」
 独特の語り口調で現状を確認しつつ、やってきたのは秀明館。
「ほう。イェーガーがおる。ちゅーことは、源助は負けたかな?」
 あごひげの濃い男がひとり、背後から声をかけてきた。
 近づかれた気配などない。衒之丞に気配を感じさせずに近づけるほどの手練れだということだ。
 素早く飛び退く衒之丞。
 相手はもちろん――。
「オブリビオン……。間に合って何よりなんし」
「ハッハァ! てことはあんたが相手をしてくれんのかい!」
 男は鉈のような幅広の片手剣を抜くと、衒之丞めがけて斬りかかった。
 狙いは正確。
 しかし。
「無明弦月流、如月、文月。無理に動けば、その首散りなんしや」
 が、語るときには既に、相手の首は切り落とされていた。
 今日はよく紅牡丹が咲く。

成功 🔵​🔵​🔴​

エスチーカ・アムグラド
道場破りのオブリビオンですか……一体道場はどの様にして選んでいるんでしょうね?

沢山ある道場から絶対にここに来る!という道場を見つけるのは難しそうですが……
でもでも!絶対にオブリビオンが行かない道場は作れると思うんですっ!
二軒か、三軒か、もし出来るならもーっと沢山でも、ご近所さん同士の道場の皆さんに一つの道場に集まって貰えたら、その近辺の他の道場はみーんな空家!
これなら後は一つの道場で待つだけです!
天下自在符を出してお願いすれば、何とかならないでしょうか……?

そしてそして!オブリビオンが現れたらチーカがお相手して差し上げます!
こんなに小さくて相手が務まるのか、ですか?
ふふふー!油断は禁物ですよ!



 八十八町には大小無数の道場があり、裏闇潜り含めればその全てを網羅するのは至難の業だ。
 だがある時をきっかけに……いや、ある人物をきっかけに、事件は大きな転換を迎えることになった。
「道場破りがされそうな道場を絞り込むのが難しいなら、『されない道場』を沢山作ればいいのですっ!」
 おお、驚きの声が重なる。
 エスチーカ・アムグラドはあちこちの道場主に頼みこみ(そして天下自在符を行使して)沢山の道場をお休みにし、道場主を一箇所へ集めることにした。
「てやんでえ! ここらの道場はあっちもこっちも閉めちまいやがって! 臭いをたどってくりゃあなんだこりゃ、ええ!?」
 十手というやや特殊な片手武器を手に道場へ上がり込んでくるオブリビオン。
 道場の中央には、妖精の剣を携えたエスチーカが立っている。
「ご覧の通りです! ここからは、チーカがお相手して差し上げます!」
「なにぃ……?」
 いぶかしむオブリビオン。エスチーカはにっこりと笑うと、剣を手から滑り落とした。
 一体何を? 相手がわずかに油断したその瞬間、エスチーカの周囲にあらわれた風の精霊が疾風の矢を無数に発射した。
「ぐわっ!?」
 直撃をうけ、道場の外に転がり出るオブリビオン。
 追撃のために外に出てみれば……そこには。

成功 🔵​🔵​🔴​

星蝕・焉夜
【POW】
「真っ向勝負なら大して問題ないだろう……
とは言え油断は禁物だがな……
ユーベルコードも使いながら撃退するとしよう……」

右腕に持った銃ごと自身の血液で纏わせ
右腕全体を大きな鎌の様な形状に変化させて戦う
(ブラッド・ガイスト)

「こうも戦いに重きを置くなら俺よりも適任がいるな……
『ミミック』、交代だ……」
『ーーーーーっ!!!』

戦闘衝動に駆られる人格へ変化し
本能のまま武器化した右腕で斬りかかる
他に人が居るなら死角から攻撃したり
急所や関節、神経などの部位を狙って攻撃する

『ミミック』自体は喋れず叫ぶぐらいのバーサーカー


マリス・ステラ
【SPD】ユーベルコードで撃退します

「本来ならこうした役回りは他にお任せするのですが……」

戦えないわけではないし、弓道や合気道の心得はあります
しかし、自分の本領を問われれば「癒すこと」だと答えるでしょう
ならば何故この地にいるのか?

そこに神(空白革命)がいたからです

「道場破りなどという狼藉は見逃せません」

【神の存在証明】で相手の攻撃を受けて、その絶対防御で弾きます
気が済むまで攻撃させて、疲れ果てたのを見て取ると解除して投げ捨てます

「気が済みましたか? それではこちらの番です」

巫女服の埃を払い、居住まいを正してから、

「武道も良いのですが、飲み比べであれば改めてお付き合いしましょう」

サラリと告げます


微笑本・ウサ氏
【SPD】
拙者、情報収集と野生の勘でデカい道場を探して道場破り返しをする。

俺より強い奴にワクワクしながら会いに来た奴には20年変わらない完成された戦術、待ちザイルを使わざる得ないでござる


尖った石、尖各諸刀を投擲
ジャンプで近付いたらアクライザーに
対空↓タメ↑+Kを入力
バトキャをコールし敵に回転する箒頭を放つ

横ステップで避ける系の敵なら
横薙にナウ剣を振るい
アクライザーに
↓↙←↙→+BC後を入力
足元に伝説の狼を放ち
拳を床に叩き付け気を爆散させる

素早さで接近された場合手甲から淡いピンクのブウンと金属剥離で質量のある残像を出せたら見切りと野生の勘で回避と騙し討ちカウンターを蛇尻尾のexカリで串刺し狙い


逢坂・宵
【第六感】【視力】で襲われそうな道場を探していきましょう

やれやれ、少々衣服が汚れてしまいました
道場破りを破るためとはいえ、手荒なのは良くありませんね
ものごとはスマートに鮮やかに、片付けなければいけません
……あれは正当防衛と言うんですよ、ええ。ふふふ

既に襲われた道場の周辺を見て回りましょうか
まだ無事な道場がほぼ間違いなく襲われるはずです
あるいは徒党を組んでひとつの道場を襲いに行っているかもしれませんね
もしそうなら大変なことです
彼らが武力に訴えるのならば僕たちも同じように応えること―――
そうでもしなければおさまらないでしょう
けれど手際よくクールにまいりましょう


星羅・羽織
アドリブ大歓迎!
他の人との絡みも、もちろん大歓迎!
好き放題動かしちゃってOK!

歩き回るだけで、勝負を挑まれる、なんて面白い。
こう見えて、私、戦いもいける口。まかせて。
「本当に、手当たり次第。私が、戦えると思う?」
「ふふ、仕方ない。そこまで言うなら、やってもいい」
相手の、近接攻撃は、錬成カミヤドリで、私の本体のローブを召喚して防ぐ。
私は、魔力の塊みたいなもの、だから、形はある程度練り直し可能。
攻撃を受け流せるように、防具の形にして使う。
小柄な、身体を生かして、相手の懐に入り込んだら、魔法で一撃。
「家に、帰るんだな。お前にも、家族がいるだろう」(どやあ)
このセリフ、言ってみたかった。


孫六・兼元
【POW】
ん、どーじょー破り?ちょっと、戦場のにおい。それなら、刀一本差してあるいてれば、むこーからくるかも?

【目的】
ん、どーじょー破りと真剣勝負。じんじょーに勝負、勝負。

【行動】
ん、八十八町を刀差して歩いてむこーから来るのまち。八十八町巡りしながらどーじょーも巡ればいっせきにちょーっぽい。

【戦闘】
ん、兼元はよく斬れるって有名。戦場100年、元つかい手の模倣だけど、門前小僧(少女)の戦場刀法。いざ、じんじょーに勝負。

※アドリブ、絡み歓迎で。


ココ・タマーニャ
【SPD】
いろんな武芸があって素敵な街ですね!
ホントはゆっくり見て楽しみたいので、平穏な街を取り返しますっ!

私の行動は、各道場の位置、どんな道場か、破られたか看板、を把握してメモしてきますね。
街の人の荷物に隠れたり、お空から見てみたり……
勇敢フェアリーは見つからないのよ!

髪の毛はバンダナに入れ込んで、体はマントで隠せば、とっても地味ですっ。
出来るならこの街でいい柄の布、拝借しちゃおっかな。

他の猟兵さんがいたら情報共有しますね!

あわわ、見つかっちゃうこともありますか?!
真っ向勝負は勝てないよ……
服をばっと脱ぎまして(ビキニ着てるもん)シーブズギャンビット放って
逃げちゃう!
おっきな声で、お助け~!



「だれかー! おたすけー!」
 道場の外で、ココ・タマーニャが裸……もとい、ビキニ姿で全力疾走していた。
 三十センチ弱の少女がビキニ姿で疾走していれば誰だって見る。孫六・兼元だって見る。
 その後ろから刀を振り上げたおっさんが全力で追いかけていたらもっと見る。
「あれが……どーじょー破り?」
 事情がそれほど飲み込めなかった兼元だが、腰に差した刀に手をかけておっさんの前に回り込む。そんな兼元の後ろにサッと隠れるココ。
「あの人オブリビオンです!」
「なるほど……?」
 変質者を突き出すようなテイで言うココを、兼元は素直に信じて刀を抜いた。
 青い鞘にひも飾り。刀身の波紋は美しく光を照り返した。
「いざ、じんじょーに勝負」
「おっと待った。そいつの相手は俺様だ」
 槍を手にした男が滑り込んでくる。こちらもオブリビオンだ。
「いやいや、私が先に目をつけたのです」
 弓をかついだ眼鏡のオブリビオンまで現われた。
「……たくさん、つれた」
「えっ、えっ……まずくないですか?」
 ココはそのへんの石灯籠に入って中から顔だけ出していた。
「まずくない」
 するりと現われた星羅・羽織が、ココたちを守るように立ちはだかった。
「あんたイェーガーだな? 丁度いい、俺が相手をしてやる。ここいらの道場がスッカラカンでいい加減我慢できねえ」
「本当に、手当たり次第。ふふ……仕方ない」
 羽織は赤い眼鏡をかけると、中指でブリッジを押した。
「そこまで言うなら、やってもいい」
「やれやれ。手荒なのはよくありませんね」
 声がするほうへ振り返ってみると、逢坂・宵が服についた砂を払いながら立っていた。
「ものごとはスマートに鮮やかに、片付けなければいけません。このように徒党を組むなど……ふふ」
 けれど、そうなると分かっていましたよ。
 宵はうっすらと笑って言うと、同意を求めるように振り返った。
「本来ならこうした役回りは他にお任せするのですが……」
 マリス・ステラが両手を組んで立っていた。
「道場破りなどという狼藉は見逃せません」
「むふー、俺より強い奴にワクワクしながら会いに来た奴には20年変わらない完成された戦術、待ちザイルを使わざる得ないでござる」
 しゃがみ姿勢のままなぜかじりじりとやってくる微笑本・ウサ氏。
「ああ、いや……言ってる意味はわからないが、まあ、やるべきことはわかる」
 拳をぽきぽきと鳴らし、星蝕・焉夜が身構えた。
「おお! 味方いっぱいですね!? これなら勝てるかも!」
 ココが石灯籠から飛び出し、兼元の肩へと着地する。
 びしり、とオブリビオンの一人を指さした。
「さあ! 力を合わせて撃退ですっ!」

 槍の連打を繰り出してくるオブリビオン。羽織はひらりひらりと奇妙な軽やかさで攻撃を回避していく。
「こいつ、柳の葉でも刺してるみてえだ」
 優れた剣士でも、柳の葉を切り落とすことは難しい。
 風になびき衝撃を受け流す性質をもつ柳の葉は、斬ろうとする力が強ければ強いほど逃げてしまうもの。羽織のひょうひょうとした性質もまた、相手が必死になればなるほど翻弄する力を強めていく。
 それは魔術師のロープが本体であるがゆえの柔軟さなのか、それとも持ち主の性格なのか……。
「攻撃が、単調すぎ」
 突き込まれた槍とまったく同じ距離だけ身を下げ、胸の先で槍を止める羽織。
 彼女の袖の下から伸びたロープが槍に巻き付き、さらには相手の足や腕、首へと巻き付いて動きを縛っていく。
「ボディががら空きでござる……!」
 オブリビオンに飛びかかりながら召喚銃にコマンドを入力。
 ポップコーンがはじけるような音と共に現われた無数のバトルキャラクターたちがオブリビオンに殺到。
 次々と斬りかかる。
 まるで残像を残して大量に切りつけるかのようなウサ氏の斬撃のラストには、『真偽☆ナウの剣』をしっかりと握り込んだ刀による大上段からの切り下ろしが炸裂した。
「しまっ……!」
 真っ二つに切り裂かれ、煙のように消滅するオブリビオン。
「家に、帰るんだな」
「おまえにも家族がいるのでござろう」
 ピッと指を立てて決め台詞を合わせていくウサ氏と羽織。
 そんなウサ氏に鋭い矢が打ち込まれた。
 残像を残して回避するウサ氏。
 更に飛び抜けていった矢を、焉夜が素手でキャッチした。
「戦いに重きを置くなら……交代だ、『ミミック』」
 焉夜がコールした途端、彼に宿った複数の人格のうちのひとつ、バーサーカー人格の『ミミック』が呼び出された。
 掴んだ矢の先端をつかって自らの腕を切りつけると、吹き出た血を自らの腕全体に纏わせる。
「――――ッ!!」
 戦闘衝動にかられるまま、オブリビオンへと飛びかかる焉夜。凶器と化した右腕が相手を食いちぎらんと繰り出される。
 それを、長髪の剣士が刀で受け止めた。
「……ッ!」
 そこへ矢の高速連射をしかけるオブリビオン。
 機関銃のごとき矢が焉夜を襲う……が。
 間に割り込んだマリスがその全てを受け止めた
 否、マリスに刺さる直前で矢が停止し、ぽろぽろと落ちていく。
「私は言いましたね。本来なら他にお任せすると。けれど、それでも、ここにいるのは……」
 マリスはぴん、と指を立てて見せた。
「ここに神が、見えたからです」
 突如、弓使いの周囲に大量の天図盤が現われた。
「手際よく、クールにまいりましょう」
 宵がパチンと指を鳴らすと、天図盤の全てが弓使いへと攻撃を開始。
「お疲れ様です。今度は飲み比べであれば、改めてお付き合いしましょう」
 くるりと背を向けたマリスと対照的に、宵はうっすらと笑って顔を伏せた。
「さあ、最後は任せましたよ」
「まかされた」
 兼元は刀を握り込んだまま、すり足による円周移動をはじめた。
 相手の剣士との中心点を維持したまま、ゆっくりと、しかしじわじわと間合いを奪い合う。
 刀の間合いは同じでも、剣技の間合いはわずかに違う。
 その僅かさが、命を分ける差となるのだ。
「…………」
 沈黙し、足を止める。
 兼元が踏み込むか――と思われたその一瞬。
「えいっ!」
 巧妙に隠れていたココが相手の足首をすぱっと切りつけ駆け抜けた。
 小さな傷だが、ある意味それが致命傷。兼元はココが作り出した相手の隙をつき、一気に間合いを詰めて刀を振り切った。
 相手の刀が振り込まれるよりも早く。自分の身体が切られるより早く。相手を切り裂き、走り抜ける。
 ほぼ同時に、剣士とわたりあっていた焉夜が相手の刀を飲み込むように固定。
 相手の動きを制限したところで、焉夜の封印をもう一段階解放した。
「――ッッッ!!!」
 獣のようにうなる焉夜、もとい『バーサーカー・ミミック』。
 相手の顔面を掴むと、強引に振り上げて頭から石灯籠に叩き付けた。
 それだけに飽き足らず、壁に幾度も叩き付け石壁を破壊。
 相手のオブリビオンを破壊し、拳を振り抜いた。
「……まったく、やりすぎだ」
 人格の主導権を取り戻した焉夜は、小さくため息をついた。
 こほんと咳払いをするマリス。
「道場をカラにするという作戦が、どうやらオブリビオンをおびき出すのに有効に働いているようですね」
「じゃあ、ここにいれば、もっとくる?」
 眼鏡を外して目を瞑る羽織。
 まだやれるというシグナルだが……。
「いいえ。僕たちは一旦ここを離れましょう」
 宵は仲間の顔ぶれを見てそう言った。
 不思議そうに見るウサ氏や兼元。
「ココさん。襲撃された道場のリストは?」
「持ってますよー、ほらっ」
 ココの取り出した小さなノート。そこに書かれた道場のリストと、これまでイェーガーたちが聞き込みで調べてきた情報。
 それらを照らし合わせると……。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​


「目的が道場破りってだけのわりに、現われるところと現われないところがばらばらじゃないですか?」
 芦谷・いろはは仲間の作ったチェックマップを眺めて首を傾げた。
「ちょっと、見せて貰ってもいいですか?」
「あっ、俺も俺も」
「興味あるな」
「たからにもいいですか」
「うあーせまいせまいちかいちかいー」
 マップを横から覗き込む加賀・琴たち。
「たしかに……『どこかからやってきて』『手当たり次第に挑む』なら、町の端っこから塗りつぶされていく筈ですよね」
 目を細めるアイ・エイド。
「なんか空からまき散らしたみたいなばらつきっぷりだな」
 マップを横からひっぱって、王・雷蝕が注意深く顔を近づけた。
「道場破りが空から降ってくるものか。これはむしろ土から沸いて出ているような具合だ」
「……その、両方かもしれません」
 鎹・たからがぽつりと呟いたことで、琴ははたと顔を上げた。
「きっとそれです。何者かが空からあたりをつけて、そこに発生させているんですよ」
 あくまで出現する場所が『道場』に限られていること。
 道場をカラにしてもうっかり入っていってしまうこと。
 挑む道場がばらばらに散っていること。
 これらから導き出される答えは……。
「どうやら、あんたらは気づかなくていいことに気づいちまったらしいな」
 風が吹く。
 飛来する銃弾から飛び退くと、琴は素早く弓を構えた。
 現われるまでの気配がまるでない。
 その場に突然発生したかのような、現われ方だ。
 それも一人だけでは、ない。
「皆さん!」
「ああ、囲まれているな」
 いろはと雷蝕がそれぞれ身構えた。
 すらりとガラスの剣を抜くたから。
 気づけば、周囲を刀や槍、火縄銃などを装備した道場破りたちが取り囲んでいた。
 彼らの腕には、共通して桜の入れ墨。
 だが植物の特徴に詳しい者なら分かるだろう。桜は桜でも、異国より伝来した外来種の花模様であることに。
「あんたらは『あの方』の邪魔になる」
「故に、ここで死んで貰う」
 素早く詰め寄り、刀を繰り出す浪人風の刀使い。
「甘い」
 雷蝕は自らの周囲に十本もの宝剣を生み出すと、浪人の剣を連続で打ち払っていく。
 更に、跳躍から繰り出される二連撃の回し蹴りが浪人へと炸裂した。
 吹き飛ぶ浪人。着地から流れるように身体をまわし、周囲の宝剣を発射していく雷蝕。
 それを横から射撃しようとした鉄砲使いに、たからが音のような速さで接近。
「愛のない強さなど、何を守るために存在するのですか」
 言葉が聞こえた時には既に、たからの剣は鉄砲使いの腕を切り裂いていた。
 明後日の方向へと発射される火縄銃。
 返す動きで、たからの剣が十字に閃く。
 閃き交差。
「あなたは何の為に道場破りをするのですか」
 二十二重。
「命を奪う理由はどこにあるのですか」
 派手に切り裂かれた鉄砲使いが、血しぶきを散らして崩れ落ちる。
「あなたの強さ、たからがほろぼします」
 背を向けるたから。そんな彼女の後頭部をしっかりと狙う弓使いの姿があった。
 瓦屋根の上。死角になる位置。
 弓を引くその動作が終わらぬうちに、鋭く気づいた琴が既に発射態勢にあった弓を放つ。
 相手の腕へと直撃。
 背後から迫る敵の気配。
 琴はかみひとえで上段からの斬撃をかわすと、至近距離から弓を打ち込んだ。
 更に三本の矢を同時に掴み、弓を傾けて一斉に放つ。
 援護にやってきた別の道場破りたちを迎撃した。
「集まりが激しすぎますね。この場所に集結させるつもりでしょうか」
「それならそれで楽なんですけどね。いや、楽じゃ無いですかね?」
 などと首を傾げながらも、いろはは革張りのアタッシュケースの側面を軽く蹴りつけた。
 彼女の存在に反応したのか、ぱかんと開いたケースの中から十八体のぬいぐるみが飛び出していく。
「ともかく、こっちも数で攻めましょう!」
 たかがぬいぐるみと侮るなかれ。
 敵の槍を飛び込み前転で回避し、身体のばねを活かして足下から顎にかけての鋭いアッパーカットを繰り出していく。
 更に増援たちを『一人一発ずつ』殴りつけると、一息に合体。巨大なヌイグルミへと変化した。
 連携をとるであろう集団を一発ずつ殴るのは集団戦の鉄板。そしてアドバンテージをとったまま押し切るのもまた――。
「ハッ……!」
 皆は気づいていただろうか。アイがつい先程から忽然と姿を消していたことを。
 読んでいただろうか。アイがこっそりと民家の屋根によじのぼり、屋根伝いに有利なポジションを獲得し、絶好の奇襲を仕掛けてようとしていたことを。
 そして既に、彼の指輪から狂気の力が浸食し、アイを恐るべき獣へと変えていたことを!
「頭がッ――がら空きだぜェ!」
 豪速で飛びかかったアイのダガーが、道場破りたちの首へつきたっている。
 抵抗する間もなく崩れ落ちる彼らの間をジグザグに駆け抜け、翻弄されている道場破りたちをいろはの巨大ぬいぐるみが蹴り飛ばした。
 回転し、壁に叩き付けられていく道場破りたち。
「ぐ、無念……。このままでは、『あの方』……が……」
 力尽き、煙のように消えていく男たち。
「『あの方』とは、一体……」
 と、その時である。

 りん、と。
 どこかで鈴が鳴った。
加賀・琴
道場破り、ですか。私の本職は巫女なのですけどね。
武器で一番得意なのは弓ですが、弓道場はあるのでしょうか?いえ、あったとしても道場破りに狙われるのでしょうかね?
弓道場を道場破りって、弓道はお互いに的を狙うわけですから相手に向けて矢を放つわけではないので道場破りの印象とは異なってしまうのですが。
弓の次となると巫女の嗜みで薙刀ですが、弓程は自信がないんですよね。いえ、これでも羅刹ですし弓を使うとはいえ近づかれた無力というだけではなく薙刀で戦える程度には使えますけど。
とにかく、町の被害状況から次の候補地を考えてそこで待ち伏せしましょうか。敵が武器を抜いたら射貫いて撃ち落としてしまいましょう。


芦谷・いろは
【Wiz】
う~ん?目的が道場破りってだけなら、大体は目につく所に現れますよね
街の噂になっている道場や
大き目で門下生の多い道場に当りを付けて待ち伏せしちゃいますね!

さて、待ち伏せするのは良いですが いろはは武術は一切できないんですよね
基本か弱い術師ですので
とりあえず『傀儡の宴』でヌイグルミさんを大量に召喚して
道着を着せて道場破りをボコ殴ったりする方向でいきますか?
もしくは他の方と協力をして、横から支援攻撃でもしてようですかね?


アイ・エイド
さァってと…道場破りは何処だ?
適当な道場の屋根の上で目を閉じて集中…!
カオスリングに封印された狂気を纏わせて共鳴しそうな反応を探すぜ!
カオスリングはオレのUDCを発見するための超常機械みてぇなもんな!
複数の反応がありゃ、他の猟兵たちに道場破りっぽい反応の場所を報告しとく!

見ィつけ・たァ!!
屋根伝いに跳びながら道場破りの所へ走り
上から奇襲を仕掛ける!

おいおい上がガラ空きだぜェ?!


王・雷蝕
おれはまだ猟兵として若輩者。力は及ばないかもしれない
けれど功夫(カンフー)の道なら、多少の心得はある
…異国の武芸だし、ここでは他の者にあまり見向きされないかも
おれは中華風の道場の前で敵襲を待とう

你好、初次见面。
道場破りには拱手で敬意を示し、【先制攻撃】で先ず旋風脚
【錬成カミヤドリ】で宝剣を周囲に展開
敵を取り囲むように操って動きの導線を制限する
注意を宝剣に向けさせた瞬間を狙って
狙いをとぎすませ、腹に叩き込む【捨て身の一撃】

…一人で練習した時みたいに、上手く出来たかな
道場の者にも礼をし、また敵襲がありそうなら備えよう
倒したオブリビオンは死霊術で演習相手に使えるだろうか、なんて

(アドリブ等歓迎)


鎹・たから
愛のない強さなど
何を守るために存在するのですか
あなたの強さ、たからがほろぼします

真っ向勝負といきましょう
たからは器用ではありませんから

羅刹旋風で武器を振り回す間
問いかけます

あなたは何の為に
道場破りをするのですか
命を奪う理由は
どこにあるのですか

【覚悟、勇気、恫喝】で怯んだ隙を見て【ダッシュ】で懐まで近付き攻撃
当たりづらいなら当たるまで攻撃すればいいだけのこと
【暗殺、2回攻撃、先制攻撃、気絶攻撃、グラップル、鎧砕き、衝撃波】活用

道場破りの被害者を薬箱を出し【救助活動、医術】で治療
近くの人に助けを求めお医者様を呼んでもらいます

大丈夫ですか
もう心配いりません
あなたの強さ、たからは見ていましたよ



「目的が道場破りってだけのわりに、現われるところと現われないところがばらばらじゃないですか?」
 芦谷・いろはは仲間の作ったチェックマップを眺めて首を傾げた。
「ちょっと、見せて貰ってもいいですか?」
「あっ、俺も俺も」
「興味あるな」
「たからにもいいですか」
「うあーせまいせまいちかいちかいー」
 マップを横から覗き込む加賀・琴たち。
「たしかに……『どこかからやってきて』『手当たり次第に挑む』なら、町の端っこから塗りつぶされていく筈ですよね」
 目を細めるアイ・エイド。
「なんか空からまき散らしたみたいなばらつきっぷりだな」
 マップを横からひっぱって、王・雷蝕が注意深く顔を近づけた。
「道場破りが空から降ってくるものか。これはむしろ土から沸いて出ているような具合だ」
「……その、両方かもしれません」
 鎹・たからがぽつりと呟いたことで、琴ははたと顔を上げた。
「きっとそれです。何者かが空からあたりをつけて、そこに発生させているんですよ」
 あくまで出現する場所が『道場』に限られていること。
 道場をカラにしてもうっかり入っていってしまうこと。
 挑む道場がばらばらに散っていること。
 これらから導き出される答えは……。
「どうやら、あんたらは気づかなくていいことに気づいちまったらしいな」
 風が吹く。
 飛来する銃弾から飛び退くと、琴は素早く弓を構えた。
 現われるまでの気配がまるでない。
 その場に突然発生したかのような、現われ方だ。
 それも一人だけでは、ない。
「皆さん!」
「ああ、囲まれているな」
 いろはと雷蝕がそれぞれ身構えた。
 すらりとガラスの剣を抜くたから。
 気づけば、周囲を刀や槍、火縄銃などを装備した道場破りたちが取り囲んでいた。
 彼らの腕には、共通して桜の入れ墨。
 だが植物の特徴に詳しい者なら分かるだろう。桜は桜でも、異国より伝来した外来種の花模様であることに。
「あんたらは『あの方』の邪魔になる」
「故に、ここで死んで貰う」
 素早く詰め寄り、刀を繰り出す浪人風の刀使い。
「甘い」
 雷蝕は自らの周囲に十本もの宝剣を生み出すと、浪人の剣を連続で打ち払っていく。
 更に、跳躍から繰り出される二連撃の回し蹴りが浪人へと炸裂した。
 吹き飛ぶ浪人。着地から流れるように身体をまわし、周囲の宝剣を発射していく雷蝕。
 それを横から射撃しようとした鉄砲使いに、たからが音のような速さで接近。
「愛のない強さなど、何を守るために存在するのですか」
 言葉が聞こえた時には既に、たからの剣は鉄砲使いの腕を切り裂いていた。
 明後日の方向へと発射される火縄銃。
 返す動きで、たからの剣が十字に閃く。
 閃き交差。
「あなたは何の為に道場破りをするのですか」
 二十二重。
「命を奪う理由はどこにあるのですか」
 派手に切り裂かれた鉄砲使いが、血しぶきを散らして崩れ落ちる。
「あなたの強さ、たからがほろぼします」
 背を向けるたから。そんな彼女の後頭部をしっかりと狙う弓使いの姿があった。
 瓦屋根の上。死角になる位置。
 弓を引くその動作が終わらぬうちに、鋭く気づいた琴が既に発射態勢にあった弓を放つ。
 相手の腕へと直撃。
 背後から迫る敵の気配。
 琴はかみひとえで上段からの斬撃をかわすと、至近距離から弓を打ち込んだ。
 更に三本の矢を同時に掴み、弓を傾けて一斉に放つ。
 援護にやってきた別の道場破りたちを迎撃した。
「集まりが激しすぎますね。この場所に集結させるつもりでしょうか」
「それならそれで楽なんですけどね。いや、楽じゃ無いですかね?」
 などと首を傾げながらも、いろはは革張りのアタッシュケースの側面を軽く蹴りつけた。
 彼女の存在に反応したのか、ぱかんと開いたケースの中から十八体のぬいぐるみが飛び出していく。
「ともかく、こっちも数で攻めましょう!」
 たかがぬいぐるみと侮るなかれ。
 敵の槍を飛び込み前転で回避し、身体のばねを活かして足下から顎にかけての鋭いアッパーカットを繰り出していく。
 更に増援たちを『一人一発ずつ』殴りつけると、一息に合体。巨大なヌイグルミへと変化した。
 連携をとるであろう集団を一発ずつ殴るのは集団戦の鉄板。そしてアドバンテージをとったまま押し切るのもまた――。
「ハッ……!」
 皆は気づいていただろうか。アイがつい先程から忽然と姿を消していたことを。
 読んでいただろうか。アイがこっそりと民家の屋根によじのぼり、屋根伝いに有利なポジションを獲得し、絶好の奇襲を仕掛けてようとしていたことを。
 そして既に、彼の指輪から狂気の力が浸食し、アイを恐るべき獣へと変えていたことを!
「頭がッ――がら空きだぜェ!」
 豪速で飛びかかったアイのダガーが、道場破りたちの首へつきたっている。
 抵抗する間もなく崩れ落ちる彼らの間をジグザグに駆け抜け、翻弄されている道場破りたちをいろはの巨大ぬいぐるみが蹴り飛ばした。
 回転し、壁に叩き付けられていく道場破りたち。
「ぐ、無念……。このままでは、『あの方』……が……」
 力尽き、煙のように消えていく男たち。
「『あの方』とは、一体……」
 と、その時である。

 りん、と。
 どこかで鈴が鳴った。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『彼岸の兜風鈴』

POW   :    風鈴の音が響き渡る
予め【風鈴の音を響かせ続ける 】事で、その時間に応じて戦闘力を増強する。ただし動きが見破られやすくなる為当てにくい。
SPD   :    風鈴の音が共鳴する
【共鳴振動となる甲高い風鈴の音 】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
WIZ   :    風鈴の音が死者を呼ぶ
【黄泉の国 】の霊を召喚する。これは【悲鳴】や【武器】で攻撃する能力を持つ。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 りん、と鈴の音が聞こえた。
 ただそれだけだ。
 ただそれだけだと言うのに、周囲に無数の『気配』が充満した。
 それらを敏感に察知したイェーガーたちは身構え、そして予測した。
 これまでの『集団道場破り』。
 ただ人を襲うだけなら道場破りなどする必要は無い。
 ただ道場を潰して回りたいだけなら端から塗りつぶせばよいのに、それをしない。
 一部のイェーガーは既に、気づいていたのだ。
 これが……。
「過去からの侵略、というわけですか」

「「――然様」」
 一斉に現われた刀使い、槍使い、拳法使いに弓使い。火縄銃に鎖鎌、棒術忍術十手術……ありとあらゆる古代の達人たちが亡霊となり、イェーガーたちに襲いかかる。
 現代の武術を守るため、現代に生きる人々を守るため。
 いざ!
 尋常に!

 ――勝負!
上月・衒之丞
ふむ……雅な音でありんすな。
けど……これでは牡丹は咲きんせんなぁ。
ま、ようざんす。これもまた風流と思いなんし。

伸ばした鋼線を自在に操り、絡め取りながら切り捨てて行く。
風鈴自体が切れなくとも、中の分銅を吊るす糸を切っていけば音は鳴るまいよ。
「無明弦月流、文月、如月。その音色、封じいす」
雁字搦めにしておけば、死者も呼び出せまい。
後は匕首で割っていくだけだ。

風鈴は心に染み入る音色でありんす。
しかし、その音色が死を運びささんせば、それは捨て置けない話でありんす。
疾く、散りなんせ。

さぁて、牡丹が咲き乱れ、風鈴が鳴り、次に出てくるのは何でありんしょうなぁ。


坂上・貞信
※アドリブ、絡み歓迎です。

――然様。

じゃあ無いんだよねえ。
何?達人さん達はまさか同調してないよね?
自分の強さを現代に知らしめたいだの何処まで通用するか見たいとかさあ。

【行動:WIZ】
操られているにせよ、同調しているにせよ。
いずれにしたって今じゃ貴方達は単なる暴徒だ。
まともに相手をしてあげる気はないね。

呼び出した死霊分隊達に『一斉発射』で片付けさせる。
制圧せよ、相手の土俵で戦うな。
耳障りな鈴の音諸共に黙らせろ。

もしも、操られていてだ。
悔いるような達人が居られるならば、刀を抜いても良いけども。
何にしたって趣味の悪い事をするものだ。全く。


星羅・羽織
アドリブ大歓迎!
絡みももちろん、大歓迎!
本体はロー『ブ』です! ロー『プ』にも変形できるので大丈夫ですけど!

なるほど、亡霊による侵略。
手練を、使えば、効果てきめん。評価する。
でも、私の方が、強い。大昔から存在してて、今も、生きてるから。

そういえば、気分を、高めるために、私も、和服を着てみた。どう?(くるくる)

一人で、立ち向かうなら、複数人を相手しない。
相手は一人。引きつけて、指向性が、高い魔法で、確実に仕留める。

皆で、立ち向かうなら、範囲攻撃。
盾役を任せて、少し後ろから狙う。味方を巻き込まないように、注意。

面白くなるなら、攻撃を受けたり、誤爆してもOK


芦谷・いろは
尋常に勝負っみたいな感じですが
数で勝負されたら、こっちも数で勝負といくしかないじゃないですか!
【傀儡の宴】を使用します

いきますよ!ヌイグルミさん達、構えてください。
少しでも周りの方がが戦いやすい様に敵の動きを阻害し
少しでも隙を見せた敵は徹底的にボコ殴りしていきますよ!

さぁさぁ、『あの方』とは一体誰なんです?素直に白状しちゃってください
喋ってくれてる間は生き延びる事出来ますよ?



「何? 君たちまさか同調してないよね? 自分の強さを知らしめたいとかそういう企みにさあ」
 坂上・貞信は刀の柄かしらを指でトントンと叩くと、深く長く息を吐いた。
 周囲の幽霊たちは彼に答えることなく次々と人数を増やしていく。
 一見無意味に増殖しているように見えるが……貞信は既にその法則性に気づいていた。
 全員の身体に彫り込まれた桜の入れ墨。
 そして『この町』に伝わるある噂。
「操られているにせよ、同調しているにせよ。いずれにしたって今じゃ貴方達は単なる暴徒だ。こっちも数で当たらせて貰うよ」
 貞信が高くコールすると、上官の命令に従う今亡き兵士たちが出現、ライフルの一斉射撃を始めた。
 もはや幽霊の兵隊と兵隊がぶつかり合う合戦の場。
 その中で、貞信は『黒幕』の企みに目細めた。
「『彼岸の兜風鈴』……黄泉の国から死者を呼び出し戦力にするオブリビオン。趣味の悪いことをするものだ。これを『使った』奴は、さ」
 無数の幽霊どうしがぶつかり合う。
 浅く流れる細い川や、赤い橋や、瓦屋根の通りが、今や刀のぶつかり合う音と発砲音に支配されている。
 そんな中を、ローブのヤドリガミ星羅・羽織は和服の裾をひくようにして走った。
「なるほど、亡霊による侵略……手練を、使えば、効果てきめん。評価する。でも」
 首めがけて繰り出された刀をコンパクトな前転で回避。
 羽織は風の刃を手刀にやどし、相手の足を切りつけて転がり抜けた。
 長い和服の袖がひかれ、前後反転にあわせて風車のようになびく。
「私の方が、強い。大昔から存在してて、今も、生きてるから」
 背後から別の刀使いが襲いかかる。
 大上段から打ち下ろした刀が――しかし、空中で停止した。
「ふむ……雅な音でありんすな。けど……これでは牡丹は咲きんせんなぁ」
 それこそ鈴を転がしたような声でくすくすと笑う上月・衒之丞。
「ま、ようざんす。これもまた風流と思いなんし」
 彼女が指をひくと、先程まで刀を掲げていた男は派手に転倒した。
 見えざる糸が彼を縛り、さらには次々と増える幽霊たちを同じ速度で縛りつけていく。
「無明弦月流、文月、如月。その音色、封じいす」
 ぴん、と糸のひとつを弾くと、幽霊たちが次々と締められ、裂かれ、ねじきれていく。
「風鈴は心に染み入る音色でありんす。しかし、その音色が死を運びささんせば、それは捨て置けない話でありんす――疾く、散りなんせ」
 すらりと抜いたあいくちの刃が、襲いかかる幽霊たちを次々と切り捨てていった。
 加勢すべく走る羽織。
 立ちはだかるは巨漢の槍使い。
「そこを、どいて」
「押し通れ!」
 頭上で槍を振り回し、岩をも砕く打撃を繰り出してくる槍使い。
 羽織はひらりと跳躍すると、風をまとった回し蹴りを繰り出した。
 真空の刃がやり使いの首筋を切り裂く。
 更に衒之丞の繰り出した糸が槍使いの前身を縛り付け、動きを完全に封じた。
 ばらばらに分解され、煙のごとく消えていく槍使い。
 一方で、芦谷・いろはは無数のぬいぐるみを一斉に立ち上がらせた。
「いきますよ、ヌイグルミさんたち! 構え――!」
 複雑な指の型。ぬいぐるみは一斉に構え、突撃してくる数人の幽霊たちをつぶらな瞳で見上げた。
「撃ッ!」
 ヌイグルミ第一陣が跳躍して注意を引き。
 ヌイグルミ第二陣が幽霊たちの足首にタックルをしかける。
 バランスを崩した所に第三陣が跳躍。腕部に仕込んだ金属パーツで相手の額を打ち抜くように殴りつける。
 ばたばたと崩れ落ちる幽霊たち。
「『あの方』とは誰のことなんです? 素直に白状した方が身のため……ん? かな?」
「問答無用!」
 薙刀を構えた男が背後から切りつけてくる……が。
 貞信分隊のライフル射撃と羽織の放った風のナイフが直撃。男は突風にさらわれる紙のごとく吹き飛び、民家の壁に激突した。
 それに対抗するように、『彼岸の兜風鈴』は風鈴の音を甲高く鳴らし始めた。
 幽霊たちが何事か呟き、ゆらゆらと起き上がる。
「ヌイグルミさんたち。防御の陣です!」
 橋の上に立ち、前後を守るようにヌイグルミたちを配置するいろは。
 それを壁代わりにして、貞信分隊が射撃を開始。
 火縄銃を装備した幽霊部隊の射撃をぬいぐるみたちが頑丈なクッションのように受け、その隙に貞信分隊が反撃するという仕組みだ。
 幽霊たちは確実に数を減らしていく。全て倒しきるまで、もう一息だ。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

新堂・ゆき
あらあら、びっくりですね。戦いたい相手がよりどりみどりというところ
でしょうか。
古代の達人、ちょっとだけ不謹慎ですが、戦えるのが嬉しくなりそうに
なりました。
どなたが相手でも私は負けません。月照丸を繰りながら数が多い時は
舞を使って纏めて攻撃です。
以降は手近の倒せそうな相手を倒しつつ舞を挟みます。
戦場で舞を舞わせていただいている気分ですね。
月照丸も存分に舞う事ができますね。
さようなら、過去の方々。ゆっくりお休み下さいね。
人形を構えてクールにキメ。


星蝕・焉夜
【POW】
「過去の英雄、達人には敬意を払うが……
亡霊風情が、今を生きる俺達の邪魔をするんじゃない……
纏めて叩き潰してやろう……」

『ミミック』は消費が激しい上に連携という点では劣る
なら、今回戦ってもらう人格は……

『私(わたし)が出よう。
『管理人』(焉夜)も疲れているのだろう?』
「なら任せるぞ、『黄昏』……」

再び人格が入れ替わり、右腕の武器も大鎌から両刃の大剣へと変貌して
(ブラッド・ガイスト)

『公平に世界に調和を』

速さと一撃離脱重視のヒット&ウェイで相手を翻弄し
仲間がいるなら死角から急所を斬りつけたり
死角からの攻撃をカバーしたりと忙しなく動く


アドリブなど歓迎です



「あらあら、よりどりみどり……ということろでしょうか」
 赤鳥居の連なる神社の道で、新堂・ゆきはくすくすと笑って立ち止まった。
 行きも帰りもさせはせぬと、侍風の男たちが刀を抜いて立ちはだかる。
「お相手して差し上げましょう……月照丸」
 きりり、と十指にからんだ指を繰れば、武者鎧を着込み黒子のような布で顔を覆った人形が立ち上がる。
 この戦いのために組み替えた剣術戦闘用のパーツである。
 そこへ。
「一人じゃつらいだろう。手伝うぞ」
 星蝕・焉夜がゆらりと鳥居の道へと割り込んだ。
「連携か。なら『ミミック』より向いてる奴がいるな」
『ああ……私が出よう』
 焉夜の表情がどこか深く重いものとなり、腕を覆う血の武器もグレートソードへと変化した。取り回しを軽く切断を容易にする穴が等間隔にあいた、そりのある剣である。
「頼むぞ、『黄昏』――任された、『管理人』」
 焉夜は侍風の男へと突撃を開始。大きな剣を右腕に接続しているというのに、信じられないような速度で距離を詰める。
 刀では届かないが焉夜の剣なら届くギリギリの距離。焉夜の間合い――否、黄昏の間合いだ。
「公平に、世界に調和を」
 侍の肩から胸にかけてを斬りつけ、テンポよく身をひく。
 反撃の刀を鼻先ギリギリで回避すると、その場で回転。相手の胴体を上下二分割して切り裂いた。
「くっ……!」
 片方の味方が突破されそうだという事実に焦ったのだろう。
 もう一方の侍がゆきめがけ突撃してくる。
 ただ刀を振り回しているだけでないことは、ゆきの目にもよく分かった。
 油断すれば首をはねられかねないことも。
 だが。
 それでも。
「行けますね、月照丸」
 繊細に、しかし豪快に、巧みに指を操るゆき。
 月照丸は相手の刀に自らの刀を打ち付けて威力を相殺。
 相手が次なる攻撃を繰り出すよりも早く、肘と膝、そして腰のギミックを解放した。
 展開されるブレードが、相手を高速で切り刻んでいく。
 ひとふりで二十三の斬撃を繰り出した月照丸は、振り切った姿勢のまま停止。
 ゆきもまた、手を高く翳した姿勢でぴたりと停止した。
「さようなら、過去の方々。ゆっくりお休み下さいね」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

孫六・兼元
【心情】
ん?過去からの侵略?…ちょっと、無様。戦人なら迷い出て晩節けがしてどする?

【目的】
ん、敵へらす。迷い出たなら黄泉比良坂にぼっしゅーと。

【行動】
ん、敵おーいからまわりの同僚とれんけーしてこうど~。とりゃーず、『あの方』とかいうの斬りながらさがそ。

【戦闘】
ん、敵がおーいから『戦闘知識3』で経験いかして戦場はーくしながら、まわりの同僚とれんけーしてこうど~。

近接戦は所有してる戦闘技能いかしてなんとかする、するっぽい。

後は、ぶっぱできそうなら『光刃鉄槌』で光刃はっしゃー。ん、さいきっくえなじー猟兵になっておぼえてべんり、ぶっぱ、どーん。(ぇ

※アドリブ、絡み歓迎で。


微笑本・ウサ氏
達人どもがわざわざ稽古を付けに参ったでござるか?
ならば、拙者の糧と成って頂こう

念動力で尖った石を使い牽制牽制

敵の足元を狙い白い道着のモンクをコール
対空上昇技→↓↘+P
天翔る龍の拳(こぶし)
たまに赤や黒やピンクが出る

敵が打ち上がったら空中戦でコンボ
ナウ剣の柄で殴り
ガードを上げた場合は蛇尻尾がexカリで横殴り
敵を盾にするために蹴り離れた間合いでナウ剣真っ向割り

野生の勘で周りを警戒
残像と見切りで回避活動

味方の方がへ盾にした敵を飛ばしパス

ナウ剣右手
アクライザー左手
exカリ蛇尻尾の変則二刀流

両手でナウ剣を持つ時は鍔競り合いの時に手甲から隠し刀がブォンと騙し討ちカウンター

鈴の穴を増やせば鎮まるでござる?


青原・理仁
過去の達人か、面白ぇ
今の武術が、過去に届いてねぇのか、過去を越えたのか…
試すには丁度いいかもな?
いくぜ、叩き潰してやるよ

俺の武器は徒手空拳だ
敵の攻撃を見切り、払って捌きつつ時折牽制の攻撃を打ち込み
ここぞという所で捨て身の覚悟の一撃、撃砕雷業拳を叩きこむ
雷の属性攻撃、怪力込みで威力の上昇を狙い

昔の奴に負けてたまるかってんだよ…!


ナイツ・ディン
「いろんな武芸があるな。ま、槍なら俺は負けないけどな!」
基本は突っ込んで薙ぎ払い、攻撃は盾受け(鉄のカード)や敵を盾にする技能で避けてカウンターに一突き。小柄な体格を活かして翻弄しつつ薙ぎ払っていくぜ。
「かわす暇も与えんよ!」
「ディロ(竜槍)も暴れたりないってさ。もう一勝負しようか!」


リグレース・ロディット
(絡み・アドリブ大歓迎)

あの方、って誰なのかな、ぶしとか、領主様、の事なのかな?敵だから誰でも良いや。
【WIZ】召喚された霊がね、なるべく範囲になるようにしてUCの『赤く煌く影が散る』で攻撃するよ。あのリンリンなっているのを一撃っていうのは難しそうだけど、召喚されたものにならなんとかなる、はず。中に入ろうとしたらたぶん、絶対攻撃されちゃうよね?そういうのは『激痛耐性』で我慢するね。えっと、攻撃してまだ残っている霊がいたら『暴食紫炎』で攻撃するね。頑張るよ。


天御鏡・百々
黄泉より死者を呼び寄せたか
……死者は静かに眠っているべきものだ
我が力にて黄泉へと送り返してやろう

ユーベルコード「巫覡載霊の舞」を使用し、光を纏う
これで生半可な攻撃など通じぬぞ

その上で、破魔23を乗せた真朱神楽(武器)にて
まとめてなぎ払ってくれようぞ(なぎ払い5)

悪しき者には破魔の力が有効であろう
我が力を持って、悪霊も根源たる風鈴も
全て浄化してくれようぞ!!

●神鏡のヤドリガミ
●アドリブ、絡み歓迎



 広い砂利の大通り、障子戸の開くすららたんという音に、孫六・兼元は振り返る。
 どこか遠い風鈴の音。
 刀を下げた着流しの男が現われる。
「……ん」
 刀の柄に親指と中指を這わせ、抜き放つ先を見定める兼元。
 次の瞬間。八つの建物より襖がからりとひらき、同じ刀をぶらさげた幽霊の集団が次々と現われた。
 自身そのものが刀である兼元には、彼らのさげた刀が『日本刀に似せて作られた刀』であることが分かった。イギリスより火縄銃が伝来する一方で、逆にイギリスへ渡った日本刀の技術が鍛冶屋にコピーされ輸入という形で戻った刀。これに正しい名称はないが、仮に英吉利刀としよう。
「無粋」
 全ての幽霊が一斉に斬りかかる。
 時代劇のような順番待ちなどない。総員決死の突撃である。
 対する兼元は、刀を逆手のまま抜き一転。
 つま先でくるりと回り刀を順手に持ち替えただけに、見えたやもしれぬ。
 しかし斬りかかった全ての幽霊は切り伏せられた。
「……『光刃』」
 呟く兼元。対して、周囲の建物という建物の襖ががらがらと開き、大量の風鈴が一斉に鳴り響いた。
 囲まれた?
 否。
「囲ませてやったので、ござる」
 瓦屋根から飛び降り、現われたばかりの幽霊を上下真っ二つに切り裂く微笑本・ウサ氏。
 と同時に、青原・理仁とナイツ・ディンが道中央へとテレポートされてきた。
「過去の達人か。面白ぇ」
 こきりこきりと左右に首を鳴らし、理仁は拳を握り込んだ。
「大きさも文化も、随分趣が違いそうだが……」
 ドラゴンランス『ディロ』をぐるぐると降って勢いをつけるナイツ。
 理仁の頭上に位置どると、妖精の翼を広げて旋回運動を始めた。
「負けるつもりはないな!」
 まずは弾丸のように走るナイツ。
 刀で受ける幽霊――だが、弾丸とナイツの違いは自らの力で飛んでいるということ。刀身ぎりぎりの位置で軌道を変えると、相手の首筋を切り裂き駆け抜けた。
 屋内をカーブ。畳じきの部屋で大きな8の字を描くと、襖を破って踏み込んできた幽霊二人の間を切り抜けるように飛んでいく。
「こやつ。虫のごとき小ささのくせに――間合いを読んでおる!」
 刀を振り込むには相応の間合いがいる。壁際天井そば味方の隣では刀を振ることが難しい。ナイツはそれを完璧に把握し、敵の立ち位置を利用して安全圏を飛び回っていた。対して身長が30センチもないナイツは一方的に槍を振り回せる。
「かわす隙すら与えんよ」
 二人まとめて頸動脈を切り裂き、敗れた襖から外へ飛び出していく。
 一方で、ウサ氏は銃型召喚デバイスを操作して地面に召喚ゲートを作成。白い道着のモンクを呼び出した。
 空手の構えをとるモンクと並んでボクシングのフォームをとる理仁。
「ボッコボコにしてやるでござる!」
「だな。叩きつぶしてやるよ」
 はじめに切り込んだのは理仁だった。
 刀での迎撃。
 剣道三倍段といって刀を持った方が圧倒的に有利であるように思われるがそれはあくまで常識範囲内での話。常識を踏み越えたところにイェーガーは、理仁はいた。
 首狙いで打ち込まれる刀。
 握りと肩と目の動きからそれを察した理仁は深く頭を落として突進。
 頭上をすり抜けていく刃。
 振り切った懐に潜り込み、身体をひねるようにして相手の脇腹へ拳を叩き込んだ。
 くの字に曲がる相手の身体。
 そこへ飛び込むウサ氏のバーチャルキャラクター。
「『天翔る龍の拳』!」
 デバイスにコマンド入力を行なうと、無数に分身したキャラクターの連続対空パンチが幽霊へと炸裂していく。
 最終的に一人に合体したキャラクターは多段ヒットの末に相手をはるか天空へと吹き飛ばしていく。
 更に尻尾に握ったバールと右手の刀で背後から迫る敵を斜め回転連続斬りで振り払う。
 理仁は並み居る敵の間を軽いフットワークですり抜けながら一人一人の顔面を殴りつけていく。
 殴った全ての相手の顔面がねじれるように崩壊し、血をふいて崩れていく。
「過去においてきた奴らなんかに、負けてられるかってんだよ」
 顔の前で握る拳に、バチンとスパークが走った。
 ざざん。
 ざざん。
 と、足音の群れ。
 通りの先も後ろも、無数の幽霊たちの列が出来ていた。
 遠い風鈴の音が――否、風鈴のような姿をしたオブリビオンが、それらを扇動するように
 それを阻むように、瓦屋根を走って通りへと着地する天御鏡・百々。
「これだけの死者を呼び寄せたようだが……死者は静かに眠っているべきものだ」
 百々は薙刀を振り込むことで神を降ろしはじめる。
 振るという行為は古来より祈りの動作とされ神に通じる力とされた。
 どっと押し寄せる幽霊たちを薙刀のひとふりだけで蹴散らすと、巨大な風鈴――『彼岸の兜風鈴』へと突撃した。
 それを阻もうと押し寄せるさらなる幽霊たち。
 しかし。
「『その目に、その夢に』――」
 声。
 と共に。
「『この花を』」
 天空より現われたリグレース・ロディットが軍勢の中央へと強制着地。
 地面に打ち付けた手のひらを通じて、血と影が渦巻くように広がっていく。
 その全てが夕顔の花弁へと変わり、周囲の幽霊たちを一息で吹き払っていく。
 『彼岸の兜風鈴』に描かれた両目が驚きのように開かれる。
「幽霊たちは引き受けるよ。あとは、任せてもいいかな?」
 お先へどうぞと指し示すリグレース。
 百々は頷き、開かれた戦場を駆け抜ける。
 一瞬遅れて、兼元とナイツ、ウサ氏と理仁も駆け抜けていった。
 追いかけようとする幽霊たちに、リグレースが腕を広げて立ちはだかる。
 彼の手に無数の花弁が集まり、大きな鎌へと変化した。
 刃をはうように紫の炎がわき上がる。
「言ったよね。きみたちの相手は、僕がするって」
 リグレースの目が、僅かだが見開かれた。
 炎が波をうつように、走る。

 防御のために風鈴の音を響かせ続ける『彼岸の兜風鈴』。
 呼び出した幽霊は、しかし兼元とウサ氏の剣によって切り裂かれる。
 放つ衝撃は理仁の拳に打ち破られ、鈴覆いはナイツの槍によって崩壊した。
 ひび割れたかぶとに、百々の薙刀が高く振りかざされる。
 神の衝撃を伴った刃が、ぎらりと陽光を反射させた。
「我が神通の力もて――浄め払い賜え!」
 大上段から打ち込んだ薙刀が、『彼岸の兜風鈴』を真っ二つに破壊する。
 と同時に、大量の幽霊たちが一斉に姿を消した。
 オブリビオンの力によって呼び出された幽霊たちは、現世との接続を切られて再び黄泉へと帰ったのだろう。
 だが、ひとりだけ。
「ふむ、ふむ……」
 瓦屋根の上に立ち、イェーガーたちを見下ろすオブリビオンの姿があった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『明石全登』

POW   :    神の鉤爪
自身に【神の加護】をまとい、高速移動と【西洋刀による衝撃波】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
SPD   :    孔雀連砲
レベル×5本の【貫通】属性の【速射爆裂弾】を放つ。
WIZ   :    明石ダンス
【キレのある異教の踊りで】、自身や対象の摩擦抵抗を極限まで減らす。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は鍋島・小百合子です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「レディースエンジェントルメン! 姓は明石、名は全登。神道に縛られた世に神の奇跡を広めるべく、再び降臨!」
 瓦屋根から跳躍した明石全登は、宙返りをかけると、西洋刀を抜いて着地した。
「私の軍勢を打ち破ったことは褒めてやろう。だが、それもここまでだ。
 貴様らを倒し、日本の武芸のことごとくを破壊し、西洋伝来の文化で満たすのだ。
 いざ尋常に……!」
 西洋のマスケット銃を向け、明石全登はにやりと笑った。
「勝負」
坂上・貞信
※アドリブ、絡み歓迎です。

この国に受け継がれし武術と武術を相争わせ、
横合いから新しい文化で塗り潰さんとする……
やれやれ、実に趣味が良い事だ。

少し腹立たしいくらいだよ。

【行動:POW】
さて、少し思い出したけど。
どうやら僕の基礎モデルはこの国の未来に近しいらしい。

突き、回し打ち、肘打ち、横蹴り。
古流武術の流れを汲み、西洋武術から技術を取り入れた
軍隊格闘術を厭味ったらしく見せてあげよう。

貴方は先見の明があるとも言える。
西洋からの流れをいつかこの国は無視出来なくなる。
だが、築き上げたものが無くなりはしない。

それを見せつけられたなら、全力の居合を叩き込ませて貰うぞ。



「うん、うん……なるほど」
 坂上・貞信は小さく頷きなら、ゆっくりと歩み出た。
「この国に受け継がれし武術と武術を相争わせ、横合いから新しい文化で塗り潰さんとする……やれやれ、実に趣味が良い事だ」
「ほう、貴様は確か……多くの部下にばかり戦わせていた男だったな」
 明石全登はくるりと鉄砲を回して肩に担ぐと、西洋刀を突きつけて見せた。
「たった一人で出てきていいのか?」
「悪いように見えるかな」
 貞信はわざとらしく肩をすくめると、スッと腰の位置を落とした。
 滑るように、しかし素早く、相手が間合いを計るよりも早く接近し、気づくより早く拳を繰り出す。
 明石全登に超人的な反射神経がなければまともに鼻を折られていたことだろう。
 飛び退く動きに、張り付くように繰り出される蹴り。
 刀や鉄砲の間合いではない。鉄砲の柄だけを使って蹴りを受け止めると、牽制のために剣を振り込んだ。
 まるで一歩後ろに瞬間移動したかのように、いつの間にか剣の間合いから外へ出ている貞信。
「少し、思い出してきたよ。……貴様は知らないだろうが、これをある世界では『軍隊格闘術(マーシャルアーツ)』と呼ぶ。貴様はある意味聡い。西洋の流れをこの国はいずれ無視できなくなる。だが、それで古来の文化が喪われるわけではないぞ!」
 鋭く放たれた剣が、明石全登の鼻先を切った。

成功 🔵​🔵​🔴​

戦場外院・晶
「いざ、尋常に……勝負!」

歓喜と共に駆けましょう
今こそ命を賭けましょう
……なんとなれば

「今この瞬間の為に、猟兵になったのです!」

【オーラ防御】と【奥義・不生】を頼りに肉薄、それしか知りません
明石全登様が銃を撃とうが、踊ろうが【手をつなぐ】それしかないのです

もしも、それが叶ったら
「貴方、私の手の内で御座います」
笑いましょう

【怪力】と【グラップル】の限りを尽くして戦いましょう

なぜ笑うのか?
「楽しいからで御座います!」
なぜ戦うのか?
「無論、これより楽しい事を知らぬが故に!」

もしも【祈り】があるとすれば
「ああ、この瞬間よ、永遠なれ!」

舞う、目を配る、足を捌く、拳を振るって心を滾らせる!

「かくあれかし」



「代わりましょう、坂上様」
 示し合わせたかのようにタイミングの良いスイッチで、戦場外院・晶が前へ出た。
 胸に下がった十字のロザリオ。明石全登はそれを見て目を細めた。
「貴様も西洋の神をあがめるか。ならば分かるはずだ」
「ええ、ええ、わかります。わかりますが……」
 とん、と足を踏み出したそれだけで、大地が吠えるように応えた。
「武芸者が相見えた今、他に何がいりましょうか」
「……よかろう」
 明石全登は刀を納め、銃を納め、軽やかなステップと腕振りで誘うようにスピンして見せた。
「南蛮渡来のダンスでお相手しよう」
「望むところ……!」
 猟兵となったのはこの瞬間のため。
 晶は素早く相手の間合いに飛び込み、繰り出される手刀を掴んで止める。ねじり上げ投げ飛ばすも、明石全登は空中で回転して晶の拘束を解き着地。高速の回し蹴りを繰り出してくる。
 直撃のコース。
 しかし。
 晶は笑っていた。
 手の甲で蹴りを止める彼女に、明石全登はなぜ笑うと目で問うた。
 享楽至極故にと、晶は目で応えた。
「ああ、この瞬間よ、永遠なれ!」
 大きく振り乱した晶の髪が陽光に輝き、連続で繰り出される明石全登の腕を全て掴み、強制的に放り投げた。
 全登の身体が民家の壁に叩き付けられる。

成功 🔵​🔵​🔴​

鎹・たから
明石全登…武将なのですね
すみません、きっと日本史の授業で見たはずですが
さっぱり思い出せません

ですがあなたはオブリビオン
今を生きる人々を傷つけるなら
たからはあなたを、ほろぼします

この身に悪鬼を宿します
どんな代償を払っても構いません

主に手裏剣と連珠を使って攻撃を
この国の武器は、世界に負けないほど強いのですから

【暗殺、2回攻撃、先制攻撃】で先手を取り
腕や脚を狙って機動力を落とします

敵の攻撃は【ダッシュ、空中戦】で躱しながら
味方と連携し危機に陥った方を【かばう、オーラ防御】で支えます

【気絶攻撃、グラップル、鎧砕き】で腹部か顔目掛けて拳を一発
この世は誰にも縛られていません
だれを信じるかは、ひとの自由です



「さすがはイェーガー……徒人とは次元が違う」
「あなたも。『ただの』明石全登ではないのですね」
 剣を低くさげ、立ち向かう鎹・たから。
「……気づいていたか」
 明石全登は死んだ。だが、彼がよみがえったわけではない。
 今ここに立っているのは、明石全登を『模した』オブリビオン。文化侵略の概念、そのものなのだ。
「今を生きる人々を傷つけることは許しません」
「許さぬなら、どうする」
「たからはあなたを、ほろぼします」
 これ以上、語る必要などない。
 全登は抜いた鉄砲を発射し、たからはそれをガラスの刀身で受け流した。
 袖から抜いた棒手裏剣を鋭く放つ。
 それを膝の鎧で蹴り飛ばす全登。
「吹き飛ぶがいい。この時代の文化と共に!」
 鉄砲を特別な形に変形させると、爆裂弾を連射。
 たからを爆発が覆い、砂煙が舞い上がっていく。
 トドメとばかりに飛びかかる全登。
 だが逸るべきではなかったのだ。
 はれた煙のなかより、自らを毒で蝕むことと引き替えに悪鬼を降ろしたたからの姿が、あることを、彼は知らなかったのだ。
 繰り出した西洋刀が、たからの手に握られることによって止められる。
「ひとは自由です。この文化も、きっと」
 強く握り込んだたからの拳が、全登の腹へと勢いよくめり込んだ。

成功 🔵​🔵​🔴​

加賀・琴
巫女として神道に縛られた世とか言われるのは嫌な気分になりますね。あと、どっちかというと信仰されているのは特に民衆では仏教の方が多いと思いますよ?
まぁそれはともかく、伴天連でジョアンという洗礼名を持つキリシタン、でしたか?
その辺はよく分かりませんが、西洋伝来と言いましても渡来人はあの信長が召喚した者達ですし、この国の海の向こうには何もないです。そう、伴天連の、キシリタンの国も聖地も無いのですが、それでもやるのですか?

でも、神道を嫌う貴方の前に、巫女の私が立ちはだかるのも確かに神のお導きかもしれませんね。
【凶祓いの矢】貴方のその技はもう見せて貰いました。故に貴方の神のご加護を祓わせていただきます。



 吹き飛び、砂利道を転がる明石全登。
「伴天連でジョアンという洗礼名を持つキリシタン……それが明石全登、でしたか」
 加賀・琴は弓を引き、全登へと狙いを定めた。
 放つ矢がスピーディーなダンスによって回避される。
 自らの周囲を駆け回り翻弄しようとする全登。
 琴はそれを目で追うこと無く、弓にふたたび矢をつがえた。
「確かに、地球の歴史にある明石全登は海外の宗教を信仰し、その文化を愛していました。けれど、だからといって日本の文化を破壊して塗りつぶそうなどとは思わなかったはず。なにより……あなたの存在には矛盾がありすぎる」
 鋭く放った矢が、走る全登の足へと命中。膝を白い矢が貫いていった。
 ただの矢ではない。琴が祈りを込めた『凶祓いの矢(マガツハライノヤ)』である。
 祈りの力は全登からダンスの力を奪い、再び砂利へと転倒させる。
「この海の向こうにはなにもない。あなたが信仰する神も、南蛮渡来のすべても、かの魔王信長が呼び出したものにすぎないのです」
「く、クク……」
 膝から矢を抜き、立ち上がる全登。
「気づいたとて変わらぬ。このサムライフューチャーの世界を破壊し、塗りつぶすまで。武芸も、神道も」
「それをさせないために、巫女の――そして猟兵の私がいるのです」

成功 🔵​🔵​🔴​

星蝕・焉夜
【POW】
「貴様程度の者が神を騙るのか?
笑わせてくれるな……
貴様如きが神を騙るな……」

鮮血にて武器を十字架の杖形成しつつ、いつもとは違う左腕に纏わせる

『我(わたし)が出よう
我(わたし)を置いて神を騙る者よ
その愚行、我(わたし)が救済しよう』
「ああ任せるよ、『黎明』……」
『使徒の頼みだ
この愚者に我(わたし)の権能を魅せるとしよう』

義翼を羽ばたかせ駆け出し第六感で相手の攻撃を見切り地形を利用して近付く

『終焉より現世に留まる我が権能、とくと味わうがいい』

闇混じりの光属性を纏わせ薙ぎ払い、連続攻撃を行い圧倒する
(ブラッド・ガイスト)



「神は我と共にある! 神の加護を、奇跡を見よ!」
 剣に奇跡の衝撃を纏わせ、大地に突き立てる明石全登。
 大地が震え、引き裂かれるように地面が切り裂かれていく。
 血でできた盾で身を防いだ星蝕・焉夜は、盾の裏で歯噛みした。
「貴様程度の者が神を騙るのか? 笑わせてくれるな。貴様如きが……!」
 左腕を振り込めば、血の武器は十字の杖へと変化した。
『私が出よう』
「……『黎明』か」
 焉夜は内なる自分。数ある人格のうちのひとつ『黎明』へと語りかけた。
『私を差し置いて神を布教する愚か者を、救済しよう』
 すう、と焉夜の顔つきが変わっていく。
「見るがいい、知るがいい。私の権能を」
 血管のように走った力のラインが片翼を覆い、大きく羽ばたきを始める。
「笑止! 神はひとつだ!」
 再び高速化した明石全登の動きに、焉夜は直感のみで対応した。
「終焉より現世に留まる我が権能、とくと味わうがいい」
 闇と光の混じり合った杖が、背後に回り込んだ全登の剣を激しく打ち払う。

成功 🔵​🔵​🔴​

孫六・兼元
【心情】
ん?ぜんとー…おーさかで討ちそこね?迷いでたなら帰ってどぞ。それに、かみの奇跡なら、やどがみがもういっぱい降臨してるからいらない、いらないっぽい。

【目的】
ん、ぜんとー討伐。しんどーばんじゃい。

【行動】
ん、おーさかのお-戦のつづき…旧主への最後のご奉公にそのそっ首、斬り落とさせてもらうっぽい。

【戦闘】
ん、へんな南蛮かぶれだけど、戦歴と武勇は兼元の旧主とくらべ物にならない、すっごい武将。だから、まわりと連携、協力大全てい。『戦闘知識5』で状況を把握、味方があぶないときに『オーラ防御3、武器受け2』で攻撃防御。隙をうかがい、ここぞというときに『剣刃一閃』くびちょんぱねらい。ん、首級よこせー。



 隙。
 一瞬の、しかし致命的な隙。
 孫六・兼元は音も無く背後をとり、美しい音と共に剣を振り込んだ。
「ぐ……」
 目を見開く明石全登。
「ん、おーさかのお-戦のつづき。旧主への最後のご奉公にそのそっ首、斬り落とさせてもらうっぽい。……ん、ちょっとちがう」
 ずるり、と全登の首が傾く。
 兼元は刀を納めながら背を向けた。
「もう、落とさせてもらった。しんどーばんじゃい」
 いつも通りのぼんやりとした表情で、刀を鞘にかちんと収める兼元。
 が、直後にわき上がった禍々しい気配に素早く振り返り、そして飛び退いた。

 地面に落ちた明石全登の首がニヤリと笑い、そして闇のように溶けた。
「神よ、おお、神よ」
 ロザリオを握りしめる明石全登……いや、『明石全登を模したもの』。
 彼が信仰する神とは、これまでのイェーガーたちが推理した通り信長の呼び出したオブリビオンそのものである。
 つまり、今、彼に卸されているものとは……。
「――ッ!」
 超高速で詰め寄り、繰り出された手刀。兼元はそれを瞬間抜刀で弾くが、直後に膝蹴りを受けて飛ばされた。
 空中をくるくると回転し、両足と片手をついてギリギリ着地。
「ん、わかった……ここからが本番っぽい」
 兼元の目に、闘志の炎が燃え上がる。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

逢坂・宵
◆アドリブ歓迎
◆共闘描写歓迎

日本の武芸を、ですか
僕も術師ですから、自分の扱う戦闘の術こそが最良とも考えます
ですが、破壊するなどとんでもない
誰だって自分の術を否定されたくはないですからね
ですので、お手合わせ願います
まあ、僕の場合は魔術ですが

『属性攻撃』『2回攻撃』『高速詠唱』『全力魔法』を用いて
『天撃アストロフィジックス』で攻撃します
仲間との連携も密にして
お互い効率的に戦えたらいいですね


微笑本・ウサ氏
(。´-д-)ハァー
拙者達の立ち回りを観察しておいて何が尋常にでござるか?

手数は観られておるし
奥の手参る
いっけー!キマイライジング

必殺技の様に四輪駆動玩具の名前を叫び敵に向け真っ直ぐ放る

諸君、彼奴は恐らく舞うステップを見切るでござるよ
舞とは基本のリズムがあるでござる

無意味に玩具を走らせ周りの狩兵の後ろに回り込みタンクを任せる

移動の邪魔になるように
exカリをゴルフの様に振り道場の床を破壊し目潰しに飛ばす

砲は見切りと野生の勘頼り

狩兵の影になる様に動き接近して
exカリをソードブレイカーとして剣を挟もうと左手で下手から武器落とし狙い
どうせ力負けするので
蛇尻尾をガチキマにし砲を持つ手を噛み砕きに行く


マリス・ステラ
【WIZ】で冷静沈着に状況を判断しながら戦う

「現れたようです」

その気配を察知して目を覚ました私は現場に急行します

「祈り」を持って邪を払い、【生まれながらの光】で味方を癒します

全登の攻撃は「第六感」と「オーラ防御」で致命傷を避けることを優先
必要であれば味方を守るために踊りに誘って「おびき寄せ」る

「奇遇ですね。私も神の奇跡を体現する者、一曲いかがですか?」

疲労が激しくとも自身の「封印を解いて」踏みとどまり、癒しの奇跡を行使して支えます

「勇者たちよ、臆することはありません。汝らの力を存分に振るいなさい!」

その声は「破魔」の力を宿して味方を「鼓舞」するために

「お酒ならお付き合いしましたのに、残念です」


新堂・ゆき
アレンジ大歓迎
はあ、あのまたよくわからないのが出てきましたが。
ともかく全力でお相手します。
月照丸を繰りながら攻撃です。この子にそんな銃は効きません!
弾丸ぺしっと人形で叩く。
西洋も和もいいところは沢山あるはずなのに、西洋だけ推すのが理解
不能ですね。
接近して全力のオペラツィオン・マカブルです。
ところで、道場破り事態が和風な気がしますよ?
あ、もう倒れて聞こえてませんか。
これで少しは平和になるでしょうか。


星羅・羽織
アドリブ、絡みなんでもござれ!
好きに動かしまくってください!!

やっと、大ボス登場。
雑魚ばかりで、待ちくたびれた。

今回も、他の人と、連携できるなら、どんどんしていく。
錬成カミヤドリを、駆使して、いろいろなレンジに対応するようにする。
近いなら、受け流す。
中距離なら、回避しつつ、カウンター。
遠距離なら、受け切って、遠距離魔法をぶち込む(ぶちこめる?)

銃撃は、厄介。
ローブを、前に翻して、弾を吸収。もしくは、受ける。
他の人を、守れたらいい。

……そういえば、私の技術、元を辿れば、概ね、西洋伝来の魔法体系だけど、問題ない?
とりあえず、日本武芸っぽい技名を言っておけばセーフ?


天御鏡・百々
神道を否定するというのは捨て置けんな
(神社に祀られていた御神体の鏡からヤドリガミになっています)

西洋文化に価値を見出すのはよいが
代わりに日本を否定するというのも狭量に過ぎる
様々な文化があるからこそ世界は素晴らしいのだ

奇妙な踊りではあるが、あの動きのキレを見るに
生半可な攻撃では避けられてしまいそうか?
ならば此度は支援に回るとしよう

序盤は神通力(武器)による障壁(オーラ防御15)で味方を護りつつ
敵の攻撃を見極めるぞ

味方が致命傷を受けそうな場面、
もしくは攻撃の相殺で敵に大きな隙ができる場面で
幻鏡相殺で敵の攻撃を無効化する

敵に隙ができた今こそ攻め時ぞ!(鼓舞5)

●神鏡のヤドリガミ
●アドリブ、絡み歓迎


上月・衒之丞
……そう名乗りなんせば、洋名で名乗りささんすべきでは?
まぁ、あちきは構いせんが
まぁ、ようざんす。無明弦月流が使い手として、お相手仕りんす

妙な動きをするようだが、絃術は直接断ち切ることが主ではない
動くほどその身を斬る絃の檻
敵の周囲に糸を張り巡らせ、掛かった所から断ち切っていく
「無明弦月流、文月。籠の鳥となりんせ」

別に西洋かぶれだろうと何でも構わないが
共存出来ずにただ否定するだけでは認めるわけにはいかない
故に

もう興味がないとばかりに背を向け、歩み出す
追おうが撃とうが構わない。既に仕込みは終わっている
雨のような縦糸で刺し貫き、地面に縫い付ける
「見えじとも唯、そこにありんす。無明弦月流、睦月」


リグレース・ロディット
(絡み・アドリブ大歓迎)
どうして今あるものを壊そうとしちゃうんだろう。もったいない。そんなんじゃどっかのヴァンパイア共とおなって、あ、そっかあいつオブリビオンだ。倒さないと。
【POW】ユーベルコードの『血統覚醒』で勝負しよう。ついでに真の姿にもなって、思いっきり暴れるね。ああいう、敵は皆のために早く倒したほうが良いって聞くし頑張るね。敵の守りは崩せば良いし、衝撃派なんて我慢すれば良いじゃん。簡単だね!!
ちょっと強そうだから装備の『ドロップシャドウ』を使って緩急をつけるよ。敵のペースを崩せれたら良いんだけどなぁ。



 わき上がる『侵略』の概念。
 明石全登の名と伝説を借りたそれは、首があった場所より概念の闇をわき上がらせながら声なき声でざわざわと笑った。
「「破滅せよ。南蛮渡来の文化によって蹂躙され、滅びるがいい!」」
 無数に分裂するマスケット銃。
 発射された弾は空中で爆弾へと変化し、イェーガーたちへと降り注いだ。
 砂利道が吹き飛び、瓦屋根が吹き飛び、橋が、川が、道場の看板が吹き飛んでいく。
「やれやれ。僕も術師ですから、自分の扱う戦闘の術こそが最良とも考えますが……他を破壊してまでそれを示そうとするのは傲慢ですね」
 宵は長い髪を払い、服についたほこりを払った。
 爆弾で吹き飛んでいないのは、彼らを包み込む光があったからだ。
「私も神を信じ、奇跡を体現する者。あなたのような、まがい物と違って……」
 マリス・ステラは手を組み、祈りをもって光をもたらしていた。
 『生まれながらの光』があたりを包み、宵たちを爆発から守っていたのだ。
 しかしこの奇跡も無限に生み続けられるものではない。
「勇者たちよ、臆することはありません。汝らの力を存分に振るいなさい!」
 それを知っていて尚、マリスは仲間たちを激励した。
 お言葉に甘えて。
 宵は指を立てると、天空を指さした。
「『太陽は地を照らし、月は宙に輝き、星は天を廻る。そして時には、彼らは我々に牙を剥くのです。さあ――』」
 天が光ったように見えた。
 否。
「『宵の口とまいりましょう』」
 およそ百本の流星の矢が、全登へと襲いかかったのだ。
 迎撃すべく鉄砲を乱射する全登。
 その隙に、新堂・ゆきが五指を広げて顔の高さへと掲げた。
「今です、月照丸!」
 刀を握り込み突撃する月照丸。
 全登はそれをはねのけるべく鉄砲を放つが――。
「この子にそんな武器は通用しません」
 きりり、きり。もはやゆき本人にしか理解できないような糸操術でコマンドを入力すると、月照丸は飛来した爆弾を刀で切断。
 爆風の中を無理矢理に切り抜けると、至近距離まで迫った。
 迎撃。鋭く放たれた西洋刀が、月照丸へと繰り出される。
 石をも切り裂こうかという斬撃であったが、しかし。
 月照丸はびくともしない。
「西洋も和もいいところは沢山あるはずなのに、西洋だけ推すのか……理解
不能ですね」
 『オペラツィオン・マカブル』。斬撃をそのままコピーした月照丸が、明石全登を切りつけた。
 切りつけられた衝撃のまま吹き飛び、空中でブレーキをかける『明石全登』。
 宙に浮いたまま、『明石全登』はこちらを見下ろしている。
「もはや話すら聞かない……というわけですか」
「こんな破壊ではなく、お酒ならお付き合いしましたのに……残念です」
 ゆきとマリスは次の攻撃に備えるべく構える。
「今思えば色々と変だったでござる」
 微笑本・ウサ氏はぷはーとため息をついて、それまで猛威を振るっていた武器をそれぞれしまい込んだ。
「『彼岸の兜風鈴』を利用してまで用意した武芸者たちをわざわざ道場破りに使っていたり、『明石全登』を名乗っていながら破壊や侵略にばかり執着していたり、拙者たちの立ち回りを一通り観察してから出てきたり……」
 ウサ氏は拳をグッと握り込むと、拳をライオンの頭部に変化させた。
「いくでござる! キマイライジング!」
「ふむ……あくまでこの世界を壊すための侵略であった、というわけか」
 繊維満々のウサ氏の一方で、天御鏡・百々は自らの胸に手を当ててみた。
「神道を否定するなど捨て置けんと思ったが……理由が一つ増えた」
 自らの中から幻鏡を召喚し、胸に抱く。
「なんでもいい。雑魚ばっかりで、待ちくたびれてた」
 星羅・羽織はわざとらしくあくびをするしぐさをしてみせると、魔法使いのローブを19着複製。彼女の頭上を浮遊し、一斉に身構えさせる。
「……一気に行く」
 和服の袖をひらひらとやって、羽織はうっすらとだけ笑った。
「一気に行くなら、付き合うよ」
 リグレース・ロディットが爆発によって崩れたがれきを吹き飛ばして現われた。
 彼の目は宝石のように紅く輝いている。恐るべきヴァンパイアの目だ。
「確かに不思議だったんだ。どうして今あるものを壊そうとしちゃうんだろうって。もったいないな、ってさ。けど……理解したよ。オブリビオン、なんだよね」
 ぐわり、と開いた手に紫の爪が光る。
 伝説のごとき力が、今リグレースの手の中にあった。
「まぁ、ようざんす。無明弦月流が使い手として、お相手仕りんす」
 同じく、上月・衒之丞がゆらりと戦列に加わっていく。
 すっと突き立てた指。色っぽく前歯で指先を噛むと、きりきりと銅線が伸びた。
「さあ、行こうか」
 リグレースは一足先に飛び出した。
 風より早く走り、『明石全登』の胸を掴む。
 その衝撃のまま背後の壁を破壊。板張りの道場を突き抜けて反対側の壁を破壊すると、広い庭へと『明石全登』を放り投げた。
 バウンドする『明石全登』。しかし音より早く走った『明石全登』の西洋刀がリグレースを襲う。
 首を切り落とす軌道。しかし、間に走った透明な糸が刀の動きを一瞬だけ阻害した。
「無明弦月流、文月。籠の鳥となりんせ」
 衒之丞が指から伸びた糸を引けば、『明石全登』を締め付けていく。
 が、『明石全登』はそれを無理矢理に引きちぎり、リグレースを蹴りつけた。
 地面と水平に飛び、建物を崩壊させながら突き抜けていくリグレース。地面をワンバウンドしてから爪とつま先でブレーキをかけると、再び相手へと突撃を始めた。
 リグレース一人で、ではない。
「いっけー! キマイライジング!」
 拳をライオン化したウサ氏がまっすぐに突撃。
 ある意味力任せに突っ込んでいく。
 そんな二人を迎撃しようと乱射される鉄砲。
 機関銃もかくやという弾幕がはられるが、蛍のように空を舞う羽織の分身たちが弾幕を払い、受け、包み込んでいく。
 さらには百々のはった神通力の壁が弾幕と爆発を阻み、味方を守護していく。
 ウサ氏たちは飛びついた羽織のローブを纏って防御を固めると、『明石全登』を殴りつけた。
 相手の肉体を食いちぎるウサ氏のライオンバイト。
 一方で『明石全登』は常識を逸脱したダンスを開始。追撃に繰り出される羽織の連続ローブアタックを全てするすると受け流していく。
「あのダンスが邪魔、っぽい」
「案ずるな」
 『幻なれど鏡は鏡、映りしは鏡像なれど同じ力』
 百々がきらりと光らせた幻鏡に『明石全登』が映り込み、鏡映しの『明石全登』が全く同じダンスによって特殊能力を無効化した。
「さあ――今ぞ!」
「魔を払うのです!」
 百々とマリスが呼びかけたその瞬間、衒之丞はくるりと背を向けて指を引いた。
 あたりにいつの間にか張り巡らされていた無数の銅線が『明石全登』にからみつく。
「見えじとも唯、そこにありんす。無明弦月流、睦月」
 ウサ氏は剣とバールをフル装備で再度飛びかかり、リグレースと羽織も別方向から同時に飛びかかる。
 宵の魔術が天空を埋め、ゆきの月照丸が高速で走る。
 その全ての剣が、拳が、『明石全登』へと直撃していく。
「ぐ、ふ……!」
 『明石全登』を覆っていた侵略の概念そのものが破壊され、『明石全登』を模していた肉体だけが放り出される。
 彼が転がったのは奇しくも、八十八町の剣道場であった。
 板張りの床に這いつくばり、ゆっくりと起き上がる明石全登。
「んー? なんでござるかあれは。首も元にもどってるようでござるし?」
 ぽっかりとあいた壁のあなから入ってくるウサ氏。
 壁の外から様子を見ていた百々が小さく首をふった。
「『明石全登』を模していたオブリビオンとしての力……その多くが破壊され、散った状態なのだろう。もはや神はなく、ただの人。いや……ただのオブリビオンの武芸者にすぎん」
「さあ、どうします? ここで終わらせてもいいのですが」
 宵が余裕たっぷりに問いかけると、明石全登はむくりと立ち上がり、足下に転がっていた剣を手に取った。
「むろん……大人しく消えるつもりはない」
「ならば」
 マリスはちらりと仲間のほうを見た。衒之丞はもうやるべきことはやり尽くしたという顔で背を向けている。
 羽織も、そしてゆきも、残る『四人』に託すことにしたようだ。
 ヴァンパイアの力を解いて、優雅に手を翳して案内するリグレース。
「任せたよ。これが、最後の勝負だ」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

エスチーカ・アムグラド
武芸の破壊なんて、そんな事させません!
どんな武芸だって、どんな文化にだって、それを今この時まで伝えてきた人たちの思いがたーっくさん詰まっているんですから!

チーカはユーベルコード、斬風で戦います!
戦場の風に乗って、炸裂した爆風に乗って、素早くオブリビオンを斬りつけますよ!
鎧をしっかりと着込んでいるようですから……関節の可動部、防御の薄い所を狙うように戦います!
チーカも、チーカの剣も小さいですからね! 狭い所を狙うのもお任せください!

あなたは妖精の剣技を見たことがあるでしょうか?
無いのであれば、チーカがたっぷりと教えてあげます。
とはいえ、あなたの目に映るかはわかりませんが!



「どんな武芸だって、どんな文化にだって、それを今この時まで伝えてきた人たちの思いがたーっくさん詰まっているんですから! 破壊なんてさせません!」
 道場へと踏み込んだエスチーカ・アムグラド。
 踏み込んだというより、舞い込んだと言うべきだろうか。
 およそ二十センチ弱のフェアリーが剣を構えて浮遊している。
 形式も文化も、世界すらも違う彼女の武術に対して、明石全登は正面から鉄砲を突きつけた。
「ならば、証明してみせろ」
 世界を超えても剣は剣。腕と想いの強さは、言葉を超えて通じるだろう。
 エスチーカは剣を通じて風の精霊に呼びかけると、自らを突風に変えて突撃した。
 鉄砲から放たれた弾が次々と爆発。
 エスチーカほど小さな者なら爆風にあおられてしまうのでは……そう思うのは、エスチーカを、フェアリーの戦士を知らぬからだ。
「風は、チーカのお友達です!」
 風を自らに巻き付け、爆風そのものを推進力にし、エスチーカは相手へ急接近。
 高速の斬撃が、明石全登を切りつけた。
「見えましたか。これが、妖精の剣技。想いの籠もった武術です!」

大成功 🔵​🔵​🔵​

ナイツ・ディン
SPD
「東洋西洋どころか異界の武術だが……力比べといこうかね!」
エアライド・ディロで巨大化(60cm程度)したドラゴンランスの紅竜ディロに乗り、空をかける。槍は蒼竜『ローア』。騎乗9、空中戦5、場合によってはジャンプで分離してアクロバットに回避したり。
「ディロ、当たるんじゃないぞ」『我を誰だと思っている!豆鉄砲なぞ当たるものか!』
慢心系ドラゴンだが無茶な避け方するのしばしば。だからこそ狙いにくいかも?
小柄で火力不足ならば、速度でもって勝負。目立たないも使って奇襲的に攻撃しても良いな。使える手はなんでも使うぞ。
勢いつけた串刺しなら鎧の隙間とか貫けるかな。レイピアみたく。

共闘、アドリブ大歓迎



 二番手は同じくフェアリー。ナイツ・ディンである。
「ディロ、行けるか?」
『野暮なことを』
「……確かにな」
 ナイツは皮肉げに、口の方端だけで笑った。
「今行かなきゃ、嘘だよな――来い、ディロ!」
 槍を振り回し、心で語りかける。
 ドラゴンランスより現われた赤き竜ディロ。ナイツはその額にしがみつくように搭乗すると、片目から血を流す明石全登へと突撃した。
「くっ……!」
 突撃を飛び交わし、転がってから鉄砲を連射する明石全登。
 道場の天井を破壊して大空へと飛び上がるディロは、自らを追うように放たれる銃弾と爆発を豪快な空中ターンで回避していく。
「当たるなよディロ」
「我を誰だと思っている! ――豆鉄砲など、雨粒同然!」
 ターンから明石全登の頭上をとったディロ。
 明石全登は対抗して鉄砲を連射。広がる爆発。炎に包まれるディロ。
 が、攻撃の要はディロではない。
 ディロの先端から弾丸のように飛び出した、ナイツである。
 明石全登の鎧を貫き、利き腕を貫いていくナイツ。
 こぶし大の穴によって腕をおとされた明石全登は、ぐらりと身体を傾かせた。

成功 🔵​🔵​🔴​

芦谷・いろは
部下が倒されてからのご登場ですか
中々にいい性格されたお方ですね~

さて、尋常に勝負って事なので いろはも遠慮せずにいきますね
からくり人形の襲さんを起動です

基本は襲さんによる《なぎ払い》や《武器受け》等をしようし、敵さんの攻撃を捌いていきます
敵さんが大ぶりな、隙の多い動きを見せた所で【七星七縛符】を使用して
一瞬だけユーベルコードを封じますね
その一瞬さえあれば他の方々がどうにかしてくれるはずと信じてます!
頑張ってください!
長時間封印するのはめっちゃ疲れるので無理です!いろはそこまで体力ないですので



「ぐ……まだだ!」
 銃を放り捨て、剣を手に取る明石全登。
「では、次はいろはの番ですね」
 大空のあいた道場で、芦谷・いろはは五指に操り糸を接続した。
「スタンダップ、襲さん。いろはたちの力、見せてあげましょう!」
 彼女の家の蔵に封じられていたという大きな武者鎧、からくり人形『襲』。
 襲はずだんと足を踏み出すと、恐るべき速度で明石全登へ詰め寄っていく。
 腰の刀を掴み、抜刀。
 明石全登は跳躍によって刀をかわすと、その後ろで人形をあやつるいろはへと狙いを定めた。
「――ッ!」
 頭上に翳した手。伸びた頑丈な糸が明石全登の刀を受け止める。
 と同時に、背後から襲の刀が迫った。
 明石全登はスピンをかけ、襲の刀を受け流す。
 更に襲から摩擦力を取り去ると、掌底によって吹き飛ばした。
 いろはの手から操り糸が抜け、襲が道場の壁へと激突していく。
 主力武器を失った、窮地――にみせかけて。
「『七星七縛符』!」
 今こそが、勝機!
 いろはの放った護符が明石全登に命中し、彼の動きを封じ込めた。
「今です! だれか……!」

苦戦 🔵​🔴​🔴​

清川・シャル
真の姿でボコりましょう
角伸びて目が赤くなって、にやーって笑ってぼっこぼこにする感じです
それだけ

よし、姑息な手は使わず一気に正面衝突っ!
鬼金棒での攻撃、UC
チェーンソーモードになるので、めり込み次第、棘を回しますね
先制攻撃、捨て身の攻撃、2回攻撃、鎧無視攻撃

前回に引き続き、不利になれば鬼金棒は投げておきます

次手は村雨を抜刀
切るほど威力とスピード増すっぽいです
生命力吸収、早業、串刺し

それでもしんどければ、ぐーちゃんを零距離射撃しますね
流石にクるでしょ?

ふふ、永遠におやすみなさいです、よ~



 誰か。
 呼び声は誰をさしたものでもなかったが、彼女はそれを自分のことだと理解した。
「ふふふ」
 清川・シャル。
 鬼の子。
 異端の子。
 桃色の和服を着込み、ショッキングピンクの棍棒を握りしめ、目を……目だけを、紛れもない鬼のそれに変えていた。
 いや、ほんの僅かに主張していた彼女の黒い角も、今や立派に長く伸びているが、それを忘れさせるほどに。
「ぼっこぼこに、してやりましょう」
 シャルの目は、赤く赤く燃えていた。
 跳躍。
 打撃。
 爆発。
 ごくシンプルなハンマースイングだけで、道場の床と周囲の風景がまとめて吹き飛び、明石全登がきりもみ回転しながら吹き飛んでいった。
 それを追って走り出すシャル。
 棍棒についたトゲがチェーンソーのように回転をはじめ、鬼の咆哮のように唸り始める。
「せー、の!」
 それを、力任せに叩き付ける。
 刀で防御しようとした明石全登は、その刀と腕を丸ごと粉砕され、再び遠くへ吹き飛ばされた。
 橋を破壊し、浅い川へと落下する。
 はっと見上げた明石全登へ、刀を突きだしたシャルが流星のごとく突っ込んだ。
 川の水が吹き上がり、雨のように降り注ぐ。
 身体を貫いた刀を深く突き込んで、シャルはもう一度笑った。
「永遠に、おやすみなさいです、よ~」




 道場破りの噂は一日だけ広まり、そのすぐ後にイェーガーたちの活躍に塗りつぶされた。
 日本の武芸を破壊し塗りつぶそうとしていた明石全登の企みも、その存在も、イェーガーたちの力と存在によって破壊されたと考えれば、皮肉なことなのかもしれない。
 破壊された道場もいつの間にやら修復され、今日も各道場では未来の達人を目指して多くの生徒たちが日々鍛錬に励んでいる。
 きっとそれが、皆のいう平和というやつなのだろう。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年01月23日
宿敵 『明石全登』 を撃破!


挿絵イラスト